約 2,345,643 件
https://w.atwiki.jp/haruhioyaji/pages/357.html
親父抜きの大晦日その後^2から おれとハルヒは、日付と年が変わるのを待つというより、むしろ迎え撃つように、お重に入り切らなかった和洋中のおせちを、互いに競い合って腹に詰め込んだ。 箸と箸でつばぜり合いを演じているうちに、どこかこの近くの寺の鐘が108つをとっくに越えて突かれまくり、ようやく最後の鐘となったところで、主のいない涼宮家の電話が音をたてた。 「誰よ、こんな時間に?」 「当然、親父さんだろ?」 「あー、あいつなら、やりかねないわ」 となおも箸を止めないおれたちのかわりに、ハルヒのお母さんが受話器を取った。もとい、スピーカーのスイッチを入れた。 「皆の衆、ハッピィ・ニュー・イヤー。なんだ、キョン、まだいるのか?」 「いちゃいけないっていうの? 話によっては相手になるわよ!」 「年越しだ。過去の遺恨は水に流せ」 「正月早々、下水が詰まりまくりよ」 どれだけ膨れ上がったか見当もつかない遺恨の方はさておき、 「では、改めて。あけましておめでとう。今年こそ、いい年だといいな、バカ娘」 「去年も、今年も、来年も、ずーっとあとまで、毎年がいい年よ、あたしは。 ね!」 ハルヒ、電話の向こうとはいえ、親父さんの前で、そのアイ・コンタクトに応えろというのか。 「ね!!」 わ、わかった。わかったから、まずフォークとナイフをテーブルに置けって。そんなもの人に向けるな。 「ああ、そうだな。……親父さん、明けましておめでとうございます」 「うむ。宇宙の命運はおまえにかかってるからな。今年は長門の映画もあるし、よろしく頼むぞ」 いや、メタとはいえ、そのネタ振りは鬼門の上に長門で、しかも前門の虎、後門の狼では? 「有希の映画ってどういうこと!?」 まてまて、ハルヒ。新年に入って、たった1分で暴れるな。 「キョン、前売り券は団員分、確保してあるんでしょうね?」 そっちかよ!? この上、リアクションの取れないメタ・ネタをかぶせてくるな。収拾がつかん! 「舞台挨拶はどことどこ!?」 だから、収拾がつかないんだって!! 「二人とも、そろそろ出なくていいの?」 さすがは、ハルヒの母さん、ナイスなタイミングで助け舟を出してくれる。 「そうだわ。いくわよ、キョン!」 「じゃあ、親父さん、失礼します」 電話の向こうに挨拶する。 「ああ、また、近いうちにな」 何でもないようでいて、伏線めいた言葉を、親父さんは笑って言った。 ハルヒとおれは、深夜の初詣をすませ(その間の出来事は、諸般の都合により割愛する)、再び涼宮家の前まで戻って来た。何故だか雪はすっかりやんでいて、星まで見える始末だ。ま、わるいことじゃないけどな。 「じゃあ、駅前に9時きっかりに集合だからね!」 新年早々、SOS団は今年もそろって初詣ラリーである。 「わかってる」 「帰りはSOS団のみんなもうちに来てもらうわ。あたしたちだけじゃ食べ切れないもの」 「ああ、それがいいな」 でないと食べ切れんし、もったいないお化けが出る。 「きょんくーん、おそーい」 妹め。年越しとはいえ、午前2時を回ってるぞ。 「遅いのはおまえだ。いつまで起きてるんだ? 明日の集合に寝坊しても、置いてくぞ」 「だって、キョン君に『おめでとう』って言わないと」 妹よ、なんと殊勝な心がけだ。 「むにゃむにゃ……でよかったね、おめでとう、キョン君」 何だって? 何がよかったんだ? 「だから、むにゃむにゃ……だよ! もう、新年早々、すごいふぃるたー!」 なにしろ新年だからな。明日は早い。世間的には普通だが、あいつらに世間の常識は通用しないからな。早く寝ろよ。無論、おれも寝る。 「うん、おやすみ、キョン君。おいてっちゃお仕置きだよ」 親父抜きの大晦日その後^4へ
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/1594.html
862 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/31(水) 20 54 12 ID ??? シャア「わははははは」 アムロ「はははははは」 マイ「あはははははは」 セレーネ「きゃははは」 シロー「あははははは」 アル「皆真っ赤で楽しそう……お酒ってそんなに美味しいの?」 ロラン「大人は酒で嫌な事を忘れるものなんですよ」 アル「う~ん、僕、まだ大人にならなくてもいいや……」 ジュドー「いけー!そこだー!」 ガロード「何やってんだよー。そこでハイキックだってのー!」 刹那「頑張れ、ドモン兄さん!!」 アル「こっちはこっちでG-F2008に出てるドモン兄さんを応援……」 ロラン「皆好き勝手やってますね。らしい、と言えばらしいですけど」 マリナ「あ、先生…お手伝いします」 ナナイ「うちの人がどんちゃん騒ぎまして…すみません」 ロラン「助かります…あ、それはそっちに……」 大晦日までこんな調子のガンダム一家なのでした。 865 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/31(水) 21 35 52 ID ??? 862 シロー「あはははは(ry …何だか今日の酒はよく回るな。目が回ってキラが3人に見え……?! キラ1「あと数時間ほどで新年だよ。頼まれてたプログラムのデバグも終わったから安らかに新年を迎えられるよ」 キラ2「寒いのヤダ寒いのヤダ誰が年明け早々初詣なんて言い出したんだ。エロゲで年越しでもいいじゃないか」 キラ3「何を言ってるんだフリーダムでシンにやられた僕。ラクスと約束したのにそれを破れるわけないじゃないか」 キラ1「やめてよね、ラクスに約束を取り付けたのは僕なんだから」 キラ2「やめてよね、アスランのイージス自爆に巻き込まれた僕。フレイもいるのにどうするんだよ。 フレイに手を出してたのは君なんだから、君が責任を持って面倒見るべきじゃない?」 キラ3「そうだよ、アスランのイージス自爆に巻き込まれた僕のやったことで僕まで非難されるのは割に合わないよ。 そういうわけでちゃんとラクスとの約束は守ってね、フリーダムでシンにやられた僕」 キラ1「待ってよ、それじゃ君はどうするんだ、デスティニープランに逆らった僕」 キラ3「僕は運命ではなく自由意志で新しい愛を探しに」 キラ1・キラ2「自分勝手なことをーっ!!」 シロー「いったい何を言ってるんだキラー!!…あれ」 自分の叫びでシローは我に返った。 マイ「シロー兄さんこそ何を言ってるんです?」 シロー「へ?あれ…キラが三人いたよな。マイ、お前も見ただろ?姉さんも」 キラ「僕はもともと一人じゃないか。大丈夫?兄さん」 セレーネ「調子に乗って飲むからよ。ほら、指は何本?」 セレーネはシローの目に前で指を出して見せた。 シロー「2本…人差し指と小指…」 セレーネ「右と左どっちに動いてる?」 シロー「動いてないじゃないか」 セレーネ「うーん、引っかからないか。正常みたいね?」 シロー「だからキラが3人いるってさっきから」 セレーネ「1人じゃない」 マイ「質量のある残像ですか?出てませんよ」 キラ「兄さん疲れてるんじゃない?夜勤も続いたし」 シロー「そんな…アムロ兄さんなら気づくよな。兄さん、兄さん!」 アムロ「……ん、何だい?日付変わったのか?」 シロー「駄目だ…舟こいでた」 キラ(ふう、危なかった)
https://w.atwiki.jp/sasasa123/pages/737.html
大晦日江璃 「おおみそかえり」と読む。ただのテンプレ勢。一人称は迂生。 「C-Spinners」の設立者兼所属。程よく切磋琢磨するために設立。 テトリス?実力なんてあるもんか。スイッチでは対人はあまりやらない(オンライン面倒だし1500帯の人が強すぎて萎えた)。 よく使うテンプレ?TDでいうと新・三種の神器(MS2はちみつ迷走)とホットケーキ、オリーブ、MS3、ガムシロ、如月、PCOKのIホールド、塩焼き砲4号、1/11砲、LJ土台くろみつ砲らへん。 その他でいうと璃畏怖5P(何それという人多い)、もっちパフェ、ピラミッドSDTD、StickSpin、メカニカルTSD達、DTTKI 新DT、BT、ET、いんたい、Crowbarとv2らへん。 成績 PPT(ぷて)3DS マラソン 100万とちょっと スプリント 59sec台 ウルトラ 61870 レート 6000台でフィニッシュ PPTS スプリント 59.06 ウルトラ 54064 PPT2 スプリント 57.00s ウルトラ 54047 マラソン 1044750 レート パズルリーグ 1400ら辺をうろちょろ テトリーグ 1500 ぷよリーグ 1008 スキバトリーグ 1008 TETR.IO スプリント 1 11(雑魚) ウルトラ 28万 jstris スプリント 56秒台 因みに、solution finderなんてものは迂生にはない。EXページ作る上でアオタクさん笹さんにお世話になってる。ただ画像放置しちゃってるのは大変申し訳ない。 テトリス以外 妖怪ウォッチバスターズ廃人。 大辞典コンプは既に達成。 3DSサ終したから妖ウォ4++のぷらぷらバスターズに転身したけどあんまやる機会ない。協力プレイしてくれる人いたら連絡pls。 因みにデュエマ(TCG)は超やり込んでる。CS出たことないけど。 最近焼き鳥くんだからそろそろCS出る。札幌のDMPの方がいたら迂生まで。 使用デッキ デイガファイアーバード、5c蒼龍、アナカラーハンデス、シータカウンターノヴァ、4cミステリーキューブ、リース龍覇爆炎、5cバラモルド、5c禁王創来 ラブライバーだが最近ラブライブ!シリーズに触れれていない。誰か話そうぜ。 バンドリーマー。誰か協力ライブしよ。 ディグラー。誰か協力ライブしよ。 グルコスプレイヤー。ACサ終したから基本Switch。誰か対戦しよ。 劇中米もやってるけどそんな頻度は少ない。 メダルゲーマー。最近サブホの預けなくなった。 ドリームスフィアっていうやつやってるのでメダルゲーマーは勿論メダゲーに興味あったりする人は迂生まで。 Vekoma(海外のジェットコースターメーカー)のSuspended Looping Coaster(SLC)マニア。いつか富士急ハイランド行きたいなぁ。もちろんちゃんと優先券も買う。 整理Wikiが取り扱っていない部分を中心に扱うここの管理人。(不定期更新なのでほとんど更新されないですが4月から少しずつやっていく所存) X(ツイッター) ※ログアウト中 普通の高校生活中。 「Excelの印刷プレビューは最後まで信じるな」 「過ぎたるは猶及ばざるが如し」 が座右の銘。 よろし久米島。
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/515.html
1.餅つき 「次、誰がやるんだ?」 「よし、俺が行くぞ」 「じゃ、こねる方は私やるね」 商店会では毎年恒例の餅つき大会が行われていた。 「これを見るともう今年も終わりなんだなあと実感するな」 眞一郎がしみじみと言った。 「このつきたてのお餅にあんこ絡ませて食べるのがおいしいのよねえ」 愛子はもう食べる想像でにやけている。これに対して三代吉が異を唱えた。 「何言ってるんだ。餅にはきな粉だろ」 醤油と砂糖こそが至高と信じる眞一郎は、どちらの味方もしなかった。 本格的に杵と臼で餅をつくこの行事は眞一郎達が生まれる前から続いており、各商店が 廃材などを持ち寄って盛大に火を焚き、その横で餅米を蒸して餅をついていく。子供用の 小さな杵もあって、眞一郎も愛子もここで餅つきを初体験した。 三代吉は姪の美鈴を連れてきていた。子供用としても美鈴にはまだ早いのだが、本物を 見せてやれば喜ぶだろうと思ったのと、姉の一枝から「大掃除の邪魔だから」と押し付け られたのである。 その美鈴は初めて見る本物の臼と杵を見て、 「な~に~、やっちまったな~」 とはしゃいでいる。 「ね、眞一郎、比呂美ちゃんは?」 愛子が訊いた。 「お袋からおせち習ってる。出来上がるまで俺も親父も台所立ち入り禁止だ」 「いいなあ、彼女の手作りのおせち料理いいなあ」 三代吉が羨ましがって見せると、愛子が 「何よ、あたしだっておせちくらい作れるわよ」 と言い返した。 「作れたの?本当に?」 「愛子さんをなめるなよ。栗きんとんも煮豆も昆布〆もなんでも来いよ」 愛子は腰に手を当て反り返り気味に胸を張った。そんな事をしても全く大きく見えない。 そのポーズが気に入ったのか美鈴が真似をしてふんぞり返った。 「美鈴、なぜお前まで威張ってんだ」 「凄いな、愛ちゃん、比呂美はほとんど作れないって言ってたぞ」 普通のシチューや味噌汁なら問題なく作れるが、さすがにおせちとなると独学でどうこ う出来る料理ではない。 「お母さんにね、習ってたの。味は作った時次第なんだけどね」 三代吉が振り返った。 「それ、作れるって言うのか?」 「いつも同じ味が食べたかったらお店の買ってくればいいのよ。口に入れてのお楽しみが 家庭料理の醍醐味なんだから」 愛子の主張を聞きながら、眞一郎は正月に出てくる料理が少しだけ不安になった。 (けど、まあ、大丈夫だろう) そう結論付けて餅つきを見ていると、誰か次にやりたい人を呼びかけていた。 「よし、俺がやってみよう」 三代吉が上着を脱いだ。 「じゃあ、あたしこねるね」 愛子も三代吉について臼に向かっていく。 「てな事で眞一郎、美鈴と上着頼むわ」 「え?あ、おい……」 「しんいちろー、みすずもつく」 「え?」 美鈴が眞一郎を見上げていた。 「つく」 「あー…と、ちょっと待って………」 眞一郎は子供用の臼を見た。 幸い今は順番待ちもなく、行けばすぐにやらせてもらえそうだ。 「――よし、じゃあ、あっちでやらせてもらおう」 片手に三代吉の上着、片手に美鈴の手をとって子供用の臼へ。 「よし、俺も手伝ってあげるから、安心してつけ」 美鈴に杵を渡し、上の方を持って支えてやる。臼の前に立って、 「――せーの、ヨイショッ!」 声に合わせて杵を下ろす。いい感じだ。 誤算は、美鈴が見かけ以上に腕力があるということだった。何回かつき、調子に乗って きた美鈴が振り下ろした杵を力任せに振り上げた。 「痛ッ」 油断していた眞一郎、杵を頭で受ける。一瞬目の前が暗転し、火花が見える。 「あー、眞一郎!?」 「悪い悪い、そいつ、調子に乗せるとそうなるんだよ。大丈夫か?」 明らかに悪いと思っていない三代吉の言葉を、眞一郎は頭のこぶを気にしながら聞いて いた。 2.あさみさんの平穏な年末 「さ、みんな上がって」 あさみがスリッパを並べながら言った。 「おじゃましま~す」 上がってきたのは朋与、真由、美紀子だった。 夏から続けているあさみと朋与の料理特訓は、いつしか真由をも巻き込み、この年の瀬 になっても変わらず開催される事になった。 「腕前も夏から変わる事がないのよね」 美紀子が重々しく断言する。朋与が口を尖らせて抗議する。 「ひどいわね、ちゃんと進歩してるわよ」 「例えば?」 「…………ラーメンにモヤシ入れる時ちゃんとひげ切ってから入れるようになった」 美紀子は大袈裟にため息をつき、真由は天井を見上げた。 「何よ、『ローマは一日にして為らず』とか言うじゃない。包丁を持つようになっただけ 大きな進歩よ」 「言いたい事は判るけど、微妙に間違えてるような……」 真由が首を捻った。 「ローマが為るまでどれだけかかることか……」 これは美紀子だ。 「言ってなさい言ってなさい。ウサギと亀の話のように最後には私が追い越してやるんだ から。その時になって驚くな」 「今のままならアキレスと亀じゃない?」 「しかも後ろ歩いてるのが亀ね。追い抜くの絶望的だわ」 言いたい放題の二人と共に、朋与はあさみの家のキッチンに入った。 「――おおう!」 思わず朋与から声が漏れた。色気皆無なのは仕方あるまい。 「うわぁ最新式のキッチンね。明るくてきれい」 真由も感心している。 「こんなきれいなキッチンでなんであさみは料理しようとしないんだろう?」 美紀子の言葉は皮肉というよりは純粋な疑問だった。もっとも、料理好きというのは設 備が古くても器具が少なくても料理する人種なので、設備は料理の意欲になんら反映され ないものかもしれない。 「じゃ、始めましょうか?」 あさみが号令を発した。親の持ち物とはいえ、キッチンを褒められて悪い気はしない。 「だけど、クリスマスも終わって新年も間近って時に、なんでケーキな訳?」 美紀子の疑問は至極もっともなものであった。が、あさみにはあさみなりの論理がある らしい。 「だって、お雑煮はお母さんかお兄ちゃんに習えばいいし、おせちなんて初めから作れる と思ってないし、それならケーキでいいじゃない」 他の料理を一切経由せずケーキに辿り着く思考はやはり美紀子には理解できなかった。 「じゃ、今日はなんのケーキ?普通にイチゴショート?」 考える事の不毛を悟った真由はエプロンを着けて用意をしている。朋与が待ってました とばかりに答えた。 「ブッシュ・ド・ノエル!」 「待て待てーい!」 美紀子が間髪入れず異議を唱えた。 「何よ~?」 朋与が水を差されて腕組みする。真由がさすがに美紀子に同調して説明を求めた。 「ね、ブッシュ・ド・ノエルって、クリスマスケーキなのよ。何も今作る事ないんじゃな いかしら?」 「え、あれってクリスマスのものなの?」 驚いたのはあさみである。 「ノエルって、フランス語でクリスマスの事なの。だから、クリスマス以外の季節ではケ ーキ屋さんでも見ないでしょ?」 「言われてみれば……」 「じゃ、ブッシュって何?」 朋与の質問に真由は記憶を辿った。 「……薪、だったかな?」 「ふーん」 「でも、どうするの?材料それで買っちゃったわよ」 あさみが悲しそうに言った。美紀子がさすがに言い過ぎたと思ったか、慰めるように 「チョコレートケーキでいいじゃない。材料はほとんど変わらないし、ね?」 と言うと、あさみもようやく気を取り直した。 「そうだよね、それでいいよね」 「よし、それじゃ、行ってみよーう」 朋与が高いテンションで号令した。 「おかしい……なんでこうなったんだろう?」 美紀子が呻いた。 「材料の分量もちゃんと量ったし、オーブンの設定も私が見てたのに」 真由も困惑しきっている。 「あたし、ちゃんと混ぜたよ~」 あさみが弁解するように言った。 三人の目の前には「ケーキとなる予定だったもの」が置かれていた。材料、分量、作業 工程、何一つ間違えていないはずなのに、出来上がったのは「直径二十センチのチョコレ ートクッキー」だった。 朋与が覗き込み、明らかに落胆した調子で言った。 「あ~あ、どうすんのこれ。せっかくあたしが手が痛くなるほどすばやくかき回したのに」 それを聞いた真由と美紀子、それにあさみは一瞬目を合わせた。そして三人同時に朋与 を向いた。 「あんたか!」 3.除夜の鐘 「お兄ちゃん、おそば食べる?」 乃絵が訊いた。 「ああ、食うよ」 俺が答える。 ただそれだけの事が無性に懐かしく、そして新鮮だ。 今年も後数時間で終わる。俺は久し振りに、家族の住むこの家に帰って来ていた。 「鴨は入れる?」 「ねぎもたっぷりな」 「わかった」 乃絵は嬉しそうだ。お盆にも帰らず、文化祭の時は乃絵に連絡すら入れていない。久々 に俺に会えて単純に喜んでいるのだろう。 「しかし、母さんもこんな日に当直入れることないのにな。俺が帰らなかったら乃絵一人 にする気だったのか」 「仕方ないよ。病院は全員は休めないって判ってた事だもの」 乃絵が物分りのいい事を言う。 「もしお兄ちゃん帰ってこなかったら、桜子が来ていいって言ってくれてたし」 「桜子?ああ、学校の友達か」 俺が家を離れた頃から仲良くなったと、電話で聞いた事がある。しかし、大晦日に他人 が入ってくるのはいくらなんでも家族が嫌がらないだろうか? 乃絵はそんな俺の疑問を明快に否定した。 「家で商売やってて、大晦日は従業員の人も集まって年越しを迎えるんだって。だから私 一人増えても全然平気なんだって。桜子のおばさんからもどうぞって言ってもらったの」 とりあえず一人ぼっちにはならないで済んだらしい。乃絵にそんな友人が出来た事は素 直に喜ぶべきなのだろうが、同時に乃絵がまた少し、自分から離れて行くような寂しさが ある。先に距離を置こうとしたのは俺からなのに、勝手なものだ。 「どうしたの、お兄ちゃん?」 「ん?いや、何でもない」 俺はごまかした。俺の方が離れていて寂しかったなどと言うのは認めたくない。 「そば出来たか?」 「うん!」 乃絵がそばを持ってきた。つけそばではなく、温かい鴨南蛮だったが、寒い富山ではこ の方がありがたい。 「はい、どうぞ」 「よし」 俺は箸を手に取った。不思議なもので、箸などどれも同じだと思っていたのに持った瞬 間使い慣れた、手に馴染む感覚が心地いい。 「いただきます」 一口啜る。やはり乃絵の料理は美味い。贔屓目である自覚はあるが、料理なんて食う当 事者が美味いと思えば第三者の評価なんて意味を成さないものだ。 「なあ、テレビはこれでいいのか?」 テレビではお笑いタレントが仕掛けられたドッキリで笑わないよう必死に堪えている。 とりあえず点けているだけだが、別に乃絵が見たい番組があるなら変えても構わない。 「うん?別に何でも構わないよ。お兄ちゃんの視たい番組あればそれでもいいし」 「いや、俺も何でも構わない」 と言って、テレビを消すと静か過ぎてつまらない。結局そのままにしておいた。 「――それよりさ、お兄ちゃん、もう少ししたらお寺行かない?」 「寺?神社じゃなくてか?」 「うん、除夜の鐘、撞かせてくれるんだって。ね、行こ?」 「混むんじゃないか?並んでも撞けないかもしれないぞ」 寺院としても、百八回以上撞くわけにもいかないだろう。 「でも、行ってみたい。私、除夜の鐘って実際に撞いてる所見たことないの」 「うーん……」 俺は少し考えた。撞ける、撞けないは別として、除夜の鐘を間近で聞くと言うのはそれ なりに風情がある。行ってみるのは悪くない。 俺が気にしているのは「そこで誰と出くわすか」である。高校時代の友人はまあ、いい としよう。シスコン呼ばわりには慣れている。湯浅比呂美と仲上眞一郎はどうか。顔を合 わせる確率は高いかもしれない。しかし、知らん顔ですれ違ってしまえば問題ないだろう。 向こうも二人で歩いていれば他人の顔でやり過ごしてくれるはずだ。本当に二人の世界に 入ってこっちに気付かないと言うならそれが一番いい。それはそれでからかってみたい気 分にはなるが。 問題は高岡ルミだ。奴が来ていたとして、町に戻ってきた俺に一言もなく立ち去ってく れるとは思えない。俺一人ならどうとでもなるが、乃絵に火の粉がかかるのは避けたい。 「どうしたの、お兄ちゃん」 「あ、いや……」 思っていたより長く黙りこんでいたらしい。乃絵が不思議そうに覗き込んできた。 「その寺はどこにあるんだ?」 「場所?山の方。ちょっと寒いから厚着していった方がいいよ」 高岡家からは遠いか。考えてみれば初詣で神社に行く方が可能性は高いし、俺なら相手 より先に見つけられるだろう。それから考えても遅くはない。 「よし、行ってみようか」 俺は乃絵にそう答えた。その時の乃絵の笑顔は俺が返って来てよかったと思うに十分だ った。 4.年賀状 「おばさん、年賀状届いてました」 比呂美が入ってきた。 「ありがとう。悪いけど、ついでに仕分けてもらえる?会社宛と個人宛で」 「はい、わかりました」 居間に座って葉書の宛名を確認し、山を作っていく。当然というべきか、仲上酒造に宛 てたものと家長たる仲上比呂志宛が多く、ついで学校の同級生からの眞一郎宛、理恵子個 人に向けた年賀状はごく僅かであった。 理恵子は台所で洗物を片付けると、お茶を淹れて居間に戻り、比呂美に差し出した。 「はい、比呂美ちゃん」 「ありがとうございます」 「――あら、今年は眞ちゃんの年賀状が多いわねえ」 何の気なしに言った言葉であったが、比呂美は一瞬複雑な表情を見せた。 「……?」 理恵子は言葉には出さず、眞一郎の年賀状を手に取って見た。 (ああ……) 理恵子は一瞬で理解し――そして苦笑を押し殺した。 年賀状には女文字で女子の名前が書かれていた。裏を見ると 「明けましておめでとうございます。一年D組の濱野由香と申します」 と書かれている。その下もやはり名前は明らかに女子だ。 「去年もそこそこあったのよね、あの子も知らない人からの年賀状」 「……別に、気にしてませんから」 半瞬の間に比呂美の気持ちが伝わってくる。昨年も踊りで花形を務めたことでそれまで 見かけなかった数の女性名の年賀状が届いたが、今年はさらにその数が増えたようだ。し かし、昨年と違い、比呂美の存在は高校においても麦端という町にあっても「公然の秘密」 であり、比呂美にしてみれば「判ってて何してくれる」との思いがどうしても出てくるの だろう。 だからと言って心配することでもないのに、と理恵子が考えた時、ある事に気がついた。 「比呂美ちゃん、あなたの所にも知らない男性から年賀状が届いたんじゃない?」 「え?」 比呂美が驚いた顔で理恵子を見た。どうやら図星らしい。 「い、いえ、私のところには……まあ、ほんの少しは…………」 しどろもどろで説明する比呂美は、恥ずかしがっていると言うより本気で弁解している ように見えた。理恵子から何か咎められると心配しているのだろうか。 理恵子は比呂美を安心させるように微笑んで見せ、優しく言った。 「ちょっと注目浴びると、その瞬間(とき)だけはファンが増えるものよ。大部分はすぐ に飽きていなくなるわ」 「それは…そうなのかもしれない、ですけど……」 「そうなのよ、二十五年前には私も散々やきもきしたんだから」 「あ……」 比呂美も気がついたらしい。口元に手を当てる。 「そんなファンレターに何書いてあっても、比呂美ちゃんは気にもならないでしょ?眞ち ゃんも同じよ」 少しは頬が緩むかもしれないけど、それくらいは許してあげないとね、と言って理恵子 は笑った。 比呂美としては眞一郎がこの見知らぬ女子からの年賀状を見てニヤニヤしてる姿など想 像するだけで噴飯ものなのだが、何も反論しない事にした。理恵子が同じ思いを潜り抜け た上でそう言っている事がわかったからである。 「おじさんの時も、凄かったんですか?」 比呂美は訊いた。理恵子は少し懐かしげに頷き、 「そりゃあもう。バレンタインなんて、一人で持って帰れなくて私がかばんひとつ分手伝 ったくらいだもの」 話しながら声に険が出てきた。思い出して怒りがこみ上げたのだろう。と言ってもすぐ に機嫌を直した。 「その時に較べたら、こんなのかわいいものよ。年賀状でこれならバレンタインの頃には もっと減ってると思うわ」 自分の息子を「夫ほどもてない」と評するのも妙な気がするが、比呂美を元気付けるた めにそう言った。ひろしの場合、当時は理恵子も周囲から恋人とは認識されておらず、比 呂美という事実上婚約者に近い見方をされる伴侶を持つ眞一郎とは条件が違うのだが。 「ただ、ちょっと問題ね……」 理恵子は顎に手を当てて考え込み始めていた。 「おばさん?私もそんなに気にしてるわけじゃありませんから――」 「そっちじゃなくて」 理恵子は顔を上げた。 「比呂美ちゃんの知らない男から年賀状が来た、と言う事は、その人は比呂美ちゃんの住 所を知ってるって事よね?そっちの方が心配だわ」 一人暮らしを始める時には乗り越えるべき葛藤も清算するべきしがらみも――比呂美に も、眞一郎にも、そして理恵子にも――あったのだが、現在はその全てが解決している。 それでも比呂美にアパート暮らしを許していたのは、それまで十五歳の少女に課すべきで ない忍耐を強いていた事に対する代償行為としての側面がある。比呂美が羽目を外し過ぎ るのではないかと言う懸念も杞憂に終わり、あとは学校側から婉曲な表現で眞一郎との交 際について牽制される程度、しかも理恵子は完全に無視していたので、何も問題はなかっ た。だが、比呂美の周りに危険が近づいているとすれば、理恵子は比呂美を守らなければ ならない。 「そろそろ家に帰ってこない?」 理恵子は切り出してみた。そこまで大袈裟に心配する事ではないかもしれないが、丁度 いい頃合かもしれない。 「もちろん比呂美ちゃんがよかったらだけど。部屋はいつでも使えるようにしてあるし、 もし必要ならもう一部屋空けることも出来るわ。受験も控えてるし、自炊も大変になって くるでしょ?家ならその点でも安心だわ」 「おばさん、お申し出は嬉しいですけど、もう少し、このままで……」 比呂美は遠慮がちにその申し出を断った。 「そう、そうでしょうね」 理恵子もあまり拘泥しなかった。 「けど、戸締りは気をつけてね。比呂美ちゃん、よく確認もしないでドア開けるのはよく ないわよ」 「あ…はい」 「暗くなる前には帰るようにするのよ。出来るだけ眞ちゃんに送ってもらうようにね」 「はい」 「それから――」 なおも言葉を継ごうとして、理恵子は止めた。 「ごめんなさい、私が言わなくても判ってる事よね」 そう言って理恵子は席を立った。 「そろそろお雑煮温めなきゃ。比呂美ちゃん、お餅いくつにする?」 「え、えっと、3つで」 「それじゃ、用意するから眞ちゃんと主人を呼んできてくれるかしら」 「はい」 比呂美も立ち上がった。部屋を出ようとして足を止め、理恵子を振り返る。 「あの、おばさん」 「ん?」 「ありがとうございます」 深く頭を下げて比呂美は部屋を出た。 了 ノート 本当はひろしと丁稚がそば打つ話も書いてたのですが、いくら書いてもオチがつかないので断念。天然2人だと話が進まないことを再確認。 4番は年末、印刷所のコミケ進行で地獄を体験して疲れきって帰郷。ルミは神社に行って遭遇してません。 ママンと比呂美は「やきもちを焼く比呂美をからかうママン」のつもりで書き始めたら、比呂美にも女踊りでファンがついた、となったら 「ストーカーにでも狙われたらどうしよう」とママンが騒ぎ始め、いくらなだめても比呂美を家に戻すと聞かないのでこんな話に。本当は ママンこれでも納得してないのを正月から角立てないでとやっと妥協してくれたんですよ。 ちなみに年賀状の「濱野」はサッカーのカターレ富山のキャプテンの名前です。
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/4871.html
ダイナマイト刑事 ダイナマイト刑事2 コメント セガが1996年から発売したアーケードゲーム。家庭用ゲーム機にも移植されている。 開発はAM1研。 ダイナマイト刑事2 サメハダー:サメ男 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 ダイナマイト刑事 ニドキング:ブルーノ・デリンジャー警部補 アゲハント:シンディ・ホリディ警部 キリキザン:ウルフ本郷 ドレディア:キャロライン・ヨーコ・パウエル ダイナマイト刑事2 コジョンド:ジーン・アイビー ダゲキ:エディー・ブラウン伍長 キングラー:カニ男 -- (ユリス) 2016-12-03 16 16 40
https://w.atwiki.jp/imasakarailway1073/pages/23.html
大晦日・元日の運転(2022ー2023) 今急電鉄では、2022年12月31日夜中から2023年1月1日明け方にかけて、一部路線で終夜運転を実施致します。実施する路線と運転間隔は次の通りです。 黒崎小岩ライン 有坂〜新白根 約10分間隔(0 00ー2 00·3 40ー4 30、それ以外は20分間隔) 新白根〜本小岩 約20分間隔 本小岩〜新松原 約40分間隔 黒崎小岩ライン·今宮線 新松原〜今宮 約1時間間隔 中央線 有坂〜高山 約20分間隔 高山〜平城山 約40分間隔 水上線 山中〜東出 約10分間隔 山中〜前川 約20分間隔 横倉スカイアクセス線 松川橋〜横倉空港 約20分間隔 松代線 新松原〜平城山 約30分間隔 尚、元日の初詣や年末年始の帰省·旅行に便利な臨時列車の運転も予定しています。 (運転日1週間前10 00から予約開始) 快速 初詣横倉神宮 1号 新赤倉→神宮前 12月31日運転 11号 今宮→神宮前 21号 新松原→神宮前 31号 小原→神宮前 特急 ナイトエクスプレス秋川 101号 新赤倉→西秋川 102号 西秋川→新赤倉 用途に合わせて是非ご利用ください。
https://w.atwiki.jp/aopen4/pages/725.html
繋がりの会×友好の会 春休み交流大会! 繋がりの会×友好の会 春休み交流大会! 開催日:4月3日 朝10時 集合時間9時30分 参加資格 誰でもOK! もちろん友好、繋がり民以外でも! 募集人数 何人でもOK! 現在の参加プレイヤー 名前 使用チーム ワンニャン まれ 亀 あ 帝京魂 象 だ〜れマン 参加方法 下のコメント欄で「参加したいです」とコメントしてください 集合場所 友好チャット 大会ルール ・トーナメント形式で進めます。 ・使用可能チームは福岡、広島、阪神、大阪、埼玉以外のドリームリーグ7チームとダイナマイトリーグ8チームです。 無料ゲーム繋がりの会 主催:青ペン先生 mp コメント欄 参加希望 -- ワンニャン (2015-03-28 06 49 03) 集いとおんjも誘いませんか?楽しくなると思いますよ!参加します -- まれ (2015-03-28 10 17 36) もちろん宣伝はしますよ〜 -- 名無しさん (2015-03-28 10 20 26) 参加したいです -- あ (2015-03-28 11 19 22) できれば参加できる時間と参加する時のチームもよろしくお願いします! -- 名無しさん (2015-03-28 12 58 10) 参加希望です!使用チームは象、30日,4月1日は無理です。 -- 帝京魂! (2015-03-28 13 47 10) 亀でお願いします。春休み明けないと長期の試合は無理そうです。。。 -- まれ (2015-03-28 20 07 02) 参加希望!!! -- だ〜れマン (2015-03-28 22 38 00) 3/31~4/2がベスト、チームは未定、 -- だ〜れマン (2015-03-28 22 39 09) チームは未定。日にちは高校野球終わってからぐらいかな -- あ (2015-03-29 09 12 43) なつさんは四月にならないと来ないんだよね?あs -- まれ (2015-03-29 09 28 44) ↑うnw大会と何の関係があるのw -- あ (2015-03-29 11 58 10) いや、この機会になつさんにダイ野を教えようかなーってw まあ、スマホで来ちゃったら意味ないけど・・・ -- まれ (2015-03-30 09 22 22) 暫定ですが開催日は4月2日にしたいと思います 無理な人は言ってください -- mp (2015-03-30 11 45 31) OKです! -- だ〜れマン (2015-03-30 14 03 59) 一番いい日にちだ!よかったー。時刻は指定するなら9時からがいいです -- あ (2015-03-30 18 23 39) 時間は午前9時30分からにしたいと思います -- 名無しさん (2015-03-31 09 31 24) ↑やったーw -- あ (2015-04-01 11 43 38) 五人しかいないけど、大丈夫・・・? -- まれ (2015-04-01 13 44 01) 午前中は無理です -- 帝京 (2015-04-02 15 38 48) ちゃんとできてなくてすみません 僕のミスでした 本当にすみません -- mp (2015-04-04 22 26 09) いや、単に参加者の時間が合わなかっただけでしょう。だれのせいとかじゃなくて・・・。 -- まれ (2015-04-05 12 02 52) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhioyaji/pages/356.html
親父抜きの大晦日その後から 「お、キョンか?雪だるまになったそうだな。悪いことをした。ノートパソコン? ああ、構わん。好きなのを使ってくれ。別に、MIKURUフォルダもHARUHIフォルダもないから、遠慮するな。あと、悪いことは言わん、NAGATOフォルダには手を付けるなよ。冗談だ」 おれは悪質な冗談を華麗にスルーし、借りうけたノートパソコンをキッチンに持ちこんだ。 「親父、OKしたの?」 「ああ、本を貸してくれ」 親父さんが断るとは全く思わなかったが、これくらいはOKしてもらわないと雪だるまが夢まくらに立つと思うぞ。 おれはネットで検索し、この小さな「フランス料理のバイブル」が、1902年にオーギュスト・エスコフィエが書いた、料理人の大きなバイブルである「Le guide culinaire ル・ギッド・キュリネール(料理の手引き)」という本を、弟子の二人が覚え書き+ガイドブックとして簡略化したものであることを突き止めた。大きな方のバイブルについては、テキスト・データを見つけ(古い有名な本でよかった)、そいつの該当箇所を翻訳サイトに流し込んだ。 案の定、珍妙な日本語が吐き出されるが、本命はこっちじゃない。続いて、おれはハルヒのお母さんによって付箋がつけられた料理名と素材名をキーワードにして検索をかけた。 「どう、キョン、いけそう?」 「ああ。この本、すごいな。検索で見つかるほとんどのレシピが、この本とそっくりだ。つまりはパクリかアレンジってことだな」 「で、肝心の分量は?」 「もちろん書いてある。この本とネットがあれば、いくらでもレシピを検索できるぞ」 「ちょっと、見せて。思ったより英語のページが多いわね。これなら、なんとかなるわ」 「プリントアウトするか?」 どうせパソコンもプリンタも無線LANでつながってる。2階に上がって親父さんの部屋のプリンタの電源を入れてくればいいだけだ。 「そうね。今見たのは覚えたけど、チェックするには紙に打ちだした方がいいわね。レシピ同士の比較もしたいし」 「よし。レシピを見つけ次第、次々印刷するからな」 「あたしは一品目に取りかかるわ!」 エプロンを着けたハルヒがキッチンへ向かうのを見届けて、おれはネットでみつけたレシピをかたっぱしからプリントアウトした。親父さんの部屋を往復し、打ちだされたレシピの束を抱えて戻ると、その到着を今か今かと待っていたハルヒが、右手にお玉を持ち、空いた左手を突き出していた。 「もう一品目ができたのか」 「たまたま作ったことがあるものだったしね。さあ、次のレシピをよこしなさい!」 「まあ、待て。同じ料理でもレシピが複数ある。どれにするか選ばんとな」 「そんなの“つくレポ”の数が多い方に決まってるでしょ!」 いや、クックパ○ドじゃないし。 「あとは、写真が付いてるやつで、調理時間の短そうなやつ。今回は時間との闘いなんだからね!」 「わかった。手間と時間がかかりそうなのは除いとく」 といっても、ネット翻訳の頼りない日本語を頼りに、判読して、より分けるのだが。 「整理が済んだら、あんたもこっち来て。レシピは読み上げてちょうだい。いちいち読んでられないから」 「見事な連携プレイ、さすがハルキョンね」 お母さんまで、それを言いますか。 どっちかっていうと、重そうな中華鍋を軽々と操る方がすごいと思うのだが。 「テコの原理で力はあんまりいらないの。中華はこの鍋一つでできるし、なにより調理が速いから有利なんだけど、日本料理は材料ごとに別々に煮たりしなきゃならないから、これくらいのハンディは大目に見てね」 大目に見るもなにも、おせち料理も勝負なんだろうか? しかも和風用の重箱は、すでに半分ぐらい埋まってますが。 「キョン、口より手を動かしなさい! ローストビーフに竹串さして焼き具合確かめて! OKならオーブンから取り出して薄く切る。肉汁はソースにするから捨てないで。」 「お、おう」 料理は、レシピを読み上げる段階から、おれの手も借りたい段階に入っていた。すなわち、予定されたすべての料理に着手し、いくつかは出来上がって来た段階だ。 お重に料理を詰めるのは、美的センス+パズル解法力が必要になるらしく、見えないようにする=片付ける、というレベルにいるおれの手に余る。したがって両手を料理用ミトンで防御し、熱いオーブン皿やらを出したり入れたり運んだりが、おれの主要業務となっていた。 しかし時刻はもう11時30分を過ぎ、キッチン・スタジアムでもないと味わえないような時間に追われる緊迫感が、容赦なくプレッシャーとなって降り注いでくる。しかし逆風こそ追い風と捉える、この天の邪鬼は、自分をピンチに追い込めば追い込むほど地力を発揮するらしい。 「厳しいかなと、少しだけ思ったけれど、間に合いそうね」 お母さん、もうお茶を飲みつつ「観戦」ですか? 「言ってなかったけれど、間に合ったら、二人にご褒美があるの。これから頼むんだけど」 「何ですか?」 「キョン、最後まで気を抜かない! 料理は、盛りつけ終わるまでが、遠足よ!」 いや、全然、遠足じゃねえ! 意味は分かるけどな。 「スキーと温泉、どちらがいいかしら? 両方、楽しめるみたいだけど。ちょっと電話するわね」 もしかして、親父さんですか? 「そう。なんでも仕事で随分と点数稼いだから、多少の無理はきくそうよ」 参加メンバーの「多少」が、世間一般で言う「多大」でないことを、今は祈るばかりだ。 親父抜きの大晦日その後^3へ
https://w.atwiki.jp/taikosousaku/pages/334.html
・予定は変わることがあります 今年も残すことあと1ヶ月、そこで12/31はアドアーズの大晦日という企画をかいさい! 12/31 10 30に池袋到着予定 第1部 11 00開始 15 30END (3時間予定) 紅白舞舞・チュウニズム大晦日すぺしゃる maimaiPink CHUNITHM 費用 400円以上。めたもるとゲラゲラのRecは不明 1日目 第1部 何がくるかな?maimaiくじ(1-325) 5クレジットまでプレイできます。Rec自由ですよ。 第2部 みんなの知ってる曲を遊んじゃおう (7トラック分予定、RECはヒミツ) 曲目 エキスパート [1]DON T STOP ROCKIN [2]Purshing My true self マスター [3]ゲラゲラポーのうた (第2部後半) [4]かくしんてきめたもる [5]クローバークラブ [6]ぐるぐるWASH! コインランドリーディスコ [7]CYCLES 残りゲラポー 第3部 チュウニズムのオオミソカ! 持ち越しあり!! ・Aventur/ジングルベル/情熱大陸/CKPetc. 1クレのみのプレーです・15時45分ごろ終了予定。できなければ ・終了後、Diceにもどる。大晦日ドラえもんのために池袋を15時50分に戻ります 第4部今年最後のメダル祭り!いっぱいかせごうぜ (アニメ紅白 [M s紅白後[出場順で11番目]-23 10]) 23 20ごろにDICEへ帰還します 池袋Dice 35番出口徒歩5分、パチンコTOHO沿いにアドアーズあり 続編!正月アーズ2016 2016年1月1日10時予定
https://w.atwiki.jp/kasugabemani/pages/169.html
さようならこんにちは?