約 3,454,434 件
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/2606.html
91 名前:1/7[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 22 33 42.21 0 ツンデレが男に見せる為に水着を購入したら その2 彼女の言葉と仕草に、普段感じた事のない色気を感じて、彼の心臓もドキドキし始めた。 思わず視線を外し、何か茶化すような事を言いたくなってしまう。 「いや、その……」 しかし、それは言葉にならなかった。俯き、頭を掻いてからもう一度視線だけを上げて 彼女を視界に捉える。彼女もまた、何かに耐えるように、必死に自分を晒し出そうとして いる姿を見て、彼は顔を上げた。足首からスッと伸びる白い素足にやや肉付きの少なめな 腰つき。そしてブラの効果もあるのだろうが、思いの外膨らんでいる胸の双丘はしっかり と谷間を作っていて、最後にギュッと口を真一文字に結び、ひたすら何かを堪えるように しかめつらしい表情をしている整った小さな顔を見つめた。 そして、その顔を見た時、彼の心は固まった。 「ああ。よく似合ってるとお……思うよ。可愛いし」 その言葉に、彼女がピクリと反応した。 『ホント……に?』 小さく、呟くように聞き返してから、彼女は跳ねるように彼の前にしゃがみ込んだ。顔 をグッと近付け、問い詰めるようにもう一度、同じ事を聞く。 『ホントに……似合ってるって……可愛いって思ってる? あたしが先に言ったから、お 世辞とか言わされてる感で褒めてるだけなんじゃないでしょうね?』 その真剣な問い方に、彼は思わず上半身を逸らして身を引いた。 「いやいやいや。ちゃんとそう思ってるって。いや、最初はさ。こんなの褒めるの限定じゃ んって思ったから、何かちょっとヒネた答えしようかと思ったけどさ。その……お前の姿 見てたら、そんな気分とかどっか行っちまって……まあ、その……ちゃんと、正直に答え たっつーか……そういう事だよ」 92 名前:2/7[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 22 34 13.52 0 日頃一緒にいて、付き合い慣れてる幼馴染を相手に真面目に褒めた事が急に気恥ずかし くなって、最後はちょっとぶっきらぼうな口調で答える。それに彼女は無言で、ジッと彼 を見つめていた。その視線の強さに、彼も顔を逸らす事が出来ず、彼女の顔を見つめてい た。そのまま、少しの間まるで時が止まったような感覚を味わっていたが、やがて彼女が 小さくため息を吐く。 『ハァ…… 良かったぁ~……』 そしてそのまま、後ろに倒れるように尻餅を突き、両手で後ろに倒れないように支える と、天を仰ぐ。 「良かった……って?」 意外そうな口ぶりで彼が彼女の言葉を繰り返して聞く。その事に彼女は、思わず本音が 漏れ出てしまった事に驚き、パッと体を起こすと両手を前に出して思いっきり振って否定 する。 『ち……違うわよっ!! い、今のはその……安心したっていう意味であって、その…… う、嬉しいとかそういうんじゃないんだからね!!』 体温が上がり、自分の顔が火照っている事に気付きつつも、彼女は一生懸命自分の心を 隠そうとする。無論、ホッとしたのも事実だが、それ以上に望んでいた答えが聞けて心が 弾んでいる事を知られたくなかったのだ。 「いや、まあ……それならそれでいいんだけどさ。でも……何で?」 常日頃見せない、動揺した彼女の態度に面食らいつつ、彼は何とか会話を続けようとし た。このまま黙ったら、何となく変な空気のまま別れなくちゃいけないような、そんな気 がしたからだ。 『何でって……何がよ?』 動揺を治め、首を傾げる彼女から視線を逸らし、鼻に手を当てて擦ってから、彼は彼女 の問いに答えた。 「いや、だからさ。安心したって言うから……何で安心したのかなって」 『そ、それは……』 視線だけ彼女に戻すと、彼女はペタンと正座を崩した女の子座りをして、不機嫌そうに 顔をしかめて俯いていたが、やがて顔を上げて挑むように答えた。 93 名前:3/7[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 22 34 45.02 0 『だって、もし褒められなかったら悔しいじゃない。タカシみたいなヘタレ男子にさ。万 が一にも大人っぽ過ぎないかとか、水着負けしてるとか思われるのって、女としてのプラ イドが許さないもの。けど、まあ一応最低基準はクリア出来たから、ホッとしただけの話 で……そ、それだけなんだからね!!』 「いや。だから、疑ってねーって」 さっきからいちいち、弁解するような言い方をする彼女を宥めようとすると、彼女はプ イと横を向いた。その顔にふと、何故か残念そうな表情が見えた気がして、彼は自分の目 を疑ってしまう。 『……ならいいんだけど。フン』 何で褒めたのにこんなに機嫌悪そうなのか彼は不思議に思ったが、昔から彼女の感情が 気まぐれで、中学に入った頃から特にそれが酷くなったのにずっと付き合わされているか ら、それは深く追及する気はなかった。それよりも、もう一つの疑問を彼は口にした。 「ところでさ。俺を呼び出した用件って……これでいいのか?」 すると彼女はピクッと体を震わせた。 『……そうよ。わ、悪い?』 相変わらずの不機嫌な言い方だが、どこか困惑したような響きが含まれていた。 「いや。まさかかなみが、俺に新しい水着を見せるためだけに呼び付けるって、ちょっと 意外な気がしたからさ」 少なくとも、これまでにそういった事例はなかったはずだと、彼は頭の中で確認する。 彼女は彼に向き直ると、挑むように睨みつけ、一瞬ちょっと視線を落としてから、もう一 度視線を上げた。 『しょ……しょうがないじゃないのよ。アンタ以外に、他に、その……感想聞ける若い男 なんていないんだから』 強気な態度が、徐々に薄れて自信無げになっていく。彼女は自分でもそれに気付いては いたが、どうしようもなかった。 「別に俺じゃなくたって……クラスの女子とかでも良かったんじゃないのか? ゆーこさ んとか」 クラスでもとりわけ彼女と仲の良い女子の名前を彼を挙げた。それに彼女はブンブンと 首を振って拒絶する。 94 名前:4/7[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 22 35 16.32 0 『それじゃダメなの!! 大体、女の子同士なんて絶対可愛い可愛いって褒め合っちゃう んだから。そもそも、これってゆーちゃん達にそそのかされて買ったようなもんだし、試 着して見せてるんだから』 そこでふと、彼はとある疑問に気付いた。 「ところでさ。新しい水着買ったのはいいけどさ。着る機会って、あったのか?」 すると見る間に、彼女の顔が怒りに歪んだ。 『あるわけないでしょ!! っていうか、ほとんど毎日、一度は顔合わせてたんだから知っ てるくせに。大体、でもなきゃわざわざアンタなんかに水着見せるか!!』 耳元で怒鳴りつけられ、キーンとなる耳鳴りに顔をしかめて指で耳を押さえて、何とか 聴力を回復させようとする。 「いや、だからさ。何で海どころかプールに行く予定すらないのに、水着買ったのかなっ て、それが不思議でさ」 『だから、そそのかされたって言ったでしょ? ゆーちゃん達の買い物に付き合った時に さ。この水着、可愛いなーって思って見てたら、みんなして買っちゃいなよ、かなみなら 絶対似合うよって言われて、試着とかしたらどんどん欲しくなっちゃって、つい……』 その時の事を思い出して、苦虫を噛み潰したような顔を彼女はした。 「でも、行く予定なかったんだろ? つか、ゆーこさん達とか、誘わなかったのか?」 彼に聞かれ、彼女はブンブンと首を振った。 『誘わなかったっていうか……あたしはてっきり、みんなと行くもんだと思って買ったの よ。だけどさ、いつ行くって聞いたら、みんなちゃっかり個別に予定入っててさ。もう買っ ちゃった後だったし……』 そこで彼女は、ムスッと口を閉ざす。その時みんなから、彼と行けばいいじゃんと囃し 立てられた事は絶対に口にする気は無かった。絶好のチャンスだとか、一線を越えろとか、 夏の思い出作れとか勝手な事を言われて、もちろん自分も夢想しないでもなかったが、結 局出来たのは、彼にこうして水着姿を見せる事くらいでしかなかった。 「なるほど。結果的には乗せられて水着買ったけど、結局着る機会がなかったと」 おもしろがるような彼の口調に、彼女はむくれてプイッと顔を横に向けた。 95 名前:5/7[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 22 35 47.36 0 『いいわよ、別に。人の事バカだって思うなら、勝手に思ってればいいじゃない。あたし だってそう思ってんだから、何言われたって言い返せないわよ。フン!!』 やけっぱちな気分で、鼻息も荒く自虐的な事を言う。今にして思えば、夏休みにあれだ け時間があったんだから、みんなに言われたように彼を海に誘えば良かったのだ。しかし、 今さら後悔しても後の祭りである。 追い討ちを覚悟して、次に何を言われるか構えていたのだが、彼は何も言い出さなかっ た。気になってチラリと視線を向けると、何やら思案気に難しい顔をしている。 『……何よ。何か言いたい事、あるんじゃないの?』 気になって促してみると、彼はハッと彼女を見つめた。そして、一瞬迷う風を見せたが、 すぐにそれを打ち消し、明るい感じで彼女に向けて提案してきた。 「あのさ。それじゃあ今から、せっかくの水着が役立てる場所、行かないか?」 『水着が役立てる場所……って、どこよ?』 まだ夏の日差しが厳しいとはいえ、夏休みは終わってしまった。プールはもう閉まって いるし、海水浴の時期でもない。そもそも、思い立って急に行けるほど海もプールも近く ないのだ。 しかし、訝しげな表情の彼女に、彼は笑顔を見せた。 「穂乃沢の事、忘れてるだろ。最近ちょっとご無沙汰だけど、前は良く遊びに行ったじゃん」 『あ……』 彼の提案に、彼女はうっかりその場所を失念していた事を思い出した。まだ、彼に裸を 見せる事に全く抵抗の無かった幼い頃はそれこそ夏場は毎日のように、親に連れられて行 っていた近所の沢である。他の友達と遊ぶようになってだんだん行く機会が減り、最後に 二人で言ったのは、中一の夏に一回だけ。それ以後は受験もあったりして、一度もいって いなかった。 「あそこなら、水遊びくらい出来るしさ。この暑さなら、多分気持ち良いと思うぜ。どう だ?」 『……うん』 何か、久し振りで嬉しくなって、つい弾んだ声を出してしまい、彼女は慌てて口を抑え た。それから、照れ隠しをするように、感情を押さえたつまらなさそうな声で付け加える。 96 名前:6/7[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 22 36 18.83 0 『ま……まあ、アンタが行きたいって言うなら、付き合ってあげてもいいわよ。どうせ暇 だし、暑いし』 すると、彼は勢いをつけて立ち上がった。 「よし。じゃあ、善は急げだ。俺、一度家帰って、海パン履いて、タオルとか取ってくる わ。すぐ戻って来るからさ。かなみも準備しててくれよ」 床に置きっ放しだった、ぶどうの乗っていたお盆を手に持ち、去ろうとする彼に、彼女 は後ろから声を掛けた。 『グズグズしてないで、早く戻って来なさいよね。アンタってば、肝心な時にいっつも遅 いんだから』 「分かってるって。すぐ戻って来るから」 『穂乃沢か……久し振りだな……』 日焼け止めのクリームを塗りつつ、弾んだ気分で彼女は呟く。地元では、景勝として知 られているが、観光地ではない為、人の入りはそんなに多くない。夏休みも終わったシー ズンオフなら、きっと二人きりでいられるだろう。 『アイツも、たまには粋な提案するじゃない。フフッ……』 夏に海に行けなかった悔しさも、これで少しは挽回出来るかなと、彼女は密かに期待し ていた。 『あら? もう帰っちゃうの? もっとゆっくりしていけばいいのに』 来る時と同じく、庭の草花の手入れをしていた彼女の母が、立ち上がって挨拶をしに来 た彼に声を掛けた。それに彼は首を振る。 「ああ、いえ。一度家に帰って、また戻って来ます。かなみと穂乃沢に行くんで」 『そうなの。気を付けなさいよ。まあ、あなた達なら危険な場所とか子供の頃にしっかり 教えといたから入る事はないと思うけど、それでも足を滑らせたりしたら、思わぬ怪我を する事だってあるんだからね』 「はい、気をつけます」 97 名前:7/7[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 22 36 50.19 0 子供の頃から、穂乃沢に行く時必ず親に注意される一言である。穂乃沢は浅瀬で川の流 れも緩やかだが、ちょっと下流まで行くと、一気に流れの速くなるところがあり、何年か 前には水の事故でよそから来た子供が亡くなった事もあったらしい。 「……どうかしましたか?」 彼女の母親が、彼を無言でジッと見つめている事に気が付いて、彼は訝しげに聞いた。 すると、物思いから我に返ったかのように、彼女の母親は、慌てて手を振る。その仕草は、 娘に何となく似ているように見えた。 『あ、ううん。何でもないの。あとは、余り遅くならない程度に、ゆっくり楽しんでらっ しゃいね』 微笑む母親に、彼も笑顔で頷いた。 「はい。ありがとうございます。あと、巨峰もありがとうございました。とても美味しかっ たです」 『そう。良かったわ。また、手に入ったらご馳走するわね』 丁寧にお辞儀をして立ち去る彼の背を見て、彼女は小さく呟いた。 『大人になったわね。タカシ君も……』 そして、頭の中で、彼の横に自分の娘を並べてみせた。親の贔屓目に見ればお似合いだ とは思うが、果たして我が娘は、彼に似合う立派な女性になれるだろうかと、ちょっと心 配にもなる。 『まあ、でもいいわよね。まだ若いんだし。うん』 小さく呟いて、彼女は植物に肥料をやる作業に戻った。 続く
https://w.atwiki.jp/sesile/pages/198.html
8月27日(土) TF2 これはワロタ 人様の庭に入ってミス編集してすみませんでした。 8月8日(月) FEZ 久しぶりにヲリでそれなりのスコアでた。さりげなく5位のフェンサーがすごいと思う。 数えたら最高性能装備と一定のレベルが揃ったキャラが15キャラいた。 内訳はA鯖1、B鯖6、C鯖2、DとEがなくてFが4、Gで2キャラ。 けっこうふえたなー。参戦系のイベント消化がそろそろきつい。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5370.html
このSSはニコニコ動画のボーカロイドオリジナル曲「この想い伝えたくて~ココロノ花ビラ~」を勝手にハルヒSS化したものです。 そういうのが嫌いな方やニコニコ動画が嫌いな方は無理して読まないでいいです 「思ったんだけど、涼宮さんてキョン君のこと好きなんじゃないかと思うんだけど」 「「…はっ?」」 いつもの日常の何気ない休み時間。唐突な坂中の発言に、俺とハルヒの声がはもる。 「そっそんなわk」 「いきなりなにを言い出すんだ坂中、そんなわけないだろ」 何か言おうとしたハルヒの声を遮りつつ、坂中の発言を否定する。 「実際に涼宮さんに聞いてみたらいいのね」 まぁ、論より証拠ってことか。 「ハルヒ、どうなんだ?」 「えっ?あっ…」 なぜそこで言葉につまる。だいたい坂中、なにをそんなにニヤニヤしてるんだ。 「どうなんだよ」 「っ…すっ好きなわけないじゃない!」 「あんたなんか、だいっきらいよ!」 桜舞う、ある春の日の出来事だった。 この想い伝えたくて 「はぁ…なんであんなこと言っちゃったのかしら」 昨日はついパニクってキョンにだいっきらいだなんて言ってしまった。 当然嫌いなわけがない、むしろその逆だ。 しかしあんなことを言ってしまっては、前からなかなか出来なかった告白が余計にしづらくなってしまった。 学校行きたくないな、会ったら間違いなく気まずいじゃない。 「なんであんな馬鹿なことしたのかしらあたし…はぁ」 憂鬱な気分で歩いていたら、後ろから名前を呼ばれた。 「おーいハルヒー」 誰よ朝っぱらからあたしを呼び捨てにするのは…そういえばあたしをハルヒって呼ぶのは学校じゃキョンだけね。 まさか…。 振り返ったら、キョンがこちらに走ってきた。 「よっ、珍しいな。朝からハルヒにあうなんて」 …史上最悪についてないわ。よりにもよってキョンに会うなんて。 「いくら俺でもそこまで言われたらへこむぞ、まじで」 「っへ?」 「確かに嫌いな奴に朝っぱらからあったらついてないだろうけどな」 声に出ていたらしい、またやっちゃった…。 そういえばキョンはなんで話しかけてくれたんだろう。今の発言からして昨日のことを忘れた訳じゃないだろうし。 「なんで話しかけてきたのよ」 …なんであたしはこう素っ気ない言い方しか出来ないのかしら。 嬉しいのに…昨日あんなこと言われたのに話しかけてくれたキョンにもう心臓がドキドキ言ってる。聞かれてないか心配だわ。 「いや、なんとなく。 朝っぱらからハルヒを見るなんてなかなかないからな。 悪かったよ、んじゃ先行くぞ」 「あっ…」 行ってしまった…もっといろいろ話したかったな。あのこともちゃんと誤解を解いて謝りたかった。 あたしってなんでこう意気地なしなのかしら、自分にイライラするわ。 それでもキョンの前では素直になれず、憎まれ口ばかり叩いてしまう。 いざ素直になって、拒絶されたらと思うと、怖くて出来なくなってしまう。 大嫌いと言われた人にまで声をかける、そんな優しいキョンのことだからそんなことはないんだろうけど、やっぱり怖い。 教室に入ると、キョンはもう自分の席に座っていた。 「よっ、さっきぶり」 「………」 律儀に挨拶してくれるキョンに何も言えないまま、あたしは自分の席に座り机に顔を伏せた。 どうやって誤解を解こうかしら、なんかどんどん泥沼にはまってる気分だわ。 「おーいハルヒー」 キョンがまだ声をかけてきてくれるけど、やっぱりあたしは返事を出来ず、ただ机に突っ伏し続ける。 「…寝ちまったか。あーあ、好きとまではいかずとも嫌われてはいないと思ってたんだがな」 キョンが椅子を動かし前を向く音がする。 違うのよキョン、あたしはあんたのことが好き。 頭の中で言うのはこんなに簡単なのに、なぜ口で言えないのだろうか。 そんなことを考えているうちに、夜寝れず寝不足のあたしの意識は闇におちた。 「…がさ…だよ…」 キョンが誰かと会話をしている声で目が覚める。 「キョンなんか今日眠そうだよな」 「最近深夜のドラマを見てるんだよ。これがなかなか面白いんだ」 谷口と国木田と話してるとこから考えて、今は昼休みかしら。 それにしてもキョン、深夜ドラマなんか見るんだ。 なんとなく顔をあげることが出来ず、三人の会話を盗み聞きする。 「へぇー、どんな話なんだい?」 「至って単純なラブストーリーだ」 「なんだよそれ、面白いのかよ」 「ラブストーリーはいちいちひねりを入れるより王道のが面白いんだよ」 へぇー…キョンってラブストーリーとかが好きなんだ、意外ね。 それにしてもどうしようかしら、早く起きて学食いかなきゃいけないのに起きるタイミングが掴めないわ。 どうしようか悩んでいるとあたしの方に誰かが歩いてくる音がした。 「おいハルヒ、起きろ」 きょっキョン!?どっどうしようかしら。 「なによ…」 「もう昼休みだ、早く起きないと飯食いっぱぐれるぞ」 「はぁっ!?さっさと起こしなさいよ!」 よし、いつも通り出来たと思う。いつもより素直になれたらいいんだけど、さすがにこれが精一杯。 「そういうと思ってな。ほら、パン買っといてやったぞ」 「っへ?」 あたしの机にサンドイッチが置かれる。 …キョンの優しさに涙がこぼれそうになった。 「………」 「ん?どうした?まさかたまごサンドはお気に召さなかったか?」 「…ありがと」 小さい声だけど、言えた。 それだけ言ってサンドイッチの封を開け食べ始める。 キョンが買ってくれたと思うと、いつもよりずっとおいしく感じられた。 「…おう」 キョンは少し驚いた顔していたけど、優しい声でそれだけ言って自分の食事に戻っていった。 本当はもっといろいろ話したいし、謝りたいけど、今はこれでいいんだと。不思議とそう思えた。 学校も終わり家に帰ってきて時間はもう深夜2時。 なんでこんな時間まで起きていたのかと言うと、キョンが話していた深夜ドラマが気になったからだ。 月~金で2時からやってる情報を得たから、見てみることにした。 「あのキョンが面白いだなんて言うドラマ…どんな話なのかしら」 あたしはおもむろにテレビの電源をつけた。 結果は散々だった。 話は単調どころかグダグダ、明らかに視聴者に媚びた登場人物達。 S~Gでランク付けするなら文句なしでGだった。 ただ、ヒロインの女の子をみていて、不思議と共感した。 好きな人に素直になりたい、なのになれずに頭の内で葛藤してる。まるで自分をみてる気分だった。 キョンはどんな気持ちでこのドラマをみていたんだろう。 次の日、昨日よりはましな気分で学校に登校した。 しかし今日こそは誤解を解こう、そう意気込んできたはいいけどどう切り出したらいいかがわからない。 昨日は通学途中であったのに今日は会わないし。 教室につくとまだキョンは来てなかった…早くこないかしら。 「よーっす」 机に突っ伏してたらキョンが来た…けどいざこうなるとまたどのタイミングで起きあがったらいいかがわからない。 どうしようか迷ってると、キョンはクラスの女子と会話を始めた、あたしの心臓がどくんとなる。 「キョン君て誰とも付き合ってないの?」 「ああ、残念ながらな」 「ふーん…キョン君て持てそうなのにね」 「そうか?」 …いやだ。女子とはなしてるだけでも嫌なのに、会話の内容が恋バナだなんて。 「だったらさー…あたしt」 バンっ! 我慢出来ずに机を叩いて起き上がってしまう。 みなが唖然としてみてるなか、割と冷静にキョンが話しかけてきた。 「よお、ハルヒ。嫌な夢でもみたか?」 「…いやよ」 「ん?」 「キョン!ちょっとついてきなさい!」 とにかくキョンをクラスの女子から引き離したくて無理やり連れ出す。クラスのみんなは依然唖然とした表情でこちらをみていた。 「おい、おいハルヒ。どこにいくんだよ」 「いいからついてきなさい!」 当然勢いでやったことだから行き先なんてなかった。 どうせだから誤解を解こう、そう思ってあたしはキョンを中庭まで連れて行った。 「ふぅ、どこにいくのかと思ったら中庭か。 んで、いきなりどうしたんだハルヒ」 桜が散り始めた4月中旬、中庭は桜の花びらが舞ってロマンチックな空気を作り出していた。 「えーと…」 連れてきたはいいけど、やはり切り出せない。 どうしたらいいのだろう。どうしても、自分のなかの臆病が顔をだして邪魔をする。 あたしが何も言えずうつむいていると、キョンがポツリと独り言のように呟いた。 「まるで昨日のドラマのワンシーンみたいだな」 そう言われて思い出した。 昨日の深夜ドラマでも、主人公に酷いことを言ってしまったヒロインが、桜の木の下まで連れ出した。 そのときなかなか話が切り出せなくてヒロインは…そう、こう心の中で呟いたんだわ。 「お願い…あたしに少しの勇気を」 (お願い…今だけ、あたしに勇気をください) 風があたしの髪を撫でたとき、そう心の中で呟き顔をあげた。 「ん?やっと言う気になったか?」 髪を風に靡かせて、優しげに微笑むキョンは、いつもより少し幻想的で…あたしの胸は高鳴った。 今なら…言える気がする。 「キョン…一昨日のことだけど」 「一昨日?」 「あたし…あんたのこと嫌いじゃないから!」 「…そうなのか?」 「いっいい?一度だけしか言わないわよ?」 「…ああ」 「あんたのことが、大好き!」 fin
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1394.html
318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 11 32 49 ID 6ub2saBA 尊大お嬢 尊『庶民よ、この私の荷物持ちを命じる。フフ、誇っていいぞ。この神野のために働けるのだからな』 タ「なんという傲慢。これは間違いなく独裁者 この善良なる庶民たる俺を奴隷の如き扱い…何れ神の裁きが下る事だろう」 尊『ふん、神がどうした。例え居たとしてもそのような偶像すらも私の前に平伏すだろう』 友(まったく…なんで素直に一緒に帰ろうって言えないかねー) タ「なんで素直に一緒に帰ろうって言えないかねー」 友(…かぶった!?運命……?)ドキン 尊『な、なんで私が貴様如き庶民と帰りたがる!?思い上がりも甚だしい! 貴様が暇そうにしているから、ゴミを有効活用しようとしているに過ぎん!!』 タ「あー、はいはい。わかったわかった(笑)じゃ、一緒に仲よく帰ろうねー神野さん(笑)」ニヤニヤ 尊『待て!貴様分かってないだろう!にやにやするな!この下僕! ただの奴隷がこの私を嘲笑うなど許さんぞ!おい!聞いているのか!』 タ「わぁかってるって大丈夫大丈夫。俺も神野さんの事好きだからさ(笑)」ニヨニヨ 尊『ななな、何を言っている!!お前如き庶民と私が釣り合うわけが……! …いや、そもそもそれ以前に私はお前の事などなんとも思ってないからな!本当だからな!』 タ「大丈夫。身分の壁なんて俺が壊してやる!だからお前は何も考えずにただ俺を愛していればいい!」 尊『………本当か?…私は…、お前と結ばれてもいいのか……?』 タ「ああ、尊がそれを望むなら!俺はお前に相応しい男になってやる!」 尊『ぐすっ……タカシぃ~~~っ!!』ガバッ タ「ああっ、よしよしみことかわいいよみこと」 タ「…という夢を見たんだ」 尊『首吊ってしね』 おまけ 友「タカシ!俺…頑張るからな!」 タ「……なんぞ?」
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/2594.html
668.8-7 小ネタ 668.8-38 668.8-54
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1073.html
622.7-5 622.7-44 622.7-64
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1810.html
636.6-25 636.6-48 636.6-60 636.6-68~ 男がエッチな事に~シリーズ(その1~3) 636.6-113 636.6-154~ 男がエッチな事に~シリーズ(その4~5) 636.6-124 636.6-167
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1760.html
635.2-36~ 635.2-76 635.2-94
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1911.html
643.3-34 643.3-75 643.3-91(641.5-70の続き) 643.3-104 男がエッチな事に~シリーズ(その9~10) 643.3-112
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/2134.html
651.7-17 651.7-18 651.7-25 651.7-32