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ナチュラルスライダーさん作 篠崎野球物語 文章表現がとてもいいです 打者さん作 明日に向かい キャラクターがいいです けいたさん作 パワポケ君のサバイバル 僕にとっては1話読んでビックリした・・ これは大傑作の予感が・・・ パワポケさん 白球を追って 本人によると名前は適当のこと でもストーリ重視ですね この一球にかけて 打者さn小説第二弾です
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リレー小説(Relay Novels) 加茂JAPANメンバーの共同執筆による小説。 コンセプトは「書くだけ書いて、丸投げで」 最終的にはHAYATO名義で単行本化の予定。 現在第1弾が継続中 第一弾「この一蹴に愛を込めて」 執筆者:HAYATO→HIKARU→SHIN→TETSU→COBA→X 最近、HAYATOが書いた自己満小説なんかも登場し始めた。 第1弾「永遠に咲く花」 。
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きゅうていしょうせつ1 入手法/作り方 ルリトラノート+腐ったまごころ、まぜる、かなり 作成アイテム 上トレイ 下トレイ 方法 時間 SUCCESS FAIL GREAT 猶予 宮廷小説1 - わける うんと 変なカバーの本 腐った宮廷小説1 GREAT 腐り復活 上トレイ 下トレイ 方法 時間 SUCCESS FAIL GREAT 猶予 腐った宮廷小説1 - わける ちょっと ルリトラノート 腐ったFAIL 愛の詩集 名前 コメント
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きゅうていしょうせつ3 入手法/作り方 ルリトラノート+腐ったまごころ、熱する、かなり 作成アイテム 上トレイ 下トレイ 方法 時間 SUCCESS FAIL GREAT 宮廷小説3 下トレイ わける うんと 変なカバーの本 腐った宮廷小説3 GREAT 腐り復活 上トレイ 下トレイ 方法 時間 SUCCESS FAIL GREAT 腐った宮廷小説3 - わける ちょっと ルリトラノート × GREAT 名前 コメント
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俺、白鳥裕也と若林子乃と勢井都傀羅は何故か夢幻学園の校庭に立っていた。今日は日曜日…生徒は殆どいない。 「他の五人…遅すぎるわよ!!!!いくらなんでも!!!!!!!!!!!!敵が見えちゃったじゃない!!!!!!」 「………」 「………」 俺と子乃ちゃんはだんまりだった。 何故かこの三人しか人が集まらなかった事を不思議がりつつ、子乃ちゃんは恐らく秘密結社の任務とは全く関係のないところで戦っているのだ。 そう…俺の為に!…いや、考えすぎか… 既に向こうからは三つの影が見える。一つは小さな影、もう一つも同じぐらい小さな影、そして最後の一つは五mぐらいの影。 俺は子乃ちゃんとは違うのだ。俺は『男』白鳥裕也。今はもう、れっきとしたザ・パーティのメンバーのひと──五mぐらいの影ェェ!?!?!?!? 「白石(鳥)伏せろォォ!!!!!」 「ちょっ、やめベゴォス!!!!!!!!!!!!!!」 俺は子乃ちゃんと傀羅ちゃんに頭を思い切り捕まれ、そのまま地面に叩きつけられた。顔面が死ぬほど痛い…死ぬ!!!! 「何すn」ビュウブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウム!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「「「!?!?」」」 俺達が立っていたところにピンク色の破壊光線が通り過ぎ!背後の校舎に命中する!背後の校舎当然破壊され……てない!!!! 「み、見て!な、なによあれは!校舎が…校舎が筋肉隆々になってる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 「君たち避けないでくれッマッチョにできないではないかァァァァアアアアアアアッッッッッ!!!!!!すいません社長ッッッッッッッッッッ」 「案ずるなァッッッッッッッッッッマッスルハート!!!!!!!!!!!!俺は元気だァ!!!!!!!!!!!!!!!!」 「あんたらはいつも元気だなァ……」 そこにいたのは……子乃ちゃんと同い年ぐらいの少女と!!!!!その少女と同じぐらいの身長の低い男と!!!!!!!!!! そして五mの筋肉達磨である!!!!!!!!!!!!!!!!!!なんだこの絵面!?!?!?!?!?!?!? 少女のほうから苦労人のオーラを感じる!俺と同じ…苦労人のオーラだ…!圧倒的同情…! 「奴らが夢幻学園を脅かす真の敵……その名も『異異(イゴト)カンパニー』!!!!!!!!!!!!!!」 「「異異カンパニー!?!?!?!?」」 俺と子乃ちゃんが声を合わせて聞き直す! 「「そう!!!異異カンパニーとは我々のことだァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッガキ共ォッッッッッッッッッッ!!!!!聞いて轟け!!!!!」」 「轟くのかよ」 つ、突っ込んだ…あの少女…やはり俺と同じ役回り!! 「俺の名は異異甲助(いごと きょうすけ)!!!!異異カンパニーの社長也ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」 「私の名前はマッスルハート……愛する社長の従者ですッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッそしてこのツッコミ役の生娘がァ!!!!」 「えっと…私は維丸元(いまり はじめ)。別にこの人達とは無関係なので勝手に戦ってください」 「待つんだ維丸ィィ!!!!!!一緒に誓ったじゃないかッあの夕陽にィィィィィ!!!!!!!! この学園を一発破壊し跡地に我が異異カンパニー本社を建設するとッッッッッッッッッッ!!!!」 「うッるせーしてねーよ!!!私は青空も夕陽も嫌いだ!私は曇り空が一番好きなんだよォ!もうお前らと関わりあいたくないんだよォ!!」 「…!仲間割れを始めた!なんだっていい! 『彼らの着ている服を全て焼きつくし意識を失わせる超光線銃』を使って露出狂に仕立てあげるチャンスよ!!!!!!!!(マッスルハートとかいうのは既に全裸だけど)」 「傀羅ちゃん…あんたって人は…」 「フン…どうやら私の出番はなさそうだな」 無愛想にほくそ笑む子乃ちゃんが見守る中、傀羅ちゃんの胸部が変形し巨大な光線銃のようなものが現れ、銃口が光り始める…!!! 「!!マズイ!!!マッスルハアァアアアアアアアアト!!!!!俺を抱えてあれを避けろッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ即刻ダッッッッッッッッッッ!!!!」 「あッ、ばッ!私も抱えろッ!レディーファーストだァ!あれ?レディーファーストだよね!?!?男色趣味とかないよね!?」 「任せてください!!!!!!!!!!!!あれしき簡単に躱せます!!!!!!!!」 「あっちょ…もうちょっと優しく抱えろコラ筋肉ダルマ…ぬわっ!?どこ触ってんだァァァァッッッッッッッッッッ!!!!」 「痛い痛い痛い痛いぞマッスルハァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!!!ト!!!!!!」 「す、すいません社長ッッッッッッッッッッ力加減がいまいち微妙にわからなくてッッッッッッッッッ維丸さんも…あっ!」 次の瞬間、夢幻学園の校庭に巨大な光線が走った。三人の服は一瞬で吹き飛んで、光に乗せて遥か彼方へと消えていく。三人の意識も消えていく…… 決着は一瞬だった。これでよかったのだろう。本来ならば… だが…余りに簡単過ぎる…と思った傀羅ちゃんは、次の言葉を…禁断の言葉を口走ってしまったのだ。 「三人全員倒したようね…まさか一人でやってしまうとは…ふふ…ついにやった…やったぞ………うーん…………………やったか!?」 「「や、やってない!!!!」」 突如空から舞い降りる影!!!!!!!!!一体何奴!?!?!?!?そこにいたのはほかでもない!!!!! 「「「鬼真ッ!?」」」 「白石に若林にカイラ…貴様ら俺を裏切ったな?ククク…そうこなくっちゃなぁ…」 「「「は?」」」 次の瞬間、鬼真は我々に飛びかかり…傀羅ちゃんはビームサーベルを取り出して応戦を始めた。 「この俺様を差し置いて『裏切り』なんてワルい真似絶対に許さねぇぜぇぇぇぇぇええええええええテメェらぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!」 「裏切ったのはあんたでしょうがこのボケェェェェェェェェエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!!」 何を言ってるんだこいつは…!お前が裏切ったんだろ…!満場一致でお前が裏切った…と俺たちは確信していた! だが…ハッ!まさか…いや…そんなことはありえない!断じてありえぬ!!! ザ・パーティは全員が全員見えない絆で繋がっている素敵組織…! そんなことはあるはずが…………ないんだ!!!!まさか…!!!!裏切りなんてェ!! 「傀羅ちゃん…!!交戦中悪いんだけどこっちに例の携帯電話投げて…!」 「何ィ!そんな余裕はないわッよォォ!!!」ブンッ と言いながら投げてくれる傀羅ちゃんはまごうことなきツンデレだと思った。俺は携帯電話をキャッチし登録してある電話番号を物色しはじめる…! 俺、白鳥裕也は裏切りなどありえないと思いながらも、一応もしもの時の為の『携帯』を使い、他の四人全員にかけてみることにしたのだ…!!! 絆を確かめる…それだけ…! 『もしもし…ん?白石じゃん!君ら一体何してんだよ?といってももう遅いけどね』 「もしもしヒロゥさん!?一応聞くんですけどヒロゥさんは一体何故秘密結社ザ・パーティに?」 『僕は最強の魔法使いと名高いアークレイドの魔法の技術を盗む為、君たちの力を借りようと思ってたんだよ。でもまさかすっぽかされるとはなぁ…してやられたわホント でも、僕の目的を出会った時既に把握していたのは驚いたよ。流石僕レベルの強者達…読心術ぐらいわけないんだろう?白石も』 「………は?一体何を言っているのかわかりませんよ…ヒロゥさん。そもそも何故自分の目的を知っていると思い込んだんですか?」 『思い込んだ?変な言い方するなぁ。いや、だって僕がアークレイドの住む場所に乗り込む日付を言い当てたもんだからさ、カイラがね。 あれ?もしかして壮大な勘違いだったか。アハハハ!利害一致の関係でもなんでもなかったわけだ。じゃあ僕は馴れ合いには興味ないし、一抜けだ。バイバーイ』 「あ…あ?なに?え?」 電話が切れた。 俺はヒロゥにかけ直す。出ない。テオスにかける。 『ん!?貴様らもう来なくていいぞ!!!この俺だけで勝てるわこの程度!!!フハハハハ!!!』 「何してらっしゃるんですか?」 『何ィッて決まってんだろうがァ…戦争だ!!!!戦闘民族国家アルティメット・アルテミスにとっての敵国マッシヴビートル帝国との百年戦争の決着が今…』 俺は電話を切った。 『こちらヘルアゼム…貴様か。何ィ?我々は戦士一同は今夢幻街に迫る災厄の塊、超越者クロノを殲滅するべく戦いn』ブチッ 『もしもし摩刀だが…ん?俺?どんなニートでも一発採用する謎のBlack企業の試験にきたんだけどいきなり面接官に殺されかけたから皆殺しにしたとこr』ブチッ 「う、ウソだろこいつら……意味がわからないぞ……」 「おい…どうしたんだ白鳥?何がどうなっているんだ?」 子乃ちゃんが不思議そうにこちらを見てくる。俺にこの余りに不可思議な現象を説明する術は当然ない。 「私が説明してあげようか」 隣を見たらいつの間にかホトちゃんがいた。そう、彼女は『説明のホト』。俺は全てを彼女の説明に託すことにした。 よって俺は静かに頷いた…… 「彼らは全員が全員超越者と言って差し支えのないレベルの絶対強者だ。それも、全員が全員面白いほどに拮抗した力の持ち主だ。 故に彼らは余りに近しい存在と接し続けることであらゆる物事への『違和感』というものが麻痺していたのだろう。 さらに言えば彼らのような運も実力の内な連中にとって、この偶然的事態はある意味必然的だったのかも知れないな」 「……?よくわからんぞ白鳥!!!」 「俺もよくわからないですホトさん!!」 「……まぁ簡単に纏めると至ってシンプルな説…いや、答えさ。 なんていうか、そう。彼ら… バカ…だったんじゃあないかな…」 俺と子乃ちゃんは何故か驚くほど納得できた。子乃ちゃんはその後、自分の空気っぷりに苛立ったのか何度か俺の脛を蹴ってきたが。 傀羅ちゃんと鬼真の熱烈バトルは校庭から街へ移り、街の大部分を破壊しながら進み、その戦いは三週間もの間続いた。 噂によれば結局街に重大な損害を与えただけで決着はつかず…お互いに力尽きやむを得ず引き分けたということらしい。 あと異異カンパニーと名乗る謎の露出狂三人組は問答無用で逮捕されていた。 …そして同時期に、夢幻界各地で謎の事件は起こっていた。まず、夢幻街の管轄を超えた遥か東方で国が一つ滅んだらしい。滅んだ国の名前はマッシヴビートル帝国…。 他にも、夢幻街に迫る不吉な黒雲を謎の筋肉隆々の斧を携えた方々が払ったり、とあるブラック企業の経営者達が裏世界でひっそり幕を閉じたり色々あったのだ。 だがそれらの同時期に起こった当事者以外からしてみれば謎多い事件も、たった数日で風化していくのが夢幻街というもの。 ちなみにヒロゥさんはあれっきり行方不明らしい。生きてると良いなァ… だがしかし、夢幻街でも風化しないモノがある。それは人と人との直接の関わり合いのことである。 白鳥裕也は完全に仏と化していた。子乃ちゃんへの肉欲や愛欲など最早なかった。いや、愛欲はちょっとはあったかも知れないが。 白鳥裕也は兎に角不純な想いを消そうと試みた。できる限り真摯な気持ちで…!! そう…射精による賢者タイムである。これで漸く純粋な気持ちになれる。 そうして臨んで今がある。ここは白鳥裕也の寮であり、若林子乃ちゃんの寮でもあるこの場でッッ 「白鳥、私は結局一週間悩んでもわからなかった。なんというか、その、好きだとかそういう感情は昔も向けられたことが一度だけあるんだよ!あるんだけど!」 「──ファッ!?」 「でもそいつはもういないんだ。白鳥裕也…私は怖いのかも知れない、再び好きになられるのが怖いから…逃げていただけなのかも知れないな」 「…子乃ちゃん」 「だがもう決心がついたぞ!白鳥裕也……私、お前に好きになられても良いッ!」 「子乃ちゃん!!!」 俺は子乃ちゃんに勢い余って抱きつきそうになったがボグシャアと鳩尾につま先が入ったのを確認すると静かに蹲り、泣いた… 「し…子乃ちゃん…こ…これだけは言っておこう…た、ただいま…」 「フン…馬鹿なやつだ」 子乃ちゃんの浮かべる不敵な笑いに安堵したのはこの白鳥裕也の人生始まって以来初めてのことであったという…… つづく
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「うおおお遅刻遅刻っ!」 今 子乃ちゃんの待ち合わせ場所へ全力疾走する俺は、 夢幻学園へ通う極普通の一般的な男の子。 強いて違うところをあげるとすれば 毎日誰かに殺されかけるってとこかナ─── 名前は白鳥裕也 そんなわけで、子乃ちゃんとの待ち合わせ場所である南幼女像まで走っているのだ 幼女像についてはあまり深く追求しないでほs ド ン ッ ! 「いたたた…」 誰かとぶつかってしまった。 デジャブを感じる。 俺の記憶が正しければ確か子乃ちゃんと会った時もこんな… 「いッてェなぁあああ!!」 「んだよコイツァ!??!」 「やんのかゴラァァア!!」 「ウヒョオオォオ!!!」 ウホッ…いい不良… こうして俺の全財産は失われたのだった。 『俺は誰かとぶつかると必ず不幸になるの法則』を教訓として心から学んだのだった。 「…………ふぅ…」 今日は子乃ちゃんにバイトでコツコツと稼いだお金を捧げる日なのに… 最悪の事態になってしまった。 こうなったらもうアレだ。 人生詰んだ。 家に帰って首でも吊ろうっと☆ 一般的な男の子にあるまじき考え方をしながら裕也は帰路につこうとする。 「あっ待ってください!忘れものですよっ!」 「………。」 不意に後ろから可愛らしい声がかけられる。 聞いたことのない声だった。 そう、この展開はつまり…──── 裕也は瞬時に理解した。 『圧倒的死亡フラグ…っ』 「待ってたまるかボケェェェ!!」 「ええっ!?」 裕也は走った…っ! 子乃のもとへ向かうよりも早く全力疾走をした…っ! 「待ってくださいぃ~!」 だが後ろから追いかけてくる少女の声が……っ! だがよく考えたらこれから死ぬことに変わりはないことに気づいた。 「アッハッハッハ!!さぁ殺せ!!いくらでも殺すがいいよ!!ヒーハー!」 「え……いや、あの、お財布落ちてましたよ?あなたのですよね?」 そこにいたのは、左右で髪を結んだ背の低いおさげの美少女…… !? バカな……普通の女の子だと!? 都市伝説だと思っていたのに…… 存在したのか……っ! 「あ、ありがとう…本当にありがとう…」 「だ、大丈夫ですか?」 「ごめん…君があまりに天使のように美しかったから涙が…」 「え…えー////」 裕也の無意識の口説き文句により、彼女の頬が赤く染まる。 裕也もそれに気づいたのか頬が染まり、場の空気が自然と緩む。 ふと、彼女が何か決心したような顔をする。 「あ、あのっ///……あたし…前から白鳥さんのことが好きでしたっ!!!」 「ええええええええええ!!!そそそうなの!!?!?!こ、困るなぁ…あ、あはは…はは」 「そ、そうですよね…迷惑ですよね……っ」 「ああああああああ迷惑じゃないッ!迷惑じゃないよッ!!?!?!寧ろ俺も好きだったよ君のことッッ!!」 いかん、テンションが上がって言い過ぎた。 なんなのだ…これは…これが天国かッ!? クッ…この素晴らしい時間が永遠に続けばいいのに… だが…… 我らの子乃ちゃんは恐らく、待ち合わせ場所に来なかった俺を意地でも探し出し取り殺すだろう… その修羅場に彼女を巻き込むわけにはいかない…っ! そろそろ去らねば………ありがとう、最後に俺に夢を見せてくれて…神様ありがとう…っ!! 裕也は哀愁を漂わせながら、再び目に涙を浮かべる。 「ほ、本当ですかっ!?あたし臆病だし…ドジですけど…良いんですかっ!?」 「え?…あぁ…うん、勿論だよ!…あの、俺そろそろ…」 「それにあたし…能力とか使えますけど…」 「うんうん…わかってるよ………ん?」 違和感。今彼女は何と言ったのだ──いや多分気のせいだろう。モルダー、あなた疲れてるのよと自分に言い聞かせる。 「…白鳥さぁん!」 「うおっ!」 裕也は瞬間、彼女に抱きつかれる。 風紀委員に見つかったら打首獄門だが、今は放課後なので誰もいない。 そのふんわりとした感触が幸せだ。 彼女への些細な疑いなど一瞬で晴れてしまった。 いや待て待て…さっさと家に帰って首を吊らねばこの娘まで… ──ん?ちょっと待てよ 冷静になって考えてみれば このサイフ、不良共に奪われたじゃあないか。 不良達が落としたのか?いや、それだと不良達が落とした人物と認識され、サイフを届けに行くだろう。 それに無限学園の不良は恐ろしい。 軽いノリで人を殺したりと、文句なしで一級犯罪者と言えるような奴ばかりだ。 言わば猛獣の放し飼い。 この学園の名物と言っても過言ではない。 こんな女の子が不良達からサイフを取り返すのは無理だ。不可能だ。 つまり………………。 まぁ細かいことは気にしなくてもいいか─── 今が良いなら、それでいいじゃないk… 瞬間、白鳥裕也に電流走る。 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 「白鳥ィィィイイイ…どこだァァァアアア…」 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 『ソレ』はちょうど俺と彼女の逢引現場から少し離れた所にいた。 マズい…Monsterがいる…!!息を殺さなければ…ッ 「? 白鳥さんのこと呼んでる人がいますよ?」 「駄目だ……目を合わせてはいけない…」ガタガタ 裕也は焦点の合ってない目で思考する。 アレはデンジャラスすぎるゥゥアア!! とにかく今はこの子を守る為にもやり過ごさねば… 「ととととととととととにかく伏せて…」 「あ、あああ///」 裕也はその時気づかなかった。自分の今の体勢が、どう誤解されてもおかしくないことに… 『性犯罪者はっけェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエン!!!!!』 「「!?」」 裕也はその大声のした方向…即ち真上を見上げるッッ!! そこにいたのは…… 「吾は性犯罪者を死へといざなうザ・ロリータコンプレックス(略してロリレックス)……ようこそこの素晴らしき断罪空間へ。」 ゲェーッ!クレイ! 「や、やばい!逃げなきゃ!!」 「逃がすか性犯罪者ァアアアアアア!!」 裕也は彼女の手を引っ張りながらも必死に逃げる。 「手、手を握るなんて大胆…////」 「そんなこと言ってる場合じゃないよね!!!!!!!!!!!!」 とにかく走る。 だが背後から全速力で追いかけてくるクレイから逃げられる気がしな── 「やぁ白鳥裕也くん!やっと会えたな!!」 俺の名前を真正面からフルネームで呼ぶのは紛れも無い。 Monsterである。 どう考えても、クレイの大声でこちらに気づいたとしか思えない。なんてことだ。 つまり死への連鎖だ。 そして、彼女。 完全にキレているのだろうか。 笑顔である。 怖い。 怖すぎる。 「どうした性犯罪者ァアアアアア!!!もう逃げないのかァアアア!!?!?」 そして後ろから現れるクレイちゃん。 見事な挟み撃ちだと関心するがどこもおかしくはないな。 ふぅ…… グッバイ人生。マイ彼女。 いい夢見れたかよ?俺。 「「死にさらせェアア!!」」 同時に襲われる俺。 肉片になる俺。 ミンチになる俺。 ………あれ? 「白鳥さん、そんなに身を屈めてどうしたんですかぁ?」 甘い声で俺に微笑みながら声をかけてくれる少女。 そして少女の周りで蠢く銀色の『何か』。 「鎖使いの壱河。知りませんか?夢幻学園の風紀委員には、四天王と呼ばれる一線ブチ切れた連中がいるって。」 ───バカな。 白鳥裕也は否定した。 だが心の中では肯定していたのだ。 それならば、何もかも辻褄が合うのだから。 ………いや、風紀委員が抱きついたりとか、風紀乱しちゃ駄目じゃね? 「フフフ…そう、私の名前は壱河鈴莉!!名前、覚えてくださいよ!白鳥さん。」 「小賢しいわァアアアアアアッ!!!」 ギャキィ!!!という擬音と共に千切れ飛ぶ鎖。 地面に降臨する子乃。まさにラスボス。 「へぇ…あたしの鎖を壊すなんて、流石血籠の娘ね。」 「血籠?知るかボケ!私の白鳥を無断で使用した罪…断じて許さんぞ貴様ァ!」 その時白鳥は思った。 あれ?約束を守れなかったのが鈴莉ちゃんのせいになってね? 「…………『私の』白鳥…ですって?」 「そうだ!白鳥は私の奴隷であり…うおッ!?」 鈴莉ちゃんが手を翳すと、地面から無数に鎖が現れ子乃ちゃんを串刺しのせんとばかりに襲いかかる! 勿論それをどうしようもできない白鳥は… 「何も考えるな。この状況は全て虚実…そう、全て虚実…」 悟りを開いていた。 「そこまでよっ!!」 「「!?」」 「何も考えるな…俺…」 その時クレイの大声が放たれta!! ☆アルティメット纏めタイム☆ 「君たちの気持ちはよくわかった…!!恋をするなとは言わない… 私も君達がそこの優男が好きなのを真摯に受け止めるとしよう… だが待ってほしい。そこで君達が殺傷し合うのは、そこの優男にとって辛いことなのではないだろうか…」 「で、でも…!彼女は敵よ…恋愛の敵でもあるし…白鳥さんの為にもならないわ!!」 「君達は白鳥のことが好きなのだろう!!」 「いや、私は別に奴隷になるんなら誰でm」 「ならば白鳥の意見を尊重したまえ!私から言えることはここまでだ…」 「いやだから、私は別にどうでもいいk」 「ちなみに私はツンデレも悪くないと思う…さらばだっ!」 「………。」 「白鳥さん!どうなの!?」 「争いごと、良くない。平和、一番。」 「白鳥ィ…こんな女鬱陶しいだけだろう…?なぁ、そうだよなァ…」 白鳥はその言葉を聞くと、淡々と口を開いた。 「さぁ還ろう、虚無の無界へ───」 白鳥はそう言うと、どことも知れぬ場所へ向かって歩きだしたのだった。 「白鳥さん…」 「白鳥…」 その時の二人の目は、養豚場の豚を見るような目だったと言う。 「上手く纏まったな、ステファニー。」 「お嬢様も成長したものです。他人の恋路を邪魔するどころか支援するとは…」 「そうとも、私怨だよこれは。」 「えっ?」 「あの二人を相手にしていれば、あの優男の精神は、いとも簡単に破壊されるだろう。 第一、壱河は何故か若林子乃に個人的な怨みのようなものを持っていることが調査済み。 即ち…白鳥は死ぬ!!何がハーレムだ糞が!この性犯罪者が!くたばってしまえば良いのだ!」 「流石お嬢様。尊敬します。」 「日々のストーキングが大事なのだ。」 ────こうして白鳥裕也はまた一歩、死に近づいたのだった!!! めでたしめでたしそして続く
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連載小説 今までの小説は過去ログに保存されています。 小説置き場
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「はぁ…。」 白鳥裕也の溜息の理由が知りたい人は下の前回のあらすじを見よう! ☆前回のあらすじ始まり☆ 子乃ちゃん「そうだ、白鳥と一緒に部活入ろう。」 ☆前回のあらすじ終わり☆ ケヒッ───見事に溜息しか出ねェや…。 俺、白鳥裕也は現在、定位置となった教室の窓際………より一つ右にずれた席にて項垂れていた。 窓際が良かったなァ…ほら、なんか窓際ってラノベの主人公とか人気じゃん…なんで俺は窓際じゃないんだ…?一生の疑問。 しかも、背後。無論、邪神の席。(PART1参照…と言いたいところだがやはり恥ずかしいので参照しなくても良い) 「クックク…どんな部活にしてやろうか…クキキ……!!」 などという呪詛が延々と流れ続けるのだから俺はやはり溜息を吐く他なかった。 子乃ちゃんは、これで素なのだから末恐ろしい。 そして俺は心の底から懇願する。 誰か助けてください…この痛みから誰か開放して! と…。 ──次の瞬間!! 「白鳥さん!」 突如、意識外からの口撃ッ!これは予想外! 「あはい!?」 下からガタッと椅子と床が擦れる音がする。 自分の名前を呼ばれるのは慣れないのだ…子乃ちゃんと会ってからは特に。 「全く、駄目ですよォ~余所見したら。この問題、わかりますか?」 「え…いやあの…ちょっとわからないです…」 なんたることだ…とんだ赤っ恥だ! おのれ…と俺は目の前の担任を睨む…(実際は『見つめる』レベル) ──否ッ!!睨んだ積もりだったのだ!!(読んで字のごとく) 何故なら、そこには担任…京塚玲美の推定Dカップの乳房があったのだから…。 (Oh......ほんのちょっとだけだが痛みから開放されたぜ…) 「それじゃあこの問題、若林さんに問いて貰いましょう。」 …しめた!思わずグッジョブ!と言いそうになる。 子乃ちゃんは先程から部活…部活…とまるでどこぞのレイパーのようにうわ言を繰り返していた。 絶対授業の内容など頭に入っていないことでしょう! 「ふむ、答えは『Because a ball came suddenly.』(ボールが急に来たので)だな。」 ───あぁ、そういえば、頭が無駄に良いとかいう果てしなく無駄な設定がありましたね。 でもね、その無駄な設定が、今の俺を苦しめている。これはちょっとした恐怖ですよ。 「正解!白鳥さんも若林さんを見習いなさい?」 \ワハハハハハ/ そして、漫画のように笑いの渦に包まれる教室。 \白鳥は馬鹿だなぁ/ 「こら、皆さん駄目ですよ。白鳥さんだって頑張ってるんですから。」 いらないフォローをいれる先生。 「この虫ケラ共がァアアアアアアア!!!!!!! 揃いも揃ってこの白鳥裕也様を馬鹿にしやがってよォオオオオオオオオ!!!!!! 皆殺しだ!!!!!全員表にでやがれェエエエエエエエイ!!!!!!!!!!!!」 ───理想↑ 現実↓ 「はい…以後気をつけます…すいませんでした…」 座って良いという許可が先生が降りると、俺は即座に座った。 そして………なんか、全てが怠い。 「(あぁ…早く昼休みにならねぇかな…。)」 俺は、頬杖をつきながら虚空を見た。 とにかく、昼休みにならないことには始まらない…。 授業を聞く気にもならない…また指名されたらどうしよう。 そう思いつつ、俺は特に意味もなく視線を右側のドアに移していた── ガラッ 開いた!!!! 「「「「!?」」」」 授業中に突如開いたドアに、当然ながらクラス全員と、先生の視線が集中する。 開いたドアから出てきたのは、子乃ちゃんと同じぐらいのサイズの女の子……しかも知っている顔で、さらに言うと馴染みの顔だった。 「おや…万年欠席のブラクさんじゃない。やっと学校に着てくれる気になったのね?」 意外ッ!!クレイちゃんッ!! しかし、その顔は何故か暗く沈んでおり、俯いている。 いや、暗く沈んでいるというより、何かプルプル震えて── 「──わたくしは馬鹿であった…」 「?」 「実は…わたくし最近性犯罪者抹殺プロジェクトを始動しておりまして。 今こうしている間にも性犯罪者達によってこの夢幻街の貴重の少女たちの命が奪われようとしていると思うと、授業どころではないんです。」 「は、はぁ…その心がけ、立派だけどブラクさんはまだ学生…」 「そう、思っている時期が私にもあり申した!!!」 「!?」 「この夢幻学園!!!!超巨大な敷地でこの混沌とした夢幻街でもかなり目立つ巨大施設!!! 例外なくそこにもロリ天使達は存在する!!!!!同時にッ!!それを脅かす邪鬼も存在する!!!!! それを、今から1時間前の執事との会話で気づいたのです…!!」 ────今から1時間前の会話…… 「ハァ…ハァ…良い…幼女のお風呂シーン……!!」 「お嬢様は、いつもこうやって空中から円盤型偵察機に乗って双眼鏡でパトロールをしたり 実際に降りて人目のつかない細部まで襲われているロリっ子、困っているロリっ子を探すのに非常に熱心ですが…」 「?」 「一応入学していることになってる学園には行きませんよね?なんでですか?」 「そりゃあお前、授業なんてウケてる時間があったらもっと広範囲の偵察ができるだろ? それに学園の偵察は一週間に一度の間隔で既にしているから、抜かりはない。」 「ですが、お嬢様。考えて見てください。お嬢様は永遠にそのお姿のままで老いることはありませんが、 戸籍上だと年々数字が一つずつ追加されていき、最終的には合法的にあの少女たちの楽園へ入ることすらできなくなるんですよ?」 「えっ?」 「私は別に全々構わないんですが、昔から気になっていたんですよ。お嬢様が何故学園に行かないのかが。」 「い、いやでも偵察は…済ませてるよ?な、何の問題もない…そ、それに私はほら、そんな疚しいアレではないし…。」 「良いんですか?少女達とせっかくの青春を送れなくなりますよ。それにほら、プールなどのイベントで着替えなども…」 「たまには校内パトロールもしないとな!!!!!」 ──── 「───お分かりいただけただろうか?」 それ、無い胸を張ってまで教室中に響くぐらいの大声で説明する事なんだろうか…。 ていうかなんだそのドヤ顔は。私、凄いことに気がついたんだぜ、とでも言いたげである。全く以て腹立たしい! 「は、はぁ…まぁ、ほどほどにね…」 無論、流石の先生も苦笑いであった。 っておい、ちょっと待てよ? それでなんでクレイちゃんがこのクラスに来るんだ…? えっ、ちょっと待って、つまりそれって… 「つーわけで、私の席はどこだったかなー…」 「あぁごめんなさい、あまりに来ないから席片付けてたわ。取り敢えず若林さんの後ろで良いかしら」 「ほう!」 「ちょっと持ってくるわね~授業中にごめんね皆ー」 …なんてことだ、こんなの絶対おかしいだろう! 大体、路角で偶然会った女の子が転校生でした~なんて例も類稀だってのに…! 偶然であったロリコンがクラスメイトでしたなんて、洒落にならんぞ…!!! 「…君が私の前の席の若林ちゃんかね!ほっほう、中々の幼女体型…ん?なんかこの貧相な胸どこかで…」 瞬間── ──マッシブ!!!!!!!! と叫びながら地面に頭を埋めるクレイちゃん。 騒然となるクラス……といったほどでもない。皆が皆、関わるまいと目を逸らしている。 「……!この蹴りの鋭さも感じたことがある!君!下の名前は子乃だろう!毎日沢山のロリっ子と出会うから忘れていたわファハハハハ!!」 頭の半分地面に埋めながら何言ってんだこの幼女(仮)…。 子乃ちゃんは相も変わらず地面に生み落とされ誰も拾わぬまま蠅にたかられるクソを見るような冷たい目でクレイちゃんを見下ろしている。 その目に気づいてのか「ウヒッ…いかん、マゾに目覚めそうだァ…!」と地面に半分頭を埋めながら体をクネクネさせるクレイちゃん。 つーか、今更だけど俺の周囲の幼女は皆変態しかいねぇのか!? ======================================================== そんなこんなで昼休みになった。 「よし!白鳥!弁当を食おう!」 「いいやッ!駄目だ!!こんな性犯罪者と一緒に弁当食うなどマッシブ」 「あっごめん今日俺お腹いっぱいだから。」 「なっ!?」 俺は何言ってんのこいつ…信じられない…という顔をする子乃ちゃんや、顔を半分地面に埋めたクレイちゃんなどを振り切り、教室を後にした! 俺がこれからすること…それは『部活』について…今から調べるッ!!! この夢幻学園、知っての通り一見アホに見える賢者から、どこからどう見ても人間な化け物だとかなんでも取り揃えていやがる。 なんとも、多種多様という言葉で片付けるには余りに浅慮であると思えるほどに、まるで年々増え続けるポケットモンスターのように。 取り揃えていやがる。 しかし、そんな無駄に良い品揃えは、この名一般人の白鳥裕也にとってみれば障害以外の何者でもない!!! 「というわけで、京塚先生…部活が…したいです…」 「いやそんなスラムダンクっぽく言われてもね…」 京塚玲美、年齢不詳。男なら必ず目が胸部付近へ行くであろう…Dカップという、そこそこのおっぱいの持ち主だ。 今現在、俺は職員室に来ている。後ろからは普通に仕事をする教師や、ヒーッハーッなどと叫んでいる教師まで…まさしく多種多様。 多種多様なのは、生徒だけではなかったか…浅慮なのは俺だったようだ。フッ、いきなり背後から槍が飛んでこないか心配だぜ。 「でも、白鳥さんって帰宅部でしたよね?確か── ──『一般人であるこの俺が、活気あふれる異能者の方々と元気に部活なんてしたら一日で肉塊ですよ』とか得意気に言ってましたよね?」 「よ、よく覚えてますね、そんな昔のこと…。」 確かにその通りだ。露骨に声真似までしやがって…しかし! 「しかし!事情が少々代わりましてね…。それであの、できれば俺みたいな一般人でも入れる部活が良いなと。」 「……そうですか?だったら、ここなんてどうでしょう、『人間部』。参加資格、人間であること…だそうです。 集まって何をしているのかちょっと謎ですけどね。」 「いや…ちょっとそれは…(胡散臭すぎる…明らかに地雷だな…)」 はは…と口を濁す。それに、肝心の子乃ちゃんが何か…胸を張って人です!と言えないし。 「そうですか?だったら、こっちの『アンチ異能者部』とかどうです?異能力の才能が無い人が集まってる部活のようです。」 「いや…それも無理かな…」 「え?なんでです?」 …ハッ!となる。 そういえば、この先生には、俺と若林子乃ちゃんの関係について話していなかった。 いや、そもそもこの先生と話すことも余り無かったしな…。 最初の頃は安全な先生かどうか見極める為になるべく距離を置いて観察していたし。 なるべく教師とは生徒と同じで保身の為に関わらないのが俺の信念だし。 そう…例え、おっぱいが大きくても、だ。 あ、取り敢えず先生の俺を見る目が怪しいものを見る目に変わりつつあるしそろそろ答えよう。 「いや、あの…連れがいましてね。一緒に部活に入るそいつがかなり異能者でして。」 取り敢えず、これで良いだろう。それが若林子乃であると、一々言うこともない。 俺は言って、先生の返事を待つ。……しかし、10秒経っても返事が返ってこない。 俺は、眼の焦点を胸部から顔に移してみる。 そこには先程の子乃ちゃんのような、何言ってんのこいつ…信じられない…と言った感じの顔をしている京塚玲美がいた。 「えっ…連れ!?友達がいるの!?クラスで友達が一人もいない上に勉強も成績最悪…! 異能力に関しては才能皆無!という全く以て救い難いある意味問題児だった白鳥さんにそんな人が!?これは意外だわァ~!」 お、おう。 最近なんだか涙腺が脆くなってきたな。何故か知らんが、涙が溢れてきやがる。 取り敢えず悟られる前に涙を涙腺に戻しておく。 「あっと、ごめんなさいね、ちょっと…余りにも意外だったもので。」 「いや…事実…ですからね…。」 悪びれる様子もなく淡々と言い切る先生。フヘヘ…先生って天然だぁ…… 「えーっと、それじゃあ………………ごめんなさい、先生てっきりこの二つのどちらかから選ぶと思ってて… 全然思い付かないわ、あなた用の部活…どうしましょう…ちょっと考えさせてくれる?何しろ沢山あるからねぇ…。」 うーんと唸る先生は、そう言うと部活の名前が連なった紙のようなものっつーか紙を取り出し、それを凝視し始めた。 「あ、取り敢えずご飯まだでしょう?食べておいで。後で…そうね、放課後までには纏め上げて見せてあげるわ。」 「おお…ありがとうございます!」 今日初めてこんなに話したが、良い先生じゃないか!久々にまともな先生に会えた気がする。 こんなに良い先生なら、最初から話しておけば良かったなぁ…。 「じゃあ、失礼します!」 はい~と手だけ振る先生のお姿は、なんだかとっても普通の学校に済む白鳥裕也とその担任の一シーン…日常的ヒトコマのようで、なんだか神々しかった。 あぁ、素晴らしい。俺、結婚するならああ言う人とするわ…。 「白鳥ィアッ!」 「!?」 そして突如後ろから怒号が響く!!! それと同時に物凄い殺気を感じた俺は、一歩体を仰け反らせるッッ!!!! ブォオオオオオオオオン!!!!!!!!! 「ギャアアア!!!!」 一歩先…先程まで自分の頭があった位置を物凄い勢いで、人一人ぐらい簡単に真っ二つにできそうな大鎌が振り下ろされるッ!! ガシャグアンッと大層な音を立てて地面に突き刺さった大鎌…大鎌と言えばッ!! 「ここであったが百年目…!よくも鈴莉を泣かせたな白鳥ィイイイイイイイ!!!!!」 虎菊紅閻、その男である!! 二年生である彼が何故三年の階層に!?だとかそんな突っ込みはどうだっていい! このままでは死ぬ!!!!! 「ま、待て!!話をしよう!!!鈴莉ちゃんは何故泣いているのかとか!!!」 「なァ~…ぜェ~…だァ~…とォ~~~…?」 ギギギ…と憎悪の篭った鬼のような目で俺を見てくるクエン酸… 「貴様…白を切るとは…本当に殺されたいらしいな…」 えぇえええええええええええええええ!!! 「いやだって!!本当に心当たりが……あっ」 「思い出したか、この甲斐性なしがァアアアアアアア!!! 貴様のせいで鈴莉は風邪をひいた上に傷心中であられるのだぞォオオオオオ!!!!」 忘れてたァアアアアアアア!!! こここここ、こういう時わ… 「ごめんなさいッッ!!!」 「!?」 土下座あるのみッッッ!!!!! 「大変…申し訳ありませんでしたァッ!!鈴莉ちゃんと友人であるあなたの気持ちはァッ!!よぉおおくわかりましたッ!!」 「(な、なんという洗練された土下座…先程まで殺してやろうと思っていたのに…物凄い勢いで戦意が削られる…ッ!)」 「ですが!鈴莉ちゃんに一言会って詫びる為にッ!!どうか命だけは助けてください!!!!! 不躾ですがッ!!!!筋を通したいんですッッ!!本当にすいませんでしたァァアア!!!」 八割本気、二割演技といったところだろうか…これも俺が学園で生き延びる為に培った謝罪法の一つだ…! ていうか鈴莉ちゃんマジでごめん… 「ぐ…ぬ…ぬ……」 ガシャアアンッ!!!と大鎌を手から零す紅閻、どうやら折れたようだ。 「そこまで謝るなら命まで取らないで置いてやる…放課後風紀委員会総本部へ来い!貴様に先程の土下座を鈴莉の前でさせてやる!!」 「はいッ!!ありがとうございますッッ!」 フンッと鼻を鳴らし、鬼のような眼差しで俺に一瞥をくれてから、彼は去っていった……なんとか一命は取り留めた。 ……………えっと、放課後だって? キーンコーンカーンコーン そして鳴るチャイム。終わる世界(弁当食いそびれたこの野郎ォオオオオオオアアアアアアア!!!!)。 ======================================================== なんだかんだで放課後、というか…俗に言う帰りの会の後、教室にて 「子乃ちゃん!!まず先に謝らせて貰う!」 「何!?」 「生きててごめんなさい!!!」 本日二度目の土下座ッッ…までしたら流石の子乃ちゃんもドン引きしそうなので、九十度の平謝りだっくらえッ! 「なんだかわからないが許すッ!!!」 勝った!第三部完ッ!! 「それで要件なんだけど、今日は部活探すのは用があって無理だ!ごめんね!!!だから今日は一人で帰っ」 「許さん!!!!!!!」 マッシブ!!!!!!かかと落としを喰らった!!! 「子乃ォ!!平謝りされているようだが何があった!まさか妊娠させられガッシブ」 ガシィッ!!と床に埋まった俺の頭に足を乗せてくる子乃。 同時に埋まっているクレイの羨望の目が非常に憎ったらしい。 「理由を聞こう、白鳥…答えによってはこのまま踏み潰す。」 「ギギギギギ…いや…その…かくかくしかじかで…鈴莉ちゃんに会わないと俺の命がヤバヒギッ!!!」 頭に力が加わる!!!いかんこのままでは遅かれ早かれ割れる!!!確実に割れる!!どうすれば良いッどうすれば 「そうだ…子乃ちゃん!子乃ちゃんも一緒につれていってあげよう!」 「ばっかじゃね~の?そんなことでこの鬼畜幼女子乃たんの魔の手…いや、魔の足とでも言っておこうか…魔の足から逃れられるわけがない」 た、確かに…腹立たしいがクレイちゃんの言うとおりかも… 「…構わん、良いだろう。私も連れていけ。その代わりとっとと済ませよ!!」 「お、おお!!ありがとうございます!やったー!」 「なんだと!?」 よっしゃああああああなんかわからないけど生き残れたぞおおおおおお!! 「(まさか子乃ちゃんがこんな尻軽だとはな…)構わん、良いだろう。私も連れていけ。その代わり子乃たんを妊娠させる権利を、」 その日、クレイちゃんは現代オブジェになった。 ======================================================== ───夢幻学園中等部。 中等部では、委員会ごとに部屋が設けられ、特に重要な風紀委員会ともなると専用の施設が建つほどである。 さて、ここ風紀委員会総本部へ来るのは二度目となるわけだが…いつ着ても、これを生徒達が運営していると思うと、 大袈裟だが風紀委員会が一つの組織のように思えてくる…なんか893的な方の。 「…来たか。」 そこには、待っていたのか…二年生風紀委員会総本部と達筆で書かれた看板の横に、昼間に会った後輩……とは思えぬ目付きを持つ鎌男、虎菊紅閻がいた。 一応子乃ちゃんには争いごとは起こさないように念入りに言っておいたが、曖昧な返事しか返してこなかったのでかなり不安である。 「入れ。…ってそっちの女は!!」 「よう鎌男、またやるか?」ニヤ 「ちょっ、子乃ちゃん!」 「………………………今はよそう。」 なんだその間は。一瞬構えただろ、おい! 「そうか…」 ていうか子乃ちゃんも子乃ちゃんだよ!何その残念そうな顔!煽らないでよ!!! とか言う勇気は勿論ない。あるわけない。言うわけない。 つーかこの二人に挟まれるって最悪なんだが…死ぬんじゃない俺? 途中、険悪な空気を発する二人に挟まれつつも廊下を歩いていると、突如イケメンがドヤ顔で話しかけてきた。 「やぁ~久しぶり…ってほどでもないね、白鳥くん!作者的には半年ぐらいぶりだけど、私達的にはまだ一週間も経ってないね!」 何言ってんだこいつ。気でも狂ったか? 「えーっと…ミヤギさんでしたっけ?」 「ミヤジョウだ、四天王の一人の宮城義男!!間違えないでくれたまえ…!」 いかん…やばい怒ってらっしゃる……? 「まぁ良いよ。私はそこの癇癪男とは違って心が広大なのでね。」 「チッ…」 ミヤギ…ミヤジョウさんが髪を無意味にファサァ!とするとこう言い出した。 「ふむ、取り敢えず、ロビーでお茶でも飲まないか白鳥くん。話はそれからで良いだろう?そちらのお嬢さんも、どうだい?」 「いや俺達急いで「お茶というものは美味しいのだろうな!?」ええ…」 勿論おいしいぞ!よし決まりだな!と、指をパチンと鳴らして廊下を進む宮城さん。(ていうか、なんで俺後輩にさん付けしてるんだろう…) 「ついてきたまえ、こっちがロビーですぞ!」 ていうかこいつの動作の一つ一つが凄いうざい…勿論口には出さないけど… こうして、俺らはなんだかんだでお茶を飲むことになった。つーかさっさと済ませるんじゃなかったのか子乃ちゃんはよォォォ!!! お茶うめぇええ!! 「美味しいっすねこれ!!!」 「気に入ってもらえたようで何よりだ。」 「なんだこの飲み物は…苦い、苦いぞ白鳥ィ!」 「いやお茶だからね、そりゃそうでしょ…」 的外れな感想を言う子乃ちゃんは、満更でもなさそうだ。良かった良かった!平和が一番だね! 俺達は今廊下を抜けた先のロビーの食堂にてお茶を出されていた。 「普段こんな所で活動してるんですね…」 「というかここで生活してるしね。」 え!?と思わず声が出る。 つまりここが寮代わりという事か…? 「いや、我ら四天王は家が無くてね。寮を借りるお金もないから、しょうがなくここで暮らしてるってわけさ。 まぁこの学園のことだし、頼み込めばただで貸してくれるかも知れないが…」 ただほど恐い物もあるまい?と付け足すように言う宮城。 「おい!おかわりはないのか!?」 KYにも程があるよ子乃ちゃん!!! 「あぁ、あるよ。どんどん飲むと良い。白鳥くんもどうだい?」 急須で子乃ちゃんの湯呑みにお茶を汲みながら聞いてくる。 そんな図々しい事…いや、でも美味しかったしなぁ… 「あ、じゃあお言葉に甘え「いい加減にしろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」!?」 ドォンッ!!!とテーブルを叩いたのは虎菊紅閻だった! 突然の出来事に驚いて湯呑みからお茶を俺の顔にぶっ掛ける子乃ちゃん。 同時に俺の方に急須の中身をぶち撒ける宮城さん。 「こいつらは客じゃねぇんだぞ!……あ。」 「ギャアアアアアッツイツイツチチチ!」 昏倒すると後頭部を床にぶつけさらにその床がズボッと抜ける。 頭を地面に埋めるのは本日二度目になるが、事故で頭を地面に埋めるのは生まれて初めてであった。 「……ドリフかよ……」 そう誰かが呟いた。 「……ま、まぁ……さっさと鈴莉のとこいくぞ。ほら…手ぇ貸す…」 「あぁ…ありがとう…ございます」 流石の紅閻くんも良心の呵責があったのか俺に憐れみの目を向けてくる。 ……なんだかとっても情けない気持ちになったが、邪神とは言え子乃ちゃんなどという娘っ子に毎日殺されかけてるし… 今更すぎるな、と。自分の自尊心はどこにあるんだろう、と。 あ、駄目だ、これ以上考えたら涙が(ry ======================================================== 我々は二階に昇ると、仕事感溢れる一階とは打って変わってなんだか生活感溢れるここを目の当たりにする。 クエン酸はこっちだ、などと不機嫌な調子で言いながら案内されたのは、『鈴莉の部屋』と書かれた室名札がぶら下がる扉の前である。 「ほら、早く入れよ。多分不機嫌だから。」 「あ、はい…」 俺は言われるがままにノックをすると、ドアノブに手をかける。 「お邪魔しまーす…」 ガチャッと扉を開けると、そこは女の子の部屋でした。 いや、当たり前って言ったら当たり前なのかも知れんけど…ここ風紀委員会の総本部だよね!!? なんだか黄色とピンクの花柄の壁紙に、辺りにはぬいぐるみが沢山置いてある…まさに女の子。 ハッとなり、部屋を見渡して1秒で彼女の存在に気づく。 ベッドから半分だけ体を起こしていた彼女は… 「あ、白鳥さん…」 目がいつもより眠そうな、マスクをつけた鈴莉ちゃんであった。 俺が放課後の事を忘れた上に寒いダジャレまで付加したおかげで、こんなそろそろ梅雨だって季節に風邪をひかせてしまった…。 我ながらかなりの罪悪感…故に、俺は即行謝ることにした。 「鈴莉ちゃん。本当にごめん…!!」 「………良いよ、そうだよね、私アレだし。影薄いしね…忘れても、しょうがないよ。」 ふふ…と、風邪のせいなのか赤い顔で、愛想笑いをする少女。 「…いや…そんなことは…」 「………この話は、やめよっか。」 「………。」 「………。」 「………。」 あ、やばい。この重圧やばい。死ぬ… 「あ、そうだ…白鳥さん、虎菊くんから何かされなかった?」 「え?えっと、大鎌を振り下ろされました。」 そぉい!!!とグワンッと手を突然振り上げる鈴莉ちゃん。一体何事か、と俺は思ったが、それは恐らく『異能行使』の合図だったのだろう。 扉の向こうから紅閻の断末魔が聞こえた…。 「ごめんね、襲っちゃ駄目だからねーとは言ったんだけど…聞こえてなかったみたい。」 「はは…」 鈴莉ちゃん思いなんだなぁ、アイツ…と思ったが、正直命を狙われる身からしてみると洒落になってない…まぁ今回は自業自得だが。 限度を弁えろよ、あの鎌野郎!などと考えていると、鈴莉ちゃんがさらに続けて口を開く。 「……あの、さ。昨日の放課後、私に何を話す積もりだったのかな?」 「え?」 「今は二人きりだし…教えてよ、白鳥さん。何を話す積もりだったの?」 「………。」 えっーと………。 ─────なんだっけ。 あ、放課後?放課後…あーあー……そういえばあの時… 鈴莉ちゃん!!!放課後教室でちょっと話があるんだけどぉー!!とか言ったような気がする…(EX3参照) ………完全に口から出まかせです。本当にありがとうございました。 「えっと………うーんと…あぁ!!そうそう!!」 「?」 「今度さ!子乃ちゃんと一緒に入る部活を探すからその時一緒に良い部活はないか探そうよ!って言おうとしたんだよ!!!」 「………ふーん………」 「(あれ?なんだ、なんだかすごい地雷を踏んだ気がs)」 「白鳥さん」 「はい?」 「このニブチンがァアアアアア!!!!」 突如ぬいぐるみを持って振りかぶる鈴莉ちゃん!! そして投げる鈴莉ちゃんッ!! 「ちょ、風邪ひいてるのにそんな体動かしたらアブッゥウ!!」 グシャア!!!と俺の顔面にめり込むぬいぐるみ……なんだこのぬいぐるみはぁ!! 中にジャラッて感触が…こ、これはもしや…中に鎖が入っているゥ!!? 「絶対に許しません!絶対に許しませんからね!!!」 放たれ続けるぬいぐるみ爆弾…! そのどれもが頭、顔、胸、腕、足、鳩尾などに命中していく…。 「ググガァ!!アビバァ!!マッシブゥ!!!」 いかん、意識が朦朧としてきた…なんだこの拷問は…自業自得とは言え……これは流石に死…… 「絶対に許しま…あふん」 ───ッ! 俺より先に鈴莉ちゃんに限界が来たのか、ベッドから前のめりに倒れる鈴莉ちゃん──を、なんとか受け止める俺。 首筋に、彼女のはぁはぁと言う荒い息が当たる……これで彼女が巨乳だったらプロポーズをしているぐらいエロい…! 「あ………白鳥さん………」 っと…自分が倒れた事に漸く気がついたような感じの彼女の声で、俺は我に返った。 俺ってばなんて不謹慎な男だ!風邪の女の子に劣情をきたすとは…! 「大丈夫…鈴莉ちゃん…?」 「……急に取り乱してごめんなさい…私は大丈夫ですよ、もう立てま、ハックショォン!!」 「うお、危なッ!」 残念だったな、俺の第六感は、数々の死線を乗り越えてきただけあって凄まじい!ほとんどニュータイプと言っても過言ではないだろう! 彼女のくしゃみを頭を動かし華麗に避けると、頭を元の位置の戻す俺。 「すいません……」 「…君が謝ることなんてなんにもないよ。こっちこそ、風邪ひかせちゃってごめんね鈴莉ちゃん。」 「……それはもう許します。私も大人気なかったし…。」 「あ、あぁ…ありがとう、鈴莉ちゃん。」 よし!何か急に良いムードになってきた!よし!これで後味良く帰れそう!よし!よし! 「おーい白鳥!まだなのかー!?さっさと帰るぞー!!お茶はもう飲み飽きた!!!」 よし!ナイスタイミングだ邪神子乃ちゃん! 「はいはーい!……そういうことだから、お大事にね…あと、ごめんね鈴莉ちゃん!」 「はい、白鳥さん!また学校で会いましょう…!!」 「はーい…?」 なんか顔がさっきより赤くなってないか、鈴莉ちゃん…マジでお大事にした方が良くね、これ…後で紅閻くんに伝えとこうか…。 そう思いつつも、俺はドアノブに手をかける─── 「おかえりなさい、白鳥くん。」 「長かったな、テメェ…」 扉を開けたらそこはまるで別世界! 頭に何故か先が尖った鎖が突き刺さり血が流れているクエン酸とイケメンの宮城さんがいた! 「…まさか中で怪しいことを…「滅相もない!!!証拠に悲鳴とか聞こえなかったでしょう!?」…………。」 なんでこの鎌男はこんなに疑り深いのだ…俺はマジで勘弁して欲しいと言わんばかりに弁解しておく。 「ハッハッハ!貴様はずっと殺気立っているなぁ虎菊紅閻!いい加減疲れないのか?」 などと子乃ちゃんが挑発的な口調で言う。思って言っちゃいけないことってあるよね!!! 「なんだと、貴様!」 完全に臨戦態勢の二人…なるべく距離を置いておき、俺は気になったことを宮城さんへ聞くことにした。 「すいません、宮城さん。」 「ん、なんだい?白鳥くん。」 「この前ここに来る時にいた、影の人が見当たらないみたいですが…いや、会わせろって言ってるわけじゃあなくてですね」 「あぁ、彼はああ見えて夜型な上にシャイなんだ。悪いな、白鳥くん!」 「そうですか、会えたら…この前助けてくれたお礼が言いたかったんですけど…」 「大丈夫だ、私が伝えておこう…それより!!すずりんはどうだった?エロかったか?」 「うむ、中々…だがあれだな、胸が貧相なのが欠点──」 次の瞬間、俺は突如何かに躓いて転んだ!一体何が…と地面を見ると、そこには何故か地面から突き出た鎖の姿が! 「言い忘れていたが、すずりんはかなりの地獄耳だからな。半径25m以内ならどんな小声でも聞き取れるらしい…帰り道に気をつけておけ──」 次の瞬間、宮城さんもド派手に転び、床に頭を半分埋めた。 「ドリフかよ…。」 ======================================================== 「いやぁ、壮絶な戦いだった!」 額についた汗の拭うような動作をしてみる。 寮にようやく帰った頃にはすっかり外は暗くなり、完全に夜を演出している。 「あぁ、私はそうでもなかったがな。何故か鎖に絡まれてリンチに遭ってからはヤツも大人しくなってしまったし…。」 まぁ、子乃ちゃんに総本部で暴れられるのが一番不安だったんですがねェ…。 何はともあれ─── 「お腹空いた………めちゃくちゃ空いた。とっとと帰って弁当食べよう。朝から何も食ってないし……敷いて言うならお茶飲んだ。」 「あぁ、私も朝のお前の手料理から何も食べてないな!!!」 「…………?」 食べてない…?それはおかしいッ!子乃ちゃんは昼間に十分弁当を食べる時間があった筈だ……! 「まぁいいや…考えるのもだるい。じゃあ食べれなかった弁当食べるか…」 「おー!待ってたぞ!」 妙にテンションが高いな子乃ちゃん…まぁいいや、本当に考えるのもだるい。 「それじゃあ弁当………うおらっしゃあああ食うぞぉおおおおおいただきますッッ!!!!」 テンションあがってきたぜよァアアアアア!!! 何の捻りもない日の丸弁当だけどテンションあがってきたぜよァアアアアアアア!!!!!! 同じく弁当を開け箸を握る子乃ちゃんは、何かを呟いた。 「やっぱり、弁当は───貴様と二人で食べるに限る…な…」 しかし、何やら柄にもなく小声で言ったのか何を言ったのか聞き取れない! 「なんだって?子乃ちゃんもう一度言って!飯に集中して聞こえなかった!!!!あーうまい!」 次の瞬間、俺は本日最後の床埋まりを経験する───何故だ。 ちなみに、第二の壱河鈴莉と化した将来結婚したいランキング一位の京塚先生だが、彼女自信も白鳥のことを忘却していたらしく、何も問題はなかった。
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「…ふぁ………んぅ。」間抜けな欠伸が不意に口から漏れる。誰かに聞かれていたら恥ずかしいが、そんな発想は寝起きの自分には無理だったらしい。ボロい布団から上半身だけを持ち上げた状態で、目の焦点を虚空に固定したまましばらく思考停止。………どうやら朝である。私はダルい首を動かし、それでも流し目で、この糞狭い寮に唯一ある窓から、外の平静をぼーっと確認すると、「……おい白鳥!!!」「ぎゅぶ!……!?」取り敢えず、床で無様にも惰眠を貪っていた男を蹴飛ばし起こす。男は何が起きたのかわかっていないようなトボけた動作を繰り返していたが、やがて起きたことを悟ると「あ、おはよう子乃ちゃん。」と微笑を浮かべたのだった。最近のコイツはよくわからない。割と痛めにした筈だが。いや、そんなことはどうでもいい。「えっと……何か言いたげ?」ご名答である。「お前、部活は何をしている?」「……えーーーーっと………」チッ、察しの悪いカスだ。何が言いたいかと言うと…悔しいが、今まで『部活』というそのものの概念を私は知らなかったのだ。要するに…コイツの入っている部活に入り、色々荒らし回ろうと思うのだが…「─────…………帰宅部…かなっ!」…即ち…帰宅する部…?言ってることの意味がわからない。「…その心は?」とりあえずそのまま聞くことにした。「…うっ…そんなことより今日は玉子焼き作るよ!!」「おいお前私を馬鹿にしてるだろいつまでも食い物で釣られてやると思うなよいいから早く作れ」…危ない所だった…子乃ちゃんの目、アレは俺に何か期待してる目だ!あの場で帰宅部がどういうものであるか、なんて説明したら肉塊になりかねん。というわけで俺は今、元気に登校中である。「(そういえば白鳥の奴…いつも放課後部活に行っている様子がないな…なぜだ?まさか私に隠れて…)」ん…?なんかまた子乃ちゃんが考え込んでるな…なぜだろう…凄く嫌な予感がするのは…「おはよーございます白鳥さぁーん!」「ゲェ!この声は!最近作者に素で忘れられていた鈴莉ちゃん!?」「なにそれ酷いッ!!」まさか第三者が介入するとはッ!!ということは…「おおう、鈴莉!貴様『帰宅部』とは何か知ってるか?」「帰宅部…?あぁ、あの法外なサボ…」「鈴莉ちゃん!!!放課後教室でちょっと話があるんだけどぉー!!」「……!!ついに子乃ちゃんから私に乗り換えてくれる気になったんですねッー!!」あぶねぇ…しかし強引すぎたか!?これでは逆に子乃ちゃんから『私から乗り換えるだと!?』とかなんとか言われて頭突かれ…「(サボ…サボ……サボテン?)」セェェーーーーーーーーーーーフ!!とりあえずこれで危機は脱し…「帰宅部とかいうこの学園の強制入部制度に反した団体は一刻も早くブチ壊されるべきだと俺は思うのだが。」! ?「はいそういうわけでしてー通りすがりのエナジーでしたーそれではサラダ……ヴァ!?」「それは一体どういうことだ…!?」通りすがりのエナジーなどと名乗った男はその言葉に突如激昂(?)した子乃ちゃんに襟を掴まれその怪力で持ち上げられた!!!「グフッ……ど、どどどういうことって、帰宅部ってのは帰宅するだけの部なんだよ!聞けばわかるだろ!!!」「なっ………」「おい貴様…!!教えてやったんだから早く降ろせ…」「……おのれ……」そして子乃ちゃんは、そのまま襟を振り回し…「!?」「おのれどういうことだ白鳥ィィィイイイイイイイ!!!!!」ぶん投げる!!!!「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」俺 に 向 か っ て ! ! ! !「うわぁあああああああああああああああああ!!!!」通りすがりのエナジーとやらはッ!そのまま顔面から俺に物凄い勢いで覆いかぶさる1!!覆いかぶさるってすげぇ微妙な言い回しだがとにかく覆いかぶさったのだ!「…殺すッ!!」しかしエナジーは、血走った目でどこからともなく銃を取り出した!!「ど、どうしてそうなるんですかァー!?」俺は動揺した!!!だがしかし、現状に嘆いている暇はないッ!!その銃口は明らかに子乃ちゃんに向いていた!エナジーが銃の引き金を引こうと指に力を入れ──「貴様ら全員殺───」──たその時!!「──!?」突如地面から無数に生えてきた鎖が銃を取り押さえるッ!!!「風紀委員四天王の一人の前で…『風紀を乱す』とはなめられたものだなッ!!」←ドヤ顔「えええええええええええええええええええッ!!!?!?!?!」俺が殴られた件についてはッ!?と言いたげなエナジーだったが「死ッッ」時、既に時間切れ!!子乃ちゃんは目と鼻の先!!!!「ねェェェェ!!!」男勝りの掛け声で子乃ちゃんは拳を振り被るとそのまま振り切る!!!当然その鉄拳はエナジーと……「グギャアア!!!」俺 に 当 た っ た ! ! ! !「ひ で ぶ」────────────…「………知らない天井だ」辺りを見渡す。そこには短い方の針が『3』の数字を指した時計と、「おはよう、白鳥。」「……あ…知ってる先生。」「…ボケたのか?」残念な胸をした白衣の女性がいた!一応言っておくが大人で先生である。胸は残念だが。まぁ…とどのつまりここは保健室のベッドである。「ところで、お前今凄い失礼なこと思わなかったか?」「思ってませんからそのメスをしまってくださるとありがたいですはい…。」「……まぁ怪我人をいたぶる趣味はあたしにゃない。…だがお前は軽傷だ。背骨が複雑骨折したぐらいだった。」「…(それ軽傷じゃねぇだろ…)っと、『お前は』?」「……もう一人の彼は…打ち所が悪くてな…」「………それじゃあ…」ああ…通りすがりの人…俺は恨まないでくれ…「あぁ……………先程完治した。」って、なんでやねん!!「おかしいやろ!!俺でもまだ背中痛いんやぞ!どういうことやそれほんま!!」「…私も驚いているぞ。お前のその関西弁とかにな。まぁそんなことよりお前のガールフレンドだが」「……ん。」白衣の先生が向かいの白いカーテンを開けると、もう一つのベッド…もといベッドに眠る少女鈴莉ちゃんがいた。もしかして、俺が起きるのを待っていたんだろうか…だとしたら悪いことをした。「お前が起きるまで待ってるとうるさくて邪魔だったんで気絶させておいた。邪魔なんでさっさと持って帰ってくれ。」「あんたが気絶させたのかよ!!」「先生にあんたとか言うな…ブッ殺すぞ。」「…ご、ごめんなさい。」「いいからさっさとそれもってけ」「『それ』て…』仕方なく鈴莉ちゃんを背負う俺。はぁ重い…最近体動かしてなかったからか…こんなに重く感じるのは。……しかし…鈴莉ちゃんか…別にいて欲しかったわけじゃないけど、子乃ちゃんがいないとなんだか調子狂うな…そもそもここにいるのが子乃ちゃんにぶん殴られたからだし、それはないか。「…あれ?じゃあ俺を運んでくれたのは鈴莉ちゃんなの?」「あぁ、それなら…」先生が言葉を紡ごうとした瞬間、まさに待っていたと言わんばかりのタイミングで保健室の扉が開かれた!!「おい鈴莉ィ、迎えに来たぞ………!?」「!?」ゲェ───!!「通りすがりの彼が壱河に頼まれて運んできたらしい。君とアラドをな…。鈴莉ちゃんは力仕事は似合わないらしいから…って聞いてる?」あぁ…そこには…忘れもしないッ!!あの風紀委員自称四天王の一人…大鎌の男がいた!!!「き、貴様ァアアアアアア!!!また鈴莉が無抵抗なのを良いことに……何をしている!?!!」そういいながら男が手に『鎌』を生成する!!なんでこいつはいつもこんなに生き急いでるの!?「ブチ殺ォ……」「う、うわぁあああああああああああああああああ!!」大鎌男は容赦なく鎌を振りかぶり…「保健室で暴れるな!!!!」と一喝を上げた先生が大鎌の男をぶん殴った!!その女性故に細い腕のどこからこんなパワーが来るのか知らないが、大鎌男は横薙ぎに吹っ飛んだ!!お前が暴れるな!と言いたいところだがここは素直に感謝して貰おう!大鎌男は壁に叩きつけられ、そのまま動かなくなったようだ「おい、その鈴莉とかいう子連れてくとまたコイツに襲われるかもだぞ。」「ハァ…じゃあもう後は四天王の人達に任せますね。」「ふぅむ…保健室を破壊しよってからに…困った奴らだ全く。」「(あんたもな…)」俺はそう思いながら保健室を出…「……あ。」「………白鳥。」るとそこには子乃ちゃんの姿があった。どうして?何故?待ち伏せ?…様々な思考が俺の内に秘められたスーパーコンピュータ頭脳の如く行き廻り最終的な結論が出たのだった。『ぶん殴られるんじゃね?』とりあえず俺は素早く防御体勢を整える!!これなら腕一本が折られるだけで済む!大丈夫!背骨骨折とか余裕で死亡レベルの傷を完治に導いてくれた保健室の先生がいるんだ俺には!痛いのは一瞬さ!「さぁどこからでも来い!!」「……………。」「あれ?」しかしいつになっても痛みは来ない。いや待てよ…これはフェイントかも…「なぁ白鳥…色々な部活を見学して回らないか?…私とっ!」その時の子乃ちゃんの顔は、よく覚えている。そう、何故か頬を赤く染めていたのだ。ちょっと不覚にもちょっと女の子に見えてしまった。一方俺の顔は青く染まっていた。寧ろ黒かった…。と、言ってる間に下校時間。俺は今日の殆どを保健室のベッドで過ごしたわけだが…まずこれをお話しよう。俺が『帰宅部』になったワケ…。それは言わずもがな、『死亡フラグ回避』の為である『夢幻学園』でいう部活とは、『死亡フラグ』の宝庫と言っていい。それも一般人だけではない。どんなに強力な異能者でも部活によるが、容易く『死ぬ』。ましてや、正真正銘…後から覚醒したりするタイプでもない完全無欠の一般人であるこの白鳥裕也に隙はなかった。「そう!部活とは非情なものなのだよ子乃ちゃん。わかってくれたかい?」「ワクワクするな!!」「早く俺を殺してくれぇぇ!!」いやまて落ち着くんだ白鳥裕也ただの見学だぞ白鳥裕也そんな見学で…白鳥裕也…そんなフツーに死ぬなんて…白鳥裕也………「まずは殺戮部とかが良いかな?」「お願いですからやめてください!!」「み、見事な土下座だァー!」子乃ちゃんの口調がおかしくなるレベルの見事な俺の土下座が決まった!!死ぬほど情けない!!!!しかしそれは無意味ではなかった!その余りに見事な土下座に心を奪われた子乃ちゃんが、「今日は一先ず帰ろう!」と言ってくれたのだ!だが…それは所詮、たった一日延命できたというだけの話であった……☆その日の夜☆「ワクワクして寝れないな!白鳥!」「…寧ろ恐ろしくて寝れないね。」この時白鳥は、僅かな記憶の断片を床で寝ながら垣間見ていた………(あれ?何か忘れているような…気のせいか?)ちょうどその頃…完全に辺りが暗くなった夜の教室では。「白鳥さん遅いなー…」一人の少女が放課後からずっと待っていることを、白鳥は知ら鳥…To be continued!!
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