約 593,079 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/868.html
※舞台は何故かゆっくりが当然のように存在している外界です。 ※オリ設定満載です。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる謎の生物。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎるゆっくり達。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして俺はそんな不思議に満ちた生命体の研究や飼育用の商品の開発に携わっている“ゆっくりカンパニー”のしがない一社員だ。 今日はある町の住民の知らせを受けて町の近くの山に分け入って、野生のゆっくりの駆除に向かった。 もっとも、厳密に言うと駆除というよりも間引きに近いのかもしれないが。 装備は標準的な登山グッズとゆっくりに取り付ける発信機兼集音マイクが5つ。 加えてゆっくりを眠らせるための睡眠薬入りの飴玉が50個ほど。それとちょいと大きめの饅頭がゴミ袋の中に入れられている。 「先ぱぁい、なんでこんなクソ暑い中、野生のゆっくり探しなんて・・・「仕事だからだ!」 「あと、男が「ぱぁい」とか使うな、気持ち悪い!それが許されるのは可愛らしい女の子と我らが紫社長だけだ」 不勉強な後輩の研修も兼ねて、男2人でゆっくりが住んでいると言われる山を登っていく。 もっとも、ゆっくり学はまだ始まったばかりの学問で認知度は低いし、ゆっくりカンパニーの社員の8割は美人社長目当てなので野生種の保護の必要性が理解できなくても仕方ない。 だから不勉強を咎めるつもりはないが、近隣住民から集めた目撃情報をもとにゆっくり達の出没箇所をマークした地図と睨めっこしながら俺はため息をついた。 咎めるつもりはなくてもいちいち説明するのを煩わしいと思ってしまうのはどうしようもない。 「はあ、仕方ない・・・ゆっくりはな一定数以上になると何故か突然増長するんだよ。で、人間の町に下りて来る」 「で、ゆっくりによる被害がでるんですね?」 「そうだ、ゆっくりの死体が転がって町が汚れる。だからこういう知らせを受けたときにはゆっくりを保護するんだよ」 「保護?ゆっくりンピースにでも預けるんですか?」 「馬鹿言え。餡子が新鮮な赤ゆっくりは持ち帰る。にんっしんゆっくりも研究用に持ち帰る。特殊な個体は持ち帰る。他の連中は必要なら速殺す」 「速殺す?」 「・・・お前、ちょっとは自分で勉強しろよな。・・・・・・っと、ゆっくり発見」 その言葉を合図に、俺と後輩は身を低くして草むらの中に隠れた。 俺達の前を通り過ぎるゆっくりの一団の数は4匹。内訳はまりさ、れいむ、ありす、ぱちゅりーとなっている。 全員が比較的多量の食料を咥えており、またみんな満面の笑みを浮かべていた。 「ねえ、まりさ!むれもだいぶおおきくなったね!」 「むきゅ!これもまりさのかりすまのおかげよ!」 「ゆ!あたりまえだぜ!」 「でも、そろそろあのおうちじゃせまくなってきたわよ!もっととかいはなおうちをみつけないと!」 赤ん坊はピンポン玉、子どもは野球のボール、成体はバレーボールサイズが一般的だ。この4匹は全員バレーボールサイズ、つまり成体である。 その一団が目の前を通り過ぎていったのを確認すると、木陰に隠れながら追跡を開始した。 「追うぞ」 「りょーかい。しかしあの饅頭鈍くさいっすねぇ・・・」 「まあ、時速900mだからな・・・」 大抵の生き物の歩行は一歩目のエネルギーの何割かを二歩目に利用するが、ゆっくりの場合一部の種を除いてそれを一切しない。 そのせいで恐ろしく無駄と負担が多いのだ。余談だが、這って移動する場合は時速200mというカタツムリ級の鈍足だ。いや、体の大きさを考えるとそれ以下か。 が、そんなことを愚痴っても仕方がないので、それ以上は何も言わずに淡々と4匹を追いかけていった。 その4匹を追いかけていった先にはゆっくりの集落があった。 さっきの4匹を除くと、目に付く限りでは赤ん坊が9匹、子どもが10匹、成体が11匹の計30匹。 そして、成体のうち4匹が植物型のにんっしんをしていた。 植物型出産はにんっしんから僅か3日で出産を向かえ、生まれる子どもの数は1回につき大体10匹前後。 あれら全てが生まれればこの群れの人口は50匹を軽く超える。そうなれば変な自信をつけて人里に下りてくる可能性が十分にあった。 「先輩、あいつら集まって何してるんですかね?」 「聞いてりゃ分かる。少し静かにしてろ」 出来の悪い後輩を睨みながらも、俺はゆっくり達の言葉に耳を傾ける。 群れの中心にいるのはさっきの4匹。その中でもリーダーはまりさのようだ。 「むきゅ、みんなゆっくりはなしをきいてね!」 4匹を取り囲んで、がやがやと騒がしくしていた群れのメンバーがぱちゅりーの鶴の一声で静まり返った。 そして、その静寂の中、まりさが(ゆっくりにしては)重々しく口を開く。 「みんな!いまにんっしんしているこがうまれたらここではたべものをあつめきれなくなっちゃうよ!」 いまいちことの深刻さを理解できていない赤ゆっくりは「ゆぅ?」と首をかしげているが、他のゆっくりたちは固唾を呑んでまりさを見つめる。 「だから、あかちゃんたちがうまれたらにんげんのまちをゆっくりぷれいすにするよ!」 「「「みんなふあんかもしれないけど、これだけのなかまがいればだいじょうぶだよ!」」」 「「「「「「「にんげんのまちならもっとゆっくりできるね!!!」」」」」」 恐るべき集団心理。もしくは無知の幸福とでも言うべきか? まりさの宣言を聞いたゆっくりたちはにわかに活気付き、口々に人間の町を手に入れた後のことを話し始めた。 「あんな事言ってますよ?」 「仕方ないさ。野生のゆっくりには人間もいちいち干渉しないし、不味いから他の生き物に食われることも少ない」 「ああ、要するに怖いもの知らずなんですね」 まりさたちの言葉に苦笑する俺と後輩。しかし、この群れが人里に出ようと考える規模になっているならさっさと用事を済ませなければならない。 俺は段取りを考えてから、リュックに入れておいた睡眠薬入りの飴玉を取り出し、後輩にも目配せで自分に続くように促した。 「そういうことだ。それよりも・・・さっさと済ませるぞ」 「りょーかい」 指示と同時に、円陣を組んでいる群れの中に50個の飴玉を景気良くいっぺんに放り投げた。 「ゆ!なにこれ!?」 「いだい!いだいよ!」 「ゆっきゅりーーー!!」 「いったいなんなんだぜ!?」 「むきゅうーーー!!」 突然の飴の雨に群れは瞬く間に混乱に陥った。 ゆっくりの脆い体にとって飴は相当の硬さを誇るもの。 それらが50個もいっせいに降り注げば当たって怪我するものだっているし、考えなしに飛び跳ねて踏んで転ぶものもいるだろう。 が、群れの中に1匹だけ飴を知っているものが居たらしい。 「ゆゆっ!これはあめだわ!あまくておいしいとかいはなものよ!」 その一言で場の混乱が恐怖から食欲によるものにすり替わった。 「あまいのはぜんぶまりさのものだぜ!」 「ゆー!ゆー!」 「でいぶもあばいのほぢいよおおお!!」 「むきゅー!あまいものはかしこいぱちゅりーのものよ!」 全員の頭数より飴のほうが多いにもかかわらず群れは言い争いを始めてしまった。 さっきまでの結束力は一体なんだったんだか。 「ゆ!ゆっくりしていってね!!!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!」」」」」」」」」」」 そんな混乱のさなかに響き渡ったのはリーダーまりさの怒声。 本能に刷り込まれたその言葉は一瞬ながらも間違いなく全員の興奮と熱狂を鎮めた。 「みんな!いまはけんかしてるばあいじゃないでしょ!」 「「「そうだよ!まりさのいうとおりだよ!」」」 まりさと、それに続く参謀格のゆっくり達の叱責。 実は混乱の火付け役になったのは参謀格のありすだったりするのだが、そんな事は誰も気にしていない。 「みんな、あめはひとりひとつずつだよ!わかったね!」 有無を言わさぬリーダーまりさの剣幕によって、ゆっくりたちは完全に冷静さを取り戻した。 ・・・しかし、誰も飴が降ってきたことに疑問を持たないのはさすが餡子脳と言ったところ。 「む~しゃむ~しゃ、しあわ・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「早っ!?」 「突っ込むな。起きたらどうするんだよ?」 睡眠薬入りの飴を食べたゆっくりたちはあっという間に眠りについた。 しかも、まりさが音頭をとっていっせいに食べたためものの見事に全員が一斉に。 「で、先輩。結局何を回収するんですか?」 「ゆっくりの頭の茎とにんっしんゆっくり。それと・・・リーダーまりさもだ。それが済んだら参謀3匹と適当な大人に発信機をつける」 「りょーかい」 後輩はポケットからナイフを取り出すと、茎を生やしている1匹のれいむに近づき、少しだけ茎の根元の皮を抉った。 茎にはようやく種族の区別がつくようになってきた赤ちゃんが12匹ほど成っている。どうやらパートナーはぱちゅりーだったらしい。 まだ成体になり立てと思しき若い母は幸せそうに「あかちゃ~ん」などと寝言で呟いている。 その言葉にしかめっ面をしながらも後輩は茎をきれいに引き抜くと、ゴミ袋の中の饅頭にそれを突っ込んだ。 「あんまり気分の良い仕事じゃないっすね・・・」 「仕方ないさ。本当はもっと頭数を減らしたいところなんだが、それをしないのが俺たちが出来る最大限の譲歩だろ?」 そう言いながら、俺はゆっくり達も気付いていない初期段階にんっしんのゆっくりを3匹ほどゴミ袋の中に放り込んだ。 「ん~、先輩って案外ドライなんですね」 「仕事だからな」 後輩の無駄話に付き合いながらもリーダーまりさを回収する。って、こいつも何気ににんっしんしてるじゃないか。 「ふ~ん・・・でも、先輩ゆっくり飼ってませんでしたっけ?」 「こいつらは俺のペットじゃないし、そもそもそれとこれとは話が別だろ?」 それから、参謀格の3匹と、比較的大きな成体の頭の飾りに発信機を装着した。 「よし、作業完了。ちょっと様子を見てからずらかるぞ」 「・・・ずらかるって、なんか悪党みたいっすよ?」 律儀に突っ込んできた後輩にローキックを入れつつ、ゴミ袋に放り込んだゆっくりの口に散乱していた飴を放り込んでから再びさっきの木陰に隠れた。 「ゆ!みんな、おはよう!ゆっくりしていってね!」 一番最初に目を覚ましたのは参謀格のれいむ。 「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」」」」」 その言葉に反応して他のゆっくり達もいっせいに目を覚ました。 「「ゆゆっ!まりさがいないよ!」」 「「「ゆっきゅち~・・・!」」」 「ゆぅうううう~・・・おか~しゃん、どこ~?!」 「おねーちゃん!あかちゃんたちが!?」 「ゆ?ゆゆゆっ!?でいぶのあがぢゃんがあああああああああ!!」 目を覚ましたゆっくり達を待ち受けていたのはリーダーや仲間と可愛い赤ちゃん達の失踪だった。 そして、その場にいる全員が好き勝手に各々の大事なものを探し始める。 全くの無秩序。ぱちゅりーが必死に「むきゅ!みんな、まずはだれがいないかかくにんよ!」と真っ当なことを言っているが、誰の耳にも届いていない。 しかも、他の参謀格2匹さえも他のゆっくりに混ざって必死にまりさを探している始末だ。 「まりさああああ!どごなのおおおお!」 「おがーぢゃあああああああああん!」 「「「「ゆっきゅち~!」」」」 「まりざのあがっぢゃんがあああああああああああ!!」 群れが混乱しきっている様子を見届けると、俺たちは足早にその場を後にした。 上司に報告を済ませた俺はさっさと自分の担当する実験に取り掛かる。 今回の実験は植物型と胎生型の出産に関するもので、ゆっくりにとって有害なものを検証するために行われるそうだ。 実験方法は至って簡単。茎を挿した饅頭に無駄に強力な農薬を大量に混入したり、栄養が届きにくいように茎を傷つけたり、水分や糖分を異様に多くしたりする。 もしくは母体に定期的に肉体的または精神的苦痛を与えてストレスを加えたり、毒も同然のものを食べさせたり、栄養を過剰摂取させたりする。 今回の実験に使用するゆっくりは先ほど回収した茎4本とにんっしんゆっくり4匹だ。それぞれにA~Dのアルファベットをつける。 茎Aは非常に整った環境で、非常にバランスの良い栄養配分の饅頭に挿した。 そして、この茎からは当然のように非常に健康的な赤ちゃんが生まれた。 れいむ種6匹とぱちゅりー種5匹。不運にもぱちゅりー種が1匹だけ死産してしまったが、それ以外はみんな非常に元気な、ゆっくり風に言うならばゆっくりした赤ちゃんだ。 俺がその赤ちゃんの入っているケージの蓋を開いて様子を伺うと、その気配に気付いた1匹のれいむが満面の笑みを浮かべた。 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」 「「「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」」」」」」」」 「ああ、ゆっくりしていくよ」 そんな赤ん坊達のケージの中にゆっくりカンパニー製ベビー用ゆっくりフードを入れてから蓋を閉じた。 「11匹か。それだけいりゃ次の実験の経費が節約できるな」 俺の傍らで、同僚がそんなことを呟くのが聞こえたが、無視して、中の赤ん坊達の様子を伺う。 「ゆ~・・・」 「ゆゆゆ~」 「ゆぅ!」 体の弱いぱちゅりーはみんな大人しくしていた。 ひとりお昼寝をするものもいれば、仲間同士で話しをするものもいた。 「「ゆっきゅちー!」」 「ゆっ!ゆっ!」 一方のれいむ達は元気に跳ね回りあるものは仲間とじゃれあい、あるものは仲良く歌を歌っている。 仲間と一緒にいることが当然になる前に別のケージに移すのが実験用ゆっくりの扱いのセオリーだ。 しかし、孤独にどう向き合うかを研究するのなら、こいつらはもう少しだけみんなで一緒に居させても良いんじゃないだろうか? 茎Bは一部を抉ってから包帯で固定して再生しないようにした状態で饅頭に挿した。 この茎からは意外なことに面白い結果が出た。 健康な個体は3匹で、その内訳はまりさ2匹にありすが1匹。未熟児が4匹は双方が2匹ずつ。そして個体識別不可能なものが2匹。 ここまでは予想通りの結果だった。全員の栄養が不足するのか、栄養が一部の個体に偏るのか・・・予想されていた結果通りのものだったといえる。 未熟児は殆ど喋らないし動かない。個体識別不能なものはすぐに死んだ。しかし、面白いのは健康な個体の行動だ。 ケージの蓋を開けて餌をばら撒いてやると、未熟児として産まれたもののために餌を噛み千切って口移しで与えてやっていた。 「ゆ、ゆっきゅちー!」 「ゅぅ・・・ゅぅ・・・」 未熟児サイズのゆっくりは非常に小さくビー玉ほどの大きさしかないため、ベビー用のゆっくりフードでさえ食べられないのだ。 しかし、生まれたてのゆっくりに自分より弱い個体を助けるなんて概念があるとは思わなかった。 とは言え、餌を与える側も所詮は赤ん坊。しかも、未熟児よりも頭数が少ないのだ。 やがてまりさ種の1匹が未熟児のために餌を千切ってあげるのを放棄し、もう1匹のまりさもそれに追従した。 「ゆ!ゆぅぅ~・・・」 「「ゅぅ・・・」」 「「ゅ・・・ゅゅ・・・」」 それでもしばらくはありす種が1匹で世話を続けていたが、やがて弱っている個体を切り捨て、最後にはありすも未熟児の世話を放棄した。 茎Cは大量の農薬を混入した饅頭に挿した。 子供が産まれたその日、ケージの中は魔境と化していた。そこに居たのは9匹の異形。 あるれいむは足が半透明のゲル上になってしまっていた。これでは歩くこともままならない。 あるまりさは目が顔の中心に1つしかなかった。そして、その目は何も映さなかった。 あるまりさは口がなかった。成長を見守るためにチューブをつないで生きながらえさせたが、野生ならばすでに死んでいただろう。 あるまりさは「ゆっくり」と言うことができなかった。口を開けば「qs、dんぢmgy、、wddg」と聞き取ることの出来ない訳の分からない音声を発するだけだった。 あるれいむは目が顔の横についていた。正面から見ればのっぺらぼうのその子は正面を視野に納めることが出来ないのでまっすぐ歩くことが出来なかった。 あるれいむは背中にも顔がついていた。だからと言って何があるわけでもないが実に不気味だった。 あるまりさは体が柔らか過ぎて大福としての形を保てなかった。まるで子供のころに作ったスライムのようだ。 あるれいむは体が異様に硬かった。そのせいで歩くことはおろか体を上下させることもままならず、口も殆ど動かなかった。 あるれいむは口が異常に大きかった。そして口以外のものがなかった。口だけの饅頭が狂ったように「ゆっくり」を連呼していた。 目の見えるものは他の姉妹の姿に怯えていた。でも、自分も似たようなものだと言うことには気付こうとしない。 「ゆ!ゆっきゅちー!ゆー!」 「ゆっきゅり!ゆっきゅり!ゆっきゅり!ゆっきゅり!」 顔2つの赤れいむが狂ったように口だけのれいむに体当たりをしている。 きっと、その化け物を追い払おうとしているのだろう。でも、傍目にはどっちも化け物だった。 どれもまともに育つ可能性があるとは思えないが、奇形の生存可能性を検証するのも研究になるだろうか、と思った。 茎Dは塩分を過剰に投入した饅頭に挿した。 産まれた子どもの大半は形はまともだった。そして、死産したのは4匹だけ。 10匹中6匹が何とか誕生したというこの結果には俺以外の研究員も驚きを隠せなかった。 もっとも、まともだったのは形だけだが。 まずゆっくりの形をした6つの饅頭は言語中枢が完全に狂ってしまっていたいた。 口を開けば聞こえてくるのは薄気味悪いノイズ。 「「「、。jsbん。、fdghrdmじdsんmdms」」」 「xcんm、。zx、smyんfjwめ、」 「「えgkdtcjrcldtr、いcvf」」 そして、1匹たりともゆっくりらしい心を持ったものが居なかった。 あるありすは生まれたてであるにも関わらず日長一日壁に体をこすり付けて自慰行為にふけっていた。 あるぱちゅりーは眠ることをせず、食事の時さえもずっと言葉にならない何かを発し続けていた。 あるありすはいつも何かに怯えてがたがたと震えていた。そして、近づいた姉妹を片っ端から攻撃していた。 あるぱちゅりーは何かにつけて姉妹を食べようと後ろから襲い掛かっては追い払われて、「むきゅ!」と悲鳴を上げていた。 あるありすは突然泣いたり、怒ったように頬を膨らましたり、酷く情緒不安定だった。 あるありすは自分のことをぱちゅりーだと信じ込んでいた。こんな狂った家族の中では誰も間違いを指摘してくれなかった。 俺は今度は糖分や水分だとどういう結果が得られのかも検証する必要があるな、と酷く覚めた目でその様子を眺めていた。 母体Aは広い部屋の中で普通の餌を食べながら生活してもらった。 産まれた3匹の子どもはどれもちゃんと子供サイズ近くまで大きくなっていて、みんな非常に元気だった。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりちていってね!」」」 俺がケージを覗くと、母れいむは満面の笑みを浮かべて話しかけてきた。 「ねえ!みてよ、おにーさん!れいむのあかちゃんだよ!とってもゆっくりしたこだよ!」 「ああ、そうだな。ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりちていってね!」」」 あの日、回収したゆっくり達は「野犬に襲われているのを助けた。見つけたときには君だけだった」と言ったらそれを簡単に信じて、俺になついた。 「よし、それじゃあ、赤ちゃんたちにお兄さんから美味しいお菓子をあげよう!」 「ゆ!ほんとうに!」 「ああ、本当だよ。でも、ここじゃ食べられないから、ちょっとケージから出てもらうよ」 「「「ゆ~!ゆっくちたべるよ!」」」 そういって俺が赤ちゃんを連れて行くのを、母れいむはニコニコと微笑みながら見守っていた。 そして、このれいむが赤ちゃんと会うことは二度となかった。 母体Bは口の部分だけ開いている透明な箱の中で普通の餌を食べながら生活してもらった。 この母ぱちゅりーの子どもは1匹しか生まれなかったが2匹生まれたとも言える状態だった。 いわゆるシャム双生児のようなものだろうか。その赤ちゃんは体と口の横幅が異様に大きく、目が3つあった。 そして、髪の毛は真ん中の目を境に右側がまりさ種のもので左側がぱちゅりー種のものになっていた。 「「ゆっくりしていってね!」」 2つの種の声が同時に聞こえてくる。声帯も少しおかしなことになっているのだろう。 それは、箱によって圧迫され、赤ちゃんがそれ以上大きくなる余地が残されていなかったために起きたものだった。 「やあ、ぱちゅりー。赤ちゃんはどうしたんだい?」 出産時には箱から出さねばならないので、当然俺は出産に立ち会っている。 「むきゅ、おにーさん!ぱちぇのあかちゃんはまだぽんぽんのなかよ!」 そして、中にこれ以上赤ちゃんが居ないこともしっかり確認している。 しかし、ぱちゅりーは中にまだ赤ちゃんが居ると思っている。 それは体も心も弱いぱちゅりーにとって独りっきりになってしまった上に普通の赤ちゃんを産めなかった絶望から身を守るための手段だった。 そう、この奇形の赤ん坊は母親に見捨てられてしまったのだ。 ケージを閉じたところで、後輩が「そいつ、最近箱から出せって言いませんね?」と尋ねてきた。 「箱から出たら気味の悪い赤ちゃんに触られるかもしれないからだろ?」 とりあえず、苦笑交じりにそう返しておいた。 母体Cは遠隔発火のライターを内蔵し、定期的に痛い目にあってもらった。 唐突の訪れる痛みにいつも怯え続けて眠ることもままならなかった元リーダーまりさも子どもは、全員異様に小さかった。 「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」 「ゆっくりしていってね!」 茎から生まれるタイプと大差ない大きさながら元気いっぱいに鳴く赤ちゃんたちに疲れきった表情で微笑むまりさ。 とは言え、全員これと言った異常もなく出産できたことを考えるとゆっくりはストレスに強いと見てよさそうだ。 多分、餡子脳だからだろう。 「ゆ~!」 「ゆっ!ゆっ!」 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 ケージの蓋を開けて、子どもたちが遊んでいる姿を眺めているまりさに話しかける。 「やあ、まりさ」 「ゆ!おにーさん!」 「とってもゆっくりした子だね!」 俺のその言葉を聞くと、まりさは少しだけ踏ん反りかえって、嬉しそうに笑う。 「まりさ、がんばったよ!」 「そうか。お疲れ様」 「おにーさん、ありがとう!」 その言葉に少し良心が痛んだが、すぐに思考を仕事優先に切り替える。 「まりさの子どもに美味しいお菓子をあげたいんだけど、ここじゃ食べられないんだ。だから少しだけ連れて行って良いかな?」 「ゆ!おにーさんならいいよ!でも、すぐにつれてかえってきてね!」 「分かってるよ。さ、おちびちゃんたち?おにーさんと一緒にゆっくりお菓子を食べに行こうか」 母親同様に俺のことを信頼しきっている赤ん坊たちは、何の疑いもなく手の上に乗ってきた。 「悪いけどまりさの分はないから、ここでゆっくり待っててくれ?」 「ゆゆっ!わかったよ!ゆっくりまってるよ!」 そうして、この元リーダーまりさは永遠にゆっくりと赤ちゃんの帰還を待ち続けた。 母体Dは廃油や産廃同然のものを餌にして生活してもらった。 しかし、茎Cと全く変わらない結果にうんざりさせられるだけだった。 予想通りの上に、頭数が少なく新鮮味もないこの結果を記録する気にもなれなかった。 ---あとがき--- スレに書き込めねえよ、ちくせう。 奇形を産ませておいてつまらない結果にうんざりってのは虐待お兄さん以上にアレだと思う。 普段は基本的に優しくても仕事のときは一片の慈悲もなし。まさに、冷徹お兄さんですよ。 そんなこんなで、現代ゆっくりシリーズの3作目です。 野良ゆっくりとその末路の一部を書いたつもりですが・・・あー、文章力が欲しいorz byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2609.html
2008年、秋、東京。 俺はカメラ片手に駅の改札を通った。 ターゲットはゆっくり霊夢。 俺は都会に住むゆっくり達のみすぼらしい姿を、ドキュメンタリー風に編集してyoutubeにアップロードしている。 それに関連したブログは日本語、英語の二ヶ国語で配信。 全ては、アフィうめぇと言える日のために。 先日アップロードしたドキュメンタリーは、ゆっくり魔理沙が主役だった。 繁華街に生きる、食事時には見たくない動画だ。 感想は世界中から届いたが、次の企画のタネになりそうな気になるメールがいくつかあった。 それは「れいまー」と呼ばれる、ゆっくり霊夢愛好家からの要望だ。 "私の愛するゆっくり霊夢が、日本でどのように生活しているのかとても気になります" といった内容のメールが、少なくとも300通ほど届いた。 なぜ断定できないのかというと、俺は日本語と英語しか読めないからだ。 感想メールは、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中文、ハングルなど、それこそ世界中から届いた。 だから読めなかったメールの中にも、「れいまー」のご意見があったかもしれない。 一度、ネット上の自動翻訳にかけた時に「ゆっくり霊夢」という単語が何回か出てきたこともあった。 ゆっくりアリス愛好家「ありさー」や、ゆっくりパチュリー愛好家「ぱちゅりあ」などのメールもあったが、れいまーが一番多かった。 なので、今回のターゲットはゆっくり霊夢なのだ。 秋と言っても、まだ9月始め。 夏は最後の抵抗とばかりに、気温を上げてくるだろう。 早朝に出てきたのは、早めに取材を始めて終わりにしたかったのもある。 貴重な土曜日なのだ。 「さて・・・っと」 ゆっくり霊夢を探すといっても、単体ではつまらないと思う。 個人的に、ゆっくり霊夢の魅力はそのアホさと、母性にあると思っているからだ。 前にテレビCMで流れていた、とある政党の広告が記憶に新しい。 「家族とゆっくりできる日本を作る!」 というフレーズだった。 とりあえず流行りモノを利用しとけという、いかにも政治家らしいCMである。 そのCMの主人公は、ゆっくり霊夢であった。 周囲は薄暗く、広い部屋から物語は始まる。 プチトマトほどのゆっくり霊夢は、親もなく、孤独におびえていた。 ぷるぷると小刻みに震え、悲しげに泣く赤れいむ。 すると、そこにその党の党首が現れる。 大きな掌に赤れいむが乗り、満面の笑みを浮かべるのだ。 それから成体になるまでの時間は、アルバムをめくるかのようなエフェクトで進む。 お風呂で笑う赤れいむ、野菜に目を輝かせる赤れいむ、ケガをして大泣きする子れいむ、ベッドで党首に寄り添って寝る子れいむ。 1匹のゆっくり魔理沙と出会い、恋をして、プロポーズをされる。 そうすると、アルバムが閉じるエフェクトが入るのだ。 最初、赤れいむが孤独におびえていた部屋。 そこには成長し、親れいむとなったれいむと、伴侶の親まりさ、そして小さな赤ちゃんゆっくりが8匹もいる。 「おじさんのおかげでゆっくりできたよ!これからもゆっくりしていってね!」 それに笑顔で党首は応え、視聴者に向かってキャッチフレーズを言うのだ。 そのCMはそれなりにインパクトがあったようで、ペットショップでれいむ種が飛ぶように売れたらしい。 一時の流行でペットを買うあたり、実に情けない国民性である。 そもそも、れいむ種に限らず大抵のゆっくりは母性が強い。 なんとなくイメージがついているだけで、母性の強さは個性によるものが大きく、種の平均を見てもたいして変わらないと専門家がよく言っている。 しかし、ゆっくり大国の日本がそんなイメージに染まっているせいか、諸外国でも「れいむ種=母」といったイメージが強い。 ブログを見てくれている外国人も、きっとそういうものを期待しているのだろう。 あえて、母性のカケラも持たずシビアに都会を生きるれいむを撮影してもよいのだが、今回は家族を持つれいむ種を追うことにする。 「ん、いきなりか」 駅を出て少し歩くと、乱雑に投げ出された自転車の山の中に、1匹のゆっくり霊夢がたたずんでいた。 「ゆっくりしていってね!!!」 俺が注目していることに気がついたのか、そのれいむは俺に向かってお得意の挨拶をしてくれた。 都会に住むゆっくりは、大抵愛想がいい。 「ああ、ゆっくりしていってね」 自転車をかき分け、俺はれいむに近づいた。 大きさはバスケットボールよりも少し大きい。 かなりの大型だ。 「ん?」 そして、綺麗だった。 髪の毛は油汚れやホコリがついていることもなく、サラサラとしている。 リボンの赤がまぶしい。 「お前、ペットか?」 「ゆゆ!そうだよ!おにいさんをゆっくりまってるの!」 ペットだというのに、リボンにペット証が付いていなかった。 人目につくとは言え、ペット証も付けずに放置するなど考えられないことだ。 つまり考えられることは一つ。 「いつから待っているんだ?」 「ゆー!きのうからだよ!おにいさんがいってたよ!ここでゆっくりしてねって!」 要するに、捨てられたのだ。 捨て犬、捨て猫のように、捨てゆっくりは今や大きな社会問題の一つになっている。 残念ながら、飼い主の住所氏名を言えるようなゆっくりはまずいない。 なのでペット証を外せば、簡単に捨てられてしまうものなのだ。 「おにいさんが、れいむにおともだちをつれてきてくれたんだよ!はやくかえっていっしょにゆっくりしたいね!」 ゆんゆんと歌い始めるれいむ。 まだ捨てられたことに気が付いていないのだ。 「お友達か。なんて友達?」 「ゆゆっ!まりさだよ!すごくゆっくりしたあかちゃんだよ!れいむのあかちゃんじゃないけど、いっしょにゆっくりしたいよ!」 俺はカメラを構えていた。 これは使えるかもしれないからだ。 「そーか。可愛いまりさなのか。よかったなー」 「ゆゆん!とってもうれしいよー!」 満面の笑み。 れいむは知らない。 最近、まりさ種が注目を浴びていることに。 最近始まった、大手飲料メーカーがやっているCMは、ゆっくり魔理沙が主人公だ。 そのCMがウケた結果、まりさ種がブームになっている。 元飼い主はきっと、あの政党のCMを見てこのれいむを飼い始めたのではないだろうか。 れいむの大きさとCMの時期から考えて、そんな感じがする。 そして次のブームが来たので、古いれいむは捨てて新しいゆっくりに手を出したと。 「まあ、お前はでっかいからなー」 「ゆ?」 ぽむぽむとれいむの頭をなでる。 そう、無駄に大きい。 はっきり言って部屋の邪魔になるレベルだ。 求めるエサの量も多いだろう。 しかも大きいからといって、メリットもない。ごく潰しの粗大ゴミだ。 まりさ種ブームがこなくても、いずれ捨てられたのではないだろうか。 「ま、頑張って待ってな。俺はもう行くよ」 「ゆっくりがんばってね!」 何をするのかも分からない癖に、応援をしてくれる。 こんなに良いゆっくりを捨てるなんて。 世界のれいまーの方々はさぞ嘆き悲しむだろう。 せっかくなので、しばらくしたらまたここに来よう。 その時はきっと、いつまでも帰ってこない飼い主をボロカスになりながら待つれいむがいるはずだ。 コラムの題材に丁度いい。 そんなことを考えながら、俺は家族持ちのゆっくりを探しに行った。 翌日。 俺はまた昨日と同じ駅で降りた。 昨日は一日探したというのに、家族持ちのゆっくりは1匹も見つからなかった。 独り身の成体ゆっくりは腐るほどいたというのに。 やはり、エサの少ないこの地区では家庭を持つのは厳しいのかもしれない。 俺は前に撮影をした繁華街に行こうと考えていた。 わざわざこの駅で降りたのは、昨日見つけた、捨てゆっくり霊夢の様子を見るためだ。 「ゆぅ・・・・おに・・・ざ・・・」 昨日と同じ場所。 そこにいたれいむに、昨日の面影はなかった。 「随分とまあ・・・」 カメラを構える。 「昨日のれいむかな?」 小型マイクを手に乗せ、れいむの方に向ける。 それをエサだと勘違いしたのか、れいむが一瞬だけ目を光らせた。 「これは食べられないよ」 しゅん、と小さくなる。 そして泣き始めた。 「ゆぉっ・・・ゆゆゆうううう・・・!おにいざんもどっでぎでよぉおお!!!」 電車の音と、鳥の声だけが響く早朝の空に、れいむの嘆きが混ざる。 そして、その嘆きに応えたのは俺ではなかった。 「おきゃーしゃん!なかないで!」 「ゆっくちしようね!」 「ゆー!」 そう、れいむは一晩で親となっていた。 何度頬を重ねたのかは分からない。 だが、俺の目の前には50匹をゆうに超える赤ちゃんゆっくりが所狭しと犇めいていた。 「こりゃ凄い」 ぞわぞわと動く様は、ヘタな害虫よりも気持ち悪い。 親れいむに「すーりすり♪」と言いながらまとわりつくプチトマトの集団。 ヒルか何かに浸食されているようだ。 「れいむ、これどうしたんだ?」 頭は撫でない。 昨日に比べると、だいぶ薄汚くなっている上に、赤ゆっくりを実らせていた茎が生えっぱなしだったからだ。 茎は6本。 交尾が成功した回数だけは分かった。 「ゆっ!ゆっ・・・!」 ぽろぽろと涙をこぼしながら、親れいむはゆっくりと話し始めた。 昨日、俺が立ち去った後もれいむはここで元飼い主を待っていたらしい。 だが、いつまでたっても飼い主はやってこない。 諦めず、それでも待っていると1匹のゆっくり魔理沙がやってきた。 動く汚物のようなまりさだったという。 飼いゆっくりとして生きてきたれいむには、直視できるものではなかった。 「ゆ!すごくきれいなれいむだね!」 そう言いながら、まりさはれいむに寄って来た。 れいむは逃げ出したかったが、逃げた間に元飼い主が来るかもと思い、逃げられなかった。 「すごくおっきくてゆっくりしてるね!きれいなりぼんだね!まりさとゆっくりしていってね!」 そのまま頬を押し付けられ、初めての交尾を経験したのだという。 一度の交尾でまりさは満足してどこかへ行ってしまった。 残ったのは頬に残る不快感と、頭に生えた茎。 飼いゆっくりは、野良ゆっくりから見れば絶世の美ゆっくりだ。 栄養状態もよく、大型であったれいむは魅力的な存在だった。 その後も、近くを通ったゆっくりに次々と頬を押し付けられ、交尾に疲れて眠ってしまったのだ。 「なるほど。お前は可愛かったからな」 過去形。 なぜなら今はあまり可愛くない。 「おちびちゃんたちもかわいいよ・・・」 ぴょんぴょん跳ねる赤ゆっくり、まりさ種を親れいむは舌でぺろりと舐める。 嬉しそうに赤まりさは跳ねる速度を上げた。 「どぼじで・・・れいむはなにもわるいごどじでないのにぃい・・・む゙りや゙りずっぎりずるなんでひどいよぉお・・・」 赤ちゃんの誕生は嫌ではないようだが、無理やりのすっきりがお気に召さないようだ。 「しかし、どんだけ種類いるんだコレ」 見れば、れいむ種とまりさ種がほとんどであったが、ありす種やぱちゅりー種までいる。 栄養たっぷりの親れいむだからこそできた出産だろう。 「家庭を持つゆっくり霊夢」という条件は満たせないが、「子を持つゆっくり霊夢」というシチュエーション。 良い題材かもしれない。 「捨てられた飼いゆっくりの末路」というテーマでうまいこと編集しよう。 俺は素早く、親れいむのリボンに小型マイクを仕込んだ。 「ゆ?」 違和感を覚えたのか、親れいむが声を出す。 何か言われる前に、俺が先制する。 「ま、そのうちお前の飼い主も帰ってくるだろうよ。ガンバレ」 「ゆっ・・・ゆっくりりかいしてるよ・・・ゆぅ・・・」 小さく丸くなった親れいむをおいて、俺はその場を離れた。 幸い、近くには隠れて撮影するのに好都合なモノがいくつかある。 俺はとりあえず高架橋の柱に身を潜めた。 『・・・ゆゅ・・・おにいさぁん・・・・れいむ、ゆっくりできてないよぉ・・・・』 耳につけたイヤホンから、親れいむの独り言が聞こえてくる。 『ゆゅー!』 『おきゃーしゃん、おなかちゅいたー!』 同時に、赤ゆっくりの甲高い声もマイクに届く。 『ゆ・・・!ごめんね!おにいさんがかえってきたら、すぐゆっくりできるからね!』 どうやらあの親れいむは、茎を落として食べさせることを知らないようだ。 粗悪品を売る、激安ペットショップ出身かもしれない。 困惑する親れいむの顔にズームイン。 頭にエサがあるというのに、無知とは罪なものだ。 メガネを額に上げたことを忘れて、メガネメガネと彷徨う人のよう。 『ゆー!もうがまんできにゃいよ!』 『ごはん!ごはーん!』 『れーみゅ、あまあまたべちゃい!』 『まりしゃも!』 『ありちゅもあまあま~!』 『むきゅ・・・・・ぱ・・・も・・・』 少し離れているが、赤ゆっくり達の声はマイク越しでなくとも聞こえる。 「住宅街だったら即死だな」 もっとも、あんな危機意識のないゆっくり達は即死でなくともいずれ死ぬ。 死までの時間が少し長引くだけだ。 『あかちゃんたち、おねがいだからがまんしてね!おにいさんがきっとゆっくりさせてくれるよ!』 『はやくゆっくちちたい!』 『おかーしゃんはゆっくちさせてくれないの!?』 『もうがみゃんできないいい!!』 『ゆっ!?おにいしゃん!ありちゅにごはんちょうだいね!』 1匹の赤ありすが、道行く男性に声をかけた。 スーツ姿の男性だ。時間的に、休日出勤をするサラリーマンだと思う。お仕事お疲れです。 『きいてりゅのぉ!?』 男性は赤ありすとゆっくり約50匹をちらりと見ると、すぐに視線を正面に戻して歩いて行った。 一言も、赤ありすに言葉をかけることなく。 『ゆぎゅ!いなかもにょ!ありちゅにごはん!』 野良ゆっくりの相手などする人間は、ほとんどいない。 マナー違反であるし、下手に甘やかせば余計に酷い思いをすることが多いことを知っているのだ。 「ああ、出勤時間か」 時計を見れば、今は出勤するサラリーマンが増えてくる時間帯だ。 柱に隠れてカメラを構える俺は、さぞかし怪しい姿に映るだろう。 最悪、盗撮魔と通報されてしょっぴかれてしまうかもしれない。 「んー」 数秒考え、俺はカバンを近くのフェンスに引っかけた。 続いて、カバンにカメラを入れる。 「角度は・・・っと」 カバンには穴が空いているので、そこにレンズを突き通す感じでセッティング。 ちゃんと録画されていることを確認し、俺はフェンスに寄りかかるように座った。 パッとみた感じ「フェンスに寄りかかって音楽を聴いている男性」に見えないこともない。 ただ、カバンとカメラを調べられたら一発で盗撮の烙印を押されてしまうので注意だ。 『ゆゆ!おねえさん!れいむのおにいさんをしってたらゆっくりおしえてね!』 そうこうしている内に、駅に向かうサラリーマンやらOLが増えてきたようだ。 親れいむは道行く人に、必死で元飼い主のことを尋ねている。 健気だ。 『ゆっくりしてね!おねがいだかられいむにおしえてね!』 1人のOLに目をつけた親れいむが、ぴょんぴょんと跳ね寄って行く。 『ちょっ・・・ちょ、こっち来ないでよっ!』 カメラの角度が気になったが、多分撮れているだろう。 親れいむは必死でOLを追いかけていた。 まるで、そのOLが飼い主であるかのように。 そしてそれに赤ゆっくり達も続く。 多分何も分からず、とりあえず親に置いて行かれないようにしているだけだろう。 50匹近い赤ゆっくりの集まりは、丸い影のようにも見える。 それがぞわぞわと動いているのだ。 『うっわ、きっもぉ!何でこんなに湧いてんの!?』 片足を上げ、露骨に嫌な顔をするOLと、それを哀れそうに見つめるサラリーマン達。 『ゆ!れいむのかわいいあかちゃんだよ!ゆっくりあやまってね!』 『ゆー!ゆっくち!』 『おねーしゃんはゆっくちできりゅひとぉ?』 『いっちょにゆっくちちようね!』 『ありちゅがしゅりしゅりしてあげるね!』 親れいむに追いついたため、マイクに赤ゆっくりの声が届いた。 『・・・うっざ。も、いいわ』 言うが早いか、OLは全力疾走で駅の方へと駆け抜けていった。 『邪魔だ、どけ』 次に飛び込んできたのは、低い声。 近くにいた、頭をハゲ散らかした男性が言ったようだ。 『むー!じゃまじゃないよ!ゆっくりおこるよ!ぷんぷん!!』 『ぴゅんぴゅん!』 『ぷんっ!』 親れいむはその事実を否定するが、はたから見ても邪魔そうだった。 本格的に人が多くなってきたこともあるし、親れいむはじめ赤ゆっくりは道のド真ん中でぷんぷんしているのだ。 ここは駅に行くのにちょうど良い道であるし、さぞかし邪魔だろう。 そんな、混雑した道。 1匹の赤まりさが、親れいむを中心とした塊からはぐれていた。 無数に動く足のなか、その姿を発見できたのは奇跡といっていいだろう。 『おちびちゃん!こっちにおいで!そっちはゆっくりできな』 言い終える前に、赤まりさは潰れされた。 悲鳴も聞こえない。 潰れた音も聞こえない。 聞こえるのは、人の込み合う時に出るごみごみとしたノイズだけ。 しかし親れいむの眼には、赤まりさが潰された様子が鮮明に写っていたようだ。 『れ゙い゙ぶのあがぢゃ゙ん゙ががあぁあ゙ああ゙っ!!!!』 イヤホンから飛んできた爆音に、俺は一瞬目を瞑った。 一気にどよめく人の波。 親れいむの叫びは、ものすごい音量であった。 『あがぢゃんだちぃぃぃ゙い゙!はや゙ぐにげでぇええっ!!ごごはゆ゙っぐりできな゙いよぉぉ!!』 『ゆっ!?』 『ゆっきゅりできにゃい!?』 『こわいいぃい!!』 ゆっくりできないという事実に、赤ゆっくり達は恐怖した。 道の中央で一か所に集まっていた赤ゆっくりは、四方八方へと蜘蛛の子を散らすように逃げていく。 「うえっ!!ふんじまった!」 「げえ!きったねえ!」 「こっちくんなっ!」 残念ながら、親れいむの叫びで波は止まらなかった。 どよめきながらも、駅へと進む人々。 プチトマトほどの赤ゆっくりは次々と潰されていく。 『や゙べでえぇえっ!!れいむ゙のあがぢゃんふまないでぇええええっ!!!』 そんな切なる願いに返ってきたのは、踏んだことに対する嫌悪感に満ちた声。 『ゆぼおぉおっ!?』 すると、誰かに蹴られたのか、親れいむが人の中から飛び出してきた。 一瞬、俺と目が合うが、すぐに視線をさっきまでいた場所に戻す。 『あがぢゃんっ!あ゙がぢゃん゙ん゙゙ん゙んん゙っ!れいむの゙ぉおっ!!れいぶのあがぢゃんっ!がえじでぇ!!ゆっぐりがえじでねっ!!』 親れいむは戦場へと戻って行った。 2時間後。 親れいむは道の隅で目が覚めた。 メタボリックな人に踏みつけられ、ずっと気を失っていたのだ。 「ゆ゙・・・!?あ、あがっ、あがぢゃんっ!?」 もう歩く人はまばらだった。 だからよく見える。道にこびりついたいくつもの円が。 「ゆがっ・・・ゆぎ・・・あがっ、れいぶのっ・・・!?」 一番近くにあった黒い円に、親れいむはソロソロと近づいた。 俺は背後からカメラを構えている。 「おちびぢゃん・・・まりざのおちびちゃん・・・」 黒い円の中心に、ぐちゃぐちゃになった帽子らしきものがある。 赤まりさの変わり果てた姿だ。 実に汚い。 「ごっぢは・・・れ、れいぶど、れいぶどおなじおぢびぢゃん・・・ゆぅっ!」 次に近寄った円の中心には、黒と赤で見事なコントラストを奏でるリボンが置かれていた。 「あ、ありずのっ・・!おちびぢゃん・・・ゆぐうぅう!!」 薄い黄色の円は、赤ありすの潰れた跡だ。 皮とカチューシャが比較的分かりやすく残っていた。 朝からこんな不快な光景を目の当たりにしたサラリーマンが哀れでならない。 「どぼじでぇっ!?どぼじでごんなごどずるのぉおおっ!!?おにいざんどこにいるのぉお!?れいぶゆっぐりできないよぉぉお!!」 顔面をコンクリートに近づけながら、親れいむは嘆き悲しむ。 すると、フェンスの隙間から1匹の赤ゆっくりが近寄って来たではないか。 「おかーしゃ!れいみゅだよ!ごわがっだよぉおお!!」 ゆゆーと泣きながら、赤れいむは親れいむの頬へと飛び込んだ。 この赤れいむが唯一の生き残りのようだ。 「ゆっ!おちびちゃん!よがっだよおぉお!!いっじょにゆっぐりじようねっ!!みんなのぶんもゆっぐりじようねぇえええ!!」 「ゆっきゅりちたいよおぉお!!おかーしゃんとゆっきゅりちちゃいよぉお!!」 すぐに激しいすりすりが始まった。 大量に子を失った悲しさを埋めるように、2匹は体をこすり合わせる。 交尾とは違う、親れいむが赤れいむを包み込むように動くすりすり。 赤れいむの表情は涙であふれていたが、明るい顔をしていた。 「お、こりゃまずい」 ふと顔を上げると、数人の男性の姿が目についた。 全員が作業服を着てこちらに向かってきている。 俺は、親れいむに近づいた。 その顔は赤れいむと同じく涙でいっぱいであったが、優しい笑顔をしていた。 「マイク、返してもらうよ」 一言つぶやき、リボンからマイクを回収する。 「失礼します、こちらのゆっくりは」 立ち去ろうとする俺に、作業服を着た男性が声をかけてきた。 彼らは保健所の人間だ。 朝のラッシュの騒動で、誰かが連絡したに違いない。 こんなに仕事が早いなんて、公務員もバカにしたものではないと思う。 いつか、保健所の取材でもしてみたい。 「ああ、野良のゆっくりでしょうね。俺のじゃないですよ」 さよなら、ゆっくり霊夢。 最期に親子の絆を確認できてよかったね。 俺は餡子を踏まないように気をつけながら、駅へと向かった。 ふと壁を見ると、餡子がこびり付いている。 赤ゆっくりを踏んだ誰かが、靴をすりつけて汚れを落としたのかもしれない。 「やべでぇええええっ!!!れいぶのあがぢゃんがえじでぇええっ!!!」 背後から変な声が聞こえたが、俺は振り返らなかった。 おわり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4199.html
数十キロはあった糞便を片付けるのに、丸一日かかった。 たった一日というと思ったより短いようだが、 まりさ共が口内の糞便を飲み込むたびに、 俺や使用人がひっきりなしに詰め替え、それがおよそ二十時間以上だ。 「かひゅうーーーーーーー………あひゅううーーーーーー……」 輪を取り外され、まりさ共は憔悴しきって、 吊り下げられた全身を波打たせている。 「うまかったか?」 俺が聞くと、しばらく開ききった口をもごもごさせてから、 上顎支点で吊り下げられたままで返答が帰ってきた。 「ゆっぐ……ゆっぐり……でぎだいぃぃぃ……」 「……ゆっぐじ……じだい……じだいぃぃぃ」 「おろじで……おろじでぇぇ……」 「口に合わなかったか?それは悪かった。 もっとゆっくりできるごはんを持ってきたよ」 そう言うと、俺はカートを新しく運んできた。 カートの上には、再び青いビニールで覆われた皿。 大きな皿をいくつか台の上に、まりさ共によく見える位置に置いてやる。 まりさ共の目は怯えていたが、いくぶんかの期待の色が見え隠れしていた。 もしかしたらこの人間は勘違いをしてあんなものを持ってきただけで、 今度はちゃんとゆっくりできるごはんを持ってきたのかもしれない。 そんなところだろうか。 「ゆっくり……ゆっくり……」 震える声で呟くまりさ共の前で、次の食事を公開してやる。 「ゆあああぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!」 悲鳴が上がった。 ひどい腐臭の中で、俺は解説してやった。 「かき集めるのが大変だったよ。いまは夏場だからごらんのとおりだが、 まあお前たちゆっくりなら大丈夫だろう」 犬や猫、鳥や狼、町や森の中で拾ってきたあらゆる獣の死体が皿の上に乗っている。 どれもこれもひどい腐臭を放ち、体中に蛆が蠢いていた。 猫の眼窩や犬の裂けた腹部、穴という穴は蛆だらけだ。 蛆のほかにムカデやミミズ、なんだかよくわからない虫たかっており、 その上では大量の蠅がぶんぶんと飛び回っている。。 手近な猫の死体を長い菜箸でつまみ上げてやると、 腐りきって緑色に変色した肉はぐずぐずになってたやすく崩れ、黄色い膿が長い糸を引いた。 緑に紫に黄色に赤、一度死んだ肉は本当にカラフルになるものだ。 「ぐざい!!ぐじゃいいいいいい!!!やべでえええええ!!」 「おでがいいいいいいいぢがづげだいでえええええええええ!!!」 「急いで噛みつぶさないと、ウジやムカデがお前らを食うかもな」 「いいいいいいいやああああだああああああああああーーーーーっ!!!」 脅してやったおかげで、白目を向いて痙攣しながらも、 口腔内に放り込まれたまりさ共は今度は必至に咀嚼していた。 柄杓の表面にこびりついた蛆がまりさ共の表皮を這いまわり、目の中に一匹二匹侵入する。 嫌悪に身をよじらせながら、それでもまりさ共は泣きながら食事を続けた。 虫に関しては、もともと毛虫やら蝶々を食うゆっくりだから問題ないだろう。 顎の動きから嚥下を確認する度に、輪の蓋を開けて次の腐肉を注ぎ込む。 そのたびごとに、まりさ共は泣きながらあらん限りの声をあげて慈悲を求めた。 「ゆおおおおおおごおおおおごごごごごおおおおおああああああーーーーーーーーー」 まりさ共の努力で、腐肉は一日かからずに片付いた。 次はまともな食品を食べさせてやることにする。 その日俺が運んできたカートの上には、大きなボールがいくつも載せられていた。 そのいずれも、粉やらどろりとした液体やら練りものでなみなみと満たされ、 緑や黄色もあったが、それら内容物はおおむね赤かった。 まりさ共はきょとんとそれを見ている。 どうも味が想像できないようだ。 俺は親まりさの口に再び輪をはめた。 「ゆごっ!!おごっ、わっかさんはゆっぐじでぎだいぃいいごっ!!」 ばたばたと抵抗しながら、なすすべなく輪をはめられて大口をあける親まりさ。 「味見してみるか?」 俺は手近なボールから赤い粉を指ですくうと、 親まりさの口内に刷り込んでやった。 「!!??」 びぐん、と親まりさが空中で跳ねた。 「ゆぼびょがぎょぼばごぎゃがばああぁぁあーーーーーーーー!!!」 すさまじい絶叫をあげ、すぐにも吐き戻そうとするが、 俺がすぐに蓋を閉めたので、あわやというところで餡子は口内で止まった。 それでも親まりさの痙攣は止まらない。 いつまでたっても止まない親の悶絶を見て、子まりさ共が恐怖に震えている。 「トウガラシだよ」 俺は教えてやった。 甘味そのものたる饅頭でできているゆっくりにとって、辛味は毒である。 正確には辛味そのものが毒性を持つわけではなく、 あまりの苦痛に餡子を吐き出してしまい、 それが致死量を超えることが少なくない、ということだ。 50cm級のボリュームを持つ親まりさが、 ただひとすくいのトウガラシでなお暴れ続けている。 白目を向いた眼窩から涙が吹き出し続け、 すでに枯れ果てていると思われたしーしーとうんうんが、 すごい勢いであにゃるとまむまむから放出されていた。 本来ならとっくに絶命しているだろう。 しかし、死なせることは俺がしない。 食わせたはしからすぐに蓋をしてやるので、 たっぷりと味わってもらうことができる。 念のため、あにゃるとまむまむもガムテープで塞いでやることにしよう。 こうして、ゆっくりがいまだかつて味わったことのない世界に、 このまりさ共が、ゆっくり史上初の一歩を踏み出すことになるわけだ。 さぞ誇らしいことだろう。 親まりさがトウガラシを消化して動きが収まるまでに、 たっぷり十分はかかった。 「かひゅうーーー……ほひゅうーーーー……」 白目を向いたまま、親まりさは放心した体で呻いている。 「ちょっと味見しただけでこんなにゆっくりしてくれるんだな。 たっぷりあるから、ゆっくり味わっていってくれ」 そう言ってやり、トウガラシの粉を柄杓でたっぷり掬った。 親まりさの口に近づけるが、親まりさはまだ白目を向いたまま揺れている。 俺の声も耳に入っていないようだ。 構わず、口いっぱいにトウガラシを頬張らせて蓋をした。 親まりさが爆発した。 もちろん比喩的表現だが、まさにそれは爆発だった。 吊り下げられた状態で、よくもこれほど動けるものだ。 そう感心してしまうほど、電流に打たれたように跳ね回っていた。 ビビビビビビビビビビビビビビビビビ。 下膨れの顎が、上下左右にぶんぶんとシェイクしている。 まるで釣りあげられた直後の魚、いやそれ以上だ。 「ゆぁああああああ……ゆわぁああああああ………」 子まりさ共が絶望のシンフォニーを奏でている。 次は自分たちだ、それは痛いほど理解できているようだ。 命乞いをする気力もなく、ただ泣くことしかできない。 それでも、輪をはめられる段になると本能的に騒ぎはじめた。 「やべで!!ゆっぐりやべで!!やべでぇええええ!!まりざだげはぁああ!!」 「ゆっぐりじだいいいいいいい!!ゆっぐりざぜでぇええええええええ!!!」 「いやぁあああああいやぁあああああごろじでええええーーーーーっ」 三匹の子まりさ共には、また違うものを味わってもらった。 カラシを詰め込まれた子まりさは、やはりおこりのように痙攣している。 トウガラシとあまり変わらない。 わさびを詰め込まれた子まりさは、これも痙攣しているのだが、 カラシとはやや違うようだ。 半分白目を剥いて、下顎というか腹を前方に限界まで折り曲げて、 ぐにゅりと折りたたまれた状態で硬直しながら痙攣している。 わさびの辛さは鼻にくる。 想像するに、この量では「ツーン」というような生易しいものではなく、 脳天を錐で突きとおされているような感覚ではなかろうか。 最後の子まりさは、コショウを詰め込んだ。 すさまじい勢いでせき込んでいるが、 鼻がないので、口をふさげば何も出てこない。 膨れてはしぼむのをすごい速さで繰り返し、まるで早鐘を打つ心臓のようだ。 四匹ならんだゆっくりが痙攣しつづける様は壮観だった。 どれもが人間でもできないようなすさまじい速さで痙攣し、 微塵もゆっくりしていない。 見やると、隣のゆっくり共が反対側の壁にぴったり身を寄せて震えていた。 ゆっくりできないものを極端に恐れるゆっくりにとって、 高速で動くものは恐怖の対象である。 まして、同族であるまりさがすさまじい速さで痙攣するこの光景は、 こいつらにとってあまりに恐ろしいのだろう。 こちらに背を向けて壁にしがみつき、恐怖に泣き叫んでいる。 俺はスイッチを操作し、向こう側のマジックミラーを鏡に戻して、 向こうからは見えないようにした。 さて、この辛味を片付けるにはどれだけかかるか。 結論から言うと、まりさ共の反応は、やること自体はそう変わらなかった。 どれもすさまじい勢いで痙攣してばたばた暴れるというものだが、 その痙攣の度合が、きれいに辛味に比例するようだ。 より辛いものを食わせるたびに、痙攣の間隔が速くなり、ぶれる大きさは増大していった。 辛味は、スコヴィル値と呼ばれる数値で計測することが可能である。 トウガラシの辛味は、およそ三万~四万といったところだ。 スコヴィル値三十五万のハバネロを食わせたときは、 バイブレーターのように震えていた。 ビビビビビビから、ビィィィィィィーーーーーー………という感じだ。 下腹部はもはやぶれてよく見えない。 最終的には、世界一辛いトウガラシと言われる、 スコヴィル値百万のジョロキアを食わせた。 この時は驚いた、その痙攣はもはや擬音に変換できるレベルを超えている。 体のぶれは早すぎて、ぱっと見ではまったく動いていないように見えるほどになり、 ぶれる下腹部の軌道がそのまま輪郭となって、 頭部分だけがにょきりと突きでた扁平な饅頭のように見えた。 はたから見ていても異常な光景だが、 こいつら自身の感じている苦痛たるやどれほどのものだろうか。 つくづく、ゆっくりの不可解さと頑丈さを思い知った。 他の生き物の筋肉では、どれだけの刺激を与えてもここまで動けるものではないだろう。 ゆっくりという名前に反して、この生き物はすさまじい潜在能力を秘めているようだ。 辛味を食わせはじめてから最後のジョロキアを片付けるまでにかかった時間は、二週間だった。 そもそも、この激痛では「食う」という思考さえ発する余裕がないだろう。 意思とは無関係に喉から勝手に吸収されるのを待つ、という緩慢な食事だった。 ともあれ少々不安はあったが、餡子さえ吐かなければ、 どれだけ辛いものを食べても死なないことは証明された。 人間だって死にそうなものだが、これも意外なゆっくりの耐久性といったところか。 辛味を食わせるのにだいぶ時間がかかったが、次はすぐに終わるだろう。 発狂のできない悲しさでいまだ意識を保っているまりさ共に、俺は聞いてやった。 「かき氷って好きだったよな、お前ら」 コンビニで買ってくるかき氷が、このまりさ共は好物だった。 夏場などは他のれいむやありすから奪い取って貪っていたものだ。 かき氷と聞いて、まりさ共の目が輝いた。 「すきぃ!!かきごおりだいすきなんだぜぇええ!!ゆっくりできるうううううううう!!!」 「さんざん辛いものを食わせたからな、次は冷たいものをと思って今日はそれを持ってきた。たっぷりな」 「やったのぜええええええええ!!!やっとゆっくりできるんだぜええええええええ!!!」 「おにいさんはやっとわかったのぜええええええ!!?えらいんだぜえええええええ!!!」 「ゆっくり!!ゆっくりできるううううううう!!!ゆっくりいいいいいーーーーー!!!」 言葉遣いが少しばかり戻ってきたようだ。元気でいいことだ。 狂喜する親まりさの口に、再び輪を嵌める。 「ゆっ!!?やめるんだぜ!!わっかさんなくてもまりさはたべるんだぜぇおごっ!!」 あれだけ辛味を食べていても、中の様子は一見変わっている様子はなかった。 あれでもすべて餡子に変換しているらしい。ゆっくりコンポストが人気なのもうなずける。 四匹並んで大口をあけるまりさ共の前で、俺は道具を取り出した。 まず、ペンチを持ち出して親まりさの歯を挟む。 強度はともかくとして、 直径50cmにもなるまりさの歯は相当でかく、直径2~3cmはあるようだった。 「ゆゆぅぅううぐぅぅぅう!!?」 自分がされることを察知したらしい親まりさがじたばたともがき始めた。 俺はペンチをゆっくりと傾け、歯をねじっていった。 「ゆごっ、ぼっごっごごごごごっごおおおおおおおおお!!!」 一回転したところで、歯はたやすく根本から抜けた。 親まりさは大粒の涙をぼろぼろ流して呻いている。 「ゆあああああいいいいいいいいいい………えううううううううぐううううううう」 手早く次の歯にペンチを伸ばした。 ここでの初日にさんざん蹴りつけたせいで、すでに多くの歯が折れていたが、 半分折れているようなのも含めるとまだ十本はあった。 それらを綺麗に、全部こじり取る。 健康な歯を、引っこ抜かれるならまだしもねじられて抜かれる痛みは相当なようだ。 ねじられていく歯が歯茎を押し潰し、破壊していく。 「ごごぉおおおおお!!どおおおおおおお!!!あうぐううううううううーーーーーーっ!!!」 すべてを抜いた後は、まりさの大口の中に白いものはなくなった。 餡子とはいっても、歯茎を構成する部分は比較的固く、骨格に近い働きをしているようだ。 歯があった跡は、すべてぐずぐずの穴の列になり、 ピンク色の歯茎に、露出した黒い餡子がU字型に並んでいる。 子まりさ共を見やると、全員がすでに大粒の涙を流していた。 「やべでえええええええゆるじでええええええーーーーーーーーーっ」 「いりまぜん!!がぎごおりいりばぜええええええん!!!ぢょうじのっでばじだああああああああ!!!」 「ばざんぬがないでええええええええごばんだべられだいいいいいいいいい」 「歯がなければまともに喋ることもできないからな。必要になったらまた挿してやるよ」 子まりさ共にも輪っかをはめて口を開けさせ、歯をすべてこじり抜く。 ひとまずこれで目的は達成できるが、さらに念を入れる。 工業用の電気ドリルを持ち出すと、再び親まりさから処置を施す。 直径1センチ程度の細いドリルを、歯の抜けたぐずぐずの跡に突き入れた。 「がびゃあっ!!!?」 びぐんと跳ねるまりさを押さえつけながらスイッチを入れ、 回転するドリルをゆっくりと歯茎の奥まで突き込む。 「ががががががががががががががががががががあああぁ!!!!!!」 どれぐらい入れるか少し悩んだが、5センチぐらい突っ込み、 突っ込んでは内部でねじり回して神経を引っ掻いた。 本気で引っ掻くとたやすく歯茎ごと崩れてしまうので慎重に行う。 「ばいいいいいいいぐうううううういいいいいいいおおおおおごごごごごばばばばばだあああだああああああああががががががあああああああーーーーーーーーーっ」 すさまじい声量の悲鳴が部屋に充満する。 「ゆううううううううう!!!あゆううううううううううう!!うううううううううーーーーーーーっ!!!!」 子まりさ共も自分がされる前からひっきりなしに悲鳴をあげている。 研究者によれば、外見と同じくゆっくりの体のはたらきは人間と酷似しており、 歯茎の中にも、神経と同じ作用をする餡子が詰まっているらしい。 一見崩れた餡子の塊にしか見えないが、 ぐしゃぐしゃの歯茎の中で、神経となる餡子がむき出しになって外気に晒されるわけだ。 俺も昔歯医者の世話になったことがあるが、その苦痛は俺の体験の万倍にもなるだろう。 「あがああああああああごおおおおおおおおおおーーーーーーー」 すべての歯の神経をかき回されむき出しにされたまりさ共は、 俺がドリルを抜いたあとも叫び続けていた。 神経が外気に触れるだけでもすさまじい苦痛を呼び込むようだ。 「じゃあ、食事にしようか」 俺の言葉にもまりさ共は反応せず、忙しく叫び続けている。 仕方がないので勝手にやらせてもらうことにした。 連絡して、スチロールの箱を大量に運び込んでもらう。 スチロールの箱の中に、ドライアイスで冷凍保存された袋詰めのかき氷が大量に詰められていた。 それらをかたっぱしから大きなボールに開けると、 ボールをそのまま親まりさの前に持っていく。 親まりさは歯茎の痛みに暴れまわっていたが、 視界の端で俺のやっていることを捉え、さらに涙の量を増やした。 もはやスプリンクラーのように涙が飛び散っている。 溢れるほど口いっぱいに氷をつめこみ、急いで蓋をする。 白目を向いていた親まりさの目がいっぱいに見開かれた。 氷の冷気が、歯茎の神経を通って餡子の髄まで貫いたようだ。 ぐるぐると瞳を回転させ、親まりさはすさまじい勢いで暴れまわった。 振り子のように前後に顎をぶんぶん振っている。 全員にかき氷を食わせて観察する。 しばらくの間まりさ共は暴れていたが、やがて意外な反応を見せはじめた。 目をぎゅっと閉じて体を縦にめいっぱい伸ばしている。 どうやら、せめて上顎の歯茎に氷を当てないようにしたいらしい。 限界まで大口を開けさせたうえで満杯に氷を詰め込んだのだから、 そんな事をしても顎はそれ以上開きも閉じもしないのだが、 縦長に体を伸ばしているまりさはそれなりに珍しい見ものだった。 もっとも、今後はもっともっと珍しい状態を見せてもらうのだが。 氷は数時間で片付いた。 食べるというより飲み込むだけなのでさすがに早い。 その日のうちに、俺は次の食事を出した。 「それじゃ、後は野菜をやろう」 まりさ共の目が開き、恐怖8、媚びが2程度の感情を湛えた。 「安心しろ。腐ってない、新鮮な野菜だ」 ここまでされても期待を捨てられないのが餡子脳たるゆえんだ。 それゆえにタフなゆっくりを、完全な絶望と後悔に染めるには骨が折れそうだ。 もっとも、絶望を味わわせる試みはまだ始まってもいない。 じっくり腰を据えてかかろう。 最後に俺が持ってきたのはサボテンだった。 口いっぱいにサボテンを詰め込まれ、 ぐじゅぐじゅに潰された歯茎を含めた口中を針で刺し貫かれながらまりさ共は苦痛に身をよじる。 これを食わせるにあたって、まりさ共をフックから取り外し床に置いてやった。 苦痛にのたうちまわるほどに、まりさ共の口内のサボテンは床に押されてますます針を深く突き立てる。 一応は有機物なのだからいつかは消化されるだろうが、 サボテンの固い表皮が餡子に変換されるにはまた相当かかるだろう。 しばらくは、これらのものをローテーションさせながら不眠不休で食べてもらうことになる。 回復力の強いゆっくりだから、歯茎はすぐに回復する。 そのたびに電気ドリルで神経をむき出しにすることで、 食事による苦痛は数倍になるだろう。 歯がなく咀嚼できないため、頼りは体液による消化のみだ。時間もかかる。 まりさ共については、ひとまず今のところはこんなものか。 まりさ共と並行して、れいむ共とありす共にも処置を行っていた。 初日、れいむ種の四匹は、 目覚める前にそれぞれ個室に入れた。 およそ1~2m程度の、ピンク色の不透明な箱だ。 親れいむが目覚めると、周囲は狭いピンク色の空間だった。 「ゆゆっ!?」 状況がつかめず、うろたえて周囲を見渡す親れいむ。 見慣れない場所。家族の姿も見えない。 「ゆっ!くそどれいはかわいいれいむをさっさとここからだしてね!!」 れいむは叫んだが、それに対する返答はなく、 代わりに挨拶が返ってきた。 「ゆっくりしていってね!!」 背中から聞こえてきた声に振り向くと、そこには知らないまりさがいた。 自分とほぼ同サイズのそのまりさの姿に、れいむは息をのんだ。 絹のようにさらさらで輝くばかりの光沢をもつ金髪、 ビロードのようなてかりを放つ黒い帽子、 ふっくらもちもちの、極上の血色もとい餡色を帯びた肌。 今まで見てきたゆっくりなど問題にならないほどの極上の美まりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってねぇぇ!!」 息も荒く、れいむは言い放った。 「まりさのいえにいらっしゃい!ゆっくりおともだちになろうね!!」 美まりさが返してくる。 そのころころした美しい声に、親れいむはまためろめろになるのだった。 家族たちが不安ではあったが、 甘やかされきった彼女には、心配ごとはすべて奴隷が片付けるものであったから、 外に向かって命令すればすぐに会えると思い、 今は目の前のまりさとゆっくりすることに集中することにした。 やや緊張しながらも、他愛のない話を交わす。 美まりさは性格もよく、いろんなことを知っていて、話していて楽しかった。 すっきりしたい、という欲望が頭をもたげるのにそう時間はかからなかった。 夫のまりさに対する操が一瞬頭をよぎったが、 妾を堂々と連れてくるあのまりさに対し、あてつけでこちらも存分にすっきりしてやろうと思った。 どういうきっかけを作ってすっきりしようか逡巡しているうちに、 ピンク色の室内に、なにやら香が漂ってきた。 無味無臭のその香りに気づかぬまま、れいむとまりさはそれを嗅ぎ、 嗅いでいるうちに表皮がほんのりと湿り気を帯びてきた。 「ゆふぅ……ゆふぅ……まっ、まりさぁぁ……」 催淫剤の香だった。 発情に頬を紅潮させ、れいむは辛抱たまらずまりさにすり寄った。 まりさも抵抗せず、れいむのすりすりにリズムを合わせてうごめきだした。 しばらく摩擦で気分を盛り上げたあと、 美まりさはれいむに向かって、いきり立ったぺにぺにを見せつけた。 「ゆふぅぅ~……すっきりしたいよ……!」 「ま、まりさにならいいよ……!」 れいむはまむまむを突き出し、迎え入れる姿勢を取った。 美まりさ共には躾を施してあった。 すっきりは、ぺにぺにを相手のまむまむに刺すやり方でなければいけない。 全身を擦り合わせる方法ではすっきりできない。 そのように刷り込んであった。 擦り合わせる交尾では、植物型にんっしんっとなり、 ぺにまむ型では、胎生型にんっしんっとなる。 胎生型の出産をしたゆっくりは、 植物型による出産よりも、子供への愛情が強い傾向にある。 個体数が少ないことと、出産時の苦労からくるものとされている。 この特性を、今回は活用することにする。 たちまちのうちにすっきりを終え、れいむは胎生型にんっしんっを果たした。 早くもぷっくり膨らんだ顎を見下ろし、ゆふゆふ満足げな声を漏らしている。 そうしていると、今度は白いガスが吹き込まれてきた。 これには強力な睡眠剤、そして成長促進剤が含まれている。 親れいむの意識はすぐに落ちていった。 以上の手順は、三匹の子れいむ共にもそれぞれ全く同じように施されていた。 翌日、四匹のれいむ共はひとつの部屋に集められていた。 四匹とも、部屋の中心に供えられたおよそ2m四方の大きなガラス箱の中だ。 子を体内に宿したゆっくりれいむ共は 親子四匹とも、もとから下膨れの輪郭が下方向にたっぷりと膨らみ、 目と口が上方にめいっぱい偏った洋梨のような無様な姿になっている。 成長促進剤によって出産を早められたれいむ共は、 四匹とも今日が出産予定日だ。 ゆっくり達が出産に集中できるよう、この部屋に人間はいないが、 備え付けのカメラで出産の様子は別室から逐一確認できるようになっている。 俺は今、監視室でそれを見届けていた。 「ゆっ!!」 「ゆゆ!れいむどうしたの?」 「う……う……うばれるうう!!」 一匹が産気づいたようだ。 一匹の子れいむの顎の下に小さな穴が空き、外側に盛り上がりながらひくついている。 顔を真っ赤にしていきむ子れいむを、他のれいむ共が応援する。 「ゆううぅぅ!!ゆううぅぅ!!」 「ゆっくりうまれていってね!!ゆっくりがんばってね!!」 ゆっくりの出産は激痛を伴う。 生涯最大級の痛みは、痛みに弱いゆっくりにとってこの上ない苦しみだが、 ひとえに赤ゆっくりへの愛情のため、この時ばかりは文句ひとつ言わずに堪える。 「うばれるうう!!ゆっぐり!ゆっぐうううううう!!」 「がんばってね!!がんばってね!!おおきくいきをすってはいてね!!」 「おねえちゃんがんばって!!ゆっくりしたあかちゃんをみせてね!!」 「がんばづうう!!でいぶがんばづううう!!ゆっぐりいいいい!!」 「ゆっゆっゆー!!ゆっゆっゆー!!」 歯茎をむき出して全力でいきむれいむ。 腹の火山のような盛り上がりはますます大きくなり、 中心部の穴、産道が少しずつ広がっていった。 「ゆゆっ!!あかちゃんのおかおがみえてきたよ!!」 「いだいいいい!!あがぢゃん!あがぢゃあああああん!!」 「おちついていきんでね!!だいじょうぶだからね!!」 産み方を指示しているのは親れいむだ。 「かわいいあかちゃんだよ!!がんばってね!!」 「ゆぐっ、ゆぐっ、ゆぐぐぐぐぐぐぐぐうううう」 涙を流し、歯を食いしばりながらいきんだ末に、 れいむはついに赤ゆっくりを生みだした。 ぽん、と勢いよく飛び出して床に着地したれいむ種の赤ゆっくりは、 ぎこちない動きで母親に向きなおると、笑顔で叫んだ。 「ゆっきゅちちていっちぇね!!」 それを見届け、れいむ達の視線が産んだれいむに向けられる。 赤ゆっくりの生まれてはじめての挨拶。 出産の苦痛があとを引く中で、産んだれいむはそれでも満面の笑みを浮かべて叫んだ。 「ゆっくりしていってねええ!!」 「おきゃあしゃん!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!! ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 飛び跳ねながら母親のもとに駆け寄る赤ゆっくり。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「とってもゆっくりしたあかちゃんだよお!!」 「れいむがんばったね!!えらかったねええ!!」 周りのれいむ達も口々に祝福の言葉を贈る。 幸福感に満ちた表情ですりすりをするできたての親子を眺めながら、 一様にたるんだ笑みを浮かべていた。 「ゆぐっ!!」 程なくして、別の子れいむがうめき声をあげた。 こちらも産気づいたようだ。 「ゆゆっ!!こっちのれいむもうまれるよ!!」 「がんばってね!!がんばってね!!」 数時間後、四匹の子れいむは全員が出産を終え、 箱の中では合計九匹の赤ゆっくりが動きまわっていた。 一度に数匹生んだれいむもいたため、この数になった。 赤ゆっくりの内訳は、れいむ種が六匹、まりさ種が三匹だ。 胎生型にんっしんっのため、どれも赤ゆっくりとしては大きめのみかんサイズだ。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね!!」 「れいむのあかちゃんたちとってもかわいいよおお!!」 れいむ共は飽きることなく「ゆっくりしていってね!!」を繰り返し、 それぞれ自分の産んだ赤ゆっくりを側に置いて頬ずりをしている。 「さあ、おちびちゃんたち!おかあさんとすーりすーりしようね!」 「ゆっ!おきゃあしゃんとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「しゅーり♪しゅーり♪」 「すーり♪すーり♪」 「あかちゃんたちかわいいねええ!」 「ゆっくりしてるよおお、ほっぺたもちもちねええ!」 「ゆっくりできるおうたをうたおうね! ゆ~、ゆ~ゆ~、ゆゆゆ~~♪」 幸福に満ちたゆっくりの群れ。 俺は立ち上がり、部屋に向かった。 「おにーしゃんはゆっきゅりできりゅひちょ?」 部屋の中に入ってきた俺に向かって、赤れいむの一匹が話しかけてきた。 俺は答えない。 「ゆゆっ!!ごみくずがやってきたよ!!」 「なにかってにみてるのおお!?」 「ごみくずにはれいむたちのゆっくりしたあかちゃんをみるけんりなんてないんだよお!! なにかんちがいしてるの?ばかなの!?あまあまをおいてさっさとでていってね!!」 不思議がる赤ゆっくり達に向かって、親れいむ共は教えた。 「あれはごみくずだよ!おにいさんなんてよばなくていいからね!!」 「やくにたたないくせにからだだけおおきいばかなんだよ!」 「みんな、あんなふうになっちゃだめだよ!!」 「わきゃっちゃよ、りぇいみゅはあんにゃふうににゃらにゃいよ!」 「ごみくじゅ!ごみくじゅ!」 「きゃわいいりぇいむをみにゃいでね!ごみくじゅ!!」 親に気に入られたいがために、赤ゆっくり共は俺に罵声を浴びせてきた。 「ゆゆっ、おちびちゃんたちはとってもものわかりがいいね!!」 「もっといってあげてね!!」 「くそどれいはなにしてるの?ばかなの? こんなかわいいあかちゃん、ごみくずにはもったいないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「こえだけならきかせてあげてもいいよ!うしろをむいててね!!」 しばらくの間好きに言わせたあと、俺は始めることにした。 箱の中に手を突っ込み、赤ゆっくりを一匹手に取る。 「ゆゆっ?おしょりゃをちょんでりゅみちゃい~♪」 赤ゆっくりを箱の外に運び出し、床に置いたところで、 呆然として見ていた親れいむ共が弾かれたように喚き始めた。 「なにやってるのおおおおおお!?」 「ごみくずうううう!!おちびちゃんにさわるなああああああ!!」 「かえせえええええええ!!れいむのおちびちゃんかえせえええええ!!」 構わず、二匹目を運び出しにかかる。 箱の中に突っ込まれた俺の手に向かって、 殺意に満ちたれいむ共の体当たりや噛みつきが襲ってきた。 まるで痛くもない。 俺はわざとゆっくり、一匹ずつ大仰に運び出していった。 「ゆがああああああ!!かえせええええええ!!」 「きたないてでおちびちゃんにさわるなあああ!!」 「ばか!?ばか!?ばかなのおおおお!?ほんもののばかなのねええ!? ばかはばかなりにみのほどをわきまえてねええええ!!」 何匹か運び出したところで、箱の隅に固まっている二匹のれいむが見えた。 角のほうにぴったりと身を寄せ、顔をぱんぱんに膨らませて俺を睨んでいる。 ほとんど運び出し、赤ゆっくりが目につかなくなったところで、 俺はわざととぼけてみせた。 「赤ゆっくりはこれで全部かな?」 「かえせえええええ!!!」 「まだ残っていたような気がするがな?」 箱の中を見回してみせると、隅のれいむ共がますます膨らんだ。 そちらに視線を止める。 他のれいむ共が口々に叫んだ。 「あかちゃんたちはごみくずがぜんぶはこびだしたよ!!」 「そんなところみてももういないよ!!ごみくずはばかだね!!」 「ゆっくりあきらめておちびちゃんをかえしてね!!」 「いないのか?」 「いないよ!!ゆっくりあきらめてしんでね!!」 「ここをまだ見てないぞ?」 「そんなところみなくていいよおおお!!いないよおお!!」 「そうか、いないのか。残念だな」 「ゆ!わかったらさっさとかえしてね!!ばーか!!」 「でも念のためだしな。一応見てみようか」 隅のほうに手を伸ばす。 ゆっくり共が絶叫しはじめた。 「いないよ!いないよおおお!!みなくていいいい!!」 「ばかなのおおお?しぬのおおお!?」 「ぷっくうううううううう!!!!」 膨らむれいむを転がすと、ぶるぶる震えている赤ゆっくりが三匹見えた。 面倒なので全部一度に持ち出す。 「ゆああああああああ!!やめろごみくずううう!!!」 九匹の赤ゆっくりは、 今や全てが箱の外で、透明な壁ごしに親ゆっくり共を見つめている。 「おきゃあしゃん、きょきょあけちぇね?」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ?」 「かべさんゆっくりどいてね!」 親の元に駆け寄ろうとするが、ガラスの壁に遮られて進めない。 体当たりをしても跳ね返され、ついには泣きだした。 「ゆわああぁぁん!!かべさんどうしていじわるするのおぉぉ!!」 「しゅーりしゅーりしちゃいいいぃぃぃ!!」 「おきゃあしゃあああん!!あけちぇよおぉぉ!!」 親れいむ達も同じように泣き喚いている。 「おちびちゃんん!おちびちゃあああんんん!!」 「かえせごみくずうううう!!なにしてるうううう!!」 「なにだまってるのおおおお!?ふざけるなああ!!」 しばらく観察したあとで、俺は爪楊枝を取りだした。 赤ゆっくり相手に、たいした道具もいらない。 壁にへばりついている赤ゆっくり達に、爪楊枝の先端をつきつける。 「ゆぎゃっ!?」 「いぢゃいぃ!?」 ちくちくと肌を突かれ、生まれて初めての痛みに声をあげる赤ゆっくり。 「やめちぇ!やめちぇぇ!!」 「いぢゃいい!!おきゃあしゃああんん!!」 「なにしてるのおおおおお!!?やめろおおおお!!」 親れいむ共が喚き、箱の外壁に体当たりをするが、 部屋の床にしっかりと固定された箱は揺らぎもしない。 「おきゃあしゃああああん!!」 「ゆえええぇぇん!!」 爪楊枝から逃れようとちりぢりに逃げようとする赤ゆっくり共。 しかし、その鼻先に爪楊枝を突きつけ、追い返す。 元から移動速度の遅いゆっくりの幼児のこと、悲しいほどに遅く、 九匹もいるとはいえ、座ったままで充分に全員を操作できた。 今や赤ゆっくりは互いに身をよせあって一か所に固まり、 四方から迫りくる爪楊枝に、ただ泣き喚き、母に助けを求めている。 「たしゅけちぇええ!!たしゅけちぇえええ!!!」 「ゆびゃっ!!」「いぢゃあっ!!」 「もういやぁぁぁぁ!!」 「おきゃあしゃああああんなんでえええええ!?」 「おちびちゃん!!おちびちゃああああん!!!」 固まってぶるぶる震える赤ゆっくり共。 俺はそこで道具を持ち変え、バーナーを手にした。 一匹の赤まりさを手にとり、底面を上に持つ。 「ゆっ?はなちてにぇ!はなちてにぇ!!」 もぞもぞと抗う赤まりさの底面を炎が焼き焦がす。 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい!!!??」 笛吹きヤカンのような悲鳴が響き渡る。 「おちびちゃんんん!!」 「やめなさいいいい!!いたがってるでしょおおおおおお!?」 「くそじじいいいいいいますぐはなせええええええええ!!!」 低出力のバーナーで、ゆっくりと丹念に赤まりさの足は焼かれてゆく。 「びびびびびいいいいああああああぢゅいいいいいいいいいいぎぎぎぎぎぎぃいあぢゅああああおぢゃあしゃあああああああーーーーっああーーーーーーーっづづづづづづづうううううぐうううういやぢゃああああああぐぎいいいいいいいーーーーーー」 泡を吹き、悶え、痙攣する赤ゆっくりの底面は、 やがて真っ黒に焼け焦げた。 恐らくは中の餡子まで焦げ付いているだろうが、ともかく生きている。 それを床に置くと、泣く元気もなくぐったりとうなだれた。 「ゆわああぁぁ……あんよがあぁぁ……」 「おぢびぢゃんのがわいいあんよがあああ……」 俺に悪態をつくことさえ忘れ、 赤ゆっくり以上に涙を流し、壁面にへばりついて親れいむ共は嘆いている。 赤まりさの足がもはや用をなさないことは誰の目にも明らかだった。 固まっている残りの赤ゆっくり共は、あまりのことに硬直して、 ただ事のなりゆきを凝視していた。 次は赤れいむを手にとる。 「いやぢゃあああああああ!!!」 何をされるかを理解した赤れいむは、ここを先途と絶叫する。 「だじゅげぢぇええええおぎゃあじゃああああん!! でいぶあんよやぎゃれぢゃぎゅにゃいいいいいいいいいいい!!!」 「ごみぐずううううううううううう!!!」 「いばずぐばなぜええええええぐぞじじいいい!!」 「頭に来るな」 俺は答えてやった。 「ゴミクズだの糞奴隷だの、さんざんに言ってくれるな。 俺はすごく気分が悪い。頭に来てる」 「じるがああああ!!ごみぐずごみぐずごみぐずううう!!」 「だまれだまれだまれえええ!!じじいはざっざどがえじでじねえええ!!」 「頭に来るから、こいつも焼く」 そこで親れいむ共の様子が変わった。 罵倒を中止して黙り込み、赤れいむに近づけられるバーナーを見つめている 懇切丁寧に解説してやった甲斐があり、今の状況がようやく把握できたようだ。 「おにいさん!!やめてね!ゆっくりやめてね!!」 「ごめんなさい!!ごみくずっていってごめんなさい!!ね!!」 「もうやめてあげるからね!!おにいさんもやめてね!!」 「ゆばがぎゃああああああああああああ!!!」 「なんでえええええええええええ!!?」 赤れいむの底面が丹念に焼かれる間、親れいむ共は懇願し続けた。 「やめてくだざい!!やめでえええええええ」 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!」 「おにいざあああああんもうばがにじまぜえええええええん!!」 「ゆっくりざぜであげてええええええええええ!!!」 「でいぶをやいでぐだざいいい!!おぢびぢゃんはだずげでえええ!!」 一人が身代わりを申し出たのを皮切りに、 親れいむ共全員が競うようにして自らを差し出した。 「でいぶをやいでえええ!!おでがいでずううううう!!」 「でいぶはどうなっでもいいでずううううううう!! おぢびぢゃんは!!おぢびぢゃんだげはああああああああ」 「どっでもゆっぐりじだあがぢゃんなんでずうううううう!! でいぶになら!!でいぶにならなにをじでもいいでずがら!!あがぢゃんだずげでええええ!!!」 ゆっくりの中でも、れいむ種は特別母性が強い。 自分の子供を溺愛することにかけては他の種とは比べものにならず、 今やっているように、拷問の身代りになることさえ厭わない。 やはり思ったとおりだ。 れいむ種にとって最大の苦痛は、子供を傷めつけられることなのだ。 方針は決まった。 続く
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/18.html
「ただいまー」 「おかえりなさい!! おうちでゆっくりしてね」 「あぁ、良い子にしてたか?」 そう言ってゆっくり霊夢の頭を撫でてやる、体を振って喜ぶゆっくり。 「れいむいいこにしてたよ!! おひるもちゃんとたべたよ!!!」 テーブルに視線を移すと作っておいたおむすびは全部平らげてくれたようだ。 少しご飯粒がこぼれているのは仕方ない、ご愛嬌だろ。 「よしよし、いいこだなぁ霊夢は。今、夕飯作ってやるからなぁ」 「ゆゆ!! いそがなくてもいいよ!! きがえておふろにはいってゆくりしてからでもいいよ!!!」 嬉しいこと言ってくれるじゃないか、一緒に暮らすようになってから随分と語彙が増えたな。 でも……。 「大丈夫さ、俺もおなか減ってるんだよ。服を着替えたら直ぐに作ってやるからな」 「!!! うん!! ゆっくりつくってね!! ゆっくりまってるね!!」 はは、本当はお腹空いてたんじゃないか、我慢しちゃってかわいいねぇ。 急いでジャージに着替えて夕飯を作る。 今日は中華炒めと味噌汁、あとは佃煮に漬物。 ほかほかのご飯の上にとろみの付いた中華炒めを載せれば中華丼の出来上がり。 特大サイズの餌入れに載せてテーブルに出す。 「おーい霊夢、ご飯が出来たぞー!」 寝室のベットで遊んでいた霊夢が勢いよく飛び出してきた。 目の前の山盛りの中華丼を見て目を輝かせている。 「ゆ~!! おいしそう。こんなにいっぱいたべてもいいの?」 「心配すんな。バカスカ食らうおまえを養うだけの金はあるから」 「うん!! ゆっくりたべるね!!」 そう言って勢いよく食らい付く、おいおいゆっくりたべるんじゃないのかよ……。 「むっしゃむしゃ♪ おいしいよおにーさん! とってもおいしいよ!!」 そうかい、それは良かったな。 「おいおい、急いで食うから口の周りがご飯だらけだぞ」 「ゆ? ほんとだ!! んべー……」 舌を伸ばして器用にとってくなぁ、……って、そうじゃない。 「お行儀が悪い」 ぺちん 「ゆ!!」 「ほら、口拭いてやるからこっち向け」 とろみと涎でベドベドになった顔を丁寧に拭いてやる。 「ゆっ! ゆ~くすぐったい♪」 「がまんしろや、……ほら拭き終わったぞ。食べ物は逃げていかないんだからゆっくり食え!」 「むしゃ、……べも、むしゃ、おにいjさんの……むしゃ……」 「食うかしゃべるかどっちかにしろ……」 「♪ おにいさんの作ったごh……」 「本当にしゃべるな、普通は食ってから喋るだろ?!」 ちょっ、ご飯粒が顔に、布巾布巾……ってこれも涎まみれだ。 「ゆゆ♪ おにーさんおもしろい」 「もともと原因はお前だ」 ぺちん 「ゆ!」 「おにいさんが、しゃべるかたべるかどっちかにしろっていったんだよ♪」 顔洗ってきて開口一番それかよ。 てか、もう食い終わってるし。 「はいはい、俺が悪かったよ。それで、お前さっきなんて言おうと思ってたんだ」 「そのまえに、おかわりちょーだい。おにさんがわるかったからばつだよ♪」 「わかった、ちょっと待ってな」 くそ、誰だよ悪いことをしたら罰があるって教えた奴? 閻魔か、……いや俺だ、何教えてるんだ俺。 「ほいほい、おかわりな! 残すなよ!!」 「おにーさん、これちょっとおおいよ!」 「量を指定しなかったのはお前が悪い、よって罰だ♪」 ささやかな仕返し。 あぁ、でもこの食いっぷりだと丁度良い量だったかもな。 「おい! それ食う前に話すこと有ったんじゃないのか?」 「ゆ!!!」 しまった、また数分前の惨劇が……。 「んーごっくん!! ちゃんとたべてからはなすよ!!」 ……、おお!! 偉いぞ霊夢。 「偉いぞ霊夢、それで何が言いたかったんだ?」 「おにーさんのつくるりょーりがおいしいからどんどんたべちゃうんだよ!! おにいさんのりょーりがわるいんだよ。だからばつをうけてね!!」 そうか、うまいかぁ。 伊達に仕事先で鍋振ってる訳じゃないからな。 「それはいいとして、罰ってなんだよ?」 「かんたんだよ、れいむみたいにぱくぱくたべてみてね♪」 ……、訳分からん。 「こうか?」 取り合えず言われたとおり中華炒めをご飯に載せて一気に掻っ込む。 「そうだよ、どう?」 んーどうって言われても、これは……。 「うまい、なぁ」 「でしょ!! そうやってたべるとおいしいんだよ!! おにいさんもおいしかったでしょ?」 そう言ってまた掻っ込みはじめる霊夢。 それを見て、もう一度掻っ込んでみる。 「そうだな、こうやって食うと上手いな霊夢」 「でしょ!! むしゃ、だがらおにーざn」 「だから食いながらはなすな!」 ぺこん 「ゆ! てへへ♪」 さっきの食事はえらい目に有った。 まだ顔がべとべとするな、さっさと風呂に入って今日は寝よう。 「おい霊夢、風呂入るぞ!」 「ゆ~、……。おふろ、はいるよいっしょにはいろうね」 食べ過ぎでさっきまでへばってた霊夢を抱えて風呂場に直行。 あぁ、こいつが本物の博麗の巫女さんだったら良かったのに。 いや、紅魔館の司書さんも捨てがたい。 「おにーさんはやくはいろうよ。ずっとそこにいるとかぜひくよ!!」 ……。 そうだな、はやくはいろうな。 ザッバーン。 と勢いよくお湯を溢れさせて風呂につかる。 先に入れといた霊夢もザブンザブン揺れる湯船にご満悦だ。 「もー。おにいさんいきおいよくはいりすぎだよ! もっとゆっくりはいってね!」 「これがゆっくり出来る入り方なんだよ。明日が休みだったら酒飲みながらも良いんだけどな……」 「おにいさん、それもゆっくりできるけど。いつものやつやって! いつものやつ!!」 はいはい。 タオルを湯船の中に入れて丸める、少し強く握るとあわがシュワーっと飛び出してくる。 「ゆっゆ♪」 「お前も飽きないなぁ。ほら、そのままだと溶けるから一旦上がれ。体洗ってやるから」 「むー!! れいむはとけないよただのおまんじゅうじゃないもん!!」 「そうでも言わないとずっと上がってこないだろ? ほら、無理矢理にでもあげてやるぞ~!!」 「きゃーおにーさんがれいむをいじめる~♪」 あぁ、これが博麗の……。 その後、体を洗ってやり俺も洗った後一緒に湯船で川の流れのようにを歌って風呂から出た。 「おーい、明日はちょっと早いからもう寝るぞ。こっちにこいや」 「うん、おにいさんといっしょにゆっくりねるよ♪」 あぁ、これg……。 「ほれ、さっさとはいれ」 「ゆっくりふわふわ~♪ おにーさんおやすみなさい」 「はいはいおやすみオネショすんなよ?」 「れいむはおれしょなんてしないよ!!」 仰向けで布団をかけると死にはしないが窒息するので、必然的に横向きになる。 何を思って俺が買ったのか知らんが、キングサイズのベッドなので布団が捲れるということはない。 ……が、始めのころはコイツの視線が気になってなかなか寝付けなかった。 「ゆ~~っく~~~り~~~」 相変わらず寝るのはえーなー。 さて、俺も寝るか。 ……。 「今日は延滞している図書館の本を返してもらいますよ!!」 「断るって言ったら?」 「もう。どうして貴方まで魔理沙さんの真似をするんですか? もっとまともな人だと思ってたのに」 「だって、この本を返してしまったら、もうここに来ないだろう?」 「!!! それは、……だったらあなたが図書館に来れば良いじゃないですか」 「いやだね。俺は慣れない化粧をして家に来る君を見たいんだ」 「……もう、○○さん」 「小悪魔……」 「ch……」 「ゆ~♪」 「!!!」 ……、オーケー理解した。 目の前にはゆっくり、そして俺の口の位置も理解した。 あぁ、良い夢だったよ。 最高の夢だった。 …… 「朝だ、起きろ」 ぺちん 「ゆ!! ……。 おにーさん! れいむはおねしょしてないよ!!」 「分かってる、これは俺が悪い。お詫びにホットケーキを作ってやろう」 「ゆ♪ ゆっくりたべるよ!! おにいさんのほっとけーきだいすき!!」 そう言って嬉しそうなゆっくりに、蜂蜜たっぷりのホットケーキを出してやった。 あぁ、朝一緒に飯を食うのが博麗……。 「それじゃ、言ってくるから大人しくしてろよ。昼飯はテーブルの上な。今日はサンドイッチだぞ」 「ゆ! わかってるよ。 おにーさんも気をつけていってらっしゃい」 「あぁ、行って来ます。それじゃぁな!」 玄関に鍵をかけて家を出る。 最近は珍しくなくなった洋風の家に新興住宅地。 ちらほらとゆっくりを買っている家も結構多い。 独身暮らしだった俺にとって。 最近の行って来ますと言ってただいまと言えるゆっくりとの生活もなかなか楽しい。 でも、どうせ二人で暮らすなら博麗……。 「さてと、今日はケーキでも買って帰りますか!」 そう言って職場へと俺は足を進めた。 Fin ゆっくりできたよ!ありがとね!! -- ゆっくり名無し (2009-03-27 02 07 57) 読んでいるだけでゆっくりさせられます♪ -- 名無しさん (2009-03-31 01 56 16) すごくゆっくりしてるね! -- 名無しさん (2010-11-27 13 13 52) ゆっくりしてるね うらやましいよ 俺の夏休み、 終わっt(ry -- 闇の住人さ (2012-08-10 22 24 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1785.html
二作目です 前作?の設定を引き継いだシリーズ物とさせていただきます 虐待・・・してるかな? 人間はでてきません 幻想郷の中という設定です すっきりどころか原爆レベルのむかつきが残る恐れが・・・嫌な方はUターン ある日、風が少々強い日に・・・・ひとつのゆっくりの群れがまた一つ消えた。 不思議なことに、死体は一切なく、争った形跡すらなかった。 このような怪奇な事件が起こった経緯を説明するには一週間前に遡らなくてはならない 物語は、この群れに一匹の美アリスが迷い込んできたことから始まる。 美のゆっくり まりさはこの群れで育った、至って純真なゆっくりだった。 母親からはゆっくりがいかに素晴らしい生き物かを教えてもらい、 教わった次の日からさっそく虫さんにゆっくりの食糧になるという偉大な仕事を授けた。 まだ親離れしてない子ゆっくりであったが、群れのゆっくりからはとても将来有望なゆっくり とみなされていた。 そんなまりさが鼻歌を歌いながら散歩していると、一匹のアリスを見つけた。 アリスは気絶して道の真ん中で倒れていた。 まりさはアリスに駆け寄った。 「アリス!!大丈夫!?」 まりさはありすの体を揺さぶった。 揺すぶるとありすから声が聞こえ、ありすは意識を取り戻した。 まりさはありすの顔をみて驚いた。いままで見てきたゆっくりの中でもっとも美しかったからだ。 顔だけでなく、ありすからはとても良い匂いがしていた。 「うう~~ん、あら?都会派のありすったらこんなところで倒れちゃったわ」 ありすは少し体がふらつくのか、ふらつきながら喋った。 「ありすを介抱してくれたのはまりさ?」 「そ、そうだよ!!おなかがグーグー言っちゃってから倒れちゃったの?」 ありすは顔を赤らめながら恥ずかしそうに 「実はそうなのよ・・・都会派としたことが恥ずかしいわ!!」 か、かわいい!!まりさはそう思った。 まりさは、このありすに一目ぼれした。このありすともっと仲良くなりたい!! 「そ、それじゃあまりさのお家においでよ!!ご飯を御馳走するよ!!」 「ゆ~~ん、でも悪いわ・・」 「大丈夫だよ!!まりさのお家はご飯がたくさんあるからありすが食べても大丈夫だよ!!」 まりさの強烈ともいえるアピールに、ついにありすは折れたのか 「ゆ~~ん、そこまで言うなら御厄介になるわね!!」 ありすはまりさの招待に答えることにした。 まりさは喜びのあまり飛び跳ねた。 かくして、まりさはありすをお家に連れて行った。 群れにつくなり、群れのゆっくり達はアリスに群がり始めた。 いままで見た事もない程きれいな美ゆっくりだったからだ。 群がってくるのは未婚のゆっくりだけではなかった。 すでに所帯をもっているゆっくりもありすから匂う良い匂いに引き寄せられていった。 ありすがまりさのお家に着く頃には、お家の前にはゆっくりが群がっていた。 「む~しゃむ~しゃ・・幸せぇぇぇぇ!!!」 ありすはまりさのお家に案内してもらい、それからまりさの両親にご飯をもらっていた。 最初、ご飯をもらう事にまた抵抗をしていたが、我慢できなくなったのか おいしそうにむしゃむしゃ食べていた。 「ゆふ~~、ゆっくり御馳走様!!ご飯を分けてもらってありがとう!!」 「困った時はお互い様だよ!!ありすは旅ゆっくりなの?」 群れのゆっくり達はアリスの行動一つ一つに注目していた。 動く仕草、しゃべり方の一つ一つが群れゆっくりの心をがっちりと掴んでいたのだ。 「そうよ!!あてもなく彷徨って真実の都会派の愛を広めているの!!」 この言葉に群れゆっくり達はざわめき始めた。 まりさが本当の愛を教えてあげられるのだぜだの、れいむは普遍的な愛をあげられるだの ゆっくり達はしゃべり、アリスの気を引こうと頑張っている。 だが、アリスを見つけたまりさはアリスをできるものなら自分のお嫁さんにしたいと 考えていた。 「みんなうるさいよ!!ありすの声がよく聞こえないよ!!」 アリスを自分のお嫁さんにすべく周りのゆっくりを黙らせ始めた。 子ゆっくりなのに血気盛んというかなんというか・・・・。 「よかったらしばらくまりさのお家でゆっくりしていってよ!! いいでしょお母さん!!」 「いいわよ!!困った時はお互い様ですもの!!」 アリスは少し戸惑ったような顔をしたが、すぐに顔を笑顔にして 「じゃあ、しばらくご厄介になるわね!!」 まりさは喜びのあまり飛び跳ねた。 群れのゆっくり達も大喜びだった。残念そうな顔をいていたゆっくりもいたが。 妻がいるゆっくりは後に妻から説教されまくたそうな・・・。 それからの三日間はまりさにとって幸せだった。 何をするにもアリスと一緒に過ごしたからだ。 ご飯やお昼寝、遊ぶ時も一緒だった。とても幸せだった。 ただ群れの中を歩くと、いつの間にか群れゆっくりがありすにくっついてきたり ありすが昼ごろどこかにいっているという事以外本当に幸せだった。 まりさはそろそろいいかと思い、ありすに告白することにした。 晩、まりさはありすを群れの広場に招いた。 まりさは今までのゆん生の中で一番緊張していた。 「まりさ?ありすに何か用?」 ありすは待ち切れずにまりさに話しかけた。 まりさは緊張のあまり一瞬何もしゃべれなくなったが、勇気を振り絞って 頭を下げながら 「あ・・ありす!!まりさとずっと、ずぅぅぅぅぅっとゆっくりしようよ!!」 言った!!言えたよ!!あとはありすの返事を聞くだけだよ!! まりさはおそるおそる顔を上げた。 ありすはいつもと同じ笑顔で 「ごめんね!!ありすはずっとここでゆっくりしている訳にはいかないの ありすは都会派の真実の愛をつたえなきゃいけないの!! だからごめんね!!」 振られた・・・まりさはありすに振られたのだ。 いつもとなんら変わらない美しくていい匂いなのに・・・あまりにも辛い宣告を受けた。 まりさは涙を流しながら自分の家へ駆け出し、お布団さんで朝になるまで泣いていた。 翌日、そんなまりさの心中を察したのか、ありすは隣のちぇん一家の所で 御厄介になることになった。 親れいむが止めるのも制止して。 だが、これがまりさにとって幸運・・いや不幸だったかもしれない。 後に発覚することなのだが、朝まで泣いたことによって体内に侵入していた 毒素を洗い流すことができたのだ。 ありすが家を出て二日後・・・・ まりさが失意のあまりにふらふらあるいていると ありすは群れの広場にいた。なんでも真実の愛を伝えるための演説なんだそうな 「ゆ!!みんな都会派なありすのお話を聞いてね!!」 『ゆっくり聞くよ!!』 そこには群れの大人だけでなく、子供や赤ゆっくりがありすを中心にずらりと並んでいた。 群れの9割強といったところか・・・それだけのゆっくりがこんな真昼間に集まって ありすの演説を聞いていた。 ほとんどがありすといい関係になりたいと思って近寄ってきたゆっくりだった。 まりさはアリスの顔を見ると振られたショックが甦るからか、そそくさとその場を立ち去った。 「ありすはね!!あっちこっちを旅してきたから言えるわ、ここは本当のゆっくりプレイスじゃ ないわ!!ありすは本当のゆっくりプレイスをここに来る前に見つけたわ!! けど、一人でゆっくりするのは都会派がやることじゃないわ!! だから、アリスはお友達をいっぱいつれて一緒にゆっくりするのが都会派の愛と考えたわ!! だから・・・・・・・・」 まりさにはありすのしゃべっている内容が右から左へ抜けて行った。 まりさはありすの声をこれ以上聞いたら発狂するかもしれないとおもったのか 駆け足でお家に帰った。 それから二日後、ありすが来てから一週間 その晩、まりさは昨日のありすの演説でありすの魅力的な声のせいで 振られたことをふつふつと思いだし、泣きに泣き、朝になってようやく眠りに着き 太陽が真上に位置する時間帯になってようやく起きて気がついた だれもいなくなっていた・・・・。 群れのみんなだけじゃない、まりさのお友達、まりさを振ったありす、さらにはまりさのお母さんと妹達 みんながまりさを除いていなくなっていた。 「みんなぁぁぁぁぁ!!!かくれんぼならまりさもまぜてよぉぉぉぉ!!!!」 だが、そんな声に反応する声は一つもなかった。 みんながいなくなったことに泣いて下を向くと、まりさはあるものを見つけた。 「ゆ!!みんなの足跡だよ!!」 足もとに大量のゆっくりの足跡があった。 まりさは、この先にみんながいるのではないかと思い、足跡をたどることにした。 足跡を辿ること数時間 辺りは闇に包まれようとしていた。 まりさは途中で休憩したり、道端に生えている草を食べながら後を追っていた。 何度も何度もこけたり、何度も何度も泣いたが、みんながいないことの方がゆっくりできない と考え、必至に後を追った。 そして、まりさは群れのみんなが大きなお家に入っていく所を目撃した。 みんな無事のようだったが、ぶつぶつとなにか言っているようだった。 みんなを見つけたよ!!でも、様子がおかしかったよ・・・・ なにかいるかもしれないから慎重に行動するよ!! そう考え、まりさも別にあった小さな入口から大きなお家に入った。 その大きなお家の門には表札があった。汚い字で『しせつ』とかかれたところには 線が引かれ横に『ビッツ』とまだきれいな字が書かれていた。 まりさは中に入り辺りを見渡してみた。 建物の二階にあたる部屋には見張りと思わしきゆっくりがちらほら立っていた。 どのゆっくりも目がなにかおかしく、なにかぶつぶつ言っていた。 まりさはすぐにここがただのお家でない事に気づいた。 なにかおかしいよこのおうち!!いっぱいゆっくりがいるけど みんなようすがおかしいよ!! こんなところみんなとはやくでたいよ!! まりさは恐怖を覚えながらも、一歩ずつ、見つからないように移動した。 いつもの倍はゆっくり移動したこともあってか見つからずに監視の目をすり抜けることに成功した。 そして、目の前にある薄暗い部屋を調べるために足を踏み入れた。 だが、これが最大の失敗だった。 「ゆ!!ばりざぁぁぁぁぁ!!!!ばやぐだじでぇぇぇぇ!!!」 「ばりざおねえじゃぁぁぁぁん!!たずげでぇぇぇぇぇ!!!」 「ぢ~~んぽぉぉぉぉぉぉ!!」 その部屋の壁には、ゆっくりが閉じ込められていた。 閉じ込められたゆっくりたちはまりさの姿を見るや否や、助けを求める声を上げた。 まりさはびっくりし、閉じ込められたゆっくり達を見るが群れのみんなは一匹もいなかった。 「おでがいじまず!!ばやぐだずげでぇぇぇぇ!!」 この大声がまずかった。 「ゆ!!侵入者だよ!!みんな!!ゆっくりつかまえるよ!!」 見つかった!!まずいと思ったまりさは部屋からでて、近くに転がっていた箱の中に隠れた。 しばらくすると、2匹のゆっくりが来た。 「ゆ~~~!!どこ行ったの!!ゆっくりでてきてね!!」 「いますぐ出てきたら一瞬でころしてやるんだぜ!!」 まりさはじっとこらえて、ゆっくり達が立ち去るのを待った 「ゆ!!ゆっくりしていってね」 声に反応しそうになりながらもこらえた。 「ゆ!!ここだぜ!!」 はったりにも引っかからないようにこらえた そしてしばらくすると、とてもおおきな声が聞こえてきた 『ゆ!!二階の全ゆっくりに告げるよ!!侵入者駆逐と試験のため、二分後にゆーれむをだすよ!! 死にたくなかったらはやく二階から離れてね!!』 ドスのものと思われる大きくて低い声に,群れのゆっくりたちは大慌てで階段に向かった。 まりさはゆっくり達が立ち去ったのを確認すると、箱の中から這い出てきた。 ゆーれむ?なにそれ?でも、なんかゆっくりできそうにないよ!! ここからはやく離れよう!! そう思い、階段に向かおうとしたが 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ちがう、ちがうよぉぉぉぉぉぉ!!!ゆぷぅぅぅぅ!!・・・」 「ばりざは侵入者さんじゃなぁぁぁぁぁぁ・・・・・」 さっきのゆっくりたちの声だ。 まりさは驚き、その場で立ち止まってしまった。 なにいまの?なにか来るの?こわいよぉぉぉぉ!!! まりさはおそるおそる階段の下を覗き込んで見た。 そこには・・・ 「な、なにあれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 まりさは思わず叫んでしまった。 それは無理のないことだ。 そこには、人型にくっつけられた5匹のゆっくりがさっきのゆっくり達を捕食していた。 足と手にあたる部分には赤れいむと赤まりさが1匹ずつくっつけられており、 胴体の部分には親と思わしきまりさが呪詛を呟きながらゆっくりを捕食していた。 足にあたる赤ゆっくりの体は上半身が完全に親に埋没しており、 親まりさはそれを巧みに使って二足歩行をしていた。器用なものだ。 皮で補強がされているのか、足の赤ゆっくりはつぶれることなく親と思わしきまりさの体重を 支えていた。 腕にあたる赤ゆっくりは足の部分が完全に親とくっついており、 口を使って捕食しているゆっくりを加えて持ち上げていた。 「で・・・でい・・・・ぶ・・・だずげ・・・で・・・・」 親まりさは捕食しながらここにはいない妻と思わしきれいむに助けを求めていた。 「おとうしゃん・・・・うえ・・に・・ゆきゅ・・り・・」 右手の赤れいむがしゃべる。 それが聞こえているのか、親まりさは二階に上がっていった。 ゆっくりと飛びはね、ついに二階にたどり着いた。 まりさはこの異形の化け物にただ恐怖した。 このゆっくり・・・なに!! ゆっくりを・・・食べてるよ・・・・ 怖いよ・・・怖いよお母さん!! まりさは対峙する前から恐怖で押しつぶされていた。 そんな時、ふとありすの顔がよぎった。 ありす・・・まりさを振っちゃったありす・・・・。 まりさは・・・・ありすに振られたのに・・・・ひどい振られ方をしたのに・・・ 今は・・・そんなありすを助けたい!! ありすには・・・幸せになってほしいよ!! ここで死ねないよ!!みんなを助けてみんなでゆっくりするよ!! まりさはくじけそうな心を奮い立たせ、異形のゆっくりと戦う覚悟を決めた。 「いっぱ・・・い・・ゆっきゅ・・り・・を・・たべりゅ・・と いたい・・いた・・い・・から・・きゃいほ・・うちゃれる・・・から たべりゃれて・・・ね・・」 右手のれいむの一言が戦いの開始のゴングとなった。 まりさは渾身の力をこめて、体当たりをした。 「ゆっくりくらってねぇぇぇぇぇぇ!!!」 だが、 「ゆぅぅぅぅぅ!!!」 跳ね返って逆に吹き飛ばされた。 この異形のゆっくりはゆっくりの皮10匹分を移植され、その分厚い皮が誇る 体は半端な攻撃を跳ね返してしまうのである。 そのため、ゆっくりの攻撃ごときでは跳ね返って吹き飛ばされるのであった。 余談だが、面での攻撃に強いだけで点での攻撃には弱く、木刀でも簡単に貫通してしまうのあった。 そんなことはしらないまりさは困惑していた。 自分の攻撃がきかないのである、無理もない。 「ゆ・・きゅ・・り・・・ちね」 困惑しているその刹那、異形ゆっくりの攻撃がきた。 その攻撃とは、右手にあたるゆっくりれいむにまりさを捕まえさせ、引きよせ 捕食するといったものだった。 これは先ほどの群れゆっくりにも使った戦法だった。 だが、これは相手が恐怖して委縮している最中に使うべき技であった。 本体ともいえる親まりさが実にゆっくりとした動きで右手を振りまわすためか かわすのは非常に簡単だったのだ。 まりさは攻撃が来る事を見抜き、後ろに素早く下がった。 異形ゆっくりの右手が空を切った。 まりさは出来た隙をついてさらに体当たりをした。 だが、半端な攻撃なのか、異形ゆっくりは苦痛に顔をゆがませるどころか 怯みもしなかった。 体当たりをしつづけるまりさに異形ゆっくりの右手が再び襲う。 だが、捕まったら最後とばかりにまりさは必死に避ける。 そんな戦いが20分続いた。 ただ右手を振りまわしている異形ゆっくりと、全身で動いているまりさとでは やはり体力の消費量に大きな差が出てきた。 まりさは必死に動き続けたこともあってか肩で息をしていたが、 異形ゆっくりはなんともないような顔でたっていた。 攻撃を避け、再び体当たりをかんこうするまりさ 「こ、こんどこそぉぉぉぉ・・・ゆ?」 まりさはこけた。体力の消費が圧倒的に多かったまりさはあんよがふとすべり・・こけたのだ。 うつ伏せになる形で横たわるまりさ。その隙を逃さず、異形ゆっくりを攻撃を仕掛けた。 「し・・・ね・・・」 まりさは右手のれいむに捕まった。 れいむのちからはゆっくりとは思えないほど強かった。おそらく口に何か仕込まれているのだろう。 胴体部の親まりさはこっち側に引き寄せ、左手のまりさで完全に動きを封じ、 捕食する気でいた。 まりさは焦っていた。このままじゃたべられちゃうぅぅぅぅ!!!と まりさは無我夢中で右手のれいむに噛みついた。 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」 右手のれいむが悲鳴をあげ、口を開けてしまった。 その隙にまりさは逃げ、距離をあけた。 あぶないところだったよ!!でも、おかげで弱点が分かったよ!! まりさは右手目掛けて駆け出し、噛みついた。 「ゆぴぃぃぃ!!」 「お、ちび・・・ちゃん?・・・」 胴体部の親まりさは右手のれいむの悲鳴に気づいた。 右手が攻撃されている事に気づいた親まりさは左手のまりさを振るった 「おち・・び・・ちゃん・・を・・・いじめる・・・な・・」 だが、右手のれいむと違って聴覚以外の機能が失われている左手のまりさは 親の言うことは理解できたが、どこに姉を虐めているわるいまりさがいるか分からなかった。 噛みついて相手の動きを封じようにも、どこにいるかわからず、口が空を切っていた。 「おとうしゃぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・あ・・あ・・・・」 まりさの力一杯の噛みつきが右手のれいむを完全に噛み殺した。 右のれいむがあのばけものの司令塔だよ!!あれをつぶしたらあのゆっくりは目を完全に失うよ!! まりさはそう考えていた。 結論からいえば正解だった。 この親子は別の実験にしようされ、その後「もっとゆっくりさせてあげるね!!」 という理由でこのようにくっつけられ、キノコなどの薬物の影響で完全にモンスターとなったのだ。 そのため、各個体はそれぞれ重度の障害があり、それが禍いしてか 目の役割ができたのは右手のれいむだけだった。 その目をつぶされたらどうなるのか・・・答えは簡単だ。 「おち・・・ちゃ・・ん・・・・ころ・・・すよ・・・ぜった・・・ころ・・・よ」 異形の本体部ともいえる親まりさは暴走し始めた。 今までの噛みつきから小さく飛び跳ねながらの跳躍で体当たりをしながら移動し始めた。 目を潰されたこともあってか、明後日の方向へ飛び跳ねている異形まりさ その隙を逃すまりさではなかった 「ゆっくり死ねぇぇぇぇ!!」 まりさは異形まりさの右手だったところに噛みついた。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」 赤れいむがくっついていたところ・・・そこは親まりさと赤れいむを密接にくっつけるために そこだけ皮がなかった。 まりさはそこめがけて噛みつき、親まりさの中に入って行った。 まだ子ゆっくりだからこそできた命がけの方法だった。 「がぁぁぁぁぁぁぁ・・・でい・・・ぶ・・おち・・・び・・ぢゃ・・・」 まりさが親まりさの餡子をぐちゃぐちゃにし、核を破壊したことで まりさはようやくあの世で待つれいむの元へ旅立った。 体についていた赤ゆっくり達も、核が親まりさに移植されていたのか、息絶えていた。 まりさは異形のゆっくりを撃退したことに安堵した。 だが、体力を限界近くまで使い、その場でへたり込んでしまった。 だれも来ないみたいだからここで一服だよ・・・ まりさは周りの安全を確認し、休憩に入った。 だが、そんなまりさを影で見るゆっくりがいた。 あの美アリスだった。 「ま・・・まりさ?」 まりさが声のする方へ体を向けると、そこにはありすがいた。 「ありす?・・・ありすぅぅぅぅぅぅ!!!」 まりさは疲れているのがまるで嘘であるかのように駆けだした。 ありすが無事だった!!本当によかった!! 「だいじょうぶ?なにか酷いことされてない?みんなは無事?」 「ええ、みんな大丈夫よ!!ありすだけ抜け出してこれから都会派な助けを呼びに行く所だったのよ!!」 よかった。みんな無事だ!! まりさは安心して顔で 「まりさはみんなを助けたいよ!!だからありす!!みんなはどこに捕まっているか 教えてね!!」 「もちろんよ!!こっちよ、ついてきてね!!」 まりさはありすの後ろについていくことになった。 だが、まりさはありすがなんとも邪悪な顔で笑っている事に浮かれるあまり気がつかなかった。 移動すること10分 ありすは警備のゆっくりがいない道を通ってきたかのように見張りがいない道を通って 大きな部屋にたどり着いた。 中はがらんとしており、奥に小さな小部屋の入口のような物があった。 「あの奥の部屋にみんな捕まっているわ!!早く助けてあげてね!!」 「ゆゆ!!分かったよ、みんな、今助けるよ!!」 まりさは駆け出した。 はやくみんなを助けだしてこんな所とおさらばだ!! だが、部屋に入るなり、まりさは横からの奇襲を受けることになった 「ち~~んっぽ!!」 ゆっくりみょんだった。 ゆっくりみょんがメスを加えて待ち構えていたのだ。 みょんはまりさを視界に収めるやいなや、メスを振い、足を刺した 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 まりさは突然の痛みに悲鳴を上げた 「やれやれだみょん・・手間ををかけさせるなだみょん!!」 みょんは痛みに転がるまりさを上から見た。 まりさは待ち伏せをくらった事を悟り、必至に形勢を立て直そうとしたが、 「ちんぽぉぉ!!」 みょんによって身動きが取れないようにされた。 まりさは完全に気が動転していた。 ゆう~~、待ち伏せをくらったよ・・・このままじゃまりさやられちゃうよぉぉ・・・ ゆ!!このままじゃありすも危ないよ!!早く逃げるように言わないと ありすはさっきの所から一歩も動いていなかった いくらまりさを振ったありすでも死んでほしくなかったのだ。 「ありずぅぅぅぅ!!ばやぐにげでぇぇぇぇぇぇ!!」 だが、ありすは逃げようとするどころか、こっちへゆっくりと向かってきた まりさはさらに焦った 「ごっぢにぎじゃだべぇぇぇぇぇ!!!!」 だが、ありすは歩みを止めることなかった。 そしてみょんの前でとまった。 もう駄目だよ!!ありすが殺される!! まりさは最悪の未来を予想した。だが、最悪の未来は最悪な形で裏切られた。 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」 ありすは狂ったかのように笑いだした。 「ありす・・その下品な笑いは癪に障るんだみょん」 「あら、ごめんなさい!!都会派としたことがうっかりしちゃったわ でもね、こんなチビがまんまと騙されて・・ゆひゃひゃひゃひゃ!!」 まりさはありすの行動に理解をしかねた。 ありすはいったい何を言っているのだ? 「ありす?いったい何の事?ゆっくり説明してね!!」 まりさは痛みをこらえてありすに話しかけた。 するとありすは 「ぷっ・・・ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」 さらに笑いだした。 「ゆひゃひゃひゃひゃ・・ありすを笑い殺すつもりなの? 呼吸困難・・・で・・ゆひゃひゃ・・死にそ・・・ゆひゃひゃ・・うよ」 「いっその事早くしんでほしいみょん・・・」 みょんはぼそっと愚痴をこぼした。だが、ありすには聞こえなかったらしく ありすは呼吸を整えて 「ゆーはーゆーは・・・しょうがないから教えてあげるわね・・・ まりさは・・ありすに騙されちゃったの!!」 「騙した・・・・まりさを!!」 まりさは困惑した 「そうよ!!本当ならあの馬鹿な群れゆっくりと同じようにありすのフェロモンで 虜にして木偶にするつもりだったんだけど、なんで解けちゃうかな~~? やっぱりパチュリーの薬なんてでたらめだったんだわ、都会派でも怒るわよ!! でもまあいいわ、おかげで都会派なショーがたのしめたわ!!」 「何を言ってるの!!まりさに何をしようとしたの!!」 まりさは怒った。 「教えてあげるわね!!まりさはありすの美貌とパチュリーからもらったありすの フェロモンの匂いを嗅いだ真の都会派にしてもっとも美しい美のゆっくり、 ありすにメロメロになっていたのよ!! 群れのゆっくり共には効いていたのに、なんでこんなビチクソだけきかなかったのかなぁ~? まあいいわ、陰険な事は陰険なパチュリーや頭がいかれたれいむにまかせるわ!! ありすはこの美貌でばかなゆっくり達をこの天国とやらに招待するだけだから ゆひゃひゃひゃひゃ!!」 まりさはこのありすの正体に気づいた。 このありすは、みんなをたぶらかしてこんなゆっくりできない所へ連れてきて みんなをゆっくりさせないつもりなんだね!! なにが美のゆっくりだよ!!とんだゲスじゃないか!! まりさがありすを睨めつけていると、後ろからゆっくりれいむが現れた 「ありす!!このおちびちゃん?」 「そうよ。じゃあれいむ、このおちびちゃんをゆっくり調べてとてもゆっくりできる体とやらに させてあげてね!!」 「もちろんだよ!!おちびちゃんはとてもゆっくりできるようになるから安心してね 心配しなくてもいいよ!!ここ最近あまり失敗してないから あ、そうだ!!みょんも見て行くといいよ。とてもゆっくりしたいからこの最高の ゆっくりプレイスに来たんでしょ!!」 「・・・みょんは悪趣味な方法でゆっくりしたくないからゆっくり失礼するよ」 「ゆ!!分かったよ!!じゃあ行こうねおちびちゃん!!」 そういうと後ろかられいくの側近と思わしきゆっくりが数匹出てきた。 ゆっくり達はまりさを小部屋の中にあった台の上に置いた。 まりさは小部屋から出ようとするありすに恨みの言葉をぶつけた 「ごのビチグゾがぁぁぁぁぁぁ!!!おばえなんが汚物をあびでじねぇぇぇぇぇぇ!! 汚物をぶちまけられでじぬばでぐるじめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 ありすは罵声を自分への称賛のように受取って部屋を出た。 その晩、その部屋からはゆっくりまりさの悲鳴が止まなかった・・・・。 エピローグ ドスはありすから成果の程を聞いていた。 足りなくなった実験体の材料の足しにするためありすに頼んだが、予想以上の結果を残してくれた。 ドスは満面の笑みで 「ゆっくり御苦労さまだよ!!これだけいっぱいゆっくりがいたら準備や研究もはかどるよ!!」 「ええ、それはもちろんよ!!それが都会派なのよ」 ありすは続けた 「ところでドス、分かっていると思うけどありすが協力するための報酬も忘れないでね!! わすれるなんて都会派じゃないわ!!」 「分かっているよ!!永遠の命と永遠の美貌だね!!ゆっくり正しい世界になったら ゆっくりに出来ないことはなくなるからね!! ゆっくりできなくなったゆっくりを蘇らせたり、ゆっくりに永遠の命や若さを得るなんて 朝飯前だよ!!本来なら、世界はゆっくりに仕えるべき存在なんだから!!」 ありすはよしよしといった顔でうなずいた 「ところであの陰険なれいむが作ったあのゆーれむかしら?あれてんで弱かったんだけど 本当につかえるの?」 「れいむも言っていたんだけど、あれはプロトタイプで本来なら健全な親ゆっくりと 子供のゆっくり5匹を使うものなんだけど、別の実験で使ってボロボロ親子を使ったから あれだけ弱かったんだね!!それでも、部下のゆっくりを食い殺したから十分に使えるよ!! 数は大丈夫だよ!!ありすが連れてきてくれたゆっくり達でゆーれむをたくさん作るから」 ふ~ん、とありすは考えた。 もう聞きたいことは聞き終えたのでありすは立ち去ろうとした。 「あ、ありす!!そのお香とても効果があったでしょ!! あとでパチュリーにもお礼をいっておいてね!!」 「ゆ~~ん、まあ全く役に立たなかった訳ではなかったから後で礼くらいは言っておいてやるわ!! ところで肝心のパチュリーは?」 「パチュリーなら新しいお薬の実験に出かけたよ!! ありす・・・・正しい世界に戻して、みんなでゆっくりしようね!!」 ありすはなにも言うことなくその場を立ち去った。 いままで薄汚い所にいたのだ・・・はやくカスタード風呂に入って美しくならないと ありすは自然と自分の部屋へ駆け出していた。 あとがき 地雷どころか原爆だよ・・・・これ・・・ まあいいか。 あ、ところで名前ですがこれから『ゆっくりAVENGER』と名乗ろうと考えています。 またこのシリーズですが、最後の最後にすっきりするような作品にする予定です。 バッシングの嵐になるかもしれませんが、ご付き合いください。 なお、あまりにイライラして眠れないという方はご自由にご自分の作品とクロスして やりたい放題してもらっても構いません 作品一覧 死のゆっくり このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2691.html
ゆっくりを低温度であぶりつづけると、臨界を迎えて爆発 することは有名である。 とはいえ、外皮が薄いため、うまく破裂することは少ない。 だが技術の進歩はすさまじく、ゆっくりの加工、あるいは改 良ゆっくりを生み出すことにより、技術的問題を克服し、ゆ っくりを軍事転用することが可能となった。 所謂、悠(ゆっくり)式計画の成果である。 悠式計画の最終目標は、巨大高機動ゆっくり母艦の開発で ある。機動式ゆっくりは、複数のゆっくり皮を連結し、内部 に餡を詰め込むことで生産される。従前では、機動的だとは とても言えない出来であった。薄皮のため連続運用に堪えら れず、常に分解整備を必要とするため、コストが尋常でなく 跳ね上がるのだ。連結部分も脆弱なため、防禦力が薄く、そ のため攻撃や運動性が著しく低い。これならば、軽歩兵ゆっ くりを直接投げつけたほうが、現場の効果は期待できる。 だが悠式機動ゆっくりは、ただ餡を皮で包んだ、でかマン ジュウとはコンセプトがまったく異なる。機敏に、かつ重厚 な攻撃力を目的に開発されるのだ。ブロックごとに皮で包ん だ餡と、その中で個別に連動させる乖離型ゆれまり機関はか つてない繊細さと力強さを発揮出来る。電子連動された餡核 同士が密接に疑似ニューロネットワークを作り上げることに より、簡易的ではあるが量子演算と疑似人格を持たせること が出来る。統一的かつ機能的に、すなわちまさしく機動的な 運用が行われることになる。 国がいくつか傾くほどの予算と時間を費やして――実際に 傾きすぎていることは置いておく――、ついに開発が終了したのだ。 ・ ・ ・ 「ってことに、なっているわけだが!」 俺は嘆息して、実験場に詰まれたくず山を見上げた。 「もしかしてこの腐った餡の山がその高機動なんちゃら じゃあありませんよね?」 俺の嫌味な視線を軽くいなして、尊敬すべき偉大なる上 官は受け答えた。 「いいかね、我らの敵はあまりにも強大だ。だからこそ、 この計画に期待が集められ、そしてついでに金を集められ たのだ。悪鬼殲滅こそが至上目的であって、つまり敵国を 滅ぼすのが我らの使命なのだが」 ゆっくりの加工工程について書かれた原稿用紙を何枚か 摘み上げながら、続ける上官。 「……なんとか来週までに殲滅してくれんかね」 ・ ・ ・ 「ゆっくり! ゆっくりだよ!」 「わー! ゆっくり出来るよぉー!」 次々と空を舞うゆっくり達。 基地からは盛大な拍手と、壮行の万歳が行われていた。 「ゆっくりー! ゆっくりしてくるからねー!」 「ゆー、ゆー♪ 空、ゆっくりだー♪」 数千、数万にも及ぶゆっくりの飛行編隊は、風の向く まま流されていった。 ・ ・ ・ 「少し、寒いね! でも空高いんだね!」 基地から飛び立ち、数十分程。 ゆっくりよりもよりゆっくりした気球に括り付けら れたゆっくり達は、快適な空の旅を楽しんでいた。振 り落ちないよう、台座ではなく、銅板にすっぽりと包 まれたゆっくり達は、ちとせゆっくりのように滑稽で はあったが、気にする者はいなかった。 また銅版は微弱だが電波を送受信出来るため、互い のゆっくりがおしゃべりするのに何も問題はなかった。 「でも少し怖いね! ゆっくりできるかな!」 「大丈夫だよ、だってこんなに気持ちいいもん! れいむなんだかゆっくり眠いかも……」 ゆわーっ、と大きくあくびをして、ゆっくりと寝入 り始めるゆっくり達。 気球は空を飛びつづける。 ・ ・ ・ 「さむ……ゆっく、さむぃ……」 「寒いねえ……でも、オヒサマきれー」 現在の高度は約2000メートル。 夏場とは言え、流石に寒さが身にしみ始める高度だ。 「白い海だよ! 寒いけどゆっくりできるよ!」 雲海の狭間に沈む夕日は、どこまでも幻想的で、 そしてゆっくりであった。 「ゆっくりしていくね! でも寒いね!」 ・ ・ ・ がちがちと震えが止まらない。 真っ暗な世界で、ゆっくりの身をまとう銅板が、 容赦なく体温を奪ってゆく。叩き付ける強すぎる 風に煽られ、翻弄されながら飛んでゆくゆっくり達。 高度8000メートル。極寒の世界だ。 「ゆっぅっ! さっ!! む゛ううう!」 「うぎゃああああ! だずげでえええ! だず げえええ!」 「どうじでごんなー! あ゛あ゛あ゛!!」 穏やかな気候の下で育てられた彼女達は、10 度を下回る世界ですら極寒となる。ましてや、零 下20度だなんて、「これぞまさしく冷夏だね! 」と言うギャグを放つ気力すら奪う程に寒い。 ばりばりとした冷気は、ゆっくり達を蝕んでゆく。 ゆっくり、ゆっくり。 ・ ・ ・ 「いだいいいいいいいいいいいいいい!」 ゆっくりのだれかが叫ぶ。 乾ききったこの世界で、あまりにも寒い空の上 で、さらに冷たく光る銅版は、ゆっくりの後頭部 を裂き始めた。冷たくなった銅版は、ゆっくりと 中身を締め上げ、また冷気は皮膚を冷たく焼き切 る。びり、びりいと音が聞こえて来るような程、 今までにない悲痛な表情を浮かべるゆっくり。 「も゛れっ! やあああああ!」 側頭部から後頭部にかけて、ぴっちりと銅版に 覆われているため、中身が漏れることはないのだ が、ゆっくり達にわかるはずもない。 後頭部の避けるゆっくりの数は次第に増えてゆ き、ある者は白目を向き、ある者は虚ろに笑いな がら、空の旅は続く。 暗い海の空高くに輝く三日月は、そこに住まう 者のように笑っているようだった。 ・ ・ ・ 「……ゆ?」 暖かい。 先ほどから、寒いのは変らないが、少し暖かく なってきていた。雲の切れ目から見える青い海は、 夜とは一転して輝いて見えた。時刻は昼より少し 前だろうか。 「あれ、ゆっくりできる!」 「ゆー! ゆーっく!」 「きっと、基地のおにいさん達が助けてくれた んだよ!」 誰かが気が付いたように叫ぶ。 「おにーさん、ありがとー! ゆっくりできる よー!」 「ゆっくりー♪」 ゆっくりし始めたゆっくり達は、ゆっくり出来 たため裂けた後頭部も癒えてきたようだ。 ・ ・ ・ 「あ゛づいいいい! あづ、ゆ、寒あづいいい!」 遮るもののない中空で、太陽光を存分に吸収した 銅版は、くるまっているゆっくり達を熱で苛んでいた。 また、ゆっくりの上に設置された発熱装置自体が、 更なる熱を生み出していた。 「ゆ゛ふううううう! ぶぐううう!」 「ゆっぐりじだ、ぐうううう」 全員が顔を真っ赤にさせ、くちをぱくぱくとさせている。 泡を吹いて気絶できた者は幸せだろう。 ふと、陸地が見えた。 「ゆっくり! ゆっぐりでぎるがなあああ!」 ゆっくり飛行船団は、ゆっくりと陸地を横断し始めた。 ・ ・ ・ 「ちゃくちー! もうすぐちゃくちだよー!」 熱は大分収まったようだ。 ほとんどのゆっくりは起き出して、始めてみる異国 の町並みを見下ろした。 「綺麗だねー!」 「ゆっくりできるね!」 「ゆっくりしていってね!」 こちらを見上げる人々に向かって、みんなで挨拶を交わす。 「ぱれーどだー♪」 先頭のゆっくりが、こちらに向かってくる軍隊に気が付いた。 「どこどこ?」 「ゆっくりできる?」 突然、銅版が灼熱の輝きを発した。 「う? う゛、……うぎゃああああああああづびい いいいいいいいいいっくりいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいぎゃぶっ」 高度計と時限装置の組み合わせられた発熱装置が、 最後の燃焼を開始し、ゆっくりの最終臨海を導いた。 大きな爆風は、まだ遠かったため町並みを少し揺らし ただけに過ぎなかったが、ゆっくり達の心は千路にかき乱された。 どおうん! 断末魔と共に、爆発音がそこかしこで湧き上がる。 逃げ惑う人々。 だがゆっくりが逃げることは出来ない。 ゆっくりが逃げることは、出来ないのだ。 「やだああ! ゆっぐりでぎな゛っ!!」 防衛部隊に狙撃され、一瞬で絶命したゆっくりは、 爆散することなく地上に降り立った。恐慌は、数キ ロに渡って続くゆっくり飛行船団の末尾にまで広がった。 あと十数分で、運命を委ねなくてはならないこと を理解しているゆっくりはいなかった。理解しても 無意味ではあったろう。 二昼夜に及ぶ地獄の航行の末路が、灼熱の爆死か、 必殺の狙撃か。ただその二択しか待ち受けていないことなど。 ・ ・ ・ 大本営発表 本日、悠式計画の最終段階である飛行船団ゆっく り爆弾は、敵本土を焼き尽くし、悪鬼の心に拭えな い恐怖を植え付けたことを報告する。 これにより悠式計画は一応の成功を迎え、次の段階に進…… ・ ・ ・ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1185.html
(満月の夜) 夜。小高い丘の大樹の根元。月の灯りに照らされた小さな影が五つ。 影の正体はゆっくり。車座に座り仲間の帰りを待っていた。 「ちーんぽっ!ちーんぽっ!」 「れいむとぱちゅりーがかえってきたんだね!わかるよー!」 「うー!おかえりーだどー!」 「・・・・・・」 「ただいまー!ゆっくりかえったよ!」 「おそかったんだぜ!それより『やまのぬし』とのはなしあいはうまくいったのか?」 「ええ、ばっちりよ。『やまのぬし』ゆっくりかなこは、わたしたちのだしたじょうけんをのんだわ。」 「それはよかったぜ!じゃあいよいよあしたからさくせんかいしだぜ!」 丘の上に集った七匹のゆっくり。彼女達は流れ者のゆっくりだった。 ある目的の為にこの地にやって来た。それぞれ餡子の繋がりは無いが、親子より深い絆で結ばれていた。 一般的な成体のゆっくりより一回り大きい、まりさ、れいむ、ありす、みょん。 大きさこそ平均的だがどのゆっくりよりも知恵が回る、今回の計画の立案者ぱちゅりー。 他の六匹と同じ年に生まれたにもかかわらず、子ゆっくりほどの大きさしかないちぇん。 そしてこの地方には生息していない希少種、他のゆっくりを捕食する体付きのれみりゃ。 七匹は円陣を組むと自分達の作戦の成功を祈り、出陣の儀式を始めた。 「じゃあいつものをやるぜ!このまんげつにちかう!わたしたちななひきのゆっくりは!」 「たとえうんでくれたおかあさんがちがっても!」 「きょうだいのちぎりをむすんだからには、こころをおなじくして。」 「おたがいたすけあうんだどー!」 「そして、ゆっくりするときはななひきいっしょにゆっくりするんだね!わかるよー!」 「ちーーーーんぽっ!」 「・・・・・・」 「「「「「いっしょにゆっくりしようね!!!」」」」」 (翌日 人間の里に隣接するゆっくりのコロニー) 七匹の仲間のぱちゅりーとありすは、この一帯の森と平原を支配するゆっくりぱちゅりーの元へ向かった。 この群れのボスであるぱちゅりーは身長が1m以上ある巨大ぱちゅりーだった。 その体躯もさる事ながら、ぱちゅりー種特有の知識をもって周りの信頼を集め、 千を超える配下のゆっくりからは『もりのけんじゃ』と讃えられていた。 「みなれないゆっくりだね!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね。わたしとこのありすはたびのゆっくりなの。 たびのとちゅう『もりのけんじゃ』のうわさをきいてね。あいさつをしにきたのよ。」 「あんないするよ!ゆっくりついてきてね!」 「おはつにおめにかかります『もりのけんじゃ』。ぱちゅりーともうします。 たびのとちゅうにあなたのうわさをきき、あいさつにまいりました。」 「よくきてくれたわね。ゆっくりしていってね!ところでそちらのゆっくりは・・・?」 「このこはわたしのつれのありすです。うまれつきめがみえず、くちがきけないのです。」 「・・・・・・」 「そうだったの。」 「じつはおねがいがあってきたのです。ながたびのつかれでわたしもありすもからだがまいってしまいました。 しばらくのあいだこのむれにおいてもらえないでしょうか? ゆっくりから『もりのけんじゃ』とたたえられるあなたなら、きゃくじんをむげにはあつかわないはずです。」 「もちろんしごとはいたします。わたしもありすもかりはにがてですが、こどものせわくらいはできます。 みなさんがかりにいくあいだ、こどもたちのめんどうはわたしがみましょう。 そのかわり、ねどことごはんをていきょうしていただきたいのです。」 「おやすいごようだわ。きょうからよろしくね!ぱちゅりー、ありす!」 「さすがは『もりのけんじゃ』ありがとうございます。」 「・・・・・・」 (同日 森の小道) 七匹の仲間のまりさは道の真中で居眠りをするふりをして、ゆっくりが通りかかるのを待っていた。 そこへ狩りに出かけた森のゆっくり達がやって来た。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「あれ?こんなところでねてるゆっくりがいるよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆ!ゆっくりしていってね!ふぅ。おなかがいっぱいだったんで、ついいねむりしちゃったんだぜ。」 「ゆ?そんなにおなかいっぱいたべたの?れいむたちにもごはんがあるばしょをおしえてね!」 「おお、おやすいごようだぜ!まりさのあとについてくるんだぜ!」 ゆっくり達はまりさに連れられて人間の里に向かう。ゆっくりが畑の作物を食べ始めたのを確認すると まりさは森に戻り、またゆっくりが通りかかるのを居眠りのふりをしながら待つ。 畑でむーしゃむーしゃとやっていたゆっくり達は当然畑の持ち主に殺される。 元々森のゆっくり達は人間の畑を襲ったりはしていなかった。 ゆっくり達のテリトリーである森や草原には食料が豊富にあり、危険を冒して人里に出る必要が無かったからだ。 人間もそれを知っていたので畑の周りに何の対策もせず、さらにゆっくり撃退に関する知識も不足していた。 突然畑を荒らすようになったゆっくりに、里の人間達は頭を痛めた。 (数日後 人間の里) 人々は里の集会所に集まり、近頃畑を荒らす様になったゆっくりにどう対処するか相談していた。 里全体を板塀で囲おう。→それだけ大量の木材をどうやって調達する?それに手間が掛かり過ぎる。 罠を仕掛けたらどうだ?→どんな罠が有効なのか。そもそも罠だけですべてのゆっくりを捕まえるのは無理。 巣を叩き全滅させよう。→ゆっくりが森からやって来るのは解っているが、巣が何処にあるかはわからん。 ゆっくりについての知識がまるで無い人々の会議は、踊るばかりで一向に進まない。 そこへ七匹の仲間のれいむ、みょん、ちぇん、れみりゃがやって来た。 「おじゃまします!ゆっくりしていってね!!!れいむたちがおてつだいするよ!」 「なんだお前ら?わざわざ殺されに来たのか?」 「ちがうよ!れいむたちはひとにめいわくをかけるゆっくりをたいじする、いいゆっくりだよ!」 「へー。ゆっくりには良いゆっくりや悪いゆっくりがいるのか?」 「そうだよ!れいむがわるいゆっくりをたいじするほうほうをおしえるよ! まかせて!ゆっくりのことはゆっくりがいちばんよくしってるよ!」 「まぁ確かにそれは一理あるが・・・いったい何が狙いなんだ?」 「れいむたちはたびのとちゅうだよ!でもちょっとたびにつかれちゃったの! しばらくのあいだここでやすませてね!たべものはもりでとってくるからしんぱいないよ!」 「ふーん。まぁ畑の物に手を出さないって言うなら里の中に置いてやってもいいよ。 今は使ってない物置が一つあるから、そこで休むといい。」 「ありがとうおじさん!じゃあ『わるいゆっくりのげきたいほう』をおしえるよ!」 「ごーにょ、ごーにょ、ごーにょ・・・」 「はぁ?そんな事でいいのか?それくらいなら今日中に準備できるが・・・」 「うん!それだけやってくれたらだいじょうぶだよ!あとはれいむたちにまかせてね!」 (翌朝 里のはずれの畑) れいむ達が出した指示は実に簡単なものだった。 まず畑の周りをロープで囲う。数mおきに杭を打ちロープで囲っただけ。 板塀で全体を囲うより遥かに経済的だが、もちろん下を潜ったり上を飛び越えたりできる。 こんなもので本当に撃退できるのかと、里の人々は不安に思った。 次に森から近い所に一か所、ロープで囲っていない偽の畑を造る。これには今年作物を植えなかった畑を使った。 そして適当に雑草を刈り、食べ残しの大根の葉を植えていく。 人間の目から見たら一目で解る簡単な偽装。これにゆっくりが引っかかるのだろうか。人々の不安は尽きない。 最後に深さ1m奥行き1mの堀を造る。里全体を囲うのではなく、偽の畑の近くに10m掘っただけ。 底には30cmほど水を貯めておく。これが一体なんの役に立つんだ? 人々は疑問に思いながらもすべての準備を済ませた。 昨日のうちに準備されたこれらの設備に満足したれいむ達は、それぞれ配置に就く。 ちぇんは森の入口に。残りは農機具をしまう小屋の陰に隠れる。 後は奴らが来るのをゆっくりと待つだけ。 (同刻 ゆっくりの群れ) 群れのボスの巨大ぱちゅりーが何やら深刻な顔で考え事をしている。 そこへやって来る七匹の仲間のぱちゅりー。 「どうしたんです?ゆくえふめいのゆっくりたちのことをかんがえているんですか?」 「そう・・・あのこたちどこへいってしまったのかしら?かりにいったこたちがかえってこない。 きのうまでにいなくなったぐるーぷは5つ。ぜんぶで25ひき。みんなまいごになったとはかんがえにくいわ。」 「そうさくたいをだすべきですね。いなくなったぐるーぷがたんとうしていたばしょをちゅうしんに。」 「いなくなったこたちは、にんげんのさとのちかくをたんとうしていたのよ。」 「だったらにんげんにきいたらなにかわかるかもしれません。さとにそうさくたいをはけんすべきです。 ねんのため、ふくすうのぐるーぷをいっしょにこうどうさせて。」 「そうね。とりあえず、4ぐるーぷではけんしてみるわ。ありがとうぱちゅりー。そうだんにのってくれて。」 「どういたしまして。(ふぅ・・・まったくおばかさんね。まぁ、そのほうがたすかるのだけど。)」 (数刻後 里のはずれ) 物見に出ていたちぇんが帰って来た。他のゆっくりとは比べ物にならない速さでぴょんぴょん跳ねてくる。 「みんなー!やつらがきたよー!せんとうじゅんびだね!わかるよー!」 「ゆゆっ!きたね!みょん、れみりゃ、じゅんびはいい?」 「ちーんぽっ!」 「うーー!まかせろだどー!」 自分達を退治する為にれいむ達が待ち構えている事など、まったく知らない捜索隊はゆっくりと近づいてきた。 「おーい!みんなどこにいるのー!」 「れいむー!まりさー!いたらへんじしてー!」 「むかえにきたよー!いっしょにゆっくりかえろう!」 「ゆ!あそこにおいしそうなたべものがあるよ!」 「ほんとだ!ちょっとよっていこうよ!」 「そうだね!あるきすぎておなかがすいたよ!」 「ゆゆっ!たべもののまわりにかこいがしてあるよ!だれかいじわるなひとがいるね!」 「だいじょうぶだよ!あそこはかこいがしてないよ!」 「ゆー!まりさがいちばんにたべるよ!いただきまー・・・」 「そこまでだよ!」 「!」 「ひとのはたけをあらすのはよくないよ!そんなゆっくりはれいむがゆるさないよ! さとのはたけをまもる(ほんとはちがうけど)ため、ゆっくりしんでいってね!!!」 「なにをいってるの?ばかなの?」 「これはまりさたちがみつけたんだからまりさたちのものだよ!」 「20ぴきのゆっくりをあいてにひとりでなにをするつもり?じさつしがんしゃなの?」 「ふふふ・・・みょん!でばんだよ!」 森のゆっくり達がれいむを罵倒するのに夢中になっている隙に、みょんはゆっくり達の背後に忍び寄っていた。 その口にくわえられているのは肥後守。里の人間から借りたものだ。 スパッ!スパッ!スパッ!立て続けに三匹のれいむのリボンを切り落とす。 「ゆーーー!れいむのりぼんがあああ!!なにするのおおおおお!!!」 「ゆ?」「ゆ?」「ゆ?」「ゆ?」 「ゆ?みんななにしてるの!れいむのりぼんきられちゃったよ!みんなであいつをやっつけるよ!」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「ゆぶっ!やめっ!やめてえええ!!!どうじでぞんなごどずるのおおおおおおお!!!!」 「ゆげっ・・・どう・・・し・・て・・・」 「ゆ~?いったいなにをやってるの?じぶんのなかまをころすなんて。ばかなの?」 「ゆーーーーーー!!!まりさたちいったいなにしてたのおおおおおお!!!!」 「れいむ!しっかりして!れいむーーーーー!」 「どうじでこんなごどにいいいいいいいいい!」 「おお、おろかおろか!さっきまでのいせいはどこへいったの? そっちがこないならこっちからいくよ!れみりゃ!でばんだよ!」 「うーーーーーー!!!たーべちゃーうぞーーーーーー!!!」 混乱しているゆっくり達に向かって、れみりゃがドスドスと駆け寄っていく。 初めて見る体付きのゆっくりに怯え、ゆっくり達はれみりゃと反対の方へ逃げ出す。 そこで待っていたのはちぇん。 「みんなー!こっちだよー!いそいでにげるよついてきてー!」 水が張ってある堀の方へ誘導するちぇん。堀の前まで来るとぴょーんと堀を飛び越える。 1mを超える跳躍などちぇん種の中でもこのちぇんにしか出来ない芸当だ。 しかしそんな事を知らないゆっくり達は、次々と堀を飛び越えようとして失敗する。 「ゆーーー!どうしてとびこえられないのおおおお!!!」 「ゆっ!たいへん!みずだ!れいむたちみずのなかにいるよ!!!」 「ああああ!!!からだがとけちゃうううう!!!だれがだずげでええええええ!!!!」 20匹で編成された捜索隊は全滅した。しかし、これで終わりでは無かった。 次の日も、次の日も、捜索隊はやって来て前の隊と同じ道を辿る。 知恵者のぱちゅりーにいい様に利用されている無能な巨大ぱちゅりーのせいで。 (小望月 人間の里、れいむ達が住む物置小屋) 「ちーんぽっ!ちーんぽっ!」 「まりさがきたんだねー!わかるよー!」 「うー!まりさー!こっちだどー!」 「おお、ひさしぶりだぜ!どうやらじゅんちょうにいってるみたいだな!」 「うん!まりさのほうはどう?『やまのぬし』のむれはちゃんとじゅんびしてた?」 「ああ!いまひっこしのじゅんびをしてる。それにやくそくどおりごはんをたくさんあつめてたぜ!」 「まあ、ごはんをあつめるのはどうでもいいんだけどね!てまがはぶけるのはいいことだけどね!」 「かえりにぱちゅりーにもこっそりあってきた。むこうもじゅんちょうだっていってたぜ! いよいよあしたがやくそくのひ。すべてけいかくどおりだぜ!」 「いよいよあした、いや、あさってになったらすべてがてにはいるね!」 「ああそうだぜ!ちぇん、あしたはがんばるんだぜ!すべてはちぇんのえんぎりょくにかかってるんだぜ!」 「わかるよー!あしたはまかせてよー!」 「うー!がんばるんだどーーーー!」 「ちーーーーーんぽっ!」 (約束の日の朝 巨大ぱちゅりーの群れ) ちぇんが走って来る。七匹の仲間のちぇんだ。体中に擦り傷を付けて叫びながら駆けて来る。 「たすけてー!たすけてよー!」 「ゆ?どうしたの?ゆっくりしていってね!!!」 「たいへんなんだよー!『もりのけんじゃ』にあわせてほしいんだよー!」 「いまあんないするよ!ゆっくりついてきてね!」 「ゆ?どうしたの?そんなにあわてて。それにからだがきずだらけじゃないの。」 「にんげんにつかまってたんだよー!みんながきょうりょくしてにがしてくれたんだよー! そして『もりのけんじゃ』にたすけをもとめるようにいわれてきたんだよー!」 「みんな?」 「このもりにすんでるゆっくりだって、『もりのけんじゃ』のいちぞくだっていってたよー! みんなにんげんにつかまってるんだよー!はやくたすけてあげてー!」 「いなくなったこたちはみんな、にんげんにつかまっていたのね。 どうするの『もりのけんじゃ』?とうぜんたすけにいくわよね?」 「ゆーーーーーー!!!とうぜんよ!!!なかまをさらったにんげんはゆるせないよ!!!」 「にんげんはてごわいあいてよ。おとなのゆっくりぜんいんでいったほうがいいわね。 こどもたちのことはわたしとありす、それにこのきずだらけのゆっくりにまかせてくれたらいいわ。」 「ゆ!ありがとうねぱちゅりー。」 「どういたしまして。わたしたちはたたかえないもの。これくらいのことはしないと。 こどもたちのことはしんぱいしなくていいわ。(すぐにあとをおわせてあげるから・・・)」 巨大ぱちゅりーはすべての大人ゆっくりを集めるとこう言った。 「みんな!せんそうよ!!にんげんをたおしてつかまっているなかまをたすけるよ!!!」 「ゆーーー!!!にんげんをやっつけるよ!!!」 「まっててねみんな!いまたすけにいくからね!!!」 「にんげんなんかまりさがみんなやっつけてやるよ!!!」 いなくなった仲間たちがまだ生きている、そして人間に捕まっている、と勘違いをした森のゆっくり達。 気勢を上げ人間の里に向かって行くゆっくり達を眺めるぱちゅりーとちぇん。 「ふぅ・・・そろいもそろってばかばっかり・・・いなくなってくれてせいせいするわ。」 「わかるよー!あいつらのあいてをするのにつかれたんだねー!」 「まぁしかたないんだけどね。これがわたしのやくわりだったし。 さあ、ありすをむかえにいきましょう。さいごのしごとがのこってる。」 「わかるよー!ありすのしごとがいちばんらくだよねー!」 「そんなこといわないの。かのじょにしかできないしごとなんだから。」 (人間の里のはずれ) 「ちーんぽっ!ちーんぽっ!」 「ん?どうしたの?みょん。ぐあいでもわるいの?」 「うー・・・ちぇんがいないとなにいってるかよくわからないどー。」 「ちんぽっ!ちんぽっ!ちんぽっ!」 その時地響きを立てながら『もりのけんじゃ』の群れが里のはずれに到着した。 「ああ、『やつらがきた!』っていいたかったんだね!」 「ちーーーーーんぽっ!」 「ごめんだどー。わからなかったんだどー。」 「じゃあれいむはにんげんにしらせてくるね!ここはまかせたよ!こんやあのおかでしゅうごうだよ! てきとうにたたかったらはやくにげてね!しんじゃだめだからね!」 「ちんぽーーーーーー!」 「まかせるんだどー!れみりゃとみょんがくんだらつよいんだどー!」 「ゆっ!あなたたちここでなにしてるの?あなたたちもにんげんからにげてきたの?」 「うー?なにいってるんだどー?れみりゃとみょんはにんげんのみかただどー! あいてになってやるからさっさとかかってくるんだどー!」 「ちんぽっ!」 「ゆー!!!ゆっくりなのににんげんにみかたするなんて!みんなこいつらからやっつけるよ!!!」 戦闘が始まる。みょんがれいむ種のリボンを切って混乱を起こし、 れみりゃはゆっくり達を掴むと堀のなかにぽーいと投げ捨てていく。 初めのうちこそ優勢に闘っていたれみりゃとみょんだが、やはり多勢に無勢。しだいに追い詰められる。 「うー。このままじゃまずいどー!」 「ちんぽ~」 「おーい!ゆっくり達!加勢に来たぞー!遅れてすまない!」 手に手に棒やクワをもった男達が駆け付けた。男達は手に持った武器や足で次々にゆっくりを潰していく。 森のゆっくり達も仲間を助けるため人間に襲いかかる。こうなればゆっくり達が全滅するのは時間の問題。 自分達の仕事が終わったれみりゃとみょんは、混乱の隙をついてさっさと逃げ出した。 (同刻 巨大ぱちゅりーの巣) 「みんなおちついて。ありすのまわりにゆっくりあつまるのよ。にんげんがくるかもしれないわ。」 「ゆー。こわいよー。」 「だいじょうぶ。わたしがにんげんからまもってあげるわ。(ありすからはまもってあげないけどね・・・)」 「こどもはみんなあつまったみたいだよー!これでぜんぶだよー!」 「そう。じゃあこれでわたしとちぇんのしごとはおしまいね。あとはありすのしごと。 ありす、もういいわよ。つかれたでしょう。めがみえずくちがきけないふりをするのは。 もうがまんすることないわ。ぞんぶんにやっちゃって。 わたしたちはちょくせつゆっくりをころすことができない。これはあなたにしかできないしごとだわ。」 「・・・・・・」 「あら?どうしたの?」 「うっひょおおおおお!!!!もうがまんできねえええええええええ!!!!!!!! ちっちゃいゆっくりもかわいいよおおおおおおおおおお!!!!!! いっしょにすっきりしようねえええええええええええええ!!!!!!!!」 「うわ・・・」 「わかるよー。がまんしすぎてすこしこわれちゃったんだねー。ちょっとこわいよー・・・」 「ゆーーー!!!やめてええええ!!!ありすおねえちゃん!!!やめてええええええ!!!!」 「いやーーー!!!!すっきりしたくないいいいいい!!!!しんじゃうううううう!!!!」 「やめちぇね!ゆっきゅりやめちぇね!れいみゅはまだしゅっきりしたくにゃいよー!」 「いきましょうかちぇん・・・ここにいたらわたしたちもあぶないかも・・・」 「そうだねー・・・ありす!こんやあのおかでしゅうごうだよ!まってるからね!」 「いぃぃぃぃやっほおおおおおおおおおおう!!!!!!!!!! すっきりーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」 (満月の夜) 夜。小高い丘の大樹の根元。月の灯りに照らされた小さな影が六つ。 影の正体はゆっくり。車座に座り仲間の帰りを待っていた。 「おそいぜありす。どこほっつきあるいてたんだ?」 「ああごめんなさい。ひさしぶりにすっきりしたものだから・・・ こうふんをしずめるためにゆっくりしてたのよ。あら?もしかしてあなたもわたしとすっきりしたかった?」 「い、いや。それはえんりょしとくぜ。」 「でしょう?だからおちつくまでひとりでいたのよ。」 「ゆー。ありすはあいかわらずだね!」 「そうだよー!ちょっとこわかったんだよー!」 「ふふふ。だいじょうぶよ。わたしたちはこのよにたったななひきだけのなかまじゃないの。 おやはちがっても、ゆいいつのかぞく。かぞくとむりやりすっきりしようなんておもわないわ。」 「うー!そうだどー!みんなだいじなかぞくだどー!」 「ちーーーーーーーーーーんぽっ!」 「まぁこんかいもうまくいったわね。ところでれいむ『やまのぬし』は?もうひっこしはすんだの?」 「ゆ?もんだいないよ。いまごろかなこのむれは、ひっこしいわいのえんかいのさいちゅうだよ。」 「そう。よるおそくまでえんかいをして、あしたはきっとひるすぎまでおきてこないわね。 あとはあさいちににんげんたちにやつらのすのばしょをおしえるだけ。 それでここらへんのゆっくりはすべてきえる・・・ もりも、そうげんも、やまも、このへんにあるたべものは、すべてわたしたちのもの・・・」 「さすがぱちゅりーがかんがえたけいかくね。すべてうまくいったわ。」 「れいむ、にんげんのほうはどうなんだ?まりさたちのことをかんぜんにしんようしたのか?」 「だいじょうぶだよ!ひとつきちかくはたけをまもったからね! やさいをわけてあげるからいつでもあそびにおいで、っていってたよ! れみりゃとみょんがしにものぐるいではたけをまもってるところをみせたからね!」 「そうだどー!がんばったんだどー!」 「ちーーーんーーーぽっ!!!」 「それはよかったぜ。まえのところではゆっくりをぜんめつさせるのはせいこうしたけど、 そのあとにんげんにおいだされてしまったからな。こんかいはだいじょうぶだな!」 「ええ。これでこころおきなくゆっくりできるわ。たくさんたべて、たくさんゆっくりして。 わたしはもっとかしこくなるわ。」 「まりさとれいむ、ありす、みょんはもっとおおきくなるぜ!」 「うー!れみりゃももっとつよくなるんだどー!」 「ちぇんはもっとすばやくうごけるようになるんだねー!わかるよー!」 「そうね。わたしたちもっとつよくならないと。あいつらにふくしゅうするため・・・」 「ゆ!そうだよ!れいむたちをおいだしたあいつらにふくしゅうしないと!!!」 「そう。あいつらだけはにんげんのてをかりず、ちょくせつやらないときがすまないわ。」 「さぁ、けついもあらたにしたところでいつものやつをやるぜ!」 「このまんげつにちかう!わたしたちななひきのゆっくりは!」 「たとえうんでくれたおかあさんがちがっても!」 「きょうだいのちぎりをむすんだからには、こころをおなじくして。」 「おたがいたすけあうんだどー!」 「そして、ゆっくりするときはななひきいっしょにゆっくりするんだね!わかるよー!」 「ちーーーーんぽっ!」 「そしていつか、わたしたちをおいだしたやつらを・・・ははのかたきをかならずころす・・・」 「「「「「「いっしょにゆっくりしようね!!!」」」」」」 end 作者名 ツェ 今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」 「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2679.html
「ただいま」 私の名前はA。独身で一人暮らしである。 今までは「ただいま」なんて挨拶は6畳半の狭い部屋の暗闇に溶けるように消えていったが、最近は違った。 「おにいさん、おかえりなさい!!ゆっくりしていってね!!」 最近、ゆっくりれいむを拾ったのだ。 巷では「ウザイ」やら「害虫」やら「腐れ餡子」なんていう不名誉な称号を得ているが、 親元を離れ10年近く一人暮らしをしている私にとって話しかければ返事をしてくれるゆっくりは精神的な癒しになっていた。 しかし、最近ゆっくりの態度が多少変わってきた。 「おにいさん、おなかへったよ。ゆっくりしないでごはんもってきてね!!」 (おまえ、さっきゆっくりしていってね!!っていったばかりじゃん・・・。) 拾ったばっかりのゆっくりがお腹が減ったときはちこっちを見て餌をほしそうな目でちらちらこっちを見たり、 「ゆ、ゆ、おにいさん!!おなかへらない?ゆっくりごはんをたべようよ!!」やら要求の仕方にもまだまだ可愛げあったのだが・・・。 そんな事を考えながらに餌をもらえるのが当たり前という風に踏ん反り返っているゆっくりを見ていると、なんだか虐めたくなってきた。 まぁゆっくりの気持ちはわかる、朝に餌をやってから夜まで餌を与えていないわけだからお腹はかなり減っているだろう。 部屋を荒らして餌を探した後もないし、こいつは他のゆっくりに比べて頭がいいと思う。 しかしこういったゆっくりの生意気な姿を見ると虐めたくなるのは、人の性・・・いやゆっくりの運命に違いない。 それに、これ以上調子付かせると自分の家宣言やらで本格的に霊長類の偉大さをその餡子に刻み込みたくなるので早期にしつけておくべきだろう。 そう考えると私は早速夕食の準備に取りかかる為に台所に向かった。 そうすると早速ゆっくりが 「ゆっくりしないでごはんをつくってね!!」 と私をせかす。 普段ならどうということもないその台詞もいまは私の嗜虐心を増長することしかしない。 いつもならここで私は 「わかったわかった、ゆっくり待ってろよ。」とか返事をするのだが、今回私はその呼びかけを無視した。 そうするとゆっくりはどうも私に声が聞こえってないと判断したようで更に大きな声で 「ゆっくり!!!ごはんをつくってね!!!」 と胸(?)をそらしながら言った。ここでも私が無視するとゆっくりはさすがにおかしいと思ったらしく、 「ゆ、ゆっくりごはんをもってきてね。」と言い換え、媚を売るような目で私を見つめてきた。 当たり前のように私はそれを無視すると夕食を作り始めた。 ゆっくりは私に無視されていることに気づいたらしく 「な゛ん で む じ ず る゛の゛おぉぉぉ!!」 と泣き始め私に突進してきた。 ぼよんぼよん、と有効打には程遠い効果音を鳴らしながら、ゆっくりは私に体当たりを繰り返す。 「む゛し゛ち゛ない゛て゛え゛ぇぇぇぇ」 もうゆっくりの顔は涙やらの体液でぐしょぐしょになっていた。 私は背筋にゾクゾクとしたものが走るのを感じ、この後どうやってゆっくりを虐めるか思考を巡らせた。 ゆっくりのしつけという建前はこの時点で完璧に私の頭の中から消え去った事をここに宣言しておこう。 その後ゆっくりは泣き疲れたのかこれ以上泣いても無駄だと悟ったのか部屋の隅で寝てしまった。 私はその間にゆっくりを透明な箱の中に入れ、更に外に行って「小道具」を探しにいった。 最近「それ」は幻想卿でやたらむやみ増えているので簡単に捕まえることが出来た。 そして箱の前に餌を置いてゆっくりを起こした。 「ゆっくり、ご飯の時間だよ」 「ゆ・・・?ゆ!!」 今日のゆっくりの餌はそれなりに豪勢だ。腐りかけた肉を焼いたものとくず野菜だ。 特に肉が出る日は少なく、ゆっくりは先ほどのことなど忘れた様子で餌に飛びつこうとした。 「ゆ、ゆっくりたべよう・・ね゛!!」 ゆっくりは餌と自分を遮る板にぶつかり「ゆ゛っゆ゛っ!?」と情けない声を出して跳ね返った。 ゆっくりの弾性が高すぎたためかしばらく箱のなでバウンドして「ゆっ!!ゆっ!?」と情けない声を上げていた。 そこではじめてゆっくりは自分が箱の中に居るということに気づいたのである。 「おにいさん!!ここじゃゆっくりできないよ!ゆっくりだしていってね!」 その呼び声を無視して私は「小道具」を部屋ゆっくりれいむの前にだした。 「それ」はふてぶてしくも私の部屋を見渡して 「とかいはありすにはにあわないいなかくさいいえだけど、ゆっくりしていくわよ!!」 とほざきやがった。 そう私はゆっくりれいむが寝ている間に他のゆっくり種を捕まえにいったのだ。 「ゆっくりしていってね!!」とゆっくりれいむは条件反射のように答えた。 そんなゆっくりれいむを無視してゆっくりありすはゆっくりれいむの前にある餌に目をつけ、 「このとかいはなでぃなーはとかいはのありすのごはんよ!!」といって餌を食べ始めてしまった。 都会派どころかその餌腐ってんだけどなぁ・・・。 当然ゆっくりれいむはゆっくりありすに抗議。 「そのごはんはれいむのごはんだよ!ゆっくりたべるのやめてってね!!」 と抗議した。しかしありすはそんなこと無視して 「うっめ!!めっちゃうめ!!」とがつがつ食べてしまった 「や゛め゛て゛え゛ぇぇぇぇ、れ゛い゛む゛のごばん゛だべな゛い゛でぇぇぇ!!!」 そんなゆっくりれいむのなきごえを他所にゆっくりありすは餌を全て食べてしまった。 そしてゆっくりありすは 「とかいはのありすのくちにはあわなかったからつぎはもっととかいはなでぃなーをよういしてね!!」 と俺に向かってほざきやがりました。つか都会派なディナーってどんなやねん。 自分の餌を食べられたれいむは 「あ゛あ゛ぁぁぁぁて゛い゛ふ゛のこ゛は゛ん゛がぁぁぁ!!!」 と泣き叫んでいる。 (あーあやばいやばいよー俺の中で何かが目覚めるよー) おれは自分の中のSやらMやらの部分が激しく励起して今にも電子を放出しそうな、そんな未知の興奮を感じていた。 そして私はゆっくりれいむの泣き顔を見ながら飯でも食うかと思っていた時、ゆっくりありすから 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」という泣き声が聞こえた。 まさかと思ってそちらのほうを見ると 「て゛いむ!!わたしのごを゛う゛んて゛ぇぇぇ!!」 とありすの求愛のダンス(?)が展開されていた。 なんか視界の端で揺れてると思ったらこいつ発情してやがったのか。 つか腹が膨れたら即交尾かよ・・・。 そしてゆっくりありすはゆっくりれいむに飛び掛かりこすりながら絡んでいる。 正確には箱にだが。 「や゛ぁへ゛て゛ぇぇぇ!!ゆ゛っく゛り゛やへ゛て゛って゛ぇぇぇ!!!!」 「れいむぅ!て゛ぃふ゛ぅぅぅぅ!!!ぎもでぃい゛い゛よぉぉぉ!!」 透明の箱は丈夫で人の手でも壊すのが難しいくらいなのでゆっくりありすごときではびくともしないのだが、 中に入っているゆっくりれいむには当然そんなことはわからずいつこの箱が壊れるのかありすが襲ってくるのかと半狂乱になって叫んでいた。 「あ゛ぁぁぁぁ!!ゆ゛くし゛て゛き゛な゛い゛よ゛ぉぉぉぉ!!!」 「い゛く゛!!あ゛りずの゛か゛て゛るぅぅぅぅ!!!」 どうやらありすは箱相手にイクようだ。あほだなぁ 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!お゛に゛い゛さ゛んた゛す゛け゛て゛ぇぇぇぇ!!!!!」 パン 「ゆ・・・?ゆぅ?」 ゆっくりありすは壁に衝突してぐしゃぐしゃになって絶命していた。 おそらく私の拳を受けたんだろう。私の手の甲にカスタードがついている。 うわ、カスタードが飛び散ってる。 ゆっくりれいむは一瞬何が起きたか理解できなかったようだが、徐々に状況を理解したようで 「お、おにいさん。れいむをたすけてくれたの?」 と言った。 その問いに答える代わりに私はゆっくりれいむを箱から出して抱き上げた。 そしてわたしはゆっくりれいむにむかって 「ゆっくり飯でも食うか。」 と言った。 そうするとゆっくりれいむは満面の笑みで決まり文句を言った。 「うん!!いっしょにゆっくりしてこうね!!」 fin 歴史というのは己が切り開いてきた道のことを言う。 例えそれが漆黒の道を切り開いて作ったものであるとしても何を恥じる必要があろうか。 ※異訳・・・またひとつ黒歴史が誕生しましたとさ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4297.html
※こんな作品なんて投棄所送りだ ある日、群れの中のゆっくりぱちゅりーが言いました。 「ドスなんてバカだわ。バカでマヌケでやくびょうがみだわ!」 すると、すぐにドスの側近のゆっくりまりさ達に捕まりました。 何日も食事をさせてもらえなかったぱちゅりーはとうとう自分の考えを曲げ謝罪しました。 「ごめんなざい、ぱちゅりーがまぢがっでまじだぁ!!」 しかし、まりさ達はぱちゅりーを許さなかった しばらくして、ドスが悪い事をしたゆっくり達の檻を視察に訪れ、 ぱちゅりーを見つけると、どんな悪い事をしたのかとまりさ達に尋ねた。 「このぱちゅりーはドスのひみつをバラすゆっくりできないぱちゅりーなんだよ」 まりさ達の言葉にドスは感心し、秘密を漏らす奴はどんどん捕まえるように頼んだ。 しかし、ぱちゅりーはこう反論した。 「ぱちゅりーのいったことはみんながしってることだよ!!」 すると、まりさ達はこう答えた。 「ドスはしらないでしょ!!」 ゆっくりきもんげの一家が渡り切ると、ゆっくりうどんげに成れる丸太を見つけた。 丸太は川にかかっており、落ちたら一大事だったが、 お父さん、お母さん、お姉さんはどんどん丸太を渡り切り、可愛いうどんげになった。 ただ一匹、末の妹が丸太から落ちそうになった。妹は何度も助けを求めたが、 「キモいきもんげなんかたすけないよ。ゲラゲラゲラ」 と、うどんげ達は答えた。 ゆっくりとピザの違い。 ピザはオーブンで焼いても騒がない。 長としてのドスまりさのマニュアル (1)ドスまりさを信じよ (2)性能に疑問が生じた時は(1)を読め ドスまりさに管理された群れのゆっくりまりさが虐待お兄さんに捕まったれいむに会いに来て尋ねた。 「そっちはゆっくりできる?」 捕まったれいむは何を言っているのか、と少しムッとして答えた。 「あといっぽでじごくだよ!!」 群れから来たまりさは答えた。 「まりさたちのほうがいっぽすすんでるね!!」 罪を犯したゆっくり達が閻魔の裁きを待っていた。 ゆっくりれいむ、自分は働かずにいたが、子の面倒はよく見た。天国に行け。 ゆっくりまりさ、乱暴者であったが、家族の為によく働いた。天国に行け。 ゆっくりぱちゅりー、他のモノを見下していたが、知恵で皆を救った。天国に行け。 ゆっくりありす、周りの者と打ち解けずにいたが、伴侶への愛は強かった。天国に行け。 おい、ゆっくりらん、お前はちぇんを残しているだろ。現世に帰れ。 ゆっくりらんは泣いて、閻魔の元から去った。 別の日、罪を犯したゆっくり達が閻魔の裁きを待っていた。 ゆっくりれいむ、子の世話はしたようだが、働かずに迷惑をかけた。地獄に行け。 ゆっくりまりさ、狩りは上手いようだが、他のモノに乱暴をした。地獄に行け。 ゆっくりぱちゅりー、知恵は優れていたが、周りのモノをバカだと嘲笑った。地獄に行け。 ゆっくりありす、伴侶への愛は強かったが、レイプして無理やり伴侶にした。地獄に行け。 おい、ゆっくりらん、お前はゆかりを残しているだろ。現世に帰れ。 ゆっくりらんは泣いて、閻魔の元から去った。 ある日、ペットショップから貴重なゆっくりけーねが逃げ出した。 ペットショップはけーねに懸賞金をかけました。 愛でお兄さんが人を集め、あらゆる場所を捜索しましたが、見つかりませんでした。 それを見た虐待お兄さんは森に入り、30分ほどで森から出てきました。 手にはボロボロになったゆっくりまりさが一匹。すると、まりさがこう言いました。 「ゆっくりけーねだよ」 大きなスィーに乗ったゆっくり達は、素敵なゆっくりプレイスに向かって発進したが、 途中、不慮の事故にあい。スィーは谷底深くへと落ちていった。 それを見ていた虐待お兄さんが突然泣き出した。 友人は大嫌いなゆっくりが死んだのにどうして泣くんだいと質問すると、 「俺がいない場所があいつらにとって一番素敵なゆっくりプレイスなんだ」 まりさが三匹いた。 一匹目のまりさは言いました。 「まりさはおさなんだよ。むれをまもるためならいのちをおしまないよ!!」 二匹目のまりさは言いました。 「まりさはつよいんだよ。それをみせつけるのにいのちはおしまないよ!!」 三匹目のまりさが言いました。 「まりさはたいせつなんだよ。それをまもるためにほかのいのちはおしまないよ!!」 ゆっくりありすは死に瀕していた。 虐待お兄さんに追い詰められ、ナイフで頬を数か所刺され、どんどんとクリームが漏れ出す。 しかし、虐待お兄さんの視線は傷や恐怖するありすの顔でもなく、人間の腕ほどはあるぺにぺにだった。 「あ、ありすだってこわいときはちぢまるのよ、いなかものめ、わらうがいいわ!!」 男はまだ赤ちゃんのゆっくりれいむに様々な芸を教え込み、 これで見世物でも始めようと思った。 手始めに、街の喫茶店に行き、コーヒーとクッキーを注文すると、 主人にここで客を取っていいか尋ねる為、ゆっくりれいむを取り出した。 「ちょっといいかね、主人」 「あ、お客さん、すいませんね。よく入り込むんですよ」 主人はゆっくりれいむを叩き潰した。 赤ちゃんれいむは悲しみに暮れていた。それを見かけたゆっくりありすが声をかける。 「どうしたの?」 「おかーしゃんがしんじゃって」 「かわいそうに、ゆっくりできるの?」 「うん、おかーしゃんはたくさんのごはんをのこしてくれたの」 次の月、また赤ちゃんれいむが悲しみに暮れていた。またありすが声をかける。 「どうしたの?」 「おとーしゃんがしんじゃって」 「かわいそうに、ゆっくりできるの?」 「うん、おとーしゃんはキレーなおうちをのこしてくれたの」 また次の月、またまた赤ちゃんれいむは悲しみに暮れていた。またまたありすが声をかける。 「どうしたの?」 「おねーしゃんがしんじゃって」 「かわいそうに、ゆっくりできるの?」 「うん、おねーしゃんはゆっくりできるおかざりをのこしてくれたの」 ある日、ありすは赤ちゃんれいむの家を訪ねてみた。 群れのみんなに聞いたが、今月はれいむの家族に死んだゆっくりはいないらしい。 悲しみを和らげるためにも、散歩に誘おうとやってきたのだ。 しかし、赤ちゃんれいむは悲しみに暮れていた。 「どうしたの?」 「こんげつはまだだれもしなないの」 ある日、イタズラ好きのゆっくりまりさはとうとうお母さんれいむを怒らせた。 「ゆっくりできないわるいこだね!!」 大きな声で叱る母れいむはこう続けた。 「おとーさんだって、たいどがよかったからドスになんかいもゆるしてもらえたんだよ!!」 ドスまりさは食料の確保に躍起になっていた。 「みんな、もっとはたらいてね!!」 しかし、側近のぱちゅりーはドスにこう言った。 「そんなことしたら、みんなしんじゃうわ!!」 群れのみんなはドスを支持してこう言った。 「あまあまがふえるね!!」 よだれを垂らし、みすぼらしい格好をしたゆっくりまりさが1匹。 「ゆっ!あれはおさこうほのまりさだわ」 「むきゅー・・・あんなのぜんぜんおさのうつわじゃないわ」 ぱちゅりーの言葉にありすは反論した。 「こうほになら、あのれいむだってなれるのよ」 ある日、胴つきのゆっくりらん、いく、てんこが飛行機に乗っていたが、 飛行機のエンジンが不調になり、運転していたお兄さんは早々とパラシュートで脱出してしまった。 「ら、らんはちぇんのためにしねないよ。らんはぜったいたすからなきゃいけないんだよ!!」 そう言って、らんはパラシュートをつけて飛び出してしまった。 「うわぁあああ、総領娘さまぁ、いくのことはいいですから、総領娘さまがパラシュートをおつかいくださいぃいい!!」 てんこも悲しそうに先ほど降りて行ったらんを見送る。 「あのらんめぇ!!総領娘さまぁ、ゆっくりせずにおにげくださいぃいい!!!」 「・・・てんこのおかしがはいったリュックをらんはぬすんでいきました。はじしらずならんがいた!!」 二人はパラシュートで脱出した。 ドスまりさと人里の長が神様の所にやってきました。 「神様、あと何年すれば人間は幸福になれますか?」 長の質問に神様は答えた。 「あなたの任期中には無理でしょう」 「かみさま、あとどれぐらいゆっくりすれば、ゆっくりはしあわせになれますか?」 ドスまりさの質問に神様は答えた。 「わたしの任期中には無理でしょう」 すっきりの後、 ゆっくりまりさの5%はそっぽを向きそのまま眠てしまった。 25%はベッドから起きてご飯はむしゃむしゃし始めた。 残りの70%はれいむのもとに返っていった ありす、まりさ、れいむが集まり、それぞれ出ているSSについて文句を言っていた。 「いじめ系SSなんてちっともゆっくりできないわ」 ありすがプンプン怒ると、まりさは少しバカにしたようにこう言った。 「まりさがでてるジャンルものなんて人間さんよりずっと強いお姉さんが出るんだよ」 二匹をバカにするように、れいむはこう言った。 「ドロワ系なんて、ゆっくりが主役じゃないんだよ・・・」 偉大なる群れの長、ドスまりさは幼少の頃すでに今と同等の知能を身につけていた Qゆっくりまりさと神の違いは何か? A神は自分の事をゆっくりまりさだと思った事はない。 群れの長であるドスは群れの食料備蓄に関する仲間達の不安を知りたいと考えて、大掛かりな意識調査を命じた。 会議で、その結果がぱちゅりーから報告された。 「この調査によってわが群れは大きく二つのグループに分かれることが判明しましたわ。楽観派と悲観派、楽観派はいずれはうんうんを食べることになるだろうと予想しています」 大統領はびっくりして言葉を挟んだ。 「それが楽観派?すると悲観派は・・・」 「むきゅー・・・悲観派は群れ全体にはうんうんが行き渡らないだろうと心配してるわ」 ゆっくりまりさとゆっくりありすがある養鶏場を訪れた時 案内人「ここの雄鶏は日に50回もセックス、つまりすっきりをします」 ありす「まあ・・・それじゃそのことをまりさにいってあげてね」 案内人「・・・という事でしたが。」 まりさ「そのおすどりさんがすっきりをするときはいつもおなじあいてなの?」 案内人「いいえ、全部別々の雌鳥が相手ですよ。」 まりさ「じゃあ、そのことをありすにいってやってめ!!」 ゆっくりれいむの一家の巣が落石により入り口が塞がれてしまった。 何匹もの子ども達が死んだ凄惨な事故だったが、 群れの仲間の必死の救助活動で数匹の子れいむが助けられた。 2ヶ月も巣に閉じ込められていたというのに、子れいむ達はやつれた様子もなく、 元気に外を走り回った。 ゆっくりまりさ達の住む場所は何もない荒野だった。 ある日、神様が何か望みはないかとやってきてた。 まりさ達はいろんな恵みを挙げていった。 たくさんの食料や過ごしやすい気候、天敵のいない森に快適な巣。 最後に優秀な指導者という前に、神様は消えてしまった。 それ以来、まりさ達の恵みは全てドスまりさが独り占めしている。 by118
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1798.html
登場キャラクターはゆっくりのみとなっています 見づらくなることを考慮して全部漢字を使います。 かなりグロ表現あり、ダメな方はユーターン スペックの高いれいむがでます すっきりできない可能性があります 初投稿になります 森の山奥、ここには人間が放棄した研究施設があった。 ここを、ドスを中心とするゆっくりの群れが罪を犯したゆっくりを処罰する刑務所として使っていた。 だが刑務所とは名ばかり。 ドスに逆らったゆっくりを収容し、逆らうゆっくりに対し大量殺ゆっくりを行なったり、洗脳したり 自分の群れが最高のゆっくりの群れとなるべく、ゆっくりによる改造実験が行われる地獄のような 施設であった。 そしていつからか、この施設は群れのゆっくりたちからこう呼ばれるようになった。 『施設』と 死のゆっくり ゆっくりれいむとゆっくりまりさの夫婦はここ最近この格好のゆっくりプレイスに引っ越ししてきた あつあつな夫婦であった。 以前住んでいた巣では子供を育てるのには面積が圧倒的に足りなかったため、数日前にここへ 引っ越しを済ませたその日にため込んでいたすっきりをし、昨日の昼ごろ、待望の赤ちゃんを無事出産した。 れいむ種3、まりさ種2の計五匹だ。 「「ゆっくりおはよう!!」」 「「「「「ゆっきゅりおはよう!!!!!」」」」」 母役であるゆっくりれいむは幸せであった。 引っ越し早々にこんな素晴らしいゆっくりプレイスを伴侶のまりさと見つけることができ 子宝に恵まれた。これで幸福でないという方が難しいであろう。 伴侶のまりさは朝の挨拶を済ませると早々に狩りへ行き、家はれいむと赤ちゃんたちだけになった。 まりさがいない間、れいむは生まれたばかりの赤ちゃん達にこの世がいかにゆっくりできるかを 教えていた。 「いい?ゆっくりはこの世でもっとも崇高で素晴らしい生き物なんだよ!! 他の生き物はゆっくりに仕える事が最高の幸せなんだよ!! おちびちゃんたちも他の生き物達にゆっくりつかえさせてあげてね!!」 「「「「「ゆっくちりかいちたよ!!!」」」」」 れいむはこのようにして子供たちに教育していた。 この子たちの将来はおそらく畑の肥料だろう。 れいむが赤ちゃん達に教育をしていたその様子を一匹のゆっくりが見つめていた。 「・・群れに届け出がないゆっくり・・・ドスに報告だよ」 その夜、れいむ一家は未だ帰ってこないまりさに心配しつつ、お腹を空かせていた。 食糧はため込んでいたとはいえ、食欲旺盛な赤ゆっくりが五匹もいればあっという間に 食いつくしてしまう程度しか溜まっていなかった。 昼ごろにはれいむ一家はまりさが帰ってくると踏んで食いつくしてしまった。 ぐずる子供たちを、れいむはす~りす~りして慰めていた。 「ゆ~!!おなかちゅいたよ!!ごひゃんちょうだいねぇ!!」 「ちょうだよ!!まりちゃがきゃわいきゅにゃいの!!」 「「「はやきゅごひゃんちょうだいねぇ!!」」」 「ゆ~・・まりさ、はやくかえってきてね・・」 赤ゆっくり達が癇癪を起し、困りきったれいむがまりさが早く帰ってくるように祈っていると 誰かがお家に入ってきた。ゆっくりみょんだった。 無断で入って来たことにれいむはイラっと来たが押さえてみょんの前に立った。 「みょん!!お前達が最近引っ越ししてきたれいむ一家だね!!」 「ゆ!!そうだよ!!みょんはご近所のゆっくり?」 みょんは険しくしていた顔をより一層険しくして 「ちがうよ!!みょんはここ一帯を取り仕切っている群れの幹部だよ!! いくつか質問があるからゆっくりこたえてね!!」 一体何を聞いてくるのだろうかとれいむは思ったが、まあどうせ大したことは聞かないだろうと思い 素直に質問にこたえることにした。 みょんの顔を見て怖がっている赤ゆっくり達には怖くないよと伝え、お家の奥に行かせた。 「みょん!!いい心がけだよ!!では第一、れいむは群れにお家を作った報告をしたか?」 「ゆ?れいむ達は群れに入るつもりなんかないから報告なんてだしてないよ!!」 このれいむは引っ越しする前、別のドスの群れにいた。 このドスはすっきり制限やら食糧制限やらを設けてれいむはあまりゆっくりできなかったため、 今後はドスの群れには入らないと決めていた。 「知らないのか?この群れでは敷地内に入ったゆっくりは強制的にドスの群れの一員になるんだみょん!」 「なんなのそれぇぇぇ!!」 理不尽な掟を突き付けられたれいむは思わず叫んでしまった。 それにたたみかけるかのように 「報告を怠っただけでなく一日分の食糧の提供の怠り、すっきり違反、さらにおまえの夫のまりさに よる狩り禁止区域での乱獲!!これはもう見過ごせないよ!!施設送りだよ!!」 「な、なんなのそれぇぇぇぇ!何か怖そうだよ!!おちびちゃん!!ゆっくり逃げるよ!!」 れいむは赤ちゃん達と逃げようと動こうとしたが、お家の入口には群れのゆっくりが待ち構えていた。 「逃げようとしても無駄みょん!!みんな!!軽くのしてから施設へ搬送するよ!!」 「「「ゆ~~!!!」」」 そういうとれいむより体がふたまわり大きいゆっくり達が体当たりをかましてきた。 避けようとはしたがよけきれずまともに食らってしまい、子共々仲良く気絶してしまった。 朦朧とする意識の中、みょんは言った 「お前の夫のまりさも先に施設でゆっくりしているから家族仲良くゆっくりするといい!! ゆっゆっゆっゆ!!」 ここでれいむは意識をなくした。 ―ーーーーーーーーーーーー れいむが目覚めると、そこはいままで見たこともない所だった。 壁や床はレンガづくりのためか一切の温度を吸収することなくいつも冷たく、 檻で完全に閉じ込められており、愛すべき赤ちゃん達の姿が全く見えなかった。 そして檻の外から様子から様子を見ると、同じようにあの群れゆっくりに捕まったと思われる ゆっくりがいた。 「ゆえ~~ん!!怖いよぉぉ!!ここから出してぇぇぇ!!! 「まりささまをとっととここから出すんだぜ!!でないと後悔するんだぜ!!」 れいむは同じようにゆっくりがいた事を知ると同時に、愛する子供と夫がどこかにいるのでは ないかと考え始めた。そう思った次の瞬間には、れいむは叫んでいた。 「おちびちゃぁぁぁん!!!まりざぁぁぁ!!どこぉぉぉぉ!!!ゆっくりお返事してねぇぇ!!」 そう檻の外へ呼びかけたものの、それにこたえる声は無かった。 他のゆっくり達にかき消されていたのだ。 「おちびちゃん・・・・返事じてね・・・・」 れいむはわが子の身を案じつつ、部屋の片隅にいつの間にか放り込まれた 食事を食べた。とても苦い草だった。 「む~しゃ、む~しゃ・・・・不幸せ~~・・・」 れいむはわが子を助けるその時に備えるため食事を我慢して摂り、 床についた。 その晩見た夢は、いつも夢に描いていた家族で過ごす楽しい一時の夢であった。 翌日 目が覚めると、れいむの入れられている牢の前に一匹のれいむがいた。 周りに2~3匹のゆっくりがいたことからこのれいむはこの施設の偉い人なのが分かった。 れいむはこの理不尽に押しつけられた苦しみをぶつけるかのように叫んだ 「そこのれいむ!!れいむは何も悪い事をしていない良いゆっくりなんだよ!! それなのにおちびちゃんとまりさをこんなところに押し込めて・・・なんの罪悪感もないの!! ゆっくり解放してね!!」 するとれいむはゆっくり目を閉じて 「そうだね、幸せな家族をバラバラにするのは良くないことだよね・・・ ゆっくりごめんなさい」 とれいむに謝罪を始めたではないか。 これにはれいむも戸惑った。 ここに無理やり連れてきて、こんなゆっくりできないところに閉じ込めておいた群れのゆっくりなのに なんでれいむに素直に謝るの?なにか裏があるの? 戸惑ったがれいむは言葉を続けた。 「だったられいむのおちびちゃんとまりさを連れてきて、ここから出してね!!」 「ゆう、ごめんなさい。それは出来ないの・・・」 と申し訳なさそうな顔で謝罪をした。 れいむは顔を真っ赤にして続けた 「何で?悪い事をしたと思うだけなら下等な人間さんでもできるよ!! ばかなの?しぬの?」 するとれいむは涙目になって 「れいむのおちびちゃんとまりさは知らないうちに掟をやぶったかもしれないから 別室で取り調べ中なんだよ・・・・終わったらみんな解放してあげるからお願いだからここで待っててね・・・」 れいむは調子が狂いっぱなしであった。 無理もない、むりやり閉じ込めた相手がこんな調子なのだから。 「だったらゆっくりここでまっててあげるからね!!ゆっくりしないではやく出してね!!」 「すぐは無理だけど、近いうちには出れるからね!! 後、ここから出れるまでにれいむのおちびちゃんとまりさはとてもゆっくりできる ようにしてあげるからね!!出る時にはれいむもとてもゆっくりできるようにしてあげるからね!!」 いささか調子が狂ったが、どうやら早いうちに出れるだけでなく 賠償としてとてもゆっくりできるものをもらえる と踏んだれいむは牢から離れようとしているれいむに 「当然の権利だよ!!出る時にはれいむをとてもゆっくりできるようにしてね!!」 と言った。 れいむは満面の笑みで答えた。子供っぽい純真な笑顔だった。 それから五日後・・・・ あの時のれいむが以前来たときとなんら変わり無い姿で現れた。 この五日間、れいむは三食毎日まずい草で過ごしていたため、相当ストレスが溜まっていた。 そのため、檻の前を看守が通るたびにおいしいご飯をもってこいやらとっととだせと口うるさく騒いでいた。 れいむはあの時のれいむがやってくるなり 「ゆ!!いつまでれいむをこんなところに入れておくの!! はやく出せ!!れいむはかわいそうなれいむなんだよ!!わかっているの!! 馬鹿なの?死ぬの?」 悪態をつきまくるれいむに対し、れいむはにこやかな顔で 「ゆっくり待たせてごめんね!!やっとここからでれるよ!!もちろんおちびちゃんやまりさも 一緒だよ!!」 「あたりまえなんだよ!!悪いと思っているなられいむを出してね!!さっさとしてね!!」 れいむはゆっくりとせずにれいむの牢の扉を開けた。 れいむは自分はかわいそうな被害者なんだぞといわんばかりの顔で 「ゆっくり遅すぎだよ!!お詫びにさっさとれいむをゆっくりさせてね!! おちびちゃんとまりさもだよ!!」 「もちろんだよ!!じゃあれいむについてきてね!!」 こうしてれいむは群れのれいむに案内されて、出口とは違う部屋に連れてこられた。 途中で出口に向かってないことに気づいたれいむはれいむに体当たりをしようとしたが、 いつの間にか四方を屈強な群れのゆっくり達に囲まれており、手が出せなかった。 連れてこられた部屋は何かゆっくりできない臭いがあった。 辺りを見渡すと、壁一面に見たこともないような生き物が不気味な声を上げながら叫んでいた。 「ゆぶぅぅぅぅ!!!」「YUYUYUYYUYU!!」 その生き物はどれもまったくゆっくりしていなかった。 ある生き物は頭と頭がくっついており、まりさ種独特の帽子を一つかぶっていた。 ある生き物は体全体から目玉が生えていた。この生き物は頭にちぇん種独特の帽子をかぶっていた。 いままで見たこともないような不気味な生き物にれいむを泣き叫んだ。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!なにごれぇぇぇぇぇぇ!!」 「何ってひどいよ!!みんなとてもゆっくりしているのに」 群れのれいむがしゃべった。 「ゆっくりあのちぇんをみてね!!あの子は生まれたときおめめがなかったんだよ!! きっとお母さんが妊娠中に茎さんを折っちゃったんだね でもね、かわいそうだかられいむが永遠にゆっくりしちゃったゆっくりのおめめを入れてあげたんだよ!! 一個や二個うめてもおめめがなおらなかったから、たくさんれいむがいれてあげたの おかげでみてよ、あんなにゆっくりした姿になったんだよ!!」 そのゆっくりしているはずのちぇんは「ちぇんはゆっくりしてるよー」と こわれたオルゴールのように何度も同じ言葉を言っていた。 「ほかにもあのまりさ!!あのまりさはね群れでいつも悪いことをする良くないゆっくりだったんだよ!! でもね、れいむがそんなまりさの核をくっつけちゃったらあんなにおとなしい良い子になったんだよ!! ゆ!!ここからじゃわからないと思うけど、まりさの頭を核が見えるまで切って、 そこから二人の頭をくっつけたんだよ!!途中でちょっと切りすぎちゃったけど近くに転がっていた 木さんで補強したらうまくいったんだよ!!すごいでしょ!!」 そのまりさだが、顔は苦痛に満ちており時折か細い声で「ころして」と言っている。 補強に使った木の棒が二人の中枢餡子に刺さった状態になり、ぎりぎり死なない辺りで止まっているようだ。 おそらくこの二匹は、今に至るまで死んだ方がましともいえる苦しみを味わっているのだろう。 群れれいむは自分がいかにゆっくりをゆっくりさせているかを延々と話した。 その内容はれいむのしたの方にあるダムを崩壊させるのに十分な破壊力だった。 切る・埋め込むは当然で、他にも移植・毒物などをも使用していた。 うっかり失敗して永遠にゆっくりしちゃったゆっくりは、ゆっくりしてもらうために ばらばらにしてパーツにして他のゆっくりに埋めているという下りでれいむは少し吐いてしまった。 その間、れいむは以前れいむに見せた時と同じ、子供っぽい純真な笑顔だった。 れいむは確信した。 このれいむは良いゆっくりじゃないよ!!ゆっくりを死に追いやる死のゆっくりだよ!! おちびちゃんとまりさを助けてはやくここから出ないと!! れいむは延々と話し続けるれいむの話に割り込むようにしゃべった。 「れいむははやくここから出たいよ!!おちびちゃんとまりさも一緒にだよ!! だからはやく連れてきてね!!」 延々としゃべっていたれいむは少し驚いた顔になったが、すぐに笑顔に戻って 「ゆ、そうだったね!!ごめんね!!れいむうっかりお話に夢中になってたよ まりさとおちびちゃんをゆっくり連れてくるね!! みんなとてもゆっくりできる姿だから安心してね!!」 今このれいむはなんて言った。ゆっくりできる姿?そんなまさか・・ れいむのいやな予想は的中することになった。 群れれいむが連れてきたゆっくりは6匹だった。 だがどれも尋常でない様子であった。 長女れいむは足のかわりに別のゆっくりの頭が移植されており、一切の歩行ができなくなった。 その頭が原因で、さかさまの絵となっていない絵を同時に見ることになり、 吐くと吐いた物を食べるの繰り返しを長女は繰り返していた。 次女れいむは口にあたる部分にあにゃるがあり、口にあたる部分があにゃるにあった。 口を動かそうとしたらまむまむがうごき、しーしーをしようとしたらくちからしーしーが・・ くちからしーしーを吐きだす不快感から、れいむは泣き続けていた。 長女まりさは目以外の五感が破壊されており、涙だけで自分の今の状態を表現していた。 次女まりさは耳以外の五感が破壊されており、ひたすら泣きわめいていた。 三女れいむは中枢餡子と生存ぎりぎり分の餡子と皮以外何もなくなっていた。 いわゆる完全な饅頭になっていた。頭頂部にかかっていたリボンがなかったら識別できなかっただろう。 そして夫にあたるまりさは五感すべてを完全に破壊され、足も使い物にならなくなっていた。 みな死んではいなかったが三女れいむだけは反応したくても反応ができなくなっていた ため、れいむはこの二匹は永遠にゆっくりしてしまった、と判断した。 家族の変わり果てた姿にれいむは気絶しかけた。 そんな様子に気づかなかったのか、れいむは満面の笑みで話を始めた。 「どうれいむの家族は?みんなとてもゆっくりできているでしょう!! みんなゆっくりできてるあまりに吐いたり、感動の涙を流しているよ!! 一番おちびちゃんのれいむはちょっと失敗しちゃったけど大丈夫だよ!!まだちゃんと生きてるよ!!」 れいむは右から入った情報が左から出る状態になっていた。 幸せだった家族がほんの数日でめちゃくちゃにされたのだ、無理もなかった。 だが、少しづつ現実を受け入れ始めると顔がだんだん真っ赤になっていき、しずかにしゃべりだした。 「どこがゆっくりしているの?みんないたいいたいでないているのが分からないの? ちょっと失敗しちゃった?ふざけないでね、れいむとまりさの愛の結晶を殺しておいて何? ちょっと失敗しちゃったじゃないよ・・・・」 れいむは深呼吸をすると、目をカッとひらき、叫んだ 「でいぶのぉおちびじゃんをがえぜぇぇぇぇぇ!!!ぐぞでいぶぅぅぅぅぅ!!!」 怒りに身を任せ、体当たりをかまそうと猛然と突進をするも、周囲にいた群れのゆっくり達に 簡単に取り押さえられた。 ひどくなれた手つきで、群れゆっくり達は怒り狂ったれいむを部屋の奥にある部屋へと連れて行った。 その部屋は人間が残していったと思われる手術道具が台の周辺に転がっており、 台にはゆっくりを拘束するために用意したであろう拘束具がついていた。 その台を囲むようにカスタードや餡子、クリームがあっちこっちに散乱していた。 「ばなぜぇぇぇ!!でいぶをばなぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」 群れゆっくりによって台に拘束されたれいむはひたすらあんよを暴れさせながら叫んだ。 そこに白い布のような物を身につけたれいむがやってきた。 「怖がる必要はないよ!!これからとてもゆっくりできるようにしてあげるからね!!」 そういうと、側近のゆっくりが饅頭になってしまった三女れいむをもってきた。 ピクピク震える饅頭を、れいむは近くに転がっていたメスで切りつけ、傷口から中枢餡子をえぐりだした。 ピクピク震える不気味な饅頭の震えは、同時に止まった。 「失敗しちゃったおちびちゃんがかわいそうだと思うよね!! おちびちゃんがとてもかわいそうだよね!!でも大丈夫!!れいむがれいむとおちびちゃんを 永遠に一緒にしてあげるね!!とてもゆっくりできるでしょ!!」 つまり、このれいむはれいむの中枢餡子の付近に三女れいむの中枢餡子を埋め込むというのだ。 それを悟り、必至に暴れるも、無駄な抵抗であった。 「大丈夫!!すぐすむからね!!」 そういうとれいむは咥え直したメスでれいむの頭を切った。麻酔なしで。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」 数分後 「ゆ~~ん、また失敗しちゃった!!」 れいむは頭を切るところまではうまくいったが以外に切り口が浅く、 中枢餡子がどこにあるかとついメスを深く入れて頭を穿ってしまい、中枢餡子を破壊してしまったのだ。 れいむは死ぬその瞬間まで地獄の苦しみを味わったのであろう、般若のような顔で死んでいた。 「でも大丈夫だよれいむ!!ゆっくりが世界を本来の姿に戻す頃には ゆっくりはみんな生き返る術を手に入れているからね!!それまであっちの部屋でゆっくりしててね!!」 れいむは自分の手でれいむの亡骸を未だ電気が通る大きな寒い箱に入れた。 その箱には、ゆっくりの死骸がこの世を憎むかのような顔をしながらぎゅうぎゅうづめになっていた。 エピローグ この群れの長であるドスまりさはまだ成果が出ないのかと待ちわびていた。 「れいむの報告はまだなの・・・はやく成果をだしてよ・・」 身長3メートルの巨体には自然でつく筈がないような傷がたくさんついていた。 傷の中には黒く変色している所があった。 「ドス!!れいむだよ!!ゆっくり開けてね!!」 「ゆ!!どうぞ!!」 れいむがやってきたことを知ると待ってましたと言わんばかりな顔でドスはれいむを迎えた 「ごめんなさいだけど、ドスが一番欲しいゆっくりしたゆっくりはまだできてないよ!!」 「ゆうぅぅ!!まだなの!!」 ドスは顔を真っ赤にした。 「でもね、別の欲しいゆっくりしたゆっくりなら目途がたったよ!! さっそく取り掛かるね!!」 「ゆううううう・・・仕方ないね・・じゃあ今はそっちを優先してね・・・」 ドスはしょげた顔でそう答えた。 「ゆっくり理解したよ!!でも本当にそんなにゆっくりしたゆっくりが必要なの?」 「どうしても必要なんだよ!!」 まりさは真剣な顔でそう答えた。 このドスまりさは幼いころからお母さんからあのれいむと同じような事を学んでいた。 「いい?ゆっくりはこの世でもっとも崇高で素晴らしい生き物なんだよ!! 他の生き物はゆっくりに仕える事が最高の幸せなんだよ!! おちびちゃんたちも他の生き物達にゆっくりつかえさせてあげてね!!」 だが現実はどうだ、ゆっくりに使えるべき他の生き物はゆっくりをいじめたり、食べたり あろうことか殺ゆっくりという大罪まで犯している。 それどころか自分たちをペットとしている生き物もいる!! 間違っている、この世は間違っている!! この世にいるみんながゆっくりする義務を与えられたゆっくりのゆっくりを奪っている。 ゆっくりをゆっくりさせない生き物はゆっくりの一撃で皆殺しにしてやる。 そう思いドスは何度か殺ゆっくりやゆっくりの土地を無理やり奪う悪逆非道な人間を 根絶やしにしようとしたが、何度も返り討ちにあった。 失敗するその度に、ドスは仲間を見捨てて一人で逃げ、別の土地で新たな群れを作っていたのであった。 そして何度も敗北し、落ちのびていくうちに、ドスは考え始めた。 ゆっくりが間違っているんじゃない!!ゆっくりはこの世でもっとも崇高な生き物なんだよ!! それが何でこんな不条理な目にあっているの!! そうだよ、わかったよ!!世界が下劣にもゆっくりの邪魔をして、ゆっくりの地位を 乗っ取ろうとしているんだね!! そんなこと認めないよ!!ドスが世界をゆっくりの手に取り戻すよ!! ゆっくりがすべて平等に正当な権利を得られる本来の世界にもどすよ!! そう決意し、この廃墟となった人間の施設を見つけた。 それからはいつものようにゆっくりの群れを作ったが、今までと大きく違い狂気に満ちたものだった。 ドスの言う事に逆らうゆっくりは世界に身を売ったスパイとして処刑したり、 自分の言うことに順々になるようにゆっくりできないキノコも使って洗脳を始めた。 この群れの幹部のゆっくりはすべて自分の考えに従うように洗脳がなされており、 このれいむも例外ではなかった。 こうして、ドスとドスに従うゆっくりたちによって施設は完成したのであった。 ドスはれいむの報告をうけ、まだ先は長いよねと考えその日は寝ることにした。 だがドスが寝ているその間にも実にゆっくりとゆっくりの逆襲の下準備が着々と進んでいたのであった。 世界をゆっくりの手に取り戻すための力を研究し、それを元に ゆっくり力を手に入れ、手始めに人間を根絶やしにするというドスの願いを叶えるため、 今日も施設からは罠にかかったゆっくりの悲鳴がやむことはなかった。 あとがき 気づいたらやりたい放題になっていました・・・・好き勝手やった結果がこれだよ。 気が向いたらシリーズにしてみようかと考えています。 あ、後クレームの嵐だったら修正するなり削除するなりします。 このSSに感想をつける