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1スレ目 140-146 「ねぇ、柴崎ー。どうしたら胸が大きくなるのかなぁ」 オバカで可愛い同室の郁が唐突に口を開いた。 ほうほう、色気よりも食い気、そんなことに見向きもしなかったあんたが 可愛らしいことを言うようになったじゃない。 柴崎から見れば、それも悪くない成長の一つだ。 「もしかして、最近あんたが牛乳ばっかり飲んでいるのは、そういう理由なの?」 だったとしたら安直すぎる。今時、子供でも信じないだろうに。 だが、その噂を信じる二十歳を越えた娘がここに一人。 「だって、よく聞くじゃん。他に良い案が無かったんだよー」 それぐらい切羽詰まっているということにしておいてあげるか。 柴崎はわざとらしく溜息をついて、 「今更どうにもならないでしょうに。あんたの場合は胸の栄養が身長に変わっ ちゃったんだから」 テーブルに突っ伏す郁にそう慰めてみたが、一向に顔を上げる気配は見せ ない。 まあ、それぐらい達観してたら、牛乳なんてものに頼ってないはずだ。 「どーしても大きくしたいなら、整形手術って方法もあるんだし、そう落ち込むな」 慰めにならない慰めに、郁は表情を曇らせたまま、 「……やっぱり男の人って胸が大きい方が好きなんだよねぇ」 戦うことにおいては小さい方が何かと便利で、今まで不便と思って一度も ない。 だが、それに相手がいるとなれば別だ。 熱血武闘派の郁もそこは乙女のはしくれ。 思い悩むのも当然だ。 「あんたが聞きたいのは一般論じゃなくて、堂上教官が、ってことでしょ?」 あけすけなく指摘され、郁はううっと口篭った。 顔は赤いし、困ったようにこちらを見上げる表情を見れば、誰でもそれが図星だったと判るだろう。 「それとも、堂上教官が大きい胸の方が好きとでも言ったの?」 「ち、違う……けど、」 「けど、何よ」 そう柴崎が突っ込むと、郁は観念したように吐いた。 「してる時ね、時々、私の方を見て、嫌そうな表情をするんだよね。それって、やっぱり物足りないのかなって……」 うわぁ、何言ってるんだ、あたし! と郁は穴があったら入りたい気分だが、 結局は柴崎に頼る他ない。 男性経験ゼロ、王子様一筋だった郁には、そういう男の気持ちというものが全くといっていいほど分からないのだ。 部下として、共に戦う仲間としては、それなりの自負はあるけれど、それが異性となると、郁は自信が持てない。 ガサツで、口も悪くて、背も態度でかい ──こんな女の何処がいいのか、と思うことなら多々あるのが少しだけ悲 しい。 「そんなにウジウジ悩むぐらいなら、はっきり聞けばいいじゃない。あんたらしくもない」 「そ、それぐらい、分かってるよぉー」 こんな自分がらしくないことぐらい。 だけど、はっきり聞いて、はっきり自分を否定されたら、それこそ立ち直れる自信がない。 こんなんじゃなかった、とがっかりされているのかと思うと、それだけで マリアナ海溝まで気持ちが沈んでしまいそうだ。 だが郁は良くも悪くも一人で思い悩める性格ではなくて、それから数日後、 何故か事務室には堂上と郁の二人しか残っていなかった。 はた気づけば定時の時間は過ぎており、残業するつもりなのか、一人もく もくと机に向う堂上を見ていると、うっかり口を滑らせてしまった。 「堂上教官、教官は胸が大きい女性の方が好きですか?」 ビリリリリ── 次の瞬間、堂上は書いてたペンで思い切り書類を破いてしまった。 最近妙に他人行儀な郁を心配していた堂上は、綺麗に脇腹に右ストレート を食らったような心境だ。 いきなり口を開いたと思えば、何を考えているんだ、こいつは。 動揺していると勘ぐられることだけは避けたくて、普段より八割り増しで 仏頂面の堂上に、 「やっぱり堂上教官も私みたいな小さな胸は嫌いなんだ」 と郁は理解した。 「す、すみません。もう聞きません!」 「当たり前だっ!って、いきなり何を泣いているんだ!!」 逃げ出そうとする郁を堂上は「待て」と制止する。悲しいかな、上官と部下。 命令されれば、拒否することは、やっぱりできない。 しゅんと頭を垂れる郁に、堂上は戸惑いつつも、 「お前の話には脈略がない!俺が納得するように説明しろっ!」 出足から大失敗した郁は、結局挽回も出来ぬまま、机を挟んで堂上の前に 座らされた。 これではまるで説教だ。 「……だから、堂上教官は胸が小さな女性と大きな女性がいたら、どちらがお好きなのかなぁと思って」 それでも堂上は納得してくれない。表情一つ変えないので、郁は言葉を続けるしかない。 「教官、私とする時、嫌そうな顔をするから……そうなのかなと思って」 ここまで吐いたんだから勘弁してよ、と郁は恐る恐る顔を上げると、その 堂上は露骨に顔を顰めていた。 ふと視線が合ってしまうと、何故か堂上の方が先に逸らしてしまった。 よく見れば耳まで赤い。もしかして堂上教官、照れてる……? 「お前にいらん心配させたことは謝る。そういうことじゃない」 「じゃあ、どういうことなんですか」 萎れていても、やはり郁は郁。一番食ってかかって欲しくない言葉に突っ かかってくる。 思わず口篭ってしまった堂上に、郁はやっぱりといった顔をした。 そんな嘘をつかなくてもいいに、そう表情が物語っていた。 「違うっ!」 まるで雷でも落ちるような勢いと共に、郁は腕を掴まれた。 「ど、堂上教官、ちょ、ちょっと待って下さい、何処に……!」 掴まれたまま事務室から引き出され、郁は薄暗くなった廊下の最も人気 の無い部屋に連れ込まれてしまった。 部屋の中は古書独特の古臭い匂いで満たされていた。 郁は天上まで達する棚に押し付けられ、逃げ場を失っていた。 伺わなくとも分かる、この低気圧のような重苦しさ── ゆっくりと顔を上げると、 そこにはやはり堂上が。 まるで視線を逸らすなと言っているような堂上の殺気に、思わず郁はびくりと身体を強張らせた。 すると郁を逃がさないように棚に伸ばされた堂上の手がきつく握り締められ、 「すまん」 その声は心底詫びるようで、郁は逆に慌ててしまった。 「い、いいんですよ、堂上教官!ほら、私の胸が無いのは昔からですし、 男の人が大きな胸が好きなのは、それこそ太古の昔からの自然の摂理で!」 だから堂上教官がそんなに思い詰めることじゃないのに、そう言おうとし た瞬間、 「そういうことじゃないっ!」 そういうことじゃないんだ、と腹の底から呻くような声で、堂上は俯いた。 「堂上教官……」 「お前がそんな風に思っているなど、言われるまで気付きもしなかった。 まさか、自分がそんな表情をして、しかもお前にそう思われていたなんて、思いもしなかった。……すまん」 郁の裸を見た時してしまった表情は嫌という感情ではなく、それは辛さからくるものだった。 訓練でできた傷なのか、身体のあちこちに残る傷跡は、滑らかな触り心地ちのする肌にはあまりにも不釣合いで、 そんな彼女を戦場に出しているのだという現実を思い知らされたからだ。 その感情が上官としてあってはならいものだということは理解している。 その郁も特別扱いを望んでいないことも分かっている。 それでもやはり堂上には辛いのだ。 彼女は信頼できる仲間だというのに、誇れる部下だというのに、どうしても割り切れない。 それが良くも悪くも特別ってことなんだよ、とは旧友の弁だ。 だというのに、その気持ちと折り合いもつけられずにいるのに、触れる肌 は温かく、安易に次の機会を求めてしまうのだ。 なんて男だ──それを郁に見られていたのかと思うと、居た堪れなかった。 そんな堂上の首に、するりとした長いものが巻かれた。 ぎゅっと抱きしめられて、ようやくそれが郁の腕だということに気付いた。 「私、バカだから、多分堂上教官の気持ちの半分も分らないと思うんですけど、でも、すっごく嬉しいです。 堂上教官がそんな風に私のことを思ってくれるだけで嬉しくて……だから、堂上教官、そんな顔しないで下さい」 どうしていいのか分からなくなっちゃうから、はにこむような郁の声に堂 上は堪らずその唇を奪った。 手のかかる頭の痛い部下が堪らなく愛しかった。 この世の中に完璧なんてものは一つもなくて、人は何かしら悩みを抱えて いて、堂上の気持ちが全て悪いものであるはずもなくて。 善悪で分けられるほど簡単なものではないし、今はその気持ちを抱えて、それでもこの部下と共に歩みたかった。 その気持ちに偽りはない。 「それでもいいのか」 と堂上が尋ねると、郁は満面の笑みで 「それでいいです」 と答えてくれた。 今はそれで十分だった。 そして、こんな風に昂らせた気持ちのまま、何事も無かったように帰るな んて二人にはできなかった。 「やっ、あっ、……堂上教官っ」 「もっと脚を上げろ」 膝を付き、堂上は細くて長い郁の内股にちゅと赤い跡を付けた。 既にズボンは下ろされ、胸元も肌蹴てしまっている。 先ほどまで散々悩んでいた胸を愛撫されているせいで、もう立っていることも辛い。 堪らず本棚にもたれかかってしまうと、今度は脚を攻められた。 「もっとだ」 命令口調に負けるように、力を抜くと片足をめいっぱいに持ち上げられてしまった。 既に下着はうっすらと濡れていて、堂上はそれも簡単に剥ぎ取ってしまう。 恥かしいと思う前に、ねっとりとしたものが郁の一番弱い部分に当てられる。 「あっ、ああっ、あっ、」 ぷっくりとした花芽を舌先で突付かれ、吸い上げられると、郁も声を押し 殺せない。 静まり返った書庫で、自分のはしたない声だけが響くのは羞恥に堪えないものだったが、それ以上の快楽が押し寄せてくるのだから、どうにもならない。 濡れた花壷に指を捻じ込み、弱い部分を責め当てられると、郁の声からは 甘ったるい嗚咽に似たものが零れ出した。 罪悪感を刺激するような郁からの呼びかけも、ここまでくれば堂上にとっては糧の一つしかならない。 しかも聖域とも呼べる仕事場で、こんなことを── それがまた興奮するのだと知ったのは、つい最近のことだ。 既に何度か経験を重ねているだけあって、堂上を受け入れた時も郁は微か に眉を顰める程度だった。 だけれど、こんな体勢でするのは初めてで、 「堂上教官、この格好……っ、」 「嫌か?」 耳元で尋ねると、驚くほど素直に郁は頷いた。 そんな従順な態度を俺に見せるな、男ってのは、ますます困らせてしまいたくなるもんなんだぞ? 冷静さを失った状態ではそんな自問も無意味だ。 堂上はぐっと力をこめて、郁を寄りかかかっていた棚から引き剥がした。 するとどうしても郁の全体重は堂上が支えなくてならない。 望んでいたものを受け止めるように堂上はきつく郁を抱きしめた。 「掴まれ」 そう言われたものの、郁は分からないようだった。 仕方ないとばかりに堂上は片手で郁の脚を撫で上げる。 もしかして、これは脚を床から離せと言っているのだろうか。 「む、無理です、堂上教官、絶対無理っ!」 「見くびるな。お前を支えることぐらい、朝飯前だ」 戦場最前線で培われた体力は郁の想像を遙かに超えるものに違いない。 とは分かっているものの、それとこれとは別問題だ。 「早くしろ」 渋っていた郁だが、堂上に命令されるととことん弱い。 覚悟を決めて恐々と脚を堂上の身体に絡ませると、熱っぽい低い声で「いい子だ」と褒められた。 反則、そういうの反則っ!と郁は顔を真っ赤にして、それを見られないように 堂上に抱きついた。 そんな郁に堂上は小さく微笑んで、待ち焦がれていたように身体を揺すり 始めた。 耳元で聞こえる郁の甘い声に気を良くして、更に深く繋がろうとする。 この体勢のおかげで耐えるように脚を絡ませてくる戒めがまた堪らない。 こんな風に郁が全てを曝け出して自分に預けてくれるのは、信頼の証以外の何物でもなくて、それが最も堂上の心を満たす。 「笠原」 耳元で呼ぶ。 それだけで自分を締め付ける柔らかい肉が絡みつく。 ならばと今度は普段呼ばない名前で呼ぶと、ますます締め付けは増した。 それが堪らなく愛しくて、どうしようも抑えられなくて、堂上は郁の最も深い場所でその想いの全てを吐き出した。 それから数日後、柴崎は思い出したように、 「あ、そうだ」 何?と郁が尋ねると、 「ほら、あんたの胸の話」 「それなら、もういいよ。……解決したから、一応」 一応というのは、後になって結局のところ堂上の胸の好みを聞いていなかったことを思い出したからだ。 それでも堂上の気持ちは疑いようのないものだったし、持ち前の割り切りの良さで郁は「これでいいか」と忘れることにした。 「まあ、いいじゃないの。教養の一つとして聞いておきなさいよ」 減るもんでもないし、とまで言われると郁も頑なに拒否する理由がない。 「一番効果的な方法があるのを忘れてたのよ。今のあんたなら、効果絶大かもしれないと思ってさ」 「こ、効果……絶大?」 そこまで言われるとやはり興味が湧くのは、悲しいかな郁も恋する乙女。 身を乗り出した郁に柴崎はにんまりと笑みを浮かべ、 「好きな男に揉んでもらうといいらしいわよー。精々、頑張って揉んでもらいなさいな」 一瞬の間を置いて、郁は首が取れるかと思うぐらいに横に振った。 「む、無理っ!そ、そんなの、絶対に無理っ!!」 見るからにテンパっている郁を見て、柴崎は楽しそうに笑った。
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1スレ目 369,371-372 これってプロポーズ? 付き合い始めて1年と少しがたったある日の残業のことだった―― 「堂上教官。このファイルはここでいいですか?」 「ああ」 郁はファイル整理、堂上はデスクで書類を作成している。 その時郁の背中の後ろで、パソコンのキーボードを打つ手が止まった。 「郁」 「なんですか?」 付き合い始めてから堂上は笠原のことを“郁”と呼ぶ。 とても自然に。もちろん仕事中は“笠原”で通すし、失敗をすれば拳骨が飛ぶことも昔と変わらない(よく小牧はそれを笑いながらからかう)。 ただ仕事の時間が終わり、2人きりになると(ならなくても)呼び方は“郁”に変わる。 それを郁はどっかにスイッチがあるのかなーなどと少し不思議に思っているのだった。 「お前、俺のことを呼ぶ時、今でも堂上教官なんだな」 一瞬ギクッとした。 前々から 「俺はお前の教官じゃないし、せめて2人でいるときぐらい名前で呼んでくれないか」 と言われている。 「分かりました」 とは言うものの、結局次の日にはまたもや“堂上教官”になってしまうのだ。 でもその打診もここしばらく来ていなかった。 なのになんで今更。 「だ、だって堂上教官は堂上教官ですよ!他に何か呼び方がありますか?」 「お前、俺の下の名前を知らないわけじゃないだろう?」 「篤、ですよね」 「知っているならそう呼べ、アホウ」 振り返った勢いついでで言った言葉は、堂上の冷静なる言葉にそれは打ち砕かれてしまった。 「別に困ることってないじゃないですか。一応言われたとおりベッドの中じゃ教官とは呼びませんし」 「ア、アホかお前は!ここは図書館だぞ。口を慎め」 「すいません」 堂上の頬と耳が一気に赤くなった。 5歳上の男性に対して言うのは憚られるし絶対拳骨が飛んでくるから言えないが、可愛いなと思った。 「第一困ることだってあるだろう」 「例えば?」 振り返ってファイル整理を再開させた。 1番上の棚に堂上の手は届かない。 少し困らせてやろうといういたずら心から、堂上がよく使うファイルをそこに置こうと手を伸ばしたその時だった。 「いずれお前も堂上になるんだぞ。それでもお前は俺を堂上教官と呼ぶのか」 「あ、そうですよね。それは変ですよねー」 そういって笑ったのもつかの間。 「って、え?」 いずれお前も堂上になるんだぞ。 確かにその人はそう言った。 手からファイルが滑り落ちる。 「そ、それって…」 ぎこちなく後ろを振り返ると、横を向き、耳が赤くなっている堂上がいる。 「俺は同じことは2度言わん。後は自分で考えろ」 ともすると不機嫌ともとれるような態度である。 2人の間にかすかな気まずい雰囲気が流れる。 とにかく落ちたファイルを拾い上げた郁は、今の言葉をもう1度頭の中で繰り返した。 『いずれお前も堂上になるんだぞ。』 それはつまり、よく考えても、よく考えなくても、及ぶ先は結婚の言葉である。 つまりこれって…。 改めてそう考えると、またもや郁の胸の鼓動は激しく打たれる。 「帰る」 堂上はその言葉と同時に立ち上がり、足早に歩き始めた。 「あ、待ってください。あのー…返事は?」 「いらん!あれは事故だ。つい口が滑っただけだ。それに」 「それに?」 出て行き様にこう続けた。 「いわゆる給料の3か月分というのをまだ買ってない」 堂上が帰ってもしばらく郁はその場から動けなかった。 考えれば考えるほど頬が紅潮する。顔がにやける。 (ああいうことを恥ずかしげもなく言っちゃう辺り王子様だなー。篤さんは。) 頭の中でそう呟いてみるが、背筋がむずがゆくなる。 やっぱりしばらくは“堂上教官”から抜け出せそうにないなと思った郁であった。
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癒し系の女の子が集まるキャバクラ のび太の紹介だと言えば、いい娘がつく 飲み代は事務所につけておいてくれればいいから接待とかにでも使おう おすすめ ナンバー1アリシア ナンバー2のエマ あんまりお店に出ないけど人気高、ベルダンディー
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月の初めの一人酒 15 名前:肉欲店あんあんっ ◆kDKUEsBVOk [] 投稿日:2011/02/01(火) 00 51 04.42 ID IgzrfJcf0 のむよー かんぱー 名前 コメント すべてのコメントを見る
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1スレ目 212-213 「……堂上教官」 自分でもびっくりするぐらい甘ったるい声は、それなりに慣れた今でもやっぱり恥かしい。 でも口を塞ぎたくても両手は大きな背中を掴んでいるせいで物理的に無理で、どんなに我慢しようと口を塞いでも、それを見越したような動きをされるせいで叶わない。 絶対、堂上教官、分かっててやってるんだと思うんだけど──。 精一杯睨んだところで、妙に意地の悪い堂上はあえて郁を追い込む節がある。 今も脚に当たる熱い感触に郁はテンパる寸前だ。 本当はここで余裕の一つでもかましたいのだが、現実はそう簡単に思い通りにはなってくれない。 する前まではあれやこれや色々と考えているというのに、堂上の大きな 手の平で身体のいたるところを触られると、それだけで郁の余裕は吹っ飛んでしまうのだ。 汗ばんだ頬にへばりついた髪を丁寧にはらわれ目元に口付けをされてしまうと、思わず背中に回していた腕に力を込め、シャツをぎゅっと握り締めてしまった。 「そ、そんなこと、しなくていいですからっ!」 「いいだろ、俺がしたいからしてるんだ」 ううっと郁は口を噤むしかない。 どうしてそんな痒い台詞を真顔で言えるのか── 普段の仏頂面からは想像も出来ない甘い台詞であることに気付いていないだろうか。 でもそんな台詞一つで胸を鷲掴みにされてしまうぐらい、ときめいてしまう自分もいて── 郁は堂上を好きな自分を嫌でも自覚する。 「それから教官はやめろ。教え子に手を出しているようで寝覚めが悪い」 一瞬意味が分からずポカンとしてしまったが、それをはぐらかそうとしていると思ったのか堂上は一際面白くなさそうな顔をした。 ようやく、ああ呼び方かと分かったものの、 「でも教官は教官だし……」 今更、別の呼び名なんて考えもしなかった。 呼び捨てなんかしたら一喝されるだろうし── 普通ならば「さん付け」だろうか。 堂上さん?……どうもしっくりこない。 こんな状態で真剣に悩むのも可笑しな話だが、まっすぐに見下ろしてる堂上の表情は次第に険しくなっていく様は無言の圧力といってもいい。 「じゃ、じゃあ、堂上ニ正!!」 無い知恵を捻り出した郁の改心の妙案は、堂上の不機嫌さに拍車をかけただけだった。 「…………お前、人が下手に出てると思って、からかっているんじゃないだろうな」 「ええっ!?だって手塚はそう呼んでるじゃないですか!!」 手塚は良くてどうして自分は駄目なのか、これほど真剣に考えたというのに、どうして堂上には伝わらないのか郁は全く分からない。 そもそも堂上の望みはそういう類でないということすら郁は分かっていないのだから始末が悪い。 「それぐらい自分で考えろ。これから教官って呼んだら失点一だ」 「し、失点って!?」 「五つ溜まったら仕置きだからな、覚悟しとけ」 「む、無理です、無理っ!」 堂上教官──と口にしてしまった時には既に遅かった。 今のは無効だと言う前に首筋をきつく吸われてしまった。 「や、やだっ!そんなところじゃ誰かに見られ──」 それ以上は言葉にならなかった。じりじりと競り上がるような快感は郁に考えることすら出来なくさせてしまう。 鬱血したであろう跡を舌でなぞられ、首筋を滑り落ちるように舌を這われる。 ささやかな胸の膨らみを大きな手の平で捏ねるように触れられ、つんと立ち上がった蕾を吸われてしまった。 郁が堪らず身体を反らせると、アーチを描くように愛撫はどんどん下に降りていく。 ぴたりと閉じてあった脚の付け根は自分自身でも判るぐらいに濡れていて、それが羞恥を煽る。 反射的に止めて欲しいと郁は堂上の短い髪をぎゅっと掴んでしまったが、逆に脚に力は入らなくて堂上の求めに応じてあっさりと広げてしまった。 見られているのだと自覚すると身体の芯からとろりとしたものが零れ落ちてきた。 それを堂上は指ですくいとると、淡い恥毛に擦り付けるように動かし始めた。 「やぁっ、ああっ、教官──っ、」 「これで失点ニだな」 堂上は短く答えると、潤んだ肉洞にいきなり指を捻じ込み、入り口付近を引っかいてきた。 溢れ出す愛液はかき出されるようにいやらしい音を奏でてシーツに染みを作る。 また無意識に教官と呼んでしまい、今度はぷくりと膨らんだ花芽を探り当てられ甘噛みされた。 それが引き金となって教官と呼び──失点はあっという間に五つを軽く超えてしまった。 五つ溜まったら仕置き、などと堂上は言っていたが、郁からしてみれば既にこの状態が仕置きといってもいい。 満たされたい場所は決して満たされず、それを焦らすように快楽を与えられているのだから。 もう頭の中は仕置きなんてことよりも、早く満たされたい気持ちでいっぱいだった。 「堂上教官っ、早く──」 郁は泣きじゃくりながらそう懇願すると堂上の指が引き抜かれた。 それでも身体はまるで高熱を出したように熱く、燻っている。 実際は僅かな時間だったのかもしれないが、その僅かな間は郁にとっては永遠に続くのではないかと思うぐらいに長く感じられた。 「…………そんなに俺が欲しいのか?」 その声色にからかいは読み取れなかった。 しかしどうして堂上はあえて今更そんなことを訊いてきたかなど、今の郁に考える余裕はなかった。 涙で滲んだ視界はぼんやりとしていて堂上の顔色も伺えない。 「堂上教官じゃなきゃ嫌です」 すると顔に陰がさしたことに郁は気付いた。 それが堂上の身体が明かりを遮るように覆い被さっているせいなのだが、そうだと気付く前に郁は無意識に堂上の背中に手を回し、ぎゅっと握り締めた。 自分より背の低い堂上の背中は大きくて、それがとても安心する。 縋るように抱きつくと、待ち焦がれていたものにようやく満たされた。 「あっ、あぁん……っ!」 熱いそれがじわじわと郁の中に入ってくる。 気持ち良いところを全部押し上げるように入ってくると郁の身体は大きく震えた。 焦らされたせいでいつもより感じているのだろうか、繋がっているだけで十分に気持ちが良い。 「堂上教官っ、教官っ……はっ、ん、んっ……」 お世辞にも上手いとはいえない唇を重ねるだけのキスを何度も繰り返した。 堂上も興奮しているのだろうか、微かに漏れる声が熱っぽく郁の肌を震えさせる。 あの堂上をこんな風に乱してしいるのは他でもない自分だということが嬉しくて、もっともっと自分の知らない堂上を知りたいと郁は思う。 堂上はどんな気持ちで自分を抱いているのだろう── 素面でも決して訊けないことではあるが、同じだったら嬉しい。 直線的に押し上げられる動きと奥深くを探られる緩慢な動きに、郁は身体を戦慄かせ受け入れた。 はしたない声を抑えきれず、更に堂上を求めるように自ら身体を押し付けてしまう。 「…………もういきそうなのか?」 それに素直に頷いた。 きっととんでもない言葉も口にしてしまっただろうが、それを気に止める余裕もない。 また「教官」と呼んでしまったが、もう堂上は何も言ってこなかった。 逆に蕩けるような口付けをしてくれて、郁は夢中でそれに応えた。 「ん、んん……っ、」 腰を掴まれ、今までないほど堂上は激しく腰を打ちつける。 最も深い場所でどくんと何かが弾ける感覚に郁も大きく身体を震わせた。 「────郁、」 堂上が郁の名前を呼ぶことは滅多にない。 だけれど終わった時は必ず名前で呼んでくれて、それが郁は密かに嬉しかったりする。 もしかして堂上教官も同じなのかな……教官って呼ぶなって……それって──。 それ以上は強い眠気に襲われ考えられなくなってしまった。 もう少しで答えが手に入りそうなのに、頭を撫でる堂上の手はあまりにも心地良くて、それをさせてくれなかった。 案の定、目が覚めた時は綺麗さっぱり忘れてしまっていて、 「ああっ、もう少しで分かりそうだったのに……!」 「何がだ」 「呼び方ですよ! 教官が頭さえ撫でなければ絶対分かったはず!!」 「バッ……!八つ当たりも大概にしろっ!この愚鈍!!」 一際大きな雷を落とした堂上は何故かそれ以上の罵倒は続かず、そっぽを向いてしまった。 大いに残念がる郁は、その堂上の顔が赤く染まっていたことになど気付くはずもなかった。
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1スレ目 287-288 「あっそこ…です」 「ここか?」 「ふぁ…ん!そこです、もっと強く…!」 「もっとか、よっぽどだなお前」 グリ 「ひぁっそれです!すごく気持ちいいです…!」 「次はお前だからな」 「はい、あ…!…でも教官みたいに巧く出来るか分かんないです…ん、はぁああ…」 「この体勢はやりにくいから、乗るぞ」 「はい、来てください…」 グリグリ 「あん!…っ…教官…最高です…」 「こういう時だけ調子がいいなお前は」 そういう堂上はやけに嬉しそうな口調で、小牧達はその様子を半眼で眺め続けていた。 「柴崎ー、堂上教官すごいよ!絶対マッサージ資格とれるよ!」 「…あぁ、そう」 「自分の疲労位自分で解消出来んでどうするんだ。お前も自分なりの疲労解消法を見つけろ!」 「これです、堂上教官のマッサージがこれからの私の疲労解消法です!」 「貴様上官を何だと思っとるんだ!!」 …壮絶な口喧嘩の最中も、堂上の指は止まる事無く、這うように郁の背中を押し続けている。 「なんかねぇ」 「なんだかなぁ…」 最初は意地の悪いメンバーで二人を煽って衆人環視で始まった、いつもの下らない嫌がらせである。 この子疲れが取れないらしいんですよ何かいい解消法はないですかねー? ほらそこは上官として体調管理のアドバイスを……… え?マッサージ?あら。じゃあ… 堂上、上官として笠原さんに教えてやりなよー。 なんてひたすらノリだけで2人を追い立てて始まった、マッサージ。 「あ…」 またしても色っぽい喘ぎ声が聞こえ出した。 堂上はとうとう無意識の内に口の端が上がり出している。 「……まるで何かを見せられてるみたいなんだけど」 「……もう、帰りましょうか」 二人は踵を返し部屋を後にする。 それに堂上達が気付いた様子はない。 「とりあえず皆に知らせてやろうよ」 「そうですね、私達を追い出した罰ですね」 なんの脚色もなく玄田や手塚に話してやろう。 『堂上教官が笠原を喘がせていた』。 何一つ嘘はない筈だ。 これで負けたような気分も失せるに違いないと、二人はにやにやとそれぞれの職務に戻った。
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1スレ目 127-129 なんだ、この山は。 そのあまりに高い頂に、堂上は思い切り顔を顰めた。 その日、堂上は残業だった。 暗がりの中、寮の玄関が見えると、そこにはよく知る人物が誰かと親しげに立ち話をしていた。 よく見れば玄関の中では二人のやりとりを興味津々といった様子で見ている女性達の姿も見えた。 思わず足を止めている自分に、相手の方が先に気づいた。 「堂上教官!」 よく通る声は、頭の痛い、だが気になって仕方がない部下の笠原郁のものだった。 ここて突っ立ている訳にもいかず、ごく自然に足を進める。 そしてごく自然に彼女の前で立ち止まり、 「外で話していないで、中に入ってもらったらどうだ」 親しげに話しているところを見る限り彼女の関係であることは間違いない。 ならば、こんな目立つところたで立ち話というのもなんだろう。 あくまでも、一般論としてだ。 やはりというか、予想していた通り、郁と話してのは大柄の男だった。 郁の170cmを遙かに越える大男を前にすると、堂上は見上げなくてはならない。 すると、相手の男は挑発的とも思えるように、しげしげとこちらを見下ろしてきた。 どうして自分がこんなにも居心地が悪く感じなければならないのだと、内心憤慨していると、 男は堂上が来たことが丁度いいとばかりに去っていってしまった。 ちらりと横目で郁の様子を伺うと、心底嬉しそうだった。 その表情を見てしまい、堂上は自分の運の無さを呪った。 もっと残業をしてくるんだった、そうすれば、こんな場面に出会わなくともすんだというのに──。 その理由はあえて考えたくもなくて、腹に溜まったもやもやとしたものは寝酒で誤魔化した。 とはいえ、そんなもので解決できれば、最初から気にするはずもないのだ。 自分の知らない男と親しげに、しかも全開に心を開いているような笑顔にわだかまりを覚えるなんて、間違っている。 そう頭では理解しているのに。 それを堂上は一番手っ取り早く、一番最低な方法で解決してしまった。 「今度の休みは同じでいいか。」 そう郁の耳元で尋ねると、相手は顔を真っ赤にして身体を硬直させてしまった。 こうなることは予想済みだったので、今、事務室には堂上と郁の二人だけだ。 そしてその問い掛けは初めてではない。 それは二人だけの暗号のようなもので、暗黙の了解でもあった。 後ろ暗い感情も、こうなってしまっては沸き起こる欲情の糧にしかならない。 自慢のすらりとした脚も、流れるような身体のラインも、申し訳なさそうに揺れる乳房も、その全てが堂上を興奮させる。 どうしてこんな女が良いんだと自問しても、上手く答えが見つからない。 良いと思ってしまうのだから仕方ない、 だから、あんな些細なことで苛立ちを覚えるのだ。 「きょ、教官っ、もう、私、だめっ……!」 嫌々と首を横に振る郁を背後から抱きしめて、耳元で意地悪く囁く。 「一緒がいいんだろう?もう少し我慢しろ」 「やっ、あっ、ああんっ!」 更に深く郁の芯を焚きつけるように押し上げ、堂上はその中で果てた。 とはいえ、残るものといえば罪悪感だから居た堪れない。 またやってしまったと──頭を抱えたくなる堂上に、郁は不思議そうに首を傾げた。 そして思い出したように、 「そうだ。中兄が、堂上教官によろしくって言ってました」 「チュウニイ?何だ、その怪しげな暗号は。」 そう尋ねると、郁は少し前にあったあの寮での玄関のやり取りを話し始めた。 「多分、お父さんから聞いていたんだと思います。教官がどんな人か興味があったみたいで会えて良かったって」 訳の分からないまま、いきなり「お父さん」などというワードも出てきてしまい、堂上はますます理解できない。 すると郁はバックの中から一枚の写真を見せた。 「家族です。これが両親で、こっちが兄貴達。三人いるから、大中小」 そう説明されて、ようやく堂上は理解した。 真ん中の兄だから、中兄なのか。 納得がいくと今度はそんな相手に苛立ちを覚えてしまった自分に自己嫌悪を覚えた。 よりにもよって、兄だとは。 郁のいる手前、ここで落ち込む訳にもいかなくて(気付かれればここぞとばかりに攻撃してくるに違いない) とりあえずその件は棚上げにして、改めて写真を見た。 ……しかし、何だ。 見事に長身の兄達に、女性としては長身の部類に入るであろう郁が並ぶ姿は、もはや圧巻といっても過言ではない。 「……日本四大山脈か、これは」 うっかり自分がその輪に入った光景を想像し、堂上は慌ててその不毛な想像をかき消した。
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1スレ目:80-82 奥多摩にある訓練場で訓練を受けていた夏の日の朝。 前夜はその年一番の熱帯夜だった。 「あ、おはよー、手塚」 洗面所に向かっていると、同僚がやってきた。 「笠原、おまえ、その格好…」 ネイビーブルーのボーダーのタンクトップに同色のショートパンツ姿で現れたのは 全国で唯一の図書防衛隊女子隊員、笠原郁だった。 「昨日の夜、暑くなかった?寝汗かいたからシャワー浴びてから着替えようと思って」 「おまえなぁ、少し考えろよ」 「え、なにを。ってかさ、こっちって武蔵野よりは涼しいけど、部屋にクーラーないのはつらいよね」 「人の話を聞けよ」 「この格好、へん?」 「いや、変っていうか…おまえ、一応女なんだからもう少し自覚しろ」 「一応ってなによ。第一、あたしに女感じるような隊員なんていないって」 ―おい、忘れているぞ、少なくとも一人いるだろう… どう説得すればいいのかわからずに悩んでいると、上官二人が洗面所にいた。 ―助かった、いや、どうなんだろう?この状況… 「小牧教官、おはようございまーす」 「笠原さん、おはよう。なんていうか、朝からセクシーだね」 「やだー、セクハラですよ。あ、堂上教官もおはようございます」 「…おい、ちょっとこいっ」 笠原は堂上二正に手首を掴まれてシャワー室に連れ込まれてしまった。 「あーあ、連れて行かれちゃったね」 「小牧二正、おはようございます」 「おはよう、手塚」 「とりあえずシャワー室の札、使用中にしておきますか?」 「そうだね。俺達は顔洗おうか」 ―この余裕は長年のつきあいあってこそなんだろうか… 「貴様、なんだその格好はっ!」 タンクトップの胸元に谷間は見えないが、横から白い体が見えている。 脚はおろか、さらにその上がちらりとみえそうなほどショートパンツは短い。 「えー、普通のルームウェアですよ。なんでそんなに怒っているんですか?」 「そんな格好で隊舎内をうろうろするなっ」 「何でですか、納得いきません」 確かに寮とは違い訓練場隊舎内ではラフな格好をしている男性隊員もいる。 「おまえはバカでかくとも女なんだ、自覚しろ!」 「そーですよっ、バカでかいですよっ。 それにあたしのこと、そんなよこしまな目で見る隊員がいるなんて思ってませんから」 ―こいつは、言ってもわからんのかっ 「んんっ…やっ」 壁に押し付け、無理やり唇を重ねた。 両脚のあいだに、自分の足をねじ込み、動けなくする。 足で身体の中心に刺激を与える。 片手をすそから侵入させ、胸を手のひらで包みこむ。 「ぁ…ん…ん…やだっ」 明確な拒否の言葉が出ると、すぐに開放した。 「そんな格好でふらふらするな、わかったか!」 「……はい」 「それから、他の奴にそんなに肌を見せるなっ」 「え、小牧教官や手塚でもですか?」 「そうだ、小牧にも手塚にもだっ」 「はい、わかりました。って堂上教官何脱いでるんですかー!」 堂上教官は手早く着ていた上着を脱ぐとあたしに差し出した。 「とりあえず、これを着て部屋まで行け」 「え、え、でも教官、あたし…」 「いいか、命令だ」 そして振り返りもせずに、つかつかとシャワー室を出て行ってしまった。 ―どうしよう、これ… なにやらシャワー室からいろいろ物音が聞こえてきたが、手塚はなるべく聞かないように努めていた。 数分たった頃、いきなりドアが開き、不機嫌そうな顔をした上官がでてきた。 「あれ堂上、訓練着の上どうしたの?」 「笠原に貸した。先行ってるぞ」 そう言い捨てると、食堂のほうへ行ってしまった。 「小牧二正、さっきの格好の上に訓練着の上だけ着ているのって、やらしくないですか?かなり」 「くっ…、うん、かなりやらしいよね…あははははははは」 「あ、やっぱりいた。小牧教官ちょっといいですか?」 シャワー室に取り残されていた同僚がドアから顔だけ出している。 「…ん、なに?笠原さん」 「あの、これ堂上教官に返しておいてもらえますか。あたし自分の訓練着持ってきているんで」 そういって、ドアの隙間からおそらく上官のものと思われる訓練着を差し出した。 「了解、伝言ある?」 「んー、なにを言っても怒られる気がします」 「そうだねぇ。あ、シャワー浴びるなら、もうすぐ朝食だから急いだほうがいいと思うよ」 「はい、よろしくおねがいします」 同僚はにっこりわらって扉を閉めた。 ―シャワー室の中でなにがあったかは気にしないほうがいいのだろう、たぶん
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2スレ目 572 「堂上教官、堂上教官…!」 郁の声がして、振り返る。階段の陰から小声で手招きしている。 「何だ、お前、こんな所で。」 こんな真昼間から、まさかお誘いじゃあるまいが。 「あの、ちょっと気になったんですけどー」 「ああ?」 郁は周囲に目を配ってから、更に声を潜めて言う。 「…小牧教官、なんか今日おかしくありません?元気そうなんですけど、なんかヘラヘラして…」 堂上は思わず眉をしかめる。こんなバカにまで悟られるくらい有頂天な小牧。 理由は知っている。知りたくもなかったが、昨夜、早速部屋に押しかけてきて惚気ていった。 「教官、何か聞いてません?気になって、気になってしょうがないです」 言えるか、バカ!ラブホで大ハッスルして超気持ちいいとか、そんなアホな事!! コイツのことだ、えーいいなあ!あたしも行きたい!なんて言い出しかねない。 「知らんな。柴崎にでも訊いてみたらどうだ。」 言ってしまって、しまったと思った。きっと柴崎はもう掴んでるに違いない。 「それが、柴崎に訊いたら、”堂上教官に訊け”ってー…」 あ、あいつ!わざとだな!!魔女の笑みが脳裏に浮かぶ。 「あーっ、その顔は知ってる顔だ!ねえ、教えてくださいよー。教えてー!」 こんな事だけ勘が働きやがって!こうなるとコイツはしつこい。 「うるさい!知らん!業務に戻るぞ!」 「あ、待ってください!堂上きょうかーん!!」
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2スレ目 702-708 あ、見てください。堂上教官」 館内警備中に郁が堂上を、小さく手招きをする。 警備中に何をやってんだ、お前。と、心の中でつぶやく堂上が近づいていくと、 郁の指差す方向に目を向けた。 「・・・カミツレか?」 「そうなんですよ。この前くらいから植えてるのを、柴崎が教えてくれたんです。 なんでも業務部の方から庭に新しく花を植えることになったらしくて」 無邪気に笑いながら郁がカミツレに見とれている。 「わかったから、行くぞ。カム」 「わん。・・・ってちょっと!いつまであたしのことを犬扱いしてるんですか!? 教官、あたしの事なんだと思って・・・」 「足はあるが頭が悪い犬・・・かな。二度もいわせるな。カム」 「もうっ。」 待ってください。堂上教官。 先に行く堂上に、まるで忠実な犬のようについていく郁。 ある出来事の後から、堂上は郁を犬扱いする。 ―――教官の犬。 そんな卑猥な煩悩が郁の頭によぎる。 いやいや!何考えてるのあたし!! 郁は、煩悩を頭の外に出すように首をふった。 しかし、 「どうした?笠原」 「いえ!なんでもありません!」 煩悩の犬追えども去らず、 郁はこの後ずっと卑猥な煩悩を消すことができず、 堂上と目を合わせないようにしながら、 警備に戻った。 「すいません。」 図書館内の庭を警備していた所、 突然、声をかけられた。声をかけたのは、 愛犬のジェイクを連れた、初老の「上品な」女性。 前までなら、「上品そうな」女性と心の中で思っていた。 なぜならこの飼い主は以前、図書館内でマナーの悪さで、 一時期騒がせていた事があった。 連れてきた犬を、図書館の庭で放すのだ。 その間飼い主は、ベンチの上で本を読む。 彼女いわく、 犬を放してはいけない規則は書いてない。 気持ちいい庭を愛犬にも楽しませてあげたいと思って何が悪いの? とのこと。――つまり、融通のきかないタチの悪い利用者だった。 以前までは。 ――俺はな、素質のいい犬を駄目犬にしているあのバカ飼い主が心底許せないんだよ! 犬を放置プレイ(?)にしていた飼い主に、ついに堂上は見かねて、 飼い主にある賭を持ち込んだ。お互いの「犬」を徒競走させたのだ。 飼い主はもちろんご自慢の「犬」。 ジェイク ジャーマン・シェパード 成犬 ネコ目イヌ科イヌ属 対する堂上は足がご自慢の「犬」。 笠原 郁 純粋栽培乙女・茨城県産 人間 霊長目ヒト科ヒト属 対決カードの面白さも盛況に拍車をかけ、大勢のギャラリー(足フェチを含む)が見守る中、 堂上の策もあってか、「犬」である笠原郁が、 もとい、笠原犬が勝利したのである。 その出来事の後、決して負け犬の遠吠えを吐くことなく、 飼い主は犬のリードを放さないことを誓ってくれた。 今では、図書館利用者からも見直され、犬連れ愛読者として有名である。 そして今にいたるわけだった。 「すいません。」 再度、飼い主が声をかけ、堂上が答えた。 「どうなさいました?」 「実は、レファレンスをお願いしたいんですが・・・」 「レファレンスですか?でしたら、館内のカウンターで・・・っあ」 そこで堂上が気がつく。 飼い主は、愛犬のジェイクを連れているから、中に入れないことに。 「いつもはジェイクを置いて行くんだけど・・・、ねぇ」 あれ以来、マナーを守ってきた飼い主からしたら、気が引けるのだろう。 「そういうことでしたら、笠原」 「はい」 「すこし遠いが、ジェイクを庁舎の裏に連れて行ってくれ、 俺はレファレンスにあたる。」 「わかりました。」 「では、こちらへ。ちなみに、どのよな本をお求めで」 「ある人の、諸芸の本なんだけど・・・」 「たしかそれは先日、こちらで整理した際、奥の棚に変わりましたね。 すこし歩きますがよろしいですか?」 「ええ」 「ではまず、館内へ」 堂上が飼い主を案内しにいった。 「・・・ん?どうしたのジェイク?行こう」 郁がジェイクを庁舎の裏へと連れて行く途中のことだった。 ジェイクが突然立ち止まりそっぽを向いている。 こんなとき、どうすればいいんだろう? 1.リードを引き、無理矢理引っ張っていく 2.ジェイクがその気になるまで待つ 3.犬用のトレーニングコマンドを使用 3? 「えっと・・・、ごー、すとれーと? ・・・って、きゃ!!」 いくら犬並の足を持つ、170cm級戦闘職種大女だろうと、 ジャーマン・シェパードの力と速さにはさすがに勝てない。 引っ張られる一方だ。 「わ、わっ!えっと、すてい!ステイ!ステーーーイ!!!」 声を上げて止める郁。さすが素質のある犬。 ピタッ。と止まり郁に振り返る。 「はぁ、はぁ。・・・と、止まったぁ・・・はぁ」 郁とジェイクの荒い息遣いが交差する。 どこまで引っ張られたんだろう。 周りを見渡すと、思ったより引っ張られたみたいだ。 塀と訓練道場の間まで来てしまっていた。 「もう。ダメじゃない、ジェイク。なんでこんな所まで・・・」 郁が叱ろうとジェイクを見るがどういうわけか、 ジェイクは郁周りをくるくると回り始めた。 「ちょっとジェイ、ひゃ!!」 目の前景色が変わる。仰向けに倒されたのだ。 ジェイクが郁周りを回った時、リードが足に絡まったのだ。 「コラ!ジェイク!!何やってるの!?いい加減、に・・・・・・っ!!」 しなさい、という言葉を飲み込んだ。 足に何かが当たっている。 思わず目をやると、ジェイクの「ソレ」が押しつけられていた。 その場にはもう、ジェイクの荒い息遣いしか聞こえなかった。 「ちょ!ま、待ってジェイク!?とりあえず離れ・・・きゃ!!」 リードが巻きついているためか、思うように足が動かない。 何とか上半身の動きだけで逃げようとしたが、ジェイクが体の上にのし掛かり、 それすらも叶わない。 「何でこ、んなこと、になんてんのよ。あっ・・・んんっ!!」 違和感を感じた。 転けた拍子にスカートが捲れたのだろうか。 さっきから押しつけている「ソレ」を足の下から上へ上へと、 擦りあげてゆき、探し当てたかのように、 郁の秘処を下着越しに「ソレ」を擦っていく。 「あぅ…やぁっ!お願い!、やめて、やだぁ……」 ジェイクはお構いなしに腰を振っていく。 段々――速くなってる。 どうしよう・・・。訓練道場からは声が聞こえない。 いや、もし聞こえてもこんな所、誰にも見せれない。 こんな所見られでもしたら、翌日には荷物をまとめ、実家に帰るだろう。 犬に欲情され、押し倒され、襲われている。 堂上教官が見たらなんて思うだろう。 仮にも、あたしは堂上教官の彼女だ。 彼女が犬に襲われている所を見たら・・・。 「んっ!!あっ…そ、んな、ダメだってばぁ…っ!!」 しかし、心で思っても体は正直になってきた。 下着が濡れているのは、ジェイクのせいだけではなくなってきた。 ジェイクと郁の息遣いに、水音が交じる。 ・・・くっちゃ、・・・くちゃ。 「はぁ、ぁあ!・・・い、ぁっ!・・・はぁ、はぁ・・・んぁ!!」 思えば堂上教官と体を交えたのはずっと前になる。 スポーツブラ事件以来、何度かは経験を重ねたが、 最近はご無沙汰で、キスも恋しくなっていた。 「そ、・・・ぁっ。そんな。・・・あ!・・・・・・ジェイクに・・・」 ・・・犬に襲われ、感じてるなんて。 あたしは・・・堂上教官の・・・。 ―――教官の犬。 「んぁ!!はぁ!ぁ、ぁあ!やぁ!・・・っあ!!」 何を考えているんだあたし! 早く何とかしないといけないのに! 今にも堂上教官が飼い主と、レファレンスを終えてくるだろう。 そして、庁舎の裏にいるないと知るや、きっと探しに来るだろう。 自分たちの犬を探しに・・・。 煩悩の犬追えども去らず 「んぁ、・・・あぁ!!」 もはや罪悪感も、負い目も、快感を後押しする。 下着越しにもかかわらず、絶頂へと登り続けていった。 ごめんなさい。どうじょうきょうかん。 あたし、もう・・・だめです。 「はあ!ふっ、・・・ぁぁ、イ、イッちゃう。イク!!・・・っんああ!!」 郁が果てたと同時に、ジェイクもまた、自身の「ソレ」から精液を、 郁の下着に、足に、服装に撒き散らした。 「はぁ・・・ぁ、はぁ、・・・はぁ・・・」 後になって罪悪感と後悔が追いついてきた。 しかし、まだジェイクは腰を振り続けている。性欲が尽きないのだろう。 きっとそれは、この状況が発見されるまで続くだろう。 郁はもう、意識が遠のいていった。 「きょ、・・・っん。・・・かん。」 ごめんなさい。きょうかん。 こんな・・・・・・淫乱な・・・いぬで・・・。 ・・・でもね。 薄らいでいく意識の中で、郁は・・・つぶやいた。 「ジェ・・・、ジェイクの・・・はぁ、きょうかんの・・・より・・・」 ・・・大きっかったなぁ。