約 7,634 件
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/398.html
セクシーボイス&ロボ番外編 voice13 「キラ」 ゲスト 藤原竜也 ロボ 「殺人は駄目ですよ。殺人しようとしてたでしょ。」 夜神月 「駄目?」 ロボ 「そりゃ駄目でしょ人殺しは。」 夜神月 「僕は、デスノートを使うって決めた時から、とても心が安らかになった。法で裁けない罪人が世の中に のさばってる時は、すごく辛かった。」 ロボ 「どうしたらキラになるのやめてくれますか?」 夜神月 「なんでやめさせたいんだ。君は関係ないだろ。」 ロボ 「それはっ 月君は初めての友だちだから。そして俺が、愛と、勇気と、正義の、使者だから!」 夜神月 「(をい、初めての友達って嘘だろ。) 愛と勇気と正義だけじゃ世界の平和は守れない。 現に、君は罪人じゃなく 善良な人だけどお腹ぺこぺこじゃないか。」 ロボ 「・・・どうしたらっ、デスノート使うのやめてくれますかっ!」 夜神月 「100万円くれる?」 ロボ 「ひ、ひゃくまん?」 夜神月 「愛と勇気と正義だけじゃ、無理なんだ。お金や悪の権力に人間は動かされるんだよ。」 ロボ 「・・・」(財布から釘) 夜神月 「ね、無理なんだよ。」 夜中の夜神家に忍び込む3人 ニコ 「本当にこの黒いノート燃やせば殺人は止まるし、キラの記憶も無くなるの?」 ロボ 「だって、少年ジャンプにそう書いてあったもん。コミックスにも書いてあったし。」 よっちゃん 「シャープペンシルの芯で侵入調査か。ガキのくせに、プロフェッショナルなめんなよ。」 ニコ 「・・・誰かが起きた音がする。早く、このノート持って逃げよう!」 ロボ 「うわぁぁぁ! 三日坊主がいるぅ!」 ニコ 「ノートに触ると三日坊主が見えるんだ・・・ 」 よっちゃん 「俺には見えねーよ。いいからお前らずらかるぞ!」 地蔵堂店内 ロボ 「じゃあ、デスノート燃やすよ。MAXファイヤー!」 三日坊主 「ノートが無くなったから、俺は帰るよ。よく遊んだ。楽しかった。」 ロボ 「さよーならー!」 ニコ 「三日坊主は、このノートに憑いてたんだ。帰るべきところに帰ったんだね。」 マキマキ 「あなた達、良くやったわ。」 よっちゃん 「でも社長、本当にノート燃やしちゃって良かったんすか?世の中、死んでも構わないような悪党はいっぱい いるじゃないですか。 あのキラとかいうガキの言うことも一理ありますよ。 法律は万能じゃない。だからこそ俺らみたいな仕事が 成り立つわけだし。大体、そういう悪党のせいで俺らが苦労して撮影した七話がお蔵入りに・・・」 マキマキ 「確かに、法律は完全じゃないわ、法律を作った人間が完全じゃないから。でも、正しくあろうと人類が 努力した結果が法律よ。」 ニコ 「少なくとも、夜神月さんはこれからは、人を殺さなくてもいいんだ・・・。」 ロボ 「よかったぁ~ 月君がもうキラじゃなくなって、本当に良かった~(泣)」 ICPO 特別室内 ワタリ 「L、今日のおやつはパンの耳揚げ砂糖まぶしです。日本の家庭の素朴なお菓子ですよ。」 L 「ありがとうございます最近、事件がおこらなくて平和ですね。」 ニコ(モノローグ) 「正義のための殺人が善か悪か、私たちがやったことが正しいのか。 今でも私はわからない。暴力で保たれる平和が悪いことだと言い切る自信はない。 夜神月さんは普通の大学生になって、警視総監を目指している。 それは天才の月さんにとって退屈な生き方なのかもしれない。 でも、ロボは夜神月さんに殺人者になって欲しくなかった。 たとえ悪人を裁くためでも人殺しの力をたった一人で背負って生きていくのは、とても辛くて寂しい生き方だと 言って、ロボは泣いた。 月さん、キラをやめた人生ゲームは・・・楽しいですか。
https://w.atwiki.jp/inazumago2cs/pages/67.html
//公式で発表されたものは、その名称を使ってください 稲妻町(現代) トンガットル共和国 ゴッドエデン島 沖縄 ホーリーロードスタジアム 稲妻町(過去) 戦国 中世フランス 三国志 幕末 白亜紀 未来 幻想世界 稲妻町(現代) 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 雷門中 校庭 大谷さんを落とせ ぶっとびジャンプorぶっとびパンチ ネップウのみ 雷門中 第一校舎3階 葵の書道部大作戦! 鬼道→皇帝ペンギン2号佐久間→皇帝ペンギン3号五条→皇帝ペンギン7 ネップウのみ 雷門中 体育館 雷門中イケメンコンテスト 霧野→ザ・ミスト神童→フォルテシモ三国→イケメンUP!信助→かっとびディフェンス速水→スピードプラス20 ネップウのみ 雷門中 屋内スタジアム エイリア学園の逆襲 デザーム→グングニルグラン→流星ブレードレーゼ→アストロブレイクウルビダ→アイスグランド ライメイのみ 河川敷 帰り道の大論争 葵→デスドロップ水鳥→ホワイトハリケーン ライメイのみ 西公園 円堂家の大混乱 冬花→リカバリー夏未→おいろけUP!秋→シビレヒーリング ライメイのみ 雷門中 屋内スタジアム 三国の覚醒 精鋭兵ポーンB 雷門中 二軍部室 衣装の鑑賞 女子メンバーの制服姿 雷門中 旧部室横 レイトン教授と超次元サッカー レイトン、ルーク、レミがプレミアコミュニティに追加 パスワード入力後 木枯らし荘周辺 天馬のパフォーマンス披露 P-ジャンプ! 上へ トンガットル共和国 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 病院前 車田のパフォーマンス披露 P-おたけび! 上へ ゴッドエデン島 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 風の吹く草原 葵のパフォーマンス披露 P-キッス! 上へ 沖縄 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 小学校 化身発動…? 魔神ペガサス さざなみのビーチ 浜野のパフォーマンス披露 P-たまのり! 上へ ホーリーロードスタジアム 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 スタジアム 千宮路親子の会話 シュートブレイク 上へ 稲妻町(過去) 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 雷門中 駐車場 衣装の鑑賞 円堂・木野・つくしの制服姿 西公園 水鳥のパフォーマンス披露 P-キラッ! 上へ 戦国 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 地蔵堂内 衣装の鑑賞 メンバーの戦国時代の衣装 豆腐屋 衣装の鑑賞 葵・みどり・茜・ベータの着物姿 花吹雪広場 影山のパフォーマンス披露 P-ムーンサルト! 那古野城 城門前 神童のパフォーマンス披露 P-エイエイオー! 上へ 中世フランス 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 広大な平原 霧野のパフォーマンス披露 P-はくしゅ! 展望の塔 衣装の鑑賞 メンバーの中世フランス時代の衣装 ジャンヌの拠点 衣装の鑑賞 メンバーの甲冑姿 ロワール渓谷 狩屋のパフォーマンス披露 P-グルグル! 上へ 三国志 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 一層しかけの間 衣装の鑑賞 男子メンバーの三国志衣装 三層しかけの間 衣装の鑑賞 女子メンバーの三国志衣装 兵馬俑の間 兵馬俑たちの会話 ビームこぶし 六層しかけの間 衣装の鑑賞 偉人たち 上へ 幕末 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 川沿いの街道 北側 錦のパフォーマンス披露 P-エアギター! お屋敷通り 剣城のパフォーマンス披露 P-バキュン! 新撰組屯所内 衣装鑑賞 霧野・雨宮・狩屋・影山・黄名子の幕末衣装 建物の右側の壁を調べる 上へ 白亜紀 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 大平原 湖のほとり 天城のパフォーマンス披露 P-ガッツ! トーブの家 ウホウホダンス ぜいたくな肉 大平原 南エリア 衣装鑑賞 天馬・フェイ・神童・剣城・信助・錦・霧野・雨宮の白亜紀衣装 上へ 未来 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 サッカー記念博物館前 黄名子のパフォーマンス披露 P-ブーン! セントエルダ郊外 衣装鑑賞 フェイ・黄名子の未来衣装 上へ 幻想世界 場所 イベント 入手アイテムなど 備考 嘆きの洞窟前 倉間のパフォーマンス披露 P-ナルシスト! 幻想世界の旅路 茜のパフォーマンス披露 P-ニャンニャン! 妖精の泉 衣装鑑賞 マネージャー・シーナの幻想衣装 円卓の間 衣装鑑賞 メンバーの幻想衣装 上へ
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/299.html
陸奥国 会津郡 高久組 高久(たかく)村 大日本地誌大系第31巻 26コマ目 もとは村より丑(北北東)の方6町にあり。慶長18年(1613年)今の地に移せり。 府城の西北に当り行程1里19町余。 家数64軒、東西1町40間・南北4町34間。 四方田圃(たんぼ)にて西に鶴沼川あり。 越後街道駅所にて村中に官より令ぜらるる掟条目の制札あり。 河沼郡坂下組坂下村駅より1里16町3間北に継ぎここより府下に継ぐ。 村東に一里塚あり。 東3町24間界沢村の界に至る。その村は寅(東北東)に当り11町30間。 西3町26間余坂下組塚原村の界に至る。その村まで25町。 南2町26間神指村の界に至る。その村は巳(南南東)に当り8町30間余。 北5町29間河沼郡笈川組中目村の界に至る。その村は亥(北北西)に当り9町40間余。 また 辰巳(南東)の方2町35間横沼村の界に至る。その村まで7町30間。 この村に住せる郷頭風間久次という者の家に文禄(1593年~1596年)及び慶長中(1596年~1615年)の水帳と免目録と藏む。 山川 黒川(湯川) 俗に湯川という。下同。 村より寅(東北東)の方5町50間余にあり。 界沢村の境内より来り、北に流るること7町20間余笈川組熊川村の界に入る。 広5間余。 水利 高久堰 神指村の方より来り田地を潤し中目村の方に注ぐ。 郡署 代官所 村中にあり。 役人を置き本組及び河沼郡青津組を支配せしむ。 本郡中荒井組中荒井村郡役所に隷す。 神社 八幡宮 祭神 八幡宮? 相殿 伊勢宮 5座 稲荷神 4座 熊野宮 4座 諏訪神 鬼渡神 照日神 白山神 荒神 八幡宮 草創 寛治中(1087年~1094年) 村東にあり。 縁起に源義家朝臣東征(*1)の後寛治中(1087年~1094年)の草創にて、初は社地も広く宮殿の構も巨宏にして寛永の頃(1624年~1645年)まで本社の南百歩計柳田という処に総門の遺趾ありしという。 また昔は流鏑馬の儀式ありしにや。今に社の西に馬場田の字残れり。天正巳丑の兵燹(へいせん)(1589年。伊達政宗との戦い)にあいて燒亡(しょうぼう)せしを、慶安の頃(1648年~1652年)里民相聚て再興せしより今に至る。古木陰森(いんしん)として神さひたり。 祭禮8月15、16日なり。14日前斎とす。15日神輿渡御の式あり。近村の男女あつまり稍(やや)繁栄なり。 鳥居:両柱の間6尺。 本社:6間に4尺5寸余、南向き。 幣殿:3間に2間。 拝殿:6間に2間半。 神職 黒沢縫殿之助 享保中(1716年~1736年)佐渡良興という者当社の神職となりき。 今の縫殿之助は6世の孫なりとぞ。 寺院 真徳寺 村中にあり。 高久山と號す。耶麻郡川西組本寺村恵日寺に末寺真言宗なり。 相伝う。弘安年中(1278年~1288年)の草創なりと。何人の開基ということを詳にせず。もと弘安寺という。 元和中(1615年~1624年)蒲生忠郷鷹狩に出しが、この寺に過(よぎ)り暫く酒宴の興を催せり。時の住持を盛真朴淳なりければ、忠郷戯れて今より後弘安を改て真篤とせよと云いしより、世の人いつとなく真篤寺と称せり。その後篤を徳に作り遂に今の名に改めしとぞ。 本尊不動客殿に安ず。 地蔵堂 客殿の南にあり。 古蹟 堂屋敷 村南1町余にある田圃(たんぼ)の字なり。 往古神指村に「いたみ堂」とて大伽藍あり。この邊もその境内なる故(ゆえ)この名遺りしにや。 (神指村の条下と照らし見るべし) Google Map八幡神社 真徳寺
https://w.atwiki.jp/sangokuchishi/pages/16.html
字形:PCの文字環境を考えて本文は「國」字を除き、当用漢字に変更した。訓読点、添え仮名は表示できない。 ○:空白 イタリック文字:注釈 <A山○B山>いずれも某村:A山からB山までは某村の山。 ●:同じ山の異称か、異なる山のなまえ。野、谷、川、遺跡名も以下同。 三國地誌巻之八十 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○伊陽 藤堂元甫 編集 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○東京 川井景一 増訂 ○伊賀國○名張郡 ○○山川 鷹塚山 大野山並蔵持村 ○按比奈知ヨリ小波田村ヘノ道路アリ 西山南出村 ○按簗瀬平尾北出南出共ニ領ス大和ノ國界ナリ 東光山北出村 ○按簗瀬四邑春日祭祀ノ日此山ニ入テ箸木ヲ伐ル 『三國地誌』巻之八十 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○伊陽(伊賀の雅称) 藤堂元甫 編集 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○東京 川井景一 増訂 ○伊賀國○名張郡 ○○山川 <鷹塚山 大野山>いずれも蔵持村 ○考えるに比奈知より小波田村への道路がある。 西山南出村 ○考えるに簗瀬、平尾、北出、南出が共に所有する。大和の國との境界である。 東光山北出村 ○考えるに簗瀬の四邑(簗瀬、平尾、北出、南出の四地域)は、春日(宇流冨志禰神社)祭祀の日にこの山に入って箸木を伐る。 鷹塚山葛尾村 ○按和州葛原岩屋村ニ界フ山ニ神明ノ祠有又堡址アリ 殿出山下三谷村 ○按堡址アリ故ニ名クト云 一尾山○本陣山●高塚山 ○按筒井須慶営址アリ因テ号ク 鷹尾峯地蔵堂並短野村 ○按山頂西ハ和州岩屋毛原笠間村共ニ領ス 向山○和田山並夏秋村○番取山○茶臼山○観音山並安部田村 ○按観音廃堂ノ址アリ 茶宇須山黒田村 ○按大和ノ國界ナリ 鷹塚山葛尾村 ○考えるに和州葛原、岩屋村に境界する。山に神明の祠が有る。また堡(とりで)の遺跡がある。 殿出山下三谷村 ○考えるに堡(とりで)の遺跡がある。故に名前が付いたと云われる。 <一尾山○本陣山●高塚山 ○考えるに筒井順慶の陣営の遺跡がある。よって号する。 鷹尾峯●地蔵堂>いずれも短野村 ○考えるに山頂の西は和州岩屋、毛原、笠間村が共に所有する。 向山○和田山いずれも夏秋村○番取山○茶臼山○観音山いずれも安部田村 ○考えるに観音廃堂の遺跡がある。 茶宇須山黒田村 ○考えるに大和の國との境界である。 光堂山井手村 ○按此山ニ荒墳アリ経塚ト云 山神山○天神山並上三谷長坂市井等三村共領○小嶽山並竜口村○下道山○升杜山○猪口山 ○按長坂一井柏原三邑共ニ領ス 和良平山並滝長坂村 ○按一井長坂共ニ領ス和州今井ニ至ル道アリ 香善山○横山並檀村○高天原山柏原村 ○按青蓮寺山ニ属ス是ヨリ奥ヲ青蓮寺山ト云 光堂山井手村 ○考えるにこの山に荒墳がある。経塚と云われる。 <山神山○天神山>上三谷、長坂、市井などの三村が共に所有する○小嶽山竜口村○<下道山○升杜山○猪口山 ○考えるに長坂、一井、柏原の三地域が共に所有する。 和良平山>いずれも滝長坂村 ○考えるに一井、長坂が共に所有する。和州今井に至る道がある。 <香善山○横山>いずれも檀村○高天原山柏原村 ○考えるに青蓮寺山に属する。是より奥を青蓮寺山と云う。 青蓮寺山 ○按長承三年東大寺古文書青蓮寺西杣口云々青蓮寺瀬古口中村里川柏原檀長屋一井長坂ノ九村共ニ領ス 八幡山 ○按東大寺領古図ニ出上ノ九村共ニ領ス此山ヨリ大和国界へ十三町アリ西嶽中嶽東嶽笹原一橋泥谷等ノ名アリ又八幡長者ノ宅址トテ長七拾間横四拾間ノ廃地アリ又経塚アリ 根太山○河内山並青蓮寺村○上山星川村○夏見山今云男山●夏見村 延長風土記曰名張郡夏見山在郡之○○○○○杉松竹土地富饒而民用多 草神山○阿清水山並丈六村 ○按和州長瀬村ヲ界フ 青蓮寺山 ○考えるに長承三年の東大寺古文書に青蓮寺西杣口が云々とある。青蓮寺、瀬古口、中村、星川、柏原、檀、長屋、一井、長坂の九村が共に所有する。 八幡山 ○考えるに東大寺領古図に出る上の九村が共に所有する。この山より大和の国の境界までは十三町ある。西嶽、中嶽、東嶽、笹原、一橋、泥谷などの地名があり、また八幡長者の屋敷跡という縦の長さ七十間、横の長さ四十間の廃地がある。また経塚がある。 根太山○河内山 いずれも青蓮寺村○上山星川村○夏見山今男山と云う●夏見村 延長風土記に曰く、「名張郡夏見山は郡の・・・に在り。・・・杉、松、竹、土地は富饒にして民用資源が多い。」 草神山○阿清水山いずれも丈六村 ○考えるに和州長瀬村を境界とする。 高座山 ○按村ノ東ニアリ此山ニ方五尺バカリノ石アリ馬蹄ノアトアリ俗千方ノ飛石ト云又地蔵ノ古石仏アリ嬰児ヲココニ祝スレハ長命ナラシムトテ呼テ小売地蔵トモ云 馬留山 ○按千方此ニ馬ヲ留ム故ニ此名アリト云 赤岩尾山○小岩尾○仏山 ○按山頂ニ岩窟アリ夷石大黒石ノ名アリ又岩洞及ヒ屏風岩倶ニ奇岩ナリ 穴尾山○雷丸峯○燧山○鷹山○月山並滝原村○万度山長瀬村 ○按古ヨリ邑下安全ノタメ万度祓ヲココニ立ツ因テ名ク 中山 ○按和州伊賀見村ヘ道アリ國界ニシテ布生峠ト云 紅形山 ○按南峯大和ノ國界 沼木山今云野木峯○並布生村 延長風土記曰名張郡沼木山在郡之東北多出松拍民用多也 高座山 ○考えるに村の東にある。この山は二つの方向に五尺ばかりの石、馬蹄のあとがある。俗に藤原千方の飛石と云って、また地蔵の古石仏があり嬰児をここに祝福すれば長命になると言って小売地蔵とも呼んでいると云う。 馬留山 ○考えるに藤原千方がここに馬を留めた。故にこの名があると云う。 赤岩尾山○小岩尾○仏山 ○考えるに山頂に岩窟がある。夷石、大黒石の名前がある。また岩洞および屏風岩はそれぞれ奇岩である。 穴尾山○雷丸峯○燧山○鷹山○月山 いずれも滝原村○万度山長瀬村 ○考えるに古より地域一円の安全のために万度祓いをここに立てている。よって名付けられた。 中山 ○考えるに和州伊賀見村への道がある。國の境界にして布生峠と云われる。 紅形山 ○考えるに南の峯は大和の國の境界。 沼木山今野木峯と云う○ いずれも布生村 延長風土記に曰く、「名張郡沼木山は郡の東北に在り。松、柏を多く出し民用資源が多いのである。」 中知山長瀬村 ○按長瀬布生奈垣ノ三邑共ニ領ス 浅間山奈垣村 ○古富士ノ祠アリ故ニ名ク 岩尾山 ○按神屋奈垣共ニ領ス 為奈山 延長風土記曰名張郡為名山在郡之南多出松杉竹民用亦不少也 中知山長瀬村 ○考えるに長瀬、布生、奈垣の三地域が共に所有する。 浅間山奈垣村 ○古富士の祠がある。故に名前が付いた。 岩尾山 ○考えるに神屋、奈垣が共に所有する。 為奈山 延長風土記に曰く、「名張郡為奈山は郡の南に在り。松、杉、竹を多く出し民用資源はまた少なくないのである。」 真菜筒谷 ○按此ニ怪石アリ俗不動休石ト云長一丈九尺幅一丈三尺竪九尺諸鳥此ニ止マラズト云 新堂谷並安部田村 ○按和州笠間村ヘ出ル道路アリ怪石アリ黒岩ト云 桑木谷柏原村 ○按和州今井村ヘ出ル道路アリ又巨岩アリ鐘掛岩ト云又穂ノ出ザル薄アリ俗物ワラ薄ト云 湯屋谷長瀬村 ○按古温泉アリ平時頼此ニ寓スト云 大岩谷奈垣村 ○按巨巌アリ竪二丈三尺横六丈二尺古山婆此ニ出ト云 真菜筒谷 ○考えるにここに怪石があった。俗に不動休石と云っている。長さ一丈九尺、幅一丈三尺、竪(たて)九尺どの鳥もここに止まらないと云う。 新堂谷いずれも安部田村 ○考えるに和州笠間村へ出る道路がある。怪石があって黒岩と云っている。 桑木谷柏原村 ○考えるに和州今井村へ出る道路がある。また巨岩があって鐘掛岩と云っている。また穂の出ない薄(すすき)があって俗な言葉でワラ薄(すすき)と云う。 湯屋谷長瀬村 ○考えるに古は温泉があった。北条時頼がここに寄ったと云われている。 大岩谷奈垣村 ○考えるに巨巌がある。竪(たて)二丈三尺、横六丈二尺。古は山婆がここに出たと云っている。 久保岩穴一井村 ○按清水アリ毎年首夏節ヨリ出テ仲秋節ニ涸ルト云 鳥居小野今云大広野○上比奈知村 養和元年東大寺古文書曰鳥居小野寺領古絵図云比奈知鳥居小野寺領東界 ○按民居ノ東ニアリ方五町許リ 簗瀬原 惣國風土記曰名張郡名張郷簗瀬原出川芎(きょう)柴胡香薷独活松露等 ○按今ノ簗瀬ヲ云今尚民居ヲ除クノ外地面平昿(むなしい)ナリトイヘトモ悉ク田畝トナルヲ以原ヲ称セス 久保岩穴一井村 ○考えるに清水があり毎年初夏の節より出て仲秋の節に涸れると云われる。 鳥居小野今大広野と云う○上比奈知村 養和元年の東大寺古文書に曰く、「鳥居小野。」寺領古絵図に云う。比奈知の鳥居小野は寺領の東の境。 ○考えるに民居の東にあって面積五町ほど。 簗瀬原 惣國風土記に曰く、「名張郡名張郷の簗瀬原は川芎(きょう)柴胡香薷独活松露などを出す。 ○考えるに今の簗瀬を云って今も尚民居を除く外れの土地は一面平らかで昿(むな)しいのであるのであるが、悉(ことごと)く田んぼや畝(うね)となったのをもって原という地名では呼ばない。 阿弥瀑布一名赤目 青蓮寺瀑青蓮寺村 ○按キヤウトウノ瀑ト云源木挽山ヨリ出テ谷川滝尻ヲ歴河内川ヘ落ル其飛泉三段上四丈許中二十丈許下二丈許 青蓮寺瀑青蓮寺村 ○考えるにきゃうとうの瀑と云い、源木挽山より流れ出て谷川、滝尻を経て、河内川へ落ちる。その飛泉は三段、上の滝は四丈ほど。中の滝は二十丈ほど。下の滝は二丈ほど。
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/437.html
「じゃ、ロボ。ごめん、あとよろしくね」 「うん、まかせといて。ニコも頑張れよ。うまくいくようにマックスパワーで祈っとくから」 最近の俺達が長く一緒にいられる時間といえばスパイ活動している 限られた空間だけということが多い。 今日もすべてが終わるとニコと別れて依頼が無事終了した報告に地蔵堂へと向かう。 俺一人なのが妙に不安を覚えるとニコはこぼす。 頼りないのは自分でもわかっているけどそれくらいのことは誰だってできるよ、心配ご無用。 「ロボ、喉の調子悪いんだったら、早めに休んでね。 この時期に風邪ひいたら、つらいから気をつけて。早寝早起き!わかった?」 地蔵堂からの依頼といつもより立て込んでいた普段の日常の仕事が重なって、 それでも無断欠勤なし(あたりまえのことだけど)で働き、さすがの俺も疲労困憊で 季節はずれの風邪気味のようだ。 「わかってます。ありがと」 まるで母親が子供に言い聞かせているみたいな光景だが その言葉の裏には俺を心配してくれているのが伝わってくる。 ニコだって勉強との両立は大変だったはずなのに。 「テストが終わったらさ、何かおいしいもの作ってあげる。ロボ、何が食べたい?」 「えーっ、そうだなあ」 何でもいいよとニコがいうので 「ニコがいい」って、半分冗談半分本気で言ってみたら 口調だけはいつものニコで、 「ば、ばっか!そんなこという人はもう知りませんッ」 でも照れているのはバレバレで俺に顔を見られたくないのか、隠すようにそっぽ向いてしまった。 スパイのときは生意気に指図して、手下扱いの俺なんか足元にも及ばないくらいカッコいいのに。 そのギャップも可愛いんだけどさ。 「ごめんってば。けどほんとにニコの作ったものだったら、何でもいいよ どんなものでもおいしい」 ポンポンとあやすように頭を撫でながら、肩越しにニコを覗き込むと ゆっくりとぎこちなく俺のほうへ姿勢を直して 「じゃあ、それまでに考えとく」 「うん」 「何にしようかなあ。疲れてるときには甘いものもいいよね。デザートも作ろうかな」 小さく微笑んで控えめに自分の指を俺の指に絡める。 恋愛の直球勝負はカラッきしダメなニコだけど、たまにこうして甘える素振りを見せる 彼女の仕草に俺はたまらなく弱い。 実のところキスのひとつでもして別れたかったけど、まだまだ日も高い白昼。 ニコに拒否られるのは目にみえているのでおとなしく次の機会を待つとしますか。 「大声上げてマックスパーンチッ!とか叫びまくりもナシね」 「はい、ニコリン大佐の仰せのとおりに」 繋いだ手を離したくはないけどそろそろ解放してあげないと。 「ロボ、ほんと不摂生はよくないからね。とにかく睡眠はしっかりとること!」 最後に念押しして、じゃあねと何度も手を振り去っていくニコの後姿が遠くに消えるまで見送っていた。 「さて、行きますか」 しかし、あれだな。ニコの言うとおり喉気をつけないとマズイな。埃っぽくて不快だし それに鼻もムズムズしてきて、 …ハ、ハ…… 「ハックショーン!」 「ちょっ、おまえ、きたねえなあ。さっきから何度も!風邪かぁ?」 俺の目の前に座るグレーのスーツに黄色いカラーシャツ、派手な趣きのネクタイをした男は この日何度目かの派手なくしゃみを撒き散らかされ、眉間に皺をよせ、 あからさまに迷惑そうな顔をしている。 「えーっ、いや、ごめん。やっはりそうかなあ」 高価そうな骨董の手入れをくしゃみの飛沫から庇うように腕でガードして慎重に行いつつ、 「だったら早いとこ帰って寝てろよ。ったく。……何とかは風邪ひかねーっていうのにな」 ぼそっとよっちゃんが漏らした。聞こえてるってばッ!バカってこと言いたいんでしょう!? 「あ~、ひどいなあ。何その言い草。俺は仕事のことで来てるのにさあ」 「ああ~!仕事の話なんて、ものの5分で済んだだろ。 あとはおまえが暇つぶしに勝手にだべってるだけじゃねえか」 要するにあれだろ?と言ったかと思うといきなり今にも泣き出しそうな情けない顔をして 「ニコが相手してくれなくて振られそうで、俺寂しくて一人になりたくないッ」 それ誰の真似?あ、俺の真似? うんうん、そうそう。ニコにたまにしか会えなくて俺達そろそろヤバいかも……って 「ちがーう!」 「つらいのはわかるが現実を直視しろよ」 違うってば、なんでそうなるの!? 「あのさ~、随分まえから言ってるでしょ。さっきからも何度も! ニコはもうすぐテストだから勉強しなくちゃいけないんだよ。 受験生なのにスパイもやらなきゃいけないし、依頼のない時は勉強に集中させてあげたいわけ。 だーかーら、断じて振られるなんてことはないぃッ!!」 掌が痛いぐらいにテーブルを叩きつけ力説する俺に、念入りな手入れを止めることなくちらっと 視線をよこしたかと思うとすぐに戻して、超ムカつくセリフを吐いた。 「破局が近いんじゃね?」 顎に蓄えた無精ひげをさすりながら。 その顔つきがふふんと半笑いしているように見えて、いや確実にそうであって。 チクショー。 「あのねぇ、よっちゃん。ニコはね~、表面上はクールだけど、俺にぞっこんなんだよ~。 信じられないかもしれないけど、これ事実だから!」 「おまえの妄想だろ」 間髪入れずに毒づく。 「も、ももも妄想~~~!?」 「ニコも見た目はフツーの女子高生だが、中身は只者じゃねえからな。 かなり変わってるつーか。他と比べたらズレてるというか。 そのうち自分の趣味の悪さに気付いて目が覚めたら、おまえなんて、ハイサヨナラだな」 くぅ~~!その減らず口をどうしてくれよう!! いや、いかんいかん。熱くなったら終わりだ。相手の思うつぼ。ここは冷静にいかないと。 「別に何言われてもいいもんねー。俺達、人も羨むラブラブカップルだから、破局なんてありえないし。 俺がもしも風邪こじらせて寝込んでも、ニコが看病してくれるだろうしー」 一息つくことなく続けざまに 「あ、ごめんね~。よっちゃんは彼女がいない独り身だったよね~」 強調して言ってやった。それはもうわざとらしく。 「プロフェッショナルな仕事に女は邪魔なんだよ」 「へ~、硬派だねえ」 そんなかっこいいことを言ってはいても、骨董を拭く手がなぜかそれまでより落ち着きなく 変化するのを俺は見逃さなかった。 それがよっちゃんの心のうちを表しているようで、俺はニヤリとしてじわじわと詰め寄ると 「俺とニコはねえ、とろけるアイスというかハチミツみたいにベッタベタに甘すぎるほどに スウィートな二人だからぁ、これからも離れるなんてことないのっ」 忙しなく動いていた腕がピタリと止まる。 「ねえねえよっちゃんはずーーっと独身でいるの?一人でこの先、生きていくなんてさびしいよ~」 耳元近くでそう囁くとチッと少し苛立ちまぎれに舌打ちする音が聞こえて 「なんなんだよ。気持ちわりーからくっ付くな。風邪ひいてるんだったら今すぐここから出てけ。 おまえのバカまで一緒にうつされたら、たまんねーからな」 口の端をつり上げてあきらかに面白くないといった形相で、俺を追い払う。 ついさっきバカは風邪ひかないって言ってたじゃん。忘れたわけー? 「言われなくても只今そうさせていただきます。 では優秀なよっちゃんのためにプレゼントに風邪のウィルスを置いていってさしあげましょう」 と目標めがけてヤケクソ気味にくしゃみを飛ばしてやった。 「なにやってんだよ、くそロボ!ガキかてめえは!? おまえの相手なんか、ロボットで充分だ。さっさとニコに捨てられちまえッ」 怒り心頭でガタンと立ち上がった拍子に何かが転がって割れた音がした。 「げえぇ、やば!」 「あーらら、高いだろうなあ、あの壷」 社長に絞られるね。言い訳できない状況だよ。理屈が通じる相手じゃないもんねー。 「じゃ、俺帰りまーす」 「ちょっと、待てッ!どーすんだよ、コレ」 立ち去ろうとする俺をよっちゃんが引き止める。なんだよ、今すぐ帰れって言っといて。 「割ったのはよっちゃんでしょ。俺のせいじゃないじゃん」 しーらないと無視して置き去りにした怒鳴り声が扉に反射して向かい合う俺の耳に響く。 「バカオタクッ、覚えてろよ!」 ふふーんだ。なんとでも。 数日後。 「ロボいるー?」 「んあ~、ニコぉ?おはよう~」 「おはよう…って、もう昼だよ。今、起きたの?」 しかたがないなあって呆れたように呟いたけどその表情は柔らかい。 「ニコ、テストどうだった?」 「うん?まあ、なんとか。後は神のみぞ知るってとこかな。 ロボは調子どう?喉はまだ痛いって言ってたけど」 「んー、だいぶマシかな」 熱は微熱程度で済んで大事には至らなかったけど、なんとなくまだスッキリしない。 「大丈夫?まだ無理は禁物だよね。 そっか、だったら仕事の依頼じゃなくてよかったかな?」 そう言いながら、ニコは提げていた袋から何かを取り出すと台所に並べて置いている。 「何、それ?」 不思議に思った俺が声をかけると何だと思う?ともったいぶった様子で 久々に会ったニコは優しい笑みを浮かべている。 「ハチミツ、だよ」 その二つの瓶を大切そうに抱えてそう答えた。 「よっちゃんが?」 「うん。ロボはどうだ?って聞かれたからまだ本調子じゃないみたいだって話をしたら、 持って行ってやれって渡してくれたの」 「ふーん」 二コの話によると、地蔵堂というか正しくはよっちゃんに呼び出されここへ来る途中に寄ったらしい。 ちなみによっちゃんは俺からのプレゼントを受け取ることなく元気でピンピンしていたようだが 社長の「よっちゃんの焼いた壷を眺めながら、つぼ焼きカレーが食べたいわ」という鶴の一言で プロフェショナルな仕事に日々よどみなく取り組んでいるとか。 あたしの目には渋々に映ったんだけどさとニコは笑う。 「あの二人にしかわからない謎めいた遊びだよね」 「そうだな」 あの時見るも無残に砕け散った壷の代償か。災難だねー。 まあ、俺には関係ないけれど。 「でもさ、よっちゃんも口は悪いけど優しいよね。ハチミツって喉にいいんだよ。よく言うでしょ? それにこれ、このへんじゃ手に入らないいいハチミツなんだって」 「うん知ってる。聞いたことあるよ。でも……」 あのよっちゃんがただで物をくれるなんて、しかもなんとなく恩着せがましいし なんか魂胆があるんじゃないのか?疑ったらキリがないけど。 疑心暗鬼の俺をよそにニコは瓶を手にして楽しそうに眺めている。 「さーて、こんなにたくさんどうしようかなあ」 「あ、ちょっと待って!」 どう調理しようと考えあぐねているニコのそばに跳んで行くとそれを奪いとった。 「大丈夫なの?妙な薬とか混ざってないよね?ハチミツに見えて実はもの凄く辛いとか? ここは慎重にいくべきでしょ。もしかしたら罠かも知れない!」 「もう心配性だな、ロボは」 貸してと、今度は俺の手から取り上げて蓋をあけると甘いいい香りがして 綺麗な琥珀色に輝いている。 「ほら、今始めて開けたんだし。へーきへーき。ロボ舐めてみる?」 「ええっ」 俺はいいからと丁重にお断りすると 「よっちゃんはねロボの身体のこと心配してるんだよ。労わってくれてるの。 あわてんぼうでおっちょこちょいで、ときに空気読めなくて失敗多くて頼りないとこあるし 外見はうさんくさいけど、いい人なのはロボもわかってるでしょ?」 そりゃ根は心優しい男だってわかってるよ。だけどね…。 「悪いように言ったらダメじゃん」 ニコのほうがよっほどえらい言いようだと思うんだが。俺、そこまで言ってないよ……。 言い返そうかと口を開きかけたが、おいしそうなハチミツにニコはすこぶるご機嫌だ。 ま、いっか。 「じゃあ、味見してみよっかな。えーっとスプーンは…」 とあたりを見渡したと思ったら、結局そのまま指ですくい取って舐めた。 「うん、甘くておいしいよ。ロボもはいっ」 「え、じゃあ…」 正直どこかで気が進まないところもあったが、少しだけよっちゃんを信じてみようかとの思いと 笑顔のニコに押されるようにほんの僅かだけ唇に馴染ませた。 「うまい…」 「でしょ!?だから言ったじゃない?やっぱりよっちゃんはいいヤツだよ」 ニコは満足そうにうんうんと頷いて、二度三度とまた指先を持っていく。 「美味しそうに舐めるよねえ、ニコ」 「だって、止まらなくならない?……さすがに口の中が甘い物に征服されてて、 くまのプーさんになったみたいな気分になってるけど。 ロボはもういいの?」 「そうだなあ、もう少しだけ貰おうかな」 そう呟いて身をかがめるとニコにキスをした。 一瞬、ニコの身体がビクッと揺れたが抵抗することもなく、唇の、舌の動きに従う。 「ん、甘い。ごちそうさま」 「いきなりびっくりするじゃん。もう~!」 口づけを解くと頬をほんのり紅くしてニコは戸惑ったように俯いてしまった。 「俺もプーさんかなあ。ハチミツに飢えてるみたい」 「…バカ。さっきは勧めたらものすごーく嫌がってたのはどこのだあれ?」 少し意地の悪い発言をするニコを腕の中におさめて 「はてさて誰だったかなあ?」 おどけてとぼけてみせると、プッと吹き出したニコの肩が揺れる。 「あ、よっちゃんに渡せなかった風邪、ニコにうつっちゃうかな?」 「そもそも、キスで風邪はうつるの?」 首を傾げて自分を見上げる姿がとても可愛い。 「確かめてみようか?」 そう問いかけて、もう一度その感触を味わった。 とびきりの甘い時間、至福のひととき。 今回ばかりはよっちゃんに素直に感謝してもいいかも? 今日はゆっくりできるからとニコが特製のハチミツレモンを作ってくれて、まったりと過ごす。 他愛もない会話が途切れところで、ニコが 「ねえ、ロボ。ひとつ聞きたいことがあるんだけど」 「んー、何?」 意識の半分はテレビの中のマックスロボにあって、グラスを片手に俺は油断していた。 「ハチミツプレイって、何?」 はい?今、なんて?……ゴックン。 「ッ!?…げほっ!…ごほっ……うげぇ……」 うまく喉を滑り落ちていかず思わずむせてしまい悶えるはめに。 驚いたニコが慌てて背中をさすってくれて 「大丈夫?ロボ」 はあ~。苦しかったあ。 「えっ、と、ニコ?…もう一度言ってくれるかな?」 「だからぁ、ハチミツプレイってなんなの?」 どうやら聞き間違いではなかったらしい。 えーっと……。 「は ち み つ で あ そ ぶ」 「直訳しただけじゃん。ダッサ」 当然のごとく、ばっさりと切り捨てられた。はい、すみません。 内心の焦りをニコに悟られないように取り繕いながら、ふう~と深呼吸。 「あのさ、ニコ。どこでそんなことを?」 ハチミツプレイ。まず俺の考えていることと一致するならば、多分あれのことで。なぜニコがその事を。 「よっちゃんがコレくれたときにね、あたしに色々なハチミツを使ったレシピを伝授してくれて それで、最後に隠れた大人の秘密の嗜好品だって教えてくれたの」 よ、よ、よっちゃ~ん??よけいなことを……ッ!何が狙いなんだー。 「言葉から想像すると楽しく作って楽しく食べる味のバリエーションが満載のハチミツフード! 違う?って、ワクワクしながら質問したら、詳しいことはロボに聞けって言うからさ」 どうして俺に話を持ってくるんだよー。 「ノーマルなものを好む人には、NGみたいなことも言ってたなあ。 かなりマニア向けかもしれないけど一回試してみたらいいんじゃないかって」 「あ、そう…」 つい数分前の苦しみも忘れ、急激な喉の渇きに一気にグラスがカラになった。 「甘いんだけど結構刺激的でもあるし、いつも同じ味ばかりじゃマンネリで飽きてくるでしょ。 恋人同士にはある意味ぴったりなもんだぞってよっちゃんは言うんだけど、 結局最後まで秘密だって教えてくれなかったの」 秘密だなんていわれると知りたくなるのが人間というもので。 まだ見ぬ謎の正体がニコの好奇心を倍増させていることが、その表情から伺いしれる。 「よし、ロボ。ハチミツプレイについて三行以内で述べよ」 「え…あははは」 よっちゃんのヤツ~!なんて罪作りなんだ。あわてんぼうのくせしてッ。 ニコが本当の意味を知らないのをいいことにわざとさも美味しい特別な食べ物らしく煽ってさ! 完全に勘違いしてるじゃないかぁ。 真実を知ったら、ニコがどうするか。俺がどんな目にあうか、よっちゃんには多分承知のうえで。 このあいだの仕返しか?これは。そうなのか?そうだよ、絶対! 今頃フライパン片手にエプロン姿で鼻歌まじりにせせら笑っているであろう男に思いをめぐらす。 くそー、どっちがガキなんだよーっ。 「何、一人でブツブツ言ってるの? ねえ、隠さないで教えてよ。あたしだけのけ者にされてるみたいじゃん」 そう言って、ニコは視線をそらさずじっと俺を見つめたまま。 「ひ、ひみつ」 「秘密なんてズルイ。あたしとロボのあいだで内緒事はヤダ。ねえ、いいでしょ?」 上目遣いに俺を見て、可愛い顔してしつこく食い下がる。 言ってみる?案外予想に反して受け入れてくれたりして…。 って、何考えてんだよ、やってみたいのかよ!?俺はッ! 自分で自分にツッコミながら、激しく首を振る。 いやいやいや!ダメでしょ!そう簡単にことは進まない。だってニコだよ!? 冷めた目で変態扱いされて、あの黄金の左ストレートが炸裂!威一郎撃沈! ……てな、誰かさんの思惑通りに恐ろしい展開が用意されているんだ。絶対ッ。 うわ~、やっぱムリムリ!頭を抱える俺にニコが更なる追い討ちをかける。 「そうだ!今夜早速、実践してみよう!ロボ、マックスロボが終わってからでいいから、 秘密のハチミツの作り方詳しく教えて。あたし知りたい」 「え!?いやっ、きょ今日はもういいんじゃない?ニコも勉強で疲れてるだろ?ゆっくりしてたらいいさ。 俺もなんか熱がぶり返してきたような気が……」 「あれーそういえば、顔がちょっと赤いかな?こころなしか汗も少し掻いているような」 自分と俺の額に手を当て比べながら、 「だからこそ、こういうときにはハチミツプレイ!でしょ。疲れた身体を癒すために必要なんだよ。 ロボもいいかげん観念しなさい。 教えてくれなかったら、マックスロボを人質にしてあたしの家に無期限で監禁するから」 それって脅迫?悠然と構えるニコに引きつった顔で力なく応える、俺。 ロボは寝ていてと有無を言わさず半ば無理やり奥の部屋へと放り込まれて、 ベッドに押し付けられた。 「さーて、そうと決まれば買い物に行くとしますか。 それで、ハチミツ以外になにがいるの?」 いえ、ハチミツだけで結構です……。 「ロボに元気になってもらわなきゃ。それもこれもあたしの腕しだいだよね。 頑張ろっと。大人の味かあ、楽しみ~」 転がされたベッドの上で溜息とともに枕をきつく抱きしめ、瞼を落とす。 「ロボー、寝ちゃうまでに二行以内でよろしくね~」 目をあければ、すぐそこにひみつの答えを待ち望むニコがいる。 いっそこのまま眠ってしまいたい。 どーすんの!?どうしよう?いったいどうしたらいいんだッ!! ひみつなはちみつは罪な味? ああ、もう容易く信用なんてするもんじゃない。 ……よっちゃんのバカ。 終わり
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/413.html
「本来自分が何をやりたかったかたちまちにわかる神秘の薬……?」 怪しげな「地蔵堂」と書かれた骨董品店。 その店先にはってあった一枚の紙。 最近悩んでいたこともあり、ニコは吸い寄せられるように その店にはいっていった。 500円の所を480円に値切って買ったその薬は 怪しいほどに青く光り輝いていた。 「……お嬢ちゃん、知ってしまうともう後戻りはできません。いってらっしゃい」 買った時に店主が言っていた台詞が脳裏をよぎったけど そんな大げさなもんでもないだろう。 好奇心にまけて、ニコはごくっとその薬を飲み込んだ。 「……っいやだ、いやだいやだいやだ!!!!!」 何時間眠ったのだろう。薬を飲んでから急激に睡魔が襲ってきて…… 酷い夢をみた。 このままじゃ……!このままじゃダメだ!! そうだ、ロボ! ロボの家に行くと、ロボはベッドの上でまどろんでいた。 まったく、昼間から。 「ねー。ロボ!起きてよ!ロボ!」 何度かゆすってみたが、中々起きない。 こうなったら、奥の手だ。 「あぁ~ん、ロボ、いやっ、あっあっもうがまんできなあぁいん」 得意のセクシーボイス。これでエロボは起きるはずだ。 「ん~一海ちゃあ~ん?まだたりないのぉ?」 そういうと、ロボはグイっとニコの腕をひきよせた。 てっきり、ベッドから飛び起きるとばかり思っていたニコは 動揺を隠せなかった。 「ちょ、ちょっとロボ、寝ぼけないでよ。私ニコよ!」 「ふふ~。良いにおいがする~。かわいいなぁ」 そういうとロボはニコをしっかりと抱き寄せ、頭を撫で始めた。 「やっ、やめて、ねえ、ロボ……」 そう言いながらも、ニコはちょっとドキドキしていた。 抱きしめられるのも頭を撫でられるのも久しぶりに事だった。 「ほんとーにかわいいなぁ。うるさい口はふさいじゃおうねー」 「……っ!!」 いきなりふさがれた唇。侵入してくる舌。 これは……テレクラで話しは聞いた事があるけど……ディープキス? 「って!こんな事してる場合じゃないっ……」 咄嗟に、ロボを跳ね除けたがニコは身体がなんだかおかしい事に気がついていた。 「んっ……なんか変…熱い」 テレクラのサクラでテレフォンセックスならやった事がある。 その時はいくらエッチな話をしてもこんなにならなかったのに。 ロボのキスくらいでこんなになるなんて…… 自分の身体の変化とロボごときで熱くなってしまった事に 恥らいを感じて、ニコは必死にもがきはじめた。 「もうっ、本当やめてよぉ、ロボ。ねぇ、ねぇってば!」 その声でやっとロボが目覚めた。 「んー?んんー!?なんでニコがこんな所にいるんだよ!!」 「なんでってなんでじゃないわよ!あんな事しといて!」 みると、ニコのツインテールはほどけスカートは暴れた事によりまくれあがり 目には涙が浮かんでいる。 (も、もしかして一線を越えてしまったのか!?) 「うっわああああああ俺はなんて事をなんて事を!!こんな子供相手に!……なんもしてないよな!? なっ!?」 必死なロボをみてニコはだんだんむかついてきていた。 (なによ、あんなチューしといて。そんなに嫌がるなんて) 「したわよ。ディープキ・ス!!責任とってよね!」 「せせせきにんって……そんな、ウソだぁぁああ」 「ウソって本当だもん。こんな風に」 そういうと、ニコはロボの口をそっとふさいだ。 さっきロボにやられたように、舌をぎこちなく動かす。 「っ……!ニコ!!なにするんだよ!」 いきなり突っぱねられたニコはぶーたれている。 「……なにって、さっきロボがやったこと。」 「やったって……それは誤る。でも子供がやっちゃ……」 「なによっ!さっきから子供子供って!……私、ちゃんとできるもん、色々」 そういうとニコはすっと目をふせた。 確かにニコはかわいい。でも妹みたいなものだ。それに中学生。 中学生とやったら人として終わり終わり…… 迷っていると、ニコが急に耳元に顔をよせて囁いた 「今日の私、何か変なの。お願い。はじめては好きな人がいいの」 ゾクっとするほどセクシーな声にロボの理性は崩れた。 「……本当にいいんだな?」 「……うん」
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/120.html
ウェディングベルは鳴り、物語は続く。 二ヶ月前、ロボが私の家に挨拶に来た。 震える声で「お父さん、お嬢さんを僕に下さい。必ず幸せにします。」と言って頭を下げた。 お父さんが「ニコをよろしくお願いします。」と返事をすると、ロボは下を向いておいおい泣き出し、 つられてお父さんも泣き出し、なんだか大騒ぎになって、妙なテンションのまま二人して夜の街に出て行き、 明け方泥酔して帰ってきた。 一海ちゃんは「変わってるけど悪い人じゃないし、ニコには合ってると思う。幸せになりなよ。」 と言ってくれた。 ロボのお母様は、「うちのバカ息子に、ニコさんみたいな若くて綺麗なお嬢さんが 来てくれるなんて勿体なくて勿体なくて…」と言って何度も頭を下げたあと、 「お前!分不相応なお嬢さんを頂くんだからしっかりしなさいよ!」と言って思い切りロボの頭をどついた。 「はー疲れた。結婚式の準備って大変なんだね。こんなの人生で二度とやりたくないよ。」 「あたりまえでしょ!二回も誰と結婚すんの。不吉なこと言わない!」 「そうだけどー。」 「大変だけど、結構楽しいじゃない。普段会えない人に会えるしさ。ごぼ蔵の今の住所が わかってよかったよね。 あー俺、ケロ山に会うのも久しぶりだ。」 式の準備をしながら、私は最後まで心残りなことがあった。私とロボがこうなるきっかけを作った人。 バカバカしくて激辛で泣きたくなるほどお値打ちの世界の扉を開いた人。 彼女の居場所がどうしても探し出せなかった。 宛名の書けない招待状が二通、今も机の上に載っている。 結婚式は、滞りなく進行していった。 余興のケロ山さん達のコスプレアニソンメドレーに親戚のおじさんおばさんがドン引きしてたり、 ロボが新郎挨拶の途中で感極まって泣き出して、仕方がないから私が代わりに原稿を読んだりはしたけど、 そんなハプニングは「いい思い出」になると思う。 最後の山場、ブーケトス。私は「むーちゃんか一海ちゃんが取ってくれるといいな。」と思いながら 後ろ向きで投げる。 「あれ、誰。」「あんな人さっきまで居たっけ?」「須藤さんの親戚じゃないの?」 同級生の友達のざわめきが耳に入って。私は振り返った。 謎めいた黒衣の女性が、人混みの奥の方でちらりと見えた。キャッチしたブーケを振って、フッと消えた。 「ごめんちょっと通して!」 お客さん達をかき分けて、私はひな壇の上から駆け降りる。みんながあっけに取られている中、 強引に式場の通路を突っ切る。 「待って!そこの人!行かないで!」 ハイヒールで上手く走れないけど気にしてられない。 ドレスの裾を踏みつけて転びそうになった時、ロボの腕が伸びて私をキャッチした。 「ロボ、社長が。」 「え」 「地蔵堂の社長が、今そこに。」 「いないよ。どこ?」 たぶん私は泣きそうな顔をしていたと思う。 「ニコ、…戻ろう。」 「…いたんだよ。本当に。」 「後で一緒に探すから。」 「でも…。」 「ニコが探したいなら、俺も一緒に探す。これから先もずっと。 だから、今は戻ろう…。お母さんが心配してる。」 ロボは私の手を握ってあやすように言った。 「ゆっくり探そうよ。俺たちこれからずっと一緒なんだから。」 私は自分の心臓が落ち着くまで、静かにロボの肩に頭を預けていた。 「そのブーケ、社長がもらったんですかぁ…。」 「なーに、その顔。これでもまだ恋には現役なのよ。」 「いいんですか~。挨拶してこなくて。」 「いいのよ。顔を見れば充分。ニコもあの手下もいい顔をしてたじゃない。」 「ニコ、社長のこと探してたみたいですよ。」 「縁があればまた星と星が近づくように会えるわ。それよりよっちゃん、あんた 一海ちゃんに何も言ってこなくていいの。」 「そ、それは…。」 後日、一海ちゃんのハンドバッグからよっちゃんが書いた連絡先のメモが出てきて、 (さすがプロフェッショナルだ) 結局私たちはドタバタと再会し、新たな冒険の扉を開いたのだけど… その話はまた別の機会にしようと思う。
https://w.atwiki.jp/treborsp/pages/168.html
全89札所 第1番 泉倉寺 印西市和泉971 0476-42-3322 第2番 竜泉寺 印西市萩原 第3番 円光院 印西市和泉 第4番 西光寺跡 印西市鹿黒 第5番 泉倉寺地蔵堂 印西市和泉971 0476-42-3322 第6番 安楽院 印西市荒野458 第7番 山根不動尊 印西市木下 第8番 長楽寺 印西市大森2034-1 0476-42-2302 第9番 東祥寺 印西市鎌刈543-1 0476-99-1707 第10番 観音堂 印西市武西 第11番 真珠院 印西市造谷655 第12番 宝珠院観音堂 印西市小倉1114 第13番 来迎寺別院 白井市根 第14番 福聚院 印西市中根1378 0476-97-2816 第15番 円光院 印西市和泉 第16番 観音寺 印西市浦部1978 0476-42-2804 第17番 長栄堂 白井市復 第18番 安楽院 印西市荒野458 第19番 西の堂 印西市吉高 第20番 地蔵寺 印西市別所1005 0476-42-7387 第21番 龍腹寺延命地蔵尊 印西市竜腹寺626 0476-42-2072 第22番 東大寺 印西市平岡1230-1 0476-42-2769 第23番 薬王寺 白井市清戸6 047-497-0928 第24番 願定寺 印西市瀬戸972 0476-98-0194 第25番 東光院 印西市船尾622-1 0476-46-1081 第26番 西福寺 白井市谷田875 第27番 神宮寺 白井市神々廻1192 第28番 東大寺 印西市平岡1230-1 0476-42-2769 第29番 長円寺 印西市師戸932 第30番 観音堂 印西市木下1446 0476-42-2146 第31番 阿弥陀堂 印西市大森 第32番 高岩寺 印西市岩戸1541 0476-99-0612 第33番 広福寺 印西市師戸1486 第34番 慈眼寺 印西市吉田1707 第35番 東漸寺 印西市中根187 第36番 青竜堂 (印旛村古谷) 第37番 観音堂 印西市小林 第38番 厳島神社 印西市大森4336 0476-97-0123 第39番 龍腹寺延命地蔵尊 印西市竜腹寺626 0476-42-2072 第40番 東祥寺 印西市鎌刈543-1 0476-99-1707 第41番 三宝院 印西市竹袋157 0476-42-2582 第42番 仏法寺 白井市復987 047-491-5758 第43番 長楽寺観音堂 印西市大森2034-1 0476-42-2302 第44番 南陽院 印西市笠神726 0476-97-0172 第45番 東漸寺 印西市中根187 第46番 結縁寺 印西市結縁寺516 第47番 龍湖寺 印西市物木213 0476-97-3374 第48番 西福寺 印西市小林1615 0476-97-0115 第49番 円天寺 印西市山田878-1 0476-98-0401 第50番 多聞院 印西市松崎396 第51番 安養寺 印西市武西159-1 0482-23-7370 第52番 岡の堂 印西市吉高 第53番 迎福寺 印西市吉高549 0476-98-1878 第54番 延命寺 白井市平塚939 047-497-0807 第55番 薬師堂 印西市戸神 第56番 仲井堂 印西市山田 第57番 慶唱寺 印西市萩原1242 0476-96-1408 第58番 観音堂 印西市船尾 第59番 星光院 印西市大森 第60番 太子堂 印西市多々羅田 第61番 瀧水寺 印西市滝1009 0476-97-0091 第62番 西定寺 印西市山田2635 0476-98-0194 第63番 吉祥院 印西市白幡 第64番 神宮寺 印西市竹袋 第65番 栄福寺 印西市角田2 0476-98-0194 第66番 来福寺 印西市平賀2146 0476-26-0189 第67番 多聞院 印西市松崎396 第68番 大竹大師堂 印西市吉高 第69番 観音院 印西市平賀 第70番 宝泉院 印西市別所1005 0476-42-7387 第71番 辻堂 印西市笠神 第72番 万福寺 印西市吉田821 0476-99-1052 第73番 円蔵寺 印西市山田2635 0476-98-0194 第74番 泉福寺薬師堂 印西市岩戸1671 第75番 松虫寺 印西市松虫7 0476-98-0096 第76番 徳性院 印西市瀬戸2226 第77番 広福寺 印西市師戸1486 第78番 観音堂 印西市萩原 第79番 大師堂 印西市草深 第80番 龍淵寺 印西市大廻322 第81番 光明寺 印西市小林1841 0476-97-0115 第82番 長楽寺 白井市根1386 047-491-0434 第83番 薬師堂 印西市押付 第84番 密蔵院 印西市将監230 0476-97-0411 第85番 観音堂 印西市中根 第86番 不動院 印西市岩戸 第87番 観音堂 白井市復 第88番 歓喜院 印西市浦部593 0476-42-2079 第89番 浅間神社 印西市大森2636 0476-97-0123
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/457.html
カーテンを引いた薄暗い部屋の中、響くのはかすれた吐息。 シーツの擦れる音。 そして、俺を呼ぶ艶やかな声。 「ロボぉ……っ、んん……」 「イキそう?」 「……ん」 「いいよ」 甘い甘いふたりの時間…………。 「ニコ、いい?」 「ん……うん」 きて、と俺の背中に手を回してすり寄るニコを今度はこちらが腰に手を回して 抱き寄せると、触れ合う下半身はとてつもなく熱い。 「お願いがあるんだけどな~」 「何?」 俺には軽い白い躰をうつ伏せに返し、その背に汗ばんだ胸板を押し付けると 戸惑ったように振り返って俺を見つめる潤んだ瞳が、色っぽい。 「このまましていい?」 「え……や、恥ずかしいし」 「でももう我慢出来ないよ」 そう言って目一杯に高ぶった俺自身をニコの太ももに押し当てた。 「膝立てて」 「えっ!?だめ。絶対変な格好になっちゃう……」 「大丈夫だよ」 お腹に手を回してよっ、と持ち上げるとそれにつられて立ち上がった膝に俺の 体が割り込んだ。 「入れるよ」 「んもう……あっ、……ん」 「痛い?」 「大丈夫」 ゆっくりとその感触を味わいたかったはずなのに、思った以上の興奮と快楽に 堪えきれず腰が動いてしまうのを止められなくなっていた。 「えっちな格好だね」 「いや……見ないでよぉ」 「やだよ。恥ずかしがるニコすごく、可愛いよ」 時折背中を反らしてのけぞるニコの顔が覗けないのが残念でたまらない。だけど 漏らす声のいやらしさに想像力をかき立てられるのも、悪くないと思う。 うつ伏せになったせいで一層豊かに揺れる胸の膨らみを後ろから包めば、その 重みと柔らかさに気持ちは益々高まっていく。 「あ、ダメだぁ、俺イクかも……イキそうだよ」 「ん、いいよ……イッて」 「うん。ごめんもう……」 少しだけ、胸を掴む掌に力がこもった。 「俺の事好き?」 少し頬を朱くして、こくんと頷きながら寄り添ってくる。潤んだ瞳で見上げながら 微笑む仕草が本当にもう、なんというか、悶え死にしそうな位可愛い! ……ええ、バカですよ。バカで結構! 思いっ切り力強く抱き締めたらこっちのもの。気の済むまでそのツンと尖った 柔らかな唇にキスの嵐を浴びせる。軽く触れたり、舌を絡ませたり、強く押し当てたり。 何度も何度も飽きる事無く味わって。 「ん~、たまにはニコからも迫って欲しいなあ」 「えー!?やだよ、そんなの」 「何でぇ!?」 「だって女の子からなんて恥ずかしいじゃん……」 きゅん。 普段は俺の方が手下扱いで引っ張られてばっかりなのに、こういう時は受け身なのが ちょっと残念。 でも。 「もう、そういう所が可愛いんだからっ♪」 「ばか」 軽く小突かれたおでこの跡をその手で撫でてくれる。 そして今度は俺がその手を取ってまたキスの応酬。 俺の攻めにもめげずに付き合ってくれるニコは、本当に愛おしい。 「よっちゃん終わったよ~」 「おう、悪いな」 地蔵堂によっちゃんが戻ってきたのは、ニコと再会して付き合う ようになってすぐだった。 社長は引退してそのまま旅行中。せっかく引き継いだスパイのノウハウを無駄に すまいとよっちゃんに半ば強引に跡を任せたのだろう。(この辺は容易に想像がつく) なので再びスパイに駆り出されるようになった俺達。今日は探知機の修理を頼まれて 会社帰りに俺だけ来たというわけ。 「しかしアレだな、単なるスケベオタクにもそれなりの取り柄はあるもんなんだな」 「ちょっと!人に物を頼んどいて何それっ!?だいたいよっちゃんが『出来なぁい』って 泣きついてきたからなのに!プロフェッショナルの名が泣くねっ」 「るっせえな!大体お前の造り方が訳わかんなすぎんだよ!!このロリコン変態オタク野郎が」 「変態じゃないしロリコンじゃない……と思う、け、どぉ……。だってニコは今18歳。 来年には高校生じゃなくなるんだぞ。そしたらもっと堂々と出来るしけっ、結婚だって……」 「はぁ、結婚?貧乏オタクリーマンのお前がっ!?俺だってしてねぇのに、大体ニコが 承知するとは限らねえだろがっ!」 オタク貧乏はともかくリーマンは関係ないだろ?それによっちゃんはしないんじゃ なくて出来……まあいいや。 「ダメかな?やっぱり」 俺はいいけどニコはまだ18歳だもんな。捕まえておきたいっていうのは自分勝手な 考えなのかもしれない。 「それにしてもお前がニコにそこまで惚れ込むとはな。ニコが相手してくれるとも思わな かったけど。お前大事にしなきゃバチが当たるぞ」 「わかってるよ」 何だかんだ言ってもよっちゃんは俺達を応援してくれてるし、ニコに至っては 妹みたいに大事に思ってるらしい。……無理もないかもしれない。あの事件ではどちらにも 散々迷惑や心配かけたし、ニコの事も随分悲しい想いをさせてしまったから。 「なぁ、礼といっちゃ何だけどよ。ちょっと面白いもんが手に入ったからやろうか?」 そう言うと俺の目の前に小瓶が2つ並んだ。 「なにこれ?」 瓶の中にはそれぞれ白い粒と赤い粒のカプセルが入っていた。 「とあるルートで手に入った秘薬だ」 怪しい!あまりにも怪しすぎるぅ!!そういえばニコも昔変な薬買ったとか言ってたな。 「何の薬?」 するとよっちゃんは白い薬を指すと小声で囁いた。 「惚れ薬」 しばしキョトンとする俺。 「……へえ~、さすがというかなんというか、よく手に入ったね」 「ん?何だやっぱ欲しいのか?」 「いらないよっ!そんな事しなくたって俺はニコをっ」 「いや、飲むのはニコだろ。どっちかつうと」 「なっ……そんな事ありません~っ!ていうか一番必要なのはよっちゃ」 吸ってたタバコを目の前に突きつけられて、思わずのけぞってしまった。その拍子に 椅子ごとひっくり返って、こけた。 ガッシャーン!!!! 「おい商品壊すなよー」 誰のせいだよ誰のっ!! 「ところがこれは普通の惚れ薬とは違うんだな」 「へ?飲んだら最初に見た人に恋するとかじゃないの?」 そう言うと白いカプセルをひと粒つまんで俺の目の前に突き付けた。 「惚れるのは当たり前。既にオチてる場合は更にメロメロってとこ。まあニコなら あのツン娘がデレデレってとこじゃね?……どうだ、見たくね?」 「ふうん」 よっちゃんからカプセルを受け取るとまじまじとそれを眺めた。 「ま、尻にしかれてばかりじゃなくてたまには……って冗談だよーって……おいっ、 いないしっ!」 店の中から『そういやこっちの薬は何だっけ?まあいっか』とか何とか聞こえた ような気もするけど、半信半疑なのとちょっとした好奇心が渦巻いてしまって ドキドキしたまま部屋に戻った俺をニコが待っていた。 「今日このまま泊まっちゃっていい?」 わざわざ私服に着替えて来てるからもしかしたら、とは思ったんだけど。 「聞くまでもないじゃん。何ならずっといていいんだぞ~」 「もう、冗談はロボットだけに言ってよ」 結構本気なんだけどなぁ。 ニコの作ってくれた夕飯を食べながら、ずっと毎日がこうならいいのにと心から願ってる。 「お風呂先に借りるね」 ご一緒したいところだが後が恐いので我慢して、ニコが入浴してる間にいそいそと寝床を 整える。その間も俺の顔はこの後の事で緩みっぱなしになっていて、多分ニコが見たら 「スケベ」どころの罵倒じゃ済まないだろうなと思いつつも、頬を引き締める事ができなかった。 「ロボ……」 「ん?何……」 振り向くとちょっと暗い顔したニコが申し訳なさそうに俯いていた。 「どうしたの?」 「ん……なんか頭が痛くなって来ちゃって」 おでこに手を当てるが熱はなさそうだ。 「大丈夫?あ、服、服着て薬!薬飲んで横になりなよ、ね」 「ん……。あ、自分でやるよ。いつものあるよね?」 水の入ったコップを渡すと 「ありがとう。ロボも入ってきて……ごめんね」 そう言って申し訳なさそうにまた俯いた。 「いいよ……じゃすぐ済ませるから、一緒に早めに寝よう、ね?」 軽くキスすると濡れた頭を軽く撫でて風呂場へ向かった。 正直、この状況は辛いモノがある。 久しぶりのお泊まりだし、明日は休みでゆっくりできるし、何よりさっきのニコってば バスタオル1枚ですよ!鼻血もんですよ、ええ!!普段の俺なら確実に押し倒してるな。 ……あ、なんか罪悪感がチクチク。 でもやっぱりちょっと勝ち気で元気なニコが大好きだから、大事に想ってるから。 ちょっと、いや大分、本音はかなり……残念だけど、1日位我慢我慢だ!俺の愛は これ位じゃ挫けないぞ!! ……とは言え、早く何とか落ちつかさないと、俺の体は心に忠実過ぎて困るのであります。 今俺はものすごい状況にいる。 ベッドの上でニコと熱いチューの真っ最中。 そんなの別に大したことじゃないだろう。そうなんだよな、もうえっちまでしてる俺達が ベッドで重なってキスしてたって「ふ~ん、で?」って思うよな。 けどいつもとは全く状況が違う。だって……。 「ん……ロボぉ……」 「ニコ?……ん」 柔らかい唇に塞がれて俺の思考はうまく働かなくなっていく。 一体何が起こっているんだろうか。これは夢か?夢なのかっ!? 「ニコ、どうしたの?」 「……いや?」 「ううん、そんなことっ!」 ないっ!絶対あるハズがないっ!!むしろ大歓迎。 「だってぇ……シたいの。ダメ?」 「そんなわけないじゃん!でも具合が……」 「ん、もう大丈夫」 タオル1枚を隔てたニコの肌の温かさに包まれて、何度も何度も濡れた唇を味わいながら、 ベッドを背にした俺は甘い夢に溺れた気持ちになる。 だって押し倒されてるのは俺の方だから。 風呂から上がったら、ニコはまださっきのままの格好でベッドに乗っかっていた。 「風邪引くよ?早く寝ようね」 すぐ側に並んで腰掛けた俺をじっ、と眺めたと思うと、いきなり肩に手を回して キスをしてきた。 初めは軽いものだったから 『ニコからなんて珍しい。ラッキー』←(ちょっとうるうる) なんて喜んだのも束の間、段々激しくなってきて、気づけば互いの舌を絡ませあっていた。 「どうしたの?ニコ」 「どうもしないよ?」 着ていた白いTシャツをゆっくり捲り上げられて。 「はいロボ、ばんざーいして?……」 静かにゆっくりと耳元で囁かれる声にぞくっとして言われるがままに脱いだ(脱がされた?)。 潤んだ熱い瞳で見つめられたら逆らえるはずもなく、そのまま倒れかかってきたニコに 押し倒されるような形で今に至る。 「ねぇ、ロボ」 「ん……んん!?」 俺の胸をニコの唇が滑り始めた。 えっ!?ちょっと、マジですか? 「ニコ、何を……」 戸惑う声とは裏腹に先端は堅く尖ってる。そこをニコの指がすうっと撫でた。 「あっ」 「気持ちいい?」 「う、うん」 ふふ、と小さく微笑むと中指の腹で片方を撫でながら空いた方は唇をあてがわれて そのねっとりとした温かさに肌が勝手に震えてる。 「ロボ、可愛い……」 「あ、ダメだよ、んっ」 「もうやめちゃうの?でも今日はダメ」 今度は舌で転がすように苛められる。いつも俺がしてやる事をそのままやり返されてる みたい……。 くそっ。こうなったらこっちだって、とのしかかるニコに巻かれたタオルを解いて 滑るようにずらすと、その胸へと手を伸ばした。 「やっ……んもう。ロボの意地悪ー」 「お返し」 すると躰を起こして俺の耳元で囁いた。 「もっといいコトしてあげる」 「えっ?…………うわっ!?」 余りの事体に一瞬電気が走ったような気がして、裏返った悲鳴をあげてしまった。 「だめだよ、そんなトコ」 「嫌なの?」 「そうじゃないけど……」 ニコの左手が俺の下着、つまりアレの上にあてがわれていて、温かいその感触に どんどん自身を主張している状態なのだ。 「堅いね」 ゆっくりその5本の指の腹で撫でられるとそれは意思とは裏腹にどんどん大きくなってしまう。 「くっ……」 「気持ちいい?じゃ、もっと、ね」 ウエストのゴムに手を掛けた、と思うと止める間もなく引き下ろされて、そこは全ての 姿を晒された。 あ、もうされるがままじゃん、俺。 直にニコがその手を触れようとした時だった。 「ニコ……っ!」 「え?」 完全に抑えが利かなくなった俺はその手首を掴んで抱き締めると、体を捻って今度は ニコを組み敷いた。「形勢逆転!」 邪魔なタオルと下着を投げ捨てるように取り去ると、胸を揉みしだきながら強く舌を 絡み合わせた。 「は、ぁん、ロボぉ……ん」 「ん、んん……はあっ」 激しいキスを繰り返し浴びせあっているうちに、もう何が何だかわからなくなってきた。 今日のニコは変だ。 積極的なのは嬉しいけど、いつもとは全然違う。油断すると呑まれてしまいそうだ。 何というか、その分どこか欠けてるみたい。恥ずかしがるニコもそれはそれで好きなんだ けどな……。 なんて頭の隅っこでそういう事を考えながらも、愛してやまないニコの躰を滑る俺の 指の動きは止まらない。止められない。 「もうダメ、来て?」 「うん」 一刻も早く昇り詰めたくて、半ば余裕無くゴムを取りに立った。 だが、そこで目に付いた物が一瞬で俺の狂いかけた熱情を一気に冷やしていった。 「ニコ。頭痛治った?」 「うん」 ベッドへ戻ると、少しずつ冷めてきた自身を抑えるように着衣を身に付け始めた。 「今日はもう止めよう」 「なんで?」 「出来ないよ……」 がくっと肩を落とした俺をニコが不思議そうに見てる。 「どうして?」 「好きだからだよ。心から」 「だったら……」 「ニコは俺の事好き?」 「うん、好きだよ」 「……そっか」 変なの、というニコにタオルを掛けるとネクタイを差し出した。 「これで俺の手を縛ってくれる?」 戸惑って俺とネクタイを交互に見つめてる。 「じゃないと俺、抑えがきかなくなるかもしれないし」 「なんで?あたしが……あたしの事嫌いになったの?」 「違うよ!違うんだよ……」 抱いちゃいけない。いけないんだ。 「わかった」 そう言って俺の手を縛った。これであとは俺自身が鎮まるのを待つ……だけだったんだけど。 「ならあたしが気持ち良くしてあげる。ロボにしてあげたいの」 「えっ!?ちょ、だめ!うわっ」 しまった!手が使えないのを良いことに(?)ニコは今度は一気に下着に手を掛け…… た筈だったんだが。 「や、やめっ……はぁ?」 「ロボぉ……」 そのままがっくりとベッドに倒れ込んだと思うと、何と。 「嘘だろぉ~!?」 いきなり眠り込んでしまったのだ。 時計の針が12時を廻った。 あれから2時間以上経つけどニコはまだ眠ったままだ。もしかしたら副作用かもしれない。 好き?と聞けばいつだって好きだと応えてくれた。何度も求めたが恥ずかしがりながらも 俺に総てを預けてくれた。 それは一体何だったというのか。 あんなのニコじゃない。 本心からああして俺を求めてくれたのなら、それ以上に俺はニコを求め返しただろう。 だけどあれは多分あの薬――おそらく同じようなカプセルだったために間違えられた―― のせいだ。 ニコの本心じゃない。 ほんの冗談というか軽い気持ちだった。普段俺の方がベタベタしがちなのが、不満じゃ ないけどほんの少し物足りなくて、ちょっとだけ違うニコを見てみたくなった。 結果は効果てきめんどころか、はっきり言ってやりすぎたと思えるくらいだ。男なら 正直悪い気はしない。 好奇心からとはいえ、あんなもの持ち帰ったりするんじゃなかったと激しく後悔している。 わざと飲ませたわけじゃない。だけどまさかあんな事になるとは。 今だってこうして両手を使えなくしておかなかったら、眠っているニコにさえ何かして しまいそうだ。 だけどあんな形で迫られたなら、どんなに欲望が高まろうとそれに甘んじてはいけない。 本当にニコを心から愛していると思えるなら、後々傷つくような事はしてはダメだ、 ニコも自分も。 どんなにニコを信じていてもときに不安に押しつぶされそうになるのは、きっと俺が かなり年上である事や、よっちゃんの言うとおりのいわゆる甲斐性無しである事の引け目 なのかもしれないけど。 「ロボ?……どうしたのそれ!?」 いつしか目覚めていたニコが、尋常じゃない俺の姿に驚いて飛び起きていた。 「もしかしてあたしがやったの!?そうだよね、自分じゃ無理だよね」 いや半分は正解だけど違うから。 「何か色々あったような気がするけど何も覚えてないんだ。ごめんすぐ解くね! ねえ……あたし何か変な事してないよね?」 俺にとってはイイコトでしたが。言わなきゃ駄目だろうなやっぱり。 でもそれでニコが離れていってしまうんじゃないかと考えると恐くて、溢れてくる涙を どうする事も出来なかった。 「あのねニ」 『マーックス!だだんだんだ……』 「あ、電話だよ?」 がくっ。誰だよこんな時間に!! 無視しようかとも思ったけど相手がよっちゃんらしいので、慌てて両手で挟んで携帯を 耳に当てた。 『おう、あの薬な。赤い方と説明書読み間違えちゃった~♪』 「は!?何それっ、間違えちゃった~♪じゃないでしょ、もうっ!」 『あ?何言ってんだよ。勝手に持って帰っといて。……ところでアレまさかもう使っちまって ねえだろな』 ドキッ。 「くれるって言ったのそっちでしょお!?……なんで?」 ふんふんとよっちゃんの話を聞いてるうちに、みるみる自分で顔色が変わっていくのがわかる。 「な、何それっ!!そんな事ちゃんと調べてから頂戴よぉ……」 『だからさっさと持ってったおめーも悪いっつうの!!ま、使うときはちゃんと考えて使えよ。 尚責任は持ちませんつう事で。じゃっ♪』 じゃっ♪じゃないだろ!マジかよぉ……。ニコに何て説明すればいいんだろうか。 「ローボ」 ぎくっ。 「な、何でしょう?」 「あたしにも詳しーく説明してく・れ・る?」 おおっ、久々のセクシーボイス。っておい、何だか語尾がきついんですけど? 「……わかりました」 「よろしい」 いろんな意味でこの後が怖い。 * * 数分後 * * 床の上で土下座状態の俺とベッドに腰掛け腕組みするニコ。 「惚れ薬ねえ……」 未開封の薬箱の横で空になった小瓶を眺めながら、ニコははあーとため息をついていた。 「今度ばかりは呆れて物が言えない。ロボのバカ!あたしがどれだけ怒ってるかわかる!?」 「うん。本当にごめん。わざとじゃないとは言え、へんな薬――」 「違う!あたしが怒ってんのはそんな事じゃない」 「へっ?」 カプセルはとりあえず捨て忘れた使用済みの空瓶に放り込んであったから、何も知らない ニコは常備薬とよく似たそれを「最後の1粒」だと思って飲んだんだ。 「けど俺がうっかりしてたんだし……」 「わざとじゃないんだから。それに確認せず飲んだあたしも悪いんだし。それより ロボがあたしの気持ちを信じてくれなかった事の方が許せない!……悲しい」 「そんなつもりは……」 「あたしそんなにロボに冷たい?可愛くない?一海ちゃんみたいに……」 「いや、そんな事ない!ニコはちょっと気の強いとことかクールなとこが魅力的で、たまに 恥ずかしがるとこなんかすっごくギャップがあって可愛くて、だ、だからそのままの ニコが俺は好きなんだよ!!」 見上げる形になったニコの顔は涙で潤んでるような気がしたけど、月明かりの 逆光でよく見えない。だけど少し声が震えてて、それは俺の胸を締め付ける。 「……あたしがどれだけロボの事想ってたか知ってる?再会してそれに気づくまでの間、 ロボの存在が心の中でどれだけあたしを勇気づけてきてくれたかわかる!?」 ぎゅっと俺の両手を包んでそれに頬を当てながら、涙を拭うように瞳を閉じた。 「ロボが一海ちゃんじゃなくあたしを見てくれるなんて思わなかったから、怖くなった事 何度もある。でもこんな状況でちゃんとブレーキ掛けてくれるなんて普通無理だと思う。 あたしの事大事にしてくれてるってよくわかったから、手放しでロボの事信じる事が出来るよ」 「……俺、ニコを一海ちゃんや違うひとと比べた事なんか1度だってないよ」 自分に少しでも不安があれば、相手にもそれは伝わってしまうのか。 「ニコが大好きだよ」 「うん。あたしもロボが好きだよ」 ありがとう。こんなにも想われて、俺って幸せ者だったんだな。 「ね、ロボ。……続き、どうする?」 「えっ!?つ、続きって……」 ばか、と言いながら俯いて合わせ目をモジモジと弄んでる。そうなんだ、 ニコまだ結局あのままタオル姿なんだよな……。 ごっくん、と生唾を飲み込むと同時にまたもや欲望がふつふつと沸き上がってきた。 「いいの?」 「何度も言わせないで……知らないっ」 そりゃ困る。 「そうしたいのは山々なんですがニコりん大佐、ネクタイを早いとこ外して欲しいであります」 あ、ごめん!と今まで忘れ去られた枷を外しに掛かって貰った。どんだけ気が散らかって たんだ……。 「あーそれにしてもロボの差し金で良かった。あたしが変態なんじゃなくて」 ま、目覚めたらパンツいっちょで縛られて泣いてる男がいたら驚くよな……。 「差し金って……さっきはもっと凄いコトしてく」 「言わないで!ふ、普通じゃなかったんだからっ!!」 ちょっとだけ残念な気はするけど、今位でニコにとっては精一杯の大胆さなんだな、と思うと せがまれたキスが嬉しくて理性がとろけてしまいそうになる。 「ロボ。今日はゆっくり朝寝坊したら、後で地蔵堂に行こうね」 「ん?……いいけど」 「じゃ、決まり」 解いたタオルの中の滑らかな肌を感じながら、腕の中の温もりを愛おしく想う。 「んじゃ、いただきマックス。飢えすぎて死にそう」 「はぁ!?もうっ……何がっついてんの、バカ!」 「何と言われても構わん!」 今夜はなかなか解放出来ないかも。ずっとずっと甘い時間を味わっていたい。 ※終り…と言いたいけど、余計なおまけ? ↓↓↓↓ 【夕方の商店街】 「今なんか悲鳴が上がらなかった?」 「私も何か聞こえたような……」 ざわつく商店街の面々をよそに静かに佇む一軒の店。 「あの店じゃない?大方またわけのわかんない品物でもぶっ壊しちゃったんでしょうよ」 やれやれまたか、といつもの流れに戻ってゆく。 店の中にはひっくり返った若店主と、側に転がる 『媚薬:性欲の増進:稀に極度の眠気による記憶の欠如に注意』 のラベル貼りの小瓶がひとつ。 建物の名は『地蔵堂』……。 * * * * * * *終わり
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/448.html
5-20様 神様のいない日(前編) の続き ロボがそんな事をやらかすような人間でないのは自分がわかっている。 どんなに貧乏でも、そんな事をするくらいなら道端の草を摘んででも頑張るような男なのだ。 ニコはその足で、吸い寄せられるようにとある場所へ向かっていた。 『地蔵堂』 主を失ったこの場所もまた、ニコの心を切なく締め上げる。 「結局あたしって、1人じゃ何もできないんだなぁ……」 誰かと関わっている。どうしようもなく世の中と関わっているのに、こんな時 どうやってそれを生かしていいのかわからない。 佇んで唇を噛みながら俯くニコの耳に、聞き覚えのある歌声が届いた。 「よお、久しぶりだな。何か面白い事になってるみたいじゃん」 懐かしいその姿に思わず過ぎた時間を忘れて走り寄った。 「ロボを助けたいの!力を貸して、お願い……よっちゃん!!」 髭面を弛ませて彼は笑った。 「本当にお前がやったんじゃないのか?」 「ち、違います!」 「でもこれはお前のだな?」 ロボは今警察にいた。 あの時定期を現場に落としたのに気づかぬまま帰宅し、それを証拠品として出された。 「じゃあ先週の日曜、どこにいた?」 「日曜……は、家に」 「誰か証明する者は?」 あの日一緒にいたのは……。 「いません。僕1人でした」 もう何度もこの繰り返しだ。数時間に及ぶやり取りにかなり疲れていた。 あの時の女性もまともに顔を見ていない為に、逃げたのがロボではないのだと いう証明もできない。 「いい加減に……」 その時ドアが開いて入ってきた刑事の耳打ちに取り調べ官の顔色が変わった。 「……面会だそうだ。とりあえず一旦終わりだ」 わけがわからず連れて行かれた部屋で待っていたのは。 「あ……あ、な、何でっ!?」 「何でとは何だよ。せっかく差し入れ持ってきてやったのに。お前こそ何てザマだよ」 「よっちゃん……」 周りを確認すると声を低くしてロボに詰め寄った。 「正直に話せ。ニコが心配してる」 ロボはその言葉に涙を堪えた。 ニコは1人、学校の屋上で手すりにもたれて佇んでいた。 「バテレン、レンコン、トマトはマーックス……」 拳を振り上げて呟くが、徐々に声は力無くか細くなってゆく。 「ロボ……どうして?」 旅先に社長の真境名を残してきたと言う名梨。 『お前等の事は常々社長も気にしててさ、時々調べさせて貰ってたんだよ。大事な スパイ仲間だからな』 まるでニコには救世主のように思えた。その真境名の名を使い彼は警察で ロボの事も調べた。 何かを隠している事はわかった。だが、ロボから聞き出したはずの答えを教えてはくれないのだ。 『俺がお前に話しちゃったら、あいつを裏切る事になるんだよ』 でも知りたい。何故ロボは私には何も話してくれないのだろう、とニコは途方に暮れた。 「ニコ、ここにいたんだ?」 「むーちゃん」 声を掛けられて初めて気が付いた。 近づく足音さえ聞き取れない程、今のニコは沈んでいた。 「ねえニコ、さっきのって時々呟いてるよね?あれってなんかのおまじないなの?」 紙パックの牛乳を飲みながら、2人は並んで手すりにもたれて座っている。 「ああ、あれ?あれは……まあ、そんなもんかな。ある人に教えて貰ったんだ。 でも出鱈目なんだよ?適当に他の人のために作ったやつなんだって」 「ふーん。……でもニコにとっては大事な言葉なんだよね?」 「まあね」 ずっとむーちゃんと並んで支えてくれた、ロボには内緒のもう一つの物。 「ところでロボさんは元気?」 「へっ!?」 「だってそれはロボさんの言葉なんでしょ?」 「なんで、わかるの……?」 話した事ないのに。ロボの存在だって、再会したあの日まで教えてなかったのに。 「わかるよそれ位。ニコの事話すあの人って、すごく優しくて綺麗な目してたの。 そんな人と一緒にいた時のニコも、私でさえ見たことない位自然で……きっと すごく信頼しあってるんだろうなって思ったんだ」 「そうかな」 「そうだよ。あの人もニコをずっと忘れなかったようにニコの中にもあの人がいたんだよ。 あの言葉……あれを時々呟くようになって、少しずつニコ自身も強くなっていった気が するの。ロボさんが護ってくれてたんだね」 そうだ。自分はロボを忘れた事は1日だってなかった。それは確かに挫けそうな時、ニコを 奮い立たせてくれた魔法のような物だと思ってきた。 「好きなんでしょ?素直になればいいのに」 「えっ!?そんなこと……だってあっちは10歳上なんだよ?あたしの事なんか未だに 子供としか思ってないかもしれないし、友達だし。それよりむーちゃんこそ、 ちゃんと紹介してよ」 すると今まで明るくはしゃいでいた彼女は急に寂しげな目をして俯いた。 「……なんかね、私の片想いぽいんだよね。仕事の事とか、住んでる場所とかあまり 話してくれないの」 「そうなの?どこで知り合ったの、そんな人」 「この前学校帰りに携帯落としたのね。で、慌てて来た道を戻って探したんだけど なかなか見つからなくて……そしたら拾ってくれてたの。返して貰ってその時は それだけだったんだけど、それから何日かしてまた道端で会って、今度は私が彼の 落とし物を拾ったの。すごく慌てていて『助かった』って。その時のアリガトウ、 が何だか嬉しかったの。一目惚れ、かな」 恋は理屈ではないという。何がきっかけになるかわからないのだ。 ロボとあの人もそうだったのだろうか、とニコは何気に考えて、今までになく ロボの事を想う心が痛むのを感じた。 チャイムがなり2人は屋上を後にする。 「ねえニコ、ロボさんてさあ……」 続く言葉にニコは思わず飲み干した紙パックを握り締めた。 『ニコか、どうした?』 人影のない廊下の隅で電話を掛ける。 「……知りたいの。助けたいの」 『お前には酷かもしれねえ。知ってしまうと後戻りできない……それでもいいんだな?』 「あたしが今度はロボを護りたいの。だから何でもする!」 電話の相手――名梨の言葉に、ニコは力強く頷いた。 『……尚任意同行を求め事情を聞いている会社員は容疑を否認しており……』 テレビでは連日「足長おじさん逮捕」のニュースが流れている。 あれからロボの家の周辺に時々足を運んではみたが、手がかりなど得られるはずもなく。 ニコは詳細を調査中の名梨からの連絡を待っていた。 ロボが警察に拘束されてしまってから、例の事件はぴたりと治まってしまった。だから尚更 疑いは深まってゆく一方なのである。それ故にニコも焦っていた。たが、どうにもできない。 ふとテレビを見るとお金が置かれていた教会が映っていた。 「神様……」 何気に呟いた自分の言葉に何かを思い付くと、座っていた椅子から立ち上がった。 「二湖、どこいくの?もうすぐご飯よ」 「どこ行くんだ?」 「……約束」 父の質問に独り言のように答えてドアを開ける。 「一海はまたデートか?……お母さん、肉余るかな?」 「もう!いやしいわね」 「いやらしいとは何だ!」 「誰も言ってないでしょー」 変わらない日常。その中にあってニコの世界は確実に変化を遂げようとしていた。 「神様、どうかロボを返して下さい。……ううん、きっと助けます」 神様との約束。 神社で必死に手を合わせながらニコは祈った。 「あたし何でもします。頑張りますから、だから……」 ロボを返して欲しい。 「本当に何でもするか?」 背後からの低い声。 「よっちゃん……」 「ちょっと面白い事が解ったんだ。来い、話はそれからだ」 顎をしゃくって促すと階段を降りてゆく。その後にニコも続いた。 「どこ行くの?」 「元・地蔵堂」 以前とは違い、がらんとした店内にぽつんと置かれた机を挟んで2人は1枚の 地図を見ていた。 「この赤い×印がお金の置かれてた施設ね?」 「ああ、で、こっちが金額のリスト」 置かれていたというそれぞれの大金の額の書かれた紙を渡され、それを眺めていたニコの 目にふとある物が留まった。 「なに?この日付」 よく見ると地図の×印のそばに書かれている小さな日付とは別に、青い△印が幾つかあり それにも日付が付いている。それが金額リストにもあるのだ。 「お、気付いたか」 「ていうかこのリストの日付、地図のと同じのがあるよ?ねえこの△印ってなに?」 「惜しいな。何か気づかないかな?ん?」 「何かって……」 「んじゃヒント」 そういうともう1枚住所と名前、その肩書きの書いた紙が渡される。 「まだあんの!?……んーと、あれ?この日付と住所多分一致してる?それにこれってみんな どっかの事務所とか偉い人の家とかばっかり……」 まさか。 「正解。つまり、その金額リストの通りの額がそこの△印の場所から消えている。つまりこれは」 「……盗んだお金?でもだったら警察が」 「だから、内緒にしときたいお・か・ねなわけだよ。下手に届けたら自分らもヤバいからな」 「じゃあそれをわかってて……」 「だから捕まえられないんだよ」 痛い腹探られたくないからな、と名梨は呟く。 リストを無言で眺めながら、ニコはある事に気付いた。 「あ、盗難のあった日とお金が置かれてあった日ってよく見たらみんな……土日に集中 してるよ。そっか会社は休みだし、外出してたら自宅でも……」 そう言いつつある日付に目が止まる。 約束を交わした日。その日も日曜日だった。 「5月15日……」 翌週の日曜日、待っても待っても来なかったロボ。そしてそのまま……。 「あれ?」 その日もとある場所で大金が無くなっている。が、問題はその時間帯。 「15日……って、あの日はずっとあたしといたよ?それ以外の日も、ここにある日付は ほとんど。時間だって……」 犯行時刻もほぼ絞り込んであった。その時間帯のほとんどはロボは自分といたであろう 時間だ。だったらアリバイが……。 「なんで?ロボ……」 「それを証明しようぜ」 名梨が肩を叩いて言った言葉に、無言のままニコは頷いた。 カチャリ、と音がして扉は開いた。暗闇の中で息遣いだけが聞こえる。自らのそれさえ耳障りに 思いながら男は中を開け放つ――が。 「なん、だ、と……?」 その瞬間パッと明かりが灯り、机の並ぶ事務所に人影が浮かび上がった。 「よぉ、流石だ。これだけの金庫をあんな短時間で破るとはな。……ま、俺のプロフェッ ショナルな腕前には負けるけどよ」 「ちょっとー何言ってんの?あたしだって役に立ったじゃん!」 「まあまあ。確かにお前がいたらあれは必要ねえなー」 髭面の男が、外された壁の額縁裏の空の金庫の前に呆然と立ち尽くす賊の首にかかる 聴診器を指さしてニヤリとする。その視線の先にいるのはまだ若い女。 「なんだお前ら……?」 「正義の味方?つか、まあスパイとか言われてっけど。そろそろこの辺りに来ると睨んだ俺の勘も まだまだサビちゃいねえな。……ところでそちらも良かったらお顔を拝見できませんかねぇ?」 「くそっ!」 賊は逃げようと女スパイの脇をすり抜けた。 「きゃっ!?」 だがそれより早く男が身を翻し、賊を捕まえ床に押し倒し帽子を剥ぐとマスクを取った。 「く、そっ……」 悔しげに呻いて上げた顔を見て、暫くの間訝しそうに見ていた女が 「あっ」 と声をあげた。 「あ、あなた……嘘っ!?」 女――ニコは驚愕の表情を浮かべて晒された賊の顔を見ていた。それを怪訝そうに見ていた 賊が今度は顔色を変えた。 「お前……は」 互いに苦しげな顔で見つめ合う2人の間で男スパイ名梨は吐き捨てるように呟く。 「足長おじさんつうよりねずみ小僧だな。大した義賊だよ……。ニコ。これが俺の言ってた 酷なことってやつなんだよ」 「……あたし、むーちゃんに何て言えばいいの?」 震える唇からやっとの思いでニコの絞り出した言葉に、親友の恋人である筈の男はただ 黙って俯くばかりだった。 「どうしてこんな……」 「は?何だよ。どうせこんな金、汚い事に使われるんだ。その証拠に警察に届け出る事も 出来ねえんだ。だったら役に立ててやった方が金も人間も喜ぶだろ?いいじゃねえか。 ……それで助かるんなら」 「そうかもしれないけど。でもそんなお金で幸せになんてなりたいって思うのかな? 貰った子供とか、感謝してると思うんだよね。……この前、通った施設の庭で聞こえたんだ。 ありがとうって言いながら、あなたに届くかわからない手紙や絵を書いてる子達の嬉しそうな 声。もしそれがこういう事だって知ったら……」 「お前に何がわかるんだよ!!」 いきなり大声をあげてニコを睨みつけた。その顔は若いであろう年齢にはそぐわない程 疲れているように感じられた。 「何がわかるんだよ……お前にも、あの娘にも」 「あの娘って……」 ニコの脳裏に親友の恋する笑顔が浮かび上がる。 「……俺は、あの教会で育ったんだ」 「あの教会って、ニュースで出てた?」 「ああ。産まれてすぐにあの前で捨てられてたらしい。孤児院もやっててな、そこでそのまま でかくなった。神父様は優しかったよ。みんな仲良くてあそこは幸せな場所だった」 名梨も黙って腕を組んだまま男の話を聞いている。 「……でもな、世間は自分らより足りない奴らを見下して踏みつけたり傷付けたりしなきゃ 気が済まねえんだよ。俺もずっと外では蔑まれバカにされてやってらんねえって思った。 親がいねえのは俺のせいじゃねぇ、施設育ちだって……。そういうのが何もかも嫌んなって グレて、挙げ句あそこを飛び出しちまった」 「そんで、あっちの道に入っちまったわけか」 「……生きていかなきゃなんなかったからな。元々手先は器用なんだ。飛び出した原因も ケチな万引きだしな。絶対失敗した事無かったのに、仲間がしくじりやがった」 自嘲気味に笑いながら伏せた目は、ニコには辛く重く刺さった。 「なんでこんな事しようと思ったの?」 「ある日ふらっとこの街に戻ってきたら、教会が借金に追われて潰されそうになってるって 知った。確かに俺がいた時からギリギリだった筈なんだ。ワルになったのはそれもあるしな……。 だがあそこが無くなったらみんな行く所がなくて、父さんが……神父様が悲しむだろ? だから、手近な腹黒社長の裏金を今みたいにして贈っておいたんだ」 「じゃあ、それでやめときゃ良かったんじゃねぇか?」 「ああ。そのつもりだったさ。……けどよ、神父様がさっさとそれをサツに届け出やがったん だよ!ったく、ばか正直なんだからよ。だからまた違う所捜してやってやった」 「ねえ、他の施設は?」 「あんまりやると教会そのものが疑われっからな。だから同じ様な施設捜して同じ様に……。 ついでだよ、ついで。だからマスコミで良いように取り上げられてとんだ美談にされちまって こっちも迷惑してんだ。笑っちまうぜ『足長おじさん』」 ふはは、と膝を抱えて渇いた笑いを浮かべる賊の頬をニコが張った。 バシッ! 「てっ!何しやが……」 「これ見てよ」 ニコが差し出した白い紙。それを頬をさすりながら渋々受け取り睨み返しつつ広げると、 じっと見つめたまま動きを止めた。 「あたしが聞いた施設の子にお願いして貰ってきたの。絶対届けてあげるからって」 昼間とある建物の前を通りかかった時、風に偶然運ばれてきたそれを拾い上げたニコは 小さな女の子の落とし主に頼み貰い受けた。 嬉しかったのだろう。『きっと届けてね』って笑っていた。 「あなたのしたのは決して正しい事じゃない。だけどそれで救われた人も確実にいるの」 「……だから何だよ。何だってんだよ!!俺はただの金庫破りだ。足長おじさんなんかじゃ なくてねずみ小僧みたいな真の義賊でもねえ、ただのこそ泥だぞ!?それを知っても 俺の事有り難いとか、嬉しいとか言えんのかよ?どうせどこにいたって俺を必要とする やつなんかいやしねぇよ!」 「そんな事ないよ!」 ニコは叫ぶ。 「なんだよ」 「まだわかんないの?あなたに感謝してる人いっぱい……きっといっぱいいるよ。誰かが 自分たちのためにこんな事してくれた、って。それに、あなたの事理屈抜きで大切に想って る人だって……」 「あのよ。お前の身替わりになってる間抜け野郎いんだろ?あれな、俺らの仲間なんだよな」 それを聞くとハッとして名梨を見たが、すぐに 「……んなの知るかよ。わかってんなら助ける位出来んだろ?」 と答えた。 「ところがあいつ、言わねえんだよ。お前の顔だって見てるはずなのにな、黙ってんだ。 ……わかんだろ?庇ってんだよ」 「……何でだよ。何で」 「ニコ、お前の大事な人のためだ。つまりは……お前のためだ。お前が悲しまない ためにな」 「そんな……ロボ」 「俺にも親はいねえ。だからお前の気持ちもわかんなくはねえ……。けど俺はそれに負けない 位信じられる物を見つけられたよ」 ニコは黙って名梨と共に男の顔を見ていたが、やがてぽつりと漏らした。 「あなたの事、本当に好きなんだよ。理屈抜きに大切に想ってるんだよ……むーちゃんは」 「…………」 静かに男は立ち上がると、出口に向かった。 「あなたの事何にも知らないって言ってた。だけど、それでも好きなんだよ?」 「……」 「大切な人がどこかにいるって想うだけで生きていけるんだよ。人を想うと強くなれるの」 「……俺は」 「あなただってそれになれるんだよ!」 唇を噛んでドアを勢いよく開けると何も言わず男は飛び出した。 「待っ……!」 「行かせとけ」 追おうとするニコの腕を名梨は掴む。 「あいつは多分逃げねえ。もし逃げても俺らの方が上だ。……それよりお前にはそろそろ 話しておくよ」 「……よっちゃん?」 とりあえず、と促されて地蔵堂へ向かった。 教会の中、十字架の前で跪き俯く若い男がいた。 「……お帰り」 はっとその声に振り向いた男の目の前に初老の神父の姿があった。 「父さん……」 「やっと帰ってきてくれたんだな」 「いや……これからまた行くんだ。いつまた帰れるかわかんねえよ」 「そうか」 「ああ。今度はもう少しまともになって帰るから……」 「……待ってるよ。お前の帰る家はここだ。だから必ず帰ってきなさい」 「……ありがとう。父さん……」 「どこにいても必ず神様はいるよ。必ず、お前を見守って下さるから」 跪いたままの頭の上にゆっくりと優しい手が載せられる。 その時、足元には小さな雫がぽつんと落ちた。 地蔵堂でニコは名梨から話を聞いていた。 「ロボはな、あいつに自首させたくて黙ってんだ。サツに踏み込まれた方が騒ぎも大きくなる。 その方がお前の友達も余計傷つくと考えたんだよ。ま、他にも理由はあるみたいだが、 ……どっちにしろ大した罪にはなんねえよ」 「なんで?」 「不法侵入した先になんも無かったから盗みは未遂だろ?他は届け出てないし、むしろ 内緒にしといた方が互いの為ってな。ロボが疑われたのも、あんな大金落としゃ普通怪しまれて 当然だろ?ま、あれも届け出はないからそのまま謎の落とし物って事に」 「……バカなんだから。もしあの人が自首なんかしてくれなかったらどうすんだろ。 ……だけどきっと信じてる。ロボはそういう奴だもん」 2人は呆れた顔を見合わせて笑った。 夜が明けてから警察署の前でニコは名梨と待っていた。胸にマックスロボを抱き締めて。 「ねえ、結局あの教会どうなるのかな?」 「それなら心配要らねえ。社長の名前で無利子無期限無催促で全部立て替えてやった」 「えっそうなんだ!……でもあの社長がそれで納得すんの?それに他の施設だって……」 「勿論返す当てがあるからに決まってんじゃん。あの教会含めてあんな金に落とし主が現れる と思うか?」 「思わない……あっ!そういう事!?……でもそれだけじゃチャラってだけで何の得もしない んじゃないの?」 「あの空の金庫の金はどこに行ったか言わなかったよな?」 「……まさか」 「おっと誤解すんなよ?俺はただ金庫の持ち主から盗難を防いだ礼を頂いただけだぜ。交渉 済みで」 転んでも只では起きない人間達の事だ、とニコは納得した。もう慣れたもんである。 「あ、でもあたしはどうしたらいいの?」 元々はニコがロボを取り戻すために今回の事件解決があったのだ。 「その報酬はあいつから貰う約束になってる」 名梨が顎でしゃくった先を見ると、とぼとぼと歩いてくるロボがいた。とん、とニコの 肩を押すと 「行けよ」 とニヤリと口元を弛ませる。 ロボがふとうなだれていた頭を上げると、マックスロボを抱き締めて待っているニコがいた。 今にも泣き崩れてしまいそうに見えるその顔を目にして立ち止まるが、ニコはニコで戸惑った 様子で相変わらず立ち尽くしている。 と、次の瞬間ロボは思わぬ行動に出た。 「はぁ!?」 ニコの驚くのも無理はないのか。 だってロボが数メートル先に両手を一杯に広げて大の字になって待っているのだ。満面の 笑みを浮かべながら。 「ばっか……何やってんだっつうの!」 膨れっ面で物凄い勢いで向かってくるニコを抱き止めようとする。が、ロボの胸元に マックスロボを押し付けると脇をすり抜けられてしまい、勢い余って前のめりに倒れそうに なったロボはそのままがっくりと肩を落としてまたうなだれた。 だが、ふと背中に感じる温もりに気付く。と同時にウエストに回された自分より華奢な白い 腕に自らの手をマックスロボごと重ねる。 「……どうせならさあ、前においでよ~」 「いやだ」 「そんなじゃさあ、顔見れないじゃん」 「いい!見なくて」 「ニコぉ~」 そう言いつつも口元は自然と弛んでゆく。背中に感じる熱と雫の感触に、彼女がどんな顔を しているのかなんて本当はよくわかるから。 その時バイクの音がして、2人はそっちに意識を向けた。 「ありがとう!」 ニコの叫びに軽く手を挙げて返すと、ゆっくりと走り出した。 「……よっちゃん!またな、また帰って来いよな!」 軽く挙げた手を振りながら去っていく。 「約束、必ず守るからーー!!」 小さくなるバイクを見送りながらニコは聞いた。 「ねえ、何約束って?」 「内緒。男同士の話」 ずるい!と怒るニコの頭を優しく撫でながらその言葉を思い出す。 『二度とニコを泣かさないこと』 一生を掛けても払うと約束した報酬を。 【epilogue】 結局いつの間にか「足長おじさん」は不思議な事件として迷宮入りし、流れの速い世間 からはすぐに忘れ去られてしまった。 ロボが釈放されたのは勿論真犯人が自首したからだが、それも報道はされずに処理されている。 ロボが捕まったあの晩の大金の真相も、真境名の名で何らかの力に闇へ流れたのだろうか……。 「ねー二湖どこ行くの?お弁当なんか作って……あっデート?そうなんでしょ!」 「何二湖がデートだって?相手は誰だっ!誰なん」 「あらやだお父さん取り乱しちゃって……ってそうなの?二湖」 どう見ても2人分の食事の入ったバスケットを見て、一海をはじめ両親まで出しゃばってくる。 『あたしじゃそんなに珍しいかな……』 一海ならそうでもないのだろうが。 「誕生日、一緒に祝えなかったからね」 ニコの言葉に3人ともしばしぽかんとするが、やがてその顔は驚愕?に変わる。 「えーーーーーっ!?」 その声を聞きながら 「行ってきまーす♪」 と玄関を後にする。 新緑の眩しい道を歩きながら、あの時のロボの言葉を思い出す。 『ニコに助けて貰ったら確かにすぐ帰れたかもしれない。でもそうすると、今度はまだ高校生の ニコがあれこれ言われる事で、傷が付く事になるって。だけど俺はこれでも少しは世間を 知った大人だから……ニコを守りたかった。会わない4年間、俺はマックスを通して ニコに励まされてきたんだから』 何かに縋るのは悪い事ではないと真境名は言った。確かにそれに心を預ける事で、自分が 強くなる事も出来るのだ。 車にもたれて待つロボを見つけると、向こうもニコを見つけて駆けてくる。 「待った?」 「ううん。で、どこ行く?俺思い付かなかった~」 「あたしも」 「んじゃとりあえず乗って」 むーちゃんはその後、一時落ち込みはしたものの何とか元気を取り戻した。 『遠くへ行く事になってしまった。君の事は忘れません。ありがとう。君に恥じない人間に なります』 最後の電話を心に刻み込んで。 ニコは今ロボの隣で風になびく髪を撫でながら、彼女があの日屋上で言った言葉を思い出す。 『ロボさんてさあ、ニコにとって神様のような人なんだね』 * * * * * * *終