約 491,462 件
https://w.atwiki.jp/hirireorikyara/pages/229.html
「…………は?」 ぽかん、と口を開ける丹羽だったが、凜と清正はそれをすぐに察したらしく、目を細めた。 紅い狐が一刀両断と一戦を交えたのは既に数時間前。 それから凜と同盟関係を結び、清正達と接触したのが十数分前――ならば、彼が狐に襲撃されたのは一体『いつ』だ?――――たかが数十分で、こうはならない。 血痕は完全に渇いているが、一刀両断の後に彼女に襲われたなら数十分前と見るのが妥当だろう。 数十分の内に、こんなに完全に渇き、湿り気一つ残さないまでになるだろうか? 「一刀両断の前に戦ったとしても同じだ。お前は息を切らしているが、まさか数時間も走ったのか? いや、走り続けていたのか? 疲労することもなく、ずっと?」 そんなことは無理だ。 長距離ランナーなどであったなら他愛もないことなのかもしれないが、彼の体は鍛えているようには見えない。とても、化け物じみた体力の持ち主とは思えなかった。 だが何よりの証拠は、彼の身体にある。 やっと状況を理解した一刀両断は、そういうことか、と笑った後に指摘した。 「お前、汗をかいてないよな。ずっと走ってきたなら、汗くらい流すだろ。 走り慣れてる、なんて言い訳はナシだぜ。それとこれとは別の話だ」 丹羽はすっかり黙っていたが、それは相手を論破できない為の沈黙ではない。 自分の下らなく些細なミスを、後悔しているかのようなそれだった。 彼らの推論、そして恐らく誰もが懐いている懸念は的中している。 丹羽雄二―――否、早野正昭は、既に一人を殺した殺人者である。 当然、彼らに言ったことも全て嘘。嘘の中に本当を織り混ぜているから分かりにくいだろうが、自分自身がこんなミスを冒していては無理もない。 暴かれた殺人者は、彼らに弁解することなく、声を出さずに、だが確かに笑って見せた。 「名推理だ」 次の瞬間、彼はディパックから取り出した木製のバットを勢いよく――『天高く放り投げた』。 当然それはブラフ。 だが、人間の意識を集中させるには十分な、最適とも言える行動だ。 須藤凜が、飯島遥光が、加藤清正が、銀丘白影が、一刀両断が、璃神妹花が、その一点に集中する。 正昭はその間に隠し持っていたM4カービンを取り出し、何の躊躇いもなく引き金を引いた。 ここにいる者は全て人間。ならば、鉛弾の嵐を余すところなく浴びて生きていられる道理がない。 しかし、早野正昭はたった一つ、見落としていた。 このフィールドである意味最も害がなく、同時に最も危惧すべき存在を、見落としてしまっていた。 邪気なき邪―――そんな存在を、見落としていた。 発射された弾丸が目掛けたのは正昭から見て一番厄介と思われた銀丘。 流れ弾はほぼ隣に位置していた一刀両断にも及んだが、たかが数発ならば通す彼女ではない。 『一刀両断』。その言葉に恥じぬ斬撃を浴びせ、致命的なダメージを受けずに終わる。 流石に完全に避けきることは叶わなかったが、それでも腕の薄皮一枚を裂くだけに止めた。 銀丘は無言のままに、飛来する弾丸の飛行距離上に『爆弾』を設置する。 限界数使うまでもない。二つもあれば、弾丸くらい優に撃ち落とせるのだから。 激しい爆発音と爆風が吹き荒れるが、彼は全くの無傷。 地面には抉れた痕跡と、弾丸の破片が刻んだ痕跡が残されていた。 「―――――なっ」 「「こんなものかよ」」 ほぼ同時のタイミングで二人の異能者が笑う。 そんな形で攻撃を防がれるとは思いもしない正昭は、即座に二次波を放とうとする。 が、加藤清正という実力者の存在がそれを許さない。 圧倒的な速度で彼を捕縛せんと迫り、逃げようとするが真横からは端麗な触手が迫る。 銃撃をあえて足元に放つことで何とか清正の進軍を止めるが、触手は容赦なくその身体を殴打する。 致死には至らなかったが、見た目からは想像も出来ない威力に正昭は跳ね飛ばされる。 地面を何度かバウンドした後、意識を失ったのかぴくりとも動かなくなる。 死んではいない。 呼吸はしているようだし、上手く気絶させることが出来たらしい。 一件落着か――。 再び流れた安堵の空気。 しかしながら、ここにきて今まで誰もが気に留めなかった存在が、動く。 ゲル状の触手『うにゃー』を持った誰よりも小さく無邪気な少女、璃神妹花。 正確には彼女ではなく背中の触手。 正式名を『人喰らいの触手』と呼ばれるそれが、今ここで、押さえ込んだ食欲を解放せんとしていた。 既に気絶している正昭の身体を撫でるように――『うにゃー』は捕食を開始せんとする。 妹花自身はそれを止めるでもなく、まるで部外者であるかのようにじっとそれを見つめる。 一瞬何をしているのか、誰も分からなかった。 唯一何が起こるのかを察したのは、彼女と最初に出会い、彼女の『サイキック』をこの場で一番把握している清正だ。 とにかく、放置しておいては大変なことになる。 少なくともあの青年は死ぬし、璃神妹花に過ちを犯させることにも繋がっていくだろう。 加藤清正の矜持に懸けて、そんなことを見過ごすことは出来なかった。 たとえ犯罪者だろうと、このゲームで無益な死は出したくない―――その思いに彼は突き動かされる。 「待てッ!」 如何にサイキックで生み出されていようが、不意打ちでなら攻撃も通る。 今にも正昭の身体を喰らおうとしていた「うにゃー」を横から正拳突きで殴り飛ばし、強引に行為を中断させた。 騒然となる一同を余所に、妹花は小首を傾げ、心底不思議そうな顔をして言う。 「……どうして止めるの、清正おじちゃん?」 「うにゃー殿は間違っている……! 何も命を奪うことはない筈だ」 「そんなことないよ。殺すわけじゃない――うにゃーは、食べるだけなんだよ?」 その表情は無垢そのもの。 自分の言っていることに何一つ間違いはない、そもそも正しいとさえ思っていない。 これは、璃神妹花という少女が生きてきた中での普通なのだ。 「………妹花殿。自分が何を言っているのか、分かっているのだろうな」 普段ならば幼子に決して見せることのない、一際強い気迫で清正は妹花を見る。 しかしそれも意味を為さない――何を言っているのか。そんなこと、彼女からすれば当たり前の常識を唱えている認識しかないのだから。 「だって、うにゃーがお腹空いたって言うんだもん。 おじちゃん達を食べるのはうにゃーが嫌だって言ってるけど、この人は悪いひとなんでしょ? だったら食べたっていいと思うな。よくわからないよ」 清正は、彼女の本音を聞いた上でやっと理解した。 彼女は決して人間が破綻しているわけではない。 もしそうだったなら、知能に長けるあの銀丘白影が行動を共にし続けている筈がない。 清正本人も、最初に出会ってから彼女が邪悪なものだと感じた瞬間は刹那とてなかった。 これが、璃神妹花の常識。 生まれてから、これだけ目立つ触手を抱えて生きてきたのだ―――その過程で迫害や差別があったことなど想像に難くない。語りたくないが、世の中はそう綺麗なものばかりではない。 時には泣きたくなるような苦しみも、痛みもあっただろう。 それに適応してしまったから、無垢故に彼女は大きな歪みを抱えてしまった。 狂っているのではない。ただ彼女は、知らない。 人間の優しさを、汚さもあれどそれ以上に美しい面を、知らない。 どれほど失望して彼女がその小さな身体で生き抜いてきたのか――清正は心が傷む思いだった。 「妹花殿。いいか、よく聞け。人間は――悪いものではない。時には醜悪だが、時にどんな絶景よりも美しい」 「―――そんなことない」 妹花の声色が鋭く、鋭利なものに変化した。 まるで人が変わったように、彼女は清正の言葉に反論を唱える。 「人間は醜いよ、清正おじちゃん。 まいかもうにゃーも、今までいっぱいそういう人たちを見てきたからわかるんだ」 彼女にとっては、人間の住む常世はもはや掃き溜めのように見えているのか。 全てに失望し、裏切られ、世界の悪を知りすぎた少女は強い口調で清正の言葉を否定した。 彼女の感情に応えるかのように触手は動作を止め、清正の方を向いている。 いわば臨戦状態。 「うにゃー」が妹花の意志とは関係なく行動することがあることは、清正が既に確認していた。 危険な状況下にあることは、言うまでもない。 「―――退け」 凛、と声が響く。 黙りを決め込んでいた一刀両断が、模造の刀を構えて同じく臨戦体勢を取っていた。 それが意味するところは、場の誰もが理解できただろう。 「埒が明かないだろ。あたしがそいつを殺す」 一刀両断という人間は、時に合理的な判断を下す。 例えば銀丘白影を信用できないと断じた時のように、迷いさえも切り捨てる質だ。 その彼女が出した結論は、須藤凜との約束を守るのを最優先すること。 即ち、危険因子の璃神妹花を排除―――殺害する道を、彼女は選んだ。 「一刀両断殿……待ってくれ、まだ」 「まだ早い、ってことはないだろ。これは殺し合いだ――最悪を想定することが必要だと思うけど」 そう言いながら、一刀両断は璃神妹花を殺害するビジョンを脳内で少しずつ組み上げる。 あの触手の速度は相当速いが、自らのルール能力の前には所詮只のスライム同然だ。 避ける攻撃と迎え撃つ攻撃を見極めて戦っていけば、あれを掻い潜るのは造作もないこと。 後は無防備な幼女の首を斬りでもすれば、それにて一件落着だ。 しかし彼女を非難するように、陰鬱のジョーカーも口を開く。 「おい、待て。加藤の言う通りだ。幾ら何でも早計が過ぎるぞ、四字熟語」 「――――だから早いってことはねえっつの」 「随分と短気だな。恐れているのか?」 「言ってろ詐欺師。あたしは約束を守る女なんだよ」 ざん、と一歩前に踏み出す。 妹花は突然敵意を向けられることに戸惑っているようだが、そんなことは意にも介さない。 目的は果たす。 その過程に、情だとかそういうものは要らない。 誰にも、彼女は止められない――――「そうはいきませんよ、一刀両断さん」 ――――須藤凜を除いては。 彼はかつて彼女と交換条件を取り付けた時のように毅然と、彼女を見て言い放っていた。 とてもじゃないが、先程まで自己嫌悪に燻っていた少年と同一人物とは思えない。 だがその堂々とした態度は、一刀両断という四字熟語の足を止めることに成功した。 「……何だ、お前。お前も止めるのか?」 「いや、俺が言いたいのは―――"これは約束違反だ"ってことですよ」 挑発的とも取れるその言い回しに、場は凍り付く。 須藤凜という少年の本質がどの程度か密かに測っていた銀丘も、これは予想外と言う他なかった。 「んーと、よ……あたしにはお前の言うことがよく分からないんだが、どういう意味だ、須藤?」 戦意を収めて、一刀両断は風に揺れるポニーテールを手で押さえて言う。 その顔は怪訝そのもので、僅かながら苛立ちの色も覗かせている。 当然だろう。彼女の真の目的は決して、須藤凜と飯島遥光を守護することではない。 それはあくまで第二のもので、本来は『紆余曲折の盾として彼を捜す』ことなのだ。 なのに、どこまで自分を束縛するのか、という苛立ちを懐くのは当然の話だ。 「俺は言いました、『俺達』を護ってほしいと」 「ああ、そうだな―――って、お前まさか」 「そういうことですよ、一刀両断さん」 それは屁理屈を通り越して、もはや詭弁の域の論だった。 しかし凜自身も、これより他にこの状況を――不幸(アンハッピー)の繰り返し(リフレイン)を止める術などどこにもないと信じて、その上で行った行動である。 一刀両断を止めて、そしてその先は―――自分が背負う。 中学生の少年には重すぎる気さえする選択だったが、須藤凜は選び取る。 「俺達を護ってほしい――誰も、俺と遥光ちゃんだけを『俺達』とするなんて言ってない」 「………そういうことか、やってくれたなてめえ」 「最低限の悪知恵、ですよ。猿知恵でも間違っちゃいませんね」 今の『俺達』は―――六人だ。 彼女が捉えていたように、須藤凜と飯島遥光。 次に、加藤清正。 彼女と反りが合わないジョーカーの男、銀丘白影。 そして璃神妹花もまた、例外ではない。故に、妹花を一刀両断が殺すことは重大な違反行為。 「っく、くくく、くく……出し抜かれたな、四字熟語」 「全くだよ……まさかこういうことだなんて思わないさ」 「おにーさん素敵っ!」 感想の声が聞こえてくる――が、とりあえず状況を収めることには成功したようだ。 安堵の息をつかずにはいられない。 だが、これからが本番だ。 繰り返される不幸せを終わらせるために、須藤凜は決断を下す。 「聞いてほしい話があります。このままじゃ俺達は崩壊したっておかしくない」 事実だ。 この『対主催集団』には、あまりにも不和の要素が多すぎる。 銀丘の過剰なまでの冷徹さ、妹花の問題もある。問題はまさに山積み、いつ崩れてもおかしくはない。 だからこそそれを抑える為に、『リーダー』が必要になるだろう。 「これからは俺が、このチームを纏める」 これが、須藤凜の精一杯の、しかしこの殺伐を終わらせる最大の奇策だった。 自らの器でこの面子を取り仕切れるかはわからない―――だが、そのくらいの覚悟、背負えなくてどうする。 自らを鼓舞するように凜は茫然とする面々に向け自信たっぷりを装って言い放つ。 「妹花ちゃんにも、当分は…えと、『うにゃー』の食事を我慢してもらわなきゃならない。 でも大丈夫だ、必ず方法を見つけるから―――絶対に」 「ふん、絶対に、か。その根拠はどこにあるのだ? はっきり言うが私は賛成できない。お前に、そんな大役が勤まるとはとても思えんからな」 銀丘の表情は固い。 須藤凛という少年は、何の力も持ってはいない。 平和ボケした日常を悠々と生きてきただけの人物に大役の任を任せるのは、無謀が過ぎるのではないか。 そんな至極全うな、苛立つ程に正論な意見を彼は唱える。 見れば、この件に関して言うならば―――加藤清正も、同じ意見のようだった。 その表情は優れず、どうしたものか、という迷いの色が窺える。 「……儂も、その案には正直同意しかねる。 須藤殿を罵るつもりは毛頭ないが、その役目はあまりに重い。……分かっているのか?」 この不幸せを引き起こした張本人の璃神妹花は、現在幸いにも捕食の動きは見せていない。 彼女を――彼女の背負っているモノを理解してくれた仲間には牙を剥かない。 あくまでこの場の『対象』は早野正昭だけで、目の前の仲間を無理に退けて、傷付けてまでして、相棒の食欲を満たそうとはしなかった。 それは、相棒にとっても本意ではないだろうと思ったのもあるが。 怪訝な顔で凛に問う清正。 普段の彼ならば臆してしまっていたかもしれない。だが今は違う。 死の淵で出会った親友。 この戦いを終わらせることは、彼へ捧ぐ供物でもあるのだ。 故に須藤凛少年には、自らの意志を曲げる気など―――さらさらなかった。 「はっきり言って、俺は貴方達より絶対に弱い。変な力は持っていなけりゃ、別に何か達人級の腕前を振るえる分野があるわけでもない―――だからこそ、ですよ」 「ふむ? 済まんが説明してもらえるか」 「人無は――主催者は、何も適当に参加者を選んだわけではない筈です。 パワーバランスを考えて、それでいて面白いゲームになるように考えて、選んだと思う」 考えてみれば、おかしいのだ。 清正のように、生身でも達人と呼ぶに相応しい力を持つ人間。 銀丘や妹花のように、未知の力を思うがままに振るう人間。 一刀両断のように、ルールで定められた力を振るう「四字熟語」。 そんな化け物揃いのゲームに――どうして、自分のような人間まで参加させられているのか。 下手をすればそもそも勝負にならない可能性さえあるのに、こうして参加者が選ばれた理由。 それはひとえに、『バランス』を保つためなのだ。 強者と弱者の間の力の差を埋めるためには、否が応でも強き者の力を借りねばならない。 最初から、このゲームはそうやって力関係が保たれていると、彼は考えていた。 ならば、これを利用しない手はない。 「………成程な。そういう考えもある」 一足早く意味を察したのか、銀丘は少しだけ表情を崩す。 よく考えたな、という賞賛の動作にも見えて、凛は少しだけ自分が誇らしく思えた気がした。 「このゲームを打倒するのに、間違いなく俺達は相応しい戦力だ。 清正さんの力に銀丘さんのジョーカーとしての権利、一刀両断さんの《ルール能力》。 妹花ちゃんは少しだけ不安があるけど、俺も力を合わせて遥光ちゃんを一緒に護る。 ―――誇張表現じゃなく、今の俺達は完璧な布陣です」 「司令塔、だな。貴殿が請け負おうとしているのは」 「そうです」 凛が何故そんな役目を請け負ったかと言えば、ひとえにそれは『戦える中で彼が一番弱い』からだ。 本当に普通の中学生の彼では、精々殴り合い程度しか出来ない。 適材適所で考えるなら、自分のような役立たずはこういう役割こそが相応しい。 こういうと言い方が悪いが、戦力として飯島遥光をカウントすることは無理だ。 彼女をより確実に護るために、自分と妹花の共同体制でいく。 万一他の『能力者』と交戦になれば、戦況を見て自分が退却や進軍の判断を下す。 責任重大だが、秩序のない団体が成り立つわけはない―――絶対に必要なのだ、リーダーは。 実際、ジョーカーでもあり知略にも長ける銀丘の方がお誂え向きの役目かもしれない。 だが、彼から感じられる胡散臭さがどうしても不安だ。 実質の消去法で、自分が請け負うことが最も、これ以上不和を生まないと凛は判断した。 自惚れではない。これは、戦う覚悟だった。 巣食う迷いを完全に断ち切り、戦うための。 「俺は見せてやりたい。人無結の鼻を――――明かしてやらなきゃ、気が済まない」 「………いいんじゃないのか? あたしとしちゃあ別に誰でも構わないぞ」 一刀両断は興味なさげな、むしろ「なんか面倒なことになったなぁ」といった様子だったが、彼女は彼女で、紆余曲折を一刻も早く見つけられれば他はどうでもいいようだった。 面倒臭がっても、約束を守るあたりが律儀だと凛は思い、心の中で感謝する。 「おにーさんがリーダーだったら、安心だと思うなっ!」 「うむ。そこまでの覚悟があるとは立派――良い。気が済むまで、お主の思うようにやってみろ」 まさか。ここまで上等な意見を貰えるとは―――凛は内心、感激めいた感情さえ懐いていた。 あれだけ痛烈に批判していた銀丘も、異論はないらしい。 相変わらずその表情は陰鬱そのものだったが。 「………凛お兄ちゃんが、リーダーさん?」 「そうだよ。頼りないかもしれないけど、俺がリーダーさんだ」 純粋な瞳で、しかし穢れを知り尽くしたその瞳で、妹花は凛の顔をじっと見つめる。 まず最初の問題は、彼女だ。 『人喰らいの触手』をどうにかしなければ、布陣を整えることさえままならないだろう。 一刀両断と(あくまで必要最低限の)情報交換を行った時に彼女自身の口から聞いた《ルール能力》の存在にも驚いたが、これはそれ以上に彼に衝撃を与えた。 その残酷な在り方に―――幼い少女にはあまりに重すぎる苦しみに。 「ごめんな、妹花ちゃん。少しだけ――寝ていてくれ」 何を言いたいか察したのか、清正は「うにゃー」が何かしらの反応を示す前に彼女の意識を奪っていた。まさに速攻、見惚れる程に美しい動きで。 すぅ、すぅ――――と寝息を立てる妹花を清正が抱き上げると、全員の視線が凛に集中する。 少しだけ気圧されそうになったが、精一杯の虚勢を張って、リーダーらしく宣言した。 「妹花ちゃんを助ける。力を貸してくれますか?」 あくまで下手であった。 呆れたように笑い、遥光が言う。 「おにーさんはリーダーなんでしょ? だったらもっと堂々としてていいと思うよっ!」 「全くだ。全く以て頼りない。つい爆破してしまいそうだ」 「お前は本気でやりかねないから止めろ」 自分にはやはりリーダーは向いていないかもしれない。 それでも少しでも、多くの人を救えたらいい。 (――――そうだよな、匠) 【C-6/市街地/一日目/朝】 【須藤凛@変哲もないオリキャラでバトルロワイアル】 [状態]:顔に腫れ、体中にダメージ(大)、肉体的疲労(大)、左肩に刺し傷(処置済) [服装]:特筆事項無し [装備]:トンファー@現実 [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2 [思考] 基本:この殺し合いを潰す 0:リーダーとしてチームを纏める。 1:妹花ちゃんの問題を解決する 2:まず狭山さんを見つけたい 3:さっきのは……夢? [備考] ※変哲オリロワ参加前からの参戦です。 ※石川清隆の外見のみ記憶しました。 ※飯島遥光が年上と知りません ※一刀両断のルール能力について聞いたようです 【飯島遥光@数だけロワ】 [状態]:健康 [服装]:特筆事項無し [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3 [思考] 基本:生き残る 1:おにーさんたちと行動 2:熊本潤平と合流 [備考] ※数だけロワ参加前からの参戦です。 ※石川清隆の外見のみ記憶しました。 ※須藤凛が年下とは知りません 【一刀両断@四字熟語バトルロワイアル】 [状態]:肉体的疲労(中)、肩に掠り傷 [服装]:特筆事項無し [装備]:模造刀 [道具]:基本支給品一式 [思考] 基本:紆余曲折の盾になる 1:須藤との約束を果たす 2:紆余曲折、切磋琢磨との合流(紆余曲折を優先) [備考] ※四字熟語ロワ23話「仲間意識」で刀を取りに行ったところからの参戦です。 ※小神さくらの外見のみ記憶しました。 ※四字熟語のルールは規制されていません。 【加藤清正@DOLバトルロワイアル4th】 [状態]健康 [服装]特筆事項なし [道具]基本支給品一式、同田貫正國、ランダム支給品×2 [思考] 基本 殺し合いやらを止める 1:須藤殿達と一緒に行動する [備考] ※ロワ参加前からの参加です ※うにゃーの存在を良いモノと認識しました ※銀丘白影から『ジョーカー』について聞きました 【璃神妹花@サイキッカーバトルロワイアル】 [状態]気絶中 [服装]特筆事項なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×3 [思考] 基本 殺し合いなんてしない 1:このおじちゃんたちと一緒にいる 2:うにゃーの≪食事≫を探そうかな? [備考] ※ロワ参加前からの参加です ※うにゃーを認識してくれる者は≪食事≫として見られません ◆ ◇ おお、感動的だな。 無力だった少年が成長して、一つのチームを纏め上げるまでになるとは。 私も思わず涙してしまいそうだ。 えー、というわけで銀丘白影がここから先をお送りしよう。 予想外に早く大きな対主催グループに所属することが出来たことはひとまず幸運としておくか。 どこかの馬鹿のせいで『力』を晒す羽目になったが。 だがまぁ、そこは大目に見てやるとしよう。私の力はたとえ予期していても簡単に凌げるそれではない。 おまけに、支給品と合わせればこの場で――こいつらを皆殺しにだって出来る訳だ。 無論そんな愚を犯す気など毛頭ないが、自分の身は自分で守らなければいけない。 保険をかけておくに―――越したことはないだろう? 話を戻そう。 結論から言って、私にとって非常に都合のいい展開になった。 須藤凛の采配がどう働くかは全くの未知だが、この集団に戦力が集中していることは間違いない。 逆にこの布陣でどうにかできない敵なんて存在するのかどうかも疑わしい程だ。 璃神妹花の存在が現時点では不安要素だが、それで止まるとも考え難い。 この勢いはそうそう簡単には止まらない。それこそ、本当にこのゲームを転覆させたっておかしくはない。 熱血物語に浸る気は更々ない――だが、私は私が安全に生還できるならそれでいいのだ。 優勝だろうと脱出だろうと、主催者の打倒だとしても、何も構うことはない。 そういう観点から見れば、須藤が下手糞であってもこのチームを纏めてくれるのは有難い話。 只でさえ我々は他の参加者に比べ『私』というアドバンテージを獲得している。 それで戦力までも揃えば、対主催の最大派閥に成り上がることだって何ら難しくはないだろう。 ―――首尾よくそうなれば、私は心を入れ換えて正義を気取らせて貰う。 何にせよ、まずは璃神妹花だな。 人喰いの魔物を匿っていると知れれば、他参加者からの不信を買いかねない。 一刻も早く彼女の対策を行うことが必要か。 当分は、須藤の小僧に従ってやるとする。 だが驕るなよ。いつでも私はお前を切り捨てる覚悟がある、と肝に銘じておくがいい。 ―――流行りのツンデレ? ふん、そんなものと一くくりにするんじゃないぜ。 【銀丘白影@サイキッカーバトルロワイアル】 [状態]健康 [服装]特筆事項なし [装備]なし [所持品]基本支給品一式、ガソリン(5リットル)、首輪のサンプル、ラハティL-39(10/10) [思考・行動] 基本 今は偽善者気分 1 一回目の放送までには『ジョーカー』か『偽善の勇者』かを決める 2 須藤に従っておく。 [備考] ※ロワ参加前からの参加です ※主催者と契約した『ジョーカー』なので首輪の解除と支給品での援助を受けています ◇ ◇ 目を覚ますと、俺、早野正昭は一人だった。 どうやら命は助かったらしいが、あいつらを殺すことは出来ずじまいだ。 だけど―――ちょっとばかり、想像の枠を超えすぎていた気がする。 銃弾を爆弾で撃ち落としたり、真っ二つにしてみたり。 挙げ句の果てにはスライムで出来たような気味の悪い触手まで振り回してくる始末。 この世界は一体いつからあんなにファンタジーな連中が蔓延るようになったのだろうか。 はっきり言って、最初の狐の時もそうだったが、ああいう奴を相手にするのは怖い。 下手をすれば殺されるのはこっちだ。銃を持っているからといっても、連中を倒せるかはわからない。 なんて酷いバランスのゲームだ―――と、悪態の一つや二つつきたくなる。 強い者が勝ち、弱い者はどんどん死んでいく。堕ちていく。 「ま、そんなもんか」 はは、と乾いた笑い声。紛れもなく、俺の声だった。 服にべっとりとこびりついた大塚英哉の血液の痕を撫でて、俺は自嘲するように呟く。 後戻りはもう出来ない―――そんなこと、わかりきっている。 「……俺は正しい、そうだろ」 それが誰に向けた言葉だったのかは、俺にもわからなかった。 【早野正昭@個人趣味ロワ】 [状態]:全身にダメージ(中)、精神疲労(大)、衣服が血塗れ [服装]:特筆事項無し [装備]:M4カービン(20/30) [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2 [思考] 基本:優勝して自らが殺した全ての人間を蘇らせる 1:当分は替えの衣服を探したい。 2:対主催グループに潜入して、隙を見て一網打尽にする [備考] ※個人趣味ロワ、死亡後からの参加です ※木製バットは回収していません 時系列順で読む Back アンハッピーリフレイン(前編) Next メカクシコード 投下順で読む Back アンハッピーリフレイン(前編) Next メカクシコード 054 アンハッピーリフレイン(前編) 加藤清正 068 疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』 054 アンハッピーリフレイン(前編) 璃神妹花 068 疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』 054 アンハッピーリフレイン(前編) 銀丘白影 068 疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』 054 アンハッピーリフレイン(前編) 須藤凛 068 疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』 054 アンハッピーリフレイン(前編) 飯島遥光 068 疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』 054 アンハッピーリフレイン(前編) 一刀両断 068 疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』 054 アンハッピーリフレイン(前編) 早野正昭 070 失踪する思春期のパラベラム『ブリリアント・カタルシス』
https://w.atwiki.jp/gunvoltsou2ch/pages/72.html
ノワ: 今入った情報によりますと、エデンの能力者がハイウェイに攻撃をしかけている模様 能力者は現在も破壊活動を続け、高速で移動中とのことです アキュラ: 高速移動か…こちらも移動手段が必要だな ノワ: おまかせを。それについてはこちらで準備いたします アキュラさまは先に現場へ向かってください。後ほど合流いたしましょう 水晶(プリズム) 追走劇の舞台は廃れたハイウェイ 演ずる道化は無芸で不敬で荒唐無稽 誰もが望む道化の処刑、そして上がる人類の歓声 + 出張版テンジアンの四字熟語講座 【出張版テンジアンの四字熟語講座】 《荒唐無稽(こうとうむけい)》 言説などがデタラメでよりどころのないさま。 ―[STRIKE]― アキュラ: ノワ、準備は出来ているな? ノワ: 現在そちらへ向かっています。合流地点で落ち合いましょう (水晶) アキュラ: 水晶? バケモノの第七波動(セブンス)か… こんなものが路上に突然現れば、交通機関は大打撃を受けて当然だ 悪鬼どもが…許すわけにはいかないな… (スプリンクラー) ロロ: うわ、燃えてるよ アキュラ: スプリンクラーが作動していない…故障か? 手荒だが、バルブを破壊すれば水が出るかもしれない (序盤、背景に大きな水晶塊が見える辺り) 無機質な照明灯の光が、無残に破壊されたハイウェイを照らす… この破壊をたった一人で行った能力者(バケモノ)は現在、ハイウェイを高速で移動中 早くノワとの合流地点に向かわなくてはな… (壊せるコンテナを過ぎて高層状になっている辺り) アキュラ: 酷い様相だ…復旧には時間がかかるだろうな ロロ: そのスキに好き放題しようってわけか 人様に迷惑かけるようなやつは、ぼくらでお仕置きしてやろう!アキュラくん (中盤、壊せる縦プリズム柱を過ぎて壊せる横プリズム足場がかる辺り) ノワ: アキュラさま、申し訳ありません 道路が破壊されており、到達が遅れそうです アキュラ: 判った。敵の妨害はないか? ノワ: 今のところは アキュラ: ならばいい。気をつけて来い ノワ: ありがとうございます (拡張メモリ) これは、拡張メモリか… これがあれば、WT(ヴァイスティーガー)により多くのコードを載せることが出来るな (スパイダー) アキュラ: これは皇神(スメラギ)の… ロロ: 知ってるんだ? アキュラ: 皇神(スメラギ)が開発していた無人戦車の試作機…確かスパイダーと言ったか 皇神(スメラギ)の兵器はことごとくバケモノ共に利用される運命のようだな… (ゲートモノリス) ロロ: ゲートモノリスを壊して早くノワと合流しよう そろそろノワとの合流地点だが… (DXマシンアキュラー到着) ノワ: お待たせしました。アキュラさま アキュラ: 追いつけそうか? ノワ: このマシンならば問題ありません。私におまかせを なお、マシンの上ではブリッツダッシュが出来ません。ご注意を アキュラ: …了解だ (搭乗、発進) 前方に水晶…! ノワ: ご心配なく。粉砕します アキュラ: ザコ共め…蹴散らしてくれる アキュラ: くっ…もっと飛ばせないのか? ノワ: その場合、アキュラさまがすっ飛んでしまいますが、よろしいでしょうか? アキュラ: よろしくない… (ガウリ登場) アキュラ: ターゲット捕捉…仕留める! ガウリ: ようこそ地獄のGATE.けどお前はBIRDとDATE? 逃げられない死のFATE.サヨナラここでCHECKMATE! (ガウリ撤退) ガウリ: 奥のHALLにお前をCALL.すぐそこお前のDOWNFALL! アキュラ: 待て! ノワ: アキュラさま、この先はマシンの侵入が難しい地形になっています アキュラ: 判った。ここから先は、オレとロロだけで向かう ノワ: アキュラさま、ご武運を… (ガウリ改めて登場) こんなところに人…? いや… アキュラ: 貴様…さっきの能力者か。わざわざ変身を解いてなんのつもりだ? ガウリ: 観客ども(オーディエンス)が寄せる期待。顔見せぐらいはしておきたい オレはガウリA.K.Aプリズムマスター! ここが舞踏会(ダンス)の会場(ステージ)だ + ガウリのメリケンスラング講座 【ガウリのメリケンスラング講座】 《A.K.A》 「also known as」の略で、 直訳すると「またの名を~」とかそんな感じ。 改行の位置がおかしい気がするが、文字数の都合だろう。 (ガウリ改めて変身) ガウリ: ガウリ IN DA HOUSE. BPMアゲてくぜ? ─[STRIKE]─ ガウリ: お前は何さ? オレはダンサー オレのDANCEで世界変えるCHANCE. WACKな無能力者(ワナビー)、あまりに生意気 オレのSKILLでOVERKILL! アキュラ: それがダンスだと? 笑いもおきん 貴様も、その巫山戯(ふざけ)た口調も、滑っていると自覚しろ 貴様のそれは、誘蛾灯に群がる虫どもの舞も同じだ ガウリ: ダンスってのはNO BORDER. 無能力者(ワナビー)排除がEDENのORDER. 無理解・無価値 お前の罪(クライム) 裁きのTIMEさ IT'S SHOWTIME! アキュラ: 裁きを下せるのは人の法…貴様ら人外に裁ける道理はない 裁くのはオレだ、バケモノ風情が…! ガウリ: お前の価値観 NO THANK YOU. さっさと消えな SCREW YOU! + ガウリのメリケンスラング講座 【ガウリのメリケンスラング講座】 《screw you.》 「あっち行け」とか「ふざけんな」とか「くたばれ」とかそんな罵倒の言葉は。 「f○○k you」を柔らかくした感じだと思ってくれればいい。 プリズムストライク(中水晶キック)でも同じ事言ってる。 アキュラ: 道化と話すは、あまりに時間のムダか…いいだろう… その児戯…オレが討滅する! (ガウリ撃破) アキュラ: 討滅完了。やはり能力者どもの言葉は理解出来んな… ノワ: お見事でした。すぐにそちらへ向かいます ―[CLEAR]―
https://w.atwiki.jp/konkon12/pages/171.html
朝一番に今日使える話の“タネ”をご紹介!名言・格言・四字熟語・今日は何の日?や、BSジャパンのオススメ番組など、朝に送る話の「タネ」をお届けします! 朝ダネ!に戻る 4月4日(月)清明 4月5日(火) 4月6日(水) 4月7日(木)世間は活きている理屈は死んでいる 4月8日(金) 4月10日(日)瀬戸大橋 4月11日(月)一道万芸に通ず 4月12日(火)火曜スペシャル男と女のミステリー 4月13日(水)一と言うたら二と悟れ 4月14日(木)明珠暗投 4月15日(金) 4月17日(日) 4月18日(月) 4月19日(火) 4月20日(水) 4月21日(木) 4月22日(金) 4月24日(日) 4月25日(月) 4月26日(火) 4月27日(水) 4月28日(木) 5月1日(日) 5月2日(月) 5月6日(金) 5月8日(日) 5月9日(月) 5月10日(火) 5月11日(水) 5月12日(木) 5月13日(金) 5月15日(土) 5月16日(月) 5月17日(火) 5月18日(水) 5月19日(木) 5月20日(金) 5月22日(日) 5月23日(月) 5月24日(火) 5月25日(水) 5月26日(木) 5月27日(金) 5月29日(日) 5月30日(月) 5月31日(火) 6月1日(水) 6月2日(木) 6月3日(金) 6月5日(日) 6月6日(月) 6月7日(火) 6月8日(水) 6月9日(木) 6月10日(金) 6月12日(日) 6月13日(月) 6月14日(火) 6月15日(水) 6月16日(木) 6月17日(金) 6月19日(日) 6月20日(月) 6月21日(火) 6月22日(水) 6月23日(木) 6月24日(金) 6月26日(日) 6月27日(月) 6月28日(火) 6月29日(水) 6月30日(木) 上へ 朝ダネ!に戻る 合計: - 今日: - 昨日: -
https://w.atwiki.jp/okarowa/pages/73.html
16◇舞台装置 「なあ《私》よ」 「どうした《私》よ」 「《私たち》はここで、この娯楽施設において、一体何を成すべきなのだろうか?」 「ははは、何を言う《私》」 「決まっているだろう《私》。どこであろうと同じだ」 「どこまでも《私たち》は”役者”――」「ならば自らに課せられた”役目”を全うするのみであろう」 「そうだ、その通りだ」 「分かっているじゃあないか《私》」 「だが」 「だが?」 「では《私》の”役目”とは何か? 殺し合うことか?」 「いいや、違う」 「違うぞ《私》」 「《私》に与えられた役名は”鏡花水月”」 「鏡に映る花、あるいは」 「あるいは水面に映る月のように、とらえどころのない美しさ」 「そう、鏡花水月に」 「そうだ、鏡花水月に」 「《私たち》は鏡花水月に成らなければならない」 幻影のような薄い霞みに包まれた駐車場の一角。 白銀の髪を厳かに装い、灰と浅葱の着物を着ている”役者”鏡花水月の声が、 その空間の四方八方からまるでエコーのように響いていた。 第一放送が流れても、鏡花水月は変わることなくA-2に鎮座している。 いいや、より正確にいうなら《鏡花水月たち》だろう。 鏡花水月はそのルール能力によって、エリア一つを貸し切って実体のある幻影を作り出す。 ほら、今霧の中から数人の男が出てきた。 それらはみな揃って鏡花水月の容姿をしている。 ――この中で”本物”の鏡花水月は一人。他は全て幻想だ。 だが、蜃気楼や陽炎と違うのは、それがエリア内であれば実体も持っているということだ。 「精査の結果。幻影の《私》が持つ幻影の武器は、この駐車場の車に確かに傷を与えた」 「ただし、与えた傷もまた幻想だ」 「幻想の傷を与えた車をエリア外に運んだ場合、車は元の状態に戻った」 「そう」 「傷を与える行為もまた、幻影」 「しかしエリアから出るまでは、幻影は実体に限りなく近い」 「つまり、ここで起こる出来事は、真実以外でも真実として扱われるということだ……」 ずっとA-2に座し、来る者は惑わして四字熟語としての”役割”を果たそうとする鏡花水月だが、 だからといって何もせずに時間を過ごしていたわけではない。 自らのルール能力、《自分のいるエリア内に質量をもった幻影を発生させる》というそれについて、 彼はこの数時間を使って調べ上げていたのだ。 「もう一つ分かったのは、作れる幻影には制限が課せられているということ」 「嘆かわしいことだが、どんな幻影でも作れるわけではないようだ」 「大きさの制限、作れるのは親指サイズから車サイズまで」 「被写体の制限、此方以外の参加者の幻影は作れない」 「そして……かなり小さな刺激であっても、”受けた”場合には幻影は立ち消えてしまう」 水面に映る月が、少し水面に波紋を立てるだけで消えてしまうように。 鏡花水月の作り出す幻想もまた、少しの刺激でさえ致命傷となってしまう。 これらを踏まえると――無敵のように見えるこのルール能力にも、弱点は存在していることが分かる。 だが、それらは見破られなければ問題が無いものだ。 そして鏡花水月は見破らせない。だから、この空間のすべては、幻影に包まれる。 「鏡の前に置かれたその花が本当に実体なのかどうか、知る術などありはしない」 「だがしかし、鏡の向こうに見える花は間違いなく幻想だ」 「不確かな実体と、確実な幻想」「人はこの両者を並べられると、幻想を選んでしまう生き物だ」 「自らの愚かさに気付くことはない」 「鏡の中へ抜けてしまった少女から見れば、此方こそ幻影であるかもしれないとは考えない」 「故に人は間違える――此方のような者にさえ、間違えさせられてしまう」 「……少女と言えば《私》。 先の男が言っていた少女は、まだ生きているようだな」 「そうだな《私》。 だが、《私》が騙したあの男は死んでしまったらしい」 「悲しいか?」 「いいや、悲しくはない。それがあの男の”役目”であったのだろうと、不思議と得心している」 「恐いか?」 「いいや、恐くはない。此方も人だ、いつかは死ぬる。 次がもし此方の番であったとしても、悔いのない人生を”演じて”きたつもりだ」 「そうか――なあ、《私》。”演じた”人生は楽しかったか」 「《私》なのだから分かっているのだろう。なぜ聞く」 「いいや、これもまた一つの、《私》の”役目”であるからだ」 「そうか……ああ、そうだな」 「幻想ではない実態を確認しておかねばならないのは、此方もだ」 「《私》がその問いに答えを出せないことも含めて……《私》はいつも、決まった演目を演奏するだけの機械だった」 振り返ると鏡花水月は、自ら役者として役に徹するあまり、 それ以外の記憶がほとんど疎かになっていたらしい。 主催者側からの記憶操作はほとんどされておらず、代わりに嫌がらせのように、 自分の姿と目線以外に×が乱れ飛んで霞みがかっている。 さらに、多くのシーンは、三人称視点から自分を見つめた姿で脳内再生される。 否応なしに、ここに来る前の自分を見せつけられるのだ。 確かに綺麗だった。 鏡花水月と成った男が舞っていた舞台は、とても綺麗で完全だった。 だが――それだけだ。 「元からある”役”を完全に演じたところで。それはただ、言われたとおりに役を再現するのと同じなのだ」 「此方はただ、立派な葦として生えているだけで」 「造花でその身を飾らない代わりに、自分の意志で葉を広げようと考えることを、放棄している」 「ここですら。殺し合えと言われてなお、《私たち》は破綻してしまっている」 「自らの命よりも”役割”を優先している」 「鏡花水月になることで、舞台装置と化すことで」 「もし過ちを犯しても、此方ではなく”役”のせいであると言えるように……弱き心に予防線を張っているだけ」 「弱いのだ、《私》は」 「《私たち》は。結局誰もが、その結論に達する。人間は――弱いのだ」 ああ。 だから此方は、ただこのA-2に鎮座する舞台装置であろう。 誰も聞くものが居ない場所。 虚実の存在が入り混じる霞みの中で、鏡花水月は真実の言葉だけを連ねて、 自らの”役割”を改めて認識した。 ここにあるのは舞台装置。 迷い込んで来たものを惑わすだけ惑わして、ただそれだけの、鏡花水月。 「誰も来ずとも構わない。誰かが来ても、構わない」 「夢を見る者、願う者、信じる者――《私たち》はその幻想を壊さない」 「壊さないことで、救われるか?」 「それとも先の男のように、破滅に向かうか?」 「願わくば、その顛末に最後まで、此方が関与せぬことを」 ふ、と消える。 駐車場のあちこちに薄くかげっていた霞が、鏡花水月の”独り言”の終わりとともに晴れ、 表向きA-2は何もない世界へと回帰する。 ――誰かが。このA-2へと這入ってこようとしているのを、鏡花水月は察知したのだ。 「……うむ。問題はない。心配はいらない」 「此方は今回も、いつもと変わらない演目を成し遂げる」 さあ来いとばかりに発した凛とした視線は、侵入者の”二人”に届いているだろうか? 分からない。 分からないが、どうせ鏡花水月のやることは変わらないのだから関係ない。 惑わして、惑わすだけだ。 他のことをするつもりは、鏡花水月には無かった。 ふと、先ほどの男――心機一転との会話を思い出す。 心機一転をやり過ごすために、あのときは適当なことを言った。 彼を追っていたらしい少女……勇気凛々が現れたら説教でも食らわせてやるなどと。 笑止千万だ。 説教とは人格者が行うものだ。 どこまでも役者でしかない鏡花水月に、説教などできようはずもない。 「まだ生きているのだったな、件の少女は。 もしこのA-2に現れたら人格者の”役”でも演じてやろうか」 「むろん、真実味のない説教など、聞いても疎ましいだけであろうが……」 「ときに真実は、幻想を凌駕するほどに幻想だ。一秒先に何が起こるかなんて、お天道様でも分かるまい」 いつまでたっても曇ったままの空を見上げ、鏡花水月はひとりごちた。 けして日の目を浴びることのない殺し合いは続く。 決められている演目のように、悲劇的に。 【A-2/駐車場A地区】 【鏡花水月/舞台役者】 【状態】健康 【装備】不明 【持ち物】不明 【ルール能力】自分のいるエリア内に質量を持った幻影を発生させる 【スタンス】A-2に迷い込んだ参加者をただ惑わす 真打登場 前のお話 次のお話 一発殴る 前のお話 四字熟語 次のお話 幻影水鏡 鏡花水月 戦乱の演 用語解説 【鏡花水月】 鏡に映った美しい花と水に映った美しい月。見えていても手に取ることはできない、 はかない幻のたとえ。某死神漫画のボスが使う刀の名前としても有名である。 四字熟語ロワでは、それと似たような能力を持つ小さな劇座の舞台役者。 与えられた役に徹することを決めた彼は、果たして役目を全うできるのか。
https://w.atwiki.jp/tsuvoc/pages/118.html
いろんな意味で いろんないみで (頭)本来の意図とは異なる見方をすると。
https://w.atwiki.jp/kata-niho/pages/77.html
原語 communication 和訳 名詞 話し合い、話す事、 口 (くち)、譲り合い、受け答え、接し方、付き合い、通じ合い、言承け 関わり、付き合い、語らい、仲、人間関係、人付き合い、関係、 和 (わ)、睦み、親しみ、誼み、協調、対人、慇懃 人付き合い、お世辞、世渡り、社交、協調、立ち回り、応対、接し方、諂い、媚、口先、ご機嫌取り、煽て、諂諛、口繕い、巧言、阿り、媚諛 動名詞 交流、やり取り、会話、雑談、お喋り、談笑、談話、座談、懇談、歓談、伝達、協力、共有、対話、聯絡、挨拶、相談、交渉、交信、疏通、通信、応答、交感、協議、評議、討論、議論 親睦、親交、交流、お喋り、和合、交友、交際、親和、親善 動詞 喋る、話し合う、語り合う、語らう、話す、交わす、接する、伝える、通じ合う、言語らう 親しむ、仲良くなる、関わる、語らう、睦む、寛ぐ 慣用句・諺・四字熟語・未分類 意思疏通、情報交換、情報共有、意見交換、意見を交わす、以心伝心、情意投合、意気投合、手を取り合う 親交を深める、親睦を深める、絆を深める、親善を深める、関係を深める 社交辞令、報聯相、身の熟し、阿諛追従、媚びを売る、色目を使う、おべっか、おべんちゃら 漢字一字 通、交、伝、語、話、談、喋、合、協、議、相、互、疏 親、睦、和、関、仲、誼 諂、諛、阿、媚 やまとことば ことうけ(言承)、いらへ(應)、ことつて(言傳)、つて(傳) かたらふ(語)、ことかたらふ(言語)、かたりあはす(語合)、かたらひあはす(語合)、こととふ(言問)、いひかよふ(言通)、つつ(傳)、つたふ(傳) よしみ(好)、むつび(睦)、むつがたり(睦語)、むつごと(睦言) むつぶ(睦)、したしむ(親)、きこえかはす(聞交)、いでまじらふ(出交) へつらひ(諂)、くちづくろひ(口繕)、おもねり(阿)、こび(媚) おもねる(阿)、へつらふ(諂)、こぶ(媚) 備考欄 辞書 説明 廣辭林新訂版 (無記載) 新訂大言海 (無記載) 角川国語辞典新版 名 ①通信。伝達。報道。②言語・文字その他の方法による思想の交換・伝達。 大英和辭典 〔名〕[一]通信,交通,交際.[二]消息,音信.[三]通信サレル物,手帳,書簡〔シヨカン〕,書狀,使命,通知,報知.[四]交通機關,交通ノ手段.[五]聖餐ヲ受ケルコト. 略称(語素) コミュ 直訳音写語は「意思疎通」か。 具体的な事を言わない、意味を濁す時に使われているように感じます。その抽象性(多義性)が欲しいのであれば「交流」や「会話」に同じ。 英語では学術用語の如く、堅苦しい言葉としてあると思われる。日本語の「おしゃべり」を言うのにこの語は用いないということである。 英語辞書では多く「情報を伝えること」と書いてあり、手話やモールス信号をも指し、この語に対応する日本語は無いなどとカタカナ語話者はタワゴトを抜かしているが、普通に大英和辭典にある通りに、これは日本語の「通信」という言葉が訳語となる。 同義等式 原語単位 communication=通信 カタカナ語単位 コミュニケーション=交流 附箋:C コ 英語
https://w.atwiki.jp/huac/pages/355.html
性的な意味で 言動に一風変わった意味を与えるための常套句。 二次裏をこよなく愛する部員間で語尾に付けるのが流行った。 粘性の液体(オイル)やパーツの挿入・圧入の話に挟まれやすい。 決して準静的状態の話をしているわけではないので 「では、不可逆的にはどうなるんですか?」 などと質問しないように。 例 「潤滑が足りなかったんじゃないか、もちろん性的な意味で」 「(ガレージに)バックで入れる?もちろん性的な意味で」 「ミッションは穴とシャフトが真っ直ぐ並ぶように気をつけて、そう、性的な意味で」 語録/サ行に戻る
https://w.atwiki.jp/cdtvcdtv/pages/42.html
オープニングクイズ ある人物をお当ていただきます。 アルバム『BEST FICTION』のヒットで、自身10代・20代・30代で それぞれミリオンセールスを達成した。 正解:安室奈美恵 読み上げ問題 「センセーション」「ベルサイユ」などの品種があり、 「秋桜」とも呼ばれるメキシコ原産のキク科の植物は何でしょう? 正解:コスモス 10月10日から12日まで、F1の日本グランプリが行われる 静岡県のサーキット場の名前は何でしょう? 正解:富士スピードウェイ 1938年10月5日、「東京に空がない」と言った詩人の高村光太郎の妻が 亡くなっています。その妻の名前は何でしょう? 正解:智恵子 1980年10月5日、この年引退したある歌手のラストコンサートが日本武道館で 行われました。女優としても数々の映画に主演したこの人は誰でしょう? 正解:山口百恵 アナグラム これからご覧いただく文字を、仮名にして並べ替えると あるタレントの名前になります。誰でしょう? ママと裸足さ ままとはだしさ □ま□□さ□□ 正解:浜田雅功(はまだまさとし) 名産品クイズ 今からある都道府県の名産品をご覧いただきます。 その都道府県はどこでしょう? 壱岐剣 茂木ビワ 角煮まんじゅう 佐世保バーガー 長崎ちゃんぽん カステラ 正解:長崎県 漢字クイズ 今から16の漢字をご覧いただきます。 隠されている四字熟語は何でしょう? 場 歌 倒 満 短 耳 一 心 風 七 順 楚 転 東 長 馬 ↓ 満 耳 一 風 順 楚 東 馬 正解:馬耳東風 音楽の問題 今から3曲続けてお聞きいただきます。 その3曲のタイトルをそれぞれ仮名にしたとき、 最初の文字を順番に並べるとある言葉になります。 その言葉は何でしょう? ♪そんな弱気で どーすんの(どーすんの) グッと飲んで パッとやって Try Try Try・・・ ♪You have made my life complete And I love you so・・・ ♪大好きだから ずっと なんにも心配いらないわ・・・ ↓ 1曲目「ガッツだぜ!!」 ウルフルズ 2曲目「LOVE ME TENDER」 エルヴィス・プレスリー 3曲目「Stay Gold」 宇多田ヒカル 正解:ガラス 読み上げ問題 カカ・シェフチェンコという豪華なメンバーを擁して、5シーズンぶりに 王座奪回を目指すイタリアのサッカー1部リーグ・セリエAのチームはどこでしょう? 正解:ACミラン ファッションブランドの「H&M」、インテリアブランドの「IKEA」、 車の「VOLVO」と言えばどこの国で生まれたブランドでしょう? 正解:スウェーデン 日本の県庁所在地で「松」という漢字が付くのは3ヶ所です。 松山・高松とあと1ヶ所はどこでしょう? 正解:松江 韓国の観光情報を日本にPRする「韓国観光名誉広報大使」に任命された、 女性誌の専属モデルとして日本で活躍するソウル生まれのタレントは誰でしょう? 正解:ヨンア 有機ELディスプレイが次世代薄型ディスプレイとして期待されていますが、 この「EL」とは何という英語の略でしょう? 正解:エレクトロ・ルミネッセンス 10月15日に発売される新垣結衣のニューシングル『赤い糸』は、 ある男性デュオの曲をカバーしたものです。その男性デュオの名前は何でしょう? 正解:コブクロ 「三島屋変調百物語事始」というサブタイトルがついた 時代小説『おそろし』を先ごろ出版した、作家は誰でしょう? 正解:宮部みゆき 非常に貴重な品物を秘蔵して外に出さないことを、 「門」という漢字を使った四字熟語で何というでしょう? 正解:門外不出 最近流行しているシャツなどに重ねて着るベストやチョッキのことを、 フランス語で何というしょう? 正解:ジレ アメリカ大リーグで、アメリカン・ナショナル両リーグの3地区の2位になった チームの中で、最も勝率の高いチームがプレーオフ出場権を得ますが、 この制度や権利を何というでしょう? 正解:ワイルドカード 他人の誤った言動でも自分の知恵や徳を磨く助けとすることができる、 ということを例えて、「他山の何」というでしょう? 正解:石 ダイヤモンドは何という元素の結晶でしょう? 正解:炭素 1868年、明治天皇が発表した「広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ」で始まる 明治新政府の基本方針を、何というでしょう? 正解:五箇条の御誓文 女性演歌歌手の香西かおり・天童よしみ・川中美幸の出身都道府県は同じです。 どこでしょう? 正解:大阪府 アタックチャンス 小倉百人一首に収められている秋の夜長をうたった歌、 「あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」の 作者は誰でしょう? 正解:柿本人麻呂 このほどこれまで制作した作品を紹介する初めての画集『まっ白』を出版した、 画家でもありお笑いタレントでもある人は誰でしょう? 正解:ジミー大西 財務省の平成19年分貿易統計によると、日本の輸出総額と輸入総額では どちらのほうが多いでしょう? 正解:輸出総額 人に責められたり苦しめられたりして、少しも心が安らかでない所を 「何のむしろ」というでしょう? 正解:針のむしろ オーストリアの生物学者・メンデルは、何という植物を材料に 実験を行い、遺伝に関する法則を発見したでしょう? 正解:エンドウマメ 献血する場合、全血献血で400mlを献血するには、 男女とも何kg以上の体重があることが条件となっているでしょう? 正解:50kg 映像クイズ ある「歴史上の出来事」 お湯ごはん 尾張 ○○城址公園 池鯉鮒城・鳴海城・沓掛城 今川義元 織田信長 お湯がけのご飯を食べて信長が出陣したという[?]は、 尾張の国が舞台です。沓掛城へ今川義元が大軍を率いて進軍、 対する織田信長は敵の本陣をわずかな勢力で攻め入り勝利、 天下統一への足がかりとなった日本史上の大きな出来事です。 正解:桶狭間の戦い
https://w.atwiki.jp/tokyobleachers/pages/90.html
語尾につけるだけで意味深なニュアンスを醸し出せる便利な言葉。 使いすぎると意味不明になるので濫用に注意。
https://w.atwiki.jp/yutorigk/pages/67.html
一 三五(にのまえ みこ) ■性別 女性 ■学年 三年生 ■所持武器 巫女装束&竹箒 ■ステータス 攻撃:0防御:15体力:6精神:3FS:6 ■FS名 巫力 特殊能力名:『三三五五(アンフォース)』 効果:完全蘇生 170 タイプ:瞬間型 範囲+対象:自分自身 0.75 時間:一瞬 1 時間付属:術者死亡非解除 1.2 消費制約:移動力1消費 15 非消費制約:カウンター 0.4 カウンター条件:敵に自分が殺される 0.4 カウンター対象:自分自身 1 カウンター待受範囲:同マス 1 カウンター待受時間:2ターン 1 カウンター待受回数:1回 1 カウンタータイミング:後手 1 発動率:95%(ガイドライン能力) 能力原理 「三三五五」 一.あちらに三つ、こちらに五つとまとまりがないさま。 転じて、四に収束しないことを指す。 二.不死者の別称 (出典: 民明書房刊 「四字熟語の隠されし意味」) unfourth/ʌnfɔ́ːθ/ 《和製英語》 ―[形] 1.4番目でない,4番目以外の. 2.[限定]不死の,死とは無縁な. (出典: 民明書房刊 「P.E.~Perfect English~英和辞典」) 短時間に繰り返し殺されれば、その日のうちには復活できないが 一日経てば復活する。 胸に杭を打ち付けたり、銀の銃弾を打ち込んだ所で滅ぶことはない。 死んだ瞬間から復活は始まっているのだ。 また、不死者なので老いることもない。つまり、不老でもある。 キャラクター説明 一族中の魔人率が99%を超える戦闘破壊家族、 一家(にのまえけ)の一人。 一家が管理している神社の責任者にして巫女である。 その黒髪は若干緑掛かっている。 あっさりした性格で、一家では比較的まともな部類である。 背は低く、体つきも貧相だが、それは彼女の能力のせいで 体の成長が止まっているからである。 神社ではキッチンにいるセガール並の戦闘力を誇る。 古風な口調で、一人称は「わし」である。 「わしはしがない巫女じゃ。あまり期待するでない」 彼女は神社に住んでいるため、登校する際も神社からだ。 神社の土地を巫力フィールドで包んでおり、 その中で彼女の戦闘力は転校生を超える。 だが、持てる巫力の大半を神社につぎ込んでいるため 神社の外では一般人にも劣る。 ちなみに津々浦々の神社でも彼女は力を発揮できる。 要するに、巫力フィールドはただの飾り。 一家の一族が魔人率の高さを誇るのは、本人の認識にかかわらず 魔人化する者がいるためである。 三五もその一人で、魔人能力は彼女が8つのときに元神主から 受け継いだもの。強制されたわけではなく、 彼女自身の希望に由るものだ。 その神主は若い見た目に反し五百歳近く生きている。 時代の流れの速さについていけないということで、 三五に能力を譲渡した後に姿を消した。 その後、神社の土地を一家が買取り、管理している。 その際、責任者として三五が任命された。 魔人能力の譲渡は、本人が「譲渡できる」と認識していたためできた、と三五は考えている。 永遠に近い命を得たのだから、卒業後はゆとりある生活を 楽しもうと考えている。 今のところ特に不都合はないらしい。たぶんこれからもない。