約 115,900 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10226.html
おんせん! 唯「あずにゃ~ん。ポーズ決めて、ポーズ! ちょおいやらしいやつ!」 梓「嫌ですよ……は、はい。こんな感じでどうです?」 ぱしゃ、と間髪入れずにフラッシュの光。 唯「いいねいいね~。その調子でタオル取ってみよっか!?」 梓「駄目ですっ。他に誰もいないからって、そこまで恥を捨てきれませんのでっ」 唯「ううぅん、あずにゃんのいけずぅ~♪」 温泉に浸かるというよりは、代わりばんこに撮影会をしてる感じ。 唯先輩は、かなーりご機嫌な様子。 唯「あのねあのね、あずにゃん。さっき、ムギちゃんからもらった割引チケットを確認したんだけどね」 梓「はい?」 唯「ひとりよんせんえんでいいみたいだよ! こんなに素敵な旅館だけあって、素敵な割引率だよね!」 梓「……はい? 旅行費用は、一緒に計算して確認しましたよね」 唯「うん。あ、でもね、ムギちゃんが『間違えて期限切れのチケット渡しちゃったの~』って、交換してくれたんだけど」 えっと、確か私が受け取った時は八千円になる計算で、結構痛い額だけど唯先輩との思い出作りだし、とか思ってた覚えがあるんですが。 それでもいざ泊まってみたら、八千円で済ませるのが申し訳ないくらいの豪華な旅館で。 唯「ちゃんと携帯の電卓で計算したよ? 私も、いくら何でも安すぎじゃないかなー、どこ間違ったかなーって思ったんだけど……」 梓「はあ……ムギ先輩に、後でしっかりお礼を言わないといけませんね。割引チケット、超特別優待チケットにしてくれたみたいですから」 唯「……うん、そうだね。ふけーきとかオフシーズンとか言っても、こんな素敵な旅館が貸し切りだなんて、やっぱりおかしいもんね」 んう……これじゃあ女狐だとか、心の中でだって失礼なこと言えないじゃないですか。 あの人は気にしないんだろうけど、おっきな借りが出来ちゃった気分ですよ。 梓「あの、唯先輩。ムギ先輩へのお土産、ってわけじゃありませんけど……欲しがってた写真、一枚だけならあげてもいいかなと」 唯「え? あずにゃん、嫌だったんじゃないの?」 梓「いえ、嫌なのは嫌なんですけど、それは唯先輩との本気でラヴい写真を他の人に見せるのが嫌なわけで……明日、旅館の前で抱っこしてもらって、ってくらいなら構いませんよ」 唯「そっかぁ。じゃ、女将さんにお願いしないとね」 梓「はい」 ムギ先輩のご期待には添えそうにありませんが、お陰様で唯先輩と楽しい旅行が出来ましたよー、っていう気持ちということで。 唯「んじゃー、それはそれとして! あずにゃん、はいえろポーズ!」 梓「ふぇっ!? え、えっ、わあ!?」 ぱしゃり。 唯「う、うわあ……今、すっごいの撮れちゃった……」 梓「なっ、何ですか!? どんなの写しちゃったんですかぁ!?」 唯「んへへへへ。おぜうさん、この恥ずかしい写真をばら撒かれたくなかったら、もっと大胆な写真を撮らせてーん♪」 梓「どーいう理屈ですか、それっ! やだもう、今度は私が唯先輩を撮る番ですよ!」 わいわい、きゃいきゃい、ざぶーん。 温泉って本来、もっとしっとり楽しむものなんだろうけど。 唯先輩にかかれば、どうしてもこうなっちゃうのは仕方ないかなあ。 おねむ! 唯「ふあゎ……んにゅうー」 梓「は、はしゃぎすぎましたね、さすがに……温泉に入って逆に疲れるとか、有り得ません……」 ふたりしてへとへとになりつつ、部屋に戻る。 まぁ、お昼の観光の疲れがどっと出たのかもしれないけど。 唯「……ふぉぉぉ!?」 梓「どうしたんですか、唯先輩?」 先に部屋に入った唯先輩の背中にぶつかりそうになって、慌てて足を止める。 唯「や、や、や……やったー! これだよこれ! 温泉旅館っていったらこれがないとね!」 ……って。 梓「唯先輩が変なこと言うから、本当にお布団ひとつだけしか敷いてくれてないじゃないですかぁ!」 唯「んふー……枕、ふたつ並べてあるよ? ちゃあんと、枕元にティッシュも置いてくれてるしぃ」 梓「雰囲気出そうとして声色変えても駄目ですっ。そ、そりゃあ、一緒に寝るつもりでしたけど……その、えっちぃことする体力、残ってないってゆうか……」 唯「あずにゃん。エッチはいつでもどこでも出来るけど、温泉旅館でひとつの布団で寝るっていうのは、なかなか経験出来ることじゃないよ?」 そんな真面目な顔で力説されても困るんですが。 ああもう、早速記念写真撮ろうとしてるし。 唯「あずにゃんあずにゃん、ほらほら。横になって一緒に記念撮影しよ! 早くっ」 梓「はあ……んもう、唯先輩ってば、本当に仕方ないですねえ……」 唯「ん……あずにゃん、も少し寄って、ほっぺぴたーってなるまで。うん、後ろのティッシュも入れて……はい、撮るよー」 梓「も、もうっ……こんな恥ずかしい写真、撮るなんて……」 ぱしゃ。 唯「はー、満足満足。それじゃあ……お風呂にする? エッチする? もう寝ちゃう?」 梓「さっき、私もう体力残ってないって言いましたよね?」 唯「にゅー。あずにゃん、寝るのはいつでもどこでも出来るけど、温泉旅館でひとつの布団でえちーことするっていうのは……」 梓「写真撮る前と言ってること微妙に変わってますよね」 唯「……わかったよ。今夜は大人しく寝るよ……」 梓「はい。そんでは、私はお先に……ふわゎゎゎ……んにゅぅ……」 汗も引いたし、髪もほぼ乾いてるし、歯磨きも済ませてあるし。 さ、明日は朝ご飯をいただいたら、すぐに出発しないと。 唯「電気消すよー」 梓「ふぁい……おやしゅみなしゃい、唯しぇんぱぁい……」 布団に潜り込むなり、強烈な睡魔に襲われる。 でも、もうちょっとだけ、起きてないと。 唯「んしょ、んしょ……えへー。あずにゃん、おやすみぃ」 梓「んにぅ」 唯先輩も同じ布団に入ってきて、当然のように私を胸の内に抱き締めてくれた。 ちょっとだけ頭を動かして、谷間のところに鼻先を埋めて、収まりをよくする。 ……うん。これで快眠は約束されたも同然です。 唯「えへへへへ。おっぱい好きなあずにゃん、大好きだよ」 何とでも言ってください。 こんなにあったかくて柔らかくて、気持ちいいモノをお持ちな唯先輩のせいなんですからね。 梓「……ゆぃしぇんぱ……だぃ、しゅき……れふ……すぴゅー……」 まよなか! 梓「むにゅ……」 ふと、目が覚めた。 別におトイレに行きたくなったわけでも、寝苦しくなったわけでもない。 ただ……何だか、むずむずする。 唯「……すぴょぴょ……んぅ~……にゃふ~……」 どう、しよう、かな。 すやすや眠ってる唯先輩を起こせないし、寝る前にあんなこと言った手前、お願いするわけにもいかない。 しょうがない、自分でするしかない……かな。 梓「んっ……んん、ふ、ふぅ……」 浴衣の裾に手を入れて、自分を慰める。 ちょっとくらい無理をしてでも、えっちぃことしてもらえばよかった、かな。 梓「んぁっ、あっ、あふぅ……っく、ん、んきゅ……きゅぅんっ……」 唯先輩、きっと私をへろへろにして、恥ずかしい写真を撮るつもりだったんだろうな。 気持ちよくなっちゃって、もう正体も怪しくなった辺りで、えろいやらしーポーズなんか取らせるんだ、絶対に。 梓「んぅ……ゆ、唯先輩っ……はぁ、はぁぅ……んくっ……」 こんなに密着して添い寝してるのに、何してるんだろ、私。 でも、起こすの可哀想だし……あ、そうだ、ちょっとだけなら。 梓「唯、せんぱぁい……指先だけ、ちょっぴり、貸してください……ん、しょ……んくぅ」 唯先輩の腕を動かして、指先が私の股間に触れる位置へ。 そして、私の指を添えて、また淫らな行為に耽る。 梓「はあっ、は、ああ、唯先輩っ……んく、ぁう、き、気持ちーです、唯せんぱぁいっ……ああ、あふっ」 唯「すぴゅぴゅ……すぅ……くふぅ~……」 梓「あ、う、そこっ……唯先輩、そこ、とっても感じちゃうですよぉ……っはう、はぅんっ……あっ、あああっ」 気持ちよくって、時々、身体が跳ねる。 密着した唯先輩も一緒に揺れるけど、眠りが深くて全然気付いてないみたい。 ……もう少しだけ、もう少しで済みますから、眠ったままでいてくださいね? 梓「んっ、ん、んんぅ、ふぁ……あは、い、いいですぅ、唯先輩、気持ちいいですぅっ……んっ、くぅっ、んんん!」 もう、少し……もう、済みます、から。 梓「ふああ、あっ、駄目だめ、イくっ、あっ、イきます、唯先輩っ……私、イっちゃいますっ、ああ、ふにゃあああっ!」 全身に走る快感を、ぎゅううっ、と唯先輩の腕にしがみついて堪える。 声も、出来るだけ我慢したつもりだったけど、唯先輩の指先が、酷く敏感になっている私のあそこを優しくさすってくれるから、まだ快感が止まない。 ……え? 梓「んぅ、あ、にゃうっ……も、もしかして……唯先輩、起きちゃってます……? い、いつから、ですか?」 唯「んう……あずにゃんが、イっちゃう直前かな? んもー、起こしてくれればよかったのにぃ」 梓「はうっ、んんんっ……んにゃ、は、はう、すみませんでした、からっ、もお、指っ……んく……ふにゃあ」 唯「あずにゃんのえっち。私の指、勝手に使うなんて……どうしてくれるのかなあ?」 あ……何か、唯先輩の目が意地悪モードになってる気がする。 梓「こ……こお、します……んっ、あむ、ちゅるる……ぴちゅ、んく、ちゅぴる」 唯「わぁ、お口で綺麗にしてくれるんだ……ちょっと予想外だったよ」 ぱしゃ。 梓「ひんっ!? んふ、ぷぁ……しゃ、写真は、駄目ですよぅ」 勝手に手指を使っちゃったのは謝ります。 けど、私の愛液にまみれた指を私自身が舐めてお掃除してるところなんて、写さないでください。 唯「指、早く綺麗にしてくれないと……お布団めくって、きっと大変なことになってるあずにゃんの格好を写しちゃうよ?」 梓「ふぁ、ふぁい……っんむ、くむっ、ちゅるる、れるぷ、はむ……ん、んあ……」 そんな写真を撮られたら、私、恥ずかしすぎて死んじゃうかもしれないです。 唯先輩の指、一生懸命に綺麗にしますから、どづか許してくださいよぅ。 梓「んむっ、ふう、くぷぷ、ちゅっ、れる、れろっ……んふ、ちゅううっ、ちゅ、ふあ……はあ、はぅ……唯先輩、これで、どおでしょう?」 唯「ん……うん、結構気持ちよかったし、綺麗になったね……けど、駄目。私が隣にいたのに、ひとりでえっちぃことしたのは許せないよ」 ばさっとお布団が剥ぎ取られる。 浴衣は勝手にまくれてて、私と唯先輩の素足が絡み合ってるいやらしい光景。 そして……太ももの途中まで脱ぎかけの、私の縞々ぱんつ。 梓「や……や、です……唯せんぱぁい……」 唯「駄ぁ目。撮っちゃうからね……はい、チーズ」 ぱしゃ。 ぱしゃぱしゃ。 梓「やああっ! お願いです、許してくださいっ! も、もうこんなことしないから、だからっ」 唯「……本当に? 約束?」 梓「約束します……んく、ぐす……本当に、唯先輩と一緒の時は、無理に起こしてでもえっちぃことしてもらいますから……」 唯「そっか、うんうん。それならいーんだよ。もう今夜は写真は撮らないであげるね」 うう、消してくれるわけじゃないんですか。 唯「んじゃ、少しだけ一緒にお風呂に入ろっか。拭くだけより、洗った方がすっきりするでしょ、お股」 梓「うく……は、はい……」 私、唯先輩を起こす気は全然なかったのに……こんな目に遭わされるくらいなら、最初からお願いしてた方がよかったかも。 16
https://w.atwiki.jp/83452/pages/15470.html
――病院 あれからすぐに救急車が駆けつけ、唯先輩は病院へ担ぎ込まれ私もそれに付き添った。 途中救急隊員の人が事故の概要とか先輩との関係なんかを色々聞いてきたけど、憔悴しきってた私はそれに答える事もなく、ただ俯いて声を出さず泣いているだけだった。 ちなみに私の怪我は擦り傷とちょっとした打撲だけで何も問題はないそうだ。 だけど、その代わりに唯先輩が……。 結局、病院に到着したのとほぼ同時に唯先輩は息を引き取った。 私はただ病院のベッドの上に横たえられてる唯先輩の傍で立ち尽くしている事しか出来なかった。 梓「先輩……どうして……折角会えたのに、こんなのって……こんなのってないですよ……」 梓「うぅっ……ぐすっ……」 やっと会えることになって、ようやく会えるその日がまさか唯先輩の命日になってしまっただなんて、私には到底受け入れられない。 大切な人が目の前でいなくなったせいで、私の心は絶望感で満たされていた。 だがここでふと壁にかけられてる時計に目が行く。 ここで私はあることに気付いた。 梓「今9時22分……てことは電話の先の唯先輩の時間はまだ8時22分……」 梓「私が事故に会うまで、まだあと8分残ってる!今なら……今ならまだ間に合う!! 居ても立ってもいられず、すぐに頭の中の電話回線を開く。 もうなりふりなんて構っていられない、少しでも可能性が残っているならそれに賭けるしかない! 梓(お願い!電話に出て……唯先輩……出て) 呼び出し音が続き中々電話が繋がらない。 藁にもすがる思いでひたすらコールを続ける。 唯『もしもしあずにゃん?』 梓『先輩っ!』 電話の向こうの唯先輩は、もうすぐ自分が死んでしまうのも知らずに、いつものように抜けたような声で電話に出た。 その声を聞いて少しほっとする私。 唯『どうして電話を?もう1時間後の私には会えたんだよね?』 梓『それは……』 唯『あーっ!そうかぁ、もしかして苦情の電話?想像してた人と違いました!とかだったりしてー』 笑いながらそうジョークを飛ばしてくる先輩。 今私の目の前で冷たくなって眠っている先輩とは全く真逆だ。 その顔を見ながら私はある覚悟を決める……こうする以外にあの人を助ける手段がない。 梓『そうですよ……会わなきゃよかった。あなたになんて……』 電話の向こうの唯先輩の声が止まった。 そりゃあそうだろう、誰だってこんなこと言われればこうなるもの。 でも止めるわけにはいかない。 心の中で唯先輩への謝罪の言葉を何度も繰り返しながら感情を殺してさらに続ける。 梓『……だから、このまま帰ってください!お願いします!』 唯『理由はやっぱり私が……?』 梓『すいません……とにかくお願いします、会いたくないんです!』 唯『どうして?いきなりそんなこと言われてもさ……もうすぐ着いちゃうし』 梓『これだけ言ってもまだ分からないんですか!?平沢先輩なんて大嫌い!!その顔も!髪も!指も――』 梓『――あなたの声も!』 涙声になりそうなのを誤魔化しながらとにかく思いついたままの暴言をひたすら並べ、つき慣れてない嘘を吐き続ける私。 もう嫌われてもいい、そうする事で唯先輩が死なずに済むんならこんなの安いもんだもの。 だけど……唯先輩の反応は私の想定を裏切るものだった。 唯『声!?嘘だよ!あずにゃんは嘘をついてるよ!あずにゃんに私の声が聞こえる筈ないもん!』 梓『嘘なんかついてません!!最低でした……幻滅しました!こんな筈じゃなかった!!』 唯『嘘だよ!だって私は……私は……話せないんだから!』 梓『……え?』 余りの衝撃発言に私の頭の中は真っ白になる。 いきなりすぎて理解できない……唯先輩が喋れない!?どういうこと!? 唯『私は5歳の頃から耳が聞こえないんだ。話すことも出来なくてね。だから、あずにゃんが私の声を聞けるはずがないんだよ』 梓『そんな……』 不用意な発言であっさりと嘘を見抜かれ、その場にへたりこむ。 やっぱりつき慣れてない嘘なんてつくもんじゃないんだ。見ての通りすぐボロが出るし。 唯『あずにゃん、どうして嘘なんかついたの?ワケを聞かせて?』 梓『それは……それは……っ!ぐすっ……ひっく……うぅ』 唯『あずにゃん、何があったの?どうして私を帰らせようとするの?』 梓『お願いします!とにかくすぐに帰ってください!』 唯『あずにゃんが私と会って何が起きたのかは知らないけど……でも……でも必ずあずにゃんに会いに行くから!』 電話の向こうの唯先輩の発音が変わった。 多分走り出してその状態で会話してるからかも。 止めなきゃ……何とかしなきゃ……もう時間がない! 梓『どうして分からないんですかっ!!来たら……死ぬんですよ!?』 唯『え――』 真相を聞かされた唯先輩が唖然とした声で呟く。 いきなり死亡宣告をされれば誰だって同じ反応をするだろう。 全力疾走状態だった先輩の足は今は完全に止まっているようだった。 このまま怖くなって逃げてほしいと心の中で願う。 唯『死ぬ?私が?――もうっ!冗談にしちゃ悪ふざけがすぎるよ?』 梓『冗談なんか言ってません!先輩は私と会うと死ぬんです。私を助けて……だからお願い!このまま帰ってください!』 唯『だめだよ。あずにゃんが言ってることが正しければ、私が行かないとあずにゃんが……』 それは私も十分分かっている。 唯先輩があの場にいなかったら今頃死んでいるのは私の方だ。 でも私はそれでいい。 唯先輩がただ生きていてくれるだけで私にとっては何よりの幸せなんだから。 梓『私ならきっと助かります。だから――』 唯『私は行くよ!』 私の懇願を遮るように唯先輩の言葉が割り込んでくる。 どうやらまた走り出したみたいだ。 逃げ出して欲しいという私のささやかな希望は断たれてしまった。 梓『ダメです!来ないで!来ないでってば……うぅっ……ぐすっ……ずずっ……』 唯『泣かないであずにゃん、私なら大丈夫だから……大好きなあずにゃんを残して死んだりなんか絶対しないから』 梓『……』 唯『ねえ、前に私にギター教えてくれた時のこと覚えてる?あずにゃんは鼻歌を歌ってくれたよね』 唯『10年ぶりだった。音楽の音色ってどんな物なのか忘れかけてた私の記憶をあずにゃんは蘇らせてくれたんだよ?』 唯『あずにゃんと初めて電話が繋がった時も驚いたな。誰かと手話や筆談なんかじゃなくって声で直接お話したいな……そう思ってたらあずにゃんの声が聞こえてきて……すっごく楽しかった』 唯『自分の気持ちを相手に伝えられる。そして聞いてくれる人がいる。それがこんなにも素晴らしいことなんだなーって……』 唯『だから……だからもう2度とあんなこと言わないで!!』 梓『え……?あんなこと……って?』 唯『自分のこと、居なくなっちゃえばいいなんて……そんな……そんな悲しいこと言っちゃダメだよ!!』 梓『分かりました!もうそんなこと言いませんから!だから本当にやめて……お願いだから……』 唯『うん、分かった。でもね、私は行くよ?必ずあずにゃんを助けるから。何度だって同じ選択をするよ!1時間先の私がしたように!』 唯『今コンビニの前に着いたよ!あずにゃん!あずにゃんはどこなの!?』 梓(このままじゃ唯先輩が……どうしよう……あっ、そうだ!) 唯先輩は私の顔を見た事ないし服装もただ制服と言っただけでどんな格好なのか知らない。 ここでさっき電車の中で隣に座っていたツインテールの制服姿の女の子がいたことを思い出した。 私はここで最後の嘘をついた。 梓『白い制服!白い制服でツインテールの女の子が私です』 唯『白い制服ね、分かった。大丈夫、大船に乗ったつもりで見てなさい!』 これで白い制服の子が私だと唯先輩が思い込んでくれるならそれで大成功だ。 祈るような気持ちで私は目の前の唯先輩の亡骸の冷たくなった手を両手で強く握る。 そうだ、あっちの時間で私が轢かれたら、今ここにいる私はどうなるんだろ。 このまま消滅しちゃうのかな、どうなのか分からないけど、1つだけはっきりと分かることがある。 それが今度こそ本当の、唯先輩とのお別れになるということだ。 唯『あっ!横断歩道の向こうに白い制服の子が見えた!ちゃんとツインテールだし、あずにゃんみっけたよ!』 唯『それじゃ、1時間後にまた会おうね、今度こそ』 梓『はい、また1時間後にきっと……』 梓(最後の最後まで騙すようなことしてすいませんでした……先輩) 梓(でも、こうするしかないんです……今までありがとうございました唯先輩。本当は直接言いたかったですけど……大好きです……どうかお元気で、さようなら――) 私は心の中で唯先輩に最後の感謝の気持ちと別れを告げる。 と同時にこの半年間の唯先輩との思い出が走馬灯のように駆け巡った。 初めて電話が繋がって保健室で会話した時、電話を切ろうとした私をあなたは慌てて止めて半ば強引に話を進めましたよね…… でもあれがなかったら、今の私は無かったんじゃないかなって、今になってそう考えるんです。 その夜、公園でお話した時のこと覚えてますか? 私にあずにゃんなんて変な名前を付けてきて正直呆れましたよ。 でも初めてあの人を「唯先輩」と呼んだんですよね、私。 テストの答えを教えてって泣きついてきた事もありましたね。 結局成り行きでズルに加担しちゃったんですけど、放っておけないいんです…… カンニングよりずるいですよ、あなたのその声―― 時間差で流れ星にお願いしたあの日の夜、覚えてますか? ……きっと私達、同じ願いをしてたんだろうな、今になってそう思えるんです。 そう、「会えたらいいな」って―― 落ち込んでる私を励まそうと遊びに誘ってくれたこともありましたね。 鎌倉で電話越しだけど一緒に遊んで、海岸で見た夕日、私はずっと忘れません。 河原で音も合わせられないのに暗くなるまでギターを練習もしましたね。 とても嬉しそうにしてくれて、お陰で私は音楽の楽しさを再認識することが出来ました。 なんだか全てが昨日の事のようですね…… もうすぐ死ぬかもしれませんけど不思議と怖さはないです。 目を閉じてじっとその時を待つ私。 8
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/1883.html
唯「あずにゃん?」 梓「なんですか?唯先輩」 唯「あのね…」 梓「はい?」 唯「き、キスの仕方を教えてほしいな」 梓「き、キスですか!?」 唯「うん、ちゃんとしたキスの仕方」 梓「ど、どうしてそんな事を聞くんですか?」 唯「どうしてってキスしたい人がいるんだよ」 唯「だからちゃんとしたキスのやり方を教えてもらってからやりたいな~って」 梓「……」 梓「唯先輩はそのキスしたい人の事が好きなんですか?」 唯「うん!大好きだよ」 唯「凄く大切な人…だよ」 梓「そうですか…」 梓「……」 唯「あずにゃん?」 梓「……分かりました」 梓「教えてあげます」 唯「本当!?」 梓「はい」 梓「唇と唇が触れあったら唯先輩の舌を相手の舌と絡ませます」 梓「以上です」 梓「じゃあ、私は用事があるのでこれで帰ります。さようなら」 唯「ちょ、ちょっと、あずにゃん!まだ話が……」 梓「(唯先輩のバカバカバカ)」 梓「なんですか?話って」 梓「私は忙しいんですけど」 唯「あずにゃん、最近なかなか口を聞いてくれないよね?」 梓「…そんな事はないですよ」 唯「私の事、嫌い?」 梓「…そんな事はないです」 唯「じゃあ、話をするから最後まで聞いて」 梓「…なんですか?」 唯「あのね…」 唯「あずにゃんの事が好き」 梓「えっ」 唯「あずにゃんの事が好きで好きでたまらないんだよ」 唯「もっとあずにゃんとずっといたい」 唯「もっともっとあずにゃんと一緒にいたい」 唯「だから私と付き合ってあずにゃん!」 梓「…本気なんですか?」 唯「本気だよ!」 梓「じゃあ、唯先輩が本気なところを見せてくださいよ!」 唯「……」 唯「分かった」 唯「あずにゃん良い?」 唯「私の本気を受け取って」 チュウ 梓「(唯先輩//)」 唯「(ちゃんとしたキス見せてあげるからね)」 梓「(ゆ、唯先輩の舌が…//)」 梓「(私の舌と絡みあって…//)」 梓「///」 唯「どうだったあずにゃん?」 唯「私の本気のちゃんとしたキスは」 唯「これで信じてくれた?」 梓「はい、良く分かりました…//」 唯「じゃあ!?」 梓「これからよろしくお願いします唯先輩」 唯「うん、よろしくね!」 梓「あの、唯先輩?」 唯「何?」 梓「キスの仕方を教えた時の大好きな人って……」 唯「もちろん!あずにゃんの事だよ」 梓「(やっぱり、えへへ~)」 梓「ところで唯先輩、さっきのキスの仕方はまだまだですよ」 唯「えー、そうなの?」 唯「私なりに頑張ったのに……」 梓「大丈夫です」 梓「…これからたくさんしていきましょう//」 唯「うん!」 終わり 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/1649.html
唯「今日はあずにゃんの部屋だね」 梓「待ってます…唯先輩」 唯「うん」 唯「あずにゃん、来たよ」 梓「唯先輩、わ、私…」 唯「もうあずにゃんったら」チュウ 梓「んあっ…そ、そこ…」 梓「今日は唯先輩の部屋に行きますね」 唯「待ってるよ、あずにゃん」 梓「はい」 梓「来ましたよ、唯先輩」 唯「おいでー」 梓「いきなりですか?」 唯「だって私もあずにゃんが来る事を考えてたら…//」 梓「唯先輩もそういう事を考えちゃうんですね」 唯「あずにゃん、は、早く…」 梓「はいはい」チュウ 唯「あ、あずにゃん…そ、それぇ…あぁん」 寮長「あなた達、何を考えてるの!」 寮長「1日事に部屋を抜け出して相手の部屋に行くなんて!」 唯「だってあずにゃんがそこにいるんだもん」 唯「大好きなあずにゃんがそこにいるから一緒にいたいんだよ」 梓「そうですよ」 梓「好きな人と一緒にいれないなんておかしいです」 寮長「100歩譲って会いに行くのはいいとします」 唯「ほんと!?」 寮長「しかし」 寮長「毎晩、ひ、卑猥な声をあげるとはどういう事ですか!」 寮長「両隣の部屋を始め苦情がたくさんきてます」 唯「卑猥な声?」 唯「そんなの出してないよ。あずにゃんは?」 梓「私も出してませんよ」 寮長「しかし苦情が!」 梓「ああ、きっとあれですよ」 梓「私と唯先輩の愛の声ですね」 唯「それだよ!愛の声」 寮長「愛の声…?」 梓「私と唯先輩が愛をはぐくんでるとつい出ちゃう声の事です」 唯「この前のあずにゃんは凄い声だったよね」 梓「唯先輩だってあんなに私の事をあんな声で呼んでたじゃないですか」 唯「だってそれはあずにゃんが…//」 梓「でもあの声…私、好きですよ//」 唯「あずにゃん…」 梓「唯先輩…」 唯「今夜もね//」 梓「はい//」 寮長「そ、それを卑猥な声って言うんだ!!」 寮長「だいたい人前で何、今夜の約束をしてるんだ!!」 唯「ひ、ひぇー」 梓「同室の特別許可が出て良かったですね」 唯「うん、あずにゃんと一緒に暮らせるなんて嬉しいよ」 梓「私もです」 梓「しかもこの部屋は防音になってるそうです」 唯「じゃあ、あずにゃんさっそく…しちゃう?」 梓「はい//」 終わり 寮長は以外に優しい -- (あずにゃんラブ) 2013-01-08 03 02 58 寮長がレールガンの寮長さんで脳内補完されたが中身は正反対だった -- (名無しさん) 2013-07-28 00 46 45 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/15050.html
なぜか私には、そこがいつもの唯先輩と違う匂いを吸い込んでいることが、近づく前に簡単に悟れた。 純はその匂いが特別なことすら知らないで、ここに寝たのか。 いまさらになって、嫉妬の情念がめらめら炎を吐いた。 そしてその火を、私は知っているという優越感が覆い消し、 なにをくだらないことを考えているんだろうと平静が冷まし、 梓「っ!」 そしてまた、憂への嫉妬が体をぶわっと震わせた。 梓「……」 ふわり。 唯先輩が背中から抱きついて、私はひざまずいた。 やめてくださいって、いつも言っているのに、唯先輩はちっともやめてくれなかった。 それどころかもっと愛しそうに、かわいいかわいい言って私を抱いてきた。 もし、私の言うことをきいて、やめていてくれたら。 私は唯先輩の柔らかい匂いも、声の甘さも、ほおずりの幸福も、 腕の中の居心地さえも本当の意味で知ることはなかったし、愛することもなかったはずなのに。 いくつもいっぺんに教えられて、唯先輩のことがどんどん気になるようになって。 すぐ。ほんとうにあっという間に、唯先輩の全てが愛しくなっていた。 こんな情けない理由で好きにさせるから。 私は素直に、唯先輩に大好きだって言うことができないんだ。 梓「……」 梓「やめてくださいよ……」 言うと、唯先輩はショックを受けたような顔をして、なおも抱きすがってくる。 ……唯先輩のことはすきじゃありません。 心の中で強く、願うように言いつけると、唯先輩の重みが、息をのむ気配とともに消えた。 梓「……ふぅ」 私はバカか。 好きなはずがない。 唯先輩は女の子なのだから、これを恋と呼べるはずがない。 これは尊敬と、親愛と、安心と、あと何かが混ぜこぜになった感情だ。 唯先輩とは、そういう相手に過ぎない。 だから私はのっそり立ち上がって、毛布をぐっと引っ張った。 梓「失礼します……」 どこかにいるような唯先輩の気配に向けて言い、 私は初めてふれる唯先輩の香りに包まれて目を閉じた。 とても心地よい香りは、唯先輩とともに液体になり、ともに溶けていくような夢に誘った。 びしょびしょの体で、唯先輩が私に抱きつく。 私の体の中に唯先輩がしみこみ、私の体は唯先輩に溶かされていく…… 憂「梓ちゃん」 梓「うわっ!?」 唐突に現れた憂に名前を呼ばれ、びくりと体が跳ねた。 反射的に体を起こし、腕があることに驚く。 憂「ご、ごめんね起こしちゃって……」 梓「いや……いいけど、どうしたの?」 憂「ちょっと、純ちゃんがね……」 まさか純、襲ったのか。 完全にただれていた私の頭は、純を私と同じような人間に貶めて、そんなことを考える。 憂「……寝相が、ひどくって。ベッドを追い出されちゃったから、梓ちゃんと一緒に寝ていい?」 そりゃそうだよね。 いくら純でも、レズじゃあない。 梓「別にいいよ。……ほんと純って遠慮ないよね」 憂「純ちゃんはそこがいいところなんだよ。悪いところでもあるにはあるんだけど」 私は憂のほうに枕をずらし、壁ぎわに寄ってまた横たわった。 梓「……まあ私だったら、今日憂の家に泊まるとは言い出せなかったかも」 憂「うん、すごく嬉しかった」 憂は枕を突っ返して、部屋から持ってきたらしいクッションを置くと、そこに頭を乗せて毛布に入る。 顔に乗せられた枕から、唯先輩の使っているシャンプーの匂いがした。 梓「ぷは」 枕をひっくり返して敷きなおすと、私は毛布の位置を調節した。 憂「梓ちゃん、もうちょっと近くに来ないと毛布足らないかも」 梓「そうかな……じゃそっち行くよ」 私は体を起こして、また枕をずらし、おしりを憂のほうに動かした。 ふと、憂の顔を見る。 ポニーテールをほどいた表情は、きょとんと私を見つめ返していた。 憂「どうかした?」 梓「……うーん。何でもない……と思う」 たった今、憂でもいいからこの匂いの中、口付けてしまいたいと思った私は、 よほど最低な欲望にとりつかれて、しかもそれを愛と呼ぼうとしているようだった。 憂「変な梓ちゃん」 梓「そうかも」 笑う憂に笑顔を返して、枕に頭をうずめた。 そして目を閉じると、液体の唯先輩を何度も蹴飛ばして拒絶しながら眠った。 その夜みた夢は覚えていないけれど、とにかくひどく暑くて、起きてすぐシャワーを借りた。 髪をかわかしていると案の定、 純「あこがれの唯先輩のベッドの寝心地はどうだった?」 と純がにやにや聞くものだから、 梓「澪先輩のベッドぐらいには心地よかったよ」 と答えてやったら、本気で信じて悔しがっていた。 憂と純と過ごす丸一日は、かくして始まった。 ごろごろして動かない純と、ぐったりして動かない私に、 憂は当たり前のように朝食を作って出し、にこにこして箸を渡した。 憂はきっと、唯先輩だけを愛しているのではない。 だけど憂は、唯先輩だけを特別に愛しているのは間違いないな。 なんて味噌汁を吸いながらぐちゃぐちゃ思った。 純「ごちそうさま」 早々に純が食べ終えると、ぱしんと手を合わせて頭を下げた。 憂を見てみると、嬉しそうにしながらきゅうりの漬物をかじっているところだった。 それだけの、普通の顔だ。 ごちそうさまと言ったのが唯先輩だったら、憂はきっとなにか言う。 なにか言ったら、唯先輩は負けないくらいの笑顔でなにか返す。 そうなんだろう。 じわりと、食べた朝食が胃で嫉妬に変貌するのを感じる。 私が欲しくてたまらない日常は、いま憂が独占しているのだ。 そこまで考えがいって、思い直す。 私もたいがいではあるにしろ、憂は私が欲しくてたまらない非日常は、決して手に入れられないのだ。 悪い心はおさまってくれて、私はほどほどに冷めたごはんをぱくりと食べた。 純「このあとどうするー?」 退屈そうに純は言った。 憂「んー。どこか遊びにいく?」 梓「どこかと言ってもね……雨の予報出てるから、外はどうかな」 携帯の予報を見ながら答える。 今日はいよいよ、先輩たちみんな夢中になっているみたいで、メールは1通もなかった。 お土産を忘れやしないだろうか。 もちろんそのくらい忘れたって、ちゃんと4人揃って部室に戻ってきてくれたらそれでいいけれど。 憂「じゃあ家で過ごそっか。傘持っていくのもめんどうだしね」 純「だねー。もう一眠りするかあ」 純がソファにのぼって、ばたりと倒れた。 梓「……え、まだ寝るの?」 純に安眠を妨害された憂か、ろくに眠れなかった私が言うならわかるけれど、 豪快に寝ていたはずの純が言うと、なんていうか引く。 純「そりゃあ女子高生がろくにすることない時にやることといえば、昼寝しかないでしょ」 憂「確かにお姉ちゃんもよく昼寝してるけど……」 梓「純、いまは人んちに泊まらせてもらってる立場なんだよ」 純「……じゃあ憂、あそぼっか」 しぶしぶといったご様子で鈴木女史は起き上がりになられた。 憂「なにして遊ぶ?」 純「私にまたがれ」 梓「やめろよ!」 あやうく純にグーパンかますところだった。 憂は憂で、ちょっと照れたような顔しちゃってるし。 キャラは守ろうよ、憂。 純「冗談冗談。んー、考えてみりゃ、家の中で遊べることってないよねー」 梓「あるでしょ、折り紙とかトランプとか」 憂「ごめん、どっちもうちには……え、折り紙?」 純「まあ……あったとしても、トランプでこれから10時間以上潰すのは厳しいっしょ」 梓「……」 折り紙って今はもう遊びにならないんだ……覚えておこう。 それはそれとして。 話はまた振り出しに戻ってしまった。 純「はー。こんなときその辺の萌えアニメだったらツイスターゲームとか出てくるのに」 梓「あれ手足短い私が不利すぎてやだ」 憂「あるけど……ツイスターゲームのボード」 純「いや、ノーサンキューで……」 憂「……じゃあ普通にお茶飲んで、お話しながら過ごそうよ」 純「おっ、いいね。休日ティータイム! 優雅なおぜうの午後……」 梓「純、まだティータイムに変な憧れ持ってるんだ」 純「先輩に変な憧れ持ってる梓に言われたくない」 梓「それむしろあんたでしょ」 頼むから日常会話に織り混ぜてこないで。 憂「……とりあえず、お茶わかしてくるから待っててね? 軽音部と違ってティーパックだけど」 憂はいたたまれなさそうに、とことこ台所に走っていってしまった。 梓「ちょっと……憂怒ってたよ」 純「だってねぇ」 梓「今日……っていうか昨日からだけど、なんか純おかしいよ」 梓「純って、まさかほんとにレズなの?」 純「だったらどうする?」 純のこの意地悪な笑顔が、すごく苦手だ。 梓「べつに、だったらどうとかじゃないけど……」 梓「と、とりあえず自分を棚にあげて人を同性愛者扱いするのやめてよ。唯先輩とは普通に部活の仲間なの」 純「唯先輩が単純にそうは思ってないとしたら?」 梓「え……!」 何を言っているんだろう、純は。 唯先輩が私を好きってこと? なんでそんなこと純が知ってるの? 純「なにキラキラ目輝かせたまま俯いてんの? 仮定の話だよ」 梓「えっ……あっ、へっ!?」 純「もし相手に好かれてるって分かってたら? 私に言うように、やめろ気持ち悪いって言うわけ?」 梓「そ、そこまでは、言えないよ……私に、その、好意をもってくれるなら……ふつーに、嬉しいし」 なにを私はもにょもにょしているのか。 だいたいこんなくだらない仮定の話、どうしてまじめに付き合ったりするんだ。 もしかしたら純のことだし、仮定と言いつつ仮定じゃないかも、なんて可能性に懸けてるの? 純「そんな煮えきらないことを聞いてるんじゃないの。だっから梓ってイライラするんだよなあ」 純「付き合うか付き合わないかだけ聞けたらいいの、私は」 梓「な、なんでそんなこと聞きたいのさっ」 純「だって私も同じだから、梓の気持ちすごくわかるんだもん」 純「だからこそ、きちんと答えを出さないといつまでも辛いままだってわかるんだよ」 梓「……」 同じ、ということは、やっぱり純もレズビアンだったというわけか。 正直、昨日今日で予想はしてたことだけれど、正面切って言われるとなんとも返せない。 純「梓……わかるでしょ。今の自分がすごく辛いの」 純「好きなのかさえわからないことにしてる。だから諦めることも踏み出すこともできないでいるじゃん」 純「そういう思春期のバカによくあるんだよ。ておくれになってようやく、好きだったことに気づくとかさ」 梓「……そう」 私はいつもより低く結んだ髪に触れた。 梓「……でも、好きじゃない」 純「……後悔するとしても?」 梓「好きだって言って、軽音部にいられなくなるほうがずっと後悔するよ」 ため息をつくと、外でざあざあ雨が降りだしていたのに気付いた。 純「……私には、軽音部がその程度で崩れるとは思えないけどな」 純「私も憂も、梓のこと大好きだし、唯先輩も澪先輩も律先輩も紬先輩も」 純「みーんな、梓の性癖なんか関係ないところで、梓のことを好きなんだよ」 純「……うらやましいところだよ? ほんと、軽音部って」 少し泣きそうに純は言った。 梓「でも、ほら。それと、私が唯先輩を好きなのかって話は関係ないし……」 私は確かに、唯先輩を好きなふしはあるのかもしれない。 純がこれだけ言うのだから、外から見てもそうなのだろう。 だけど、だったらなんだっていうんだ。 好きなら、傷つくこと、壊すことのリスクも背負って、告白しないといけないんだろうか。 繊細に築き上げた砂の城を土台から突き崩してまで、この恋は成就させなければならないものなのだろうか。 付き合うって、そんなことが許されるほど尊いことなのだろうか。 純「……梓。あのさ」 純は重たそうに言った。 梓「なに?」 純「梓は一度、唯先輩でオナニーしてみたらいいと思う」 梓「……」 純「たぶん梓がもってる、面倒な倫理観だとか理性だとか全部すっとばして、素直になれると思うよ」 純「梓みたいなバカは、そうでもしないと自分のこと認めたがらなそうだし」 バカみたいだ。 いや、純はまごうことのないバカなんだ。 梓「……そんなことで、ハッキリする?」 だけど、ちょっとばかりやってみたいと思うのは、なぜだろう。 私は前から、そうしてみたいと思っていたのかな。 純「少なくとも、今よりはね」 梓「じゃあ、帰ったら……試す」 純「うん。ガンバ」 純が親指を立てるのを、私は苦笑して眺めた。 3
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/152.html
それは部活を終えて、二人きりで帰り支度をしていた時のこと 唯「ねぇ、あずにゃん」 梓「なんですか?唯先輩」 唯「あずにゃんって、私のことホントに好き?」 なにを聞くかと思えば…私は半ば呆れて答える。 梓「なに言ってるんですか?好きに決まってるじゃないですか」 唯「……」 唯先輩はなにも言わずに、私をぎゅっと抱きしめた。 その体を抱きしめ返してあげると、唯先輩はふてくされたような口調で話し始めた。 唯「じゃあどうして、私のこと唯って呼んでくれないの?」 梓「それは…一応先輩ですし」 唯「あとその敬語も。なんかよそよそしいよ」 梓「えっと…それは…」 唯「ホントは私のこと、そこまで好きじゃないんでしょ」 唯「唯先輩…」 なんとなく、唯先輩の意図が見えてきた。 多分先輩は、一つ前に進みたいんだと思う。付き合い始めてから結構経ったし、ここで何かを変えたいって思ってるんだろうな。 でも具体的にどうしていいかわからないから、拗ねてみたりしてる…まったく、子供みたいなんだから。 私は右手を唯先輩の頭にポンと乗せてから、優しく語りかけた。 梓「大丈夫だよ、唯」 唯「あ…」 梓「私は唯のこと大好きだよ。だから唯がしてほしいことならなんでもしてあげる。…だから、機嫌直して?」 唯「…うん。わかった」 優しく頭を撫でてあげると、唯先輩はあっさりと頷いた。なんというか、単純だな…そこがかわいいところでもあるんだけど。 梓「ありがと。じゃあ、唯も私のお願い聞いてくれる?」 唯「なあに?なんでも言って?」 梓「今だけでいいから、私のこと梓って呼んで?それから、好きって言って?」 唯「なんだか、欲張りじゃない?」 梓「別にいいでしょ?さ、早く早く」 唯「あ…梓、大好きだよ。これでい…あっ…」 私は素早く唯先輩の唇をふさいだ。その唇はやわらかくて、とても甘かった。 唯「も、もう…不意打ちなんてずるいよ」 梓「いいのっ!ていうか唯、さっき食べたチョコケーキの味がするよ?」 唯「そうかなぁ?…じゃあ梓、きれいにして?」 梓「んもう、唯こそ欲張りなんじゃない?」 唯「えへへ…そうかも」 梓「…唯」 唯「ん?」 梓「大好きだよ」 唯「…うん、ありがとう」 私は唯先輩を強く抱きしめて、この日二回目のキスをした。 終わり かわいい gj -- (名無しさん) 2010-08-23 23 26 29 たまらない/// -- (あずにゃんラブ) 2013-12-31 03 04 08 いいね♪ -- (名無しさん) 2014-02-19 21 57 44 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17851.html
唯「今日もムギちゃんのお菓子おいしかったね~」 梓「はい!……って明日こそは練習ですよ!」 唯「わかってるよ~」 なにげない会話なんだけど、唯先輩と一緒にいるこの時間。 私はこの時間が大好きだ。 時々横目で唯先輩を見ながら。 今日もそんな感じで私たちは一緒に帰っている。 唯「明日はムギちゃん何を持ってきてくれるのかな?」 梓「唯先輩!?」 唯「冗談だよあずにゃん」 相変わらず練習はしてくれない。 でもいざとなるとあんな演奏をするんだからすごい。 梓「唯先輩が言うと冗談に聞こえません」 唯「ぶーぶー」 ふてくされた顔もかわいいな。 …いやいや何を考えてるの私は。 慌てた私は話題を変えてみる。 梓「き、今日も寒いですね、唯先輩」 唯「ほんとだよね。もう十二月だもんね~、うう寒い…」 そう言って唯先輩は寒いというジェスチャーをする。 唯「あ、そだあーずにゃんっ」だきっ 梓「はい?にゃっ!?」 …どうやら私にこの話題は逆効果だったみたいだ。 唯「あれー?あずにゃん顔赤いよ?」 梓「なんでもないです!」 梓「じゃ、じゃあ私こっちなんで。失礼しますっ」 恥ずかしくなって逃げてきてしまった。 ほんとは嬉しいはずなのに… いつからだろうか、こんなに唯先輩を意識しだしたのは。 夏?秋?なんかあったかな? もしかしたら初めて唯先輩を見た時かもしれない。 …まあいいや、今日は帰ろう。 翌日、放課後 今日もこの時間がやって来た。 私は唯先輩とならんで歩く。 梓「結局今日も練習できませんでしたね…」 唯「まあまあいいじゃないかあずにゃんや。それよりね…」 梓「どうしたんですか?」 唯「あーずにゃんっ」だきっ 梓「にゃっ!?」 唯「昨日全然抱きつかせてもらえなかったからね、今日は…」 和「あら、あなたたち仲がいいのね」 唯「あ、和ちゃん」ぱっ 梓「あっ…」 唯「和ちゃん今日はどうしたの?」 和「生徒会が今ちょうど終わったのよ、明後日から冬休みだからそれまでに終わらせておきたい仕事がたくさんあるのよね」 唯「へ~そうなんだ。とことで和ちゃん、今日も寒いね~」だきっ 和「分かったから離れなさい」 唯「えー、いーじゃんもうちょっと」 和「はあ…梓ちゃんも大変ね」 梓「あ、いえ…大丈夫…です」 梓「じゃ、じゃあ私こっちなんで」 唯「ばいばいあずにゃん」 梓「はい、失礼します」 はあ… また逃げて来てしまった。 唯先輩ってああやって誰にでも抱きつくのかな? 私だけに抱きついて欲しいな…なんて。 …はっ!そういえば! 唯先輩って抱きつくのはいろんな人にするけど、手ってつないだことあるのかな? うーん…どうなんだろ? 明日唯先輩と手を繋いでみよう。 できるかな?まあ楽しみだな♪ 翌日、放課後 さて、今日もいつものように唯先輩とならんでいるわけだけれども… なかなかうまくいかない。 手の距離はいつもより近くにあるはずなのにあと少しが私にはできない。 唯「あずにゃん、今日はなんだか近いね」 梓「そ、そうですか?そんなことないですって」 唯「いや~、絶対近いよ。…あずにゃん寒いの?」 梓「いや、そんなことは…」 唯「素直になりなよあずにゃん」だきっ あったかい… …まあいっか明日で。 翌日、放課後 よし、今日こそは… 私は隙を狙うために唯先輩を観察する。 唯「あずにゃんそんなに見ないでよ~」てれてれ ああかわいい。 でもこのままだとまた抱きつかれて終わりになっちゃうからね、ここは… 梓「あ、すいません。そんなに見てたつもり無いんですけどね」 唯「えー、そうなの~?残念…」しゅん かわいいな。 …いやいやだからそうじゃなくて! 今がチャンスなんだよ! 私は唯先輩の少し後ろに行くように歩く速さを遅める。 手を伸ばす、そーっと… 唯「あれ?あずにゃんどうしちゃったの?疲れちゃった?」くるっ 梓「あ…いえ、そんなことは…。な、なんでもないです、はい」 失敗した… 後ろにいっちゃダメなのかな? でも後ろに行くしか私には思いつかないし…うーん… 唯「あずにゃん今日なんだか面白いね!」 私は大真面目ですよ。 声には出さず、私はもう一度隙を狙う。 唯「ところであずにゃん、明日から冬休みだね~」 おお、そうだった。 今日終業式したけど、手を繋ぐことで頭がいっぱいで忘れてた。 梓「そういえばそうですね」 唯「そういえば…ってあずにゃん忘れてたの?」 梓「覚えてましたよ!」 私が立ち止まってこの言葉を言ったおかげで、自然と唯先輩の後ろに行くことができた。たまたまだ。 でもここで決めないと、明日からはもう会えないんだよね。 …よし。 私は唯先輩の手に向かって手を伸ばす。 唯「…」 唯先輩の顔を見るのも忘れて。 そーっと… 唯「…」さっ あ…… 私は唯先輩の顔を見る。 唯先輩は前を見"続けて"いる、ように私には見えた。 唯「…あずにゃん今日も寒いね」 梓「あ、はい、そうですね…」 私達は今日も並んで歩く。 何時の間にか私の左手はあったかくなっていた。 唯「あずにゃん、冬休み終わってももよろしくね」 梓「はい、こちらこそ」 こんなに楽しみな冬休みは初めてだ。 ーーーーーー ーーーー ーー えーっと… よろしくとは言ったものの、何をすればいいんだろう? こういう関係になりたいとは思っていたけど、いざなってみると何も思い浮かばない。 困った私はとりあえず微笑みかける。 …困った顔を返してくる。当たり前だよね、突然笑いかけてきたんだもん。 もんもんとした気持ちを抱えたまま、いつもの別れ道まで来た。 唯「あずにゃんばいばーい」 私は右手を離し、挨拶をする。 …少し残念だけど、また明日。 って明日から休みか。 梓「はい、失礼します!」 あずにゃんもどこか嬉しそうにしてくれている。 よかった… ――― 唯「ただいまー」 憂「あ、お姉ちゃんおかえりー」 唯「ふいー、疲れたよ~」 憂「お疲れ様♪ご飯できてるよ」 唯「うん、ありがと」 何時もの何気ない会話。 憂はまだ私達のことを知らない。 唯「いただきまーす」 憂「いただきます」 唯「あー、学校終わっちゃったね~」 憂「明日から冬休みだね~」 唯「クリスマス会、今年も楽しみだな~」 憂「あ、今年もあるんだ」 唯「たぶんあると思うよ~」 憂「それって24日かな?」 唯「うーん、どんなんだろ…?たぶんそうなんじゃないかな?」 憂「そっか…ねえお姉ちゃん?」 唯「ん?どうしたの?」 憂「次の日……25日にさ、私達だけでクリスマスパーティーやらない?」 唯「おおっ、やろうやろう!」 憂「それじゃあお姉ちゃんの大好物、いっぱい作ってあげるからね!」 唯「ありがと、憂。楽しみにしてるよ」 憂「うん、楽しみにしててね!」 唯「ごちそうさま、私部屋行ってるね」 憂「うんっ♪」 クリスマスパーティーかあ… 少しもやもやとしながら私は自分の部屋へ入る。 がちゃ 唯「あっ」 …携帯だ、携帯が光っている。 誰からだろう? 唯「あずにゃん…」 私はあずにゃんに掛け直すことにした。 ーーーーーー ーーーー ーー 梓「ただーいまー」 っていっても誰もいない。 私はカバンとギター、そして制服を置き、着替え終わるとソファーに腰掛けた。 梓「はあ…」 唯先輩と手、繋げたんだな… あったかかったな。 それでその後…… 顔が熱くなるのが自分でも分かる。 まあとりあえず、ご飯でも食べようかな。 私はテーブルにある2千円を財布に入れて家を出る。 梓「おっと」 携帯を忘れるところだった。 梓「いってきまーす」 …ああ寒い。 さっきまで寒く感じなかったのはなんでだろう? 理由は分かっている。 私は携帯を取り出すと電話を掛けた。 梓「…でない」 ご飯の途中かな? またあとで掛けてみよっかな。 2
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10194.html
唯「ごっ、ごべ……ハナチ、ほんとに、出ちゃった」 梓「……構いませんよ。どうせお風呂場だし、流せばいいだけですから」 唯「れも、あうにゃんの綺麗なお肌が……ハナチなんかれ、汚れちゃった……」 梓「だから、すぐに流せますって。むしろ、ハナチ出すくらい私で興奮してくれたことの方が嬉しいです」 唯先輩の手を握って、まだ洗ってもらっていない場所をなでてもらう。 脇の下、腕、首筋……脚も。 唯「あぅ……あ、あずにゃん?」 梓「ん……ふ……ゆっ、唯、お姉様? ほら、ちゃあんと洗ってくれないと、いつまでも湯船に浸かれないですし」 唯「うっ、うん、わかってる……けど……」 梓「こ、ココは、石鹸が入ると大変ですから……知ってるとは思いますけど……優しく洗ってくださいね」 唯「わ、わかってるよ……すっごく大変だったもん……」 梓「やっぱりしたことあるんですね」 最後に、股間へ唯先輩の手を運ぶ。 緊張で硬直したかのように、唯先輩は私の耳元ではぁはぁと荒い呼吸を繰り返すばかり。 唯「う、うん、優しく、優しぃく……ん、ふぅ……はう、あぁ、あふ……」 梓「んっ……ちょ、ちょっとだけですよ、ちょっとだけ……はい、もういいです」 唯「やん、もう少し触ってたい」 梓「ボディソープを流してからなら……じゃなくて、次は私が唯、お、お姉様の身体を洗ってあげる番です」 ハナチで息が苦しいせいか、唯先輩の全身がくてっと弛緩してる。 大丈夫かな、のぼせたのかな、なんて思いつつ、後ろを向いて唯先輩を抱き締めた。 あったかい、っていうより……熱い。 それに背中で感じるより、まぁ、私は悲しいくらいまな板だけど、胸に唯先輩のおっぱいが当たって……ふよふよのぬるぬるで、とっても気持ちいい。 唯「んっ……あ、あずにゃん……」 梓「はい、座ってください。私はエッチぃ真似しませんから、期待しないで、洗ってる間にハナチを止めちゃってくださいね」 唯「うん……ごべんね」 謝らなくていいです。 唯お姉様、なんて勢いで私が言ったせいで、唯先輩がハナチを出してしまうなんて思ってもみなかったから。 梓「とりあえずスポンジでいいですよね、そうします。私の洗濯板で唯……お姉様と同じことしたって、気持ちよくなさそうですし」 唯「ふわ……あずにゃんが、私のこと……唯お姉様、唯お姉様って……夢……そう、これは夢……」 お風呂場でエッチに雪崩れ込んじゃうのは、色々と危ない。 滑って転んだり、のぼせたり、風邪を引いたり。 だから私は、愛用のスポンジにボディソープを染み込ませて、念入りに泡立てる。 梓「ゆ、唯お姉様……えと、ハナチを止めるには鼻の下を指で押さえるといい、ってテレビでエゲレスのサバイバルマスターが言ってましたよ」 唯「うん……鼻の下……伸びまくってるけど、どの辺を押さえたらいいのかなぁ……?」 ぼんやりとしつつも、唯先輩は私が言った通り、鼻の下に指を当てる。 よし、今のうちに……。 梓「んしょ、んしょ……」 軽く、優しく、手早く。 唯先輩が痛がっていないか確かめつつ、綺麗な肌を傷付けないよう丁寧に、のぼせて余計にハナチが出ないように急いで。 唯「はふぅ……こりはこりで、人様の前で言えるような気持ちよさだね、あずにゃん」 梓「そうですか。ん、しょ、んしょ……唯せ……唯お姉様、こっちの脚で最後です。少し上げてください」 唯「ちょっとだけよー」 ふざける余裕があるなら大丈夫、か。 足の先から膝の裏も丁寧にスポンジでこすって、とりあえず完了……かな。 梓「シャワー出しますよ」 唯「あん、あずにゃん。一番大事なところがまだだよ」 梓「…………」 いえ、わかってますけど。 意識的に避けていたんですけど。 やっぱり洗わなきゃいけませんよね、そうですよね。 唯「スポンジもいいけど、あずにゃんの指で、ちょこっとだけエッチくお股こすこすして欲しいなあ~?」 梓「……えいっ」 唯「んぁんっ!?」 スポンジ一閃、腰を浮かせて淫らに微笑む唯先輩の股間を洗って、今度こそ完了。 唯「ううっ、あずにゃんってば、しどい……私はあんなに可愛がってあげたのに……」 梓「ハナチは止まったみたいですね、よかったです」 唯「あ、本当だ……すごいね、あずにゃん!」 シャワーの温度を確かめた後、自分と唯先輩、交互に泡を流す。 湯船に浸かったわけでもないのに、お互いに、見てわかるくらい赤く肌を火照らせてる。 梓「……ま、また、明日……明日は、私が先に、ゆっ、唯お姉様、の身体を……洗いますね」 唯「ぷふっ!?」 梓「……鼻の下を押さえてください」 唯「あい……」 両手で口と鼻を覆うように、背中を丸める唯先輩。 またハナチを出してしまったんだろう。 それにしても……『唯お姉様』って呼ばれると、そんなに興奮して、嬉しいものなのかなあ? ベッドの上では、呼ばない方がいいかもしれない。まぁ、その……昂ぶった状態なら、呼んじゃうかもわからいけど。 唯「ふーっ、ふー……ふう……ふはー」 梓「ふーんふん、ふふーん♪」 汗でぺとぺとしながら抱き合っても気持ちいいし、あわあわで抱き締められても気持ちいいし、お湯で流した卵肌の手触りもいいなんて、唯先輩ってば性能よすぎ。 それに比べて、私なんて……ぺったんこだし、あわあわだったら少しは誤魔化せるだろうけど、こんなにちゅるんとしてないし。 唯「ふあー、さっぱりさっぱり♪ ありがとー、あずにゃん♪」 梓「い、いえ……お粗末様でした」 唯「シャワー貸して、あずにゃん。背中は私が流してあげるよ」 渡すというより、引ったくられた。 唯先輩は口元のハナチの跡を洗ってから、私の背すじにシャワーのお湯を当てる。 唯「やっぱり……いいなあ、あずにゃん。お肌すべすべで、羨ましいよ」 梓「は、はいっ? そんな、私なんかより唯せん……お、お姉様の方が、ずっとすべすべぷるんって感じですしっ」 どうして、触ればすぐわかるハズなのに、そんなこと言うんですか。 謙遜してるつもりでも、私、何だか情けなくなってきちゃいますよぉ……。 唯「ねえ、あずにゃん。もしかして、自分のお肌は綺麗じゃない、とか考えてる?」 梓「え? えと……は、はい……」 唯「私ね、さっき……エッチしてる時に思ったんだ。相手は、自分が思ってる通りに感じてくれない、って」 梓「…………」 唯「私は、あずにゃんのお肌、とっても綺麗で、私よりすべすべで、羨ましいと思ってるよ? でも、あずにゃんは逆のこと考えてるよね?」 梓「はい……」 唯「こんなにちゅるちゅるの、赤ちゃんみたいなお肌なのになぁ~?」 シャワーを当てながら、つうっと背すじをなぞられる。 思わず固まっちゃって、喉から可愛くない声が漏れちゃった。 梓「ひゃっ!?」 唯「んふふ。あずにゃんは、やっぱり可愛いなぁ」 背すじから腰、お尻。ついついついーって、私をくすぐるように指を這わせてくる。 梓「ん、あ、あっ、あああ」 唯「あのね、あずにゃん。感じ方は人それぞれだよ? だから、もしあずにゃんが、私の肌の方が綺麗だと思ってても……」 唯「私は、私よりあずにゃんのお肌の方が綺麗だな、って……思ってる、よ?」 ボディソープを流し終えて、唯先輩がシャワーを壁にかける。 そして、また後ろから私を優しく抱き締めてきた。 梓「んっ……」 唯「あずにゃんは、とっても可愛いよ。髪だってつやつやだし、お肌もすべすべだよ」 梓「そんな……」 唯「だから、自信持っていいんだよ。私は可愛いんだって、あずにゃんはそう思って自慢していいくらいに素敵だから」 梓「ゆ……ゆぃせんぱあい……」 唯「こら」 梓「ふぇ?」 唯「お、お姉様、でしょ?」 ふんす、っていう鼻息。 隠してるつもりなんだろうけど、すっごく期待して、興奮してる唯先輩。 梓「……折角さっぱりしたのに、またハナチ出されたら大変なので、あったまって上がりましょうか」 唯「……ううん、あずにゃんのいけずぅ~」 梓「でも、このまま一緒に入りましょうか。唯先輩のおっぱい、ふよふよって背中に当たって気持ちいいですから」 唯「う、うんっ」 きゅ、と唯先輩の腕の力が、少しだけ強まった気がした。 でも、そのまま一向に動く気配がなかったから、仕方なく背負うようにして湯船に入る。 おっぱいが、私にはないしっかり揉めるような膨らみが、背中に押し付けられて強く潰れてるせいで、気もそぞろだったけど。 かっぽーん。 唯「あふぅ~……お風呂はいいよねぇ。リリスの産み出し」 梓「リリンでしたっけ」 唯「ちゃんと『文化の極みだよ』まで言わせてよ!」 梓「じゃあ、こんな抱っこされてるみたいな恥ずかしい格好から解放してください」 唯「このまま入ろうって言ったのは、あずにゃんだよ~」 梓「……ぶくぶく」 うん、別に唯先輩から離れたいわけじゃないよ。 相変わらずおっぱいが柔らかく背中にぷにょぷにょ当たってて気持ちいいし、でも、それが逆に私のコンプレックスを刺激するっていうか。 唯「あー……髪が長いと、こんな風になるんだねぇ」 梓「知らない人が見たら心霊現象ですよね」 唯「私もびっくりしたけど……ぶわって、うん、考えてみたら当たり前だよね。髪って水に浮くんだもんね」 梓「温泉とかで髪の長い人を見かけても驚かないでくださいね」 あー。 何だか、独りで入る時よりあったかいっていうか……すっごく充実してる感じ。 後ろから抱っこされてて、ほっとする。自分以外の体温って、こんなに安心するんだ……。 唯「あずにゃん」 梓「はい?」 唯「お風呂って気持ちーね」 梓「はい」 お風呂はぬるめの追い炊き。ずっと入ってても、冷めることはない。 だけど、芯まであったまる前に、唯先輩のせいでのぼせちゃいそうですよ。 唯「あずにゃん、ほら」 梓「はい?」 唯「おならー」 丸めたタオルを湯船に沈めて、ぶくぶくぶく。 何て子供っぽい、っていうか今時の子供は、こんなことしません。 梓「タオルを湯船に入れるのはマナー違反ですよ」 唯「ご、ごめんね」 後ろの方で、しゅんとうなだれた気配が伝わってくる。 私のひと言で。ほんの軽い気持ちで放った言葉で、唯先輩は傷付くんだ。 ……ううん、私もきっと、唯先輩の軽い気持ちの言葉で傷付いちゃう。 梓「怒ってませんよ」 唯「ほんと?」 梓「はい。唯先輩に優しく抱っこされて、今とっても幸せな気分ですから、私」 唯「あは……よ、よかった♪ 私も、あずにゃんをだきだきして、しかも裸で、お肌がこすれて気持ちいいよ!」 梓「欲情していると言った覚えはないです」 唯「はうっ」 また、うなだれる。 けど、欲情したくなる気分もわからないでもない、から。 梓「え、えと……ハナチ出さないって約束してくれますか?」 唯「うん……頑張る」 梓「ゆ、唯お姉様っ……背中、おっぱいぷにぷにで、実はかなり気持ちよくって……私、興奮、してます」 唯「ふっ……う、ん、だ、だいじょぶ。まだハナチ噴かないよ」 『まだ』? じゃあ、この先を言うのは控えた方がいいのかな? 梓「……その、恥ずかしいんですけど……折角お風呂入ったんですけど……え、えと、ですね……」 唯「うんうん、お風呂入ったけど、何?」 ぽたぽた、ぼたり。 梓「…………」 唯「あふ……こ、これはハナチじゃないよ! 心のエッチなおつゆだよ!」 梓「鼻の下押さえてください。あと鼻にティッシュ詰めた人とはエッチしたくないんですけど」 唯「ふぷ、ん……な、なるほど。つまりあずにゃんは、お風呂を上がってからまた一戦交えたいわけだね!?」 梓「シーツがハナチで血まみれになるとか、そんな惨状は御免ですからやっぱりいいです」 唯「のっ、のぼせてるから! お風呂でのぼせてるからだよ! その証拠に、さっきは全然ハナチ出さなかったじゃん!」 ああ……そういえば、確かに。 お互いに思いの丈を募らせて、無事に成就して、でもハナチは出さなかったですね。 ……じゃあ、お風呂? 唯先輩の言う通り、お風呂でのぼせなければ平気なのかな? 梓「唯先輩」 唯「なぁに?」 梓「ちょ、ちょっとだけ、首を前に傾けてくださいです」 膝を抱えるようにしていた腕をお湯から出して、唯先輩の頭の後ろに添える。 くっ、と少しだけ力を込めると、唯先輩はそのまま素直に、私の顔の真横まで口元を動かしてきた。 唯「ど、どおしたの、あずにゃん?」 梓「そ、そのですね……」 えい。もう、どうにでもなあれ。 唯「ちゅ……んふ、んんっ、んむ……はぷ」 梓「んちゅ、ちゅ……ちゅっ、ちゅちゅ、くちゅ……」 はあ、と息をつきながら唇を離すと、唾液が透明な糸を引いて、まだ私と唯先輩とを繋いでいる。 いやらしい、とってもいやらしい。感触も、音も、行為自体も。 唯「は、う、あぅ……あずにゃん……」 梓「ね、眠れそうにありません。このままじゃ私、身体が火照って、今夜は眠れないですっ」 唯「……うん。もっかいエッチしようね、あずにゃん」 梓「はい……唯先輩。エッチで一緒に気持ちよくなって、その……ぎゅって抱き締められたまま、眠りたいです……」 唯「いいよ、あずにゃん。ほんとは今すぐエッチなことしたいけど、我慢するよ。ハナチでお風呂を真っ赤にしたら本気で嫌われそうだし」 梓「それはさすがに引きますね、嫌いにはなりませんけど」 唯「あ、あはは……我慢しててよかったよ」 ぷにぷに、ぎゅう。 唯先輩の身体の感触が、とっても心地いい。 けど……うん。もう一回エッチするって、して欲しいって、私からおねだりしちゃった。 やらしい子だって思われたかな、って思ったけど、唯先輩は嬉しそうに応えてくれた。 ……うん、うん。 頑張ってエッチしよう。唯先輩を気持ちよくしてあげて、私はついででいいから、一緒に気持ちよくなって……一緒にイけたらいいな。 梓「唯先輩」 唯「ぅん?」 梓「やっぱり、『唯お姉様』って呼ばれた方が嬉しいんですか?」 唯「ぷふぅっ!?」 ぼたぼたり。 梓「…………」 唯「あの、ちょ……心の準備が出来てない時に、いきなり呼ばれるとね、あのね、嬉しいんだけど、このハナチは違うんだよあずにゃんっ」 ……お風呂の外では、唯先輩、って呼ぶことにしよう。 お風呂限定ということにしておけば、私も間違えて口走ったりしないだろうし。 唯「あずにゃん、お願いだから誤解しないでっ」 梓「……ちゅ」 唯「ふわぁ!?」 唯先輩の鼻の頭の辺りを、ちろり。 口の中に、しょっぱくて、鉄臭い味が広がる。 美味し……くはない、けど、これも唯先輩の味。 梓「貧血にならないでくださいね。私も興奮してますし、それは仕方ないと思いますけど……でも、唯先輩が倒れたりしたら、マジ泣きしますよ?」 唯「う、うん……気を付けるよ、あずにゃん」 梓「じゃ、じゃあ、そろそろ上がりましょうか? アイスは買い置きありますし、お互いにちょっと頭を冷やしてから布団に入りましょうっ」 唯「はわ……あ……うん……」 ざぱぁ、とゆっくり立ち上がって、唯先輩の手を取る。 あの感触は名残惜しいけど。でも、もっと気持ちいいことが待っているから。 梓「さ、早く身体を拭かないと、風邪引いてエッチどころじゃなくなりますよ、唯先輩っ!」 唯「そぉ、だね……うん、早く上がろ、あずにゃん……」 唯先輩は、ぼんやりと瞳を彷徨わせていて、すっかりのぼせちゃったみたい。 梓「唯先輩?」 唯「あずにゃんと、こんなコト……そんなコト……えへへへへ……♪」 梓「…………」 何でか、正気がどっかにお出かけしちゃってるっぽい。 仕方ないから、脱衣場に連れていって、丁寧に全身の水滴を拭いてあげた。 ~お風呂上がりまーす!~ 7
https://w.atwiki.jp/wiki-story/pages/50.html
中野梓の日記2010~ 日記だ。くすぐりに纏わる以外か・・・!あっ抜粋 3月28日 唯澪先輩(笑)が澪先輩(笑)こ脇腹をくすぐってました 澪先輩(笑)はよほど気持ちいいのか嬉しそうでした 8月20日 今日は皆で澪先輩(笑)を一斉にくすぐりました 唯先輩(笑)と律先輩(笑)は両側から脇と腹を ムギ先輩(笑)は足首掴み足裏を そして私は太股をくすぐってました 澪先輩(笑)は天井から吊された拘束具で固定されてましたが とても気持ちそうでした 9月14日 今日、私たち4頭で唯先輩(笑)の身体をくすぐりまくりました ムギ(紬)先輩(笑)と律先輩(笑)は刷毛を持ち両側から 律先輩(笑)は刷毛で脇と素手で腹を ムギ先輩(笑)は刷毛胸元とオヘソを、、 澪先輩(笑)と私は左太股を摩りました 唯先輩(笑)は元気がよく 気持ちいいのか笑っており、 とても楽しそうでした 私も他先輩(笑)達と一緒に楽しめて すごく幸せなひと時でした 9月16日 今日、唯先輩(笑)に脇腹をくすぐられました 最初はイヤだったのですが だんだん気持ち良くなっていき 澪先輩(笑)や唯先輩(笑)が受けた感覚を 実感できたました 最後に唯先輩(笑)は何故か裸になってニヤニヤ私を見つめてましたが くすぐられて意識混沌としてる私には あの時の状況はあまりわかりません 今となってはくせになって病みつきになってしまい、あの快感をもう一度得ようと毎日飢えています・・・ 中野梓
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/636.html
唯先輩の抱擁力マジはんぱねえっす -- (名無しさん) 2010-08-10 10 01 20