約 852,708 件
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/257.html
SS世界の機神について概略をまとめます 機神 機神は、古代魔導帝國によって完成をみた、魔導ロボットです。 物理的、魔法的に極めて高い完成度を持つため、魔導帝国崩壊以後も、かなりの数がこの世界に残っているようです。 高度に魔導的存在で、異世界に隠遁させ、そこで自己修復さえ行うことができます。 また異世界から、自由に呼び出すこともできます。この呼び出しには、対となって作られた魔導具が必要となります。 この世界で王を名乗るためには、機神を保有している必要があります。 ただし古代魔導帝国の直接の末裔である「帝國」では、一門の宗主にあたる諸侯が機神を保有しているようです。 この機神をもって、軍に志願、ないしは諸侯軍に参画する貴族もおおくあります。 古代魔導帝国機神世代 古代魔導帝国の作り上げた機神は、およそ三つの世代に分類できるようです :最終世代 神龍との戦争の生み出した、もっとも魔導能力の高い機神です。 素材的にもオリハルコンをふんだんに用いています。 今のところ、三つの機神が存在するようです ∴「アウラルム・ドラクデア」(書き手内略称:黄金龍) 帝國 東方辺境候蔵 現在の帝國東方辺境候一門、かつての東方森林有力諸侯であったシリヤスクス一門に所蔵保存されていた機神です。 どのような能力をもっているかは高度な機密と思われますが、神龍の持つ、現象としての森羅万象を引き起こす力があったといいます。 現在の乗り手は、副帝レイヒルフトその人であるともいわれています。 ∴「デウス・エクス・マキーナ」(書き手内略称:機械神) 帝國 ケルトリア皇家所蔵 帝國皇統の所蔵していた、最終世代のなかのさらに究極的な機神と言われています。 最も完成された機神の一つで、古代魔導帝国の解明した限りの完全制御を行えるようです。この能力は、逆に魔導特異点でもある今上皇帝リランディアとの相互作用を引き起こす危険があったようです。 現在の乗り手は、帝國元帥カメリア・シリヤスクス・シルディールです、が、その事実は機密の一つでしょう。 どのような能力をもっているかは高度な機密と思われますが、八相魔導制御によってあらゆることが成せるともいいます。 ∴「タブラ・ラサ」 王冠盟邦 大帝所蔵 古代魔導帝國機神群の最終世代のひとつのようです。 その能力は不明のままです。 大帝その人の乗機といいます。 :前最終世代 神龍との戦争の生み出した、第二世代と思われる機神です。 魔導能力は高まり、また物理的にもオリハルコンと呼ばれる魔導金属が使われ始めました。 :レギナ・アトレータ・ケイロニウス 帝國 ケルトリウス皇家所蔵→アル・カルナイ王家 ケイロニウス皇統を象徴する機神です。神聖金(オリハルコン)の骨格を持ち、精霊銀(ミスリル)の装甲で覆われた極めて強力な機体です。 機体は白色を基調に銀色と黒色に塗装されていますが、戦闘時には魔力で装甲が強化されるため、七色の魔法光に覆われた姿となるようです。 現在の乗り手は今上皇帝の姉である双性者アルトリアであり、内戦中は近衛騎士団と共に帝都防衛戦で活躍しました。 武装は大剣「撰帝の大剣」と円盾ですが、円盾は左腕に半ば独立稼動式に装着されているため、両手で大剣を振るう事ができます。また円盾は防御結界を発生させるための魔法陣が刻まれており、敵の長距離魔法攻撃に対して十分な防御力を発揮します。 また強力な魔力を放出する機能があるとも言われています。 :アルゲントゥム・ルナ・サジタリアス(ケイレイSS内) 行方不明 第二世代の最終群のひとつです。 左手に弓を持ち、機体に十二の矢をもちますが、いずれも弓矢のままではありません。魔導によって完全制御された、自在飛翔する刃であり、本体の魔導的分身でもあります。もって遠距離から至近距離までの全距離で神龍との戦闘を意図したようです。 しかしながら、その程度では足りなかったのでしょう。 :名称不明(仮称:鑓の機神) 帝國 ケイロニウス・レオニダス一門所蔵 休眠中 機神の発達過程の中で、さまざまに現れた、異形機神の一つです。 機体の背中から、頭にかぶさり、さらに長く伸びた、鳥のような意匠の構造を負っています。その構造は、鑓の機神を飛翔させる魔道機能をもっているようです。 右手には作り付けの馬上鑓を、左腕にも作り付けで盾を備えています。 ぶっちゃければ、ワンダースカッツのような見掛けをしています。。 ただし、クロスミラージュ雌型のような足を持っています(人型よりあまりにかけ離れると、乗り手が起動できなくなるでしょう) これら機能をあわせて、右腕に作りつけにした鑓で神龍に突入したものと思われます。 かつてレオニダス王家の機として、帝國皇帝の乗るレギナ・アトレータ・ケイロニウスと一騎打ちを演じ、敗北したという戦歴を持っています。 :名称不明(仮称:剣の機神) 行方不明 機神の発達過程のなかで、さまざまに現れたものの一つです。 巨大な剣を扱うといいます。 :アルブム・モノケロス 帝國 北方辺境候グスタファス家所蔵 帝國により管理 北方辺境の誇る前最終世代の究極的と言っていい機神のひとつです。背に6枚の、翼のような意匠を持ち、そこにある剣のように長い羽根の意匠を分離し、飛翔させ空中の自由なところから魔力砲撃を行います。 アムリウス・アドルファス・グスタファスによって使われ、北方辺境軍の象徴ともなりました。 度重なる損傷と消耗を受けても、異界回帰せず、限られた技術により臨時の補修のみを加えられ戦い続けたことも特徴でした。内戦終結時には、主兵器であった羽根剣の半分を失っていたともいいます。 現在は帝國の管理下にあり、積極的な休眠と修繕が行われているともいいます。 :名称不明(仮称:ストフリ) 帝國 西方辺境 フラウィウス・クリオ家所蔵 西方辺境フラウィウス家の誇る機神。詳細不明 世代不明 :マグヌス・カエサル・ユリウス 南方辺境候ユリウス一門に所蔵されていた機神。内戦南方戦役で南方諸侯が敗北した後、皇帝に没収され休眠していたといわれます。ユリウス一門十八家の復帰とともに、ユリウス一門に起動を許され、エウセピア・ユリウス・フェブリアヌスを乗り手とすることになりました。 大柄の機体に重装甲が特徴です。 :ディーヴォ・アウグストゥス・マクシムス ユリウス・マクシムス公爵家所蔵の機神。大柄の機体に重装甲を特徴としています。特に大きな特徴は肩を覆うもので、とがった衝角を伸ばすことができることです。 現在の乗り手はおそらく、マクシムス公フェルヌスといいます。 :グイン・ハイファール ゴーラ帝国皇帝機 機中のグインと呼ばれ、古代魔導帝國直系を自認するゴーラ帝国の象徴にふさわしいものであるといいます。 ゴルム帝を乗り手としていましたが、大北方戦争末期にゴルム帝は憤死、ヨルマ帝のものとなりました。 ヨルマ帝は、人中のヴェストラこと、ヴェストラ将軍に搭乗の許可を与え、人中のヴェストラ、機中のグインが相合わさる危険な事態となりました。 :名称不明(スカニアの機神) ゴーラ帝国スカニア大公国の機神です。 詳細不明です。 :名称不明(ヴィーキアの機神) ゴーラ帝国ヴィーキア大公国の機神です。 詳細不明です。 :初期世代 前最終世代との違いは、物理的構造が大きいようです。典型的なアウィス・ラパクスは、ミスリル銀による構造と、装甲で、前最終世代のオリハルコンに劣ります。 :アウィス・ラパクス 西方辺境候所蔵 猛禽を思わせる頭部と、風きり羽根を並べたような意匠の肩装甲、また猛禽の尾羽根を開いたような腰周りの装甲をもつ機神です。 世代としてはごく初期のものらしく、それまでの魔導ロボットを機神と呼ばしめるものに転移させたものであり、後の機神の叩き台となったものであるようです。 :ベルタ・ロマノレヴィ・アクアヴィテ 聖グアベロ皇国が保有する「アウィス・ラパクス」と同世代の極初期型機神です。皇国聖堂騎士団の団長機でもあります。 三角錐型の頭部と、そこから伸びるポールが特徴的な機体です。聖剣「ロマノレヴィ・ドンナ・セルヴァティカ」と 聖盾「ロマノレヴィ・リゼルヴァ」を装備しており、戦闘時には双方ともに魔力付与によって強化されますが、 そのために機神自体の戦闘時間は長くはありません。 帝國によって再現された機神たち 帝國は、そのもつ巨大な国力をもって、機装甲を上回る機神を製造するにいたっています。 レイヒルフト以前の帝國が、その能力を持っていたかどうかは不明です :帝國正規軍の機神 ∴黒の龍神 「アウラルム・ドラクデア」をベースに開発、製造された機神です。 きわめて高価でありまた、操縦者に魔導能力を要求するため、極少数が存在するだけです。 魔族領戦役時に12機が配備され、魔族軍の邪神鎧を相手に活躍し、東方辺境候軍勝利の一因ともなりました。 また内戦時には帝都防衛戦に全機投入されて、グスタファス候率いる教会軍を相手に活躍しています。 帝國軍近衛軍団独立第901機甲兵大隊にのみ配備され、近衛騎士団の主力機となっています。 ∴黒の二 黒の龍神をベースに開発、製造された普及型の機神です。黒騎士と呼ばれる選抜騎士に与えられています。 砲兵の射撃の後、青の三の戦列が敵戦列を突破するまでの間、敵戦列の穴を開け続けるための機体です。 通常の重機装甲とは比較にもならない高性能と、強力な魔道機能を持ち、常に3機小隊で運用されます。 類別としては機神とされていますが、魔導機能を搭載していないため、実質的には魔道機装甲と呼ぶべき機体です。 この機体を元にして、青の三の試作型が開発されたと考えらます。 形態的には、戦場の状況や、与えられた黒騎士の戦闘スタイルにあわせてさまざまなものをとるようです。武装、装甲においても、さまざまなものが与えられます。 ∴クルル=カリル 機神デウス・エキス・マキーナに対する研究、ユイさん、イサラ、おねいちゃんのトライアングル大暴走から生まれた新世代最強の機神です。 古代魔導帝國の機神に匹敵する性能を得たものの、まだ外部からの整備が必要で、その運用経費は帝國をして一桁のクルル=カリルしか運用できないとか、乗り手そのものに改造が必要とか、尖ったものに。 ::クルル=カリル試作機 デウス・エキス・マキーナに対する研究を直接反映した機体。魔導師の魔導ツールとしてフルスペックの能力発揮が可能 ::クルル=カリル量産初号機 試作機をスペックダウンしたものの、魔導ツールとしての機能性は保持されている。 ::クルル=カリル量産機 初号機と違って、魔導ツールとしてではなく、兵法魔術の実施を支援する程度のレベルに機能を抑制してある。 ∴ディエス・イレ :帝國皇室の機装甲 皇帝警護の任を長年担ってきた帝國近衛騎士団も、機神を保有しています。 いずれも、レイヒルフトによって、開発を命じられたもののようです。 ∴レギナ・アトレータ・トリニタス 内戦後半の帝都防衛戦で、皇女アルトリアの駆る機神「レギナ・アトレータ・ケイロニウス」が、度々近衛騎士団の重魔道機「アクアリウム・トリニタス」が追随できず、単機突出して危機に陥る事があったため、急遽、副帝レイヒルフトが「レギナ・アトレータ・ケイロニウス」を元に開発させたロースペック版の機神です。帝都防衛戦の末期に少数が配備されて活躍し、グスタファス候軍の北方撤退の理由の一つとなりました。 骨格と要部装甲だけ精霊銀(ミスリル)とし、それ以外は隕鉄を魔導処理した物を使用しています。 機体性能は母体となった「レギナ・アトレータ・ケイロニウス」と比較して一段落ちますが、それでも並の機装甲を凌ぐ強力な性能を持っています。また、魔導機能も省かれていないため、機神として完全に機能する機体でもあります。 機体は白色を基調として塗装されておりますが、近衛騎士団の三つの旅団にちなんで、赤、青、黄、の三色も使われています。そのため、「レギナ・アトレータ・カエルレウム」「レギナ・アトレータ・ルブルム」「レギナ・アトレータ・フラウム」とも呼ばれます。 武装は、主として乗り手の得物でありますが、防御結界の発生器でもある左腕の円盾は搭載されています。 :ゼニア共和国の機神 ∴ラインの黄金
https://w.atwiki.jp/pokess-keeping/pages/39.html
1乙SS・ナタネ 7 :ドラーモン ◆Op1e.m5muw :2006/12/22(金) 20 36 16 ID ??? 【1】はハクタイの森を進んでいた。 「あー、なんだかな……」 さっきから自分の後を付いてくる一人の少女。 振り向くと、その少女はあわてて木の影に隠れてしまう。 『なんだアイツ、あれで隠れてるつもりか?』 なぜ自分に付いてくるかはわからないが、とりあえず無視して進むことにした。 「そろそろ出口……ってまだ尾けてきてんのか」 バレバレの尾行ほど気になるものはない。 いい加減歯痒いので、【1】は振り向くとズカズカと歩いていく。 少女は「ひあっ」と珍妙な奇声を発して逃げようとするが、あわてて木の根につまづき、壮絶に転倒してしまう。 「まったく、お前何がしたいんだよ」 【1】がその細腕をひっぱり上げると、少女の幼さを残しながらも美しいその顔が真っ赤になる。 「は、離して!」 「ああ、ごめん」 その剣幕に思わずひるんでしまった【1】は手を離してしまう。 汚れた衣服をパンパンと叩く少女の姿に、思わず突っ込んでしまう。 「なぁ、ヘソなんか出して寒くないか?」 少女は全身を真っ赤にして走り去ってしまった。 「……なんだったんだ、あの娘?」 8 :ドラーモン ◆Op1e.m5muw :2006/12/22(金) 20 37 13 ID ??? その場から逃げ出した少女…ナタネは頬を染めながら爆走していた。 『私、私、一目惚れしちゃった!』 そう、それは偶然だった。 ハクタイの森を散歩していたナタネは、バトルで折ってしまった木に謝っている【1】の姿を見てズキュンときてしまったのだ。 『なんてやさしい人なんだろう』 普段は軽いノリのナタネだったが、いざこういう事態になると一歩が踏み出せない。 で、さっきもあの体たらくだ。 「名前だけでも、名前だけでも聞いておくんだった!」 ナタネの後悔の暴走は続いた。 傷心のナタネがジムに帰ると、どうやら挑戦者が来たらしい。 ナタネはその挑戦者の姿を見て心臓が飛び出そうになった。 『あ、あ、あ、あの人だぁぁぁっ!』 まだ心の準備ができていない。 こうなったら…… 「かくれんぼでここのジムトレーナー全員と戦ってもらって時間稼ぎよ!」 ジムリーダーの横暴だと言われようが、恋するナタネには時間が必要なのだ。 『とりあえず、とりあえず心の準備の時間を頂戴!』 しかし【1】は強かった。 わずか10分ほどで全てのトレーナーは倒され、残るはナタネのみ。 『ああ、近づいてくる、スレ立ては970の予定だったのに……なんでこんなに早いの!』 もうどうしていいか分からない。 9 :ドラーモン ◆Op1e.m5muw :2006/12/22(金) 20 38 22 ID ??? 【1】はやっとジムリーダーに会えるところまできた。 しかし、本来いるべき場所にジムリーダーがいない。 「えーっと、こういう場合はどうすれば……」 困った【1】が辺りを見回すと、右の林から何やら声が聞こえてくる。 「ふ、ふぇぇぇぇん、いぐっ、いぐぅ……」 『泣き声?』 こっそり近づいてみると、ハクタイの森で出会った少女が泣きながら叫んでいる。 「こんな突然に、告白なんてできないよぅぅぅ…」 「こ、告白?」 思わず声を上げてしまった【1】と少女との目が合う。 その瞬間少女の矢のようなタックルが【1】に炸裂し、その体を押し倒した。 「名前が、名前が聞きたかっただけなんですぅ…」 「はぁ」 「告白とかはそれからのはずだったんですぅ…」 「は、はぁ」 【1】はなんとなく理解した。 【1】は少女、ナタネの頭を撫でる。 「うぇぇ…ひっく」 「ここのジムリーダーは笑顔がトレードマークのかわいい娘だって聞いたんだけどな」 ナタネがゆっくりと顔を上げる。 「じゃあ、自己紹介しようか…」 「ボクは【1】。目の前の君に一目惚れしちゃったポケモントレーナー」 ナタネの顔が輝く。 「私はナタネ、貴男に……一目惚れしちゃったナタネよ!大好き、私も大好きっ!」 ナタネは【1】の頬を両手で押さえると、我慢できないかのように唇を重ねた。 『なんか……しょっぱいキスだな』 それはナタネの涙の味がする唇だった。 このSSの裏話(外伝3スレに投下) 981 :ドラーモン ◆Op1e.m5muw :2006/12/22(金) 21 14 47 ID ??? ナタネが見たあの光景。 【960】が木をいたわってる場面、そこには確かに対戦相手である【970】もいたのだ。 しかしナタネの目には【960】しか見えていなかった。 いわゆる「恋は盲目」というやつである。 【970】は仕方なくハクタイの森を出た。 「ああ、これからどうすっかなぁ……体でも鍛えてみっか」 そんな彼の手には「シジマ格闘道場シンオウ支部・門下生募集」の広告が握られていた。 多分 970はアロマなお姉さんと幸せに暮らしたんだと思う、そう信じたい。 投下スレ ドラえもん・のび太のポケモン小説【外伝4】 ※注 スレ立ては970の予定だったのに……なんでこんなに早いの! この一節は 1が早く新スレを立てた事を皮肉ったようだ (970でのスレ立て予定が、960が早まって立てたため)
https://w.atwiki.jp/llss/pages/716.html
元スレURL にこ「引っ越すだにこ」SS 概要 解体工事が決まった我が家から引き払うことになったにこ しみじみとこれまでのことを振り返る タグ ^矢澤にこ ^短編 ^しんみり 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dangerousss4/pages/134.html
右野斬子、幕間SSという名のプロローグSSの続き 「ういおshごすjgへjfvwじゅhbtごうwhkdjfgびうーーーー」 言葉にならない絶叫が、廊下中に響き渡った。 その絶叫の主、長井 一物(ながい いちもつ)は両足を揃えてピョンピョンと飛び跳ねる。 しかしそこに愉快さは無い、股間から血を垂れ流し、大の男が涙を流しながら痛みに跳ね狂うその姿は醜悪そのもの。 「おーい、大事なモンが落ちてんぞ。拾わなくていいのか―」 そんな男に笑いながら声をかける、制服姿の少女が一人。 ひときわ特徴的なのは、彼女の右腕……今しがた切り落とした男の血に塗れたそれは、人間の腕ではなかった。 その色は血の色と見分けがつかない程の真紅、先端は巨大な鋏……そう、蟹の腕である。 少女の右腕がシャキシャキと開閉する。その刃の先には、今しがた斬って捨てたものが転がっていた。 とてつもなく長い、人間の肌色をした丸い棒。長さは2メートル以上もあろうか。そしてその丸太の先は赤黒く、実にグロテスク。 そう、魔人、長井一物のイチモツであった。 (うーわー、凶悪ーー。あんだけ完璧に先手を取ったなら、とっとと首を落とせばいいのにー。鬼ー。悪魔ー) (……てめえは黙ってろ) イチモツを見据える彼女の頭の中で、幼い女の子の声がする。 彼女の中に蟹の呪いと共に潜む少女、永久乃 挟子である。 そして挟子と頭の中で会話をする少女の名は右野斬子。 かつて彼女は永久乃 挟子……、いや永久乃 挟子という幼女の姿を借りて人々を浚い、その身を喰らってきた巨大な化け蟹、デビルキャンサーと死闘を演じ、それを打ち倒した。 だが、その代償として蟹の呪いにかかり、左目と右腕が巨大な蟹のものという半獣人となってしまったのである。 そして、デビルキャンサーの意思であった永久乃 挟子もまた、呪いと共に彼女の中に潜むことになった。 「さて、長井一物。年貢の納め時だ。てめえの自慢のイチモツはご覧の通り。大人しく生徒会に連行されるんだな」 その戦いから1年半以上が過ぎ、彼女は今希望崎学園の生徒となっていた。 特異な姿となってしまった彼女がその姿を隠さずに通うことのできる場所は、戦闘破壊学園と呼ばれ、魔人の中でも更にキワモノが集まるこの学園しかなかったのである。 そして彼女は修業中の狂怪ハンターという自らの経歴を活かし、学内の治安を乱す不良魔人達を取り締まる生徒会の助っ人という立場にあった。 役員としての勧誘も受けたことがあったが、こんな姿であり、更に厄介なものを抱えている自分が役員となっては、生徒会に迷惑がかかると固辞している。 (聞こえてない。聞こえてない。いくら私の腕だって、生殖器を斬ったら痛みは抑えられないよ。分かっててやったくせにー) 「ちっ、アレの長さの割に根性の無え野郎だ」 (無茶言うなってー。大体、アレが長くなるのは魔人能力でしょ。本人の気は案外小さかったりして) 斬子が今しがたイチモツを切り捨てた魔人、長井一物は己の股間を自由自在に伸縮できる能力を持っていた。その長さ、最大で13kmにも及ぶという。 近年、巷で増殖を続けているという生殖器を操る魔人の一人だが、同種の多くの魔人がそうであるように、長井一物もまた、その能力を正しいことに使わなかった。 自由に伸びる己のイチモツを駆使して女子を強姦すること数十件以上、完全なハードコアファッカー魔人と化してしまったのだ。 希望崎学園生徒会はそんな彼を遂に看過することはできなくなり、右野斬子に生死を問わぬ彼への処分が依頼されたのである。 (でも、"斬"での空間移動。もう完璧に自分のものにしたみたいだねー。今の一撃、見事だったよー) (癪だが……てめえやこの右腕との付き合いも長くなっちまったしな) そんな長井一物と右野斬子の戦いは、わずか数秒で決着が付いた。 大胆にも白昼堂々、新たな獲物を求めて希望崎学園内の廊下を徘徊していた長井一物に対し、斬子は正面から近づいた。 女に飢えた長井一物は即座に彼女を凌辱すべく、己の股間を斬子の股間へ向けて伸ばした。 Gパンを突き破り、斬子へ巨大なイチモツが迫る。 しかし斬子は長井が股間を伸ばすと同時に飛び上がった。 そして空中で回転する斬子、それと同時にその右腕の鋏が一閃する! 瞬間、斬子の体は逆立ちの状態で、空中に浮かびあがったまま長井一物の眼前へ登場した。 突然の事に驚愕する長井一物。しかし彼の最大の武器である股間は伸びきったまま、彼女を迎撃することはもはや叶わない。 斬子はそのまま右腕の鋏を長井一物の股間の根元へと伸ばす。そしてそのまま、その長いイチモツを一瞬でちょん斬った。 哀れ、長井一物は悲鳴を上げて飛び跳ねることとなったのである。 「便利なモンだよ、まったく。嫌なぐらいにな」 斬子の右腕に光る巨大な蟹の鋏は三つの能力を持つ。 一つ、右腕を薙ぎ払うことで、空間を切りさき、自らの体か、生物以外の物体を瞬間移動させることのできる能力、"斬"。 斬子はこの空間移動を使い、一瞬で股間を伸ばして迫った長井一物をかわし、逆に自らその眼前へと迫ることができたのである。 そしてもう一つ。その鋏で挟むことで、それが『生物』であればいかような箇所であれど切り裂くことのできる能力"挟"。 長井一物のイチモツは、実は伸縮自在なだけでなく、勃起時には鋼並みの固さも誇ったのだが、斬子の鋏はそれをまるで豆腐を斬るかのようにたやすく両断したのである。 更にもう一つ。鋏を閉じた状態で突き出すことでいかような物も跳ね返すことのできる"突"という能力もあるが、今回は披露の機会は無かった。 (あ、見てみて、お姉さんー。あの人、遂に泡を吹いて倒れたよ、お仲間だー、私の) 「何っ……!ちっ!おい、大丈夫か!」 斬子の"挟"による切断は、相手の細胞に傷一つ残さず、ゆえに痛みすらほとんど感じないという特性がある。 だがそれにも限界はある。股間を斬られた痛みなど、どんなに綺麗に切ったところで、男子たるもの消すことができようか。 まして長井一物は己のイチモツに絶対の自信を持っていた魔人である。 (ん、どうしたの?お姉さん?) 「……死んでやがる」 倒れた長井一物に駆け寄り、その状態を検分した斬子は彼が既に事切れていることに気付いた。 股間を斬られた痛みによるショックか、それとも元々そういう制約の魔人能力だったのか、魔人、長井一物は己の股間の最期と共に己の生命も絶ったのである。 (んー、まあー、別にいいじゃん? 生徒会も生死は問わないって言ってたしー。それにお姉さんもいつも悪党、変態は死ねって言ってるじゃん) 「ああ、こいつは殺されてもしょうがない奴だった。だが……」 だが、長井一物の履歴に強姦は多数あれど、殺人はまだ一件も無かった。 無論、強姦も殺人に匹敵する許しがたい犯罪である。長井のイチモツによって、心身に取り返しのつかない傷を負った女子もいる。 しかし生徒会から取得した長井の経歴を見ると、長井が凶暴化したのは魔人能力に覚醒した後であった。それ以前はごく至って平凡な学生であった。 長井が強姦魔と化したのはその魔人能力のせいではないか。己の力を失えばまだ更生する可能性が少しはあるのではないか。 斬子はそう思ったからこそ、彼の首ではなく股間を刎ねた。去勢されることによって彼が生まれ変わることにわずかな期待をかけたのである。 しかし結果はもう二度と長井にやり直す機会を与えることの無いものとなった。 (ヘーイ!ヘーイ!暗いぜベイビー! 一瞬だけど、あんな汚い物に触れて切り落とすことになった、あたしの身にもなってみなー。首で良かったのにー) (……そうか。てめえにはこの腕の感触が伝わるんだったな) 斬子の中に共存する永久野 挟子は、斬子の呪われた『蟹』の部分を通じて外界の知識を得ることが出来る。 例えば、斬子の左目から伸びる黒い『蟹』の目玉……通称、スキャンサーアイは四方200mを捉えることのできる優れものだが、 この映像を斬子の中の永久野 挟子が知覚し、それを斬子に伝えることで、"斬"による空間移動の位置を自在にすることが可能なのである。 そして彼女の『蟹の』右腕の感触もまた、永久野 挟子は知覚できる。だが……。 「んじゃ、もう少し味わってみっか?」 (え……?) 斬子は死体となった長井一物から離れ、ゆっくりと地面に落ちた彼のイチモツの側を歩いた。 そして、その先端へと向かっていく。 (ちょ……、おい、まて……) 斬子は数メートル程歩き、その足はそのイチモツが途切れたところで止まる。 そう、長井一物の巨大な亀頭の前で……。 「蟹にとって、亀は海の仲間だろ? 仲良くしようぜ、たっぷり」 (ぎゃーー!や、止めろこらっ!幼児ぎゃくたいはんたーい! ま、まてー、オラー!) 長井一物の巨大な亀頭に向かって右野斬子の右腕が伸びる! 斬子は1年以上侠子と過ごしたことで知っていた。彼女が割と人間の幼子に近い感性を持っていることを。 そんな彼女にとって大人の男のイチモツはグロテスクそのもの。それに触れ、撫でまわす感覚を味わうことがどれ程身の毛のよだつ行為か! (あ、ま、待って、お姉さん。ほら、この人の股間。なんか変なものが巻かれてるよ。なんだろう) 「あん? 今更気を逸らそうたって無駄だ……、ん?」 その時、急に長井一物の股間が光を放った。 いや、正確には永久野侠子の言う通り、長井一物の股間にはあるものが巻かれており、それが急に輝きだしたのである。 そしてその光は長いイチモツの体から離れるやいなや、右野斬子の右腕へと巻かれた。 巻かれた箇所は、彼女の右腕が鋏となって分かれるそのちょうど前の箇所である。 「なんだ……こりゃ? 一体?」 (ん、うーん……。これは……時計かな? 腕時計。でも変なの。なんか目盛がいっぱいあるような。時計……なのかな?) そう、長井一物は何と股間に腕(?)時計を巻いていたのだ。 その時計は主を失ったことで、斬子の右腕へと巻き付いたのである。 「こりゃー、1針時計だな。随分珍しいものを持ってやがったな。こいつ」 (1針……? 何それ) 「針一本で時間を現す、シンプルな時計だよ。まあ通な奴が持つような時計なんだが……なんで股間に巻いてやがったんだ?それでそれが何であたしに……」 その時、右野斬子、そして彼女と感覚を共有する永久野侠子の頭に膨大な量の情報が流れ込んできた。 それは、その1針時計が『迷宮時計』と呼ばれる時計の一つであること。 右野斬子が長井一物からその『迷宮時計』の所有権を引き継いだこと。 そして『迷宮時計』の所持者となったものに課せられる運命についてのことであった。 「ふーん、成る程……。『迷宮時計』……か。学園の生徒や生徒会の連中から噂は聞いていたが、まさか長井がこれの所持者だったなんてな」 (へー、面白そー。ねえねえ、お姉さん。当然参加するんだよね) 「てか、拒否することはできねえんだろ。まったく、また厄介なものを抱え込まされちまったみたいだな」 (またってなんだよー。振り返るなー。前へ進めー) 「確かにな……。殺し合いってのは気に入らないが……、この戦いで勝ち残れば望むことが何でも叶うかもしれねえんだろ?だったらてめえと別れることもできるかもな?」 (む……。ふっふーん。でも私だって、生き返ることができる可能性だってあるかもよ?) 「は……!ま、せいぜい期待してな。それに……」 (身体が元に戻るだけではなく……素敵な男とも出会えるかも……) 顔を赤らめ、ふと物思いに耽る斬子。 異形となって1年が過ぎても、まだ彼女はその純粋な気持ちを失っていなかった。 (ふーん……。よし!じゃあ、この迷宮時計さんの名前は『突子』さんだね。ちょうど針一本だし) (……は? なんだそりゃ?) (ほら、私が"挟"子で、お姉さんが"斬"子でしょ。この子が"突"子で、ちょうど"斬"、"突"、"挟"じゃない?) (無理やりすぎるだろ……それ。) (むー、ロマンが無いなー) (やれやれ。ま、先は思いやられるが、仕方がないか) とにかくこうなった以上、覚悟を決めるしかないようだ。 斬子は一度決断すれば、その意志は固い少女である。 斬子は己の赤い右腕、更にそこに新たに加わった大きな腕時計を見つめつつ、これから来るであろう新たな戦いへの思いを馳せていた。 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/yuiritsu/pages/75.html
SS46 まつ毛に風 3年生になる直前、私は自転車の後ろに唯を乗せて隣町の山沿いを走っていた。 春休みを無駄に過ごしていた私に唯が電話をかけてきて… 「春です。りっちゃん!サイクリングしよう。隣町の梅と桜を見に行こうよ」 「テレビでやってた場所か?自転車でってかなり遠いぞ」 「大丈夫。りっちゃん隊員の足なら自転車でもどこまでも行けるよ」 「唯隊員、もしかして…二人乗りで私がペダル担当なのか?」 「うん。自転車は私が用意するよ?」 「せっかくの休みなのになんでそんな過酷な事しなきゃならないんだ。私はパス。梓か憂ちゃんと行けよ」 「ええ~、さわちゃんが『高校生の夢』は自転車で二人乗りして女の子と出かけることって言ってたのに…」 「男子高校生だろそれ。私は女だっての。それに、二人乗りはダメだって習わなかったか?」 なんて断ろうと思ったけど結局OKしてしまって… 「良い風だね~りっちゃん!」 「隣町でも結構知らない所ってあるんだな。て言うか唯もペダルこげよ」 「帰りは私が頑張るから行はりっちゃんお願い」 「帰りはほとんど下り坂だろ!」 「…♪~~♪~~」 「それ何の曲だ?オリジナルか?」 「そうだよ。今の気持ちを鼻歌で表わしてみました」 「そっか。良い曲だな。あと少しで着くから飛ばすぞ~」 唯が楽しそうに鼻歌なんて歌うから、疲れなんて忘れて私はペダルを踏み続けた。 「ほえ~。綺麗だね。あっちも行ってみようよ!」 目的地に到着してから、唯は大はしゃぎだった。 憂ちゃんが作ってくれたお弁当を食べて、咲いたばかりの桜の花を見上げたり、散ってしまった梅の花を拾ったり。 「りっちゃん、写真撮ろうよ。ほらほら、ここに立って…行くよ~?」 交互にデジカメで記念写真を撮ったり。 楽しそうな唯を見ていたらあっという間に時間は過ぎて行って。 「唯、そろそろ帰るぞ?」 「え、まだ4時にもなってないよ?」 「あのなぁ、来るのに3時間以上かかったんだぞ?帰りは下り坂が多いけど2時間以上はかかるぞ」 「そっか。あんまり遅くなるとりっちゃんのお家の人も心配するよね」 「家は大丈夫だけど、憂ちゃんに夕方帰るって言ったんだろ?夕飯作って待っててくれてると思うぞ」 「そうだね。『お礼がしたいからりっちゃんを夕飯に誘って』って言ってた」 「いや、別にお礼は良いんだけどな。帰りも私がペダルだろうから、体力的に時間の余裕が欲しくてな」 「帰りは私が乗るよ。りっちゃんは後ろで休んでて」 ちょっと残念そうに笑った後、唯は私を後ろにのせて自転車を走らせはじめた。 後ろに乗っているのは楽なもので、行きは気にしなかった景色もなんだか綺麗に思えてくる。 「あれ?」 景色を気にしていたら。見た事無い場所を走っていた。 「止まれ唯!来る時ここ通ってないだろ?道間違えてないか?」 「え?でも、この坂を下りたら○○通りってかいてあるよ…」 自転車を停止させて周りを見てみると、終わりが見えないような下り坂と、遠回りになるはずの通りの名前が書かれた案内標識がそこにはあった。 「すげぇなこの坂…でも、○○通りだと遠回りだから引き返した方が早いぞ」 「りっちゃん、私この坂下りてみたい。この道から帰ろうよ」 「ダメダメ。○○通りからだと唯の家に着くのは夜になるだろ。憂ちゃんに怒られても知らないからな?」 「うぅ…りっちゃんも一緒に謝ってくれるよね?」 「お断りです。ほら、Uターンするぞ」 とばっちりはごめんと唯の背中をポンポン叩いてUターンするように言った。 「ごめんね…りっちゃん」 「別に怒ってないよ。疲れたなら私が変わってやろうか?」 急に唯が声のトーンが下がったので疲れたのかと思ったら… 「危ないからしっかり摑まっててね!」 「え!?待てゆ…」 最後まで言い終わる前に強い風に襲われた。 突然の猛スピードに、目を閉じて唯の背中に摑まっている事しかできなかった私が目を開けると。 「ごめんね。りっちゃん」 今日一番の笑顔をした唯の姿がそこにあった。 end
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/99.html
禁書風味SSの書き方例 とあるSSの禁書目録 PART3スレ 2より引用 禁書風味考察より抜粋。書き手諸氏は参考程度にどうぞ。 原作は基本、当麻視点三人称文体。 地の文では基本的に日本人は名字、それ以外は名前。 名字の重なる連中は名前。メインが名字でそれ以外名前ってパターンも有。 ex)土御門/舞夏、美琴/御坂妹/美鈴 基本が当麻視点だからそうなってるっぽいので、オリキャラ主人公などの場合はこの限りではない。 地の文でも時折くだけた表現が用いられる。 ex)~のような→~っぽい 擬音語は単体で使わない。文の一部に。 ex)バギン!!という破砕音で、上条は右手が何かを破壊(ころ)したことに気が付いた。 霊装、能力名等の強調部は二重鉤括弧『』がつく。電話とかで会話が『』の場合は鉤括弧「」。 オリキャラ有の場合は程よく妙な名前及び口調が要ると思われます。口調は文に表さず地の文で補足するのも有り。 ex)コピー用紙をそのまま吐き出すかのような口調 カタカナ名前の繋ぎは等号=。 禁書っぽいルビ。固有名詞以外の部分にも有るとなお禁書風味。ここらへんはセンス任せかな? ルビ部分は平仮名、片仮名、英字のみにするとルビっぽい。 尚、能力や霊装の名称は「漢字四字+ルビ」。幻想殺しは正体不明なので除外、吸血殺しも同類? 地の文でのキャラの呼称。名前以外で特定人物を示す表現が多用されているのも禁書味。 ex)銀髪シスター、ツインテール、ビリビリ また、各人物間の呼称や、特定人物の口調・呼称は結構注意点かも。特に一方通行やインデックスはWikiを参考にするヨロシ。 人物の外見に関する描写は詳しい部類に入ると思う。尤も、魔術側に関しては服装に意味があるからだろうけど。 所々に近未来アイテム有。魔術関連は元になる伝承があると禁書感up。 各章サブタイトルは英題付き。英単語間の半角スペースは半角アンダーバー_で。巻ごとの統一性はあったりなかったり。 ex)統一有:一巻及び三~七巻 ex)第一章 黒の騎士団 Lelouch_of_the_Rebellion 俺は最初からクライマックスだぜ! 訳)一文目が大事です。 以下は推奨事項。 傍点は範囲を引用符“”で閉じて代用すると良いかも? ルビは振りにくいので括弧()で。 沈黙や間は三点リーダ…で。中黒・の連続だと字数嵩むし隙間開くし見目麗しくないですよ。 ダッシュ―は2つ以上重ねるべし。 重ねますが、これらは「文章をこんな感じにすると手っ取り早く禁書っぽいヨ」という趣旨なので、そこんところ注意して下さいな。
https://w.atwiki.jp/llss/pages/1065.html
元スレURL 【SS】希「合点承知之助」 概要 ある日の絢瀬家の食卓 アジフライトホノメカシー タグ ^東條希 ^絢瀬絵里 ^μ’s 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/eva35/pages/62.html
投下SS補完ページ 長編以外は基本的に投下順=補完順 未完の作品も含みます 短編 貞シンカヲ 媚薬貞シンカヲ・カヲチンポ初出 貞カヲ自慰 もしカヲチンポが臭かったら 庵シンカヲで逆レイプ 貞シンカヲ毛ネタ 庵シンカヲ 貞シンカヲ デブカヲ オロ*ミンC 生首庵シンカヲ(カヲル意識あり) 生首庵シンカヲ(完全に停止) 生首庵シンカヲ(完全に停止の続き) ※ネクロフィリア注意 貞シンカヲ 貞シンカヲ初めてネタ ※池沼カヲル注意 貞シンカヲ 生首庵シンカヲで産卵 ※産卵ネタ注意 遭難・または災害等に遭った貞シンカヲ ※スカ注意 貞シンカヲでカニバ ※カニバ注意 フェラーリシンジ ダッチカヲル 貞シンカヲ 貞シンカヲ シンジ(34)×カヲル(35) 入院シンジ 貞シンカヲでスカトロ ※スカ注意 スパシンの孤独 幼稚園児シンたま ※流血、痛い表現注意 お医者さんごっこ 月の妖精ティーチャーカヲル まだ過渡期のティーチャーカヲル シンジ君のお願い 拒むシンジ ※悲恋注意 明治時代なシンカヲ ショタシンカヲ ※微スカ注意 貞シンカヲ最後の夜 長編 貞シンカヲ・ミニラミたんシリーズ ※産卵ネタ注意 孵化 受精 プリン 風呂でまぐわうシンカヲ 壱、弐、オマケ ミニラミたん伏魔殿へ 壱、弐、オマケ 我慢の限界が来て一晩かけて濃ry 壱、弐、参 ヴォニュー 伏魔殿Ⅱ ケコーン ~◇ 庵シンカヲで産卵 ※産卵ネタ注意 壱、弐 陥没乳首ネタ 産卵(アフターEOE・貞) ※産卵ネタ・一部トウシン描写有り・僅かにカヲル女体化描写有り注意 壱、弐、参、四 綾波流気功術 ※LRSスメルやや濃厚(シン→レイ) 壱、弐、参、四、伍 貞カヲ「オナニーって何」 壱、弐 ヤンデルしんじ ※ 鬱グロ注意 壱、弐、参 猫夫婦 ※ 猫化注意 壱、弐、参、四、伍、六 わんにゃん物語 ※ 犬シン×猫カヲ注意 壱、弐 にゃんこのトイレ ※微スカ注意
https://w.atwiki.jp/nanairoitsuki/pages/17.html
ここはギルドで撮ったSS(スクリーンショット)をいろいろ置いてます。 スーさん頑張るの巻 5/30 ペア同士で撮影 5/29 メイドマッサージ店 5/29 ほしーーーミ☆5/29 集合してみたよ~ 5/29 HP作成中 5/29 SS置き場テスト 5/29
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/33.html
『星空の仲間たち(後編)』/夏希◆JIBDaXNP.g 夜中の美翔家のリビングに、重々しい空気が立ち込める。父の弘一郎、母の可南子、兄の和也が集まって家族会議が行われた。 舞は慎重に言葉を選びながら、薫と満が天涯孤独であり、頼れる者がいないことを伝える。 力になってあげたいこと。できるなら、この家で二人と一緒に暮らしたいこと。 どうしてそうなったのか、事情は話せないことを伝えた。 「それで、今は薫ちゃんはどうしているんだい?」 「疲れて、私の部屋で眠ってるわ。今日は色々あって大変だったの」 「事情を話せないってのが問題ね。それじゃ戸籍も取れないし。それに、一緒に暮らすとしても家には和也がいるでしょ」 「そうだね。何かあるとは思わないが、年頃の異性と一緒に生活することはお互いのためにならないだろう」 「それなら、僕が学校の寮に入ってもいいよ。その方が勉強にも集中できるかもしれないしね」 「そんな、お兄ちゃんが出て行くことなんてないわっ!」 「とにかく、今のままじゃ中学校までしか先がないわ。進学や就職をするなら、やっぱり」 「それに関しては、何か方法がないか調べておこう」 「私も知り合いを当たってみるわ」 「お父さん、お母さん、お願いね」 「僕にもできることがあれば、遠慮なく言ってくれるといい」 「うん、お兄ちゃんもありがとう」 舞は音を立てないように、そっと部屋に戻る。 しかし、寝ていたはずの薫の姿はどこにもなくて―― 「まさかっ! 今の話を聞かれたんじゃ?」 舞は玄関に駆けつける。予想通り、そこからは薫の靴が消えていた。 『ふたりはプリキュア Splash Star――星空の仲間たち(後編)――』 夕食後、咲と満とみのりは、一緒にトランプ遊びをした。 何をやっても満が圧倒的に強くて、みのりはつまんないとか不満を口にする。 しかし、そのうち満が手加減を覚えてきて、良い勝負ができるようになってきた。 「いけないっ! もうこんな時間だ。みのりも宿題やっちゃわないと」 「はぁ~い」 「満は……心配ないか。わたしの宿題は~っと」 「咲、お腹空いたラピ」「チョッピも、何か食べたいチョピ~」 「フプ~」「ムプ~」 「えっ? おねえちゃん、今、なにか言った?」 「あはは、気のせい気のせい。お願い、満っ! みのりの勉強見てて」 「ええ、いいわよ。行ってらっしゃい」 「おねえちゃんどこに行ったの?」 「さあ? トイレじゃないかしら」 咲は廊下に出て人の居ないのを確認すると、クリスタルコミューンを出して先端のフェアリードロップに息を吹きかける。 上下に振って生まれた光が、スプラッシュコミューンに吸い込まれる。 ディスプレイの中に生まれた料理はカレーライス。先ほどの咲たちの食事を見ていて、どうしても自分たちも食べたくなったのだとか。 「咲、お世話を忘れるなんてひどいラピ」 「舞は、自分の食事よりも優先してくれてたチョピ」 「フプ~!」「ムプ~!」 これでも限界まで我慢していたらしい。咲に抗議の声を上げる、フラッピにチョッピにフープにムープ。 咲も口を尖らせる。チョッピが増えたのに加えて、今日は満もいる。みのりの世話もしなきゃならない。大所帯で大変なのだ。 「何よ、フラッピはチョッピに伝えたい気持ちがあるって言うから、わたしがまとめて預かってるんじゃない」 「あ~それは……ラピ~」 「急に元気がなくなったムプ?」 「何だか赤くなってるププ?」 「チョッピも聞きたいチョピ」 「いや……あの……話すと長くなるラピ」 「ならないでしょ! 一言伝えるだけじゃない。わたしの時はさんざんからかったクセに」 「そうだっ! わたし、お父さんとお母さんにお話があるんだった。フラッピ、がんばりなさいよね!」 咲は、大介と沙織の休む寝室に向う。まだ眠っていなかったのか、一度のノックですぐに二人は出てきてくれた。 立ち話できるようなことじゃないからと、居間のテーブルに座ってもらい、咲がお茶を淹れた。 「どうしたんだ? あらたまって」 「突然、満ちゃんを家に連れて来たことと関係あるのかしら?」 「やっぱりお見通しか~。そう、満と薫のことなの!」 咲は真剣な表情になって、二人にお願いする。 何も聞かず、何も求めず、ただ、ありのままに満と薫を家族に迎えてほしいって。 そのためなら、自分はどんなことでもするからって。 両親の仕事の大変さも、家計のことも、もう咲は十分に理解していた。その上でのお願いだった。 もともと、おねだりなんて滅多にする子じゃない。愛娘の懸命なお願いに、大介と沙織は厳しい表情で唸り声を上げる。 「う~ん、コロネを預かると決めたのとはワケが違うからなあ……」 「お父さんったら、真面目に考えてくださいな」 「考えてるさ。家はお店にスペースを取られてるから狭い。咲とみのりも同室にしてるくらいだしな」 「そうね。部屋はなんとかなるとしても、高校や大学に二人を行かせるとなると、家計も頑張らなくちゃいけないわね」 「それは大丈夫! 二人ともすっごく頭も良いし運動もできるの。きっと、特待生とかになれると思うんだ」 「ともかく少し考えさせて。いい子たちなのは分かるんだけど、里親ともなると責任も重大なのよ」 「家族として迎えるだけでいいと思うんだけど……」 「そう簡単にもいかないさ」 咲はため息を一つ付いて部屋に戻る。できれば、早く満と薫に居場所を作ってあげたかった。 しかし、元より二つ返事で承諾してもらえるような内容ではない。考えると言ってくれただけでも、大きな収穫なのだろうと思うことにした。 「あれっ? みのり一人? 満はどうしたの?」 「ええ~っ、一緒じゃないの? おねえちゃんの帰りが遅いから見に行くって言ってたよ」 「満っ!? まさか!!」 咲はクローゼットからマフラーとコートを取り出して、そのまま外に駆け出した。 夜のトネリコの森を、満は一人歩く。冬の森の闇は深く、他の生き物の気配も感じられない。 黄色のセーターにピンク色のコート。咲の服を借りてきたにも関わらず、冷気は容赦なく身体から体温を奪っていく。 寒い、そう感じるのも初めての体験だった。 やがて見えてくる、大きな影。 夕凪の山頂にそびえ立つ、巨大な樹木。トネリコの森の御神木――大空の樹だった。 「誰っ? こんな時間に誰かいるの?」 「その声は――満?」 「薫じゃない! どうしてこんなところに?」 月や星の光すら届かない、大空の樹の下に立つ人影。 目が慣れてきて、ようやくその姿を確認できるようになる。 水色のトレンチコートに、白いマフラー。舞から借りた冬服に身を包んだ薫だった。 「ほんとにどうしたのよ? 愛想が悪くて追い出されたとか?」 「私は満みたいには振舞えない。でも、舞も、ご家族も、みんなよくしてくれたわ」 「ふうん、じゃあ、わたしと一緒ね」 「多分ね。もう、前のように満のことが何でもわかるわけじゃないから」 たった半日離れていただけなのに、随分と久しぶりに再会したような気がする。 確かに、これほど長い時間、別々に行動したことはなかった。 「こんなに、人間は弱いものだったのね。暗いと物は見えないし、少し動くと疲れるし、この程度の寒さで震えてしまう」 「弱いからこそ、わかることもあるわ。私は満の背中をあたたかいと感じたことなんてなかった」 大空の樹の根元。かつて空の泉でしていたように、互いを支えあうようにして座り込んだ。 背中と背中を合わせて、両手で膝を抱えて―― 「人間は、弱いから助け合うのかしら?」 「人間だけじゃないわ。さっき望遠鏡を覗かせてもらったの。星も、互いに影響を与え合うことで存在しているそうよ」 確かに人間は弱い。そして命は脆い。いくらあがいたところで、滅びへの道を転がっていく運命は避けられない。 そんな儚い者たちが、支えあい、助け合って生きている姿を、美しいと感じた。 だけど、そう感じている自分たちは、やっぱり強者だった。 同じ立場になってみて、不安に心が押しつぶされそうになる。 もう、自分たちだけの力で生きていくことはできない。 咲と舞しか頼れる人もいなくて、その二人を困らせているんだって。 「薫、今、何を考えているの?」 「満が考えていることと、同じだと思うわ」 「わたしたちが、このまま緑の郷に居てもいいのかってこと?」 「そして、駄目だとしても、他に行ける場所もないってことよ」 満と薫が、この世界に来た時の力、その残滓は今も残っている。 まだ学校に籍はあるだろうし、クラスメイトも自分たちを覚えてはいるだろう。 でも、その先がない。この世界では、何をするにも戸籍というものが必要になるらしい。 この世界の住人ではない満と薫は、その元となる国籍すらないのだ。新たな暗示を植えつける力も失った今、この世界に自分たちの居場所はない。 「もう、ダークフォールもない。あったとしても、今のわたしたちじゃ生きていけない。それは泉の郷でも同じよ」 「それに、私たちは咲と舞と一緒に居たい。この緑の郷で生きていきたい」 満と薫は立ち上がり、大空の樹の幹に触れる。かつて咲がしていたように、両手を広げておでこを付けてみる。 でも――何の答えも得られなかった。 一歩下がり、両手を合わせて頭を下げる。この樹の向こう側にいるはずの、フィーリア王女に願いを訴える。 「フィーリア王女、お願いします。どうか、わたしたちに精霊の力を――」 「滅びの力に代わる、新たな力を授けてください」 微かな期待を込めて、一心に祈り続ける。しかし、いつまで待っても、大空の樹は何の変化も見せなかった。 一層の生命力を取り戻し、濃い葉を茂らせた枝々も、今はより深い影を作り出すだけだった。 二人は肩を落とし、再び背中を合わせて座り込む。声が、フィーリア王女に届かなかったとは思えなかった。 世界樹の精霊である彼女は、全ての命を同時に見守っているはずなのだから。 「ダメね、虫が良すぎるのよ。こうして、生きていられるだけでも奇跡なんだもの」 「何か、思い違いをしていたのかもしれない」 「薫、どうしたの?」 「私たちは、咲や舞と繋がったわ。でも、二人はこの世界のみんなと繋がっていた」 自分たちが、どうでもいいと思ったこと。それを、咲と舞はとても大切にしていた。 例えば、学校の授業やスポーツ。それに、テストなんてのもあった。 無下に断ってしまったけど、クラブ活動を勧められたりもした。 それだって、この世界のみんなと繋がるためには、必要なことだったんじゃないのか? 「わたしたちもそうすればいいってこと? 無理よっ! 滅びの力で生み出されたわたしたちは、愛されて生まれた二人とは違うわっ!」 「でも、運命は変えられる。咲と舞はそう言ったし、私たちはそれを信じてきたはずよ」 「あの時のわたしたちには、力があったわ。この世界のために、してあげられることがあった。今はもう、何もないのよ?」 「無くしたからこそ、感じられるものもあるわ。こんなに、満の背中は温かいから」 「そういえば、咲と舞も言ってたわね。わたしたちのおかげで、嬉しいって気持ちがもらえたって」 「つまらない些細なこと。大したことじゃなくても、それを積み重ねたら、私たちもこの世界で居場所を見つけられるかもしれない」 背中を合わせたまま、どちらともなく、満と薫は手を握る。 始めは冷たかった掌は、少しづつ体温を取り戻す。やがてポカポカと温かくなった。 「そうね。力を失わなければ、薫の手があたたかいだなんて気が付かなかった」 「家族はいないけど、私たちは一人じゃないわ」 「わたしたち、初めから一緒だったもの。もう一度、二人でやり直しましょう」 「二人じゃないわ。咲と舞がいるもの」 満たちが運命を変えたいと思うなら、わたしたちが力になるから。 そんな、咲の声が聞こえたような気がした。 「帰ろう、薫。きっと、咲も舞も、みのりちゃんも心配してる」 「おじさんたちや、おばさんたちだって、心配してると思うわ」 二人が立ち上がった時、遠くから満と薫の名を呼ぶ声が聞こえてきた。 咲と舞が、息を切らせながら走ってきた。 その後ろからも、何人かの人影が近づいてくる。 咲の両親の、大介と沙織。妹のみのりにコロネ。舞の両親の、弘一郎と可南子。兄の和也。 咲のバックが微かに揺れる。フラッピにチョッピ、フープやムープも中に隠れているんだろう。 「満、薫。やっぱりここに居たんだね、心配したんだからっ!」 「隠すみたいに話してた、私たちがいけなかったの。返って余計な気を使わせてしまったわ」 「咲と舞は何も悪くないわ。勝手に出てきてごめんなさい」 「一人になって考えたかったの。心配かけてごめんなさい」 二人に頭を下げたところで、両親たちが追いついてくる。 満と薫は、同じように無断で家を抜け出して心配かけたことを謝る。 そして――咲と舞ではなく、ご両親に向き合って、お願いを口にする。 「お願いがあります。もうしばらくだけ、わたしたちを家に置いてもらえませんか?」 「大したことはできないけれど、何でもお手伝いします。だから……お願いします!」 「そのことなんだが、私たちも日向さんのご両親と相談してね」 「もう、心配しなくていいのよ」 「「どういうことですか?」」 「満ちゃんと薫ちゃんの二人は、うちで家族として迎えようと思うんだ。店も手伝ってもらえるし、みのりも喜ぶだろう」 「部屋も、一つくらいなら開けられると思うの。同じ部屋になるけど構わないわよね?」 「戸籍のことも、心配はいらないよ。帰化申請という制度があってね」 「外国には、国籍のない子供たちがたくさんいるの。私がそのうちの二人を連れ帰ったことにするわ」 「こう見えても私たちは顔が広くてね。多少のことならごまかしは効くんだ」 「後見人として、身元保証も引き受けるつもりよ。広い意味では、私たちの家族でもあるってことになるわね」 展開に付いていけず、ただ呆然とする満と薫。そこに、事前に話を聞かされていたみのりが我慢しきれずに口を挟む。 続いて、和也も。そして、咲と舞も。 「つまり~、薫おねえさんと満おねえさんは、本当にみのりのおねえちゃんになるってことなのだ」 「僕の妹にもなるわけだね。あらためてよろしくね」 「わたし言ったよね。満たちが運命を変えたいと思うなら、わたしたちが力になるって!」 「薫さん、満さん。これからも、ずっと一緒よ」 「そんな……。わたしたちは、そんなことまでしてもらう理由なんて」 「こんなに大きな恩を、返す力なんてありません」 「そんなこと、考えないのが家族というものよ。でも、どうしてもって言うなら」 「いつか、あなたたちが大きくなった時に、同じように困ってる人に手を差し伸べてあげてほしいの」 沙織と可南子が続ける。涙き崩れそうになる満と薫を、咲と舞が肩を抱くようにして支えた。 突然、大した風もないのに大空の樹が揺れる。 祠を中心に、金色に輝きを放つ。 ただ、その光に気が付いた者は、咲と舞と満と薫だけのようだった。 フィーリア王女の言葉が甦る。 昔、世界は命の存在しない暗黒でした。 しかし、命が生まれ、星となって、暗い宇宙の中でお互いを照らし出した。 そんな星たちのように、あなたがたも互いを大切に思う心で、照らしあって輝いているのです。 満と薫は手を合わせ、大空の樹に心の中で語りかける。 「フィーリア王女、やっとわかりました。これが、互いを大切に思う心で、照らしあって輝くってこと」 「星空の仲間たち。それは咲と舞だけじゃなかった。星は宇宙に、無数に輝いているのだから」 光が収まった後、満と薫はみんなのいる方に振り返る。 咲も、舞も、大介と沙織も、弘一郎と可南子も、みのりと和也も、そしてコロネまで。 みんな微笑みながら、二人を優しく見守ってくれていた。 「満ちゃん、薫ちゃん。この樹には、こんな言い伝えがあるのよ」 「お母さん、それ知ってる! 大空の樹の下で出会った者は、強い絆で結ばれるんだよね!」 「そして、これからもきっと、もっともっと、たくさんの人たちと出会うのよね」 「出会いたい! もっと、もっと、たくさんの人たちと」 「この美しい緑の郷の、みんなと繋がりたい」 「えっ? 緑の郷って?」 「あはは、なんでもない、なんでもない。さあ、帰ろう! 満、薫」 「そうね、帰りましょう!」 「帰るラピ!」「そうするチョピ!」 「ムプ~」「ププ~」 「今……、変な声が聞こえなかった?」 「気のせいよ。早く帰って休みましょう」 仲良く連なって帰る二組の家族を、大空の樹は優しく枝を揺らして見送った。 ここより永久に――永遠の星空の仲間たち。 ~~ fin ~~