約 225,585 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6316.html
「で、次はここか」 礼儀正しくラーヌン次郎をペロリと平らげた淡に連れられて、京太郎はゲームセンターに来ていた。 「そうそう!麻雀ばっかしてちゃ麻雀だけの麻雀人間になっちゃうよ!アラフォー待った無し!」 「んー、確かにな……しかし、でかいな」 長野にこんなでかいゲーセンはなかったなーとおもいつつ、そのあまりにもやかましい店内へと二人は足を踏み入れた。 ゲームセンターの中は予想よりもだいぶ騒がしかった。 都会のゲーセンは二階三階とあるのか……と京太郎はギャップを感じる。 「しかし、来たはいいけど俺はあんまりゲームは得意じゃないんだよな」 「そうなの?」 「外で遊ぶほうが好きだし」 「……なんで麻雀部入ったの?」 呆れた目で見られるが、入ったのだから仕方がない。 「じゃあわたしがよくやるゲームを一緒にやろう!んふふ~、ずーっと麻雀の練習ばっかでしばらく来れなかったから久しぶり~」 「やっぱ名門校は練習キツイのか」 「キツイっていうか、長い!」 ウガーッと淡は不満を漏らす。長い練習をキツイというのではないのかと思ったがたいした問題でもないと思い聞かないことにした。 「えーと、あった、これこれ!」 先を歩いていた淡がビシッと指をさした。その先を見てみると、なにやら洗濯機のようなピカピカ光る機械がある。 「……なんだこれ」 「マイマイ!」 「……あぁ、前行った時に誰かがやってたよーな」 淡は早速チャリンとコインを投入し機械の前に立った。 そしてじっと京太郎を見てくる 「やらないの?」 「え?俺もやんの?」 「空いてるんだしやろうよー」 「お、おう……ここか」 京太郎はいわれるがまま淡と同じように隣の機械にも100円を投入しその画面の前に立った。なにやら淡がニヤニヤしている。 「じゃあシンクロモードでプレイしようね」 淡が勝手に画面をタッチしてモードを選択していく。なにやらよくわからない、初めてプレイするゲームなので任せるしかなさそうだ。 「じゃあ簡単な歌曲で練習!がめんのマーカーに合わせてタッチするだけだから簡単でしょ!」 「そうか?まあやってみるか……」 そしてゲームが始まり曲が流れ出す。すると中央の画面に言われた通りマーカーが現た。チラリと淡を見ると、外側のラインに触れた時にタッチしている。見よう見まねで京太郎もやってみる。 「お」 そのままゆったりとしたテンポでマーカーが流れ続けてくる、要領をつかんだ京太郎は曲に合わせてマーカーを押し続ける。 (しかしこれは……恥ずかしいな) 誰が見ているわけでもないが、まるで踊っているようではないか、と思いつつも、一曲が終了した。 「はい終わり。どう?簡単でしょ?」 「まぁ、そうだな。でもお前よくこんなのやれるな……」 「人の目なんか気にしない!さ、次やろ次!次は少し難しいのやろう!」 画面をカチカチと押している淡は楽しそうだ、付き合ってやるのも悪くはないか…… 京太郎は画面に向き直る。次の曲が選択されたようだ。曲名は……LUCIA? 「ふう、クリア~。……あれ?!クリア!?きょーたろークリアできたの?!」 「やっぱお前すげー難しいの選びやがったな!?死ぬかと思ったぞ!?」 「えー……京太郎えー……なにその才能、そこは失敗するとこでしょー……」 「言いたい放題だなこんにゃろめー!」 「ギャー!グリグリやめてぇ~!」 じゃれ合いながらゲームを離れ、次は麻雀ゲームをやることになった。 「えー、ここまで来て麻雀?」 「いいじゃねーか別に、初心者潰しの大星さん」 「ごめんってばー」 反射神経が疲労しきった京太郎はドスッとゲーム機の前の幅広の椅子に腰を下ろした。 「ちょ、つめてつめて」 「え、お前ここ座んのかよ」 すると淡は京太郎をぐいぐいと押して、無理やりに同じ椅子に座り込む。 二人なら問題なく座れる椅子ではあるが、画面を覗き込むと体が密着しそうで落ち着かない。 「ん~、じゃあへっぽこな京太郎には私が指導をしてあげよう。光栄に思いたまえ」 「はいはいありがとさん……」 チャリンとコインを投入し、画面をタッチして対局画面へと移っていく。隣の淡はなんだかんだといいつつ楽しげに画面を見つめている。 「ふふー、頑張ってねきょーたろー」 「おう」 「ねー京太郎」 「ん?」 「京太郎の麻雀を始めたきっかけってなに?」 「あー、それはなー……」 「あ、それ鳴いて」 「え、マジ?……入ったきっかけなー、麻雀部に好きな子がいたからだ」 「なにそれ」 「いやマジで。中学の頃までは運動一筋だったんだけどさ、同学年でスッゲー可愛い子が、麻雀部に入ってさ、お近づきになれればなーって……お、ツモった」 「なにそれ、不純」 「男なんてそんなもんだ。で、まぁ、それでやり始めたんだけど、案外面白くてな」 「ふ~ん……へんなの」 「なにがだよ」 「その割にはガッツあるなーって……私にボコボコにされれば、すぐに心折れて、少なくともその場では麻雀やめる!とか言い出すかと思ってた」 「いいたかないけど負け慣れしてるからな……」 「ダサいよー」 「うっせー」 「……ここは三索か?」 「三色の目あるんだからもったいないでしょ、もっと欲張りなよ」 「そ、そうか……で、淡はさ、どうだ」 「なにが、麻雀始めたきっかけ?」 「いや、そうじゃなくて、麻雀って楽しいか?」 「……え?それ聞く?普通同じ質問返さない?」 「聞きたいんだ」 「別にいいけど……楽しくなきゃやってないでしょ」 「やっぱ強いし楽しいか」 「そりゃね。負けることもたまにあるけどだいたい勝てるし……」 不意に、淡の顔が俯いているのが視界の端に移って、京太郎はそちらを見た。 「でも、ね、昨日は……相手も強くて楽しかったんだけどさ、すごく悔しかった……」 「……そうか」 再びゲーム画面に顔を向ける。そこから淡のアドバイスは終局まで入ることはなかった。 「今日はお疲れ様」 「おう」 ゲームセンターを出た二人は、帰り道を行きながら話していた。先ほど浮かばない顔をしていた淡もいまはすっかり明るい表情だ。 「本当楽しかった~。しばらく息抜きできなかったからさ!」 「いつも緩みまくってる気がするけどな」 ルンルンと広い歩幅でゆったり歩く淡の姿を見ていると京太郎も心が和む。こんなにも凛とした美貌なのにどうしてこうも癒しオーラが放てるのか、不思議でならない。ふだん幼馴染のポンコツを眺めていると余計にそう思う、あれはあれで可愛いが。 「……それにしてもさ、知り合って3日目なのにこんな風に仲良く遊ぶって不思議だよねー」 「お前が人懐っこいからだよ」 「犬みたいに言うなー!」 ポスポスと叩かれるが全く痛くない。淡のいう通り、知り合って3日目だというのに既にこのさっぱりとした子供っぽい性格の淡に、京太郎は心を許していた。 そして、二人の帰路の分かれ道へと差し掛かる。 「じゃ、ここでお別れ」 「そうだな」 「えーと、お金返したし、忘れ物とかないし……よし、大丈夫。じゃあ、ばいばーい京太郎」 淡は軽く手を振って沈みかけた夕日の方へと歩き出した。 揺らめく金の長髪がまさしく黄金色に輝いて、その性格とは裏腹の神々しさを醸し出す。 思い立って、京太郎は声をあげた。 「淡!」 その声に反応して、淡は振り返る。小首を傾げて、なんなのか、と問いかけてくる。 「明日の、清澄と白糸台の決勝線さ!」 「絶対に、清澄が勝つぜ!」 自分のことでもないのになにを偉そうにと自虐しながらも京太郎は自信満々に言い切った。 その言葉を受けて、少し呆然とした淡も、段々とその口角を上げて、悪役っぽい顔をする。 「いーや!勝つのは私!」 自信満々に言い切った後、再び背を向けてズンズンと淡は去っていった。 「……」 そして、京太郎も、淡と反対方向、夕日に背を向けて歩き出した。 翌日、インターハイ団体戦の決勝戦。 より一層多くの観客が詰め寄る中、清澄の控え室は緊張に包まれていた。 「……もう少しで開始だな」 「おう……」 「……おい優希、これみてみろ」 「お?……あー、タコス」 「お前ガラにもなく食べるの忘れてたぞ、食べなきゃ力がでないんだろ?」 「おう!気が聞くじぇ京太郎!……んー!うま!」 「俺の謹製タコスだ……それくらいしかしてやれねーからな……勝てよ、優希!」 「……任せとくじぇ!」 「……ふぅー」 「三連覇がかかると、さすがに緊張するか?」 「……」 「それとも、妹か?」 「関係ない……私は、ただいつも通り……勝つだけ」 「……任せた」 「任せといて」 決勝戦、先鋒戦開始 …… ………… ……………… 重苦しい、沈黙。緊張感の張り詰める控室。 「ゆーき……」 緊張した面持ちで和が見つめる画面には、対面で宮永照と対峙する優希の姿があった。 東4局、親番は照。 一言で言うと最悪である。宮永照との対局においてラス親を取られるのはほぼ負けを意味している。 もはや暗黙の認識と化している宮永照の能力、打点上昇ツモと《照魔鏡》。相手が起親で親番を潰すのが最高である。、その真逆はやはり最低である。 しかし優希は引き下がらない。点数98300点。まだまだ負けていない。 だが、長い南場が待っている。 「……お姉ちゃん」 咲が、ぼそりと呟く。 まさしくここで決勝戦は最大の山場を迎えている。 優希は、勝てるのか。 「……ん?」 不意に京太郎のポケットが震える。マナーモードにしてあるスマートフォンが震動したのだ。 画面を開くと、LIMEのようだ。差出人は、大星淡。 『やっほー。今控室だよねー?ねぇ、先鋒戦がどんな風に終わるか予想しあおうよー 私はねー、白糸台以外マイナス!どうー?(#′∀')』 「……」 京太郎は、黙って返信文を書いた。 『余裕だなおい。そうだな、俺の予想は……白糸台が一位で、清澄はプラス収支だ』 送信…… すぐに返信が来た。 『えー?そこは清澄が一位っていうところでしょー?(・3・)』 すぐに、返信 『まぁそれが理想だけどさ……あの清澄のタコスは昨日俺のアイスを奪いやがったからな。それに……』 文を書き終えて、京太郎は再び送信を押す 『点数負けてても、あんまり関係ないんだ』 ……変身は、来ない お人好しが過ぎると、京太郎は皮肉に笑う。 画面の向こうでは、優希が宮永照に直撃をかましていた。 (っ……食いついてくる) 宮永照は、清澄と阿知賀のタッグに苦戦していた。 実に理にかなったコンビ打ちを展開されて、上がる前に潰されている。 松実玄の力で、ドラは誰の手にも行き渡らない。 優希はその類稀なる集中力と運で、宮永照に食らいつくもあと一歩、いや、二歩。であれば、二人でやることは簡単だ。 優希は、ドラとは無関係の場所で手を作り上げる。 玄は手の内にドラを溜め込み、優希の欲しがる牌を切り鳴かせる。 単純だが強力だ、玄の一押しが優希を宮永照に喰らいつかせている。 (気があう人でたすかったじぇ……さて) 阿知賀の方にウインクをしてから、優希は宮永照へと向き直る。ここまでやってまだ五分だ。いや、少し不利かもしれない。 しかしこれなら十分勝てる。優希は深く深呼吸をし、改めて卓上を見渡した。 (負けるわけにはいかないじぇ!この優希様が点を稼いで、みんなを有利になるにスタートさせなきゃならないんだからな!)タンッ 「ロン!」 「あ」 臨海に直撃させられた 混沌とした、先鋒戦、終了 白糸台は一位通過で、122500点 清澄は100200点。 今までの試合と比べると白糸台のリードが明らかに少ない。 会場内は騒然とした。 「うぬぬぬ……ただいまー」 「ゆーき!」 「おわーっ!?」 部屋に入ってくるなり感極まった和に優希は抱きつかれた。顔が胸に埋もれている。 「すごい!すごいですゆーき!あんなすごい麻雀!」 「むぐぐぐ……ぷはっ。うー、でもかなり離されちゃったじぇ……」 「何言ってんの、上々よ」 「うん……お姉ちゃん、すごく悔しそうだったし。すごいよ優希ちゃん!」 「そ、そう?へへ……まぁ、この私なら当然!」 えっへんと胸を張る優希は、そのまま京太郎に向き直った。 「京太郎!お前のタコスの力もかなりあった!たすかったじぇ!」 「へへ、早起きした甲斐があったってもんだ」 あの宮永照相手にプラス収支で二位通過、湧き上がる面々をよそに、のっそりと染め屋まこが立ち上がった。 「おう、ようやったの、優希……ほんじゃ、わしはこの荒れた場をフラットにしてこようかの」 「まこの胸みたいに?」 「張り倒すぞおどれ」 「っ……」 「何を落ち込んでるんだお前は、ダントツ一位だろう。その顔見せたらさっきの先鋒のメンバーにすごい嫌なもの見る目で見られるぞ」 「いや……落ち込んではいない。ただ疲れた」 「ほう」 「あそこまで、喰らいつかれたのは久しぶり……まぁ、楽しかった」 「……うん、そうか。さて、私の番か……苦汁を舐めさせられたからな、準決勝で。名誉挽回と行こう。照のリードをより磐石にしなければならないな」 「スミレ~がんばってね~」 「菫せ、ん、ぱ、い。淡、阿知賀と清澄の対象の牌譜見ておけよ」 「は~い」 (読まないなあいつ……) 「……お」 またも、淡からのLIMEが届いた。 『う~、京太郎やるじゃん!』 『どうだ、俺の戦況千里眼は!』 『千里眼ってなに?千里山の親戚?』 頭を抱えた。 『千里眼ってのは千里先まで見渡せるほどの視力って意味だ』 『せん……なに( ・・)?』 『せ、ん、り!』 『距離じゃん、未来じゃないじゃん(′・3・)』 『戦術ってつけたろーが!』 素直に戦術眼と書けばよかったと後悔。予想以上に手間取らせる。 『それより次峰戦の予想!私はねー、白糸台が一位でドベは阿知賀!』 『おうそうかいそうかい』 チラリと画面を見て、返答 『阿知賀は二位かな、俺的には』 (あー、なんじゃろーなこれ) まこは頭を抱えたくなるような無茶苦茶な卓上を見た。 そして、対局相手たちを見る。 松実宥、そんな格好をして頭が茹らないのか、問い詰めたい。 弘世菫、お前こっち見ろ、うちは二位だぞ。阿知賀ばっかみんな。あ、みた。 慧宇、お前は……まぁよく知ってる。一回やったし。 (なんじゃこれ) 頭を抱えたくなる。なんと混沌とした場か、面子も卓上も。 自分が地味に見えてくるから困る。緑髪だぞ緑髪。 (しかし、ま) 眼鏡を外し、卓を見つめる。 (やることは変わらん) 牌をきる。 (だいぶ、なんというか、見たこともない表情しとるけどな?ご機嫌とりは、いつもの通りやればええ) (逃がさんぞ松実宥) 弘世菫は若干頭に血が上っていた。対面に位置する松実宥にただならぬ熱い視線を送っている。無論、あれじゃない意味で。 (無論これはチームの勝利を目指している。そのためなら感情を殺すべきだ、しかし……) 感情論を切り捨てては麻雀は勝てない、一度ならず二度までも躱してのけた松実宥に直撃をとらなくては、この劣等感が対局中ずっと足かせになる。 (必ず射抜 抜いて見せる、必ず) 神経を集中させる。名門校のプレッシャー、三連覇のプレッシャー。勿論、ある。 しかしそれすら一瞬忘れた。稼いでくれた友のため、後に続く後輩のため、この戦いは負けられない。 (清澄のはまだ手ができてはいない雰囲気だ、臨海もあと少しといったところが、なら、狙い撃つ!) 弘世菫は、狙いを定めた松実宥の捨て牌をみて、最高の待ちで満貫の聴牌を作り牌を切り出した 「ポン」 「!」 上家の清澄が鳴く。 (くっ、しかし、阿知賀までツモが回れば!) 「ほれ」 「あ!」 「ロン、5200」 阿知賀が上がった。清澄の捨て牌で。 ほいほいとまるで気落ちせず清澄は松実宥に点を支払う。 (……なるほど、強敵じゃないか、清澄の……染谷まこ!) 弘世菫の、視線を感じ、染谷まこは少し笑った。 白糸台、123800で次峰戦を終える。 対して阿知賀、点数を10万点代まで回復させる。 清澄と臨海はもつれ合う形でわずかに臨海が上。 「帰ったぞー、いやーすまんの優希、お前さんの点棒まいてきちゃった」 「先輩……すごく意地が悪い麻雀だったじぇ……」 「まーこー……あなた白糸台への嫌がらせに集中しすぎじゃないのー?」 「しゃーないじゃろ怖いし、調子づかれて突き放されるよりなるったけフラットにフラットに。だいたいこのくらいの点差なら……お前さんら勝てるじゃろ」 まこは、三人に目を向ける。 竹井久、原村和、宮永咲、この三人ならきっと追い抜ける。 「わしの役目は、射程圏内で耐えることと、相手をぐしゃぐしゃにかきみだすこと……あとは任せたぞ、久」 「……まっかせときなさい」 「やられた!!まんまとやられた!!!!」 「お、落ち着いてください部長」 「落ち着けるか!染谷まこめ……私が狙い撃つ相手全員に自分で振り込むし!いざ染谷を狙ってみよにも上がりを目指さない上がり方のせいで手が読めない!」 「……おそらく白糸台を独走させないために、あえて自分の点を吐いて菫のペースを乱してた。自分が上がる気がないんだから、当然相手はいろんな牌を持てるしひらひら逃げられる」 「ウグググ、悔しぃ……!!」 「部長キャラ崩壊してます……」 「あっはっはっは!スミレおもしろーい!」 「うがあああ!!」 「ギャー!?暴力はいけません~!!スミレのアホー!」 中堅戦 清澄の部長竹井久、ついに憧れの舞台に立つ。 (やば……すごい緊張する) なんせ悲願の優勝がかかった試合だ、今までよりはるかに大きい重圧がかかる。 (でもまぁ……後輩にかっこいい先輩の姿を見せつけるラストチャンス!怯えず行くわ!) しかし久は引かない。強い気持ちで手を作っていく。 新子憧、渋谷尭深は、確かに強敵ではあるが、他と比べれば火力はマシだ。 問題は、雀明華。自風を使って速攻で上がられると、瞬く間にオーラスに突入してしまう、そしてそのオーラスは渋谷尭深の本領。 それまでに、何としても点を稼ぎたい。 (どう戦おうかしらー……) んーと、少し考える。 そして、控え室のメンバーのことを思い出して、少し笑う。 (……かっこよく戦いたい。自分の好きなように、自分が楽しめるように、誇れる麻雀を) きっと前を向く。かわいいかわいい後輩連中の目にやきつけよう、この戦いを。 「……ツモ!」 我らが大将咲、頼れる副将和、信頼するまこ、かわいい優希、面倒かけてしまった京太郎。 全員を思い、久はいつも通りに派手なツモ上がり(モーション的な意味で)を決めた 一方京太郎は控え室から抜け出てトイレへ向かっていた 「あーちくしょう!緊張して飲み物飲みすぎた!」 自分が戦っているわけでもないのに京太郎はいつの間にか2リッターのミネラルウォーターを飲み干していた。 それに気づいた瞬間尿意をもよおす、しかも強烈。 そのせいで京太郎は久の想いが詰まったツモを見逃した。運のない男である。 「くっそー……どうしてこう締まらないかねー」 小便器に用を足し、急いで手を洗う。 男子力高めな京太郎はしっかり隙間まで、液体石鹸を使って洗い流した。 「さてと!すぐさま観戦に!」 トイレを飛び出し、いざ走り出す!目的地は清澄控え室!目標は試合観せ…… 「うはぅ!?」 「ぐおっ!?」 腹に、何か突き刺さった。 おそらく金色のものと視認したそれは走り出さんと身を乗り出した京太郎の硬い腹筋にドスリとめり込む。 カウンターの要領で名状しがたい金色に頭突きをもらった京太郎は二、三歩後ずさり、青い顔をして腹を抑えた。 「うっううぅ……ご、ごめん、前、見てなかった……」 「いや、俺も走ってたから……」 お互いくぐもった声で謝罪をし、お互いを見やる。 「……ん?京太郎じゃん」 「……淡?」 「ここでいいか」 「うん、オッケーオッケー」 そのあと、控え室に戻ろうとした京太郎に淡は、一緒に試合を観戦しようと持ちかけた。よって今二人は、大型モニターの備え付けられたスペースにいる。椅子は埋まっているため、壁に寄りかかる形だ。 「いやー、スミレを怒らせちゃってさー。大将戦までなるべく外にいようと思って」 「呑気すぎるだろ」 画面の向こう側では、控え室で後輩達が勇姿を見ているだろうと信じて戦う久が映っている。 その内の一人京太郎はその久の対戦相手の高校の大将とだべりながら見ているが。 「てゆーかー、京太郎勘鋭すぎー。この淡ちゃんより予想を当てるなんて、生意気だぞー!」 「理不尽な……」 プンスカ怒る淡を横目で見て、京太郎は苦笑いした。 「別に、勘が鋭いわけじゃねー。それなら麻雀弱いわけないしな」 「あーそっか」 「納得すんのな……俺は、ただ単に清澄に都合がいい展開を予想っぽく言ってただけだ」 「都合がいい?四位なのに」 「チーム戦だからな」 久が白糸台から直撃をとった。点数はそれなり、一気に差を詰める。 「わお。たかみーから直撃って、やるー。てかなにあの待ち」 「そういう人なんだよ。守り硬い相手の方がやりやすいんだ」 適当にだべりながら、試合を観戦する。画面の向こうで1回目の半荘が終了。風神こと明華が白糸台の大物手を阻止する。 「あーたかみー!」 「相性悪いな、ありゃ」 「うわー、点数が10万点だいに……でもいーもん!私が取り返すもんね!」 ふふーんと淡が胸を張る。 「そこ、ふつーは大丈夫かなーとか不安に思うとこじゃねーの?」 「高校100年生に負けはない!」 ふんすと語る淡の目に揺らぎはない、本当に、自分自身の実力を信じているのだろう 「チーム戦だぜ?これ」 「? 負けてても、私が取り返せばいーじゃん。大将の役目でしょ?」 「勝ってたら?」 「勝ってたら、ぶっ飛ばすまであがる!」 「なにもかわらねーじゃねーか戦法!」 「なにさー!よーはアガらせずにアガればいいんでしょ!私にはそれができる!」 再びふんすーと鼻を鳴らす。 京太郎は苦虫を噛み潰したような表情をした。 「……淡、俺の予想を教えてやろうか」 「予想?」 「多分な、白糸台は結構リードして、副将戦を終える。二位は清澄だ」 「ほほー」 一息、ついて 「……で、お前は、咲に負ける」 告げた。 「……ほっほーん」 結構カチンときたようだ。淡がメラメラと瞳の炎を燃やして見上げてくる。 「えーつまり、この淡ちゃんが、そのサキに、大きな点差ごと捲られて、逆転サヨナラ負けを喫すると」 「そうだ」 「……んにゃわけあるかー!」 淡は吠えてシュバッと京太郎の背後に周りベチベチと背中を叩いてくる。 「いててて、やめろ!」 「生意気だぞー京太郎のくせにー!てか、バカにしすぎー!」 フンッと今度は不機嫌に鼻を鳴らし、淡はきっと睨んできた。 「そんなに言うなら見てるがいい!この淡ちゃんがアッショーしてきてやるから!そしたら京太郎サーティーワンおごってよね、3段で」 何度目か、淡は鼻をふんすとならしてずかずかと歩き去って行った。 「……」 京太郎は、その背中を、少しばかり、心配そうに見つめた。 「で、須賀君は私の勇姿を見てなかったのね~……」 「いや、見てましたって!」 「よそのモニターで、いざこれから戦う高校の大将と駄弁りながら?」 「」 ものすごい勢いでいじける久に京太郎は徹頭徹尾謝罪する。 あのあと、対局を終えた久に優希が何やらチクったのだ。 どうやら飲み物を買いに出たら淡と喋って観戦していたのを見ていたらしく、それを聞いた部長は至極不機嫌である。 対局の結果は、白糸台が137000 、その他の高校は全員10万を下回るが似たり寄ったり。 三校で渋谷尭深を徹底的に狙い撃ち、一時白糸台は4万点近くまで点数を落としたが、ラス親の尭深はわずか三巡で四暗刻字一色を完成させる離れ業を披露、全校から大量の点棒を抉り取り、結局はプラス収支で終えてしまった。 「くっそー、泣きそうな表情になるもんだから油断したらこれよ、これも全部須賀君の仕業よ」 「なんだって!?絶対に許さないじぇ京太郎!!」 「それ俺かんけーねーし!!」 いじいじし続ける久と弄られる京太郎を他所に、原村和は準備を始めていた。 「……負けられませんね、せめてトップとの点差を10000まで縮めます」 「うん、頑張ってね!」 「もちろん、負けるわけにはいきませんから」 落ち着いた表情で、和はほかのメンバーを見渡した。 「みなさんから受け継いだバトンを最高の形で咲さんにつないで見せますよ」 「ふぅ……なんとかなった……怖かった……お茶……」 「さすがだね尭深、いや、相手の顔!いい気味だったね!」 「2人のために、しっかりと点を取れてよかった」 「相手にとっては、たぶんトラウマになる。だって、三巡で32000点オール、もはや神業」 「ど、どうもです」 「淡はまだ帰ってこないのか!」 「ダイジョーブですよ部長、なんやかんや割と余裕を持って帰ってきますって。さて、行きますか……準決勝の汚名を返上しなくちゃ」 「……あんまり気負わないで」 「ん、ありがと」 「……」 ちらりと、スマホを見る。LIMEはこない。淡はヘソを曲げに曲げたらしい。 おそらくあの調子で、決勝に望むことだろう。 京太郎は心配である。 別に心配することではないはずなのだが、とにかく心配なのだ。 恐らく淡はひどい目にあう。この、大舞台の、締めくくりとなる対局で。 しかし今はそれよりも和のことだ。 画面の向こうですでに対局は始まっている。いつも通り、静かに正確に手を進めていく和。 原村和にとって、対戦相手というとは実のところ、さほど重要ではない。 和にとっての麻雀とは、全員が同じ条件のもとで、運に左右されながらも、知略の限りを尽くし、できる限りの最良の道を選び続けるゲームだ。 無論、対戦相手の癖とか、そういうのはかなり重要な情報ではあるのだが、和はそれよりも、とことんデジタルに、とことん合理的に、低い確率よりも高い確率を、低い効率よりも高い効率を。 (配牌で暗刻がふたつ……両方筒子ですか) それ以外もそれなりにまとまっている。向聴数こそ並の三向聴だが、高めを狙えそうだ。 一瞬で計算を済まし、最も不要な牌を切り出す。 そして、対局相手を見る。 臨海のメガン・ダヴァン 白糸台の亦野誠子 そして……阿知賀の、鷺森灼 部長曰く、全員が不可解奇妙な「パワー」を持っているらしい。 (そんなオカルトありえません……が) 普段なら、バカバカしいと一蹴するが、和は、考えを切り替える。 オカルトは信じないが、打ち回しに独特の癖があるというのは事実だろう。 だったら、それを見咎めない手はない。 和は、ただ淡々と、手を作り上げる。 恐ろしい速度で 「ツモ」 7巡目、裏目もなく、最高の牌効率で打ち回した良配牌は、素晴らしいスタートを切らせてくれた 「2000.4000です」 (……強いなー) 亦野誠子は、ため息をつきたくなった。もちろん対戦相手に失礼なので実際にはしない。 (……綺麗な手を作るな、無駄も一切なし、最短距離を突っ走る) 門前で上がったことがない自分からすれば羨ましい限りである、その運を、少しよこせ、あと胸も (いや、運の問題じゃあない) 自分の手に、向き直る (役割を果たせ) 現在白糸台は135000、他は全員マイナスで、4万近く突き放している。 ダントツで有利だ。このまま淡にバトンをつなげば、その圧倒的防御力とスピードと火力、つまるところパーペキな淡ならばきっと勝ってくれる。 (つまり、私のこの対局結構重要じゃん) 「ポン」 化け物どもを相手に、立ち向かう (このままじゃ終われない) (汚名返上の最後のチャンス、ふいにしてたまるか) 「チー!」 二副露、あと一つ (綺麗にまっすぐ上がりを目指してくれて助かる、切る牌を結構絞れるからな) 「ポン!」 三副露 「ツモ!1000.2000!」 「亦野、よくやった」 「あはは……汚名返上には少し、地味すぎ、ましたかね……?」 「お疲れ様、誠子ちゃん……はい、お茶」 「ありがと……」 「……さすが、白糸台の副将」 「よしてください、先輩……あれ?淡のやつは?」 「ここだよーん!」 「うわ!おま、どこから!」 「ロッカー!!」 「狭いところが落ち着くのって、なんだろうね、あれ」 「やめろ照。……ていうか淡お前なぁ……いや、なんかもういい」 「へへーん、見てたよー!すごいじゃん!でもこれじゃあ余裕すぎて私の見せ場ないかなー?」 「……準決勝で苦労させたからさ、少しでも楽になってくれれば気が楽になる……準決勝でも言ったけどさ、頼んだよ淡」 「まっかせときなさーい!高校100年生のこの大星淡様が!」 「……清澄に、ひいてはその中の一人金髪のデクのボーに思い知らせてやる……!!ケケケケケケ!!!」ユラユラユラァァァ 「……金髪のデクのボー?」 「誰のことかな?」 「……さぁ?」 (もしかして自販機に頭ぶつけてたあの男子か?ていうかあいつすでに髪がユラユラしてるぞ、地味にこのssで初の「」の後の擬音じゃないか?) 「……」 京太郎は画面を見つめる。 すでに、大将の四人がそろい踏みだ 起親、高鴨穏乃から順に、咲、ネリー、そして大星淡である。 全員がスタートを待ち、卓上に視線をおろしている。咲はああ入ったもののこの大舞台で死ぬほど緊張しているだろう。 ……と、思ったら淡がちらりとカメラ目線になり、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。なんとなくこちらを見たような気がして少し後ずさる。 (はは、おっかねーおっかねー) 実は淡が入場する直前、京太郎のLIMEに淡からトークが届いていた 内容は『この私のアイス好きをなめるなよ、破産させるまで食ってやる!(#`д′)』 なんとも、腹に据えかねているようだ。それはもう、ものすごく。 京太郎は、今更それに返信をした。今は試合中、淡もマナーモードにしているはずだ。 文を書き終え、送信。 『テレレレテレレレーン』 『あ、マナーモードにしてないや、ごめんごめーん!』 「……」 絶句 (俺悪くねーよな?) 少し冷や汗をかいたが、気を取り直す。 ポケットにスマホをしまい、再び京太郎は画面に集中した さて、と 淡は卓上を見下ろした。 淡はラス親であり、起親の高鴨穏乃が元気よく牌を切り出したところだ。 準決勝では苦渋を舐めさせられたが今度はそうはいかない。 メラメラと燃え上がるリベンジ根性を抑え込み、続けて対面。 宮永咲 静かに、素早く牌を切った。手慣れた手つきだ……当然か。 宮永咲、最近知り合って、結構気があう京太郎が言っていたが、私はこいつに、捲られて負けるらしい。 やってみろと、やれるもんならやってみろと、高らかに叫びたい。 点数はおよそ28.000点。そして、相手は必ず五向聴。こっちはダブリー『かけてもいい』 負けるものか、うち負けるものか。 髪がざわつく。意識を集中する。上家のネリーが切り出した。 淡、それを受けて改めて自分の手配を眺める。 ニヤリと少し笑い、牌を切り出した。 リーチは、しない。 「なんと……」 久は唸った。大星淡がダブリーをかけなかったことに疑問を覚えたのだ。 「戦略を変えてきたかの」 まこの指摘の通りだろう。淡は聴牌を崩しー向聴に戻す。しかし、役を絡めやすい組み合わせに近づけたようだ。 「驚くことじゃありません。あの手なら確かにダブルリーチをかけずに粘ったほうがいいですね」 和は苦々しい表情で言う。相手の出だしがすこぶる好調なのに対し、咲の手牌がバラバラなのが気になるのだろう。 「ダブリーは制約じゃないのか……」 優希が呟いた。あの能力はドラゴンロードのような『制約』がないようだ。すなわち、遅い相手を眺めながら手を組み替える余裕があるのだ。 「……」 京太郎、黙って画面を見つめる。焦りは、ない。 (いいじゃんいいじゃ~ん!) 大星淡は大変機嫌よく牌を切り出した。 4巡目、二向聴まで戻したが役が絡みドラなしでも満貫にてが届く。 そして、手元には崩さずにとってある暗刻もある。 倍満もゆめじゃな~いとウキウキしながら相手を待ち受ける。さあ追いついて見せろ、と。 誰も、リーチをかけない。 五巡目に入って改めて淡は卓上を見下ろす。ここからは油断しない。もしかしたら上がってきやがるかもしれないのだ。 捨て牌からはその気配はない。 ツモり、切る。手は進まながったが別に構わない。 カドまでまだまだあるのだから。 ~~~ (きたー!!) 「リーチ!」 高らかに宣言、リーチ棒をだす。 一応基本にならって、両面待ちの形にした。そして、次のツモ。 「カン!」 んでもって 「ツモ!」 淡はアガった。ところがどっこいカン裏がさっぱり乗らず、まさかの満貫そのまま。 (うぐぅぅぅなんでー!?) 満貫をツモあがりしたのに頭をかきむしる淡に三人の冷たい目線が刺さる。おっと失礼と姿勢を正し、気を取り直す。 (いいもんいいもん!上がったのは淡ちゃんだし!サァツギの局こそ……) . ¨  ̄ ̄ ¨ . . ´ `ヽ . ´ . ′ . / . ,′ ;. / / / { ニニ二三三二ニニ / / \ ニ二二三三三二二ニ / イ /\_ \ ___ ニニ二三三二ニニ ∠ イ | / ,ィ  ̄ ̄三三| ニニ三王 三l 三|ニニニ= | | |. 厶イ | i 二| 三トニ二三ト、三ト、 ト、ニニ= | |/ j j从| | |、 | | | ト、ニ王ニ{{ o }}ニ= | ! | ト、圦乂| 乂| \{ \| ヽ{ヽ{ イノ 乂_{ jハ 从イ/´ -=ニ`ト . - .イ二ニ=‐- 、_ r=ニ =ニ二|`ト _ . r |二ニ ニ7 }ニ〉 ハ マニ ニ二ハ !二ニ / / /ヽ. / Vハ \ ニ二ハー- -一 j二ニ / / / ∧ ′ \\\ ニ二ハ───‐/二ニ //イ / | \\\ 二∧ /二ニ ///,/ ,/ 1 | }八 {\\\ 二∧ /二 /// // ∧ | 「!?!?」 対面の視線……否、死線を感じ体が震えた。 おもわず目をそらしてしまう。 (え、な、なになに!?ちょーこわい!?) (あ、淡ちゃんは怯まないもんね!テルーの妹だとかなんとかだけど、そんなのカンケーないし!) その照が控え室で咲にたいそう怯えていることなどつゆ知らず東二局。 相変わらず淡は好調であり他家のスタートはやはり遅そうだ。 (ふーんだ、このまま突っ切って……) 「カン」 「っ」 対面、宮永咲のカン。 おそらく有効牌を引き入れられたと、直感が告げる。 (少し余裕なくなったけど、でもまあ有利なのは……) 「カン」 「ぅ」 三巡目、再び咲のカン。 「カン」 五巡目。またもカン、しかも全て暗カン。 おまけに、その五巡目のリンシャン牌。 「ツモ」 淡にとって完全に想定外、五巡目のツモあがり。 「三暗刻三槓子、リンシャンカイホー、満貫」 早い、強い。ドラが載ってないことが救いだ。 清澄との点差、咲の親満で縮まる。 咲は、すでに淡の急所を見抜いている……京太郎は悟った。 実は対局前に、淡攻略には簡単な抜け道があると言っておいた。どうやら見つけたらしい。 おそらく、ここから淡は相当苦い思いをすることになる。自分は聴牌スタート、相手は五向聴スタートで、自分の『遅さ』に苦しむ羽目になるのだから。 画面の中で、咲が左右の二人に目を運ぶ。その二人も各々を見合い、そして再び卓上を眺める。 スマとを開く。淡とのLIMEに当然、既読は付いていない。試合中だし。 「ポン!」 ネリーの牌に咲が無く。カンが積み重なり、淡の優位性が薄まる。 (カンでツモ増やして向聴数荒稼ぎとか、対抗できるかっつーのー!!もー!!) 淡はイライラしながら自分の親番の東4局を進める。手牌は相変わらず好調。ー向聴を維持しながら高めに作り変える。4巡目にして超良系の手が出来かけている。しかし 「カン!」 咲が、早い。恐ろしいほどの速度で手を作る。 理由は簡単だ。二人が、咲の鳴き頃の牌を切っている。 (私の点数を削りにきた……!!) 穏乃、ネリーの考えは読めた。防御力の異常に高い淡に手が届く咲に点数を稼がせ、その後に咲を削ろうという魂胆だ。そのために今は咲に協力しているのだ、『その方が手っ取り早いから』 (そんなのくやしーじゃん……!!) 強いから、警戒されているからこその作戦にしかし、まるで前座のように扱われてると感じ、淡はイラついた。そして、満貫確定の聴牌へと、牌を切り出す。 「カン」 (あっ) もちろん、相手の暗刻がなんなのかなど読めるはずもないだろう。しかし、やっちゃったと思わずにはいられない。 わずか五巡目で生牌を危険視など普通はしない。しかし、咲にその考えが甘かった。 「ツモ、リンシャンカイホー」 責任、払い 頭がクラクラする。 淡の総合能力は確実に咲に勝る。 しかし、他二人のブーストで、咲の火力、スピードが恐ろしいことになっている。 (勝てる?これ) 責任払いの5200、安くない。 己の中に生まれた不安をしかし、淡は強引に呑み下した。 (弱気なこと考えるな!負けるわけにはいかないじゃん!!) 三人が協力したからなんだ。そんなもの言い訳にはしない。私が優位なんだから目をつけられるのは当たり前。 (負けるわけには……!!) 焦る。最初にあった余裕など、最早かけらも残っていない。 …… ………… ……………… 食いしばった奥歯が痛い。ような、気がする。 半荘1回目が終わった。 死に物狂いで打って、上がったのは二回。 最初の満貫のツモ、そのあと、咲にたいしてなんとか3900の直撃。 しかし、点差はわずか7000点まで縮まってしまった。 強い。 顔を覆う。手の隙間から差し込む蛍光灯の明かりがひどく鬱陶しい。 強い。 このままでは凌ぎきれない。 どうしよう どうしよう 絶望が淡の胸の内を埋め始めた。 負けるのが、恐ろしい。 負けてしまう、恐ろしい。 悔しい、悔しい。 みんな、他のみんなは全員+収支で帰ってきて、私のせいで全て台無しになって、負けて いやだ いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ 「どう、しよう」 休憩時間は長くない。まだ余裕はあるが、二回目の対局が迫ってくるのが恐ろしい。 「……」 救いを求めて、スマートフォンを見る。周りに誰もいないいまこの廊下で、唯一、何かにつながっているモノだ。 すがるように、ホームボタンを押す。 LIMEが、一件 須賀京太郎 怖かったら呼べ 握りしめたスマートフォン。すでにスライドしてLIMEを開いている。 須賀京太郎が試合開始直前に送ってきていた短い文章が、他愛のない会話の一番下に表示されていた。 (……なんで、わかんのよ) 試合開始する前、というのが激しくムカついた。 私がこうなることを、見越していたかのようだ……いや、事実そうなんだろう。だって須賀京太郎、私が負けると予想していたのだから。 「……」 既読はつけてしまったが、無視してしまおうか。 気分転換で開いただけで、返信する気分ではなかった、言い訳はそれで済む。 不本意だが私は、凄まじい重圧に襲われているのが傍目から見ても分かるだろうから。 でも…… 「……」 指が、動く なんで、書こうか 偉そうに、とか、舐めるな、とか、憎まれ口でも送ろうか そんな心配は無用と、強がって突っぱねようか。 結局、打ち込んだのは、『助けて』と、たったこれだけ。 あぁ、情けない、一皮剥ければ私はこんなに弱かったのか。 視界がじんわりと滲んでくる。そして、震える指で、送信を押した。 途端、奇妙な電子音がなる。 「はいはい、呼ばれて飛び出て即参上」 音の方を振り向くと、いま読んだばかりのはずの、金髪の男がこちらへ歩いてきていた。 「ほれ」 何を言うでもなく、その大きな手を差し出してきた。見ると、そこには小さな棒付きキャンディー。 「脳みそってスゲー大食いな器官でさ、しかも甘いもんしか受け付けねーらしいぜ」 「……そうなんだ」 なんとも、どうでもいい豆知識を聞かされた。 くれるのだろうと思って、それを手に取る。包み紙をとって、口に咥えた。 ……甘酸っぱい、けど少しベタついている。 夏の気温のせいか。 「……びみょー」 「ははっ、まぁもらいもんの飴だからな、文句はその人に」 「もらったものを誰かにあげる?フツー」 笑う余裕がないから刺々しくツッこむけど、このノッポはどこ吹く風だ。 ーーー気楽そーな顔してさーーー 「……なんで、送ってすぐに来たの?」 「こりゃ呼ばれるなって思って。紳士たるものレディの呼びかけには5秒以内に応じるもんだぜ」 「ストーカー?」 「ちげーよドアホ」 「アホだと~?」 あぁ、全く、こっちの気分も知らないで 楽しそうに、話しやがってさ 「こっぴどくやられたな、どーだうちのタイショーは」 「……一対一なら勝てるし」 「それ麻雀じゃねーし。で、どうだ。言った通りだろ?」 「……」 「お前、うちのあのあれにまくられて負けるって」 ポンっと、頭に手が置かれて、撫でられた。言葉とは裏腹に、手つきは優しい。 「……なんで、わかったの?私が負けるって」 「そりゃあ、3人がかりで潰されるだろーなーーって思ったんだよ」 「……ふーん」 安直な答えを聞かされた。確かに、あの3人に事実私は追い込まれている。大ピンチだ。血の池の方が生ぬるい地獄だとすら思うも。 「それと……もう一つ」 スッと、頭から手が離れる。顔を上げると、こっちをじっと見つめていた。 「お前は、お前が負けるのを怖がってるから、負ける」 その目は、真剣だったけと言ってる意味はまるでわからない。 「なぁ、麻雀で勝つって、なんだと思う?」 「……そんなの、点数が少しでも高ければ勝つでしょ」 「そおーだそのとーりだ!たとえ百点棒一本でも多い奴の、勝ちだ。100点でも低けりゃそいつの負けだ」 何を、当たり前のことを。京太郎は続ける。 「そのルールのせいてで俺の部内の一年生四人の中では、トップ率はダントツドベの0.95だ。わかるか、10回やって1回目トップになれるかどーかだ。そりゃそーだ、何もかもが劣ってる俺があいつらに容易に点数合戦で勝てるわきゃないからな」 「何その自虐情けない」 「やめろ死にたくなる」 えらそーに語ってたかと思えば途端に顔を曇らせる。 「まぁともかく麻雀ってのはそういうゲームだ……で、淡、聞くぜ。いま、この麻雀で勝ってるのは誰だ?」 唐突な、質問。 何を変なことを聞いてくるのか、億劫な口を開いて答えてやる。 「そんなの……私だよ。7000点、上にいる、けど……」 「そーだお前はまだ勝ってる!お前の仲間たちが、稼いでくれたおかげでな」 その言葉に、四人の顔が思い浮かぶ。 四人は、必死でリードを広げてくれた。対策されまくって、まるで自分の麻雀を打てなかっただろう、それなのに、決して引かず、互角以上の成果を出さて、私にバトンを渡した。 でも、そのリードは、もう…… 「淡、お前が負けてるのは、お前が3対1に追い込まれてるからだけじゃねーんだ」 「……」 「お前は、麻雀の基礎を見落としてるぜ。大将戦が始まった時お前は28000点もリードしてた、それなのに、なんでお前は場をささっと流さなかったんだ?」 「それは……」 「こう考えてみろ、淡。28000点のリードってのは、仮にこれが個人戦だとすれば、お前は50000点だとすると2位は22000点っていう超超大差だ。おまけに実際は相手はまだ8万9万あるから箱割れにするのは難しい……だとすればお前がやることは一つ。速攻で流す麻雀だよ」 京太郎の顔は、真剣だ。 「そりゃ、早く上がれそうな高い手なら目指せばいいけど、普通はここまでの大差ならささっと鳴いて、パパッとクイタンなりなんなりで流したり、あるいは安めの相手にわざと振り込んだりしてもいい。お前は相手を無理やり遅らせられるんだし、相手が3人で挑んでくるならそれを潰すために早上がりに徹底すべきなんだ」 「なんでお前がそうしなかったのか」 「それはお前がこの大将戦を、チーム戦のラストじゃなくて自分一人の戦いとしか見てないからだぜ」 「っ!」 その言葉は、驚くほど強く、鋭く、私の胸を貫いた。 そんなことないと叫ぼうとしてと、声がでない。 反論したい、でも言い返せない、だってそれは、その通りだったんだから。 「お前は負けん気が強いからな……準決勝で負けたの悔しいって言ってたし。だから、この大将戦で自分も+収支で終わらせたかったんだ」 「……私は」 「そこが、お前の急所だった。高い手で上がって優位になりたかった、自分”も”勝ちたかった……そこが、相手を遅らせてなお食らいつく猶予を残しちまう、お前の弱点なんだ」 まぁ咲のあれはそれでも勝てるかどうか怪しいと思うけど、と、京太郎は顔を少し引きつらせて語るが、私は、もう何も言い返せなかった。 私は、私の勝手な欲望だけで、大局を見ずに、自分のことしか見ずに、その結果、みんなの稼いだ点数を無駄にしてしまった。 もう、ダメだろうか、勝てないだろうか みんなに会わせる顔が、ない 「……嫌だよぉ……」 言葉が溢れる、涙が出てくる。 「負けるの、やだよぉ……勝ちたいよぉ……!!」 私が勝ちたいんじゃない、チームで勝ちたいんだ、今更私はそれに、気づいた。京太郎の、言葉で でも、もう遅い、私のリードはもう少ししかない もう…… 「諦めるにはまだ早いと思うけどな」 すっと、前に何か差し出される。それは牌譜のようだ。 涙をぬぐって、差し出されたそれを見てみる。 「これ……牌譜のノート……?」 「さっき言った、うちの一年四人で打った牌譜だ……お前に見せたの内緒だぞ?部長に知られたら殺されちまう」 お前の偵察した詫びだ、と苦々しげに京太郎は言う。その牌譜に目を落とすと…… (……南3局で、京太郎…1300点?) 絶望的だ。ほぼ勝ち目はないしかし京太郎の南4局には、逃げ腰な姿勢は見当たらない、よどみなく、フラつきながらも上がりを目指している 「一位の和に役満直撃すりゃ捲くって一位だ、勝ち目はあった、まだ諦められなかったんだ、結局負けたけどな」 「さて……淡い、お前は今、どんな状況だ?」 私は……大星淡は今…… 「私は……みんなが、稼いでくれた点数のおかげで、7000点リードして一位。残りは半荘一回。私は、相手の手を6向聴まで遅らせられる」 なんだ、まだ、ぜんぜんやれるじゃん。すくなくとも、この男のこの牌譜よりも。 てゆーか、私、有利じゃん。なんで、不安になってたんだろ。 「……うん……うん」 立ち上がる。話してる間に、あと少しで第二回開始の時間が迫っていた。 迷いは、断ち切った。 不安は、投げ捨てた。 よどみなんて、もう、ない。 まだ飴はけっこう大きい。流石に咥えたまま会場には行けないから、口から出して、京太郎にもたせた。 「え、おま、これ」 「ありがと、きょーたろー。でも、敵に塩送ったこと、こーかいさせてやるから!!」 不安なんて微塵もない、支えてくれたみんなのおかげで、私はまだ有利なんだから、あとはそれを私が最後までつなぐ。つないで見せる! 「おい待て!ほら!」 ああなんだと言うのだ!大きな声で呼び止められ振り返る。ぬっと、ハンカチを差し出された。 「涙ふいてけ、顔ひでーぞ」 「……サンキュー!」 受け取って、今度こそ走り出す。 私は負けない、白糸台のみんなのために、そして、お節介なこいつからアイスクリームをおごってもらうために! 「勝つぞぉ!うおおおおお~!!」 「会場で叫ぶなって~!!」 ……
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6204.html
特別編 本編とは完全に別の世界での下ネタ、というかエロ日記 誰にとは言いませんけど、ヤられたらヤリ返すのが礼儀です ※京太郎以外みんな下ネタエロボケ連発します。パロとかパクなんとか、その辺りです ※キャラ崩壊ってレベルじゃねーぞ、な内容なのでそういうのがNGな人は数レスほどスルーでお願いします ※この特別編に限っては、苦情、文句等は『一切受け付けません』。ヨソはヨソ、ウチはウチ理論コレ最強ってどっかで言ってましたし ※ここまですべて許容できる人のみ、続きをどうぞ 6月9日 部室に行くと部長が寝ていた そろそろ部活が始まるので起こすとまだ寝ぼけているのかすこしぼんやりとした感じだった ちょっとグッときた。押し倒したかったがまだ我慢だ いきなり押し倒すのも悪くないがシチュエーションが大事だ 普段キリッとしているが、だからこそ抜けている時がねらい目だ 寝起きで下着の青色が見えたりしたが、まだ我慢しておこう。誰も居ない時、不意打ちでいこう 07月21日 部活中、染谷先輩がメイド服だった どうやら制服を汚してしまったらしく、とりあえず持っていたメイド服に着替えたらしい オーソドックスなロングスカートのメイド服だったが、超ミニスカートのきわどい奴もあるらしい 是非今度着てもらおう 無論主従プレイで プレイ中は半脱ぎで眼鏡はピロートークで取ってもらおう 08月1日 今日も部活、だが今日は一段と暑かった 暑さで和は服が透けていた。綺麗なピンク色だった。やっぱ暑いと付けないのか 和も流石に暑かったのか少しダレていた 具体的に言えばベッドに横になってスカートが捲れていた。いい形だったな でも夏休みとはいえ、上も下も付けないのはどうかと思う 今度念入りに調教してやろう。最初は優しく、徐々にならしていこう 8月2日 部活の帰り道、優希が転んでタコスを思いっきり落とした。白だった 流石の優希もこれには涙目だった 泣いてる優希に興奮した こいつ、ベッドの上でもこんな風に泣いてしおらしくなったりなるのか? それ以上考えるとそのまま襲いたくなってしますのでとりあえず俺も買っていたタコスをあげた タコスを頬張る優希が別のモノを頬張っているようで良かった 9月2日 2学期が始まったばかり、今日は部活は休みだ 俺と咲以外、用事があるらしい どうしようかと考えていると、木陰で本を読んでいる咲を見つけた 少し咲と話そうと思い、近くまで行くと呼んでいる本のタイトルが見えた。官能小説だった 咲に内容を聞くと、幼馴染の2人の話らしい 引っ込み思案な女の子と明るい男の子、2人はそれなりに仲良い友達だったが、ある日不意に女の子が見せた色気に男の子の理性が…… 京太郎「……なんだこれ」 久「え?日記じゃない。須賀くんの」 京太郎「俺は日記といえここまで欲望に素直に解放してませんよ。つーかこんな色情狂じゃねーよ」 まこ「いやな?昨日お前が帰った後、机にお前の日記が置きっぱなしだったんじゃよ」 優希「で、読むだろ?」 和「こう、この時はひょっとして、もっとこんなことを考えていたんじゃないのか、という話になりまして」 咲「みんなで京ちゃんの欲望を正しく書いた日記を書いてあげたんだよ?」 京太郎「それ既に俺の日記じゃない別の何かだよ!!」 京太郎「わざわざそれっぽいノート新しく買って書いて!!」 京太郎「ご丁寧に微妙に日記の内容とリンクしてるし!」 久「え?こう、寝起きってグッとくるでしょ?」 京太郎「あの時竹井先輩狸寝入りだったじゃないですか!」 京太郎「下着なんて見えてないし!」 久「えー、須賀くんの隠されたもの見ちゃったから、こう、私の隠されたものを……」ススス 京太郎「スカート徐々に持ち上げない!」 京太郎「染谷先輩はこの日メイド服だっただけじゃないですか!」 まこ「ホントに持って来とったぞ?超ミニスカートのきわどい奴」 まこ「そういえばあの時の奴は無いが、ここに堕天使エロメイドっちゅうのが…」ゴソゴソ 京太郎「それはちょっと止めといてください。他のとこで危ない気がします」 京太郎「和のはもうあの日の出来事の原型ないよね。暑かっただけしか残ってないじゃん」 和「あの日付けてなくて透けさせようとしたのは本当ですよ?」 京太郎「うん、全力で阻止したよね」 和「むぅ……今だって穿かずに…」ススス 京太郎「お前までスカート持ち上げるな!」 和「そうですか、じゃあ」ゴソゴソ 京太郎「脱ぐな!!」 京太郎「優希……普通にタコスやっただけなのになんでこうなるんだよ……」 優希「そうだな……ここにタコスがある」 優希「これを……ほうひははほうひへはいは?(こうしたらそうみえないか?)」 京太郎「タコス咥えて喋らない!」 咲「…………」ワクワクドキドキ 京太郎「……じゃ、解散」 咲「え!?ちょっと京ちゃん!!なんで私には何も無いの!?」 京太郎「お前のこれなんだよ。日記ですらない、小説じゃねーか。つーか途中で終わってるじゃねーか」 咲「書ききれてないだろ!的なツッコミを期待して用意したのに」ドサッ 京太郎「原稿用紙!?それも何枚あんの!?」 咲「つい、書いちゃった☆」テヘ 和「ほうほう……いいですね」ペラッ 京太郎「なんか読んでるし!」 和「なかなか……あ、すいません。濡れてきて原稿を汚しそうなんで、手洗って来ていいですか?」 京太郎「消去!」ビリッ 咲「あぁっ!?なんてことするの!!それコピーとか取ってないのに!!」 和「いいところでしたのに……ちょうど48手を3分の2ほど試した辺りが」 京太郎「どんな内容!?」 咲「和ちゃん読むの早いね。そこから野外で女の子に首輪つける辺りがちょっと自信あって……」 京太郎「もう日記関係ねーじゃねーか!!」 結局エロボケに翻弄され続ける京太郎 そうして日記を読まれたことが有耶無耶にされたことに、京太郎はまだ気付かない カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2291.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357370912/ 私は暗い部屋に呼び出され一つの御遣いを賜った。 今神代家は危機に瀕している。 その解決策として私が出向く事となった。 ですが、それはあまりにも人道に悖ること。 一筋縄では済まない、罪の意識を背負って人生を歩む事を強いられる。 その中の一人として私が使者として呼ばれたのです…… 「失礼致します。」 「来たか……」 「それでご用件は……」 「姫様のことについてだが……」 「上の協議の結果、ある結論に到った。」 「五年前の時と同じ方法で祓う。」 「! ですが、既に出来る者が……」 「そうだ、今ここに出来る人物はいない、だが飽くまで『ここには』だ。」 「……あの男の息子も15になった、もう十分に大人だ。」 「本家を守る為にもあの少年の力を貸りる。」 「指し当たってお前にはあやつの説得をしてもらうぞ。」 「……何故、私なのですか。」 「六女仙の中であの少年と仲が良かったのはお前だろう。」 「姫様は動けるわけが無い上に、姫様自体この方法に反対するはずだ。」 「……あとはわかるな、霞。」 「……はい、わかりました、御爺様。」 今更どの面さげてあの子に会いに行けば良いのでしょう。 確かに私達が仲が良かったとは言え、それは飽くまで5年前迄の話。 5年前起きた出来事と私達がしてきた仕打ちのことを知れば溜息も出る。 あの子達親子が私達に抱くものを考慮して説得するのがどれだけ無理難題な事なのか。 御歴々には分からない事なのでしょう。 私とて小蒔ちゃんには死んでほしくない。 だがそのためにあの子に「小蒔ちゃんの身代わりになってくれ」とどうして言えようか。 私はやり切れない感情を捨て切れないまま、長野へ飛んだ。 ――清澄―― 京太郎「何か久し振りの部活って感じだー。」 咲「インターハイ終わってやっと帰ってきたって気分だよ。」 京太郎「部室の扉を開けてあげましょう。」 咲「うむ、苦しゅうない。」 京太郎「ようこそお姫様……あっ」 咲「誰がお姫様か、あと「あっ」てなにさ。」 京太郎「ハハハ、わりーわりー、気にすんな。」 京太郎(何か、昔の癖が出ちまったな……) ――長野―― インターホンを鳴らして家人が出てくるのを待つ。 久しぶりに会う人だが疎遠になってしまっていたので緊張する。 緊張する理由はそれだけではないのだけれど…… やがて訪問宅の扉が開き、懐かしい顔と対面する。 「はい。」 「お久しぶりです、おば様。」 「……なにしに来たの?」 おば様が私の顔を見るなり纏った空気が強張った。 明らかな怪訝な顔付きに、緊張した空気がより一層張り詰める。 「……本日はお願いにやって参りました、主におば様のご子息にですが。」 「帰って。」 おば様の表情が途端に変わり、憎悪の視線が私に刺さる。 覚悟はしていた、罵られるのも蔑まれるのも。 それでもここで引き下がるわけには行かない。 「お願いです、話だけでも……」 「帰って! 私から旦那を奪ってその上一人息子まで奪うつもり!?」 「その件に関しては申し訳ありませんでした……ですが今は事態が事態なのです。」 「ですから、何卒お力添えを……」 「帰って……帰って頂戴、これ以上私から大切なものを奪おうとしないで……」 最後にそう言ったあと、おば様は扉を閉めた。 こうなったら直接あの子の元に行くしかない。 確か清澄高校に通っているはず…… 清澄といえば私達がインターハイで対局した相手校よね。 麻雀部に顔を出して少し手を貸してもらおうかしら…… 説得に成功する可能性を考えると藁にも縋る気持ちだった。 ――清澄高校・麻雀部―― まこ「さーて、心機一転部活始めとするかのう。」 優希「うー、だるだるだじぇー……おい犬ー、ダコスーダコスをくれー……」 京太郎「お婆ちゃん、タコスはさっき食べたばかりでしょう?」 優希「はて、そうだったかのう、爺さんや。」 そんな下らないやりとりをしていると 突如部室内にノックの音が響き渡る。 扉が開き、見覚えのある一人の女性が入ってきた。 霞「こんにちは、失礼するわね。」 まこ「あんた、確か鹿児島の……」 霞「はい、永水女子の石戸霞です、今日はお願いにやってきました。」 京太郎「…………!」 咲「ひっ……」 和「? どうかしましたか? 咲さん。」 咲「……ううん、なんでもないよ、和ちゃん。」 京太郎「あ、お茶葉切れてるみたいなんで、ちょっと俺買出しに行って来ます。」 まこ「……おう、行ってきんさい。」 優希「いぬー! ついでにタコスも買って来ーい!」 咲(京ちゃん……行っちゃった……) 咲(さっき、一瞬……ほんの一瞬だけど……京ちゃんが、今まで見たことないくらい恐い顔をしてた……) まこ「で、遠路はるばる鹿児島からやってきた理由はなんじゃい?」 霞「ええ、実は人を捜しているのよ。」 石戸さんが懐から一枚の写真を出した。 そこには複数人の女の子と1人の男の子が写っている。 どこか見覚えがある面々の中で一人だけ浮いた男の子は、黒髪ではあるが、正しく京ちゃんだった。 霞「この男の子を捜しているんだけど、誰か心当たりはないかしら?」 まこ「うーん、さぁのう?」 咲「あの、石戸さん?」 霞「何かしら? もしかしてこの子に心当たりがあるのかしら?」 咲「……いえ、その……この男の子を捜し出してどうするつもりなんですか?」 霞「……御家の関係もあって詳しくは言えないけど、鹿児島に一緒に来てもらうわ。」 優希「そういや名前はなんていうんだじぇ?」 霞「名前は須賀、須賀京太郎よ。」 優希・和「「え!?」」 久「あら、うちの須賀君と同じ名前ね。」 咲「部長……どうして……」 久「今、学生議会の仕事を終えてきたばかりなのよー。」 霞「それじゃさっきの男子が京太郎君ってことなのかしら?」 まこ「……まぁ、そういうことになるのう。」 霞「……京太郎君を借りてもいいかしら? こちらとしてもそれなりに便宜は図るわ。」 久「別に構わないわよ。」 咲「部長!?」 まこ「久、お前、京太郎にも聞かずに勝手に決めおって……」 久「あら別にいいじゃない、須賀君をちょっと貸すだけなんだし。」 霞「…………」 咲「でも京ちゃんが首を縦に振らなかったら……」 久「行かせるわ、恩を売っておくことは部にとってプラスになることだしね。」 咲「でも……」 久「これは部長としての最後の仕事よ、あなた達にはこれからがあるんですもの。」 霞「……では私はこれから本人に聞いてくるわ。」 優希「……行っちゃったじょ。」 まこ「…………」 優希「染谷先輩、戸棚なんて開けてどうしたんだじぇ?」 まこ「うん? いやちょっと確認をのう。」 まこ「……なんじゃ、やっぱりお茶葉は切れておらんかったか。」 京太郎「…………」 霞「捜したわよ、久しぶりね、京太郎君。」 京太郎「……お久しぶりです、霞さん。」 霞「金髪にしたのね、最初は京太郎君だと気付けなかったわ。」 京太郎「……それで、今更俺に何のようですか?」 霞「……単刀直入に言わせてもらうわ、私と一緒に鹿児島へ来て。」 京太郎「……俺らはもうそっちとは関係ないはずでしょう?」 霞「……そうも言ってられないくらいこちらは危機的状況なの。」 霞「このままだと、神代本家……いえ、霧島全体が危ういわ。」 霞「だから貴方に、助けて欲しいの。」 京太郎「……んな……」 霞「お願い、貴方の力が必要なの。」 京太郎「ふざけんな!! そっちがしてきたこと忘れたとは言わせねぇぞ!?」 霞「…………」 京太郎「あんたらが俺の親父見殺しにして! 恐くなって俺ら一家を追出したくせに今度は助けてくれだぁ!?」 京太郎「ざけんな! 虫が良すぎんだろうが!!」 霞「そう、そうよね……今更、虫の良すぎる話よね……」 霞「でも、その狙われてるのが小蒔ちゃんだと聞いたら貴方はどうする……?」 京太郎「!……どうもしませんよ……俺は、聖人君子でも何でもないんです。」 京太郎「追出された俺たちが今更あなた方を助ける義務も義理も無い……」 霞「それともう一つ、姫様を狙っているのはおじ様を喰い殺した、あの化け物よ。」 京太郎「っ!……むかつくぜ……!」 霞「恨んでくれても、殴られても構わないわ……私たちはそれほどのことをしたもの。」 霞「それを承知の上で小蒔ちゃんを助けて欲しいの。」 霞「神職に携わる人間としてでも、分家の人間としてでもなく、小蒔ちゃんの友人として……」 京太郎「……少し時間をください。」 霞「……わかったわ、あまりに急なことだし、今後の事も含めて考える時間は必要よね……」 霞「……ちなみに部長さんには既に了承を貰っているわ。」 京太郎「……搦め手ですか、貴女らしくもない。」 霞「それほど切羽詰ってるの……」 京太郎「……あまり良い返答は期待しないで下さいよ。」 霞「……でも、それでも私は待ち続けるわ。」 霞「貴方が来るまで……小蒔ちゃんのために……」 京太郎「…………」 ――須賀家―― 京太郎「ただいま。」 京太郎母「……おかえり。」 京太郎「もしかして、霞さん、家にも来たのか?」 京太郎母「そうよ、あんたどうするつもり?」 京太郎「……わからねぇよ。」 京太郎母「私は鹿児島に戻るのは反対だからね……」 京太郎「……そんなの分かってるよ。」 京太郎母「……ごはん出来てるわよ。」 京太郎「ああ、わかった、食ったら寝るよ。」 京太郎母「……そう、それがいいわね、このことはさっさと寝て忘れちゃいなさい。」 飯を食い終わったあとベッドに横たわり、身の回りのことについて整理した。 鹿児島から昔馴染みの霞さんがやってきて、姫様が危険だからと俺を呼び戻しにきた。 部長には既に話は通っていて了承済み。 姫様を狙っている相手は俺の親父の仇。 親父は糞爺共の命令で一人で行った。 その結果、相手に手傷を負わせ、何とか一時的に祓う事は出来たが、親父はそのときに死んでいる。 お袋は先代の時の元六女仙の一人だが、祟りや須賀の力を 危険視した爺共が下したあまりの仕打ちに、俺を連れて長野に越した。 まだ中学に上がる前の俺は、何の事情も聞かされずに長野に移り住んだ事に不思議だった事を今でも覚えている。 そのあとお袋にことの成り行きを聞かされ、本家とか因習というものはあまり好きではない単語になった。 頭の中で整理してもどうすれば良いか分からず、思考はぐるぐると迷い回る。 そのうちいつの間にか俺は、目蓋の重さによって眠りに落ちていた。 『京太郎くん、遊びましょう!』 『あ、姫様、いいけどどこで遊ぶ?』 『京太郎くんのお部屋がいいです。』 『わかったよ、ちょっと散らかってるけど文句は言わないでよ。』 『文句なんて言いません!』 『それでは……』 『俺の部屋へようこそ、"お姫様"』 はっとして起きる。 幼少の頃の思い出だ。 忘れたいと思っていた過去が、思い出が追いかけてきた。 そんな錯覚すら覚える夢の内容。 "くだらない"と、"切り捨てたものだ"と、そう思っていた。 それでも過去はやってきた、過去から逃げる事は出来ず、今も「まだかまだか」と俺を執拗に付回す。 どうやっても自分が生きてきた道程は、無かった事には出来ない。 「因縁ってものは、切っても切れないものなんだな……」 「"大切な仲間や家族を護るのが使命"か……それが俺達一族なんだもんな……なぁ親父……」 多分、鹿児島に行ったら長野にはもう戻って来れない。 今の内に身の回りの整理をしておこうと思った。 京太郎「よし、これでいいか。」 京太郎母「何がいいの?」 京太郎「ああ、お袋……俺行くよ、鹿児島に。」 京太郎母「あんた最大の親不孝者だね、いやこれからなるのか。」 京太郎「悪いとは思ってるよ。」 京太郎母「思っているなら鹿児島には行くな。」 京太郎「……鹿児島に戻るのは俺個人の感情だよ、決して分家とか本家とかじゃない。」 京太郎「それに、親父の仇討ちでもあるんだ。」 京太郎母「わかったよ……あんた頑固になったね、まったく誰に似たんだか……」 京太郎「ごめん、お袋。」 京太郎母「さっさとご飯食って学校行きなさい、荷物は私が纏めといてあげるから。」 京太郎「ああ、わかったよ。」 京太郎「その前に電話掛けとく。」 京太郎「もしもし、霞さん?」 霞『はい、京太郎君ね。』 京太郎「鹿児島行きの話、受けます。」 霞『そう、受けてくれるのね。』 京太郎「ええ、学校に顔出したら直ぐに支度しますんで。」 霞『では飛行機のチケット手配しておくわ。』 京太郎「お願いします。」 霞『京太郎君……ありがとう、そしてごめんなさい。』 京太郎「俺は自分の都合で鹿児島に行くだけです、霞さんに言われたからじゃありません。」 京太郎「それでは。」 学校まで行き、職員室で担任と少しばかり話して書類に少しばかり署名をした。 放課後になり、部室に顔を出す。 部室には既に染谷先輩と部長がいた。 京太郎「こんちわー」 久「あら、こんにちは須賀君。」 京太郎「部長、鹿児島の話なんですが。」 久「ええ、石戸さんから聞いたのね、もう聞いているとは思うけど須賀君には鹿児島に出向いてもらうわ。」 京太郎「そうですか、ではこれを。」 懐から退部届けを出した。 先程書いていた書類はこれである。 まこ「なんのつもりじゃ、京太郎?」 久「……須賀君、これ、どういうことなの?」 京太郎「鹿児島に行くという事は、俺が清澄から『転校』する可能性があるってことです。」 久「ちょっと……そんな事聞いてないわよ!?」 京太郎「でしょうね、霞さんが素直に言うわけが無い。」 京太郎「霞さんなんて言ってましたか?」 久「ただ須賀君を借りたいとしか言ってないわ。」 京太郎「あの人が一言でも『返す』なんていいましたか?」 久「っ!……石戸さん……とんだ食わせ者ね……」 京太郎「まぁ、飽くまで『転校』する可能性があるだけです。」 京太郎「だから退部届けだけ部長に渡しておきます。」 久「そう、わかったわ、でも『預かる』だけよ?」 京太郎「ご自由に、それでは俺は鹿児島に向かいますんで。」 まこ「京太郎。」 京太郎「はい、なんですか?」 まこ「咲達にはもう言ったのか?」 京太郎「……大丈夫ですよ『転校』するときはちゃんと咲達には言いますから。」 京太郎「……短い間ですが今までお世話になりました。」 京太郎「さようなら。」 まこ「…………」 久「…………」 まこ「……のう、久。」 久「私のせいかしら……」 まこ「さてのう、そんなことわからんよ。」 久「はぁ……」 俺は迎えに来た母親の車に乗って空港まで向かい、霞さんと合流したあと鹿児島行きの飛行機に乗った。 霞「こんな事に巻き込んでごめんなさい。」 京太郎「いいですよ、最終的には俺が決めたことですし、それに部長達には挨拶は済ませましたから。」 霞「許されたくて言うわけじゃないけど……事が終わったら、貴方の言う事なら何だってしてあげるわ。」 京太郎「"事が終わったら"ですか、そのとき俺はどうなっているんでしょうね……」 霞「あ……ごめんなさい、無神経な発言だったわ。」 京太郎「いえ、気にしないで下さい。」 霞「…………」 それから鹿児島に着くまでは重たい沈黙の中、一切話すこともせず、本家へと歩を進める。 神代家の敷居を跨ぐなんていつ振りだろうか。 もうこの門を潜るの事なんてないと思っていたのに。 妙な郷愁感を抱きつつ敷居を跨ごうとしたら掛け声と共に俺の体へと何かが衝突してきた。 「お久しぶりです! 京太郎君!」 「うおっ!? ……お久しぶりです、姫様。」 姫様、おもちがあたってます、今まで冷静でシリアスモードの 京太郎君の京太郎君がおかしな方向に向かっちゃうので離れてください。 絶対俺のおもち好きは霞さんとお姫様のせいだ、うん、そうに違いない。 そんな誰に言ってるかもわからない言い訳をしてる最中に矢継ぎ早に声を掛けられる。 「お久しぶりなのですよー」 「久しぶり、京太郎。」 「お久しぶりです初美さん、巴さん。」 小柄な体躯でだらしなく巫女服を着ているのは薄墨初美さん。 眼鏡を掛けた赤髪の人は狩宿巴さん。 信じられない事に(主に初美さんの方だが)二人とも俺より二つ年上である。 最後の一人に黒糖を齧りながら現れる女がいた。 「ん、久しぶり。」 「おう、久しぶりだな、春。」 こいつは少し離れた親戚(と言ってもここにいる全員は漏れなく親戚なのだが)の滝見春。 一番血筋と歳が近いはずなのに何考えてるか一番分からん奴だ。 「すまないな、京太郎君……」 「おじさん……」 中年の男性が出て来て申し訳なさそうな顔をしながら俺に声を掛けてきた。 お姫様の父親だ。 京太郎「祓う側の尻拭いは任せてください。」 自分では冗談っぽく言ったつもりだが、姫様以外には苦笑い物だったらしい。 と言うより姫様以外は全員顔に暗い影を落としていた。 知らぬは当事者の姫様のみ、ってところか…… おじさんに中に入るよう促がされ、大きな屋敷の一室に通される。 二人きりになりおじさんは少し間が空いたあと、苦々しい顔をしながら口を開いた。 小蒔父「すまないね、こんな事に巻き込んでしまって。」 京太郎「……須賀家の宿命みたいなものですから。」 京太郎「逃げられるものでもないですよ。」 小蒔父「君たちがされた仕打ちを考えたらこんな事頼める立場ではないが……」 小蒔父「君に小蒔を護って貰いたい……」 京太郎「……ええ、分かっています。」 小蒔父「……私は、我が子可愛さに君に犠牲に成ってもらおうとしている。」 小蒔父「君のお父さんの件についても……」 小蒔父「私は……最低な大人だ……」 京太郎「…………」 小蒔父「それでも私は……一人の父親として小蒔には生きていて欲しい……」 京太郎「別におじさんたちに想う事が無いとは言いませんが、親父はみんなを守るために動いた。」 京太郎「それに本家とか分家とかは好きではないですけど、おじさんがやらせたわけじゃないし、姫様も関係ない。」 小蒔父「でも、それでは君の気持ちは晴れないんじゃないのかね?」 京太郎「……もし怒りをぶつけるとしたら爺共と親父の仇に対してですよ。」 京太郎「どうせ今回、俺を呼ぶように考えたのも、奥に引篭もって偉そうに踏ん反り返ってる糞爺共でしょう?」 小蒔父「気持ちはわかるが、あまりそういう言い方は感心出来ないな……」 京太郎「っと、失礼しました。」 京太郎「とりあえず、化け物退治の方法でも考えますよ。」 小蒔父「そうか、こういう知識は君たちの方があるだろうから、そこは君たちに任せるよ、必要なものがあるなら言ってくれ。」 そう言っておじさんは部屋を出て行った。 多分、俺は生きては帰って来れないかもしれない。 少なくとも、俺自身ただではすまない。 親父が手傷を負わせたとはいえ、相手はとてつもない化け物なのだ。 ものの数分も経つと、巴さんと春がおじさんに連れられてやってきた。 この狩宿家と滝見家の二人と須賀家の俺は、所謂祓う側の人間だ。 と言っても各々の家は役割が違うし、何より須賀家は代々、祓う側の中でも少々特殊なのだが…… 巴「早速だけど、京太郎君、どうやるか決まってる?」 春「やりかたによっては必要なものが変わる……」 京太郎「八つ門で奴を祓おうと考えています。」 小蒔父「八位門、あそこか……」 京太郎「内容を簡単に言うと。」 京太郎「八つ門の一つを開けておいて俺と奴が入ったら門を閉めてください。」 京太郎「そのあと、各門の周りにお酒を撒いて札を貼ってください、そこからあとは俺がやります。」 春「そんなことしたら京太郎も一緒に閉じ込められる……」 京太郎「ああ、そうだよ。」 京太郎「そのあとは内側からもお札を貼って二重に結界を張る。」 京太郎「それが須賀のやり方だ。」 それだけ言うと周りが意味を察したのか、空気が少し変わった。 小蒔父「…………」 巴「……京太郎君、何か入用な物ってある?」 春「私たちはサポートしか出来ないけど……」 京太郎「サポートだけで十分。」 京太郎「巴さん、清めの酒とお札をお願いします。」 巴「直ぐ用意するね。」 京太郎「春には仕事用の剣を頼めるか?」 春「わかった。」 小蒔父「私に出来る事はないかね?」 京太郎「……では、女物の服……白無垢がいいか、それと玉串とかを用意してもらえますか。」 小蒔父「何に使うかは知らないが揃えておこう。」 これでいいのか、これでいいんだ。 これからやる事に、皆に少しは巻き込まれて貰おう。 どうせ貧乏くじ引かされたのは俺なんだ、少しわがまま言って皆に動いてもらっても罰は当たらないだろう。 春と巴さんが戻ってきた。 どうやら明日までには用意できるらしい。 小蒔「何をしてるんですか?」 初美「あ、姫様、今の隣の部屋の会話を聞いているんですよー。」 霞「初美ちゃん……なんでそんなことしてるの……」 初美「えー、だって気になりませんかー?」 初美「私たち"降ろす側"は"祓う側"のやってる事を知らないんですよー?」 霞(そうだったわ、初美ちゃんや小蒔ちゃんは知らないのね。) 霞(私は事前に聞かされていて知っていたけれど、この二人には聞かせない方がいいんじゃないかしら……) 霞「ちょっと、盗み聞きなんて行儀が良くないわよ。」 初美「ちょっとだけですよー。」 初美「ほら、姫様も。」 小蒔「じゃ、じゃあ、ちょっとだけ、ちょっとだけですよ……」 霞「小蒔ちゃんまで……んもう!」 小蒔父「言われた物は粗方揃ったみたいだね。」 小蒔父「それで他になにかあるかい?」 京太郎「……では、準備が整ったら姫様との婚礼の儀を執り行わさせてください。」 小蒔「え!? えー!?」 霞「しっ、小蒔ちゃん、静かに。」 初美「バレちゃうですよー。」 小蒔「ごめんなさい……」 小蒔父「それで玉串や白無垢を用意させたのかね……」 小蒔父「……だが、君の年では結婚は出来ないだろうに。」 京太郎「ええ、ですから形だけで良いんです。」 京太郎「少しでも作戦を成功する確率を上げるためにも。」 初美「どういうことですかー?」ボソボソ 霞「……多分、神様の前で縁を取り持ってもらい、お酒を飲むことによって神様のお力添えをしてもらうつもりなのね。」 霞「婚礼で使う玉串も神様の依代とされているのよ。」 霞「お酒は神様との交流の手段でもあるわ、特にお神酒とかは神様の霊力が宿っているから。」 初美「あー、そういうことですかー。」 京太郎「そのあと姫様が着た白無垢を頂いてもいいですか?」 小蒔父「白無垢なんて使って何をするつもりだね?」 京太郎「相手を油断させやすくするためですよ。」 おじさんとの話が終わったところで、一度向き直り、やや大きい声を出す。 京太郎「と、言う事で良いですか? 姫様。」 小蒔「ひゃい!?」 初美「……どうやらバレてたみたいですよー。」 霞「久しぶりだったから忘れてたわ……須賀家の人はこういうのには妙に鋭いのよね……」 3人がおずおずと部屋に入って来た。 姫様が俺の顔とおじさんの顔を交互に見やり、口を開く。 小蒔「あの、あの……本当にやるんですか……?」 京太郎「形だけでいいので、付き合ってもらえませんか?」 京太郎「俺が嫌なら仕方ないですけど。」 小蒔「い、いえ、そういうことではないんですが……」 小蒔父「小蒔、精々白無垢を着て三献の儀(三々九度のお酒)をするだけだ、付き合ってあげなさい。」 小蒔「あ、は、はい、わかりました。」 おじさんが何かを思い出したように俺の傍にやってくると、軽く耳打ちした。 小蒔父「……そうだ、もし、御歴々に復讐したいと思っても意味のないことだと思うよ。」 京太郎「?……どういうことですか?」 小蒔父「人が許されざる道を選んだときは勝手に自滅の道を選ぶものなのさ。」 小蒔父「まぁその前に老い先短いのだからお迎えが来るだろうがね。」 何となくおじさんも爺共の姿勢が嫌いなのはわかった。 こっち側の人間という事がわかって少し嬉しい。 そしていよいよ、神前で婚礼の儀をしたのだが、緊張していて、あまり覚えていない。 それは小蒔ちゃんや斎主をやったおじさんも同じだったようだ。 小蒔ちゃんは巫女だし、おじさんは神主だからこういうことは慣れているはずだろうに…… 俺の記憶にあるのは三々九度のお酒を飲んだくらいか…… もうやる事はやった、これから根の国へ向かうカウントダウンが始まるだろう。 逃げられないし、逃げる気もない。 独り、昔懐かしい場所で気持ちを固めていたら、横から声を掛けられた。 霞「京太郎君、少し良いかしら。」 京太郎「構いませんよ。」 霞「……いつ、出るの?」 刺さる視線と共に、短く、そう聞かれた。 京太郎「お酒が抜けたら、着替えて八つ門へ向かいます。」 霞「そう……」 短く返され沈黙が続く。 ふとお酒を飲んでいた小蒔ちゃんが気になった。 京太郎「霞さん、お姫様はどうしていますか?」 霞「小蒔ちゃんはお酒を飲んだせいか寝ているわ。」 京太郎「そうですか。」 京太郎「……それでは霞さん、さようなら。」 霞「ええ、さようなら……」 霞「……さようなら、か。」 彼は覚悟していたのだろう、これが今生の別れになるかもしれないと。 それが自分の、延いては須賀家の歴史が終わるとわかりながら、宿命を受け入れたのだ。 霞「京太郎君はおじ様と同じ道を辿るのよね……」 小蒔「え……」 霞「!?……小蒔ちゃん……?」 小蒔「どういう……ことですか……?」 小蒔「京太郎君が須賀のおじ様と同じ道を辿るって、どういうことですか……!?」 霞「そ、それは……」 小蒔「須賀のおじ様は数年前に川の氾濫に巻き込まれて亡くなったって……」 小蒔「それでどうして……京太郎君も同じ道を……辿るんですか?」 霞「…………」 迂闊だった、聞かれてしまった。 姫様にこのことが知れたらこうなる事がわかっていたのに…… 霞「わかったわ、簡単にだけど話すから聞いてね……」 小蒔「はい……!」 もうそろそろ、支度をするとしよう。 家から持ってきた鞄から、親父の仕事着を取り出す。 下には純白の括り袴を穿き、上半身には白小袖を。 更にその上から、動きやすいように多少作り変えられた浄衣を着る。 そのあと朱色の指貫のグローブを着けて、用意してもらっていた数枚の御札と剣を携える。 あとは白無垢を被れば準備完了だ。 当の白無垢を取りに行く為、小蒔ちゃんの部屋を訪ねる事にした。 部屋の前で声を掛ける。 少しの間のあと、小蒔ちゃんの声が返ってきた。 何処か暗い声色。 戸を開けると、何故か不機嫌な顔をした小蒔ちゃんと霞さんがいた。 霞さんは俺の顔を見て立ち上がると、近くまで寄ってきて耳打ちした。 霞「ごめんなさい、成り行きとはいえ、少し、小蒔ちゃんに貴方の事を話してしまったわ。」 京太郎「……わかりました。」 そう言ったあと霞さんは部屋を出て行った。 小蒔「霞ちゃんから聞きました、京太郎君、これから危険な所へ行くんですよね……」 どうやら霞さんは小蒔ちゃんに全てを話した訳ではない様だ。 単純に妖魔退治の類だと思ってくれているのだろう。 小蒔ちゃんに咎められない事をほっとしていると小蒔ちゃんが続ける。 小蒔「白無垢がいるんですよね?」 京太郎「ええ、出来れば頂きたいのですが……」 小蒔「そこで待っていてください。」 小蒔「……はい。」 小蒔ちゃんが俺に白無垢を着せてくれた。 そして片手に何か持っていて、それを目の前に差し出してきた。 小蒔「これを、私だと思って持っていってください……」 京太郎「これは、簪?」 小蒔「これが京太郎君を護ってくれることを祈ってます。」 京太郎「櫛の原型、髪に挿すことによって魔を払う、ですか。」 京太郎「有り難く頂いていきます。」 小蒔「必ず……生きて帰ってきてください……」 京太郎「それは……」 小蒔「約束です!」 そういって小蒔ちゃんは、俺の右手を無理矢理取って、小指を絡ませた。 小蒔「ゆーびきーりげーんまーん、嘘吐いたーら針せんぼーん飲ーます、ゆびきった。」 京太郎「死人には、針は飲めませんよ……」 小蒔「京太郎君は死にません!」 京太郎「でも、もし死んだら?」 小蒔「そうしたら私が飲みます。」 京太郎「そんなことしたら姫様が死んじゃいますよ。」 小蒔「……そういう意味です。」 京太郎「俄然、死ねなくなってきましたね……」 小蒔「はい、だから生きて帰ってきてくださいね。」 きっと小蒔ちゃんは察したんだろう、今回のがどれだけ危険なのかを。 もし、祓い切れなかった時は須賀の人間がどうするか、そしてどうなるかを。 最低で道連れ。 最善で生還。 これが目標になる。 京太郎「それでは行って来ます。」 小蒔「いってらっしゃい……」 軽い別れを告げ、決戦場まで足を向ける。 八つ門に辿り着くとそこには既に春と巴さんが待機をしていた。 巴さんも春も何も言わない。 これから起こることが、これから何をするのか大体想像が付いているからだ。 声を掛けないでいるのは信頼の証と思って受け取った。 八つ門の内、一門開いているところから入る。 あとは待つだけだ。 暫くするとなにやら音が聞こえてきた。 川が流れてくるような地を這う音。 傷を負ってか隻眼ではあるが、牛など軽く一飲みしそうな巨躯の大蛇が一門から入ってきた。 その大蛇が語り掛けて来る。 《白無垢を着て花嫁の真似事か?》 《我に嫁入りとは殊勝な心掛けだな……》 大蛇がそうせせら笑う様に言うと一門が閉められた。 蛇は門のことなど意にも介さず続ける。 《だがな、臭う……臭うぞ……》 《どんなにその白装束で誤魔化しても臭う……》 《忌まわしいあの男と同じ血の臭いが!》 「なんだ、バレてたのか、小細工って案外通用しないものだな。」 白無垢を脱ぎ捨てて剣を構える。 門に貼るお札の準備も大丈夫だ。 《この眼の代償は貴様ら一族の血で償ってもらうぞ!》 この世の物とは思えないほどの巨体がうねりながら、その隻眼を以って俺へと照準を定める。 金切り声を発したと思った次の瞬間、その巨大な顎が俺を飲み込もうと大口を開け、禍々しい牙を突き立てようとしていた。 攻撃を寸での所で右へ左へ身を躱しながら門にお札を貼る。 これで第一目標はクリアだ。 大蛇はその巨大な尾を以って叩きつけようとしてくる。 なんとかフェイントを入れながら横っ飛びに転がって回避する。 当たったら堪ったものじゃないだろう、その証拠に叩きつけられた石畳の床が捲れている。 尾や噛み付きに因る攻撃を躱しながらも剣で一太刀、二太刀と切り込んでいく。 その内傷だらけになった蛇が怒号を飛ばす。 《ええい! ちょこまかと煩わしい!》 その声と共に顎と尾の同時攻撃が始まる。 同時となると躱し切れなくなって来る。 このままではいずれ手詰まりになるので、跳躍して落下する勢いで尻尾を切断した――が…… 切断したと同時に剣が折れてしまった。 どうやら硬い何かに刃が当たってしまったようだ。 「やべぇ……!」 剣が折れたことに戸惑っていると蛇の巨体が鞭のように撓り、俺の身体を叩きつける。 とっさに左手で庇ったものの、体が玩具のように吹き飛ばされてしまい、 壁に叩きつけられ、糸の切れた操り人形のように床に落ちる。 どうやら先の攻撃で身体を庇った左手が原型がわからないくらい拉げ、肋骨も何本か折れたようだ。 痛みで動けないでいると大蛇の顎が俺の身体を捕らえる。 《かかかか……どうした? 我の尻尾を切断したくらいで勝利を確信したか?》 この世の不吉全てが籠もっているような瞳で俺をニヤニヤと嘲笑するように覗いている。 《忌々しい血族の生き残りだ……このままじわじわと絞め殺してやろう!》 「ぐあああぁぁ!?」 折れた骨が顎で締め付けられる。 体が軋み、悲鳴を上げる。 《良い鳴き声だ……もっと聞かせて貰いたいな……》 「余裕かましていると……足元掬われるぜ……これでも食らいな!」 勝利を確信し、俺を嬲り殺そうとする蛇の残った片目に髪に挿していた簪を突き刺した。 《ぐおおおぉぉぉ!?》 京太郎「へへっ、目刺しになった気分はどうだ、姫様の櫛は特別効くだろう?」 残った片目を簪で潰された蛇が悲鳴を上げながらのたうつ。 折れた剣を捨て、とある神様を降ろすために目を瞑り、所謂トランス状態になるよう意識をシフトする。 祈るように神降ろしの成功を願う。 その内、どこからともなく頭の中に直接、声が聞こえてきた。 『俺を呼ぶのはお主か? 童(わっぱ)、名はなんと言う……』 「須賀京太郎と申します。」 『して、何のためにこの大蛇と戦う?』 「……可愛い女の子を助ける為というのは駄目でしょうか?」 『くくくく、そうか女子(おなご)のためか……』 『豊穣の稲田を彷彿とさせる頭髪も中々に良い……』 『何より須賀という姓……』 『……気に入った、童に力を貸してやる。』 『そこにある剣を取れ、俺が力を貸すのはこれだけだ。』 『あの蛇を屠れるかどうかはあとは童次第だ、くたばらんようにな。』 「ご助力感謝致します。」 切断した蛇の尾から覗く剣を引き抜き確かめてみる。 錆びてはいるもののやはり親父が持っていた剣だった。 俺が錆びた剣を手に取り、翳(かざ)した途端、剣が様変わりしていく。 今まで実際には見たことの無い剣だったが、どういうものかはわかっている。 京太郎「やっぱり大蛇と言えばこの剣だな……」 京太郎「拾い食いしたら腹壊すってこと、良く覚えておけ!」 京太郎「親父の剣でてめぇに引導渡してやんぜ!」 剣を逆手に取り、巨大な大蛇の脳天に刺す。 今度は剣を順手に持ち替え、引き抜き、そのまま蛇の首を落とし、致命傷を負わせた。 切り落としたあと、蛇の断末魔と恨み言が木霊する。 《ぎゃああぁぁぁぁ!!》 《おのれ……おのれぇ……忌まわしい須賀の血を絶やせなかったのが口惜しや……口惜しや……》 それだけ言って大蛇は毒々しい紫の血の泡となって消えていった…… 役目を終えた親父の剣は、元の錆びた剣に戻り、ぼろぼろに朽ち壊れてしまった。 まずい、意識が朦朧とする…… 蛇から食らった攻撃で満身創痍になっていた身体をなんとか這いずって門の外へと出る。 簪を片手に俺の意識はそこで途切れた。 春ちゃんと巴ちゃんがぼろぼろの京太郎君を担いで戻ってきた。 小蒔ちゃんは酷く狼狽している。 とにかく彼の手当てをして、床に就かせることにした。 今は小蒔ちゃんが彼の傍に付いている。 だけどそろそろ小蒔ちゃんも限界だ。 怪我を負った京太郎君よりも…… 京太郎君の看病をする小蒔ちゃんの様子が痛々しかった。 小蒔ちゃんの手は何度も身体を拭くために水に付けたせいで赤くなり、目の下には濃い隈が出来ている。 もう何日も小蒔ちゃんは寝ていない。 私が小蒔ちゃんに休むように言っても、首を頑として縦に振らない。 京太郎君から離れようとしない。 京太郎君は生きているだけでも奇跡であるくらいの傷を負っていた。 逆を言えば今は小康状態を保っているとはいえ、いつ容体が急変してもおかしくはなかった。 未だに意識を取り戻さない彼に対して、小蒔ちゃんはいつも語りかけている。 「知っていましたか? 京太郎君。」 「私、実は『姫様』って呼ばれるのは好きじゃないんです。」 「周りが私に期待してそれが重圧に感じて……」 「でも、不思議とあなたの『お姫様』は嫌いじゃありませんでした……」 「あなたの呼び方は揶揄う様で、どこか優しくて。」 「でも、どうせなら『小蒔ちゃん』って呼んでくれた方が私は嬉しいです……」 「だから早く元気になってください……」 それを聞いて胸が苦しくなる。 罪悪感が私の胸に圧し掛かる。 これが彼を巻き込んだ私への罰なのかしら…… 「小さい頃はよく皆で遊びましたね……」 「京太郎君は稽古を抜け出していたから怒られていましたけど……」 「川に行って水遊びしたときも楽しかったです……」 「うふふ、あのときは水に流されかけてびっくりしました。」 「今となっては良い思い出ですね……」 「あと、小さい頃といえば……」 そこまで言って小蒔ちゃんの言葉が詰まった。 目には滲む何かがある。 彼と話すことは子供の頃ばかり…… 「なんで……でしょう、今……あなたはここにいるのに……」 「小さい頃のことばかり思い出すのは……」 涙がぽろぽろと零れ落ちている。 やはり小蒔ちゃんも限界だったのね。 女の子を泣かせるなんて、京太郎君も酷い男だわ…… 小蒔ちゃんは涙声で彼に言葉を投げかける。 「急に遠くへ行ってしまって……」 「いきなり戻ってきて……」 「かと思ったら今度は大怪我をして戻ってきて……」 「京太郎君は勝手過ぎます……」 「もう……勝手なことしたらだめですよ……」 「勝手に逝ってしまったら、許しません……」 「絶対に許しませんから……」 小蒔ちゃんが言い終わったとき、微かに彼の眉が動いた。 「うっ……」 「!?」 「……あの神様、やる事が荒っぽいぜ……」 「京太郎君……? 京太郎君!? 京太郎君!」 「へ? 姫様?」 「良かった……意識を取り戻してくれました……」 「本当に良かったです!」 小蒔ちゃんが思わず京太郎君に抱きついていた。 これで一先ず安心できる。 「ぬわぁ!? いっだだだ!? 姫様離れて!? 俺、骨折ってるから!」 「あ、すみません、私ったら……」 「……あーその、姫様にはお世話かけましたみたいで。」 「そんなことありません……私が掛けた迷惑に比べれば……」 「姫様のおかげで、俺は帰って来れたんですよ。」 右手にずっと持っていた簪を差し出し、笑顔で応える。 「多分これがなかったら俺は帰って来れなかった。」 「簪、汚れちゃいましたし、他のを用意しないとですね……」 「怪我が治ったら新しい簪を買いに行きましょう。」 「はい! 一緒に行きましょう!」 「あ、その時はちゃんと私を守ってくださいね?」 「ええ、いいですよ。」 「なんたって俺は……」 「神代の……いや、小蒔ちゃんの守人ですから。」 【京太郎「神代の守人」~蛇殺し編~】 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/885.html
淡「~♪~♪~♪~♪」テクテクテクテク 淡(いよいよ今週末は京太郎とデートっ♪楽しみだなぁ~) 淡(どんな服着ていこうどんなところへ行こう?) 淡(駅前で待ち合わせして、手を繋いで街を歩いて、服屋さんに行って京太郎に新しい服を見てもらおう) 淡(それでそれで、可愛いなんて言われちゃったりして……あ~~早くこないかな!土曜日!) 淡「ただいまー!……ってあれ?」 淡(ポストの中に何か入ってる……お届けものかな?) 淡「…………」ゴソゴソ 淡「封筒だ……ん?私宛?」 淡「誰からだろー?」 ―淡自室― 淡「とりあえず中身を見てみよ……」 淡「……」ガサゴソ 淡「これは……DVD?!」 淡「それ以外は何も入ってないけど……なんだろこれ?」 淡(中身、見てみようかな?……うん、見てみよう!) 淡(なんか嫌な予感がするけど、ま、大丈夫だよね!) 淡「えっと、DVDプレーヤーどこにあったかな~?」 淡「ディスクをセットして……再生っ!」ピッ ザザザザ…… 淡「…………あれ?」 淡(この画面に映ってる人……) 京太郎『…………』 淡(京太郎、だよね?) 淡「で、京太郎の隣にいる人は……誰?」 ???『…………』 淡(背の高い男の人、黒い服着てる。あれは……執事服かな?) ???『こ↑こ↓です』 京太郎『はへ^~おっきな家』 ガンゴンベキン! ???『お入り下さい、どうぞ』 京太郎『お邪魔しまぁ^~す』 淡「……」 ???『私の家……屋上あるんですけど……焼いていきませんか?」 京太郎『あ^~いいっすねぇ~』 淡「…………」 ジョロロロロロロ…… サッー!(迫真) ???『お待たせしました。アイスティーしかなかったんですけどいいですか?』 淡「…………」 ???『あなたのことが好きだったんですよ!(迫真)』 京太郎『う、羽毛』 淡「…………」 胸にかけて下さい!胸に! ンアッー! 淡「…………」 ~~二人は幸せなキスをして終了~~ 淡「……………………」 淡「えっ、なにこれは(驚愕)」 ―翌日― 淡「あ、あのあと結局放心してて気がついたら真夜中だった……」 淡「そのまま寝ちゃって昨日のことはあんまり覚えていない……けど」 淡(あのDVDに映ってたのは……京太郎) 淡(そ、それれで、きょぎょぎょ京太郎が、おおお男の人とあんな……あんな……) 淡「……うっ!」 淡「そ、、そうだよね。あれは夢。夢、そう、夢なんだよ」 淡「私の京太郎があんなクッソ汚いDVDに出てるわけないじゃん、はは、ははははー」 淡(あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢) 淡「………………」 淡「……う」 淡「うわああああああああああああんっ!!!!!!」ダッ 菫「…………ふぅ」 菫「今日もいい天気だ」 菫「こんな清々しい日はやはり格別だな、うむ」 菫「……だが」 菫「何故だろう。何か嫌な予感がする」 菫「嵐の前の静けさというかなんというか」 菫「…………」 菫「……ま、気のせいだろう」 菫「さーて今日も一日頑張って――――」 淡「菫ーーーーっ!!!!」 菫「…………」 淡「あのあのそのその、菫にね?ちょっと相談したいことが――――」 菫(…………) 菫(……まったく) 菫(嫌な予感、的中だ) 菫「……つまり、昨日何者かから届けられたDVDに、お前の意中の人の須賀君と正体不明の執事のクッソ濃厚なオスプレイ(意味深)が入っていた、と」 淡「」コクコクコクコク 菫「寝言は寝て言え」 淡「えっ!?」 淡「ちょ、ちょっとスミレー!そんな無下にしなくても!」 菫「だいいちその如何わしいビデオに出ていたのは本当に須賀君なのか?」 淡「うっ」 菫「お前の見間違いじゃないのか?」 菫「その須賀君とやらに似ている人が出ているブツを須賀君と仲の良いお前に送りつけて嫌がらせをする愉快犯の仕業じゃないのか?」 淡「そ、それは……」 菫「仮にも天下の白糸台高校麻雀部大将のお前が選んだ相手だ、そんなヤバげなものに出ているはずが――――」 淡「こ!」 菫「?」 淡「ここに、そのDVDが、あるんですけれども……」スッ 菫「……」 菫「……よし、見てみよう(提案)」 ――――DVD視聴―――― ファッ!? ムネニカケテクダサイ!ムネニ! アアーイイッスネェー カタクナッテルハッキリワカリマスネ アッアッアッアアアッアッアッア 菫・淡「…………」 菫「なんだこれは……たまげたなぁ」 淡「うううううう……やっぱり京太郎だ……」 菫「……淡、先刻私はそんな事ある訳がないと言っていたが、済まん。あれは嘘――――って聞いてないな」 淡「やっぱりこんなの嘘だよ……京太郎はもっとカッコ良くて優しくて、私を守ってくれてるんだもん。こんなの嘘だよ……嘘だよ……嘘だよ嘘だよ嘘だドンドコドーン……」ブツブツブツ 菫「……心中お察しする」 菫「……」 菫(……しかし、これは) 菫(本当にどうするべきか……) 菫「……」 菫(もう、こうなったら) 菫(あいつらも、巻き込んでみるか) 菫(私じゃ荷が重いし、な) 淡「うううううう……やっぱり京太郎だ……」 菫「……淡、先刻私はそんな事ある訳がないと言っていたが、済まん。あれは嘘――――って聞いてないな」 淡「やっぱりこんなの嘘だよ……京太郎はもっとカッコ良くて優しくて、私を守ってくれてるんだもん。こんなの嘘だよ……嘘だよ……嘘だよ嘘だよ嘘だドンドコドーン……」ブツブツブツ 菫「……心中お察しする」 菫「……」 菫(……しかし、これは) 菫(本当にどうするべきか……) 菫「……」 菫(もう、こうなったら) 菫(あいつらも、巻き込んでみるか) 菫(私じゃ荷が重いし、な) ――――放課後―――― 菫「と言うわけで第72回白糸台高校麻雀部一軍超極秘会議を開始する」 菫「今回の議題は――――」 『大星淡の彼氏、須賀京太郎の浮気疑惑について』 菫「――だ。経緯は昼休みのうちに話しておいたので言わなくていいだろう」 亦野「確か……大星の家に須賀といちゃつく女が映されていたDVDが送りつけられてきた……んですよね?」 淡「」ビクッ! 菫「ああ、そうだ」 菫(流石にSG君が謎の美青年執事とウホッしていましたなんて言えまい) 淡「」ブルブルブルブル 渋谷「こんなに震えて……可哀想」ヨシヨシ 淡「うう、たかみんー」エグエグ 照「……」 菫「どうした照?何か言いたそうだな」 照「そんなふしだらな奴なんて、振ってしまえばいい」 淡「!」 菫「!照!確かに言いたい事はわかるがもう少し言い方が――――」 淡「~~~ッ!!!」 照「……淡を泣かせるような奴だ。やっぱりろくでもない――――」 淡「っ、それでも!」 淡「それでも私は……京太郎のことが、好きなんだもん……」 照「…………そうか」 照「…………なら、いい」 「「「「「…………」」」」」 菫(……いかんな、気まずくなった) 菫(なにか、何か話題を探さなくては――――) 渋谷「……そういえば」 菫「!なんだ?渋谷?」 渋谷「そのDVDは、何処に?」 菫「…………えーっと、あー、それはだな……」 菫「DVDを見て発狂した淡が叩き割ったんだ」 淡「!」 菫(すまない淡!誤魔化さなくてはいけないんだ!) 菫(あんな淫夢君オッスオッスなゲテモノをこいつ等に見せたら何が起きるか……って淡!よくそんなものを私に――――って自分の好奇心の所為だな、ははは) 渋谷「……そう、ですか」 亦野「しかし浮気疑惑と言っても私達にはどうする事も――――」 照「そこで、だ」 亦野「?どうしました?」 淡「……テルー?」 照「私にいい考えがある」 菫「いい……考え?」 淡「そ、それは一体なんなのテルー!?」 菫(正直悪い予感しかしない) 照「今ここに、私が咲とのコンタクトを取るため五ヶ月半の月日を掛けて使い方をマスターした――――人類が生み出した文明の極み、携帯電話がある」 照「いや、大変だった。菫を頼って機種を選び、メール電話写メを覚え、最近ようやくまともに咲とメールできるようになった」 照「咲は携帯使えるみたいだからな、私も結構恥をかいたよ。まぁ青は藍より出でて藍より青しと言うしな、自然の摂理だ」 菫「意味違うぞ」 照「まぁ、要するに、だ」 照「これを使って須賀とコンタクトを取ろう(提案)」 淡「ええっ!?」 亦野「確かに、それが一番手っ取り早いですね」 渋谷「現場……把握……」 淡「で、でもそんな、心の準備が……」 照「じゃあいつやるんだ?」 淡「うっ、それは……」 照「今でしょ(迫真)」 淡「ぐぬぬ」 菫「淡、照の言う事ももっともだ。とりあえずまずは須賀君に連絡を取る事から始めよう」 淡「でも……」 菫「でももへちまもない。ほら、掛けるんだ」ズイッ 淡「ううー……」ピポパピポペ 淡「嘘だと言ってよ~京太郎~」プルルルルルルル(迫真) ――――ガチャッ(迫真) 『――――もしもし』 淡「あ!もしもし京太郎!?私!淡だよ!」 京太郎『――あ、、ああ……あわ、いか。どうしたんだ……ンッ……こんな時かアッんに?まだ学校だ……ろ?』 淡「え、えーっとね……」 淡(……ううーやっぱりあんなこと聞けないよぉ~っ) 淡(……あれ?) 淡「きょ、京太郎?」 京太郎『な、なンッ、だ?』 淡「呼吸が荒いみたいだけど……大丈夫?」 京太郎『あ、ああ、ンッ、これか……実はさっきまで……アッギョシサッ……結構激しい運動(意味深)しててな……疲れてる、んだ」 淡「そ、そうなんだ……」 京太郎『ああ、だからまた、後で――――ファッ!?』 淡「!?京太郎!?どうしたの!?」 京太郎『い、いいい、いや、なんでもない、きに ンアッ! するな』 京太郎『と、ととにかくまた後で電話するなっそれ、じゃ、あ……ヌッ』 ――――ブツン 淡「……切れちゃった」 菫「?どうかしたのか?」 淡「えっと、それがね、京太郎今疲れてるからまた後で掛け直して欲しいって」 照「ふむ」 菫「疲れてる……か。成る程、彼はミスター雑用ングだからな、しょうがないだろう」 菫「今掛けられないのは残念だがまた後ほど――――そうだな、部活が終わる時間帯あたりなら大丈夫だろう」 菫「だからそれまでなんらかの対策を考え――――」 渋谷「――――少し、待って欲しい」 淡「?どうしたの?たかみん?」 渋谷「何故、彼が疲れているのか――――私、気になります」 菫「?いやだからおそらく雑用による疲れだろうと――――」 渋谷「それは本当に?」 菫「……」 照「……淡、須賀は電話でなんと言っていた?」 淡「えっ?えーっと、その、『さっきまで激しい運動(意味深)してたからまた後で掛けてくれ』って」 菫「ふむ、普通だな」 亦野「確かに特におかしな所はありませんね」 照「うん、ないな」 淡「でしょ?まったくたかみんどうしたの――――」 渋谷「激しい運動(意味深)」ボソッ 「「「「……?」」」」 渋谷「――――――即ち」 渋谷「S(えす)」 渋谷「E(いー)」 渋谷「X(えっくす)」 菫「えすいー……?…………って何を言っているんだお前はっ!!!!!」ボンッ 照「…………」ポッ 菫「ほ、頬を染めるな照!そんなことあるはずがない!」 亦野「そ、そうですよ!」 渋谷「……薄い本では……日常茶飯事……」 淡「そ、そんなこと、あるはずが……ないもん」 照「……」 淡「京太郎は、私の、私の王子様なんだよ?そんなことあるはずが……ないもん。、ないよ……絶対、ないよっ!」 菫「淡……」 亦野「大星……」 淡「ううう、うううう、ううううう……」 照「……淡、安心して。そんなことあるはずがない。淡が信じる京太郎を信じて」 淡「うう、テルー……」 渋谷「……もしかしたら、現在進行形かも」 淡「う」 菫「渋谷ァ!お前少し黙ってろァ!」 淡「ふええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」ビエー 菫「ああっ!淡!泣くな!」 照「よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」ナデナデナデナデ 菫「ほ、ほら!お前が送りつけてきた須賀君とのラブラブ()ツーショット()の写メだ!これ見て元気だせ!」 淡「う、ううう、ううううう、きっと京太郎は今頃、あの人とクッソ濃厚な……ふえ、、ふええええええ!!!」 渋谷「……軽いジョークだったのに」 菫「あんなヘビーなジョークがあってたまるか!」 淡「ふええええええええ!!!!」 亦野「大星落ち着いて!自分を見失うな!」 菫「ああもうどうすれば……くそっ、私の頭痛が再発するぞ、このままじゃ」 照「菫、ここは私に任せて」 菫「えっ?」 照「私にいい考えがある」ドヤッ 菫「えっ、ちょ」 淡「うえええええええん!!」 照「淡」 淡「うえええええ……え?」 照「これを見て」 淡「……」 照「つい先日撮った咲の写真だ」ドヤヤッ 淡「……」 照「この天使のような咲を見ればきっとお前の荒んだ心も浄化されて――――」 淡「ピンボケしてるじゃないですかー!やだー!」 照「えっ?……あっ、間違えた、本当はこっち」スッ 菫「……照、まさかお前写真の削除の仕方がわからないんじゃないだろうな?」 照「ち、違う、そんなはずはない。ただ咲の写真を一枚たりとも消したくないだけ」 菫「……本当か?」 照「…………ごめん、嘘。本当はわかんないから後で教えて、菫」ボソボソボソッ 菫「……やっぱりか」ボソボソボソッ 照「……うん、いざという時に容量いっぱいになったら困るし」ボソボソボソッ 菫「お前本当は全然使いこなせてないだろ」ボソボソボソッ 照「……失礼な、これでも最初の頃に比べれば成長した」フンスボソボソッ 菫「……はぁ、まったくお前と言う奴は」ボソボソボソッ 照「……ごめん」ボソボソボソッ 菫「……まぁ、それが『お前らしい』んだがな」ボソボソボソッ 照「!菫……!」ボソボソボソッ! 菫「っ、そんな目で私を見るな!その……照れるだろっ」ボソボソボソッ!! 照「菫……」 菫「…………」 菫「照……」 照「菫……」 菫「照……」 照「菫……!」 菫「照……!」 淡「ふえええええええ!!!二人が私そっちのけにして固有結界張ってるよおおおおっ!!!!」ビエー 照・菫「!!」ビクッ! 亦野「いやーそれにしてもこの部屋暑いですねー」 渋谷「……冷たいお茶……飲む?」 亦野「お言葉に甘えて、頂きます」 淡「ふえ、ふええ、ふえええええん!!!!」 菫「オ、オホン!……本当にどうしようか、この子」 照「まったくもってわからない」 照「けど、こう言う時はいっそのこと激流に身を任せた方がいいって千里山のトキィさんが言ってた」 菫「いつの間にそんな友人を……」 照「私のコミュニケーション能力は伊達じゃない」 菫「……一年生の頃坂道の前で立ち尽くしていたお前が懐かしいよ」 照「あんぱんっ」 菫「えっ?」 照「……なんでもない、気にしないで」 渋谷「……お待たせ、アイスティーしかなかったけどいい……?」 亦野「ん、大丈夫。はっきりわかんだね」 淡「ふえ、ふええ、ふえええええん!!!!」 菫「オ、オホン!……本当にどうしようか、この子」 照「まったくもってわからない」 照「けど、こう言う時はいっそのこと激流に身を任せた方がいいって千里山のトキィさんが言ってた」 菫「いつの間にそんな友人を……」 照「私のコミュニケーション能力は伊達じゃない」ドヤッ 菫「……一年生の頃坂道の前で立ち尽くしていたお前が懐かしいよ」ハァ 照「あんぱんっ」 菫「えっ?」 照「……なんでもない、気にしないで」 渋谷「……お待たせ、アイスティーしかなかったけどいい……?」 亦野「ん、大丈夫。はっきりわかんだね」 菫「まあ昔話は置いといて、今は目の前のこいつをなんとかしよう、見据えるは未来。坂の上の雲さ」 照「そうわよ(便乗)」 淡「うううう……」 菫(淡は元気と麻雀の強さだけが取り柄だからな……いっつも笑っててこんなことになったことはなかったな) 菫(ああ、そういえばいつも部屋の固い空気を淡はほぐしてくれたっけか……) 菫(……なんだかんだ言っても、淡は私達の仲間……いや、友なんだな) 菫(……それにしてもどうするか) 菫(何か一発で彼女をウルトラハッピーにする方法を考えなければ) 亦野「いやー今日は天気がイイですね……ポカポカしてあったかいです」 渋谷「そうだね」 亦野「自分、寝ていいすか」 渋谷「構わない」 亦野「じゃ、おやす……み……」 亦野「……zZZ」 渋谷「………………」 渋谷「…………堕ちた(確信)」 菫(何かないか……なにか……) 菫(……………………ん?) 菫(この……音は……一体?) ~♪~♪~♪ 淡「!!!!」 淡「っこの音は!」バッ! 菫「うおっ!?」 淡「この!音はッ!」ゴソガサゴソガサ…… バッ! 淡「京太郎専用の!携帯着信音!」 菫「!!須賀君か!?」 照「……!」 渋谷「逢瀬は終わったのか……(絶望)」 ピッ!(迫真) 淡「もしもし京太郎!?」 京太郎『あーもしもし淡か?さ、っきはごめンッな』 淡「ううん、大丈夫!京太郎の方こそ体はもう良くなったの?」 京太郎『あ、、、あああ、ああ、少し休んだらもうンッよくなっンァッたよ』 淡「ホント?よかったー!」パアッ 淡「……ん?」 京太郎『?どうし、た?淡、ッ?』 淡「なんか変な音聞こえない?ヴヴヴヴヴーって」 京太郎『!さ、さあな、どっかで、、携帯でも、鳴ってるンッじゃないか?』ブブブブブ 淡「?……ま、いっか」 京太郎『と、とところでさァッ』ブブブブブ 淡「ん?なに?」キョトン 京太郎『こんどの土曜ンッ、買い物……イクッ……じゃん?』ブブブブブ 淡「!うん!そうだね!私すっごく楽しみにしてるよっ!」 京太郎『で、その時、さっ……他にンアッ、人呼んでもいい、かなっ?』ブブブブブ 淡「人?」 京太郎『あ、ああ』ブブブブブ 京太郎『ハギヨシさンアッーて言うンッだけど』ブブブブブ . そして、土曜日 淡「うう、結局あのあとは何も京太郎に聞けなかったよぅ……」 淡「今日は実際に会うわけだし、ちゃんとお話しなくちゃ!」グッ 淡「…………」 淡「服……大丈夫かな?」ショーウインドーチラッ 淡「精一杯可愛いフリフリの服着てきたけど……京太郎は可愛いって言ってくれるかな?」チラチラッ 淡「た、確かに私は京太郎の好きなおもちがあんまりおっきくないけれどっ」ショボン 淡「京太郎への愛は誰にも負けないほどおっきいんだから!」フンス 淡(それに、テルーに比べればまだマシだよね) 淡(…………)ポワポワポワーン 京太郎『その服、似合ってるぜ、淡』 京太郎『すごくキュートだ』イケメンスマイル 淡「……えへへへへ」ニマニマ 照「ぶえっくしょい!」 菫「なんだ、風邪か?」 渋谷「……馬鹿は風邪引かない」ボソッ 照「きっと咲が私のことを噂しているんだろう、いやー参っちゃうなー困っちゃうなー……それと渋谷、さりげなくひどい事をいうな」 渋谷「御無礼」 菫(やっぱり馬鹿だろこいつ) 菫「……ところで亦野は?姿が見えないようだが」 渋谷「彼女は置いてきた。修行(意味深)はしたがはっきり言ってこの戦いにはついてこれそうもない」 菫「あ、そう」 菫(亦野……無茶しやがって……) 照「……」 菫「……ところで、だ」 照「なに?」 菫「私達全員こんな服装で大丈夫なのか?」 ブラックコート+つば広帽子+サングラス 渋谷「大丈夫だ、問題ない」 照「問題ナッシングー」グー 菫(……どうやら人選に問題があったようだ) 菫(昨日いきなり照がオペレーション・スニーキングミッションだとか訳のわからんと言うか意味の被っとるたわごとを言い出したと思えばトントン拍子でご覧の有様だ) 菫(……まぁ私も今日淡達をBIKOUしようとしてたのは内緒だが) 照「!!……スミさん!ホシが来た!」 菫「誰がスミさんだ……ってん?」 渋谷「他にもう一人いる……」 菫「…………ん……おい…………待て」 「「?」」 菫(あの、執事服の男、まさか、まさか――――!!!!) 「お~い!淡ー!待たせたなー!」 淡「あ!京太郎ーっ!」パアッ 京太郎「ちょっと待たせたか?」 淡「ううん、今来たところ!」 淡(ホントは30分前から身だしなみチェックしてたよ!でもこの台詞言いたかったんだよね~) 京太郎「ははっ、ドラマみてーな台詞だな……でも、ま、あんまり待たせてなくてよかったよ」 京太郎「あ、それと紹介するよ、こちらの人が電話で話してた――――」 「初めまして、ハギヨシと申します」 . 淡(…………あれ?) 淡(この人、何処かで見たことある様な――――――ッッッッ!!!!!) コ↑コ↓ オハイリクダサイ、ドウゾ ワタシノイエ……オクジョウアルンデスケド……ヤイテイキマセンカ? マァ、タショウハ コノヘンガセクシーデスネ……エロイデス! オマタセシマシタ、アイスティーシカアリマセンデシタケドヨカッタデスカ? アバレナイデ、アバレナイデクダサイ アナタノコトガスキダッタンデスヨ! イイデス!キテクダサイ!ムネニカケテクダサイ!ムネニ! イキスギイイイイイイッ ンアッー! 淡「あ……あ……あ……あ……っ!」ガタガタガタガタ 京太郎「……?淡?どうした?顔色悪いぞ?」 淡「みゅっ?!ななななんでもないよ!なんでも!」 京太郎「そっか……ホントに調子悪い時は言えよ?」 淡「う、うん……ところでさ、そっちの人は――――」 ハギヨシ「…………」ジィィ 淡「……?」 ハギヨシ「……」ニコッ 淡「!!!!!」ゾワワワワッ! 京太郎「ん、ああ。ハギヨシさんはな、俺の師匠(意味深)なんだ」 京太郎「俺ってあんまり服の事わからないからさ、ハギヨシさんに助言頼んだんだけど、丁度ハギヨシさんも入り用なものがあるって言うからこうして一緒に――――って淡?」 「お~い!淡ー!待たせたなー!」 淡「あ!京太郎ーっ!」パアッ 京太郎「ちょっと待たせたか?」 淡「ううん、今来たところ!」 淡(ホントは30分前から身だしなみチェックしてたよ!でもこの台詞言いたかったんだよね~) 京太郎「ははっ、ドラマみてーな台詞だな……でも、ま、あんまり待たせてなくてよかったよ」 京太郎「あ、それと紹介するよ、こちらの人が電話で話してた――――」 「――――――ハギヨシ、と呼ばれています」ニコッ . 淡「!ん、うん!何かな京太郎!?」 京太郎「……ホントにお前大丈夫か?」 淡「う、うん!私はいつでもウルトラハッピーな高校100年生だよっ!」 京太郎「そ、そうか」 淡「ほらっ!みんな揃ったことだし早くいこ?今日はいろんなところ回るんだから!」 京太郎「ははっ、お手柔らかにな」 京太郎「ハギヨシさんも、ほら、行きましょう」 ハギヨシ「――――――ええ」クスッ 淡「!!」ゾワワワワッ!! 淡(ううーやっぱりあの人嫌な感じするよぅー……) 淡(やっぱりあのDVDの人なのかな?……だとしたらすっごいよー……) 淡(と、とにかくっ、今日が正念場!頑張らなきゃ!) 淡(えい、えい、おーっ!) ハギヨシ「…………」クスッ 照「……動いた!」 渋谷「尾行……開始……」 菫「…………」 照「菫?どうしたの?」 菫「い、嫌なんでもない。気にするな」 菫「それよりも慌てんな……慌てんなよ……彼らに尾行がばれたら話にならない」 照「そ、それもそうだな、うん。落ち着こう」 菫(あの執事服の男……正体が気になるが、今は様子を見よう) ――服屋―― 淡「とうちゃーくっ☆」 京太郎「はえ^~けっこうおっきいんだな」 ハギヨシ「ええ、この辺りでは1番品揃えが良いみたいですね」 淡「よーしっじゃあ早速私のファッションショーを開催するよっ!」 京太郎「お、おう」 淡「京太郎が服を選んで、私がそれを着るのっ!」 淡「ふふっ、たーっぷりと私を京太郎色に染め上げてね?」 京太郎「今日もまた服選びか……壊れるなぁ……」 淡「!!……京太郎は、嫌?」 京太郎「あ、いや、そう言う訳じゃないんだ」 京太郎「ただ、俺なんかが選んだ服を着て本当に淡はいいのかな、ってさ」 淡「京太郎が選んでくれた服だからいいんだよっ!」 京太郎「そ、そうか。ならいいんだが……」 ハギヨシ「ふふっ、ならちゃーんと選んであげないといけませんね」 京太郎「え、ええ。そうですね、ハギヨシさん」 ハギヨシ「微力ながら私も力添えをさせて頂きますよ」 京太郎「それは……あはは、ちょっとアドバイスお願いしますね」 ハギヨシ「ええ、おまかせあれ!ですよ」 菫「淡の奴、結構はしゃいでるな……楽しそうだ」 照「愛しの彼氏とのデート!はしゃがずにはいられないッ!」 渋谷「……けれどあの隣の男……不気味……」 照「ああ、確かにそうだ……あの男、一体何者?」 菫「だから二人とも、あの執事の男に注意してくれ……何か嫌な予感がする」 渋谷「了解」 照「把握した」 菫(例のDVDに写っていた……と言うことは京太郎とそう言う関係なのか?) 菫(……なんにせよ、注意せねば) 京太郎「淡ーっ!着替え終わったかー?」 淡「ん、もう少し待って……っと、よしっ♪」 シャーッ!(迫真) 淡「じゃじゃーん!お待たせしましたっ!」キラッ 京太郎「おお……!」 ハギヨシ「……」 淡「えへへ……どう……かな?」モジモジ 京太郎「すっげー!似合ってるぜ!淡!」イケメンスマイル 淡「!!ホント!?ホントにホント!?」ガバッ 京太郎「あ、ああ、似合ってるから!か、顔が近い!あと、その、だな、 胸が……」 淡「え?……きゃぁっ!?」 淡(う、ちょっと露出多い服選んだからおっぱいが京太郎に見えてたんだ……) 淡(うう~……恥ずかしいよー……)カァッ 淡(で、でもっ、京太郎がこの服を選んでくれたってことは…私をもっと見たいってことだよね?) 淡(だ、だとしたら……えっへへ……嬉しいなぁ~)テレテレ 淡(私も京太郎が見た言って言ってくれたらいくらでも見せてあげるのに……) 淡(……そーいえば、私ってまだ京太郎とキスもしてなかったっけ) 淡(京太郎って奥手さんなのかな?やっぱり私がもーっとアピールしないといけないのかな?) 淡(……それに、うかうかしてたら京太郎が他の誰かに取られちゃうかも――――っ!!!)ゾクッ! 京太郎「あ、淡?どうかしたか?」 淡「え!?……あ、あはははは、なんでもないよ!それより早く!次の服次の服!」 京太郎「?……ほい、次はこっちな」スッ 淡「ん、りょーかいっ。じゃあちょっとだけ待っててね!」 シャーッ!(迫真) 京太郎(淡の奴、やっぱり今日様子が可笑しいな……なんかあったのか?) ハギヨシ「……」ニコニコニコ シャーッ!(迫真) 照「ん、淡の着替えが終わったみたい」 菫「どれどれ……うっわすっごいヒラヒラした服着てるな、アイツ」 渋谷「でも……似合ってる……」 菫「ああ、ホント……悔しいぐらいに似合ってるな」 照「アレならどんな男でもイチコロ」 菫「…………」ジーッ 照「……?」 照「菫?どうかしたか?」 菫「えっ?あ、ああ、いや、なんでもない、気にするな」 渋谷「……ひょっとして」 菫「?」 渋谷「……羨ましい、とか?」 菫「っ!!!」 照「羨ま?…………あー、成る程」 渋谷「彼女がヒラヒラした可愛い服を着てるのが」 菫「」 渋谷「で、自分もあんな服が着たい……と、考えいる……とか?」 菫「」プルプルプルプル 照「菫……」 菫「そそそそんな訳あるかそんな訳あるかっ!」 菫「わ、私にあーんな可愛い服が似合う訳がないのもお前らわかってるだろ!」 照「でも着たいんでしょ?」 菫「っ!」 渋谷「着たいんだろ?(迫真)」 菫「……」 照「……」 渋谷「……」 菫「……」 菫「~~~っ!!!!!!」 菫「あああああ!着たいさ!着たいとも!」 菫「いくら似合わないってわかっててもな!着たいものは着たいんだよ!!」 菫「しょうがないだろう!?だって女の子なんだもん!」 照「…………」 渋谷「…………」 菫「み、見るな!そんな優しい目で私を見るなぁっ!」 照「……よし、もうはしゃぐのはやめよう。奴らに見つかったら大変だからな」 渋谷「同意……」 菫(こ、こいつら……!) 照「あ、また淡が服抱えて試着室の中に入ったぞ」 渋谷「彼女……結構なんでも服似合うから……羨ましい……」 菫「……」 照「あ、ところで」 菫「?」 照「菫って日曜早起きしてる?」 菫「な、なんだ藪から棒に。日曜は……6時ごろに起きてるが、それがどうかしたか?」 渋谷「そう(無関心)」 照「やっぱりな(確信)」 菫「はあ?何がやっぱりなんだ?」 渋谷「スマイルチャージ!ゴーゴーレッツゴー!」 照「ウルトラハッピー!」 菫「?お前ら一体何を言って……っっ!!!!」 菫「い、言って、いるん、だ?」 照「動揺……したな?」 渋谷「それが……何よりの証拠!」 菫「ぐっ!」 照「菫!」 渋谷「貴様!」 照・渋谷「「(プリキュアを)見ているなッ!」」 菫「ぐううううっ!!!」 照(決まった……) 渋谷(堕ちたね(確信)) 菫「…………」 菫「……ああ、そうさ」 菫「見ているさ……見ているとも」 菫「毎週毎週欠かさず録画し!毎週日曜朝八時半はテレビの前で体育座りだ!」 菫「私は毎週プリキュアを見ているんだよ!」 菫「それになにかおかしな事があるか!?女の子がプリキュアを毎週楽しみに見ておかしな事があるか!?いや!ない!(反語)」 照・渋谷「…………」 菫「だからそんな優しい目で私を見るなァーーーーz______ッ!!!!」 照「……菫」 菫「な、なんだ!」 照「安心して……私はそんな事で菫を馬鹿にしたりしないよ」 菫「……」 照「私も菫も、花も恥らう乙女なんだもん。プリキュアに憧れたって何もおかしくないっ」 菫「照……」 照「だから、涙を拭いて」スッ 菫「えっ?……あ」ツゥ 渋谷「イイハナシダナー」 渋谷(……でも) 渋谷「菫さんが魔法少女……か」 照・菫「」ビクッ 照・渋谷・菫「……」 ポワポワポワーン チャーチャララーチャララチャーン♪(キャピキャピしたBGM) 菫『へんっ!しーんっ☆』 パアッ♪ フィーンパシャッ♪(服が出てくる音) キュピーンシュワッ♪(同上) 菫『てんほーれんほーちーーっほーーーーっ☆』(よくわからない呪文) 菫『魔法少女☆まじかるすみれ☆』 菫『キミのハートをーーーーブチ抜くぞっ♪』デデドン! 照・渋谷「「だぁーーーーっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!」」ワハハハハハ 菫「……」 照「こ、、こいつは傑作だ!」ゲラゲラ 渋谷「お、お腹痛い……」プルプル 菫「……」 照「魔法少女☆まじかるすみれ☆」キリッ 渋谷「だっておwwwwーーーーは?」 ズドドンッ!!!!! シュゥゥゥゥ…… 菫「何か言ったか?」 照「いえ、何も言ってません、マム」 渋谷「どっから出したそのアーチェリー」 菫「まったくお前らと言う奴は本当に……それと渋谷」 渋谷(?) 菫「魔法少女にーーーー秘密はつきものだ」 照「えっ」 菫「クラスのみんなには内緒だぞ☆」 渋谷(とうとう開き直ったか……) 菫「……ん?」 シャーッ!(迫真) 菫(淡が出てきた、か) 京太郎「ああ^~今日は結構買ったな~」 淡(えへへ……今日は京太郎と久々に会えたからちょっと奮発しちゃった……) 淡「この服!今度会う時絶対着てくるね!」 京太郎「はははっ、喜んでくれたんなら何よりだな!……さって、と、次はどこ行く?」 淡「次?次は……えーっと」 京太郎「あ、ハギヨシさんは何処か行きたいところないすか?」 ハギヨシ「私はあとで構いませんよ」ニコッ 淡(次かぁ……次はどこ行こう?) 淡(服屋さんの次だからやっぱり……) 淡(ラ、ランジェリーショップ?)カアアッ 淡(う、うんっ。きょーたろーに可愛いブラとか選んでもらって、えっと、その……えっち、の時に見てもらうんだ) 淡(それでそれで、京太郎に『可愛い下着だな……でも、お前の方がもっと可愛いよ』っていってもらったりして) 淡(そしてきょーたろーはゆっくりと私の下着を脱がしていって……私の恥ずかしいところをぜーんぶみてもらうんだ……えへへ、京太郎にならいいんだよ?」 淡(それから私達は幸せなちゅーをしながら一つになって、痛がる私を京太郎は優しく抱きしめて) 淡(いーっぱい汗かかきながら二人で幸せになって……それで私の中に、京太郎の…………きゃ~~~っ!!!!!) 京太郎「淡?淡ー?おーい、意識あるかー?」 淡「えっ!?あ、な、なにかな!?」 京太郎「いやだから、どっか行きたいところないかって」 淡「え、えーっと……あ、そうだ!(提案)」 京太郎「?」 淡「次は京太郎の服を買いに行こう!」 京太郎「へ?俺の服?」 淡「そ!それも私が選んだ奴をね!」 京太郎「……あー」 ハギヨシ「あなたに選んでもらったので次は私の番、と言う事ですね?」 淡「そう言う事です!」 淡(ホントはあっちに行きたかったけど、ハギヨシさんもいるし、また今度でイイよね……) 淡(うん、今度だっ!今度は絶対京太郎に可愛い京太郎好みの奴を選んでもらおう!) 淡(それでそれで、帰りにそのまま京太郎のお家に行って……うんっ!すばら!) 京太郎「……うん、俺も淡に選んでもらおうかな」 京太郎「それじゃあ善は急げだ!行こうぜ!」 淡「うんっ!」 渋谷「動いた……」 照「次は何処へ行くんだろうな?」 菫(しかし淡の奴、あんなに体をくねらせて、何をやっているんだ?) 菫(……大方いかがわしい事でも考えてるんだろうな、うん) ――――服屋②―――― 淡「着いたーっ!」 京太郎「はへ^~ここもさっきの店みたいにおっきいな~」 ハギヨシ「どうやら先程の店の姉妹店の様ですね」 淡「よっし!それじゃー私プロデュース京太郎大改造作戦!はっじまっるよー!」 京太郎「お、お手柔らかになー」 淡(……とは言ったものの) 淡(どんな服選ぼー?京太郎、カッコいいからなーんでも似合うんだよね) 淡(きっとスーツとかカッチリしたのも似合うんだろうなぁ~) 淡(…………) 淡(……スーツの京太郎、かぁ) ポワポワポワーン 京太郎『ただいま、帰ったよ』 淡『おかえりなさい♪あ・な・た♪』 京太郎『ああ、ただいま』 淡『ん……』 チュッ 京太郎『今日も仕事疲れた……ん、良い匂いだ。今日はカレーか?』 淡『いつもお仕事ご苦労様っ☆それとあったり♪今日は京太郎の好物のカレーだよっ……えへへ今日は京太郎だって、語呂いいね!…………あっ、そだ♪』 京太郎『ん?』 淡『ご飯にする?お風呂にする?それとも……わ・た・し?』 京太郎『…………』 淡『……』ジィーッ 京太郎『淡……かな?』スッ もみゅん♪ 淡『やんっ♪京太郎のえっち♪』 京太郎『お前が可愛すぎるのがいけないんだよ……』モミモミ 淡『ん……あ……はぁんっ……っ、で……でもっ』 京太郎『?』 淡『お腹に赤ちゃんいるから……やさしく……ね?』 京太郎『……ああ』スッ 淡『京太郎……んっ』 淡『ちゅ……ん……ちゅっぷ…ん……ちゅ……ぷはぁ』 京太郎『愛してるよ……淡……』 淡(でへ、でへへ、でへへへへへ)ヨダレタラー 淡「……はっ!」 淡(い、いけないいけない!つい妄想の世界に……) 淡「……」 淡(……この妄想が、現実世界にリアルブートしたらウルトラハッピーなんだけどなぁ) 淡「ハァ……」 淡(って!そんな弱気じゃダメだ!私!) 淡(京太郎と私は幸せなチューをして結婚するんだ!絶対!) 淡「……って、あれ?」 淡「……」 ポツーーーン 淡「……きょーたろー?どこいったのー?」 淡(私を置いて服でも見てるのかな……?) 淡(だとしたらどこにいるんだろう?)キョロキョロ 淡(…………) 淡(……ん?) 淡(あの試着室にある靴……あれは……京太郎の靴?!) 淡「……」 淡(はっぷっぷー。きょーたろーめ、一人でさっさと選んで試着しているな?) 淡「……そんなに欲しい服でもあったのかな?」 淡「まったくもう……」 トテトテトテ 淡「京太郎ー?そこにいるのー?」 ガタタタッ! 京太郎「んアッ、淡か?そ、そこにいるの、か?」 淡「う、うん。いるよー?」 京太郎「そ、そう ンッ か」 淡「もうっ!京太郎!私が服選ぶって言ったじゃん」プンプン 京太郎「そ、そうだっ、ック、たな。ごめンッ」 淡「?……京太郎?どうしたの?なんか変だよ?」 京太郎「え?あ、いや、なんでもない ァッ んだ。気にしないでくれ」 淡「あ、もしかして服着替えるのに手間取ってるの?だったら私が手伝おっか?」 京太郎「!!!」 シャッ!(迫真) 京太郎「い、いいや、いい、よ……ンッ、だ、大丈夫だから」(顔だけ出てる) 淡「そう?……なら、わかった」 淡「何か困ったことがあったら言ってね」 京太郎「ああ、わか――――~ッッッッ!!!!」 淡「?」 京太郎「……っ!……っ!……っ!」プルプルプル 淡「京太郎?どうかし――――ん?」 淡(あ……れ……?) ……ンッ……ンッ 淡(……なに?……この……音) ……パンッ……パンッ 淡(まさか……) パンッ!パンッ!パンッ!パンッ! 淡「ラップ音?!」 京太郎「ど、どうした……?淡?」 淡「ふえっ!?……え、えっと!その!」 淡(……あれ?) シ……ンッ 淡(音、止まった?) 淡「な、なんでもない……です」 京太郎「……っ!……ァッ……っ!……ギヨシサッ……ハヨ……サッ……!」グリグリグリグリグリ 京太郎「……っ!!!……っく、そ、そうか。ならンッ、いいんだ」 淡「……」 淡「京太郎の方こそ大丈夫?顔色変だよ?」 京太郎「あ、あ……大丈夫だから……心配……ンッ……するな……っ」 淡「で、でも」 京太郎「あ、そうだ(唐突)……俺の服、選んでッ、来てくれなンアッーい……か?」 淡「え?……あ、うん!おまかせあれ!だよ!」 京太郎「は、は……じゃあ……頼むヒギッ……わ……」 シャッ(迫真) 淡「……」 淡「……よしっ!ミッションスタートだよっ!」 淡(でも本当に京太郎、大丈夫かな?) 淡(なんかあの試着室ガタガタしてる気がするけど……気のせいだよね?) 淡(……) 淡「……んっ!」 淡「それじゃー私の本気チョイス!見せてあげますか!」フンス 淡「……あっ」 淡(そう言えば執事の人……ハギヨシさん、どこにいるんだろう?) 淡(むむむ…………む?) 淡(執事……執事かぁ……) ポワポワポワーン 京太郎『お帰りなさいませ、お嬢様』チャッ 淡『ん、京太郎ただいまっ!』 淡『で、早速だけど京太郎!今日は麻雀部で疲れたから!私の肩揉んで!』 京太郎の『肩……ですか?ええ、承知いたしました』スッ 淡『ぴゃへ^~すっごくきもてぃ~』モミモミモミモミ 京太郎『それはよかった』ニコッ 淡『肩が終わったら次は身体全身お願いね!』 淡『きちんと組まなく隅々まで!』 京太郎『ええ、承知いたしまし――――ってお嬢様!それはなりません!お戯れが過ぎます!』 淡『ええーケチー』プクー 京太郎『ケチじゃありません!』 淡『京太郎は私の執事なんだよ?ご主人様の命令は絶対なんだから』 京太郎『し、しかしですね……』 淡『ぜ・っ・た・い・な・ん・だ・か・ら』 京太郎『……承知いたしました』 淡『ん♪それでよしっ♪』 京太郎『ハァ……』 淡『……』 淡『そ』 京太郎『?』 淡『そ、それと……もう一つ……命令』 京太郎『?何でしょうか?お嬢様』 淡『き、京太郎!』 京太郎『は、はいっ!』 淡『……』ドキドキドキドキ 京太郎『……?』 京太郎『あ、あの、お嬢様――――』 淡『わ、私の!ものになれっ!』バンッ 京太郎『……へ?』ポカーン 淡『……』カァァァッ 京太郎『……』 京太郎『……お嬢様』 淡『』ビクッ 京太郎『……私が旦那様に仕えると決めたその日から、この身体の全てはお嬢様、あなたのモノなんです』 京太郎『私はこの家に仕える執事、しがないバトラーでございます。この家に忠誠を誓った、しがない番犬でございます』 京太郎『"そう言うこと"なのです、お嬢様』 淡『京太郎……』 京太郎『……そう、私が旦那様――ハギヨシ様にこの身を捧げると決めたその日から――――』 淡「って違う違う違う!!!!!」バッ! 淡「な、なんでハギヨシさんが出てくるのかな!?」 淡「お、落ち着け私……クールになれ……クールクール……」 淡「……ふぅ」 淡「……」 淡「て、ていくつー!」 ポワポワポワーン 淡『京太郎……』 京太郎『この身朽ち果てるまで……いえ、朽ち果てて涅槃に渡ったその後も――――私の肉体、魂は、お嬢様のモノです』 淡『……』じ~ん 京太郎『……』ニコッ 淡『……』 淡『……って違う違う!!!そうじゃない!そうじゃないよ!』 京太郎『……は?』 淡『え、えーと、その……あ!そ、そーだ!』 淡『きょ、京太郎!』 京太郎『は、はいっ!』ビシッ 淡『わ、私を――――京太郎のモノにしろっ!!!』 京太郎『はっ!承知いたしまし――――――――は?』 淡『……』 京太郎『……』 京太郎『……え、と……お嬢様?』 淡『っ!』 京太郎『それは一体、どういう意味で……』 淡『そ』 京太郎『……』 淡『そ、それは…………こう言う意味だよっ!』ガバッ! 京太郎『え?…………んむっ!』 淡『ん……ちゅ……ぷ……くちゅ……ちゅ……ぷはぁ』 京太郎『……っぷはぁ――――――――――――――――え?』 淡『わかって……くれたかな?』 京太郎『あ、あの、お嬢様?い、今一体何を……? 淡『もういっかいしないと……だめ?』 京太郎『っ!し、しなくていいです!』 淡『そう……残念』 京太郎『……』 淡『……』 京太郎『……あ、あの』 淡『ねぇ、京太郎』 京太郎『っ!は、はいっ!なんでございましょうか?お嬢様』 淡『私、京太郎のことが好き、大好き』 京太郎『――――ッ!!!』 京太郎『そ、れは……』 淡『やっぱり、駄目……かな?』 淡『"お嬢様""の私が、執事の"京太郎"を好きになるなんて、駄目なことなのかな?』 淡『お嬢様の命令でも、駄目なモノは駄目なのかな……?』 淡『ねぇ……京太郎……』 京太郎『っ!お嬢様!』がばっ! 淡『……あっ』 京太郎『一時の御無礼、お許しください』 淡『(ふわぁ……きょーたろーの胸の中……あったかい……)』 淡・京太郎『……』 京太郎『』スッ 淡『……あ』 淡『(もう少し抱きしめたかったのに……残念)』 京太郎『……わ』 淡『……え?』 京太郎『……私も、お嬢様のことを――――』 淡「なーんちて!なーんちて!」 淡「…………ふぅ」 淡(イカんな、最近妄想多すぎるよ、、私) 淡「……」 淡(……どれもこれも、きょーたろーがカッコよすぎるからいけないんだよ?) 淡「……」 淡「……さてっ!京太郎の服を選びますかっ!」 淡(えへへ、気に入ってくれたらいいなぁ~~) カアーカアーカアー(迫真) 淡(カラスが鳴いてる……夕日、綺麗だなぁ……) 京太郎「ぬわああああん疲れたもおおおおん!」 ハギヨシ「今日はいっぱい歩きましたからねしょうがないですね」 京太郎「じゃあ淡、俺ハギヨシさんをそこまで送ってくるからここで待っててくれよ?」 淡「ん、わかったー」 京太郎「じゃあハギヨシさん、行きましょうか」 ハギヨシ「ええ」 淡(今日はいろんなモノ買ったな~。えへへ、楽しかったな~) 淡(今度はどこに行こう?何をして遊ぼう) 淡(えへへ、考えるだけでウルトラハッピーになっちゃうよ…………ん?) ブブブブブブブ 淡「メールだ……誰からかな?」パカッ 淡「……」 ○ 京太郎「おーう、待たせたなー淡。それじゃあ俺もそろそろ帰――――」 淡「ねぇ、京太郎」 京太郎「ん?」 淡「この後なにか……用事ある?」 京太郎「用事?……特にないけど」 淡「そ。……じゃあちょっと付き合ってくれない?」 京太郎「え?ああ、別にイイけど」 淡「……ふふっ、ありがとっ」 ○ 京太郎「……」テクテクテク 淡「……」テクテクテク 京太郎「……」テクテクテク 淡「……」テクテクテク 京太郎「な、なあ淡?今俺達は何処へ行って―――― 」 淡「ねぇ、京太郎」 京太郎「は、はいっ!」 淡「――――ここ、入ろっか?」 京太郎「……え?」 京太郎(…………) 京太郎(……ラ) 京太郎(ラブホ君オッスオッス!!) 淡「……」 京太郎「え?いや、ちょ、ちょっと待って、えっ?なにそれは」 淡「……」クスッ 菫『……ふぅ、なんとか服屋(紳士服)に着いたな』 渋谷『危うく見失うところだった……』 照『危なかった……』 菫『元はと言えば迷子になりかけたお前が悪いんだぞ、照』 照『反省している。てへぺろ』 菫『してないだろ……』 渋谷『……須賀京太郎と執事男の姿が見えない』 菫『ん?……あ、本当だな』 照『でも淡は見えるぞ』 菫『アホ面かまして惚け立ってるな』 渋谷『所謂ヘブン状態……』 菫『奴の周りを小さな星が浮かんでは消えている……成る程、確かにヘブン状態だな、あれは』 菫『自分の世界に完全に浸っている……』 照『……星……☆……ヒトデ?』 菫『は?』 照『な、なんでもない、気にしないで』 菫『?……あ、戻った』 渋谷『妄想からの脱出……成功』 照『……あたりを見回してるな』 菫『大方ヘブン状態の時に須賀達が何処かに行ったから、それに慌ててるんだろう』 渋谷『見ていて……滑稽……』 菫『……ん?』 菫『……ああ、成る程、須賀は試着室か』 渋谷『……』 照『……あ、試着室から離れて行った』 照『どうする?淡の方を尾行する?』 菫『いや、このまま試着室を見張っておこう』 渋谷『了解……』 菫・照・渋谷『『『…………』』』 照『なぁ……あの試着室少し揺れてないか?』 菫『気のせいだろ』 渋谷・照・菫『『『…………』』』 照『……なぁ、やっぱり揺れて』 渋谷『気のせい……』 照・渋谷・菫『『『…………』』』 照『……あ、須賀出てきた』 菫『ん、本当だな』 渋谷『尾行、リスター…………ト?』 菫・渋谷・照『『『……え?』』』 照『な、なあ菫。なんで須賀と一緒に執事男が試着室から出て来たんだ?』 菫『し、しらん!私に聞くな!』 渋谷『あっ……(察し)』 菫『(ま、まさかあの中でおっ始めていたのか?……い、いや!そんなことあるはずがない!)』 菫『(……くそっ!どうかして来たな!私の頭!)』 菫『……』 菫『(……でも)』 菫『(後で一応、ありのまま今起こったことを淡にメールで送っておこう……)』 ブブブブブブブ(迫真) 淡『……あれ?メールだ』 淡「…………」 淡「…………」 京太郎「なあ!淡!やめろって!俺達は友達だろう!?何故こんな無理矢理!」ギシッギシッ 淡「」スッ (京太郎のリー棒を添える音) 京太郎「!!や、やめろ!淡!これ以上腰を下ろしたらホントに入っちまう!」 淡「……」 京太郎「な、何があったか知らないけどさ!悩み事があるんなら俺が話を聞くよ!それで、俺にできることなら何でもする!」 京太郎「だから淡自分を見失うな!お前はこんなことする奴じゃないだろ!」 淡「……」 京太郎「淡……」 淡「」ニコッ 京太郎「淡……!」パアッ ズ……ビチ……ヌッ! 京太郎「――――――え?」 淡「~~~ッ!!!!!」 京太郎「あ、淡……お前……なにして……」 淡「……ぃ、たぃっ……っ!」ジワッ 淡「……え、へへ……でも……これで……」 淡「わた、しは……京太郎のモノで……」 淡「京太郎は……私、の、モノだね……」 京太郎「淡……」 淡「……えへへ」 淡「……キスよ、り先に……ひとつになるなんて……おかしな話だよね……っ!」 京太郎「……」 淡「……きょーたろー」 淡「大好き、だよ?」 ――――――二人は幸せなキスをして終了―――――― . 「……ふぅ」 「……どうやらあの小娘に、私と彼の運命の出会いとも言えるあの作品を贈ったのは失敗だったようですね」 「絶望のひとつやふたつしてくれると踏んではいたんですが……いやはや私も少し甘かったみたいです」 「それとも今日私達をつけ回ったあの子猫三匹達の仕業ですかね?」 「…………」 「……でもまぁ、いいでしょう」 「奪われたモノは奪い返す」 ハギヨシ「それが、執事 バトラー の嗜みですから」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6185.html
特別編 文化祭おまけ 照「…………」紅茶まみれ 咲「あ、えっと……その……」 「み、宮永さん!?も、申し訳ありませんお客様!!」 「すぐに何か拭くものを!!」 照「……咲?」 咲「ひっ!?」 照「怒ってないよ?ただ、さすがにこれは無いよね?」 咲「お、お姉ちゃんごめんなさい……」 照「転んで飲み物を狙ったようにかけるなんて……私でも中1までしかやってないよ(ボソッ)」 咲「うぅ……」 京太郎「……咲?それに照さん!?」 照「京ちゃん!?そ、その恰好……」 京太郎「あ、やべ……ゴホン、照お嬢様、一体どうなさいました?大体の予想はつきますが……」 照「て、照お嬢様!?」 咲「きょ、京ちゃん……その……」 京太郎「申し訳ありません、こちらの不手際でこのような不快な思いをさせてしまって……すぐにシャワーとお召し物のご用意をさせていただきます」 京太郎「おい、シャワー室と何か女子のジャージかなんか用意できないか?」 「シャワーはすぐいけると思うけど……ジャージなんて持ってきてる人いる?」 「いても汚れてたり使ってたりでしょ。宮永さんの制服とかは?」 咲「私メイド服で帰るの!?」 京太郎「さすがに原因とはいえ咲が可哀想だな……俺もジャージとかないし、俺の服貸す訳にもな……」 咲「お姉ちゃーん、京ちゃんの制服でいいー?」 照「おっけー」 京太郎「おい咲!?照さんもいいの!?あ、よろしいのですか?」 照「別にいい。それより」 京太郎「はい?」 照「執事が失態を犯して、何も無し?」ニッコリ 京太郎「はい、照お嬢様、アーン」 照「あーん……ん、おいしい」 京太郎「それは何よりです」 照「次は紅茶が欲しいかな」 京太郎「……照お嬢様?」 照「何?」 京太郎「差し出がましいことを言うようですが……さすがに男性の膝の上にずっと座っているというのは、少々はしたないのでは?」 照「執事が命令を聞けないというの?」 京太郎「……了解致しました。紅茶の砂糖はいくつになさいます?」 照「2つで」 咲「お姉ちゃんずるい……」 「執事な須賀くんの膝の上に座ってアーンまで……羨ましすぎる……」 「おまけにそのまま30分も……これがチャンピオン……」 「宮永さん、私にこの紅茶かけて」 咲「それ熱いやつだよね!?やめてって!!」 照「次はスコーンで、もちろん食べさせてね」 京太郎「……そろそろ勘弁してもらえませんか?」 照「……だーめ」 京太郎「かしこまりました……麻雀部の方に行くまでにはお願いします」 照「……京ちゃん次第かな」 この後、嫉妬の化身と化した咲とのインハイ時以上の対局が始まるのだった
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6421.html
京太郎「特に用はないけど、売店まで来てみたぞ」 京太郎「お菓子でも買っていこうかな」 買えるもの 1.女性を落とす40の方法 1000円 2.プロ麻雀せんべい 100円 3.ポッキー 200円 4.たけのこの里 200円 5.きのこの山 200円 6.近藤さん 500円 7.プリン 200円 8.(自由) 京太郎「せんべい、ポッキー、たけのこ、きのこっと」ポイポイ 京太郎「こんくらいでいいか」 「お次のお客様ー」 京太郎「あ、はーい」 「えっと、おせんべいが一点、たけのこが一点、ポッキーが一点、きのこが一点……」 京太郎(可愛い店員さんだな、ちょっと日に焼けてるけど目が蒼くて綺麗で……外人さん?) 「……えっとぉ……」カァァ 京太郎「どうかしまし……えっ」 近藤「いつ使ってくれるん?」 京太郎「」 京太郎「ちょっと外に出てきてみたけど……」 ピュゥー 京太郎「秋ともあって寒いなー」ブルブル 良子「あー疲れたー」グデー 京太郎(良子さん?ベンチに寝転がってるけど) 京太郎(あのままじゃ……) 京太郎(スカートがめくれて……ぐふふ) 京太郎(よし、ダンボールを持って来よう) ダンボール「」ゴソゴソ ダンボール(ターゲット捕捉!風来を待たれたし!) ピュウー ダンボール(来たっ!) 良子「…………」 良子「京太郎?」ジトッ ダンボール「違う!俺は京太郎ではない!」 良子「その声は京太郎のボイス」 良子「そんなところで何してるの?」ジトッ ダンボール「え、えっと、これにはマリアナ海溝よりも深ーいわけが……」 良子「ふんっ」ゲシッ 良子「京太郎のエッチ!変態!ド変態!」ゲシッゲシッゲシッ ダンボール「痛い!痛いです!あ、でも見えそう!てかなんか気持ちいい!」 良子「ふんっ!」ゲシッ 京太郎「痛たたた、良子さんの蹴りはなんであんなに重いんだ?」 京太郎「傭兵だったとか聞いたことはあるけどさぁ……」 京太郎「ちょっと寝よ、15分くらい」 夕 京太郎「ちょっと小遣い稼ぎに行ってこよっかな」 おっさま「ほな今日も頑張ってな」 京太郎「あんまりいられないんですけどね」 おっさま「客寄せパンダとしては十分やで」 カランコロン おっさま「お客さんが来たみたいやから、接客よろしくなー」 京太郎「いらっしゃいませー」 洋榎「近場にこないなところあったんやなー」 絹恵「せやねー、って須賀くん!?」 洋榎「京太郎、何しとるん?」 京太郎「何ってバイトですよバイト」 洋榎「へー京太郎みたいなんも働けるんやなー」 京太郎「ナチュラルに酷くないですか?」 絹恵「せや!須賀くん、一緒に打たへん?」 京太郎「はい、別にいいですけど」 おっさま「せやったらワイも入らせてくれるか?」 洋榎「別にええでー」 絹恵「ちょっ、お姉ちゃん失礼やって」 おっさま「ええってええって、ほな始めよか」 結果 京太郎 43800 洋榎 20700 おっさま 17900 絹恵 17600 おっさま「ロン、3900や」 洋榎「三確て、何がしたいん?」 おっさま「須賀ちゃんが高いの和了りそうやったさかい、堪忍な、妹ちゃん」 絹恵「せっかく勝てると思うとったのにな、あはは」 京太郎「俺も……なんかすみません」 洋榎「なんかって何やねん、負けたウチらが悪いんや」 絹恵「せやね……あっ」 絹恵「せや、私ら須賀くん呼びに来たんやった」 京太郎「俺をですか?」 洋榎「あーせやせや、最終戦に向けた練習やって、まあ来るかどうかは自由やけど」 京太郎「ならメールとかで良かったんじゃ?」 洋榎「……せ、せやな」 夜 京太郎「懐も温まったしどっかいきたいけど……」 京太郎「やっぱり練習に行くべきだよな」 京太郎「最後の練習つってもすることないしな……」 京太郎「適当に空いてる人と話してみるか」テクテク 絹恵「はぁ……」ズーン 京太郎「なんでため息なんて吐いてるんですか?」 絹恵「ん、須賀くんか、何でもないで」 京太郎「そうなんっすか?」 京太郎(なんでもないようには見えないんだよなぁ) 京太郎(やっぱりさっきの雀荘のことなのか?) 京太郎(そうだとしても、俺が蒸し返してもな……) 絹恵(最近上重さんにも勝てるようにもなってきて、お姉ちゃんにも須賀くんにも勝てるかな、って思うとったけど) 絹恵(私……まだまだやな) 絹恵「……はぁ」 京太郎「そういえば、絹恵さんの胸って大きいよな……」ゴクリ 絹恵「へっ?」 京太郎「えっ?」 京太郎「……あっ」 絹恵「…………///」カァァ 京太郎「……その、すみません……」 絹恵「ほんまやで、須賀くんの……えっち」 京太郎「いや、つい口が滑ったというか、えっと……」モジモジ 絹恵(須賀くんも、前は私と同じやったんやんな……) 絹恵(せやから私を励まそうと……)※違います 絹恵(なんや、私がアホみたいやん) 絹恵「……ぷっ、あはははは!」 京太郎「ええっ!?どうしたんすか急に!」 絹恵「ううん、なんでもないなんでもない」 絹恵「須賀くんのおかげで元気出たわ、おおきに!」 京太郎「?」 絹恵「ほなまた頑張って来るわー!」 京太郎「??」 京太郎「何だったんだ一体」 「ロン」 「ツモ」 「ロン」 絹恵「あぅぅ」 絹恵「全っ然勝てへん……」 京太郎「でしたら俺が力になりましょうか?」 絹恵「また須賀くんかぁ」 京太郎「また、って何ですかまたって」 絹恵「その提案は嬉しいんやけど……悪ぅない?」 京太郎「俺が一番暇ですからね、なんでもござれですよ」 絹恵「ほんまにええの?」 京太郎「もちろんです!」 絹恵「んー……せやったら、お願いしよっかな」 京太郎「じゃああそこの卓で打ってみましょうか」 絹恵「うん、よろしくな!」 絹恵「流局やね」 絹恵「ツモ……えっと、2000オールやったっけ?」 絹恵「あ、親流れてしもた」 京太郎「絹恵さんって普通に上手くないですか?」 絹恵「お姉ちゃんとかお母さんに比べたらまだまだやって」 京太郎「絹恵さん、洋榎さんとか監督とかと相対比較してたって疲れるだけですよ?」 絹恵「あはは、浩ちゃんと同じこと言っとるわ」 京太郎「でも絹恵さんって中学までサッカー一筋だったんでしょう?それでインターハイまで出たんだから十分凄いですって」 絹恵「そういう京太郎くんやって今までそういう大会出とらんかったらしいやん、そっちこそ凄いと思うで」 京太郎「いやいや絹恵さんこそ」 絹恵「いやいや京太郎くんこそ」 京絹「「ぷっ」」 京絹「「あはははははは!」」 京太郎(……ん?京太郎くん?) 【二日目】終 【三日目】 チュンチュン 京太郎「もう朝か……なんか胸のあたりがきついな」 洋榎「むへへ……ウチも大きくなったで……」ギュゥ 京太郎「なんで洋榎さんが俺の布団の中にいるんだ?」 京太郎「それに背中になんかポチポチ当たってるのがあるし」 洋榎「むにゃむにゃ……」ギューッ 京太郎「……まあいっか」 京太郎「どんな夢見てんだろ」 京太郎「することもないし洋榎さんと何かするか」 洋榎「どやーおっぱいミサイルー……むへへ……」 京太郎「つってもこの調子だからな……」 京太郎「いや、どうせだからイタズラでもしてみよっかな?」 京太郎「うむむ、どうしよう」 洋榎「きぬぅ~……」ギュゥ 京太郎「この状況はあれだ、昔照たちと寝たときみたいな感じだ」 京太郎「そう思うと何かしたくなるな……」 京太郎「洋榎さんって背はあんまり高くないし、胸も足りないけど、可愛いよな」 京太郎「…………」 京太郎「そうだ、ひたすらからかってみよう」 洋榎「ん……」 洋榎(朝?) 洋榎(でもまだ寝てたいな……布団も気持ちええし、抱き枕やって……ん?) 洋榎(ウチ、抱き枕なんか持っとったっけ) 京太郎「洋榎、可愛いよ」 洋榎「へっ?」 京太郎「ポニーテールもジト目も元気なところも可愛い」 京太郎「愛してるよ」イケメンヴォイス 洋榎「な!なんやいきなり!///」ガバッ 京太郎「もう起きちゃったんですか、これからたっぷり話そうと思ってたのに」 洋榎「う、うっさいわアホ!」カァァ 京太郎「ああ、そうやって顔赤くするのも可愛いです、実にいいです」 洋榎「何なんやもう……」 京太郎「洋榎」 洋榎「さっきからなんで呼び捨てなんや!」 京太郎「洋榎、好きだ」キリッ 洋榎「あぅ……ぁぅ……」プシュー 京太郎(勝った!任務成功だ!) 京太郎(あとはネタばらしをして……) 洋榎「……う、ウチも、京太郎が、そこまで言うんやったら……その……///」ゴニョゴニョ 洋榎「って何言わすんやアホ!」 京太郎(あ、マジで可愛いかも) 京太郎「暇なのでジェンガしましょうジェンガ!」 洋榎「別にええけど」プイッ 京太郎「もうそろそろ機嫌直してくださいよー」 洋榎「誰のせいや、ったく」 京太郎「だからずっと謝ってるじゃないっすかー」 洋榎「京太郎のアホ」ボソッ 京太郎「あーはいはい、じゃあこうしましょう」 京太郎「ジェンガで勝った方が負けた方を自由にできる、これで洋榎さんが俺に勝てば煮るなり焼くなり好きにすればいいですよ」 洋榎「う……それは……」 京太郎「あれ?怖気づいたんですか?天下の洋榎さんともあろうお方が?」 洋榎「ふん!ええわ!やったるわ!後で半べそかいても知らんからな!」 京太郎「それじゃあ準備しましょうか」 京太郎「この俺が……負け、た……?」 洋榎「ほな言いだしっぺの京太郎にはウチの足をマッサージしてもらおかなー」 京太郎「脚ですか?」 洋榎「ウチよく走っとるやろ?せやから疲れるんや」 京太郎「ああ、控室に帰ってくるときとかいつもそうですもんね」 洋榎「へーよう見とるやん」 京太郎「ケガしないかどうか心配なので」 洋榎「なんやそれ、ウチが子供みたいやん」ブー 京太郎「実際そうじゃないですか」 洋榎「何やとー!」 京太郎(足って言われても、どこをやればいいんだ?) 京太郎「じゃあさっさとやっちゃいますね」 京太郎(短めの寝巻でよかった)モミッ 洋榎「んぁっ!ど、どこ揉んどるんや!」 京太郎「どこ、って脚ですよ脚」 洋榎「足言うたら普通足の裏とかや、んっ、ろ!」 京太郎「足も脚も耳で聞いてわかるわけないじゃないですか、洋榎さんの自爆ですよ」モミモミ 洋榎「くすぐったいから、やめぇ……」 京太郎「嫌ですよこんなにスベスベで気持ちいいのに」 洋榎「すべすべ……ウチが?」 京太郎「また洋榎さんの良いとこ見つけちゃいましたね」 洋榎「あ、あれは冗談やろ?」 京太郎「洋榎さんが可愛いのは事実ですよ?」 洋榎「ほぇ?」 京太郎「じゃあマッサージやってる間に順々に挙げていきましょうか」 洋榎「は、恥ずかしいからやめてぇ!」 ――――――――――――――――――― 京太郎「はい、終わりです」 洋榎「おおきに……」プシュー えり「やって参りました、国民麻雀大会地区選抜団体戦三日目」 えり「実況は私、針生が、解説は大沼プロがお送りいたします」 秋一郎「…………」 えり「大沼プロ、何か一言、どうぞ」 秋一郎「…………」 えり「えーっと……」 えり「それでは各地区の紹介です」 秋一郎(何なんだこれは) 秋一郎(今年に入って鹿児島選抜の解説では女子アナウンサーと組み) 秋一郎(この大会では生娘たちの世話を見て) 秋一郎(挙句の果てにまたアナウンサーと組んで決勝戦の解説とは……) 秋一郎(まあ憧れの福与アナじゃないだけよかったか) 171 名前: ◆r05KxLrr0E[] 投稿日:2013/04/14(日) 18 22 05.46 ID bNhMmQbko [11/29] トシ「みんな、準備はいいかい?」 豊音「もちろんです!」 塞「トヨネ、いつになく張り切ってるね」 豊音「だって、みんなとまた戦えるんだもん!」 胡桃「いやーそれにしても東北選抜をあたしらがほぼ独占しちゃうなんてね」 トシ「私らと有珠山くらいしかいい成績を残せてなかったからねぇ」 白望「そろそろ試合……だる」 塞「まあまあそう言わないの、私だって結構疲れるんだから」 トシ「そろそろ時間だね、行ってきな」 塞「はい!」 穏乃「いつも通り頑張ってください!」 灼「ファイト」 玄「頑張るのです!」 宥「うん、お任せあれ!なんちゃって」 晴絵(大星淡に荒川憩、か) 晴絵(頑張れよ、宥!) 淡「今日もぽんぽん取って来るよ!」 菫「油断はするなよ」 淡「わかってるわかってるー」 智葉「本当にわかってるのか?」 淡「まあいざとなればテルもいるわけだしね!」 照「お菓子、いる?」 淡「あー!ありがと!」 照「霜崎さんも」 絃「ありがとうございます」ペリッ 絃「…………砕け散ってる」 憩「今日は勝ってくるさかい、待っとってな!」 洋榎「またウチが取り返すんやから別にええでー」 咏「うっはー、すんげえ自信だねぃ」 怜「私らも頑張らへんとな」 郁乃「せやで~憩ちゃんファイト~」 憩「ほな行ってきますーぅ!」 172 名前: ◆r05KxLrr0E[] 投稿日:2013/04/14(日) 18 31 09.45 ID bNhMmQbko [12/29] 憩(ウチが一番乗りか……) 宥「あったかくない……」ガクガク 塞「あっ、もう席決め始めてます?」 憩「まだですよ、先どうぞ」 塞「どうもすみません、それじゃあこれかな!」 宥「じゃ、じゃ「あーっはっはっは!」」 淡「んっふー、チミたち早いねえ感心感心」 淡「今日も大星淡ちゃんが大勝しちゃうんだから!」 塞「あっ、はい」 宥「北……あったかくない」 憩(いいように流されとるなー) 東一局 淡 100000 憩 100000 塞 100000 宥 100000 憩(淡ちゃんにリードさせたらまた好き勝手にやられる!) 憩(そうはさせへん!)ピキィィン! 憩「リーチ!」 【孔穿つ閃光】発動! 塞「!」ゾクッ 塞(東一局で出しちゃうかーそれをー) 塞(まあ私も負けられないから) 塞(塞ぐよ!)カッ 【幻想塞ぎ】発動! 【孔穿つ閃光】の効果が書き換えられます 憩(全然来る気配がしいひん……どういうことや) 憩(何かに道を遮られてるみたいな) 憩(ウチを誰かが邪魔してる……みたい) 憩(何なんや一体!)トン 淡「ロン、3900」 憩「う……」 塞(何これ、きっつい……) 【孔穿つ閃光】を発動したため、憩の聴牌判定と和了判定が下がった! 【幻想塞ぎ】を発動したため、塞の雀力が下がった! 東一局一本場 淡 104900 憩 95100 塞 100000 宥 100000 (3900+供託棒一本) 淡「ツモ、1100オール」 塞(他の人が聴牌に向かってる間に和了ってるってさ……) 塞(ちょっとずるいよそれ) 宥(あったかくない……) 憩(くっ……) 淡「連荘連荘~♪」 東一局二本場 淡 108200 憩 94000 塞 98900 宥 98900 憩(このまま三連荘なんてさせへん!) 憩(もう一回や!) 憩「リーチ!」ピキィィン! 塞(荒川さん、また使うんだ……) 塞(でもこのまま行くよりさっさと流すべきだよね) 塞(んじゃ、いっか) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「嶺上ツモ、リーチ一発の責任払いの8000は8600」 えり「荒川選手はリーチをかけると特殊な役が付くことが多いですね」 秋一郎「…………」 秋一郎(確かに、リーチの後は一発ないしは裏、海底などおかしな役ばかりだ) 秋一郎(天江衣や神代小蒔と比べると火力は劣る、だが彼女らとは何か本質が違う) 秋一郎(彼女から和了った者はその力を出せなくなり、彼女に和了られた者はツキを失う) 秋一郎(天江衣たちが牌を支配しているというのなら、彼女はまるで対戦相手を支配しているよう……) 秋一郎(って何を考えているんだ儂は) えり(何を考えているんだろう) 東二局 淡 108200 親 憩 102600 塞 98900 宥 90300 全員ノーテンのため、流局 淡(まだまだ大丈夫だよね、減らされてないし) 憩(このまんまやと親流れてまう……) 塞(後何回行けるかな……) 宥(あったかい牌、来ない……) 東三局一本場 淡 108200 憩 102600 親 塞 98900 宥 90300 塞(大星さんにも荒川さんにも動きは見られないね) 塞(勝負は南場かな) 塞(よっし、これでテンパイ)トン 憩「ロン、3900は4200」 塞「うっわーい……」ガクッ 東四局 淡 108200 憩 106800 塞 94700 親 宥 90300 全員ノーテンのため、流局 宥(玄ちゃん……私、全然だめだよぉ……) 憩(六向聴はやっぱりきついって……) 塞(また流局かー) 塞(ま、誰かが大きいの和了るよりは十分マシなんだけどさ) 淡(出そっかなー、どうしよっかなー)ウムム 南一局一本場 淡 108200 憩 106800 塞 94700 親 宥 90300 宥(あったかい牌はそれなりに来てる……) 宥(でもぉ、全然聴牌できないよぉ……)トン 憩「ロン、2600は2900」 宥(あうぅぅ……) 憩(このまま安定でいったる!) 淡(ケイがまた頑張ってるね♪) 淡(でもまだまだ!) 南二局 淡 108200 親 憩 109700 塞 94700 宥 87400 宥(また手が進まないよ……) 淡「ポン」 塞(なーんかやばそうな感じ) 淡「来た来た!カン!」スチャ 淡「む~嶺上ならずか~」トン 憩(親やからテンパイしたいんやけどな……) 淡「あっ、ツモ!2000・4000」 塞(……もうやるか) 【幻想塞ぎ】発動! 南三局 淡 116200 憩 105700 親 塞 92700 宥 85400 塞(荒川さんが高そうな感じ) 塞(私はテンパイできてないからそっちは任せて、こっちは……っ!)カッ! 淡「!?」 淡(何……?) 淡(手が、全然進んでない!) 淡(だったら鳴けばいいもんね!) 淡「ポン!」 淡(このまんま勝ち越しだよ!)トン 憩「ロン、12000」 淡「なっ……」 塞(よし、あと一回!)カッ! 【幻想塞ぎ】発動! オーラス 淡 104200 憩 117700 塞 92700 親 宥 85400 憩(ほな、行かせてもらおか!)キィィィン! 憩「リーチ!」 塞(んーやっぱりテンパイしてくるかァ) 塞(まぁ、抑えてあげるよ) 【孔穿つ閃光】発動! 【幻想塞ぎ】により効果が書き換えられます 憩(ムダヅモばっか……他の人たちがテンパイしとらんからええけど) 憩(ようやく、ウチがみんなの役に立てるんや) 憩(ここは、もっと粘る!) 塞(ダメだ、このままじゃ塞げない) 塞(誰も和了れなかったのに) 塞(一体、何が……?) 憩(海底、か) 憩(上出来や!) 憩「ツモ、700・1300」 宥「あ……終わっちゃった……」 塞「もー疲れたー」 淡「次こそは負けないんだからねっ!」 憩「お疲れ様でしたー」 塞(役目は果たせたからいっか) 宥「玄ちゃん、ごめんね……」 終局 大阪 120400 (+20400) 関東 103500 (+3500) 東北 92000 (-8000) 関西 84100 (-15900) 京太郎「憩さん、大活躍でしたね」 雅枝「このままいけばええんやけどな、次も頼んだで」 咏「うぃーっす」 京太郎「緊張感ねえな」 咏「まー気負ったところで意味ねーかんな」 京太郎「そんなもんなのか?」 咏「んじゃ、行ってくるわ」 京太郎「俺もついでに売店でも行ってくるか」 宥(控室に帰ったら……) 晴絵『あっはっは!宥がここまで役立たずだったとはなぁ!』 はやり『流石にないわ……』 玄『お姉ちゃん、見損ないました』 穏乃『何やってるんですか、ふざけないでくださいよ』 灼『……誰?』 宥「はわわわわわ」 宥「もう帰れないよぉ……」グスッ 京太郎「松実……さん?」 宥「!」ビクッ 宥「は、はいぃ」ウルウル 京太郎「そんなところで何うずくまってるんですか?」 宥「みんながこわくてぇ……」ナミダメ 京太郎(守ってあげたい、なにこの可愛い人) 宥「私、点棒いっぱい取られちゃったから……」 京太郎「ああ、なんだそういうことですか」 宥「ふぇぇぇん」 京太郎「大丈夫っすよ、皆さん優しいじゃないですか」 宥「でも、でもぉ……ひくっ」 京太郎「じゃあ落ち着くまで俺が傍にいます、控室まで送りますよ」 宥「ひぐっ、ひぐっ」 京太郎「顔がぐじゅぐじゅですよ、これで拭いてください」 宥「うん、うん……」 京太郎「そろそろ試合始まりますから、行きましょうか」 宥「……うん」 京太郎(世話の焼ける姉ってこんな感じなのかな) 京太郎(……照もそうか) 玄(お姉ちゃんが取られた分は私が!)フンスッ 咏「ドラローが相手かよぉ……」 胡桃「早く座るそこ!」 菫「今日も勝たせてもらおうか」 咏「はっ、同じ相手に負けるかよばーかばーか」 玄「一日目に大失点したのに何言ってるんですか?」 菫「うぐっ」 胡桃「まあ私も負けないからそこんとこヨロシク!」 咏=68+128+45=241 菫=7+124+30=161 玄=13+112+15=140 胡桃=70+124+15=209 次鋒戦終了 大阪 148400 (+28000) 関東 89600 (-13900) 東北 103000 (+11000) 関西 59000 (-25100) 玄(なるべく大きい手で和了らないと!)トン 胡桃「ロン、12000!」 菫「んなっ……!」 咏(いつの間に張ってたんだこのチビ……) 玄(今度こそ!) 咏(ドラ無しでも、清一色は作れんだよ!) 咏(読まれててもツモればいいだけ!) 咏「ツモ、3000・6000」 菫(松実玄……狙わせてもらう!)トン 胡桃「ロン、6400!」 胡桃「まだまだ行くよ!」 菫「」チーン 玄「」チーン 咏(こんぐらい稼げば充分だろ) 胡桃(次が勝負だね!) 絹恵「お姉ちゃん、頑張ってな!」 雅枝「お前なら大丈夫やろ」 浩子「はいはいガンバ~」 洋榎「うっし、ほな行ってくるわ!」ダダダダダダダ 洋榎「ばばーん!愛宕洋榎登場!」キキィィィィイイ 智葉「相変わらず五月蝿いやつだな」 洋榎「なんやとこのツンツンメガネ!」 まこ「まあまあ、二人とも落ち着きんさい」 洋榎「うっさいわワカメガネ!」 まこ「ワ、ワカ……」 藍子「ささっ、席へどーぞどーぞ」 洋榎「なんや次はグルグルメガネかいな」 藍子「グルグル……ねぇ」 洋榎「なんでメガネばっかなんや?」 藍子(さてさて、見せてもらいましょうかね) 藍子(どれだけ頑張れるかな!)グルグルグル 洋榎(なんやこれ) 洋榎(手が進まへん) 智葉「リーチ」 洋榎(しゃあない、オリよ)トン 洋榎「……」スチャ 洋榎(手が進んだ?) 洋榎(なんでオリようとしたんに……)トン 智葉「それだ、ロン」 結果 洋榎=10+132+15=157 智葉=73+132+15=220 まこ=48+124-15=157 藍子=27+124+30=181 中堅戦終了 大阪 135700 (-12700) 関東 113200 (+23600) 東北 104700 (+1700) 関西 46400 (-12600) 怜「愛宕さん、凹んでもうたな」 雅枝「今までが順調すぎたんや、無理はせんようにな」 竜華「頑張ってな、怜!」 怜「うん、竜華の分まで頑張って来るわ」 セーラ「あっはっは、それやと竜華が死んでもうたみたいやん」 灼(このままだと、いくら穏乃でも無理) 灼(もう、負けられない)ギュッ 怜(このまま稼いで渡す、それだけやな) 絃(あら、この二人少しそっくりさん?) 白望(胡桃もいたら面白そうだなぁ……) 絃「…………」ヒョォォォオ 怜(この人と打ってると、テンパイできひん未来しか見えへん) 怜(せやけど、私やっていつも同じってわけやない!) 怜「ポン」 怜(未来は無理やり切り開く!) 灼(まだだ、まだ勝てる) 灼(諦めたら終わりなんだ!) 灼「リーチ」 白望(このままいくと、豊音がだるい) 白望(でもこの手じゃなぁ……) 白望(穏便に行こう) 結果 怜=81+121+15=217 絃=34+128+30=192 灼=51+124+15=190 白望=7+128+30=165 副将戦終了 大阪 149300 (+13600) 関東 113700 (+500) 東北 91100 (-13600) 関西 45900 (-500) えり「副将戦決着」 えり「現在トップは依然大阪選抜」 えり「後ろを負うのは三万点差の関東選抜」 えり「そして五万点差と大きく離された東北選抜」 えり「十万点差をつけられた関西選抜はもう、ダメなのでしょうか」 秋一郎「…………」 秋一郎「……いや」 秋一郎「勝負は最後まで楽しむのが勝負、諦めるには早すぎる」ボソボソ 秋一郎「まだ望みはある」ボソッ えり「は、はぁ」 えり(声が小さくて聞き取れなかった……) えり「それでは各チーム大将選手の紹介です」 善野「これで、良かったんか」 郁乃「うん、私はこれでええ」 郁乃「みんなが期待してくれてるんや、私が姫松の元監督とも知らへんで」 郁乃「せやから私はそれに応える」 善野「ふふっ、昔から変わらへんなぁ」 郁乃「その昔の私が今の私なんやけどな~」 善野「せやったね、っとここまでか」 郁乃「送ってれてありがとな」 善野「いつものことやろ、ほな頑張ってき」 郁乃「また後でな~」フリフリ 照「……郁乃」 郁乃「試合のときは郁代やで~」 照「今日も負けないから」 郁乃「私やって負けてられへんよ~」 穏乃「あ、宮永さんお久しぶりです!」 照「高鴨さん、今日もよろしくね」 穏乃「はい!よろしくお願いします!」 豊音「うんうん、やっぱり壮観だよー」 豊音「個人戦一位と三位の宮永さんに高鴨さん!それに団体戦でちょー頑張ってた赤阪さん!」 豊音「よろしくお願いしますっ!」 東一局 郁乃 149300 照 113700 豊音 91100 穏乃 45900 豊音(宮永さんは東一局は和了らないんだよねー) 豊音(それならまずは温存するよー) 郁乃「ポン」 穏乃(一巡目ポン?) 豊音(んんっ?) 豊音(なんだか調子がいいよーな?) 豊音(まあそれはそれでいいことだよねー) 豊音「ツモ、4000・8000」 穏乃「うっわ……」 穏乃(早速持って行かれたぁ……) 照「…………」 東二局 郁乃 141300 親 照 109700 豊音 107100 穏乃 41900 豊音(……よし) 【友引】発動! 豊音「ポン」 豊音「ポン」 豊音「チー」 照(…………) 照(また裸単騎) 豊音「ポン!」 照(……でも) 豊音(これで私の和了りだね!)トン 照「ロン、2000」 照「……連荘」 東二局一本場 郁乃 141300 親 照 111700 豊音 105100 穏乃 41900 豊音(前は確か……これでいいはず) 【先勝】発動! 穏乃(配牌一向聴!白發の刻子もあるし) 穏乃(……ここは突き進む!) 照「…………」 穏乃(よしよし、テンパイまで来た!) 穏乃(カン……できるかな) 照(テンパイ……これで)トン 穏乃(来た!) 穏乃「カン!」 穏乃「うおおっ!嶺上ツモ!責任払いで8000は8300!」 照(何……) 豊音(宮永さんがたった一回で止まったよー!) 郁乃(う~ん、これはちょーっと予想外やったな) 東三局 郁乃 141300 照 103400 豊音 105100 穏乃 50200 豊音(親だし攻めていくよー!) 【友引】【赤口】発動! 郁乃(このままやとまた照ちゃんが和了り続けてまうから……) 郁乃「チー」 郁乃(安手で流してみよか~) 穏乃(ここで逆転してみせる!)トン 郁乃「……ロン、2600」 東四局 郁乃 143900 照 103400 豊音 105100 親 穏乃 47600 えり「三位に転落してしまった関東選抜宮永照、果たしてどのように巻き返すのでしょうか」 秋一郎(この点差……今回は見れるようだな) 秋一郎(個人戦決勝卓にだけ見せたあの業) 秋一郎(実に楽しみだ) 照「ツモ、400・800」 照(これで300点差) 照(……高鴨さんが危険だけど、いつも通り) 南一局 親 郁乃 143500 照 105000 豊音 104700 穏乃 46800 照「ロン、2000」 照(……ようやく連続) 照(流石に時間をかけすぎたか) 穏乃「…………」 照(厄介になってきた) 穏乃(今日は調子がいい、ツキがある!) 穏乃(こっからが勝負!)ゴッ 【斉天大聖】発動! 南二局 郁乃 143500 親 照 107000 豊音 104700 穏乃 44800 照「ツモ、2000オール」 穏乃(また、和了られた……) 豊音(やっぱりちょー強いよー) 郁乃(これが照ちゃんの強さ、か) 照(…………) 照(時期尚早かもしれない) 照(でも、やってみるか) 【鏡開き】発動! この局のみ【人形劇】【身代わりの幻影】【六曜】が発動できなくなりました! 南二局一本場 郁乃 141500 親 照 113000 豊音 102700 穏乃 42800 ビキィッ! 郁乃(……なんやこの感じ) 郁乃(小鍛治プロほどやないけど、嫌な感じやな……) 穏乃(何かが……) 豊音(これって……宮永さん?) えり「配牌時で国士無双一向聴!?」 秋一郎(宮永姉妹の得意技は共に点数調整) 秋一郎(妹はプラマイゼロを得意としている、と聞いたことがある) 秋一郎(そして姉は点数上昇) 秋一郎(まるで牌のありかをわかっているかのよう) 秋一郎(……彼女らの目には一体何が映っているんだ) 九19①⑨東南西北白發中 照(……国士無双) 照(私が初めて和了った役満) 照(いつからか、ヤオ九牌が見えるようになっていた) 照(ヤオ九牌が私に集まるようになった) 照(これは、点数調整には使いやすい力) 照(なぜ、力なんてものがあるのか) 照(なぜ、私は抗えないのか) 照(だから、こうして――) 照「ロン、48300」 豊音「わ……」 郁乃「え……っ」 穏乃「なっ、た、たった三巡目で!」 照(希望を打ち砕いてしまう) 南二局二本場 郁乃 93200 親 照 161300 豊音 102700 穏乃 42800 豊音(他力本願だけど二位浮上) 豊音(点差は少しでも詰める!) 【先勝】発動! 同コンマのため、流局 照(もちろん利用することもあった) 照(個人戦の決勝だってそうだった) 照(負けたくなかったから) 照(京と咲とモモが見ていると思ったから) 照(私もずいぶんと調子がいい人間だ) 南二局三本場 郁乃 93200 親 照 161300 豊音 102700 穏乃 42800 豊音(うーん、ダメだったかー……) 豊音(でもでも!まだまだ諦めないよー) 【先負】発動! 豊音(うーん?全然テンパイできない?) 照(……) 照(手が進まなくなってきた) 照(これは、多分……) 穏乃「ツモ、4300・8300」 南三局 郁乃 88900 照 153000 親 豊音 98400 穏乃 59700 豊音(大安は最後まで取っておくとして) 豊音(今回は……!) 【友引】【赤口】発動! 照「ツモ、400・800」 照(高鴨さんも姉帯さんも役満直撃でしか私には追いつけない) 照(郁乃さんは、高鴨さん次第か) オーラス 郁乃 88500 照 154600 豊音 97600 親 穏乃 59300 豊音(もう、ダメかもしれない) 豊音(――だけど) 豊音(まだ続けたいので頑張るよー) 豊音(さて、どこまで行けるかな) 【大安】発動! 穏乃(聴牌、今は宮永さんとの点差を縮める) 穏乃(そう簡単には終わらせない!) 照(……これ、は) 照(掴まされた?) 照(いや、だったらこっちを諦めて……)トン 穏乃「ロン、12000」 オーラス一本場 郁乃 88500 照 142600 豊音 97600 親 穏乃 71300 照(……)スチャ 照(高鴨さんの支配があまり効いていない) 照(それに姉帯さんも郁乃さんも和了れないみたい) 照(ここで、終わりか)トン 豊音(うぅぅ、全然ダメだよー!) 豊音(一回も和了れてないし……) 豊音(みんな、ごめんね)トン 穏乃(うー……ん)スチャ 穏乃(なんも来ないなー) 穏乃(逆転できるかも!って思ったけどさ、やっぱり勝てっこなかったのかな) 穏乃(違う違う!)ブンブン 穏乃(こんなん私らしくない!負けても私らしくするんだ!) 穏乃(最後まで突き進む!)トン 郁乃(……これ、照ちゃんの和了り牌か) 郁乃(テンパイできたのはええんやけどな……) 郁乃(結局、照ちゃんには敵わんかったな) 郁乃(おまけに三位転落) 郁乃(善野ちゃんに言っとったことが恥ずかしいわ) 郁乃(悪あがきはせえへん、この一打で終わりや) 郁乃(私は前へ進む) 郁乃(小さくなっても、何があっても) 郁乃(……楽しかったな)トン 照「…………」 照「ロン、1000は1300」 郁乃「…………」 郁乃(やっぱり、か)グスッ 郁乃(あれ、なんで目が熱いんやろ) 郁乃(こんなん違うやろ、私は……) 郁乃(もっと――) 穏乃「あ、赤阪さん?」 郁乃「…………うん」チャラッ 郁乃(――笑っとらんとな) 郁乃「これで終わりやな」ニコッ ――――国民麻雀大会―――― ―――地区選抜団体戦終了――― 一位 関東 143900 (+30200) 二位 東北 97600 (+6500) 三位 大阪 87200 (-62100) 四位 関西 71300 (+25400)
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6408.html
開局 親 憧 110600 咏 225000 梢 41600 史織 22800 憧(あのちびっ子は高火力) 憧(それなら私の方が有利!) 憧「チー!」 咏(速く攻めるタイプかねぃ、まあ嫌いじゃないけど) 咏「ロン」 咏(負けるわけにはいかないねぃ) 咏「12000」 東2局 憧 110600 親 咏 237000 梢 41600 史織 10800 憧(高い打点ってことはそれなりの遅さのはず) 憧(それに隙も多い) 憧(そこを狙う!) 憧(っと、テンパイ) 憧(小三対々混老混一色ドラ2、三倍満) 憧(中が来れば役満……) 憧(これを三箇牧にぶつけたいけど……) 史織(これなら……)トン 憧(なんで出しちゃうのかなー……) 憧(早く終わるにこしたことはないけど) 憧(シズたちにも回したかったな) 憧「ロン、24000」 史織「えっ」 えり「中堅戦終了ー!」 えり「そして、二回戦第二試合終了ー!」 終局 三箇牧 237000 (+12000) 阿知賀 134600 (+24000) 劔谷 41600 越谷 -13200 (-36000) えり「中堅戦東2局、阿知賀の新子憧が越谷の水谷史織を飛ばし、終了」 えり「準決勝へ駒を進めたのは―――」 えり「2位とは10万点差をつけ、4位とは25万点差をつけた三箇牧高校」 えり「そして、先鋒戦で大失点するも、次鋒戦で役満2回、倍満1回を和了し、中堅戦で三倍満を和了して巻き返した、阿知賀女子学院の二校です」 えり「戒能プロから見て、この中堅戦どうだったでしょうか?」 良子「越谷は、まあ運が悪かったとしかいいようがないな」 良子「不要牌はどれも他家のアガリ牌だったし」 良子「劔谷は倍満、三箇牧は数え役満の手をテンパイしていたのだから」 良子「何を切っても飛んでいた」 良子「三戦ともおかしな試合だったな」 えり「準決勝は明後日、7日目に行われます」 ―――――――――――――――――― 梢「多くの失点をして、1年生に回すことができなかった不甲斐ない上級生を代表して……謝罪します」 莉子「いえいえそんな!」 友香「部長は悪くないんでー!」 澄子「ですよね、私が悪いんですよね」ウワーン 美幸「あ、あんなのしょうがないよもー」 ―――――――――――――――――― 郁乃「戻ったで~ってあれ、もう終わってもうったん?」 憩「ええ、まあ……」 エイスリン「デバンナカッター!」ウワーン 咏「ごめん、ごめんってば!」 照「焼きプリンおいし」 ―――――――――――――――――― 憧「みんな、ごめん!」 穏乃「ちょっ、なんでアコが謝るんだよ?」 憧「だって、アラタとシズに回せなかったし……」 灼「別にそんなのいいから」 穏乃「そうだよ!準決勝進出!ベスト8なんだから!」 憧「二人とも……」 晴絵「でも、このままじゃダメなのは確かだな」 宥「次の相手は……」 晴絵「白糸台、あの宮永照の古巣だ」 晴絵「ここも手強い、流石に三箇牧が予想外すぎたけど」 晴絵「とにかく、浮かれてばっかじゃいられない」 晴絵「かといって沈んでばかりなのもダメだ」 玄「でも、あんな人たち相手にどうすれば……」 晴絵「私に1つ案がある」 晴絵「明日は練習試合をするぞ」 憧「練習試合って……どこと?」 晴絵「北大阪の2位……元関西最強……」 晴絵「千里山女子とだ!」 京太郎「二回戦勝利、準決勝進出、か」 京太郎「俺も頑張らないと」フンス 京太郎「次は明後日、白糸台と新道寺」 京太郎「決勝まで行けばいいな」 夜 京太郎「今日も外食行くか」 京太郎「竜華さんと怜さんも誘ってみよう」 京太郎「というわけで、行きましょうよ!」 竜華「いや、どういうわけやねん」 京太郎「会場から帰ってくるときにおばちゃんがやってるおいしそうな定食屋を見つけたんですよ!」 怜「せやから、それがどうして私たちを誘うわけになるんや」 京太郎「行ーきーまーしょーうーよー」 竜華「っていうかもう着いたっぽいんやけど」 怜「オンボロやなぁ」 京太郎「年季が入ってる、と言いましょう」 ガララ 叔母「久しぶりだね、京太郎」 京太郎「うん、おばちゃん!」 怜「おばちゃん…って」 竜華「ホンマもんの叔母ちゃんかいな!」 叔母「元気だったかい?」 京太郎「おう、もちろんだ!」 咲「あれ、京ちゃん?」 怜「京……」 竜華「ちゃん……?」 京太郎「よお、咲、久しぶりだな」 お品書き 東北寄せ集め定食 地元定食 信州そば定食 関西定食 九州ラーメン定食 京太郎「じゃあ俺関西定食で!」 怜「ほな私も同じので」 竜華「ウチもお願いしますー!」 叔母「元気だねぇ、じゃあちょっと待っててね」 怜竜「「はーい!」」 咲「……へぇ、モモちゃんの言う通りだったんだ」 京太郎「モモが何だって?」 咲「京ちゃんが夜な夜な女の子連れまわしてるって」 京太郎「してねえよ!」 叔母「京太郎もお盛んなんだねぇ、「俺、叔母ちゃんと結婚する!」って言ってたのが懐かしいわぁ」 京太郎「子どもの戯言だから!」 咲「…そういえば、京ちゃんの学校準決勝まで行ったんだってね」 京太郎「圧勝だったぜ!」 竜華「なあなあ京くん、その子も幼馴染なん?」 咲「はい、宮永咲っていいます」 怜「宮永ってことは、宮永さんの親族とかなんか?」 咲「妹です」 竜華「へぇ~、高校は?」 咲「清澄です」 怜「清澄言うたら明日愛宕さんとこと当たるとこやな」 竜華「そうなん?」 咲「はい」 竜華「ほなお姉ちゃん咲ちゃんが可愛いから応援するわー!」 怜「竜華、言うてることがおっさんみたいやで」 咲「は、はあ……ありがとうございます」 咲「京ちゃん!関西の人ってこんなのばっかりなの?」ボソボソ 京太郎「俺にもわからん」ボソボソ 【5日目】終 【インターハイ 6日目】 京太郎「明日が準決勝、今朝は咲たちの試合があるのか」 京太郎「何をしよう」 京太郎「じゃあ今日は試合見に行くか」 京太郎「竜華さんも行きませんか?」 竜華「今日はちょっと予定があるんや、ごめんな」 京太郎「いえ、いいですよ」 京太郎「じゃあ俺もう行きますね」 竜華「行ってらっしゃーい」 ――――――――――――――――― 京太郎「二回戦第三試合の対戦校は……」 京太郎「鹿児島代表、第3シード永水女子―――神代さんたちのところ」 京太郎「岩手代表宮守」 京太郎「南大阪代表、姫松―――真瀬さんたちのところ」 京太郎「長野代表、清澄か」 京太郎「観覧席も取れたし」 京太郎「観戦開始だ」 【先鋒戦】 京太郎「先鋒の4人は……」 京太郎「宮守は小瀬川さん、永水は神代さん、清澄は片岡さん」 京太郎「知り合いばかりじゃないか、たまげたなぁ」 京太郎「姫松は上重さん、か」 京太郎「片岡さんと小瀬川さんは打ったことがあるけど」 京太郎「神代さんはどんな打ち方をするんだろう……」 「先鋒戦開始ー!」 「先鋒戦終了ー!」 京太郎「神代さん、急に人が変わったみたいになったけど、あれも霞さんのいう神様の力なのかな……」 京太郎「片岡さんは序盤の火力が凄かったな」 京太郎「小瀬川さんが区間1位…実は凄い人なのか」 【次鋒戦】 京太郎「次鋒戦、姫松は真瀬さん」 京太郎「清澄はモモ、永水は狩宿さん、かりじゅくって読むのか」 京太郎「宮守は……みなみうら?いや、南浦さんか」 京太郎「ん?南浦ってプロにもいたような……」 「次鋒戦開始ー!」 「次鋒戦終了ー!」 京太郎「真瀬さんはちゃっかり+、宮守の人は後半凄かったけどモモに引っかけられてたな……」 京太郎「モモってやっぱり凄いやつだな……」 【中堅戦】 京太郎「中堅は…」 京太郎「清澄は竹井さん、永水は滝見さん」 京太郎「宮守の鹿倉さんって、本当に高三なのか?」 京太郎「姫松は洋榎さんか……」 京太郎「はてさてどうなることやら」 「中堅戦開始ー!」 「中堅戦終了ー!」 京太郎「竹井さん、凄かったけど」 京太郎「それ以上に洋榎さんの勢いが凄かったな……」 【副将戦】 京太郎「副将は清澄からは原村さん、姫松からは絹恵さん」 京太郎「宮守は臼沢さん、永水からは薄墨さん」 京太郎「薄墨さん、あんな服で大丈夫なのかな」 「副将戦開始ー!」 「副将戦終了ー!」 京太郎「薄墨さんの四喜和は……耐性ついちゃったからかあんまり驚かないな……」 京太郎「原村さんは上手かったな……」 【大将戦】 京太郎「最後の大詰め大将戦か」 京太郎「清澄は咲、宮守からは姉帯さん」 京太郎「姫松は末原さんで、永水は藤原さんか」 京太郎「姉帯さんやっぱり背高いなぁ」 京太郎「鹿倉さんといい、薄墨さんといい、変な身長の人が多い気がする……」 「大将戦、開始!」 「大将戦、終了!」 京太郎「姉帯さん、泣いてたな……」 京太郎「咲はなんか変な感じだったし」 京太郎「前半和了ってた人の勢いが後半になって急に衰えてたのは、なんだったんだろう」 京太郎「テンパイすらできてなかったみたいだし……」 京太郎「これでBブロックの準決勝進出二校は清澄と姫松に決まったのか」 京太郎「さてと、会場少しぶらついてから帰るか」 京太郎「でも、見ごたえのある試合だったな」ガコン 京太郎「夏はやっぱり夏みかんゼリージュースだよな」フリフリ 京太郎「ん?」 豊音「うぇええん」 京太郎「姉帯さん……悔しかったんだろうな」 京太郎「……そうだ」 京太郎「もう1個」ガコン ―――――――――――――――― 豊音「ぐすっ、ぐすっ」 塞「トヨネ、ここにいたんだ」 塞「みんな待ってるよ」 豊音「会わせる顔がないよ、ひぐっ」 塞「誰もトヨネを責めたりしないから、さ」 豊音「うっ、うん……」 塞「あれ?そのジュースは何?」 豊音「ジュース?」 ――――――――――――――――― 京太郎「あ、野口さん一人になっちゃった」 京太郎「そろそろ帰るかなーっと」 「あ、あのートイレってどこかわかります?」 京太郎「トイレでしたら……って洋榎さんじゃないですか」 洋榎「久しぶりやな!」 洋榎「ここにおるってことは見たんやろ?」 京太郎「何をですか?」 洋榎「ウチの活躍」ドヤァ 京太郎「あーはいはい」 絹恵「お姉ちゃん、監督呼んどったで」 絹恵「って、須賀くん?」 京太郎「どうも」 洋榎「ウチらの試合見とったんやて」 絹恵「ほんま?」 京太郎「はい、いい試合でしたよ」 絹恵「そかそか、良かったぁ」 洋榎「須賀のとこは三箇牧やったな」 洋榎「決勝で潰したるわ、このウチがな!」 京太郎「はいはい、待ってますよ」 絹恵「おお、すっごい冷静」 絹恵「それどころやなかった、ほら、お姉ちゃん行くで」 洋榎「ほな須賀じゃあな~」 絹恵「ばいばい」 京太郎「はい、さようなら~」 京太郎「飯食って一旦帰るか」 京太郎「でも金少ないんだよな、どうしよ」 京太郎「100円あったらマックに行こう!」 由子「あ、須賀くんなのよー」 京太郎「真瀬さん、部活の方はいいんですか?」 由子「昼食は各自で、ってなったのよー」 京太郎「じゃあ俺と食べませんか?」 由子「了解なのよー」 京太郎「ビッグマック2つって結構食べますね」 由子「これが本当のビッグマウスなのよー」アハハ 由子「そういう京ちゃんはハンバーガー1つで足りるのよー?」 京太郎「あれ、今何て?」 由子「京ちゃんって……ダメ?」 由子「この前モモちゃんが言うてたから真似してみたんやけど」 京太郎「あ、いや、いいですよ」 京太郎「金欠ですから、少し節約を、と思いまして」 由子「それは大変なのよー」 由子「それなら、はい」 京太郎「ポテト、Lサイズまるごとなんていいんですか?」 由子「困った人の窮地を助けるのが」 由子「先輩ってものなのよー」ポンポン 京太郎「真瀬さん!」 由子「由子でいいのよー」 京太郎「由子さん!ありがとうございます!」 由子「少し目が恐いのよー」 午後 京太郎「対策の時間でい!」 京太郎「げっへっへ、今日は誰を対策してやろうかぁ」 京太郎「…………」 京太郎「新道寺、白糸台、阿知賀の対策をするか」 京太郎「それとも勝った気で清澄とか姫松の対策をするか」 京太郎「誰にしよう」 京太郎「照、菫さんの弱点とかってわからないか?」 照「また対策?」 京太郎「みんなの力になりたいからな!」 照「弱点か……わからないな」 照「菫にクセとかあったかな……」ウーン 京太郎「さてと、二回戦の映像と牌譜は……」 京太郎「…………」ジーッ 京太郎「あれ、ここの待ちおかしくないか?」 京太郎「でもその後には和了ってる」 京太郎「まるでその人がその牌を切るのがわかっていたかのように……」 京太郎「前打ったときにもそんなことがあったな……」 京太郎「じゃあ和了る相手を狙える?」 京太郎「次は映像を見てみるか……」 ――――――――――――――――― 京太郎「あれ、今、腕と目が……もう1回」 京太郎「やっぱり少し動いてるな」 京太郎「そうか、そういうことだったのか!」 京太郎「あー目が痛いー」 京太郎「疲れたー」 京太郎「メールでもするか」 京太郎「誰に送ろう」 京太郎「姉帯さんにしよう」 京太郎「そういえば、あのジュース気づいてくれたかな」 京太郎「よし」 京太郎『ジュースおいしかったですか?』 竜華「ただいまー」 京太郎「お帰りなさい」 竜華「ふふっ、みんな明日はびっくりするで!」 京太郎「どうしてですか?」 竜華「秘密や!」 竜華「シャワー先浴びるでー」 京太郎「どうぞー」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「あ、返ってきた」 豊音『ど、どうしてそのことを知ってるのー?』 京太郎「ううむ」 京太郎「ここで「俺が置いておきました!」っていうと、なんか優しぶってる感がして嫌なんだよな……」 京太郎「どうしよう」 京太郎『エスパー須賀です』 京太郎「こうやって考えすぎてるから友達できないのかもな、送信っと」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「返信早っ!」 豊音『あ、そうなんだーじゃあ今度やってみせてよ!メンタ』 豊音『リズムっていうの!』 豊音『頑張ってやってみせて!』 豊音『東京にいるときに』 豊音『ね?』 京太郎「出来ないけど……まあいっか」 京太郎『期待してくださいね、おやすみなさい』 京太郎「さて、寝るか」 竜華「あれ、シャワー浴びないん?」 京太郎「あ、そうでしたね……って竜華さん!?」 竜華「な、なんや」 竜華「今日はバスタオルやなくてバスローブやで」 京太郎「それもダメですって!」 【6日目】終 【インターハイ 7日目】 京太郎「いよいよ準決勝!」 京太郎「楽しみすぎて5時に起きてしまったぜ!」 京太郎「試合は9時からだけど、どうするかな」 京太郎「会場に行くか」 【会場前】 京太郎「開館は8時だからまだ開いてないよな」 京太郎「今7時だし、何やってんだろう」 京太郎「あれ、なんで列ができてるんだ?」 「インターハイ準決勝観覧席入場の列の最後尾はここです」 京太郎「これ、俺たちの試合を見に来た人たちの列なのか」 京太郎「なんだか滾ってきたぞ!」 京太郎「準決勝頑張るぞ!」 京太郎「俺たちの戦いはこれからだ!」 【対局室】 照(準決勝、やえと昨日の人、松実さんが相手か)ペラッ 照(気は、抜けないな)パタッ やえ「お待たせ!」 照「待ってない」 玄(宮永さんは元白糸台だったんだよね、この人と何かあったのかな?) 煌「みなさんおそろいですね、すばらです!」 煌「真打は後から登場するって!」 煌「小走さんには2回戦でボッコボコ……とまでではないほどにやられたけど」 煌「なんにせよ今日の日は負けませんよ?」 開局 親 玄 100000 照 100000 やえ 100000 煌 100000 煌(この面子相手に早速テンパイ…すばらです) 煌(ですが、ドラが無いのがすばらくないですね) 煌(阿知賀の松実さん、ですか) 煌(まあ真っ直ぐいきましょう!) 煌「ロン、5200!」 煌「すばらです!」 玄「はいぃ」 照「…………」 【照魔鏡】発動!ゴッ 玄「!」ゾクッ 玄(また……) やえ(来たか……) やえ(テンパイできなかったのが痛すぎたな) やえ(だが、私はお前を超えてみせる) 煌(変な感じがしますねぇ) 照「……」 東2局 玄 94800 親 照 100000 やえ 100000 煌 105200 全員ノーテンのため、流局 照(親なのにテンパイできないとはこれいかに……うむむ) 京太郎「照が張れてない!?」 霞「調子が悪いのかしら」 咏「でも、このままズルズルいったらまずいんじゃねーの?」 憩「せやな、小走さんは照ちゃんのこと知っとるやろうし」 郁乃「あの子はちょ~っと恐いからな~」 東3局1本場 玄 94800 照 100000 親 やえ 100000 煌 105200 やえ(まだ、アレは使わないでおこう) やえ(張ってるのは私と新道寺) やえ(リーチをする必要はない) やえ(時に手堅く、時に大胆、それが王者というものだ)トン 煌「あ、それロンです」 煌「高目なので跳満、12300ですばらです!」 やえ「なっ……!」 照(アカン、これはアカン) 東4局 玄 94800 照 100000 やえ 87700 親 煌 117500 煌(すばら!この調子でリードを作りましょう!)トン 照「ポン」 やえ(ようやくか) 玄(なんでいつもテンパイできないのぉ……) 照「ロン、1000」 南1局 親 玄 93800 照 101000 やえ 87700 煌 117500 照「ロン、2000」 恒子「ついに始まるのかチャンピオン宮永照の連荘!」 健夜「二回戦で見せたあの勢いはどこへ行ったのでしょうか」 恒子「そう?3連続ノーテンなんて誰でもあるけど」 健夜「宮永選手は今までそんな連続ノーテンなんてなかったんですよ」 健夜「ただでさえ打点が低いのに南場から稼ぎ始めるとなると、少し不安が生じますね」 南2局 玄 91800 親 照 103000 やえ 87700 煌 117500 照「ロン、5800」 玄(この前よりも点棒は残ってる) 玄(まだまだ頑張るのです!) やえ(もうちょい様子見しとくか……) 南2局1本場 玄 86000 親 照 108800 やえ 87700 煌 117500 同コンマのため、流局 照(よし、いい調子) 照(このまま……) 照「テンパイ」 やえ「ノーテン」 煌「ノーテン」 玄「ノーテン」 照(嘘だろおい) 南2局2本場 玄 85000 照 111800 親 やえ 86700 煌 116500 やえ(うぐぐ、テンパイできない) 煌(あちゃーもう勢い尽きましたかー) 煌(すばらくないですねー) 玄(やっとテンパイ、これは和了らないとね!)トン 照「ロン、1600」 南2局3本場 玄 82900 親 照 113900 やえ 86700 煌 116500 照「ロン、3800」 玄「はい……」 玄(宮永さんの親で流局して、連荘開始) 玄(また、二回戦みたいに……) 玄(いやいや!)ブンブン 玄(そうはいかないのです!) 煌(まくられましたがすばらっ!) 煌(張り合って見せますよ~) やえ(阿知賀、新道寺、三箇牧) やえ(私も、負けるわけにはいかないな) 南2局4本場 玄 79100 親 照 117600 やえ 86700 煌 116500 やえ(テンパイできず……懐かしいな) やえ(この支配、圧倒的なお前) やえ(これを東場から見せてくれていたらな) やえ(やはり、楽しい) 照「ツモ、2400オール」 南2局5本場 玄 76700 親 照 124800 やえ 84300 煌 114100 照「ツモ、3100オール」 恒子「ついに始まってしまったチャンピオン宮永の連荘第二部!」 恒子「二回戦同様他校を圧倒し続けるのか!」 恒子「そして予想を外したすこやんのしょんぼり顔!カメラさん、アップで!」 健夜「見えないよね!解説だから顔見えないよね!?」 南2局6本場 玄 73600 親 照 134100 やえ 81200 煌 111000 照「ロン、11400」 郁乃「もういつも通りの照ちゃんやな~」 エイスリン「ユダンタイテキ!」 エイスリン「ユダンハキンモツ!」 憩「キン……モツ……」 南2局7本場 玄 62200 親 照 145500 やえ 81200 煌 111000 やえ(ようやくテンパイ、それじゃあ) やえ(お見せしよう!) やえ「リーチ!」 やえ(王者の打ち筋を!) 玄(小走さんのリーチ……!) 玄(小走さんがリーチをした後、同卓者のうちの一人だけムダヅモが無くなる) 玄(手が早く進む、って赤土先生が言ってた) 玄(その一人って……) やえ(阿知賀は確か二回戦次鋒戦での収支がずば抜けていた) やえ(菫でも抑えきれるとは思うが) やえ(叩いておく!) 玄「リーチ!」 やえ(なんでいつも私が狙おうとした人から追いかけられるんだろうな……)トン 照(やえ、前から変わったんだね) 照(でもどうやら……) 玄「ロン!」 照(恵まれてはいないみたいだ) やえ「なっ……!」 玄「リーチ一発ドラ8、裏2」 玄「34100です!」フンス 照(おっぱいも……) 南3局 玄 96300 照 145500 親 やえ 47100 煌 111000 煌(数え役満とは、実にすばらです!) 煌(私もあやかりたいものですね)トン 照「ロン、1000」 煌「すばっ!」 オーラス 玄 96300 照 146500 やえ 47100 親 煌 110000 やえ(役満直撃されて反撃できず、か) やえ(菫たちに顔向けできないな……) やえ(お菓子でも買いに行くか)トン 煌(オーラス、ノーテン……ここまででしたか) 煌(捨て駒以上の働きをしましたよ!) 煌(後は後ろの人たちに任せましょう)トン 玄(点棒取られちゃったけど、そのぶん取り返したよ!) 玄(みんなで決勝まで行かないとだからね!)トン 照(おおよそ5万点、このくらいがベストなのかな、みんなのために) 照(……みんなのため) 照「ツモ、500・1000」 終局 三箇牧 148500 (+48500) 新道寺 109000 (+9000) 阿知賀 95800 (-4200) 白糸台 46700 (-53300) 恒子「先鋒戦終了ー!」 恒子「現在トップはやはりチャンピオン宮永照!」 健夜「微妙な立ち上がりでしたが、中々の収支であったと思います」 恒子「続いて新道寺の花田煌が健闘し、現在2位!」 健夜「調子が良かったのでしょう」 恒子「3位は阿知賀!大量失点をするも数え役満を和了りました!」 健夜「当てられた小走選手は打点こそ高いですが注意力不足でしたね」 恒子「そして4位は意外にも白糸台でした!」 恒子「白熱の準決勝、休憩後に次鋒戦スタートです!」 京太郎「さてと、どっか行ってくるか」 京太郎「トイレに行っておこう」タッタッ 煌「すばすばす~ばら、すばら♪」 京太郎「あ、花田さん」 煌「おやおや、須賀くんではありませんか」 煌「今の試合、どうでしたか?」ニコニコ 京太郎「あの跳満良かったですね!すご……」ピトッ 煌「すばら、です」 京太郎「すばらでした!」 煌「いやぁ、面と向かってそう言われると照れますねぇ」 煌「そういえば、須賀くんは三箇牧でしたね」 煌「ここから先は、どちらが勝っても恨みっこなしですよ」スッ 京太郎「それはこっちの台詞です」ニギッ 煌「ふふっ、それではまた会いましょうね!」 京太郎「はい!」 煌「すば~らすばすばすばらっとっすばら~♪」 京太郎「何だか元気そうだったな」 ピンポンパンポーン 「間もなく次鋒戦が始まります、各選手は対局室へ向かってください」 ピンポンパンポーン 京太郎「やばっ、急がなきゃ!」 【対局室】 宥(玄ちゃん、頑張ってたから) 宥(お姉ちゃんも頑張るよ)ギュッ 菫(こいつが阿知賀の次鋒、松実宥か) 菫「…………」ギロッ 宥「はうっ」ブルブル 美子(なしてマフラーば着けよっと?睨んどっと?) 郁乃「遅れてごめんな~」 郁乃「ほな、始めよか~」 開局 親 宥 95800 郁乃 148500 菫 46700 美子 109000 美子(二回戦ときば打ち方しとったらまたあん人に射抜かれる) 美子(花田が作ったリードば広げる、そいがウチの役目) 菫(三箇牧……一度も卓に入っていなかったが) 菫(射抜いてみるか) 菫(テンパイしたら)トン 美子「ロン、1000です」 東2局 宥 95800 親 郁乃 148500 菫 45700 美子 110000 同コンマのため、流局 菫(阿知賀と三箇牧が張ったか……) 菫(完全に出遅れたな) 美子(テンパイ無理そう) 美子(オリやな) 東2局1本場 宥 97300 (+1500) 親 郁乃 150000 (+1500) 菫 44200 (-2500) 美子 108500 (-500) 同コンマのため、流局 京太郎「また流局ですか」 照「ただいま」 エイスリン「テルオカエリー!」 咏「お疲れさまだぜぃ」 照「お菓子買ってきた」 憩「お、この蒸しケーキおいしそうやな、もらっていい?」 照「うん」 咏「じゃあ私は抹茶ケーキ」 エイスリン「イチゴ!」 京太郎「俺は焼きプリンもらうな」 照「それはダメ」 東2局2本場 宥 98800 (+3000) 親 郁乃 151500 (+3000) 菫 42700 (-4000) 美子 107000 (-2000) やえ「ただいまー……」 淡「やえ先輩おかえりなさーい」 誠子「お疲れ様サマです!」 尭深「お茶、淹れましょうか?」 やえ「いや、帰りがけに買ってきたからいい」 やえ「菫はどんな感じだ?」 誠子「始まってからずっとテンパイしてません」 やえ「まだ東2局か」 淡「ちゃっちゃと回ってくるといいなー」 郁乃「ロン、12000の2本場は~ドゥルルルルルル」 菫「早くしろ」 郁乃「12600や~」 郁乃「も~そんな怒らんといてや~」 東2局3本場 宥 98800 (+3000) 親 郁乃 164100 (+15600) 菫 30100 (-16600) 美子 107000 (-2000) 郁乃(配牌国士一向聴か~) 郁乃(めんどくさいから流そかな~)スチャ 手牌:一九①①⑨19東南北白發 ツモ:西 郁乃(張っちゃった~) 郁乃(中待ちやけど、まあええわ……) 菫(早く取り返さなくては)トン 郁乃(この子から和了ったら終わってまうやん~) 郁乃(見逃そかな……あ、中ってたしか~) 宥(中が3枚……よし) 郁乃(流しでええか……) 東2局4本場 宥 99800 (+4000) 親 郁乃 165100 (+16600) 菫 27100 (-19600) 美子 108000 (-1000) 菫(やっと張れた……よし) 菫(標的は、三箇牧)ギュッ 郁乃(あ~これが京太郎くんの言っとったやつか~) 宥(手が動いた……) 宥(三箇牧の人……)トン 郁乃「ロン、7000やで」 宥「ははい!」 東2局5本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 172100 (+23600) 菫 27100 (-19600) 美子 108000 (-1000) 郁乃「ツモ、2500オール」 恒子「三箇牧の赤阪止まらないー!」 恒子「チャンピオン宮永にも劣らぬ勢い!果たして誰が止めるのか!」 健夜「姫松の赤阪元監督代行の妹さんですか、彼女はところどころ不思議な人物ですね」 健夜「まるで場の流れを操っているかのように立ち回るように思えます」 健夜「姉の郁乃さんと似た打ち筋ですね」 京太郎(まあ、本人ですし) 霞(しょうがないわよね……) 東2局6本場 宥 90300 (-5500) 親 郁乃 179600 (+31100) 菫 24600 (-22100) 美子 105500 (-3500) 同コンマのため、流局 東2局7本場 宥 91300 (-4500) 親 郁乃 180600 (+32100) 菫 21600 (-22100) 美子 106500 (-2500) 同コンマのため、流局 淡「また流局なのー?」 誠子「まあそういうときもあるだろ」 やえ「菫……」 尭深(このくらい長引いたら楽そうだな……)ズズッ 東2局8本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 182100 (+33600) 菫 20100 (-23600) 美子 105000 (-4000) 郁乃「ロン、8200や~」 菫「……くっ」グスッ 菫(なぜ、射抜けないんだ) 郁乃(段々可哀そうになってきたな~) 郁乃(トバれても困るし~う~ん……) 東2局9本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 190300 (+41800) 菫 11900 (-31800) 美子 105000 (-4000) 菫(ツモ……射抜けなかったが、これでいい) 菫(これで、精一杯だ)ギリッ 菫「ツモ、2200・3500」 菫(すまない、みんな) 東3局 宥 90600 (-5200) 郁乃 186800 (+38300) 親 菫 19800 (-23900) 美子 102800 (-6200) 菫(今度こそ)ギシッ 郁乃(弘世ちゃん戻っちゃったみたいやな~) 郁乃(さて、と) 郁乃「ツモ、2000・4000」 東4局 宥 88600 (-7200) 郁乃 194800 (+46300) 菫 15800 (-27900) 親 美子 100800 (-8200) 郁乃「ツモ~1600・3200やで~」 宥(この人……ずっと笑ってるけど) 宥(あったかくない) 菫(まだだ、まだいけるだろ私!) 美子(なんやこの邪魔されとるような感覚) 美子(準決勝、やっぱり厳しか) 南1局 親 宥 87000 (-8800) 郁乃 201200 (+52700) 菫 14200 (-29500) 美子 97600 (-11400) 菫(張った……) 菫(射抜くなら三箇牧、と思っていたが) 菫(作戦変更、新道寺と阿知賀を平らにして尭深たちに回す) 菫(だからまずは……)ギシッ 菫(新道寺) 美子(狙われとっとですか……) 美子(少し、遠回りを)トン 菫(よし!) 菫「ロン、6400」 美子「……はい」 美子(ダメですか……) 南2局 宥 87000 (-8800) 親 郁乃 201200 (+52700) 菫 20600 (-23100) 美子 91200 (-17800) 菫(張れた!) 菫(一気にいくぞ!) 菫「ツモ!6000・12000!」 菫(失点は取り返した) 菫(できるじゃないか私!) 菫(勝てる……勝てるんだ!) 南3局 宥 81000 (-2800) 郁乃 189200 (+40700) 親 菫 44600 (+900) 美子 85200 (-11800) 菫(張れた……) 菫(次に狙うは……阿知賀!)ギシッ 美子(阿知賀の人が狙われた、こん隙を撃つ!) 菫(……)トン 美子「ロン、8000」 菫「なにっ!?」 オーラス 宥 81000 (-2800) 郁乃 189200 (+40700) 菫 36600 (-7100) 親 美子 93200 (-3800) 菫(配牌よし、ツモよし) 菫(万全、次は三箇牧を……)ギシッ 郁乃(ちょいと気ぃ回しすぎたかな~?) 郁乃(まあ、これで全部チャラや~) 郁乃「ツモ~6000・12000」 郁乃「これにて終了~」 次鋒戦終了 三箇牧 213200 (+64700) 新道寺 81200 (-27800) 阿知賀 75000 (-20800) 白糸台 30600 (-16100) 恒子「準決勝次鋒戦やっと終了ー!」 恒子「序盤、三箇牧の赤阪郁代が宮永の作ったリードをさらに広げるも、白糸台の弘世菫が反撃!」 恒子「収支をなんとか+にするも新道寺の安河内美子に直撃され再び-に!」 恒子「そして赤阪が三倍満をツモりオーラスを制しました!」 恒子「まさに二極の魔王!白糸台は反撃することができるのか!?」 京太郎「これまた長かったですね……」 照「流局多い」 咏「さーてと、次はまたあのガキとかぃ」 エイスリン「アタラシサン!」 咏「そそ、あの生意気なやつな」 憩(咏ちゃんの方が子供っぽいんやけどな……) 咏「じゃ、行ってくるねぃ~」 憩「行ってらっしゃ~い」 京太郎「じゃあ俺も少し出てきます」 「中堅戦開始ー!」 京太郎「あっ、速く帰らないと!」 ドシーン! 菫「いっ……」 京太郎「すみません、立てますか?」 菫「お構いなく、大丈夫で……す」 京太郎「弘世……さん?」 菫「三箇牧の次鋒にはやられたよ」 菫「不甲斐ないよな、私」 京太郎「でも、中盤の追い上げは凄かったじゃないですか!」 菫「その前に私は飛ばされていたんだぞ!」 菫「飛ばされるはずだったんだ、控室からも見ていただろう」 菫「国士見逃し」 京太郎「……気づいていたんですか」 菫「開いたときはチャンタになっていたがな、誰でも気づくさ」 菫「私は生かされていたんだ、白糸台の部長ともあろう私が」 菫「部員たちに……っ、淡や亦野や尭深にっ、やえに会わせる顔が無い……っ」グスッ 京太郎「……今は、誰も見てないですから」ナデナデ 菫「うっ……うぐっ……」ポロポロ ――――――――――――― 憧「一昨日の2回戦ではどうも」ジッ 咏「覚えててくれたみたいで何よりだねぃ~」ジッ 尭深(三尋木さんの和服可愛いな……) 尭深(私も今度は着て来ようかな)ズズッ 開局 親 仁美 81200 尭深 30600 憧 75000 咏 213200 同コンマのため、流局 淡「スミレ先輩戻ってこないですねー」 やえ「あいつは気負いすぎるところがあるからな」 誠子「迎えに行ってきます!」 やえ「いや、一人にしておけ」 誠子「はい……」 東1局一本場 親 仁美 82200 尭深 27600 憧 76000 咏 214200 憧(早速一本場しちゃったか~) 憧(さっさと流さないと) 憧「ポン!」 憧(後がつっかえる) 憧(それにこのちっこいのも抑えてないと……) 憧「ロン!1300!」 憧(疲れるわ、これ) 東2局 仁美 82200 親 尭深 27600 憧 77300 咏 212900 憧「ロン!5200!」 咏「うげっ」 憧(できれば新道寺も削っておきたいけど) 咏「良いことないねぃ~」 憧(このチビから削るのがベスト!) 東3局 仁美 82200 尭深 27600 親 憧 82500 咏 207700 憧(ノーテンで流局直行!) 憧(これで最後!)トン 咏「ロン、12000」 咏「ダメだぜぃ~ちゃんと注意しなきゃ」 憧(むかつくな~こいつ)イライラ 尭深(続かない……) 東4局 仁美 82200 尭深 27600 憧 70500 親 咏 219700 憧「ロン!1000!」 咏「またかよぉ……」 憧「鳴いてるんだからもっと注意しなきゃダメじゃない」 咏「むっかー!お前後で覚えとけよな!」 仁美(和了れん……なんもかんも政治が悪い……) 南1局 親 仁美 82200 尭深 27600 憧 71500 咏 218700 憧「ツモ!3000・6000!」 仁美「おーやりますなー」 尭深(それ捲られて言う台詞?)ズズッ 憩「咏ちゃん全然和了っとらんね」 エイスリン「ヘイコウセン」 照「このまま何も無ければいいけど……」 郁乃「あれ?照ちゃん尭深ちゃんのこと知らんの~?」 照「打ったことは無い」 郁乃「おもろい子やから見といてみ~」 南2局 仁美 76200 親 尭深 24600 憧 83500 咏 215700 同コンマのため、流局 尭深「テンパイ」 憧「テンパイ」 咏「テンパイ」 仁美「ノーテン」 憧(また流局?) 菫「尭深は順調か?」 やえ「ああ、お帰り」 誠子「振り込むことなく仕込んで行ってます」 菫「そうか、順調か」 淡「このまま行けばいいですねー」 菫「そうだな、そうなってくれれば幸いだ」 南2局一本場 仁美 73200 親 尭深 25600 憧 84500 咏 216700 咏「ツモ!4100・8100!」 尭深「……はい」 尭深(あと、少し) 憧(また大きいのを!) 憧(でもオーラスで渋谷尭深が役満ツモれば今のはチャラになるのよね……) 憧(こうなったら和了りにいく!) 【対策 尭深】の効果が切れました 南3局 仁美 69100 尭深 17500 親 憧 80400 咏 233000 憧「ツモ、3200オール!」 憧(このままこのまま!) 咏(こいつぅ……) 穏乃「憧、すっごいなぁ」 晴絵「あ~あ、吹っ切れちゃったか」 灼「また飛ばしちゃうかも……」 晴絵「多分大丈夫でしょ、どっかで止まるさ」 南3局一本場 仁美 65900 尭深 14300 親 憧 90000 咏 229800 憧(うわっ、三倍満ツモっちゃった~) 憧(このままだと渋谷尭深が危ないし、シズたちにも回したい) 憧(よし、流そ) 憧(もったいないんだけどなぁ……) オーラス二本場 仁美 64900 尭深 13300 憧 89000 親 咏 232800 憧(ついに来た、オーラス……!) 咏(とっととあの一年から和了ってヤメるかねぃ) 仁美(テンパイ……ここは攻めに行くけん!) 尭深「……」ズズッ 憧(って、他の2人緊張感無さすぎ!) 憧(渋谷尭深のこれまでの一巡目の捨て牌は……) 憧(西白白中發中白發西一……大三元どころか字一色!?) 憧(やっぱりオリよね……) 咏(全然こねぇな……)トン 尭深「ロン、32600」 咏「うげっ」 咏「オーラスで振り込むとかマジかよ」 咏「はいよ」 咏「え!?役満!?」 尭深「は、はい」 咏「マジっすか……」 恒子「中堅戦終了ー!」 中堅戦終了 三箇牧 200200 (-13000) 阿知賀 89000 (+14000) 新道寺 64900 (-16300) 白糸台 45900 (+15300) 恒子「中堅戦決着!」 恒子「大きい和了りをするも振り込み続け失点した三箇牧は依然として1位!」 恒子「阿知賀は三箇牧から点を奪い続け2位浮上!」 恒子「そして新道寺は3位に転落」 恒子「白糸台はオーラスに役満を1位の三箇牧から和了り、巻き返しを図ります!」 憩「久しぶりのインターハイ!初めての団体戦!」 憩「行ってくるわ!」 エイスリン「イッテラッシャイ!」フリフリ 京太郎「頑張ってくださいね!」 憩「任しとき!」タッタッ 郁乃「でも咏ちゃんが削られるとはな~」 京太郎「点棒はいくらでもあるし、まだ大丈夫でしょう」 郁乃「せやな~」 京太郎「あ、俺少し出かけてきます」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1161.html
前話 次話 豊音「うわああああああん!ありがとうございましたああああ!!」 霞「お疲れ様でした」 恭子「あ、ありがとうございした」カタカタ 咲「ありがとうございました」ぺっこりん 照「……なるほど」 菫「……おい、なんだアレ。お前の家はどうなってるんだ」 淡「……すっごい!!大将だよね!ね!私がやれるの!?たっのしみー!!」 菫「ある意味頼もしいな……」 照「ん……お菓子買ってくる」 照(やっぱり、胸が大きくないの残したんだね……) 恭子「戻りました」 洋榎「お疲れさん」 恭子「1位やったのに2位で申し訳ないです」 洋榎「いや……あんなん相手によーやったわ」 漫「そうですよ!」 由子「アレはこっちで見ててもすごかったのよー」 恭子「ははは。あん時の宮永は……」カタカタカタカタ 絹恵「大丈夫ですか末原先輩!」 郁乃「……末原ちゃん、強くなりたい?」 恭子「……はい?」 巴「……お祓い、終わりました」 霞「ありがとう。大丈夫だった?」 春「いつもより準備してたから大丈夫」 初美「とんでもない相手でしたねー」 霞「ええ。正直、小蒔ちゃんや宮永照くらいじゃないとアレは相手できないわ」 小蒔「何か、すごいものを感じました。こう、執念というか、嫉妬というか」 巴(小蒔ちゃんもアレに近かったよね?)ヒソヒソ 春(というか同種っぽかった)ヒソヒソ 初美(いやいや、降ろしてる時の霞の方が…) 霞「初美ちゃんお蕎麦抜きね」 初美「また私!?」 霞「さ、食べましょう」 小蒔「時間、空いちゃいましたね」 霞「……それじゃみんなで海でもいきましょうか。少しくらいゆっくりしても大丈夫ですし」 春「海……いい」 初美「泳ぎならおまかせあれですー」 巴「中等部の明星ちゃん達も呼びましょうか」 小蒔「……楽しみですね」 霞「あ、そうそう。小蒔ちゃんのサインをお願いされてたの。書いてくれない?」 小蒔「あ、はい。分かりました」 豊音「ただいまー」 塞「トヨネ……」 豊音「サイン、いっぱいもらっちゃったよー」 胡桃「…………」 豊音「最後ちょー怖かったけど、ちょー楽しかったよー」 エイスリン「…………」 豊音「勝って、もっとみんなでお祭りに続けたかったよー」 白望「……お疲れ様、トヨネ」 豊音「うん、楽しかったよー……うあああああああん!!」 塞「私も、もっと、わあああああん!!」 胡桃「……ぐすっ」 エイスリン「トヨネエエエエエ!!」 白望「……うん、お疲れ様」涙目 トシ(参ったね……あんなのが出てくるなんて。さすがにどうしようもないよ) 霞「あのー、すいません。大丈夫ですか?」 小蒔「サイン、書いてきました」 豊音「神代さん!わざわざ来てくれるなんて……」 胡桃「あの……それは?」 小蒔「浮き輪です!」 胡桃「それは把握してます!」 小蒔「ちなみに下に水着も着てます!」 胡桃「なんで!?」 霞「個人戦まで間があるので、海にでも行こうという話になりまして。良かったら、ご一緒しませんか?」 エイスリン「ウミ…イイ!」 白望「……迷惑でないなら、ぜひ」 塞「ダルくないの!?」 トシ「あ、それなら個人戦出場選手同士は対局しないようにね」 塞・胡桃「確定!?」 郁乃「末原ちゃんが、なんであの試合で残れたか分かる?」 郁乃「それはな、胸が小さかったからや!やから、サラシ巻いてもっと胸を目立たなくするんや!!」 恭子「…………」ぺターン 恭子「ってアホかああああ!!」 恭子「なんなんですかこの訳分からん戦術は!?これ以上胸小さくしたら無くなりますわ!」 郁乃「でも~、宮永照ちゃんもさっきの宮永咲ちゃんも小さいで~」 洋榎「そーいや個人2位の荒川憩と3位の辻垣内智葉もあんま胸無かったような……」 由子「小鍛冶プロや三尋木プロもそうなのよー」 恭子「神代はでかいし、さっき相手した石戸霞とかおっぱいオバケでしたよ!そんなんありえませんわ!」 恭子「全く、せめてパッド入れるとかやったらまだしも……」サラシ取る 漫「……パッド、入れたいんですか?」 恭子「漫ちゃ~ん?額に乳って書くか?あ?この巨乳が!!」 郁乃「まあ、ここまでは半分冗談として」 絹恵「半分は本気やったんですか……」 郁乃「準決勝の為に呼んだわ~入ってきてや~」 良子「グッドモーニング」 恭子「戒能プロ!?」 洋榎「トッププロ……そしてKちゃんの時は世話になったわ……」 良子「ハハハ。毎晩抱いてますよ?」 漫「確かイタコで、名もなきファラオの力で天和したって」 絹恵「当然正位置ぃ!って叫んで国士無双したとか」 由子「傭兵でバイクと合体した機械相手に戦ったって聞いたのよー」 良子「ないない。ノーウェイノーウェイ。知り合いの話。元気かなーサティスファクション」 郁乃「宮永咲ちゃん見た」 良子「イエス。ありゃすっげーモンスターですね。ゴッドかサタンですよ」 郁乃「他にも凄い人呼んであるから、明日まで練習試合な~?」 郁乃「それとな、明後日は善野さんも見に来るらしいで~?」 恭子「善野監督が……」 恭子(そんなん負けられへんやん……後、サラシとか巻いてられんわ!!) 清澄、宿舎 久「良くやってくれたわね、咲」 咲「なんか、つい、やっちゃいました」 京太郎「つい、でアレか……やっぱすげーな咲」 咲「京ちゃん……えへへ」 久「それにしても姫松が残ったかー」 咲「あ、それなんですけど」 久「うん?」 咲「すいません、頑張ったんですけど、やっぱり強いとこが残っちゃいました」 まこ「強いって、どこも強かったぞ」 優希「おっぱいの巫女さんとかやばかったじぇ」 京太郎「ああ、あのおっぱいはやばかったな」 咲「む……」 和「確かに変な打ち方もありましたけど……」 咲「ええと。次は、ちょっと危ないかもしれません」 久「……靴下脱がなかったから楽勝だと思ってたわ」 咲「あっ……」 久(姫松か……ちょっとやっかいかもしれないわね) 京太郎「姫松か……先鋒と副将だな」 優希「ん?どういうことだ?」 和「私達に何か関係が…」 京太郎「先鋒と副将が、胸が大きかった!」 まこ「……優希。やってええぞ」 優希「おりゃあっ!!」飛び蹴り 京太郎「いってぇ!!」 和「全く須賀くんは……」 咲「やっぱり胸……」ゴッ 京太郎「咲-?咲さーん?なんか怖いの出すのはやめようぜー?」 咲「京ちゃんが胸ばっかり見なくなったらね?」 京太郎「無理だな」キリッ 咲「……京ちゃんの、馬鹿ー!」ビンタ 京太郎「ベふっ!!」 久「……大丈夫か。はいはい、準決勝は明後日だからゆっくり休みなさいよー」 久「あ、そうそう。テレビで2回戦のダイジェストやってるみたいだから、一応見ときなさいね」 えり「インターハイ、2回戦ダイジェストの時間です」 えり「この時間は2回戦をダイジェストで私、針生えりと」 咏「三尋木咏でお送りするぜぃ」 えり「では、2回戦第1試合から」 照「ツモ」ギュルルルル 煌「すばらっ!」 モブ1A(巨乳)「あはは……なにこれ」 モブ2A(巨乳)「もう、やだぁ……」 モブ1B「……」タン 菫「ロン」シャープシュート モブ1B「ぐはっ」 モブ2B「あわわわわ」カタカタ 美子「うう……」 尭深「……」タン モブ1C「……リーチ!」 モブ2C「……通れ!」 仁美「ロン!!」 モブ2C「ああ……」 誠子「ポン」 モブ1D「くっ」 哩「ツモ!」 モブ2D「辛い……」 淡「んー、ツモ」 モブ1E「あああ……」 モブ2E「次で……飛ぶ?」 姫子「……部長」 えり「なんというか、白糸台は圧倒的ですね」 咏「うーん、宮永照と大星淡がやっべーな」 咏「しかも、なんか隠してるっぽいわ」 えり「隠している?何をですか?」 咏「わっかんねーわー」フリフリ えり「この人は……」イラッ えり「続いて、2回戦第2試合です」 怜「……リーチ」 美幸「……もー」 玄「……うぅ」涙目 ソフィア「……くっ」 怜「……ツモ」 玄「あ、ありがとうございました……」涙目 美幸「お疲れっしたー……もー」 ソフィア「……しんどいわー」 澄子「…………」タン 花子「……手が伸びねー」タン 泉「…………」タン 宥「ロン」 泉「なっ!?」 憧「ポン!」 梢「…………」タン 憧「ロン!」 史織「はや~い」 梢「……はい」 セーラ「……ほー……やるなー」 友香「ツモ、でー!」 浩子「親倍……」 玉子「ちぇー……」 灼「また3位転落……」 莉子「…………」タン 穏乃「ロン!!」 竜華「!」 景子「!」 莉子「!?……あ、あぁ」カタカタ えり「千里山女子が圧倒的でしたが、阿知賀女子のオーラスでの逆転も凄かったですね」 咏「最後まで諦めないっつーのは大事だってこったねぃ」 えり「ですが、千里山にここまでの差をつけられた阿知賀女子が、明日の準決勝どこまでやれるでしょうか」 咏「いや知らんし」 えり「…………」イラッ 咏「ただまぁ、簡単には終わらんでしょ。ここまで来るような学校は」 えり「では、2回戦第3試合です」 小蒔「ロン」 優希「じぇ!?」 白望「……ダル」 漫「ぐ……」 まこ「ツモ」 洋榎「リーチや!」 春「…………」タン 洋榎「ロン!!」 春「!!」 久「……うわ」 洋榎「神代が稼いだからて、安心しとるんか?そんなんすぐ持ってくでー?」 春「……次」 胡桃「はい。ふるよー」 洋榎「う……うちがひっくり返すからな!」 胡桃「うるさい!関係ないことなら静かに!!」 洋榎「あ……ハイ」 和「ロン」 絹恵「は、はい!」 塞「そこかー」 初美「やるですねー」 霞「…………」タン 豊音 「…………」タン 恭子「…………」カタカタカタカタ 咲「……カン」ゴッ 咲「もいっこカン」ゴゴッ 咲「さらにカン!」ギュルルルル 咲「カン!!」ギュルルルルルルル えり「シードの永水女子、まさかの敗退でしたね」 咏「わっかんねーもんだねぃ。先鋒戦だけ見りゃ敗退するようなとこはなかったのにね」 えり「各校諦めず追い上げましたからね。特に清澄は凄かったです」 咏「インターミドルチャンピオンの原村も上手かったけど、大将とかものすっげーなー」 えり「宮永咲選手、ですね。宮永照選手と何か関係があると言われてますが、どうでしょうね」 咏「それこそわっかんねーわー。遺伝的に麻雀が強くなるとか知らんし。まあ、本人に聞けばいいんじゃね?答えるか知らんけど」 えり「では最後に2回戦第4試合の……」 京太郎「……照さんすげーな」 優希「わ、私があんなのとやるのか?……チェンジ!」 和「ゆーき、交代はできませんよ?そもそも交代できる人がいませんし」 咲「あはは。でも、昔より凄いなぁ……」 京太郎「昔はどうだったんだ?」 咲「んー……大抵お父さんが最下位で私が3位。で、お姉ちゃんとお母さんがトップ争い、って感じだったよ」 京太郎(昔の咲ってことは、プラマイ0だよな?つまり親父さんほとんどマイナスだったのか……) 京太郎(そういえば……) 咲父「そうか、咲が本格的に麻雀を……」 咲父「いや、娘の成長は喜ぶべきだよ、ははは……」 咲父「須賀くん、今度君も交えて3人で打たないか?」 咲父「ははは……最下位争いやろうぜー……」 京太郎(……苦労してたんだなぁ) 和「阿知賀?……玄さん!?」ガタッ まこ「いきなりどうしたんじゃ?」 和「私が昔、奈良に居た頃の友人です!」 久「阿知賀が?ひょっとしたら他の人も知り合い?……メンバー載ってるけど見る?」 和「はい!……みんなが、います」 優希「花田先輩もいるし、明日見に行くか?」 和「……ええ、行きましょう」 京太郎「俺も行くわ。結構知り合いがいたし」 久「あら?またひっかけたの?」 京太郎「たまたま知り合っただけですよ。えっと、千里山に新道寺、阿知賀の人達がそれぞれ何人かと。あ、照さんいるから白糸台もか」 久「明日の出場校全部じゃない」 まこ「お前って奴は……」 優希「この発情犬め……」 和「私の友人にまで……」 京太郎「誤解だって!」 咲「…………」ギュッ 京太郎「いてっ!咲、手つねるなよ」 咲「……ふんだ。京ちゃんのばーか」 コンビニ 京太郎「あの流れでコンビニまでお菓子のパシリになってしまった……」 京太郎「ただ知り合いなだけなのにな」 京太郎「それにしても、照さんすごかったな。なんというか、さすがチャンプというか、次元が違うっていうか…」 照「…………」ゴゴゴゴゴ 京太郎「…………」 京太郎(コンビニ入って5秒でお菓子を2つ持って真剣な顔ですごい威圧感を出してるチャンプ見付けた) 京太郎(しかもう○い棒とポテ○スナックって……) 菫「おい照。早くしろって」 照「待って」 菫「もう充分待ってるぞ」 照「……ここはめずらしい味のう○い棒にするか……生産中止が決まったポテ○スナックにするか……大事なところ」 菫「両方買えばいいだろ」 照「予算がもうギリギリ」 菫「……籠に入ってるお菓子ひとつ諦めればいいだろ」 照「これはどれも外せない」 菫「はぁ……周りが騒がしくなる前に決めろよ」 照「……悩む」 京太郎「なら、俺が片方買うんで照さんと分けるっていうのはどうですか?」 照「へ?」 菫「は?」 京太郎「あ、俺ポテ○スナックで。後は頼まれた…」 照「え、いや、ちょっと待って……なんで京ちゃんがここに?」 京太郎「いや、うちが泊まってるとこが近くなんで」 菫「……で、君がたまたま買い物に来たと」 京太郎「そうです。ええと、白糸台の部長の弘世菫さん、ですよね?」 菫「知っているのか?」 京太郎「今日やってた2回戦のダイジェスト見ましたから。すごいですね、あの狙い撃ちは」 菫「い、いや。私なんて照と比べたら大したことないさ」 京太郎「弘世さんには弘世さんの良さがありますよ。俺にとっては弘世さんだって大したことある人です」 菫「そ、そうか。真正面から褒められると照れるな……」 照「……菫ばっかり」ボソッ 京太郎「照さん?で、う○い棒はいいんですか?」 照「そうだった……じゃあ、これとこれとこれ。京ちゃんは?」 京太郎「俺は後は頼まれた分だけですからすぐです」 照「じゃ、そこの公園で分けよう」 京太郎「はい」 公園 京太郎「お待たせしました」 照「それじゃあう○い棒から」サクッ 照「…………」プルプルプルプル 菫「……どうした?」 照「あんまりおいしくなかった……」涙目 菫「むやみに新しいもの買うからだ」 京太郎「どれどれ、一口いいですか?」 照「うん。はい、あーん」 京太郎「あーん……これははずれですね」 照「やっぱりコーンポタージュがいい」 京太郎「いやいや、たこやきでしょう」 菫(こいつら自然とあーんから間接キスまでやってのけたぞ……しかもあの照が自然な笑顔とは……すごいな彼は) 京太郎「じゃ、ポテ○スナック開けますね」 照「うん」 京太郎「そういえば、2回戦のダイジェスト、照さんもすごかったですね?」 照「そう?いつものことだから」 京太郎「相手2人を飛ばす勢いだったじゃないですか。さすがチャンピオンですね」 照「むー……京ちゃんにその呼び方して欲しくない」 京太郎「言っただけですって。俺はチャンピオンになったとしても照さんって呼びますよ」 照「うん、そっちがいい」 京太郎「あ、でも3位と4位の子、胸は1位と2位だったな……」 照「…………」ギュッ 京太郎「あいてっ!……そこつねらないで下さいよ。さっき咲につねられたばっかなんですから」 照「いきなりそんなこと言う京ちゃんが悪い」 京太郎「そんなことも吹っ飛ぶくらい照さんがすごかったってことですって」 照「ふん」プイッ 京太郎「俺が悪かったですから。はい、ポテ○スナック」 照「……もらう」サクサク 京太郎「弘世さんもひとつどうですか?」 菫「そうだな、もらおうか。後、菫でいいぞ。照が世話になってたみたいだし」 京太郎「いやいや、昔からやってたことですから」 菫「私は今もだぞ?迷子探しとかこの高校生活で慣れてしまった」 京太郎「俺は現在進行形ですよ?探すのは咲ですけど」 菫「ああ、妹さんか……2回戦、照の妹だと実感したよ」 京太郎「俺も照さんがチャンピオンだって実感しましたよ。よく迷子になってのに」 照「……2人とも、私と咲を何だと思ってるの」 菫「……チャンピオンだがよく迷子になる」 京太郎「……よく迷子になるのに麻雀が上手い」 照「……酷い」 京太郎「でも、麻雀で凄いのは誰もが認めるレベルですし」 菫「ああ。明日も頼んだぞ、チャンピオン」 照「……少し手抜こうかな。リード5,6万点くらいで」 京太郎「充分すごいですよ。あ、明日は俺も会場まで見に行きますよ」 照「!?」 菫「!?」 京太郎「どの学校にも知り合いはいますけど、照さんと菫さんも応援してます」 京太郎「あ、時間なんで俺はこれで。明日、頑張ってくださいね」 菫「……照」 照「……何?」 菫「やる気になるのはいいが、今は抑えろ」 照「…………」ギュルルルルルル 菫「しかし、彼は性格まで良かったのか」 照「……あげないよ?」 前話 次話 つづき はよ -- 名無しさん (2013-06-23 19 40 19) つづきくれーーーーー -- 名無しさん (2013-07-21 15 37 16) はよはよはよ -- 名無しさん (2013-07-29 15 11 38) 続き安価おおくね? -- 名無しさん (2013-07-29 15 11 53) Kちゃんシリーズ 短編でてたのか -- 名無しさん (2013-07-29 15 15 28) 更新してたのにリンクが貼られてないのか -- 名無しさん (2014-04-11 13 52 41) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3440.html
京太郎「俺が淡と付き合ってる?」淡「はぁ!?」 京太郎「なんでそんな話になってるんだよ」 淡「そ、そうよ! しかもよりによって、なんでコイツなのよ!」 モブ「え、だって昨日、一緒にゲーセンでデートしてたじゃん」 淡「…………」ジー 京太郎「…………」 淡「…………」チラッ 京太郎「……えっと、淡、ほしいのか?」 淡「そ、そんなことないよ!?ただ気になっただけ!」 京太郎(そんなにマジマジと見てたら欲しいって言ってようなもんだぞ?) 京太郎「俺、こう見えてクレーンゲーム得意だぞ?欲しいの言ってくれればーー」 淡「だ、だから、欲しいわけじゃないんだってば!」アセアセ 京太郎「……カピバラ?」 淡「っ! な、なんのこと?」 京太郎(なるほど、カピバラのぬいぐるみか) 京太郎「わかった。取ってやるよ」 淡「だ?か?らー違うんだってば」アセアセ 京太郎(素直じゃないなぁ) 京太郎「……俺が取りたいだけだよ。だから、悪いけど、少し待っててくれ」 淡「そ、そういうことなら……」 数分後 京太郎「よし!とれた!」 淡「京太郎……本当にクレーンゲーム上手なんだね」 京太郎「まぁな。よく咲……幼なじみに取ってあげてたからな」 淡「……幼なじみ」ピクッ 京太郎「あぁ、だからクレーンゲームは基本的に得意なんだ」 京太郎(わかりやすいなぁ……) 淡「……ぬいぐるみ取ったんだからもういいでしょ?次いこ」ムスッ 京太郎「待てよ、淡」 淡「……なに?」 京太郎「これ、やるよ」カピバラー 淡「……だから、私は欲しくないってーー」 京太郎「違うって。俺が淡にプレゼントしたいんだよ。だから受け取ってくれ」 淡「……そ、そういうことなら」オズオズ 京太郎「じゃあ、次いくか」スタスタ 淡「……何カッコつけてんだろ、京太郎のくせに」 淡「……ふふ」ギュッ 『2人でカフェ』 淡「なんでこんなことになってんの……」 京太郎「……俺が聞きたい」 店員「こちら、カップル限定のスペシャルパフェになります♪」 淡「……っ!?」 京太郎「あのー、スプーンが1つしかないんですが……」 店員「カップル限定のスペシャルパフェですからね!お互いにパフェを食べさせあう。これがカップル限定パフェの醍醐味!」 淡「……////」 京太郎「は、はぁ…」 店員「さぁ!どうぞ!」 京太郎「えっと……なんでいるですか?」 店員「見たいからです!」 京太郎「え?」 店員「見たいからです!!!」 京太郎「…………」 店員「さぁ!どうぞ!」 京太郎(とりあえず、溶けちゃうし食べるか) 京太郎「淡、ほら、あーん」 淡「えっ!?本当にやるの!?」 京太郎「スプーンが1つしかないんだからしかたがないだろ?」 淡「そ、そうだけど!ひ、ひひひ、人前なんだよ?////」 京太郎「そうだけど、そういう商品なんだし」 淡「う、うぅぅぅ……」 京太郎「ほら、溶けてきてるから。あーん」 淡「あ、あーん……」モグモグ 京太郎「どうだ?」 淡「恥ずかしいけど……こういうのもいいかも////」 京太郎「あ、いや、味の話なんだが……」 淡「えっ……」 京太郎「えっ?」 淡「…………」 京太郎「?」 淡「………っ!////」 淡「き……ば………」 京太郎「……きば?」 淡「京太郎のばかぁー!!」ダッ 京太郎「ちょ!淡、どこいくんだ!?おーい!」 店員「…………」 京太郎「……なにか、まずかったんですかね?」 店員「彼女さんには甘酸っぱかったんじゃないですかね?」ウフフ 『淡の髪を梳かす』 京太郎「やっと終わったー」 淡「普段からしっかり勉強してれば補習なんてならないですむのに」ジトー 京太郎「あ、いや、まぁそうなんだけどさ」アセアセ 淡「あーあ、せっかくの放課後が台無しだなー」チラッ 京太郎「……わかった。帰りにケーキ奢から許してくれ」 淡「うーん……。それも魅力的だけど、今回は他のがいいなぁ」 京太郎「他の?例えば?」 淡「えっとね」キョロキョロ 京太郎「?」 淡「うんしょっと」イスニスワル 淡「髪、やってほしいなぁ」 京太郎「……ここで?」 淡「うん!」 京太郎「……人前でやるのはーー」 淡「いまは2人っきりだよ?」 京太郎「……わかったよ。クシあるか?」 淡「やった! はい」 京太郎「そういえば、こうやって髪やるの久々だな」 淡「だねー。そもそも2人っきりって状況があんまりないもんね。ん…」 京太郎「うん?どうした?」 淡「……京太郎って髪とかすの上手だよね。凄く気持ちいい」 京太郎「……なんかエロいな」 淡「バカ」 京太郎「ごめん、冗談だよ」 淡「わかってる♪」 京太郎「それにしても、淡は髪綺麗だな」 淡「そう?あんまり考えたことないけど」 京太郎「うん。長くてつやがあって、サラサラで綺麗だ。はい、おしまい」 淡「ありがと。やっぱり、京太郎にやってもらうと気持ちいいなぁ」ウフフ 京太郎「とりあえず、これで今日のことは許してくれるか?」 淡「うーん…。まだ駄目ー」 京太郎「えぇー、まだ駄目なのか?」 淡「あれだけじゃ許してあげない」 京太郎「じゃあ、どうしたら許してくれる?」 淡「届かないから、少し腰おとして」 京太郎「? これでいいのか」スッ 淡「うん」 チュッ 京太郎「っ!」 淡「これで許してあーげる♪」 京太郎「おまえなぁ……」 淡「学校だからほっぺで妥協してあげたんだよ?感謝してね?」 京太郎「こいつー」グリグリ 淡「わ、わ!髪ぐしゃぐしゃになるからやめてー」 京太郎「そしてらまたやってやるよ」 『淡と一緒に水族館行ってイルカショーを見ていた』 淡「京太郎ー」 京太郎「うん?なんだー?」カキカキ 淡「イルカ見にいきたい」 京太郎「イルカかぁ。たまにはいいな」 淡「じゃあさ、これから見に行かない?」 京太郎「そうだな、いくか!」 淡・京太郎「おー!」 担任「おまえらー、デートの約束はいいからその課題をはよ出せー」 翌日、水族館にて。 淡「結局、課題で1日使っちゃったねー」 京太郎「だなー」 淡「でも、今日になって良かった♪」 京太郎「ん?なんでだ?」 淡「だって、これなら一日中、大好きな京太郎と一緒にいられるもん」 京太郎「な、何いってんだよ」カァァ 淡「あは、なんか私も恥ずかしくなってきた」アハハ 京太郎「なら言うなよ……」 淡「……」ムスッ 京太郎「? どうした?」 淡「……京太郎は?」ボソッ 京太郎「うん?」 淡「京太郎は私に好きって言ってくれないの?」 京太郎「……好きだぞ?」 淡「なんか固いよ?」ケラケラ 京太郎「照れくさいんだよ////」 淡「アハハ、京太郎、顔真っ赤だね」 京太郎「そんなことはいいから!ほら、イルカのショー始まるぞ?」 淡「はーい」 イルカのショーが開始 淡「すごーい!京太郎、今の見た!?」 京太郎「見た見た。イルカのショーつってテレビでなら見たことあったんだけど、生でみるとだいぶ違うな」 淡「だよね。迫力が違うよね!」 京太郎「お、すげぇ!」 淡「え?どうしたの?」キョロキョロ 京太郎「あ、いや、今イルカがすげぇ高く飛んだからさ」 淡「うそー!? 見逃したー」ガーン ーーーーーー ーーーー ーー 淡「イルカのショー楽しかったね」 京太郎「だな。……お、淡」 淡「うん?どうしたの?」キョトン 京太郎「なんか、あそこでイルカに触れるらしいぞ?」 淡「えっ?本当に?」ワクワク 京太郎「まじまじ。有料みたいだけど、いくか?」 淡「いく!」 係員「では、こちらにどうぞ。イルカと握手してみてください」 淡「イルカに触れるとか楽しみぃ」ワクワク 京太郎「野生のイルカって人を襲うって聞いたことあるな」ボソッ 淡「こんなときにやめてよー!」ウルウル 京太郎「ごめんごめん、冗談だから。」ナデナデ 淡「ん、次はないからね?」プンスカ 京太郎「はいはい」 係員(はよしろ……) 淡「わ、わぁー。イルカの手って柔らかい」キラキラ 淡「京太郎も触ってみなよ」 京太郎「どれどれ……お、おお。確かに柔らかい!」 淡「でしょ?」 京太郎「なんかくせになるな、これ」サワサワ イルカ「」ジー 京太郎「うん?」 チュッ 係員「あ、お客様、ラッキーですね。この子、たまにしかしてくれないんですよ?」 京太郎「あ、そうなんですか?なんか今日はツイてるなぁ」 淡「えぇー!京太郎いいなぁ。私にはーー」チラッ イルカ「」プイッ 淡「…………」 京太郎「…………」 イルカ「」ニヤッ 淡「……いいもん。あとで京太郎にしてもらうから」ボソッ イルカ・京太郎「!?」 『京太郎が淡を朝起こしに行っていた』 合宿所にて。 京太郎「………」キョロキョロ 京太郎「あ、淡ー起きてるかー?」コゴエ 淡「……うゆぅ」zzz 京太郎「あ、淡ー、また遅刻するぞー」ユサユサ 淡「うーん……」モゾモゾ 京太郎「おっ、起きたか?」 淡「……あと5……」 京太郎「……時間とか言わせないぞ?」 淡「年……うにゃ」zzz 京太郎(もっと上だったか……) 京太郎「じゃなくて!お前が起こしてくれって言ったんだろ?男子はこのフロア立ち入り禁止なんだから、早くしてくれ」ユサユサ 淡「……むぅ」ムクリ 京太郎「おはよう、淡」 淡「…………」ジー 京太郎「? どうかしたか?」 淡「きょーたろーだぁ」ダキッ 京太郎「ちょ!寝ぼけてんのか?起きろー」ペシペシ 淡「むぅ、寝ぼけてないよ…」ムスッ 京太郎「じゃあ、くっ付いてないで起きろって」 淡「わかったよ……。じゃあ、はい」ズイ 京太郎「な、なんだよ」ジリ 淡「……いつもの」 京太郎「……はっ?」 淡「だから、いつもの……」 京太郎「えっと、もしかして、あれですか?」アセ 淡「……ん」 京太郎「く、唇を突き出すな…。つか、合宿中はまずいって」アセアセ 淡「じゃあ、起きない」プイッ 京太郎「いやいや!淡はレギュラーだろ?皆に迷惑かかるぞ?」 淡「……そしたら、京太郎がキスしてくれなかったからって言うからいいもん」 京太郎「それだけはお願いだからやめてくれ」アセダラダラ 淡「なら、おはようのキス」 京太郎「……はぁ、分かったよ」 チュッ 淡「……えへへ♪ おはよ、きょーたろ」 京太郎「あ、あぁ、おはよう。ほら、ちゃんとキスしたんだから起きろよ?」 淡「うん、ちゃんと起きるよー」ウットリ 京太郎「じゃあ、俺は帰るからな」ガチャ…バタン モブ(き、京太郎君が急に入って来たからとっさにかくれちゃったけど……) モブ(2人ってそういう仲なの!?) モブ(つか、先輩に言われて淡を起こしにきただけなのに……。なんで朝から甘ったるいシーンを見なきゃいけないのよ!!) 『淡と京太郎が放課後教室で抱き合っていた』 淡「つ、疲れたー」グデー 京太郎「お疲れ」 淡「うん、京太郎もおつかれー。なんなの、あの授業……」 京太郎「淡は歴史苦手だもんな」 淡「歴史を学んだって私には関係ないのにさ」プンスカ 京太郎「温故知新って言葉があるだろ?昔のことも学んで損はないぞ?」 淡「そうかもだけど、嘉蔵なんて人知らないもん!」 京太郎「あ、あぁ、あれはマニアック過ぎるからな…」 淡「…えっ?京太郎は知ってるの?」キョトン 京太郎「昔読んだ本に少しだけ出てたからな」ドヤー 淡「…………」 京太郎「……おい、なんで少し下がった?」 淡「ソンナコトナイヨー」 京太郎「……と、とりあえず、帰ろうか」 淡「疲れて動けなーい」グデー 京太郎「いやいやいや……」 淡「えねるぎー切れー」 京太郎「……どうしたら、そのエネルギーは貯まるんだ?」 淡「うーん……。京太郎がハグしてくれたらかな?」ニパー 京太郎「…………」 淡「…………」ジー 京太郎「…………」 淡「………」ジー 京太郎「はぁ、分かったよ。ほら」ギュッ 淡「なんで後ろから?」 京太郎「前からの方が良かったか?」 淡「どっちも好きだけど、前からの方が京太郎の顔も見れるからなぁ」クルッ 京太郎「っ!」 淡「京太郎の心臓、ドクンドクンいってる」ギュー 京太郎「……生きてるからな」ギュッ 淡「……ねぇ、京太郎」ジー 京太郎「……ん」チュッ 淡「んっ、はぁ……ありがと♪」 京太郎「学校ではしないつもりだったんだけどな」 淡「じゃあ、なんでしたの?」 京太郎「淡があまりにも可愛いから」キッパリ 淡「っ////」 京太郎「お、真っ赤になった」 淡「……ばか」 廊下にて。 モブ(は、入りづれぇー!!) 学校の中庭。 淡「きょーたろ、膝枕してほしいなぁ」 京太郎「うん? あぁ、ほら、いいぞ?」ポンポン 淡「わーい」ゴロン 京太郎「寝心地はどうだ?」 淡「うーん……。少し固いかな?」 京太郎「さいですか……」 淡「でも、暖かい。体中がポカポカしてくる」 京太郎「…………」 淡「なんでだろうね?」 京太郎「さぁな」ナデナデ 淡「わっ」 京太郎「あ、すまん、嫌だったか?」 淡「ううん、突然だったからビックリしちゃっただけ」 京太郎「そか、ならよかった」 淡「…………」ジー 京太郎「?」 淡「ナデナデ、してほしいなぁ」チラッ 京太郎「…………」ナデナデ 淡「んっ……きょーたろの手、気持ちいい」ウットリ 京太郎「それは良かった」ナデナデ 淡「……きょーたろ」 京太郎「うん?」ナデナデ 淡「だーいすき♪」 京太郎「俺もだよ」ナデナデ モブa「……すまん、人足先に離脱する!」ダッ 京太郎「あいつ、どうしたんだろ?」ナデナデ 淡「具合悪くなったのかな?」キョトン モブb(いやいや!) モブc(2人のせいでしょ!?) 淡「きょーたろー」 京太郎「今度はどうした?」 淡「お腹すいた」 京太郎「お腹? あぁ、そういえばもう昼か」 淡「今日はきょーたろのためにお弁当作ってきたんだぁ」エッヘン 京太郎「そうなのか?それは楽しみだなぁ」 モブb「」←コンビニ弁当 モブc「」←姉の手作り弁当 モブb「…………」チラッ モブc「…………」ドヤッ モブb「」(´;ω;`)ブワッ 淡「じゃじゃーん」パカッ 京太郎「おぉ!」 きょーたろラブ 京太郎「……いやいや、これは流石に恥ずかしいぞ?////」 淡「や、やっぱり?//// 実は私もすっごい恥ずかしい」カァァ 京太郎「と、とりあえず、食べようか」 淡「だ、だね!」アセアセ モブb・c(そこで照れるの!?) 淡「はい、きょーたろ。あーん」 京太郎「あーん」パクッ 淡「ど、どう?」オソルオソル 京太郎「……」モグモグ 淡「えっと…」オドオド 京太郎「……おいしい」 淡「ほ、ほんと?」パァァ 京太郎「本当本当。これならいつでもお嫁にいけるな」ナデナデ 淡「でしょー」ウフフ 京太郎「淡の旦那さんは幸せだろうな」 淡「私は京太郎としか結婚する気ないよ?」 京太郎「淡……」 淡「きょーたろ……」 チュッ モブb「う、うわぁーん」ダッ モブc「まてっ」ガシッ モブb「放せ!俺は!俺は独りでコンビニ弁当食うんだぁ」。゚(゚´Д`゚)゚。 モブc「た、頼むからこんな所に独りにしないで」ナミダメ 京太郎「ごちそうさまでした」 淡「お粗末様でした」 京太郎「いやー、本当においしかった。また作ってくれるか?」 淡「代金としてキス一回を請求します」ニコッ 京太郎「夜になったら何回でもしてあげるよ」 淡「楽しみにしてる////」 モブc「あれ?モブbがいない!?」キョロキョロ モブc「っ!こ、これは!?」 旅に出ます。探さないでください by コンビニ弁当 モブc「も、モブbー!!!」 淡・京太郎「?」 淡「きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「なんか少し疲れたかも」 京太郎「なら、また少し寝るか?」 淡「ご飯の後だから寝るのはいやだなぁ」 京太郎「なら、どうする?」 淡「うーん……あっ、そこ座ってもいい?」 京太郎「うん?そこって?」 淡「足の間」 京太郎「あぁ、いいぞ?」 淡「よっと」ピョン 京太郎「どうだ?」 淡「背中が少し寒いかなー」チラッ 京太郎「はいはい」ギュッ 淡「うん、暖かい♪」 モブc「♪」←音楽を聴いている 淡「ねぇ、きょーたろは私と付き合えて良かった?」 京太郎「当たり前だろ?」 淡「きょーたろならそう言うと思ってた」アハッ 淡「でもね、たまにスッゴく不安になる時があるんだぁ」 京太郎「そうなのか?」 淡「うん、だって、京太郎の周り可愛い子多いから」 京太郎「…………」 淡「だから、たまにスッゴく不安になる……」 京太郎「淡……」 淡「うん?」 京太郎「ごめんな」ギュッ 淡「き、きょーたろ?」 京太郎「俺のせいで不安になるんだろ?だからごめん」 淡「え、違うよ!私がいけないんだよ」アセアセ 京太郎「ううん。俺がしっかり淡だけ見ていれば淡が不安になることなんてないはずだから。ごめんな、淡」 淡「きょーたろ……」 京太郎「なぁ、もっかいキスしないか?」 淡「…したいの?」 京太郎「したい」 淡「うん、それならいいよ」クルッ 京太郎「淡……」チュッ 淡「んっ……」 京太郎「んー、あむっ」 淡「っ!んっ、きょーら…ろう、すと……んっ」 京太郎「……」 淡「ん、んんっ……はっ、ふっ……んぅ」 淡「ぷはっ……きょーたろぉ、学校だよ、ここ…」トローン 京太郎「したくなったから。ごめんな」 淡「謝らないで…。嬉しかったし」ボソッ 京太郎「そか」 淡「……続き……」ボソッ 京太郎「えっ?」 淡「帰ったら続き……しない?////」 京太郎「……淡がいいなら」 淡「ありがと。放課後が楽しみ」フフッ モブc「」←音楽聴きながら白目 【番外編】『会話のすれ違い』 京太郎宅。 淡「きょーたろ、今夜泊まってもいい?」 京太郎「……はい?」 淡「だから、今夜、泊まってもいい?」 京太郎「……なんで?」 淡(もっときょーたろと遊びたいから……とかじゃ子供っぽいからーー) 淡「えっと、その、今夜は京太郎と一緒にいたいから……」 京太郎「…………」 京太郎(えっと……これっていわゆるOKサインってやつか?) 淡「……駄目?」 京太郎「き、今日は親父も母さんもいないけど、いいのか?」アセアセ 淡(?ご飯の心配かな?) 淡「別にそれは気にしないけど?」 京太郎(ちと、コンビニ行ってくるか) 京太郎「りょーかい。着替えとかは……ないよな、流石に」 淡「うん、流石にない……だから、少し買い物してきていい?」 京太郎「いいぞ?あ、俺も買いたいものあるから一緒にいくか?」 淡「そうなの?いいよ!きょーたろとデートだぁ」ニパー デパート 京太郎「なぁ、デパートの中ぐらい腕に抱きつくのやめないか?」 淡「えぇ、こうしないとデートぽくないよ?」 京太郎「そ、そうかもしれないけどさ」アセアセ 京太郎(腕に当たってるせいで色々やばいんだが……) 淡「きょーたろが嫌ならやめるけど」 京太郎「嫌じゃないです!」キッパリ 淡「わっ、急に大声ださないでよ、もぉ」 京太郎「ご、ごめん」 淡「変なきょーたろ」ウフフ 京太郎「と、ところで、淡は何を買うんだ?」 淡「えっ?」 京太郎「えっ?」 淡(下着……とか言い辛いなぁ……恥ずかしいし////) 淡「そ、それは秘密かな?」アセアセ 京太郎(そ、そうだよな!俺の為に用意するんだからサプライズにしたいよな!) 京太郎「そ、そっか」ハハハ 淡「う、うん」ハハハ 京太郎(どんなやつ買うんだろう?派手なのかな?) 淡(今月、お金ヤバいから安いのあるかなー?) 帰宅。 京太郎(よし、必要なものは買ったし、あとは風呂だけだ!) 京太郎「淡ー、先にお風呂入っていいぞー」 淡「えっ?いいよ、先に入って?」 淡(家主より先に入るのは……) 京太郎「そ、そうか?」 京太郎(も、もしかして、あとから入ってくるのか!?) 京太郎「じゃあ先に入らせてもらうわ」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「流石にないか……」ズーン 淡「うん?どうかした?」フロアガリー 京太郎「いや、なんでもない」 淡「そう?」 淡(なんか元気ないけど、どうしたんだろ?) 京太郎「…………」ズーン 淡(やっぱり、元気ない……悩み事かな?) 淡「きょーたろ?」 京太郎「うん?どうした?」 淡「その……私はいつでもきょーたろの味方だからね?」 京太郎「……へ?」 淡「私にできることがあったら何でも言って!私、きょーたろの力になりたいから」 京太郎「え、あ、あぁ……」 京太郎(……なんの話だ?)アセアセ 淡「だから、1人で(悩みを)ため込まないで?」 京太郎「っ!」 京太郎(淡……) 京太郎「あぁ……ありがとな、淡」ギュッ 淡「わっ!」アセアセ 淡(な、なになに!?急にどうしたの!?) 京太郎「淡……」チュッ 淡「!?」 淡「きょ、きょきょきょ、きょーたろ!?すとっぷ!すとーぷ!」アワワ! 京太郎「……えっ?」 京太郎(もしかして、順序間違えたか?)ヒヤアセ 淡「き、きょーたろ? 急にどうしたの?」アセアセ 京太郎「あ、ごめん!その俺、初めてでさ」アセアセ 淡「……え?初めて?」ボーゼン 淡(前のデートでキスしたこと忘れちゃったの……?) 京太郎「は、恥ずかしながら……」 京太郎(淡が有り得ないものを見るような顔してる……) 淡「きょーたろ?その……本当に初めて?冗談とかじゃなくて?」オロオロ 淡(ほ、本当にわすれちゃったの?) 京太郎「初めてです……。でも淡も初めてだろ?」 京太郎(付き合ったのは俺が初めてっていってたしな) 淡「わ、私はしたことあるよ?」 淡(だって、きょーたろと間違いなくしたもん……) 京太郎「……えっ!?」 京太郎(ど、どういうことだ!?) 京太郎「え、えと……いつ頃だ?」 淡(本当に忘れちゃったんだ……) 淡「先週だよ……」 京太郎(先週……俺と映画行った週……) 京太郎「ま、まじか……」ボーゼン 京太郎(ってことは、俺以外に……) 淡「うん……」 京太郎「…………」 淡「……きょーたろぉ」ナミダメ 京太郎「……なんで淡が泣きそうな顔してるんだよ」 淡「なんでって……きょーたろのせいでしょ!?」 京太郎「!?」 淡「わ、私、初めてで……グスッ、すっごく…………すっごく嬉しかったのに!」ポロポロ 淡「きょーたろにとっては!忘れちゃうくらいどうでもいいことだったってことでしょ!?」ポロポロ 京太郎(忘れる? 俺が? つか初めて?) 京太郎「す、ストップ!」 淡「……なに?」グスン 京太郎「淡?その、先週したのが初めてだったんだよな?」 淡「……そうだよ、ファーストキスだったんだよ?」 京太郎「……えっ?キス?」キョトン 淡「……えっ?今キスの話でしょ?」キョトン 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「……きょーたろ?」 京太郎「…………」 淡「……京太郎は何の話してたの?」ジト ーーーーーー ーーーー ーー 淡「……最低」グスン 京太郎「返す言葉もございません」ドゲザー 淡「しかも、しっかりこれまで用意して……」チラッ コンドーム「やぁ!」 京太郎「本当に申し訳ないです」ドゲザー 淡「……はぁ、もういいよ。誤解だって分かったし」 淡(良かった……キスのこと忘れてたわけじゃなくて) 淡「それにしても、きょーたろ……その勘違いはどうかと思う」ジト 京太郎「すみませんでした」ドゲザー 淡「……は、……の?」ボソッ 京太郎「……え?」 淡「だから……その、きょーたろは……したいの?////」 京太郎「したいです!」キッパリ 淡「……っ////そんな時ばっかりキリッってしないでよバカ!////」 京太郎「ご、ごめん……」 淡「…………」 京太郎「…………」 淡「…………ねぇ」 京太郎「あ、はい!」ビクッ 淡「そろそろ、寝ない?もう遅いし……」 京太郎「……だな」 淡「……ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「その……一緒に寝ない?////」 完 『淡と京太郎の関係を微笑ましく見つめる菫さん 』 昼 部室 菫「昼はミーティングがあるからとあれほど言っておいたのに……」イライラ 菫「淡と須賀は何をやっているんだ」イライラ 照「私、探してこようか?」キラキラ 菫「……いや、私がいこう」 菫(照に行かせたら帰ってこないからな……) 照「そ、そう……」シュン 学校の中庭 京太郎「ふあ……ねむ……」 淡「? きょーたろ寝不足?」 京太郎「……あ、あぁ、昨日あんまり寝られなくてさ……」 淡「どうせ、ゲームでもしてたんでしょ?」ジト 京太郎「ちげーよ。な、長野から急遽両親が来てさ……」 淡「あ、あぁーー……」ナットク 京太郎「質問攻にされてたんだよ……」 淡「お疲れ様」ニコニコ 京太郎「……とにかく、それで寝不足なんだ」ウトウト 淡「そっかー……あっ!きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「眠いなら少し寝たら?今なら特別、私が膝枕してあげるよ?」 京太郎「……………………いやいや」 淡「……今の間はなに?」 京太郎「……素敵な提案だけどさ、ここでそれやったらバレるぞ?」 淡「そ、それは大丈夫だよ」アセアセ 京太郎「何を根拠に……」 淡「ほ、ほら!周りに誰もいないし」キョロキョロ 京太郎「……淡?もしかしてやりたいのか?」 淡「そんなことないよ!?ただ、きょーたろが疲れてるから労ってあげてるだけだよ!」オロオロ 京太郎「……そういえば、昨晩はーー」 淡「っ!ち、違うよ!?映画は関係ないよ!?」 淡「昨晩やってた映画で膝枕してるシーン見て、いいなぁとか思ったりしてないよ!?」アセアセ 京太郎(まだ何も言ってないのに……) 京太郎「……そうなのか?じゃあやらなくても良いか」 淡「!」 京太郎「淡がやりたいって言うならやってもいいけどなぁ」ニヤニヤ 淡「う、うぅー……きょーたろのいじわるぅ」ナミダメ 京太郎「どうするんだ?」ニヤニヤ 淡「ひ……ら…………さい」ボソッ 京太郎「うん?」 淡「だから!ひ、膝枕させてください」カァァ 京太郎「いいぞ」ナデナデ 淡「きょーたろのばかぁ」プシュー 渡り廊下 菫「あの馬鹿2人はどこで油売ってるんだ?」スタスタ 菫「教室にもいないし……いったい……あっ」←中庭を見る 再び中庭 淡「ど、どうかな?」オドオド 京太郎「……これ、いいな」 淡「そ、そう?」パァ 京太郎「あぁ、なんて言うのかな、柔らかいだけじゃなくて、適度に張りがあるというかーー」プニプニ 淡「ちょっ! 股さわらないでよ、変態!」ペシ 京太郎「あだっ」 淡「次、勝手に触ったら怒るからね?」プンスカ 京太郎(なるほど、許可とればいいのか) 淡「……きょーたろ?」ジト 京太郎「頼むから心の中まで読まないでくれ……」 淡「もう……きょーたろは変態なんだから」ナデナデ 京太郎「これはその変態へのご褒美か?」 淡「ばか。眠いんじゃないの?時間なくなるよ?」 京太郎「そうだった。じゃあおやすみ」 淡「うん、おやすみ」ナデナデ 京太郎「…………」 淡「…………」ナデナデ 京太郎「…………」zzz 淡「やっと寝た」クスッ 淡「きょーたろが1日徹夜したくらいで、ここまで疲れるわけないのに。嘘が下手だなぁ」ナデナデ 淡「どうせ、麻雀やってたんでしょ?私に追いつくとかいって」ナデナデ 淡「きょーたろ、レギュラー入りおめでと」ボソッ チュッ 渡り廊下 菫「…………」 菫「まっまく……」ケイタイトリダシ 菫「あ、尭深か?ミーティングのことなんだがーー、あぁ、明日の昼に変更とレギュラーに伝えてくれ。あぁ、じゃあ」 菫「まったく、手間のかかる後輩だよ」クスッ 完 『たかみーから男心を教わる淡』 淡「……」キョロキョロ 尭深「? 淡ちゃん、どうか、した?」 淡「えっ……あぁーいやー」 尭深「なにか、悩み事?」 淡「悩み……といえば悩みかな……」 尭深「……その、私でよければ、相談、のるよ?」 淡「そ、そんな大したことじゃないからいいよ」アセアセ 淡(それに、たかみーに相談しても……) 尭深「そ、そう……」シュン 淡「あっ! や、やっぱり相談のってもらおうかな?」アセアセ 尭深「……無理しなくて、いいんだよ?」 淡「む、無理なんてしてないよ!たかみーに相談のってもらいたいなぁー」チラッ 尭深「そ、そういうことなら////」 淡(だ、大丈夫だよね?) 尭深「……それで、悩みって?」 淡「えっと……その……」モジモジ 尭深「……?」 淡「話っていうのは、その、須賀のことなんだけど……」 尭深「須賀くん?」 淡「うん……。どうしたら須賀が振り向いてくれると思う?」 尭深「? 呼びかければ振り向いてくれると思うよ?」 淡「…………」 尭深「?」 モブ(それはないっす、渋谷先輩……) 淡「そういうんじゃなくて」アセアセ 尭深「?」 淡「どうやったら、その……好きになってもらえるかな?////」カァァ 尭深「っ////」 淡「……////」ウツムキ モブ(絶対に相談相手間違えてる……) 翌日。 尭深相談室。 尭深「えっと、昨日、たくさん考えてみたんだけど……」 淡「うん」 尭深「名前で呼んでみるのがいいと、思う」 mission 1 名前で呼ぶ! 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「…………」ジー 京太郎「…………」ダラダラダラダラ 淡「…………」ジー 京太郎「お、大星?」アセアセ 淡「な、なに!?」ドキッ 京太郎「何かようか?」アセアセ 京太郎(俺、何かしたか?) 淡「よ、用って程じゃないんだけど……その」 京太郎(あ、もしかしてあれか?) 淡「き、きょーたrーー」 京太郎「わかった!」 淡「!?」ビクッ 京太郎「あれだろ?昨日の賭けのことだろ?飯おごるってやつ」 淡「……えっ?あ、いや……」 京太郎「ルールはルールだからな。今日の放課後、空いてるか?」 淡「え、あ、うん……空いてるけど」 京太郎「よし、なら放課後な。校門のところで待っててくれ」 淡「え、あ、うん……」 京太郎「じゃあ、そういうことで。まだ俺は委員会あるから先輩に遅れるって伝えておいてくれ」タタタッ 淡「うん……あとでね」ボーゼン 淡「………………」 淡(……あれ? これってもしかして……デート!?) 尭深相談室 尭深「うまく、いった?」 淡「なんか……色々スキップしました」 尭深「よかった」ホッ 尭深「じゃあ、次、やろうね」 淡「あ、うん」 尭深「相手の良いところを誉める」 mission 2 相手を誉める! 放課後。 京太郎「わりぃ、待ったか?」 淡「う、ううん!今ついたところ!!」 京太郎「そか、それは良かった。じゃあ早速行くか」 淡「えっと、どこいくの?」アセアセ 京太郎「うん?それは着いてからのお楽しみってことで」ニヤッ ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「わるい、カウンター席しかなかったわ」 淡「…………」ソワソワ 京太郎「……どうしたんだ?借りてきた猫みたいに大人しいじゃん」 淡(だって、なんかお洒落なケーキ屋だし……それに……) モブ女「はい、あーん」 モブ男「あーん。うん、おいしい」 淡「…………カップルばっかりなんだもん」ボソッ 京太郎「なんだって?」 淡「な、なんでもない!////」 淡(ど、どうしよ!恥ずかしくて須賀の顔みれない)アセアセ 京太郎(なんか変だな……少し顔も赤いし) 淡「…………」チラッ 京太郎「…………」ジー 淡「っ!」サッ 淡(ど、どうしよ……このままだと誉めるどころか話もーー) 京太郎「……失礼」テヲデコニアテル 淡「へっ?」 淡「な、な、な!////」カァァ 京太郎「げっ……やっぱり熱あんじゃん……」 淡「あ、や、これは熱なんだけどーー」 京太郎「なんかおかしいと思ったら……。風邪引いてるなら言えよ」 淡「あ、だから、違くて」アセアセ 京太郎「とりあえず、今日は帰るぞ。淡はレギュラーなんだから体調管理しっかりしないと」 淡「だ、大丈夫だから」アセアセ 京太郎「風邪は万病のもとだぞ?ケーキはまた後日な?だから今日は帰る」 淡「だ、だから、違うんだってばー」 淡宅 淡(ど、どうしよう……) 京太郎「送るだけの予定だったんだけどなぁー」 淡(と、とりあえず、たかみーにメールしなきゃ!) 今、須賀と家にいます。どうしたらいいですか? 淡「送信っと……わっ、もう返信きた」 ボディータッチとか良いと思うよ(o゚▽゚)o 淡「…………」ゴシゴシ 淡「…………」 淡(むりだよ!) 京太郎「? 大星、大丈夫か?」 淡「へ!? あ、うん!大丈夫大丈夫!」アセアセ 京太郎「そうか?」 淡「う、うん!それよりさ、せっかくだから何かしない?」 淡(何かしてないと間がもたない……) 京太郎「何言ってんだ……。風邪引いてるだから大人しく寝てろよ。悪化したら大変だろ?」 淡「えぇー……。うーん……じゃあ、きょーたろが何か話してよ」グデー 京太郎「……えっ?」 淡「え?……あっ……」カァァ 淡「ち、違うよ!? その、今のは……ほら!友達だからさ!」 淡「良い機会だから、もう一歩進展してもいいかなーとか思って!」 淡「あ、あと!日頃の感謝ってやつ?だから深い意味はまーたくないの!」アセアセオドオド 京太郎「わ、わかった。わかったから少し落ち着け!熱あがるぞ?」 淡「ほ、本当に違うんだよ?」アセアセ 京太郎「わかったって」 淡「…………」チラッ 京太郎「…………」 淡「……な、なにか言ってよ……」ウルウル 京太郎「そ、そう言われてもなぁー……。うーん……ありがとう?」 淡「……なんでお礼?」キョトン 京太郎「いや、そうな風に思ってくれているとは思わなかったからさ。なんか嬉しくて」ハハハ 淡「じゃあ、今までは私にどう思われてる思ってたの?」 京太郎「……嫌われてる?」アセアセ 淡「な、なんで!?」 京太郎「だって、何かと暴言吐かれるし、なにかと突っかかって来てなかったか?最近は少なくなったけど」 淡「あ、あぁ……入学当初は苦手意識あったかも」アハハ 京太郎「やっぱりか」ニガワライ 淡「うん♪」 淡「でもね、最近はそんなことないよ?」 淡「最初こそ、『うわぁ、金髪だわー』とか『ちゃらそー』とか思ってたけど」 京太郎「え?そこ!?つか、大星も金髪じゃん!」 淡「でも、実際は誰にでも優しくて、いざってときに役にたつ人」 京太郎「…………」 淡「ほら、入学して間もない頃にさ、私がナンパされたことあったじゃん?」 淡「あの時と京太郎が助けてくれてさ。あの時は思わず罵声浴びせちゃったけど、本当はすっごく嬉しかったんだぁ」 淡「あの時の京太郎、格好良かったなぁ」ウットリ 京太郎「……ちょ、ストップ!」アセアセ 淡「?」 京太郎「ど、どうしたんだ?急に……」 カァァ 淡「えっ?」 淡「…………」ポクポクポクポク 淡「っ!////」チーン 京太郎「……////」 淡「……////」 尭深宅 尭深「…………」ペラ 尭深「……あ」 恋愛の鉄則!ボディータッチはNG 尭深「……どうしよう」シュン 完 『照にのろける淡』 淡「テルー!」ダキッ 照「っ!……なんだ、淡か」ホッ 淡「ねぇテルー、聞いて聞いて!」 照「どうかした?」 淡「うん! 昨日ね、きょーたろと遊園地いったんだぁ」 照「…………」 淡「それでね!ーーーー」 ーーーー ーー 京太郎「遊園地なんて久々だな」 淡「そうなの?私は初めてかも」 京太郎「え?そうなのか?」 淡「うん。小さい頃に行ってるかも知れないけど、物心ついてからは初めてかな」 京太郎「そっか。なら、今日はめいいっぱい楽しもうぜ!」 淡「うん! エスコートよろしくー」 京太郎「まかせろ!じゃあ最初は……」 数分後。 淡「……ありえない」ジト 京太郎「ごめん……」 淡「遊園地の定番とはいうけどさぁ、いきなりお化け屋敷ってどうなの?」ジー 京太郎「いや、その……恐がってる淡がみたくてだな?」アセアセ 淡「だからその彼女を置き去りにして隠れたんだ?」ジト 京太郎「……すみませんでした」 淡「……許してあげない」プイッ 京太郎「え……ど、どうしたら許してくれる?」アセアセ 淡「……それを聞いたら意味ないでしょ?自分で考えて」プイッ 京太郎(困った……) ーーーー ーー 淡「ーーってことがあったの。あの時のきょーたろの顔が可愛くて」キャー 照「……そうなんだ」 淡「うん! それで、きょーたろ何したと思う?」 照「ーーさぁ?」 淡「……テルー、考えてる?」ジー 照「…………もちろん」 淡「ほんとに?」ジー 照「…………」メソラス 淡「まぁ、いいや。それできょーたろがねーー」 ーーーー ーー 京太郎(よし、決めた! これなら絶対に喜ぶ!) 京太郎「淡!」 淡「却下」 京太郎「まだ何も言ってないのに!?」 淡「どうせ美味しいものでも食べようっていうんでしょ?」ジト 京太郎「……そ、そんなことないぞ?」アセアセ 京太郎(なんで分かるんだ!?) 淡「そう?ならなに?」 京太郎(えっ……やばい……) 淡「きょーたろ、何してくれるの?」ニヤニヤ 京太郎(……仕方がない、こうなれはやけだ!) 京太郎「…………」アゴニテヲヤル 淡「えっ?」 京太郎「んっ……」 淡「っ!? ちょ……んっ」 京太郎「…………」 淡「きょ……す、すと……」ジタバタ 京太郎「……ぷはっ」 淡「はぁ……はぁ……」ゼーゼー 京太郎「これでどうだ?」ドヤッ 淡「……な、な、な」カァァ 淡「何すんのよ!しかも人前で!」カオマッカ 京太郎「喜びそうなことだ」←やけくそ 淡「な、なんでこれで喜ぶと思うのよ!」 京太郎「だって、淡は強引にされるの好きだろ?」 淡「っ!////」 京太郎「あれ?まじ?」 淡「!?」 京太郎「正直にいうと、図星をつかれてヤケクソでキスしました。反省はしていない」ドヤッ 淡「…………」プロプル 京太郎(あ、これはまずいな……) 淡「きょーたろのばk……!?」 京太郎「…………」ギュッ 淡「ちょ、だ、だから!さっきからなんなの!?////」 京太郎「…………」ギュッ 淡「……な、なんか言ってよ////」 京太郎「……淡が悪いんだぞ?」 淡「……な、なんでよ」 京太郎「淡が可愛い過ぎるから」 淡「っ!?////」 京太郎「だから、反省はしてない。またしたくなったらするから」ギュッ 淡「あ、え、そ、その////」プシュー 京太郎「強引なのが好きなんだろ?」ボソッ 淡「……そ、そんなこと……」プイッ 京太郎「……淡」 淡「…………」コクリ 京太郎「…………」ナデナデ ーーーー ーー 淡「ーーだったの!きょーたろって意外に大胆だよね」キャーキャー 照「……そうだね」 淡「それからそれから!」 菫「……淡、向こうの卓が空いたから入ってこい」 淡「えぇー!ここからが面白いのに!」ブーブー 菫「須賀がお前と打つの楽しみにしてるぞ?」 淡「いってきます!」ピュー 菫「現金なやつだな……。照、大丈夫か?」 照「……大丈夫」 菫「ならいいが……」 センパーイ、センセイガヨンデマース 菫「っと、じゃあ私は行くぞ? 照も卓が空いたから入って打つんだぞ?」 照「……わかった」 センパーイ! 菫「今いく!」タタタッ 照「…………」 照「…………」 照「……彼氏か……」ボソッ 完 『お昼を口移しで食べさせあってた』 淡「…………」カチカチ 京太郎「うん?メール?」カチカチ きょーたろ、お昼一緒にたべよー 京太郎「…………」チラッ 淡「…………」ニコッ 京太郎「…………」カチカチ 屋上で待ち合わせしよう ーーーー ーー 淡「きょーたろ、おそーい!」ブーブー 京太郎「悪い悪い、モブに捕まってて」アセアセ 淡「それでも遅い。きょーたろのせいで風邪引きそうだよ」ガクガク 京太郎「それは悪かった……」 淡「……それだけ?」ジー 京太郎「……これでいいか?」ギュッ 淡「……えへへ♪」テレテレ 京太郎「あ、でもこれだと飯食えないな」 淡「えっ?それなら大丈夫だよ?」 京太郎「?」 淡「きょーたろ、そこに胡座かいて座って」 京太郎「お、おう」スワル 淡「そして、私が膝の上に座る♪」スワル 淡「それじゃあ、いただきまーす!」 京太郎「…………おい」 淡「うん?」モグモグ 京太郎「これだと俺が食べられないだろ……」 淡「……あっ」 京太郎「まじか……」 淡「ち、違うよ?忘れてたんじゃなくて!」オロオロ 京太郎「……じゃなくて?」ジー 淡「……私が食べさせてあげるから大丈夫!」 京太郎「……へー」 淡「ほ、ほら、あーん」ウインナーダヨー 京太郎(絶対に忘れてたよな……。あっ、そうだ)ピコーン 京太郎「……これじゃあなんか、いつも通りじゃないか?」 淡「へ?」 京太郎「いや、だから、これだと普段と何も変わらないと思わないか?」 淡「もしかして……飽きちゃったの!?」ガーン 京太郎「いやいや、飽きたりは絶対にしないから」ナデナデ 淡「うにゅ……じゃあ、なんで?」 京太郎「いや、新しい刺激って大事だと思わないか?」 淡「まぁ、それは思うけど。でも、何するの?大抵のことはしちゃってない?」キョトン 京太郎「いや、まだあるぞ?」 淡「?」 京太郎「口移しとか」ニヤッ 淡「…………えっ?」 京太郎「だから、口移しとか」 淡「…………」 淡「…………っ!////」ボンッ 京太郎(この反応が見たかった)ガッツポーズ 淡「え、えと、その!////」アセアセ 京太郎「うん?」ニヤニヤ 淡「だから、えっと……!」アワアワ 京太郎(……そろそろいいか) 京太郎「悪い、淡。じょーー」 淡「きょ、きょーたろが!その、やりたいって言うなら私は……いいよ?////」 京太郎「」 淡「……」パク 淡「はい、きょーらろ」ウーン 京太郎(あっれー?)ボーゼン 京太郎「え、えーと……」 淡「きょーらろ、はふかひいから……はやふ////」カァァ 京太郎「んっ」パク 淡「んっ……」チュッ 京太郎「…………」モグモグ 淡「ど、どうだった?////」 京太郎「うん?もちろん、おいしいぞ?」 淡(いつもより甘かったような……気のせいだよな) 淡「あ、いや、そうじゃなくて////」 京太郎「?」 淡「じょ、上手にできてた?////」カァァ 京太郎「……ぶはっ!」ハタヂ 淡「えっ、きょーたろ!?大丈夫?」アセアセ 京太郎(いっけね……変なこと想像した……////) 淡「だ、大丈夫?顔赤いし……」 京太郎「だ、大丈夫だ。鼻血は男の健康の印だからな」 淡「?」キョトン 京太郎「ほら、続き食べようぜ?」 淡「うん……」チラッ 京太郎「…………」モグモグ 淡「…………」チラッチラッ 京太郎「えっと、なに?」 淡「っ!な、なんでもない!」アセアセ 京太郎「なんでもなくないだろ?そんなにチラチラみて」 淡「う、うぅ……」ナミダメ 京太郎「ほら、遠慮すんなって」ナデナデ 淡「……えっと」 淡「わ、私にも口移し……してほしいな////」 完 『男女合同体育のあと二人で体育倉庫へGoしてた』 体育中。 淡「…………」ムスー 淡(……最近、部活ばっかりできょーたろと遊べてない) モブ「…………」アセアセ 京太郎「♪」 淡「……」イライラ 淡(なのに、きょーたろはなんともなさそうだし!) モブ「……す、須賀!」アセダラダラ 京太郎「うん?」 モブ「ど、どうにかしろ!」ナミダメ 京太郎「……なにを?」 モブ「大星さんの機嫌をだよ!」 京太郎「……なんで俺に言うんだ?」アセアセ モブ「なんで?一つしかないだろ!」 京太郎「!」 京太郎(もしかして、バレてる?) モブ「二人とも体育委員だろ!?」 モブ他「……アホや」 京太郎「……」 京太郎(なんだ……)ホッ 京太郎「あぁ、努力してみるよ」 授業後。 先生「おーい、須賀、大星」 京太郎「はい」 淡「はい」ムスー 先生「……えっと、大星?どうかしたか?」アセアセ 淡「べつに……」 先生「そ、そうか?えっと、二人は体育委員だろ?だからこの道具を倉庫に片付けておいてほしいんだ」 淡(……これ、使える?) 京太郎「えっ、そのくらいなら俺一人でやりますよ?」 先生「そうか?まぁ、女の子に力仕事は駄目だもんな」アハハ 京太郎「ですね」アハハ 淡「……私も手伝う」ボソッ 先生・京太郎「え?」 淡「だから、私も手伝うって言ったの!」 先生「っ!」ビクッ 京太郎「あわ……大星さん?別に無理しなくてもいいんだぞ?」 淡「いいの!私がやりたいって言ってるんだから!ですよね、先生!」 先生「私も2人でやるべきだと思うぞ?」 京太郎(こいつ……) 体育倉庫 京太郎「なぁ、淡?」オドオド 淡「何?須賀くん」 京太郎「えっ……」 淡「……須賀くん、まだ片付け終わってないよ?」 京太郎「……あ、はい」 ーーーー ーー 京太郎「これで終わりか?」 淡「これで終わりだね」 京太郎(さぁ、早く着替えて飯にするか) ピシャッ 京太郎「へ?」 淡「…………」 京太郎「え、えーと、淡さん?なんで閉めたんですか?」 淡「…………」テクテク 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「……」ギュッ 京太郎「……へ?」 淡「……やっと」 淡「やっと2人っきりになれた」ギュッ 京太郎「……淡」 淡「最近、部活ばっかりで2人っきりになれなかったから……」 京太郎「それでここに?」 淡「……2人っきりになりたかったんだもん。悪い?」ジト 京太郎「……いえ、まったく」 淡「なら問題ないね」ギュッ 京太郎「あ、でも汗かいてるのにいいのか?」アセアセ 淡「……っ!」バッ 淡「ご、ごめん……その////」 京太郎「悪い、臭かったよな」 淡「え?そんなことないよ?」 淡(むしろいい匂いだったし……) 京太郎「えっ?じゃあ何で離れたんだ?」 淡「……私も、その、いっぱい汗書いちゃったから////」 京太郎「……なるほど。俺は気にしないぞ?」 淡「私が気にするの!////」 京太郎「……」ギュッ 淡「!? ちょ、きょーたろ!ダメ!」アセアセ 京太郎「…………」スンスン 淡「ちょっ!や!ダメだって////」ジタバタ 京太郎「いい匂いだぞ?」 淡「そういう問題じゃないんだってば////」 京太郎「汗かいてても、土とかでドロドロでも俺は構わないよ」 淡「うぅ……////きょーたろ、変態過ぎる////」カァァ 京太郎「淡の彼氏だからな」 淡「……それ、私も変態みたいじゃない?」ジト 京太郎「淡も変態だろ?」 淡「違うわよ!」 京太郎「本当か?」ニヤッ 淡「……なによ」 京太郎「…………」チュッ 淡「!?な、ななな!////」 淡「んっ、や、やめ!首……弱いんだから……んっ」 京太郎「……少ししょっぱいな」 淡「た、体育の、後なんだから……んっ、だ、だめぇ……」 京太郎「…………」ペロ 淡「……っ」ビクッ 京太郎「……可愛いよ、淡」チュッ 淡「んっ!きょ、きょーた、ろ……や、やめ……」ペタン 京太郎「うん?どうした?」ニヤニヤ 淡「あ、足に力、入らなくなっちゃった……」 京太郎「そっか」ジリジリ 淡「……それ以上近付いたら怒るよ?」 京太郎「体育倉庫に連れ込んだのは淡だろ?」 淡「っ!」 京太郎「淡も少しは期待してたんだろ?」 淡「そ、そんなこと……////」 京太郎「んっ」チュッ 淡「んっ、きょーたろ……」チュッ 京太郎「……やっぱり淡も変態だな」 淡「……違うもん」プイ 京太郎「そういう割には抵抗しないんだな」 淡「…………」カァァ 京太郎「淡……」グッ 淡「きょーたろ……」ドサッ 京太郎「……いいか?」 淡「……聞かないでよ、ばか……////」 京太郎「淡……」 淡「きょーたろ……」 モブ「大星さん、須賀くん、います?」ガラッ 京太郎・淡「!?」 完 『二人きりで仲良くダーツしてた 』 淡「きょーたろ、どこにする?」ワクワク 京太郎「うーん……。候補が多すぎて困るなぁ」 淡「だよねー」グデー 京太郎「上は北海道から下は沖縄まで。行きたい所が多すぎて選べん」 淡「でも、早く予定立てないと泊まれる場所なくなっちゃうよ?」 京太郎「だよな……。高校生2人の旅行だと泊まれる場所は限られちゃうし」 京太郎・淡「うーん……」 数分後。 淡「ダーツで決めよう!」キリッ 京太郎「……どこの番組だよ……」 淡「えぇー……いいじゃんいいじゃん」ブーブー 京太郎「まぁ、いいけどさ……」 淡「じゃあ、早速やるよー」 世界地図 京太郎「……淡さん?」アセダラダラ 淡「うん?」キョトン 京太郎「……俺たちはどこに行くつもりですか?」アセダラダラ 淡「国境まで越えてみせようよ!」 京太郎「いやいや……海外は無理だろ……」 淡「まぁまぁ、とりあえずやってみよ!えいっ」 京太郎「……」 淡「どこになった?」 京太郎「えっと……アルジェバイジャン?」 淡「えっと、どこそれ……」 京太郎「さぁ?」 候補1 アルジェバイジャン 淡「あと二回くらいやるよー」 京太郎「頼むから次は日本地図にしてくれ……」 淡「分かってる♪えいっ」 京太郎「……」 淡「きょーたろ、今度はどこ?」 京太郎「……太平洋だな、それ以上説明できん」 淡「……島ですらないじゃん……」 京太郎「……次、決めるか」 候補2 太平洋(真ん中辺り) 淡「あんまり候補が多くてもあれだから、次が最後!」 京太郎「……だな」 京太郎(今の所、まともな旅行先ないけどいいのだろうか……) 淡「3度目の正直!えいっ」 京太郎「……あっ」 淡「ど、どこになった?」 京太郎「……信濃川だな」 淡「信濃川?」 京太郎「……あぁ」 候補3 信濃川 京太郎「さぁ、どこに行こうか」 淡「京太郎はどこがいい?」 京太郎「……いやいや、信濃川以外にまともな旅行先ないじゃん!」 淡「えぇー、少し冒険してみようよ!」 京太郎「頼むからこんな時に芸人魂もたないでくれ……」 淡「誰が芸人よ!」プンスカ 京太郎「せっかくの旅行だしさ、良い思いで作りたいだろ?」アセアセ 淡「まぁ、そうだけど」ブーブー 京太郎「……じゃあ、逆に淡はどこか行きたい所あるか?」 淡「そうだね……。海外とか行ってみたい……あっ」 京太郎「うん?どうかした?」 淡(たしか、きょーたろの実家って) 淡「ね、ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「そ、そのきょーたろの実家って、信濃川ちかい?////」 京太郎「近くはないな。まぁ遠くもないけど」 淡「そ、そっか」ソワソワ 京太郎「?」 淡「……決めた。信濃川にする」 京太郎「まじか。まぁ淡がそれでいいなら構わないけど。俺もあそこなら案内できるし」 淡「……うん」 京太郎「じゃあ、次は宿決めないとな」 淡「あ、そ、そのこと、なんだけどさぁ……」オドオド 京太郎「うん?」 淡「……い、良い機会だし、きょーたろの実家に行きたいなぁ////」 完? 【番外編】長野旅行編! 『前日、そして待ち合わせ!』 淡宅 淡「……着替え持った、洗面道具持った、パジャマ持った、お金も……よし!」 淡「明日からきょーたろと旅行かぁー。楽しみ過ぎて寝れないかも」クスッ 淡「きょーたろも今頃同じこと考えてるのかな?」 淡「……そうだといいなぁ」 京太郎宅 京太郎「荷物は……これでいいか。あとは向こうにあるし」 京太郎「よし、明日も早いし寝るか!」 京太郎「……親に淡のこと聞かれるのが面倒だな……」 ーーーー ーーー ーー 当日。最寄り駅ホーム 淡「むぅー、おはよぉー」ウトウト 京太郎「おはよう……って淡?どうしたんだ?」 淡「……き、昨日あんまり寝れなくて」メゴシゴシ 京太郎「なんだ?もしかして、俺と2人っきりで旅行できるのが楽しみで興奮して寝れなかったのか?」ニヤニヤ 淡「……うん」 京太郎「えっ?」 淡「……なによ」 京太郎「あ、いや、なんでも?」アセアセ 淡「絶対子供とか思ったでしょ?」プクー 京太郎「ないない!」 淡「どーせ子供ですよーだ」プイッ 京太郎「ほ、ほんとに思ってないって」アセアセ 淡「ふん」ツーン 京太郎「……」 淡「……」チラッ 京太郎「……」 淡「……」チラッチラッ 京太郎「……淡?」 淡「……ふん」ツーン 京太郎「……ごめんな」ナデナデ 淡「……なにがごめんなの?」ジト 京太郎「子供扱いして」 淡「……ほんとだよ。私、子供じゃないもん!」プンプン 京太郎「ごめん」ナデナデ 淡「んっ……ど、どーしよっかな?」 京太郎「……どうしたら許してくれる?」 淡「うーん……。ぎゅってしてほしいな」 京太郎「え゛っ」 淡「……なに?」ジト 京太郎「……ここでか?」 淡「そうだよ?」 京太郎「人が多いっていうか……微妙に同級生とかいるだが……」 淡「……だ、だから?」 京太郎「か、隠すんじゃなかったのか?」 淡「……もう、モブ達にはバレてるし……今更じゃない?」 京太郎「そ、それはそうだけど……」 淡「私に許して貰うのと皆に隠すのとどっちが大切?」 京太郎「淡に許してもらうことだ」キリッ 淡「なら、はい!」 京太郎「……わかったよ」ギュッ 淡「……きょーたろ暖かいね」 アノフタリ、マタヤッテルヨー 京太郎「そ、そうか?」 淡「うん」ギュッ 京太郎「……そっか」 淡「♪」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎「……なぁ?」 淡「うん?」 京太郎「……いつまで抱きしめてればいいんだ?」 淡「きょーたろの判断に任せようかな?私が許してくれたと思ったら離していいよ?」ギュッ 京太郎「……そうするといつまでも離せないんだが」 淡「ふーん。私ってそんなに根に持つタイプに見える?」 京太郎「いや、ただ俺がこうしていたいだけ。だから暫く許さなくていいや」 淡「……ばか」 京太郎「そうそう、俺は馬鹿だぞー」 淡「もう……」タメイキ 淡「お望み通り、しばらく許してあげないから♪」ギュッ 『電車内。そして到着』 淡「♪」 京太郎「本当に楽しそうだな」 淡「当たり前だよー。だって長野だよ?旅行だよ?楽しいに決まってるじゃん♪」 京太郎「でも、向こうは寒いぞ?」 淡「大丈夫大丈夫!私、こう見えても寒さに強いんだよ?狐さんだよ?」 京太郎(淡は狐っていうより猫だと思うが……) 淡「それに……」 京太郎「それに?」 淡「さっきも言ったけど、京太郎と行く初めての旅行だから////」 京太郎「恥ずかしいなら言わなきゃいいのに」 淡「いいでしょ!減るもんじゃないんだから」プンプン 京太郎「怒らない怒らない」ナデナデ 淡「……ナデナデすれば何でも許されるって思ってない?」ジト 京太郎「…………」ギクッ 淡「いつも私を怒らせたら頭撫でてるよね?」ジト 京太郎「そ、そんなことないぞ?」アセアセ 淡「……言っておくけど、私はそんなに単純じゃないよ?」ジト 淡「怒るときは怒るんだからね」 京太郎「…………」ジー 淡「……な、なによ」 京太郎「……淡って髪綺麗だよな」 淡「……へっ?」 京太郎「それに肌も綺麗だ。柔らかいし」 淡「ちょ、ちょ!いきなりなによ!?」カァァ 京太郎「いや、思ったことを口にしただけだが?」 淡「き、急にそんなこと言わないでよ////」 京太郎「淡、顔真っ赤だな」クスクス 淡「きょーたろのせいでしょ!」ムキー! 京太郎「ごめんごめん」ナデナデ 淡「もう!……うにゅ」フニャン 京太郎「…………本当、淡と付き合えてよかったよ」 淡「私もきょーたろと付き合えてよかった////」 京太郎「これからもよろしくな」 淡「うん♪」 京太郎「…………」 淡「……あれ?そういえば何でこんな話になったんだっけ?」キョトン 京太郎「……さぁ?」 淡「なんか言ってた気がするんだけどなー?」ウーン 京太郎「たぶん、忘れるくらいだから大したことじゃねぇよ」 淡「……だね♪あ、きょーたろ!お昼食べよーよ。私お腹すいちゃった」 京太郎「そうだな」 京太郎(ちょろいな……) ーーーーーー ーーーー ーー 長野到着。 淡「……さ」 京太郎「さ?」 淡「寒い!」ガクガク 京太郎「えぇー」 淡「なんでこんなに寒いの!?」 京太郎「な、長野だからかな?」 淡「うぅ……」ガクガク 京太郎「……狐じゃなかったのか?」 淡「っ!……そ、そうだよ?な、なんともないよ?」ガクガクブルブル 京太郎「……」 淡「……な、なによ」ナミダメ 京太郎「これでも着ろよ」 (コートを羽織らせる) 淡「あ、ありがとう……。でも、京太郎はいいの?」 京太郎「あぁ、俺は狐だからな」ニヤッ 淡「その話はもういいでしょ!」 京太郎「……さて、実家に荷物置きにいくか」スタスタ 淡「ちょっと!無視しないでよー!」ムキー 『実家と主』 京太郎宅前 淡「……すー、はぁー」 京太郎「……そんなに緊張しなくてもいいんだぞ?もっと気楽に」アセアセ 淡「そ、そそそ、そだね!よ、よし、いきょう!」 京太郎「…………」 淡「…………」 京太郎「……どうする?」 淡「……もう少し時間ください」ドゲザー 京太郎(麻雀で大将やったときですら緊張なんてしてなかったのになぁ……) 淡「……きょーたろぉ」ウルウル 京太郎(どうしてこうなるんだ……) 京太郎「……ほら、いくぞ?」テヲツカム 淡「えっ!まって、まだ心の準備がぁあああーー」 京太郎「そんなのいつまで経ってもできないだろ?ほら、いくぞ」グイグイ 淡「あーうぅーー……」ズルズル 京太郎「ただいまー」ガラガラ 母「あら、お帰りなさい。早かったわね」 京太郎「あぁ、なんかバスがすぐ来たから思ったより早くついた」 母「そうなの♪……それで?」 京太郎「うん?」 母「だから、京太郎の言ってた女の子よ♪」 京太郎「…………」チラッ 淡「……」コソコソ 母「あら?京太郎の後ろに隠れちゃって……どうかしたの?」 京太郎「……緊張してるんだよ」 母「そうなの?可愛いわねぇ♪」 京太郎「……ほら、淡?」マエニダス 母「あら、綺麗な子じゃない」 京太郎「ほら、淡」 淡「……は、はじめまして!きょーたろさんとお付き合いさせてもらってる大星淡といいまちゅ!」 京太郎「…………」 淡「……////」カァァ 母「……ぷっ」クスクス 京太郎・淡「?」 母「ごめんなさいね、あなた達を見てると昔の私達を思い出しちゃって」クスクス 京太郎(……嘘付け) 母「えっと、淡ちゃん?」ホホヲツネル 京太郎「いててて!」ジタバタ 淡「は、はい!」 母「京太郎の母の○○です。今日はわざわざ遠くからありがとうね」グググ 京太郎「ご、ごめんって!」 淡「い、いえ!こちらこそありがとうございます!」ペコッ 母「狭いところだけどゆっくりしていってくださいね?」テヲハナス 淡「あ、はい。ありがとうございます!じゃ、じゃあお邪魔します」 京太郎「……あぁ、ちぎれるかと思った……」ホホヲサスル 客間 母「今お茶持ってくるから炬燵でも入ってくつろいでてくださいね」 淡「ありがとうございます……暖かい♪」モゾモゾ 京太郎「ふぅ……」 淡「?きょーたろ、どうかした?」 京太郎「あ、いや。母さんに淡のこと聞かれるじゃないかって身構えてたからさ」 淡「そ、そっか」テレテレ 京太郎「なんで嬉しそうなんだよ……」 淡「♪」 京太郎「まぁいいや。とりま、親の前でノロケとか無理だからな。安心したよ」 母「そんなこと心配してたの?大丈夫よ?これから沢山聞くから♪」 京太郎「どわぁあ!」 淡「っ!」アワアワ 母「もう、落ち着きのない子ね」タメイキ 京太郎「母さんのせいだろ!」 母「それで?2人はいつからお付き合いしてるの?」ワクワク 京太郎「聞いてねぇし!」 淡「え、えっと、その……」 京太郎「淡はそういうの聞かれるとオーバーヒートするからーー」 淡「えっと、さ、3ヶ月前です////」 京太郎「答えるの!?」 母「あら、まだ最近なのね♪羨ましいわ」 淡「い、いえ」カァァ 母「あら、顔真っ赤にしちゃって可愛いわねー♪」 京太郎「……」 京太郎(この流れは……まずい) 母「京太郎、あなたどうやってこんな可愛い子を落としたの?」 京太郎「……成り行きだよ。もういいだろ?ほら、この話は終わり!」 淡「……」カァァ ウツムキ 母「成り行きであんたみたいな子にこんな可愛い子が付き合ってくれるわけないでしょ!?なにしたの!」 京太郎「ひどい言い草だな!なにもしてねぇよ!」 淡「え、えっと!」アワアワ 母「うん?どうかした?」 淡「その、きょーたろが、私を不良から守ってくれたのがきっかけです////」 京太郎「!?」 母「またベタな展開ね」 京太郎「あ、淡さん?」アセアセ 母「それでそれで?どっちから告白したの?」メキラキラ 淡「き、きょーたろから……うにゃ////」プシュー 京太郎「ちょ、やめ!」 母「あら意外。どんなシチュで告白されたの?」 淡「えーと、教室でーー////」 京太郎「いい歳してシチュとか言うな!そして淡も答えるな!」アセアセ 母「教室で?」ワクワク 淡「教室でいきなり抱きしめられて『オレのオンナになってくれ』って////」 母「あら素敵じゃない♪」 京太郎「」 母「それで、淡ちゃんはなんて返事を?」 淡「えっと、『私でよければ』って」カオマッカ 母「そしてそこでキス?」 淡「えっ!?き、キスはそこではしてないです!」アセアセ 母「もったいない……なかなかないシチュエーションよ?」 淡「あ、あの時は……その、告白だけでスッゴく嬉しかったので////」カァァ 母「じゃあキスはいつ?」 京太郎「!?」 淡「え、えっと」アセアセ 京太郎「ストープッ!」 (淡の口を手で覆う) 淡「先週ーーわっ!」グラッ 京太郎「ご、ごめん大丈夫か?」 淡「……いったーい」アタマサスル 京太郎「悪い……って?」 淡「……へ?」 母「あらあら、京太郎も一人前の男になってたのね♪」 京太郎「…………」 (淡を押し倒している構図) 淡「……」 (京太郎に押し倒されている構図) 淡「あ、ちょ、その!」アワアワ 京太郎「すまん、事故だ!」アセアセ 母「でも、時間にしては早いわよ?まぁ、止めないけど♪」 京太郎「違うからな?つか、どう見ても事故だろ!?」タチアガル 母「ごゆっくりー」 京太郎「だから違うっての!」 淡「……きょーたろに、お、おおお押し倒されて……きゅー////」ボフンッ 『母は出かけて……』 淡「うーん……」ゴロ 京太郎「おっ、起きたか?」 淡「……あれ、わたし……」ゴシゴシ 淡「……なんで京太郎に膝枕してもらってるの?てか、あれ?なんで寝てるの?」キョロキョロ 京太郎「……オーバーヒートして気失ってたんだよ」 淡「……あ、あぁー、京太郎に押し倒されて気失っちゃったんだ、私……」 京太郎「大変申し訳なかった」ハンセイ 淡「……別に怒ってないよー。事故だもん♪少し恥ずかしかったけど////」 京太郎「……俺もすっごい恥ずかしかったからお互い様だな」 淡「だね♪……ところで、お母さんは?」キョロキョロ 京太郎「あ、あぁ、母さんなら買い物に出かけたぞ?18時ちょうどに帰ってくるってよ……」 淡「?なんでそんなに時間を強調したの?」キョトン 京太郎「……さぁ?」 淡「まぁ、いっか。他に何か言ってなかった?」 京太郎「…………」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「おーい、淡?おきろー」ペシペシ 母「疲れもあるだろうし寝かせてあげなさいよ」 京太郎「まぁ、そうだけどさ……淡のことだから夜寝れなくなったりするかもだし」 母「夜寝るつもりなの?」 京太郎「おい……どういう意味だ」 母「……さーてと、可愛い淡ちゃんのために信州そばでも作ろうかしら♪」 京太郎「話を聞けよ……」 母「あら、材料足りないわね。京太郎、お母さん買い物行ってくるわね」 京太郎「……はぁ。おう、いってらっしゃい」 母「18時ちょうどに帰ってくるからそれまでに片づけておくのよ?」 京太郎「だからどういう意味だ!」 母「じゃあ行ってくるわねー」ガラガラ ピシャッ 京太郎「あ、待てって!」 ーーーーー ーーーー ーー 京太郎「…………」 淡「……きょーたろ?」 京太郎「な、何も言ってなかったぞ?」アセアセ 淡「そ、そう?ならいいんだけど」 京太郎「お、おう」アセアセ 淡「……」 京太郎「……」 京太郎(やっべ、母さんが変なこと言うから変に意識してるぞ俺……) 淡「……きょーたろ」 京太郎「な、なんだ!?」 淡「今何時かわかる?」 京太郎「……へっ?17時半過ぎだけど?」 淡「そ、そっか////」 京太郎「?」 淡「……ならあと30分は、その、2人っきりってことだよね?」カァァ 京太郎「!?」 京太郎(まさか、これって……) 淡「じゃあさ……」 京太郎「は、はい!」ドキドキ 淡「しばらくこのままでいいかな?////」 京太郎「……はい?」 淡「だから!その、膝枕しててくれない?////」 京太郎(……ですよねー。分かっていたさ。だいたい純情な淡に限ってそれはないよな) 京太郎「あ、あぁ、俺の膝でよけでばいくらでも」 淡「ありがと♪」 淡「きょーたろの膝枕、柔らかくて暖かい♪」 京太郎(かわいい……) 京太郎「…………」ナデナデ 淡「にゃ!?」ビクッ 京太郎「あ、ごめん」 淡「あ、こっちこそごめん。急だったから驚いちゃって」 京太郎「じゃあ、次からはちゃんと聞いてからにするな?」 淡「うん♪」ニパー 京太郎「じゃあ早速。淡、撫でていいか?」 淡「いいよー」 京太郎「……」ナデナデ 淡「うにゅ……きょーたろのナデナデ気持ちいい♪」 京太郎「それは良かった」ナデナデ 淡「♪」ニャーニャー 京太郎(あわいい……) 『信州そば』 母「淡ちゃん、味の方はどうかしら?」 淡「あ、はい!すっごく美味しいです!」 母「それはよかったわ♪まだ沢山あるから食べてね」 淡「ありがとうございます♪」 京太郎「…………」モクモグ 母「京太郎、どうかしたの?」 京太郎「いや……淡のこと気に入ってもらえてよかったなぁーって思って」 母「あら、そんなこと気にしてたの?」 京太郎「……一応な」プイッ 淡「きょーたろ……」ジーン 母「もう、文句あるわけないでしょ?こんな良い子なのよ?」 母「しかもこんなに可愛いのよ?やっこいのよ?気に入らない要因がないわよー」ダキッ 淡「にゃ!?」ビクッ 母「私って昔から娘がほしかったのよー。だから娘ができたみたいで嬉しいわ♪」ナデナデ 淡「んっ……ちょ……」ジタバタ 京太郎「淡……遠慮はいらん。しっかりした人間関係を築くには拒絶も大事だぞ?」 母「……あら、ごめんなさいね。可愛いからつい」パッ 淡「あ、いえ。ただ急だったので」アセアセ 京太郎「まだその癖治ってないのか?」 母「そうなのよー♪」テレテレ 京太郎「……」イラッ 淡「……癖?」 京太郎「あぁ、昔から気に入った可愛いものに抱きつくんだ。執拗にな」 淡「そ、そうなんだ……」 京太郎「だから我が家で唯一、カピに好かれてないんだ」 淡「へ、へー……」 母「もう、そんな言い方しなくてもいいのに」プンスカ 京太郎「…………」イラッ 母「淡ちゃーん、沢山あるからどんどん食べてねー」 淡「へ?あ、はい。ありがとうございます」ペコッ 食後。 母「京太郎、淡ちゃん、お風呂沸いたから先にどうぞ?」 淡「え?お母さんが先に入ってください。私は最後でいいので」アセアセ 母「あら、お母さんだなんて♪もうその気なのね♪」 淡「っ!」カァァ 母「もう、可愛いわね」ナデナデ 淡「あ、あうあう……」カオマッカ 母「淡ちゃん、今日は長旅で疲れてるでしょ?だから先に入って疲れをいやしてちょうだい♪」 京太郎「淡、母さんがこう言ってるだし」 淡「あ、うん。じゃあお言葉にあまえて」 母「はい。2人とも、ごゆっくり♪」 淡「はい。ありがとうございま……うん?」 京太郎「……なぁ、母さん」 母「なに?」 京太郎「その言い方だと、一緒に入るみたいに聞こえるんだが……」 母「えっ……入らないの?」キョトン 京太郎「はいらねぇよ!」 淡「……」カァァ 母「……2人は付き合ってるよね?」 京太郎「……あぁ」 母「3ヶ月目よね?」 京太郎「……そうだよ」 母「……」 京太郎「……なんだよ」 母「……なんで入らないの!?」 京太郎「文脈おかしいだろ!3ヶ月目と風呂がつながらねぇよ!」 母「……あはっ♪」 京太郎「」 淡「き、きょーたろと……お、おおお、お風呂って……////」プシュー 京太郎「あ、淡、落ち着け!母さんの達の悪い冗談だ!」 母「まぁ、それは2人にまかせるわ!私は部屋にいるから終わったら呼びにきて」ジャーネー 京太郎(散々言っていなくなりやがった……) 京太郎「……」 淡「……」ウツムキ 京太郎「……」チラッ 淡「……」チラッ 京太郎「っ!」メソラシ 淡「っ!////」メソラシ 京太郎・淡(き、気まずい!) 『須賀家の伝統』 京太郎「ふぅー、なんか疲れたな」 京太郎「……成り行きで先に風呂入ったけど、よくよく考えたら淡を先に入れるべきだったな……」 京太郎「早くあがって淡に変わってやろう」ザパー コンコン 京太郎「うん?」 淡「き、きょーたろ?」 京太郎「あ、淡!?どうかしたか?」アセアセ 京太郎(まさか、入ってくる訳じゃなよな?) 京太郎(……いやいや。淡に限ってそんなことするわけないか。あの純情の淡に限ってそんなこと……) 京太郎(いやまて、逆にか!?逆にくるのか!?) 妄想タイム。 淡「し、失礼しまーす////」 京太郎「……どうした?」 淡「そ、その……きょーたろの背中を流そうかなって……」カァァ 京太郎「……なんでだ?」ニヤニヤ 淡「なんでって……分かってるくせに……////」 京太郎「淡の口で言ってもらいたいんだ」 淡「う、うぅ……////きょーたろのばか……」カオマッカ 京太郎「……ごめん、冗談だ」 淡「むぅー」 京太郎「ごめんって」クルッ 淡「ッ!?だ、駄目!こっち向いちゃ駄目!」グイッ 京太郎「なんでだ?」 淡「今、タオル一枚だから……恥ずかしいよ……////」 京太郎「……淡は俺の裸を見ているのに俺はタオル一枚の姿すら見ちゃいけないのか?」 淡「っ!……駄目!今見られたら恥ずかしくてきょーたろの顔見れなくなっちゃうよ……////」 京太郎「大丈夫だって」クルッ 淡「だ、駄目!」グイッ 淡「見られたらもうきょーたろの顔見れなくなっちゃうよ?それでもいいの?」アセアセ 京太郎「それは困るな」 淡「でしょ?だからこっち見ちゃ駄目だよ?」 京太郎「りょーかい」 淡「……じゃあ、早速背中流すね?」 京太郎「おう、頼むよ」 淡「じゃあ、失礼します」ゴシゴシ 京太郎「もう少し強く擦ってもいいぞ?」 淡「え、そう?こう?」ゴシゴシ 京太郎「……もうちょい早く」 淡「こ、こう?」ゴシゴシ 京太郎「そんな感じ」 淡「ど、どう?気持ちいい?」ゴシゴシ 京太郎「あぁ、気持ちいいよ」 淡「よかった。初めてだったからさぁ」 京太郎「俺も初めてだから」 淡「だ、だよね」ゴシゴシ 淡「……え、えーと、痒いところまりますか?」ゴシゴシ 京太郎「それ、髪の毛洗うときじゃね?」 淡「べ、別にいいでしょ?////ほら、ないの?」 京太郎「とくにないかな?」 淡「はーい」ゴシゴシ 淡「はい、おしまい♪」 京太郎「サンキュー。じゃあ次は前を頼もうかな?」 淡「!?」 京太郎「え?」ニヤニヤ 淡「ま、まままま前!?」カァァ 京太郎「前だ」ニヤニヤ 淡「ま、前はその!洗おうとするときょーたろに見られちゃうっていうか!」アセアセ 京太郎「やってくれないのか?」 淡「うぅー」ナミダメ 妄想終了。 京太郎「淡、どうしたんだ?」 淡「えっと、タオルと着替え持ってきたの」 京太郎「……あぁ」 京太郎(そういえば忘れてた……) 淡「こ、ここに置いておくね?」 京太郎「おう、サンキュー」 京太郎(やっぱり妄想通りにはならないか) 淡「……じゃあ、失礼しますね?」ガラガラ 京太郎「おう…………えっ」 淡「し、失礼しまーす////」 京太郎「な、ななな、なにやっとんじゃー!」アセアセ 淡「そ、そんなに取り乱さないでよ。これも必要なことなんだから!」アセアセ 京太郎「意味が分からん!」アセアセ 淡「いいから!きょーたろは大人しく私に背中を流させて!」グイッ 京太郎「…………」ボーゼン 淡「じゃあ、始めるね?」ゴシゴシ 京太郎「…………」 淡「ど、どうかな?」 京太郎「……」 淡「な、なにか言ってよ……」 京太郎「……い、いい感じです」 淡「よかった♪」ゴシゴシ 京太郎(な、なんだこの状況……妄想した通りになってるぞ!?……いや、微妙に違うけどさ) 淡「はい、おしまい」 京太郎「……おう、サンキュー」 京太郎(実際にされると緊張するんだな……。妄想中の俺すげー……) 淡「じゃあ、次は……前」ボソッ 京太郎「……は?」アセダラダラ 淡「だ、だから、前!洗うの!」カァァ 京太郎「落ち着け。前はいい。自分でやる」 淡「だ、駄目!前もやるの!」 京太郎「なんでだ!」オロオロ 淡「わ、私達のためにだよ////私も恥ずかしいんだから我慢!」カオマッカ 京太郎「いやいや!」 淡「ほ、ほら!」 (京太郎の脇の下から手を伸ばす) 京太郎「あ、ちょ!」 コツン 淡「……へっ?」キョトン 京太郎「」 淡「……今、なにか硬いものにぶつかったような……」 京太郎「あ、淡!背中が痒くなってきたからもっかい流してくれないか!」アセアセ 淡「え?あ、うん。いいよ」ゴシゴシ 京太郎「…………」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散……) ーーーーーー ーーーー ーー 淡「は、はい、これでおしまい」カオマッカ 京太郎「お、おう」カオマッカ 京太郎「……」 淡「……」 京太郎(この沈黙がつらい……) 京太郎「……さ、さーて、もう一回使ったら上がろうかな?」 淡「そ、そうだね!ほら、早く入って入って」アセアセ 京太郎「お、おう!」チャポン 淡「失礼します」チャポン 京太郎「…………」 淡「…………」 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「な、なにか言ってよ……////」 京太郎「……なんで入ってるんだ?」 淡「わ、私達のためだよ!」 京太郎「そ、そっかー」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散!ってできるかー!!!) 京太郎(背中に感じる柔らかい淡の肌!淡に背を向けているから分からないがたぶん背中!しかも裸!) 京太郎(つまり俺たちは裸同士で背中をくっつけているってわけでーー) 淡「き、きょーたろ?」オロオロ 京太郎「私は紳士です!」 淡「っ!」ビクッ 京太郎「あ、ごめん」 淡「う、ううん!大丈夫だよ!」 京太郎「そ、そっかー」 淡「……」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎(この沈黙が耐えらんねー!!) 京太郎「な、なぁ!」 淡「は、はい!」 京太郎「その、なんで入ってきたんだ?」 京太郎(って!この質問しただろー!) 淡「え、えっと!私達のためだよ!」 京太郎「そ、そっかー。でもなんでこれが俺たちのためになるんだ?」アセアセ 淡「えっ?だって伝統なんでしょ?」 京太郎「……は?」 淡「え?」 京太郎「なんの伝統だ?」 淡「え?須賀家の伝統なんでしょ?」 京太郎「……なにが?」 淡「背中流したり、一緒に風呂に入るのが」 京太郎「…………」ポクポクポクポク 京太郎「…………」チーン 京太郎「あのクソばばぁ!」 『俺の母はこんな人です』 淡「…………」 淡(ど、どうしよう……) 淡(お母さんの冗談を真に受けちゃった私がいけないんだけど……だからって……////) 淡(き、きょーたろとお風呂……入っちゃって……) 淡「……////」カァァ 淡(きょーたろの顔、恥ずかしくてみれないよー!!)カオマッカ 客間。 京太郎「……なにか言いたいことは?」 母「そうね……。そろそろ、お風呂入りたいかな?」 京太郎「……」イラッ 淡「……////」ウツムキ 母「もぉ、お風呂くらいで顔真っ赤にしちゃう淡ちゃんかわいいわ!」ダキッ 淡「っ!」 京太郎「やめい」チョップ 母「あだ!」 京太郎「少しは反省しろ」 母「京太郎は細かいなぁー」ナデナデ 京太郎「細かくない!だいたい、年頃の男女を一緒に風呂に入れる親がどこにいるだ!」 京太郎「つか、なにさり気なく淡のこと撫でてんだよ!」 母「なに?やきもち?」 京太郎「ちがう!」 母「淡ちゃん、良かったわねー」ナデナデ 淡「……」プシュー 母「またショートしちゃった?本当に可愛いわね♪あわいいわ!」 京太郎「……はぁ」 母「ため息つくと幸せ逃げるわよ?」 京太郎「誰のせいだよ!」 母「もぉ、怒ってばかりだとシワできちゃうよ?」 京太郎「……」ボーゼン 京太郎(もう、いいや……) 母「さて、淡ちゃんがショートしちゃったから部屋に運ばないとね。京太郎、お姫様だっこで連れて行ってあげなさい」 京太郎「……」ダキカカエル 京太郎「……どこの部屋に運ぶんだ?」 母「元あんたの部屋」 京太郎「はいよ」 ーーーーーー ーーーー ーー 母「さて、淡ちゃんは寝ちゃったし、久々に親子みずみらずね!」 京太郎「……」 母「もう、ツンケンしちゃって♪可愛いのは淡ちゃんだけでいいのよ?」 京太郎「……」 母「……冗談が通じないわね」タメイキ 母「いつ以来かしらね。こうやって話すのは」 京太郎「そういうのはいい。本題は?」 母「あら、流石は私の子ね♪」 京太郎「……」 母「……京太郎」 京太郎「……なんだよ」 母「淡ちゃんとは真面目にお付き合いしてるの?」 京太郎「……あぁ」 母「そう。それを聞いて安心したわ。あの子、あんたには勿体無いくらい良い子だから大切にしてあげなさいよ?」 京太郎「分かってる」 母「ならいいわ」ニコッ 京太郎「……」 母「……」 京太郎「……えっ?」 母「?」 京太郎「それだけ?」 母「そうよ?」 京太郎「……」 母「さてと、私はお風呂入ってくるわね」 京太郎「……」 母「……京太郎」 京太郎「……なんだよ」 母「あなたなら分かってると思うけど、あなたはまだ子供よ?」 京太郎「……」 母「でも、体はもう立派な大人。働く事もできるし、子供だってその気になれば作れるわ」 京太郎「……」 母「京太郎、子供を産むってことはとても大変なの。子供に子供の親はできないの。だからーー」 京太郎「……」 母「作っちゃったらすぐに言いなさい?」 京太郎「……」 京太郎「…………は?」 母「だから、セックスして子供作っちゃったら言いなさいよ?」 京太郎「そういうことじゃなくて!普通、そうなる前にとめないか!?」 母「……あなた、16歳になって童貞なんて駄目よ?男失格よ?」 京太郎「あんたは親失格だよ!」 母「こんなにあなたの事を考えてるのに」ナミダホロリ 京太郎「」 母「さーて、お風呂入ってくるわねー」タタタッ 京太郎「…………」 京太郎「言いたいことだけ言って逃げやがった……」 京太郎「……まぁとりあえず寝るか。疲れたし。部屋行くか」 京太郎「……」 京太郎「あれ?俺、なんか忘れているような……」 『夜は長いわけで……』 自室。 京太郎「……忘れてた」 淡「んにゃ……」zzz 京太郎「どうしたものか……」 淡「ふにゅ……」zzz 京太郎「……仕方がない、ベッド占拠されちゃったしリビングでーー」 ガチャ。 京太郎「……あれ?」ガタガタ 京太郎「……なんで扉開かないんだ?」 母声「私が反対側からつっかえ棒をとりつけたからよ!」タタタッ 京太郎「」 京太郎「……母さん?悪ふざけもそこまでいくと……って、もういない……」orz 京太郎「……床に布団しいて寝れば問題ないよな?うん、問題ない」 淡「もぉ、たべられないよー……にゅふふ」zzz ーーーーーー ーーーー ーー 淡「……う、うーん」メゴシゴシ 淡「あれ、私ねちゃってた?」 淡「……そうだ、お母さんにからかわれてヒートしちゃったんだ……。またきょーたろに迷惑かけちゃった」ショボーン 淡「……てか、あれ?ここどこ?」キョロキョロ 淡「きょーたろの部屋かな?ポスターとか貼ってあるし」 淡「ってことはこのベッドもきょーたろの?」 淡「…………」 淡「……っ!////」ボフンッ 淡(な、何考えてるの私!////) 淡(だ、だいたい、きょーたろのだとしても、使ってたのは数ヶ月前だし!に、匂いとかするわけないじゃん!)カオマッカ 淡「…………」 淡「……」スンスン 淡「……や、やっぱりないかぁ!」ハハハ 京太郎「うーん……」ゴロン 淡「あ、ごめんね、きょーたろ。うるさくて」 淡「…………」 京太郎「……」zzz 淡「……へっ?」 京太郎「……」zzz 淡「……」 淡(なんで同じ部屋で寝てるの!?) 淡(え?え?どゆこと?)アセアセ 淡(先に寝たのは私だから、きょーたろが自らここにきた?) 淡「…………」 淡「……え、えっと」カァァ 淡(お、落ち着くのよ私!べ、別に何かあったわけじゃないんだから!と、ととととり乱すことはないよ!) 京太郎「……」zzz 淡「あ、あうあう////」キュー 淡「と、とりあえず、服に乱れた所とかないし!何もないよね!うん!」 淡「……」 淡「…………」 淡(……無防備に寝てたのに何もされないなんて……)ガーン 淡「……きょーたろのバカ」ボソッ 淡「……」 京太郎「……」zzz 淡「……バカ」ペシッ 淡「何で何もしないのよ」ペシペシ 淡「べ、別に私は……その、きょーたろがしたい、なら////」 京太郎「そうなのか?」 淡「っ!?」ビクッ 淡「き、きょーたろ!?お、おおおおきてたの!?」 京太郎「……」 淡「な、何か言ってよ……」ドキドキ 京太郎「……」zzz 淡「……へ?」 京太郎「……」zzz 淡「も、もしかして、寝言?」 淡「……」 淡「……本当は起きてるじゃないの?」ツンツン 京太郎「……う、うーん」zzz 淡「……今起きたら寝たふりしたこと許してあげるよ?」ツンツン 京太郎「……」zzz 淡「……ほ、本当に寝てる?」 京太郎「……」zzz 淡「……」 淡「よ、よかったー」 淡「もし、あ、あんなこと言ってるのきょーたろに聞かれたら恥ずかしくて死んじゃうよぉ」カオマッカ 淡「……」 淡「……なんで起きてないのよ」ペシペシペシペシ 淡「もぉ……」プンスカ 淡「……そういえば、きょーたろの寝顔見るのって初めてかも」 淡「授業中に寝てるのは見るけど、顔伏せてるからなぁー。……意外に可愛いかも♪」 淡「……」ジー 京太郎「……」zzz 淡「……寝てるんだよね?」 淡「なら、少しくらい……いいよね?」ゴロン (京太郎の横に寝転がる) 淡「……」 淡(きょーたろの顔、可愛いなぁ。普段はかっこいいけど♪) 淡(私、そんなきょーたろと付き合ってるんだよね) 淡「……にゅふふ」ニヤニヤ 淡「きょーたろ、大好きだよ」 チュッ 淡「……えへへ。きょーたろのセカンドキス勝手にもらっちゃった♪」 京太郎「うーん」ダキッ 淡「っ!」 淡「き、きょーたろ!?」オロオロ 京太郎「……」zzz 淡「ね、寝相悪いんだぁ、きょーたろ」 淡「……じゃなくて!きょーたろ、放してくれないとベッドに戻れないよ」 淡「……っ!ち、ちょ、きょーたろ、どこさわって、るの?」カァァ 淡「そんなとこ、やん、さ、触っちゃ、やぁ」 京太郎「……」zzz 淡「きょーたろ、や、やめ、んっ」 淡「っ!き、きょーたろ、首!首に息が、んっ」モゾモゾ 淡「だ、だめだって!そ、そんなに揉んだら……あん、だめだってばぁ」 淡「首、弱いんだからぁ////」 淡(ど、どうしよ……なんか変な気分になってきちゃった////) 京太郎「……」zzz 淡「はぁ、はぁ、き、きょーたろぉ……」 チュッ 淡「きょーたろぉ、んっ」チュッ 淡「……きょーたろぉ」ギュッ チュッ 淡「……ぜんぶ、き、きょーたろのせいなんだからね」チュッ 『まぁ、そうなるよね』 京太郎「……うーん、朝か」メゴシゴシ 京太郎「今何時……って、まだ6時か……これならもう少し寝られるな」ギュッ 京太郎「あぁ、やっぱり抱き枕っていいなぁー。暖かいし、柔らかいし……それに、なんかいい匂いがする」ギュッ 京太郎「…………」 京太郎「あれ?俺って抱き枕なんか持ってたけ?」チラッ 淡「……」zzz 京太郎「」 淡「……うにゅ」zzz 京太郎「……はっ!いかんいかんショートしてた」 京太郎「じゃなくて、なんで淡と同じ布団で寝てんだ!?」 京太郎「たしか、淡はベッドで寝てたはずだ……」 京太郎(……淡が布団に潜り込んできたってことか!?) 京太郎(つまり、それは……いやいや!まてまて!淡の事だからベッドから落ちて、みたいな落ちかもしれん!) 京太郎(あ、いやでも……万が一……そういう意図があったとしたら……) 京太郎「今からでもやるべき?」 京太郎「って!うなわけあるかー!!」 京太郎「仮にそうだったとして寝てる相手にとかありえねーよ!」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散……) 淡「……きょーたろぉ」ギュッ 京太郎「っ!?」 淡「……」zzz 京太郎「……な、なんだ、寝言か」ドキドキ 京太郎(しかし、淡に抱きつかれたせいで布団からでられなくなったな……) 京太郎「あ、淡さーん、手、放そうねー」ソー 淡「うーん、や……」ギュッ 京太郎「おうふ……」 京太郎(困った……) 京太郎「……どうするべきか」 京太郎「……」チラッ 淡「……にゅふ」zzz 京太郎「……」 京太郎(……かわいい) 京太郎「……」ナデナデ 淡「……♪」zzz 京太郎「……」ドキッ 京太郎「…………」キョロキョロ 京太郎「……べ、別に平気だよ……な?」 京太郎「は、初めてってわけじゃないしな!」 チュッ 京太郎「……寝てる彼女にキスするとか……」 京太郎「……もう一回してもいいよな?」 京太郎「……んっ」チュッ 淡「……んっ、うーん?」 京太郎「……あ」 淡「……きょーたろ?」ボー 京太郎「あ、淡、お、おおおはよう……」ドキドキ 京太郎(……もしかして、バレたか?) 淡「……おはよ」ニコッ 京太郎「っ……お、おう」 淡「もう……起きる時間?」メゴシゴシ 京太郎「え?あ、いや、まだ平気だぞ?」 淡「……そっかー、なら、もう……一眠り……」zzz 京太郎「……」 京太郎「俺って幸せだな」ボソッ 『長野観光!』 京太郎「…………」ダラダラ 淡「……」ツーン 京太郎「……えっと、淡さん?」 淡「ふんっ」プイッ 母「京太郎、あんた何したのよ……」 京太郎「え?別に何もしてないぞ?」 母「……」ジー 京太郎「な、なんだよ」 母「……」チラッ 淡「……」ツーン 母「……なるほどね」 京太郎「え?理由わかるのか!?」 母「大方の予想はつくわね」 京太郎「お、教えてくれないか?」 母「自分で考えなさい。……淡ちゃん?朝ご飯まで少し時間あるからそれまでこの辺見てきてら?」 淡「?」キョトン 母「京太郎の育った町よ?少し興味あるでしょ?」コゴエ 淡「っ!は、はい♪」 京太郎「?」 母「じゃあ、京太郎、案内してあげて。私はご飯つくるから」 京太郎「あ、あぁ……」チラッ 淡「♪……っ!ふ、ふんっ!」プイッ 京太郎(意味分からん……) ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「…………」テクテク 淡「…………」テクテク 京太郎(気まずい……) 京太郎「あ、淡?」 淡「……なに?」ムスー 京太郎「え、ええっと……ここが俺の通ってた小学校だ」 淡「っ!……へ、へぇー」 京太郎「家から近い所にあったからよく友達呼んで遊んだりしたんだよ」 淡「そ、そうなんだ」キョロキョロ 京太郎「校庭も広いし、よく野球とかサッカーとかやってたんだ」 淡「……きょーたろって運動とかやるんだ?」 京太郎「うん?まぁな。つか、俺ってスポーツとかやらない風に見えるか?」 淡「見えなくはないけど……文学部のイメージがあるかな?麻雀部だし」 京太郎「あぁ……でも、麻雀覚えたのって中3の後半だぞ?」 淡「知ってるよー。きょーたろは麻雀まだまだだもん♪」 京太郎「淡に言われたら言い返せない……。でも、俺だって少しずつだけど上手くなってるんだぞ?」 淡「ほんとかなー?」ニヤニヤ 京太郎「本当だって!そのうち淡にも追いついてやる!」 淡「ふーん♪ならあとで私と打たない?私千点スタートでいいからさ」 京太郎「……そこからひっくり返される自信あるわ……」 淡「きょーたろだもんね♪」 京太郎(良かった……機嫌よくなってくれたみたい) 淡「?どうかしたの?」 京太郎「うん?なんでもないぞ」 淡「そう?……あ、ここはなに?」 京太郎「あぁ、ここは俺の通ってた中学だな」 淡「へー。って、ここ小学校よりボロくない?フェンスとか穴あいてるじゃん」 京太郎「穴?……あぁ!これか。これ、俺が一年の時からあいてるんだよ。懐かしいなぁ。よく、ここから学校潜り込んだっけ」 淡「きょーたろ、悪ガキだったの?」 京太郎「いや、違うけどさ。夜の学校って楽しそうじゃん?」 淡「ざ、青春って感じだよね。夜の学校って」 京太郎「そうそう!よく警備の人に追いかけ回されてたっけ」 淡「見つかるなんてきょーたろもまだまだだね。私は見つかったことないよ?」 京太郎「淡もやってたのかよ。あと、見つかったのは俺のせいじゃないんだぞ?咲がどんくさくて毎回見つかるんだよ」 淡「っ!」ピクッ 京太郎「見つかるたびに次は大丈夫っていうから行くんだけどやっぱり捕まるんだよなぁー。あ、そういえば咲元気にしてんのか?」 淡「……」 京太郎「あとで挨拶だけでも行こうかな?淡ーー、あとで少し寄り道……ってあれ?」 淡「……」ツーン 京太郎「……あれ?」 淡(きょーたろのバカ……) 京太郎「えっと……淡さん?」 淡「……ふんっ」プイッ 京太郎(ふりだしに戻った……) ?「あれ?京ちゃん?」 京太郎・淡「!?」 咲「あ、やっぱり京ちゃんだ。帰ってたなら連絡してくれてもいいのに」 京太郎「咲!?どうしてここに?」 咲「どうしてって言われると困るけど……。なんとなくかな?」 京太郎「そうか。えって久々だな、元気にしてたか?」 咲「京ちゃんいなくなって寂しかったかな?」ボソッ 淡「っ!」 京太郎「?」 咲「なんでもない!えっと、京ちゃんは元気にしてた?」 京太郎「俺か?俺もぼちぼち」 咲「京ちゃんは相変わらずね♪えっと……それで、となりの子は?」 京太郎「うん?あぁ、紹介してなかったな。こいつはーー」 淡「初めまして。きょーたろの『彼女』の大星淡です」 京太郎(うん?) 咲「……え?えぇぇ!?きょ、きょきょきょ京ちゃん、彼女いるの!?」アタフタ 京太郎「えっと、まぁ」 咲(だ、大丈夫!まだ彼女止まり。結婚してるわけじゃないんだから) 咲「そ、そうなんだ……。えっと、こちらこそ初めまして。『幼なじみ』の宮永咲です」 咲「京ちゃんとは『ご近所さん』で本当に『小さい時』からの付き合いです」 淡「……へー」イラッ 京太郎(あれ?) 咲「淡ちゃん……だっけ?京ちゃんの事で聞きたいことあったら『なんでも』聞いてね?『知らないことない』から!」ドヤッ 淡「」ブチッ 京太郎「え、えーと……」ダラダラ 淡「お、お気遣いどうも♪なら早速聞いてみようかな?きょーたろってどんな音楽が好きか知ってる?」 咲「そんなこと?バラードとか優しい感じの曲を好んで聴いてるよ」 淡「残念でしたー。今はロックにはまってるんだよー」ドヤッ 咲「」ブチッ 京太郎「」ガクガク 咲「……私、京ちゃんと一緒にお風呂入ったことあるんだー」 淡「っ!ふ、ふーん。でも、どうせ小さい時の話でしょ?」 咲「そうだけど、淡ちゃんはないでしょ?」ニヤニヤ 淡「あるよ」 咲「!?」 咲「悔しいからって嘘はよくないと思うよ?」 淡「嘘じゃないよ?昨日入ったもん」 咲「き、昨日!?」 淡「うん。背中流してあげて、一緒にお風呂はいったもん」ドヤッ 京太郎「」 咲「ふ、ふーん!で、でも、淡ちゃんは京ちゃんと一緒に寝たことはないでしょ?」 咲「私はあるよー。同じ布団で肩を並べて寝たことあるんだから!」 淡「……」ジロッ 京太郎「ち、小さい時の話です!」 淡「ふーん。咲さんだっけ?天狗になってるところ悪いけど、私もあるよ」ドヤッ 咲「!?」 淡「昨日、訳あって一緒に寝たの。ね?」 咲「……」ジロッ 京太郎「か、母さんの悪戯でね!?他意はないぞ!?」 咲「え、えーと……」アセアセ 淡「うん?」ニヤニヤ 咲「わ、私は京ちゃんに抱きしめて貰ったことあるもん!」カオマッカ 淡「……」 咲「ど、どう?」 淡「わ、私も!」カァァ 咲「……」ゴクリ 淡「昨夜、きょーたろに抱いて(ハグ)貰ったもん!」カオマッカ 咲「」 京太郎「!?」 淡「き、きょーたろの首とかに、その……私のキスマークとかあるもん!」プルプル 咲「」チラッ 京太郎「え!?え!?ないでしょ!?」 咲「……ほんとだ」ボソッ 京太郎「え!?あんの!?」 淡「だ、だからきょーたろは私のなの!」 咲「……」テクテク 京太郎「!?さ、咲!?どこ行くんだ!?おーい!……いっちゃった」 淡「……」 京太郎「……」チラッ 淡「……////」サッ 京太郎「え、えーと、どゆこと?」 淡「……だ、だから昨日の夜に……その、きょーたろが抱きついてきて触ったりするから////」 京太郎「から?」 淡「だから!その気になっちゃったの!」 京太郎「」 淡「だからきょーたろが全部悪いの!」 京太郎「だから朝機嫌悪かったのか?」 淡「それは別!」 京太郎「別なの!?」 淡「色々頑張ったのに寝てるし!」 淡「もっと言うと寝てる私に何もしてくれなくてイライラしてたの!悪い!?」 京太郎「あ、いえ、悪くないです」 淡「はぁ…はぁ……」 京太郎「…………」 淡「……」 京太郎「……」 淡「……何か言ってよ////」 京太郎「…ごめん」 淡「……なにがごめんなの?」 京太郎「え、えーと……ヘタレで?」 淡「……ほんとだよ」 京太郎「否定してほしかった」 淡「事実だもん」 京太郎「……」 淡「きょーたろは乙女心がわかってないよー。女の子は好きな子になら少しくらい強引にされたいとか思ってるんだよ?」 京太郎「え、そうなの?」 淡「そうなの!……たぶん」 京太郎「……じゃあ遠慮なく」グイッ 淡「へ?わぷっ」 チュッ 京太郎「……」 淡「んっ、きょーらろぉ……ここ、そと……」 京太郎「ぷはっ……大丈夫、ここ人気ないから」チュッ 淡「いや、でも……んっ」 京太郎「……」グイッ 淡「……」ドサッ 京太郎「淡……」 淡「きょーたろ……」 京太郎「ただいまー」 淡「ただいま」ムスー 母「あら、おかえ……京太郎、顔に大きな紅葉マークあるけどどうかしたの?」キョトン 京太郎「……聞かないでくれ」シクシク 淡「ふんっ!」プイッ 京太郎(言えない……押し倒して胸触ったら顔面ビンタされたなんて……) 母「……あら。とりあえずご飯できてるから手洗ってきなさい」 京太郎「……はい」 ーーーーーー ーーーー ーー 母「それで、今日はどこに行く予定なの?」モグモグ 京太郎「……とりあえず、善光寺とか中心に回ってくる予定だよ」 母「そうなの?てっきり温泉とか行ってくるのかと思ったのに」 京太郎「温泉?」 母「野沢温泉とか昼神温泉とかあるじゃない」 京太郎「いやいや、時間的に無理だし、行けたとしても一緒に入れないから別行動になるだろ」 母「混浴ってなかった?」 京太郎「あってもはいらねぇよ!」 淡「ふーん……あっても入らないんだ?」 京太郎「え!?」 淡「別にいいけど」プイッ 母「……京太郎、ほんと何したの?」 京太郎「…………」 淡「ふんっ」プクー 京太郎「それじゃあ行ってきます」 淡「行ってきます」 母「いってらっしゃい。気をつけてね」 京太郎「……」テクテク 淡「……」テクテク 京太郎「……淡」 淡「……なに?」 京太郎「朝は……その、ごめん」 淡「……ほんとだよ」 京太郎「もう、あんな馬鹿なことしないから許してほしい」 淡「……条件がある」 京太郎「条件?」 淡「今日1日普通にデートしよ?」 京太郎「へ?」 淡「人前だからキスとかは禁止。あとエッチなこと考えるのも禁止」 京太郎「え?え?」 淡「これが守れるなら許してあげる」ニパー 京太郎「え、えっと……」 淡「どうかした?」 京太郎「普通の定義が分からないだけど……」 淡「……手を繋ぐとか以外は禁止?」 京太郎「!?」 淡「あ、でも、あーんくらいはいいかな?」 京太郎「ちょ、ちょ」 淡「なに?」 京太郎「マジで?」 淡「まじ」 京太郎「ハグとかナデナデもなし?」 淡「1日くらい我慢できるでしょ?」 京太郎「」 淡「これが守れるなら許してあげる♪」 京太郎「…………」 淡「……?」 京太郎「…………………………………………分かった」シクシク 淡「今の間が凄い気になるんだけど……」 淡「じゃあ、いこっか♪」 京太郎「お、おう」 善光寺。 淡「ここが善光寺かぁ」キョロキョロ 京太郎「淡は初めてだったか」 淡「うん。というより関東から出たことないよ」 京太郎「…………」 淡「どうしたの?」 京太郎「いや、なんでも。……写真撮ろうぜ」 淡「?」 京太郎「あ、すみません。写真撮っていただけませんか?」 客「いいですよ」 京太郎「ほら、淡、撮るぞー」 淡「え、あ、うん」 客「はい、ちーず」パシャッ 京太郎「ありがとうございます」 淡「ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「ここって何が有名なの?」 京太郎「そうだな。たとえばーーー 淡「き、きょーたろ……食べすぎ」プルプル 京太郎「いいだろ?美味しいだか……うぷっ」 淡「戻したら駄目だよ?」 京太郎「だったらそんなにホイホイ買わないでいただきたい」 淡「はーい」ケラケラ 京太郎「……これからどうする?もう時間的に行けるところあんまないけど」 淡「え?もうそんな時間?……あ、ほんとだ」 淡(なんかあっという間だったなぁ……) 京太郎「どこか行きたい所とかやりたいことあるか?」 淡「うーん……。あ、おみくじやりたい!」 京太郎「おみくじ?」 淡「うん」ニパー 京太郎「そんなんでいいのか?」 淡「いいの。沢山写真も撮ったし、美味しいものも沢山食べたからね」 京太郎「まぁ、淡がそれでいいなら」 ーーーー ーー 淡「きょーたろ!おみくじとった?」 京太郎「あぁ、とったぞ」 淡「じゃあ、同時に開けるよ?いい?」 京太郎「ほーい」 淡「じゃあいくよ?せーの」ピラッ 京太郎・淡「…………」 淡「凶……」 京太郎「末吉……」 淡「……冗談で相手を傷つける可能性があります。優しく接してあげましょう……」 京太郎「行動が裏目にでる……」 京太郎・淡「……………」 淡「き、きょーたろ!」ダキッ 京太郎「っ!?」 淡「え、えっと……ご、ご褒美!今日1日手も繋いでないから我慢できたご褒美!特別、腕に抱きついてあげる」アセアセ 京太郎「そ、そっか」 京太郎(今朝、胸は触ったけどな……) 淡「……きょーたろ」ジト 京太郎「なんでもありません」キリッ 淡「もう、まだエッチなことは考えたら駄目なんだよ?分かってる?」 京太郎「も、もちろん」 京太郎(腕胸押し付けておいてそれは酷い……)シクシク そのころ。 母「はい、須賀です。あ、主人がお世話に……え?今からですか?あ、はい。分かりました。すぐに向かいます」ガチャ 母「……夜は二人でなんとかして貰うしかないか……」 母「……メールしなくちゃ。あと、京太郎へと」コトッ コンドーム「お留守番?」 『二人きりの夜』 京太郎「…………」テクテク 淡「…………」テクテク 京太郎「……え?」 淡「?どうかしたの?」テクテク 京太郎「あ、いや、今夜母さんが急に出かける事になったから二人らしいんだ」 淡「へー、そうなん……だ?」 淡「…………」 京太郎「…………」ソワソワ 京太郎(今夜はせっかくだし、俺が飯作るか。普段は淡にばっかり作って貰ってるしたまにはいいよな) 京太郎(それに、おみくじの件もあるし……) 淡(きょーたろがすっごいソワソワしてる……。やっぱりしたいのかな?……男の子だししたいよね……) 淡(今朝は思わずひっぱたいちゃったけど、わ、私だってきょ、きょ、興味はあるし、その、してもいいんだけど……) 淡(やっぱり怖いなぁ……) 京太郎「淡?」 淡「は、はい!?」 京太郎「家、ついたぞ?」 淡「へ?あ、ほんとだ……」 リビング。 京太郎「」 淡「」 コンドーム「やぁ!」 京太郎「かあさん…」ガックリ 京太郎(今日はエロいこと禁止なんだから煽るなよ……) 淡「////」 京太郎「……と、とりあえず、飯作るか。淡、何か食べたいものあるか?」 淡「た、たべる!?」 京太郎「お、おう。なにか食べたいものないか?今夜は俺が作るからさ」 淡「あ、え?ご飯の話?」 京太郎「それ以外に食べるものあるか?」 淡「…………////」カァァ 京太郎「?」 淡「そ……そばがいいな!長野だし!」 京太郎「そば?昨日食べたのにいいのか?」 淡「き、昨日はお母さんのでしょ?きょーたろのが食べたいの!」 京太郎「そ、そっか」 淡(ど、どうしよう……さっきから変なことばっかり考えちゃってる……////) 淡(自分で禁止しておいて自分だけするなんてずるいよね……が、我慢しなきゃ) 京太郎「じゃあ、できるまでテレビでも見ててくれ」 淡「あ、うん」 淡(って言ったけど……) 淡(面白いのない……) 淡「むぅ……」チラッ 京太郎「♪」 淡(きょーたろって本当に家庭的だなぁー。一人暮らししてるからかもしれないけど) 淡(も、もし、きょーたろと結婚したらこんな感じなのかな?) 淡(毎日きょーたろのご飯食べて、休みの日はきょーたろにどこかに連れて行ってもらって……あれ?) 淡(私、してもらってるだけじゃん……) 淡(てか、よくよく考えたら料理とか掃除とかって女の子が率先してやる仕事じゃ?それをとられたら……) 淡(……私、いらない子!?)ガーン 淡(こ、これはまずいんじゃ?) テレビ「……ですよ!やっぱり、女の子には料理とかしてもらいたいですね」 淡「…………」ジー テレビ「干物女は……流石に……ね?」 淡「っ!」 淡「き、きょーたろ!」 京太郎「うん?どうかしたか?」 淡「な、なにか手伝うことない!?」 京太郎「へ?」 淡「私だけゆっくりできないし。なにか手伝うよ!」 京太郎「…………」スッ 淡「……なんで私のおでこに手を当てるの?」 京太郎「いや、熱でもあるのかなって思ってな」 淡「そんなに珍しい!?」ガーン 京太郎「…………珍しくないぞ?」 淡「否定するならせめて間をあけずに言ってよ……」シクシク 淡「と、とりあえず、なにか手伝えることない?」 京太郎「そうだなぁ……そば、茹でてみるか?」 淡「茹でるだけ?」 京太郎「簡単だろ?その間に天ぷらとか作っとくからさ」 淡「簡単だけど……それだけ?」 京太郎「……本当にどうした?」 淡「……きょーたろに任せっきりっていうのがやなの」 京太郎「?」 淡「わ、私女の子なんだよ?男の子に料理とか掃除とかで負けたくないし!それが自分の彼氏ならなおさら!」 京太郎「あー……じゃあ、天ぷら作ってくれるか?その間にそばやっとくからさ」 淡「っ!う、うん!」 京太郎(かわいい) ーーーーーー ーーーー ーー 京淡「ごちそうさま」 淡「き、きょーたろ、天ぷらどうだった?」 京太郎「てんぷら?美味しかったぞ」 淡「やっぱり?自分でいうのはあれだけど、自信作だったんだー」 京太郎「また作ってくれよ?」ナデナデ 淡「んっ……きょーたろが食べたいって言ったらいつでも作ってあげる♪」ニコッ 京太郎「っ……そ、そろそろ風呂わかすか!」アセアセ 淡「もうそんな時間?あ、もうこんな時間かぁーー」 京太郎「お風呂わいたら先に入っていいぞ?」 淡「ありがと。でも京太郎も疲れてでしょ?だから今日は先に入って」 京太郎「いやいや!淡はお客さんだからさ!それに昨日は俺が先だったし……あっ」 淡「……あ、あはは、じ、じゃあ、今日は先に入ろうかな?」アセアセ 京太郎「お、おう!」アセアセ お風呂にて。 淡「……」ソワソワ 淡「……」チラッ 淡「……きょーたろ……こないのかな?」 淡(あ、そういえば今日は1日エッチなこと禁止にしてたんだ……) 淡(失敗だったなぁ……) 淡「男ならそのくらいしてよ……」プクー リビングにて。 京太郎「…………」 京太郎「これって……突撃するべき?」 京太郎「……いや、今日はエロいこと全て禁止だし駄目だよな!」 京太郎(でも、少しくらい強引な方がいいのか?淡も言ってたし!いやでも万が一突撃して嫌われたりしたらーー) 京太郎「ああああ!!!」 噛み合っているようで噛み合わない2人。 ーーーーーー ーーーー ーー 淡「きょーたろ、あがったよ」プクー 京太郎「?ど、どうかしたのか?」アセアセ 淡「別に?とりあえず、きょーたろも早く入ったら?」 京太郎「お、おう。行ってくる!」タタタッ 淡(本当に来なかったし……。きょーたろのバカ……) 淡「…………」チラッ 淡「……11時かぁ。もう寝ようかな」 淡「……あれ?」 淡(どこで寝ればいいんだろ?) 淡(昨日はきょーたろの部屋だったけど、今日もそこでいいのかな?) 淡(きょーたろの部屋で寝るってことは、きょーたろと同じ部屋ってことかぁ……) 淡「うーん……。よし、きょーたろの部屋でねよっと」 京太郎の部屋 淡「おじゃましまーす……ってあれ?」 淡「……敷き布団どこだろ?」 淡「押入かな?」ガラガラ……ポロッ 淡「うん?なんだろ?」 淡「……っ!」 淡「こ、これって!////」カァァ 淡(え、エロ本だよね?で、でも何で押し入れに?普通ベッドの下じゃないの?)アセアセ 淡(と、とりあえず、戻しておかなきゃ) 淡「……」 淡「少しだけ…」ペラッ 淡「っ!…………も、もう少しだけ」ペラッ 淡「……」ペラッ 淡「……」ペラペラッ 淡「……胸の大きな子ばっかり……」 淡「……きょーたろって胸大きい子が好きなのかな?」 淡「で、でも、私はそんなに……」ペタペタ 淡「……」 数分後 京太郎「なんで俺正座させられてるの?」 淡「いいから、質問に答える!」 淡「きょーたろはおっぱいが大きい子が好きなの?」 京太郎「え?え?何の話?」 淡「これ」ペラッ 京太郎「!?」 京太郎(あいぼおぉおおおおおお!!) 京太郎(ど、どうしてあれを!?) 京太郎「そ、それは?」アセアセ 淡「押し入れでつけたの。それで?」 京太郎「それでとは?」アセアセ 淡「だから、胸の大きな子が好きなの?」 京太郎「……淡、よく聞いてくれ」 京太郎「俺は巨乳好きだ」 淡「…………」 京太郎「……まて、続きがあるからそんなに引かないでくれ……」 淡「……つづけて」 京太郎「お、おう。でな、これは俺の持論だけど、巨乳っていうのは富士山みたいなものなんだ」 淡「………………」 京太郎「……富士山って眺めてるぶんには綺麗だよな?それな一回くらい行ってみたいって思うだろ?」 淡「……まぁ」 京太郎「でも、住んでみたいとは思わないだろ?」 淡「そりゃあね……不便だし」 京太郎「だろ?巨乳もそれと一緒なんだ」 淡「?」 京太郎「巨乳は眺めてるぶんにはいいし、一度くらい触ったり揉んだりしてみたいけど、巨乳の子と付き合いたくないってこと」 淡「………………………………」 京太郎「………」 淡「……じゃあ、あれだ。私の胸じゃあ、そういう欲求を解消できないってことだね」 京太郎「っ!それは違う!」 淡「!?」 京太郎「俺は淡が好きなんだ!」 淡「っ////」 京太郎「俺は淡の胸を見たいとも思うし、触ったり揉んだり舐めたりしたい!淡がいいんだ!」 淡「え、あ、ちょ……あぅ////」 京太郎「変なこと言ってる自覚あるけど、これが俺の本音だ」 淡「う、うん。その……ありがとう////」 京太郎「おう」 淡「…………」 京太郎「…………」 淡「ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「その、昼間のことなんだけど……叩いたりしてごめんね」 京太郎「昼間?……あぁ、いや、あれは俺が悪かったし」 淡「本当はね、嬉しかったんだぁ。でも外っていうのに抵抗あって……」 京太郎「…………」 淡「だから、その……きょーたろぉ」チラッ 京太郎「えっと……いいのか?」 淡「……」コクリ 京太郎「俺、初めてだから上手くないからな?」 淡「初めてじゃなかったら逆に嫌だよ」 京太郎「あ、でも今日はエロいこと禁止だけどいいのか?」 淡「……もう、0時回ってる」 京太郎「淡……」チュッ 淡「んっ」 『帰宅』 電車。 淡「……」ボー 京太郎「淡?どうかしたか?」 淡「え?いや、別に」 京太郎「……っ!も、もしかして体調悪いのか!?」アセアセ 淡「え!?あ、いや!違うよ?」アセアセ 京太郎「ほ、ほんとか?」 淡「う、うん。まだ、ずきずきするっていうか……その違和感あるけど……////」 京太郎「そ、そうか。でも、だったらどうして?」 淡「うん?あぁ、それはね。なんかあっという間だったなーって思って」 京太郎「そうだな」 淡「初日から一緒にお風呂入ったり、一緒に寝たりーー」 京太郎「ぜんぶ、母さんのせいだけどな」 淡「あ、そういえば、初日のそばも美味しかったなぁ」 京太郎「また、一緒にいこうぜ?そうすれば食べられるし」 淡「うん♪」 京太郎「2日目の観光はどうだった?」 淡「あぁ、外だっていうのにいきなり押し倒したこと?」ニヤニヤ 京太郎「……あれは本当にすみませんでした」orz 淡「別にいいよ。嫌だったわけじゃないし」 京太郎「それに昨日しちゃったしな」 淡「っ!ば、ばか!」カァァ 京太郎「ごめんごめん」 淡「もう……」 京太郎「……」 淡「……きょーたろ?」 京太郎「うん?」 淡「昨日は、その……ありがとうね」カァァ 京太郎「いやいや、こちらこそ?ありがとう。その、よかったぞ?」 淡「そ、そう?自分だとよく分からなくて」 京太郎「大丈夫だって。俺が保証する。むしろ、俺が上手くできてたか?」 淡「大丈夫だと思うよ?」 京太郎「思う?」 淡「あ、だからね、初めてだから比較する情報が本……じゃなくて!聞いた話だけだから!」 京太郎「なるほど」 淡「……初めて同士だし、その辺は曖昧でいいんじゃない?」 京太郎「それもそうだな」 淡「あ、そういえば、避妊具って消費期限あったよね?保健体育でそんなこと習った」 京太郎「そうだったか?」 淡「習ったでしょ……あと保存方法とか」 京太郎「ああ!あの財布に入れると上がるのは金運じゃなくて、妊娠率だぞってやつか」 淡「そうそう。その昨日のやつ大丈夫だったのかな?」 京太郎「…………」 淡「…………」 その頃。 母「そういえば、これ、消費期限いつだったかしら」 コンドーム「だいぶ前だよ?」 母「あら……」 完。 『二人でロッカーに入ってた』 更衣室。 淡「きょ、きょーたろ!?」 京太郎「あ、淡!?」 淡「な、なんできょーたろがここに!?」 京太郎「そ、そのだな!これには訳が!」 淡「っ!きょーたろ!」ガッ 京太郎「え?」 バタン。 女生徒「あぁ、なんでマラソンなんて体育であるんだろー」 女生徒「だよねー。もう汗びっしょり」 ロッカー内。 京太郎「…………」 淡「…………」 京太郎「え、えっと……淡さん?」 淡「……きょーたろ、なんで女子更衣室にいるの?」ジトッ 京太郎「え、えっとだな…」 淡「……覗き?」 京太郎「ち、違っふが」モゴモゴ 淡「ば、バカ。今大声出したら見つかっちゃうでしょ」 京太郎「ご、ごめん……」 淡「で?」 京太郎「あ、あぁ、その……男子同士で賭けてたんだ」 淡「なにを?」 京太郎「罰ゲーム」 淡「……それで?」 京太郎「……頼むからそんな可哀想な人を見るような顔をしないでくれ……」 淡「それで?罰ゲームと更衣室に何の関係があるの?」 京太郎「その、罰ゲーム内容がだな……ゴキの玩具を着替えの中に入れるっていうやつで……」 淡「…………」ボーゼン 京太郎「……他の女の子にやったらアウトだけどさ……淡ならなんとかなるかなって……」 淡「………」 京太郎「…………すみませんでした」 淡「きょーたろの馬鹿さ加減には呆れてものが言えないよ」 京太郎「返す言葉もございません……」 淡「……それで?罰ゲームは実行できたの?」 京太郎「え?あ、あぁ」 淡「ってことは……。あとは女子にバレないようここを出れば全て丸く収まるってことだよね?」 京太郎「え?まぁ、そういうことになる……のかな?」 淡「はぁ……。きょーたろ、次はないからね?」 京太郎「ゆ、許してくれるのか?」 淡「許すわけないじゃん。あとでちゃんと埋め合わせしてもらうから」 京太郎「は、はい……」 淡「きょーたろのバカ」 京太郎「すみませんでした」 淡「…………」 京太郎「…………」 淡「……でも安心した」 京太郎「え?」 淡「きょーたろが覗き目的で来たわけじゃなくて」 京太郎「あ、当たり前だろ。それじゃただの変態だ」 淡「でも私の着替えを漁ったんでしょ?」 京太郎「…………」 淡「変態じゃん」 京太郎「……すみませんでした」 淡「まったく……きょーたろのせいで着替えるの遅れちゃうよ」ジトッ 京太郎「ごめん」 淡「ホントだよ……今日はすっごい汗かいた……か…ら……」 京太郎「うん?どうかしたか?」 淡「……きょーたろ、少し離れて」 京太郎「え?」 淡「……お願い」 京太郎「お、おう……って、ロッカーの中だから無理だ」 淡「え……」アセアセ 淡「……」クンクン 淡(く、臭くないかな?) 京太郎「淡?どうかしたか?」 淡「っ!な、なんでない」 京太郎「そうか?なんかソワソワしてるけど」 淡「だ、大丈夫」 京太郎「?」 京太郎(……あ、そういうことか)ピコーン! 京太郎「……淡」ギュッ 淡「!?」 京太郎「素直じゃないなぁ」ナデナデ 淡「な、な、な!」カァァ 淡「何してるのよ!離れてっば!」ジタバタ 京太郎「え?こうして欲しかったんじゃないのか?」 淡「な!?ち、違うわよ!汗沢山かいてるから離れてほしかったの!」 京太郎「なんだ……。でも、俺は気にしないぞ?」 淡「私が気にするんだってば!」 京太郎「それにいい匂いだぞ?」クンクン 淡「!?」 淡「ちょ、や!駄目だって!」ジタバタ 京太郎「……」ギュッ 淡「ちょ、きょーたろ……お願いだから」ウルウル 京太郎「……かわいいなぁ」ギュッ 淡「え、あ、ちょ……あぅ」 ーーーー ーー 淡「きょーたろのばかあぁ!!!!」 京太郎「ご、ごめんって!ついな? 」 淡「ついな?じゃないよ!駄目だって言ったのに!」ナミダメ 京太郎「いや、だってさ……」 淡「……なに?」グスッ 京太郎「……涙目の淡、凄く可愛いから」 淡「……」 京太郎「淡?」 淡「そ、そういうことなら……その、今日は許してあげる」プイッ 京太郎(かわいい) モブA(あわいい!) おわり! 『二人で買い物してた』 京太郎「なぁ、今日はどこいくんだ?」 淡「いいからきょーたろは黙ってついて来て」ニパー 京太郎「お、おう」 ーーーーーー ーーーー ーー 淡「ついたよー」 京太郎「え……ここ?」 淡「うん♪」 京太郎「」 淡「……やっぱり驚く?」 京太郎「驚くのもあるけど、それ以上に困惑してる……」 淡「だ、だよね……」 ランジェリーショップ。 京太郎「まさかと思うけど……ここで買い物を?」 淡「……うん」 京太郎「俺も一緒に?」 淡「……うん」 京太郎「」 淡「やっぱり……だめ?」 京太郎「……理由によってはなんとか……」 淡「え、えっと……これ」 京太郎「これは……女性誌?」 『男性から下着をプレゼントされているカップルの結婚率90%以上!』 京太郎「…………」 淡「……」チラッ 京太郎「えっと、これが理由か?」 淡「う、うん……////」カオマッカ 京太郎「うーん……」 京太郎(こういうのって当てにならないって淡知ってるのか?) 京太郎(……流石に分かってるよな。でも、それならなんで……) 淡「その……やっぱり付き合ってるならけ、けけけ結婚のことも考えたいじゃん?」アセアセ 京太郎「…………」 京太郎(……可愛いからいっか) 淡「その、む、無理なら無理っていってくれれば!」アセアセ 京太郎「この雑誌通りなら下着をプレゼントすれば結婚する確率があがるんだろ?なら上げとこうぜ」 淡「え?い、いいの?」 京太郎「俺も確率あげておきたいからな」 淡「っ!」パァー 店内。 京太郎(まずい!これ、思った以上に恥ずかしい!) 京太郎(他のお客様から店員までこっちみてる……) 京太郎(は、早く終わらせよう。淡のためにも俺のためにも!) 京太郎「そ、それで淡はどんなのがいいんだ?」 淡「え?」 京太郎「えって……、淡にプレゼントするなら好み聞いておかないと」 淡「男性が下着をプレゼントするときって男性が彼女にはいてもらいたい下着を送るんじゃないの?」 京太郎「え?」 淡「…………」ジー 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「………きょーたろぉ」 京太郎「……わかった。選ぶよ」 淡「やった♪」 京太郎「……それで、淡」 淡「うん?」 京太郎「その……サイズを教えて貰えるか?」 淡「えっ……サイズって……胸の?」 京太郎「お、おう」 淡「あー、え、えっと……」カァァ 淡「……」キョロキョロ 淡「耳貸して」 京太郎「おう」チュウゴシ 淡「ーーーーだよ」 京太郎「え?そんなにある?」 淡「どういう意味?」ジトッ 京太郎「……深い意味はありません」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「これとかは?」 淡「……これ、なんか面積っていうか……隠せてる部分少なくない?////」 京太郎「まぁな……」 淡「きょーたろってこういう……あだると?な下着が好きなの?」 京太郎「……黙秘権を行使させていただきます」 淡「…………」 淡(今度からこういうのも用意しておこうかな……) 淡「じゃあこれにしようかな」 京太郎「っ!そ、そっか!じゃあレジ行こう!全力で!」 淡(顔真っ赤にしちゃって……かわいいなぁ)キャーキャー モブ「あれ、あの2人……須賀くんと大星さん?」 おわり 『手を繋いで淡家訪問してた』 京太郎「…………」 淡「きょーたろ?もっとリラックスして平気だよ?」 京太郎「そ、そうはいうけどさ……淡の両親いるんだろろ?」 淡「まぁ……私実家だし」 京太郎「だよなぁー……」 淡「…………」 淡「……えい」ギュッ 京太郎「え?」 淡「手、繋いであげるから元気だして。ね?」 京太郎「……淡」 淡「ね?」 京太郎「……」ナデナデ 淡「んっ……元気でた?」 京太郎「あぁ、不安なのは変わらないけどな」ナデナデ 淡「よかった♪」 京太郎「……ところで、淡の両親はどんな感じなんだ?」 淡「うん?うーん……普通、かな?」 京太郎「まったく参考にならないな」ニガワライ 淡「そんなこと言われたってぇ。ま……お母さんはおっとりしてるかな?」 京太郎「淡の親なのにか?」 淡「それ、どういう意味?私がおっとりしてないってこと?」プクー 京太郎「おっとりはしてないだろ?どちらかっていうとリスみたいに走り回ってるタイプだな」 淡「ええー。私、自分のこと結構ま…お母さん似だと思ってるのにー」 京太郎「……無理にお母さんって呼ばなくていいぞ?」 淡「……なんのこと?////」プイッ 京太郎「……淡のパパはどんな人なんだ?」 淡「えっと、パパは……って……////」カァァ 京太郎「…………」ニヤニヤ 淡「……そんな意地悪するきょーたろにはもう教えてあげない!」プイッ 京太郎「ごめんごめん」ナデナデ 淡「ふーんだ」ツーン 京太郎「淡」ナデナデ 淡「……」プイッ 京太郎「……淡」 (耳元で) 淡「っ……な、なに?」チラッ 京太郎「ごめん」 (耳元で) 淡「んっ……きょーたろ、耳元で言うのやめ、て」ビクッ 京太郎「………淡、かわいいぞ」 (もちろん耳元で) 淡「っ!……だ、だからぁ、み、耳元はーー」 京太郎「ふぅー」 淡「うにゃ!?」ビクッ 淡「にゃ、にゃにするの!?」 京太郎「いやー、感じてる淡が可愛くてつい」 淡「ついじゃないよー!」 京太郎「こうやって淡と戯れてると落ち着くんだよ」ナデナデ 淡「そんなことされたら私が落ち着かなくなるでしょー!」フガー 京太郎「ごめんごめん。それにしても淡は首に耳にと弱点多いな」 淡「そ、そんなこと……ないもん」 淡「少しビクッてしただけだもん……」 京太郎(かわいい) 淡「……あ、ついた」 京太郎「え?」 淡「ここ、私の家」 京太郎「お、おう」アセダラダラ 淡「……さっき、私と戯れておちついたんじゃないの?」ジトッ 京太郎「そうだけどさ……」 淡「もう……きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「しゃがんで」 京太郎「?お、おう」 淡「……大丈夫だよ」 (耳元で) 京太郎「っ!」 淡「相手の両親に挨拶するんだから不安なのは分かるよ」 淡「でも、大丈夫。きょーたろだもん」 淡「私が選んだ彼氏だもん。パパもママも認めてくれるよ、きっと」 京太郎「淡……」 淡「だから、ね?」 京太郎「……だな」 淡「最後に元気の出るおまじない」 チュッ 京太郎「っ!」 淡「はい、元気でた?」 京太郎「……でた」 淡「うん。じゃあ、いこ?」 京太郎「おう!」 おわり! 『風邪で寝込んだ京太郎の看病してた』 京太郎「……これくらい大丈夫だっ……ゴホッ」 淡「全然大丈夫じゃないじゃん……。顔も赤いし」 京太郎「そんなことねーよ……」 淡「こういう時に強がりとかいらないから。ほら、寝て寝て」 京太郎「……ゴホゴホッ」 淡「きょーたろ、ちょっとおでこさわるよ?」ピト 京太郎「っ」 淡「うわー……すっごい熱い。熱はかった方がいいよこれ」 京太郎「……淡」 淡「うん?」 京太郎「……おでこ、もっかい触ってくれないか?」 淡「うん?いいけど…なんで?」 京太郎「淡の手、冷たくて気持ちいい」 淡「それなら濡れタオルとかの方がーー」 京太郎「淡の手がいいんだ」 淡「しょうがないなぁ。はい」ピト 京太郎「……サンキュー」 淡「きょーたろ、今日は私にいっぱい甘えていいからね?」 京太郎「……いいのか?」 淡「もちろん♪病人の特権だよ」 淡(いつもなら絶対に嫌がるのに) 淡(やっぱり病気の時って心細くなるのかな?) 京太郎「じゃあ……お言葉に甘えようかな」 淡「うん♪とりあえず、熱はかろっか」 京太郎「おう」 淡「その間にお粥とか作っておくね?」 ーーーーーー ーーーー ーー 淡「お粥できたよー」 京太郎「サンキュー……」 淡「熱どのくらいあった?」 京太郎「39度あった……」 淡「そんなに!?薬早くご飯食べて薬のんで寝なきゃ」アセアセ 京太郎「……お、大げさだって」 淡「そんな状態で言われても説得力ないよ。ほら、お粥だよ」 京太郎「……作ってもらって悪いんだけど、やっぱり食欲ない」 淡「駄目だよ?食べないと治らないんだから。ほら、食べさせてあげるから、ね?」 京太郎「……それなら、少しだけ」 淡「ふぅーふぅー、はい、あーん」 京太郎「あ、あーん……」モグモグ 淡「おいし?」 京太郎「うん……おいしい」 淡「よかった♪はい、もう一口」 京太郎「あーん……」 淡「もぉ、口元、汚れちゃってるよ?」フキフキ 京太郎「……サンキュー」 淡「…………」 淡(普段のきょーたろは凛々しくて格好いいけど……) 淡(病気のきょーたろはなんか可愛い♪) 淡「きょーたろ、はやくよくなってね?」ナデナデ 京太郎「あ、あぁ」 淡「治ったら一緒に遊ぼうね♪」 京太郎「おう。お粥ご馳走さま」 淡「お粗末さま」 ーーーー ーー 京太郎「……」zzz 淡「寝たかな?」 京太郎「……」zzz 淡「……寝顔もかわいい♪」ナデナデ 京太郎「ん……」 淡「きょーたろ、はやく良くなってね」 おわり 『京太郎の胸で泣いてた』 これは京太郎と淡が付き合う前の話である。 淡「だから!こうでしょ!?」 京太郎「ちがうって!こうだから! モブa「またやってるよ……」 モブb「相変わらず仲悪いよね」 数ヶ月後。 淡「それでさぁ、また須賀がーー」 モブa(さっきから須賀くんの話ばっかり……) モブb(これは絶対に気があるよね) モブa(……っ!いいこと思いついた) モブb(あ、なんか悪いこと思いついた顔だ) モブa「そういえば聞いた?須賀くん、モブ子に告られたらしいよ」 モブb「聞いた聞いた!どうなるんだろうね!」 淡「え……?」 モブa「二人とも意外に話し合うしもしかしたら付き合うかもね」 淡「え?え!?ちょ…」 モブb「うん?淡ちゃん、どうかした?」 淡「そ、その話ほんと!?」 モブa「え?しらない?」 モブa(嘘だから知らないよね) 淡「う、うん……初耳」 モブb「まぁモブ子のことだからあんまり言ってないのかもね。あ、でもさぁ、これで淡ちゃんも落ち着けるね」 モブa「あ、そうだね!」 淡「……え?」 モブa「だってさぁ、モブ子と須賀くんが付き合ったら須賀くんも淡ちゃんにちょっかいだしたりしなくなるでしょ?」 モブb「だよねー。良かったじゃん」 淡「う……うん。あぁーあのうるさいのが来なくなるって聞いて安心したよ」 モブa(わかりやすい) モブb(次は須賀くんだね) 淡(須賀、モブ子と付き合うんだぁ……) ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「え?」 モブa「だからーモブ男が淡ちゃんに告ったらしいよー」 京太郎「へ、へー……」 モブa「もしかしたら付き合うかもしれないね!あの2人、中学の時から仲いいみたいだし」 京太郎「……べつにいいんじゃないか?大星がそれでいいなら。俺には関係ないし」 モブa「そう?まぁそういうことだから!じゃあね!」 京太郎「…………」 京太郎(大星がモブ男とね……) ーーーー ーー 放課後の教室。 淡「…………」 淡(須賀がモブ子と付き合う……かぁ)ズキッ 淡「べ、別に私には関係ないもん」 淡「須賀が誰と付き合ったって私には関係ないもん。……関係ないもん」 ガラガラ 淡「え?」 京太郎「うん?」 淡「須賀……」 京太郎「……なにしてんだ?」 淡「……別に私の勝手でしょ?」 京太郎「っ!あ、あぁ、そうだな」 淡「……須賀こそなにしてんのよ」 京太郎「別に……暇つぶしだよ」 淡「モブ子ほったらかしで?」 京太郎「なんでモブ子がでてくるんだよ」 淡「なんでって、好きなんでしょ?ほったらかしでいいの?」 京太郎「は、はぁ!?モブ子とはそんな関係じゃないって」 淡「別に隠さなくたっていいよ。分かってるから」 京太郎「何言ってんだよ……。つか、それを言うなら大星だってモブ男はいいのかよ」 淡「……モブ男がなに?」 京太郎「何って、付き合うんだろ?」 淡「……なにそれ」 淡「誰から聞いたか知らないけどデマだから、それ」 京太郎「デマなのか?じゃあ付き合うって話はなんだよ」 淡「それこそ何の話?まぁ、仮に本当だとして、私が誰と付き合おうが須賀には関係ないじゃん」 京太郎「っ!」 淡「あんたはモブ子と付き合うでしょ?だったら私に構わないでよ!どっか行ってよ!」 京太郎「……なんだよ、その言い方」 淡「……なによ」 京太郎「……何イライラしてんだよ」 淡「してないもん……」 京太郎「してんだろ」 淡「……しつこいなぁ、してないってば……」 京太郎「してるじゃんか」 淡「してないって!」 京太郎「っ」 淡「あーもう!なんなのよさっきから!私のことは、放っておいてよ!!」ポロポロ 京太郎「……大星、なんで泣いてるんだよ……」 淡「……なんで?決まってじゃん!須賀のせいでしょ!」ポロポロ 京太郎「……え?」 淡「須賀が全部いけないの!す、須賀が!ヒッグ……す、すがが……」 淡「私聞いたもん!須賀がモブ子と付き合うって話!」 淡「それが嫌なの!須賀が誰かと付き合うって話聞いてからイライラするの!」 京太郎「…………」 淡「それだけじゃない!胸が締めつけられるみたいで苦しいのよ!」ポロポロ 淡「なんであんたのせいで私がこんな気分にならなきゃいけないのよ!」 京太郎「……大星」 淡「なんであんたなのよ……。毎日喧嘩ばかりしてるのに……」 淡「なんで?……なんでよ……」ポロポロ 京太郎「大星……」 淡「やめて!」 京太郎「っ!」ビクッ 淡「それ以上近づかないで……。私のこと好きじゃないくせに優しくなんかしないで!」 京太郎「……」スタスタ 淡「……」 京太郎「……」ガバッ 淡「……なにしてのよ」 京太郎「……抱き締めてる」 淡「……離して」 京太郎「……やだ」 淡「離してって!私のこと好きでもないのに抱きしめたりしないで!」 京太郎「……やだ」ギュッ 淡「はな…してよ…おねがい、だから……」 京太郎「……大星」 淡「……なに」 京太郎「好きだ」ギュッ 淡「……そんな慰めいらない」 京太郎「慰めなんかじゃない」 淡「嘘!あんたはモブ子が好きなんでしょ?分かってるだから!」 京太郎「さっきからモブ子モブ子って、あいつはそんなんじゃないっていってるだろ」 淡「仮にそうでも!私のこと好きなんて嘘だよ!何で好きなんて嘘つくのよ……最低だよ……」ポロポロ 京太郎「嘘なんかじゃない」 淡「嘘だよ……喧嘩しかしてないのに好きなわけないじゃん……」 京太郎「……大星は俺のこと嫌いか?」 淡「そんなわけないじゃん!!好きだから困ってるの!好きで好きでしょうがないから苦しいの!」 京太郎「……じゃあ、なんで喧嘩しかしてこなかった相手がそんなに好きなんだ?」 淡「っ!それは……」 京太郎「たしかに俺たちは喧嘩ばかりしてたかもしれない。でもな?俺は楽しかった」 淡「っ!」 京太郎「変かもしれないけどさ、大星と喧嘩してる時がすっごく楽しいんだ」 淡「……」 京太郎「だからかもな。喧嘩しかしてないけど、好きになったのは」 淡「……」 京太郎「もう一回言うぞ?大星、俺はお前が好きだ。これは嘘じゃない」 淡「……ほ、ほんとに?」 京太郎「あぁ。大好きだ、淡」 淡「……あり、がと」 京太郎「淡、返事してくれるか?」 淡「わ、私も……大、好きです……き、きょーたろのことが大好き」ダキッ ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「落ち着いたか?」ナデナデ 淡「う、うん////」 京太郎「まさか、こんな形で付き合うことになるとはな……」 淡「きょーたろがモブ子の告白をしっかり断っていたらこんな事にはならなかったよ……」ムスッ 京太郎「……俺、告られてないぞ?」 淡「……え?」 京太郎「だいたい、あいつが好きなのってモブ男だぞ?」 淡「え、えぇ!?」 京太郎「いったい何をどう聞き間違えたんだよ……」 淡「だって……モブaがそう言ってたんだもん」 京太郎「……モブaが?」 淡「うん」 京太郎「………」ポクポクポクポク 京太郎「なるほどね」チーン 淡「え、何がなるほどなの?」 京太郎「あぁ、いや、別に対したことじゃないさ」 淡「?」 翌日。 京太郎「淡、ちがうって!こうだろ?」 淡「もう!きょーたろは一々細かいよ!」 モブa「また喧嘩してる……」 モブb「懲りないね……」 終わり。 『淡がほっぺたムニムニされてた』 中庭 淡「きょーたろ♪」ダキッ 京太郎「っと……どうした?」 淡「なんとなくー」スリスリ 京太郎「淡は猫かなにかか?」ナデナデ 淡「人間だけど……きょーたろと一緒にいられるなら猫でもいいかな?」 京太郎「淡が猫なら、毎日あそんでやるのに」 淡「そうなの?なら今日から猫になろうかにゃ?」 京太郎「俺のペットだけどいいのか?」 淡「ペットって……なんかいけない関係みたいだね」スリスリ 京太郎「……だな。よし、今度首輪でもーー」 淡「きょーたろ?」ジトッ 京太郎「……ネックレスでも買ってやるよ」アセダラダラ 淡「そういう風にすぐ調子にのる所もすぐ謝るところもきょーたろの好きなのところだよ」ニパー 京太郎「サンキュー」ナデナデ 淡「んっ……」 京太郎「……」ナデナデ 淡「……ねぇ、きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「いっつも頭ナデナデしてよね?」 京太郎「まぁな。嫌だったか?」 淡「ううん。むしろ嬉しいんだけどさぁ」 京太郎「?」 淡「たまには他のところも……」 京太郎「……胸とかか?」 淡「……」ポカーン 淡「……っ!////」カァァ 淡「ち、違うよ!そういうことじゃなくて!」カオマッカ 京太郎「なんだ、嫌だったのか?」 淡「え?あ、いや、それは……今は駄目って言うか……今度きょーたろの家で………じゃなくて!」 淡「私、今日は猫なんだよ?」 京太郎「……あぁ!」 淡「分かってくれた?」 京太郎「これだろ?」ゴロゴロ 淡「うにゃ!?」ビクッ 京太郎「……どうした?」 淡「よ、予想以上にくすぐったい……」 淡「これはもうやめよう」キリッ 京太郎「ゴロゴロを嫌がる猫初めてみたわ」 淡「だ、だって……くすぐったいんだもん」プクー 京太郎「……」 淡「……?」 京太郎「ちょっと失礼」ムニムニ 淡「……どうしたの?」 京太郎「淡のほっぺたが柔らかそうだったからさ。触ってる」ムニムニ 淡「ふーん……どう?」 京太郎「柔らかくて……なんだろうな、楽しい」ムニムニ 淡「どうせなら両頬触ってほしいなぁ」 京太郎「こうか?」ムニムニ (芝の上に向かい合って座っています) 淡「そんな感じ」ニパー 京太郎「……」ムニムニ 淡「……♪」 京太郎「どうした?」 淡「うん?きょーたろの顔が近くにあるから♪」 京太郎「淡……」 淡「え、ちょ、ま……」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎「……ふう」 淡「……きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「私の言いたいこと、わかる?」 京太郎「もちろん。もう一回だろ?」チュッ 淡「違うけど……きょーたろ大好き♪」チュッ モブ「……青春してんなぁー」 終わり 『他人が京太郎の悪口を言ったら、必要以上に否定する』 モブ「どっかにいい男いないかな?」 淡「……発情期?」 モブ「あんたじゃないんだから」 淡「私だって発情期はないよ!」 モブ「……冗談はさておき、私はねリサーチをしてきたのよ」 淡「り、りさーち?」 モブ「つまり、調べてきたってことよ」 淡「なるほど」 モブ「クラスの女子全員に聞きました!同級生のイケてる男子!」 淡「あれ?私聞かれてない……」 モブ「はい、拍手」 淡「……い、いえーい」パチパチ モブ「それで結果なのですが、私以外の女子が全員同じ男子を指名しました」 淡「え?全員?それはすごいね」 モブ「私以外!ね?でさ、誰だと思う?」 淡「意外な人?」 モブ「超意外!」 淡「うーん……モブ男とか?」 モブ「たしかにモブ男だったら超意外だね。でも違う」 淡「違うのかー。うーん、分かんない」 モブ「だよねー。驚かないでね?なんと須賀くんだったの!」 淡「全然意外じゃないよ!!」バンッ モブ「!?」ビクッ 淡「あ……。い、意外だね?」アセアセ モブ「お、おう……。でね?なんで須賀くんなのか聞いてみたのよ」 淡「うん」 モブ「これもアンケートをとってベスト3にしてみました」 淡「モブ……なんか楽しそうだね」 モブ「第3位!何気にイケメン!」 淡「普通にイケメン!!」バンッ モブ「!?」ビクッ 淡「あ……」 モブ「……私もこれには同意かな?」 淡「……私も」 モブ「気を取り直して、第2位!さり気ない気遣いができる!」 淡「……なるほどね」 モブ「私は、これは納得出来ないんだよね。須賀ってそんな気遣いできるような男?」 淡「できるよ!歩いて帰るとき、さり気なく道路側歩いてくれるし!重いものもってると半分持ってくれるし!」 モブ「…………」 淡「………って聞いたことある」 モブ「そ、そう……」 淡「……」 モブ「……じゃあ第1位いってみようか……」 淡「うん」 モブ「1位はなんと、優しいから!」 淡「わかる!」 モブ「……」 淡「私が知ってる限り、きょーたろほど気がきいて優しい人はいないね」 淡「あ、この間ね?電車乗ってたら混んできたの」 淡「そしたらきょーたろが私のこと隅っこに押すからどうしたのかな?って思ったらーーはっ!」 モブ「……いいよ?つづけて」 淡「……きょーたろがね?『男が多いから……』とか言うの!もう胸きゅんだよ!」キャーキャー 淡「痴漢対策なのかな?もうそんなことまで考えてくれるなんてきょーたろくらいだよ♪」 モブ「……だね」 終わり 『二人でツイスターゲームしてた』 部室。 淡「…………」 京太郎「…………」 照「これ、やろう」っツイスター 淡「あ、あのーテルー?」 照「なに?」 淡「なんでツイスターなの?」 照「くるってやりたいから」 京太郎「でもマズくないですか?ここ部室ですよ?」アセアセ 照「大丈夫、菫は会議でいない」 京太郎・淡(駄目だこれ……) 淡「あ、でも、くるってやりたいだけなら私たちがやらなくてもいいんだよね?」 照「だめ」 京太郎「なぜ!?」 照「このくるくるはツイスターで使うもの。つまり、ツイスター以外の使い方はいけない」 京太郎・淡(なにその理論) 照「それに、ひとりでくるくるやっても楽しくない」シュン 京太郎「やりましょう!」クワッ 淡「てい!」ドスッ 京太郎「ぐえ……」 ーーーーーー ーーーー ーー 照「右手、赤」 京太郎「とりあえず、早く終わらせよう」 淡「だね」 照「次、左手、青」 京太郎「てか、そもそも誰がツイスター持ってきたんだ?」 淡「たしか、亦野先輩……」 京太郎「あの人かー」 淡「今日の対局、東一で飛ばす……」 京太郎「……」 ーーーー ーー 京太郎「あ、淡?もう少し腰下げてくれないか?」 淡「えー……このままじゃ無理?」 京太郎「淡に覆い被さるようになら……」 淡「……無理かな?」 京太郎「……淡?」 淡「……」サッ 京太郎「」 照「次ー」 ーーーー ーー 淡「ちょ、きょーたろ、動かな……んっ」 京太郎「頼むから変な声出さないでくれ……」 京太郎(腕に胸が……) 淡「だ、だって、あんっ」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散) 照「これ、楽しい」クルッ ーーーー ーー (淡が簡易ブリッジ状態。その上に覆い被さるように京太郎) 京太郎「…………」アセアセ 淡「……////」 照「……」ワクワク 京太郎「淡、次のでなるべく楽な姿勢とれるようにするからな?」 淡「え、あ、うん////」 淡(きょーたろ……顔近い)カァァ 京太郎「あの、宮永先輩?次は?」 照「……」ジー 京太郎「えっと、なにか?」 照「キスするの?」 京太郎「はぁ!?」 照「それとも……押し倒す?」 京太郎「なんの話だ!」 照「だって、須賀くん、淡に覆い被さるようにしてるし。顔も近い。漫画と一緒」 京太郎「先輩のせいでしょ!?つか、誰だ、そんな漫画を宮永先輩に渡した輩は!」 モブ「……」( -^*)ok 京太郎(おまえか……) モブ「あ、足が滑っちゃった(棒)」 (京太郎の手を払う) 京太郎「あっ!」 淡「え?」 ドンガラガッシャーン 照「……」 モブ「……」 照「……////」 モブ「……////」 ガラガラ 菫「みんな、集まってるか?実はーー」 みんな「」Σ(゚□゚;) 終わり
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6126.html
【告白シリーズ】 咲「好きだよ、京ちゃん」ニコッ 照「これからもずっと――一緒にいてくれる?」キュッ 菫「私は君が好きだ」バンッ 優希「京太郎! 大好きだじぇ!」ダキッ 和「私と……付き合ってもらえますか?」ドキドキ 久「惚れた方の負けって奴かしらね……ふふっ、好きよ須賀君」ウィンク 美穂子「京太郎君……私、貴方が好きなのっ!」ブルブル 透華「京太郎、もう私――この気持ちを、我慢できませんわ」ギュッ 洋榎「あの、その……面と向かって言うんは恥ずかしんやけど……好き、なんや」ポリポリ まこ「わしはお前のことが好きなんじゃ、京太郎」クスッ ゆみ「そろそろ……この関係を次に進めても、いいんじゃないか?」ジィー マホ「えへへっ、須賀先輩っ♪ マホと付き合ってくれますよね?」ニコニコ 豊音「きょ、京太郎君のこと……// ちょー大好きだよー」カァァ 淡「なになにー? この超絶可愛い淡ちゃんと付き合いたいって~? うん、いいよ!」ツンツン 宥「京太郎君と付き合えたら私、もっと……あったかく、なれるかな?」モジモジ 桃子「……見て貰えなくても、感じて貰えなくても。私は――お前の傍にいたいっす」ジワッ エイスリン「ワタシ、スガクンノコト……スキ」ソワソワ 煌「私が隣に立って、貴方が前を見つめている。そんな未来を、夢見てしまうんです」クスクス 小蒔「京太郎さん……あの日からずと、お慕いしています」ペコリ 玄「あのね、京太郎君のことを考えると私――おかしくなっちゃいそうなんだ……//」ボシュゥゥ 怜「うちの残りの人生――ほんの少ししかあらへんけど、京太郎にもらって欲しいんや」ウルウル 咏「余計な言葉なんて必要無いんじゃね? し、しらん……けど……」チラチラッ 京太郎「……」 どうする! どうすんのよ俺!!