約 225,585 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2249.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1372845067/ 京太郎「……飛びました」 優希「またー!?ほんとに犬は弱いじぇ!」 和「こら、優希」 久「あはは、須賀君たら駄目駄目ねー」 まこ「そう笑ってやりなさんな」 久「それじゃ、咲と交代して須賀君は買出しお願いね」 咲「ごめんね京ちゃん」 京太郎「はい、行ってきます」 スタスタ ガチャ バタン 京太郎「…………はぁ」 ―須賀邸― 大沼『……ツモ』 『決まったー!!大沼プロの優勝です!!』 <ワーワー 京太郎「……」 京太郎「…………はぁ……」 京太郎(なんで俺はこんなに麻雀が弱いんだろうな……) 京太郎(最近はずっと麻雀の勉強してるんだけど……強くなった気がしない) 京太郎「……才能、無いのかな」 京太郎(…………それに、正直……清澄の顔に……俺が泥を塗ってる気がする) 京太郎(皆は団体や個人戦で良い成績収めてるのに、俺は一回戦敗退) 京太郎(これじゃ来年は男子麻雀は和や咲目当ての奴しかこないんじゃねえか?) 京太郎(実力のある奴は皆俺を見て清澄に見切りつけて風越に行っちまうんじゃ……) 京太郎「……はぁ」 京太郎「………………部活、やめちまうか……」 ―翌日― 京太郎「……ふぁあ……」 咲「あれ、京ちゃん。おはよ」 京太郎「ん?ああ、咲か」 咲「眠そうだね?」 京太郎「ん?はは、まあな」 咲「……?」 京太郎「?どうした?」 咲「ううん……なんだか、元気ない?」 京太郎「……」 京太郎「いんや?元気過ぎて困るくらいだぜ?」 京太郎「ちょっと寝不足でさあ、まぁ授業中寝れば大丈夫だ」 咲「もう、駄目だよ!授業中に寝ちゃ!」 京太郎「ははは」 京太郎(……わりぃな、咲) ―3年教室― 「竹井さーん」 久「んー?なにー?」 「一年生の男の子が来てるよー」 久「一年生の……?あ」 京太郎「……」ペコ 久「わかったーすぐ行くわー」ガタ ―廊下― 久「おはよう、珍しいわね。須賀君が会いに来るなんて」 京太郎「……いきなりすみません」 久「いいわよ別に。で?どうかしたの?」 京太郎「……えっと」ゴソゴソ 京太郎「…………すみません、コレを」スッ 久「ん?何ー?まさかラブレター?」 久「………………――え?」 【退部届】 京太郎「……すみません、急に」 久「……え」 久「冗談、とかじゃ……ないの?」 京太郎「……すみません」 久「……」 京太郎「……」 久「……考え直してくれたり……しないかな」 京太郎「……御世話になりました」ペコ クルッ 久「あ!ちょっと須賀く――……」 京太郎「……」タッタッタ タッタッタ…… 久「……行っちゃった……」 久「……………………困った、わね……」 スタスタ 優希「情報技術の授業は楽だからいいじぇー」 和「そうですね」 タッタッタ 優希・和「え?」 京太郎「……」タッタッタ 優希「おう!犬っころ!」 和「あ、こんにちわ須賀く――……」 ビュン 京太郎「おう、じゃあな二人とも!」タッタッタ 和「わわ、廊下は走っちゃ駄目ですよ!!」 タッタッタ…… 和「……行ってしまいました」 優希「何を急いでたのか」 タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(少し……後ろめたいけれど……これでいいんだ) 京太郎(麻雀だったら……雀荘でも、ネットでもできるし) 京太郎(元々、和に憧れて入った部活だし……もういいんだ) 京太郎「……」 タッタッタ 京太郎「……これで、いいんだ」 ガタッ!! 京太郎「あぐっ!!?」 ドターン 京太郎「っ……!いてて……!」 京太郎(……な、何も無い所で転んじまった……?) 京太郎(でも、何か足に引っかかったような感触が……) ―帰り道― スタスタ 京太郎「……」 京太郎(結局……みんなには何も言わずに帰ってきちゃったな) 京太郎(皆怒るかな……いや、変わりなさそうな気がする)ハハ 京太郎(でも、咲には怒られそうだな……『誘ったくせにやめるなんて最低』とか) 京太郎「……」 京太郎(咲にゃ悪い事したな……) 京太郎(待ってろよ、すぐにすっげー強くなって……お前相手に飛ばないように、いや) 京太郎(お前に勝てるくらい強くなって、お前を楽しませてやるからな……!) スタスタ 京太郎「……」 スタスタ 京太郎(……ん?) クルッ 京太郎「……」 シーン…… 京太郎(……気のせいか?) クルッ スタスタ 京太郎「……」 スタスタ スタスタ 京太郎「っ!」バッ!! シーン 京太郎「……」 京太郎(…………おかしい) クルッ タッタッタ 京太郎「……っ」 <タッタッタ 京太郎「!」 京太郎(やっぱりだ)チラッ <タッタッタ 京太郎(誰か後をつけて来てる……!) ピタ 京太郎「……」クルッ シーン…… 京太郎「……咲……か?」 京太郎「……」 京太郎「優希……?部長……?」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎「……染谷先輩……?」 京太郎「…………まさか、和ってことは……」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎(……何も返事が無い) 京太郎(小学生のいたずらか何かか……?) 京太郎「……」 京太郎(…………とにかく、帰るか……) ピタ 京太郎「……ん?」 京太郎(……なんだ?) 京太郎(あの……電信柱の下から……誰かがこっち見てる……?) 京太郎「……」 スタスタ 京太郎「誰、だ?何か用か?」 京太郎(まさか、本当に咲が俺を追っかけて来て――……) 京太郎(隠れっ――――……)ピタッ 男「……」 京太郎「……」 京太郎(……誰だ) 京太郎(誰だ、このおっさん) 男「……」 京太郎(……何だ、このおっさん……なんで、俺をじっと、見て) 京太郎(え、て、事は……さっきから俺を追いかけてたのって) 京太郎「…………――――っ!!!!」ゾッ ダッ 京太郎「ひっ……!!」タッタッタ 京太郎(き、気味悪ぃ!) 京太郎(全速力で逃げよう!!!!) タッタッタ…… …… … ・ ―須賀邸― 京太郎「……はぁ……」グテー 母「どうしたの京太郎、そんなに疲れて」 京太郎「いや……なんでもない……」 京太郎(結局なんだったんだ……あの後は何も無かったし……) 京太郎「……」 京太郎(でも、なんだろう……あのオッサンどっかで) コンコンコンコン 京太郎「……ん?」 コンコンコン 京太郎「……」 京太郎(誰か玄関をノックしてる……?) コンコンコンコンコンコン 京太郎(なんでチャイムを鳴らさな……) コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「……」 コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「っ……」ゾク 京太郎「な、なあ母さん!さっきからずっと玄関のドアをノックされてんだけど!」 母「えー?本当ー?」ジャバジャバ 京太郎「でてくれよ!なんかしつこくて……」 母「洗い物してるんだから京太郎出てよー」ジャバ カラン 京太郎「そっ…………!……ったく……!」ガタ スタスタ 京太郎「……」 京太郎(や、俺の考えすぎか……。流石に撒いたはずだし) ガチャッ 京太郎「はーい」ギィ シーン…… 京太郎「……?」 京太郎(誰も……いない……?) 京太郎「……はぁ」 京太郎(なんだろう、動物とかか) 京太郎(な――……) 男「……」 京太郎「……――え」 男「……」 京太郎「……」 京太郎(あいつ) 京太郎(家の、塀の外から……こっち見てるあのおっさん) 京太郎(あいつ、あいつだ) 京太郎(夕方の……あいつだ……!!) 男「……」 京太郎「な……な……」 京太郎(なんだこいつ……なんだこいつ) 京太郎「な、なんの用ですか……!あんた……!」 男「………………鬼門」 京太郎「っひぃっ!!!」バターン タッタッタ! 京太郎「か、母さん!!家の前に変な人が居るんだけど!!」 母「はぁ?変な人?」 京太郎「そ、そう!!なんか、禿げたおっさんでさ!!」 母「ちょっと見てくるわ」スタスタ 京太郎「ちょ、あ、危ないって!」 母「見るだけだから大丈夫よ」スタスタ ガチャッ 母「……」 京太郎「か、母さん!俺の後ろに隠れて――……」 母「何もいないじゃない」 京太郎「……――え?」 シーン 母「……あんた、疲れてる?」 京太郎「ほ、本当だって!!確かにあそこにいたんだ!!」 バタン スタスタ 母「ほらほら、もうバカ言ってないでさっさとお風呂入っちゃいなさい」 京太郎「でも本当に――……」 <ワーワー 京太郎「……――?」 『……ロン』 『また決まった―!!大沼プロ、捲り上げた―!!』 母「まーた麻雀の番組……」 京太郎「……こいつだ」 母「え?」 京太郎「こいつだ、大沼プロだ」 京太郎「俺が言ってた変なおっさん、こいつだよ!!」 京太郎「大沼プロがさっきあそこに本当にいたんだよ!!」 母「……」 京太郎「さっき塀の外から――……」 母「京太郎」ポン 京太郎「え?」 母「あんた、ここ最近ずっと麻雀の勉強してて碌に寝てなかったでしょ」 母「もう寝なさい……暖かくして、風邪引かないように」 京太郎「ほ、本当だって!本当なんだって!!」 母「さ、カピは今日はママと寝ましょうねー」 カピ「ピカピ」 京太郎「母さん!母さーん!!」 …… ―翌朝― スタスタ 京太郎「ふあ……ふぅ……」 京太郎(……結局、信じてもらえなかったな……本当なのに) 京太郎「……」 京太郎(でも、もしかしたら大沼プロに似てるだけのおっさんだったのかもな……) 京太郎(いや、それでも問題だけども) 京太郎(もう来ないといいな……今の所、家の外にも居なかったし、つけられてる様子も) 「京ちゃん」 京太郎「っ!!!!!?」ビクゥッ!!!! 咲「はゎっ!?」ビクッ!! 京太郎「って、さ、咲?咲か……」 咲「ご、ごめんね?驚かせちゃって……」 京太郎「いや、いいんだ……ごめん、おはよう」 咲「う、うん……おはよ」 京太郎(ビックリした……良かった、咲か……) 京太郎(……ん?咲?) 咲「……っ……」 京太郎「……」 京太郎(……あ) 京太郎(そうだ……俺、昨日……) 咲「あの、ね?京ちゃん……」 咲「なんで…………麻雀部、やめちゃったの……?」 京太郎「……」 京太郎(……――部活、やめちゃったんだっけ) 京太郎「……ごめんな」 咲「う、ううん……でも、何で――……」 京太郎「……悪い、咲」 咲「え?」 ダッ 咲「え!?京ちゃん!?」 京太郎「ちょっと急ぐから先行く!ごめんなー!!」タッタッタ 咲「……京ちゃん……」 タッタッタ…… 京太郎「っ」 京太郎(だっせぇ……!だせえぞ俺!!何逃げて来てんだよ……!) 京太郎(本当に根性なしだ俺……!!素直に言えばよかったんだ!!) 京太郎(『弱すぎて自信がなくなったから、やめました』って――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(……あぁ……) 京太郎(……駄目だな、俺……本当) 京太郎(駄目な奴だ……) ガサッ 京太郎「ん?」 京太郎(なんだ?今……道の左の山の奥) 京太郎(何か――……) ガサッ!!ガサガサガサガサッ!!!! 京太郎「……」 大沼「……」ガサガサガサッ!!! 京太郎「う」 京太郎「う……~~っ……!!!?」 大沼「……」ガサガサガサガサ!!!!! 京太郎(あ、あいつだ……!!) 京太郎(あいつが、山の奥を……走ってる……!!!) 京太郎(俺の事) 京太郎(俺の事を凝視しながら) 京太郎(俺に平行して、走ってきてる!!!!) 京太郎「う」 ダァッ!!!!! 京太郎「うわああああああああ!!!!!!!!!」タッタッタ ガサガサガサッ!!!!! 京太郎「ひっ……!ひい……!!」 京太郎(は、走らなきゃ!!あいつより早く走らなきゃ!!) 京太郎(右にはガードレール、その向こうは少し高い崖だ……!!) 京太郎(後ろには、咲がまだ歩いてる……巻き添えにしちまう!!) 京太郎(前しか、逃げ道が無い……!!)チラッ 大沼「…………」ガサガサガサガサガサガサ!!!!!!! 京太郎「ひぃっ!!!!」 京太郎(とにかく走るんだ……!!もうすぐで人気の多い場所に、開けた場所に着く!!!!) ガサガサガサッ 京太郎「えっ?」 大沼「…………」ガサガサガサガサ 京太郎「う」 京太郎「うわぁぁぁっ!!!!」 京太郎(こ、こっちにきやがった!!!!今まで並走してたのに!!いきなりっ!!!) 大沼「…………」ガサガサガサガサ!!!! ガサッ!!! 大沼「………………おはぎ」タッタッタッタッタ 京太郎「ひぃぃぃ!!!」 京太郎(山から抜けてっ!!!道路に来たっ!!!!) プァァァ――――!!!!! 京太郎「うわぁっ!!!!!」ガバァッ!! キキィー!!!! …… ドサァッ!! 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!」 ガチャッ バタン 女「だ、大丈夫ですかっ!!?」タタタ 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!?」 京太郎(あれ……あ、あいつは……)キョロキョロ シーン 京太郎(……いなく、なっ……た……?) 女「もう!危ないでしょ!いきなり飛び出してきちゃ!!」 ―学校― スタスタ 咲「おはよー……」 クラスメイト「宮永さんおはよー」 咲「おはよ……あれ?」キョロキョロ クラスメイト「ん?どしたの?」 咲「えっと……京ちゃ……須賀君は?」 クラスメイト「京太郎君?さっき保健室行ったよ」 咲「え?保健室?」 クラスメイト「うん。なんでも来る途中に怪我しちゃったみたい」 咲「怪我……!?」 ―保健室― 京太郎「いつつ……」 保険医「もう、なんで登校するだけで怪我してるの」ペタペタ 京太郎「すみません……」 保険医「はい、おしまい」ペシン 京太郎「いだっ!」 保険医「全く……歩ける?」 京太郎「はい、なんとか……」 保険医「そう、それじゃ私は職員会議行ってくるから痛みが引いたら教室に帰りなさいよ」 京太郎「はい、分かりました」 保険医「それじゃ、御大事に」 ガラッ ピシャン 京太郎「……はぁ」 京太郎(……) 大沼『………………おはぎ』 京太郎(どうしよう……) 京太郎(あいつの事……先生達に相談した方がいいのかな) 京太郎「……」 京太郎(やっぱり相談した方がいいよな……) 京太郎(俺以外にもこんな目に遭わせないようにしなきゃ) スクッ 京太郎「よし」 京太郎(それじゃ……教室じゃなくて職員室に) スタスタ 京太郎「!!」 スタスタスタスタ 京太郎「……」 京太郎(この、足音……保健室に向かってきてる) 京太郎(……まさ、か……) スタスタ…… ピタ 京太郎(…………っ) ガラッ!! 京太郎「……っ!!」 スタスタ 優希「せんせぇー……ちょっと体調が」 優希「……――って」 京太郎「……」 優希「……京、太郎……」 京太郎「…………はぁぁぁ……」ヘナヘナ 優希「って、ええ!?ど、どうした!?」 京太郎「いや、優希か……本当にびっくりした……」 優希「だ、大丈夫か……?」 京太郎「悪い悪い、ちょっと色々あって――……あ」 優希「……」 京太郎(……これまた、気まずい奴が……) 京太郎「……えっと」 優希「……なあ、京太郎……」 京太郎「……」 優希「……本当に辞めるのか?」 京太郎「……」 優希「え、えっと」 優希「あの、一昨日言った、弱いなんちゃらっていうのは冗談というか」 優希「その」 優希「えっと……」 京太郎「……優希」 優希「やめるのは……考えてみて欲しいというか」 京太郎「……」 優希「えっと、いや、正直、私も言い過ぎたし」 京太郎「……――優希」 優希「あう、えっと、うう……」 京太郎「……優希」 優希「と、とにかく!」 京太郎「おい、優希」 優希「気にすることは――……え?」 京太郎「優希……こっち」 優希「え……京太郎?」 京太郎「こっち、来い」 京太郎「ドアの方……振り向かずに」 大沼「……」 京太郎「早く……こっち……!!来い……優希……!!」 優希「え?な、なにが」 京太郎「振り向くな!」 優希「っ!?」ビクッ 大沼「…………」 京太郎「いいから……こっち来い」 優希「う、うん……」スタスタ 京太郎「……ここ、座ってろ」 優希「ど、どうした?ドアに何か……」 京太郎「……優希」 優希「え?」 京太郎「しばらく、耳と目……塞いでてくれ」 優希「……」ギュッ 京太郎「……あ、アンタ……なんなんだ」 大沼「…………」 京太郎「なんで俺をつけてるんだよ!!警察に突き出すぞ!!」 大沼「……」 京太郎「……っ……」 ガシッ!! 京太郎「どっか!!」 ブンッ!!!! 京太郎「いけよぉっ!!!!!」 バリィン!!!!! 優希「ひっ!?」ビクッ 大沼「……」バッ!! 京太郎「!!待ててめぇっ!!」ダッ ガラッ! 京太郎「逃げるなっ!お前っ」バッ 保険医「須賀!!どうしたの!今の音!!」スタスタ 京太郎「せ、先生!!」 保険医「あー!薬瓶が割れちゃってるじゃない!」 京太郎「先生!!今そっちに男が行きませんでしたか!?」 保険医「え?」 京太郎「禿げてて、ヒゲ生やしたおっさんが行きませんでしたか!?」 保険医「や、私は忘れ物取りに……こっちから来たからちょっとわかんないけど」 京太郎「……じゃあ、反対側に……?」 優希「きょ、きょうたろぉ……!?」ビクビク 京太郎「ん?……あ」 優希「も、もういい……!?ねぇってばぁ……!」フルフル 保険医「……ちょっと須賀……」 京太郎「あ、いや」 保険医「いやらしい事してて……誤魔化すためにそんな事いってるんじゃないでしょうね……」 京太郎「ほ、本当です!!本当なんです!!!!」 優希「ま、まだかぁ……!?」ビクビク ―教室― ガラッ 京太郎「はぁ……」 咲「!京ちゃ……」 クラスメイト「おー!どうしたんだよ京太郎ー!」 クラスメイト2「なになにー?重役出勤じゃーん」 京太郎「はは……色々あってな……」 咲「……っ」 咲(京ちゃん……大丈夫なのかなぁ) ガラッ 先生「ほら、席つけー」 咲(……次の休み時間に話してみよう) 先生「えっと、突然だが、今日はこれで終わりだ」 生徒「「「えぇ!!!?!」」」 先生「ちょっと校内に不審者が紛れ込んだとある生徒から報告があってな……今日は自宅から出ない様に」 ザワザワ 「まじかよ」「やったぁ!」「早く帰ろうぜ」 咲「……」チラッ 京太郎「…………」 咲(……まさか、京ちゃんの怪我と何か関係が……) 先生「あー、それと……須賀」 咲「!!」 京太郎「……はい」 先生「お前はちょっと残ってくれ……それじゃ、号令」 <キリーツ レーイ 先生「よし、先生達が誘導してるからそれに沿って安全な道で帰れよー」 ザワザワ 先生「……それじゃ、須賀」 京太郎「はい……」 咲(……京ちゃん……) ブロロロロロ…… 先生「はは、お前が変質者につけ狙われるとはなぁ」 京太郎「笑い事じゃないですよ……」 先生「すまんすまん、まぁちゃんと家まで送ってやるから」 京太郎「お願いします……」 先生「しかし、最近お前目のクマ凄いなと思ってたが……こんな状況じゃ眠れやしないよなあ」 京太郎「はは……まぁ、でも家の中は安全ですから」 先生「あはは、違いない」 京太郎「あ、先生。赤ですよ」 先生「おっと」 キィー 先生「すまん話に夢中で」 京太郎「はは、しっかりして下さいよ」 京太郎「……」 京太郎「…………あ、れ」 先生「ん?どうした?」 京太郎「……」 先生「……須賀?」 京太郎「……」 京太郎「先生、青、です」 先生「ん?ああ、すまん……で?どうかしたか?」 京太郎「……走ってください」 先生「え?」 京太郎「走ってください」 先生「走ってるが」 京太郎「もっと!速く!!走って!!!!」 京太郎「乗ってる!!!…………後ろの車!!!!」 大沼「……」 京太郎「あいつが……あいつが乗ってる!!!!」 先生「なにっ!!!?」 京太郎「後ろ見ないで!!走って!!」 先生「そ、そういうワケにもいかんだろう!」 京太郎「いいから!!」 先生「いや!ちょっと降りて先生が捕まえて――……」 京太郎「駄目!!駄目だって!!」 京太郎「あいつ……いや!!」 京太郎「あいつら……!!!!一人じゃない!!!!!」 先生「一人じゃない……!?」チラッ 先生「…………たし、かに……見えにくいが、車に何人か乗ってる……!」 京太郎「あいつら!!!笑ってる!!!!」 京太郎「笑ってるよ!!!!あいつ!!!!」 大沼「…………」ニコォ 京太郎「遊んでる!!」 京太郎「俺たち二人追いかけて……あっ、あ、遊んでるんだ!!!!」 先生「ど、どうする……!」 京太郎「……!」 先生「一先ず、警察署がしばらく行った所にあるから、そこまで」 ガチャッ!! 先生「!!!?須賀ぁ!!!?」 京太郎「多分あいつらの狙いは俺です!!!!」 京太郎「車だと小回りが利かないと思うんで……俺、走って帰ります!!」 先生「ば、バカっ!!」 京太郎「先生!さようならっ!!!」 バッ!!! 先生「須賀ぁ――――!!!!」 ドンッ ゴロゴロゴロゴロ!! 京太郎「ぐぁぁっ!!……――くっ!!!」ガバァッ!! 京太郎「っ!!」ダッ!! タッタッタ 京太郎「はぁっ!!はぁっ!!」 京太郎(すぐに小道に入ったから……多分、大丈夫だ……!!) 京太郎(もし、俺に気付いたとしても……そんなに早くは) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎「……」クルッ 京太郎「……」 京太郎「…………――嘘、だろ」 大沼「………………」タッタッタッタ 京太郎「う、あぁ」 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「わ、わぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!」 京太郎(あ、ありえるか!こんなの!こんなんありえるか!!!) 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「な、なんで」 京太郎「なんで俺を追いかけんだよ!!!!!」 京太郎「何がしたいんだよぉ!!!!!!!!!やめてくれよぉ!!!!!!!」 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタッタ 京太郎「……!!!!?」 大沼「…………膝の皿を使って」 大沼「…………飯をよそう」 大沼「…………素敵なくらし」 京太郎「!!?……!!?……!!!!!?」 大沼「………………痙攣」 大沼「………………脳内のポリープ」 大沼「………………単騎待ち」 京太郎「わ」 京太郎「わけ、わかんねぇっ」 京太郎「わけわかんねぇ!!来るなぁぁ!!!!」 京太郎「来るなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 大沼「………………喉仏は」 大沼「………………悲願なので」 大沼「………………素敵なくらしを」 大沼「素敵なくらしを……素敵なくらしを」 京太郎「うぁぁぁっ!!!!うぁああぁぁぁあ!!!!」 ズザァァァッ!! 京太郎「はひぃう!!!!」 京太郎(よ、ようやく開けた場所に着い――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(なん、だ) 京太郎(なんだ、向こうから走ってくる人) 京太郎(こっちを、凝視しながら……こっちに向かって――……) 健夜「……」タッタッタッタッタ 京太郎「わ、あ、あう」 京太郎「あっ、わぁぁぁっ、わあああああっ」 京太郎(同類だ……!!多分、あの人、大沼の……!!同類だ!!!!!) ダッ!! 京太郎「はひっ!!」 タッタッタ 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタ 健夜「待ってよー」タッタッタ 京太郎「はぁっ、はぁっ!!!!」 京太郎(なん、だ、こいつらっ) 京太郎「なんなんだ!!あんたらぁっ!!!!」 健夜「きっと止まればいいよ。そこに腰を据えるんだよ」 健夜「きっといい人生が待ってる。全てが生まれ変わる」 健夜「多分あなたも分かってるはずだよ」 健夜「アラサーだよ」 京太郎「わああぁぁぁっ!!!来るなぁっ!!!来ないでくれぇぇっ!!!!」 タッタッタ 京太郎「!!」 京太郎(前から人が!!) 京太郎(た、助けを) 京太郎「す、すみませっ……」 京太郎「……」 京太郎(……なん、で……この人……) 京太郎(俺の事、凝視、して…………) 京太郎(走って……) 照「美しい暮らしなどいない」ギュルルルルル 京太郎「……」 京太郎「ウワァァ」 京太郎「ウワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」 大沼「………………尿道」 健夜「きっと、素晴らしい威光を授かれるよー」 照「ここには健康的なハイエンドなどいない」 京太郎「ウワアアァ!!!!!ウワアアアアア!!!!!」 京太郎(逃げ道っ!!逃げ道!!っは!!!!) 京太郎「っ!!!!」 京太郎(か、河に……!!) ガシッ!! バッ!! 京太郎(飛ぶしかねぇぇっ!!!!!) バシャーン!! 京太郎「っっぷはぁっ!!!」 辻垣内「腹を切れ」バシャバシャ 京太郎「うああああああああああああああああ!!!!!!!!」 ―須賀邸前― 咲「……」 ズザッ 咲「!!」 京太郎「ぜぇっ……ぜぇっ……」ヨロッ 咲「京ちゃん!」ダッ ガシッ 咲「大丈夫!?京ちゃん、大丈夫!?」 京太郎「さ、き……どうして」 咲「だって、京ちゃんが心配だったから……大丈夫だったの!?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……変な、奴らに……追いかけられまくって……」 京太郎「でも……はぁっ……皆、撒いてやったぜ……」 咲「と、とにかく休まなきゃ!!」 ガチャッ 京太郎「ただ、いまっ……」 シーン 京太郎「誰も、いない……か」 咲「大丈夫?早く休まなきゃ!」 グイッ 咲「靴、脱げる?」 京太郎「大丈夫、だっての……」 咲「……もう……無理しちゃだめだよ……」 ―京太郎の部屋― ドサッ 京太郎「はぁっ……!はぁっ……!!」 咲「すごく疲れてる……」 京太郎「……はぁっ、わるい、な……咲」 咲「ううん、気にしないで」 京太郎「っ!そ、そうだ……!」 ムクッ 咲「!だ、だめだよ!寝てなきゃ!!」 京太郎「あ、あいつらの事……警察に、電話しなきゃ」 咲「だめ!休まなきゃ!!」 京太郎「……咲」 咲「休みなさい!」 京太郎「……」 咲「もう、本当に京ちゃんはいつもいつも……」 京太郎「……咲」 咲「……ん?」 京太郎「……悪かった」 京太郎「勝手に……部活……やめて」 京太郎「お前、らに……相談も無い、ままで……」 咲「……京ちゃん」 京太郎「俺……情けなかったんだ」 京太郎「一人だけ、才能なくて……」 京太郎「俺だけ、必要とされなくて……」 京太郎「くやし、かったんだ……」 ギリッ…… 京太郎「悔しかったんだ…………本当、は」 咲「……」 京太郎「いつの、間にか……麻雀自体を……すげぇ好きに、なってて」 京太郎「でも、才能も……頭も足りなくて……」 京太郎「お前たちに…………すげえ、嫉妬……してた……!!」 咲「……」 京太郎「そんな、ちっぽけな……屑なんだ……俺は……――俺はっ……!!」 ナデ…… 京太郎「!!」 咲「…………そんな事ない」 京太郎「……咲」 咲「そんな事ないよ」 咲「京ちゃんは京ちゃんなんだから」 咲「そのままで……いいんだよ」 咲「屑なんて……言っちゃ駄目」 咲「私は、知ってるよ」 咲「京ちゃんの良い所も……勿論、悪い所も」 咲「でも、そんな私が見ても……」 咲「京ちゃんは、ゼッタイゼッタイ……屑なんかじゃないよ」 京太郎「……――――咲……」 咲「だから、休まなきゃ……」 京太郎「………………え?」 咲「休まなきゃだよ。京ちゃん」 咲「ちゃんと休むのは肯定だよ。休めばきっとわかるんだ」 咲「人生はきっと美しいって」 京太郎「……」 ヴーヴー 京太郎「……携帯……が」ゴソッ 咲「皆、屑は休まないし休めないよ。風が吹くもの」 咲「だから休んだら今度は風になるの。次は鬼ごっこの鬼役になるの」 咲「そうすればもう誰もが休めない、全部風速が持っていくの!」 京太郎「……」 着信 宮永咲 咲「全部全部!!!!!美しい人生が始まって終わっていくの!!!!」 ピッ 咲『あ、もしもし京ちゃん?』 京太郎「……咲」 咲『うん、大丈夫だった?』 京太郎「……何が」 咲『ううん、今日、クラスでなんだか様子おかしかったし……』 京太郎「……」 咲「次は皆を箱の船で雨の洪水に浮かべるの!!!!!」 咲「きっと皆は『助けてー』って言うよ!!!!!!!!」 咲「でも駄目!!まだ駄目!!!!」 咲「だってそれはまだ人生じゃ、生きている人じゃないから!!!!!」 京太郎「………………」 咲『京ちゃん?どうしたの京ちゃん!』 咲『京ちゃ――……』ピッ 京太郎「……」 咲「まるでそれはア・プリオリな頸椎上の宣教師みたいに」 咲「笑って泣いて、食べて、転んで、交わって生きるの!!!!」 咲「素晴らしいでしょ!!!」 咲「だって皆カルテを待ちわびる間に」 咲「脂ぎった肉を精一杯頬張る事ができるんだよ!!!!!」 咲「誰だって止める権利なんてないよ!!!!!!!きっと自分自身にだって!!!!!」 咲「京ちゃん!!!!踊ろう!!!!踊ろうよ!!!!!もうすぐ車が来るよ!!!!!」 咲「大変な事なんだよ!!!!そしてコレはとっても大事な事!!!!!」 咲「踊ろう!!!!!!!!!!京ちゃん!!!!!!!!!!!!!」 咲「人生は!!!!!!!!!!!美しいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 京太郎「……」 京太郎「人……生……?」 スタスタ 大沼「…………人生」 詠「七転八倒とは言うけどねぃ」 藤田「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 辻垣内「それを趣味と、スポーツと言い張る姿はまるで」 衣「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 美穂子「人は一人では生きられないもので」 豊音「気付いた時にはやりたい事がちょーしんどいよー」 淡「それでもご飯をお腹いーっぱい食べたくなるのは」 洋榎「ひとえに欲望のお陰っちゅうやつや」 健夜「アラサーだよ」 はやり「だから素直になるのが一番☆」 咲「愛おしい人は放っておいて」 照「邪魔な人は撲殺し尽くさなきゃいけない」 戒能「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「人生七転八倒とは言うけど」 京太郎「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 京太郎「全てをモラルと、常識と言い張る姿はまるで」 京太郎「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 京太郎「俺は一人では生きられないもので」 京太郎「気付いた時には一人だった!!!!一人きりだった!!!!」 京太郎「それでも飯を食べたくなるのは」 京太郎「俺に欲望しかないからだ!!!!!」 京太郎「だから素直になるのが一番で」 京太郎「愛おしい人は放っておいて」 京太郎「邪魔な人を殺しに行こう!!!!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 ―長野のとある病院― 母「あの……先生……それで、京太郎は……」 医師「……大変申し上げにくいのですが……雀力に起因する心因性知覚障害です」 母「……雀……力……?」 医師「えぇ、京太郎さんは麻雀部に所属されてましたね?」 母「はい……」 医師「それで、全国大会まで勝ち進んだとか……原因はそれです」 医師「麻雀の手練というのは、特殊な波といいますか、そういうものを放っておりまして」 医師「その波長によって精神に影響を及ぼすケースが稀にあるんです」 母「……」 医師「まあこれは普通その波を放っていない普通の人間には影響がないんですが……」 医師「おそらく京太郎さんはあまりにも強い雀波を間近で長い年月をかけて浴び続けてきたのでしょう」 医師「……きっと、京太郎さんのご学友の方の仲に……強い雀波の発信者がおられます」 医師「今回はきっとその影響により、京太郎さんの麻雀に対するコンプレックスが」 医師「“今までに見た麻雀の強い人々が追ってくる”という幻覚をみせたのでしょう」 スタスタ 咲「……」 ―京太郎の病室― コンコン 咲「京ちゃん……京ちゃん、お見舞いに来たよ」 咲「……」 ガラ 咲「京ちゃん、お花を持ってきたよ」 咲「……」 サァァァ…… 咲「……京ちゃん?」 咲(いない…………あれ?) 咲(窓………………開いてる) ――東京―― 「いやぁ、今日も流石でした!大沼プロ!」 「また今度もお願いします!御疲れ様でした!!」 大沼「…………お疲れ」 スタスタ 大沼(帰って一杯やるか……)スタスタ 大沼「…………」 ピタ 大沼「……?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……!」ニコォ… 大沼「……!?」 大沼(何だ……?この、寝巻きの格好をして) 大沼(ツルハシを持っている少年は…………) ……………… ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「愛おしい人は放っておいてっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「邪魔な人を殺しに行こうっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3471.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 京太郎「…………ん」 まどろみの中で寝返りをうつ。 ふにゃりと、なにか柔らかいものに触れた。 なんかいい匂いもする。クン、クンクン! 京太郎「んあ?」 その微かな違和感に、腑抜けた声を上げながら目蓋を開く。 玄「スー……スー…………」Zzz なんだぁ、玄さんか。なぜか俺の布団に潜り込む、ピッタリと引っ付いて眠る玄さんがそこにいた。 ドラゴンが あらわれた ドラゴンのむれはこちらにきづいていない。 どうしますか? 京太郎「どうするって、あーた。そりゃもちろんこうげき……ぐへへ、フヒヒwww」 むにゅっと、こう……。 京太郎「ちげーよ!」ガバッ 京太郎「え、ちょ、なに?」 急激に意識が覚醒。 現状把握。場所はマイハウス(仮)、時間は……ケータイの液晶を確認すると、うわぁまだ3時半じゃん。 なにがどうなってんだってばよ。 玄「ん~……」 京太郎「なんでこの人ここいんの?」 考えられる可能性として一番高いのはトイレかなにかに起きて、そのまま部屋を間違えたとかだよな。 京太郎「いや、間違えねぇだろ」 俺の部屋と阿知賀の人達の部屋どんだけ離れてると思ってんねんな? いや、でもなぁ~玄さんだしなぁ~。 そもそもつい最近こんなのことあったよな。夜中に誰か訪ねてきたことが。 京太郎「これもしかしてまた俺が都合の良い夢を見てるんじゃないだろうな」 もしそうだとさすがに恥ずかしいぞ。 検証実験に移ろうか。 俺は身を起こして胡座をかき、寝ている玄さんに向き直る。 右の人差し指を立てると、玄さんの頬に触れるか触れないか、産毛一本分くらいの間を開けて指先を添える。 ぷに。 玄「ふにゃ」 可愛い。 なるほど。 京太郎「ユメジャ、ナイヨー!」←すごくネイティブ 夢ではなく現だった。 ナンテコッタイ。 時間は遅く、部屋は密室。しかも狭い。 これってつまりそういうことだよな。 ちょっとこれからどう行動するか、オーディエンスを使ってアンケートを取りたい。 玄「ん~」ムニャムニャ 京太郎「……」ズリズリ 座ったままにじり寄る。 鼻梁、唇、顎、首筋、うなじ、浴衣の襟元ぉぉぉぉぉ!! 俺は伸びかけていた右手を左手で押さえる。 落ち着け俺。 誂えられたようなこの状況。 誰かに誘導されてるみたいでなんか嫌だろ。 再び人差し指で玄さんのほっぺをフニフニとつつく。 玄「ん、うにゃ」Zzz 気持ち良さそうに寝やがって。 なんかこいつと真剣に戦ってる俺がバカみたいじゃねぇか。 視線が自然と下へ。浴衣とシーツを押し上げる双丘。 これはこれは立派なものをおもちで。 憧とかがいたら「おい、どこ中心の視野よ。この変態」と謗られそうだ。 すんませんもうホント、こういう構造なんです男の子。 ちょ、ちょっとくらいなら触ってもいいかな? そもそも男が1人の部屋に間違って入ってきて、あまつさえ一緒の布団に潜り込んでくるとか自己責任っしょ? ………………いや、みんなは俺を信頼してこの合宿に呼んでくれたんだ。その信頼を裏切ることは出来ない。 鎮まれ俺の右腕! 力は制御出来る、何故なら、そう! 俺の力だからだ。 ぜんぜん別の事を考えよう。そうだ、イメージしろ! ふんどし一丁で大胸筋を躍動させながら、ビルドアップ状態で迫ってくる大沼プロの姿を。 ………………………。 うっわ、なんだこれくっそ萎えた。死にてぇ……。 俺の苦悩など知らぬ存ぜぬで、玄さんは俺から見て向こう側に寝返りをうつ。 もう一人の僕が機能不全になるかと思った。 けどおかげで冷静になれた。 玄「スピー……」 なんだこうやって見ればただの可愛い残念な手のかかるおねーさんじゃないか。HAHAHA! 風邪を引いてもいけないので、俺はシーツを掛けなおそうと手を伸ばす。 だが俺は松実玄という人間を甘く見過ぎていた。阿知賀の竜の王手はまさにこの瞬間だったっ!! 玄「んゆ」ゴロン 再び寝返りをうって真上に向いた玄さんの浴衣の胸元が大きく肌蹴て なんか白い柔らかそうなマシュマロみたいのが見えてるぅぅぅーーー!? 京太郎「」 なんかこれもう、いいんじゃないかな? ここでゴールしても、いいんじゃないかな? 見ろこれ! この白磁器みたいな綺麗な肌、血色のいい薄いピンクの唇。 こういう経験からはじまる関係もあるだろ。 夜這いから始める……プログラミング言語。 俺は上を向いて眠る玄さん顔の両側に手をつき、覆いかぶさるように身を乗り出す。 そっと顔を近づける。 玄「……」 規則的な呼吸。徐々に迫る安らかな寝顔。いや迫ってるのは俺だけど。 後、目算で10cmくらい。 8cm。 6cm。 玄「ん」パチ 4……。 目が合った。 玄「う~ん……」 大きく伸びをし、上体を起こす。 玄「ここ、あれ? 私たちの部屋じゃない?」 目を擦りながら周りをキョロキョロ見回す玄さん。 その視線が俺を見付ける。 玄「京太郎くん?」 京太郎「はい」 玄「なんで壁際で、決定的瞬間にゴールを逃したサッカー選手みたいな佇まいをしていますのだ?」 京太郎「気にしないでください」 久「ふっふっふっ」 京太郎「なんですか部長。気持ち悪い」 久「あら、そんな口を利いていいのかしら?」 京太郎「な、なんですか?」 久「明日は海水浴よ!」 京太郎「な、なんだってーっ!?」 久「もちろん嘘よ」 京太郎「なんだ嘘か」 久「というのは嘘で本当は本当よん♪」 京太郎「イヤッッホォォォオオォオウ!」ガタッ 京太郎「ウィー、ウェ、ウェイー! ヒュー!」 _, ,_ パーン 京太郎→ ( ‘д‘) ⊂彡☆))Д´) ←京太郎 久「はいはい。そう1人でハッスルしないの」 京太郎「あ、さーせん」 久「というわけで、明日の朝に荷物の積み込みやるから少し早めに起きてきてね」 京太郎「了解です」 京太郎「ところで、この近くに海なんてあったんですか?」 久「あったじゃない。来る時にあなたも見たでしょ?」 京太郎「え、どうだったかな? なんかその辺の描写カットされた気がするからな」 京太郎「なんか近くに山があったり海があったり、よくわからない地形ですね。瀬戸内?」 久「まぁ彼岸島みたいなのを想像してくれたらいいわ」 久「その内、砂漠とか雪山とかも出てくるかもね」 京太郎「やめてくれるそういうの? 往々にしてありえるから、この世界観だと」 久「とりあえず、伝えたから。それじゃあまた明日。おやすみなさい」 京太郎「はい、おやすみなさい」 その夜 京太郎「海水浴かぁ~」 京太郎「この走り出したくなる衝動をどうしようか」 京太郎「取り敢えず、電話するか」 prrrr 嫁田『はい、もしもし』 京太郎「おう、嫁田か? 俺だけど」 嫁田『おう、ちょっと振りだな。今、合宿って聞いてるけどどうした?』 京太郎「うちの麻雀部さ、インハイの決勝で戦ったじゃん?」 嫁田『おう! 学校でみんなで応援してたぜ』 京太郎「ありがとな。みんなを代表してお礼を言うぜ」 嫁田『そんなことの為にわざわざ電話してきたのか?』 京太郎「いや、ちょっとお前と話したくてた」 嫁田『なんだよ気持ち悪いな。まぁ俺でよかったら話くらい付き合ってやるよ』 京太郎「決勝でさ、うちが戦った3校のなかに白糸台と阿知賀っていたじゃん?」 嫁田「おお、いたな。麻雀強いだけじゃなくてみんなすげー可愛い娘ばっかのな」 京太郎「俺、明日その娘たちと海水浴に行くんだ」 嫁田『は? 死ね』 プツッ ツーツーツー 翌日 バタン 京太郎「ふう、こんなもんかな」 晴絵「悪いねー朝っぱらから」 京太郎「いやぁ、お互い様ですよ」 晴絵「あはは、まぁね」 京太郎「それに思ったほど荷物もなかったですし。パラソルとかは向こうで借りるんですよね?」 晴絵「そだよ。運ぶのはもっぱら人間だけ」 京太郎「なるほど。ところで17人も乗れるなんてこれもうちょっとしたバスですね」 晴絵「そうよぉ、この為にわざわざ借りてきたんだから」 京太郎「え、そうなんですか? そんな話聞いてないですけど、お金とか」 晴絵「♪」b グッ 京太郎「先生……」 晴絵「あの子たちには感謝してるんだ。まぁこれくらいは、ね?」 晴絵「それに宥や、他の3年の子たちも今年で卒業だし、進路のこととか考えたらホントに今しかないからさ思い出作りとか」 晴絵「ちょっとくらい、年上らしいことしてやりたいじゃん?」 晴絵「あ、これあの子らには内緒な」 京太郎「ふふ、はい。わかってますよ」クスッ 移動中 淡「東京♪」 優希「神田♪」 穏乃「秋葉原♪」 京太郎「御徒町♪」 玄「上野♪」 咲「う、鶯谷♪」 憧「日暮里♪」 淡「西日暮里♪」 優希「田端♪」 穏乃「駒込♪」 京太郎「巣鴨♪」 玄「大塚♪」 咲「池袋♪」 憧「目白♪」 淡「高田馬場♪」 優希「新大久保♪」 穏乃「新宿♪」 京太郎「代々木♪」 玄「原宿♪」 咲「渋谷♪」 尭深「!?」ピク 憧「恵比寿♪」 淡「目黒♪」 優希「五反田♪」 穏乃「大崎♪」 京太郎「品川♪」 玄「田町♪」 咲「浜松町♪」 憧「新橋♪」 淡「有楽町♪」 優希「東京♪」 晴絵「なにこの歌のチョイス」 晴絵「うえ、ちょっと込んできたな」 穏乃「えー! もうちょっとなのにー!」 優希「この車、マシンガンとかミサイルとかついてないのか!? 前の車蹴散らそうじぇ!」 憧「いや、そんなボンドカーじゃないんだから」 照「ダークジェイカーじゃないんだ」 京太郎「俺はそこで敢えてFAB-1を推すね」 まこ「お前さんなかなかやるな。ペネロープ号のが通りがいいはずじゃが」 京太郎「それほどでも」 淡「空とか飛べないの!? こう、ビューンッ! って」 菫「いやまだ車が空を飛ぶ時代ではないだろう」 京太郎「空飛ぶ車なら、龍門渕の技術班が開発したそうですよ」 全員「え?」 京太郎「なんでも今、特許と生産認可の承諾待ちだとか」 穏乃「龍門渕って龍門渕さんとか天江さんのいる龍門渕!?」 淡「空飛ぶ車とかすごーい! 私も乗ってみたい!、ね、ねキョータローそれホント!?」 京太郎「お、おう。こないだ透華さんがすげー自慢気に電話してきたからたぶん本当。あの人、見栄は張るけど嘘はつかないから」 和「本当に空を飛ぶんですか? オカルトとは言いませんがちょっと信じがたいですね」 京太郎「デジタルの和に説明するとだな」 京太郎「なんでも、酸化剤として過酸化水素、還元剤としてヒドラジンアミドとメタノールを混合液として」 京太郎「使用したロケットエンジンを内蔵してるらしい」 和「結構真面目に開発してるんですね」 京太郎「それで爆発的な加速力を生み出すらしいんだが、空気力学的形状上バランスを取るのが難しく」 京太郎「燃料が非常に発揮性が高くて飛行中に分解爆発する可能性があるらしい」 全員「うわぁ……」どん引き 京太郎「今度、地元の先輩が試運転させてもらうらしいんだが」 久「ねぇ、その先輩って……」ボソボソ まこ「十中八九そうじゃろう」ヒソヒソ 京太郎「そん時は是非相乗りさせてもらいたいな」ウンウン 咲「ダメだよ! 京ちゃん、絶対行っちゃダメだからね!」グイグイ 京太郎「うおお!? 落ち着け咲、いきなりどうした!?」 ブゥオーン 晴絵「お、動いた」 灼「ん、外。見えてきた」 穏乃「おお、ホントだ!」 ガラ 淡「私も!」 ガラ 誠子「2人とも、ちゃんと座ってないと危ないぞ」 京太郎「まぁ気持ちはわかりますけどね」 優希「そうだ、これは叫ばずにいられないじぇ!」 「「「海だぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!」」」 晴絵「じゃあ私は車止めてきちゃうからみんなは着替えてきてねー」 全員「はーい」 京太郎「……」 咲「あれ、京ちゃんはいかないの?」 京太郎「いや俺は荷物運ばないと。その後でも男の着替えなんてすぐだし」 優希「うむ、なかなか殊勝な心掛けだじぇ」ウンウン 和「ゆーき、そんな言い方はダメですよ。須賀君もすみません、いつもいつも」 京太郎「いいっていいって、これくらいしかやれることないからな」 京太郎「なんにしても、やることがあるってのはいいね」 和「そうですか? では、すみませんがまた後ほど」 咲「また後でね京ちゃん」 優希「おい犬。いくらこの優希様が恋しいからって着替えを覗きにくるなんて不埒なことはするなよ!」 京太郎「バカか貴様は?」 優希「は?」 京太郎「俺は別にみんなの裸が見たいとか、着替えが見たいとかじゃないんだよ」 京太郎「俺はみんなの水着姿が見たいんだよ」 京太郎「卵生む前の鶏絞めてどうすんだよ?」 優希「お、おう……」 優希(真剣すぎてちょっと気持ち悪いじぇ) 優希「ならこのゆーき様の水着姿をしかと見せてやろう。楽しみにしておけよ」 京太郎「おう! 待ってるぜ」 京太郎「と、大見得切ったものの」 京太郎「この流れだと絶対みんなから『どう? 須賀君、これ似合うかな?』みたいなことを聞かれると思うんですよ」 晴絵「はぁ……あ、クーラーボックスはそっち置いといてね」 京太郎「あ、はい」 ドン 京太郎「で、ですね俺の語彙力じゃあ全員を褒めちぎることなんて出来ないと思うんですよ」 晴絵「シートのそっち側持って」 京太郎「あ、はい」 バサッ 京太郎「そういえば先生は水着に着替えないんですか?」 晴絵「私はパス。帰りの運転もあるからあんまり疲れるようなことしたくないし」 京太郎「ブーブー!」 晴絵「ブーイングは受け付けません」ツーン 京太郎「話が逸れました。で、この危機を乗り越えるべく作戦を立てたんですよ」 ゴソゴソ、キュキュキュ 京太郎「ホワイトボードに書いて一括で処理するってのはどうでしょうか?」 『みんな違って、みんな可愛い』 晴絵「ナイス屁理屈」b グッ 京太郎「シーズン真っ只中にしては思ったより空いてますね」 晴絵「そうね。もっと混んでるかと思ったけど。まぁそっちの方がいいでしょ」 京太郎「そうですね。人が多くても鬱陶しいし、少な過ぎても寂しいし」 晴絵「それなりには賑わってるけど苦にはならない程度で」 京太郎「浜辺は綺麗だし」 ワイワイ、ガヤガヤ <オイ、ミロヨアノグループ <ウオ、ムネスゲェ <オレ…コエカケテミヨウカナ 京太郎「なんか向こう騒がしいですね」 晴絵「あーそりゃ多分あれよ」 久「お待たせー」 バーンッ!! 晴絵「ほら、ビーチクイーン達のお出ましだ」 京太郎「先生なんか親父くさい」 晴絵「……」 スパーンッ! 京太郎「いってぇ!?」 目の前にはのは水着の天使たちだった。 正直、先生をバカにしたことを申し訳なく思う。 ビキニ、ワンピース、セパレート、スクール水着……。 スクール水着!? 優希「どうだ京太郎!? 私のスク水は」フンス その自信はどこから来るのだろう。 京太郎「通過儀礼として一応聞くけどなんでそれをチョイスしたんだ?」 優希「部長が男はこれが好きだといっていたじぇ。部長のアドバイスは絶対だじぇ」フフン 視線を移すと、必死に笑いを噛み殺す部長の姿が。いや、最早なにも言うまい。 優希「どうだ? 似合ってるか?」 俺は無言で先程のホワイトボードを翳す、 スパーンッ! 途中で後から頭をどつかれた。 振り返ると厳しい視線の赤土先生。顎で示してくる。 京太郎「ああうん。似合ってるんじゃないかな、歳相応で」 憧「歳相応って……」←同い年 和「言わないであげてください」←同い年 周りからなにか聞こえるが黙殺。 優希「可愛いか?」 京太郎「可愛い可愛い」 優希「そうか!」パァァ う、純真な笑顔が胸に突き刺さる。 淡「どうキョータロー? 淡ちゃんの水着姿は」 京太郎「セパレートか」 ツーピースであるがビキニよりも露出の低いセパレートタイプ。 淡い青の布地に花柄が映える。 淡「あんまり可愛過ぎて心奪われるなよー!?」 京太郎「うん。普通に可愛いな」 淡「ふぇ?」 京太郎「え?」 淡「あ、あわわわわわ///」カァァ 淡「あわー!」ダダダ 走っていってしまった。なんか知らんが勝った。 京太郎「さて……」クル 咲「///」モジモジ 和「///」ウツムキ 憧「……」プイ 玄「///」ソワソワ 宥「……」ガタガタガタガタガタガタ 照「……」テルーン なんか順番待ちみたいになってるんですが? 京太郎「」 晴絵「……」ポン 先生は軽く俺の肩を叩くと、未だに手に握られていたホワイトボードをそっと取り上げた。 疲れた。 改めて俺のボキャ貧具合を確認させられた。 まぁ眼福なこともあったので差し引きしてもプラスだろうか。 誠子「……」ソワソワ、ワクワク 一団の後方に一人ひときわ異彩を放つ人が。 京太郎「あの亦野先輩」 誠子「ん、なにかな? 須賀君」ソワクソワク 京太郎「いやなんていうかその格好」 誠子「え、変かな? この水着」 京太郎「いえ、水着はよく似合ってますが」 丈の短めなタンキニにボーイレッグ。 活発な亦野先輩の肢体によく似合っていた。 けど三点だけ、三点だけ突っ込みたいところが。 京太郎「その背中に背負った釣竿と、肩に提げたクーラーボックスと、腰に巻いたヒップバッグは……」 誠子「せっかく海に来たんだから、もちろん釣りだよ」 ですよね~。 誠子「じゃあ私はあそこに見えてる岩場にいるからなにかあったらケータイで!」ドヒューン 行ってしまった。 後で少し様子を見に行くか。 そういえばさっきから気になることが。 京太郎「なぁ、穏乃はどこにいるんだ? さっきから姿が見えないけど」キョロキョロ 憧「シズならそこにいるけど」 指で示された方向に顔を向ける。 晴絵「……?」 腕組みをして事態を見守っていた先生と視線が衝突。 よく見ると、その背後からちらちらとこちらを伺っておる者ありける。 穏乃「//////」 メイドだった。いや、厳密には穏乃だった。 ハート型のエプロンを模したストラップレスのトップ。帆前掛を合わせたスカート型のボトム。 赤いスカーフと付け襟、カフス、黒のニーソックス、白い太ももに僅かに見える帯はガーターだろうか? ネコミミにも見えるカチューシャの両端にはアクセントとしてスカーフと同じ色のリボン、ご丁寧にパンプスまで用意していやがる。 京太郎「」 今日、何度目かの絶句。 さすがにこれはやり過ぎだと思……。 穏乃「うううう//////」ウルウル なにも言えないでいる立ち尽くしていると、穏乃の顔が羞恥に染まり瞳は徐々に水気を帯びてくる。 憧「なにやってんのよ! なにかいいなさいよ」ボソボソ 俺の小脇に肘打ちを突き立てながら憧が先を促してくる。 玄「京太郎くん。ファイトなのです!」グッ、タユン あ、揺れた。 和「あ、ははは」 困った笑いを浮かべながら様子を伺っている和。 一応、指摘しとくとあなたの普段着も結構負けてないですからね? 京太郎「あー、どうしたんだその水着」 穏乃「これ、憧が……」 憧だと? 俺は件の少女に視線を水平移動。 憧「……」フイ 亜音速で目を逸らしやがった。 改めて穏乃の格好を見直す。 え、これヤバくない? 京太郎「あのさこれヤバくないこれ? これ犯罪じゃないのこれ?」 こんな小さな子にこんな格好。けしからんもっとやれ。 穏乃「私、学校の水着しかなくて、だからこういうのよくわからなくて……」モジモジ 胸元で合わせられた両手の先、人差し指の先を弄っている。穏乃の感情に感応してネコミミまでうな垂れて見える幻覚。 京太郎「え? それ学校指定の水着なの?」 京太郎「そんな学校、あって、たまるかってんだ!! どこだよその学校俺も通いてぇよ」 憧「単語だけ拾って頭の中で適当に再構成するのやめなさい。お年寄りじゃないんだから」 穏乃「やっぱり変、かな……似合ってない?」 不安げに俺を見上げてくる穏乃。俺はその細く震える薄い肩に優しく手を置く。 京太郎「いいかよく聞け穏乃」 穏乃「?」 京太郎「めちゃくちゃ可愛い。すげー似合ってるよ」 瞳の奥に感情の揺らぎ。そして光明。 穏乃「ホントッ!?」 京太郎「おう! 俺はバカだが嘘はつかない」 穏乃「そっか、可愛いか。…………可愛いかぁ、えへへへ///」 照れ隠しだろうか頭を掻く穏乃。それに合わせて結い上げたポニーテールが揺れ、ネコミミも機嫌良さ気に反応している。 え? ちょっと待って、どうなってんのこれ? 京太郎「それで前提としてよく似合ってるし可愛いけど、それを踏まえたうえで敢えて言うけど」 京太郎「やっぱヤバくないこれ? 犯罪臭が」 穏乃「えへへ、可愛いって褒めらちゃった///」テレテレ 和「よかったですね。穏乃」 憧「まぁ似合ってないとかいったら、八つ裂きにして海に撒いてたけどね」 玄「けどホントに可愛いね」 最早、誰も俺の意見など聞いていなかった。 なにがおかしいって男と女の感性の違いというか、あの格好を誰もおかしいと思わないということが一番おかしいと思う。 いや可愛いんだけどね。 あるいは、俺の前だけでとかにしてくれるとおにーさん嬉しいよ? 晴絵「まぁあんな格好出来るのも若いうちだけさね」ポン 先生がいうと説得力が違いいますね。 【おまけ】 玄「京太郎くん!」 京太郎「はいなんでしょう」 呼ばれて振り返る。 おうふ……。 視界に収まるホルターのトップ。薄い桜色のシンプルなビキニだ。 清楚で大胆というまさに玄さんの為のデザイン。 あの夜の過ちが脳裏をよぎる。 俺は熱い砂浜に額を叩きつける。 玄「い、いきなりどうしたの?」ビクビク 俺のいきなりの奇行にビビり気味の玄さん。 京太郎「いえ今、自分の中の自分という存在を徹底的にブチ滅ぼそうと」 玄「そ、そうなんだ……」 京太郎「それより玄さんこそどうしてんですか? てっきりみんなと泳ぎに行ったのかと」 玄「そう大変ですのだ! オペレーション・おもち発動ですのだ!」 京太郎「な!? オペレーション・おもちですって!?」 オペレーション・おもち かつてはクロチャーの地球降下作戦のことをそう呼んだ。 クロチャーの回転速度を上昇させ、ラグランジュポイントでドラを爆発、均衡を破壊し地球に落とす。 その後、混乱に陥った地球を降下してきたクロチャーで制圧する。 これがオペレーション・おもちの全容である。 次回、キョウタロウ閃光に散る ダイジェスト 菫「……」キュピーン 玄「ふぁ!?」 京太郎「ふぁ!?」 菫「ん? どうしたんだ2人とも」 玄「おもちが……」 京太郎「……ある?」 菫「ふ、これか」ポヨン 菫「レギュレーション変更だ」ドヤァァ 玄(なにがなんだかわけがわからない) 京太郎(いい加減な設定にしやがって) 玄「しかし!」 京太郎「我々で協議」 京玄「「した結果」」 京太郎「おもちがあれば細かいことなんてどうでもいいよね!」 玄「ですのだ!」 菫「まさか君たちはそれを締めのセリフにしようというのではないだろうな?」 穏乃「海だー!!」 優希「青いー!!」 淡「すごーいー!!」 3バカ「「「行くぞーっ!!」」」 京太郎「おーい。気を付けろよ!」 咲「あはは、みんな元気だね」 優希「咲ちゃんも京太郎も早く来るんだじぇ!」 ガシッ 咲「わわっ!?」 淡「テルーも行こう!」 ガシッ 照「えっ!? ちょ、待っ」 ダダダダダ 京太郎「海はにげねーから落ち着けってー」 憧「まったく子供なんだから」ヤレヤレ 和「そういう憧も、走り出したくてウズウズしてるように見えますけど」 憧「そ、そんなわけないでしょう!?」アセアセ 玄「じゃあ憧ちゃんが待ちきれないみたいだし私たちも行こっか?」 憧「もう、玄まで!」 京太郎「はははは」 憧「笑ってんじゃないわよ!」 ダッパーン 京太郎「ん?」 優希「おおおお、京太郎っ!!」 淡「たいへんたいへん! テルーとサキが波にのまれた!!」 京太郎「なにやっとんじゃあのアホ姉妹は!?」 ザザッ… 京太郎「はぁ……はぁ……ああ、くそ、マジ疲れた……」 咲「」 照「」 和「2人ともぐったりしてますが、ケガもないようですし呼吸も安定してますから、すぐに気が付くと思います」 玄「もう、優希ちゃんも淡ちゃんも無理矢理連れまわしちゃダメだよ?」 優希「反省してるじぇ」 淡「むしろ猛省」 憧「気のせいかな? あんまり反省してるように見えないけど」 穏乃「京太郎。大丈夫?」 京太郎「なんとか。ああ、ちょっと海水飲んじまった」 穏乃「はい、水」 京太郎「おお、すまん」 京太郎「あー生き返る」プハァ 和「これからどうしましょうか?」 京太郎「ああ、この2人なら俺が見とくからみんな泳いできてくれよ」 玄「そんな、悪いよ」 京太郎「いや、っていうか少し休ませてください」 京太郎「まさかものの数分で体力使い切るとは思わなかった」ハァ 玄「でも……」 京太郎「いいんですよ。せっかく海に来てるのにこんなとこで固まってても仕方ないですよ」 淡「よし! じゃあ行こうクロ!」ガシ 玄「え、あ……待って待って淡ちゃん!」 ダダダダ 憧「ぜんぜん反省してないわね」 京太郎「まぁあいつらしいっちゃあいつらしい」 憧「……」ウーン 憧「あたしも泳いでこよっと」 タッタッタッ 穏乃「あ、ちょっと憧!」 タタタタ 京太郎「憧は察しがよくて助かるね」 優希「のどちゃん、私たちも行くか?」 和「私は……私はそうですね、よろしければ須賀君の話し相手になりましょうか」 京太郎「え? いや、俺は別に」 優希「……」ジィイ 優希「わかったじぇ、じゃあまた後で」 タッタッタッ 咲「」ウーン 照「」ウーン 京太郎「よかったのか? 行かなくて」 和「身体を動かすのはあまり得意ではないので。隣、失礼しますね」 ポスッ 和「どちらかと言えば見ている方が好きなんです」 和「須賀君と一緒ですね?」ニコ 京太郎(リアクションに困るな……どう答えるべきなんだ?) 京太郎「へぇ。そうなんだ。和はもっと率先して動くタイプだと思ってたけど」 和「そんなことないですよ。割と内向的なので」 京太郎「そうか」 和「そうです」 京太郎「ははは」 和「ふふ」クスクス 京太郎「それで内向的な和さん。久し振りに旧友と遊べる感想は?」 和「懐かしい、と言うのが本音ですね」 和「海ではないのですが穏乃や憧、玄、赤土先生といろいろなところに行きましたから」 和「と言っても吉野の、小学生が行ける範囲でですけど」 京太郎「和は転校が多かったんだっけか」 和「はい。父も母も忙しい方なので。昔は、それが辛かったんですけど」 京太郎「……」 和「けど、悲しいことばかりでもないって最近になって気付けたんです」 京太郎「?」 和「清澄の皆さんに出会えましたから」 京太郎「……」クス 和「ゆーき、部長、染谷先輩」 和「そして咲さん」 京太郎(俺は?) 和「もちろん須賀君も」ニコ 京太郎「っ!?///」ドキ 和「覚えてますか? わたし達が始めて会ったときのこと」 京太郎「ん~、どうだったかな? あんま覚えてないな」 和「私、須賀君がいたから麻雀部に入ったんですよ?」 京太郎「え?」 咲「う、う~ん……」 京和「「!?」」 ムクリ 咲「あれ? 私……」 京太郎「お、おお。咲、目が覚めたか!?」 咲「確か、優希ちゃんに連れられて海に入って……」 京太郎「気分はどうだ? 水飲むか?」 咲「うん。ありがとう……」 咲「あ! おねーちゃんはっ!?」 照「」 咲「おねーちゃん、おねーちゃん!?」ユサユサ 京太郎「おいおい、そんな乱暴な」 照「う……ん~」 咲「よかった目が覚めて」 照「海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い」ブツブツ 京太郎「すっかりトラウマになったな」 和「どうしましょうか」 京太郎「う~ん、」 京太郎「照さん? 照さ~ん!」 照「海怖い海怖い海怖い海こわ、あ、え? なに?」 京太郎「そんなに海が怖いなら浜辺で俺らと遊びませんか?」 照「あ、えっと……」 咲「……」ウンウン 和「……」コクコク 照「じゃあちょっとだけ」オズオズ 京太郎「はい」クス 京太郎「じゃあ砂上の楼閣でも作ろうか」 咲「す、すぐ壊れそうだね」 和「まぁまぁ」 京太郎「じゃあちょっと水汲んでくるからこっちはよろしく」 3人「「「はーい」」」 ――――― ――― ― 和「~♪」シャッシャッ 咲「和ちゃんすごい!?」 和「ふふ、私の計算にかかればこのくらい造作もないですよ」 京太郎「いやしかしこれは凄いな。まさかこんな片田舎のビーチにサグラダ・ファミリア・カテドラルを創造する奴がいるとは」 京太郎「照さんそっちは、」 照「ぱーぱぱーん、ぱぱぱぱーん、ぱーぱぱぱぱーぱぱーん♪」 京太郎「」 京太郎「あの、照さん」 照「ん、なに? 京ちゃん」 京太郎「なんで反対側にマジ○ガーZの顔が付いてるんですかね?」 照「え? だってお城って」 京太郎「それは鉄の城です」 照「あれ?」 咲「ぷっ、あはははは。もう、やだおねーちゃん」 和「ふふ」クスクス 京太郎「まったく、照さんは。ははは」 照「………………ふふ、ははは」 ――――― ――― ― 和「出来ましたね」 京太郎「反対側おかしいけどな」 照「むぅ、京ちゃんしつこい」 京太郎「いや、だってこれは」 咲「まぁまぁ。これはこれで面白いから」 京太郎「ん~、まぁそうだな」 4人「「「「完成! 聖家族贖罪教会Z!」」」」ワーイ ダッパーン! 咲「あ、高波……」 グチャ~ 4人「「「「…………」」」」 【おまけ】 宥「気持ちいいね~」ガタガタガタガタ 灼「気持ちい」 尭深「あの、お茶飲みますか?」 宥「あ、ありがとう~」ガタガタガタガタ 尭深「鷺森さんも、よかったら」 灼「どうも」ペコ 灼(熱い……) 宥「ずず~」 尭深「ずず~」 宥尭「「ほぉ……」 宥「あったか~い」ニコニコ 灼(熱いけど、お茶) 灼「美味し……」ズズ 尭深「……」ニコリ 灼「///」 宥「こんな日は、お鍋とか食べたね~」 灼尭「「うん」」 「「……………………え?」」 【次回予告】 京太郎「鍋やるべー!!」 穏乃「鍋やるべー!!」\>ワ</ 次回 夏だ!海だ!水着で鍋パーティーだ!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6072.html
咲「えへへ。私で大成功だったから、次はお姉ちゃんの番だね」 照「いいの?」 咲「うん! 京ちゃんは私達二人のものだから」 照「ありがとう……咲」ギュッ 咲「それじゃあ、あのサイトを参考にしよう!」 照「うん。続きは……」 【合コンで男を落とす6つのテクニック / 泥酔おもらし女子で高レベルな恋愛を】 1. 太モモを触らせる 2. 男性の手を握ってニギニギ 3. 男性に指酒を飲ませる 4. 八方美人は嫌われる / 複数に嫌われてもひとりの男をゲットせよ 5. お弁当女子で女子力アピール 6. 泥酔おもらし女子 咲「こ、これは!?」 . ´ ` 、 . , , ,. / ′. / , / ′. ∧ .i. | i| . | 、 i /_\ | .| | i| . | | ハ l |i | ./ ,イ '| .| _|_ il ト、 . | }/_, ∨ |i | / /' | l| .|_l |__ x、八. | \} '",,_ i´) |i | .// | 八 | 乂_弋ツ>\ |<弋ツ.ノ . ∧ リ. | ′ | \| ハ  ̄ \{  ̄´ / ∨ | |l λ , ハ | i| 込、 __ __,. ,イ ! 、 | __| |__,. ー‐ ´ ./| | ハ |-‐= ' | .l| | . /> . イ.>| | / ‐ | |l 八 |. ′ / | /| /_ '} 八 / \ | |-- 、 --/ . | / | / \| ト-========イ }' .ノ' 照「まさに、私にふさわしい女子力アピール……」ニヤリ 咲「(あの日、京ちゃんとファミレスデートしてからというもの)」 京太郎「さ、咲! お腹空いてないか?」 咲「う、ううん。大丈夫」 京太郎「そっか。何かあったらすぐ言えよ」ビクビク 咲「えへへっ。ありがとうっ!」 京太郎「……」ブルブル 咲「(京ちゃんがすっごく優しくなった。これも全部、あのサイトのお陰だね!)」 【女子力を上げる四つの心得】 咲「ありがとう、アラサー嬢さん」ニッコリ 宮永家 照「そう、よかった」ヨシヨシ 咲「えへへ。私で大成功だったから、次はお姉ちゃんの番だね」 照「いいの?」 咲「うん! 京ちゃんは私達二人のものだから」 照「ありがとう……咲」ギュッ 咲「それじゃあ、あのサイトを参考にしよう!」 照「うん。続きは……」 【合コンで男を落とす6つのテクニック】 1. 太モモを触らせる 2. 男性の手を握ってニギニギ 3. 男性に指酒を飲ませる 4. 八方美人は嫌われる / 複数に嫌われてもひとりの男をゲットせよ 5. お弁当女子で女子力アピール 6. 泥酔おもらし女子 咲「こ、これは!?」 照「まさに、私にふさわしい女子力アピール……」ニヤリ 咲「でも、私達合コンなんてできないよ?」 照「私にいい考えがある」 咲「本当?」 照「うん。後は……」ピッポッパ 咲「電話?」 照「応援を呼ぶ」 第二章 モテル反撃!犯される女子力! ファミレス 京太郎「……(ここは、咲がおかしくなったあのファミレスだ)」 カランカラーン 淡「うぁー! すっずしぃー!」 菫「ふぅ。長野は遠いな」 照「……あ、京ちゃん」 京太郎「照さん! それに、大星と弘世さんも!」 照「……(やっぱり間近で見るとカッコイイ)」ニヤ 京太郎「(今日、照さんを長野に呼んだのは他でもない。咲のことで話があったからだ)」 淡「長野旅行だー! いぇーい!」 菫「はしゃぐな淡。迷惑だろう」 淡「ぶぅー」 京太郎「(なのになんでこの二人が着いてきてるんだろう)」 照「(これで人数は四人。合コンの条件は満たしている)」ニヤリ 菫「席順はどうする? 須賀君の横に私でもいいか?」 淡「はいはーい! 私が座るー!」バッ 京太郎「おわっ!? なんだよ急に!?」 淡「いいじゃんいいじゃん! 金髪仲間だー! いぇーい!」 京太郎「テンション高いな、ほんと」クスッ 照「……」ゴゴゴゴゴ 菫「(照の顔が虎眼先生みたいになってるな)」 照「(落ち着いて。所詮、淡は人数合わせ。私の女子力で蹴散らすのみ)」 淡「何たのもっかなー?」ワクワク 照「(まずは落ち着くことが大事)」スゥーハー コソコソ 照「!(あれは!?)」 店員?「(頑張って、お姉ちゃん!)」カンペ 照「(咲! ありがとう……頑張るから!)」グッ 淡「オススメあるー?」 京太郎「オムライスがうまいらしいぞ」 淡「えー? 私、オムライス食べられない!」 京太郎「なんで?」 淡「だって卵がかわいそうじゃん!」 京太郎「おいおい……お前まで変なこと言うのか」 淡「あははっ! うそうっそー! オムライス大好き!」ケラケラ 京太郎「(可愛いなコイツ)」 照「(まずい! 淡に先んじられないように!)」メラメラ 【合コンで男を落とす6つのテクニック】 原文ママ 合コンでステキな男性を見つけたとします。 あなたは、その男性を絶対に落としたいと思っているとします。 でも、思っているだけじゃ落とすことはできません。 徹底的に女性の魅力を武器として男性を落としましょう。 合コンに来ている男性のほとんどは性欲を発散できずに困っているので、 女性の魅力を徹底的に利用すれば高確率で男を落とすことが可能なのです。 静かにひとりで飲んでいる男がいても、単なるムッツリスケベなだけで内面はドスケベです。 男性は性欲のかたまりと思って間違いありません。女性の武器を使って落としましょう。 結局、性的アピールが強い女性が勝者となります。 照「(つまり、この完璧な体で京ちゃんを篭絡する!)」 淡「ヒヨコが可哀想~♪ でも美味しいから食べるぅ~♪」 菫「なんでそんなに機嫌がいいんだ?」 淡「ん~? えへへ、なんでかなぁ~?」チラッ 京太郎「? なんだ?」 淡「んふふー、なんだろうね?」クスクス 照「きょ、京ちゃん!!」ガタッ 京太郎「はい? なんですか?」 1. 太モモを触らせる 照「(恥ずかしいけど、負けていられない!)」 京太郎「?」 照「わ、私」ワナワナ 京太郎「どうかしたんですか?」 照「乾燥肌で困っているんですよ~><」 京太郎「……え」 菫「ぶふぉっ!?」ミズブシャー 淡「わぁっ!? 冷たいっ!?」 京太郎「か、感想肌?」 照「触ればわかるよカサカサ~(涙)」ガシッ 京太郎「へ? テーブルの下から俺の手を……?」 照「(このまま太ももを触って貰う!!)」ギラギラ ガバッ 照「どう~? カサカサでしょ~?」 京太郎「(え? 何が起こってんのこれ? 俺の手が……照さんのスカートの中に!?)」 照「(ひゃんっ……京ちゃんの手あったかい……)」ドキドキ 菫「」 淡「うわーびしょびっしょ」 京太郎「て、照さん!? な、ななななっ!?」バッ 照「あっ……(手を離されちゃった。でも、次はこっちが京ちゃんを)」グッ バッ 照「次は京ちゃんの肌をチェックしたいなぁ~?」 京太郎「うぇ!?」 照「(狙うは足!! でも、京ちゃんはズボンだから!)」ガサゴソ 京太郎「ちょ、ちょっと!? テーブルに頭突っ込んでなにしてるんですか!?」 照「じっとしててねぇ~♪」カチャカチャ 京太郎「ちょ!? 何してんすか!? ズボンを脱がさないでください!」ジタバタ 照「(一気に脱がすっ!!)」ギュルギュルギュルギュル! 京太郎「いやぁぁぁぁっ!」スッポォーン 菫「須賀のズボンが弾けとんだ!?」 淡「可愛いトラパン履いてるじゃん」 店員?「……」カシャッ カシャカシャカシャカシャ! 京太郎「(いきなりスカートの中に手を突っ込まされたかと思えば、今度はズボンを脱がされた)」ガビーン 照「(うまくいった。次は……!)」 京太郎「照さん! 何を!?」 照「すっごいスベスベ~♪」サワサワサワ 京太郎「ほわぁっ!?」 照「(このまま京ちゃんを触り続ける)」 1. 太モモを触らせる あなた自身のほうから男性に太モモを触らせましょう。 必然的に太モモが露出したスカートをはいていくことになります。 できれば生足がベストです。 「乾燥肌で困っているんですよ~>< 触ればわかるよカサカサ~(涙)」 という話題で自然に太モモを触らせ、男性を興奮させます。 男性はプライドの塊なので興奮しているようすを見せませんが、 心の中ではドキドキしているはずです。 どっちの太モモが乾燥しているかで対決する方向に流し、 男性の太モモも触ってあげると落とせる確率がグンとアップします。 男性の生足を出させるのは衣服の構造上難しいので、足首とかでもかまいません。 たとえ男性の足が乾燥していたとしても「すっごいスベスベ~♪」と言って、 ずっとそのまま足に手を置いておきましょう。 照「(あ、これいい。京ちゃんの肌に触るのイイ)」サワサワサワ 京太郎「く、くすぐったいですって!」 淡「いいなー! 私もやるー!」 京太郎「?!」 照「(まずい! このままじゃ淡が!?)」 店員?「(ここはフォローを!!)」ダッ 京太郎「ちょ、お前もかよ!?」 淡「よいではないかー、よいではないかー♪」ワキワキ 店員?「お客様ー! おしぼりお持ちしましたー!」バシィン 淡「ふげらっ!?」 菫「店員が淡の顔面におしぼりを叩きつけた!?」ガーン! 照「(咲!! ありがとう!!!)」 淡「あつっ! あつつつっ!」バタバタ 京太郎「だ、大丈夫か?」 淡「あ、でもさっき濡れたからちょうどいいや」ノヘヘーン 菫「そういう問題か?」 照「(咲のアシストのおかげで淡の介入を防げた)」サッ 京太郎「(あ、戻った)」 照「(この調子で次の作戦に進む)」グッ 2. 男性の手を握ってニギニギ 照「淡。ちょっと席を替わって」 淡「ほへ? なんで?」 照「なんでもいいから」 淡「はーい! ここだと須賀の顔見づらいし、正面の方がいいもんねー」 菫「たくっ、一度立ち上がるハメになる私の立場にもだな」 照「座るね、京ちゃん」 京太郎「あ、はい。(さっきのはなんだったんだ?)」ズボンハキハキ 淡「ほー、中々男前じゃん。前田くん!」 京太郎「前田くんなんていねぇよ。でも、あんがとな」 淡「えっへへ」ニカッ 照「(いけない。淡から気をそらさないと!)」 サワッ 京太郎「!?(照さんの手が!?)」 照「あ、ごめんね」 京太郎「い、いえ」 照「私、冷え性だから暖かいの好き」ギュッ 京太郎「っ」ドキッ 店員?「(いい! いいよお姉ちゃん!)」 照「(……でも、緊張しすぎちゃって手汗をかかないなぁ)」チラッ 京太郎「(て、照さんの手……)」 照「(よしっ)」スッ 菫「照?」 照「かーっぺっ!」ペチャッ ※手のひらに唾を吐きました 京太郎「!?」 淡「!?」 菫「!?」 照「……」ベチョッ ニギニギ 京太郎「」 照「京ちゃんの手あったかぁ~い」ニギニギ 京太郎「あ、え?」ネチョー 店員?「(凄いよ! お姉ちゃん凄すぎるよ!!!)」ムハー 2. 男性の手を握ってニギニギ これは掘りごたつや座敷のときに使えるテクニックです。 狙っている男性の横に移動して座ったとき、偶然手が重なったかのように男性の手に自分の手をかぶせます。 あなたは男性に謝りつつも、「私冷え性だから温かいの好き」と言って、 重ねた手にもっと力を入れてニギニギしましょう。 男性はカッコつけて動じないふりをすると思いますが、内心は大興奮です。 あなたが手汗をかいていればモアベター。 男性は女性の汗に性的な興奮を覚えますから、手汗がついた手で触れると興奮してくれます。 手汗がかいてないときは唾液で濡らしておくと良いでしょう。 京太郎「……」 淡「テル? 頭でも打った?」 照「私は至って平常。何もおかしくない」 菫「(胃が痛くなってきた)」ズキズキ 京太郎「あ、あはは……(あれ? もしかして照さんも……)」 照「(京ちゃんが笑ってくれてる! やっぱりこのテクは役に立つ!)」ニヤニヤ 店員?「(さぁお姉ちゃん! 次の実践だよ!)」 3. 男性に指酒を飲ませる 照「(まだ未成年だからお酒は無理。ここは……)」 店員?「お飲み物のサービスです」サッ 京太郎「へ? サービス?」 店員?「ソウデース」 京太郎「ていうか、なんか咲に似てるよーな?」 店員?「失礼します!」ダダダッ 淡「やったー! コーラだー!」 菫「いい店だな。騒いでいる客にサービスとは」 照「(ナイスアシスト! さすがは私の妹!)」 京太郎「まぁいっか。じゃあ、折角だし頂きましょう」 淡「美味しー♪」ゴクゴク 京太郎「コーラなんてどう飲んでも一緒だろ」 照「!!!」ガタッ 京太郎「な、なんですか!?」ビクッ 照「お、美味しい飲み方を知ってる」 菫「なに? コーラのか?」 照「……//」コクッ 淡「え? 知りたい知りたーい!」 京太郎「コーラの美味しい飲み方かぁ」 菫「どうするんだ?」 照「え、えっと。まずは……指を、コーラに突っ込むッッッ!!」ボシャッ シュワァァァッ 淡「~~~~~~ッッッ!!!?!???」 京太郎「(すっげー泡立ってる)」 菫「照!? 貴様ッ!!! コーラの炭酸を抜くなどとっ!!」 淡「上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想!!!」 京太郎「(なんでこれくらいでキレてんだこの人達)」 照「まだこれから。慌てるような時間じゃない」サッ 京太郎「抜いた指をどうするんですか?」 照「こうする」スッ パクッ 京太郎「!?」 照「んぅっ……じゅるっ、んずぅぅっ……れろぉ、んちゅっ、ちゅるるっ」ジュボジュボ 京太郎「な、何を!?」」 照「(もっと激しく!) じゅるるるるっ! ずぼぉぼぼぼっ!)」ジュボジュルル 菫「(照がひょっとこ顔になってる)」 淡「」 店員?「せくしー! えろいっ!!」ムハー 京太郎「あ、ぅぁ」パクパク 照「(凄く驚いてる。このタイミングがチャンス!)」チュポン 京太郎「な……なんですか……今の?」 照「指コーラって言うんだよ」 淡「(炭酸抜きコーラじゃないんだ。エネルギー効率とかじゃないんだ)」ブツブツ 菫「(もはやツッこむことすら億劫だ)」 京太郎「そ、そうですか」 照「……」ジャブジャブ シュワー 京太郎「(またやってるし)」 照「しゃぶってみ♪」スッ 京太郎「え?」 照「しゃぶってみ♪」ズイッ 京太郎「ほわぁっ!?」ビクッ 照「美味しいよ」ニコニコ 京太郎「い、いえ! いいです! ご遠慮します!!」 照「……(京ちゃんはしゃぶりたいけど、恥ずかしがってる。なら)」ギュルギュルギュルギュル 京太郎「ひぃぃい!?」 照「(無理やりねじ込む!!!!!)」ズボォォォッ 京太郎「おべぇもがぁぁぁぁっ!?」グリグリグリグリ 照「どう? 美味しい?」ニコニコ 京太郎「うべぇぇぇっ!?(口の中がぁぁぁ!?)」ジタバタ 照「うめぇ? えへへっ、ありがとう♪」 店員?「(あれ、今度私もやろう)」 3. 男性に指酒を飲ませる できるだけ濃いお酒をストレートで注文しましょう。ロックでもかまいません。 とにかく原液が濃いお酒を注文して、指を突っ込んで付着したお酒をしゃぶるように飲みましょう。 男性はあなたの飲み方を見て驚くと思いますが、それがポイントなのです。 「指酒(ゆびざけ)っていうんだよ」 と言って、あなたが落としたい男性に指を差し出して「しゃぶってみ♪」と言いましょう。 男はだいたいがドスケベなので、あなたの指をしゃぶってくれるはずです。 嫌がるそぶりを見せたとしても、それは建前。本心はしゃぶりたくてたまらないはずなのです。 美味しいかどうか聞いて「美味しい」と言ってくれたら、その男性をお持ち帰りできると思っていいでしょう。 _,.... ― ... ,.. '´ \ ___ / \ / ヽ  ̄`/ // . / . . . . . . . . . . . ヽ \ ,..-‐=、_/ / i . / . /ハ |. .| . . . .. i f/ _ i | ;!. .|.ハ .ハ | | !、 !、 | | |. i { / -i | {^| . |,ィ≧y. リ |;ヒト、 | . ! ..i _..;;=≠'"´ ー| | 、ヘ |弋ン... ..ぞソ/iハノ\! <ハーイ 京ちゃーん /'" ゝi、 ヽ _ _゙ / `ヽ、 //\ i、 ` ....、__,..ィ' \、 // /゙ ー-L \// / ー-、_ \ / \/ \ / >ー-、___,.// 、 / _,...-≠ .. ノ{ i ヽ\/ ,ィ' ` ..、 / / ゙、 ヽ 丶  ̄ \ \ / ... / | i 丶 \_ \ r{\ . . { } |ヽ i ` 、_. \ / \ィー-ァ--‐イコ〕 / / } i ` .、 ヽー-、 /  ̄ ̄ ̄Y´ | <_; -‐' | | ` 、__゙、 / メ -‐へ、 i i ――― 、 /;';';';';/ ______/\;';';';';';';';';' \ /;';';';';/ /;';';';';';';';';';';';' ;' ;';';';';';\;';';';';';';';';';';';';';/;';';';';/ /;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 、 /;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'; / \ {;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';/ ,. /;';';';';';';';';';';';';';';';';';';'/ ′ /;';';';';';';';';';';';';';';';';';' / / , /;';';';';';';';';';';';';';';';' ;' / / / / / ′. /;';';';' ;'; \;';';';';';' ;' / ′ / / / l| l| |. /;';';';'; \;';';';\;';';';';/ l ′ /l/l | l| l| l| l| | これがねー♪ /;';';';';、;' ;' \;';';';\./ //l / ,/ l | l| l| l| l| |. {、;' \;' \;';';';\ ; / / .′ /l / l | l| l| l| l| 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- . . .__ }_\;' \;' \;' ;' // i | ∧j/\ l ト、 /}/}/| l| | . // \;' \;' \/ | l/ ∧芹≧x八 | | / _____」L リ┐ |. . . .|. ((// -‐ァ\;' \/. | V)炒`. \{‐ァ'≦芹トリ /}/} ∧{. . . .|. (// // }; ; lリ l / l圦 ....V)炒 //__,ノ / { .|. (/ (/ }彡'. |/l ll 、 ' / / / | l l|/ \ _ /}___/ | 八 l| \ ` ≦/ ̄ ̄ ‐- | \{  ̄ ∠___. .‐- | /. . .\ ‐- | ┌―┴― \ \ | _ノ. . \ \ | _/___ \ \___ノ / _ _ . \ ∨ {/  ̄\ \ , . . . ... __, ‐---‐-、 . . . . . . . . . f´ , | . . . . . . . . i ! | | |ヽ . . . . . . . . . . └-L_ ! | ,ィ ハ . . . . . . T`'"´ し′! . . . . ゙、. . . . . . . . . ! . . . i . . . . . _;.-┴┐ | // ,!-、_ // . . . . _/ ....| 〈 // ./ . . . .| ヽ / \ Y . . . . . / i 指コーラってー♪ !、_! . . / \ . . . . .゙、 // ヽ . . . . . .. i / __,ゝ, _,,..-‐''""´ ̄ ̄``゙ ゙ヽ .. . . i / / / \ _,....-‐''"_,..-‐_''"´ ̄ ̄ ̄二二二\ . . . . . .i / / / -=、-ァ''" . . . . / ノ)‐''"- . . . . . . . . . . ヽ ..... V // / / . . . . . . . . ! /_;/ . . . _;. .-― . . . ゙、 .... ノ'′/ / / . / . . . /'"//ィ彡 ._. -―-、_ . . . . . .. i .......... / / // / .// . . / ''"´∠ X;エ二._. . . . |................ / /!.// _.イ;/-i . ./ / i. (三}'} ナー-、`. . . . | / / | i .{ ,.ィ´ | |/ / . . _//_,. -― . . . | / \ | | |. | / i j i r.、 . -‐;i二7.;. . . .. . . / ( ヽ ! 、| .! / 、 、 | | ∠..-‐/ . . ./ . . / ヽー-、 .、 ヽ{ i. |./ \__,.、-‐ー、._ └' '、=∋メ'"..-‐'"; ‐/ \ `ー-..、_ / `ー-、_ \ 、V _,...-‐''"´ ` ー---――∠ . _;. -イ / \ \ ;イ \ (_!-rf'"´ //7 .;.ィ. . . . . . . /. . . / / \ メ| i、イ \、-、ー-、_ _, =ヒ ∠ノ / . . . ./ / / / ____\ \ { \ __> .. \ . \ }\ <言うんだよー♪ \ ... \ . \ \ , , /\ \ .. \ l \ \ \ヽ/⌒7 ′ ′ , | li\ / -‐/ ̄ ̄ ̄/ ̄\ \} }\ \ } ∨ / ∧ , ′ /{ }\ | \ l| \ / / / / y'⌒ヽ\人 /\ \_}/ ,/ ̄ / ∧ ∨,√| \_} \__} \ _ -‐ / -‐ / /../ / ̄ ̄ ̄\ ∨ } ′/ ∧ | ∨ l| }i-‐ // { ,.../ { \ | | | / i| | l ll| |li、 / \/l l...| | ∨ | | | ii| i| 丶 ,′ >‐- 八 ll...| |___ | l| | |l ill| | l ll| |lli ii| i| \ | -‐ {. . ト---≠ ┴ァ‐- {/ ̄ ‐- __| l| | |li ii| \ | ∨∧\{/∨ / f´}/) -=ニ | |lli illl| | l iii|\ \ | _∨∧彡クj //)-} /ヽ.  ̄} |llli illll| | l ll| |lli ll| i|. . . \_____|______/. . . /i⌒}/,〈 ´~ (/ 〉 , |lllli illlll| | l ll| ii|lli ii| ll|| i|、. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / / \ \ `~´{_ ′ lll|い√ ̄} | ∧ l「` -=i|ll| ii| ill| /. \. . . . . . . . . . . . . . . . < ̄ ̄ _/. . . /l__//>-- \ , l| )ノ l| |,/ l i リ^i\ } /^}/}  ̄\. . . . . . . . . . . . .`ー‐‐. . . . . /,/ ̄ ̄\ト、 } \ ′リ l| |′ l | \从,/ | / \. . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ ,/  ̄ `ー- _〉 リリ リ′ }′. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | '′. |. | | 〈/〉-‐=ニ二ニ=-- _,,| ∧ }ニ=-  ̄ ̄ ̄ -=ニ=- _〉 〈 }  ̄「\ 照「美味しいでしょー♪」ギュルギュル 京太郎「がばっばばばばばっ!?」 照「えへへ」チュポン 京太郎「げほっげほげほっ!!」ウルウル 照「(涙目になるほど嬉しかったんだ。えへへ、可愛いなぁ)」 菫「(須賀……可哀想に。でも、泣き顔可愛いな)」 淡「大丈夫? はい、おしぼり」 京太郎「さ、さんきゅー……」 淡「ちょっとテル! 須賀が可哀想じゃん!」 照「(これだからお子様の淡は、何もわかってない)」ヤレヤレ 京太郎「(大星ってイイ奴だな)」 照「(計画を次のステップへ)」フフフ 4. 八方美人は嫌われる / 複数に嫌われてもひとりの男をゲットせよ 菫「私もどうかと思うぞ、照」 照「……は?」 菫「え?」ビクッ 照「……チッ、ッセェナ」ボソッ 菫「え? えぇっ!?」オロオロ 京太郎「あ、あの?(なんか照さんが急に怖い顔に)」ビクビク 照「うんっ♪ なぁにぃ? 京ちゃんっ★」キャルゥン 淡「!?」 菫「!?」 店員?「(可愛いよお姉ちゃん!!!)」 京太郎「(なにこれ)」 淡「ちょっとテルー! 今の何?」 照「あ?」ギロッ 淡「ひっ!?」ビクビク 京太郎「(マジでナニコレ)」 菫「お、おい照! 私達はお前について来てやってるというのに! なんだ今の態度は!」 照「(そろそろいいかな)」 菫「おい! ちゃんと話を聞け!!」ドンッ 京太郎「あ、あの? 照さん……」 菫「て……」 照「なんかぁこの人ストーカー臭せぇーんですけどぉ~」 菫「る……?」 京太郎「!?」 淡「!?」 菫「い、今なんて……?」ワナワナ 照「容疑者予備軍マジウケルんですけどぉ~(笑)」 ,. '" ,. 、\ ,. -‐ 、 / / ` ´` \ / \ヽ ,.' ' / i ! ヾ / ' l / ,'./ l. !| ! ゙ l ' / .l / // 'l l ! l ! !l. ' .' l/ ー '-―_-' リ└- _!,!_ ! ! ' l l イ~~~下 ,.二、、ー,、/l! l l .l l ヽ ノ 'i リ ヽ.! l. l | ! l! ` " l l l l ー- _! , l l.!. l ! | ト、 |! l l ! .l.ヽ , ― 、 ,. | ` ┘ l ! !.l 丶 ⌒ .イ ! ! l l ! .! < .!. l l ! ゙、 i ` ´ ! l l ! ヽ 、 .! ! ! l /ヽ. ヽ \ l、 ! l l./ 、 丶 ヽ. \ヽ` 、 l ,.' 丶ヽ ヽ \_.ヽ、 ノ. l ヽ\ \ ヽ ヽ\ 、 l \ 丶 \ヽ ヽ. l i ヽヽ. \、. ヽ . l / l ヽ ヽ ヽ.\. ヽ lヽ. / l,' ` ヽ. ヽ \ ゙ ! ! 菫「」 京太郎「な、ななっ?!」 照「ハァ~チョーウザ~。私は京ちゃん一筋だしぃ~?」 菫「て、照……貴様、貴様ぁぁぁぁっ!!!!」ガタァーン!! 淡「わ、わわぁっ!? 落ち着いて! ね、ね!!」ガシッ 照「ウザッ(笑)」クスクス 菫「ああああああああああああっ!!!」 菫「もう我慢の限界だ!! 覚悟しろ!!!」バンバン 淡「喧嘩はダメだってばー!!」ガシッ 京太郎「お、落ち着いてください! ね! ね!」 菫「ぐぎぎぎぎががががっ!!!」 照「や~ん、怖い~♪」ダキッ 菫「っらぁぁぁぁ!!!」 店員?「(さすがお姉ちゃん。親友とも言える弘世さんを犠牲にしてまで)」ホロリ 4. 八方美人は嫌われる / 複数に嫌われてもひとりの男をゲットせよ 女性が合コンでミスを犯しやすいのが「八方美人」です。 合コンでは決して八方美人になってはいけません。 合コンが始まってから10分くらいは静かに目立たないようにし、じっくりとターゲットを決めます。 ターゲットを決めたら、その男性にだけ徹底的にアプローチをして、 他の男性たちに対しては冷たいと思われるくらいツンとしていいでしょう。 「何で俺だけに優しいんだ?」と思わせるのです。 ターゲット以外の男性がしつこく話しかけてきたら、ターゲットの男性に 「なんかぁこの人ストーカー臭せぇーんですけどぉ~容疑者予備軍マジウケルんですけどぉ~(笑)」と言いましょう。 周囲にも聞こえるように言うことで、周囲の人たちも「ああ、この子はA君だけを狙ってるんだな」と思ってくれるでしょう。 周囲の反応が気になる? だからあなたは八方美人なんですよ。あなたは何のために合コンに来ているのですか。 1匹も得ずに帰るのですか。そんな漁師いらないですよ。 ターゲット以外の男に嫌われてもいいじゃないですか。 照「(これで京ちゃんは私が一途だと分かったハズ)」ニヤニヤ 菫「何をニヤニヤしてるんだ!!! こっちを見ろ!!」 照「ぷっ(笑)」 菫「ああああああああっ!!!」 京太郎「弘世さん!!」ギュッ 菫「あっ」トクン 京太郎「気持ちはわかります。でも、争いは何も生みません」ジッ 菫「ぅ……ぁっ、そう、だな……」ヘナヘナ 淡「はぁー、疲れたー」 京太郎「大星もありがとな」ナデナデ 淡「!! うん、えへ、えへへっ!」 京太郎「そろそろ本題に入りましょうよ」 菫「あ、ああ。そうだな」ドキドキ 淡「本題って何ー?」 京太郎「それは、咲のことなんだけ……」 照「(まだテクは終了していない!)サッ 5. お弁当女子で女子力アピール 照「ねぇねぇ、京ちゃん! これを見て!!」バッ 京太郎「……はい」ナミダメ 淡「(むー、須賀が可哀想)」ムスッ 菫「なんだそのノートは?」 照「……」シラー 菫「頼む、須賀」ビキビキビキ 京太郎「あ、はい。なんですかこれ?」 照「明日作るお弁当の絵、毎日描いてるんだ私♪」パラパラ 菫「(初耳だ)」 淡「(いつも学食じゃん)」 京太郎「へぇ、それは凄いですね。見せてもらっていいですか?」 照「うんっ!」 京太郎「どれど……」 ________________ |\ ∥ /| | ( ̄肉)_/ ̄V ̄ヽ_.∥_____∠ | | ( ̄肉) | 手| 手 | ∥ i\チーズ| | | |`ー´ | 羽| 羽|.∥-ー、\.\ /l | | |( ̄肉) | 先| 先|∥ ハム ) \l/l .| | | `ー´ ヾ」^ヽノ∥ヽ_ノ |__| |\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∥ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ./| | ┌/⌒⌒⌒⌒ヽ.∥ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | ( ( ヾ )∥ l⌒l| | | |\ 飯 /∥ / ̄| .|| | | | ヽ ) ノ∥ く`ヽ、゙i.肉ヽ ) | | | ヘ ノ |∥ .\ \ゝ | | | | | `ー^ー'∥ `ヽノ  ̄Ⅵ | .  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 京太郎「(壊滅的に絵心がねぇぇぇぇっ!!!!!)」ガァーン 照「美味しそうでしょ? 彼氏が出来たら毎日作ってあげるんだぁ♪」 京太郎「あ、はい……それはいいですね」 照「!!!」ドキドキーン 淡「豚の餌じゃん」 菫「同感だな」 京太郎「か、彼氏さんは幸せだと思いますよ。多分」 照「そ、そう思う?」パァァ 京太郎「……ハイ」 照「そっかぁ、幸せかぁ」ニヤニヤ 淡「……」 照「でもハダカでエプロンは絶対にしないよっ><」 京太郎「え? 別にそんなこと言って……」 照「彼氏の家に泊まったら彼氏のトランクスはいてお弁当作るの♪」 京太郎「は?」 . ´ ` 、 イ / / . ニlニ / ,イ ∧ | / / | l / | |! | | , イ  ̄ ̄ ̄| N /__ | ト、__| | | ′ i| | ∨ 八 ト、 | N リ |l |. 八 { l ____ ` \| ___|/ | 八 |l / リ \N '~⌒`` ´⌒``〕/ ;__ 八. / / ハ """" ' """" '// / 〔、 、 . / __ 圦 lヽ r ┐ // / /) \ / l l\\ | .! ノ . '_/ 厶 "/ ト、 ヽ .' |八 \\__| .!> __ . イ´ 、__フ‐ ヽ. | \ |. .′ V.rヽ _|___ | /_〔 ̄ | V 〕 //.へ`ー- .、Υ 八 l | |{/´ ̄〕 !、___/ヽ /' \. 八 '′ l / ∧ 〈 、 \ / \ .'. / /_ ∨´ \ / -‐== / ∧ / / _ ./⌒ヽ. \............./ =- V / -‐=' ._ ∨ヽ__/ Υ⌒/ .′. 〔二〕´ ._ V´/ |ニ/ ∧〔\ 八 ∨ |_V .! / N' \ 个 、_/ 照「ハダカでトランクスなのっ♪」キャピキャピ 京太郎「」 菫「コイツ頭おかしい」 淡「……テルー」ボソッ 照「京ちゃんもお弁当食べたい?」ニヤニヤ 京太郎「あ、あはは……じゃあ、いつか機会があれば」 照「いつか作ってあげます~ぅ」キャハッ 5. お弁当女子で女子力アピール かわいい女子っぽいメモ帳にお弁当のイラストをたくさん描いて、落としたい男性に見せましょう。 「明日作るお弁当の絵、毎日描いてるの私」と言えば、男はだいたい落とせます。 「彼氏ができたら毎日作ってあげるんだぁ♪」と言うとポイントがさらにアップします。 「でもハダカでエプロンは絶対にしないよっ><」 「彼氏の家に泊まったら彼氏のトランクスはいてお弁当作るの♪ ハダカでトランクスなのっ♪」 と言えば最高です。 家庭的でありながら、エロティックな女性に男性は弱いのです。 エロいだけでなく弁当も作れる女子の女子力はかなりのものです。 できるだけかわいい感じの色鉛筆を使ったお弁当のイラストがいいと思います。 実際にお弁当を作っていなかったとしても、嘘でもいいのでやりましょう。 付き合ってからお弁当を作るように言われても、無理して作る必要はありません。 「またいつか作ってあげます~う」や「そんなこと言ってないよぅ、ぐすん」 「ほかの女が言ってたんじゃないの~? ぷんぷーん」 と甘え口調で言っておけば男性は突っ込まないでしょう。 店員?「(やっぱりお姉ちゃんは凄い!!)」 淡「(私のせいなのかな? 私がテルを……)」グスッ 菫「(私か? 私がいけないのか……?)」 京太郎「(咲に続いて照さんまで……)」 ズゥーン 照「(かなり場が温まってきた。やるとすれば、今しかない!)」 店員?「(やるつもりだね、お姉ちゃん! 遂にアレを!!)」 照「(今回の切り札!! それは!!)」 6. 泥酔おもらし女子 照「(もちろん酔っ払うことは出来ない。でも、こう考えるべき)」 店員?「(酔っ払うことを利用したテクなら、逆に酔っ払わないことで)」 照「(より迫真になるハズ!!!)」キラーン ※なりません 京太郎「(なんだ、悪寒が……)」ゾクッ 照「……あー、トイレ行きたいなぁ」ボソッ 京太郎「え?」 照「でも、場所が分からないなぁ」 京太郎「え、えっとあっちの……」 照「分かんなぁい、あぁ、漏れちゃうかもぉ!」ジタバタ 京太郎「いやだから! あっちの!」 照「「ここで出ちゃったらやあよ! やあよ!」ジタバタジタバタ!! 京太郎「」 菫「」 淡「」 店員?「(頑張って!!)」ドキドキ 京太郎「(ナニコレ? どうすればいいんだ?)」キョトン 照「トイレつれって! 出ちゃったらやあよっ!」ギュゥ 京太郎「お、俺がですか!?」 淡「えぇぇぇっ!?」 菫「ま、待て照。付き添いなら私が……」 照「やらぁ! 京ちゃんがいいのぉ! 京ちゃんじゃなきゃやらぁ!!」ジタバタ :_,. -─……─- : . ´........................................................\: :/.......................|........ト、..............................ヽ: : /....................| |...i|........| \...........|....|............:/.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i : ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|: :|...|....|┬─┬ ┬─┬ |............| |...ト..| 乂 ノ 乂 ノっ|............|: :i|...|....| |............|: ||...|..人 , _ 人.......l..| 八Λ.....> _ . <......../|/ \|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒ ‐-ミ ;/ ̄ | \ ∧ / / / \; / | \ ∨_/ / ハ :/ \ Χフ / /  ̄/ Τ  ̄ ',; ;\ | 〈 ∧ 〉 | / 京太郎「」 菫「て、照……」ドンビキ 照「出ちゃう、出ちゃうからぁ!」ジタバタ 京太郎「わ、分かりましたから! ね! 落ち着いて!」 照「えへへぇ……」スクッ 京太郎「じゃあ、こっちへ」 照「やあよ! やあよ! やあよっ!」バタバタ 京太郎「暴れないでください!!!」 淡「……なにあれ? 馬鹿なの?」 菫「ああ。馬鹿だ」 京太郎「ほら、ここが女子トイレですよ」 照「うぅ……やあよ! やあよ!」ブルブル 京太郎「(照さんが叫ぶから視線が痛かったな)」 照「さびしんぼやあよモードだから」 京太郎「へ?」 照「ここで待ってなきゃやあよモードだよ」ガチャッ 京太郎「……はい」 バタン 照「……万事うまくいってる」ニヤリ 京太郎「……帰りたい」 照「(ここでおしっこする必要は無い。少し待ってから……)」 ガチャッ 京太郎「え?」 照「お待たせ」 京太郎「(ちょ、今水流したか? ていうか、え? 手を洗った!?)」 照「(トイレしてないんだから、手を洗う必要は無い)」 京太郎「……」 照「ねぇねぇ、あのなかで誰が一番かわいいと思った?」 京太郎「えっ」 照「……」ジィー 京太郎「い、いきなりなんですか?」 照「答えてくれなきゃやあよ! やあよ!!」バタバタ 京太郎「わ、分かりましたから落ち着いてくださいってば!」 照「……」ピタッ 京太郎「……お、おおほ……」 ´ ` 、 / \ , `ヽ . / / . ' ' ' ', ∨ i / i | | | l | | | /. | |i | | } l | | \. | l | | | / | |i | 乂─人 ト、 | \ | ─ | | | / __| |l |,,___ ` \{ '´ } ,,N 八 |  ̄ ̄ ̄ | 八 小'庁示ミ、 '乏示庁`| / i| 八 ハj \{ 乂 ソ 乂 ソ レ'| | ヽ / | Λ ハ〕. | 丶 . / | トハ ' /‐'| | , / / | | . 込、 ,イ. . . | | ′ / / | | . . l. . ... ` ’ ... . . .i . i .| | ! ,. / i| |. . i| . i| .〕ト イ. . i. . . l . l .| | ; l | /{ ,r─‐= i| | ̄ ̄ ̄`ノ .;ト..,|. . . l . l .| | / | } /⌒ヽ 八 | ヽ 〈 `゛l . l .l 八 / | / / \ ヽ} ∨___∧ | / .,) }' /′ \ ,_ ` ._ ,}′ 、 // 、\ ,_ } / λ 京太郎「照さんです」キリッ 照「んへへへへっ! 京ちゃぁんっ!」ダキッ コソコソ 店員?「(あと一歩だよお姉ちゃん!)」 京太郎「じゃ、じゃあ戻りますか」 照「……うん」ドキドキ 京太郎「(とても咲のことを相談できるレベルじゃない。また今度にしよう)」 照「(ここで、最後……!)」ドキドキ 京太郎「……照さん、今日は……」 照「アファーッ!!!!」ピタッ 京太郎「!?」ビクッ 照「(この日の為に貯めた、尿! それを全て!!!!)」スッ チョロッ チョロロロロロッ ※咲世界の女性はみんなノーパンだということを念頭においてください ジョバババババッ!!!!! 京太郎「!?!?!?!?」 照「アッファ~~ン! やあよ……やあよゆうたのに」ダババババッ 京太郎「?!!?!?」ビシャビシャッ 照「やあよぉ……止まらんよぉ」ビジョバババババッ 京太郎「……」ポタポタ 照「やあよもー!」ポチャポチャッ 京太郎「……」ビショヌレ 照「やあよもー! こんなんじゃ、みんなのところに行けないよぉアッファ~~ン(涙)」シクシク 京太郎「……」 照「え~ん(涙) 恥ずかしいから帰りたいよぉ」グスグス 京太郎「……え、あ、はい」 店員?「(お姉ちゃん、あんなにたくさん……凄い!!)」 照「やあよぉ! やらやらぁ! おうちかえるぅ」ブルブル ~~ ~~ -―――- ~ ~ ..... . `丶 / \ } } . . { { / / . . │ |\ |\ | . } } / | / | | ト- |--∨\ | { { / /| |ノ| 八 | _..斗-=ミ\| | | / | /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ | | }  ̄ ̄ | | イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| | | { { | 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | / | } |/| {. ハ (⌒)=='' /// |/} | | ヽ_| /// __,ノ | }. { | 八 _.. ‐~‐-、 イ | {. } | 个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ | レヘ _≧=一ァ 〔/⌒T iT7ス / ∨\ /r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ } { ∧ | / / / ∧ { } / {\/⌒)_∠__/| / ∧ / ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ / ∨ハ. {_ / \/ _〉. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ } } \_____,|/ /i i\  ̄ ̄`ヽ j { ∨ / /|i ハ i \ | / / i i i ハ i i i i 丶 ... ______丿 〈 i i i i/ i i i i i| | } 京太郎「……じゃあ、待っててください」 照「う、うん」 スタスタ 京太郎「あの」ビチョビチョ 菫「どうした須賀!? さっきの照の叫びは……!?」 淡「びしょ濡れじゃん! 何かあった!?」 京太郎「今日は、もう……お開きで」 菫「え?」 京太郎「お願いします……ヒグッ、じゃないとぉ……俺、おかしく、グスッ」プルプル 淡「須賀……っ! 許せない!! テル!!!」ガタッ 菫「やめろ淡。須賀の気持ちを汲んでやれ」ガシッ 淡「でもっ!! でも……こんなの、酷いよ」ブルブル 京太郎「……ごめんな」 淡「っ!」ズキッ 京太郎「じゃあ、俺。照さんを送っていくので」 菫「……頼む」 照「大成功」ホクホク 店員?「やったね! いぇーい!」 京太郎「照さん」 照「……!」 京太郎「じゃあ、タクシー呼ぶので……ホテルまで」 照「やあよ! 京ちゃんの家じゃなきゃやあよ!」バタバタ 京太郎「……ぅぅっ、わ、わかっ、ヒック、分かりましたぁ……うぁぁっ」グスッ 照「(嬉し泣きしてるっ!! やったぁ!)」パァァ 京太郎「(くそっ! 俺は、俺はまた救えなかったのかよっ!!!!)」ポロポロ 照「……えへ、えへへっ」 京太郎「照さん、俺……絶対に、見捨てたりしませんから」ギュッ 照「(プロポーズ!!)」ドキドキーン 店員?「(おめでとう! お姉ちゃん!!!)」 6. 泥酔おもらし女子 泥酔したふりをして、トイレの場所がわからないふりをしましょう。 「ここで出ちゃったらやあよ! やあよ!」と言って、周囲をあせらせます。 泥酔している設定なので、大げさにオーバーアクションしていいです。 落としたい男性に「トイレつれてって! 出ちゃったらやあよっ!」 と言い、男性にトイレに連れてってもらいましょう。手をバタバタさせながら 「やあよ! やあよ! やあよっ!」と言いながら移動すると男性はキュンとします。 トイレに入る前に、「さびしんぼやあよモードだからここで待ってなきゃやあよモードだよ」 と言い、男性にはトイレの前で待っていてもらいましょう。 男性は女性の脱糞音や放尿音をよく思いませんので、できるだけ静かに排泄しましょう。 もちろん排泄しなくてもかまいません。 1分くらいしてトイレから出たら、 「ねえねえ、あのなかで誰が一番かわいいと思った?」と言いましょう。 もちろんあなたがカワイイと言ってくるはずなので、あとはそこで雑談を進めて男性をゲットしてください。 高度なテクニックですが、トイレへの移動中におしっこを漏らすという方法もあります。 「アファーッ!」と声を出して立ち止まり、おしっこを漏らしつつ「アッファ~~ン! やあよ……やあよゆうたのに」 と言い、ヘタりましょう。男性は驚くと思いますが、ここからがミラクル展開が開幕するのです。 「やあよもー! こんなんじゃ、みんなのところに行けないよぉアッファ~~ン(涙)」 と男性に言い、恥ずかしいからこのまま帰りたいと伝えましょう。 無責任な男性でなければ、あなたをフォローして他のメンバーに 「なんかあの子気持ち悪くなちゃったみたいだから、俺、家までタクシーで送っていくわ」 という展開になります。タクシーに乗ってから「あなたの家じゃなきゃやあよ」と言い、 自分の家ではなく男性の家に行くようにしむけましょう。 そしてそのあとは……わかりますね? 男性の家には女性ものの服はないはずですから、洗濯して乾くまで、あなたは男性と甘い時間を過ごせるわけです。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6393.html
まとめ 設定 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41(完) エピローグ 小ネタ 小ネタまとめwiki 本スレ 【咲】京太郎「清々荘にて」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350803045/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 憩「2部屋目やで!」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351754004/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 照「3部屋目!」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352103994/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 霞「4部屋目よ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352475519/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 エイスリン「5ヘヤメ!」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352648917/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 咏「6部屋目だっけ、しらんけど」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353253365/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 京太郎「7部屋目……ぼっち」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354625812/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 泉「8部屋目、8部屋目」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355240736/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 【三箇牧】 怜「9部屋目や」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356257080/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 竜華「10部屋目やで!」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356703117/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 菫「11部屋目だ」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1357548072/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 由子「12部屋目なのよー」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358004158/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 淡「13部屋目だけどー?」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358525717/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 初美「14部屋目ですよー」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1359909393/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 郁乃「15部屋目やで~」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361629228/ 【咲】京太郎「清々荘にて、その16部屋目!」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362798685/ 【咲】京太郎「清々荘にて」尭深「お兄ちゃん、17部屋目だよ」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364129784/ 【咲】京太郎「清々荘にて」哩「そい18部屋目」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365260374/ 【咲】京太郎「清々荘にて」良子「その19ルーム目だ」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367157292/ 【咲】京太郎「清々荘にて」智葉「その弐拾部屋目だ」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369499246/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 小蒔「その二十一部屋目です!」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371650398/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 春「……二十二部屋目」ポリポリ【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373646241/ 【咲】京太郎「清々荘にて」 咲「23部屋目だね、京ちゃん」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377156352/ 【咲】京太郎「清々荘にて、24部屋目」【安価】【三箇牧】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381070704/ 【咲】京太郎「清々荘にて」【安価】【三箇牧】【ラスト】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385821484/
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6402.html
【白糸台駅前】 京太郎「ここが東京かー!」 咏「って言ってもこっちは西東京だから三箇牧とはそんな変わらねぃよ」 エイスリン「トーキョー、イキタイ!」カキカキ バッ |スカイツリーの絵| 憩「それはインハイのときに行こうなー」 エイスリン「ウン!」 郁乃「ぐへへ」 霞「んー、そろそろ誰かが迎えに来るはずだけど……まだかしら」 誠子「あのー、三箇牧高校の方でしょうか?」 良子「いかにも」 誠子「か、戒能プロ!?」 霞「あなたは違うでしょ」 霞「私は麻雀部の顧問、石戸霞よ」 誠子「私は白糸台2年亦野誠子と申します、今回は遠路はるばるよくいらっしゃいました」 霞「あら、ご丁寧にどうも」 誠子「それではこちらです」 京太郎(なんかあの人から川の匂いがするな) ―――――――――――――――――――― 誠子「ここが白糸台の麻雀部です」 バタム 誠子「三箇牧の方々がいらっしゃいましたー」 「「「いらっしゃいませ!」」」 京太郎「うおっ…って」 咏「あれ、案外少ないんだねぃ。見たところ全員で20人くらいってところだけど」 誠子「っ!」 菫「落ち着け、誠子」 誠子「ですが、どこのせいでこうなったと!」 京太郎「あ、あなたは雀荘にいたマシュマロの人!」 菫「弘世だ!弘世菫だ!」 誠子「私はお前らを許さない!」 京太郎「あ、そうですか」 白糸監督「よし、お互い揃ったことだし、まずは適当に打ってみようか」 「「「はい!!!」」」 京太郎「対局か……どの卓に入ろうかな」 京太郎「どこか空いてるかなー」 誠子「おい、そこのお前」 京太郎「俺ですか?」 誠子「そうだ、お前、私と打て」 京太郎「別にいいですけど」 憩「お、京太郎君ここで打つん?」 京太郎「はい」 憩「じゃあ私も打つわー」 誠子「これで3人か…あと1人は……」 ??「おまたせ!」 ??「ん?どうした?」 誠子「ちょうどよかった、私たちと打ちましょう」 ??「そうか、いいだろう」 ??「お見せしよう!王者の打ち筋を!」 やえ「よろしく!」 誠子「……」 憩「よろしくやで」 京太郎「よろしくお願いします」 開局 憩(テンパイ……親やし、東風やし、初っ端から仕掛けてくでー!)カッ 【孔穿つ閃光】発動! やえ「王者リーチ!」 憩「通らんです、ロン、12000」 やえ「えっ」 東1局1本場 親 憩 37000 京太郎 25000 誠子 25000 やえ 13000 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 憩とやえが同コンマのため、流局 東2局 流れ1本場 憩 36000 親 京太郎 28000 誠子 24000 やえ 12000 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 京太郎「ロン、1800です」 やえ「ふっ、その程度ならいくらでもくれてやる!さあ次だ!」 東2局 2本場 憩 36000 親 京太郎 29800 誠子 24000 やえ 10200 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 京太郎「ツモ、1200オールです!」 誠子(まだだ、まだ待つんだ……) やえ(調子悪いよぉ) 東2局 3本場 憩 34800 親 京太郎 33400 誠子 22800 やえ 9000 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 京太郎「ロン、6700です」 やえ「……はい」 やえ(誠子に良い所見せようって思ったのに……) やえ(やっぱりダメなのかな) 東2局 4本場 憩 34800 親 京太郎 40100 誠子 22800 やえ 2300 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 憩(ようやくテンパイか……ほなもう1発!) 【孔穿つ閃光】発動! 京太郎「……よし」ギュルギュル 誠子(こいつ、どこか宮永先輩に似ている……) やえ(それでも、最後まで誠子に見せるんだ!私の雄姿を!) やえ「いけっ!」トン 憩「あ、それロンや、6400の4本場は7600ですね」 やえ「これで私のトビ、だな」 誠子(あれ、私なんかやったっけ?) 終局 憩 42400 京太郎 40100 誠子 22800 やえ -5600 やえ「おつかれ、楽しい卓だった」 憩「そうですか、また打ちましょうねー」 やえ「ああ、よろしく頼む」 京太郎「ありがとうございました」 やえ「誠子、お前ももう十分わかっただろう、なぜ照が三箇牧に行ったのかを」 誠子「それでも、私は!」 やえ「誠子」 やえ「頭を冷やせ、いいな?」 誠子「……はい」 京太郎「何の話だったんでしょうね」 憩「わからんなー」 京太郎「昼だー!さて、どこに食いに行くか」 誠子「おつかれさまでした」 やえ「ああ、お疲れ」 やえ「はぁ……結局負けか…」 やえ「周りは全員下級生、特に1位の子は1年生…」 やえ「トぶのは避けたかったな」グスッ やえ「あれ、どうして涙が出てるんだ」ポロポロ やえ「悔しくない、悔しくないはず、なのに」ポロポロ 白糸台A「小走せんぱーい!」 やえ「な、なんだ?」ゴシゴシ 白糸台A「小走先輩!私たちと打ちませんか?」 やえ「わ、わかったすぐ行くから待っててくれ」 白糸台A「はい!」タッタッ やえ「こら、部室で走るんじゃない、せめて小走りにしろ」 白糸台A「はーい」 やえ「そうだ、こうして後輩も慕ってくれているんだ」ゴシゴシ やえ「もっと頑張らないとな!」キッ 京太郎「ここが白糸台の学食か」 京太郎「白糸こんにゃく定食とかあるのかな?」 尭深(何言ってるんだろうこの子) メニュー アカマムシラーメン 激辛うどん 白糸こんにゃく定食 三箇牧たこ焼き 関東ステーキ定食 桜そば 全て500円均一 京太郎「どれにしようかなー」 京太郎「白糸こんにゃく定食ないかなー」 尭深(あるわけないでしょ) 京太郎「あ、あった」 尭深「」ガタッ 京太郎「あれ、どうかしました?」 尭深(い、いえ何でもありませんよ) 京太郎「?」 尭深(喋ってなかった!?) 尭深(ここはちゃんとした対応をして2年生の威厳を見せよう) 尭深「いえ、なんでもにゃいわよ」 京太郎「?」 尭深(そこで噛みます!?) 京太郎(なんかよくわからない人だな……でもこんな人麻雀部にいたような) 京太郎「あ、渋谷さんだ」 尭深(どうして私の苗字をっ!?て思ったけどこの子麻雀部か) 尭深(よし、今度こそ) 尭深「いかにも、私こそが渋谷尭深でアリゾナ」 京太郎「?」 尭深(またやっちまったよ~ぃ) 尭深(大体アリゾナって何!?) 京太郎(そうか、これは渋谷さんのネタなんだな、よし) 京太郎「俺は須賀京太郎でス、スペイン?」 尭深(なんか変なゲーム始まっちゃたよおおお!) 京太郎「あの後、渋谷さんとお茶について語りあっていた」 京太郎「おかしな人だったな」 京太郎「雑用でもするか」 京太郎「牌譜の整理でもするか」 京太郎「資料室は、ここか」 京太郎「なんか血の臭いがするけど、まあいいか」 京太郎「あ」 やえ「あ」 京太郎「小走さんはいつもこんなふうに雑用をしているんですか?」 やえ「ああ、後輩たちが菫たちレギュラー陣と打ってる間にな」 京太郎「へぇ、いい先輩ですね」 やえ「そ、そうか?」 京太郎「はい、小走さんを先輩に持てて幸せですよ、皆さん」 やえ「そんなに言われると……その…」カミクルクル 京太郎「どうかしました?」 やえ「い、いやなんでもないぞ!ささ、整理整理!」 京太郎「次は何をしよう」 やえ「じゃあそろそろ私は行くな」 京太郎「はい、ありがとうございました」 ガチャ 京太郎「ふっふっふ、ついに潜入に成功したぞ!これで白糸台の牌譜見放題だ!」 郁乃「いぇい~♪」 京太郎「なんでいるんですか……」 郁乃「いつかは当たる相手のことを研究するのは悪いことやないからな~」 郁乃「じゃあ私がこっち見るから京太郎くんはあっち見といてや~」 京太郎「はい」 京太郎「……これ、さっきの対局の牌譜か」 京太郎「ふむふむ」 京太郎「もう夕方か……」 京太郎「誰かと特訓するかー」 「「「おつかれさまでしたー」」」 やえ「ああ、おつかれ」 京太郎「小走さん、今終わったところなんですか?」 やえ「まあな、どうした?」 京太郎「じゃあ、俺と特訓しませんか?」 やえ「特訓か……うん、いいぞ」 京太郎「ありがとうございます」 やえ「こうして、こうだ!」クルクルー 京太郎「こうですか?」クルー やえ「回転が足りない!こうだ!」クルクルクルー 京太郎「えいっ!」クルー 咏「何やってんだあいつら」 憩「リーチの作法教練らしいで」 咏「なんだよそれ……」 京太郎「右手が痛い……」 京太郎「次は何をしよう」 京太郎「街に行こう」 京太郎「息抜きも必要だからな」 京太郎「浅草に来てみたぞ!」 京太郎「夜でも人はいっぱいいるんだな」 京太郎「賑やかだなー」ドンッ 絃「あ、すみません」 京太郎「こちらこそ…って霜崎さんじゃないですか」 絃「す、須賀さん!?どうしてここに」 京太郎「いま、白糸台で合宿してるんですよ」 絃「へ、へぇー」 京太郎「ところで絃さんはここで何を?」 絃「わ、私はお守りを買いに来たのですが……」 絃「買えたはいいものの失くしてしまいまして……」 絃「結局不幸のままです…」ショボン 京太郎「そうだ!絃さん麻雀部なんですよね?」 絃「はい…」 京太郎「じゃあ俺たちの合宿に来ませんか?」 絃「そ、そうですね……」 絃「すみません……」 絃「お誘いは嬉しいのですが、生憎都合が悪くて……」 京太郎「そうですか、すみません無理言って」 絃「いえいえ、本当にありがとうございました」 京太郎「俺もお守り買うか」 京太郎「次はどこに行こうかなー」 京太郎「今度は神田明神に来てみたぞ!」 京太郎「ここにもお守りはあるんだな、何を買おう」 京太郎「財布がだんだん薄くなってきたな」ドンッ 京太郎「あ、すみません」 ??「ああ、大丈夫だ、気にしないでくれ」 京太郎「い、郁乃さん!?」 ??「は?」 京太郎「なんで郁乃さんがここに?」 ??「さっきから何を言ってるんだ?私は辻垣内智葉というのだが」 京太郎「辻垣内さん……?」 京太郎「なんだ、気のせいか」 ????「どうかしましタカ?」 智葉「この男が少しわけがわからないんでな」 ????「お、男の人でスカ?」 ????「これでボーイズラーメンが食べられマス!行きまショウ!」 京太郎「え?ちょ、えええええええ」ズルズル 京太郎「ここは?」 ????「ラーメン屋デス」 京太郎「それはわかります」 智葉「ここにはボーイズラーメンという絶品ラーメンがあるらしくてな」 ????「ただ、男の人しか頼めないというのが難点なのデス」 ????「ソウダ、自己紹介わすれてまシタ、私はメガン・ダヴァンデス」 京太郎「あ、俺は須賀京太郎です」 ダヴァン「そうでスカ、お、来たようデスネ」 ダヴァン「ボーイズラーメンおいしかったデス」 智葉「それはよかったな」 ダヴァン「須賀クン、これ、私の連絡先デス」 京太郎「あ、はい」 智葉「おい、いいのか?」 ダヴァン「またボーイズラーメンを食べたくなったときに呼び出すだけデス」 京太郎「すみません、実は俺大阪に住んでるんですよ」 ダヴァン「なんですッテ!?」 ダヴァン「まあいいデス、あとこれ智葉の連絡先デス」 智葉「待てこら」 京太郎「風呂の時間だっだだっだだだだ!」 京太郎「だがしかし相変わらずの一人風呂なう」 京太郎「あの後2時間くらい入ってたけど誰も来なかった……」 京太郎「次はなにをしよう」 深夜 京太郎「小走さんと話そう!」 京太郎「小走さーん」コンコン やえ「はーいって須賀か」 やえ「なにをしてるんだ?」 京太郎「小走さんと話そうと思ったんですけどいいですか?」 やえ「別にかまわないぞ」 京太郎「小走さんってどこの出身なんですか?」 やえ「私は、奈良出身なんだ」 京太郎「奈良、ですか」 やえ「白糸台で麻雀をするために上京してきたんだ」 京太郎「麻雀のために?」 やえ「ああ、でも同学年に格の違うやつがいてな、本当に手強かった」 京太郎「それって照のことですか?」 やえ「照は凄かった、ここ2年の部員はあいつに憧れて麻雀部に入った者がほとんどだった」 やえ「だが、今年の3月に転校してしまった」 やえ「新入部員はあまりいない、2年生や3年生も退部していった」 京太郎「だから亦野さんがあんなに……」 やえ「そうだ、だが私はあいつが私たちに愛想を尽かしたんじゃないかって思ってる」 やえ「だから私はあいつを見返すために頑張る」 やえ「なあ、須賀、あいつは…照は、三箇牧で元気にやってるか?」 京太郎「はい、ピンピンしてますよ」 やえ「そうか、なら良かった」 【遠征初日】 終 【遠征2日目】 京太郎「朝だ!」 京太郎「何をしよう!」 京太郎「掃除をしよう!」 京太郎「どこを掃除しようかな」 京太郎「部室を掃除するか」 京太郎「案外早く終わったな」 郁乃「あれ~京太郎くん何しとるん~?」 京太郎「朝の掃除を、と思いまして」 郁乃「へぇ~偉いな~お姉ちゃん褒めたるわ~」ナデナデ 京太郎「や、やめてくださいよ」 京太郎「次はどうしよう」 京太郎「咏と特訓しよう!」 咏「朝からうっせーなー」 京太郎「特訓しようぜ!な、な?」 咏「はぁ…わかったよ」 咏「資料室からプロの対局の映像借りてきたから見ようぜぃ」 京太郎「おー!」 京太郎「なあ、ここってさ」 咏「なるほどねぃ~」 京太郎「あ、今のって」 咏「へ~おっもしろいね~」 京太郎「あの、咏さん?」 咏「おおおおお!」 京太郎「……」 京太郎「昼食はどこで食べるかな」 京太郎「昼飯は…近くにあったファミレスで食べるか」 霞「あら、京太郎君、どこに行くの?」 京太郎「昼食にファミレスに行こうかと」 霞「あら、それじゃあご一緒させてもらっていいかしら?」 京太郎「はい、いいですよ」 メニュー アカマムシラーメン 激辛うどん 白糸こんにゃく定食 三箇牧たこ焼き 関東ステーキ定食 桜そば 当たり付きランチ 500円 激安ランチ 300円 ランチ系以外1000円均一 霞「私は桜そばにしようかしら、京太郎君は?」 京太郎「俺は…この当たり付きランチにしましょうかね」 霞「何それ?」 京太郎「商品券や現金、商品とかが当たるらしいですよ」 霞「ふんふむ、面白そうね」 京太郎「そういえば、霞さんってどんな人がタイプなんですか?」 霞「ゲホッ」 京太郎「大丈夫ですか?」 霞「だ、大丈夫よ」 京太郎「鼻からそば出てますけど」 霞「えっ」 京太郎「嘘ですけど」 霞「……このぉぉぉぉおおおお!」 京太郎「ちょ、ちょいタンマ!」 霞「で、私の好みのタイプだったかしら?」 京太郎「はい……」ギッタンギッタン 霞「まずはデリカシーのある子」 京太郎「はい……」グサッ 霞「後は……私を大切にしてくれる人、守ってくれる人かしら」 京太郎「守らなくても大丈夫なんじゃ……」 霞「何か言ったかしら?」ニッコリ 京太郎「いえ、なんでもございません」 京太郎「午後は特訓するか」 エイスリン「~♪」 京太郎「あれ、エイスリンさん、何してるんですか?」 エイスリン「コレ!」バッ 京太郎「部室を描いてたんですか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「そうだ、一緒に特訓しませんか?」 エイスリン「umm...ウン!イイヨ!」 京太郎「最近聴牌できないなぁ……」 エイスリン「タカイノアガレナイ……」 京エイ「ビミョー……」 京太郎「次は何をしようかな……」 京太郎「また街に行くか」 京太郎「ま、まあ麻雀頑張ってるしな……」 京太郎「神田の古書店街に来てみたぞ!」 京太郎「しかし、こんなに遠出をしていて交通費は大丈夫なんだろうか…」 ?「うぅ…寒いよぉ……」カタカタ ??「ダ…ダイショーブでスカ?」 京太郎「雨でもないのに傘をさしてる人と、もうすぐ夏なのに厚着してる人……」 京太郎「あまり関わりたくないな」 ?「あ、あのぉ…」 京太郎(話しかけられた!?) 京太郎「俺ですか?」 ?「は、はいぃ……すみませんが、このあたりであったか~い場所、ありませんか?」 京太郎「あったかい場所……ですか」 ??「ア、アンニュイなら、オマカシ!」 ?「アンニュイ?」 京太郎「案内ならお任せ、ということですか?」 ??「That's right!」 ?「じゃ、じゃあお願いするね」 ??「Yes!」 京太郎「心配だな……付いていくか」 ?「えーっと、あ、あなたのお名前は?」 ??「ワタシィは、雀明華です」 京太郎「俺は須賀京太郎っていいます」 ?「私は松実宥っていうんだぁ~、よろしくね~」 明華「トーチャキ、ココだよ」 京太郎「ここは……古書店ですか?」 宥「あ、でも中にカレー食べたりしてる人がいるよ」 京太郎「つまり喫茶店兼古書店ってことですか」 宥「あったかそうだね~」 明華「ワタシィ、ココ、スキ!」 京太郎「へぇ、お2人は麻雀をしてるんですか」 宥「みんなでインターハイにいくんだぁ~」 明華「ワタシィもイクヨ!」 京太郎(この2人も合宿に誘ってみようかな) 京太郎「そうだ!2人とも、俺たちの合宿に参加しませんか?」 宥「合宿?」 宥「私は……あったかければ」 明華「麻雀、ヤル!」 京太郎「じゃあ、この紙に書いてあるところでやってるので、来てください」 宥「須賀くんは、来ないの?」 京太郎「俺はまだ用事があるので、その代わり誰かを迎えに来るので、ついて行ってください」 明華「アカッタ!」 京太郎「次はどこに行こうかな」 京太郎「松実さんたちも見送ったし、ゲーセンにでも行く……か」 咏菫霞「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎「あ、あのー」 咏「部室にいねーと思ってたら」ボキボキ 菫「他校の生徒を2人も部室に送って」メキメキ 霞「こんなところで遊んでるなんて」ゴキゴキ 咏菫霞「どういうことだよ」ゴッ 京太郎「ひっ」 咏「ってことで、ちょっと付き合ってもらおうかねぃ」 京太郎「ま、待って」 菫「早く行くぞ、立て」 霞「立たないと、勃てなくするわよ」ニッコリ 京太郎「それ、誤字ですよね……」 咏「まずはUFOキャッチャーだよな」 菫「なにを言っている、シューティングゲームだ」 霞「プリクラ行きましょうよ!プリクラ!」 咏菫「合わないだろ……」 霞「何か言った?」ニッコリ 咏菫「なんでもないです」 京太郎「結局あの3人とゲーセンで遊んだだけだった」 京太郎「良かったよかった」 京太郎「夜はなにをしようかな」 京太郎「あ、小走さん、部室に行かないんですか?」 やえ「お前はあんな灼熱地獄にいろというのか……」 【部室】 ブオーン 宥「あったか~い」トン 尭深(暑い、暑いけどキャラ的に耐えなきゃ)ズズー トン 郁乃「~♪」トン 良子(私はクール!クール……暑いよ……)トン エイスリン「…」カキカキ バッ 明華「エイ!スゲイ!」 エイスリン「エヘヘ」 誠子「なんで梅雨なのに暖房……」 憩「あ、暑い……」 京太郎「じゃあ、なにか雑談でもしましょうか」 やえ「ああ、頼む…」 京太郎「そういえば、小走さんの髪型ってどうなってるんですか?」 やえ「これは…寝癖だ」 京太郎「寝癖!?」 京太郎「寝癖ってあの寝癖ですか!?」 やえ「わ、悪いか!しょうがないじゃない……」 京太郎「そんな寝癖もあるんですね」 やえ「そうジロジロ見るな」 京太郎「触ってみてもいいですか?」 やえ「なっ」 京太郎「おお」クルクル やえ「や、やめてくれ」 京太郎「面白いなぁー」 京太郎「今度俺も真似してみましょうかね」 やえ「それはやめろ」 京太郎「んー、前のは運が良かったからなのかなー」 京太郎「次はなにをしよう」 菫「はぁ……」 京太郎「どうしたんですか、ため息なんて吐いて」 菫「誰って、主にお前のせいだがな……」 菫「なぜ私の部屋にいる」 京太郎「ドアが開いていたので」 菫「開いていたので、じゃないだろ!どうして人の部屋に勝手に入るんだ!」 京太郎「ノックしたじゃないですかー」 菫「須賀ァ……」 京太郎「ま、まあ落ち着いて、なんか話しましょうよ」 京太郎「そんなに怒ってると体に悪いですよ」 菫「誰のせいだと!」 京太郎「弘世さんが好きな食べ物ってなんですか?」 京太郎「俺が好きなのはカレーうどんですね」 京太郎「家庭料理として広く親しまれているカレー、それと日本が生んだ伝統の麺、うどんが合わさった完全無欠の料理、それがカレーうどんだと思うんですよ」 菫「なにを急に」 京太郎「あの純白の麺に茶色の液体がねっとりとついているあの姿だけでも実に芸術的」 京太郎「味も、まさにインドと日本の修好通商条約」 京太郎「決してどちらか一方にのみ偏る、ということはなくバランスのいいあの味!」 菫(それ違くないか…) 京太郎「それに肉、野菜などの具材も、普通の汁などで煮込んだ時とは段違いのうまさを発揮します」 京太郎「『あーあ、カレー余っちゃったけど明日も食べたくないなー』ってときには最高の一品!」 京太郎「出汁を入れて、少し煮込むだけ、はい完成」 京太郎「もし汁が残っていても、その中にご飯を入れればあら不思議」 京太郎「昨日のカレーとは全く別物のカレー雑炊の出来上がり」 京太郎「どうです?あなたも食べたくなったでしょう?」 菫「……うん」 菫「出てけ」ニッコリ 京太郎「えっ」 バタム 【遠征2日目】終 【遠征3日目】 京太郎「カレーうどんのことばかり考えて眠れなかった」 京太郎「どうしよう」 京太郎「朝食に行こう!」 京太郎「朝は学食で食べれるんだったな」 京太郎「すみません、前いいですか?」 淡「は?誰?」 京太郎「三箇牧の須賀京太郎です、あなたは…大星さんでしたっけ?」 淡「淡でいいよ、それと敬語使うな気持ち悪い」 淡「あと、こっち見るな」 京太郎「じゃあどう食えと!?」 淡「おばちゃんの方見て食べればいいんじゃない?」 京太郎「明らかに変な人だろ!」 淡「金髪っていう時点ですでに変な人だけど」 京太郎「淡も金髪じゃないか」 淡「女の子はいいのよ!」 淡「ほら早く食べていなくなってよ、私の世界から」 京太郎「世界!?せめて視界にしてくれよ!」 淡「あーもう!朝からうるさいわね!死海に沈めるわよ!」 京太郎「残念でしたー、死海に人間は沈めませんー」 淡「むかっ!」 淡「もう許さない!」 京太郎「そういえば、淡はどう思ってるんだ、白糸台のこと」 淡「急に話題を変えるな!」 京太郎「で、どうなんだ?」 淡「退屈かな、去年は宮永照って人がいたらしいけど今はいないし」 淡「あーつまんないー」 京太郎「じゃあ、こっちに来ないか?」 淡「それも考えたんだけどさー、私があんたらと一緒に打つより、私があんたらを潰した方がいいんじゃないかーって思ったんだよね」 京太郎「ふーん、そうか、まぁ冗談なんだけどな」 淡「なんなのよアンタはさっきからー!」 京太郎「やめろ!胡椒をかけるんじゃない!」 京太郎「さて、朝は何をしよう」 京太郎「あー疲れた、何か飲み物でも……」 京太郎「何してるんですか、松実さん」 宥「隠れてるの見つかっちゃった」 京太郎「何してるんですか」 宥「自販機の隣ってね、すっごくあったかいんだぁ~」 京太郎「なんで部室に行かないんですか」 宥「みんなが暑そうにしてるから、私が行ったら悪いかなぁ~って」 宥「せっかく須賀くんに呼んでもらったのに、ごめんね」 京太郎「そうですか……」 京太郎(部室、行ってないんだよなぁ…) 京太郎「じゃあ話して時間潰しましょうか」 宥「うん」 京太郎「そしたらそんなところにいないで、俺の隣に来てくださいよ」 宥「え、それは……あったかくないよぉ」 京太郎「大丈夫ですよ」ニギッ 京太郎「こうすれば、手だけでもあったかいでしょう?」 宥「うぅ…確かに、あったかいけど…恥ずかしい、よぉ///」 京太郎(きっかけ作ったの俺だけど、何この可愛い人……) 京太郎「…そういえば、松実さんのその服装は何なんですか?」 京太郎「マフラーにマスク、眼鏡って」 宥「やっぱり…変だよね」 京太郎「初見だと少し……」 宥「私、ちっちゃいころから寒がりなんだ、それが原因でよく男の子にいじめられたりもして」 宥「でもお母さんも玄ちゃんも私はそのままでいいって言ってくれて、だからずっとこんな服装でいるんだ」 京太郎「ふーん……あれ」 京太郎「玄…って、松実さんって松実玄さんのお姉さんなんですか?」 宥「玄ちゃんのこと、知ってるの?」 京太郎「少しありましてね」 京太郎(あれ、そういえば、俺があのとき推したおもちって) 宥「そうなんだぁ~」 京太郎(いま、すぐそばにあるのか……) 京太郎「昼飯はどこに行こうかな」 京太郎「昼飯だああああ!」 淡「うるさい!なんでいつも黙っていられないの!」ゲシッ 京太郎「痛っ!」 京太郎「どっかおすすめとかないのか」 淡「あんたなんてす○家で十分!」 京太郎「じゃあ行くか!」 淡「なんで私までー!」 メニュー 白糸こんにゃく定食 500円 関東ステーキ定食 500円 桜そば 600円 当たり付き定食 300円 激安定食 200円 京太郎「淡って、弘世さんのことどう思ってるんだ?」 淡「まあ、頑張ってるんじゃない?部長としては」 京太郎「麻雀は?」 淡「頑張ってるとは思うけど、いまいち……ね」 淡「本当いつもうっさいのよ、グチグチグチグチ」 淡「やれサボるな真面目にやれあーしろこーしろって」 淡「あんなやつ大嫌い!」 京太郎「ふーん」 京太郎「そうか…じゃあ俺たちが持って行ってもいいんだな」 淡「な!」 淡「ダメ!ダメだよ、そんなこと!」 淡「そんなことしたらつまらなくなるじゃない!」 淡「そんなこと許さない!」 京太郎「……ふふっ」 京太郎「なーんだ、結局好きなんじゃん」 京太郎「まあ冗談なんだけどな」 淡「むかっ!」 京太郎「やめろ!七味をかけるんじゃない!」 京太郎「頭がヒリヒリする……」 京太郎「久々に誰かと打つか」 淡「なら、私と打ちなさいよ」 京太郎「別にいいけど、あと2人はどうする?」 淡「そうね……」 良子「相手がいないのか?」 京太郎「なんでそんなに嬉しそうなんですか」 菫「そういうことなら、私も入らせてもらおう」 良子(これは須賀くんに私の凄さを見せる絶好のチャンス!) 菫(こいつは一度ばかし射抜いておかないとな) 開局 良子(尭深とかいう子のは…面白いな) 淡(楽しみだなぁ) 京太郎(なんだよこの卓) 菫「それじゃあ、始めだ」 淡(うわ、ツモっちゃったよ……) 淡(しかもメンゼンで白中とかさ) 淡(ま、いっか) 淡「ツモ、1300・2600」 東2局 弘世菫 22400 親 大星淡 30200 戒能良子 23700 須賀京太郎 23700 菫(こいつが入るといつも狙えないんだよなぁ)ジロッ 淡「~♪」 菫(うーん)トン 淡「あ、カン」 良子(こんな感じでいいのか?)トン 京太郎(調子悪いなぁ)トン 菫(うむむ……)トン 淡(うわぁ…) 淡「はぁ…ロン、トイトイ、5800」 東2局1本場 弘世菫 16600 親 大星淡 36000 戒能良子 23700 須賀京太郎 23700 菫(あぅぅ……)トン 淡(まただよ……はぁ) 京太郎「それ、ロンです、1000の1本場は1300です」 菫「おお、もう……」 東3局 弘世菫 15300 大星淡 36000 戒能良子 23700 須賀京太郎 25000 京太郎「ロン、2000です」 良子(そろそろ…いや、まだいいか) 淡(結局ノーテンかぁ) 東4局 弘世菫 13300 大星淡 36000 戒能良子 23700 親 須賀京太郎 27000 良子(いまいち使い慣れないな……)トン 京太郎「それです、ロン、5800」 良子「えっ」 やえ「なあ、あの打ち筋…」ボソボソ 尭深「気のせいかもしれないですけど、似てますよね…」ボソボソ 東4局1本場 弘世菫 13300 大星淡 36000 戒能良子 17900 親 須賀京太郎 32800 京太郎「リーチ!」 菫淡良(ダブリー!?) 菫(これなら、なんとか)トン 淡(全然聴牌できてない)トン 良子(当たったらアクシデントだ!)トン 京太郎「それです、ロン、7800の1本場は8100」 良子「うぇぇ……」 良子(こうなったら……) 東4局2本場 弘世菫 13300 大星淡 36000 戒能良子 9800 ※[攻撃モード]に移行しました 親 須賀京太郎 40900 京太郎(急に牌が…) 菫(来なくなった…) 菫(どうすればいいんだ…)トン 良子「ロン、面清、12000の2本場は12600」 南1局 親 弘世菫 700 大星淡 36000 戒能良子 22400 ※[攻撃モード] 須賀京太郎 40900 良子(今度は面混、七対子、ドラ2、リーチをかければ倍満か…) 良子(まくるには…ツモしかないが) 良子(どうしたものか…とりあえず、) 良子「リーチだ」 菫(射抜きたい……絶対に)トン 良子(…早速……妥協するか) 良子「ソーリー、ロンだ、16000」 菫「」 終局 須賀京太郎 40900 戒能良子 38400 大星淡 36000 弘世菫 -15300 京太郎「お疲れ様でした」 淡「うあー抜かれたー」 良子「ソーリーソーリー」 淡「悔しいからもう一回!わかった?」 良子「うむ、受けてたとう!」 菫「とんだまたとんだ、やえと打っても淡と打っても尭深と打ってもとばされるのはいつも私……」 京太郎「なんだか居づらい雰囲気だな…少し外に出てくるか」 京太郎「そして来ました休憩室!」 やえ「うるさいな……」 京太郎「あれ、寝てました?」 やえ「少しだけ、もう行くが」 京太郎「じゃあお休みついでに俺と話しませんか?」 やえ「ん、わかった」 京太郎「小走さんの趣味って何なんですか?」 やえ「麻雀…は趣味じゃないか」 やえ「趣味……か、よくよく考えてみると…ないな」 京太郎「無い、ですか」 やえ「ああ、私は小さなころから麻雀を打っていてな、小3のころにはもうマメすらできなかった」 やえ「ほら、見てみろこの指を!」ピカーン 京太郎「おおっ、綺麗ですね!」 やえ「だろ!これが王者の指―――ロイヤル・フィンガーだ!」ドヤァ 京太郎「……」 やえ「……」 やえ「すまない、忘れてくれ」 やえ「この通りだから!」 京太郎「ん?いま、なんでもするっていったよね?」 やえ「それは言ってない!」 京太郎「それじゃあ……」 やえ「人の言葉を聞け!」 京太郎「膝枕でもしてもらいましょうかね」 やえ「ひ、膝枕!?膝枕ってあのラブラブな2人がよくやるあ、あ、あれのこと?」カァァ 京太郎(いい反応だ……) やえ「う…わ、わかった」 やえ「た、ただし!5分だけだからな!」 京太郎「それだけで十分ですよ」 やえ「~~///」モゾモゾ 京太郎(なんだか落ち着いてないな) やえ「も、もうそろそろ5分経ったんじゃないかなっ!」 京太郎「いいえ、まだ1分も経っていませんよ」 やえ「うぅぅ///」 京太郎(ここに時計が無くて良かったなぁ) その後、2時間くらい膝枕を堪能しました 夜 京太郎「うーん、良く寝たぁ」 淡「あ、京太郎!もう一回打つわよ!」 京太郎「別にいいが、他の2人は?」 淡「あ」 開局 淡「じゃあ京太郎が捜してなさいよね」 京太郎「なんでだよ、淡が言い出したんだから淡が捜して来いよ」 淡「あー!もう、なんなのよ!」 咏「おー、盛り上がってるねぃ」 咏「それじゃあ私も混ぜてもらおうかねぃ」 淡「まず1人確保ね、私が確保したんだから早くもう一人捜してきなさいよ!」ゲシッ 京太郎「横暴すぎるだろ!」 霞「あらあら、仲がいいのね~」 京太郎「良くないです!」 淡「そうよ、このとしm……」 霞「仲がいいのね~」ニッコリ 京淡「はい!仲良しです!」 咏「かすみんも打っていかねー?」 霞「あら、いいの?」 京太郎「は、はいぃ」 淡「断る理由もないですしねー」 霞「うふふ、よろしくね」 咏(聴牌か……ま、どうにでもなればいいんじゃね、しらんけど) 【てきとー】発動! 咏(親じゃないんだから気楽にね~) 淡(霞…怖い) 京太郎(今回も牌の回りが悪いなあ、でも) 京太郎「ツモ、300・500」 京太郎(和了る!) やえ(始まったか……) 尭深(……)ズズッ 東2局 大星淡 24500 親 三尋木咏 24700 石戸霞 24700 須賀京太郎 26100 京太郎「ロン!2000だ!」 咏「はいよ」 淡(何これ…誰かに後ろから髪を引っ張られてるみたいな…) 東3局 大星淡 24500 三尋木咏 22700 親 石戸霞 24700 須賀京太郎 28100 京太郎「よし!ロン、3900!」 咏「えっ、また私からかよ」 京太郎「しょうがないだろ、ほら早く」 咏「わかったよ」 やえ(やはり止まらない、か) 東4局 大星淡 24500 三尋木咏 18800 石戸霞 24700 親 須賀京太郎 32000 京太郎「まだまだ行くぜ!」 淡(本当に手が進まないわね…) 咏(とりあえず北から捨てるか)トン 霞「あ、それよ、ロン、面混東北ドラ3で16000よ」 咏「うげっ」 やえ「あれ、止まった?」 尭深「みたいですね」 南1局 親 大星淡 24500 三尋木咏 2800 石戸霞 40700 須賀京太郎 32000 淡(あ、なんか調子が戻ってきたみたいね) 淡(来るわよ!私の時代が!) 京太郎(聴牌ができない…) 咏(とばなけりゃいいよな…) 淡「はい、ツモー!2600オールー!」 京太郎(や、やばい…) 咏(ギリギリじゃねえかよ…) 南1局1本場 親 大星淡 32300 三尋木咏 200 石戸霞 38100 須賀京太郎 29400 淡「私の時代よ!」 霞「若い子は元気ね~」 京太郎「なんとしてでも逆転してやる!」 咏「もうこっからは真剣勝負だぜぃ!」トン 淡「ロン、12300」 咏「」 終局 大星淡 44600 石戸霞 38100 須賀京太郎 29400 三尋木咏 -12100
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3955.html
前話 次話 みさき「こんにちわ、副将戦の実況を務める村吉みさきです。そして解説の」 理沙「……野依理沙!」 みさき「解説の野依プロです」 みさき「さて、今の状況ですが」 1位白糸台1912 2位清澄1282 3位臨海1016 4位阿知賀805 みさき「このように各校が白糸台を追う形となっています」 理沙「……白糸台!!」 みさき「はい、正直先程までとあまり変わらないので割愛させていただきます」 理沙「!?」 和「……少しでも、差を縮められるよう頑張ってきます」 優希「のどちゃん頑張るんだじぇ!!おっぱいだけなら1位だじぇ!!」 まこ「しょーもないこと言いおって……同じこと言うようで悪いが、頑張るんじゃぞ」 久「いつも通り、頼むわよ」 和「……はい」 久「ところで咲と須賀くんは?」 まこ「……いつも通り迷子と迷子探しじゃ」 誠子「汚名返上してきます!」 尭深「うん……頑張って」 淡「亦野せんぱーい!もうハンデいらないからやっちゃってー!!」 誠子「まかせとけ!そんなこと言えなくなるくらいやってくる!!」 菫「全く、お前までアホなことを……」 照「……誠子」 誠子「……はい」 照「準決勝のこと、まだ気にしてる?」 誠子「……はい。私があんなに失点しなければって、何度も思いました」 照「そっか……失点がどうとか、言う人はいるかもしれないけど、私は何も言わない」 照「……副将戦はまかせるよ。誠子らしく、頑張ってね」 誠子「……はい!!」 ダヴァン「では、いってキマス」 智葉「おう、まかせたぞメグ」 明華「ファイトです」 ネリー「一気に逆転ぐらいやっちゃおー!」 灼「……いってくる」 晴絵「灼……」 灼「……私は、優勝してからハルちゃんがプロ目指すって思ってるから」 晴絵「!」 憧「そうね。まだ最後まで分からないし」 穏乃「目指せ優勝!」 晴絵「……頼んだよ、部長!」 灼「……うん!!」 試合会場前廊下 和「この試合次第で……」 咲「の、和ちゃん!」 和「さ、咲さん!?」 京太郎「間に合ったかー!」 和「須賀くんまで!?」 京太郎「いやー、危なかった。また咲が迷子になるもんだから」 咲「それはいいよ!」 和「いや、よくないですよ」 咲「和ちゃんまで言う……」 京太郎「ま、それは後でいい。和、見せてやれよ。インターミドルチャンピオンの、ネット麻雀最強ののどっちの実力を」 咲「和ちゃんなら大丈夫って、私達信じてるから!」 和「咲さん……須賀くん……」 咲「負けないでね!!」 和「はい……はい!勝ってきます!!」 みさき「さて副将戦が始まりましたが、見どころはどこでしょうか?」 理沙「……せ」 みさき「あ、全部と制服以外で」 理沙「……白糸台」 誠子(そうだ……もう準決勝みたいになる訳にはいかない) 誠子(例え誰だろうと、私は勝つ!) 和「……ツモ」 誠子(清澄……) ダヴァン(準決勝より調子よくなってル?) 灼(この人が玄達が会いたがってた……強い) 和(……何故でしょうね。こんなにも偶然が続くなんて) 和(そんなオカルトありえません、と言いたいですけど) 和(今は、勝つ方優先です!) 和「ツモ」 みさき「前半戦終了です!原村選手、前半戦だけで大きく稼ぎました」 みさき「さて、この先どうなると思いますか?」 理沙「……逆転、ありそう!」 みさき「はい、白糸台も、かなり差を詰められてきました」 和「ふぅ……」 京太郎「よう、飲み物持ってきたぜ」 和「須賀くん。わざわざありがとうございます」 京太郎「すごかったな。このまま和が逆転するかと思ったぜ」 和「まだ分かりませんよ。どうなってもおかしくないんですから」 京太郎「そうだよな……」 和「……須賀くん」 京太郎「なんだ?」 和「私が転校したら…」 京太郎「え?」 和「……やっぱりなんでもないです」 和(転校、しなければいいんですから) 京太郎「なんか転校とか聞こえたけど……」 和「そうですね……これは大会が終わってから話ます」 京太郎「お、おう……転校とかしないよな?俺、和がいなくなったら寂しいぞ?」 和「……そういうこと、こういうところで言わない方がいいですよ?」 京太郎「いや、事実だし?それに咲や優希、まこ先輩や部長だってそう言うって」 和「……ありがとうございます」 和(……負けられなくなりましたね。ええ、絶対に) 誠子「はぁ……あんだけ言って……」 淡「亦野せんぱーい!」 誠子「ん、淡…」 淡「えい」ほっぺ掴む 誠子「……ひぇんぱいにむかっへひゃにひゅるんだ」ほっぺむにー 淡「んー、準決勝の時やってたしー」 尭深「……淡ちゃん、片方は私がやるから」 誠子「ひゃはみ」 尭深「……あんまり色々言えないけど、ファイトだよ」 誠子「……ひょろひょろはなひてふれひゃい?」 淡「……もちょっと」 尭深「……なかなか癖になる」 菫「……何やってんだか」 照「アレはアレでリラックスできればいい」 菫「お前にやってやろうか?」 照「私は別に……ちょっと待って。いや、だから私は……いひゃい、いひゃいいひゃい」 ダヴァン「……ジャパニーズ土下座デスカ?」 智葉「はえーよ」 ネリー「そーだよ!やるなら終わってからだよ!」 智葉「そっちでもねーよ!」 明華「日本の諺にあるじゃないですか『終わりよければ全てよし』」 ハオ「つまりネリー次第……」 ダヴァン「ネリー、頼みましたヨ」 ネリー「ネリー!?」 智葉「なんか違うし……緊張感ねーのかお前ら」 晴絵「灼」 灼「ハルちゃん……」 晴絵「諦めてないよな?」 灼「当たり前!」 晴絵「よし!じゃあ後半戦に向けた対策だ!」 灼「うん!」 宥「て、手伝います!」 憧「そうね。まだ試合は終わってないんだし、最後まで優勝目指そ!」 晴絵「よし、じゃあ3人は穏乃のウォーミングアップだ!で、まずは和対策で…」 誠子「ポン」 誠子(そうだ、私はもう負けられない) 誠子「ポン」 誠子(例え相手がどんなに強くても) 誠子「ポン」 誠子(一度負けた相手でも) 誠子「ツモ!」 誠子(勝つ!!) 誠子「ポン」 和(またポン……オカルトとか、そういうことより和了ること優先ですね) 誠子「ポン」 灼(ほとんど何もしてない……最後くらい……) 誠子「ポン」 誠子(よし!このまま…) ダヴァン「ロン」 誠子「……え?」 ダヴァン(最後まで大人しくしてるなんて、ないデスヨ) みさき「副将戦終了!トップは白糸台のまま、このまま優勝してしまんでしょうか?」 理沙「……分かんない!」 みさき「ですよね!」 理沙「……でも、大将戦は何か起きそう」 みさき「……野依プロがこんなに喋るなんて」 理沙「そこ!?」 副将戦結果 1位白糸台1912+352=2264 2位清澄1282+610=1892 3位臨海1016+289=1305 4位阿知賀805+95=900 前話 次話 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3314.html
京太郎(蛍光灯と単三電池と……よし、これで買い出しは終わりだな) 京太郎(さっさと帰ってタコス買っていかないとまた罵詈雑言が浴びせられるんだろうなぁ) 京太郎(お、ゲームコーナーか……) 京太郎(麻雀始めてから、ゲームやってねぇなあ) 京太郎(中学の頃はあんなに夢中になってたのに……) 京太郎(ちょっと覗いて行ってみるか) 京太郎(おぉ、コレ新作出てたのか……主人公変わってね? タイ人みたいだな) 京太郎(うーん、この空気に触れてしまうと、買わずにはいられなくなってしまう……) 京太郎(ベスト版でも買ってくかな) 京太郎(アクションはハマると極めるまで抜け出せなくなるし、クリア前にブランクあけちまうとリハビリが必要だしな) 京太郎(RPGか……アドベンチャーもいいな) 京太郎(いっそギャルゲーでも……お、これなんか良さそうだな) 京太郎(『アカイイト』か……『少女の視点で体験する和風伝奇ホラー』?) 京太郎(ホラーなのか……弟切り草みたいな感じか?) 京太郎(っていうか主人公女なのか? じゃあ恋愛ものじゃないってことか) 京太郎(主人公女が女で他のキャラも女……珍しいな) 京太郎(よし、値段も手頃だし、コレにすっか) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎「なるほど……」 京太郎(田舎に住んでる人間には、別段珍しい光景じゃないな……) 京太郎(それにしても、今のところはホラー要素が見当たらないな) 京太郎(不気味な洋館が出てくるわけでもないし、何か変なものを見かけるわけでもないし……) 京太郎(もうちょっと進めないとわからんな) 京太郎「うお……吸われてる……」 京太郎(首から出血って、結構やばいんじゃね?) 京太郎(…………っていうか、なんか) 京太郎「……エロいな」ボソッ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ~次の日~ 咲「おはよう京ちゃん……なんだか眠そうだね」 京太郎「あぁ……ちょっとな……」 咲「もしかして、また朝までゲームしてたの?」 京太郎「なんでわかるんだよ……」 咲「去年までそんな感じだったし……最近はそうでもなかったけど」 咲「で、今度は何のゲームしてるの?」 京太郎「あぁ……まぁ……」 咲「……ひょっとして、エッチなやつ?」 京太郎「なっ!? ち、違うぞ!」 咲「……」ジトッ 京太郎「うっ」 咲「……ちゃんと寝ないで授業受けるんだよ」 京太郎(マズイ……今の反応は図星っぽかったか……) 京太郎(それにしても……やはりユメイさんは最高だな) 京太郎(あの包容力あるキャラ、胸も結構ありそうだし) 京太郎(……だが) 京太郎(今までのゲームのキャラに対する感じとは…………何かが違う) 京太郎(なんだろう、これは) 京太郎(なんていうか、その……何なんだろうなぁ……) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ―部室― 京太郎(面白かったんだけど、未だに消えないこのモヤモヤ感……) 京太郎(これは一体……)モンモン 和「ここのターツは愚形ですから、この場合は……」 咲「へぇ……そっか、そっちのほうが確かに確率は……」 咲「やっぱり原村さんの教え方はわかりやすいね! さすが原村さん!」 和「そ、そんな……こと///」 京太郎「……」ピク 京太郎(今の和……咲に褒められて照れてる、のか) 京太郎(そういえば今までも結構そういうことが……) 京太郎(なんていうか……なんかイイな……こういうの) 京太郎(何が、っていうのは、よく分からないけど……) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎「う、烏月さんが……そんな……」 京太郎「アカイイトって……こういう意味だったのか……」 京太郎(ええい、やり直しだ! こんな結末納得できるか!) 京太郎(待ってろよ桂! 必ず俺が幸せにしてやるからな!) 京太郎「…………ん?」 京太郎(……そうか、俺はこの主人公に自分を投影してるわけじゃないのか) 京太郎(純粋に桂とその他のキャラが関わり合っているところが見たいだけで……) 京太郎(ユメイさん単体じゃなく、ユメイさんと桂の関係が好きだったんだ……) 京太郎(いや、でもコレっておかしいか?) 京太郎(……いや、漫画でも男同士の熱い友情に感動することあるしな、うん) 京太郎(問題ない、ゲームを続行する) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎(ふふふ……ざまあみろ……主だかなんだか知らんがな……)フラフラ 咲「ねぇ京ちゃん……また徹夜したの?」 京太郎「おう……まぁな」 咲「流石に二日連続は……ちゃんと寝ないとダメだよ?」 京太郎「あぁ……とりあえずあと二人だからな……それが終われば……」 咲「え?」 京太郎「! い、いや……なんでもない……」 咲「?」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ―部室― 和「……」タン 咲「え?」 和「なんですか、咲さん?」 咲「えっと……その……」 咲「も、もうちょっとソレ持っといたほうが良かったかなぁって……」ヒソヒソ 京太郎(咲が和の耳元で……)ボケー 京太郎(構図的に、なんだか咲が和の血を吸ってるみたいに……)モンモン 京太郎(咲と……和が……) 京太郎「!?」 京太郎(お、俺は今何を……) 京太郎「うおおおおおおおおおお!!」ガンガンガンガン 久「ちょっ……何してるの須賀くん!?」 優希「気でも狂ったのか!?」 京太郎「いえ……ちょっと煩悩を……」ゼェゼェ 咲「京……ちゃん?」 京太郎「いや、大丈夫だ……」 咲「やっぱり寝不足で疲れてるんだよ……ちょっと寝てたほうがいいよ?」 まこ「寝不足?」 咲「京ちゃん、二日連続で徹夜でゲームしてて……」 和「どうしようもないですね」ハァ 久「須賀くん……今日はもういいから、とりあえずそこで寝てなさい」 京太郎「いや、でも」 まこ「また机にヘドバンされるのは迷惑じゃ」 京太郎「……はい」 京太郎(そうだよな、寝不足でおかしくなってるんだ) 京太郎(寝て起きれば、今の変な妄想も消えてる……さ) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎(結局今日も徹夜してしまった……) 京太郎(しかし、これで一応すべてのキャラのエンディングは見たわけだ) 京太郎(あとはエンディングとCGをコンプリートするだけだが……面倒だしネットで攻略情報見るか)カチカチ 京太郎「……ん?」 京太郎(アオイシロっていう続編もあるのか……) 京太郎(…………明日買いに行くか) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ~翌日~ 京太郎「なんだこれ……完璧にキスしてんじゃねぇか……」 京太郎(た、確かにそういう人がいることは知ってるが……)ドキドキ 京太郎(し、しかし一般的なゲームでこういう描写は……)ドキドキ 京太郎「……進めよう」 チュンチュン チュンチュン 京太郎「終わった……もう朝か」 京太郎(なんかコピペしたようなEDとバグっぽいのも見られたけど、よかったな、うん) 京太郎(それにしても、あのキスシーン……どういう評価されてるんだ?) 京太郎(出かける前にネットで調べてみるか……) 京太郎(えっと……ん? 『三大百合ゲー四天王はアカイイト、処女宮、あとひとつは?』って……) 京太郎「…………百合? なんだこれ?」 槓
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3473.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 京太郎「花火やるべー!」 穏乃「花火やるべー!」 優希「花火やるじぇー!」 淡「花火やるべー!」 ワーワー キャーキャー まこ「さっきの今で元気な奴じゃな」 久「まぁ、寝込むよりは良いんじゃないかしら?」 京太郎「先生、花火持ってくるなんてやりますね!」 晴絵「でしょう? もっと褒めていいわよ」 灼「煩わし……」 和「少々古めかしい花火ですね。パッケージの厚紙がだいぶくたびれてますけど」 晴絵「ああ、それ貰い物だから。1年寝かせたビンテージものなんだって」 穏乃「んー! んー!」グイグイ 玄「どうしたの? 穏乃ちゃん?」 穏乃「これ、口のビニールが固まってて開かない……」 憧「これ絶対1年じゃないでしょ!?」 シュゴォォォ 淡「あはは、見て見てキョータロー! すごいキレー」 京太郎「わかったからこっちに向けるんじゃねぇ!」 尭深「終わった花火はこっちにもらうね」 京太郎「あ、すみません渋谷先輩」 尭深「……」コクッ ジュッ シュー ワー ワー 尭深「……」 ジュッ シュー 憧「渋谷さん。これも」 尭深「あ、はい」コクッ ジュッ シュー 尭深「……」 誠子「尭深。それ、楽しい?」 尭深「割と」ニコ 玄「花火とは火薬に金属の粉末を混ぜ込んだもので、火を付けたときの燃焼、破裂時の音や火花の色を鑑賞して楽しむものです」 玄「それぞれ色が異なるのは混ぜ合わせた金属の種類による炎色反応を利用しているからですのだ」 和「詳しいですね。玄さん」 パシュ ジュゥ ゴー ボボボボボ 宥「あったか~い」 玄「ただし、うちのおねーちゃんのばやい、色や音や形ではなく火の勢いや発熱量のが重視されます」 京太郎「え? ちょ、え……そういう価値基準なの?」 憧「宥姉も普通に噴射花火で暖をとろうとしないで」 まこ「これは……」 咲「ロケット花火ですね」 まこ「ふ~ん……」 久「どうしたの? 不思議そうな顔して」 まこ「いや、わし。今までこれやったことないなと思ってな」 優希「お! じゃあやってみるか?」 咲「けどロケット花火やったことないって珍しいですね」 まこ「咲はあるんか?」 咲「私じゃないですけど、京ちゃんが」 久「須賀君?」 咲「はい。中学の頃に、クラスの男の子たちと鉄パイプの先端に挿して撃ち合いしてるのを他のクラスの子たちと見てまして」 まこ「どこまでバカなんじゃあやつは」 照「どうして染谷さんはロケット花火をやったことがないの?」 まこ「ん? いや、実はうちのおじいがなんかやったら街中大騒ぎになるとか言っとっての」 まこ「なぜかは知らんのじゃが」 菫「久。確か染谷さんのお爺様は……」ヒソヒソ 久「ええ、そういえば広島の……」ヒソヒソ 優希「仁義なき戦いだじぇ……」 咲「まぁ近くに民家もあまりないですし。一本くらいなら」 まこ「すまんの」 優希「手頃なものがないから空き缶でいいか?」 咲「うん」 シュッ ジジジ まこ「ん? なんでみんな耳を塞いどるんじゃ?」 パシュッ ヒュー パン! まこ「なっ、ええ!?」 まこ「げ、迎撃されたんか!?」 菫「いや、ああいうものなんだよ」 久「はっ!? みんな、まこの貴重なボケよ。全力で拾いなさい!」 咲「え? え!?」 照「私達はどうすれば……」 菫「とりあえず見てるか」 ザッ 京太郎「呼びましたか!?」 ザザッ 穏乃「なんかわからないけどセンターは任せてください!」 ザザザッ 淡「守りにもそこそこ自信があるよ!」 まこ「いや、お前さんらのボケのが切れっ切れじゃぞ? 普段通り」 穏乃「みんなで護ってみんながセンター!」 京太郎「いや、みんなセンターだと偏りが酷いだろ」 穏乃「じゃあどうするの?」 京太郎「穏乃は反射神経と瞬発力があるからショートとかいいんじゃないか?」 穏乃「おーショート。じゃあじゃあ玄さんは?」 京太郎「玄さんか……」ウーム 玄「……」ドキドキ 京太郎「シューティングガードとか?」 玄「シューティングガード?」 穏乃「おーシューティングガード」 まこ「なんの会話をしとるんじゃ」 久「まぁいつものことよね」 穏乃「最後はみんなで線香花火しよう!」 淡「なら100本勝負だ! 高鴨穏乃!」 穏乃「おお! 望むところですよ!」 憧「いや、そんなに量ないから……」 ワーワー ギャーギャー <アー! センタンモギトッテイクナー!? <コレガ、センコウハナビズモウ…! 咲「京ちゃん。一緒にやろう」 京太郎「おう。いいぜ」 パチパチパチ 咲「綺麗だね」 京太郎「そうだな」 咲「今年は……一緒に花火出来てよかったね」 京太郎「お前、まだ去年のこと根に持ってんのか?」 咲「そうじゃないけど……あ」 ポト 京太郎「落ちちまったな」 咲「うん……」 咲「私、線香花火ってなんだか苦手」 京太郎「へぇ、そうなのか? 初めて聞いたな」 咲「うん。なんだか寂しい気持ちになるから」 京太郎「………………まぁな」 京太郎「歓楽極まりて哀情多し……いや、夏草や兵どもが夢の跡って感じか?」 咲「松尾芭蕉? 京ちゃんのくせに生意気ー」 京太郎「うっせやい」 京太郎「まぁ、あれだ。来年ももまた、こうやってみんなで騒げたらいいよな」ポンポン 咲「うん。えへへ……そうだね」 咲「ねぇ、京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「約束だよ?」 京太郎「ははっ。ああ、約束だ」 <サキー、キョータロー 京太郎「行こうぜ」 咲「うん」 ワーワー、キャーキャー <アーオチチャッター <ワタシモー 灼「……」パチパチパチ 優希「おお! ボウリングのお姉さんすごいじぇ!」 玄「ホントだー灼ちゃんすごいねー」 灼「そ、そんなことないと思……」テレテレ スタスタ 京太郎「おお、ホントだ! すげぇ」 灼「///」テレ パチパチパチパチ… 京太郎「あの、そろそろ手ぇ放した方が……」 灼「あ、うん。そうだね」 優希「手に持つ部分まで昇ってきてるの初めて見たじぇ」 京太郎「規格外過ぎる」 玄「私たちももう一本やろっか」 優希「望むところだじぇ!」 京太郎「あ、ありがとうございます」 玄「はい、咲ちゃんも」 咲「ありがとうございます」 優希「じゃあ、私たちも誰が一番長くもつか勝負だじぇ」 京太郎「お、いいぜ。ジュースでも賭けるか?」 咲「もう、またそういうの」 玄「あはは」 灼「じゃあ私も」 優京咲玄「「「「いえ、あなたは不動のチャンピオンですので!」」」」 灼「」 ダダダダッ 穏乃「勝負なら私も混ぜて!」 淡「横綱、横綱!」 京太郎「うおっ!? なんだその火の塊!?」 穏乃「8連勝中!」 京太郎「危ねぇ!! こっちに持って来るんじゃねぇ!」 晴絵「おーし、そろそろ帰るぞー! ゴミ片付けろー」 全員「はーい!!」 ガヤガヤ、ゾロゾロ 咲「今度こそ本当に終わりだね」 京太郎「ああ……」 咲「さっきの約束。忘れちゃだめだからね?」 京太郎「忘れねぇよ」 咲「絶対?」 京太郎「ああ、絶対だ」 照「……」ボケー ガチャ 憧「あ……」 照「新子さん……」 憧「えっと、おはようございます。チャンピオン」 照「……おはよう」 照「その、チャンピオンっていうの……」 憧「はい?」 照「私はチャンピオンって名前じゃないし、もうチャンピオンでもない」 憧「あ、ご、ごめんなさい……」 憧「えと、じゃあ宮永さん?」 照「……」ウーン 照「新子さんは、ご兄弟は?」 憧「え~、姉が1人」 照「そう……」 憧(とっつき辛い!) 照「お姉さんのことはなんて?」 憧「普通にお姉ちゃんですけど」 照「そう……」 照「じゃあ私のこともお姉ちゃんって呼んでもいいよ?」 憧「え?」 照「さぁ」 憧「ええ~っと…………お姉ちゃん?」 照「なぁに? 憧ちゃん」テルーン 後日 照「……」ボケー ガチャ 京太郎「あ、おはようございます。照さん」 照「京ちゃん。おはよう」 京太郎「今から朝飯の準備しますけど、なにかリクエストありますか?」 照「卵焼き。甘いの」 京太郎「はいはい」クス ガチャ 憧「おはよー」 京太郎「おう憧か。おはよう」 憧「おはよ、早いじゃない」クス 京太郎「お前もな」ニカ 憧「あ、照姉もおっはー」 照「おはよう。憧ちゃん」 京太郎「え? なに君ら、いつからそんな仲良くなったの?」 憧「ん、ないしょー」ネー 照「……」コクコク ジャー カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「……ンジャンジャンジャーン、ジャンジャジャンジャジャンジャジャーン!」 カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「ジャンジャジャーンジャジャジャジャンンンジャジャジャジャーン!」 カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「ジャジャジャッジャジャンジャントゥルータタタタタターン!」 京太郎「トゥルトゥチャチャチャ、ジャンジャンジャ、タタカ! タカダ!」 京太郎「ランランルー! ルンルランラランラルー! ランラランララトゥルラララー!」 ガチャ 灼「京太郎。残りの食器も持ってきた」 京太郎「」 灼「京太郎?」 京太郎「は! あ、はい。そこ置いておいてください」 灼「ん」 カチャ 灼「なにか手伝うことは?」 京太郎「いえ、もう後これだけなんで大丈夫ですよ」 灼「そう?」 京太郎「はい。お茶でも淹れるんで食堂で座って待っててください」 灼「わかった」コク ガチャ、バタン 京太郎「あー、心臓止まるかと思った」 ガチャ 灼「やっぱり、情熱大陸は今時ないと思……」 京太郎「い、言わなくていいですよ!///」 灼「あと、所々音外れて」 京太郎「だかた言わなくていいですってば!」 食堂 京太郎「ニコ兄のパニッシャーやチャペルの銃はそこそこ有名なのになんでファンゴラムのセンターヘッドって認知度低いんですかね?」 誠子「それはたぶんゲーム自体の知名度が低いからだよ」 京太郎「けどガングレイヴはアニメ化もしてそこそこ知名度あると思うんですよ」 誠子「アニメはともかくゲームは良くも悪くも中堅って感じだからなぁ」 ワイノワイノ ナンチャラカンチャラ 久「須賀君ってさ……」 京太郎「はい?」 久「意外とモテるわよね?」 シーン… 京太郎「…………はぁ?」 咲「ぶ、ぶぶぶ部長!? なに言ってるんですか?」 優希「そうだじぇ! そんなこと言ったらまたこの犬が調子に乗り出すじぇ!!」 黙殺! 京太郎「はぁ……」 久「なにそのため息」 京太郎「部長。なにを、なにをゆっとるんですか貴女は?」 京太郎「モテる? 俺が? じゃあ俺のこの、彼女居ない歴=年齢っていうこの、この事実はどう扱われていくんですかね?」 京太郎「厳然たる事実がそこには横たわっていますよ?」 久「あ、変なスイッチ入った。やめればよかったわこの話題」 久「また須賀君が変な絡み方をしてくるわね」 京太郎「っていうかなに? まったそういう話?」 京太郎「最近色恋沙汰の話が多くてイライラするんですけど」 久「けどあなた、普段の部活にしてもそうだけど今のこの状況」 久「女子複数に対して男一人というこの状況でなにか思うところはないの?」 京太郎「……」ウーン 京太郎「なるほど」 京太郎「まぁそんな俺ですが。実は中学の時にラブレターを渡されたことがあります」 シーン…… 優希「どどどどどどういうことだじぇ!?」 咲「聞いてない!? 京ちゃん、それ私聞いてないよ!!」 玄「おもちは!? おもちはどうっだったんでうのだ!?」 淡「ま、まさかそれで付き合ったりとか……」アワワワワ 照「京ちゃん、その娘なんて名前なの? その、あれ、あの頭パーンってさせてくるから」ギュルルルル 京太郎「え、なに君ら? いきなりどうしちゃったの?」 京太郎「ちなみに玄さん。おもちは可もなく不可もなくって感じでした」 玄「ほっっほぉ~~う」 京太郎「思い返せば、あれは中学2年の夏頃……」 女性陣「……」 京太郎「え、なにこの俺が話を語って聞かせるタイムみたいな空気?」 京太郎「皆さんこんな与太話に付き合わずにもっと各々好きにしてくれていいんですよ」 憧「いいから早く続き。話なさいよ」 京太郎「お、おう……」 京太郎「季節は移り、長袖から半袖に衣替え済ませ、初夏の陽射しが降り注ぐ頃」 京太郎「俺は学び舎の屋上に呼び出された」 京太郎「待っていたのは別のクラスの女の子。肩口までの黒髪に、タレ目がちの柔和な笑顔を湛えた優しそうな娘だった」 京太郎「夏場にも白さを失わない頬を微かに朱に染め、差し出される恋文の封書」 京太郎「秘めた想いを文章に託し、勇気を振り絞ってこう言った」 京太郎「『これ、同じクラスの中村君に渡してほしいの』」 女性陣「あ~、あるある」 京太郎「だあああああああああああ!!」ボルッテクバチコーン!! 淡「な~んだ。そんなことかー」ニコニコ 優希「まぁ京太郎なんてそんなもんだじぇ」ウンウン 宥「あったかいね」 菫「まぁ、その、なんだ。ドンマイ」 咲「ほっ……」 京太郎「冷静に考えると女の子が嫌がらせ以外の理由で、言い寄ってくる魅力が俺にあるとは思えないしなぁ」 まこ「恐ろしく後ろ向きな自己認識じゃな……」 憧「あながち間違ってないけど」 京太郎「だいたいなぁっ!!」 京太郎「クソッ、どいつもこいつも猫も杓子も愛だの恋だの!」 京太郎「そんなもんよりねぇ世の中もっと大事な事ややるべき事はたくさんあるんですよ」 灼「たとえば?」 京太郎「ちくしょう、代替案など……」ガクッ 久「まぁそう落ち込まないの」 京太郎「部長?」 久「須賀君だって惑星の直列とか、気象の変化とか、地磁気の影響で人の好かれたりもするわよ」 久「男には人生で3回モテ期があるらしいものね。人に好かれることが重なり、時には周囲からまとめて嫌われることもあるわよ」ウンウン 京太郎「なるほど。…………なんかその、俺のモテるモテないの話と天変地異を同列に扱うのやめてもらえません?」 久「言葉の綾よ」 京太郎「言葉の綾ねぇ。ところでなんで人生で3回なんですかね?」 久「え? さぁ? でも3回っていうじゃない?」 京太郎「世界には3人自分とのそっくりさんがいるって言いますよね」 久「中学、高校は3年制だし」 京太郎「そういえば、千里山の船久保先輩がインターハイになると3年生が強くなるとか言う」 京太郎「わけのわからない意味不明な仮説を立ててました」 久「将棋なら後一回昇段したらプロ入りよね」 京久「「3って不思議な数字(です)ね」」 まこ「お前さんらのその会話の拡張性みたいなのが一番不思議じゃ」 京太郎「っていうか、」 京太郎「部長が俺を誘いさえしなければ、俺は他に適当な運動部にでも入って」 京太郎「可愛い彼女でも作ってひと夏の思い出を謳歌していただろうに」 京太郎「なにが悲しくてこんなところで皿なんか洗ってんでしょうね」 久「いやあなた、後半の妄言は置いておくとして、私が部に誘った時点で他の部の誘い全部断ってたじゃない」 京太郎「そでしたっけ?」 穏乃「ねーねー京太郎」 京太郎「あん?」 穏乃「京太郎は、なんで麻雀部に入ったの?」 京太郎「え?」 淡「キョータローのことだからどうせ、ノドカのおっぱいに釣られたんでしょ」プププ 和「いえ、須賀君が入部したのは私が入部するより前ですよ?」 女性陣「え?」 ざわ…… ざわ…… 照「あの、おっぱい県民の京ちゃんが?」 尭深「私や弘世先輩や松実さんたちの胸をチラチラ盗み見している須賀君が?」 玄「京太郎くん! おもちに興味が無くなってしまったのですか!?」 玄「死ぬまでに一度は和ちゃんのおもちを触ってみたいって言ってたではないですか!」 京太郎「なんで今ここでそれを言うんですか!?」 和「須賀君……」ササッ 京太郎「違、あの違うんです。言い訳をさせてください」 照「京ちゃん……」ギュルルル 京太郎「ピーンチ。殺さないで、俺まだやりたいことある」 淡「ノドカのおっぱい触るまで死ねないってこと?」 京太郎「俺の人生をそこに集約するんじゃねぇ!!」 咲「……」 京太郎「さ、咲~? 咲さ~ん? 無言はやめてー」 ざわ…… ざわ…… 京太郎「ちょっと君ら黙ってくれる? 俺にもしゃべらてくれ。慎んで拝聴しろ」 久「私、自身疑問だったんだけど。ねぇなんであの時、誘いに応じたの?」 京太郎「それは……」 久「それは?」 京太郎「麻雀って人気のある競技じゃないですか?」 京太郎「もしこれで活躍とかしちゃったらさぁ、いやモテちゃうでしょ? 常識的に考えて」 京太郎「だから、俺の隠された才能が覚醒して大活躍とかしちゃう少年漫画的展開を期待してたんですよ」 女性陣「……」シラ~ 京太郎「うっわ、みんななにその微妙な顔」 久「それ本当?」 京太郎「あ、すんません。嘘つきました」 京太郎「本当はただ麻雀経験者なら進路選択の時に有利かなって」 京太郎「一昔前なら政治家に剣道経験者が多かったし今なら麻雀かなって、あ、いやすんません。これも嘘です」 誠子「このタイミングで嘘をつく意味がわからない」 京太郎「ホントは部長が」 久「私?」 京太郎「部長が、俺を誘ってきた時なんて言ったか覚えてますか?」 久「? いえ、ぜんぜん」 京太郎「『部員一人の部だけど、全国大会目指してるから一緒にどう?』ですよ?」 京太郎「もうね。アホかと。あんた3年だろさっさと帰って勉強しろと。そう思ったんですよ」 久「あっそう。いい度胸ね」ボキボキボキボキ 京太郎「ちょ、最後まで聞いてくださいよ!」 京太郎「けど、部長の目が」 久「目?」 京太郎「部長の目が、すげー真っ直ぐで本気でやる気なんだってそう感じた」 京太郎「だから見てみたくなったんですよ」 京太郎「この人が何処までやれるのか。その結果を」 久「須賀君……」 京太郎「逆に部長はなんで俺を誘ったんですか?」 京太郎「団体戦に出るなら、どうしたって俺は戦力にはなれません」 京太郎「どうして俺だったんですか?」 久「ん~、しいて言うなら一目惚れってとこかしら」 京太郎「は?」 久「今ちょっと期待した?」 京太郎「チッ、うぜぇ~」 久「まぁ半分冗談で半分本当かしら。須賀君を見た瞬間感じたのよ」 久「この子をは使える! ってね」 京太郎「おい」 久「あの時の須賀君。すごくつまらなそうな顔してた」 京太郎「え?」 久「だからね、見せてあげたくなったの。この世界はまだまだ面白いことで溢れてるんだってね」 久「まっ、背は高いし、顔は割と整ってるし、真面目そうだし世話を焼いてあげたくなったのよ」 京太郎「部長……」 久「実は私、変っ……て言うものが好きなの」キリッ 京太郎「ちょっと待って。今し方俺を褒めちぎっておいてのその発言はなに?」 【中途あらすじ】 淡「あーわーいーだーYOッ!」 淡「ジャンジャジャ~ン! 今明かされる衝撃の真実ー」 淡「なんと私こと淡ちゃんと、キョータローは小さい頃に生き別れた双子の姉弟なのでしたー!」 玄「ええっ!? そうだったの?」 咲「なんだか、すごい込み入った話。そんな事が……」 京太郎「あれ、ねぇちょっと幼馴染だと思ってたの俺だけ!? 小学校から一緒でしょ」 和「そんな過去があったなんて……」 照「ぜんぜん知らなかった」 京太郎「信じちゃってるよ!?」 京太郎「大丈夫かこの人たち。将来、壷とか買わされたりしないだろうな」 京太郎「今思い出すとねぇ。俺、前回の合宿のとき一人だけ置いてけぼり食らってずっと家にいたんですけど」 京太郎「あの、期間誰とも会話しなかったからな」 京太郎「両親は、新婚かよってテンションで旅行に出かけるし」 京太郎「クラスの奴には合宿に行くって言ってたから当然連絡なんて来ないし」 京太郎「俺のこの漲るやる気をどうしてくれるんだって感じで」 京太郎「ペットのカピーやネトマのPCに向かって一人でブツブツなんかしゃべってて」 京太郎「ちょっとあれは、今思い出しても自分でもドン引きするくらい気持ち悪かったな。うん」 シーン… 照「京ちゃん、お菓子食べる?」 優希「タコス! タコスを分けてやるじぇ!」 尭深「お茶、飲む?」 宥「え~っと、え~っと……手、握ってあげるね?」ポヤーン 京太郎「あれ? みんなが急に優しい」 久「やめて! 私を、私を悪者にするのはやめて!」 まこ「弁解したいが、こればっかりは出来ん」 和「思えば、雑用から何から任せっぱなしで」 咲「うう、ごめんね。京ちゃん」 灼「部の事はみんなで分担した方がいいと思……」 憧「まぁ、任せっきりはよくないわね」 京太郎「まぁまぁ、そう言わないであげてください。良いんですよ俺はそれくらいしか役に立てませんし」 京太郎「迷子の捜索に、タコス作りに、ぬいぐるみの縫合。寝起きのムーミンにコーヒー淹れたり、喫茶店手伝ったり」 京太郎「デスクトップPCとか自動雀卓担いで移動したり」 京太郎「清澄の雑用は皆さんこれ、特殊な訓練を受けてないと出来ませんのでね。オススメはしません」 京太郎「用法用量は計画的に」 菫「なにを言ってるんだ君は」 久「あの、これ前から言いたかったんだけど私、そんなに言うほど須賀君に雑用押し付けてないわよね?」 久「そりゃ、もちろんないとは言わないけど。けどそんな酷い扱いもしてないわよね?」 久「まぁ平行世界じゃどうだか知らないけど」 京太郎「またそういう……そういうねぇメタな発言してるとまた世論からパッシングを受けますよ」 京太郎「まぁ、でも? この世界にではいい先輩ですよ?」 京太郎「いい上司、竹井先輩。経理部長」 まこ「役職変わっとるぞ」 京太郎「むしろ、逆に部内の雑用全部先取りして『それもう終わってますけどぉ?』みたいな、ドヤ顔をしてやろうかなって」 菫「従順なのか反抗的なのかよくわからない奴だな……」 久「ちょいちょいあるわよね須賀君、突如として私に反旗を翻してくるときが」 京太郎「部長忘れたんですか? 俺が部に入ってすぐのときの第一回清澄麻雀部大議会を」 咲「なに、清澄大議会って?」 京太郎「おう。部長のその日の気分が俺の自由意志のすべてを超越するという独裁性議会だ」 京太郎「あの日の約定により俺は雑用大臣に任命された」 京太郎「ちなみに世襲制な」 久『じゃあ、私は麻雀担当。須賀君はその他の担当』 久『私は和了るのが担当。須賀君は点棒を差し出すのが担当』 久『私は勝利担当。須賀君は画面の端で失神して泡吹きながら解説する担当ね』 ――――――― ――――― ――― 京太郎「なにもかも皆懐かしい」 女性陣「……」ジー 久「視線が痛い!?」 まこ「お前さんらは最初の頃からそんなアホな事やっとたんか」 和「そういえば、染谷先輩はその頃は部にはいなかったんでしたっけ?」 まこ「ん? ああ、そうじゃな。あん頃は部員もおらんから、なんとなくわしも流れで部活離れしとってな」 まこ「自分のうちで客相手に打っとる事のが多かったな」 淡「ねーねー! マコのうちって喫茶店なんだよね?」 まこ「ん? おお、麻雀喫茶じゃな」 淡「へー、なんか楽しそう。行ってみたい!」 穏乃「あ、私も私も!」 照「お菓子ある?」 まこ「お菓子なぁ~」チラッ 京太郎「……」ダラダラ まこ「まぁ、運が良けりゃ出会える裏メニューってとこじゃな」ニヤ 優希「染谷先輩はどんな経緯で部に復帰したんだじぇ?」 まこ「どんな、か。そうじゃな……」 ――――――― ――――― ――― カランカラン まこ「いらっしゃ、」 バーン 久「まこ!」 まこ「ん、おお。久か。珍しいの」 久「ええ、久し振りね。ってそんなことはいいのよ」 久「まこ。今日はあなたを連れ戻しにきたわ!」 まこ「ほう。っということは新入部員でも入ったんか?」 久「紹介するわ。須賀君」 カランカラン 京太郎「どうもはじめまして。突如として現れたサテライトの流れ星。須賀京太郎です」 まこ「男子か。まぁええじゃろ。わしは染谷まこ、2年じゃ」 久「早速だけどまこ。一人とは言え部員も入った事だし、本格的に部活を再開するわ」 まこ「ほうか。ほんなら明日からにで、」 久「いやわかってるの! まこにもお店の手伝いがあるというのは」 まこ「は? いや、人の話を」 久「そこでこういうのはどう? 私たちと麻雀を打って私たちが勝ったらまこは部に戻る」 まこ(相変わらず人の話を聞かん奴じゃな) まこ「わしが勝ったら?」 久「須賀君を一週間、無料で貸し出すわ」 京太郎「え」 まこ「乗った」 京太郎「ちょ」 久「ただ働いてもらうだけじゃつまらないからメイド服でも着てもらいましょうかしら」 京太郎「何故レートを上げるのか」 まこ「ちなみにお前さん麻雀の腕の程は?」 京太郎「将棋で言ったら羽生名人クラスで、」 久「最近ようやく全体の流れを覚えたくらいよ」 京太郎「あ、はい……そうです。はい……」 まこ「ほうか。まぁええが、3麻でもいいんか?」 京太郎「3麻って?」 久「書いて字の如く3人でする麻雀よ」 京太郎「へぇ」 久「まぁ今回は気にしなくていいわ。私ががんばるから須賀君は気楽に楽しんでくれればいいから」 まこ「それじゃ、はじめるとするか」 京太郎「え、っと。これ、かな……」ビクビク、トン… 久「あ、須賀君それまたロン」 京太郎「」 京太郎「はっ!? だからなんで部長が俺から和了るんですか!?」 久「いやー、須賀君ってば面白いくらい振り込んでくれるから和了り甲斐があるわー」 まこ(アホかこいつら) 久「まぁまぁ、そう熱くならないで。気楽にね気楽に」 京太郎「部長、残念ですけど遊びの時間はとっくに終わっています」 京太郎「ここはすでに地獄の賭博場。交わされるのは言葉の銃弾。振るわれるのは悪意の刃」 京太郎「掛け替えのない己の魂の尊厳を賭け金(ベッド)にして紅(ルージュ)か玄(ノワール)か!」 久「なにこのやる気」 まこ「お前さんが焚きつけたんじゃろが」 まこ:なんやかんやあって1位 久:終盤に京太郎のビギナーズラック的役満親っかぶりで2位転落 京太郎:安定のラス 京久「「ああああああああああああああああっ!?」」ガクッ まこ「なにしに来たんじゃお前ら」 久「ふ、ふふふ……こんなことで私が諦めると思ったら大間違いよ。いかなる手段を使ってもまこを部に引き入れるわ」 京太郎(悪役みたいなセリフだな) まこ「わしは部に戻らんなど、一言も言っとらんが」 京久「「えっ?」」 まこ「最初からそう言おうとしとるのにお前さんらがどんどん話を進めていくからじゃろうが」 京太郎「なんだじゃあまた、まった部長が一人で騒いでただけじゃないッスか!」 久「須賀君だって凄まじいやる気を発揮してたじゃない!」 まこ「最初から最後まで人の話を聞かん奴らじゃな」 京太郎「ち、ちなみに負けた時の話は……」 まこ「そっちが賭け金を吊り上げたんじゃからきっちり払ってもらおうかのう。身体で」ニヤニヤ 京太郎「ですよねー」トホホ ギャーギャー、ワーワー まこ「しかし、久よ。まだ全国出場の夢を諦めてなかったのか」 久「当たり前じゃない。後、訂正しとくと出場じゃないわ優勝よ」 まこ「須賀といったか? お前さんもようこんなのに付き合っとるな」 京太郎「ええ、まぁ、自分でもなんでかなって思うんですけどね」 京太郎「見てみたいんですよ、この人がどこまでやるのか。全国の景色って奴を」 久「高校最後の夏だもの。全国優勝の夢くらい見させてよ」 まこ「全国優秀の景色……か」 まこ「ふふ、はははは」 久「まこ?」 京太郎「染谷先輩?」 まこ「ええじゃろ。わしも見てみとうなったわ。全国の景色っちゅうんをな」 京久「「っ!!」」ビシバシグッグッ!! まこ「今日はもう遅いが、明日からはまた部室に顔を出すとするか」 京太郎「これでようやく2人」 久「3人でしょ? 須賀君も大事な部員なんだから」 京太郎「部長……」ジーン まこ「ふふ」 京太郎「じゃあ、染谷先輩!」 久「行きましょう。まこ」 京久「「我等と共に全国へ!!」」 京太郎「へぇ、この学校、学食のメニューにタコスなんてあったのか」 どういうチョイスだ? っと疑問に思うと同時に興味も沸いてきた。試しに買ってみるか。 この清澄高校の学食は食券制なので、券売機に硬貨を投入してボタンを押し、取り出し口から食券を取り出す。 顔を上げると、ボタンの下半分が赤く点灯。蛍光板が「売り切れ」の文字を点していた。 気にせず食券を持って厨房前のカウンターへ向かう。 ?「ぬおおおお!? タコスが売り切れてるじぇ!?」 ?「残念でしたね。ゆーき」ポン ゆーき?「だけどのどちゃん……私はタコスを食べないと」 のどちゃん?「食べないと?」 ゆーき?「私自身がタコスになってしまうんだじぇ!」バーン! いや、ドーン! のどちゃん?「なんですかそれは?」 まったくだ。 俺は自分の手の中に納まる食券を見下ろす。 まぁ、俺は今これを食べなくても死にはしないし。………………タコスになるわけてもないし。 京太郎「あのー」 「「はい?」」 京太郎「あの、これよかったら……」 そういって俺は手にしていたタコスの食券を2人に差し出した。 あれ? なんかこれ、俺今すげーギャルゲの主人公みたいじゃね? ゆーき?「うおおお!! それはタコスの食券!」 のどちゃん?「ち、ちょっとゆーき。あの、いいんですか? それはあなたが買ったものじゃ」 京太郎「いや、まぁうん。そうなんだけどね」チラ ゆーき?「……」ダバァー なんかすっごい涎垂れてるんだけど……。 たとえば平均体重の人間の血液総量は約6リットルとされ、約2リットルの血液が流れ出ると失血死となる。 もし2リットル以上唾液が流出したら人間はどうなるんだろう? 脱水症状で死にのかな? そう思うとこの高がタコスの食券といえど、この少女の命運を握っていると考えられ途端に重みが増したような気がする。 京太郎「まぁ、これもなんかの縁と思って受け取ってくれよ」 京太郎「なんかさっきの会話とか聞いてると、譲ってあげないとって思えてきたし」 和「それが、私たちと須賀君のファーストコンタクトでした」 みんな「へぇ~」 優希「京太郎、お前覚えてるか?」 京太郎「いや、ぜんぜん。優希、お前は?」 優希「いや、ぜんぜん」 京太郎「ってか、なんで和の回想なのに俺視点なんだ?」 和「それから、食堂で何度か会って話してみると須賀君は麻雀部だと言うではないですか」 京太郎「なんか、話したような話してないような……ほぼタコスに印象塗り潰されてあんまり覚えてないな」 照「京ちゃん、その歳で若年性健忘症なんだ……」 宥「可哀想……」ブルブル 京太郎「やめて、なんかその生暖かい同情の目はホントやめて。違うからほんとそんなんじゃないから」 京太郎「えっと、ほらあれだよ。なんだっけ? 当時はなんとか部を存続させようと必死だったからどうにか2人を巻き込めないかなと」 久「そういえば、八方いろいろ手を尽くしたわね」 京太郎「備品が足りねぇってんで夜中に校舎に侵入して使えるものかっぱらって来ようぜ!」 京太郎「みたいな、後に『冒険野郎事件』って呼ばれたあれ」 久「あー、やったやった」 まこ「お前さんらそんなことやっとたんか」アキレ 優希「その陰謀に巻き込まれたから、私たちの今この結果があるのか」 和「私の美しい思い出をよくも汚してくれましたね」 京久「「いや、あの……なんかすんませんでした。なにかの作用で一連の会話を記憶喪失してください」」ペッコリン 和「無理に決まってるじゃないですか!」 淡「それでノドカは麻雀部に入ったの?」 和「それで、と言いますか」 ――――――― ――――― ――― 優希「おー、京太郎だじぇ」 京太郎「ん、優希。…………和も一緒か」カチカチ 和「こんにちわ」 優希「そんなに一生懸命ケータイいじって何してるんだじぇ?」ヒョコ 和「優希、失礼ですよ」 京太郎「これか? 麻雀だよマージャン」 和「!」ピク 優希「ほう、お主も麻雀をやるのか」 京太郎「やるっていうか、俺、麻雀部なんだよ。っても、初心者だからこうやって空いた時間で練習してるんだ」 京太郎「っというか、『も』ってことは?」 優希「ふっ! なにを隠そう私達も元麻雀部だじぇ! そしてなんと~」 優希「こののどちゃんはインターミドルのチャンピオンだじぇ!」 和「ゆ、ゆーき!///」アセアセ 京太郎「インターミドル?」 和「えと、インターミドルっていうのは中学生のインターハイのようなもので」 京太郎「SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEッ!?」 京太郎「なんだよ! 和ってそんなすげー奴だったのか!?」 和「え? あ、いやその……それほどでも///」 京太郎「そうか、2人とも麻雀部だったのか。ん? でもじゃあなんで麻雀部に入らないんだ?」 優希「私は今のところ部活にはあんまり興味ないかなーって」 和「私は、その……麻雀は部活動でなくても出来ますし」 京太郎(優希はともかく和はなんかわけでもあんのかな?) 京太郎(でも、もし2人が入ってくれれば女子は4人。もう1人を見付ければ団体戦に出れる) 京太郎(なら俺のやることは一つ!) 京太郎「じゃあ、見学だけでもどうだ?」 和「見学、ですか」 優希「どうする? のどちゃん」 和「まぁそのくらいなら……」 京太郎「ありがとう! じゃあ行こう、さぁ行こう! すぐ行こう!」 和「あの、そんなに急がなくても」 優希「やれやれだじぇ」 部室 京太郎「こんちゃーっす! …………った、まだ誰も来てないのか」 和「部室ってここなんですか?」 京太郎「え? そうだけど」 和「ここって確か『クロックタワー事件』の……」 優希「クロックタワー?」 和「先週、この部室棟から学校中に聞こえるくらいの音量でたくさんの目覚まし時計の音が響いていたの覚えていませんか? ゆーき」 優希「おー、そういえば」 京太郎「ああ、あれそんな風に呼ばれてんだ」 和「心当たりがあるんですね」 京太郎「俺の買い置きのお菓子を勝手に食べちゃった部長に素敵な仕返しだテヘ!」 京太郎「みたいな感じでそこらじゅうからかき集めてきた目覚ましをこう、一斉に、ね?」 和(ここの部の人たちはなにやっているんでしょうか) 優希(ここ本当に麻雀部なのか?) 和「私たちしかいませんけど、どうしますか? ほかの部員の方を待ちますか?」 京太郎「ん、まぁ三麻でいいんじゃないか?」 和「その、失礼ですけど須賀君は初心者ということでしたが、大丈夫ですか? 三麻は少々ルールが複雑ですけど」 京太郎「大丈夫だ! 何故なら先日から先輩たちにボコボコにされてるからな!」グッ 和優「「なんて逞しい……」」 で、 1位:優希 2位:和 3位:京太郎 優希「さすが私、のどちゃん相手にもまったく引けを取らないじぇ!」フフン 和「逃げ切られてしまいましたか。もう少しだったんですが」 優和「「それにしても……」」 京太郎「」ボーゼン 優希「まさか、ここまで初心者だったとは」 和「まぁまぁ、ゆーき」 和(しかし、手付きもあまりなれているとは言い難かったですね) 京太郎「はっ!?」 優希「お、帰ってきた」 京太郎「っ~~~~~~~っはぁ! 2人ともすっげぇな!」 優希「んあ?」 和「はい?」 京太郎「ごめん! 実は俺さ、2人のこと団体戦の頭数になればってくらいにしか考えてなかったんだ」 京太郎「でも、和と優希と麻雀打ってすげー楽しかった。だから、もっともっと2人と楽しみたい」 京太郎「だから改めてお願いする。2人ともうちの部に入ってくれ! そんで俺にもっといろいろ麻雀のことを教えてくれ!」ペッコリン 優希「団体戦ってのはなんのことだじぇ?」 京太郎「ああ、うちのアホ部長がいい歳して全国大会優勝とか言う夢見がちなこと言っててさ、その、どうにか叶えてあげたいなぁって」 和「全国大会、ですか。でも長野には名門の風越や、昨年度県大会優勝の龍門渕もいますし」 和「正直、無名のうちが彼らに勝つのは難しいのでは?」 京太郎「大丈夫! なんてったってうちの部長は、性根の腐り切り具合なら負の人間国宝級だから」 京太郎「きっと俺なんかじゃ及びもつかないような、こそ浅ましいあらゆる権謀術数を用いてきっと全国へ連れて行ってくれる」 京太郎「それに、2人がいてくれたら心強い。だから一緒に全国を目指してみないか!?」 和「全国……」ポォ 優希「私は、のどちゃんが入るなら、いいじょ」 和「ゆーき?」 優希「のどちゃんは、東京の進学校や風越や龍なんとかって学校の誘いを断って私と一緒のこの清澄に来てくれたじぇ」 優希「だから今度は、私がのどちゃんについて行く番だじぇ!」 和「ゆーき……」 和「っ!」グッ 和「わかりました! 麻雀部、入部させていただきます」ニコ 京太郎「! やったー!」 優希「よろしく頼むじぇ! のどちゃん、京太郎!」 京太郎「おう! よろしくな、2人とも」 和「ふふ、よろしくお願いします」 ――― ――――― ――――――― 淡「そっかー、キョータローに誘われたからノドカは麻雀続けることにしたんだね」 和「ええ、でもそれだけではないんですよ?」 憧「どゆこと?」 和「その時の楽しそうに麻雀を打つ須賀君の姿が、記憶の中の友人と重なって」 穏乃「そ、それって」 和「はい。阿知賀にいたころの、穏乃と憧と玄さんと赤土先生とクラブのみんなとの思い出が私の背を押してくれて」 和「この人と麻雀を打てたらあの時のように、きっと楽しいだろうなって。だから」 晴絵「和……」 玄「和ちゃん。えへへ、なんか照れちゃうね」 京太郎「ちょ、部長待ってください。ね? 昔のことじゃないですか、お互いにさぁ許し合おう? 分かち合おう?」 久「うふふふふ。なにを許し合うのかしら? さ、2人だけでちょっと向こうに行きましょうねー? そんなに首を振ったってダメよ?」 久「大丈夫大丈夫。最初は痛いけど次第に気持ちよくなってくるから。自己啓発セミナー、悟りを開くみたいなものよ」ウフフフフ 咲「じゃあ、うちの部って実質京ちゃんがメンバー集めたってことですか?」 京久「「っ!?」」 久「そう、なるのかしら?」 まこ「まぁ、わしもお前さんらの熱意に中てられたわけじゃしな」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「私を誘ってくれたのはなんで? それも、部のためとか、団体戦のメンバー集めだったから?」 京太郎「ん、ん~まぁ。それもあるけどさ」 京太郎「お前、俺が置いてくと泣くだろ?」 咲「な、泣かないもん!」 京太郎「いーや、泣く。絶対泣く」 咲「泣かないったら泣かないもん!」 京太郎「本当は?」 咲「ちょっと、泣くかも……」 京太郎「ほーらな」 咲「うう……」 京太郎「それにさ、やっぱ楽しいことは咲と一緒にやりたいなって思ってさ」 咲「京ちゃん……」ジーン 久(楽しい、か……) 久「ねぇ。須賀君」 京太郎「はい?」 久「今まで怖くて聞けなかったけど、うちの部に入ってどうだった?」 久「みんなが入部して、県大会で優勝して、全国を目指して……」 久「私たち2人で再建した部なのに、どんどんあなたのことを蔑ろにしてしまって」 久「正直、いつか退部されても、嫌われても仕方ないって思ってたけど。あなたはあの時と変わらずここにいる」 久「須賀君にとってこの半年間は、有意義だった?」 京太郎「……」 京太郎「部長。部長が俺のことそんな気にかけててくれたってのは正直意外でした。でもこれだけは言えます」 京太郎「この半年間は本当に楽しかった。ここにいる人たちも、ここにいないけど麻雀を通して出会った人たちも」 京太郎「俺にとっては出会ってから今日まで、夢中で見つめ続けた光そのものです」 京太郎「俺、なんの役にも立てなかったけど、それでもみんなの夢を叶える手助けになれたなら俺は嬉しい」 京太郎「なぁ、部長。あの時、あんたについて行ってよかった」 久「っ!? ……バカね」ボソッ 久「私の方こそ感謝してる。須賀君、あなたがいてくれてよかった」 翌日 京太郎「荷物はこれで全部ですか?」 晴絵「オッケー。悪いねぇ積み込むの手伝ってもらっちゃって」 京太郎「いいっすよぅ、これくらい」 憧「こっちも準備出来たわよ」 晴絵「おーう。忘れ物とかないかい?」 穏乃「ないでーす!」 玄「短い間だったけど楽しかったよ!」 京太郎「はい、俺もみんなに会えて楽しかったです」 宥「これから寒くなるから、暖かくしないとダメだよ?」 京太郎「あはは、宥さんもですよ」 灼「吉野にも、また遊びに来て」 京太郎「はい。その時は是非、先輩のところにも寄らせてもらいます」 憧「……」 京太郎「……」 京憧「「ははっ……」」 憧「元気でやんなさいよ」トン 京太郎「お前もな」 穏乃「京太郎、手ぇ出して」 京太郎「? ほい」 穏乃「ターッチ! また遊ぼうね京太郎!」 京太郎「おう!」 菫「短い間だが世話になったな」 京太郎「いえ、こちらこそお世話になりました」 菫「また東京に来ることがあれば呼んでくれ。そのときは喜んで照の世話を押し付けてあげよう」 京太郎「あはは、お手柔らかに」 尭深「またね」フリフリ 京太郎「はい。渋谷先輩もまた。今度、茶葉とお茶菓子もって訪ねますよ」 尭深「うん。待ってる」 誠子「また一緒に釣りに行こう。そうだな、冬場に静岡の田貫湖でワカサギ釣りなんてどうだい?」 京太郎「お、いいッスね!」 誠子「朝霧の中で富士山が見えるんだけど、朝日が昇ってくるとこう、凍りついた足場が一気にバキバキバキバキってひび割れてね」 京太郎「クレイジーッスね……」 照「京ちゃん。咲のこと見ててあげてね」 京太郎「任せてください」 照「冬休みには一度帰るから」 京太郎「待ってますね。咲もつれて久々に3人で初詣行きましょうか」 照「うん」 淡「……」 京太郎「どうしたよ」 淡「だって、またキョータローと会えなくなっちゃうもん」 京太郎「なんだ、そんなことかよ」 淡「そんなことって、長野と東京だよ! すっごく遠いんだよ!」 京太郎「距離も時間も関係ない。会いたくなったら会いに行けばいい、それだけだろ?」 淡「! うん、会いに行く! 今度は私から!」 京太郎「おう! いつでも来い」ポン 久「短い期間でしたが此度の合同合宿に参加していただきありがとうございました」 久「って、もうこんな堅苦しい挨拶はもういいわね」 咲「ねぇ、京ちゃん」ヒソ 京太郎「ん?」ヒソ 咲「合宿、楽しかった?」ヒソ 京太郎「へっ、わかってんだろ?」ニカ 咲「えへへ、一応聞いておきたくて」 京太郎「もちろん楽しかったに決まってんだろ!」 咲「うん。私も!」 久「では、これにて清澄・白糸台・阿知賀による三校合同合宿を終えたいと思います」 全員『お疲れ様でした!!』 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/580.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1332249950/ 咲「どうしたの?京ちゃん」 京太郎「二人きりで話したいんだ。ちょっと放課後残ってくれないか?」 咲「うん、いいけど・・・」 優希「ちょっ、何事だじぇ!?・・・これってまさか」 和「そんなオカルトありえませんっ!」ドンッ 優希「和ちゃん、ちょっと怖いじぇ・・・大丈夫だじぇ、あの犬にそんな度胸は無いはずだじぇ」 久「・・・まこ」ヒソヒソ まこ「わかっとる。さぁさぁ、お邪魔虫は退散退散じゃー」ガッシ 和「染谷先輩、話して下さい!私は宮永さんとIPS細胞と将来の展望について話し合わないとーー」ジタバタ 優希「京太郎は私の犬だじぇー!」ジタバタ 久「じゃ、今日の部活はここまで。・・・宮永さんと須賀君、後片づけよろしくね」 京太郎「りょーかいっす。お疲れ様でーす」 咲「分かりました」 久(それにしても・・・随分突然ね) 優希「むがー!」 和「ふぬー!」 まこ「ハイハイ帰れー」ポイッ 久「それじゃあねー」ヒラヒラ バタン 京太郎「・・・」 咲「・・・」 京太郎「・・・」 咲「京ちゃん?話って」 京太郎「咲、俺と麻雀してくれないか」 咲「麻雀?いいけど・・・皆が一緒にいちゃダメだったの?」 京太郎「・・・ああ」 咲「それじゃあ、二人打ち用のルールでいいよね。ツモは減点される側は一人分、加点される側は三人分で」ピッピッ 京太郎「それでいいよ。・・・咲、本気で来てくれ」 咲「うん、分かった・・・」 東一局 京太郎「じゃ、俺が親だな」 パチッ 咲「京ちゃんが私を麻雀に誘うのって、なんだか久しぶりだね」 パチッ 京太郎「そうだな、最近はずっと雑用ばっかりだったから」 パチッ 咲「宅も4人掛けだしね。女子部員だけでも入りきらないし」 パチッ 京太郎「咲、麻雀楽しいか?」 パチッ 咲「うん、今はとっても楽しいよ」 パチッ 京太郎「そうか、そりゃ何よりだ」 パチッ 咲「京ちゃん、それロン」 パタタタタ・・・ 京太郎「くっ・・・」 咲「三色ドラ3。子の満貫で8000点だね」 京太郎「・・・じゃ、次は咲が親だな」 咲「うん。それじゃ、行くよ京ちゃん!」 東二局 咲「京ちゃん、今日はホントに突然だったね」 パチッ 京太郎「悪い。もしかして予定とかあったか?」 パチッ 咲「まぁ、無い事はないけど・・・そんなに大事な用でもないし」 パチッ 京太郎「こんなことは今日限りだからさ、勘弁してくれ」 パチッ 咲「・・・京ちゃん、何か嫌な事あったの?」 パチッ 京太郎「・・・っ」 咲「やっぱり。今日の京ちゃん、何だかおかしいもん」 バチッ! 京太郎「・・・さぁ、リーチだぜ咲。どうする?」 咲「京ちゃん・・・」 パチッ 京太郎「・・・」 パチッ 咲「・・・カン」 パチッ 京太郎「来たか・・・」 パチッ 咲「もいっこ、カン」 バシッ! 京太郎「・・・」ゾクッ パチッ 咲「もいっこ、カン!」 バシィッ! パタタタタ・・・ 咲「--ツモ。嶺上開花、三暗刻、三槓子、ドラ1。6000オールで、連荘だよ」 京太郎「・・・一本場か」 咲「それじゃ、また私からだね」 東二局一本場 咲「・・・」 パチッ 京太郎「強えなぁ、咲は」 パチッ 咲「そうかな?私よりも強い、例えば天江さんみたいな人。全国にはゾロゾロいると思うよ」 パチッ 京太郎「・・・そっか。頑張れよ、お前はもう一人じゃないんだ」 パチッ 咲「うん、頑張る」 パチッ 京太郎「・・・」 パチッ 咲「リーチだよ」 ピシッ! 京太郎「・・・」 パシッ 咲「それ、ロン!」 パタタタタ・・・ 咲「リーチ一発、一本場で平和と一盃口。ドラはないけど、裏ドラがーー乗った。これで満貫、12300点」 咲「これで合計26300点のマイナス。私の勝ちだね、京ちゃん」 京太郎「・・・」 咲「京ちゃん?」 京太郎「続行、させてくれないか」 咲「 え?うん、いいけど・・・」 東二局二本場 咲「京ちゃん、何があったの?私でよければ相談に乗るよ?」 パチッ 京太郎「何がって、何がだよ」 パチッ 咲「もう、それじゃ分かんないよ」 パチッ 京太郎「分かんなくていいんだよ。俺は、ただ咲と麻雀したいだけだ」 パチッ 咲「・・・嘘」 パチッ 京太郎「嘘なわけないだろ、現にこうして打ってるんだから」 パチッ 咲「だって京ちゃんの牌、勝つ気が無いもん」 パチッ 京太郎「何でそんなこと分かんだよっ」 パチッ 咲「染谷先輩とか原村さんみたいに分析はできないけど・・・牌に気持ちが乗ってるか乗ってないかくらいは私にもわかるよ」 パチッ 京太郎「なんだそりゃ。俺にはちっとも分かんねー世界だな」 パチッ 咲「ううん、京ちゃんが一番分かってるはずだよ。だって、京ちゃんの牌だもん」 パチッ 京太郎「俺はただ、麻雀をーー」 パチッ 咲「・・・麻雀を、やめる理由が欲しいの?」 ビシッ 京太郎「・・・んなこと言ってねーだろ!リーチだ!」 バンッ 咲「言ってるよ!京ちゃんの牌、自棄になってるもん!私もリーチ!」 バンッ 京太郎「うるせえ!お前に俺の何が分かるってんだ!」 バシッ! 咲「そんなこと分かんないよ!」 バシッ! 京太郎「だったら黙って打ってろ!」 バシッ! 咲「黙ってたら和了れないもん!」 バシッ! 京太郎「減らず口を・・・!」 バシッ! 咲「京ちゃんこそ、私を麻雀部を辞める言い訳にするつもりの癖に!」 バシッ! 京太郎「ああそうだよ!悪いかよ!大体強過ぎんだよ、お前ら!何がオカルトだ!・・・俺だって、練習してんのに!」 バシッ! 咲「悪いよ!勝手に努力を放棄して、戦う前から負けを認めてる京ちゃんなんて、とってもカッコ悪い!」 バシッ! 京太郎「だから今戦ってるじゃねえか!俺が、どうあがいても勝てない事の証明のために!」 バシンッ! 咲「こんなの戦いじゃない!こんな、楽しくないのは、絶対に麻雀じゃない!」 バシンッ! 京太郎「麻雀なんて、才能のゲームだ!結局牌に愛されてない奴は、負けるしかねえんだよ!」 バシンッ! 咲「そんなことない!絶対、絶対そんなことない!そんな事言う京ちゃん、私嫌いだよ!」 バシンッ! 京太郎「だったら早く和了れよ!このど真ん中の牌で、お得意のオカルトで、嫌いな俺にトドメを刺してくれよ!宮永咲ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 バシンッ! 咲「っ・・・!」 パシッ 京太郎「なっ・・・」 咲「・・・京ちゃんの番だよ」 京太郎「・・・」 咲「・・・引かないの?」 京太郎「和了れ、なかったのか・・・?」 咲「うん。だから次は、京ちゃんがツモる番」 京太郎「・・・っ」 咲「京ちゃん、引いて」 京太郎「俺、は・・・」 咲「・・・引かないんなら、私もう帰るよ?」ガタッ 京太郎「待てっ!」 ピッ 京太郎「・・・ツモだ」 パタタタタ・・・ 京太郎「二本場、メンタンピンドラ2。ハネ満で3200点オールだ」 咲「うん。この局は、京ちゃんの勝ちだね」 京太郎「咲、手牌見せてくれ!」ガタッ 咲「はい、こうだよ」 パタタタタ・・・ 京太郎「ホントに・・・和了れねぇのか」 咲「まだ、やるよね?」 京太郎「・・・ああ」 東三局 京太郎「じゃ、行くぜ・・・」 パシッ 咲「ねぇ、京ちゃん」 パシッ 京太郎「なんだよ?」 パシッ 咲「さっき和了った時、嬉しかった?」 パシッ 京太郎「そりゃ、嬉しかったよ。でもあれは・・・」 パシッ 咲「私は、手を抜いてないよ?」 パシッ 京太郎「・・・そりゃそうか。涙目で顔真っ赤にして牌打ちつけてたもんな。あれで手を抜けたら手品師だ」 パシッ 咲「むー。それはお互い様だし、そもそも京ちゃんが嫌な事言うから悪いんだよ」 パシッ 京太郎「悪かったよ。なんか奢るから、許してくれ」 パシッ 咲「それプラス麻雀部辞めないでくれたら、許したげる」 パシッ 京太郎「・・・随分と手厳しいお姫様だな」 パシッ 咲「京ちゃんが悪いんだもんっ」 パシッ 京太郎「分かってるよ、俺だってもう辞めたくなくなっちまった」 パシッ 咲「・・・京ちゃんならそう言ってくれると思ってたよ。だって、麻雀って」 パシッ 京太郎「楽しいんだもん、か?」 パシッ 咲「人のセリフを取らないでくださいー」 パシッ 京太郎「そうぶすくれなさんなって」 パシッ 咲「もう、京ちゃんのバカっ!・・・ロンだよっ」 パタタタタ 咲「一盃口のみドラ無し。1300点」 京太郎「おお、珍しく小さい和了りじゃないか」 咲「京ちゃんのがうつっちゃったかも?」 京太郎「なんだとこのー!」グリグリ 咲「いひゃいよきょうひゃん!ほっふぇはやめふぇー!」 京太郎「ありがとな、咲」 咲「ううん、私は何もしてないよ。京ちゃん自身が麻雀を辞めたくないって、心の底で思ってくれてたからこうなったんだと思う」 京太郎「かも、な」 咲「絶対そうだよ。京ちゃんは、いつだって頑張り屋さんだもん」 京太郎「なぁ、咲」 咲「なぁに?」 京太郎「俺さ、今よりもっと頑張って、いつか絶対お前を倒す!何年、何十年かかったって絶対倒すから!」 咲「ーーうん、待ってる。・・・だから、早く駅前のクレープ屋さんに行こっ」 京太郎「げっ、忘れてなかったのか」 咲「ちょっといい話になったからって奢りの約束を忘れるほど、私はロマンチストじゃないですよー?」 京太郎「こりゃ一本とられたな。・・・あんまり高いのはよしてくれよ?」 咲「キングクレープかなー、クイーンクレープかなー♪いっそ両方とか!」 京太郎「よせってば!」 咲「やーだもーんっ。ほらほら、早く来ないとどんどん注文増やしちゃうよ?」タタタ 京太郎「うおおおおおおおおおおお!?」ダダダダダ 駅前のクレープ屋さん 店員「ただ今カップル割というサービスを行っておりましてー」 咲「え、でも私達むぐっ!?」ジタバタ 京太郎「はい!じゃあそのカップル割でお願いします!」 店員「かしこまりましたー」 咲「ぷはっ。もう、嘘ついちゃ駄目だよ京ちゃん」 京太郎「バカ言え。カップルって言うだけで安くなるなら利用しない手は無いだろ」 咲「私は別に困らないけどなー」 京太郎「そりゃ奢られる立場だからな、気楽だよなぁ!?」 咲「へへーんだ」ベー 京太郎「ちなみに、何頼んだんだ?」 咲「二人用のキングクレープ。一度食べてみたかったんだー」 京太郎「ふっ、デブるぞ?」 咲「むっ!・・・ひ、否定しきれない」 京太郎「仕方ない、太らないように咲の分も俺が食べてやろう」 咲「それはダメーっ!」 遠巻きのグラサン「・・・こちらコードネームタコス。コードネームIPS、応答するじぇ」 『こちらIPSです。二人の様子はどうですか?』 遠巻きのグラサン「二人で一つのクレープを、恋人割で頼んだようだじぇ」 『殺して下さい、いえ殺しましょう』 遠巻きのグラサン「賛成だじぇ」ジャキッ 『待ちんさい!流石に性急すぎじゃて!』 『離して!離して下さい!』 『あー、こちら部長。君の行動は監視されている、変な気は起こさないよーに。とりあえず、引き続き尾行を続けてもらえるかしら』 遠巻きのグラサン「・・・了解だじぇ」ピッ 店員「お待たせいたしましたー」ドンッ 咲「うわ、おっきい・・・!」 京太郎「これは・・・マジでキングサイズだな」 咲「ここまで来ると最早クレープとしての原型がないね・・・」 京太郎「とりあえず、値段分はキッチリ食べるぞ!」 咲「おー!」 パクパクパクパク・・・ 咲「も、もうムリ」ゲプー 京太郎「デカ過ぎんだろこれ・・・」 咲「入りきらなくて残しちゃった・・・ごめんね、京ちゃん」 京太郎「いいって。お前が満足したんならそれで」 咲「うん、満足はしたよ。十分過ぎるほど」 京太郎「じゃ、帰るか」 遠巻きのグラサン「IPS,IPS応答するじぇ」 『あー、IPSならさっき体の穴という穴から細胞を飛び散らせて憤死したわ』 遠巻きのグラサン「なっ・・・同士IPS、お前のことは忘れないじぇ」 『死んでません!』 『惜しい奴を亡くしたもんじゃ・・・』 『だから死んでません!宮永さん!?宮永さーん!?』 遠巻きのグラサン「『うわ、おっきい・・・』『入りきらなくて・・・』等の発言が確認されたじぇ」 『?!?!??!?!?!!??!!??』ボフー 『あ、また憤死した』 『惜しい奴を亡くしたもんじゃ・・・』 遠巻きのグラサン「二人はもう帰るみたいだから、これで通信を終了するじぇ」 『はい、お疲れー』 遠巻きのグラサン「・・・」ピッ 遠巻きのグラサン「京太郎・・・」グスッ 咲「家まで送ってくれなくてもよかったのに」 京太郎「もう結構遅いからな、狼が潜んでないともいえないし」 咲「京ちゃんは心配性だなぁ。・・・大体、送り狼って言葉だってあるでしょ?」 京太郎「だったらどうする?」 咲「え?」 京太郎「俺が送り狼だったら、どうするんだ?」 咲「ど、どうするって・・・」アセアセ 京太郎「・・・ま、そんなことは100%あり得ないけどな」 咲「・・・だと思った。京ちゃんヘタレだもん」 京太郎「その割にはさっきマジで焦ってなかったかー?」ニヤニヤ 咲「違いますー、焦ってないですー!」プンスカ 京太郎「ま、咲は今の俺にとっちゃ目標でありライバルだ。夜道で襲うもんじゃねえわな」 咲「京ちゃんとまともに勝負できるのは何年後かなー」 京太郎「うるせえ、首洗って待ってろよー!じゃあなー!」ダダダダダ 咲「あ、京ちゃんまたねー!」 咲「ーー私、待ってるからね。何年だって・・・」 一ヶ月後 久「おいーっす」 優希「お、部長のご登場だじぇー」 京太郎「あ、部長。掃除終わりました!」 久「ん、御苦労。・・・最近妙に精力的ね」 まこ「守るべきもんでも出来たんかのう」 和「っ!?」ギリギリギリギリ まこ「じ、冗談じゃ!冗談じゃって!」 咲「こんにちはー」 優希「お、咲ちゃんも!これで清澄高校麻雀部勢ぞろいだじぇー!」 京太郎「おお咲、丁度良かった。昨日のネット対戦であったこの局面なんだけどよ・・・」ポチポチ 咲「んー?多分だけど、これはここをね・・・」ポチポチ 京太郎「おお、良い待ちになった!」 優希「・・・」ギリッ 和「・・・」ブチブチッ 咲「やっぱり京ちゃん、まだまだだね」 京太郎「うるせえ、いつかはカモにしてやるからな」 咲「ハイハイ。期待してますよー」 優希「・・・犬!タコス買ってくるじぇ!」 京太郎「うぇっ!?ちょっと今手が離せな」 優希「うるさいじぇ!いいから買ってくるじぇ!」 京太郎「・・・分かったよ」 咲「あ、なら私も」 和「宮永さんはこっちで私達と麻雀です。大会も近いんですから」 咲「そ、そうだね。・・・ごめんね京ちゃん」 京太郎「いいって、元々パシリは俺の役目なんだし。それより咲は大将なんだから、清澄のためにもしっかり勝ってくれないと困るぜ?」 咲「むー、京ちゃんってばまたそうやってプレッシャーかけるんだからー」 優希「・・・」メリッ 和「・・・」バキバキバキバキ 京太郎「部長、タコス以外に買ってくるものありますか?」 久「私は特にないけど・・・他の人は?」 まこ「ワシも特にないな」 優希「大理石100kg!」 和「拷問器具!」 京太郎「売ってねーよっ!」 咲「じゃあ私紅茶お願いしていいかな?アイスで」 京太郎「あいよっと」タタタ 咲「あ、廊下は走っちゃだめだってばー!・・・もう、京ちゃんたら」 久「部室暑いわね、なんか」 まこ「ああ、あっつあつじゃな」 優希「暑さの元はたった今追いだしたはずだじぇー」 和「暑さの元が永遠に冷たくなれば部室の温度が上がらずに済む可能性が微粒子レベルで存在している気がします・・・」 久「それじゃ、私達は練習しましょうか」 咲「はいっ!」 咲「よし、ロンっ!これで私の最終得点は33400点、一位ですね!」 まこ「あちゃー、振り込んでしもうた」 優希「あ、危なかったじぇ・・・9800点のマコがいなかったらドベだったじぇ」 久「宮永さんの仕上がりは上々みたいね」 咲「部の皆のお陰です!」 京太郎「お待たせしましたー・・・ほい、ホット」ピトッ 咲「熱ぅっ!?・・・くないし。もー、悪戯はダメだってば」 京太郎「咲はからかいがいがあるからな」 咲「むー」 京太郎「タコスのお客様ーっと。はいよ」 優希「・・・」ムスーッ 京太郎「な、なんだよ?」 優希「なんでもないじぇ。ふーんだ」ムシャムシャ 京太郎「・・・?」ポリポリ 咲「見て見て京ちゃん!嶺上開花和了ったよ!」 京太郎「おおー、やりますな姫様」 咲「ふふん、崇めるがよい」 京太郎「ははーっ。・・・じゃ、今日も部活終わった後頼んでいいか?」 和「あの、宮永さんは大会前で」 咲「うん、いいよ。部長、部活外ですしいいですよね?」 久「いいけど、お願いだから部活外でやってね」 優希「・・・」ミギミギミギミギ 和「・・・」ガガガガガガガ まこ「ま、お前らの気持ちもわからんでもないけどな」ヒョイヒョイッ 優希「うがー!大体ロンで嶺上開花が和了れるはずないじぇ!嘘はいけないじぇ!」 和「そうです、そんなオカルトあり得ません!それより宮永さんは私と素敵なIPS-!」 京太郎「・・・咲、虚偽申告はいけないなぁ?罰符ものだぞ?」 咲「あ、これは違っ・・・ついいつもの癖で嶺上開花って言っちゃったんであって」 咲「決して京ちゃんの前で格好付けようとかそういうのは・・・」 京太郎「・・・」ニヤニヤ 咲「き、京ちゃんだって大して確認もせずに崇めたんだから同罪だよ、同罪!」 京太郎「なんじゃそら!?」 まこ「仲がいいのう・・・」 久「ホントにね」 まこ「ワシらもそろそろ帰るか」 久「そうね。なーんかこの終わり方が板についてきちゃったなぁ・・・まぁいっか」 久「んじゃ、掃除戸締りその他はよろしくー」 バタン 京太郎「さて、それじゃあよろしくお願いします」ペコリ 咲「うん、今日も頑張ろうね京ちゃん!」 京太郎「よーし、今日の目標は狙って満貫!」 咲「じゃあ、私の目標は狙って役満かなー」 京太郎「言ってろ!」 パチッ 咲「ふふっ」 パチッ 京太郎「・・・なんだよ?」 パチッ 咲「京ちゃんとこうやって二人きりで麻雀出来るのが、嬉しいなあって」 パチッ 京太郎「おいおい、気を緩ませてたら俺勝っちまうぞ?」 パチッ 咲「やれるものならやってみなさーい」 パチッ 京太郎「言ったな・・・?そら、リーチ!」 バチィッ 咲「む、そのリーチは読みにくいかも」 パチッ 京太郎「とか言いつつ咲さん、ノータイムで打ってきますね」 パチッ 咲「まぁ、まだまだだねー」 パチッ 京太郎「どこぞのテニヌプレイヤーかよっ」 パチッ 咲「・・・でも、ちゃんと成長してるよ、京ちゃん」 パチッ 京太郎「そりゃ・・・」 パチッ 咲「それロン」 パタタタタ・・・ 咲「混老頭、トイトイドラ3。ハネ満で12000点頂戴しまーすっ」 京太郎「・・・こんな鬼教官がいりゃあな、嫌でも強くなるさ」 咲「えへへ・・・でも、前よりずっと牌に気持ちが乗ってるよ」 京太郎「そりゃ、いつでも寝首掻く気でいるからな!」 咲「うむ、その意気やよし!存分にかかってくるがいい!」 京太郎「咲、そのキャラ似合ってねーぞ」 咲「や、やっぱり?」 京太郎「どっちかってーとお姉さんの方がそんなキャラだな」 咲「かもねー」 アハハハハ・・・・・・ 京太郎「教官、今日もお疲れ様でしたっ!お家までお送りいたします」 咲「ん。よろしくね、しっかり満貫和了って役満和了られた京ちゃん」 京太郎「ぐ・・・さ、流石にあれは偶然だよな?」 咲「どうだろうねー」 京太郎「ぐおおおおお!自分の打ち筋によるものかもしれないと思うと猛烈に悔しくなってくる!」 咲「ふふ、まだまだだねー」 京太郎「お、覚えてろよおおおおおおおおおお!」ダダダダダ 咲「京ちゃん、またねー!」 京太郎の家 京太郎「ん、メール?」 【差出人:宮永咲 件名:きょうのまーじゃんについて】 京太郎「いい加減変換くらい覚えろよ・・・っと」ポチポチ 京太郎「お、もう一件」 【差出人:片岡優希 件名:明日の部活が終わったら、ちょっと残ってるじぇ】 京太郎「本文は空・・・なんだってんだ?」 翌日 久「おっすー・・・須賀君、精が出るわね」 京太郎「そりゃもう、雑用係ですから」 久「最近の牌譜見たけど・・・良くなってるよ。宮永さんの指導の賜物?」 京太郎「げ、バレてたんスか・・・いやぁ、ホント咲には頭が上がらないですよ」 久「その調子で、清澄高校男子麻雀部のために頑張ってね。期待してるわよ」ポンッ 京太郎「はい!」 久「雑用もね」クスッ 京太郎「ですよねー・・・」 まこ「・・・優希、どうしたんじゃその大量のタコス」 和「今日はまた一段と多いですね・・・」 優希「今日は決戦だじぇ、物資は多いに越したことはないじぇ」 まこ「・・・?」 咲「あ、京ちゃーん!」 京太郎「おう、咲。・・・今日は部活後に別の用事が入っちゃったから、先に帰っててくれるか?」 咲「うん、分かった。私も用事あったとこだから丁度よかったね」 京太郎「まさに息ピッタリ!」 咲「京ちゃんのツモ運まで移さないでね、負けちゃうから」 京太郎「なんだとー!」グリグリ 咲「ひひゃいひひゃいー!」 和「・・・」ゴゴゴゴゴ 優希「・・・」 和「・・・優希?」 優希「今日は決戦だじぇ・・・」ムシャムシャ 久「よし、それじゃ練習始めるわよー」 「「「「「おー!」」」」」 久「よし、今日はここまで。それじゃ須賀君、いつも通り掃除戸締り・・・って言わなくてもやってるわね」 京太郎「オラー!」フキフキ まこ「雑用の鏡じゃな」 久「いいえ、部員の鏡よ」 まこ「随分と奴さんを持ち上げるのう」 久「別に持ちあげてる訳じゃないわ。ただ、頑張ってる奴は相応に評価されて然るべき。これ、私の持論ね」 まこ「ほう・・・」 咲「部長さん、染谷さん、お疲れ様でしたー」 久「お、今日は特別特訓やらないんだ」 咲「はい、京ちゃん用事があるらしくて」 和「宮永さん、途中まで一緒に帰りましょう」 咲「うん!」 久「それじゃ、私達も帰りましょうか」 まこ「じゃな」 京太郎「ふいー、終わった終わった」 京太郎「・・・で、話ってなんだよ。優希?」 優希「・・・最近、部活が終わった後。咲ちゃんとずっと一緒にいるじょ」ムシャムシャ 京太郎「ああ、麻雀の特訓だよ。お前も知ってるだろ?」 優希「ちょーしのんな」ボリボリ 京太郎「は?」 優希「高々雑用係程度が、調子に乗るなって言ってるんだじぇ」 京太郎「・・・雑用係が強くなりたいと思っちゃいけねえのかよ」 優希「ダメだじぇ。雑用係は雑用係らしく、雑用だけやってればいいじぇ」 京太郎「言うじゃねえか、嫌な事でもあったか?」 優希「最近の犬は、見ててイラつくって言ってるんだじょ。だから・・・」 優希「今!ここで!!もう一度主従関係を一から叩きなおしてやるじぇ!!!」ドカッ 京太郎「上等だ、やってやるよ!」ドカッ 優希「・・・東場だけだじぇ」 京太郎「ああ、好きにしやがれ」 優希「・・・それじゃ、サイコロを振るじぇ」 コロコロコロ・・・ 京太郎「出たか・・・親はお前だ」 東一局 優希「・・・」バリボリ バシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 優希「・・・」 バシッ 京太郎「それにしても、今日はまた随分と買い込んでるじゃねえか」 ピシッ 優希「・・・お前を、二度とこの卓に上がらせないためだじぇ」 バシッ 京太郎「上等、やれるもんならやってみやがれ」 ピシッ 優希「言われなくても、へし折ってやるじょ」 バシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 優希「それ、ロンだじぇ」 京太郎「なっ・・・」 パタタタタ・・・ 優希「清一色、ドラ2。倍満で24000点だじょ」 優希「ヌル過ぎるじぇ・・・やっぱり、犬は犬だじぇ」 京太郎「クソッ、言ってろ!」 東一局一本場 優希「ロンだじぇ。平和のみ」 東一局二本場 優希「ロンだじぇ。一盃口のみ」 東一局三本場 優希「ツモだじょ。撥のみドラ1」 東一局四本場 京太郎「・・・っ」 ピシッ 優希「それも、ロンだじぇ。七対子」 京太郎「よお、点数がマイナスになっても続けてくれんのはハンデかい?」 優希「違うじぇ。お前がもう二度とこの卓に着けないように、徹底的に壊してるだけだじぇ」 京太郎「・・・そりゃ、ありがたい話だ」 優希「さ、五本場だじぇ」 東一局五本場 京太郎「通らばリーチ!」 優希「それ、ロンだじょ。」 東一局六本場 京太郎「リーチだ!」 ピシッ 咲「そういうことだよ、京ちゃん。天狗になるのは私を半荘でのしてからにした方がいいんじゃないかな?」 京太郎「畜生、いつか絶対ブッ倒してやるからなああああああああああああああああ!」メラメラ 咲「べーだ!後30年は絶対倒されてあげないもんね!」 優希「まだ!まだ足りないじぇ!もっともっと火力上げて強くなってやるじぇええええええええええ!」ゴウゴウ まこ「・・・なんか、また部室の気温が上がった気がするんじゃが」 久「熱源が一個増えちゃったからねー。部としてはいい事なんだけど」 久「よし、今日の部活はここまで!」 まこ「お疲れ様、じゃなー」 優希「まだだじぇ、まだやれるじぇ・・・」 和「でももう部活の時間終わりですし、帰りましょう?」 京太郎「優希、まだやれるんなら家でネット麻雀の○和って奴やってみたらどうだ?俺もやってるけど中々勉強になるぞ」 優希「ネト麻・・・その手があったじぇ!い・・・京太郎!お前ログインは何時くらいにやってるんだじょ!?」 京太郎「俺か?俺は22時くらいに南家サーバーに居るけど」 優希「よーし分かった!そうと決まればさっさと帰って麻雀だじぇ!お疲れ様だじぇえええええええええ!」ダダダダダ 和「優希、凄いやる気ですね・・・私も負けてられません」 まこ「あー、ワシはああいうのキツイなぁ、年齢的に」 久「アンタまだあの子らと一個違いでしょうが。須賀君達、今日も秘密特訓は」 咲・京太郎「「やります!」」 まこ「おーおー、燃えとる燃えとる」 久「・・・言うと思った。それじゃ、後よろしくー」 バタン 京太郎「さぁ、咲・・・やろうぜ!」 咲「うん、いつでもいいよ京ちゃん」 東一局 京太郎「それじゃ、俺の親からだ!」 ピシッ 咲「ね、京ちゃん」 ピシッ 京太郎「なんだよ?」 ピシッ 咲「・・・優希ちゃんと、何かあったの?」 ピシッ 京太郎「麻雀で泣かせちまった。んで、タコス貰った」 ピシッ 咲「全く脈絡がないよ・・・でも、なんとなく分かった」 ピシッ 京太郎「アイツ最近めちゃくちゃ頑張ってるからな、俺ももっと頑張らないと!」 ピシッ 咲「・・・私も、頑張らなきゃ」 ピシッ 京太郎「おいおい、清澄のキャプテンが部員に遅れをとってどうすんだよ?そら、リーチだ!」 バシッ! 咲「そう・・・だねっ!」 ピシッ 京太郎「流石に一発じゃ振り込んでくれないか・・・!」 ピシッ 咲「今日は私、京ちゃんに一回たりとも振り込む気はないよ!」 ピシッ 京太郎「ああそうかよ!だったら自分でツモるだけだ!」 ピシッ 咲「京ちゃんに出来るかな?」 ピシッ 京太郎「出来なくってもやるんだよ!」 ピシッ 咲「それ、ロンっ!」 京太郎「げっ!?」 パタタタタ・・・ 咲「三暗刻、ドラ2・・・満貫、8000点だよ!」 京太郎「うお、予想と全然違う?」 咲「まだまだだねー♪」 京太郎「くっ、咲の剛運を舐めてはいけないということか」 咲「さ、次は私が親だよ!」 京太郎「っしゃこい!」 東二局 咲「~♪」 ピシッ 京太郎「えらくご機嫌だな」 ピシッ 咲「あのね、今日駅前のクレープ屋さんに新しいメニューが出たんだよ!」 ピシッ 京太郎「ほうほう、それでこれが終わったら食べに行こうと胸を躍らせてる訳ですか」 ピシッ 咲「うん!とっても美味しそうだから、ホントは皆も誘いたかったんだけど・・・忙しそうだったし。リーチ!」 パシッ 京太郎「俺でよければお伴致しますよ、姫」 ピシッ 咲「うむ、苦しゅうない!・・・なんて、京ちゃんならそう言ってくれると思ってたんだけどね」テヘ ピシッ 京太郎「じゃあ俺は咲にまんまと振り込んじまった訳だ」 ピシッ 咲「ふっ、まだまだだねー」 ピシッ 京太郎「じゃあそろそろ俺も反撃かな・・・ツモ!」ピッ パタタタタ・・・ 京太郎「門前ツモ、平和タンヤオドラ1で親から2600、子から1300点だ!」 咲「むー、京ちゃんが私のリーチをかわすなんて」 京太郎「侮り過ぎだぜ、このまま寝首を掻き切ってやる!」 咲「・・・じゃあ、これで勝った方が新クレープ奢りってことで」 京太郎「ちょっ、それお前超有利じゃ」 咲「さ、次は京ちゃんの親だよっ!」 東三局 京太郎「・・・なぁ咲」 ピシッ 咲「んー?」 ピシッ 京太郎「その新クレープっての、どんな奴なんだ?」 ピシッ 咲「『サンクチュアリ大車輪クレープ』だよ。普通のよりちょっと大きめで、色んなクリームが43種類以上入ってるの」 ピシッ 京太郎「へー・・・体脂肪」ボソッ ピシッ 咲「う゛・・・」 パチッ 京太郎「糖分、脂質、炭水化物」ボソッ ピシッ 咲「は、原村さんみたいになる可能性だって」 パチッ 京太郎「無いな。まず無い」 ピシッ 咲「京ちゃんひどーい!」 ピシッ 京太郎「大体咲は元々インドア派なんだから、あんま喰い過ぎるもんじゃねーぞ?」 ピシッ 咲「私だって甘いものくらい好きに食べたいよー」 ピシッ 京太郎「慢性的運動不足・・・リーチだ!」 バシッ 咲「その分頭使ってるからいいの!」 ピシッ 京太郎「どうだかな!」 ピシッ 咲「もう、京ちゃんの意地悪!」 ピシッ 京太郎「そこ、ロン!」 咲「えー!?」 パタタタタ・・・ 京太郎「リーチ、タンヤオのみで3900点だ!」 咲「・・・って、ドヤ顔で言う役じゃないよそれ」 京太郎「うるせえ、咲から初めて2局連続で取ったんだ。今はこれが精一杯なんだよ!」 咲「む、確かに2局連続で和了られてるね・・・」 京太郎「さぁ、連荘だ・・・このまま抉り切ってやる!」 東場三局一本場 咲「それ、ロンだよ!」 京太郎「ぐぇ!?」 パタタタタ・・・ 咲「リーチ一発三色同順ドラ1、裏ドラまでーー乗ってハネ満!12300点!」 京太郎「ぐおお、俺のリードが一瞬にして消えた・・・!?」 咲「さ、次は私の親だよ京ちゃん」 京太郎「くそ、次で倍返しだ!」 東場四局 咲「・・・っ」 ピシッ 京太郎「・・・これか!」 ピシッ 咲「んー、半分当たりかな。リーチ!」 バシンッ 京太郎「このっ!」 ピシッ 咲「京ちゃん、甘い!」 ピシッ 京太郎「じゃあ・・・これならどうだ!通らばリーチ!」 バシンッ 咲「・・・残念!それ、ロンだよ」 パタタタタ・・・ 咲「メンタンピンドラ1。満貫で11600点頂戴しますっ!」 京太郎「クソっ・・・!当たりって言ったじゃねーかよ、ハメやがったなー!」 咲「当たり牌って意味だよ、まだまだだね、京ちゃん。満貫御馳走様ですー♪」 京太郎「く、ムカつく・・・!次で三倍返しだ!」 咲「さ、連荘だよ・・・麻雀って、楽しいよね!」 京太郎「ああ、最高だ!」 その頃、部長宅 『・・・本気か?』 久「うん、本気も本気よ」 『そんなことをすれば奴さんがどうなるか・・・』 久「あの子は強いよ、多分なんとかなるわ」 『それにしたって分が悪いじゃろう』 久「分の悪い賭けはお嫌いかしら?」 『好きじゃないのう・・・そもそも、実行するのはワシなんじゃし』 久「私は好き。・・・じゃ、そういう事でよろしく」 『へいへい・・・全く、とんだ横暴部長じゃ』 駅前のクレープ屋 咲「さて京ちゃん。辞世の句は読まなくていい?」 京太郎「四局目 どうしてあれが 当たり牌」ガックリ 咲「それ川柳だよー。あ、このサンクチュアリ大車輪クレープ2人分下さい!・・・恋人割で」 店員「かしこまりましたー」 京太郎「恋人割にしてくれるのは優しさでしょうか」 咲「勝者の余裕、だよっ」 店員「お会計はお連れの彼氏様でよろしいんですか?」 京太郎「・・・はい、そうです」 店員「はい。ではお釣りを・・・」 京太郎「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ・・・予想外の出費だ」 咲「悔しいでしょう、そうでしょう」フフン 京太郎「ちなみに、あの手牌。咲だったらどうする?」 咲「今からじゃ何言っても結果論だけど・・・あの2手前にイーピン切ったので大体分かったかな」 京太郎「あー、そこか・・・くそっ」 咲「まぁまぁ、ミスをミスだと気付けることが上達への第一歩だよ」 京太郎「次は、次こそは勝ち越してやる!」 咲「京ちゃんはまずトバされないようにしないとねー」 京太郎「・・・ですねー」 店員「お待たせしましたー」 咲「あ、きたきた」 京太郎「oh、これまたジャイアントな・・・」 咲「それじゃ、いただきまーす」 京太郎「ん。ちゃんとスプーン使って、良く噛んで食えよ」 咲「そこまで子供じゃないよー・・・はい京ちゃん、あーん」スッ 京太郎「なっ!?」 咲「どうする?当たり牌だよー?」フリフリ 京太郎「ここは攻めるっ!」グワッ 咲「なんちゃって」パクッ 京太郎「ぐ・・・半分分かってたのに釣られてしまった・・・悔しい・・!」 咲「あまーい♪・・・やーい、京ちゃんのチョンボー責任払いー」ベー 京太郎「くそっ、それでも俺は自分のクレープを背筋伸ばして食べるだけだっ!」ガツガツ 咲「ちょ、行儀悪いよ」 京太郎「うるせぇ!男の期待を裏切られるより幾分マシだ!」ゲフッ 咲「あーもう、ほっぺにクリームついてるってば」フキフキ 京太郎「そこで普通に備え付けのペーパーナプキン使っちゃうあたりこの子分かってねぇなーと思います」 咲「京ちゃんの歪んだ常識なんて知りませんー」パクパク 京太郎「今日は完敗だな・・・」 咲「そうでもないよ、京ちゃん初めて2連続で和了ったんでしょ?」 京太郎「俺が完敗だと思ったら完敗なんだよ。・・・次は勝つ!」 咲「うん、その意気だよ京ちゃん!」グッ 京太郎「応援してくれる気持ちは嬉しいからクレープ持ったままガッツポーズはやめような、ちょっと飛んだぞ」ベチャ 咲「ごめんなさい」フキフキ 京太郎の家 京太郎「くそー、相変わらず強いなぁ咲の奴」 ヴーッ、ヴーッ 京太郎「メールか・・・」 【差出人:染谷まこ 件名:麻雀しようや】 【本文:自分が清澄のお荷物でないと思うなら、土曜日に駅前に来んさい・・・】 【別に逃げても責めんけんのう、安心せえよ(注:長丁場になるけぇ、親御さんには言っときんさい)】 京太郎「これは・・・・・・喧嘩売られたってことでいいんだよな?」 京太郎「長丁場?上等じゃねぇか・・・その喧嘩買ってやる!」 京太郎「よっし、グダってる暇なんかねぇ!麻雀だ!」 カチカチ 京太郎「○和、○和っと・・・ん?この【タコタコス】って・・・」 kyou おい、お前タコスか? タコタコス 見ればわかるじぇ。只今武者修行中だじぇ kyou だよな。ちょっとやろうぜ タコタコス かかってこいだじぇ 京太郎「よし、そんじゃいっちょやるか優希!」ギュッ 土曜日 京太郎「さて、駅前に来てみたはいいものの・・・」 まこ「おー来た来た。京太郎、こっちじゃぞー!」 京太郎「あ、染谷先輩。何ですかあのメール」 まこ「そりゃ、お前さんに喧嘩売っとるんじゃよ」 京太郎「・・・いいですよ、やりましょう」 まこ「ハッ、その意気やよし。さ、着いてきんさい」 京太郎「電車に乗るんですか?」 ゴォォォォォォォー 雀荘 支配人「・・・電子機器と貴重品はお預かりします」 まこ「ん」ポイッ 京太郎「は、はぁ」 まこ「さ、この奥じゃ」 ギィィィィィィィィ・・・ まこ「・・・ここじゃ」 京太郎「薄暗いとこですね」 まこ「まぁ、座れや」ドカッ 京太郎「・・・はい」ドカッ まこ「今からやる麻雀はちょいと特殊でな、先に説明しておかなきゃいかん事があるんじゃ」 京太郎「特殊?」 まこ「そう・・・耐久麻雀じゃ。簡単に言えば・・・サドンデスじゃな」 京太郎「てことは・・・」 まこ「そう、トぶまで続けるッちゅうことじゃな。場は東固定。流局は4人打ちの時と同じ、親が18枚ツモった時点で流局じゃ」 京太郎「いいですね、分かりやすいです」 まこ「4人用の卓を二人で使うからのう、ルールは基本二人のそれじゃが・・・ツモは禁止じゃ」 京太郎「・・・ツモでトぶのを防ぐ戦法を防止するためですか」 まこ「そういうこっちゃ。ま、要はワシとお前さんで25000点の奪い合いをするっちゅーわけじゃな」 京太郎「ノーガードで殴り合いッスか・・・面白そうですね!」 まこ「じゃ、始めよか」チャッ 京太郎「メガネ、外すんですか」 まこ「当然、最初からトップギアじゃ。・・・怖いか?」 京太郎「誰が!」 まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 ピシッ まこ「うん、よく鍛えられとる。咲ちゃんに感謝せんとな」 ピシッ 京太郎「・・・ありがとうございます」 ピシッ まこ「それじゃ、そろそろ行くけ・・・リーチ!」 バシンッ 京太郎(来たか・・・でも、絞れないリーチじゃない!) ピシッ まこ「・・・ほぉ」 ピシッ 京太郎「どうかしました?」 ピシッ まこ「随分とまぁ・・・怯えが無いのう」 ピシッ 京太郎「そりゃ、鍛えられてますから」 ピシッ まこ「だが、その勢いがどこまで続くかのう?」 ピシッ 京太郎「勝つまでですよ!・・・俺もリーチ!」 バシンッ まこ「ええ面構えじゃ!」 ピシッ 京太郎「染谷先輩こそ!こんな雀荘に入れるなんて知りませんでしたよ!」 ピシッ まこ「まぁな!」 ピシッ 京太郎「貰った!それロン!」 パタタタタ・・・ 京太郎「メンタンピン!3900点だ!」 まこ「おお、先手を取られてしもうた」 京太郎「このまま・・・一気に抉り取る!」 まこ「怖いのう・・・じゃが、お前さんにも存分にワシを怖がってもらうき・・・」ニタァ 京太郎「・・・・・・っ」ゾクッ 東二局 ピシッ 京太郎「くっ、違ったか」 ピシッ まこ「それ、ロンじゃ」 パタタタタ・・・ まこ「ピンフのみドラ1で2900点・・・ま、クソ役じゃな」 京太郎「それじゃ俺は倒せませんよ、染谷先輩!」 まこ「さて、どうかのう?」 東三局 ピシッ 京太郎「・・・」 ピシッ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・くっ、リーチ!」 ピシッ まこ「ああ、言い忘れとったがワシはこの耐久麻雀、負けたことないんじゃ」 ピシッ 京太郎「じゃあ俺が一人目ですね・・・光栄です!」 ピシッ まこ「だといいがのう・・・さて、これは?」 ピシッ 京太郎「・・・」 ピシッ まこ「そうよなぁ、和了れんよなぁ・・・そして今打った牌、ロンじゃ」 京太郎「ぐっ!」 パタタタタ・・・ まこ「一盃口、ドラ1で3900。連荘じゃ」 京太郎「あの、染谷先輩」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「ちょっと喉乾いたんで飲み物買って来たいんですけど・・・」ガタッ まこ「何を腕の皮の生っ白いこと言っとるんじゃ?」 京太郎「え?」 まこ「言ったろ、『この麻雀はどちらかがトぶまで終わらん』って」 京太郎「耐久麻雀って、まさか・・・」 まこ「そう。終わるまでは飯も外の空気を吸う事も喉を潤す事も寝る事も許されん麻雀じゃ!」 京太郎「・・・っ!」 まこ「ただ一つ、逃げる方法はある。・・・部屋の両隅にあるボタンの、自分側のを押せばええ。押した方の負けじゃ・・・」 まこ「尻尾巻いて無様に逃げればええ」 京太郎「誰が押すんですか、そんなボタン!」ドカッ まこ「言うと思ったわ・・・後悔するなよ?」 京太郎「しません!」 「ロンだ!」 「ロンじゃな」 「ロン!」 「それ、ロンじゃ」 「それロン!」 「ロンじゃ!」 ・ ・ ・ 10時間経過・・・東百十六局 京太郎「ハーッ、ハーッ・・・!」 まこ「・・・お前の親番じゃぞ」 京太郎(くそ、喉が渇いて死にそうだ!頭もクラクラする!しかも・・・染谷先輩が段々強くなってる!) 京太郎「俺の・・・ツモ、ですね?」 まこ「そうじゃ」 京太郎「・・・」 パシッ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「っ・・・」フラッ パシッ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 パシッ まこ「ロンじゃ」 京太郎「ぐぅっ・・・!」 まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 パシッ まこ「ロンじゃ」 京太郎「ぐぅっ・・・!」 まこ「ピンフドラ1、2900点・・・これで、またほぼ振り出しに戻ったのう」 京太郎「畜生っ・・・!負けてたまるか・・・!」 まこ「最初の威勢はどうした、京太郎?」 京太郎「今からお見せしますよ、染谷先輩・・・!」 まこ「おお好きなだけ見せとくれ、お前さんの虚勢を!」 「ロン!」 「ロンじゃ」 「・・・ロン!」 「そこもロンじゃ」 「・・・・・・っロン!」 「おいおい、勝手にバテんでくれよ・・・?ロン」 ・ ・ ・ 18時間経過:東二百十六局 京太郎(ヤバい、意識が・・・!) 京太郎「・・・」カクン まこ「京太郎、お前のツモ番じゃぞ?ふむ、寝とるな・・・むしろ今まで持っただけ褒めるべきかのう」 まこ(実力は完全に伯仲・・・いや、若干奴さんのが上とさえいえるかの) まこ「・・・支配人、目覚まし持ってこい」 『ハッ・・・』 京太郎「Zzz・・・」 支配人「・・・」スッ バシャァァァァァァァァァァァァァァァッ! 京太郎「ぐああああああああああああああああああああああああっ!?」ビクッ まこ「いい目覚ましじゃろ?バケツ大盛り一杯、55℃の熱湯じゃ・・・さ、続けるぞ」 まこ「あぁそう、これを5回浴びても起きなかった場合は強制的に負けじゃ、精々気を付けぇよ」ニタァ 京太郎(熱い!クソッ、一体何がどうなって・・・あ、そうか、俺、まーじゃんしてたんだ) 京太郎「染谷・・・まこっ・・・!」ギリッ まこ「ハッ、まるで獣の目じゃな。それじゃあワシには勝てん」 京太郎「この野郎っ!」 「ロ、ン・・・」 「ロンじゃ」 「そこもロンじゃ!」 「甘いのう、それもロンじゃ!」 「ぐがっ・・・!ロン!」 「それもロンじゃなぁ!」 ・ ・ ・ 22時間経過:東二百五十九局 京太郎「・・・」フラフラ パタッ・・・ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 パタッ・・・ まこ「京太郎、聞け。返事はせんでええ」 ピシッ 京太郎「・・・?」 パタッ・・・ まこ「今、大勢がワシにあるのは理解できるな?・・・そこで、提案じゃ」 まこ「今、あのボタンを押せばここから出してやる。あったかい飯も、冷たい水も、ふかふかの布団も好きなだけ使わせてやる」 ピシッ まこ「・・・どうじゃ?ワシとしても清澄高校唯一の男子麻雀部員のお前をこれ以上追い詰めたくない」 まこ「ここはひとつ、次に生かすための負けとして受け入れるのは」 京太郎(飯・・・水・・・布団・・・くそ、眠ぃ・・・あの、ボタンを押せば・・・) まこ「ここまでよく頑張った。お前は十分強い、もう頑張らんでもええ」 京太郎(頑張らなくても、いい・・・?)フラッ まこ(奴さん、ここまでじゃな・・・) 京太郎(ボタン・・・これを押せば、ああ、眠ぃ・・・)フラフラ 『京ちゃん!』 『悪いよ!勝手に努力を放棄して、戦う前から負けを認めてる京ちゃんなんて、とってもカッコ悪いよ!』 『京ちゃんは、いつだって頑張り屋さんだもん!』 京太郎「ふっーーーーーー」 『麻雀って……楽しいよね!』 京太郎「っっっっざけんなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」ガァンッ まこ「!?」ビクッ 京太郎「あ゛ー、やっとスッキリした・・・染谷先輩、お待たせしました。続けましょう」フラフラ まこ「おまっ、壁に思いっきり頭打ち付けるなんて何考えとるんじゃ!血がドバドバ出とるぞ!?」 京太郎「目覚ましです・・・続けましょう」 まこ「お前さん・・・最悪死ぬぞ?」 京太郎「死んだっていい、構うもんか・・・座れよ、染谷まこ。俺は、俺はまだこの勝負を降りる訳にはいかねぇんだ!」 まこ(フッ、乗り越えたか・・・久の言った通りじゃのう) まこ「あー、お前さんの覚悟はよーく分かった。じゃから勝負はここでーー」 京太郎「怖いのか?」 まこ「・・・あ゛?」 京太郎「急に喋り出したから降参すんのかと思ったら、さっきからちっとも自分のボタンに手をつけようとしねぇじゃねぇか・・・」 京太郎「それってつまり、俺が押せってこったろ?」 京太郎「俺に負けるのが、不敗伝説を破られるのがそんなに怖いのかよ・・・染谷先輩!」 まこ「人の老婆心も知らんと、随分とズケズケ言ってくれるのぉ、若造が・・・!」ゴウッ 京太郎「口つぐむのは老人だけで十分だ!」 まこ「・・・もう本気で怒った。どうなっても知らんぞこんくそガキがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 京太郎「そのくらいなきゃ勝負にならねぇよ!」 「ロンッ!」 「ロンじゃっ!」 「甘ぇよ!そこロン!」 「それもロン!」 「ロン!」 「ロン!」 「ロンだっ!・・・さぁ、連荘だぜ!」 ・ ・ ・ 24時間経過:東二百七十六局 京太郎「あ゛ー・・・クソッ」フラフラ まこ「くぅ・・・」フラッ 京太郎「・・・染谷先輩の、親だな」 まこ「ワシの分析麻雀を掻い潜った上で更に攻め込み、ここまで追い込んだ・・・認めちゃる。お前さん、大した奴じゃ」 ピシッ 京太郎「だからどうした。まだ勝負はついてねーぞ・・・!」 バシッ まこ「だがな、人間心よりも体の支配が強いんじゃ」 ピシッ 京太郎「・・・」 バシッ まこ「血を流し過ぎたのう。早くワシにトドメをささにゃ、お前さんもうじき確実にぶっ倒れるぞ」 ピシッ 京太郎「だったらっ・・・この局で和了るだけだ!」 バシンッ まこ「ああそうじゃな、今のお前さんならその力もある。実力はワシより上じゃからな、まともに打ち合えば間違いなく和了れるじゃろう」 ピシッ 京太郎「まさか、アンタ・・・!」 バシッ まこ「あぁ、お前さんの想像どおりじゃ・・・悪いが、この局はベタ降りさせてもらうき」 まこ「この耐久麻雀、如何に点数で下回っていようと最後に立っていたほうの勝ちじゃからな」 ピシッ 京太郎「ぐっ・・・!」 バシッ まこ「勝つための手段じゃ・・・卑怯とは、言わんよな?」 ピシッ 京太郎「ったりめーだろ・・・それがアンタの戦法なら、俺は喜んで挑戦する!」 バシッ まこ「須賀、京太郎か・・・お前さんと打てて楽しかったよ」 ピシッ 京太郎「その言葉は俺が勝つまでとっといた方が良いですよ、先輩・・・!」 バシッ まこ「・・・さ、次はお前さんじゃ」 ピシッ 京太郎「・・・っ」 バシッ まこ「苦しそうじゃのう」 ピシッ 京太郎「リー・・・チッ!」 バシンッ! まこ「ハッ、予言してやる。そのリーチは不発に終わるけぇ」 ピシッ 京太郎「言ってろ・・・!」フラフラ バシッ まこ「本当に・・・アホじゃのう」 ピシッ 京太郎「俺は、和了る・・・!そこ、ポン頂き!」 バシッ まこ「いーや、和了らせん!」 ピシッ 京太郎「和了る!」 バシッ まこ「絶対に和了らせん!」 ピシッ 京太郎「絶対に、和了ってみせる!それポンだ!」 バシッ まこ「ワシの誇りにかけて、この局は流す!」 まこ(和了る和了ると急に元気を取り戻しおって・・・相当和了りやすい手を持ってると見たき) ピシッ 京太郎「っ・・・!」フラッ パタッ・・・ まこ「・・・!」 ピシッ 京太郎「くっ・・・!」 パタッ・・・ まこ「そろそろ、じゃな。せめてリーチせんどけばよかったものを」 ピシッ 京太郎「うるせぇ、俺の麻雀だ・・・!」 パタッ・・・ まこ「おー、今のうちに吠えろ吠えろ。後3分もせん内にお前さんは倒れ、ワシの不敗記録は更新されるからのう」 ピシッ 京太郎「させる、かっ・・・!」 パタッ・・・ 京太郎「ぐぅっ!?・・・ぁ・・・」ドサッ まこ「・・・ついに座っても居られんくなったか。後腐れないように、早めに引導渡しちゃるけーのお」 まこ「これで・・・死にさらせやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 バシィィィィィン! 京太郎「・・・」 まこ「これで流局・・・終わりじゃな。京太郎、お前さんの負けじゃ」 ガシッ まこ「なっ!?」 京太郎「いいや・・・」 ズルッ・・・ まこ「馬鹿なっ、そんな事があるのけ!?」 京太郎「俺の・・・」 京太郎「俺の・・・勝ちだ・・・!」 バンッ 京太郎「ーーロン。混老頭、トイトイ・・・ドラ2、河底撈魚で・・・12000点、ハネ満」 京太郎「アンタの、トビ、だ・・・」ドシャッ まこ「・・・ハァ。もう呆れたわ・・・分かった分かったワシの負けじゃ」 まこ「しかしここに来て一番危なっかしい混老頭とは読めんかったな・・・」 まこ「深読みし過ぎたか、いや今回が偶然で元から読める手じゃなかったか・・・京太郎?」 京太郎「・・・・・・」ゲー まこ「うわ、こいつ寝ゲロしとる」 京太郎「・・・・・・」 まこ「ったく、締まらんなぁ・・・よいしょ」グィッ まこ「重っ・・・くそ、完全に気絶しとるなこれ」 まこ(ボタン・・・負けを認めた方が押すんじゃったな) カチッ ブーーーーーーーーーーーーーッ まこ(あ、これ、アイツとの勝負に夢中で気付かんかったけど、ワシもそろそろ・・・げん、か・・・)ドサッ ギィィィィィィィッ 支配人「・・・・・・終了いたしましたか」 支配人(ほとんど使ってない部屋とはいえ、出来れば店は汚してほしくなかったですね) 支配人(男のゲロとか一番嫌な類です) 支配人(いやマジで) とある公園 京太郎「・・・ぅおっ!?」ガバッ まこ「やーっと起きたか」 京太郎「し、勝負は!?ていうか今何時だ!?」 まこ「今は日曜の夜9時・・・勝負はお前さんの勝ちじゃ。本気で死ぬまで打つ気だったんか貴様」 京太郎「そう、か・・・俺、勝ったのか・・・ハハ」 まこ「ああ。店の中で寝ゲロした上で、かよわい女の子にゲロぶっかけよってな」 京太郎「あれ、頭の傷・・・」サスサス まこ「あれは切り傷。血が多く出ただけで、きちんと消毒すれば前髪で隠れる程度のもんじゃ」 まこ「まったく訳のわからん自傷行為に走りおって・・・」 京太郎「し、仕方ないでしょう!」 まこ「ああ、全く負けた方が何言っても遠吠えじゃあ。それじゃ、負け犬はそろそろ帰るとするけぇ」 京太郎「・・・」 まこ「・・・次は負けん」 京太郎「俺も、負ける気ないです」 まこ「勝手に言っとき。この麻雀狂いめ・・・それじゃーの」スタスタ 京太郎「ハハハ・・・って、日曜の夜9時ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」 まこ「・・・チッ」ビュンッ 京太郎「ちょっ、俺家からとんでもない数の電話とメールが来てるんですけど!?染谷先輩!?染谷まこ先輩ー!?」 京太郎の家 京太郎「あ゛ー、超絞られた・・・ただでさえ疲れてんのに」フラフラ ボフッ 京太郎「やべ、布団超気持ちいいー・・・ん?」 ピリリリリリリリリッ!ピリリリリリリリリッ! 京太郎「そうですか、後1イベント残ってましたか」 ピッ 『京ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!』 京太郎「ハーイ、こちら須賀京太郎。聞こえてるからなるべく小さな声で喋ってくれると嬉しいな」 『ふざけてる場合じゃないでしょ!』 『京ちゃんのお母さん「遅くなるとは言ってたけど、ここまで遅いなんて・・・」って本気で心配してたんだよ!?』 京太郎「あー、それについてはまた今度・・・てか普通にウチの親と会ってるんだな」 『また今度じゃないのっ!私だって・・・とっても、心配で・・・』グスッ 京太郎「・・・悪かったよ、だから泣くなって」 『・・・・・・だって、京ちゃんにメールしても全然返って来ないのなんて初めてだから、どうしたらいいかわかんなくて・・・』 京太郎「・・・咲、お前ひょっとして「京ちゃんからメールが返ってこないんです!」」 京太郎「とか言って涙目でド○モショップに駆けこんだりしてないよな?」 『・・・・・・』 京太郎「で、受付のお姉さんに苦笑されながら「ちゃんと届いてますから、安心してください」」 京太郎「とか言われて急に恥ずかしくなって赤面したりしてないよな?」 『・・・・・・京ちゃんの馬鹿っ!』 京太郎「なんだビンゴか・・・機械不信もここまで来ると特殊能力だな」 『う゛ー、人が折角心配してるのに・・・』 京太郎「咲・・・ありがとな」 『私にお礼言う前に自制心を持ってくれた方が私は嬉しいなー』 京太郎「ハイハイ、善処します。それじゃ、俺疲れてるから切るけど・・・暖かくして早めに寝ろよ」 『だから私そんなに子供じゃないってばー』 京太郎「へっ・・・それじゃー、また学校で」 『うん、また明日、学校でね!』 ピッ 京太郎「あー、疲れた」グッタリ 京太郎「・・・へっくし!」 京太郎「うわー、これ風邪引いちゃったかもなー」 京太郎「明日までに、直さねーと・・・部活に・・・」 京太郎「Zzz・・・」 翌日 ガチャッ 久「おいーっす」 京太郎「こんちはーっす」フキフキ 久「いやー、ホント須賀君が居てくれて助かるわ」 京太郎「雑用的な意味でですか?」 久「ううん。清澄高校麻雀部員的な意味よ・・・早く公式試合やってみたいでしょ?」 京太郎「そりゃそうですよ!」 久「うん、今の須賀君なら結構やれると思うわ・・・でも、一つ気になるのよねぇ」 京太郎「何ですか?」 久「いや、まだ推測の域を出ないんだけどね・・・」 咲「こんにちはー」 京太郎「お、来たなお姫様」 咲「京ちゃんこそ、今日もお掃除大義である!」 京太郎「へへーっ!」 優希「麻雀だじぇー!麻雀をさせるじぇー!」ガルルル 和「あら、今日は染谷先輩は?」 久「・・・体調不良で欠席。まぁ私の責任も多少あるけど・・・」チラッ 京太郎「!?」ドキッ 咲「?」 久「それじゃ、今日も部活始めましょうか!」 「「「「はいっ!」」」」 京太郎「今日だけ出れば、今週は明日から連休だなー」 ピシッ 咲「京ちゃん、連休中も部活来るよね?」 ピシッ 京太郎「おいおい、俺が来ないはずないだろ」 優希「・・・私も来るじぇ。京太郎だけには負けられんじぇ」 ピシッ 和「私も、というか麻雀部の皆さんは何も言わずとも全員来ると思いますが」 ピシッ 京太郎「だよなー。最近麻雀より楽しい事が見当たんねぇし」 ピシッ 咲「そうだね・・・ね、京ちゃん。『あの』アイスって言って分かる?」 ピシッ 京太郎「あのアイス?なんじゃそら」 優希「・・・!咲ちゃん、その事をどこで聞いたんだじぇ?」ピキーン パシッ 咲「噂話なんだけど、優希ちゃんも知ってるんだ?」 和「何のことです?」 ピシッ 久「ああ、アレね・・・都市伝説じゃないの?」 優希「いーや、そうとも言い切れないじぇ。手に入れるチャンスはきっとあるじぇ」 咲「あー、一回でいいから食べてみたいなぁ。ショフトクリーム」 ピシッ 京太郎「ソフトクリーム?その辺に売ってあるのを買えば・・・」 ピシッ 優希「ソフトクリームじゃないじぇ!ショフトクリームだじょ!」ドンッ バシッ 咲「それロン!三暗刻、嶺上開花、ドラ2!」 優希「ぬわーっ!京太郎のせいだじぇ!」 和「どうしてあんな低確率のものがこうポンポンと」 京太郎「ふぃー、危なかったぜ。振り込むところだった・・・そんで、そのソフトクリームは何が凄いんだ?」 優希・咲「「ショ・フ・ト!」」 京太郎「な、なんだよ・・・大して変わんねーだろ、ソフトだろうとショフトだろうと」 和「そこ、重要なとこなんですね?」 咲「うん、とっても重要だよ」 優希「ショフトクリームとソフトクリームは月とスッポン、天と地ほどの差があるじぇ」 京太郎「・・・で、そのショフトクリームは何が凄いんだ?」 久「ショフトクリームって言うのはここら辺一体で噂になってるソフトクリームでね・・・」 久「なんでもあらゆる味覚をカバー出来る極ウマアイスらしいわ」 京太郎「へー・・・」 和「まぁ、単なる噂ですね」 京太郎「だろうな。さ、次は俺の親だぜ!」 ピシッ 咲「京ちゃんには絶対振り込まないよ!」 ピシッ 優希「京太郎にだけは負けんじぇ・・・!」メラメラ ピシッ 和「全部搾り取った上でトバしてあげます・・・!」ガロロロロロ バシンッ 京太郎「お前ら・・・上等じゃねえかあああああああああああああああああああああっ!」 ・ ・ ・ 京太郎「ぶはーっ!やっと半荘終わりか」 優希「大激戦だったじぇ・・・」 和「宮永さん、流石です」 咲「えへへ・・・京ちゃんも頑張ってたと思うよ?」 京太郎「ま、タコスには勝ったからな!」 優希「ぐぅ・・・南場さえなければっ!マジで悔しいじぇ、京太郎め!・・・もう半荘やるじぇ!焼き鳥にしてやるじょ!」 京太郎「おう、上等だ!」 咲「二人とも、もう部活の時間終わりだよー」 久「んー・・・」 和「部長、どうかしました?」 久「須賀君、ちょっといい?」 京太郎「はい?」 久「例えば・・・」カチャカチャ 久「この局面だったら、どれ切る?」 京太郎「えーと、これですかね?」 ピシッ 久「・・・こりゃ重傷ね」 京太郎「へ?」 久「鴛鴦症候群とでも名付けるべきかしら・・・」 優希「重傷?京太郎の腕がアレなのは元からだじぇ、不治の病だじぇ」 京太郎「負けた奴に言われたくねーよ!」 優希「最後咲ちゃんに振り込まなけりゃ勝ってたじぇ!タイマンの成績なら私が上だじぇ!」 京太郎「あーそうかよ!なら次は文句のつけようがないようにトバしてやるよ!」 優希「こっちのセリフだじぇ!」ガルルルル 久「あー、そういうんじゃなくてね・・・須賀君、打ち方が対宮永さんに偏り過ぎなのよ」 咲「私に?」 久「ほら、部活後に宮永さんと二人っきりで麻雀の勉強してたでしょ?」 京太郎「そうですけど・・・」 和「・・・・・・」ギョリリリリリリリリ 優希「和、歯軋りでその音はヤバいじぇ、何かに目覚めてるじぇ」 久「確かに腕自体は格段に上がってるけど・・・癖がついちゃってるのよ」 咲「・・・あっ」 久「例えばさっきの局面、真っ先に槍槓狙いにいったでしょ?」 久「普通はあり得ないわ。あそこならもっと有効な手に出来たはず。でもそれをしなかったのは槍槓が一番有効だと思っているから」 優希「なんか納得できるような、出来ないようなだじぇ・・・」 久「つまり、宮永さんの相手をし過ぎたのが原因よ」 久「牌譜を見ても、ある程度宮永さんの打ち筋に似たような状況の時は全部同じような待ちをしてるわ」 咲「で、でも腕は上がってますし」 久「須賀君。これが原因で実戦に通用しなくても良いのかしら?」 京太郎「・・・っ!」 久「嫌よね。・・・でも、この癖はその可能性も考慮せざるをえないほど重度のものよ。ちょっと研究されたらすぐにバレるわ」 京太郎「どうすれば、いいんですか?」 久「簡単。癖が治るまで宮永さんと麻雀しなければいい」 京太郎「!?」 咲「そんなっ!」 優希「でも、その二人が一緒に居て麻雀をしてない場面が想像できないじぇ」 和「確かに・・・暇さえあれば、麻雀してますもんね」ギリッ 久「そこなのよねー・・・よし!重大発表!」 「「「「!?」」」」 久「須賀京太郎君。連休期間中の部停&宮永さんとの面会禁止を言い渡します!」 咲「京ちゃんが」 京太郎「俺が」 咲・京太郎「「部停の上に面会禁止!?」」 和「部長、ナイス判断です!」グッ 咲「ぶ、部長!いくらなんでも・・・」 久「私としても二人を引き裂きたくは無いんだけどねー」ニヤニヤ 咲「そ、そういうのとは違います!でもやりすぎじゃないですか!?」 久「じゃあ宮永さんに聞くけど、一日中須賀君と一緒に居て麻雀しないでいる自信ある?」 咲「う゛・・・」 久「須賀君は?」 京太郎「・・・無いッス」 久「と、言うわけよ。少しの間宮永さんと離れて強くなる方を選ぶか、それとも宮永さんとずっとやり続けて強くなれない方を選ぶか」 久「どうする?」 京太郎「・・・・・・俺は、強くなる方を選びます」 久「よく言った、それでこそ清澄麻雀部よ。宮永さんも、須賀君が覚悟決めたんだから。妻として付き合ってやりなさい」 咲「京ちゃん・・・」 京太郎「咲・・・俺、強くなりたいんだ」 咲「うん、分かってる。だから、癖が治ったらーーまた、私と麻雀してくれる?」 京太郎「ーーああ、約束する」 久「・・・いや、何も今生の別れって訳じゃないのよ?」 和(ぁぁぁイライラする・・・!)ワギャンワギャン 優希「誰か!今すぐ私の相手するじぇ!早く!早く!」メラメラメラメラ 京太郎「それじゃあ部長。俺は部停期間の間はここに来ちゃいけないんですよね?」 久「ま、そうね。・・・ちょっと耳貸してくれるかしら」 京太郎「・・・?」スッ 久「・・・龍門渕に行きなさい。話は通しといてあげるわ」ヒソヒソ 京太郎「マジですか!?」 久「それが、癖を直しつつあなたを手っ取り早く強くするには最適の手段だからね」 久「・・・前にも言ったけど、私あなたには期待してるのよ?」 京太郎「ありがとうございますっ!」 久「お礼は強くなってから言ってくれた方が嬉しいわ。・・・頑張ってきなさい」 京太郎「はいっ!」 咲「京ちゃん、なんて言われたの?」 京太郎「秘密の特訓だとさ!帰ってくる頃には咲が相手にならないレベルになってるかもしれねぇぜ?」 優希「ないじぇ」 和「そんなオカルトあり得ません」 久「それは厳しいわね」 京太郎「なんか妙に辛辣ですね皆さん」 咲「うーん、期待薄かな」 京太郎「咲まで!そこは嘘でも期待してるって言ってくれよ!」ガーン 咲「アハハ、冗談冗談。・・・それじゃあ期待してるよ?京ちゃん」 京太郎「おう、任せとけ!」 久「では、話もまとまったところで今日の部活はここまで!・・・須賀君、今日は念入りに掃除してってね」 京太郎「了解しましたっ!」 久「それじゃ、私は帰るわねー」ヒラヒラ 優希「帰ってネト麻だじぇ!休んでる暇なんかないじぇ!」 和「宮永さん、一緒に帰りません?」 咲「あ、ごめん原村さん。私京ちゃんともうちょっと話したいから」 和「・・・」イラァ 和「まぁ、連休中はずっと私のターンですし・・・別にいいか」ボソッ 咲「?」 和「いえ。それじゃあ私、先に帰ってますねー」 ガチャッ 京太郎「・・・」ウズウズ 咲「・・・」ウズウズ 京太郎「あー、駄目だ!咲と二人で居ると麻雀したくて体がウズウズする!」 咲「私もー。早く京ちゃんと麻雀したい麻雀したいっ!・・・ってなっちゃうよー」 京太郎「こりゃ部長の言ってた癖もマジっぽいな」 咲「部長さんは、ちゃんと京ちゃんの事考えてくれてるんだよね」 京太郎「ああ、まさか俺の牌譜をずっと見ててくれたとは思わなかったよ」 咲「部長さんもとっても頑張り屋さんだよね」 京太郎「ああ。あの人、表には出さねーけどな」 咲「恥ずかしいのかも?」クスッ 京太郎「かもな!」 咲「・・・明日から、しばらく京ちゃんに会えないのかぁ」 京太郎「ま、そうなるな」 咲「仕方ないけど・・・ちょっと、寂しいかも」 京太郎「ん、寂しい?」 咲「え、京ちゃんは寂しくないの?」 京太郎「だって、咲の声はいつでも聞けるし」 咲「えええええっ!?それって、どうやって」 京太郎「ヒント。お前が身につけてる唯一の電子機器ってなーんだ」 咲「あ、携帯・・・」 京太郎「そーいう事だ。会えなくても、声は聞けんだろ?」 咲「・・・うんっ!」 咲「京ちゃん、私毎日電話するからね!」 京太郎「友達が転校するかのような言い方だな」 咲「やっぱり迷惑、かな・・・?」 京太郎「・・・んなわきゃねーだろ、嬉しいよ」 咲「よかった・・・私が寂しんぼなだけかなって、ちょっと心配になっちゃったよ」 京太郎「俺は俺が居ない間に咲が機械を壊さないかが心配だよ」 咲「む・・・京ちゃんそれは失礼だよー!」 京太郎「どうだかな、俺が電話に出ないからってド○モショップに駆けこんでる絵面が目に浮かぶぜ」 咲「あれはっ・・・初めてだったから混乱しただけで、もう二度としないもん!」 咲「京ちゃん。連休中に絶対、癖治してきてね」 京太郎「あったりめーよ。任せとけって!」 咲「うーん、京ちゃんの任せとけはあんまり信用できないんだよねー」 京太郎「なにおう!?」 咲「・・・頑張れ、京ちゃん!」 京太郎「おう、頑張るぜ・・・そろそろ帰るか。送っていきますよ、咲お姫様」 咲「うむ、苦しゅうない。それじゃ、今日もエスコートよろしくね京ちゃん!」 咲宅前 京太郎「・・・じゃあな、咲」 咲「うん。また、連休明けに・・・」 京太郎「ーーーー」 咲「ーーーーっ・・・」 咲「連休明けに、絶対、麻雀しようね・・・!」 京太郎「・・・よっし!んじゃその時には咲をちょちょいっとのしてやるとするか!」 咲「ほほー、いつもちょちょいっとのされてる京ちゃんが何か言ってますなぁ♪」 京太郎「うるせぇ!絶対倒してやるからなあああああああああああああああああああああ!」ダダダダダ 咲「頑張れ、京ちゃん。・・・・・・・・・頑張れ」 部長宅 ピッ 『けほっ、けほっ・・・』 久「おー、まこ。大丈夫?」 『う゛ー・・・まぁな、ただの風邪じゃから一日休めばなんとか治るき』 久「それは重畳。で、病み上がりのとこ悪いけどまこに聞きたいことがあるのよ」 『・・・なんじゃ?』 久「龍門渕に話を通す時って、どうすればいいのかしら?」 『んなもんワシが知るかっ!』 ガチャッ 久「あー・・・うん、まぁそうなるわよね」 久「須賀君なら多分なんとかなるでしょ!・・・多分」 『なっ、何故ですの!?龍門渕にアポ無し単独の無謀な挑戦者が現れるなど前代未聞』 『それを泊めたとなれば後世に語り継がれるレベルに目立てましてよ!?』 『お前は目立つ事ばかり考え過ぎだ!もう少し自重、警戒せんか!』 京太郎「親父さん、正論だな」 一「ていうか、普通の意見だよね」 『お父様!目立ってナンボ!目立ってナンボですのよ!?』 『どうしても泊めたいのなら厄介者同士、アイツのところにでも泊めておけ!』 『~~~~っお父様は衣の事をまだ・・・話になりませんわ!勝手にそうさせて頂きます!』 『勝手にしろ!・・・まったく、どうしてこう目立ちたがるのか』 バタンッ! 透華「まったく、これだから古い人間は困るのですわ!」 京太郎「いや、親父さん至極まっとうな意見だと思うぞ」 透華「目立てない意見がまっとうな意見な訳ありませんわー!」 一「それは透華がおかしいだけだと思うな・・・僕もコイツが泊まるのは反対だし」 透華「もう、一まで!・・・着いてらっしゃい、こちらなら使っていいと『許可』が出ましたわ!」プンプン 京太郎「あれでいいのか、龍門渕家」 一「まぁ、あれでいいんだよ。・・・多分」 龍門渕邸・別館 ギィィィィィィィィッ・・・ 透華「さ、ここでしてよ」 京太郎「ここも、でけぇな・・・」 一「んー、ここはちょっとあっちとは違う理由で大きいんだよね」 京太郎「違う理由・・・?」 ???「あ、とーかー!」タタタタッ 京太郎(アイツ・・・まさかっ!) 透華「衣・・・この男が少しの間ここで暮らしますのよ」 衣「・・・コイツが?衣と一緒に暮らすのか?」 透華「ええ、そうなりますわ」 京太郎「おい、あれってーー」ヒソヒソ 一「うん、龍門渕女子麻雀部が誇る我らが大将。天江衣だよ」 京太郎「やっぱりか・・・!」 衣「ふん・・・」スンスン 京太郎「な、なんでしょうか?」 衣「あの女の匂いがするな・・・面白い。透華、この男をここに泊めることを許すぞ!」 透華「・・・でしょうね」 衣「あぁ。今夜は久しぶりに・・・楽しめそうだ」ニタァ 京太郎「っ!?」ゾクッ 衣「清澄の。・・・衣の部屋は3階の北だ、待っているぞ」スタスタ 一「あーあ、衣に気に入られちゃったね」ニヤ 透華「さて、清澄の。あなたは今晩ここに泊まってもらいますわ・・・本当は、あまりしたくないのですが」 京太郎「だったら今からでも家に」 透華「そ・れ・は・わたくしのプライドが許さないと言ってますでしょうが!」 透華「・・・それともなんですか、あなたはウチに遊びに来たんですの?」 京太郎「・・・・・・そいつは聞き捨てならねぇな。俺は、強くならなきゃいけないんだ。俺は・・・ここに麻雀しに来てんだよ!」 透華「でしたら、相手の挑発には乗るものではなくって?」 京太郎「ああ上等だ!乗ってやる、乗ってやるともよ!」 一(沸点低いなー) 透華「ふっ、あなたならそういうと思ってましたわ。・・・人が本気かどうかは、目を見れば分かりますもの」 京太郎「俺ァ決めたよ。男子麻雀部を全員倒してーー龍門渕透華!アンタに直接麻雀を申し込む!」 透華「・・・くっ、くくくっ!最高ですわ!一!聞きました!?」 透華「ここを龍門渕と知って尚!わたくしを龍門渕透華だと知って尚!闘志を滾らせて挑んでくる男がまだいましたわ!」 京太郎「あぁ、最高だ!アンタ程さっぱりとした人間は見たことねぇ!・・・この手で抉り取ってやりてぇ位にな!」 透華「その勇気、蛮勇だったと思い知らせてあげますわ!オーッホッホッホッ!」 京太郎「蛮勇が空回りするとは限らねえぜ、龍門渕の女王様ぁ!」 透華「おっと、肝心な事を忘れてましたわ。ーーあなたの名前を聞いておきましょうか」 京太郎「須賀、京太郎だ!」 透華「須賀京太郎・・・気に入りましたわ。あなた、そういう目もできるんですわね」 京太郎「アンタもな、ただの目立ちたがり屋じゃないって訳だ!」 透華「では、京太郎。・・・ここには、牌に愛された者が住んでいます」 京太郎「天江、衣か」 透華「ええ。彼女の実力は知ってますわね?」 京太郎「県大会であれだけ暴れられりゃあな」 透華「・・・彼女と麻雀するもしないも、あなたの自由ですわ」 透華「ーーただ付け加えるなら、衣は決して挑まれた勝負を拒んだりしませんわ」 京太郎「へっ、流石に良い度胸じゃねえか・・・!燃えてきたぜ!」 透華「明日の朝日が昇るまでに、あなたが麻雀を嫌いになっていない事を祈ってますわ」 京太郎「そりゃ、世界が終わるまでありえねーから安心しやがれ」 透華「ふっ・・・では明日、この場所で」 京太郎「ああ、首洗って待ってろよ!」 一(なーんか、息ぴったりだなこの二人・・・一応『人体切断マジック』用の剣研いでおくかな) 龍門渕邸・別館内 バタン 京太郎「さて、まずは」 ハギヨシ「ハギヨシと申します。須賀京太郎様、以後よろしくお願いします」 京太郎「うおっ!?」 ハギヨシ「お風呂場と食堂は一階、寝室は2階~4階のお好きな部屋をどうぞ」 ハギヨシ「分からないことがあれば、いつでもお呼び下さい。では・・・」シュッ 京太郎「今のが、執事って奴か・・・すげー」 京太郎「んじゃ、まずは飯にすっか!」 龍門渕邸・別館 食堂 京太郎「でっか・・・!」 京太郎(毎度のことながらスケールが違い過ぎんだろ、龍門渕) ハギヨシ「こちらがメニューです。鈴を鳴らして給仕係をお呼び下さい」 京太郎「あ、あぁ。どうも」 ハギヨシ「それでは」シュッ 京太郎「あの人、どこにでも来んのか・・・?」ペラペラ 京太郎(それにしても・・・) 『はんばーぐ&えびふらい(たるたるおおもり、ころもあつめ)』『おむらいす』『かれー(あまくち)』 京太郎「どうにも子供向け過ぎるメニューだなおい!」 京太郎「えーと、この鈴鳴らせばいいのか?」チリンチリン 給仕係「はい、お呼びでしょうか」 京太郎「えーと、じゃあこのカレー下さい」 給仕係「承りました」パタタタタ 京太郎「うーん・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京太郎「やっぱりこう、広すぎると手に余るっつーか、間が持たねえな。この食堂、一人用ってことはねえよな?」 ハギヨシ「この食堂は基本的に衣様一人でご利用なされます」 京太郎「っ!・・・ってまたアンタか。ホントどこにでも現れるな」 ハギヨシ「執事ですから」 京太郎「てか、一人用でこれかよ・・・」 ハギヨシ「この館は衣様の館ですから」 給仕係「お待たせしましたー」 ハギヨシ「料理が到着したようですので、私はこれで」シュッ 京太郎「消えた・・・んじゃ、食べますか」 京太郎「あー、なんつーかこれアレだわ。ファミレスの味だ」パクパク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京太郎「・・・」パクパク 京太郎「・・・」モグモグ 京太郎「・・・」パクパク 京太郎「あれ、なんか泣けてきたぞ」モグモグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京太郎「ごちそうさまでした」パンッ 京太郎「よし、次は風呂だ!」 龍門渕邸・別館 風呂 カポーン 京太郎「ふぃー・・・」 京太郎「良い湯だ・・・」 京太郎「とてつもなく良い湯だ・・・」 京太郎「・・・」 カポーン 京太郎「だあああああもう!広過ぎんだろ!こんな広い風呂に一人で居られるか!俺は天江の部屋に行くぞ!」ザパッ そのころ、龍門渕邸 透華の部屋 一「ねぇ透華」 透華「なんですの?」 一「アイツさ、どうなると思う?」 透華「・・・さぁ、分かりかねますわね」 一「だって、相手はあの衣だよ?」 透華「そうですわね」 一「明日の朝になる頃には、どうなっちゃってるのかなぁ・・・」ニタァ 透華「一。そういう事を考えるならまだしも、口に出すのはおよしなさいな」 一「はーい」 透華(でも、確かに一の言う通り・・・まぁ潰れたらそこまでですけど) 龍門渕邸・別館 3F北側の部屋前 京太郎「この扉の先に・・・」 京太郎(あの、天江衣がいるのか) 衣『そこに居るんだろう、清澄の。・・・入らないのか?』 京太郎「っ!」ブルッ 京太郎「・・・それじゃあお言葉に甘えて、入らせてもらうぞ!」 ガチャッ 衣「ようこそ、衣の部屋へーー楽しませてくれよ?」 京太郎「言われなくても!」 衣「・・・ん?」 京太郎「何だよ、俺の顔に何か付いてるか?」 衣「いや、なんでもない。さぁ始めよう、清澄の・・・サイコロ回れ―!」 コロコロ・・・ 衣「わーい、衣の親番だぁ!」キャッキャッ 京太郎(こうして見ると子供にしか見えねえな・・・) 東一局 衣「~~♪」 パシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 衣「時に清澄の。衣と相対した彼奴は息災か?」 バシッ 京太郎「咲か?ああ、元気だよ」 ピシッ 衣「そうか、それは良い。・・・まだ飽きずに遊べそうだ」 バシッ 京太郎「おいおい、今の遊び相手は俺だぜ?」 ピシッ 衣「・・・・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 衣「なぁ、清澄の」 バシッ 京太郎「何だよ?」 ピシッ 衣「選べ。二度と麻雀出来なくなる方か、それともここで何も言わずに部屋から出るか」 バシッ 京太郎「お前に勝つ方を選ぶ!」 ピシッ 衣「・・・斎斎し。お前はあまりにも乏し過ぎる、凡夫にも劣る下臈だーー今までの打牌で、衣には分かる」 バシッ 京太郎「勝手に人をランク付けしてんじゃねえ!」 バシッ 衣「三流は三流。衣が決めているんじゃない、最初から決まってるんだ」 バシッ 京太郎「っ・・・!」 バシッ 衣「現にお前は和了れていない。今までも、そしてこれからも」 バシッ 京太郎「それは、どうかなっ!」 ピシッ 衣「己の力さえ見えずか・・・見下げ果てた。最早貴様に用は無い」ギラッ バシッ 京太郎(リーチさえできないのは、初めてだなっ!)ゾクッ ピシッ 衣「この世には二種類の人間がいる。牌に愛されたものとそうでないもの」 バシッ 京太郎「ああそうかよ、それでアンタの見立てなら俺はどっち側なんだ!?」 ピシッ 衣「言わなければわからないのか?下臈・・・リーチだ」 バシッ 京太郎「分からねえな!俺は俺の力で引き当てる!」 ピシッ 衣「ここまで分からぬ凡夫が居るとはーー片腹大激痛!」ピッ バンッ 衣「ーーツモ。リーチ一発、メンゼン清一色ドラ2!・・・12000オールだ」 京太郎「んなっ・・・!?」 衣「何をしている、連荘だぞ・・・早く用意しろ」 京太郎(何だ、天江の体が、大きく・・・!?) 東一局一本場 衣「宣言してやる、下臈。お前の親番は久遠に来ず」 バシッ 京太郎「そんな麻雀があってたまるかってんだ!」 ピシッ 衣「そう、これは麻雀じゃない、だから衣も楽しくない。・・・できれば早く終わらせたい」 バシッ 京太郎「そうツレない事言うなよ、なぁ!」 ピシッ 衣「牌に最低限の愛さえ貰えぬ輩になど、少しでも期待した衣が愚かだったか・・・」 バシッ 京太郎「それは俺が決めることだっ!」 ピシッ 衣「いいや、牌が決めることだ。・・・哀れだな」 バシッ 京太郎「憐憫の情でも寄せたいってか!?」 ピシッ 衣「最早その域にすらない。お前は虫だ。・・・リーチ」 バシッ 京太郎「虫は虫で色々怖いらしいぜ、気をつけろよ!」 バシッ 衣「お前の体に微かに薫る友の匂いに賭けてみたが・・・どうやらハズレだったらしい」 パタタタタ・・・ 衣「ロン。九連宝燈、役満。48300点だ」 京太郎「役満だとっ!?」 衣「・・・牌に愛されない者とやると、こうなる。だから衣は三流が嫌いなんだ」 京太郎「くっそ・・・!」 衣「お前は月に唾を吐いた。・・・この程度で済むと思うなよ?」 京太郎「そりゃ、こっちのセリフだ・・・!」 京太郎(大丈夫、こういうのは経験済みだ。ーーだから、だから怯えないでくれ・・・俺!) 衣「・・・」ゴオッ 京太郎「っ・・・!?」 京太郎(天江の体が、なんだよ、これ・・・そんな訳ねえだろ) 京太郎(俺の体が、天江の指一本より小さいなんて・・・) 衣「さぁ、二本場だ・・・微塵も残さん」 東一局二本場 衣「・・・」 バシッ 京太郎「・・・っ」 パシッ 衣「清澄の。もうお前は終わりだーー黄泉に眠れ」 バシッ 京太郎「んなこと、俺が・・・!」 パシッ 衣「ロンッッッッッッッッッ!」ゴオッ パタタタタ・・・ 衣「一気通貫、ドラ3ーー満貫、12600点だ」 京太郎「ぐぅっ・・・!?」 衣「早く次の局の準備をしろ、衣は待つのが嫌いなんだ」 衣「・・・特に、雑魚相手にはな」 京太郎「・・・ぁ・・・!」 京太郎(クソ、クソックソックソックソックソッ!) 東一局三本場 衣「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 パシッ 衣「人には、向き不向きというものがある」 バシッ 京太郎「・・・」 パシッ 衣「清澄の、お前に麻雀は無理だ」 バシッ 京太郎「・・・」 パシッ 衣「最早、話す事も能わずかーー失望したよ」 バシッ 京太郎「負けて、たまるか・・・!」 パシッ 衣「・・・」 バシッ 『連休中に絶対、癖治してきてね』 『頑張れ、京ちゃん!』 『連休明けに、絶対、麻雀しようね・・・!』 京太郎「ここで、お前に負けてたら、俺は・・・アイツに、咲に会えないんだあああああああああああああああああああ!」 バシンッッッ 京太郎(通るっ!) 衣「・・・ロン」 パタタタタ・・・ 京太郎「ーーーーぅっ!?」 衣「ダブ東三暗刻、ドラ2。ハネ満で18900だ」 京太郎「・・・・・・」 衣「無駄だよ。どれだけ猛ろうとお前は牌に愛されることは無い。果敢無い下臈は、ここで風塵と帰すがいい」 京太郎「俺、は・・・」 衣「さ、続きをしよう。ーーお前が、壊れるまで」 東一局四本場 ・ ・ ・ 衣「ーーツモだ。満貫4300オール」 東一局五本場 ・ ・ ・ 衣「ロンだ。ハネ満で19500」 東一局六本場 ・ ・ ・ 京太郎「・・・」 パタッ 衣「ほとほと呆れかえるな・・・ロンだ。7600」 東一局七本場 ・ ・ ・ 京太郎「・・・・・・・」 パタッ 京太郎(これも、また) 衣「ロンだ。11500」 東一局八本場 ・ ・ ・ 京太郎「・・・」 パタッ・・・ 衣「・・・」ピッ 衣「ツモ。5100オールだが、八連荘ーー役満。よって16800オールだ」 京太郎「ハ、ハハ・・・ハハハハハ」 衣「これでお前はー126500点・・・もう、聞こえていないか」 京太郎「ハッハハハハハハハ!ありえねえ!ありえねえよこんなの!何が牌に愛されているだよ!アイツだって、こんな、こんなっ!」 衣「・・・ハギヨシ!」 ハギヨシ「ハッ」シュッ 衣「そこの塵芥を、部屋から追い出せ。ーーとんだ時間の無駄だった」 ハギヨシ「では、失礼します」ガシッ 京太郎「クソ、離せ!離してくれ!俺は、俺はあああああああああああああああああああああああああああ!」 衣「・・・二度と衣の前に姿を見せるな、屑」 京太郎「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だあああああああああああああああああああああああああああああ!」 京太郎「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 龍門渕邸・別館 2F南の部屋 ハギヨシ「・・・落ち着かれましたか」 京太郎「・・・」 ハギヨシ「では、私はこれで」シュッ 京太郎(何をしても、駄目だった) 京太郎(技術とか、運とか、そういう奴の外の・・・もっと遠くの) 京太郎(アレはまるでどうしようもなく大きい月みたいな、そんな) 京太郎(絶望的過ぎる、存在そのものの違い・・・) 『お前は虫だ』 京太郎「俺は、虫なのか・・・?」 『どれだけ猛ろうと、お前は牌に愛されることは無い』 京太郎「・・・」 『お前に麻雀は無理だ』 京太郎「そう、なのか・・・」 京太郎「俺、もう、麻雀・・・しない方が、いいのか・・・?」 ピリリリリリリッ 『着信:宮永咲』 京太郎「さ、き・・・」 ピッ 『あ、京ちゃん!そっちはどう?こっちは原村さんがとってもやる気でね、いつもチラチラ私の方見てくるんだ。ライバル意識なのかな?』 京太郎「・・・」 『・・・京ちゃん?聞こえてないの?』 京太郎(何話せばいいってんだ・・・俺なんかが) 『京ちゃん!京ちゃんってば!』 京太郎「月が、大きくてさ・・・」 『・・・?』 京太郎「大きすぎて、俺、もう・・・・・・・・・駄目だ」 『月っ、て・・・京ちゃん急にどうしたの?』 京太郎「ごめんな、咲。・・・これからは、和と一緒に頑張ってくれ」 『ちょっと、きょ』 ブチッ 京太郎(・・・帰ろう。俺は、ここに居る資格なんてない) 京太郎「・・・」 龍門渕邸・別館 2F廊下 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ 龍門渕邸・別館 1Fホール 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ ピリリリリリリッ 京太郎(なんだよ、咲の奴・・・) 龍門渕邸・別館 玄関 ガチャッ 京太郎(ここから出て、清澄に帰って・・・それで、終わり) 京太郎「・・・っ」 ピリリリリリリッ ピリリリリリリッ 京太郎「クソッ、うるせえんだよ!電源切るぞ!」バッ 『着信:宮永咲』 京太郎(何で・・・!) ピッ 『・・・』 京太郎「何だよ、何か用か!?」 『・・・』 京太郎「用が無いんならかけてこないでくれよ!頼むから、もう俺に構わないでくれ!」 『・・・京ちゃんの、真似だもん』グスッ 京太郎「は?」 『京ちゃんだって、私が最初に電話した時にずっと無視したんじゃない!』 京太郎「・・・だから、俺は」 『京ちゃんの、バカあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!』 京太郎「!?」ビクッ 『いいから、私の言う事を聞きなさい!!!』 京太郎(あの咲が、こんなに怒って・・・!?)バックンバックン 『返事っ!』 京太郎「は、はいっ!」 『まず、外に出て!』 京太郎「で、出ましたっ!」ダダッ 『月は出てる!?』 京太郎「そ、そりゃ満月だけど」 『月に向かって手を伸ばして!』 京太郎「・・・は?」 『いいから!早く月に向かって手を伸ばしてって言ってるんだよ!』 京太郎「何で俺が、俺はもう」 『須賀京太郎!手をっ、伸ばせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!』 京太郎「わ、分かったよ!」ピシッ 『ハァーッ、ハァーッ・・・伸ばしたら、そのまま手を握って!』 京太郎「こ、こうか?」グッ 『ほら、掴んだ!』 京太郎「・・・?」 『京ちゃん。今、月はどこにある?』 京太郎「・・・」 京太郎「あ・・・」 『ーー京ちゃんの、手の中にあるでしょ?』 京太郎「・・・・・・」 『京ちゃん。月はとっても大きいけど、手の中に掴めるんだよ。ううん、月だけじゃない』 『この世の、どんなものだって。手を伸ばせばきっと掴める』 『大きさなんて関係ない。大事なのは掴みたいって思う心、手を伸ばす心だよ』 京太郎「・・・っ・・・」 『だからね、京ちゃん。手を伸ばす前に諦めちゃダメ。手を伸ばして届かなくても諦めちゃダメ』 『何かを掴もうとするときに、距離なんて関係ないよ』 『私が、私が好きなのはっ・・・・・・・・・・・・・・・・諦めないで手を伸ばす京ちゃんだよ!』 京太郎「・・・・・・・・!」 京太郎(俺、何やってんだ・・・!) 京太郎「咲っ・・・俺っ」 京太郎「ごめんっ・・・!ごめんな・・・!」ボロボロ 『・・・・・・ばか』 京太郎「・・・」 『京ちゃんの、ばかっ。勝手に、構わないでくれとか言わないでよ・・・!』 京太郎「・・・ごめん」 『私、ホントにつらかったんだからね・・・?』グスッ 京太郎「もう、二度としねぇ」グイッ 『・・・それだけじゃ許さない』 京太郎「癖、絶対治すーーそんで、俺が帰ったら。一番に麻雀しよう」 『それでも許さないもんっ』 京太郎「それと・・・お前に、ショフトクリーム奢ってやる」 『・・・え?』 京太郎「味は何が良い?44種類のフレーバーと豊富なトッピングが魅力。らしいぜ」 『で、でもショフトクリームって誰も手に入れたことが無いって』 京太郎「・・・絶対奢るからさ、教えてくれよ。何味が良いのか」 『じゃあ、バニラかいちご・・・?』 京太郎「了解、特訓が終わったら最速で届けさせてもらうぜ。舌洗って待ってろよ」 『もう、京ちゃんってば・・・』クスッ 京太郎「ごめんな、咲。ありがとう。ーーありがとう・・・!」 『うん。・・・京ちゃん』 京太郎「何だ?」 『ーーーー麻雀、好き?』 京太郎「ーー大好きさ」 『じゃ、そんな麻雀大好き京ちゃんは私くらいちょちょいっとのしてくれるんだよね?』 京太郎「当然だろ、抉り取ってやるよ」 『どうかなー♪・・・だって京ちゃん、誰かに麻雀でボコボコにされて落ち込んでたんでしょ?』 京太郎「な、何でお前がそれを」 『だって京ちゃんだもん。そんなことだろうと思った』ハァ 京太郎「京ちゃんだもんとは何だ京ちゃんだもんとは!?」 『・・・でも、もう大丈夫だよね?』 京太郎「ああ、もう大丈夫だ・・・咲のお陰だよ」 『おやおや、将来倒す相手に助けられてるようじゃまだまだだねー♪』 京太郎「ぐぬぬ・・・見てろよ、俺はこの特訓で絶対強くなってやる!」 『その意気だよ京ちゃん。・・・頑張れっ!』 京太郎「おう、頑張るぜ!・・・首洗って待ってやがれよ、宮永咲!」 『うん!・・・それじゃ、私もう寝るね。ふぁぁ・・・』 京太郎「おやすみ、咲」 『お休み、京ちゃん』 ピッ 京太郎「ありがとな、咲・・・」パタン 京太郎「・・・」スゥーッ 京太郎「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 ビリビリビリビリッ・・・ 京太郎「よしっ、やるぞ!」パンッ ハギヨシ「・・・須賀京太郎様。もう夜ですので、あまり大声を出されると」シュッ 京太郎「あ、スンマセン・・・ハギヨシさん、でしたっけ。天江は・・・」 ハギヨシ「もうお休みになられています。須賀様ももう休まれた方がよろしいかと」 京太郎「だよな・・・ホントスンマセンでした」 ハギヨシ「いえ、では私はこれで」シュッ 京太郎「・・・よし、寝るかっ!」 京太郎(まずは、体力の回復。んでもって力付けて・・・アイツに、借りを返す!) 京太郎「待ってろよ、天江衣・・・!」 『フッ、そうか・・・ギリギリで踏みとどまったか』 ハギヨシ「はい。まだ衣様と麻雀したそうにしておりました」 『ようやく、遊び相手くらいにはなってくれるかな?』クスッ ハギヨシ「衣様、もしや」 『ああ。本当に歯牙に賭ける程の奴でもなければ、衣はあそこまで壊したりしないよ』 ハギヨシ「・・・悪い癖ですよ」 『自覚はあるよ。だが、そのおかげでようやくあの下臈・・・いや、やっと凡夫か。楽しめそうになってきたじゃないか』 ハギヨシ「衣様のお気に召す事を期待しております」 『男児三日会わざれば刮目して見よと言うしな。・・・衣もそうであってほしいと願う。さて、衣はもう寝る。切るぞ~』 ハギヨシ「はい、お休みなさいませ。衣様」 『うん、お休みハギヨシ』 翌日 龍門渕邸・別館 玄関 バンッ 透華「おはようございますわっ!」 京太郎「おう、おはよう!」 一「・・・?」 京太郎「なんだよ、俺の顔になんかついてるか?」 一「衣とやらなかったの?」 京太郎「やったよ。負けも負け、ー126500点の大負けだ!」 一(衣とやって、大負けして・・・まだ麻雀ができるだって?) 透華「あらあら、よくそこまでボコボコにされて麻雀が出来ますわね!」 京太郎「あったりめぇだろ、麻雀は楽しいんだからよ!」 京太郎「んでもってもう一つ目標が出来た。・・・俺は、天江衣に借りを返す!」ギラッ 京太郎「だからよ、龍門渕透華。アンタに頼む。もう少し・・・アイツに借りを返すまで。俺をここに泊めてくれないか!」 透華「クックククク・・・オーッホッホッホッ!その不遜!その傲慢!気に入りましたわ」 透華「やはりあなたはわたくしが見込んだ通りの人物ですわ!好きなだけ泊まっていきなさいな!」 京太郎「そりゃ何よりだ!そんじゃ、改めてよろしく頼むぜ・・・龍門渕の女王様!」スッ 透華「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ。須賀京太郎!」ガシッ 一「・・・」ムスーッ 透華「一?気分でも悪いのですか?」 一「ま、気分は悪いかな。・・・とーか、僕はちょっと野暮用があるから離れてるね」 透華「・・・?分かりましたわ。それでは、須賀京太郎。行きましょうか!」 京太郎「おうよ!」 男子麻雀部部室 バァンッ!! 男子部員「「「「「「「!?」」」」」」」 透華「道場破りでしてよっ!丁重におもてなしして差し上げなさい!」 京太郎「よろしくお願いしますっ!」 男子部員1「龍門渕さん!?」 透華「オーッホッホッホッ!この龍門渕に単騎で挑んできた愚か者に、洗礼をくれてやるのですわ!」 男子部員2「道場破りって・・・そこの清澄の奴がですか?」 透華「そうですわ!」 男子部員3「あの、勘弁してもらえませんか。俺らも暇じゃないんですよ」 透華「・・・は?」ピキッ 部長「そうです。男子の方もそろそろ大会が近いんです」 部長「清澄には悪いけど、弱小の、それも部員一人のところとやって得るものがあるとは思えません」 透華「・・・」ピキピキッ 京太郎「いや、ちょっ」 副部長「君。こんな無謀な事は止めた方がいい。実力の差は君自身が一番よく分かっているはずだ」 京太郎「はぁ!?」ビキッ 副部長「実力が開き過ぎている者同士がやったって、得るものは何もないよ」 透華「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー見損ないましたわっ!」 京太郎「あぁ全くだ!天下の龍門渕男子がこの程度とはな!」 部長「・・・何が言いたい」イラッ 京太郎「調子くれてんじゃねえって言ってんだよ、名門校さんよ!」 透華「争いに意味を求めるなど・・・愚かにも程がありますわ!」 京太郎「やりたいからやる!売られた喧嘩は買う!」 京太郎「それ以上何かいるのかよ、なぁオイ!」 副部長「・・・帰ってくれ、不愉快だ」 透華「挑戦者を無傷で返す王者がどこに居ますかっっ!!!!!!!!」 部長「龍門渕さん、ですから」 透華「あなた方は強者で、ここに挑む者が居る!それ以外に戦う理由が必要でして!?」 部長「・・・・・・」 透華「あぁもう!埒が開きませんわ!・・・部長と副部長、卓に着きなさい!」 部長「・・・本気ですか?」 副部長「なぜこんなことを・・・」 透華「京太郎!わたくしの隣に座りなさい!」 京太郎「オッケー、任せとけ女王様!」ドスッ 透華「2対2ですわ。二人の点数の合計で勝負をつけましょう」 部長「ですが、それをやるメリットが」 透華「わたくしが負けたら、麻雀部に関する権限を全て譲渡いたしますわ」 透華「・・・これでよろしいかしら、理由がなければ戦えない現実主義者さん?」フッ 副部長「・・・舐めやがって!」ピキッ 部長「・・・この勝負、受けるぞ」 副部長「ええ!ここまで言われちゃ黙ってられませんよ!」 部長(点数の合計なら、間違いなくこちらに分がある) 副部長(あの清澄を集中的に狙えば良いだけだ!) 京太郎「ヘっ、やっとやる気になってくれたか!こっちはとっくの昔に暖まってんだよ!」ギュッ 副部長「・・・潰す!」 京太郎「やれるもんならやってみやがれってんだ!」 透華「それじゃ、始めますわよ!」 コロコロコロ・・・ 透華「オーッホッホッホッ!親番、頂きましたわ!」 東一局 透華「まずは、これですわね!」 ピシッ 京太郎「それじゃ、俺はこれだ!」 ピシッ 副部長「・・・」 ピシッ 部長(アイツさえ潰せば・・・!) ピシッ ・ ・ ・ 部長「そこ、ロンだ!」 パタタタタ・・・ 部長(やはり、大した事は) 京太郎「クッソ・・・さぁ、次の局だ!」 透華「ちょっと!わたくしの親番を勝手に流さないで貰えませんこと!?」 京太郎「振り込んだものは振り込んだんだ、しょうがねーだろ!」 透華「キーッ、何ですのその横暴さは!」 京太郎「まぁ、見てろって。・・・負けねえからさ!」 東二局 ・ ・ ・ 京太郎「・・・よっし、これだ!」ピッ バンッッ! 京太郎「ツモ!3200オール!」 部長(おいおい、お前は和了っちゃダメだろ) 副部長(やはり素人・・・龍門渕さんはどうしてこんな奴に?) 透華「ふっ、見事ですわね」 京太郎「だから言ったろ、負けねぇって」 透華「・・・勝負の相手には私も含まれているのですよね?」 京太郎「ったりめーだろ。俺は麻雀しに来たんだ」 京太郎「ーーーーーーーーーーここに居る全員ブッ倒して、俺が勝つ!」 透華「その心意気、上等でしてよ!私もまったく同感ですわ!」 部長「り、龍門渕さん!?これはコンビ麻雀ですよ!?」 透華「だからどうしたというのです?」 副部長「なっ・・・」 透華「コンビかどうかなど関係ありませんわ!」 京太郎「この卓に居る奴で誰が一番強いのか・・・それを決める為に打ってるんだろうが!」 透華「目立つためには!」 京太郎「強くなるためには!」 透華・京太郎「「俺(わたくし)がトップになる以外ねーだろ(ですわっ)!」」 副部長「馬鹿だ・・・どうしようもない、大バカだ」 部長「ああ。だが、何故か羨ましい・・・」 副部長「部長!?」 部長「俺達に、あの真似が出来るか?・・・俺達は今、あんなに楽しそうに麻雀を打ってるか?」 副部長「ですが、これはコンビ戦で」 部長「悪いな、副部長。・・・俺もあんなふうに麻雀を、やってみたくなった」メラッ 副部長「・・・」 部長「清澄の。さっきは侮って悪かったよ。・・・全力で叩き潰させてもらおう!」 京太郎「やっと火が付きやがったか!そうこなくっちゃなぁ、龍門渕!」 副部長「・・・クソッ、俺ばっかりのけものにすんなってんだよおおおおおおおおおお!」メラッ 透華「ふっ、今さら燃え始めてトップまでいけるのかしら、さらさら疑問ですわ!」 「ロンだ!」 「ロンでしてよ!」 「悪いな清澄、ツモだ!」 「龍門渕さん、甘いっ!」 「っっっしゃぁ!ツモ!」 「全員私より目立つんじゃありませんわー!」 南三局 透華「ゼーッ、ゼーッ・・・」 京太郎「ハーッ、ハーッ・・・」 副部長「まさか、こんな・・・」 部長「フハハハハ!俺とお前が、南三局で3位4位に甘んじることになるとはな!」 透華「京太郎!わたくしの一位は譲りませんわ!」 京太郎「譲ってもらう気なんざさらさらねぇよ!・・・真っ向から挑んで、奪い取ってやる!」 透華(なぜかしら、この男と麻雀をやっていると心が躍りますわ) 透華(純粋に、どこまでも純粋に勝利を追い求める。・・・前しか向かない獣のように) 透華(そんな相手が今、わたくしの前に立ちはだかろうとしている・・・なんて、幸せな事でしょう!) 京太郎(龍門渕の女王様か・・・いいな、コイツ) 京太郎(誇りと美しさを兼ね備えた上で最上の勝利を目指す、か・・・気に入ったよ) 京太郎(だからこの手でアンタを叩き潰して、俺がトップになる!) 透華「まるで・・・夢の中で打ってるようですわ!」 京太郎「ああ、終わってほしくねぇな、この時間!」 部長「勝手に俺達をフェードアウトさせるなよ、清澄!」 副部長「そうだ!まだ役満がある!」 京太郎「上等だ・・・いっくぜえええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!」 透華「わたくしがトップですわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 部長「これならっ!」 バシィィィィィィンッ! 京太郎・透華「「ロンっ!!」」 京太郎「リーチタンヤオドラ2ーー満貫だ!」 透華「一盃口、清一色ーーハネ満ですわ!」 副部長「ダブロン!?マジかよ・・・!」 部長「クッソ・・・まだだ、まだ終わらせない!」 少し離れたところ 一「ね、衣」 衣「なんだ?」 一「あの清澄と麻雀したんでしょ?」 衣「ああ。これ以上ないくらいには壊したつもりだ」 一「じゃあ、アイツなんで今打てるのさ?」 衣「それは衣にも分からない。ただ・・・」 衣「彼奴、少しはマシな匂いになった」ニヤッ 衣(次は"麻雀"が出来る事を期待しているよ、凡夫) 一「ていうか、アイツあんなに強かったっけ?」 衣「いーや。彼奴は凡夫だ。ただ・・・」 一「ただ?」 衣「透華との生まれついての相性が良すぎる」 衣「お互いに争い、貪り合う事でアイツは透華のツキを引き出し、透華はアイツのツキを引き出している状態」 一「それって・・・」 衣「切磋琢磨とも言うな。最早伴侶に等しいとさえ言える」 衣(あの凡夫・・・さて、これでどこまで伸びるか) 一(僕としては、その結論には至って欲しくなかったな。・・・・・とーか、僕は) 一(僕は、透華を・・・) 透華「オーッホッホッホッ!」 京太郎「これでぇっ、トドメだあああああああああああああああああっ!」 翌日 龍門渕邸・別館 1階ホール 京太郎「さて、飯も食ったし・・・そろそろだな!」 京太郎(女王様ともやりてぇが、まずはアイツに借りを返さねえとな) 京太郎(アポを取るには・・・ハギヨシさんを呼べばいいのか?) 一「・・・待った」 京太郎「ん?あぁ、お前か」 一「国広一だってば。・・・衣のところに行く気?」 京太郎「おうよ、借りはキッチリ返す主義でね」 一「・・・じゃ、これあげるよ。さっき注いできた」 京太郎「これは・・・アイスティーか。サンキュ」ゴックゴック 京太郎「って、ぁ・・・?」フラッ ドサッ 一「ここまでアッサリ引っかかるなんて・・・・・・バッカだなぁ」 龍門渕邸・別館 地下 京太郎「くぅ・・・ここは?」 ジャラッ 京太郎(手錠!?) 一「あ、起きた?・・・その手錠、いいでしょ。僕とおそろいだよ」 京太郎「・・・まさか」 一「うん、古典的にアイスティーに睡眠薬混ぜてみたんだ♪たまげたでしょ」 京太郎「へっ・・・ペアルックの上に部屋に連れ込みかよ、応援にしては随分と気合入ってんな」 一「知らなかった?ボク、君が大嫌いなんだよ?・・・この場で殺したいくらい」 京太郎「やれるもんならやってみやがれってんだ!」 一「・・・あー、イライラする。立場をわきまえない奴って陰で嫌われるもんだよ?」 京太郎「誰に好かれるとか嫌われるとか、一々気にして生きてんのか。ご苦労なこった」 一「そうしないと生きていけないんだって。・・・君みたいになっちゃうから」 京太郎「で、応援メッセージはそれで全部か?」 一「うぅん、まだまだーーとりあえず、僕と麻雀してくれない?」 京太郎「なんだ、そういう事か・・・だったら最初から」 一「違う!」 京太郎「!?」 一「ボクはお前みたいに単純な動機で麻雀をやってるんじゃない!ーー大切な人の隣を、守りきるためだ!」 一「だから!ボクは・・・お前を排除する!」 京太郎「そうかい、そりゃ重畳!丁度こちとら貴重な時間浪費させられてむかっ腹立ってたところだよ!さぁ、さっさとやろうぜ!」 一「・・・懸けろ」 京太郎「何を!」 一「透華の隣と・・・お前の、尊厳をだ!」 京太郎「上等!正面から抉り切ってやる!」 一(潰す・・・!) 一「・・・二人しかいないし、東場のみでいいよね?」 京太郎「おうとも!」 一「じゃ、サイコロ回すよ・・・!」 コロコロコロ・・・ 一(透華・・・ボクに、力を貸して!) 京太郎「・・・親は俺だな!」 東一局 京太郎「さーって、と」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「国広、一だっけか。アンタは普通に良い人なんだと思ってたが・・・」 バシッ 一「"普段は"良い人だよ。・・・でも、賊に払う礼儀はない」 バシッ 京太郎「だろうな。・・・そんなに大事か、あの女王様が」 バシッ 一「透華になら、ボクの全てを懸けていい。いつだってそう思ってる」 バシッ 京太郎「ああそうかよ!なら・・・・・・リーチだ!」 バシンッ 一(早っ・・・それに、読めない!?) 一「くっ・・・」 ピシッ 京太郎「へっ、混乱してるな?」 バシッ 一「・・・」 ピシッ 京太郎「そこ、いっただきぃ!ロンだ!」 バンッ 京太郎「ーーリーチ、一気通貫!7700点だ!」 一「ぅ・・・」 京太郎「さ、連荘と行くか!」 東一局一本場 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「へっ・・・」 バシッ 一「・・・気持ち悪いな、急に笑わないでよ」 バシッ 京太郎「楽しいなぁ、全力でやるのは!」 バシッ 一「ボクは楽しくなんかない」 バシッ 京太郎「そりゃ、お前が本気じゃないからだよ」 バシッ 一「ボクはいつだって本気だ!」 バシッ 京太郎「どうだかな、今のお前は全然攻めてこないじゃないか」 一「・・・っ」 バシッ 京太郎「だんまりか。まぁいいけどよっ・・・っと。リーチ!」 バシンッ 一(どうする、アイツの攻め方が・・・分からない) 一(読み切れない・・・とりあえず、これで) 京太郎「・・・もし、これが倍満のアタリだったら」ボソッ 一「っ!」ゾクッ 京太郎「その時点でお前はトビだ」 一「・・・心理戦を仕掛けてるつもり?悪いけど」 京太郎「俺は嘘が苦手でね・・・馬鹿だからよ。まぁ、アレだ。その一手はよーく考えて打てよ?」 一「・・・」 一(ハッタリだ!ここで大きな当たりなんてそうそう出る訳がない!) 一(でも、何だろう・・・この牌を捨てると、胸の奥から何かが抜け出ていくような) 一(透華が離れて行っちゃうような・・・) 一(・・・怖い) 一(透華が離れていくのが、一人になるのが怖い・・・!)ブルブル 一(この牌を捨てなきゃ・・・!) 一「くっ・・!」プルプル 京太郎「・・・どうした?」 一(ダメだ、あいつの倍満がチラつく・・・負けの情景が鮮明に見える) 一(・・・打てない。ボクには打てないよ、とーか・・・) 一(今ならまだ、謝れば許して・・・) 京太郎「・・・言っとくが、謝っても許さねえぞ?」 一「っ!」 京太郎「本気の麻雀だろ?だったら、途中で降りるなんざ認めねぇよ。喧嘩と一緒さ」 京太郎「お前が売った、俺が買った!だからお前を叩き潰す!徹底的にだ!」 一「・・・・・・」 一(コイツ、本気だ・・・本気で、ボクを潰す気だ!) 京太郎「そうだな、この麻雀に勝ったら・・・女王様に進言して龍門渕の生徒にしてもらうかな」 一「なっ!」 京太郎「そんでもって部長まで登りつめて、最後にはあの女王様とタッグ麻雀で頂点取ってみるか・・・」 京太郎「あの人、俺との相性は良いみたいだからな」 一「お前・・・!」 京太郎「それが終わったら女王様はポイーだ。天江を倒しにいく。・・・言うなりゃあの人は通過点だな」 一「透華は通過点なんかじゃない!取り消せ!今すぐだ!」 京太郎「断る!・・・取り消してもらいたけりゃ、麻雀で俺を倒してみろよ!」 一「・・・!」 一(透華・・・ボクは、ボクは・・・!) 京太郎「ビビってんじゃねえぞ、国広一!」 一「お前にだけは、負けられないんだあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 京太郎「ヘッ、やっとお目覚めかよ」ゾクッ 一(透華、ボクは君のために戦う!ーーもう、迷わない!) バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「ーーロン。三色同順ドラ2、一本場で・・・8300、満貫」 京太郎「クッ・・・」 一「これでさっきの和了分は取り返させてもらったよ。さぁ、次はキミが追いつめられる番だ」 京太郎(気のせいか、アイツの声が急に冷え切ったようになったような・・・) 一(何だろう、さっきまであんなに恐ろしかったアイツが、今はただの置物にしか見えない) 一(河の流れが、見える・・・絶対に荒れることのない、ただ静かな流れが) 一(これってまるで・・・・・・そっか。ありがとう、透華) 一(透華の為に・・・この戦い、絶対に勝つから!) 東二局 一「・・・」 バシッ 京太郎(手が悪いな・・・) 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・リーチ」 バシッ 京太郎「仕掛けてきたか!・・・っ」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(なんだ、来る牌が全部かみ合わない!?) 京太郎「・・・っ」 パシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(よし、やっとまともに手が進むーー) バシッ 一「・・・ロン」 京太郎「クッ・・・!」 パタタタタ・・・ 一「リーチ、タンヤオ一盃口。7700」 京太郎「クソッ・・・」 東二局一本場 一「・・・」 バシッ 京太郎(また、随分と悪い初手だなオイ!) 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(何だ、何かおかしい・・・) 京太郎「・・・」 バシッ 一「ポン!」 バシッ 京太郎(げ、役牌か・・・それにしても) 京太郎(自由に動けねぇな・・・河に引きずりこまれたみたいだ) 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「なぁ」 一「・・・何?」 京太郎「"コレ"は・・・アンタがやってるのか?」 一「だったらどうする?」 京太郎「・・・正面からブチ抜く!」 バシッ 一「ーーロンだよ」 パタタタタ・・・ 一「役牌のみ。1本場で1800だね」 京太郎「随分とセコイ和了するじゃねぇか」 一「何とでも言えばいい。僕はもう迷わない・・・!」 京太郎「あぁそうかよっ!」 東二局二本場 一「・・・」 バシッ 京太郎(あの時のタコスみたいに安手狙いか・・・?) バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(いや、それにしては打ち筋が妙だ。まるでーー) 京太郎(今までの和了が全部フェイクみたいな・・・) バシッ 一「もう、キミは和了らせない」 バシッ 京太郎「お前が決めることじゃねぇな!」 バシッ 一「・・・リーチ」 バシンッ 京太郎「来やがったか・・・」 京太郎(今のアイツはヤバい。何としても避けなけりゃな・・・) バシッ 一「もう、誰にも・・・この流れは乱させない」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「そして尚且つ・・・大手で和了って見せる」 バシッ 京太郎「お前も随分言うじゃねえか!」 バシッ 一「キミのはハッタリだけど、ボクのはハッタリじゃない。やると決めたんだ、絶対にやる」 バシッ 京太郎「・・・っ」 バシッ 一「絶対に・・・!」 バシッ 京太郎(それにしても・・・来ねえなあ畜生!) 京太郎「・・・」 バシッ 一「ロンだ!」 バンッ 京太郎「何っ!?」 一「ーーリーチタンヤオ一盃口、ドラ1二本場・・・満貫12600!」 京太郎「クッソ・・・!」 一「ハ、ハハッ・・・」 一(凄いや、負ける気がしない!透華、これが・・・これが治水なんだね!) 一「っと、いけないいけない・・・」 一(油断するな、国広一・・・お前は透華の隣に立つんだろ!)パシッ 一(油断は死を招く。いつだって本気で) 一(だから、今は・・・) 一(今は・・・目の前のこの男を倒すことだけをーー!) 京太郎「・・・・・・せ・・・・・・・せ」ブツブツ 一「・・・次の牌準備するけど、いいかな?」 京太郎「・・・ああ」 東二局三本場 一「・・・」 一(大丈夫、河の流れは見えてる) バシッ 京太郎「・・・・・・・せ、・・・・・・・せ」ブツブツ パシッ 一(相手は心ここにあらずって感じだけど・・・油断はできない) バシッ 京太郎「思い出せ・・・思い出せ・・・」ブツブツ 京太郎(俺はどこかで知ってる、こんな状況を・・・) バシッ 一「・・・」 一(熱くなってるのかな・・・?だとしたら、チャンスだ!) バシッ 京太郎(初手は最悪、引く牌も良いとは言えず、相手は絶好調の連荘中) 京太郎「あの時も、こんな感じだったな・・・」 パシッ 一「・・・何を言ってるのか分からないけど、キミの相手はボクだよ?」 バシッ 京太郎(凄まじい相手のプレッシャー、武者震い半分、怯え半分の俺・・・) 京太郎「ハハッ・・・雀荘の時も、そうだったな」 バシッ 一「・・・リーチだ!」 バシッ 京太郎(この沈んでいく感覚。これはまるで・・・) 京太郎「・・・そうか。俺、何だかんだ言って・・・アレも楽しんでたのか」 バシッ 一「・・・これが終わったら、腕利きの頭の医者呼んであげるよ!」 バシッ 京太郎(そして・・・全身からひしひしと伝わってくる力量の差。俺は、これも知ってる) 京太郎(俺に麻雀の楽しさを教えてくれた人) 京太郎(俺の、大切な人) 京太郎(ーーーー咲) 『ーーーー麻雀、好き?』 京太郎「・・・そうか」 京太郎「勝ちも負けも全部、全部の上に・・・俺が居るんだ」 京太郎「だから、俺は・・・・・・・・・・・もっと上に!」 京太郎「俺は強くなる!全部飲み込んで、全部貪って・・・アイツを倒して!!俺が頂点に立ってみせる!!!」 バシッ 一「どのみち、キミは和了れない!」 バシッ 京太郎「もっと、もっとだ・・・!」 バシンッ 一「・・・っ」 一(いや、そんな筈はない。河の流れは、透華の治水は、絶対だ・・・) バシッ 京太郎(俺は・・・俺はまだ戦える!戦いたい!だから!) 京太郎「こいつが、こいつだけが!俺の魂だあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」 京太郎「手前如きに、抉り切れるかああああああああああああああああああああああああああああ!」 ピッ・・・・・・ バシンッ!!!!! 一「・・・・・・」 京太郎「ツモ!ーーーーーーーー国士無双!ーー親16800、子8300!」 一「・・・やるじゃん」 京太郎「人の心配より、自分の心配をしたらどうだ?」 一(何でだろ、コイツと打ってると) 京太郎「俺はこのまま、お前を潰す気でいるぜ・・・!」ゴウッ 一(楽しいっ!) 一「そりゃ、ボクも負けてられないなぁ・・・!」ゴウッ 東三局 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(おそらく、この勝負) バシッ 一(この局で決まる・・・そんな気がする) バシッ 京太郎「・・・リーチだ!」 バシシッ! 京太郎「ボクもリーチ!」 バシンッ! 京太郎「・・・国広一。アンタはただの良い人だと思ってたが、実際は選民思想と独占欲の塊みたいな人間だった」 バシッ 一「須賀京太郎。キミはどこまでも立場をわきまえない、あの透華の前でさえ・・・無礼極まりない人間だった」 バシッ 京太郎「口を開けば二言目にはとーか、とーかか。従順なこった、あの女王様が幸せなら自分の事はどうでもいいんだろうな」 バシッ 一「キミは他人をないがしろにし過ぎだね。強さだけを求めて、キミを支えてくれる人達の事は眼中にないんだろうね」 バシッ 京太郎「だが・・・嫌いじゃない」 バシッ 一「・・・同感だよ。キミのその純粋過ぎる生き方は、ボクにとっては羨ましくさえある」 バシッ 京太郎「だが!譲れないもんがある!倒したい奴が居る!」 バシッ 一「でも!守りたい場所がある!傍に居たい人が居る!」 バシッ 京太郎・一「「そのためには!」」 京太郎・一「「戦わなくちゃならない時がある!」」 京太郎「・・・気に入った、恨みっこなしだぜ」 一「上等、そっちこそ吠え面かかないでよ」 京太郎「ーーーーーーーー来いっ!」 ピッ 京太郎「・・・チッ」 バシッ 一「ボクの番だね・・・」 一(お願い、透華・・・・・・ボクに力を!) ピッ 一「ーーーーーーーーーっ」 一「くっ!」 一(違う、これじゃない!) 一(・・・!?)ゾクッ 京太郎「・・・・・・」ニヤッ 一(あの反応は・・・) 一「・・・そっか」 一(これは、キミのーー) パタッ・・・・・・・ 京太郎「ーーーーーーーーーーロンだっ!!!!!!」 バンッ! 京太郎「リーチジュンチャン三色同順一盃口ドラ1、裏がーーーー乗って、倍満!24000でお前のトビだ!」 一「・・・」 京太郎「・・・っぷはー」 京太郎(今回は、ホントにギリギリだったな・・・) 一「・・・」 京太郎「俺の、勝ちだ」 一「・・・分かってるよ」 京太郎「なら、この卓に繋がれた手を外してほしんだが」 一「・・・はい」ガチャリ 京太郎「んじゃ、俺は上に上がりたいんだが・・・階段はどっちだ?」 一「・・・・・・あっちのドア開けたとこ」 京太郎「そうかい、それじゃーな」ギィィ 一「・・・・・・ぅ」 一(ごめん、とーか・・・・・・ごめん) 一「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」ポロポロ 一(ボク、負けちゃったよ・・・) 『あー、そうだ!言い忘れてたわ!』 一「なっ、何だよ!まだ廊下に居たのか!?早くっ、いけよ!」グシグシ 『お前との麻雀、楽しかったよ』 一「ーーーーっ」 『また、やろうぜ』 一「やるに・・・決まってるだろ!首洗って待ってろよ!」 『ヘッ・・・それじゃーな、一』 一(そうだ、ボクはもう迷わない!立ち止まったりしない!) 一(誰が何と言ったって、ボクが透華の隣で支え続けてみせる!) 龍門渕邸・別館 3F北側の部屋前 京太郎「うへー、もう夕方かよ」 京太郎「だが、まだ時間はある・・・当初の目的通り、今日お前に借りを返しとかねぇとな」 京太郎「なぁ、聞いてるんだろ・・・天江衣!」 『・・・手負いで衣と雌雄を決そうなどと、片腹大激痛!』 京太郎「手負いじゃねぇ、修行してきたのさ!」 ガチャッ! 衣「フッ、ならば見せてみろ凡夫!貴様が掴んだものを!」 京太郎「言われなくても、見せつけてやるよ!俺の・・・魂を!」 衣「衣の勝ちだな、凡夫」 京太郎「・・・・・・・畜生!」ゴロン 衣「終わってみればマイナスにこそなっていないものの、まだまだ衣には程遠かったか」 京太郎「・・・しょうがねぇ、認めるよ。俺の負けだ」 衣「ああ、お前の負けだ。・・・だが、衣は楽しかったぞ。どんなに突き離されても喰らいつこうとする執念、それを可能にする気力と実力」 京太郎「えらく持ちあげるじゃねえか、憐憫か?」 衣「今回は"麻雀"が出来たからな。衣は、楽しかった・・・それだけだ」 京太郎「・・・そうかよ。俺も楽しかった・・・やっぱ全力でやり合うってのはいいな!」 衣「ま、力が違い過ぎるのはちょっともの足りないがな」クスッ 京太郎「この野郎・・・」 衣「・・・そうだ、名前を聞いてなかったな」 京太郎「あぁ、俺も丁度言っておこうと思ったところだよーー須賀、京太郎だ」 衣「須賀京太郎・・・うん、しかと刻んだぞ」 京太郎「こっちはとっくにお前の名前を刻んでるんだよ・・・」 衣「・・・なぁ、京太郎」 京太郎「なんだよ?」 衣「また、衣と麻雀してくれるか?」 京太郎「もちろん、お呼びとあらば365日24時間寝首を掻きにいってやるよ。首洗って待ってやがれ」 衣「・・・そうか、安心したよ。明日も付き合って貰いたいな」クスッ 京太郎「そりゃ重畳・・・と、もう夜か。さーて、明日は女王様に謁見でも」 ピリリリリリッ ピッ 京太郎「はい?」 『京ちゃん?まだ家に帰ってないの?』 京太郎「ああ、だって今日も泊まるし」 『・・・京ちゃん』 京太郎「何だ?」 『明日、平日だよ?』 京太郎「・・・え?」 『連休は今日で終わり。明日から普通に学校だよ?』 京太郎「あー、うん、分かった」 ピッ 京太郎「・・・なぁ、天江」 衣「?」 京太郎「明日って休みじゃないのか?」 衣「明日は学園の創立記念日だぞ?休みに決まっている」 京太郎「・・・・・・・」タラー 衣「ん?そうか、京太郎は清澄に居るんだったな」 京太郎「帰らねえと!」 衣「・・・随分せわしないな。一日位休んでもいいじゃないか」 京太郎「そうじゃねえんだ!咲と約束してるんだよ!連休終わったら一番に麻雀するって!」 衣「約束、か・・・」 京太郎「ああでもやべぇよもう夜遅すぎんよ・・・これバスあるかな」 衣「ハギヨシ!」パチン ハギヨシ「ここに」シュッ 衣「この愚か者を送ってやれ」 ハギヨシ「かしこまりました」 京太郎「・・・いいのか!?」 衣「かまわんよ。今見逃して、明日お前が死ぬわけでもないしな」 衣「だが、一つだけ約束しろ」 京太郎「・・・」 衣「次にこの龍門渕に来た時は、必ず衣とも打つと。どれだけ時間がなかろうと、だ」 京太郎「・・・あいよ」 衣「ハギヨシ!」 ハギヨシ「須賀京太郎様、行きましょう」 衣「京太郎!衣は、衣は待っているからな!・・・・・いつまでも、この海底で!」 京太郎「ああ・・・絶対、お前を倒しに行ってやる!だから、待ってろよな・・・天江衣!」ダダダダダ 衣「・・・須賀、京太郎か」クスッ ハギヨシの車の中 ハギヨシ「どこか、行っておくところはありますか?」 京太郎「あ、そうだ!あの女王様・・・じゃなくて龍門渕透華のところに行ってくれ!」 ハギヨシ「かしこまりました」 京太郎(咲・・・待ってろよ) 龍門渕邸 透華・一「「帰るぅ!?」」 京太郎「俺の連休は今日で終わりらしいからな・・・悪い、アンタとの決着はまた今度だ」 透華「キィーッ、納得いきません!いきませんが・・・約束があるなら仕方ありませんね」 一「どうしてもっていうならボク色々出来るけど・・・」ジャキン 京太郎「とりあえずその危なっかしいものをしまってくれ」 透華「・・・では、またしばらくお別れですわね」 京太郎「だな・・・」 透華「・・・・・・」ジーッ 京太郎「・・・・・・」ジーッ 一「帰るんならさっさと帰れーーーーーーーーーー!」フシャー 京太郎「っとと、すまねぇ。・・・それじゃそろそろ行くか」 透華「ええ、お気を付けて。思えばショフトクリームの時からの縁でしたわね・・・」 京太郎「・・・ん?」 一「どしたの?」 京太郎「そうだ、ショフトも買わないといけないんだった!ってもう学食開いてねー!?」 京太郎「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」 透華「・・・ハァ。落ち着きなさい!」ピッポッパ プルルルル・・・ 『はいー?』ムニャムニャ 透華「私ですわ、今すぐ学食を開けなさい!」 『とっ、ととととと透華さま!?了解いたしました!』 ピッ 透華「これで大丈夫ですわ、さっさと買って帰りなさい」 一「わーお、透華ってば横暴ー」 京太郎「・・・悪いな、恩に着る」 透華「こんな目立てるチャンスはありませんから、行動したまでのことですわ」 一「・・・京太郎。早めにまた来てね?ボクの復讐心を満たすために」 京太郎「お前の挑戦なら大歓迎だ、また熱い麻雀やろうぜ!」 京太郎「それじゃ、女王様も・・・・・・また、いつかな」 透華「・・・・・・」 ハギヨシ「そろそろよろしいですか?」 京太郎「おう!」 ブロロロロロロロ・・・ 透華「・・・また、いつか」 一「・・・ねぇ透華、透華はアレの事どう思ってるの?」 透華「・・・?」 一「・・・」 透華「もう、一ったら・・・」クスッ 透華「・・・心配しなくても、私の付き人は一以外あり得ませんわ」ギュッ 一「ち、違うよ!嫉妬とかそういうのじゃなくて!」 透華「さ、帰りましょう・・・私達の家に」 一「う、うん!」 ハギヨシの車の中 京太郎「なんとか買えたが・・・クーラーボックスまでもらっちまって、店員さんには悪い事しちまったな」 京太郎「うわ、ちょっと溶けかけてきてる!ハギヨシさん、なるべく急いで」 ハギヨシ「既に全力で飛ばしています・・・心配なさらなくても、そろそろ着きますよ」 キキーッ 京太郎「うおっ・・・っと」 ハギヨシ「では、お気をつけて」 京太郎「ああ。ハギヨシさん、ありがとな!」 ブロロロロ・・・ 京太郎「さってと・・・」スウーッ 京太郎「咲ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 咲「き、京ちゃん!?どうしたのこんな夜中に大声出して!」ゼイゼイ 京太郎「ほら、ショフト!」パカッ 咲「え、これが・・・?」ジトーッ 京太郎「まぁそういうなよ、土産話もいっぱいあるんだ!ショフトの秘密も教えてやるよ」 咲「・・・京ちゃん、頑張ったんだね」 京太郎「・・・何がだよ?」 咲「修行に行く前より、ずっと逞しくなってる・・・なんとなくだけど」 京太郎「そりゃ、お前を倒すために必死で修行してきたからな。もう癖も抜けてるぜ」 咲「ほうほう。今度こそ期待していいのかなー?」 京太郎「おう、任しとけ・・・とりあえず溶ける前にショフト食おう、味は保証するからよ」 咲「そうだね・・・はむっ」 咲「凄く・・・美味しい!でも・・・なんだかとっても普通だね、コレ」 京太郎「だろー?それが伝説になった理由が下らなくてさ・・・」 ・ ・ ・ 咲「あはははは!崩れたソフトでショフトって・・・なにそれ!」ゲラゲラ 京太郎「だろ?あんまり下らなくて、笑っちまうよな!」 咲「ひーっ、ひーっ・・・お腹痛い・・・」プルプル 京太郎「ハハハ・・・まったく下らねぇよな」 咲「ホントだよ、もう」プルプル 京太郎「・・・・・・」 咲「・・・・・・」 京太郎「咲。俺、今はまだお前には届かないかもしれないけど・・・」 咲「・・・うん」 京太郎「でも、俺はお前に勝ちたい」 咲「・・・うん」 京太郎「だからさ・・・・・・・・・これからもずっと、俺と麻雀してくれないか」 咲「えー・・・何それ京ちゃん、プロポーズー?ロマンチックさが足りない、33.4点かなー」クスクス 京太郎「なっ!評価低っ・・・ってちげーよ!別にそんなんじゃねーし!」 咲「でも、嬉しいよ。・・・とっても、嬉しい」 咲「うん。だから・・・これからも末永く京ちゃんをボコらせていただきます」ペコリ 京太郎「こんにゃろー・・・言ってろ、案外近日中に倒されるかもしれねーぞ?」 咲「そういうのは、取らぬ狸の皮算用って言うんですよー♪」 京太郎「・・・・・・なぁ、咲」 咲「・・・なに?京ちゃん」 京太郎「麻雀って、楽しいよな!」 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5657.html
6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 01 28 58.13 ID QfhWHKnU0 [1/3] プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 京太郎が入学する高校は? 安価下1 8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2014/05/02(金) 01 35 32.73 ID udxsRUa70 [1/2] 早速ハードルが高いね、安価の為なら頑張るヨ(悪寒) 京太郎「今日は臨海学園の入学式だ!」 京太郎「必死に勉強して、なんとかギリギリで合格した臨海……今年から共学になるからなんといっても女子が多い」ニヤッ そこで彼女の一人や二人…… 母「遅刻するわよーー!!」 京太郎「分かってるって!!」 京太郎「行ってきまーす!」ダッ 母「もう……東京に来て浮かれちゃってるのかしら?」 京太郎一家は家の事情で長野から東京へ引っ越しています 11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 01 48 47.12 ID MjoEDjM20 [1/5] ネリーを出します。ほら、可愛いから(暗黒微笑) 臨海高校教室 先生「それでは、三年間頑張ってください」 パチパチパチパチ 京太郎「よし、先生の話も終わったな……」 ???「隣の席だね」 京太郎「えっと……」 ネリー「ネリーって呼んでよ」 京太郎「あ、俺は須賀京太郎。京太郎って呼んでくれ」 ネリー「分かったよ、よろしく京太郎!」 京太郎「おう!よろしくな、ネリー!」 京太郎「しかし……それにしても凄い格好だな……」 ネリー「制服って物には慣れなくて……」エヘヘ 京太郎「それに顔からして……」 京太郎「もしかして、留学生か?」 ネリー「うん、そうだよ」 京太郎「って事は麻雀部か?」 ネリー「正解だね」 京太郎「麻雀部かぁ……」 ネリー「京太郎も入れば?折角日本に来て初めて友達が出来たし」 京太郎「……」 麻雀部に入る?入らない? 安価下1 14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 01 52 18.27 ID n6si+CAx0 入らない 京太郎「うーん……まだ考えさせてもらってもいいか?」 ネリー「そうなの?じゃあ見学だけでもおいでよ」グイッ 京太郎「うわぁっ……強引だなぁ」 ネリー「普通普通!」 京太郎「ったく…….咲とは正反対だな」 緊急安価ネリーの好感度と依存度は??? 安価下1 コンマで判別 ゾロ目だと……? 18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 02 01 38.42 ID jw2/+gWD0 [1/2] 外人はチョロイ ネリー(好感度・依存度89) 一目惚れで既に京太郎が好き 麻雀部 智葉「ん?ネリーか」 ネリー「早速来たよ」 京太郎「あはは……ども」 智葉「ネリー……彼は?」 ネリー「気に入ったから連れてきたよ」 智葉「迷惑はかけてないだろうな?」 ネリー「うん。それに、彼は見学だよ」 智葉「そうか……いままで麻雀部は女子だけだったから男子が入るのも新鮮で良いかも知れない。ゆっくりしていってくれ」 智葉「私は辻垣内智葉だ智葉と呼んでくれ」 京太郎「はい。よろしくお願いします智葉先輩」 智葉の好感度と依存度は? 安価下1コンマ判定 26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 10 18.58 ID MjoEDjM20 [2/5] 20 安価と依存度は100になるまで同時に上がります 20さんのコンマだったら99ゾロ目効果で200で既にMAXの極限ハードモードでした 智葉(好感度・依存度36) 先輩後輩の関係 ネリー「ほら、京太郎。ネリーと一緒に打とう!」グイグイ ダヴァン「ネリーは彼に懐いていますネ」 ハオ「あのネリーが……ね」 明華「仲睦まじいですね」 智葉「メグ。邪魔してやるなよ」 ダヴァン「当然デス!」 緊急安価 コンマ判定 ハオ、ダヴァン、明華、の好感度と依存度は? ハオ安価下1 ダヴァン安価下2 明華安価下3 33 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 18 59.25 ID iFRK0txd0 [1/2] 30さんの言う通りですね 31勿論です 中国と日本の関係を合わすかのような好感度だね(ニッコリ) 偉大なるアメリカ人はジャップを見下しマス(ゲス顔) 明華は天使(真顔) ハオ(好感度・依存度7) 眼中に無し ダヴァン(好感度・依存度21) 普通 明華(好感度・依存度81) 一目惚れ、京太郎が既に好き 京太郎「あっ!俺は須賀京太郎って言います!よろしくお願いします」 皆見事に外国の人だな……そして綺麗だし。 ハオ「ハオって呼んで」 ダヴァン「ダヴァンと呼んでくだサイ」 明華「雀明華……明華と呼んでください」ニコッ 京太郎「は、はい」ドキッ ネリー「……」ムッ 36 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 25 48.76 ID 4aVj93la0 [1/2] 智葉「京太郎は麻雀を打てるのか?」 京太郎「それが……全然」 ネリー「どうしてここに居るの?」 京太郎「お前が無理矢理連れて来たんだろ!」ガォッ ハオ「日本の麻雀なら簡単に覚えられるかも」 智葉「そうか……それじゃあ」 智葉「ここにいる三人に教えてもらおう」 智葉「丁度、臨海高校のレギュラーが全員揃っているからな」 誰が教える? 安価下1、2、3 0~20 ネリー 21~40 明華 41~60 智葉 61~80 ダヴァン 81~99 ハオ 41 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 34 53.74 ID jIoy+Xa40 [1/5] ハオ、ネリー、ダヴァンが教えます ハオ「まず、ここをこうして……」 京太郎「難しい……」 ダヴァン「いい感じデス」 ネリー「もっと頑張らないとね、麻雀部の為に」 京太郎「勝手に入れるな!」 ハオ「集中してください」 京太郎「あ、すいません……」 ダヴァン「ハオは厳しいデスネ」 ネリー「京太郎……」ボソッ 好感度・依存度上昇安価コンマ判定 ネリー 安価下1 ハオ 安価下2 ダヴァン 安価下3 0~30 10上昇 31~60 20上昇 61~99 30上昇 ゾロ目ボーナスあり 51 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 45 37.59 ID OZM3MJRt0 [1/7] ネリー(好感度MAX依存度119) 中々あやうい、チョロイ ハオ(好感度・依存度27) 普通 ダヴァン(好感度・依存度41) いい後輩デスネ 智葉「京太郎……中々筋がいいな、良ければ麻雀部に入ってくれ」 ネリー「うん。そうだね、それがいいよ。うん、それが一番。そうしよう、ね?」 京太郎「あはは……ちょ、ちょっと考えさせてください。必ず返事をしますから」 ネリーが怖い……? ダヴァン「彼はナイスガイですヨ!」 ハオ「思ったよりいい人だった」 ハオとの壁は取れたみたいだ……良かった。 智葉「よし、今日は解散にしよう」 ネリー「京太郎一緒に帰ろう?」 京太郎「あ……えっと……」 1、「すまん今日はこれから用事があるんだ」 2、「京太郎……一緒に帰ろう」(キャラ指定) 3、「いいぜ、帰ろう」(これ以上上がるのは危険) 4、自由安価 56 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 53 30.31 ID /LQX3JWd0 [1/2] 京太郎「すまん。今日は用事があるんだ」 ネリー「本当?」ジッ 京太郎「あ、ああ、本当だ」 嘘と言えば嘘になるし……本当と言えば本当だけどな。 ネリー「分かった。信じてあげる」 京太郎「悪いな、じゃあ!」ダッ ネリー「バイバーイ」 智葉「……」 ハオ「また明日……」 ダヴァン「ブラザー!また明日デス!」 明華「ふふっ……また会いましょう」フリフリ 57 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 01 10.26 ID +nOANXJZ0 [1/3] 54スカスカのシステムなので……どしどしアドバイスお願いします 55はい。基本は下1でお願いします コンビニ前の駐車場。 京太郎「はぁはぁ……!」ゼェゼェ 京太郎「なんとか逃げ切れた……?」 京太郎「嫌……どうして俺は逃げるって思ったんだ?」 京太郎「あのネリーの感じ……普通じゃない」 京太郎「なにかがおかしい……可愛いけど」 智葉「なるほど……焦ってると思ったらそういう事だったのか」 京太郎「っっ!」ビクッ 京太郎「智葉……さんどうしてここに」 智葉「様子がおかしいから気になって京太郎の後を追いかけてみただけだ。安心してくれ誰にも言わない」 智葉「ネリーの事が怖いのか?」 京太郎「す、少し」 智葉「確かに今日のネリーは様子がおかしかったな、入学前から練習に参加してた時と比べても様子がおかしい」 智葉「まるで依存しているかのようだったよ」 59 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 08 43.86 ID pgoEEnGE0 [1/7] 智葉「しかし、少しがめつい所もあるが、根はいい奴だ。良ければ仲良くしてやってもらえないか?」 京太郎「もちろんそのつもりですけど……」 智葉「安心してくれ、私が見守っているから」 京太郎「それなら百人力ですね」アハハ 智葉「どういう意味だ?」ギロッ 京太郎「いえ、これといった意味は」ビクッ 智葉「はぁ……」ヤレヤレ 智葉「そして、これだ」スッ 智葉「皆の電話番号とメールアドレスだ。許可はとってあるから登録の後でLINEを送るなりするといい」 京太郎「わざわざ気を使ってもらって……ありがとうございます」 智葉「気にしないでくれ、可愛い後輩の為だ」ニコッ 好感度・依存度上昇安価 is 智葉 0~30 10上昇 31~60 20上昇 61~99 30上昇 ゾロ目ボーナスあり 安価下1 63 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 18 28.70 ID C8xlg1WR0 [1/2] 智葉(好感度・依存度56) 可愛い後輩 奇しくも 60のコンマと同じですね ゾロ目湧きすぎ! 智葉「それじゃあ私はそろそろ帰るとしよう」 京太郎「はい。また明日」 智葉「また明日だな」スタスタ 京太郎「…….ふぅ」 京太郎「ビックリした」 京太郎「東京……都会だなぁ」 京太郎「そういえば東京には照さんも居るんだよな、近い内に挨拶しに行こう」 ーーーーー 物陰 ネリー「……」ジッ 66 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 24 19.00 ID /VJA5LA+0 [1/16] 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 (朝と昼は休日以外学校に制限されます。学校をサボるのもありです(サボるのはヤンデレから逃げる時に結構有効)他にも失踪コマンドがありますがそれはまだ後になりますね) 京太郎「さて……何をするかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「TwitterとFacebookに登録しよう」(交流が広がる) 8「自由安価」 安価下1 68 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 03 36 02.52 ID kqvnc2Vx0 [2/4] ここの京太郎は呪われています(確信) 京太郎「ネトマでもやるか」カチカチ 京太郎「ぐぬぬ」カチカチ 京太郎「意味わからん……」カチカチ 京太郎「難しい…….」カチカチ 京太郎「ネトマのランカー1位とはえらい違いだよ」トホホ (ネトマポイントが溜まりました) ネトマポイント2/10 (10まで溜まると……?) 京太郎「よし、晩御飯だ」 69 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 38 48.65 ID pBF6Dkjw0 [1/4] 夜 京太郎の部屋 京太郎「よく食べたな」 京太郎「よし、何をしようかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「TwitterとFacebookに登録しよう」(交流が広がる) 8「念の為に鍛えるか」 9「自由安価」 安価下1 72 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 54 17.63 ID pBF6Dkjw0 [2/4] 京太郎「街をうろうろするか」 ーーーー 京太郎「夜の街を歩くって中々楽しいな」 京太郎「んっ?」 京太郎「酔っ払って倒れてる人がいるな……」 京太郎「介抱しよう」 酔っ払って倒れていたのは……? 1 おもちが大きなお姉さん 2 アラサーだよ! 3 なんか不機嫌そうな人 4 ルー語 5 レジェンド 6 しらねーけど 7 カツ丼 8爺 9婆 75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 04 05 37.93 ID u7t+FEXi0 [1/3] ??「んんっおえっ……」ウプッ 京太郎「大丈夫ですか?」 ??「ん……気持ち悪い……」ウプッ 京太郎「ほら、まずは水を飲んで」 ??「飲めないよぉ……」 京太郎「飲ませますよ」クイッ ??「んっ……」ゴクゴク 京太郎「はぁ……大丈夫ですか?」 ??「ありがとうございます……少し落ち着きました」 京太郎「それなら良かった」 ??「小鍛冶健夜と言います……」 京太郎「俺は須賀京太郎っていいます高校一年生です」 健夜「わ、若い……!」ボソッ 健夜「私は一応麻雀のプロをやっています」 京太郎「あ、タメ口で大丈夫です」 健夜「そう?ありがとう。京太郎君って呼ぶね」 京太郎「はい、そうしてください」 健夜「今日は助かったよ、ありがとう」 健夜「これ、私の電話番号とメールアドレス。この名刺に書いてあるから何かあっあら呼んでね、出来る限りは手伝うよ」 ※好感度・依存度判定安価 コンマで決まります 安価下1 83 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 07 13.59 ID /LQX3JWd0 [2/2] 寝てしまってた 79 今気付きました ハオの好感度・依存度は29です 健夜(好感度・依存度54) 年下もアリ……かな? 京太郎「じゃあ俺は明日も学校なんで」 健夜「あっ……うん。今日はありがとう」 京太郎「いえいえ、おやすい御用ですよ」 健夜「本当にありがとう」 京太郎「あはは……それじゃあ」スッ 健夜「うん。バイバイ」 85 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 15 35.37 ID QfhWHKnU0 [2/3] 京太郎「よし。明日も早いしそろそろ寝るか」 prrrr 京太郎「……」カチャ 発信者 不明 誰だ? 京太郎「はい。もしもし」 ???「もしもし?」 京太郎「なんだ。ネリーか」 ネリー「うん。ネリーだよ」 電話番号……俺からは教えてないぞ。 怖いから触れるのはやめておくけど。 京太郎「どうしたんだ?こんな時間に」 ネリー「ちょっと暇だからかけてみたよ」 京太郎「ははっなんだそりゃ」 ネリー「京太郎はもう寝るの?」 京太郎「あぁ今寝る所だった」 ネリー「そうだったんだ。じゃあおやすみ」 京太郎「んっおやすみ」 プツ 一日が終了しました。 86 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 20 09.65 ID jIoy+Xa40 [2/5] ネリー「……」 ネリー「京太郎……」 ネリー「ーー京太郎」 最初はただの一目惚れだった筈なのに、どうして? どうして……こんなにも愛おしいのかな? 京太郎の事を考えれば考えるほど、胸が苦しいよ…… また明日……京太郎に会えればいいなぁ。 ふふふっ 88 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 25 31.87 ID jIoy+Xa40 [3/5] 朝 行動フェイズ チュンチュン 京太郎「朝か……」 京太郎「さて、どうしようかな」 1.登校 2.サボる 3.自由安価 安価下1 91 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 30 41.79 ID jIoy+Xa40 [4/5] 京太郎「サボるか」 京太郎「色々なしがらみから抜けるのは大事だしな」 京太郎「さて、サボって何をしようかな」 1.健夜さんに電話 2.学校の様子を覗き見 3.街をうろうろ 4.そうだ。照さんの学校に行こう 93 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 46 24.31 ID pBF6Dkjw0 [3/4] 京太郎「街をうろうろするか」 我ながら早速サボるなんてね、悪い男だ。 京太郎「よーし。街に繰り出すぞ!」 都会だからうろうろするだけでも楽しい! ーーー 京太郎「更に都会に出てみたけど」 京太郎「凄いなーこれは」 京太郎「ビルがでかい」 京太郎「さて、どうしようか」 1.アナウンサーとたまたま会う 2.明華さん?どうしてここに? 3.うろうろ 95 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 54 27.98 ID Vt4rPYRO0 京太郎「もっとうろうろするか」 折角の都会だし! 京太郎「と言ってもこれからはずっと東京だもんな」 京太郎「さて、何処に入ろうかな……って?」 京太郎「制服を着てる女の人が困っている様子だ」 どんな人? 1.長髪でクール 2.金髪 3.眼鏡をかけてる 4,つよそう 安価下3 99 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 03 20.06 ID 4aVj93la0 [2/2] 京太郎「大丈夫ですか?」 ?「え?」 京太郎「困っている様子だったので」 ?「別にこまってはないけど……」 ?「まぁナーバスって奴だね」 京太郎「俺と一緒……か」 ?「君もナーバスなの?」 京太郎「いや、少しだけ」 ?「駄目じゃん!」ケラケラ ?「名前は?」 京太郎「俺は須賀京太郎」 淡「私は大星淡」 淡「淡って呼んでね」 好感度・依存度判定安価 安価下1 104 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 15 11.20 ID kqvnc2Vx0 [3/4] 大星淡(好感度・依存度16) まぁ知り合いだね 淡「キョータローはどこの高校の人?」 京太郎「臨海だぜ」 淡「へぇ……臨界なんだ」 京太郎「何かおかしいか?」 淡「面白いね、私は白糸台なんだ」 京太郎「白糸台!?って……どこ?」 淡「……もしかして麻雀知らない?」 京太郎「誘われてはいるけど、全く知らないな」 淡「へぇ、その方がいいかも」 淡「白糸台は田舎だし知らなくて当然だよね」 京太郎「あ、田舎なんだ」 淡「東京だけど、ここと比べるとね」 淡「一緒に遊ぼう。学校サボった同士で!」 京太郎「いいぞ!」 何処に行く? 1.ゲーセン 2.ショッピング 3.ファミレス 安価下2 107 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 22 04.45 ID Muo847aO0 [1/2] 103 確かにその方が良さそうですね 次からは遭遇をコンマにします 京太郎「ゲーセン行くぞ!」 淡「いいね!」 ーーーー 京太郎「さて……どのゲームをやろうかな」 淡「……」キラキラ 京太郎「どうしたんだ?ufoキャッチャーなんか見て」 淡「あの人形可愛い……」 京太郎「あれか……よし……」 チャリン 京太郎「やってみよう」 淡「おお!チャレンジャー!」 結果は? 0~49 失敗 50~80 成功 81~99 大成功 110 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 30 55.77 ID PGlJuUAr0 [1/5] 流石ドラロー ガチャンッ 京太郎「よし!取れたぞ」 淡「凄い!キョータロー!」 京太郎「ほら、やるよ」スッ 淡「え?」 京太郎「こんな可愛い奴男が持ったって意味ないだろ?」 淡「うん……それなら……」 淡「……ありがとう」ギュッ 京太郎「ははっどういたしまして」 淡の好感度が20上がりました 京太郎「そろそろ昼だな」 淡「うん。そうだね」 行動フェイズ 昼 何処に行く? 1,白糸台 2.映画 3.臨海 4.ファミレス 安価下3 114 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 35 24.99 ID kqvnc2Vx0 [4/4] 淡「白糸台に来る?」 京太郎「え?」 淡「部活には出たいからね、キョータローは見学においでよ」 京太郎「でも、他校だからなぁ……」 淡「この私が居れば大丈夫!なんたって高校百年生だから!」 京太郎「あ……うん」トオイメ 淡「ば、馬鹿にしないでよっ///」 京太郎「よし、着いて行ってみるか」 淡「ノリが良いね!」 115 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 50 50.00 ID iFRK0txd0 [2/2] 白糸台高校 淡「……」キョロキョロ 京太郎「さっきの威勢はどうした、さっきの威勢は」 淡「入り辛い……」 京太郎「そりゃサボったんだからそうだよな」 京太郎「どうする?やめとくか?」 淡「ふん!余裕で入れるからね!」 「……」 ザッ 淡「あ……」 出て来たのは? 0~30「テルー!」 31~60「たかみ先輩!」 41~70「亦野先輩!」 71~99「菫先輩!」 119 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 57 28.08 ID udxsRUa70 [2/2] 淡「テルー!」ギュッ 照「淡……と京ちゃん?」 京太郎「照……さん?」 淡「あれ?二人とも知り合い?」 京太郎「ちょっと昔のな」 照「京ちゃん……久しぶり」 京太郎「久しぶりです照さん」 照「大きくなったね」 京太郎「まぁ、そりゃそうですよ」 ※緊急安価コンマ判定 照の好感度・依存度は? 安価下6 127 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 05 46.90 ID pgoEEnGE0 [2/7] 照(好感度・依存度57) 幼馴染だね 淡「テルーはどうしたの?練習は?」 照「今日は部活休み」 淡「え……」 京太郎「おい」 淡「じゃ、じゃあ三人で遊ぼう!」 京太郎「そうなると思ったぜ……」トホホ 何処に行く? 1.ファミレス 2.公園 3.カラオケ 安価下3 132 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 14 52.03 ID jIoy+Xa40 [5/5] 照「ファミレスに行こう。デザート」 淡「いいね、ファミレス!」 京太郎「昔からスイーツ系好きですよね……」 ーーーーー ファミレス 照「知ってる?」 淡「何をー?」 照「携帯の抽選で100名様のクーポン」 淡「詳しく」ズイッ 照「当選すると……デザート食べ放題」 照「さらに、その中の10人に当選されると銀座の高級スイーツが食べ放題……!」 淡「ダメだった……」 京太郎「はやっ!」 照「私もダメだった……」 京太郎「よし……俺も!」 好感度上昇安価 コンマ判定 0~30 失敗 31~60 成功 61~99 大成功 安価下4 133 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 15 15 07.06 ID zFG77yAF0 [4/11] はい 139 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 21 36.77 ID 8L50FlcH0 [1/2] 136そうですね、コンマの場合は直下にします 京太郎「失敗か……」 京太郎「でも、ダブルチャンスでなんとかデザート一品無料です」 照「京ちゃん……ナイス」 淡「一番大きい奴頼んで三人で食べよう!」 照と淡の好感度が10上がりました ーーーーー 照「ふぅ……おしかった」 淡「最高だったね!アレ」 京太郎「苦しい……大き過ぎる」ゲップ 京太郎「じゃあ俺、帰りますね」 照「これ……」スッ 淡「私もー!」スッ 京太郎「電話番号とメールアドレス?」 照「今日は楽しかった……また誘ってね、前みたいに」 淡「また、あそぼー!」 京太郎「おう!分かりました!」 今日は良い一日だな! 141 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 24 10.48 ID 8L50FlcH0 [2/2] このスレにコンマ神は居ないってはっきりわかんだよね 行動フェイズ 夕方 京太郎「結構帰るの遅くなったな」 京太郎「さて、何をしよう」 安価 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「TwitterとFacebookに登録しよう」(交流が広がる) 8「念の為に鍛えるか」 9「自由安価」 安価下3 146 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 32 06.02 ID RA1jWp4k0 [2/2] 息を吐くように高コンマの嵐(ドン引き) 京太郎「TwitterとFacebookって奴をやってみるか」 京太郎「よし、Twitterではキョータローで」 京太郎「Facebookでは須賀京太郎だな」 京太郎「知り合い全員フォローしとくか」 京太郎「よろしくお願いしますっ……と」 これから京太郎は自分の行動を逐一TwitterとFacebookに呟きます。 どうなるかは京太郎次第……? 京太郎「よし。登録完了!」 京太郎「おっリプライが来てる」 誰? 安価下4 今まで出会ったキャラを選択してください 153 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 39 07.19 ID PGlJuUAr0 [2/5] 有名人が高校生にリプライとかスキャンダル物ですねぇ(唖然) 京太郎「ん?」 京太郎「鍵垢にフォローされたぞ?」 京太郎「えっと……すこにゃー?」 京太郎「リプライも来てる」 すこにゃー 京太郎君? キョータロー そうですよ すこにゃー 私だよ、健夜だよ キョータロー 健夜さんでしたか、どうして鍵垢なんかを? すこにゃー 私は一応TVに出てるからね……一応 キョータロー なるほど。Twitter始めたばかりなんで、色々教えてください すこにゃー うん。お安い御用だよ 健夜の好感度が10上がりました 155 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 15 42 15.11 ID PGlJuUAr0 [3/5] 行動フェイズ 夜 京太郎「さて、何をしようかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「念の為に鍛えるか」 8「自由安価」 安価下1 157 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 46 28.94 ID QfhWHKnU0 [3/3] 安価スレはスイスイ進むから楽しいね!(作者の息抜き) 京太郎「念のため鍛えるか」 京太郎「ふんっ……」ギシッ ギシッ 京太郎「よし、今日はここまでにしよう」 肉体ポイントが上がります 46/100 100まで行くとある程度危機を回避できます。微々たる物ですが 京太郎「よし寝よう!って……」 prrrrr 電話か…… 電話の相手は? 安価下6自由安価 今まで出会ったキャラでお願いします 165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 59 49.47 ID u7t+FEXi0 [2/3] 京太郎「明華さんだ」 京太郎「もしもし」 明華『もしもし?』 京太郎「あ、明華さん」 明華『ネリーが心配していましたよ?』 京太郎「あはは……」 明華『明日は学校来てくださいね?』 京太郎「はい。分かりました」 明華『私も心配ですから……』ボソッ 京太郎「え?」 明華『っっっ///そ、それじゃあ!』プツッ 京太郎「切れちゃった……」 京太郎「寝るか、おやすみ」 一日が終了しました 166 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 06 51.71 ID pgoEEnGE0 [3/7] 好感度・依存度まとめ ネリー 好感度max 依存度119 智葉 56 明華 81 ハオ 29 ダヴァン 41 健夜 64 淡 46 照 67 ダークホースは宮永照と小鍛治健夜 智葉も怖いですねえ……戦闘能力は現在のキャラの中では最高ですから 168 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 08 38.38 ID pgoEEnGE0 [4/7] 朝 行動フェイズ 京太郎「さて……何をしよう」 1.登校 2.サボる 3.自由安価 安価下4 174 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 16 37.74 ID pgoEEnGE0 [5/7] 167次からは重要な事以外は少し減らします 京太郎「よし!学校行くか!」 ーーー 通学路 京太郎「ん?……あれは?」 「……」クルッ 振り向いて来たのは? 0~20 ネリー 21~40 明華 41~60 智葉 61~80 ダヴァン 81~99 ハオ 安価下1 177 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 22 49.94 ID pgoEEnGE0 [6/7] 愛は無限大だよ!私と京太郎は繋がっているんだ! ネリー「京太郎っ♪」クルッ 京太郎「おっネリーか、おはよう」 ネリー「昨日はどうして休んだの?」 京太郎「ははっ色々あったからさ」 ネリー「入学二日目でサボるとはいい度胸だね。自覚が足りないよ」 京太郎「あはは……すまん」 京太郎「さ、行くか」 ネリー「うんっ!」ギュッ ネリーの依存度が20上がりました 178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 25 37.43 ID bV3JuTBr0 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 37 54.04 ID PGlJuUAr0 [4/5] 京太郎「教室で時間を潰すか」 ハオ「んっ……」ガラッ 京太郎「おっ……ハオか」 ハオ「京太郎……君」 京太郎「呼び捨ててでいいよ、呼び捨てで」 京太郎「どうしてここに?」 ハオ「日本の麻雀難しい……」 ハオ「めげそうです」 京太郎「ハオ……」 安価 1.「凄いよなハオは」 2.「俺なんか全然出来ないぜ?」 3.「じゃあさ、俺にその、中国麻将?教えてくれよ 安価下2」 186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 45 42.19 ID C8xlg1WR0 [2/2] 京太郎「俺なんか全然出来ないぜ?」 ハオ「京太郎……」 京太郎「俺だって麻雀初心者」 京太郎「でもハオはもうルールを覚えて、麻雀の強豪臨海のレギュラーだろ?」 京太郎「そこまで悩む必要はないんじゃないか?」 ハオ「京太郎……」 ハオ「そうですね、私が馬鹿でした」 ハオ「もっと頑張ってみます」クスッ 好感度・依存度上昇安価 コンマ判定 0~10 11~60 61~99 安価下1 189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 50 24.40 ID MjoEDjM20 [3/5] ハオの好感度と依存度が20上がりました 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「念の為に鍛えるか」 8「自由安価」 安価下1 191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 00 25.25 ID lULVdxKn0 [1/2] 京太郎「ネトマでもするか」 京太郎「む、段々分かってきたような……?」カチカチ 京太郎「よし」 京太郎「やっとアガる事が出来た……」 ネトマポイント 4/10 全て貯まると……? 192 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 00 57.73 ID lULVdxKn0 [2/2] 行動フェイズ 夜 京太郎「何をしようかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「念の為に鍛えるか」 8「自由安価」 安価下3 197 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 05 54.68 ID MjoEDjM20 [4/5] 京太郎「もういっちょネトマだぁ!!!」 京太郎「俺はネトマの鬼になる!!」 連続ボーナス! ネトマポイント 8/10 京太郎「よし、これで完璧だ」 京太郎「俺って意外とセンスがいいのかもな」ムフフ prrrrr 京太郎「あ、電話だ」 安価下4自由安価 今までに出会ったキャラでお願いします 204 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 10 13.01 ID OZM3MJRt0 [3/7] すこやん愛されてるなぁ……流石アラフォー(真顔) 健夜「もしもし?」 京太郎「あ、もしもし?」 健夜「元気?」 京太郎「はい、元気ですけど?」 健夜「そうなんだ……京太郎君ってどこの高校に通ってるの?」 京太郎「臨海です」 健夜「臨海かぁ……へぇ……」 京太郎「?」 健夜「麻雀頑張るといいよ」プツッ すこやんの好感度・依存度が10上がりました(次からは電話でも上がります) 京太郎「切れた……寝るか」 一日が終了しました