約 243,046 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6195.html
特別編 京太郎、夢を見る 京太郎『じゃ、行ってくる』 咲『いってらっしゃい!』 京太郎『そうそう、今日は早めに帰ってこれるかもしれないわ』 咲『本当?それじゃあ京ちゃんの夕飯は好きなものにするね!』 京太郎『おう、楽しみだ。いい嫁だな、お前』 咲『京ちゃんのお嫁さんですから!!』 京太郎「……なんて夢だ……明日嫁田殴ろう」 京太郎「……それにしても……マジで嫁か……まぁ、悪くないかな」 京太郎「…………2度寝しよ」 京太郎『……綺麗だ』 和『ふふ……ありがとうございます』 京太郎『やっべ、今マジで幸せだ俺』 和『もう、気が早いですよ』 和『幸せになるのはこれからですよ?』 京太郎『……だな。これからも、よろしくな』 和『……はい。あなた』 京太郎「……ウェディングドレスの和か」 京太郎「嫁さんになったのは妄想したけどこっちは考えもしてねーよ」 京太郎「……もっかい寝よ」 優希『ほら、京太郎こっちこっち!』 京太郎『引っ張んなって……これか?お前が見たかった映画』 優希『おう!今カップルに大人気のやつだじぇ!!』 京太郎『ほー、結構混んでるだけはあるな。手ぇ離すなよ?』ギュッ 優希『うんっ!絶対離さないからな!!』 京太郎『こっちだって、せっかく捕まえた可愛い彼女を離す気はさらさらねーよ』 京太郎「……優希が恋人かよ」 京太郎「……いや、楽しそうではあるけど……砂糖吐くようなこと言ってんな夢の俺」 京太郎「…………寝た気がしねぇ、3度寝、いや4度寝だ4度寝」 『おーい、兄ちゃんこっちこっち』 京太郎『はーい、注文の品です』 まこ『ほい、お疲れさん』 京太郎『これくらい大したことないって』 『しっかしいい男捕まえたな!』 『ここも安泰だな!!』 まこ『全く、うるさい常連じゃ』 京太郎『でも、言ってることはもっともだがな』 京太郎『これからも、一緒にやっていこうな』 まこ『あぁ、この店を一緒に続けていこう』 京太郎「……染谷先輩もかぁ」 京太郎「……アレか?婿入りして店継いだのか?」 京太郎「…………なんとなく寝たらどうなるか分かるけど、寝てやる」 『決まったー!!ペア麻雀の優勝は須賀夫妻です!!』 『夫婦ならではの抜群のコンビネーションでした!!』 久『やったわね須賀くん!!』 京太郎『おいおい、もう久も”須賀”だろ?』 久『いいじゃない、今は優勝を喜びましょ』 京太郎『仕方ねーなー』 『いやー、まさか小鍛冶プロと瑞原プロのコンビに勝つとは正直驚きましたね』 『ま、愛の力って奴じゃね?知らんけど』 久『これからも2人で勝つわよ!!』 京太郎『ああ、どこまでも付いてってやるよ』 京太郎「……竹井先輩、色々すっ飛ばしてプロで活躍かよ」 京太郎「しかもコンビ打ちで優勝って……」 京太郎「…………昼寝、これくらいにして出かけるか」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2289.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1381592064/ 部室 咲「……」ペラッ ガチャ 京太郎「ウィース」 咲「京ちゃん、おはよう」 京太郎「なんだ咲だけか」 咲「みんなまだ来てないよ」 京太郎「一番最初に来たなら、部屋の掃除とかやれよ」 咲「う、うん。読みたい本があって」 京太郎「そんなのは家で読めばいいんだよ。ほら、俺の代わりに掃除しろ掃除」 咲「わかったよ。いつも京ちゃんに雑用任せっきりだもんね」 京太郎「そうそう。俺はお前らのマネージャーじゃないぞ」カチッ、ポチポチ 咲「うん。もちろんだよ。何やってるの?ゲーム?」 京太郎「ゲームだよゲーム。見りゃわかんだろ」ポチポチ 咲「最近流行ってるモンスターと戦うゲームかな?」 京太郎「そうだよ。クラスのみんなやってるぞ。やってないのはお前くらいだ」 咲「そっか……。私、ゲーム苦手だから」 京太郎「いいから、早くバケツに水くんで来い」 咲「わかった」 ビュウウウウウウ 咲「ううっ……最近、冷えて来た…」 咲「バケツに水を入れてっと」ジャーーー 咲「お、重い……うんしょ、うんしょ」プルプル 咲「学校もお湯出るといいんだけどね」キュキュ 京太郎「そんなもん俺が知るか。ちゃんと端っこまで丁寧に拭けよ。 部長は自分じゃしないくせに、いちいちうるさいんだから」ポチポチ 咲「わかってるよ。家でもやってるし大丈夫だよ」キュキュ 京太郎「家でも奴隷か。哀れなヤツだ」ポチポチ 咲「中学の時に比べたら……こんなの全然マシだよ」 30分後 京太郎「そろそろか。俺も手伝うぞ」 咲「いいの?ってもうすぐ終わるけど」 京太郎「高い所は届かないだろ?」 咲「う、うん。ありがとう」 京太郎「どう致しまして」 ガチャ まこ「今日は寒いのぉ」 久「あらま!」 京太郎「ふーむ、この汚れがなかなか落ちないんだな」キュキュ 咲「……」ペラッ まこ「京太郎が窓拭きやっとる」 久「一年生が一番最初に来て掃除とか、感動だわ!」 京太郎「別にやる事なかったから、やっただけですよ」 咲「……」ペラッ まこ「いやー、わしは感動した!京太郎が居て助かっとる」 久「ホントよねー。入部してくれてありがとう」 京太郎「俺、麻雀じゃ役に立たないっすからね///これくらい」 咲「……」ペラッ まこ「偉い!久、次期部長は京太郎とかどうじゃ?」 久「それまこが部長やりたくないからでしょ~、駄目よ。次の部長はまこ。咲の世代は知らないけど」 咲「……」ペラッ 京太郎「麻雀のルールも最近覚えたばっかりなのに俺に部長とか無理っすよー」 まこ「いやぁ、咲や優希よりだいぶいい人選じゃ。まぁ和か京太郎じゃな」 久「咲はどう思う?」 咲「京ちゃんでも和ちゃんでも清澄麻雀部を引っ張って行ってくれる素晴らしい部長になると思いますよ」ニコッ 久「まぁ二年も後の事はいいとして。まこ、部長の引き継ぎだけど」 まこ「まだあるんかい!わし、疲れたぞ」 久「先生にも挨拶しておかないとね。今なら職員室にいっぱい居るし」 まこ「荷物置くから待っとれ」 ガチャ、バタン 京太郎「俺が部長で和が副部長。これは、フラグだよな?」 咲「んー何の?」 京太郎「そりゃもうアレよアレ。部長と副部長なら……絆も深まりやすい」 咲「恋愛的な?」 京太郎「それしかないだろ。和と友情深めてどうするんだバカ」 咲「バカはひどいよ」 京太郎「友達であの爆乳揉めるのか?いや揉めない」 咲「そりゃそうだよ」 京太郎「以前、和に聞いたんだ」 京太郎『和ってどんなタイプが好きなの?』 和『はい?私のですか』 京太郎『そうそう。好きなタイプ。芸能人なんかでもいいぜ』 和『芸能人は詳しくないので……。そうですね……、好きなタイプってたまに聞かれるんですよ。雑誌のインタビューとかで』 京太郎『ごめん俺、麻雀雑誌とか読まないから』 和『たまには読んで下さいよ。勉強になる事も書いてますよ。で、私の答えですが』 和『私よりも麻雀が強い人』 京太郎「だとよ」 咲「和ちゃんらしいね。麻雀が大好きだもんね」 京太郎「麻雀で俺が和より上手くなるとか無理じゃん?」 咲「そんな事無いと思うよ。和ちゃんはデジタルだから、京ちゃんもデジタルを勉強していっぱい打ったら……」 京太郎「あー無理無理。麻雀にそんなに情熱を注ぎこむつもりはない」 京太郎「まっ三年間もあるんだ。地道にやって行くさ」 咲「付き合えるといいね」 京太郎「振られたら何のために麻雀部に入ったかわからん……。って咲、お前も協力するんだぞ?」 咲「してるよー。私、友達とか遊びに誘うの下手なのに、和ちゃんをいっぱい誘ってるよ」 京太郎「そうだな。お前が誘うと100%来るもんな。やっぱり俺、信用されてねーのか」 咲「和ちゃんは少し男性恐怖症な所があるかもしれないね」 京太郎「そうなのか?」 咲「うーん。男の子の話題とか全く食いついて来ないし……、あんまり興味も無さそう」 京太郎「付き合った事もないのか」 咲「ないって言ってたよ。私もないけど」 京太郎「お前の事なんかどうでもいいんだよ!」 咲「だよね。和ちゃんに私のオススメの漫画貸したら、あんまり良くなかったって」 京太郎「また気持ち悪い漫画貸したのか。男同士が絡んでるヤツ」 咲「……うっ」 咲「物語的には……男同士で恋愛しても変な流れじゃない漫画だし」 咲「戦国時代は男性同士で……その……よく絡んでたり…」 京太郎「変だよ。ありえないし、気持ち悪い。そして今は戦国時代じゃない」 咲「……そうかな」 京太郎「中学の時も学校に持ち込んで見つかって、その後どうなったか忘れたか?」 咲「クラス全員に無視されました」 京太郎「あの時、男子の間ではかなりヤバかったんだぞ。お前の評判」 京太郎「ホモ永ってさ」 咲「はははっ……傷つくかも。嘘、そのあだ名知ってた」 京太郎「だろうな。でも男子の方がマシじゃん?お前に何もしなかったろ」 咲「うん、特に何もされなかったよ。女子の方が陰湿だからね」 京太郎「女は怖いなぁ。やられたら倍返しだ!とか思わないの?」 咲「私には無理かな……」 咲「あの時、助けてくれた京ちゃんへの恩は忘れないつもりだよ」 京太郎「お前みたいな麻雀しか取り得の無い女に感謝されても……」 京太郎「うーん」 咲「何でもするよ」 京太郎「あぁそうだ。昨日、憩ワン見てたんだ」 咲「憩ワン?」 京太郎「格闘技のテレビ。こんな感じで闘うんだぜ」シュシュ 咲「そうなんだ」 京太郎「ちょっと蹴り技が試したい。咲、蹴らしてくれ」 咲「うんうん、蹴りたい背中だねー。ってええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!???!?!?!」 京太郎「友達には頼み辛いしさ」 咲「蹴るって……痛いよ……」カタカタ 京太郎「まぁ手加減はするさ。ってお前、もっと痛い事されてたろ?」 咲「好きでされてたわけじゃないよ」グスン 京太郎「あの時に比べたら俺の蹴りなんて屁みたいなもんだ」 咲「……そうかもしれない」 京太郎「顔を蹴るわけじゃないしさー。そうだな」 ペタペタ 咲の体中を触る京太郎 咲「んっ……///」 京太郎「尻にしよう。一番ダメージ少ないし、いい音鳴りそうだ」 咲「う、うん。それで京ちゃんが満足するなら」 京太郎「よし決まった。早速……ってほど俺はバカじゃない」 咲「え?」 京太郎「この時間だと、和や優希が来る可能性がある」 咲「うん」 京太郎「和に見られたら俺がコツコツ積み重ねてきた好感度が全部パーだ。優希も同じだ、アイツは口が軽い」 咲「じゃあ、蹴らなきゃいいんじゃ……」 京太郎「それは嫌だ。放課後にしよう」 放課後 久「じゃあ戸締りお願いね」 まこ「じゃあのー、わしCS見ないといけんし」 優希「タコス屋のスペシャルメニューが完売しちゃうじぇ」 和「今日はネトマの大会がありまして……。ログインしないと駄目なんです」 京太郎「わかったわかった。咲と二人で後片付けするから」 咲「任せて下さい」 京太郎「じゃあ、とりあえず後片付けだ。俺が一クエクリアーするまでにしろよ」ピコピコ 咲「うん」 咲「終ったよ」 京太郎「おぅ、ご苦労。咲と当番の日は助かるわ。優希とか喋るばっかりで作業が進まねぇ」 咲「他の人は?」 京太郎「和とやる時は俺も真面目にするから最短で終わるよ。 部長とやる時は時間かかるし、まこ先輩はケ○カスだから鬱陶しいし」 咲「そうなんだ。和ちゃんといる時は真面目にするんだね」 京太郎「俺が全部やるって言っても、いいですって断るんだ。いい女だよ」 京太郎「よーし、早速蹴って帰るか」ポキポキ 咲「う、うん」ドキドキ 京太郎「麻雀卓に手をつけて尻を突き出してくれ」 咲「わかったよ」バン 咲は両手で麻雀卓をしっかり掴んで、尻を突き出した 咲「い、いつでもどうぞ///」 京太郎「素足の方がダメージ少ないかな?」ヌギヌギ 京太郎「咲!俺も脱いだんだ、お前も脱がなきゃ不公平だろ?」 咲「う、うん」スルスル 咲はスカートを降ろした 京太郎「しゃああああああ!オラァ!」ズバーーーン 京太郎は勢いよく右脚を咲の尻に叩きつけた バチーーーーーーン!!!!!!!! 咲「~~~~~~~~ッッ!?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 咲「いっっっだだだだだい゛い゛い゛い゛゛い」ゴロゴロ 京太郎「わりぃわりぃ。やっぱり痛いのか?」 咲「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」ポロポロ 咲「お、お尻蹴られたはずなのに……頭が…い゛だい゛」ポロポロ 京太郎「知らねーよ。ほら、手を貸してやるから」グイッ 咲「足が震えて……上手く立てない……」ガクガク 咲「ふぅーふぅー……」 京太郎「おい、もう帰っていいか?」 咲「う、うん。先に帰ってて……ちょっと横になってから帰るから」 京太郎「そうかい。先に帰る」 京太郎「いいストレス解消になったよ。また頼むな」 咲「……まだやるの」グスン その日から京太郎は、時々咲の尻を蹴るようになった。 蹴るのが尻だったため、真っ赤に腫れ上がっても誰も気付かなかった。 そして二年と半年後くらい 大学の新歓 咲「お姉ちゃんと一緒の大学に入れてよかったよ」 菫「宮永さんと原村さんが来てくれたら、うちの部も安心だな」 照「おいピンクぅぅぅ、私の酒が飲めないのかぁ?」ヒクッ 和「いや…私、未成年ですし」 菫「お、おい照。未成年の子に飲ますなって」 照「そんなの私の勝手だろ~」フニャ 誠子「はーい、次は新一年生による隠し芸大会でーす」 和「えぇー聞いて無いですよ」 咲「困ったなぁ……芸なんて…」オロオロ 淡「ノリわるー、これだから田舎もんは……」 咲「!?」 咲(このままじゃ、私だけじゃなくて和ちゃんも仲間外れにされちゃう) 咲「すいません、Tバックお持ちの方いらっしゃいますか?」 尭深「私持ってますよ」 咲「すいません、貸して下さい。宮永咲、お尻で割り箸を割ります」 和「咲さん、何を!?」 咲「ふんっ!」 バキッ 咲ちゃんは尻圧だけで割り箸を割った 淡「ほぇー、やるじゃん」 誠子(酔ってもないのにケツを出すのか……) 尭深「いいケツしてるなぁ」ズズズ 咲は京太郎に蹴られるダメージを少なくするために尻を鍛えるのが日課になったのだ。 京太郎は和に振られて妥協で優希と付き合って幸せな日々を送っているらしい。 終わり
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2271.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1359722728/ 20xx年2月1日 ―清澄高校― 麻雀部部室 京太郎 「失礼しまーす」 久「あら、須賀くんお久しぶりね」 京太郎「久先輩お久しぶりです、今日はどうして部室に?」 久「須賀くんから部長って呼ばれないのも新鮮ねぇ」 久「今日は現部長まこのお願いでみっちり須賀くんを鍛えるわよ!!」 京太郎「だからまこ先輩居ないんですね……ところで他の3人は?」 久「他の3人も今日は来ないわよ」 京太郎「じゃあ俺一人で先輩の相手をするんですか……」 久「不満そうねぇ?」 京太郎「まさか、今日の指導よろしくお願いします」 久「うんうん、いい心構えね」 久「さぁ、ビシバシ行くから覚悟しなさい!」 久(それにしてもどのくらい時間稼げばいいのかしら?聞いとけばよかったわね) ―清澄高校の帰り道にある商店街― 優希「いくじぇいくじぇいくじぇ~」ドタドタ 和「ゆーき!!そんなに走ったらコケますよ」 まこ「相変わらず元気じゃのう」 咲「み、みんな待ってよー」 咲「今日は皆で京ちゃんの誕生日プレゼントを買いに来たんだから」 優希「ごめんだじぇ咲ちゃん」 和「それにしても明日が須賀君の誕生日だったとは、初耳です」 咲「あはは……京ちゃんあんまり自分の誕生日覚えてないから」 優希「しっかし犬も幸せものだじぇ、部活の皆からプレゼントが貰えるんだから」 和「まぁせっかくの誕生日ですから」 咲「みんなはもう誕生日プレゼントは決めた?」 優希「バッチリだじぇ」 和「同い年の男性に贈り物をするのは初めてですけど一応の目処はつけて来ました」 まこ「よし、じゃあ店を回ろうかの」 -タコス屋- 和「な、なんでタコス屋なんですか……」 タコスのおじちゃん(56)「おう!優希ちゃん待ってたぜ!」ビシッ 優希「私は今日この日のためにおじちゃんにあるお願いをしてたんだじぇ」 咲「お願い?」 おじちゃん「ふふふ、嬢ちゃんそれはな………これだよ!」ピラッ 優希「タコス無料券10枚綴り!!」 優希「私がもらって嬉しいプレゼント、第1位だじぇ!!」 おじちゃん「この店だけでしか使えない特別仕様よ!優希ちゃんにだけの限定サービスだぜ」 優希「これを受け取ったらあの犬も涙を流して喜ぶはずだじぇ」 咲「あはは……優希ちゃんらしいというかなんというか」 咲「でもとってもいい誕生日プレゼントだと思うよ!」 優希「ここのタコスは私の中でも1、2を争う名店だじぇ」 おじちゃん「優希ちゃん、なんて嬉しいこと言ってくれるんだ!おじちゃん涙が出てくるよ」 優希「へへ///おじちゃんにはお世話になってるから…」 和「それでは次のお店に向かいますか?」 優希「そうするじぇ、おじちゃ~んありがとー」フリフリ おじちゃん「おーう優希ちゃんこれからもご贔屓にな~」フリフリ まこ「さて、じゃあ次はどこに向かうかのぅ」 和「たしか雑貨屋さんがこの近くにあったと思います」 咲「なら次は雑貨屋さんだね」 -雑貨屋- 咲「和ちゃんは誕生日プレゼントはどんなものにしたの?」 和「私は須賀君の趣味はよくわからないので実用的なものにしようと思ってます」 和「とりあえずフォトフレームかボールペンでしょうか」 まこ「ふむ、ボールペンならこのエトペンがモデルになったやつなんかどうじゃ」 和「あっ、それ自分用に欲しいですね」 咲「和ちゃんなんのために雑貨屋にきたの…」 優希「んっ……あれは………」トトト 咲「京ちゃんにはこのパーカーのボールペンなんかどうかな?」 和「そうですね……値段もそれなりですしこれにしましょうか」 優希「咲ちゃん咲ちゃん」ポンポン 咲「どうしたの優希ちゃ………」 優希「ドヤァ……………」ハナメガネ 咲「プッ………ってあわわわ」グラグラ まこ「おっと、こんなところでコケんでくれよ」ガシッ 咲「あわわ、染谷先輩ありがとうございます……」 和「ゆーき!!」 優希「咲ちゃんごめーんだじぇ」 咲「あはは………優希ちゃん今日は勘弁しないよ!」ゴッ 優希「ダッシュでにげるじぇ~」 まこ「まったく、何やっとるんじゃあの二人は」 和「丁度いいですし、このボールペンの精算してきますね」 まこ「おう、行ってこい………ってそのエトペンボールペンも買うんじゃな」 和「………///」 -本屋- まこ「次は本屋か……ここで買うのは?」 咲「はい!私です」 和「本……ですか?須賀君はあまり読書家には見えませんけど」 優希「犬はバカだからなぁ」 咲「読書用の本じゃなくて、麻雀教本を買ってあげようと思って」 咲「最近京ちゃんも頑張って練習してるし」 和「麻雀教本だと……………このコーナーですか」 『振り込まない麻雀の鉄則:著 大沼秋一郎』 『都内のカツ丼名店集vol1:著 藤田靖子』 『牌のお姉さんが教える-ここから覚える麻雀!-:著 瑞原はやり』 『中級者必携 手配の育て方全集:著 三尋木咏』 『年下の男の子を落とす100の方法:著 小鍛治健夜』 和「なんというか……ここに置いていてはいけないものがいくつかあるような……」 まこ「藤田プロのこれはグルメ雑誌かなにかかのぅ」 和「それにものすごく役に立ちそうにない雑誌が………どれとは言いませんけど」 優希「それで咲ちゃん、この中のどれにするんだじぇ?」 和「初心者向けは瑞原プロですが、最近の須賀君向けとなると……」 まこ「京太郎は振り込んでのトビが多いからのう、大沼プロの本がオススメじゃな」 優希「手配の育て方も興味があるな、日本の打点王だじょ」 咲「いえ、実はどの本を買うかはもう決まってるんです」 まこ「ほう、それはそれは」 咲「京ちゃんに麻雀の本を買うならこれしかないと思うんです!」 『ア◯ギ ~闇に降り立った天才~』 まこ「え…」 和「え…」 優希「え…」 咲「これにします!」 優希「と、とにかくこれで後は染谷先輩だけだじぇ」 まこ「あー、実はのぅ」 まこ「わしはもう用意してあるんじゃ、店の馴染みの客がいい商品を持ち込んでくれてのぅ」 和「そうなんですか?」 まこ「たしか京太郎は麻雀牌を持っておらんかったろう」 咲「家で一緒に打つ人が居ないからですね」 まこ「麻雀部員だったら自前の麻雀牌くらい持っておいたほうがいいじゃろう?」 まこ「もう2ヶ月で一年生も先輩になって新入部員が入ってくるしのぅ」 和「なるほど、確かに後輩の男子部員などに教えるときに麻雀牌を持ってると便利ですよね」 優希「机さえあればどこでも出来るじぇ」 まこ「うむ、じゃからあとは今時間稼ぎをしてくれとる先輩にメールを送らんと」 まこ「よし、送信」ピピッ 和「この後はどうするんですか?」 まこ「明日の準備はもうだいたい済んどるしここで解散じゃのう」 優希「よーし、明日は犬をびっくりさせてやるじぇ」 和「それではゆーき、染谷先輩、咲さんまた明日」フリフリ 優希「咲ちゃーんまた明日だじぇ~」フリフリ まこ「寄り道せずにかえりんさい」フリフリ 咲「はい!お疲れ様でした」 咲「………………」 咲「みんな帰ったよね?……アレ取りに行こうっと」 ―清澄高校― 麻雀部部室 PC「ツモ リーチ風牌混一色ドラ1 跳満です」ネトマッ 久「ちょっと見ない間に随分成長したわねー」 京太郎「そりゃまぁ、そろそろ麻雀を始めてから1年になりますしね」 京太郎「それに、IH終わってから部活の皆にこれでもかと鍛えられましたから」 京太郎「今年の春から入ってくる新入生にも教えないといけませんし」 久「点数計算も出来なかった須賀くんが………時間は過ぎるのはほんと早いわね」 京太郎「先輩そんなこと言ってるとふけて」 久「」グリグリ 京太郎「ちょ、先輩痛いです!頭グリグリするのヤメテ!」 ピピッ 久「っと、私の携帯だわ」チラッ 京太郎「あー、もういい時間ですし切り上げますか?」 久「そうね…ん。そうしましょうか、私の用事も終わったし」 京太郎「誰か待っていたんですか?」 久「そういうわけじゃないんだけどね…。じゃ、須賀くん今日はお疲れ様」 京太郎「いえ、久先輩こそご指導ありがとうございました」ペコリ 久「部屋の鍵は私が返しておくから」 京太郎「はい、お疲れ様です」 久「須賀くん、ちょっと待って」 京太郎「………どうしたんですか?」 久「…………ううん。なんでもないわ」 久「頑張ってね」 京太郎「…?はい、お先に失礼します」ガチャ 久「みんな青春してるわねぇ…」 久「今日は美穂子のところにでも転がり込もうかしら?」 ―清澄高校の帰り道にある商店街― 咲(お店に受け取りに行ったし、もう明日の準備は万端かな……) 咲(京ちゃん喜んでくれるといいなぁ) 咲(去年はあんまりプレゼントを渡せるような関係じゃなかったし…) 咲(もしかしたらプレゼント渡した後あんなことやこんなことも……) 咲(京太郎「咲、誕生日プレゼントありがとうな。俺からの返事はこれだ!」ゼンラッ とか) 咲「……………えへへ///」フラフラ 京太郎「………あの道の真ん中でフラフラ歩いてんの咲だよな…」 京太郎「……………」 京太郎「いや、スルーは無いな。声かけとくか」 咲(もしかしたら明日でいくとこまでいっちゃうかも!) 咲(あ……結婚式とかどうすればよかったんだっけ?) 咲(こないだ読んだゼ◯シィに書いてあったような……) 京太郎「おい!大丈夫かお姫様?」 咲「ひょわぁ!!」 京太郎「おわっ、咲暴れるなって。俺だ、俺!」 咲「きょ…京ちゃん!どどどどうしてここに?」 京太郎「いや、俺としてはお前がここにいることのほうが…」 咲「わ、私はみんなと本屋に行って、それで……」 京太郎「……ああ、新しい本を買ってたのか」 咲「は、はわっ。そ、そうだよ!新しい文庫が出てたから…」 京太郎「はは、相変わらず咲は文学少女だなぁ」ナデナデ 咲「ちょ、京ちゃん///道の真ん中だと恥ずかしいよ………」 京太郎「悪い悪い、ちょうどいい位置に頭があったもんだからさ」 京太郎「もうあたりも暗いし家まで送ってくよ」 咲「あ、ありがとう。京ちゃん///」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「どした?」 咲「明日、部活あるの覚えてる?」 京太郎「お前は俺をなんだと思ってるんだよ…土曜で学校は休みだけど午後から部活だろ」 咲「うん、午後3時からだからね!時間を守ってね!」 京太郎「にしても随分中途半端な時間だな…昼からじゃダメなのか?」 咲「う、うん。みんなが揃うのが午後3時らしいから。それに合わせて来て」 京太郎「よし、分かった……話してたら、もう咲の家か」 咲「京ちゃん送ってくれてありがとう、また明日学校でね」フリフリ 京太郎「おう!また明日な!」 ガチャ 京太郎「…………」 京太郎「さて、帰りますかね……」 ―須賀家― 京太郎「母さん、明日部活で学校行くから昼過ぎたくらいに家出るからよろしく」 京太郎母「あら?そうなの。…あ、明日は夕飯までには帰って来なさい。それまでは好きにしていいから」 京太郎「…?ああ、そのつもりだけど」 京太郎母「ちゃんと分かってるのかしら……」 京太郎「分かってるって、夕飯には間に合うようにするから」 京太郎母「それなら良し!」 京太郎「ったく、じゃあ俺もう寝るから」 京太郎母「はーい、おやすみ~」 カピー「キュー」 京太郎「カピーもおやすみ、また明日な」 カピー「キュー」スリスリ ―翌日の午後3時前―清澄高校麻雀部部室前― 京太郎「さて、時間は……約束通りちょうど3時前だな」 京太郎「しっかし、旧校舎にも通い慣れたなぁ」 京太郎「相変わらず『麻雀部』の札はそのまんまだし」 京太郎「なんだかんだ1年間近く頑張ってきたんだ……」 京太郎「俺も少しはあいつらに近づけたかな」 京太郎「…………」 京太郎「よしっ、今日も気合入れて行くか!」 京太郎「おはようございまーす」ガチャ 咲「京ちゃん!!!!」 京太郎「!?」 咲染優和「誕生日おめでとう!!」 京太郎「え…………あっ!」 優希「きょうたろーう!!」ダキッ 京太郎「うわっ、おい優希!急に飛びついてくるなって。倒れる倒れる!」 優希「私からの誕生日プレゼントを受けとれーい!」 京太郎「これは…おっちゃんの店のタコス無料券!あの店こんなことしてたのか!?」 優希「おじちゃんが作ってくれたんだじぇ、特別仕様だじょ」 京太郎「あそこのタコスはウマイからな、ありがとう優希」 京太郎「でも流石に退いてくれ、そろそろ重い……」 優希「おもっ……!このバカ犬!」バシバシ 京太郎「いてぇ、いや本気で痛いから止せ!」 和「それでは次は私から、どうぞ須賀君」スッ 京太郎「これは、今開けてもいいか?」 和「ええ、むしろここで開けてもらわないと困ります…ふふっ」 ガサガサッ 京太郎「これは、ボールペンか!高そうだな…」 和「ごめんなさい、須賀君の好みがよくわからなかったので実用的なものを、と」 京太郎「いや、嬉しいよ。大切に使う」 まこ「わしからはこれじゃ」 京太郎「これは麻雀牌と、マットですね…牌が黒い!かっこいいですねこれ!」 まこ「そうじゃろう、そうじゃろう。そう喜ばれると買うてきた甲斐があったわ」 京太郎「なんというか厨二心をくすぐられます、ありがとうございます染谷先輩」 まこ「これを使って来年度からの新入生の指導も頑張ってくれるかの」 京太郎「男なら黒!ってことですか?頑張ります!」 咲「京ちゃん!私からはこの本だよ!」 『ア◯ギ ~闇に降り立った天才~』 京太郎「ア◯ギさんの本じゃねーか!あの人本も出してたんだな」 咲「この前の秋の大会で京ちゃんあの人とすごく仲良くなってたから」 京太郎「さすが幼馴染、よく見てるな」 京太郎「ありがとう咲、うれしいよ」ナデナデ 咲「えへへ……///」 優希「むー………」 まこ「はいはい、全員プレゼントも渡し終わったしケーキを切り分けるかのぅ」 京太郎「ケーキもあるんですか!?なんというか申し訳ないです」 和「このケーキは元部長からのプレゼントだそうですよ」 京太郎「久先輩が俺に…あとでありがとうって連絡しとこう」 優希「ケーキ食べたら麻雀を打つじぇ!今日の総合最下位は部室に残って片づけな!」 京太郎「おう!乗ってやるよ。今日の俺はひと味違うぜ!!」 優希「ツモ!!おやっぱね!」 京太郎「ぐわぁぁぁぁぁ!」 和「須賀君、その牌です!平和タンヤオドラ1は5200」 京太郎「ぬわぁああ」 咲「カン!カン!カン!……ツモ!嶺上開花三槓子、親だから4000オール!」 京太郎「ファ!?」 咲「一本場だよ、京ちゃん」ニッコリ 咲「カン!カン!……ツモ!嶺上開花対々和タンヤオ、6000オールから6100!」ゴッ 京太郎「」マッシロ 咲「麻雀って楽しいよね!京ちゃん!」 京太郎「」ポロッ 和「ロンです、タンヤオドラ1は2600の3200」 優希「ゴミ手和了ったじぇ、1000、500」 京太郎「」 … ……… …………… 和「それで結局最下位ですか……」 まこ「飛ばなくなっただけでも成長かのぅ…」 京太郎「」プスプス 咲「京ちゃん大丈夫?」 京太郎「」ムクリ 京太郎「くっそー、今日は負けたけど今度は負けねぇ」 京太郎「週明けの部活は覚悟しとけよ!タコス娘!!」 優希「また返り討ちにしてやるじぇ!じゃあまた今度な~バカ犬!」バタン 和「ゆーき待ちなさい!須賀君今日は片付けおねがいしますね」ペコリ 京太郎「おう、負けは負けだしな。そんじゃまた週明けに」 まこ「まったく慌ただしいのう、京太郎あとは頼んだ」 京太郎「おまかせあれ!!」 ガチャ 咲「京ちゃんほんとに一人で大丈夫?」 京太郎「大丈夫だって、去年の雑用生活で体力とかは十分にあるしな」 京太郎「だから先に帰ってくれても大丈夫だぞ?」 咲「………ううん、ここで待ってる」 京太郎「そっか、分かった」サッサッ 咲「ねぇ京ちゃん」 咲「掃除が終わったら大切な話、いい?」 京太郎「それで…話ってなんなんだ?」 咲「その前に私からもう一つの誕生日プレゼントをあげるね」 京太郎「これは…箱か?」 咲「うん、開けてみて」パカッ 京太郎「何が入ってるんだ?……指輪?」 咲「京ちゃんの誕生石のアメジストの指輪、どうかな?」 京太郎「そりゃ嬉しいけど、これは……」 咲「私がさ、京ちゃんに誘われて麻雀部に来てからもうすぐ1年」 咲「辛いことや大変なこともあったけど、和ちゃんとか部活の友達も出来たし。全国の決勝でもお姉ちゃんと話せて」 咲「私、本当に嬉しかったんだ」 咲「京ちゃんがずっと支えてくれたおかげだよ」 京太郎「俺は大したことはしてないって」 京太郎「咲がそこまで頑張れたのは、咲の努力と麻雀の神様が咲を見守ってたからだ」 咲「ううん、それだけじゃないよ」 咲「私の中で家族に並んで大切なものがあったから、ずっと心のなかで一緒だった人がいたから」 咲「だから、私は京ちゃんが………」 京太郎「待った!」 咲「す……ふぇ!?」 京太郎「そっから先を言う前に俺も伝えたいことがあるんだ」 京太郎「…………いいか?」 咲「…………うん」 京太郎「最初お前を誘ったときは俺はただのカモだと思って部室まで連れてきたんだ」 京太郎「その時の俺は咲の家族の問題とか、麻雀に対する思いなんて何も考えちゃいなかった」 京太郎「俺はおもちが好きだったからさ、和に近づくために咲を利用したと言っても過言じゃないと思う」 咲「うん、知ってるよ。だって京ちゃん分かりやすかったから…」 京太郎「でもさ、地区大会で優勝して。全国大会でも強豪校と鎬を削りながら戦ってる咲の姿を見て」 京太郎「あらためて思ったんだ」 京太郎「咲、俺は麻雀部に入る前の教室で小説を読んでた文学少女な咲が好きだ」 京太郎「俺が強引にレディースランチに誘った時のムッとした顔の咲も好きだ」 京太郎「そしてなにより、楽しそうに麻雀を打ってる咲が大好きだ!」 京太郎「だから俺と付き合ってくれ、咲!」 咲「はい………よろこんで!」 京太郎「そうだ、この指輪は咲がつけてくれないか」 咲「えっ!でもこの指輪は京ちゃんにあげたものだよ」 京太郎「俺のものなんだから好きにしてもいいだろ。ほら左手出して」 咲「この指輪は私が京ちゃんに着けてあげたかったのに」ボソッ 京太郎「それではお姫様、お手を拝借」 咲「わっ、強引だよ!京ちゃん」 京太郎「薬指は未来のために取っておくとして、中指かな?」 咲「でも、この指輪京ちゃん用につくったものだからブカブカだよ」 京太郎「いいんだよ、明日一緒にお店に行って咲用に打ち直してもらうから」 咲「もう、京ちゃんはほんとに強引なんだから」 京太郎「そういうとこも含めて好きなってくれたんだろ… 目を閉じてくれるか?」 咲「ん………///」 京太郎「ふっ……ん…」 咲「ぷはっ、……京ちゃん///」 京太郎「はは、顔真っ赤だな咲。そうだ今日は俺の家に飯食いに来てくれよ」 京太郎「母さんや父さんに報告させてくれ、自慢の嫁さんをやっと連れてきたよって」 咲「嫁さん///……まだ嫁さん違います!」 咲「恋人です!!」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3349.html
京太郎(牌に愛された奴らってのがいるらしい) 京太郎(咲とかもそいつらの一部とかなんだとか) 京太郎(……) 京太郎(俺も牌に愛されたい) ―部室― ガチャッ 京太郎「ちーっす」 シーン 京太郎「……ありゃ」 京太郎(誰もいないのか……皆遅いのかな) スタスタ ガタ、ストン 京太郎「ふー……」 京太郎「……」 京太郎(皆が来るまで暇だな……) 京太郎「……」 京太郎「……」チラッ 牌「……」 京太郎「……」 京太郎(……“牌に愛された奴ら”……か) 京太郎(俺もそんな星の下に生まれたかったな……) 京太郎(……) 牌「……」 京太郎(……ん) 京太郎(待てよ……) 京太郎(確かに、牌は俺を愛してないみたいだけど) 京太郎(俺が牌を愛したことがあったか?) 京太郎(いや、無い) 牌「……」 京太郎(……そうだよ) 京太郎(自分の事を愛してくれない奴を、愛せはしないんだ) 京太郎「……そうか」 京太郎「俺が……牌を愛すればいいんだ」 京太郎「……」 牌「……」 京太郎「……こんにちわ」 牌「……」 京太郎「……いい天気だな」 牌「……」 京太郎「…………突然だけど」 牌「……」 京太郎「……好き、です」 牌「……」 京太郎「ずっと、好きでした」 京太郎「第一印象から決めてました」 京太郎「フォーリンラブというヤツです」 京太郎「オナシャス」 牌「……」 京太郎「……へへっ、照れるな」 牌「……」 京太郎「でも……本当の事だから」 牌「……」 京太郎「なんだよ……なになに、何か言えよ~」ツンツン 牌「……」 京太郎「ははっ、お堅いヤツだぜ」 牌「……」 京太郎「……ふっ、もう半荘ってとこか」 ―部室外― 咲「……」 和「あ、咲さんいらしてたんですか」 咲「和ちゃん、帰ろう」 和「えっ」 咲「帰ろう、今日の所は帰ろう」 ―次の日― ガチャ 京太郎「ちーっす」 シーン 京太郎「……」 スタスタ ガタ ストン 京太郎「はぁ……また今日も」 京太郎「俺とお前だけか」 牌「……」 京太郎「……」 牌「……」 京太郎「……ふたりきり、だな」 牌「……」 京太郎「……」 京太郎「……お前って、綺麗だよな」 牌「……」 京太郎「嘘じゃねえよ?嘘じゃねーって」 牌「……」 京太郎「……なんていうか、すげえ、白いし」 牌「……」 京太郎「丸っこくて、可愛いし」 牌「……」 京太郎「竹みたいに、しなやかで」 牌「……」 京太郎「鳥っぽいし……」 牌「……」 京太郎「東西南北揃ってるし……」 京太郎「最強、じゃん」 牌「……」 京太郎「……なあ」 京太郎「…………触っても……いいか?」 牌「……」 京太郎「……いいん……だな……?」 京太郎「……」ゴク 京太郎「さわ……る、ぞ」 ソッ 牌「……」 京太郎「……っ」 サワッ 京太郎「……」 牌「……」 京太郎「……すべすべ、してる」 京太郎「……」サワ 牌「……」 京太郎「……っふ……ん」サワワ 牌「……」 京太郎「……」サワサワ 牌「……」 京太郎「……」ピタ 牌「……」 京太郎「や、わりぃわりぃ……つい熱中しちまったよ」 牌「……」 京太郎「……いつも、乱暴に触れてただけだったけど……」 京太郎「お前を想って触れたら……」 ニコッ…… 京太郎「こんなにも……愛おしいもの、なんだな」 牌「……」 京太郎「……はは、悪かったよ悪かったって」 牌「……」 京太郎「……少しずつ」 京太郎「少しずつ……近づいていけばいいから」 京太郎「今日は……ここまで、な」 牌「……」 京太郎「……なんだよ、何か言えよ~」ツンツン ―部室外― 和「……」 優希「お?のどちゃんどうした?入らんのかー?」 和「優希」 優希「ん?」 和「帰りましょう」 優希「え?」 和「疲れてるのは彼じゃなく私なんでしょうか……いえ、帰りましょう」 ―次の日― ガチャッ 京太郎「ちわす」 シーン 京太郎「また皆いないのか」 京太郎「……まあ」 スタスタ ガタッ ストン 京太郎「そっちの方が……好都合とか思ってたり……する?」 牌「……」 京太郎「……ちぇっ、無反応なヤツー」 京太郎「…………ま、そこが……可愛いんだけどな」 牌「……」 京太郎「……ふふっ」 京太郎「しっかし、今日もあっついなぁー」 京太郎「服が汗びっしょりだぜ」パタパタ 牌「……」 京太郎「……」 京太郎「……あ」 京太郎「…………もしかして、今」 京太郎「俺のYシャツのはだけた所、じっとみてたろ」 牌「……」 京太郎「え、何」 京太郎「もしかしてお前って、むっつりさんなワケ?」 牌「……」 京太郎「おいおーい、だんまりかー?」 京太郎「いやーん、牌ちゃんのスッケベー」 牌「……」 京太郎「ははははっ、冗談だって!悪かったよ、そんな怒るなよ」 牌「……」 京太郎「だから悪かったって言ってるだろー」 牌「……」 京太郎「……えい」ツン 牌「……」 京太郎「……何か言えよ」 牌「……」 京太郎「……もしかして、本当に怒った?」 京太郎「…………ごめん、な」 牌「……」 京太郎「……つい、さ」 京太郎「好きなヤツには……ちょっかいだしたくなるんだよ」 京太郎「……お前の事、本当……好きなんだ」 牌「……」 京太郎「……」 ソッ… ギュッ 牌「……」 京太郎「ふふ……冷たいヤツだな……」 京太郎「ま……でも、丁度いいのかもな」 牌「……」 京太郎「この俺の……すげえ、熱い想いと」 京太郎「お前の冷たさで……きっと、丁度いいんだよ」 京太郎「二人で、一つなんだ……俺達」 ―部室外― 優希「……」 まこ「お?なんじゃそんなところで」 優希「先輩、帰ろう。帰りましょう、本当、冗談抜きにして」 まこ「どうしたんじゃ、ってか口調おかしい」 ―次の日― ガチャッ 京太郎「おーっすっす」 シーン 京太郎「……おはよ」 スタスタ ガタッ ストン 京太郎「寂しかったか?」 牌「……」 京太郎「……素直じゃないヤツだな」 京太郎「……」 京太郎「俺は……寂しかったよ」 京太郎「お前に…………会えなくて」 京太郎「………………寂し、かった」 牌「……」 京太郎「……」 牌「……」 京太郎「……なぁ」 牌「……」 京太郎「あのさ……」 牌「……」 京太郎「お前、お前ってさ……」 京太郎「他に……好きなヤツとか、いるのか……?」 牌「……」 京太郎「やっ、あの、違うんだ、なんていうか、その、さ!」 京太郎「……なんていうか」 京太郎「…………お前、結構、素っ気無いっていうか」 京太郎「なんていうか……無機質っていうかさ……もしかして……」 京太郎「……俺の他に……好きなヤツがいるから……そんな態度、なのかな、とか、思ったり、したワケ、です。はい」 牌「……」 京太郎「……そ、そうなの、か?」 牌「……」 京太郎「……な、なぁ、なんとか言ってくれよ」 京太郎「不安になるじゃんか……」 牌「……」 京太郎「……っ!」 京太郎「何とか言えよぉっ!」ガシャーン!! 牌「……」ガラガラ 京太郎「お前がそんな……思わせぶりな態度じゃ……」 京太郎「もう……俺……!」 京太郎「もっと……もっと、お前の事、好きに……なっちまうよ……!!」フルフル 京太郎「迷惑なら!迷惑だってハッキリ――……!!」 京太郎「……――え?」 牌[中] 京太郎「……」 京太郎「……この牌……」 京太郎「……え?」 京太郎「中…………って」 京太郎「……」 京太郎「えぇ~~~~~っ!!!?」 牌 [中] 京太郎「ちゅう、ちゅうって」 京太郎「俺と!?お前がか!!?」 牌 [中] 京太郎「い、いやいや!!いやいや!!嫌なわけないし!!!!」 京太郎「で、でもっ!!でもでも!……」 京太郎「………………俺、で……いい、のか……?」 牌 [中] 京太郎「わ、わかってるよぉっ!そんな急かすな!」 京太郎「お、お、俺……初めて、なんだからな?」 牌 [中] 京太郎「わかってるってば!!」 スッ 京太郎「……い、いきます……よ?」 牌 [中] 京太郎「……っ」 京太郎「あ、あの、さ」 牌 [中] 京太郎「……キスの前に……コレだけ、言わせてくれ……」 京太郎「……………………大好き」 チュッ 京太郎「……――ん……!」チュゥッ 牌「……」 京太郎「……んはっ……んぅ」チュッ 牌「……」 京太郎「……っは、駄目、止まらな……んぷ」チュパァ 牌「……」 京太郎「牌……んぅ、んぴゅ、牌っ……ぷふ」チュポ 牌「……」 京太郎「んっ、んっ、んっ……」キュポキュポ 牌「……」 京太郎「ん――…………っは」キュポキュポ ポン 牌「……」 京太郎「はぁ……はぁ……」 牌「……」 京太郎「……ごめん……なんか、好きすぎて……わからなく、なっちまった」 牌「……」 京太郎「……」モジモジ 牌「……」 京太郎「……しちゃっ……た……な」 牌「……」 京太郎「……」 牌「……」 京太郎「…………しばらくは」 京太郎「しばらくは……自分に歯止め効かなくなりそうだから……おあずけ、な」 ―部室外― まこ「……」 久「あら?どしたのまこ」 まこ「帰ろう、きっとアンタがこき使いすぎたせいじゃ」 久「えっ?な、何が?え?」 ―別の日― ガチャ 京太郎「……」 スタスタ ガタ 京太郎「ふう……びしょ濡れになっちまった」 牌「……」 京太郎「すげえ雨だよ……こんな時間なのにまるで夜だ」 牌「……」 京太郎「っくし!……あー……ん?」 牌「……」 京太郎「あはは、大丈夫だっての。この俺にかかれば風邪なんて」 京太郎「っくし!!」 牌「……」 京太郎「わかったよ……ちゃんと体拭くっての」 ゴソゴソ 牌「……」 京太郎「っと……ん?」 牌「……」 京太郎「……別にいいだろ、脱がなきゃ体拭けないし」 牌「……」 京太郎「へーへー、私がわるうござんすよー」 牌「……」 京太郎「……」ゴソ 京太郎「……」 京太郎「……何」 牌「……」 京太郎「…………何、見てんだよ」 牌「……」 京太郎「……お前、ほんとにスケベな」 牌「……」 京太郎「いや、だって実際そうじゃん!この前もさ!」 牌「……」 京太郎「俺は別に誘ってねえよ!なんだよその目!」 牌「……」 京太郎「なんだってのその冷たい態度は!っていうか」 京太郎「そうやって色目で俺を見てきて……誘ってるのはお前のほうだろ!!!」 牌「……」 京太郎「まーた御得意のだんまりですか!」 京太郎「そうやっていつもいつも――……!」スタスタ ガタッ 京太郎「わっ!?」 ガシャーン パラパラ…… 京太郎「いてて……」 京太郎「すまん、置いたバッグに躓いて――……」 京太郎「!!」 牌「……」 京太郎「……」 牌「……」 京太郎「……わ、悪い」 牌「……」 京太郎「すぐ、どく」 牌「……」 京太郎「…………ごめん」 京太郎「体………………動かせないや」 京太郎「………………――お前から…………目が、離せない」 京太郎「……」 牌「……」 京太郎「……お前」 牌「……」 京太郎「……やっぱり、肌……凄く」 京太郎「………………白い」 牌「……」 京太郎「……」 ガバァッ!!!! 京太郎「牌ぃ!!!!」 牌「」 ゴソゴソ 京太郎「牌ぃ、牌ぃっ」ハァハァ 牌「」 京太郎「ごめ、も、止まらない……!」 京太郎「気持ちっ」 京太郎「抑えらんな……っ!!」 牌「」 京太郎「はぁっ、んちゅっ」 京太郎「んはぁっ」 京太郎「牌っ、牌っ」 牌「」 京太郎「な、いいだろ?いいだろ?なぁっ」 京太郎「いいだろ!?な!?」 牌「」 京太郎「んちゅっ!!」 京太郎「ぷはっ!!!!はぁっ!はぁっ!」 京太郎「お前の、真っ白で……綺麗だ……!!」 牌「」 京太郎「う、くっ……!」 京太郎「も、駄目」 京太郎「もう、抑えられねえっ!!」 ボロン 京太郎「ふーっ……!ふーっ……! 京太郎「お前を…………抱く……!」 牌「」 京太郎「へ……へへっ……!」 京太郎「こんな時までだんまりかよ……!お得意のよぉ!」 ゴソッ 京太郎「ほら!お前がそんなだから……!こんな事になってんだ!!」 京太郎「何か言わねぇのかよ!!」 京太郎「“嫌だ”とか“やめて”とか!!」 牌「」 グイッ 京太郎「“離せ”とか!“死ね”とか!!!」 グイッ 京太郎「“お前の事なんて、好きじゃなかった”とか!!」 グイッ! 京太郎「“今までのは遊びだった”とか!!」 グイッ!! グイッ!! 京太郎「“京太郎の事なんか”……!オレの事なんか……っ!!」 グイッ!! ピタ…… 京太郎「……“嫌い”……とか……!」ポロポロ 牌「……」 京太郎「言え……よ……!!」ポロポロ 京太郎「ひぐっ……!!ぐすっ……!!」 京太郎「オレを……オレを……!!」 京太郎「愛して、くれないならっ!!!!」 京太郎「嫌いだって!!!!言っでぐれよぉ!!!!!!!!!」 グイッ グイッ 京太郎「ぐぞぉっ!!ぐぞぉっ!!!」 京太郎「ぐぞぉっっ!!!!入らねぇっ!!!!!!」 牌「……」 京太郎「お前は!!」 京太郎「お前はオレの事なんか!!!!!」 グイッ パタン 京太郎「愛して――……」ピタ 牌「……」 京太郎「………………――え?」 牌 [萬子] 京太郎「……」 牌 [萬子] 京太郎「……おま、え」 牌 [萬子] 京太郎「……」 牌 [萬子] 京太郎「……」 京太郎「自分から……見せるって」 京太郎「そんな大事な所見せるって……ことは」 京太郎「……」 京太郎「…………いい、のか?」 牌 [萬子] 京太郎「……牌!!」 グニュッ!!! 京太郎「うっ……!!」 牌 [萬子] 京太郎「うっ、くっ!!あぁっ……!いいっ……!!」グイッ グイッ!! 牌 [萬子] ―部室外― スタスタ 久「だからー、なんなのよー」 咲「ですから!部室はなんというか駄目なんです!」 和「多分須賀君、今日も部室にいます!!」 久「須賀君が部室に居たっていいじゃない。みんないじわるねぇ」 優希「そういう問題じゃないんだじぇ!!」 まこ「とにかく悪い事は言わん!!今日はわしらだけでわしん家で部活を!!」 久「だーめだってば。理由も教えてくれないし」 久「それにこの雨じゃまこの家まで行くので疲れちゃうわよ」 まこ「それは、そうじゃがっ」 久「もう、皆変よ?気持ちをビシっと入れ替えて部活するわよ!」 ザッ 久「さあ、着いt」 ギュッ ギュッ ギュッ!! 京太郎「あああああ――――っ!!!!!!!!」 ヘコヘコヘコヘコヘコヘコヘコ 京太郎「いっ……いいっ……!!!!」 京太郎「いいよぉ!!!気持ちっ!!!!!」 京太郎「気持ちいいっ……!!!!牌っ!!!!!!」 京太郎「 愛 じ で る ッ ッ ッ !!!!!!!」 久「 」 咲「 」 和「 」 優希「 」 まこ「 」 京太郎「はぁっ!はぁっ!」 牌「」 京太郎「お前の、肌っ!!!」 京太郎「眼差しっ!!匂いっ!!」 京太郎「全部、全部っ!!」 牌「」 京太郎「万子も……!!!!索子もっ!!!!」 京太郎「筒子も!!東西南北白發中も!!!!!!」 牌「」 京太郎「全部!!!全部!!!」 京太郎「全部全部っ!!!!あぐっ!!!!」 京太郎「全部!!!!!愛おしい!!!!!!」 牌「」 京太郎「あひぃっ!!!!!!めくれるッッ!!!!!!」 京太郎「牌!!!!!……うっっ!!!!!」 京太郎「イグッ!!!!イグゥッ!!!!!!」 京太郎「牌ィ!!!!!!出すぞっ!!!!!!!」 牌「」 京太郎「牌!!!!!」 ドポォォォ!!!!!!! 京太郎「愛してるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぁアァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」 ボピュゥゥッ!!!!ピュパァァァッ!!!! 京太郎「アァァァアアアア」 牌「 」 久「」 咲「」 和「」 優希「」 まこ「」 ビュルゥッ ピュフッ ピチュッ…… 京太郎「オォォアアアアアアア」 京太郎「オアアアアアアアアアアア」 京太郎「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」 ガシッ!!!! 京太郎「こんなんでッッ!!!!!!!!!!!!」 ガッッッッシャアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 京太郎「麻雀が上手ぐなるがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」ゴッシャアアアアアアン!!!!!!!! 久「ちょちょっ!!!!須賀くん!!!!!」 京太郎「ボゲがあぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!」ガッシャアアン!!!!! まこ「お、落ち着け!!落ち着くんじゃ!!!!!」 京太郎「ごんなもんっっ!!!!!!!!!!!」ガシィ!!!!! 咲「あぁっ!!!!!雀卓が!!!!」 京太郎「ベランダに"っっっっ!!!!!!!!!!!!!!」 ゴシャアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 京太郎「こうじゃああああああい!!!!!!!!!!!!!!!!!」 和「きゃあああああ!!!!!」 久「なんて事を!!!!」 京太郎「やあああああああ!!!!!!!!!!」ガシィィィッ!!!!!! 優希「ロッカーが!!!!」 京太郎「全部!!!!!!!全部!!!!!!!!!!!!」ブォン!!!!!!!! 京太郎「ごうじゃボゲエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!」ガッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!! 咲「あぁっ!!染谷先輩が巻き添えに!!!!!!」 和「落ち着いて下さい!!須賀君!!落ち着いて!!!!」 京太郎「死ね糞があァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」 優希「京太郎!!お願い!!落ち着いて京太郎!!!!」 京太郎「うあぁぁっ!!!!!!うぁああああアアアアアアアアアアアアアアアアああああ!!!!!」 咲「京ちゃん!!京ちゃぁん!!!!!」 ピタ 久「……え?」 咲「……きょ、京、ちゃん?」 京太郎「……」 京太郎「……呼んでる」 咲「え?」 京太郎「…………呼んでる」 京太郎「牌が……俺の、名前……呼んでる」 バッ!!!!! 和「あっ!!!?」 優希「京太郎!!!?」 京太郎「牌ぃ!!!!!牌――――!!!!!」タッタッタ 久「須賀君!!!?」 咲「京ちゃん!!!?京ちゃ――ん!!!!!!」 タッタッタ…… ッタ…… … ・ ザァァァァ…… 和「……」 優希「ひぐっ……!!ぐすっ……」 久「……行っちゃった……わね……」 咲「…………京、ちゃん……」 ザァァァァァァ…… タッタッタ… 京太郎「はぁっ……はぁっ……!!」 京太郎「頑張っちゃったっ」 京太郎「頑張ったわれわれっ」 京太郎「東西南北っ」 京太郎「ワ――――イ!!!ワ―――――イ!!!!!!」 タッタッタ…… …… … 壊れたベランダから飛び出して 全裸で雨の中を走って それから、京ちゃんはもう……帰ってこなかった ………… …… … ・ スタスタ…… ピタ… 咲「ふう……」 ヒュゥゥ…… 咲「……」 和「咲さん?」 咲「あ、和ちゃん」 和「大丈夫ですか?早く部室に行きましょう」 咲「うん」 咲「……」 でも、きっと京ちゃんは帰って来る あの日、あの時……牌と過ごした日々は 京ちゃんの中で、偽りでもなんでもなく……存在していると思うから ビュゥゥゥ… 咲「……」 ――――冬が来る 和「咲さん!」 咲「あ、ごめんっ、すぐ行く!」 咲「……」 タッ 咲「待ってー」タッタッタ ――――――全裸の京ちゃんが、凍えないといいのだけれど カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6398.html
雅枝「はい、しゅーごー」 雅枝「合宿の締めくくりとして、みんなには最初と同じ千里山2VS三箇牧2の試合をしてもらうで」 雅枝「それじゃあ卓につけ―」 霞「京太郎君!私と打ちましょう!」 京太郎「べつにいいですけど、空いてる卓は…」 泉「あ、須賀君、この卓空いてますよ!」 京太郎「お、泉も打つか」 竜華「怜に逃げられた…」 京太郎「あ、清水谷さん、俺たちと打ちません」 竜華「ええの!」キラキラ 京太郎「これで4人揃いましたね」 京太郎「見せてあげましょう!王者の打ち筋を!」 開局 京太郎「ロン、1500だ」 泉「わ、ホンマですか」 東1局 1本場 親 京太郎 26500 霞 25000 泉 23500 竜華 25000 ※最高潮モード 京太郎「ツモ、1100オール」 霞(この雰囲気、照ちゃんに似てるわね) 東1局 2本場 親 京太郎 29800 霞 23900 泉 22400 竜華 23900 ※最高潮モード 泉(どうして…せっかく同学年の須賀君と打ってるのに…) 京太郎「ロン、6400だ」 泉(どうして、張ることすらできないんでしょうか…)ジワッ 東1局 3本場 親 京太郎 36200 霞 23900 泉 16000 竜華 23900 ※最高潮モード 霞と竜華が同コンマのため、流局 東2局 親流れ3本場 京太郎 39200 親 霞 22900 泉 15000 竜華 22900 京太郎「ロン、1900だ」 泉「はい」 泉(また、張れなかった…) 東3局 京太郎 41100 霞 22900 親 泉 13100 竜華 22900 京太郎「ツモ、500・1000です」 竜華(面白いなぁ) 東4局 京太郎 43100 霞 22400 親 泉 12100 竜華 22400 京太郎「ロン、3900だ」 泉「はい…」 泉(結局一度も張れずに南入…) 南1局 1本場 親 京太郎 54800 霞 22400 ※攻撃モード 泉 400 竜華 22400 6400から3段階下降で2000 泉(また…張れなかった) 京太郎「ロン、2300です」 竜華「うわーやられたわー」 泉(避けられたんですか…私…)ギュッ 南1局 2本場 親 京太郎 57100 霞 22400 ※攻撃モード 泉 400 竜華 20100 京太郎(牌が悪くなってきたぞ…) 泉(有効牌が来ない…でも……) 竜華(相変わらずやなぁ、石戸さんは…) 泉(張るのを、あきらめない) 霞「ロン、24600よ」 泉(は……!?) 終局 1位 京太郎 57100 2位 霞 47000 3位 竜華 20100 4位 泉 -24200 京太郎「お疲れ様でした」 霞「おつかれさま~」 竜華「お疲れ様やで」 泉「ありがとう……ございました」グスッ 泉「…すいません、トイレにいってきます……」ダッ 京太郎「二条!」 竜華「追いかけない方がええ」 京太郎「でも…」 竜華「人にはな、誰にも知られたくないものってのがあんねん」 霞「いいから、座ってなさい」 京太郎「はい……」 雅枝「しゅーごー!」 雅枝「それじゃあこれから、合宿の打ち上げにバーベキューをしに行くで!」 京太郎「バーベキュー…?」 霞「千里山の合宿の打ち上げはバーベキューって伝統なのよ」 京太郎「なんですかその伝統……」 京太郎「よお、咏」 咏「あっれ~、どうしたん京太郎、元気無いじゃん」 京太郎「ん、少し…な」 咏「じゃあ黙ってとうもころしでも食べな!」つ 京太郎「あっつ!」 京太郎「なんで焼きたてを寄越すんだよ!」 京太郎「しかもとうもころしって、トトロかよ!」 咏「うん、やっぱり京太郎はそうしてるのが1番いいよ、しらんけど」 咏「悩んでるよりそうやって怒ったりしてる方が私は好きだねぃ~」 京太郎「そうか、ありがとな。咏」 咏「どうってことねえよ~」 京太郎「ところでさ、咏の目標って何なんだ?」 咏「急にどうした?」 京太郎「いや、千里山の人たちは全国制覇目指して頑張ってたけど、俺たちの目標ってなんなのかなって」 咏「そりゃあ、全国制覇しか無いんじゃね、しらんけど」 京太郎「やっぱりそうだよな。……よし、これからも頑張っていくぞ!」 京太郎「お、ホタテもあるのか。しかも最後の1切れじゃないか!」 京太郎「よっと、さて食べよ……」 ヒョイパク 京太郎「おい、照」 照「どうしたの?」モグモグ 京太郎「それが最後の1切れだったんだぞ!返せー!」 照「いやだねー!」 京太郎「ぜぇぜぇ」 照「はぁはぁ」 京太郎「なあ照」 照「なに?」 京太郎「この合宿、どうだった?」 照「楽しかったよ、みんな面白い人たちばっかりだったし、特に愛宕監督は面白かったなあ……」 京太郎「そうか、なら良かった」 照「ふふっ、心配しなくても前みたいなことはもう考えないよ、京だってようやく私たちに追いついてきたんだし、これからが楽しみだよ」 京太郎「そう……か、ありがとな、照」 雅枝「チキチキ!タン塩大食い対決、始めるでー!」 千里山ズ「イェー!」 雅枝「それでは選手の紹介や!」 雅枝「青コーナー、千里山のミス病弱!トキィィィ園城寺ィィィ」ジョインジョイントキィ 雅枝「続いて赤コーナー、三箇牧の雑用系男子、京太郎ゥゥゥ須賀ァァァ」ジョインジョインスガァ 雅枝「最後の緑コーナー、三箇牧のプリンセス、憩ィィィ荒川ァァァ」ジョインジョインケイィ 雅枝「それでは、スタートや!」 ワァァァァァ 京太郎「うっぷ、もう食えねえや」 憩「いい食べっぷりやったで、京太郎君」 京太郎「優勝者が何を言ってるんですかねぇ…」 憩「あはは、まあ気にしない気にしない」 京太郎「そういえば、憩さんはこの麻雀部で全国を目指したいんですか?」 憩「もちろんやないの、京太郎君何言っとるん?」 京太郎「でも、あと1人足りないんですよね、部員」 憩「あ!忘れとった!」 京太郎「でしょうね。それで、どうするんです?」 憩「うーん、京太郎君に任せるわ、今の部員集めたの京太郎君やしね」 京太郎「えええ、マジですか……」 憩「マジもマジ、大マジやで!」 京太郎「そんな元気に言わなくても……はぁ…」 雅枝「これでバーベキューは終わりや、お疲れぃ!」 オツカレサマデシター 京太郎「よし、帰るか」 浩子「なあなあ須賀君」 京太郎「なんですか船久保さん」 浩子「ウチと連絡先交換せえへん?」 京太郎「別にいいですよ」 ピッ 京太郎「これで完了ですね」 浩子「ふふふ、これでヒロやキヌ以外の同年代の子の連絡先が入ったで、ふふふ」 京太郎「触れないでおこう」 雅枝「お、須賀っちやん」 京太郎「今度は愛宕監督ですか…」 雅枝「うーん、せやなー須賀っちでええか」 雅枝「ほれ須賀っち、これ私の連絡先や、須賀っちにやるわ」 京太郎「え、いいんですか?」 雅枝「石戸じゃ、お前らを上手く教えられるかどうか不安やからな」 雅枝「教え子は大事にしたいもんなんや、困ったことがあれば連絡してくれや」 京太郎「はい、今後ともよろしくお願いします」 京太郎「これで、合宿も終わりか……楽しかったな」 京太郎「特訓したり、ドッキリしかけたり、雑用したり、ドッキリしかけたり」 タッタッタッ 泉「須賀君!」 京太郎「ん、二条か?」 泉「これ私の連絡先です!」 泉「私、まだまだ強くなりたいです!だから、どうせなら須賀君と一緒に上手くなりたいなあ、って思いまして!」 泉「あ、けっ、決して同学年の人と話がしたいって訳じゃないですからね!」 京太郎「おう、わかったよたまにはメールするよ」 泉「あ、ありがとう!須賀君」パァァ 【合宿3日目】終 【5月第1週 休日】 京太郎「朝が来たぞー」 京太郎「今朝はナニをしよう」 京太郎「麻雀の勉強をしよう!」 京太郎「今日は誰かと一緒にやろうかな」 ―――――――――――― 京太郎「こうして外に出てきた訳だけど、どうしよう」 霞「あら、京太郎君、どうしたのかしら?」 京太郎「あ、霞さん、実は誰かと麻雀の勉強をしようと思いまして」 霞「そういうことなら私におまかせあれ!」 霞「それじゃあ私の家でやりましょうか」 京太郎「いいんですか?」 霞「麻雀部の顧問ですしね、さあ行きましょうか」 京太郎「はい!」 京太郎(霞さん……なんか忘れてる気がするな…) 霞「ちょっとここで待っててね」 京太郎「あ、はい」 ガララ 京太郎「あ!郁乃さん!」 京太郎「っべー、合宿ですっかり忘れてたよ、マジっべーよ」 京太郎「んー、どうしよう」 京太郎「うん、やっぱりまた頼んでみよう」 ガララ 霞「お待たせ、どうぞ上がって」 京太郎「はい、お邪魔しまーす」 霞「ここが、京太郎君に見せたかったものよ」 京太郎「これは、全自動卓ですか?」 霞「ええ、お父様がよく知り合いを呼んでここで打っていたのよ」 霞「麻雀部の顧問になったし、せっかく卓があるんだから、使わない手は無いでしょ?」 霞「だから特訓したくなったらここに来るといいわ、憩ちゃん達もここのことは知ってるから、度々来てくれるわよ」 京太郎「そうなんですか…」 霞「どうしたの?そんな思い詰めたような顔をして」 京太郎「…霞さんに、したい話があります」 京太郎「話が、あるんです(真剣)」 霞「な、何かしら?」 霞(何これ、え、告白?いくらファーストキスの相手だからって、そ、そんなことあ、あるわけないわよ!う、うん、きっと!) 京太郎「こ……」 霞(こ?) 京太郎『恋をしているんです!霞さんに!』 霞『もう、京太郎君ったら!い、いいわよ』 京太郎『霞さん!』ガバッ 霞(なんでことになるのかしら!なっちゃうのかしら!) 京太郎「…ここに、郁乃さんを住まわせてあげてください!」ドゲザー 霞「」 京太郎「どう、ですか?」 霞(やっぱり…そうよね……) 霞「はあ…いいわよ」 京太郎「え、本当ですか!?」 霞「この前、お父様にそのことを言ったらね」 霞父『たとえ悪霊であろうとも、来るもの拒まず。それが、霧島神境に住まうものの心得だ』 霞父『それよりも霞、その新しく入ったとかいう男は……』 霞「ってね、だから考え直したの。赤阪さんは確かに得体は知れないけど、困ってるんだなって」 霞「だから、いいわよ」 京太郎「ありがとうございます!」 京太郎「そうと決まれば早速郁乃さんに電話だ!」 ―――――――――――― 郁乃「本当にええんですか~?」 霞「はい、但し住むのはこの、私の家にです」 郁乃「ええ~!せっかく京太郎くんと住めると思ったのに~」 霞「この清々荘では、そんなこと認めません」 郁乃「え~、いややそんなん~」 郁乃「ねえ、どう思う~?京太郎くん」 京太郎「そうですね…」 京太郎「霞さん!お願いします!」 京太郎「郁乃さんと俺を同居させてください!」 霞「ダ・メ・よ」 霞「甘やかすのはここまで、それに大会前に過ちを犯して…」 『北大阪代表三箇牧高校、男子部員が女子部員に種付け!』 『女子部員は妊娠中!』 霞「とかなったらどうするのよ」 霞「憩ちゃんたちや、千里山の子たちの気持ちまで踏みにじることになるのよ」 霞「だから、それはダメよ」 京太郎「わかりました…すみません、郁乃さん」 郁乃「ええよ~、冗談やったし~」 霞京(この人はもう……!) 京太郎「さて、昼は何をしようか」 京太郎「麻雀の勉強をしよう!」 京太郎「今日はどうしよう」 京太郎「霞さんの家で特訓をしよう!」 京太郎「あわよくばあのおもちを…(ゲス顔)」 京太郎「霞さんいますかー?」 霞「あら、また来たの」 京太郎「はい!上手くなりたいんで!」 京太郎「そういえば、昨日の対局のとき、霞さんが急に変になった感じがしたんですけど、あれは一体……?」 霞「あれは、神様を降ろしてたのよ」 京太郎「神様…ですか?」 霞「すぐ近くにいるわよ、ほら……」 霞「あなたの後ろに」 京太郎「ひぃっ!って、それじゃあ悪霊じゃないですか!」 霞「ふふっ、ごめんね」 京太郎「相変わらずすばらなおもちだったなあ……」 京太郎「夕方は何をしようかな」 京太郎「勉強をしよう!」 京太郎「おーい咏ー勉強しようぜー」 咏「なんだよ須賀島ぁ」 京太郎「ふふん、こんなものか!」 咏「勉強なんて知らんし…」グデー 京太郎「これやるから元気出せ」つオロナミンC 咏「ファイトー」 京太郎「いっぱーつ!」 京太郎「夜は何をしよう」 京太郎「ハッスルする!」 京太郎「なんだこれ」 京太郎「憩さんでヤるか……」 京太郎「憩さんか……あのとき咥えた感触はやっぱり…」シュッシュッ 京太郎「エロかったな、あの声」 京太郎「うっ」ドピュッドピュッ 京太郎「ふう……」 京太郎「すごい罪悪感がする…」 【5月第3週 休日】まで憩と必ず遭遇できるようになりました! 【5月第1週 休日】終 【5月第1週 平日】開始 京太郎「ぼっち登校はもうしない!」 京太郎「とか言ってるとまたなるんだよな…」 京太郎「朝だ!学校だ!!ぼっちだ!!!」 京太郎「……」 京太郎「メゲるわ……」 京太郎「早く学校に行くか…」トボトボ 信号「赤!I am redだよ!」 京太郎「これで今のところ全部赤か…」 照「朝からそんな辛気臭い顔してどうしたんだ、京」 京太郎「ああ、照か……」 京太郎「て、って、て、照ぅぅぅううう!?」 照「なぜそこまで驚く」 京太郎「生きててよかったよぉ…」グスッ 照「なんだかよくわからないが、行くぞ」 京太郎「あ、ちょっと待って!」 京太郎「ちょっと待て!照!」 照「な、なに?」 京太郎「お前に、頼みがあるんだ……!」 照「はぁ……言ってみな」 京太郎「俺と!」 照「お、俺と…?」ゴクリ 京太郎「と…」 照「と……?」ドキッ 京太郎「友達になってよー」 照「あのさぁ……私と京は友達っていうか、幼馴染でしょ?」 京太郎「だ、だよな!そうだよな!」キラキラ 照「何をいまさら……ほら、バカなことしてないで早く行くよ」 京太郎「おう!」 ―――――――――――― 京太郎「祝!脱ぼっち登校!」イェイー! 京太郎「さて、どこで昼を食べようか」 京太郎「食堂に行こう!」 【食堂】 京太郎「今日は少し空いてるみたいだな」 憩「お、京太郎君」 京太郎「こんにちは、憩さん」 憩「京太郎君はいつも食堂なん?」 京太郎「いや、気まぐれですね、弁当を作ってくることもあれば、購買に行くこともありますし、ここに来ることもありますし」 憩「え、自分で弁当作れるん!?」 京太郎「あまり大したものではないですけどね」 憩「それでも凄いことやで!ウチはあんまし料理できへんから尊敬するわー」 京太郎「じゃあこんど作ってきましょうか?」 憩「ええの!?」 京太郎「はい、もちろんです!」グッ 憩「はわぁ…楽しみやぁ…」 ―――――――――――― 京太郎「もう放課後か、早いな」 京太郎「今日はどうしようかな」 京太郎「部活にいっきまーーす!」ドヒューーン 咏「元気だねぃ」ヤレヤレ 【部室】 京太郎「部室に来たぞおおおおおお!」 霞「ふふふ、元気ね」 京太郎「今日は最っっ高に調子がいいんですよ!」 京太郎「部活は何をしよう」 京太郎「照と特訓をしようじゃないか!」 照「私も今そう言おうと思っていたところだよ」 京照「ワオ!これってディステニ!?」 憩霞咏エイ「「「「なんだあいつら」」」」 照「見ろ、この回転!ギュッルギュルやぞ!ゾックゾクするやろー!」 京太郎「スガちゃんこの前、エアコン買ったのにリモコンなくしちゃったぜ、もう使えないんだぜ~、ワイルドだろぉ~」 憩「こ、これが…」 霞「回転を極めし者の…」 エイスリン「チカラ、トイウモノナノカ…!」ガクッ 咏「いや、しらんし」 京太郎「部活は終わったけど、どうしよう」 京太郎「街に行くか」 京太郎「スーパーに行くか」 商品リスト 1.プリン 70円 2.マシュマロ 70円 3.かりんとう 70円 4.ポッキー 70円 5.プロ麻雀せんべい 70円 6.WEEKLY 麻雀 TODAY 650円 7.ティッシュ 400円 8.ノート 200円 9.シャーペン 300円 10.赤のマーカーペン 300円 11.自由 京太郎「これと、これとこれでいいか」 怜「はい、お客様、その手に持っている物はなんでしょうか」ウシロカラ 京太郎「あ、あなたは…?」 怜「私か?私は千里山の万引きGメン、人呼んで目利きのトキや!」ババーン! 京太郎「なんだ、怜さんですか」 怜「なんだとはなんや、せっかく病弱美少女が構ってあげてるっちゅうんに」コホッコホッ 京太郎「段々怜さんの病弱アピールが信じられなくなってきましたよ…」 怜「そうか、もう私は京くんには信じられない女なんやな…」ヨヨヨ 【5月第2週 平日】終 【5月第2週 休日】始 京太郎「あっさだーぃ!」 京太郎「何をしようかな」 京太郎「実家に帰ろうっと」 ――移動は省きます―― 京太郎「やっと来たぜ!我が故郷長野!」 京母「あれ、本当に帰ってきたのかい」 京太郎「おう!」 京母「帰ってこなくていいのに…」 京太郎「Oh...」 京太郎「何をしようかな」 京太郎「散歩をしてこよう」 京太郎「へー、ここってこんな風に変わっちゃったんだな」 京太郎「街並みが変わってるとなんだか寂しい気がするな…」 桃子「お!その金髪は京太郎じゃないっすか!」 京太郎「モモ?モモなのか?」 桃子「そうっす!モモっすよ!」 京太郎「そうか…モモか…大きくなったなぁ」 桃子「そうっすか?あまり身長は変わってない気がするっすけど」 京太郎「いや、そういう意味じゃ……げふんげふん」 桃子「京太郎は里帰りっすか?」 京太郎「そうだけど…」 桃子「それじゃあ私とどっか行くっす!」 京太郎「拒否権は…」 桃子「もちろん無いっす!」 京太郎「ここは…高校?」 桃子「そうっす、ここが私が通ってる清澄高校っす」 京太郎「そうか、モモはここで麻雀をやっているのか」 桃子「それじゃあ部室に行くっすよ!」 【部室】 桃子「とうちゃーくっす!」 京太郎「こんなところに部室があるのか?」 桃子「自慢の部室っすよ、それじゃあ、こんにちはーっす」ガチャ 京太郎「失礼しまーす」 ?「こんにちは、モモ。その人は?」 桃子「こちらは私の幼馴染の須賀京太郎っす」 京太郎「どうも」 ?「ふーん、私は竹井久、清澄の部長よ。よろしく」 桃子「ところで、咲と優希と和はどこっすか?」 久「あの3人なら今買い出しに行ってるわ、そろそろ帰ってくる頃よ」 久「そうだ、須賀君、私たちと打っていかない?」 久「モモや咲の幼馴染なら強そうだし」 京太郎(さて、どうしよう) 京太郎「受けて立ちましょう!」 久「そう、なら…」 ??「ただいまだじぇー」 ?「ただいま戻りました」 咲「ただいまーって、京ちゃん!?」 ??「む、なんで男がここにいるんだじぇ」 ?「金髪ですか…怪しいですね」 桃子「それ、ピンク色の髪の和には言えないと思うっす」 桃子「この金髪は須賀京太郎、私と咲の幼馴染っす」 ?「なるほど、そういうことですか私は原村和です、よろしくお願いします」 ??「わたしは片岡優希だじぇー」 久「さて、みんなの自己紹介が終わったところで、早速はじめましょうか」 開局 桃子「私が打つっす!」 咲「なら私も!」 優希「じゃあ私も特別に打ってやるとするじぇい」 京太郎「よし、始めるか」 優希「ツモ!6000オールだじぇー!」 京太郎「いきなりでかいなぁ、おい」 桃子「っていっても東場だけっすよ」 東1局1本場 親 優希 43000 京太郎 19000 モモ 19000 咲 19000 京太郎「ツモ、400・600」 咲「東場のゆーきちゃんを…」 久「止めた…?」 東2局 優希 42400 親 京太郎 20400 モモ 18600 咲 18600 京太郎「ロン、2000」 咲「あれれーとられちゃったかー」 優希「東場なのに聴牌できないじぇ…」 モモ(さてと…) 東2局1本場 優希 42400 親 京太郎 22400 モモ 18600 ※ステルスモード 咲 16600 京太郎「ロン!4200!」 優希「やばいんだじぇ…」 東2局2本場 優希 38200 親 京太郎 26600 モモ 18600 ※ステルスモード 咲 16600 優希「うぅう」トン 咲「ロン!2600だよ」 桃子(最下位っすか…) 東3局 優希 35600 親 京太郎 26600 モモ 18600 ※ステルスモード 咲 19200 優希と咲が同コンマのため、流局 東4局 優希 34600 親 京太郎 29600 モモ 17600 ※ステルスモード 咲 18200 京太郎「ツモ、300・500」 優希「タコス力がもうないじぇ…」 【タコスパワー】解除! 南1局 親 優希 34300 京太郎 30700 モモ 17300 ※ステルスモード 咲 17700 京太郎「ロン、2000だ」 咲(…やっぱり、お姉ちゃんの打ち方と似てる…) 南2局 優希 32300 京太郎 32700 モモ 17300 ※ステルスモード 咲 17700 京太郎「ロン、5800」 優希「うぅぅ…」 南2局1本場 優希 26500 親 京太郎 38500 モモ 17300 ※ステルスモード 咲 17700 京太郎「ロン、3900!」 京太郎(よし、引き離した!)ギュルギュル 優希「……」 南2局1本場 優希 28400 京太郎 36600 モモ 17300 ※ステルスモード 咲 17700 咲「ゆーきちゃんそれロン!2300」 優希「…」 南3局 優希 26100 京太郎 36600 親 モモ 17300 ※ステルスモード 咲 20000 京太郎「ロン、1000だ!」 京太郎「へっへー」 咲(ふぅん…) オーラス 優希 26100 京太郎 36600 モモ 17300 ※ステルスモード 親 咲 20000 咲(もう、いいよね……) 咲「…カン!」ゴッ 咲「嶺上ツモ!3200オール!」 京太郎(咲の嶺上…久しぶりだな) オーラス1本場 優希 22900 京太郎 33400 モモ 14100 ※ステルスモード 親 咲 29600 咲「それロンだよ!8100!」 モモ「マジっすか…」 オーラス2本場 優希 22900 京太郎 33400 モモ 6100 ※ステルスモード 親 咲 37700 京太郎(咲に、追いつく!)ギュル 咲「カン」 京太郎「それだ!槍槓のみ!1000の2本場は1600!」 咲「へ?」 優希「何をしてるんだじぇ?」 京太郎「あれ?」 終局 1位 咲 36100 2位 京太郎 35000 3位 優希 22900 4位 モモ 6100 咲「お疲れさま!」 優希「おつかれ…だじぇ……」グスッ 京太郎「俺は…なぜ……」 久「槍槓を和了るなんて、すごいわね、須賀君!」 和「あんなのはただの偶然です」 京太郎「そうですよ、まぐれですよ…」ハハハ 桃子「お疲れさまでしたっす」 一同「いたの!?」 桃子「ちゃんとここにいたっすよ!」プンプン 京太郎「あー、疲れたー」ノビー 咲「京ちゃん、これからどうするの?」 京太郎「そうだな……何をしよう」 京太郎「街へ行こうかな」 咲「そっか、じゃあね京ちゃん」 桃子「いつでも来ていいっすからねー」 久「今度は私と打ちましょうね」 京太郎「はい、さようならー」 京太郎「地元のゲーセンに入ったのは今日が初めてだな」 京太郎「よし、遊ぼう!」 ゲーセンで楽しく遊んだ! …1人で 京太郎「……」 京太郎「次は何をしよう…」 京太郎「雀荘に行こう!」 カランコロン おっさん「いらっしゃーいって」 京太郎「え」 おっさん「須賀んとこのガキじゃねえか!」 京太郎「なんであなたがここに!?」 おっさん「なんでも何も、ここは俺の雀荘だぞ」 おっさん「あのニヤニヤした奴と同じような感じだ、休日はここで雀荘やってんだ」 ??「すまない店長、空いてる卓は無いか?」 おっさん「おお、加治木の!丁度いい、俺らと打とうじゃあねえか」 ??「別にいいが、その青年は?」 おっさん「こいつは須賀っつうんだ」 京太郎「須賀京太郎です」 ??「ふむ、この辺ではあまり見かけない顔だな、大阪の高校生か」 京太郎「はい、三箇牧の麻雀部に入っています」 ??「そうか、私は加治木ゆみだ、よろしく」 京太郎「よろしくお願いします」 おっさん「あと1人は…お」 おっさん「おい、福路んとこの!俺らと打とうぜ!」 ???「はい、わかりました」 おっさん「こいつは福路、中々面白いやつだ」 京太郎「須賀京太郎です、よろしくお願いします」 ゆみ「加治木ゆみだ、よろしく」 美穂子「福路美穂子です、よろしくお願いします」ペコッ おっさん「じゃ、始めるか」 開局 ゆみ「お、私が親か」 京太郎「落ち着いていこう」 美穂子(温存していきましょう) おっさん「…」グググ ゆみ「よし、それでは始めようか」 京太郎「ツモ、300・500です」 ゆみ(親が流れたか…まあいい) 東2局 ゆみ 24500 親 京太郎 26100 美穂子 24700 おっさん 24700 京太郎「ロン、2000です」 ゆみ「ああ」 ゆみ(確かにこの青年…面白い) 東2局1本場 ゆみ 21500 親 京太郎 29100 美穂子 24700 おっさん 24700 京太郎「ロン、6100です」 おっさん「げっげっ、いいぞいいぞ!」 東2局2本場 ゆみ 22500 親 京太郎 35200 美穂子 24700 おっさん 18600 京太郎「ツモ、2800オール」 美穂子(なかなか手強いわね…) 東2局3本場 ゆみ 19700 親 京太郎 43600 美穂子 21900 おっさん 15800 ゆみ「ツモ、600・800だ」 ゆみ(なんとか連荘を阻止できたが…) 美穂子(この点差、どうしましょう) 東3局 ゆみ 21700 京太郎 42800 親 美穂子 21300 おっさん 15200 京太郎「ツモ、300・500」 ゆみ(またか…) オーラス ゆみ 21400 京太郎 43900 美穂子 20800 親 おっさん 14900 京太郎「ロン、1000で終わりです」 おっさん「そうか…ほいよ」 終局 1位 京太郎 44900 2位 ゆみ 21400 3位 美穂子 20800 4位 おっさん 13900 京太郎「お疲れさまでした」 ゆみ「お疲れ、凄まじい勢いだったな」 京太郎「知り合いから教わった技術ですけどね」 美穂子「でも凄かったですよ!また打ちましょうね!」 京太郎「はい、いつかまた」 京太郎「そろそろ帰らなきゃだけど、どうしよう」 京太郎「清澄に行くか」 京太郎「ちはーっす」 久「あら、また来たの」 京太郎「ええ、まだ打ち足りないんで」 久「それじゃあ誰と打っていく?」 咲桃「「私が!」」 久「そうね、それじゃあもう一人は和でいいかしら?」 和「はい、上等です」 咲「今回も勝つよ!」 京太郎「今度こそ勝つ!」 開局 和「よろしくお願いします」 桃子「よろしくお願いするっす!」 京太郎「よろしく!」 咲「じゃあ始めるよ!」ゴッ 京太郎「ロン、1000だ」 京太郎(さっさと逃げ切る!) 咲(やっぱり、使うんだね……) 桃子(打点が低いと消えにくいっす) 和(……) 東2局 咲 24000 親 京太郎 26000 モモ 25000 和 25000 モモと咲が同コンマのため、流局 東2局1本場 咲 25500 親 京太郎 27500 モモ 23500 和 23500 京太郎「ロン!9900だ!」 咲「うっ…」 咲(そう…それでいいんだよ…) 東2局2本場 咲 15600 親 京太郎 37400 モモ 23500 和 23500 咲「あ、ロン、8600」 桃子「うげっ」 桃子(まあいいっす…)スゥ モモが[ステルスモード]に移行しました 咲(それじゃあ、私も)スゥ 【魔王の姿】発動! 咲が[ステルスモード]に移行しました 東3局 咲 24200 ※ステルスモード 京太郎 37400 親 モモ 14900 ※ステルスモード 和 23500 桃子「ツモ、6000オールっす」 咲(急に牌が回らなくなった…) 咲が[ステルスモード]を解除しました 東3局1本場 咲 18200 ※ステルスモード 京太郎 31400 親 モモ 32900 ※ステルスモード 和 17500 京太郎「ロン、1300」 和「はい」 オーラス 咲 18200 京太郎 32700 モモ 32900 ※ステルスモード 親 和 16200 京太郎「ツモ!500・1000!」 桃子「えぇ~」 和「賢明な判断ですね」 咲(また、使うんだ……まあ楽しいからいいか) 終局 1位 京太郎 34700 2位 モモ 32400 3位 咲 17700 4位 和 15200 京太郎「じゃあ、俺、大阪に帰るわ」 久「またいつでも来なさい、見てて楽しかったわよ」 和「またどこかの卓で会いましょう」 優希「今回の借りはいつか返すじぇ!」 桃子「大阪で頑張ってくださいっす!」 咲「また打とうね、京ちゃん!」 京太郎「おう、それじゃあな、あばよ!」 ―――移動はキンクリじゃ!――― 京太郎「帰ってきたぜ大阪!」 京太郎「今夜は何をしようかな」 京太郎「散歩してくるか」 京太郎「なんにもなかったぞ!」 【5月第2週 休日】 終 【5月第3週 平日】 京太郎「朝だ!清々しい朝だ!」 京太郎「須賀なだけに」 京太郎「寒い……」 京太郎「心が」 京太郎「今日も誰とも会えないのかなー」 憩「おー京太郎君やん!」 京太郎「あれ、憩さんって学校行くのこの時間でしたっけ?」 憩「今日は少し遅めに出てきたんや」 憩「少し夜更かししちゃってね」ハハハ 京太郎「そういえば、麻雀部ってこのままで大丈夫なんですか?」 憩「え?」 京太郎「確か部員6人と顧問の先生1人を集めて5月末までに創部申請を出さないと創部できないらしいですよ」 憩「それ……ホンマ?」 京太郎「はい」 憩「ええええ!?それヤバいやん!危ないやん!どうしよう、京太郎君!」 京太郎「それじゃあ、今日誰かを誘いに行きましょうか」 憩「せやな!よし頑張るでー!」 京太郎「昼飯、昼飯っと」 京太郎「今日は屋上に来たぞ!」 京太郎「やっぱり屋上ともなると清々しいな!」 華菜「寒いんだし……」 京太郎「わかってますよ…って池田さん!?」 華菜「そうだし!カナちゃんだし!」 京太郎「久しぶりですね!」 華菜「同じアパートに住んでるはずなんだけどな…」 華菜「そういえば、お前らまだ麻雀部頑張ってるのか?」 京太郎「そうなんですよ……あと1人入ってくれればいいんですけど…」チラッ 華菜「別に入ってもいいんだが、そうすると今度はこっちの部活が駄目になっちゃうんだよな」 京太郎「池田さんは何の部活に入ってるんですか?」 華菜「なんでも支援部っていうんだけど、ほらこの高校兼部駄目だろ?」 華菜「一応部長もやってるから、少し難しいんだよな…」 京太郎「そうですか…」 京太郎「それならもういいです」 京太郎「他の人にはあまり迷惑をかけたくないですしね」 華菜「ごめんな…入部の件、考えてみるよ……」 京太郎「大丈夫です、なんとかなるはずなので」 華菜「本当にごめんな……」 部員A「あ、部長こんなところにいた!」 部員B「どこ行ってたんですか?早く戻りますよ」 華菜「うん、じゃあな須賀」 京太郎「はい」 【放課後】 憩「さて、新人勧誘に行くで!」 京太郎「…おー」 憩「なんや、元気ないな、どうしたんや?」 京太郎「あ、いや何でもありませんよ!さあ張り切って行きましょう!」 京太郎「まずはどこに行こうかな」 京太郎「街に行きましょうか」 憩「帰宅部の子なら街にいるかもしれんしな」 京太郎「そうと決まればレッツゴーです!」 【街】 憩「んー、あんましいないなー」 京太郎「考えが甘かったですかね……」 郁乃「あれ~2人共何しとるん~?」 京太郎「うおっ!いつの間に!」 郁乃「そんなにびっくりせんでええやろ~、それで何しとるんや~?」 京太郎「実は部員集めをしているんですよ」 憩「せや!いくのんウチに入ってーや!」 郁乃「え~私~?別にええけど~せやな~」 郁乃「じゃあ~京太郎くんたちが私に勝てたら、ええで~」 郁乃「挑戦はいつでもええで~」 京太郎(さて、どうしよう) 京太郎「それじゃあ今から打ちましょう!」 憩「せやせや、いまさら怖気づいた~とかはなしやで!」 郁乃「よし、ほないこか~」 【雀荘】 店員「いらっしゃいませー、お、久しぶりやな須賀君」 京太郎「どうも」 憩「なあなあ、卓1つ貸してくれへん?」 店員「ああ、別にええで荒川の嬢ちゃんにはいつも来てもらってるからねー」 憩「よし、これで場は整ったで!」 京太郎「あと1人をどうするかな…」 泉「あれ、須賀君ですか?」 京太郎「おお二条か、久しぶりだな」 泉「もしかしてそこ空いてます?」 京太郎「丁度いいや!一緒に打とうぜ、二条!」 泉「別にいいですけど…」 開局 京太郎「さあ!張り切っていくぞ!」 泉(起家ですか、幸先いいですね) 憩(頑張るんや!) 郁乃(どうしようかな~) 京太郎「ロン、1000です」 憩「ほいほーい」 憩(じゃあそのついでに……) 【白衣の護り】発動! 京太郎「はっ……?」 東2局 泉 24000 親 京太郎 26000 憩 25000 郁乃 25000 京太郎「ロン、3000です」 憩「ほいほい」 郁乃「ふふっ」ニコニコ 東2局1本場 泉 24000 親 京太郎 29000 憩 22000 郁乃 25000 憩「ツモ!1100・2100や!」 京太郎「えっ……」 郁乃「憩ちゃんは私から和了れないでええの~?」 郁乃「このまんまやと逃げ切ってまうで~」 憩「あ」 東3局 泉 22900 京太郎 26900 親 憩 26300 郁乃 23900 泉と郁乃が同コンマのため、流局 東3局1本場 泉 19900 京太郎 27900 親 憩 27300 郁乃 24900 京太郎と憩が同コンマのため、流局 オーラス流れ1本場 泉 18400 京太郎 29400 憩 25800 親 郁乃 26400 京太郎「ツモ!400・600!」 京太郎「これでおわ…」 郁乃「り、と思った~?」 郁乃「残念!幻影やで~!」 【身代わりの幻影】発動! 聴牌判定まで戻ります 京太郎「はっ!」 京太郎(一体何が…) オーラス流れ1本場 泉 18400 京太郎 29400 憩 25800 親 郁乃 26400 郁乃「ロン、18300やで~」 憩「えっ」 京太郎「えっ」 終局 1位 郁乃 44700 2位 京太郎 29400 3位 泉 18400 4位 憩 7500 京太郎「駄目だったか…」 泉「ありがとうございました!」 泉(今日は最下位じゃなかった…)グッ 憩「ごめんな…京太郎君…」 郁乃「挑戦はいつでも受けるで~」 京太郎「はい…」 京太郎「次は何をしよう…」 京太郎「街に行って気分転換しよう…」 京太郎「駄菓子屋に行ってみよう!」 商品リスト うまい棒チーズ味 10円 ふがし 10円 10円玉チョコ 20円 ガム 30円 ビーフジャーキー 30円 京太郎「これくーださい」 婆「はいよ」 【5月第3週 平日】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3393.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346308252/ 己のカルマと戦う京太郎の前に現れたステルスモモ 彼女から持ちかけられた悪魔の契約に対して、決意を固めたはずの京太郎の心は揺らぐ 彼は自らの生き方を切り開くことができるのか!? 京太郎(師匠……すみません……) 京太郎(俺はやっぱり、自分の身がかわいい臆病者みたいです……) 京太郎「分かった、そちらの要求を飲もう」 桃子「あなたならそう言ってくれると思ってたっす」 桃子「合宿中は無理に行動を起こさなくて良いっす」 桃子「実際に行動に移すのは、清澄に帰ってからということで」 京太郎「分かった。しかし今は情報が足りない」 京太郎「うちの部長とそっちの先輩ってのは、一体どれくらい親密なんだ?」 桃子「……名前」 京太郎「ん?」 桃子「あの女、私の先輩を下の名前で呼びやがったんす!」 桃子「私でさえまだ苗字に先輩って付けただけなのに……」ギリッ 京太郎(こ、これは……) 京太郎(百合場面名鑑収録「下の名前で呼んで」の亜種か!) 京太郎(いやいや、喜んでる場合じゃないだろ) 京太郎(落ち着け、冷静になるんだ) 京太郎(たかが下の名前で呼ぶようになっただけで、そこまで危険な段階に入っていると言えるか?) 京太郎(下の名前で呼び合うくらいまでなら別に……) 京太郎(…………) 京太郎(かじゅ久、いや、久かじゅ……か) 京太郎(アリだな) 京太郎(部長という職務の重責……そこから生じるストレスを抱えながら部活を発展させようとしてきた二人) 京太郎(奇しくもそれぞれが在籍する麻雀部は歴史がゼロと言っても過言ではない状態の新生部) 京太郎(同じような境遇にある者同士がある日交錯したとき、物語は始まる) 京太郎(ん?鶴賀の部長はカマボコみたいな口の人だっけか) 京太郎(まあいいか、立場的には似たようなものみたいだし、やはりそこから生じる共感g) 桃子「不愉快な妄想をしているようなら、あんたにはもう用はないっす」ニコッ 京太郎「!? ち、違うんだ! 待ってくれ!」 桃子「次はないっすよ?」 桃子「とにかく、くり返すっすが方法は問わないので、可及的速やかに処理をしてくださいっす」 桃子「こうしている間にも、あの女の毒牙が先輩に迫ってるんっすから」ギリッ 京太郎(これは……マジだな)ゴクリ 桃子「最終的にあの二人の接触を断つことができれば良いことにするっす」 桃子「だけど、もしも間に合わなかったら、その時は……」ゴゴゴ 京太郎「分かってる! 分かってるからそれだけは……それだけは許してくれ…」 桃子「じゃあ、今日のところはこれくらいにしておくっす」 桃子「期待してるっすよ、須賀京太郎君?」 桃子「あ、それと、万が一先輩の着替えを覗くとか、そういうことをした場合もその場で処刑確定なので注意してくださいっす」 桃子「では」スゥ… 京太郎「ふぅ……」ドサ 京太郎(なんてことだ……まさかこんなことになるなんて……) 京太郎(どうすれば……師匠に助けを) 京太郎(いや、それだけは絶対にできない) 京太郎(俺の尻拭いを師匠にさせるなんてことは、絶対にあってはならない……) 京太郎(しかし、師匠の思いを踏みにじることも避けたい) 京太郎(くそっ……八方塞がりか…) 京太郎(……いや、待てよ) 京太郎(今のこの状況、一見すると男である俺が百合の園を土足で踏み荒らそうとしているように見える) 京太郎(しかし、今俺がそんな行動に出ようとしているのは、紛れもない百合娘・東横桃子からのアクションがあったからだ) 京太郎(実際のところこれは、百合娘が自らの願望を成就させるための手段だと考えられないだろうか?) 京太郎(ならば今の俺は、百合の舞台の上にある一つの小道具……) 京太郎(百合の花を咲かせるためだけに存在する、ひとつの背景に過ぎない) 京太郎(それならば……俺は飽くまで流れの中で求められ、使われているに過ぎない!) 京太郎(そう、主人が執事に……透華さんや衣ちゃんが師匠に命じて、師匠がそれに応えるという関係のように) 京太郎(俺が桃子さんの要求に応じるのは、何の違和感もない行動だと言えるんじゃないか!?) 京太郎「く、くくく」 京太郎(これは、むしろ僥倖かもしれん) 京太郎(行動の理由を自らの外に置きつつも、それでいて自らのためになる行動ができる) 京太郎(しかもそれは、俺自身の規範に逆らうものではない) 京太郎(いいねぇ、望むところだ) 京太郎(やってやろうじゃないか!) 京太郎(俺は舞台の上で、俺の役を演じきってやる!) 京太郎(アトモスフィア京を舐めるなよ!!) ――久主催部屋―― 久「その手を鳴かずに進められるのね…」 ゆみ「これを鳴いて和了れる相手とは思っていない」 久「あら、随分と評価してもらってるみたいね」 ゆみ「当然だ、聞くところによるとインターミドル時代も猛威を振るっていたそうじゃないか」 ゆみ「高校に入ってから麻雀を始めた私から見れば、大先輩だよ」 久「いやねぇ、そんなことまで調べてあるの? ちょっと怖くなっちゃうわ」 ゆみ「敵情視察は戦略の基本だ」フッ 久「怖いわね、滅多なことができなくなっちゃう」 京太郎(ふむ、思った以上に親密になっているようだな) 京太郎(桃子さんの杞憂というわけではなさそうだな) 京太郎(部長が加治木さんを誘った時に下の名前で呼んでるのを見て、大慌てで俺に話を持ちかけてきたわけか) 京太郎(凄まじい行動力……いや、執念と呼ぶべきか) 京太郎(しかし……) 美穂子「うえ……竹井さん」 久「うーん、ねぇ美穂子」 美穂子「す、すみません! 失礼なことを……」 久「いや、別に上埜って呼ばれるのを気にしてるわけじゃないのよ?」 久「ただ、ゆみも私のことを名前で呼んでるし、美穂子も私のことを名前で呼んでくれないかしら」 久「ほら、私も“美穂子”って呼んでるわけだしね」 美穂子「え、でも……」 久「よし、決めた」 美穂子「え?」 久「“久”って呼んでくれないなら、なんにも反応してあげないことにするわ」 美穂子「え、そ……そんな、冗談ですよね?」 久「……」 美穂子「た……竹井、さん?」 久「……」 美穂子(うぅ……) 美穂子「ひ、久さん」 久「うーん、“さ”が続くと響きが悪いわねぇ」チラッ 美穂子「そ、そんな……」 久「あーあ、さみしいなぁ」チラッチラッ 美穂子「……」 美穂子「……久」ボソッ 久「……」スッ トトト 美穂子「え?」 久「……」ギュウ 美穂子「えっ!? ひ、ひゃ」 久「なぁに、み・ほ・こ♪」フゥ 美穂子「あ、わあうああうああ」カアァァァ 美穂子(息が、息が耳に……!) 衣「おい久、対戦相手の手牌を盗み見る気か?」 久「あら、ごめんなさい。そんなつもりはちっとも無かったんだけど」 久「あんまりにも美穂子が可愛いもんだから、自分を抑えきれなくなっちゃってね?」 美穂子「うぅぅ……」 ゆみ「まったく」ニガワライ 京太郎(…………) 京太郎(たまらん) 京太郎(なんだなんなんだこの最高の桃色空間は!?) 京太郎(ってか部長! あんた最高だよ!!) 京太郎(女の子を手玉に取るすべを身につけすぎてて、逆に怖い!) 京太郎(これは間違いなく歴戦の百合娘!) 京太郎(今までも相当な数の生娘をその毒牙にかけてきたに違いない!) 京太郎(はっ!?)ピキュイィィン 京太郎(そ、そういえば、うちの部室ってやたら恵まれた環境にあるよな……) 京太郎(部員数ギリギリ団体戦に出場可能なくらいしかいない弱小中の弱小部なのに) 京太郎(しかも、中古で買っても決して安くない自動卓まである) 京太郎(ここから導き出される結論、それはすなわち……) 京太郎(百合売春!!) 京太郎(いや、実際には売春というより、何かしらの備品をかけての麻雀勝負だったのではないだろうか) 京太郎(「部員がいないからちょっとだけ付き合ってくれない?」と誘われ、軽い気持ちで部室に足を踏み入れた彼女たちだったが) 京太郎(そこで会話をしていくうちに、次第に久という存在に惹かれるようになる) 京太郎(そしてある日、部室に置く備品をかけての勝負を持ちかけられる) 京太郎(賭けられるものがないように見えることを久に伝えると、彼女は自分の躰を賭けると言い出す) 京太郎(はじめは驚いて勝負を拒否するが、あっさりと久は引き下がる) 京太郎(拍子抜けした状態で帰宅するも、ベッドの中でそのことを反芻し、勝負を受けなかったことを後悔する) 京太郎(そして翌日、放課後になると真っ先に麻雀部の部室に向かい、そこの主に「賭けをしよう」と持ちかけるのだ) 京太郎(そしてギリギリの勝負の末、見事勝利を掴み取る。高鳴る胸の鼓動) 京太郎(なんとか平静を保とうとしていると、久がゆっくりと立ち上がり、部屋の隅のカーテンをそっと開く) 京太郎(そこには真っ白なシーツがかかったベッドが。ベッドの上に腰掛け、制服を徐々に崩しながら、誘うような目つきで見てくる久) 京太郎(そして耐えられなくなった欲望がり性を粉々に打ち砕き、久の体躯を、息を荒げながら乱暴に組みしだく……) 京太郎(一度味を知ってしまったらもう後には戻れない) 京太郎(自らの私物やポケットマネーを賭けてまで戦いに挑み、徐々に泥沼にはまってゆく) 京太郎(絶妙なバランスで勝敗を調整しながら、久は彼女たちの心を弄んでいく……) 京太郎(こう考えれば、不自然なほど揃っている備品の数々、そしてあのベッドの説明がつく) 京太郎(そして和は、かつて部長が甘い声を上げながら) 京太郎(時には上げさせながらシーツを濡らしていたなどということに微塵も気づかず、そのベッドで無防備に睡眠をとっているのだ) 京太郎(…………) 京太郎(い、いかん、これは危険だ) 京太郎(平常心が保てなくなりそうだ……落ち着け俺)フゥ ゆみ「ん?」 京太郎(っ! まずい!) 京太郎(アトモスフィアモードを……冷静に……)スゥ ゆみ(…………気のせいか) 京太郎(……危なかった) 京太郎(しかし、さすがと言わざるを得ないな) 京太郎(あの桃子さんの気配を、完全に隠蔽していない状態とは言え察知できるだけ……) 京太郎(しまった、本来の目的を忘れるところだった……!) 京太郎(今は百合妄想に浸っている場合ではない。何とかして現状を打開しないと……) 京太郎(しかし、俺のSPY-Lレーダーの情報が正しければ、キャプテンはもう既に陥落しているが、肝心の部長が問題だ) 京太郎(今回のオーダーは部長を加治木さんから引き離すこと) 京太郎(最終的に部長そのものをどうにかしなければ意味がない……) 京太郎(しかし、ここに来てからの部長の姿を見る限り、彼女を特定の誰かと結びつけることはかなり難しい) 京太郎(おまけに今回は時間が限られている) 京太郎(一度この合宿が終わってしまえば、これだけのメンバーが一堂に会することは殆どなくなるだろう) 京太郎(解散してしまえば部長と加治木さんの接触自体は減るだろうが) 京太郎(もし個人的に合うといった状況になった場合、それを事前に察知するためには部長のプライベートに張り付く必要が出てくる) 京太郎(そして周囲にフレアとして使えそうな人材がいるとも限らない) 京太郎(合宿終了まであと何時間だ?) 京太郎(なにか……何かないのか……) 京太郎(師匠……俺に力を……) 京太郎(……ん? 待てよ?) 京太郎(このSPY-Lの反応……) 京太郎(はっ!?) 京太郎(そうか! この手があったか!) 京太郎(…………しかし、これは成功する確率が高いとは言えない……) 京太郎(どうする、別の手を考えるか……?) 京太郎(いや、迷っている時間はない) 京太郎(失敗すればジ・エンドだが、何もせずにいて失敗しても結果は同じだ) 京太郎(ならば、俺は全力を尽くして死ぬ方を選ぶ) 京太郎(それに、これは紛れもない百合娘からの願いでもある) 京太郎(指をくわえて見ているだけなどというのは、百合男子道に背く行い!) 京太郎(よし! 『オペレーションNH』始動だ!!) ――清澄部屋―― 和「はぁ、流石に疲れましたね」 咲「朝から晩まで打ちっぱなしだったもんね……」 咲「優希ちゃんなんか爆睡してるよ」 優希「ZZZzzz……」ホボゼンラ 和「ゆーき……なんてはしたない…」 咲「それにしても、今回の合宿は勉強になったなぁ」 和「ですね、みなさんやっぱり決勝まで残っただけありました」 咲「はぁ、京ちゃんも来れてたら強くなれたんじゃないかなぁ」 和「」ムカッ 和「もし来れていたとしても、部長の命で雑用をやって終わりだったと思いますよ」イライラ 咲「うーん、部長ももう少し京ちゃんに優しくしてあげればいいのに……」 和「」イライライライライライライライライライライラ 和「み、宮永さ」コーイーシチャッタンダ タブン キヅイテナーイデショー 咲「あ、これって」 咲「京ちゃんからメールだ!」パァァ 和「」プチッ 和「みやながさ咲「え?」 和「!」ガバッ 和「どうしましたか宮永さん!まさかセクハラまがいのメールを!」 和「前からうすうす怪しいとは思っていたんですが、やっぱりやらかしましたかあの変態!」 和「私たちの方を見てたまにニヤっと笑っていたんですよ!」 和「気持ち悪いなぁとは思っていたんですが部活の平穏を乱したくなくて今まで野放しにしてしまいました! 申し訳ありません!」 和「今すぐヤツからのメールや着信履歴を全て削除してアドレスからも消去」 和「ついでに着信拒否リストに入れて、麻雀部、いや清澄高校、いいえ長野から永久追放してしまいましょう!!」 和「大丈夫です!裁判なら両親に頼めば必ず勝てますし、宮永さんは私が必ず守りきってみせます!」 咲「え? いやそんなメール京ちゃんはしてきてないよ?」 咲「ただ、ちょっといきなりっていうか、よく分からないっていうか……」 咲「ほら、これ」スッ 和「…………え?」 和「……何ですか、これ?」 咲「私も全然分からない……」 咲「あ、も、もしかして……」 咲「京ちゃん……あの人のこと……」ジワッ 和「!?」 和(私の咲さんを泣かせるなんて…………) 和(凌遅刑が神からの祝福に思える位の罰を与える必要がありますね……!)ゴゴゴ 和「今すぐ電話して、目的を問いただしましょう!」 咲「う、うん」ピピッ 和(短縮の0番!?)ワナワナ 咲「…………電源が入ってないみたい」 和「宮永さん! こんな訳のわからないお願いなんて聞く必要ありません! もう今日は寝ましょう!!」 咲「…………ううん、行くよ、私」 咲「きっとなにかワケがあるんだよ」 咲「私は京ちゃんを信じる。京ちゃんの力になりたいから……!」グッ 和「」イライラブルブルワナワナバキバキグシャグシャバリバリゴクン 和「…………分かりました」 和「では、私もご一緒させていただきます」 和「私も(咲さんの)力になりたいですから」ニッコリ 咲「原村さん……!」 和「行きましょう、あんまり遅くなると、寝てしまうかもしれませんよ」ニコニコニコニコ 咲「うん! 行こう!」 ――鶴賀部屋―― 桃子「ん?」 桃子(この気配……) 桃子「ちょっと出てくるっす」 ワハハ「んー? あんまり遅くなるんじゃないぞー」ワハハ 桃子「はいっす」 ガチャ バタン 桃子「で、なんの用っすか? 須賀京太郎」 京太郎「今、手を打っているところです。おそらく明日出発するまでには結果が出るでしょう」 桃子「!!」 桃子(本当? ブラフ? いくらなんでも早すぎないっすか?) 桃子「合宿中は無理みたいなことを言ってたと思うんすけど、あれはなんだったんすかねぇ?」 桃子(これは警戒しなくてないけない? いやしかし……) 京太郎「俺の認識不足でした。むしろこの機会を逃すわけにはいかないんです」 京太郎「……そして、この作戦を遂行するにあたって、桃子さんにも協力していただかなくてはなりません」 桃子(きたっ!) 桃子「確かに協力するとは言ったっすけど、内容によるっす」 桃子「当然納得できる理由も話してもらわないと」 京太郎「理由までは……ただ、殆ど手間は取らせません」 京太郎「大丈夫です。俺を信じてください」 京太郎「必ず貴女の望む結果をご覧に入れます」 桃子(……話だけなら、聞いてやるっすか…) ――外―― 桃子(一応、要求されたことはやったっすけど、あれは一体何の意味が……) 桃子(あとはここで少し待てばいいって……) 桃子(少しってどれくらいなんすかね?) 桃子(一応アイツの行いの証拠は、分散して保管してあるから、今のうちに処理するのは無理っすけど……) 桃子(10分待って何も起こらなかったら、処刑確定っすね) ゆみ「……」タッ タッ タッ 桃子「……先輩?」 ゆみ「桃子」 桃子「!?」ビクッ 桃子(こ、これは……) 桃子(先輩……怒ってるっすか……?) 桃子(一体何が……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はいっす!」ビクッ ゆみ「ひとつ、聞きたいことがある」 桃子「なな、なんっすか?」ビクビク ゆみ「須賀京太郎をいう男の事を知っているか?」 桃子「!!??」ビックゥ 桃子(ま、まさかアイツ……みんな先輩にバラして……)ブルブル 桃子(こ、殺すっす!!) 桃子「な……んのことだか、さっぱりわからないっすね」プイッ ゆみ「声が上ずっているぞ」 ゆみ「その反応、やはりヤツの言っていったことは本当だったか……」 桃子(なんで、そんなに怒ってるんすか……) 桃子(なんで、そんなに悲しそうな顔するんすか……) 桃子(私のこと、恋愛ではないにしても、好いていてくれていたんじゃないんすか……) 桃子(じゃあなんで……今まで……勘違いさせるようなこと)ギリッ 桃子(あんまりっすよ……) ゆみ「桃子……本気なのか?」 桃子(……!)ギリリッ 桃子「そうっすよ! 本気っす!」ジワッ 桃子「でも何が悪いんすか! 先輩が悪いんっすよ!」ポロ 桃子「私は……私は、ただ……」ポロポロ ゆみ「……」スッ 桃子「っ! 触らないでくださいっす!!」バシッ ゆみ「」ギリッ ゆみ「桃子!」グイッ 桃子「きゃ!?」ドサッ 桃子(え? 何? 押し倒され……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はい……」 ゆみ「お前を見つけたのは、私だ」 桃子「え、あ、はい」 ゆみ「だから、お前は私のモノだ」 ゆみ「誰にも渡しはしない」ギュウ 桃子(…………???) ゆみ「私が悪かった」 ゆみ「お前は、なんだかんだでちゃんと分かってくれていると思っていた」 ゆみ「全く、笑い話にもならないよ」 ゆみ「だから」 ゆみ「しっかりと、躾てやらないといけないな」 桃子「はぇ?」 ゆみ「だれがお前の持ち主なのか」 ゆみ「心にも、躰にも」 ゆみ「刻みつけてやる……!!」グイッ 桃子「な、にを んんうぅ!?」チュウゥゥ 桃子(これは一体何がどうなってこうなったんすかぁぁぁ!?) ゆみ「ふぅ」 桃子「はぁ、はぁ……せ、んぱ」ハァハァ ゆみ「……」グイッ 桃子「や、ちょ、そこは!?」ググッ ゆみ「初めてか?」 桃子「……はぁ…? そりゃ、そうっすけど……?」 ゆみ「そうか、そうじゃなかったらモモを殺して私も死んでいたよ」 桃子「ぇ?」 ゆみ「それに、痛くなければ躾にならないだろう?」 ゆみ「一生忘れられないくらい、痛くしてやるからな」 桃子「ちょ、ま、せんぱ」 ~少し前~ ――廊下―― ゆみ「やれやれ、さすがに疲れたな」コキコキ ゆみ(しかし……楽しかったな)フッ ゆみ「…………ん?」 ゆみ(これは、なんだ?) ゆみ(押し隠したような気配……モモに近いが、違う) ゆみ(それにこの感じ……久たちと打っている時にも一瞬感じた) ゆみ「そこかっ!」バッ 京太郎「流石ですね」スゥ ゆみ「! 君は……確か清澄の男子部員」 京太郎「! これは……覚えていただけているとは、意外でした」 ゆみ「なぜここにいるんだ? 久は君を置いてきたと言っていたはずだが」 京太郎「ええ、まあちょっとした理由がありましてね」 京太郎「加治木さんに接触したのも、その理由と関係していまして」 京太郎「少しお時間をいただけないでしょうか」ニコッ ゆみ(……どういうつもりだ?) ゆみ(この男、確かに気配を感じることはできたが、まるであえて私に察知させたような、そんな不自然さがあった) ゆみ(つまり、今の今まで私にも気づかれないような状態で”何か”をしていた可能性が高い) ゆみ(それでも、犯罪行為をしようとしていたなら、気配を消した状態でいくらでも出来たはず) ゆみ(私に直接危害を加えるようなことは、今の時点でするつもりはないということか) ゆみ(……ここで誘いに乗らなかった場合、この男は再び姿を消すだろう) ゆみ(目的が全くわからないままロストするのは避けたい……) ゆみ「わかった、話だけなら聞こう」 京太郎「そうおっしゃっていただけると思っていました」 京太郎「ここでは人目につきます。場所を移しましょう」 ――外―― ゆみ「で、こんな所でしか話せないということは、なかなかに後暗い話題をしたいと見えるが」 京太郎「後暗い、というほどではありませんが……」 京太郎「大手を振って話せるものでもありませんね」 京太郎「……同じ無名校として、決勝での鶴賀の活躍には驚きましたし、素直に敬意を覚えました」 ゆみ(……? なんだ、わざわざ胡麻をすりに来たわけでもないだろうに) 京太郎「とくに、うちの原村を抑えて、副将戦で収支1位を飾った東横桃子さん」 ゆみ「……」ピクッ 京太郎「加治木さんも素晴らしい立ち回りをされましたが、やはり彼女の働きには非常に強い印象を覚えました」 ゆみ「……何が言いたい」 京太郎「そのままです。東横さんが優秀だというお話ですよ」 京太郎「原村和は去年の全中チャンピオン」 京太郎「そして龍門渕透華さんも、去年のインハイでは大いに活躍したそうじゃないですか」 京太郎「そんな二人を押しのけて、鶴賀を優勝まで後一歩のところまで押上げた彼女のような才能が」 京太郎「これを最後に終わってしまうのかと思うと、あまりにももったいなくて」 ゆみ「!?」 ゆみ「それは、どういうことだ?」 ゆみ「モモはまだ1年だ。来年も再来年も、鶴賀のエースとして活躍する」 ゆみ「ここで終わるわけがないだろう!」 京太郎「冷静に考えてみてください」 京太郎「確かに鶴賀は県予選で決勝まで上り詰め、大いに活躍しました」 京太郎「しかし、それだけで来年からも部員が入ってくれるでしょうか?」 京太郎「本当に麻雀がやりたい人なら、長野だと普通は風越に入ります」 京太郎「それに、風越は確かに名門ですが、ここ最近の2連敗は間違いなく看板の価値を落としているでしょう」 京太郎「ではほかの学校はどうか?」 京太郎「今回の決勝の4校で考えてみましょうか」 京太郎「龍門渕のメンバーは全員が2年生で、来年もレギュラーメンバーは変わらないでしょう」 京太郎「メンバーに空き枠がなく、横のつながりだけで強さを保っているところに、新入生が入るとは考えにくい」 京太郎「そもそもあのチームは学校の麻雀部というより、龍門渕さんの私設クラブとしての色合いが強いですから」 京太郎「そうなると鶴賀と清澄はですが、ここは両方共ほぼ無名です」 京太郎「目立った戦果は、今年の物のみ」 京太郎「そして、両方が無名ならば」 京太郎「『全国優勝校』という泊のついた清澄の方を、普通ならば選ぶでしょうね」 ゆみ「!!??」 ゆみ「ちょっと待て!」 ゆみ「自分の仲間に対して自信があるのは結構だが、随分と大きな風呂敷を広げるじゃないか」 ゆみ「そんな根拠の乏しい推測をもとに、うちの麻雀部を不当に低く評価するとは、君は随分恥知らずな人間のようだな」 京太郎「本当に根拠に乏しいと言えますか?」 京太郎「先鋒の片岡は、個人戦で歴代ハイスコアを出すほどの腕前」 京太郎「副将の原村は言わずもがな」 京太郎「大将の宮永は、去年のMVPである天江衣を制し、個人戦でも全国出場が決定しています」 京太郎「そして、常に収支を±0にするという驚異的な実力」 京太郎「これは個人戦でも本人の気が変わるまでやってのけていましたから、全国でも通用すると思われます」 京太郎「どんなに異常なことか、加治木さんならよくお分かりでしょう?」 京太郎「残りの二人も、ほかの3人ほどの派手なモノはありませんが」 京太郎「どちらも安定してハイレベルな試合ができるというのは、加治木さんも骨身にしみて理解しているはずです」 京太郎「ここまでの実力者が揃いながら、清澄が優勝を狙うには力不足だと思えるのなら」 京太郎「それは少しばかり観察眼というか、まあ“何か”が足りないんじゃないでしょうか」ニコッ ゆみ「君は……随分と人をからかうのが好きなようだなっ……」ギリリッ ゆみ「仮に、だ」 ゆみ「仮に来年鶴賀の麻雀部が団体戦に出られないとしても」 ゆみ「モモには個人戦があるだろう」 ゆみ「そうなれば、少なくとも彼女の才能が埋もれるということはない!」 ゆみ「彼女は、あの特殊な能力が先行してはいるが、麻雀の実力も文句のないレベルだと思っている」 ゆみ「問題は全くない」 京太郎「……東横さんは、どうして麻雀部に入ったんでしょうか?」 ゆみ「!」 京太郎「どうやら彼女は初めから麻雀部に入ろうとは思っていなかったようですよね?」 京太郎「誰かが強引に麻雀部に連れ込んだと聞いていますが」 ゆみ(この男……いったい…) 京太郎「もしもですよ」 京太郎「もしもその人がいなくなってしまったら」 京太郎「東横さんが麻雀部にいる理由、その物自体が消えてしまうということになるのではないでしょうか?」 ゆみ「!?」 ゆみ(そんな……モモが……) ゆみ(いや、そ、そんなことはないはずだ) ゆみ(…………ホントにそう言えるのか……?) ゆみ(いや、まて、相手のペースに飲まれるな!) ゆみ「どうも人の周りを嗅ぎ回るのが好きな、趣味の悪い人間がいるようだが」 ゆみ「いったい、どこからそんな噂話を仕入れてきたのかな」 京太郎「加治木さん、あなたほど聡明な方だ」 ゆみ(無視、か) 京太郎「人の気持ちに鈍いというわけでもない」 京太郎「なら、もう気づいているんでしょう?」 京太郎「東横さんがあなたに向けている感情に、ね」 ゆみ(…………っく!?) 京太郎「自らの存在を非常に認識されにくいという、あまりにも特異な体質を持って生まれてしまった、一人の女の子」 京太郎「存在を気づいてもらえないがために、誰からも必要とされることなく生きてきた」 京太郎「だがある日、そんなつまらない日常から自分のことを引き上げてくれる人が現れた」 京太郎「彼女がどれほどの喜びを感じたかは、想像に難くありません」 京太郎「そして、求められるということに喜びを感じた彼女は、恩人とも呼べるその人に着いていくことを決める」 京太郎「ですが……」 京太郎「自分を見つけてくれたその人は、自分自身が麻雀の大会に出るための頭数が欲しかっただけで」 京太郎「高校生活最後の試合が終わると、目の前から姿を消してしまう」 ゆみ「!!……ち、違う!!」 ゆみ「私はそんな……そんな道具のような扱い方をモモにしてきたことは断じてない!!」 ゆみ「モモは私の大事な……大事な仲間だ!」 京太郎「仲間……そうですよね」 京太郎「あなたから見れば、彼女は確かに大切な仲間です」 京太郎「ですが、お分かりのはずです」 京太郎「彼女が貴女との間に求めている関係は、もっと特別なものだと」 ゆみ「そ……れは」ビクッ ゆみ(たしかに、モモが求めているものはわかっている、が……) 京太郎「そして、貴女がどんなに彼女のことを大切に思っていたとしても、鶴賀を去ってしまうのは、曲げることのできない事実」 京太郎「彼女が麻雀部にいる理由を失ってしまうのも、従って事実です」 京太郎「ですから“このままでは”彼女の才能は埋もれてしまうんですよ」 ゆみ(…!) ゆみ(まさか、コイツの狙いは) 京太郎「本題に入りましょうか」 京太郎「東横桃子さんが後腐れなく清澄の麻雀部に入れるように、彼女との縁を完全に断って頂きたい」 ゆみ「ば……馬鹿かお前は!」 ゆみ「私がそんなことをすると思っているのか!」 京太郎「他のメンバーの方のことでしたら、どうぞご心配なく」 京太郎「彼女たちも、まとめて受け入れる準備は出来ていますから」 ゆみ「準備が出来ている……だと?」 ゆみ「まさかこの話、久も噛んでいるのか……?」 京太郎「おっと、この話は完全に俺のワンマン企画ですよ」 京太郎「うちの部長はああ見えて、曲がったことが大嫌いでしてね」 京太郎「おまけに頭がキレて、感も鋭い」 京太郎「部長にばれずに準備をするのは大変でしたよ」 京太郎「本当はもっと面倒な手順を踏んで東横さんに接近するつもりだったのですが」 京太郎「今回の合宿企画が持ち上がったのは本当に幸運だったというより他ありません」 京太郎「この機会を逃すと面倒なので、加治木さんには早くご決断をして頂きたいのですが……」 ゆみ「……君が清澄の戦力の増加のために、モモをうちから盗ろうとしているのは分かった」 ゆみ「しかし、君は男子部員で、女子部員の成果は直接利益になるとは思えない」 ゆみ「なのにどうしてそこまでモモに固執するんだ?」 京太郎「……正直言って、今の清澄は部長の強力なリーダーシップによってまとめられている状態です」 京太郎「飄々としていながら、彼女ほど抜け目のない人間もなかなかいない」 京太郎「うちのメンバーは、一人ひとりが優れた雀士ではありますが、部長の跡を継いで組織を引っ張っていける人間がいない」 京太郎「宮永はそもそも内向的な性格ですし、片岡は自分勝手すぎる」 京太郎「原村は信念が強すぎるあまり、狭窄な考えに陥りがち」 京太郎「染谷先輩は一番まともではありますが、いい人どまりでリーダーとしては力不足な感が否めません」 京太郎「そうなったとき、いったい誰が部の舵取りをしていくのか」 京太郎「そうなった時に、俺がその責務を引き受けようと思っているわけです」 ゆみ「随分自己評価が高いと見えるな」 ゆみ「私にはただの自惚れにしか感じられないが」 京太郎「消去法ですよ、手配の中に安牌がこれしかなかったんです」 京太郎「ともかく、俺がそうやって部をチームとしてまとめ上げていくとなれば、当然勝ち進むために何ができるのか、と考えるわけです」 京太郎「そして、まずは強力な人間の頭数を増やそうと思ったわけです」 京太郎「部内に強者が大勢いれば、内輪の練習だけでも十分技量の進歩は望めますから」 ゆみ「この陰険な謀は、全て部のためにやっていることだと言いたいのか」 京太郎「もちろん、それだけではありません」 京太郎「先程も申しましたように、清澄麻雀部は高い確率で優勝杯を持って帰るでしょう」 京太郎「そして、来年、再来年とそれを続ければ」 京太郎「史上初の3連覇を成し遂げる、ということになります」 京太郎「……今や、麻雀はこの世界で最大のゲームとなっています」 京太郎「そして麻雀強豪国である日本のインターハイで殿堂入りになるということは」 京太郎「世界レベルで実力が認められることになるでしょう」 京太郎「そうなったとき、そのチームを間接的に勝利に導いた人間も、十分すぎるおこぼれを貰えるのでは」 京太郎「そう考えたんですよ」ニコッ ゆみ(やはり私腹を肥やすことを考えていたようだな) ゆみ(しかも仲間を利用して……どこまでも下衆な男だ) ゆみ「久に……この話が知れたらどうするつもりだ?」 ゆみ「たったさっき自分で言ったばかりじゃないか」 ゆみ「久は曲がったことが嫌い、そう自分で言っただろう。短い付き合いだが、それは私もよく知っている」 京太郎「確かに多少面倒なことになりますが、問題ありませんよ」 京太郎「そもそも、この話は加治木さんに伏せたまま進めても、何の問題も無かったんですよ?」 京太郎「大切なのは“桃子”さんの意思ですから」 ゆみ(桃子……だと!?) ゆみ「キサマが彼女をその名で呼ぶな!!」 京太郎「落ち着いてくださいよ、加治木さん」 京太郎「俺があなたにこの話をしたのは、桃子さんができるだけ憂いを残さずに清澄に来れるようにしたかったから」 京太郎「俺は心の底から彼女のことを案じているんですよ?」 ゆみ「減らず口をっ……!」 京太郎「よく考えてみてください」 京太郎「一度求められることを、暖かさを知ってしまった彼女は、もはや以前のような孤独には耐えられなくなっているでしょう」 京太郎「いつ瓦解するかもわからない、風前の灯のような部活で、孤独に耐えながら暮らすのと」 京太郎「全国制覇の錦を飾る場所で、みんなから必要とされながら送る高校生活」 京太郎「どちらが桃子さんにとって幸せだと思いますか?」 ゆみ(…………) 京太郎「ねぇ、加治木さん」 京太郎「いい夢、見れたでしょう?」 ゆみ「な……っ!?」 京太郎「皆で全国を目指して走り続け」 京太郎「途中で敗退はしたけれど」 京太郎「それでも夢のように楽しかったんじゃないですか?」 京太郎「高校生活最後の、素敵な思い出は“もう出来ている”んですよ」 京太郎「ですが、桃子さんにはまだまだ未来があります」 京太郎「あなたが自分の思い出のため“だけ”に作った部活に、無理に残す必要はないでしょう?」 京太郎「彼女を夢の抜け殻に縛り付けておくなんて残酷な真似が」 京太郎「あなたにできるんですか?」 ゆみ「そ、んな……しばる、なんて……そんな…つもりは」 京太郎「加治木さん、あなたと桃子さんの関係、どうして俺が知っていたと思います?」 ゆみ「…………あ、え……?」 京太郎「直接聞いたんですよ。“モモ”から」 ゆみ「何を……」 ゆみ(何を……言っているんだ……この男は) 京太郎「話の流れで気づきませんでしたか」 京太郎「モモは、もうこの話を了解済みなんですよ」 京太郎「だから、あなたとのことも全て知っているんです」 京太郎「“モモから皆聞かせてもらいましたから”」 ゆみ(…………なんだ、なんなんだこれは) ゆみ(このおとこはいったいなにをしゃべっているんだ) 京太郎「ですから…………ぁ……」ボソッ ゆみ(え?) 京太郎「いいえ、なんでもありません。話を続けましょう」 ゆみ(なんだ、この男、一瞬むこうを見) ゆみ(!) ゆみ(モモ、と、清澄の……原村と、宮永……?) 京太郎「……こでは……ろと……あれだけ……」ブツブツ ゆみ「な、んの、ことだ」 京太郎「…………いえ、モモにはその、清澄に入ってからもスムーズに行くように」 京太郎「人間関係もある程度構築しておくように言っていたんですが……」 京太郎「できるだけ内密にしろと言ったはずなんですが……」ハァ ゆみ( ) ゆみ( ) ゆみ( ) 京太郎「ああ…………加治木さん」 京太郎「彼女はこっちに来ることを決めてからも、あなたのことでずいぶん悩んでいました」 京太郎「最後までモモの心を縛っていたのは、部活でも麻雀でもなく」 京太郎「貴女だったんですよ、加治木ゆみさん」 京太郎「だから、俺は最後の憂いを立つために、あなたにこのお話をしたんです」 京太郎「分かって頂けますよね」 ゆみ「」ガクッ ゆみ「」ドサッ ゆみ「モモ……私は…………お前……モモ」 京太郎「色よい返事を……いえ、返事は結構ですので、行動で示してください」 京太郎「失礼します」スゥ… ~翌朝~ ――車の前―― 久「それにしても、なんだかつやつやしてない?」 ゆみ「まさか、今にも倒れて眠りたい気分だよ」 久「確かに、あなたの後輩の……東横さんはそんな感じだけど……」 ゆみ「ああ、二人でちょっと遅くまで話をしていてな」 ゆみ「うちの麻雀部は来年も人集めが大変だし、そのことについて、な」 久「ふぅん……」 ワハハ「おーい、そろそろ出発するぞ。名残惜しいのはわかるけど、早く車に乗ってくれ!」ワハハ ゆみ「だそうだ。悪いがもう行かせてもらうよ」 久「ええ…………ねぇ、ゆみ」 ゆみ「ん?」 久「あんまり無理させちゃダメよ?」 ゆみ「………………善処しよう」 久(微塵も反省してないみたいね) 久(東横さんも大変ねぇ……) 桃子(痛いっす……あらゆる箇所が痛いっす……) 桃子(須賀京太郎……まさかこんな搦手を使ってくるとは……) 桃子(でも) 桃子(やっぱり、誰かに求められるっていうのは、あったかいっすね)フフ 佳織「桃子さん……? どうかしました?」 桃子「いや、楽しかったなぁって」 桃子「新しい知り合いも出来たし」 桃子「今までの私の人生じゃ、考えられないくらい楽しかったっす」 佳織「人生って……」 桃子(ん? あれは) 京太郎「」サムズアップ 桃子(……今回は感謝してやるっす) 桃子「須賀京太郎」ボソッ ゆみ「」ピクッ 桃子(あ、やば) ゆみ「モモ」 桃子「は、はいっす……」 ゆみ「今日はそういえば、午後から私の家で勉強を見てやる予定だったよな」ニコニコ 桃子「いやぁ、その、今日は疲れたから家でゆっくり休みたいかなぁって……」 ゆみ「なら、私の家に来て、我慢できなくなったらそのまま寝ればいい」 ゆみ「泊まっていってもいいしな」 桃子「き、今日は帰って撮っておいたドラマを」 ゆみ「 モ モ 」ニ゙ゴッ ワハハ「……!?」ゾク 睦月(なに!?)ゾクゥ 佳織(ひぃ)ゾクゾク 桃子「……はいっす」 桃子(前言撤回) 桃子(ちょっと……いや、かなりやりすぎっすよ…) ――清澄部屋―― ブオォォォン ブロロロロロロ 和「んんぅ……」 和(車……そうか、もう朝なんですね) 和(鶴賀の人たちが帰るんでしょうか) 和「ふあぁ」ムクリ 和(それにしても……) 和(結局昨日の須賀くんのメールはなんだったんでしょう) 和(指定した時間に指定した場所で、東横さんと親しげに話して欲しいって……) 和(何を考えていたんでしょうか) 和「?」 和(この香りは……)スンスン 和(同類――百合の香り!?)バッ 和(あっち……鶴賀の車の方から……) 和(これは……)スンスン 和(加治木さんと、東横さん……でしょうか…) 和(おかしいですね……) 和(昨日の時点では何も……) 和(あのあと、何かあったということでしょうか?) 和「…………」 ――何処かの木の上―― ハギヨシ「京太郎君……」 ハギヨシ(まさか、あそこまでのことをやってのけるとは) ハギヨシ(彼のやったことは、話術で相手を乱すだけではない) ハギヨシ(衣様が月の力を得て、卓上を支配するように) ハギヨシ(彼はこの周囲一帯の空間を、自らの気……いや、自らそのもので染め上げた……) ハギヨシ(まさか、使えるものが今の世に生まれようとは……) ハギヨシ(一体貴方はどこへ行こうというのです……) ハギヨシ(もしかしたら私は、とんでもない怪物を目覚めさせてしまったのでは……) ハギヨシ(………………) ハギヨシ(師としては失格かもしれません) ハギヨシ(しかし、私は……) ハギヨシ「見たい」 ハギヨシ「京太郎君、あなたがどんな覇道を征くのか」 ハギヨシ(あんなものを再び“魅せ”られては、どうしようもないですね) ハギヨシ(そういえば、あの方は今一体何をしているのでしょうか……) ~帰宅後~ ――木間書店―― 京太郎(今回はさすがに疲れた……) 京太郎(まさにカミソリの上を滑るような、危険な賭けだった) 京太郎(アトモスフィアでの情報収集の成果がなければ、あそこまでうまくいかなかっただろう) 京太郎(まさに日頃からの地道な作業が実を結んだと言える) 京太郎(なぜか失敗のビジョンは少しも浮かばなかったが) 京太郎(もしかしたら、咲とか衣ちゃんの感覚って、あんな感じなのかもなー) 京太郎(しかし、丸く収めるためとは言え加治木さんには随分ひどいこと言っちまったな……) 京太郎(今度会うことがあったら、ジャンピング土下座で謝る必要があるか) 京太郎(得られるものも多かったけど、やっぱりこんなことは二度とやりたくないな……) 京太郎(まぁ二人の様子はしっかりと記録させてもらいましたがね!) 京太郎(それにしても、ボロボロになったことに変わりはないか……) 京太郎「さっさと帰って」 『ひらり』 京太郎「これを読んで、癒されたい……」 京太郎(昨今、百合雑誌が増えてきている) 京太郎(まだまだマイナーなジャンルであることは否めないが、それでもこの流れは喜ばしい限り) 京太郎(中でも百合姫の他に出版されている百合雑誌『つぼみ』と『ひらり』の存在は大きい!) 京太郎(今回買う『ひらり』は、平尾先生の短編や、最近画力が向上してきた袴田先生の作品など目を離せない要素がたくさんあるが) 京太郎(なかでも俺が注目しているのはTONO先生の「ピンクラッシュ」!) 京太郎(ガチ百合娘のアタックを受けているうち、徐々に彼女のことを受け入れていくマールの姿が堪らない!) 京太郎(ただ、初期に掲載されていた小説がなくなってしまったのは残念ではあるが……) 京太郎(まぁそれより今は、さっさと家に帰ってこいつを堪能する方が重要だ!) ?「あれは……」ジー カン!
https://w.atwiki.jp/45451919/pages/82.html
『間もなく、個人戦一次予選を開始致します』 咲「凄い人数だね…」 まこ「個人戦は団体戦に出れん生徒も来るからのー」 和「相手が居なくてもソロプレイなら誰でもできますから」ハアハア 京太郎「はいはい話を逸らさないよー」 久「個人戦で全国に行けるのは3人。誰と当たっても、全力全開手加減無しで」 優希「さっすが部長! わかりやすいじぇー」 久「勝っても負けても悔いのないようにね!」 「「「「「はいっ!」」」」」 久「あ、須賀君」 久「男子は会場違うから。急がないと間に合わないわよ」 京太郎「うおぉいっ!」ダダダッ! 京太郎「ぜー、はー…ま、間に合った!」 京太郎「清澄高校の須賀京太郎です、登録お願いしますっ!」 「え、えっと京太郎君? 登録はあっちだけど…」 京太郎「いいっ!?」 「もう…こっち、急がないと時間なくなっちゃうよ」ギュッ 京太郎「うおっと…ありがとうございます」 「お礼なんて別に…そ、それより行かないと!」 京太郎「そうっすね…あの」 「な、何?」 京太郎「手、綺麗ですね」ジッ 「えええっ!? そそそ、そんなことっ!」 京太郎「お、あれが登録所か。すいません小鍛治さん、行ってきまーす!」 健夜「あ…もう、元気だなあ」クスッ 健夜「男子は人数が多いから、一日目でも負けがあるよ」 京太郎「うげ、マジっすか…二日目まではなんとか…」 健夜「ゆ、夢はおっきくないとダメだよ!?」 京太郎「それじゃあ全国優勝で!」グッ 健夜「スケールが変わりすぎだよ! もう…」 健夜「京太郎君…手、貸してくれるかな」 京太郎「? はい」スッ 健夜「…頑張ってね」ギュッ 京太郎「はいっ!」 京太郎(なんて言った手前、恥ずかしい姿は晒せねーよな) 京太郎「よろしくお願いしますっ!」 京太郎(さーて…いい牌来いよ?)カチャ ※京太郎の戦績は安価で決まります。戦績次第では全国編の展開に変化が生じる予定。 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。 ↓1 京太郎 ↓2 相手E ↓3 相手R ↓4 相手O ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 一日目は全3回戦。 1回戦は1,2,3位で勝ち抜け。2,3回戦は1,2位で勝ち抜け。 582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 01 41.89 おまかせあれ! 583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 02 01.68 すばら! 584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 02 27.35 でえい 585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 02 29.11 あ 京太郎1位! 京太郎「おしおしおしっ! 幸先いいぜ!」 京太郎「2回戦はこのあとすぐか…へへ、咲たちに昼の時間、自慢できる結果にしないとな!」 健夜「良かった…でも、気を抜いたらだめだからね」ホッ 京太郎「よろしくお願いしますっ!」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。 ↓1 京太郎 ↓2 相手E ↓3 相手R ↓4 相手O ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 07 27.42 はい 590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 07 53.34 おまかせあれ! 591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 08 13.78 ぬ 592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/04/29(火) 20 08 21.39 そもそもなぜすこやんが……? 京太郎2位! 京太郎「あ、ありがとうございました…」フー 京太郎(あっぶねー…300点差で2位かよ) 京太郎(ま、勝ちは勝ちだよな!)ヘヘッ 健夜「ひ、ひやひやするよ…なんだか自分が打ってる時より怖いなあ」 ※一旦茶番タイムへ 京太郎「小鍛治さん! 勝ちましたよ、俺!」 健夜「うん、おめでとう…今日はあとは、午後の3回戦だね」 京太郎「ありがとうございますっ。じゃあ俺、部活のみんなに伝えてきます!」 健夜「あ……もう、あんな子だったかなあ?」 健夜「もっと頼りになる気がしたんだけど…ツッコミの人が少ないからかな…」ハア… 健夜「でも、あれが本当の京太郎くんなんだよね」 健夜「ふふっ、かわいいなあ」 健夜「応援するからね。京太郎君」 京太郎「よっ、飯食ってたか。元気いいなー」 咲「京ちゃん! なんだか元気だね」 和「個人戦はどうでしたか?」 優希「安心しろ! 優希ちゃんハンドでチビ京太郎を慰めてやるじぇ!」ワキワキ 京太郎「ふっ…その必要は、ないっ!」 まこ「お、とゆーことは」 京太郎「2回戦勝ち抜けですよ! 3回戦進出っす!」 久「あらま…それはまた、今後の指導のし甲斐がありそうね」 咲「おめでとう!」 優希「ほほー、めでたいめでたいじょー」 和「おめでたですね」 京太郎「待て」 和「どこの女ですか!?」 京太郎「落ち着け!」 優希「そーなるとタコスの補充ができないじぇ…むむむ」 京太郎「ああ、そう言うと思って。ほれ」タコス 優希「むぐ…タコス?」 京太郎「冷めても美味いタコスだとさ。匂い控えめで気配りバッチリだぜ」 優希「ほへー、京太郎よくやった! えらいぞ!」 咲「凄いね。京ちゃんが作ったの?」 京太郎「いやいや、途中の屋台で執事さんが作ってたんだよ」 まこ「なんじゃそら…」 久「ちょっと考えられないわねえ」 和「須賀君、常識の範疇で物を言って下さい」キリッ 京太郎「どの口々が言いやがる…」 京太郎「っと、そろそろ時間っぽいな」 咲「京ちゃん頑張ってね!」 優希「タコスの陰から応援しといてやるー」 和「頑張って下さいね。いえジョーク抜きで」 久「全力でね。冷めたら負けよ!」 まこ「後でな。また元気よく報告頼むからのー」 京太郎「うっす! 行ってきます!」 京太郎(ふー…やっぱ緊張するけどさ) 京太郎「よろしく、お願いしますっ!」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。1,2位で勝ち抜け。 ↓1 京太郎 ↓2 相手E ↓3 相手R ↓4 相手O ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 44 24.74 * 623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 44 28.23 おまかせあれ! 624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 44 41.91 ニワカは相手にならんよ! 625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 20 45 03.07 へ 京太郎2位! ※合宿編、全国編で展開に変化 京太郎「ありがとうございましたぁっ!」 京太郎(……) 京太郎「……っしゃあああ!」 『男子個人戦、1日目を終了――!』 『明日の4、5回戦で全国行きへの切符を手にする選手が決定します!』 健夜「……わあ」 健夜「なんだか、胸が熱くなってくるよ」 健夜「懐かしいなあ…あんなに喜んで、楽しそうで」 健夜「……うん」ギュッ 健夜「私も、頑張らないとね」 京太郎「小鍛治さん! 俺、やりましたよ!」 健夜「うん、見てたよ。おめでとう…でもまだ明日があるからね?」 京太郎「うぐ…な、なんか腹が痛いんですけど…」 健夜「緊張するよね。初めての試合ならなおさら」 健夜「明日も見に来るからね? 格好いいところ見せて欲しいなあ」 京太郎「うえっ!? し、仕事とかいいんですか…?」 健夜「新幹線使えば間に合うから大丈夫だよ」 京太郎「そっすか…明日も頑張りますから、応援頼みます!」 健夜「うん、じゃあまた明日…」 健夜「はー…」 健夜「こーこちゃん? ごめん、今夜の打ち合わせ、明日にしてもらえる?」 咲「京ちゃん! 凄いよ!」 久「ほーんと。もしかしたらもしかするかもね?」 まこ「こりゃあ京太郎の方がわしより強いかもしれんのう…」 優希「京太郎のタコス力も相当のもんだな!」 和「知りませんでした。須賀君はとんだテクニシャンですね、突き合って下さい」 京太郎「いやあ…すみません、明日も応援行けなくて」 まこ「何言うとるんじゃ。こっちのほうが申し訳ないっちゅーんじゃ」 久「正直私が応援したいくらいなんだけどね…こういう時、会場が違うってのが困るわ」 咲「私は心の中でずっと応援してるからね!」 優希「私はタコス場の陰から見守ってるじょー」 京太郎「ありがとな!」 和「もう…放置プレイだなんて、悪くないですね…」モジモジ ~2日目~ 京太郎「ふー…あと2回。やべえよ…き、緊張が…」 健夜「だ、大丈夫? ええとこういう時は人の字を書いて」 「ふん…金髪雑魚が存外勝ち抜いていると聞いたけど、とんだ偶然だ」ザッ 京太郎「う、うえ?」 健夜「あ…龍門渕高校の」 「力を感じない。力へ至る道筋も見えない…」 「それなら後は人の意思。お前の意思だけしか頼れないんだ」 「…お前は、衣が思ったよりも強い。だから…その」 衣「頑張れと言っているっ!」 京太郎「……おう、ありがとな!」 京太郎「それじゃ、行ってきます!」 『さあ男子個人戦準決勝! 上位二人が勝ち抜けとなります!』 京太郎「…おしっ!」パンッ! 京太郎「お願いしますっ!」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。1,2位で勝ち抜け。 ↓1 京太郎 ↓2 相手S ↓3 相手Y ↓4 相手D ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 23 06.91 ころたんイェイ~ 663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 23 07.84 ほ 664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 23 19.04 ほい 665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/04/29(火) 21 23 23.68 せい 京太郎1位! 決勝進出! 京太郎「……ほへ?」 京太郎「マジで?」 『準決勝終了ー! ここに決勝進出の4名が決定しました!』 『うち一人は女子団体戦で優勝した清澄高校! 今年は波乱の展開です!』 衣「これは…」ガタッ 健夜「力はないけど、そのぶん純粋に麻雀が楽しめてる…のかな」 健夜「私達にはもう、あんまり分からない感覚かもしれないけれど」 衣「……あ」 衣「そっか、キョータローは、麻雀をしているんだな」 健夜「うん……」 衣「……」 健夜「ねえ、良かったら今度一緒に打ってみない?」 衣「良縁か奇縁となるか…衣がお前に通じると思うか?」 健夜「さあ…」クスッ まこ「京太郎!」バシッ 京太郎「うおっ!? 染谷先輩、それに優希!」 優希「ちょ、おま、ほんとに凄すぎだじぇ!」 まこ「全国行きも全然ありえるとは…わしより強いっちゅうんはマジじゃったか」 京太郎「い、いや偶然というかなんというか…」 まこ「アホ。運も実力、しかし麻雀は運だけじゃダメなんじゃ」 優希「そういうことだ! 誇れ! タコス神に!」 京太郎「…ああ!」 まこ「次の決勝戦はわしらも観客席におるからの」 優希「頑張れ京太郎! 勝利祈願のタコスグミだじぇ!」 京太郎「ありがたいけど超まずそう…」 京太郎(小鍛治さんに天江、優希に染谷先輩…) 京太郎(多分他の人も見てるんだよな) 京太郎「…お願い、します」 コンマの数値で1~4位を決定します。おっきい順。1,2,3位で全国進出。 ↓1 京太郎 ↓2 相手S ↓3 相手E ↓4 相手X ・コンマゾロ目で数値にプラス10 ・48 69 の場合はプラス30 ・下四桁が1919 4545 0721 の場合、???? 704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 05.16 ??「京ちゃ須賀京太郎は東京の白糸台に転校すべき……わた宮永照先輩が直々に指導すると言っていた」 705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 07.82 すこやんイェイ~ 706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 09.80 シャイニングツモ! 707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/29(火) 21 49 21.69 おまかせあれ! 「ご無礼。手を抜く気は無いんでね」「悪いなその牌だ…だが目はいいぜ、アンタ」「アンタ、背中…いや、いい色だ」 『決着ー! 個人戦決勝、全国行きが決定しました!』 『清澄の須賀選手、惜しくも全国を逃しましたが堂々の4位! まだ一年生の彼は今後が期待されます!』 京太郎「……はー」 京太郎「ありがとう、ございましたっ!」 京太郎「……」 京太郎「あー」 健夜「京太郎君」 京太郎「…すんません、負けました」ペコッ 健夜「ううん。頑張ってた。初めから見てたから、分かるんだよ?」 健夜「悔しいよね。泣きたいよね…」ギュッ 京太郎「……ふ、ぐっ…」 京太郎「お、れっ、本気で、がぢ、勝ちたくてっ!」 健夜「うん…いいんだよ。泣いていいの」ギュウッ 京太郎「…う、ううううううう!!」 優希「……あ、京太郎…」 まこ「惜しかったのー」ポン 京太郎「はは、負けちゃいましたよ。さすがに決勝はキツイっすね」 衣「……」ピョン 衣「奇しくもキョータローの思う所はよく分かる」 衣「1週間前の衣も同じ思いだった。だからキョータロー、衣おねえさんの胸で泣いていいぞ!」フンス 優希「…無い胸で泣けとは片腹大激痛だじぇ!」 衣「なにをー!?」 優希「なんだー!」 まこ「ったくわりゃあ…」 京太郎「…はは!」 京太郎「はいはい、二人ともそこまでにしとけー」 京太郎「咲! 和! 個人戦全国出場おめでとう!」 咲「う、うん…あの」 和「須賀君は…その」 京太郎「…ったく、なーに微妙な顔してんだよ」ワシャワシャ 咲「わわっ!」 和「あうぅっ」 京太郎「そりゃ全国行けたら嬉しかったけどさ。多分それと同じくらい、団体戦と個人戦でお前らが全国行くのが嬉しいんだよ」 京太郎「それともアレか? 男だし、全国行けないならお留守番かよ? ねえ部長」 久「んー? そうねえ…咲と和がそう言うなら留守番してもらおうかしら」クスッ 咲「そんなこと!」 和「ありません!」 京太郎「それに、お前らの面倒も見ないとダメだからなー。麻雀打つ暇もねーよ」 京太郎「だからさ…今年は全力でサポートするから、来年はもうちょっとマトモになってくれな?」 咲&和「「……えー」」 京太郎「そこは頷くだろ普通!」 京太郎「小鍛治さん、今日はありがとうございました」 健夜「ううん。約束だったし、私も京太郎君には色々教えてもらったから」 京太郎「へ? なんですかそれ…?」 健夜「ん、内緒。でも本当に格好良かったよ」 京太郎「いや…みっともないとこ、見せちゃって」 健夜「それも含めて格好良かった、ってこと。ときめいちゃったかも」クスッ 京太郎「へっ!?」 健夜「なんて、ね。それじゃあまたね…インターハイは私も解説で出るから、また会おうね!」 京太郎「……はいっ! ありがとうございましたっ!」 健夜「うん、バイバイ」 健夜「もうこんな時間かあ…こーこちゃん怒ってるかなあ」 健夜「…いいよね、たまには」 久「さ、そろそろ帰るわよー。準備はいい?」 和「須賀君、これを」スッ 京太郎「……ローション?」 和「須賀君のタイミングで準備してください」キリッ 京太郎「この展開見越してこれ持ってきたの?」 久「はいはい、そこも行くわよ」 咲「あ、はいっ」 京太郎「……」クルッ 京太郎「また来年、来るからな」 京太郎「…へへっ」 優希「あー! 京太郎がエロい顔してるじぇ!」 まこ「ま、まさかわりゃあ…建物フェチだったんか…」ゴクリ 咲「うぅ、建築物にはなれないよ…」グスン 久「廃墟ツアーとか行ってみる? ティッシュ持って」 和「廃墟なら穴もあるんですよね…」ゴクリ 京太郎「結局こんなんかよ!?」 京太郎「…ま、こんなんが丁度いいか」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2282.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364646357/ 和「お疲れ様です。あ、まだ須賀君と咲さんだけですか?」 咲「ほら、和ちゃん来たよ」 和「はい?」 京太郎「あ……でも」 咲「今更何言ってるの」 和「あの、どうかしましたか?」 咲「あー、えっとね……どうする、京ちゃん? 私が言おうか?」 京太郎「……いや、ここはやっぱり俺が自分で言うべきだろう」 咲「うん、そうだね」 京太郎「あ、でもやっぱりもしもの時は頼む」 咲「はーい」 和「一体なんですか」 京太郎「あー、和、さん」 和「え? なんですか急にさん付けとか」 京太郎「実は……ですね。ちょっとお願いがありまして」 和「はあ」 京太郎「ぅぁ……あ……ええい!」 和「な、いきなり土下座とかどうしたんですか!」 京太郎「お願いします! おっぱいを見せてください!」 和「………………はい?」 京太郎「いきなりで本当に申し訳ないのですが、僕に! 僕におっぱいを! 見せてください!」 和「嫌ですよ! 嫌に決まってるじゃないですか! なんで私が須賀君に、 そ、その、おっぱ……お……胸を見せなければいけないんですか!」 咲「和ちゃん……混乱するのもしかたないけど、ここはどうか一つ」 和「ちょっと、なんで咲さんまで土下座なんて!」 咲「お願いします、京ちゃんにおっぱいを見せてあげてください」 咲「私が頭なんて下げても意味が無いのは分かってる……でも」 咲「京ちゃんが。どうしてもおっぱいが見たいって言ってるの」 咲「だから……ね? ほんの少しの時間でもいいから、和ちゃんのその大きなおっぱいを見せてあげてくれないかな」 京太郎「お願いします! お願いします!」 和「ちょ、何言ってるんですか咲さん」 京太郎「お願いします! お願いします!」 和「須賀君は少し黙っててください!」 和「あの……一体どうして須賀君は急にこんな事を」 咲「………………急じゃあ、ないよ」 和「はい?」 咲「和ちゃんだって気付いてたでしょ? 京ちゃんがいつも和ちゃんのおっぱいを見つめていたこと」 和「それは……まああれだけ見られていれば嫌でも気付きますけど」 咲「京ちゃんは……もう、制服の上からだけじゃ我慢できなくなっちゃったんだって」 和「だからって嫌ですよ、私。須賀君にむ、胸を見せるだなんて」 咲「……そう。うん。そうだよね」 和「分かっていただけましたか」 和「ま、まあ須賀君は、その、なかなか気配りも出来ますし料理も上手ですし、顔も整っていますので」 和「む、胸は彼女が出来てからいくらでも見せてもらえばいいじゃないですか」 和「って、一体なんで制服を脱ごうとしているんですか咲さぁぁぁぁぁん!」 咲「え? だって和ちゃんがおっぱい見せたくないって言うから……仕方ないから私が代わりに見せるしか」 和「どんな理論の飛躍ですか! 大体須賀君はそれでもいいんですか!」 京太郎「おっぱいが……見たいんです……!」 京太郎「どうしても……! どうしても見たいんです……!」 咲「ほら、血の涙まで流してる」 和「」 咲「ほら京ちゃん、和ちゃんは嫌がってるから……あっちで私のおっぱい見て我慢してね?」 京太郎「うう……はい……」 和「ちょっ! ちょっと待ってください!」 咲「ん? どうしたの?」 和「……せます」 咲「何?」 和「む、胸を……須賀君に見せます……ですから、咲さんが犠牲になることはありません!」 咲「聞いた、京ちゃん!? よかったね!」 京太郎「いよっしゃああああああああ!!」 和「あ、あの、それでですね」 咲「うん! 何かな!」 和「さ、流石に須賀君と二人きりでその……む、胸を見せることには抵抗がありますので」 咲「大丈夫! 分かってるよ和ちゃん! 私も一緒に居るから安心してね!」 和「あ、ありがとうございます」 京太郎「やった……! やった……!」 和「え、っと……」 咲「大丈夫だよ和ちゃん! ドアに鍵かけたから! さ、どうぞ!」 京太郎「やったぞ……俺はついに……」 和「は、はい。それでは……」 和は顔を赤らめながら背中に手をまわす。 いくら覚悟したとはいえ、いきなり男子生徒である京太郎の前で制服を脱ぐことに抵抗があるのだろう。 ぷちり、とした音をたてブラジャーのホックが外されると、和のその大きな胸がたぷんと揺れる。 京太郎がおお……と小さく歓声をあげるのも無理はない。 和がするすると制服の裾からブラジャーを引き出すと、いつの間にかそばに来ていた咲がそれを受け取る。 咲はそのブラジャーを見て一体何を思うのだろうか。 可愛い? 自分の付けているものと形が違う? それとも単に重量の違いに愕然とする? 否。 断じて否。 咲はその時、ブラジャーなど見ていなかった。 そう。制服越しにはっきりと見えるのどかの胸の先端を凝視していたのだ。 それは勿論京太郎もである。 和「あ、あの……やっぱり制服も脱がないと……だめ、ですよね?」 咲「勿論だよ! そうだよね、京ちゃん!」 京太郎「はい!」 和「う……うう」 咲「上手くいってよかったね、京ちゃん」 京太郎「ああ、咲のおかげだ」 咲「それにしてもすごかったね、和ちゃんのおっぱい」 京太郎「ああ……やはり多少重力に負けて垂れぎみではあったものの、素晴らしいものをおもちであったな」 咲「で、次はどこにしようか」 京太郎「そうだな……ううむ」 京太郎「鶴賀でどうだろうか」 咲「鶴賀? ああ、妹尾さん? 確かにあの人なら土下座したら見せてくれそうだね」 京太郎「だろ? 確か清澄の応援に東京まで来てくれてたはずだよな」 咲「うん」 咲「こんにちはー」 加治木「おや、宮永じゃないか。どうしたんだ、こんな所まで」 咲「今日はちょっとお願いがありまして」 加治木「お願い? まあいい。こんなところで立ち話もなんだから入るといい」 咲「おじゃまします」 加治木「それで、一体どんな頼みごとだ? 麻雀の練習なら別に来て貰わなくとも連絡をもらえればこちらから」 咲「あ、今日は麻雀関係ではないので」 加治木「?」 京太郎「あ、それよりこれ、お土産です」 加治木「ありがとう。……あー、たしか須賀君、だったな」 京太郎「名前を覚えていてもらえたとは恐縮です」 咲「それで、あの」 加治木「ああ」 咲「妹尾さん、いらっしゃいますか?」 加治木「妹尾? 妹尾に何か用事だったのか……しかし参ったな」 京太郎「どうしたんです?」 加治木「妹尾は今、津山と一緒に蒲原に付き合ってドライブの最中だ」 咲(ど、どうしよう京ちゃん!) 京太郎(待て、まだ慌てる時間じゃ無い) 京太郎(確か、まだ鶴賀にはすばらしいものをお持ちな方がいらっしゃるはずだ) 京太郎「そうだったんですか……まあこちらもアポなしでしたのでしかたありませんよね」 京太郎「あ、お土産ケーキなんで、是非早いうちに」 加治木「すまない、なら早めに頂くとしよう。モモ、お前も」 モモ「はいっす」 加治木「ふむ……これはなかなか」 モモ「美味しいっすね、先輩!」 咲(なるほど! 確かに東横さんもなかなかのものを!) 京太郎(だろう!? そして頼み込むなら今がチャンスだ) 咲「あの、妹尾さんがいらっしゃらなくて残念ですが、妹尾さんの代わりに東横さんにお願いしてもよろしいでしょうか」 モモ「はい? 何っすか?」 京太郎「お願いします!」 加治木「な、何故いきなり土下座を!」 京太郎「東横さん! おっぱいを! おっぱいを見せてください!」 加治木「な、ななな」 モモ「いきなり何を言ってるっすかあああああ!」 モモ「嫌っす! 私の胸は、ていうか私の全部は先輩のものっす!」 モモ「いくら土下座されようと見せないっすよ!」 京太郎「そこをなんとか……!」 モモ「だ、大体清澄にはおっぱいさんがいるじゃないっすか! そっちに見せてもらえばいいっす!」 京太郎「お願いします、お願いします!」 加治木「み、宮永! 須賀君はいきなり何を言っているんだ!」 加治木「なんでモモのお、おっぱいを見たいだなどと」 加治木「そ、それにモモも言っているが清澄には原村がいるじゃないか! 原村でいいだろう!?」 咲「……同じ部活でそんなこと……できるわけないじゃないですか」 加治木「何!?」 咲「いきなり京ちゃんが土下座しておっぱいを見せてくれるよう頼んだとして、それ以降部活の雰囲気は……」 加治木「だからと言って他校のだな、私達にそれを頼むのもお門違いと言うか」 咲「加治木さん達も言っていますけど、うちには和ちゃんがいます」 咲「それはそれは大きなおっぱいです」 咲「ですが」 咲「そんなものを毎日見て、京ちゃんはもう、我慢できなくなってしまったんです」 咲「お願いします……京ちゃんに東横さんのおっぱいを見せてあげてくださいませんか」 加治木「だがしかし……」 京太郎「お願いします! お願いします!」 モモ「ええいしつこいっす! 先輩、もうこいつら追い出すっすよ!」 加治木「う、うむ」 咲「ケーキ」 加治木「!?」 咲「おいしかった、ですか? おいしかったですよね? それはもうお高いケーキでしたもの」 加治木「宮永……?」 咲「いえ、いいんです。私達はただ遊びに来て、そしてお土産のケーキを置いて行った。そういうことですから」 咲「京ちゃん、ほら立って」 京太郎「お願いしま……咲?」 咲「やっぱりこんなお願い無茶だったんだよ……ね?」 モモ「やっとわかったっすか!」 咲「あ、さっき買ったケーキのレシートが」 モモ「!?」 加治木(な……なんて値段だ) 加治木「み、宮永……もうすこしゆっくりして行っても」 咲「え? ですがご迷惑じゃ」 加治木「いや、いいんだ……それに須賀君」 京太郎「はい?」 加治木「その、だな……モモの物とは流石にサイズが違うが、わ、私の胸で我慢してもらえないだろうか」 モモ「先輩!?」 加治木(仕方ないだろう、モモも見ただろうあの値段!) モモ(でも……!) 加治木(私が須賀君に胸を見せることでいいなら、それで) 咲「どうする? 京ちゃん、加治木さんのおっぱいでいい?」 京太郎「……………………」 加治木「…………」 モモ「…………」 京太郎「お願いします!」 加治木「な、なら今から脱」 京太郎「おっぱいを見せてください、東横さん!」 加治木「」 加治木「な、なあ須賀君、私じゃやはり駄目か……?」 京太郎「お願いします、お願いします!」 モモ「こいつ……っ! 先輩の好意を……!」 咲「まあまあ加治木さん。ちょっといいですか?」 加治木「あ、ああ」 咲(東横さんが顔を真っ赤にしておっぱい出してる所、見たくないですか?) 加治木(!?) 咲(以前合宿で一緒にお風呂に入った時思いましたが、東横さんいつも加治木さんにべったりですよね) 加治木(あ、ああ) 咲(東横さん……加治木さんの前であまり恥じらったりしないんじゃないですか?) 加治木(そんなことは) 咲(ない、かもしれませんね。ですが、今回はまた別ですよ) 咲(加治木さんの眼の前で、他校の男子生徒におっぱいを見せる……その屈辱と恥ずかしさの入り混じった東横さんの顔) 咲(見たいと思いませんか) 加治木「!!!!」 京太郎「お願いします! お願いします!」 モモ「ええい! このこのっ!」 加治木「なあ、モモ」 モモ「先輩こいつを追い出すの手伝っ」 加治木「そこまでお願いされてるんだ……少しおっぱいを見せるくらいいいんじゃないかな」 モモ「」 京太郎「東横さんのおっぱいもなかなか良かったな」 咲「そうだね。まさか」 京太郎「乳首までもステルスだとはな」 咲「巨乳の人には多いって聞くけど、ねえ」 咲「そう言えば京ちゃんは陥没乳首でもよかったの?」 京太郎「ああ……確かに陥没乳首の魅力は乳首をたたせてこそだが……」 咲「今回は見るだけだしね。どうしても刺激できないと難しいよね」 京太郎「だが、あの東横さんの真っ赤な恥じらい顔を見たらそんなことは小さなことだと思えたからな」 咲「だよねー。すっごく可愛かったよね」 京太郎「うむ」 咲「それじゃあ次はどうする? 龍門淵の沢村さんもなかなかだったと思うけど」 京太郎「あそこはアカン」 咲「え?」 京太郎「アカン」 京太郎「ハギヨシさんに素敵滅法されたくなければ近づかない方がいい」 咲「あ……うん」 京太郎「それよりあそこはどうだ?」 咲「! なるほど! なら今回は前もって連絡しておいた方がいいよね!」 京太郎「頼むぞー咲」 咲「と言う事でこんにちは姫松高校のみなさん」 京太郎「どうもー」 漫「あ、あの、これは一体」 絹恵「どういうことですか?」 恭子「ごめん……ごめんなあ……」 漫「ちょ、なんで手錠なんかするんですか!」 絹恵「お姉ちゃん!? 悪ふざけは」 洋榎「せ、せやかて……なあ」 京太郎「はいはーい、さっさと準備していただけますかー」 漫「末原先輩!?」 恭子「アカン……宮永に逆らったらあかんのや……堪忍やで漫ちゃん」 絹恵「お姉ちゃん何してんの?」 洋榎「絹……インハイで原村のペンギン蹴っっぽったやん?」 絹恵「ああ……うん」 洋榎「あれなあ、ごっつ高いぬいぐるみだったらしいんや……」 絹恵「え……?」 洋榎「これが許してもらう条件やって言われて……」 咲「あ、写真など撮影はしませんから安心してくださいね」 咲「じゃあ京ちゃん」 京太郎「あ、ちょっと待て。一応形だけでも頭下げとかないと」 京太郎「てなわけで今からお二方のおっぱい、見せて頂きますね」 ぺっこりん 漫「何がそういうわけやあああ!! 嫌や嫌や嫌やああああああ! 末原先輩放してくださいいいいいいい!!!」 恭子「ごめんなあ漫ちゃんごめんなあ……」 絹恵「…………」 洋榎「絹……お姉ちゃんがついとるから……」 絹恵「…………うん」 京太郎「ありがとうな、咲。咲が居てくれなかったらこんなにスムーズにおっぱい見せてもらえなかったぜ」 咲「えへへ……しかしすごかったね、上重さんのロケット」 京太郎「だな。重力にあそこまで逆らっていながらおっぱいとしての柔らかさを兼ね備えているとは」 咲「触ってないのになに言ってるの、もう」 京太郎「見た感じだって。あのおっぱい揉める人が羨ましいぜまったく」 京太郎「愛宕の妹さんの方はあれだな、あの大きさに対して少し乳輪が小さめな気がしたな」 咲「でも乳首自体は普通だったね」 京太郎「うむ。あれもいいものであった」 咲「それで、次はどうする? 宮守でも行く?」 京太郎「ああ……いや、あそこは臼沢さんの腰のラインはすばらしいが、おっぱいとなるとなあ」 京太郎「それよりやっぱりあそこ行こうぜ」 咲「永水、だね!」 京太郎「お願いします、おっぱいを! おっぱいを見せてください!」 霞「どうぞ」 初美「いやーん、ですよー」 京太郎「」 初美「あれ? どうしましたー? もしかして見とれちゃってますー?」 京太郎「」 春「黒糖、食べる?」 咲「あ、ありがとうございます」 京太郎「……う」 初美「はい?」 京太郎「……がう」 咲「あ、美味しい」 春「竹井さんにもお土産持って行って」 咲「あ、はい」 京太郎「違う! 俺が求めているのは! 薄墨さんの胸じゃない!」 京太郎「神代さんの圧倒的存在感を持つ! 石戸さんの他者を寄せ付けないほどの重量感を持つ!」 京太郎「おっぱいなんだああああああああ!!!!!」 初美「失礼な子ですねー」 霞「あらあら」 京太郎「それに薄墨さんの乳首チラは県予選の映像から大量にキャプってありますので」 初美「あうう……流石に照れますねー」 京太郎「お願いします! 神代さんと石戸さんのおっぱいを見せてください!」 霞「ええと……それだけ額に小石が食いこむほどお願いされてるのになんなんだけど」 巴「何してるんですかー、もう時間ですよー」 小蒔「宮守のみなさんが待ってますよー」 初美「これから宮守の人達と海水浴なのでー」 春「それじゃあ」 京太郎「ちくしょおおおおおおおおお!!!」 咲「何してるの京ちゃん……ついて行って宮守の人達のおっぱいも見せてもらえばよかったのに」 京太郎「あのなあ、咲」 咲「何?」 京太郎「しつこい男は嫌われるだろう?」 咲「何をいまさら」 京太郎「さーて次は阿知g」 咲「ああ、阿知賀は駄目だよ? 和ちゃんの幼馴染がいるらしいし」 京太郎「マジか……なら白糸台だな」 咲「新道寺は?」 京太郎「お前分かってて聞いてるだろ……あそこはおっぱい担当いないだろうが」 咲「うん……でも白糸台はちょっと……」 京太郎「ん? どうして……ってそうか」 京太郎「白糸台にお前のお姉さんいるんだったな……」 咲「うん」 京太郎「さすがにそれは気まずいな。せめて咲とお姉さんが仲直りした後なら行きやすかったかもしれないけど」 咲「ごめんね京ちゃん」 京太郎「まあいいさ。今日はありがとうな、咲。こんな俺の我儘を手伝ってもらっちゃって」 咲「ううん、別にいいよ」 京太郎「何かお礼しないとなあ」 咲「それなら今日鶴賀の人達に持って行ったケーキ奢ってもらおうかな」 京太郎「了解です、姫」 咲「あはは、なんか懐かしいね、それ」 京太郎「だな。ははは」 京太郎「それでだな……咲」 咲「何、京ちゃん?」 京太郎「咲のおっぱいを! 俺に! 見せてください!」 咲「嫌」 おわり
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6430.html
【冬休み五日目】(合宿三日目) 京太郎(はうっ……!) 京太郎(体が重い……!けれど俺の眼は開いている!) 京太郎(これが世に聞く金縛りと言うやつなのか……!) 京太郎(……でも本当に重いな、何なんだろ) 京太郎(何だこの柔らかい感触)プニプニ 京太郎(弾力があって、スベスベで……)プニプニ 京太郎(こんな抱き枕あったっけ?)プニプニ 京太郎「……」バサッ 穏乃「…………ん~」ギュゥ 京太郎「なんだ高鴨か……」プニプニ 京太郎「……高鴨!?」 京太郎(何これなんだよこれ!なんで俺裸なの?ってかなんで高鴨まで裸なの!?) 穏乃「京太郎……寒い……」ギュゥ 京太郎「ちょっ、そんな寄せられるとまずっ―――!」 穏乃「んっ…………」モゾモゾ 京太郎(こっ、これは世に聞く素股……!?) 京太郎(回復技「あさのひざし」で覚醒したマイサンが高鴨の太ももに包み込まれているだとォ!) 京太郎(まずい、この状況は非常にまずい!) 京太郎(第一この状況を咲に見られでもしたらまず冥土直行便!) 京太郎(高鴨を起こせば事情は聞ける、だがこの快感は得られなくなってしまう……!) 京太郎(どうする!どうする俺!) 京太郎(昨日何があったかは知らないが……) 京太郎(こんなところにいられるか!俺は布団に戻る!) 京太郎(さーて寝巻寝巻ー) 京太郎「なんで高鴨の布団にあるんだよ……へくしょん!」 京太郎「さむっ、早く着替えないと」 京太郎(高鴨が俺の布団で寝てるから、俺は高鴨の布団で寝ないとか) 京太郎(夜話してたとき、あいつずっと枕抱きしめてたよな……) 京太郎「」クンクン 京太郎(何これ、高鴨みたいなのでもこんな匂いするのか) 京太郎(すげえ、クセになりそう) 京太郎(つーか、そもそもなんであいつが俺の布団にいたんだ?) 京太郎(……まあ、起きた後で聞けばいいか……) 京太郎(…………) 京太郎(なんとか起床時間前に起きて高鴨を移動させておいた……) 京太郎(なんでああなったんだ……?) 朝 京太郎「はい、それでは練習を始めまーす」 咲「いつもより元気なくない?大丈夫?」 京太郎「ああ、大丈夫、無問題だ」 京太郎(昨日は何があったんだ……気になってしょうがないぞ) 咲「?」 穏乃「京太郎、おはよっ!」 京太郎「よっす」 穏乃「なんか元気無いね、どうしたの?」 京太郎「ん……なんでもない」 穏乃「そっかー」 京太郎(高鴨のせいだなんて言えないよな、俺の夢だったという可能性も否めないわけだし) 京太郎(って、今俺高鴨と二人っきりじゃん、話聞けるじゃん) 京太郎(どうしよ、聞いてみようかな……) 京太郎「高鴨、ちょっと聞いてもいいか?」 穏乃「え?なになに?」 京太郎「今日夢見た?」 穏乃「へ?」 京太郎「いやー、今朝俺と高鴨が裸で抱き合ってる夢見てさ」 京太郎「やっぱりそんなんありえないよなー」 穏乃「…………」 京太郎(静かになった?考えてるのか?) 穏乃「う、うん!そうだよ、私と京太郎がそんなことするなんて、そんなの絶対おかしいよ」アセアセ 京太郎「……お前って俺のこと京太郎って呼んでたっけ?」 穏乃「えっ、ほ、ほら、大星さんとか三尋木さんとか京太郎って呼んでたから私も呼ぼーって」 京太郎「そうなのか?」 穏乃「そ、そーだよ!あ!あっちの対局終わったみたいだから私行ってくるね!」 京太郎「高鴨?」 ―――時をさかのぼること、深夜 穏乃「ん……」モゾモゾ 穏乃(ダメだ、目が覚めて寝れないや) 穏乃(どうやったら寝れるかな……) 京太郎「ん~……」Zzz 穏乃(須賀……かぁ) 穏乃(男の子の身体ってどんなんなんだろ) モゾモゾ 穏乃(浴衣だから脱がしやすいなぁ)モゾモゾ 穏乃(うわ、これが男の子の身体か)サワサワ 穏乃(これ全部筋肉なのかな、あ、乳首とかもあるんだ) 穏乃(……なんか暑くなってきたな……)モゾモゾ 穏乃(誰も見てないし、脱いじゃえ!) 京太郎「んぅ……」ギュゥ 穏乃「へっ!?」 穏乃(私、抱きしめられてる?) ギュゥゥゥ 穏乃(少し苦しいけど……でも、安心する……) 穏乃(私も……)ギュゥ 穏乃(ちょっと息荒くなってきた……なんでだろ) 穏乃(眠くなってきたし……このまま……)ギュゥ 穏乃(京太郎…………京太郎、かぁ……) 穏乃(そんなことがあったなんて言えない!絶対に!)ブンブン 京太郎(結局あれは夢だったのか、一夜の過ちとかじゃなくてよかった、うん) 淡「きょうたろー、何の話してたのー?」 京太郎「ん?高鴨とか?」 淡「なーんか変な話をしてた気がするんだよねー」 京太郎「いやまさか、高鴨はそういうのに縁なんて無い方だろ」 淡「んー、だよねー」 京太郎「それで、次はお前が抜けてきたのか」 淡「そーそー、でもさ、練習ばっかだと疲れるから喋って時間つぶさない?」 京太郎「まあいいけど」 淡「じゃあ何話そっかー?」 京太郎「俺としてちょっと気になることがあんだけどさ」 淡「何?」 京太郎「なんで男女が同じ部屋に寝てるのにエロエロなイベントがほとんどないんだろうな」 淡「えっ、いくらきょうたろーでもそれは引くよ?」 京太郎「お前相手だったらこっちから願い下げだよ」 淡「いくらきょうたろーでもそれは怒るよ?」 京太郎「いやだってお前……」チラッ 淡「?」ペターン 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑った!今鼻で笑ったよね!」 京太郎「高鴨みたいな太もものエロさもなく、滝見さんほどの胸もない淡……ふっ」 淡「可愛いじゃん!私、可愛い!ほらほら!」 京太郎「はいはい可愛い可愛い」 淡「ばーかーにするなー!」ポイッポイッ 京太郎「痛っ!痛い!牌投げるなって!痛っ!」 昼 京太郎「午後は自由時間にするから、どっか遊びに行っていいぞー」 穏乃「やった!ラーメン!ラーメン!」 淡「サキサキー、どこ行こっかー」 咲「私は……行きたいところとかはあんまりないかな、咏ちゃんは?」 咏「んー私もよくわかんねーし、大星に任せるよ」 淡「任されたよ!じゃあれっつらごー!」 ワイワイガヤガヤ 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんはどこか行ったりしないのか?」 春「」コクッ 京太郎「そっか、外寒いもんなー」 春「……そっちは?」 京太郎「あいつらの輪に入るのはなんか悪い気がしてな、邪魔しちゃいそうだし」 春「…………」ポリポリ ゴソゴソ 京太郎「何してるんだ?」 春「笑う犬」 京太郎「DVDなんてあるのか、知らなかった」 春「」コクッ 京太郎(……暇だ) 京太郎(部屋の中には俺と滝見さんだけ) 京太郎(何かすること……)チラッ 春「……」ポリポリ ポヨン 京太郎(胸……おっぱい……乳……おもち……) 京太郎(滝見さんの豊かな胸を観察し、研究する……天才なのか俺は!) 京太郎(……だが、どういう場面を研究すればいいんだ?) 京太郎(ここは滝見さんに揉ませてもらって、実際の揉み心地を研究しよう!) 京太郎(頼み込むなら土下座というのが古からの習わし!) 京太郎(本当にすまないという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎(肉焦がし……骨焼く……鉄板の上でもっ……!) 京太郎「滝見さん!」 春「……何」 ブス… ∫ ;′ ∫ ,;′ ブス…',. -――-゙、 ;' ジジジ… ; / へ ` 、'; ∫ 京太郎「俺に!胸を揉ませてください!」 _;'___{. , -/、/=;´イヽ;'_ /三三j='rー、\_ 、)_℡, ;;〉三'`、ジジ… /三三└'゙ー ;‐;;‐;;'`ー;;ヾ'`"´三'三;`、 囮ヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱ囮 囮災炎災炎炙災炒炎災灸災炭囮 ◎┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴◎ 春「…………」 春「…………」ポリポリ ヤッタ!ヤッタ!ヤッタ! 春「……ふふっ」ポリポリ 京太郎「見なかったことにしないで!せめて反応して!寂しいから!」 春「…………許可すると思う?」 京太郎「いいえ全く」 京太郎「だが!しかし!それでも!ここで退くわけにはいかないんだ!男として!健全な青少年として!」 春「……無駄な情熱」 京太郎(本当に揉みたいという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎「頼む!この通りだ!」 春「……どうして?」 京太郎「俺はただ、滝見さんの胸が揉みたい!触りたい!あわよくばしゃぶりつきたい!だって欲求不満だから!」 京太郎「滝見さんなら、俺の願望を満たしてくれると思ってる!俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!」 京太郎「一目見たときから思ってた!頼む!俺に揉ませてくれ!」 春「…………」 春「……病院に行くべき」ジトッ 春「頭の」 京太郎「冷たい!視線も言葉も冷たい!だが、俺は――――ッ!」 春「…………」ジトッ 京太郎「…………」 京太郎「ごめんなさいでした……」 春「…………」ポリポリ 京太郎(……俺は、何をしていたんだろう) 春「…………」ポリポリ 京太郎『俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!』 春「…………」ポリ... 夜 京太郎「練習再開だ、準備しろー」 淡「えー!今晩も休ませてよ!」 京太郎「終わったら散々くつろいでるだろうが」 淡「むぅ……」 京太郎「結局お前が来るのか……」 淡「だって遊びたいんだもん!」 京太郎「お前なぁ……」 淡「ほらほら、ちゃっちゃとやっちゃお?」 京太郎「……はぁ」 淡「ねーねーきょうたろー」 京太郎「何だよ」 淡「私のこと好きー?」 京太郎「はぁ!?何言ってんだよ」 淡「どーなの?」ズイッ 京太郎「……まあ、好きか嫌いで言えば……嫌いではないけど」 淡「じゃあ好きなんだ!」 京太郎「そういうわけでもないんだが……それが何だよ」 淡「じゃあさ!じゃあさ!」 淡「私が頑張ったらさ、いっぱい甘えていい?」 京太郎「甘える?」 淡「撫でてもらったり、お菓子食べさせてもらったり?」 京太郎「ん……いいぞ、それでお前が頑張れるなら」 淡「よしっ!たくさん頑張っちゃうよ!……っとその前に」ポスン 京太郎「おい」 淡「これ知ってる?充電っていうんだよ?」 京太郎「いや知らないけど」 淡「こうすると淡ちゃんパワーがどんどん溜まっていくんだ!こう、ドバァーっと!」 京太郎「さいですか」 淡「よーし、頑張ろー!」 咏「よっす」 京太郎「よっ」 咏「あんさぁ、京太郎ってもうオーダーとか決めた?」 京太郎「いや、まだ全然だけど、そろそろ決めた方がいいか?」 咏「そうなんじゃね」 京太郎「一つ大会のことで気になってたんだけどさ、一戦目と二戦目でオーダー変更とかできんの?」 咏「ああ、できるはずだったと思うぜぃ、知らんけど」 京太郎「そっか……ちゃんと考えなきゃな」 京太郎「ほい、それロン」 咏「うげっ、また和了られた……」 京太郎「もうちょい守備堅くした方がいいぞ、大きいの和了る前に和了られてたら意味ないしな」 咏「それもそうなんだけど……京太郎が強いんだよ」 京太郎「やるからには本気でやらないとダメだろ」 咏「確かにそうなんだけどさ……」 京太郎「ま、こっからも一緒に頑張っていこうぜ」 咏「……おう」 咏(……ってか、京太郎なら多分……) 咏(……違う、今はそんなこと考えてる時間じゃねえ) 【風呂】 カポーン 京太郎「ふぅ~」 京太郎「明日で合宿最後か、今まで誰かが入ってきて落ち着けなかったけど」 京太郎「今日だけでもゆっくり休めてよかった……」 ザバッ 京太郎「うっし、明日も頑張ろう!」 京太郎(臨海の監督さんたちもここに泊まってるんだよな……) 京太郎(まだ、俺がこいつらを引っ張れてるのか不安だし、行ってみよう) 淡「ねえーきょうたろー聞いてる?」 京太郎「ん、おお聞いてる聞いてる」 淡「ホントにー?」 京太郎「ホントホント」 淡「んーとね、それで――――」 ―――一時間後 京太郎「」キョロキョロ 京太郎「作戦、開始だ」 コンコン 京太郎「失礼しまーす」 京太郎「監督さんの部屋がここだって聞いて来たんですけど……」 霞「あら、京太郎くんじゃない」 晴絵「おっす、須賀くん」 善野「何しに来たん?」 京太郎「皆さん同じ部屋で寝てるんですか……?」 トシ「そういう仕様らしいから仕方ないんだよ」 臨海「キョウタロウ?」 霞「それで、何の用なの?」 京太郎「はい、実は――――」 雅枝「なるほどな、つまりはアドバイスが欲しい、いうことやな」 晴絵「シズとかは直線的で扱いやすいと思うけどなぁ」 京太郎「あいつ以外が問題なんですよね」 臨海「それなら、私たちでレッスンしてあげるのがよいでしょうか」 霞「そうですね、少し夜が遅いですけど」 善野「須賀くん、時間大丈夫?」 京太郎「はい!頑張ります!」 トシ「それじゃあ始めようかね」 臨海「―――――と、ざっとこんなものかな」 晴絵「どうだ?勉強になった?」 京太郎「なるほど、ばっちりです!」 トシ「彼女たちと同い年の須賀くんなら、親身にもなってあげられるし、発破だってかけやすいはずさね」 雅枝「あのチームをまとめるのに適してるっちゅうわけやな」 京太郎「そうだったんですか?」 善野「せやから、須賀くんも自信持って頑張ってな」 霞「敵同士だけど、頑張ってね」 京太郎「はい!本当にありがとうございました!」 臨海「ここまでで、いいかな」 京太郎「同じホテルなのにわざわざ見送りなんていいですよ」 臨海「これでも私たちは教育者だからな、心配なものは心配なんだ」 京太郎「そうっすか、ありがとうございます」 臨海「いや、礼なんていらないよ」 京太郎「でもこんな時間に俺の相談に乗ってくれて申し訳ないというか」 臨海「……そういえば、君はどうして私を訪ねてきたんだ?石戸先生の方が相談もしやすかっただろうに」 京太郎「んー……監督さんが頼りになりそうだったから、ですかね」 京太郎「霞さんたちが頼りないってわけじゃないんですけど、一昨日とか俺のこと看ていてくれたじゃないですか」 京太郎「だから監督さんのところに行こうとしたんだと思います」 臨海「……そう、か……そう言われて悪い気はしないな」 京太郎「というわけで、ありがとうございました」 臨海「うん、頑張ってくれ」 京太郎「へへっ、負けませんからね」 臨海「こちらもそう老いぼれちゃあいないよ、じゃあな」スタスタ 京太郎「おやすみなさーい」 【冬休み5日目】(合宿三日目)終 【冬休み6日目】(合宿四日目) 京太郎(清々しい朝!冬の日差しにその寒さ!) 京太郎(けどさぁ……) 京太郎「…………」サワッ 咲「んっ」ビクッ 京太郎(なんで咲の胸を触ってるんだ俺……)サワサワサワサワ 京太郎(ってかなんでこんな後ろから抱き着いてるような体勢になってんだよ……)サワサワサワサワ 京太郎(今までないものだと思ってたけど、服越しでも案外あるもんなんだな)サワサワサワサワ 京太郎(そもそも昨日何があったんだ?)サワッ 咲「あっ、んっ……」ビクビクッ 京太郎(急に震えだしたけど、寒いのか?) 京太郎(布団もっとかけてやらないと……) バサッ スタスタ... 咲(なんか変な感じがしたから起きちゃったけど)モジモジ 咲(何なんだろうこの感じ……体がすごく熱くて……) 咲(ちょっと気持ちいい、かも……) 咲(京ちゃん、私の胸が好きなのかな) 咲(……触ってくれたってことはそういうことだよね) 咲(なんだか、嬉しいな) 朝 京太郎(……はっ!) 京太郎(朝、か?) 京太郎(でもなんか暑いような……) 咏「ぅ…………」モゾモゾ 京太郎(なんでまた俺の布団で寝てるんだよ……) 京太郎(小さいからはみ出なくっていいけどさ) 京太郎「えいえい」ツンツン 咏「にゅ……ぅ……」プニプニ 京太郎(一昨日は滝見さん、昨日は高鴨、そんで今日は咏か) 京太郎(何なの俺、何か憑いてるんじゃねえの?) 咏「んぅ…………きょぅたろぉ……」 咏「……すきぃ…………」 京太郎「!」ビクッ 京太郎(びびったぁ……寝言か、そりゃそうだよな) 京太郎(第一好かれるようなことあんました覚えないし、うん) 京太郎(けど、もし俺が咏と付き合ったら……) 京太郎(…………) 京太郎(通報されるな) 淡「今日はみんなで人生ゲームをしよー!」 京太郎「……はぁ」 咲「いいの?京ちゃん」 京太郎「ときには息抜きも必要だろうからな」 淡「私黄色使うねー!」 春「……青」 穏乃「じゃあ私は赤!」 咏「んーと……じゃあ私は緑にするかねぃ」 淡「あ、そーだ!一番金持ちの人は誰かに命令できるってことにしよ!ってかそうするから!」 京太郎(うわぁ、めんどくせぇ……) 淡「今めんどくせえって思ったでしょ!」 京太郎「なっ、どうしてそのことが!」 淡「私ときょうたろーは以心伝心だからね!愛し合ってるっていうのー?」 咲「」ムッ 咏「」ムッ 淡「んー、私が勝ったら何しよっかなー」 春「勝たないから心配しないでいい」ポリポリ 淡「へータキミン言うねー」 京太郎「とっとと始めるぞー」 一位 京太郎 二位 春 三位 穏乃 四位 淡 五位 咲 六位 咏 淡「うわ、びみょー」 咲「また家が燃えちゃったよぉ……」 咏「竜巻で飛ばされるよりまだマシだろ……」 穏乃「やった!ブラックバス釣れた!」 京太郎「何とか一位だったけど、滝見さんすげーな」 春「……ギャンブルは得意」ポリポリ 京太郎「俺が一位だから何か命令していいんだよな?」 淡「……チッ」 京太郎「あくどい顔で舌打ちするなよ!なんか恐いから!」 京太郎「じゃあ咏が俺にマッサージ、咲は滝見さんにマッサージな」 咲「え?」 咏「ふぇ?」 穏乃「そんなのでいいの?」 京太郎「ああ、気持ちよけりゃいいだけだから」 淡「なにそれつまんないー!」 春「……なんで私まで」 京太郎「細かいことは言わずに、な?」 春「…………」ポリポリ 咏「でもよぉ、マッサージってどうすりゃいいん?」 京太郎「肩揉んだりでいいぜ、そこまで本格的にやる必要はないからな」 咏「へいへい、んじゃ始めるよ」 咏「京太郎って結構肩凝ってるのな」 京太郎「んーまあな」 咏「ん……しょ」 京太郎「こういうのもいいな、なんかリラックスできるわ」 咏「それは私の腕がいいからなんじゃねーの?知らんけど」 京太郎「そうかもな、毎日やってもらいたいくらいだぜ」 咏「ま、毎日って……」 京太郎「ん?どうした?」 咏「どうもしてねえよ!」グキッ 京太郎「痛っ!?」 咲「滝見さんのうなじ、綺麗だね」 春「…………」コクッ 咲(滝見さんの胸大きいな……) 咲(私も黒糖食べれば大きくなるのかな) 咲(もし大きくなったら京ちゃんも……ってなんで京ちゃんのこと考えてるの!) 咲(京ちゃん大きいの好きだもんね……羨ましいなぁ) 咲(って、あーもう!) 春「?」 淡「つまんなかったからもう一回!」 京太郎「せめて種目変えようぜ……」 一位 京太郎 二位 穏乃 三位 淡 四位 咏 五位 咲 六位 春 京太郎「また俺の勝ちだな!」 淡「つまんないつまんないつまんないー!」 穏乃「うーん、いい線行ってたと思ったんだけどなぁ……」 咏「まあ、いっか」 咲「順位下がっちゃったよぉ……」 春「……命令は?」ポリポリ 京太郎「お、そうだったな、んじゃ、命令は――――」 京太郎「全国で充電ってのが流行ってるらしい」 咲「充電?」 京太郎「一人がもう一人の膝の上に乗ってエネルギーを蓄えるとかなんとか」 穏乃「へー、今度憧にやってもらおうかな!」 京太郎「つーわけで、俺が滝見さんに充電をする」 咏「は?」 淡「え?」 春「…………」ポリポリ 京太郎「ほら、俺今二連勝だから最下位の滝見さんに運気を注入するっていうか」 咲「それって滝見さんが京ちゃんの上に座るってことだよね?」 京太郎「ん、それがどうかしたか?」 咲「どうかしたか、って……」 京太郎「よし、んじゃ滝見さん乗ってくれ」 春「…………」ポスン 淡「……それだけ?」 京太郎「これだけ」 淡「なにそれ!またつまんないよ!」 春「……黒糖食べさせて」 京太郎「おう、いいぞ」ヒョイ 春「…………」ポリポリ 咏「なんでこんなん見てないといけないんだよ……」 穏乃「滝見さん、充電されてる感じとかするの?」 淡「まっさかーそんなことあるわけ……」 春「……須賀くんが伝わってくる」 淡「何その効果!?」 淡「もう一回!もう一回!」 咲「もう昼だからそろそろやめない?」 淡「諦めちゃだめだよサキサキ!」 咲「諦めるも何もないと思うけど……どうする?京ちゃん」 京太郎「俺も黒糖食べていいか?」 春「……食べさせてあげる」 咲(なんで向かい合ってるの!?) 京太郎「じゃあ俺も」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」ポリポリ 咲(なんだか兄妹みたいで微笑ましい光景だけど、どうしよう咏ちゃん!)チラッ 京太郎「服に黒糖こぼれてるぞ」ヒョイ パクッ 春「あ……」 咏「」イラッ 咲(こっち見てないや……こうなったら高鴨さん)チラッ 穏乃「滝見さん私も黒糖食べたい!」 春「……どうぞ」 穏乃「ありがと!」ボリボリ 咲(あ、これダメなパターンだ) 咲(でも私がしっかり聞かないと!) 咲「京ちゃん、お昼ご飯食べに行く?」 京太郎「……」ナデナデ 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんの髪、綺麗だな」 春「……春でいい」 春「…………」 春「……なんでもない」 京太郎「春の髪、綺麗だな」 春「…………」カァァ 咲「」イラッ 昼 京太郎「今日の午後は自由時間だぞー」 淡「よーやくきょうたろーもわかってきたみたいだね」ウンウン 穏乃「三尋木さん!ラーメン食べに行かない?」 咏「おーいいぜぃ、どっちが食べられるか勝負な」 穏乃「よしっ!燃えてきたぞぉぉぉぉおおおお!」 淡「じゃあタキミン遊びに行こー!昨日行けなかったからね!」 春「……」コクッ 京太郎「……んじゃ、俺たちも遊びに行くか」 咲「えっ、私と?」 京太郎「咲以外に誰がいるんだよ、ほら行くぞ」 咲「あっ、ちょっと待ってよ京ちゃん!」 咲「わぁ、本がいっぱいだよ、京ちゃん!」ピョンピョン 京太郎「確かに大きいけど、はしゃぎすぎだろ」 咲「長野じゃこんなに大きいところあんまり無かったもん!ああ……いいなぁお姉ちゃん」 京太郎「咲、ホントに本のこと好きなの……」 ポツーン 京太郎「……な」 京太郎「あんにゃろうどこ行きやがった……」 京太郎(目を離したらいつもこうだ、まあ本屋なら大体……) 咲「京ちゃんどこぉ……」 咲(お手洗いにも行きたいのにぃ……) 京太郎「ったく、何やってんだよ」ギュッ 咲「ぁ……」 京太郎「トイレに行きたかったら俺に言え、連れて行ってやるから」 咲「そんなこと、言えるわけないじゃん……」 京太郎「お前がいなくなったら困るんだよ、だから、さ」 京太郎「俺がいるときは、俺に頼れ」ニコッ 咲「…………あぅ」カァァ 京太郎「スッキリしたか?」 咲「お、女の子に何言ってるの!京ちゃんのバカ!」ポカポカ 京太郎「相変わらず咲はちんまいなー」 咲「もー!」 咲「…………」ジーッ 京太郎(こうして咲と本屋に来たわけだけど……) 咲「…………」ペラッ 京太郎(……なんかつまんねえ) 京太郎(何かいたずらしてやるか) 京太郎(にしても何読んでんだ?)チラッ 咲(京ちゃんの顔が……うぅ)カァァ 京太郎(恋愛小説か?咲もそういうの読むんだな)チラッ 咲「///」ポシュー 京太郎(咲の耳……か) 京太郎(……よし) 咲(京ちゃんの顔が近いから集中できないよぉ……)カァァ 咲(でも京ちゃんに怪しく思われちゃうからちゃんと読まないと……)ジーッ 京太郎「ふーっ」 咲「ひゃぁっ!」ビクッ 京太郎「あっはっは!なんつー声出してんだよ」 咲「も、もうっ!京ちゃんのバカ!」 咲「あっち行っててよ!」 京太郎「はいはい、十分経ったらまたここに来るから絶対に動くなよ」 咲「言われなくてもわかってるもん!べーっ!」 京太郎(―――とは言われたけど、時間が来るまで何しよ) お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王! 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.恋愛小説…600円 10.野依理沙の感情コントロール法…1000円 11.一日を活用する本…1500円 12.咲が読んでたのと同じ恋愛小説…700円 京太郎(咲も読んでたし、俺も似たようなの読んでみるか) 京太郎(……思春期の恋愛模様を描いた作品、か面白そうだ) 京太郎(咲の読んでたやつはどんな話だったんだろ) 京太郎(まあいいや、買いに行こ) 「ありゃぁたっしたー」 京太郎(後は咲を探しに行くだけだな) 京太郎(この辺のコーナーだったよな……あ、いた) 咲(京ちゃんまだかな……)モジモジ 京太郎(何だあいつ?足踏みしたり脚寄せ合ったり……) 咲(なんでまたお手洗いに行きたくなっちゃうんだろう……)モジモジ 京太郎(?) 京太郎(こっちに気づいてないのか?じゃあ……) 京太郎「おい、咲」 咲「へっ……あ、京ちゃん」 京太郎「早く行くぞ」グイッ 咲「えっ、なに、どこ行くの?」 京太郎「トイレ、行きたくなったんだろ」 咲「どうしてわかったの?」 京太郎「お前のことだからな、ほら着いたぞ」 咲「あ、ありがと……」モジモジ 咲(どうして京ちゃん、私がお手洗いに行きたいってわかったんだろ) 咲(なんで私を引っ張って行ってくれるんだろ) 咲(…………) 咲(帰るときは、私から京ちゃんの手繋ごうかな) 咲(手をつないで買い物に行くって、デートみたいだよね) 咲(……こんな風に、また遊びに行けたらいいな) 咲「お待たせ、京ちゃん」 京太郎「ん、そんなに待ってねえよ」 咲「えへへ、それじゃあ帰ろっか」ギュッ 京太郎「あ……ああ、そうだな」 咲(恋人繋ぎって、ちょっと大胆だったかな) 京太郎「って咲、本買わなくていいのか?」 咲「あっ、忘れてた!ちょっと待ってて!」トテトテ 京太郎「だから走るなっての!」 夜 京太郎「いよいよこの合宿も終わりっつーわけで、練習するぞー!」 穏乃「おー!」 淡「元気150%の淡ちゃんなら負けないよ!」 咲「私も負けないもん!」 春「…………」ポリポリ 咏「うぅ……胃もたれきつぃ……」 淡「そい!リーチ!」 咲「じゃあ私も、リーチ」 咏「そんじゃ、リーチ」 穏乃「リーチ!」 「「「「……」」」」 京太郎「何やってんだあいつら……」 春「……きょうたろう、始めて」 京太郎「ん……ああ」 京太郎(春が集中できるからって充電しながらやってるけど……) 春「…………」ウツラウツラ 京太郎(人の膝の上で寝るなよなー) 春「ん……」モゾモゾ 京太郎(やばっ、動かれると流石にまずいっ) 京太郎(これは起こすしかない……よな) 京太郎「おーい、春ー」 春「…………」 京太郎「後ろからじゃ起きてんのかどうかわかんねえよ……」 京太郎「…………」 春「…………」 京太郎「……俺も寝るか」 京太郎「最後の相手は高鴨か」 穏乃「んそっ、よろしくね!」 京太郎「おう、頑張るぞ!」 穏乃「うぉぉぉぉおおおお頑張るぞぉおぉおおお!」 京太郎(なんだろう、このやり取り終わらない気がするぞ?) 穏乃「いやぁー、今日で合宿も終わりなんだねー」 京太郎「手、動かせよ」 穏乃「須賀は楽しかった?私は楽しかったよ」 京太郎「いや、だからさ」 穏乃「東京のラーメンおいしかったし、麻雀も楽しかったし!」 京太郎「集中しようぜ、集中」 穏乃「大星さんや宮永さんともまた打てたから良かった!」 穏乃「須賀はどう思う?」 京太郎「麻雀しようぜ」 穏乃「うん、やっぱり楽しかったよね!」 京太郎「どこをどう捉えればそうなる!?」 京太郎「これで合宿は終わりだ!」 京太郎「そしてぇえぇえええええーーーー!」 淡「打っち上っげだーーーー!」ドンドンパフパフ 咲「わ、わー!」 咏「いえーい!」 穏乃「ラーメン!ラーメン!」 春「…………」ポリポリ 淡「でもどこに行くのー?」 京太郎「う……んー、どうしよ」 京太郎「じゃあカラオケでいっか」 咲「えぇ……私歌とか上手くないよ?」 京太郎「楽しけりゃいいんだよ、みんなもいいだろ?」 穏乃「憧によく連れていかれたからね、オッケーだよ!」 淡「私もいいよ!」 咏「ま、いんじゃね」 春「…………」ポリポリ 京太郎「誰から歌うんだ?」 淡「その前にルール決めようよ!」 咏「ルール?」 淡「六人の内負けた人が言うこと聞くとか!」 咲「わざわざそんなことしないでもいいんじゃ……」 淡「じゃあ一番の人がきょうたろーに充電してもらうとかは?」 咲「」ピクッ 咏「」ピクッ 京太郎「おい待てそのルール、俺が一位じゃ意味ないじゃねえか」 淡「え~、どうせきょうたろーは勝てないよー」 京太郎「何だと?」 穏乃「まーまー二人とも落ち着いて」 淡「タキミンはどう思う?」 春「……いいと思う」 京太郎「くっ……」 淡「嫌だったら代替案を提案してねー」 京太郎「折衷案ってことで俺が一位になったら他の人に命令」 京太郎「他の人が一位になったら俺が充電、でどうだ?」 咲「どうだ、っていうか……」 咏「京太郎が得しすぎだろ……」 淡「うん、それでいいや!」 穏乃「じゃあ一番は私行くよ!」 春「…………」ポリポリ 穏乃「青空が眩しいー、君がいる風景はー」←16点 淡「重さじゃー測れない、こんな想いー」←52点 咲「こわいもののない世界ならー」←58点 淡「何なのこの機械!おっかしいんじゃないの!」 淡「私が52点なんてあり得ないでしょ!」 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑うな!」 春「雲の形、突き抜けるー」←96点 咏「毎日ナニがあって、頭抱えてもー」←92点 京太郎「たましいゴーンと、チャイムを打たれたならー、打たれちゃったら!」←61点 淡「なんできょうたろーの歌より私の方が下なの……」ガックシ 咲「それは同感かも……」ガックシ 穏乃「うん……」ガックシ 京太郎「なぜそこまで落ち込む!?」 春「きょうたろう、充電」 京太郎「お、おお、いいぞ」 春「」ポスン 春「……頭撫でて」 京太郎「ああ、よしよし」ナデナデ 淡「ちょっ、そんなオプション――――!」 淡(待てよ、ここで頭なでなでを禁止したら私が勝ってもあまり得はない!) 淡(それにこう考えている間にもタキミンのきょうたろーポイントがどんどんたまっていく!) 淡(まさかこれが――――) 春「……ふっ」 淡(先手必勝のジャスティス!勝てば魏呉蜀!) 咲(勝てば官軍だと思うけど……) 淡(ここは黙るしかない!) 京太郎「淡、どうかしたか?」 淡「ううん、なんでもないよー」 淡(タキミン……恐ろしい子……!) 春「……きょうたろう」 京太郎「どうした?」 春「何かして」 京太郎「何か、って何だよ」 春「……抱きしめたり、とか」 京太郎「なら今頭撫でてるじゃん」 春「そうじゃなく……」 京太郎「んー……じゃあ……」 京太郎(咲とかがいるからあんまり大胆なことはできないとして……) 京太郎(そうだ!) 京太郎「……春」ボソッ 春「」ビクッ 京太郎「どきどきしてるんだ、俺の胸……春を充電したい、十年も、二十年も」ボソボソ 京太郎「っ……お前のそばに居続けたい」ボソボソ 京太郎「きっと、お前のことが好きなんだ……いや、春が好きだ、断言できる」ボソッ 京太郎「りゆうはわからない、色々ありすぎて、お前の好きなところが多すぎて」ボソボソ 京太郎「……なあ、春」 春「……///」カァァァァァ 京太郎「好きだぞ」ボソッ 春「///」ボシュー 咲「あの二人何してるのかな?」 淡「さあー?じゃあ次の曲入れちゃおー!」 穏乃「信じる、それだけで越えられないものーはない」←97点 淡「ほどかれてくの、どこまでもー」←70点 咲「がんばっちゃったがんばった我々東南西北わーいわーい!」←83点 淡「だからなんで私がこうなんのよ!」 穏乃「点数上がったんだからいいじゃん」 淡「アンタが一番おかしいでしょ!」 春「君の知らない、私だけの秘密」 京太郎「春は歌上手いなー」 春「……」カァァ←31点 咏「冒険でっしょ、でっしょ!」←76点 京太郎「ハートのエッジに挑もう、思うたけ見つめてー」←92点 穏乃「今度は私だよ!」 京太郎「ぐぬぬ、あとちょっとだったのに……」 穏乃「ねぇー私にも何かしてー」 京太郎「だから何かって言われてもな……」 京太郎「んじゃ、遠慮なく」サワッ 穏乃「ふぇっ」 京太郎「高鴨の太ももって結構筋肉ついてんだな」サワサワ 穏乃「ちょっ、何触ってんのさ!」 京太郎「こんな恰好で寒くないのか?」サワサワ 穏乃「はしってるから……大丈夫、だけど……」 京太郎「でも、ちゃんと肌スベスベしてるし、女の子って感じするぜ」サワサワ 穏乃「それ、褒めてくれてるのかわかんないんだけど」 穏乃(さっきから何かが当たってる気がするし……須賀に触られてると……何だろう) 穏乃(ちょっと変な……)モゾモゾ 春「…………」ボリ!ボリ!ボリ! 咲「京ちゃん何やってんだろ……」 咏「あいつ……」 淡「タキミンまであらぶってる……」 淡「次は絶対に勝ってやるんだから!」 穏乃「私はもういいや……」 咲「私も頑張る」グッ 春「…………」ポリポリ 咏「今度こそ勝つぜぃ~」 穏乃「みみーもとで囁き呼ぶ声に振り向けば、気づかぬうち開かれていたトビラー」←66点 淡「ガッティーノ、ガッティーナ、私だけの傍にいてねー」←15点 咲「わーたっしーとしようよ、ココロが晴天ドキツモ昇天」←75点 淡「」チーン 京太郎「ぶははははは!どんだけ機械に嫌われてんだよ!」 咲「京ちゃん、淡ちゃん可哀想だよ」 京太郎「でもよぉ、あっはははは!」 淡「うっさいうっさいうっさーい!どうせきょうたろーだってこんな点になるもん!」 京太郎「ならねーよ、ま、見てればわかるけどな」フフン 春「アザレアを咲かせて、暖かい庭までー」←5点 咏「おおきな夢、夢、スキでしょ?」←83点 京太郎「本気の恋ー、それは突然花が咲くー」←90点 淡「みんなしてずっこいずっこい!」 京太郎「結局実力ってことだな」 淡「むぅ……」 咏「んで、命令何すんの?」 京太郎「おっ、そういえばそうだったな」 咲「エッチな命令とかは……ダメだよ?」ニコッ 京太郎「わ、わかってらぁ、そんぐらい」アセアセ 春「…………」ポリポリ 京太郎「んー、と、じゃあ……淡?」 淡「なによぉ……」グスッ 京太郎「いや、負けたからって泣くなよ」 淡「だって、きょうたろー程度に負けるとかありえないし……」グスッ 京太郎「ナチュラルに失礼だな、おい」 春「……命令」ポリポリ 京太郎「ああ、ちょっと考え中な」 京太郎(全員に猫のごとく甘えてもらう、とか言おうと思ってたけど俺もそこまで空気が読めない男じゃあない) 京太郎(淡が泣いたままだと嫌な気がするし……淡の脇をくすぐって励ますとかいいんじゃないか?) 京太郎(あわよくば淡の胸に触れる、って違うわ!どんだけ変態なんだ俺!) 京太郎(それにあんな胸触ったってなぁ……)ハァ 京太郎「淡」 淡「なに?」 京太郎「ほい」ガシッ ヒョイッ 淡「はぁっ!?」 咲咏穏「ええっ!!」 春「…………」ポリポリ 淡「なっ、何してんの!」 京太郎「ほーれ高い高ーい」 淡「子どもじゃないんだから降ろしてよー!」ジタバタ 京太郎「はっはっは、じたばたはHPが少なくないと威力弱いんだぜー」 淡「っていうかスカート見えるから!」ゲシッ 京太郎「ぐへぁっ」グラッ 咲「あっ!」 咏「京太郎のバランスが!」 穏乃「大星さん危ない!」 淡「きゃぁっ!」 京太郎「淡っ!」 京太郎(これだと淡が頭から落ちる、最悪病院行きだ!) 京太郎(それだけはさせない!) ドッシーン! 咲「きょ、京ちゃん!」 京太郎「いつつ……腰打ったっぽい」 咏「ったく、気ぃ付けろよなー」 京太郎「わりぃわりぃ」 淡「もー!きょうたろーのせいで危なかったじゃん!」 京太郎「人が身を挺して守ったっつうのに一言目がそれかよ……」 淡「ぁ……それはありがとう、だけど……」モジモジ 淡「って!そもそもきょうたろーが高い高いなんてしなきゃよかったんじゃん!」ウガー 京太郎(一瞬でもしおらしくてかわいいと思った俺がバカだった) 淡「こうなったらやり返してやる!えいっ」ガシッ 京太郎「うおっ!」 淡「んぐぐ……」 淡「持ち上がれぇ……!」 京太郎「淡、あんまり無理しない方がいいんじゃないか?」 淡「うっさい!やり返すったらやり返すんだから!」 ――十分後 淡「なんで持ち上がんないのさー!」 京太郎「体格差があるからしゃあないだろ」 淡「きょうたろーの筋肉硬かったし、抱きしめてるみたいで気持ち良かったよー!」 京太郎「なんでこの状況で褒められてんだろ俺」 京太郎「次で最後にするか」 咲「そうだね、もう結構遅いし」 咏「じゃさ、じゃさ、最後は全員で同じ歌歌ってその得点を競うってのはどうなん?」 淡「あ、いいねーそれ!」 穏乃「じゃあ何歌うの?」 春「……だんご三兄弟」 咲「中々古いね!?」 京太郎「そりゃみんな知ってるだろうけどさ……」 淡「じゃあセーラームーンとかは?」 咏「そっちのがおぼろげなんだよねぃ……」 穏乃「タ○リ倶楽部のオープニングは?」 京太郎「あれカラオケに入ってんのか?つーかどんなチョイスだよ」 淡「タ○リ……なにそれ?」 咲「私も土曜日は夜遅くまで本読んでるから知らないな」 京太郎「それ、見てるって言ってるようなもんだぞ」 咲「空耳しか見てないもん!」 淡「だから何それ?」 京太郎「結局、おいでよ亀有を歌うことになったぞ!」 咲「どうしてこうなっちゃうの……」 穏乃:96点 春:90点 淡:66点 咲:27点 京太郎:21点 咏:1点 咏「1点……1点……」チーン 淡「また勝てなかった……」ガクッ 咲「私だって4位だったんだから、元気出そ!」 春「…………黒糖、いる?」ポリポリ 淡「いるいるっ!ちょーだい!」 咲「ゲンキンだなぁ……」 穏乃「また私が一番かぁ……よっ!」ポスッ 京太郎「俺の膝に慣れるの早くね」 穏乃「まあ、嫌いじゃないからねー」 京太郎「新子だったら「こんなこと死んでもやらないわよっ!」とか言いそうだよな」 穏乃「あはは……有り得るね」 京太郎「今回も何かするか?」 穏乃「うんっ、おまかせで!」 京太郎「んじゃ、まずは」サラッ 穏乃「ん……」 京太郎「高鴨の髪の毛さらっさらだな」ススッ 穏乃「えーそうかな?」 京太郎「綺麗だし、いい匂いもするぞ」ソソッ 穏乃「なんかむずむずする……」 京太郎「やっぱり女の子の髪って気持ちいいな」 咲「……やっぱり?」ゴッ 京太郎「ヒッ」 咲「京ちゃん、他の女の子の髪触ったことあるの?私にはないのに?」 京太郎「そ、それは言葉の綾というやつで、触ったっつうか撫でたときとか……ほら!小さいときにお前のことも撫でてたろ!」 咲「……そういうことならいっか」 咲「ほら、続けなよ」 京太郎「は、はい……」 京太郎(なんか重い雰囲気になってんですけど!?) 京太郎(やべーよ殺されるよ、何だよあの殺気、このまま抱きしめようかと思ったけど絶対無理だよ) 穏乃「もう終わり?」 京太郎「う……ああ……うー……」 京太郎(けどまだこうしていたい自分もいるわけで……) 京太郎「いや、まだだ!」ギュッ 穏乃「わっ!」 京太郎(あっれー?どうして俺は高鴨を抱きしめてんの?おっかしいなー) 淡「髪いじって抱きしめるって……」 咏「あんさぁ、京太郎?流石に限度ってものがあると思うぜぃ」 京太郎「ちっ違うわ!これは俺が無意識下に行った行動であって俺自身の行動じゃないんだ!」 京太郎「そうっ!いわばそれは反射!思考とは真逆!目の前いる高鴨を抱きしめるのは俺の性なんだ!」 淡「なお悪いわっ!」ゲシッ 京太郎「脛はやめろって痛いから……」 京太郎(なおさら酷い雰囲気になった気がする……) 咲「」ニコニコ 淡「」ジトッ 咏「」ジーッ 穏乃「~♪」 春「」ポリポリ 京太郎「なあ、高鴨?」 穏乃「穏乃でいいよ、私も京太郎って呼ぶから!」 京太郎(この状況で何言いだしちゃってんのお前!?) 京太郎「何言っちゃってんの、おい」 穏乃「今さ、京太郎に抱きしめられてるとなんか安心するんだ」 穏乃「ウチ女子高だから、久しぶりに男子と話したのに楽しくて」 穏乃「だから京太郎とはもっといい友だちになりたいな、って」 京太郎「今言うことなのかよ……」 京太郎(しかもこの惨状で) 穏乃「なんか言うタイミング逃しちゃいそうだったからね」 京太郎「そ、そうか」 京太郎(何これ、何が言いたいのこいつ) 京太郎(言われて滅茶苦茶嬉しいけど……) 咲「ジュゴゴゴ」ニコニコ 淡「ジュゴゴゴ」ジトーッ 咏「ジュゴゴゴ」ジーッ 春「……」ポリポリ 京太郎(ストロー悲鳴あげてるから!こっち向かないで怖いから!) 穏乃「京太郎ー」 京太郎「なっ、なんでございますでしょうか」 穏乃「呼んでみただけだよ、えへへ」 京太郎(そういうことされると……もう……)カプッ 穏乃「ひゃぁっ?」 京太郎「んっ……」ハムハム 穏乃「京太郎ぉ、くすぐったいよぉ」 京太郎「ははほはっへはいへぇ」 穏乃「耳元で喋らないでよ、ふふっ」 京太郎(なんで俺、穏乃の耳咬んでんだろ……) 京太郎(あとは耳に息を吹いて終わらせよう) 咲淡咏「」ゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎(あいつらに殺される気しかしない!) 京太郎「……ん」 京太郎(俺の唾液ですごくエロく見える……) 京太郎「ふーっ」 穏乃「んんっ!」ビクッ 京太郎「こ、これで終わりだ!」 京太郎(何やってんだろ俺……) 京太郎「かーっ!歌った歌ったー!」 淡「きょうたろーの変態」 京太郎「まだ言うか」 咲「8時くらいだけど、新幹線間に合うかな?」 咏「大丈夫なんじゃね、知らんけど」 穏乃「んー、でも確かに危ないかもね」 京太郎「じゃあここで解散っつうことでいいか?」 淡「うん!」 穏乃「だねー」 京太郎「そっか、じゃあ行くぞ」 咲「ま、待ってよ京ちゃん」 春「……お疲れ」 穏乃「またね」 淡「また来週だよー!」 咏「じゃあなー」フリフリ 京太郎「おう!頑張ろうなー!」 咲「そっか、私以外みんな博多行きなんだ」 京太郎「春は今から帰って家に着くのか?」 春「ホテルは取ってある」 穏乃「どうせだし京太郎の部屋に泊まればいいんじゃないかな」 春「……いいの?」 京太郎「いやダメだろ、年頃の男女が同じ部屋で寝泊まりなんて」 咲「つい昨日までやってたんだけどね……」 咲「あ、私こっちだから」 京太郎「そっち東北新幹線だぞ」 咲「えっ!?わわっ、危なかったよ!」 京太郎「お前、よく東京まで来れたな」 咲「バ、バカにしないでよ!」 京太郎「はいはい、バカにしませんよー」 咲「バカにする気満々でしょ!」 京太郎「長野新幹線あっちだぞー」 咲「わ、わかってたから!わかってたからね!」 京太郎「はいはい、じゃあな」ナデナデ 咲「だからバカにしないでよ!」 穏乃「京太郎って宮永さんと仲良いんだねー」 京太郎「ま、幼馴染だからな」 穏乃「いつごろから知り合ったの?」 京太郎「咲とは小学生くらいかな、なんでだ?」 穏乃「んー、ちょっと気になったから?」 春「……二人とも、はい」 京太郎「黒糖一袋!いいのか?」 穏乃「うおっ!おおおっ!」 春「お疲れ様のプレゼント」 京太郎「そっか、あんがとな」 穏乃「んー!おいしー!」ボリボリ 春「……」ニコッ 【冬休み6日目】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6429.html
【冬休み一日目】 憧「朝から女子の……触るとかほんっとあり得ない!」 京太郎「寝相だったんだからしょうがないだろ!ってかそれが嫌なら布団離せばよかったじゃねえか!」 憧「そ、それは……っ」 京太郎「何だよ?」 憧「せっかく須賀が敷いてくれたのに悪いと思って……」 京太郎「…………」 憧「……ちょっとは、信じてたのに」 京太郎「……お、おう」 京太郎(何だろう、俺がとんでもないことやっちゃったみたいになってるんだけど……) 京太郎「じゃ、じゃあ俺朝飯作るから、新子さんは待っててくれ」 憧「御馳走様でした」 京太郎「お粗末さん、どうだった?俺の朝飯」 憧「……良かったと思うわよ」 京太郎「ん、そっか」 憧「それじゃ、もう帰るから」 京太郎「おう、またいつでも来いよ!」 憧「誰が来るか、べーっ!」 ガチャ バタム 晴絵「お前らー忘れ物は無いなー」 穏乃「はーい!」 玄「当然なのです!」 灼「問題ない」 宥「マフラーに、手袋に、セーターに、ちゃんちゃんこに、ホッカイロに、湯たんぽ、七輪……大丈夫です」 憧「七輪持ってるんだ!?」 晴絵「あ、そうだ、望から連絡があったんだけど三日くらい家族旅行に行くから憧はここに泊まってろだってさ」 憧「ここ、って……須賀の部屋に!?」 晴絵「石戸先生の家に泊まればいいさ、ひょっとして須賀くんの部屋が良かった?」 憧「そんなわけないでしょ!何なのよウチはもう……」 晴絵「ま、私たちも大阪観光するから、何かあったら連絡ね」 憧「ちょっ、なら私も連れて行ってよ!」 晴絵「ごっめーん、この車五人乗りなんだー」 玄「憧ちゃんもそろそろ男の子と仲良くなった方がいいと思うから、頑張ってね!」 憧「行き六人乗ってたよね!頑張るって何を!?」 宥「じゃあね~」 穏乃「憧なら大丈夫!」 灼「それじゃ……」 憧「しず!?宥姉に灼さんまで!」 ブロロロロロロ 憧「なんで、なんでこんなことに……」ガクッ 京太郎「新子さん?もう行ったんじゃないのか?」 憧「うるさいわよバカ!」ゲシゲシゲシゲシ 京太郎「暴力反対!脛痛いから!」 朝 京太郎「冬休みの初日だし、ジョギングに行こう」 京太郎「ふぅ……特に何もなかったな」 京太郎「今日から冬休み、頑張っていくぞー!」 昼 京太郎「昨日の鍋パーティー、憩さんたちがいればもっと楽しかったんだろうな……」 京太郎「…………」 京太郎「一回憩さんの家に行ってみよう」 京太郎「確かあっちの方だったよな」 【荒川邸】 京太郎「うわっ」 京太郎(なんつー豪邸だよ……) 京太郎(門大きいし、中も広そうだし、流石は大病院の院長ってか) 京太郎(でも、どうやって入ればいいんだ……?) 京太郎(ここは正面突破がベストだろうな) 京太郎(そうと決まればチャイムは……あった) 京太郎(指の腹でしっかりと押して……) 京太郎(…………) 京太郎(んんっ!?) 京太郎(押せない!押そうと思っているのにいざとなると緊張して押せない!) 京太郎(落ち着け……落ち着くんだ京太郎、モモたちの家に行くときのように……) 京太郎(深呼吸するんだ……) 京太郎(よし!)ポチッ ピンポーン 京太郎(押してしまったぁぁあっぁああ!!) 京太郎(やばい、どうしよう、同姓の他の人のだったらどうしよう!誰もいなかったらどうしよう!うわぁあぁぁあぁああ!!) 秘書『入りなさい』 ギギィィィィ 京太郎(あっ、開いた) 京太郎(門から家まで長い、一本道じゃなかったら迷うぞ……) 京太郎(ここにチャイムは……ないか) コンコン 京太郎「こ、こんにちはー、須賀京太郎というものですがー」 ガチャ 秘書「院長が貴方を待ってるわ、はやく上がって頂戴」 京太郎「お邪魔しまーす……」 秘書「で、今日は何をしに来たのかしら」 京太郎「憩さんについて聞きに来たんですけど」 秘書「貴方は、お嬢様に戻って来てほしいのかしら?」 京太郎「勿論です、憩さんも俺たちと同じ、清々荘の住人なんですから」 秘書「……そう」 秘書「この先に院長がいるわ、私はここまで」 秘書「それじゃあ、頑張って頂戴」ガチャ 秘書「院長、須賀様がお見えになられました」 京太郎(まずは元気のいい高校生でいってみよう!) 京太郎「こんにちはっ!」 荒川父「…………」ジロッ 京太郎(えっ、なにもう怖い、帰りたい、漏れそう) 荒川父「ははっ」 荒川父「元気がいいな、入りたまえ」 京太郎「はいっ!失礼します!」 荒川父「座るといい、それとそこの紅茶もどうぞ」 京太郎「はい、ありがとうございます」 荒川父「君が須賀京太郎君、そうだね?」 荒川父「話は憩と秘書から聞いているよ、それに国麻も見た」 荒川父「新聞で見た通り、なかなかいい顔をしているね」 京太郎「そうですか?そう言われると……照れますね」 荒川父「……それで、そんな君がここに何の用だい?」 京太郎「えっと、ですね……」 京太郎(今日は憩さんの話を聞きに来たんだよな……) 京太郎(秘書さんの『連れ戻した』っていうのも気になるし) 京太郎(それこそ、憩さんの『高校だけでも自由でいたいなー』っていうのも気になる) 京太郎(何を聞けばいいんだ?) 京太郎「まずお聞きしたいことがあるんですけど……」 荒川父「うむ、何でも聞きたまえ」 京太郎「じゃあ……憩さんを『連れ戻した』っていうのはどういうことなんですか?」 荒川父「それは憩から聞いていなかったかな、憩の試験の点数が悪かったからたるんでいると思って連れ戻したんだよ」 京太郎「……あ」 京太郎(そういえば憩さんもそんなことを言っていたような) 荒川父「君が聞きたいのはそれだけかい?」 京太郎(あれ?でも確か今回の憩さんの試験の成績は……) 京太郎「憩さんの成績、今回は1位でしたよね?」 京太郎「それなら、憩さんがここに住む理由はもうないのではないでしょうか?」 荒川父「…………」 荒川父「なるほど、君はやはり憩に帰ってきてほしいんだね」 荒川父「……だが、残念ながらそれはできない」 荒川父「ここから先は私たち家族の話なんでね、君の聞きたいことがそれだけなら私はそろそろお暇するよ」 荒川父「午後から診療があるのでね、さあ、どうする?」 京太郎「言われるがままに出てきてしまった」 京太郎「なんだか緊張したし、仕方ない、うん」 京太郎「それにしても、憩さんをこっちに返せない理由か……」 京太郎「お父さんはもう話してくれなさそうだし、他の人に聞くしかないか」 夜 京太郎「はぁ……疲れた」 京太郎「今日はあと何しよ……」 京太郎「…………」 京太郎「エイスリンさんを説得してみよう」 京太郎「……今ならエイスリンさん起きてるかな?」 京太郎「まずはエイスリンさんを誘ってみよう」 京太郎「場所は……霞さんの卓を貸してもらえばいいか」 京太郎「そうと決まればメールで……」ピッ 京太郎「…………」 京太郎「返ってこない……だと……」 京太郎「……はぁ」 京太郎「他のことしよ」 夜 京太郎「エイスリンさんからは返ってこないし……」 京太郎「他の人にメールしてみよう」 京太郎「今日家に行ったんだし、憩さんに何か言っておくべきかな」 京太郎「さてと、どう送ろう」 京太郎『今日憩さんのお父様へご挨拶に行きました』 京太郎「単純志向でいこう」ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『ええっΣ(・□・;) お父さんそんなこと言ってなかったんやけど…… でもなんで?』 京太郎『憩さんがどうしてまだ実家に残っているのかを聞きたかったんですよ 結局よくわからないままなんですけどね』ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『それは…… 京太郎くんでも無理、かも』 京太郎「やっぱり無理……なのか」 京太郎「けど、諦めずに聞けば聞きだせるかもしれない」 京太郎「……どうすればいい」 京太郎「…………」 京太郎『わかりました、家族の話ですもんね 込み入ったことを聞いてすみませんでした おやすみなさい』 京太郎「…………」ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『こっちも……ごめんな おやすみ』 京太郎「なんで逃げたんだろ……」 京太郎「気を取り直して雅枝さんにメールしてみよう」 京太郎「監督のノウハウとかも聞いておきたいし」 京太郎「といってもそこまで統率力はいらないよな……?」 京太郎『こんばんは!須賀です! リーダーシップについてコツを教えて下さい!』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『なんや、藪から棒に』 京太郎『ほら、今度大会じゃないですか 俺が一年の監督になるんでそれに向けての志?を教えてほしいな、と』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『そういうことか、なら――――』 雅枝『――――ということを念頭に置けばええと思うで』 京太郎『なるほど、わかりました!』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『夜遅くまで感心やな ゆっくり寝るんやで』 京太郎『ありがとうございました!』ピッ 京太郎「よしっ、何かがつかめた気がするぞ!」 【冬休み一日目】終 【冬休み二日目】 京太郎「布団から出たくねえ……あったけえー」ヌクヌク 京太郎「はぁ……何もしたくない……」 朝 京太郎「このままでいると体に悪そうだからちょっとでかけるか」 京太郎「……やっぱりやめようかな」 京太郎(本屋まで来てみたけど……) 京太郎(寒いから中に入ろう) ウィーン 京太郎(あったけ~) 京太郎「……あ」 照「京?」 京太郎「朝から本屋って凄いな、感心するぞ」 照「そうかな、用は済んだから私は帰るけど、京は何をしているの?」 京太郎「あー、俺はちょっと寄り道をな」 照「……そう、じゃあね」 京太郎「ん、またな」 ウィーン 京太郎「朝から照と外で会うとはな……」 京太郎「あれ?今のは照も誘って一緒に散歩すればよかったんじゃないか?」 散歩へ行った! 昼 京太郎(これからどうしようって思ったけど……) 京太郎(このまま何かがつっかえたままなんて嫌だ) 京太郎(ってなわけで来ちゃった……) 【荒川】 京太郎(やっぱり広いなぁ……) ピンポーン 秘書『今日は何の用?』 京太郎「今日は……」 京太郎「憩さんのお父さんとまた話せればな、と」 秘書『冬休みの昼間から御苦労なことね、遊びに行く友だちとかはいないの?』 京太郎「遊びに行くほどの友だちは……いないです」 秘書『そう、院長に聞いてみるわね』 京太郎「今の件必要だったんですか!?」 秘書『一寸そこで待っていて頂戴』 京太郎「はい」 秘書『今日は無理だそうよ』 京太郎「そうなんすか……じゃあ……」 京太郎「もう帰りますね」 秘書『あら、てっきりお嬢様を押し倒しに来たのかと』 京太郎「こんなところでするわけないでしょう、というかそんなことしませんから!」 秘書『それでも本当のところは……』 京太郎「機会があれば、そりゃあ……」 秘書『ですって、お嬢様』 京太郎「えっ!憩さんそこにいるんですか!?」 秘書『いないわよ、何を言っているの』 京太郎「何なんすかもう……」 秘書『またのお越しをお待ちしております』 京太郎「話ぶったぎった!?ってそうじゃない」 京太郎「こちらこそ失礼しました」ペコッ 京太郎(今日は無理かぁ、今度行けばまた話せるかな……) 夜 京太郎「今日も誰かにメールしてみようかな……」 京太郎「そういえば明日から合宿じゃねえか、後で準備しないとな」 京太郎「チームは違うけど、もこにしてみよう」 京太郎「そういえば他のチームはどこに泊まるんだろう?」 京太郎「俺らと同じところだと鉢合わせできるかもしれないけど……」 京太郎『もこ、起きてるか? 俺のチーム明日から合宿なんだけど もこだったらお菓子に何持っていく?』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『舌が纏う磯海の香り、伯方の味』 京太郎『のりしお味か、俺はガーリックが好きだな』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『ガーリック……それならコンソメの方が美味』 京太郎『コンソメかー、安定だよな 他には何が好きなんだ?』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『祖国の母の味、漆黒の実』 京太郎『ココアの方か、それは俺も好きだな』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『京太郎はよく解している 合宿頑張って』 京太郎『そっちもな! お互い試合も頑張ろうぜ!』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『おやすみなさい』 京太郎『おう、おやすみ』ピッ 京太郎「次は……憩さんだな」 京太郎「でも昨日も送ったしな……」 京太郎『大会頑張ってきます、超応援してください』ピッ 京太郎「大会までは……あと十日くらいだな」 ヴーッ ヴーッ 憩『ちょっと気早ない? それに京太郎くんが敵やったら応援しいひんで』 京太郎『そうなったら憩さんに見せつけてあげますよ 俺の凄い所!図太く逞しく憩さんが涙目になるまでにね!』ピッ 京太郎「憩さんはどっちのチームなんだ?」 京太郎「つっても、どうせ決勝戦で当たるよな」 ヴーッ ヴーッ 憩『京太郎くん……いくら夜やからってはっちゃけすぎやない?』 京太郎「どういう意味だ?」 京太郎『はっちゃける、ってどういう?』 一時間後 京太郎「……全然返って来ない」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「噂をすれば、か」 憩『返すの遅くなってごめんなー 京太郎くんはこんな遅くまで起きてないで早く寝るんやで』 京太郎『憩さんこそ、クマ作ったりしないでくださいよ それではおやすみなさい』ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『おやすみー』 京太郎「ホントに憩さん何やってたんだ?」 京太郎「まあ真面目な憩さんのことだし勉強でもしてたんだろ」 京太郎「俺も明日のために少し打って寝よう!」 【冬休み二日目】終 【冬休み三日目】(合宿一日目) 11:00 京太郎「寒っ!東京寒っ!」 京太郎「夏はあんなに暑かったのに冬はここまで寒いのかよぉ」 京太郎「移動諸々含めて全員住所バラバラだから12時にホテル集合ってことにしておいたんだけど」 京太郎「用心に用心を重ねて11時に着いてしまった……」 京太郎「誰か来ないかな、そうすれば時間も潰せるのに……」 京太郎「へっくしょん!」 京太郎「なんか足元が凍えてきた気がするぞ」ガクガク 京太郎「そういや股間と脇の間は血管があるからあったかいんだっけ」 京太郎「こうなったら直接……」ゴソゴソ 咏「…………」 京太郎「ほぁーあったけぇ~……」←手を第三階層へ 咏「…………」ジーッ 京太郎「…………」 咏「何やってんだよお前……」 京太郎「ち、違う!これは俺のせいじゃないんだ!」 咏「両腕股間に埋まってろ!」ゲシッ ゴキィィィン 京太郎「あふっ」 京太郎「ふぅ、ようやく収まって来たぜ」 咏「みっともねえからやめろよな、あーゆーこと」 京太郎「それもそうだなー」 咏「んで、最近どうなのさ」 京太郎「どうって、部活か?」 咏「んーまあ、それもあるし……あとは……京太郎のこと、とか……知らんけど」 京太郎「最近って言われてもなぁ……」 京太郎「やっぱり、咏がいなくて寂しかったかな」 咏「えっ……」 京太郎「みんなで銭湯に行ったり、鍋パーティーやったりしたんだけどさ、なんか物足りなかったんだよ」 京太郎「俺につっかかってくる咏がいなくて、学校でもお前がいないと変な気分だった」 咏「……そっか」 京太郎「そーなんだよな、咏がいないとテストの範囲が分からなくなって困るし、勉強の相談もできないし」 咏「おい」 京太郎「ま、何だかんだで俺は元気にやってるよ、そっちはどうなんだ?」 咏「おい、流すんじゃねえよ」 咏「こっちも……まあ悪かないかねぃ」 京太郎「そっか」 咏「あっ……私も……」 京太郎「ん?どした?」 咏「私も、京太郎がいなくて……」カァァ 京太郎「あん?もうちょいちゃんと声出せよ」 咏「寂しかったんだよ!京太郎がいなくて!」カァァ 京太郎「どうどう、落ち着けー咏ー」 咏「なんだよ!なんだよぉー!」ブンブン 京太郎「はーい、ストォーップ」ガシッ 咏「頭押さえるな!新喜劇かよぉーっ!」ブンブン スカスカ 京太郎「あはははははは」 咏「笑うんじゃねー!」ブンブン スカスカ 京太郎「これで全員揃ったか?」 咏「ひーふーみー……そうなんじゃね?知らんけど」 春「…………」ポリポリ 穏乃「宮永さん久しぶり!」 咲「ひ、久しぶりだね」 淡「たかかもしずの!ここで会ったが百年目!覚悟しててよ!」 京太郎「……なんか個性的な面子揃えちゃったな……」 昼 京太郎「えっと、俺が選手兼任監督の須賀京太郎です」 京太郎「この度は遠路はるばるお集まりいただき……あ、何て言うんだっけ?」 咏「そーゆーのいーから、まずは何すんだよ」 淡「はいはーい!私、人生ゲームやりたーい!」 咲「大星さん、私たち合宿に来たんだよ?」 淡「もーサキサキはわかってないなー」 咲「サキサキ?」 春「……合宿だからこそ遊ぶ」ポリポリ 淡「おぉ!タキミンわかってるね~」 春「…………」ポリポリ 穏乃「それで、何するの?」 京太郎「普通に練習だ」 淡「えー!つまんないよ!ぶー!ぶー!」 京太郎「まずはどれだけ打てるかを見たいからな」 淡「そんなんこの淡ちゃんが一番に決まってんじゃん!」 京太郎「その一番を決めようって話なんだけどな」 淡「それでも私が一番なんだけどね~」 咏「さあどうだろうねぃ、威勢だけなんじゃねえの?」 咲「打つなら本気で打つよ?」 穏乃「私も精一杯頑張る!」 淡「……ふん!蹴散らしてあげるもんね!」 京太郎「んじゃ、まずは咲と高鴨と咏と滝見さんで打っててくれ」 咏「へいへーい」 穏乃「頑張るぞー!おー!」 咲「よろしくお願いしまー……す」 春「…………」ポリポリ 淡「ねえ私は!?私も打ちたい!打ちたい!」 京太郎「お前は後だ、今は俺と特訓だ」 淡「えぇ~京太郎と~?」 京太郎「なんだよ不満か?」 淡「ま、私の厚意に感謝することだね」 京太郎「なんでお前が上から目線なんだよ」 咲「ロン、1300です」 淡「やっぱり私もあっちで打ちたい!」 京太郎「どっちなんだよ」 淡「でも京太郎に教えてもらうっていうのも……」ウーン 京太郎「考え事はいいから、次の問題行くぞ」 淡「こんな何切るなんかやったって、どうせダブリーかければ済む話だもん!」 京太郎「お前はダブリーと絶対安全圏に頼りすぎなんだよ」 淡「そっちの方が楽だし強いじゃんかー」 京太郎「実際はそうかもしれんが、素の力も重要だぞ」 京太郎「咲や照みたいに上手くなって、その力があればもっと速く強くなれる」 淡「そうなの?」 京太郎「多分な、やる気になったか?」 淡「ふふっ、しょうがないなーそこまで言うならやってあげよう!」 淡「ぐへぇー集中するの疲れたー」 京太郎「こんだけなら……まあ十分か」 咲「ツモ、1700オールです」 京太郎「あっちは咲の七連荘で終わってないみたいだな」チラッ 淡「もう何もしたくなーい」グデー 京太郎「起きろ、淡」 淡「えーなにさー」 京太郎「もうちょい続けるぞ」 淡「んぅぅ……こんなのアレだよ!過剰労働だよ!ブラック企業だよ!白糸台とは真逆だよ!」 京太郎「ホワイトだけに、ってか?」 淡「そーそーホワイトだけにね!……ってネタばらししないでよ!」 京太郎「うん、元気みたいだな、じゃあ続きやるぞー」 淡「ぐぬぬ……」 京太郎「次の問題行くぞー」 淡「…………ぐぅ……」 京太郎「おーい、淡ー」 淡「むにゃむにゃ……もう食べられないよぉ……」 京太郎「くっ、なんだこのテンプレ的な寝言は……」 京太郎「けど幸せそうに寝てるし、邪魔するのも悪いな」 京太郎「風邪引かないように上着かけて、っと」 淡「……んぅ……おいしぃ……」 京太郎「お疲れさん」ナデナデ 京太郎(……夢の中のこいつは何食べてんだ?) 淡「きょうたろーのうで……おいしぃ……」 京太郎「」 咲「ロン、1000は4000です」 咏「十本場ってどういうことだよ……」 穏乃「くそぉ、勝てなかったー……」 春「…………」 咲「京ちゃん、こっちは終わったよ!」 京太郎「ん、お疲れさん」ナデナデ 淡「すぅ……」 咲「京ちゃん、大星さんに何してるの?アイスティーに睡眠薬でも入れたの?」ムッ 京太郎「どういう発想なんだよ、疲れて寝ちまったみたいでさ」ナデナデ 咲「それで、私たちはどうすればいいの?」 京太郎「んーそうだな……じゃあ各自自由時間、休憩ってことで」 咲「はーい」 カポーン 京太郎「ぱぱっと風呂入ってゆっくり休むかなー」 京太郎「今日は淡と咏の相手で疲れたんだよな……」 京太郎「それにしても、学年選抜の合宿で温泉貸切にできるってすげーな……」 京太郎「おまけに男子は俺一人だし、ゆっくり―――」 ガララ 京太郎(男子は俺一人のはずだけど……誰だ?) 京太郎(ひょっとすると滝見さんか……?)クルッ 臨海「…………」 京太郎「…………」 臨海「キョウタロウ、言い残すことは無いか?」ニコッ 京太郎「俺がお仕置きされる方なんですか!?そっちが後でしょ!?」 臨海「確かにそうかもしれないが、今現在キョウタロウは私の裸を見ているわけだ」 京太郎「なら隠しましょうよ!隠してくださいよ!」 臨海「問答無用!」 京太郎「理不尽すぎる!」 ブオン 京太郎(何これ速っ!?) 京太郎「グヘアぁっ!」 ドバァァァァアアン 京太郎「うっ……」ズキッ 臨海「ようやく目が覚めたか」 京太郎「監督さん……ここは……?」 臨海「浅めの風呂があったから連れてきたんだ」 臨海「よくよく考えると私が悪かったな……すまなかった」 京太郎「だからそう言ったじゃないですか……」 京太郎(あれ?ちょっと待てよ?) 京太郎(俺の目の前には監督さんの顔と、白い物体) 京太郎(頭の下はやたらと柔らかいものがある……ってことは……)チラッ 臨海「元気になったか?」ナデナデ 京太郎「膝枕ぁ!?」ガバッ 臨海「!」ビクッ 臨海「…………」 臨海「キョウタロウ…………?」 臨海「膝枕なんて……嫌、だったか?」 臨海「こんな年増の膝枕なんて、嫌だったか?」ウルウル 京太郎(なんで泣きそうになってんのこの人!?) 京太郎「そんなことないですよ!気持ち良かったです!むしろずっとしてほしかったですけど、誰かに見つかるかもしれないじゃないですか!」 臨海「あう……それはそうだな……」 臨海「……わかった、後はゆっくりしていてくれ。私は先に上がるよ」 京太郎「あ……はい」 ガララ ピシャッ 京太郎「…………」 京太郎(膝枕気持ち良かったなぁ……) JR京太郎「激しく同意」 京太郎(…………抜いとくか) 京太郎「ふぅ……すっきりした……」 夜 京太郎「また練習するぞー」 穏乃「その前に卓球したい!」 淡「もう寝たーい」 咲「二人とも、京ちゃんの言うこと聞こうよ」 咏「ま、初日だしこんなもんじゃねえの?」 春「…………」ポリポリ 京太郎(滝見さん全然しゃべらないな……) 淡「ようやく私の番だね!」 春「早くサイコロ振って」ポリポリ 淡「何それおいしそー!ちょーだい!」 春「…………」ウーン 春「……考えておく」ポリポリ 穏乃「今回こそ勝つ!」 咲「私も負けないよ!」 京太郎「―――と、まああっちの四人は打たせておいて」 京太郎「俺たち何する?」 咏「べっつになんでもいんじゃね?知らんけど」 京太郎「そんじゃあ茶でも飲みながらまったりするか」 咏「それいいねぃ~、んじゃそれにしよっか」 京太郎「咏って、どうして神奈川に帰ったんだ?」 咏「何だよ藪から棒に……」 京太郎「だって、急すぎやしないか?」 京太郎「ついこの前ゴキブリを退治したと思ったら、お前はもう部屋にいないんだから」 咏「……京太郎なら、そう言うと思ってたよ」 咏「私さ、地元が嫌だったから大阪まで逃げたんだよ」 咏「半年間っていう条件付きでさ」 京太郎「半年……?」 咏「まあ国麻もあったから、厳密には七か月くらいだったんだけどねぃ」 京太郎「たった半年って、何だよそれ」 咏「それだけでも、私は十分楽しかったぜぃ」 咏「私の実家、三尋木屋って知ってっか?」 咏「元々呉服屋とかやってて、今は関東を中心にデパートとかもやってんだけどさ、私はそこの社長令嬢なわけなんよ」 京太郎「……は?」 京太郎「お前が金持ちの社長令嬢?」 京太郎「そんなこと聞いたことねえぞ」 咏「だーぁって言ったことねえもーん」 京太郎「お前なぁ……」 京太郎「結局、お前が清々荘に帰ってくるのには親の許可が必要ってことなのか?」 咏「んー……そうなんじゃね?」 京太郎「……そうか」 京太郎「一筋縄じゃ、いかないみたいだな」 淡「うがー、勝てなかったー」 京太郎「どんまいどんまい」 淡「ダブリーかけたらサキサキがタキミンの見え見えに振り込んじゃうし、絶対安全圏も効いてないみたいだし……」 京太郎「じゃあ俺と特訓して強くなろうぜ!負けっぱなしなんて嫌だろ?」 淡「そうなんだけどさー……眠いんだよねー……」 京太郎「あと一時間くらいなんだから頑張れよ」ナデナデ 淡「んむー……京太郎が言うなら頑張らないこともないけどさぁ……」 淡「……ねえ、私って強くなれるかな?」 京太郎「そりゃなれるんじゃねえの、いつもの淡のやる気があればもっと強くなれるさ」 淡「いつもの私?」 京太郎「天上天下唯我独尊!みたいな感じで、自信満々の淡なら大丈夫だ」 淡「サキサキにも勝てる?」 京太郎「もっと努力しないとダメだけどな」 淡「しずのにも勝てる?」 京太郎「手加減したり油断しなきゃ勝てるはずだ」 淡「自信、か……」 淡「わかった!頑張ってみる!」 淡「ダメ……疲れた……眠い……」 京太郎「ギリギリ一時間……もうそろそろ上がるか」 京太郎「部屋はここをそのまんま使うんだよな」 穏乃「ツモ!2000オール!」 京太郎「あいつらが終わるまでに布団敷いておくか」 穏乃「わっはー!お布団ふっかふかー!」 京太郎「高鴨ー、ちゃんと歯磨きして寝ろよ」 穏乃「はーい!」 咏「六枚布団敷いてっけど、どう寝るん?」 京太郎「あっ、そういえば……」 | 京 | 淡 | 春 | ↓ ↓ ↑ ↑ ―――――――――― A B C D | 穏 | 咏 | 咲 | ↑ ↓ ↓ ↑ 淡「それじゃー何話そっか!」 京太郎「話そっか!じゃなくて大人しく寝ろよ」 淡「だって合宿だよ!?六人部屋だよ!?寝る前にすることと言ったらガールズトークしかないでしょ!」 京太郎「俺はボーイなんだけど……」 穏乃「あーそれ憧がよく言ってたなー」 淡「でしょでしょ!さあ話そうよ!」 京太郎「頼むから静かにしてくれ……」 咏「ガールズトークっつっても何話すんだ?」 淡「やっぱりここは恋の話でしょ!ウタはわかってないな~」 咲「そういうものなの?」 淡「そーゆーもんなの!」 春「…………」 春(黒糖食べたい) 春(でも歯磨きしちゃったから無理……)ガクッ 淡「タキミンもこっち来なよ!」グイッ 穏乃「恋の話って言っても私んとこ女子高だから何にもないんだよねー」 淡「こっちは共学だけど男の方が情けないんだよー、私に見合う男はどこにいんだろ」 咏「お前の程度が低いだけなんじゃね?知らんけど」 淡「そういう咏はどうなの?……あっ、咏みたいなのに寄ってくるのは性犯罪者くらいしかいないかーごめんごめ~ん」 咏「ふんっ、こっちだって彼氏の一人や二人……」チラッ 京太郎「咏は彼氏いたことあるのか……」 咲「京ちゃんの方こそ、あっちでたくさん女の子ひっかけてそうだけど?」 京太郎「俺が女子をひっかける?ないないノーウェイノーウェイ」 京太郎「一緒に昼飯食う友だちはおろか、一緒に帰る友だちもいないんだぜ?」 咲「へ、へぇ……」 咲「……ごめん」 京太郎「謝るな!なんか惨めになる!」 穏乃「じゃあ須賀は好きな子とかいないの?」 咏「!」 咲「!」 京太郎「ん?俺か?そうだなー……」 咏「……」ゴクリ 咲「……」ゴクリ 京太郎「照、かな」 咏「は?」 咲「ひ?」 淡「えー、テルー?」 春「……インターハイチャンピオン」 淡「テルーが好きって、それちょっとおかしいんじゃないの?」 京太郎「お前も十分おかしいだろうが」 咲「ねえ京ちゃん、京ちゃんはお姉ちゃんのどこが好きなの?」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「あ、あのー、咲さん?いや咲様?背中から何やら悍ましいものが……」 咏「それは私も聞きたいところだねぃ」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「咏まで!?なんでそんなに怒ってるの!」 淡「まーまーネタの一つってことでー」 京太郎「ぐ……それはだな……」 京太郎「んっと……そうだな……」 京太郎(不安で放っておけないっていうのもあるし、それに反して頼りになるあのかっこよさ) 京太郎(などなどいろいろあるけど……) 咲「ねえ、京ちゃん?」 京太郎「なんd……!?」ビクゥ / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄ 咲「早く答えてよ」 京太郎「ヒィッ!」 咲「ねえ、早く」 京太郎(なんで微妙に遠いのにあんなに怖いんだよ!なんだよあの目力!) 京太郎「……嘘でした」 咲「そ、良かった」 _____ ... ´ ` .. / 、 / \ 丶 / \ \. ′ |. .| ヽー'⌒ | i i l i l\ | | | | ∧ | . l .i l⌒ヽ. .| | | |匕Ⅵ /ト、 /从 | | | 八 .i | { V ノ ∨ ,ィ | |. ヽ 从 _ ≠⌒ Ⅵ /} \ {⌒\ .{ r==ミ , Y 乂 \r' uノ 丶、 _ー‐、 r‐ ー' フ / _ヘr─ァ、ー ┬ 、 ≦-─、 京太郎(恐い!その笑顔すら恐いっす咲さん!) 【冬休み三日目】(合宿一日目)終了 【冬休み四日目】(合宿二日目) 京太郎「ん……ふぁぁ……」 京太郎(起床は8時にしておいたけど今は……) 京太郎(まだ7時か、起きようかな) 京太郎「……?」 京太郎(体の周りに変な感覚…………) 京太郎(何なんだ?) 京太郎(胸にあるのは……顔?頭?) 京太郎(腹に巻きついてるものがあって、腰には何やらやわらかいものが……って!) 京太郎(何ですとぉっ!?)ガバッ 春「…………くしゅん!」 春「…………」パチクリ 京太郎「…………」ゴクリ 春「…………何してるの?」 京太郎「それはこっちの台詞のような気がしないでもない」 京太郎(そっか、髪下ろしてるのか) 京太郎(ポニーテールも可愛かったけどこれもこれで可愛いな」 春「…………」ジトッ 京太郎「何でそんな目で見てるんですか……」 春「霞が言ってた、須賀京太郎は胸のある子には野獣だから気を付けてって」 京太郎「くっ、またこうして俺に対する誤解が生まれたのか……」 春「……今何時?」 京太郎「まだ7時だけど、どうする?」 春「…………寝る」ギュッ 京太郎「えっ、なんでそれで抱き着くの」 春「須賀君は抱き枕役」 京太郎「抱き枕に役なんて無いと思うけど……」 春「学芸会の石ころ役、みたいな」 京太郎「何だよそれ!その役の子可哀想だろ!端役にも程があるだろ!」 春「……うるさい」 京太郎「……すまなかった」 春「わかればいい、おやすみ」 京太郎「ん、おやすみ」ナデナデ 春「!」ビクッ 京太郎「すまん、寝やすいだろうと思ったんだけど……嫌だったか?」 春「……続けて」 京太郎「……なあ、一つ聞いてもいいか?」 咲「何かな?」 京太郎「どうして俺は布団に巻かれているんだ?」 咲「滝見さんを布団に連れ込んで抱きしめていた京ちゃんを罰するためだよ」ニコッ 京太郎「いや待て俺は何もしていないんだけど」 咲「小説の犯罪者って大体そう言うよ」 京太郎「無実だ!俺は無実だ!」 咲「じゃあそんな京ちゃんへの罰を言い渡しまーす」ニコニコ 京太郎(目が笑ってない!目が笑ってないぞ咲!) 咲「そーれーはー」 京太郎「」ゴクリ 咲「朝ごはん抜き!」 京太郎(意外に軽い!?) 朝 淡「はーおいしかったー!」 穏乃「朝からラーメン食べられるなんて思わなかったなー」 咏「和食まで充実してたしすげーよなここ」 京太郎「腹減った……」グゥゥゥ トントン 京太郎「ん?」 春「……須賀君、黒糖」 京太郎「いいのか?」 春「…………」コクッ 穏乃「今度は私が須賀に教わる番だね!」 京太郎「おう、ビシビシ鍛えてやるぞ」 穏乃「おっし!それじゃあ走りに行こう!」 京太郎「えっ、はっ?なんで!?」 穏乃「ほらほら!遅かった方が速かった方におごるんだからね!」 京太郎「おい!待てって!せめて下は穿けって!」 穏乃「大丈夫大丈夫!スパッツ穿いてるから!」 京太郎「風邪引いたら困るから穿けって!」 穏乃「風邪引いたことないから大丈夫だって!」 京太郎「何なんだよこの健康優良児!」 京太郎「ごらぁぁあぁ!待てぇぇええ!」ダダダダ 穏乃「男子のくせに足遅いよー!」タッタッ 京太郎「つーか真面目に麻雀しろよ!」ダダダダ 穏乃「私は走れば走るほど強くなるんだよー!」タッタッ 京太郎「そんなバカなことがあるかー!」ダダダダ 晴絵「おっシズじゃーん!」 穏乃「え、赤土さん!?」キキーッ 京太郎「どうしてここにいるんですか?」キキーッ 晴絵「そっか、シズたちも昨日から合宿だったっけ」 晴絵「で、何してんの?」 京太郎「高鴨がジャージの下を穿いてないのに部屋から飛び出していったんですよ」 穏乃「いやぁーちょっとストレス解消に」 晴絵「なるほどなるほど、じゃあシズは私たち二人でしごこうか」 穏乃「え゙っ」 京太郎「よーし、覚悟しろよ高鴨ー!」 穏乃「えええっーーー!」 京太郎「走ったらまた腹減ったぞ……」 淡「それじゃあ私との練習は無しってことで!」 京太郎「それはダメだ」 淡「戦士にだって休息は必要なんだよ!」 京太郎「そういうことは真面目に戦ってから言え」 淡「飽きたー!」 京太郎「昨日の勢いはどうしたんだよ」 淡「きょーたろーの言うことはわかってるよ?」 淡「だけどやる気が湧かないって言うか……何だろ、よくわかんないんだよね」 京太郎「じゃあ頑張ったら俺が何かしてやるよ」 淡「何か、って何でもいいの?」 京太郎「可能なことなら何でもいいけど」 淡「そっかーきょーたろーに何でもかぁ~」 京太郎「特訓始めるぞー」 淡(やっぱり一緒に買い物とか?それともタキミンみたいに一緒に寝てもらうとかも……)ホワホワ 京太郎(あ、これダメなパターンのやつだ) 朝 京太郎「まだまだ練習するぞー!」 咏「いくらなんでも根詰めすぎなんじゃねーの?」 京太郎「三泊四日なわけだし、まだまだこれからだ!」 穏乃「そうそう!まだまだ頑張ろう!」 淡「なんで熱血麻雀バカが二人もいんだろ……」 春「……黒糖おいしかった?」 京太郎「ああ、さっきはありがとな」 春「……どういたしまして」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎(滝見さんって大人しそうだけど、虫とか見たらおびえるのかな?) 京太郎(怪談とかは霞さんと同じ巫女さんだから大丈夫だろうけど) 京太郎(普段無口な子がふとした拍子で出しちゃった声とか可愛いんだよな……)チラッ 春「…………?」ポリポリ 京太郎(ポニーテールでうなじも綺麗だし、胸も大きい、顔も可愛い) 京太郎(あの四人とは大違いだな) 咲咏淡穏「くしゅん!」 春「……須賀君、教えて」 京太郎「お、ああ、ごめんごめん」 京太郎(でも無表情なのが難点か) 春「……さっきから何考えてるの?」 京太郎「いや、なんでもないぞ!これっぽちも考えてないぞ!」 春「……そう、ここ教えて」 京太郎「えっと、ここはな―――」 咲「京ちゃんは対局やらないの?」 京太郎「あっちは牌譜を見て、こっちでしっかり個人を見る!」 京太郎「どうだ、監督らしいだろ?」 咲「そうなのかな?よくわかんないけど……」 咲「見るって、滝見さんの時はどこを見てたんだろうね?」 京太郎「もちろん滝見さんの腕とかを見ていたさ!」 京太郎(細くて白かったなぁ) 咲「へぇ……腕ねぇ……」 咲「普通、そういうときは腕前っていうものだと思うけど」 京太郎「ぎくっ」 京太郎「……ってかさ、咲、お前さっきから滝見さんのことばっか気にしすぎじゃね?」 咲「ぎくっ」 咲「それは……京ちゃん昔から大きい方が好きだったし……」 咲「私なんかよりもずっと見てることが多かったし」 咲「それが気になるっていうか、不満だったの!悪い!?」 京太郎「なんで逆ギレしてんだよ……」 京太郎「ま、安心しろ」 京太郎「ちゃんと咲のことは見てるから、な?」 咲「……優しいなぁ、京ちゃんは」 京太郎「だろ?もっと俺を信じろって!」 咲「それでも朝のことは許さないけどね」ジトッ 京太郎「だから俺は何もしてないって言ってるだろ!」 咲「さあどうだか、京ちゃんのことだもん」 京太郎「お前なぁー!こうしてやるぞ!」フニフニ 咲「いひゃいよ!ほっへふはははいへよひょうひゃん!」 京太郎「苦しめ苦しめげっへっへ!」 咏(真面目に練習しろよあいつら……) 夜 京太郎「いてて……」ヒリヒリ 京太郎「なんで頭叩くんだよ!」 咲「京ちゃんが放してくれないからでしょ!」 京咲「「むむむむむ!」」ジーッ 穏乃「二人とも落ち着いて、ビークールだよ?」 咏「あいつら仲良いな……」 京太郎「次は滝見さんの番だな」 春「またよろしく」ポリポリ 京太郎「滝見さんは高鴨や淡とは違って、言うこと聞いてくれるからやりやすいよ」 春「……そういうといやらしく聞こえる」 京太郎「そういうつもりじゃなかったんだけどな、あはは」 春「…………」ポリポリ 京太郎「なあ、滝見さん?」 春「……何?」 京太郎(話しかけられときは食べやめるんだな) 京太郎「結構好きなんだな、黒糖」 春「これがないと生きていけない」 春「むしろ生きているから食べる」 春「いわば対価」 京太郎「食べないとバターみたいに溶けるってか」 春「黒糖の無い人生なんて無い方がマシ」 京太郎「そこまで好きなのか……」 春「うん、大好き」ニコッ 京太郎「」ドキッ 春「……どうしたの?」 京太郎「い、いや、なんでもない」 春「次の問題は?」 京太郎「次は……これだ」 春「考えてみる」 京太郎(何だよ今の笑顔……天使か?エイスリンさんに負けずとも劣らない天使なのか?) 咲「お疲れ様、京ちゃん」 咲「対局早めに終わったからお夜食作ってみたんだけど、食べる?」 京太郎「何作ったんだ?」 咲「えーっとね……サムゲタン!」 京太郎「なんか力が漲って来た気がする」ギンギン 咲「そ、良かった」 京太郎「でも今更漲っても相手は咲だからなー」 咲「なにそれどういう意味?」 京太郎「俺が咲に教えられることなんて無いだろ?咲は麻雀上手いし」 咲「京ちゃんとモモちゃんに麻雀教えたのも私とお姉ちゃんだもんね」 京太郎「ああ、そうだったらしいな」 咲「京ちゃんってさ、麻雀してきて良かったと思う?」 京太郎「俺か?」 咲「京ちゃんならもっと向いてることもあったんじゃないかな、って」 咲「京ちゃん運動神経もいいんだからスポーツとかやれば、男の子の友だちも増えて人気者になれたかもって最近思うんだ」 京太郎「そういうことか……」 京太郎「まあ、俺は正解だったと思うぜ、後悔なんかしてない」 京太郎「確かに男子麻雀はレベルも低くてこの頃は競技人口も衰退してきて、同じ部活の男友達なんていないけど、それでも楽しい」 京太郎「麻雀があったから照や咲やモモともっと仲良くなって、色んな人たちにも知り合えた、友だちっていうかどうかは別として」 京太郎「照たちと一緒に戦って、咲たちと打って、そんで今は咲と一緒に戦える」 京太郎「こうして咲と仲良く話してるのだって麻雀あってこそなんだ」 京太郎「それに、他人と知り合うために楽しい麻雀をやめて、何かを始める、とかしないだろ?」 京太郎「俺はそれでいいんだよ、咲が心配するようなことじゃねえ」ナデナデ 咲「もう頭撫でないでよ!子どもじゃないんだから」 京太郎「俺にとっちゃ、咲なんていつまでも変わんないちんちくりんだよ」 咲「ちんちくりん、って……」ジトッ 京太郎「俺たちはずっと友だちなんだよ、麻雀が無くてもさ」 京太郎「二人だけの思い出も、みんなとの思い出もある、良い思い出も、悪い思い出だって」 京太郎「全部咲たちがいたから作れた思い出なんだ、麻雀だけが作った思い出じゃない」 京太郎「咲もそう思うだろ?」 咲「……そうだね」 咲「私、京ちゃんと出会えて良かったと思うよ」 京太郎「何だよ、今日の咲少しおかしいぞ」 咲「ちょっと色々考えちゃったんだ、えへへ」 京太郎「ん、そっか」 咲(そして、これでわかっちゃった) 咲(私、京ちゃんのこと――――) 京太郎「っておい、麻雀しろよ」 咲「あ、そうだった」 京太郎「今日も疲れたー!」 京太郎「風呂上りは何飲もっかなー」 ガララ 京太郎「今日は……誰もいないよな」 京太郎「昨日みたいなことが無いようにさっさと上がろう」 ガララ 京太郎(もう来たの!?ってか来る前提ってどういう思考だよ俺……) 雅枝「んー!ええ場所やなー!」 雅枝「まさか日替わりでごっつい温泉楽しめるなんて思えへんかったわ、今度絹たちも連れてこー」 京太郎(雅枝さんか……だがしかし今は子煩悩モード、すきを突いて出れば……) ガララ 京太郎(ってまた誰か来た!?) 春「…………」 京太郎(滝見さんまで!?あ、また髪下ろしてる……いいなぁ) 京太郎(ってそうじゃない!二人もいたら抜け出せないじゃないか!) 京太郎(どうする俺!どうすればいいんだ!) 絹恵「お母さんの背中流したる」 洋榎「嫌や!オカンの背中はウチが洗うんや!」 雅枝「オカンの背中は半分こでけへんでー」 雅枝(みたいなことになればええなぁ……)ホワホワ 京太郎(雅枝さんは問題ないとして、滝見さんを意識しつつ出よう) 京太郎(身体はまた後で洗えばいいし)ソーッ 春「~♪」シャァー 京太郎(なんか鼻歌歌ってご機嫌みたいだな) 京太郎(シャワーのせいで見えないけど、やっぱり大きいな……) 京太郎(そうじゃねえ、早く出ないと)ソーッ 春(今日は頑張った)シャアー 春(良子たちと戦って勝つ)シャアー 春(須賀君たちと頑張る)シャアー 春(明日も頑張る)キュッ 春(早く風呂に入って寝る) 春「…………」 京太郎「あ」 春「…………」ジトッ 京太郎(見つかってしまったー!) 京太郎(やばい何だよこれどうしよう!) 京太郎(こうなったら……!) 雅枝「お前……何しとるんや?」 京太郎「はぁっ!?」 雅枝「……正面堂々女湯覗きとはええ度胸やな……」ゴゴゴゴゴ 京太郎「正面堂々入って来たのはそっちでしょうが!」 雅枝「そこの子!はやくここから出るんや!そして通報や!」 京太郎「通報ってどういうこと!?」 雅枝「それまで私が時間を稼ぐ!」ゴギッ 京太郎「腕挫十字固めだとぉ!?」ゴギゴギ 雅枝「これで堪忍したか覗き魔!はよギブアップせい!」 京太郎「痛い!痛いですよ雅枝さん!」 京太郎(あれ?手首に柔らかい感覚が……) 雅枝「なんで私の名前知っとるんや!まさかストーカーか!ストーカーなんか!?」 京太郎(あぁ~やわらけ~) 雅枝「何とか言わんかボケェ!」ゴギィッ ボキッ 京太郎「……あ」 雅枝「かーっ、まさか京太郎やったとは思わんかったわー、ほい、いちご牛乳」 京太郎「目が悪かったから男湯と女湯の区別がつかなかったってどういうことっすか」 雅枝「部屋に眼鏡置いてきたからわからんかったんや、いやー悪かったなー」 京太郎「幸い腕は大丈夫でしたし……」 京太郎(それに胸も合法的に触れたしな) 京太郎(そういえば、滝見さんはどうして男湯に入ってたんだ……?) | 咏 | 淡 | 咲 | ―――――――――― | 春 | 京 | 穏 | 淡「今日もガールズトークするよー!」 京太郎「俺はボーイなんで寝ますねー」 グイッ 春「寝ちゃだめ」ポリポリ 京太郎「えぇぇぇ……」 穏乃「そうだよ!この瞬間、このひと時も大事な思い出なんだよ!」 京太郎「なんでそんなに無駄に熱いんだよお前……」 咲「それで今日の議題は?」 淡「ん~コイバナは昨日したから……ガールズトーク……ガールズトーク……」 京太郎「話題が無いなら寝るぞー」 グイッ 春「寝ちゃだめ」ポリポリ 京太郎「だからなんでだよ……ってか黒糖こぼれるから布団の上で食べるのやめとけ」 春「……わかった」ムスッ ――十分後 淡「そだっ!趣味の話しよっ!」 京太郎「おせーよ!何分かかってんだよ!」 淡「私と喋るの……きょうたろーは嫌なの?」ウルウル 京太郎「うっ」 淡「私がやっと思いついたのに……」ウルウル 京太郎「……あーもう、しょうがねえ!さっさと喋って寝るぞ」 淡「やたっ!きょうたろーありがと!」 春「……泣き落とし」 咏「だなー」 咏(私もああすれば京太郎に可愛がってもらえんのかねぃ……知らんけど) 淡「サキサキの趣味は何ー?」 咲「私は読書、かな」 淡「へー、じゃあテルーと一緒だ!」 京太郎「二人で静かに本読んでばっかだったからな、友だちもできなかったんだよ」 咲「京ちゃんに言われたくないもん」 京太郎「俺だって友だちくらいいるさ、織斑くんだろ、葉山くんだろ、それに……」 咏「男友達に君付けしないだろ、ふつー」 京太郎「ぎくっ」 淡「まーきょうたろーは置いといて、タキミンは?」 春「黒糖探し」ポリポリ 淡「ん……そ、そっかー、黒糖探しね、うんうんわかるわかるよー」 京太郎「嘘つけ」ペシッ 淡「あわっ」 京太郎「んで、高鴨はどうなんだ?」 穏乃「私は山登ったり、たまにお母さんの手伝いとかしてるよ」 京太郎「手伝い?」 穏乃「ウチの実家和菓子屋さんでさ、こう見えて和菓子作りは得意なんだ」エッヘン 京太郎「和菓子作りは、か」 穏乃「あ、料理はインスタントラーメンくらいしかできないよ」 京太郎「だろうな」 なんだかんだで話は盛り上がった 【冬休み4日目】(合宿二日目) 終