約 147,360 件
https://w.atwiki.jp/ebsouba/pages/132.html
最新データ 募集 販売 最高値 最安値 最高値 最安値 あ 昨日のデータ 募集 販売 最高値 最安値 最高値 最安値 あ 先週のデータ 募集 販売 最高値 最安値 最高値 最安値 あ
https://w.atwiki.jp/deathpenalty1/pages/79.html
デスペナ解放軍のギルマス的存在にして当WIKI管理人 質実剛健な性格でありオシャレ装備を買う事にためらいを感じてしまい 結局実用装備ばかり装備しているため騎士というより武士と言われてしまうw 本当は道騎士使いだが、道騎士だけに寄り道してセージ使いと化している;; 本人の性格と仕事上の理由により更新速度にムラがあると思われるw セージ講座 俺も動画を貼っとこう ROには関係ないけどね。 nemoブログ 2021-12-10 11 45 50 (Fri) 季節がら;; 本日、特定菓子贈与禁止法所謂、バレンタイン禁止法が可決いたしました。 衆議院では与党賛成多数により可決、参議院では野党が強硬に反対したため否決されましたが 両院協議会の結果、衆議院の優越により本法案は可決いたしました。 これにより特定の日に特定の目的を持って菓子類を贈与すると最高懲役5年、罰金100万円が課され、 執行猶予が着きません。本法は可決後ただちに発効され本年から適応されますのでご注意ください。 プロフェッサーへの道外伝~怒涛篇~ 前に更新してどのくらいになるであろう;; 仕事の忙しさ、狩りへの騎行、関係ないゲームへの逃避、 そして怠惰 早くも今年も残すところ一ヶ月をきってしまいましたが近況報告でも もう半月ほど前にさかのぼるだろうか 何気ないアズサンプリとのアヌビス狩りのさなか、事件は起こった。 無駄に高精錬、半端に高精錬な+9QVロッドを手に、高名な賢者の魂の力を借り むらがるパサナを蹴散らしていたところ、何かが落ちた。 よくよくそこを見てみるとカードが落ちていたのである。パサナCである! うは、神通力(ry…と言ういつもの会話をかわした後、より不可解な事がおきる。 俺はよく見てなかったのだがアズサンがショックエモをあげたのである。 なんだなんだと思っているウチにアズサン曰く ミノCだw 俺は一瞬何が起きたか解らないくらいだった;; 俺はかつて一日に二枚も高額Cを出したことがないからだ。 しかし本当の脅威はこれからだったのだw 翌日、またしてもアヌビス狩りに着た我々。 それを待ち受けていたのは更なる幸福だった。 またしてもミノCが出現したのである。 それを大神オーディンのご恩寵と思う一方、数週間か一か月分の運を使い果たして しまったのではないかと言う深刻な可能性に悩まされる事になる。 そしてその不幸な想像が現実の物となってしまった。 それは定時の6時が差し迫まり、ラストスパートとの思いを胸に作業に取り掛かってる 最中、その凶事は起きた。 使い慣れたカッター、やりなれた作業、何事もなく終わるはずだった… しかし、残されていたのは血の滴る作業台であった。 (リアルでも)デスペナの歴史がまた1ページ プロフェッサーへの道外伝~千億の星、千億の光・上~ またしても大分更新が途絶えたままでしたが新パッチがきたのでネタ投下 先週まで仕事忙しく新パッチのことも知らずにいた;; 実装日には早く帰宅できたもののログインサーバー接続失敗を繰り返すうちに『やってられるかぁぁぁぁ!!!』 折角定時に帰れたのに、この仕打ち;; 何気なく実装情報を見てるとこんなものが 死神の名簿 [2] 『死神が使う名簿。このように死神の落とした名簿が現世に出回る場合がたまにあると言う。 ぎっしりと人々の名前が書かれているし、なんだか目立つ名前も見えるようだ。』 それなんてデスノート?w 中を読んでる見ると… 『ホルグレン』精錬失敗に怒った、サングラスをしたセージのFWに焼かれて焼死 賢明なる諸氏ならお解かりになるだろう。明日ログインした時にはもう彼の姿は無いはずだ;; 仮にいたとすればおそらく影武者であり、成功率はなお下がっているに違いない。ホルグレン氏のご冥福をお祈りする カテゴリ [RO] - TrackBack(0) - 2008年03月06日 00 00 32 - nemoブログ 露店代売りリスト imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 I thought what I d do was. I d pretend I was one of those deaf-mutes or should I 僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた。が、ならざるべきか…… ギルド資金+50121
https://w.atwiki.jp/houseofhero/pages/3371.html
魔術解放全十五詩編・反逆暴乱 少々長すぎるが、読みは 『まじゅつかいほうぜんじゅうごしへん・はんぎゃくぼうらん』。 エナ=ギャラガーの奥技である。 バスターキャノン、バスターシューター、 バスターウェイブ、バスターブラスター、 バスターランチャー、キャノンシューター、 キャノンウェイブ、キャノンブラスター、 キャノンランチャー、シューターウェイブ、 シューターブラスター、シューターランチャー、 ウェイブブラスター、ウェイブランチャー、 そしてブラスターランチャーの 15種類あるとされる無属性複合魔法を一斉解放し、 無差別射撃と呼ぶべき暴虐の嵐を振りまく超絶魔法。 あまりの魔力の消費量から、一発撃ってしまえば、 ほぼ魔力は空になってしまうという技。 また本人の体力への負担も大きく、 展開中から放射までの間、体力も消耗してしまう。 媒体にソーサーが必要であり、 ソーサー・ビットと呼ぶべき使い方をするため、 サイキッカーとしての素養も必要であり、 無属性魔法自体も使い手が極端に少ないとあって、 使うのにやたらと敷居が高く、使い勝手が悪い。 ただし相手を選ばない高火力は頼れるダメージソースとなる。
https://w.atwiki.jp/bskzodiac/pages/263.html
ダウンロード先はこちらです(ゾウディアックアップローダー)。 getuploader ※このデータはゾウディアック2+の全要素が解放されたセーブデータが入っています。 上述のネタバレが多くあるので「PCが壊れてデータが消えた」「ランクPERFECTを取るのが難しい」方以外は自力でプレイすることを推奨いたします。 また、セーブデータにおいてPERFECTクリア時のハイスコアは以下の通りです。 パートナー サラ ステージ 廃村→無人の山荘→スキー場→天体観測所→洋館 謎解き難易度 BEGINNER プレイ評価 エンディング Destiny クリアタイム 1 31 58 セーブ回数 6 戦闘難易度 EVIL 被ダメージ合計 4749 残り消費アイテムポイント 2703 減点 なし ※上記のPERFECTクリアにおいてのノート セーブ箇所のノート 廃坑でアイテム収集後(デカブツに敗北された時の保険として) スキー場のプロックス戦前(後述の被ダメージ軽減のため) 天体観測所のプロックス戦前 天体観測所のフェアブレッヒェン(2回目)戦前 アステリオス戦前 アステリオス戦後、ゾウディアック戦に備えて雪原で数多くの弾薬・アイテムを収集。 スキー場のプロックス戦での遠距離射撃戦闘 カーソル固定ソフトであるWtMouseFixで照準を完全固定しハンドガン+でまず先に長身の個体の防具にクリック連打の連発攻撃で体力が3段階になった後、残りの弾を弾切れになるまで棘がある個体の防具に連発攻撃で被ダメージを軽減。 解放因子を使用した敵 スキー場のFは2回行動による大きなダメージが厄介なので使用。 ゾウディアック戦 アステリオス戦において標的誘導用のハンドガンの弾を切らしたため代替としてジェフの大バール+のバグ技を利用、ならびにゲームなどのアプリケーションの動作速度を調整するソフトであるRagud Mezegisで速度を半分にし制限時間を遅延させ有利に。
https://w.atwiki.jp/yokkun/pages/336.html
小球群による圧力とその解放 OKWaveのQ Aより。分子運動論的な問題。 【問題】 質量 のピストンがついた,鉛直に立てたシリンダー内で,質量 の 個()の球が,ピストンとシリンダーの底の間で,弾性的に衝突し,とび跳ねる。系は釣り合いの状態にあり,底からのピストンの高さは に保たれている。ピストンを勢いよく抜き取ると,球はどれだけの高さまで飛び上がるか。ただし,重力加速度の大きさを とし, シリンダーの壁とピストン間の摩擦,内外の気圧差は無視できるものとする。また,小球どうしの衝突は考えなくてよい。 【解答】 小球のピストン位置における速度の鉛直成分の大きさを とする。弾性衝突であるからつりあいの状態において は保存される(摩擦なし,はねかえり係数1)。 球がピストンに衝突すると, の力積を及ぼす。ピストンが受ける球1個当たりの平均の力を ,時間を として 。この球が次の衝突までに を往復するから, これを について解いて となる。シリンダ内の球 個が衝突によってピストンに及ぼす力が,重力とつりあっているから, これを について解くと ピストンを抜いたとき, を初速度の鉛直成分として上方投げ上げとなるから,最高点のピストン位置からの高さは, となる。底面からの高さは である。
https://w.atwiki.jp/hikalun-original/pages/181.html
オール〔修羅の女神〕 ミカエル〔悲哀の女神〕 アウラ〔嘆きの女神〕 セレン〔絶望の女神〕
https://w.atwiki.jp/ebsouba/pages/129.html
最新データ 募集 販売 最高値 最安値 最高値 最安値 あ 昨日のデータ 募集 販売 最高値 最安値 最高値 最安値 あ 先週のデータ 募集 販売 最高値 最安値 最高値 最安値 あ
https://w.atwiki.jp/mw5m/pages/63.html
共謀者 Pt.4-解放 ダヴィオン家代表 「司令官、情報諜報作戦省は契約書、乗務員の証言、あなたがシルバン・ヴォーンとして知っていた男と共有していた通信を調査しました。あなたが提供した情報を徹底的に調査した結果、MIIOはあなたとあなたの傭兵部隊の不正行為を全て認めました。私はこの件の報告をしに来たのです。 あなたが知っているシルバン・ヴォーンという男はダミーでした。MIIOは彼の情報や動機を持たず、技術者がコックピットから彼の死体を取り出し、我々に引き渡しました。またオーウェンズ候補についての情報は控えめに言っても誤解を招くものでした。キャスパー・オーウェンズがハセック=ダヴィオン公を率直に批判していることは、カペラ・マーチではよく知られた事実です。しかしヴォーンが言わなかったのは、オーウェンズ候補カペラ連合からの恒星間輸入品に思い関税をかけることを主要な焦点として掲げています。彼は断固たる国際貿易主義者でもあるということです。リャオ家はこれを快く思わず、マスキロフカのエージェントを派遣しオーウェンズ候補を殺害したというのが現在の仮設です。候補者を警護していたシルティス・フュージリア軍が最初にオーウェンズ候補を連れ出して逃げようとした時に、彼らはあなたを雇って警護に当たらせ、フュージリア軍を混乱させオーウェンズ候補の命を再度狙う機会を与えたのです。 ヴォーンが任務完了するための最良な機会を得たのは、シルティス・フュージリア軍に対するあなたの違反行為でしたが、もしノヴァヤ・ゼムリアであなたがオーウェンズ候補を守りヴォーンの襲撃隊を撃破していなかったら、オーウェンズ候補が今日ここにいるとは思えません。オーウェンズ候補の命を守ってくれたあなたの即興的な助力によりAFFSとMIIOはあなたに対するすべての告発を取り下げ、あなたのMRBに裏付けられた契約の支払いと引き上げの権利を尊重することが決定しました。オーウェン次期大統領には、我々の寛大な対応に感謝していただきたいと思います。今後、あなたの傭兵部隊が誰と手を組むのか、よく注意することをお勧めします。AFFSとMIIOは、あなたがまたこのようなことをし捕まったら、そんなに甘くなりません。さあ、C-Billとサルページ品を持って、私の星系から出て行ってもらおう。」 達成報酬 304,825 C-Bill 2,500評判 ライフルマン RFL-DNA (Heroメック)
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/16744.html
解放された秘宝 バッタリアン C 闇文明 4 クリーチャー:パンドラボックス/リベレーター 2000 ■リベレートサモン―闇4 ■このクリーチャーが破壊された時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。 作者:宇和島 フレーバーテキスト その箱の中から、個性的な闇の住人がぞろぞろと… 収録 DMTend-04 「終末世界編 第4弾 新星の新生(エンドレス・アース)」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/galgerowa/pages/481.html
解放者――ウィツァルネミテア――(前編)◆guAWf4RW62 風が凪いでいた。 暗闇に染まった空の下で、幾多もの亡骸が倒れ伏せている。 数多くの悲劇が繰り広げられた孤島――『インゼル・ヌル』。 その地下では、一連の惨劇も遂に最終局面を迎えようとしていた。 場所はLeMU、地下三階『ドリット・シュトック』。 ほんの数十分前まであれ程激しく鳴り響いていた銃声も、今はもう止んでいる。 周囲一帯に血の臭いが充満する中、白い廊下を歩いてゆく男が一人。 「っ……あ、はあ………はあ…………」 倉成武は息を荒ぶらせ、懸命に酸素を全身へと送り込んでいた。 何とか山狗部隊と桑古木涼権の打倒に成功したものの、その代償は重い。 無理を押して戦い続けて来た所為で、身体の調子は徐々に悪化しつつあった。 全身の節々が激しく痛み、斬り裂かれた左肩は強く熱を帯びている。 後頭部を強打された影響もあり、気を抜くと意識が断線してしまいそうになる。 だが、歩みを止める訳にはいかない。 十七年前と同じ場所――ヒンメルの先に、全ての答えが有る筈だった。 もしかしたらもう、皆先に到着しているかも知れない。 ならば自分も早くそこまで辿り着いて、全てに終止符を打たねばならないのだ。 「……倒れてなんて、いられないよな。そんな事してたら、少年に笑われちまう」 自らを奮い立たせながら、武は着々と歩を進めてゆく。 自身の舌を千切れない程度に噛む事で、ともすれば薄れかねない意識を強引に覚醒させた。 じわりと血の味が広がったが、その程度で意識が保てるのならば安いものだ。 そうやって傷付いた身体を強引に動かしていると、やがて目標の白い扉が見えてきた。 仲間達の姿は、未だ何処にも見受けられない。 「どうやら俺が一番乗りみたいだな。HIMMEL……十七年前は、この奥に全ての謎が隠されていた」 武はある種の運命じみたものを感じながら、ヒンメルの扉を押し開けようとする。 だが扉は十七年前と同じく、押しても引いても開く気配が無かった。 見れば近くに、パスワード入力用の端末が備え付けられている。 恐らくは、正しいパスワードを入力すれば開く形式なのだろう。 武は思い付く限りのキーワードを打ち込もうとするが、そこで背後から足音が聞こえてきた。 「――武さん!」 「……よう、瑞穂」 現れたのは、服の所々に血を滲ませている瑞穂だった。 その表情からは明らかな疲労の色が読み取れ、武と同様に厳しい戦いを潜り抜けてきた事が推し量れる。 話すべき事、聞きたい事は沢山あるが、武よりも先に瑞穂が口を開いた。 「……武さん。優さんについて少しお話があるのですが、聞いて頂けませんか?」 そうして瑞穂は、倉庫で繰り広げられた田中優美清春香菜との一戦について語り始めた。 優が何を思って鷹野に協力していたのかも。 戦闘の最中に追い詰められた優が、妖しげな仮面を用いた事も。 最終的に優が改心し、ヒンメルのパスワードについて教えてくれた事も、瑞穂は全てを包み隠さず話した。 話を聞き終えた武は、酷く複雑そうな表情をしていた。 「あの馬鹿……そんなに苦しんでたんなら、どうして俺やつぐみに相談しないんだよ……。 今度会ったら、叱ってやらないとな……」 語る武の声に、憎しみや殺意の色は無い。 武とて、嘗て取り返しの付かぬ罪を犯した身。 優がどれだけ悩み、どれだけ苦しんだかが手に取るように分かり、恨む事など出来なかった。 唯只やり切れない想いだけが、胸の奥へと広がってゆく。 そんな中、瑞穂は何と声を掛けて良いか分からずに、黙って武の様子を見守っていた。 そうしているとやがて、アセリアと沙羅、梨花やきぬも、次々と廊下の向こう側から歩いて来た。 それぞれが満身創痍の様相を呈しているが、特に沙羅は今にも死にそうな顔色で、アセリアに抱き抱えられている。 その事に気付いた瑞穂は、大慌てで沙羅に駆け寄った。 「沙羅さん、大丈夫ですか!?」 「ええ……全身ボッロボロだけど、舞のお陰で何とか生きてるわ」 「――舞さんの?」 瑞穂が尋ねると、沙羅は力無く視線を地面へと落とした。 沙羅の手は、赤く染まったハンカチを強く握り締めている。 代弁するかのようなタイミングで、アセリアがゆっくりと口を開いた。 「マイは私達と……一緒に戦ってくれた。最後は自分の命と引き換えに……サラを救ってくれた」 「……そうですか」 瑞穂は、それだけしか答える事が出来なかった。 横へ視線を移すと、きぬと梨花も複雑そうな表情を浮かべていた。 目の前で仲間を殺されたきぬや梨花からすれば、間違い無く舞は忌むべき怨敵。 しかし舞が自身の命と引き換えに、沙羅を救ってくれたのもまた事実。 恨むべきなのか、感謝するべきなのか、もう分からなかった。 しかし、何時までも思い煩っている訳にはいかない。 瑞穂は意識を切り替えて、ヒンメルの方へと鋭い視線を向けた。 「皆さん、もうお気付きかも知れませんが……この扉の先にきっと、黒幕が居る筈です。 あゆさんと羽入さんが到着次第、先に進みましょうか」 「……二人は来ないわ」 「――え?」 瑞穂が疑問の声を発すると、梨花は悲痛な面持ちとなった 静寂が場を支配して、重い緊張感が一同の間に漂う。 やがて梨花がぎゅっと口元を噛み締めてから、静かに言葉を並べ始めた。 「あゆは……無茶をして、酷い怪我を負ってしまったわ。今は羽入と一緒に、医務室を探してる筈よ」 「……では、死んでしまった訳では無いのですね?」 「ええ、少し危険な状態だけど……きっと大丈夫だと思う。後は私達が、あゆの分も頑張りましょう」 梨花とてあゆの事は心配だが、後戻りするつもりなど無かった。 あれから鷹野を探し回っていると、その過程で此処へ辿り着いた。 瑞穂の話によれば、この先に黒幕が居るらしいとの事。 当然の事ながら、鷹野がこの先に逃げ込んだ可能性も十分あるだろう。 下手に時間を与えてしまえば、また何か良からぬ策略を仕掛けてくるかも知れない。 真にあゆの事を想うのならば、自分達は一刻も早く先に進むべきだった。 行動可能な仲間達が全員揃った以上、情報交換している時間すらも惜しい。 自分達がやるべき事は決まっている。 全ての元凶であるディーさえ倒せば、永きに渡る戦いに決着が付く筈なのだ。 瑞穂は仲間達を促して、ヒンメルの先へ突き進もうとする。 「この扉のパスワードは私が知っています。それでは皆さん、行きましょうか」 「……ん、待ってミズホ」 「アセリアさん、どうしたんですか?」 「今の状態で行っても、きっと私達は勝てない」 アセリアはそう云うと、仲間達を一人ずつ順番に指差して行った。 五体満足と云える様な状態なのは、アセリアと梨花ぐらいしか居ない。 武や瑞穂はそれぞれが重傷を負っているし、きぬも体力的に消耗し切っている。 沙羅に至っては、歩くのも不可能な状態だ。 このままヒンメルの先に向かった所で、戦いになれば圧倒的不利を強いられるのは明白だった。 「でも、此処で休んでいる訳にもいかないでしょう?」 「ん……大丈夫。『献身』さえ貸してくれれば、私が何とかする」 アセリアはゆっくりと歩を進めると、きぬから永遠神剣第七位『献身』を受け取った。 静かに精神を集中させ、自身のマナを少しずつ『献身』へと注ぎ込んでゆく。 在りし頃のエスペリアを想い出しながら、今この場で一番必要とされている魔法を発動させた。 「大地に満ちる活力よ、癒しの風となれ……ハーベスト!」 ハーベスト――戦闘域のマナそのものを活性化させ、味方全体を回復させる神剣魔法。 アセリア達が居る空間を緑色の光が覆い尽くし、急激に各自の傷が癒えてゆく。 治療の対象は傷だけに止まらず、肉体的な疲労も信じ難い速度で抜け落ちて行った。 凄まじいまでの効果だったが、誰も驚いたような表情は浮かべていない。 LeMU突入前、既にきぬが同じ事をしていたからだ。 先程まで死人のような顔をしていた沙羅が、血色の戻った唇を軽やかに動かした。 「やっぱり魔法って凄いわね……。有り難うアセリア、助かったわ」 「……ん、構わない」 これで、決戦の準備は整った。 全快とまでは行かないものの、各自の傷も癒えて、体力もある程度は回復した。 今の状態ならば、この先にどんな強敵が待ち受けていようとも、十二分に対抗出来るだろう。 「では、今度こそ行きましょう。全ての悲しみを、終わらせる為に」 「おう。純一の分も、ボクがディーをぶん殴ってやる!」 アセリアから『献身』を受け取ったきぬが、猛然と気を吐いた。 この先に待っているであろう敵が――ディーがどれ程の怪物であろうとも、恐怖に屈するつもりなど毛頭無い。 それは、一同の全員が抱いている覚悟だった。 瑞穂はパスワード端末機を操作して、素早く『MIKOTO』と入力した。 程無くして扉が開き、決戦の場へと繋がる道が開かれた。 一同は実力的に最も優れるアセリアを先頭として、扉の向こう側へと足を踏み出してゆく。 最初は細長い螺旋状の階段が続いており、アセリア達は黙々と奈落へ降りていった。 「……何だか寒気がするわね。地獄に向かう道って云うものがあったら、こんな感じなのかな」 沙羅がぼそりと呟いた。 寒気がすると云うのは、決して気の所為などでは無い。 一歩一歩足を踏み出す度に、身体が重くなるような錯覚に囚われる。 先に進むに連れて強まっていく悪寒が、終着点に居るであろう怪物の存在を報せていた。 それでも沙羅達は決して足を止めずに、更なる奥地へと突き進んでゆく。 階段が終わりを迎えると、次は前方に通路が伸びているのを見て取れた。 黒い気配、寒気を催す空気の源流に向けて、着実に歩き続ける。 やがて一同は通路を抜け、大きく開け放たれた大空洞へと辿り着いた。 「こんな物が……地下に隠されてたなんてな」 武は半ば呆然とした表情のまま、周囲一帯を一望した。 大空洞は地面も天井も岩で覆われており、荒れ果てた暗黒の大地であるかのようだった。 高さは約三、四百メートル、横幅は軽く数キロ以上あるだろう。 大空洞の中央部はクレーターのように大きく沈み込んでおり、此処からでは中の様子を窺い知る事は出来ない。 肌を焼く瘴気、心臓を鷲掴みにされたような死の予感の中、武達は大空洞の中央部に向かって歩いてゆく。 そうやって、どれ程歩き続けただろうか。 中央部に向かう坂道を下っている所で、聞き覚えのある声が一同の鼓膜を振るわせた。 『――嫌あああああああああああああぁぁぁっ!!』 耳に届いた叫び声は、恐怖と絶望の色に侵食し尽くされていた。 聞いているだけでも、胸が痛んでくるような声。 余りにも弱々しい叫びを、発した者の名は―― 「――――鷹野ッ!?」 逸早く声の主が誰かを察知した梨花が、一目散に大空洞の中央部に向かって走り出す。 慌てて瑞穂達も大地を蹴って、先走る梨花の後を追い始めた。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「わた……し、は…………私は…………っ」 LeMU、地下三階『ドリット・シュトック』会議室の片隅で力無く蹲る女性が一人。 血塗れの服を身に纏ったその女性は、名を鷹野三四と云う。 此度の殺人遊戯に於いて、司令官としての役割を果たしてきた罪人だ。 何の情けも無く、冷酷に殺人遊戯を推し進めた悪魔。 祖父の名を後世に残す為、絶対の意思を貫き続けてきた強き女性。 しかしそんな女性の心も、今はもう完全に砕け散ってしまっていた。 「ジロウさん……ジロウさん………、ジロウさん……………っ!」 取り返しの付かない事をしてしまった。 自分は馬鹿だった。 契約なんて、強要する必要など無かったのに。 そんな事をしないでも、富竹はずっと自分の味方で居てくれたのに。 「私はジロウさんを……ぅあああぁっ…………!」 安易にディーの力を頼ってしまった所為で、富竹を殺してしまった。 富竹はずっと救いの手を差し伸べてくれていたのに、彼を二度も殺してしまった。 もう駄目だ。 犯してしまった罪は余りにも重く、折れてしまった意思は二度と元に戻らない。 全てを失ってしまった自分は、これからどうやって生きていけば―― 「え――――?」 そこで突如鷹野は、自身の身体が宙に浮いているような感覚を感じた。 視界が暗転し、身体中の神経、意識が一斉に断線する。 そして、数秒後。 気が付いた時にはもう、大空洞の中央部に転移させられていた。 「来たか、契約者よ」 「貴方は……」 呆然と立ち尽くす鷹野の眼前には、白い翼を生やした精悍な男の姿。 圧倒的な魔力と存在感を身に纏う、人よりも遥かに高次の存在。 絶対的強者であるこの男こそが、此度の殺人遊戯を企てた真犯人――ディー。 「――汝の手駒達は全て敗れ去った。ある者は倒れ、ある者は命を失い、またある者は敵の軍門に下った」 それは、鷹野にとって初めて知る事実だった。 二体のアヴ・カムゥ、二人のキュレイキャリア、敵を大幅に上回る人数の山狗部隊。 負ける筈の無い戦いだった。 戦力的に考えれば、こちらが圧倒的に有利だった筈なのに、それでも敗れ去ったのだ。 完全なる敗北。 その事実は鷹野にとって――最早、どうでも良い事だった。 「そう……貴方が云うのなら、本当の事なんでしょうね。でもそんなの……どうだって良いわ。 もう私には……戦い続けられるような意思の力なんて、無いもの」 今の鷹野には、戦いに耐え得る程の気力など残されていない。 絶対だった筈の意思は砕け、長年見続けてきた夢は終焉の時を迎えた。 唯一の味方すらも失った自分は、もう立ち上がれない。 今更、戦い続ける意味など何処にも無かった。 「否、そういう訳にもいかぬ。汝は此度の殺人遊戯を完遂させ、我がその見返りとして汝の目的に力を貸す。 それが我と汝の契約。故に、未だ汝は戦う必要がある」 「え…………?」 「汝の意思など関係無い。一度契約した以上、汝は最後まで己の義務を遂行せねばならぬのだ」 告げるディーの顔は相変わらず平静を保っていたが、鷹野にはその無表情こそが何よりも恐ろしく感じられた。 鷹野は知っている。 ディーは一度口にした事を、絶対に曲げたりしない。 何の感情も見せず、何の情けも掛けず、只自分の目的だけを遂行するのだ。 「そんな……私……もう戦えない。もう……戦いたくない。それに……相手はアヴ・カムゥすら、倒すような連中なのよ。 私一人で……勝てる訳無いじゃない」 「それも、全ては汝が招いた状況であろう。汝に対して、我がどれだけ力を貸したか忘れた訳ではあるまい。 散々力を借りておいて、追い詰められたら責任を放棄するなど、許される事では無い」 戦力差は歴然。 もう完全に勝敗は決していると云うのに、あくまでディーは戦いを強要しようとする。 途中下車は不可能。 一度ディーの傘下に入ってしまった以上、戦いの放棄は決して認められない。 尚も拒絶の意思を見せる鷹野に対して、ディーが一歩前に足を踏み出した。 「故に、戦え。契約に従い、参加者達と争ってくるのだ」 「い……嫌……」 「そうか。では汝は――契約を破棄すると云うのだな?」 大空洞の中に、規則正しい足音が響き渡る。 両者の距離は、残り十五メートル。 ディーは右手を前に伸ばした状態のまま、少しずつ鷹野に歩み寄る。 どのような抵抗も、どのような懇願も無意味。 ディーの右手が届いた瞬間、鷹野は『終わり』を迎えるだろう。 「我との契約を破棄し、無に帰ると云うのだな?」 「嫌……もう……嫌ぁ………」 一歩。 また一歩。 無骨な岩で覆われた大地を、神の足が踏み締める。 両者の距離が少しずつ近付いて行く。 「たす……けて……っ。助けてっ、ジロウさんっ…………!」 「無駄だ。汝が結ばせた契約の所為で、富竹ジロウは死んだのだ。 その事は、汝が一番良く理解している筈」 決して逃れられぬ罪を突き付けながら。 神は何処までも無慈悲に、終末を鷹野へと運ぼうとする。 「嫌……嫌なの……嫌ぁ…………」 鷹野は膝から崩れ落ちて、力無く地面に座り込んだ。 何度も何度も首を横に振ったが、ディーの歩みは止まらない。 両者の距離は、残り三メートル。 そしてまた一歩、ディーが足を踏み出した瞬間――鷹野の中の何かが切れた。 「――嫌あああああああああああああぁぁぁっ!!」 絶叫。 鷹野はポケットから銃を取り出すと、眼前の怪物に向けて撃ち放った。 どれ程の怪物であろうとも、この距離で発砲されては避け切れる筈が無い。 甲高い銃声と共に、赤い血の肉片が飛散した。 「た……かの……」 掠れた声は、第三者のもの。 全速力でこの場に駆け付けた、古手梨花が放ったものだ。 梨花は、確かに目撃した。 鷹野が発砲した瞬間、ディーの前に鏡のような物が出現して、銃弾が跳ね返されたのを。 そして、鷹野の身体が内側から破裂するのを。 辺り一帯に四散している肉片は、嘗て鷹野だったモノの成れの果てだ。 直ぐに後方から仲間達が走り寄って来て、梨花の横へと並び掛けた。 「梨花さん……鷹野は……」 「……瑞穂、貴女も見てたでしょう? 鷹野三四は……今、死んだわ」 梨花はそう答えると、嘗て鷹野だったモノの肉片を複雑な表情で眺め見た。 殺したいくらい、憎い相手だった。 鷹野の策略が無ければ、伊吹風子も一ノ瀬ことみも死なずに済んだだろう。 放送で愉しげに仲間達の名前を告げられた時など、怒りで頭が狂いそうだった。 けれど同時に、自分は鷹野の事を認めてもいた。 尊敬の念すら抱いていたかも知れない。 神すらも味方に付けた鷹野は、恐ろしい程に強い意志を持っていた。 運命に真っ向から立ち向かえるような、そんな強さを確かに持っていたのだ。 そんな鷹野も、最後には怯え切った表情のまま死を迎えてしまった。 結局は、彼女も被害者だったのかも知れない。 (お休みなさい……鷹野。他の誰が認めなくたって、私は貴女の強さを認めるわ。 貴女はとても強くて……そして悲しいくらい、哀れな人だった) 梨花は心の中でそう呟くと、眼前の怪物を鋭い目つきで睨み付けた。 怪物は色の灯らぬ瞳で、静かにこちらを見下ろしている。 「貴方が……ディー……。鷹野を操っていた、真の黒幕なのね」 梨花はディーと面識など無いが、今目の前に居る存在が全ての元凶であると、直ぐに理解出来た。 こうして向かい合っているだけでも伝わってくる圧倒的重圧、圧倒的存在感。 アレは、化け物だ。 アヴ・カムゥすらも凌駕する程の。 痺れるような緊張感が場を支配する中、アセリアが一歩前へと歩み出た。 「……倒す前に聞いておく。何故……私達を、殺し合わせたりした?」 それは多くの参加者達が抱いていた疑問だろう。 何故自分達が殺し合いなどしなければならないのか。 こんな事をして、一体何になると云うのか。 問いを投げ掛けられたディーが、ゆっくりと答えを口にする。 「理由は只一つ。我が為すは、総て我が子等を――人類を愛するが故」 告げるディーの顔には、感情らしい感情が一切浮き出ていない。 その態度、その返答を不服に感じた瑞穂が、アセリアの横へと並び掛けた。 「愛だなんて、ふざけないで下さい! 罪の無い人々を無理矢理殺し合わせて、それの何処が愛だって云うんですか!」 「争いとは種の進化を促すもの。それは汝等とて理解している筈だが」 「進化……ですか?」 告げられた言葉に、瑞穂の動きがピタリと停止した。 ディーは一旦間を置いてから、次々と言葉を並び連ねてゆく。 「数々の戦いを経て、汝は精神的に大きな成長を遂げた。アセリアは、以前よりも遥かに強い力を手に入れた。 この島に来てから、僅か数日しか経っていないのにだ」 ディーの云っている事は、決して間違いなどでは無い。 瑞穂やアセリアがこの島で大きく成長したのは、紛れもない事実だった。 「極限状態での争いともなれば、その種を更なる高みへと昇華させる。 我はそうして子達の成長を見守り、時に少し手を差し伸べているに過ぎぬ」 様々な者達を殺し合わせる事によって、人類の進化を促す――それが、ディーの目的だった。 脱出の可能性を残したのも、総ては参加者達の力を引き出す為。 事実アセリアのように、主催陣営との戦いによって、新たなる力に目覚めた者も居るのだ。 「高みだと……? けど、争いに負けた奴等はどうなるんだ? 弱い奴等は死ねって云うのかよ……!」 「敗れし種は淘汰される、それだけの事。全体からすれば微々たるもの。 そんな事の為に、高みを目指す多くの我が子達を疎かにするは愚行であろう」 武が怒りの表情を露としたが、ディーは冷え切った声で言葉を返すだけだった。 余りにも無表情、無感情、無慈悲。 人の意志、人の倫理観など一切通じない。 己の正当性を信じて疑わぬ神は、何処までも冷酷に命令を下す。 「故に、我は汝達に命ずる――最後の一人になるまで殺し合え。 熾烈な生存競争を勝ち残った種は、必ずや更なる高みへと至り、人類の未来を切り開く事が出来るだろう」 それは最後通牒。 逆らえば、本物の神と戦う羽目になるだろう。 しかし鉄の結束で結ばれし者達が、勝手極まりない命令に大人しく従う筈も無い。 梨花は何ら迷う素振りすら見せず、真っ直ぐな瞳でディーを見据えた。 「お断りさせて貰うわ。未来は神なんかに与えられるモノじゃない」 「……何?」 今梨花の眼前に居るのは、羽入よりも遥かに強大な神だ。 この世の理すらも易々と覆す、正真正銘の怪物だ。 それでも梨花は怖気付く事なく、静かに言葉を紡いでゆく。 「私はね……これまで沢山の苦難に遭って、その度に挫折してきたわ。何をしても死の運命からは逃れられないんだって、諦めてた。 でも、違ったの。皆の姿を見てようやく理解出来たの」 雛見沢で繰り返される惨劇の中で、梨花は何度も絶望を味わってきた。 定められた死の運命の前に、幾度と無く屈してきた。 でも――圭一が教えてくれた。 諦めなければ、運命なんか覆せるんだって。 この島での経験が、散っていった仲間達が教えてくれた。 潤は、あの屈強な川澄舞から自分を守り切った。 ことみは、参加者同士の悲しい殺し合いに終止符を打った。 どちらも運命に身を任せているだけでは、決して成し遂げられなかった事だ。 だから、皆に教えて貰ったから、梨花は心の底から思い切り叫ぶ。 「運命など幻想、神の力など無力! サイコロの目を決めるのは天でも神でも、ましてや偶然でも無い! 未来とは自らの努力、自らの意思で勝ち取るモノ!」 それが、百年の旅の末に得た結論。 梨花が信じる、唯一にして絶対の真実だった。 「……では、汝等は我に抗うと云うのか? 進化の可能性を棄ててまで、勝算の無い戦いを挑むつもりか?」 ディーは梨花達一人一人へと視線を移してゆくが、全員が例外無く強固な意思を瞳に宿していた。 それは、確かな叛意の表れに他ならない。 沙羅がワルサー P99の銃口をディーへと向けてから、心底下らなさげに吐き捨てた。 「しつこいわね。押し付けられた進化なんて、こっちから願い下げよ。 アンタは人類の未来なんかよりも、自分自身の身を心配した方が良いわよ?」 最早、これ以上の会話など無意味。 相手が誰であろうとも、数多くの死地を潜り抜けし猛者達が意思を覆すなど有り得ない。 どう考えても衝突は必死。 「……それが汝達の答えか。ならば仕方が無い――相手をしてやろう」 ディーの気配が変わり、放たれる殺気が急激に膨れ上がってゆく。 応じるようにして、梨花達も各々の得物を手に身構えた。 人数で圧倒的に勝っている以上、様子見など必要無い。 全員がタイミングを合わせて、ディーに攻撃を仕掛けようとした刹那。 「――――動くな」 瞬間、周囲の空間が凍り付いた。 ディーが放った短い言葉。 動くなという、只の一言。 たったそれだけで、梨花達はまるで身動きが取れなくなってしまった。 「くあああっ…………まさか、こんなっ……!?」 初めてディーの力を受けたきぬが、狼狽に声を洩らす。 武から話自体は聞いていたものの、多人数相手でも同じ芸当が可能だとは思わなかった。 一瞬にして六人もの動きを封じる力は、正しく桁外れとしか云いようが無い。 「う…………おおおおおおおっ…………」 武は懸命に力を搾り出して、神に嵌められし鎖を振り解こうとする。 しかし何時まで経っても、状況は一向に改善されない。 どれ程身体を動かそうとしても、神社の時と同じく指先一本すらも反応してはくれない。 「さて――まずは汝からだ」 「くっ…………!?」 武達が身動き一つ取れぬ中、ディーの人差し指がアセリアへと向けられた。 少しずつ指先に魔力が収束してゆき、激しい風が渦巻いてゆく。 膨れ上がってゆく重圧が、これから起こるであろう破壊を予感させる。 ディーが初めにアセリアを狙った理由は、単純にして明快。 現状では、永遠神剣第四位『求め』の契約者であるアセリアこそが最大の脅威に他ならないからだ。 「アセリア、さんっ……! このっ……動け…………動けぇぇぇぇえ……!!」 「無駄だ。何人たりとも、我の拘束を打ち破る事は叶わぬ」 アセリアを守るべく、瑞穂は筋繊維を引き千切るくらいのつもりで抵抗する。 珠のような汗が頬を伝い、端正な顔立ちが今は酷く歪んでいる。 だがやはり、身体は一向に動く気配が無かった。 只の人間に過ぎぬ瑞穂では、どれだけ足掻こうとも拘束を打ち破れない。 武も、梨花も、沙羅も、やはり身動き一つ取れない。 そして窮地に晒されているアセリア本人も又、まるで動けないでいた。 「くぅぅう……ああああっ……!」 アセリアは『求め』にマナを注ぎ込んで、可能な限り身体能力を強化していた。 強化された今の膂力ならば、岩すらも素手で握り潰せるだろう。 にも関わらず、未だ指一歩動かせない。 このままでは、何の抵抗も出来ずに殺されてしまうし、残りの仲間達もすぐ同じ目に遭う筈。 焦燥に駆られたアセリアは、『求め』に更なるマナを注ぎ込もうとする。 だがアセリアの行動を遮るようなタイミングで、何者かの声が聞こえて来た。 『契約者よ……聞け』 (……『求め』!?) 声の主は、アセリアが契約を交わした永遠神剣第四位『求め』だった。 アセリア以外の者は、誰も『求め』の声を聞き取る事が出来ない。 『求め』は声を出すのではなく、契約者の意識に直接語り掛ける。 『この拘束は、力だけで破れる類のものでは無い。自由を取り戻したくば、もっと強く願うのだ』 (願う……?) 『目の前の敵を打ち倒したいと、仲間を守りたいと、もっと強く求めるのだ。 さすれば、汝の求めは果たされよう』 これ以上、身体能力を強化する必要など無い。 他の者達と違い、アセリアにはもう十分過ぎる程の力がある。 ディーの拘束を打ち破れるだけの、人間離れした力がある。 だから足りないのは、意思の力だけだった。 (……ん、分かった。でも……どうしてお前が、私を助けてくれる?) 『我にとっても、ディーは倒すべき対象というだけだ。我を駒のように扱った罪は、償わせねばならぬ。 さあ、分かったのなら早く拘束を解くが良い』 もう余計な会話をしている時間は無い。 数秒後には、ディーの放つ攻撃がアセリアを貫くだろう。 アセリアは直ぐ様意識を集中させて、自らの願望を思い浮かべた。 (私は……ディーを倒したい! 何としてでも……ミズホ達を守りたい!!) ディーを打ち倒して、散っていった高峰悠人達の無念を晴らしたいと。 何としてでも、瑞穂や他の仲間達を守り抜きたいと。 蒼の妖精は、心の底から只ひたすらに願う。 瞬間――アセリアの身体は自由を取り戻した。 「てやああああああああぁぁぁああっ!!」 「な、まさか――――!?」 蒼の妖精はウイング・ハイロゥを展開して、一直線にディーへと斬り掛かる。 純白の羽から生み出される推進力は、稲妻かと見紛わん程に凄まじい。 ディーは即座に攻撃を中断し、意識を全て回避に集中させるしか無かった。 「外、した……っ!」 「く――――」 交差する妖精と神。 アセリアの繰り出した剣戟は、ディーの頬を浅く切り裂くに留まった。 ディーは済んでの所でバリアを展開し、それと同時に横へ飛び退いたのだ。 急造の防壁は一秒足らずで砕かれてしまったが、ディー本体が退避するだけの時間は稼げた。 しかし紙一重の回避を行ったという事は、攻撃に意識を回す余裕など無かったという事。 「……っ、動ける!?」 瑞穂は唐突に身体の自由を取り戻し、驚愕の表情を浮かべていた。 ディーの集中力が途切れた事によって、拘束から解き放たれたのだ。 他の者達も一様に解放され、瑞穂達は直ぐに戦闘態勢へと移行した。 数多くの銃口、数多くの殺気がディーに向けられる。 「……もう、私にあの拘束は効かない。ディー……、お前を倒す」 アセリアは『求め』を深く構えると、前方で佇むディーを睨み付けた。 人数が違う――状況的には、明らかにアセリア達の方が有利な筈。 ディーがどれ程高い技量を誇っていようも、一人でこの場に居る全員を相手するのは不可能なように思えた。 しかし、ディーの表情には未だ焦りの色など浮かんでいない。 「見事だ……スピリットの身で、我に傷を負わせようとは。それでは我も、『力』を見せる事にしよう」 「…………『力』?」 ディーの言葉に、アセリアの眉がピクリと持ち上げられる。 ハッタリだと一笑に付す事は、とても出来なかった。 アセリアの本能が、数多くの戦闘を経て養われた直感が、全力で警鐘を鳴らしている。 背筋に奔る凍り付くような寒気が、相手の言葉に嘘偽りは無いと報せている。 「来い――我が従者達よ」 ディーは徐に手を持ち上げると、指をパチリと鳴らした。 すると、ディーの真横の空間に驚くべき異変が生じ始めた。 空間に黒い大きな穴が発生し、そこから仮面を付けた兵士達が次々と沸き出て来る。 大剣、刀、槍、鉄爪。 各々の武器を手にした仮面兵は、最終的に六体出現した。 「あれは……優さんが被っていた仮面…………」 瑞穂は仮面を使用した者と戦った経験がある為、敵の正体が直ぐ理解出来た。 恐らく今ディーが呼び出したのは、優と同じく仮面による強化を施された人間だろう。 唯一優と異なっている点は、まるで理性が感じられない事だ。 ある仮面兵は醜く涎を垂らしているし、ある仮面兵は不気味な唸り声を上げている。 一方で剥き出しの殺気、混じり気の無い殺意は、獰猛な肉食獣を連想させる程のもの。 明らかに、尋常ではない。 「皆さん、気を付けて下さい! あの仮面には、使用者の力を強化する効果があります!」 瑞穂が仲間達に警戒を呼び掛ると、各自の表情が急激に険しくなった。 これは瑞穂達にとって、紛れも無く緊急事態。 仮面により身体能力を強化された敵が、唐突に六体も現れたのだ。 どう考えても、苦戦は免れない。 瑞穂達の間に漂う緊張感が膨れ上がってゆき、否応無しに死闘の始まりを予感させる。 だが、事態の悪化はこの程度に留まらなかった。 「―――何、アレ」 眼前の光景に、沙羅が呆然と声を洩らす。 天に掲げられたディーの手から、黒い煙のような何かが伸びていた。 煙は渦を巻くような形で、ディーの身体を覆い尽くしてゆく。 そのまま煙は面積を増してゆき、やがて全く同じタイミングで一斉に霧散する。 煙が晴れた中に立っていたのは――悪魔のような外観をした、全長五メートルにも達する巨人だった。 211 三人でいたい(Ⅳ) 投下順に読む 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 三人でいたい(Ⅳ) 時系列順に読む 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 三人でいたい(Ⅳ) アセリア 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 三人でいたい(Ⅳ) 白鐘沙羅 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 宮小路瑞穂/鏑木瑞穂(後編) 宮小路瑞穂 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 宮小路瑞穂/鏑木瑞穂(後編) 田中優美清春香菜 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 終幕(後編) 古手梨花 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 終幕(後編) 羽入 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 終幕(後編) 鷹野三四 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 誓いはここに残すから―――俺は、ここにいる 倉成武 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 守りたい。ただ貴方だけを。貴方が生き続ける未来を。守りたい。優しさに包まれた、貴方の気高い心を 蟹沢きぬ 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編) 211 ワライ ディー 212 解放者――ウィツァルネミテア――(中編)