約 301,196 件
https://w.atwiki.jp/narimite/pages/128.html
ミックス☆ジュース リメイク版 第三話 私市 朔耶 「いらっしゃいませ、ジュースバー『峠の茶屋』へようこそ♪」 どごん。 いきなり派手な音を奏でたのは京だ。 「・・・ちょっ、朔耶、なによ『峠の茶屋』ってのは?」 「はい? いえ、剣士の休憩所と言えば『峠の茶屋』で間違いないかと」 「価値観の話じゃないわよ! 仮にも私たちは、これからジュースバーをやるんじゃないの?」 何か理不尽なものを見つけたように、少々怒り気味に問いただす京。 「でも、パンフレットにはこのように・・・・・・。 えっと~・・・ここです。 『剣道部-峠の茶屋』って書いてありますよ?」 黙って見守っていた玲と香が、すっと話に割って入ってくる。 「すまない京、パンフレット作成の実行委員に聞かれたときに、私がそう答えたんだ」 「玲に剣士の休憩所はどういう名前がいい?って聞かれた時に、峠の茶屋じゃない?って助言したの、僕だった気がする・・・」 気まずい沈黙が、少しの間流れた。 「・・・・・・わかりました。 もう、どうでも――」 「いっちばんのりー!・・・かな?」 『お。』 本日最初のお客様は、開店前にやってきてしまった。 学園一の元気印。 お騒がせ台風娘。 リリアンの校風に似つかわしくないあだ名を持つこの少女は、名前を宇都宮鈴という。 実はこの九月まで庶民で、二学期が始まってからすぐに編入してきたと言う、この学園ではかなり珍しい存在だ。 そして一つ気になるのが、彼女が今、確かに校門のほうから現れた、と言うことだ。 「・・・・・・あれ? 先輩たち、結局ホストクラブにしたんですか??」 部員たちが着ている服を見て、そう尋ねてくる。 疑問符の登場と一緒にコトン、と首を傾げると、ポニーテールがゆんっ、と跳ねた。 剣道部は高身長が多いので、彼女は必然的に上目遣いになるのだが、その仕草に妖艶さの要素はなく、むしろ子供に疑問を投げかけられたような感じがする。 「いいえぇ、ただのジュースバーですよ?」 真正面にいた朔耶が答えた。 鈴は困ったような、げんなりしたような、苦笑いのような表情を浮かべる。 「これが『ただの』だったら、日本のどこへ行けばホストクラブがあるって言うんですか? ・・・・・・でも、ほんとに豪華絢爛。 先輩たちなら、歌舞伎町でお店が経営できるんじゃないですか?」 「そうか?」 「そうですとも」 褒め言葉と受け取った玲の口元が優しく緩む。 上機嫌、と表現するのが一番しっくり来るのだろうか。 この笑顔にやられた生徒も、数多くいることだろう。 「・・・!」 「さて、それではお客様。 ご指名、ご注文はいかがなさいますか?」 いきなり口調を変え、これぞホスト、と言った感じで鈴に注文を聞く朔耶。 今ここにいるのは、朔耶、京、香、玲。 三年生の四人だけだ。 「そーですね、それじゃ――きゃふぅ!?」 「ざーんねーんでした。 朔耶さま、この子のジュースは私が作らせてもらいますわ」 彩に後ろから近づかれて、いきなり抱きしめられた鈴は、たまらず悲鳴を上げた。 もちろん、接近してきた彩に気がついていた三年生諸君だが、そんなそぶりは微塵もみせずにいるあたりは、やはり類友というやつなのであろうか。 鈴があたふたして意味もなく暴れている内に、彩は彼女の腰に手を伸ばす。 「相っ変わらず細いわねぇ、ちゃんとごはん食べてるの?」 「あっ彩先輩!? あ、だめです、そこは触っちゃ・・・ふぅ、んっ・・・」 「ふふっ、笑うのこらえてるんだ、かーわいー♪」 ほんの数秒間だが拘束してわき腹をちょちょいとくすぐり、膝が崩れる前にぱっと手を離す。 引き際はきちんとわきまえているのだが、行為のレベルは子供それだった。 鈴はもともと子供っぽいが、彼女と絡むと彩まで余計に幼く見えてくる。 「じゃ、ちょっと待っててね。 朔耶さま、ちょっとここ頼みます」 「はいはい、それじゃ、お手並み拝見としましょう。 鈴ちゃん、ひざは大丈夫ですか?? あっちに椅子を用意してありますから、腰掛けて待っててくれますか?」 手作りが売りのため、客を待たせてしまうジュースバー。 そのため、お客さんを座らせる椅子が用意されていた。 「は・・・はい」 弱点を触られて、精神的にも力の抜けたような状態の鈴。 くすぐりによって一気に血圧が上がったためか、腰を掛けて落ち着こうとしてもしばらく顔は真っ赤だった。 その一方で、やる気満々の彩は鼻歌を歌いながらジュース作りに励んでいる。 ぎゅがゎぃぃぃーーーん・・・・・・ ミキサーが彩の選んだ素材をかき混ぜていく。 ――あの硬いものを粉砕する音はなんだろう・・・? 横で見ていた玲がそう思ったとか思わなかったとか。 そんなことは露知らず、音符交じりの彩は出来上がったものをこし、香に取ってもらったカップに注いでストローをさす。 「さ、できたわよ鈴ちゃん。 わたしの特製リンゴとオレンジのミックスジュース! さ、飲んでみて?」 「は、はい・・・ありがとうございます。 それじゃ、いただきますね?」 ――リンゴは皮ごと混ぜたのかな? 少し赤みの強いオレンジジュースを見つめ、そんなことを思った鈴だが、あまり気にせず口にした。 ちゅーーー~~~・・・ 一同見守る中、鈴は。 「・・・美味しいジュースですね、なんかちょっと辛いけど。 彩先輩、意外とお料理上手だったんですね?」 なんと、唐辛子入りのジュースを美味だと言ってのけた。 「やっぱりー!? ねー唐辛子ジュースは美味しいでしょう!?」 「へ?唐辛子・・・?」 ことん、とまたもや首をかしげる。 1、2、3。 思考の中心が「ジュース」状態の、割と軽く出来ている鈴の脳では、唐辛子とはなんぞや、と言う問いの検索にHITするまで、三秒ほどかかった。 「・・・先輩。 おちゃめ、じゃ、済まないですよ?」 ジト目で彩を見つめる鈴。 むすっとした顔で迎え撃つ彩は、どうにも不服のようだ。 「なによー。 鈴ちゃんはおいしいって言ったじゃなーい」 「あたしだから、飲めたような気もしますけど・・・」 うんうん、とうなずく後ろの4人。 「それにカプサイシンも沢山入ってるから、健康にもいいのよ~?」 「あのですねぇ、先輩、それとこれは―――」 彩と鈴の論争は、このあと十数分間にわたって続いたと言う。 なにげなく、両者唐辛子ジュースを飲みながら。 台所に残っていたのを興味本意で舐めた京によれば、少量でも舌が痺れたと言う。 「なんだかんだ言って、鈴ちゃんあのジュース気に入ってた?」 「そうですよね・・・私もそう見えましたけれど」 「ん~、そうですね。 きっと先輩方が思うほど、味はまずくはないですよ。 オススメはしないですけど・・・」 「やっぱり、唐辛子ジュースは推進っていう方こ―――」 『だからよしなさいってば。。』×5 あとがき 当初の予定では、鈴ちゃんが犠牲者第一号だったんですよ。 彩の好みの味って、凄いですからね(^^; と、こ、ろ、が、そうは問屋がおろさなくてですね。 鈴ちゃんも実はすっごい辛党だそうで、結局こういう形の作品になったわけです。 遅刻をさせてしまったのはやりすぎたかなと思ったのですが、 本人には逆に好評でしたのでそのままにしました。 目次へ戻る
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/1230.html
https://w.atwiki.jp/ittaisan/pages/26.html
原文 元ネタ 備考 トライチェイサー199X 特撮ドラマ『仮面ライダークウガ』に出てくるバイク「トライチェイサー2000」 頭の悪そうなモヒカン供 漫画『北斗の拳』に出てくるザコ 「・・・・・テメエらの血は何色だぁーーーッ!!」 漫画『北斗の拳』のレイの台詞 ライダーブレイク 特撮ドラマ『仮面ライダーアギト』の仮面ライダーアギトの必殺技ライダーブレイク 「フッ・・・知りたいか?・・・ならば勝負の二文字をもって答えてやろう!」 アニメ『機動武伝Gガンダム』の東方不敗の台詞 キミは小宇宙(コスモ)を感じたことがあるか!? アニメ『聖闘士星矢』の次回予告での台詞
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1582.html
ヴェストリの広場から声が聞こえる。 何か騒ぎが起きているようだ。 それを聞きつけた富樫と虎丸は、迷わず向かうことにした。 その日、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの寝覚めは最悪だった。 たくさんの、暑苦しい男達が自分に迫ってくる夢を見たのだから無理もない。 起きて夢であったことに安心して、一息つく。 すると、昨日のことを思い出してしまって、ある意味現実であることに頭を抱える。 彼らが、他の世界から来た、という台詞をルイズは疑ってはいない。 あれだけの人数が、まるで口裏を合わせたかのようにここは違うなどありえないからだ。 その境遇には憐憫を覚えなくはないし、弱者を助けるのも貴族の務めであると考えると、 気分も悪くはない。 しかし、本人達の悲壮感のなさと、あの汗臭さはどうにかならないものだろうか。 そこまで考えたところで、ルイズは自分が大きく汗をかいていることに気づいた。 窓を開けて外を眺めると、日が昇るのが見えた。 (気持ちのいい朝ね。) そろそろこの学園にいるコックやメイドたちが働きだす時間だ。 この汗にまみれた洗濯物をシエスタにでも洗濯してもらおう。 そう考えたルイズは、外の井戸へと向かうことにした。 「おはよう。朝から精が出るわねシエスタ。」 案の定、いつもの場所でシエスタは選択をしていた。 「おはようございます、ミス・ヴァリエール。洗濯の依頼でしょうか?」 洗濯の手を止めて、後ろを振り向いたシエスタは、ルイズが衣服を持っているのを目に留めそう答えた。 「そうよ。忙しいところ悪いけど、お願いできるかしら。」 「はい。本日は天気も良いので、午前中には乾くかと思います。 午後にお届けすればよろしいでしょうか。」 「ええ。それでお願いね。」 ルイズは気づいていないが、シエスタと会話をしている時のルイズは、たいへん柔らかい顔をしていた。 教室でのルイズしか見ていない者達が見たならば、その険のなさに驚き、そして見ほれるに違いない。 朝日に照らされた少女の顔は、まさにそれが一つの芸術のごとく美しかった。 話は一年ほど前に遡る。 教室で、錬金対象を爆発させ、後片付けをさせられたルイズは機嫌が悪かった。 そのために昼食の時間は遅れ、周りには誰もいない。 いるのは働いているメイドたちだけだ。 その時、少し離れたところから人の争うような声が聞こえる。 声から判断すると、男が女に無理を強いているようだ。 (弱い者を助けるのは貴族の義務よね。) 母に厳しく仕込まれた言葉を思い返す。 あの偉大なる母は、決して弱者に無理をさせるようなことはしなかったのだ。 自分の魔法があらゆるものを爆破する、ということに思いをはせていたルイズは、 明らかに悪いであろう男を爆破しようと理論武装した。 ……本音はもちろん八つ当たりである。 (普段は疎ましいだけの能力だけど、こういう機会では使えるかもしれないわね。) ちょっとした思い付きであるが、ルイズはそのことを頭にとどめた。 ようやく現場に近づいたルイズは、自分の想像とは少し違う状況に戸惑い、様子を見ることにした。 片方が貴族の使いとおぼしき人物であり、片方はメイドである。 ここまではルイズの予想通りだ。 予想と違ったのはその会話である。 メイドが、貴族であるルイズの目から見ても、凛とした態度で丁重に相手の話を断っていたのだ。 その立派な様子に、多少拍子抜けして、会話に集中することにした。 「一介のメイドごときが、モット伯のお誘いを断るというのか!!」 「確かに私は一介のメイドに過ぎませんし、お誘いを頂いて誠に光栄でございます。 しかし、私はこの学園で働く身でありますので、上司を通して『正式に』お話をまわして 頂きませんと、承服いたしかねます。」 (モット伯ね。確か、平民の女の子をたくさん囲っているという話だったわね。 目をつけた女の子をさらいに来た、というところかしら。) そうルイズはあたりをつけた。 それに、この学院で唯一人事権を握るオールドオスマンは、相当のやり手である。 簡単に、自分の下で働く人間を苦境に落とすことはないのだ。 この様子なら自分は必要ないだろう、そう考えた彼女は、その場から立ち去ろうとした。 「確か出身はタルブの村だったか。今年の税は厳しくなるだろうな。」 ただ脅迫するだけでは埒があかないと判断した男は、絡めてでいくことにしたようだ。 その言葉に、少女が絶句したのを確認したルイズは、もう少し様子を見ることにした。 少女は強く、それこそ血が出る位に手を握り締めている。 しかし、目には絶望は見られない。 ただ、黒い怒りだけが浮かんでいた。 それを見たルイズは反射的に動いていた。 「ちょっとそこのあなた!!私付のメイドを脅すなんてどういう了見よ!!」 もちろん詭弁である。 二人がこちらの方を向く。 シエスタの顔には、驚きが浮かんでいた。 男は思わず舌打ちをすると、一声脅すことにした。 面と向かってモット伯に逆らえる貴族は少数派なのだ。 ましてや、明らかに上となると片手で数えるほどしかいないのだ。 男の不運な点を上げるとするならば、ルイズがその少数派に属していたことだろう。 「これは、モット伯に対する挑戦と受け取ってもよろしいのでしょうか。お嬢さん」 「あら。ヴァリエール家はいついかなるときでも挑戦はお受けしていますわ。」 わざと言葉を丁寧にし、男の横に錬金をかける。 狙い通りに爆発したのを見たルイズは、男の様子を伺った。 男は驚愕し、おののいている様だ。 慌ててきびすを返すと、走りさっていった。 その様子に、カトレア姉さんの近くで見たリスが逃げていく姿を思いおこしたルイズは、くすくすと笑った。 あっけに取られていた少女も一緒になって笑い出した。 ひとしきり笑ったところで、ルイズはこの少女の名前を聞くことにした。 この芯の強い少女のことが気に入ったのである。 本当に自分付のメイドにしたいくらいには。 「ところで、あなた名前はなんと言うの?」 こうしてルイズとシエスタの交流が始まった。 普段教室でゼロと馬鹿にされているルイズにとっては、数少ない話し相手であったし シエスタにとっては、まさしく恩人である。 二人が、身分の差を越えて仲良くなるのにさして時間はかからなかった。 そしてこの経験はルイズの視野を広げることになった。 まったく身分の違うシエスタの視線は、常に新鮮であり面白かった。 一方、意外にもシエスタには結構学があることにも驚いた。 読み書き計算ができる平民など本当に少数派であるのだ。 そのことを追求すると、シエスタの祖父の話が出てきた。 そのシエスタの祖父の話はまさしく痛快であった。 魔法が使えないにも関わらず、己の道の邪魔をするものは吹き飛ばす。 その祖父の薫陶を受けたシエスタが、芯の強い少女になるのは当然の結果であるとルイズは思った。 また、シエスタが本当に家族を愛していることを感じ、暖かい気持ちになった。 朝から数えて二つ目の鐘がなる。 そのことに気がついたルイズは、シエスタとの会話を打ち切り、オールドオスマンのところへと向かった。 シエスタの後にあの顔は見たくないが、そうも言ってはいられない。 なぜなら、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは彼らのご主人様なのだから。 これもシエスタと付き合っていて分かったことの一つである。 真の貴族とは、平民をしつけるだけでなく、平民がおのずと襟を正すような行動をする貴族のことを言うのだ。 そのためには、魔法使いとして優秀なだけではなく、己が立派な人物になる必要があるのだ。 そうと考えたルイズは、己を省み、行動を直し始めた。 今のところ目に見える効果は、シエスタに慕われていることと、時々食事の上にクックベリーパイが増えている 事だけではあるが。 そうと思い直したルイズは気合を入れなおして、学院長室のドアを開けた。 そこにはオスマンの他に一人しか男がいなかった。 「確か伊達と言ったかしら。他の者達はどうしたの?」 「他のやつらは、今住むところを作っている。」 そう短く答えた伊達は、少しルイズの評価を上げた。 こちらが名乗っていないにも関わらず、名前を覚えていたのだ。 それは、少なくとも、こちらのことに気をつかっている証でもあるのだ。 「お前のことはなんと呼べばいい?」 「人前ではルイズ様と呼んで。格好がつかないから。それ以外では任せるわ。」 その発言にも少し目をむく。 少女の表情や仕草などから判断すると、様付けのみになると思っていたのだ。 しかし彼女は、己が実力でもって、自分に様を付けさせるつもりのようだ。 その姿に伊達は好感を持った。 「さて、それでは本日以降のことについて話し合おうかの。」 流れを打ち切るように、オールドオスマンは本題を話し始めた。 今日一日は、住居作りのためルイズの使い魔をできない、そのことを確認したルイズは、 授業の鐘が鳴ったので教室に向かった。 正直、(一部を除いて)いかにも暑苦しい男、といった者達ばかりであったので、 ついて来ない事にむしろ清々していた。 まあ、使い魔がいないことで多少馬鹿にされるだろうが、今さらだ。 そう思うことにしたルイズは威勢よくドアを開けた。 いつものように錬金の術の失敗の後片付けをしていたルイズは、遅れて食堂に入った。 そこで、何か騒ぎが起こっているのを見止めたルイズは近寄ることした。 周りの人間が話しているのを聞くと、どうやら二股がばれたギーシュが、 その原因となったメイドに八つ当たりをしているようだ。 (情けない。) 心底そう思ったルイズは、乗り気ではないがギーシュを止めることにして、騒ぎの中心へと歩み寄った。 「なに八つ当たりしているのよ。情けないから止めなさい、ギーシュ。」 そう声をかけると、周りから注目が集まるのが分かった。 そうして初めて気がついた。 ギーシュに八つ当たりをされていたのはシエスタだったのだ。 それに良く見ると、とは言ってもルイズと料理長のマルトー位にしかわからないだろうが、 シエスタの謝り方はたいへん職務的だった。 どうやら、八つ当たりを受けるのも、この職場では仕事の一つらしい。 前に、 (他の子が受けるよりはいい、自分は気にならないし。おじい様の方が何倍も怖かったですし。) と言っていたのを思い出した。 そんなシエスタの良さを再認識すると同時に、ギーシュに対する怒りがふつふつとこみ上げてきた。 いかに抑えているとはいえ、このルイズ、沸点は低いほうである。 「ゼロのルイズは黙っていてくれないかね。 貴族が平民を庇うなんて、君は貴族としての意識もゼロなんだね。」 そのギーシュの台詞に、観客がどっと笑う。 その反応に気をよくしたギーシュはさらに続ける。 「まあ、そのメイドを攻めるのも確かに悪いかもね。 そのように気を使えないように育てた親を攻めた方がよいかな。」 ルイズが怒りのあまり手袋を投げつける前に、乾いた音が響き渡った。 シエスタがナプキンを投げつけたのだ。 一瞬前との本人との落差に、ルイズ以外の全員が絶句する。 メイドが貴族に決闘を挑むなど、前代未聞過ぎて、誰も状況についていけないのだ。 「やめなさい、シエスタ。 あなたのお祖父さんでもない限り、貴族に勝てるわけがないのよ。」 そう言いつつも、ルイズは強く杖を握り締めている。 シエスタが決闘を挑まなければ、まず間違いなくルイズがギーシュに決闘を挑んでいたはずだ。 本人とシエスタの名誉のために。 そのことに気がついたシエスタは、目には感謝を込め、しかし態度は凛として言った。 「お言葉ですが、ルイズ様。 家族や友人を馬鹿にされて黙っていられるほど、私は女をやめたわけではありません。」 そう言って、彼女は、決闘場であるヴェストリの広場へと向かった。 慌てて追おうとしたルイズだが、人ごみに紛れてなかなか進まない。 そこへ、住居作りが一段落したことを報告しに来た飛燕を見つけた。 駄目もとで事情を話すと、ひとしきり飛燕は感心し、ルイズを抱えて飛び上がった。 鎖のようなものをたくみに使い、空を駆け抜けていく飛燕とルイズ。 その速度は、生徒達のレビテーションを遥かに凌駕する。 そのことに驚いたルイズではあるが、今はシエスタの方が先だ。 しかし、初動の遅れが響いたのが致命的であった。 今まさに決闘が始まろうとしていた。 そして…… 「さあいらっしゃい、いらっしゃい。男塾名物殺シアムだよ!!」 「ただいまの賭け率は、ギーシュが9に、シエスタが1だよ!!」 と動いている松尾と田沢の姿に、思わずずっこけた。 「あなた達、なにやってんのよーーー! シエスタって、女のメイドなのよ!! こんなことしている暇があったらとっとと止めに入りなさいよ!!」 その台詞に松尾と田沢の動きが止まる。 この二人、決闘と聞いて、二人とも男であると思い込んでいたようだ。 女性に対する思いやりだけは人一倍ある二人だ。 慌ててとめようと人垣をかき分けていった。 ルイズと飛燕もそれに続く。 ようやく最前列にたどり着いた四人であった。 思わず止めようとする三人を飛燕が止める。 「彼女の目は戦士の目です。 今止めるのは、彼女に対する侮辱になりますよ。」 どういう意味よ!と食って掛かったルイズだが、試合を見て驚いた。 「諸君、決闘だ!!」 ギーシュがそう宣言すると広場が盛り上がる。 中には、貴族に決闘を申し込んだ、勇気ある平民のメイドを応援する声もある。 そうしてギーシュが名乗りをあげて青銅のゴーレムを召喚した。 どうやら準備が整ったようだ。 ならば自分も名乗りをあげよう。 「大豪院流、大豪院シエスタ!」 その名乗りを聞いた瞬間、ルイズの使い魔たちの、正確には見物に来ていた男塾の一号生たちの動きが止まった。 その名前は彼らにはあまりにも縁が深すぎた。 そう、かつて男塾の帝王と呼ばれていた男、大豪院邪鬼のことである。 一見すると、シエスタと名乗った少女と邪鬼には共通するところはない。 しかし、良く見ると、その目にたたえた不屈の光は、まさしく大豪院邪鬼のそれであるのだ。 シエスタは、今は亡き祖父のことを思い出していた。 このハルケギニアの水が合わなかったのか、祖父である大豪院邪鬼の子供達に拳才のある者はいなかった。 その孫でも、かろうじてシエスタだけが、大豪院流を修めるのに必要な素質を持っていただけだ。 (もっとも、シエスタ自身は自分に才能があるなどとは思っていないが) 幼いながらにも、厳しかった祖父。拳において孤独であった祖父。 少なくともこのハルケギニアには、祖父の願いを満たしてくれる者はいなかった。 シエスタがこの祖父の訓練に耐え、まがりなりにも戦えるようになったのは、 この祖父の孤独を癒したかったからだ。 シエスタが技を一つ覚えるたびに、優しく頭をなでてくれたその感触は、今も色あせることはない。 祖父が亡くなったあとも修練を欠かさなかった。 それは、技を通して自分の中に祖父が生きているのを感じることができたからだ。 ルイズは驚いていた。 シエスタが何かやっているのは知っていたが、一体とはいえ、ギーシュのゴーレムと互角に戦うとは思ってもいなかった。 それは、ギーシュも同様のようだ。 思わぬ展開に焦ったギーシュは、形振り構わずに全てのゴーレムを投入した。 寡兵になってしまったシエスタはジリジリと押されていく。 一撃、また一撃とダメージが体に蓄積されていくのが分かる。 しかし、反撃する余裕はまったくない。 それほど、このゴーレムの連撃は激しさを増していたのだ!! ほとんど実戦経験のないシエスタにとっては、捌ききれないのもむりのないことだろう。 一度後ろに飛んで距離をとる。 そうして大きく息を吸うと突撃を敢行した。 その速さにシエスタを見失い、一瞬パニック状態になったギーシュは思わず前にこけてしまった。 しかし、それが当たった。 その一瞬後、ギーシュの頭上をシエスタの飛び蹴りが抜けていったのだ。 思わぬ展開に驚くギーシュとシエスタ。 立ち直ったのはギーシュの方が早かったのだ。 ゴーレムの一撃が、ついに彼女に致命的な一撃を刻む。 (肋骨が折られた!) 思わず前のめりになってしまったところに、左から拳が飛んできた。 何とか左手で受けるも、ついに折れてしまった。 そこにもう一体のゴーレムのタックルをくらい、大きく後ろへと吹っ飛んだ。 ヴェストリの広場は静まり返っていた。 観客とて、可愛い女の子がボロボロになるのを見たくはないのだ。 しかし、ギーシュに自分から止めるような余裕はない。 先ほど自分をかすった蹴りの音を覚えているのだ。 凄まじい音だった、アレがもし当たっていたら、自分は生きてはいまい。 そう思えるほどの音だったのだ。 そう、ギーシュは一種の恐慌状態だったのだ。 それに…… ギーシュはちらりとシエスタの方を見やった。 シエスタは立っていた。 ボロボロになり、目に光はない。 それでも立っていたのだ。 その光景にルイズは泣きそうになるのをこらえる。 シエスタは、自分の名誉のためにも戦ったのだ。 ならば、ここで自分が引いてどうする。次は自分が仇を討つ番だ。 そう考えたルイズは一歩前に出ようとして、松尾に道をふさがれた。 松尾だけではない。 ルイズが呼んだ男塾一号生、その全員がそこに立っていたのだ。 「それでは、この不肖、松尾鯛雄、エールを切らせてもらいます。」 「フレー!フレー!シエスタ! フレー!フレー!大豪院!」 それはまさしく天を突くかのような豪声であった。 全員の息が完璧に合わさった、応援であった。 いつの間にかルイズも一緒になって声を出していた。 男塾名物大鐘援である。 その声にシエスタは意識を取り戻した。 これほどの思いを込めて自分を応援してくれている人が、いるのが不思議で仕方がない。 その中にはルイズの姿もあった。泣きながら声を震わせていた。 ふと、シエスタは祖父から聞かせてもらった話を思い出していた。 (そっかぁ。これが大鐘援かぁ。) 体の奥から力が沸いてくるのを感じる。 否!これ程の応援を受けて力を振り絞れないなら女がすたる! そうして、シエスタは、いまだ成功したことのない技の体制に入った。 いかに力が沸いてくるとはいえ、既に体は限界を超えている。 ならば、あと一撃で決めるには、この技しかない。 成功している、していないは関係ない。 シエスタの脳裏には、最後にこの技で天に帰った祖父の、神々しい姿が思い浮かんでいた。 そのシエスタの様子に不吉なものを感じていたギーシュは、慌てて自分の前にゴーレムを全て固めた。 七人のゴーレムによる完全防御隊形だ! たとえ、トライアングルクラスの一撃であろうとしのげる自身がある! それに、 チラッとシエスタの様子を冷静に観察したギーシュは結論を下した。 (これをしのげば僕の勝ちだ!) シエスタの時間がゆっくりと流れる。 その中で、シエスタは、己の中でうねる気を、生まれて初めて感じていた。 あとは、この気を、全身全霊を込めて放つだけ!! シエスタは叫んだ! 「大豪院流奥義 真空殲風衝!!」 その風は全てを吹き飛ばす。 メイジたちは見た。 何も魔法を使えないはずの少女の一撃が、七人のゴーレムを打ち砕き、 そしてついにはギーシュの手の杖までも打ち砕いたのを。 「私の勝ちですね。」 「……ああ、僕の負けだ。」 そして歓声が上がった。 男達の使い魔 第3話 完 NGシーン 雷電「こ、この術はまさか!」 虎丸「知っているのか雷電!」 雷電「これぞまさしく、中国において古代より伝わる豪檸無!」 一般にゴーレムとは、土や鋼などで作られた戦闘用の人形のことをさす。 しかし、この起源が中国であることをしるものはほとんどいない。 周の時代、豪檸無(ごうれむ)将軍はある難題にぶち当たっていた。 一万人の人間にわずか100人の人間で立ち向かえ、と言われたのだ。 常識で考えてはとても無理であると判断した豪檸無将軍はある術方を使った。 土で人形を作り、そこに兵士達の名前を刻んだのだ。 すると不思議なことに、その人形達はまるで生きているかのように戦ったのだ。 なお、この豪檸無将軍は、生涯この秘術については口を閉ざしていたが、 このエピソード自体は有名となり、古代ギリシアやハルケギニアに伝わり、 ゴーレムとなったのは、実に興味深い話である。 民明書房刊「人形の歴史」(平賀才人著)
https://w.atwiki.jp/borderbreakss/pages/18.html
ナルシー「どーもー。EUST(ユースト)のナルシーです。 お嬢「同じくEUST(ユースト)のお嬢ですわ。 ナルシー・お嬢「二人あわせて、ビューティー・ブレイカーズでーす! ナルシー「秋も深まり、涼しくなってきましたね。 お嬢「ええ、ブラストランナー乗ったままブロア河で泳ぐにはちょっと寒い季節ですわ。 ナルシー「一年中泳げません!ゴッグとは違うのですよ!ゴッグとは! それはそうと、秋といえば食欲の秋ですよ。 きのこや果物、お魚まで何でも美味しくなる季節…。んーでも、ワタシ達の ダイエットには天敵とも呼べますけどね…。 お嬢「そうだわ!ミリメシ・ダイエットとか売り出したら流行らないかしら? 一口で食欲が無くなるアメリカ製MREとか、横流ししてもらって。 ナルシー「無理だと思います…、エチオピア人さえ拒否するくらいですから…。 というか貴女、いつも美味しいもの食べてそうだけど、この秋のお勧めとか無いの? お嬢「そうね…お魚なら、ブロア河の鮭とかお勧めですわ。ニュードの毒素をたっぷり吸って 鱗が黄緑色をしていたり、頭が2つあったりしますの。 ナルシー「それ、某国の"七色の河"に居そうで怖いですから!他に無いの?! お嬢「じゃあ、焼き芋など。 ナルシー「以外に庶民的なんですね。 お嬢「自コア付近の丘から動かない芋スナイパーをギガノトで焼き尽くしますの。 大概一発で灰になりますわ。 ナルシー「食べ物でもなんでもないどころか、その芋は芋虫の芋ですよ! お嬢「あら、残念ですわ…。もっと過激な芋スナイパーいじめの話もありますのに。 ナルシー「もうお腹一杯です!話題を変えましょう!次はスポーツの秋ということで! ナルシー「"熱血"さんなんかは、軍の大運動会に向けて日々体力作りしてるみたいですよ。 お嬢「ブラストランナーに乗っての競技もあるのよね? ナルシー「ブラストランナーの正確な操縦テクニックは、今や軍にとって欠かせない ものですからね。 競技種目はまだスカービ渓谷障害物競走と射撃くらいしかないですが。 お嬢「射撃って…逃げ回る芋スナイパーをガンターレットで撃ち抜いたりするんですの? ナルシー「どうしてそっち方面に行くんですか…。普通の的(まと)ですよ! お嬢「それは物足りないですわね…。第一、競技が二種目とか寂しい限りですわ…。 そうね、Aプラントのカタパルトからブロア河への高飛び込みとか追加したらどうかしら? ナルシー「ブロア河入水(じゅすい)ネタはもう十分ですっ! お嬢「じゃあブロア河1.5km遠泳を含むトライアスロンとかも駄目ですの? ナルシー「やめなさい!わたしは味方ですよ! お嬢「41型強化手榴弾による玉入れ…。 ナルシー「数える前に会場は大惨事ですっ! もう!オペ子さーん、お嬢の貢献ポイント全部持ってってくださーい!! ナルシー・お嬢「どうもありがとうございましたー!
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1233.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第三話:魔弾の射手(前編) 「嘘っ!?」 打ち出された砲弾は重力に引かれ落下する。 ゆえに、よほどの至近距離でもない限り、砲弾は狙った場所よりも下に着弾する事になる。 それを命中させるためには、精密な弾道計算が必要になる為、神姫による得手不得手がはっきりと出るのだ。 しかし、この場合、この砲撃手に限って言えば、重力すら武器にしていると言えるだろう。 「こちらの動きが読まれてる!?」 “落下してきた砲弾”の雨に打たれ、隠れていた岩山から飛び出すアーンヴァル・フェータ。 一度や二度なら偶然で済ませられるが三度、四度と続けばそれは必然だ。 この相手には遮蔽物など物の役に立たない。 そう判断しても迂闊に高度を上げて索敵をする気にはなれなかった。 そもそも、飛行中に下からの狙撃を受けたから、身を隠すために高度を下げたのだ。 高度を上げ、敵の位置を確認し、そこに飛び込んで切り捨てるまで、一体何発狙撃を受けるのだろう。 そう考えると戦局は絶望的。 フェータは未だ、敵の姿すら目にしてはいないのだ。 「何とかして敵の位置を割り出さないと……」 今判っているのは、砲撃が飛んでくる大体の方角のみ。 敵は斜め上に向けて砲撃をしている筈なので、必ずしも開けた場所に居るとは限らない。 谷底にでも居られたらまず発見できないだろう。 先週の一件で、根幹部分の修理を受けたフェータは、今ではカタナ以外の装備も扱えるが、やはりメインは抜刀による一撃だ。 近付きさえすれば、極々一部の神姫以外は一瞬で粉砕してのける自信がある。 だが、この敵は圧倒的なアーンヴァルの速度を持ってしても接近が容易ではない。 返す返すも敵の位置が分からないのが致命的だった。 「くっ!!」 背後で着弾。 爆風に押されるように谷底を進むフェータ。 上空で落下してくる砲弾、連続で4。 今居る場所と、さっきまで居た場所を狙っている。 更に進んで砲撃をかわし、次の砲弾を目視で発見。 避せる場所を探しだし、慌ててそこに飛び込んだ。 こんな逆もぐらたたきみたいな真似、何時までも繰り返せる事ではない。 そう考えて周囲を見回し失策に気付く。 「しまった!!」 目の前には見上げるような崖。 右も左も崖。 今通ってきた背後と、今居るこの場所に向って落ちてくる砲弾。 逃げ場は。 無かった。 「あ~もう何なのよアレ!! どうなってる訳!?」 ゲシゲシと壁を蹴って暴れる伊籐美空。 フェータのオーナーである彼女はフェータの敗北にご立腹だった。 もちろんフェータに非が無いのは分かっている。 だから怒りをぶつけるのは敵側の神姫になるのだが、その姿さえ分からなくてはどうしようもない。 「けちょんけちょんだったね」 「うるさ~いっ!!」 現れるなり余計な事を言う少年を壁代わりに蹴飛ばす。 「痛てっ!! 何すんだよ!?」 脛を押さえて飛び跳ねる少年、島田祐一。 先週戦い、今はフェータの専属メカニックに無理矢理指名した相手だった。 「大体、なんで見えてない相手を狙えるのよ!! 何かズルしてるんじゃないの!?」 「そりゃ、見えてたんじゃないのかな?」 祐一が事も無げに言うのは、美空に数倍する戦闘経験によるものだろう。 「どういう事?」 「さっきの戦闘。場外モニターの記録ならあるけど、見る?」 「………………」 祐一が手にしたノートパソコンを訝しげに見る美空。 祐一と違い、美空は機械に弱い。 当然、戦闘後にその記録を分析するような習慣も無かった。 「アイゼン」 「ん」 自らの神姫に呼びかける祐一。 彼の神姫、タイプストラーフ・アイゼンは手馴れた手つきでUSBケーブルを挿し込み、自らとノートパソコンを接続する。 そのまま画像ファイルを呼び出し並べてゆく様に淀みは一切無い。 「ねぇ、フェータ。あんたにもああいう事、できる訳?」 「れ、練習すれば何時かは……。―――出来るといいなぁって思います」 道のりは、かなり遠そうだった。 「出たよ」 「ありがとう、アイゼン。………ほら、ここ」 アイゼンがディスクトップに拡げた画像を、祐一が指で指し示す。 そこにはかなりの望遠だが一体の神姫が映っていた。 「ハウリン、ですか……?」 てっきり砲撃と言う戦法から、砲戦型のフォートブラッグだとばかり思っていたフェータが驚愕を顔に出す。 と、すればあの砲撃はハウリンタイプが誇る重砲、吠莱壱式によるものなのだろう。 「フルカスタムのハウリンだね。基本はヴァッフェバニーの装備みたい。バックパックに吠莱壱式を二門装備して、手にはツガルのスナイパーライフル」 「あの曲射砲撃で敵を焙り出してスナイパーライフルで狙撃。ですか……」 「うん、弾道計算もさることながら、あの砲撃の秘密はこれかな?」 そう言って画面の隅を指差す祐一。 「なに、これ?」 よく見れば、美空の眼にも何かが浮かんでいるのが見えた。 「ぷちマスィーンズ。ハウリン、マオチャオの自立型支援兵器って位置付けだけど、火力が低すぎてお遊びアイテムになっちゃった奴だね」 ぷちマスィーンズ。 ハウリン、マオチャオの特徴的な装備として挙げられる浮遊型の支援ユニットだが、浮遊の為に小型化した事が逆に災いし神姫相手の火力が不足してしまうという欠点を持っていた。 その上最大四機のユニットを制御する為に本体側にも少なからぬ負担を強いるとあって、使い勝手を見出せず使用を断念したオーナーも多い。 使いこなす為には、低い火力を補うだけの本体、ユニット間の連携が必須で、その習得難易度を考えれば、多くのオーナーがより安易で確実な射撃や格闘に傾倒してしまうのも無理からぬ事と言えるだろう。 「でも考えたね。支援兵器の火力を全く当てにせず、着弾観測にのみ使用して姿を見せずに勝つ。言うのは簡単だけど実際に習得するには物凄い量のシミュレーションとプログラム補正を繰り返したんだろうね……」 まだ見ぬ対戦相手に畏敬の念を込めて祐一が呟く。 一方の美空といえば……。 「つまり、先にこいつ等を破壊しちゃえばおっけー、って事ね?」 単純に結論付けていたりする。 「ま、それはそうなんだけど。簡単な事じゃないと思うよ? 砲撃の雨の中、何処に潜んでいるかも分からない小型メカを探すって言うのは……」 「……大丈夫!! …………よね?」 力なく尋ねる美空に、無言でふるふると首を振るフェータ。 「少なくとも、銃器の一つでも買ってやった方が良いんじゃないか?」 「う~ん、と言っても何を選べば良いのか……」 「そこはほら、本人に聞いてみるとか……?」 そう言って祐一は、期待に目を輝かせているフェータを見た。 「す、好きなものを買って下さるのですかぁ!?」 多くの神姫がそうであるように、彼女もオプションが増えるのは嬉しいのだろう。 生真面目なフェータの初めてのおねだりに怯む美空。 この時点で勝負は決まったような物だった。 「良いわよ。何か買ってあげる……」 「ホントですかぁ?」 わーい、と普段の真面目さは何処へやら無邪気に喜ぶフェータ。 パートナーの新たな一面を目に困惑する美空。 それを見て、ほんとに飽きないなと思う祐一だった。 「ただいまー」 「ただいまです」 「あ、お帰りアイちゃん、ついでに祐一」 「弟後かよ」 家に帰ると姉、島田雅が待っていた。 なにやら妙に上機嫌だが、わりと何時もの事である。 「そんなことより聞いてよ、聞いてよ、聞いてよぉ~っ」 「そんな事……」 「あのね、あのね。神姫買っちゃった」 「え、姉さんが!?」 「何よ、文句でもあるの?」 「神姫って精密機械なんだよ!? メンテナンスとかしなきゃだめなんだよ!? 乱暴に扱ったら壊れるんだよ!?」 「まるであたしが直ぐ壊すみたいな言い方しないでよ」 「車買って、その日のうちに壊したの何処の誰だよ!?」 「あれは……、きっと根性が無かったのよ」 「神姫相手にも、その言い訳が通用するとでも?」 「そこは大丈夫、根性ありそうなの見繕って来たから」 ちなみに神姫の“個性”が出るのは購入後である。 「じゃーんハウリンのセタちゃんでーす」 「セタです。よろしくお願いいたします」 ペコリとお辞儀するハウリン、セタ。 「………………」 「………………」 ハウリン型の素体にヴァッフェバニーの装備。バックパックには吠莱壱式が二門と背面の指令型ぷちマスィーンズ。 「今日早速バトルロイヤルに参加させたらな~んと優勝。いやーお姉ちゃんびっくりだわぁ~」 「何だろ、さっき下した評価を全部覆したくなるこの心境は……」 「マスター、この事が美空にばれると、きっと面倒な事になる……」 「うん。黙ってようね」 丁度その時ピンポーンと、玄関のチャイムが鳴り響く。 玄関で話し込んでいたため、直ぐそこにドアがあった。 だから、祐一は何も考えずにそれを開ける。 ぶっちゃけ、考える気力を失っていた……。 「あのさ、祐一。これ使い方分からないんだけど?」 唐突に出現した美空を見て祐一が発した言葉は。 「……勘弁してくれ」 であった。 もちろん、その直後に美空キックで撃沈されたのは言うまでも無い。 「いいわよ。受けて立ちます」 「それじゃあ対戦の日にちは……」 「今週の日曜でどう? 3日後ね」 「それでいいわ」 短気なもの同士話が早い。 あっという間に対戦の日取りが決定した。 「……って事で、セタに勝つにはどうしたらいいか、対策会議を始めます」 美空がそう言ったのは他ならぬ祐一の部屋。 何ていうか、年頃の女の子を自室に上げるアレやこれなイベントが全部すっぽかしである。 そもそも住所教えた覚えも無いのだが、その事を聞いてもろくな答えは返って来そうに無いので聞かない事にした。 「さあ、意見を述べよ」 おまけに命令形である。 はぁー、と溜息一つ吐くが答えないときっと暴れだす。 猛獣を相手にした調教師の気分で祐一は口を開いた。 「だいたい。対策会議も何も、ぷちマスィーンズ叩き落して砲撃を封じるしかないだろ」 「だから、それを効率よく行う方法よ」 「……ん。……そうだな……。ぷちマスィーンズ自体は機動性も装甲も大した事無いから、見つけさえすればなんとでもなるだろ」 「でもちっこいのよね? どれ位の大きさなの?」 「神姫の頭部程度のサイズ」 答えたアイゼンは胸の前で手を広げる。 大体神姫の頭部が挟まる位の大きさだった。 「確かに見つけるのは面倒そうね……」 ん~、と考え込む美空。 やがてポン、と一つ手を打ってフェータに問う。 「あ、そうだ。フェータもぷちマスィーンズ使うってのはどうよ?」 「そりゃ、司令ユニットを本体に接続すれば、アーンヴァルでも使えるだろうけど……」 「え、司令ユニットが本体についてるの?」 「まあ、リモコンみたいな物だな……」 「じゃあ、本体を叩けばいいだけじゃない?」 「それが出来ないから負けたんだろ、お前は……」 「あ、そっか」 「話を戻せば。ぷちマスィーンズは結構扱いが難しいんで、別の方法考えた方が良いと思うぞ?」 「じゃあさ、こういうのはどうかな?」 そう言って美空はぴっ、と指を一本立てた。 第四話:魔弾の射手(後編)につづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る
https://w.atwiki.jp/hamiyalog/pages/81.html
フィア 22 00 とりあえず場所と時はどうするかね GM高梨千里 22 00 では第一回☆ 子犬卓CCはじめましょう! 基本的に第3話前の宿にしたいと思うのですが、いかがでしょうか フィア 22 01 そうすね、その時点が一番今の感覚に近くて自由が効きそう ノクス 22 02 記憶が遠いなw あとノクスに関しては3話でちょいちょい親交あがってるからその前かー ルセリナ 22 02 多少記憶が混合しても、パラレルということで ごまかしてしまいましょう( GM高梨千里 22 02 そういうことですね ウィル 22 02 はーい TOPIC 第一回 子犬卓CC GM高梨千里 22 03 タイトルも変えてみた(終わったら戻します) ということで、第3話らへんのパピーズテイル(時間の神様の影響で本編のことも反映可能)と いうことで。 フィア 22 04 不思議な時空のお話 まあ、本編関係しない遊びですし、一旦時系列は気にしないで行こう GM高梨千里 22 05 ですね! フィア 22 06 じゃあ、俺から入場しようかね GM高梨千里 22 06 昼近くの時間、という感じでしょうかね。遅めの朝ごはんか早めの朝ごはんにいい時間くらい フィア 22 06 「おはよー……っす」 昨日夜更かししたんでいつもよりだいぶ遅く起きてくるよ GM高梨千里 22 06 【リュシア】「おはよう。よく眠れたかしら」 フィア 22 07 「まあよく寝たっちゃ寝たっすね…… 今何時?」 GM高梨千里 22 07 【リュシア】「10時半ね。ずいぶん夜更かししてたみたいだけど、ご飯どうする?」 本日のランチメニュー:たまごとツナの特製サンドイッチorはちみつたっぷりフレンチトーストorカレーホットサンド ルセリナ 22 08 朝はともかく 昼……はどう過ごしているやら ウィル 22 08 「……ぬぁ」のっそりと起きてきます フィア 22 09 「んー…… いや、昼過ぎてからにしときますわ。今食うと、半端な時間に腹減っちまいそうだし」 と言いつつ、周りの様子を伺うけど…… GM高梨千里 22 09 本日のスープ:ミネストローネorオニオンスープorコーンスープ フィア 22 09 そういえばGM、俺ら店主の旦那さん見たことあるんですかね というか存在を知っているのかな GM高梨千里 22 09 リュシアがときどきしている指輪から、夫がいることは知っていますが、どんな人なのかは知りませんね フィア 22 11 「おう、おはよう。……何だ、お前も夜更かしか?」 起きてきたウィルに挨拶しとく ノクス 22 11 3話前か……。じゃあ、3話後のつもりだったRPを入れておくかな。俺は店にはいないということで。 GM高梨千里 22 11 いいですよー ウィル 22 11 「……ねむれなかっただけだ」ぽけ~ ノクス 22 11 早朝訓練を終えて、ルセリナと朝食をとって、その後また出ていきました。 GM高梨千里 22 12 【リュシア】「あら、ウィリアムくんおはよう。コーヒーいるかしら? 今日は美味しいはちみつが手に入ったのよ」 【リュシア】「ウインナハニーオレ、どう?」 ウィル 22 12 「もらう……」テーブルに着いてそのままテーブルの上に広がる GM高梨千里 22 13 ウインナハニーオレ:カフェオレにはちみつをたっぷり入れて、生クリームを盛りつけその上にまたはちみつをかける。ウィル特注メニュー。 【リュシア】「はい、どうぞ」 ※砂糖の消費量に頭をいためたリュシアが考えた苦肉の策である フィア 22 14 「……そういや、リュシアさんて旦那さん居るんすよね? 俺らお会いしたこと無い気がするんスけど、店に住まいがあるわけじゃないんすか?」 GM高梨千里 22 14 【リュシア】「ええ、あの人は神殿で療養してるのよ。私もしばらく会ってないわねぇ」 くすくす、と笑いつつ。 この時のために作ったキャラシを貼るっと http //cdice.sakura.ne.jp/sw2_cs/data/marslun.html フィア 22 17 高レベルバードか。ラブソング覚えてないのが良心だな…… GM高梨千里 22 17 しかし声が出ない ウィル 22 17 oh GM高梨千里 22 17 よって引退しました。仕方ないね フィア 22 18 「あれ、神殿でってことは…… ご病気だったりするんですか?」 気まずい話題になってしまったが、話を始めた手前ここで切るのもなんだ。続けよう。 ウィル 22 18 我関せずでウニオレを啜る GM高梨千里 22 18 【リュシア】「それがねえ、急に声が出なくなっちゃったのよ。100年くらい前は売れっ子だったんだけどねぇ」 【リュシア】「神殿にもどうしようもないって言われてるんだけど、一応ね」 【リュシア】「病気じゃないわよ、精神的なものみたい。呪いとかでもないわよ」 フィア 22 20 「……100年すか。そりゃまた……」 人の人生分ぐらいの間、不自由な生活をしてるのか。正直想像がつかん。 GM高梨千里 22 20 【リュシア】「やだ、そんな顔しないで! 本人は『まあ100年後には出るだろう』みたいに思ってるのよ」 【リュシア】「私が生きてるうちにもう一回、あの歌声を聞かせてもらいたいけどね」 ウィル 22 23 「……そいつの名前はなんという?」 フィア 22 23 「あー、そんな顔してましたかね。すんません…… ってことは、宿の経営は全部リュシアさんに任されてる感じすか?」 GM高梨千里 22 23 【リュシア】「天の駒鳥、マルスラン。結婚したことは公表してないっていってたかしら」 【リュシア】「そうね、今のところは。一応雑用くんはいるのよ?」 ウィル 22 24 ……何度めかの前世で知っててもいいかな? GM高梨千里 22 24 いいですよ フィア 22 24 というか、まず存在を知っているか見識してみては? GM高梨千里 22 24 そうですね、では見識7でどうぞ ウィル 22 24 2d+3+4 GM高梨千里 22 25 あれ、ダイスが落ちている というかここは振れないのか ウィル 22 25 ……ダイスいない? GM高梨千里 22 25 表でどうぞ! フィア 22 25 意外と知ってた ウィル 22 25 知ってた GM高梨千里 22 26 天の駒鳥 マルスラン かつて、アステリアに愛された歌い手として愛された吟遊詩人です フィア 22 26 「天の駒鳥! へえ、俺でも知ってる名前ですよ」 歌を封じたミュージックシェルでも出回ってたか、カバーされてたか。 GM高梨千里 22 26 もっとも、100年近く前に謎の引退を遂げ、ファンが泣き過ぎで神殿に運ばれたとか。 ウィル 22 27 「そうですか彼の声が出なくなったのですか……」小声でポツリと (はみ出る前世 フィア 22 27 何代前だろ GM高梨千里 22 28 【リュシア】「あら、知ってるの? 嬉しいわねぇ」(頬を染めて笑う) ウィル 22 28 1d10 五代前 GM高梨千里 22 30 【リュシア】「ウィルくんにも知ってもらえてるなんて、きっとあの人も喜ぶわね。顔には出ないだろうけど」 ウィル 22 31 「……"俺"は知らんぞ」 GM高梨千里 22 31 【リュシア】「あら、そうね。 フィア 22 32 「雑用が居ることも知らんかったな…… そういや、今更な話ではあるんすけど。何でまた、リュシアさんはノクスをあんなすんなり受け入れられてたんすか?」 GM高梨千里 22 32 【リュシア】「そうねえ……」 【リュシア】「私、一応ドレイク嫌いなのよ? 表には出さないけどね」 ウィル 22 33 ほう GM高梨千里 22 33 【リュシア】「でも、あの子……ノクスくんは、何か、どこか違うのよね」 フィア 22 34 「……なんとまあ」 初対面のあの対応で? と驚愕してるかな GM高梨千里 22 34 【リュシア】「やだ、これでも300年生きてるのよ? 面の皮なんていくらでも厚くなるわ」 フィア 22 35 「まあ、俺らが知ってるドレイクとは違うってのは、それなりに分かっては来ましたけども。にしても、初対面でもう『違う』って分かってたんすか?」 GM高梨千里 22 36 【リュシア】「ふふ、だってルセリナちゃんが、あんなに心を許しているんだもの」 【リュシア】「あの子、あれでもけっこう警戒心が強いのよ。人の心を汲み取るのが上手だから」 ウィル 22 37 ほーと思いながら無言のお代わり要求 GM高梨千里 22 38 【リュシア】「でも、ルセリナちゃんったら、これは私のものなんだからさわらないでくださいとばかりに引っ付いてたでしょう?」といいながらはちみつでライオンさん描いてやる ウィル 22 38 書かなくていいです GM高梨千里 22 38 すすすす、と描いて、ついでにメガネも描いて、ウィリアムの前にコトン、と ウィル 22 39 「…… (プルプル」 フィア 22 39 「ああ、成る程。ルセリナとの付き合いから、って事すか」 GM高梨千里 22 40 【リュシア】「なにせ、あの子が生まれてすぐからのお付き合いだもの。ふふ」 フィア 22 41 「そういうことなら分からなくも無いすけど、初対面のドレイク相手にそこまで自分の勘を信じられるってのは、と……」 しのこう、と言いそうになってギリギリブレーキを踏んだ。 GM高梨千里 22 41 【リュシア】「ん?^^」 フィア 22 41 「^^;」 ウィル 22 41 「長生きはするものか」ずずー フィア 22 41 「と、特別艦が働くんだなー、って」 GM高梨千里 22 41 【リュシア】「まあね……それにね。目が違うのよ」 フィア 22 42 勘ね GM高梨千里 22 42 【リュシア】「ドレイクとしては若いほうでしょう、あの子。なのに、随分とまあ、複雑な目をしてたわ」 【リュシア】「きっと、何かあったんでしょうね」 フィア 22 43 「若い方……なのか?」 雲の上の話しすぎて若いかどうかなんぞ分からんな。 GM高梨千里 22 44 【リュシア】「ドレイクは私達エルフの倍は生きるわよ?」 たぶん フィア 22 44 「ああ、そりゃ……まあ、色々あったんでしょうね。人族の街で暮らしてるぐらいですし」 そうもなるだろうな、と思うけど。勝手に吹聴して良いものではないと思い直してお茶を濁す。 GM高梨千里 22 45 【リュシア】「結果として、あなたたちがこうしてパーティを組んで、やれてるってことは、あの時の判断は間違ってなかったんでしょうね」 【リュシア】「ウィルくん、次は何がいい? お菊さんでも描いてあげましょうか」 フィア 22 46 「その辺りは感謝してますよ。最初はまあ、蛮族に神官に仏頂面に、どうなることかと思ったもんですけど」 GM高梨千里 22 46 【リュシア】「ウィルくんは私がスカウトしたのよねえ、懐かしいわあ」 ウィル 22 46 「もう目が覚めた、腹に溜まるものがいい」 GM高梨千里 22 47 【リュシア】「そうね、何がいい?」 ウィル 22 47 「……パン」 GM高梨千里 22 47 本日のランチメニュー:たまごとツナの特製サンドイッチorはちみつたっぷりフレンチトーストorカレーホットサンド よいしょっと メニューを取り出しますね ウィル 22 48 「……カレー」 GM高梨千里 22 48 【リュシア】「わかったわ。ちょっと待っててね」 フィア 22 48 「……お前、辛いもの食うの?」 ウィル 22 49 「人を糖分狂いみたいに扱うな……それなりに食べる」 GM高梨千里 22 49 リュシアは鼻歌を歌いながらホットサンドを作ってますね ウィル 22 50 「というか、他の奴等はどこにいった?」 フィア 22 50 「普段の食生活見直してから言えよ…… 普通のヤツは下がザリザリするまで砂糖入れねーぞ」 舌が、だった ウィル 22 50 「コーヒーが苦いのが悪い」 きっぱり GM高梨千里 22 51 【リュシア】「ルセリナちゃんとマテルちゃんはそれぞれ神殿のお手伝いよ。ノクスくんはそのうち帰ってくるでしょうし」 【リュシア】「マテルちゃんは向こうでお昼、食べてくるって言ってたわ」 フィア 22 51 「なら何でコーヒー飲むんだ……」 ウィル 22 51 「……そうか (´・ω・`)」遊び道具がいなくて寂しい顔 「目が覚めるから」 GM高梨千里 22 52 【リュシア】「ふふ、随分仲良くなったのねぇ」(微笑ましそうに フィア 22 52 「……マテルとルセリナが神殿ってのはわかるとしても、ノクスって何やってんだろうな? まさか神殿に勤めてるわけじゃねーだろうし」 GM高梨千里 22 52 【リュシア】「うーん、そうねえ。まあ、自由時間だし、詮索してもねえ」 【リュシア】「これでよし、っと。はい、できたわよ」(そこには可愛いお花柄のホットサンドが) ウィル 22 53 「……全員こんな柄か、このパン」 GM高梨千里 22 54 【リュシア】「色々あるわよ? お花でしょ、うさぎさでしょ、それに……」 ん抜けた 上がるのは乙女趣味なのです リュシアさんは可愛い物が好き そしてパーティのメンバーはみんな可愛いと思っている ウィル 22 56 「……」 (ー_ー)な顔で食べます 「……辛い」涙目 GM高梨千里 22 56 ノクス以外はたぶん、年の離れた子供を見ている感覚に誓い 【リュシア】「あらあら、大丈夫? オレのお替わりいる?」 ウィル 22 57 「……要らん」しかし涙目である GM高梨千里 22 57 【リュシア】「じゃあ、はい、お水どうぞ」 っ冷たいお水 フィア 22 57 「……流石にそれに砂糖はぶち込まないよな?」 ウィル 22 58 一気に飲み干す GM高梨千里 22 58 【リュシア】「はい、ピッチャーね」 ウィル 22 58 「ふぅ……ぶちこむのは朝はコーヒーだけだ」 GM高梨千里 22 59 【リュシア】「ふふ、ウィルくんが一日いると、お砂糖の袋が2つなくなるのよねえ」 さて、そろそろお昼近いころでしょうか。 ウィル 22 59 「……昔は五袋遣ったが歳かな」 フィア 23 00 「医者の不摂生っつーか…… 子供に絶対真似さしちゃいけない生活してるよな、お前」 GM高梨千里 23 00 【リュシア】「あら、じゃあ作戦は効いてるのねえ」(にこにこ) ウィル 23 00 「反面教師という奴だよ」 (* ̄ー ̄)どや GM高梨千里 23 01 【リュシア】「さて、そろそろお昼ね。フィアースくん、改めて何食べる?」 ウィル 23 01 「作戦……?」 GM高梨千里 23 01 【リュシア】「ふふ」 「本日のランチメニュー:たまごとツナの特製サンドイッチorはちみつたっぷりフレンチトーストorカレーホットサンド」 を差し出す ちなみにGMが食べたいものトップ3 フィア 23 02 「あー……そうすね。 じゃあ、卵とツナのサンドイッチで。2人前頼んます」 GM高梨千里 23 02 【リュシア】「はーい。今日はいい卵が入ったのよ、きっと美味しいわ」 ウィル 23 03 「若いからよく食べるな……」 フィア 23 04 「朝抜いたからなー。まあ、後で腹ごなしに走りこむか」 GM高梨千里 23 04 ささっと作って出してくれました。サンドイッチは早い。 ウィル 23 04 「走りすぎて吐くなよ」 フィア 23 05 「あ、ども。いただきます。……食ってすぐ走るわけじゃねーし、大丈夫だよ。お前も来るか?」 ウィル 23 05 「やだ」 GM高梨千里 23 06 【リュシア】「体力づくり、大事よ? ウィルくん」 フィア 23 06 「そうそう、いざというとき動けるようにしといたほうが良いと思うけどな」 ウィル、生命力低いし…… ウィル 23 07 「老い先短い身だ、好きにさせろ」 GM高梨千里 23 07 【リュシア】「やだ、老い先短いから健康に、図太く、賢く生きるんじゃないの。ねえ?」 【リュシア】「うちの長老様なんか、470歳なのに奥様が68人もいるのよ?」(今作った設定) ウィル 23 09 「どれだけ健康でいても強制的に落とされる。別に俺がどうなろうがお前たちには関係ないだろう」 GM高梨千里 23 09 【リュシア】「寂しいこと言うわねえ。私はあなたのこと、やしゃ孫みたいに思ってるのに」 フィア 23 09 「……」 寿命関連の話で返されると、返しに困るな…… GM高梨千里 23 10 ちなみに感覚としては孫の孫の孫くらい フィア 23 11 「……うーむ。ハイマンの寿命と生まれ変わりに関しちゃ、よく知らねえんだけどさ。今生を健康に楽しく生きた方が、来世に持ってく記憶も明るくなるんじゃねーのか?」 ウィル 23 12 「……何故俺が赤の他人の記憶に配慮してやらねばならん」 「もうやめだこの話は……水が不味くなる」飲み干し四杯目 GM高梨千里 23 13 【リュシア】「あらあら、ピッチャーのお水がないわね、取りに行ってくるわ」 そうしてピッチャーを取ってキッチンに引っ込み、水を注いで持ってくる フィア 23 14 「その話に持ってったのはお前だろうに……」 GM高梨千里 23 15 ついでに走り込みに行くフィアースへ、スポドリ的な何かを渡しておこう ウィル 23 15 「知らん」プイッとそっぽ向く GM高梨千里 23 15 水と塩と砂糖とレモンが入ったリュシア特製だよ! フィア 23 15 それは有りがたく受け取っとく。 GM高梨千里 23 16 【リュシア】「ところで二人共、そろそろいい年だと思うんだけど、好きな人とかいないの?」 と突然持っていってみる ウィル 23 17 「はぁ?」 フィア 23 17 「」 ゴフっ、とサンドイッチを喉に詰まらせかけて慌てて水を煽る GM高梨千里 23 17 【リュシア】「最近、冒険者の店のネットワークで、冒険者同士のお見合いの話が出ていてね?」 フィア 23 17 「……と、突然っすね。なんすかいきなり」 GM高梨千里 23 18 【リュシア】「けっこういいお話ももらってるのよねえ、でも、もし好きな人がいたら邪魔しちゃ悪いかと思って」 ウィル 23 19 「断る」 GM高梨千里 23 19 【リュシア】「そうよねえ……ウィルくんならそう言うと思ってたわ」 フィア 23 20 「はあ、そりゃまたなんつーか……」 大きなお世話な、とは口に出さない。 GM高梨千里 23 20 【リュシア】「真面目な話だけど、ちゃんと処理してる? ハイマンの子はみんな、けっこうお盛んだったから心配なのよ」 ウィル 23 20 「……のーこめんと」 フィア 23 20 下世話な話になってきた! GM高梨千里 23 20 【リュシア】「フィアースくんもお年ごろでしょう? ノクスくんはそういうのに興味なさそうだからいいとして……」本人はいたって真面目 【リュシア】「この辺り、歓楽街もけっこう遠いし、部屋の壁も薄い目だから自由にできないもの。申し訳ないと思ってるのよねえ」 フィア 23 22 「あー、いや別にお世話してもらわんでも、テキトーにしてますよ、俺は」 女性からこういう話振られると反応に困るな、マジで GM高梨千里 23 23 【リュシア】「本当に大丈夫? 溜めておくと変に爆発して女の子襲っちゃったり、変な方向に目覚めたりするのよぉ」 ウィル 23 23 「余計なお世話だ!……この宿で寝泊まりする前は実家から通っていた」溜まると実家に帰るもよう フィア 23 23 やたら突っ込んでくるな! ウィルに助けを視線で求めてみる ウィル 23 23 むし フィア 23 23 (´・ω・`) GM高梨千里 23 24 【リュシア】「……夫からそういう手紙が来たから、ちょっと心配になったのよねえ。まあ、処理してるならいいけれど」 フィア 23 24 そういえば、爆発して女の子襲っちゃう時に無駄に役に立つ物が手元にあるな…… ウィル 23 24 ああ、ヒカルがサムズアップしてる…… GM高梨千里 23 26 ロープならみんな持ってるね!(( ウィル 23 26 「……そういえば、こんなもの持ってたな」香水を取り出す GM高梨千里 23 26 【リュシア】「あら、それ? そういえばヒカルちゃんがくれたのよねえ。悪用しちゃだめよ?」 フィア 23 26 「まあ、長旅になるとちょっと困ったりはしますけども…… 流石に、身内がいる場でどうこうしようとは思わんすよ」 GM高梨千里 23 27 【リュシア】「確かに後腐れなく終わるだろうけど、女は一度恋に落ちると怖いわよぉ」 【リュシア】「そう、ならいいけど……というか、身内って思ってくれるのね。嬉しいわ」 ウィル 23 28 「……恐いのは知ってる、経験済だ」無駄に人生経験あるのでね GM高梨千里 23 29 【リュシア】「ふふ! さあ、そろそろ帰ってくる頃かしら?」 フィア 23 29 「まあ、そこそこの期間寝食を共にしてるわけですしね」 GM高梨千里 23 31 【リュシア】「そうねえ」 ウィル 23 33 「で、仕事はあるのか?」 GM高梨千里 23 34 【リュシア】「それが、あなた達に任せられるようなものはないのよねえ。役不足なものばっかり」 ウィル 23 37 「そうか……俺の本業も特にやることがないな……暇だ」ぐでー フィア 23 38 「……あれ?」 そういえば俺だけ副業というか本業的なものがない、と思い至った GM高梨千里 23 38 【リュシア】「そりゃあ、ルキスラの下水道掃除とか、道に出たウルフの討伐とかでもいいならいいけど」 ウィル 23 41 「……暇つぶしにはいいかもな」 GM高梨千里 23 42 【リュシア】「でも、ダメよ。新人くんたちに取っておかなくちゃ。宣伝も考えなくちゃねえ……」 フィア 23 43 「……考えてみたら平時にやることが何もないな」 「ノクスじゃねーけど、鍛錬でもするか、趣味でも作らねーとかなあ」 GM高梨千里 23 45 【リュシア】「そうねえ、冒険者って基本、依頼がないと暇だもの」 ウィル 23 46 「……そういえば人間、金は足りているか?」訳 金貸すから、また往診の時の荷物持ちよろ GM高梨千里 23 47 【リュシア】「鍛錬するなら、いい鍛錬場が有るわ。紹介しましょうか?」 フィア 23 48 「足りてるかって言われりゃ全然足りてないが、借りたいほどじゃない。……別に手伝いが欲しいなら言ってくれりゃ行くぞ? 暇だし」 「あ、そういう場所あるんすか? なら顔出してみますかね。……お前も見るだけ見てみたらどうだ?」 後半はウィルに。 GM高梨千里 23 49 【リュシア】「魔法の鍛錬場もあるわよ? 行ってみない?」 ウィル 23 49 「……まあ、暇だからな。暇つぶしにはちょうどいいか」 GM高梨千里 23 50 【リュシア】「ふふ、じゃあ行きましょうか。私も久しぶりにゴッドフィストの鍛錬しようかしらねえ」準備準備 ということで、鍛錬場に移動しますー ということで、鍛錬場にやってきました 特に細かい設定は決めてないけど ウィル 23 53 「……汗臭い」嫌そうな顔 フィア 23 53 店に「鍛錬場に行ってくる」って書き置きでもしておこう GM高梨千里 23 53 パピーズテイルにはきっと、鍛錬場の場所を記した地図が置いてある 「ここに行ってきます」と書かれている フィア 23 55 「へぇ…… こんな雰囲気なのか」 今まで師匠の個人訓練と自己鍛錬だけだったから新鮮だ GM高梨千里 23 55 そこかしこで筋骨隆々な男からほっそりした少女まで、思い思いに鍛錬に打ち込んでますね どうなってるかって? さあ……? ノクス 23 56 多分魔法の鍛錬場とは分けられてる気はするので GM高梨千里 23 56 ほっそりした少女が魔法の鍛錬をしているといつから錯覚していた……? きっとほっそりした少女は斧を持って振り回している ノクス 23 57 いやそういうことを言ったわけではなく (笑) 俺は武術場の方にいますと。 GM高梨千里 23 57 あ、そうか きっと汗臭いんだろうけどね、行こうね ウィル 23 57 とりあえず人間についていく フィア 23 57 「さて…… 俺がやるなら的当てか? 藁人形かなんかあるかな」 ちらりと見回してみるけど、同じ獲物を使ってる奴とか、見知った奴は居るかな GM高梨千里 23 58 武術場に行くと、フィアースと同じ武器を使っている人もいますね。そして、そこには見慣れた黒髪(と角)が見えます。 きっとだだっぴろい ノクス 23 59 見回してるなら、今はわりと隅の方のスペースで、静かにたたずんでいます フィア 23 59 「……改めて見ると、目立つよなあいつ」 もう周りの人は慣れてたりするんだろか GM高梨千里 00 00 わりと常連のようで、他の人は気にしている様子は見えません。まあ、鍛錬に集中してるだけかもしれませんが。 ノクス 00 00 そうね、通ってるからここにいる人は概ね見知ってぐらいはいるんじゃないでしょうかw GM高梨千里 00 00 そしてシーン神殿お墨付きだということもきっと広まっている ウィル 00 01 「ドレイク、お前ここにいたのか」 フィア 00 02 「ようノクス。お前、普段ここで訓練してんの?」 GM高梨千里 00 02 【リュシア】「あら偶然ねえ」 ノクス 00 02 目を閉じて瞑想の様に静かに立っていましたが、声を掛けられるとそちらを見ます 因みに上衣は脱いでいますね GM高梨千里 00 03 一瞬思うんだろうなあ、なんで店の主人までこっちに来ているのかと 暑いんだろうなあ……熱気が凄そう フィア 00 03 あ、鎧着たままじゃないのか ノクス 00 04 得物を扱う時は重量の関係があるので着てるよw 今は脇に置かれてるな GM高梨千里 00 05 ともすれば体から湯気が出そうなんだろうなあ 【リュシア】「邪魔しちゃったかしら?」 ノクス 00 06 GMが楽しそうで何よりですが (笑) 今はそれとは別の理由です。 フィア 00 06 「……何してんの? 休憩中?」 鍛錬で瞑想、って発想が無いからなにしてるのかよく分からんな ノクス 00 06 「……いや、問題ない」 「……マナを巡らせていた」 ウィル 00 08 「ほー……武器を振るだけではないのか」 フィア 00 08 「マナ? ……お前、魔法とか使ったっけ」 ノクス 00 08 「今は使えない。剣を失った際に素質も失ったようだ」淡々と GM高梨千里 00 09 【リュシア】「……」 フィア 00 11 「それじゃ何でマナ? 体動かすとき、その辺意識したことねーけど……」 ノクス 00 12 「マナの操り方は覚えているからな。魔剣がない故、以前ほどの親和性はないが。飛行を……。……そうか、これは小さきものにはあまり知られていないのか」 「我々竜人は、ドラゴンもそうだと聞くが、羽根の力だけで飛行してるのではないのだ」 フィア 00 14 「マナの力も使って飛んでるってことか? で、実際に飛ぶわけにもイカンから、イメージトレーニングをしてる、と」 実際に飛んじゃうと名誉点が…… ノクス 00 17 「近い。本来は魔剣によってマナによる飛行の力を増幅できるのだが。今の俺にはそれは出来ない」 「剣の結晶の力を借りれば、一時的に似たような状態にはなれるが、手に入りにくい故現実的ではないだろう?」 フィア 00 18 「魔剣か…… 剣の迷宮の奥にはそんなもんが眠ってるって聞いたことはあるけど、お目にかかったことはないな。実際、どんなもんなんだ?」 ノクス 00 19 「故に。魔剣がなくとも、マナを飛行の力と出来ないか、試しているところだ」 「……俺の魔剣の話か?」 フィア 00 20 「ああ。昔は持ってたんだろ? 言いたくないことじゃなけりゃ、使った感想とか聞いてみたいね」 ノクス 00 24 「構わない」 「俺の魔剣は……鎌だった」 フィア 00 25 「……いきなり矛盾してねえ?」 ノクス 00 25 「今持っているものより二回りは大きかったか。……何がだ?」 フィア 00 26 「いや、剣なのか鎌なのか…… 鎌でも剣って呼ぶのか? なんかややこしくなってきたな」 ノクス 00 26 「魔剣というのは魔法を帯びている武器全般の通称だ。その種別は問わない。……小さきものたちの間でもそうではなかったか?」 フィア 00 27 「……」 そうなの? と言った目でリュシアとウィルを見る GM高梨千里 00 27 【リュシア】「ふふ」(くすくす笑っている) フィア 00 28 「……そういうことらしい。まあ気にしないで続けてくれ」 ウィル 00 28 「んあ……?」熱気でボケてきてる人 ノクス 00 28 「確かに。何故素直に『魔法武器』を総称にしなかったのかは先人に聴きたいところだな」くつ きっとそれは「ソードワールド」だから何でしょうが (笑) GM高梨千里 00 29 【リュシア】「……ウィリアムくんが逆上せちゃってるみたいだし、ちょっと移動しましょうか。ここで立ち話も迷惑でしょうし」 フィア 00 29 タイトルの都合ねw ノクス 00 29 「ああ、そうだな。休むならいい部屋がある」 鎧と上着を拾い上げて、ビビットルームにでも (笑) GM高梨千里 00 31 では、移動しました。リュシアは水を取ってきてウィリアムに渡しておきましょう 【リュシア】「ほら、これでも飲んで」 ノクス 00 32 上着を羽織って座りつつ、大丈夫か? という様にウィルを見やります GM高梨千里 00 33 【リュシア】「ハイマンは特に体が弱いから……」うちわらしきものでぱたぱた フィア 00 34 「単にウィルが鍛えてないだけな気もするけど…… まあ良いや、寝かしとこう」 ウィル 00 34 ぐでー GM高梨千里 00 34 膝枕でもしてようか、そして話の続きを視線で促そう ノクス 00 35 「ああ……。俺の魔剣は、3m程はある黒い大鎌だった」 フィア 00 37 「そういや今使ってる得物もでっかいよな。……にしても3mはやり過ぎな気がするが」 ノクス 00 39 「そう困った覚えはないが、今の生活ならば確かに閉所に赴く際には問題も出そうだな。銘をアニマヴェスコールといって、生命力を喰らう力を持っていたよ」 ルセリナ 00 41 というわけで、こっそり合流いたしますね( ノクス 00 41 どうぞーw ルセリナ 00 41 話の邪魔はしたくありませんので、私のことは気にせず、続きをどうぞ と笑みを向けましょう フィア 00 42 「……話を聞くだに物騒な代物みたいだが、魔剣ってみんなそんなもんなの?」 やってきたルセリナに軽く手を上げつつ、話を続けよう ノクス 00 42 ではルセリナには気づいて、微かに目を細めます。 (目元で笑むともいう 「特殊能力に関しては個人差がある。持たぬものもいるな」 「そう悪い力ではなかったぞ。当時の俺は、どちらかと言えば攻撃に重きを置いていたしな」 「ルセリナも使うが、魔力を剣に乗せることを得手としていた」 魔剣に、かw フィア 00 48 「今の戦い方とはだいぶ違った形だったんだな。俺は二人が肩並べてるとこしか見たこと無いから、あまり想像つかんけど」 ルセリナとノクスを見比べて言う ノクス 00 48 因みにウィルが聞いているかはわかりませんが (笑) アニマヴェスコールはドレイク語で「魂喰らい」という意味ですよーw 「ああ。俺はルセリナを護ると決めた。ならば、それ相応の鍛え方がある。まぁ、バルバロスにはあまり一般的ではない考え方故、未だ模索中だがな」 GM高梨千里 00 51 【リュシア】「確かに、護るというのは一般的ではないでしょうね」少し目を細めて フィア 00 51 「……いやあ、お熱いこって」 ルセリナの様子を伺ってみるけど、いつもどおりなんかな ルセリナ 00 52 いつもどおりですね GM高梨千里 00 52 うん、だろうと思った ノクス 00 52 「熱い?」首を傾げ。 フィア 00 52 「……やっぱよく分からん」 この二人の関係。 ルセリナ 00 53 どのような関係だ、と説明する必要もありませんものね 少なくとも恋愛関係ではありません ノクス 00 53 首をかしげていますなw GM高梨千里 00 54 【リュシア】「男女が仲のいいことをそう称することも有るのよ」 フィア 00 55 男が女を「護る」って明言してて、色恋が一切絡まない関係ってのは理解の範疇外だろなあ GM高梨千里 00 55 【リュシア】「そう、護る戦い方……私も、昔はそうだったわねえ」 ルセリナ 00 57 そういうものですか(大切にされるのがデフォルトな神の娘感 ノクス 00 57 「『仲』か。ふむ……小さきものたちの関係性はよくわからないが、俺はルセリナを信頼している。更に言うならば、今の俺の全ては、ただ一つの目的を除き、ルセリナのものだ」 GM高梨千里 00 58 【リュシア】「ふふ、それじゃあ更に誤解を生むわよ、ノクスくん」くすくす ノクス 00 58 「事実なのだがな……」 困ったように眉根を寄せた (笑) フィア 00 58 これがカルチャーギャップというやつか…… GM高梨千里 00 58 【リュシア】「まあ、心が育てば変わるのでしょう。あなたも、ルセリナちゃんも」 フィア 00 59 「そういや、リュシアさんも冒険者でしたっけね。……神官でしたっけ?」 リュシアの技能を見抜けるような技能は持ってない GM高梨千里 01 00 【リュシア】「ええ、神官戦士をしていたわね。相方がああだったから」 【リュシア】「守って攻めて、大変だったわ」 フィア 01 02 「バードが相方か…… 言っちゃ難ですが、そりゃ確かに、苦労しそうな」 ウォーリーダーがある世界なら多少マシだろうけど…… GM高梨千里 01 03 【リュシア】「しかもあの人、怖がりだから魔物を見ると及び腰になっちゃうの。可愛いったら」くすくす フィア 01 03 「かわいいで済むんすね、それ……」 夫婦愛……なのか? GM高梨千里 01 04 【リュシア】「あの人がレベル上がってからは、ほとんどがあの人の呪歌で追い払って、ダンジョンばっかり入ってたわねえ」 【リュシア】「かわいいでいいのよ。どうせ私たちは戦力じゃなかったから」 【リュシア】「よくパーティ抜けてこっちに来ないかって言われたけど、私はあの人が良かったの」 【リュシア】「そしたらいつの間にか回してもらえるのがダンジョンアタックばっかりになったのよねえ」ころころころ フィア 01 07 (……いかん、ノロケ空間に足を突っ込んだ) この後依頼中にも砂糖を吐く羽目になるとはこの時はまだ知らない…… GM高梨千里 01 07 wwwwwwwwwwwww フィア 01 07 「いやー、ははは…… なんつーか、ごちそうさまです」 ルセリナ 01 08 「仲良き事は美しき哉、ですね」 にこり GM高梨千里 01 08 【リュシア】「ふふふ。そりゃあ、仲良くないと150年も連れ添わないもの」くすくす 【リュシア】「さあて、そろそろ私は鍛錬に入ろうかしら。ウィルくん、そろそろ回復した?」 フィア 01 11 「そうすね、俺も何かするか…… ノクス、どうせなら一試合どうだ?」 GM高梨千里 01 11 たぶん、ビビッド部屋は適度にクーラー効いてると思うの ノクス 01 11 愛と微妙にわかってないのでダメージもうけてないけど、微妙な顔をしていました (笑) あ、そんなイメージです<空調 「ああ、俺は構わない」 GM高梨千里 01 12 きっとウィルも回復してると思うの。目が覚めたらたぶん天井は半分見えないけどね、リュシアで フィア 01 13 「よっし、じゃあ準備運動しとくから鎧つけたら教えてくれ。手加減は……まあ、お互い死なない程度で」 ノクス 01 14 「ああ」 確かフルプレ並みの装備って10分ぐらいは余裕でかかるんですよねー (笑) 本来 GM高梨千里 01 15 【リュシア】「ウィリアムくん、ちょっと相手してくれない? 手加減するから」 フィア 01 15 ウィル死んじゃうw ウィル 01 16 !? ノクス 01 16 魔法の、実践に、相手はいらねぇだろwwwww GM高梨千里 01 16 大丈夫大丈夫、アウェイクできるし ルセリナ 01 16 確か金属鎧だと 防護点分のRが掛ったような……? 私も記憶が曖昧です アウェイクで済むとよろしいですね ああ、私は見学いたします ウィル 01 16 「……今日が、命日か」とおいめ ノクス 01 16 sw2のルール上はそうだねー。ヌーディ参照 有れ超早いと思うよ (笑) フィア 01 17 ちなみに模擬戦します? マジでやるとおそらくフィアース勝てんけど ノクス 01 17 どうだろう。やってもいいね。確かにフィアースは通らないかもしれないが。俺もフィアースにあたるのか? (笑) GM高梨千里 01 18 【リュシア】「ああ、違うわよ。強化の話よ。私一応、神官なのよ? 攻撃じゃないわよ。最近チーム戦なんて全くやってないから、間違えちゃいそうで」 ノクス 01 18 まちがえんなそこwwww GM高梨千里 01 18 【リュシア】「マナを爆発させそうなのよねえ、ゴッドフィストに慣れちゃって」 ウィル 01 18 2 2で別れる? ノクス 01 19 この人に神官させたらあかんと思います (笑) フィア 01 19 基準値2差で25%くらい…… 3発当てれば倒れるからそれまでに削りきれるかどうかだな GM高梨千里 01 19 だって夫と組むときは攻撃のほうが多かっただろうし フィア 01 20 なお1発1~2点程度の模様 GM高梨千里 01 20 絶対忘れてる フィア 01 20 まあ、絶対長くなるしまたいずれにしておこう ノクス 01 20 10ラウンド目からは虫がないからそこまで引っ張れるかかな?w GM高梨千里 01 21 模擬戦楽しそうだねえ フィア 01 21 ちょっと今からやるのは辛いw ノクス 01 21 ぶっちゃけ実に地味な戦いになると思いますww フィアースとだとw ルセリナ 01 21 w GM高梨千里 01 22 GM的にも個々人の戦力の把握ができそうで美味しい ノクス 01 22 因みに俺が戯れにメイスを持つと勝率がめっちゃ上がりますが。 持ちません!w フィア 01 22 当てた、削れない、避けた、当てた、削れない、避けた……ってのが続くのが目に見えてる ノクス 01 23 うん (笑) GM高梨千里 01 23 wwww ウィル 01 23 そこでファナです フィア 01 23 今度時間に余裕がある時にしておきましょう 今日はお互いいい汗流して終わったってことで ルセリナ 01 23 では私は二組が鍛錬に励むのを見学しながら、そっと自分の荷物から 実は持っていた夜色さんの魔剣の破片を取り出して、見つめたあと そのまま戻しましょうか。 フィア 01 23 それ俺が死ぬw ノクス 01 23 ですねー GM高梨千里 01 24 おお ルセリナ 01 24 というわけで持っていたことにしますね(笑 所持品に足しておきます GM高梨千里 01 24 はい、どうぞ ノクス 01 24 うんうん、あったねその設定……w フィア 01 24 誰も気づいてないのが美しいな、ここは ウィル 01 25 うむ GM高梨千里 01 26 きっとウィルはブレスⅡとフィールドプロテクションⅡとホーリーブレッシングを後で掛けられる おそらくリュシアも気づかないでしょうね、それがいい フィア 01 26 時々間違えてコアーシブが飛ぶ GM高梨千里 01 26 いや、多分飛ぶのはゴッドフィスト(慣れてるから) ノクス 01 26 ひどすw GM高梨千里 01 27 なにげにブレスⅡとMP一緒だし フィア 01 27 古代神フィスト重いんですよね…… ノクス 01 27 消費の問題では……ないとおもう (笑) GM高梨千里 01 27 デイブレイクがとんでも面白いかも 突然閃光に包まれる鍛錬部屋 フィア 01 28 元気玉かな GM高梨千里 01 29 あっこれ攻撃できるんだ ノクス 01 30 投げつけんとあかんですけどね (笑) そこまでやったら確信犯でしかないよ GM高梨千里 01 30 えいってやったらゴッドフィストにふっとばされるウィル ウィル 01 30 そして生死判定 生きてた ノクス 01 31 ひとしきり打ち合いを終えてからこう、魔法部屋の方の空が光っているのを眺めて GM高梨千里 01 31 ぺかーっ ノクス 01 31 「……時に、放っておいてよかったのだろうか」 フィア 01 32 「いやー、リュシアさん輝いてんな…… 文字通り」 ノクス 01 32 「……ああ」
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3802.html
Close Ties(クロース・タイズ) 第三話 ケーキを食べ終わり、もうこの楽しい時間も終わりかと、少し残念な気分になっていた時、ハルヒは唐突に大声を出した。 「さあてプレゼントコーナーよ!」 ハルヒは私に包みを見せてから、バリバリとそれを破いた。 「お、おいハルヒ、お前が開封してどうすんだよ!」 「いいから見てなさい!」 包みの中から出てきたのは、オフホワイトに赤いブランド名入りの細いマークが一本ついたニットキャップだった。 「いいでしょこれ!」 部室の飾り付けに使ったらしいはさみで値札を取り去り、私の頭にそれをかぶせ、前髪を直された。 「すごい!ぴったりです」 皆賞賛の言葉を上げるが、鏡が無いので分からない。いや、あったとしてもあまり理解はできないが。しかし、耳がこれでカバーされるので、寒さ対策にはなるだろう。 「ふふっ、あったりまえでしょ!」 ハルヒはいつもの威勢で大いに笑った。 「次は興ざめのキョン!」 「なんだその屈辱的な呼称は!長門、誕生日おめでとうな」 彼が差し出したプレゼントの包みは、ハルヒと同じ模様だった。 「有希、がっかりしないでね!これがキョンの限界だからさ」 包みの中は、黒い飾り気のない手袋だった。 僅かに伸縮性があるらしく、片方だけはめてみると私の手にぴったりと収まった。 「良かったわね、ちゃんと似合って。有希に感謝する事ね!」 よく分からない事を言う。感謝するのは私の方だ。 「何故送った側の人間が感謝せにゃいかんのだ!?ちゃんと似合ってんだからいいじゃねえか!」 「このかっわいくて似合う容姿で生まれてきた有希に感謝しなさいって言ってるの!まあったくこんな実用性一本でプレゼント選ぶなんてキョンらしいといえばそうだけど。まあとにかく次はみくるちゃん!」 朝比奈さんは前に出るなり自分の持っていた包みを解き、私が座っているいすの後ろへ回った。 「前で通して…ほら!」 朝比奈さんのプレゼントは白いマフラーのようだ。私の顔前に手鏡が差し出される。 「いいでしょう?有希ちゃん」 正直な告白をすると、己の顔形をはっきりと確認するのも実に久しぶりの事だった。 私には被ったままのニット帽と白いマフラーは防寒具という認識が強かったが、ファッションという観点ではこの様に身につければ良いのだろう。 それよりも、先ほどから一言も感謝の言葉を発せないほど、ハルヒは矢継ぎ早に司会進行を続ける。 「うんうん!じゃ古泉君、畳みかけちゃいなさい!」 ハルヒは急に私を椅子から立たせ、前へと誘った。 私の前に包みを抱えたいつ…古泉一樹君が私の前に立つ。 私の思考回路は急に古泉一樹を下の名前で呼ぶ事を拒否しだした。私の両眼も前に立つ彼の顔に焦点を合わせるという命令を無視する。 「実はずっと前からこれをプレゼントしたいと決めていたんです。受け取っていただければ、それだけで幸いです」 彼の持っていた包みをゆっくり開ける。 「おーいおいおい古泉いっちゃん気合入りまくりだねぇ!」 鶴屋さんが感嘆の声を上げる。 包みの中は白い革製の小振りなショルダーバッグだった。 「いやあ、最近バイトが大繁盛で財布に余裕が…なんて言い訳も用意していたんですがね。仰るとおり、気合を入れさせて貰いました。数日前にこのバッグを見かけまして、長門さんがこれを携える姿を見たくて仕方がなかったんですよ。僕の個人的な夢ですがね」 胸の辺りに針が刺さるような感触が何度も流れた。 私は両手でバッグを抱きしめて、込み上げてくる何かに耐えるしかなかった。 「あ、あれ?ちょ、有希」 「涼宮さん!大人しくしてなさい!」 ハルヒが朝比奈さんに一喝されるという珍しい事態も私の気持ちに何の変化ももたらす事は無かった。 「長門さん!」 体の平衡を保てなくなった私をいつ…古泉一樹君が支えてくれた。彼が私に触れている感触が、服を通して伝わってくる。 「おね…がい…一分間だけ…この…まま」 気付けば私は信じられない願い事をしていた。 「え、ええ、一分でも一時間でも、一日でもお支えいたしますよ」 背中に腕が回る感触は少し怖くもあったが、すぐに襲ってきた甘美としか表現のしようが無い暖かさに気持ちが冒されていく。 それから、私はどうやって家に戻ったかもあまり記憶に留めておけていない。 ただ、私の黒い手袋をつけた右手を少し強く握って一緒に歩いてくれた人がいた事、それが私の心を上気させていた事だけははっきりと覚えている。 気付けば、午後十時は過ぎていた。 私の携帯電話はメールの着信を告げる。朝比奈さんとキョン君だ。 それを開こうとしたところで、携帯電話が古泉一樹からの着信を告げた。 私は、その電話を取り、人間になった事を実感した。どんな会話をしたかはあまり覚えていないが、私は皆からもらった気持ちに無上の、本当に無上の喜びを感じると共に、気持ちが満たされないという恐怖もあった。 彼の、古泉一樹が私を見つめる顔が、ずっと消えない。まるで目の前にあるかの如く、記憶に留まっている。でも、彼が本当に目の前にいる訳ではない。目の前にいない事に憤りを覚えてしまう程、私の心は混乱していた。 部屋の中は酷く冷え込んでいたが、全く気にならなかった。 皆に貰った物を大切にクローゼットへ仕舞い込む。 明日の朝、全部身につけていきたいが、一番身につけたいバッグだけは残念ながら無理だ。でも、明日は金曜日。 土曜日には全部身につけていけるだろう。 早く、土曜日が来れば良いのに。 第四話 インデックス
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4054.html
Close Ties(クロース・タイズ) 第三話 ケーキを食べ終わり、もうこの楽しい時間も終わりかと、少し残念な気分になっていた時、ハルヒは唐突に大声を出した。 「さあてプレゼントコーナーよ!」 ハルヒは私に包みを見せてから、バリバリとそれを破いた。 「お、おいハルヒ、お前が開封してどうすんだよ!」 「いいから見てなさい!」 包みの中から出てきたのは、オフホワイトに赤いブランド名入りの細いマークが一本ついたニットキャップだった。 「いいでしょこれ!」 部室の飾り付けに使ったらしいはさみで値札を取り去り、私の頭にそれをかぶせ、前髪を直された。 「すごい!ぴったりです」 皆賞賛の言葉を上げるが、鏡が無いので分からない。いや、あったとしてもあまり理解はできないが。しかし、耳がこれでカバーされるので、寒さ対策にはなるだろう。 「ふふっ、あったりまえでしょ!」 ハルヒはいつもの威勢で大いに笑った。 「次は興ざめのキョン!」 「なんだその屈辱的な呼称は!長門、誕生日おめでとうな」 彼が差し出したプレゼントの包みは、ハルヒと同じ模様だった。 「有希、がっかりしないでね!これがキョンの限界だからさ」 包みの中は、黒い飾り気のない手袋だった。 僅かに伸縮性があるらしく、片方だけはめてみると私の手にぴったりと収まった。 「良かったわね、ちゃんと似合って。有希に感謝する事ね!」 よく分からない事を言う。感謝するのは私の方だ。 「何故送った側の人間が感謝せにゃいかんのだ!?ちゃんと似合ってんだからいいじゃねえか!」 「このかっわいくて似合う容姿で生まれてきた有希に感謝しなさいって言ってるの!まあったくこんな実用性一本でプレゼント選ぶなんてキョンらしいといえばそうだけど。まあとにかく次はみくるちゃん!」 朝比奈さんは前に出るなり自分の持っていた包みを解き、私が座っているいすの後ろへ回った。 「前で通して…ほら!」 朝比奈さんのプレゼントは白いマフラーのようだ。私の顔前に手鏡が差し出される。 「いいでしょう?有希ちゃん」 正直な告白をすると、己の顔形をはっきりと確認するのも実に久しぶりの事だった。 私には被ったままのニット帽と白いマフラーは防寒具という認識が強かったが、ファッションという観点ではこの様に身につければ良いのだろう。 それよりも、先ほどから一言も感謝の言葉を発せないほど、ハルヒは矢継ぎ早に司会進行を続ける。 「うんうん!じゃ古泉君、畳みかけちゃいなさい!」 ハルヒは急に私を椅子から立たせ、前へと誘った。 私の前に包みを抱えたいつ…古泉一樹君が私の前に立つ。 私の思考回路は急に古泉一樹を下の名前で呼ぶ事を拒否しだした。私の両眼も前に立つ彼の顔に焦点を合わせるという命令を無視する。 「実はずっと前からこれをプレゼントしたいと決めていたんです。受け取っていただければ、それだけで幸いです」 彼の持っていた包みをゆっくり開ける。 「おーいおいおい古泉いっちゃん気合入りまくりだねぇ!」 鶴屋さんが感嘆の声を上げる。 包みの中は白い革製の小振りなショルダーバッグだった。 「いやあ、最近バイトが大繁盛で財布に余裕が…なんて言い訳も用意していたんですがね。仰るとおり、気合を入れさせて貰いました。数日前にこのバッグを見かけまして、長門さんがこれを携える姿を見たくて仕方がなかったんですよ。僕の個人的な夢ですがね」 胸の辺りに針が刺さるような感触が何度も流れた。 私は両手でバッグを抱きしめて、込み上げてくる何かに耐えるしかなかった。 「あ、あれ?ちょ、有希」 「涼宮さん!大人しくしてなさい!」 ハルヒが朝比奈さんに一喝されるという珍しい事態も私の気持ちに何の変化ももたらす事は無かった。 「長門さん!」 体の平衡を保てなくなった私をいつ…古泉一樹君が支えてくれた。彼が私に触れている感触が、服を通して伝わってくる。 「おね…がい…一分間だけ…この…まま」 気付けば私は信じられない願い事をしていた。 「え、ええ、一分でも一時間でも、一日でもお支えいたしますよ」 背中に腕が回る感触は少し怖くもあったが、すぐに襲ってきた甘美としか表現のしようが無い暖かさに気持ちが冒されていく。 それから、私はどうやって家に戻ったかもあまり記憶に留めておけていない。 ただ、私の黒い手袋をつけた右手を少し強く握って一緒に歩いてくれた人がいた事、それが私の心を上気させていた事だけははっきりと覚えている。 気付けば、午後十時は過ぎていた。 私の携帯電話はメールの着信を告げる。朝比奈さんとキョン君だ。 それを開こうとしたところで、携帯電話が古泉一樹からの着信を告げた。 私は、その電話を取り、人間になった事を実感した。どんな会話をしたかはあまり覚えていないが、私は皆からもらった気持ちに無上の、本当に無上の喜びを感じると共に、気持ちが満たされないという恐怖もあった。 彼の、古泉一樹が私を見つめる顔が、ずっと消えない。まるで目の前にあるかの如く、記憶に留まっている。でも、彼が本当に目の前にいる訳ではない。目の前にいない事に憤りを覚えてしまう程、私の心は混乱していた。 部屋の中は酷く冷え込んでいたが、全く気にならなかった。 皆に貰った物を大切にクローゼットへ仕舞い込む。 明日の朝、全部身につけていきたいが、一番身につけたいバッグだけは残念ながら無理だ。でも、明日は金曜日。 土曜日には全部身につけていけるだろう。 早く、土曜日が来れば良いのに。 第四話 インデックス
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/212.html
共同浴場という習慣は昔から存在する。 古代ローマ時代から共同浴場は存在しており、皇帝も入っていたという。 第二地球入植時代には一人一人がのんびりと浴槽に入れるわけもなく、巨大な浴室を作ってそこに入っていた。 そして今、入植したときにいた日本人の影響で「銭湯」というシステムが浸透している。 大きな浴槽に、山の絵に一直線に並べられた洗い場。ボイラー室から伸びる煙突。懐かしさを感じる入り口には、銭湯の文字が記されている。 剥げ頭の老人が暖簾をくぐって出て行った。 その直後、賑やかな一団が銭湯に近寄っていく。 一人は金髪に眼鏡の優男風の若い男性。一人は黒髪に冷たそうな目つきの若い男性。一人は黒に近い茶色い髪の毛を高い位置でポニーテールにした女性。最後の一人は長く美しい銀色の髪の毛に長身の女性。 男二人は会話が弾まないのか、ぽつりぽつりと言葉を交わす。 一方の女性陣は喧嘩にも似た会話をしていた。背後をとったウィスティリアが嫌がるメリッサをぐいぐいと押して銭湯に連れて行こうと―――……というよりかは連れ込もうとしている。 「なんでアタシが一緒にお風呂に入らないと行けないのよ。命の恩人へのお返しが銭湯って意味が分からないんだけど!」 「いいからいいから~。ここは私が奢るから、入りましょ?」 あのダイブの後、何故か一行は銭湯に来ていた。 汗を流すためだとかなんとか言ってウィスティリアに強引に了承させられたのだ。一人頷かなかったのは誰なのかは言うまでも無い。 暖簾をくぐって料金を払うと、それぞれ男女別の脱衣所に入っていった。 「それで」 「ええ」 「なんで引っ付いてくるのよっ」 髪の毛を下ろしたメリッサは体にしっかりとタオルを巻きつけ、後ろから追尾してくるウィスティリアから逃げるように小走りで洗い場に向かっていた。ウィスティリアは撒かされまいと転ばない程度の走りで追いかけていく。 楽しげなウィスティリアと比較してどことなくムスッとした表情のメリッサ。 メリッサが一つの椅子を引き寄せて座ると、その隣にウィスティリアが座る。慌てて一つ向こう側の椅子に座ると、ついてくる。 諦めの表情を浮かべたメリッサはシャワーで体を濡らし始めた。 すかさずウィスティリアが背後に回る。 「私が流してあげる」 「お断りよ」 後ろを見ないでピシャリと拒否を示すと、タオルの上からお湯をかけて汗を流していき、続いて顔を軽く洗う。疲れが取れていくような気がした。同時に妙な視線も感じた。振り返ると、そこにはまだウィスティリアがいるわけで。 見詰め合うというよりにらみ合ったまま時間が経過する。 耐えられなくなったメリッサが目を逸らす。ウィスティリアはうふふと楽しそうに笑った。 「アンタそんなキャラだっけ。なんかキャラ変わってない?」 「いいえ、これが普通よ?」 「………まーいいけど」 気にするだけ負けだと自分に言い聞かせると、シャワーで髪の毛を濡らしていく。頭頂部から落ちていく水が髪の毛全体を浸して、溢れ出した分はうなじ、鎖骨まで流れて全身を濡らす。 お湯がメリッサの肌を徐々に赤くしていく。 シャワーのコックを捻って止め、閉じていた瞳を開くと、目の前の鏡で後ろを確認する。ウィスティリアは後ろに居なく、隣で早速髪の毛を洗っていた。 面倒にならなくて済みそうだ。ほっと息を吐く。メリッサは頭と体のどちらを先に洗おうかと思考する。頭から洗ったほうがいいかな、と考えると、置いてあったシャンプーソープを手に取った。 銀色のシャンプーソープは誰かさんの髪の毛を思い起こさせる。 眼を瞑ってシャンプーソープをあわ立たせると髪の毛を洗い始めた。まずは地肌を洗うようにして脂を掻きだすように。続いてもみ上げを洗って、最後に後ろに垂れた髪の毛を洗う。 「ひっ!? ………なによ、なにすんの?」 ぴたりと何かが背中に触れて、ぴくんと肩を揺らしながら飛び上がってしまう。眼を閉じているせいで何も見えない。大方予想はついていたので後ろに居るであろう人物に声をかける。 「私が洗って、あ、げ、る」 「…………」 今までさほど付き合ったことがなく、普段はどんななのかが分からなかったため、ギャップに少々戸惑いを覚えるメリッサ。 他人に洗ってもらうなどもう随分無いこと。 眼を瞑ったまま後ろに首を捻る。 「ことわ」 「いいのね? ありがとう」 「そんなこと言って……はぁ、いいわよ。好きにして」 そこまで髪の毛を洗うことに魅力を感じているのか否か、判断出来なかった。ここで押し問答をしていても面倒なだけと考えたメリッサは、だらりと手を降ろすと、頭を相手に任せることにした。 ウィスティリアは口元を持ち上げるような笑みを見せると、メリッサの後ろに椅子を持ってきて座って、頭を洗い始めた。 意外と上手かった。 「もう頭洗ったの?」 「ええ。だって貴方の洗えないじゃない」 なんだろう。 なんだろう? メリッサは背中にぞくぞくとしたモノが走るのを感じた。 これは、そう、怪奇文章を解読する直前に似ている。経験は無いのだが。 銭湯の浴場は湯気とお湯の喧騒で満たされている。 全体を洗え終えたらしく、頭にお湯がかけられた。思わず背中を丸めてしまうと、なにやら後ろで楽しげな笑い声が聞こえた。 くすくす、というか、あらあら、というか、なんとも形容しがたい声が。 お湯をかけながらシャンプーが落とされていく。シャンプー分が取れてきたので細く眼を開いてみる。鏡には何故かタオルを取って座っているウィスティリアがいた。大きすぎる胸が垂れずに上を向いている奇跡を見せられて微妙に悔しかった。 メリッサは自分の胸を見てみた。ちょっと泣いた。 大体流し終えたらしく、シャワーが止まって壁にかけられる。 体は自分で洗わないとダメだろう。というか任せて置けないし許せない許したくは無い。そんな趣味は無い。 メリッサはボディーソープに手を伸ばしたが、それよりも早くウィスティリアがボディーソープを取ってあわ立てていた。 にっこり。 両手をワキワキさせながら背後に立っている。 ゾッとした。とりあえず、鏡のほうに一歩逃げておいた。 だが、逃げられなかった。身長は相手の方が高いし、筋肉とかの量も相手のほうが一歩勝っている。 ――以下は音声だけでお楽しみ下さい―― 「なぁあッ!? ちょ、ま、……止めなさいよ! へんたいヘンタイ!」 「いいじゃないの、減るもんじゃないし、スキンシップは大切よぉ~?」 「ヤダこっちこんな! むこう行け!」 「くっくっくっくっ……逃げ場など無いの――」 「誰かー!! だれうむっ………んー! んー……!」 「柔らかい。素晴らしいわ……」 「んーっ、んっ………ん、ぅ…………う~ッ…」 「ちなみに今の時間帯は人の出入りがとっても少ないのよ」 「ぁ、………んんんー! ……ゃめ、………?! んー……んっ!」 「なんかうるさいなぁ」 一方の男湯では、頭にタオルを乗せた男二人が浴槽でリラックスしていた。 タオルを乗せるというのはタナカのアドバイスを採用した結果である。 曰く「のぼせなくなる魔法」だそうだ。意外とファンタジーな言葉を使ったので驚いたりしたそうな。 かぽーん。 男湯には二人しか居ないのに桶の音がした。 地球にあったというフジサンの絵がドーンと壁に描かれている。なんとも味のあることである。 「タナカさんって筋肉凄いですよね」 「そうですか?」 タナカは額に浮かぶ汗を手で拭い、タオルの位置を直しながらユトに返事をした。 お風呂に入っている所為で顔は赤いが、言葉は冷静で感情が希薄に思える。 その水面下には男でも惚れ惚れするような美しい筋肉で包まれた体躯がある。 「鍛えていることは無駄にはなりませんから」 ユトは自分の腕を摘んでみた。ぷにぷにとは言わないまでも、タナカの体とは比較出来ないほど貧弱。腹筋を見てみると、割れているわけも無くて。脚も普通。なんとなく悲しくなった。 現実から逃れるために背中を浴槽の端っこに預けた。 「はーーーっ。気持ちいいなぁ」 「あと、いいですか?」 浴槽に体を預けて眼を瞑ったユトに、さりげなくタナカが声をかけてくる。 眼を細く開けてその方向を見てみる。 「風呂を出たらコーヒー牛乳かフルーツ牛乳、それか普通の牛乳を飲むのが日本人のスタイルなんです。美味しいですよ」 ちょっと熱の篭った声でそういうタナカに、ユトはちょっと意外そうな表情を浮かべて頷いた。 もう少しクール系だと思っていたが、案外話せそうだと思った。 壁にかかっている時計を確認したタナカは、股間を隠すことなくお湯から上がって、すたすたと歩いていく。 堂々たる態度にユトはちょっと畏怖に近い感情を覚えた。 隠さないのは厳しいので、タオルを巻いて外に出た。 タナカの「牛乳を飲むときは腰に手を当ててください」という言葉に従ったユトは、胃の中の冷たさと、体の温かさ、そして生温い大気との温度差に心地よさを感じながら外に出てきた。 遅れてタナカが肩にタオルをかけながら出てくる。 「あれ? 二人が居ない」 「女性のお風呂は長いものですから」 腕時計を一瞥したタナカは、直立不動で銭湯の入り口の端にて待つ。ユトもそれに従って待つことにした。時間は既に夜になっていた。空には星が光っている。 10分ほど経って、ウィスティリアが出てきた。 風呂に入ったからだろうか。頬が光っているような気がしないでもない。 水分を帯びた銀色の髪の毛を、頭を振ることで整えて、前髪を掻き分ける。持っているタオルで後ろ髪の水分を吸い取りつつ、軽い足取りでユトとタナカの前まで歩いてくる。 少し遅れてメリッサが登場した。 ………なんというか、魂が抜けてしまったような疲れ切った表情でフラフラと歩いてくると、ユトの前でピタリと足を止めた。メリッサの肩をユトが軽く叩いてみる。メリッサは、幽霊が如く頭を持ち上げた。 「なんかあったの?」 「………………なーんにも。帰りましょ」 ユトは首を傾げる。 メリッサは覚えてろと呟きながら悪鬼の顔で家に帰っていく。 タナカはストレッチをしながら歩を進める。 ウィスティリアはつやつやとした顔で歩いていった。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前