約 301,180 件
https://w.atwiki.jp/tokiwa/pages/21.html
シンセティック・ヴァギナ 第三話 美奈II 本当に俺はどうしてしまったんだ? 宿酔いにずきずきする頭を抱えて、俺は溜め息をついた。 あいつがロボットだって事は解りきっている。 ロボットでも構わないのだ……あいつに『心』さえ存在するならば……。 俺には、健気に俺を慕うあいつに、心が無いなんて信じられない。 女性器に至るまで精巧に造られた身体は、人間そのもの、いや人間以上だ。 心さえあるのなら、完璧な美しさとSEX能力を持つあいつは、本当に俺の理想通りだ。 その場合は、あいつがロボットである事など関係ない。 俺も、あいつを愛する事が出来るかもしれない。 どうせ、人間の女には幻滅していたのだ。 だがあいつが、プログラムに従って、感情が存在するふりをしているだけの『人形』にすぎないのなら、そんなものを愛する事などできない。 その事を考えだすと、眠ることも出来なくて、つい昨夜は飲みすぎてしまった。 心を決めるか……。 いつまでも、うじうじ考えていても仕方ない。 今日……あいつに尋ねるのだ。 ※ 昼になった。 今日は土曜日だからこれで放課だ、俺のクラスは小テストがあったので少し遅くなったが、美奈津は待ってくれているはずだ。「あなた……階くんよね? 美奈ちゃんと、一緒に帰ったんじゃなかったの?」 美奈津のクラスに顔を出すと、美奈津の親友である北川夏湖が、俺にそう話し掛けて来た。 北川夏湖は、170cmを越える大柄な女だが、スレンダーな、なかなかの美人だ。きつめの整った顔立ちで、美奈津とはまた違った魅力がある。こんないい女が居たとは知らなかった。 しかし……これは、どういう事だ? 「半田君があなたから伝言を頼まれたって言って……それを聞いたらあの娘、急いでどこかに行ったわよ。だから、あなたと一緒に帰ったとばかり思っていたんだけど……」「それは本当か!!」「ええ……」 俺は、半田にそんなことを頼んだ覚えはない。 これはいったい……。 その時、俺は半田の奴が向こうの廊下を歩いているのを見つけた。「半田!!」 呼び掛けると、半田は俺に振り向いた。「佑也さん。探しましたよ!!」 半田は、俺のパシリみたいなもので、どこか憎めない奴だ。 だが今日は、妙に真剣な表情をしている。「半田、お前、美奈津は……」「佑也さん、その事なんですけど……彼女だけは許してやってくれませんか?」 はあ?……話が見えない。「お前、まさか俺があいつと、付き合うのに文句があるんじゃないだろな?」 俺がそう脅すと、半田はビビって声を震わせながらも、肝を据えて俺に答える。「本気で付き合おうってのなら、俺も文句はいいません。だけど……彼女はそこいらの淫乱女とは違います。あんないい娘でも、俺達にまわしてくれるのは嬉しく思ってますけど……彼女だけは、許してやってくれませんか? 美奈ッちゃんは、ずっと以前から佑也さんの事が好きだったんス。佑也さんの方も美奈ッちゃんの事まんざらでもないみたいだったから、俺、涙を飲んで橋渡しを引受けたんッスよ、それを……酷いッス」「美奈津をお前等にまわす? 誰がそんなことを!!」「誰がって、佑也さんがおっしゃたんじゃ……由紀子さんがそう……」 なるほどそう言う事か……。「半田……俺はな……由紀子とは昨日きっぱり別れたんだ」 そう言って、俺は半田を鋭く睨みつける。「え……それじゃあ……」 蒼白になった半田を、俺は絞めあげた。「半田……言え……美奈津はどこに居るんだ!!」「部室ッス……」 俺は、半田を放り捨てると、軽音楽部の部室へと急いだ。「佑也さん、急いでください……早くしないと、美奈ッちゃんが……あっわっ!」ずでん……。 そう言って半田は派手にこけた。 相も変わらずどじな奴だ。 こんな奴にかかわっている暇はない、今は美奈津を助けなければ。 俺は軽音楽部の部室へと急いだ。 やがて到着した俺は部室の扉を勢い良く開く。 一応、この4年(この学校は6年制なので、高校1年に当たる)をシメている事になっている大川信吾と、その他の奴の取り巻き数人が俺の方を振り返る。「階さん!!」 悲痛な表情で美奈津が叫んだ。 美奈津は、股間を開いたはしたないポーズで両手足を縛り上げられているが、まだ、下着は付けている。どうやら間に合ったようだ。「まさか!? 今日は小テストだって……後、30分はかかるはずじゃ……」美奈津を剥こうとしていた由紀子が、蒼白な表情でそう言う。 俺は、こいつらを鋭くねめつけると、怒りをこめて、わざと抑えた口調で言った。「大川……俺はな、昨日、由紀子とは完全に手を切ったんだ」 俺がそう言うと、大川達は明らかに動揺している。「そ……それじゃあ……」「苦労して落とした本命を、どうしてお前等にまわしてやらなければならないんだ? 由紀子のようなどうでもいい女なら、もうくれてやってもいいがな」 俺がそう言うと、美奈津の表情がぱっと輝く。 俺は美奈津の方に優しくウィンクしてやると、大川を睨み付けた。「すまん……階……」 大川は俺に一礼すると、由紀子の方に向き直り、胸倉をつかんだ。「このくそアマめ、俺達をだましやがって……」「この娘を抱かせてもらえるって聞いたら、ほいほいにやけ顔でついて来たのは誰だったかしら」「くそぉ!!」「やめろ……大川」 言葉に詰まって、思わず手を振りあげた大川を制して、俺は退場を命じる。「大川、俺が決着をつける。お前達はちょっと席を外してくれないか。終わったら、由紀子はお前にくれてやる。落し前を付けた後は、何でもお前の自由にしていいぞ」「解った」 大川はうなずくと、子分達を連れて立ち去った。「残念だったな、由紀子。俺はあんなテストぐらい、10分もあればできるんだ。さあ、美奈津を返してもらおうか?」 憎々しげに俺を睨み付ける由紀子に、射殺さんばかりの視線を向け、俺はゆっくりと近づいて行く。「近寄るな……近づいたら、この女を刺すよ」 どこからか、由紀子はナイフを取り出すと、美奈津に突きつけた。「階さん!!」「しゃべるな……しゃべると刺すよ」 脅されて美奈津は口をつぐむ。 しまった……油断した。 由紀子は残忍な笑みを浮かべると、ナイフで美奈津のパンティを切り裂き、ま○こをあらわにした。「きれいな……ま○こだね。これで佑也を誘惑したんだ……」 由紀子は美奈津のあらわになった、ピンク色のきれいな人造ま○こに、嫉妬と羨望の入り交じったまなざしを向ける。「クリトリスを削ぎ落としてやろうかなぁ? ラビアを切り刻んでやるのもいいわねぇ……」「由紀子!……やめろ!!」 俺がそう言うと、由紀子はさらに憎々しげな表情になる。「佑也ぁ……本気でこの女に惚れてるんだね……ねえ、佑也……あなたが土下座して謝ってくれるなら、許してやってもいいよぉ?」「由紀子、本当だな」「ええ……ほらぁ、やってみせてぇ……」 俺は巧妙に由紀子との間合いを詰めながら、ひざまづく。「階さん……私なんかのために、あなたがそんなことをする必要はありません。私は構いませんから……止めてください」 美奈津は必死の表情でそう言う。 身体を傷つけられても、ロボットである自分は修理可能だ……。 そう言いたいのだろうが、俺はあいつの美しい身体を傷つけたくない。 それに……これで間合いを詰める事が出来た。 由紀子に隙が出来れば、飛び掛かる事が出来る。「すまなかった。由紀子。俺が悪かった」 そう言って俺は額を床に付けた。 顔を上げると由紀子が勝ち誇った表情で笑っている。 バタンッ! その時、突然この部屋の扉が勢いよく開かれた。「美奈ッちゃんは無事ッスか……」 半田の奴だ。 今だ、由紀子の注意がそれた!! 俺は由紀子に飛び掛かり、右手を手刀ではたいてナイフを弾くと,鳩尾に正拳を叩きこんだ。「ぐふっ……」 気絶したのを見届けて、半田に命じる。「こいつを縛り上げろ」 半田はぽかんと口を開けて俺の後方に視線を集中させていた。「あっ……は……はいっ……」 何を見てボッとしていたのか? 半田の視線の先を見て俺は納得した。 そこには秘処をさらしたままの美奈津が居たのだ。 半田の奴、後で覚えてろよ!!「美奈津……大丈夫だったか?」「階さん……」 美奈津はま○こが露になっているのが恥ずかしいのか、もじもじもがいている。 俺は由紀子が落としたナイフを拾って、美奈津を拘束する縄を切って自由にしてやった。 美奈津はぴっちりと股間を閉じて、手で恥ずかしい部分を隠す。 俺がはぎ取られたスカートを渡すと、美奈津は素早くそれを身につけた。「美奈津……おいで……」「階さん……私……私……」 美奈津は俺の胸に顔を埋めて、泣きじゃくった。 こいつに心が無いはずがない……「美奈津……」 あごをつかんで顔を見上げさせると、美奈津は瞳を閉じる。 俺は優しく、こいつの唇を奪った。「あの~、お取り込み中のところ申し訳ありませんスけど……」 半田が俺に声をかける。 気の利かない奴だ。「由紀子を縛り上げやした。もうそろそろ、目を覚ましそうッス」「そうか……。そうだ半田、お前、昨日、ゲーセンのゲームで取ったパンティ、まだ持ってないか?」「おいらにゃ、プレゼントするような彼女は、いませんしね……有りますけど、どうするんッスか?」「美奈津の替えがいるんだ……出せ……」「はい……」 部屋の隅においてあった鞄を漁ると、その中からプラスティックのカプセルに入ったパンティを取り出して来た。「美奈津……これを奥の部屋ではいて来い……サイズはあわないかもしれないが、ノーパンでいるよりはましだろうからな」「はい……」 俺は美奈津が隣の部屋に行ったのを、見届けてから半田に静かに尋ねた。「半田、お前……さっき美奈津のアレを見なかったろうな?」 俺がそう尋ねると、半田は明らかに動揺して答える。「そ……そんな恐れ多い事。もちろん見なかったッスよ……」「そうか……それならいいんだが……。それともう一つ、美奈津がずっと以前から俺の事を好きだった、って言うのはどういう事だ?」 半田はほっとした表情で答える。「ああ、そのことッスか。いえね、美奈ッちゃんが4月に転校して来て一週間ぐらいした時ですかね……。おいらに美奈ッちゃんが、『さっきあなたが話していた人はだれ?』なんて、ほほを染めて話し掛けて来たのは。その時おいらが話してた相手が、佑也さん、あなたッスよ。それから、あの娘はあなたが運動場で体育をしてたら、溜め息をついてそっちを見てたりして、健気にあなたを思ってたんスよ。まあ本人が明言した訳じゃないッスがほぼ確実ッスね……」「そうか……」「しかし……あんな可愛い娘に、そこまで思われてるなんて、うらやましいッスねえ……佑也さんと美奈ッちゃんは、本当に御似合いッスよ」「そうかな」 照れるじゃないか。「後は、あのくそアマの処分ッスね……本当に酷い女だ」「酷い女で悪かったわねぇ……ドちび虫」 目を覚ました由紀子が、憎々しげにはき捨てる。 由紀子はバージンだったころから、ちょっと可愛いのを鼻にかけた、嫌な女だった。 半田もいろいろ酷い目にあわされていたようだ。「由紀子……解っているな? 美奈津にやった事の、御礼をさせてもらう。まずは……」「きゃあぁ……」 俺はナイフを振るうと、パンティを切り刻んだ。 真っ黒に色素沈着した由紀子の局部が、露になる。「しかし佑也さん、いつ見ても汚ねえま○こッスねえ……さっきの美奈ッちゃんの、ピンク色の素敵なのと、とても同じものとは思えないッス」「半田ぁ……お前、さっき見なかったって言わなかったか?」「あっ……しまった……」「まあその事は後だ。おっ、美奈津の着替えが終わったらしいな」「階さん……着替えおわりました……」 そう言って美奈津が、奥の部屋から現れる。「美奈津……いいものを見せてやるよ……こっちに来い」 そう言って、美奈津に由紀子のま○こを見せる。「階さん……いったい何をしてらっしゃるんですか!?」 驚きから立ち返った美奈津は、由紀子を背にかばって、俺を真剣な表情で見つめた。 美奈津が怒っている……。「何って、お前の仕返しをしてるんじゃないか……こいつはお前に酷い事をしたんだぞ……」「そうです……私もさっき階さんに助けられるまでは、こうして身体の自由を奪われ、酷い扱いを受けました……そして、その時……私の心は張り裂けそうでした。そんな思いを、他の人がするのは耐え切れません……階さん……止めてあげてください……お願いします……」「美奈津……俺に逆らうのか?」 そう言いながら、俺は溢れて来る喜びを隠すのにすごく苦労した。 こいつには……美奈津には心がある……俺は確信した。 もしこいつが心の無いロボットなら、俺に逆らう事など有り得ないはずだ。 そして、俺の質問に、美奈津は小さくうなずいた。 不安げな表情で見返す美奈津に、俺は会心の笑みを浮かべて答えた。「お前は……優しいな……お前が、自分から進んで仕返しをするような女なら……俺はここまで惹かれなかっただろう。美奈津……お前に免じて、こいつは許してやる事にしよう」 だが皮肉な事に、この美奈津の行為によってもっとも傷ついたのは、かばわれた当の由紀子だった。 美奈津の優しさは、由紀子の自尊心を粉々に打ち砕いたのだ。「どこまで……ぶりっこしてんだい? 誰が助けてくれって言った? おまえに助けられるくらいなら、死んだ方がましだよ……この偽善者め……佑也、あんたに最後のお願いがある。最初に言った通り、私をめちゃくちゃにするように大川達に命じてくれよ……。こんな偽善者に助けられるくらいなら、その方がよっぽどましだ……。お願いだよぉ佑也……」 美奈津にも、由紀子が本気で、自分に助けられるくらいなら輪姦された方がいいと、思っている事が解ったらしい。「……」 哀しげな表情でうつむいた。「と、言う事だそうだ。半田……大川達を呼んで来てくれ。俺はこいつを送って返る」 半田は鬼の首でもとったような顔で、美奈津に言う。「美奈ッちゃん、解ったろ? こいつは美奈ッちゃんみたいなまともな女の子とは、違う人種なんだ……慎みとかそう言う感情は全く存在しない、とにかく欲しいのは快感だけなのさ……」 大川達が、下品な笑みを浮かべながら入って来たのと入れ違いに、俺は美奈津の肩を抱いて、部室の外へ出た。 ※ 「ああ良かった。美奈ちゃん、階君と会えたのね……」 昇降口で靴に履き替えようとした時、北川夏湖が、俺達を見つけて話し掛けてきた。「夏っちゃん……」 二人で仲睦まじくしているのを見られたのが恥ずかしいのか、美奈津がほほを赤らめる。「ああ。どうやら半田の奴が勘違いしたみたいでな、部室で待ってたこいつを、いまやっと見つけたんだ。さっきはありがとよ……」「そっか……でも、本当に仲いいんだね、妬けちゃうなあ……だけど階君、こういう娘がタイプだったんだね、知らなかったなあ……」 この北川夏湖とは初めて会ったはずなのに、そんな気がしない。どこかで、見た事が……「あっ……北川先輩じゃあ……」 思い出した……1年半ほど前、俺がまだ2年生だったころ、交通事故で重傷を負い、アメリカへ治療のため渡っていた、一つ上の先輩だ。俺は学生会で世話になった事がある。「階君、もしかして私の事忘れてたの? 薄情ねえ……。それに、私、今はもう同学年なんだから、先輩なんて付けなくていいわ……」「それじゃあ、北川さん……こう呼ばせていただきます。でも、身体良くなったんですね、良かった……」 俺の言葉に、北川夏湖は一瞬、哀しげな表情をした。「あっそうそう……美奈ちゃん。これ……落としてたよ。大切なものなんでしょ……はい……」 そう言うと、北川夏湖は美奈津に、小さなお守り袋を渡した。「夏っちゃん。ありがとう」「どういたしまして……あっと、これ以上邪魔しちゃ悪いわね。それじゃあ、お幸せに……」 そう言って笑って去って行く。「夏っちゃんたら……もう……」「そうか……北川さんが戻ってきてたのか……」「あの……階さん? 夏っちゃん、いえ北川さんが、身体を壊して留年してたって事は知ってたんですけど、どこが悪かったんですか?」「そうか……美奈津は知らなかったんだな。彼女は1年半ほど前、交通事故に遭って重傷を負ったんだ。一時はかなり危険な状態だったらしいが、アメリカで治療を受けて、あそこまで回復したらしい」「そうだったんですか……それで、体育とかは休んでたんですね……」 そうか……かなり良くなったように見えるが、まだ後遺症に苦しんでいるんだ。 それが、さっきの哀しげな表情の意味だろう。「それじゃあ美奈津……いこうか?」「はい……」 それから数分の間。俺達は無言で歩いていった。 俺は、人通りが少ない通りに入ったのを確認すると口を開いた。「美奈津……今日はすまなかったな……俺の注意不足であんな目にあわせてしまって……」 俺がそう言うと、美奈津は小さく首を振った。「私は……いいんです……私は、モノ、ですから……ですけど由紀子さんは、人間です……そして、彼女は階さんの事を、本当に愛してました……私……馬鹿でした、私にかばわれる事で、彼女がどれほど傷つくか、解ってなかったんです。そして私は、彼女が言ったとおりの偽善者です。こうして階さんが、彼女よりも私を選んでくれた事を、本当に嬉しく思ってるんですから……私……私は……」「美奈津、もう由紀子の事などもう気にするな。あいつには悪いが、俺はあいつのことなど、なんとも思っていない。俺が今、関心のあるのはお前だけだ」「階さん……ですけど……」「美奈津……俺はあいつに最初から遊びだと明言してきた。それを今更俺の事を好きだといわれても、どうしようもないだろ?」「階さんにとっては遊びでも、由紀子さんにとっては違ったんです。たとえ相手にとっては遊びでも、愛する人に抱いて欲しかったんだと思います。私には……その気持ち、良く解ります」 そういって、少し哀しげにうつむく美奈津を俺はそっと抱き寄せた。「それは……お前もそう思っているってことか? 半田が、お前は俺が手紙を出す以前から、俺の事を想っていたように見えた、と言っていたんだが、お前が俺の所有物になったのは、ロボットである事がばれたためじゃなく、俺を愛していたからなのか?」 俺の言葉に美奈津は驚いて顔をあげた。「解りません……私には、解らないんです!……私……階さんの事を心から愛していると信じたい……ですけど……御存じの通り私は人間ではありません……私が心だと思っているものは幻かもしれません……階さんは、どう思いますか? 私に心があると思われますか?」 そう……だったのか……。 美奈津自身も自分に心があるかどうか悩んでいたのだ……。 んっ? 悩んでいたって……。「美奈津……お前にはちゃんと心があるさ……俺が保証してやるよ」「階さん……本当に?」 ぱっと顔を輝かせた美奈津に、俺は優しく微笑みかけてやる。「ああ、証拠もあるぜ。美奈津、もしお前に心がないとしたら、どうやって自分に心があるかないか悩めるんだ? そういう悩みがあるって事が、お前に心があるという確かな証拠じゃないか? 本当にお前は馬鹿だな」 俺がそう言うと、美奈津はにっこりと会心の笑みで微笑む。「本当ですね……階さんのおっしゃる通り、私って馬鹿みたいですね……」「美奈津……今からお前の家に行っていいか?」 俺がそう言うと美奈津は、ほほを染めて嬉しそうに微笑む。「はい……階さん……」「そう言えば美奈津? さっき、北川さんから受け取ったお守りは何なんだ?」「これは……」 美奈津は困ったような表情をして口篭る。「見てみたいんだけど……だめかな」「階さんがおっしゃるなら、仕方ありません……どうぞ……」 美奈津が手渡した、お守り袋を開けると、プラスティックで出来た、玩具の指輪が出てきた。 これは……? 何の変哲もないそれは、何かを俺の心に訴えかけてくる。「美奈津?……この指輪は……」 その時、俺に心の中に、忘れていた記憶がよみがえってきた。「美奈津……美奈?……美奈ちゃん?……」 目の前の美奈津に、幼いころ遊んだ、ある少女の面影が重なった。 思い出した……辛くて、忘れていた記憶を。 藤澤博士の本当の娘、藤澤美奈に関する思い出を。 幕間……幼きころの記憶 「美奈ちゃんよ……佑也、ごあいさつなさい」「うっす」「佑也、ちゃんとごあいさつなさい」 祖母にせっつかれて、幼き佑也は無言で頭をさげた。「さっ、美奈、こちらが佑也くんよ、ごあいさつなさい」 美奈も母にせっつかれて、口を開く。「……はじめまして……。私、美奈っていいます。よろしく……おねがいします」 人見知りするタチなのか、美奈は真っ赤になって、それでも、小さな声で必死にそう言うと、ぺこんと頭を下げた。「これ、佑也。美奈ちゃんはちゃんと挨拶できるのに、あなたはどうして出来ないの? きちんと挨拶なさい」「うっす。僕、佑也」 むすっとした表情で、佑也が言う。「もう、ほんとにおまえって子は……美奈ちゃんが可愛いから照れてるんだね?……そうね?」 祖母がそう言うと、佑也はずいっと美奈に近づく。 佑也にじろっと睨みつけられて、美奈はびくっと脅えた。「たしかにかわいいけど、僕の好みじゃないね……僕、暗いコはきらいなんだ」 佑也がませた口調で言う。「これ、佑也。もうどうしておまえって子はそんなにひねくれた事を言って……ごめんなさいね、美奈ちゃん。佑也はあなたがかわいいから照れているのよ、気にしないでね……」「照れてなんかいないよ……本当のこと言ってるんだよ……だって僕、このコとコンヤクってやつするかもしれないんだろ? そして、コンヤクってやつしたら大人になったらケッコンしなきゃいけないんだろ? この前、横田のおじさんが言ってたよ、好きでもないのにケッコンしたら、一生こうかいするって……だからこういうことは、はっきり言わなきゃ」「佑也、どこでそんな事……」「この前、ばあちゃんと由佳さんが話してたの聞いたよ。由佳さん僕をほめてくれててとっても嬉しかったけど、やっぱり好きでもないコとケッコンするのヤだ」「佑也くん、じゃあ佑也くんは、どんな女の子が好みなの? おばさんには教えてくれるよね?」 美奈の母親、由佳がしゃがんで、佑也と視線をあわせて聞いた。「明るくて……優しくて……由佳さんみたいな人がいいな……・それから由佳さん、由佳さんてまだ若くてとってもきれいなんだから、自分で『おばさん』なんて、言っちゃだめだよ」 佑也の言葉に由佳と君江は顔を見合わせて笑った。「もう……佑也くんっておませさんね……・あなたって絶対大きくなったら、女の子にもてるようになるわよ……男前だし、勉強もできるし、運動もできるし、お世辞まで心得てるもんね……」「オセジなんかじゃないよ、本当に由佳さんってすてきだよ……胸も大きいし」「こら! 子供がそんなこと言うんじゃないの!! 本当におませさんね、それなら、佑也くん、今、美奈を振っちゃっても良いのかな? 後、十年もすれば、この娘だって胸が大きくなるわよ。顔立ちだって私の小さいころにそっくりだから、大人になれば私そっくりになるだろうし……それから後悔しても、知らないんだから……」「ほんとう?……ほんとにこのコも、由佳さんみたいになるの?」「ええ、私の娘だもん。保証書書いてあげてもいいわよ」「ま、かわいいのは確かだもんね……横田のおじさんも、女の子をダイイチインショーだけで、判断しちゃいけないっていってたし……」 そう言って、佑也はもう一度美奈を、まじまじと見つめた。 今度はさっきみたいな怖い目じゃなかったので美奈は脅えなかったけど、あまりまじまじと見つめられたので、ちょっと恥ずかしくなったようだ。「あらためて見ると、ほんとにかわいいや、おとなしい女のコっていうのもいいかもしれないし……ごめんね、さっきはひどいこといって、僕、佑也って言うんだ、君は美奈って言うんだよね、美奈ちゃんって呼んでいいかな?」 そう言って佑也は美奈に、にっこりと微笑みかけた。美奈もつられて思わず微笑む。「はい……あの、わたしは佑也さんってよんでいいですか?」 美奈が耳まで真っ赤になって小さな声で言う。「うん、もちろんいいよ。声もすごくかわいいね。よし……決めた。僕、君とコンヤクしてもいいよ……。由佳さんも好きだけど、横田のおじさんが由佳さんはヒトヅマだからだめだって言ってたし……。それに、君みたいなかわいいコはめったにいないし、おおきくなったら由佳さんみたいになるって、由佳さんもホショーしてくれたから……美奈ちゅん、いいよね?」 美奈は意味も解らずコクンとうなずいた。 友達になろうって言われたのだと思ったのだ。「それじゃあ、いいものあげるから目をつむって……」 佑也のことばに、美奈がすなおに目をつむる。 佑也はすっと美奈のくちびるに、自分のそれをかさねた。「佑也くん!! あなた、なにしてんの! もう……本当に凄いおませさんね。でも佑也くん、キスしたからにはちゃんと責任取ってもらうわよ?」「セキニンって?」 聞き返す佑也に由佳は悪戯っぽく笑って見せる。「美奈と本当に婚約してもらうってこと。いいわね?」「うん。男にニゴンはない……です」「ぜったいよ!!」 そして数日後……「美奈ちゃん……左手を出して……」 美奈はいわれたとおりに、可愛らしい手を佑也に差し出す。 佑也はおもちゃの指輪を取り出すと、その薬指にはめた。「佑也さん……ありがとう」「お礼はいいよ、これは男のセキニンってやつだから……横田のおじさんに教えてもらったんだ。コンヤクしたのなら、あいての女のコに、指輪を贈らなくちゃいけないって……ほんとは、だいやもんどとか、ニジュウヨンキンとか、高い指輪を贈らなくちゃいけないみたいなんだけど、僕の今のカイショーではそれでめいっぱいなんだ……それでも十日もばっちゃんの肩たたきをしなきゃならないんだよ」 美奈は、いわれた言葉の意味はあまり解らなかったみたいだけど、本当に嬉しそうに微笑んだ。 しかし、それが、佑也が美奈と会った最後……だった。 話は、いま、に戻る……「美奈津……君は……いったい……」「階さん……思い出されたんですね……」 少し哀しげに……美奈津が笑う。「君は……美奈なのか?」 俺の質問に、美奈津はかぶりをふる。「私は美奈津……美奈さんとは別の存在です……ただ……私は美奈さんの記憶を受け継いだだけ……亡くなった美奈さんの脳から記憶を取り出して、私のAI回路にリンクしたんです。身体が出来上がるまで、10年の間、私は仮想現実空間で暮らしていました。その間……ずっと私、階さんの事を想ってきました。そのころ、私は自分を美奈さんだって、信じて疑いませんでした。無邪気だったんですね……。身体が出来上がったら、階さんが迎えに来てお嫁さんにしてもらえるって信じてたんですから……。やがて……私は本当の事を知りました。私という存在が、本当はお母さんがプログラムした電子回路にすぎなかったのだって事を……。この記憶が私のものではないという事を……階さん……本当に、私には心があるのでしょうか……それとも……あなたに対する、この切ない想いは幻なんでしょうか……」 ぽろぽろと涙をこぼす美奈津が愛しくなって、俺は力強く抱き寄せた。「美奈津……おまえのAI回路の設計図と、ソースコードを、見せてくれないか……確かめられるかもしれない……」 美奈津は俺の言葉に、小さくうなずいた。 ※ 美奈津の家の応接室で、自分の鞄から携帯コンピュータを取り出し、データディスクを取りに行った美奈津を、俺は待った。「この中に私の身体について、すべてのデータが収められています」 やがて現れた美奈津に手渡されたディスクを携帯コンピュータに入れた。 沢山あるファイルの中から、AI回路に関するものを検索すると、メモリ上に展開する。 まずはAI回路の設計図だ……。 携帯ターミナルのモニターに映しだされた内容を見て、俺は溜め息を付いた。 美奈津のAI回路は、ごく一般的なものでしかなかったのだ。 いや……ハードウェアではない、ソフトウェアの方が問題なのだ。 そう言い聞かせて俺は、新たにウィンドウを開いて、AI回路のプログラムリストを表示させる。 ん? これだけか? 膨大な量があるだろうと予想していたプログラムは、ウィンドウを画面に最大化すれば収まってしまう程の量しかなかったのだ。 美奈津のような複雑な反応を、これだけのプログラムで実現するのは不可能だ。 ということは……まてよ? 「美奈津……本当にお前のAI関連のデータはこれだけなのか?」「はい……そのはずですけど……」 美奈津は俺の質問に答えると、哀しげに顔をうつむかせた。「やっぱり……私は……心のないロボットにすぎないんですね……」「違う……美奈津……お前に心があるにしろ、ないにしろ、これだけのプログラムでは、お前にこんな複雑な反応をさせるのは不可能なんだ。まだ、他にもあるはずなんだが……」「いいえ……それだけのはずです……後は頭部に記憶を、左胸の内部に学習内容を、それぞれ格納するメモリがあるだけです」「美奈津……その内容を見る事は出来るか?」「はい、接続ケーブルで、階さんの端末機と、私の身体をつなげば可能なはずです」「それじゃあやってみよう……」「はい……」 美奈津はうなずくと、恥ずかしげに制服の前をはだけ、白いおなかをあらわにする。 へそに指を差し込んで左右に引くと、腹部が観音開きに左右に開いて、複雑な内部のメカニズムがあらわになる。 俺は、自分の端末機からケーブルを引っ張って、美奈津のネットワーク端子に接続した。 美奈津を制御するためのOSを介して、学習データを端末にコピーしようとする。 なんだ……これは……。 美奈津のAIの学習データを、端末にコピーするのは不可能だった。 美奈津のAI学習データは、何千万個の独立素子が連結し、その動作内容を相互にフィードバックしあう、完全な並列システムだったのだ。 これは……ニューロコンピュータだ。 俺は笑った。会心の笑みで。 美奈津には心がある。100%心がある。「美奈津……お前には心が存在する……あれだけしかプログラムが必要ないのは当然だ。完全に心がある存在に対して、どんなプログラムが必要だというんだ?」「階さん……本当ですか? 私……私……」「ああ……美奈津、お前には通常のAI回路の他に、感情回路とでもいえるものがあるんだ。それは藤澤博士によってプログラムされたものではない、10年間かけて育てられたものだ、お前の仮想現実環境での生活は、身体の完成を待つためではなく、感情回路を育てるためのものだったんだろう」 美奈津は俺の言葉を聞くと、会心の笑顔で、そっと自らの左胸に手を添えた。「階さん……私、今なら言えます。心からあなたを愛していると……」 その美奈津の心からの愛の告白に、思わず胸が切なくなる。 だが、照れ隠しに俺はつい美奈津に意地悪な事を言ってしまう。「心があるといっても所詮おまえは作り物、ロボット人形に過ぎない。こうして腹を開けば、内部の機械仕掛けが丸見えだ。いくら人間そっくりに造られていても、心があっても、おまえは人間じゃない。おまえが俺を愛していようがいまいが、俺の所有物であるおまえは、俺の命令に必ず従わなければならない」 その俺の意地悪な言葉に、美奈津は健気にうなづく。「はい……階さん。心も身体も、私のすべてはあなたのものです。階さんのためになら私、どんなことでもいたします」 俺は、そう言って微笑む美奈津の拡張端子からケーブルを引き抜くと、露出している美奈津の腹部の内部メカを見つめた。 内部のギミックを見られるのが恥ずかしいのか、美奈津はほほを真っ赤に染め、左右に開いた腹のカバーを閉じようとする。「閉じるな、おまえのロボット仕掛けをもう少し観察してやるからそのままで居ろ」 そう言って美奈津を制すると、俺はゆっくりと美奈津の露出した内部メカの上に視線をさまよわせた。「おまえはよく出来たロボットだが、目新しい技術は使われていないな。こんなに人間そっくりに造られているおまえの身体に、まさかガソリンエンジンや歯車が使われているとは思わなかったぞ」 俺がそう言うと、美奈津は哀しげに瞳を伏せ、恥じ入るように身体をこわばらせた。「どうした? そんなに俺に内部の仕組み……機械仕掛けの本性を知られるのが、嫌なのか?」 俺の言葉に美奈津は首を振ったが、表情がそれを裏切っている。 ロボットであっても人間と変わらない心を持つ美奈津は、機械仕掛けの自分の身体に対して、コンプレックスを抱いているのだろう。 俺はそんな美奈津に、意味ありげな笑みを浮かべて笑いかける。「美奈津、おまえ、こんな機械仕掛けのロボットでなく、人間として生まれたかったなんて思っているんじゃないだろうな?」 俺の質問に、美奈津は哀しげにうつむき、口ごもってしまう。「どうなんだ、美奈津。俺の質問には必ず正確に答えろ。これは命令だ」 俺がそう命じると、美奈津は小さくうなづく。「はい……」「人間の女だったなら、俺の本物の恋人になれたかもしれないなんて思っていたんだろ? 違うか?」「…………」 無言でうなづいた美奈津の身体を、俺は柔らかく抱きしめ、唇を奪う。「んっ」 短く熱い口付けを終えると、俺は美奈津の耳もとにそっと囁いてやる。「馬鹿だな……おまえは。もしおまえが何の取り柄もないただの人間の女なら、俺はおまえを、歯牙にもかけなかっただろうよ。それでも、おまえは人間として生まれたかったと思うか?」 俺がそう言うと美奈津は、はっと顔をあげた。「よく考えてみろ。由紀子はもちろん人間だが、俺は今日、あいつでなくおまえを、ロボットのおまえを選んだ。理由は簡単。おまえの方が俺の好みにあっていたからだ。美奈津。パンティを脱いで、ま○こが良く見えるように、ソファーに座って足を大きく開いてみろ」「はい」 俺がそう命じると、美奈津は羞恥にほほを染めながらも、パンティを脱ぎ、俺が命じた通りにソファーに座って足を開いた。 薔薇のつぼみのような、愛らしい人造ま○こがあらわになる。「こうして、ま○こに至るまで精巧に造られたおまえのボディは、人間そのもの、いや、人間以上だ。人間では到底不可能な完璧な美しさを持っている。おまえも由紀子の黒々としたま○こを見ただろう。それに比べておまえの人造ま○この、この美しさはどうだ?」「階さん……私……わたし……んっ」 恥じらいながらも嬉しそうに微笑む美奈津と、もう一度短いキスをかわし、抱き寄せながら、股間にそっと指を差し入れる。「はあ……はあ……はあ……はあ……」 弱い部分を巧みにいじられて、うっとりとほほを染め、吐息を乱れさせた美奈津の耳元に、甘い言葉を囁いてやる。「そして、感度も反応も人間以上、女としての性能も完璧だ。美奈津、容姿も性格も、おまえはすべてにおいて俺の理想通りだ。美奈津……おまえにひとつ、重大な命令を与える。おまえは、今から俺の本物の恋人として振る舞うこと。期限は、俺がおまえに飽きるまでだ。解ったな?」「階さん……私で……こんな機械仕掛けの私で、本当に良いんですか?」「機械仕掛けのロボットだからこそいいんだ。俺にとって恋人とは支配する対象であって、決して対等な存在ではない。ロボットだからこそ、俺はおまえのすべてを支配する事が出来る。人間以上に美しいおまえの身体を自由に制御し、俺の望むままに操る事が出来る。そして、いくら心があっても、ロボットであるおまえは、人間と対等に付き合う事は出来ないんじゃないか? おまえも愛する俺に、すべてを支配される事を望んでいるはずだ。違うか?」「はい……階さんのおっしゃる通りです。いくら心があっても私は、他人に所有され支配されるために造られたロボットです。階さん。私を……この機械仕掛けの私のすべてを支配してください」「よし。今から俺はおまえを恋人として支配し、そして愛してやる。おまえは、ロボットとして備えられたすべての機能を使用して、俺に仕えるんだ。いいな?」 俺がそう言うと、美奈津は心から嬉しそうに、会心の笑みで笑った。「はい……不束な私ですが、どうぞよろしくお願いします。階さん。何なりとご命令下さい」 健気な台詞に胸が熱くなる。股間に添えた手を、少し激しく動かしてやる。「あっ……ふっ」 羞恥にほほを染めながらも美奈津は嬉しそうによがり声をあげる。「どうだ。気持ちいいか?」「はい……とっても、とっても、気持ちいいです。階さんにこうして大切な部分をいじってもらってるなんて、本当に夢みたいです……」 美奈津はそんな可愛い事を言う。「夢じゃないさ。おまえが望むならいつでも、この敏感な人造ま○こを可愛がってやる。俺も、おまえがこうして悦ぶ姿を見るのは好きだからな」 既に美奈津の股間は熱く火照り、その中心部の穴からは、甘い蜜が漏れてきている。「あっ。ああんぅ!」 指をその穴の奥に差し入れてやると、美奈津は小刻みに身体を震わせ、はしたなく声を上げた。 ぴゅわっと奥の方から、愛液がほとばしり俺の手を濡らす。 ぐいっ……かちりっ……。「あっ。ああんっ!」 びくびくんっ!! ウィーン……カチャン……。 クリトリスのスイッチを押してやると、美奈津は、人造ま○この内部から機械音を発して、激しく身体を震わせる。 全身から力を失い、俺の胸に顔を埋めて、せつない吐息を漏らす。「はあ……はあ……はあ……はあ……はあっ!」 ぷしゅうぅぅぅぅぅ~。 お尻から勢いよくガスが漏れ、美奈津は羞恥に顔を手で覆ってしまう。「クリトリスのスイッチを押しただけでこんなに感じて、ガスまで漏らしやがって。おまえは本当に恥ずかしい女だな」「階さん……ごめんなさい。ご不快な思いをさせてしまって……・」「馬鹿だな、誰も不快だなんて言ってないだろ。こんなに俺を感じてくれて、嬉しく思ってる。褒美に、もっとおまえを気持ち良くさせてやろう」 そう言って俺は、左腕を美奈津の腰にまわし力強く抱き寄せ、乱暴に唇を奪った。 第三話 完 第四話はずっと鋭意執筆中(泣)
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/92.html
前回のあらすじ 霊夢の荷物を盗んだジョルノは、霊夢&ゆっくりにフルボッコにされて再起不能になりました 「ごちそうさまー!」 「ゆっ……し……果……」 ゆっくりにスタンドを食べられたジョルノは、虚ろな目でうわ言を言っている 「スタンドを喰い尽くされても、かろうじて息はあるみたいね 自業自得とはいえ悪い事したかも…」 ジョルノを哀れむ霊夢だが… 「それにしても敵を倒してもPや点アイテム出ないのね 何も貰えないのはシャクだから、所持金をいただいておくわ」 3秒も経たないうちに思考を切り替えると、霊夢はジョルノの衣服をまさぐって財布を取り出した まさに外道! 「なんだ、スッカラカンじゃない…あれ?他にも何か入ってる この写真…DIOとかいう時を止める変態吸血鬼じゃない それと学生証…名前は、ジョルノ・ジョバァーナ! それじゃあこいつが!」 目の前の少年が捜し人だということにようやく気がついた霊夢 そんな彼女に近づく一つの影があった 「こいつ、『ジョルノ・ジョバァーナ』かい?」 「そうみたいね、ところであなた誰?」 「あんた日本人か…旅行者なら知らなくてもしょうがねえか 俺は『涙目のルカ』ってんだ、覚えておきな ところでそれ、ジョルノの財布かい?ちょっと貸してくれよ こいつからショバ代をもらわなきゃいけないんだ」 「どうぞ」 既に金が入っていないことを確認していた霊夢は、躊躇なく財布をルカに渡した 「なんだこりゃあ~? 家族の写真入れか?写真や学生証しか入ってねえ」 「言っとくけど最初から空だったわよ」 「んなわきゃねーだろ! まさかてめー、この『涙目のルカ』への献上品をギりやがったなァァァ!」 二人とも知るよしのないことだが、ジョルノはすでに警備員にショバ代を払っていたため、一銭も持っていなかったのだ 「2度も同じ事を言わせないでよ… 1度でいい事を2度言わなくちゃならないってのは… そいつが頭が悪いって事だからよ 元から一銭もなかったと言ってるのよ… 3度目は言わせないでよね」 霊夢の言葉に頭に血を上らせたルカは、手にしたスコップで霊夢に殴りかかった だが、霊夢にはかすらせることすらできなかった 「にかいもおなじことをいわせるなんて、ばかなの?」 本体の危機を感じ取ったのか、ゆっくりが姿を現した 「何だ…!?その『何かよく分からんが腹の立つ物』は…? たたき落とせッ!」 どういうわけか、ゆっくりはスタンドを持たない人間にも見えるようだ 「この子は自分の意思を持っている『スタンド』で…自分で考えている… こんなにかわいいのにたたき落とすなんて、私にはとてもそんな事はできないわ…」 「ばーか!ばーか!」 ゆっくりの無邪気な発現に、ルカは大人気なくブチ切れた 「てめーはもう…てめーはもう…てめえはもうおしまいだぁあーっ!」 「おお、こわいこわい」 ルカは怒りに任せてスコップをゆっくりに叩きつけた だが、ルカは知らなかった ゆっくりに食われたゴールド・エクスペリエンスがまだ完全に吸収されきっていなかったため、荷物のカエル化はまだ効果が切れていなかったこと… そのカエルが、ジョルノを追ってきていたこと… そして、ゆっくりの中のゴールド・エクスペリエンスに反応して飛び付いたカエルが、結果的にゆっくりとスコップの間に割り込む形になったことを… カエルにスコップ攻撃を反射されたルカは、頭蓋骨がべっこりと凹んで倒れてしまった 「一体、何が起きたの? もしかして、あなたがやったの?」 「ゆっ!ゆっ!」 特に何もしてないのに、やたら得意気なゆっくり そして、彼女らの目の前で荷物に戻るカエル 「あ、さっきのカエルが! ジョルノはこうやって荷物を隠してたのね…」 「いただきまーす!」 「きゃあ、荷物食べちゃだめぇ!後で何か買ってあげるから!」 荷物を食べようとしたゆっくりを慌てて止める霊夢 「この子って何食べるのかしら… あ、あと捜し人を見つけて荷物も取り戻したことだし、ひとまず紫に報告しないと」 二人(?)は、食糧を求めて空港から街へ向かって歩きだした 東方遅体験 第3話 ルカ涙目www 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/480.html
第3話 「DISCマン、ホワイトスネイク」 プッチは道を歩いていた、慧音から教わった道を行きながら・・・ プッチ「やはり慧音の言っていたことは正しかったようだな・・・もう湖が見えてきたぞ・・・」 プッチは紅魔館少し前にある湖についてた。 プッチ「ここを渡れば紅魔館まであとすぐか・・・」 ???「おい!そこのおまえー!」 プッチは振り返った、そこには水色の少女が空に浮いていたのである!プッチは最初には私の幻覚か・・・ ??と思って気にとめずに、そのまま進んでいった・・・ ???「おい!お前だと言ってんだろ!無視すんなー!」 プッチはやはり幻覚なのではないと思い、後ろを振り向いた、そして後ろには、さっきと同じ、水色の服を着 ている少女の姿があった。 プッチ「すまないが私に言っているのかね?」 ???「そうあんたよ!アンタ以外に誰かいるっての!?」 プッチ「確かに誰もいないな・・・・」 ???「何勝手に納得してんのよォォォォォォ!!!」 水色の少女はかなり怒っていたようだ、無視されたのがかなり勘に触ったのだろうか。 プッチ「まあそう怒るんじゃない・・・素数でも数えて落ち着け・・・」 ???「素数ってなに!?あんたあたしのことバカにしてんの!???」 プッチ「素数とは1と自分の数でしか割れない・・・孤独な数字だ・・・」 ???「1と自分でも割れない・・・?算数なんて分かんないからいいや!」 ???「あ!あんた!もしかしてこの湖渡りたい感じ?」 プッチ「そうなんだがこの湖を渡りたいんだが岸からまわってもいいんだがね・・・」 ???「だったらあたしに勝てたらここを通っていいぞ!」 プッチは意味が分からなかった、私に勝てたらここを通っていい?ここを自分のだとでも思っているのだろうか・・・ この子供は・・・全く持って親の顔が見てみたい・・・ プッチ「暇つぶしなら他でやれ・・・私は急いでいるんだ・・・君の遊びに付き合っている暇は無いんだ・・・」 ???「はあ!?あたしが暇そうにしてるとでも思ったの!??私はいっつも忙しいわよ!」 ???「ああ~っ!!イライラするッ!もうあんたの事どうなっても知らないわよ!!」 ???「凍符「パーフェクトフリーズ」ッ!!」 そういうと、チルノの周りには、色鮮やかな光の弾が大量に出てきた! プッチ「何だこれは!!クッ!「ホワイトスネイク」!!!」 そういうとプッチの体からは吉良のとは違った大男が姿を表した!色は少し紫色の体に縞模様で、文字が書かれていて顔は黒い被り物を付けており、顔は見えない。 プッチ「くっ!!ホワイトスネイクは戦闘スタンドではないッ!このままではやられてしまう!!!」 プッチは、ドンドン出てくる光の弾を撃ち落としながら、弾をよけていた、すると、一斉に、弾は止まった! プッチ「何だ・・・?攻撃はやめたのか?」 そんなことを思っていると、少女の方から違う光の弾が飛んできた!しかしプッチはそのの弾を綺麗によけると 胸からあるCDのようなDISCを取り出した! プッチ「クッ・・・これを使おう!「シルバーチャリオッツ」!」 そういうと、プッチはそのDISCを頭にねじ込み、ホワイトスネイクを引っ込めた、その代わりに、中世時代の 騎士の様な姿のものが出てきた。 プッチ「外にいた時・・・あの2次会の後にポル・・・ポルなんとかの奴から抜きとっていてよかったな・・・」 プッチはチャリオッツを使い、光の弾を斬り落としていた、ポルナレフのように、素早い剣さばきは 出来ていないが、力強く、光の弾を撃ち落としながら、少女の方に近づいて行っていた! ???「あれ!?弾幕が効かない!?」 少女は驚いた!あのハゲ野郎にこれでもかというほどの弾幕を打ち込んだはずなのに、あいつは何ともなく こちらに近づいてきているではないか!少女の目の前にまで来ると、プッチはチャリオッツを引っ込め ホワイトスネイクを出し少女の頭からチャリオッツの様なDISCを引っ張り出した。 ???「あれ!?弾幕が出ない!?」 プッチ「君から能力を奪わせてもらったよ・・・」 ???「かえしてよ!そうしなきゃあたいが戦えなくなるじゃんか!」 プッチ「相手に能力を与える者がどこにいる・・・」 プッチ「さて、簡単な勉強をしようか・・・」 プッチ「君は今からこの能力の入ったDISCを取り返そうとする・・・やり方はどれかな?」 ①、天才的なチルノちゃんはナイスな解決方法を思いつく。 ②、またこいつと戦って、DISCを取り戻す! ③、泣いて謝罪する、現実は非常である。 プッチ「さあどれだ?」 チルノ「③以外に決まってるじゃない!舐めないでほしいわね!」 その時、ベゴォ、と顔の肉がへこむような音がした。 チルノ「ッッッ~~~~」 チルノの顔はホワイトスネイクにより、殴られ、へこんでしまっていた! プッチ「残念だが応えは③だ、現実はそう甘くないんだよ・・・・」 プッチ「さあ、早く泣いて謝罪しろよ・・・そうすればDISCは返してあげよう・・・」 チルノ「ううッ・・・ご・・・ごめんなさい・・・」 プッチ「え?なんだって?」 チルノ「ごめんなさい!あたいが悪かったから!能力返して!」 プッチ「そう・・・それでいいんだ・・・そうやって謝っていれば顔面をそんなに鼻血だらけにならなくて 済んだのだがな・・・」 そういうとプッチはチルノの頭にDISCを差し込んでこう言った。 プッチ「私にもう構うんじゃないぞ・・・」 チルノ「わかった・・・もうあんたには近寄らないよ・・・」 プッチ「それでいい」 そうすると、チルノはどっかへ消えていった・・・ プッチ「さて、とんだ道草を喰ってしまったな・・・早く紅魔館に行かなければ・・・」 そうすると、プッチは紅魔館の方へ向かったのであった・・・
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/2341.html
軍隊には、様々な人間が居る。 特に私のとある知り合いが所属していた501大隊においては、それが顕著であった。 色々な国の出身が居て、ウィッチも一般兵も居る。 彼らに共通する事は、全員が軍人、そして兵士であるという事だ。 しかし、ただ銃を撃つだけが軍人と言う訳じゃない。 そう、補給や修理が無ければ軍隊と言うものは成り立たないのだ。 ルウッピイ=ユーキオ氏の手記による 【ストライカーユニット用格納庫】 二等兵「・・・。」ガチャガチャ 整備兵の服を着た青年が、ストライカーユニットの手入れをしている。 没頭しているのか、首に掛けていた筈のタオルがずり落ちたのに気づかない様子だ。 エイラ「オーイ。」 そこに、コーヒーを入れたコップを二つ持った少女が入ってくる。 白くてサラサラしている長い髪、、白い肌。間違いなく美少女だ。 二等兵「・・・。」ガチャガチャ エイラ「・・・オーイ。」 二等兵「・・・。」ガチャガチャ エイラ「オイ!」バサッ 美少女が整備兵の被っていた帽子を取る。 二等兵「うわっ!!・・・何だ、エイラか。」 エイラ「何だとはナンダ!折角・・・その、コーヒーを持ってきてやったノニ。」 二等兵「あ、ごめんごめん。ついつい熱中しすぎちゃったよ。」 その技術兵は帽子を脱ぎ、床に落ちていたタオルで顔を拭いた。 エイラ「あっ!駄目ダゾ、そんなに汚れてるタオルじゃオマエの顔が汚れちゃうじゃナイカ!」 少女は慌てた様子で持っていたタオルを手渡した。 二等兵「ん・・・ありがとう。」フキフキ その技術兵の制服に着いている階級章によれば、彼は二等兵。 そして少女の制服に着いている肩章は中尉のものだった。 当然、普通であったら上官に対する不敬として咎められてもおかしくない。 そう、普通ならば。 エイラ「フフン。ありがたく思エヨ!」 胸を張ってそう言う"中尉"の顔には、それを気にしているフシは全く感じられなかった。 二等兵「ありがとうエイラ。俺の為に淹れてくれたのか?」ニコッ エイラ「べ、べ、べ、別にソンナンジャ!///」アセアセ 真っ赤になって言い訳しようとしている"エイラ"と呼ばれた中尉に対する二等兵の態度からも、彼らがどんな関係かは分かるだろう。 エイラ「そ、そ、ソウダ!!ミーナがオマエの事を呼んでタゾ!!」 二等兵「わかった、すぐに行くよ。・・・コーヒーありがとうな。エイラ。」 エイラ「ウン・・・//」 【司令室】 二等兵が入ってくる。相変わらず仕事熱心なのか、先ほどまでもストライカーの整備をやっていたようだ。 ツナギのあちこちが油や煤に汚れている。 二等兵「すみません、こんな恰好で。」 ミーナ「いいえ。気にしないでちょうだい。」ニコッ カールスラント軍の制服を着た赤髪の女性が微笑む。美人である。 同志「それで、君に昨日から配属された軍医の紹介をしておこうと思ってな。」 そして、視線を左に移す。 衛生兵「衛生兵です、よろしく。・・・マッサージぐらいしか出来ないけど。」 メディック「メディックだ。よろしく頼む。」 ジョン「ジョンだ。調子が悪くなったらいつでも言ってくれよ。あ、あと俺の射撃の腕前が見たい時もな!」 メディック「・・・ジョン。それに、お前は俺より下手じゃないか。」 ジョン「なんだと!いいか、あれは俺の調子が悪かったからで―」 衛生兵「はいはい、そこまでにしておきましょうね。後でマッサージしてあげますから。」 ミーナ「ゴホン・・・と、言う訳でこの三人が新しく配属された軍医よ。」 同志「そうそう、彼は格納庫で働いてくれている整備二等兵だ。銃が壊れたら彼の所に持っていくと良い。一晩で直してくれるぞ。」 二等兵「よろしくお願いいたします・・・しかし、何故俺に?俺はただの二等兵なのですが・・・」 同志「いや、それは私も不思議に思うんだよ。貴官ほどの腕前の者が何故そんなに低い階級のままなのか。」 衛生兵「まあ、何にせよよろしく。疲れたらいつでも医務室に来て下さい。マッサージだけには自信があるので。」 二等兵「はっ!よろしくお願いいたします!」ザッ ミーナ「自己紹介がまだだったわね。私はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐。ここフミカネブルグ基地の司令官を務めているわ。」 ミーナ「そして、この人は同志大尉。501大隊の地上部隊の指揮を取ってもらっているわ。」 同志「よろしく、同志諸君。」ビシッ ミーナ「・・・大尉が酒瓶を持っている時には近づかないようにね。貴方達も容赦なく飲まされるわよ。」 同志「・・・一言余計ですな、同志ヴィルケ中佐。」 同志「それじゃあ、解散。同志軍医達は私に着いてきてくれ。他に案内したい所があるからな。」 同志「・・・と、その前に。ヴィルケ中佐」 同志がミーナに目をやる。 ミーナ「わかってるわ。・・・皆さん。」 呼ばれた軍医たちが姿勢を正す。 ミーナ「第501統合戦闘団にようこそ。歓迎するわ。」 【飛行機用格納庫】 同志「諸君!整列!!」 隊員「「「はっ!」」」ザッ 同志「こちらが、今日からこの501部隊に配属される事になった三人の軍医達だ。」 三人は、簡単な自己紹介を済ませた。 キ84「キ84少尉だ。よろしく。」 シャーリー「シャーロット・イェーガー大尉だ。シャーリーで良いよ。」 赤色のブレザーを着た胸の大きいウィッチと、飛行服を着た兵士が言う。 "シャーリー"と呼ばれた少女はとても少女とは思えないような体形をしており、兵士の方は外見は若かったが、ベテランの風格を漂わせていた。 十分「十分少尉です。よろしくお願いします。」 坂本「坂本美緒少佐だ。よろしく頼む。」 次に自己紹介したのは、長い外套を着た優しそうな顔の少年と、きりっとした顔立ちの眼帯を付けた黒髪の少女だった。 同志「・・・見ての通り、この部隊では階級などをあまり気にする必要はない。士官だろうが佐官だろうが兵士だろうがほぼ対等な立場だ。」 同志「だから、改良してほしいことや気になった事があったら、遠慮せずに言ってくれ。」 衛生兵たち「「「はっ!!」」」 【ストライカーユニット用格納庫】 二等兵「あ、こんにちは。」 先ほど紹介された兵士が、ストライカーユニットの整備をしている所だった。 エイラ「コンチワ。」 横でエイラが、ストライカーユニットを整備する二等兵の手元を覗き込んでいた。 二等兵が整備しているのは彼女のストライカーユニットらしい。 同志「ここがストライカーユニット用の格納庫だ。今ここに居るのは彼だけだが、実際はもっと数がいる。」 同志「近いうちに新しい整備兵が来ると聞いていたんだがな・・・また上層部の口約束か。やれやれ。」スタスタ 同志は肩をすくめ、さっさと歩いて行ってしまった。 軍医達は慌てて後を追う。 【衛生兵視点】 その後、いろいろな所を見て回った。ウィッチも紹介された。皆、美人だった。 中庭で訓練している兵士達も居た。酒臭かったが陽気で、腕前は確かなようだった。 車両で一杯になっていた車両用の格納庫、見た事のない武器で沢山の武器庫、露天風呂まで付いていた。 同志「それじゃ、夕食時になったら呼ぶから荷物の整理をしててくれ。」 そして、最後に医務室を回った後、解散となった。 衛生兵「しかし、広い医務室だな・・・。掃除もきちんとされている。」 メディック「"資金だけは沢山ある"そうだぞ。」 ジョン「大方各国が他の国から批判されるのを恐れて沢山出しあってるって所だろうよ。」 衛生兵「まあ、俺はこれだけいい労働環境なら不満は無いがな。フミカネブルグって言うからもっとひどい所かと思ってたよ。」 メディック「ああ。知り合いの兵士達から"あそこの医務室は掘立小屋だ"って聞いてたからな。」 ジョン「それ、俺も言われたな。・・・百聞は一見に如かず、だ。」 衛生兵「なるほど、廊下を挟んで居住スペースと別れてるのか。」 ドンドン 壁を叩いてみる。 衛生兵「うん、防音性も問題なしだ。俺達、ひょっとしたらとんでもない当たりくじを引いたのかもな。」 メディック「ハハ、そうだな。最高だよ、一人一部屋なんて。」 その晩は、ジョンの部屋で三人で飲んだ。 このメンバーならどんな激戦でもやっていけるだろう。そんな気がした。
https://w.atwiki.jp/xxxxxxx/pages/27.html
「さっきからこっちを見やがって! 姿を現せ!」 そういって櫻風が草むらに飛び込む。が、 「櫻風!」 草むらの奥が激しく光ったかと思うと、櫻風が紙切れのように吹き飛ばされていた。 櫻風は無事なようだがもう先ほどの気配は無くなっている。きっと逃げられたのであろう。響紺が相手が逃走した痕跡を探そうとしているが何も見つかってはいない。 「大丈夫か、櫻風!」俺は櫻風に駆け寄った。 「ええ、お気になさないで下さい・・・・・・。それにしてもあやつの正体は一体・・・・・? 一瞬の出来事でしたので、こちらも姿を拝見することが出来ませんでした。」 櫻風が悔しそうに言う。だが、俺は首を横に振った。 「お前が無事ならそれでいいんだ。お前を無理させると亘に申し訳が立たないからな。・・・・・とにかく、一度皆で集まろう。」 俺は響紺を呼び寄せると、緊急時の集合場所である、応接間へと向かう。そのときだ、 「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」 「美永さん!?」 その悲鳴の主をすぐに美永と俺は判断がついた。響紺の背に乗って、中央の大広間へと急ぐ――――。 「こ、これは・・・・・?」 「なんていうざまだ・・・・・。」 「酷いですね・・・・。」 俺たちは酷く荒らされた大広間を見て唖然とした。障子は引き裂かれ、壁の高価な絵までもに何者かの爪あとが深く残っている。それになにより、 「美永さんが居ない!」 ここに居たはずの美永の姿が何処にも窺えなかったのである。俺は近隣の部屋も探すが、やはり居ない。 "誘拐――――。" そんな言葉が脳裏を過ぎる。そして振り向くと、 「何者だ・・・・・・、お前・・・・・?」 俺は幻影かとも思われる物を見て呟く。 「さあな・・・・・・」 目の前の不気味な生物は静かに答えた。響紺と櫻風は戦闘態勢に入っている。だが、俺は、 「美永を降ろせ。」 奴の背に横たわっている、美永と奴の眼を交互に凝視して言った。 「その注文には・・・・・答えられないな。こちらも用があってこの娘をお借りしているんでね。ちょいと暴れたもんだから手荒くやっちまったが・・・・・・な。」 そういって、奴はやはり不気味に笑う。 「美永を・・・・・・降ろせ!!」 俺は奴に向かって駆け出した。響紺と櫻風も後に続く。 「薫殿、お力をお貸しします・・・・・。」 俺の前に先ほどの薄緑色のビジョンが映し出された。櫻風の予想する、奴の動きが俺に伝わってくる。今こそ"神風飛翔鶴の業"を使うときだ。と俺は直感する。 「よし!」 俺は高く跳躍した。 さらに最高到達点に響紺が先回りして自らを俺の踏み台とする。 「神風飛翔鶴よ、俺の拳に神風を宿せ!!」 俺はありったけの力でそう叫び、ありたっけの力で化け物の顔面を殴りつけた。 が、しかし、 「効いていない!?」 俺は奴の体をすり抜け余った勢いで壁に叩きつけられたのだ――――。
https://w.atwiki.jp/xxxxxxx/pages/22.html
青白い閃光が辺り一帯を輝かせる中、薫は響紺の身に起こった変化を目撃した。 美しいことこの上ない程の真っ白な体毛。その毛は尾の先に至るまで、響紺の体を包み込み、表情はより凛々しくなっている―――。 「響紺・・・・・・?」俺がそう呟いたときだ。 「薫・・・・・聞こえるか?」 何処からともなく声がする。燈華かと思えば違った。となれば考えられるのは、 「聞こえるか? 薫・・・・・。我の声は聞こえるか?」 響紺である。響紺の声が聞こえた。しかし、響紺は口を開いてはいない。 それどころか、 「薫様、燈華です。聞こえますか・・・・?」 燈華の声までもが耳に入る。だが案の定、燈華は口を開かず真っ直ぐにこちらを見ていた。 「薫。これは我等、仕狼たちにそなわる能力、以心共鳴だ。これがある限り、我等は主人と心で会話することが出来る。そして心で我に指示を下すことが出来る」 響紺が丁寧に解説してくれたお陰でなんとなくだが、以心共鳴の意味が理解できた。 「薫」「薫様」 俺は二人を声を聞き、しばらく目を瞑ると、燈華の作った結界を飛び出すとそれと同時に響紺と燈華も俺の側を駆ける。 「薫、奴の結界は非常に強力だ。壊すのは至難の技だが、一点攻撃には弱い種類の結界なんだ。だから・・・・・」 「三位一体攻撃ってわけだな」 俺が響紺の台詞を取ると、響紺は微かに笑みを浮かべると、 「神風飛翔鶴よ、その風を刃と化せ! 風刃!」 まさに風は全てを切り裂く刃となり、木々を薙ぎ倒しながら結界に衝突する。 さらに端から燈華が凍矢をピンポイントに直撃させた。 「なんだか知らねぇが、やるしかねぇ!」 俺は走りながら小石を拾うと、大きく跳躍して、 「神風飛翔鶴よ、俺の思に答えよ!」 そう大きく叫んで小石を燈華の凍矢が刺さっている場所目掛けて投げつける。 小石は風を纏うと結界を直撃し、爆砕した。だが、俺は突然、動きに勢いを無くして落下し始める。 「薫様!」 それを燈華が間一髪で受け止めた。その一部始終を見ることなく響紺は止めの一発を、 「神風飛翔鶴よ、神風を熾せ! 超大響界神風!!」 加える。至近距離から放たれたウルトラ級の一撃は相手の反抗を許すことなく、結界を破壊、粉砕した。 「くそ、こいつらやってくれる・・・・・・」 亘の余裕の表情は無くなる。 「烈天神凰鳳よ、愚者どもを葬り去れ!」 そう言った瞬間に亘を紅蓮の炎が包んだ。 「皇火煉獄・覇!」 あたりの風景が一瞬にして変わる。あまりに鋭い閃光が辺りを襲うために俺たちは思わず目を瞑ってしまった――――。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2244.html
アルトアイネス奮闘姫 第三話「あたしがウイナー?」 『君達が調べた通り、スイカ君のコアには秘密がある。今はただの神姫かもしれないが、戦闘中にそのシステムが発動する可能性はある』 声だけの男は続けた。 『いつでも、メロン君にスイカ君を止めることが出来るか?』 それは戦えという意味に他ならなかった。 「やだ……」 メロンの視線の先にはスイカがいた。 「どうしてスイカと戦わなくちゃいけないの!」 メロンは勝見の手の上に乗って、スイカから離れていた。あまりスイカの耳には入れたくない話もしなくてはならない。 メロンは涙を浮かべて勝見に向き直った。 「じゃあ、スイカと別れるのか」 「それはだめ、でも……」 いつものように言葉が続かない。 「いざとなったらスイカを止めるないといけない。それが出来るのは、お姉ちゃんのメロンだけだ」 「いざって、なに?」 「いざっていうのは……」 スイカが持っている力の大きさ、それは映像で知った。生馬が見せたrootの戦闘データだ。あの化け物と同じ力を持っており、戦いに使えばその戦いはバトルにならないだけでは済まない。 けどスイカが同じことを出来るのだろうか。そう、いざとはスイカがrootの力を持ったときのことだ。 そこまで思考がたどり着いたとき、勝見は背筋がゾワッとした。 (そうか、そういうことか) どうしてなのか、はっきりとわかった。 「スイカは危険な神姫、いやMMSとして危険なんだ」 「よくはわかんない」 「詳しくはあとで話す」 言葉で説明するのは難しい。しかし、今伝えることは一つだ。 「かい摘んで言うと、スイカは普通じゃない。危険なほど強い」 「私より?」 「危険になる」 勝見はうなずいた。 「だから、いざとなったら止めなきゃいけないんだ。絶対に」 「でも、スイカを力で止めたら、スイカは傷く」 「だからスイカを止める役が必要なんだ」 「止める役は……あたしなのね」 「そうだ」 メロンはスイカに歩み寄った。 「今の話は聞いてた?」 「聞こえなかった」 「そう」 メロンはうつむき、つぶやくような声で続けた。 「これから何するかはわかる?」 「私とお姉ちゃんが戦う」 わずかに目を細めて、スイカはメロンに視線を向ける。 「お姉ちゃんは私を守るのか、それとも戦うのか?」 とてもわかりづらいスイカの表情、多分心に浮かんでいるのは不安だ、とメロンは思った。 黒い天使と称され、大人びた雰囲気を持ちやすいリペイントアーンヴァル。しかし、メロンの目に映っているその姿はとても小さかった。 見上げながら、スイカの頬に触る。 「よく聞いて、スイカ」 赤い目同士が見つめ合う。まだ姉妹になって一日しか経ってない。けど何が何でもこの子を守りたいと思っているあたしがいる、そうメロンは感じていた。 「これからあたし達は戦わないといけない、本気でね」 スイカの頬をなでるメロンの手の甲に、さらさらした金色の髪が触れる。 「でもね、お姉ちゃんはいつだってスイカの味方だよ」 「戦う相手が味方、それは矛盾する」 「そうね、でもここで本気で戦えば、スイカもあたしも家に帰れる」 「お姉ちゃんは家に帰りたいのか?」 「スイカと一緒に帰りたい」 頬をなでるメロンの手に、スイカは手を重ねた。 しばらくの無言、スイカの表情は変わらないが、何か考えていることはメロンにはわかった。 「わかった」 重なる手にメロンはわずかに力が入るのを感じた。 「お姉ちゃんと戦う」 バトルロンドは筐体の中で行われ、武装は筐体に入るとき、自動にセットされる。 メロンは筐体の中で服を脱ぎ、武装に備える。 戦乙女型アルトアイネス。 戦乙女、ワルキューレ、バルキリー。その名に違わず、武装のシルエットは戦うメカとして洗練され、黒い鎧となってメロンの体を包む。 先行機のアルトレーネをマイナーチェンジしたものがアルトアイネスであり、メロンの小さな体には大きすぎる武装だ。だが、そのアンバランスさ、危うさこそが神姫の最大の魅力でもあった。 華奢な太ももから伸びる黒く力強い両脚、肩には細い腕に対して数倍も太い副腕を備え、装甲の表面には大きなクリスタルの装甲が血を吸ったように紅く輝いている。メロンのやさしさを押さえつけるきわめて攻撃的な姿だ。 右副腕にはダブルクリスタルブレード、左副腕にはアモルファスシールドが装備され、攻守の中心となる。 華奢な胴には本来スカートアーマーがあるのだが、今回は背中に接続している。スカートアーマーの内部にはスラスターが複数を備えて機動力を確保するのだ。しかし、組み替えを行い背中に接続すると、スカートは展開して黒い翼となり、空を羽ばたくことができるのだ。 防御力を失う代わりに空中戦の能力を獲得する。アーンヴァルとの戦いには飛べる装備は必要不可欠だ。 「戦いは空中戦になる、アーンヴァルの戦いは一撃離脱だ」 筐体に入る前に勝見からもらったアドバイスをメロンは思い出す。 アーンヴァルの戦い方はリアパーツの高機動力とレーザーライフルの大火力、高度なセンサーを存分に生かした一撃離脱戦法。構想は単純であるが、いまだに強力な戦術であり、打ち破るには、機動力、火力、命中力のいずれかをねじ伏せなければならない。 バトル開始。 スイカは飛び上がりながら距離をとり、機関銃で牽制射を加える。アーンヴァルの装備、アルヴォPDW9、威力は高くないものの、取り回しのよさと反動の少なさが売りであり、牽制やレーザーライフルのつなぎとしては最適の銃だ。 慌てることなく、メロンは左副腕のシールドで防ぐ。 (初めての実戦のはずなのに) 機関銃の攻撃は余裕を持って対処できている。弾丸もシールドで弾かれ、ダメージにはならない。しかし着弾は多く、スイカは狙いを違えてはいない。 もちろんいつまで受けに回るつもりはない。黒い翼を広げると軽くジャンプして高度を取る。 その間にスイカは攻撃を加えずにさらに距離をとっていた。すでにレーザーライフルの間合いだ。 上昇の間は狙いがつけにくいが、その分水平面での動きは小さくなる。前後で言えば移動してないと同じだ。そうしてる間に距離を取る、ということをしているスイカは、明らかに戦い方を知っている。 レーザーライフルの初弾がメロンを襲う。狙いは確かだが、メロンは小柄な体を生かし、紙一重でレーザーをかわした。 傷つけないようになんて余裕はない、その気でかからなければ負ける、とメロンは思った。 しかし、そのことがメロンにはひどく悲しいことに思えてきた。 スイカは本当に何も知らない、でも戦い方だけは知っている。それはとても悲しいこと。 痛いことはあっても体が痛いだけ、心が痛いことはない。誰とも心を通わせたことがないから。それはもっと悲しいこと。 あたしには勝見がいつもいてくれる。スイカには誰もいない、そんな人形って一体何なのだろう? (ううん、あたしがいる) 空を見上げて黒い翼を広げた。どう戦えばいいのか、メロンはやっとわかった。 メロンは間合いを詰めてきた。スイカにとっては予想通りの機動だ。 メロンに遠距離の武装はない、右副腕のダブルクリスタルソードのみだ。 ヘッドセンサーの修正値と大型のリアウイングの安定性に任せ、レーザーライフルの引き金を引く。 今度はインメルマンターンでメロンはかわそうとするが、初弾から修正値を得たスイカの狙いはメロンが思っている以上に正確だった。 かわしたはずなのにレーザーライフルは直撃コース。メロンは左副腕のアモルファスシールドで防ぐが、前進しつつ受けるレーザーにこらえきれず、左副腕は根元から外れてしまう。 ところが、メロンはその反動を利用して、重心をずらし、レーザーの周囲をなぞるように飛び、さらに間合いをつめた。 間合いが近過ぎて、第三弾を放つ時間はない。メロンは左副腕を犠牲に距離とレーザーライフル奪ったのだ。無茶な戦い方だが、合理的。これが実戦(バトルロンド)なのだ、とスイカは思った。 接近戦では余分なウエイトになるレーザーライフルを破棄、代えて両肩のライトセイバーを選択。二刀流となったスイカは、ダブルクリスタルソードを受ける構えを取る。 メロンは思い切りソードを振り下ろし、セイバーを力任せに押し切ろうとした。 しかし、接触する瞬間、スイカは思い切り上昇し、ソードをかわす。メロンの攻撃はむなしく空を切る。 その上昇から反転、スイカはメロンの上方を取る。 「はぁ!」 ほぼ真下へ向かってスイカは切りつける。威力は通常の倍は出ているだろう。 気がついたメロンはシールドで防ごうとするが、シールドの左副腕はもうない。 右手のライトセイバーがメロンの左肩の非装甲部に直撃。 「ぐはっ!」 痛みにこらえられなかったのか右副腕のソードを落とす。 追撃し畳み込みをスイカはかけた。しかし、そのとき、メロンは残った右副腕を伸ばしてきた。 間合いは近く回避は間に合わない。伸びた右副腕はリアウイングをホールドした。その直後、スイカはバランスを崩し、ライトセイバーを離してしまった。 しかも、崩れたバランスは一向に悪くなり、そこからメロンに体当たりする格好になったのだ。 高度が急激に落ち、地面が迫る。 「お姉ちゃん、離れて!」 、二人はもつれたまま地面に落下した。 ビションに映る土煙の中に、黒い影が立ってた。 「メロン、お願い!」 ブーケが悲鳴のような声で応援する。 勝見、生馬、匠、ルーシェ、ブーケ、その他センターに来ていたギャラリーも見守る中、戦いは終盤を迎えていた。 「見えるぞ!」 土煙が薄くなり、立っていたのは……スイカだった。 「メロン!」 勝見は思わず叫んだ。 ビジョンに映るスイカにダメージを受けた様子はない。 土煙が収まるとスイカの足元にはメロンが倒れていた。あちこちに汚れがつき、右の翼は折れて、ぐったりと地面に横たわっている 「そんな……」 メロンが負けたのだろうか。筐体を見るとメロンのロゴには動作停止の赤いマークがつけられていた。 しかし、誰もが予想しないことが起きた。 「オーナー、私は降伏します」 見ている人間と神姫は耳を疑った。 「これ以上は戦っても勝ったことにはなりません」 スイカはひざをつき、メロンを抱き上げた。 「お姉ちゃんが私を守ってくれた、から」 『「止めた」、な』 「いいのですか?」 あの声とセンター長が話していた。 『まあ、いくらrootと同じシステムでもスイカ君は素人だ。素人らしからぬ戦いを見せてくれてはいるが』 声は感心したような声で続ける。 『相手の神姫を傷つけずに止める。あのアルトアイネスは力ではなく、心で止めたんだよ』 バランスを崩し、地面に激突するまでの映像を再生する。 もつれ合ったとき、メロンはスイカを抱きかかえていた。大きさだけならメロンの方が小柄なのに、腕はスイカの腰と頭に回し、がっちりと固めている。しかも接地直前には黒い翼まで使ってメロンを包み、全身でかばっていたのだ。 『はじめは成行きだった。でも今は、ぜひアイネス、メロンにスイカを任せたいと思っている』 「私もそう思います」 「戦闘は終了。起きて、お姉ちゃん」 メロンは気を失ったままだ。 「お姉ちゃん、どうかしたのか?」 頬を叩く、しかし、メロンに反応はない。 「オーナーに通達、メロンに異常、至急、修理を希望、早く……早くしてください!」 スイカの腕の中、メロンはピクリとも動かなかった。 メロンが起きないのは寝不足の電池不足のせいだったが、周囲がそれに気がつくのは一騒動あってからのことだった。
https://w.atwiki.jp/fantasyworld142/pages/40.html
ざわざわ… 「はい、静かにして!今日は転入生を紹介します。さ、入って。」 「あ、はい…」 「転入生の紅蛇蓮華よ。学級委員の永江依玖、いろいろ案内してあげて。」 「はい。」 何か変な衣を着ている人が立った… 「永江依玖です。よろしくお願いします。」 「あ、こちらこそ…痛い!」 「あ、失礼…静電気が貯まりすぎてました…」 静電気!? 「まあ、とりあえず各クラスには担任、副担任、学級委員が一人ずついます。このクラスの副担任は上白沢慧音さんですが…今は職員室みたいですね。」 堅苦しいのは嫌だけど… 「じゃ、今日はこれで終わりよ。ほかの教室も見にいったら?」 「はい…。」 -一組- (窓から覗いてる) 「というわけでみんな、二学期もよろしくね。」 (何か普通だな…) 「ところで誰か血をくれない?」 (えー!) 「俺が!」「いや私が!」 (何このクラス!) -二組- 「もうどうでもいいじゃない?藍もいないしね。」 「幽々子様、ちゃんとしてください絵文字」 (変な人…) -四組- (何か暗いわね…) 「さあ、神奈子様と諏訪子様を崇めるのです!」 「ああ~」「うう~」 (何かやってるー!もはや理解できない!) -五組- 「…」 「…」 (暗い…あの担任のような鬼は止めないのかな…) -六組- 「なので…」 (よりによって四季教頭のクラスか…長そう…) -七組- 「はい、じゃあおしまい。」 「起立!気をつけ!礼!」 (ここは普通のクラスみたいね。) ピチューン、ピチューン(やっぱ慣れにくいなあ、このチャイム…) 「ああ、いたいた!」 「依玖、どうしたの?」「部活を紹介しようと思って…」 「部活か…」 まあ、見てみようかな。 合計: - 今日: - 昨日: - 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/762.html
カチャ・・・カチャ・・・モグ・・・モグ・・・ クイッ・・・コクコクコク・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・あー!もう!さっさと食べなさいよ!このバカ帽子ぃ――――!」 いや、帽子が飯を食うはずがないだろう。 『変な帽子みたいな使い魔』 朝食を終えてルイズと帽子は教室へと向かった。 ちなみに帽子用のパンとスープは近くのマリコルヌの食事に混ぜといた。 ルイズがふわふわと帽子を従え、教室に入る。しかしいつも浴びせられる嘲笑が今日はなかった。 みんな眠かったからである。 というわけでつつがなく授業は開始された。 が、しかし。 「随分珍しい使いm・・・ゲフンゲフン帽子を召喚しましたのねぇ、ミス・ヴァリエール」 (なんでわざわざ帽子って言い直すのよ!クソがァ!) 「おいおい!昨日召喚が失敗したからってその辺歩いてた帽子を連れてくるなよ!」 (帽子がその辺歩くわけないでしょ!このピザーラが!) 「まさか帽子を使い魔にするなんて、流石『ゼロ』のルイズねぇ!おっほっほ」 (うるさいバカ女!その乳引き千切って背中に移植するわよ!) 教師のミセス・シュヴルーズが指摘したせいで、帽子を召喚したルイズへの嘲笑が始まり、 睡眠不足のイライラも手伝ってルイズはあっさりリミットブレイクに達した。 (なんもかも全部お前がわるいんじゃあああああああああああああああ!!!) ルイズは近くにあったキンケシを全力で帽子めがけて投げつけた! ド・シュゥゥゥゥゥゥウウッ! キィン! ボギャアッ! 「うぎゃあああああああああ!!!?」 「どうした!?マリコルヌ!?マリコルゥゥゥヌッ!!」 「・・・ほへ?」 うしろを見てみれば今投げたウォーズマンがマリコルヌ(ピザーラ)の顔面に突き刺さっていた。 (どういうこと?一体なにが起こったの? わたしは確かに今、上でふわふわしてる小憎らしいあんちくしょー目掛けてぶち込んだはず! なのにそれがいつの間にかうしろにいた小憎らしいあんちくしょーにぶち込まれていた! ・・・ん、あれ?結果オーライ? いやいや待て待て落ち着きなさい。偶数を数えて落ち着くのよ・・・ 偶数は荷が割れるということで引越しの日には向かない不吉な数字・・・ わたしに勇気を与えてくれる・・・ ・・・あれ、ゼロって偶数なのかしら?・・・) ルイズがゼロが偶数なのかどうか思い出そうとしていると、 「ミス・ヴァリエール!!」 「うひゃあ!?」 「ぐぼッ!」 いきなりシュヴルーズに呼びかけられ、ルイズは驚いた拍子に地獄突きを叩き込んでしまった。 「すすすすいません!ミセス・シュヴルーズ!!」 「うごッ!ごほッ!おげッ!げほッ!」 結局、授業を聞いてなかったことと地獄突きかましたことの罰で、 ルイズは前に出て『錬金』をやらされるハメになった。 「ルイズ、止めときなさいよ、どうせ失敗するんだし」 「うわああああああん!!あんまりだあああああああああ!!」 「ブーブー」 「『ゼロ』は引っ込めー、帰れー」 「かーえーれ、かーえーれ、かーえーれ、かーえーれ、かーえーれ」 (この便器に吐き出されたタンカスどもがァァァ!末代まで祟ってやるからなァァァ!!) バッシングの嵐を前にルイズは再びリミットブレイクに達しようとしていた。 そんな生徒達の上には帽子がふわふわと漂っている。 『やれるもんならやってみろよ、『ゼロ』のルイズ』 と言っている様な気がして(被害妄想である)、ルイズは本日二度目のリミットブレイクに突入した。 (どいつもこいつもわたしをなめくさりやがってええええええええええええ!!!) 全身全霊をこめて錬金対象である小石に向かって杖を振り下ろし、 チュドォォォォォォん やっぱり失敗した。 『失敗する可能性があることは失敗する』ンッン~、名言だね、これは。 「けほっ、こほっ」 (う~・・・やっぱりわたしって駄目なのかしら・・・) そろそろキュルケ(バカ女)がルイズをからかう声が聞こえてくる・・・筈であった。 「キュルケ、しっかり」 青い髪でメガネをかけた少女―ルイズはまだ知らないが名はタバサである―が、 隣の席のキュルケを揺さぶっていた。 なぜかキュルケは頭にでっかいタンコブをつくって気絶していた。 「・・・はえ?」 ルイズは教室を見回した。 「マリコルヌ!?今度は一体どうしたんだ!?マリコルゥゥゥヌッ!!」 「ペリーコロ!!目を覚ませ!!」 「マルク!故郷に許嫁がいるんだろ!?死ぬんじゃない!マルク!!」 「メディィィィック!メディィィィック!」 何人かの生徒がそろって気絶していた。彼らには奇妙な共通点が二つあった。 一つ、皆頭にでっかいタンコブが出来ていたこと。 二つ、彼らはさっき、ルイズをバカにしてきたやつらだったということ。 「・・・いったい、なんなのよぉ~」 すっかり混乱したルイズを尻目に、 変な帽子みたいな使い魔はマリコルヌのタンコブの上に、ぽふ、と乗っかった。 これがいわゆるピザハットである。 第三話『キンケシは硝煙の香り』完ッ! バ―――――z______ン! To Be Continued → 目次
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1582.html
ハウリングソウル 第三話 『開店・本屋の朝』 「マスター! その本は出版社が違いますよ! それは圭分社の本です!」 「ん・・・・・じゃあこれは?」 「それは雑誌コーナーです! ついでに今左手に持ってるのが文庫コーナーでそこに山積みになってるダンボールは全部コミックのコーナーです!」 僕は机の上からマスターに向かって言った。 全く、マスターは僕たちがいなかったときはどうやって本棚の整理をしていたんだろう? 「・・・・・・・・・・マイスター。片付け、下手」 「・・・・さり気なく人が気にしていることを言わないでもらえるかな」 ノワールがそういってチラリと僕のほうを見る。僕は苦笑しながら肯いた。 「ハウ、仕切り屋さん。マイスター、片付け下手。ノワール、大変」 「しっ仕切り屋さん!? だって仕方ないじゃない、僕だって仕切りたいとは思ってないの! あんまりにもマスターが・・・・・アレすぎるから」 「アレとはなんだねアレとは。というかノワール、お前さっきから何もして無いだろう! 少しはハウを手伝いたまえよ」 「ノワール、今日レジ打ち。役割分担する」 何やら混乱しているけれど今日はマスターの経営する本屋の品出しの日だ。 普段からあまり物を片付けない性格のマスターだから、やっぱりというか何と言うか、品出しはまだまだ終わりそうに無い。 さて、ここら辺で自己紹介をしておこう。 僕はケモテック社製・犬型MMSハウリンの“ハウ”だ。 名前がそのままなのはマスターが僕の分の名前を考えていなかったかららしい。何でも急に僕に名前が必要になったとかでつけた名前が“ハウ”。もう少しまともな名前にしてくれなかったのかと少しだけ思う。 でもマスター、悪魔型ストラーフの名前はちゃんと考えてたんだよなぁ・・・・。 何か不公平かも。 「おいこのままじゃ開店時間に間に合わないぞ。ノワールも手伝え!」 「開いてもお客さんあまり来ない。遅れても問題ない」 「さり気なく酷くないかね!?」 「むしろ直球で酷いと思いますけどね・・・・あー! それはアダルトコーナーですっ!! 児童向け絵本の棚に置いちゃダメー!?」 マスターが左手に持っているのはいかにもそれっぽいアダルト雑誌だった。 それをみたノワールは照れてるのか、無言で顔を赤くしている。 ・・・・・本当に、僕たちが来る前はどうやって生活していたんだろうこの人。 「・・・おお」 「驚いてないで急いでください! 早くしないと開店時間になっちゃいますよ!!」 というか、いつのまにか開店五分前になっていた。 このままじゃ間に合わない。 「もう! とりあえずマスターはその・・・アダルト本をダンボールに戻して! ノワールはそのままレジのお釣りを確認して! マスターはそれ終わったらダンボールを全部奥に引っ込めてください! シャッターは僕が開けておきますから!」 僕はそう怒鳴って机から飛び降りる。足にはブーツを履いているので着地の衝撃はそれほど無かった。 「・・・・・・・・やっぱり、仕切り屋さん」 机の上からノワールの声がぼそりと聞こえたけどとりあえず無視してシャッターのボタンへ走る。 シャッターのボタンは柱の上のほうにある。いつもならマスターが乗せて行ってくれるんだけれど今日は・・・・・ダンボールと格闘しているからダメだ。 走ってボタンに近い机の下に辿り着いたけれど、上るのに使えそうなものが無かった。 椅子は・・・・何で物置みたいにいろいろ置かれてるんだろう。全くマスターったら! 「しょうがないな・・・・ていっ!」 僕は机についている半開きの引き出しの上に飛び乗った。乗ったまま次の段の引き出しを少し開けてまたその上に飛び乗る。それを二回繰り返すと無事に机の上に乗ることが出来た。ちょっと無茶をしたせいか頭に被ったテンガロンハットが少し傾いた。それを治しつつ僕は柱に取り付けられたボタンに向かって飛び蹴りを加えた。 お店の入り口のほうでシャッターが開く音が聞こえる。 と同時に 「お~シャッターの前に立ったら開いたぞ? 歓迎されてるのか?」 「ご主人様、それは無いんじゃないかと・・・・」 「全くアニキは馬鹿だなぁ~! アニキがVIP待遇なんて受けれるわけ無いじゃん」 「ね、姉さん。そういう風に言うのはどうかと・・・・」 「多分ダーリンはこの本屋で如何わしい本を買うつもりなんだね・・・そしてそれを研究してあたしたちがその毒牙に掛かるんだ・・・・」 「お前ら俺をどんな目で見てんだ! とくにルーナ!」 何だか騒がしい声が聞こえてきた。 開店開始直後にお客さんが来るのはとても珍しい。 「いらっしゃいませー」 ダンボールとの格闘を終えたらしいマスターがお客さんに向かって挨拶をする。 ・・・・そうしてるとちゃんとしたお姉さんに見えるんだけどなぁ。 開店早々に来た男の人はそのまま雑誌コーナーのパソコン誌売り場に直行した。パソコンがすきなのか少し楽しそうだ。 「え~! パソコン雑誌なんて詰まんないよ! スポーツのコーナーに行こうよ~!」 右肩に乗った悪魔型が彼女のマスターにそういっている。 ノワールとは随分印象が違うけどあれが普通のタイプ・ストラーフだ。・・・・・ノワールがストラーフにしては大人しすぎるんだよね。 右肩には色の白いストラーフをもう一体乗せていた。こちらは普通のストラーフに比べると大分大人しめな空気だった。左肩には天使型アーンヴァルと対照的に黒いアーンヴァルを乗せている。結構不思議な光景だった。 「いいだろ別に。お前らだけでどこかに行こうとするなよ!? 他の人に踏まれても知らなねぇぞ!?」 彼女達のマスターがそう叫べば黒いアーンヴァルが 「あ、プレ○ボーイが向こうの棚に」 と言い、白いストラーフとアーンヴァルは 「あ、アンジェラスさん。お料理の本が向こうにありますよ」 「本当だ。・・・・ご主人様~もっと向こう側に寄ってください~!」 と言う。 彼女達のマスターは彼女達の反応に一々返事を返している。 その様子を見かねたのか、僕のマスターが助け舟を出した。 「お客様、神姫を下ろして差し上げても結構ですよ。朝方ですからあまり人もいませんし。それにうちの神姫も自由に歩き回ってますから」 「あ、ありがとう御座います。おら、お前ら店員さんに礼を言えよ?」 彼女達のマスターが言うと肩に乗っていた神姫たちが一斉に僕のマスターにお礼を言っていた。 そのまま四人とも思い思いの本のコーナーに歩いていってしまう。 ・・・・・というか、ルーナって呼ばれた黒いアーンヴァルがアダルトコーナーに行ってるんだけど。見なかったことにしよう。 「ふふ・・・大変そうですね」 「まぁ・・・・大変ですね」 マスターと彼女達のマスターが苦笑いをしながら話している。 さて、僕は・・・・・とりあえずやる事もないしノワールのいる机に戻ろう。ノワールの奴、サボってるかもしれないし。 案の定サボってました。 ノワールめ、気持ちよさそうにすやすや寝てるじゃない。 僕はノワールに気づかれないように音を立てずにゆっくりと近づいて、そのままノワールの足をくすぐった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」 驚いたのかノワールは飛び起きた。 猫みたいに髪を逆立てて首を左右に勢いよく振っている。どうも周りの状況を確認しているらしい。 全く、目を離すとすぐにこれなんだから。 本当にお姉ちゃんなのか疑問に思う。 「ハウ・・・・・・・・くすぐった?」 「ううん。それよりもお仕事しないとね」 「あ、ボクと同じ悪魔型だ。犬型もいる」 僕とノワールが話していると、さっきスポーツコーナーに行くと言っていたストラーフがこちらを見上げていた。 「あ、お早う御座います!」 「オハヨー! キミ達ってこの本屋の神姫?」 屈託の無い笑顔で下にいるストラーフが僕たちに話しかけてくる。 ノワールは寝起きのせいなのか聞こえているのかいないのか良く判らない顔をしていた。 「はいそうです。何かお探しの本でもありますか?」 「ん~ん~! ボクと妹意外の悪魔型って珍しかったから~! 買いたい本はもう見つけたからあとはアニキが買うのを待つだけ~!」 そういって手を振ってから下にいたストラーフは彼女のマスターの元へと走っていく。 ・・・・・随分元気な人だったなぁ。 「ねぇノワール。さっきの人、何かとっても楽しそうだったね」 「・・・・・・・・・・・・すぅ・・・・」 「寝ーるーなー!!」 NEXT