約 301,154 件
https://w.atwiki.jp/trpgken/pages/1926.html
予告 今日は、大空市立高校の校外学習の日。 向かう先は水族館、楽しい一日が幕を開ける。 ――はず、だった。 奈落の悪意が牙を剥き、空は暗雲に包まれる。 闇の音色が響くその時、音々は、ナギは―― メタリックガーディアンRPG『星降る夜に』 第三話「裸の王様/その手の行方」 ――新たな力が、今目覚める!! 【ハンドアウト】 コネクションとの関係は各人にお任せします 昂瀬 珠紀 用ハンドアウト コネクション:早坂 花清 今日は校外学習の日。 二年生の行き先は、大空市内の水族館だ。 校外学習、とは言っているが半ば遠足みたいなものである。 水族館についてからの自由時間、君はごくごく自然に花清と一緒に回ることになったわけで。 しかしそんな中、君はソルスティスから一つの警告を聞くこととなる。 柊ネネ 用ハンドアウト コネクション:吹奏楽部の部員 もう一度部員たちに謝りたいと思う君だったが、その日は普段あるはずの朝練は休みだった。 そういえば、今日は校外学習の日だったか。 点呼はいつもより早いし、朝練がないのも頷ける。 もちろん君の学年もそれは同じで、行かなきゃあいけない。 正直、それどころではないのだが……。 蔵王 天満 用ハンドアウト コネクション:橘オウカ 校外学習へ向かう珠紀たちを、君は見送った。 用務員という一応の立場上、君は大手を振ってついていくわけにはいかない。 ひとまずは見送って、それからちょちょいと工作してから護衛のためにこっそり後を―― 追う、つもりだったのが。 君は、学校の敷地内に奈落の気配を感じ取った。 これを放置しておくわけにはいかない。 薙イチロウタ 用ハンドアウト コネクション:瀬戸口 晶 二年生の担任から電話がかかってきたのは、夕方のことだった。 なんでも明日の校外学習の、二年生の引率の教師が一人急病にかかってしまったらしい。 そこで君に代打を頼めないか、ということらしい。 引率といっても、基本的には点呼の手伝いくらいしかやることはないそうで。 火星野菜の売り込みも一段落したことだし、二つ返事で君は受けることにした。 桜庭 ミカン 用ハンドアウト コネクション:レナ・ライスナー 校外学習である。 昨日のリンゴの羨ましそうな顔に一抹の申し訳無さを抱きつつ、しかし君は向かうのである。 特に示し合わせていたわけではないが、自由時間はレナとともにすることになった。 はしゃぐ彼女と一緒に楽しい時間を過ごす君だったが……。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/759.html
156 :すりこみ [sage] :2007/06/04(月) 16 48 19 ID APrSEPmV 目が覚めると俺は自分の部屋の天井を見つめていた。 「…あれは…夢…だったのか…」 枕を触れば寝汗でぐっしょりと濡れていた。 服はいつの間にかパジャマに着替えられており、 制服はいつものようにきちんとハンガーに綺麗な状態で掛けられていた。 「あれ…俺は…昨日……菊池が…ぅっ!!?」 頭がずきりと痛む。喉がかすれている。関節が痛い。 ずきん…ずきん…ずきん… この感覚に覚えがある。 記憶の欠落。 あの後俺はどうした…?思い出せ…思い出せ…思い出せ…!! 親父の書庫で本を片付けながら、つい読みふけってしまった俺。 汚れた台所には誰も居らず、焦燥感に駆られた俺。 予想通りの場所に佇む夏海。 そして壊れた人形… そうだ…なにがおかしいことがあるんだ?壊れた人形はゴミ捨て場にあるべきなんだ。 なのに、俺は何かがおかしいと感じている。 そう、夏海は壊れた人形を捨てに来ただけじゃないか。 俺がそうしたように。 夏海もごみを捨てにきたんだ。 ………………………………………? いや、よそう。 もう、考えるのはやめよう。 夢だ。夢に違いない。ふぅ…まいったな… そんなふうにベッドの上でうだうだしていると、微かに階段を駆け上がってくる音が聞こえる。 きっと、夏海だ。 「お兄ちゃん!?いつまで寝てるの?もぅ…アルバイトに遅れちゃうよ? 早くご飯食べて…って…お兄ちゃん?どうしたの…なんだか…顔色悪いよ?具合悪いの?」 心配そうに俺の顔を覗き込む夏海の顔。 そうだ、こいつがあんなことできるわけ無いじゃないか… 「あ…ああ…いや、ちょっと悪い夢を見たせいかな…」 「本当に大丈夫?アルバイト…お休みする?」 「いや、大丈夫。直ぐに降りるから。先に行っててくれ。」 「うん…でも、無理しないでね?あ、お母さん、さっき寝たところだから静かに下りてきてね?」 「ああ…すまないな夏海…あ、そうだ…ちょっと馬鹿なことを聞くけどいいか?」 「?なぁに?お兄ちゃん。」 「昨日…誰か家に遊びに来てたっけ?なんか昨日のことがよく思い出せなくって…」 夏海は本当に不思議そうな表情で、しかしはっきりと俺に言った。 「?昨日は誰も遊びになんて来てないよ?お兄ちゃん…もう、惚けるにはまだ早いよ♪」 そんなふうにあいつはくすくす笑いながら階段を静かに下りていった。 そうか…やっぱり俺の勘違いか… ふぅ…とため息をつくと俺は素早く着替えて一階に下りていった。 夏海の作った朝食をかき込むと、弁当箱を引っつかんで家を飛び出した。 出掛けにちらりとゴミ捨て場を覗くとそこには何も残っていなかった。 「ったく…夢に決まってるだろ…しっかりしやがれ…」 後ろを振り返らず自転車に跨りバイト先まで全力で漕ぎ出す。 くだらない夢で遅れてしまった時間を取り戻すように。 流れる景色と額に触れる早朝の空気の冷たさが気持ちよかった。 また、今日も変わらない日常が続くはずだった。 学校で菊池が行方不明になっていることを聞くまでは… 157 :すりこみ [sage] :2007/06/04(月) 16 51 58 ID APrSEPmV 小泉八雲は考え込んでいた。 珍しく彼の周囲には彼の取り巻きの六人が揃っており、 皆楽しげに談笑していたのだが,彼は一人自分の世界で誰かと対話しているようだった。 そんな様子を見かねた一之瀬京子が恐る恐る口を開いた。 「あの…八雲様。何かお悩み事でしょうか…」 「ああ、少し妹のことでね…」 「香住様…のことですか。」 それだけで総て心得たと言ったように、 二階堂愛、三鷹梓、四谷楓、五代瑞樹、六道洋子はそれぞれに口火を切った。 「それで…八雲様はどのように考えておられるのですか?」 「香住様に諦めていただくか…藤岡様に告白していただくか…でしょうか…」 「ですが、藤岡様も香住様のことは憎からず想って居られるように見受けられましたが…」 「では、なぜ香住様の告白を袖になさったのでしょうか」 「藤岡様にはよく懐かれている妹君が居られます。おそらくそこに何かの原因が…」 「藤岡様は香住様よりも、その妹さんを愛しておられると?」 「いえ、その逆でしょう。その妹さん…夏海さんでしたわね。 お姿を幾度か拝見いたしましたがとても可愛らしい方でしたが… ただ、私の調べたところによれば既に数人の殿方の告白をお断りされているそうです。」 「その理由が兄への偏愛だと?」 「確証はありませんが…ですが、同じクラスにいる私の妹からの情報によれば、 藤岡様への好意を示す言葉を口にした女子に対して釘を刺してきた…そうです。」 「釘?…要するに脅しですか?」 「仔細までは不明ですが、取らないで欲しい旨を告げられたそうですが、 どうもその際に夏海さんの眼が怖かった…というよりも、殺されると感じた…のだそうです。」 「殺される?それは穏やかではありませんわね。どうします?」 「普段の素行に関しては問題なく、寧ろ優等生といってよい方ですが… どうも藤岡様のこととなると壊れておられる…そういった方なのですね?その夏海さんは…」 「ええ…ですから、藤岡様が香住様の告白をお断りになられたのは、その辺りのことを懸念してではないかと…」 「藤岡様では夏海さんを抑えられないのでしょうか?」 「普段から壊れている方ならいざ知らず、普通に接している限りではとても可愛い妹さんだそうですので… 邪険にもしにくいのでしょう。」 「それでは、私たちで夏海さんに対して何らかの措置を講じますか?」 「それこそ、藤岡様が黙っておられないでしょう。大事な妹さんであることに代わりはないのですから…」 「結論から言えば、夏海さんが藤岡様以外の方とお付き合いいただくことが最良の解決策ですが、 早瀬さんも袖になさったと聞いておりますし、それ以上の素材となると…」 「それは無理でしょう。そういった程度の方に靡くようであればここまで悩みはいたしません。 簡単に考えれば私たちに八雲様を諦めさせる手段と考えてもよいでしょうね。」 158 :すりこみ [sage] :2007/06/04(月) 16 53 07 ID APrSEPmV ふぅ…と、八雲はため息をついた。 そうだ。夏海ちゃんはこの子達と同じ…いや、僕と同じく壊れた人間だ。 この子達や夏海ちゃんが諦めるとすれば… それは僕や春樹の死か、或いは自身の死によってか… 理想であれば僕や春樹の手にかかって死にたいと思うのだろう。 僕だってそうなんだから…。 そんな彼女たちだからこそ、僕が 「夏海ちゃんを殺してくれないか?」 と頼めば躊躇うどころか喜んで殺しに行くだろう。 だが、それでは春樹が悲しんでしまう。 それは出来れば避けたいことだ。 なら僕はどういう結末を望む? それは春樹と香住が幸せになることだ。 それ以外の結末は望めない。 春樹と香住が同時に幸せになるにはあの二人が付き合わなければならない。 僕が愛する春樹と、僕の魂の分身である香住が付き合うことで僕は満たされる。 僕が春樹と付き合っても、香住と付き合っても駄目だ… 香住には春樹の子供を産んでもらわなくてはならない。 僕には春樹の子供を産んであげることはできないのだから… そうだ僕が幸せになるには春樹と香住が笑っていられる世界が必要なんだ。 春樹は香住が好き。香住も春樹が好き。 であれば、やはり邪魔なのは夏海ちゃんだけか… 誰がやる?僕か?彼女たちか?…いずれにせよ上手にやらないとね… でないと、僕が春樹に殺されてしまうよ… いや…まてよ?それも悪くないな…ふふ…僕が春樹に殺されるのか… それもいいな… その場面を思い描くだけで… 小泉八雲は勃起していた。
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/1284.html
ハッピークリスマス - ミント 2011-02-12 13 59 16 めっちゃ感動しました!!何回みてもあきません!!!!! - mio 2011-04-04 23 14 13 めっちゃ感動w(泣) - shino 2011-05-22 13 08 55
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1555.html
269 :サトリビト:2010/04/20(火) 18 06 46 ID 0HSRQJj6 私の名前は佐藤陽菜。 私にはみんなには言えない秘密がある。 人の思考が分かるのだ。 科学者たちの間ではこの能力の事やそれを持っている人を総称してサトリと呼んでいるらしい。 このサトリと呼ばれる能力には先天性と後天性の二種類が存在し、後者の方は主にこの能力が未発達で強い感情にのみ力を発揮するようだ。 サトリの多くはこの後天性の方を指している。 だが稀に生まれたときからこの能力を発揮できるものがいる。先天性だ。 先天性には後天性と違う3つの特徴がある。 集中さえすれば頭に響いてくる声の音量を調節できること、感情の起伏に関係なく、頭をよぎった程度の思考さえも聴きとれること、そしてサトリでさえも心を悟ることができないことだ。 これだけを聞くと先天性として生まれた人たちは幸せと思うだろう。実際私も普通の人間として生まれてきたらそう思ったに違いない。 しかし先天性には先天性ならではの大きな悩みがある。 もし自分が先天性のサトリだと周囲に知られたら、人が自分から離れていく。 当たり前だ。誰が好き好んで自分の頭の中がさらけ出されることを良しとしようか・・・ 幼稚園の頃はそんな悩みなんてほとんどなかったが、物心がついてからは毎日が絶望だった。 すこしでも能力制御の気を緩めて男の子と話しただけで、その子のことが好きな女子から死ねっ、と言われた。もちろん頭の中でだが。 それから私は人の心に気を使うようにした。 そのせいで私に付けられた印象は根暗。日に日にクラスで空気になっていく私。 泣きたくて、誰かにすがりつきたかったがそんなことはできない。 「私は人の心が分かるせいでつらいです」って言えるわけないじゃない。 そんなことを言った日には私の居場所はこの世界から消えてなくなる。 どんなにつらくても誰にも助けを求めないで生きていくしかなかった。 そんな私の心情なんか知りもしないで今日もアイツは笑っている。 早川慶太。 一応私の幼馴染だ。一応というのはアイツのことを幼馴染だと認めたくないからだ。毎日一緒にいるのに私のことを知ろうともしない。 それに・・・私とは違い普通の・・・幸せな人間だ。 そんなある日、風邪で学校を休んだアイツの家にプリントを持っていけと先生に言われた。 はっきりいってイヤだったが、人に嫌われることを恐れている私に拒否権はない。 プリントを渡してすぐに帰ろうと思い、アイツの家の前までやって来た。そのとき・・・ (消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!) 突然頭のなかに大きな声が響いてきた。 そのあまりの音量に私は頭を押さえてその場に座り込んだ。 意識を集中させる。徐々に頭の中の声は静かになっていく。 もう少しで消えると思った瞬間、ある言葉が頭に響いた。 (なんで聴こえるんだ!?) 聴こえる? 普段なら気にも留めずに聴き流す言葉だ。しかしこのときはなぜかひっかかった。 試しに心の中で叫ぶ。 (慶太ー!!) しかし慶太のパニックになっている声は聴こえるものの、私の心の声に反応した様子はない。 やっぱり勘違いか・・・ 慶太の家に入り、プリントを玄関に置いて帰ろうとした時だった。 「キャー!!」 (ゴ、ゴキブリー!!) 隣の家からお母さんの絶叫が聴こえた。まったく、ゴキブリくらいで。 私は最後に慶太の苦しんでいる顔でも見ようと、慶太の部屋に向かった。 慶太の部屋に入った瞬間、私はビックリした。慶太の顔が真っ青になっていたからだ。 さすがに心配になって声をかける。 「ちょっと慶太、大丈夫!?」 慶太は私に気付いていない。 しかたなく慶太の心の声に頼ることにした。 (また聴こえた!陽菜のお母さんの声が!ゴキブリって!) 呼吸が止まる。 お母さんは叫び声しか上げていない。ゴキブリなんて一言も口にしていない。 私はあまりの歓喜に体の震えが止まらなくなった。 仲間を見つけた事。 そして慶太がこれから私と同じ苦しみを味わっていくことに・・・ 270 :サトリビト:2010/04/20(火) 18 07 14 ID 0HSRQJj6 それから慶太は学校を休み続けた。そして私は毎日慶太の家に通った。 別に慶太のことが心配だったわけではない。自分と同じ苦しみを慶太も味わっているのが嬉しかったからだ。 慶太の顔には覇気がなく、頭の中は絶望でいっぱいになっていた。 その様子がたまらない。 私はあることないこと慶太に話した。 「今日学校でリサちゃんが~」 「今日休み時間に田中君が~」 私に友達なんかいない。こんな嘘をいっても虚しいだけだ。 分かってはいるのだが、口が止まらない。いつも私がしてきた思いを慶太にも味わってほしい。 ところが効果は逆だった。 慶太の頭の中には私に対する感謝の気持ちと好意ばかりが募っていったのだ。 なんで? 私は躍起になって毎日毎日慶太の家に通い詰め嘘をつき続けた。 このとき私の心の中では、慶太の絶望を感じたいという気持ちに混ざってもうひとつの思いが生まれていた。 慶太が私の秘密を知ったらどうするのだろうか?それでもこうして好意を寄せてくれる?それとも・・・ そこまで考えたとき、私は恐怖で胸が張り裂けそうになった。 今まで色々な人で想像した事はあったが、ここまで怖いと感じたのは初めてだ。 勝手なのは分かっている。それでも慶太にだけは離れて行ってほしくなかった。 慶太は私のことを全然理解してくれない。みんなと同じだ。 だが一つだけみんなと違う事がある。いつも私の味方だった。 私の悪口を考えたこともなかったし、私に何かあるといつも心配してくれた。 なぜ気付かなかったんだろう? その日私は慶太の家からは帰った後、部屋に閉じこもり泣き続けた。罪悪感と恐怖感に苛まれながら・・・ どのくらいの時間泣いたのだろうか。 私はインターホンが鳴る音で今が夜だと気付いた。 家には誰もいない。しかたなく玄関のドアを開けると、そこには引きこもっていたはずの慶太がいた。 そして私を見るなり明日から学校に行くと言ってきた。 私は涙を流した。 今慶太が言った言葉に対してではない。私の頭の中でささやかれている、私のことが好きという言葉。 嬉しかった。 こんな私の事を好きになってくれるなんて。 私はやっと自分の思いに気付いた。 慶太が憎かったのではない。好きだったのだ。好きだから・・・同じ思いを共有してほしかったんだ・・・ それからというもの、私の世界は見違えるほど変わっていった。 人に嫌われる事をそれほど怖いと思わなくなったのだ。 慶太は絶対に私のことを嫌ったりはしない。いつも味方でいてくれる。 それで十分だった。 そう思うとクラスの人に対する振る舞いも自然になり、小学校を卒業するころにはクラスの中心になっていた。 271 :サトリビト:2010/04/20(火) 18 07 42 ID 0HSRQJj6 順風満帆な生活が続くと思った矢先、私は中学2年の途中で転校する羽目になった。 正直慶太のそばを離れるなんて耐えがたいことだったが、当時14才の私にはどうすることもできなかった。 毎日を無気力に過ごし、転校した先でも考えるのは慶太の事だけ。 電話やメール、数ケ月に一度の遊びだけではものたりない。 そんな折、一本の電話が鳴った。慶太からだ。 いつものように無駄話を永遠としていたとき、ふと慶太の口からある名前が出た。 「~でさ、岡田と一緒に・・・」 私は驚いた。慶太の口から私以外の女の子の名前が出たのはこれが初めてだったからだ。 結衣は美人でクラスの人気者でみんなの憧れの的だった。 「ねぇ慶太、いつから結衣ちゃんとそんなに仲良くなったの?」 声が震えているのが分かる。電話だと心が読めない分、怖い。 「ん~と、確か同じ高校に入学したときくらいかな?あ、でも初めて話したのは中学2年の時の運動会で・・・」 運動会は確か10月。私が転校した一ヶ月後だ。 そんなことを考えていたとき、ふとある疑問が浮かぶ。 「あれ?今同じ高校っていった?」 「ああ、岡田も同じ高校だな」 慶太が通う学校は家から遠い。確か電車でも40分かかる距離だ。 そんなところに結衣もいったの? 嫌な予感がしてならない。 「まさか結衣ちゃんがいるからその高校に行ったんじゃないの~?」 私は冗談っぽくおちゃらけた声で聞いた。しかし本心では真剣だ。 「・・・いや、そんなんじゃないよ」 なんで即答しないの? 分かっている。即答しなかった理由は・・・嘘をついたからだ。 嫌な予感が確信になった瞬間だった。 慶太は小学校のことがあってから私一筋だ。これは絶対に変わらない。 となると他に思い当たる可能性は二つ。たまたまそこの高校の偏差値が二人に合っていたか・・・あるいは慶太の同情心を煽ったかだ。 慶太の頭の良さは数学以外は普通。それに比べて結衣は全教科優秀な方だ。 そうすると前者は考えにくい。 中学の友達が誰もないような遠くの学校へ通っている二人・・・ 可能性から考えると確実に後者だ。 ふ~ん、そういうこと・・・私がいなくなった瞬間に慶太に近づいて悲劇のヒロインか何かを演じたってわけ? 私の心に感じたことのない思いが沸々と湧きあがってくる。 ここまで慶太の心に他の女が侵食していたなんて。 私は絶対に使うつもりがなかった切り札を取りだすことに決めた。しかしこれには大きなリスクが伴う。 だがこれからの私と慶太の将来を考えると、ガンは早めに取り除かないといけない。 私はその日両親と家族会議を行った。 「実は二人にお願いがあるの。私、あの家に戻りたい。それも今すぐに。いいでしょ?」 突然の私の発言に両親は唖然としたが、すぐに気を取り戻し反対した。予想どうりの反応だ。 しかたがない、やはり切り札を使うことにしよう。 「お父さん、そんなに部長さんのこと嫌い?毎日毎日悪口言って~」 「お母さんもそんなに和田君のお母さんが嫌い?顔合わせるたびに悪態ついてるし~」 私の言葉に両親は言葉を失った。当然だ。なんせ二人とも私どころか誰にもそのことを漏らしていないはずだから。 「もう一度きくね?私、あの家に帰りたいの。いいでしょ?」 今度こそ両親は首を縦に振った。 272 :サトリビト:2010/04/20(火) 18 09 26 ID 0HSRQJj6 転校した初日、私は笑いが止まらなかった。 なんせあの美人でみんなの憧れだった結衣が、私が戻ってきたことに対して怒りを顕著に表していたからだ。 いい気味だった。だがこれくらいで私の慶太に手を出した罪を許すつもりはない。 私はあえて授業中や休み時間は慶太以外の人と話をした。大好物は最後までとっておく。これが私の流儀なのだ。 放課後になったところで私は大好物をいただくことにした。 「ごめん、さっき先生に呼ばれちゃって・・・先に行っててくれる?」 先生に呼ばれたなんて嘘だ。 私は先生のところに行くふりをして、誰もいなくなっていた隣の教室に入った。そして心の声に集中する。 それにしてもさっきの結衣の心の声は傑作だった。 私と慶太を二人っきりにさせたくないの?でもざ~んねん。私と慶太は幼稚園の頃からずぅぅぅっっと一緒だったんだよ?転校した後も慶太とは何度も二人っきりで遊んだんだよ?それに戻ってこないわけないじゃん!大好きな私が戻ってこないと慶太が悲しむでしょ? 思わず笑いそうになったところで、結衣の悲痛の叫びが聴こえてきた。どうやら慶太が私のことが好きだと言ったらしい。 そろそろいいかな? 私はあたかも職員室から走ってきたように、息を切らせながら教室に戻った。 教室に入った瞬間空気が重いことに気付く。 理由は分かっていたがあえてとぼけてみる。 「どうかしたの?」 「陽菜ちゃんには秘密の話してたの~」 結衣が明るく答えた。 すごいね~結衣ちゃん。フラれたくせにまだ笑っていられるんだ? 私はカラオケに行く道中もしつこくそのことを聞き続けた。 私が質問するたびに結衣の心の声は次第に小さくなっていく。いっそのことそのまま心が壊れてしまえばいいのに・・・ 「陽菜、さっきはくだらない話をしていただけだから」 慶太が突然話しかけてきた。 そうだ!慶太にこの女のとどめを刺してもらおう! 「じゃあ何の話していたのか慶太が教えてよ」 「今日カラオケで何歌おうかって話」 「絶対ウソだー!」 もう・・・じれったいな~。早く言わないとあの女の心が回復するかもしれないでしょ? この時私は結衣の心の声に気を取られ、慶太の心の声にはまったく気付かなかった。 「なんでそんなことで嘘つくんだよ」 「だって嘘っぽいもん!」 「あー、もう、うるさいな!そんなに俺の言う事が信じられないのかよ!」 辺りが静寂に包まれた。 ・・・慶太が怒っている?私に? そんなはずはない。それに・・・怒るなら私の方だ。そもそも慶太がこの女に関わりさえしなければ何事もなかったのに。 そう思うと慶太に対して怒りが込みあがってきた。 「・・・なんで慶太に怒られないといけないの・・・?」 そうだよ・・・あの女が一番悪いけど、慶太にだって非があるんだよ?・・・私以外の女に好かれるなんて!! 「ウソつく慶太が悪いんでしょ!?」 「っ!?だから嘘じゃないって・・・分かった、もういい・・・」 慶太が押し黙った。 マズい。これは慶太が本気で怒ったときの態度だ。 冷静になって慶太の頭の中に集中する。 (陽菜がこんなわからず屋だったなんて・・・) 慶太が初めて私のことを不快に思っていた。 呼吸が止まる。息ができない。あれ、息ってどうやって吸うんだっけ? ようやく呼吸のやり方を思い出したときには慶太はいなくなっていた。 どこに行ったんだろう?トイレかな? (け、慶太のやろーっっ!!こんな危険コンビを置いて帰りやがってっっ!!) コイツは何を言っているんだろう?慶太が私を置いて帰るわけないじゃない。 (そっか!この手があったわ!慶太がこの女のことを嫌いになれば、私が繰り上がって慶太の好きな人に・・・) ふざけんな!慶太が私のことを嫌うはずがない!それに私の次なんていない!慶太が好きなのは私だけなんだ! しかし心のどこかではいつも恐れていた。もし慶太が私のことを・・・ 273 :サトリビト:2010/04/20(火) 18 10 56 ID 0HSRQJj6 「ごめんね、私急に用事思い出したから帰らなきゃいけないの。今日は誘ってくれてありがと~!」 慶太には悪いと思ったけど私は家に帰ることにした。なんせ準備がいろいろと必要だからだ。 9時まで家にいよう。その間に慶太が謝りに来たらすべて許して元通りだ。 9時を過ぎてもこない場合、私が直接慶太の家に行こう。そのときは不本意だが・・・私から謝ることにしよう。それで元通り。 でも謝っても許してくれなかったら?もし私のことを・・・嫌っていたら?そのときは・・・ ふと時計を見る。もう8時半だ。しかし慶太はまだ来ていない。 ・・・あと20分。慶太がまだ来ない・・・ ・・・あと10分。慶太が・・・来ない・・・ そして9時になった。慶太はついに現れなかった。 私は台所であるものを手に取る。帰ってから念入りに準備していたものだ。 もし・・・慶太が私を裏切ったなら・・・これを使って永遠に二人だけの世界へ行こう・・・ それをポーチの中にしまい、私は慶太の家に向かった。 慶太の家に行き、インターホンを鳴らす。 少ししてドアが開けられた。慶太だ。 慶太と目があった瞬間、私はすぐに謝った。 「あ、あの・・・今日はごめんなさい!久しぶりに慶太や結衣ちゃんにあって、私興奮しちゃって・・・」 「いや、こっちこそ!突然怒ったりしてごめん!」 慶太も私に謝る。私と仲直りができてホッとしているのが分かった。 そうだ、慶太が私を裏切るはずがない。 私はいったい何に不安がっていたんだろう?慶太は私のことが大好きに決まっている。 慶太と仲直りをした後、私は早川宅に招かれた。何も変わらない玄関がひどく懐かしく感じられる。 やはり3年も慶太のそばを離れたのは思いのほか大きかったようだ。 靴を脱ごうと視線を下した先にあるものが映った。 ブランド物のブーツ。 これが慶太の家にあるってことはアイツが5年ぶりに戻ってきた証拠だ。 そっか、祥姉も動きだしたんだ。私は臨戦態勢に入った。 ところがリビングに行くと、そんな物騒な事を忘れるほどの楽しい時間が待っていた。 慶太と慶太のお母さんとの会話。昔から好きだった時間。 慶太のお母さんは慶太以外の人間で私が唯一心から大好きと言える人だ。 私のことを本当の娘のように可愛がってくれたし、私の悪口を言っているのを一度も聴いたことがない。心が読めると分かった瞬間に娘を見捨てるような奴らよりもよっぽど母親らしい。 私は久しぶりに心から楽しい時間を過ごした。 274 :サトリビト:2010/04/20(火) 18 11 27 ID 0HSRQJj6 (誰だよ、うっせーな) だがそんな時間も頭の中に聴こえた声によって終わりが訪れた。本当に私の邪魔ばかりをしてくれる。 「お客さんでもきてんのか・・・よ・・・」 奴の声が耳に届いた瞬間、私は先手を打った。 「久しぶりー祥姉ぇ!!」 そのまま飛びついたのだ。 本当はこんな香水臭いやつに顔をこすりつけるなんて吐き気がするが、これも作戦のうちだ。 自分にとって嫌いな人間が抱きついてきたら普通は嫌だろう。悪態もつきたくなるはずだ。 慶太には罵倒を受けながらも健気に愛情を示している私は哀れに映っているに違いない。 そうするとね、慶太は優しいから私に同情するでしょ?つまり同情という点でも私は慶太の一番になれるの!これで同情だけで慶太のそばにいられる結衣の居場所がなくなっちゃえばいいのに♪ 私が今日結衣や祥姉の罵倒に無関心を貫いた理由がこれだ。 まぁ私も言いたい放題言われて黙っているほどお人好しではないが・・・ 「祥姉ぇ今週の土曜の夜暇~?もしも暇だったら神社で行われる秋祭り、一緒にいこ~?」 「秋祭りぃ?」 「うん!慶太も誘って一緒にいこ~よ~」 「なんでコイツも・・・ったくしょうがねぇな・・・わかったよ・・・」 なんて単純な人間なのだろう。おもわず笑いがこみ上げてくる。 秋祭りに誘ったのはそこで反撃をするためだ。 慶太と手をつないでみようかな?腕を組むのもいいかもしれない。 その時の祥姉を想像する。 嫉妬に駆られた祥姉は、どんな醜い言葉を吐くのだろうか?慶太が聴いているとも知らずに――― そもそも血のつながった弟に対してそんな感情抱くなんて気持ち悪すぎ。姉なら姉らしく、弟の初恋の成就でも見守っていなさいよ。 「あっ!もうこんな時間!?それじゃ私帰るね!」 馬鹿の相手に疲れた私は帰ることにする。 そういえば帰り際に慶太が私とのデートだと言って興奮していた。 そんなに私とデートがしたいなら告白してくれればいいのに。 私は慶太が告白してくるまでは何もしないつもりだったが・・・まぁキスくらいは許してあげよう。 もちろん、祥姉の・・・いや『二人』の目の前で♪ あぁ土曜日がたのしみ~。 私は携帯を取り出し結衣に電話をかけた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1070.html
第三話 力満ちる戦士 イライラしながらもルイズは食事を終え、授業のため教室に向かった。 他の生徒達は各々横に召喚した自分の使い魔を置いている。 ゼロもそれを見てルイズの隣に立った。 ルイズはそれをしゃくに感じた。もちろん使い魔の分際で席に座ることなど許されないが、 かといって横に突っ立たれるというのも気に障る。 「横に立たれてもうっとおしいから床にでも座ってなさい」 「分かった」 そういうとゼロは通路の階段に腰を下ろした。 「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。 このシュヴルーズ、みなさんの使い魔を見るのを毎年、楽しみにしているのですよ」 そして教室を見渡しゼロに眼をみやる。 「おやおや、また変わった使い魔を召喚したようですね、ミス・ヴァリエール」 シュヴルーズのとぼけた声に、教室中から忍び笑いがもれる。 「だって『ゼロ』だし。召喚が成功したのか怪しいもんだ。その辺の平民引っ張ってきたんじゃないか?」 「いやあ、その辺のやつがあんな変わった鎧なんてつけてるか? きっとこの日のために前々から用意した、ルイズのセンス的にかっこいいサクラなんじゃないか?」 誰かがそういうと、忍び笑いは大笑いに変わった。 ただ、ゼロの名前については何も言われなかった。キュルケならさっさと広めると思ったのだが。 が、そんなことは関係ない。 「いい加減なことをいわないで、かぜっぴきのマリコルヌ!あんたの体型のほうがよっぽどセンス悪いわよ!」 「誰がかぜっぴきだ! 俺は風上のマリコルヌだ!そ し て!体型のことは言うなー!」 こうして朝に続き騒ぎ出すがシュヴルーズが杖を振り、二人の口を赤土で塞いでしまう。 こうして何事も無かったように授業が始まった。 ゼロは黙って講義を聞き、同時に辺りを観察していた。 生徒に付き従いやってきた使い魔。フレイムほど大きく力もありそうなものはそういなかったし、 多くはデータ上に残るただの動物と同じようだったが、実際には何かの力を持っている可能性もある。 しかしそれ以上は外見の観察からは分からなかった。 講義のほうも重要だった。今回は基本をまとめているようであり、魔法について知るのに大いに役立った。 魔法には土、水、火、風の四元素、そして虚無の五つの属性があり、 メイジはそのうち少なくとも一つの属性を使えるらしい。 元の世界では 氷、火、電気の属性があり、三すくみの関係で優劣があった。ここではどうなのか? が、一番重要だったのは錬金の実践であった。 シュヴルーズは魔法でただの石を真鍮に変化させていた。なんでもスクウェアでは金の錬金すら可能だそうだ。 「ルイズ、トライアングルやスクウェアというのは何だ?」 授業の邪魔にはなるがこれは聞いておかなければならなかった。 ルイズによると属性を重ねられる数でドットからライン、トライアングル、とランクが上がり、 スクウェアが最上位だそうだ。 ランクが上がるほど希少な金属の錬金が可能になるようだが、スクウェアでようやく金が錬金できるということなら 自分のボディの超合金は錬金できないか、非常に困難だろう。 これまでの話だと、この世界ではそんな材質は見たことも無いはずだ。 いきなり魔法でボディを鉄くずに変えられる心配は無いらしい。 が、こうして話したことをとがめられ、ルイズが実践を行わされる羽目になった。 ルイズはまたひとつゼロのことが嫌いになった。 それと同時に、教室がざわめき始める。 ルイズが教壇に向かおうとすると 「ルイズやめて、お願い」 「いやだー、死にたくないー」 「ルイズの魔法の目撃者になってあげられるよ、私は死ぬけどね」 皆が騒ぐも、シュヴルーズは 「皆さん騒がないでください、ではミス・ヴァリエール宜しくお願いします」 と話を進め、ゼロは、ルイズの実力が分かる、と考えていた。 そして、ルイズが呪文を唱え杖を向けた瞬間、爆発が起きた。 「ぎゃー、やっぱりー!」 「いやだ、死にたくない、ギチギチギチー!」 「モットチカラヲー!」 「何度でも!ナ ン ド デ モ!蘇ってやる!」 大惨事だった。シュヴリーズは爆発をもろに受け気絶していた。 そんな中、ルイズははぼろぼろになりながらも立っていた 。まっすぐに前を見て。そして力強く言った。 「ちょっと・・・・、失敗しちゃった見たいね」 それを聞いて再び騒ぎが起こる。そんな中、青い髪の少女、タバサはゼロを見ていた。 避難した自分たちと違い、あの爆発の瞬間とっさに顔はかばっていたようだったがそれ以外は爆風と破片を浴びたはずだ。 だがゼロは、腕や脚の鎧の無い部分も指して傷ついた様子は見せない。そのことが少し気になった。 そのゼロは、あの瞬間自分におきた変化について考えていた。 授業後、ルイズとゼロは片づけをしていた。その中でルイズは口を開く。 「どう、大失敗だったでしょう、私。いつもこうなるのよ、今日だけじゃなくて。 成功率ゼロ。だから言われるの、私、ゼロって。いっつもゼロって馬鹿にされるの!」 昨日からいやなことばかりだった。歯止めが利かなくなっていた。 「なのに何であんたはゼロなのよ!馬鹿にしないで!あんたなんか嫌いよ!」 「それでもこれは俺の名だ。俺の名前なんだ。それを変えることはできない。 俺は、ゼロだ」 ルイズは黙ってしまっていた。自分をゼロという男。そこによく分からないが何か大きいものを感じたからだ。 「それと頼みがある。もう一度、魔法を使ってくれ」 「はあ、なに、もう一度笑いものにしたいの、わたしを!」 「たのむ」 一度は気勢をそがれたが再び怒りが蘇ってくる。 「じゃあ望みどおりにしてあげるわ!」 そういいゼロの眼前を爆破してやる。 が、いきなりにも関わらずゼロは腕で顔をガードしていた。それが余計にむかついた。 「やはりな」 「なにがよ」 「さっきもそうだったがお前が魔法を使うと何故かエネルギーが回復している」 「エネルギ-?」 「ああ、俺の力の源だ。これは失敗なんかじゃないんじゃないのか」 冗談じゃない、爆発するだけでなくこいつに力を与えるなんて最悪だ。これが失敗じゃなくてなんだというのだ。 今後むかついてこいつを吹き飛ばしてもかえって元気になるってことじゃないか。 実際はエネルギーは回復してもダメージはあるのだがルイズはそうとは知らずただ苛立ちを募らせていた。 昼、明らかに険悪な雰囲気を(ルイズが一方的に)放ちながら、 掃除のせいでやや遅めに食堂へ向かうと何か口論が起きていた。 野次馬に話を聞くとなんでもメイドがギーシュの香水のビンを拾ったことでふた股がばれて修羅場になっているらしい。 と、ギーシュがふざけたいい訳をしたあげく頬をぶたれていた。 これでこの騒ぎは終わりかと思いきや、ギーシュはビンを拾ったメイド、シエスタに因縁をつけ始めた。 「どうしてくれるんだい? 君が軽率に香水の壜などを拾い上げてくれたせいで、こんな事になってしまった。 二人のレディを傷つけてしまったんだぞ?」 「も、申し訳ございません!」 「謝って済む問題だと思っているのか!? フン、やはり平民は平民か。 空気を読んで拾わない程度の事さえ期待するほうがバカだったね」 そういってギーシュが薔薇の造花、彼の杖をポケットから取り出した。 それを見たシエスタは哀れなほどに震え、涙を流してわびていた。 浅ましい。これが貴族のすることか。魔法は使えなくとも貴族としての矜持が自分にはある。 それを同じ貴族がこんなまねをしているのはひどく不快だった。 そしてそんな行為を、 「もうやめろ」 ゼロが止めていた。 「なんだい君は?……ああ、ゼロのルイズの使い魔だったね、確か。 平民の分際で口出ししないでくれるから、ミスには罰を与えるのは当然だろう」 「俺にはお前は単に二股のばれた八つ当たりをしているようにしか見えないな。それならば、止めるまでだ」 もっともなことだった。それを受け周りからもギーシュへの野次があがる。 ギーシュは怒りに震え顔を赤くした後、ゼロに目を向けた。 「さすがは卑しい平民、礼儀というものを知らないようだねッ! 「いいだろう、『決闘』だッ!僕がじきじきに礼儀を教えてやろう。 ヴェストリ広場で待っている!準備ができたら何時でも来たまえ!」 「いいだろう」 「威勢だけはいいようだね。ああそうだ、名前を聞いておこうか、 貴族にたてついた馬鹿な平民として語り継がれる名前を」 「俺の名は、ゼロだ」 「はははははははっ、なるほど、ゼロのルイズにふさわしい名だな。 成功率ゼロの主人に礼儀がゼロの使い魔、ぴったりじゃないか!はーっはっはっはっはっは!」
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1546.html
ハイハイ、またこの劇場に来てくださるとは お客さんも案外物好きですね。 いや、ゆっくり好きと、言ったほうが良いのかね? 今回の話も一癖あるゆっくりがでてきます。 しかも、この物語の主役と深い関係に当たるゆっくり、 これで一波乱起こらないなんて、何かの冗談でございましょう。 さて、例によってここで一つ忠告を。 この話は銀魂のパロディでございます。 ロクでもないゆっくりが出て来たり、 ゆっくりがひどい目に合うこともあります。 それらが気に入らない方は席をお立ちになってください、 全て受け入れると言う方はここで座って物語をどうぞ! では、てゐ魂の始まり、始まり! てゐ魂 第3話「だからニートは二次設定だと言っている稀ガス!」 「ちょっと!いい加減家賃を払え!もう半年も滞納してんじゃないかい!」 スナック封魔録の二階にある万屋てゐ! その出入り口の前で怒鳴っている緑髪と三角帽子が特徴の胴なしゆっくり、 彼女こそがスナック封魔録のママさん、「みま」である。 顔に刻まれたその皺は、ゆぶき町四天王の貫禄をかもし出している。 「~~~。」 と、そこで扉を開けててゐがひょこッと顔を出した。 寝起きなので、寝惚けなまこだし、非常に酷い寝癖だ、 てゐが何度かお辞儀をすると、髪の毛からチャリン、チャリン、と何かが零れ落ちた。 「……それじゃ。」 てゐはぴしゃりと扉を閉める。 跡に残されたのは、みまとその目の前に落ちている300円 てゐが髪の毛から落とした300円だ。 「300円で何しろって言うのさ~!」 みまは扉をぶち破って部屋に戻ってもうひと眠りしようとしていたてゐに体当たりをかました。 そのまま玄関前まで引きずり出して口論を始める。 「300円あれば星蓮船の体験版が買えるじゃん!」 「何処で買えと言うんだい!?もう博霊例大祭は終わってるよ!?」 「夏コミで買うとか。」 「本編出てるだろうがぁああああああああああ!」 朝っぱらからギャーギャー喚くゆっくりが二匹。 その様子を、今日も今日とで通勤に来ていたれみりゃが下から見ていた。 「…何やってるんだど、てゐさんは…。」 上で騒いでいる様子を見たれみりゃは深いため息をついた。 「…あの馬鹿ウサギ、ぜんぜん懲りてないわね~。今度滞納したら事務所追い出すってみまさん言ってたのに。」 そういいながらスナック封魔録の掃除をしている胴なしゆっくりの名はことひめ。 ちょい役なので、説明省略。「ちょ、酷い。」 「まぁ、あんないい加減な駄目ウサギに家賃きっちり払えなんて言うのが土台無理な話なんだど。 ッて言うか、れみりゃにもいい加減給料払って欲しいんだど……。」 「え?あいつあんた達にも給料払ってないの?」 「この間、てんこが「何で私の給料が桃なのか?」とか言って愚痴ってたど・・・。」 「・・・あんた達、絶対再就職考えたほうが良いって。」 「とにかくいい加減家賃払いな!?」 「払え痛くても払えないよ!ウチにはもうちくわと30点しかない!どうだ参ったか!」 「参ってるのはあんたの方じゃないのかい!?つか30点!?」 と、まぁこんな感じで上でも下でも色々と会話が繰り広げられていたスナック封魔録、 と、突然聞こえてきた、一匹のゆっくりの声。 「う、うわぁ!?ゆっくり退いてねぇええええ!」 「え!?ええぇ!?」 「な、何、いきなり何!?」 ドガアッ!? 「!?」 「な、何の音だい!?」 一回の方から聞こえてきた轟音に、てゐとみまもビックリする。 「おいぃ!?いきなり聞こえてきた轟音にきゅうきょカカッと駆けつけた!」 玄関廊下の奥からそう言っててんこも駆けつけてくる。 勿論、後ろにきめら丸も居る。 とにかく、何が起こったのか確認するため、てゐ達はすぐに階段を下りて一回へと向かった。 「あ、あわわわわ・・・・。」 「び、ビックリした、ビックリしたど!」 万屋横の階段を下りて、一階の店先まで降り立てゐたちが目撃した物は、凄惨な光景だった。 スナック封魔録の店先に、スィーが煙を上げてつっこんでいたのだ、 その傍には腰を抜かしているれみりゃとことひめ、 そして、ボロボロになった一匹のまりさが転がっていた。 「あぁ~!店がえらい事になってるじゃないか!」 みまはスィーがつっこんだ所為で無茶苦茶になった店先を見て悲鳴を上げている。 「れみりゃ、何があったの、これ!?」 てゐがれみりゃにそう問いかける。 「そ、そのまりさがスィーの操縦を誤って店に突っ込んできたんだどぉ~・・・・。」 れみりゃは完全にビビった様子でボロボロになっているまりさの方を羽で指差した。 そのまりさに向かって怒鳴りかけているゆっくりがいる。 「あんた!これから店を開ける準備をしなくちゃいけないのに、どうしてくれるのさ! 弁償だね!今からこの口座に10万円ほど振り込んできな!」 ことひめだ。 ことひめはボロボロまりさに向かってそう怒鳴りかけると、なにやら紙切れをまりさに突きつけている。 「怪我人に向かって何してるのさ、あんた。」 と、凄い剣幕で怒鳴りかけていることひめに向かって体当たりを繰り出すみま。 みまはすぐにまりさの身体をしげしげと見つめて、こう言った。 「こりゃあすぐに病院に担ぎ込んだ方が良いね、誰か救急スィーを読んできな!」 みまはてゐ達に向かってそう指示を出す。 一番最初に行動に移したのはてんこだった。 「よし、私がカカッと病院まで行ってくる!」 そう言っててんこはトンズラの構えに写る。 「あのさ、そんな事するより、普通に電話した方が早いから。」 てゐはそんなてんこにツッコミを入れた。 「う、うう……。」 と、そこでボロボロまりさが立ち上がる、 「あ、ちょっと!救急車がすぐに来るから大人しく……。」 みまの忠告も聞かず、まりさはてゐ達にズリズリと這いより寄って行く。 「ちょ、何かズリズリ寄られると気持ち悪いんだけど。」 ちょっとドン引きしながらてゐはまりさにそう話しかける。 そんなてゐに対してまりさがようやく口を開く。 「う、あ、あんたに頼みがあるんだぜ…。」 そういって帽子がパカッと開く。 帽子の下から、小さな小包が出てきた。 「こ、これをまりさの代わりにかわいいれいむのお家に届けて欲しいんだぜ…。」 「は?」 「ま、まりさは、飛脚のお仕事をしてるんだぜ…けど、まさかこんなドジをするとは思わなかったぜ。」 飛脚? 言われててゐは店先に突っ込んだスィーを見てみた。 見るとスィーの横に運の文字か刻まれてるし、運ぶ途中だった荷物も散らばっている。 どうやらこのまりさが言ってるのは本当の事のようだ。 「た、頼むぜ、こいつは正午までには絶対届けなくちゃ行けないんだぜ。 届けられなかったらまりさはクビだ、だから……。」 「ちょ、い、いきなりそんな事言われても……。」 「た、頼んだぜ……。」 そこで、まりさはばたりと倒れこむ、どうやら気絶したようだ。 倒れた弾みで頭の上に乗っていた小包が地面に転げ落ちる、それをてんこが拾い上げた。 「……え、エートォ。」 「おいぃ?いぇゐ、これは面倒なことになりそうな予感がするのだが?」 「ど、どうするんだど、てゐさん……。」 てゐ、れみりゃ、てんこの3匹のゆっくりはお互いに顔を見合わせた。 ~☆~ 「…えーと、とりあえず、ここであってる…よね。」 「多分、間違いないと思うど。」 ……結局、小包をかわいいれいむのおうちに届けることになったてゐ達。 かわいいれいむのおうちはゆっくりの国の中でも有名な建物、すぐにその場所にたどり着くことは出来た。 「随分、でかい建物だな。」 てんこが目の前にある建物を見てそう感想を漏らす。 巨大な門と塀で囲まれたその建物は本当に巨大な建物だった。 ……が、まぁなんて言うか、そのデザインはおうちなんて呼ばれている事に違和感を感じさせないデザインをしていた。 一言で言えば、何かやたらと可愛らしい装飾と色合いをしているのだ、 まるで、リカちゃんハウスのような。 「はぁ、何でこんなところまで荷物を届けなくちゃいけないんだか。」 てゐはそういって髪の中から小さな小包を取り出した。 小包を見つめて、ため息をつく。 「……愚痴ってもしょうがないし、とりあえず用件を済ませますか。」 てゐは門の前の地面に取り付けられている大きなスイッチの上に飛び乗った。 このスイッチはゆっくり用のインターホンである。 プニ~。 インターホンというにはちょっと間の抜けた音があたりに響き渡る。 暫くして、巨大な門が少し開いて中から一人の胴付きゆっくりが出てきた。 r'ア'"`ヽ.,_ _,,..-=-、 _,. -rァ i7 ;>''"´  ̄ ̄`"''<´ !( r! / ヽ /i' ^Y ; i /i i ; ; Y (_ ./i i /!--/ | ;ハ_!_ i i i r'ヽ. く L__ハ/(ヒ_] レ' ヒ_ン );ハ ハ |_,ゝ ヽヘ「7"" ,___, ""レ7´)/ iヽ; ii´`とン' ´`ヽ!,人 ヽ _ン 7_/'´' ! i !ヽ.,_//」 、_,ノ ノ>.、、,___, _,,.イ !、__!7ノ__. レ' i ゝ-ァ'/ /)_iヽ/ /(/ゝ、.,_ノ  ̄「iー-、 ノ〈) ` / ソ^ヽ、/」 _r' _/ /」 |つ 「あら?胴無しのゆっくりがこのかわいいれいむに何の用?」 現れたのは、巫女服を着た胴付きのれいむだった。 ぶっちゃけ、かわいいれいむというのは、身体がついたれいむ族の総称である。 彼女達の殆どはゆっくりの国の重役についているエリートであり、 目の前のリカちゃんハウスも外見に反して重要な建物である。 「…あ~あんたがかわいいれいむ?ちょっと物を届けに来たんだけど。」 「ちょ、かわいいれいむは一応この国の偉い人達何だからそんな態度はどうなのかと思うど!」 かなり無礼な態度で話しかけたてゐにれみりゃが慌ててフォローを入れる。 「……何、このかわいいれいむ達に向かってその口調は無いんじゃないの?馬鹿なの?死ぬの?」 かわいいれいむは不快な態度をしつこいくらいなまでに表現した。 「とりあえず、これ受け取って欲しいんだけど。」 そんな不快な表情のかわいいれいむに向かっててゐは両耳に挟んで小包を差し出した。 「なに、その怪しい小包!そんなあからさまに怪しい物は受け取れないね!」 かわいいれいむはその小包を拒否した。 が、用件を済ませてとっととおうちに帰りたいてゐとしてはここで引く訳には行かない。 「まぁまぁ、受け取って!中身はあんた達の好きなあまあまかもしれないよ!」 「あまあまと言えばれいむたちが素直に受け取ると思ってるの!?馬鹿なの!?死ぬの!?」 「さっきから馬鹿なの死ぬの言いすぎだよ!良いから受け取れって!」 「しつこい!」 バシイッ! かわいいれいむは小包を払いのけた! 小包が両耳からはずれて、空中を舞う、 『あ。』 てゐ達は思わず声を上げて、小包の行方を目で追いかける。 それは、かわいいれいむのおうちの塀の中に入り込む、 その次の瞬間・・・。 ドガァアアアアンッ! 派手な爆発と共に、かわいいれいむのおうちの一角が吹き飛んだ。 「え?」 「ど?」 「おいいいいいぃ!?」 突然の事に、呆然とするしかない、てゐたち。 「か、かわいいでぃぶのおおうぢがぁああああああああああ!?」 その横で、かわいいれいむが凄い絶叫を上げた。 「…あ、よ、用件も済ませたし、私達も帰ろっか。」 「りょ、了解だど。」 「ミステリーを残すために騒ぐかわいいれいむを他所に私達はそっと立ち去った。」 そういってコソコソと逃げ出すてゐ達。 かわいいれいむはそんなてゐ達をキッと睨みつけた。 「そこのゆっくり達、れいむ達のゆっくりプレイスを爆破しておいて・・・。」 __ _____ ______ , _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ 、 'r´=─- -─=ヽ、ン、 ,'= iゝ、イ人レ/_ルヽ=', i 十 十 i イ i (ヒ_] ヒ_ン ).ヽイ i | レリイi/// ,___, ///| .|、i .|| !Y!. ヽ _ン 「 !ノ i | L.',. L」 ノ| .| | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / レ ル`rー--─ ´ルレ レ´ γ´⌒´-−ヾvーヽ⌒ヽ /⌒ ィ `i´ ); `ヽ / ノ^ 、___¥__人 | ! ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ ) ( _ \ヘ、,, __,+、__rノ/ / ヽ_ \ )ゝ、__,+、_ア〃 / ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈 ソ、 〈J .〉、| 香 |, |ヽ-´ /"" | 霖 | | レ | 堂 | リ / ノ|__| | | ,, ソ ヽ ) .,ゝ ) イ ヽ ノ y `レl 〈´ リ / ノ | | l / l;; | 〉 〈 〉 | / | (_ヽ \、 (。mnノ `ヽnm 「ただで帰れると思ってるんじゃねえだろうな!」 説明しよう! かわいいれいむの怒りが有頂天に達したとき、かわいいれいむは腋巫女服に隠された全身ガチムチ筋肉ボディを露にするのだ! 勿論、これに狙われたゆっくりはアーっ!!!な目に合うのだ! 「お前ら!出て来い!」 「ああん!あんかけチャーハン!!!!!」 マッチョボディのかわいいれいむは仲間を呼んだ! かわいいれいむB、C、D・・・とにかく沢山現れた! 勿論全員筋肉だ! 「うわぁあああああああああ!」 大量に現れたマッチョれいむに脅えて逃げ出すてゐ達! 「逃がすかぁ!」 かわいいれいむ・・・いや、もうガチムチれいむがてゐたちを追いかける! そして、先頭を切っていたガチムチれいむの腕が伸びる! ガシッ! ガチムチれいむの腕はてんこの腕を掴んだ! 「おいいいいいいぃ!?ちょ、これは洒落になってないでしょ!」 腕をつかまれて叫ぶてんこ。 「さらばてんこ!お前の尻の穴の犠牲は無駄にしない!」 「だど!」 てゐとれみりゃはてんこを見捨てて逃げようとする! 早い!この判断の速さは正に神業級! ガシイッ! しかし、てゐたちの逃げ足より、てんこがれみりゃの羽を掴むのが早かった! 「!?」 羽を捕まれて身動きが取れなくなったれみりゃは、とっさに目前のてゐの耳にかみついた! 「あだぁ!?」 ガチムチれいむがてんこの腕を掴み、てんこがれみりゃの羽を掴み、れみりゃがてゐの耳に噛み付く。 「おいぃ、パーティが仲間を見捨てて逃げるなんて卑怯にも程があるでしょう?」 「むむむ!むむむむむむむむ!(いたい、むちゃくちゃ痛いど!)」 「私はもっと痛い!二人とも、地獄には自分達だけで行きなさいって!」 「そうは行かない!地獄に落ちるなら全員で行くべきそうすべき!」 醜い争いを繰り広げるてゐとてんこに、羽を引っ張られて痛がるれみりゃ。 「お前ら!今すぐその場でパンツレスリングの刑だ!」 てんこの腕を掴んでいるマッスルれいむとは別のマッスルれいむ達がてゐ達に真っ直ぐ向かってくる! あっという間にてゐ達を囲むマッスルれいむ達。 このままではてゐ達は強制パンツレスリングをさせられてしまう! てんこはとにかく、てゐとれみりゃはどうやってパンツレスリングをするのか気になるけど! 「ちょっと。」 と、その時、一匹の胴つきゆっくりがマッスルれいむ達に話しかけてきた。 虚無僧のような格好の所為で種族がわからないが、声はこれでもかと言うほど透き通っている。 「何だ!これかられいむ達はパンツレスリングを…。」 「たかがゆっくり3匹にそんな大勢でパンツレスリング?大人気ないったらないわね。」 怒鳴りつけてきたマッスルれいむに対してクスクスと上品に笑う虚無僧ゆっくり。 マッスルれいむは小ばかにされたようなムカつく気分に襲われた。 「てめえ…何笑ってやがる!」 どすうっ! マッスルれいむは怒りに任せて虚無僧ゆっくりの胴体部にボディブローを叩き込む! 虚無僧ゆっくりは身体をくの字に折り曲げた。 「全く、そういう行動が大人気ないって言ってるでしょうが。」 …が、虚無僧ゆっくりはうめく様子も無くそう呟いた。 そして、次の瞬間…。 何と、虚無僧ゆっくりの頭と身体が離れた。 「え!?」 いくら何でも、身体と頭を分離できるゆっくりなんてものはこの世界にいない、 一体何が起こったのか、マッスルれいむは思わず驚きの声を上げる。 「あ~義体が壊れちゃったじゃない、これ高いのよ。」 分離した虚無僧ゆっくりの頭が、崩れ落ちた胴体の方を見てそう呟いた。 胴体はあちこちで煙と火花を上げている。 この胴体は、胴なしゆっくりが胴体代わりに使う機械仕掛の身体・・・通称、義体だったのだ。 「逃がすかあっ!」 目の前で起きた光景を見て、呆然としているマッスルれいむとは別のマッスルれいむが、宙を舞う虚無僧ゆっくりの頭を捕まえようとする。 スポッ! しかし、捕まえることが出来たのは、虚無僧ゆっくりの被っていた藁の籠の部分だけだった。 外れてしまった籠の下から、とても美しく長い黒髪が現れた。 他のゆっくりとは明らかに違う気品とカリスマがそのゆっくりから溢れている。 その余りの美しさに、その場にいたマッチョれいむが全員見ほれてしまった。 「さて、まずはてゐとそのお友達を助けなくちゃね。」 そのゆっくりは目を閉じて頭の中でこう念じた。 〝クロックアップ″ その瞬間、そのゆっくりの姿が消えた。 「!?」 「ど、何処に消えた!?」 黒髪ゆっくりの姿が消えて、マッスルれいむ達は慌てふためく。 次の瞬間! シュンっ! 「!?」 「お、おいどうした!」 「大変だ…れいむの…れいむのパンツが消えてしまった!」 「何だって!?」 マッスルれいむ達の視線がそのゆっくりに集中する! 確かにそのマッスれいむの股間にパンツの姿は無く、大事なところが手で隠されている。 今、その手の下には何があるの?って言った奴、けーねに説教されて行きなさい。 シュンっ!シュンっ!シュンっ! 次の瞬間、次々とマッスルれいむ達のパンツが消えていく! 「!?ああ!れいむもパンツが無いよ!」 「うわぁああああ!どこにきえたんだぁああああ!?」 「スースーする~~~~!」 説明しよう!マッスルれいむにとって自分のパンツはアイアンディティーなのだ! だから奪われると凄くゆっくり出来ないのだ! 皆もマッスルれいむにあーっされそうになったらパンツを脱がしてみよう! と、言うわけでドンドン消えていく自分達のパンツに大混乱を起こすマッスルれいむ達。 もう股間を隠したり、混乱の余りケツドラムを始める馬鹿がいたりと大騒ぎ! ゆえに、自分達が囲んでいたてゐ達も姿がなくなってることに誰も気がつかなかった。 シュン。 パニック状態のマッスルれいむ達から少し離れた位置に、黒髪のゆっくりが現れた。 そのゆっくりの黒髪は、まるで触手の様に動いており、 その先にはマッスルれいむ達から強奪したパンツが絡まっていた。 「仕方なかったとは言え、汚い物に触っちゃったわね、後でちゃんとケアしておかなくちゃ。 黒髪ゆっくりはそう言って、奪い取ったマッスルれいむのパンツをキッチリたたんで置いていく。 「…………。」 てゐ達は、そんなかぐやの目の前で呆然としていた。 「…い、今ありのままに起こった事を話すど、 『かわいいれいむ達に囲まれていたのかと思ったら、いつの間にかその囲みを破っていた。』」 「一体、今何が起こったんですか?教えてください。」 呆然とするれみりゃとてんことは対照的に、てゐは目の前でキッチリと髪の毛を器用に操ってパンツを折りたたんでいるゆっくりをじっと見つめていた。 そのゆっくりもてゐの視線に気づき、てゐの方を向いてこう言った。 「まったく、ちょっと見ないうちにふ抜けたものね、てゐ。」 てゐの口から、声が漏れる。 「あ、あんた…もしかしててるよ?」 サクッ! 次の瞬間、てゐのデコに何かが刺さった。 黒髪のゆっくりの髪先が、鋭い切っ先となっててゐのデコに突き刺さったのだ。 「…あんた、ホントに人の名前を覚えないわね!私はてるよじゃない、かぐやよ!」 かぐやと名乗った黒髪のゆっくりは、てゐの目前まで近づいてそう言った。 「あ~そうだったっけ?」 キス寸前まで面が近づいているのに、てゐは全く動じた様子も無く、そう言った。 と、そんなてゐにれみりゃが問いかけてくる。 「…えーと、てゐさん、そのゆっくりとはお知り合いなのかど?」 それを聞いたてゐは何とも難しそうな顔をする。 「え~と、まぁ、なんて言うか・・・。」 「ちょっとてゐ、流石にここはゆっくりしている場合じゃないわよ。」 と、かぐやがてゐ達にそう忠告する。 …改めて辺りを見回すと、遠くからパトスィーのサイレンの音が聞こえてくるし、騒ぎを聞きつけて野次馬達も集まってきている。 「ちょ、これは不味いど~!下手したられみりゃ達が逮捕されちゃうど!」 このままじっとしていたら、自分達が捕まるのは火を見るより明らかだった。 「私達の隠れ家に案内してあげるわ。」 かぐやはそう言うと、一本のホイッスルを取り出し、それを口に咥えた。 「来なさい!テルヨフ!」 ピィイイイイイイッ! ホイッスルから、高らかな音が響き渡る。 それと同時に、向こう側から何かが滑ってきた。 ,. -‐' ┐__,,.._ / l-‐─-='、ニー -,,,__, / _ ノ ノ ) ヽ. _ ;l.'-―‐ ' "´ヽ. / -=_. ´) Y--‐''"´`''、 i. - 、 | _l. 、_) | V,-,-,-,-( |ヽ、,ノ | ヽ _ _ l l ) ./∧ーーーー |‐'". `、 _ ,イ ; -‐―‐-、.--、 |' ー、'"`ヽ ヽ l ー-‐<__フ / i. | | ノ ヽ、  ̄ ー‐-‐ !、 l_,,..-< _ /,..-‐''" 丶. 、;;;;__ `_、_l ;; l ヽ/  ̄ ̄ ̄ ̄ ' ー ―――-┘' なんて言うか、どう表現したら良いのかわからないものだった。 AAがなければ、表現することはほぼ不可能だったに違いない。 「え~と、あれは一体何なんだど?」 やってきたものをみて、かぐやに問いかけるれみりゃ。 「さあ、みんなテルヨフに乗って!」 かぐやはやってきた物(テルヨフ)の上に乗っててゐ達にそう呼びかけた。 「ちょ、れみりゃのことは無視なのかど!?」 そんなれみりゃの言葉を無視しててゐもてんこもテルヨフの上に乗っかった。 「れみりゃ!あんたも乗らないと置いてけぼりを食らうよ!」 「う、うわあああ!それは勘弁だどぉ~!」 てゐの言葉を受けて、慌ててれみりゃもテルヨフの上に飛び乗った。 「さあ!私達の住みかに案内するわ!」 かぐやがそういうと、てゐ達を乗せたテルヨフ仰向けに横になったまま地面を滑るように走り出す! そして、テルヨフは遥か道の向こうへと消え去っていった。 …その様子を影から見守っている一匹のゆっくりがいた。 緑の髪を持つ胴つきのゆっくりのその名は大妖精、通称、大ちゃん。 大ちゃんは通信機を取り出すと何処かに連絡を始めた。 「こちら大妖精、かぐやは自分のアジトに向かったようです。 引き続き追跡を続行、アジトを突き止めます。」 その通信機の受信先、そこはどこかの建物の一室だった。 部屋の中では、沢山の胴つきのゆっくり達が礼儀正しく座っている。 みな、顔つきがゆっくりとは思えないほど凛々しく、力強い。 その中で最も力強い瞳を持ったゆっくり、レティが立ち上がる。 「ゆーぎ所長!、指示をお願いします。」 レティは上座に立つ胴つきゆっくりに話しかける。 その胴つきゆっくりは、巨大な一本の赤い角が猛々しいゆっくりだった。 ゆーぎと呼ばれたゆっくりは下座にいるゆっくりたちに向かって、こう呼びかけた。 「かぐやが拠点にしている建物を突き止め次第、全員でそこを叩いて一網打尽にする!」 その言葉で、胴つきゆっくりたちは一斉に刀を構えるのであった。 ~☆~ ゆっくりできる旅館、永遠亭。 それが、てゐ達を乗せたテルヨフがたどり着いた建物の名前だった。 「こっちよ。」 かぐやに案内されてたどり着いた一室。 そこには沢山の胴なしゆっくりが待っていた。 「あ!かぐやさんが帰ってきたぜ!」 「ゆっくりしていってね!」 胴なしゆっくりたちは、かぐやの姿を見るなり、お決まりの挨拶をする。 「ハイハイ、ゆっくりしていってねは良いから、お客さん達を丁重におもてなしする準備を始めてね。」 「ゆっくり理解したよ!」 かぐやの指示を受けて、ゆっくり達はおもてなしの準備を始めた。 「え、えーと、この人達はかぐやの仲間さんなんだど?」 れみりゃはかぐやにそう問いかける。 「ええ、そうよ、みんな良いゆっくりばかりだから安心してね。」 かぐやの答えたとおり、ここに居るゆっくり達はみんな文字通りゆっくりした雰囲気をかもし出している。 てゐ達は机の前の座布団に並んで座る。 やがて、てゐ達の前に、文字通りゆっくりした御馳走が並べられた。 「さあさ皆さん!ゆっくりムシャムシャしていってね!」 「え!?これ全部食べて良いのかど!?」 「おかわりは自由だぜ!」 「9杯でいい。」 食べて良いって事で、れみりゃとてんこはその御馳走をムシャムシャ食べ始める。 「むーしゃむーしゃ、幸せ~!」 ご飯を食べたら、やっぱりお約束の台詞を言う二匹のゆっくりが居た。 「ハイ!君はどんべえが好物だってかぐやさんが言ってたから。」 てゐの前には、どんべえがドン、と置かれる。 勿論、このどんべぇもただのどんべえじゃない、 何と、ウコッケイの卵が割り入れられているのだ、しかも二つ。 てゐは耳で箸を持つと、器用にどんべえを食べ始めた。 「ムシャムシャ、幸せ。」 食べ終わるとてゐは棒読み気味にそう呟いた。 「てゐ、おかわりはまだまだ在るわよ。」 かぐやがてゐに向かってそう言った。 彼女の言うとおり、後ろでは胴なしゆっくり達が、いつでもどんべえを食べられるようにスタンバイしていた。 「…随分と豪勢な食事を出すんだね。」 てゐはかぐやに向かってそう話しかける。 「まあ、当然でしょ、これは新しい仲間の歓迎会なんだから。」 かぐやの言葉にれみりゃとてんこの口が止まる。 「ハイ!おかわりだよ!」 ゆっくりの一匹が、てゐの前に新しいどんべえを置く、 しかし、てゐはどんべえを食べずに、じっとかぐやを見ている。 「新しい仲間って、誰の事だど?」 れみりゃはかぐやにそう問いかける。 しかし、かぐやはまたもれみりゃの言葉を無視しててゐに向かってこう言った。 「率直に言うわてゐ、貴方の力をまた貸して欲しいの、 私たち、反逆ゆっくりの為にね。」 かぐやの言葉を聞いててゐは、おかわりとして置かれたどんべえを全部食べると、こう呟いた。 「………てるよ、あんたまだそんな事やってたの?相変わらず馬鹿だねえ。」 「馬鹿といわれても、永遠にゆっくりしてしまったゆっくり達の為にも、今更やめるわけにはいかないでしょ。 あとてるよじゃなくてかぐやよ。」 二人の間に、冷たい空気が流れる。 「え~!?こ、こいつら、反逆ゆっくりだったのかど!?」 一方、れみりゃはかぐやの言葉を受けて、全身を振るわせる。 「おいぃ?何でこいつ等に脅えているんですか?」 てんこは何故れみりゃが脅えているのか理解できず、首をかしげている。 「て、てんこちゃん、反逆ゆっくりを知らないのかど!? この国では有名な話なのに!」 「私はヴァナ出身だからな、この国の事はあまりちょっとしか知らない。」 「あ、そう言えばそうだったど、じゃあちょっと説明してあげるど~。」 そういってれみりゃは説明を始めた。 胴付きゆっくり達が台頭し始め、文明を発展させ始めた頃、 このまま胴付きゆっくり達が図に乗り始めたらみんながゆっくり出来なくなるんじゃないかと一部の胴無しゆっくり達が考え始めた。 やがて、彼らは胴付きゆっくり達の台頭を阻止するため、反逆ゆっくりとなって一致団結で胴付きゆっくり達に立ち向かった。 だが、その時点で胴付きゆっくりと反逆ゆっくり達の戦闘力の差は確定的に明らかな位開いていた。 胴付きゆっくり達は高い身体能力だけではなく、人間の文化を参考にマシンガンや戦車などの武器まで生み出していたからだ。 それに対し、胴無しゆっくりが殆どであった反逆ゆっくり達には体当たりや投石といった原始的な攻撃手段しか持たない、 その圧倒的な差を埋める事は出来なかった。 結局反逆ゆっくり達は全て胴無しゆっくりの手によって粛清されて全滅したと…。 「全滅した…筈だったけど、まだこんなに生き残りが居たなんて…。」 れみりゃは驚いた様子で部屋中に居るゆっくり達を見回した。 先ほどは何だかのんびりしているように見えたゆっくり達の顔つきが今は恐ろしげに見える。 原始的な攻撃手段しか持たなかったかつての反逆ゆっくり達は、 場合によってはダイナマイトを口に咥えて胴付きゆっくり達がゆっくりしている建物に突入 自らもろとも胴付きゆっくりを爆破するなんていう無茶なことまでやってのけたという話まである そんな物騒な連中に囲まれてるとわかったれみりゃは、後頭部に冷たい物を感じたのであった。 「居なくなったと思っていたらまた現れるなんてのは良くあること。」 そう言ってウンウンと頷くてんこ。 てゐとかぐやのにらみ合いはその間も続いていた。 「てゐ、もう一回言うわ、私達反逆ゆっくりの仲間に入りなさい。」 「だから何で私がてるよの手伝いしなくちゃいけないの?めんどくさ、パスパス。」 「そんな事を言ってももう後戻りは出来ないわよ。」 そういってかぐやがゆっくり達に目配せする。 すると、ゆっくりの一匹がテレビのスイッチを入れる。 テレビが映し出したのは、ニュース番組だ。 ナレーターをしているのはゆっくりようむだったが・・・。 「みょん!みょんみょんみょんみょんみょん!ちーんぽ!」 …ようむはみょんとちんぽしか喋れなかった。 何でこいつをニュースキャスターにした?テレビ局。 「…チャンネル変えて。」 てるよがそう言うと、ゆっくりはチャンネルを変えた。 今度はきめぇ丸がキャスターをしている、ちゃんと聞き取ることが出来そうだ。 「今日未明に起こったかわいいれいむのおうち爆破事件はここの所活発な活動をしている 反逆ゆっくり達の仕業という線が強まりました。 警察は、現場の目撃談から、3匹のゆっくりを反逆ゆっくりの一員として行方を追っています。」 そして、テレビ画面に容疑者の顔が映る。 …手書きで書かれたそれは明らかにてゐ、れみりゃ、てんこの顔であった。 「うわあ、何か完全にあの爆発れみりゃたちの所為にされてるどぉ…。」 この状況にはもうれみりゃもあきれ返るしかなかった。 「この似顔絵おかしいだろ、私はもっと美人だ。」 てんこはテレビの似顔絵に文句を言っている。 「ね、これであんたは表の世界に顔を出す訳には行かないでしょ?」 「…あんたもいい性格してるね。」 てゐとかぐやの間には、正にゆっくり出来ない空気が流れていた。 そんな状況ではあったが、れみりゃは一つ、質問したいことがあった。 「…あ、あの~てるよさん…。」 「てるよじゃなくてかぐやよ!」 「……かぐやさん、何でそんな執拗にてゐさんを仲間に引き入れようとするのだど? 言っちゃ悪いけど、このゆっくり、嘘つきでいい加減な駄目ゆっくりだど。」 「駄目ゆっくりで悪かったね。」 れみりゃの質問を受けてかぐやはクスリと笑う。 「てゐ、あんた自分の事こいつらに話してなかったの?」 「言った所で意味ないじゃん?」 「だったら貴方にも教えてあげるわ、てゐはね、昔は私達の仲間――つまり反逆ゆっくりだったのよ。 懐かしいわね、こいつと一緒に胴付きゆっくりを相手に戦ったあの日は…。」 「…えぇ!?」 「それはマジな話ですか!?」 れみりゃとてんこは本日一番の驚きを感じた、 この駄目ゆっくりが反逆ゆっくりとして胴付きゆっくりと戦っていた? れみりゃとてんこはてゐの顔を見て、信じられないといった表情をしていた。 「…昔の話じゃん、今となっては邪気眼と同レベルの黒歴史だよ。」 てゐはそういって3杯目のどんぶりを食べ始める。 そんなてゐに向かってかぐやはこう言った。 「かつて『白ウサ』と言われ、敵はおろか味方までその強さに震え上がったと言うその実力… 私達は今、その力を必要としてるのよ。 力を貸してくれないと言うのなら・・・強硬手段に出るわよ、てゐ。」 周りのゆっくり達がいつの間にか全員スペルカードを構えていた。 「れ、れみりゃ達はどうなっちゃうんだど?」 「こ、これは全然syれになっていないでしょう…。」 「…。」 れみりゃとてんこが緊張する中、てゐは我関せずとどんべぇを食べていた。 続く 作者 かに 胴無しゆっくりはどこを脱がすんだ?マッスルれいむ自体パンツはいてないしw -- 名無しさん (2011-02-05 13 57 15) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ragadoon/pages/787.html
2015年度後期 ナイトウィザード2nd 第三話 "水底の墓標" GM KAZZ-I 予告 エミュレイターに関連するカルト教団のようなものはいくつか存在する。 強大な魔王、パール=クールを崇める”東方王国”はその筆頭だ。 彼らの動向は各所からマークされているが、その企みとは・・・!? ナイトウィザード『水底の墓標』 紅い月が水面を照らし、不吉な色に染め上げる・・・。 ハンドアウト 一ノ宮 コウ コネクション:パール=クール キミは、アンゼロットに呼び出されて、任務を命じられる。 ウィザード歴の長くないキミに下された今回の指令は、ごく単純なものだ。 最近活発化しているパール=クールの企みを暴き、阻止することである。 上矢 炎牙 コネクション:”告発者”ファルファルロウ キミは、街中で”告発者”ファルファルロウに出くわす。あることないことばら撒いて、人々を惑わす魔王だ。 そんな彼女は、相手がウィザードであることなどお構いなしに、魔王の動向を話して去っていく。パール=クールが太平洋付近で何か嗅ぎまわっているようだ。 柏崎 純 コネクション:ノーチェ キミは、影の一族である柏崎家の末裔らしい。 それはそれとして、今のキミは”絶滅社のエージェント”という肩書を持っている。 ある日、キミは上司であるノーチェの指令を受け、任務のために秋葉原校輝明学園にやってきたのだ・・・転校生として。 香山 トキオ コネクション: 潜 敏郎(もぐり としろう) エミュレイター被害者の会(仮称)には、潜という男がいる。 イノセントだが諜報活動に長けている彼は、エミュレイター関連カルト”東方王国”に対するスパイ活動を行っている。 その潜から、対エミュレイターの実働要員であるキミに連絡が入った。・・・つまり、東方王国で何らかの動きがあったということだ。
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/1228.html
おもろい - kana 2010-09-26 17 56 56 すごく良かったです - 名無しさん 2011-07-15 10 01 34 髪型やばッww - きょん 2011-11-30 19 19 42
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1932.html
601 :白い翼 ◆efJUPDJBbo :2010/10/21(木) 22 12 55 ID 0/Mz8zvh 「誰も……もう誰もいない」 暗闇の世界。 闇、静、独……それだけが世界を包む。 色が足りない、光が足りない、音が足りない、匂いが足りない、 風が足りない、仲間が足りない、温度が足りない…………翼が足りない。 「ねぇ、寂しいよ」 永遠にこのまま、一人ぼっちなのであろうか? 誰にも触れぬまま、永遠の時をここで過ごすことになるのだろうか……。 そんなの嫌だ! たとえ私が……〝人間に干渉する″という禁忌を犯したとしても……。 「寂しいよ……ここから出して、ジュン君」 ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君 ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君ジュン君 「私はあなたを助けたのに……あなたは私を助けてくれないの?」 そんなの不公平だよ。 私はあなたがこんなに好きで、好きで、好きでたまらないのに。 あなたの悲しむ顔が見たくないから願いをかなえたのに。 「だったら私は……この翼で」 白い〝片翼″を広げた私は、胸元に手を重ねて祈る。 「ジュン君の夢を……私にちょうだいッ」 ―――私はもう一度、禁忌を犯す。 広げた白い翼は、大きく羽ばたき、やがてその姿を消した。 すると闇の中に、一人の少年が降り立つ。 「ここは……どこだ?」 まだ寝ぼけ眼の少年に、私は語りかける。 ―――――私は昔、神様だったの 602 :白い翼 ◆efJUPDJBbo :2010/10/21(木) 22 14 04 ID 0/Mz8zvh 〈あたかも必然たる学園生活〉 授業って……何のためにあるんだろうな? 将来のためという名目で、若者たちを勉学の道へと引きづり込む巨大組織、文部科学省。そしてその末端機関である学校。 教育を受け続ける最中でもちろん俺だって思ったことはある。 勉強って……将来の役に立つのかな?……とかさ。 ま、結局そんなものは、大人になってみないことには分かるはずもないしな。 その時を楽しみに、心待ちにすればいいんだよ。 だから今は、肩の力をちょっとくらい抜いたって良いような気がするんだよ。 ま、結局俺が何を言いたいのかというとだな……とりあえずは。 「授業中って……眠いよな……………ぐぅ」 「おはよう、神坂君」 「………はよ………う………………」 ぐぅ……。 誰かが声をかけたらしいけど、俺はしっかり返事をできたのだろうか? と、意識的には思ってみるものの体は動かない。机に伏したままだ。 眠い……ひたすら眠い。 「もう、しっかり起きてください」 そよ風のように、心地よく、柔らかな声……。 だからであろう。俺の意識は眠りの世界へと加速する。 「もう……しっかり」 しかし、それは叶わない。両頬に暖かい何かが触れる。 ゆっくりと俺の顔を持ち上げていくので、それが手だということは、俺にも十分に分かった。 「はへ……ぇ」 誰だろう? 俺の安眠を邪魔するのは? 俺は眠いながらも、頑張って目を開けてみる……細目だけど。 「あ、ちょっと起きた?」 くすくす、と、可愛らしい笑い声。 体全身をすり抜けていくかのような優しいその声に…… 俺は……俺は……………って、えっ? ちょっ! この声ってまさか! 俺は、驚きすぐさま立ち上がる。 「―――きゃッ!」 俺の顔を触っていた少女は、いきなり立ち上がったのに対して驚き、危うく倒れそうになってしまった。 「えっ、あ、あの、その」 俺はしどろもどろになりながらも、瞳にその少女の姿を確認する。 艶やかな長い黒髪が、真っ白な肌が、少し湿った唇が……その少女を彼女と結び付ける。 間違いない。〈萩原空〉だ。 「び、びっくりしたぁ」 空は、胸元に手を運び、息を整えている。 それを呆然と立ち尽くし、見ている俺。 「もう、神坂君ったら」 少し頬をふくらませる空……あ、可愛い。 いやいやいやいや、そうじゃなくて……そうじゃなくてだな! 「どっどどどっどどっどどどうして?」 こんなにリズミカルな「どうして」を言ったのが、俺は生れて初めてだった。 「とりあえず落ち着こうよ、ほら、深呼吸っ」 すーーーーーーーはーーーーぁッ! 「ごほっ、ごほ、ゴホッ!」 深呼吸の間で息を詰まらせてしまう俺。 せきこみだす。 「だ、大丈夫?」 あわてた様子で、近寄ってきた彼女は俺の背中をさすってくれた。 603 :白い翼 ◆efJUPDJBbo :2010/10/21(木) 22 14 52 ID 0/Mz8zvh 「あ、ありがとう……萩原さん」 せきも落ち着いたところで呼吸を整え、感謝の言葉を空に向かって告げた。 「どういたしまして」 彼女は可愛らしく微笑んで見せた……あ、めっちゃ可愛い。 「………あ、そ、そういえばどうして俺なんかを?」 彼女の笑みに一瞬我を忘れそうだった俺が、疑問をぶつける。 そう、彼女は俺のような人間のクズに話しかけるような存在ではなかったのだ。 容姿端麗、文武両道……そんな四字熟語たちが似合う彼女だったから……。 一緒なクラスにいても、ほとんど話したこともなかったのに。 「だって、もう放課後なのに起きないんだもん、神坂君」 「………あっ!」 その時俺は気づく。 教室内なのに、俺と彼女しかいないこと。……もう放課後のようだ。 教室内が、夕日で赤く染まっていること。……どうやら一日中寝てしまったらしい。 そして彼女が、クラス委員長であることを。 「あ、ご、ごめん」 とっさに俺は、委員長の仕事内容を思い出す。 その中にはキッチリと「教室のカギの施錠」というものがあったのだ。 つまり彼女は、いつまでたっても寝ている俺がいたから、教室を施錠することができなかったと……そういうことらしい。 急いで俺は、荷物を片づけ始めた……のだが。 ―――ガチャ。 「……………?」 俺は音がしたから振り返る、幾度となく聞いた音がしたから振り返る。 ―――それは、扉の施錠音。 「へ?ちょ、ちょっと……萩原さん?どうして閉め―――」 扉を閉めたのは俺でないのだからもう一人しかいない。萩原空だ。 まだ二人とも、この教室にいるのに、萩原さんは教室のカギを閉めたのだ。 振り向きざまに俺は言葉を述べようとしたのだが、振り向いた先に見えたのは、木刀。 「ガアッ!」 「あっれー?」 ―――咆哮。 頭部に木刀が命中する、生温かい血が、どくどくと流れているのを俺は感じた。 「あの至近距離でも、回避行動に入れるんだ……相変わらずすごいね、純君は……ふふ」 確かに俺はとっさに、回避行動に入ったがよけきれなかった。 しかし問題はそこではない。何故彼女が俺に向かって攻撃をしてきているかだ。 「ど…………どうしてこんな―――」 「うーん、じゃあこれでどうだー」 俺の言葉には聞く耳持たない彼女は、自身が持っていた木刀を、投げた! 「くっ………」 何だか知らないが、当たってやるほど俺はバカじゃない。 理由も聞かずに攻撃されてたまるかよ……と、俺は飛んでくる木刀を、回し蹴りで飛ばす。 「すっごい、すっごい」 「しまっ――」 しかし同時に俺は気付いてしまう。 木刀を弾き飛ばしてすきができた俺の懐までつめてきた空。 その右手には、青白く閃光をあげる何か。 ――――――バチバチッ 604 :白い翼 ◆efJUPDJBbo :2010/10/21(木) 22 15 19 ID 0/Mz8zvh 閃光が飛び散る。 俺の体が、自然と地面へと吸い寄せられた。 「あなたがどれだけ強くてもね、あなたがどれだけ壊れていてもね、あなたがどれだけ狂っていたとしてもだよ……さすがに文明の利器には勝てないでしょっ?」 首をかしげて語尾を可愛く言った彼女の手には、マンガとかでよく見るあの〝スタンガン″と呼ばれるものがあった。 「あ………グ……」 体全身がしびれて動かない、言葉をしゃべれない、瞼が……閉じる。 「おーやーすーみぃー。純君」 俺の意識はそこで途絶えた。 それを、見ていた第三者がいると気付かぬまま。 〈あたかも必然たる学園生活〉 裏Ⅰ 今日は一日中、彼の姿を見ていられたので幸せだった。 朝のことは、吐き気がするほど妹を憎んだけれども……。 こうして幸せそうに眠っている彼の横顔を見つめているだけで幸せだった。 そして私は強く思う。 「欲しい」 願う、望む。 「欲しい……彼の笑顔が、彼の声が、彼の髪が、彼の爪が、彼の肉が、彼の皮膚が、彼の骨が、彼の血が、彼の優しさが…………もうすべて欲しい。いらないものなんて何もない」 すき、好き、スキ、好き……大好き。 彼のことを考えるだけで、彼の顔を見るだけで、彼の声を聞くだけで……。 私の体は過剰に反応する。敏感に、敏感に、触りたくなる。 でももう、一人でいじって過ごす毎日も終わりだ。 明日からは彼と一緒なんだから……。 「ねぇ、純君」 使用人が運転する車の中で、私と彼。 二人だけが車の後部座席に乗り……。 「はむぅ……んちゅ………ぁ、んぁ」 深い深い、キスを交わした。 萩原空は……欲するものを手に入れた。 〈あたかも必然たる学園生活〉 裏Ⅱ 「はは……ハハハハ……キャハアアッハハアアアアアアア」 かかった、かかった、かかった、かかった、引っかかりやがった! 雌が一匹引っかかりやがった! バーーカ、バーーーカ、バーカ! 「まったくバカな雌だわ……私が、カメラに気付いてないとでも思っていたのかしら?」 萩原空が仕掛けたと思われる大量のカメラの数々、そんなものに、私が気付いてないはずがないでしょ? そう、私はその事を知った上で、いつも通り兄さんとの朝の行為を行い、萩原空を急かせた。案の定、雌は私の罠に嵌(はま)ったみたいだ。 「だぁいじょうぶだよー、兄さぁん……ふふ」 私は甘い声でささやく。 「また私と一緒に暮らせるまでもうちょっと待ってね、私も寂しいけれど萩原空を殺すためには仕方のないことだわ……」 私はそう言うと、静まり返る校舎の壁に背をつける。 天井に……手を伸ばす。 「絶対に、兄さんは……ワタシダケノモノ」 狂いに狂った神坂美咲の姿が、そこにはあった。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/16171.html
きみにとどけるうたをさがして【登録タグ OnlineProject き 初音ミク 曲 水野大輔】 作詞:水野大輔(OnlineProject) 作曲:水野大輔(OnlineProject) 編曲:水野大輔(OnlineProject) 唄:初音ミク 曲紹介 誰も居なくなった世界でミクさんが何かを思う、そんなバックストーリーを考えてたり、新作と繋がっていたり、そんな曲です。(作者コメントより) 歌詞 (動画より転載) 誰も居なくなったこの場所 何も聞こえなくなった場所 自分が何処に居るのかなんて 一人じゃわからない ある晴れた空の下、茶色い大地に 一輪の花を見つけた 歌を知らない花にしたくは無いと 旅立ちを決めました 君に届ける歌を探して 世界中の景色巻き戻す 空虚な街が色づいた頃 あふれるイメージは何故か 霞んで見えた 人々で溢れたこの場所 数々の歌聞こえる場所 自分が何処に居るのかなんて それでもわからない 一つ一つの歌 一人一人の顔 「それぞれ」に意味はあるはず だけど今ここに流れる笑顔には 「それぞれ」が見えなくて 十年先も百年後も 心に残るもの 届けたい 歌を探して 季節を巡り 目に付くイメージは何故か 同じようで 君に届ける歌を作ろう 世界中の景色取り込んで 空虚な街も色づく夢も 笑顔の人々も 涙の意味も 君に歌えば私に響く 二人に届くなら「此処」はある 痩せた荒野に佇む君が 教えてくれた事 共に明日を生きよう ここに明日を創ろう コメント 泣けるね…。 -- 闇音クロ (2012-02-28 22 17 36) 名前 コメント