約 402,257 件
https://w.atwiki.jp/persona2tsumi/pages/120.html
|剣|ギター|拳|銃|投具|花|伝説の武器||頭防具|胴防具|足防具||アクセサリー| 主人公が使用する武器。 入手方法欄の武器屋は広めた噂をアルファベットで、品揃えの変化段階(段階は武器屋を参照)を数字で表す。A:値段は安いが、質が悪いらしい B:品質も値段も普通らしい C:質は良いが、値段が高いらしい D:品揃えは豊富だが、下取り価格が安いらしい E:品揃えは少ないが、下取り価格が高いらしい 入手方法欄の懸賞は広めた噂をアルファベットで表す。A:よく当たるが、大した物は届かないらしい B:確率は低いが、良い物が当たるらしい C:滅多に当たらないが、珍しい物が届くらしい 入手方法欄の橙色の悪魔はレアアイテムを表す。 名称 買値 売値 攻撃力 属性 追加効果 入手方法 ミセリコルデ 450 225 4 剣撃 - イベント ラーメンしらいし 武器屋 平坂区1 庶民の脇差 640 320 8 剣撃 - 武器屋 蓮華台2A 武士の脇差 800 400 10 剣撃 - 武器屋 蓮華台2B 武将の脇差 960 480 12 剣撃 - 武器屋 蓮華台2C トードブレイカー 800 400 10 剣撃 - 武器屋 蓮華台2A ソードブレイカー 1,000 500 12 剣撃 - 武器屋 蓮華台2B メイルブレイカー 1,200 600 14 剣撃 - 武器屋 蓮華台2C レイピア 1,700 850 16 剣撃 - 武器屋 平坂区1 ブルセラード 2,480 1,240 19 剣撃 - 武器屋 夢崎区2A バゼラード 3,100 1,550 24 剣撃 - 武器屋 夢崎区2B / 2D ストータバゼラード 3,720 1,860 29 剣撃 - 武器屋 夢崎区2C ワルーイソード 5,680 2,840 26 剣撃 - 武器屋 青葉区1A ワルーンソード 7,100 3,550 32 剣撃 - 武器屋 青葉区1B / 1D / 1E トップワルーン 8,520 4,260 38 剣撃 - 武器屋 青葉区1C 小柄丸 11,200 5,600 34 剣撃 - 武器屋 港南区1A 小烏丸 14,000 7,000 42 剣撃 - 武器屋 港南区1B / 1D / 1E 烏天狗丸 16,800 8,400 50 剣撃 - 武器屋 港南区1C クリスモドキ 14,800 7,400 37 剣撃 - 武器屋 港南区1A クリス 18,500 9,250 46 剣撃 - 武器屋 港南区1B / 1D クリスナーガ 22,200 11,100 55 剣撃 - 武器屋 港南区1C バスタードソード 28,000 14,000 54 剣撃 - 武器屋 平坂区2 青春刀 41,600 20,800 56 剣撃 - 武器屋 蓮華台3A 青竜刀 52,000 26,000 70 剣撃 - 武器屋 蓮華台3B 厳威青竜刀 62,400 31,200 84 剣撃 - 武器屋 蓮華台3C 騙す粕ソード 56,000 28,000 59 剣撃 - 武器屋 蓮華台3A ダマスカスソード 70,000 35,000 74 剣撃 - 武器屋 蓮華台3B ダマスカススペシャル 84,000 42,000 89 剣撃 - 武器屋 蓮華台3C 腐乱ソード 83,600 41,800 70 剣撃 - 武器屋 夢崎区3A青葉区2A港南区2A フランベルク 104,500 52,250 88 剣撃 - 武器屋 夢崎区3B / 3D青葉区2B / 2D港南区2B / 2D フランベルジェ 125,400 62,700 106 剣撃 - 武器屋 夢崎区3C青葉区2C港南区2C トゥフィンガーソード 124,000 62,000 75 剣撃 - 武器屋 青葉区2A トゥハンドソード 155,000 77,500 94 剣撃 - 武器屋 青葉区2B / 2D / 2E トゥヴァイハンダー 186,000 93,000 113 剣撃 - 武器屋 青葉区2C 備前の短刀 136,000 68,000 78 剣撃 - 武器屋 港南区2A 備前長船 170,000 85,000 98 剣撃 - 武器屋 港南区2B / 2D / 2E 大般若長光 204,000 102,000 118 剣撃 - 武器屋 港南区2C 七時刀 160,000 80,000 86 剣撃 - 武器屋 蓮華台4A 七支刀 200,000 100,000 108 剣撃 - 武器屋 蓮華台4B 七百七十七支刀 240,000 120,000 130 剣撃 - 武器屋 蓮華台4C 止宗 200,000 100,000 94 剣撃 - 武器屋 蓮華台4A 正宗 250,000 125,000 118 剣撃 - 武器屋 蓮華台4B 相州正宗 300,000 150,000 142 剣撃 - 武器屋 蓮華台4C 伝説の日本刀 - - 130 剣撃 - イベント 伝説の武器参照 伝説のフレイムソード - - 130 火炎 - 噂 伝説の日本刀が噂変化 伝説のアクアソード - - 130 水撃 - 伝説のウインドソード - - 130 疾風 - 伝説のガイアソード - - 130 地変 - 伝説のぼんくら刀 - - 1 剣撃 - レーヴァテイン - - 160 火炎 - 菊一文字 - 9,000 33 剣撃 命中率、クリティカル率が中UP 宝箱 青葉公園・北側 夢想剣 - 100,000 80 剣撃 「運」+10 懸賞 懸賞C カラドボルグ - 125,000 90 剣撃 防御力+20 魔晶変化 LV40剣クー・フーリン ブルトガング - 125,000 88 剣撃 「速」+8 魔晶変化 LV39太陽ヘイムダル 斬り返しの剣 - 210,000 108 剣撃 命中率が大UP 魔晶変化 LV49魔術師マナナン クラウ・ソラス - 10,000 28 剣撃 命中率、クリティカル率がUP 魔晶変化 LV9皇帝アガートラーム 布都御魂剣 - 275,000 150 火炎 全能力値+4 魔晶変化 LV70剣フツノミタマ エクスカリバー - 240,000 120 剣撃 「体」+6 / 「速」+6 魔晶変化 LV55剣アーサー アロンダイト - 130,000 94 水撃 命中率がUP 魔晶変化 LV42恋人ヴィヴィアン 上へ
https://w.atwiki.jp/pazdra/pages/12339.html
図鑑のトップページへ戻る No. 通常入手系 レアガチャ限定系 コラボ系 期間限定D系 レーダー その他 タグ検索 覚醒 スキル No.001-No.051-No.101-No.151-No.201-No.251-No.301-No.351-No.401-No.451- No.501-No.551-No.601-No.651-No.701-No.751-No.801-No.851-No.901-No.951- No.1001-No.1051-No.1101-No.1151-No.1201-No.1251-No.1301-No.1351-No.1401-No.1451- No.1501-No.1551-No.1601-No.1651-No.1701-No.1751-No.1801-No.1851-No.1901-No.1951- No.2001-No.2051-No.2101-No.2151-No.2201-No.2251-No.2301-No.2351-No.2401-No.2451- No.2501-No.2551-No.2601-No.2651-No.2701-No.2751-No.2801-No.2851-No.2901-No.2951- No.3001-No.3051-No.3101-No.3151-No.3201-No.3251-No.3301-No.3351-No.3401-No.3451- No.3501-No.3551-No.3601-No.3651-No.3701-No.3751-No.3801-No.3851-No.3901-No.3951- No.4001-No.4051-No.4101-No.4151-No.4201-No.4251-No.4301-No.4351-No.4401-No.4451- No.4501-No.4551-No.4601-No.4651-No.4701-No.4751-No.4801-No.4851-No.4901-No.4951- No.5001-No.5051-No.5101-No.5151-No.5201-No.5251-No.5301-No.5351-No.5401-No.5451- No.5501-No.5551-No.5601-No.5651-No.5701-No.5751-No.5801-No.5851-No.5901-No.5951- 御三家カラードラゴン○○りんカーバンクルゴブリンオーガ・修験鬼ファイター・ナイトデビルキメラ忍び精霊ゴーレム魔剣士女の子(回復娘)玩具龍攻撃態勢(英雄)スキルLvアップ用モンスター幻獣枠メタドラペンドラムギドラノエルドラゴン進化用たまドラ潜在たまドラ○○ピィぷれドラ○○タン元スペダン龍魔石龍ナンバードラゴン常設Dボス降臨ボス晩成型ドラゴン精霊族フルーツドラゴン童話龍剣士旧特典モンスター分類不能希石レア希石:火レア希石:水レア希石:木レア希石:光レア希石:闇 ゴッドフェス限定・元ゴッドフェス限定 一覧 オーディンメタトロンソニアカーリー時女神龍契士獣魔和龍喚士鋼星神フェンリル龍神魔爵アテン日本由来クトゥルフ系ネイコットン争女神大魔女フェス限化降臨モンスター龍刀士クロノマギアメノア シリーズ神 西洋神新西洋神西洋神第3弾和神新和神インド神新インド神北欧神話エジプト神話新エジプト神天使新天使悪魔四獣の神英雄神三国の神新三国の神戦国の神新戦国の神戦国の神第3弾星機の神新星機神明王の神ケルトの神メソポタミアの神 その他 ドラゴンライダー忍者色違いヴァルキリーパズドラZマジシャン鎧騎士魔導書勇士新勇士幻獣ライダー機導龍機導獣パズバトコラボ大賢龍宝石姫伝説の英雄元フェス限定 コラボガチャあり CDコラボ神羅万象チョココラボエヴァコラボアイルーコラボバットマンコラボHUNTER×HUNTERコラボハローキティコラボパズバトコラボドラゴンボールコラボ聖闘士星矢コラボビックリマンコラボDCコミックスコラボぷぎゅコレコラボ北斗の拳コラボB-side Labelコラボファイナルファンタジーコラボデュエル・マスターズコラボ進撃の巨人コラボサンデーオールスターズコラボクローズコラボBLEACHコラボるろうに剣心コラボキン肉マンコラボマガジンオールスターズコラボモンスターハンターコラボ鋼の錬金術師コラボKOFコラボ幽☆遊☆白書コラボペルソナコラボマジック:ザ・ギャザリングコラボパワプロコラボガンホーコラボガチャ銀魂コラボソードアート・オンラインコラボ仮面ライダーコラボ妖怪ウォッチWコラボFate/stay night[HF]コラボストリートファイターV AEコラボシャーマンキングコラボサンリオキャラクターズコラボチャンピオンオールスターズコラボサムライスピリッツコラボ コラボガチャなし ROコラボ太鼓の達人コラボECOコラボぐんまコラボケリ姫コラボガンホーコラボカピバラさんコラボCoCコラボグルーヴコースターコラボラグオデAコラボドラゴンズドグマコラボ高岡市コラボサーティワンコラボアングリーバードコラボパズドラZコラボ三国テンカトリガーコラボパズドラクロスコラボ逆転裁判6コラボPepperコラボマクドナルドコラボ 季節もの+α お正月バレンタインパズドラ学園ジューンブライド夏休みハロウィンクリスマスフェス限ヒロイン龍契士 龍喚士龍楽士神器龍物語 降臨イベント 一覧 15MP級20MP級25MP級50MP級99MP級 スペダン龍 元スペダン龍 華龍蟲龍丼龍猫龍機甲龍犬龍古代龍鉄星龍契約龍転界龍護神龍宝珠龍戦武龍伴神龍 その他 プレゼント モンスターメダル ヌエ・双角トロール古老色違いガチャキャラ色違い降臨キャラその他 トレジャー レーダードラゴンレーダー龍喚士精霊王オルファリオンパーツその他 ステッカーコレクション書籍特典イラストコンテストモンスター購入専用パズドラレーダー連動モンスター交換所専用 リーダースキル:【7×6マス】リーダースキル:【追い打ち】リーダースキル:【コンボ加算】リーダースキル:【覚醒無効状態】 モンスター名で検索 して、 「図鑑/×××」の部分をクリック すると個別ページに飛べます。 タグ検索 ※リンク先は【覚醒スキル】を持つモンスターの一覧です HP強化攻撃強化回復強化火ダメージ軽減水ダメージ軽減木ダメージ軽減光ダメージ軽減闇ダメージ軽減自動回復バインド耐性暗闇耐性お邪魔耐性毒耐性火ドロップ強化水ドロップ強化木ドロップ強化光ドロップ強化闇ドロップ強化回復ドロップ強化操作時間延長バインド回復スキルブースト火属性強化水属性強化木属性強化光属性強化闇属性強化2体攻撃スキル封印耐性マルチブースト神キラーマシンキラー悪魔キラードラゴンキラー回復キラー攻撃キラー体力キラーコンボ強化ガードブレイク追加攻撃チームHP強化チーム回復強化ダメージ無効貫通覚醒アシスト超追加攻撃スキルチャージバインド耐性+操作時間延長+雲耐性操作不可耐性スキルブースト+HP80%以上強化HP50%以下強化L字消し軽減L字消し攻撃超コンボ強化コンボドロップスキルボイスダンジョンボーナス ■攻撃系 ダメージダメージ+吸収ダメージ+自傷割合ダメージ固定ダメージ ■回復系 体力回復バインド回復覚醒無効状態回復 ■デバフ系 ターン遅延防御減少毒属性変化 ■盤面変化系 目覚めドロップロックドロップロック解除 ■強化系 ドロップ強化全体攻撃コンボ加算 ■ギミック無効化系 ダメージ吸収無効化属性吸収無効化ダメージ無効貫通消せないドロップ回復 ■パラメータ強化系 属性エンハンスタイプエンハンス回復力エンハンス覚醒数エンハンス ■防御系 ダメージ軽減 ■操作補助系 操作時間延長時間停止 ■ドロップ変化系 シングル変換ダブル変換列変換ランダム変換全ドロップ変換ドロップリフレッシュ特定型ドロップ生成 ■変換先ドロップ 火ドロップ水ドロップ木ドロップ光ドロップ闇ドロップ回復ドロップお邪魔ドロップ毒ドロップ ■その他 4ターン以下のスキル反撃ランダム効果ヘイストリーダーチェンジ落ちコン無効ルート表示 ↑カテゴリを選んでください モンスター図鑑 No.3052 菊一文字則宗 菊一文字則宗 No.3052 レア度 4 レベル 1 最大Lv1 スキル 縮地 究極進化 コスト 1 HP 10 ターン(最短) 8(-)※パワーアップ合成不可 タイプ 強化合成用 攻撃力 250 Lスキル なし 主属性 光 回復力 10 進化元 なし 編集 副属性 なし EXP - - 進化先 なし 生息地・入手方法 スペシャルダンジョンるろうに剣心コラボ(中級・上級・超級・地獄級・超地獄級):道中ドロップ 進化・合成情報 同スキルモンスター瀬田宗次郎・十本刀”天剣”・瀬田宗次郎 スキル・Lスキル スキル:縮地敵1体に99の固定ダメージ。ランダムで光ドロップを2個生成。 Lスキル:なしなし 備考 来歴 2016年7月11日、実装。( 公式告知 ) コメント コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/hurohandan/pages/23.html
自己紹介 ブログ:ただのモンハン好きの学生のブログ コメント欄 名前
https://w.atwiki.jp/gazoures/pages/463.html
四十二話 翼、重ねて レスラーズのリベンジマッチが始まった。 イエロー「ゼロヨン!」 イエローが頭にかぶった麦わら帽子が脱げそうになるほどの素早い動きで、パーフェクト・カスケイドを翻弄する。 聖白蓮「ほう?」 ネロ「どうだ! この前の僕たちとは違うよ!」 一見、パーフェクト・カスケイドの動きに対応しているかのように見えた。 だがそれは彼女達の目が慣れ、ようやく動きに慣れだしただけに過ぎない。 まだまだ彼らとの戦闘力には大きな差があり、徐々に押され始めていた。 ドロッセル「食らいなさい!」 とりわけドロッセルの炎のタックルは強力で、攻めに転じる時に必ず仕掛けてきた。 警戒し、なかなか思うように攻められない。 杏子「なら…ミキシトランス、孔明!」 杏子(孔明)「たからさん、カズキさん、しゃもは右回転! あたしとエヴァさんとイエローと椛は左回転! 残りはその外回りを右回転だ!」 杏子の指示に従い、レスラー達はドロッセルを中心に回り始めた。 あまりにも早い動きに残像が生まれ、残像は光となって彼女を中心に円陣を作り上げる。 ドロッセル「…甘いわ!」 三つの円の隙を狙い、ドロッセルがタックルを仕掛ける。 が、そこには誰もおらず、逆にドロッセルは孤立してしまう。 杏子(孔明)「これぞ孔明の罠! 必殺タクティクス、奇門遁甲の陣!」 杏子は天才軍師・孔明の力を見事に引き出していた。 アンドロあき1「人工化身プラズマシャドウ」 六体のアンドロあきに、赤黒い機械じみたい巨人が出現した。 今までの化身とは違い、冷たい印象を受ける。 まるで無機物ような化身だった。 斗貴子さん「な、なんだあれは!」 大阪「こ、こわい…」 カロメ「だ、だだ大丈夫です大阪さんっ! 私がついてますからっ!」 アンドロあき2(化身)「殲滅する」 アンドロあきを中心としたフォーメーションに切り替わった。 赤黒い化身の力はすさまじく、状況は再びパーフェクト・カスケイドの流れとなった。 たから「なんて強い…今までの化身とは違う異質な力」 アンドロあき3(化身)「化身ではない。化身の力を人工的に生み出す、プラズマシャドウ」 エヴァ「なに!?」 夕映「ならこちらも行くです! 戦旗士ブリュンヒルデ!」 アンドロあき4(化身)「シャドウ・ソード」 人工化身が剣の形となり、夕映の化身を切り払った。 夕映「わー!」 エヴァ「夕映!」 ネロ「剣には剣で対抗だよ! 剣聖ランスロット!」 アンドロあき5(化身)「シャドウ・ガード」 今度は盾へと変化し、ネロの化身の剣を弾いた。 椛「…」 文『まずい…このままでは…」 椛「文さん!」 文『!?』 椛「私に…やらせてください! 私なら、突破できます!」 文『ですが!…』 椛「私を、信じて下さい!」 文『…分かりました。椛! 思い切りやりなさい!』 椛「はい!」 六人のアンドロあきの前に立ち、彼らを睨み付ける。 相手は強大な力を持っており、万に一つの勝ち目も無いように思えた。 それでも、椛はあきらめない。 共に生きてきた人の想いが、諦めないという言葉をくれた人が、鍛えてくれた人がいる。 何よりも守りたいと思う人がいる。 その強い想いが、化身となって現れる。 椛「迅狼リュカオン!」」 椛の背中に出現したのは、翡翠色に輝く肌を持った巨大な『狼』であった。 こうありたいと願う椛が生み出した、疾風のごときスピードを誇る化身である。 皆「!?」 椛(化身)「シップウジンライ!」 椛は走り出す。 やがて椛と化身は一つの風となって大地を駆け、雷のようなジグザグとした動きてアンドロあきを翻弄した。 いかにアンドロあきが強かろうと、そのスピードの前に目標を見失っては対処のしようもなかった。 椛(化身)「これが私の力だぁぁ!」 気合を込めた剣の一撃が、アンドロあきの一人を吹き飛ばした。 椛「はぁはぁ…」 文『椛…あなたという人は…』 椛「文さん…ごめんなさい。私、あなたに良い所を見せようとしてました。そのせいでまといさんを傷つけてしまって、あなたに叩かれて気づきました。私は犬だって構わない! あなたのお傍で、誇れる自分でありたい!」 文『…椛』 椛「なんて、少しかっこつけすぎましたか?」 文はぶるぶると首を左右に振った。 文「今のあなた、最高に括弧良いわ」 飾らない言葉が何よりの力となる。 二人は微笑みを交わし合った。 メロン「!! 今だぁ!」 待ってましたとばかりに、メロンはミキシマックスガンを放った。 -の光を烏天狗の文へ、+の光を椛へ。 そしてミキシマックスは成功する。 二つの天狗の力を持つ椛の新たなる姿は、褐色の肌、黒い髪、黒い服、そして文のような黒い翼を手に入れていた。 アンドロあき2(化身)「シャドウ・ソード」 空気を読まないアンドロあきが人工化身の剣で斬りかかってくる。 椛(天狗)「迦楼羅の翼!」 椛は天高く舞い上がる。 翼をはためかせると、そこから三つの強烈な旋風が生まれ、アンドロあきを化身ごと吹き飛ばした。 椛(天狗)「これが! 文さんと私の! Wの力だ!」 まとい「やったー! かっこいいー!」 蝙蝠(石)「あれこそまさに7の力だな!」 椛(天狗)「…今なら…文さんと一つになった今なら出来るはず!」 椛は剣を振り上げる。 椛(天狗)「ウルフレジェンド!」 椛の絶叫が、戦場に木霊した。 椛(天狗)「うるぅぅぅあああああ!」 その背中に狼のオーラが出現し、彼女が剣を振り下ろすと同時に、その狼は赤い三本の爪を狼が放つ。 アンドロあき5(化身)「!」 狼の咆哮は化身を切り裂き、アンドロあきを吹き飛ばした。 ネロ「僕も負けてられないね! ミキシトランス、総司!」 ネロ(総司)「菊一文字!」 放たれる名刀の一閃――! アンギュロス「防御コマンド03」ゴゲツジュウジショウ アンギュロスは腕で十字を切った。 切った後に光の軌跡が残り、それを重ねた両手で掌底打ちを叩き込む。 十字の光は居合の光をいとも簡単に粉砕した。 ネロ(総司)「なっ!?」 聖白蓮「…シャドームーン。出番です」 影月「了解」 アンドロあきが後方に下がり、シャドームーンが前線に上がる。 サタンサーベルを振るい、次々とレスラー達を吹き飛ばしていく。 カズキ「止めろ信彦!」 カズキがサンライトハートでそれを防ごうとするが、あっさりと弾かれてしまった。 杏子「のぶさんは…あたしが止める!」 杏子は決意の槍を構えるのだった。 (続く)
https://w.atwiki.jp/xarpa2/pages/12.html
文字 概要 この記事ではxarpa2で使う文字と基本的な記号について触れます。 アルファベット 主な表記体系として、ラテン文字のアルファベットを使います。各文字には大文字と小文字の区別があり、母音か子音のどちらかに所属します。 文字 種別 文字 種別 文字 種別 a A 母音 k K 子音 u U 母音 b B 子音 l L 子音 v V 子音 c C 子音 m M 子音 w W 子音 d D 子音 n N 子音 x X 子音 e E 母音 o O 母音 y Y 子音 f F 子音 p P 子音 z Z 子音 g G 子音 q Q 子音 h H 子音 r R 子音 i I 母音 s S 子音 j J 子音 t T 子音 種別が母音である文字を母音文字、子音である文字を子音文字と呼びます。 母音と子音の音素はそれぞれ一つ以上の母音文字と子音文字で構成されます。そして、一つながりの母音文字をまとめて母音部、一つながりの子音文字をまとめて子音部と呼びます。 母音 子音 音素 母音 子音 文字 母音文字 子音文字 文字列 母音部 子音部 例えば、「aiubcdefg」という文字列には「aiu」「e」という母音部と「bcd」「fg」という子音部が存在します。 大文字と小文字は文法上区別されるため、できる限り大文字小文字を維持したままにしなければなりません。そのため、xarpa2では文頭であっても大文字にしません。 ダイアクリティカルマーク xarpa2ではダイアクリティカルマークを使用しません。 空白・記号 単語の区切りには空白を使用します。半角空白の代わりに改行であってもかまいません。 外来語の表記にアポストロフィ「 」を使うことがあります。
https://w.atwiki.jp/aiosciao/pages/48.html
文字概要 文字 母音符 調音符 子音符 グループ1 グループ2 グループ3 グループ4 グループ5 グループ6 グループ7 その他 IPAの調音表に対応する、ざっくりとした音と文字の対応 子音符 母音符 サンプル 文字概要 多くの言語がおおきく3つの文字体系に分類される。 ひとつめは子音、母音に分かれる表記体系で、ラテン系言語などにみられる記法。 子音字で調音方法が決まり、母音字を続けて一つの音になる。 子音字だけでは曖昧母音がつきアブギダのような状態になる。 ふたつめは各文字が音を表し、1文字1音の対応の表記体系で、日本語文字やハングルなど。 日本語のひらがな、カタカナは1文字1音になっている。 ハングルは音素のパーツを組み合わせて1音節ずつ組み合わせる書き方となっている。 みっつめは子音字、母音字のほかに、記号を組み合わせることで調音のバリエーションを加える表記体系。 タイ文字やチベット文字、フランス語など一部ラテン系言語にみられる記法。 この言語では、試みとして、前述の子音に相当する調音方法をグループ化した子音字と、 調音方法を明確にする母音字に分けて記述し、基本2字で1音となる文字体系を組み立ててみる。 いちおう、既存の言語と区別するために、各文字に名前をあてておく。 子音符(しいんふ) 調音方法を示す記号で、既存のラテン系言語でいう子音字に相当する。 グループ単位で文字があり、7系統(=7文字種)。 調音符によって見た目が若干変化したり、語中の文字位置によって字形が変化する。 調音符(ちょうおんふ) 半母音(y、w)の調音、fの音をvにシフトさせるとか、"ん"の音に換えるとか、音に変化を加える記号文字。 母音符(ぼいんふ) 無声音、有声音、鼻音を示す。 語の活用によって、子音符や母音符が語にぺたぺたくっつき、ちょっぴり変化する。 たとえば、 Uuná (うーな)→ UunáM (うーな む ) 子音がついたり Amú^n (あむに) → Amú^nakuE (あむにぁくえ) 音が変化したり のように。 文字 文字に対応する音については、「音」のページで整理するので、ここでは細かくは書かない。 母音符 無声音 小文字のラテン母音字(a, i, u, e, o)で転写する。 「あー」など音をのばす場合、または二重母音のとき、2文字目以降は無声音字を使う。 有声音 大文字のラテン母音字(A, I, U, E, O)で転写する。 「あー」など音をのばす場合、または二重母音のとき、1文字目は有声音字を使う。 鼻音 アポストロフィ付きの大文字(Á, Í, Ú, É, Ó)で転写する。(鼻音は基本有声音しかつかわないので) 入力に際しては、アポストロフィ付きの小文字(á, í, ú, é, ó)を用いてもよい。 鼻音に続く二重母音の先頭母音字はこの文字となる。 鼻音母音は ナ行、マ行、カ゜行の音を記述する場合にのみに使う。 ※ただし強制的に発音させたり、音韻変化を記述する場合にはもちろん使用する。 文字 転写 備考 a a A A Á Á i i I I Í Í u u U U Ú Ú e e E E É É o o O O Ó Ó 調音符 イ調音 発音時、イの口での発音から始めるようにする記号。 転写はyの字で行い、母音符に近い位置に記述する。 また、母音符についたばあい、ヤ行になる。 さらに、イの母音(i)に対してはイ調音は無効となる(yiとは書かない)。 ウ調音 発音時、ウの口での発音から始めるようにする記号。 転写はwの字で行い、母音符に近い位置に記述する。 また、母音符についても、ラテン文字の子音字wと異なり ワ行にはならず、使用しない。 文字 転写 備考 ya ya y単体では使わない wa wa w単体では使わない 子音符 グループ1 文字: k 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 ka ka ki ki ku ku ke ke ko ko gA gA gI gI gU gU gE gE gO gO kya kya kyu kyu kyo kyo gyA gyA gyU gyU gyO gyO グループ2 文字: s 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 sa sa sSi si su su se se so so swa swa swi swi swe swe swo swo zA zA zSI zI zU zU zE zE zO zO xya xya xyu xyu xyo xyo jyA jyA jyU jyU jyO jyO グループ3 文字: t 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 ta ta tSi tSi tSu tSu te te to to ti ti tu tu tSwa tSwa tSwe tSwe tSwo tSwo dA dA dSI dSI dSU dSU dE dE dO dO dI dI dU dU cSya cSya cSyu cSyu cSye cSye cSyo cSyo グループ4 文字: n 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 nÁ nÁ nÍ nÍ nÚ nÚ nÉ nÉ nÓ nÓ lA lA lI lI lU lU lE lE lO lO nyÁ nyÁ nyÚ nyÚ nyÉ nyÉ nyÓ nyÓ ryA ryA ryU ryU ryE ryE ryO ryO 動詞の語幹末には、文字形が「 ^n 」に変化した n が付く。 「 ^n 」の転写は「^n」。 読み方は、この子音字だけで「ni(ニ)」。 動詞の活用で語尾が変化しても、この変化は取り消されない。 後についた相や時制を示す母音に引っ張られ、「ニァ」とか「ニォ」とかの音になる。 グループ5 文字: p 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 pa pa pi pi pu pu pe pe po po bA bA bI bI bU bU bE bE bO bO mÁ mÁ mÍ mÍ mÚ mÚ mÉ mÉ mÓ mÓ pya pya pyu pyu pye pye pyo pyo byA byA byU byU byE byE byO byO myÁ myÁ myÚ myÚ myÉ myÉ myÓ myÓ 形容化するとき、語末に「 m 」の文字が簡略化した「 M 」が付く。 「 M 」の転写は「M」。 読み方は、この子音字に曖昧母音が付加されて「mq(ム)」。 曖昧母音をつけて音を示す場合は「 Mq 」、転写では「Mq」と書く。 グループ6 文字: f 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 文字 転写 fwa fa fi fi fu fu fwe fwe fo fwo ha ha hSi hSi he he ho ho hwA hwA hwI hwI hwU hwU hwE hwE hwO hwO hya hya hyu hyu hye hye hyo hyo vA vA vI vI vU vU vE vE vO vO グループ7 文字: yy 転写 文字 転写 yA yA yU yU yE yE yO yO その他 文字: N 転写:N 「ン」の音を表す。 音は後続の子音符によって変化する。 子音符 後続子音符 k k,g p p,b,m st s/z/x/j/t/c.. -(語末) Nk /ŋk/,/ŋg/ Np /mp/,/mb/,/mm/ Ns /ns/,/nz/,/nɕ/,/nd͡ʑ/ N /N/ 日本語や英語のように読めばよい。 IPAの調音表に対応する、ざっくりとした音と文字の対応 子音符 母音符 字形について 左から、無声音、有声音、鼻音、-i-調無声音、-i-調有声音、-i-調鼻音、-u-調無声音、-u-調有声音、-u-調鼻音 記法 母音符が連続する場合(「ああ」など明示的に伸ばす音)は有声音、無声音の順に並べる。 Grp.4は有声音しかなく、鼻音有声音、有声音の母音符を使う。 Grp.5とGrp.6で「ツァ」、「ヴァ」を書くときには、それぞれ「 」、「¨」を追加する。 サンプル 転写サンプル hwEn Aa kalU^nie to tSwo。 hwEn Aa kalU^nie to tSwo。
https://w.atwiki.jp/kenkaku/pages/144.html
名刀妖刀紙一重 ◆cNVX6DYRQU 小野忠明は、湧き上がる震えを必死に抑えながら山裾を彷徨い歩いていた。 どうにかして恐れを封じ込もうとするが、そうして意識すればするほど、忠明の中で恐怖が膨れ上がっていく。 そして、かつての類似した経験からこの危機の対処法を見出そうという無意識の働きか、忠明の脳裏に一人の男が浮かぶ。 (善鬼……) 忠明が神子上典膳と名乗って伊藤一刀斎の弟子であった頃の兄弟子で、忠明の心に死の恐怖を刻み込んだ男だ。 もしも一刀流を継ぎこの場に呼ばれたのが自分ではなくあの男だったなら、こんな無様な姿を晒す事はなかっただろう。 あるいは逃避行動の一種なのか、今思い出しても仕方のない兄弟子との思い出ばかりが忠明の心に浮かんで来る。 善鬼は妖怪を恐れるどころか、あの男自身が名前の通り鬼のような剣士であった。 師一刀斎の剣を余すところなく受け継ぎ、奴が一刀流の宗家を継ぐのだろうと、典膳も認めざるを得ない程の。 それだけに、一刀斎が善鬼と典膳の果し合いによって後継者を決めると宣言した時には心の底から恐怖した。 善鬼も典膳も一刀流の剣技は充分に修得しているから、後は実戦で優劣を見極める。 一刀斎のその言葉は、善鬼だけでなく典膳にとっても本心では納得しかねるものであった。 確かに典膳も一刀流の技のほとんどを修めてはいたものの、善鬼と比べればどうしても一歩劣るのは自覚していたのだから。 それに何より、典膳は一刀流の奥義とも言うべき夢想剣だけはついに身に付ける事ができなかったのだ。 奥義を使えない自分に一刀流を継ぐ資格がある筈がなく、善鬼と真剣で戦えば間違いなく死ぬ事になるだろう。 そうわかっていながら、典膳が果し合いから逃げる事なく善鬼との立ち合いに望んだのは、ある考えがあったからだ。 即ち、師匠の本心は善鬼ではなく自分を後継者にすることにあるのではないかという期待である。 善鬼は確かに剣士としては最高級の人材ではあるが、性格に難がありすぎて流派を天下に広めるといった事は望むべくもない。 対して、自分ならば、弟子を育てる事は上手くやれる自信があるし、世渡りも善鬼よりはずっと上手い筈。 この点を見込んで自分を後継者にしようというのが一刀斎の真意なのではないかと、典膳は考えたのだ。 だとすれば善鬼との死合いも尋常には行われず、一刀斎が何らかの手助けをして自分を勝たせてくれるのではなかろうか。 そんな願望混じりの予測をして臨んだ善鬼との立ち合い……そこで何が起きたのか、実は忠明は覚えていない。 果し合いが始まった途端に全力の剣気をぶつけられて頭が真っ白になり、ふと気が付くと善鬼が斃れていた。 ただでさえ腕で劣る上に平常心を完全に失っていた自分がまともに戦って勝てたとはとても考えられない。 やはり一刀斎が密かに加勢してくれたのか……だが、忠明はその件については敢えて考えないようにして来た。 代わりに、自分が師の後を継いだのは正しかったと証明する為、一刀流を天下に広める事に心血を注いだ。 その甲斐あって一刀流の名声は大いに広まり、忠明も近頃では善鬼の事を思い出すのも稀になっていたのだが…… こんな状況になって、忠明の心中では、克服した筈の想いが復活しようとしていた。 自分が一刀流を継いだのは間違いだったのではないか、善鬼を後継者にしなかった師は誤ったのではないかという疑いである。 そうした気持ちを抱え、打ちのめされていた忠明だが、こんな状態でも一流の剣客としての本能が消えた訳ではない。 何かが飛んで来る気配を察知すると、即座に不毛な思考を打ち切って身をかわし、飛来した物を素早く観察する。 「木刀……?」 飛んで来たのは木刀だった。銘のつもりなのか、刀身に風林火山と彫ってある。 潜んでいる誰かが忠明を狙って投げ付けて来たのか、或いは近くで闘いが起きていて何かの拍子に木刀が飛ばされたのか。 どちらにしろ、まともな武器を持たない忠明にとっては、ここで木刀が手に入るのは大きい。 素早く木刀を拾って周囲を警戒する忠明。と、山の上方から何かが転がり落ちてくる音を捉えた。 何が来てもすぐに対応できるよう身構える忠明。そして数瞬後、忠明の頭上に現れたのは…… 仇敵たる宮本武蔵を求めて彷徨い続ける佐々木小次郎。 この島に来てから既に二人の剣客と死闘を繰り広げているのだが、小次郎自身はそんな事は忘れてしまっている。 彼の頭にあるのは仇敵宮本武蔵の事のみ。武蔵を見つけ出して斬る、それが今の小次郎の全てだ。 とはいえ、武蔵の居所を知る手がかりは何もないのだから、行き当たりばったりに歩き回る事になったのも仕方あるまい。 遠くで剣客の発する剣気を感じてはそちらに向かい、しばし後に別の方向から血の匂いが漂って来れば方向転換する。 そうして彷徨い歩いて二刻余り、遂に小次郎は捜し求めていた相手に出会う。 「武蔵ッ!」 その姿を認めるや否や、小次郎は絶叫すると支給品の入った行李をほうり捨てて標的に向かい疾走する。 間違いない、あれが武蔵だ。小次郎は確信していた。少し面代わりしているが、十数年という歳月を考えれば当然の事。 何より、その身に纏う剣気や身のこなしの癖が自分の知っている武蔵と瓜二つだ。 そして、自分が向かって行くのを見るや即座に身を翻して逃げに走るその思い切りの良さも。 「武蔵!」 小次郎は全力で武蔵を追う。長らく待ち焦がれていた再戦の機会、決して逃してなるものか。 無二斎は状況が掴めないまま駆けていた。邪魔な行李はとうに捨てている。 突然「ムサシ」とか訳のわからない事を叫びながら襲って来た男が何者なのか、何故自分を追うのか、さっぱり分からない。 唯一つ分かっているのは、あの男とまともに戦えば自分の負けは確実だという事だ。 何しろあの男の手にあるのは長さ一丈はあろうかというとんでもない長剣。 普通に考えればあんな物まともに振れる筈はないと言いたいところだが、あの剣の刀身にべっとりと付いた血糊、 加えて剣を構えたまま凄まじい速度で駆ける姿を見れば、奴があの剣を扱うに足る膂力の持ち主だと考えざるを得ない そんな怪力であの常識外れの重量の剣を振るわれれば、無二斎の持つ二本の十手ではとても受け止められぬ。 そして、相手の得物を受けられない十手はただの短い棒に過ぎず、そんな物で長剣と渡り合うなど無謀の極み。 とにかく今は逃げる以外にない。 上手くすれば荷重の差から逃げ切れるかとも思ったが、追う者と追われる者の差は一向に広がらない。 その上、体力でも向こうが上回っているらしく、無二斎は疲労を覚え始めていた。 とはいえ、無二斎も、自分の体力を計算に入れずに逃げていた訳ではない。 元来た道を引き返し、目論見通り、疲れて足が鈍る前に山の中に逃げ込む事に成功する。 足場が悪く、木が生い茂る山の中では長剣は不利。ここなら短い棒でしかない十手でも十分に対抗できる筈だ。 そう思ってここまで必死に走って来たのだが、追って来た男はこの必敗と思える地勢にも全く怯まない。 「ムサシィッ!」 意味不明な掛け声と共に男は長剣を振るい、木々があっさりと切り倒される。その上…… 「くっ」 無二斎は必死で倒れて来た木を避ける。たまたま自分の方に倒れて来たのではなく、明らかに意図的な攻撃。 木を切断する際の剣の軌道や力の入れ具合を絶妙に制御する事で、木が倒れる方向と勢いを操って見せたのだ。 この男、振る舞いから連想される怪力だけの狂戦士ではなく、磨き抜かれた技をも併せ持つ一流の剣客か。 そう悟った無二斎は絶望するどころかむしろそこに勝機を見出し、力を振り絞って山を駆け登り始める。 無二斎は小次郎の倒木による攻撃を必死に避けつつ山を登って行く。 どうやら、読みの鋭さという点では無二斎に一日の長があるようで、小次郎の攻撃は掠りもしない。 しかし、体力では小次郎の方が一日どころではなく勝っており、駆けながら回避を繰り返した無二斎は汗だくになっていた。 小次郎と無二斎の出会う位置がもう少しずれていれば危うかったが、幸運にも無二斎は体力が尽きる前に目的地に辿り着く。 そして、それを目にした小次郎も、無二斎が目的もなしにただ逃げていたのではない事に気付いた。 見えて来たのは、山腹に突き立つ一本の木刀。無二斎はこれを目指して来たのだ。 木刀と言えば武蔵が得意とする得物。実際、巌流島でも小次郎は武蔵の木刀によって敗北を喫している。 しかも、あの木刀はただの木刀ではなく、曰く付きの業物である事を、小次郎は本能的に察した。 木刀が近づくや無二斎が最後の力を振り絞って真っ直ぐそこに向かい始めた事も木刀の危険さの傍証と言えるかもしれない。 武蔵に木刀を取らせるのは危険だ……そう感じた小次郎は手近の木を切り倒し、無二斎が向かう木刀の上に倒し込む。 「はっ!」 無二斎が跳躍する。その先には、倒木によって空中に跳ね上げられた木刀。 あの衝撃で砕けるどころか傷一つ見えない所からしても、やはり尋常の木刀でないのは間違いない。 しかし、それを取る事に執着して敵への注意が疎かになってしまえば無意味というもの。 小次郎もまた跳躍すると、空中にいて身をかわす事ができない筈の無二斎に向けて必殺の剣を振るう。 「甘い!」 小次郎の剣が届く直前、あろうことか、無二斎の体が空中でいきなり停止する。 あらかじめ十手の一本を倒木の枝に引っ掛けておき、それに繋がる房紐を引く事で空中での方向転換を可能にしたのだ。 その為に木刀には届かなくなったが、それは構わない。 何故なら始めから無二斎の狙いは木刀を取る事ではなく、小次郎にそう思わせて何とか隙を作る事だったのだから。 停止すると同時に、無二斎は残ったもう一本の十手を小次郎目掛けて投げ付ける。狙いは小次郎の利き手。 避けようにも、無二斎を仕留める為に渾身の力で剣を振っていた勢いを急には止められない。 回転しつつ飛来した十手が剣を握る小次郎の拳に命中し、小次郎の指がまとめて叩き折られて長剣があらぬ方向に飛び去る。 無二斎は着地すると、素早くもう一本の十手を枝から外す。 出来れば投げた十手を探したかったのだが、どうやらその暇はなさそうだ。 小次郎は指を折られた痛みなど意に介さず、空中で木刀を掴み、着地と同時に身構えていた。 それでも、長剣対十手二本が木刀対十手になったのだから無二斎にとってはかなり不利が改善されたと言っていいだろう。 如何に小次郎が人外の怪力の持ち主でも、片手で振るう木刀ならば、十手で受け止める事も不可能でない筈。 もちろん、上段からの気勢の乗った一撃などではなく、無理な体勢からの力を完全に乗せきれない一撃に限定された話だが。 にもかかわらず…… 「来い!」「ムサシ!」 上段に構え、渾身の一撃を振り下ろす小次郎に対し、無二斎は避けようとも、受けようとすらせず真っ向から打ちかかる。 小次郎が持つ木刀は、布都御魂剣とは比べようもないにしても、巌流島で武蔵が使った物に匹敵する程の長刀。 得物の長さが勝敗を一意的に決める訳ではないが、まともに打ち合えば無二斎の不利は否めない。 それくらいは百も承知の筈なのに、どうして無二斎は勝負を急いだのか…… 「ガアアアッ!」 頭を割られた小次郎の手から木刀が飛び、それを追うように小次郎自身も転げ落ちて行く。 勝ったのは無二斎。しかし、これは剣技において無二斎が小次郎を上回った結果ではない。 勝負を分けた要因を探すなら、技よりも心……小次郎に冷静さが欠けていた点を挙げるべきか。 まあ、長年追い求めて来た仇敵に漸く出会ったと思い込んでいる状況で冷静になれと言うのも酷な話だが、 それでも、この武蔵に劣らぬ狡猾さを持つ剣客に勝とうとするならば、冷静さを保っておくべきだった。 そして、無闇に決戦を挑む前にこの場に木刀があった事が何を意味するのかを考えるべきだったのだ。 無二斎が何も考えずに逃げ回っていたらその行く先にたまたま木刀があった、などという偶然はまず考えられない。 すると無二斎は前からあの木刀の存在を知っていた事になるが、では何故無二斎は木刀を放置して山から離れたのか。 元々業物を持っているならともかく、十手しか持たない無二斎にとって、木刀を取っておいても損はない筈。 にもかかわらず、無二斎が木刀を素通りしたのには相応の理由がある筈だと考えるべきだった。 無二斎も小次郎も知る由もない事だが、あの木刀は木刀・正宗と名付けられた名刀である。 木刀ながら銘を持つだけあって、尋常でない能力を持つ。具体的には使用者と潜在能力開放と感情の昂揚だ。 感情の昂揚が、相手の動きを冷静に見極める事が重要となる真剣勝負の場で忌避すべきものである事は言うまでもない。 潜在能力の開放による身体能力の上昇については、持ち手が力任せに剣を振るだけの荒武者なら益になる事もあるだろう。 しかし、無二斎のように精緻な技を武器にしている剣客にとっては、身体能力の急な上昇はむしろ害になる。 無二斎の技は現在の無二斎の身体能力に合わせて最適化されている為に、身体能力の変化により歯車が狂うのだ。 そして、小次郎も自分以上に精密な技の持ち主だと判断した無二斎は、小次郎に正宗をとらせるよう誘導した。 結果として、その判断は大正解……正宗は小次郎にとっては正に持ち手を呪う妖刀であったと言えよう。 何しろ、正宗の機能は単純な身体能力の上昇ではなく、あくまでも潜在能力の開放。 だが、小次郎は長年の厳しい修練によって、己の剣技に有用な身体機能は潜在能力の限界を超えて鍛えに鍛え抜いている。 それ故に、正宗を持つ事で上昇するのは、小次郎が己の剣には不要もしくは邪魔と考えて敢えて鍛えなかった能力のみ。 そんな状態で渾身の剣を振るえば、折角の優れた技が完全に崩れてしまうのも当然と言えよう。 更に、元々興奮していた上に正宗の力で感情が暴走した小次郎は、己の身体の異常に気付く前に勝負を挑み、敗れたのだ。 「ここには妙な連中が多いようだな。次はもっとまともな剣士と会いたいものだが」 そんな感想を漏らしつつ投げた十手を拾う無二斎だが、小次郎の拳とぶつかった衝撃で曲がってしまって使い物にはならない。 つまり、これからは十手一本で戦わなければならないという事だ。 正直それは避けたいのだが、かと言って小次郎が落として行った長剣は、無二斎には構える事すら難しい。 木刀は上に述べた理由で無二斎には無用の長物だし、何より木刀が飛んだ先は小次郎が落ちて行った方向と一致している。 十手で頭を割った傷は通常なら致命傷だが、あの怪物にそんな常識が通用するかは疑わしいところだ。 それに、無二斎と小次郎の戦いの気配を察知して、戦いを望む剣士が寄ってくる可能性も否定できない。 今はひとまずこの場を離れ、武器の調達は後でどうにかするしかあるまい。 あの男が何者で、何故あれほどの執念で自分を狙って来たかはわからずじまいだったが、無二斎にはどうでも良い事だ。 この兵法勝負における勝利、それのみが今の無二斎の望みであり、その為にはつまらぬ感傷など邪魔になるだけなのだから。 【ろノ肆 山腹/一日目/黎明】 【新免無二斎@史実】 【状態】疲労 【装備】十手@史実 【所持品】支給品一式 【思考】:兵法勝負に勝つ 一:城下に向かう 二:刀が欲しい 三:陶器師はいずれ斃す はノ参に無二斎の行李が投げ出されています。 小野忠明は、木刀を握ったまま呆然と転げ落ちてきた物を見詰めている。 転げて来る物が何であろうと対応できる心構えをしていたつもりだったが、それは落ちて来た物を見た瞬間に霧消した。 何しろ、この島に来て真っ先に忠明の心に恐怖を刻み込んだ化け物が凄まじい形相で落ちて来たのだ。 驚きと恐怖で忠明の頭の中は真っ白になり……気が付くと、血塗れた木刀を手にして首を切断された妖怪を見詰めていた。 「夢想剣……」 そう、己自身すら気付かぬ内に剣を振るい、化け物の首を刎ねたその技こそ、正に一刀流奥義夢想剣に他ならない。 かつてどうしても会得できなかった夢想剣を今になって修得したのか……いや、違う、この感覚には覚えがある。 一刀流後継の座を巡って善鬼と戦い、やはり頭が真っ白になったあの時にも、今と同じ感覚を覚えた記憶があるのだ。 「そうか、師匠……」 忠明は、今になって漸く、一刀斎が正しかった事を知った。彼はとうに夢想剣を会得していたのだ。 なのに、強すぎる我のせいで既に身につけた技を使いこなせず、会得しているのに気付く事すら出来なかった。 善鬼との戦いでも、自身が夢想剣を使って善鬼を斃した事に気付けず、師の贔屓を疑って勝手に煩悶していたのだ。 忠明は師を信じるべきだった。一刀斎が相応しくない者を後継者候補に選ぶ筈がないという事を。 そう、俺は天下一の剣豪伊藤一刀斎の正当なる跡継ぎ、物の怪如きを恐れる必要などなかったのだ。 現に、さっきは俺を愚弄して行った化け物をも、真の実力を発揮すればただの一撃で…… 「武蔵……」「ぬおっ」 幻聴か、あるいは小次郎の執念が有り得ざる現象を引き起こしたのか、小次郎の声が聞こえた気がして忠明は驚愕する。 拭い去った筈の恐怖が再び忠明を捕らえかけるが、それも咄嗟に振り下ろした木刀が小次郎の頭蓋を切り裂く事で消え去った。 木刀で人の頭蓋骨をこうも易々と切り裂くなど、以前の忠明の腕では考えられない事だ。 「これだ、これこそが俺の本来の力。一刀流継承者の剣腕だ!」 夢想剣に開眼した事で、己の中に眠っていた本来の力量が目覚めた、忠明はそう解釈する事にした。 これならば柳生など恐れるに足らぬ。後は一刀流こそが無敵の剣だという事を満天下に示すのみ。 【佐々木小次郎@異説剣豪伝奇 武蔵伝 死亡】 【残り七十名】 【ろノ参/山裾/一日目/黎明】 【小野忠明@史実】 【状態】:高揚 【装備】:木刀・正宗、半首、手甲、鉈、木の竿 【所持品】:支給品一式、同田貫(切先の部分半分) 【思考】 :十兵衛を斬り、他の剣士も斬り、宗矩を斬る。 1:斎藤弥九郎(名前は知らない)は必ず自らの手で殺す。 【備考】 ※木刀・正宗の力で身体能力が上昇し、感情が高ぶっています。ただし、本人はその事を自覚していません。 ※木刀・正宗の自律行動能力は封印されています。 時系列順で読む 前話 Beholder Vs SwordSorcerer 次話 戦慄の活人剣 投下順で読む 前話 Beholder Vs SwordSorcerer 次話 戦慄の活人剣 揺らぎ 小野忠明 すれ違う師弟 二重影 佐々木小次郎(傷) 【死亡】 茶屋前の決闘 新免無二斎 有り得ざる邂逅
https://w.atwiki.jp/whodoneit/pages/14.html
文字とは 音素または意味を表す図形。 地球ことば文字 音素文字(発音記号) アルファベット IPA国際音声記号 ひらがな カタカナ ルーン文字・・・ゲルマン人がゲルマン諸語の表記に用いた古い文字体系であり、音素文字の一種である。 サンスクリット フォニック文字・・・テイルズオブブレイク 意味文字 ベヌファスの魔法陣メーカー 漢字(発音可) 絵文字🥺 文字を連結させて意味を持たせた文字 発音可熟語(場合によっては発音が変化するものも 九十九(ツクモ)等) ギャル文字 英単語(apple)(発音変化) 発音不可顔文字(^_-)-☆
https://w.atwiki.jp/fullgenre/pages/331.html
ガラスの友情 ◆ew5bR2RQj. 「……私は」 轟くような爆発音が耳を貫き、ミハエルの意識は覚醒した。 靄の掛かった頭で音源を探ると、焦げ臭い匂いと熱が伝わってくる。 そこから推測する限り、付近で何かが炎上しているのが分かった。 「一体なにが……ぐうっ!」 身体を起き上がらせようとすると、激痛が彼を苛み始める。 激痛が走っているのは、左肩から腰までの箇所。 同志から賜った服が、鮮血で真っ赤に汚れていた。 (確か、私は……) 気絶する直前のことを思い出す。 そうして最初に思い出したのは、鬼のような形相のヴァンに自らが斬られる映像。 負傷した部分が、疼いたような気がした。 それを皮切りにして、気絶する直前の記憶が蘇り始める。 そして数秒もしないうちに、全ての記憶を取り戻した。 (ヴァン……ッ!) 仇敵の顔を連想し、ミハエルの内に怒りが篭る。 同志の崇高な理想を、まるで理解しようとしない愚かな人間。 そんな男に負傷させられた事を考えると、嫌悪感で首を掻き毟りたくなる。 (次は絶対に負けない!) 先ほどは身体能力の差で不覚を取った。 だがあと数分もすれば、ナイトのデッキの時間制限が解除される。 ライダーにさえ変身できれば、あの程度の男に不覚をとることはない。 負わされた傷も出血量や外見こそ派手だが、致命傷というわけではない。 適切な治療を施し、休養をとればすぐに復帰できるだろう。 (そういえば東條さんは? まさかあの爆発に巻き込まれて……) 東條の安否が気になり、周囲を見渡すミハエル。 すると爆発が起こった方向から、東條が歩いてくるのが見えた。 顔は煤で汚れているが、目立った外傷は無い。 大切な友人が無事であったことに、ミハエルは安堵する。 自分の身が危険に晒されようと、自分を救ってくれた東條。 ヴァンの剣先が彼に向けられた時、銃を持つ彼を失いたくないという打算もあった。 だがそれ以上に、友人としての彼を失いたくない気持ちも強かったのだ。 結果的にミハエルは負傷してしまったが、それでも後悔はしていなかった。 「東條さん……無事だったんですね」 「うん、この刀のおかげで助かったよ」 ミハエルが笑みを漏らすと、東條も笑顔を返してくる。 彼の腕には、ヴァンが使っていた菊一文字則宗が握られていた。 「……そういうことですか」 日本刀の刀身に映る自身の顔を見て、ミハエルは東條の発言の意図を理解する。 一流の日本刀の刀身は、鏡面のように全ての物を映す。 鏡面とは、つまりミラーワールドの入り口。 東條は爆発の直前に刀身にカードを掲げ、デストワイルダーを召喚することで難を逃れたのだろう。 「とりあえず無事でいてくれて安心しました」 「ありがとう、ミハエルくん」 まるでお茶会のような雰囲気で談笑する二人。 東條は顔や服が煤だらけで、ミハエルに至っては血塗れ。 外部の人間が見れば明らかに異質な状況だが、彼らには関係の無い話である。 「あの……すいません、東條さん、ひとつお願いしてもいいですか?」 「なにかな?」 「見ての通り、私は負傷してしまった」 彼の状態を改めて確認するが、見るに耐えない状態だ。 服の切断面からは赤黒い傷口が見え隠れし、吹き出した血液が地面へと染み込んでいる。 こうして会話が出来ているのが、不思議なくらいであろう。 「だから治療をお願いしたいのですが……」 現状でミハエルが唯一頼れる存在は、目の前にいる東條だけだ。 友好的な関係を築いているから、快く治療を請け負ってくれる。 そんな思惑が彼にはあった。 「東條さん?」 だが先ほどから、東條の様子がおかしいのだ。 正確にはミハエルが負傷したことを告げ、東條がその傷を見た時から。 ミハエルと視線を合わそうとせず、口を開こうとしない。 纏っている陰気な雰囲気は、言いようのない不気味さを漂わせていた。 「あの、東條さ――――」 「ごめん、ミハエルくん」 返答がないことを不審に感じ、首を傾げるミハエル。 その瞬間、東條が何故か謝罪の言葉を告げたのだ。 ――――ミハエルに向けて銃を構えながら。 「東條さん、何を……」 「ごめん、本当にごめん。でも君は大切な人だから、僕がこの手でとどめを刺さなきゃいけないんだ」 絶句するミハエル。 最初は冗談だと思った。 しかし言葉と共に近付いてくる銃口を見て、次第にそう思えなくなってくる。 東條が本気で自分を殺すつもりだと気づいた時には、悪寒が止まらなくなっていた。 「や、やめてください、東條さん!」 銃口を向ける東條に抵抗を試みるが、ヴァンに負わされた傷に遮られる。 身体を起き上がらせようとするが、全身に力が入らなかった。 「そんな傷で誰かに会ったら今度は殺されちゃうよ、それじゃ駄目なんだ 君は僕がとどめを刺さないと。そうしなきゃ僕は英雄になれないから……」 唯一動かせる右腕を伸ばすが、東條に容易く弾かれてしまう。 そのまま片手で地面に押さえつけられ、ミハエルの抵抗は呆気なく終わる。 かつて東條は大切な人間の一人であった佐野満に、とどめを刺せず逃してしまった経験があった。 故に彼は、大切な人間にとどめを刺すことに固執しているのだ。 最もミハエルには関係のない話だし、知る由もないのだが。 「まだ私は動ける! だから殺さないでください!」 「違うよ、ミハエルくん。殺すんじゃなくて救うんだ、君が言ったんじゃないか」 確かにミハエルの傷は浅く、治療をすればまた活動を再開できる。 だが、今は動くことができなかった。 「君のおかげで、僕は香川先生の言葉の真の意味を理解することができた」 「そんなことをしたら、私が死んでしまう!」 「君がいたから、僕はやっと英雄になる本当の方法が分かったんだ」 「東條さん! 東條さん!」 会話がまるで通じていない。 一方的に喋る東條と、必死で説得しようとするミハエル。 先ほどまで同じ道を歩いていた二人が、道をすれ違えている。 (どうすれば……私は一体どうすれば……) 自分にはまだ、大勢の人間を救う義務がある。 だからここで殺されるわけにはいかない。 恐怖に支配されつつある頭を回転させ、この窮地を脱する方法を考える。 ナイトのデッキは、変身制限で使えない。 仕込み杖は、東條を庇う際に折れてしまった。 (ファサリナさん!) ファサリナの三節棍は、手の届かない場所に落ちている。 (同志!) 同志のカギ爪は、デイパックの中。 ミハエルに、抵抗手段は残されていなかった。 「ありがとう、ミハエルくん」 ついに銃口が眉間に合わさり、冷たい感触が彼を襲う。 恐怖から瞳孔が見開き、拒否しようとしても銃が視界に入ってくる。 間近で見て、銃口と弾装に血液が付着しているのが分かった。 付着してから大分経過しているのか、血液は黒に変色しどす黒い。 この血液は東條が最初に救った少女、北条沙都子のものだ。 「僕は君のことを絶対に忘れない、だから君は僕の中で永遠に生き続けるんだ」 途中から東條は涙を流し始め、声も涙声になってくる。 彼の流した涙が、ミハエルの頬に零れ落ちた。 「皆と一緒に同じ夢を見よう、僕が英雄になって、他の人達を救う夢を!」 「まだ、私にはやることがあるんだ! だからやめ――――」 そう、彼が言い切る直前。 ぱぁん、と火薬の弾ける音が響き渡る。 次の瞬間、ミハエルの視界は急速に色褪せ、そして何も映らなくなっていた。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「ミハエルくん! ミハエルくん!」 東條は号泣しながら、ミハエルの身体を抱きしめる。 だがその身体に、もう魂は宿っていない。 彼の額には穴が開き、そこからドロドロと真っ赤な液体が流れ落ちている。 流れ落ちた液体は水溜りのようになり、そこには血液以外の固形物も沈んでいた。 正常な人間であれば、嘔吐すらしかねない光景。 だが東條はそれを愛しそうに抱きしめ、穏やかな笑みを浮かべていた。 「これで君も救われた、これから君は僕の中で生きていくんだ」 ミハエルの死体を地面に降ろし、胸の前で手を合わせる東條。 ミハエル・ギャレットという人間は、肉体的には死んでしまった。 だがその魂は彼の中で永遠に生き続け、英雄である彼を支え続けるのだ。 彼だけではない、彼の胸の中には北条沙都子やその兄である北条悟史。 インペラーに変身していた男性に、ミハエルが出会った柊かがみという少女。 他にも大勢の人間が彼を支えているのだ。 「先生、僕はまた英雄に近付きました」 彼は胸の中にいる香川へと語りかける。 その口調や態度に、迷いは一欠片も存在しない。 瞳には強い意志が宿り、煌々と輝く朝日を見つめていた。 崇高な理想を、英雄になるという夢を胸に抱き。 東條悟は、道を踏み違え続ける。 【ミハエル・ギャレット@ガン×ソード 死亡】 【一日目 朝/F-2 道】 【東條悟@仮面ライダー龍騎(実写)】 [装備] レイ・ラングレンの銃(70/100)@ガン×ソード、菊一文字則宗@るろうに剣心 [支給品] 支給品一式×3、タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎 フライングボード@ヴィオラートのアトリエ、ファサリナの三節棍@ガン×ソード カギ爪@ガン×ソード、予備弾倉(60/60)、確認済み支給品(0~2) [状態] 疲労(大)、全身打撲 [思考・行動] 0:全ての人を『救う』ことにベストを尽くして英雄になる。 ※TV本編死亡後よりの参戦です 【ファサリナの三節棍@ガン×ソード】 ファサリナが愛用している三節棍。 ヴァンの蛮刀と同様の素材を使用しているため、布のような形状にもなれる。 時系列順で読む Back 価値ある命 Next RIP 投下順で読む Back 価値ある命 Next RIP 084 価値ある命 ミハエル・ギャレット 東條悟
https://w.atwiki.jp/asimojipro01/pages/44.html
文字(もじ) 英writing, 仏écriture, 独Schrift 『言語学大辞典術語』 文字はまた,単に字ともいう.中国では,六書のいわゆる「象形」や「指事」のような具象的,原初的な文字を文といい,「形声」や「会意」のような文字を字といって区別する場合もある.なお,古くは「書」ともいった.また,中国では,その文字が表語文字であって,原則として1字が1語に対応するため,語のことを字とよぶことが普通であった.近頃では,「詞」という言葉で語を表わすようになっている.中国で「語」というときは,「言語」の意味である.日本では,字はしばしば文字と同義に用いるが,文字全体には「文字」を用い,個々の文字(letter)には「字」を使って区別することがある.この区別は術語として使うときに便利である.そして,この意味での字は集まって1つの文字体系(writing system)をなす.日本のアカサタナやイロハは日本の文字体系の呼び名である.いわゆる「五十音図」は,その体系的表示である. 文字は,視覚形象による言語記号である.したがって,文字は,当然,言語学の対象になる.文字を言語学的に考察しようとする場合,まず,文字の言語的機能について考える必要がある.文字には,言語的機能のほかに,装飾的な機能もある.文字は,古代においては,帝王の権力を誇示するために使われた.エジプトのファラオ,アッシリアの大王,そして中国の皇帝は,文字の装飾性を利用して描かれた銘文をもつ巨大な記念碑を建てた.また,文字の美的形態は,文字の芸術,すなわち書道を生み出した.しかし,文字の基本的機能は,やはり言語伝達の機能である. [音声から文字へ] 悠久の昔に,人類は視覚形象をもって音声の言語をウツス(移→写)ことを思いつき,そこに文字の萌芽が生じた.それは,人類の偉大な発明の一つであった.しかし,それは大きな冒険であった.なぜなら,それは感覚の違いを跳びこえる試みであったからである.すなわち,もっぱら聴覚に訴える音声からなる言語が,聴覚とはまったく性質を異にする視覚に訴える文字によって表わされるようになったのである.聴覚の印象の特徴が,時間的に先後して一次元的に展開するところにあるのに対し,視覚の方は,空間的に三次元的あるいは二次元的に構成される特徴がある.前者は連続して流れていくが,後者は部分に区分されて意識される.このようなはなはだしい相違を乗りこえる言語の文字化は,必然的にいろいろな問題を含んでいる. [文字の配列] まず,文字の配列の問題がある.縦書きにしろ,横書きにしろ,あるいはその他の書き方にしろ(たとえば,「ファイストス円盤(Phaistos Disk)」のように円形に字を並べる円環式(Phaistos writing)や,古代ギリシアや古代イタリアに見られ心いる「牛耕式また犂耕式(boustrophedon writing)」のように牛が犂を引いて畑を耕すように左から右,それから右から左へというような書き方),個々の文字は,前後の順序で一次元的に配置される.この配列の仕方は,文字による言語はやはり音声による言語に基づいて作られ,その意味において,文字は二次的な言語であることを示すものである.視覚では,少なくとも二次元的な平面の上で左右に並置させることが可能であるにもかかわらず,文字が一次元的に展開されるのは,聴覚に訴える音声言語の線状性(linearity)を踏襲しているからである.世界のどこにも,文字言語が音声言語よりも先にあったためしはない.文化がある段階に進んだところで,音声言語の上に文字言語が構築されるのである. [間接的伝達とその道具] 音声は,瞬間,瞬間に消えていく.その後には,聴覚印象のはかない残像を残すのみである.この音声による言語は,したがって,直接的伝達には向いているものの,後には何も残らないので,同じ場面に参加していない者の間の伝達には適さない.このような間接的伝達に,文字は有効である.それは,文字は,音声のようにたちまちにして雲散霧消するものではないからである.その代わり,文字による伝達には道具が必要である.音声言語の場合は,もって生まれた口をあけたてし,舌を動かすだけで音声が発せられるので,たえず伝達道具を携えている必要はないが,文字言語では必ず何か書く物が要求される.そして,その書く物の材質によって,その寿命に大きな差がでてくるが,しかし,いかに脆い材質の物でも,ある程度の恒久性はある.それが石であるとか,金属であるときは,場合によっては,1千年,2千年といった非常に長い年月にわたって保存されることがある.われわれが,中国やエジプト,あるいはオリエントの古代史を知ることができるのは,そのような堅固な材質の道具の恒久性によるのである.このように,伝達道具の恒久性に基づく文字言語は,距離的にも時間的にも遠隔の人間どうしの間の間接伝達を可能にする.人類が,音声による直接的伝連だけでその社会生活を維持できた間は,文字は生まれなかった.しかし,社会が漸次複雑化してくると,どうしても間接的伝達が必要となってきて,そこで文字が創造された.文字の発明と文明の誕生は,密接な関係をもつといわれるゆえんである.現代の高度の文化水準をもつ社会では,音声による直接的伝達と文字による間接的伝達とを巧みに組み合わせて,複雑な情報世界をつくり上げている.そして,音声と文字はあい補いつつ,それぞれあい異なる社会的機能を果たしているのである. [表語文字と表音文字] 音声による言語を文字にうつしかえる文字化の過程の中では,しかじかの音声を単に機械的にそれぞれの文字に写すだけではすまされないことが起こる.極端にいえば,ある変質が起こる.というのは,音声言語は線状的に連続して流れるが,文字となる視覚形象は区分をもって非連続的に表象されるという感覚の差異があるからである.そこで,文字化に際しては,音声の連続体をある単位に分割して示す必要が起こってくる.そして,その単位が,個々の文字である. ある言語の文字化は,その言語を反省することである.その反省の結果,言語はその単位を得る.その単位に相当するものが言語そのものの中に存在すればこそ,単位の抽出が可能なのではあるが,音声の連続体である言語そのものは,常に明確な部分に分けられるとは限らない.ある場合には単位が自明なこともあれば,また,ある場合には単位をどうとるか迷うようなこともある.それはともかく,単位のとり方も,必ずしも一様ではない.すでに,マルティネ(A. Martinet)の指摘しているように,言語は二重分節(double articulation)をするものである.そこで,それを反省して文字化するにも,第一次分節のレベルで単位を設定することもあるし,第二次分節のレベルで単位を設けることもある.前者の結果が表語文字(logogram)であり,後者の結果が表音文字(phonogram)である.そして,表音文字には2種類あって,音節を単位とするものを音節文字(syllabic letters)といい,音素を単位とするものを単音文字,あるいはアルファベット(alphabet)という.日本の仮名は典型的な音節文字である. このように音声言語を反省・観察して単位を抽出し,それに一定の視覚形象を与えて文字にするわけであるが,その際,文字はもとの音声の姿を忠実に写し出すものではない.というより,忠実に写し出せるものではないのである.音声は,微妙な変化をしつつ連続して展開するものであるから,これをそのまま忠実に文字の上に投影させることは,ほとんど不可能である.いかに精妙にできたアルファベットでも,もとになる音声に比べると,その表音は極めて粗笨なものである.文字が必ずしも精密な表音を必要としないことは,多くの場合,その言語の超分節音素(suprasegmental phoneme)やイントネーション(intonation)を文字に表わさないことによっても知られる.漢字のような文字は,表音性は皆無ではないにしても,極めて効率の悪い表音性しかもっていない.このような事実から,文字の機能は表音にあるのではないことが察せられよう. [文字の機能・目的――表語] それならば,文字の本当の機能はどこにあるのであろうか.本来,文字の単位は,言語の第一次分節の単位であった.そのことは,漢字においてもっとも明白にみられる.漢字の一字一字は,原則として,もともと中国語の一語一語を表わすものである.その意味で,漢字は,もっとも完全な表語文字である.したがって,漢字は,第一次分節のレベルにとどまった文字であるといえる.しかし,このような文字は,実用的な伝達記号としては極めて不便である.それは,一つ一つの語がそれぞれ固有の文字をもたなければならないし,そうなると膨大な数の文字を必要とすることになるからである.そこで,すでにかなり古い時代から,エジプトやオリエントでは,既成の表語文字が本来表わした語の意味を捨象して,その音形を表わす表音記号として使うことが始まった.このことは,漢字の場合でも同様で,漢字の伝統的な分類である「六書」の中の仮借がそれである.つまり,当て字である.この文字の表音的方法は,言語の第二次分節のレベルの問題である.この第二次分節のレベルの文字も,漢字や古代オリエントの楔形文字の場合は,表音的には音節が単位であった.ただ,エジプトでは,「エジプトのアルファベット(Egyptian alphabet)」とよばれる単子音文字が,他の種類の子音文字とともに用いられた.もっとも,このアルファベットが,本当に単子音だけを表わしたとはちょっと考えにくいが,現代ではその本当の表音法が分からなくなっていて,あたかも単子音だけを示しているようにみえるのである.おそらく,この「エジプトのアルファベット」が機縁となって,セム人の間で単子音のアルファベットが生まれ,それがフェニキア人を媒介としてギリシアに伝えられ,ここに母音字も作られて,本当のアルファベットが誕生することになった.しかし,エジプトでもオリエントでも,純粋な表音的文字ではなく,より原始的な表語文字を支え,それと混用する文字体系が行なわれた.これを混合文字体系(mixed writing system)という.というよりは, エジプトの「アルファベット」(単子音文字)や二子音文字,三子音文字,あるいは楔形文字の音節文字などの表音的な(意味を捨象した)文字は,もともと原始的な表語文字から仮借によって表音的に用いられたもので,しばしばその元になる表語文字と同時に用いられることがあり,表音的といっても,第一次分節の単位である語の表記を目的とし,その語の音形を示唆するだけのもので,その音形を微に入り細を穿って描写するものではないのである.つまり,あくまで表語(logography)が文字の目的であって,表音(phonography)はその表語の一手段にすぎない.上にも触れたように,厳密にいえば,正確な表音は不可能であるが,文字にあっては,表音はただその表わす語の音形が髣髴できればよいので,精密な表音は不要である.したがって,表音的な文字は言語の第二次分節に関わるにはちがいないが,その第二次分節の表記が目的なのではない.第二次分節の表記には,IPA(国際音声字母)のごとき表音記号か,各国語の音素記号が用いられる.しかし,IPAは文字ではない. 古代の表語文字では文字は表語から出発し,表語にとどまった.このことは,しかし,古代の文字だけにいえることではない.すべての文字は,究極の目標は表語にあるといえる.なるほど,エジプト文字の刺激を受けて発生したセム文字の原形は,複雑なエジプト文字体系の中から表語文字的要素をかなぐりすてて,少数の子音文字からなる新しい文字体系=アルファベットを作り出したが,このアルファベットの盛行によっても,文字の表語的機能は根本的には変わっていない.それは,少数の表音文字(letter)の組み合わせ(spelling)で個々の語を表わすことになったからである.いいかえれば,ここでは表音が表語の手段になっているのであって,その表音も上にも述べたように示唆的なものであるにすぎない. [表語の方法―表意と表音] さて,文字の根本的機能が表語にあることは上述のとおりであるが,その表語の仕方には表意と表音の2つがある.語は一定の音形をそなえ,一定の意味をもつものであるから,それを表わす文字化の仕方に表意(ideography)と表音があるのは当然である.表意の方は,古代文字の原始的段階でとられた方法で,その文字の表わす語がさす物を,視覚形象(図形)に描くことによってその語を表わした場合にみられる.たとえば,古代エジプトで◎をもって「太陽」を意味する語ͨrͨ を表わしたような場合である.漢字の分類の「六書」でいえば,「象形」がそれに当たる.この象形の方法は,語の意味するものが具象的なときは可能である.それを図形化すればすむからである.しかし,図形化できない意味の語の場合は,この方法はとれない.それでも,数とか場所的な関係などは,これを図形化することが不可能でないこともある.漢字の一・二・三とか,上・下(篆文は,⊥・丅)のような,六書の「指事」による文字がそうである.しかし,このような方法は,常にうまくいくとは限らない.特に,抽象的な観念を示す語の場合は,この図形化の方法は不可能になる.そこで,どの古代文字も,この表意的方法に行き詰まって,表音の道に向かった.その媒介となったのが,いわゆる「仮借」である.それは,既成の表意的表語文字を,その意味を捨象して,その文字が本来表わした語の音形によって,それと同じ,また類似の音形の他の語に借りる方法である.漢字の場合も,同様であった.ただ,漢字の場合は,「形声文字」の原理の発明によって,表音的な文字体系には進まなかった.すなわち,ある語を文字化するのに,まず仮借の原理によってその語の音形と同様の音形を示す既成の文字を借りてきて(これが声符),それにその語の意味の範疇を示す限定符(義符)を加えることによって,その語専用の形声文字を作り上げたのである.この義符の添加は,意味の範疇を示すという意味で,表意的な工夫であるとともに,この添加によって,他の同音または類似の音をもつ語を表わす字との識別が可能になり,その結果,漢字はほとんど完全な表語文字となったのである.エジプトの聖刻文字(hieroglyph)は,漢字のようにはいかなかったが,この文字でも義符は盛んに用いられ,漢字と同様,義符の添加によって表語性を明確にしている. しかし,表意的表語法はどのみち徹底することはできない.というのは,語の意味となる観念は複雑で多岐にわたっているので,これを物のごとくに分解することはできないからである.それよりも,語の音形の分析の方が容易である.そこで,表音的表語法がとられるようになった.表音には,仮名のような音節単位の場合もあれば,アルファベットのような分節音(segment)単位の場合もある.そして,その文字とその文字によって示される言語との間の関係はいろいろである.その文字がその言語に適合(fit)しているものもあれば,その文字があまりその言語にぴったりしないこともある.後者は,特に,外国の文字を借りてその言語を表わす場合によくみられる.一例をあげれば,トルコ共和国がローマ字を採用する以前,アラビア文字でトルコ語を表わした場合などがそうである. [綴りと発音のずれ] 文字は,音声よりも恒久性がある.文字のこの特性から,文字の表音的表語は,古い時代の表音をそのまま保持することが起こってくる.したがって,ある時期が経って音声の語は変化しても,文字面では昔の音形を伝えることがある.その顕著な例は,英語の綴り(=スペリングspelling)である.たとえば,knight「騎士」は,この綴りができたときは[knixt]のように発音されていたが,音韻の変化によって,今では[nayt]と発音されるようになった.これは綴りの保守性によるものであるが,音韻変化をよそにこの古い綴りを残していることは,文字が表語を目的とし,表音を目指すものでないことを傍証するものである.読みもしないkを残すことによって,たまたま同音語となったnight「夜」との識別を保っている.英字は,アルファベットの一種であるが,一般にアルファベットは,個々の文字ではなく,それがいくつか集まって綴りをなしてはじめて表語の機能を果たすのである.そして,上の例のように,綴りが固定すると,その綴り全体が表語単位となって,その綴りがその語の音形に適合するかどうかを問わなくなる.もっとも,ある時期を隔てて,その音形に適合させるため,綴り字の改正が行なわれることもある.しかし,綴り字の固定は,文字言語の伝承に深く関わりあっているので,容易には行なわれない.また,綴り字に際して,多少人為的な技巧を凝らすこともある.フランス語の現在の綴り字には,その祖先であるラテン語の綴りを不自然にとり入れている点が少なくない.たとえば,動詞の3人称・複数の語尾に,発音されない-ntを書くなどがそれである.ils aiment「彼らは愛する」は,ラテン語のamantを模したものである.この綴り字と実際の発音の乖離は,英語の綴り字にそのはなはだしい例をみるが,アイルランド語やスコットランドのゲール語ではいっそう激しい. [日本語の表語方法] 日本語の文字による表語は複雑である.普通の漢字仮名まじり文では,実質的な意味をもつ部分に漢字を使い,形式的,文法的な要素に仮名を用いることを原則とする.もちろん,例外はいろいろあるが,この原則は,画の多い漢字と画の少ない仮名とのコントラストによって,表語法としてはかなり効果的である.それは,漢字ばかり使う中国の表語で,実辞も虚辞も同じ型の文字を用いているのと比較すればよく分かる.日本語のこの原則は,もともと漢字を主体とし,仮名はそのいわゆる送り仮名として補助的に使ったところから発したものであるが,次第に仮名が昇格して,漢字と同じ資格を得るようになったのである.しかし,今でもなお,送り仮名的表語法は残っている.特に,用言の場合,その語幹に漢字をあて,活用部分に仮名を使うという原則的な方法がそれである.また,たとえば,同じ「明」の字を,明ラカというときはアキと読み,明ルイというときはアカと読むのは,送り仮名によってアキラカなりアカルイの語全体を表わしているのであって,明の字がそれだけでアキあるいはアカという音連続を表音しているのではない. [表晤とは何か] さて,以上により,漢字のような表語文字であれ,アルファベットのような表音文字であれ,文字の言語的機能は表語にあることが判明した.そして,その表語の仕方に,表意と表音の二様があることも分かった.ところで,今度は,表語とはどういうことなのかを考えてみる必要がある.ちょっと考えると,言語を成す音声連続は,いわゆる第一次分節によっていくつかの単位に画然と分けられているように思えるが,しかし,実は必ずしもそう簡単に分析できるようにはできていない.言語によって,容易に分解できるものもあれば,どこで切ったらいいか迷うようなものもある.実際の言語の使用者にとっては,その区分はどうでもよいのであって,はっきりと単位を区分する必要が起こるのは,その言語を反省し観察する場合である.言いかえれば,その言語を言語学的に考察するときは,どうしてもその言語に現われる現象を反省し観察しなければならない.そして,その結果を記述しなければならなくなるが,その際に,どうしても文字を用いて記述する必要があり,その時,その観察した音声連続の中に単位を設定することが行なわれる.語という単位が取り出されるのは,実は,その記述の時なのである.もちろん,古く文字を創造した時には,言語学も音声学も,また音韻論もあったわけではない.しかし,文字の創案者は,必ずやその言語を反省し観察したにちがいない.いうまでもなく,その観察は今日の言語学の目からすれば,精確さも厳密さも欠いていたに相違ないが,その言語の音声の観察があったからこそ,その中から単位の語(word)を抽出し,それを文字化することができたのである.そこに,アルファベットの発明者が最初の言語学者であった,といわれる所以がある.そして,文字は言語の語を表わすためのものではあるが,その文字化によって同時に語という単位が設定されるという微妙な関係にあることは注目に値する. 同様なことが,文字の表音についても言える.特に,アルファベットについて言うと,ギリシア文字以来のアルファベットは,一口で言えば,単音文字である.言いかえれば,1字1音を原則とする文字である.そして,その1音の音は,音声連続の単位の分節音素である.もちろん,音素(phoneme)という術語は,現代の言語学,とりわけ音韻論の立場から考えられたもので,アルファベット文字の創始者には,そんな厳密な考えは思いも及ばなかったであろうが,しかし,アルファベット文字は,ごく大雑把にいって,音素文字である.この文字の創始者たちは,自分たちの言語の音声を観察してその分節音の単位を認め,それに一定の文字を与えた.その過程には,やはり一種の音素分析を行なっていたと考えられる.厳密に言えば,具体的な言語の音声連続の中には,客観的な単位としての音素などは存在しない.音素というものは,その言語の観察者が,その言語を文字化する場合に,必然的に要求される単位の設定に迫られて作り出す,記述のための道具にすぎないのである.そのことは,現代の言語学者についても,昔のアルファベットの創始者についても同じである. ところで,文字は表語のためのものであるが,その表語は,文を作りあげてある伝達を行なうための手段である. その伝達を果たす言語は,文語 (written language)である. [文字と文化] 音声による言語も,人類が本来他の目的(呼吸,消化)に用いる器官の活動を巧みに利用して作り出したもので,一種の文化的所産であるが,しかし,人間が社会の中で生い立つうちに身につける,いわば第二の自然である.したがって,人類は,いかなる時も,いかなる所でも,言語をもたないものはいない.これに対して,文字は,音声言語に基づいてあとから作り出されたもので,その使用はまさしく文化的現象である.その発生は,人類が未開の自然的生活から脱け出したところに求められるし,ことにその伝播において,その文化的性質が明白に看取される. たとえば,中国で発明された漢字は,東アジアの近隣諸国,すなわち日本・朝鮮・越南に伝えられ,それらの国々の正式な文字として採用された.それは単に文字の移入にとどまらず,中国の古い文化が物質的にも精神的にもこれら3国にとり入れられ,今日なおその影響が,内容と程度の差はあるにしても,濃厚に残されている.中国を中心にこれら3国は,中国古文化圏にあったということができる.それは漢字によって象徴されるため,「漢字文化圏」とよばれることがある.現代では,北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で漢字が排除されて,ハングルを専用し,ヴェトナムではローマ字に切りかえられたが,これは「漢字文化圏」からの離脱と考えることができる. [文字と宗教] 文字の伝播に関してもっとも注目すべきことは,宗教の伝播に伴う事実である.もっとも著しいのは,イスラム教の発展に伴って起こったアラビア文字の浸透である.民族・言語の相違を乗り越えて,イスラム教とともにアラビア文字は広がっていった.ペルシア(イラン)・トルコ・インド・パキスタン・インドネシア等で,それぞれその言語の特色に応じて多少の変更を加えつつもアラビア系の文字を使っていたし,また現在も使っている.もっとも面白いのはインドおよびパキスタンで,ほとんど同じ言語でありながら,ヒンドゥー教徒の使うヒンディー語ではインド系の文字を使い,イスラム教徒の使うウルドゥー語ではアラビア系の文字を使っていることである.ただし,現在では,トルコ共和国もインドネシア共和国も,またマレーシアもローマ字に切りかえているが,これは近代化の波に応じた文字改革である. ヨーロッパでも,東欧では,同じキリスト教でも,ローマのカトリック教を信じた所ではローマ字を使っているが,ギリシア正教を信奉した所ではギリシア字系の文字(キリール文字)を使っている.ポーランドやチェコ,スロヴァキアでローマ字を使うのは,元来カトリック教が行なわれていた所であるからであり,ブルガリアでキリール文字が使われるのはギリシア正教の強かった国であるからである.また,もとユーゴスラヴィア共和国の公用語の一つセルビア・クロアチア語が,クロアチア共和国ではローマ字を使い,その他の地域ではキリール文字を使っているのは面白い.これは,この言語の分布域がカトリック教圏とギリシア正教圏の境界に当たっているからである.宗教は,文化現象の一つである.そして,文字は,かつての文化圏の指標になっている.