約 1,033,299 件
https://w.atwiki.jp/quatropiliastro/pages/100.html
『吉良吉影』―年齢、『男』 出身地は『S市杜王町』 スタンド 『キラークイーン』 『シアーハートアタック』 趣味 『爪を切り取って保存する』 女性の 『美しい手に異常な執着』 自身の 肉親 『吉良』吉廣 ホリー・ジョースター ――――――『偶然』か、それとも『運命』なのか 「少しずつ」「違うが」..... 『こいつは』『私』であり、『オレ』だ ―すてきな青空だった。 昼休み、港の横に繋ぎとめているヨットのデッキに、2人の男が昼食と摂っている。 男の名は「吉良 吉影」。水兵服を来ており、もう一人の男が持ってきたサンドイッチを頬張っている。 「しかし、このサンドイッチの店....『サンジェルマン』だったか?そんな店、「杜王町」には無かった気がするが....」 「記憶違いじゃあないのか?少なくとも、私が生きていたころの「杜王町」にはあったぞ。それも結構混んでて、人気の物はすぐ売り切れてしまうから買うのが大変だった....」 生前の平凡だった頃の出来事を、つい昨日の事のように思い出しながら語る男―『吉良 吉影』。彼こそが「吉良」のサーヴァントであり、『杜王町』に長らく潜み続けた殺人鬼である。 そんな彼を尻目に、黙々とサンドイッチを食べる吉良。....が、ここで『吉良』が自分の分のサンドイッチに全く手を付けていない事に気が付く。 「食べないのか?」 「あぁ、元々サーヴァントには元々必要ない行為だしな、それに『食事』なら....先ほど、済ませてきた」 「........」 「心配ないよ。『証拠』は消してきた。....跡形も無くな」 そう言って懐に潜ませている「彼女」に夢中になる彼に対し、吉良は内心どう扱っていいものか、と多少ながら困惑していた。 ......何も今に始まった事ではなく....彼が召喚された時に確認も取ったし、何より彼自身、"対象"こそ違えど、そういう嗜好の持ち主である為、ある程度の理解はできる。 ―――そう、"理解"できてしまうのだ。今ここにいる相手は、職業や容姿こそ違えど....本質は、核心的な部分は「自分と同じ」である、という事を。 ―――だからこそ、恐ろしいのだ。自分のこれまでの人生においてこの男の様な"化け物"になる可能性が、十分あったという事を。 「――ところで」突然、思い出したように吉良が尋ねる。「君はこの聖杯戦争に置いて、どういったスタンスを取るつもりなんだ?」 「.....お前としてはどうしたいんだ?"吉良 吉影"」 少しの躊躇の後、吉良がそう尋ねると彼はふむ、と少し考えるような仕草を見せた後、 「私は聖杯を獲るつもりでいる」と答えた。 「....."平穏の為に"――か?」 「あぁ。私としても、"英霊"とは言え.....要するにこんな中途半端に生き返っても、全く嬉しくはない。聖杯を獲り、私は再び平穏を手に入れる。―――それが私の「望み」だ」 吉良はその答えを受け止め、少しの沈黙の後 「....そうか、――なら、決まりだ。オレ達は聖杯を獲り、あの場所に戻る事にする。 ――――この聖杯戦争からの脱出も考えてはいたが....俺の「目的」を果たすためには、その方が手っ取り早いからな」 「..そうか、その方が私もやりやすい。改めてよろしく頼むよ。「吉良吉影」君」 「....あぁ、こちらこそよろしく頼む、『吉良吉影』」 そう言いながら「吉良」は、自分が連れてこられる前の、最後の記憶を思い出す。 ―――あれから仗世文は逃げきれる事が出来たのだろうか。 ホリーと京は、『奴等』の追撃から逃れる事ができたのだろうか。 その事だけが、気掛かりで仕方が無かった。そして、その元凶――『奴等』を殺す為なら、ホリーと仗世文を救うためなら。 何だってしよう。 目の前の男―――『吉良 吉影』と同じ、"化け物"になってやろう。 彼の両眼には、彼の祖先である『ジョニィ・ジョースター』と同じ―――『漆黒の意思』が、宿っていた。 そんな彼の眼差しが、「吉良」にはほんの一瞬だけ、あの、自分を追い詰めた「奴等」の面影と重なって―――。 ―――――――――少し、嫌気が刺した。 表面上は穏やかに、午後は過ぎていく。 少なくとも、今のところは。 【クラス】 アサシン 【真名】 吉良 吉影(きら よしかげ) 【出典】 ジョジョの奇妙な冒険 part4 『ダイヤモンドは砕けない』 【パラメーター】 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力C 幸運A 宝具B 【属性】 中立・悪 【クラススキル】 気配遮断:C+ サーヴァントとしての気配を絶つ。 完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 殺人鬼(シリアルキラー) A 自分の正体を知られることなく、殺人を繰り返し続けた殺人鬼。 霊体化時に気配遮断のスキルに補正がかかり、実体化時でも一般人程度の魔力量しか感知されない。 チャンス B ピンチの土壇場において、「幸運」を優先的に引き寄せることが出来る。 このスキルの発動中、吉良の幸運値にプラス補正が掛かる。 【宝具】 スタンド『キラークイーン』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~4(スタンドビジョン) 最大捕捉:1 吉良吉影の『スタンド』。指先で触れた物質や生物を「爆弾」に変える能力を持つ。 爆弾には、任意で両腕のスイッチを押し爆発させる「点火型」 地雷や機雷のように何かが触れることで自動で爆発する「接触型」の2種類がある。 『シアーハートアタック』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99(移動可能な距離) 最大捕捉:1 キラークイーンの左手から射出される自動操縦型スタンド。 対象の「体温」を感知し自動追尾し、接触すると爆破する。 非常に頑丈であり、生半可な攻撃ではビクともしない。 弱点は状態異常魔術など。ダメージフィードバックは吉良の左手のみ現れる。 『バイツァ・ダスト(負けて死ね)』 ランク:A 種別 対界宝具 レンジ 1~?(スタンドビジョンが見える距離まで) 生前、吉良が追い詰められた末に発動した自動操縦型スタンド。 吉良が激しく「絶望」するほどの事態が発生することによって発動する。 吉良の情報や正体を知る人間にキラークイーンを取り憑かせ、 その人物から『吉良吉影』についての情報を得ようとする、またその人物が何らかの攻撃を受けた時発動し、 情報を得ようとした(攻撃した)人物を『目の中に入り』、『何人いようと』『内側から』爆死させる。 また、その時「約一時間」時間が巻き戻されるが、その「一時間」に起きた出来事は「運命」として「巻き戻される前」と同じ行動、結末を辿る。 当の吉良自身は無防備になる為、ループを止めるには吉良自身が任意で解除するか、吉良自身を殺害するしかない。 また、解除した後再発動するには、再び吉良が「絶望」する必要がある。 『猫草(ストレイ・キャット)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ 2~4 キラークイーンの腹部に収納してある植物。 空気を自在に操る能力を持ち、空気を圧縮して弾丸のように撃ち出して攻撃したり、 広く展開してクッションを作り物理攻撃を防御する事が可能。 また、キラークイーンが猫草の撃ちだした「空気弾」に触れる事により、自由な距離で操縦、爆破可能な「空気爆弾」へと変化する。 【weapon】 宝具「キラークイーン」のスタンドビジョン&キラークイーンの腹部に収納してある猫草 【人物背景】 S市杜王町出身のサラリーマン。 表向きは平凡なサラリーマンとして生活していたが、 その正体は生まれながらにして「人を殺さずにはいられない」性(さが)を持ち、 手の綺麗な女性を「48人」殺してきた殺人鬼。 長らく正体を見せずに過ごしていたが、 東方仗助等が彼の存在を知るようになり正体が発覚、幾度とない対決の末に敗北、死亡した。 【サーヴァントの願い】 優勝し、今度こそ「平穏」を手に入れる。 【マスター名】吉良吉影 【出典作品】ジョジョの奇妙な冒険 part8 『ジョジョリオン』 【性別】男 【weapon】 【能力・技能】 『キラークイーン』 容姿は同じだが、能力が異なる。『触れると爆発するシャボン玉を作り出すことができる』 『シアー・ハート・アタック』 容姿と能力は同じ、複数発動できる。また、赤血球レベルまで小さくすることも可能。 その他、船医としての医学知識 【人物背景】 S市紅葉区杜王町出身の貨物船勤務医師。29さい。 輸送中のコンテナが頭を直撃し重傷を負った船員を治療する際、偶然岩のような状態になっている人間、 通称『岩人間』を目撃し、彼等の持つ、"病を治すフルーツ"『ロカカカ』の存在を知る。 その後、病気である母親の「吉良・ホリー・ジョースター」の為に、 過去にホリーが助けた事のある元患者のスタンド使い、「空条仗世文」と協力し、ロカカカの奪取に成功するも、 ロカカカを奪われた事に気づいた「岩人間」達に急襲、応戦するも敗北し、岩人間の一人「田最環」から拷問を受ける。 間一髪逃げおおせるも、既に瀕死の重傷を負い、意識不明。大震災により『壁の目』が隆起し、埋められる。 その後仗世文と肉体を等価交換するも、心筋梗塞により死亡した。 【聖杯にかける願い】 元の世界に戻り、仗世文とホリーを救う 【参戦時期】 死亡後からの参戦
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/464.html
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 【調査報告書】 【対象者氏名:吉良吉影】 『さて……結論から言わせてもらおう』 椅子に腰掛け、足を組み。 眼前の“面会相手”に向けて、彼は口を開く。 『私はもう降りるよ』 無機質で、殺風景な密室。 その中央に置かれた机を挟み、二人は向き合う。 杜王町の連続殺人鬼―――吉良吉影。 対峙するのは、一人の“平凡”な聴者。 『なに、“諦めがついた”というだけのことさ』 殺人鬼は、なんてこともなしに語る。 舞台から降りると受け入れた己の心情を、語り手として話す。 眼の前の“凡人”は、ただ何も言わず。 殺人鬼の独白へと、耳を傾けていた。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆◇◆◇ ホテルの部屋は、広々としていた。 室内には二つのベッドのみならず、上品なソファやテーブルが並べられた快適な空間が設けられていた。 リビングを思わせるゆったりとした内装は、安物のビジネスホテルとは訳が違う。 このホテルでの宿泊を選んだのはアサシンだった。 「私は金銭に余裕がある。君達の宿泊費も立て替えておくよ」――彼はそう言っていた。 まるで自分を気前良く見せるような振る舞いに思うところはあったものの、鳥子は一先ず彼の厚意に従った。 ゆったりと寛げる場所に泊まれること自体は、決して悪いことではない。 そんな部屋で、交流をしていた二人。 仁科鳥子とアビゲイル・ウィリアムズの耳に、扉を叩くノック音が聞こえてくる。 夜分遅くにやってくる来訪者。 その心当たりは―――当然のように、一人しかいない。 念話を使っている以上、盗み聞きは有り得ない。 故に“聖杯戦争を打破できる可能性”の話を、あちらが察知した訳ではない。 あの人物に、わざわざ用事があるとすれば。 自身のマスターの件か。 あるいは、その裏に潜む“アルターエゴ・リンボ”の件か。 どちらにせよ、今後も彼と連携を取ることを避けられないのならば。 それを確かめる必要はある。 鳥子が立ち上がり、出入り口へと向かう。 アビゲイルもまた、彼女に付き添い。 そして、ゆっくりと。 恐る恐る、ノックされた扉を僅かに開いた。 「……なんですか」 「夜分遅くにすまない。私の使い魔から連絡が来た」 扉の隙間から、視線を向ける男。 整っていながらも平凡な顔立ちをしたその風貌は、とても英霊の一騎には見えない。 アサシンのサーヴァント、吉良吉影。 彼は唐突に、仁科鳥子の部屋を訪ねた。 「急用でね。そのことで君達に相談事があるんだ」 何処か真剣さを帯びた眼差しと共に、吉良はそう呟く。 急用―――恐らく、彼の使い魔から連絡が入ったのだろう。 鳥子がそう考えた矢先。 「中に入ってもいいかな?」 囁くような一言を前に。 鳥子は、一瞬の躊躇いを覚える。 「聖杯戦争の話を、誰かに聞かれたら困るからね」 続く言葉は、確かにその通りであり。 ほんの僅かな迷いを抱きつつ、鳥子はアビゲイルへと目配せする。 彼女もまた、僅かな疑心を抱いていることは目に見えていた。 しかし、こうして通路を挟んで聖杯戦争の話をする訳にも行かず。 これまでのアサシンの悠々とした態度からして、たった今から危害を加えてくる可能性も低いと考えた。 それ故に鳥子は、渋々と吉良を部屋の中へと招き入れる。 リビングへと案内して、一人がけのソファへと吉良を座らせた。 「フゥーーーー……」 溜め息を吐く吉良を、鳥子は訝しげに見つめる。 吉良と距離を置いて、彼女もまた別のソファへと腰掛けた。 「さて、どう話したものか……」 口元に手を当てながら、吉良は思案する。 鳥子の傍には、アビゲイルが立つ。 吉良の動きを見張り、牽制するように。 「リンボと通じていた私のマスターが、大層愚かな決断に走ってね」 そして、吉良は口を開いた。 「ま……一言で言えば、後が無くなったということだ」 取止めもない様子で、言葉を並べる。 「随分と困らされたよ、彼には。 出来の悪い部下を押し付けられたような気分さ。 頭はニブいし、聞き分けは悪いし、そのくせ自分の主張だけは一丁前……」 知りもしないマスターの陰口を聞かされて。 鳥子は、眉間に僅かな皺を寄せる。 結局のところ、アサシンのマスターとは何の接点もない。 アサシンとはどんな仲だったのかも、どんな経緯があって別離しているのかも、知る由はない。 「さて、君もそういった経験はないかね? 何も職場じゃなくてもいい。アルバイトやサークル活動、あるいは学校行事などでね」 それでも尚、構わず吉良は話し続ける。 まるで世間話を振るかのように、鳥子を見据えながら。 「……結局、何が言いたいんですか」 「私は無能なマスターを切る」 吉良は、きっぱりと断言する。 マスターを切る。 その一言を前にして、鳥子達の警戒心が強まっていく。 「切る、って……それ貴方も脱落するじゃないですか」 「ああ、だから―――」 「言っておきますけど。私のサーヴァントは、この娘だけですからね」 乗り換えさせてくれ、なんて言われる前に。 鳥子は、予め先手を打った。 彼女のサーヴァントは、アビゲイルだけだ。 縁も絆もないアサシンのために鞍替えを受け入れることなど出来ないし。 ましてや、彼らの主従間の揉め事に対する尻拭いをする気もない。 「知ってるよ。君達の絆は本物だ」 「……分かってくれて何よりです」 「だから、説得するのは難しい」 それくらいのことは、アサシンも分かっている筈だ。 何も仲良しこよしをしたくて同盟を結んだのではない。 リンボという脅威に対処する為に、鳥子はアサシンと手を組んだのだから。 彼がそのことを理解していない訳が無い。 だからこそ―――今の彼の態度が、不気味で仕方ない。 「それで、どうしたいんですか」 「そこでだ、仁科鳥子さん―――」 カチリ。 小さな音が響いた。 「たった今、私は『攻撃』をした」 それが一体何なのか。 鳥子とアビゲイルに、認識する暇は与えられなかった。 · 「『彼女は殺戮の女王(キラークイーン)』」 · ただ一言、呟いた。 その次の瞬間。 ボンッ――――密室に、爆音が響く。 鳥子が、目を見開く。 その『右手首』が、爆ぜた。 ◆◇◆◇ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 『英霊の座に召し上げられ、こうしてサーヴァントとして召喚されて……』 殺人鬼は、語る。 密室にて、眼前の平凡な聴者へと。 『改めて気付かされたことがあってね。 “聖杯戦争とはこういうものなのだ”と。甘く見ていたよ、全く』 やれやれ、と。 わざとらしく両手を上げる素振りを見せる。 お手上げだ―――そう言わんばかりの態度だった。 『私の“完敗”さ。何もかも見縊っていた』 そして、殺人鬼は断言する。 己の敗退を、ただ有りの儘に伝える。 『町中での殺人ならば誰にも負けない、という自信はあったのだがね……いやはや恐れ入ったよ。 “思い込む”というのは何よりも恐ろしい。私は自分を過信していたようだ』 自らを省みるような言葉を吐きながら。 それでも殺人鬼は、変わらず飄々とした態度を貫く。 起きてしまった不幸を「こんなこともあるさ」と水に流すかのように。 『だが、ま……悲嘆することはない』 それ故か。殺人鬼はそうやって言葉を続ける。 聴者である凡人は、表情を変えない。 窶れた虚無の眼差しで、ただ無言で殺人鬼を見据え続ける。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆◇◆◇ 鳥子を説得しても、鞍替えなどしない。 それは二人の信頼関係からして明白だった。 ならば彼女達をここで『脅迫』する。 強引にでも再契約を結ばせる。 そのためにまず、『令呪が刻まれてない右手』を吹き飛ばした。 そう―――“触れたものを何でも爆弾に変える能力”によって。 とどのつまり、そういうことだった。 『透明な左手』はまだ奪わない。 令呪が刻まれているし、何より『最後のお楽しみ』なのだから。 「安心したまえ、傷口が『爆炎』で焼けるように工夫したさ。 ここで失血死などされては困るからね」 床に倒れ込んで、片手の激痛でのたうち回る鳥子。 目を見開き、想像を絶する苦痛によって、言葉にならない声を吐き出し。 そんな彼女を見下ろしながら、吉良は淡々と言葉を吐く。 「ッ―――マスター!!!」 そして、アビゲイルがマスターの名を叫び。 即座に臨戦態勢に入った、直後。 彼女の身体は突如として吹き飛ばされる。 吉良吉影の側に立つ精神の化身――キラークイーンが、拳の乱打を放ったのだ。 近距離パワー型に類するその打撃は、サーヴァントにも通用するだけのスペックを持つ。 壁に叩きつけられたアビゲイルの身体が、そのまま壁面へと縫い付けられる。 瞬時に放たれた“空気の輪”が彼女の首に絡みつき、その動きを拘束したのだ。 「アビゲイル・ウィリアムズ。 君は大人しくしていたまえ。 この私を見倣い、謙虚になるといい」 ―――『彼女を愛した猫草(ストレイ・キャット)』。 吉良吉影のスタンド、キラークイーンの腹部に収納された怪生物『猫草』。 その力を借り、空気を自在に操る能力を使役する宝具。 生前ならば光合成によって威力や規模に制限が課せられたが―――今の猫草は所謂“生前の記録から再現された現象”に過ぎない。 故にアサシンが操る上では、常に十全の能力を発揮できる。 「いつ『爆発の能力』を発動したのか、不思議かね?」 吉良は飄々と言葉を紡ぐ。 テーブルなどの煩わしい物体を、キラークイーンが腕力で払い除けつつ。 手首の爆発によって床に転がっていた鳥子の『右手』を拾い上げる。 そうして―――彼は『右手』に口づけをする。 彼女への忠誠を誓うかのように。 あるいは、彼女を自分のものとして支配する証を付けるように。 床に横たわる鳥子を他所に、殺人鬼は契りへの餞を送る。 「私を誰だと思っている。 私はこの街に潜む『連続殺人鬼』さ。 誰にも気づかれず、誰にも悟られず―――殺人を繰り返してきた」 勝ち誇ったように不敵な笑みを浮かべながら。 自らの能力の種明かしをするように、吉良は言葉を紡ぎ続ける。 「君が部屋のドアを開けて、右手を晒した一瞬……。 その不意を突いて手首を『爆弾』に変えることなど、そう難しくはなかったというワケさ」 ああ、それはつまり。 “その気になれば、お前を殺すこともできた”。 そういう宣言なのだ。 吉良は自負する。吉良は驕る。 こと『殺人』という行為において、最も優れているのはこの“吉良吉影”なのだと。 吉良吉影のスキル『街陰の殺人鬼』は、サーヴァントとしてのあらゆる魔力の気配を遮断する。 例え宝具を発動したとしても、戦闘態勢に入らない限り効果は持続し続ける――『殺人』も『脅迫』も、彼にとっては戦いの内に入らない。 だからこそ、彼の『宝具発動』は誰にも察知できなかった。 「で、どうかな?」 苦痛に横たわり、肩で呼吸するように喘いでいた鳥子を一瞥し。 吉良は壁に拘束されているアビゲイルへと、改めて視線を向ける。 「アビゲイルくん……君が危険な存在であることは既に明白だ。 リンボの魔の手が迫る前に、君自身が早々に『退場』すべきとは思わないかね」 まるで諭すような口振りだった。 幼い子供に世間の論理を説くかのように、彼は淡々と呟く。 「そう、君にとって大切な彼女のためにも……ね」 薄ら笑みと共に、吉良は顎でアビゲイルのマスターを示す。 そんな彼の態度に対し、部屋の隅で蹲る鳥子は。 迸る激痛と熱に苦しみながら、辛うじて息を整えていき。 そして―――吉良を見上げて、歯を食いしばりながらキッと睨み付けた。 そんな彼女の態度を、吉良は意に介することもない。 サーヴァントの鞍替えを強要する以上、鳥子との関係が上手く行かないことなど想定内なのだから。 ならば初めから利害関係と割り切ればいいし、相手に関しても「アサシンと組まざるを得ない」ような状況に追い込めばいい。 どんなマスターにせよ、どれだけの不和を孕んでいたとしても。 あの無能な田中一よりは余程マシであることに変わりはないのだ。 そうして、吉良はゆっくりと歩き出す。 悠々とした態度を貫き、彼は床に横たわる鳥子へと近付かんとする。 瞬間、虚空より“門”が開かれた。 それは吉良を取り囲むように顕現し。 そして、次元の隙間から―――無数の“触手”が所狭しと殺到する。 されど、蠢く怪異の奔流が吉良を捕えることは出来ない。 吉良の四肢を掴む直前に、それらは“見えない壁”によって阻まれていた。 それから刹那、触手の群れは“爆散”する。 まるで吉良の周囲で爆炎が発生したように、焼け落とされていく。 「おいおい、君は随分と聞き分けの悪い子だな。 セイレムでもそうやって『大人達』に迷惑を掛け続けたのかね?」 拘束されていたアビゲイルの攻撃を、難なくいなし。 吉良は相変わらず、冷淡な眼差しで笑みを浮かべる。 『猫草』を操り、自身の周囲に空気の壁を展開。 あらゆる死角から不意打ちが襲い掛かる可能性に備え、結果としてアビゲイルの攻撃を防いだのだ。 更には空気の壁をキラークイーンによって『爆弾化』し、爆炎によって触手の群れを吹き飛ばした。 アビゲイルの驚愕になんの興味も抱かず、吉良は鳥子の直ぐ側へと立つ。 鳥子が抵抗しようとする前に。アビゲイルが妨害の一手を放たんとする前に。 ―――鳥子の細い首筋を、吉良の右手が勢い良く掴んだ。 「ま……どのみち君は従わざるを得ないよ、アビゲイルくん。 君のマスターの安全の為にも、そしてこの私に迷惑を掛けない為にも」 「――――――ッ、ああ……っ!!」 しゃがみ込んだ吉良が鳥子の首筋を握り締め。 そのままゆっくりと、その手に力を込めていく。 徐々に握力を強めていく指が肌にめり込み、鳥子の喉から掠れた苦悶の声が溢れる。 「決心が付いたのなら、君のマスターに頼むといい。 『自分を今すぐ令呪で自害させるように』と」 ―――殺人鬼は、不敵に嘲る。 首を傾けて、“セイレムの罪人”を見やる。 苦痛に喘ぐ鳥子を見つめる少女は、焦燥と動揺を顔から滲ませ。 口を紡いだまま、苦々しい表情で吉良吉影を睨んだ。 ◆◇◆◇ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 自分は確かに敗けた。 過信もあったに違いない。 だが、悲観することはない。 殺人鬼は自らの敗北を、執着も無さげに振り返る。 『聖杯を巡る英霊の戦いとは、きっと今回だけに限らない。 座と接続する“願望器”がある限り、何度だって戦いは起こり得る』 それは、英霊へと召し上げられた彼が辿り着いた“一つの確信”だった。 聖杯戦争。奇跡の願望器を求め、古今東西の英霊を従えた主従が殺し合う。 この界聖杯によって齎された、渇望と生存を懸けた闘争。 されど、これはあくまで“数ある聖杯戦争のひとつ”でしかないのだろう。 あらゆる願望を成就する魔力を持つ器――その“役割”さえ果たせるものは全て“聖杯”と成り得るのだから。 此度の戦いに負けたマスターは、界聖杯によって“抹消”される。 戦争の終結と共に、内界に残された全存在は“処分”されるのだ。 聖杯を掴むにせよ、元の居場所へ帰るにせよ。 “生きる”ためにマスター達は戦わざるを得ない。 では―――サーヴァントは? ただ“座”に還り、永劫の記憶の中へと再び幽閉されるだけだ。 敗北で死へと堕ちるマスターとは違う。 『私が何を言いたいのか……わかるかね?』 そして、改めて凡人に問いかける。 フッと笑みを浮かべながら、返答を聞くこともなく殺人鬼は続けて口を開く。 『座で待ち続けるとするよ、“次の機会”を』 “次の聖杯戦争を待つ”。 “別の聖杯の力に賭ける”。 つまるところ、そういうことだった。 その論理に至り、殺人鬼は界聖杯への執着を容易く捨てたのだ。 界聖杯は特別な聖杯であり、他の聖杯が願いを完全に叶えるとは限らない。 本戦開始当初、殺人鬼は確かにそう考えていたが―――聖杯戦争を見縊り、敗北したという事実は覆らない。 ならば眼の前の聖杯に対する執着は一旦捨てて、同等の軌跡を起こせる聖杯が現れるまで待てばいい。 殺人鬼は、そう結論付けた。 『お前さ』 ―――沈黙を貫いていた凡人が、口を開いた。 『自分が言ってること、分かってるのか?』 冷ややかな眼差しで、殺人鬼を見据える。 『なあに、地獄のような苦しみは“英霊の座”でとうに経験してるよ。 だからこそ……その時が来るまで“耐える”という覚悟は出来てるさ』 『なあ、おい。殺人鬼』 これから訪れる苦難など、訳もない。 次のチャンスが訪れるまで、幾らでも耐えてみせるさ。 そう言わんばかりの殺人鬼に、凡人は水を指すように呼びかける。 『なに格好つけてんだよ』 凡人の口から溢れたのは、そんな呆れたような一言。 『今回はいい勉強になった……マスターとの関係においても、サーヴァント同士の戦いにおいてもね。 界聖杯でこそ“負け”はしたが、いずれはこの吉良吉影が“勝利”を掴む時が―――』 されど、殺人鬼は意に介さず。 あくまで余裕の態度を崩さないまま、自らの理屈を説く。 今回は負けてしまったが、いずれは必ず勝利を掴む日が来るだろう。 『あのなぁ』 勝ち誇るように語る殺人鬼。 そんな彼を見つめる凡人は。 《“負け惜しみ”だろ、それ》 侮蔑の感情を込めて、吐き捨てた。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆◇◆◇ アビゲイル・ウィリアムズという少女は。 かつてセイレムの地で“惨劇の引き金”となった。 心に狂気を。心に悪魔を。 この不条理は、日々の貧困と不幸は。 すべて魔女の仕業に違いない。 人々のそんな心の闇を映し出す鏡となり、魔女狩りの幕を開いた。 それ故に少女は空想より這い寄る“邪神”の依代となり、彼女は“門を開く鍵”と化した。 降臨の鍵穴となる“狂熱”が渦巻く土地。 神を降ろす為の“鍵”となった少女。 二つの条件が揃い、忌まわしき魔女狩りは呪われし儀式へと変わり。 そうしてアビゲイルは、虚無と混沌の巫女となった。 サーヴァントとして召喚された彼女には、巫女としての力がある。 未だ完全なる覚醒は迎えていないとはいえ。 その門が完全に開かれたとき、聖杯戦争は覆る。 この東京の地に地獄を顕現させるほどの呪いを、少女は背負っていた。 だからこそ。 アビゲイルは、何も言えなかった。 マスターにさえ危険を及ぼしかねない力。 リンボの魔の手が迫る中、いつ“それ”が目覚めてしまうかも分からない。 ならば―――自分は、この舞台から去るべきなのではないか。 この混沌と狂気に、大切なマスターを巻き込んではならない。 そんな思いが、彼女の胸の内からこみ上げてくる。 そうして、アビゲイルが。 口を開こうとした、その矢先。 「……ころ、せない、よ」 別の声が、零れた。 首筋に手を掛けられながら。 「あなたは……わた、しを」 掠れた言葉が、喉から絞り出される。 仁科鳥子の声が、溢れ出る。 「だって……そう、したら」 鳥子の眼差しは。 自身を見下ろす吉良へと向けられた。 「追いつめられるのは……あなたでしょ?」 「ああ。だが、このままではアビゲイルくんも私に攻撃できないさ。 私の手の内に君がいる、この状況ではね」 そうして吉良は、なんてこともなしに答えた。 淡々と、さらりと受け流すかのように。 「それに、最悪道連れくらいはやるさ。 そうなったら地獄だろうが何だろうが構わない。 全てリンボにくれてやる。どうせ私はいなくなるのだから」 されど―――その瞳に宿るのは、決して余裕の色などではなく。 どろりと濁った殺意が、そこに揺らいでいた。 ああ、やっぱり。 鳥子は、それを悟る。 眼の前の殺人鬼が置かれた状況を、改めて理解する。 初めて出会った時から、殺人鬼の置かれた状況は奇妙だった。 これから同盟を組むというのに、一方的に存在が明かされない彼のマスター。 直後に訪れた“異変”。殺人鬼のマスターはあのリンボの手に落ちたという。 理解した。殺人鬼とそのマスターは、決定的に不仲だったのだと。 それ故に連携を取り合うことを殺人鬼が嫌い、目に付かない場所に押し込めていたのだと。 そして、不仲だからこそ。 殺人鬼は、自分のマスターを侮っていた。 取るに足らないし、その気になればいつでも制圧できる。 そうやって高を括っていたからこそ、ずっと余裕を保っていた。 しかし、今はどうだ。 殺人鬼が強引に鞍替えを迫り、場合によっては“道連れ”を覚悟していることを突きつけてきた。 それは脅し文句のつもりなのだろう。 相手の危機感を煽って、自身の思うように従わせようとしているのだろう。 けれど。つまるところ、殺人鬼は底を見せてしまったのだ。 掴み所のなかった“怪談”が、“実態”を伴った。 鳥子は、間違いなく理解をした。 このサーヴァントは、追い詰められるべくして追い詰められたのだと。 そんな輩に、自分たちは脅されているのだと。 ああ、きっと空魚もそうなんだろう。 “むかっ腹が立つ”時っていうのは、こんな気持ちなのだろう。 鳥子は、自身を見下ろす殺人鬼を見据えながら思う。 ―――アビーちゃん。 鳥子は既に、念話を飛ばしていた。 これからやることの指示は出していた。 アビゲイルは、一瞬の躊躇いを覚えつつも。 その上で、敢えてそれを受け入れていた。 ほんの僅かにでも疑念を抱いた自分を恥じるように。 故に鳥子もまた、腹を括る。 「さあ、この私と心中など真っ平ごめんだというのなら。 仁科鳥子くん、君も早く彼女を自害させ―――」 その言葉を吐き終える前に。 気力を振り絞った鳥子が、『左手』を動かした。 その透明な掌が、吉良の首元へと目掛けて迫る。 吉良吉影のステータスは、決して高くはない。 彼はあくまで殺人鬼であり、戦闘能力もまたキラークイーンのスペックと天性のセンスに依存している。 サーヴァントとなった今でもそれは変わらない。 彼自身には抜きん出て超人的な身体能力も無ければ、異常な反応速度も無い。 いわば、比較的常人に近い部類の英霊であり。 だからこそ、戦闘の訓練を受けて数多の場数を踏んできた鳥子がその不意を突くことが出来た。 鳥子は、幼い頃から両親より射撃やサバイバルの技術を叩き込まれている。 裏世界においてもそのスキルを活かし、空魚と共に数多の怪異と対峙してきた。 故に彼女は、ただ力を持っただけの常人などではない。 だからこそ、ほんの一瞬でも殺人鬼を出し抜くことが出来る。 そして―――ずぷりと、泥を掴むように。 殺人鬼の首筋を、左手が捉えてみせた。 そのまま彼の“魔力”ごと、動脈を握り潰さんとする。 「――――私を出し抜くつもりかね?」 されど、彼もまた腐ってもサーヴァント。 これしきの反撃を予想しない訳が無く。 そして、鳥子の『左手』に何らかの力があることも推察していた。 だからこそ咄嗟に彼女の腕を掴み、その動きを制止することが出来た。 「仁科鳥子くん、私は君を賢い女性だと信じているんだよ。 期待を裏切らないでくれ。だから……」 そのまま、間髪入れず。 鳥子の左腕を掴んだまま、もう片方の手で彼女の顔面を殴打する。 「私を苛つかせるなよ」 何度も、何度も――――拳を叩きつける。 積み重なる苛立ちを、吐き出すかのように。 彼女の白い肌に、整った顔立ちに、ただ無機質な暴力を浴びせる。 「さあ―――言うことを聞くんだよ、小娘どもッ!! さっさと『自害しろ』と令呪で命じるんだ!!」 やがて一頻りの殴打を済ませて、再び鳥子の首に左手を掛ける。 無論、右手で鳥子の『透明な腕』を押さえつけたまま。 声を激しく荒らげて、鳥子達を怒鳴りつけ。 そして鳥子は、殺人鬼を見上げたまま――観念したように、口を開く。 「『令呪を以て、命ずる』」 鳥子の透明な左手。 その手の甲に刻まれた紋様が、光り出す。 それを確認して、殺人鬼は勝ち誇った笑みを浮かべる。 そして殺人鬼は、鳥子を見下ろした。 鳥子がキッと睨みつけていたことに、彼は気付いた。 まるで、捨て身の攻撃を叩き込まんとしているような。 そんな彼女の眼差しに、殺人鬼は不意を突かれる。 「『宝具ぶちかまして、アビーちゃん』―――!!」 迷いもせず―――彼女は、そう唱えた。 思わず殺人鬼は目を見開く。 なんの躊躇もない命令に、一瞬の動揺が生まれる。 お前たちの命は自分が握っている。 そんな脅しを前にして、二人は全速力でエンジンを踏んてきたのだ。 動揺の隙を付いて、鳥子が自身の左手への拘束を振り払う。 そして吉良に締め付けられる己の首筋へと目掛け、左手を伸ばし―――『喉元』へと触れて。 しかし吉良もまた咄嗟に右手を振るい、鳥子の透明な左手を弾く。 そのまま両手で鳥子の首を締め付けることで、その動きを封じる。 殺さない程度の力を、手のひらに込めていた。 吉良も予想だにしない、宝具使用のための令呪消費。 リンボとの敵対をしている以上、彼女達は全力を出せない。 アビゲイル・ウィリアムズの力を引き出すことは、奴の思惑へと順調に進むことになるのだから。 吉良はそう思っていた。だからこそ、アビゲイルは退場を受け入れると考えていた。 だが、それは違った。 アビゲイルを止めるために、令呪を使うのではない。 アビゲイルと共に敵を全力で倒すために、令呪を使う。 仁科鳥子は、つまるところ。 殺人鬼をぶん殴りに行ったのだ。 ―――私は、最後までアビーちゃんと戦いたいと思ってる。 鳥子は、アビゲイルへとそう告げた。 例え何が起ころうと、自分がアビゲイルを支えると。 例えアビゲイルが災厄になったとしても、自分が全力で止めると。 鳥子は確かに、そう決意したのだ。 その言葉に嘘偽りがないことを、アビゲイルも受け取った。 「―――了解したわ、マスター」 だからこそ、迷わなかった。 だからこそ、アビゲイルも受け入れた。 この人の為なら―――私は、力を使う。 首筋を拘束していた『空気の輪』が、彼女の身体から弾け出た無数の蝙蝠によって霧散する。 「『猫草(ストレイ・キャット)』ッ!!」 キラークイーンが即座に身構え。 此方へと迫らんとしたアビゲイルへと複数の『空気弾』を発射する。 広々とした部屋とはいえ、所詮は屋内。 敵と敵を結ぶ距離は余りにも短く―――故に吉良は、サーヴァントへの対処を優先する。 スタンドの利点は、本体から独立して動けること。 マスターである鳥子を制圧したまま、キラークイーンがアビゲイルへと対応することが出来る。 そして『爆弾化』もまた、キラークイーンが一度発動すれば永続的に効果を発揮する。 そう、爆弾が着火しない限りは。 次々にアビゲイルへと迫る空気弾。 それらの攻撃を、魔力の籠もった人形によって振り払う。 令呪のブーストが掛かった反撃が、吉良の能力を掻き消していく。 「アビゲイル・ウィリアムズ―――私は既に彼女の『喉』を爆弾に変えているッ! さあ、私と仁科鳥子の『道連れ』を引き換えに攻撃をするか!?」 アビゲイルとキラークイーンが攻撃の応酬を繰り広げる中で、殺人鬼は叫んだ。 既に鳥子の喉元に対して『爆弾化』を発動している。 スイッチを押しさえすれば、鳥子をいつでも始末することができる。 そう、これは最終通告だ。 抵抗を続けるのなら―――ここで仁科鳥子を爆殺する。 歯を食いしばり、吉良はアビゲイルを見据えた。 彼女は未だに、キラークイーンとの交戦を辞めない。 殺人鬼の宣告を聞いても尚、その手を止めることはない。 これよりマスターを殺すという脅しに、何の躊躇いも見せない。 ああ、そうか。 それが君の答えか。 堪忍袋の緒が切れるように、吉良は決断する。 彼女達は心底愚かだったことを認識した。 ならば、もう構わない。 死ね、仁科鳥子。 そして、さようなら。 吉良吉影は、殺意を剥き出しにして。 ――――カチリ。 スイッチを押した。 されど、訪れたのは沈黙。 爆弾は、作動しなかった。 「――――何?」 吉良は、唖然とする。 そして、視線を動かした。 鳥子の透明な左手。 その掌の中に――――黒く淀んだ『魔力の塊』が握られていた。 先程の記憶が蘇る。 鳥子が令呪で宝具開放を指示し、吉良の動揺を誘った一瞬。 その隙を付いて、彼女は左手で自分の首筋へと触れていた。 「触れたものを、爆弾に変えるんでしょ?」 苦痛を感じながらも、ニッと不敵に笑い。 鳥子は、その塊を左手で見せつけて。 「起爆装置、見つけたよ。手探りでね」 そして―――それを、握り潰した。 その時吉良は、初めて僅かな動揺を見せた。 彼女が何をしたのか。その左手で、何を行ったのか。 それを理解したからだ。 (キラークイーンの爆弾を、解除した……!?) 仁科鳥子の『透明な左手』は、あらゆる怪異へと干渉する。 その対象は、物理的な範囲に留まらない。 形なき怪異を実体として捉えることも出来る。 現実と裏世界の接点を切り開くことも出来る。 怪異に由来する力の根源を、掴み取ることすら出来る。 「左手を奪えなかったのは、失敗だったね」 その左手が、サーヴァントに由来する魔術さえも捉えてみせたのだ。 令呪の発動によって吉良の意識がアビゲイルの方へと向いた一瞬。 その隙を付いて、鳥子は自らの左手を動かしていた。 彼女は、アサシンによって爆弾化されたであろう喉元に触れて。 その奥底にある『魔力の根源』――いわば『起爆装置』を手探りで見つけた。 そのまま強引に掴み取り、それを握り潰してみせた。 あの東方仗助でさえ行わなかった『爆弾化の解除』を、仁科鳥子は実行したのだ。 「知ってる?殺人鬼さん。 この左手、『愛の証』なんだよ」 まるで婚約指輪を見せつけるように。 鳥子は、眼前の殺人鬼へと言い放つ。 「あんたなんかにくれてやるもんじゃない」 それは、誓いの言葉。 それ故の、拒絶の宣言。 その手が誰の為にあるのか。 たった一人の相棒と、結び付く為だ。 紙越空魚の右目と、仁科鳥子の左手。 裏世界での絆を象徴する、二人の力。 そう、それこそが彼女達のエンゲージリング。 薄汚れた殺人鬼に捧げるものなどでは、断じて無い。 「あなたが切ろうとしてるマスターも、これから組もうとしてた私も一緒。 結局あなたは―――他人に興味なんか無いんでしょ」 仁科鳥子も。紙越空魚も。 心に隙間を抱え、孤独を埋め合わせるものを希求し。 そして、“共犯(あい)”によって引かれ合った。 けれど。眼前の殺人鬼は、違う。 孤独を満たすことなど、初めから考えていない。 誰かと繋がることに、一欠片の興味もない。 彼にとって他人など、道端の石ころにも等しいのだから。 「誰も信じなかったし、誰も頼らなかった。 だからあなたは、これから敗けるの」 そう断言する、鳥子の眼差しは。 毅然と、真っ直ぐに、殺人鬼を貫く。 吉良吉影の脳裏に、ほんの一瞬。 “とある女性の顔”が浮かんだ。 たった一度だけ守ろうとして、そして無事であることに安堵した女性。 “新たな日常”の中で、自分が知りもしない想いを抱きかけた女性。 彼女は、私を信じてたのだろうか。 私は、彼女を信じようとしてたのだろうか。 ―――どうでもいい。 ―――全ては過ぎたことだ。 ―――そう。終わったのだ。 吉良吉影の感傷は、風に吹かれるように消え去っていく。 そして、彼の意識は高速で『現在』へと巻き戻る。 研ぎ澄まされる魔力の匂いを悟った殺人鬼は。 鳥子ではなく―――アビゲイルの方へと、視線を向けた。 「我が、父なる神よ」 キラークイーンの拳が、アビゲイルの腹部に叩きつけられる。 しかし、胴体を覆うように召喚された『触手』がそれを防ぎ。 「薔薇の眠りを超え――――」 矢継ぎ早に放たれた右手の手刀で、眼の前の少女を『爆弾』に変えようとする。 されど、その一撃もまた死角からの触手によって絡め取られる。 キラークイーンは、迷わず左手による打撃を放とうとする。 殺人鬼は、気付いていない。 ほんの僅かな異変に、気付かない。 スキルによる精神干渉への耐性を持つが故に、却ってそれを察知することが遅れた。 彼は、微かに冷静さを欠いていた。 宝具を開放するセイレムの少女――そこから漏れ出る“異界の念”によって、細やかな“動揺”を抱いていた。 それは、戦闘におけるほんの一瞬の致命打と成り得るもので。 「いざ、窮極の門へと至らん」 ―――少女が、殺戮の女王へと迫った。 全身から溢れ出た触手で、背伸びするようにその身を突き出し。 そして左手の一撃が叩き込まれるよりも先に。 女王の身体へと、幾つもの触手が殺到する。 猫草が再び『空気の壁』を作り出さんとする。 されど、間に合わない――そして女王が、無数の触手に抱擁された。 女王は猫草を制御し、咄嗟にアビゲイルへと空気弾を叩き込む。 腹部に衝撃を与えられながらも、少女は決して女王を引き離さない。 触手を絡ませ、がっちりとその肉体を固定する。 仁科鳥子を、爆弾に―――出来ない。 一度点火した以上、キラークイーンの指が再び触れない限り能力は発動できない。 そして殺戮の女王は、今まさにアビゲイルへの対処で封じられている。 吉良が鳥子を縊り殺すよりも先に、相手の宝具は『発動』する。 少女と女王の顔が、数センチの距離へと肉薄する。 まるで口吻を交わす直前のように。 その白く幼い貌で、無機質で冷徹な表情を見据える。 · 「『光殻湛えし虚樹(クリフォー・ライゾォム)』―――ッ!!」 · その額――――浮かび上がる『鍵穴』。 這い寄る混沌。迫り来る闇。 殺戮の女王は、『未知』を視た。 ◆◇◆◇ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 『――負け惜しみ、か』 “負け惜しみだろ、それ”。 凡人から吐き捨てられた一言によって、殺人鬼の表情が真顔へと変わる。 自分が“敗北した”という実感は、確かに殺人鬼の胸に刻まれていた。 これから自分が退場していくことも、理解している。 だから彼は、こうして事実を粛々と受け入れている。 それを“負け惜しみ”と断じられることは、プライドに関わることだ。 『違うね。前向きに物事を捉えているのさ』 『いつまで格好付けてんだよ》 ただ幸福に生きるべく、建設的に考えるだけだ。 そう言わんばかりの態度で反論するが、凡人は変わらず冷ややかな眼差しを向け続ける。 《お前結局、負けるべくして負けてんだよ。 自分のミスをどうにも出来なかったから、このザマになってんだろ】 そして。 殺人鬼――吉良吉影は、“違和感”を覚える。 ほんの僅かに感じ取った、奇妙な感覚。 ❴❴❴それを他人事みたいに開き直って、“想定内の出来事でした”みたいな顔で言い訳して。 そのくせあんたは他人を見下し続ける。俺が俺を見下すのと同じように]]] 凡人の声が“揺らいでいる”。 ノイズが掛かるように。 別の電波が混線するかのように。 何かが歪んで、淀み出す。 ❲❲❲やる気がなかった癖に余裕ぶって、自分のメンツだけは保ちたいんだよな〙〙〙 歪な声で、凡人は殺人鬼を詰る。 その本質的な過ちを抉り出すように。 淡々と、そして黙々と、苛んでいく。 殺人鬼は、僅かながらも眉間に皺を寄せる。 怠惰な若造が―――そうやって相手に言い返すことも出来たが。 そんな無駄な労力を使う気にもなれなかった。 ああ、それにしても。 そもそも此処は(・・・・・・・)、どこなのか(・・・・・)。 私は一体、何を見ているのか。 殺人鬼は、ふいに疑問を抱く。 “““お前さ―――間違いなく、俺のサーヴァントだったよ。 だってお前、自分以外になんの興味も持ってないんだから””” 何故、こうして“取材”を受けている? 何故、こうして“敗北”の宣言をしている? 何故、こうして“凡夫”から説教されている? 何故、こうして“密室”に居座っている? 不可解極まりない。 幾ら考えようとしても、答えは出ない。 敢えて推察するとしたら。 これは死の間際に見る、夢のようなものなのだろうか。 ある種の走馬灯のように、自らを省みてるのではないか。 『……さようなら、マスター。この1ヶ月間、久々に日常を楽しめたよ』 煩わしい話を打ち切るように、殺人鬼は席を立つ。 取材は終わり。最早話すことも、聞くこともない。 彼はただ、舞台から降りていくだけだ。 久々に日常を楽しめた。 殺人鬼の本心は、結局それだ。 止まらない欲望を満たし、久しい“生活”を謳歌する。 彼がこの聖杯戦争に参加した究極の動機は、つまるところそれだけに過ぎず。 勝利を求めながら、聖杯を求めながら。 心の奥底では―――「例え勝てなくても、次がある」と高を括っていた。 だから吉良吉影は、敗けた。 自らの渇望と勝利に全力を尽くさなかったのだから。 己の信念を突き進み、勝利へと邁進する英傑になどなれなかったのだ。 結局は目先の快楽に耽り、退き際にばかり目を配る“臆病者”でしかない。 戦いに命を懸けることを放棄した殺人鬼に、万物の奇跡など齎される筈がない。 『そう―――お前は《罪深いあなたは、敗けてしまう》』 いあ、いあ――――。 凡人は囁く。 声が揺れて、重なる。 『……何?』 いあ、いあ――――。 殺人鬼が、眉を顰めた。 ほんの僅かに感じていた“違和感”が。 形を伴った“異変”へと変わっていく。 いあ、いあ――――。 凡人の姿が歪み、ひび割れて。 やがて一人の“魔女”の姿が顕になる。 《あなたは、変わらない》 いあ、いあ――――。 魔女は、囁き続ける。 殺人鬼の心象世界へと干渉し。 いあ、いあ――――。 彼の記憶を基に、“凡人”の虚像を生み出し。 そして無意識下に眠っていた本質を抉り出す。 くとぅるふ、ふたぐん―――。 これから去り行く殺人鬼に、夢を見せる。 彼が背負う罪を洗い出すかのように。 《ずっと、繰り返すのよ》 それは“変わらない平穏”ではなく。 言うなれば、“終わらない閉塞”だ。 あの凡夫が味わってきたものと、同じ絶望。 そう―――彼の未来は、動かない。 《永遠に、永遠に、廻り続ける》 だから、魔女は告げる。 呪いの言葉を、淡々とぶつける。 あの凡夫の日々が無価値であったように。 貴方の戦いには、なんの価値もないと。 貴方は、罪に焚かれていくのだと。 《それが、貴方が背負った罪の炎。 永遠にその身を焚き続ける、無限の業火》 故に魔女は、歪な憐れみを向ける。 赦されぬ魂を、淀んだ瞳で見つめる。 《嗚呼、哀しいわ。もはや貴方の咎を裁く者はいない》 そう、ここは“杜王町”ではないのだから。 これは善悪さえも超越する“輪廻”なのだから。 そんな彼を慈しむような眼差しと共に。 魔女は、まるで聖母のように微笑み。 そして、悪魔のようにせせら笑う。 《だから、罪深き私が救わなければならないの》 密室が、蝕まれていく。 コンクリートの壁が、天井が、朽ちていく。 崩壊する世界の亀裂から、眩い光が無数に射す。 光が。光が、光が、光が、光が―――――。 殺人鬼は、目を見開いた。 ああ、あれは何だ。“あの手”は何だ。 この名伏し難き悪夢は、いったい何なのだ。 ほんの微かに。 されど、確かに“門”は開かれてしまった。 人理とは相容れぬ異界の念は、あらゆる者の精神と肉体を蝕む。 それは、呪われし殺人鬼でさえも例外ではない。 そう、何者にも止められない。 この狂気と混沌は、やがて全てを飲み込む――。 《さあ―――共に“お父様”へ祈りましょう?》 イグナ、イグナ―――トゥフルトゥクンガ。 やがて世界は、何かに“埋め尽くされた”。 白き虚無の光と、黒く果てなき闇の中。 祈りの声だけが、響き渡る。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆ 息を、整えていた。 両手を床に付き、俯いていた。 ホテルの一室は、再び静寂に包まれる。 押し寄せてくる疲弊感。 溢れんばかりの嘔吐感。 途方も無い不安と恐怖。 そして、己の霊基が蝕まれつつあった感覚。 アビゲイル・ウィリアムズの胸中に、あらゆる熱病がこみ上げる。 “僅か”にでも“門”を開いて、改めて認識した。 自らが宿す“外なる神の巫女”としての力の片鱗を。 あの怪僧が目を付ける程の“災厄の素質”を。 その混沌を、敵に向けた時。 それは―――何よりも恐ろしい武器となる。 そして。その力は、やがて己自身さえも蝕む。 アビゲイルは、否応無しにそれを理解した。 彼女は、顔を上げて。 周囲を見渡して、魔力の気配を探った。 あのアサシンは―――跡形もなく“消えていた”。 逃亡を果たしたのか。否、決して違う。 殺人鬼は、もうこの世界には存在していない。 あの混沌と虚無の果てへと放逐され。 そして、聖杯戦争という舞台から消え失せた。 それだけが、確かな真実だった。 異界へと繋がるアビゲイルは、その事実を“認識”していた。 「マスター!」 そして、アビゲイルは床に横たわるマスターの元へと向かう。 仁科鳥子―――彼女の容態を、すぐさま確認した。 消耗と疲弊によって糸が切れたのか、気を失っていた。 呼吸はしている。心臓も動いている。 恐らく、命に別条はない。 そのことに安堵を覚えたものの、深い傷を負っていることに変わりはない。 右手首から先が、あのアサシンの“爆発”によって欠損しているのだから。 火傷によって出血は起こしていないものの、体力の消耗は間違いなく大きい。 そして、残された彼女の“透明な左手”へと視線を移した。 その手に宿る紋様―――三角の令呪が、一部欠けている。 先程、鳥子は令呪を切った。 あの殺人鬼を倒すために、アビゲイルへと指示を出した。 鳥子から“令呪を使ってあいつを倒す”と念話が入った時。 アビゲイルは、一欠片も迷わなかった。 “アビーちゃんが嫌なら――”。 そう告げられても尚、アビゲイルは受け入れることを決めた。 もしも何かあった時には、私があなたを止めるから。 真っ直ぐにそう伝えてくれた鳥子を、信じたから。 この一ヶ月間、家族のように接してくれた鳥子の想いを疑うことなど有りえなかった。 彼女は、私を信じる。 私は、彼女のために戦う。 だからこそ。 “巫女”としての力の片鱗を、鳥子のために解き放った。 ――――決して死なせない。 ――――あなたは、私を信じてくれたのだから。 例え、この忌まわしき“鍵”が。 地獄への門を叩くのだとしても。 それでも、あなたを守るために。 私は最後まで、私でありたい。 清廉なる少女は、祈る。 大いなる父か―――あるいは、己自身にか。 その答えは、彼女のみが知る。 【文京区(豊島区の区境付近)・ホテル/二日目・未明】 【仁科鳥子@裏世界ピクニック】 [状態]:気絶、体力消耗(大)、顔面と首筋にダメージ(中)、右手首欠損(火傷で止血されてる) [令呪]:残り二画 [装備]:なし [道具]:護身用のナイフ程度。 [所持金]:数万円 [思考・状況]基本方針:生きて元の世界に帰る。 0:アビゲイルの“真の力”について知る。 1:アルターエゴ・リンボを打倒したい。 2:私のサーヴァントはアビーちゃんだけ。だから…これからもよろしくね? 3:この先信用できる主従が限られるかもしれないし、空魚が居るなら合流したい。その上で、万一のことがあれば……。 4:できるだけ他人を蹴落とすことはしたくないけど―― 5:もしも可能なら、この世界を『調査』したい。できれば空魚もいてほしい。 6:アビーちゃんがこの先どうなったとしても、見捨てることだけはしたくない。 [備考]※鳥子の透明な手はサ―ヴァントの神秘に対しても原作と同様の効果を発揮できます。 式神ではなく真正のサ―ヴァントの霊核などに対して触れた場合どうなるかは後の話に準拠するものとします。 ※荒川区・日暮里駅周辺に自宅のマンションがあります。 ※透明な手がサーヴァントにも有効だったことから、“聖杯戦争の神秘”と“裏世界の怪異”は近しいものではないかと推測しました。 【フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)@Fate/Grand Order】 [状態]:体力消耗(中)、肉体にダメージ(中)、精神疲労(大)、魔力消費(大)、決意 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況]基本方針:マスターを守り、元の世界に帰す 0:マスターのことは、絶対に守る。 1:鳥子に自身のことを話す。 2:アルターエゴ・リンボを打倒したい。 3:マスターにあまり無茶はさせたくない。 4:あなたが何を目指そうと。私は、あなたのサーヴァント。 ◆ 彼は、どこにもいない。 この街の影となり、雑踏に溶け込む。 欲望のままに、犯行を繰り返し。 自らの罪さえも完璧に覆い隠し。 実態なき“噂”として、社会を彷徨う。 その姿に、形などない。 何者にも捉えられない霧のように。 “個”を捨てて、“都市伝説”と化したのだから。 無数に茂る雑草のように。 己の素性を葬り、夥しい人混みの一部となる。 だから彼は、誰でもあり。 そして彼は、誰にもなれない。 物語に関わらない、名もなき不特定多数。 ただ群衆へと混ざり合い、消え去っていく。 結局彼は、それだけの存在でしかない。 それは、彼が望んだこと。 それは、彼が求めたこと。 それは、彼が齎したこと。 自らが撒いた種だ。 己の因果を、ただ順当に背負っただけのこと。 激しい喜びもない。 深い絶望もない。 彼は、変わらない。 彼は、誰にも見つからない。 道端の植物のように、見過ごされる。 この街は。この都市の喧騒は。 吉良吉影という男を、知る由もない。 彼がこの街を生きた証は、何処にもない。 ただ、それだけのことだった。 彼という男は、混沌という藪の中へ―――。 【アサシン(吉良吉影)@ジョジョの奇妙な冒険 消滅】 時系列順 Back 逆光(前編) Next prismatic Fate 投下順 Back 逆光(前編) Next prismatic Fate ←Back Character name Next→ 113 僕の戦争(後編) アサシン(吉良吉影) LOST 113 僕の戦争(後編) 仁科鳥子 119 Give a Reason フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)
https://w.atwiki.jp/oribatotcg/pages/271.html
吉良吉影/平和に暮らしたい 「私の名は『吉良吉影』年齢33歳 自宅は杜王町北東部の別荘地帯にあり……… 結婚はしていない………」 奇妙 男 知・悪 200/200 【手/必】 このカードは味方場の『女』を暗殺することでしか場に出すことができない。 解説
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/21.html
吉良吉影は子供が嫌い 「クソッ!なんなんだあの生物は…」 今度は墓が立ち並ぶ薄暗く不気味な場所に俺は立っていた。 あの変な生首に襲われ死亡した時に辿り着いたのだろう。 それにしてもさっきから辺りにうろついてる白いオタマジャクシみたいな物は何だ? まあいい……とりあえず歩くか。 ここが何処かは人に聞いてみれば分かるだろう。 「ん?人がいるな……おい!そこのお前!」 「何ですか貴方は?……怪しい人ですね………」 「怪しい…だと……?」 ディアボロが声をかけた銀髪の少女魂魄妖夢はいかにも警戒するような視線で見つめ腰に掛けた日本刀を抜き出す。 「服装と言い髪型と言い貴方は全てが怪しい……行きます」 「なっ!?」 有無を言わさず素早く妖夢は白楼剣を振りディアボロを切り裂いた。 「……あれ?さっきまでいた男がいない………本当に怪しかった人ですね。幽々子様にも警戒するように忠告しなければ……」 今日のディアボロ、妖夢に斬られ死亡 「さて、どうしたものか……」 私の名前は吉良吉影、いつ…なぜ私が死んだのかはどうしても思い出せない。 一つだけ言えることは自分は決して天国へは行けないだろうという実感があるだけだ。 辺りを見渡すと長い階段の先にある立派な屋敷があった。 あそこを調べれば何か分かるかもしれない行ってみるか。 「また怪しい人が……」 吉良は階段をゆっくり登り始めた所で妖夢と出会った。 ……驚いた。どうやらあの娘は私が見えているらしい。 「やあお嬢さんこんにちは、良ければここが何処か教えてくれるかな」 「貴方は誰?ここに何の用?」 (質問を質問で返すなぁーっ!!…いや相手は子供だ。ここは優しく……) 「私は決して怪しい人じゃないよ。この辺りの地理に詳しく無くてね。あの屋敷の住人から話を聞こうとしたんだよ」 「……信用出来ませんね。斬ります」 (このガキ…舐めやがって!いきなり斬るだと?こいつの親はどんな教育をしたんだ?) 「やめるんだ刃物を振り回したら危ないじゃないか」 「斬れば怪しいか否か判ります。行きますよ」 「――――ッ!?」 吉良は妖夢の剣が体に触れる寸前に後方によろめく事で紙一重で斬撃を避ける。 (くっ……どうする?騒ぎを起こしたくないが仕方が無い……殺るか。剣の技術は有るようだが 体格では私の方が圧倒的に上だ。力付くで押し倒しナイフを喉元に突き刺せば殺れる筈だ) 吉良はポケットに入ったナイフを握り締め身構える。 「妖夢~」 幽々子の呼ぶ声を聞いた妖夢は吉良から離れ幽々子の側に立つ。 「ゆ…幽々子様!危険です。あの不審者から離れてください!」 (だれが不審者だ無礼なガキだな。それよりあの女はこのガキの保護者か?) 「初めまして私は西行寺幽々子、うちの妖夢が失礼を働いたみたいでごめんなさいね」 「いや、いいんですよ。それよりここは何処なんですか?」 (この女はそれなりに話が通じるようだな) 「ここは冥界よ」 「なんだって!?ここはあの世なのか?」 「それよりも幽霊達があの世への順番待ちをする場所と言った方が適切ね」 (いつの間にそんな所へ……) 「……現世には戻れないのか?」 「博霊神社の巫女に頼めば行けるけど……幽霊なら無理ね」 「そうか………」 吉良は残念そうにがっくりと肩を落とした。 「三途の川へ案内しましょうか?閻魔の所へ行かないと成仏出来ないけど」 「それは困る私は成仏などするつもりは無いのでね」 「そう……貴方、これから行くあては有るの?」 「いや、全く…」 「それならこのお屋敷で働いてみない?住み込みで」 「幽々子様!?危険です。あの変質者を泊めたら幽々子様に何をなさるか…」 (不審者から変質者に変わってるぞ…一発殴ってやろうか?) 「こら妖夢!変質者は失礼でしょ!」 「す…すいません幽々子様……」 (不審者呼ばわりも十分失礼だぞ……だが済む場所を提供してもらい金が稼げるなら悪い話ではないな) 「ありがとうございます。幽々子さん是非働かせてください」 「それじゃあ決まりねえっと貴方は……」 「吉良吉影です」 「よろしくね吉良、それと妖夢、彼を白玉楼へ案内してあげてね」 「……分かりました幽々子様」 幽々子が戻った後、妖夢がじぃっと吉良を睨み付けた。 「私はまだ貴方を完全に信用した訳ではないですからね」 先ほど斬りかかった時、吉良は一瞬だが本気の殺意を見せたのが気がかりだったので妖夢はどうしても信用出来なかったのだ。 「大人を舐めるなよ。この糞ガキが」 (少しでも妖夢に信頼されるよう努力するよ) 「なっ!今なんて言いましたー!?」 しまった……心の声と言葉が逆に出てしまった。 「ゴホッ!いや少しでも妖夢に信頼されるよう努力するよ」 (やっぱり怪しい……私がしっかり幽々子様をお守りせねば……) こうして吉良は白玉楼で働く事になった。どうなることやら 次回へ続く。
https://w.atwiki.jp/winterfate/pages/91.html
私の名前は吉良吉影、年齢は33歳。 自宅は杜王町北東部の別荘地帯にあり結婚はしていない。 仕事はカメユーチェーン店の会社員で遅くとも夜8時までには帰宅する。 タバコは吸わない、酒はたしなむ程度。 夜11時には床につき、必ず8時間は睡眠をとるようにしている。 寝る前に温かいミルクを飲み、20分ほどのストレッチで体をほぐしてから床につくとほとんど朝まで熟睡する。 赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに朝目を覚ませ、健康診断でも異常なしと言われた。 そんな風に『心の平穏』を願い、『植物の心のような生活』を目標とするこの私が――― 「どうして殺し合いなどに巻き込まれなければならないッ!」 吉良は現状に怒りを覚えずにはいられなかった。 どんな願いも叶える聖杯、それを奪い合う聖杯戦争。 その為に呼ばれるサーヴァントと呼ばれる過去の英霊。 全部が吉良には必要の無い物だ。 どんな願いが叶うという謳い文句は確かに魅力的かもしれないが、その為に『闘争』に巻き込まれるのはごめんだ。 そんな目に合うくらいなら願望器など他の誰かにくれてやる。 そして何が英霊だ。過去に名を遺した人間と会えるのは、歴史マニアからすれば涎を垂らすほどの喜びかもしれないが私にそんな趣味は無い。 「マスターも大変ね、同情するわ」 そんな吉良の様子を見ながら、同じ場に居た金髪碧眼の女性が呟く。 この女が吉良の元に現れたサーヴァント、クラスはアサシンだ。 そのアサシンを吉良は睨む。 「……何よ? 言っておくけど私に当たらないでよ。私が貴方を連れてきたわけじゃないし」 「分かっているさそれくらい」 それだけ言って吉良はアサシンから目をそらす。 本当は色々言いたいことがあったが、吉良は堪えた。 ここでアサシンに当たり散らしてもしょうがない事は明確、ならば聖杯戦争に向けた話し合いをする方が余程建設的だ。 腹立たしくはあったが。 「それでアサシン。まず聞きたいんだが、君は誰だ?」 「真名という意味ならキングズベリー・ランの屠殺者よ。ご存じかしら?」 「キングズベリー・ランの屠殺者ね……」 その名前を吉良は知っていた。 とは言っても詳しい事は知らない、精々アメリカに昔居た連続殺人鬼だという事くらいしか知らない。 だが吉良はそれとは別の部分に疑問を抱いた。 「それは通称のようなものであって君の本名ではないだろう」 「そう言われても名乗れる名前はこれしかないわよ」 「……からかっているのか?」 「違うわよ」 そう言ったアサシンはさっきまで無表情を貫いていた物の、次の瞬間心底忌々しそうな顔をする。 その顔を見た吉良は、この女はこんな表情もするのかと驚いた。 「私には記憶がないの」 「記憶がない?」 「そう。私には自分が『キングズベリー・ランの屠殺者』だったという事しか記憶がないの。 私が何処の誰だったかとか、どんな生まれでどんな風に育ったとか、そもそも何を思って連続殺人なんてしたのかさえね」 「……」 吉良はアサシンの独白を黙って聞いている。 「そしてその記憶を取り戻すのが私の願い。聖杯戦争に乗り気じゃないマスターには悪いけどこれだけは捨てられない」 「しかし、こう言うのはなんだが取り戻したいのか? 楽しい思い出など一つもないかもしれないぞ」 淡々と、しかし強く言い切ったアサシンに対して吉良は疑問を投げかける。 アサシンが生きていた1930年代は世界恐慌が収まらず、クリーブランド・フラッツというスラムが発生するほどの情勢だった。 もしもアサシンがそのスラムの住人だとするならば、はっきり言っていい思い出があるとはとても思えない。 だがアサシンはそんな吉良の疑問を一蹴する。 「じゃああなたは耐えられるの? 例え自分の生涯が誰も目にもとまらない平凡なものだったとしても、誰もが目を背けたくなるような地獄だとしても、それすら分からない現状が貴方にとっては平気なことなの!?」 「…………」 その問いに吉良吉影は答える事が出来ない。 例え過去の全てを失ったとしても、それを取り戻すために嫌いな『闘争』に自分が飛び込む姿がイメージ出来ないから。 そんな吉良を見てアサシンは一言。 「返事しないのは、自分がそんな状況に陥る事が想像できないからって事にしておくわ」 「……そうしてくれ、アサシン」 ◆ 「話が逸れたわね」 「そうだな。ではアサシン、君の戦闘能力を聞かせてもらおうか」 「はっきり言って弱いわ」 アサシンの迷いない即答に思わず唖然とする吉良。だがアサシンはそんな主の事を気にせず話を続ける。 「私に出来るのは気配を消して不意打ちでマスター殺すことくらいよ」 「……そうか、ならマスター狙いを主軸に考えるとしよう」 「え?」 吉良の迷いない即答に思わず疑問の声が出るアサシン。それを聞いた吉良が何事かと問いかける。 「どうかしたか?」 「私が言うのもアレだけど、人殺しとかためらわないの? いや別にいいけど」 「質問に質問で返すな。 ……今の場合はやむを得ないだろう。刑法でも緊急避難が適用されるはずだ」 「法律が許すなら人殺しOKなのねマスターって。……楽でいいわ」 「私としては何事もなく元の世界に帰れるのならそれで構わないからね」 「……マスターって何者なの?」 それはアサシンの心からの疑問。 連続殺人鬼に嫌悪感も見せることもなければ殺人を否定しない目の前の人間が、どういう人生を過ごして来たかをアサシンは気にせずにはいられなかった。 「私は何処にでもいる一般的な会社員さ」 「マスターみたいな人間がどこにでも居るとか日本って凄いのね」 「どういう意味かな?」 「そのままよ、正直私と同じ殺人鬼とか言われた方が納得するわよ今までのマスターを見てると」 その言葉に一瞬だけ動揺する吉良。 勿論そんな動揺はおくびにも出さずアサシンに返事するが、吉良の中でアサシンに対する警戒度が少し上がる。 「仮に私が殺人鬼だったとしても、それを自己紹介する道理はないな」 「まあ確かに、そんな自己紹介する奴とか足手まといにしかならなさそうね」 吉良の言い分に思わず納得するアサシン。 それと同時に思いっきり自己紹介した自分に疑問を思うが、それはそれよねとアサシンは棚上げした。 「ねえマスター」 「何だ?」 「―――勝ちましょうね」 それはアサシンの心からの言葉。 友情も愛情も忠誠心もない己の主に対してだが、悪名轟く自分を拒絶しないマスターにアサシンは少しだけ好感を覚えていた。 「当然だ、私はこんな所で死ぬわけにはいかない。必ず『幸福』に生きてみせるッ!」 そして吉良はそれに気付かないし、気付いたとしても気にも留めない。 【クラス】 アサシン 【真名】 キングズベリー・ランの屠殺者 【出展】 史実、20世紀アメリカ 【性別】 女 【属性】 混沌・悪 【パラメーター】 筋力D 耐久D 敏捷C 魔力D 幸運A 宝具E 【クラススキル】 気配遮断:A 自身の気配を消す能力。 完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 精神汚染:C 精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。 ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。 人体切断:A 生きている相手の肉体を切断する技術。 Aランクとなると、肉屋か外科医のように鮮やかな切れ味。 情報抹消;B 対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。 例え戦闘が白昼堂々でも効果は変わらない。これに対抗するには、現場に残った証拠から論理と分析により正体を導きださねばならない。 【宝具】 『キングズベリー・ランの屠殺者』 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1 アサシンそのものが宝具。 アサシンの正体は誰も知らないが、アサシンだと疑われた人物は数多いる。 その為か、アサシンは呼び出したマスターがイメージする『キングズベリー・ランの屠殺者』の姿で召喚される。 ただし、マスターがキングズベリー・ランの屠殺者に関する知識がない、もしくは知っているだけで人物像をイメージしていない場合、姿は完全ランダムとなる。 今回は完全ランダムで現れた。 【weapon】 ナイフ 【人物背景】 1930年代に犯行を重ねた正体不明の連続殺人鬼。 公式では12人と言われているが実際の被害者の数は不明。 アル・カポネの摘発で有名なエリオット・ネスが捜査に当たったが、犯人を捕まえる事は出来なかった。 アサシンの正体は誰も知らない。アサシン自身でさえも。 アサシンは自身の正体に関する記憶を消失しており、覚えていることは自身がキングズベリー・ランの屠殺者、またはクリーブランド胴体殺人者と呼ばれる存在だったという事のみ。 【特徴】 基本的に無表情な金髪碧眼の白人女性。 それ以外に目立った特徴は無い。 最も、エリオット・ネスから逃げおおせた殺人鬼に目立つ特徴があるというのも不自然な話ではあるが。 【サーヴァントとしての願い】 自分が正体を取り戻す 【マスター】 吉良吉影 【出展】 ジョジョの奇妙な冒険 【能力・技能】 スタンド『キラークイーン』 「第一の爆弾」 手で触れた物を「爆弾」にする能力を持つ。 爆弾は 爆弾自身が爆発する 爆弾に変えた物体に、触った者を爆発させる。 キラークイーン右手のスイッチを押すことによってのみ爆発する。 他の物体に接触すると即座に爆発する。 と言った性質を使い分ける事が出来る。 ただし対象を爆弾に変える時にしか決められず、一度爆弾に変えたら後から性質を変える事は出来ない。 また、一度何かを爆弾に変えると、それが爆発し終わるまでは新たに爆弾を作る事は出来ない 「第二の爆弾 シアーハートアタック」 キラークイーンの左手に装着されている、戦車のようなスタンド。 「熱」に反応して対象を自動的に追尾し、爆発攻撃する。 凄まじく頑丈に出来ている。 【人物背景】 M県S市杜王町在住、33歳のサラリーマン。 周囲からの評判は悪くないが、どことなく影の薄い男。 その実態は女性の手に欲情し、手の美しい女性ばかりを殺している殺人鬼。 平穏で幸せな「植物の心のような生活」を目標とし、目立たないように生きる事を心がけている。 【マスターとしての願い】 生きて杜王町に帰る。 【備考】 参戦時期は本編登場前です。
https://w.atwiki.jp/oribatotcg/pages/279.html
キラークイーン/吉良吉影 「キラークイーンの特殊能力………それは… キラークイーンは触れたものはどんな物でも…… 爆弾に変えることができる………」 500/500 以下からひとつ選んで発動する。 第一の爆弾: 【瞬/任】 任意のカードの攻防を-200/-200する。それによって防御値が0になったカードは暗殺される。 第二の爆弾: 【瞬/任】 オープン時に味方場に本体が存在しない場合、攻防を0/600に変更して自動追尾爆弾トークンを場に出し、それにセットされる。 第三の爆弾 【瞬/任】 オープン時、任意のキャラ一体を指定し、爆弾化する。『爆弾化』は表示されない。『爆弾化』したキャラが単体効果の対象になった時、その効果を使用したキャラを暗殺し、その他の全ての場のキャラ/スタンドは手札に戻る。 解説
https://w.atwiki.jp/nenrei/pages/2193.html
【作品名】ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン 【ジャンル】漫画 【名前】吉良吉影(第8部) 【属性】スタンド使い 【年齢】29歳 【長所】一巡前とは比較にならないほどまともで情に厚くいい奴になった、ついでに母親も聖人になっている 【短所】なのに他人からは静かに話す態度と声だけで何故か殺人を犯してると思われていた 【備考1】享年 【備考2】東方定助の半身、29歳で亡くなり空条仗世文と混ざって東方定助となる。 定助は本人の台詞からして仗世文の方がベースになっていると見受けられる。 vol.4
https://w.atwiki.jp/ymst/pages/284.html
【名前】 吉良吉影(デッドマンズQ) 【大きさ】成人男性並み 【攻撃力】ウージー、ナイフ装備 成人男性並み 【防御力】成人男性並み 【素早さ】成人男性並み 【特殊能力】肉体はバラバラにされても一瞬で全て復元できる 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sinnerei/pages/1600.html
【作品名】ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン 【ジャンル】漫画 【名前】吉良吉影(第8部) 【属性】スタンド使い 【年齢】29歳 【長所】一巡前とは比較にならないほどまともで情に厚くいい奴になった、ついでに母親も聖人になっている 【短所】なのに他人からは静かに話す態度と声だけで何故か殺人を犯してると思われていた 【備考1】享年 【備考2】東方定助の半身、29歳で亡くなり空条仗世文と混ざって東方定助となる。 定助は本人の台詞からして仗世文の方がベースになっていると見受けられる。 vol.4 ジョジョの奇妙な冒険 全63巻完結セット (ジャンプ・コミックス) ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
https://w.atwiki.jp/bizarre/pages/17.html
今年はまさに厄年だ。どうしてこうもトラブルが重なるのだ。 私の生活を脅かす奴らは仗助たちだけで充分だ。 なんなんだ。あのアラキとかいう男は!私がおまえに何をしたっていうんだ! 「これは、夢だ。植物のように平穏な生活を望むこの私が、こんな下らない争いに参加させられるわけがない」 吉良は爪を噛んだ。爪が割れ血が吹き出したが噛むことを止めなかった。 ブツブツとアラキに対しての呪いの言葉を呟きながらひたすら噛んだ。 「支給品は・・・・支給品はなんだ・・・」 左手の爪を噛みながら右手をデイパックへと伸ばす。 そういえば『アラキ』に殺されたのは私が殺したはずの少年だったな・・・な ぜ生きていたのだ・・・・殺したはすなのに・・・ええい!そんなことはどうでもいい! 問題はどうすれば・・・どうすればこの異常事態を身体的にも精神的にも平穏に乗り越えられるのか・・・・ デイパックを弄りつつ吉良吉影は考える。 指先が何かに触れた。何かよく分からない形をしているが触った感触はとてもいい。これは・・・これはまさか・・・・ 吉良吉影はその物体を掴みデイパックから取り出した。 取り出した物体を見て吉良吉影は顔をほころばす。 「ああ・・・・また会えてうれしいよ・・・美奈子さん・・・・私のピンチを知って駆けつけてきてくれたんだね」 吉良吉影の支給品それは彼の大好きなもの、女性の手だった。 吉良吉影は爪を噛むのを止めた。吉良が噛んでいた爪の割れ目は『かつ』という二文字を形作っている。 「美奈子さん、正直に言うよ。私はさっきまで完全にビビっていたんだ。 でも今はビビってはいない。君が来てくれたからさ。」 吉良吉影は美奈子の手を握り語りかける。 「美奈子さん、このゲームどんなものであろうと私がすることは一つだけさ・・・平穏に生活する。そしてそれを邪魔する者は確実に始末する。 そう、今まで通りに生きていけばいい。」 吉良吉影は立ち上がり歩き出した。 「駅は危ないから私の家に行こうか。君の得意料理はなんだい?」 【杜王駅前・一日目 深夜】 【吉良吉影】 (川尻浩作) [スタンド] 『キラークイーン』 [時間軸] 早人と風呂に入る直前から参戦 [状態]:心身共に健康 [装備]:美奈子さんの手 [道具]:支給品一式 [思考]:1)自分の家に行く 2)美奈子さんと平穏な生活をする(出来る限り戦いたくない) 3)仗助たちを警戒 [備考] 吉良は、仗助たちは川尻浩作が吉良と気づいていないと思っています 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 吉良吉影 38 死に触れた者達