約 575,876 件
https://w.atwiki.jp/roadservice/pages/5.html
JAF以外のロードサービスを選択する意味 2007年1月現在 JAF以外のロードサービスの認知度は一般にもかなり上がってきたと思います ロードサービス=JAF という図式もだいぶ崩れてきたように感じます とはいっても任意保険におまけでついてくるものを不安に思う方も多いと思います ではそれらにあえて利用するメリットを簡単にあげて見ます 料金が安い クレジットカードや任意保険に付帯するものは実質無料のものも多いです もったいないからJAFに入らないという理由はもう通用しませんよ サービス条件が良い 宿泊や帰りの費用が出たりレッカーの移動距離が長かったり JAFを下回るものはひとつもありません(あくまでスペック上での話) ではJAFにはメリットがないのかというと、そうでもありません 独自の部隊の数が多い 実績、歴史など地盤がしっかりしています 安心ですね 割引サービス ほとんど反則ともいえるフェリー10%割引や多数の割引 観光地では結構100円引いてくれたりします 結構でかいです 総合割引カードの代金が4000円/年という考えもありです。 最近ではヤフオクでおなじみ自動車輸送のゼロでも使えるようです
https://w.atwiki.jp/ensta/pages/20.html
☆ジャッジ白と黒のデュエル☆(AP) 期間:2015年 6月30日【火】15 00~
https://w.atwiki.jp/goodgames/pages/1217.html
Chat to Yell Redirector R2 (2014/05/31 追記) 一部機能追加などがございますので、こちらも御参照願います。 以前御案内いたしましたChat to Yell Redirectorに機能を追加。 ラジオチャットの各国語対応を行いました。 ■参考画面1 ■参考画面2 ※画像取得はサーバ管理者の方々に御協力頂きました。 設定方法 基本的な設定は旧バージョンと変わりませんので、旧バージョンの説明を御覧下さい。 増えた項目の御説明 ■Radio Chat Translation こちらが"Yes"の場合のみ、ラジオチャットがIDから「まず英語の」文字列に変換されます。 ■Radio Chat Localization こちらが"Yes"の場合のみ、ラジオチャットが「さらに各国語」の文字列に変換されます。 従って、日本語で出力する場合には上記2項目ともに"Yes"に設定する必要があります。 プレイヤーの言語判定方式について 接続元IPアドレスを使用しています。 従いまして、私のように日本国内から接続しているにも関わらず、 英語版クライアントを使用している方の場合にはYellが正しく表示されません。 (チャット欄の表示には影響が無いため問題は無いと判断しております) その他 ■メッセージは好きなように変更可能です 配布いたしましたファイルのRadioChat.locに含まれる文字列を適宜修正して下さい。 (必ずUTF-8で保存して下さい。また変更後はPlugInのリロードが必要です) 硬派なものから笑えるものまで、個性のあるメッセージにしてあげてください。 ■韓国語のわかる方いらっしゃいますか? Battlefield4プレイヤーの分布状態に従って、 主要な言語はRadioChat.locにディフォルトの変換テーブルが保存してあります。 しかし、韓国語だけは変換テーブルが含まれておりません。 韓国版クライアントをインストールすればラジオチャットの文字列は判明するのですが、 そこに表示された文字(ハングル?)を変換テーブルに入力する方法がわかりません。 Copy Paste出来ないのが辛いところです... Radio Chat ID Localization (JP) Localization (CN) Localization (KR) ID_CHAT_ATTACK/DEFEND 攻撃/防衛せよ! 攻擊/防守! ? ID_CHAT_REQUEST_MEDIC 衛生兵! 需要醫療! ? ID_CHAT_REQUEST_ORDER 指示をくれ! 請求命令! ? ID_CHAT_REQUEST_REPAIRS 修理要請! 需要修復! ? ID_CHAT_GOGOGO 突撃! GO! GO! GO! ? ID_CHAT_AFFIRMATIVE 了解! 肯定! ? ID_CHAT_THANKS ありがとう。 謝謝! ? ID_CHAT_REQUEST_AMMO 補給要請! 需要彈藥 ? ID_CHAT_REQUEST_RIDE 搭乗要請! 需要載具! ? ID_CHAT_GET_OUT 出ろ! 出去/出來! ? ID_CHAT_GET_IN 入れ! 進去/進來! ? ID_CHAT_NEGATIVE ダメだ! 否定! ? ID_CHAT_SORRY すまない! 抱歉! ? 御存知の方がいらっしゃいましたら上記"?"に該当する文字(ハングル?)を御連絡願います。 尚、変換テーブルの存在しない言語(韓国語など)については英語で出力されます。 ※このディフォルト変換テーブルはGet In/Get Outがそれぞれ「入れ」と「出ろ」になっていますが、 正しくは「乗れ」と「降りろ」では無いでしょうか... ■日本語Yell送信のため、Proconに保存されている認証情報を取得しています 本ツールはProcon内で稼働いたしますが、Proconの機能によってYell送信を実施すると 日本語などMBCSにて文字化けが発生するため、UI部分のみProconを使用し、 ゲームサーバへのYell送信命令発行は独自実装となっております。 ツール内部から直接ゲームサーバに接続し、TCP/IPのセッションを確立する必要があるため、 Proconに保存してあるサーバ接続情報を読み取る機能が実装されています。 あらかじめご了承願います。 現在、一部の管理者の方々に試験をお願いしており、 結果が良好であれば明日(2014/03/16)にも配布開始可能と考えております。 ( - )
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2216.html
300 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 34 43 ID X.3iyClg [2/10] 第二十話『千歳の選択』 運命なんてないさ。 誰だって自分の生き方を選択する。 どんな辛いことがあったって、どんな幸運につつまれていたからって、今いる世界は、自分をとりかこむ全ては、自分の選択の結果なんだ。 しかたない、とか、そんな聞き分けのいい言葉でなにもかも諦めて、なにかのせいにして。 そうやって生きてたら、きっと、自分なんて存在はそこには居なくなっている。 だれだって選ばなくちゃならない。 なにもかも投げ出したまま、未来に到達することなんてできないんだから。 ♪ ♪ ♪ 「千歳」 その日の授業が終わり、放課後になった。千歳はぼんやりと窓の外をみつめている。 御神枢が現われてから、もう一週間がたった。どたばたするものかと思ったが、案外平和で、何もトラブルは起こってはいない。 枢もわりとクラスになじめてきたようで、ナギやイロリ、深紅とも仲良くなっていつも一緒にわいわい遊んでいる。 こんなのも、悪くない。 「千歳、おい、千歳!」 「――んぁ?」 「呆けていたな。まぬけな顔だ。ほら、よだれを拭け、みっともない」 ナギがハンカチを取り出して千歳の口を拭く。 昔から使っているキャラもののハンカチだ。舐められるのは嫌いなのに妙に子供っぽいのがナギだ。 「ん、もう誰も教室にいないな」 「ああ、とっくにみんな帰ったよ」 「イロリと……みんなは?」 「あいつらなら、家庭科室を借りて料理をしている」 「料理か。なんのために?」 「私が知るか」 ナギはむすっとした顔で千歳の頬をつねった。 「いてーな」 負けじとナギの頬をひっぱる。ナギの頬は柔らかく、むにっと横に伸びた。 「変な顔」 「お前こそ」 「……」 「……プッ」 「ふっ、はははははは!!」 そして、二人は笑いあった。 「なぁ、ナギ」 「なんだ、千歳」 「お前って、可愛いんだな」 「っ……!」 「もっと笑えよ。いつも笑ってれば、イロリにも、深紅にも、枢にも負けない。まあ――百歌には僅差で劣るが」 「――っ――ぉま――!!」 ナギは顔を真っ赤にしてうつむいた。 「ほ、褒めるなら、百歌のことくらい抜きにして言えないのか、このシスコンめ!!」 「ははっ、悪い悪い。なんていうか、こんなこと面と向かって言うの、恥ずかしくてさ。つい」 「つい、じゃない! お前、私をなんだと……!」 そこまで言って、ナギは口を止めた。 千歳の目。 千歳は、まっすぐにナギを見つめていた。 301 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 35 04 ID X.3iyClg [3/10] 「ナギ、お前をどう思ってるって?」 「……」 「答えて、欲しいか?」 「……千歳?」 ナギの胸が高鳴る。 千歳がこんなにまっすぐに、真剣な目で見つめてくるときは。決まって何か大切なことを言うときだ。 とても大切なこと。千歳にとっても、ナギにとっても。 だが、大切だからと言って双方に幸せなこととは限らない。 それは、千歳の心を傷つけてしまうかもしれない。あるいは、ナギの。 「……少しだけ、考える時間をくれ」 「ん。そうだな。変なこと言っちまったな。すまん」 「いや、いいんだ。ただ、私が……」 臆病なんだ。 自分の中の真実と向き合うことができない。 こんなに近くにいるのに。本当の気持ちがいえない。 誰もが、こんな苦しみを抱えている。 ――あなたが好き。 それだけで、いいのに。 「よし、ナギ。今日はちょっと遊びに行かないか!」 「お、おい、いきなり何を」 「どうせ暇だろ!? ちょっとくらい付き合えよ!」 千歳はナギの手をとって走り始める。 (ったく……) この男は。千歳というやつは、わかりやすい性格をしているが、全然意味のわからないことをするときがある。 こんなデートの誘いがあるか。バカ、女の子に嫌われるぞ。 (私も、女の子だけど) 女の子。 千歳と一緒にいるために、ずっと自分は女の子であることを表に出そうとせずにいる。 恋人になりたいわけじゃないから。ただ、大切な場所だから。 千歳の近くが、自分の唯一の居場所だから。 女であろうとすれば、恋をするか、そうでないかしかない。 だけど、千歳は男として、人間として魅力的で、それにつりあう女の子が既に何人もいる。 自分は、そうじゃない。女としての、なんの魅力も持ってはいない。 だから女ではなく、ただの幼馴染のナギになった。 それでいい。それでいいんだ。 (――でも) 繋いだこの手を、放したくない。 ♪ ♪ ♪ 302 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 35 26 ID X.3iyClg [4/10] 「ちーちゃーん!! 私の特製ケーキ食べてくれるよねー! 愛情特盛、お届けしちゃうよー!」 「ふふふ、イロリさん、料理とは計算です。愛情など、緻密な計算と理論に基づいた私の料理の前では無力! 千歳君もきっとこのケーキを食べてくれるはず!」 「あらあら、まだわかっていらっしゃらないのですね。料理においてもこのわたくしがナンバー1ですのよ。この御神枢、苦手なものなどございません。むしろ全てが得意科目。料理も例外ではありませんわ」 それぞれ言いたいことを言いながら扉を勢いよくあけ、イロリ、深紅、枢が教室に飛び込んだ。 が。 「あれー?」 「誰もいませんね」 「千歳様はいずこに?」 目当ての千歳はそこにはいなかった。 「もう、ナギちゃんに帰らないよう見張っててって言ったのに!」 「誰が一番料理が上手いのか対決は延期ですね。(勝手に決めた)審査員の千歳君がいないのであれば」 「まったく、わたくしのケーキを食べられないなんて、千歳様も随分愚かな選択をしてしまいましたわね」 「なにー、ちーちゃんをバカにするなー! そもそも枢ちゃんのケーキより私のケーキのほうがおいしいんだから!」 「言いますわね、御神家秘伝のレシピに貧弱一般人がかなうかどうか、今から確かめてもよろしくてよ」 「まあまあ、醜い争いは止めてくださいよお二人とも。どうせ私の圧勝なんですから」 「「黙れメガネ!!」」 「私の扱い酷くないですか!?」 「こうなったら私たちで食べあって対決だ!」 「望むところですよ。ふふ、このおいしさにきっとお二人は床を転げ回った挙句窓の外に向かって『うまいぞー!!』と叫ぶことになるでしょう」 「千歳様のために作ったというのに、不本意ですが仕方ありませんわ。明日まで待てば鮮度が落ちてしまいますものね。ここで決着をつけることといたしましょう」 三人は三つの机をくっつけ、ケーキを置いた。 「どれどれ、じゃあ私は深紅ちゃんのやつから」 イロリはどこからともなく取り出したフォーク(『いろり』とひらがなで名前が書いてある)を深紅のケーキに突き刺した。 三分の一くらいを切り取って口に運ぶ。なんとも一口がでかい。 「むぐむぐ。もぐうぐぐうぐぐ、ぐもももも!!」 「食べながら喋らないでください!」 「ごくん。……ふ、ふん、ま、まあまあと言ったところかな。丁寧には作ってあるけど地味って感じ」 「よだれ垂れてますけど」 「そ、そう、愛情だよ、愛情が足りない!」 「精神論ですか?」 「これはもっと調べる必要があるね、もう一口!」 「残りの三分の二は私の分と枢さんの分なのでダメです」 「えー!!」 「露骨に嫌そうな顔してますね」 「次はわたくしですわ!」 枢が続いて差し出す。見た目は普通のケーキ。御神家秘伝のレシピと言っていたが、どれほどのものなのだろうか。 イロリと深紅は、おずおずとフォークを口に運んだ。 「……ど、どうですの?」 「まずっ」 「産業廃棄物ですね。産廃ですね」 「なぜ二回言いましたの!?」 ♪ ♪ ♪ 303 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 35 41 ID X.3iyClg [5/10] 「千歳、手を」 「ダメだぞ、ちびっこが手を放したら、迷子になるからな」 「バカ、放せ!」 ナギは千歳の手を無理やり引き剥がした。 「ったく、何のつもりだ、遊びに行こう、だなんて。だいたい毎週遊んでるじゃないか」 「家でゲームしてるだけだろ。たまには外で買い物ってのも悪くない」 「インドア派なんだよ私は! 買い物なんて女の子の遊びだ!」 「だったらお前も楽しめるな」 「っ……」 いつもの近くの商店街ではなく、少し離れた繁華街まで来た。 きらびやかなショウウィンドウが立ち並ぶ。ナギは目がちかちかするような気がした。 似つかわしくない。 「そ、そうだ、ゲーセン。ゲーセン行こう」 「タバコくさいだろ、却下だ」 「私とゲーセン以外に行くところなんて無いだろう」 「そんなことは無いさ」 千歳は少し顎に手を当てて考えた。 「なあ、ナギ。そういえば、その髪、伸ばしてるのか?」 「ん、この髪か? いや、切ってないだけだ。髪形とかいちいち気にしないしな」 「じゃあさ、美容院行かないか? 髪型、変えてみようぜ」 「はぁ? 脳に蛆でもわいたか? 美容院なんて、生まれてこの方行ったことがない」 「だから初めて行くんだよ」 「お、おい!」 304 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 36 00 ID X.3iyClg [6/10] 「はい、どうですか?」 美容師に言われ、鏡を見る。 無理やり連れて行かれた美容院。幸い予約なしでもすぐにカットしてくれた。 希望の髪形はなかったので、美容師には千歳の要望が伝えられた。 「――これは」 昔の――千歳に出会ったあのころの自分が、そこにいた。 サイドをリボンで縛ったショートヘア。小学生のころの髪型だ。 髪型にはいちいちこだわっていない。その時の長さとか状態のままなことが多い。 しかし、小学生のときは、リボンで自分を飾っていた。 それは、母がそうするよう、リボンをプレゼントしてくれたから。 千歳のことを母に話したとき、母はとても喜んだ。 ――じゃあ、おしゃれして、素敵な女の子にならなきゃね。 そういって、嬉しそうにリボンをくれた。 「おー、似合ってる似合ってる」 「千歳、どういうつもりだ」 「どういうつもりって、どうもこうも無いだろ。たまには髪型かえねーのかなって、思っただけさ」 「このリボンは」 「ああ、それは俺からのプレゼントってことにしといてくれ」 「プレゼント? 貰う覚えはないが」 「俺の気まぐれに付き合ってくれたお礼だよ。あと、普段から世話になってるからな」 ――世話になっているのは、昔から私のほうだ。 その言葉は飲み込んだ。千歳はそんなこと全く考えてはいない。そういうやつだ。 自分と関わった人間が幸せだったり、喜んでいたり、無事で過ごせていたりするだけで、幸福になれる人間だ。 たとえ、自分がどれだけ傷つこうが。 「ずいぶん派手に短くしちまったが、よかったか? なんか、俺のわがままで髪型変えさせちまったな」 「別に、かまわないぞ。むしろ、体が随分軽くなったし、涼しいからな」 「そうか。うん、やっぱりその髪型が可愛いぞ」 「か、可愛いはやめろ! そういう世辞はいらない!」 「お世辞じゃないんだけどなぁ」 「ぅー……」 (なんなんだ、今日の千歳は) なんだか、妙に絡んでくる。それに、歯が浮くような台詞ばかりだ。 別に、嫌じゃないけど。 恥ずかしい、じゃないか。 305 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 36 27 ID X.3iyClg [7/10] 「なあ、ナギ」 「なんだ」 「あの服、お前に似合いそうじゃないか?」 「……服なんて、母さんが買ってくれる分で充分だ」 「いや、でもお前だいたいパーカーと短パンだろ? たまにはスカートも穿いてみると、気分転換になっていいんじゃないのか?」 「知らん。スカートなら制服で着てる」 「試着してみるだけでもいいって、とりあえずあの店入ろうぜ!」 「お、おい!」 千歳はナギの手をとって、明らかにお洒落な雰囲気といった感じの店に入った。 「店員さん、この服の、もっと小さめのサイズ――この子くらいのやつ、あります?」 「いらっしゃいませ。はい、今お持ちしますね」 愛想の良い、若い美人な店員が千歳の声を聞くと、すぐに店の奥に入っていく。 「どうせ、私のサイズなんてないだろ」 「自虐すんなって、お前くらいの身長の子も案外いるもんさ」 「ふんっ」 そうこうしているうちに店員が戻ってくる。その腕には、ショウウィンドウで見たあの服がかけられている。 「なっ」 「し、試着するだけだからな!」 「はいはい。まあ着てみろよ」 「お客様、こちらへ」 店員はナギを試着室まで導いた。 ナギはぶつくさと小声で悪態をつきながら、試着室へ入る。 「とっても可愛らしい方ですね。妹さんですか?」 店員は、人懐っこい笑顔を浮かべ、千歳に話しかける。 「あ、いえ、同級生なんですよ、これが」 「まあ、素敵です! プレゼントですか?」 「はい、そのつもりで」 「まあまあまあまあまあ!! お安くしますね!」 「ははっ、ありがとうございます」 随分テンションの高い店員だ。 が、まあ悪い人ではなさそうだし、流しておいていいだろう。 少しすると、試着室のカーテンを少し開けて、ナギが顔をだした。 「き、着たぞ」 「ああ、見せてみてくれないか?」 「わ、笑うなよ?」 「笑わねぇよ」 「うそだ、絶対笑う!」 「笑わない! 笑ったら三回くらい殴っても良い!」 「くっ……わかった。じゃあ出てやる」 ナギは顔を真っ赤にしながら、おずおずとカーテンを開ける。 「……!」 そこにいたのは、紛れも無い美少女という生物だった。 「こ、これは……!」 店員も、おおげさにゴクリ、と唾を飲み込む。 「変……だよな、やっぱり」 ナギは顔を赤らめながらもじもじと体をくねらせる。 こんな女の子らしい格好をしたことが無いナギには、そうとう堪えるのだろう。 だが、むしろそういう態度が女の子らしい。 「い、いや、変じゃない。変じゃないっていうかむしろ……」 「むしろ、なんだよ……」 「可愛すぎてビックリした」 「は、はぁ!? 冗談も大概にしろよ! 本気で怒るぞ!」 「いや、マジだって! だよな、店員さん!」 「はい! お客様、まるでお姫様みたいです。とっても素敵ですよ! お持ち帰りしたくなってしまいます!」 最後のは聞かなかったことにしよう。 「も、もういいだろ! 脱ぐ!」 「やめろって! せっかくだから着て行こうぜ! いいですよね、店員さん」 「はい。お会計、こちらになります」 電卓をぱちぱちと押し、千歳に差し出した。 ショウウィンドウで表示されていた価格より随分と低い。これなら財布への負担もそう重くは無いだろう。 というか、これ70%オフとかになってるんじゃ……。 「こんなに可愛いカップルを見せてもらったんですから、そのお礼です」 「カップルって……!」 ナギは何かいいたそうな顔をしていたが、千歳はこの店員の言うことだからとスルーした。 306 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 37 02 ID X.3iyClg [8/10] 「ったく、今日はなんなんだ一体……」 なんだか今日は千歳に振り回されてばかりだ。 嫌なわけじゃないが、外で何かするのは疲れる。歩いたりするだけではない、知らない人と顔を合わせなければならない。時には、話すことも必要だ。 人間と話したり、つきあったりするのは、案外体力のいるもので、そう何度も何度も一日の間に繰り返したくは無い。 「千歳、今度はどこに行こうって言うんだ」 「ああ、次が最後だ。もう日が沈むしな」 そういって、千歳はナギを連れ(例によって手を繋いで、だ。ナギはもう振りほどく気力もなかった)、来たのは湖だった。 「湖なんて、なにも面白くないじゃないか」 「そういうなって、知ってるだろ、この湖は――」 「ぁ――」 目の前に広がっていたのは、光の世界だった。 「この時期の、この時間帯に丁度夕日の光を上手く反射して、すげぇ綺麗になるんだよ」 ナギは目を見開き、何もいえなかった。 始めてみた。こんな綺麗な世界。 美しいものになんて、興味はなかったし、きっと出会っても目を奪われることはなかったろう。 だが、何故だ。 こうして今、心を捉えて放さないこの景色は。 「……千歳」 「なんていうか、今のナギに似合う景色じゃないか?」 その湖に沈む夕日の光は血の様に真っ赤で。しかしグロテスクではなく、むしろ暖かい。 「この光の世界から来た、お姫様みたいだな――ってのは、なんかクサすぎるな」 「――これを、見せたかったのか?」 「いーや」 千歳は首を振った。 307 名前:ワイヤード 二十話 ◆.DrVLAlxBI[sage] 投稿日:2011/05/05(木) 19 37 20 ID X.3iyClg [9/10] 「本当は、俺がお前にプレゼントをしたいって、そんな殊勝なことじゃないんだ。ただ、俺がここで見たかったんだ。夕日でも、この湖でもなく、お前をだよ、ナギ」 「私、を……?」 「その髪も、そのリボンも、その服も、そしてこの場所も。全部ナギのためのものだよ。きっと、今は、お前はこの世界のお姫様なんだ。クサい台詞だけど、やっぱりこういうしかない」 「ば、バカ……恥ずかしいんだよ、お前」 「俺もそう思う。なんか、今日の俺、変だよな」 「変だよ……おかしいぞ、千歳。なにか悪いものでも食ったのか? 絶対、絶対におかしい!」 ナギは、顔を真っ赤にして、千歳をにらんでいた。若干目が潤んで、涙目になっている。 「お、おい、悪かったよ。だから怒らないでくれ」 「怒ってない! 怒ってなんかいない……ただ、なんで、私なんだ。私は、お姫様なんてガラじゃない。もっと――イロリとか、枢とか、そんなぴったりなやつがいるだろう。それに、あの二人はお前のことが……その、好き、なんだろ? だったら」 「お前じゃなきゃダメだったんだ。それは間違いない」 「な、なんで!」 「それは……」 千歳は少し目を伏せ、微笑んだ。 「なあ、ナギ」 「……なんだよ」 「好きって、なんなんだろうな」 どきり。 心臓がはねる。 好き。 好きという言葉。 こんな、こんな気持ちにさせておいて、その言葉を使うのか。 「なんていうか。そう、イロリも、枢も、俺に言ってくれたんだ。好きってさ。こんな、俺にだぞ」 「……」 「好きって気持ち。俺には良くわからない。誰かを独り占めにしたいのか、ずっと一緒にいたいのか。でも、俺には百歌がいる。家族がいる。家族に感じる『好き』と、そうじゃない人に感じる好きって、どう違うんだ?」 「わかるわけ、ないだろ……。私に」 「……だから、答えを探そうと思ったんだ。大切なこと。ずっと一緒にいたいということ。その気持ちの答えを」 「……千歳、お前は……」 「そうやって考えて、考えて……。俺が一番大切に思ってて、守りたいって、一緒に居たいって思う人が、誰か。その人なら、気付かせてくれるかもしれないと思ったんだ」 「やめろ……」 それ以上、ききたくない。 この気持ちが、どんどん大きくなる。 千歳の声、千歳の目、千歳の息遣い。千歳の暖かさ。 それを感じるたびに、どんどん大きくなって、とまらなくなる。 今もこの胸のどきどきが止まらなくて。 張り裂けそうで。 その先に行ったら、きっと。 「ナギ、俺は――」
https://w.atwiki.jp/haruhi_sm/pages/74.html
https://w.atwiki.jp/yaruo_lunatic/pages/34.html
「趣味」や「好み」、または「こだわり」等は何? 食べ歩き エロゲマイスター 料理(ゲテモノ系、でも異常に美味しい) 特技 コミュ系の補正 過去の思い出 忍者に憧れて修行したことがある(濡れた和紙の上を歩いたりとか) 両親が死んだ頃、2人を生き返らせることは出来ないかなんてバカなことを考えたこっそりとオカルトに手を出し、知識を焼き付けたが当然無駄だった魔術なんてあるわけがないんだから 両親を亡くしたばかりの頃に自分と同じ境遇の子と傷の舐め合いをしてた 数回叔父さんに付いて外国に行った際に、言葉が通じなかったけどボディーランゲージだけでなんとなく通じて遊んだ友達がいた 中二病が昔発症していて黒歴史の本を持っている 子供の頃に幽霊に会って対話で成仏させた 戻る
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3827.html
「そんな……、じゃあ、あの時……キョンくんは……」 「落ち着け、みくる。お前が悪いわけじゃない。あいつが自らの意思で決めたことなんだ。だから、お前が気にすることはない」 「でも、わたし……いままでキョンくんのことを……」 「それは仕方のないことだ。全部忘れるんだ。お前は何も悪くはない」 「……そのことは……前から……知ってたの?」 「……ああ、知っていた。黙っていたのは悪かったと思ってる。しかし……」 「ううん、いいの。わたしのために……隠してくれていたのよね……」 「みくる……」 翌日 俺は、最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴るのと同時に、教室を飛び出して文芸部室へと向かった。文芸部室の扉を開けると、そこには長門と古泉の姿があった。 長門はともかく古泉はどうやって俺より先に文芸部室に来ることができたのだろう。機関の力か、それともまだ俺の知らないコイツの超能力の一種なのだろうか。 「ふふふ、それは禁則事項ですよ」 古泉はいつものニヤケ顔で唇に人差し指を当てて、まるで朝比奈さんの真似をするかのように、そう言った。 「気色悪いことはやめろ。朝比奈さんを侮辱する真似は許さん」 「おっと、これは失礼。それよりも重要な話とはいったいなんですか。察するに、個々に相談するのではなくふたり同時に集めて相談するとは、相当切羽詰った話のように思うのですが……」 普段はとぼけた笑顔で俺に接しているが、流石に勘の鋭さはハルヒ並だ。ハルヒや長門は言うにおよばず、コイツといい佐々木といい、鶴屋さんも含めて、どうして俺の周囲にはこういった超人が揃っているのだろうか。 「ちょっと長い話になるぜ」 俺は、ふたりがうなずくのを確認すると、朝起きて枕元に手紙があった日の朝から、橘京子の忠告、そして現在に至るまでの状況を説明した。 「まさか……そんなことが……」 俺の話を聞き終わり、長門はいつものように無表情であったが、珍しく古泉は驚いた表情をしていた。 「正直、ハルヒが死ぬ運命にあるかどうかまではわからん。しかし、いままでの状況から橘京子の言っていることには信憑性があるように思えるんだ。 だが、俺は、例えそれが運命であったとしても、このまま指をくわえてハルヒが死ぬのを黙って見ている気はない。だからふたりに協力して欲しいんだ」 「もちろん協力を惜しむつもりはありません。僕達にとっても涼宮さんの身の安全が第一ですから。ただ……」 「なんだ」 「できればもっと早く僕達に相談してもらいたかったですね。橘京子の讒言を信じ、僕達を信用してもらえなかったことが残念です」 そう言った古泉の表情は、普段の温厚さが影を潜め、俺を非難しているようにさえ思えた。 俺が、少し後ろめたい気持ちで、古泉の次の言葉を待っていると、突然、俺と古泉のやりとりを横で眺めていた長門がスタスタと俺の正面に歩み寄り、声をかける間もなく平手で俺の頬を叩いた。 あまりに唐突な出来事に、俺も古泉もどう反応してよいかわからず言葉を失った。長門はそんな俺をじっと見つめて、ゆっくりとした口調で話し始めた。 「あなたはSOS団の一員であるにも関わらず、わたし達を信用していなかった。橘京子の話を聞いたとき、あなたはわたし達が涼宮ハルヒを守るために朝比奈みくるを犠牲にすると考えた。 しかし、朝比奈みくるもSOS団の一員であり、わたし達の大切な仲間。例え涼宮ハルヒを守るためであっても、簡単に切り捨てたりはしない」 「長門……」 「この二年間、わたし達は様々な困難に直面したが、一度として仲間を犠牲にして助かろうとしたことはなかったはず。なのに、わたしはあなたに信じてもらえなかった。そのことが悔しい」 長門は、いつものように無表情ではあったが、俺をじっと見据えるその瞳からは深い悲しみが伝わってきた。それと同時に、なぜあの時ふたりに相談しなかったのか、といった後悔の念がこみ上げてくる。 「スマン、長門、古泉も」 言葉こそぶっきらぼうであったが、俺は心の底からふたりに謝った。そんな俺の心情を理解したのか、長門はじっと俺の目を見据えていた視線を外し、文芸部室の扉の方へと向かう。 「仲間が失敗したとき、それをフォローするのも仲間の役目。わたしは『今日あなたがそのことを伝えてくれた』という事実を決して無駄にはしない。必ず涼宮ハルヒを守ってみせる。あなたのためにも」 俺のほうを見ずにそう告げた長門は、そのまま俺達と目を合わすことなく部室から出て行った。おそらく掃除当番のハルヒの警護に向かったのだろう。 俺と長門のやりとりを見ていた古泉は、長門が部屋から出て行くのを見て、小さく溜息をついた。 「長門さんの言うとおりですよ。もっと僕達のことを信用してください。この二年間、僕達があなたや涼宮さんを裏切ったことはなかったはずです。ただ……」 「なんだ?」 古泉は、俺が振り向くのを確認してから、さらに自分の考えを語り始める。 「僕と長門さんの意見は若干違いますね。僕は『あなたは朝比奈さんにすべてを告げるべきだった』と考えますが……」 「そんなことをすれば、朝比奈さんはこの時代に残ると言い出すに決まってるだろう」 俺が少し声を荒げて反論すると、古泉は、いつもの笑顔ではなく、少し鋭い目つきで俺の目を見た。 「確かに、朝比奈さんはか弱い少女のような容姿をしているため、あなたが守ってあげたくなる気持ちもわからなくはありません。 しかし、朝比奈さんは、この世界で犠牲になるということも覚悟のうえで、未来から派遣されて来たはずです。涼宮さんを監視するという目的の為にね。 今回、あなたが朝比奈さんに対してとった行為は、そんな彼女の覚悟を踏み躙ることになりませんか。 僕達は、仮に朝比奈さんがこの時代に残ることを選択すれば、最大限の努力をして彼女を守るつもりでした。決して朝比奈さんを見殺しにするような真似をするつもりはなかった。 それでも、朝比奈さんが不幸にも命を落とすようなことになったとしても、それは彼女自身の決めたこと。彼女も納得されたはずです。 でも、あなたは朝比奈さんに選択肢すら与えなかった。このことは、朝比奈さんを一人前と見なしていないということになりませんか」 「何が言いたい」 俺も負けずに古泉を睨み返して答える。 「優しさは、時に人を傷つけることにもなるということです」 古泉は、俺から視線をそらし、団長席に目を向ける。 「まあ、そんなあなたの優しさに、涼宮さんは惚れたのかも知れませんがね」 しみじみとそうつぶやいた古泉の表情からは諦めのような感情が読み取れた。コイツがこんな風に感情を表に出すことは珍しく、俺は驚きを隠せなかった。 俺と古泉の間に奇妙な沈黙が訪れる。 突然、古泉は何事かを叫びながら、俺を突き飛ばした。咄嗟の出来事に反応できず、俺は尻餅をつき背後の壁に頭を打ち付けた。 「何しやがる!」 「下がって!」 顔を上げると、いままでふたりきりであったはずの部室に、もうひとりの見覚えのない人物が、光線銃のようなものをこちらに向けて、団長机の上に立っている姿が見えた。 チラッと背後を確認すると、光線銃とおぼしきものから発射された何かが当たったと思われる壁の一部が黒く焼け焦げている。それを見て、初めて生命の危機であったことを認識した。 俺が尻餅をついたまま団長席のほうに視線を移すと、古泉がどこに持っていたかわからない特殊警棒を構えて不法侵入者を威嚇している光景が目に飛び込んできた。 「そこでじっとしていてください! 決して動かないで!!」 古泉は俺のほうを見ず、特殊警棒で侵入者を威嚇しながらそう叫んだ。平凡人の俺にはどうしてよいかわからず、ただただ古泉の言葉に従うしかなかった。 そうこうしているうちに、部屋の外の廊下から騒々しい声と聞きなれた足音が聞こえてきた。どうやらハルヒが長門を伴って部室へと馳せ参じたようだ。このときほどハルヒの(正確には長門の)到着を待ちわびたことはない。 だが、相手もハルヒと長門が文芸部室に近づいてくるのを察知したようで、瞬時に俺達の目の前から姿を消し去った。文字通り俺達の目の前から姿が掻き消えてしまったのだ。 どこにも逃げ道はなく驚愕に値する出来事だったが、この程度のことで驚かない自分がいることに気づく。侵入者が姿を消すのとほぼ同時に、ハルヒが元気よくドカンと扉を開けて部屋の中へと入ってきた。 「お待たせ! ってあれ、どうしたの、キョン」 ハルヒは尻餅をついたままの俺の姿を見て、怪訝そうな表情で俺に尋ねてきた。幸いなことに、侵入者や古泉の特殊警棒はハルヒには気づかれなかったようだ。 「い、いや、なんでもない」 「ふ~ん、あ、そう」 パンパンとズボンを手で叩きながら立ち上がる俺の姿を一瞥して、ハルヒは団長席にドカっと座った。 「あんた古泉くんと喧嘩でもしたの?」 予想だにしなかった質問がハルヒから俺に投げかけられ、古泉は少し引きつったような笑顔でハルヒを見る。 「い、い、いや、そんなことはないぞ。な、なんでそう思うんだ」 予想外のハルヒの質問に、適切ないいわけが見つからず、俺は少しうわずった声でハルヒの質問にこう答えるしかなかった。 ハルヒはすべてを見透かすような表情で俺と古泉を交互に眺めた後、自分の中で結論を出したようにうんうんとうなずいて、団長席のディスプレイに視線を移す。 「部屋に入ってきたとき、乱闘があったような印象を受けたのよね。言いたくないなら言わなくてもいいわ。でも、暴れるんなら部屋の外でやってよね」 ハルヒは、もうそのことには感心を失ったようで、いつものようにネットサーフィンを始めた。あらためてハルヒの勘のよさに感心する。浮気などはとてもじゃないができそうにない。 ただ、つきあいだして間もない恋人同士というのに、みんなの前での俺への態度は相変わらずだ。ハルヒらしいと言えばそうなのだが、もう少し優しい言葉をかけてもらいたいというかなんというか…… 古泉が両手を広げるいつものポーズで俺に視線を送る姿が視界の端に映った。その表情はいつもの胡散臭い笑顔に戻っていたため、なんとなくほっとした気分で、俺は溜息をついた。 その後、いつもと同じように古泉とボードゲームをすることになったが、俺の頭の中ではこの数日間に起きた様々な出来事がぐるぐると巡っていたため、ゲームに集中できず古泉に大敗することになった。 こんな状況にもかかわらず平常心を保っているとは、長門はともかく古泉も普通ではない変態的な精神の持ち主なのだということをあらためて認識させられた。 翌日 昨日の出来事もありなかなか寝付けなかったせいか、目覚ましがなったことにも気づかず、通例の二度寝をすることなく妹の布団はぎによって強制的に起こされることになった。 「キョンくん、どうしたの、今日はいつもより眠たそうだけど大丈夫」 そう思うのならもう少しゆっくり寝かしておいて欲しいと思いつつも、俺は目を覚ますために洗面台に向かった。 いつものように朝食を食べ、身支度を整えて、忘れ物がないことを確認した後、いざ玄関の戸を開けると、そこには見飽きたニヤケ面の男が立っていた。 「おはようございます」 いつものポーカーフェイスで挨拶してくる古泉からは昨日のような感情は読み取れなかった。仕方なく、俺は古泉に朝の出迎えの意図を尋ねることにする。 「いったいどういうことだ」 「あなたが昨日我々に話してくれた事実を機関に報告した結果、あなたの警護するという結論に達したのです。それで、機関の命を受けて、僕がこのように馳せ参じたのですが、なにか不都合でも」 「当たり前だろ、こんなことをされては家族が不審に思うだろ。なにより命の危機にさらされているのは俺ではなくハルヒだ」 「同じ北高の友人が、いっしょに登校しようと出迎えに来ることが不審に思われるとは思いませんが…… それに昨日、あなたが文芸部室で正体不明の人物に襲撃を受けたのをお忘れですか?」 古泉の言葉を聞いて、昨日の文芸部室での光景が脳裏に蘇る。団長机の上に立っていた襲撃者になんとなく見覚えがあるような気がするのだが…… 「あ~、古泉くんだ~、隣のお姉さんは古泉くんの彼女?」 玄関から出てきた妹が、俺と古泉の話の間に割って入ってくる。これ以上話がややこしくなるのはまっぴらごめんとばかりに、俺は妹を静止した。 「こ、こら、早く学校に行きなさい、って隣のお姉さん?」 俺が古泉の隣に目を向けると、そこには喜緑さんが、まるで古泉の彼女のように、笑顔で立っていた。確かに知らない人が見たら美男美女のカップルに見えなくもない。 「昨日、情報統合思念体と機関の間で合議が行われ、24時間体制であなたと涼宮さんをお守りすることに決定いたしましたわ。涼宮さんのほうは長門さんと森園生さんが警護に当たってるはずですよ」 俺が質問を投げかける前に、喜緑さんは俺の疑問に答えた。 「長門さんではなく、わたしでは頼りになりませんか」 「いえ、そんな」 「では、彼も納得されたようなので参りましょうか」 おい古泉、勝手に仕切るな。そう言いたかったが、別に文句をつける理由も見当たらなかったので、俺は渋々ふたりと連れ立って北高へと向かうことにした。 人知を超えた超生命体と得体の知れない秘密結社による警護とは、いくらなんでも大げさすぎないか。この国の総理大臣でもこんな厳重な警護はついていないだろう…… そうは思ったものの、一晩中不安に苛まれていた俺の心の中に急に安心感がこみ上げてきた。これで、万一ハルヒに危機が訪れることがあっても大丈夫だろう、と。 途中、喜緑さんは姿を消してしまったため、古泉といっしょに北高へと続く坂道を登っていると、後ろから聞きなれた無駄に元気の良い声が聞こえてきた。 「おはよう、キョン! ほら、しゃきっとしなさい!」 いつものように俺の背中を叩くハルヒの傍らには長門の姿があった。俺が長門のほうを眺めていると、ハルヒが俺が尋ねもしないのに答える。 「ああ、なぜか知らないけど今日は有希があたしを迎えにきてくれたのよ。あんた有希に何か用事でもあるの?」 「い、いや、別に」 「ふ~ん」 ハルヒは、俺の顔を覗き込みながら、少し悪戯っぽい笑顔をつくる。ただし、その表情にも関わらず、目は笑ってはいなかった。 「まあ、あんたにそんな甲斐性があるとは思えないけど……、浮気したら許さないからね!」 ハルヒとのつきあいが長いからわかるが、コイツがこういう風に冗談ぽい表情をつくりながら、鋭い目つきをして何かを言うときは、たいてい本気で言っているときだ。 つまり何か、いまの一瞬で俺が長門と浮気をしているのではないかという懸念を抱いたというわけか、コイツは。いくらなんでも嫉妬深過ぎやしないか。 「くっくっく」 俺とハルヒのやりとりを横で見ていた古泉が、まるで佐々木のように、声を殺して笑い出す。 「何がおかしいんだ」 「いえ、いかにいままで涼宮さんがあなたに振り回され続けてきたかが、よくわかるひとコマだと思いまして」 「おいおい、それは逆だろう」 「確かに、あなたにとってはそうかもしれませんね」 古泉は俺の反論にまともに答える気がないのか、そう一言感想を言っただけだった。そのことを俺は少し不満に思ったが、なんとなく墓穴を掘りそうな気がしたので、それ以上反論はしなかった。 そうこうしているうちに俺達四人は北高の校門までたどり着き、古泉、長門と別れてハルヒとふたりで教室に向かう。 正直、監視役がいなくなったようで少し気分が晴れたような気がした。まあ、ふたりが俺達の目の前からいなくなっただけで、いまこのときも、機関のエージェントや情報統合思念体の端末が俺達を見張っているのだろうが…… 授業は滞りなく終わり、いつものようにSOS団本拠地の文芸部室へと向かう。すでに部室に来ていた長門と古泉に一言挨拶をした後、団長殿が来るのを待ってから、古泉とボードゲームに興じる。 終業のチャイムが鳴り、帰り支度をしている最中に、古泉が俺の耳元でそっと囁いた。 「できれば、涼宮さんを自宅まで送ってあげて欲しいのですが……」 「そんなことお前に言われる筋合いはない」 俺が不機嫌そうにそう答えると、古泉は相変わらずのポーカーフェイスのままさらに懇願するように俺に告げた。 「お願いします。そのほうが我々としても警護し易いのですよ。あなたも涼宮さんが無事であることを願っているはずです。それに仲を深めるいい機会ではないですか?」 俺は無言で古泉の顔を見つめるが、古泉はいつもの笑顔のまま俺の返答を待っていた。 「仲を深めるためじゃないぞ。ハルヒの身を案じてするんだからな。勘違いするな」 「ふふふ、もう恋人同士なんですから、そんな風に照れなくてもいいと思いますが。あなたが思っている以上に、涼宮さんはあなたに恋人として振舞って欲しいと思っていると思いますよ」 言いたいことだけ言って、古泉は俺の傍から離れていった。しかしどうやってハルヒを誘おうか、いざとなったら照れるなあ。 「な、なあ、ハルヒ、ど、どうだ、よかったら送っていこうか」 緊張しながらそう言った俺の顔を見て、一瞬驚いたような表情をつくったハルヒではあったが、その表情がにんまりと笑顔に変わり、ハルヒは俺の顔を覗き込む。 「な~に、あんた、あたしといっしょに帰りたいの。だったら正直にそういえばいいのに」 勝ち誇ったような笑顔でそう答えるハルヒの顔を見て、正直どう返答しようか迷ったが、ここで否定するわけにもいかず、俺は首肯するしかなかった。 俺が首肯するのを確認すると、ハルヒは満面の笑顔になり、 「じゃあ、あたし校門で待ってるからすぐ来るのよ」 と言い残し、気分上々といった様子で鼻歌を歌いながら部屋から出て行った。 ハルヒの頭の中には戸締りを手伝おうといった考えはさらさらなかったようで、俺はハルヒの後姿が消えるのを待って大きく溜息をついた。 確かに俺とハルヒは恋人同士だが、こんなことが続くようなら俺とハルヒの間のパワーバランスが崩れてしまう。現状でさえハルヒのほうにアドバンテージがあるというのに…… 「ふふふ、あなたは客観的にご自分を見ることが苦手なようですね。あなたと涼宮さんではあなたのほうが少し分があると思いますよ。それにあなたのその考え方は少々子供っぽい気もしますが…… もっと大きな心で涼宮さんを受けとめてあげてもいいのではないですか」 「お前の言っている意味がわからん。ハルヒに対するアドバンテージを俺が持っているか? まあ、確かに子供っぽい考え方というところは否定できないがな」 「あなたは自覚していないかもしれませんが、涼宮さんはいつも不安に思っているのですよ。あなたがいまでも自分を好きでいてくれるかどうかということにね。 なにせ、涼宮さんは幾多のライバルを押しのけてあなたの愛を勝ち取ったのですからね。そう思われるのも当然かと」 「ライバル?」 聞き返すと、古泉は、しまった、と言いたげな顔になった。 「失礼、いまのは失言です。忘れてください」 古泉の言っていることは話半分も理解できなかったが、あたふたする古泉、という珍しいものを見ることができたのでよしとしよう。 コホンとひとつ咳払いをした後、古泉は強引に話をまとめに入った。 「と、とにかく、涼宮さんとおつきあいをすると決めたのであれば、彼女の尻に敷かれることぐらいは最初から覚悟していたのではないですか」 この古泉のセリフに、俺は妙に納得してしまった。 戸締りを終えて、ハルヒの待つ校門に向かうと、校門にもたれかかって待ちぼうけしているハルヒの姿が目に入った。 「遅い!! 戸締り程度に何分かかってるのよ!」 ハルヒは俺の姿を見るや否や大声でそう叫んだ。その様子はつきあい始める前のハルヒとなんら変わりはしない。 これが俺に嫌われないかと不安に思っている奴の姿か。古泉の詭弁にも呆れ果てる。時々コイツは妙なことを言って俺を困惑させるな。機関の陰謀か。 「では、僕はこれで」 気を利かせたつもりなのか、古泉はハルヒに用事がある旨を一言告げてから、おそらく機関が用意したであろうワンボックスカーに乗り込み、俺達の前から姿を消した。 仕方なく、俺はハルヒとふたりで帰路につくことになった。ハルヒは上機嫌のまま俺にあれやこれやと話しかけてくるが、その内容はいつもの他愛ない話とさほど変わりはない。 そんなハルヒの姿を見ながら「ああこれが俺の好きなハルヒだ。俺はコイツのこういうところに惚れたんだな」と感傷的な感情を抱いてしまった。 目の前にハルヒの家が見えてきた頃、ハルヒの話が急に止まり、少しだけハルヒの表情が変わったのがわかった。 「どうしたんだ、ハルヒ」 ハルヒは俺の目をじっと見つめ、おずおずと口を開く。 「ねえ、キョン。あんた、あたしに何か隠してる」 ハルヒの突然の問いかけに、俺はドキッとした。ハルヒは俺の返答を聞くことなく、自分の考えていることを話し出す。 「ご、誤解しないでね。あたしは別にあんたが浮気してるとか、そんなことを疑ってるわけじゃないんだから。 あたしが聞いてるのは、あたし達に心配かけないように、あんたが自分ひとりで何かを抱え込んでるんじゃないかってこと。 だって、あんた最近様子がちょっとおかしかったもん。なんか、ひとりで悩んでるような感じがして。言えない事なら言わなくていいわ。無理には聞かないから。 でも、もしあたしにできることがあるなら遠慮なく言ってよね。あたしは団長だし、あんたの……彼女でもあるんだから」 勘の鋭さは相変わらずだ。感心を通り越して飽きれてしまうほどだ。だが、ハルヒが真剣な優しさが伝わってきたような感じがして、目頭が熱くなった。 「ありがとうハルヒ、もしそのときはよろしく頼むわ」 「絶対だからね! 遠慮せずに話しなさいよ!」 そう叫んだ後、ハルヒは顔を真っ赤にして、俺のほうを振り返りもせずに自宅の中へと駆け込んでいった。 ハルヒの意外な優しい一面に触れた嬉しさと、ハルヒと別れて独りぼっちで帰らなければならない寂しさが混ざり合ったような感情を抱いて、俺はハルヒの家を後にした。 ハルヒの家から少し離れた場所に見覚えのあるワンボックスカーが停まっていた。ドアが開き、中から見覚えのあるニヤケ顔が出てくる。 「ご苦労様でした。自宅までお送りします」 「何度も言わすな。お前達のためにやっていることではない。それにいまは一人で帰りたい気分なんだ」 古泉が少し困った顔をした後、ワンボックスカーの中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「夜道の一人歩きは危険ですわ。あなたのお気持ちもわかりますが、できれば御一緒していただけませんか」 中から出てきたのは喜緑さんだった。 「もし、あなたが帰宅途中に宇宙的なものに襲われるようなことになれば、わたし達は今日のことを永遠に後悔することになります。ですからわたし達のためにも……」 気乗りはしなかったが、仕方なく俺はワンボックスカーに乗り込んだ。古泉と喜緑さんも乗り込み、ワンボックスカーは音もなく走り出す。 「見てたのか」 「申し訳ないと思いましたが……」 古泉にこんなことを言っても仕方がないことはわかっていた。だからそれ以上、俺は古泉に何も話しかけなかった。俺達の乗ったワンボックスカーは一度も信号で停止することなく俺の家へと到着した。 「では、失礼します」 俺が降りると、それは音もなく走り去って行った。 ワンボックスカーが走り去って行った後を、俺はしばらく眺めてた。なんともいえない、言葉では言い表せない感情が胸に込み上げてくる。 とりあえず一週間、我慢すればまた日常が戻ってくる。何もなく怠惰に過ごしていた日常を懐かしく思いながら、俺は自分の家へと戻った。 それから数日が経ち、橘京子の言った一週間の最後の日、俺達四人はいつもの喫茶店に集合していた。もう学校は春休みに入り、ハルヒが恒例の市内探索をするために全員に集合をかけたのだ。 最初に市内探索の話を聞いたとき、古泉が遠まわしに中止を求めたのだが、一度言い出したハルヒがそのような忠告を受け付けるわけはなく、そこで探索は全員一組になることを俺が提言し、何とかハルヒに認めさせた。 もし仮に何かがあっても、傍に長門と古泉がいればなんとかなるだろう。ハルヒは俺と二人組で市内を回るつもりだったらしく、ぶつぶつと不満を口にしていた。 「じゃあ、今日は四人で市内の隅から隅まで探索するわよ! いいキョン、真剣に探すのよ! 今日こそ宇宙人が地球に来ているという痕跡を見つけるわ!」 その痕跡ならお前の隣に座っているだろ、と言いたかったが、これもいつものことだ。いまさら愚痴を言っても仕方がない。俺はテーブルの上にあるアイスコーヒーを飲み干して立ち上がった。 「はい、伝票」 ハルヒがさも当然のように俺の前に伝票を差し出す。俺は文句を言う気力もなく、ハルヒから伝票を受け取ってレジへと向かった。何かハルヒに飼いならされているようだ。将来、絶対尻に敷かれるな、俺は。 俺がハルヒとの夫婦生活に思いを馳せていると、ニヤケ面が俺に近づいてきて耳打ちをする。 「今日が最終日です。お疲れと思いますが気を抜かないでください。機関の内部に不穏な動きが見られると報告があったので、念のため……」 「おいおい、そんな話は聞いてないぞ。大問題じゃないのか」 「大丈夫です。橘京子の言葉を信じるなら、今日を乗り切れば何とかなるはずです。それよりもひとつお伺いしたいのですが、あなたが件のお三方とここでお会いしたとき、九曜さんは何も言っていませんでしたか?」 古泉の言葉を聞いて、喫茶店で佐々木団の取り巻き連中に会ったときの光景が脳裏に蘇る。 「言ったとおりだ。九曜は橘京子の讒言を指摘しただけだ。なぜ、いまになってそんなことを聞く?」 「いえ、仮にこの陰謀を画策したのが三人の誰かだと仮定した場合、誰が絵を描いたのかが気になりまして……」 「つまりお前達に敵対する三勢力の誰かがハルヒの命を狙っているということか」 「その可能性も否定できません。彼らがそこまで強引に事を進めるとは思えませんが、もしそれが天蓋領域であれば、いまの警備体制でも万全とは言い難いですね」 「キョン! 古泉くん! 何してるよ!」 喫茶店の外からハルヒの催促の声が聞こえてきたので、俺達は慌てて支払いを済まし、喫茶店のレジを後にした。 「遅いじゃない、何してたのよ」 「スマン、ちょっと古泉と高校卒業後の進路のことについて話し合っていたんだ」 拗ねたペリカンのような表情で不満をぶつけてくるハルヒを、俺はごまかしながらなんとかなだめる。 「そんなことはいま話さなくてもいいじゃない!」 「確かに、まあ、そうなんだが、つい古泉と熱く語ってしまったんだ」 「でも、確かにそれは重要ね。今度SOS団でも一度真剣に話し合う必要があるわね」 話の振り方を間違えて、ひとつ厄介ごとを抱え込んだような気がしたが、まあいい、後は野となれ山となれだ。とにかくいまは今日一日を乗り切ることが最重要課題だ。 「ところで、今日はどこに行くつもりなんだ?」 俺がそう尋ねると、ハルヒは待ってましたといわんばかりの顔で、ずっと悩みつづけていた問題の解答が解った学者のように話し出した。 「あのね、あたし隣町で古本屋を見つけたの。中には得体の知れない本がたくさん並んでて、これはあたしの勘なんだけど、きっとあの中に不思議な書物が紛れているに違いないわ。 悪魔を呼び出す魔術書とか、超能力者になるマニュアルとか、タイムマシンの設計図とか、そういうのがある気がするのよ。だからいまから行って、あたし達でそれを見つけるの」 得意気にそう俺に話しかけるハルヒの満面の笑顔を見て、さらにひとつ厄介事が自分の下に舞い込んで来た事を知った。 長門や古泉といっしょに、妖しげな悪魔召喚の儀式をしたり、山奥で忍術の訓練まがいのことをしたり、ガラクタを組み合わせて得体の知れない乗り物を作っている光景が容易に想像できる。 それだけならまだしも、本当に悪魔が出てきたり、超能力者になったり、過去や未来にタイムとラベルしてしまったらどうしよう。 そんな俺の不安を尻目に、ハルヒはいつもの猪突猛進モードに入る。こうなってはもう誰も止めることができない。俺達の話を横で聞いていた古泉のひきつった笑顔がチラッと見えた。 「じゃあ、そういうことで、隣町へ出発!」 ハルヒが、俺達を先導するように、駅へ向かって走り出した直後、 「危ない!」 長門が叫ぶのと同時に、ハルヒの頭上に鉄骨が落下する。 「ハルヒ!!」 鉄骨は、長門の情報操作によって、ハルヒの身体を避けるように轟音を立てて地面に衝突した。ハルヒの無事を確認して、俺は鉄骨の落ちてきた工事中のビルの屋上を見上げる。 全身に衝撃が走った。心の奥底に封印していた死への恐怖がこみ上げてくる。屋上にいたのは、紛れもなく、ニ度俺の命を奪いかけ、長門により消滅させられたはずの朝倉涼子だった。 朝倉涼子の姿を見て固まってしまった俺のもとに、すばやく古泉が駆け寄り耳打ちをする。 「機関の救急車を呼びます。朝倉涼子は長門さんに任せましょう。あなたは涼宮さんを落ち着かせて下さい。早く!」 古泉の咄嗟の機転で正気に戻った俺は、長門が驚異的な跳躍でビルの屋上まで飛び上がるのを視界の端に捕らえながら、ハルヒのもとへと駆け寄る。 「ハルヒ!! 大丈夫か!」 恐怖で真っ青になったハルヒは、言葉を失い、視点の定まらない虚ろな表情で、その場にへたり込んだ。俺が手を差し伸べると、ハルヒは震えながらその手を掴んでゆっくりと立ち上がる。 「ハルヒ、大丈夫か、怪我はないか」 「う、うん、だ、大丈夫みたい」 「一応、古泉が救急車を呼んだから、念のため病院に行こう」 俺の言葉を聞いて、ハルヒはおどろいたような表情で俺を見つめる。 「え!? じゃあ、今日の不思議探索はどうなるの?」 「今日はもう中止だ。病院に行って診てもらえ。古本屋だったらいつでも行けるだろ」 ハルヒは俺の手を放して、少しだけ俺と距離をとると、その場で飛んだり跳ねたりしながら無事であることをアピールし始めた。 「ほ、ほら、大丈夫よ、あたしは平気、どこも怪我なんかしてないんだから。だから病院に行く必要なんかないわ」 表面上は平静を取り繕っているものの、明らかに強がっていることは誰の目にも明らかだった。 「ハルヒ……」 「な、なによ」 「頼む、今日は中止にして病院に行ってくれ。何かあったらどうするんだ。市内の探索ならいつでもできるじゃないか」 俺が必死で頼み込むと、ハルヒは、強がっていたつくり笑いをその表情から消し、泣きそうな顔になって、じっと俺を顔を見つめる。 「どうしてよ!! どうしてそんなこと言うのよ! あたしはあんたといっしょにいたいの! あんたと一秒でも長くいっしょにいたいのよ!! なのにどうしてあんたは、あたしとふたりっきりになるのを避けようとするのよ!! 今日だって本当はあんたとふたりで行きたかったのに! あたしの気も知らずに、みくるちゃんとデートしたり、有希や古泉くんとばかり話して。これじゃあ、つきあい始める前と何も変わらないじゃない! あたしはキョンと……あんたといっしょにいたいだけ!! なのに、なのに……どうして……」 目を涙で滲ませ下唇を噛むハルヒの姿は、全身で俺への想いを訴えているようでさえあった。あの気丈なハルヒがこんな風に自分の感情を爆発させて、人前で泣き出すとは…… 思いもよらないハルヒの悲痛な叫びを聞いて、俺は驚愕するとともに、心に罪悪感が込み上げてきた。ハルヒが俺に対してそんな感情を抱いていたなんて、想像すらしてなかったからだ。 俺は、心のどこかでは、ハルヒといままでと同じようにつきあっていければよいと思っていた。そしてハルヒもそのことを望んでいるものだとばかり思っていた。 しかし、ハルヒは俺との仲の進展を望んでいたのだ。そしてハルヒは俺との仲を深めるために多大な努力をしていたのだ。いま、振り返ってみれば思い当たる節がたくさんある。 なのに俺は、そんなハルヒの心情を汲み取ってやることもできず、ハルヒにずっと辛い思いをさせてしまった。自分の不甲斐なさをあらためて腹立たしく思う。 「スマン、ハルヒ。俺はお前のことをもっと……」 俺がハルヒに近寄ろうとしたとき、背後で悲鳴のような叫び声が聞こえた。俺がそちらのほうに振り向くのと同時に、真っ黒な暴走車が俺のすぐ横をかすめるように通り過ぎる。 背後で鈍い衝突音が聞こえた。周囲の時間が、映画のスローモーションのように、非常にゆっくりと流れていくような錯覚に陥る。 あまりにも一度にいろいろなことが起こりすぎて、頭では理解が追いつかなかったが、直感で最悪の事態が起こったということがわかった。理性がそれを否定しようとするが、目の前の現実がそれを許さない。 自分が直感が間違いであって欲しい。そんな一縷の望みにすがりながら、俺がハルヒのほうを振り向くと、暴走車に跳ねられてハルヒが宙に舞う光景が目に飛び込んできた。 「ハルヒ!!」 ハルヒを跳ねた暴走車はそのまま停まることなく、俺の視界から消え去った。 第四章へ
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2178.html
633 :名無しさん:2013/12/03(火) 23 33 35 「諸君、今日の昼食に我らが同盟国より紅茶の補給が届いた。ウィスキーもある。心配せずとも人数分。紅茶もウィスキーも一人一杯づつある、お替りはないが……」 「良し!」 「やはり英日同盟は正解だな、ペティは最高の外務大臣だぜ!」 「だが最悪の問題が発生している――消毒液が我々の部隊には届かない」 「まさか……?」 「究極の選択だ紳士諸君。 このまま昼食を食べて紅茶とウィスキーを楽しみ、アメリカ風邪に斃れるか。 自らに配給された紅茶とウィスキーで消毒して食事を食べるか」 「そんな殺生な!」
https://w.atwiki.jp/jyoshisabetsu/pages/15.html
関連ニュース 質問主意書情報 http //www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/171/touh/t171098.htm 選択的夫婦別姓法案を再提出=野党3党 民主、共産、社民の野党3党は24日、選択的夫婦別姓を認める民法改正案を参院に提出した。同改正案を参院に提出するのは11回目で、衆院でもほぼ同内容の改正案が継続審議となっている。 選択的夫婦別姓のほか、結婚できる年齢を男女とも18歳以上とすることや、現在は嫡出子の半分である非嫡出子の相続分を、嫡出子と同等にすることも盛り込んだ。(2009/04/24-16 12) 時事通信 http //www.jiji.com/jc/zc?k=200904/2009042400660 野党3党が夫婦別姓の民法改正案提出記事を印刷する 民主、共産、社民の野党3党は24日午後、結婚する際に夫婦が同姓か別姓かを選択できるようにする「選択的夫婦別姓制度」の導入を柱とする民法改正案を参院に共同提出した。 同法案は3党が1998年から繰り返し衆参両院に提出しているが、採決までには至っていない。参院では昨年廃案となったため再提出した。 提出後の記者会見で、民主党の千葉景子参院議員は「先輩の女性議員が営々と取り組んできた課題で、成立を求める社会の声は高まっている」と早期の審議入りと採決を求めた。 改正案には<1>結婚できる年齢を男女とも18歳に統一 <2>再婚禁止期間を100日に短縮-なども盛りこんでいる。(共同) [2009年4月24日17時39分] http //www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20090424-486666.html ひどい女性差別ある?ない? 自民部会で激論 2009年4月21日19時2分 自民党の外交関係の合同会議で21日、女性差別撤廃条約の「選択議定書」をめぐって白熱した議論があった。批准を求める意見の一方で、「国連に助けを求めるほどの女性差別は今はない」「堕胎、離婚促進法だ」などの反対意見が続出。党内の合意形成は難しい情勢だ。 選択議定書は、人権侵害を受けた個人や団体が国連の女性差別撤廃委員会に通報できる制度などを盛り込んでいる。99年の国連総会で採択され、今年3月までに英仏独ロ韓など96カ国が批准したが、日本は批准していない。合同会議では、党政務調査会の「女性に関する特別委員会」(南野知恵子委員長)が批准を求めてまとめた提言が取り上げられた。 ある女性議員が「我が国には伝統文化に根ざした法制度がある」と慎重論を唱え、男性議員からは「(批准を)後ろで支援しているのは左翼だ。日本の家庭崩壊の危機は、人権など西洋的な考え方を教えて日本の伝統教育がないからだ」という反対論も出た。 松浪健四郎外交部会長は会議後、「取り上げてもらっただけでもありがたいと思わなくちゃ」と記者団に述べて、党としての意思決定は行わない考えを示した。 http //www.asahi.com/politics/update/0421/TKY200904210285.html
https://w.atwiki.jp/vipdelcb/pages/17.html
ステータス?精霊?は?日本語で 冒険者 ソードマン アーチャー マジシャン アサシン ヒーラー 最初に選ぶ職に悩んだ人のためのところ。お前ら全員ハローワークいってこい ステータス?精霊?は?日本語で ステータスに関しては職説明の欄を参考にして振ってくれ。絶対まんべんなくポイント振るなよ!絶対だからな! 精霊は自分が伸ばしたいステを重視して選べよ。見た目とか声で選んでも現状後から変更きかねーから萌え豚はしね 冒険者 最初から持ってる職業。至って普通。 二次職でVIT+17のパッシブスキルがある。硬い素敵! ソードマン 恐らく最初に選ばれやすい職業No.1 だけど後半使われない職業としてもNo.1 片手剣+盾か双剣が使えるよ。ラインスラッシュずばばばばばwwwwwwwwwwww STRに+補正が付くから狩りもしやすい!素敵!抱いて! 二次職でSTR+17のパッシブスキルがある。あなたの上腕二頭筋に惚れたわ・・・抱いて・・・ アーチャー 遠距離ならまかせろーバリバリ(やめて!) 命中に関しては右に出るものはいない。物理職はアーチャーのパッシブ(命中率うp)にお世話になる C.Lv20から習得できるニードルレインっての覚えたら一気に狩り効率上がるから頑張れ あと弓の攻撃力は(STR+DEX)依存だから強い強い!(通常物理職はSTR依存のみ) DEXに+補正がつくよ。俺に当てられない敵はいねぇんだよ 二次職でDEX+17のパッシブスキルがある。クリトリスを刺激しちゃうビクンビクン マジシャン 四大元素を司るうんたらかんたら。ただ土属性、てめーはダメだ 通称マゾシャン。習得するスキルの属性によってうまうまできるMOBが変わるから勝手に属性調べやがってください OCPを使用してSPを回復するフォースリアクションにより永久機関になれる ステ振りによっては詠唱破棄(無詠唱)なるマジシャンも存在する INTに+補正がつく。タゲられた敵はしぬ。そして自分もしぬ 二次職でINT+17のパッシブスキルがある。タゲられた敵はしぬ。自分は死なない時もあるかもしれない アサシン 厨二御用達の職業。汚いなさすがアサシン汚い 現状狩り最強の基本職。へぶんずくろうー→でもんずだがーで敵はしぬ B.Lv60から装備できる短剣にお世話になる人は多いはず。また他の職で短剣を使う時にもデモンズが役に立つずばばば AGIに+補正が付くからぬるぬる避けるよ。ただし魔法はしっかり避けてねほしみ 二次職でAGI+17のパッシブスキルがある。全ての物理を避ける事がか・い・か・ん(はぁと) ヒーラー 癒し系(笑)姫プレイ(笑) 回復に支援と構ってちゃんにはたまらない基本職。ちやほやされたいならコレ! 通常狩りにはもちろんボス狩りには必須な職業。本でMOBを殴る姿がかわいくて一日は時間が潰せる FAIに+補正がつくよ!あなたの心も体も癒して・・ア・ゲ・ル(♂ヒーラー 42歳) 二次職でFAI+17のパッシブスキルがある。頑張った自分への褒美(笑)