約 16,213 件
https://w.atwiki.jp/hijinrui/pages/632.html
【作品名】キッチンパニック お台所は大騒ぎ 【ジャンル】アクションゲーム 【名前】クロゴキブリ 【属性】ゴキブリ 【大きさ】2~3cm 【攻撃力】【防御力】【素早さ】クロゴキブリ並み 【特殊能力】キモい 【短所】人類の敵 参戦:vol.1 80 89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 23 31 15 ID nY2ftiqD 88 88 考察自体は間違っちゃいないと思う。でもランキング的には「攻撃可能の壁」ってのがどこのスレにもあるから、行動できる分は そいつが微生物だろうが虫けらだろうが、果てはナノマシンだろうが石ころやサンゴよりは上になるんだ これを踏まえてクロゴキブリ考察 テントウムシはゴキブリより遅いし、小さいから不利だろう。主人公スレだとソーセージ>ゴキなので ソーセージ>クロゴキブリ>テントウムシ(攻撃可能の壁)>ももいろサンゴ=ルイゼッタ
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/703.html
ピンポーン。 インターホンが鳴った。 時刻はP.M.6 47。 そろそろかと思っていた。 「えーと、キョンくーん?約束通りに来たよー。」 柔らかい声が、機械通して聞こえる。 「えー……どちら様で?」 鼻摘みながらとぼけて見る。 「へっ?あれれ、でもここキョンくんの家じゃ……えっ、あの!ひ、柊つかさですけど…」 声だけ聞いてても今、アイツがどうなってるか容易に想像出来る。 「ハハハハハっ!」 慌て素振りを見てみたいもんだ。想像しててこんだけ笑えるなんてな。 「その笑い方!キョンくん!開けてよね!」 いつもとは違う、眉間に皺寄せてるんじゃないか?怒られた。 「ハハハ……はぁはぁ…悪ィ、今開ける。」 そう言ってインターホンを切った。 「おーっす、いらっしゃい。」 「ビックリしたよぅ……間違えたのかと思って…」 つかさなら有り得そうだ。 「すまんな、出来心だ。わざわざありがとうな。持つよ。」 そう言って、つかさが手にしている、晩飯の材料が入ったビニール袋を受け取った。 つかさの私服は何とも愛らしい。小動物かのような格好だった。 首元のもこもこが気持ち良さそうだ。 「ふぅ~重かったぁ。」 つかさは左手をぷらぷらと振って、ぐ~っと伸びをする。 「言ってくれれば俺も買い物付き合ってるのに…なんなら俺んちの冷蔵庫の中身だけでも」 「でもね、やっぱりヒトにご飯食べて貰うならちゃんとしたモノがいいなぁ、って思って。 何を作るかはバレたくないしね。」 えへへ、と頬を掻きながら笑う。 ふと、気付いた。 「つかさ……その膝…」 何度か擦り剥いた痕がある。血こそは出てない――いや、固まったのか―ーが。 「ん?コレ?気にしないで、ちょっと買い物した袋を持ったら予想以上に重くてふらっときちゃって。」 空元気で笑ってくる。そういう笑顔は見ててちょっと罪悪感に襲われる。 「ん……悪い…」 「気にしないでよ!私、運動神経ないからよくあるんだし!」 無駄に元気になってくれる。……いいのかね。 「まぁ早く家に入れ。手当てしてやるから」 「あーっ!つかさちゃんだー!」 「あっ、こんばんはー」 突如の妹の登場に驚いたものの、すぐに笑顔で返すつかさは流石だと思った。 「丁度いい。この荷物をリビングまで持って行ってくれ」 手にしてる袋を妹に突き出す。 「えー…なんでー?」 「つかさの足を見てみろ。怪我してるだろう。だからだ」 つかさの足を指差すと、つかさは傷を焦りつつも隠していた。 「だっ、大丈夫だよ!そんな心配してなくてもさ!」 「いーやダメだ。心配するだろ。女の肌に傷つけただけでも悪いってのに」 頼んだ俺が悪いんだからな。過ぎたコトを悔やむより今すべきコトだ。 「んー、わかったー」 そう言って妹は俺の手から袋を取って、両手でふらふらとふらつきながら家に入って行く。 「ほら」 俺は、つかさに背を向けてしゃがみ込む。いわゆるおんぶだ。 「えっ、い、いいって!」 照れ照れとしながらつかさは幾度と断り続ける。 「いいから。乗れって。痛むだろ」 「……じゃあ……ありがと」 つかさがゆっくりと俺の背中に体重をかけていく。 「まぁすぐだからな。我慢してくれ」 「う……うん…」 何か逆上せてるような感じでつかさは返事をした。 どうしたんだか。 おっと、言い忘れていた。 何故つかさがウチの家の晩飯を作りに来たかと言うと、今日は俺の両親がいないからだ。 学校で談笑の中でその事を呟くと、こなたが率先して「じゃあ私がキョンくんのトコの晩ごはん作ろうか?」と言い出したのがきっかけ。 今日は何をデリバリーしようと考えていた俺としては有難い限りだ。拒まず俺は感謝した。 そして、「じゃあ夜7時くらいに行くね、それから―――。ね?」と言って俺は了解してその会話は終わった。 まぁ多少の前後はお構い無しさ。 「これでよしっ」 とりあえず固まった血を濡らしたティッシュで拭き取って、消毒して絆創膏貼った。 というか、これでいいだろう。とりあえずも糞もなし。ベストだ。 「あ、ありがと…」 「いんや、悪いのは俺だ。気にするな」 「で、でも…」 「するなって。な?」 「う…うん」 「キョンくーん。台所掃除終わったよー!」 「おう、サンキュ」 俺がつかさの怪我を治療してる間に妹に台所の片付けを任せておいた。 条件は 1週間宿題の手伝い だ。こうでもしないとな。多少リスクはあるが。 「べ、別にいいのに」 まだ少々つかさはあがってるのか噛むんでしまっている。ふらふらと立ち上がった。 「今日のシェフでもある客人も調理場が汚いままで飯作りたくはないだろ?」 「シェフってそんな美味しい料理作れるわけじゃないよ……でも、ありがとう。ありがとう、ね。妹ちゃん」 そう言ってつかさは妹の頭を撫でていた。妹も嬉しそうだ。 「あ、テレビが始まるー!」 そう言って妹はリビングのソファに飛び込み、リモコンでテレビの電源入れる。 間抜けなOPが流れ出してきた。これからは妹を呼んでも無反応だろう。 「ふふ、キョンくんの妹可愛いね」 「たまには思うがいつもいると大変だぞ」 「そう?でも、家でも キョン って呼ばれてるんだねぇ」 「 キョン って仇名が広まった元凶はアイツだからな。ほとほと疲れるぜ」 つかさは再度笑い出す。なんだ、羨ましいのか? 「そうだね、羨ましいのかも。私お姉ちゃん3人いるだけで下にいないからね」 俺としては姉がいた方が勉強とか教えてくれたり、社会的にも楽じゃないか?と思うがな。 「そう?でも、妹とか弟の方が楽しいと思うよ」 なんなら俺のウチにでも来てくれたら妹が喜んでくれるぞ。 俺も歓迎するしな。 「え?いいの?」 ああ、妹もそっちの方がいいに違いないからな。 「ありがとっ、それじゃあ行ける時にはお邪魔するね」 ああ、その時は大したモン出せないかも知れんけど我慢してくれな。 ――っと、そろそろ料理始めるか。 「あ、そうだね。キョンくんお腹大丈夫?」 そう言いながらつかさはぱたぱたと俺のお袋のエプロンをちゃちゃっと着て台所につく。 俺の腹はつかさの料理に飢えているぞ。耐えれるけどね。 「あっ!ゴメンキョンくん。買い物袋持ってきてくれる?」 忘れてたぜ。人間2人が台所に突っ立っててもどっかの某猫型ロボットのようになんとかなるわけじゃないもんな。 俺は小走りでリビングにある袋を回収して台所に戻った。 ついでに、台所のキッチンテーブルに中身を置いていく。 えっと……卵にケチャップと鶏肉?それに冷凍のミックスベジタブルか。 「あ、ありがとー。さぁ、今日の晩ごはんはなんでしょー?」 妹が美味い飯を食った時のような笑顔を俺に向けてくる。くそ、可愛いな。 さて、どうしたもんか。問題についてだ。 今目の前にいる皆は解ったか?つかさらしいと言えばつかさらしい料理だ。 考えてみろ。卵にケチャップだ。単純なスクランブルエッグかも知れないが、そこに鶏肉だ。 これは1つの料理であって、これで1品、と考えてみろ。 必然と1つしか答えがないハズだ。……多分そのハズだ。 俺は解答を口にした。 「――オムライスか」 「わー、キョンくんわかっちゃうんだ」 オムライスはカレーとかに次ぐ子供の定番メニューだ。 1番の楽しみはケチャップでの文字だとも取れる。 あの4人の中で唯一、内外見共に子供のように愛らしいつかさならではの選択だろう。 「これなら妹ちゃんも好きかなーと思ってね」 あいつは見たまんまだからな。大丈夫だ。 「ならいいんだけどね。……キョンくんは大丈夫かな?」 作ってくれた飯に文句は言わないぜ。知人なら尚更だ。 「そう?よかったぁ」 ほっと胸を撫で下ろし、つかさはまな板と包丁を取り出す。 その時だ。 ピーッ、ピピピ、ピーッ 電子音が台所に響いた。 「あ、キョンくん覚えててくれたんだ」 今は会話で忘れてたけどな。 説明しよう。 話はつかさが来た時に話した件に戻る。 「それから―――」のところだ。 「それから、―――ご飯炊いておいて。ね?」 と言われて俺は了解したのだった。 成程。効率をよくする為だったか。納得した。 「それじゃ、お釜を出さないと……」 そう言いながらつかさは台所を見回し始めた。 どうした? 「いや、あの……熱いモノを持つ為の手袋みたいなの…あるかなって…」 なんだ、そういうことだったのか。迂闊だ。 それなら、この戸棚の内側に……。 「あ、つかさはいいぞ。俺がやる」 「え?でも」 「こういう飯盒炊さんの時の飯盒役みたいな仕事は男の仕事だろ。せっかく可愛いんだから火傷なんかさせたら俺が殺される」 ハルヒやかがみがこっぴどく怒ってくるのを想像したらゾッとするぜ。 俺は、つかさが率先する前に戸棚から鍋掴み――でいいのか?――を取り出して自らに装着した。 「あ、うん……それじゃあお釜を出してしゃもじでご飯掻き混ぜといてくれるかな」 「おう」 短く言葉を返して俺は炊飯器の蓋を開ける。 もわっと炊けた白ご飯の美味そうな匂いを含んだ熱い水蒸気が天井に向かって上っていく。 まともに喰らってしまった。 「おぅ!?あ、あつっ!」 「へ?わっ!キョンくん大丈夫!?」 まな板を洗っていたつかさが、手拭きタオルを水で濡らして即座に駆け寄って渡してくれる。 「あ、ありがとうな…不注意だ」 くそ、かっこわるいなぁ俺。思いながらあったまった顔を水で冷やす。 「ふふ、キョンくんも結構ドジなんだね」 「ん、悪い…もう大丈夫だ」 タオルをそこら辺に適当にかけて、釜を持ち上げる。案外重いな。 「おっと……よいしょっと」 アルミのキッチンテーブルに鈍い音が響く。 炊飯器の横に備え付けられているしゃもじを右手にご飯を掻き混ぜてやる。 横を見ると、つかさが丁寧に鶏肉をさばいていっていた。 皮の部分は切り外し、双六で使うサイコロ大の大きさに切っていく。 「手馴れたもんだな」 「え?そ、そうかな。いつもお母さんの手伝いとかしてるだけだけどね」 「努力が身についた、ってか」 「そ、そんなんじゃないよ…やり方わかったらキョンくんでも綺麗に切れるし」 へへ…、と笑いながら言うつかさの心中はちょっと重そうだった。 気付いてないだろうがな。切ってる鶏肉が大きくなってるぞ。 まぁ言わないけどな。 「つかさ、そんなもん誰だってそうだろ。 料理してたら料理が上手くなるし、ゲームしてたらゲームが上手くなる。 スポーツしてたら自然とそのスポーツのやり方がわかる。 人間、結局はやるかやらないか、だ。俺に限って言えば料理は後者だけどな。 自身持て。それはお前の特徴だから、な?」 柄にもないコト言っちまった。 「そう、かな……。うんっ、ありがと!」 こっちを向いて、また 別の 笑顔を見せてくれた。 「それじゃ、フライパンにミックスベジタブル、乗せといてくれるかな。あ、大きめのフライパンでお願いね」 次の指令を承った。 俺は、別の戸棚から1番大きいフライパンを取り出し、ミックスベジタブルを半分くらい入れる。 「それでね、炒めといてくれるかな?しばらくしたらケチャップをかけて、ご飯を入れてね」 「わかった」 そう言ってガスコンロがチチチチ...と鳴らせる。火が灯る。 木製のヘラを取り出して満遍無く混ぜてやる。どうだ、香ばしくなってるか? 30秒くらい中火で炒めて、ケチャップをかけて更に混ぜる。 「それで、次はご飯、か。」 ケチャップが香ばしくなるという料理経験の少ない俺にとっては珍しい匂いを堪能している時だった。 ぱしゃっ 液体 が床に跳ねた音が、した。 「きゃっ!」 何事かと思い、右を見る。 つかさが尻餅をついて、なんというか。何をしていたかはわかったが。 あまりにも色んな面で惨いと言うか。台所の床が畳とかじゃなくて洋風の床でよかったと言うか。 「……つかさ、大丈夫か?」 第一声がそれであった。 俺は火を止めて、つかさの元へさっきのタオルを持って駆け寄った。 「あ、うん……ゴ、ゴメン……」 簡単に言うならば、というか簡単にしか言えないが。 卵掻き回してたつかさが足滑らせて溢した、ってコトだ。 しかも、器に入ってた卵が先にテーブルから落ちてるから、その上に尻餅をついていた。 「いや、別にウチのコトとかはいいから。すぐ拭けるしな。とりあえず服だ」 「あぅ…下着には染み込んでないみたいだけど……気持ち悪いよぉ…」 つかさは軽く涙目になる。 とりあえず手を差し延べて体を起こしてやる。 「とりあえず、下着は大丈夫なんだな。んじゃあスカートだけでも履き替えるか」 「! えっ!?いいよいいよ。気にしなくても。ちょっと我慢すれば…」 顔を赤くして、溢した卵をタオルで拭こうと再度しゃがみ込む。 が。 「ひあっ!」 あまりに冷たかったんだろう。立ち上がる。 木枯らしの舞うこの季節なら店に備わってる温まってない洋式トイレの便座に座った時と同じだろうな。 「つかさ、無理はするな。ズボン貸してやるから」 流石にジーパンならデカ過ぎるだろうが七分ズボンならちょうどいい具合だろう。 「あ、いや、別に…」 「つ・か・さ」 言っとくが、命令みないなもんだ。つかさはどことなく 引く 癖があるからこうでもしないと… 「……わかったよぉ…」 すまんな、わざわざ萌え衣装とかに無理矢理着替えさせるわけでもないんだからいいだろ? 俺は自室のタンスからズボンを取りに行くと、その間に洗濯機のある洗面所に行かせたつかさの元へ持って行った。 「ほら」 「あ、うん……ありがと…」 少々顔を赤くしているつかさに渡してやる。 「脱いだスカートは洗濯機の上に置いといてくれればいいぞ。後で洗濯くらいしとくしな」 「えっ?わざわざそこまでやらなくてもいいよっ」 「同じ濡れてるモン持ってかえるにしても綺麗な方がいいだろ?」 「まぁ…そうだけど……」 「ならいいじゃないか。置いといてくれな」 「あ、うん…」 流石にいつまでも着替えたいであろう女子の近くにいるのも不憫なので台所に戻る。 「あー…そういやケチャップ…大丈夫か?」 リビングを経由して台所に向かう途中、ソファでは妹は幸せそうに寝息を立てていた。 「やれやれ」 そう言って、ソファの端で妹の足の下にある毛布を引っ張って掛けといてやった。 「……見事に固まってるな」 ご飯入れてないからか。絡まらずにケチャップは固まっていた。 もう1度ガスコンロに火を点けてケチャップを溶かしていく。 再び良い匂いがしてきた。 「おっと、卵も掻き混ぜないとダメだったな」 つかさがいる方が指示してくれて楽だったな。 頼もしい味方がいないのはどの状況であっても心細いもんだぜ。身を以て知る。 先程の器を洗って、つかさが買って来た卵を2つ程拝借し掻き混ぜる。 「あー!キョンくん!ケチャップ焦げてるよ!!」 後ろから叫び声というか、叱りの声が聞こえた。つかさが帰って来てた。 「えっ、な!うわ!やべっ!」 即座に器と掻き混ぜるのに使っていた橋を置いて、ケチャップを混ぜる。 「もー…」 「わ、悪ぃ…」 「それじゃ、そこにご飯を入れて。2人分くらい」 元々逆らってないが、もう逆らえない……すまん、つかさ。 だが、それよりも…… 「中々、似合ってるな」 さっきは怒声を浴びた時に瞬間的にしか見てなかったが、落ち着いて見れば。うん。 滅多に使ってないからそのズボン、あげようかね。 「そ、そんなことないって!大して意識してるワケでもないしね。ってこれはキョンくんが貸してくれたズボンだけど」 つかさはまたもや照れながら、俺に代わって卵に下味をつけていた。 俺はご飯をフライパンに入れて、しゃもじでケチャップとかと混ぜ合わせていた。 「…なぁつかさ」 「ん、何?」 「つかさは、もうちょっと前向きに行くというか。謙虚過ぎやしないか?」 「え、どうしたの?急に」 つかさの手が止まる。 俺は視線をフライパンに向けたまま、まだ喋る。 「つかさは自分の長所を否定し過ぎてると思うんだ。なんて言ったらいいかわからんが あまりにも自慢し過ぎるのもよくないけどな、その逆もダメだと俺は思う。」 「………」 「だから、さ。もうちょっと自分を褒めてあげたら……どうだ?」 「………」 これは自分にも言ってるんだけどな。俺も自ら卑下にするタイプだ。というか人間殆どそんなもんじゃね? ………炒め終わりそう、なんだがな。 俺がそう言ってから1分くらいか、ずっと重い沈黙が漂っていた。 「………」 つかさを横目で見ると俯いていた。ずっとだ。 言い過ぎたかね……俺としてはつかさはそうした方がいいと思ってたんだが。 「つか「そっか…」 声が重なった。どうしたつかさ。 「前向き、かぁ……」 言ってる意味が解らない。何をずっと考えていた? 「つかさ…?」 「うんっ、そうだね!ありがとキョンくん!」 急に振り向いて笑いながら結論だけ述べて来た。 「……どうした?」 「いや、今さっきキョンくんが私に言ってくれたことを考えてたんだけどさ…うん。 思えば私、少し引き過ぎてたかなって」 そのことか。 「そうだよね。ちょっと私前向きに行こうかな。すぐには無理かも知れないけど…」 つかさは再び卵に目を戻した。 自然と笑みが零れた。つかさの笑顔が見違えたからだ。 さっきまでの笑顔も良かったさ。俺や妹が面白いモン見て笑ったりする時の笑顔だ。 けれど、今見せてくれた笑顔は違う。 ハルヒが俺達に提案して来た時の笑顔。 もっと言えば、あの 2人きりの閉鎖空間 で 神人 を見た時の笑顔だ。 全身が喜びに満ち溢れてるのがよく解る時の、だ。 「ああ、つかさはその方が絶対良い」 俺に言えるのはそれだけだった。 「キョンくん、もし私が引いてたら、よろしくね?」 勿論だ。出来る限りやってやるよ。 「ありがとっ!」 きゅるる~…… 腹の虫が鳴った。つかさの、な。 「あ……///」 つかさは誤魔化そうと、頬をポリポリかいて言い訳しようとする。 「――急いで作るか。」 「う…うん、そだねっ」 もういいよありがとう、と言われて俺は料理から離脱した。 それからつかさの背中には何かオーラのようなものが見えた。気がした。 溶いた卵を別の火にかけたフライパンに箸を通じて広げる。 しばらく放置し、いい具合に液体が固体と化して来たらその上に手製チキンライスを乗っける。 そしてトドメに両端を巻いて―――完成。 俺に出来る事ははせいぜい皿を置く事くらいだった。 それをあと2つ。つかさは手早く行ってくれた。 「――これで、よしっ!」 真面目になり過ぎていたせいか、つかさの頬に汗が垂れる。 俺はリビングのテーブルにつかさがそれぞれの名前をケチャップで可愛らしく書いたオムライス3つを運ぶ。 卵の甘い匂いが否が応でも鼻に入って来る。 コップ・スプーンを3つずつ揃えてから、妹が寝ていることを思い出す。 「おーい、起きろー?」 妹の顔を覗き込んで見ると、涎を垂らせていた。 今から本当の飯だってのに…もう食ったってか? そんなことを言っても虚しいだけなので妹の体を揺すって起こしてやる。 「ん…ぁ?……あれ、カボチャのトマトスープは……?」 ンな不味そうなモン知るか。 「晩飯、出来たぞ」 「わーい!」 がばっと起きて妹はすぐさまテーブルに座ってこぽこぽとお茶を入れ始める。 「あ、起きたんだ、おはよー」 台所からエプロンを外したつかさが出て来る。 「おいしそーだね。あ、私の名前!つかさちゃん上手だねっ!」 「そう?ありがとう。それじゃ食べよっか。キョンくん早くー」 この短い距離で走ることもないか。 多少早めに俺は妹とつかさの正面の席に腰を置いた。 「では」 「いっただっきまーす!」「頂きます」「いただきます」 俺とつかさは素朴に手を合わせ、妹はスプーン片手に食前の挨拶をした。 食事中は殆どつかさと妹の会話だった。というか俺が傍聴人でいた感じだな。 互いの学校での暮らし方とか、妹の友達のこととか、俺達の部活での行動とかな。 楽しい時はすぐ過ぎる、体感時計の宿命だ。 オムライスを平らげてからもまだまだ話が続きそうだったので、 俺は少々席を外して勝手ながら予告通りつかさのスカートに洗剤を少量付けて洗濯機に投入。 3分くらい回した後タイマーを手動で止めて、乾燥機にダイビングさせる。 今度はタイマーを全部回す。 後は勝手に止まるので戻ることにした。 「あ、お帰り。もしかしてスカート洗濯しといてくれたのかな?ありがとー」 台所に行くとつかさが皿を洗っててくれていた。 「あ、悪い。俺がやらないといけないってのに」 「いいよ別にー。キョンくんは私のスカート洗ってくれてたんだしね」 「ん、そうか。ありがとう」 「どういたしましてー」 泡だらけの皿を水で流して乾燥機に綺麗に並べてこっちの洗濯は終わった。 ピンポーン インターホンが鳴った。こんな遅い時間に誰だ。 「柊――かがみですけど。キョン?つかさ迎えに来たんだけど…」 これは驚いた。そんな話は聞いてなかったしな。 「お、おう。今開ける」 扉を開けて玄関に入れるとビニール袋片手に現れた。 「お邪魔するわねー。あ、つかさ」 「お姉ちゃん!?ど、どうしたの?」 「いや、ちょっと喉渇いたからコンビニ寄ったついでにつかさを迎えに行こうかなって……迷惑だった?」 「い、いや、私は別にー…」 「ちょうど今食い終わったところだ。わざわざすまんな」 「いや、こっちも悪かったわね。つかさがまたドジってなかった?」 「つかさは実に美味い飯を作ってくれたぞ。金払ってもいいくらいだ」 「別にお金なんていいよいいよっ。あんなのでお金貰っても……」 「あ…つかさ」 「?……あ。」 「?」 つかさが引いてしまった。そのことを突っ込むとつかさもうっかりしてたようで。 かがみは理解してなかったが。 「そ、それじゃ帰るねっ」 「おう。また明日、な」 「今日はつかさの面倒見てくれてありがと。はい、お土産というか差し入れというか」 かがみはそう言いながらビニール袋の中からファン夕とゴゴ〒ィーを差し出してきた。 「サンキュー。今度何か返すわ」 「いいわよ別に。自然と返してくれる時はあるだろうしね」 「む…そうか」 「それじゃあね。長々と悪かったわ。おやすみ」 「あ、それじゃ、おやすみー」 手をひらひらと振りながら2人は扉の反対側に行った。 リビングに戻ってテレビを見ている妹にファン夕を放ってやり、俺はもう一本は冷蔵庫に入れる。 何となく慌しかった所為か、静まってると眠気が襲って来た。 「俺は先に寝るから、お前も早く寝ろよ」 「あ、んじゃあ私も寝るー」 さっきまで寝てたのに寝れるのか。 突っ込もうと思うが欠伸が止まらん。 先に妹が自分の部屋に戻ったので俺が渋々一階の電気を全消しするハメになった。 「ふわぁ……」 ダメだ。なぜか眠いぞ。 何かもう階段上るのも面倒だからソファで寝ることにした。 次の日、ソファで寝てた所為か6時くらいに起きれた。 スカートを乾燥させてそのままなのを思い出して、綺麗に畳んで適当な紙袋に入れて学校に持っていった。 学校に行くと、10人くらいの生徒しかおらず、その中につかさはいなかった。 今日当たりそうなところの問題を予習しているとつかさは来た。足の怪我は良さそうだ。 つかさも紙袋に俺が昨日貸したズボンを入れて持って来ていた。 互いに渡し受け取っていると、そのシーンをハルヒや谷口に目撃された。 それからはハルヒからは詰問。谷口からは泣かれて「友達だったのに」発言連発。 誤解が解けるのに1日要したのは余談とさせて貰おうか。 ――アフターディナー―― 「ふんふんふ~ん♪」 今晩の私はご機嫌だった。 キョン君の家でご飯作れたのもそうだし、何よりキョンくんが優しかった。 って、いつも学校でもそれなりに優しいけど……何か別の 優しさ だった。 「つかさ、どうしたの?嬉しそうじゃない」 横にいるお姉ちゃんが私の陽気さに気付く。 「ん、嬉しいよv」 お姉ちゃんの方を向いてにこっと笑ってあげた。 「ふふ、良かったね」 お姉ちゃんも釣られて嬉しそう。 「あ、はい。これ」 そう言ってお姉ちゃんはビニール袋から私の分のジュースを取り出してくれた。 「ありがとー」 そう言って受け取り、一口飲んだ。 「上手に、出来た?」 「うん。最終的にはね」 「へぇ、つかさでも失敗するんだ」 お姉ちゃんは驚いてこっちを見る。お姉ちゃん、誰だって失敗はするよ? ム、としながらもう一口、二口。ジュースを口に入れて体に通す。 少し寒くなってしまった。秋風が秋を知らせてくれる。 「で、何を得たの?」 唐突に質問された。 「え?」 聞き直した。 「だから、失敗した時同時に何かを得ているんだ……って昔から言われてたでしょ?」 ああ、お父さんがよく言ってたなぁ。 だから、失敗を恐れるな。って言葉が続いてたっけ。 何を得たかって?そりゃあ、ね――― ≪もうちょっと自分を褒めてあげたら……どうだ?≫ キョンくんの言葉が木霊する。 前向きに、後ろを振り向かずに、迷わずに。 私は変わろうと思った一言。 私が 得た モノ。 心の中で反響する。染み渡る。 段々と自分が見違えるかのような感覚に陥る。 心地良い。 私は、笑顔で、躊躇わずにこう言った。 「自分、かな?」 ……言ってから照れ臭くなってきちゃった… 誤魔化す為にまた、キャップを開けてジュースを体に入れる。 「ふふ」 お姉ちゃんが含んで笑ってきた。 「な…何?」 「いやぁ、つかさ。明るくなった気がして。 いや、いつも明るいけどさ」 「そ、そうかな?」 「まぁいいか。つかさが元気になるのは家も賑やかになるしさっ」 お姉ちゃんはそう言って、気付くと辿り着いていた家の扉を開ける。 「キョンはつかさを幸せにしてくれそうだし」 ……へ? それ、どういう………… !!! 「お姉ちゃん!!!」
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/1284.html
何か陰謀が動いているけど鴉一家は幸せでいてほしいな -- (としあき) 2013-04-25 17 56 47 文章のテンポいいね -- (名無しさん) 2013-04-26 01 11 56 なんとなくBADEND臭がする -- (名無しさん) 2013-04-28 12 03 29 樹の上の家面白い。でも台所は分かるけど鍛冶場は火事にならない? -- (名無しさん) 2013-05-06 22 31 04 鳥人最大の空を飛べるという翼と戦士としての力によって軍事大国になるのも自然な流れだったのでしょうね。マセバズークに負けたとはいえ力持つ側としての高慢さは中々変わらないのでしょう。心のふれあいとあたたかさが民から国を変えていくような光の裏でうごめく影がとても不穏です -- (名無しさん) 2016-07-03 18 16 21
https://w.atwiki.jp/suka-dqgaesi/pages/2872.html
187 :名無しさん@HOME:2009/01/21(水) 20 39 02 O 台所で私の背後から乳揉んできたから、ぎゃー叫んでみぞおちに肘鉄食らわせたら、ウトが踞った。 そのときトメが「嫁さんっダメよ!」言いながらこっち向かってきたけど、 トメは何も無いどころでつまづいて「ぎゃー」言いながら 踞ったウトにエルボー食らわせてた。 おとーさん、ごめーんと言いながら、トメの顔は笑顔だった。 次セクハラしたら容赦しないから覚悟しな、と ウトには宣言しているので、ウトが泣くまでトメと二人で ウトを〆あげてみました(暴力はあれなので言葉で)。 旦那にもメールで報告したら「よくやった。けれども申し訳ない」と返事が来ました。 旦那も帰宅したらウトを〆るそうです。 次のお話→275
https://w.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/1072.html
Top 三題噺 「擦り傷」、「狼」、「豆腐」② 314 名前:擦り傷、狼、豆腐[sage] 投稿日:2008/11/21(金) 00 44 16 ID Uj4WnWqr 「母ちゃん!来た!狼!来たって!やばいって!」 台所の母親はハアーッと溜息をついて 「あのね健。ここ世田谷区よ?何が狼よ、バカじゃないの」 「危なかったんだって。噛まれそうになったしおれ」 「もうね、お前みたいな嘘つきは豆腐の角に頭ぶつけて死ねばいいよ」 「そんなの擦り傷にもなんねーよ」 「嘘の次は屁理屈か?二階行ってなさい!」 怒鳴り疲れた母親がテレビをつけると七時のニュース。 「東京世田谷区でAさんの飼っていた狼が逃げ出しました」 母親はせんべい片手に呟きました 「おお、かみよ」 名前 コメント ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/508.html
「消極的制裁行為」 ゆっくりたちが多く暮らしている、人里に隣接している草原。 ひらひらと宙を舞う蝶を追いかけて、ぴょんぴょん跳ねているのは一匹のゆっくりれいむだ。 れいむは綺麗なお花畑の花を踏み潰しながら、夢中で蝶を追いかけていく。 「ゆっゆっ!ちょうちょさんまってね!!」 ぴょんと大きくジャンプするれいむ。 口をあんぐりと開けて、蝶を飲み込もうとするが…紙一重のところで避けられてしまう。 「ゆぐぐぐぐ!!ひどいよちょうちょさん!!ゆっくりたべられてね!!!」 地団駄を踏むれいむ。しかし、蝶だってそう簡単に食べられてくれるわけがない。 れいむが追う蝶は、そのまま木の上のほうへ上っていった。 「ゆゆ!!まってねちょうちょさん!!」 枝の隙間をぬって飛んでいく蝶。 れいむはそれを目視すると、勢いをつけて大きくジャンプした…! 太い枝の上に飛び乗ったれいむ。その枝を伝って、蝶を追いかける…が。 一瞬の油断だった。焦ってしまったばかりに、れいむは足を踏み外してしまったのだ。 「ゆゆぅ!!おちちゃうよ!!」 このまま地面に激突すれば、無傷ではすまない。 直後襲うであろう激痛の恐怖に、れいむは強く目をつぶった。 がさがさ!!がささっ!!! しかし、れいむは地面に落下することはなかった。 れいむはゆっくりと目を開く。何故か、目に映るもの全てが逆さまだった。 そして、宙に浮いているような不思議な感覚。 れいむ自身には、何が起こったのかわからないだろう。 実は枝から落ちたときに、れいむの髪飾りが細い枝に引っかかったのだ。 その細い枝はそのままれいむの体重を支え、結果としてれいむを地面への落下から守った。 ぐい~ん! 枝の弾力で上のほうへ引き戻されるれいむ。 地面への落下を免れたれいむは…上下逆さまの状態で宙吊りになっていた。 当のれいむも、だんだん状況を理解していく。 自分が助かったとわかると、安心して「ゆっくりぃ~♪」と微笑んだ。 だが、本当の悲劇はここからだった。 十分ゆっくりしたので家に帰ろうと、枝から降りようとする。 そこで、初めてれいむは自分が置かれた状況を、正確に理解したのだった。 「ゆっ!ゆっ!」 宙吊りのままのれいむは、ゆっさゆっさと体を揺さぶる。しかし、枝から自分の身体が外れる気配はない。 髪飾りは、周囲の細い枝としっかり絡まっている…四肢を持たないゆっくりには解くことは出来なかった。 「ゆー!だれかたすけて!!ここじゃゆっくりできないよ!!」 最初は浮遊感を楽しんでいたれいむだが、自力での脱出が無理だと分かった途端助けを求め始める。 しかし…周りには人間はおろか、ゆっくりや他の野生生物もいない。 仮に見つけてもらったとしても、助けてもらえる保障はどこにもないのだ。 「ゆっくりしたけっかがこれだよおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 あれから3時間。 おでこに止まった蝶に「ゆっくりたべられてね!」と舌を伸ばすも届かず、あっさり逃げられた。 あるとき、人里のほうから子供たちがやってきた。誰も居ない寂しさから開放されて喜んだれいむ。 れいむはその喜びを表現しようと、歌を歌い始めた。 「ゆっゆっゆ~♪」 しかし、その歌を気持ち悪がられ「きもーい!」「しね!!」などと罵られる。 「ゆ!!れいむはきもちわるくないよ!!れいむはかわいいゆっくりだよ!!」 とれいむが口答えすると、子供たちは下から木の棒でつついたり、ぺちぺちと全身を叩いたりして れいむの反応を楽しんだ。その間もれいむを罵倒し続ける子供たち。 とうとうれいむは泣き出してしまった。 「ゆっ…ゆゆっ、ゆ゛っぐり゛いいいぃぃぃ!!!」 「うわ!!こいつ泣いてるぞ!!気持ちわりぃ!」「もう飽きたな。早く帰ろう!」 「皆でおやつ食べようぜ!お母さんがクッキー焼いてくれるって!」 宙吊りのれいむを放置して、子供たちは走り去っていく。 そして、事態は一向に進展しないまま、今に至る。 「ゆっくりー!!」と叫んでみても、誰も来ない。 それに、だんだんお腹がすいてきた。 きっと、さっきの子供たちは今頃おいしいおやつを食べているだろう。 そう思うと、れいむの空腹はさらに強くなってくる。 「ゆっくりぃ…」 お腹に力が入らず、声が出ない。 たまに体を揺さぶってみるが、やはり無駄だった。細い枝に引っかかった髪飾りは、びくともしない。 諦めて、宙にぶら下がったままうとうとし始める… そこへ、一人のお兄さんがやってきた。 「お、君はそこで何をやってるんだい?」 お兄さんは何かがいっぱい入った籠を背負っている。 話しかけられたれいむは、ゆっくりと質問に答えた。 「ゆ!ゆっくりひっかかっちゃったよ!!」 「そうか、だから逆さまにぶら下がってるんだね。…それ!」 ぴん!とれいむの体を指ではじくお兄さん。 ゆらゆらと振り子のように揺さぶられるれいむは、ぷんぷんと体を膨らませた。 「おにーさんひどいよ!!ゆっくりたすけてね!!」 「あはは、面白いなぁ♪…よし、今から下ろしてあげるから、ちょっと待っててね」 すると、お兄さんはれいむの髪飾りに絡まった細い枝を丁寧に解いて、れいむを地面に下ろしてくれた。 「ゆゆ!!ありがとう!!これでゆっくりできるよ!!」 「そうかい、じゃあ僕は帰るから、ゆっくりしていってね!」 れいむに背を向けて去っていくお兄さん。 彼が背負っている籠の中身がれいむの目に入ると、れいむは大声でお兄さんを呼び止めた。 「おにーさん!!それなあに!?」 「あ、これかい?これは“りんご”だよ。食べたことないの?」 「たべものなの!?れいむたべたいよ!!ゆっくりちょうだいね!!」 遠慮の欠片もないれいむ。お兄さんの目の前にやってきて、図々しく大きな口を開けた。 「うーん……それじゃあ、お兄さんの家に来てくれるかい?来てくれればりんごをあげるよ」 「ゆ!!いくよ!!おにーさんのおうちでゆっくりりんごをたべるよ!!」 「そうと決まったら早速出発だ!お兄さんの家はこっちだよ」 そうしてお兄さんとれいむは、人里離れたお兄さんの家へと向かった。 お兄さんが扉を開けると、れいむはすごい勢いでその中に飛び込んだ。 昼間から木の枝に宙吊りになっていたから、今まで何も食べてないのだ。 本能に忠実なため空腹には勝てない。部屋のど真ん中に鎮座したれいむは、大声で叫んだ。 「おなかすいたよ!!はやくりんごちょうだいね!!」 「はいはい、今出すからね」 お兄さんは籠の中からりんごを3つ取り出すと、れいむの目の前に置いた。 「むしゃむしゃ…しあわせ~♪」 お腹をすかせていたれいむは、あっという間に3つのりんごを食べつくしてしまった。 「りんごおいしいね!!でもこんなんじゃたりないよ!!もっとちょうだい!!」 「これ以上はダメだよ。残りは明日食べようね」 そう言って、りんごの入った籠を台所に持っていってしまうお兄さん。 れいむは不満そうな顔をしながらも、我慢することにした。 「さて、僕はちょっと用事があるから出かけるね。れいむはゆっくりお留守番しててね」 「ゆゆ!!わかったよ!!ゆっくりまってるね!!」 「じゃあ行ってきます…あ、そうそう、ひとつだけ約束して欲しいことがあるんだ」 お兄さんはれいむの目の前にしゃがみ込んで、神妙な声で語りかける。 ただならぬ雰囲気を感じたれいむは、「ゆ?」と首をかしげた。 「台所にはりんごが沢山あるんだけど…“ぜ っ た い に”食べたらダメだよ」 「ゆゆ!!」 「お兄さんとの約束、守れるかな?」 れいむはしばらく考え込んだあと…ぴょんと跳びはねながら満面の笑みで答えた。 「まもれるよ!!りんごはもうたべないよ!!あしたたべるんだもんね!!」 「そうそうよく分かったね、れいむは偉いね。じゃあ行ってきます。 お土産も買ってくるから楽しみにしててね!」 お兄さんはれいむに手を振りながら、笑顔で家から出て行った。 お兄さんが家から出て扉を閉じると…れいむは一目散に台所へ向かった。 もちろん先ほどの約束は覚えている。覚えているが、れいむはその約束を破るために台所に来たのだ。 台所に入ると、床の上にはりんごが沢山入った籠が置いてあった。 しかし、その籠はかなり大きいため、このままではりんごを食べることは出来ない。 そこでれいむは、ここから跳びはねて籠の中に入ればいい、と考えた。 「ゆゆ…ゆっくりとぶよ!……それっ!」 しかし、れいむが思い描いたとおりにはならなかった。れいむは自分の跳躍能力を過信していたのだ。 れいむの体は籠のふちに当たって、そのままぼよんと床落ちて2,3回弾んだ。 「ゆ!いたい!!いたいよ!!」 バウンドが止まると、れいむは体勢を整えて籠のほうに目をやる。 そこには… 「ゆゆ…やったね!!さくせんせいこうだよ!!」 先ほどの衝撃で倒れた籠が転がっていた。りんごは床の上に転がってしまっている。 予定とは違うが、結果オーライ。れいむは早速りんごを貪り始めた。 「むーしゃむーしゃ!!しあわせ~!!」 それは、れいむにとって最後の“しあわせ”だった。 時間も忘れて、りんごを食べ続けるれいむ。 ふと、遠くから扉を開く音が聞こえ、続けてお兄さんの声も聞こえてきた。 「ただいまー!」 「ゆ゛っ!?」 そこで、れいむは初めて我に返った。 周りには食いかけのりんごが撒き散らされている。 そして、倒れたまま転がっている籠。 れいむは今になって気づいたのだ…このままでは、約束を破ったことがバレてしまう、と。 「ゆっゆゆ!!」 慌ててその場を跳ね回るれいむだが、いまさらどうにかなるわけでもない。 台所にやってきたお兄さんに、決定的な犯行現場を目撃されてしまった。 目の前の惨状に、思わず声を上げてしまうお兄さん。 「これは…!」 「ゆゆっ……お、おにーさんのりんごおいしかったよ!!もっとたべさせてね!!」 こんなことを言いながら、精一杯媚びた笑顔を浮かべるれいむ。 一瞬お兄さんのこめかみに青筋が浮かんだが、れいむはそれを見ていなかった。 「…はぁ」 大きなため息をつくと、お兄さんはれいむの方へと歩み寄る。 何かされると思ったれいむは、強く目をつぶった。 「ゆゆ!!ゆっくりやめてね!!……ゆ?」 次にやってきたのは、痛みではなく浮遊感だった。 目を開けると、れいむはお兄さんに抱きかかえられており、そのまま最初の部屋に連れ戻された。 宙で手を放され、ぽよんと床に落ちるれいむ。 「ゆ?ゆるしてくれるの!?」 お兄さんを見上げて声をかけるが、お兄さんは無言で台所へ行ってしまった。 おそらくれいむが荒らした台所を片付けるためだろう。 とりあえず危機は去ったと思ったれいむは、その部屋でゆっくりし始める。 床の上をコロコロ転がったり、ベッドの上でぽんぽん弾んでみたり。 でも、お兄さんがいつまでたっても戻ってこないので、れいむは退屈になってきた。 ちょうどそのとき、れいむはあることを思い出して…お兄さんのいる台所へと向かった。 そこでは、れいむが食べ散らかしたりんごをお兄さんが片付けている最中だった。 「おにーさん!!おみやげはどこ!?れいむにゆっくりちょうだいね!!」 「……」 満面の笑みを浮かべるれいむに、沈黙するお兄さん。 お兄さんの顔はぴくりとも動かず、台所の片づけを続けている。 何か返答があるのだろうと待っていたれいむだが、いつまでたってもお兄さんは答えてくれない。 「おにーさん!!おみやげちょうだい!!れいむにちょうだい!!」 ぽんぽんお兄さんの目の前で跳ねて見せるが、お兄さんはまったく目もくれない。 邪魔そうにするそぶりすら見せない。 やがて台所を片付け終えると、お兄さんは先ほどの部屋に戻って本を読み始めた。 「れいむをむししないでね!!れいむにおみやげちょうだいね!!」 お兄さんの視界に入るように、喚き散らしながら上下に跳ねるれいむ。 それでもお兄さんはまったく反応しない。まるで、れいむが見えていないかのように… さすがのれいむも、何かが違うと感じ取ったのだろう。 形容できない怖さに身を震わせながらも、れいむは必死にお兄さんの目の前でジャンプする。 「おにーさん!!れいむはここにいるよ!!むししないでね!!」 が、返されるのは沈黙だけ。 お兄さんは本を読み終えると、それを本棚に戻してベッドにもぐりこんでしまった。 歯を食いしばって「ゆぎぎぎ…」と唸るれいむ。 もう何がなんだか分からないが。とにかく怒りと不安だけが蓄積されていく。 「おきてよ!!ねないで!!れいむといっしょにゆっくりしていってね!!」 お兄さんはまったく反応せずすやすやと眠っている。 れいむはお兄さんの体の上に乗ってどんどん跳ねるが、それでも目を覚まさない。 一体どうしたら自分の相手をしてくれるのか、れいむには全然わからなかった。 「ゆ゛っくりしてい゛ってね゛!!!!ゆ゛っくり゛してい゛ってね!!!!」 れいむの貧弱な語彙力では、もうそれしか言うことはなくなってしまっていた。 結局、れいむは疲れ果てて眠りにつくまでの10時間、ずっとお兄さんを起こすべく跳ね続けたのだった… 「……ゆ!?ゆっくりしていってね!!」 差し込む朝日のまぶしさで目を覚まし、いつもどおりの言葉と共に起き上がるれいむ。 周りの状況がいつもと違うので最初は戸惑ったが… ぐるぐる周囲を見回して、少しずつ自分が置かれた状況を理解する。 ここはお兄さんの部屋。そして自分はベッドの上にいる…という具合に。 目が覚めてくると、まず最初に視界に入ったのはお兄さんの姿だ。 お兄さんはテーブルに向かって何かをしている。 興味をそそられたれいむは、跳びはねてお兄さんの足元へと向かった。 「おにーさん!!なにしてるの!?れいむにゆっくりみせてね!!」 黙殺するお兄さん。 お兄さんは味噌汁を啜ったり、目玉焼きを口に運んだり…簡単に言えば、朝食をとっていた。 口に何か物を入れる動作を見て、すぐにそれが食べ物だと分かったれいむは… 「れいむもおなかすいたよ!!ゆっくりごはんをもってきてね!!」 …お兄さんは沈黙したまま食事を続ける。 れいむはお兄さんの脚に体当たりするが、お兄さんは何事もないように沈黙を守ったまま。 しばらくすると、食事を終えたお兄さんはお皿を抱えて台所に向かう。 「ゆ!!おなかすいたよ゛!!ごはんをもってきてね゛!!」 涙目になりながらお兄さんの前に立ちはだかるが、れいむに見向きもしないお兄さんはそのまま歩き続け… ぽーん!! 「ゆぎゅ!?」 れいむは軽く蹴飛ばされてコロコロ転がり、ゴミ箱にぶつかって止まった。 倒れたゴミ箱からばらばらとゴミがあふれ出し、れいむはその下敷きになってしまう。 「ゆぐっ!!ぐるじいよ!!おにーざんだずげで!!」 ちょうど台所から出てきたお兄さんは、散らばっているゴミを見ると不思議そうな顔をしてれいむのほうへ 歩み寄ってきた。 やっと自分を見てくれた…そう思ったれいむは、心から安心しきっていた。 ところが… 「はぁ…何もしてないのに、どうしてゴミ箱が倒れてるんだろう?」 「ゆ!!れいむがぶつかってたおしたんだよ!!ゆっくりここにいるよ!!」 「うーん…ここら辺は後で掃除しないといけないな」 やはりお兄さんは、れいむなど存在しない、という風に振舞っている。 ゴミを粗方片付け終えると、お兄さんはそのまま本棚の前でこれから読む本を選び始めた。 「ゆぐぐぐぐ!!どうじでむじずるの゛!?れいぶはごごにいるのにぃぃぃぃぃ!!!」 涙声で訴えるれいむ。しかし、その訴えもお兄さんには届いていないようだ。 お兄さんの読書タイム。 れいむは、椅子に座りテーブルに向かって読書するお兄さんの足元で、ずっと喚き続けた。 「おにーざん!!おながずいだよ!!ごはんもっでぎでね゛!!!」 「だいぐづだよ!!いっじょにゆっぐりじようよ゛!!!」 「おねがいだがらごっじむいでよ゛!!れいぶをぶじじないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 とうとう泣き始めるれいむ。それでも、お兄さんはまったく反応を示さない。 もっともっとお兄さんに呼びかけたかったが、空腹のせいで体に力が入らない。 れいむはそれでも声を張り上げながら、お兄さんの脚に自分の体を擦り付けることで気を引こうとした。 そのままお兄さんは読書を続け…4時間が経った。 「ゆ゛っ…ゆ゛っぐり゛じようよぅ…!」 声を張り上げようとしても空腹は限界に達しており、また喉もかれていたのであまり声が出ない。 どうしてお兄さんは自分にまったく見向きもしないのか。 自分はここにいるのに、どうしてお兄さんは自分がいないように振舞うのか。 れいむは必死に考えたが、すぐに餡子脳の限界に達してしまって考えるのを止めた。 れいむには、お兄さんがとる行動の意味も、自分が昨日約束を破ってしまったことも、まったく頭の中に なかったのだ。 そして12時。昼食の時間である。 お兄さんは電話の受話器を上げて、どこかに電話をかける。 「えーと、味噌ラーメンと…ギョウザ!…そうです、どっちも一人前で」 ラーメンの出前だった。しかし、れいむは昼食のメニューよりも『一人前』という言葉がショックだった。 「ふだりだよ゛!!れいむ゛もいるがら!!だべぼのはふだりぶんだよ゛!!!」 やはり、自分の存在を認識されていない。餡子脳でもそれがハッキリとわかった。 しばらくしてやってきた出前のおじさんから品を受け取り、代金を支払うお兄さん。 味噌ラーメンとギョウザ。確かに頼んだものが届いた、と確認する。 しかし、その目は…れいむの姿をまったく捉えていない。 「はふっ!…あーうまい!!」 ひとりで昼食をとり始めるお兄さん。 その間、れいむは足元でひたすら食べ物をねだり続けるが…答えは返ってこない。 「おながずいだよぅ…ゆっぐりでぎないよぅ…!」 朝昼と2食も食事を抜いているため、れいむは普段の元気を失っていた。 無理やり食べ物を横取りしようにも、テーブルはれいむが飛び移ることの出来ない高さだ。 そして、お兄さんに体当たりしても全然びくともしない。 万策尽きたれいむは… 「ゆ……おねがいだがらゆっぐりざぜでよぅ!!」 その言葉をお兄さんに無視されると、ずりずり這いずってベッドのほうへ向かった。 もうベッドの上に飛び移る体力もないれいむは、そのままうとうとし始めた… それから一週間。 れいむはことあるごとにお兄さんの気を引こうとしたが、その全ては完全に黙殺された。 お兄さんは食事を全てテーブルについて取るので、れいむは横取りすることも出来ないし、 おこぼれにあずかることも出来ない。 まともな食事にありつけないれいむにとって、唯一の食べ物… それは、時折どこからともなくやってくる蚊やハエ、そしてゴキブリだった。 「むーしゃ…むーしゃ…」 …全然“しあわせ”じゃない。 人間に例えれば雑草を茹でて食べるような行為を、れいむは続けるしかなかったのだ。 たまにお兄さんがしゃべる時といえば、それは電話の相手との会話だった。 最初は自分に話しかけてくれたと喜んで跳ねるのだが、すぐにそれがぬか喜びだと思い知らされた。 電話の相手と談笑するお兄さんに背を向けて、れいむはテーブルの下で「ゆっぐりぃ…」とため息をつく。 外に出たい、という願いも無視されるため、家の外に出ることもできない。 れいむの体の構造では、玄関の扉も窓も自力で開けることができないからだ。 「みんなでいっしょにゆっくりしようね!!」 「ゆゆー!!おかーさんおうたうたってー!!」 「ゆっゆっゆ~♪ゆゆっゆゆ~♪」 「ゆっぐ…いっじょにゆっぐりじだいよぉ……!!」 窓の外で仲良くゆっくりしているゆっくり一家を見て、れいむは悔し涙を流した。 どんなに大声を上げても、外のゆっくり一家は振り向いてはくれなかった… 当然、お風呂にも入れてもらえない。 「すっきりしたいよー!!」とお兄さんの目の前で跳ねてみたこともあった。 しかし、お兄さんはそれに気づかずにれいむを蹴飛ばして、風呂場へ去っていってしまう。 れいむは壁にぶつかって…「ゆっ、ゆっぐ…」と涙を滲ませた。 ただ蹴られただけなら、こうはならない。 「けらないでね!!ゆっくりあやまってね!!」と謝罪を求めるぐらいのことはするだろう。 だが…このれいむは、ただ蹴られたのではない。自分の存在が、お兄さんに認められていないのだ。 お兄さんには自分が見えていない。自分が聞こえていない。お兄さんの中には、自分が…いない。 「れいむ゛はごごにいるのに゛!!どぼじでむじずるの゛!?」 どんなに泣き喚いても、お兄さんはこっちを向いてくれない。慰めてもくれない。 自分はここにいるよ。ずっと前からここにいるよ。だからこっちを向いて! そんな心からの叫びも、ことごとく受け流される。 「ゆっぐ……ゆっぐりぃ……ゆっぐりいいぃぃぃ…!!」 れいむを腐らせるのは、この上ない孤独。 腐っていくのは体ではない、心である。 自分と同じ姿をしたゆっくりの幻覚を見ては、それに話しかけようとするが… 「ゆっぐりじでいっで……あぁぁぁぁぁなんでいなぐなっぢゃうのおお゛お゛お゛!??」 何かの見間違いだったのだろう、それはすぐにかき消えてしまう。 かつてはただの食料でしかなかったハエやゴキブリに対しても… 「ゴキブリさん…いっしょにゆっくりしようね…!」 などと話しかけて、頬ずりまでしようとする始末。 ゴキブリがどこかに去っていくと、れいむは孤独によってさらに心をえぐられるのだった。 そしてさらに一週間がたって… れいむに、転機が訪れた。 「ゆっ……ゆっ…」 意味もなく、意味のない声を出し続けるれいむ。 精神的なダメージは限界に来ていた。 目はすでに輝きを失い、満足な食料を得られないために体中が乾ききっていた。 唯一潤っていると言えば、だらしなく開いた口から漏れている涎ぐらいだろう… お風呂に入れてもらっていないため、髪はボサボサで髪飾りも黄色く変色していた。 「ただいまー」 そこへ、仕事を終えて帰ってきたお兄さんが現れた。 いつもなら目の前のれいむの存在などまったく気にしないで、ベッドで休憩するのだが… 今日のお兄さんは、いつもとは様子が違った。 「…え、れいむ?」 「ゆっ!?」 テーブルの下に篭っていたれいむは、最初何が起こったのかわからなかった。 お兄さんが、二週間ぶりに自分の名前を口にした。 れいむは驚きと喜びのあまり、うまく声が出なかった。 でも…気のせいではない。お兄さんはじっとれいむの方を見ている。 お兄さんの目には、確かにれいむの姿が映っているのだ。 「れいむ…やっと帰ってきたのか!!今までどこに行ってたんだ!?」 そう言ってれいむを抱き上げ、強く強く抱きしめる。 れいむは苦しくてたまらなかったが、それよりもお兄さんが自分を見てくれたという喜びが勝った。 今なら…今だけなら、どんなに強く抱きしめられても、我慢できる。 とめどない涙で前が見えなくなっても、全然気にならなかった。 お兄さんがれいむを放すまで、れいむは抱きしめられたままゆっくりし続けた。 これでやっとゆっくりできる。もう一人ぼっちじゃない。 これからはお兄さんと思う存分ゆっくりできるんだ…! そして、れいむをベッドに置くとお兄さんはれいむを見下ろして問い始める。 「今までどこに行ってたんだ!!勝手に出て行ったらダメじゃないか!!」 「ゆっ!!れいむずっどごごにいだよ゛!でもおにーざんがむじじだんだよ゛!!」 「はぁ?どうしてそんな嘘をつくんだ!ずっとれいむを心配してたお兄さんの身にもなってみろ!!」 バン!!とテーブルを強く叩く音に、れいむは身震いした。 「で、でも゛!!ほんどだよ゛!!れいむはずっどゆっぐでぃおうぢにいだよ゛!!!」 「まだ言うか…そんな嘘をつくれいむとはゆっくりできないな」 「ゆ゛!?」 “れいむとはゆっくりできない” いやな予感がした。 よくわからないけど…よくわからないのに、れいむは震えていた。 何かが怖い。それが何なのか分からないけど、とにかく怖い。 「れいむがそういう嘘をつくのなら……お兄さんは『一人でゆっくりする』よ」 びくっ!! 何もされていないのに、れいむの体が痙攣した。 脳裏に思い浮かぶのは、お兄さんに無視され続けた二週間の出来事。 次の瞬間には、れいむは先ほどの態度と打って変わって、泣き叫びながら必死に謝罪し始めた。 「いやだあああああああおぁっぁぁぁ!!!ひどりでゆっぐりじないでええ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!! れいむもいっじょにゆっぐりざぜでよお゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!!」 「『一緒にゆっくりさせてください』…だろ?」 「いっじょにっ!!おねがいでずがら!!いっじょにゆっぐりざぜでぐだざい゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 「よし、そこまで言うならしょうがない。許してあげるよ!」 普段どおりの、優しいお兄さんだった。 それから。 お兄さんとれいむは、いつまでも一緒にゆっくりし続けた。 たまにれいむが何か文句を言うと、お兄さんは優しくこう問いかける。 『一人でゆっくりするかい?』 そう問いかけてやれば、れいむは必ず文句を言うのを止めた。 不味いご飯も我慢した。三日お風呂に入れてもらえなくても我慢した。 外に出してもらえなくても我慢した。遊んでもらえなくても我慢した。 砂を食べさせられても我慢した。熱湯を飲まされても我慢した。 目にわさびを塗られても我慢した。舌にからしを塗られても我慢した。 頭に穴を開けられて、餡子を少し吸われても我慢した。 かなづぢで体中を叩かれても我慢した。釘で貫かれても我慢した。 体の一部をちぎられても我慢した。自慢のリボンを取られても我慢した。 髪の毛を引きちぎられても我慢した。タバコの火を押し付けられても我慢した。 舌をちぎられても、目をえぐられても、とにかく我慢した。 ただただ、あの一言が怖かったから。 『一人でゆっくりするかい?』 その言葉が聞きたくないから、れいむは我慢し続けた。 お兄さんとれいむは、いつまでも一緒にゆっくりし続けた。 にっこり微笑むお兄さんに、原形をとどめない顔で微笑み返すれいむ。 お兄さんは…とてもとても、優しかった。 GOOD END あとがき いつもよりあっさり、それでいてマイルドに仕上がったと思います。 ごゆるりと… 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/186.html
「消極的制裁行為」 ゆっくりたちが多く暮らしている、人里に隣接している草原。 ひらひらと宙を舞う蝶を追いかけて、ぴょんぴょん跳ねているのは一匹のゆっくりれいむだ。 れいむは綺麗なお花畑の花を踏み潰しながら、夢中で蝶を追いかけていく。 「ゆっゆっ!ちょうちょさんまってね!!」 ぴょんと大きくジャンプするれいむ。 口をあんぐりと開けて、蝶を飲み込もうとするが…紙一重のところで避けられてしまう。 「ゆぐぐぐぐ!!ひどいよちょうちょさん!!ゆっくりたべられてね!!!」 地団駄を踏むれいむ。しかし、蝶だってそう簡単に食べられてくれるわけがない。 れいむが追う蝶は、そのまま木の上のほうへ上っていった。 「ゆゆ!!まってねちょうちょさん!!」 枝の隙間をぬって飛んでいく蝶。 れいむはそれを目視すると、勢いをつけて大きくジャンプした…! 太い枝の上に飛び乗ったれいむ。その枝を伝って、蝶を追いかける…が。 一瞬の油断だった。焦ってしまったばかりに、れいむは足を踏み外してしまったのだ。 「ゆゆぅ!!おちちゃうよ!!」 このまま地面に激突すれば、無傷ではすまない。 直後襲うであろう激痛の恐怖に、れいむは強く目をつぶった。 がさがさ!!がささっ!!! しかし、れいむは地面に落下することはなかった。 れいむはゆっくりと目を開く。何故か、目に映るもの全てが逆さまだった。 そして、宙に浮いているような不思議な感覚。 れいむ自身には、何が起こったのかわからないだろう。 実は枝から落ちたときに、れいむの髪飾りが細い枝に引っかかったのだ。 その細い枝はそのままれいむの体重を支え、結果としてれいむを地面への落下から守った。 ぐい~ん! 枝の弾力で上のほうへ引き戻されるれいむ。 地面への落下を免れたれいむは…上下逆さまの状態で宙吊りになっていた。 当のれいむも、だんだん状況を理解していく。 自分が助かったとわかると、安心して「ゆっくりぃ~♪」と微笑んだ。 だが、本当の悲劇はここからだった。 十分ゆっくりしたので家に帰ろうと、枝から降りようとする。 そこで、初めてれいむは自分が置かれた状況を、正確に理解したのだった。 「ゆっ!ゆっ!」 宙吊りのままのれいむは、ゆっさゆっさと体を揺さぶる。しかし、枝から自分の身体が外れる気配はない。 髪飾りは、周囲の細い枝としっかり絡まっている…四肢を持たないゆっくりには解くことは出来なかった。 「ゆー!だれかたすけて!!ここじゃゆっくりできないよ!!」 最初は浮遊感を楽しんでいたれいむだが、自力での脱出が無理だと分かった途端助けを求め始める。 しかし…周りには人間はおろか、ゆっくりや他の野生生物もいない。 仮に見つけてもらったとしても、助けてもらえる保障はどこにもないのだ。 「ゆっくりしたけっかがこれだよおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 あれから3時間。 おでこに止まった蝶に「ゆっくりたべられてね!」と舌を伸ばすも届かず、あっさり逃げられた。 あるとき、人里のほうから子供たちがやってきた。誰も居ない寂しさから開放されて喜んだれいむ。 れいむはその喜びを表現しようと、歌を歌い始めた。 「ゆっゆっゆ~♪」 しかし、その歌を気持ち悪がられ「きもーい!」「しね!!」などと罵られる。 「ゆ!!れいむはきもちわるくないよ!!れいむはかわいいゆっくりだよ!!」 とれいむが口答えすると、子供たちは下から木の棒でつついたり、ぺちぺちと全身を叩いたりして れいむの反応を楽しんだ。その間もれいむを罵倒し続ける子供たち。 とうとうれいむは泣き出してしまった。 「ゆっ…ゆゆっ、ゆ゛っぐり゛いいいぃぃぃ!!!」 「うわ!!こいつ泣いてるぞ!!気持ちわりぃ!」「もう飽きたな。早く帰ろう!」 「皆でおやつ食べようぜ!お母さんがクッキー焼いてくれるって!」 宙吊りのれいむを放置して、子供たちは走り去っていく。 そして、事態は一向に進展しないまま、今に至る。 「ゆっくりー!!」と叫んでみても、誰も来ない。 それに、だんだんお腹がすいてきた。 きっと、さっきの子供たちは今頃おいしいおやつを食べているだろう。 そう思うと、れいむの空腹はさらに強くなってくる。 「ゆっくりぃ…」 お腹に力が入らず、声が出ない。 たまに体を揺さぶってみるが、やはり無駄だった。細い枝に引っかかった髪飾りは、びくともしない。 諦めて、宙にぶら下がったままうとうとし始める… そこへ、一人のお兄さんがやってきた。 「お、君はそこで何をやってるんだい?」 お兄さんは何かがいっぱい入った籠を背負っている。 話しかけられたれいむは、ゆっくりと質問に答えた。 「ゆ!ゆっくりひっかかっちゃったよ!!」 「そうか、だから逆さまにぶら下がってるんだね。…それ!」 ぴん!とれいむの体を指ではじくお兄さん。 ゆらゆらと振り子のように揺さぶられるれいむは、ぷんぷんと体を膨らませた。 「おにーさんひどいよ!!ゆっくりたすけてね!!」 「あはは、面白いなぁ♪…よし、今から下ろしてあげるから、ちょっと待っててね」 すると、お兄さんはれいむの髪飾りに絡まった細い枝を丁寧に解いて、れいむを地面に下ろしてくれた。 「ゆゆ!!ありがとう!!これでゆっくりできるよ!!」 「そうかい、じゃあ僕は帰るから、ゆっくりしていってね!」 れいむに背を向けて去っていくお兄さん。 彼が背負っている籠の中身がれいむの目に入ると、れいむは大声でお兄さんを呼び止めた。 「おにーさん!!それなあに!?」 「あ、これかい?これは“りんご”だよ。食べたことないの?」 「たべものなの!?れいむたべたいよ!!ゆっくりちょうだいね!!」 遠慮の欠片もないれいむ。お兄さんの目の前にやってきて、図々しく大きな口を開けた。 「うーん……それじゃあ、お兄さんの家に来てくれるかい?来てくれればりんごをあげるよ」 「ゆ!!いくよ!!おにーさんのおうちでゆっくりりんごをたべるよ!!」 「そうと決まったら早速出発だ!お兄さんの家はこっちだよ」 そうしてお兄さんとれいむは、人里離れたお兄さんの家へと向かった。 お兄さんが扉を開けると、れいむはすごい勢いでその中に飛び込んだ。 昼間から木の枝に宙吊りになっていたから、今まで何も食べてないのだ。 本能に忠実なため空腹には勝てない。部屋のど真ん中に鎮座したれいむは、大声で叫んだ。 「おなかすいたよ!!はやくりんごちょうだいね!!」 「はいはい、今出すからね」 お兄さんは籠の中からりんごを3つ取り出すと、れいむの目の前に置いた。 「むしゃむしゃ…しあわせ~♪」 お腹をすかせていたれいむは、あっという間に3つのりんごを食べつくしてしまった。 「りんごおいしいね!!でもこんなんじゃたりないよ!!もっとちょうだい!!」 「これ以上はダメだよ。残りは明日食べようね」 そう言って、りんごの入った籠を台所に持っていってしまうお兄さん。 れいむは不満そうな顔をしながらも、我慢することにした。 「さて、僕はちょっと用事があるから出かけるね。れいむはゆっくりお留守番しててね」 「ゆゆ!!わかったよ!!ゆっくりまってるね!!」 「じゃあ行ってきます…あ、そうそう、ひとつだけ約束して欲しいことがあるんだ」 お兄さんはれいむの目の前にしゃがみ込んで、神妙な声で語りかける。 ただならぬ雰囲気を感じたれいむは、「ゆ?」と首をかしげた。 「台所にはりんごが沢山あるんだけど…“ぜ っ た い に”食べたらダメだよ」 「ゆゆ!!」 「お兄さんとの約束、守れるかな?」 れいむはしばらく考え込んだあと…ぴょんと跳びはねながら満面の笑みで答えた。 「まもれるよ!!りんごはもうたべないよ!!あしたたべるんだもんね!!」 「そうそうよく分かったね、れいむは偉いね。じゃあ行ってきます。 お土産も買ってくるから楽しみにしててね!」 お兄さんはれいむに手を振りながら、笑顔で家から出て行った。 お兄さんが家から出て扉を閉じると…れいむは一目散に台所へ向かった。 もちろん先ほどの約束は覚えている。覚えているが、れいむはその約束を破るために台所に来たのだ。 台所に入ると、床の上にはりんごが沢山入った籠が置いてあった。 しかし、その籠はかなり大きいため、このままではりんごを食べることは出来ない。 そこでれいむは、ここから跳びはねて籠の中に入ればいい、と考えた。 「ゆゆ…ゆっくりとぶよ!……それっ!」 しかし、れいむが思い描いたとおりにはならなかった。れいむは自分の跳躍能力を過信していたのだ。 れいむの体は籠のふちに当たって、そのままぼよんと床落ちて2,3回弾んだ。 「ゆ!いたい!!いたいよ!!」 バウンドが止まると、れいむは体勢を整えて籠のほうに目をやる。 そこには… 「ゆゆ…やったね!!さくせんせいこうだよ!!」 先ほどの衝撃で倒れた籠が転がっていた。りんごは床の上に転がってしまっている。 予定とは違うが、結果オーライ。れいむは早速りんごを貪り始めた。 「むーしゃむーしゃ!!しあわせ~!!」 それは、れいむにとって最後の“しあわせ”だった。 時間も忘れて、りんごを食べ続けるれいむ。 ふと、遠くから扉を開く音が聞こえ、続けてお兄さんの声も聞こえてきた。 「ただいまー!」 「ゆ゛っ!?」 そこで、れいむは初めて我に返った。 周りには食いかけのりんごが撒き散らされている。 そして、倒れたまま転がっている籠。 れいむは今になって気づいたのだ…このままでは、約束を破ったことがバレてしまう、と。 「ゆっゆゆ!!」 慌ててその場を跳ね回るれいむだが、いまさらどうにかなるわけでもない。 台所にやってきたお兄さんに、決定的な犯行現場を目撃されてしまった。 目の前の惨状に、思わず声を上げてしまうお兄さん。 「これは…!」 「ゆゆっ……お、おにーさんのりんごおいしかったよ!!もっとたべさせてね!!」 こんなことを言いながら、精一杯媚びた笑顔を浮かべるれいむ。 一瞬お兄さんのこめかみに青筋が浮かんだが、れいむはそれを見ていなかった。 「…はぁ」 大きなため息をつくと、お兄さんはれいむの方へと歩み寄る。 何かされると思ったれいむは、強く目をつぶった。 「ゆゆ!!ゆっくりやめてね!!……ゆ?」 次にやってきたのは、痛みではなく浮遊感だった。 目を開けると、れいむはお兄さんに抱きかかえられており、そのまま最初の部屋に連れ戻された。 宙で手を放され、ぽよんと床に落ちるれいむ。 「ゆ?ゆるしてくれるの!?」 お兄さんを見上げて声をかけるが、お兄さんは無言で台所へ行ってしまった。 おそらくれいむが荒らした台所を片付けるためだろう。 とりあえず危機は去ったと思ったれいむは、その部屋でゆっくりし始める。 床の上をコロコロ転がったり、ベッドの上でぽんぽん弾んでみたり。 でも、お兄さんがいつまでたっても戻ってこないので、れいむは退屈になってきた。 ちょうどそのとき、れいむはあることを思い出して…お兄さんのいる台所へと向かった。 そこでは、れいむが食べ散らかしたりんごをお兄さんが片付けている最中だった。 「おにーさん!!おみやげはどこ!?れいむにゆっくりちょうだいね!!」 「……」 満面の笑みを浮かべるれいむに、沈黙するお兄さん。 お兄さんの顔はぴくりとも動かず、台所の片づけを続けている。 何か返答があるのだろうと待っていたれいむだが、いつまでたってもお兄さんは答えてくれない。 「おにーさん!!おみやげちょうだい!!れいむにちょうだい!!」 ぽんぽんお兄さんの目の前で跳ねて見せるが、お兄さんはまったく目もくれない。 邪魔そうにするそぶりすら見せない。 やがて台所を片付け終えると、お兄さんは先ほどの部屋に戻って本を読み始めた。 「れいむをむししないでね!!れいむにおみやげちょうだいね!!」 お兄さんの視界に入るように、喚き散らしながら上下に跳ねるれいむ。 それでもお兄さんはまったく反応しない。まるで、れいむが見えていないかのように… さすがのれいむも、何かが違うと感じ取ったのだろう。 形容できない怖さに身を震わせながらも、れいむは必死にお兄さんの目の前でジャンプする。 「おにーさん!!れいむはここにいるよ!!むししないでね!!」 が、返されるのは沈黙だけ。 お兄さんは本を読み終えると、それを本棚に戻してベッドにもぐりこんでしまった。 歯を食いしばって「ゆぎぎぎ…」と唸るれいむ。 もう何がなんだか分からないが。とにかく怒りと不安だけが蓄積されていく。 「おきてよ!!ねないで!!れいむといっしょにゆっくりしていってね!!」 お兄さんはまったく反応せずすやすやと眠っている。 れいむはお兄さんの体の上に乗ってどんどん跳ねるが、それでも目を覚まさない。 一体どうしたら自分の相手をしてくれるのか、れいむには全然わからなかった。 「ゆ゛っくりしてい゛ってね゛!!!!ゆ゛っくり゛してい゛ってね!!!!」 れいむの貧弱な語彙力では、もうそれしか言うことはなくなってしまっていた。 結局、れいむは疲れ果てて眠りにつくまでの10時間、ずっとお兄さんを起こすべく跳ね続けたのだった… 「……ゆ!?ゆっくりしていってね!!」 差し込む朝日のまぶしさで目を覚まし、いつもどおりの言葉と共に起き上がるれいむ。 周りの状況がいつもと違うので最初は戸惑ったが… ぐるぐる周囲を見回して、少しずつ自分が置かれた状況を理解する。 ここはお兄さんの部屋。そして自分はベッドの上にいる…という具合に。 目が覚めてくると、まず最初に視界に入ったのはお兄さんの姿だ。 お兄さんはテーブルに向かって何かをしている。 興味をそそられたれいむは、跳びはねてお兄さんの足元へと向かった。 「おにーさん!!なにしてるの!?れいむにゆっくりみせてね!!」 黙殺するお兄さん。 お兄さんは味噌汁を啜ったり、目玉焼きを口に運んだり…簡単に言えば、朝食をとっていた。 口に何か物を入れる動作を見て、すぐにそれが食べ物だと分かったれいむは… 「れいむもおなかすいたよ!!ゆっくりごはんをもってきてね!!」 …お兄さんは沈黙したまま食事を続ける。 れいむはお兄さんの脚に体当たりするが、お兄さんは何事もないように沈黙を守ったまま。 しばらくすると、食事を終えたお兄さんはお皿を抱えて台所に向かう。 「ゆ!!おなかすいたよ゛!!ごはんをもってきてね゛!!」 涙目になりながらお兄さんの前に立ちはだかるが、れいむに見向きもしないお兄さんはそのまま歩き続け… ぽーん!! 「ゆぎゅ!?」 れいむは軽く蹴飛ばされてコロコロ転がり、ゴミ箱にぶつかって止まった。 倒れたゴミ箱からばらばらとゴミがあふれ出し、れいむはその下敷きになってしまう。 「ゆぐっ!!ぐるじいよ!!おにーざんだずげで!!」 ちょうど台所から出てきたお兄さんは、散らばっているゴミを見ると不思議そうな顔をしてれいむのほうへ 歩み寄ってきた。 やっと自分を見てくれた…そう思ったれいむは、心から安心しきっていた。 ところが… 「はぁ…何もしてないのに、どうしてゴミ箱が倒れてるんだろう?」 「ゆ!!れいむがぶつかってたおしたんだよ!!ゆっくりここにいるよ!!」 「うーん…ここら辺は後で掃除しないといけないな」 やはりお兄さんは、れいむなど存在しない、という風に振舞っている。 ゴミを粗方片付け終えると、お兄さんはそのまま本棚の前でこれから読む本を選び始めた。 「ゆぐぐぐぐ!!どうじでむじずるの゛!?れいぶはごごにいるのにぃぃぃぃぃ!!!」 涙声で訴えるれいむ。しかし、その訴えもお兄さんには届いていないようだ。 お兄さんの読書タイム。 れいむは、椅子に座りテーブルに向かって読書するお兄さんの足元で、ずっと喚き続けた。 「おにーざん!!おながずいだよ!!ごはんもっでぎでね゛!!!」 「だいぐづだよ!!いっじょにゆっぐりじようよ゛!!!」 「おねがいだがらごっじむいでよ゛!!れいぶをぶじじないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 とうとう泣き始めるれいむ。それでも、お兄さんはまったく反応を示さない。 もっともっとお兄さんに呼びかけたかったが、空腹のせいで体に力が入らない。 れいむはそれでも声を張り上げながら、お兄さんの脚に自分の体を擦り付けることで気を引こうとした。 そのままお兄さんは読書を続け…4時間が経った。 「ゆ゛っ…ゆ゛っぐり゛じようよぅ…!」 声を張り上げようとしても空腹は限界に達しており、また喉もかれていたのであまり声が出ない。 どうしてお兄さんは自分にまったく見向きもしないのか。 自分はここにいるのに、どうしてお兄さんは自分がいないように振舞うのか。 れいむは必死に考えたが、すぐに餡子脳の限界に達してしまって考えるのを止めた。 れいむには、お兄さんがとる行動の意味も、自分が昨日約束を破ってしまったことも、まったく頭の中に なかったのだ。 そして12時。昼食の時間である。 お兄さんは電話の受話器を上げて、どこかに電話をかける。 「えーと、味噌ラーメンと…ギョウザ!…そうです、どっちも一人前で」 ラーメンの出前だった。しかし、れいむは昼食のメニューよりも『一人前』という言葉がショックだった。 「ふだりだよ゛!!れいむ゛もいるがら!!だべぼのはふだりぶんだよ゛!!!」 やはり、自分の存在を認識されていない。餡子脳でもそれがハッキリとわかった。 しばらくしてやってきた出前のおじさんから品を受け取り、代金を支払うお兄さん。 味噌ラーメンとギョウザ。確かに頼んだものが届いた、と確認する。 しかし、その目は…れいむの姿をまったく捉えていない。 「はふっ!…あーうまい!!」 ひとりで昼食をとり始めるお兄さん。 その間、れいむは足元でひたすら食べ物をねだり続けるが…答えは返ってこない。 「おながずいだよぅ…ゆっぐりでぎないよぅ…!」 朝昼と2食も食事を抜いているため、れいむは普段の元気を失っていた。 無理やり食べ物を横取りしようにも、テーブルはれいむが飛び移ることの出来ない高さだ。 そして、お兄さんに体当たりしても全然びくともしない。 万策尽きたれいむは… 「ゆ……おねがいだがらゆっぐりざぜでよぅ!!」 その言葉をお兄さんに無視されると、ずりずり這いずってベッドのほうへ向かった。 もうベッドの上に飛び移る体力もないれいむは、そのままうとうとし始めた… それから一週間。 れいむはことあるごとにお兄さんの気を引こうとしたが、その全ては完全に黙殺された。 お兄さんは食事を全てテーブルについて取るので、れいむは横取りすることも出来ないし、 おこぼれにあずかることも出来ない。 まともな食事にありつけないれいむにとって、唯一の食べ物… それは、時折どこからともなくやってくる蚊やハエ、そしてゴキブリだった。 「むーしゃ…むーしゃ…」 …全然“しあわせ”じゃない。 人間に例えれば雑草を茹でて食べるような行為を、れいむは続けるしかなかったのだ。 たまにお兄さんがしゃべる時といえば、それは電話の相手との会話だった。 最初は自分に話しかけてくれたと喜んで跳ねるのだが、すぐにそれがぬか喜びだと思い知らされた。 電話の相手と談笑するお兄さんに背を向けて、れいむはテーブルの下で「ゆっぐりぃ…」とため息をつく。 外に出たい、という願いも無視されるため、家の外に出ることもできない。 れいむの体の構造では、玄関の扉も窓も自力で開けることができないからだ。 「みんなでいっしょにゆっくりしようね!!」 「ゆゆー!!おかーさんおうたうたってー!!」 「ゆっゆっゆ~♪ゆゆっゆゆ~♪」 「ゆっぐ…いっじょにゆっぐりじだいよぉ……!!」 窓の外で仲良くゆっくりしているゆっくり一家を見て、れいむは悔し涙を流した。 どんなに大声を上げても、外のゆっくり一家は振り向いてはくれなかった… 当然、お風呂にも入れてもらえない。 「すっきりしたいよー!!」とお兄さんの目の前で跳ねてみたこともあった。 しかし、お兄さんはそれに気づかずにれいむを蹴飛ばして、風呂場へ去っていってしまう。 れいむは壁にぶつかって…「ゆっ、ゆっぐ…」と涙を滲ませた。 ただ蹴られただけなら、こうはならない。 「けらないでね!!ゆっくりあやまってね!!」と謝罪を求めるぐらいのことはするだろう。 だが…このれいむは、ただ蹴られたのではない。自分の存在が、お兄さんに認められていないのだ。 お兄さんには自分が見えていない。自分が聞こえていない。お兄さんの中には、自分が…いない。 「れいむ゛はごごにいるのに゛!!どぼじでむじずるの゛!?」 どんなに泣き喚いても、お兄さんはこっちを向いてくれない。慰めてもくれない。 自分はここにいるよ。ずっと前からここにいるよ。だからこっちを向いて! そんな心からの叫びも、ことごとく受け流される。 「ゆっぐ……ゆっぐりぃ……ゆっぐりいいぃぃぃ…!!」 れいむを腐らせるのは、この上ない孤独。 腐っていくのは体ではない、心である。 自分と同じ姿をしたゆっくりの幻覚を見ては、それに話しかけようとするが… 「ゆっぐりじでいっで……あぁぁぁぁぁなんでいなぐなっぢゃうのおお゛お゛お゛!??」 何かの見間違いだったのだろう、それはすぐにかき消えてしまう。 かつてはただの食料でしかなかったハエやゴキブリに対しても… 「ゴキブリさん…いっしょにゆっくりしようね…!」 などと話しかけて、頬ずりまでしようとする始末。 ゴキブリがどこかに去っていくと、れいむは孤独によってさらに心をえぐられるのだった。 そしてさらに一週間がたって… れいむに、転機が訪れた。 「ゆっ……ゆっ…」 意味もなく、意味のない声を出し続けるれいむ。 精神的なダメージは限界に来ていた。 目はすでに輝きを失い、満足な食料を得られないために体中が乾ききっていた。 唯一潤っていると言えば、だらしなく開いた口から漏れている涎ぐらいだろう… お風呂に入れてもらっていないため、髪はボサボサで髪飾りも黄色く変色していた。 「ただいまー」 そこへ、仕事を終えて帰ってきたお兄さんが現れた。 いつもなら目の前のれいむの存在などまったく気にしないで、ベッドで休憩するのだが… 今日のお兄さんは、いつもとは様子が違った。 「…え、れいむ?」 「ゆっ!?」 テーブルの下に篭っていたれいむは、最初何が起こったのかわからなかった。 お兄さんが、二週間ぶりに自分の名前を口にした。 れいむは驚きと喜びのあまり、うまく声が出なかった。 でも…気のせいではない。お兄さんはじっとれいむの方を見ている。 お兄さんの目には、確かにれいむの姿が映っているのだ。 「れいむ…やっと帰ってきたのか!!今までどこに行ってたんだ!?」 そう言ってれいむを抱き上げ、強く強く抱きしめる。 れいむは苦しくてたまらなかったが、それよりもお兄さんが自分を見てくれたという喜びが勝った。 今なら…今だけなら、どんなに強く抱きしめられても、我慢できる。 とめどない涙で前が見えなくなっても、全然気にならなかった。 お兄さんがれいむを放すまで、れいむは抱きしめられたままゆっくりし続けた。 これでやっとゆっくりできる。もう一人ぼっちじゃない。 これからはお兄さんと思う存分ゆっくりできるんだ…! そして、れいむをベッドに置くとお兄さんはれいむを見下ろして問い始める。 「今までどこに行ってたんだ!!勝手に出て行ったらダメじゃないか!!」 「ゆっ!!れいむずっどごごにいだよ゛!でもおにーざんがむじじだんだよ゛!!」 「はぁ?どうしてそんな嘘をつくんだ!ずっとれいむを心配してたお兄さんの身にもなってみろ!!」 バン!!とテーブルを強く叩く音に、れいむは身震いした。 「で、でも゛!!ほんどだよ゛!!れいむはずっどゆっぐでぃおうぢにいだよ゛!!!」 「まだ言うか…そんな嘘をつくれいむとはゆっくりできないな」 「ゆ゛!?」 “れいむとはゆっくりできない” いやな予感がした。 よくわからないけど…よくわからないのに、れいむは震えていた。 何かが怖い。それが何なのか分からないけど、とにかく怖い。 「れいむがそういう嘘をつくのなら……お兄さんは『一人でゆっくりする』よ」 びくっ!! 何もされていないのに、れいむの体が痙攣した。 脳裏に思い浮かぶのは、お兄さんに無視され続けた二週間の出来事。 次の瞬間には、れいむは先ほどの態度と打って変わって、泣き叫びながら必死に謝罪し始めた。 「いやだあああああああおぁっぁぁぁ!!!ひどりでゆっぐりじないでええ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!! れいむもいっじょにゆっぐりざぜでよお゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!!」 「『一緒にゆっくりさせてください』…だろ?」 「いっじょにっ!!おねがいでずがら!!いっじょにゆっぐりざぜでぐだざい゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 「よし、そこまで言うならしょうがない。許してあげるよ!」 普段どおりの、優しいお兄さんだった。 それから。 お兄さんとれいむは、いつまでも一緒にゆっくりし続けた。 たまにれいむが何か文句を言うと、お兄さんは優しくこう問いかける。 『一人でゆっくりするかい?』 そう問いかけてやれば、れいむは必ず文句を言うのを止めた。 不味いご飯も我慢した。三日お風呂に入れてもらえなくても我慢した。 外に出してもらえなくても我慢した。遊んでもらえなくても我慢した。 砂を食べさせられても我慢した。熱湯を飲まされても我慢した。 目にわさびを塗られても我慢した。舌にからしを塗られても我慢した。 頭に穴を開けられて、餡子を少し吸われても我慢した。 かなづぢで体中を叩かれても我慢した。釘で貫かれても我慢した。 体の一部をちぎられても我慢した。自慢のリボンを取られても我慢した。 髪の毛を引きちぎられても我慢した。タバコの火を押し付けられても我慢した。 舌をちぎられても、目をえぐられても、とにかく我慢した。 ただただ、あの一言が怖かったから。 『一人でゆっくりするかい?』 その言葉が聞きたくないから、れいむは我慢し続けた。 お兄さんとれいむは、いつまでも一緒にゆっくりし続けた。 にっこり微笑むお兄さんに、原形をとどめない顔で微笑み返すれいむ。 お兄さんは…とてもとても、優しかった。 GOOD END あとがき いつもよりあっさり、それでいてマイルドに仕上がったと思います。 ごゆるりと… 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/13614.html
登録日:2011/05/02(月) 06 54 15 更新日:2024/04/14 Sun 17 51 04 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 VIPPER トラウマ ハロウィン レ○プがゲシュタルト崩壊 伝説 故人 野菜 野菜レイパー 「モテないから野菜をレイプする」 ある日インターネットの掲示板に投稿された、一通の書き込み。 ここではありふれた、そう、使い古された“ネタ”だ−−。 誰もが、そう思っていた。 それから数時間、掲示板にアップされたのは、変わり果てた被害者の姿だった。 次々に襲われていく野菜。 その魔手はついに野菜を超え、果物界をも侵食する。 誰もが、予想すらしなかった。 この一人の男が、作物界全土を恐怖の底に叩き落とすことなど−− 野菜レイパー coming soon... 2ちゃんねる、ニュース速報VIPに現れた人物。 活動の開始時期は2005年上旬と思われる。 当初は単なる一介の名無しに過ぎなかった彼も、ほんの数スレの内に(目の)肥えたVIPPER達を魅了する。 彼自身はトリップのみを名前欄に記入しており、野菜レイパーという名前は自然に定着していったもの。 スレタイ→クリスマスなのにモテないから 本文→野菜をレイプする 直後住人から→「またお前か」の流れはもはや芸術である 行動は至ってシンプルであった。 犯行予告 ↓ ターゲットをうp ↓ 下ごしらえ ↓ レイプ ↓ うっ……ふぅ…… ↓ 調理 ↓ 完食 おおまかには上を以ってスレを進行していた。 イカオナホやスイカオナホといった発想はそれ以前から度々挙げられていたものの、 彼が人気を博した理由は、その語り口とストーリー性、そして野菜への愛であった。 手入れの行き届いた調理器具や廃材の処理からは几帳面さが見られるが、 これから挿入しようという野菜に、手元が狂って七味唐辛子一瓶をぶちまけるというおっちょこちょいな一面もあった。 たとえカルピス塗れだろうが一度アナルに突っ込まれていようが、野菜レイパーはレイプした野菜を決して無駄にせず、しっかりと調理して完食する様は正に愛。 野菜レイパー曰く、 「俺は野菜を殺したいわけじゃなく、レイプによって制裁を下したいだけ」 彼のレスからはVIPPERらしからぬ葛藤や信念のようなものが読み取られ、 そのキャラクターがまるで小説やドラマに登場する確信犯のようであったことも、彼の人気の一つかもしれない。 VIPPERが「ニガウリにレイプされた」と言えばそのニガウリを捕まえてきて報復し、時には彼自身がナスやキュウリによって報復を受けることもあった。 時にはハロウィンのカボチャの鼻から局部を出していたり。 気を抜いた隙にアナルを犯されるのも最早お決まりだが、そこからの巻き返しが少年漫画的な演出でVIPPER達を狂喜させた。 彼の建てたスレタイは「○○○モテないから野菜をレイプする」で統一されており、一見してわかるようになっていた。 ○全盛期の野菜レイパー伝説 3レイプ5品目は当たり前、3レイプ8品目も 拘束凌辱リョナレイプを頻発 野菜レイパーにとってのレイプは水洗いのしそこない 油断して逆レイプも日常茶飯 9回目100対1、チソチソ全体負傷の状況から1人で逆転 未熟なトマトも余裕でレイプ 一回のレイプでバットが三本に見える 台所でレイプが特技 台所に立つだけで相手野菜が泣いて謝った、心臓発作を起こす野菜も マヨネーズでも納得いかなければ豆板醤塗ってレイプした あまりにレイプしすぎるから目で見ただけでもレイプ扱い そのチラ見も獲物の下見 野菜を一睨みしただけで包丁が流し台に飛んでいく 野菜の無い不作日でも2レイプ 野菜使わずに果物でレイプしたことも 自分のカルピスを自分でキャッチしてそのまま料理に 複数同時輪姦なんてザラ、2周することも 水洗いして全裸になってからアナル犯される方が早かった 野菜レイパーのピストンによる衝撃波で体が真っ二つになった野菜がいた スカイフィッシュの正体は野菜レイパーのレーザービーム 台所の野菜レイパーと目が合った農家は出荷停止100000dと同等のショックを受けた。廃人になった者も 野菜レイパーがレイプと言えばレイプに 期限切れも余裕でレイプ 野菜レイパーほどの愛があれば野菜の表情はおろか、野菜を作った人の名前まで分かる。 レイプで全農家が泣いた 野菜レイパーの降臨のときだけ犯罪率が下がる ピストンのおかげで野菜レイパーのレイプのときだけ地球の気温が2度下がった 流れ星の正体は野菜レイパー 実はノドンを一度レイプしてる 数字の1は野菜レイパーのそそり立ったアレがモデル 野菜レイパーのスレのときの勢いは200/sec。 2~3台のパソコンで見る人もざら ○野菜レイパーにレイプされた野菜一覧 トマト ゴーヤ サツマイモ 山芋 アスパラガス ブロッコリー スイカ わさび漬け ナス キュウリ 人参 カボチャ 玉葱 知っている方も多いかもしれないが、野菜レイパーは故人である。 旅行先での事故で亡くなったらしい。 友人を名乗る人物からの書き込みを受けたVIPPER達は、各々追悼のために喪に服したり野菜をレイプしたりした。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 実に惜かしい奴を亡くした…… -- 名無しさん (2014-11-04 00 36 34) なんだコイツ… -- 名無しさん (2021-01-10 07 24 37) 食べてるならいいや -- 名無しさん (2022-02-02 16 01 58) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/derby/pages/12.html
Heart of the Country Village ハート・オブ・ザ・カントリー カントリー雑貨、家具、レストラン 住所 Heart of the Country Village Swinford, Lichfield, Staffordshire, WS14 9QR. U.K. Tel 01543 481612 Fax 01543 481684 Email enquiries@heartofthecountryvillage.com ★MAP★ 営業時間 月〜金:0900〜1700 土日は各ショップへ問い合わせのこと。(でも少なくとも土曜日は普通に開いていました) Lichfieldにあるクラフトセンター。 食事処は2つあり、The peartree Creperie(パンケーキ)が美味しい。 カントリーショップ(フレンチ風、アメリカン風あり)、アンティーク風家具、カード等の文具、台所用品など。 しかしあまり期待して行かない方がいい。各お店は意外に小さいし、趣味が合わなければあっという間に廻りきってしまうため。 関連サイト Heart of the Country Village
https://w.atwiki.jp/snkm/
普段関わりのある企業が『どこの国』の企業なのか? あまり意識することがないのでまとめてみたwikiです 『どこの国か』がメインなので、それ以外の情報はほぼありません。 基本、日本人と関わる機会のある企業を載せています。 これは絶対ではないので、そのうち変わるかもしれません。 まだまだ制作中 作るか考え中カテゴリ(メモ) ゲーム 玩具 生活用品(洗剤とか) 保険(『金融』にして銀行なども入れようか) メディア 航空会社 鉄道会社(この2つは普段のかかわりがないけど、まとめたい) 医薬品 食品(ハーシーズとか、ハーゲンダッツとか) バイク 台所用品 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。