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先行していたルイズは、ジョルノ達より幾分早く宿に着いていた。 そのホテルは貴族用の、この港町では一番上等な宿、『女神の杵』亭で、普段なら事前予約が必須の宿だった。 だが、その宿も今は従業員以外に人気は無かった。 アルビオンとトリスティンの玄関口として賑ってきたと言う街の成り立ちから、アルビオンが内戦になってからはそこへ商売をしに行く商人達くらいなもので、主だった客層はこなくなったからだ。 今のアルビオンに向かう者達の中に、『女神の杵』亭を利用するような手合いは殆どいない。 浮遊大陸から戦火を逃れてきた者の中には貴族も多数いたが、近日中に内戦が終わろうと言う段になって逃げてくるような者はいなかった。 今浮遊大陸から出てくるのは、王党派についていた傭兵達だけ。 安宿の酒場から順に賑わっているようだが、平民と一緒に食事をしたがらない者も多い貴族様御用達の『女神の杵』亭には関係の無い話だった。 逆に、同じくなのしれた宿でありながら平民でも構わず受け入れる隣の宿『世界樹の枝』亭は今現在全室満員で、一歩宿を出れば同じく一階に設けられている酒場の騒ぎが聞こえてくる。 そんな宿にあって、最近暇を持て余していたホテルマン達は、一階の酒場をウロウロするルイズに愛想良く、あるいは目障りにならないよう粛々と己の職務を果たしている。 酒場の中にいるのも従業員を除けばルイズ達だけ…この宿で部屋を取っているのも、ルイズ達だけだったので従業員達の態度はとてもよかった。 ホテルマン達に、その傭兵達の中にはアルビオンから逃れてきた貴族を捕まえている者もいると聞かされたルイズは気が急いて、そうした仕事振りには気付かなかったが。 「いやしかし、話には聞いていたが…彼の財産は一体幾ら何だろうね」 「男爵? 彼って…ネアポリス伯爵のことですか?」 「ああ。さっき小耳に挟んだんだが、隣の騒がしい宿。この戦争が始まる前後にある貴族が買い取って『平民でも泊まれるように』としてしまったらしい…その貴族が」 「伯爵だと?」 「ああ、代理人ではあったらしいが。間違いないな」 久しぶりに再会した婚約者とは正反対に酒場の椅子に座って背にもたれかかり、ワインまで開けて寛いだ様子のワルドは、数日前より若返ったように見える笑顔を浮かべた。 ルイズは自分が説得に失敗し、ジョルノ達が今足止めしているはずの母に長髪と髭をばっさり刈られ五歳は若返ったワルドを咎める。 床と同じく一枚岩からの削り出しで、ピカピカに磨き上げられたテーブルに、ワルドの顔が映っている。 ワインのビンが置かれたテーブルにワルドのリラックスした様子が映り、ルイズをより焦らせた。 「ワルド…貴方飲みすぎよ。任務中に不謹慎だわ」 アルビオン行きが決まった晩に、配下の者へ連絡してこのホテルを買い取ったネアポリス伯爵家の財産を計算していたワルドは数年ぶりに再開した婚約者のその表情を可愛らしく思い、笑顔を浮かべた。 「君こそ、もう少し落ち着いた方がいいな…今からそれでは先が続かないからね」 「そんなことはないわ!」 重要過ぎる任務中にワイン片手に言う婚約者の姿は、数年前彼女が憧れて恋した相手と落差があった。 美化されたイメージとの差に対する落胆が間髪入れずにルイズにトゲトゲしく反論させた。 近衛隊と切り離せない幻想との付き合いが長いワルドはそれを承知し、困ったような顔をして話を続ける。 「それにどうせ、アルビオンに渡る船は明後日にならないと、出ない」 「急ぎの任務なのに……」 そう言ってルイズは口を尖らせた。 ルイズ達はこの街についてすぐ、昼の間に桟橋に行って乗船の交渉を行ったのだが、交渉相手は皆口を揃えて同じことを彼女らに説明した。 明日の夜は二つの月が重なる『スヴェル』の月夜。 その翌日の朝が、アルビオンが最もラ・ロシェールに近づく時でそれまで船は出ない。 二人はそう、船乗り達に明日の出向予定がないことを丁寧に説明されてしまっていた。 納得していないルイズにワルドは少し考える素振りを見せた。 「じゃあこういうのはどうだい?」 「何?」 「隣の宿を買ったようにネアポリス伯爵に船を一隻用意してもらう」 全く酔っていないように見える顔でワルドが言うと、ルイズは顔を顰めた。 酔っているならまだしも、今のワルドの表情からは全く冗談には聞こえなかった。 「それは…幾らなんでも」 任務の為とはいえ、ゲルマニア貴族の奢りで移動手段を確保するなどルイズにとっては、貴族としての矜持を大いに傷つけられるように感じた。 平民でもあるまいし、由緒正しきヴァリエール家の三女が姉の恩人でもある相手にだけ出費を強いて主君からの任務を達成するなど到底考えられないことだった。 ワルドはグラスを一枚岩から切り出したテーブルに置いた。 そうしたルイズの感情を察して、幼かったルイズが憧れた凛々しい表情を見せていた。 「ルイズ。後で支払うと約束しても構わないじゃないか。これは君も言ったとおり任務なんだ…急ぎなら止むを得ないだろう」 ルイズがその言葉に視線を彷徨わせて迷いを見せると、ワルドは一転し困ったような表情を見せた。 余り本気ではない、軽い冗談のつもりだったのだがこの任務に賭けるルイズの気持ちを侮っていたらしい、とワルドは背もたれに頭まで持たれかかり天を仰いだ。 スクエアのメイジの手で巨大な岩を切り抜き作り出された宿の天井には、自然が作り出した奇妙な模様が刻まれていた。 趣を感じさせるその文様が普段とは違った方向に気を向かせたのかワルドは気がつくと「よし。じゃあ僕が出そう」とルイズに言い出していた。 「え…!?」 「なんだいルイズ。僕も貴族だ。それくらいのお金はあるさ」 思いのほか大きく驚きを見せた婚約者に、ワルドは愛嬌のある笑みを浮かべた。 アルビオンまで問題なく行け、しかもできるだけ早い船を用意する。 今の時期、急ぎとなれば相当吹っかけられるのも覚悟しなければならないだろうなとワルドは痛むであろう懐を考えて、少しだけ乾いた笑い声を上げた。 ルイズも同じように考えたのか、ワルドが座るソファの背に手を置いて心配そうに尋ねる。 「で、でもワルド…ちょっと買い物するっていう話じゃあないのよ?」 「…僕のルイズ。そんな風に心配されるのはちょっと傷つくな」 自分の財産を心配されて、おどけた調子でワルドは返すとどんより沈んだ顔を作って見せた。 失言をしたと思ったルイズはそれに騙され、慌ててワルドに言う。 「だ、だって…私達は大使なのよ! 間に合わせでも、安い船は使えないわ! それに、船員達も一流所を揃えないと…!」 「…い、いや。アルビオンまで早くいければいいんじゃないかな?」 「ダメよ! 寄せ集めじゃもしもの時に役に立たないわ! それに船員達の身なりだってちゃんとしたものを用意しないと…」 そのまま船の調度品やアルビオンで乗り込む馬車の用意などまで言い出しそうなルイズに、ワルドは慌てて声を張り上げる。 「ちょ、ちょっと待ってくれ…!そんなものを用意していたら一月はかかるよ」 「…それでも私達は大使なのよ? アルビオンの王様達にも失礼だわ」 「こんな状況だ。厳格なアルビオンの御歴々も許してくださるさ」 もしかしてここでケチるとトリスティンがアルビオンを軽く見てると思われてしまう、とか考えてるのか? 余りにも自分とは違う予想図を描いているらしいルイズにワルドは冗談じゃないと若干引きながら、婚約者の肩に手を置いた。 彼女の言うとおりにしていては結婚しても破産しかねない。 この旅で心の距離だけではなく、金銭感覚の距離も詰めなければな、とワルドの目には真剣な光が宿り始めていた。 「ルイズ。君の気持ちはよく…うん、とてつもなく良くわかる。だがこれは、お忍びなんだ。そんな目立つ真似はできないし、時間もないんだ」 「で、でも…」 「時間がないって君も言っていただろう? 君の意見は最もだ。だがそれは公式の、大々的な、それこそ公費を使って行う訪問の時の話だ。 今の僕らの状況とは全く合っていない」 ワルドは懇願するように言ったが、納得は得られなかったらしく彼が見下ろす婚約者の表情は不満げだった。 二人を生暖かい目で見ていた従業員の一人が酒場の扉を開ける。 日が沈み、二つの月の光を背負って草臥れた様子のサイトがふらふらとだらしない足取りで入ってくる。 その後を、亀を手に持ったジョルノが足音を立てずに続き、扉を開けた従業員にチップを渡し、何かを言いつけてからワルドへと目を向けた。 思わず救いを求めるような目でワルドは二人の少年を見つめ、サイトは嫌な予感に回れ右しようとする。 「何やってんだテメーは」亀から声がして、サイトが首根っこから持ち上げられたように浮かび上がる。 月明かりが作る影に表情が隠れたままのジョルノは言う。 「船の手配は既に済んでいます。明朝出立の予定ですから、余り飲みすぎないでくださいね」 安堵して息をついたワルドに、入ってきた二人は首を傾げた。 この内乱を食い物にしていたジョルノは当然、アルビオンへの玄関口であるラ・ロシェールに船を持っている。 ジョルノの抱える研究者達が異世界の技術を取り込んで作成している船には及ばないが、そこいらの船には負けぬ性能を持っているし、 船員もきっちりと、栄光ある元アルビオン空軍の仕官で構成されている。 で、むしろそれを知っていてアンリエッタは自分を巻き込んだのではと、ちょっぴり考えていた…というよりそう思いたかったのだが無駄だったようだ。 ワルドは席を立ち、鍵束を持って二人の下へと来る。 「やあポルナレフ、待っていたよ」 「おう、待たせちまったな」 妙な親しみの篭った挨拶を交わす亀とワルドを気にせず、ジョルノは店内を見回す。 特に目に付くほど悪いところはなかったらしく、ジョルノは首根っこを掴まれて足をぶらぶらさせているサイトを無視してワルドの持つ鍵束に目をやる。 「もう部屋はとってあるようですね」 「隣の宿を買い取っておいてよくおっしゃる」 形式的な笑顔を見せるワルドにジョルノも同じような笑みを返す。 「トリスティン国内にいる間だけのことです。それもお二人のような由緒正しい貴族の家にはお恥ずかしい話ですが」 「ご謙遜を」 ワルドは鍵束の中から二つ鍵を取り、ジョルノとサイトにそれぞれ手渡す。 「サイトが小部屋。伯爵とポルナレフが同室だ」 「…あの、亀で一人分っすか?」 鍵を受け取ったサイトが思わず突っ込みを入れると、ワルドは怒りも露にサイトへと厳しい視線をやった。 「口を慎みたまえ。君は僕の同志に床で寝ろと言うのか?」 「そ、そんなことないっす」 ヴィンダールヴの能力も発動していない上にヒロインもいないサイトには、その視線は聊か強力すぎた。 サイトは目をそらし、それだけを言うとポルナレフにもういいから離してくれと頼む。 ポルナレフのマジシャンズ・レッドが手を離し、サイトを暇に開かせて磨き抜かれた床に落とした。 「僕とルイズは同室だ」 一人心持離れていたルイズがぎょっとして、ワルドの方を向いた。 それに気付いていない様子でワルドは言う。 「婚約者だからな。当然だろう?「そんな、ダメよ! まだ私達結婚してるわけじゃないじゃない!」 ワルドの言葉を遮るようにルイズは声を張り上げた。 ポルナレフもそれには同意しようとしたが、しかしワルドは首を振ってルイズを真剣な目で見つめた。 冗談や余人を挟む余地がない真剣さを感じ取り、ルイズ達は息を呑んだ。 「大事な話があるんだ。二人きりで話したい」 「…ボーイさん、ワインのリストを見せてもらえねぇか?」 口を挟む余地がないと悟り、ポルナレフはワルドが作り出そうとする空気をかき消そうとする。 同じく余り女性に縁のないボーイはその意を汲んで喜んでリストを皆に配りだす。 頬の肉を引きつらせる貴族相手に満面の笑みでリストを渡す様は堂に入ったもので、ルイズも安堵しながら注文をする。 「私にも何かちょうだい」と当の婚約者まで言い、テーブルに置いたままだったワインの瓶が亀の甲羅の中へと吸い込まれていくのを見たワルドは、肩を落とした。 然程落胆してはいないらしく、苦笑したワルドは一旦諦めて自身は料理の献立表を要求する。 「君、私にはメニューを見せてくれ」 だがにこやかに表を見せて回っていたボーイは、うんざりしたような顔で「メニュー? そんなもの、ウチにはないよ…」 と返し、また笑顔でルイズ達から飲み物の注文を窺う。 「おい…! どういうことだね?」 「料理の献立はお客様次第で決定するからです」 「だから、私が何を食べるか決めるのにメニューをよこせと言ってるんだろうが!」 「チガウ!チガウ! ウチのシェフがお客を見て料理を決めるということでス」 ボーイがそう言ったのとほぼ同時に、無礼な態度に眉間にしわを寄せるワルドの元へとおいしそうな匂いが漂い始めた。 亀とサイトのお腹が空腹を訴えるように鳴り、場の空気を和ませる。 「もう完成したようですネ。すぐにお持ちいたします」 * そうして食事を済ませたジョルノ達はそのまま入浴も済ませ、どうやら本当に何か大事な話があるらしいワルドとルイズは誰よりも早く部屋へと引っ込んでしまった。 釣られるようにして、皆早々に自分に割り振られた部屋へと引っ込んでいった。 ジョルノや亀の中にいる何名かも勿論そうしたが…後は寝るだけとなってから亀に隠れ住む者の一人、マチルダはジョルノから相談を持ちかけられていた。 ココ=ジャンボと同じ内装の亀の部屋で、三人はソファに腰掛けていた。 同席したのはポルナレフだけ、テファとペットショップは席を外している。 彼らが今いる部屋とは別の亀の部屋の中で休息をとっているはずだった。 ミキタカも見張りとして、ココ=ジャンボに残されている。 入浴後の一杯を飲み干したマチルダが杖を抜き、ジョルノが持ったデルフを燃やそうとする。 濡れた髪を纏め、照明の明かりに照らされたうなじにポルナレフは注目してそれ所ではなかった。 そのせいで集中が乱れたなどの理由で勿論ないが、炎は生まれなかった。 「始めて見たね。間違いないよ、魔法を吸収する能力だ」 「…やっと自分の能力だけは思い出したってわけか」 杖を仕舞いながら結論したマチルダに、ポルナレフは真面目な顔で応じた。 火で炙られたり、これをやる前にも風の刃で刻まれたりしたデルフリンガーは、大慌てでその姿を変える。 一瞬でその変形は終わり、ぼろぼろに錆びた剣だったことが嘘のように…柄まで含めると150cm余りもある片刃の大剣がジョルノの手の中に出現していた。 「アンタどうやってこれに気付いたんだい?」 「いつまで経っても記憶喪失のままなんで、ちょっぴり折ろうとしてみたら途端に…「無茶しやがって…頑丈な俺様じゃなけりゃポッキリ逝ってるぜ!」 刃の根元についている金具を口のように動かしながら叫ぶデルフリンガーを見るジョルノの目は彼の愛鳥ペットショップが生み出す氷のように冷ややかだった。 ジョルノから、ゴールド・エクスペリエンスとは明らかに違う太く逞しい腕が出現するのを見て冷や汗を垂らしながら、ポルナレフが言う。 「ま、まあいいじゃねぇか。これで戦闘では切り札になるかもしれねぇぜ」 「そうですね。デルフのことは今は保留しましょう」 あっさりと同意して、ジョルノはデルフリンガーを鞘に仕舞い喋れないようにする。 そうしてジョルノは少しポルナレフ達に顔を寄せて本題に入った。 「ここに集まってもらったのは他でもありません。実は、ワルド子爵が裏切り者の可能性が高いです」 「なんだと…? そりゃどういうことだ」 マチルダが表情を鋭くさせて、背もたれへと体を押し付ける。 バスローブが少し肌蹴たが、残念ながらポルナレフは気づかなかったしジョルノはスルーして話を続けた。 「マチルダさんを助けに行った時に現れた仮面の男。今日の昼頃、ラルカスから彼がワルド子爵であるという情報をレコンキスタから寝返ったトリスティン貴族から得ました」 マチルダは胸元を直し、向かいに座るポルナレフの足を踏んだ。 名前が出たことで、一瞬向けられた目がどこへ向いていたか…マチルダにはお見通しだった。 ばれていないとでも思っているのか痛みを堪えながら、しかし涙を浮かべた目でポルナレフが叫ぶ。 「待ってくれ…奴がそんなはずはない! 俺と語り合った奴のあの目に、嘘偽りはなかった。信じられる紳士の目だったぜ!」 「その語り合った内容とは?」 熱く弁護しようとしたポルナレフは、その問いに色を無くしてそっぽを向いた。 「…さ、さあて。そこん所は忘れちまったな」 「その態度だけで何話してたか検討はつくけどねぇ…どうすんだい?」 「ポルナレフさんは彼が味方である可能性も信じたい、ということですね?」 「ああ。奴は紛れもないトリスティン紳士だ。それは俺の新しい友も賛同してくれるはずだぜ」 確認するジョルノに、ポルナレフは頷いた。 迷いのない、相手への厚い信頼を感じさせる言葉だった。 「男って馬鹿だねぇ」と、マチルダが微かに哀れんだように言い、どちらの言葉にかはわからないがジョルノは頷き還した。 「わかりました。保険をかけ、今は様子を見ることにしましょう」 喝采をあげ、ポルナレフは朗らかに笑った。 「わかってくれたか! だが、保険ってのは?」 「僕のゴールド・エクスペリエンスは既に彼の杖に触っています」 初めて聞く単語に内心首を傾げたマチルダは、説明を促そうとポルナレフに視線を向けた。 ポルナレフは苦い表情をして、「まぁ、仕方ねぇか」と自分に言い聞かせるように呟いていて、視線には気付かない。 無視されたことが面白くないのか、マチルダは鼻を鳴らして、亀から出て行った。 To Be Continued...
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■バイク初心者へのバイク選びのガイドライン(250cc、400cc) の50ccバージョン 【HONDA】 ~エイプ~ ~モンキー~ ~ゴリラ~ ~ディオ~ ~ライブディオ~ ~トゥデイ~ ~クレアスクーピー~ ~ズーマー~ ~スーパーカブ~ ~リトルカブ~ ~NS-1~ ~XR50~ ~ジョルノ~ ~マグナ50~ 【YAMAHA】 ~ビーノ~ ~ボックス~ ~ジョグ~ ~ジョグZR~ 9名前 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 20 56 55.21 ID +TSL8RCo0 【SUZUKI】 ~レッツ4~ ~レッツ4パレット~ ~アドレスV50~ 11名前 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 20 57 56.48 ID pFHoBNz50 原付はバイクではない自転車である 【SUZUKI】 ~RG50 ガンマ~ 【YAMAHA】 ~TZR50、TZM50~ 【HONDA】 ~ジョーカー~ 【SUZUKI】 ~ストリートマジック~ 【YAMAHA】 ~YB-1~ 【HONDA】 ~ジャズ50~ 【YAMAHA】 ~DT50~ ~AEROX~ 【SUZUKI】 ~セピア~ 40名前 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 22 10 21.72 ID +TSL8RCo0 【APRILIA】 ~スカラベオ50~ ~RS50~ ~トゥオーノ50~ 【PIAGGIO】 ~リバティ50~【SUZUKI】 ~チョイノリ~ 【YAMAHA】 ~GR50~【YAMAHA】~メイト~ 【SUZUKI】~バーディー~
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原付 原動機付自転車(未作成)、特に原付一種を指す略語。元があまりにも固くて長い言葉なので、ほとんどこうとしか呼ばれない。 なお、道路標識で「原付のみ」「原付を除く」となっている場合、ほぼ原付一種のみを指していると思って間違いない。原付二種を含む場合は「125cc未満」という表記をしている。 関連語 「原チャリ」「原付一種」「原付二種」「原動機付自転車(未作成)」「車輌区分」 2007年04月30日
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4stMT、本体価格20万以下の原付一覧 HONDA スーパーカブ/ストリート仕様/デラックス 価格 \168,000 /\173,250 /\178,500 最高出力 2.9kW[4.0PS]/7,000rpm 乾燥重量 75kg /75kg /76kg 変速機構 3段前踏式リターン(停車時のみ3速からNに入る。クラッチレバーなし) 燃料タンク容量 4.0L カタログ燃費 130.0km/l(30km/h定地走行テスト値) スーパーカブ・カスタム 価格 \199,500 最高出力 2.9kW[4.0PS]/7,000rpm 乾燥重量 79kg 変速機構 4段前踏式リターン(停車時のみ4速からNに入る。クラッチレバーなし) 燃料タンク容量 4.0L カタログ燃費 146.0km/l(30km/h定地走行テスト値) リトルカブ/セル付き 価格 \173,250 /\194,250 最高出力 2.9kW[4.0PS]/7,000rpm 乾燥重量 75kg /77kg 変速機構 3段前踏式リターン/4段前踏式リターン (停車時のみ3速/4速からNに入る。クラッチレバーなし) 燃料タンク容量 4.0L カタログ燃費 125.0km/l /132.0km/l(30km/h定地走行テスト値) プレスカブ/デラックス 価格 \184,800 /\199,500 最高出力 2.9kW[4.0PS]/7,000rpm 乾燥重量 83kg 変速機構 3段前踏式ロータリー(クラッチレバーなし) 燃料タンク容量 4.0L カタログ燃費 115.0km/l(30km/h定地走行テスト値) カブシリーズ各車の違い カブは種類が多いので違いを補足。 スタンダード 基本形。センタースタンドなし。大型サイドスタンド装備。 3速ロータリーだが、停車時以外3→Nに入らないためリターン式と表記されている。 ※この方式は「ロータリーストップ」「新ロータリー」などとも呼ばれる。 ストリート仕様 独特のカラーリング、色つきレッグシールド、小型リアキャリア装備。 デラックス センタースタンド、前キャリア、左ミラー装備。 カスタム 角目ライトなど外形が異なる。オーバードライブ的な4速(旧名称エコノミードライブ)をもつ。 そのため3速がややロー気味にセッティングされており、結果的にギアの繋がりが良く燃費も良い。 セルフスターター、センタースタンド、指針式燃料計、左ミラー、前キャリア装備。急ブレーキ時にフロントが浮き上がらないアンチリフト機構も装備。 プレスカブ 大型リアキャリア、センタースタンド、ヘッドランプ付き大型前カゴ、業務用サイドスタンド。 停車時以外でも3→Nになる完全なロータリー変速。 プレスカブデラックス グリップヒーターを標準装備。 リトルカブ 14インチの小型ホイールで全体的に小ぶり。カラーバリエーションが多い。 その他は概ねデラックスに準ずる装備。ただし前キャリアはない。 リトルカブセル付き カスタム同様4段変速、セルつき。 ただしカスタムとは異なりリトルカブ同様の外形をしている。 カブの利点 大きな積載力、ホイールの大きさによる安定性、またいで乗れること、燃費の良さ、安価で豊富な社外アクセサリー。 カブの欠点 加速が悪い、オプションで箱等を装着しなければ収納性が皆無、ステップスルーではない、 四速カブ以外は二速と三速のギア比が離れているため登坂時に二速ではオーバーレブ、三速では失速してギアが合わせにくい事がある。 オマケ。http //bike2ch.orz.hm/upload/src/bike0005.wmv.html この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る リトルカブ乗ってますが上り坂が続くと結構しんどいです -- (名無しさん) 2011-03-07 19 20 14 こめミス(;;) よっぽど急な坂じゃないかぎりそんなにスピードおちないよね -- (曹候補士) 2011-02-09 00 37 55 登坂はよっぽど急じゃないかぎり -- (曹候補士) 2011-02-09 00 34 52 4速モデルでも2と3の間はまだ遠い。坂での快適性ではCDに敵いません。平地での4速の快適さは素晴しいですが。 -- (元カスタム則) 2006-08-24 12 27 24 2速でゆっくり登れば、いいんですよ。 -- (774rrのひとり) 2006-06-16 04 44 07 登坂に難があるカブなど見たこと無い。ステップスルーではないが跨ぐのは簡単。 -- (名無しさん) 2006-06-15 18 43 16 ベンリィCD50 / ベンリィ50S 価格 \194,250/\199,500 最高出力 2.8kW[3.8PS]/7,000rpm 乾燥重量 76kg/73kg 変速機構 4段前踏式ロータリー(クラッチレバーあり) 燃料タンク容量 5.5L カタログ燃費 120.0km/l(30km/h定地走行テスト値) スーパーカブと同系のエンジンを搭載した「またぐタイプ」の商用原付。 手動クラッチ式の4段変速でカブよりもキビキビと走れる。 50Sは荷台を外してロングシートを採用した、レトロスポーツ風の外観を持つ。 エイプの登場まではカスタムの素材として非常に人気があった。 この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る アウスタでかっこいいロングシートが多数ラインナップされています。乗り心地も静岡県から埼玉県までのツーリングで苦にならないくらいですし、ルックスもがらりとお洒落になります。50Sを検討している方はこちらも考えてみては?ナビ電源もとりやすいですし。 -- (KEI) 2009-09-12 11 13 51 雨の日に転倒したけどステップが曲がってウインカーが割れただけ。丈夫だねえ♪普通の原付じゃこうは行かないはず。燃費もいいし大切な相棒です^^ -- (ひー) 2007-09-07 18 06 25 こないだホンダのショップに持ってったら「紅白カラー以外にもカラーあったんですか?」とサービスのあんちゃんが珍獣でもみるような顔していってた。社内でもレアらしい。そーういえば原付系の雑誌にもほとんど出てこないし。人とは違うが機械として確かなモノ、それでいて安い買い物をしたい人向けだと思う。しかし、ぶっちゃけ、買い取り価格は絶望的だ -- (芥子) 2007-01-20 10 52 32 なんつーか、別にごく普通の実用原付なはずなんだけど、乗ってるだけで珍しがられるのは気のせいですかね? -- (芥子) 2007-01-20 10 48 57 YAMAHA YB50 / YB-1Four 価格 \195,300/\200,550 最高出力 3.0kW[4.1PS]/7,500rpm 乾燥重量 85kg/83kg 変速機構 4段前踏式リターン(クラッチレバーあり) 燃料タンク容量 7.2L カタログ燃費 108.0km/l(30km/h定地走行テスト値) YAMAHAのベーシックな商用モデル。 以前は2サイクルエンジンだったが、排気ガス規制の際に4サイクルとされた。 YB-1Fourは鋲打ちのロングシート、メッキフェンダー、別体メーターなど手の込んだレトロ風カスタム。 2サイクル時代のダウンチューブはスポイルされてしまったが、SR400のような外観は未だに根強い人気を持つ。 この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る SUZUKI バーディ50/セル付/重荷用/新聞バーディ(グリップヒーター付) 価格 \156,450/\174,300/\173,250/\183,750(\198,450) 最高出力 2.9kW[4.0PS]/7,000rpm 乾燥重量 69kg/71kg/74kg/79kg 変速機構 3段前踏式リターン(クラッチレバーなし) 燃料タンク容量 4.5L カタログ燃費 120.0km/l(バーディ/セル付) / 115.0km/l(重荷用/新聞用)(30km/h定地走行テスト値) 長いことカブタイプだったが、2004年フルモデルチェンジを機に独特のスタイルに変わった。 14インチホイール採用で軽量化と小型化を果たし、またフロントサスペンションもテレスコピック式。 重荷用はバーディ90の足回りとキャストホイールを装備したヘビーデューティ仕様。 新聞用は大型リアキャリアとヘッドライト付専用前カゴ、キャストホイールを装備している。 この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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RZ50 (絶版)2008年6月現在、新車は流通在庫が残っているのみ。 価格 \284,550 最高出力 5.3kW[7.2PS]/10,000rpm 最大トルク 5.9N.m[0.60kg.m]/8,000rpm 乾燥重量 80kg 変速機構 6段リターン(クラッチレバーあり) 燃料タンク 10.0L オイル容量 1.2L カタログ燃費 62.0km/l(30km/h定地走行テスト値) 自主規制一杯の7.2馬力を発生する水冷エンジン、ディスクブレーキ、モノクロスサスペンションと本格的な装備をもつ。 一方外見は17インチのスポークホイールを採用し 70sライトウェイトスポーツ風であり、好みが分かれるところ。 積載・収納ともに皆無(リアキャリアはオプションで存在)だが、元々そういう性格の乗り物ではない。 2007年9月の排気ガス規制により生産終了した。 最後の2stゼロハンスポーツであった。 メーカーサイトの紹介ページ http //www.yamaha-motor.jp/mc/lineup/sportsbike/rz50/ この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る 熱だれはします。50km程度ならOKですが、車の流れに乗って80kmで走ると30分くらいで吹けなくなります。 -- (名無しさん) 2010-11-09 07 45 57 きちんと吸排いじって+Fスプロケ+1で50ccのままパワーバンド内で80~90km/h巡航可能です。5速が生きるので山間国道の急坂でも70~80kプロケm/h登坂が普通に可能です。ちなみに当方身長176体重70k。よって50でも黄ナン取得は必須。ツーリングでは休まず一日中乗っても熱ダレもしませんので、評価の高いマシンです。 -- (名無しさん) 2010-10-25 17 17 16 リアカウルには純正工具と保険書類を積んだ状態で、厚さ1.5cm程度の新書本二冊とプラグ四本位は入ります。 積載は、長細いタンクの形状や、ハンドルの取り回しの問題から、タンクバッグの容量は限られますが、一般的な原付ツーリング程度の距離なら、充分にこなせる容量のバッグは取り付けられますし、それ以上なら(抵抗が無ければ)リュックとの併用で問題は解決出来ると思います。 実燃費は20〜25km程度?自分の乗り方が下手なので、実際の平均値はもっと多いと思います。 個人的には町中では流れに充分に乗れブレーキも効き、シートに尻が置け、ニーグリップし易いので、乗車姿勢が崩れにくく比較的疲れにくい所が気に入っています。 欠点としては、原付にしては良く走る事が仇となってか、郊外で乗っていると制限速度や速度リミッター、一寸不安なサス等からボアアップ等の改造をしたくなるか、メーカーの思惑通り二種や中型以上が欲しくなると思います……。また、速いとはいってもNSR50やRS50、TZR50等とは比べる物では有りません。 -- (名無しさん) 2009-07-29 23 18 29 リアカウル内にスペースあります。積載はタンクの上に可能です。 -- (RZ50オーナー) 2009-07-16 08 51 42
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【名前】 覚悟を決めたジョルノ・ジョバァーナ 【大きさ】 成人男性並み 【攻撃力】 ゴールド・エクスペリエンスのラッシュ攻撃;車を破壊する程度 【防御力】 無限多次元破壊攻撃でも無傷、 【素早さ】 常に相手より速く行動を終了させられる 【特殊能力】 ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム; あらゆる現象、テンプレ、行動、思考、意思、存在を0に戻す。戻すとは比喩表現にすぎない。 これはあらゆる効果よりも速く発動する 常にこの能力が速く発動するようにテンプレ改変している。 干渉できない効果もすり抜けることが確定している
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馬車に揺られながらロマリアの枢機卿でありながらトリスティンの政を一手に担うマザリーニは口ひげを弄りながら悩んでいた。 まだ四十だというのにすっかり白くなってしまった髭や骨ばった指を見て、休息の必要性を感じたがまだまだそんなわけにもいくまい。 小さな悩みは、極端な貴族主義だのその貴族達の腐敗だのそれこそ数数え切れない程あるし、今その頭を悩ませている二つの問題は早急に何らかの形で決着をつけなければならない。 明日にもアルビオンの王家を打倒するのではないかと思われる『レコンキスタ』 国内に蔓延する国境なき『パッショーネ』 『レコンキスタ』への対応はもう済ませた。 亡き王の忘れ形見をゲルマニアに嫁がせるという苦渋の決断によって、既に…同盟の手はずは整っている。 後は、これからの結果によってGO!かSTOP!をかけるだけだ。 残る『パッショーネ』への対応は未だに暗雲の彼方だったが、これが成れば激務に痩せ衰えていくマザリーニの体にも少しは余裕が出てくるだろう。 『パッショーネ』の発見は困難だ。 彼らのような犯罪者達が隠れるのは当然の事だが、彼らは民衆に人気があるのだ。 治安の悪い場所。あるいは、(調べてみてわかった時はなんという皮肉かと嘆いたものだが…)貴族達の腐敗度が高い場所が彼らの支持基盤になっている。 特に、マザリーニには最初意外だったが、新教徒の間では彼らの支持率は高い。 彼らの頭目である『ボス』と呼ばれる男は、新教徒であるかなど拘らず、亜人さえ受け入れるというからだ。 新教徒達はそれを知り、同じ搾取されるなら自分達平民を蔑むだけでなく時には新教徒であるだけで排除したりする貴族よりも、彼らの方がマシ、と考え犯罪者共に協力しているらしいのだ。 といってもそんな証拠は彼らが結束しているから出てこない。 またでっち上げで捜査を強引に進めたとしても、より彼らを強力にするだけでしかないのでマザリーニは許可していない。 新教徒は恐れていると同時に、鬱屈していた。 亜人にでも尋ねた方が容易い程に…同じ人間だからこそなのか? そう思うのはマザリーニの耳に重要な事件が一つ入っていないからだった。 ある村を軍が虐殺したことが、水面下で広まり、未だに新教徒達の軍への、トリスティン王国への、王家、貴族…メイジへの信頼を完全に破壊している事をマザリーニは知らなかった。 考えごとから思考を切り替え、マザリーニは向かいあって座るトリスティン王女アンリエッタを観察する。 御年十七歳。すらりとした気品のある顔立ち、薄いブルーの瞳、高い鼻の瑞々しい美女だった。 政治の話をする為に同じ王女の馬車に乗り込んだマザリーニの前で、彼女は膝の上に薄っぺらい本を広げ、馬車の車窓から見える風景を眺めながらため息をついていた。 「これで本日十三回目ですぞ。殿下。ため息が増えましたな」 「貴族達には見せるなというのでしょう? わかっていますわ」 「ならばお控えください。王族たるもの、無闇に臣下の前でため息などつくものではありませぬ」 「王族ですって! まぁ!このトリスティンの王様はあなたでしょう?」 驚いたような声を上げたアンリエッタは、今巷で流行っている歌を聞かせて差し上げる、そう言ってマザリーニを揶揄する歌を歌い始めた。 『トリスティンの王家には、美貌はあっても杖は無い。杖を握るは枢機卿。灰色帽子の鳥の骨…』 マザリーニはどこか開き直ったような様子のアンリエッタを目を細めて見つめた。 「殿下がため息をよくつかれるようになったのは、アルビオンの状況を聞いてからと存じ上げております」 「…それは「聞けばウェールズ公の安否をお聞きだったそうですが、ウェールズ公との間に何かご心配ごとでもございますか?」 落ち着いたとはいえ、今朝もまた川に薬を売る商人の遺体があがったことさえマザリーニは目の前の王女に説明できずにいる。 今、更に厄介なことを聞くのは勘弁してほしかったが、マザリーニは聞かずにはおれなかった。 もう一つ手を打とうとしているとはいえ、より確実な方法であるゲルマニア皇帝との縁談の話はいつでも成立できる状態にしておかねばならないのだ。 だと言うのに、ウェールズ王子の名を上げた時のアンリエッタの表情とマザリーニの耳に届いてくる情報は、アンリエッタが…これから一回り以上年の離れた男に嫁ぐ娘が、報われぬ恋をしていると確信を持つには十分だった。 だがアンリエッタはマザリーニに憂い顔のまま微笑んで首を横にふった。 「ありませんわ」 「そのお言葉、信じますぞ」 「私は王女です。嘘はつきません」 マザリーニは胸を詰まらせるような哀れさにため息が漏れるのを必死で堪えた。 二人の乗る馬車は、トリスティン魔法学院へと緩やかに向かっていた。 そこでは、マザリーニが打とうとしているもう一つの手が、一人の男が二人を待っていることになっている。 エンリコ・プッチ枢機卿。マザリーニの元に届いている情報から浮かびあがるのは奇妙さだった。 エンリコ・プッチ。 ロマリアに現れてからたった数ヶ月でプッチは枢機卿になり、教皇を始めとした高位の聖職者達から厚い信頼を得ている男。 肥え太った聖職者達の溜め込んでいた富を、彼ら自身から差し出させる程の人物だと言うのだ。 ロマリアで生まれ育ったマザリーニにはそれが普通なら、あり得ない話だということがよくわかる。 豪奢な教会で宝飾を身につけて清貧を説き、貧者達に仕事や寝床ではなく食べ残しや一切れのパンを与えるゲス野郎共、思い出すだけで頭に血が上っていくのをマザリーニは忘れた振りをすることで抑えた。 勿論教皇が連れて来る以前何をしていたか全く不明となっているプッチの事を、マザリーニは出来る限り調べてはいた。 しかしプッチなどと言う家名はついに見つけることはできなかった。 それに肌が黒い、という点にもマザリーニは引っ掛かりを覚えている… 学院の生徒になっているミス・ツェルプストーも黒い肌をしているらしいが彼女の家系などを辿ってもプッチには辿り着かなかった。 だがそれでも、いや…だからこそ、マザリーニはプッチ枢機卿と会わなければならなかった。 例えエルフや悪魔と契約したかのような得体の知れぬ者だとしても…今のトリスティンにはその力が必要なのだ。 プッチ枢機卿はガリア王ジョゼフとも親交があり、影響力を持つという。 つまりマザリーニとしてはあわよくばガリアと同盟を結び乗り切りたいのだった。 ガリアとの同盟さえ成れば、可愛いいアンリエッタを親族を非道な手で蹴落としてきた40台の男なんぞにくれてやる必要もないのだ。 だがプッチ枢機卿は、今トリスティン魔法学院での会談を希望し、最初はオールドオスマンだとか長い歴史を誇る学院にでも興味があるのかと思われたが、ゲルマニア貴族のネアポリス伯爵と毎晩のように会談しているという。 オスマン相手にも会談は一度だけだったというのにだ。 市場や貴族に影響を与え過ぎるネアポリス伯爵のことをマザリーニが危惧していることに気づいたとは考えたくないが…マザリーニは最悪少しネアポリス伯爵に配慮してやることを考えていた。 「姫さま、先程から何を見ておられるのです?」 「…ファッション誌よ。ドレスを仕立てた後に仕立て屋がくれたの」 せっかく作ってくれたのですからこれくらいいいでしょう、とアンリエッタが見せた薄っぺらな本を見てマザリーニは口をへの字に曲げた。 その製作者は、件のネアポリス伯爵の手の者だったためマザリーニもその内容は知っていた。 軽口だろう、多分…冗談半分に『レビテーションが出来なければフライを唱えればいいじゃない』なんて言っていたとかなんとか書かれていたのを思い出すと眉を寄せざる終えない。 フォローするように幼い頃お友達を抱えてフライで飛んだ時のお話しだそうですとか少なくなったスペースに書き加えられていたことも思い出して…もっと、更にうんざりした。 アンリエッタは少し照れた表情で彼女のドレスや、他のファッションリーダーとされる女性などのことが書かれた雑誌をパラパラとめくりながら言う。 「まだ通の方達の間だけで名前も決まってないんですって、私に因んでアンアンとつけても良いか?なんて聞いてきたわ」 『…ダメだ、コイツ早く何とかしないと』 マザリーニは窓のカーテンをずらして外を見る。 そこに腹心の部下の姿を認め、声をかけた。 だが忠実に任務をこなすトリスティン貴族の鑑のような男に何か気晴らしになるものを探して来いと命令するのも酷く気が引け、マザリーニは何も言わずにカーテンを閉めた。 それが逆に気を引いたらしく、羽帽子に長い口ひげが凛々しい精悍な顔立ちの若い貴族は跨っているグリフォンを馬車へと寄らせた。 胸にグリフォンを模った刺繍が施された黒いマントを羽織る男は、選りすぐりの貴族を集め結成されるトリスティンに三つある魔法衛士隊の一つ、その中でもマザリーニの覚えがよいグリフォン隊隊長だった。 「?…お呼びでございますか、閣下」 「…ワルド君、殿下のご機嫌がうるわしゅうない。何か気晴らしになるものを見つけてきてくれないかね?」 仕方なくマザリーニが下した命令に、ワルド子爵は街道を見つめ、杖を一振りした。 つむじ風が舞い上がり、街道に咲いた花を摘んでワルド子爵の元へと届けられる。 その花を枢機卿へと手渡そうとするワルド子爵へ、マザリーニは口ひげを捻りながら呟いた。 「隊長、御手ずから殿下が受け取ってくださるそうだ」 「光栄でございます」 一礼し、馬車の反対側に回ったワルド子爵の前で窓が開き、アンリエッタの手が差し出され花が手渡された。 花が馬車の中へと帰依、今度は左手が差し出されるのを子爵は感動した面持ちで見つめた。 王女の手へと、ワルドは口付ける。 物憂い声でアンリエッタはワルドに問うた。 「お名前は?」 「殿下をお守りする魔法衛士隊、グリフォン隊隊長。ワルド子爵でございます」 恭しく頭を下げる子爵。 「あなたは貴族の鑑のように、立派でございますわね」 「殿下の卑しき僕に過ぎませぬ」 「最近はそのような物言いをする貴族も減りました。祖父が生きていた頃は…ああ、あの偉大なるフィリップ三世の治下には貴族は押しなべてそのような態度を示したものですわ」 「悲しい時代になったものです。殿下」 受け答えを返すワルド子爵も遠い時代に思いを馳せているらしいと、マザリーニはそのやり取りを見て逆の窓から外を眺めた。 「貴方の忠誠には、期待してもよろしいのでしょうか? もし、私が困った時には…」 「そのような際には、戦の最中であろうが、何においても駆けつける所存にございます」 アンリエッタが頷くのを感じ、ワルド子爵は再び馬車から離れていった。 「あの貴族は、使えるのですか?」 「ワルド子爵。二つ名は『閃光』かの者に匹敵する使い手は『白の国』、アルビオンにもそうそうおりますまい」 マザリーニは酷く空虚な思いでそれに答えた。 王女が耳に聞こえの良い言葉ばかり言う宮廷貴族たちにうんざりしているような事も、マザリーニの耳には入っている。 おべっかを使う貴族達と今のアンリエッタの言葉に、近いものを感じたからだった。 * 「おい凄い情報を手に入れたぞ!」 朝食を終え、授業までの短い時間を食堂で過ごすギーシュのもとにマリコルヌが興奮した様子でやってきた。 最近新しく平民の使い魔なんてものを召喚し、ハードボイルドを気取っているらしいマリコルヌの様子に、ギーシュは深い理解を示した。 単に久しぶりに自分に話しかけてきたことがちょっぴり嬉しかっただけかもしれないが。 何故ならギーシュも興奮していたからだ。 ある情報筋から聞いたのだが、今日アンリエッタ王女が学院を訪問なさるらしい…アンリエッタ王女、先王陛下の残した一粒種である方のことを思うだけでギーシュの胸には熱い何かがこみ上げていた。 トリスティンに咲く一輪の華…ッ! 未だモンモランシーの事は諦めがつかないなどいろいろと頭を悩ませる事はあるものの…いやだからこそ、興奮せずに入られなかった。 「わかってるさ。王女殿下がこられるって「違うッ、いいかい?」 マリコルヌは暑苦しい顔をギーシュに寄せる。 げんなりした顔でギーシュはその分顔を退いた。 「ネアポリス伯爵って知ってるか?」 「勿論、平民達がやるような事を手広くやってるっていう変人だろ?」 ついでにいえばモンモランシーともう仲がいいらしい、などとはギーシュは言えなかったが目には憎しみに近い光があった。 「馬鹿野郎ッ!」だがその説明に、マリコルヌは怒りも顕にギーシュを殴り倒した。 「テェッ…なに「あ、ありのまま僕が聞いた話をするぞ。ネアポリス伯爵は、おっぱいを生み出す事が出来る、らしいいよ? な、何を言ってるかわからないと思うが僕にもわけがわからない。マジックマッシュルームとか妄想とかそんなちゃちなもんじゃ「…いきなり何言い出すかと思えば。それなら僕にもできるさ」 くだらない情報に惑わされたマリコルヌに大きくため息をつき、ギーシュは立ち上がった。 優雅な動作で杖である造花を取り出したギーシュは驚愕に打ち震えるマリコルヌを見る。 「なんだって!?」 「見ていてくれ。ワルキューレ!」 ギーシュは造花の杖から花びらを一枚とり、それをゴーレムにする。 そして、「錬金!」ギーシュの渾身の叫びがッワルキューレの胸を柔らかくするッ! 得意気に鼻を膨らませて仰け反るギーシュとワルキューレに、周りの生徒達が興味を示したらしい。 他の生徒からの視線が絡み付いてくるのを感じながら、マリコルヌがおそるおそるワルキューレの胸に触れてみる。 青銅の胸は確かに少し柔らかくなっていた。 「今はまだその程度だがいつか本物と同じにしてみせる。疑似肉を錬金するメイジがいると聞いて思いついたんだ」 「ギーシュ、君って時々天才だな」 マリコルヌは素直に称賛しながらワルキューレの胸を触り続ける。ギーシュは得意げだ。 だが、そこは食堂…集まりかけた周囲の女性の目は冷ややかだった。そこに、近頃頭が曇りきった一人の男が通りかかった。 「ミスタコルベール!?」 「何…君、これはミスタグラモンが?」 眠そうにしていたミスタコルベールはワルキューレの胸を見て顔色を変えた。 オールド・オスマンに辞表を提出した頃から、(オールド・オスマンの頼みを聞いてもう少しだけ教師は続けるらしいが)ふさふさになり始めた髪に、ギーシュ達も顔色を変える。 生徒達の視線を真っ向から受け止め、オールバックにした長髪を惜しげもなく靡かせるミスタ・コルベールはその洗練されつくした観察眼を…通称『スカウター』と呼ばれる域となった眼力を発揮する。 「はい」 「惜しい…ミスタグラモン。発想は素晴らしい」 その只者ではない眼を見て、表情を無駄に引き締めたギーシュに、コルベールは残念そうに首を振った。 「今まで幾多の土のメイジが錬金は女性へのプレゼントを作るためにあるのではないと言ってたどり着いた答えに、既にたどり着いたのはね。だが甘いな、まず原料がよくない」 「原料?」ショックを受けながらもギーシュは尋ねた。 ミスタ・コルベールの真剣な表情には、真に迫ったものがあった。 自分では上出来と考えるそれを見る漢の意見、聞き捨てならないものがあるとギーシュは考えていた。 いつになく真剣な生徒に、ミスタ・コルベールも快く教えを説く。 一部の人間にのみ見える後光を背負いながら、コルベールは言う。 「私なら、おっぱいプリンを使う」 朝から食堂に衝撃が走った。 「おっぱいプリン…!けして安くはない砂糖をふんだんに使って作られ、かつては陛下も愛されたが、かのカリーヌ・デジレによって弾圧された、あの!」 「苛烈な弾圧はプリンのレシピまでが焼き尽くされ、おかげで今のトリスティンからプリンが失われた原因だという、あの!」 歴史の闇に葬られたはずの存在を知る将来有望な生徒に、コルベールは重々しく頷いた。 「あの料理は、言わば貴族とメイジの併せ業。厨房のある男はまだ作りだせるはず…だが、気を付けたまえ。その道はメイジの半分を敵に回しながらもどんなスクウェアもたどり着いていない修羅の道だ」 困難な道にあえて挑む若者への忠告を、ギーシュは深く受け止め頷いた。 「おっぱいを作り出すには正に神の如き業が必要なのだ」 マリコルヌがそこに口を挟む。 周囲から漢達の熱い視線と女性達の冷たい視線を注がれながら… 「その話なんだけど…、いいか? 僕が手に入れた情報によると、ネアポリス伯は凄い技術を持っていて、豊胸手術を行うことができるらしいんだ」 ギーシュとコルベールはマリコルヌを真剣な表情でみる。 二人の視線は、マリコルヌの言葉を信じきれずにいるようだった。 できれば信じたいッ!という気持はありありと浮かんでいたが。 「それは、マジな話なのか?」 「ああ、マジだ。恐ろしい話だが、彼の連れている女性、見たことがあるだろう?」 マリコルヌの目が一瞬何かを思い出すような遠くを見る色を見せ、鼻のしたが伸びた。 それに続き、ギーシュの鼻の下が伸びる。 既にトリスティン紳士の一人であるコルベールは無論そんな無作法な真似はしなかった。 「あれか…!? まさか、あれが?」 「あぁ。僕は常々思っていたよ。あんなものが自然にありうるのか?とね」 真剣な問いに、ギーシュもくだらないと鼻で笑うことはできなかった。 舞踏会の夜を思い出す。見事な仕立てのドレスに包まれ、ダンスにあわせて揺れたあの物体…ギーシュは、真顔で喉を鳴らした。 「あるなら、僕は始祖の意思を感じるな」 その意見にコルベールも頷いた。 「私もそう思う。少なくとも人類の半分は神の実在を疑わないでしょうな…だが、あれが人の手によるものだとするなら…」 「あり得ないッ」 コルベールの言葉を、マリコルヌが間髪を要れずに否定した。 「だがあったならッそいつは人間を超えていると思う。僕明日から改宗してネアポリス教を作るよ」 「僕も入れてくれ」 「いや私に任せたまえ」 バカなことを真剣に語る三人へ声をかける者がいた。 その者は本当はそのまま横を通り過ぎて日当たりの良いテラスへと向かうつもりだったのだが、余りにも馬鹿馬鹿しくて思わず声を欠けてしまった。 「お前ら…人が黙って聞いてりゃあ言いたい放題言ってるな」 「「カメナレフッ」」 マリコルヌの使い魔を連れた件のネアポリス伯の亀の登場に食堂が沸いた。皆、聞き耳はしっかりたてていたのだ。 カメナレフと呼ばれるのにもいい加減慣れっこになりつつあるポルナレフはため息をつき、宣言する。 「一言だけ言っておく。あれは人工じゃねぇ、100%天然だ…!」 「「ナナナナンダテッ!?」」 食堂が驚愕に震える。始祖の存在を、見えざる始祖の御手を…マリコルヌは信じずにはいられず、思わず目から涙が溢れた。 「僕、今始祖の存在を感じたよ。始祖ブリミルに100万回祈りを捧げてくるよ」 「いや待て、それは最もだが、先に確かめなければならないことがあるのではないかね?」 教会に走りだそうとするマリコルヌを、鬼気迫る表情のコルベールが止めた。 同じ漢…心のどこかで通じるものがあったのか、マリコルヌは心に浮かんだ思い付きを確かめるように師に尋ねた。 「それはまさか、ネアポリス伯がおっぱい伯がどうかということですか?」 「そういうことだ。カメナレフ…君は知らないか? ネアポリス伯がおっぱいを生み出せると言う噂について」 「勿論知ってる。それはデマだ「「なんだ…デ「だが奴は生み出せるだろうな。そういう力を持ってる」 「マジかよ師匠」 「マジだ」 ポルナレフの一言に、食堂が、いや学院が一瞬揺れたようだった。 「じゃ、じゃあ…か、彼は自分で生み出せるのにGod s miracleも手に入れた、そういうことなのかい?」 ギーシュは崩れ落ちるように膝をつく。 ポルナレフの亀を挟み、サイトも同じように膝を突いた。 「なんという差だ…」 「おっぱい格差が既に存在するのか…」 「お前ら本当におっぱい好きだな。それは違うぞ」 呆れ半分感心半分といった口調でポルナレフが言う。 その否定はただの擁護にしか聞こえず、ギーシュは怒りを胸に秘めて顔を上げた。 「しかし…」 「ネアポリスが作ることができるおっぱいは天然だが、ある意味ではコピー。そのモチーフは一体どこから来ていると思う? 奴の想像だけで神に迫れるのか?」 ハッとして、ギーシュは立ち上がる。 絶望に身を焦がし、膝を突いていたマンモーニとはもう違う。 トリスティン紳士への一歩を踏み出した覚悟を秘めた目をしていた。 「!…解ってきた。僕にもわかってきたぞカメナレフッ! つまり君はこういいたいわけだね? ネアポリス伯は神が生み出した彼女のおっぱいをオリジナルとして見て生み出している、と」 「そうだ…グッ!?」 亀の中でマチルダに蹴られながらも、ポルナレフは威厳を保ち正解者へ声をかける。 マチルダの冷たい視線、背中を蹴る足は徐々に強くなっていたが、今止めるわけにはいかなかった。 「芸術家達が観察から黄金の比率を自ずと見出したように、ジョナサンも深い観察から黄金の比率や質感などを得ているはずだ。つまりそれは…「黄金のおっぱい、ということか」 「「黄金のおっぱい…誰だっ!?」」 熱を帯びた声で食堂中の男達は呟き、テラスを見る。そこにはつばの広い帽子、仮面に髭面。 長い髪と、トリスティンの最精鋭であることを示す衛士隊の服を身に纏った男が立っていた。黒いマントにはグリフォンの刺繍…魔法衛士隊隊長ワルド子爵の遍在と、見るものが見ればわかったであろう。 だがポルナレフはそれはとは関係なく、どこかで…そうマチルダを助ける時とかに見たような気がした。 だがそんなことは今はどうでもいいので無視して叫んだ。 「何者だ!」 「そんなことより今は重要な話があるだろう」 男は当然のように話の輪に入って行く。 そう、そんなことよりも、紳士達には重要な用件があったのだ。 この食堂の人類の半数は敵に回そうとしているが、彼らは構わなかった。 「そ、そうだ。ということは何故女性を連れて、他の女性とも親しくしようとしているんだ!?」 マリコルヌが血を吐くように叫んだ。 僕にも一人分けろッ!という幻聴がしたような気がするが、男は無視してそれに対して答を返す。 「彼はファッションを生み出す存在となっていることを思い出すんだ。彼は深い観察の末に、本能的に気付いたんだよ。巨乳には愛がある。微乳には夢がある、とね」 「では彼は今後更に他の黄金比も求めて行くと?」 「僕なら当然そうする。皆もそうだろう」 後輩へ暖かい目を向けて男は同意を求めた。 「でしょうな」 コルベールが真っ先に反応し、皆が頷く。 男は偉ぶった態度で頷き、遠い目をして呟いた。 その容姿、態度、何より実力にコルベールは男が誰であるか気付いた。 「私の見たところ。彼のスカウターはかなりのものだ」 「閃光と呼ばれる君が言うなら確かだろうな」 コルベールの賞賛の篭った相槌に『閃光』は照れたような表情を見せた。 子供のような純粋さがその表情にはあった。 「やめてくれ。親しい友達はジャンと呼ぶ。ジャン・ジャックだ」 「奇遇だな。私もジャンだ。ジャン・コルベール」 「本当に奇遇だな。私もだ。ジャン・P・ポルナレフと言う」 閃光…ジャンは驚いたが、すぐに嬉しそうに笑い、握手するために手を差し出した。 「なんと!趣味があい名前も同じくする友がいきなり二人も現れるとは!」 「運命を感じますな」 「漢は引かれあうというわけか」 笑いあう三人のジャンを、ポルナレフが向かう予定だったテラスでテファ達と食後のお茶をいただいていたジョルノは、なんとなく目に入ったので見ていた。 別にちょっと視線を動かしたら目に入ったんで見ていたというだけだった。 ポルナレフを待っていたのだが、いい加減紅茶だって冷めてしまう…今では待つ必要も余り感じないし。 あの中に参加しようとしたラルカスが横で既に昏倒していたが、ジョルノはラルカスなんていません。と言う風な態度でお茶を飲んでいた。 既にブレーキが壊れてしまったらしいコルベールが、サイトの耳を掴み引っ張っていくシエスタに凄く爽やかな笑顔でワインを注文する。 隣で長女のエレオノールとその婚約者バーガンディ伯爵の事でジョルノに相談していたはずが、いつのまにか『閃光』とか言うらしいジャン・ジャックを剣呑な目で見ていたカリンが席を立ったが、全く引き止める気にならなかった。 カリンは、テファの胸を睨みつけていたルイズに声をかけて、食堂の中へと入っていく。 「だが兄弟、私はその話には先があるのではないかと思うのだが、どう思う?」 「先だと? 野郎、案外ヘタ…いや紳士的にガン見もしてないように思えるが…」 今更になって少しフォローするような事を言うポルナレフをジャン・ジャックが鼻で笑った。 「兄弟よ。本当にコルベール兄貴の言いたい事がわからないのか?」 「ど、どういうことだ?」 「つまりこういうことだよ。深い観察から生まれたものには、概ねリアリティもついてくる…つまりだ。次の段階というものがあるんだよ」 まだ彼らの中での正解にたどり着かない同志に向かって、二人は自然声を合わせた。 「「味も見ておこ」」 二人の意識はそこで刈り取られ、体は強大無比な風の一撃を受けて壁にめり込んだ。 一人は遍在のはずだが、壁にはめり込んでも消滅しない絶妙な力加減がされているらしい。 ジョルノは一撃で二人を倒し、騒がしくなっていた食堂を静まり返らせたカリンがこの次何をするかなんとなく予想が付いたが、いい加減飽きて視線を反らした。 「ジョナサン、今のお話ってどこまでが本当なの?」 だが、そちらではカトレアがジョルノを覗き込んでいて、ジョルノは少し身を引いた。 隣で恥ずかしがるテファに一瞥を送りながらカトレアが尋ねる。 「手術はできなくもありませんが、他は知りませんね」 「あらあら、ジョナサンは女性の胸はお嫌いなの?」 朗らかに笑い、悪戯っぽい表情で少し胸を強調してみせるカトレアにジョルノは眉を寄せた。 逃げるように紅茶のカップを置いて、仕事の手紙を書き始める。 「カトレア嬢。ジョナサンが困っているではありませんか。ここは私に免じてこれまでということにしてもらえませんか?」 「失礼しました。閣下」 カトレアを静止したプッチ枢機卿は、人の良さそうな笑顔で礼を言う。 初めて出会った日からこの肌も服も黒い枢機卿は、積極的にジョルノと関わろうとしていた。 とても興味深い話を聞いた、とジョルノは言っていたが…何か考えがあるらしく、二人でよく話し合っている。 カトレアやテファさえ、その場にはまだ同席することは許されない。 今日、ポルナレフに紹介する予定だったのだが、ポルナレフは今カリンのハンマーで食堂を一周しているので今回は見送りになりそうだった。 だがジョルノの態度から、多分敵ではないのだろうなと、テファ達は判断していた。 「嫌いではありませんが。自重できなくなるほど好きでもありません」 そんな中、ジョルノはペンを止めて一言だけカトレアに返すと、今度は上下にシェイクされ始めたポルナレフを見てプッチ枢機卿に尋ねた。 「プッチ枢機卿」 「プッチでいい、なんだね。ジョジョ」 ジョジョと呼ばれ、微かに眉を顰めながらジョルノは確かめるように言う。 プッチにジョジョと呼ばれるのが、何か隠しているらしい胡散臭さの漂う口調が酷く気に障った。 そんな呼ばれ方をしたのは初めてのような気もしたが、多分気のせいだ。 ジョルノの学生時代のあだ名はジョジョのはずだから。 「僕の父親を殺した者達の一人は、ジャン・P・ポルナレフでしたね?」 ジョルノの質問に、テファ達が息を呑んだ。 プッチ枢機卿は浮かべていた笑みを消し、憎しみを込めて吐き捨てる。 「その通りだ。ジャン・P・ポルナレフは君の父であり我が友であるDIOを裏切り、殺害に加担した。誓って嘘は無い」 もう一度、今度は回転しながら他の二人の"ジャン”と共に食堂の外に放り出されるポルナレフを一瞥して、ジョルノはイザベラへの手紙を書き上げる。 それを封して、ペットショップに渡すジョルノの表情には何も浮かんでいなかった。 To Be Continued...
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リアカウル内にスペースあります。積載はタンクの上に可能です。 -- (RZ50オーナー) 2009-07-16 08 51 42 リアカウルには純正工具と保険書類を積んだ状態で、厚さ1.5cm程度の新書本二冊とプラグ四本位は入ります。 積載は、長細いタンクの形状や、ハンドルの取り回しの問題から、タンクバッグの容量は限られますが、一般的な原付ツーリング程度の距離なら、充分にこなせる容量のバッグは取り付けられますし、それ以上なら(抵抗が無ければ)リュックとの併用で問題は解決出来ると思います。 実燃費は20〜25km程度?自分の乗り方が下手なので、実際の平均値はもっと多いと思います。 個人的には町中では流れに充分に乗れブレーキも効き、シートに尻が置け、ニーグリップし易いので、乗車姿勢が崩れにくく比較的疲れにくい所が気に入っています。 欠点としては、原付にしては良く走る事が仇となってか、郊外で乗っていると制限速度や速度リミッター、一寸不安なサス等からボアアップ等の改造をしたくなるか、メーカーの思惑通り二種や中型以上が欲しくなると思います……。また、速いとはいってもNSR50やRS50、TZR50等とは比べる物では有りません。 -- (名無しさん) 2009-07-29 23 18 29 きちんと吸排いじって+Fスプロケ+1で50ccのままパワーバンド内で80~90km/h巡航可能です。5速が生きるので山間国道の急坂でも70~80kプロケm/h登坂が普通に可能です。ちなみに当方身長176体重70k。よって50でも黄ナン取得は必須。ツーリングでは休まず一日中乗っても熱ダレもしませんので、評価の高いマシンです。 -- (名無しさん) 2010-10-25 17 17 16 熱だれはします。50km程度ならOKですが、車の流れに乗って80kmで走ると30分くらいで吹けなくなります。 -- (名無しさん) 2010-11-09 07 45 57
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い、今起こったことをありのまま話すぜ! 私を召喚したルイズが石を錬金しらた爆発が起きた…な、何を言ってるか分からないと思うが私にも何が起こったのかわからなかった。 錬金なんてちゃちなもんじゃねーもっと戦闘向きな魔法を味わったぜ! 出したままのスタンドで私は周囲の惨状を見る。 爆発で壊れた教室の備品! 砕けた石の破片が食い込んだ壁! マジシャンズレッドがスタンドでなかったらと思うとゾッとするぜ… ルイズが使い魔は外と言うんでおとなしくマジシャンズレッドで授業を盗み見してたんだが、私が生身なら同席を希望して爆発の影響下にいたはずだ。 ジョルノが見つけてくれるまで、無駄なストレスとダメージは回避すべきだからな。ラッキーだったぜ。 ルイズが魔法を使うときは離れておくのがベストだな。 周りの連中が言っていることを盗み聞きした感じでは、絶対に失敗して爆発を起こすらしい。 顔を合わせる度にじゃれあってるキュルケとかが言っているから間違いないんだろう。 なんだかんだ言って、ルイズと一番仲がいいのは彼女だからな。 騒ぎを聞きつけてきた教師もそこの所を理解しているらしく、ルイズにくれぐれも魔法を使わずに片付けろと罰を命じている。 しかし…失敗すると確実に爆発するなんてことがありえんのか? テファの魔法の話やマチルダお姉さんの魔法を直に見た私は、なんか頭の隅っこのほうで引っかかるものがあった。 「まぁ気のせいか」 私はそう結論付けると、マジシャンズレッドに亀を持ち上げさせる。 所詮私は魔法に関しては殆ど知識が無いからな。専門家どもが言ってるならそーなんだろう。 外で待っているふりをしてるのも暇なんでな。 私は他の生徒が出て行くのを見届けてから教室に入った。 広い教室は擂鉢状に近い形をしている。 魔法で全部作られてるってのがまた凄いな。 外から見ているだけだった私は改めて中に入って感慨に耽った。 だがそれも視線を中央に向けるまでの話だ。 後ろの席ほど高い位置にあり、どこの席についても教師の姿が見えるようになっているんだが…その教師が立つ壇上で一人で片づけをしてるってのは、見栄えがよくなかった。 不機嫌そうなルイズは、同時に傷ついているように見えちまうじゃねぇか。 今まで見たどの表情よりルイズの表情は暗く沈んでいて泣いているようにさえ私の眼には映った。 亀を抱えたマジシャンズレッドは、ルイズへとゆっくり近づいていく。 「何しにきたのよ?外で待ってるように言ったでしょ。あんたに片づけができるわけないんだから、おとなしくしてなさい!」 私が入ってきた事に気付いたルイズはちょっとばかしヒステリックな調子でそう言った。 こちらを見ようともしないが、背を向けたまま顔を拭くような仕草をしたのには、流石の私も気付いていた。 確かにルイズの言うとおりではある。私はできれば話し相手とかだけにしときたいんだ。 こんな小娘の世話なんて面倒臭いからな。 だが、ここでルイズ一人に片付けさせるのは時間がかかる。 そうするとコイツ、飯食いっぱぐれたり次の授業に遅れちまうかもしれない。 そう考えた私はマジシャンズレッドを動かして教室を片付け始める。 べ、別に一人でやらせるのはかわいそうだとかそんなことはこれっぽっちも思ってねぇぜ! 私がマジシャンズレッドを使い片づけを創めるとルイズは驚き、私が能力を隠していたことを責めてきたが、ピンチの時に使った方が守るのに有利だと考えていたと嘘をついておいた。 自分の使い魔の思っても見ない能力にルイズは喜んだようだが、同時に使い魔のほうがまともに魔法が使えることにショックを受けたようだった。 魔法じゃなくてスタンドなんだが、誤解を解くのも面倒だから放っておく。 ルイズがどう思おうがマジシャンズレッドは名前の通り私の傍らに立ち、私を助ける。 重要なのはそこなんだからな。 だが、落ち込んだのを放っておくのは天国の奴になんか言われちまうかもしれん。 私は肩を竦めた。 仕方がないなっ! 私はこんな柄じゃあないんだが…こんな時誰より頼りになる承太郎ならなんと言って慰めるだろうか? 常にクールで頼りになった戦友はあれで時に優しさを見せる野郎だった。 アイツなら、一体どう言って慰めるだろうな? 私はそれを思い浮かべながらちょっと考えた。 勿論手を動かしながらだったが、私は言葉を選びながらルイズに語りかけた。 「ルイズ、貴族ってのは威張るだけの能無しばっかだ「なんですって!」」 落ち込んでいたルイズの顔は赤く染まり、興奮しているのが丸分かりだった。 一瞬落ち込んでいた方がいいんじゃーねぇのーっと思ったが、言い出したからには遣り通すべきだろう。 しかし、何か、違うな…おかしい。奴は簡単にやってたもんだが… 怒りを増したルイズに多少慌てながらも、私は一つ咳払いをして方向修正を図る。 落ち着け。落ち着くんだポルナレフ…まだ、修正可能なはず。 「魔法も威張る為にしか使ってねー。ご主人様、そんな貴族の中でアンタの魔法は何より容赦がねぇ…戦闘以外で人に向けて使うんじゃねーぜ?」 「つ、つつ使い魔如きにまで!馬鹿にされるいわれはないわよ!ああ、アンタ、お昼抜きだからね!」 癇癪を起こしたルイズは言い捨てて何処かに行っちまった。 おいおい、まだ教室片付いてねぇぜ? 周りを見渡し、残っているゴミや薄汚れちまってる教壇などを見て私はため息を付いた。 承太郎教えてくれ…俺はどこで間違えたんだ? 『てめぇの間違いはたった一つ。シンプルな答えだ…てめぇはルイズを怒らせた』 そんな幻聴が聞こえた気がするが、私はため息を一つ零しただけで片づけを再開する。 都市を食って私も落ち着いたって事だな。 あの旅の頃の私なら、絶対にこんな片付けはしないぜ。 ため息を吐いた数だけ教室は片付けられていった。 ジョルノ。さっさとてめーも来てくれ。 俺には10代の学生のテンションに付いていくのはつらいものがあるぜ。 逆に考えると私が年老いているか10代の学生も付いていけないほど大人気ないのか、だが…それは考えない事にした。 …ポルナレフさんがそんな事になっている頃。 当然だがそんなことなど知る由も無い僕はまだガリアにいた。 知っていたら何かしたのかというと…それはまた別の話ですけどね。 少し、組織の状況について話しましょう。 アルビオンはレコンキスタを中心にあっさりと独占できた。 碌でもない人達が多かったが…それだけでもない。 王族への反感も高まっている中で麻薬に逃げる者もいれば、数で負け、連戦連敗しても戦わなければならない自分を鼓舞する為に精神高揚剤として必要とする悲しい人もいた。 どう使われようがそれらは黒い金ですが…アルビオンで独占しようと他の国の市場ってものがあるし、アルビオンは戦争状態に入ってしまったのではっきり言うと不味い市場だ。 戦争状態は、色々と裏事を進めるのは楽な時もあるが、平時より更に平民の事は省みられないし簡単にインフレ状態に陥ったりするからな。 僕にとっては、麻薬に頼りきりな組織を作っても仕方が無いからと準備を始めていた他の事業を開始するにはいいきっかけになったのが皮肉でしたが… 組織は既にゲルマニアには展開を始めている。 少し落ち着いたんで今度はこちらで市場調査ってわけです。 故郷に比べ、こちらはまだ全てにおいて幼い。 パッショーネは色々な場所で競争に打ち勝つ為に洗練してきた…その手法や向こうで既に使い古されたやり方などを少し変えればつまらない程に形になる事がある。そのお陰で急速に拡大する事が出来ているが、壁もいくつかある。 一番厄介なのは、どこに行ってもある程度の規模になると貴族が出てくる点だ。 間抜けな者が多いとはいえ、利権を握っている上法と慣習で守られているのはとても厄介だ。 だがそんな彼らの幾人か、麻薬を買った貴族達から遠回りしてコネは手に入れている。 二つ目の問題は人手だ。犯罪者や商人、農民、善良に生きているが更に下の人達…彼らの中から才能を拾い上げ、人を育てなければならないって言うのが酷く難しい。 平民の中、貴族の中にも志が高いものが多いとしても、だ。 ゲルマニアはそうして拾い上げた彼らとその下に既にいた人達に任せてある。 妙なプライドを持った奴も多かったが、パッショーネ流に調教したので問題ないでしょう。 長くなりましたが、要するに順調ってことです。 お陰で今はちょっとした旅行気分。観光や買い物も思ったよりできてテファも喜んでいる。 この国のガーゴイルも出来れば商品に加えたい所だ。 色々と考えながら僕は目的の大体8割程度は達成し、最後の調査場所での調査と売り込みを行っていた…んですが、そこで思わぬアクシデントに見舞われた。 夜半になり屋敷の主人の部屋で騒動が起きた。 まだ眠りに付かず、今日決まった商談を加えた絵を考えている時だった。 一瞬テファの事が気になったが、観客になるまではうまく行きました。 腕の良いメイジを見る機会は余り無かったのですが、とても参考になりました。 今度スクエアも見たいな。 僕に直接関係する話ではなかったのですが、知っている女の子がその中心にいたので僕は少し首を突っ込んでみました… 危険なら少し手を貸すつもりでしたが、彼女は僕が思っているよりも優秀なメイジだったので、その必要もありませんでしたが。 そうして、見物を終えて程なく朝を迎えた僕は、テファと朝食を取りながら騒動の主役となったアイテムを可能なら記念に手に入れることを決めました。 簡単に手に入るとも思えませんが、とても得難い物に見えましたからね。 どうやって手に入れるか考えながら、僕はテファと別れて彼女を常に視界に納められ、また人目に付かぬパーティ会場の隅でこの園遊会で出会った貴族達の何名かと話していました。 「…では帽子が届くのは少し先になりますか?」 「ええ。特殊な作り方をしておりますから」 テファの被る帽子を物欲しそうにみる貴族に答えながらジョルノはダンスを眺め、ステップを記憶していく。 幾つか覚えてきたが、また少し違うのが興味深い…それに水を差すようにその貴族は囁いてくる。 「来月に間に合わせたかったのですが…どうにもならないものですか?」 「フ~ム………何か理由がおありのようですね。聞かせていただけますか?」 テファの長い耳を隠す為に、僕は彼女にドレスなどと共に帽子を用意した。 貴族達が着飾って集まる会場で咎められないよう華やかななものにしてみたが…もう少しフェミニンな装いにした方がこの園遊会の雰囲気に合っていたかもしれない。 今着ているのも悪くは無いが、余り強く印象付けたくないからな。 だが同時にこちらでは帽子は余り使われていなかった帽子を衣装選びをする時選択肢の一つに数えられるようにはしなければならない。 どれだけ大人しいデザインのものを用意しても周りに身につけている者が一人もいないと目立って仕方が無い。 そう考えて手は打ったのだが―僕は目だけを動かして会場の中を確認する。 組織の者の手でプレゼントされた帽子などが幾つか見えた。 今あるドレスなどに飽きているような噂を聞いたご婦人達に『他国で流行の兆しが』とか適当な言葉と共にお送りしたのだが、その中の何人かが帽子を身につけているようだ。 もう少し数がいた方がいいのだが、それは今後地道に増やしていくしかない。 まだ全て始めたばかり…少しずつ広げていく事が大事だ。 「それは…その、なあ」 理由如何によっては期間を早めると匂わせた僕に、彼は照れた様子でそっぽを向いた。 人目につかぬよう隅の中でも木陰になっている場所を選んだのだが、はっきり分かるほどだ。 その様子だけで、少し都合してあげるつもりだったが彼の友人が僕が何かを言い出す前に口を開いた。 「彼の結婚記念日なんですよ。コイツ愛妻家で有名でしてね。まぁッこんな田舎では妻と過ごす時間には事欠かぬというわけでして…」「また貴様は勝手に…!」 照れ隠しからかより気色ばむ彼とそれをなだめようとする友人達を見るに、彼らとは今後も清い付き合いができそうだなと僕は考えていた。 「まぁ…お恥ずかしい話ですが、そういうわけです。妻が懇意にしている商人がトリスティンのある貴婦人が帽子に凝り始めたとかなんとか…私には全くわからんのですがね」 すまん。それ嘘ですよ。 かなり鵜呑みにしているらしい彼と彼の友人には、少し骨を折るのも悪くない事だろう。 僕は彼をからかっている友人の一人に声をかける。 その貴族はガーゴイル作りに定評がある、と聞いておりそれの作成と製法を少し教えてもらう約束をしていた。 「そうでしたか…男爵。貴方にお願いしていたガーゴイルの件、早めても構いませんか?」 「これ以上かね? それは少し…あぁ、それで少し早まるのかね?」 「ええ。実は僕も知人への土産が無いと帰れない立場でしてね」 本当はその技術を全く違う目的に使うつもりだが、それはまだ教えられない。 彼らの口からもし広がってしまえば予定が大きく狂ってしまうからな。 そう考える僕を他所に、貴族達はその口下手な愛妻家殿をからかい始めた。 僕は彼らに調子を程ほどに合わせながら、園遊会の雰囲気を楽しみ…ふいに周囲から歓声が上がった。 「イザベラ様がダンスを披露なさるそうですよ」 誰かがそう言ったのを聞き、ジョルノは内心首を傾げた。 昨日襲われていた知り合いの少女かそれとも本人かはともかく、そんな事をするタイプではないと思っていたからだが… その間にふらふらと、その王女様が観客席から舞台へと向かっていく。 それまで舞台で踊っていた、薄い布を幾重にも纏った女達がそれにあわせて舞台中央にスペースを作り少女を迎えいれた。 王女は不自然なほど素早くそこへとたどり着き、周囲へ笑顔を見せながらナイフを振り上げた。悲鳴が上がる。 辺りが騒然とする中、僕は笑みを浮かべていた。 視線の先では、主賓のガリア王女が探していたアイテム(インテリジェンスナイフ)に操られて裸で踊りはじめていた。 『地下水』と呼ばれ、人を操る力と何種類かの系統魔法、持ち主を操って行う格闘も中々の腕を持つナイフが日の光を反射して冷たく輝いていた。 やれやれ、どこの誰かは知らないが…これで楽に手に入れられるかもしれないな。 僕は笑みを引っ込めて席を立つ。 周りでは止めるか、いや王女の芸術だとかどーでもいい事で騒いでいるようだが、いい加減見るに耐えないですしね。 澄み切った空へと僕は咎めるような視線を向けた。 上空を嬉しそうに旋回する影は、確かに僕の知る少女の竜だった。
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4st、本体価格20万以下の原付一覧 HONDA SmartDio/SmartDio DX 価格 \168,000/\189,000 最高出力 3.7kW[5.0PS]/8,000rpm 乾燥重量 71kg /72kg 燃料タンク容量 5.0L カタログ燃費 75.0km/l(30km/h定地走行テスト値) Dioの名を冠するものの、中国製のノーマルDioやtodayとは全く別物の原付である。こちらは国産。 水冷のため非常に静かなのだが、冬は若干エンジンがかかりにくい傾向がある。 SmartDioはドラムブレーキだが、DXはディスクブレーキを装備。 SmartDioに限らずエンジン形式がAF55Eの車種はオイル漏れしやすく、 またクランクベアリングがもろい(通称クランクタイマー 15,000km辺りから異音が発生する物が出てくる)のが欠点。 この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る CreaScoopy/CreaScoopy i 価格 \168,000/\189,000 最高出力 3.6kW[4.9PS]/8,000rpm 乾燥重量 72kg 燃料タンク容量 5.0L カタログ燃費 75.0km/l(30km/h定地走行テスト値) SmartDio、Zoomer、Bite(廃盤)とフレーム、エンジンが共通のHONDA主力価格帯スクーター。 水冷エンジンを搭載して非常に静かであり、中速からの加速の伸びは良い。 しかし発進加速は抑え目にセッティングされているため、街乗りでは「遅い」といわれることも。 CreaScoopy i はプログラマブルな多機能デジタルメーターを搭載。 お洒落系と位置づけられているためかリアキャリアはないが、オプションで設置可能(7,000円)。 この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る 6年ぐらい乗ってるけど壊れない。 -- (名無しさん) 2011-02-26 13 51 53 リアキャリアって -- (たkむれ) 2007-04-18 15 47 57 ZOOMER/ZOOMER Deluxe 価格 \199,500/\204,750 最高出力 3.6kW[4.9PS]/8,000rpm 乾燥重量 79kg 燃料タンク容量 5.0L カタログ燃費 75.0km/l(30km/h定地走行テスト値) 水冷エンジン搭載のSmartDioやScoopyの兄弟車。 極太タイヤ、メットインを廃止してシート下に低床の大型荷台を設置するなど個性的なスクーター。 太いタイヤと長い全長から、取り回しは良くない。 「載せる」ことに特化しているため、かなりの長物が運べるのが特徴。 この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る YAMAHA Vino/Vino Deluxe/リモコンVino 価格 \170,100/\175,350/\175,350 最高出力 3.8kW[5.2PS]/8,000rpm 乾燥重量 73kg 燃料タンク容量 4.5L カタログ燃費 62.0km/l(30km/h定地走行テスト値) 人気だった2stのお洒落系スクーターのメジャーチェンジ版。 カタログ上は僅かに差が付いているが、基本的な性能でHONDAのCreaScoopyと大差はない。 Deluxeはカラーバリエーション、リモコンはYAMAHAお得意のリモコン機能搭載。 燃料注入口の位置の問題のため、基本的にリアキャリアは設置できない。 (※ショップなどの社外品があるかもしれないが未調査) この車種に対するコメントをどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る ワイズギアのリアキャリアは2st用で、YECはもうミニバイク用品作ってないわけだが -- (774) 2007-06-15 03 28 25