約 1,721,360 件
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1283.html
http //jijitu.gaou.net/ 南京への道・史実を守る会 第16号 2008年5月18日発行 南京への道・史実を守る会より、夏淑琴さん裁判控訴審の判決についてお知らせします。 (中略) 1937年12月の南京にて、夏淑琴さんの家族7人が日本兵によって殺害された「新路口事件 」が発生しました。当時南京に在住していたアメリカ人のジョン・G・マギー牧師が遺し たフィルムとその解説文にも、この事件の記録があります。 しかし亜細亜大学教授・東中野修道氏は著書の「南京虐殺の徹底検証」(展転社)の中で 、マギーの解説文を(恐らくは意図的に)誤訳し、さらに恣意的な解釈を加えることによ って、夏さんは事件の生存者とは別人であろうと述べました。 この誹謗中傷に対し昨年11月2日の東京地裁判決は、被告である東中野氏と展転社に合計4 00万円の賠償を命じました。 しかし氏と展転社はこの判決を受け入れることなく控訴しました。一方夏さんの弁護団も 、被告が控訴することを見越して、謝罪広告の要求が認められなかった点などについて控 訴しました。 控訴審からは被告側は今までの主張を翻し、マギーのフィルムは南京大虐殺とは無関係で 、解説文も創作であると主張しています。東中野氏による、夏さんは別人だという主張の 唯一の拠り所すら、放棄してしまったのです。 しかし高裁はこのような霍乱に惑わされることはなく、3月の第一回口頭弁論のわずか2 ヵ月後に判決が下ることになりました。2年間に渡って争われたこの裁判もようやく決着 を迎えることになったのです。 戦争犯罪の被害者・証言者の名誉を守り、歴史の事実を正しく伝えるために、控訴審でも 勝たなくてはなりません。そのためにも一人でも多くの方々に集まっていただきたいので よろしくお願います。 (参考) 15年戦争資料 @wiki - 夏淑琴さん名誉毀損訴訟 東京地裁判決 http //www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/737.html 夏淑琴さん名誉毀損訴訟第2審
https://w.atwiki.jp/ayano01/pages/216.html
舷側に立ち、海面を見渡すさつきの目の前を、海面から立ち上ったML(マジックレーザー)が飛び去った。 一瞬で装甲の表面温度が危険値に跳ね上がった。 「あ、危なぁっ!」 「海面を狙えっ!」 二宮からの命令が飛ぶ。 「ど、どこにいるかわかんないのに!?」 さつきはスクリーンのズームを繰り返しながら海面を見るが、敵の姿はどこにもない。 「海中に潜む敵を、この高度から見分けろというんですか!?」 美奈代が二宮に文句を言う気持ちが、さつきにはよくわかる。 「当てろとはいわないっ!」 二宮は怒鳴った。 「海面を叩いて連中の攻撃を散漫なものにすればいいっ!」 ―――成る程。 さつきはそれで納得がいった。 二宮が求めているのは、敵の撃破じゃない。 敵の頭を押さえて、この海域から逃げ出すチャンスを作り出すことだ。 「春日中尉」 さつきはMC(メサイアコントローラー)の春日春乃(かすが・はるの)中尉に言った。 「敵の攻撃が反撃の合図です」 「その通りです」 春日中尉は頷いた。 「敵、ML(マジックレーザー)の発射直前のエネルギー集束現象を狙って射撃します」 MC(メサイアコントローラー)側のFCSを調整しながら、春日中尉は答えた。 「上手くすれば対消滅を―――」 ブンッ! 再び、艦をML(マジックレーザー)がかすった。 「……出来るかしら」 艦の下腹にML(マジックレーザー)が突き刺さったが―――。 「くそっ!」 その結果に、シュナー少佐は舌打ちした。 一瞬、命中カ所の空間が歪んだだけで、艦には何のダメージも与えていないのは明白だったからだ。 「中和フィールドか!?」 重力を中和するフィールドである重力力場(フリー・グラビティ・フィールド)なんてシュナー少佐が知るはずがない。 魔族軍も使用する浮揚システムであり、同時にバリアシステムも兼ねる優れものである中和フィールドとしてシュナー少佐の目には映った。 そのフィールドを破るには、高出力のML(マジックレーザー)がいる。 ただでさえ海水で出力を削られるカプラーヌのクロービーム程度をいくらぶち当てても意味はない。 「シナベールっ!」 シュナー少佐は覚悟を決めた。 敵艦をここでさっさと仕留めてしまうに限る。 下手な躊躇は命取りだ。 使えるものは何でも使わねば―――!! 「艦の主砲で敵艦を仕留めろっ!」 チカッ! 飛行艦の舷側で強い光が生まれたのは、その時だった。 海面で連続した爆発が発生、一斉に水柱が立ち上った。 「やった!?」 さつきのその期待を込めた言葉は、水中からのML(マジックレーザー)攻撃によって否定された。 「ちっ―――くそっ!」 美奈代は海面を睨み付けながら舌打ちした。 敵が見えない上に、海水というバリアが邪魔して、ML(マジックレーザー)攻撃が本来の性能を発揮出来ないのだ。 おそらく、ML(マジックレーザー)が到達しているのは深度20メートル程度のはず。 敵に届かない。 「せめて―――敵さえ見えれば」 恨めしいのは、ビームランチャーにつながった出力ケーブルだ。 これがあるおかげで、甲板から離れることが出来ない。 「隊長っ!」 不意に、都築の声が通信機に入った。 「俺がオトリになりますっ!」 「何っ!?」 「海面でオトリをやれぱ」 「―――っ!」 二宮は唸るような声をあげ、言った。 「都築、海面で敵を誘い出せ。各騎は海面に出る敵に対し、精密射撃っ!」 「教官っ!」 美奈代が言った。 「自分も志願しますっ!」 「泉っ!?」 「……わかった」 二宮が言った。 「泉―――何か策があるんだろうな」 「は、はいっ!」 美奈代は思わずそう答えてしまった。 目の前ではさくらがびっくりとした顔で自分を見ている。 今更、何もないとは言えない。 「命令を変更する」 通信機に二宮の声が入る。 「泉、都築両騎で敵を誘え。自殺志願者同士―――夫婦で行って来いっ!」 「絶対に違いますっ!」 「了解っ!」 通信機に美奈代と都築の声が重なった。 「くそぉっ!」 ルサカは狂ったようにカプラーヌのML(マジックレーザー)を乱射していた。 艦には命中するが、すべて無効化されている。 敵に位置がばれているのは、集中する反撃の砲火から明らかだ。 それにも関わらず、ルサカが乱射を止めないのは、 「このままじゃ、少佐達に殺されちまうっ!」 その恐怖心故だ。 「ルサカっ!」 アミラントの声に我に返ったルサカは、アミラント騎が自分の騎の背後から接触していることにようやく気づいた程だ。 「馬鹿野郎っ!なにやってやがるっ!」 罵声と同時に、ルサカ騎は海中に引きずり込まれた。 それと同時に、ルサカがいままでいた場所を、ML(マジックレーザー)の爆発が駆け抜けた。 「海面に浮上してどうする!的になりたかったのか!?」 そう。 興奮したルサカは、自分が海面すれすれまで上昇していたことに全く気づかなかったのだ。 「す……すみ」 ルサカは謝ろうとして、やめた。 警戒システムが、敵艦から2騎のメースが発艦し、海面に降下してきたことを告げている。 「ですがっ!」 ルサカは陽光に輝く海上を睨み付けると、アミラント騎を振り切った。 「俺だってやれますっ!」 ルサカ騎のブースターに光が走った。 アミラントには、ルサカが何をしようとしているのか、すぐにわかった。 「ルサカっ!」 伸ばされたアミラント騎の手をすり抜けるようにして、ルサカ騎が海上めがけて飛翔を始めた。 「―――敵はどこだ!?」 都築騎”が海面から数十メートルの高度を飛行する。 「海面下でのエネルギー反応警戒―――都築候補生、この騎の戦闘エネルギーの半分をセンサーに回します。よろし?」 「―――任せます」 「水中から急速上昇する物体ありっ!」 突然、精霊体が警報をあげたのは、まさにその時だ。 「ちっ!?」 ブースターを吹かし、海面から距離を取ろうとする都築騎より、海面に上昇してきたカプラーヌの方が早かった。 ガッ! 海面に飛び出したカプラーヌの腕が、都築騎の左足を掴んだ。 「ぐっ!?」 垂直に海めがけて引っ張られる衝撃に、都築は舌を噛みそうになった。 ブースター出力を最大に引き上げ、海中に引きずり込まれまいと足掻いた。 「なめんじゃ……ねぇぞっ!」 都築騎が海中から出現したメサイアに海中へ引きずり込まれそうになっているのは、美奈代も目視出来た。 「都築っ!」 美奈代はとっさにさくらに命じた。 「さくらっ!シールドパージっ!」 「はいっ!」 左腕を大きく振るい、振り切る寸前にシールドをパージ。 遠心力をつけて敵に叩き付ける美奈代とさくらのオリジナル技。 さくら曰く「シールドどん」 シールドの質量が加わった攻撃は、実際かなりのダメージを与える技で、シールド喪失による始末書というオマケがつくある意味禁忌の技だ。 “征龍改”から放たれたシールドが激しく回転しながら、海中から伸ばされた腕の根元にめり込んだ。 衝撃で離れた手から逃れた都築騎が斬艦刀を抜刀、海中に沈み行く敵騎に剣を突き立てたのは、その直後だった。 アミラントの目の前で、ルサカ騎が、一瞬痙攣したようにビクッと動いたかと思うと、糸の切れた人形のように、力無く海中へと沈んでいった。 「ルサカ!」 ルサカ騎に接近したアミラントは、ルサカ騎のコクピット頭部―――コクピットブロックを貫通した破孔を確かに見た。 破孔から盛大に海水がコクピットへの流れ込んでいる。 それがどういう意味を持つか、考える必要さえない。 「くそっ!」 アミラントはコクピットのコンソールに頭を叩き付けた。 脳天から全身を走る痛み。 それが発狂しそうな程、アミラントの体内を駆け回る慚愧の念……いや、自暴自棄に近い報復の念を押さえてくれる。 額を走る生ぬるい液体を、アミラントは舌で拭った。 鉄の味がした。 「……少佐」 「ルサカは落とし前をつけただけだ」 シュナー少佐は冷たくそう言った。 「アミラント。シナベールに戻るぞ。カプラーヌではこれ以上はどうしようもない。艦隊戦になる前に収容してもらう」 「―――了解」 アミラントは、ルサカ騎が消えていった海底をちらりと見た。 光の届かない漆黒の闇が、底には広がっていた。 「……戦場で、勝手なマネするヤツはそうなるんだよ……馬鹿野郎が」 「敵騎、海中へ沈みますっ!」 オペレーターの明るい声に、艦橋が湧いた。 「よしっ!」 美夜は力強く頷いた。 「海域の離脱もあと少しだ!」 「泉騎より通報!海底より上昇する物体有。質量―――空母クラスっ!」 「何っ!?」 驚愕の表情を浮かべる美夜の目の前。 スクリーン上に映し出された海面の色が変わった。 そして――― 「ルサカの件は」 艦橋に戻ったシュナー少佐に、艦長席の男が振り返りもせずに言った。 がっしりとした体格。長年の風雪に耐えたたたき上げ者特有の貫禄ある顔がそこにあった。 魔族軍巡航艦シナベール艦長、オイゲン大尉だ。 「残念―――そう言って良いですか?」 すでに艦橋は海面から出ようとしていた。 「そうだな」 シュナー少佐は艦長席の横に立つと、窓の外に視線を向けたまま頷いた。 「またしても、私は未熟者を制することが出来なかった」 「我々、ロートルは」 久しぶりに見た太陽光のまぶしさに顔をしかめつつ、艦長は言った。 「若手相手には後悔と不満ばかり―――そういうものですよ」 「艦長っ!」 砲術担当士官がその席から報告する。 「主砲射撃準備完了っ!照準はあの艦で!?」 「うむ―――仕留めろ」 「ひ、飛行艦だと!?」 美夜達の目の前。 静かなはずの海面に突如現れたのは、“鈴谷(すずや)”より二周りは大きい巨大な飛行艦だ。 「全長380メートル、推定排水量10万トン―――」 “鈴谷(すずや)”の“目”が捉えたデータを前に、美夜の出来ることは、それを音読する程度だ。 元来、輸送艦改造型の“鈴谷(すずや)”に、この艦に対して対抗出来る兵器はない。 あるとしたら、メサイア達の持つビームランチャーが精一杯だ。 そんな美夜の目の前で、メサイア達が一斉に動いた。 「砲門は6門―――」 二宮が着眼したのはそこだ。 「長野、早瀬」 二宮は命じた。 「相互データリンク展開、敵A砲塔砲身の発射タイミングを狙って狙撃しろ。同様に柏、山崎はB砲塔。宗像、私と共にC砲塔を叩け。対消滅によるダメージで敵艦を仕留める」 「―――了解」 各MC(メサイアコントローラー)達は一斉にFCSを精密射撃モードに切り替えた。 ―――だが、 ズンッ! 艦を走る激震が、彼女たちを搭乗したメサイアごと襲ったのは、その直後だった。 その瞬間、美夜は自分がどんな声をあげたのかまるで覚えていない。 いや。 その瞬間、世界に音があったのかさえ、美夜は覚えていなかった。 覚えているのは、ただ、体をシェーカーに放り込まれたような衝撃が走ったことだけだ。 「被害報告っ!」 「艦橋より各部、被害報告を!」 「艦橋見張りより報告っ!右舷命中弾2、至近弾4、命中弾は艦を貫通しました!」 「―――ちぃっ!」 「ちぃっ!」 FGFを突き抜けた“鈴谷(すずや)”への攻撃命中に関し、舌打ちしたのは美夜だけではなかった。 シナベールの砲術長もまた、自らの射撃結果に舌打ちしていた。 至近弾が4 命中弾はたったの2 せっかく命中した弾も、出力が高すぎて艦内で爆発することなく貫通してしまった。 「各砲塔誤差修正っ!ML(マジックレーザー)出力を半分に下げろっ!―――ええいっ!オンボロの人類艦めっ!」 「一番砲塔修正完了」 「二番完了」 「エネルギー充填。出力40%でホールド。撃てますっ!」 「よしっ!」 砲術長が砲撃命令を下そうと、管制システムのアイピースに顔を押しつけた。 砲撃用カメラと連動するシステム上で、敵艦の様子が手に取るように分かる。 黒い煙を吐き出しながら飛ぶ敵艦。 その艦橋に並ぶメース達がこちらに武器を向けているのまでがわかる。 「敵艦からの砲撃―――来ますっ!」 船底から斜めに抜けた2発の攻撃は、幸いにして竜骨を傷つけずに済んだとはいえ、そのダメージははっきり大きい。 それだけは確かだ。 その“鈴谷(すずや)”からの報復が果たされたのは、その直後だった。 「ぐうっ!?」 丁度、都築と共に、肉迫攻撃を試みていた美奈代は、突然発生した敵艦上の爆発の衝撃に吹き飛ばされた。 一度、海面に叩き付けられ、大きくバウンドした後、騎体の姿勢制御を取り戻した美奈代が見たものは、無惨に打ち壊され、空を浮かぶ残骸に成り下がった敵艦の無惨な姿だった。 「き……教官達がやったの?」 「ち、違います」 牧野中尉が強ばった声で答えた。 「“鈴谷(すずや)”からの攻撃はすべてバリアに弾かれました」 「じ、じゃあ?」 驚く美奈代の目の前で、敵艦の舳先が南東を向いた。 「事故?砲塔が爆発した?」 「別なML(マジックレーザー)が命中したのは確認しています」 あと一歩で巻き込まれる所でした。 大きな安堵のため息と共に、牧野中尉はそう呟いた。 「友軍の攻撃ですか?」 「おそらく。ただし、レーダーに反応なし。推定射撃距離600キロ以上の射撃です」 「……飛行艦?」 「この海域に、近衛軍の飛行艦は存在しません」 黒煙を吐きながら遠ざかる敵艦を見送りながら、美奈代は都築騎に接触した。 「都築。大丈夫か?」 「ああ……ありゃ、放って置いても沈むだろう」 「……そうだな」 「誰だ?」 美夜は敵艦から逃れることが出来た安堵感より、そちらの方が気になっていた。 メサイア隊のML(マジックレーザー)攻撃をはじき返した敵のバリアを貫通し、敵艦の砲塔を吹き飛ばした攻撃。 それは、“鈴谷(すずや)”とは別な攻撃だ。 「一体、誰の攻撃だ?」 「恐ろしいほど高出力のML(マジックレーザー)砲を装備した艦が展開しているのは間違いないです」 副長は言った。 「これはメサイアの攻撃ではあり得ません」 「……しかし」 美夜が気にするのは、レーダースクリーン上の反応だ。 数は3 飛行艦にしてはサイズが小さすぎる。 「艦長」 通信オペレーターが報告を上げた。 「通信です」 「通信?」 30分後。 被害復旧の進む“鈴谷(すずや)”の甲板に降り立ったのは、すでに収容された美奈代達ではない。 甲板には3騎の異形のメサイアが並んでいた。 長大な砲と手足のない戦闘機じみたフォルムを持つ、メサイアらしくないメサイア。 近衛軍の開発した高々度戦域支配メサイア、Fly ruler(フライ・ルーラー)だ。 収容作業が完了し、甲板から引き出された固定ワイヤーに拘束されたFly ruler(フライ・ルーラー)のハッチが開いた。 整備兵がラッタルをハッチにひっかけ、それを伝わってMC(メサイアコントローラー)達が降りてきた。 「へえ?」 感心した声をあげたのは、それを見物していたさつきだ。 「騎士一人にMC(メサイアコントローラー)が2人?」 「Fly ruler(フライ・ルーラー)は」 二宮が言った。 「先の改造で、バリアを強化した関係で、MC(メサイアコントローラー)が一人では処理出来なくなったそうだ」 「バリア?―――うわ。ゼータクな騎体」 「バリア……欲しいですね」 「柏。気持ちはわかるが……騎士が降りてきたぞ?」 「……」 「……」 「……」 甲板に降り立ったMC(メサイアコントローラー)達はまだいい。 問題は、そこに並んだ三人の騎士だ。 「せ、整列っ!」 緊張した声は、恐ろしくあどけない。 小学生が戦闘服を着ているようにしか、美夜には見えなかった。 それだけじゃない。 騎士達は、三人が三人。同じ顔をしているのだから余計タチが悪い。 「名札を用意しろ」 美夜は横に立つ副長にそう命じたのも無理はないし、その方がありがたかった。 「く、クローンですかね」 「ありえるか」 そんなやりとりをする美夜と高木の前で、一人が声を張り上げた。 「し、申告しますっ!葉月実検センター所属第7特務隊ラグエル隊隊長、神城一葉少尉以下、神城双葉少尉、神城光葉少尉、以上3名。着艦の許可願いますっ!」
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/2927.html
ウィキリークス情報 ウィキリークスが公開した公電:日本に武器禁輸の見直し求める(12/2 THE WALL STREET JOURNAL日本版) WikiLeaks Japan North Korea Collapse ?; Going Nuclear ; UN Security Council 北朝鮮崩壊?「(日本の)核武装化」;国連安全保障理事会 http //blogs.wsj.com/japanrealtime/2010/11/30/wikileaks-japan-north-korea-collapse-going-nuclear-un-security-council/ WikiLeaks Japan North Korea Knocked on DPJ Door -- Seoul(未作成) 北朝鮮は「民主党のドアをノックした」 -- ソウル http //blogs.wsj.com/japanrealtime/2010/11/30/wikileaks-japan-north-korea-knocked-on-dpj-door-seoul/ WikiLeaks Japan China s Wen Tired, Hu Confident (未作成) 中国の温家宝「疲労困憊」、胡錦濤「自信たっぷり」 http //blogs.wsj.com/japanrealtime/2010/11/29/wikileaks-japan-chinas-wen-tired-hu-confident-ex-pm-aso/ The WikiLeaks Japan Trove What Can You Find ?(未作成) 宝の山 何を見つけることができますか。 http //blogs.wsj.com/japanrealtime/2010/11/29/the-wikileaks-japan-trove-what-can-you-find/ 15年戦争資料庫
https://w.atwiki.jp/ayano01/pages/207.html
「まずは勝利を」 参謀が朱少将にグラスを手渡した。 グラスを受け取った朱少将が軽くグラスを掲げて見せ、参謀が無言で頷くと互いにグラスを傾ける。 戦闘が終了し、すでに夜の帷が降りている中、兵士達の志気は最高潮に達していた。 世界最強と称えられるアメリカ軍相手に上陸を阻止。 メサイア35騎、戦闘車両56両、海兵隊員5千名。舟艇12隻。 それが、たった一日で米軍が支払った上陸作戦失敗の対価であり、中華帝国軍の戦果だ。 未曾有の勝利はすでに中央政府によって国内全土、いや、全世界に喧伝されている。 ラジオから流れてくる脚色まみれの戦果報道を聞く兵士達は、ニュースの時間の度に歓声を上げたとしても、誰にも文句は言われたくない。 「しかし」 グラスを置いた参謀は、ため息混じりにデスク上の書類と地図を見た。 「第一波を阻止したに過ぎません」 「……うむ」 「サーモバリック弾はすでに底を尽きました」 「……」 「補給線はすでに米軍によって寸断されています。本土からの補給艦到達の見込みさえありません」 「……花火のようなものだったか」 朱少将は握った拳をパッと開く仕草の後、苦笑した。 「本土の軍司令部に要請は?」 「10分単位でやってます」 「それでメドが立たないか」 「軍司令部は」 参謀は固い声で言った。 「我々が全滅した後に、新たな部隊を派遣。それで穴埋めするつもりかも知れません」 「……」 「それで―――米軍が止められると、本気で信じているのでしょう」 「……島内に潜んでいる米軍の残党はどの程度だ?」 「確認されている限り、グレイファントムM16タイプが12騎、日本軍の形式不明騎が10騎程です。米軍の残存部隊と共にG地点、仮称“パパイヤ山”の山腹に潜んでいます」 「我が方のメサイアは?」 「第3502メサイア大隊の“赤兎(せきと)”30騎、先程、到着した第3309メサイア大隊“帝刃(ていば)”24騎」 「大盤振る舞いだな」 「簡単なことです」 参謀は苦笑しつつ頷いた。 「壊滅した第3302メサイア大隊との交代として第3309メサイア大隊が予定通り到着しただけなんです。夜明けと同時に、両大隊は残存部隊掃討に出ます」 「連中にとっては悲劇―――か」 朱少将は、チラと参謀を見て、 「勝てるか?」 「これだけの戦力でも、五分を維持出来るかどうか」 参謀は断言した。 「“帝刃(ていば)”とM16は世代が違いますからな。メサイアの性能差ははっきりしています。最悪なことに、両大隊には実戦経験はありません」 「連中を突破された挙げ句、メサイアに暴れられては―――」 朱少将は、背筋にイヤな汗が流れるのを止められなかった。 「玄武を潰されたのは痛いですな」 参謀は、グラスを片づけると、従兵にコーヒーを持ってくるように命じた。 「連中の仇討ちもしてやりたいが」 私は砂糖抜きでいい。今晩はそんな気分だ。と、朱少将が従兵に告げる。 「海岸で上陸部隊を阻止する戦法がとれなければ、我が軍に勝ち目はありません」 「また来るだろうか?」 「私なら―――」 参謀は窓の外、またたく星の世界に視線を向けた。 「飛行艦を派遣して空から叩きます」 「はやり―――そうだろうな」 「山林地帯」 参謀は視線を戻した。 「ゲリラ戦に向けた体勢の構築は進んでいます。山林地帯は、狩野粒子の影響が低いですから、対飛行艦用ミサイルランチャーも撃てるはずです」 「後は―――補給か」 「国が我々を見捨てなければ、我々は最悪でも生きてこの島から逃れることは出来ます」 「私の権限で、いかなる犠牲を払っても補給線をつなぐよう、軍司令部に要請してくれ。さもなければ」 「さもなければ?」 その問いかけに、朱少将は楽しげに肩をすくめた。 「次に攻撃を受けた時点で、部下まとめて降伏してやるとな」 「歯ぁ食いしばれっ!」 ガツンッ!! 美奈代がコクピットを降りた時、すぐに耳に入ったのはそんな音。 都築が長野大尉に殴られた音だ。 「都築ぃっ!」 吹き飛ばされた都築の胸ぐらを掴んだ長野が怒鳴る。 「誰がこんな馬鹿げたマネしろと教えたっ!」 メサイア3騎撃破の殊勲を挙げたとはいえ、都築の教官も兼ねていた長野はカンカンだ。 独断で部隊を離れ、敵の包囲網に落ちたこと。 部隊がその救援のために脱出のタイミングを逸した挙げ句、こうして孤立していることを考えれば、殊勲なんてないに等しくなる。 弁解の余地さえない大失態だけが残るのだ。 「教え子にそんなことされた俺は、情けなくて涙が出てくるわ!」 「で、ですけど!」 「男が言い訳するなっ!」 ガンッ! どうしようかとオロオロする美奈代の背後。 ポンッ。 美奈代の肩を叩いたのはMCL(メサイア・コントローラー・ルーム)から降りた牧野中尉だ。 「お疲れさまでした」 「―――あの」 美奈代が必死に都築と長野に視線を送る。 ―――何とかしてほしい。 視線でそう訴えるが、 「ああ」 牧野中尉は平然と言った。 「親子の会話です」 「親子?」 「親鳥とヒナ鳥の―――ほら」 「こんの―――大バカ野郎っ!」 ガンッ! また都築が殴られた。 「バカな子ほど可愛いっていうじゃないですか。特に、長野教官みたいなタイプは」 長野の説教にかける熱意というか執念というか、不思議なオーラさえ感じた美奈代は、その言葉を、何だか否定出来なかった。 「そ、そういうものなんですか?」 「二宮中佐にとってのあなた同様」 牧野中尉は穏やかな顔で言った。 「長野大尉が一番眼をかけていたのが、都築准尉ですからねぇ」 「あの―――二宮教官は?」 「米軍のところです」 山腹の地形を活かし、周囲から見えづらい場所に片膝をついた状態で待機するグレイファントム達。 損傷はほとんどないのが唯一の幸いだ。 その足下で、米軍側メサイア部隊指揮官と打ち合わせが終わった二宮は、その場を辞した。 隊長はアメリカ大統領警護騎士団第202メサイア大隊所属ミッキー・マーカス少佐。 背の高い白人男性。 白人の歳はよくわからないが、二宮とさほどは違っていないはずだ。 尖った顎に高い鼻。総じて整った顔立ち。 長い足。 ―――とりあえず、さすがに男性としては合格点だな。 歩きながら、二宮はミッキーを品定めした結果を頭の中ではじき出した。 「……したかないか」 二宮はチラリとメサイアの脇に停車しているTAC(タクティカル・エア・カーゴ)に視線をむけた。 ほとんどの車体が、砲撃を受けたのだろう、無惨な破孔に彩られているが、もっと無惨なのは、その周囲に寝かされている負傷兵達だ。 赤十字が書かれたTAC(タクティカル・エア・カーゴ)周辺が臨時の野戦病院らしい。 野戦テントに薄く赤十字の書かれた下は灯火管制のせいではっくりと見ることは出来ないが、苦しみに耐えるうめき声が、まるで二宮を包み込むように聞こえてくる。 野戦病院に入りきらず、道ばたに寝かされている兵士達の多くは、血まみれの包帯を巻かれ、力無くぐったりと横たわっている。 その何名かは、四肢のどれかが欠けている。 肌の色から、すでに死んでいることがはっきりしている兵士も少なくない。 戦場特有の腐ったチーズのような臭い―――死臭が立ちこめ、死肉を求めて蠅が集まり始めていた。 死体袋に入れられた兵士が一人、二宮の前を運ばれていった。 負傷兵と死体にあふれた野戦病院。 入ったことのある者でなければわからない―――この世の地獄。 二宮は、死体袋に敬礼すると、その場を立ち去った。 二宮は部隊に戻った。 待機命令中の騎は、米軍部隊の横に片膝尽きの状態で待機している。 エンジンはアイドリング状態のまま。静かなジャングルの闇夜に魔晶石エンジン特有の低い重低音が響く。 「しみるんだ!もう少し優しく!」 「我慢しろ!」 ケミカルライトの灯りの下、ようやく長野の怒りが静まったらしい。両頬が真っ赤に腫れ上がった都築に美奈代が薬を塗っていた。 「大金星だな。泉」 その声に弾かれたように美奈代は立ち上がって敬礼した。 「わ、私、代わりにやる」 横にいたさつきが美奈代から薬を受け取った。 「あ、あの……」 都築は命令違反でここまで殴られた。次は自分だという自覚がある美奈代は、どんな罰が下るか内心恐々として二宮の言葉を待った。 「陸戦艇1にメサイア13―――これでトリプルエースか」 「……は?」 「1対10の戦闘に勝利したというのは―――本当に驚くしかない」 「……」 二宮は手にしていたPDAの画面を見ながら唸るように言った。 「他の連中も十分すぎる戦果……か」 「あ……あの」 「ん?」 「じ、自分は命令に」 「ああ」 二宮は何でもないという顔で言った。 「泉の分まで都築を殴って良いと長野大尉に言ってある」 「―――へ?」 背中越しの都築の視線が恐ろしく痛く感じられる。 「それとも、私に殴られたいのか?」 「い……いえ」 「弾薬は?」 「35ミリ速射砲、残弾ゼロ―――自分の騎で使用可能な火砲はありません」 「都築」 「―――“鳳龍”は元から火砲積んでませんよ」 「……使えないな」 理不尽だ! 美奈代は内心、そう怒鳴りたい気分だったが、どうしようもない。 「救援は?」 「“鈴谷(すずや)”が来てくれると?」 「来てさえくれれば」 美奈代は、米兵達の集合地点に視線を送った。 風に乗って、時折、苦痛に呻く負傷兵達の声が聞こえてくる。 嗅いだだけで吐き出しそうな臭いに、吐き気を抑えるのがやっとだ。 「彼らは助かります」 「中華帝国軍が見逃してくれると思うか?」 「……いえ」 「とりあえず、明日の日没までの救援はないと思え。ミーティングを行う。総員集合」 「はいっ!」 「現在、我々は完全な中華帝国側の包囲網の中にいる」 時刻は20時を少し回っていた。ケミカルライトの灯火で地面に広げた地図を照らしながら、二宮が状況を説明する。 「我々の現在位置は、米軍呼称“ミシシッピ川”沿いの谷間に近い扇状地。見ての通りのジャングルだ。 ここの谷は急傾斜のため山越えの強襲を受ける心配はないし、艦砲も恐らくはない。上空からの空爆を心配するのは、明日の夜明け以降。 谷間に入るルートは3つだ。 米軍呼称ルート66―――つまり、ミシシッピ川沿いに走る国道両面。 米軍は、このルートしか見ていない」 二宮の持つ指示棒が谷間にそって走る道をなぞった。 「どうするんです?」 さつきが訊ねた。 「国道沿いで敵を迎え撃つんですか?」 「それだけでは単なる消耗戦になる。それに」 二宮は地図を再び指示棒で突いた。 「我々は米軍と行動を共にしない」 「えっ?」 「米軍側から“丁重に”お断りするとのことだ」 「……私達」 その言葉の意味がわかったのは、美晴だ。 「つまる所、信じられていない?」 「その通りだ」 二宮は頷いた。 「……」 否定出来ない美奈代は黙った。 「我々はこれを幸いにして、勝手にやることにする」 「撤退ですか?」 「都築、もう一回、長野大尉に殴られてこい」 「か、勘弁してください」 「我々は米軍支援のため、後方攪乱につく。敵戦力を可能な限り引き裂き、米軍側の負担を軽くする」 美奈代は二宮の言葉に思い当たる節があった。 「メサイアでゲリラ戦を?」 「その通りだ」 少し嬉しいという顔で、二宮が美奈代を見た。 「我々は部隊を分散させ、各地に出没するだけでいい」 「戦闘は?」 「その辺に潜んでいるというだけの未確認情報は、お前達が考えているよりずっと戦力を長時間に渡って引き裂くことが出来る」 「……はぁ」 ピンとこない美奈代は首を傾げるだけだ。 「米軍が無視した細い谷間を通っていく。メサイアなら一騎がようやく通れるサイズだ。おそらく、地雷かセンサー類が仕掛けられているだろうが、“幻龍(げんりゅう)”なら中華帝国製センサーなぞ怖れる必要もない。よしんばひっかかっても、それで敵を攪乱させることも出来る」 「作戦決行は?」 「夜明けの1時間前―――各員、コクピットに戻って仮眠をとっておけ」 二宮は言った。 「目覚められる眠りのありがたさを、身をもって味わっておくんだ」
https://w.atwiki.jp/kapac/pages/15.html
2014年内発売 「ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア」が,PS4/PS3/Xbox One向けに発売決定。部隊を率いて大軍勢バトルを繰り広げるアクションゲーム ここを編集 コメント てす - あ 2014-09-10 18 16 24 tesu - 名無しさん 2014-09-10 18 18 41 tesu - 名無しさん 2014-09-10 18 19 05 名前
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/5010.html
160 名前:1/2 :2010/12/30(木) 04 08 48 ID ??? 1stガンダム 一年戦争史 強引まとめ名言集 サイド7周辺 ジーン「シャア少佐だって! 戦場の戦いで、勝って出世したんだ!」 アムロ「すごい……。五倍以上のスープのコクがある!」 シャア「当たらなければ、どうということはない!」(ヒットしなければ、の意) シャア「スープのコクの違いが、売り上げの決定的差ではないことを、教えてやる!」 ワッケイン「寒い時代だとは思わんか……?」(冷え込む売り上げ的に) アムロ「殴ったね!? 親父にもぶたれたこと無いのに!!」 ブライト「殴って何が悪い!」 アメリア大陸関係(アメリア大陸:∀から) ガルマ「礼を言うよ、私に華をもたせてくれて」 シャア「勝利の栄光を、君に」 ガルマ「シャア! 謀ったな、シャアー!! ジオン広告社に、栄光あれえぇーっ!!」(以後、行方不明?) ギレンの演説(長いので省略。兄弟スレpart27、145参照) ラル「ザクメンとは違うのだよ、ザクメンとは!」 アムロ「ぼくが……っ。一番うまく、ラーメンを作れるんだ!」 ラル「見事だな。しかし小僧、自分の力だけで勝ったのではないぞ! その開発設計案の性能のお陰だということを、忘れるな!」」 アムロ「マチルダさん。……マチルダさあああああぁぁぁんっ!!」 (極秘企画の保守を貫いた、アムロ憧れの上司が、問責により左遷されたのか?) オデッサの戦い マ・クベ「いい味だろ?」 マ・クベ「これは仇討ちではない。我が軍の後方を乱す木馬を叩く! これは作戦だ!!」 マ・クベ「考えてもみるがいい。我々がキシリア様にお送りした資源の量をっ! ジオンは、あと十年は戦える!」 ジャブロー アムロ「シャアだ……。奴が来たんだっ」 シャア「ええ~い、冗談ではないっ!」 シャア「この私にプレッシャーをかけるパイロットとは、いったい何者なんだ!?」 (兄弟スレのどこかで、極秘のジャブロー降下のネタがあったはずだけど、見つけられませんでした) 宇宙打ち上げ後 ブライト「コクが薄いぞ! 何やってんの!」 ドレン「そんな筈はない! ガンダムは、いる筈だっ。……どこだ?」 アムロ「父さん、酸素欠乏症にかか──。ええい、イデを呼ぶものか! 父さんなんて、いない!」 (このスープを蓋の上に取り付けろ。すごいぞお。これでスープのコクは、数倍に跳ね上がる!) ララァ「美味しいものが、嫌いな人がいるのかしら?」 アムロ「知っている。ぼくは貴方を、知っている……っ」 ララァ「美味しいほうが勝つわ」 シャア「ララァは賢いな」 コンスコン「ぜ、全滅だと!? 3分もたたずにか!? 3分未満でラーメンを茹で上げる……。 ば、化け物か……っ!」(開発発表会にて、連邦は生麺の開発を発表&一分での茹で上げを証明する) 161 名前:2/2 :2010/12/30(木) 04 09 57 ID ??? ソロモン周辺 アムロ「あ、圧倒的じゃないか……」(具の多さに、アムロがビビッた) ドズル「ぐわっはっは! ビグザムラーメンが量産の暁には、連邦なぞ、あっという間に叩いてみせるわーーっ!」 スレッガー「悲しいけどこれ、開発競争なのよね!! でやあああああ!!」(ジオンの新作を潰した模様) ドズル「やらせはせんぞ! 貴様ごとき敵性社員に、ジオンの栄光をやらせはせん! この俺がいる限り……。やらせはせんぞおおおぉぉぉ~~っ!!」 アムロ「な、何だ……っ」 マ・クベ「ソロモンが……、陥ちたな……」 ゼナ「ああ……っ」 ミネバ「ばぶー。きゃはは」 マ・クベ「育毛・発毛開発はどうした。ここに活路を見出せ!」(ジオン・事実上、ラーメン開発から撤退?) テキサス・コロニー マ・クベ「これ以上シャアを、図に乗らせるわけにはいかないのだよ!!」 マ・クベ「ウラガン、あの商品を、キシリア様に届けてくれよ…… あれは、いいものだ──っ!!」 ソロモン宙域 アムロ兄さん・セイラさん・シャア・ララァ関係(長いので省略) アムロ「ぼくがララァを……。殺してしまった……っ!」(こここそ、兄弟スレの黒歴史?) 泥酔しすぎて意味が分からなくなったんで、ここにて終了…… 悪ノリしすぎだったらごめんなさい 皆様、よいお年を
https://w.atwiki.jp/vipkotei-j/pages/1483.html
もどる 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/ayano01/pages/206.html
●ボルネオ島 米軍上陸地点 仮称「フォックスロット」海岸付近 上陸用艦艇で埋め尽くされた海から陸にはい上がった海兵隊のAAV7装甲兵員輸送車部隊がエンジン音をまき散らしながら砂浜を走る。 その横では、揚陸艦から続々と戦車と海兵隊員が吐き出されつつある。 「第一班は戦車の後に続け!」 「第二班、右へ展開!第三班は俺についてこいっ!」 「斬り込み隊の仇討ちだ!」 「応っ!」 斬り込み隊として先に上陸、死体さえ回収出来なかった戦友達の仇討ちを心に誓う隊員達は、戦車に続いてランプから飛び降りると、ついにボルネオ島の砂浜に降り立った。 戦艦の艦砲射撃はすでに止んでいる。 海岸から見える限り、あらかたの施設が叩かれ、あちこちから黒煙が高々と上がっているように見える。 中華帝国を思わせるモノは何一つ存在しない。 海兵隊員達が見たボルネオ島は、むっとする熱気が体にまとわりつき、何か得体の知れないモノが焼ける、吸い込むだけで肺が爛れそうな、そうでなくても吐き出したくなるような、恐ろしい臭いを運ぶ黒煙に満ちあふれた最低の世界だ。 本来の青い海、青い空、緑に満ちあふれた大地という、神に祝福された世界ではない。 いつ砲撃が飛んでくるか。 どこに狙撃手が潜んでいるか。 地雷が埋まっているんじゃないか。 考えるだけで精神がどうにかなってしまいそうな中、海兵隊員達の視線は、一度ならずとも必ず“それ”に向かう。 グレイファントム達。 自分達を守ってくれる神像さながらに立ち並ぶグレイファントム達に視線を送るだけで、不思議な勇気を与えてくれる。 ―――戦場における神とは、グレイファントムのことだ。 誰が言い出したことかは知らないが、否定する者はそう多くない。 その存在感だけで、この世に降り立った“戦の神”は自分だと、グレイファントムは見る者に信じさせてしまう。 ―――大丈夫だ。 その姿を横目に見ながら、海兵隊員達は、自然と自分に言い聞かせる。 ―――“アイツ”がいる。だから、俺は生きて帰ることが出来る。 そう、言い聞かせることが出来るのだ。 グレイファントム達はゆっくりと移動を開始。 すでに前衛に出ている部隊の後を追う。 「聞けクソ共!」 小隊指揮官達が部下を怒鳴った次の瞬間だ。 ギィィィィィッッッ!! 背筋が寒くなるような音があたりに響く。 「伏せろっ!」 海兵隊員達は、その音が何だか知っている。 さっきまで散々聞かされた音だ。 訓練通りでなくても、彼らはとっさにその場に伏せた。 ズンッ!! ズンッ!! 鼓膜が破れそうな音。 背中の肉がそぎ落とされそうな勢いで突き抜けた衝撃波。 遅れて走った熱風。 その中で、海兵隊員達は、その光景を見ていた。 ゆっくりと移動を開始したグレイファントムの3騎小隊のど真ん中で恐ろしく巨大な爆発が発生。 グレイファントム達が一瞬にして爆煙の中に消え去った光景を。 呆然とする海兵隊員達が次に見たのは、奇妙な格好で倒れ伏すグレイファントム達のなれの果てだった。 「じ、ジャップのご、誤射か?」 「違う」 小隊の新米兵士の呟きを、小隊指揮官である古参の黒人軍曹は聞き逃さなかった。 伏せた時にヘルメットが外れたことさえ気づいていない新米兵士へ転がっていたヘルメットを放り投げた軍曹は言った。 「“コンゴ”級なら近すぎる」 「じゃあ」 ヘルメットを抱きかかえるようにして受け取った兵士は、あわててヘルメットを被った。 中に入り込んだ砂が頭に降りかかった。 顔をしかめてヘルメットを脱いだ彼を無視するように、軍曹は部隊に命じた。 「一番近い砲撃孔はどこだ!」 「あそこです!」 一人が10時方向を指さした。 何両の戦車が巻き込まれたのか。浅いクレーター状態の穴の周囲には、原型を止めないほどに破壊された戦車の残骸が転がっている。 距離は200メートルほど。 若干起伏のある地形が、爆発の衝撃波から自分達を上手く守ってくれたなんて複雑なことは、ハイスクールでさえ出ていない軍曹にはわからない。 ただ、彼が爆撃や砲撃によって開いた穴について知っていることがある。 ―――一度開いた穴に再び砲弾や爆弾が落ちることはない。 それは、彼の経験に基づいても証明されていた。 だからこそ、彼はそれに基づいて部隊に命じた。 「あの穴に移動するぞ!」 「単なる誤射でしょう!?」 移動を開始した軍曹の後ろを、先程の新米兵士が慌てて追う。 「銃が砂を被っていないかチェックしておけ。終わったらコンドームで銃口を塞いでおけ」 軍曹は言った。 「砲撃はしばらく続くぞ?これは誤射じゃねぇからな」 彼らが砲撃孔にたどり着いたその時から、 ギィィィッ―――ズズン! ギィィィッ―――ズズン! ギィィィッ―――ズズン! 海岸には無数の艦砲が飛来しだした。 「司令部!艦砲を止めさせろっ!」 「敵はずっと後方だぞ!」 これが日本軍の戦艦部隊の誤射だと判断した指揮官達は通信装置で必死に司令部と交信を試みる。 その間にも、狼狽する兵士達の周囲で、艦砲射撃の着弾と、それに伴う爆発が連続して発生し続ける。 一発の爆発で、グレイファントムや戦車が粉々に砕かれ、付近にいた不運な兵士達と共に破片となって周囲に降り注ぐ。 「ジャップめ!どこ狙ってやがる!」 「やめさせろっ!」 「司令部!艦砲支援をどこに要請しやがった!」 砲撃が止んだのは、最初の着弾から10分後。 後続の上陸は一時停止。海岸付近では、上陸のタイミングを逸した上陸用舟艇が立ち往生している。 数発、海岸近くの海面に飛来した砲弾が高い水柱をあげたせいで、砲撃から逃れようと舟艇達が列を乱したせいだ。 海岸では砲撃から逃れるべく海兵隊員が組織的に、あるいは個人で勝手に右往左往した結果、部隊間の連携どころか、部隊内部の連携でさえ寸断された状態に陥っていた。 きっとホワイトハウスにでもおうかがいを立てているんだろう司令部からは海岸線の確保と、すでに移動を開始した前衛部隊に合流しろという、上陸当初からの指示が通信機に入るだけだ。 あまりに同じ事ばかり繰り返す通信に業を煮やしたある小隊指揮官が、「司令部の連中、テープを流して女と飲みに行ったに違いない」と毒づいたとしても、誰も文句さえ言えなかった。 上陸作戦に際して適切と選ばれた広い海岸は、海に接する範囲も広いが、奥行きもかなり広い。 先日、グレイファントム達がひっかかったメサイア用塹壕のさらに先、敵が潜んでいるとされ、砲撃の的になった小高い丘まで余裕で2キロはある。 海岸の砂はおそろしく細かく、気を付けていないと足場がとられる。 後続の部隊がようやく上陸を開始し、すでに上陸した後、砲撃のせいで動きを止められた先発の部隊がその針路を塞ぐ格好になった。 ―――前進せよ 司令部からは借金の督促同然にそんな命令が飛んでくる。 それが司令部の命令なら、それに従うしかない。 指揮官達はとにかく自分の部隊をまとめ、前進を開始した。 戦車の大半は既に砂浜を抜け、メサイア用塹壕を迂回するルートをとっている。 徒歩で移動する海兵隊員達だけが未だ砂浜を抜けられない。 偽装された塹壕やトーチカに潜んで米軍の攻撃に耐えていた中華兵達の放った砲火が彼らに襲いかかったのは、その時だった。 ズダダダダダッ―――!! 「敵襲っ!」 「どこだ!どこから撃っている!」 「狙撃兵だ!」 「違う!空からだ!」 突然の銃声、悲鳴を上げることもなく倒れる隊員達。 生き残った兵士達は、再び混乱の中に叩き込まれた。 中華帝国兵が作った塹壕やトーチカは、徹底して海岸側からはそれと判断出来づらいように工夫されていた。 それだけに、海岸に上陸した海兵隊員達にとって、ほんの少し海岸から進んだ所に中華兵達がいるなんて想像さえ出来なかった。 「馬鹿な!」 指揮官は混乱する部下を怒鳴った。 「ここは阻止線の中だぞ!」 ―――お袋の腹の中より安全 ある海兵隊指揮官は、阻止線の中、つまり、今の彼らの立ち位置をそう評していたし、隊員達もそれを信じ切っていた。 だが、それが油断という彼らの悲劇を産み出す元凶となった。 海岸に伏せる彼らめがけてトーチカから放たれる濃厚な集中砲火が降り注ぐ。 海岸のゆるい砂は逃げまどう海兵隊員達の足をもつれされ、その逃げ足を遅くする。 火線になぎ倒される米兵達によって、海岸は今や死体の山だ。 少しでも頭を上げれば吹き飛ばされる恐怖が走る。 吹き飛ばされなくても、恐ろしくて頭を上げようという発想そのものがわかない。 今や海兵隊員の中で立っている者はいない。 皆が海岸の砂浜にしがみついて、この銃火の嵐が去るのを待つしかない。 弾を避ける楯になるなら、戦友の死体まで使うしかなかった。 「塹壕を掘れっ!」 誰かが叫ぶと、隊員達は脱ぐか戦死者の被っていたヘルメットで必死に砂浜を掘ろうとする。だが、 「くそっ!何だこれは!」 砂質のせいで隊員達が命がけで掘る穴は、端から埋まってしまう。 ある隊員は、泣きながら穴を掘る戦友をちらと見た。 ―――向こうの方が深い。 ふとそう思った次の瞬間、その戦友が頭を吹き飛ばされ、脳漿と血をまき散らしながら穴の上に倒れ伏した。 隊員は、その戦友の死体の傍まで這っていくと、死体を突き飛ばして穴を掘り続けた。 その穴を掘っているのが、自分で3人目だということを、彼は知らない。 人がやっと入ることの出来る穴が掘れたのはかなり長い時間が過ぎた後だ。 安心感から息が切れ、ふと見上げた向こうから何かが飛んでくるのを、彼はただぼんやりと見つめるしかなかった。 「前進しろっ!」 彼らを追い立てるように迫撃砲弾まで飛来した。 狙いは上陸用舟艇。 無蓋の舟艇の中に飛び込んだ砲弾が、容赦なく兵士達を切り刻み、舟艇の中を阿鼻叫喚の地獄絵図に変える。 砲撃が弾薬箱に命中した舟艇は一瞬で沈む。 それでも舟艇部隊は海岸を目指す。 海岸に部隊を吐き出せば彼らの仕事は終わる。 終われば、彼らはこの地獄から逃れることが出来るのだ。 だが――― 「軍曹!」 シュルツ軍曹は、横にいたマーク一等兵に肩を叩かれた。 マークは引きつった顔で空を指さした。 軍曹は空を見た。 青い空に星が瞬いていた。 星? ―――違う。 軍曹は、星の正体が何かを理解して青くなった。 それは、自国軍が世界各地で敵兵女子供構わずに撃ち込んだ恐怖の嵐。 「MLRSだ!」 もう遅い。 こんな場所に撃ち込まれたらもう終わりだ。 軍曹は思わず首から提げていたロザリオを握りしめた。 ―――これから、無数に近い子爆弾が自分の周りで炸裂し、自分はこの祖国から遠く離れた場所で挽肉にされるんだ。 ―――くそっ!神様っ! 軍曹は神へ何と祈りを捧げて良いのか迷う間に、“それ”は彼らめがけて襲いかかった。 艦砲とは違う奇妙な飛来音があたりを支配する。 そして―――爆発音。 「軍曹っ!」 ロザリオを握りしめた姿勢で目を固くつむった彼は、再びマークに叩かれて目を開いた。 無事だ。 自分も部隊も―――無事だ。 「ふ、不発か?」 「違いますよ!」 マークは泣き出しそうな顔で海岸を指さす。 そこにはランプが開いた上陸用舟艇が停まっている。 海兵隊員が勢いよく飛び出してくる―――はずだ。 「ん?」 様子がおかしい。 誰も出てこない。 「今の攻撃は」 マークは言った。 「俺達じゃなくて、舟艇を狙ったんですよ」 やっと、恐ろしくゆったりとした、千鳥足に近い歩調で一人の海兵隊員が顔を出した。 全身が血まみれで性別さえわからない。 ランプ半ばまで歩いて、力尽きたように海に落ち、そのまま浮かんでこなかった。 それだけで、中がどんな有様か聞かずともわかった。 そのうち、何かに引火したんだろう。何隻もの舟艇の中で火災が発生し始めた。 盛大な松明、もしくは死体焼き場となりつつある舟艇の炎を見ながらマークは呟くように言った。 「あ……ありゃダメです」 「くそっ……貴重な人手を」 戦車部隊が血相を変えて舞い戻ってきたのは、すぐのことだ。 トーチカめがけて無茶苦茶に近い発砲を繰り返し、片端からトーチカを潰していく。 海兵隊員達が沈黙したトーチカに這い寄ると、中に手榴弾を放り込み、直後に小銃をその中へ乱射する。 数名の中華兵の死体が転がる中、隊員達はトーチカの中へと飛び込んで生き残りを捜す。 「誰もいない!」 一文字に掘られた穴を材木で補強し、遮蔽物で偽装しただけのそのトーチカには、機関銃一丁と無数の空薬莢、そして三人分の死体が転がっているだけだ。 あとには何も残っていない。 「爆発物はない」 床を調べていた隊員が言った。 「壁にも金属反応はないから大丈夫だ」 安全な場所を確保出来たおかげで、隊員達はその場に思わずへたり込んだ。 「馬鹿な」 隊員達は周りを見回した。 周囲には、仲間しかいない。 敵が、どこにもいない。 死に物狂いで攻めるハメになったこのトーチカだというのに。 戦車砲の爆発で頭をやられたんだろう、妙に臭い死体だけだ。 「まさか……たった三人で俺達をここに釘付けにした?」 「馬鹿な」 薬莢を調べていた別な隊員が言った。 「口径が違う。間違いなく、ここでは他の銃も使われていた」 「じゃあどこに!」 うち続く緊張に、思わず殺気だった声を荒げる。 「死体にでも聞け」 その隊員がにべもなく言った途端――― ズンッ!! トーチカの外から、そんな音がした。 このトーチカを砲撃した戦車の砲塔が吹き飛び、砲塔跡から盛大な炎と煙が上がっていた。 「地雷だ!」 トーチカの外にいて、その光景を見ていた隊員が言った。 「地雷にやられた!―――この辺一帯、地雷原だ!他も酷いことになっている!」 隊員は、興奮気味に何かを話そうとしたが、 パンッ! 隊員はその音を残して永遠の沈黙に入った。 「狙撃兵だ!」 トーチカの外でそんな声がした次の瞬間。 中華帝国軍の攻撃が再び始まった。 「トーチカに入れっ!」 その号令と前後して外にいた隊員達が続々とトーチカに入る。 攻撃は、トーチカの背後から襲ってきた。 それまで沈黙していたトーチカが、突然発砲を開始したのだ。 「どういうことだ!」 「知るかよ!」 隊員達はトーチカの中から応戦する。 一人の隊員が射撃ポジションを求めたが、床に転がる死体が邪魔だった。 「どけっ!」 彼は死体を蹴飛ばした。 死体がゴロンと音を立てて転がる。 その動きにあわせて、細いワイヤーが宙を舞った。 ドズンッ!! 腹に響く音がして、目の前のトーチカが吹き飛んだ。 米兵の肉片がトーチカの天蓋に降り注ぐ音を聞きながら、中華兵達は歓喜の声をあげる。 「脳なしの米兵め!」 「ざまあみろっ!」 米兵は、その物量で押しまくる戦術からして、正攻法で勝てる相手ではない。 米兵と比較して数十年の格差で装備に劣る中華兵が米兵とまともに戦うためには、頭を使う必要がある。 朱少将が着目したのは、海岸の地質と、この島に放棄されていた鉱物資源採掘ロボット達だ。 海岸の地質は地下2メートルまでは砂質だが、その下はかなりしっかりした地質であることが判明している。 そして、 ―――どんな土地でも穴を掘り、坑道を作り上げることが出来る。 鉱山で捕まえた日本人技師はロボットをそう説明した。 地質とそこに穴を掘るロボット。 朱少将は、躊躇うことなくそのロボットで地下陣地を構築する工事に取りかかった。 その結果がこれだ。 全ては朱少将の作戦通りに進んでいる。 二度に渡って米兵を阻止しつつある。 俺達は、勝とうとしている! ―――朱少将は智将だ。 兵士達は心酔にも似た感情で米兵達が吹き飛んだトーチカを見る。 一カ所ではなく、何カ所でも同じようにトーチカに逃げ込んだ米兵達が殺されているのは明らかだ。 米兵はトーチカに近づこうとさえしない。 不意に、目前のトーチカから旗が上がった。 中華帝国旗だ。 友軍兵士が誇らしげにトーチカから旗を振るっている。 トーチカを友軍が奪還した証拠だ。 戦車が近づいてくるなり、トラップを仕掛けて重火器すべてを即座に坑道に移動し、壁に偽装した坑道入り口を塞ぐ。 米兵がトーチカを占領した後、壁に仕掛けられていたトラップが作動し米兵は即死する。 その後、坑道から出た中華兵が再びトーチカに入る。 単純だが、確実な方法だ。 地上を這い蹲る米兵を、安全な地下を移動しつつ、中華兵達は翻弄する。 米兵にとって悪夢となった戦いの主役が登場したのは、このトーチカの攻防の後だ。 戦いの趨勢を決めた主役の名は、97式93mmサーモバリック弾ランチャー。 気化爆弾は、従来の火薬による爆発ではなく、霧状に散布された燃料(爆薬)と、空気が適度な比率で混合されることで発生する爆発的な燃焼効果により、高い破壊、殺傷効果が期待出来る兵器である。 半径50メートル以内の兵士を無差別に殺傷する能力と、車両内部までを一瞬にして酸欠状態にしてのける特性が、海岸の海兵隊員を―――例え戦車や装甲車に乗っていたとしても変わらない―――容赦なく殺傷した。 米軍は米軍呼称“フォックスロット・ビーチ”からの攻撃を断念し、上陸部隊は即座に海上へ撤退を開始。 上陸作戦参加約5千名。生還者350名。 海兵隊史上最悪の敗北となった戦いがこうして終わった。 米軍呼称“フォックスロット・ビーチ”。 戦後、その名で呼ぶ者はいない。 米軍呼称“フォックスロット・ビーチ”。 そこは、こう呼ばれている。 俗称“ハンバーガービーチ” 隊員達がトラップと砲撃、そして気化爆弾によって文字通り挽肉にされたことを皮肉った呼び名だ。 司令部は、ボルネオ島の海上封鎖と、フィリピンに待機していた戦艦主体の打撃部隊、そして航空部隊の動員を決定した。 目的を、占領ではなく、中華兵の殺傷という単純な目的に切り替えたのだ。 ただ、今は、今のみ、海兵隊員達の戦いは終わった。 だが、忘れてはならない。 戦いを終えた。 それは、海兵隊だけの事だ。 海兵隊が全滅したことで予定を大きく狂わされた司令部は、“赤兎(せきと)”達のゲリラ的攻撃に翻弄され続けた阻止線担当部隊、つまり、前衛に出た戦車隊とグレイファントム隊への撤退命令を出しこそねた。 その結果――― 阻止担当部隊は中華帝国軍の包囲網に、完全に孤立した。 当然、その中には美奈代達が含まれていた。
https://w.atwiki.jp/sdora/pages/814.html
属性 火属性 最大Lv 99 初期HP 5763 最大HP 8251 レアリティ ★6 タイプ ランサー 初期攻撃力 1629 最大攻撃力 2339 初期防御力 1622 最大防御力 2356 初期スピード 1455 最大スピード 2106 +HP上限 3090 最大HP上限 11341 +攻撃力上限 1170 最大攻撃力上限 3509 +防御力上限 1140 最大防御力上限 3496 +スピード上限 750 最大スピード上限 2856 リーダースキル 女神の精鋭 4属性以上の編成の時、全てのユニットの攻撃力を35%アップ フォーススキル1 デイブレイクフリート 火属性のn%攻撃を25~30回連続攻撃。低確率で攻撃力30%ダウン。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 21 21 22 22 23 24 24 25 26 27 ディレイターン 8ターン 効果持続ターン 2ターン フォーススキル2 英雄の歌 1ターンのみ味方単体の攻撃力とスピードをn%アップ。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 進化前 [約束の少女]アテナ 83 85 87 90 92 95 97 100 102 107 通常進化 - ディレイターン 3ターン 効果持続ターン 1ターン 幻獣契約1 [勝利の女神]アテナ 契約素材 [万物遮断の盾]アイギス(2) 幻獣契約2 [約束の女神]アテナ 契約素材 [黒衣の天使]フューネラス(2)[万物遮断の盾]アイギス[尖兵]トゥルグリシア[霊歌]スペクター 特殊能力 [強]アーチャーキラー/[強]パラディンキラー 契約使用先 - 入手方法 通常進化 備考 CV:高橋 李依・[火]アテナに新たな幻獣契約が登場!_http //crw.lionsfilm.co.jp/gesoten/news/detail.php?id=1598 k=3 資料 *資料のステータス値は装備品をつけている可能性がある為、目安にして下さい。 コメント 名前
https://w.atwiki.jp/ayano01/pages/205.html
「ち、ちょっと待て……?」 美奈代は自分の周囲を見回して青くなった。 「完全に包囲されています!数10!」 どういうわけか、美奈代は都築が相手にしている1騎を除いた敵10騎に、一瞬のうちに包囲されていた。 理由は簡単だ。 塹壕に飛び出した1騎の“赤兎(せきと)”と斬り結んだ都築騎の“鳳龍”だったが、まるで“赤兎(せきと)”に翻弄されているかのように、塹壕から離れ、奧へ奧へと動いていったのだ。 “赤兎(せきと)”3騎を切り倒した所でそれに気づいた美奈代は、そのがら空きの背にぞっとするほどの危険性を感じ、都築騎を追った。 その結果がこれだ。 すぐ間近では都築騎がいまだしつこく追ってきた“赤兎(せきと)”としのぎを削っている。 なら自分は都築に助太刀するか? 否。 そんなことしている余裕はない。 都築が追った“赤兎(せきと)”は逃げたのではない。 通信が通じないと判断し、後詰め部隊に直接増援を求めに動いたのだ。 当然、そこには後詰めの部隊がいた。 美奈代は、そのまっただ中に飛び込んだのだ。 “赤兎(せきと)”達が、美奈代騎を取り囲んでいる。 1対10。 どう考えても、マトモに勝負を挑むだけムダなレベルの戦力差だ。 今更、間違えましたは通じないだろう。 「だっ、脱出は!?」 普通、こういう時、一番最初に考える対処方法を美奈代が口にしたのも当然なのだ。 「不能!」 牧野中尉は言った。 「私だけでしたら脱出装置で可能ですが、自爆装置作動しますよ!?」 「“さくら”も!」 精霊体ですら言った。 「マスター!自爆するなら、エンジン、エジェクトしていい?」 「薄情者ぉっ!」 ピーッ! 背後から2騎、同時に斬りかかってきた。 「都築っ!貴様ぁっ!」 一騎と押し合いになっている都築は全く頼りにならない。 返事すらない。 「2騎、5時6時方向!」 「ちいっ!」 美奈代は自分から急速後退をかけつつ、シールドと斬艦刀の切っ先を後ろへ向けた。 ガンッ! まさか敵が自分から飛び込んでくるとは予想していなかったのだろう。 振りかざした青龍刀を振り下ろすタイミングを逸した“赤兎(せきと)”達の腹部装甲に、同時に斬艦刀とシールドのエッジがめりこみ、2騎の脚が衝撃に宙に浮いた。 ズンッ―――ズシャッ 美奈代はエモノを敵の腹から引き抜いた。 それが始まりだった。 美奈代は飢えた狼同然に、“赤兎(せきと)”達に襲いかかった。 反応が遅れた“赤兎(せきと)”の胴を横薙ぎの一撃で切断、その切っ先を、真横の騎に起きた惨劇に狼狽する、別な“赤兎(せきと)”の胸部装甲の隙間に叩き込む。 「何っ!ば、ばかなっ!」 「隊長殿がっ!」 さすがに肝を潰したのは、“赤兎(せきと)”の騎士達だ。 中華帝国の精鋭達4騎が、剣を交えることもなく潰された。 そして、先程の2騎が大地に崩れ落ちるよりも早く、メサイアは動いた。 「に、日帝の騎は悪魔か!?―――ヒイッ!」 横に薙ぎ払う長剣の一撃をかろうじて避けた“赤兎(せきと)”の騎士だったが、真っ正面から放たれたシールドのエッジアタックまでを避けることは出来なかった。 グシャッ! グギャッ! 何かが壊れる音と、蛙が潰されたような音を残して、騎士と共に“赤兎(せきと)”が吹き飛ばされた。 「あ、悪魔だっ!白い悪魔だっ!」 「に、日本軍は死に神だっ!」 騎士達からは恐怖の叫びが聞こえて来る。 「ど、同時に行けっ!」 誰かが叫ばなければ、彼らは武器を捨て逃亡したろう。 もう、彼らには恐怖はあっても戦意はなかった。 持っているモノと失ったモノ。 それを逆転したのが、そんな一言だ。 「同時なら何とかなるっ!」 美奈代騎から最も離れた騎からの声。 それが、騎士達を地獄へと導く。 この地に降り立った死に神は、まだ獲物が足りませんと―――。 「お、応っ!」 美奈代騎から見て、左斜め正面と右斜め後ろの騎が同時に動いた。 左斜め正面の騎が槍を突きだし、左斜め後ろの騎が青龍刀で襲いかかる。 槍の切っ先が、メサイアのがら空きの胴に吸い込まれようとしている。 ―――殺った! 槍を繰り出した騎士は、勝利を確信した。 だが――― ガッ! 「何っ!?」 メサイアは、騎体を最小限ひねるだけで槍を回避。 あまつさえ、繰り出した槍を掴むと、力任せに引っ張った。 「しまったっ!―――うわぁぁぁっ!」 出力差が違いすぎる。 グンッ! 槍を繰り出さした勢いに、敵騎のパワーが加わった“赤兎(せきと)”は、槍と共に後ろに放り投げられた。 その先には――― 「避けろっ。黄っ!」 その叫びは遅かった。 彼の槍は、後ろから襲いかかろうとしていた仲間の“赤兎(せきと)”の胸部装甲を貫通した。 「黄ぉぉぉっ!」 騎士は味方騎に突き刺さった槍を手放そうとしたが、 ザンッ! 気づいたときには、斬艦刀が、彼を騎体ごと切断していた。 「畜生っ!」 生き残った3騎は自暴自棄同然の突撃にかかった。 剣を並べ、3騎同時の突撃で串刺しにしようというのだ。 「仲間の敵だっ!」 「死ね、小日本(シャオリーベン)!」 「消えろ悪魔っ!この世からっ!」 黄騎に突き刺さった槍を引き抜いたメサイアが彼らの視界に迫る。 ―――キュイッ メサイアは、左手で槍を構えると、左の騎に襲いかかった。 「この程度!」 左の騎を駆る騎士が青龍刀を振り下ろして槍をうち払う。 青龍刀を振り下ろしきった途端――― メサイアは、急加速をかけ、相互の間合いを一瞬で詰めた。 「―――ひっ」 騎士は、慌てて青龍刀を構え直そうとしたがもう遅い。 ガンッ! エッジアタックをモロに喰らった“赤兎(せきと)”はくの字に曲がって吹き飛び、すれ違い様に真ん中の騎が胴を薙ぎ払われ、上下二つに分離させられた。 「―――なっ!?」 動きが早すぎる! 目を見開くのは、最後に生き残った騎士。 彼は逃げるために騎体を旋回させようとした。 だが、それより早く、斬艦刀の一撃が、彼の騎に襲いかかってきた。 「……か、各部異常……なし」 震えを通り越して、涙声になった牧野中尉が言った。 「後は……都築准尉が相手する1騎のみ」 「……ぜぇ、ぜぇ……」 その間、美奈代は、肺に無理矢理空気を送り込む要領で、肩で息を続ける。 言葉が出てこない。 自分がやってのけたことが理解さえ出来ていない。 その横では、“さくら”がびっくりした顔で美奈代を見つめていた。 「ま、牧野中尉……ゲホッ……い、生きてます?」 ようやく喋れたのはそんな言葉だけ。 それでも、喋れるだけ奇跡だと思う。 「生きてますけどね……。正直、どう言っていいんでしょう……こういうの」 足下は“赤兎(せきと)”の残骸だらけ。 まるで集団戦闘の跡さながらだ。 だが、間違いなくこの敵を残骸にしてのけたのは、この娘ただ一人だ。 「10騎を……30秒かかってませんよ?どこのアニメですか」 「き、騎士のスピードなら、この程度……」 「ひ、非常識です」 美奈代が何かを言い返そうとした時だ。 ギャンッ! 都築に襲われていた“赤兎(せきと)”がついに力尽きた。 まるでメサイアそのものが悲鳴をあげたような音を立てた“赤兎(せきと)”は、騎体の半ばまでたたき割られ、動きを止めた。 「次っ!」 “赤兎(せきと)”が倒れる音を聞きながら、都築は怒鳴るが、 「何がだこのバカっ!」 美奈代はたまらず怒鳴った。 「一人でんなマネしてる間に、私が何騎相手にしたと思ってる!」 「あ?」 都築が見ると、周囲は“赤兎(せきと)”の残骸で埋め尽くされていた。 「おいっ!俺の獲物は!?」 「10騎だぞ!?1対10だったんだ!」 肩で息をする美奈代が半泣きになって怒鳴る。 「グスッ……。一斉に私めがけて襲いかかってきたんだ!滅茶苦茶怖かったぞ!?どうしてくれる!貴様は全く!」 「俺を放っておいてスコア10騎だと!?」 「問題はそこか!?」 怒鳴るというか、突っ込んだ格好になった美奈代騎の背後で、連続した大きな爆発が発生した。 「な、何?」 もうもうと立ち上る黒煙は、かなり大規模な攻撃であることを告げていた。 「艦砲攻撃です」 牧野中尉が言った。 「で、でもあっちって」 「着弾点は、上陸地点です」 「海軍の誤射ですか?」 「まさか」 牧野中尉は否定した。 「いくらなんでも、そこまでマヌケではありません」 「じゃあ―――」 「落下から見て攻撃は山の向こうからです」 美奈代は、間近にそびえる山を見た。 標高は数百メートル。 そう高い山ではない。 また、新たに爆発が発生した。 「艦砲の支援、求めますか?」 「それもいいんですけど」 牧野中尉は言った。 「金剛隊はもう移動する時間です」 「そんな!」 「他上陸地点もかなり苦戦しているんです。艦砲射撃支援は、全部隊が渇望している。中華帝国も死に物狂いですからね」 「二宮教官達は?」 「通信つながらず」 「―――ちっ!」 美奈代はチラリと横に立つ都築騎を見た。 「都築」 「やるしかねぇだろ」 都築はコクピットで、開いた左手に右手の拳を叩き付けた。 「戦艦沈めたなら勲章モノだぜ」 「やれるか?」 「やるさ」 「信じられないが―――牧野中尉。一気に山を越えて斬り込みます。いいですか?」 「やってみましょう」 牧野中尉は、騎体のブースターに火を入れた。 「さくら―――いくわよ?」 「はいっ!」 「あ、おいっ!ちょっと待てっ!」 都築の声を残し、美奈代騎は一気にブースターを開いて、山を飛び越える機動に出た。 ―――そして、自分のうかつさを本気で呪った。 美奈代は、山の向こうに、大口径の砲兵陣地があると判断していた。 砲兵陣地を強襲、これを殲滅する。 美奈代は自分の目標を、そう判断していた。 相手は砲兵陣地だと。 だが、都築は言っていた。 「戦艦沈めたなら勲章モノだぜ」 何故、都築が「戦艦」という言葉を用いたか、美奈代は何も考えず、都築に聞こうともしなかった。 その結果がこれだ。 山を飛び越した美奈代が見たモノ。 それは、だだっ広い平原に陣取る“鉄のフネ”だった。 “鉄のフネ” 即ち、軍艦だ。 灰色に塗装された船体が美奈代の目の前で移動している。 「な……何で?」 美奈代は目を疑った。 フネは水に浮かぶものだ。 陸を移動するものではない。 「准尉っ!」 牧野中尉の鋭い警告が飛び、“征龍改”はブースターを開くと、山の谷間に飛び込んだ。 向こうも、山越えに飛び出してきた美奈代騎に十分な対応が出来なかったらしい。 幸いにも美奈代騎が山の谷間に騎体を沈める間、フネからの攻撃は一発も飛んでこなかった。 「な、何ですか!?アレは!」 美奈代がコクピットで思わず大声で牧野中尉に訊ねた。 「艦名不明。艦形状、ライブラリーに照合なし」 牧野中尉は言った。 「現物は―――私も初めてみました」 「いくら何でも、なんで地面にフネがいるんですか!?」 「―――陸上戦艦」 「は?」 「陸戦艇(ランドバトルシップ)ともいいます。飛行艇のような完全な浮遊装置ではなく、FGF(フリーグラビティフィールド)を応用したホバー移動で陸上、水上お構いなしに走行可能の艦船です」 牧野中尉は思いだしたように言った。 「……また、座学で寝てたことが発覚しましたね」 「一々覚えていないだけです!」 美奈代は泣きそうになって怒鳴った。 「何で一々、私が忘れていることを、寝てた寝てたって!」 「本当のことでしょう?」 「ううっ!」 ズンズンズンズンズンッ! 山の斜面で連続した爆発が発生した。 その陸戦艇が、何かを狙って発砲したらしいことは、美奈代にも容易に想像がついた。 着弾で吹き飛ばされた土砂が容赦なく降り注いでくる。 「おい泉っ!」 都築の“鳳龍”が美奈代騎の横に滑り降りてきたのは、その時だ。 “鳳龍”が、砲撃を連れてくるような、そんな錯覚さえ起こしてしまう。 「あ、アブねぇ!」 敵の狙いは都築騎だったらしい。 「大丈夫か?」 「それはこっちのセリフだ!」 都築はくってかかった。 「強行偵察だけで済むだろうが!」 「……え?」 「えっ!?じゃないだろう!」 美奈代の素っ頓狂な声に、都築は思わず怒鳴った。 「まだ戦艦の有効射程だ!戦艦に叩かせればいいだろうが!」 「だ、だけど通信が」 「後退して通信つなぐって考えがどうしてわかない!」 「……すみません」 「くそっ!何で俺は……」 「……え?」 「なんでもねぇよ!」 美奈代の目の前で、都築騎が動き出した。 「ね、ねぇ、ちょっと!」 美奈代が止めようとするが、都築は言った。 「さっき、メサイアを3騎確認した。俺が引きつけるからお前は下がれっ!」 「な、何なのよ……」 美奈代は頬が赤くなるのを抑えられなかった。 都築がこう呟いたように聞こえたからだ。 ―――何で俺は、こんなの好きになっちまったんだ。 美奈代の目の前で、さくらがニマニマと、まるでチェシャネコのような表情をしている。 その表情から、どうやら聞き間違いではないらしい。 そう判断した美奈代は、まるで恥ずかしさから逃れるように、美奈代はブースターを開き、谷間から飛び出した。 ……何も考えずに。 ズンズンズンズンッ!! 谷間から飛び出した途端、待ちかまえていたように美奈代騎を陸戦艇の砲火が包み込んだ。 命中弾こそ出ていないが――― 「くっ!」 牧野中尉は、上昇を諦め、急速降下に切り替えた。 それが幸いした。 美奈代騎の上昇コース。山頂から若干下付近に、陸戦艇の主砲弾が着弾した。 タイミングを間違えれば―――考えたくないオチがついただろう。 「……正解だったわね」 背筋を流れる気持ち悪い汗を感じながら、牧野中尉はそう呟いた。 「泉准尉の悪運が移ったかしら」 「何か言いましたか?」 美奈代は背部にマウントしてあった速射砲を取り出した。 35ミリガドリング砲が軍艦相手に聞くのかは、試してみるしかない。 「中尉―――相手の武装は?」 「どう見ました?」 「37ミリ機関砲……いち、に」 「……6門です」 目をつむって飛んで来た火線の数を思い出そうとした美奈代に、牧野中尉は言った。 「両舷併せて推定12門。25ミリ砲もかなり積んでいますね」 「プラス40センチ砲?……でも、40センチにしては破壊力が」 「残念―――60センチ臼砲(きゅうほう)です」 牧野中尉は言った。 「60センチ!?」 「ええ……カール自走臼砲(きゅうほう)の後継モデルを参考にしたんでしょう。何しろ、陸戦艇そのものが、ドイツの―――きゃっ!?」 美奈代は“征龍改”を急速移動し、その一撃を避けた。 谷間めがけて高角度で臼砲(きゅうほう)を放ったらしい。 砲撃は初弾で谷間に飛び込んできた。 砲弾は美奈代騎がいた辺りに見事に落下、辺りを跡形もなく吹き飛ばした。 美奈代は知らないが、この時発射された60センチ臼砲(きゅうほう)の砲弾は一発約2トン、高性能火薬500キロが入った代物だ。 ―――敵の砲術長は、いい腕をしている。 美奈代は素直に感心した。 臼砲(きゅうほう)の射撃がどの程度難しいかは知らないが、さっきの砲撃といい、その技術は申し分ない。 何だか、それが恐ろしくもったいない、そんな気分になった。 「―――中尉っ!」 美奈代は、そんな気分から逃れようとするかのように、怒鳴った。 「あいつを仕留めますっ!」 「ど、どうやって!?」 「やってから考えますっ!」 「そんな無茶な!」 美奈代は、牧野中尉の意見をそれ以上聞かなかった。 聞く前に、美奈代は“征龍改”を突撃させていた。 中華帝国陸軍陸上戦闘艇“玄武”級ネームシップ“玄武”。 それが、美奈代の目の前にいる艦の名である。 全長220メートル。後部甲板に飛行甲板があり、ヘリやVTOLの運用が可能。 メサイアの移動ベースとしても申し分ない輸送力を持つ。 元は中華帝国で飛行艦を運用する海軍によって、新型飛行艦として開発されたが、飛行システムの不具合から、完成してみたらホバー移動のみ可能という、飛行艦としては致命的な欠陥品だった。 試験も中止され、岸壁に放置されていたものを、広大な大地を防衛する陸軍が、高い走行性能と陸上の移動手段としては破格の輸送力に着目し、海軍からスクラップとして譲り受けた後、“飛行艦ではなく陸戦艇だ”と主張し、同型艦の独自開発と運用を開始したという、いわくつきの代物だ。 「3時方向、メサイア1、接近しつつあり!」 陸上では的になりかねないことから、低く設計された艦橋の上。装甲板が張り巡らされた防空艦橋で見張りが叫ぶ。 砲塔旋回と射撃警告それぞれのブザーが入り交じってその叫び声をかき消す。 船体前面に設置された40センチ砲塔がゆっくりと右舷に旋回、照準を合わせた。 ズンッ! 鼓膜がどうにかなったんじゃないか。 本気でそう思うほどの砲声をあげ、40センチ砲が火を噴いた。 船体が砲撃の衝撃で大きくぶれる。 メサイアの背後、かなり遠くで爆発が発生した。 「砲撃遠いっ!」 艦橋で着弾を確認した艇長は怒鳴った。 「近すぎて主砲では無理だ!それ以外の砲で仕留めろっ!」 「―――くっ!」 飛び来る機関砲弾の嵐に襲われた美奈代は、騎士としての反射能力だけで飛来する砲弾を回避するハメになった。 「こっちに満足な対艦攻撃装備がないからってぇっ!」 ギュインッ! ギャンッ! 機関砲弾がメサイアをかすめる、背筋の寒くなるような音がレシーバーに次々と入ってくる中、美奈代はオレンジのアイスキャンディーにしか見えない砲弾や、目の前で発生する爆発を全てかわしきった。 メサイアを世界最強の兵器へと押し上げたのは、まさにこの時見せた美奈代のような、騎士の反射能力を、メサイアが機械として反映させることが出来るからに他ならない。 騎士こそがメサイアであり、騎士故に、メサイアは世界最強なのだ。 メサイアの前に、いかなる重武装を施した要塞然とした存在であろうとも、全くの無力であることが今、証明されようとしていた。 「畜生!当たれっ!」 「バケモノがぁっ!」 兵士達が必死に撃ち出す砲弾をメサイアはすべてかわしてしまう。 「弾種切り替えろっ!弾種を近接信管に!」 怒りのあまり、艦橋のヘリを殴った砲術長は叫ぶ。 「着発信管なんて使うな!相手は戦車じゃないんだぞ!」 もし、この陸戦艇を運用しているのが海軍なら、少しだけ状況が違ったかもしれない。 陸軍兵士達がこの陸戦艇で想定していたのは、戦車であり、機関砲は接近する戦車を破壊するための存在として位置づけられている。 航空機を撃ち落とすための近接信管の使用は例外的扱いだ。 何しろ、機関砲は海軍からのお下がりで、手動操作する代物にすぎず、高速移動する物体に対する対空砲として使える代物ではない。 だが、この近接信管を最初からメサイアに使用していたら、かなりのダメージを与えることは出来たろう。 兵士達が対空砲の射撃を停止し、弾薬を交換するその間に、美奈代騎は玄武の懐に飛び込んだ。 右手に装備した35ミリ機動速射野砲の至近射撃が、艦の構造物を滅茶苦茶に引きちぎる。 それまで美奈代達に向けて砲弾を放っていた機関砲達は、兵士達と共に挽肉にされた。 兵士達の呆然とする顔。 恐怖にひきつる顔。 泣き出す顔。 美奈代は、その全てを見た上で、彼らめがけて引き金を引いた。 罪悪感とか、恐怖感とか、そんなものは何もなかった。 ただ、機械的に引き金を引いた。 美奈代自身、そこには一切の感情は、なかった。 兵士達が砕かれる光景の後、美奈代は斬艦刀を構えながら“征龍改”をジャンプさせ、艦橋に飛び乗った。 自重数百トンというメサイアの重量で艦橋が一瞬で潰れる。 美奈代は、騎体が沈み込む中、騎体のバランスをとると、35ミリバルカン砲を玄武めがけて叩き込んだ。 軍艦とはいえ、35ミリ砲弾の雨を浴びることは想定されているはずばない。 艦中央の機関部冷却システムが破壊された玄武はつんのめるように急停止し、内部の熱の出口を失った機関部から、得体の知れない音が響き始めた。 その音を聞いた美奈代は、再び騎体をジャンプさせると、35ミリ砲の残弾を、玄武への土産とばかりに乱射した。 美奈代騎が大地に降り立った時、玄武はその姿を、立ち上る黒煙へと変化させていた。 「戦果としては申し分ないですね」 牧野中尉がねぎらうように言う。 「陸戦艇1、メサイアがじゅう―――」 ピーッ! 突如、コクピットに鳴り響いた警報。 牧野中尉の鋭い声。 「砲弾飛来警報っ!」 スクリーンが一瞬、真っ白になった次の瞬間――― 空気の壁に叩き付けられたような衝撃が美奈代を襲った。 激しくシェイクするコクピットの中。 美奈代は意識を失った。