約 30,698 件
https://w.atwiki.jp/msnf/pages/426.html
【拠点 ショートカットメニュー/ 編集】 SF アマモシティ キャンプ01 キャンプ02 キャンプ03 キャンプ04 ノースレイク キャンプ05 キャンプ06 キャンプ07 キャンプ08 ブックのテント メダル王子の城 GW カベノシタ キャンプ09 キャンプ10 カベノウエ キャンプ11 キャンプ12 キャンプ13 カベノオク キャンプ14 TN ビーチタウン キャンプ15 キャンプ16 フォートポート キャンプ17 キャンプ18 キャンプ19 キャンプ20 GZ シェルターK03 キャンプ21 キャンプ22 シェルターJ01 シェルターA05 キャンプ23 LL フロータシティ キャンプ24 キャンプ25 キャンプ26 SG ダイトリー キャンプ27 キャンプ28 キャンプ29 キャンプ30 カタヤ ハンターオフィス 宿 人間装備屋/武器・防具/人間道具 戦車装備屋/装備/戦車道具 ガレージ 酒場 話す 転送装置 情報募集中 座標:センゲン X 36 Y 21 ハンターオフィス 賞金首情報 名前 特徴 賞金金額 赤鰐 砂の中を泳ぐ魚・スナザメの一種で、体表が燃えるように赤い。“鰐(わに)”とはサメの古い呼び名らしい。 30,000 G ツガールヘッド 遮光器土偶と呼ばれる像の頭部に良く似た飛行物体。 100,000 G ツガール 遮光器土偶と呼ばれる像に良く似たロボット(?)。 2,000,000 G オメガツガール 燃えさかる剣を持つツガール。なぜオメガなのかは不明。 300,000,000 G 武者半蔵 馬型戦闘機械に乗った謎のサムライマシーン。からくり半蔵と何らかの関係があると思われる。 950,000 G ぬりかべくん 暴走してしまった次世代自走攻勢防壁型マスコット。 2,400,000 G 夜行戦隊・朧車 三体の怨霊(黒竜、鬼眼、泥眼)と二体の妖怪(輪入道の太郎・次郎)が合体したモンスター。 120,000,000 G ノヅチ 地底生物オマケマグラの亜種。山野草木の精ともヘビの化け物とも言われる山の妖怪がその名の由来。 150,000,000 G オロチ 複数の頭を持つ巨大な蛇系モンスター。その名の由来は伝説の怪物「ヤマタノオロチ」だと思われる。 200,000,000 G 駆露夢大将軍・崩厳 サイバー野武士集団「駆露夢党(くろぉむとう)」の頭目。サイバネティクスとバイオテクノロジーと呪物が融合した怪物。またの名を“金剛羅漢崩厳(こんごうらかん・ほうがん)”。 400,000,000 G 賞金をもらう 今週のターゲット 話す 名前 内容 詳細 若者 ダンジョンの話 ばあさん 賞金首の話 女ハンター 戦車の話 じいさん 戦車の話 ソルジャー男 ダンジョンの話 宿 「はー、さっぱりした。 はいはい、宿屋ですよ。お風呂もオススメよ! 部屋名 効果 所要時間 1人当たり価格(4人) 松の間 HP・TP・状態異常回復 00 01 00 500 G(2,000 G) 竹の間 HP・TP・状態異常回復 00 05 00 50 G(200 G) 梅の間 HP・TP回復 00 10 00 15 G(60 G) 気功マッサージ 状態異常回復 00 00 00 25 G(100 G) 温泉 HP・TP・状態異常回復 00 10 00 1,000 G(4,000 G) やめる 「またどうぞ! 宿泊 「ごゆっくりー。 気功マッサージ 宿屋 「ごゆっくりー。 マッサー 「・・・・・・精魂込めて癒します 「・・・・・・。 人間装備屋 「・・・・・・? ああ、人間装備ね。どうぞ。 出る 「……なに? ああ、帰るのね。 武器・防具 名前 色 種類 対 属 耐 性能 装備対象 価格 まわし 白 下 - - - 攻+900 防+700 HP+1000 命+800 回+600 幸+500 行+800 HMST 3,980,000 G 人間道具 名前 効果 価格 エナジーカプセル メンバー1人のHPを100回復する。使い捨て。 600 G エナジードリンク メンバー1人のHPを300回復する。使い捨て。 1,000 G 中和剤 メンバー1人の毒を正常に戻す。使い捨て。 20 G アルカリ軟膏 メンバー1人の酸を正常に戻す。使い捨て。 20 G マヒノン メンバー1人のマヒを正常に戻す。使い捨て。 20 G 修理キット 修理時間を10%短縮する。使い捨て。 100 G 寝袋 休息コマンドの時間を20%短縮する。使い捨て。 200 G アルカリワックス 戦車の酸を正常に戻す。使い捨て。 20 G 消火器 炎上を正常に戻す。メンバー1人に効く。使い捨て。 100 G ツカレトーブ 疲労が飛ぶように消える薬。メンバー1人のTPを10減少。使い捨て。 100 G アニマルフード 缶入りの動物用総合栄養食。動物に食べさせると……? 500 G バリアシール 装備中、ダメージを0にして100%の確率で消費する。ソルジャー専用。 1,000 G 修復ゼリー600 戦車のHPを600回復する。使い捨て。 7,500 G 修復ゼリー800 戦車のHPを800回復する。使い捨て。 10,500 G 修復ゼリー1000 戦車のHPを1000回復する。使い捨て。 13,200 G 横綱湯飲み 歴代横綱の名がプリントされた湯飲み。 300 G 手形の色紙 横綱の手形が押された色紙。もちろんサイン入り。 500 G 番付手ぬぐい 番付表がプリントされた手ぬぐい。 100 G 戦車装備屋 「いらっしゃい! イイのが入ってますよ! ……なんだ、戦車装備ですか。はぁ、ありますよ。ええ。 出る 「今度は魚を買ってくださいね! 装備 名前 種類 対 属 耐 性能 価格 備考 轟天砲 主砲 単2-3 破 - 攻+1300 防+320 HP+300 命+280 行+100 1,590,000 G 散撃筒 副砲 グ3-4 - - 攻+700 命+200 行+200 1,320,000 G 煤掃 SE 全5 空 - 攻+1950 防+350 HP+150 命+300 行+250 1,770,000 G 垂仁 Cユニット - - - 攻+600 防+300 命+500 回+300 行+500 2,480,000 G 奈良 Cユニット - - - 攻+300 防+500 命+300 回+600 行+500 2,480,000 G 戦車道具 名前 効果 価格 消火装置 対:単 属:無 炎上を30%の確率で正常に 1,000 G 装甲タイルLv.1 所持中ダメージを0にして100%の確率で消費する。 100,000 G 戦車道具袋 対:単 属:無 耐:無 道具スロット+2。(実質+1)。重複しない 100,000 G ガレージ 「おう、ウチはガレージだよ。 戦車のことなら任しときな。 出る 「はいよ、またおいで。 修理 回収 洗車 酒場 何か頼む 名前 価格 力水 5 G 十枚目 10 G 金星 20 G 横綱 50 G 波の花 5 G 勝ち栗 10 G 白星せんべい 10 G 力士焼き 10 G つくね串 20 G ちゃんこ鍋 100 G おだいじん ネタを売る 情報 名前 内容 詳細 酒場女 あいさつ 力士 ちゃんこの話 力士 横綱の話 オネエ 横綱の話 じいさん 横綱の話 力士 三種の神器の話 ヨッパライ 地名の話 トレーダー男 キャンプの話 話す 名前 内容 詳細 力士 あいさつ じいさん 像の話 若者 像の話 力士 土俵の話 おねえさん 横綱の話 力士 相撲の話 おじさん 力士の話 おばさん 屋根の話 旅人男 まわしの話 転送装置 情報募集中 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mayyugioh/pages/175.html
それは七月の上旬のこと。つい先日まで台風の影響やらで強風が吹きすさび、 あららこれで扇風機いらず、今は本当に夏が来ているのかしら等と言っていたのは 昨日のことであるのに。あの強風が暑さを引きつれてやってきていた極悪たる尖兵だったことに気づいたのは 今日の朝方のことだった。 太平洋側を通過していた台風の影響で吹き荒れていた強風は既に過ぎ去り、僕が目を覚ました時には既に 無風。 ジトジトと汗が肌に張り付く鬱陶しさが僕を目覚めさせるも、その目覚めは一言で言えば最悪で。 悪い意味でいえばこれぞ夏、来たぞ夏、と感じさせるのに十分な再会を僕に与えた。 よくぞきた、夏。だが来るなら事前に連絡がほしかった。 君から前日に電話の一本でも貰えたなら、僕はすぐに自室の部屋のクーラーを付け、 君を一切この部屋に入れなかっただろう。その時は許してくれとはいわない。 必死になって入れて入れてとドアを叩き続ける自然現象様の図が、セミロングの眼鏡っ子に擬人化されて 俺の脳内妄想をかきたてるが、この微妙な湿り気を帯びた体の感覚を味わうくらいなら、 その夏擬人化ロリッ子を暫くは招き入れることなく過ごしたくなる。 のろのろと立ち上がると、僕は窓を閉め、エアコンの起動スイッチを入れた。 少し間をおいて、そこから冷風が吐き出され始める。おお、これぞ人類の英知。 某県の発電所から端を発する節電のことなど知ったことか。今日だけは電気料金のことも考えないことにする。この小さなアパートの一室を制するのは僕であり、僕こそが王なのだ。 こじんまりとした六畳間の一室の中でだけは、僕は王と成り得ることを許されているのだ。 そう、この宝敬介(たから けいすけ)こそが。 ガサリ そう考えてもう一眠りしようかと布団に横たわった時だ。倒れこんだ拍子に、僕の頭に何かが触れた。 手にとったそれを確認すると、それはカードだった。 「いけね・・・デッキ構成してたの忘れてた。」 僕は起き上がると、枕元に目をやる。そこには一塊のカードの壁が築かれていたのだが、今の衝撃でか崩れ去り、乱雑に散らばってしまっていた。 「あーめんどくせー。やっぱ寝る前にケースに仕舞っとくんだった」 と言っても後の祭りであり、僕はその膨大なカードの砂漠に嫌気が差しつつ、一塊づつ手にとる。 幸いなことといえば、デッキとして構築した分には既にスリーブが被せられ、余りカードときちんと区別されていた。 「さ、てと。どんなデッキに仕上げてたんだっけ」 僕は余りカードを片付けると、早速とデッキの確認を行う。 「ああそうだ。サイキックなんて作ろうとしてたっけ。今のご時世、もう終わった種族って感じがアリアリだってのにな。なんでまた」 ぼそぼそと呟きながら、僕はデッキを一通り眺めると、次にエクストラデッキに目を移す。 「えーと、マジカルアンドロイドに、AOJカタストル、ブリューナク、ゴヨウガーディアンに、レッドデーモンズドラゴン、あと」 と眺めている時である。一枚のカードに目が止まる。 「ハイパーサイコガンナー・・・フルドライブ」 それは、昨日のことである。隣り駅のカードショップにて、新台のデュエルターミナルに挑戦していた時の事だ。DT第○△弾。その日から稼動が開始し、どんな新カードが入っているか調査していた時のことだ。 僕は先ず、置いてあったチラシにて内封カードのチェックを行った。 「おお、今回は意外と新カードが多いな。復刻カードが3分の1で、残り三分の二は新規か。で、気になるスーパーとパラレルレアは・・」 僕は心躍らせながら調べてみる。どうやら目玉のカードは三枚存在しているらしい。 内の二枚は奇妙なことに、名前非公開。当てて確かめてくれ、とある。 残りの一枚、唯一名前が公表されている、最上級レアカードの名は 「なんだこの・・・バイオレットアイズシルバードラゴン。青眼さんの親戚か?」 ネタが尽きたのかコ○ミ、などと皮肉を心の奥底で呟きつつ。しかし心の別フロアでは、その新規カードに 胸ときめかせたいた。僕は財布の中身から千円札を取り出すと、それを両替機に押し込んだ。 大体、これぐらい回せば、良いレアカードが来るかどうか判断できる。 これだけ回す間に、特定のレアカードか特定のトラップカードが出るなら、高確率でその後には激レアカードが来る。これが僕の周りで実しやかに噂されるジンクスである。 次々と飲み込まれる小銭、吐き出されるカード。 割合でいえば、どうやら四枚に一枚の確立でレア以上が入っているらしい。 前の人が回した名残か、二枚目と五枚目にレアがでた。となると次は九枚目で。 「あ、魔封じの芳香!キタコレ!」 僕は狂喜乱舞した。この罠カード、魔封じの芳香こそが、上のジンクスにある激レアカードがくる予兆と言われるカードのうちの一枚なのだ。ということは次、十三枚目で何かがくる。 運が良ければシークレット、最悪でもスーパーレアが手に入る。 どうするか、諦めるか。実際には要らないウルレアがくる事の方が多かった。しかし、しかし期待せずには いられないではないか。迷うな僕、これが伝説の幕開けとなるかもしれないじゃないか! あわよくばバイオレットさんがいらっしゃるかも知れないぞ、他の公開されていない、未知のレアカードだったとしたらどうだ。迷いは吹っ切れた。今はただ突き進め!! 僕はいそいそと両替機へ向かう。小銭がでるまでの僅かな隙でも、誰かが回してしまわないか気が気でない。 早く早く、急げ早く。焦ってクシャクシャになった千円札を両替機の口は拒み続けるように入りづらい。 だがそれでも入った。早く来い小銭。ああ、誰か見知らぬ男達が台を見ている! それちょっとまったあああああああああああああああああああああああああああああああああ ガッ ザッ チャリン 一陣の風の如く、先ほどの台に舞い戻ると、僕は無言で小銭を投入していた。 「ねーママーなんであのオジちゃんひっしになってゲームしてるの?」 「シッ、見ちゃいけません」 と冷ややかな視線を向けられているのも物ともせず、僕はカードの取り出し口からわずか見えるカードの枠を 睨み付けていた。 十枚目、緑、十一枚目オレンジ、十二枚目緑、そして気になる十三枚目・・・・白!! シンクロカード、しかも輝いている!あり得ない程の輝きが、取り出し口の僅かな隙間から覗かせていた そのカードは、無駄に輝きを放っていたのだ。見切った!大当たりを確信し、俺はそのカードを 引 き 抜 い た 結果がこれである。 「はぁ・・・折角、凄いカードを期待したのに。紫眼の銀竜様が光臨なさったと思ったのに・・・」 俺はその当時を思い出しながら、呆然とその無機質な幻想(どう見てもクズカードです。本当にありがとうございました)を眺める。 「ぎーんーのーりゅーうのー背にーのーおーってー・・・・いこーおぜー」 何だか歌いだす。悲しくなってなのか、むなしくなってなのか。 確かに、このhypsガンナーフルドライブ、恐らくはあの伏せられていたシークレットの内一枚であるようだ。今までに聞いた事がなく、存在しなかったカードだ。攻撃力三千ある。そこそこ強い。 しかし、これは余りに使い勝手が悪い。詳細は以下の通りである。 レベル⑫地属性 サイキック族 AT3000 DT2600 このカードは、シンクロ召還できない。自分フィールド上のハイパーサイコガンナー/バスター一体とサイキック族モンスター二体をゲームから除外した場合のみ、特殊召還できる。 自分フィールド上に「脳開発研究所」ある場合、その上にカウンターを二個載せることで、自分の墓地に存在するサイキック族モンスター一体をターン終了まで召還条件を無視して特殊召還することができる。「脳開発研究所」の上に存在するカウンター一個につき、フィールド上の全てのサイキック族モンスターの攻撃力を百ポイントUPすることができる。 である。けして弱くはないだろう。むしろ強いと思う。しかしあまりに召還条件が厳しいようにも思える。 そもそも、サイキックなど使ったことがない俺にとって、サイキック族というだけで使いこなせるか不安であった。だが、手に入れたものは仕方がない。使ってやるか。というやや上から目線な感じがしてくる考えもあって昨夜、僕はコイツを出すためのデッキを作り上げた。 しかしあまりにも雑である。 「まあ適当でいいよな。お、この強化人間サイコ強そう。/バスター入れるって事はバスビーとリターナーも入れた方が良いか?1のメンタルスフィア制限なのか・・・・だったら他種族のレベル1チューナー入れて、と。後は・・・ゲゲッ、クレボンス一枚しか持ってねえ。まあ、なんとかなるか?」 基本的にサイキックは使わなかった僕の手元には、それ関係のカードは少なく、その僅かなカードや貰い物、十円コーナーに並んでいるカードで作った安上がりなデッキがせいぜいだった。 どんなデッキでも作るなら強いものにしたい。そんな当たり前の思いが、このデッキには未だ沸いてこないのだ。使ってればその内に沸いてくるだろう。そうしたら真面目に向き合おう。 そういう考えに至り、昨晩で一応の完成としたのである。 だが何故だろう。そこまで興味がないカードならば、正直売った方がマシじゃないか。 どうして彼、宝敬介はそうせずに、しかもデッキまで組み上げようとしたのか。 これはそう、彼と彼の相棒となる一枚のカードの長い長い戦いの日々の幕開けなのだと、 誰も知る由もなかったのであった つづく?
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/228.html
作成中です・・・ ページ:1 2 3 お題 裏 開催期間 04/01/29~04/02/08 参加作品数 24 審査員 4人 本スレ 10の360-430 議論スレ 7の928-939 【チャンプ】 真綿のような戦火のなか、三通の手形、その裏書き(れん@2ch):8点 【準チャンプ】 裏:3点 天狗ばなし(ヤマネコ):3点 ザ・裏:3点 うらぶれ:3点 A Back and Lips:3点 自転車に乗って:3点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 361 裏めしや - 2 362-363 午後五時の荒天 - 1 364 キメラ - - 365 裏のない人 - 1 366 裏庭 なみなみお - 367 裏道 soft 1 368-369 語り部(ア) - - 370 農夫の歌 北 - 374-375 アナウンス 快楽童子 1 376 サヨナラ満塁ホームラン - - 377-378 裏 - 3 379-380 うら - - 381 ころコロこみックす 通行人 1 382-383 天狗ばなし ヤマネコ 3 384 ザ・裏 - 3 385 うらぶれ - 3 386-387 A Back and Lips - 3 388 2ちゃんねる - - 389 僕 - - 390-391 眠り 第壱夜 - 1 392-394 真綿のような戦火のなか、三通の手形、その裏書き れん@2ch 9 395-396 月の裏をとらえる ダ~ミヤン 1 397 舞台裏の少女 - - 401 自転車に乗って - 3 【審査員】 ななほし ◆lYiSp4aok. 構造 ◆/Cej999/v6 ame ◆yUHAxrOw2c 激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q 【採点レス】 419 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/02/08(日) 02 11 ID j2hUd6DU 3点 382 :天狗ばなし1 :04/02/03 17 37 ID qerKFAp5 3点 385 :うらぶれ :04/02/04 13 06 ID ea8YPua+ 2点 384 :ザ・裏 :04/02/04 11 17 ID +u8xeX4t 2点 386 :A Back and Lips 1/1 :04/02/05 00 00 ID eh6onIMa 1点 361 :裏めしや :04/01/29 12 29 ID QSYlJw2o 1点 367 :裏道 :04/02/01 04 38 ID F41mS7Yk 1点 374 :アナウンス 1/2 :04/02/02 22 08 ID C1k/Gw5P 1点 377 :裏1/2 :04/02/03 03 19 ID NHFASL3W 1点 390 :眠り 第壱夜 :04/02/05 17 32 ID ZP8GKHbn 1点 392 :『真綿のような戦火のなか、三通の手形、その裏書き』 :04/02 1点 401 :自転車に乗って :04/02/05 23 30 ID HkbjCuiO 422 名前:構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:04/02/08(日) 23 10 ID y9pIn6xr 392-394 3点 377-378 2点 395-396 1点 423 名前:ame ◆yUHAxrOw2c [sage] 投稿日:04/02/08(日) 23 25 ID X8aJ7Ii7 2点 392-394 『真綿のような戦火のなか、三通の手形、その裏書き』 1点 381 ころコロこみックす 401 自転車に乗って 424 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:04/02/08(日) 23 28 ID YJeEGu0S 2点 392-394 『真綿のような戦火のなか、三通の手形、その裏書き』 1点 361 裏めしや 362-363 午後五時の荒天 365 裏のない人 384 ザ・裏 386-387 A Back and Lips 425 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:04/02/08(日) 23 29 ID YJeEGu0S あ、ひとつ書き忘れた。。。 1点 401「自転車に乗って」 作品 ■▲▼ 裏めしや 361 名前:裏めしや [] 投稿日:04/01/29(木) 12 29 ID QSYlJw2o 段ボールのお山 しとしと雨に崩れかけ しわがれたキャベツら 値札をつける口もなく 青白く芽吹く煤団子ら 雨にむかい手を伸ばす ありえない隅へのサッカーボール転がれば 金網越しに見つける少年もあるかも 捨てられないところ 賞味期限内のところだけを 当然として特権の者として めしやで食らうは無知な労働階級ども ありえぬ空間から裏めしや 厨房で整う自動人形たちへ 表へむかって裏めしや ちょうだい ちょうだい それ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 午後五時の荒天 362 名前:午後五時の荒天1 [] 投稿日:04/01/30(金) 02 16 ID nlnGhB9L 寒流に乗った、昨日の荒天はわずかに コンクリートをたたきつけて 反発は随分と細部にまで及んで それでも敗北して いずれ、侵食する、という痕跡を残した で、俺はずいぶん歴史的だな、 という陰口を叩き壊す しかし、そこは収めろ で、打ち揚げられたヒトデ カルシウム質のなかに なんとか花を見出そうと いくつかの思想をこねくり回して 頭を痛めてみたものの 腹痛を催して、吐き出すと タバコを一服、海に棄てる 波紋はあっさりと掻き消されたようで 断末魔のわずかな煙がのった 港湾沿いのしけった風に吹かれて脂汗を催す オエッ 結局のところ、漂う煤煙はモザイクのかかった テクノ調で機械音と脳みそのやわらかさが ガチガチに固まった あのこびりついた歯石のやわらかさを 象徴するようなあの音は… 363 名前:午後五時の荒天2 [] 投稿日:04/01/30(金) 02 16 ID nlnGhB9L 永遠に聞こえやしないんだよ 内耳炎でな 赤ん坊、と叫んでみて そのままブリキ板でボコボコに 補修された道を歩いてゆくと 嘔吐を思い出す 吐き出してみたところ 毛玉だったのはいいのだが ずいぶんと合成繊維ばかりで うんざりしたら また腹痛だ 今の時間は 例えば朝だとする 夜は薄命だから 誰かの言っていた 午後五時は ずいぶんと こちらでは、 撒き散らす、 小便を 加速したら 早くしろ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ キメラ 364 名前:キメラ [sage] 投稿日:04/01/30(金) 22 27 ID fOjRH0hU 君はキメラだ 喘ぐキメラだ 僕のペニスに貫かれて 背中をみせて悶えるキメラだ 湯舟のお湯はゆっくり波打ち 時には細かく震えてさざ波立つ 白い背中に梳けた髪がまとわりついて くねる背骨のようにS字にウエーブする 右の肩越しに後れ毛がかかり 上気した頬がほんのり桃色 だが君は振り向こうとはしない うしろを見せたままだ きっと恥ずかしいのだ 彼への言い訳を考えているのだ 蛍光色が闇に煌めくように 心の裏側を垣間見せて反射しているのだ 君はキメラだ 喘ぐキメラだ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 裏のない人 365 名前:裏のない人 [] 投稿日:04/02/01(日) 00 50 ID NBnEZ1ms 良い人だ、裏のない人だと聞いていたがすれ違ったら、本当になにも見えなかった。 振り返ったオレはなにか反則をしたような、切ない気持ちでいっぱいだ。 もちろんあの人は振り返ってはくれなかった。……。 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 裏庭 366 名前:裏庭 [] 投稿日:04/02/01(日) 03 30 ID hriZ7VHH 裏庭で 真っ白なコピー用紙を 泣きながら 何枚も燃やした 一枚目、空の無責任な青さのために、 二枚目、物言わぬ風のために、 三枚目、びどうだにしない雲のために、 四枚目、届かなかったひかりのために、 五枚目、ほしくない永遠のために、 六枚目、軽薄な言葉たちのために、 七枚目、くだらない自尊心のために、 八枚目、しゃべらない孤独のために、 九枚目、人生のはかなさのために、 十枚目、すべての沈黙のために、 十一枚目、ひえきったぼくのために 灰は脆く 触るとすぐに崩れた たくさんの灰を踏み固めて ぼくはうすぐらい縁側に うなだれた 遠くで眺めていた タローが近寄ってきて ぼくを心配そうに 覗き込んだ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 裏道 367 名前:裏道 [] 投稿日:04/02/01(日) 04 38 ID F41mS7Yk いつも渋滞の 騒がしい道を外れて 静かすぎる 裏道へ入る 遠回りだという事 わかってる 無駄だという事 わかってる 結局は戻らなくては 歩むべきは あの騒がしい道 車の音 耐えかねて 逃げるように 裏道へ入る 夕日に照らされた 伸びる影は一つ あいつらには見つけられない 僕だけの道 僕という名の 逃げ場所 一匹の猫 いつも あの塀の上 君はいつでも そのままの顔 大きなリアクションで 喜んで 怒って 僕にとっちゃ 厄介さ 君をこの道に隠して 生きてきた 素晴らしいのは君の方 僕はあの騒がしい道じゃ どうにもやっていけない いつも渋滞の 騒がしい道の ど真ん中に立って 大声で叫びたいよ 「僕はここにいる」 君なら出来るんだろな だからこそ 裏道に隠しておくのさ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 語り部(ア) 368 名前:語り部(ア) [] 投稿日:04/02/01(日) 15 33 ID W6p8ya0s えーみなすぁん 虫たちの聴覚にご遠慮騒音をピーpppp膨らんでおりま寝る根のです失礼島す 失せろ 不満は 失せて 黄ばむ ふん あ 「先天性のスナフキンが お花畑で歌います ラリラリラルルララリラリラルルラ 「お花なんか枯れてしまえ」 「ナメクジばかりがいじめられ 紫陽花ばかりが踊り出す ステップ忘れた農民が メロディー忘れて歌います ラリラリラルルララリラリラルルラ 「お花なんか枯れてしまえ」 369 名前:語り部(ア)2 [] 投稿日:04/02/01(日) 15 33 ID W6p8ya0s 「旅の仕方を忘れたよ 豆の食べ方を忘れたよ 食物連鎖を忘れたよ 顔と形を忘れたよ スナフキンは歌います ラリラリラルルララリラリラルルラ 忘れんぼうのふりをして ラリラリラルルララリラリラルルラ」 「お花なんか枯れてしまえ」 ラリラリラリラ はいおしまいでごzazazaimasuuu 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 農夫の歌 370 名前:農夫の歌 [sage] 投稿日:04/02/02(月) 00 03 ID dfO1dOZ+ 人知れず雲雀は幸せをさえずり、 裏の畑に口をあけた春が、毛穴の底から涌いてくる。 幾千の年月を重ねた清水は、黒い土に沁み入り、 磨きあげた鉄鍬を突き刺せば、 泥まみれた残雪が虚偽のように横たわっている。 裏の畑を偲ぶ春よ、 地熱のように地下に耕し、 私の心を掘り起こしておくれ! 大地の底で、 抉り込むような大声が、遠く響き渡っているから!! 【コメント】 【得点】 0点 ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/ufudo/
山に登って治る人も、海外旅行で豪遊して治る人もいるけど、それはきっとその人の宿題をはたしたから。 病気は神様がくれた宿題探し。 でも宿題は自分自身にしか分からない。 人生の不幸は、 真に大切なものを しっかりとつかまないことから始まり どうでもいい物を 手放さないことによって完成する どうでもいいガラクタ 絶対に手放してはいけない宝物 人生には常にこの二つが存在する 宝物は人生という箱の底で ガラクタに埋もれながら あなたに発見されるのを待っている だから恐れず いらないものは捨ててみよう そうすればきっと かけがえのない宝物を その手に握りしめることができる 捨てれば得られる これが人生の真理だから むしろ、僕はキミに警告したいのです。 「絶対に怖がってはダメだ」と。 恐怖心を感じるということそのものが、キミを守ってくれている存在を否定する自己暗示になってしまいます。 それこそが恐怖心の正体です。 自分を守ってくれている存在がいることを信じること。 それが「勇気」という言葉の本当の意味です。 だから、どうしようもない恐怖心が襲ってきたときでも、キミは自分に出来ることをしていけばいい。 今、この瞬間にキミが出来る対処を、淡々とこなしていけばいいのです。 それがどんなに小さいことでも、キミに出来ることをして、後は、潜在意識に任せればいい。 恐怖心に打ち克つ唯一の方法は、自分を生かしてくれている全てのものへの感謝の気持ちを持てるようになることなのです。 今、キミが直面している辛い出来事は、キミを苦しめるためのものではない。 愛するキミをより高きものへと成長させようとしてくれる潜在意識の導きなのだということ。 苦しいときこそ、潜在意識のその思いを信じて欲しいのです。 すべてのものには魂がある。 だから、どんなものもやっぱり、自分を大事にしてくれる人のところに集まってくる。 お金はお金を大切にしてくれる人のところに来るし、幸せは幸せを大事にしてくれる人のところに来るのです。 だから、幸せを呼ぶコツは、例えそれがどんなに些細なものであっても、今、手元になる幸せに、常に心から感謝できる自分になること。 「ああ、今日も元気で仕事が出来てありがたいな」 と思うようにしてみるのです。 健康が欲しければ、病気がちだったとしても、今、こうして生きていられることを喜ぶこと。 人生においては、大きな変化を求められるときがあります。 それは、キミの「魂」が大きく成長するときです。 魂が新しいステージに向けて大きく成長するときには、キミの人生が根本から変わらざるを得ない。 今のキミを崩壊させざるを得ない。 そうしなければ成長できないような大きな成長だからです。 キミは全ての目標を見失ってしまったかのように感じてしまうことでしょう。 全てから見放されたと思えることでしょう。 きっと、自分なんか生きている意味がないと、消え入るような気持ちにもなるでしょう。 しかし、落胆する必要はありません。 潜在意識は、どんなときにもキミの元にいます。 目標を見失ったのではない。 今の虚無感は、もっと大きな目標を手に入れるための、静かなる前兆なのです。 何か問題を抱えている時には、 「待てよ、ひっとすると自分は、限られた時間枠の中だけで全ての価値を判断してしまっているのではないだろうか?」 と問うてみる。 キミの人生や人間関係が期待通りに言っていないとき、もちろん、悪いところを改善しようと努力することは必要です。 けれども、それと同時に、「少しでもうまくいっているところ」に気持ちを集める努力も忘れては行けません。 うまくいっているところに気持ちを集めて、それに感謝し、喜ぶとき、キミの潜在意識は進むべき方向を理解します。 だから、少しでも感謝できるところに頑張って気持ちを向けましょう。 今日から愚痴を少しだけ減らすように心がけて見ればいい。 呼べば 答えてくれる人がいる 苦しくても 寂しくても 誰もいなくても 名を呼べる人がいる しあわせ 今日、結果が出ないことを喜ぼう なぜなら今日の努力は、昨日までの努力に積みあがりいつか、壮大な成果をもたらしてくれるから 努力をアピールしたり人の注目を得ようとするのは止めよう 努力が本物ならいずれその結果は人の目を引くから 思い通りに行かないときも人のせいにするのは止めよう 自分で決めて始めたこと 最初のその崇高な決心に泥をぬることになるから どうせなら最後まで待って一番大きなドミノ倒しを見ようねキミのモチベーションが続かないのには、大きく二つの理由がある。 ひとつ目の理由は、「結果が思ったように出ないから」ということ。 一日努力したら一日分の成果が目に見えるように出るのであれば、キミのヤル気も続くのだろう。 ところが現実はそうはいかない。 人間はそんなふうに進歩するものではない。 変化は芝が伸びるがごとくゆっくりであるか、あるいはまったく進歩が表れてこない。 ある程度の努力が積みあがって初めて、結果が目に見えてくる。 それが本当の進歩だ。 ドミノ倒しをイメージしてみよう。 三枚くらいのドミノを立てただけで倒してみる人はいないだろう? 十枚くらい並んだところで誤って倒してしまったら、非常に悔しい思いをするだろう? キミの目指すドミノ倒しは百枚のドミノ倒しだろうか? それとも千枚だろうか? 十枚目のドミノを倒したら、十枚が倒れる結果を実感できはするだろう。 しかし、それはやっぱり十枚分の結果でしかない。 百万枚目を立て終えるまで待てる人だけが、百万枚の壮観なドミノ倒しの結果を見ることができる。 結果の見えない時間を長く耐えれば耐えるほど、最後に得られるものは大きい。 モチベーションが続かないもうひとつの理由は、「努力しているところを人に誉めてもらえなくなるから」ということ。 最初のうちは、誰かがキミの努力に興味を持ってくれたとしても、キミのことはキミのことだ。 すぐに誰も関心を示してくれなくなる。 そうなるとキミはとたんにつまらなくなる。 そして、努力を積み上げるのを止めてしまう。 ねえ、キミは、いったい、誰かに誉めてもらうためにそれを始めたのかい? どんな世界でも、成果を上げて行く人たちは孤独だ。 結果が出ればみんながチヤホヤもしてくれるだろう。 しかし、それまでの道のりは孤独であることを忘れてはならない。 努力の過程を人に認めてもらおうとしてはいけない。 「努力が間違っているかもしれないと不安だから、人に見て欲しい」とキミは言う。 しかし、それは巧みなウソだ。 ひとりでこつこつ努力することがつまらなくなったからに過ぎないということに気づけ。 それが間違った努力であれば、必ず努力の過程でそれに気づけるし、正しい道を見つけることもできるはずだ。 孤独に耐えよう。 自分の、自分による、自分のための努力であることを忘れないでいよう。 人のせいにするな。 環境のせいにするな。 恨むな、呪うな、言葉を汚すな。 あたふたと誰かに何かにすがろうとするな。 降り注ぐ不安や恐怖は腹に収めろ。 そこからあなたの力が湧いてくる。 頼むものは自分しかない。 自らの力で乗り越えられない課題など与えられない。 決していじけるな。 誇りを持ってこの運命を受け止めろ。 あなたほどの大きな人間でなければ、この試練は与えられなかったのだから。あなたのほどの大きな人間でなければ、この試練は与えられなかっただろう。 まるで、誰もがあなたの庭にだけゴミを投げ捨てて行くような、そんな惨めな気持ちになることもあるだろう。 でも、いじけてはいけない。 淡々と、ひとつづつそのゴミを片付けよう。 大変だねと慰めてくれる人の言葉にも、「自分じゃなくてよかった」という響きが感じられる。 でも、その人を責めちゃいけない。 この課題はあなたの課題なんだ。 その人のものじゃない。 「すべてお任せください」と言ってくれる人を、たぶん、あなたは求めている。 でもそんな人はいないよ。 いたとしたら、それはあなたを利用しようとする人。 これはあなたの試練だ。あなたの課題だ。 遅かれ早かれ、あなたはこの運命を受け止める覚悟を決めなくてはいけない。 腹を括らなくてはならない。 覚悟を決めるまでは、あなたは逃げ惑う“被害者”だ。 覚悟を決めたらあなたは立ち向かう“戦士”だ。 求めなさい。 そうすれば、与えられる。 探しなさい。そうすれば 見つかる。 門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。 だれでも、求めるものは受け、探すものは見つけ、門をたたくものは開かれる。 人は病み、傷つき、時として挫折し、失意にまみれる。 しかしその時こそ人生を癒し、いのちを育てる好機。 病をただ治すのではなく、以前にも増して心身共に健康で幸せな、真に価値ある人生を送る。 ネガティブな感情や考えの正体は、実はポジティブな何かである。 1000回ずっとダメだったとしても、それは、1001回目にもできないということの証明には決してならない。 要するに、ネガティブな感情や考えにおそわれたときも、絶望したり萎縮したりするのではなく、ポジティブな何かに積極的に目を向けられる姿勢が欲しい。 ほんとうは実体も力もないネガティブという概念の遊びに翻弄されて、必死になって心を悩ませている。 このネガティブな感情や考えには実体なんかないんだ。 無力なんだ。 それどころか、実際には、何らかのポジティブなモノへの信頼が土台にあるはずなんだ。 それをみつけることにエネルギーを注ごうじゃないか。 問題と真っ向から対峙し、その問題の中にある、ポジティブな意味を積極的に見いだすことによってしか、問題は乗り越えられない。問題には意味がある。 大切なのは、「何を見いだしたか」ではなく、「都合の悪い状況に直面したとき、そこから目をそらすのではなく、じっと見据えて、そのネガティブな状況の中から、ポジティブな何かを発見しようと努力する姿勢」。 意識の基準だけで、ものごとがうまくいっているかいないかを判断するのは間違っている。 「いついつまでにこうならないとおかしい」という判断をいったんひっこめて、もう少しだけ潜在意識に時間を与えてあげることも必要。 「待つことができる」ということは、「それは必ず実現するのだ」という、自己暗示になる。 利己主義的な人は、決して潜在意識を味方につけることが出来ない。 行動は習慣を変え、習慣は心を変え、心は人生を変える。 見えないものを動かすには、見えるものを動かす行動のみ。 どこに行きたいか分からんヤツに道はない。 成りたい自分を強く思い描き続けなければ、成功はない。 命どぅ宝。 命がかかった戦いをしているときに、優先順位を間違えて命を縮めるな。 そのお菓子と命、そのTV番組と命、PCいじりと命、ささいなだるさと命、その面倒くさいと思った行為の放棄と命、どっちを選ぶのか。 一秒一秒命の選択をしていることを忘れるな。 手当てをやっていない人は、自身がない反面、妙に高望みする。 1ヶ月や2ヶ月でぐんぐんよくなると思わないこと。真剣にやっていればいずれ体は応えてくれる。 難が有るから有り難う。 自分は神なのだ。 足下の事情などには惑わされない。 いかなる困難もきっと内部の無限の霊力で克服してみせる。 霊的成長は思いやりの心、寛容の精神、同情心、藍、無私の行為、そして仕事を立派に仕上げることを通じて得られる。 地上生活そのものの目的は伸びゆく魂が危機において初めて呼び覚まされる潜在的脂質を発現するために、様々な事態に遭遇すること。 だが実は克服できないほど大きな問題は背負わされない。 忍耐強く祈り求めること。機が熟すれば必ずドアは開かれる。 未来には、あなたによって生み出される何かが待っている。 人生は、あなたがそれを生み出すことを期待しているのだ。 もしあなたがいなくなれば、その何かも生まれることなく消えてしまう。 人生はあなたがそれを生み出すのを待っているのだ。 人は大海ではなく、グラスの中で溺れやすい。
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1929.html
前ページから ※ 「………………」 俺は絶句していた。 予定通り、俺たちは勝ち上がり、そしてチャンピオンも勝ち上がってきた。 そしてこうして決勝戦で向かい合っている。三列&三列の札を挟んだ源平戦の陣形。 それはいい。 が、しかし── 「ゆっくりしていってね!」 「おお、怖い怖い」 チャンピオンのパートナー二人、いや二匹? 二個? でかい生首が女の左右に陣取っていた。 取り札を前に、どちらもふてぶてしい表情で鎮座している。 巨大な饅頭に顔を描いたらこんな感じだろうか。 何これ? 遊星からの物体X? 「ふむ、『ゆっくり』を飼っているのか」 「ゆっくり?!」 親父のつぶやきにびっくりする。ゆっくりなだけに、などと言っている場合じゃない。 「知ってんのか、あの珍獣。天変地異の前触れとかじゃないのか」 「ゆっくりだ。知らんのか。れみりゃと似たようなものだ。珍獣ではなく饅頭だな」 「マジで」 肉まんと饅頭。確かに仲間といえばそうなのかもしれない。 「だどー♪」 「ゆっくりしていってね! れみりゃ!」 「おお、かわいいかわいい」 何か仲良くなっているし。 しかし、れみりゃをパートナーとしているこっちが言えた義理じゃないんだが、饅頭をパートナーにするのはどうなんだ? チャンピオンの顔をうかがうと、涼やかな笑み、しかし切れるような視線で返される。そして、一言、 「どうです。かわいいでしょう」 何で勝ち誇ってるの、この人。 ふと、赤いリボンをつけた方のゆっくりに目が行く。 向こうもこっちを見る。目が合った。 「れいむはれいむだよ! かわいくてごめんね!」 眉を寄せたにやけ顔で言う。 「…………」 仮に。 仮にキモカワイイという言葉があったとしよう。こいつにあてはめたとしよう。 しかし、明らかにキモイの割合が九割九分九厘占めている。単一民族国家を名乗ってもいい割合だ。キモイと断言して何が悪いだろう。 だが何も言えずに、俺は再び女の顔をうかがい見る。 「こちらもかわいいですよ」 かわいいことは決定事項ですか。 他人の美的センスに口を出す野暮はしたくないので、一応素直に女の示す方を見る。もう一匹のゆっくりだ。 「おお、照れる照れる」 ほほを赤らめるな。 こちらのゆっくりは小さな帽子のような多角形の物体を頭に載せている。 れいむと同じく眉を寄せたにやけ顔。しかし、左右の目の位置がずれているような、何というか、デッサンが狂ってる? うわぁ。 これは、さっきのれいむ以上に……まさか、これでもかわいいと言うのか? 絶句する俺にチャンピオンは言った。 「この子の名はきめぇ丸です」 「名前からしてそれかっ?!」 思わず叫んでしまった。やっぱキモイでいいんじゃねえか! 「いや、かわいいではないか」親父が言う。 「だどー」れみりゃも同意する。 ……あれ、俺また仲間はずれ? 結構凹むんですが。 ふと、視線を感じて横を見る。詠み札を持った着物の女性が正座していた。詠み手の人だ。 無言だったが、目は口ほどにものを言っていた。 ──早く始めてください。 ──はい、すみません。 もちろんこちらは素直に従うしかない。 いや、ほんと、茶番もいいとこだ。 周りの観客たちにもいたずらに時間を浪費させてしまっている。 むしろ、何だか生暖かい目で見られている気もするが……余計に凹むので勘弁してもらいたい。 「では始めます」 緊張感が張り詰めてくる。ついに最初の札が詠まれる。因縁の決戦の火ぶたが切って落とされるのだ。 「うー☆」 お前は豚まんな。火ぶたじゃなくて。 「瀬を早み──」 「はいッ!」 俺の声が右手と共に飛ぶ。始めの一字で札が限定できる歌、すなわち「一字決まり」だったので、即座に反応。 自分の目の前! 取れる! 狙い通りの場所に手が触れ、その場に畳の緑が空白となって残る。飛んだ札は右方向、親父ときめぇ丸の間を走った。 まずは一枚。 …………? 違和感。それが札獲得の爽快さを邪魔する。 どういうこった? 何で誰も……誰一人として動こうとしないんだ? 俺の動きが速すぎた、ということじゃねーはずだ。取ろうとする気配がまるで感じられなかった。 れみりゃのための接待プレーは決勝戦ではやらないはずだろ? いや、接待プレーの継続であったとしても、チャンピオン側でさえ動かない説明にはならない。 ふっ、と親父が笑った。 「意趣返しか」 「は?」 気配を感じチャンピオンの方を見ると、その笑みが静かに濃くなる。 怖っっ。 「どういうこったよ、親父。意趣返し? 仕返しって何のだよ」 やべ、俺、少しテンパってる。チャンピオンのすごみに気圧されてるのか。 「昔のことだ。さすがに三対一で女性を相手にするのはフェアではないと考えてな。十枚ほどハンデをつけることにしたのだ」 「じゃあ始めから相手の札を十枚抜かして……じゃないな。まさか……」 「ああ、十枚詠まれるまで動かなかった」 なるほど、そりゃ怒る。 親父たちにそのつもりがなくても、チャンピオンにしてみれば屈辱だったろう。情けを掛けられ、その末ボロ負けと来てはプライドはズタズタにされていたに違いない。 だから娘である目の前の女は、母の雪辱を晴らすために、同じハンデをこちらに与えるつもりなのだろう。その上で勝つ、それだけの自信を持って。 「まあそういうわけだから、お前は取って構わん」 「親父は取らないのか」 「誰が取っても同じことだ」 それもそうだ。俺しか動かねえんじゃな。 「こちらにハンデを与えるだけの力を持ってもいるしな」 「そんなに強いのか。……ん?」 ふと、思い当たる。 チャンピオンの相方二匹。こいつらはどのくらい強いのだろう。 親の仇討ちのために連れてきたと考えれば、相当の実力者なのかも。 「れいむが動くのは五枚目からだよ!」 「わたしが動くのは六枚目からです」 こちらの会話を聞いていたのか、饅頭たちは左右からステレオ宣言してきやがった。余裕しゃくしゃくを絵に描いたようなニヤケ顔。 ぬぅ、確かに屈辱だ。やれるなら往復ビンタかましてやりたい。 「れみりゃはもう動いてるどー」 あ、そうだった。 れみりゃは別に何の思惑もなく競技に参加しているわけで。 俺一人が動いているわけじゃなかった。 でもなぁ。 「わたの原──」 「う~、『わ』、『わ』、『わ』だどー」 「だから、下の句で探せって。これだこれ」 指し示し、取らせる。 こんなんじゃあ結局俺一人で動いているのと変わらない。 やれやれ。 そんな感じで、緩い雰囲気のままに、五枚目が詠まれる段と相成った。 「ゆゆっ、れいむの真の力を見せつけるときが来たね!」 饅頭顔が猛る。もちろん迫力とか皆無だ。 が、油断はできない。何しろチャンピオンが選んだパートナーで、その上ハンデを相手に与えるほどの存在だ。 見せてもらおう、その実力とやらを。 「月見れば──」 「ゆゆっ」 「何ィ!?」 驚かされた。 れいむが札を取った、わけではない。 札はあっさりと俺が獲得した。 驚いたのはれいむがまったく微動だにしなかったからだ。 今、五枚目だよな? 数え間違いじゃなくて。 「ゆっふっふ……」 れいむが低く、不敵に笑う。 「お兄さんは全然ゆっくりしてないね。れいむの方がゆっくりしてるよ」 は? 「いや、お前、札取られたよな?」 「そうだよ?」 「なら、お前の負けだよな?」 「違うよ?」 話がかみ合わない。 混乱している俺に、右にいる親父が声を掛ける。 「ゆっくりはその名の通りゆっくりすることに至上の価値を見いだすからな。そういう意味ではお前の負けだ」 「百人一首やってんだろーが」 「その通りだが、向こうは勝ったつもりでいるぞ」 実際れいむはゆふん!と勝ち誇って胸(?)を反らし、得意満面に言った。 「ゆっくりしていってね!!!」 何だろう……この湧き上がる殺意は。 「そうどす黒いオーラをみなぎらせるな、息子よ。次に動くのはきめぇ丸だろう。れいむと同じゆっくりでありながら、素早い動きが信条の特殊な存在だ。一筋縄ではいかんぞ」 「そうなのか?」 たかが饅頭だろう、と言いかけたその時、その黒い饅頭が動いた。 「おお、速い速い」 細かく左右に揺れる──いや、ブレる──高速で移動して残像っ?! ヒュヒュヒュヒュッと風切り音を立て、きめぇ丸は二匹に分裂したかのようなスピードで動いた。 こいつ、ただの饅頭じゃねえ。素早い饅頭だ。 親父が感嘆する。 「きめぇ丸シェイク、久しぶりに見るが大したものだ。私の反復横跳びに匹敵するぞ」 そっちの化け物っぷりのが気になるが、ともかくれいむと同じに考えると痛い目を見るようだ。 気を引き締め直して次の札が詠まれるのを待ちかまえる。 「滝の音は──」 「はいッ!」 気合い一閃! ……あ? 取れた。 あっさり取れちまったぞ、札。 気抜けしてきめぇ丸を見ると、奴はヒュンヒュンと体を振りながら一言、 「手も足も、おお、出ない出ない」 ………………そりゃそうだ。首だけだし。 「って、上手いこと言ったつもりかーッ!!」 公衆の面前だったが、さすがに叫んでしまう。 怒りはゆっくりよりも、その飼い主に向かう。 「何のために出しやがった! ふざけてんのか、てめぇ!」 戦力外とわかりきってる饅頭ぶつけてきやがるとは、どんだけなめてるって話だ。 戦力外だと始めに気づかない俺自身への怒りも含めて、チャンピオンに怒声を叩きつける。 ああ、八つ当たりさ! 「何か問題でもありますか?」 対照的な冷静さで女は言葉を紡いだ。 「何が問題って、てめぇ…」 さらに激怒をぶちまけようとするが、言葉が途切れる。 チャンピオンの目が恐ろしく冷たかったからだ。 「屈辱を感じますか? そうでしょう。私の母も同じ気持ちを味わったのです。そして、私も母と気持ちを共有しました。今はあなたがそれを味わっているのですね」 俺、関係ないじゃん。とばっちりじゃん。 言い返そうとするが、言葉に詰まる。 恐ろしいほどの妄執・執念。有無を言わせないオーラがある。 「母を通して感じた屈辱を、息子を通して私に感じさせたというわけか」 と、親父。 「その策は確かに有効だ。今、私は猛烈に怒りを、ププッ、感じている」 今、噴き出したよな? 途中で笑ったよな? 息子がおちょくられてるの楽しんでんじゃねーか。 ってか、きめぇ丸が札取れないってわかってて敢えてあおったよな、さっき。 女と共同で俺を馬鹿にする気満々だったろ! 「俺もう帰っていいか? こんな茶番やってられっか!」 嫌気が差して立ち上がろうとする俺に、 「ご安心を」 と、チャンピオン。 「十枚目からは退屈させませんよ。今の内にゆっくりしていってください」 知るか、との言葉がのどから出かかる。 が、服の端が引っ張られているのに気づき、左を見ると、れみりゃがつまんでいた。訴えるような目。 勝負を放り投げることに対しての非難か、自分を置いていってほしくないという懇願か。 ともかく俺は再び腰を下ろした。 まあ、乗りかかった船だ。最後までやってやるか、くそっ。 「チャンピオンが動くか。今度こそ本当に一筋縄ではいかんぞ。二筋縄ぐらいは覚悟しろ、なんてな」 「やかましい」 よく考えなくても、全ての元凶は親父じゃねえか。 俺やれみりゃを巻き込むなってんだよ。 ※ そして十枚目だ。 今度ふざけやがったら許さねえ、と思っていたのはさっきまでのことだ。 今はそんな気持ちはみじんもない。 なにしろ、重い。 空気自体が鉛になったかのように、肩に、頭に、のしかかっていた。 チャンピオンから発せられるオーラがそうさせているのだ。今までで一番の重圧。 口は一文字に閉じられたまま何を言うでもないが、闘気がビシビシ主張している。 ──自分が取る。札は私の物。 なんつープレッシャーだ。子供だったら泣き出してるぞ、マジで。お子様の手の届かないところに保管してください。 「うー♪」 けれど、こんな空気の中、れみりゃはのほほんとしている。下膨れた笑顔は崩れる気配もない。 意外と大物かもしれない。 こっちは自分の動作をぎこちないものにさせないので精一杯だってのに。 「来るぞ、息子よ」 「ああ」 そして札が詠まれるときが来た。 緊張感がみなぎる──不思議なもんだ、ある一定のラインを超えると、逆に覚悟が決まり冷静になる。 ベストを尽くす以外にやりようもない。来やがれッ! 「世の中は──」 正直。 王者のオーラを感じていながら、チャンピオンの強さはある程度想定していた。いくら強いといっても、細身の女性のことだ、これくらいのものだろう、そう思っていた。 これを「浅はか」と呼ぶのだろう。 俺が動こうとした瞬間には、女の手が札の上にあった。 「はィッ!」 気合い一閃。白刃のきらめきのように放たれた右手が、札を斬り飛ばす。その速度そのままに、札は俺のほほをかすめ、後方へかっ飛んでいった。 わずかの沈黙を置いて、観客からどよめきが湧く。 驚くのも無理はない。それだけの速さだった。俺などとは次元が違うのは、素人目にも明らかだったはずだ。 札の位置の完全把握、一瞬の間さえも差し入る余地のない反射神経などもさることながら、聞き取りの技がこちらの一段上にいやがる。 「世の中よ──」の札との区別がつく「は」の部分で判断するのが普通なのに、向こうは「は」の音が出る頭「h」を聞き取って動いていた。唇から漏れるわずかな空気の響きをとらえてだ。 とてもじゃないが真似などできない。せいぜいその化け物さを思い知る程度の力しか俺にはない。 チャンピオン……パネェ。 「うー、痛そうなんだどー」 れみりゃがこちらを見て言う。 ほほに手をやり指先を見ると、冷や汗かと思ったそれは赤かった。血だ。 「ありゃ、当たり所が悪かったかな」 「やれやれ、サッカリン並の甘さだな、息子よ。発ガン性物質の自覚は無しか」 「意味わかんねぇよ。何が甘いって?」 「後ろを見てみろ」 首を後方へ回してみると、観客が並んでいるだけだ。 何がどうというわけでもない、と思いきや、不自然なスペースが人と人との間に空いている。何人かの視線がその空間に向けられている。……何だ? 壁。 そこに何か小さなものがある。刺さっている。 あれは──。 「さっきの……?!」 札だった。チャンピオンが飛ばした手札。そのただの紙の一片が、コンクリの壁にヒビ一つ入れずに埋もれている。まるでバターにナイフを刺し入れたような様で。 「暗黒百人一首だな」 なにそれこわい。 「その通りです」 チャンピオンがうなずく。 その通りなのかよ。否定しないのか、その狂った単語。 「やはり身につけていたか。発するオーラが常人とは明らかに異なっていたからな。息子よ、先ほどはその奥義の一つを手加減して味わうことになったのだ。本来ならば、あれは手札を相手の眉間に突き刺し、戦闘不能に陥らせる技だからな」 なるほど。普通は横に払う札をなんで前に飛ばすのかと思ったら、そういうことか。納得した。 「って、一歩間違えたら俺死んでるんじゃね?」 「脳に異物が突き刺さって死ぬような者ならな」 死なねえ奴いるのかよ。 それにしても、死線すれすれを横切ったというのに妙に冷静な自分自身が、何か怖い。 「異常」が「日常」となってきていると考えると、何か、その、非常に嫌だ。 「暗黒百人一首はどこで身につけたのかな」 「やはり本場で学ぶのが最善だと思い、現地へ飛びました」 こちらの苦悩などまるで意に介さず、異常者どもは勝手に話を進めている。 「メキシコかな」 「いえ、グアテマラです」 日本じゃねえのか? 百人一首だろ。 「では、後期型の流派だな」 「そういうあなたは前期型ですね」 「マヤ文明が他国の侵略に備えるために独自に開発した秘技……女性の身で修得するとは見上げたものだ。これは手強いな。息子よ、一層気を引き締めることだ」 そんなことより、マヤ文明の不毛な努力が気に掛かるぞ。滅亡して当然というか。 それ以前に、マヤ文明で百人一首っつーのは時代背景とか地理的状況とか無茶苦茶じゃないだろうか。 いくら何でもいい加減過ぎやしないか。世界がそれを許すのか? 「ゆっくりしていってね!」 「おお、怖い怖い」 「だどー☆」 ……どうも世界はいい加減なようだ。こいつらの存在を許しているわけだし。 「では、チャンピオンのこれまでの努力と、その本領を発揮したことに敬意を表し、私も本気を出すことにしよう」 言うや否や、親父から熱い圧力が発せられる。空気が膨張したかのような、いや、実際に膨張していた。空気でなく、親父自身が。 親父の身体が服の下からも見てわかる通りに膨れ上がっている。鍛え抜かれた筋肉が盛り上がっているのだ。ついでに闘気により熱も発している。見た目も暑苦しいのに迷惑なことだ。 熱でゆがんだ空気の中、親父が言う。 「相手が女性ゆえにハンデとして全裸になるべきかと考えていたが、間違っていたようだ」 そうだな。とりあえず人としてな。 「ここからは本気の農家がお相手する!」 熱い宣誓と共に肉の膨張が頂点に達し、衣服がポップコーンのごとく弾け飛んだ。世紀末救世主?! すげえ筋肉だ。フルマラソンを全力ダッシュしかねないほどに。 けど、ハンデをつけようが本気になろうが、どっちにしろ脱ぐんじゃねえか。 農家露出狂説が信ぴょう性を帯びてきた。 「ふふ……それでこそ母を倒した人です。闘気で人が殺せそうですね」 お前は札で人を殺そうとしたけどな。 「では、今からが本番。互いの死力を尽くすときです」 「うむ」 ようやく話がついたところで、次の札が詠まれることになった。 係の人もどことなくうんざりしているように見える。 すみません、身内が迷惑掛けて。 心の中で謝っておく。 ともかくも詠み手は息を吸った。そして、 「あさぼらけ──」 ありえないことが起こった。 「あ」の音が出るか出ないかの内に、親父とチャンピオンが動いたのだ。 空気を切り裂き、札を弾く音が耳に届いた時には、二人は互いの勝敗を味わっていた。 「間一髪。あるいは紙一重といったところか」 「くっ……」 息をつく親父。 悔しそうに歯がみするチャンピオン。 第一戦はどうやら親父が制したようだ。手の動きが速すぎて判別できなかった。 しかし、それよりも気になることがある。不可解だ。 「おい、親父」 「何だ、勝負の最中だぞ」 「今の何で始めから動けたんだよ。おかしいだろ、『あさぼらけ』の『あ』でスタートできるなんて」 『あさぼらけ』で始まる歌は二つある。六字目まで詠まれない限り動けるはずがないのだ。まさかお手つき覚悟というわけでもないだろうし。 「あらかじめ何の札が詠まれるかわかっていたからな」 「は? イカサマかよ」 「詠み手の瞳に映った札を詠んだだけだ。反則でも何でもない」 「存在そのものが反則だな」 どういう視力をしてやがる。ワシやタカじゃあるまいし。 「しかし、チャンピオンも流石だな。事前にこちらの意識を読み取ってきた。わずかに目的の札に目をやったのが問題だったな。完全にリードをつぶされて、スタートを切られた」 聞いて、チャンピオンが首を振る。 「それでも左手で真空を作り、私の右手の軌道をずらしたあなたには完敗しましたよ」 「完敗とは謙そんが過ぎるな。そちらは左手で風圧を生じさせ、取るべき札を飛ばそうとしただろう」 「あなたの真空で、右手と一緒に自由を奪われましたがね」 「口から高周波の音波を出して三半規管を揺らそうとしたな。あれをまともに食っていたらそれも敵わなかった」 「気づいたあなたに同じ音波を出されて相殺されては意味がありません」 お前ら、まともに競技しろよ。 当然の抗議は、当然口には出せない。 無理が通れば道理が引っ込むの言葉通り、今やここは異常が支配する場だ。 「では続けましょう」 「やはりまだ余裕があるか」 「ええ、私の秘技は108式まであります」 「ふはは、それでこそだ」 「うふふ……」 そして、異常はますます濃厚になっていく。 もうにっちもさっちもどうにも止まらない。 ※ さて、それからどうした、かというとだ。 この場にいる俺自身、どうしてこうなった、と言いたい気分である。 まず詠み手がいなくなり、CDラジカセに代わっていることはいいとしよう。 本人が秘技だと言い張っている反則行為を防ぐためのものだ。機械に瞳は存在しない。 ランダム機能でCDの百人一首を詠ませ、既に詠まれた札は互いにパスするというルールで競技を再開したわけだ。 しかし、いないのは詠み手だけでなく、観客もまた一人もいない。テレビの取材スタッフもいない。いるのは当該競技者──俺たちだけ。 みんな避難したのだ。 公民館が半壊していては無理からぬことだと思う。 壁は崩れ、屋根は吹き飛び、床ははがれている。暗黒百人一首とやらがどれだけ近所迷惑かがわかろうというものだ。 正直、俺も避難したい。 竜巻や稲妻や業火やらが暴れまくる札遊びなど、まともな神経では付き合っていられない。 饅頭二個と肉まん一体がのほほんとこの場にいられるのが信じられん。 しかし、その悪夢も終わりが目の前に来ていた。 互いの陣地に置かれた札が、一枚ずつになっているのだ。 つまりは次に札を取った方が勝つ。 ようやくここまで来たかと思うと、感無量だ。何でもいいから早く終わってほしい。 「息子よ、そしてその嫁、れみりゃよ」 親父が語りかけてくる。 全身が汗だくでもうもうと湯気を立てている。百人一首によるものだ。馬鹿過ぎる。 「チャンピオンとの能力は互角。なれば、勝負を決めるものは後ろに立つ者、背中を押してくれる者たちだ。心強く思っている。頼むぞ」 ………………。 崖っぷちに立っていたらいくらでも背中を押してやるんだが、とは言うまい。 そこまで言われちゃ邪険にもできない。 最後の最後で頼りになるのが家族ということだ。助け合わないでどうする。 「ゆっくり頑張ってね」 「おお、強い強い」 「ええ、ありがとう」 見ればチャンピオンもゆっくりたちからエールを送ってもらっている。 こちらは着物のあちこちがボロボロになっていて、髪はやや乱れている……それでも顔には光明が射して明るい。孤軍奮闘ではこうはならないだろう。手も足も出なくとも、饅頭二匹、連れてきた意味はあったということだ。 「よし……!」 親父とチャンピオンの戦いに何もできなかったのはこちらも同じだ。 それでもできることはある。一緒に戦う。それが親父に力を与えるのだ。気持ちが力になるのだ。 家族三人で戦おう。 「いくぞ、れみりゃ」 俺はポン、と背中を叩いた。 ──デジャブ。 前にも確かこんなことが、と思ったときには遅かった。 ボブゥオ!! れみりゃは朝に屁をしてからは一度もしてこなかった。公衆の面前では控えろという言いつけを律儀に守ってきたからだろうが、それが却ってあだになった。ためにためたガスが噴出力と致死率を極度に向上させて猛威を振るうことになったのだ。 こういうとき普段なら即座に脱出している親父だが、百人一首に集中していたがために反応できなかった。死に神の気体に抱かれ、物も言わずにこん倒した。 他の常人は言わずもがなである。俺もチャンピオンもゆっくりたちも、意識を現世から吹き飛ばされた。 札を前にして、れみりゃだけが競技者として残っていた。 CDの音が流れる。 『久方の光のどけき春の日に──』 「う~、『ひ』、『ひ』、『ひ』だどー」 しばらく探して思い出す。 「あっ、『しものく』で探すんだったどー」 『──しづ心なく花の散るらむ』 「『し』、『し』、『し』……あった、これだどー!」 小さな手を札に載せ、取る。 そして立ち上がって大きく掲げた。 「取ったどー♪」 こうして百人一首に人生を掛けた親子二代にわたる因縁の対決、テレビを通して全国が注目する新年の競技は、幼い肉まんの手によってささやかに幕を閉じた。 いや、まったくひでぇオチだ。 おわり 最後の間。緊張感無くれみりゃが掲げるまでの辺りが本当に秀逸。 それまで積んできたものもさることながら、それを期待通りに壊して、ペースを突然変えて この落とし方にするって、意識しても中々できないと思う -- 名無しさん (2010-03-27 20 00 56) 感想ありがとうございます 本当はこれで打ち止めにしようと思っていたのですが あと二作ほど書いてみます -- 名無しさん (2010-04-03 23 25 56) さすがの農家も耐えられなかったかwww しかしギャグの出来が半端ないぜ -- 名無しさん (2010-05-10 20 22 56) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/9121.html
登録日:2010/12/12 Sun 01 56 36 更新日:2024/09/01 Sun 16 32 05NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 ゆかな カーテン グリード ゾンダー チームワーク皆無 ホムンクルス メダル排出機 ヤミー ライダー系悪の組織リンク ヲチ対象 仮面ライダー 仮面ライダーOOO 入野自由 叩いてみるたびメダルが増える 平成ライダー 幹部 怪人 怪人軍団 欲望 欲望の化身 渇望 猿真似 王 グリードとは、『仮面ライダーOOO』に登場する幹部怪人。 語源は英語で「貪欲」を意味する「Greed」。ただし、こちらの表記は「GREEED」と、Eが一つ多い。 ●目次 【概要】 【グリードとコアメダルとセルメダル】 【グリードと感覚と欲望】 【グリード一覧】本編に登場するグリード 本編以外で登場するグリード及び関連する存在 【概要】 800年前、とある王の命令を受けた錬金術師ガラを始めとした錬金術師たちによって作り出された疑似生命体。 三種の「コアメダル」九枚を核、大量の「セルメダル」を細胞として肉体が構成されている。 強い欲望を持った人間に自分のセルメダルを埋め込んでヤミーを創り出し、 その人間の欲望をヤミーに代理で満たさせることでセルメダルを増やし、己の糧とする。 元々創り出されたコアメダルは各10枚ずつであったが、数として完成されすぎていたために自我を持たなかった。 そこで、コアメダルを一枚抜き、あえて中途半端な数とすることで「欠けたものを埋めたい」という欲望が生まれ、 初めて動きだしたという寓話めいた誕生の経緯を持つ。 そのため、それぞれの属性のコアメダルが9枚揃うことで完全体となる。10枚目を投入したら満たされて崩壊するのだろうか。 800年前にもその欲望のままに暴れて世界を食らいつくそうとしたが、とある出来事を機に封印されてしまう。 そのまま現代まで封印されていたが、辛うじて右腕だけで抜け出したアンクが封印を解いたことで復活。 人類を脅かす存在として仮面ライダーオーズと戦うこととなる。 復活した当初は怪人態のまま暴れていたが、SNSで怪人なうされてからは目立つことを避けるために人間に化け、つぶれたバーでたむろしている。 「幹部怪人」とは言うが、組織立っていない我の強い連中の集まりという事もあり、基本的に連帯感や仲間意識は希薄(一応同族意識はある)。アンク以外の面子も作中頻繁に裏切りと結託を繰り返しており、その動向も番組の見どころの一つ。 また、彼らの周辺にはイメージカラーのカーテンが張られるという特徴的な演出も見られる。 【グリードとコアメダルとセルメダル】 グリードはそれぞれが生命のエネルギーを凝縮したコアメダルを核とし、そのメダルの種類に応じた外見・能力を持つ。 コアメダルが破壊されない限り不死身であり、そしてコアメダルは人類の持つ手段では傷つけることができないとされる。 つまり、コアとセルをバラバラにしたり封印したりして一時的に活動不能にすることはできても完全に倒すことはできず、いずれ必ず復活して世界を滅ぼすという非常に厄介な存在。 一体のグリードが保有するコアメダルは上記の通り10枚から1枚引いた9枚で、その9枚はそれぞれ3種×3枚で構成される。 各グリードに発現した人格はこの9枚の内の1枚(オーズが使う頭部用コアメダルの1枚)に内包されており、この一枚を中心にグリードの肉体は形成される。 逆にいえばこの人格が宿ったコアメダルが無ければグリードは成立せず、コアメダルを複数のグループに分けても同じグリードが複数生まれるといった事態にはならない。 ただし、例外として特異な条件下においては別のコアに最初に発現した物とは別の新たな人格が生まれることもあり、その場合は同種のグリードが別の存在として同時に活動する。 9枚のコアメダルが揃った万全の状態=完全復活を果たすとグリードは本来の力を取り戻し「欲望のままに世界を喰らう」と謂われる。 しかし、現代で復活した際にはどのグリードたちもコアメダルの多くを失った不完全な状態になっており、 行方不明になったコアメダルを探し、唯一オーズと共に活動し、自分たちと敵対するアンクが持ち去ったコアメダルを執拗に付け狙う。 なお、不完全なため体は頭部以外必ずどこか一部の素肌が剥きだしで、コアメダルを取り戻せば素肌の部分が無くなり、完全体に近付く一方、 コアメダルを奪われるとさらに剥かれていくなどかなり脆く不安定な存在になってしまっていた。 後に自分以外のグリードのコアメダルも取り込むことという方法が考案・実行され、グリードの能力を強化することに成功しているが、 自分以外の属性のコアメダルの制御は難しいらしく、取り込めば取り込むほど不安定化し、暴走し易くなってしまうというリスクも確認されている。 また、肉体の形成や戦闘などに使うエネルギー源としてセルメダルもグリードにとって無くてはならないものである。 代えの利かないコアメダルに比べると重要度は大きく下がるものの、セルメダルを大量に取り込めば戦闘能力も大きく向上させられる。 しかし、グリード自身はこのセルメダルを生成する能力を持っていないため、上述の通り人間からヤミーを生み出し、 そのヤミーを媒介に人間の欲望から精製されたセルメダルを回収する必要がある。 アンクは第2話にて、「例えるならアイスの棒がコアメダル、アイス本体がセルメダル」と火野映司とTVの前の視聴者にも分かりやすい形で説明している。 ちなみに、「体がメダルでできている」という設定のおかげで、切断描写・出血描写に対する規制が滅茶苦茶厳しいニチアサでも、切断攻撃でのダメージ描写が非常にわかりやすい、という副産物が生まれている。 上記の通り、グリードの発生要因は10枚1セットの完璧な状態から1枚抜くことで不完全にすることによるもの。 それを踏まえてかは不明だが、後の時代に創り出された新造コアメダル5種15枚は色が統一されていない。 要はセットの時点で不純物、他色の混じった不完全な状態にすることで、グリードに変化しないようにしている模様(*1)。 とりわけ、5種類の新造コンボのうち、コンボ時に特性が発現する唯一の形態にして、猛毒攻撃&隠密スタイルを得意とする、敵に回った時の危険性が極めて高いムカチリコンボのセットに至っては、3枚全てが全く違う色になっている。 ……が、プトティラやサラミウオのセットのように、欲望のないコアメダルが人間に取り憑くことで無理矢理グリードとしての自我を得るというケースが発生している(*2)あたり、グリードの生まれないコアメダルなんて存在しないのだろうか。 真木や映司のケースを鑑みるに、そういった無欲のメダルを司るグリードはメダルそのものを「10枚セットから欠けた一枚」、宿主の欲望を「残された9枚」の代わりとして扱っていると見るべきか(*3)。そうだとすれば、恐竜メダルは真木の「終末」や映司の「力」を欲するようになったのも、「宿主がそういう欲望を持つからそれを司るグリード」ということになるだろう。 その一方で仮面ライダーポセイドンは大量の他色メダルとセルメダルを取り込んでしまったためにグリード化したという経緯があるため、厳密には最終回に登場したメダルの器に近い。強いて言うなら、ゴーダ同様に「平和を守るために戦いたい」という願いを曲解し、とにかく戦闘欲を満たそうとするグリードといったところか。 【グリードと感覚と欲望】 グリードは本能的に9枚のコアメダルを得て完全復活することを求めているが、その目的は名の通り自分自身の欲望を満たすことである。 しかし、グリードが持つ欲望は底なしであるため、いくら求めようと決して満たされることは無い。 彼らは人間に比べると五感があまり発達しておらず、世界がくすんで見えているといい、 聴こえてくる音は濁り、視界は白黒、木材と食べ物の味の違いすら分からない。 実際、ある出来事で人間からグリードに変貌し始めてしまった映司は、 グリード化が進行すると共に、味覚が薄れて食べ物の味が分からなくなり、視界も徐々にくすんでいっている。 ただし、グリードが人間に憑依すると五感は宿主となった人間のそれがベースとなるようで、 泉刑事に憑依し、人間の五感で世界を体感したアンクは、初めて味わったアイスの「味」に魅了されて事あるごとに食べていた。 このように、感覚的な側面においても充足を得ることが困難であるため、 完全復活したグリードは人間をその欲望ごと取り込むことで自らの欲望を満たそうとするが、 そこまでしても充足を得るまではいかず、どこまでいっても彼らが永遠に満たされることはない。 メダルで形作られた不安定な体を持ち、それ故に死ぬことは無いが生きているとも言い難く、 満たされないと半ば自分でも理解していても、自らの欲望を止める事が出来ない。 それがグリードの本質である。 この在り方について、アンクは自嘲も込めてグリードを「只のメダルの塊」と吐き捨て、嫌悪しており、 進化することで命と呼べる物を持った存在になることを望んでいる。 【グリード一覧】 本編開始時点では、 鳥類系、昆虫系、猫系、重量動物系、水棲生物系 これらを司る5体が存在する。 なお、アンク以外の各完全体はOPに出ているため、完全体が出る頃に見れない人も安心。 またシリーズを通してこれら以外の特殊な個体も登場する。 本編に登場するグリード アンク 鳥類系のグリード。アイス好き。 鳥らしい飛行能力に加えて炎を操る事が可能で、他のグリードよりも頭一つ抜けた戦闘能力を持つ。 …が、本編開始時点で著しく弱体化しており、長らく右腕だけの状態だった。 他のグリードと敵対し、自らが仮面ライダーオーズとした火野映司と共に行動する。 コアメダルは タカ、クジャク、コンドル ウヴァ 昆虫系のグリード。短気で頭の弱い虫頭。 頭の角から雷を放つ事が出来、昆虫だけに硬い外骨格を持つ。本編では割としょっちゅうボコられてるけど。 最後まで生き残り、かつ完全体のまま話数を跨いだ唯一のグリード。 コアメダルは クワガタ、カマキリ、バッタ カザリ 猫系グリード。腹黒い策略家。 両腕の鉤爪と竜巻が武器で、猫らしくすばしっこい。 時に味方すらも欺いてコアメダルを集めるが、最終的に本編のグリードの中で真っ先に消滅した。 コアメダルは ライオン、トラ、チーター ガメル 重量動物系グリード。無邪気なお子様。 モチーフに相応しくグリード随一の怪力の持ち主で、重力を操る事も可能。 完全体の初お披露目は一番早かったが、実際はメズールのコアも何枚か取り込んで不足分を補った見せ掛けの完全体でしかなく、 真の完全体は終盤までお預けとなった。 コアメダルは サイ、ゴリラ、ゾウ メズール 水棲生物系グリード。紅一点で非常にエロい。 水流を操ったり水中を自由自在に移動できる。打たれ弱いのが弱点。 自己中心的なグリードの中ではそれなりに仲間を思いやる性格で、ガメルから慕われている。 コアメダルは シャチ、ウナギ、タコ 超ネタバレ注意! アンク(ロスト) 右腕だけのアンクと対を為す左腕のアンク。 右腕を除くアンクの肉体が意思を持った存在で、顔の右半分と右手が不完全となっている。 人間態は少年であり、当初は無邪気だったが、時が経つにつれてアンクらしい狡猾な性格を取り戻していく。 恐竜グリード 恐竜系メダルを取り込んだ真木博士が変異した新たなグリード。 過去に存在しなかったメダルがコアとなっていること、元が人間であることを含め、他のグリード達とは異質と言える存在。 「無」の属性を持っているため、オーズ・プトティラコンボ同様にコアメダルを破壊することができ、 ガメルは彼に人格を司るコアメダルにヒビを入れられた結果、Wバースの攻撃でそれが広がってコアメダルが破壊され、消滅している。 映司グリード 真木によって恐竜系メダルを体内に埋め込まれた映司がグリード化した姿。 映司はトラウマによって自らの欲望を失っており、それ故にオーズの力を使っても暴走せず、グリード化もしなかったが、 恐竜系メダルがその空となった映司の欲望の『器』に宿り、満たしてしまったことでそれらのリスクが発生してしまい、 それでもオーズの変身・力の行使を繰り返した結果、遂に恐竜系のグリードに変貌してしまった。 真木博士が変化したグリードとは違い、頭部が白く、襟巻の先端が赤いのが特徴。 本編以外で登場するグリード及び関連する存在 ギル 声 浜田賢二 名前の由来は“裏切る” (単に"ぎる"という説も) コアメダルは プテラ、トリケラ、ティラノ 映画『仮面ライダー×仮面ライダー OOO W feat.スカル MOVIE大戦CORE』の『仮面ライダーオーズ ノブナガの欲望』に登場した恐竜グリード。 映画には声のみで姿を現さなかった。台詞は一言のみだったが、しゃべり方が時代がかっている。 他のグリードとも顔見知りのような描かれ方をしていたが、TV版では上記の恐竜グリードが登場したため、ギルの存在はこの作品内だけの設定となった。 生み出したヤミー 欲望を満たすために必要な道具にセルメダルを投入する事で誕生する。 ○プテラノドンヤミー(オス) CV:下山吉光 映画3編全てに登場。何故かメモリーメモリを所持しており、仮面ライダーの記憶を集めていた。 欲望は不明だがおそらくノブナガの「知りたい」。 ○プテラノドンヤミー(メス) CV:道添愛美 オーズ編に登場。バレエダンサー・明智よしののシューズから誕生。 欲望は「踊り」 誕生直後にオーズを襲ったので欲望を満たすための行動をしていないのは内緒。 ショッカーグリード 映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』に登場。 ショッカーが偶然手に入れたセルメダルを改造して生み出した「ショッカーメダル」で誕生した、鷲型のショッカー製グリード。 コアメダル1枚で完全体となっているイレギュラーな存在。 鎧武者怪人 映画『MOVIE大戦CORE』の『オーズ ノブナガの欲望』に登場。 (まだ人間だった頃の)真木が織田信長のミイラをベースとした人造人間・ノブナガにサソリ・エビ・カニの甲殻系コアメダル(*4)を投げ込んだことで実体化した。 織田信長の甲冑がモデルだが、頭はサソリの尻尾、左腕は蟹の鋏、草履はイセエビに酷似している。 不完全態の頃から、自分を守り通せなかった不甲斐ない部下大名達の子孫への「天誅」という名の報復(辻斬り)を繰り返していたが、 主犯である明智光秀の子孫・明智ヨシノにノブナガが次第に情を抱いていくようになり、 遂には自分の命を削ってまで彼女の夢を支えようとしたが、「実験の最終段階」として真木により完全態にさせられ、欲望に心を食い尽くされてしまった。 ガラ怪人態 映画『劇場版 仮面ライダーOOO WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』に登場。 800年前、グリード達を作り上げた張本人。 現代に蘇った際にセルメダルの塊に魂を載せてグリード化し、たまたまその場にいた女性・若葉五月に強制的に憑依した姿。 そのため外見こそ女だが、人格は男そのもの。 膨れ上がった人間の欲望に辟易し、人類文明を滅ぼして作り直そうという傍迷惑な欲望を掲げ、総てのコアメダルを手中に収めようとする。 現代で獲得した大量のセルメダルを吸収して悪魔のような醜悪な姿となり、オーズに器となる五月を分離された後も暴れ回った。 最終的に「全てのライダーと友達になる男」と豪語する新ライダー・仮面ライダーフォーゼとの協力で一旦は倒されたかに見えたが、 隙をついてオーズの体内から恐竜系コアメダルを強奪し、21のコアメダル全てと失われたメダルを取り込んでワイバーンのような巨大怪獣に変貌を遂げた。 仮面ライダーポセイドン 映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズMOVIE大戦 MEGAMAX』に登場。 40年後の未来で新たに作り出されたコアメダルによって変身する仮面ライダーだったが、 オーズ最終話で真木と共に消えたコアメダルが時空を越えてミハルのもとへ飛来。そのまま大量のコアメダルを吸収してしまった事で、本来発生しないはずの人格が変身に使うコアメダルから発生し、変身者の肉体を乗っ取って凶悪化してしまった。 ある意味、新種のグリードとも呼べる存在。 ムチリ ゲーム『KAMEN RIDER memory of heroez』に登場。 ムカデ・ハチ・アリのコアメダルから人工的に生み出されたグリードであり、コアエナジーを無制限に受け入れることが可能。 元々はゼウス博士とアイダ博士による、財団X絡みの「不死の生命体の創造」の実験体であったが……。 保有するコアメダルのうち1組はオーズに一度倒された際に奪取されている。 なお、グリードでありながら自身の意志はないに等しく、本能の赴くまま敵を攻撃する。 そのため、アンクからは「欲望あってこそのグリードだ! 意志のないお前はグリードでも何でもねえ!」と全否定されている。 ゴーダ/仮面ライダーゴーダ Vシネクスト『仮面ライダーOOO 10th 復活のコアメダル』に登場。 ムチリ同様ムカデ・ハチ・アリのコアメダルを保有するが、これらのメダルは映司の欲望をベースに作られた特別性のメダル(プロトタイプ?)であり、古代王オーズとの戦いで瀕死の重傷を負った映司に取り憑くことで自我を獲得、彼の体を借りて活動していた。 映司の欲望から生まれただけあって古代王オーズへの敵愾心自体は本物であるものの、実のところは表面的な欲望しかなぞっておらず、映司の「どこまでも届く腕」「力が欲しい」という欲望の生まれた理由や本心については何一つ理解していない節がある。 そうなってしまっては、ただ力を求めるだけの映司の姿をしたグリードに過ぎず、古代王オーズの遺した大量のセルとコアを見るなり最強の力を求めて奪い取る行為に出てしまい、仮面ライダーとして顕現することとなった。 ある意味ではポセイドンの同類。 追記修正がしたいのか? その欲望、解放しろ(チャリン) △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 疑問だけど最初に抜いた十枚目のメダルを取り込んでしまったら満たしたいという欲望が無くなって消滅してしまうのかな -- 名無しさん (2014-01-23 21 04 12) ↑グリードの欲望は尽きないってのはそれにも当てはまるんじゃないかね? -- 名無しさん (2014-01-23 21 11 10) 初期ならそれで消えそう。でもほかのコアメダル取り込んだり未来世界のコアメダルを知ったら・・・ -- 名無しさん (2014-01-23 21 14 03) メズールが欲望でガメルを可愛がっているだけとは思いたくないな。愛があったと思いたい。 -- 名無しさん (2014-01-23 21 20 58) 昭和のゲルショッカー怪人以来の、「合成怪人」が登場したよな。 -- 名無しさん (2014-04-02 23 12 14) ↑V3 「おう」 -- 名無しさん (2014-04-09 13 04 47) X「せやな」 -- 名無しさん (2014-04-09 13 05 32) ウヴァさん:長男 メズール:母親 カザリ:ひねくれた次男 ガメル:末っ子 アンク:家出息子 ロスト:家出息子の生き分かれた双子の弟 真木:父親 -- 名無しさん (2014-04-09 14 17 20) 爬虫類や甲殻類のグリードが居たらどんな風だろう -- 名無しさん (2014-05-24 20 05 24) ↑ノブナガ「え…………」 -- 名無しさん (2014-05-24 20 14 48) ↑↑いい子がガメルしかいねぇw -- 名無しさん (2014-07-06 19 45 39) 小説版だとアンクは赤い巨鳥の姿だったから、ウヴァ:緑色の巨大昆虫、カザリ:黄色い巨大猫、メズール:青い巨魚、ガメル:銀の巨獣 みたいな妄想。 -- 名無しさん (2015-02-05 12 54 53) 犬系いたらキツネ・オオカミ・ハイエナになるかな? -- 名無しさん (2015-06-24 23 39 35) ↑カザリと被りそうだなw・・・てかメズールやガメルや真木が割と大雑把なカテゴリー付け(水棲生物や図体のでかい動物、現在存在してない動物)してんのになんでコイツは猫科限定なんだろ?ガメルと反対に「素早い四脚動物」でいいじゃん。アンクも鳥だけだけど昆虫以外に飛べるのって鳥だけなので・・・。 -- 名無しさん (2015-06-25 00 00 19) 知世子さんしかいない時に全員人間体でクスクシエ訪れるって絵面あったら面白そう。 -- 名無しさん (2015-07-21 19 02 14) キリンや馬って一応重量系に入るのかな? -- 名無しさん (2015-09-21 16 22 43) ↑4昔読んだ二次創作でそのコアメダルのグリードが出てたの思い出した。あとはカブト・トンボ・クモってのもいた。 -- 名無しさん (2015-12-08 23 07 31) ガラ怪人態こそが爬虫類系と言われる説があるが真相不明。ガラのほうはグリードでもヤミーでもない擬似グリードと言うべき存在でメダルの製作者特権のような力もある。外見は異形のワイバーンを怪人型にしたものっぽくメダルを21枚、ベルトではないオーズドライバーのような装置にセットすると巨大な怪獣に『変身』する。メダル暴走態兼ガラ怪獣態とでも言うべきもので劇場版オーズというもうひとつの物語のラスボス。 -- 名無しさん (2015-12-09 12 50 01) ここに載ってる以外で出るとしたら植物系、犬系、軽量哺乳類軽量…とか? -- 名無しさん (2015-12-09 14 56 31) デストロングリードやゲルショッカーグリードなんてのもいるね -- 名無しさん (2015-12-09 18 49 11) ↑13 働き手がウヴァさんくらいしかいなさそう -- 名無しさん (2015-12-10 13 06 05) HEROSAGAでは新たにネオショッカーグリード、ジンドグマグリードが出現。 -- 名無しさん (2016-01-27 18 43 21) さらにバダングリードも登場 -- 名無しさん (2016-02-26 19 54 00) もしかしたら800年前の封印のまえにコア全部割られたか枚数少なくなって実体保てなくなったグリードとかもいたんかな -- 名無しさん (2017-12-08 03 48 50) 終盤にアンクがメダルを床にぶちまけた時、這いつくばって自身のメダルを探すグリード達を見て哀しい気持ちになった -- 名無しさん (2019-10-30 23 02 55) まさか今になって新しいグリードが誕生するとは… -- 名無しさん (2020-10-16 22 01 18) ムカチリグリード(仮)カッコええやん ウヴァさんのご兄弟にも見える -- 名無しさん (2020-10-16 22 12 25) 『抜き取られた十枚目』の1セット分ってその後どうなったの…?? -- 名無しさん (2021-11-01 20 13 33) ↑会長が持っていました。TV本編の最終決戦で会長が投げてよこしたメダル(タトバコンボに変身するのに使った物)がそれです。ちなみに、重量系と水棲系の10枚目のメダルも会長が持っていた小箱に入っていたらしいです。 -- 名無しさん (2021-11-01 20 19 00) 結局のところ、ゴーダって何系のグリードだったんだろう? 怪人体が出てこなかったし。まさか○○系のグリードだったりして? -- 名無しさん (2022-03-13 23 50 53) ↑今後、ゴーダが復活する展開とかあれば、ギルが真木グリードに変更されたみたいに怪人体はムチリになると思う。 -- 名無しさん (2022-04-18 09 03 53) バースX誕生秘話では新恐竜グリード(ギル?)の他、和解ルート?のウヴァ、カザリ、メズール、ガメルも登場。 -- 名無しさん (2022-05-11 12 35 51) 21のコアメダルだと年齢それぞれバラバラだけど、同時に生まれたんじゃなくて間をおいてたんだろうか -- 名無しさん (2022-07-06 01 10 52) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1811.html
『くく、それは二人きりでって訳じゃないんだろ? なら構わないよ』 俺と佐々木とは中学と塾通いだけが接点で、放課後一緒に遊びまわるような仲ではなかった。 今思えばあいつの家に行った事もないし、あいつが俺の家に来るのも、それは俺の自転車に乗る「ついで」みたいなものだったしな。 けど、別に放課後まったく一緒に遊ばなかったって訳じゃない。 そこまでいったら逆に不自然だ。 当たり前だろ? けど、結局たった一度だけだった。 俺と佐々木が、たった一度だけ放課後一緒に遊んだ時の事。それはそう、月めくりカレンダーの十枚目をめくった頃だったろうか。 ……………………… …………… 「佐々木、たまにはお前も一緒に来ないか?」 「くく、それは二人きりでって訳じゃないんだろ? なら構わないよ」 残暑がしつこく居座る十月、俺が冬服の上着をずだ袋か何かのように肩に引っ掛けながら言うと、佐々木は妙な返答を返してきた。 まあお前の返答がみょうちきりんなのはいつもの事だが、せめてイエスなのかノーなのかはっきりさせてくれ。 「くく、それはすまない」 言ってカバンを肩にかけると俺の隣に立つと、片頬を釣り上げるように笑いながら佐々木は俺を覗き込んだ。 いつもより何故か若干「ニヤリ」とした笑みがこちらを覗きこむ。 「これで意味は通じるかな?」 「まあよかろう」 じゃ、行くか。おーい。 って何だ。なんでお前らそんなざわざわしとるんだ。 俺が声をかけるとぴたりと止む。 おいおい何なんだ。 ふと気付くとクラス中がこちらを横目で見つめていた。 何だ。そんなに佐々木が俺らのグループと一緒に遊ぶのが不思議なのか? まあ確かに女子一人ってのはおかしいかもしれんが。 「キョンくん、それマジで言ってる?」 「何かおかしかったか?」 「いや」 何故そこで口ごもるんだ岡本。 「な、そんな事より岡本も来いよ?」 「うーん。そうね」 など須藤と岡本の会話を聞き流していると、佐々木がとんとんと肩をたたく。 「くっくっく。まあいつもの事さ。それより他の人を待たせるのも気の毒だ、行こうよキョン」 「どうも釈然とせんがな」 何か事情を察しているのか、いつもより若干得意げな佐々木に促され教室から押し出された。 確かにいつもの事と言えばいつもの事ではあるんだが、そんな妙な事だったか? 「つうか佐々木よ。二人でって、いつも塾に二人で行ってるだろ? なんで今更」 「くく、キョン、キミは学校で顔を合わせる関係を特別なものだと思うかい? 僕らにとって塾通いはその延長戦みたいなものだろ」 くつくつと喉奥を震わせ、意味ありげに、シニカルに片頬を釣り上げる。 確かにそりゃ間違ってないと言えば間違ってないが。 おい須藤、なんだその「やれやれ」は。 「くく、続きは道すがらという事にしよう。須藤以下、皆が僕らを待っているじゃないか」 ……………… ……… 『二人っきりって訳じゃないんだろう?』 きりっとした顔で岡本が……元キョンと佐々木の同級生である彼女が顔真似すると、橘京子は羨望が混ざった爆笑を堪えた。 あぐらをかいたままクッションごとゆらゆらと揺れる。 「女として一度は言って見たいですねえ、そんなの。さすが佐々木さん」 で、キョンさんは? とクッキーをパクつき続きを促すと 「そんな妙な事なのか? って顔しててさ」 呆れ顔の岡本である。 元佐々木信奉者である橘、元同級生である岡本。 二人はそれこそ「普通の少女」独特の嗅覚、察しの良さをみせて笑った。 要するに佐々木は「キミと二人でなら、行くのは嫌だ」と遠回しに言ったのだ。 それは深い付き合いを拒否する言葉であり、言い換えれば「僕とキミはそういう仲だろ?」と言ったも同然なのだが…………。 「うわー。彼、別に空気読めないって訳じゃないはずなんですけどねえ。……ところでさっきからインターホン鳴ってますけど岡本さん」 「どうせ宗教の勧誘か何かでしょ、きょーこちゃん」 「ですよねー……っていうか岡本さん、それもしかしてあたしのあだ名ですか?」 「で、これがその時のササッキーの写真」 「ほほう。なんというドヤ顔」 岡本の携帯を覗き込み、ずいっと身を乗り出す橘京子。 何の縁だか……というか佐々木を中心とした縁だが、こんな出会いもあるから人生とは面白いものだと橘は思う。 以前、遠くから「監視」……もとい見つめていた少女の一人と、こんな風に話しているのだから。 岡本の携帯の中では、得意げな顔の佐々木が笑っていた。 「九月くらいだったかしら。妙にササッキーがキョン君を「友達扱い」し始めてさ」 「ふうん」 あの「雨の日」か。橘は事情は知っている。 けれどさすがに口にはしない。それはさすがに口にできない。 「でね、こっからが可愛いとこなのよ」 「ほほう。……なんか携帯鳴ってますよ」 「いやだわあ。これが噂のワンギリって奴かしら」 岡本は棒読みのまま容赦なく着信拒否に設定しつつ携帯を再操作。小さな画面に男子女子問わず楽しげな中学生、女子高生の姿が流れてゆく。 すると、今度は傍目にも幸せそうな佐々木が画面の中で笑っていた。 「でもねえ、それから連れ立ってゲーセンに行く途中もずっと二人で話しててさ」 「でしょうねえ。……ってもしかして」 「そう」 岡本は苦笑する。 「結局、そうやってずっと二人して話し込んでたのよ」 『でもね、キョン』 『ほう。しかしだ佐々木』 トボけた顔の二人、呆れ顔の友達の輪っかから少し外れているのに気付かない二人があっさりと脳裏に浮かぶ。 「まあ傍目には見てて面白かったわよ。自分から壁作ってるくせに、気付いたらあの懐きっぷりなんだもの」 「あはは」 橘も苦笑する。 それからも何度かキョンが佐々木を誘うことがあったそうだが、以後は色々と理由をつけて受け付けなかったそうだ。 多分、そんな自分をまた「自覚」したのだろう。 壁を作ろうとしたって、他の誰とも分け隔てない作った笑顔をしようとしたって、どうしたって笑ってしまう自分の事を。 そんな幸せを感じてしまう自分を自覚して「不甲斐ない」と悔やんだであろう頑固な人の事を。 橘はぼんやりと考えてしまう。 「……少なくともあたしが知ってる範囲ではね」 ずずっと緑茶を飲み下すと、岡本は少し遠い目をした。 難解なキャラを演じている、そうして傍目にも解りやすい「壁」を作っていた少女の事を考えて。 それでも隠せないくらいに幸せそうに笑っていた子の事を考えて。 『僕は誰かに好かれるような事を何もしていない。誰かに好意を振舞う事もだ。それはキョン、キミが一番よく解るだろ?』 「ササッキーの言葉?」 「ええ、まあ」 ぽつりと橘が口にした言葉に岡本が食いつくと、しばらく中空を眺めてからニタリと笑った。 「で、キョン君が『何言ってんだか解らんが』って?」 「ですねー」 やれやれと橘が肩をすくめる。 と、それを合図にしたかのように今度は二人であははと笑いあった。 「あー。やっぱ変わってないのねあの朴念仁」 「そうですねえ、相変わらずですよ。あの二等辺唐変木」 「鈍感なだけとは思わないわよ? けれど、他人の感情に無頓着な人にも程度ものってあると思うのよ」 「ですねえ、まったくあんなののどこがいいんだか、と?」 先ほどとは違う着信音。これは 「メールですよ岡本さん」 「やーねえ、最近多いのよ。『夫が大アリクイに殺されたのでお金がいるんです』みたいな迷惑メール」 「ああ、多いですよねそういうの」 再び容赦なく着信拒否。 「……でもまあ、そんな彼だから、変な駆け引きなんかしなくてもいい彼だから、惹かれたのかもしれないけどね」 「いつも作り笑顔で笑ってるくせに、彼の隣じゃ顔どころか雰囲気まるごと笑ってる、……なんてね」 「そう、そんな感じです」 にこりと橘は笑う。そんな彼女の力になりたいのだと。 ……それが橘の勝手な理想を押し付け、すべて台無しにしてしまった彼女に対する、自分なりの償いなのだ、と。 だから、聞いた。 「ねえ、岡本さん」 「なあに? きょーこちゃん」 「いやそれは……まあこの際置いておくとして」 こほん、と喉を鳴らす。 「……なんで岡本さんは、そんな風に佐々木さんを心配してくれるんです?」 「そりゃ友達だからよ」 たった一言。 「友達になったからよ」 付け足した。 「あたしでも解っちゃうくらい傍目に解りやすい子なのに。自分も彼も解ってないなら、解れって言いたくなった、のかな」 「何を、です?」 くすくすと岡本は笑った。 「それはね……」 「あ、待ってください。もしかして」 二人してくすくすと笑う。 「『幸せは逃しちゃだめよ?』」 あんな風に笑えるような、そんな出会いは滅多にないって、彼女たちは知っているから。 だって私達は「普通」なんだもの。 『あらあら落し物をしましたよ? 大切なものなのでしょう?』 とても単純な事なのだ。誰だって、誰かが落し物をするのを見たら声をかけるだろう。それが友達なら尚更だって事なのだ。 だから言ってやりたいのだ。 そんなに難しく考えず、自分の望みに素直になったら? それが「普通のオンナノコ」でしょう? ってね。 一度手放したからって諦めなきゃいけないなんて法はない。 何度だって手を伸ばしていい。 大事なものなら、諦めないで欲しいって。 真面目で、頑固で、潔癖で、……不器用な子だと思えてしまうから、だから応援したい。ただ、それだけのことなのだ。 「変人気取りの普通の子、自分で解ってるはずなんですけどね」 「ふふ、どうしたものかしら。じゃ、まずその春の事件とやらの話から……」 岡本が話を切り出そうとしたところで「ただいまー」という明るい声と共にドアが開いた。 「あ、お帰りお母さん」 「すいませんお邪魔しています」 出迎えた岡本、そしてその後ろについてきた橘、二人がそのまま硬直する。 玄関に立つ母の後ろに見覚えのある少女の姿を見たからだ。 「お客さんよ、中学時代の同級生だって?」 「やあ岡本さん、橘さん。私も話に混ぜてもらいたくなってさ」 くつくつと喉奥を震わせるような笑い声に、二人は思わずへたり込む。 あらどうしたの? と声をかける母親には見えない。彼女の後ろに佐々木は立っているのだから。 いつもの三日月の笑みではなく、弦月まで広がった笑みを、オペラ座の怪人のように顔に張り付かせて笑う佐々木の姿は見えない。 その後二人がどうなったかって? いやいや、それはここではとてもとても…………。 )終わり 「……ってな事もあったな」 「なるほど。実に興味深いお話ですね」 興味深い? まあ確かに古泉ならこの佐々木の態度も解説してくれるかもしれん。 気付けば俺から中学時代のエピソードを一つさらっと引き出しやがった古泉の似非スマイルが、何故かいつもよりこわばっている。 まるで、そう、強いて言うなら回転寿司屋で、どれから食べたらいいか、と迷っていた時の妹のような顔だ。 古泉、言いたいことがあるなら言え。ただし簡潔かつほどほどにな。 「ええまあ、確かに。何から話せばよいやら。興味深い話を拝聴した身としては返礼として感想を述べる義務があるはずですが」 沢山あるなら適当にピックアップすりゃ良いだろ。 「ええ、ではそうですね。僕の立場としては少々問題ある発言かもしれませんが」 「どの立場だ」 古泉はやれやれと流麗な仕草で肩をすくめて見せると、ウィンクしながら俺を指差す。 まるで、本当は文字通り突き刺してやりたいのだ、という仕草で。 「どうです? 一度、脳を解剖してみませんか?」 「もったいぶって何を物騒な」 思わず眉根をしかめるが、その言葉を部室の隅にいた長門が継いだ。 「申請はしている。しかし受理されない」 「は?」 思わず二人して長門を見つめる。 長門がゆっくりと見つめ返し、部室にいる三人全員の視線が絡まったところで、長門はいつもの平板な口調で言った。 「ジョーク」 )終わり 関連67-708『だって、あたしだってそうだったし?』
https://w.atwiki.jp/heiseirowa/pages/103.html
『The Foreigner / 復讐者』 [登場人物] 鴨ノ目武、鰐戸三蔵、伊井野ミコ この日本には生きてちゃいけない人間がうじゃうじゃいる。 強姦殺人を犯したにも関わらずシャバに解き放たれた未成年、いじめで人を自死に追いやったチンピラ、女子高生を拷問殺害したうえ事件を金で揉み消したドラ息子……。 そういう人間に限り、無駄にのうのうと長生きし、幸せに過ごす。──ゴキブリのように。 司法では裁けなくなったクズ共へ、『終止符』を打つ稼業。 それが鴨ノ目武。──サングラス身に付く彼の〝復讐屋〟だった。 「本日は皆様に殺し合いをしてもらいます」 その言葉をカモは、どう捉えたか。 無論、彼に罪のない参加者たちを殺める気は一切生じない。 ただし、殺す対象は一人定めている。 (…あぁ。ちゃーんと、殺すつもりだよ。俺は) (『クズ野郎』だけをねぇ………!) 彼が激憎の目で見据えていたのは、眼の主催者、トネガワただ一人のみ。 過去、カモに目をつけられた『復讐対象たち』は皆必ず凄惨な殺され方をしたものだ。 彼が重視するのは結果よりも過程……────屑達は皆とてつもない拷問を限界まで経されて死に至っている。 仮定として、ここにいる六十九人が全員死亡した場合、その人数分の『痛み』を鴨ノ目は味あわせるつもりだ。 (クズは絶対に許さないよ。絶対にねえ……) 騒がしさが増しに増すバス内。 対照的に、腕を組んで今はまだ黙座を貫くカモだったが。 一瞬の閃光、そして暗転の後。 目を覚ましたカモの前にいたのは────…、 「…グッ……。…もう……、始まったのかい……………ッ」 少女の亡骸だった。 ◆ 周囲に散らばる重たそうな本。 冷たいアスファルトで横たわるはおさげの少女だった。 パッと見では、疲れ果て周囲の目も気にせず眠りこけた様子なのかもしれない。 ──髪の毛散らばるおさげ同様、乱雑にペイントされた真っ赤な血だまりがなければ……。 ゴロンッ 「………………………クソがッ…」 息は、もう既に確認できない。 寝顔をそっと傾けると、後頭部はベッタリ血で塗り固められ、茶髪がどす黒く染まっている。 鈍器で出会い頭一発叩き割られたのだろう。 成人男性、それも硬い物を軽々振り上げ頭を簡単にぶち割るような筋肉質────被害者の状態を見るだけでも、ここまで犯人を推察できる。 (…………確かに気が動転するのも理解はできるよ…。有事に正常な判断なんて難しいからねえ……………) カモは、震えていた。 (……だが、俺が『理解できる』のは『一般人』の気持ちだけだ) 悲しみ、恐怖、不安、陰々滅々…。 そのどれ一つさえ混じらない感情で、カモは震える。 「…これをやったのが屑野郎だとしたら……。………………殺すッ、絶対に殺すよ……ッ」 死体を目前にカモは、持て余す怒りを前にただただ震え続けた。 『武者震い』──という言葉があるがあれに近いイメージだ。 殺し合いに早々乗った屑を相手にカモはひたすら震え、また兼ねて、そいつをどう『制裁』しようか拷問を想像し、震えに震えまくった。 殺し合いに紛れし社会のゴミクズも殺処分してやるッ……────。 … 「…………すまない。…俺が救ってやれた世界線もあった筈だからねぇ………」 「……本当に、申し訳ない」 サングラス越しの目には涙が生まれていない。 ただ、号泣した際体が震えるのと一緒で、カモは小さく背中を振動しながら、少女へ黙祷を捧げた。 膝を折り、手を合わせて、以降何も言わずに一礼。 カモは未練残りし少女に向かい、ゆっくりゆっくり静かに。 慰霊を祈った。 ────背後から忍び寄る影。 ────カモの坊主頭目掛けて、パイプレンチが振り落とされる『音』に気づかずに。 ズッガァァアアアッ── 叩き付けられる音が一発、響いた────。 「ぐっぎゃぁあぁあぁあぁあぁあっあぁあぁあぁあぁあぁあぁっ!!!!!!」 「……正当防衛ってあるよねえ? 自分で言うのもあれだけど…、もしアンタが『一般人』だとしたら悪いけどそれで勘弁してくれないかな…」 ────カモが襲撃者を殴り倒した音のみが、一発。 パイプレンチが風を切よう直前、気付かないフリをしていたカモは背後に向かって拳を突き抜く。 バトル・ロワイアル…こういう非日常には百戦錬磨なカモの拳だ。狙い通り、相手の顔面鼻付近に直撃。 襲撃者は勢いよくゴロゴロと…、武器とポケットから数枚の写真を撒き散らし倒れていった。 そのパンチ力は如何なるものか、「ぎ…ぎいっ……」と拳を受けた数秒後も怯む襲撃者であったが。 カモは、彼へと一歩ずつ近寄り、こう問いかけた。 「…ところで一つ。一応、野暮な質問だろうけどさ……」 「あァッ!!!? …デ、テメェ…………………」 距離が縮まるごとに、明るみとなる襲撃者の容姿。──周囲にはヤツの物だろう、防止とマスクが散らばる。 彼を直視したときカモは思わず「…っ」と唸った。 見た目差別は基より嫌っていたカモであるが、そんな彼でさえ言葉をと切ってしまう程、ヤツは異様な姿をしている。 ツルっとしたスキンヘッドには、パックリ割れたスイカを縫い合わしたかのような手術跡…。 ケモノのような睨み目、血を垂れ流す鼻を過ぎて、吐息を荒く漏らすその口には、『唇』が全くなかった。 故に、剥き出しの歯がズラリと威嚇してくる。 「……本当に、あんたからしたら野暮な質問だろうねえ……」 「ハァ、ハァハァ……! 何が言いてェんだ………ッ!!! ゴラァアッ!!!! ハァハァ………!」 敵の目に見えた異様さに難色を示しつつも、それよりカモの目を引いたのは『散らばった写真たち』だった。 ふと、足元に落ちていたので拾ってみるカモ。 奴にジャンバー内で携帯するくらいだからよほど大切な写真なのだろう。 その一枚の長方形紙を目に通す。 暗い背景…、恐らく自室で撮られたであろうそこには、 顔中『根性焼き』でブツブツだらけの半裸男が映し出されていた。 ──よく見れば「初めての体験。あなたに……♡」と書かれた付箋が写真に貼り付く。 「……ハァ、ハァ、ハァ……………………。ハハ……、」 「ブッハハハハハハハハハハハはははははハハハハハハハ…!!!!! ギャッハハハハハハハハハハははははははハハハハハ………ッ!!!!!!!」 カモは、絶句した。 よく見れば他の写真たちも似たような『構図』。 これまで幾度となく犯罪者共と出会ってきたカモではあるが、ここまで言葉を失うのは久々の感覚であった。 スキンヘッド男の狂った笑い声に飲まれそうになる中、奴は一言カモに返した。 「いいだろ? 俺の最高傑作の一枚がそれだぜ。ぎゃはははははははははハハハハハハハハ!!!!!」 「ぎゃーっはははははははハハハハハハ…! ぎゃーははははっはっはァッ!!!!!」 奴を殴ったことで多少解消された怒りがまた沸々と支配してくる。 スキンヘッドの男──鰐戸三蔵の狂笑を受け取ったカモ。 彼もまた、一言ヤツに対して『野暮な質問』を返す。 寡黙なカモゆえ、表情には出さずとも、目の奥のギラギラ燃える黒炎だけは揺らぎを止まらせなかった。 「…一つ聞くよ?」 「ハハハははは……。…あァー…?」 「お前さん、────『屑』だよね?」 ◆ 一枚目。 縛り付けられ、口にはコカ・コーラを突っ込まされた小太りの男。 そいつは全裸の状態で、『ブラジャー、パンツ』を表すがごとく無数の根性焼きがされていた。 「そいつの名は豚塚くんッ!! 俺の兄ちゃん達にカマを掘らせたお礼で、『一生物の下着』をプレゼントしてやったッ!!!──」 「──…風の噂じゃ、豚塚はベッドインでも自分だけ着衣プレイしてるという……。ぶっ!!! ぶははははハハハハハっ!!!!」 「…………」 二枚目。 同じく縛られた男。 彼の体には、見覚えのあるアニメキャラが描かれており乳首部分がちょうど両目になっていた。 ──無論、根性焼きアートで。 「こいつァ山中ひろしッ!! …そして、これぞ『ど根性焼き』ッ!!! ぴょん吉を描いてあげたから話し相手に困らねェだろうぜッ!!!! イヒヒヒッ…!!!!」 「………………………」 極めつけは、三枚目だった。 カモが最初に拾った、顔中根性焼きだらけの男の写真だ。 その数たるやいなや、もはや蓮の実を思い出す悲惨さだった。 「それでこいつが村上くんだぜッ! ニキビに困っていた彼を、Dr.三蔵は救いたかった……──」 「──そこで編み出したのがこの熱治療ッ!!!! にきび痕問わず全~部潰してやったぜッ!!!! 整形してかっこよくなった村上くんはセックス三昧間違いなしッ!!!──」 「──ギャハ! ギャハハハ! …ははははははははッ!!!!!! あーはっはっはっハハハハハハハハハ!!!!!!!」 バサッ、バサバサバサ…… カモの手から写真たちが零れ落ちていく。 想像を絶する鬼畜さに、もはや握る力さえなかった。 そんなカモの肩に、ちょんっ、と乗っかるは三蔵の武器──パイプレンチ。 鼻血跡をこすった『鬼』は、マスクを締め直すとこう宣った。 「────…で、記念すべき十枚目に映るのはテメェって話だ」 「……………………」 「だが、俺もそこまで鬼じゃねェ。テメェの罪状はへなちょこパンチ一つと軽いからなァ?」 鼻をすすり、三蔵は続ける。 「チンコ出して土下座したら根性焼きは勘弁してやる。…あァッ~? やるのかやらねェーのか、どうすべきかは分かるよなァ~~??」 目を背けたくなるような睨みを前にして、カモは一切動じることはなかった。 俗に、メンチの切り合い……────共に『悪』同士の男のみ発生する緊張の瞬間だ。 そして同時に、カモは胸が痛かった。 写真の男たち…、名前も知らない彼らであるが、果たしてここまでされるような行いはしただろうか。 カモ自身も人を始末する復讐屋ではあったが、それゆえに悲惨な写真を見て激情を覚えた。 自分は仕事をこなすとき、常に依頼者の辛さ、無念を背負って。 それでいて、加害者を始末する罪悪感をも背中に抱えて、心中重たい物でギッシリな中、復讐をする。 彼には彼なりの、復讐に対する熱意──…いや、覚悟があるのだ。 そんなカモとは、対象的にまるで虫で遊ぶ感覚で人を痛めつけ、最後は『生かして』帰すこの男。 拷問に美学を語るつもりはないが、三蔵の悪意には吐き気を催すほどだった。 パイプレンチを強く握り返したカモは、沈黙の後、三蔵にアンサーを向ける。 「…十分、分かったよ」 「ぶはッ!!!! あ?! じゃあ今からチンコ出すの?! ウケる────…、」 「お前が生きてはいけない存在だってことがねえ…………ッ」 「…………あ?」 それまではまだ一触即発で留まっていた。 カモの怒りの言葉を機に、ピラニアの大群に牛一頭が落とされたかのような、今。 カモは拳を──。 三蔵はレンチを軽く振り上げ──。 「長く苦しむ覚悟はしてほしいねえ──────…ッ」 「あ? テメェはもっと大変な目に遭うけどな? 追加で『一生物のサングラス』決定ェェ~~──────…ッ!!!」 互いに熟練の復讐者。 プロによる本物の『殺し合い』が今始まった────。 「…なにしてるんですかァ────!!!! やめなさいっ!!!」 バシンッ 「いでェッ??!!!!」 「…………え?」 「あ…………?」 …始まるかもだった。 この『少女』がいなければ…。 ピ──────────────ッとホイッスルが吹かれる。 「【決闘罪】とは、憲法第四十五条。決闘をするために2人以上の者が凶器を持って集まった場合は、凶器準備集合罪が成立します!! 刑罰は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です!!」 三蔵の頭をはたき、矢継ぎ早に早口で理由のわからぬことを言う少女。 彼女の顔は二本の流血跡が残り、決闘罪云々~と講釈どころではなさそうだったが、妙にイキイキと憤慨している様子だ。 「…………あ、………………」 カモ。 彼は少女を知っている。 ゲーム早々出会った、撲殺体の少女……。 息をしていないと見たのは誤認だったか、死んだはずの彼女が痛みも気にせず立っていたのだ。 …おさげをプンプンと揺らしながら。 「言うまでもありません。…このバトロワも憲法第八条【殺人罪】に違反しています。…そこで! 貴方がた違反予備軍が法に準基するよう、私──伊井野ミコが監視しますので、覚悟してくださいっ!!!」 「「………………………」」 「もうっ!! 殺し合いは違反なんですよ!! かっこいいお二人だというのに、殺人に手を染めるなんてもったいないですっ!!!!」 くわっ、と、激おこの少女・ミコはそう言うと固まりきった坊主二人組のうち、一人の方に歩み寄る。 スタスタスタ…と近寄る先は大胆にも鰐戸三蔵。 突然の来訪者に困惑しきった三蔵の頭へ、サスサスと…。 縫い目にも怖じけず撫で回すミコは、 「特にあなた……。この坊主頭が……、んっ…、すっごく格好良くて…素敵です……!」 うっとりし始めた。 電車で隣に変な人が乗ってきた場合を想定しよう。 まるでその時のように、三蔵カモ、二人そろって「ゾッ…」とさせられた瞬間だった。 「……………………どうすんの?」 「…………どうするって……。テメェなァ……………」 違うベクトルで異常なミコを前に、成すすべがない両者だったが、先に動いたのはやはり三蔵だった。 一見中学生かそこらな幼い見た目のミコであるが、よく見ると胸はふっくら盛り上がるほどにある。 ふくよかなDカップを右手で鷲掴んだ三蔵は、ミコを強引に連れ回すと、沈黙を貫きつつ街裏まで動き始めた。 「…ちょ?! な、なにするんですかっ!! い、痛いです……。やめてくださいっ!!!」 …何をし出そうかは説明は不要だろう。 「…まぁ、腹が減っては戦が云々っていうしなッ。処女なら百点、経験者は八十点~♫」 「正しくは、『腹が減っては戦はできぬ』。北条氏綱の言葉です!」 「一々うっせェンだよッ!!!」 ただ、予見できる惨事を前に。 何もせず突っ立っているほど、カモは善意乏しい男ではない。 「……やめなさい………」 「…あーーッ? 大丈夫だ兄弟分。ちゃんとテメェの分を考えてクリームパイにゃしねェからよ」 「いいからやめろと言ってるんだ…」 少女の前だからか。 割と穏便な態度で、三蔵へと対応を始めた。 よく見れば、三蔵もまたカモに対して比較的穏やかな口ぶり……。 ミコによって鎮火された一つの小さな殺し合いではあるが、(あくまで一旦。) 果たして、今現在渋谷を巻き込む『大火事』の消火は、彼女がキーとなっていくだろうか。 …今は不透明色である。 「…クリームパイ…って……。もしかして、中☆しの隠語ですかァー?!! な、なにを言ってるんですか??!!! 不純異性行為…!! 殺し合いの風紀を乱す下劣発言!!! ひ、ひ、卑猥です…ぅ……っ!」 「…いや確かにご明察ではあるけどねえ…」 「このおんなバカか?」 …ミコの頭内に限ってはピンク色であるが。 あぁそれと、赤色。 【1日目/A6/街裏/AM.0 17】 【伊井野ミコ@かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~】 【状態】頭部打撲(軽?)、血がベッタリ 【装備】??? 【道具】ホイッスル 【思考】基本 【対主催】 1:殺し合いの風紀を正す。 2:そのために、坊主二人組を監視。 【鴨ノ目武@善悪の屑】 【状態】健康 【装備】??? 【道具】??? 【思考】基本 【対主催】 1:クズは殺す、一般人は守り抜く。 2:クズ(三蔵)を要警戒。殺害対象。 3:一般人(ミコ)には引きつつも保護。 【鰐戸三蔵@闇金ウシジマくん】 【状態】鼻骨骨折(軽) 【装備】パイプレンチ@ウシジマ 【道具】処した男達の写真@ウシジマ 【思考】基本 【マーダー】 1:皆殺し。 2:ひとまず巨乳女(ミコ)をヤる。 3:カモには殺意を抱きつつも、受け入れてる様子……? ※ミコの参戦時期は選挙後~文化祭以前のどこか、カモの参戦時期は『外道の歌』最終章以前のどこか、三蔵は成人後~カウカウを襲撃する前のどこかです。 前回 キャラ 次回 015:『食うため。』 017:『ミステリアスな先輩の雰囲気』 ミコ カモ 三蔵
https://w.atwiki.jp/ooorowa/pages/291.html
取引をしよう ◆QpsnHG41Mg 「月影め……早々にやられおったか」 放送で知った仲間の死に、ガイは憎々しげに一人ごちた。 あの世紀王が、まさか最初の六時間でやられるとは…… いや、ヤツが弱かっただなどとは思うまい。 この場には、それだけ強力な敵がいるということだ。 自分と同じ大幹部ですら容易くやられてしまう過酷な戦い。 そう思えば、より油断するワケにはいかなくなった。 「……この戦いを生き残るには…賢く戦わねばな」 勝利するため必要なのは如何に上手く戦うか、だと思う。 ここでは仲間を利用し、罠を駆使し、頭を使って戦うべきだ。 今までよりも気を引き締めてやらねばならない。 加頭のような悪を味方に引き入れるか。 同じ赤陣営の参加者を見付けて協力するか。 ともかく今は、仲間となれる参加者との合流が必須だ。 大ショッカー大首領の意思が関わっているかもしれないこの殺し合い、 大幹部であるこのアポロガイストが無様を晒すわけにはいかない。 仮にそうでなくとも、ゲームに勝つことに損失はない。 多少ダメージは残っているが、これだけ休息したなら十分だろう。 あとは誰かの生命の炎を吸収すれば体調も万全になるハズだ。 ガイは次の出会いを求めて移動を開始した。 ○○○ 沈鬱な空気だった。 人のいない街を歩く二人の間に会話はない。 アンクは元々、喋る必要がないなら喋らない。ずっとそうだった。 弥子は、たったの六時間で大勢の人間が殺された事実に言葉をなくした。 こんなことで一々一喜一憂していては、身がもたないとアンクは思う。 見ず知らずの奴が何人死のうが、自分には関係ないではないか。 これだからこの手の御人好しは理解出来ない。面倒臭い。 かといって、いつまでもこのままでいられるのも鬱陶しい。 アンクは苛立ちながらも立ち止まり、弥子に振り返った。 「おい、いつまでシケた面してんだ? もう放送聴いてから三十分だぞ、いい加減切り替えろ!」 「……ごめん」 身の入らない謝罪だった。 アンクは思った。 このまま戦いになったら、真っ先に危険に晒されるのはコイツだ。 そしてコイツが危険に晒されたら、間接的にアンクまで危うくなりかねない。 「…仕方ないだろ、死んだモンはもう帰ってこねぇ……今は自分が生き残ることだけ考えろ」 「仕方ないって……そんな…」 「ほとんど俺達と会いもせずに殺されたんだ、仕方ない意外に言いようがないだろ」 「…………」 言葉を詰まらせる弥子。 言いたい事はあるのだろうが、言い返すこともできない。 どうしようもないし、どうしようもできなかった。 「だから今はこの先のことだけ考えろ、でないと身がもたねえぞ」 「……わかった」 やや釈然としない面持ちでああったが、弥子は小さくうなずいた。 それから小さく「ありがと、アンク」と言われて…… その不可解な礼に、アンクはまたしても舌打ちした。 オレはただ足手纏いになられちゃ鬱陶しいから言っただけだ。 礼を言われる筋合いなどないというのに…… 「あれ、アンク?」 「あ?」 そこで思考中断。 何かに気付いた様子で声音を切り替えた弥子。 弥子は、アンクの顔を……その少し下をまじまじと見詰めていた。 視線の先にあるのは、アンクの首輪、だろうか。 「色、変わってる……?」 言われて、アンクはビルの窓ガラスに映り込んだ自分に目を向ける。 首輪のランプの色は赤だ。 発光色には何ら変化はみられない。 ゲーム開始から、変わらず赤に光っていた。 「………ん?」 いや。よくみれば、ただの赤ではない。 ランプの赤を囲む枠が"金色"になっていた。 注意深く見ればわかる程度の違いだった。 さっきまで銀色だった枠が、金色に変わっているのだ。 それに対して、弥子の首輪の枠は"銀色"のままだった。 「……なるほどな」 アンクはその意味を察した。 あの"片割れ"が脱落したことは、放送を聴いたアンクは当然知っている。 だが、そうなれば赤陣営のリーダーはどうなる? ルール上、赤のメダルの最多保持者がリーダーを引き継ぐのだ。 今の所持メダル数を考えるに、アンクがリーダーになるのは不自然ではない。 これは推測だが、リーダーの首輪のみランプの枠が金色になるのだろう。 意識してみなければ気付かない些細な違いだった。 「リーダーが誰か、判別出来なきゃ困るからなぁ」 「……どういうこと?」 首を傾げる弥子に、アンクはどういうワケか説明した。 あの片割れの首輪の枠など弥子が気にしているハズもない。 説明をきいた弥子は納得し、ぽむと手を叩いた。 「ってことは……確か白のリーダーも脱落したんだよね? だったら」 「そうだ。ガメルの後釜の参加者も、オレと同じになってるだろうな」 「……なるほど」 この発見は大きい。 リーダー変更はおそらく今後も発生するだろう。 その時、誰がリーダーをやっているのかが分かっていると話が早い。 そして、この事実に気付いているものもおそらくは少ない。 比較対象が極端に少ないのだ、気付くとしたら、白の新リーダーと一緒にいる奴くらいか。 情報アドバンテージという奴だ。 「ともあれ、今は俺がリーダーか……アイツがリーダーやるよりはやりやすいな」 あの忌々しい"片割れ"がリーダーをやっていた時よりはいくぶん動きやすい。 だが、そこでアンクはふいに疑問を持った。 “動きやすい? 一体、何が動きやすいってんだ?” 果たしてオレは、この殺し合いに乗っているのか? 映司と決着を付けること、あの片割れのメダルを取り返すこと…… それら両方を達成したあと、オレは一体どうするつもりだったんだ? まだ何も考えていない。それについて考えることを、無意識にか避けていた。 “ちっ……! 何悩んでんだ、オレらしくもない!” どうせ参加者の大半は知らないヤツらだ。 知らないヤツらブッ殺して、陣営優勝で帰れるならそれも悪くない。 悪くないどころか、分かり易いぶん、自分らしくて非常にいいと思う。 だが、それはあの気に食わない真木の言いなりになるということだ。 それは腹立たしい、許せないとも思う。 何より、ヤツの言いなりになって殺すというのは、気が乗らない。 また面倒なことで頭を悩まされる。 理不尽に苛立って、眉根を寄せる。 そんな時、アンクは前方から歩いて来る男の存在に気付いた。 弥子を背に隠すように身構え、やってくる男を見据える。 白いスーツを着た、紳士的ないでたちの中年男性だった。 「……赤陣営か。どうやらわたしと同じ、仲間のようだな」 男はそう言って立ち止まった。 ○○○ それから三人は、近くのオフィスビルのロビーにて話し合いの場を設けた。 ガラスのテーブルを中心に、片側にアンクと弥子、反対側にガイという形だ。 互いの自己紹介を軽く済ませ、ガイは真っ先に思い浮かぶ疑問をぶつけた。 「貴様がグリードなる怪人で、赤陣営のリーダーであることは分かった」 「だが、その"リーダー"の貴様が、青陣営の小娘を連れていることには納得がいかん」 「取るに足らないその小娘を、貴様はこれからどうするつもりなのだ?」 「リーダーとして、貴様がこのゲームをどう考えているのかを聞かせてほしい」 それによって、ガイはアンクと共に戦うかどうかを見極める。 殺し合いに乗るつもりがあるなら、この小娘はどう見てもただの餌だ。 人を越えた怪人の力をもってすれば、こんな一般人など難なく殺せる筈だ。 ガイの問いに、アンクは面倒臭そうに答えた。 「少なくともゲームに負けるつもりはない」 「ほう、それはつまり、この"殺し合い"に乗ると?」 ガイの突き刺すような視線。 殺し合い、という言葉を強調して言う。 ちらと横目に桂木弥子を見れば、強張った面持ちで逡巡している様子だった。 アンクに殺し合いに乗って欲しくはない、というような顔にみえた。 「そうは言ってない。考えてもみろ、あの真木に黙って従うのも癪だろ」 「だが、リーダーとして赤陣営を救うには、他の陣営を皆殺しにするしかあるまい」 「あぁ、だから邪魔者は殺す。だがそうでないヤツはほっときゃいい」 「ほう」と一言、ガイは弥子を見ながら言った。 「では貴様は、この小娘は殺すに値しないと言うのだな?」 「コイツに敵意はないからな。何ならメズールを倒して赤に引きこみゃ赤の頭数も増える」 「ふむ…なるほど、一見合理的な判断なのだ」 だが……ガイは今、そういう参加者の命をこそ欲しているのだ。 無防備な、容易く狩り取れる命を。自らの糧として吸収し、傷を癒したい。 この小娘から、今すぐにでも命の炎を吸い尽くして体調を万全のものとしたい。 そんなガイの思惑を何となく察したのか、アンクは冷然と言う。 「コイツには手を出すな、戦力を奪うなら殺し合いに乗った敵からにしろ」 「それだったらオレもお前に協力してやる、赤陣営を優勝させるためにな」 「いいか、それが条件だ。嫌ならお前はオレが潰す!」 猛禽類のように鋭い目だった。 「どっちが得か、自分でよく考えろ」とアンクは続ける。 どうやらこの男、ガイが手負いであることまで見抜いているらしい。 動きや息の仕方から、体調が万全でないことまで見抜かれている。 その上での脅迫。そしてこの自信…… 大した肝っ玉の男だ。 おそらく、敵にすれば厄介な相手だ。 そこでガイは協定の条件を、前向きに検討する。 “……確かに、強者から奪った生命力の方がより上質な糧となろう” この男の戦力を味方として取り込むなら? こいつは陣営リーダーのグリード。 そして自分は無双龍を二頭も従えた大幹部。 二人が組めば鬼に金棒、そうそう負けることもあるまい。 “魅力的な提案なのだ……断る方が愚かしいとすら感じる” 事実、この協定を結ぶことで、ガイは何も損をしない。 ただ、弥子の生命力という名の目先の利益を見逃すだけだ。 それだけで、大きな戦力と、ひいては更なる生命力を得られるのだ。 長期的な視野で考えて、自分のプラスを認識してからのガイの決断は早かった。 ――ただし。と、条件を続けるガイ。 「貴様がリーダーに相応しくないと判断した場合は……」 「そのメダルも、桂木弥子の生命もわたしが頂くのだ」 「よもや文句などはあるまいな、"リーダー"?」 コイツがもしただの甘ちゃんだったなら、その時は交渉決裂。 赤のメダルは全てガイが奪いとり、陣営リーダーの座も奪い取る。 一緒に弥子の生命の炎も喰らい尽して、わたしの糧としてやろう。 その気になれば、アンクを撃破することくらいは出来るハズだ。 「…わかった、それでいい」 「アンク……!」 アンクの了承に、弥子が異議ありとばかりに立ち上がる。 「お前は黙ってろ、何もお前が損するワケでもねぇだろ」 「でも、この人は殺し合いに乗ってるんだよ!?」 「それが何だ! オレはこの陣営のリーダーなんだよ!」 怒鳴るアンク。 「……オレが陣営を優勝させりゃ、赤はみんな助かる…何が不満だ?」 「そのために……赤以外のみんなを犠牲にしてもいいっていうの?」 「どっちにしろ邪魔者は殺さなきゃ生き残れねぇんだよ! さっきまでと何が違うってんだ!?」 アンクの言葉に、弥子は言い返せなかった。 確かにこれまで、アンクは邪魔をする敵とは戦って来た。 敵までみんな助けてやるだなんて綺麗事を言ったことはなかった。 だが、それでも弥子はアンクのことを信じていた。 根は優しくていい奴なんだと、信じていたい。 弥子は決然と言った。 「……わかった。でも、罪のない人を殺すのだけは、絶対に許さないから」 「何もお前に許して欲しいワケじゃない……気に入らないなら勝手にどっかいっちまえ…!」 そういって、アンクは立ち上がり踵を返した。 それに追随するように、ガイも立ち上がりアンクのあとを追う。 事実として、赤陣営の危険人物二人が手を組んだことになる。 二人の背中を見詰め、弥子は自分の無力に唇をかんだ。 何の力も持たない弥子は、あの二人の決断に口出しはできない。 勿論、アンクなりに上手く殺し合いに乗ったガイを抑え込んでくれたことは分かる。 協定を結んでいる限り、あの男も明確な敵以外を襲うことはないことも分かっている。 だが……弥子には、アンクが急に遠くへいってしまった気がしてならなかった。 リーダーという立場、それを活かして得た同じ陣営の仲間。 ただ目的を遂行するためだけに手を組んだ仲間。 そこに、佐倉杏子との間にあったような"暖かさ"はない。 その事実が、何も出来ない弥子に居心地の悪い疎外感をもたらした。 「それでも……ほっとけないじゃん…」 弥子は小声で一人ごちる。 結局、アンクについていく以外に道はなかった。 純粋にアンクのことが放っておけないから…… 素直じゃないあのアンクを、弥子は見捨てられなかったから。 だから、置いて行かれないように、弥子は急いで二人のあとを追った。 【一日目 夜】 【D-4/市街地】 【アンク@仮面ライダーOOO】 【所属】赤・リーダー 【状態】健康、覚悟、仮面ライダーへの嫌悪感、自分のコアの確保及び強化による自信 【首輪】160枚:0枚 【コア】タカ(感情A)、タカ(十枚目)、クジャク×2、コンドル×2、カンガルー、カマキリ、ウナギ 【装備】シュラウドマグナム+ボムメモリ@仮面ライダーW 超振動光子剣クリュサオル@そらのおとしもの、イージス・エル@そらのおとしもの 【道具】基本支給品×5(その中からパン二つなし)、ケータッチ@仮面ライダーディケイド 大量の缶詰@現実、地の石@仮面ライダーディケイド、T2ジョーカーメモリ@仮面ライダーW、不明支給品1~2 【思考・状況】 基本:映司と決着を付ける。その後、赤陣営を優勝させる。 1.優勝はするつもりだが、殺し合いにはやや否定的。 2.もう一人のアンクのメダルを回収する。 3.すぐに命を投げ出す「仮面ライダー」が不愉快。 4.アポロガイストに勝手な真似はさせない。 【備考】 ※カザリ消滅後~映司との決闘からの参戦 ※翔太郎とアストレアを殺害したのを映司と勘違いしています。 ※コアメダルは全て取り込んでいます。 【桂木弥子@魔人探偵脳噛ネウロ】 【所属】青 【状態】健康、精神的疲労(中)、深い悲しみ、自己嫌悪 【首輪】120枚:0枚 【装備】桂木弥子の携帯電話(あかねちゃん付き)@魔人探偵脳噛ネウロ、ソウルジェム(杏子)@魔法少女まどか☆マギカ、 【道具】基本支給品一式、魔界の瘴気の詰った瓶@魔人探偵脳噛ネウロ、衛宮切嗣の試薬@Fate/Zero、赤い箱(佐倉杏子) 【思考・状況】 基本:殺し合いには乗らない。 1.アンクとアポロガイストについていく。 2.美樹さやかに頼み込んで佐倉杏子を復活させる。 3.他にも杏子さんを助ける手段があるなら探す。 4.ネウロに会いたい。 【備考】 ※第47話 神【かみ】終了直後からの参戦です。 【アポロガイスト@仮面ライダーディケイド】 【所属】赤陣営 【状態】疲労(小)、ダメージ(中) 【首輪】70枚 0枚 【コア】パンダ 【装備】龍騎のカードデッキ(+リュウガのカード)@仮面ライダーディケイド 【道具】基本支給品、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 基本:参加者の命の炎を吸いながら生き残る。 1.アンクと共に邪魔者を始末し赤陣営を優勝させる。 2.が、もしもアンクが甘ちゃんなら始末し、陣営を奪う。 3.ディケイドはいずれ必ず、この手で倒してやるのだ。 4.真木のバックには大ショッカーがいるのではないか? 【備考】 ※参戦時期は少なくともスーパーアポロガイストになるよりも前です。 ※アポロガイストの各武装は変身すれば現れます。 ※加頭から仮面ライダーWの世界の情報を得ました。 ※この殺し合いには大ショッカーが関わっているのではと考えています。 ※龍騎のデッキには、二重契約でリュウガのカードも一緒に入っています。 089 百の貌 投下順 091 運否天賦 089 百の貌 時系列順 091 運否天賦 075 タカとカンガルーでタカンガルー便 アンク 110 59【ひづけ】 桂木弥子 078 ナイトメア・ビフォア(前編) アポロガイスト
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2301.html
前ページへ 時は睦月の終わりごろ、日元では正月と浮かれる時期であったが西行では依然桜が咲き誇る。 そんな西行国の一角にある大きな屋敷に一人のゆっくりみょんがぴょんぴょんと入っていった。 名は真名身四妖夢、傍目から見ると普通のゆっくりみょんだが、右半身は靄のようにどこか透き通っているのが特徴的だった。 「あ~お父様もお母様も元気でなによりみょん。しかしスィーが無いのはやっぱりきついでござるな」 このみょんは以前スィーで二回人身事故を起こしておりそのせいでスィーの免許を止められてしまった。 それに半分が霊体となったことで以前のような体力が無くなっており、遠く博麗の紺魄の実家からこうして屋敷に帰ってくるのに時間がかかってしまうのだ。 しかしそれでも彼女は父と母に会いたかった。成長した自分を見てもらいたかった。 実際『みょんは頭が柔らかくなりましたね』と父に言われた時は心が躍ってしまったのだ。その後ヴァンガードをしたり、お雑煮を食べたりと有意義な正月であったように思える。 みょんはただいまと言って屋敷の戸を開けるが迎えてくれるものは誰もいない。その代わりに手紙入れには沢山の葉書がぎっしりと詰まっていた。 「全く杜撰に入れて……ホタテ運輸はちゃんとしてほしいみょん」 ぶぅぶぅ言いながらもみょんはそれらのはがきを取り出し、自分の部屋の布団の上で全部広げてみた。 広告のはがきも入っていれば不幸の手紙が入っていたり、それらの益体の無いはがきを取り除いて他のはがきを読んでいくうちにみょんは懐かしい気分になった。 「……思えば、長い旅だったみょん」 どうやってこの住所を知ったのかは分からないけれど、今までの旅で出会った人々から年賀状が届いていた。 みょんはまず一枚目の葉書をゆっくりと眺める。 『ハッピーニューイヤー、みょんさん。(←アバロン風の新年のあいさつ)あれから暮内は人が帰ってきてより賑やかな町となりました。 そしてちょっと早いかもしれないけど私の店もようやくオープンいたしました。広告も一緒に送ったのでぜひ来てください』 これは柏木重、暮内で出会った料理人の女の子から送られた手紙だ。 完全にトラウマを克服したようでなによりである。あの時食べたショートケーキの味は今も忘れられない。 みょんは除けた広告の中から重の店の広告を取り出し、まだ見ぬ外国の料理に心を躍らせた。 「流石に手紙では噛まないでござるな、おっと次々……」 二枚目。 『新年明けましておめでとうござます。守矢は神様達のおかげで平和を保っております。 すわこ様もみんなのおかげですっかり大きくなりました。初詣も守矢を御頼り下さい』 これは埴良美苗、あの神の郷にいた心優しい巫女から送られた手紙だ。 円剣もあと一個しかないしまたどうなつを食べに行ってもいいかもしれない。 思い返すと怪異というものは意外と身近な所にあったりするものだ。あの郷ではそれを教えてくれたような気がする。 「初詣はもうしちゃったけど……またすわこ殿に会いに行くでござるか」 三枚目。 『はっぴいにゅうにゅあ、あけましておめでとうだよぉ。 おばあちゃんもらんしゃま達も元気にしてるからまたあそびにきてね』 これは迷僻の葵と一緒にいたちぇんのものだろう。 拙い字が頑張って書いたことを思わせてなんともかわいらしい。でも端にあった狐の絵は完全に達人クラスだ。 恐らくどっちかが描いたものだろう。狐年なんて干支はそもそもない。 「というかすぐに会えるのでござるがな」 四枚目。 『明けましておめでとうございます。慣れない筆ですがこうして新年の葉書を出させていただきました。 お嬢様はあなたを紅魔館に招待したいとおっしゃっております。お暇がおありでしたらどうぞお寄りください』 これは紅き吸血鬼に仕えた少女、裂邪から送られた手紙だ。 れみりゃから髪の毛を何本か持ってかれそうになったのも今となってはいい思い出だ。 今は平和に暮らしているようで何よりである。 「御髪をちゃんと整えてから行くでござるか」 五枚目。 『忍者であり幽霊である俺がこうして手紙を書くのも』 「呪いの手紙みょん」 そう言ってみょんは蝶の模様で彩られた手紙をぞんざいに投げ捨てる。 なんか知らないけど来るはずの無い人から手紙が来た。もう見たくも無い。 改めて五枚目。 『寒い日々いかがお過ごしでしょうか。以前お茶をお出しいただいたヨコハマサクヤでございます。 この度は再び妖夢様のおちゃをおぜうさまにお出しいただきたくてお手紙を出した次第です。どうぞよろしくお願いいたします』 年賀状ではなかったが、あの時お茶勝負したときに会ったヨコハマサクヤだ。 あの時は参加者が少なかったから優勝できたようなのかもしれない。二回目は無いとみょんは少し暇な時間で本格的に茶道をしようと思った。 「どうせ暇でござるからな」 六枚目。 『面白かった漫画:星屑巨人ダブルヘッダー、つまらなかった漫画:どっこいすいかちゃん。 希望プレゼント:「ゆっくりスカル一九」のタオルケット三枚組が良いです。 住所:(個人情報保護バリア) 氏名:床次紅里』 「………………………」 これ、年賀状じゃないよね?と思ったけど氏名には見覚えがあった。 堕菓子剣の時一緒に戦ってくれたあの胸の薄い眼鏡の少女だ。誤配だとは思うけど見てるとあの勇ましい顔が思い出されて少し懐かしく思える。 「……とりあえずしまっておくでござる」 七枚目。 『みょん!みょん!みょん!ようむぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!みょんみょんみょんぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!みょんたんの銀髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ』 「呪いの手紙だああああああああああああああああああ!!!!」 これはヤバいと思ってみょんはその手紙を棚の上に載せて一心に祈った。 なんでこんなのばっかり来るんだ。流石に今回は全然心当たりがない。 「ハァ……ハァ………」 気を取り直して八枚目。 『歯の治療費 千円お支払いください。 若論えーりん』 「年賀状で送ってくるなぁ!!」 今みょんは長らく家を開けていたせいで(ついでに長炎刀の出費によって)結構貧乏になってしまったのだ。 しかも歯の治療に千円って完全にぼったくりだ。普通の値段じゃなかったのか。みょんはその手紙を丸めて投げ捨てた。 いかん、落ち着いて、ゆっくりして九枚目。 『明けましておめでとうございます。あなたのおかげで永夜国はようやく普通の国として再出発が出来そうです。 とりあえず顔の治療費 十円お支払いください。 不死射心えーりん』 「また請求書かぁぁぁ!!!!」 いや、これはさっきと違って怒るべきではない。 みょんは一度永夜国に行って左目の治療をしてもらってなんとか失明から回復したのだ。 流石は月の医学と言ったところであろうか、一応治療費もあっちに比べれば断然安い。 「……はぁ、なんで年賀状でこんないやな思いを…」 そして十枚目。 『妖怪の私がこんなこと言うのも変かもしれませんが明けましておめでとうございます。 私達は今も元気に退治されたり襲ったりしています。またよかったらいつでもいらっしゃってください』 これはあの地底の街の覚りの妖怪だろう。 …………相変わらず妖怪の考えてることは分からない。 まぁ分からないなりに付き合い方はあるはずだ。行くようなことがあったら残った八人に加勢してやろう。 「……………………」 残りは友人や上司、部下達の手紙であり全ての年賀状を見終わってみょんはふく溜息をつく。 やはり無かったか。分かってはいたけれどどうしても心惜しくて仕方がない。 今まで出会った人から送られた手紙には一部を除いてこう書かれていたのだ。 『彼方さんも一緒にお越しください』と。 「………かなた殿、今一体どうしているのでござるか……」 便りが無いのは元気な証拠、とは言うがどうしようもない虚無感がみょんを包む。 大丈夫だろうか?他の人に迷惑かけてないだろうか?変に憎しみとか抱いていないだろうか? どちらかというと真白木といちゃいちゃしてるんじゃないかって思ってついみょんはパルパルしてしまう。 どうしてこんな気持ちになるんだろう。あの元気な顔がずっと思い浮かんできてご飯も一日に三杯食べてしまう程だ。 「…………いや、わかってるっつうの」 流石に自分の気持ちに整理を付けられないほど子供ではなくみょんは帰省の疲れを取ろうと布団の上に寝転がる。 あぁ、これがNTR(ねとられ)というのだろうか、いや、元々彼方は真白木に思いを寄せていたのだ。自分が持っていってはこっちがNTR(にとり)となってしまう。 そう何もせず思案にふけていると玄関の方から戸を叩く音が聞こえてみょんは仕方なく起きて玄関に向かった。 「はいはい……こちら真名屋敷でござる……」 「どうも、お久しぶりです」 玄関から現れたのはあの刀剣研究家の近藤平であった。 そういえば菓子剣の修復のために呼んだんだっけとみょんは笑顔で近藤を家の中に招き入れた。 「いや、久しぶりでござるな。どうぞどうぞ羊羹とお茶でござる」 「ありがとうございます」 みょんと近藤は同時に羊羹を食べほぼ同時にお茶を啜る。 思えばこうして息があってお茶を飲むと言うのは久しぶりかもしれないとみょんは感慨深く思う、彼方はいつも早めにがぶがぶ飲んでいたからだいつも調子を狂わされたものだ。 ……また彼方の事を思い出してしまった。寂しくなって仕方がないと言うのにいつもいつも思い返してしまう。 「あの……どうかいたしましたか?」 「え、あ、なんでもないみょん!えっとこれが直すべき菓子剣みょん!」 みょんはそんな表情を近藤から隠そうと慌てて菓子剣を出す。 外郎剣「羊羹剣」、泡剣「升斗形鬼」、甲剣「千兵」、円剣「胴夏」、正剣「魂閉刀」、重剣「芭宇夢 玖雨変」、突剣「突身弾護」、千剣「千歳雨」。 ついうっかり無事な菓子剣まで出してしまったがみょんは千歳雨を出した後にもまだないかと口の中を探してしまう。 そしてみょんは口の中から一本の刀を取り出した。 「あ……それは」 「みょっ!し、しまったみょん」 それはかつて少女が命がけで直した剣、覇剣「舞星命伝」。魂すら生き返らせる命の力に溢れたこの世界最高の覇剣である。 「そう言えばその覇剣直ったらしいですね。ちょっと見させてもらってもいいですか?」 「……そ、それはご勘弁願いたいみょん」 世界最高であるがゆえに下手に見せびらかしたら評判を呼んでしまいどこかの誰かに奪われかねないだろう。 近藤を信用していないわけではないが何時何処で目が光っているか分からない世界だ。因幡忍軍だって少ない情報で覇剣の位置を探し当てている。 「そう言えばたいら殿、少し聞きたいのでござるが魂閉刀で物を封じておくことは出来るのかみょん?」 「そうですね……魂閉刀は魂や邪なものを封じるものですから難しいと思いますよ」 そっかとみょんはふぅと一息ついて覇剣を仕舞う。 ならば彼方が帰ってくるまでにこの覇剣はこの自分が守りとおさないといけないだろう。 それは再会の誓い、壁に立てかけてある長炎刀とともに再び相見えるための楔となるだろう。 「………よし、それじゃあお願い……」 と、そこで言いかけた瞬間再び玄関の戸が鳴り響く。 先ほどは違って品の無い戸の叩き方だ。みょんは近藤に断りを入れてしかめっ面のまま玄関へ向かう。 「どなたかみょん?」 「あ、真名身四妖夢さんですか?いやーさがしましたよ」 それは藍色の髪を纏った女性であった。背中には数十本の弓と数百本と思われる矢を背負っており、何かやたらニヤニヤしてる。 「…………何の用みょん?」 「いや、私こうして弓を売り歩いているのが生業なんですけど西行国ここ最近取引してくれなくて。 そこでご先祖様と名乗る人から真名身四さんのご自宅を」 「押し売りは受け付けておらぬみょん!!!」 みょんは戸を勢いよく閉めるがその女性の足に阻まれ隙間を許してしまう。 「そんなー!!この弓は在処家から引き継いだ烏丸家の伝統と技術の粋を集めた最高の弓なんですよー! 買ってくださいー!買わないとー!買えばー!買ってけれー!」 「在処家は刀鍛冶の家系みょん!なんでそれが弓になるのでござるか!!!」 玄関先の喧騒はふとどこか彼方との喧騒を思い起こさせる。 そして今、分かった。彼女は今も元気に真白木と旅をして、出会う人々に明るさと積極性で希望を振りまいているだろう。 だから約束は絶対に守ろう、時に取り残された彼女の帰る場所を自分が作ってあげるのだ。 「……何時までもゆっくり、ゆっくり待つでござるよ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「さてぇ、今日も料理頑張るぞ!ミンさん!こいしさん!準備はいいですか?」 「重さんも頑張りますね、ワタクシも頑張らなくては!」 「悪霊退治はもう飽きた!こうしてかさねちゃんの料理を食べられるだなんて地霊殿を抜け出したかいがあるね!」 「カシワギレストラン!今日も開店でふ!!噛んだ!」 緩慢刀物語 紅魔章 脚本:鬱なす(仮)の人 「あー!!なんで通訳係なのに内政をしなくちゃならないんですかー!?」 「ゆゆぅ!(そんなことよりお菓子ちょうだい!)」 「えーん、幽微意様が仕事してくれないよー!おかあさーんたすけてーーー!!!」 (頑張ってね薫、私は死しても幽微意様の中で見守っているわ!) (というか南さん……驕るつもりは無いんですが私がいなくなってから目に見えるように国が傾いてます) 緩慢刀物語 妖夢章・英 脚本:鬱なす(仮)の人 「あーうー、そろそろ時間だね」 「そうですね、それでは祈りましょう。タツミ様とシノコ様に……」 「おとーさん、おかーさん、スワコは一生懸命生きてるよ!だからゆっくり見守ってね!!!」 「あなた達が残したものは私達がしっかりと継いでいきます………」 緩慢刀物語 風神章・微意 脚本:鬱なす(仮)の人 「おばあちゃんそんなふるえてどうしたの?」 「あーなんか幽霊が出たとか何とからしいわよ、なんで今まで遭遇しなかったのか不思議。仙人の癖に恐がりなんだから」 「あわわわわわわ、真白木さんが、真白木さんが………なななななななな」 「はいはい、おばあちゃん、もうお昼ごはんですよ」 「ボケてなんか無いわよ!」 緩慢刀物語 妖夢章・微意 脚本:鬱なす(仮)の人 「この紅魔館も……今では少し寂しく思えますねお嬢様」 「うー!だったらお友達呼ぶぞぉ!一緒に遊ぶのぉ!」 「お友達ですか……いいですね、お嬢様。パーティも豪勢に催しましょう!」 「たのしいぱーてぃ!う~う~うあうあ♪」 緩慢刀物語 双魔章 脚本:浅井隊員26号 「次こそは、次こそはちゃんと優勝するぞ!そのためにゆっくりというものを学んだ!」 「ゆっくりしてるのはいいけれど、肝心の味は落ちてますねー」 「マズイ、もう一杯!」 「何がいけないんだよォォ!」 緩慢刀物語 ゆっくり茶道 脚本:もっちり 「戦国時代の次は西部かぁ。なんとまぁ対極的な……」 「まぁでもやることは変わんないよね!」 「おねーさんの弾幕は敵を狙いうつぜ!!」 「そうよね、まぁ今日も頑張っていきますか!」 緩慢刀物語 堕壊章 脚本:えーきさまはヤマカワイイ 「いくよ!合体攻撃!」 「「「とりにてぃゆっくらっしゃー!」」」 「ぐふっ!私が死んでも………第二第三の私が現れるでしょう……」 「そのの台詞もう4度目だよ、一体あんたは第何のようかいなんだよ!」 「むむ定番だとは思ってましたが、そろそろ口上も変えるべきですね……」 緩慢刀物語 地輪章 脚本:sumigi 「ふぅ、戦いの傷跡もようやく治った、これから平和な国を目指して再出発しなくちゃならないわね」 「ヤゴコロ様……なんで資金源となる織張金を使ってあんな像を建てるんですか?」 「………あれが、精いっぱいの手向け、だと思うから。せめて月の民の形だけでも残しておきたかったからよ……姫様も賛成して下さりますよね?」 「ぐー」 「ほら姫様もそう言って「言ってませんよ!」」 緩慢刀物語 永夜章・志位 脚本:鬱なす(仮)の人 「うにゅー(さとりさま……その頭)」 「じゃじゃーん(いや、わらうな、こらえろ……)」 「……何か問題でも………」 「な、何でもありませんよ(なんでその頭のままなんですか?)」 「治らないんですよ……この頭……」 緩慢刀物語 地霊章・微意 脚本:鬱なす(仮)の人 「……かなた殿、みょんは信じているでござるよ。 例えこの身が朽ちようともいつまでも待ち続けるみょん」 「真名身四さん~弓矢買って下さいよ~今ならもれなく皆死ね矢が閃けますよ~」 「人がいい気分に浸っていると言うのに!やかましいみょん!!」 緩慢刀物語 彼方章 脚本:鬱なす(仮)の人 「でねでね!真白木さん!みょんさんがこうばしっと敵を打ち倒してー!」 「本当彼方はあのみょんの事ばかりだなぁ」 「だって私みょんさん大好きだもん!」 刀を求め剣を治す一人の少女と一人のゆっくりの物語、これにて終結。 それでも、二人の想いは、まだ終わらない。 ゆっくりしていってね2011年春企画「緩慢刀物語」 <元ネタ> 刀語 東方project その他 <参加者> 浅井隊員26号:双魔章 もっちり:ゆっくり茶道 えーきさまはヤマカワイイ:堕壊章、最終話チェック、絵作成 sumigi:地輪章、最終回チェック むの人:AA作成 <スペシャルサンクス> ゆっくりしていってね!!!創作発表スレ、wikiの皆さま <企画> 鬱なす(仮)の人 緩慢刀物語 劇終 ー後書き もし、貴方がこのSSを見て「どこがゆっくりSSだよ!」と思うことがあるかもしれません。 その感情は大切です。是非心の奥底に大切に仕舞っておいて下さい。 言いたいことはたくさんあって、語りたいこともたくさんあってこの場では全部言い尽くせなさそうです。 難易度の高い企画でありましたが皆のおかげでなんとか終わらせられそうでほっとしております。 また、文自体が長く好みが分かれそうな内容でもしかしたらこの企画を楽しめなかった人もいるかもしれません。 けれどひとまずこの言葉を送ろうと思います。 企画に参加して下さった皆様、この作品を読んで下さった皆様、ここまで付き合ってくれてありがとうございました。 お疲れ様でした。 よくぞ書き抜いた、という感じですね。 正直なところを言うと紅魔章のころは、文章の余りの長大さ・設定の多さに「これはまとめ切れる話なのか?」と思っていましたが、 その予想に反してとてもすがすがしい終わり方になったと思います。 -- 名無しさん (2011-06-16 21 09 06) お疲れ様でした。 良い最終回でした。 上でも言っていますが、ちょっとまとまりの無さを最初の方で感じていた分、かなり自由度の高い話だったので、 予想ができずハラハラと見守ってきましたが、本当に驚かされつつ気持ちよく終わったと思います 考えてみると、特殊能力や弾幕ではなく、剣と剣という同じ土俵でのゆっくり同士や人間達との戦い、というのは ありそうでかなり革命的だったのかな?と思います。 最後の最後に剣を持つ身としての憎しみ合いの無い決闘で終わったのが本当にシブい 後日談として、各章の面々のその後も一ひねりあったりと面白かった 改めてさびしい気持ちもありますが、本当に楽しい企画でした。 こちらこそありがとうございます -- 名無しさん (2011-06-16 21 35 26) 名前 コメント