約 30,698 件
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/850.html
第300話:Dancing Mad 蛇のようにうねりをみせる山脈地帯。 ケフカが旅の扉まで辿り着くのは簡単であった。 なぜなら、旅の扉の青い光が遠くからでも確認できたからである。 そして辿り着いた後、ケフカは旅の扉の前で、紙切れを一枚ずつ旅の扉へと投げ込んでゆく。 何とも不気味な光景だろうか、笑いながら紙切れを投げ込む姿はこの世のものとは思えなかった。 地獄絵巻の悪魔のように歪み、鬼の邪悪な笑みを浮かべている。 まるで狂っているかのように。 一枚目――― これでレオの命もお終いだ、ゆかい、ゆかい、ハーッハッハヒャッヒャヒャ! 二枚目――― …さてと、今でもレオ将軍はお元気でしょうか。ぼくちんはとても貴方を殺したいほど元気です。 三枚目――― …あなたの友人セリス将軍は元気でしょうか?そういえばもうお亡くなりですねぇ。 四枚目――― ……しかし、このゲームというのは本当に面白いですね、ヒャッヒャッヒャ!! ツマラン! 五枚目――― 大体、あの魔女はなにが一体したいんでしょうか。ぼくちんにまでこんな首輪つけやがって。 六枚目――― ちくしょう。あの魔女め、えらそうな顔しやがって……それにこんなこと一日で飽きちゃうだろ 七枚目――― ぼくちんは三闘神の力をもっているんだからな!!神だ、神! 八枚目――― そうだ、ぼくちんが一番偉いんだからな!!このゲームも参加者も主催者もみ~んなハカイだ破壊ッ!! 九枚目――― そうすると、ぼくちんは……まず魔女に会う必要があるな……つまり…… 十枚目――― …そうだな、このぼくちんが…このゲームの脱出に乗ってみるのも面白いかもしれないですねえ。 で、参加者と魔女と戦って、魔女と参加者が弱っているきたときに、ぼくちんが両方に止めを下す。 これだ!なんとも面白いじゃないか!! 愚かな希望というものが絶望にと変わってゆく光景はどんなに楽しいものだろうか。 ぼくちんを受け入れない世の中を全て壊し、そしてぼくちんは神として降臨する な~~んてすばらしいんでしょう。 おやおや、残り一枚になりましたか。 さてと、残りはこの紙だけですね。レオ将軍の写真が入ったこのページですね。 お別れです、レオ将軍。 ケフカはレオ将軍のページを旅の扉へと投げ込んだ。 そして体を狂気で纏わせながらケフカも旅の扉へと身を投げる。 この世のものとは思えない形相で。 狂ったように、壊れたように。 そして、旅の扉には禍々しい空気だけが、 残った。 【ケフカ 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 ブリッツボール 紙切れ10枚+破りとったレオのページ 第一行動方針:できるだけ多くの人にデマを流す 最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】 【現在位置:新フィールドへ】
https://w.atwiki.jp/hokuyuu/pages/1698.html
#blognavi うぃ。今日はどんきち☆パラダイスの時間です。 今撮ったどんきちの写真を載せたいと思います。 そんじゃ一枚目。 あ。寝てた。 二枚目。 あ。おきた。 三枚目。 あ。また寝た。 四枚目。 あ。こっち見た。 五枚目。 あ。チラっと見た。 六枚目。。 あんれまァ犬と犬でねてるぁ 七枚目。。。 ref(http //www6.atwiki.jp/hokuyuu/?cmd=upload act=open page=%E3%82%82%E3%81%8B%E3%82%84%E3%82%93%E3%81%9A%E3%80%80%E3%81%B8%E3%81%AA%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%93%E3%81%AB%E3%81%A3%E3%81%8D file=%E3%81%A9%E3%82%93%EF%BC%98.jpg) あ。カメラ目線!(^^)! 八枚目。。。。 ref(http //www6.atwiki.jp/hokuyuu/?cmd=upload act=open page=%E3%82%82%E3%81%8B%E3%82%84%E3%82%93%E3%81%9A%E3%80%80%E3%81%B8%E3%81%AA%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%93%E3%81%AB%E3%81%A3%E3%81%8D file=%E3%81%A9%E3%82%93%EF%BC%97.jpg) あ。降りた。 九枚目ぇ。。。。。 あ。穴にはいってあくびした。。こえぇ!! 十枚目ー。。。 もかやんずにっき初の穴入りどんきち。 11。。 で☆けーーー 12 ぷい 13 どん 14。ラストッス あ。13とおんなじじゃねぇかって思ってる人!おんなじじゃねぇぜ? んじぁどんきちパラダイスおわり。 カテゴリ [どん] - trackback- 2008年01月14日 12 40 40 あ。ミスが多数ある!!写真見れないやつすまへんがクリックしてくだせぇ( _ ) -- も (2008-01-14 13 07 50) もふぅ!かわえ~^^ドンちゃんかわええよ~ぅ>v< -- かんこ (2008-01-14 20 08 23) 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1289.html
2008年5月場所番付 幕内力士のうち出身地表記が外国である力士は、16人/42人。 日本出身外国籍の力士は不明。 東 西 朝青龍 明徳 モンゴル / 高砂 横綱 白鵬 翔 モンゴル / 宮城野 琴光喜 啓司 愛知県 / 佐渡ヶ嶽 大関 魁皇 博之 福岡県 / 友綱 千代大海 龍二 大分県 / 九重 大関 琴欧洲 勝紀 ブルガリア / 佐渡ヶ嶽 安馬 公平 モンゴル / 伊勢ヶ濱 関脇 琴奨菊 和弘 福岡県 / 佐渡ヶ嶽 稀勢の里 寛 茨城県 / 鳴戸 小結 朝赤龍 太郎 モンゴル / 高砂 黒海 太 グルジア / 追手風 前頭筆頭 把瑠都 凱斗 エストニア / 尾上 旭天鵬 勝 モンゴル / 大島 前頭二枚目 若ノ鵬 寿則 ロシア / 間垣 雅山 哲士 茨城県 / 武蔵川 前頭三枚目 鶴竜 力三郎 モンゴル / 井筒 時天空 慶晃 モンゴル / 時津風 前頭四枚目 安美錦 竜児 青森県 / 伊勢ヶ濱 栃煌山 雄一郎 高知県 / 春日野 前頭五枚目 豊ノ島 大樹 高知県 / 時津風 普天王 水 熊本県 / 出羽海 前頭六枚目 北勝力 英樹 栃木県 / 八角 高見盛 精彦 青森県 / 東関 前頭七枚目 豪栄道 豪太郎 大阪府 / 境川 栃乃洋 泰一 石川県 / 春日野 前頭八枚目 豪風 旭 秋田県 / 尾車 春日王 克昌 韓国 / 春日山 前頭九枚目 露鵬 幸生 ロシア / 大嶽 出島 武春 石川県 / 武蔵川 前頭十枚目 若の里 忍 青森県 / 鳴戸 岩木山 竜太 青森県 / 境川 前頭十一枚目 豊真将 紀行 山口県 / 錣山 土佐ノ海 敏生 高知県 / 伊勢ノ海 前頭十二枚目 玉春日 良二 愛媛県 / 片男波 垣添 徹 大分県 / 武蔵川 前頭十三枚目 玉乃島 新 福島県 / 片男波 栃ノ心 剛 グルジア / 春日野 前頭十四枚目 嘉風 雅継 大分県 / 尾車 白露山 佑太 ロシア / 北の湖 前頭十五枚目 豊響 隆太 山口県 / 境川 琴春日 桂吾 福岡県 / 佐渡ヶ嶽 前頭十六枚目 白馬 毅 モンゴル / 陸奥
https://w.atwiki.jp/nicorpg/pages/1677.html
693で寝てなかった人達。 -- 描いた人 (2008-05-20 11 21 24) ながとおぉぉぉぉぉおぉぉぉお -- 名無しさん (2008-05-20 11 35 59) 国崎は死んでもまたエンカウントすれば戻ってこれるんじゃね? -- 名無しさん (2008-05-20 11 38 09) もう二十枚目か、相変わらずかわええwww -- 名無しさん (2008-05-20 11 48 52) 長門までアリスに甘えちゃって…可愛すぎる…みすずちんも幸せそうだなw -- 名無しさん (2008-05-20 12 02 10) アリス母親だなぁもう。 -- 名無しさん (2008-05-20 12 17 27) ゴールしそう。 あきらめろw -- 名無しさん (2008-05-20 12 21 37) ながとーいを下さい···ww -- 名無しさん (2008-05-20 12 42 31) 国崎、逆にヘヴンに行きそうだwww(胸的な意味で) -- 名無しさん (2008-05-20 18 26 22) アリスがほんとに母親化してるな -- 名無しさん (2008-05-20 19 17 03) もうアリスこのメンバーで新たな魔界作っちゃえよ -- 名無しさん (2008-05-20 19 47 12) 国崎リターンは嬉しいが…うp主…な ぜ 上 海 を 外 し た し -- 名無しさん (2008-05-20 20 04 47) ↑ヒント、うp主コメント。しかし長門キャラwww -- 名無しさん (2008-05-20 22 56 04) 長門かアリス、俺とかわれ!!11111 -- 名無しさん (2008-05-21 04 20 33) 国崎うらやまし -- 名無しさん (2008-05-21 20 42 14) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/327.html
こちら苗木誠探偵事務所(連作短編) 本編 【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3 レス番 ID タイトル 備考 271 4gPKQXGi こちら苗木誠探偵事務所 278 4gPKQXGi こちら苗木誠探偵事務所2 367 qjKv2GbW こちら苗木誠探偵事務所3 378 qjKv2GbW こちら苗木誠探偵事務所4 394-395 MxhOqH+8 こちら苗木誠探偵事務所5 548,550-553 qANuO9S7 こちら苗木誠探偵事務所6 番外編 春夏秋冬 【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3 レス番 ID タイトル 備考 562 Txnxg+t+ ナエギリ春夏秋冬 第一話『春に着ていく服がない。』 613 IgRExDoM ナエギリ春夏秋冬 第ニ話『ロンパって言いたいだけちゃうんかと。』 723 0VsmrmmP ナエギリ春夏秋冬 第三話『乙女心につるべ打ち。』 827-830 UHgOZDr8 ナエギリ春夏秋冬 最終話『猫を抱いて、炬燵で丸まって』 晴耕雨読 【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は???の嫁Part4 レス番 ID タイトル 備考 587 KRWlPRLU ナエギリ晴耕雨読 第一話『見切り発車もいいところ。』 DL 668 srD9g5T4 ナエギリ晴耕雨読 第二話『日曜の晩に書いています。』 DL 736 xJkIS7TC ナエギリ晴耕雨読 第三話『ちょっと時間が空いたので。』 DL 757 nRQQHEVV ナエギリ晴耕雨読 第四話『フェイント!』 DL pass:ronpa 『けんかのあと』シリーズ 【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3 【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【5KUBUTO】 レス番 ID タイトル 備考 Patr3-697 qVDwce2w けんかのあと(前編) DL Patr3-697 qVDwce2w けんかのあと(後編) pass 「ronpa」 Patr3-774 GFxuxchR 超高校級の平凡(前編) DL Patr3-774 GFxuxchR 超高校級の平凡(後編) pass 「ronpa」 Patr3-774 GFxuxchR 超高校級の平凡(エピローグ) DL Patr3-879 3FIdrESi 7cm(前編1) DL Patr3-879 3FIdrESi 7cm(前編2) pass 「ronpa」 Patr5-411 0ZkYrpOQ 7cm(後編1) DL Patr5-411 0ZkYrpOQ 7cm(後編2) pass 「ronpa」 Patr5-411 0ZkYrpOQ 7cm(エピローグ) DL 『女の子』シリーズ 【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は???の嫁Part4 レス番 ID タイトル 備考 485 y4dazIw8 女の子・1 DL 485 y4dazIw8 女の子・2 DL 657 IMrLOlBk 女の子・3 DL 657 IMrLOlBk 女の子・4 DL 665 IMrLOlBk 女の子・5 DL 665 IMrLOlBk 女の子・エピローグ DL pass:ronpa 大人ナエギリ花札編 【ダンガンロンパ】霧切響子の正体はカップ麺の妖精Part6 レス番 ID タイトル 備考 485 y4dazIw8 女の子・1 DL 756 +tISrNiE 大人ナエギリ花札編 一枚目 松に鶴 757 +tISrNiE 大人ナエギリ花札編 二枚目 梅に鶯 758 +tISrNiE 大人ナエギリ花札編 三枚目 桜に幕 759 +tISrNiE 大人ナエギリ花札編 四枚目 藤に時鳥 772 UxxCpWgp 大人ナエギリ花札編 五枚目 菖蒲に八橋 773-774 UxxCpWgp 大人ナエギリ花札編 六枚目&七枚目 牡丹に蝶&萩に猪 785 DH9ZL0ID 大人ナエギリ花札編 八枚目 芒に月 786 DH9ZL0ID 大人ナエギリ花札編 九枚目 菊に盃 787 DH9ZL0ID 大人ナエギリ花札編 十枚目 紅葉に鹿 788-791 DH9ZL0ID 大人ナエギリ花札編 十一枚目&十二枚目 雨に番傘&桐に鳳凰 あなたの隣で 【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.19】 レス番 ID タイトル 備考 163-164 zwCOa6cD あなたの隣で 1章 明日になれば 外は平和な世界という設定 165-166 zwCOa6cD あなたの隣で 2章 約束の日(1) 167-168 zwCOa6cD あなたの隣で 2章 約束の日(2) 287-289 lwakZaEn あなたの隣で 3章 空白の6年間(1) 304 V283B+RG あなたの隣で 3章 空白の6年間(2) 306-308 V283B+RG あなたの隣で 3章 空白の6年間(3) 583 za0kSA7h あなたの隣で 4章 幸せは日常の中で(1) 584-585 za0kSA7h あなたの隣で 4章 幸せは日常の中で(2) 793-799 x4g4Ssub あなたの隣で 5章 探偵 苗木誠 846-848,851-858,861,863,866-869 LQIUzd+E,2MKdK/2n あなたの隣で 6章 探偵と幸せ
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/3071.html
衆議院 科学技術・イノベーション推進特別委員会 平成23年5月20日 自由質疑 小川淳也君(民主) 衆議院TV http //www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41000 media_type= ○小川委員 民主党の小川淳也と申します。 参考人の先生方、きょうはありがとうございます。 まず、久住先生にお尋ねいたします。 いただいた資料の十一ページで、今後の適切な防護の担保について、「環境、健康、社会、経済、政治、倫理等に配慮した判断を行う」という記述がございますが、なぜこれは環境、健康への配慮を第一にというふうにならなかったのか、政治に配慮するとはどういうことなのか。 そして、精神的な意味で二十ミリシーベルトをよしとしていない、精神は込めていますというお話をきょういただきました。本来御議論をいただきたいのは精神論ではなく政策論でありまして、二十ミリシーベルトをよしとしていないのであれば、いつまでにどの程度に下げるべきだというのがまさに具体の政策論であります。この点についての御見解を具体的にお聞かせいただきたい。 そして、武田先生、工学博士ですのでちょっと具体的にお聞きしたいんですが、今なお水路をもって冷却に努めようとしているこの方針は、冷やす、とめる、閉じ込めるですか、有効なのか、それとも別に方法があるのか、あり得るのか、この点の御見識をお聞きしたいと思います。 ○久住参考人 御説明いたしました十一枚目のスライドでございますけれども、恐れ入りますが、その前の十枚目のスライドに、七行目ぐらいに書いておりますが、原子力安全委員会は、今後とも必要に応じ、政府の原子力対策本部等々による総合的な判断に資するためと書いてございまして、私どもは、放射線防護の立場で助言をさせていただきますということをまず申し上げております。 それで、環境、健康、社会、経済云々のどれが優先してということではございませんで、並べる順番が適切であるかどうかというのは議論がございますけれども、これは順番がどうこうということではございませんで、総合的に放射線防護の立場では助言をさせていただきますが、実態は、例えば先ほど来お話がございます学校の状況につきましても、私どもは、福島県のどの地域にどのぐらいの学校があって、お子さんがどれぐらいいらっしゃるというような実態を承知しているわけではございません。それは所掌される省庁が把握されていらっしゃるわけですから、放射線防護からはこのように考えますが、環境の問題、健康の問題等々、いろいろな問題に配慮して総合的な判断をお願いしたいということを申し上げているところでございます。 それからもう一点、二十ミリを精神的によしとしたということでございましたが、今、非常に残念ながら、日本の、特に福島県においては、年間一ミリシーベルト以下で維持できるところが非常に少なくなっているというのが実態かと思います。 そのような中で、では、子供たちを学校へ、学校を閉鎖して教育をしないのか、あるいは疎開をさせるのか云々かんぬん、いろいろな取捨選択があろうかと思いますが、二十ミリをよしとしたということではなくて、一から二十ミリの参考レベルで学校を開きたいという文部科学省の御意見でございましたので、先ほど来申しましたように、実態上二十ミリといえども、現状のモニタリングデータを見ますと、セシウムと沃素のバランスあるいは校内と校外の状況を考えますと、二分の一なり十分の一なりに下げることができるということであれば、短期間に限って、一から二十というバンドの参考レベルの中で学校を開かれることは差し支えないと思います。 ただ、その参考レベルのバンドの意味は、先ほど申しましたように、必ず最大の努力をして年間一ミリシーベルトに近づけるということが原則でございます。これはALARAの精神というか原則でございますので、それを含んだものです。それをもって配慮していただきたい、総合的に判断していただきたいということでございます。 ○武田参考人 ああいう巨大な原子力発電所は巨大戦艦みたいなもので、いろいろな小さなアイデアがあっても、沈没していくときはもう仕方がないんですね。ですから、その意味で、水をかけていくのが最適であるかどうかということはいろいろ細かい異論はあるんですね。水は入れない方が、中性子を吸収しないから、再臨界が起こらないからいいとか、液体窒素を使った方がさらにいいんじゃないかと。私は、しかし、総合的に考えて、このまま少しずつおさめていくというのが最善ではないかと思います。 それよりか、今一番問題なのは、もう福島原発は別にどうということはないので、福島原発がおさまるまでほかの作業は進めない、まず原発がおさまるのを待とうというような見解がありますが、工学的に言って、原発が最終的におさまるのは約十五年かかりますから、したがって、原発とはもう切り離して福島のために次の活動をしなければいけない、そこが非常に重要ではないかというふうに思います。 衆議院 科学技術・イノベーション推進特別委員会 平成23年5月20日
https://w.atwiki.jp/dngss5/pages/259.html
『ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映の華麗なる参戦』 「もうすぐ、魔人たちの命と命を懸けた戦いが始まるのね」 熱に浮かされたように、エプシロン王国の第一王女フェム=五十鈴=ヴェッシュ=エプシロンは呟く。 「そうですね、フェム様。きっと素晴らしいものになるはずです」 侍女・ピャーチは、そんな王女の事を微笑ましく思いながら同意するように言う。 現在の場所は王族特注の飛行機の中。フェム王女が日本に到着するまで残り数時間といったところである。 「しかし、戦いを楽しみにするのも結構ですが、本文はあくまで国外視察だという事は忘れないでくださいね」 「あら、そのあたりに抜かりはないわ、安心して。戦いを見守るのはあくまでも仕事の一環。ええ、本質ではないわ」 そう言いながらも、目の前の王女は気を抜けばまだ見ぬ強者たちの戦いに思いを馳せていることをピャーチは知っている。 そんな態度を愛おしく思うが、同時に侍女として自身の役目をきちんと果たさねばならないことも自覚している。 ピャーチは、王女が失態を犯さないように自分がしっかりしなければ。と気を引き締める。 「でも、不思議だわ。このトーナメント表……なんで22名なのかしら?」 「フェム様、また大会のお話ですか……」 気を引き締めたばかりなのに、さっそく脱力させられかける。 「今はプライベートなのだから、少しくらいいでしょう。それに、貴女も不思議じゃないかしらピャーチ?22名というのはトーナメントを行うにはあまりに中途半端な数だわ」 「……確かに、不思議です。一回戦はまだしも、二回戦から奇数になってしまうからおさまりが悪い数ですね」 「そう、それに数も少ないわ。折角の国を挙げてのトーナメントなのに、こんな少ない数では盛り上がりに欠けるのではなくて?」 「それは、フェム様がたくさんの戦いを見たいだけでは?」 ピャーチは、少し非難するような視線を王女に向ける。最も、本気で非難する気など毛頭ないのだが。 「そ、それは否定しないけれど……でも『最強の称号』を決める戦いにしては、規模が小さいのも確かでしょう?」 「そうですね……あまりに多いとフェム様の滞在日数の関係上、全ての試合を消化できないからでは?」 「滞在日数を考えれば、この倍……もう一回戦はできそうなものだけれど」 少し不満そうに王女は唇を尖らせる。そんな様子も愛らしく思いながらピャーチは思い付きを口に出す。 「それなら、参加希望者が少なかったか、大会運営のお眼鏡にかなうような強者が少なかったか、なにか大会運営に思惑があるのか…… 可能性だけならいくらでも考えられますね」 「そうね。ここで言ってても仕方ないわね。今はただ、この22人の戦いを楽しみにしましょう!」 「ですからフェム様、今回の日本訪問の本質は忘れないでくださいね」 愛らしい姫の言に少しだけ呆れながらピャーチは注意する。注意しながら、確かに不思議だったが、きっと訳があるのだろう。と自分でも納得する ―――納得しなければいけないような気がする。何故かこの話題はこれ以上話してはならない。という嫌な予感がしたからだ。 「侍女の勘はあてになるのかしら?」 愛しの姫に聞かれないように、ピャーチは小さく呟くのだった。 実際、フェム王女の考えはある意味で正しい。本来は厳選された63名からなる大規模な大会が予定されていた。 それなのに、22名で大会を開くことになったのも、とある大きなアクシデントが起こったからだ。 そして、そのアクシデントの原因はいまだ持って五賢臣以下大会運営の頭を悩ませているのだった。 「……それで、結局五賢臣はなんと?」 大会運営の一人、そこそこ偉い立場にある中年の男は疲れた声で上司に聞く。 「ああ、このイカれた女……自称:ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映だったか?こいつの要求を飲むってよ」 上司は、男に輪をかけて疲れたような声で返答する。 「くそっ。なんだってこんな女の要求を飲まなきゃいけないんだ」 「仕方ないだろう。誰もこの女の凶行を止められなかったんだから……それに、見ろ」 言って、上司は机の上に数十枚の写真を広げる。 一枚目の写真には獅童アキラが惨殺(ざんさつ)された姿が写されていた 二枚目の写真には朝顔修羅子が殴殺(おうさつ)された姿が写されていた 三枚目の写真には木津皆羽が虐殺(ぎゃくさつ)された姿が写されていた 四枚目の写真には花浦小春が春殺(しゅんさつ)された姿が写されていた 五枚目の写真には志高純奈が食殺(しょくさつ)された姿が写されていた 六枚目の写真にはシズマが暗殺(あんさつ)された姿が写されていた 七枚目の写真には春川 醤が焼殺(しょうさつ)された姿が写されていた 八枚目の写真には常磐糸吉が測殺(そくさつ)された姿が写されていた 九枚目の写真には松陰 万が万殺(まんさつ)された姿が写されていた 十枚目の写真にはジャックダニエル・ブラックニッカが暴殺(ぼうさつ)された姿が写されていた 十一枚目の写真には“正直伯爵”&大正直が謀殺(ぼうさつ)された姿が写されていた 十二枚目の写真にはMCYUZIが音殺(おんさつ)された姿が写されていた 十三枚目の写真には丸鬼堂左道が鎖殺(ささつ)された姿が写されていた 十四枚目の写真には安倍川アオイが射殺(しゃさつ)された姿が写されていた 十五枚目の写真には鉄旋の魔法少女ノン・フィネム・プグニャが魔殺(まさつ)された姿が写されていた 十六枚目の写真には独空ゆうきが双殺(そうさつ)された姿が写されていた 十七枚目の写真には八剱聖一が斬殺(ざんさつ)された姿が写されていた 十八枚目の写真には【宝物庫の守護者】張宝盒が宝殺(ほうさつ)された姿が写されていた 十九枚目の写真には小日向烈花&キャプちゃんが写殺(しゃさつ)された姿が写されていた 二十枚目の写真には泉桜原レイラが石殺(せきさつ)された姿が写されていた 二十一枚目の写真には金持院 成美が金殺(きんさつ)された姿が写されていた 二十二枚目の写真には朝チュンの暴が風殺(ふうさつ)された姿が写されていた 二十三枚目の写真には元サムライのユウタが切殺(せっさつ)された姿が写されていた 二十四枚目の写真には麗 御咲が廻殺(かいさつ)された姿が写されていた 二十五枚目の写真には鴉雀 晶が時殺(じさつ)された姿が写されていた 二十六枚目の写真にはジョン・ドゥが不殺(ふさつ)された姿が写されていた 二十七枚目の写真には春花 暁音が唄殺(ばいさつ)された姿が写されていた 二十八枚目の写真には夢見姫子が実殺(じっさつ)された姿が写されていた 二十九枚目の写真には”富嶽”のフジさんが山殺(さんさつ)された姿が写されていた 三十枚目の写真にはプランク・パーセクが道殺(どうさつ)された姿が写されていた 三十一枚目の写真には黒ヱ 志絵が夢殺(むさつ)された姿が写されていた 三十二枚目の写真には超特急が轢殺(れきさつ)された姿が写されていた 三十三枚目の写真には鋭き月の連理が月殺(げっさつ)された姿が写されていた 三十四枚目の写真には草壁リョウが圧殺(あっさつ)された姿が写されていた 三十五枚目の写真には葉山 纏が獄殺(ごくさつ)された姿が写されていた 三十六枚目の写真には音無光陽が人殺(にんさつ)された姿が写されていた 三十七枚目の写真にはホープ=グランディアが着殺(ちゃくさつ)された姿が写されていた 三十八枚目の写真には釖分度が雷殺(らいさつ)された姿が写されていた 三十九枚目の写真には三沢翔琉が盾殺(じゅんさつ)された姿が写されていた 四十枚目の写真には陸賊王ベリーが陸殺(りくさつ)された姿が写されていた 四十一枚目の写真には近衛蓮華が姦殺(かんさつ)された姿が写されていた その数四十一の死体。その全員が今回の大会の参加予定者であり、一部例外こそあれ一流の戦闘力を備えた魔人である。 「……まさか『自分を大会に参加させないなら、大会そのものをぶち壊す』なんてそんな馬鹿げた行為を思いつくやつも、実行できるやつもいるだなんて思わねえよ」 上司は悪態を吐くように言い捨てる。 「こんなテロまがいのことをされて、その要求をあっさりのむというのも大会や国の権威に傷が……」 「おいおい、四十一人も殺されてる時点でそんなの気にしていられる状況かよ。それに、あっさり要求を飲んだわけじゃない。 さっきも言ったが、魔人警察や自衛隊、国家権力が総出で権威回復のために駆り出されたのはお前も知ってるだろう?」 その時の惨状を男は思い出す。一個小隊の魔人自衛隊が、数百人からなる魔人警官が、秘密裏に雇われた手練れの殺し屋が、尽く返り討ちに会い、殺された姿を。 「……あれで止まらなかったんだ。もう俺たちにできることはこれ以上大会を荒らされないように、要求を飲むことだけさ」 そんな上司の言葉を聞いて男は歯を食いしばる。その様子を不憫に思ったのか、上司は心にもない慰めを口にする。 「まぁ、こいつは確かに規格外だ。規格外だが、無敵の化物じゃない。 ルール無用のテロと違って、こうして大会というルールに当て嵌めちまえばきっと勝てる魔人もいるはずさ」 だから、そうしてこいつが負けて弱ったところを拘束することにしよう。そう言って締めくくるのだった。 「……でも、本当にこの化物が負けるなんてことはあるのか?」 上司との話が終わった後に、男は疑わし気に呟くのだった。 「グロリアス・オリュンピアに出られるかもしれないぞ!!」 病院の個室に入るなり、開口一番スーツ姿の女性、件のザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は叫んだ。 「ちょっと、槙ちゃん。病院でそんな大声で叫んじゃだめだって」 それに対して、病室で横たわる少女、年のころはザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映と比べると大分若い、は窘めた。 「おいおい、私の折角の嬉しい報告にそんな水を差すやつがあるかよ。それに大丈夫、ここは個室だ。他の人には聞こえないって」 「いやいや、あれだけ大きな声だったら横の病室にも聞こえてるって」 少女は苦笑しつつ、それでもどこか楽しそうにしながら、窘めるための言葉を紡ぐ。 「槙ちゃんったら、そういう常識はちゃんと守ろうね」 「はっ、なんでこの私が旧人類の事を意識して常識なんて守らなきゃならないんだよ」 「あはは、相変わらずだなぁ、もう……こほっ」 少女は、いつもと変わらぬザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映の態度にため息をついてから、小さくせき込む。 「っと、今日はあんまり調子よくないのか?」 「うーん、そうだね……いや、そうでもないかな。この程度のせきはいつもの―――けほっ、けほっ」 「あんまり無理させても悪いから、用件も伝えたし私は帰るな。いいか、ちゃんと出場が決まったらもう一回来るからな! テレビ放映とかもするらしいから、ちゃんと私の勇姿を見届けるんだぞ!」 「はいはい、あっ、慎ちゃん!」 「ん?」 出口に向かって歩き出していたザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映を少女は呼び止める。 「頑張ってね。でも、無理はしちゃだめだよ?」 その言葉に、ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は大きく破顔した。 「ははっ、私の心配より対戦相手の心配をしてやれって。きっと、酷い有様になるからさ」 病院からの帰り道、ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は楽しそうに鼻歌を歌いながらゆっくりと歩いていた。 病室の少女。過去、自分に唯一傷をつけた少女にして、唯一自分が対等の存在だと認める旧人類の少女の事を思いながら。 ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は上機嫌だった。右頬についた小さな傷を無意識に撫でながら、もうすぐ夢が叶う所まで来たのだと実感していたからだ。 ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映の夢、それは――― しかし、そんな機嫌のいい時にこそ、無粋な乱入者というものは現れるものだ。 「……あん?」 自分の左後頭部、そのあたりに微妙な違和感を感じて振り返ると、振り返る直前まで自分の頭のあった場所―――その数ミリ手前に弾丸があった。 弾丸は、ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映の身に触れてさえいないのに、まるで見えない壁にでも阻まれたかのように潰れていた。 それからほんの少しだけ遅れてパーンという乾いた銃声が耳に届く。なるほど、どうやら超遠距離から狙撃を受けたらしい。 そう理解したのは、六発の弾丸を撃ち込まれてからだった。 「おいおいおいおい、まさかただの狙撃ごときで私をどうにかできると思ってるのか?」 ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は呆れたように(楽しそうに)弾丸を拾いながら笑う。 まさか、いまさらこんなありきたりな手で来るだなんて予想もしていなかったため理解が遅れてしまったのだ。 呆れたように(楽しそうに)笑いながら、駆け出す。銃弾の飛んできた方へ。狙撃手の潜伏していると思われる建物へ。下手人のいる場所へ。 それは、弾丸が自分の元へ届いた速度とどちらが速いか、という程の速度だった。 「えっ!?」 下手人の正体は、遠距離狙撃用に特殊改造されたサンプル花子―――通称スナイプ花子だった。 『サンプル・シューター』の遠距離発展版、『サンプル・スナイプ』という特殊能力を持ち、エネルギー弾ではなく実弾も飛ばせるように加工されているのだ。 さらにこの花子は特別製で、どの辺が特別かというと発注主の趣味によって 金色のショートカット、大きな胸、絶対領域を備えたスカートとそこから覘くふとももを備えたまさに美少女と呼ぶべき姿の花子だった。 もっとも、そんなことザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は知る由もないのだが。 花子は、さっきまで自分が数キロ先へ狙撃していた人物が目の前に突然現れて驚いたような顔を見せる。 だが、それも一瞬。すぐに気を取り直したように表情を作ると何か口を開こうとして―――その右脚が花火のようにはじけた。 「があああっ!?」 痛みにうめく間もなくさらに、右手が、左足が、腹が、左腕が、最後に頭が、何かを高速でぶつけられたようにはじけ飛んだ。 「弾丸六発、確かに返却したぜ。狙撃手さん」 ザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映が律儀に回収したライフルの弾丸。それを指ではじいて返したのだ それだけで、それがまさにライフルの弾丸のような威力を持って花子を貫いた。 「まったく、こいつも殺し屋か?今更狙撃で私をどうこうしようだなんて、一体なに考えているのやら」 そう言って肩を竦めると部屋を出ようとして―――違和感に気づく。 初めは、ライフルの硝煙の匂いだと思っていた火薬の匂い。しかし、一度気づくと明らかにおかしい。 目の前の花子は、特殊能力によって狙撃を行っていた。つまり、狙撃には火薬など一切使用されていない だというのに、この場には火薬の匂いが濃すぎる。まるで、大量の爆弾が隠されているかのように。 「……おいおいおいおい、まさか?」 その予感は当たり、次の瞬間、建物はザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映ごと派手に爆発して倒壊した! 「いやー、まさかこんな最後っ屁があるとはな。ちょっと楽しかったぜ」 倒壊した建物。その瓦礫から、スーツ以外無傷でザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映が這い出てくる。 「あっはっはっは。自分の命を懸けた大爆発だなんて、そうそう味わえるものじゃないからな。旧人類にしては頑張った。実に楽しかったぞ」 心の底から楽しそうに笑いながらザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は再び帰路に着く。 帰路の中で、再び思う。どれだけの妨害を受けようとも、どれだけの障害があろうとも、自分は必ずグロリアス・オリュンピアで優勝してやると、少女に誓う。 そして、『最強の称号』を手にして、再びあの少女に挑むのだ。 「……今度こそ、私が殺してあげるからねぇ、首を洗って待ってろよ」 月明かりの下、三日月の様に口を歪ませてザ・ニューパーフェクトネオノイエス総映は嗤うのだった。 グロリアス・オリュンピア、その一回戦開始まで残り数日の出来事である。
https://w.atwiki.jp/bokuori_data/pages/410.html
製作者 ずっきぃ 出場大会 第七回大会 経歴 「あの、それおひとついただいてもよいかしら?旦那様もきっとお喜びになられるわ」 ――市田 里奈(しだ りな)―― ◆生前の話 彼女は生前、とある良家に奉公に出されていました。 兄の犯した罪の償いに、「一生奴」として働いていたのであります。 彼女は大変器量がよく、奉公先の主人にも大層気に入られておりました。 彼女の仕事は食事に使った食器を洗うこと、 それも客人をもてなした時などに使う特別な皿などを洗い、そして仕舞うことでありました。 彼女はいつも丁寧に洗い、丁寧に水を拭き、丁寧にお皿を仕舞い込んでいきました。 そんなおり、主人にとって非常に重要な客人をもてなすことになったのであります。 主人は宴の席で、非常に特別な時にしか使わない、家宝ともいえる十枚の皿を使用することにしました。 屋敷の使用人たちの努力、そして家宝の十枚の皿の効果もあって宴は成功、客人も喜んで帰っていったのでありました。 しかし事件はこの後に起きました。 宴の余韻もほどほどに、使用人たちは後片付けに奔走しておりました。 そして彼女もいつものように宴に使われた食器を洗い、水を拭い、丁寧に仕舞い込んでいました。 しかし今回は家宝の皿がある。 彼女は特にこの皿を丁寧に洗い、ことさらに丁寧に一枚一枚仕舞い込んでいきます。 そして最後の1枚を持って皿を重ねた瞬間、彼女は青ざめました。 十枚あるはずの皿が九枚しかない。 様子を見に来ていた主人が青ざめている彼女に気が付き、何事かと問うてみた。 彼女は正直に家宝の皿が一枚足りないことを告げ、「確認してきます」と言い、お台所方に向かった。 しかしお台所方の誰もが「ちゃんと十枚そろっているのを確認してから彼女に渡した」と口をそろえて言うのであった。 それもそうである、この屋敷の家宝ともいえる大事な皿である、全員が細心の注意を払って取り扱っていたのだから。 彼女は青い顔のまま先ほどまで作業していた場所に戻った。 そこには屋敷の主人が恐ろしいまでに冷酷な顔をして立っていました。 「皿は、ないか」 彼女は何も答えられなかった。 そんな彼女の態度に業を煮やした主人は、床の間に飾ってあった刀を手に取り 彼女を袈裟切りにし、なで斬りにし、滅多刺しにしてしまいました。 そしてその死体は屋敷の井戸に放り込まれてしまったのであった。 これが彼女の、番町皿屋敷のお菊の生きていた時のお話であります。 ◆死んでその後 一生奴として奉公に出された自分によくしてくださった旦那様が 大事にしていた皿をなくしてしまった自分を責め続けました。 旦那様を喜ばせてあげたい、そのためには十枚の皿をそろえなければならない そう彼女は思い、毎晩皿を数えて数えて数えつくしておりました。 皿を数えて数百年、彼女はもはや何を数えていたのかも忘れるほどに数え続けておりました。 そしてふと、彼女は思うのであった。 「足りないのであれば、他から一つだけ貰って来ればよいのではないのか」と かくして彼女は足りない皿の代わりに一つだけ奪う妖怪へと変質し、 「皿屋敷のお菊」から「市田 里奈」となったのであった。 ◆一つだけ奪う妖怪 彼女は既に自分が何を数えていたかを認識できないまでに目の前にあったものを数え続けていました。 そのため、ほかから何をもらって来ればよいのかがてんでわからないままであった。 彼女はとにかく何かで穴埋めをしようと、手当たり次第に一つだけ奪ってはほかのものと並べてみました。 奪うものは多岐にわたっており、 実在するものから、人の命、存在、そして数字といった概念に至るまでなんでも奪っていった そして自分の手元のものと並べて思うのである、「あぁ、これではない」と。 彼女の被害にあった人たちは皆口をそろえてこういうのであった 「一つ足りない、一足りない」 ◆九枚の皿 彼女の周りには彼女の数えていた皿が九枚取り囲んでいる。 これらは実際の屋敷の家宝の皿ではなく、彼女が数えるために生み出されたものである。 これらの皿は彼女の意識の外の存在ではあるが、同時に彼女自身でもある。 そのため彼女に危害が迫ると無意識のうちに彼女を守るように身代わりになるのである。 しかし、所詮は皿である。彼女をかばうと同時に割れてしまうのであった。 そして彼女は思う 「あぁ、1枚足りないと思っていたらもう1枚、なくなってしまったわ」 そして彼女はさらに足りなくなった分を埋めるために、さらにもう一つ奪うのであった。 しかし市田里奈という妖怪は彼女と九枚の皿で構成された存在であるため 割れてなくなってしまった皿は、気が付くといつの間にか九枚まで戻るのであった。 そして彼女は 「あぁ、2枚目も無くしてしまったと思ったけど気のせいだったみたい、また旦那様に殺されてしまうと思ってしまったわ」 と安堵するのである ◆彼女の目的 彼女の目的はあくまで十枚目の皿の穴を埋めるものを探し出すことである。 百鬼も集まる妖怪たちの祭りにその穴を埋める何かがあるのではないか 彼女はそう思い、そして一つ奪うために祭りの中心に身を投じるのであった。 デザインなどイラスト関連 デザイン決定稿 以下広告
https://w.atwiki.jp/ooorowa/pages/266.html
タカとカンガルーでタカンガルー便 ◆MiRaiTlHUI 人間一人分という決して軽くはない“重り”を背負って居ながらも、アンクの後方を歩く桂木弥子は一言の弱音を漏らすことはなかった。明らかに進行速度はアンクよりも遅れてはいるが、それでも彼女は、アンクに手伝って欲しいとも、休憩をしようとも言い出さないのだ。 アンクにとって、ZECT基地内での休憩の時点での桂木弥子の評価は、正直なところ「無駄にアイスを消費したがるだけの足手纏い」くらいでしかなかったし――いや、実際のところ今もそれにさしたる変化はないのだが、しかし彼女の心構えにはあの火野映司にも近い“おめでたさ”がある。 アンクにはそれが理解出来ないし、共感も出来そうにない。だけれども、休憩も取らずに一生懸命に歩き続ける弥子を見ていると、不思議とそれを否定する気も起きなかった。 少し前のアンクなら「そんな重いモンとっとと捨てろ!」などと言っていたのだろうが、火野映司というあまりにも特異過ぎる男と長い時間を共に過ごしたアンクは、世の中にはこういう人間もいるのだということを嫌になるほど思い知らされた。 だから、この馬鹿女にはもう何を言っても無駄だということも分かっている。こいつは何を言った所で聞く耳など持たず、杏子が言っていた「最後に愛と勇気が勝つストーリー」とやらを本気で信じて、その為の努力を惜しもうとはしないのだろう。 弥子にその努力をやめろというのは、雨に変わりゆく天気に対して「降るな、晴れろ!」と文句をつけることと同じくらい無意味で、そしてこの状況下で無意味だと分かっていることをする程アンクは暇な男ではない。無意味だからやらないだけだと、明らかに足手纏いの弥子を黙認している理由をこじつけて自分を納得させるのだ。 そう考えると、どうしてさっき移動を始める前に弥子の行動に文句を付けなかったのか、どうにも釈然とせず苛立っていた自分の心理と行動もすとんと腑に落ちた気がして、少しは気分が晴れた、気がした。 だがそうなると、今度は別の事柄に納得がいかず腹が立ってくる。 当てもなく歩き続けるアンクと、それに黙って追随する足手纏いの弥子。……この状況を考えれば、何を言っても聞かないおめでたい頭の女など捨て置いて、とっとと自分だけで何処へなりと離脱してしまった方が、よっぽど時間を無駄にせずに済む。おまけにアンクにとっての頭痛のタネが一つ消えるのだから、それで万々歳の筈だ。 だのにアンクは、それが出来る状況下にありながら、しようとはしなかった。どころか、ただ後ろをのろのろと歩くだけの少女が気になって仕方がなくて、度々振り返って弥子の追随を確認する始末。 (チッ、なんで俺がこんなガキのお守りを……ッ!) あまりにも釈然としない苛立ちを少しでも和らげようと、アンクはクーラーボックスからまた一本のアイスキャンディーを取り出して、それにかじりついた。そんな風にアイスを消費し続けるものだから、あれからまだ一時間も経った訳でもないというのに、アンクのアイスは減る一方。今ので残りの数はいよいよ十を切ったところだった。 結論だけを言うと、アンクは結局、弥子が心配なのだ。 心の何処かで、弱音を吐かずに頑張り続けている弥子に感嘆している自分がいる。彼女が弱音を吐かない限りは、一緒にいてやってもいいかもしれないと思ってしまっている自分がいる。もっとも、アンク自身はそんな事実は絶対に認めないのだろうが。 「チッ……」 軽い舌打ちを鳴らしたアンクは、それ以上面倒なことを考えるのをやめて立ち止まった。 追随していた弥子は、立ち止まったアンクの傍まで歩み寄ると、目の前にある“全焼した家屋”を眺め小さく驚きの声を上げた。 ……別に弥子の為に休憩を挟んでやろうと立ち止まった訳ではない。ただ、明らかに何者かの手によって焼き払われた家屋がアンクの視界に入ったから、少しだけ様子を窺おうと立ち止まっただけだ。別に、疲れているであろう弥子に少しくらい休憩をさせてやってもいいかもしれないとかそんな考えは、全く、一切、これっぽっちもないのだと、そんな風に自分に言い聞かせておく。 「これ……火事でもあったのかな?」 「馬鹿が、ただの火事な訳あるか」 「じゃあ、誰かがやったってこと?」 「だろうなあ」 アンクの首肯に、弥子は絶句で返す。 こんな短いやりとりで、アンクはこの女が何を考えているのかを悟ってしまった。 一体誰が、何の為にこんなことをしたのか……? いいや、そんなことじゃあない。一体誰が被害にあったのか、誰かがここで死んでしまったのではないか、そんなことを考えて、目の前で誰かが殺された訳でもないのに、優し過ぎるこの馬鹿女は一々絶句をしてみせたのだ。 実際、此処で誰かが死んだのだろうということも、アンクはすぐにわかった。周囲の住宅街の風景を見るに、おそらくこの廃墟の本来の姿は一戸建ての木造建築。よっぽど爆発的な勢いで焼けたのだろう、既に家屋自体も家具も、木材が使われていた箇所は全て炭化して、黒っぽい煤に塗れた残骸しか残ってはいないが、それでも元々は人の形を成していたのであろう人骨が残骸に埋もれているのは、アンクの目にも理解出来た。 ここは殺し合いの場だ。例えばアンクロストとのような火を使う参加者がいて、ここで戦闘が起こり、そしてこの家と共に焼け死んだのであろうことは容易に想像がついたし、アンクは一々そんなことで妙な感傷に浸ったりはしない。 だが、それを一々弥子に見られて面倒臭い反応をされるのも厄介だと思ったアンクは――別に弥子の為に目の前からショッキングなそれを隠してやろうと思った訳では断じてない――適当に骨の周囲の木材を蹴飛ばして、傍目には見えないように人骨を覆い隠した。 元よりアンクの素行が悪いことは知れているのだから、弥子も一々そんな“無意味な八つ当たり”を気にしようとはしなかった。その方が弥子にとっても幸いだったろう。 「……誰も怪我してなければいいけど」 「ああ、そうだな」 全く感情のこもらない適当な首肯でアンクは弥子に答える。一番面倒臭くなく、尚且つ無難な返答がそれだった。 そのまま手近な木材に腰掛けたアンクは、次のアイスを取り出してそれにかじりつく。それを受けて、何処か表情を曇らせたままその場にしゃがみ込んだ弥子に――ほんの気紛れのつもりで、アンクはアイスキャンディーを一本投げたてよこした。 弥子の膝に当たって煤けた地面に落ちたアイスの袋を一瞥した弥子は、目を丸くして尋ねて来る。 「チッ……ただの気紛れだ、一々気にすんな」 「アンク……」 「何だ、食わないなら返せッ!」 「う、ううんっ、食べる! ありがとアンク!」 黙って食えばいいんだよ、と心中で悪態を吐きながらも、アンクはこのあまりにも微妙な関係をいつまで続けるものかと思案する。何も今すぐに断ち切る気はないが、しかしだからといって、殺し合いが終わるまでこんな足手纏いを連れてずっと歩き回るのも、後々の事を考えるとリスクが大きい。正直言って、何の力も持たない弥子がここまで死なずに生き残れてきたこと自体が奇跡に近いのだ。 まったく、真木の奴は一体どうしてこんな無力な人間まで殺し合いに巻き込んだのか……などと、そんなとりとめのないことを考えるアンクの思考を遮るように、弥子の「あれっ?」という疑問の声が、しんと静まり返った廃墟の静謐に響いた。 「……今度は何だ」 「そこに、メダルっぽいのがあるんだけど……」 「ッ、何だと!?」 弥子の何気ない一言に、アンクは今まで考えていた思考を中断して、反射的に立ち上がる。グリードにとってメダルは己が身体そのものだ、反応しない訳がなかった。 地に落ちたアイスを拾おうと身を屈めていた弥子は、そのままの姿勢で、崩れて折り重なるように積もった木材の下へと手を滑り込ませていた。それ程奥まった場所にあるわけでもなく、さして苦労もせずに弥子は二枚のコアメダルをその手に掴んみ、ほら、とアンクに見せた。 「お前、それッ!!」 赤いタカが描かれた金の縁取りのコアメダル――見間違えよう筈もない、アンクの人格を形成する、タカメダルだった。 さっきまでの冷静さも忘れて、アンクは弥子に掴みかからん程の勢いで迫ると、その手に握られたタカメダルともう一枚のメダルをひったくった。夢にまで見た、あれ程までに渇望したアンクの肉体を形成するコアメダルの一枚。それが今目の前にあるのだ、落ち着いていられる訳もない。 「ちょっと、それ私が見付けたんだよ!」 「これやるからちょっと黙ってろ!」 そう言って、残り七本となってしまったアイスキャンディーの入ったクーラーボックスを乱暴に引っ掴んだアンクは、それを弥子の眼前へと半ば投げ捨てるように置いた。元よりコアメダルにさほど興味を持っていない弥子は、それで交渉成立でいいよと言わんばかりに目を輝かせてアイスに飛び付いた。これで小うるさい女を暫く黙らせられるなら、残り少なくなったアイスなど痛手でも何でもない。 (何でこんなとこに俺のコアが……いや、んなこたどうだっていい、とにかくこれは俺ンだ!) そう、この際何故ここにタカメダルが落ちていたのかなどどうだっていい。ここにメダルがあるのも、元の持ち主――さっきの人骨の人物だろうか――がここで焼き殺された際、他の支給品は全て焼けたが所持していたコアメダルだけは焼けずに取り残されたとか、そんなところだろう。仮にそうでなかったとしても、もうそういうことで何も問題はないのだからそういうことでいい。 なら次に考えるべき事項は、タカメダルと一緒に落ちていたもう一枚のメダルだ。見た事もない茶色のメダルを、沈みゆく太陽に透かして眇める。絵柄はどうやらカンガルーのようだが……アンクの知る限り、カンガルーの力を持つグリードなどは存在しない。とすれば、考えられる理由は―― (真木か鴻上あたりが新たに作ったコアメダルか……?) それならば合点がいく。元々コアメダルは八百年も昔の技術で作れたものなのだから、現代の技術でコアメダルを研究している奴らが新たなコアメダルを絶対に作れないという道理は何処にもない。 何にせよ、この場ではコアメダル一枚でセル五十枚分のエネルギーを得られる事は既にアンクとて知っているのだから、この発見を喜ばない訳はなかった。目の前でがつがつと残りのアイスを喰い漁る弥子すらも気にならない程の上機嫌でもって、アンクは二枚のコアメダルをグリードとしての自分の腕の中へと放り込んだ。 ある意味では因縁めいたこのタカコアと、未知のコアを新たに取り込んだこと、それと元々使用している人間の身体の恩恵もあって、今ならば完全体にも近い姿への変身が可能なのではないかと、あの偽物のアンクよりもより完全な姿への化身が可能なのではないかと、アンクはそう推測する。 次に出会った時には容赦はしない。この確実な力で以て、何としてでも残りの全てのコアメダルも取り戻してやる……と、アンクがそんな闘志を燃やすのは、弥子がおりしも最後の一本となったアイスキャンディーを食べ終えた頃だった。 【一日目-夕方(放送直前)】 【D-3/全焼した家屋跡地】 【アンク@仮面ライダーOOO】 【所属】赤・リーダー代理 【状態】健康、覚悟、仮面ライダーへの嫌悪感、自分のコアの確保及び強化による自信 【首輪】160枚:0枚 【コア】タカ(感情A)、タカ(十枚目)、クジャク×2、コンドル×2、カンガルー、カマキリ、ウナギ (この内ウナギ1枚、クジャク2枚、コンドル1枚が一定時間使用不可) 【装備】シュラウドマグナム+ボムメモリ@仮面ライダーW 超振動光子剣クリュサオル@そらのおとしもの、イージス・エル@そらのおとしもの 【道具】基本支給品×5(その中から弁当二つなし)、ケータッチ@仮面ライダーディケイド 大量の缶詰@現実、地の石@仮面ライダーディケイド、T2ジョーカーメモリ@仮面ライダーW、不明支給品1~2 【思考・状況】 基本:映司と決着を付ける。 0.自分の不可解な感情に苛立ち。 1.殺し合いについてはまだ保留。 2.もう一人のアンクを探し出し、始末する。次は絶対に負けない。 3.すぐに命を投げ出す「仮面ライダー」が不愉快。 【備考】 ※カザリ消滅後~映司との決闘からの参戦 ※翔太郎とアストレアを殺害したのを映司と勘違いしています。 ※コアメダルは全て取り込んでいます。 【桂木弥子@魔人探偵脳噛ネウロ】 【所属】青 【状態】健康、精神的疲労(中)、深い悲しみ、自己嫌悪 【首輪】120枚:0枚 【装備】桂木弥子の携帯電話(あかねちゃん付き)@魔人探偵脳噛ネウロ、ソウルジェム(杏子)@魔法少女まどか☆マギカ、 【道具】基本支給品一式、魔界の瘴気の詰った瓶@魔人探偵脳噛ネウロ、衛宮切嗣の試薬@Fate/Zero、赤い箱(佐倉杏子) 【思考・状況】 基本:殺し合いには乗らない。 0.殺し合いは哀しいけど、アイスは美味しかった。 1.美樹さやかに頼み込んで佐倉杏子を復活させる。 2.他にも杏子さんを助ける手段があるなら探す。 3.ネウロに会いたい。 4.織斑一夏は危険人物。 【備考】 ※第47話 神【かみ】終了直後からの参戦です。 【全体備考】 ※アイスキャンディーは全て消費され、クーラーボックスがD-3の全焼した家屋跡地に放置されています。 ※アイスキャンディーを一気に食べたことで食欲が満たされ、メダルが僅かに増加しました。 ※この場所でカオス@そらのおとしものが放置した支給品は、コアメダル二枚を除いて全て焼失しました。 ※タカコア(十枚目)は至郎田、カンガルーコアはカオスの支給品でした。 074 Ignorance is bliss.(知らぬが仏) 投下順 076 インキュベーター様が見てる 074 Ignorance is bliss.(知らぬが仏) 時系列順 076 インキュベーター様が見てる 063 大事な友達 アンク 090 取引をしよう 桂木弥子
https://w.atwiki.jp/kiryugaya/pages/1103.html
短編小説:ロージーとマリエール 甲斐ミサキ この小説はクトゥルー神話創作小説同盟の「図書館」テーマに投稿したものです。 蛙軽井小学校にはろくな図書室がない。 ママがそう断言して僕とマリエールを連れ出したのは六月の夕暮れ。 五月の澄み切った茜空ではもはやない。空を見上げると、重くずっしりと濡れた大気の中で錆びた銅貨のように灰緑にくすんだ太陽が僕たち三人を照らしている。 暑いねえ。なまっちろい顔を真っ赤に茹だらせながら僕に話しかけるマリエールに、そうだねと返す僕は繋いだ手からだらりとぶら下がって甘えるしぐさをする。 「お姉ちゃんなんだからロージーをしゃんとさせなさい」ママがマリエールを促して僕の腰あたりに発展途上の手を回させた。 ろくな図書室がない、とする理由は理不尽なものだ。ママ曰く、 「あんな魔窟みたいなとこ」の一言に尽きる。 ママはマリエールにはまだそれを分別できる脳味噌がちっとも形成されていなくて、なにか取り返しのつかない致死毒があなたの若い神経細胞を痛んだもやしのようにどろどろに腐食させてしまうの、と熱弁を振るう。だから行ってはだめ。マリエールの同級生たちは放課後の図書室に競って通いつめ遅くまで家に帰らないっていうのにさ。 「本ならパパが山ほど買ってきてくれるでしょう」 そうやってマリエールが読んで得たものは、雄蕊と雌蕊の仕組みや空を飛んだライト兄弟、ダイナマイトを発明したノーベルの一生。アルファベット、生活にまつわる数字の数え方、北極星の位置、マドレーヌの焼き加減、狐の嫁入りについて、野球とクリケットの違い、産まれる前に死ぬダニ、草で編んだ浮島で生活する人々のことなどだった。 小学校に上がる前はシャルル・ペローの赤ずきんや、つむぎがが刺さり百年間の眠りについてしまった王女の話、そして竜宮城がいかに美しいかをパパやママが代わる代わる読んでくれたというのに。マリエールと僕がわくわくしながら同じ布団に潜り込んで眠たくなるまで耳を傾けていたこと、ママは忘れちゃったのかな……。 ――― 近年、蛙軽井町にモダンな鉄筋コンクリート構造で建築されたのが蛙軽井文庫だ。 さる篤志家による私立図書館で、公立と異なり書架の内容が設立の際に「厳選」されているともっぱらの評判で、そしてこの図書館に大いなる影響を与えたとするのが滑川道夫である。 彼は惡書追放運動の急先鋒だった。 仄暗い駐車場の奥を抜けエスカレーターで日替わりで催される図書イベントのポスターが張り巡らされたエントランスに昇ると、とある書付が否が応でも目に飛び込む。 青少年読物を健やかに 出版界への警告と民間勢力結集の提案 滑川道夫 「青少年を対象とする読物が一面において質的に向上を示しながらも、半面の俗惡娯楽書のハンランはひどすぎる。 怪奇冒険探偵小説・活劇物語・空想科学小説・講談の類である。怪人・魔人・仮面・怪獣が出没し・原子銃がうなり、火星人が攻めて来る。土人が白人に殺される。がまんできない……」 と、引用元である1955年に投稿された朝日新聞の記事を転写したものが引き伸ばされて添えられている。 ――― 当図書館ではけしからぬ、不健全な惡書をことごとく閉架し、もっぱら最近のはやりである怪魔物などは特に目の届かぬところにのけ、親御様にとって安心できる健全な児童図書室を皆様のお子様にご提供いたします。 ちっとも分かってない。古臭い黒黴もののとんだ言いぐさじゃないか 僕はすぐ憤慨しちゃったのに、ママはそうでもないみたい。うんうんその通りよ、間違いないとおとがいにまっすぐ伸ばした指を当て肯いている。マリエールは文章を噛み砕けずに眼をしばたたせていた。そんな様子に気づいたのかママが入りましょうとマリエールの背中をとんと叩く。僕もつられて入る。 駅の改札口みたいなゲートを抜けた二階はすべて児童図書室になっていて、南側に大きく開いた窓のほかは三面、マリエールの背丈ほどに都合された木製の書棚がずらりと並んでいる。わああ、とマリエールが声を弾ませた。ママ、ママ分類案内があるよ! 「0番、辞書。1番、占い。2番、歴史、地理、伝記。3番、政治、経済、風習。4番、算数、理科、動物、植物、からだ。5番、ものをつくる、料理、手芸。6番、ものを育てる。7番、スポーツ、工作。8番、言葉。9番、詩、文学、俳句、児童研究、点字」 声に出して分類を読むマリエール。 日本のえほん、外国のえほん、赤ちゃんえほん、ちしきのえほん、むかしばなし、民話、かみしばい……グリム、イソップ、アンデルセン。 ママ、お話の本棚がないよ。「怪傑モロモロ」とか「ファラオの恐怖実験」とかさ、分からないって? もうママったら、学校のみんなが読んでるものだよ。たとえば海野十三さんが書いた「金属人間」みたいな話だよ! 知ってるでしょ? ママがもちろん知っていることを僕は知っていた。 「そういった物語はここには置いていないの」 児童図書室なのに不思議なほどしわぶき一つ立たない深海水槽のように静かな空間を泳ぐようにして、いつの間にかおねえさんが僕たちの隣にいた。僕の頭を白い手袋が撫でる。そしてマリエールの目線に合わせるようにかがむともう一度言った。「ここにはないの」 司書の証であるネームタグが紺色のジーンズエプロンの胸元に下げられている。さまざまな色のペンシルがポケット一杯に押し込まれて虹色の腹びれみたいだ。縁なしの眼鏡の奥にある瞳に見つめられて僕はなんだかそわそわした。どこかで見た気がするのなんだったろう。 ママが言った。ここは健全ですね。最近は読ませたくても読ませられないものばかり。困ってしまいます。方針が素晴らしいと伺ってまいりましたの。 「当方の館長が決めたことです」 口唇をきゅっと引締め僕の手を一層握りしめるマリエールに気付いたおねえさんは、お名前はと問うた。このこはロージー。あたしの弟よ。 よろしくロージーとおねえさんが微笑む。よろしくと頭をぴょこりさせた僕におねえさんはおねえさんでいいわ、と三日月のように細めた目と三日月のように両端を釣り上げた口元でまた笑った。そうだチェシャー猫のにやにや笑いなのだ。 しょんぼりとしているマリエールにおねえさんがこんな集会があるんだけど、興味ある? と一枚の紙を差し出す。 図書館のお泊り会への招待状 こんにちわ。蛙軽井文庫へようこそ。 この招待状は皆さんが見たことのない図書館の裏側、夜の世界に触れてもらおうとしたためたものです。 とはいえ、あなた自身は直接見ることは出来ません。触れることもできません。 あなたのお友達を一人お招きしますので、都合を聞いてみてください。素敵なお土産も用意してあります。 お友達だってさ! 弟でもいいのかな? マリエールの瞳がまあるく輝く。そして僕を両手で突き出す。 「もちろん、大歓迎よ」司書のおねえさんはチェシャー猫のようにまた哂った。ママは渋そうに表情をしかめた後、一人のベッドで大丈夫? と問いかけ、その質問に躊躇なしにもちろんっとマリエールが飛びつく。僕の意見はって聞いちゃいなかった。 夜にはヒトコトバンクで実況中継しますから、とママにおねえさんが説明する。限られた文字数だけ一度に投稿することのできるインターネットのツールのことで、必要ないわとママがマリエールに禁止しているものの一つだ。またしてもマリエールにはまだ早いわと弄らせてくれないスマートフォンを使ってママがアカウントを登録している。今夜だけ特別ね。 受け付けの後、突然のことだったので、マリエールはおめかしが出来ていなかったのだけど、僕と一緒に澄ました顔でおねえさんに写真を撮ってもらう。夜の世界に入り込むための入館証明なんだって。あたしの代わりにたくさん見てきてちょうだいな。マリエールが僕の額に額をくっつけて念を押す。うん、任せておきなよ。 ――― また明日とロージーに手を振りママと家路につく。パパはまた本を買ってくるのかな。学校の図書室にある面白い本だとありがたいんだけどな。実況中継が始まる前にご飯を食べなきゃと二日目のポークカレーをマリエールは急いでかきこむ。 ママのスマートフォンがリリ、リリと鳴いた。 一枚目:ちゃんとお泊り出来るかしら。 真っ暗な児童図書室にシーツをかけられたロージーが写っている。ロージー以外にもマリエールのように招待状をもらったこどもたちの相方であるペンギンやイルカ、桃色のカピバラ、モログルミといったふわふわもこもこした仲間たちが一緒に横になっている。ヒトコトバンクに様子を記した一文が写真を飾る。 二枚目:ねぐらへもぞもぞ 一枚目とは別の角度で撮った写真。 三枚、四枚と色んな角度で写された写真。 五枚目:まだ眠れない……。 マリエールはママにスマートフォンを借りロージーの代わりに抱えてベッドに潜り込んでいた。初めて行った蛙軽井文庫に気後れしていささか緊張していたのが今はそれが猛烈な眠気に取って代わっている。砂をかけたように瞼が重くくっつきそうだった。 六枚目:あ、誰か起きてきた。 シーツを跳ね除けたカピバラが他のみんなを見下ろしている。 七枚目:こっちも起きてきた! 八枚目:真っ暗だけど、どこ行くの? 九枚目:「電気発見!」「つけちゃおう!」 十枚目:図書館に住んでいるぬいぐるみたちからご挨拶。おねえさんも合流。 「本は好きなだけ読んでいいからね」「探検しちゃおう!」 夜の吐息を吹きかけられて動き出すぬいぐるみたち。群れをなして図書館の中を練り歩いてゆく。 十一枚目:お話会が始まります。真剣に聞いているのは安土萌さんの「塔の中」 博物館の塔に閉じ込められちゃうんだ。忘れられたらおしまいね。ミイラになってしまうかもしれない! そんな怖いお話。 十二枚目:図書館のロビーにいつもいる、大きなくまさん。アッテンボロー。 「どんな本がいいの。探してあげよう」おねえさんとひそひそ話。 十三枚目:三階にも行ってみたよ。難しい本がたくさん! 一般書籍が開架されている書棚の前に群れ成すぬいぐるみたち。 十四枚目:本の貸し出し、ピッピッ。今夜は特別あなたも司書さん。ピッピッ。 図書のバーコードを読み取っているイルカ。 十五枚目:破れた本、直すぞう。 十六枚目:何かな何かな、立ち入り禁止。ええい鎖を潜っちゃえ! クレタ島の地下迷宮のように広がる図書館の裏側。 アッテンボローを先頭におねえさんが「閉架書庫」の扉を開く。その場所に到るまでの道のりは写真ではまるで分からなかった。 デジタル写真には黄金虫の背中みたいに金属光沢を放って幾つものオーブが飛んでいる。決して舞い上がった塵芥が照り映えているのではない。マリエールの背丈を倍にしたって届かない高さの書棚が所狭し、整然と並び、収められた書物が呼気を放出しているのだった。 もしかしたら地球じゃないのかもしれない。マリエールは目を瞑り、そしてゆっくりと落ちていく。 あたしは亡国のお姫様、マリエール。あなたはロージー、弟で救国の王子様。 本の世界で二人は遊ぶ。世界のしくみを探るために。 あたしは雌蕊。あなたは雄蕊。ライト兄弟の飛行機は冥王星までひとっとび。ダイナマイトは世界の壁を破壊する。アルファベットは昏い神話の道標。数を数えて時間を紐解き呼ぶのは猟犬。北極星で大いなる星の暦を読むのは太古の占い。ふんわりマドレーヌの決め手はとろりと甘い秘密の秘密の蜂蜜酒。狐の嫁入り、稲荷のお社。海の底にも大きな神殿。野球とクリケット、二つは違う。似ていて違うの。私たちの知る神話、宇宙が識る神話。産まれる前に死ぬダニは命を育みまた死んで死骸を食べてはまた産むの。この世界のの果ての果て。草の浮島に住む人は世界の門を守ってる……。 ――― 滑川道夫が志した惡書追放を標語の如く掲げている蛙軽井文庫。その意味は読書世界からの抹殺では実はない。 「……官僚的な統制や禁止による安易で危険な方法は避けなければならない。困難ではあるが、青少年に自主的な判断力を育成する教育と民間の民主的な世論によって是正していくしかない……」 そもそも所蔵しない、ではなく閉架、というのは……。 ――― ??枚目:ぶあつい本がこんなにいっぱい! マリエールに招待状を渡したおねえさんが、古樹の皮のような剃毛した獣革のような材質の分からない乾いた書物の表紙をぬいぐるみたちに披露している。 ??枚目:国会図書館にはあるかしら。 がっぷりと食入るぬいぐるみたちはいまや血肉を宿しすっかり怪魔へと豹変していた。ペンギンはでっぷりとした巨魁を揺らす。イクチオサウルスのようにばりばりと甲殻類を噛み砕くことに適応した歯を幾千本も剥き出したイルカ、毛むくじゃらの獣面を明らかな人の相貌に歪めるカピバラ。口髭を鞭のようにしならせ手指へと進化した足鰭でデジカメを構えた人物に掴みかかろうと身を躍らせるモログルミ。 その諸々は全て一冊の物謂う書物が齎した怪異。 惡書が俗惡娯楽書とは限らないのだ。 ??枚目:おうちでまってる あのこのために。 薔薇色のテディベアが魔宴の中でおぞましい知識を貪っている。傍にいるおねえさんの表情は暗闇がうねってはっきりと写ってはいない。 ――― 五十枚目:楽しかったあ。おやすみな……さい……zzz 夜明けの曙光を浴びながら王様ペンギンやイルカ、桃色のカピバラ、モログルミなどのふわふわもこもこのぬいぐるみたちが身を寄せ合いシーツにくるまっていた。もちろん熊のロージーも。 ――― 「茉莉絵にもそろそろどうかと思って」 パパが買ってきた本はエドモンド・ハミルトンの「暗黒星大接近!」という、キャプテン・フューチャーと仲間たちによる八面六臂の活躍が描かれている空想科学小説で、茉莉絵はその時、ロージーが選んだのよと司書さんがお迎えの際に貸し出してくれたファーブル昆虫記に掲載されている詳細なスジハナバチの巣の図版を熱心に眺めていた。 物言いたげに見上げた茉莉絵の手元に気付いたパパが「お姫様ごっこは卒業なのかい」と造作もなくカーペットに転がっていたロージーを抱え上げぽんとはたく。 長い睫毛の影が落ちた黒目がちの瞳はやけに狂熱を帯び、ロージーに伸びた指先が震えている。興奮が収まらない様子の茉莉絵に「帰ってきてからずっとこう」とママ。 ロージーと共有した途方もない、それこそママが「ろくなものじゃない」と評する空想的なお話を茉莉絵は話そうかどうしようかと考えあぐねていたのだった。 パパに促されるままに口を開く。 「あのね、ロージーがこう謂うの。 あと少ししたら、太陽よりずっと遠くから原始地球より旧いものがくるって。 まどろみから目覚めるって、深い海の底からも、途轍もなく力強い何かが、 足元のずっと下のマグマ溜まりからも、遥かな時間の彼方からも。 星がぐるぐる一巡り。そうしたらもう勉強しなくても構わないんだって。 あたしどうなっちゃうんだろ。ドキドキする。あたしの中からも」 感想BBSへ