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多人数競作_様々な剣牙虎 ※転載者より 下記の書き込みは非常に短く、単品でwikiにアップするするには問題があると判断し、1つにまとめています。 528 :名無しさん:2013/11/27(水) 08 37 15 523 毛皮で思い出したけど大陸日本の戦国時代でも剣牙虎の毛皮はカブキ者に重宝されてたのだろうか? あとネタ 小剣牙虎(しょうけんがこ) 小型(と言っても大型犬サイズ)の剣牙虎。 品種改良の過程でより分けられた(小柄な)固体同士を掛け合わせ(再利用)で偶然生まれた品種。 通常の剣牙虎に比べて餌代など諸々のコストが低いのでペットとしても人気が高い。 544 :名無しさん:2013/11/27(水) 12 43 20 528 追記 小剣牙虎(しょうけんがこ) 小型(と言っても大型犬サイズ)の剣牙虎。 通称:小猫(こねこ)。 品種改良の過程でより分けられた(小柄な)固体同士の掛け合わせ(再利用)で偶然生まれた品種。 通常の剣牙虎に比べて餌代など諸々のコストが低いのと(比較的)狭い敷地(と言っても庭付き一戸建てレベルはいる)でペットとしても人気が高い。 又、通常の剣虎兵が儀礼的な組織に変質したのに対して大陸日本および其れを範とした各国でも警察犬や軍用犬の代わりとして運用されている。 あとフィクション等で黒幕のペットとしても用いられる。 548 :名無しさん:2013/11/27(水) 12 57 08 ネタ追加 白剣牙虎(しろけんがこ) 通称:白猫(しろねこ) ホワイトタイガーやアルビノ体質の猫との掛け合わせで生まれた品種。 主に冬戦教などの降雪地帯で運用される。 936 :名無しさん:2013/11/29(金) 05 37 16 ネタ 剣虎騎兵(けんこきへい) 予備知識無しでこの言葉を聞くと『剣牙虎に騎乗した騎兵』を想像するがそうではない。 『操虎技能を有する騎兵』つまり『剣牙虎と騎兵の複合兵科』である。 通常の剣虎兵の移動手段が徒歩である事から剣牙虎本来の機動力を損なっていた。 それに対して騎馬により剣牙虎本来の機動が可能な剣虎騎兵は機甲戦力が登場するまでは機動力と打撃力を兼ね揃えた『最強の陸戦兵科』と評された。 しかし剣牙虎に慣れる(恐れない)馬(黒王号や松風レベル)とそれらを乗りこなし且つ操虎技能を有する人材その物が希少な事からその有用性に反して古来からその規模は必然的に小規模にならざる得なかった。 事実、剣虎兵の本場である大日本帝国でさえ組織レベルで編成されたのは実質、近衛剣虎騎兵師団のみである(少数の戦術単位レベルならば騎兵科や歩兵(剣虎兵)科などで運用されている)。 682 :名無しさん:2013/12/11(水) 14 01 01 「剣牙虎の品種改良ってどんなのがあるかな?」 って疑問から受信したネタ 和名:黒剣牙虎(くろけんがこ) 英名:ブラックサーベルタイガー 品種改良の仮定で生まれた体毛が黒単色の剣牙虎。 光沢を有する体毛から多くの愛好家を有する。 769 :名無しさん:2013/12/18(水) 18 17 43 そういえば憂鬱世界で人体実験送りになった連中はどうしてるのだろうか? あとネタ ○○(産地名)剣牙虎 ○○(産地名)剣牙虎(○○けんきこ)は、日本大陸○○原産の剣牙虎。 日本大陸でも欧州に於ける馬同様、血統管理による品種改良(大型化による戦力化)が行われていた。 その過程で小柄だったり気性が荒い等の理由で撥ねられたな固体も当然存在した。 それら『撥ねられた固体』の内小柄な固体を引き取った某戦国武将(通常、大型種の購入が難しい)がこれ等を掛け合わせて生まれた品種。 通常よりも小型(それでも大型犬(例:パトラッシュ)だが通常種同様、知的で忠誠心と服従心に富み訓練を好む性格から 日本大陸では様々な訓練が施され、災害救助、軍用、警察、など他国におけるK9(軍用犬や警察犬などの作業犬)と同様に活用されている。 得に軍用虎(ぐんようねこ)は訓練次第では尻尾を用いた『テールシグナル』による『静な伝達』が可能な事から特殊部隊(挺身剣牙虎兵)の随伴用として重宝されている。
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千早「あなたはお名前なんて言うの?」 剣牙虎「ニャー」 執筆開始日時 2012/10/15 元スレURL http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1350246517/ 概要 765プロ事務所 P「お疲れ千早、また明日な」 千早「お疲れ様でした」 社長「あー如月君、ちょっと待ってくれ」 千早「どうしたんですか社長?」 社長「君のマンションは確かペット可だったね?」 千早「ええ、確かそうでしたけどそれがどうかしたんですか?」 社長「私の友人が旅行に行っている間、猫を一週間ほど預かることになったんだが、明日急な出張が入ってしまって……明後日の夜、私が帰ってくるまで猫の世話を頼めないかね?」 千早「猫ですか……私は構いませんが、それなら我那覇さんに頼んだほうが良いのではないでしょうか?」 社長「少し問題があってね……我那覇君には頼めないんだ」 千早「わかりました。明後日の夜までですね」 社長「すまないね。明日の朝、事務所に連れて来て音無君に預けておくから、彼女から受け取ってくれ。よろしく頼んだよ」 タグ ^如月千早 ^皇国の守護者 ^クロス まとめサイト SSちゃんねる SS保存場所 ストーリア速報 ひとよにちゃんねる
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374 :影響を受ける人:2014/04/15(火) 22 02 06 突発的ゲリラ投稿 日本大陸系SS 修正版 なんとなく作ってみた。特に続きは無い。 良く読んで知らないのに書いてみました。 歴史も詳しく知らないので、あまりツッコまないでください。 とある剣牙虎はみた・・・らしい 一匹目 吾輩は猫である。 え? 吾輩は虎である? 否。 今は子供なので猫である。間違いない。 今、吾輩は森の中を歩いている。 理由は簡単である。 育ての親が死んだ。 これだけである。 なにかと戦闘をしたのか傷だらけであった。 そしてそのまま息を引き取った。 このままでは飢えで死んでしまう。吾輩は兄弟を置いて移動を開始した。 非常と言うなかれ。自然界は厳しいのだ。 だが吾輩はまだ子供。餌の取り方などとんとわからん。 何処か広い所に出て、吾輩は力尽きて寝ころんだ。 もはやこれまで・・・ん? 「ほぅ・・・猫じゃ。猫がおるぞ、犬千代。」 「どうやらまだ子猫の様ですな・」 「ふむ・・・」 人か、これでも野生児である。 威嚇をしておく。 「おお。痩せ細っているのに威嚇をしてきおったぞ!!」 「胆はあるようですな。」 「気に入った!こ奴を連れて帰るぞ!!」 抵抗できぬ吾輩はそのまま連れ去られた。 後に知ったが、連れ去った下手人は信長と言うらしい。 ――――― 「ははははは!どうだ、又掻【まがき】よ!人が多いなぁ!!」 吾輩は猫である。あれからずいぶん成長した。 最初は喰われるかと思ったが、そうではなかった。 寝床は気持ちよく、エサは取らなくても来るので快適だった。 代わりにいろいろ連れまわされたが・・・ 今は谷の様な所に立っている。雨だから寝ていたかったのに・・・ 「さぁもの共、行くぞ!」 「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」 一応ご主人と言って置いている信長が声を上げたら、周りの奴らも奇声を上げて崖を下っていく。 こいつらは頭がいかれているのか? 普通こんなところを下ろうとは思うまい。 しょうがないのでついていく。飯をくれるのがいなくなっては困るのだ。 取りあえず駆け下って、己と同じ境遇の猫と共に相手をなぎ倒す。 相手の命を刈り取る行為であるが、吾輩容赦せん。 刀痛いし。 槍痛いし。 矢も痛いし。 最近は鉄砲も出てきた。あれは音と匂いが嫌だ。 お、何やらキラキラ光るのが出てきた。 取りあえず仕留める。 「おお!殿の猫が敵将を打ち取ったぞ!!」 おや?
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375 :影響を受ける人:2014/04/15(火) 22 03 05 突発的ゲリラ投稿 日本大陸系SSの続き なんとなく又、作ってみた。続けていいモノかわからない。 良く読んで知らないのに書いてみます。 やっぱり歴史も詳しく知らないので、あまりツッコまないでください。 遊びでキャラが崩壊しています。 とある剣牙虎はみた・・・らしい 二匹目 吾輩は猫である。 名前は【又掻:まがき】という。 子猫であったころに、股を掻いていたのを見て付けたという。 訂正を要求したい 「はははは! そう懐くな!」 笑うな。 それはそれとして吾輩は今・・・えっと、どこだ? まぁいい。猫には不必要な知識なので、覚えなくてもいい。 確か痒い名前だったと思う。どうでもいいな。 前の戦で、でかい鉄砲を手に入れたから上機嫌である。うざい。 「さぁ、ゆくぞ!」 どうやら仕事の様である ――――― 仕事が終わり、今城にいる。 ああ疲れた。芋が食いたい。 「今回も活躍したのう。【又掻】は働き者じゃ。」 「そうですな。今回も武将を打ち取っています。」 「他の者達も負けん様にしろよ! ははははは!!」 大声を出すな。腹に響く。 そして犬公。吾輩は知っているぞ・・・ 信長と犬公はツガイじゃないのに繋がっていた事を・・・ こっちくんな。気持ち悪い。 「お兄様。お帰りなさいませ。」 「おお、お市か。」 「【又掻】もご苦労様。」 この方はお優しいので好きだ。 良く撫でてくれるし、痒い所を掻いてくれる。 時折おやつもくれる。 良い御方だ。 「ふふ・・・ 男同士、いいわね。ぐふふふ・・・」 これさえなければ。 ――――― 「はぁ・・・」 寝床で寝ていると、またアイツがやってきた。 何かと困っているとよくやってくる。一時期、吾輩のお世話を任されていたからだろうか? 「いい加減、殿は儂の事を“サル”と言わなくなるのはいつだろうか?」 しらん。寝るのを邪魔するな。 「【又掻】はいいなぁ。戦でも活躍しているし・・・」 だから文句を吾輩に言うな。うっとおしい。 お前が“サル”と言われるのは、顔つきが山猿のようなゴツイ顔だからだ。 誰よりもでかいくせ、に器用だからなのも一因ではないのか? 頭一つとびぬけて大きいくせに、小さい事で悩む奴だ。 それはそうと、干し肉は頂くぞ。 以上です。 ちょっと遊んでみましたが、大陸成分が無い・・・ 30分で書いたモノだとこんなものか・・・ 皆様の御意見を待っています。
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408: ハニワ一号 :2018/07/30(月) 21 20 30 虎城神宮 剣牙虎が多数生息している事で知られている日本大陸の虎城地域の都市である虎城市にある神宮で剣牙虎を祭る神宮として有名であり日本大陸の各地にある剣牙虎神社の総本宮である。日本神話に出てくる剣牙虎の神や女神たちを祭神としている。また2600年以上の長きにわたる日本大陸の歴史で活躍して神格化された剣牙虎たちも祭神として祭られているのである。 このように虎城神宮は古くから古事記や日本書紀にも記載されるほどに大陸日本で最も古い神宮の一つであり、剣牙虎の神々を祭り剣牙虎を神使とするなど古くからの日本大陸における日本人と剣牙虎の関わりを示す歴史的遺産が多数残されている。神道の虎城神宮の印象が強いが仏教や景教など日本大陸にある宗教が剣牙虎を祭る大寺院や大教会などが虎城市に建立されている。 剣牙虎を祭る虎城神宮と同じような日本大陸の動物を祭った神社として蝦夷象を祭った蝦夷象大社が最もよく知られているだろう。 そのため虎城神宮と虎城地域には日本大陸における日本人と剣牙虎の関わりを示す建物や国宝などの宝物、刀剣などの武器類、文化財、遺物・遺跡、伝統芸能など多数にわたる歴史的遺産を現代にまで伝えていて世界遺産にも登録されている程である。 元々、虎城地域は古くから剣牙虎が多数生息している地域である事も手伝って朝廷が力を持っていた時代には朝廷が直轄下に置いていた程に優秀な剣虎兵の産地として知られており虎城地域を味方に付けたものが天下人になるといわれたほどである。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など歴代の天下人たちは皆が虎城地域を押さえており、配下となった虎城産の剣虎兵が戦場で大活躍をしたのは歴史的な事実である。現代の軍や警察が採用している剣虎兵の多くが虎城出身の剣牙虎と言われている。 そして虎城神宮がある虎城市には他の日本大陸の地域にはない特別な特色がある。それは奈良の鹿や厳島神社の鹿のように虎城地域では剣牙虎は神使として大切にされ虎城市の街中では放し飼いされた野生や人間に飼育されている多数の剣牙虎を目にすることができ、しかも剣牙虎に触れ合える事ができるために虎城市の観光の目玉となっているのである。 なお上記の理由から虎城神宮と虎城市を観光する場合は自己責任が原則なのは当然であるがそれでも剣牙虎を生で触れ合えるのが魅力的らしく日本大陸の観光名所人気ランキング第1位の座を長く独占するほどに虎城神宮と虎城市を観光に訪れる日本人や外国人が多数訪れているのである。 410: ハニワ一号 :2018/07/30(月) 21 23 22 あとがき 久しぶりの日本大陸ネタとして剣牙虎を祭る神社を書いてみました。虎城神宮を書いてみた一番の理由は皇国の守護者のように日本大陸でも街中を当たり前のように剣牙虎がいるという人間と剣牙虎が共生している特別な地域を出してみたかったからです。 また虎城という地名は皇国の守護者を読んだ読者なら知っていると思いますが皇国の守護者では剣牙虎の産地として知られている地域で日本大陸でも有名な剣牙虎の産地として虎城という地名をお借りしました。
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418 :名無しさん:2013/11/26(火) 18 32 09 前スレでネーデルさんちのサーベルタイガーネタSSを書いた者です。 酒飲んで寝ぼけ眼で書いたSSですが意外な反応がありましたので続きを書いてみました。 我ながら無理筋だとは思います。 転載していただけるならうれしいです。 419 :名無しさん:2013/11/26(火) 18 33 00 不屈の虎 「何故です!?何故!?」 その男――ネーデルランド王国陸軍の砲兵大尉の階級章をつけた男は、仏赤軍に見つかる危険性さえ無視して獅子吼する。 アルティス王立動物園。 1843年にアムステルダムに設立され、現在600種以上3000頭の動物を飼育する伝統ある動物園である。 その目玉は100年以上前に日本の江戸幕府より送られた剣牙虎だ。 否、目玉であった、と言うべきか。 フランス赤軍のオランダ占領、そしてフランス国家憲兵隊より「東西帝国主義の象徴たる剣牙虎の殺処分」が通達されて半日。 俄かに処刑場の空気を漂わせ始めたこの動物園では、その存在はもはや過去のモノとして語られようとしている。 「フランスは、共産主義で気が触れたあの愚か者どもは。このネーデルランドの独立を凌辱しただけに飽き足らず、王国が築き上げてきた伝統も!誇りも!貴国との長年に渡る友情の証さえも死滅させると宣言したのですよ!」 罵声じみた大尉の非難を浴びてなお、剣牙虎の飼育員――元剣虎兵である日本人の老人は半地下に位置する剣牙虎の飼育ゾーンで全てを諦めたかのように座り込んでいた。 剣牙虎の飼育知識を買われ、飼育員として勤務していただけのこの老人に出来ることはもはや何も残されていないのだ。 「・・・両陛下はドイツ帝国、および日英両政府の庇護下にあり、仔猫達もお連れ頂いている。ネーデルランドの伝統も、誇りも、君達との友情も決して消える事は無い」 「だからと言って黙って殺処分を見ているなど!それが貴方の誇りですか!名誉ですか!貴方はそれで満足なのですか!」 『満足なわけんだろうがぁ!?ガキがぁ舐めたこっ言うほいならん!』 「・・・!」 感情が高ぶったのか、祖国の方言で叫びだした老人に大尉は絶句する。 『おいも猫ば助けたかぁ・・・!親子揃って姫殿下にお見せしたかぁ・・・じゃっどん・・・じゃっどん・・・いけんすればよかぁ、なぁ・・・』 東洋より来た小柄な老人が剣牙虎の檻に取りすがって涙を流す。 よほど老人に懐いているのか、剣牙虎達が代わる代わる近づいて慰めるように喉を鳴らしている。 中には大尉を睨んで威嚇している剣牙虎もいた。 「・・・私に剣虎兵としての訓練を施してください」 その光景に大尉は姿勢を正し、決して最善ではない己の提案を口にした。 「銃火器を使用しない剣虎兵は市街地での作戦行動に向いているはずです」 何よりもオランダ人のレジスタンス活動の象徴として。 420 :名無しさん:2013/11/26(火) 18 34 50 「・・・どうやって猫をアカどもから逃がす」 助けたい剣牙虎をレジスタンス活動で危険に晒す、その矛盾に満ちた提案はそれでも元剣虎兵の老人の戦術的嗅覚に一縷の希望を臭わせた。 「処分前に餓死した事に、金を積めば下っ端を買収するのは簡単です・・・全てを助ける事は出来ませんが」 現実問題として剣牙虎達への餌の配給は滞っていた。餓死寸前の剣牙虎がいることも事実だ。 「活動中の餌はどうする?」 「連中が補給に使っている馬匹を」 「隠れ家は?」 「仏赤軍のお陰でオランダ中廃墟には困りません」 「最終的な目標は?暴れてそれで満足するのか?」 「王国解放、少なくともその精神の支えに・・・何より」 無謀なレジスタンス活動の結果、剣牙虎達は死ぬかもしれない。 「それでも、黙って共産主義者に処刑されるよりは、何倍も満足できる死に様です」 『――よか』 他の細かな理由付けより、その返答が一番気に入ったのか、初めて老人は笑みを浮かべる。 それは死を前にして獲物を見つけた、年老いた剣牙虎のようだった。 「お前に剣虎兵の全てを教えてやる」 ゆらりと立ち上がる老人の背に、生気が宿る。 頬を伝う涙は、止まっていた。 「よろしくお願いします教官殿!」 「教官殿はよせ、軍は辞めたからな・・・『師匠』でいい」 「はい!シショー!」 結果、王立動物園で飼育されていた剣牙虎12頭のうち4頭が生き延びる事に成功。 俄か仕立ての戦虎となり、フランス国家憲兵隊を主な目標としてフランス軍後方部隊への襲撃活動を開始する。 フランス赤軍の度重なる掃討作戦に剣牙虎は最終的にその数をたった1頭へと減らしたが、最後までフランス赤軍後方に出血を強要し続け、日英独連合軍によるアムステルダム解放作戦時には王宮の奪還に尽力し、オランダ王室の帰還を最初に出迎えることになる。 ヨハネス・ヘンドリック・フェルトマイヤー砲兵大尉。 ヨーロッパ最初で最後の剣虎兵。 敵味方より『ネーデルランド不屈の虎』と呼ばれ、フランス国家憲兵隊に死神として恐れられた男はこの瞬間誕生した。 終わり
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688 :四〇艦隊の人:2013/11/14(木) 17 45 43 剣虎兵二〇XX年 日本大陸において、古くから動物兵器として用いられていた剣牙虎であるが、幕末から日清、日露の戦乱の中で急速に発展していった軍事技術は、あっさりと剣虎兵を過去の遺物として歴史の片隅に追い遣ろうとしていた。 そして剣虎兵が事実上最後に出征した欧州大戦、そこで剣虎兵は兵科としての道に止めを刺された。 欧州の地で戦われたのは徹底した火力戦、そして陣地に拠っての消耗戦であった。剣虎兵の得意とする夜間浸透や白兵強襲はほとんど行われなかった。 欧州には第一、第二剣虎兵師団の剣牙虎約五〇〇頭が送られたが再び祖国の地を踏めたのは実に二八頭、四〇〇頭以上の剣牙虎が欧州で散った。 第一、第二剣虎兵師団はまた出征時には合計四万人だった兵数が帰還時には八千人を切っており、帰還直後に解体が決定された。 これが剣虎兵の終演となるはずであった。 しかしそれを良しとしない人たちがいた。その筆頭が日清・日露の両戦争で熟練した剣虎兵として戦った、新城直衛准将である。 当時近衛軍にいた彼とそのシンパたちはどんな形でもいいから何とか剣虎兵を存続させようとし、努力の末にいくつかの代償と引き換えに剣虎兵の存続を勝ち取った。 ・剣牙虎の総数は六百頭以下 ・舞台の規模は合計で一個連隊以下 ・新城准将の今後の出世 彼らはこの三つの代償を受け入れて剣虎兵を存続させた。 その彼らの努力の結晶がこの後に述べる二つの部隊である。 ・近衛第五〇一鉄虎兵大隊 兵員約一〇〇〇名 剣牙虎四〇〇頭 一九二〇年に編成された近衛軍指揮下の剣虎兵部隊。 事実上の儀礼部隊であり、20XX年現在はカウンターテロ部隊としての任務も行っている。 余談だが全日本軍中最も多く帝都東京を行進した部隊でもある。 これは各国の首脳クラスや大使、公使が日本を訪問した際に、火急の用件でなければ必ず皇居に挨拶に行き、これに対し宮内省は車か馬車による出迎えと近衛軍から一個中隊規模までの護衛を派遣するのだが、この派遣する車両と部隊はゲスト側の希望に沿う。 そして車両は馬車、部隊は近衛第五〇一鉄虎兵大隊を希望する例が圧倒的に多いのである。 このため近衛第五〇一鉄虎兵大隊指揮下の近衛第五〇一一鉄虎兵中隊は剣虎兵の中から特に選りすぐった美形の兵士と、同じく美形の剣牙虎が配属されており、写真集まで作られるほどの人気(特に女性)を持っている。(反比例するように他の剣虎兵部隊からの評判は悪い(イケメン爆発しろ的な意味で)) 第五〇一二、第五〇一三鉄虎兵中隊は第五〇一一鉄虎兵中隊とは異なり、カウンターテロ部隊としてテロリストを狩り出す役目を持っており、特に剣牙虎の咆哮は人間に本能的な恐怖心を与えるため、比較的容易な制圧を可能とする。 ・第一一独立捜索剣虎兵大隊 兵員約一〇〇〇名 剣牙虎二〇〇頭 一九二〇年に編成された北海道方面総軍司令部直属の剣虎兵部隊。 主に敵後方での偵察行動と破壊工作を担当する。 冬戦争の際にはなぜか相棒の剣牙虎を買い取って、フィンランドまで一緒に旅行に行っていた同部隊を退役した元兵士たちが多数フィンランド義勇軍に志願。ソ連赤軍の兵士たちを文字通り喰い散らかした。 公刊戦史上はこの戦闘が、剣虎兵が実戦に参加した最後の戦闘である。 690 :四〇艦隊の人:2013/11/14(木) 17 51 52 ここまで。 騎兵が第一次大戦に軍から消えたように剣虎兵もまたその運命を余儀なくされるだろうなと考えて、 逆に剣虎兵が生き残る道とは何か?を考えるとこうなった。 突っ込みどころが多いのは認めるけど後悔はしていない。 697 :四〇艦隊の人:2013/11/14(木) 18 03 47 691 個人的な考えでは、欧州の戦場は剣虎兵にとって最悪といってもいいほど条件の悪い戦場でした。 しょっちゅう鳴り響く爆音によって剣牙虎の耳がだめになりあたりに立ち込める硝煙の臭いで鼻がだめになります。 なおかつ剣虎兵は基本的に剣牙虎を帯同した歩兵でしかないので、機関銃のような大火力にさらされるとあっさり大損害を被ります。 ちなみに新城さんは上記の条件三つに加えて個人的な政治努力で欧州への剣牙虎派兵を強要した某大将を退役に追い込んでますwww 696 各国の外交官にとって日本大使は一種の憧れの役職になりそうです。 707 :四○艦隊の人:2013/11/14(木) 19 08 11 705 個人的な設定だと、海軍は比較的早期に夢幻会派が権力を掌握しましたが、陸軍はだいぶ遅れて第一次大戦後になりました。 夢幻会情報がかなり有効に働いた海軍に比べ、陸軍はあの戦力差なら小細工無しでも充分勝てた、という某大将の一派が台頭して、陸軍の夢幻会派と抗争をしていました。 夢幻会の会合は下手に内乱紛いの事をしてまでパージするより言動を誘導して第一次大戦での失脚に誘導する方が結果的にキズが浅くてすむ。 ついでに白兵戦最強論者の脳筋共もまとめて痛い目に遭ってもらって、ショック療法で改善されればそれで良し、駄目なら……。 と言うような陰謀を働かせていました。 ちなみに言うまで無いでしょうが、新城シンパの三割は新城の部下たちの生き残りですが、七割は夢幻会派です。
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98 :ハニワ一号:2013/01/12(土) 22 56 26 剣虎兵について 古来より人間は動物を軍事利用してきた。馬、象、ラクダ、鳩などが有名であろう。 地域ごとの特色のある動物兵器があり、インドでは戦象、アラブではラクダ騎兵の印象が強い。 我が日本で有名なのは剣虎兵であろう。これは日本大陸に生き残ったサーベルタイガーを軍事利用したものである。 サーベルタイガーは日本では昔から剣牙虎と呼ばれてきた。 頭が良く猛獣でありながら人に慣れやすく人間の言葉もよく理解しじゃれ付く加減も心得ている、 そして飼われた剣牙虎は不思議と人肉を食さない不思議な性質を持つため日本大陸では古来より 権力者の愛玩動物として飼われ軍事利用されてきた。 古くは大和朝廷によって軍事利用された記録があり、地方平定で功績をあげた。 樺太、北海道に襲来した当時世界最強のモンゴル騎兵を相手に鎌倉幕府が動員した剣牙虎が活躍した。 その凄まじい活躍ぶりは、戦わずして剣牙虎の咆哮でモンゴル兵の部隊が壊滅した等の逸話を残すほど その機動力とまさに獣じみた戦闘力を見せつけた事から察せられよう。 モンゴル軍の生き残りがフビライ・ハーンに日本に剣牙虎がある限り日本大陸侵略は不可能であると 進言した事に激昂したハーンであったが多大な犠牲を払って捕獲した剣牙虎の戦闘能力を見た事と、 日本本土の大量の剣牙虎の存在を知ったことでようやく日本侵略を断念した。 まさしく剣牙虎の存在が日本大陸を守ったといえよう。 しかしながら剣虎兵の牙が乱世の時代には同じ日本大陸の住人に牙をふるった事も忘れてはならない。 戦国時代に訪れた南蛮人の宣教師たちは、戦国大名が猛獣を飼いならして動物兵器として利用していることに 驚愕した報告書が現存している。 乱世が終結し、江戸時代になってからは愛玩動物として飼われ兵器として使われる事のない平和な時代を謳歌した。 この状況が変わるのは幕末であり、剣虎兵が再編成された。 時代遅れという声もあったが幕末の混乱の中で示した剣虎兵の咆哮による心理的効果、夜襲などによる戦果から使い方次第では 敵に高い打撃を与えられる事からから再評価が進み、創設されたばかりの大日本帝国軍でも剣虎兵を創設した。 日清戦争や日露戦争にも剣虎兵は派遣されて活躍した。また剣虎兵の存在が持つ威嚇効果から占領地の治安維持に活躍した。 なお、 「いやっほう。剣牙虎がいるなんて魔王の物まねしようか。どうだ似合うか。」 「よし、<陸軍独立捜索剣虎兵第11大隊>、<近衛衆兵独立鉄虎第501大隊>を作ろう。」 「美しい雌猫を千早と名付けて可愛がろう」 という会話が転生者の間で交わされたかどうか定かではない。 今日までの活躍により、剣虎兵は「世界最強の動物兵」の評価を与えられている。 現代の大日本帝国軍では今でも剣虎兵を存続しており、欧米の動物愛護団体からは太古からの生き残りである貴重な生物を 兵器利用していると批判されている。 当の日本では古来からの剣虎兵の活躍から日本国民に皇国の守護獣として親しまれており、人気の高い兵科となっている。
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559 名前:霧の咆哮[sage] 投稿日:2024/01/01(月) 23 41 05 ID KD111239163113.au-net.ne.jp [2/11] 〇提督たちの憂鬱系統知らない方が、日蘭世界に転生したらこんな感じになるのかなって反応集その1 「まじか……これが夢、じゃないなら流行りの転生ネタって奴か。まさか実体験することになるとわ」 ー洗面所の鏡に映る自分を見て、アラサーのおっさんだった彼が、明らかにショタらしいボディになった今世を自覚してしまう。 頬を抓っても痛いし夢じゃない。 学校が夏休み中な彼は惰眠を貪って昼前に起きたばかりであり、両親は共働きで既に出勤済みだった。 お疲れ様です。 「スマホが小学生位の自分でも当たり前のように持てるってことは、技術レベルもちゃんと21C以降の現代相当」 「日本、大、陸……? てっきり二次のテンプレみたいな、デレマスやガルパン、最近の流行りなら推しの子やダンジョン出現配信世界とかそっち系ではないのか。 ある意味では仮想戦記で日本が天下の米帝に勝ちました、みたいな世界線よりトンチキ来たな」 ー自分の中の記憶や知識のすり合わせと、現状認識の為に手元に合ったスマホで色々検索している彼。 家に他に誰もいないからって、混乱もあるのかつい独り言が止まらない。 「野生の狼や鰐や馬がいるのは、アメリカとかの例からしてわかるけど、象や自分の知るゾウガメよりでかい陸大亀にその上位種の陸皇亀。 何より、剣牙虎なんてどう見てもサーベルタイガーまで存在ってどんな生態系してるんだ大陸日本」 「日本狼は史実と違って絶滅してないんだな、鰐は狼や熊以上になんか危険視されて絶滅寸前なほど個体数減らされてるけど。 しかも今上げた動物で剣牙虎が軍事用の高等教育や選別をせず、飼育スペースや費用とかさえ何とかなれば一番飼育し易い扱いって……」 ー蝦夷象他、前世日本では現住していない、してたまるかな大陸日本の大自然を形成する大型種に宇宙猫になる彼。 なお、剣牙虎のキーワードで刺激された記憶で、自分の祖父母の家でも剣牙虎飼われてるし、お隣さん家には陸大亀もいる事実を思い出してしまう。 大型犬複数と、剣牙虎1頭とではどっちの方がコスト安いのやら。 特に剣牙虎は体格に見合わないほど少食なのにあの戦闘力や体格も維持できている、3割位ファンタジー系生物に足突っ込んでる生物だし仕方ないね。 あれで魔法でも使えてたら完全に魔獣や聖獣の類になっていた。 というか、大陸世界でダンジョン出現みたいな作品作られてると、そっちでは大陸日本の既存生物も聖獣化とかパワーアップする奴出ていそう。 「剣牙虎の人気も知名度もあの日本ユニーク生物の中で圧倒的だな。中国のパンダ外交ならぬ剣牙虎外交がこの世界じゃ成り立ってるし いや、モフモフでかっこよくて強くて人に懐いて穏やかで戦争でも活躍した生物が人気出ないわけがないんだが」 「銃の台頭以降でもそれまで軍で運用されてた象や亀が輸送用に、それすらも機械化でお役御免になる中で後のゲリラ戦や偵察部隊とかで暫く現役続けられたの凄いな。 今も軍では儀仗隊みたいな儀礼的な部隊どころか、山岳部隊とかの一部に少数でも現役なんだ。メインで一番多いのは皇宮他の警察・警備隊のようだけど。 親日国の警察隊や王室親衛隊だかにもいるようだし」 ー剣牙虎達の情報の掘り下げを行う彼。 剣牙虎はなろう系とかでフェンリルみたいなモフモフ巨大生物が何で人気か、の特徴を満たす生物だし人気出るのも当然であった。 「獣用パワードスーツ? え、人用のPSがとうの昔に軍民問わず大々的に実用化されてるのも驚きだけど、獣用まであるのか それで本来なら予後不良になっていた競走馬も医療用PSというかサポーターで支えられることで、死ぬ件数減ってるのは良いことだな。 ライス……スズカ……う、頭が」 「この世界では介護系も3K扱いじゃないのは良いなぁ」 ーちょっとトラウマを刺激された彼。 日蘭世界は人の強さを色んな意味で重要視する世界であり、一例では日米世界より自動人形とかそっちよりPSみたいな人体強化技術を優先してるイメージが作者にもあった。 その延長線で長らく人と共にある動物達を助ける為にPS技術を応用するってのも納得できる面はある。 そりゃ愛馬や愛虎達が老いたり病気になってもPSで身体助かるなら、助けたいよね。 「ポーランドの軍用PS馬部隊かっけぇww関係者に半ば趣味みたいな部隊扱いされてるけど、ちゃんと実戦で成果もあげてるの凄い。実にロマンある」 「剣牙虎がまだ実戦部隊で行けるのもPSの恩恵からか。そうでないとやはり一度戦場から姿消してたのか」 ーポーランドの軍用PS馬部隊の、馬の重PS装備にウケる彼。 以上です。 wiki転載は例の如くご自由に。 当初はタイトルにその1付かない予定でしたが、アイディア候補が沸いてきたので、こちらの続きも多分いけそうです。
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256: 弥次郎 :2018/11/02(金) 18 19 05 HOST p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp 日仏ゲート世界 「ご挨拶」 日仏を結ぶゲートが開通して数カ月余りがたったころの話である。 その日、日本大陸を訪れていたフランスの外交使節団は、かねてから希望していたふれあいの場に向かうことになった。 何を隠そう、彼らは日本大陸を訪れて初めて目撃したのである。馬牛などと並び日本大陸において生活に溶け込む猛獣「剣牙虎」に。 フランスにおいて、というか欧州においては基本的に肉食文化であることも手伝ってか、肉食動物というのは恐怖の対象であった。 一方で日本はむしろ穀物を育てる文化であり、田畑を荒らす鹿などを追い払う存在である狼は信仰の対象にすらなるほど身近であった。 剣牙虎もまた、狼と同じく信仰をある程度集めるほどの知名度があり、戦場においてはペアを組んで戦う専門の兵科が存在するほどであった。 彼らは獰猛ではあるが、人になつき、人と共に行動をし、人を超える力を持って人を支えてきた。 なぜ彼らのような肉食獣が人間という生物に近づいたのか、また人間が自己を容易く超える肉食獣を従えると決断したのはなぜか、現代になってもその手の疑問は尽きることはない。ともあれ、彼らは人間と共にあることで、今日まで生き延びてきたのである。 よって、欧州から来た彼らにとっては、人間の生活に溶け込んでいるという時点で驚愕すべきことであり、 さらにはその猛獣を引き連れて戦う兵科が存在するということにこれまた驚きを隠せなかった。これによって一周回った彼らの好奇心は、その猛獣を間近で見たい、あわよくば触れ合いたいという欲求を生み出したのであった。 それに対して織田幕府は別に隠すものでもなかろうということで許可を出した。繰り返しになるが、少なくとも日本大陸の人間にとって、剣牙虎とは身近な存在であり、軍事的に使われることもあるが、かといってそこまで隠匿するようなものではなかったのだ。 寧ろその存在感があることで一種の抑止力として働くのであって、フランス人に対しても同じような感覚で許可を出したのであった。 ただし、いくらかの条件、というか、必要な処置というものが存在していたのだが。 必要な処置、それはすなわちフランス人の体臭問題であった。 彼らフランス人に入浴という風習が無かったわけではないのだろうが、3日に1回はいればとんでもない綺麗好きというレベルの彼らは、普段風呂には入らないし、体臭をごまかすために香水などを使っていた。結果ではあるが、蓄積した臭いとそれをかき消そうとする香水のミックスで、これまたとんでもないレベルの臭いを放っていたのであった。さらに彼らが普段暮らしているのは、窓から汚物が降ってくるような世界である。 その匂いがさらに染みついているために、犬猫は近寄ろうとせず、鼻の効く日本人ならば顔をしかめるレベルであった。 当然のことながら、剣牙虎の鼻はよく効く。基本的に人がいて宥めることもできるであろうが、それでも悪臭の塊がなれなれしく近づけば、誇り高い側面もある剣牙虎の機嫌を損ねかねないし、場合によっては命の危険もある。だが、相手国の外交官を傷つけるなどあってはならない。 例え相手に原因があろうとも、正論が通じるとは限らないし、相手国との間にトラブルを抱えてしまうのは交流開始初期ということもあって避けたいところ。 『ということで、皆様には剣牙虎と触れ合うために準備をしていただくことになります』 フランス語通訳の夢幻衆の井上は若干冷や汗をかきながらも、剣牙虎の調教を行うプロ---一般には師範と呼ばれる人物の言葉を訳し伝えた。 正直、気が気ではない。ざっくばらんに言えば「あんたら臭いから会わせられない」なのだから。勿論言い回しには気を付けた。 この時代のフランス語と自分達のフランス語が相応に違うところがあるために、わざわざ詳しい人間に聞いたほどだった。 これが相手を怒らせるような結果にならないことを、井上はひたすらに祈るしかなかった。 257: 弥次郎 :2018/11/02(金) 18 20 21 HOST p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp 結論から言えば彼らは、フランスの外交使節は剣牙虎兵側の要求に鷹揚に従うと告げた。 彼等も、表にこそ出してはいなかったのだが、剣牙虎に少なからず恐怖を抱いており、命の危険があることを忘れていなかった。 誰だって見栄を張るよりは命の方が大事に決まっている。まして、飼いならしている専門家がそういうならば、従うほかあるまい。 そういった彼等はほっとした表情の日本側の人間に連れられて、その準備を行うことになった。2,3日かけて。 まず彼等には徹底した入浴をしてもらい、体臭を落としてもらうことにした。 饐えた臭いとまでは行かないが、それなりに追う彼らをお湯につからせ、徹底して身体の垢を落とすことで綺麗にしたのだ。 当然ながら髪の毛についても洗って汚れやほこりを落としてもらい、清潔感溢れる状態にしてもらった。 また、衣服についても清潔に洗い、臭いを落とすことに苦心した。本当は新品を着ることが望ましいのだが、流石に和服を着ろとまでは強制できない。 さらにさらに、彼等には食事の制限をある程度してもらった。人間の体臭というのは、実のところ食べたものに由来するのだ。 日本人は外国人から見ると醤油や味噌の臭いがするらしく、国外で過ごすとその国の食べ物の臭いに染まっていくというくらいだ。 これらの説明を受けた時にはさすがにフランスの外交使節も顔をひきつらせたが、徐々に体の清潔さを保つことの快楽に目覚めつつあった。 これまではそういう習慣がなかったのだが、いざ体を毎日きれいに洗い、お湯につかって疲れをとるという習慣に実際に癒され、楽しんで疲れをとることができると理解できたのであった。むしろ、これまでどうしてこれをやらなかったんだ、と気がつかされたほどだという。 ここには欧州と日本の水の違いというのもあっただろう。 欧州に多い硬水と異なり、日本大陸は多くが軟水である。軟水は人間の体を構成する細胞と相性が良く、ケアや洗浄などに非常に向いているのだ。 乾かしてもカルシウムやマグネシウムなどが髪や皮膚に残るようなこともなければ、衣類を洗ってもダメージを与える心配もない。 極東の蛮族と侮っていたが、意外にもこうした癒しに優れているとは思わなかった、と後にこの外交使節は日記に記しており、どれほどの娯楽であったことかを示している。 さて、こうして準備が整った彼らは、ついに剣牙虎との触れ合いの機会を得たのであった。 ペアとなる兵士を傍らに連れた剣牙虎は、食事も終わり、毛づくろいもしてもらったばかりなのでご機嫌な様子であった。 具体的に言うと、ペアの兵士に纏わりついて離れようとしないのである。 「これ、これ、今日は客人が来ておるのだぞ」 困ったような、しかし嬉しそうな剣虎兵は、相棒の耳や顎下などをさすってやり、なだめようとしている。 『まるで自分の子供と戯れているようだな…』 『牙や爪が恐ろしくないのか、彼は?』 恐る恐るといった様子で、井上に質問が飛んでくる。まあ、確かに目の前で見せられても信じがたいのだろう。 一歩間違えれば喉笛を牙や爪が食い破るか切り裂いてしまいそうな距離感なのだ。それでいて平常を保っている剣虎兵が恐ろしいのだろう。 正直、自分でも時々怖いと思うことはある。まあ、迂闊に刺激したり、彼らの守護する場所に立ち入らなければ良いのだが。 フランス人の質問と簡単に訳して伝えると、剣虎兵は笑って答える。 「確かにコイツの爪や牙は恐ろしいですが、調教して、互いを尊重し合えるようになれば、怖くはありませんよ。 気を付けることが出来れば、これほど頼りがいのある味方はいません」 なぁと、剣虎兵が問いかければ、件の剣牙虎は肯定するようにかわいらしく鳴き声を上げた---その際に鋭い牙をのぞかせながら、だったが。 一瞬だけその牙に目をとられたフランス側の人間達だったが、どうやら敵意はないようだとほっと一息つく。 アイスブレイクが済んだところで、いよいよ触れ合いとなった。 これまた恐る恐るといった感じで剣牙虎の頭をなでたり、その毛並みの美しさに見とれるフランス人たちは、徐々に距離を狭めていく。 258: 弥次郎 :2018/11/02(金) 18 21 12 HOST p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp 正直怖いところもあるのだろうが、意外とされるがままというか、従順なところがあることに安心感を感じているのかもしれない。 まあ、触れ合う前に散々注意をして、剣牙虎を怒らせないように、と釘を刺したのが逆効果になっているのかもしれないが、ともかく無事に済みそうである。 『では次に、少し剣牙虎の運動能力を見てもらいましょうか』 そして、次に井上が準備していたのは剣牙虎の恐ろしさを改めて伝えるものでもあった。いわば、デモンストレーションという奴である。 まず用意されたのは高さ3mはあろうかという木の壁だ。体格の良いフランス人なら手を欠ければなんとか登れそうではあるが、手をひっかけるようなところが無いので少々厳しいか。少なくともそのように判断された。 「よし、行け!」 剣虎兵の加佐見に促され、剣牙虎の「真吉」---雄であるが---はほんの数メートルほど助走すると、あっけなくそれを飛び越えてしまう。 しかもそれは、壁にしがみついたり、爪をひっかけたりするものではなく、まったく触れることなく飛び越えてしまったのだ。 4mから5mとは飛び上がっていた。つまり、馬に騎乗している人間にとびかかるのも容易であるということだ。その牙と爪がひとまとめに、自分たちの、人間の急所目がけて襲って来るという恐怖が現実に起こりうるということ。 『槍か盾があれば防げるだろうか?』 『牽制は出来るだろうが、あの身のこなしの速さだからな。間に合わないかもしれん』 それを想像したのか、少し顔色が悪くなるフランス人一行。 この大陸においてこの動物を引き連れた兵が猛威を振るっていたことは既に聞かされていたが、改めてその証拠を見せつけられ、それが本当のことだと示されているのを感じる。良くても落馬は避け得ないだろうし、最悪そのまま食い殺されるかもしれない。 精々できるとすれば槍か何かで牽制して近寄らせないことだろうが、その程度で封殺出来たらここまで普及はしていないだろうというのは理解できた。 続けて用意されたのは、その話題に出てきた鎧であった。日本において用いられている、ということは明白だが、それが武者を模した案山子のような人形に記せられて、地面にしっかりと埋められて固定された。それがしっかりとした強度を持つ、簡単には壊れそうにはないものであることをガチャガチャとなる音や重量感あふれる外見、そしてそれを運ぶ屈強な兵士が証明していた。 「……」 ごくりと、誰かが生唾を飲み込む。 真吉は加佐見の隣に控え、若干前かがみになり、何時でも走り出せる態勢だ。真吉の全身の筋肉が一度弛緩し、すぐに緊張する。 その眼光は射殺さんばかりにターゲットを捉えて離さず、唸り声で威嚇している。これは訓練のようなものでるが、決して手を抜いてはいない。真吉の目には、案山子ではなく、鎧をまとい、自らに挑まんとする武者の姿が映っていた。 そして---瞬間、地面の土が爆ぜた。 人間が、フランス側の人間達が捕らえられたのはその一瞬。その次の瞬間には、木と金属とその他いろいろなものが、一度に破壊される破砕音が轟いていた。結果は一目瞭然、用意されていた鎧は胸部がぐしゃりと圧潰されており、内部まで破壊されている。 鎧を支えていた案山子人形もまた、地面に刺さった根本から圧し折れ、地面に叩きつけられた衝撃で砕け散っていた。 そして、それをなした猛獣、真吉は、悠然と鎧の上にマウント状態をとっていた。この距離であるならば、首を噛みちぎることも容易いだろう。 しっかりと胴体を殴りつけるようにして攻撃し、反撃されないように腕を器用に爪で押さえつけているのが分かる。 『なんと……』 絶句するのも無理はない。圧倒的な破壊がなされたのだ。もし迂闊にこの猛獣に接近を赦せばどうなるかが、ここに証明された。 そんな彼らフランス人に対して、井上は不敵な笑みを浮かべて問いかける。 『いかがでしょうか、我が国が誇る精強な剣牙虎は?』 それに応えるフランス人たちの声は、暫くなかった。 後にフランス王府への報告書では、この剣牙虎とそれを従える剣虎兵の恐ろしさや手強さが書かれることとなる。 並の獣どころの話ではない、人間との戦い方をよく心得、人間と共同して戦う理性ある猛獣の脅威が、フランスの度肝を抜いたのである。 それを従え、あまつさえ多数投入して来るであろう織田幕府軍を侮ることは危険であると、報告書は綴っており、当時のフランス王府が軽率な行動に出ることを抑止した一因となったとされている。 259: 弥次郎 :2018/11/02(金) 18 22 21 HOST p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp 以上、wiki転載はご自由に。 ちょいと思いついたので剣牙虎について。 前史ネタについてはもうちょっと時間をかけて書いていこうと思いますのでお待ちいただければ。