約 50,302 件
https://w.atwiki.jp/srwk/pages/153.html
第30A-1話 『情愛~さよなら・前編』 勝利条件 敵の全滅 敗北条件 味方戦艦の撃沈 一騎の撃墜 剣司、衛の撃墜(敵全滅後削除) 道生の撃墜(マークニヒト撃墜後削除) ステージデータ 初期 初期味方 マークザイン 初期味方 マークアハト 初期味方 マークフュンフ(PU不可) 初期味方 マークアイン(PU不可) 初期味方 アークエンジェル 初期味方 選択20機 初期敵 スフィンクスC型種*2×2 初期敵 アルヘノテルス型*2×3 初期敵 スフィンクスA型種&スフィンクスD型種×4 初期敵 グレンデル型*2×6 敵全滅 MAP北西 敵増援 マークニヒト 敵増援 プレアデス型×2 敵増援 スフィンクスC型種*2×7 敵増援 スフィンクスA型種&スフィンクスD型種×6 敵データ 初期 機体名 パイロット LV HP 最大射程(P) 獲得資金 基本経験値 数 撃破アイテム 備考 スフィンクスC型種 フェストゥム +2 13200 3(3) 1600 135 4 - バリアLv1HP回復Lv1EN回復Lv1PU2 アルヘノテルス型 フェストゥム +1 15200 6(3) 1500 145 6 - HP回復Lv1EN回復Lv1PU3 スフィンクスD型種 フェストゥム +1 11200 8(1) 1400 120 4 - HP回復Lv1EN回復Lv1PUのサブとして4機 スフィンクスA型種 フェストゥム +1 9200 3(3) 1300 110 4 - バリアLv1HP回復Lv1EN回復Lv1PUのメインとして4機 グレンデル型 フェストゥム +1 4700 3(3) 1000 100 12 - HP回復Lv1EN回復Lv1PU6 初期敵全滅 機体名 パイロット LV HP 最大射程(P) 獲得資金 基本経験値 数 撃破アイテム 備考 マークニヒト 由紀恵 +4 80000 8(3) 20000 380 1 超合金Zリペアキット防御+10インファイトLv+1 同化MAP兵器有 プレアデス型 フェストゥム +3 17200 7(-) 1700 160 2 アクアモジュールSプロペラントタンク射撃+10ガンファイトLV+1バリアLv2発生装置カートリッジ技量+10援護攻撃Lv+1 HP回復Lv1EN回復Lv1 スフィンクスC型種 フェストゥム +2 13200 3(3) 1600 135 14 - バリアLv1HP回復Lv1EN回復Lv1PU7 スフィンクスD型種 フェストゥム +1 11200 8(1) 1400 120 6 - HP回復Lv1EN回復Lv1PUのサブとして6機 スフィンクスA型種 フェストゥム +1 9200 3(3) 1300 110 6 - バリアLv1HP回復Lv1EN回復Lv1PUのメインとして6機 イベント・敵撤退情報等 敵全滅でイベント。マークフュンフ離脱、マークアハトのHP10に。 マークニヒト撃破でマークアイン離脱。 攻略アドバイス ルート次第では初のフェストゥム戦。読心能力の影響で命中率と回避率が格段に落ちる。読心を受けないファフナー勢を中心に、指揮効果や地形Sユニットを活用しよう。 フェストゥムはバリア無効武器を多用するので、バリア持ちだからと言って油断はできない。ちなみにPS装甲も無効化する。サイズ差もあるためSEED系の機体は特に注意。 わざわざ地形適応の低い海上で戦ってやる義理はない。陸まで引きつけ地形を利用して戦おう。 マークザインで攻撃するとフェストゥムの気力が下がる。気力90以下で同化(=撃墜)出来るので、コンボで一網打尽にできる。 増援時にイベントでマークアハトがHP10になるので気を付ける事。 マークニヒトは空S、読心Lv2、C・コードLv9で命中回避が非常に高い。必中・閃き・不屈を持たないキャラは離れた方が無難。同化持ちのため、ファフナー勢は攻撃を受けると気力が下がる。 だが、マークザインでマークニヒトを攻撃しても由紀恵の気力は下がらない。理不尽である。 マークニヒトのホーミングレーザーは広範囲のMAP兵器版もあるが、ビーム属性のため海中に居ればダメージは僅か。通常版共々燃費は悪いので、囮を用意すればすぐにEN切れにできる。アカツキなら海中でなくとも大丈夫。 アークエンジェルの海Aが活きる数少ない場面。HPが高く狙われ易い上、ラミネート装甲で実質無効化と囮に最適。 味方機はほぼ全て海適応B以下なので、海中から攻撃したければアクアモジュールをつけよう。 戦闘前会話 フェストゥム:アスラン、シン、ルナマリア、イザーク、ディアッカ、一騎、真矢、剣司、衛、道生、カノン、ネロ、プリシラ 由紀恵:一騎、真矢、剣司、道生 隣接シナリオ 第29話『哀しき呪縛を解け』 第30A-2話『情愛~さよなら・後編』
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/155.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~鍛錬の書~ 第11話 沙羅の決断 前編 スモーキーさんの言葉が聞こえた瞬間、私は耳を覆った。 そしてそのまま、その場に膝をついてしまった。 沙「スモーキーさんが私のお父さんを殺したなんて……嘘だッ!」 ス「認めたくないだろうが、これは事実だ。」 話を聞く前から、多少の衝撃は受けると思っていた。 しかし、その衝撃は想像していた物よりも大きかった。 いや、大き過ぎた。 ス「今から話す事は全て事実だ。 しかしそれを信じるも信じないもはお前の自由だ。」 沙「……聞かせてください。」 すると、スモーキーさんが一個のクリスタルを取り出した。 ス「俺が説明するよりも、これを見せたほうが早いだろうな。」 そう言って、私にクリスタルを渡した。 ス「そのクリスタルには、あの頃の俺の記憶が入っている。 まともな人間がそれを見て、正気を保てるとは思えん。 それでも尚、あの事件の真相を知りたければ、そのクリスタルを頭に近づけろ。」 私は少し躊躇した後、クリスタルを頭に近づけた。 クリスタルを近づけた瞬間、意識が吸い込まれるような感覚になった。 そしてそのまま、意識を失った。 意識が戻ったと思って目を開けると、先ほどとは違う景色になっていた。 …此処は何処だろう? 部屋を見回してもベッドが一つあるだけで、窓等は無かった。 そして、ベッドに子どもが一人腰掛けていた。 私が思案していると、研究員の様な人達が入ってきた。 私は慌てて隠れようとしたが、研究員達に私は見えていないようだった。 そう言えば、これはスモーキーさんの記憶なんだよね。 …という事は、この子どもがスモーキーさん?! スモーキーさんは研究員達に逆らうことなく、部屋を出て行った。 後を追ってみると、何かの研究所の様な所に着いた。 其処には何台ものベッドが並んでいた。 その中の一つに、スモーキーさんは拘束されていた。 研究員達が薬品を他のベッドに拘束されている子どもに投与した。 すると、その子どもは急に何かを叫びだしたかと思うと、静かになった。 「…チッ、死んだか。」 「うーん…間違えたか?」 「まあいい、モルモットはまだまだ居る。」 酷い…、人間とは思えない。 しかし、これが事件が起きた時の記憶なら、この中に私のお父さんが…。 研究員の一人が、スモーキーさんに薬を投与した。 そして、先ほど同様にスモーキーさんも苦しみだした。 しかし、先ほどとは違い、じたばたと暴れ続けた。 すると、腕を拘束していた鎖が砕けた。 鎖が砕けた瞬間、目の前に居た研究員が悲鳴をあげた。 よく見ると、体には獣にでも引っ掻かれた様な傷が出来ていた。 「だ、誰かこいつをとりおさえ」 傷ついた研究員が助けを呼ぼうとしたが、言い終わる前に再度引っ掻かれた。 最初に犠牲になった研究員……、まさかこの人が…お父さん?! 私が驚いている間に、研究室に居た研究員達は全員切り刻まれていた。 そして、スモーキーさんがお父さんに近づいたかと思うと、お父さんの懐に手を入れた。 すると、手帳の様な物が出てきた。 その手帳を手にしたまま、スモーキーさんは部屋を出て行った。 これが…、あの事件の真相。 これが、私のお父さん……。 こんなの…こんなのお父さんじゃない! 私が頭を抱えていると、また意識が吸い込まれるような感覚になった。 意識が戻ると、どうやらスモーキーさんの記憶から戻ったようだった。 そしてそれを確認すると同時に、先ほどの記憶が蘇えった。 お腹の中から何かがこみ上げて来るのを感じた。 私は部屋にあるトイレに駆け込んだ。 ス「その行動はあの時の俺に対してか?それとも、あいつらに対してか?」 トイレから戻った私に対し、スモーキーさんが問いかけてきた。 沙「……。」 私が黙って俯いていると、スモーキーさんが近づいてきた。 そして、私の手にあったクリスタルを取った。 ス「これが、あの事件の真相だ。 お前の父親がどんな人間だったか、俺達がどんな環境に居たのかも分かったか?」 私は無言で頷いた。 あれが…、あんな酷い人が私のお父さんだなんて……。 私はスモーキーさんの部屋から逃げ出した。 自分の部屋に戻ると、自分のベッドに倒れこんだ。 そしてそのまま、泣き出した。 その私を見て、ベルクさんが優しく背中を摩ってくれた。 べ「沙羅さんが泣き崩れる様な話だったとは…。 やはり、止めるべきでしたね。」 泣き続ける私に、ベルクさんは優しく話しかけ続けてくれた。 一頻り無くと、気持ちが落ち着いたのか、眠気に襲われた。 そして、そのまま眠りについてしまった。 気がつくと私は、自分の部屋に居た。 しかし何処か様子がおかしい。 …これは、私が小さい頃の部屋だ。 そうか、ここは夢の中なんだね。 夢の中と分かると同時に、下の方が賑やかになった。 降りていってみると、小さい頃の私と、お母さんが居た。 母「さあ、夕食にしようか沙羅。」 幼沙「うん!」 二人で食卓を囲む。 やはりお父さんは居ない。 幼沙「ねえお母さん、どうしてお父さんは帰ってこないの?」 幼い私の質問に、お母さんは困ったようだ。 お母さんは、お父さんがどうゆう仕事をしていたのか知っていたに違いない。 しかし、それを私に話さない方が良いと思ったのだろう。 母「仕事が急がしいみたいね。でも、沙羅やお母さんの為に働いてるのよ。 だから、お父さんの悪口を言っちゃ駄目よ?」 幼沙「うん。お父さん、早く帰ってくると良いね。」 お父さん…、あんなのお父さんじゃない! あんなお父さんなら、スモーキーさん達に恨まれても仕方が無い……。 その時、私を呼ぶ声が聞こえた。 ?「沙…さ…、沙羅……。」 誰だろう? べ「沙羅さん!」 沙「はい?!」 べ「大丈夫ですか?ずいぶんと魘されていたようですが?」 どうやら私が魘されていたので起こしてくれたようだった。 沙「大丈夫です。ただ、小さい頃の夢を見てただけです。」 べ「小さい頃の夢で魘されるなんて…、何かあったのですか?」 沙「そうじゃないんです。」 べ「…そうですか。」 私の魘されていた理由を感じ取ったのか、それ以上詮索してこなかった。 外を見ると、朝日が昇り始めていた。 沙「…どうしてあの時、助けてくれたんだろう?」 私が呟いた言葉で全てを理解したのか、ベルクさんが思案し始めた。 べ「教官の話が、大体分かった様な気がします。 しかし、教官は沙羅さんを何度となく助けて居ます。 だから、沙羅さんに対して何か意識している事はあきらかでしょう。」 沙「例えば…、私を自分の手で殺すとか?」 ベルクさんは思案したあと、首を横に振った。 べ「そうだとするなら、3年前に沙羅さんを助けた時点でしているかと?」 確かにそうだ。 何故スモーキーさんは私を助けてくれるのだろう? 二人で暫く考えてみたが、答えは出なかった。 不意に外から素振りの音が聞こえた。 …こんな時間に訓練をする人。 べ「教官が早朝訓練を始めましたね。」 ベルクさん同様、私もスモーキーさん以外考えられなかった。 窓辺から外を見ると、スモーキーさんが素振りをしていた。 べ「危険かもしれませんが、教官に聞いてみては如何ですか?」 危険では無いだろうけど、素直に話してくれるとは思えなかった。 沙「多分、話してはくれないでしょう。」 べ「いえ、昨日は私や隊長さん達が居たからでしょう。 沙羅さんと教官だけなら、きっと話してくれるはずです。」 沙「そうかな…。」 私は部屋を出て、スモーキーさんの所へ向かった。 宿舎を出て、スモーキーさんが素振りをしている所に着いた。 私が来たのを確認したのか、スモーキーさんが素振りを止めた。 ス「何か用か?」 沙「あ…。」 スモーキーさんは、私の方に向いた。 そして、口篭る私の言いたい事が分かったのか、溜息をついた。 ス「何故俺がお前を助けるのかって言いたいんだろ?」 沙「…はい。」 ス「それは」 「タマライア水源にネツァワル軍が侵攻中!カセドリア国軍兵士は至急集結せよッ!!」 伝令兵の声によって、スモーキーさんの言葉が聞こえなかった。 ス「…ったく、しかたねえな。」 スモーキーさんはそのまま、戦場に向かおうとした。 沙「スモーキーさん!」 ス「悪いな沙羅、この続きはまた今度だ。」 そう言って、スモーキーさんはタマライア水源に向かっていった。 少し経ってから、私も後を追った。 さっきの言葉の続きを聞く為に…。 SS書かずに絵を描いた(まて byスモーキー
https://w.atwiki.jp/abobo/pages/256.html
31話 決戦!ナイツオブクィーン!!前編
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/8069.html
755 Top Mobile(前編)2016/04/17(日) 22 28 36.19 ID eokPNDGW0 ぱちぱちぱち ゼクス「我々MS乗りにとって最大の敵がいる」 ノリス「うむ」 ゼクス「安全の名の下につまらないデザインを推奨し、姑息な点数稼ぎで税金からボーナスを吸い上げる彼らだ」 リヴァイヴ「警察ですね!」 ゼクス「だから私達はコテンパンにしてやろうと、決闘を申し込んだのだ」 リヴァイヴ「それで、結果は!?」 ゼクス「シロー、グラハム、リディを出してきた」 ノリス「……困った事になったな」 リヴァイヴ「……ええ」 ゼクス「主人公にライバルに主人公の鏡像だぞ。ラスボスがいないだけ幸運とはいえ、厳しすぎる」 ノリス「どの組み合わせでも勝てる気がせんな……コテンパンにされる」 リヴァイヴ「全国のMSファンに情けない姿を晒してしまう……土下座して謝って許してもらいましょう」 ゼクス「土下座は勝負が付いてからでも遅くは無い!やるしかないのだ、私達は!!」 対決の日 シロー「予定の時間になりましたが、来ませんね」 リディ「逃げてしまったのでしょうか。せっかく好きな番組に出られると思ったのに」 グラハム「恋人を気取ったか、焦らす作戦か……恐らくは後者だ」 リディ「あっ、あれは!?」 シロー「ヅダ!?」 リディ「しかもただのヅダじゃない!EMS-04!」 グラハム「警察官との戦いに改善命令を出したMSで来るとは、粋な事をする!!」 ゼクス「すまないな、ドーバー海峡が渋滞していた」 ノリス「この木星エンジンならば40分早く着く予定だったのだがな」 リヴァイヴ「ヅダの電子制御は最高ですよ。ヴェーダにも劣りません」 ゼクス「改めて、私達の挑戦を受けてくれた事に感謝する」 グラハム「良い勝負をしよう」 ゼクス「正々堂々、全ての力を出し切り堂々と勝負する事を誓おう」 リヴァイヴ「最初の勝負はトリオシート・ファイト。3人で1つの機体を操縦します」 シロー「胴体、右手足、左手足。ただし味方は声だけしか聞こえない。チームワークが重要になるな」 ノリス「我々の力を教えてやろう」 リディ「機体同士の連携は自信があるけど、こういうのは……」 グラハム「フ、今の我々は三位一体。日頃の訓練を信じれば恐れる事は無い」 756 Top Mobile(前編)2016/04/17(日) 22 29 09.90 ID eokPNDGW0 審判「レディ・ゴー!」 ゼクス「何故私が胴体ではなく左手なのだ!?」 ノリス「スピード中毒では相手にぶつかる事しかしないからな!」 リヴァイヴ「自爆装置を渡す訳にはいきませんからね。胴体の私がしっかり握っています」 ゼクス「だが、ヒートロッドは良い選択だ」ブンブン シロー「右手にヒートワイヤー、左手にヒートロッド。なんてバランスの悪い構成なんだ……」 ノリス「撓る武器は浪漫だからな!」ブンブン リヴァイヴ「2人とも振り回さないで下さい!ふらふらして危険ですよ!?」 シロー「相手の動きはちぐはぐだ。吶喊します!」 グラハム「私は左手で防御を担当する。リディ、攻めは任せた!」 リディ「分かりました!この番組に出演出来るなんて、こんなに嬉しい事は無い……!」 リヴァイヴ「くっ……向こうはなんであんなに簡単に動かせるんですか!?」 ゼクス「行くぞ!」 ノリス「怯えろ!竦め!MSの性能を活かせぬまま死んでゆけ!」 リヴァイヴ「絡まってる!?」 シロー「自爆だ。パイロットの性能を全く活かせていない!」 リディ「決めます!」 リヴァイヴ「くっ!」 グラハム「避けたか、なかなかやる!」 ゼクス「長期戦になっては不利だな。ノリス、リヴァイヴ!あれをやるぞ!」 ノリス「任せろ!」 リヴァイヴ「あれって何ですか!?」 ぐるぐるぐるぐる シロー「ゴッドスラッシュタイフーン!?」 ノリス「高速で回転すれば最適解が出るのは伝統なのでな!」 グラハム「円谷超人世界の伝統を持ち出すとは!」 リヴァイヴ「目が、目が回る!」 リディ「くっ、側面からでは効果が薄い!シロー警部、上へ!」 ノリス「フハハハ、弱点など狙わせる訳が無かろう!」 シロー「的確に角度を合わせてくる!しかも……速い!」 リヴァイヴ「ああああああ~~~」 グラハム「落ち着け!あの操縦はパイロットに負荷が掛かる。距離を取る事を優先し…… ゼクス「無駄だな!」スポン グサッ、とな シロー「直撃!?そのまま投げたヒートロッドが直撃したのか!?」 ノリス「それだけではない!」スポン シロー「同じ場所にヒートワイヤーが刺さった!?」 ノリス「これぞダブル大回転魔球」 グラハム「我々の作戦負けか……切腹に値する!」 リディ「爆発します!」 ちゅどーん 757 Top Mobile(前編)2016/04/17(日) 22 29 39.33 ID eokPNDGW0 ゼクス「悪を滅ぼした私達だが、ダーティー・ポリスはものの1分でミンチから回復してきた」 ノリス「しかも2回戦で提示してきたのは、公務員らしいつまらない競技だ」 グラハム「ジャスト・スピード・マイル(JSM)。1マイル先のポイントをメーターを見ずに特定の速度で通過する。 3人の合計の誤差が少ない方の勝ちだ」 ゼクス「いかにも取り締まり屋の考えそうな遊びだな。それに勝者への見積もりも甘すぎる」 グラハム「無論、普通のルールでは君達にも我々にも簡単すぎる競技。つまりルールの追加が必要だ」 シロー「電子機器は全て死んでいます。メーターも、モニターですら速度を証明する物は何も無い」 ゼクス「自分の感覚に頼るしか無いという事か。暴走MSを自ら推奨するとは」 リディ「ポイントを通過したら自動で停止誘導が掛かるので問題は有りません。 それと、公平になる様MSは番組側が整備したドム6機を使います」 ノリス「なるほど、それなら良い勝負になりそうだな。だが、肝心な事がまだ知らされていない。速度だ」 シロー「警察の訓練基準速度は160キロ」 ゼクス「遅いな。300キロが良い」 リディ「幾らなんでも速すぎますよ」 ノリス「では、間を取って230キロだ」 グラハム「決まりだな」 グラハム「私が先陣を切る。良く見ておくように」 シロー・リディ「「はい」」 ゼクス「つまらん操縦だな」 ノリス「順調すぎる……ゴールか」 グラハム「231.4キロか、心眼を鍛えたと思っていたが、精進が必要だな」 ゼクス「次はMS酔いから復帰したリヴァイヴ」 リヴァイヴ「227.0、ですか。このコンディションだと、まあまあですね」 ノリス「無様だな。ここまで差が開いては我々もカバーできん可能性が出てきたぞ」 シロー「俺か……行けるか……」 ノリス「フッ、フハハハハ!220.3だ!10キロ間違えたな!」 シロー「くそっ、慎重になりすぎた!」 ノリス「私だな。 ドムはMSにホバーの楽しさを与えた名機だ。この重力を感じつつも無重力の宇宙を滑る感覚は初代にして極められたと言っていいだろう。 1マイル?1000マイルでも私は乗っていられる」 グラハム「230.2!?」 リディ「あれだけ喋りながら……ニュータイプか!?プレッシャーが……!」 グラハム「リディ巡査、落ち着いてベストを尽くせば良い」 リディ「やってやる!ハイライトにさせるものか!」 ゼクス「……ダメだな、速すぎる」 グラハム「246.5キロ……」 758 Top Mobile(前編)2016/04/17(日) 22 30 14.24 ID eokPNDGW0 ノリス「ここまで合計して我々は3.2キロの誤差。警察官は27.6キロの誤差」 ゼクス「つまり、私には20キロ以上のズレが許されている」 リヴァイヴ「2連勝は確実ですね」 ノリス「警察官が自分の速度も分からないとはお笑いだな」 グラハム「これは始末書ものだな……」 ゼクス「では、私の勝者への道をご覧頂こう」 ゼクス「こういう時、普通は徐々にスピードを上げ安定させる。 だが、この方法は外が見える普段の状況下に効果を発揮するのであって、今回の様な場面では十分に使えないというのが私の持論だ」 ゼクス「特に今回の試走は短かった。機体とパイロットのマッチングには不十分すぎる。 だから、私はパイロット側のマッチングを最小限に抑える方法を選んだのだ。即ち……」 ゼクス「最初にフルスロットル!!」 ゼクス「そしてアクセルを離す!」 ゼクス「試走で加速力とエンジンブレーキさえ把握すれば私のパイロットの経験が必要なアクセル秒数を計算してくれる!」 ゼクス「完璧だ」 ゼクス「どうだったかな?」 ノリス「……」 リヴァイヴ「……ゼクス?」 シロー「……230キロって数字は覚えてますよね?」 ゼクス「マイルと誤る様な失態は犯していないな」 グラハム「なら、これは事情聴取が必要な様だ」 リディ「……325.5キロ」 ゼクス「本当か?スピードメーターが壊れているのではないのか?」 ノリス「いや、明らかに速かった。ドラッグレースだと疑ったな」 リヴァイヴ「スピード狂が……とうとう感覚までダメになりましたか」 シロー「最初にゼクスが言った速度だとしても負けているし、330キロと間違えたとしか……」 リディ「そもそもあのドムでそこまで出せるのが……」 グラハム「本来なら免停を言い渡したい所だが、ここは公道ではない。私達の1勝、と言う訳だ」 リヴァイヴ「ゼクスの失態でイーブンに。しかし、すぐに汚名挽回の機会が訪れます」 ゼクス「ここからは個人戦。しかも直前の勝負の敗者の指定したルールで戦える。私が戦士である事の証明をすぐに果たしてみせよう」 ノリス「最後に戦うリディはもう帰って15キロオーバーの取り締まりに戻った方が良い」 リディ「どういう事ですか?俺はセット撤収まで居座るつもりですよ」 ゼクス「私とノリスで2連勝、以上だ」 リヴァイヴ「私の仕事はあなた方を煽る事だけです」 759 Top Mobile(前編)2016/04/17(日) 22 31 01.74 ID eokPNDGW0 ゼクス「私がシロー相手に提示した戦いはドッグ・チェイス。時速100kmを切ると問答無用で自爆だ。私は愛機トールギスで迎え撃つ」 シロー「かなり不利な条件だな。だけど、やるしかない!警視正、借りますよ!」 グラハム「その旨を良しとする」 ゼクス「ブレイヴの一般販売モデル。トールギスに追従する性能を選ぶ判断は正しい。だが、それ以外のチョイスは失敗だ」 ゼクス「まず1つ、LEIFのセーフティリミッターは変形時に障害物を確認すれば簡単に減速する」 ゼクス「そしてもう1つ、警察仕様と市販機は中身が全く別物だ」 ゼクス「最大の問題は……GNドライヴに不慣れなパイロットは慣性制御で独特の挙動を無理に抑えようとして『ジュピター・グラビティ』に陥りがちな事だ! 今の貴様のようにな!だが溺れる事はこの戦いでは死を意味するのだ!」 グラハム「なんと!?GNドライヴ搭載機は減速要素が多すぎるのか!」 シロー「くっ……!」 ゼクス「ドッグ・チェイスは元々地上で戦うもの。伝統を無視して私がこの機体を選んだ理由を知っているか? このルールに不向きなブレイヴに確実に乗せる為だ!」 リヴァイヴ「流石策士!」 ノリス「正々堂々と搦め手を使うとはな!」 シロー「本音はリーオーじゃあ俺のガンダムに勝てる気がしなかったからだろ?」 ゼクス「当然だろう。何故プロの愛用品を勝負の場に引き出す必要がある?」 シロー「だったら、俺が慣れる前に終わらせた方が良いんじゃないのか?」 ゼクス「何とか避けているだけの男に言われるとは……その期待に応えたくなるではないか!」 グイーン ゼクス「ドッグ・チェイスで正対するのはマナー違反だ。しかし『悪法のエリート』には構わん!」 ゼクス「正面からぶつかれば、パワー差で貴様が減速する。私の勝利だ」 ゼクス「行くぞ!」 シロー「させるか……トランザム!」 ゼクス「何!?避けられた!?」 シロー「それだけじゃあない!!」 ゼクス「な、何なのだこの空転感は……まさか!!」 グラハム「なんと!?回避と同時にスーパーバーニアだけを破壊したというのか!?」 ノリス「フッ、さすがはアイナ様の想い人、やってくれる!」 リディ「しかも速度を保ったまま急ターンして追走している!?」 リヴァイヴ「あの回り込むスマートな動きは相当の訓練を積んでいますよ!」 シロー「警察官は人生で1秒の動作の為に何時間も鍛える!これがその成果だ!!」ドウッ ゼクス「くっ、謀ったな!?」 シロー「残りのバーニアも破壊した!ゼクス、釣られたお前の負けだ!」 後半へ続きます
https://w.atwiki.jp/hachinai_nanj/pages/3129.html
熱狂をその手に 前編 最終更新日時 2023/08/16 00 21 /このページを編集 イベント概要 開催期間 【恒常化】2023/8/9(水) 0 00 ~ 【ボーナス期間】2023/8/9(水) 0 00 ~ 2023/9/7(木) 12 59 本イベントのStage1~Stage8と累積報酬(~100万pt)は恒常開催。 Bonus1~ExBonus2と累積報酬(105万pt~1000万pt)は開催期間が限られている。 このほかの開催中イベントはこちらを参照。 チャプターの時期と開放条件 時期 3年生編 6月上旬 開放条件 ? プレイの優先度 相手のチーム評価 恒常ステージ:A2~S2期間限定ステージ:D1~SSS1 オススメ度 オススメ 報酬 メイン報酬 画像 アイテム名 備考 八夏祭コイン-BLOOM AGAIN-【プレミア】 【期間限定】初回報酬で5枚獲得できる購買部で豪華アイテムに変換できる ストーリーメダル 【期間限定】累積報酬で10枚獲得できる 絆の記憶(極) 【期間限定】累積報酬で5個獲得できる絆の結晶(極)の交換には15個必要 累積報酬 + 累積報酬一覧 画像 名前 恒常時個数 Bonus個数 おこづかい 4000 3000 ソウルストーン(種) 60 100 ソウルストーン(芽) 30 50 ソウルストーン(花) 10 20 絆の結晶(小) 40 100 絆の結晶(中) 20 60 絆の結晶(大) 10 20 絆の結晶(超) 1 1 思い出のしおり 50 100 努力のしおり 2 5 結束のしおり 2 5 ストーリーメダル 10 絆の記憶(極) 5 八夏祭コイン-BLOOM AGAIN-【プレミア】について 八夏祭コイン-BLOOM AGAIN-【プレミア】入手方法 期間 入手方法 獲得枚数 8/9 4 00 ~ 8/16 3 59 八夏祭ログインボーナス(第一章) 5枚 8/9 0 00 ~ 9/7 12 59 メインマッチ『熱狂をその手に 前編』 5枚 8/9 0 00 ~ 9/7 12 59 イベントマッチ『マンスリーチャレンジ -八夏祭特別編-』 30枚 8/9 0 00 ~ 9/7 12 59 イベントマッチ『覇者への執念』 30枚 8/16 4 00 ~ 8/23 3 59 八夏祭ログインボーナス(第二章) 5枚 8/16 12 00 ~ 9/7 12 59 メインマッチ『熱狂をその手に 中編』 5枚 8/16 12 00 ~ 9/7 12 59 イベントマッチ『覇者たる矜持』 30枚 8/23 4 00 ~ 9/1 3 59 八夏祭ログインボーナス(第三章) 5枚 8/23 17 00 ~ 9/7 12 59 メインマッチ『熱狂をその手に 後編』 5枚 八夏祭コイン-BLOOM AGAIN-【プレミア】交換先 コインをすべて集めると計120枚となり、ちょうど全アイテムと交換できる。 交換期限は9/21(木) 23 59まで 画像 アイテム名 必要数 交換上限 スカウトチケット【八夏祭2023無料10連】 ×1 1 10回 光輝のしおり ×1 10 1回 ココロのカギ(大) ×1 10 1回 絆の結晶(極) ×1 5 4回 SSR確定チケット ×1 5 2回 Dr.ベアマックス(S) ×1 5 2回 メモリアルカメラ【Vol.1・SP】 ×1 5 3回 メモリアルカメラ【Vol.2・SP】 ×1 5 3回 メモリアルカメラ【Vol.3・SP】 ×1 5 3回 クリスタルコイン ×100 1 5回 ストーリーメダルについて 累積報酬のストーリーメダルは購買部で下記アイテムに変換できる。 ココロのカギ(大)とクリスタルコインの交換回数は毎月末にリセット。 画像 アイテム名 必要数 交換上限 絆の結晶(極) ×1 3 なし ココロのカギ(大) ×1 6 1回 SSR確定チケット ×1 3 なし シンデレラチケット ×50 1 なし Dr.ベアマックス(S) ×1 3 なし クリスタルコイン ×25 1 8回 イベント構成と獲得評価pt + ... 恒常部分 ステージ名 相手評価 初回報酬 消費元気 対戦ボーナス ドロップアイテム Stage1 A2 ×1 ×1 ×1 ×1 10 +***.0% × × × × × × × × Stage2 A2 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × × × × × Stage3 A3 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × Stage4 A4 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × × × × × Stage5 A5 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × Stage6 S1 ×1 ×1 ×1 ×1 12 +***.0% × × × × Stage7 S1 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × Stage8 S2 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × 期間限定部分(9/7まで) ステージ名 相手評価 初回報酬 消費元気 対戦ボーナス ドロップアイテム Bonus1 D1 ×1 7 +450.0% × × × × × × × × × × × × Bonus2 C1 ×1 +650.0% × × × × × × × × Bonus3 B1 ×1 10 +800.0% × × × × × × × × ExBonus1 SS1 ×1 15 +960.0% × × × × ExBonus2 SSS1 ×1 +2150.0% × × × × 獲得評価pt計算式 試合内容(恒常ステージ・ボーナスステージ) 評価pt 単打 二塁打 三塁打 HR 四球 盗塁 打点 猛打賞 奪三振 失点 三振 エラー 被安打 被HR 勝利 引き分け 敗北 50 100 150 300 10 50 300 300 50 -500 -25 -100 -50 -300 7000 6000 5000 (評価pt)=(試合内容の合計)×(1+対戦相手ボーナス) Q.彡(゚)(゚)「んで、どのステージがおすすめなんや?」 A.(´・ω・`)「 BonusステージがあるうちはBonusステージの8割程度は勝てるステージを繰り返し挑戦すると良いよ。 」 コメント 名前
https://w.atwiki.jp/omomuki/pages/75.html
配信リンク 衝撃的な作品とそれに負けず劣らずの拗らせを見せた識者たちの第1回。 圧倒的な反響と手応えから弾丸スケジュールを強行し、神秘的な作品に打ちのめされた第2回。 そして、2度の決戦を生き抜いた猛者たちが集う第3回がついに開催される。 2020年4月を心に刻め。令和の風はここから吹いている! 「ご覚悟はよろしくて?」 今回は投稿作品の増加、および熱量の肥大化から前後編制を採用。 前編では6作品を選び、後編にて合わせて選考を行なうことになった。 この為、ここでは一次審査突破作品として紹介。 一次選考通過作品:No.03 一次選考通過作品:No.06 一次選考通過作品:No.07 一次選考通過作品:No.09 一次選考通過作品:No.10 一次選考通過作品:No.19 投稿作品紹介はこちら
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/388.html
ざわざわ時間(前編) ◆1U4psLoLQg 「あ……あれ?」 気が付けば、私は見慣れた学校の体育館の中にいた。 壇上に運ばれたキーボードの前に、ぼんやりと立ち尽くしている。 周囲を見渡すと、軽音部の仲間たちが各自の楽器の前で、緊張した面持ちを見せている。 壇上の幕はまだ上がっていない。 幕の外側から小さく、館内の喧騒が聞こえてくる。 今まで何度か経験した、ライブ直前の風景。 「先輩?どうしたんですか?」 傍らに立つ後輩が心配そうな顔で話しかけてくる。 「急にボーっとしちゃって……もしかして、熱でもあるんですか?」 「い……いいえ、ちょっと、考え事をしていただけだから」 私はとっさに、ぎこちない笑顔を作ってそう答えた。 「もう、しっかりしてくださいよ。今日は先輩達との初ライブなんですから、絶対に成功させないと!」 後輩との初ライブ……そうか、今日は高校生活二度目の文化祭だ。 「ええ……そうね、絶対成功させましょう!」 そうだ、何をボサッとしているのだろう、気合を入れなければ。 『それではこれより、軽音楽部によるライブを開始します』 館内放送が流れ、幕が上がる。 そして、演奏が始まった。 部員全員が自らの楽器でそれぞれの役割を果たす。 私もまたキーボードの鍵盤を一心不乱に叩いている。 楽しかった、ただ純粋に。 仲間と共に作り出した曲を盛大に披露する。 荒削りでも、一生懸命協力し合って完成させた一曲だ。 最高の曲だと胸を張り、全力で演奏できる。 この爽快感は他では味わえないだろう。 ああ、館内の熱気が気持ちいい。 額を流れる汗すら心地いい。 この瞬間なら、私も唯ちゃんみたいに叫ぶ事が出来るだろう。 軽音部は最高だ――と。 『こんにちは』 体育館後方、入り口の扉から。 突然、声が聞こえた。 「え?……ああ……」 長く綺麗な黒髪。 返り血を浴びた黒い制服。 小さく、冷酷に歪んだ口元。 そこには殺人鬼、浅上藤乃が立っていた。 体が凍りつく。 高揚感は消え去り、恐怖だけが私の胸中を満たす。 『やっと、見つけました』 距離的に彼女の声が聞こえるはずがない、まして今はライブの真最中だ。 けれど、私にははっきりとその声が聞こえていた。 直接、脳内に響くように。 『ずっと探していたんですよ』 近寄ってくる、一歩、一歩、確実に。 怪物が、私を殺しにやってくる。 「ああ……あああ」 逃げ出そうとして腰が抜けた、私は壇上の床に崩れ落ちる。 突然私の演奏が止まり、みんな驚いたのだろう。 演奏を中断し、たちまち部の仲間達が私に駆け寄ってくる。 「おいっどうしたんだよ!?」 「ムギちゃん!?大丈夫?」 「先輩!やっぱり熱が有るんじゃないですか?」 違う、そうじゃない、気づいてないの?だれも? あんなに異常な風貌の人が、正面入り口から堂々と入って来たのに! 『また会えて、うれしいです』 浅上藤乃はいつの間にか壇上まで上がってきていた。 仲間達は私を心配するあまり、後ろの殺人鬼に気づけない。 必死に伝えようとしたが、どうしても声が出なかった。 どうやら私は彼女を見た瞬間に、まるで蛇に睨まれた蛙の如く、動く事も声を上げる事も出来なくなってしまったようだ。 『でも、またすぐにさようならですね』 もう観念して、私は気づく。 もはや目前まで迫る浅上藤乃の更に背後、客席の最前列に座る2人の少女に。 体中を捻じ切られ、私の目の前で壮絶な死を遂げた、加治木ゆみ。 私がその手を放したばかりに転落死した、千石撫子。 彼女達は何も語らない、ただ私を見ている。 彼女達と同じように、私が死ぬところを見ているんだ。 ただ、一言撫子ちゃんにあやまろうとして――ああ、声が出ないんだっけ。 『凶れ』 放たれる、赤と緑の螺旋軸。 私を殺しにむかって来る。 □ そうして私は、やっとその悪夢から開放された。 体中の倦怠感を振り切り、目を見開く。 最初に見えた景色は、灰色の天井。 そして、最初に聞こえたのは…。 「……ムギちゃんっ!?気が付いたの!?」 親しい友人の声だった。 「唯……ちゃん?本当に……?」 彼女がここにいる事が、なんだか信じられない。 私の好きだった日常の欠片は、この島の何処にもありはしないのだと思い込んでいた。 だから目が覚めて、最初に顔を見るのが唯ちゃんだとは、少し信じられなかったのだ。 「……むむむ。失礼な!わたしは正真正銘の平沢唯ですとも!証拠に見よ!このエアギター!!!」 けど、その応答を聞いてすぐに納得できた。 この子は、間違い無く唯ちゃんだ。最後に見たと時と、なにも変わっていない。 この狂ったゲームの中で、彼女だけは、何も変わらずそこに居た。 「……くすっ、ふふふ」 「ああ……ムギちゃん、ひどい、笑い事じゃないよぉー」 ひさしぶりに、本当に久しぶりに笑った気がした。 思えばこの『ゲーム』が始まってから、衝撃的な事がいっぺんに起きすぎた。 私はやっと、本当に心休まる場所にたどり着けたのかもしれない。 私は改めて周囲をぐるりと見回した。 どうやら、ここは島の薬局施設の中らしい。 なかなか広い店内の、商品棚の中にはぎっしりと薬品類が敷き詰められている。 そして店内には、唯ちゃん以外に二人の人物が居た。 一人はなんとなく胡散臭い気配のある中年のおじさん。 唯ちゃんの後方でこちらの様子を伺っている。 この人のことは覚えている、私が路上で気絶する直前に見た人だ。 もう一人は黒い衣服を着込んだショートボブの女の子。年は私と同い年か、一つ上くらいだろうか? この人は始めて見る、先ほどからずっと片目を瞑っているようだが、何か事情があるのだろうか? 「ああ、この人は船井譲次さん。このなんだかよくわからない殺し合いが始まってすぐに出会った人で、ずっと助けてくれてるんだよ」 「船井や、よろしく」 「あ、はい……よろしくお願いします」 そう返事を返しつつも内心、私は驚いていた。唯ちゃんはこの殺し合いが開始されてからずっと、このおじさんと行動していたと言う。 正直私にはこのおじさんがあまり善人には見えない。 自分の事は世間知らずだと自覚しているが、それでも人を見る目はあるつもりだ。 悪い人にしか見えない、と言う訳でもないが、こんな異常な環境下で、すぐに見ず知らずのおじさんを信用する。 私にはマネできない。いやむしろ唯ちゃんだからこそ、出来たと言う訳なのだろうか? しかし、結果的にこのおじさんは現在も私達に危害を加える気配は無い。 むしろ明らかに足手まといの私達を、抱え込む善人に見える。 唯ちゃんの判断は、吉と出た訳だ。 「それで、この人は……」 「福路美穂子です、よろしくお願いします」 次に唯ちゃんは、私達を一番遠巻きに見ていた、黒い衣服の女の子を紹介した。 彼女――福路さんとは、唯ちゃん達もつい今しがた出会ったばかりなのだと言う。 私が目を覚ます前に、突然この薬局にやって来ていたらしい。 なんとも柔らかい雰囲気の人だった。 私も、この人ならばすぐにでも信用できるだろう。 一通りの自己紹介を終えた後、私は聞き逃した放送の内容を船井さんから聞いた。 10人を超える死者が出たことには驚いたけれどが、幸い軽音部のメンバーに死者はいなかったらしい。 私はそれに心からホッとした。 そして、唯ちゃんが恐る恐る本題に入る。 「あの…それでね、ムギちゃん…言いたくなかったら、無理に言わなくてもいいんだけど…」 「私の身に何が起こったか…ですよね?分かっています…」 私の身に何が起こったか聞きたいのだろう。 「無理……しなくてもいいんだよ?」 「いいえ、そういう訳にもいきません」 「でも、途中で嫌になったらすぐに言ってね?」 「ありがとう、唯ちゃん」 そうして私は語りだした。 自分がここに至る経緯、目撃してきた惨劇を―― 「…………以上が私の、この島における今までの行動です」 私は、今日見てきた全ての出来事を、3人に話し終えた。 その間3人は一言も口を挟まず、ただ私の話を真剣に聞くだけだった。 私はつい自分の左手に視線を落とす。 千石撫子の手のひらの温もりを思い出す。 そして、突然―― 「むぅぎぃぢぁぁぁんっ!!」 唯ちゃんが私に飛びついてきた。 「怖かったんだねぇっ、よくがんばったねぇ!」 私の顔に頬をすり寄せながら、頭をなでなでしてくる。 でも、その言葉は私には適さない。 なぜなら…。 「私なんか……全然頑張れてません!!」 つい叫んでしまった。唯ちゃんも他の二人も驚いて口を噤む。 でももういいや、ここでぶちまけてしまおう。 「私なんか……何もしてません。目の前で人が死んでいくのをずっと見てただけで、何も出来なかった……」 「ムギちゃん……」 四肢や胴体を捻じ切られる、おおよそ人の死に方とは思えない無残な惨状を前に、自分はただ怯えている事しかできなかった。 「なんの力も無いからなんて言い訳にもなりません。あの人は、それでもあんな怪物にたち向かって行ったのに!」 「……」 常識外の化け物に立ち向かう人を確かに見た。あの人が居なければ私はとっくに死んでいただろう。 「私はただ逃げてただけで、この手に掴んでいた命さえ手放した……」 「でもそれは…」 「しかたなくないんです!防げたはずなんです、私がもう少し注意深ければ、すべて!!」 そして、あの重さを覚えている。私が手放した、命の重さを。 あの瞬間を覚えている、掴んだ手のひらの温もりが、離れていく瞬間を。 「私はただ逃げ出しただけです……」 やっと会えた友人に、泣き言しかいえない自分が嫌になる。 でも、一旦吐き出したら最後までとまらない。 「私はただ生き延びただけです!誰も助けられずに、ただ……ただ一人で意味も無く生き延びて、何になるって言うんですか?!」 言い切って俯いた。 なんとなく福路さんが息を呑んでいる気配がしたが、そんなこと今はどうでもいい。 罪の意識で、友人に当り散らすなんて。 もう、最低だ…。 「意味なら…あるよ」 ギュッ……と唯ちゃんの両腕が、私の体を包み込んだ。 「え?」 「意味ならちゃんとある」 私を抱きしめ、背中をポンポンと叩いてくれる。 「ムギちゃんが生き延びてくれて、わたしは嬉しいな…」 「唯…ちゃん…」 「ねえ、そんなんじゃ……ダメかな?」 涙が溢れた。 彼女が居てくれて良かったと。 私は切に思う。 その言葉は救いだった。 精神が擦り切れそうになっていた私は、ここに彼女が居なければ、罪の意識で遠からず駄目になっていただろう。 大きく首を振って、私も唯ちゃんを抱き返す。 「あったかいね」 そんな唯ちゃんの言葉を聞きながら。 もしかすると今、唯ちゃんも泣いているのではないかと思った。 けれど、抱き合ったこの体勢では、唯ちゃんの表情が伺えない。 「そうですね…あったかい」 両の手に力を込める。 ――この温もりだけは、絶対に失いたくない。 そう思った。 ■ 時間は少し遡る。 まだこの薬局のなかに、福路美穂子の姿が無かった時刻。 船井譲次は一人焦っていた。 (あかん……これ以上後手に回る訳にはいかん……!) 彼の予想を遥かに上回る、初期から殺し合いに乗る者の数。 完全に外している計算を何とか修正するため、彼はひたすら思慮に耽っていた。 (なにか……なにか策を……はよ行動に移さんと、いつか殺し合いに乗った奴等に行き当たる……!) 今、殺し合いに乗ったものに出会うこと、それがどういう事かは明白だろう。 船井は自身の力量をよく心得ている。 喧嘩が強い奴程度ならまだ何とかなるかもしれないが、現状の武装で銃を持った手合いを相手どるのは不可能だ。 手駒といえば、心底能天気で、ここがもし殺し合い激戦区だったなら、軽く百度は死ねるだろう天然女子高生のみ。 さらには、未だ気絶中の足手まといまで付いてきている。 一回目の放送であの数の死者、名簿外参加者の意義、自分が今まで無事だった事が奇跡に思えてならない。 だが、これからもその奇跡に賭ける訳には行かない。 故に彼は欲するのだ、策を。道しるべを。 ルルーシュと名乗った少年との情報交換は、期待したほど有意義な物ではなかった。 まずルルーシュはこのゲーム開始以来ここに至るまで誰一人として参加者に出会っていないと言うのだ。 この時点でほとんどこの情報交換はハズレだと判断した。 だが、気になる点は確かに有った。 ルルーシュが語った施設X群についてだ。 それと、唯の友人が知っているらしき、殺し合いに乗った者の情報。 (ルルーシュが去った今、最早それくらいしか考える指標があらへん) だが、せめて戦う事に長けた人材が欲しい 船井がそう現状を嘆いていた時。 「あのー、ごめんください。誰か居ませんか?」 薬局の入り口に一人の女性が現れた。 (なんでや……) 「私は福路美穂子と申します。勿論殺し合いには乗っていません」 (なんで……オレの周りには戦力外女子高生しか集まってこんのやっ……!!) 船井の嘆きは深くなるばかりであった。 ◆ 気が付けば、薬局はもう目の前だった。 福路美穂子は入り口から中の様子を伺ってみたものの、人影は無い。 もしかすると、誰か奥に隠れているのかもしれない。 「あのー、ごめんください。誰か居ませんか?」 美穂子は薬局内の奥、商品棚の陰になっていて、見えないあたりに呼びかけてみた。 だが返事は無い。 「私は福路美穂子と申します。殺し合いには乗っていません」 もう一度、呼びかけてみる。 美穂子はそこまでやってようやく、随分命知らずな事をしているなあと、自覚した。 これが、もう既に戦いに乗った者の根城だったならば、彼女はとっくに殺されているだろう。 今まで彼女は、こんな無計画には行動していなかった。 何か、彼女の中に明確な変化が有ったのか。 返事が無く、殺される事も無いのなら、きっとここは無人なのだろう。 そう判断して美穂子が踵を返しかけたとき……。 「あっ、ちちょ、ちょっと待ってくださいぃ~!」 突然、商品棚の陰から、学生服を着た一人の少女が飛び出してきた。 「すいません、聞かなかったフリなんかしちゃってて……」 あわてた様子で飛び出してきた彼女は、美穂子の声にすぐ応えなかった事を素直に謝った。 「いえ……かまいませんよ、でも出来れば事情を聞かせていただけませんか?」 「ああ、えっと……」 少女がチラチラと奥の棚を見やる。 「ああ…ホンマにもう、しゃあないな」 すると、その視線に呼ばれるように、奥の棚陰から胡散臭そうな中年の男が現れた。 美穂子の呼びかけに船井がすぐ応じなかった理由は二つある。 一つは、殺人者が隠れているかもしれない店内に、無防備に呼びかけるという行為を警戒した為。 そこまで大胆な行為をとるのは、何か裏があるかもしれないと思ったのだ。 もう一つは、これ以上お荷物を増やしたくないと言う船井の思惑だ。 だが堪え切れず飛び出した唯によって、彼は美穂子と接触せざるを得なくなったわけである。 三人は取り敢えずの自己紹介を行って、琴吹紬の意識が戻るのを待つことにした。 そして、紬の意識が戻る少し前。 「あの……ちょっと……考えがあるんですけど」 唯はあることを二人に提案する。 それに、美穂子はともかく、船井は少なからず驚いた。 船井は平沢唯を何一つ自分で考えない他人任せの平和ボケと認識していた。 船井にとって、彼女が何か提案をするという事自体が、最早怪奇の領域なのだ。 さらに、その提案がかなり理にかなっていた事に驚いた事は言うまでも無い。 その提案とは。 「あずにゃん……中野梓ちゃんの事、ムギちゃんには黙っていたほうが良いんじゃないでしょうか?」 5分後、琴吹紬が目を覚ました。 ☆ 琴吹紬がその身の上に起こった出来事を話した後。 福路美穂子もまた、それまで自身が体験した様々な出来事を語りだした。 その内容に、船井は更なる焦燥感を抱く事となる。 (指一本触れずに人を殺す超能力者……?人間離れした眼帯の女……?果ては、それと互角に戦った戦国武将やて……?) 船井の期待通り、二人の話は殺し合いに乗った者の情報元となった。 だが船井にとって、その話が持つ実質的な価値は、殺人者の情報などではない。 琴吹紬が襲われたと言う、超能力者、浅上藤乃 福路美穂子が遭遇した、妙な格好をした超人、眼帯の女 そして、戦国武将 平沢唯はともかく、船井譲次には到底信じられない話だった。 これがもし、福路美穂子と琴吹紬のどちらか一人のみから聞き出した情報ならば船井は相手にもしなかった。 この異常な状況に、気が狂ったのだと判断しただろう。 だが、二人ともにこのような荒唐無稽な話を事細かに言い出されては、考えざるを得ない。 参加者の中に、人の力を大きく超えた異能者達が居る。 (あほな、そんな常識外の事が……せやけど、確かにそれやと全部つじつまが合う……!!) 疑問だった、第一回放送の死者が多すぎる事に、説明が付く。 船井は、こんなにも早く殺し合いに乗る者が多い事に疑問をもった。 だが、参加者に人の領域を超えた能力を持つ者が含まれているのなら、一つの仮説が立つ。 このゲームの参加者は大きく分けて二つに大別される。 能力を持つ者と、持たない者とだ。 言うまでも無く船井達は何の能力も持たない一般人。 だが、この殺し合いの場において、自分に超能力があると仮定する。 もし自分に、『死ね』と念じただけで人が殺せる力があるとして、まずこの島で何をするだろうか? 決まっている、試すのだ。その力がこの場において、どれだけ有効か。 能力を持つ者は、自分と同じように、このゲーム内に力を持つ者が居る事を知っている。 集団に紛れるのは、弱者を一人血祭りに上げて、自分の能力の現状を把握してからでも遅くは無い。 だから開始早々殺しを行う参加者が多かったのだ。 (第一回放送の犠牲者は皆、実験台にされたっちゅうことか…。‘能力持ち’共の…。) 恐らく、名簿外参加者達は格好の餌として凶悪な‘能力持ち’の近くに飛ばされたのだろう。 ならば…あの時名簿外参加者である自分の周囲にも‘能力持ち’は居たのであろうか? 船井は、今更ながら背筋が冷えるのを感じた。 だがこれでようやく彼にも行動の目途が立つ。 (まだや…恐らく殺人者達はもうすでに集団の中に身を潜めた後、ここから暫くはそう苛烈な殺し合いには発展しづらいはずっ……!) 船井の想像が正しければ、実験を終えた‘能力持ち’の殺人者達は、これから暫くは集団に紛れて冷静に期を伺うはず。 流石に、多人数相手に攻撃を仕掛けるよりも一旦、内側に溶け込んだ方がいいと判断するだろう。 琴吹紬のように逃がしてしまい、自身の悪いうわさを流されることを嫌うはずだ。 (オレは無意識の内に一番危険な時期を乗りきったんや、まだ勝機はある……!) 己が知力を駆使し、この殺し合いを生き抜く。その為のプランは既に船井の中で形を成しつつあった。 「みなさん、ちょっと聞いてくれ、これからの行動について相談したい事があるんや」 自らの頭脳をフルに回転させつつ、船井は手駒達に行動会議の発令を宣言した。 時系列順で読む Back 狂気の拠り所 Next ざわざわ時間(後編) 投下順で読む Back サクラ(イ)大戦 Next ざわざわ時間(後編) 114 夢を過ぎても(前編) 平沢唯 ざわざわ時間(後編) 114 夢を過ぎても(前編) 船井譲次 ざわざわ時間(後編) 114 夢を過ぎても(前編) 琴吹紬 ざわざわ時間(後編) 118 ひとりにひとつ 福路美穂子 ざわざわ時間(後編)
https://w.atwiki.jp/yasakor0novels/pages/83.html
トップページ>小説Index>日下部 春流>投稿Novel s 蒼き空の下で-前編- 投稿者名;カノン ぽーん。 いつもなら、街の雑踏に紛れて耳に届かないはずの音。 遠くのほうで、ボールが弾む音が俺の耳を捉えていた。 自分でも解る。 感覚が鋭くなっている事に。 そう。だから、本来拾わないはずのそんな音さえも、今敏感に捉えられるのだろう。 (それにしても……。この音はどこから?) 辺りを見回しても、子供が遊んでいる姿なんて無い。 空を振り仰ぐと、どこまでも冴え渡る澄み切った蒼い空に、真っ白い雲がぽっかりと浮かんでいるだけだ。 そして、目を射るくらいに眩しい太陽の輝きが、じりじりと音を伴って降り注ぐ錯覚さえ起こしそうだった。 蜃気楼で揺らめく地平線が、この暑さを物語っている。 じっとしていても、この太陽の照り付けが、肌の水分さえも奪い取っていくかのように体を貫いていく。 無意識に木陰とかの影を探している自分に気が付いた。 きっとそれは、生命体としての本能だろう。 自らの身の危険を、きっと感じているのだと思う。 まぁ、日本に居たらそうそう味わえない感覚だろうなと思う。 真夏の暑さに匹敵するくらい――いや、もしかしたらそれ以上の暑さだろうが、空気が乾燥しているせいで、まとわり付くような鬱陶しさは無い。 不快指数は低目かもしれないが、如何せんこの暑さには辟易してしまう。 真面目に「焦げる」かもしれない。 まぁ、こんな状況下だ。 さっきのボールの弾む音なんて、気のせいだろう。 そう思うことにした。 それよりも、どこか日差しを遮れる場所に非難した方が良さそうだ。 とりあえず、近場の木陰へと身を潜めた。 空気の暑さは変わらないのに、太陽の日差しが遮られただけで、人心地付きそうになってほっとする。 人間の感覚なんて、おかしなものだ。 じわりじわりと滲み出る汗に、クーラーとしての役割を求めるのなら、この気温では無理がある。 焼け石に水と言ったものだが、少し扇いで、ちょっとだけ涼む。 さすがにこの日差しの下では、黒いカメラは熱くなってしまう。 無理も無いけどな。 溶けてた――なんて事はないだろうけど……。 などと、ごちるようにカメラを点検してみた。 埃のある場所なんていったつもりも無いのに、少しレンズの近くに砂埃みたいなのが付いていた。 そっとそれを落として、ファインダーを覗いてみる。 望遠の付いたそれの先には、目から見える景色のまだ先の方が見える。 ある種族なんて、肉眼で何キロか先が見えるらしいが、日本人である俺には出来ない芸当だし、そんな必要もない。 こいつがあれば、それに匹敵するくらいの遠くまで肉眼で見ているように捕らえることが可能なのだから。 カメラは嘘をつかない。 けれど、撮る者、その出来た写真を扱うものが“心”を入れてしまえば、それは善にも悪にもなりえるものになる。 「俺が撮りたいものは、“瞬間の真実”だけ――」 乾いた風が、そんな呟きさえ空の彼方に飛ばしていく。 たとえ、戦地の惨状を撮ったものも、写真はそこにあるがままの姿を曝け出すだけ。 それに「酷い」とか「かわいそう」とかの“心”を入れるのは、それを見る“人”。 俺が撮りたいのは“瞬間の真実”だけ。 被写体の“在るがままの姿”だけ。 一般的な人々や、写真集を買ってくれたり写真展などに見に来るお客さんが、各々の“心”を入れていくに過ぎない。 今日も、日本を遠く離れた空の下、“真実”を追い求めている。 焼き付けねばならぬ、惨状を収めるために……。 Next...... 蒼き空の下で-前編- ● この作品についての評価を投票受付中! 選択肢 投票 最高!!★★★ (0) ブラボー!★★ (0) 拍手★ (0) ● この投稿作品へのコメント受付中 ニックネーム ひとこと すべてのコメントを見る トップページ>小説Index>日下部 春流>投稿Novel s
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/115.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~修練の書~ 第7話 戦闘 前編 夜になり、出場するチームはグラウンドに集合した。 生徒の他にも、教官達も参加するようだった。 ゼ「…教官達も参加するらしいから、もし当たったら勝てないよね。」 べ「生徒と戦うとは決まっていませんから、教官達はお互いに戦うのでは?」 沙「そうだよね。やふやふさんとかと当たっちゃったら、私達じゃ無理だよね。」 試合会場は、中央にある二つの大きなクリスタルの周りのようだった。 理「参加されるチームの方はこちらに集まってください。」 理奈さんの声と共に、大勢の人がクリスタルの回りに集まった。 ス「いよう、ここだったのか。」 クリスタルに向かう途中で、スモーキーさんが話しかけてきた。 沙「応援しに来てくれたんですか?」 ス「まあな、生徒と教官は決勝でしかぶつからないらしい。 …勝ち進めよ、決勝で待ってるからな!」 沙「はい、必ず勝ち進みます。」 理「参加されるチームの方はお急ぎください!」 理奈さんに言われて、急いでクリスタルに向かった。 生徒のチームと教官のチームは別々のクリスタルの様だった。 理「それでは説明します。試合はこのクリスタルの中で行います。」 理奈さんの言葉を聞いて、回りが騒ぎ出した。 「クリスタルの中って、一体どうやってクリスタルの中になんて入るんですか?!」 生徒の一人が理奈さんに対して質問した。 確かに、クリスタルの中で戦うっていうのは、ちょっと意味が分からなかった。 理「それを今から説明するんです!戦う2チームがクリスタルに近づいてもらいます。 その後、クリスタルによる仮想空間内部で戦っていただきます。 尚この仮想空間では、傷を負っても現実に傷を受けるわけではないので安心して下さい。」 なるほど、例え仮想空間内部で致死量のダメージを受けても、大丈夫という事だね。 理「それでは、最初の組み合わせを言います。 第1試合は、沙羅・ゼノ・ベルクチームとレイン・リック・キルシュチームです。 両チームはクリスタルの前まで来てください。」 クリスタルの前まで行くと、突然相手チームの一人が近づいてきた。 そして、ベルクさんに近づいた。 レ「…やっと、あんたへの恨みが晴らせる日が来たわ。」 ベルクさんの知り合いかな? そう思ったが、とうの本人は分からないようだった。 べ「えっと…、どちらさまですか?」 レ「忘れたとは言わせないわよ!3ヶ月前のあの雷魔法実習を!!」 べ「……あぁ、レインさんですか。あの時の怪我はもう大丈夫なんですか?」 雷魔法実習と聞いて、ベルクさんは思い出したようだった。 3ヶ月前…、ベルクさんがまだ魔法のコントロールが十分にできなかった時だね。 レ「むきー、何よその態度は?!この恨みは試合で必ず思い知らせてあげるんだからッ!」 理「二人とも、試合前に喧嘩は禁止です!」 理奈さんに仲裁されて、両チームとも位置に着いた。 理奈さんが何やら呪文の様な言葉を言うと、クリスタルが輝きだした。 その光に吸い込まれるように、意識が遠くなった。 ?「………ん。沙…さ…。沙羅さん。」 誰かが私を呼んでいる。 …誰? べ「沙羅さん!」 気付くと、ベルクさんが私を呼んでいたようだ。 周りを見ると、先ほどまで大勢いた生徒が消えていた。 ゼ「沙羅も気がついたんだね。…どうやら、ここが仮想空間の中みたいだね。」 理「その通り、ここは貴方達の意識だけが存在する空間です。」 沙「確かに、さっきまで居た場所とは微妙に違いますね。」 先ほど話しかけてきたレインさんのチームも居た。 そして、理奈さんを挟むような形で横に並んだ。 理「それではこれより、アマテラス杯新人戦第1試合を開始しますッ!」 辺りに雷鳴が木霊した。 理奈さんが得意とする雷魔法の音だね。。 これが試合開始のゴングの代わりなのだろう。 両チームとも一斉に戦闘準備をした。 べ「こちらは各職1名づつで、相手はソーサラー1とスカウト2ですね。」 ゼ「ということは、スカウトの妨害に気をつけなきゃね。」 沙「では、私とゼノ君でスカウト2名を、ベルクさんはレインさんの相手をお願いします。」 3人で作戦を決めて、相手チームを見た時だった。 3人居るはずの相手チームが、レインさん1名だけになっていた。 沙「な、何で一人だけになってるの?!」 ゼ「ハイドだ、注意し」 ゼノ君の言葉が終わる寸前で、私とゼノ君は羽交い絞めにされた。 キ「私達を相手に、余所見はダメよ。」 リ「まったくだ、油断大敵だぜ。」 沙「しまった。」 まだベルクさんは動けるから、魔法でこの二人を引き離してくれるだろう。 そう思ったが、ベルクさんはレインさんと対峙しているようだった。 レ「お仲間の二人は羽交い絞めで動けないわ。これで1対1よ、勝負しなさい!」 ベルクさんが私達の方を振り向いた。 べ「1対1で勝負するのは良いですが、その間に御二人に手を出したら…容赦しませんよ。」 レ「さあ勝負よ!私の雷で、貴方の身も心も痺れさせてあげるわ!!」 私達から少し離れた場所で、二人は向き合った。 レ「喰らいなさい、ライトニングッ!」 自分で雷と言っただけあって、レインさんは雷魔法を主体としたソーサラーというのを理解した。 雷魔法の恐ろしさは、その射程もさることながら、詠唱が短い為、次々に魔法を放てるところだ。 一方、氷魔法が主体のベルクさんは、射程・詠唱共に負けている。 今の私達には、ベルクさんが勝ってくれる事を祈る事しか出来なかった。 次々に放たれる雷魔法に、ベルクさんは避け続ける事を余儀なくされた。 そして、レインさんのサンダーボルトを避けようとして、横にステップした時だった。 レ「この時を待ってたのよ!神の怒りを知りなさい、ジャッジメント・レイッ!!」 空から無数の雷が現れ、ベルクさんの周りに飛来した。 べ「きゃあああぁあぁああぁあッ!」 絶叫と共に、ベルクさんが倒れた。 あれだけの雷をまともに貰ったのでは、無理も無い。 沙「ベルクさん立って!立ち上がって!!」 私がそう言うと、レインさんが私の方を向いた。 レ「うるさいギャラリーね、これでもくらって大人しくしてなさい。 彼の者を貫け、ライトニング・スピアッ!」 一瞬の閃光と共に、私の体を雷の槍が貫いた。 そして、現実世界で受けたようなダメージが、私の体を走った。 痛い! 仮想空間でも痛みは感じるの? ゼ「沙羅ッ!」 キ「ダメよ、まだ終わってないんだから。」 羽交い絞めにされたゼノ君が私の所に来ようとしたが、脱出できなかったようだ。 リ「こりゃ終わったんじゃね?」 私を羽交い絞めにしているスカウトがそう言った時だった。 べ「…沙羅さんに、手を出しましたね。」 ベルクさんが、ゆっくりと立ち上がった。 あれほどのダメージを受けたはずなのに、何で立ち上がれるの?! レ「あら、まだ生きてたの? 往生際が悪いのね。」 べ「貴方は私との約束を破った。だから…、本気で行かせてもらいます!」 先ほどのダメージが回復したとは思えない。 一体、ベルクさんは何をする気なの? レ「その体で、何をするって言うの?面倒だから決めさせてもらうわ! 神の怒りを知りなさい、ジャッジメント・レイッ!!」 また空から無数の雷が落ちてきた。 沙「ベルクさん、逃げて!」 雷がベルクさんに当たろうかとした瞬間だった。 不意に、ベルクさんの姿が消えた。 …いや、消えたんじゃない。 そう、ベルクさんはレインさんの隣にいた。 一瞬にして、レインさんの横まで移動した?! レ「なッ!」 べ「私ね、約束を破る人が…大嫌いなんですッ!」 ベルクさんがレインさんの腕を掴んだ瞬間、二人の周りをドーム状の氷が覆って行った。 これは何?と考えていると、二人が完全に氷に覆われた。 レ「いやあああぁあああぁあッ!」 突然、レインさんの悲鳴が聞こえた。 中の様子が分からない為、一体何があったのか分からない。 悲鳴が終わると、二人を覆っていた氷が砕けた。 しかし、そこにはベルクさんしか居なかった。 理「レインチーム、一名脱落っと。」 理奈さんが何かを確認して言った。 脱落って、死んだって事?! べ「さて、残すはスカウトの御二方のみとなりましたけど?」 ベルクさんが満面の笑みでこちらを見た。 すると、私を羽交い絞めにしていたスカウトが離れた。 そして、理奈さんの所に走って行った。 リ「き、棄権します、俺達二人じゃ無理っすッ!」 キ「ちょ、ちょっと何勝手に決めてるの?!」 理奈さんが二人を交互に見て、手に持っていた紙に何かを書いた。 理「では、レインチームの棄権という事ですね。 よって、第1試合の勝者は沙羅・ゼノ・ベルクチームに決定です。」 そう言うと、理奈さんはまた呪文の様なものを唱えた。 そして私は、自分の体が光に包まれていくのを感じた。 後編はもうちょっとしてからUPします byスモーキー
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1322.html
163 :『はのん来訪者』前編:2009/08/01(土) 16 08 58 ID LbL1QSPr 1 ぬるま湯のシャワーを垂れ流しにして、浴室の中、スポンジマットの上で、幼い肉体がぶつかり合う。 少年のペニスは容赦無く幼子のアナルに出し入れされ、直腸粘膜をゴリゴリと押し拡げながらハメ倒している。 ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん!! 「ふあぁぁぁぁぁん!! にぃにぃ、ヤらぁっ……あ、あっ、ゃあぁっ、おちりいたいよぉっ!!」 四つん這いになり、ハイハイで逃げようとするのは、まだ3歳で入園したばかりの美木仁 はのん(びきに はのん)。 しかし、ハードローションを大量にブチ撒けられたマットの上では無駄な抵抗。 僅かに前へ進んだとしても、腰を掴まれて容易く戻される。 「ごめんねっ、はのんちゃん……でもっ、ちんちん気持ちよくてっ、とまらないんだよぉっ!!」 後ろから腰を振り立てるのは、小学生三年生で9歳の美木仁 石榴(びきに ざくろ)。 二人は実の兄妹で、どちらも年齢一桁の子供で、だけれどもアナルセックスで感じ合っていた。 幾度の腸内射精でばちゃばちゃと泡立つ肉穴の中に、未だ固さを失わない杭が一定のリズムでネジ込まれる。 「はのんちゃん、はのんちゃん、はのんちゃ……はの、んんっ!!?」 ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん! びぎゅ、びゅるびゅるっ、びゅぼおぉっ!! ばちゅん! ばちゅん!! ばちゅん!! ピストンしながら中出しし、中出ししながらピストンする。ざくろは大量に流し入れた精液を更なる潤滑油に、果てる事なく幼い肉壺を掻き回す。 「ひゃぁぁっ!? んにゅ、んあっ、ふぎゅ、いっ、たっ、ぃあぁぁぁっ♪♪」 はのんも情熱的な兄のペニスに屈伏し、無理矢理ほぐされて弛筋したアナルで、ついに初アクメを迎えたのだった。 直腸粘膜……つまりは内臓を犯されてイキ、ビクビクと震えながらのけ反った後、ゆっくりマットへと崩れ落ちる。 「あぁっ、はのんちゃん! もっと、もっとぉっ!!」 そのせいでペニスはしばらくぶりに穴から顔を出し、セックスのし過ぎで赤く痛々しく晴れ上がっていた。 もはや刺激されても気持ち良さなんて無いが、それでも射精する瞬間の、刹那の快楽の為に妹へとのしかかる。 はのんが小さく呼吸する度に、拡がった尻穴からは精液が逆流し、それを塞ぐようにして、ざくろはペニスの先端を挿入口のへりに押し付けた。 「はい、すとーっぷ!! 私は身体を洗えって言ったのよ? それなのに……抵抗できない妹をレイプするなんて、どういう事なのっ!?」 しかしそこまで。再びはのんの内臓を擦り上げる事は無かった。 何故なら、浴室の戸を開けた人物の一言により、ざくろの表情は青ざめ、ペニスは急激に縮こまったから。 「あっ……にーねぇ、ちゃん……ごめんな、さいっ、うっ、うぐっ……うわあぁぁぁぁぁん!!!」 腕を組み、鋭い視線でざくろを睨むのは、ざくろの姉、美木仁 新菜(びきに にーな)。 仕事で両親が家を空ける事は多い。それでも、17歳の若さで高校に行きながら二人を優しく育てて来た。 今まで怒る事はほとんど無かったのだ。怒りたくも無かった。だが、今回は別。本気で怒っている。 本気で怒っている……表面上は。内心は込み上げる笑いを隠すのに精一杯。 「ほらっ、手伝ってあげるから、身体を洗いなさい!」 だって……ざくろは、我慢できずに、はのんを犯す。それがわかっていて身体を洗ってやるように指示したのは、他の誰でもない、実の姉、ニーナなのだから。 『はのん来訪者』前編 164 :『はのん来訪者』前編:2009/08/01(土) 16 10 08 ID LbL1QSPr 2 アスファルトの地面さえ溶けて流れ出しそうな、残暑の終わらぬ初秋の朝。 ただ居るだけで汗を掻き、息をするだけで体力を奪う。季節外れの熱帯温度。 そんな思考能力も低下させる日。一人の女は蜥蜴(とかげ)になる。キッチンの壁にピッタリと身体を寄り添え、物音も立てずに耳を澄ます。 「はぁっ……ざくろぉっ」 目を細め、涙ぐませ、想像し、長い黒髪は赤く染まる頬に張り付き、この世の誰よりも妖艶に人の道を破棄する。 女の行為は最低も最低。 「あっ、でたぁ♪ 凄い、たくさん……でてるよぉっ♪♪」 オシッコの音を、壁に耳を押し当てて聞いてるのだから。 「あっ、おわっ……ちゃったぁ。うくっ、ぐっ……私は、最低だっ!」 壁に寄り添ったまま、自己嫌悪でズルズルと崩れ落ちる。しかしどれだけ罵っても、トイレの音を聞いて興奮していたのは事実。 弟が放尿する音を、息を熱くして、恋する乙女の顔で盗み聞きしていたのは事実だ。 ブラコン、ショタコン、サディスト、その三つを保持する変態三冠王、美木仁 新菜。女として、実の弟、ザクロを寵愛する愛欲の姉。 弟の泣き顔が好きだった。 弟の泣き声が好きだった。 どこが好きだ? と問われれば「全て」と答え、 いつから好きだ? と問われれば「産まれる前から」と答える程に…… 17を迎えた姉は、9歳を迎えた弟に、恋をしていた。 だからこの行為も、そんな感情のネジ曲がり。目尻からは涙が零れ、白いタンクトップは汗に濡れて胸の形を浮かべ、下着とジーンズは汗と愛液でぐっちょりと変色している。 トイレの音をおかずにして、膣壁を小突かれる様を妄想していたのだ。 「あれっ、どうしたのにーねぇ?」 ザクロはトイレの戸を閉め、台所で手を洗おうとして、壁に寄り掛かり正座して動かない姉を発見する。 「今日、サッカーの試合なのよね?」 そして蛇口を捻り、冷水で手を洗い、タオルで拭いた後に、やっとそれだけ返された。 新菜は下を向いたまま。床に座ったまま。 「うんっ! そうだよぉっ♪♪ 帰りは午後になるからねっ。じゃ、いってきまーす!!」 姉の様子が少し変だと気付いてはいたが、ザクロはこれから始まる試合が楽しみで仕方ない。故にワクワク感が心配を押し切り、スポーツバッグを肩に掛けて玄関を飛び出させた。 残されたのは、女としての本音を隠し、姉として弟を送り出す、恋を覚えた一人の少女。 「いっちゃ、イヤ、だよぉっ……」 されど、そんな思いは禁忌そのもの。叶う事は一生ない。 「わかってる、わかってるよ……ざくろが大人になるまでよ。それまでは側で守ったげて、ざくろが大人になったら……私も誰かと結婚する」 鋼の決意を、ダイヤモンドよりも硬い覚悟を。 「にーねぇが、守って……あげるからねっ!!」 165 :『はのん来訪者』前編:2009/08/01(土) 16 13 54 ID LbL1QSPr 3 太陽光線がアスファルトを唐揚げる真夏日。 私立轟冠小学校の校庭で行われているのは、地区を代表する小学生サッカーチームの決勝戦。 三百を越えるギャラリーに囲まれ、二十二の子供達が緑のフィールドを駆け回る。 チーム『K’』(けーだっしゅ)と、チーム『オロチ』。点数は1対1で、時間は後半ロスタイム。 「チームK’、ミッドフィールダー平坂君に代わりまして美木仁君!!」 ここまで来て、チームK’の最終兵器が投入された。 ベルベットの様に柔らかな身体に、ウィップの様にしなやかな脚力を持つ、Kの切り札、美木仁 ざくろ。 あまりにも圧倒的なサッカーセンスで、小学生が相手だと後半ロスタイムからしか出場を認められていない例外中の例外。 「いくよみんな! ラ・オル・ケスタだっ!!」 ザクロの掛け声でK’のチームメイトは息を吹き返す。疲労の色は消え、溢れるテンションモアベター。 拮抗していた戦力は覆り、K’のパスが面白いように繋がり始める。 キーパーからディフェンダーへ、ミッドフィールダーへ、フォアードへ、勿論最後は…… 「これで決めるよっ!!」 受けたアンダーパスを振り向き様の右足で、ダイレクトで、一直線に打ち抜き、 「チェーンドライブゥゥゥッ、シュゥゥゥゥゥゥトッッ!!!」 ゴールネットに突き刺した。 その直後に試合終了のホイッスルが鳴り、チームメイトは喜び、相手チームは泣き、観客は大声で沸く。 「ううん、祝勝会は出ないよ。もっとサッカーの練習をしたいんだ」 表彰式の後、祝勝会の誘いを断り、誰も居なくなった校庭で黙々とボールを蹴り続ける。それがザクロ。 生れ付きメラニン色素が足らずに髪の色はシルバーで、美木仁家独特の赤く切れ長な瞳。本人の性格もクールな一匹狼で、サッカーの試合以外は大声を上げる事が無い程。 みんなと遊ばず、ボールを友達にして、3歳の頃からサッカーボールを蹴って来た。故に人付き合いは苦手で、外見的な特徴が更に拍車を掛ける。 そんなザクロにも夢が有った。普段の行動が示す通り、夢はデッカク世界No.1のサッカー選手。 夢が、『あった』。しかしその夢は、今日をもって暗礁に乗り上げてしまう…… 166 :『はのん来訪者』前編:2009/08/01(土) 16 15 19 ID LbL1QSPr 4 奏でる蝉(せみ)は蜩(ひぐらし)へ。太陽は夕日と名を変えて、辺り一面を真紅に染める。 学校からの帰路。ゆっくりとドリブルをしながら、人気(ひとけ)の無い道を家に向けて歩く。 歩くのは身長が130センチにも満たない子供。顔だけを見れば少女にも映る中性的な少年。上は裸で、脱いだユニフォームを肩に掛け、下は黒いスパッツ。肌は小麦色に焼け、ユニフォームを着ていた部分だけが白く浮いていた。 「あーあ、遅くなったなー。怒られるかなー?」 公園の前。蜩の声を除けば、聞こえるのはボールが転がる音だけ。それは公園の中も無人で在る事を示す。ザクロの蹴るボールしか音を立ててない。 昼間には沢山の子供が遊び、公園中央の噴水も水しぶきを上げて歓迎しているのに、夕刻を迎えた途端、この公園は虫達だけの無人になる。 「晩ゴハン抜きとかだったらヤダなー」 ザクロは試合後のサッカー練習に集中し過ぎた為、門限の五時を初めて破ってしまった。 そしてその事で怒られるかも知れないと、地面に視線を向けて溜め息を吐き、トボトボと歩きボールを蹴っている。 だから気付かない。背後から近付く、息を殺した足音に。 「ふぅっ、ふぅっ……」 ソレは静かに呼吸を繰り返し、 静かに、静かに、背後から忍び寄る。 ピタリ。一歩。 ピタリ。一歩。 ピタリ。一歩。忍び寄る。 手を伸ばせば触れる距離まで接近され、ザクロは自分を覆う影でやっとソレに気付く。 「ふぇっ? んむぅぅぅぅぅぅぅっ!!?」 しかしもう遅い。振り向く前にニット帽を鼻上の位置まで深々と被らせられ、左手で口を塞がれ、胸部に右腕を回されて抱き上げられた。 「んんっ!! んんっ!!!」 本当に一瞬の隙。どんなにサッカーセンスがズバ抜けていようが、所詮は年齢一桁の小学生。 訳も解らずにパニックを起こし、足をジタバタするだけの僅かな抵抗で、簡単に無人の公園へと引きずられて行った。 後に残ったのは、主を失って寂しそうに転がるサッカーボールと、一向にやまない蜩の鳴き声。 167 :『はのん来訪者』前編:2009/08/01(土) 16 16 13 ID LbL1QSPr 5 ザクロは公園の隅……更に人目の付かない草むらに連れ込まれて、口をガムテープで閉ざされて仰向けに倒された。 手首には手錠を掛けられ、巨木の幹を迂回してもう片方の手首に掛けられている。 「んむぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 泣き叫んだって誰もきやしない。足首を束ねられ、グルグルとガムテープで巻かれて固定され、身動きを完璧に殺された。 耳に届くのは…… 「ふぅっ、ふぅっ! ふぅぅっ!!」 先程とは打って変わる、荒く凶暴な息使い。 ソレはザクロの足を膝立ちで跨ぐと、穿いているスパッツに爪を掛けて真上に引っ張り伸ばす。 そのまま両手を使い、まるでポテトチップスの袋を開けるかのようにビリビリとスパッツを引き裂いた。 その下に在るトランクスも同様で左右に裂き広げられ、毛も生えていないショタチンコだけがピコピコと縮まって震えている。 「ふぅっ! ふぅぅっ!! 私は悪くない、わたしはわるくない、ワタシはわるくない……」 しかし、ソレの心情はザクロと真逆。大量のアドレナリンが脳内を巡り、壊れたように自己弁護を執拗に繰り返す。 ソレは姉。ザクロの実姉、美木仁 新菜。 淡いブルーに艶めく長髪と、天然ルビーも道を譲る切れ長のレッドアイズ。 見るもの全てに女を意識付ける抜群のプロポーションを、黒一色のライダースーツで覆っている。 例え人の道をリタイアしていても、ニーナは間違いなく美しかった。子供の頃の事故で左目にケガを負い、眼帯で隠してはいるが、そんな傷も美を引き立たせるアクセントにしか感じさせない。 されどたった一つ欠点を上げるなら、彼女は末期のブラザーコンプレックス。ついでに加えるなら、極度のショタコンでサディストでも有る。弟をイジメる事に性的快感を得る人物…… 弟の泣き顔が好きだった。 弟の泣き声が好きだった。 お姉ちゃんごめんなさいと言われるだけでエクスタシーを感じた。 だからもっと困らせたくて、だから強姦魔のフリをして、ザクロをレイプする事に決めた。 鋼の決意は溶け流れ、ダイヤモンドの覚悟は粉々に。 これは仕方の無い事。新菜に限った事ではない。全てはザクロがイケないのだ。 イヤらしい日焼けの痕をさらけ出して歩き、お風呂上がりなんかは裸で走り回って、日焼けした手足と真っ白なオチンチンのコントラストを無意識に見せ付ける。 そんな挑発をされては、実姉と言えど狂ってしまうのは仕方ない。精通前で年齢一桁の小学生男子児童のクセに、大人を誘惑するエロショタはレイプされても仕方ないのだ。 例え、屈強な男達にガチンコ種付けファックでマワされても、これだけは、これだけはどうしようもない。