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4-222様 ビターチョコレート&ピーナッツ の続き ○ニコの家 ○屋根 ニコ「ああ・・・そらが青い」 空(から)の鳥籠を隣に置いて、空を見上げるニコ。 ニコNa「私がスパイ活動・・?をやめて約1年経つ。私の相方、ロボともそれくらい会ってない。」 ○ロボの家 ロボ「くぁあああ・・・」 ベッドの上でアクビをするロボ。 寝起きのまま、テレビのリモコンをとろうとした拍子に通帳が落ちる。 開いた通帳には残金が「2円」と書かれている。 ニコNa「きっと、相変わらずなんだろう。ロボは変わらない大人なのだから。 今ごろロボットいじりでもしているのであろうことが簡単に想像がつく」 テレビのスイッチを入れ、起き上がる。 ロボ「マーックス!!!」 ○地蔵堂 社長「ちょっと、よっちゃーん?お好み焼きまだぁ~?」 よっちゃん「はいはーい、できましたよー」 キッチンからエプロン姿で出てくるよっちゃん ニコNa「地蔵堂の二人、社長とよっちゃんは旅に出るといってそれから半年ぐらいで戻ってきた。 全国を旅したらしい。結局、この地に骨をうずめるのが一番だということで笑顔で帰ってきた。 私は今でもあっている。まったく依頼は受けないようにしているが。 ロボも知らないはずはないのだが、きっと、怖くて近づけないんだろう」 お皿からお好み焼きをこぼすよっちゃん よっちゃん「あっちぃ!!!!」 ○ニコの家:リビング ニコの母「ちょっとーニコぉー!!朝ごはんよー!!」 ニコの父「いっただきまーす」 一海「ちょっとお父さん!手ぇ洗った?」 ニコの母「やだ、汚い、お父さん」 ニコNa「うちも相変わらずだ。いつかは変わるはず、そう思っていたにも関わらず、 結局、あの角を曲がって以来、私の生活に変化はない。 ただ、唯一変わったとすればロボに会っていないぐらいのものだ。」 ○屋根 ニコ、空をボーっと眺めながら ニコ「どうしてロボに会わなくなったんだっけ・・?」 過去の映像フラッシュバック Voice11の公園でのロボとの会話の映像。 ニコ「ごめん、用事が・・」 ロボ「んじゃ、また明日ねー」 映像がストップする ニコNa「そうだ。思い出した。最後はこんな会話だった」 ニコ「・・ロボか・・・・、会いたいな」 ○高校 むーちゃん「ねぇ、ニコ。この前のテスト何点だった?」 ニコ「んー。いいたくない。いいたくないぐらい悪かったもん」 ニコNa「私はといえば、普通の高校生活を送っている。別にとくに変わったこともなく生きている。 思えば、あの3ヶ月間が刺激的すぎたのだ。普通のおんなのこに戻っただけ。それだけなのだ。 なのに、なんでこうも寂しいのだろう。地蔵堂から依頼を受けなくなったから? 恋をしてないから?どれも考えるけど全部違う気がする。」 ○街の全体図 爆発音。とともにあがる煙。 ○高校 ニコ「え?爆発?」 ざわめくクラス。 みんな窓辺?に集まる。 遠くで上がる煙。 ニコNa「答えはとっくに分かっているのに、怖くてロボに会いにいけない自分がいた。 いつも青かった空には黒く細長い不気味な煙が昇っていた」 オープニングタイトル 「セクシーボイスアンドロボ2」 ○街 ロボ「ゲッ!やっば、遅刻じゃん!」 腕時計を見ながら、赤信号にいらつくロボ。 ロボ「もーう!遅いな!!」 信号の近くにある歩道橋へと走るロボ。半分ぐらい登ったところで信号が青になった。 ロボ「なんだよ!」 ロボは急いで駆け下り、信号を渡ろうとした。 すると横から急に車が。 ロボ「うわあああああああああああ!!!」 車の中から声が 「あぶねぇじゃねえか!馬鹿野郎!!!」 ロボ「そっちこそ、危ないだろ!!気をつけて運転しろっ!!!!」 車から降りてきたグラサンの男。 ロボ「げ・・・・よ、よっちゃん?」 よっちゃん「あ、ロボじゃん!!!」 ロボの後ろで大量の車がクラクションを鳴らしている。 ○車内 よっちゃん「しっかし、ひっさしぶりだな~。」 ロボ「うん。え?って、いうか、え?俺、仕事・・」 よっちゃん「いやいや、こんな広い世界でたまたま今日って言う日に再び会えたのも何かの縁だ。 ちょっと地蔵堂寄って来いよ。」 ロボ「広い世界ね。うん、なるほど。でも仕事も大切・・」 よっちゃん「ごたごたうるせぇなあ!いいじゃねぇかよ!減るもんじゃないし!」 ロボ「給料が減るでしょ!」 ○高校 ニコ「あーあ。暇だなぁ」 むーちゃん「どうする?今日の放課後。ミスド寄ってく?」 ニコ「うーん。今日はいいや。なんか早く帰りたいし」 むーちゃん「さっきの爆発さ、なんだったんだろうね」 ニコ「さぁ?テレビでやるんじゃない?」 むーちゃん「・・・・・ニコさ、最近暇そうだね。」 ニコ「だってさ、高校なんてすること勉強だけじゃない。」 むーちゃん「なら、部活入ればよかったのに。」 ニコ「なんか、私部活ってガラじゃないでしょ?」 むーちゃん「確かに。なんか、ね。マネージャーでもやれば?」 ニコ「それは絶対無い。」 むーちゃん「なんでよ。ニコなんかかわいいんだから憧れの先輩と恋にでも落ちるんじゃない?」 ニコ「憧れの先輩がいないもん」 むーちゃん「ってゆーか、ニコってさ、恋愛とか・・・したことあるの?」 ニコ「へ?」 むーちゃん「ニコってそういう噂聞かないじゃん。だから気になって。」 ニコ「あ、あるよ?もちろん」 むーちゃん「じゃあさ、キスは?」 ニコ「へ?」 むーちゃん「いや、だからキスは?」 フラッシュバック 社長の誕生日パーティー事件の時にロボの頬にキスした映像 ニコNa「あれは・・キスと呼べるのだろうか?」 むーちゃん「おーい、ニコ~?」 ニコ「あ、あるよ。一応ね。」 むーちゃん「へ~!意外だな~!」 ニコ遠くを眺めながら ニコ「うん。恋したね~」 ○地蔵堂 ロボ「はっ・・・」 よっちゃん「は?」 ロボ「はっ・・・」 社長「は?」 ロボ「クッショォオオオオオオオオオン」エコーかかる ○街の全体が震える ○地蔵堂 よっちゃん「うるせぇし、きったねぇな」 ロボ鼻をすすりながら ロボ「噂かなぁ」 社長「あなたを噂する人なんているのかしら?」 よっちゃん「あ、いるな、一人」 ロボ「え?だれだれ?」 社長「あ、本当。いるわね。そういえば」 ロボ「だから、誰ぇ?」 ○高校 ニコ「・・・ロボ?」 チャイムが鳴る 先生が入ってくるのと入れ替わりに出て行くニコ 先生「あれ?え?林。どこ行くんだ?」 ニコ「そ、早退、早退します!」 ○路地 かけていく足。 電柱にテレクラの紙が張ってある所に差し掛かったところで はじめて出会ったときの映像が流れる。 ○公園 かけていく足。 プッチーニ事件でもらったメモを捨てたときの映像 ○地蔵堂の外観 とまる足。 過去の事件の映像がフラッシュバックのように点滅する。 ニコ目を閉じて ニコ「ロボ・・」 ○地蔵堂 ロボ「ねぇ、誰ぇ?」 社長「噂をすれば、ってやつね」 指を指す社長 ロボ「へ?」 振り返るとそこには息を切らしたニコが立っている。 ロボ「ニ、ニ、ニ、ニコぉ!?!」 ニコ「・・はぁ・・はぁ・・・ロボ・・!」 よっちゃん「役者はそろいましたね。社長。」 社長「そうね。・・二人とも! 感動の再会中悪いんだけど・・」 ロボ「感動なんかしてないですよ!」 ニコ「は~!?なにそれ!久々に会って言う言葉がそれ!? 会いたかった、とか言うのが礼儀じゃない!?」 ロボ、かっこつけた声で ロボ「会いたかったよ」 ニコ「・・キモい。」 ロボ「なんだよそれ!?言わせといてなんだよそれ!?」 ニコ「だって、全然変わってないんだもん」 ロボ「それはあれか?前からキモかったってことか?もー、怒った!」 社長「二人とも。ちょっと聞いて。」 ロボとニコが顔を見あわす。 社長「依頼なんだけど・・・」 ロボ&ニコ「嫌です!!」 よっちゃん「おい、久々なのに息ぴったしじゃねぇか。名コンビ!」 ロボ&ニコ「コンビじゃないです!」 社長「じゃ、内容言うわね」 ニコ「聞いてないし・・」 勝手に喋りだす社長 ○街の全体図 爆発音。とともにあがる煙。 社長Na「今朝、大きな爆発あったじゃない?」 ○地蔵堂 ロボ「爆弾魔をつかまえろ?とかいうんじゃないんでしょうね?」 よっちゃん「いいから、聞けって」 ○街の全体図 煙の上がったところにズームアップする。 社長「実は爆発のあったところね、怖い人たちの事務所なの。」 ○事務所 看板から上がる大量の煙 下でヤクザが騒いでいる 事務所からゆっくり出てくる親分らしき人物 親分「マジかよ・・」 社長Na「どうやら、その怖い人たちは自分たちと縄張り争いをしてる 長谷川組の仕業だとおもっているらしいの。 でもね、それは違う。 真相は、実に簡単。ただの愉快犯よ。 しかも、かなり短絡的な考えを持った幼稚な犯人。 ねずみ小僧、とでも呼びましょうか? とんでもない悪党のくせに偽善者ぶってる野郎よ。」 ○地蔵堂 ニコ「偽善者?どうして?それになんで愉快犯ってわかるんですか?」 社長「ちょうど3年ぐらい前かしらね。よっちゃん?」 よっちゃん「ええ。前にも似たような事件があったんだ。」 ○市役所前 社長Na「前の市長のころ、この町の負債が積もり積もっていて、同時に市民の不満も溜まっていた。 そんなとき、事件はおきたの」 市役所の前のゴミ箱が爆発。 市長の乗っていた車にゴミが散乱。 社長Na「話題になったけど、市民は別に市長に同情なんてしなかった。むしろ、いい気味だと思った」 ○大企業の会社前 社長Na「それから一ヵ月後、この街の海を埋め立てていた建設会社に環境団体が その会社に抗議しに来たの。 そのデモの最中・・」 会社の屋上から爆発 煙が上がる ざわつく環境団体。 カメラアングルはさっきのヤクザのと同じように。 社長Na「このときは環境団体全員が取調べを受けた。そして、そいつはいたの。」 ○地蔵堂 ニコ「ねずみ小僧・・?」 社長「そう。このときはただの、といっても爆発さたんだもの。立派な罪よ。でも ただの行き過ぎた抗議活動としか世間に認知されなかった。 しかし、調べていくと、市役所前の爆破事件もねずみ小僧の仕業だって分かったの。 その犯行理由が ○取調室 ねずみ男「俺さ、みんなの迷惑なってる奴が嫌いなんだよ。 だからさ、爆発させてやったの。 おれさ、いい奴だろ? な?みんな俺のこと認めてくれてんだろ?な? アハハハっ!」 ○地蔵堂 社長「救えない奴よ。 今回の爆発もきっと、奴で決まり。だってたしかあの爆発のあった河島組は結構町の迷惑になってたからね。」 ○街 チンピラを大量につれて歩く河島組 ○地蔵堂 社長「動機は十分にあるわ。」 ロボ「そ、そいつは捕まったんでしょ?」 よっちゃん「ああ。でもな、仮出所の日が今日なんだよ。」 ニコ「え?それって・・早いんじゃないの?早すぎる。」 社長「やつの強みはそこなの。ねずみ小僧の父親がじつは警察の官僚。何でも融通が利くらしいの。 下手にねずみ男に手を出したら、警察にいちゃもんつけられてしょっぴかれるかもしれないわ」 ニコ「そんな、捕まえろなんて依頼、嫌です。私。大体、誰がそんなこと社長に頼んだんですか?」 社長「あら、捕まえろなんて誰が言ったかしら。私があなたたちに頼みたいのは、 ねずみ男の警護よ。」 ロボ&ニコ「え、えー!?ど、どうして!?」 社長「どうしても何も、頼まれたの。ねずみ男の父親に。それだけよ。ねずみ男はいろいろなところに 迷惑をかけてるから敵も多いわ。ヤクザにだってねらわれるかもしれないしね。 だから、ねずみ男のお父さんから依頼が来たの。」 ニコ「な、なんでそんな奴の警護の依頼、引き受けるんですか?!」 社長「だって頼まれたんだもん。それに、だれだって、子供を心配するのが親の役目でしょ? 依頼には十分に正当な理由じゃない。断る材料が見つからないわ」 ロボ「社長!見損ないましたよ!!なんでそんな爆弾魔を!」 よっちゃん「・・・」 社長「別にあなたたちが引き受けてくれないんなら、毎日、あなたたちの家に矢文を送りつけてもいいのよ?」 ロボ(絶句) ニコ「いいかげんにしてください!」 社長「あのね、あなたたちきっと、この仕事をやる運命なのよ」 ニコ「運命?」 社長「ええ、そうよ。運命。自分たちのことは自分たちでケリをつけるのがスジってものよ」 ニコ「え?よく話がつかめないんですけど・・。」 社長「いいから、引き受けなさい。悪いことは言わないわ。ほら、これ」 社長、机の中から札束を取り出す ニコ「え・・ま、また、そんなお金で・・、お金でつられるわけないでしょ!」 社長「あら、そっちの大きいのはやる気みたいよ?」 ロボ「ロボ、出動しますっ!!」 ニコ「もう・・ロボぉ・・・」 ○ロボの車の中 ニコ「ロボの馬鹿っ!!!見損なった!!」 ロボ「あ~、馬鹿ってなんだよ!!だってしょうがないだろ!!」 ニコ「なにが、しょうがないのよ!?」 ロボ「お か ね が な い ん だ よ !!!」 ニコ「もー、うるさいなー。聞こえてるって!」 ロボ「俺だって、ちゃんと普通に暮らせてればあんな仕事引き受けてないよ? でもさ、食べるためだもん。しょうがないじゃん」 ニコ「ロボがロボットばっか買うからいけないんでしょ!!」 ロボ「買ってませんー!」 ニコ「んじゃ、何買ったのよ!!!」 ロボ「・・・うっ」 ニコ「やっぱ、おもちゃじゃん」 カメラがそのまま地蔵堂の方に移る。入り口に立っている社長とよっちゃん ○地蔵堂入り口 よっちゃん「いわなくてよかったんですか?」 社長「いいの、いずれ分かることだわ。それに私から聞いても意味がないもの。 二人がちゃんと、自分で考えてケリをつけなきゃならないの。 それがスジを通すってことじゃない?」 よっちゃん「うーん・・・なるほど、ね。」 社長「それより、よっちゃん、仕事よ!仕事!」 よっちゃん「はいはーい」 そそくさと地蔵堂の中に入っていくよっちゃんと社長 数秒後 一台のパトカーが入り口で止まった ○ロボの家 ロボ「ニコぉ。怒ってんの?」 ニコ「怒ってない」 ロボ「怒ってるじゃん」 ニコ「怒ってない」 ロボ「ニコぉごめん~!」 ニコ「・・・・」 ロボ「ごめんってばぁ~!」 ニコ「・・・・なにか聞こえる」 ロボ「何かって、何?」 ニコ「・・・・なんか、電子音、みたいな?」 (ピッ、ピッ、ピッ・・一定リズムで聞こえる電子音) ロボ「電子音って、どんな?」 ニコ「ピッ、ピッ、ピッ・・・って」 ロボ「ピッ、ピッ、ピッ・・・って、それ何?爆弾?」 ニコ「爆弾?」 ロボ「爆弾?」 (空気固まる) ロボ&ニコ「爆弾だぁああ!!!!!」 ○路地 全速力でかけるロボとニコ ロボ「どっちのほう!?」 ニコ「こっち!」 ロボ「マックスダーッシュっ!!!!」 ○長谷川組の事務所 車に乗り込もうとする長谷川組の親分 ロボ「うああああああああああ!!ああ、あ、あ、危ないっ!!!!!」 ヤクザ「んあ?なんかきた」 ロボ「逃げて逃げて逃げて逃げてぇええええ!!!」 ニコ「早くぅ!!!!」 (止まる電子音) ニコ「ロボ伏せて!」 爆発音 ○街の全体図 初めの爆発とは反対の方向から煙が上がっている ○長谷川組の事務所 親分「なんだぁ、こりゃあ!?」 ヤクザ「まじかよ!?え?まじかよ!?」 長谷川組の看板から煙が上がっている 親分「おいてめぇら!てめぇらの仕業かぁ!?あぁ?」 ニコ「違うの!ねぇ、ロボ、説明して」 ロボ「いや、だからですね、あの、爆弾魔のぉ、あの・・・」 ヤクザ「なんだぁ?てめぇがやったのかって聞いてんだよ」 ニコ「いや、だから、私たちは爆弾魔を追ってて・・・・あれ?・・・・え?」 集まってくる野次馬と明らかに反対方向に動く人影 ロボ「要するに、僕たちは、爆弾魔の警護を、ね?ニコ?あれ?ニコいない」 人影に向かって猛ダッシュするニコ ヤクザ「てめぇ、爆弾魔の味方じゃねぇか!!」 ロボに向かって猛ダッシュするヤクザ 人影に向かって猛ダッシュするニコ ロボに向かって猛ダッシュするヤクザ 人影に向かって猛ダッシュするニコ 同時に取り押さえられる。 ニコ「はぁ。はぁ。つ、捕まえた」 ねずみ男「あ?な、なにが?」 ニコ「あなた、ねずみ男でしょ?」 ねずみ男「は?なにが?ねずみ男?なんだそりゃ?」 ニコ「こういったほうが分かりやすい・・・? ・・・・爆弾魔さん」 ねずみ男「はぁ、やってねぇよっ!!!なにがっ!はぁ!?」 ニコ「私たち、あなたの警護担当者です。」 ピントが奥にずれて、ヤクザに取り押さえられているロボにピントが合う。 ロボ「ニコぉ!助けてぇ!!・・!」 ねずみ男「は?」 ○ロボの家 ロボ「ニコぉ!怖かったよぉ!!」 ニコ「はいはい」 ねずみ男「なに?あんたたちが俺の警護?ったっよりねぇなぁ!親父も血迷ったか」 ロボ「なにぃ!?俺はなやるときはやるんだぞ!!」 ねずみ男「さっき、取り押さえられてたじゃねぇか」 ロボ「あ、あれは・・・・・油断?」 ニコ「(小声で)ちょっとロボ、口挟まないで!」 ロボ「なんだよそれ!?だいたい・・」 ニコ「ねぇ、ねずみ男さん」 ねずみ男「はぁ?なんだよ?ってか、なんだよねずみ男ってよぉ」 ロボ「あだ名?かな」 ニコ「単刀直入に聞くけど、なんで・・爆破なんかするの?」 ねずみ男「はぁ?してねぇよ」 ロボ「君!しらばっくれるのはよさないか!」 ねずみ男「だからしてねぇって」 ニコ「全部、社長から聞かせてもらったわ。」 ねずみ男「社長・・・?ああ、地蔵堂の?お前ら、何?あそこの社員?」 ロボ「まぁ、そういうことになるね」 ねずみ男「なんかあそこも落ちぶれちまったな。」 ニコ「なにが?」 ねずみ男「あんたたちみたいな無能な奴らを雇うようじゃあよお」 ロボ「なにぃい!?いい加減にしろよっ!! 別にな、俺は無能かも知れないけどさ、ニコは違う!!断じて違う!!」 ねずみ男「はぁ?なに必死になってんだよ、だせぇな。ってかここ、お前ん家? オタクじゃん」 ロボットを触ろうとするねずみ男 ロボ「触るな!!」 ニコ「ねずみ男さん、あなたがしたことは聞いているんです。 その上で、私たちはあなたを守ると言っているの」 ねずみ男「ああ、そう。ありがとよ」 ニコ「でも、一つ約束があります」 ねずみ男「はぁ?」 ニコ「私たちが警護をしている間だけは爆破を止めてください ってゆうかもうしないで。」 ねずみ男「なんでだよ」 ニコ立ち上がって、ねずみ男をビンタする ニコ「あたりまえでしょ!あなたがしていることは立派な犯罪よ!いい加減にしなさい!」 ねずみ男「・・・ったあ・・・なにすんだよ、ガキぃ!」 ニコ「私たちが警護している間に考えを直して!お願い!」 ねずみ男「・・・・」 ロボ「・・・ニコ」 ○街 ねずみ男「おふくろ以来だよ、あんなビンタ」 ニコ「え?」 ねずみ男「いや、だから、あんな強烈なビンタ、おふくろ以来だって」 ニコ「・・ごめんなさい」 ねずみ男「いいよ、別によ」 ロボ「君はさ、ただ、目立ちたいからあんなことをしてたの?」 ねずみ男「はぁ?誰だよ?そんなこと言った奴」 ロボ「社長が言ってた。」 ねずみ男「なんだぁ、あのババァ。好き勝手言いやがって」 ニコ「・・え?社長と知り合いなの?」 ねずみ男「ああ、知り合いも何も、育ての親?的なもんだ」 ロボ&ニコ「え!?ええええええ!?」 ○地蔵堂(数時間前) 社長「子供を心配するのが親の役目でしょ?」 ○喫茶店 ねずみ男「・・俺が幼稚園の年長だったから、8歳?そんぐらいんときにおふくろが死んで 親父が一人で育ててくれた」 ニコ「社長とはどこで?」 ねずみ男「うちの親父ともともと知り合いで、おふくろとは友達だったらしいんだよ。 それで、よくあの店に行ってた。」 ロボ「よっちゃんはいたの?」 ねずみ男「ああ、いたよ。元気にしてる?」 ニコ「え?あなた今何歳?」 ねずみ男「はぁ?21だけど?」 ニコ「ってことは15年前からいたんだ、よっちゃん」 ロボ「何歳なんだ・・・あの人?俺よりちょい上だとばかり思っていた」 ねずみ男「それから5年くらいかな、結構世話してもらったぜ?あの人には」 ○地蔵堂(15年前) 遊んでるねずみ男をやさしく見守る社長 ○喫茶店 ねずみ男「俺の基礎って言うか、基本って言うか、だいたいのことは親父よりあの人に教わったな」 ○地蔵堂(15年前) 社長「いい?たっくん。よぉく聞いて。 人はね、この世界に深くかかわってるの。嫌でもね」 ○喫茶店 ニコ「それ、私も言われた」 ねずみ男「はぁ?マジかよ。あのババァ誰にでも言ってんのな。 まぁ、いいや。 (少し黙って)この言葉続きあんだよ」 ○地蔵堂(15年前) 社長「だから、人の迷惑になるようなことしちゃだめよ。たっくん。 迷惑なら、私にたくさんかけていいから、だから、それだけは守りなさい」 じっと社長の顔を見つめる幼きねずみ男 ○喫茶店 ロボ「なんか社長らしからぬ言葉だなぁ」 ニコ「・・・だから、爆破するんだ?」 ねずみ男「はぁ?だったらなんだよ。迷惑かけてるやつが許せねぇだけだ いいことしてんじゃねぇかよ」 ニコ「あなた、間違ってる。それは違う。 迷惑をかけている人に制裁を加えてるつもり? 違う。あなたは、そうやって理由付けて、ただ自分が目立ちたいだけじゃない!」 テーブルを叩くニコ 喫茶店の空気が凍る ねずみ男「・・・・るせぇよ」 4-287様 ねずみ男(セクシーボイスアンドロボ2)後編 へ続く
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中尊寺平泉町平泉字衣関202【金色堂】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【金色堂】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【本堂】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【願成就院(峯薬師堂)】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【大日堂】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【阿弥陀堂】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【讃衡蔵】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【弁天堂】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【経蔵】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【薬師堂】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【地蔵堂・地蔵尊Ver】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【地蔵堂・道祖神Ver】 中尊寺平泉町平泉字衣関202【弁慶堂】 毛越寺平泉町平泉字大沢58 高舘義経堂平泉町平泉字柳御所14
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石川県金沢市十一屋町の曹洞宗 鳳凰山祇陀寺(ほうおうざん ぎだじ)をお訪ねしました。 金沢三十三観音霊場の第11番札所です。 かつての本堂は解体され、現在は小さな本堂を新築。他に地蔵堂あり。 所在地 石川県金沢市十一屋町11-2
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都道府県 市区郡・区町村 寺院名(【】があるものは『霊場の御朱印』にて紹介) 拝受数 岩手県 奥州市 江刺区 興性寺 【東北三十六不動尊】 1 水沢区 黒石寺 1 一関市 安養寺 観福寺 奥州札所 藤勢寺 3 遠野市 福泉寺 【東北三十六不動尊】 福瀧寺 2 花巻市 清水寺 1 宮古市 長根寺 【東北三十六不動尊】 1 盛岡市 永福寺 【東北三十六不動尊】 1 西磐井郡 平泉町 高舘義経堂 達谷西光寺 【東北三十六不動尊】 中尊寺 金色堂 中尊寺 金色堂 見開き 中尊寺 本堂 16 中尊寺 願成就院(峯薬師堂) 中尊寺 大日堂 中尊寺 阿弥陀堂 中尊寺 讃衡蔵 中尊寺 弁天堂 中尊寺 経蔵 中尊寺 薬師堂 中尊寺 地蔵堂・地蔵尊Ver 中尊寺 地蔵堂・道祖神Ver 中尊寺 弁慶堂 毛越寺 26
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私が通っていた大学の近くには、大きなダムがありました。大学は山の上の方にあり、最寄りの駅からでもバスで三十分はかかります。そんな場所ですから、 秋には霧も出ます。危険な山道で霧が出るとなると、車がよくダム底に転落するのです。首坂という名称からして不気味で、昔から「神隠し」伝説が残っていま す。 ところが何故か地元の業者や警察はそうした車を引き上げようとはしません。引き上げても必ず死体がなくなっていて、結局のところ事故以外には考えられないという結論になるからだそうです。 かなりの台数が沈んでいるはずだし、それを見たいからと私の友人は潜ってみることにしました。ダイビングの免許を持つ彼は、ダムができる前の地図をチェックして潜りました。 しばらくしてあがってきた彼は大興奮でまくし立てました。 どうやら死体が見つかったそうなのです。彼らは全員ダム底のお堂にかたまっていたらしく、古地図を見るとなるほど彼が言うように地蔵堂と書かれた場所がありました。 地蔵があるのかと聞いてみましたが、彼は無かったと言います。代わりにおかしな像があるらしいのです。蛸のような足と蝙蝠のような羽を持つ像が。彼は、今度はそれを取ってくると言い残したまま行方不明になりました。 彼の死体がダムにあることは間違いないのですが、誰も確認しにいきません。 それから数年が経ちますが、今だに事故は起こりますし、死体は引き上げられず、そこにどんどん貯まっているみたいです。
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ニコの日記から 6/19(火) 今日、地蔵堂が閉店した。社長は旅に出るという。 よっちゃんはクビになった。一海ちゃんとの結婚も もうすぐなのに、ヒドイと言ったら「よっちゃんは 何やってもプロフェッショナルだから大丈夫」だって。 実はわたしも心配していない。 社長にお別れのあいさつをして外にでると、ロボの携帯がなった。 レア商品入荷の知らせを聞いたロボはすっ飛んでいった。 あいかわらずなヤツだ。 あの曲がり角を曲がるまで、わたしは平凡な日常に退屈さを 感じていた。それがあの日、三日坊主にあったことで何かが 変わった。ロボや地蔵堂の二人と出会い、いろんな事件を解決した。 非日常で刺激的で楽しい毎日だった。 でももういいかな。家族とか友達とかあたり前の日常が 大切なんだっていろんな事件にあたって思ったんだ。 そのことに気づいてない人たちに「世の中捨てたものじゃない。 すぐそこにあなたの大切なものはあるんだよ」と思ってもらいたい。 それがわたしの夢かな。 そういえばロボ、新商品買えたかな? オタクでスケベだけど、なんでも正面から受け止めて くれたよなぁ。いい下僕だったロボが立てこもり の犯人を説得したときは見直したよ。 誕生日が一緒とわかって「おれたち友達だろ」とロボ流の お祝いをしてくれたとき、わたしのなかで何かがはじけた。 もうこのときにスイッチは入っていたのかもしれないね。 ずっとロボといたいよ。 昭子さんのことはあったけど、もどってきてくれた。 それにあんな瞳で謝られたら許さないわけにはいか ないじゃない(笑) でもね、あれ以来ときどきロボの声が聞こえないときがある。 耳のいいわたしがだよ(笑) ロボにとって何が幸せか、何が夢か聞いたよね? ロボの答えはわたしの心に何の波紋も起こさなかった。 現実の中に幸せを感じてくれないロボへの失望のせいかも しれないし、そこにロボの誠実さを感じ取れなかったからかな。 ロボ、今でも大好きだよ。 でももうわたし、行くね。ロボのこと絶対忘れないよ。 さようなら、ロボ。さようなら、わたしの初恋。
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全62札所。寅年本開帳 本開帳でも開帳しない札所もあるらしい? 札番 寺社名 所在地 電話番号 霊場本尊 宗派 納経所 第1番 岩富寺 富津市亀沢135 0439-66-1325 真言宗智山派 第2番 第3番 第4番 浄光寺 富津市亀田1138 0439-66-1133 真言宗智山派 第5番 圓鏡寺 富津市八幡358 0439-66-0759 真言宗智山派 第6番 像法寺 富津市鶴岡719 0439-66-0755 真言宗智山派 第7番 慈眼寺 富津市笹毛595 0439-66-0035 真言宗智山派 第8番 東明寺 富津市湊220 0439-67-1610 真言宗智山派 第9番 大圓寺 富津市数馬168 0439-67-0588 真言宗智山派 第10番 善福寺 富津市更和191 0439-68-0141 曹洞宗 第11番 圓正寺 富津市不入斗186 0439-67-2257 真言宗智山派 第12番 薬王寺 富津市竹岡9 0439-67-0355 真言宗智山派 第13番 第14番 第15番 第16番 第17番 第18番 第19番 関山堂 第20番 腰越薬師堂 第21番 山居薬師堂 第22番 谷之薬師堂 第23番 蕨原薬師堂 第24番 鹿原地蔵堂 第25番 第26番 小塚堂 第27番 岩本薬師堂 第28番 小志駒薬師堂 第29番 峯薬師堂 第30番 寺尾薬師堂 第31番 小畑薬師堂 第32番 神徳薬師堂 第33番 東光院 富津市御代原254 0439-68-1391 真言宗智山派 第34番 水澤薬師堂 第35番 福寿院 第36番 光明寺 第37番 第38番 第39番 第40番 海龍寺 富津市売津50 0439-67-2350 曹洞宗 第41番 第42番 第43番 第44番 第45番 川田不動堂 第46番 第47番 中倉地蔵堂 第48番 普門寺 第49番 大田和地蔵堂 第50番 第51番 第52番 第53番 第54番 西光寺 富津市数馬364-1 0439-67-1595 真言宗智山派 第55番 第56番 第57番 第58番 第59番 第60番 第61番 寺谷薬師堂 第62番 太田山王堂
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石川県金沢市本多町の曹洞宗 大悲山長谷院(だいひざん ちょうこくいん)をお訪ねしました。 金沢三十三観音霊場の第2番札所です。 現在、本堂等伽藍は取り払われ、跡地には地蔵尊のみ残されています。長谷院の法統は埼玉にて受け継がれ、御本尊十一面観音菩薩像は龍国寺に安置されています。 新たに礼拝堂が建立され、「金沢三十三観音二番札所」の門柱も地蔵堂も麗々しく再興されました(201801追記) 所在地 石川県金沢市本多町3-4-1 連絡先 埼玉県北足立郡伊奈町栄1-96(長谷院埼玉連絡所)
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○学校 ○クラス ムーちゃんのカバンにアップ その側をニコが通る ニコ「ん?あれ?むーちゃんさ、カバン変えた?」 むーちゃん「さすが我が友!よくぞ気づいた!!」 ニコ「しかもこれ今すごい流行ってるやつじゃん!!」 むーちゃん「そだよ~!このパンダのがかわいいでしょ」 そのカバンには愛ラブパンダと描かれている 続々と集まってくるクラスの女子達 女子1「うわ~かわいい!」 女子2「いいなぁ~!」 ニコNA「女の子にとって、流行についていくことは大事なことだ。 とみんなは思っているかもしれないが、私は別に思わない」 ○街 ○店 ムーちゃん「ここで、買ったんだぁ」 近くの品々を手に取るニコ。 ちょっとした小物を見る ニコ「わっ!高っ!」 ムーちゃん「ちょっとニコ!・・・声でかい」 ニコ(小声で)「ごめん。だってさ、これなんかこんなちっちゃいのに4000円もするんだよ?」 ムーちゃん「貧乏臭いこと言うのやめなさいよ。ブランドなんてこんくらいするって」 ニコ「ふーん。私には無縁だなぁ」 ムーちゃん「ニコもこんなのつけたらかわいいのに」 パンダの飾りのついた髪留めをニコにつけるムーちゃん ムーちゃん「似合ってるよ」 ニコ「ちょっと笑ってるじゃん」 少し怒るニコ ムーちゃん「ムスっとしないの!」 ニコ「ごめん・・」 ニコNA「みんないつかは捨てるくせに、他人を気にして流行に飛び乗っては高いものをたくさん買うのだ」 ○ロボの家の前 歩いているニコ ロボのマーックスという声が外まで響く ○ロボの家 ニコ「う る さ い!!」 ロボ「んあ?にこ?」 ニコ「外まで響く大声出さないの!」 ロボ「ご~めん~。ちょっとはしゃいじゃってさ!」 ニコ「何?なんかあったの?」 ロボ「いや、ん・・」 ニコ「ちょっと言いなさいよ」 ロボ「新しいロボット買ったんだ~」 呆れるニコ ニコ「もう~。お金ないのになんで買うかな」 ロボ「だってこのロボ流行ってるんだよ?」 ニコ「もうロボなんか知らない」 ロボ「ご~め~ん~ってば~に~こ~!」 ニコNa「みんなして、流行がどうだのといいだして、馬鹿みたいだ」 ○ニコの部屋 ニコ「あ~。少し言い過ぎたかな」 携帯液晶にロボの文字 ニコ「謝ろっかな~・・まぁ・・・でもなぁ~ いっか、たまに叱るくらい」 ○ニコの家(リビング) ニコの父「あれ?一海は?」 ニコの母「あら、いないわね。 ニコー!!一海知らないー?」 二階に問いかける母 ニコ「しらなーい!」 ニコの父「なんて?」 ニコの母「知らないって」 ニコの父「遅いなぁ、ご飯食べちゃおうか?」 ニコの母「う~ん・・・そうね」 ○ロボの家 ロボ「なんで怒られたんだろ?」 液晶画面にニコの文字 ロボ「何かあったのかな~、聞こうかな~」 ○ニコの家 二階から降りてくるニコ ニコ「一海ちゃん遅いね」 ニコの母「そうね、どうしてかしら」 ニコ「また、どうせ、男でしょ?」 冷蔵庫をあけながらニコ ニコの父「・・・・・・」 ニコの母「あなた一海だって大人なんだから、何もムスっとすることないじゃない」 ニコ「そうそう。一海ちゃんモテるんだし」 ニコの父「ニコはそんなことないよな?男と出来てるなんて」 ニコ「な、なにいってんの?あるわけ無いでしょ」 ニコの父「あるのか?あるんならお父さん、お父さん辞めるぞ?」 ニコ「無いって。安心してよ」 ニコNa「私がここで、ロボと付き合ってるなんて言い出したらどうなるのだろう? お父さんは気を失ってしまうかもしれない。言い換えればそれだけ私のことを気にしてくれているということだが」 ○地蔵堂 社長「よっちゃ~ん!ちょっとここにホコリが溜まってるんだけど!」 よっちゃん「はいは~い」 下から上がってくるよっちゃん ほうきを持っている 社長「あら、仕事の速いこと」 よっちゃん「社長の言いそうなことならなんとなく分かりますから」 社長「わかるんなら先に掃除しておきなさいよ」 よっちゃん「・・は~い」 ニコNa「なんでみんなそんなに他人や世間のことを気にし続けられるのだろうか? 昔はこんなこと思わなかったのに、今思ってる自分がいた」 ○ニコの家(リビング) 3人でなべをつつく ニコ「これおいしいね」 ニコの母「でしょ?ちょっと奮発していいお肉買っちゃった」 ニコの父「俺の稼いだ金で食う肉は旨いなぁ!」 ニコの母「やだお父さん!みすぼらしいこと言わないで」 ニコの父「なにがみすぼらしいんだ!誇りに思いなさいよ。誇りに」 ニコ「お父さん、ありがとうございます」 ニコの父「なんだか、・・・照れるな」 テレビではニュースをやっている ニュースキャスター「では、続いてのニュースです。 昨夜未明から、都内のパチンコ店で、男が押し入り現金約300万円を奪い 未だ逃走中とのことです。男はパンダの柄の入ったTシャツを着ており、 そこには愛ラブパンダと書いてあるそうです。 ニコの母「あら、やだ、物騒ね」 ニュースキャスター「ちょ、ちょっと待ってください えー、只今入りました情報によりますと、人質を独り連れて逃走中とのことです しゃ、しゃしん?写真があるそうなので えー、こちらです」 でかでかと移る一海ちゃんの写真 ニュースキャスター「都内在住、林一海さん、25歳 とのことです」 ニコ「ん?」 ニコの母「ん?」 ニコの父「ん?」 ○ニコの家(外観) 3人「エエエエエエエエエエエエエ!!!!!?」 揺れる家 ○ニコの家(リビング) ニコ「嘘でしょ!?」 ニコの母「ちょっとお父さん?」 気絶する父 ニコ「警察!警察!」 ニコNa「そういえば、私は他人のことを考えないなんてカッコをつけれるほど大人じゃなかった。 くだらないことを考えていた自分が嫌になるくらい一海ちゃんのことを心配している自分がいた。」 タイトル「セクシーボイスアンドロボ2」 ○地蔵堂(外観) 地蔵堂の前を走り去るトラクター それと入れ違いにフレームインしてくるニコ ○地蔵堂 まだ掃除をしているよっちゃん どたどたと入り込んでくるニコ よっちゃん「おい!はしりまわるんじゃねぇよ! 掃除したばっかなんだからよ!」 ニコ「それどこじゃないの!!」 社長「なに?どうしたの?大声出しちゃって・・・」 ニコ「一海ちゃんが・・・一海ちゃんが・・・!」 ○ロボの家 携帯の画面を見ているロボ ロボ「あー、どうしよっかな・・・何があったか気になるな・・ ・・・・ ・・よし!聞こう!!」 ○地蔵堂 ニコの携帯が鳴る ニコ「一海ちゃん!?・・・なんだ、ロボか」 ○ロボの家 ロボ「あのさ、ニコ?今日・・」 ○地蔵堂 ニコ「ロボ!!いいから早く地蔵堂に来て!!!」 ○ロボの家 ロボ「ええ!?いきなし何!?」 ○地蔵堂 ニコ「理由は後で話すから!」 ○車内(トラクター) 一海「ちょっと!離しなさいよ!!あんた自分で何してんのか分かってんの?!」 両手を縄で縛られている一海 パンダ柄の男「っるせぇよ!ちょっと黙っとけ!!」 一海「そっちこそ黙んなさいよ!!パンダ野郎!何!?逆恨み!?」 パンダ野郎「今、流行ってんだよ!このブランド!」 一海「女物じゃない!それ!」 パンダ野郎「し・・・知ってるよ!馬鹿野郎!男が着たら逆におしゃれなんだよ!」 一海「あんた昔っからそういうとこあるよね」 パンダ野郎「いいから黙っとけ!」 一海「あっ・・・!」 パンダ野郎「なんだよ!?」 一海「こっち環七出れないよ!」 パンダ野郎「ああ!?てめぇがこっちって・・・馬鹿野郎!!」 ○地蔵堂(外観) 地蔵堂の前をさっきと逆方向に走り去るトラクター それと入れ違いにフレームインするロボ ○地蔵堂 ロボ「なに!?どーしたの!?」 ニコ「か、一海ちゃんが誘拐されちゃった!!!」 ロボ「えええええ!?嘘でしょ!?ど、ど、どどどうすんの?」 よっちゃん「落ち着けよ。警察の馬鹿に任せてる暇あるんなら俺たちで探したほうが早いぜ」 ニコ「いま、社長に探してもらってるの」 ロボ「探すって、ど、ど、どうやって?」 後ろのほうで電話をかけている社長 電話を切るとすぐにこっちを向く、ピントが社長に合う 社長「白いトラクターに乗ってるって。まだ、この近くにいるらしいわ!」 ニコ「さすが!ロボ行くよ!!」 ロボ「ロボ出動します!!!」 ○ロボの車 ロボ「ちょ、狭い狭い!!みんな乗んなくてもいいでしょ!」 ニコ「早く!ロボ!」 社長「とりあえず真っ直ぐ行ってでっかい通りに出なさい」 ロボ「でもせま・・・」 よっちゃん「いいから早く出せよ!」 ○地蔵堂(外観) トラクターとさっきと同じ方向に動き出すロボの車 ○車内(トラクター) 一海「あんた、何?さっきの銃本物?」 パンダ野郎「本物だよ、騒いだらぶっ放すからな」 一海「なんでこんなことしてんのよ」 パンダ野郎「うっるせぇなぁ、運転に集中できねぇだろ馬鹿野郎」 一海「ってゆーかこの縄はずしなさいよ!」 パンダ野郎「外したら逃げんだろうが」 一海「逃げないから」 パンダ野郎「……それ付けてないとてめぇ共犯扱いされっぞ」 一海「・・・・・・。あっそ」 パトカーの音が聞こえる パンダ野郎「くっそ、こりゃカーチェイスになるんかな?」 一海「安全運転しなさいよ!」 パンダ野郎「ゆっくり走って捕まったら終わりじゃねぇか!」 一海「なら私を巻き込まないでよ!」 パンダ野郎「ああ、もううっせぇな、人質いたほうが犯人っぽいだろうが」 一海「ほんとあんた何にも変わってない」 パンダ野郎「るせぇよ」 ○ロボの車 ロボ「ニコ?あのさ、一海ちゃんの声とか聞こえる方向わかんないの?」 ニコ「しーっ!今やってる」 静かになる車内 ごみごみとした街の音と映像が点滅する ニコ「だめ。ノイズが多すぎてわかんない」 ロボ「くっそー。どっち行きゃいいかわかんないよ!」 社長が窓の外を見ている 社長「あら、あそこのあれ?」 よっちゃん「あ!あれ、白いトラクターじゃん!」 前の道路を白いトラクターが走り去る ニコ「ちょっと待って。」 再び聴覚を集中させるニコ 一海とパンダ野郎の会話が途切れ途切れ聞こえる ニコ「一海ちゃんの声が聞こえる!間違いない!あれよ!」 ロボ「よーっし!マックスッっっ!スターット!!」 社長「あ!そういえば・・・これつけていい?」 パトランプを取り出す社長 よっちゃん「さすが社長!準備がいい!」 社長「ありがとう、よっちゃん」 よっちゃん「そんな、お礼なんて・・」 ニコ「いいから行くよ!」 ○大通り サイレンを鳴らし、追跡するシトロエン・2CV それから逃げるトラクター ○車内(トラクター) パンダ野郎「んがああ!!くそっ!! どけっ!どけっ!」 右へ左へ車体を揺らしながらスピードを出し逃げる 一海がそれにつられ左右に揺れる パンダ野郎「なんで分かったんだよ!」 ミラーから車を確認するパンダ野郎 パンダ野郎「んあ?あれ面パトじゃねぇか!」 一海「ちょ・・・ちょっと!スピード出しす・・・気持ち悪い・・」 窓から顔を出す一海 ○ロボの車 後部座席から身を乗り出す社長とよっちゃん ニコ「あれ!?一海ちゃんだ!ほら」 社長「あらほんと」 よっちゃん「ロボぉおおお!!いけええええ!!」 ロボ「マックスダーッシュ!!」 窓から顔を出し、手を振るニコ ニコ「一海ちゃーん!!」 ○車内(トラクター) 一海「ん・・・?ニコ!?」 ○路上(歩道) 取締りを行っている警官2人 警官1「君ねぇ・・・いくら急いでるからって言っても こんな大通りでスピード違反なんて、みっともないよ? 俺たちだって他の仕事あるんだからさあ」 取締りを受けている男はずっとよそ見をしている 警官2「てめぇどこ見て・・」 そう言った瞬間警官2人の後ろを猛スピードで走りぬける2台の車体 警官2人の帽子が飛ぶ 取締りを受けている男「警官さん!早く!捕まえないとあいつら!」 ○警視庁(外観) ○警視庁 鳴っている電話 それをとる刑事A 刑事A「え!?なにぃ?うん、おう、おう!分かった今行く!」 ○警視庁(外観) 数台のパトカーが建物から出ていく ○ニコの家(外観) ○ニコの家 ニコの母「ええ。そうです。ええ、うちの娘が。はい」 ニコの父「ねぇ、なんて?見つかったって?」 ニコの母「ちょっと!静かにしてよ!何言ってるか分からなくなるでしょ!」 ニコの父「もう~!心配なんだよ~!」 ニコの母「なら静かにして!」 喧嘩を続ける2人 ○大通り サイレンを鳴らし、追跡するシトロエン・2CV それから逃げるトラクター さらに後ろから来るパトカー ○パトカー 刑事1「なんだぁ!?こんな大通りでバカ騒ぎか!? あの面パトはどこのだ!?」 刑事2「あんな面パトいないっス!」 刑事1「なぁにぃ?なおさらだ捕まえろッッ!!」 ○ロボの車 バックミラーを覗くロボ ロボ「あれ?パトカー来てない?」 ○パトカー スピーカーを使って叫ぶ刑事 刑事1「おい!そこのエセ警察!止まれ!!捕まえるぞ!」 ○ロボの車 ロボ&ニコ「ええええええええ!?」 ニコ「まずいんじゃないの!?ロボ!」 ロボ「俺に言うなよぉ!!」 社長「しーらないっと」
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地蔵堂でまだ働いている。ニコ高1で、一昨日の伊豆の泊まりがけの任務で、ロボと成り行きでしてしまった。 **** **** そして今日、ロボは激しい雨の音と騒がしく階段を駆け上がってくる足音で目を覚ました。 [AM8時] ガチャ 「ロボ?まだ寝てんの~?」 制服姿のニコが呆れた顔をしながら玄関に立っていた。 「いいだろ~。休みなんだから…ん~」 下がってくる瞼に負け、またベッドに顔を沈めた。 「ちょっと寝ないでよ~、大変なんだってば!ロボッ!」 ニコに肩を揺らされ、仕方なく起きた。 「どうしたのぉ?今日学校でしょ?」 「学校なんて、行ってる場合じゃないの!そんな事より大変なんだって!」 怒鳴るようなニコの声に思わずロボもイラっとしてしまう。 「だから何だよ~?」 ニコが急に声を小さくして喋りだした。 「耳が…耳がね。聞こえなくなったの。普通には、聞こえるんだけど。前みたいに、聞こえないの。 ねぇどうしよう!ロボ~」 「え!?いつから?だって仕事の時は…」 一昨日の仕事の時は、聞こえてたんじゃなかったっけ? 「分かんない。ただ今日起きたら、一階のテレビの声とか、トーストが焼き上がった音とか全然聞こえなくて… おかしいなって思って」 正直、昨日はロボとしちゃったって事で頭がいっぱいだったし。 「病院、病院は?」 ニコが首を振る。 「無理だよ。分かってもらえる訳ないよ」 それもそうか…。 「取り敢えず、地蔵堂にも知らせなきゃ。ロボ行くよ!」 ニコがロボの腕を掴んで、引っ張る。 「行くって、俺も?」 「当たり前でしょ?仕事を続けられるかの、ピンチなんだからね?」 「はいはい。」 ロボに触れて、ロボの着替える姿をみると顔が紅くなるのが自分でもわかった。 「ニコ?もう出れるけど…ニコ~?」 ニコの顔を覗き込むと顔を真っ赤にしたニコがいた。 「あっ!ロボ、雨凄いから車出してね。」 ロボがクスッッと笑った。 「は~い。」 【地蔵堂】 「そう、聞こえなくなっちゃったのね。」 「はい…」 「何で、っすかね~?」 コーヒーを運んできたよっちゃんが言う 「昨日の任務で疲れたんじゃないかしら?泊まり掛けにさせちゃったし。」 「はい…」 昨日の事を聞かれると、何でか顔が紅くなる。 「ココのトコロ立て続けにニコに任せちゃってましたからね。」 「ニコ、疲れてたんだよ。」 ロボも、隣で言ってくれる。 「うん。戻るといいんだけど…。」 もし戻らなかったら、もう此処でこうやっていられないのかな…。 社長が思い出したようにハッと目を開けた。 「そう言えば………でもねぇ~…」 アタシの顔を何度も見ては、また煙草をふかす。 「気になるじゃないですか!教えて下さい。」 ニコの真っ直ぐな瞳に負け、社長が煙草の火を消しゆっくり喋り出した。 「それじゃあ、言うわね。前に聞いた事があるの。 ニコのように特別な力を持った子は、その力をずっと持ち続けるために、異性と結婚も付き合う事もしないの。 女になる事で、その力を無くしてしまうって言われてるのよ。」 「……社長~、難しいっす。」 よっちゃんがツッコミを入れる。よく言ってる意味が分からない。 「フゥ…つまりね、ずっと処女でいるって事よ。その能力が欲しければね。」 シーン えっ… 「…エェ・!?」 固まってしまったアタシとは正反対に、ロボが叫ぶ。 いきなり大声を出したから、ロボはよっちゃんに怒られてる。 「ったくうるせぇなお前は!?何だ、そんな事っすかぁ~?ニコにはな~」 アタシにはまだ早い…話じゃないんだよぉ、よっちゃん…ゴメン。 「そ、そうだよ。アタシにはまだ、関係ない話だね。えへへへ」 何だか一気に緊張して、アタシはコーヒーを一気に飲んだ。 「ニコ、喉渇いてたのか?ジュース持って来てやるよ。」 よっちゃんが台所に入って行ったのを、横目で社長が確認した。 「しちゃったの?」 社長は、明らさまに挙動不審なロボの顔を見て言った。 「なんで、ロボを見て言うんですか?」 社長がアタシに顔を寄せて小声で 「私に嘘は通用しないのよ。」って言った。 社長……もぅ、ロボもしっかりしてよ。 「はい、オレンジジュースな。」 よっちゃんが戻ってくると、社長は話をかえた。 「ニコ、仕事のことは気にしなくていいのよ。暫く休みなさい。よっちゃんがその間うんと働くって!」 「俺っすか~?」 「そうよ。この前よっちゃんが割ったお皿、あれ高いのよ~。」 よっちゃんが泣きそうな顔をしてる。 「分かりました!働きますよ。」 ゴメンねよっちゃん、アタシが役に立たなくなったからだね… 「ニコ、暫くはゆっくりして、また何かあったら連絡して頂戴。」 社長が優しい目をして、アタシに喋る。それが、また辛かった。 「…じゃあ失礼します。ロボ行くよ?ロボ~!」 固まったままのロボを引っ張って地蔵堂を後にした。 「分かりやすい子…」 「社長、なんか言いました?」 「別に~。」 よっちゃんは、知らないほうがいいわ。手下をどうするか分からないものね。 【車内】 地蔵堂からの帰り道、朝より勢いを増した雨音と、ワイパーがせっせと働く音だけが車内に響いていた。 「アタシ、もう地蔵堂で働けないのかな…?」 ロボに話すためにじゃなくて、独り言みたいに出てきた言葉だった。 「ニコ、ゴメンな。」 ロボが申し訳なさそうに謝ってくる 「何で、ロボが謝るのよ。」 「だって、社長の話が、もし当たってたら、そしたら俺のせいでしょ?」 「違うよ。」 ニコが下を向いてうつむく。 「でも…」 「違うってば!それにもし、社長の話通りロボと…そそうゆう事したからだったとしたら、アタシは逆に 納得できるの。…アタシは後悔してないからさ。 だから、ロボが謝る事なんて何にもないよ。」 顔を真っ赤にしながら、ニコが笑った。 無理して作ったニコの笑顔に、ニコはずっとスパイを続けたかったんだろうという思いがヒシヒシと 伝わってきてた。 ただ、うんって頷いて笑い返す事しか出来なかった。 「それに、そうって決まった訳じゃないし、暫く休んだら元に戻るかもしれないしさ。」 ニコに、何をしてあげれるんだろ。俺なんてニコを苦しめてばっかで… 「…そうだよな。ニコも暫くは、普通の高校生らしく、学校行って遊んでみなよ。」 「……ぅん」 ロボ…、それって、暫く会わないでいようって意味なの? それから、2週間が経った。ゆっくり休んでも、ニコの耳は治らなかった。 ロボとはずっと連絡をとってなかった。ロボは、アタシを避けてるみたいだった。 【ロボの部屋】 今日は部屋に上がって、ロボが帰って来るのを待つ事にした。 「汚なっ!」 ロボにしては、掃除も洗濯も全然出来てなかった。 「しょうがない。してやるか~。」 洗濯物も、子供の服みたいに汚れてるし…毎日何してんだか。 [PM6時] ガチャ 「ロボ、お帰り~」 久々に会ったロボは、疲れた顔をしていた。 「あ~、ニコ~!来てたんだぁ。」 「うん。今日暇だったしさ。夜ご飯一緒に食べようかなって思って。」 鍋いっぱいに作ったカレーを見せると、ロボは鼻の頭にカレーが付きそうなほど近づいて匂いを嗅いでいる。 「旨そうな匂い~。でも、俺これから出掛けなきゃいけなくて…ゴメン。」 ロボがネクタイを外すと、後ろを向いて着替え出す。 「そっか!…アタシこそ、いきなり来てゴメンね」 どこに行くの?なんて聞けなくて 「ニコは、ゆっくりしてってよ。あっ?洗濯してくれた?」 ベッドの上に干された服に、ロボが指をさしていた。 「うん。しといた。」 「有りがと~。」 何だかテンションの高いロボにイラッとする。 「ニコ、耳はどう?」 軽く聞くのが、またアタシをイラッとさせた。 「変わんないよ。…アタシもう帰るね。」 サラダを冷蔵庫に入れ、勢いよく扉をしめた。 「ニコ、怒ってる?後でちゃんと食べるよ?」 「違うよ。そんな事で怒ってるんじゃないよ。ロボ…アタシの事避けてる?」 ニコがウルウルした瞳で、ロボを見た。 「避けてないよ~。」 子供をあやすような声を出すロボが、またニコを怒らせた。 「嘘…2週間、全然連絡してくれないしさ。ロボは後悔してるんでしょ?アタシとした事、ロボはできれば 良かっただけなんでしょ?!誰でも良かったんでしょ?」 「ニコ、違うんだって。」 ロボがアタシの肩を掴んだ手を振りほどいた。 「触んないで!ロボとなんかしなきゃよかった…。返してよ。アタシの自慢!アタシの居場所…ロボなんて、 最低だよ。」 やっぱり、俺のせいかもな… カンカンカン ニコが階段を勢いよく降りて行く足音が響いて、ロボはハッとした。 ロボはベッドの上の洗濯をまくって、窓から顔を出して、ニコを呼び止めた。 「ニコ~!!俺ちゃんと話すから。明日、明日来て?待ってるからな~。」 「……バカ」 バカバカ、ロボの自己中。 【次の日】 真っ直ぐロボに部屋に行く気になれなくて、地蔵堂に寄ってみる事にした。 地蔵堂 「あら~、ニコじゃない。来たのね。」 社長1人で、よっちゃんは外出中のようだ。 「お久しぶりです、社長。」 「座って頂戴。久しぶりね。調子はどうなの?」 社長に誘導され、ソファーに腰を下ろした。 「まだ…。やっぱり治らなくて、ゴメンなさい」 ニコが頭を下げて謝る。 「謝らなくていいのよ。」「…でも」 現によっちゃんは働きに出てるみたいだし… 「社長~、オタクの野郎今日は休ませろとか言って…! おぉ、ニコ来てたのか。」 そこに丁度よっちゃんが帰ってきた。 アタシが居た事に気づかず、喋ってしまった事に口を抑えている。 「よっちゃん!オタクって、ロボと何かあったの?」 「ぁ~の~、それは…ねぇ、社長?」 よっちゃんが社長に助けを求める。 「ニコ、何も聞いてないのよね?」 急に社長がキリッとした顔になった。 「はい、聞いてません。教えて下さい!」 社長が煙草に火を付けると話し出した。 「あの子、ニコの手下は、ニコの耳がもし戻らなくても、自分がその分頑張るから、ずっとニコに仕事を させてあげたいって言ってたのよ。何でもするからって。」 ロボ…アタシのために。 「だから、何でもいいから働かせろってさ。」 よっちゃんも半分笑いながら話してくれた。 雑用だけど、ここ最近は毎日仕事させてたらしい。 「アタシ…」 一方的に勘違いして、ロボを責めて、最低なのはアタシだ。 「ニコ、あなたの耳は確かに役に立っていたわ。でも、ニコと手下が初めて二人で此処に来た日。 私はあなたが耳がいいなんて、知らなかった。だけれど、スパイになって欲しいと思ったの。 ニコ、あなたはどう?まだ続けたいの?」 アタシだったんだ。だめなのは… 「アタシは、続けたいです。」 「そう…それなら決まりね。これからも宜しくね。ニコ」 社長が左手を差しだし、私も手を出して、しっかり握手をした。 「そうと決まったら忙しくなるぞ~!」 よっちゃんも、満面の笑みではしゃいでいる。 「でも、今日はもう帰れ。なっ?」 ロボの所に行かなきゃ、全部謝らなきゃ。 「じゃあ、また来るから。」 ニコは急いで地蔵堂を後にした。 ニコの久しぶりにみた笑顔を見送った。 「よっちゃんも気を使えるのね。ニコとロボの事反対すると思ってた。」 社長が関心したように、よっちゃんを見つめた。 「あの~?なんの事っすか?」 とぼけた顔をしたよっちゃん。 「なんの事って、よっちゃん知ってたんじゃないの?よっちゃんって鈍感ね~。」 頭の中のパズルを一つ一つ照らし合わせ、よっちゃんも気付く。 「え!?マジで?知らないっすよ~。」 よっちゃんはその場に、倒れこんだ。 「よっちゃんも、恋のお勉強頑張りなさいね。」 【ロボの部屋】 走って、走って、ロボの部屋の前に着いて、そっと扉を開けた。 「ロボ~?…寝てる」 ちゃぶ台で、カレーのお皿を抱えて寝ていた。 「カレーちゃんと食べたんだ。」 あんなにたくさん作ったカレーは、綺麗に無くなっていた。 「ん~…ニコ?」 ロボが目を覚ます。 「来てくれないかと思った。」 「ゴメン。遅くなっちゃった。本当にゴメンね?」 ちゃぶ台に座っているロボに抱きついた。 「ん?ニコ、急にどうした?」 「何にも知らないくせに、ロボの事、勝手に責めちゃってゴメン。いっぱいゴメンね。」 「ニコ、謝ってばっかり。」 ロボがアタシの背中をトントンと叩く。 「さっきね、地蔵堂に行ってきたの。ロボの事も聞いた。アタシね、社長にスパイを続けさせて欲しいって、 頼んで来た。 ロボ…アタシとまた仕事してくれる?」 ロボが大きく頷いた。 「うん!する。仕事しよう?俺が手伝うから。」 近くで見たロボは、傷だらけだった。頑張り過ぎだよ。 「仕事のことも、ありがとう。ロボが毎日働いてくれてたのに、昨日はアタシ、勝手に怒ってゴメン。」 アタシって自分勝手で、まだまだ子供なんだ。 「俺こそゴメンな。不安にさせちゃって。」 「だって、あの時だけだよ?ロボが…好きって言ってくれたの。」 「ニコだって言ってくれてないだろ? でも、ニコって毎日好きとか言われたいタイプだったのか~。」 ロボのバカッッ 「ちゃかさないでよ。」 「茶化してないよ。 ニコが好きだよ。これからはちゃんと言う。毎日!ん~、いつも!好きだ~!!!」 そんなに叫ばれてもねぇ… 「あのねぇ、本当にバカ(笑)第一さ、付き合おうとも言われてないのに、毎日好きなんておか「付きあおう!! ニコ。」 話し途中だし、なんかこうもっと大人な雰囲気が良かったんだけど… 「はいはい。宜しくね。」 ロボは力いっぱいニコを抱き締めた。 「無くしたものは、戻ってこなくても、その分俺が埋めてあげるから。だからもっと、気楽にいて。」 「うん!」 ロボ、ありがとう。 【地蔵堂】 「ニコ、元気になって良かったですね~。」 「そうね。ニコには借りがあるもの。笑っててもらわないとね。」 社長が煙草に火をつける。たぶんプッチーニの時だろう。 「社長~!煙草は控えて下さいよ。長生きしてくれなきゃ、困りますよ。」 「あら、よっちゃん心配してくれてるの?」 乙女みたいな顔でよっちゃんの顔を覗き込む。 「そりゃ…そうですよ!とにかく生きてて下さい。嫌ですよ、毎日社長の墓掃除なんて。」 社長はクスッと笑うと、吸い始めたばかりの煙草の火を消した。 「そうね。そうだったわね。何で忘れちゃうのかしらね…、大事なこと。」 皆、一人で生きてるんじゃないのに、ニコに教えてるつもりだったのにね。 まだまだ生きて、よっちゃんの結婚相手を探さないと… 「ねぇ、よっちゃん?一週間休みあげるから、彼女作ってきて頂戴。」 よっちゃんは仰け反って驚いた。 「え!?んなの、無理ですて!」 無理ムリって、顔の前で手を振っている。 「よっちゃぁん…お願い。」 上目遣いで近寄ってくる社長。 壁に追いやられる。 「社長、あの~近づきすぎですって!」 「お・願・い」 よっちゃんにピタッッとくっつく 「嫌・だ!ギャー!!」 【ニコとロボ】 「あ、今よっちゃんの叫び声が聞こえた気がした。」 ニコがゾッとした表情をする。 「俺もした…。」 社長、またイジメてるな…? 「よっちゃんの女嫌いってさ、絶対社長のせいだよね~。」 女嫌いというか、何というか。 「いいんじゃない?アレもアレで幸せなんだよ。」 よっちゃんと社長、お似合いだよねぇ。 「そうだよね。(笑)ま、いっか。」 ニコとロボは目を合わせて笑った。 (よっちゃん「助け合いじゃねぇのかよ…」) 終わり