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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257382677/762-763 風邪引いた… その日俺は珍しく学校を休んだ 桐乃の奴は 「ハッ、バカも風邪引くんだぁ!」 とか捨てぜりふを吐いて登校していった わざわざ俺の部屋を覗いて… 怒る気力もないな 俺はそのまま眠ってしまった ばふっ やおら俺の布団に何かが飛び込んできた ん? …なんだ、猫か 猫って、あったかいんだなあ 艶やかな黒い毛並みを俺は愛でるように撫でる 俺の愛撫に黒猫も応えるように身を震わせる かわいいなぁ そういえば小さい頃、こうやってよく桐乃をあやしたもんだったな… 俺は優しい声で桐乃の名を呼んだ 黒猫が兄さん、と、俺を呼んだ 次の瞬間、俺の頭部に衝撃が走った
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1306742825/103-108 「あ、あやせ…」 俺は、赦しを乞うために弱々しい声で彼女の名前を呼んだ。 「どうしたんですか?お兄さん。まさか、これで終わりだなんて事はないですよね?」 薄暗がりの一室。 俺達は、ベッドの上で全裸になって、結ばれたままの姿だった。 あやせは、騎乗位で俺の身体に跨っている。 上気して薄桃色に染まった頬、白くきめ細かい素肌に、汗でしっとり濡れた長い黒髪が、どこまでも艶かしい。 「うう…。す、すまん…俺はもう、限界だ。勘弁してくれ…」 俺は既に4回射精させられ、肩で息をしている状態だった。 「…」 「ひっ!?」 一瞬、窒息しそうなほど重苦しい空気が、あたりを包み込む。 「やだなぁ、お兄さん」 そう言って、あやせはまるでいつもと変わりない屈託ない笑顔で言った。 いや、目は笑っていない…。 「私とするって言ったじゃないですか。ホテルを泊まりにしたのだって、一晩中楽しむためじゃないんですか?」 「し、した…。もう、充分にしたよ…」 俺が半泣きになって首を振ると、あやせはペロリと小さく舌舐めずりをして、 「駄目です」 と、無慈悲に言い放った。 「あ…あうぅ」 「だって、私はまだ2回しかイッてないんですよ?お兄さんが4回も出したのに、それじゃ不公平じゃないですか」 あやせの白く細い指先が、上から俺の胸元をサワサワとまさぐる。 「あ、はわぁ…ッ」 その刺激に、俺の全身が泡立った。 「それに…。お兄さんのココも、まだまだ満足してないみたいですね?」 「あっ!あっ、あっ!だ、だってそれは…あ、あやせが締め付けるから!」 黒髪の悪魔が、俺に跨ったままゆっくりと腰を上下に動かし始める。 「あ!ああっ!動かないで、ぐうぅっ」 何度も精を放出して過敏になった亀頭部分を、少女の淫蜜に濡れた膣肉がまんべんなく擦り上げていく。 たまらず、俺は悲鳴を上げた。 「あそこがこんな元気なまま帰ったら、お兄さん桐乃に何をするか分からないじゃないですか」 少しずつ、あやせが腰をピストンさせるスピードが上がってくる。 「しない!何もしないから!やめて!あぁ…助けて!」 大の男が必死に懇願したにも関わらず、あやせはクスクス笑いながら、 「駄目ですよ。全部出し切るまで、絶対に逃がしません」 と、言った。 「あっ!あっ!くぅううっ!?」 あやせが、遠慮なく腰を打ち付けてくる! 何かが再び俺の身体の奥底からせり上がってきた。 「あ、あぁ…ッ!い、イく。またイっちまう!!」 あやせが、俺に跨ったまま、まるで踊るように身体をくゆらせる。 こんな滅茶苦茶にされてなお、彼女の白い肌が、絶妙なバランスで形作られた美乳が、美しく…この上なくいやらしい。 「いいんですよ、お兄さん。我慢しなくても…」 ゾクゾクする程エロい表情で、あやせが囁いてきた。 「ほら…。たっぷり感じて下さいね」 上から、彼女は俺の胸元にしなだれかかり、俺の乳首をチロチロと舐めしゃぶる。 下半身は、俺のモノを深く咥え込んだままグリグリと激しい抽送が続いていた。 「あ~~~っ!!!」 「ぁ、やんッ!」 ドクン! と、電撃のような強い刺激とともに、俺は5回目の絶頂を迎えた。 「く…ぅ」 あやせはあやせで感じているのか、薄っすらと目を潤ませつつ、余韻に浸っているようだった。 「あ…あ…」 俺は身体を痙攣させながら、射精感が過ぎ去るのを待つ以外になかった。 「ふふふ、ビクビクいってる…」 そっと、指で髪をかき上げて…あやせが呟いた。 どぎつい快感がようやく落ち着いた頃。 ようやく解放してくれる…。そう思ったのも束の間、あやせはまた俺の乳首を入念に吸い始める。 俺は半狂乱になって泣き叫んだ。 「やだ!もう嫌だッ!あやせ、もうやめて!死ぬ!本当に、死んじまう」 肉棒は、こんなにされてもなお硬度を失おうとしない。 俺は恥も外聞もなく、彼女の同情を引こうと顔をクシャクシャにして泣いた。 …ガリッ! 「いぎゃああっ!」 あやせは、あろう事か俺の乳首に噛み付いてきた。 噛まれた箇所が内出血をおこしている。 あやせは、痛みでヒリヒリする俺の乳首を再びしゃぶりながら、 「お兄さん…。大きな声を出すと、私…びっくりして噛んじゃいますよ?」 と、低い声で言った。 「あ…あぁ…」 「うふ…。そんな情けない顔しないで下さい。でないと…」 うっとりとした表情で、あやせが耳元で熱っぽく告白する。 「私、もっと興奮しちゃいます」 …変態。 俺は、つい口に出しそうにしたその言葉を慌てて飲み込んだ。 「可愛い私のお兄さん…。もう、誰にも渡さない。もちろん桐乃にだって…」 「え…え…?」 グン、と…俺のペニスがさらに硬くなる。 「もし誰か他の女になびく事があったら…」 あやせは、形の良い唇で俺と接吻を交わす。 小さな舌が、俺の上下の歯を割って口内に侵入してきた。 ちゃぷ、ちゅく、ちゅっ… 深い深いディープキスを交わした後、あやせがようやく唇を解放すると、透明な糸が、下に垂れて落ちた。 「その時は、殺しますからね」 そう言って、俺の耳たぶを軽く噛むあやせ。 「うっ!うぐっ!?」 信じられない事が起きた。 あやせは、挿入されたまま腰を動かす事なく…キスと言葉責めだけで俺を6度目の絶頂に導いたのだ。 「うっ、うっ…」 びくん、びくんびくん…。 「あは♪またイった」 もう吐き出すものもなく、俺のモノはただ空打ちを繰り返すばかりだった。 その瞬間、俺はあやせとの間に何か決定的な関係が構築されるのを感じた。 この綺麗な顔をした貪欲な魔物に、俺はすっかりやられてしまったのだ。 もう一生、逃れる事などできはしない…。 そんな絶望的な予感にも関わらず、俺のモノは硬くなったままである。 分かっている。 俺はこの娘に恐怖を覚えつつ、一方で期待もしているのだ。 もっと自分を滅茶苦茶に壊してくれる事を。 泣いても、叫んでも、彼女は俺が真っ白に燃え尽きるまで、絶対に自分を放さない。 …そんな奇妙な確信がある。 幸せなのか、恐ろしいのか、俺には分からなかった。 分からないが、ただ一つ確かなのは…。 俺が望む平凡な人生は終わりを告げ、新たにあやせの愛玩人形としての生活が始まったという事だけだった。 続く
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1290468634/ 82 名前:美嗅しんぼ[sage] 投稿日:2010/11/24(水) 00 48 52 ID 6udKtDBs [3/5] よし、投下する。くんかの人とは違うけどくんかネタ注意。 桐乃「はあ……はあ……アニキのパンツ…… くんかくんか……ちゅぱ……ちゅっ」 黒猫「あ、あなた……なにやってるの!?」 桐乃「アニキのパンツ味わってるに決まってんじゃん……」 黒猫「せ、先輩の……。あの…先輩の…」 桐乃「あんたもどう? 5分前に取ったばかりの究極のパンツよ?」 黒猫「(ゴクリ…)」 あやせ「やれやれ、こんなパンツを人に食べさせようとしてるようじゃ、 ほんとにお兄さんが好きかどうか怪しいものですね」 桐乃「な、なによあやせ! あたしがせっかく…」 あやせ「明日、もう一度桐乃の部屋に来てください。 こんながパンツよりずっとおいしいパンツをご覧に入れますよ」 (次の日、昼) あやせ「どうぞ……お兄さんが今朝はいているのをもらったパンツです」 黒猫「今は昼…………脱ぎたてと言えるのかしら」 桐乃「たしかに朝脱いだばかりのパンツは鮮度が高い……。 でも、昨日のパンツは、兄貴が5分前にお風呂に入ったときに手に入れたモノ…… はっ、あやせ、笑わせるわね! 鮮度が違うわ!」 あやせ「嗅いでみてください。文句はそのあとで伺うわ」 黒猫「…………」 桐乃「いいでしょう……くんかくんか…………!?」 あやせ「ふふふ……」 桐乃「そんな馬鹿な!? このコクのある味わい……しかも昨日のパンツにはない鮮烈さと生臭さがある……! それに、この豊かな香り……!」 あやせ「おわかりいただけたでしょうか?」 桐乃「そんな……このパンツと比べると昨日気付かなかった粗が見えてくる……これに比べると 甘さと香りがまるで違う……! …………っ! そ、そういうことね! あ、あやせアンタッ!」 あやせ「桐乃は気づいたようね」 黒猫「どういうこと……? さっぱりわからないわ……!」←嗅いでない 桐乃「あやせは……この女は、昨夜兄貴とセクロスしたのよ……! この鮮烈さは、オナニーでは決してでない! 今まで味わったことのないのもあたりまえだわ! あんた、これまでなんども……!」 あやせ「そう、お兄さんに処女を捧げ童貞を貰って以来、情事のあとの下着はいつも交換してきた。 わたしはその下着をいつもスーハーしてきたわ。 そしてこの香りは、情事の香りを一晩寝かせ、さらに朝フェラで起こしてあげたときの精液も染み込んでいるわ!」 桐乃「そう、一発ではこれだけの濃厚さは出ない……間違いなく三発は……!」 黒猫「何を言っているの……」 あやせ「桐乃! 美嗅を芸術の域まで高める条件は、それは唯一人の心を感動させることよ。 そして人の心を感動させることが出来るのは、愛のこもった情事のみなのよ! 鮮度や自慰だけでは駄目なのっ! それがわからない人間が究極のパンツなんて言って、 あなたには匂いを語る資格はないわっ!」 完 失礼しました 86 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/24(水) 01 01 42 ID n4XRnEPK [1/3] 陵辱と聞いて考えてみたんだが、こんなネタしか思い浮かばなかったw 87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/24(水) 01 02 06 ID n4XRnEPK [2/3] 「先輩、私考えたのだけど」 とある午後のひととき、黒猫が唐突に言った。 「何を?」 「もう…冬コミの新刊のネタに決まっているじゃない」 いや、急にそんなこと言われてもさっぱり判りません。 「やっぱり漆黒と夜魔の女王は敵同士なのだから、和姦は無いと思うのよね」 さいでっか。つか俺マスケラろくに見てねーからあるとも無いともわかんねーよ。 しかしこの手の話の腰を折ると怖いので、若干引きつつも先を促す。 「というかもう和姦はお腹いっぱいだと思わない?どの本見ても和姦とBLが 蔓延している現状は嘆かわしい限りだわ…っふ、そんな現状に鉄槌を下す意味でも 新刊は陵辱ものにしようと思うのよ」 いや、お前いつぞやの同人誌じゃ桐乃似のキャラをレイプして殺してただろ。むしろ そればっかやってるように俺には思えてしょうがないんだが? 「でね、私もどうせ書くならあの女を見習ってもう少しリアリティを追求しようと 思うのよ…」 そう言ってニヤリと笑い、黒猫はベッドに手を突いた。 その顔は若干赤く染まっていて、見慣れてる俺でもドキッとしたね。 「そういうわけだから、あなた私を陵辱しなさい」 「ぶっ!」 何言い出すんだテメーは! 「あら、別に恥ずかしがらなくてもいいじゃない」 散々ヤっておいて、と言いながら黒猫は毛布を引き寄せて裸身を隠した。 あー、説明が遅くなって悪いが、今日は親も留守だし桐乃も部活のなにやらで 遅くなるらしく、好機とばかりに俺は黒猫を部屋に招きいれてさっきまでイチャイチャ していたわけだ。 …それにしても黒猫さん、3回はヤってると思うんですが、あんたタフっすね… 88 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/24(水) 01 03 04 ID n4XRnEPK [3/3] この後もギャグというかイチャつく展開しか思い浮かばないですw 173 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 02 18 57 ID XjPRTX/i [1/2] 大作の後に小ネタを投下 コーヒーブレイク感覚でどうぞ 「うわぁぁぁぁぁっ!!」俺は自分の叫びに驚き飛びおきた。よく思い出せないが、何か随分と酷い夢を見たようだ。 俺は落ち着こうとベッドにもう一度横たわった。すると右側から 「随分うなされていたようね」 さらに左側から 「怖い夢でも見たんですかお兄さん」 驚いて左右を見ると右には黒猫、左にあやせがいた。さらに二人は…全裸だった。 「さすがの獣も私達二人を相手にしてお疲れかしら?」 え? 「まぁ私達を、へとへとで動けない位責めたんだから無理もないですよ」 えぇ~!?それって俺が黒猫とあやせとその…しちゃったって事ですか!しかも3Pって…… 茫然としていると、部屋の扉がノックされた。 マズイ!誰だか知らんが、誰であろうとこの光景を見せる訳にいかない。 「だ、誰だ」 恐る恐る声を掛けると聞き覚えのある声が返ってきた。 「きょうちゃん…わたし…」 ま、麻奈美?何と言うタイミングで…何とか部屋に入れないにしないと。 すると麻奈美は都合よくドアの向こうで喋りだした。 「あのねきょうちゃん。私今日病院に行ってきたんだけど…」 何故だろう、酷く不吉な予感がしてきた。 「私…三ヶ月だって。半年先にはパパだよ」 ハイ!不吉な予感当たりました!しかし不幸な展開はまだ続いていた。 黒猫とあやせがゆらりと上半身を起こし、俺を見下ろしていた。 「たんぽぽみたいに、どこにでも種を蒔く獣だこと」 「お兄さん?説明……してくれますよね?」 「黒猫、あやせ…こ、これは…」 『これは?』 二人がハモりながらズイッと詰め寄ってきて―― 「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」 俺の部屋だった。見慣れたいつもの風景にホッとしていると 「大分恐い夢を見たみたいだね」 !?さらに続けて 「でも、たとえ寝言でも恋人の前で他の女の名を呼ぶのは感心しないな」 恐る恐る振り向くとベッドには赤城浩平が横たわっていた。 うん、これも夢だ、夢に違いない。嫌、夢でなければおかしい!早く起きろ俺、目を覚ませ俺! よし目をつぶって1・2・3で目を開ければ起きるはず 1…2…3! そして俺は目を開けた そこは…………………… 174 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 02 21 17 ID XjPRTX/i [2/2] コーヒーブレイクというより京介の心がブレイクしたような… 続き物の方が詰まって気分転換に書いた 反省はしてない 197 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 19 11 39 ID tMhYJh0Y [1/2] クンカー系のSS見てて思うんだけどクンカーってことをどうしてカミングアウトしないんだろう? 特にあやせの場合は京介なら多少は悩めど受け入れそうなもんだろうに。 201 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 20 07 52 ID XjPRTX/i [3/4] くんかワールドの京介か… 「あやせ…お前が俺のパンツを盗んでクンカしていたなんて…」 「ごめんなさい!どうしても我慢できなくて」 「お前のせいでパンツが足りなくなって困っていたんだ。責任は取ってもらうぞ!」 「責任って…?」 「スカートの中に頭突っ込んで直接あやせのパンツをクンカさせてくれ!これでおあいこ…」 ブーーーーッ! 「刑事さん、俺なんでこんな事になっちまったんですかね…」 「それを考える時間はこれからゆっくりある」 うnどう見てもBad Endだな 205 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 20 40 48 ID F42DjGIB [1/3] 202 京「んなことやってねぇで、直接匂い嗅げよ…」 桐「あ… 兄貴… いいの?」 京「ああ… なんなら舌で味わっても構わないぜ」 桐「うれしい…」 京「あだだだ! 咬むな咬むな!」 206 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 20 56 25 ID FeJ+P1XK 桐乃「嗅 が な い か」 桐乃「ところでこのパンツを見てくれ。こいつをどう思う?」 桐乃「あたしは兄貴だって構わずクンカしちゃう女なんだよ」 こんな台詞が思い浮かんだ俺はもうダメかもしれん 207 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 20 58 31 ID rXWPZQ90 [2/3] 202 5巻の段階で、京介もきっちり桐乃のパンツをくんかくんかするようになってただろう。 「俺がこうなったのも、妹の影響です」 208 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 21 14 52 ID tMhYJh0Y [2/2] 「俺の服の匂いを嗅ぐのが好き、ねぇ。変わった趣味してんだなお前」 「う、うっさい! しょうがないじゃない! アンタの匂いが、その、すっごく心地よくて気持ちいいんだから! だから悪いのは全部アンタ!」 今まで俺の服とかを盗んでたことまで全部俺のせいにしやがったよこのアマ! だが心の広い俺はこんなことではいちいち怒ったりはしない、これでも桐乃の兄貴だからな。 「はいはい。ところで桐乃、普段はどんな風に匂い嗅いでんだ?」 「普段って……まあ、やって見せてもいいけど。そのかわり約束して。今からすることを見ても絶対に軽蔑したりしないで、お願い……」 「軽蔑ってずいぶんと大げさだな。心配すんな、こんなことくらいじゃ俺はお前を嫌ったりしないって」 「ホント? もし嘘吐いたら焼き土下座だからね! じゃ、じゃあ見せてあげるからパン……じゃなかったシャツちょうだい。今着てるやつね」 気のせいだ、桐乃が俺のパンツを欲しがっていたのはきっと気のせいだ、仮にあやせだったとしてもそれはきっつい。 「ホラよ。じゃあ見ててやるから(ま、匂いを嗅ぐだけだからな。大したことにはならねぇだろ)」 甘かった、俺はクンカーという人種を甘く見すぎていた、目の前の桐乃は何か悪い霊に取り憑かれたかのような奇態を取り続けている。 すでにトランス状態に入って俺に全く気付いていない桐乃を見て俺は決意する、どれだけ時間が掛かろうともクンカーから足を洗わせようと。 とりあえずあやせにでも相談しよう、あやせならこんな桐乃を見てもドン引きしたりしないだろうと。 実際問題、桐乃が京介にクンカーをカミングアウトしたらこんな感じになると思う。 209 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 21 31 26 ID F42DjGIB [2/3] 208 桐「ここから出して兄貴!」 京「少しの辛抱だ桐乃。そこで禁断症状をやり過ごすんだ」 桐「ぱんつを… はやく兄貴の脱ぎたてのぱんつをちょうだい… ぱんつかないとあたし…」 京「我慢するんだ! お前は強い、自分の力で呪わしい悪癖を絶つんだ!」 桐「兄貴のぱんつが欲しいぱんつを嗅ぎたいぱんつぱんつぱんつ… うあああー─ッ!!」 235 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 00 54 27 ID iS0GNgxS コミケであやせと出会ったら、あやせもおたくだったでござる。 ってパターンを考えるやつはいないのか。 これだとあやせがあやせでなくなるからか? 236 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 01 01 34 ID IzUVSfyk [1/2] 好感度高いままかつ、あやせが桐乃のオタク趣味を知ってるのなら、 コスプレ話 あやせ「こ、こんなえっちなの着られるわけないでしょう! お兄さんの馬鹿っ! ばかばかばかっ!」 京介「でも、俺は、お前がこんな格好をしているところを見たい」 あやせ「なっ…………かあっ!」 とか、 6巻のサプライズプレゼント あやせ「お兄さん……どう、です……かっ」 京介「い、EXタナトス!?」 あやせ「はい……お兄さん、その、見たいって言ってたので……きゃっ!」 ぎゅっ! 京介「はぁ……はぁ……あやせ、あやせっ」 あやせ「お、お兄さん、落ち着い――――んむっ」 京介「ちゅ――――」 あやせ「――――ぷはっ。わ、わたしの、はじめての、キス、お兄さん、キス、え?」 京介「あやせ、好きだ、好きだっ」 あやせ「だ、だめ、胸揉んだら、わたし、ひゃっ! 耳なめられたら、なにこれ、こんなっ」 京介「ごめん、止まれない――――」 あやせ「だめっ!」 ドンッ! 京介「あ…………ご、ごめん」 あやせ「お兄さん…………………っ……。 わたしのこと、好きなら、もっと、ゆっくり、優しく、お願いできませんか」 京介「え?」 あやせ「わたしも、お兄さんのこと、前から、いいなって思ってました。…………うぅん、私と桐乃の仲を取り持ってくれたり、あれこれ世話を焼いてくれたり…………ずっと、好きでした」 京介「あやせ……」 あやせ「でも、だからこそ、お兄さんとは、きちんとしたいんです。大切な、思い出ですから…………」 京介「ああ……んっ」 あやせ「ちゅっ…………」 こうか 239 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 01 14 47 ID tapSbAXu 「わ、私にだってオタクな部分はあります!」 「へ、へーそうなんスか」 235的なことを言ったらあやせに怒られた。 「だいたい、桐乃だってアニメだけにオタクじゃないじゃないですか。 ファッションにだって凄く詳しいし、陸上に対しても私じゃ知らないこと沢山知ってます」 ま、まあ確かに、その分野について情熱もってんのはオタクってこったろうな。 そういう意味じゃ、新しい和菓子メニュー考える麻奈美は料理オタクって言えるのかも知れないし 赤城だって妹オタ……じゃなくて、サッカーオタクな部分も確かにある。 「で、あやせはなんのオタクなんだ?」 「え? ……そ、それはですね……わ、私はお、お兄さんオタクです!」 へーそうか、あやせは俺オタクなのかー……ん? 「例えばですね、お兄さんのパンツの色の割合は赤3、青2、緑1、黒1ですけど 私としてはもう少し青が多い方がいいと思ったりしましけどね。それはそれとして 最近はチェック柄のパンツがヘビーローテーションだと思います。 お兄さんが使用しているパンツと同じモノを用意してすり替えているワケですが このローテーションを把握しておかないとお兄さんのパンツを手に入れることが……」 精神的な負荷を受けた俺は気絶した。 392 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/28(日) 17 26 20 ID msKQM4+r あやせ「お兄さん、今日のお弁当はお兄さんの好きなもの沢山用意しましたからね」 京介「そいつは嬉しい。嬉しいんだが、俺の好みなんて何時の間に把握した?」 あやせ「もちろん、お姉さんからです」 あやせ「お兄さん、そのシャツにははグレーよりカーキ色のコートの方が似合うと思いますよ。 私はこれでもモデルですから、洋服のセンスには自信あり、です。今度はそうして下さい」 京介「そうか、次から気をつけるぜ。気をつけるが、俺の洋服タンスの中身をなんで知ってるんだ?」 あやせ「もちろん、桐乃から聞いたんです」 あやせ「お兄さん、国語の成績が落ちたみたいですね。いかがわしいゲームとかしているからじゃないですか? わかりました、今日は一緒にお勉強しましょう。私の部屋ならお兄さんを惑わせるイヤらしいものもありません!」 京介「あやせの部屋で勉強なんて、俺の部屋以上に集中できない気がするが それはそれとして、なんで俺の成績をお前が把握しているんだ?」 あやせ「もちろん、お姉さんに教えて貰いました」 あやせ「お兄さん……どうですか? 伊達ですけどメガネをかけてみました。 お兄さんはメガネフェチですから、凄く興奮しているでしょう?」 京介「ああ、スゲー興奮してお前を押し倒しちまったが、なんで俺の好みを知っているんだ?」 あやせ「もちろん、桐乃から聞き出しました」 429 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/30(火) 01 39 39 ID RW8aPG5o [1/2] ある休日、桐乃は朝からあやせや加奈子を連れて遊びに行ったのを機に、麻奈実を自宅に呼び寄せる京介 親も出かけていてふたりきりというシチュエーションに少しどぎまぎしながらも、一緒に勉強したりしながらいつもの夫婦然としたまったり空気になる 昼は京介が出前を取ろうとしたところを麻奈実がせっかくなので腕を奮いたい申し出る しかし冷蔵庫が空だったためふたりで買い物に出かけることに 途中でクラスメートに遭遇して冷やかされたりしながらの帰り道、天候が崩れ急な雨に降られてしまう 急いで帰るもふたりともびしょ濡れで、京介は麻奈実にシャワーを勧める 麻奈実の濡れた服や下着を乾燥機に放り込み、京介は服の替えにスウェットでも持ってこようと自室へ向かう 桐乃「あー、雨降ってくるなんてチョー最悪! 予定狂ったじゃない! 映画もつまんなかったし! あやせ、加奈子、タオル取ってくるからちょっと待っててね」 ガラッ 麻奈実「あ、桐乃ちゃん? おじゃましてます。ごめんね、いっぱい濡れちゃったから京ちゃんにお風呂使わせて貰ってたの。もう少しで終わるからちょっと待っててね~」 桐乃「」 玄関 あやせ「嘘……嘘嘘嘘! だって桐乃は今日親が出かけるから昼間はお兄さんしかいないって言ってた。桐乃はローファーなんて履かないから、ここに女物の靴があるはずないのに……!」 加奈子「キヒヒ! 女連れ込んでんに決まってんじゃん。もしかして今頃ヤってる最中じゃね。覗いみっかな」 以下地獄絵図 だれかこんな感じのSS書いてくれ 476 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/30(火) 22 05 19 ID w8cMJcEN サングラスと黒いコートに身を包んだ女達が、都内某所に集っていた。 ビルの最上階、赤い、豪奢な装飾の施された椅子の座り心地はとても良い。 しかし、そこに座する少女達は身を固くしたまま、中心のテーブルを挟んで向かい合う。 輪になった彼女たちの中で、この場所を提供した沙織が口を切り出した。 「ではトレードを始めましょう」 それでも暫く沈黙が続いたのだが、意を決した一人の少女がボイスレコーダーを差し出した。 少女――新垣あやせは、ボイスレコーダーのスイッチを入れる 『結婚しよう』 少女達にざわめきが走る。 ライトブラウンの少女が舌打ちしながら、叫んだ。 「兄パン3枚、3枚でどう、あやせ?」 「ほほぅ、流石はきりりん氏、潤沢な資金力ですなぁ」 沙織の言葉は他の少女達の気持ちを代弁していた。 パンツ3枚…… たしかに京介の『結婚ボイス』は欲しい。兄パン1枚と交換しても惜しくない 誰もがそう考えた時、桐乃はポンとパンツを3枚繰り出してきた。 兄ボイスを出品したあやせも、ゴクリと喉を鳴らしている。 トレードは成立しかけている。 二人のモデル少女以外は互いに目配せをする。 いいの?結婚だよ?京介の結婚ボイスになら兄パン4枚出しても手に入れるべきじゃないの? そんな逡巡と、しかしトレードは始まったばかりだという計算。 序盤で兄パン3枚を繰り出す桐乃は一体どれだけの資金を持ってきたのか? (ブラフなのではなくて?) 赤いカラーコンタクトの少女――黒猫は桐乃を怪しむ。いきなり兄パン3枚はいくら妹とはいえ出し過ぎだ。 つまり、この3枚というのは桐乃にとっても大きな出資で、しかし最初に3枚も繰り出すことによって 桐乃の持ち兄が沢山あるのだと、他の少女に牽制を仕掛けたのではないか、ということだ。 (ブラフではないでしょう。ですが、京介お兄様の『結婚』はきりりんさんにとっては どれだけ兄パンをつぎ込んでも手に入れたいものであったはず……) 黒猫と同じ疑問を抱きながら、その原因を別の所に見いだしたのは、このトレードの口火を切った沙織だった。 桐乃は妹だ。京介とと結婚することはできない。だから京介の『結婚ボイス』は桐乃はなんとしても欲しかった。 それであるならば、と沙織は「お兄パン4枚!」と声を張り上げた。 これは実は沙織が所持する京介パンツの全てである。 しかし、桐乃は『結婚ボイス』を手に入れるために5枚以上張ってくる。 沙織は『結婚ボイス』は既に諦めていた。しかし、桐乃の資金は今後の事を考えて減らしておいたほうがいい。 友人を騙すことは気が引けたが、沙織とて、今日のトレードで京介グッズを増やしたいという乙女心はあった。 「兄パン5…いや、6枚!!」 桐乃はやはり被せてきた。会場がざわめく。 桐乃が兄ボイスを落札するのは目前に思われた。 「待てよ。加奈子はこれを出すっての」 この中でもっとも小柄な少女――加奈子が出したのは、銀紙に包まれた小さな物体だった。 「マネージャーだったから、口臭気にしてたしさ、ミントのガム噛んでたんだよね。 どーよ、あやせ。結婚ボイスじゃ釣り合わないだろ? もっと手持ちの出せよ。したら交換してやんよ」 桐乃が悔しさの余り、机を拳で叩いた。 そろそろ行数制限だ。クンカーたちの戦いは始まったばかりだが、ここで筆を置くとしよう。 493 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/01(水) 03 00 21 ID iPTKJFo9 [1/2] 「最近寒いな……こういう日は鍋でも突っつきたいよなぁ」 そんな俺の何気ない一言に 「下らないわね。闇の眷属である私が人間と一緒に鍋を囲めというの? 別に構わないのだけれど、私の障気に当てられた鍋を人間が食することができるかしら?」 「アンタとあたしの箸を同じ鍋に入れるなんて、考えるだけで身震いするんですけどー」 オタク二人がいつものように毒舌をかまし 「ほうほう、拙者、みんなで鍋というものは体験したことがないでござる。 興味深いでござるな。鍋パーティ……さっそく手配するでござるよ」 沙織は手配なんて大げさな事を言い出した。 んで、職人に作らせた土鍋で行わせる沙織主催の鍋パーティに できるだけ沢山の知り合いを呼んで、盛大にやる筈だったのだが…… 「赤城よ……今頃俺達は鍋を囲んだ美少女達に囲まれている筈だったんだがなぁ……」 「そうだな、高坂。パーティを盛り上げる為に、グッズを買おうっていうお前の気遣いに、 俺も瀬菜ちゃんを先に行かせて、一緒に買い出しに付き合ったんだったな」 「けどよ、やっぱアキバでパーティグッズを買おうとしたのが間違いだったよな」 「ああ……お前がメガネモノAVなんか買わなけりゃなぁ……」 「テメーがかったオナホをパーティグッズだと言い張るなら、俺はテメーをぶん殴るぜ」 「まさか職質にあうとはなぁ……」 「お前が挙動不審だったからだろ」 「速攻で逃げ走ったお前がいうな」 「ウチは親父が警官なんだよ。つーか、テメーだって逃げたじゃねーか」 「警察から逃げるために、タクシー乗るか普通?」 「タクシー乗ったからって、「北へ!!」なんて言うか、普通」 「バカヤロウ、逃避行は北って決まってんだろーが」 「沙織ん家は南なんだよ! つーか所持金ねーよ。帰れねーよ!!」 「兄貴達来れないって? ったく、せっかく沙織が招待してくれたのに、何考えてるんだか」 「お兄ちゃん、鍋よりも高坂先輩と二人きりになることを選んだんだ……うへへへ……」 「何コイツ、急に変な声上げんなよ? 乳デカイしさー。キモ! つーか鍋まだかよ…チンチン」 「加奈子、初対面の人にそれは失礼でしょ」 「ふ……人間とは愚かな生き物ね……空腹で自制心を失ってしまうのだから……」 「わ、私、お腹すいてないです!」 「ブリジットちゃんもお腹空かせているみたいだし、きょうちゃん達は来られないみたいだから えっと、沙織ちゃん……だっけ? 私達だけではじめちゃおっかぁ~」 「そうですわね。では明かりを消しますわ」 みんなの顔に「?」マークが浮かぶ。何故に明かりを……? 「だってそれが鍋の作法なのでしょう?」 「はぁ? それは鍋は鍋でも闇鍋……黒いの、アンタ……!?」 「闇の世界と人間の世界では鍋のルールが違ったようね……」 「汗掻きながらいうことかーーー!!」 「闇鍋~? だから加奈子達にも食材もって来させたってわけか」 「闇鍋ってなぁに?」 「暗闇の中で持ち込んだ食材を鍋に放り込んで、何を掴んでもそれを食べる鍋、ですね」 「面白そう!」 「そ、そうでしょう? 貴方、なかなか素質があるわ。私の血を与えてあげてもいいわよ。 ふ……それに比べ、たかが闇鍋如きに恐れおののく惰弱な輩ばかり……」 「上等じゃない、闇鍋やってやろうじゃないの!」 「加奈子が闇鍋ぐらいでキャーキャーいうとかナメてんじゃねーっつの!」 「桐乃、加奈子!?」 「あらあら、何か手違いがあったようですが、このまま進めても大丈夫そうですわね」 そうして明かりが消え、各々が持ち込んだ食材を鍋に入れ、箸を突っ込み、闇鍋が始まった。 闇の中、誰かが叫んだ。 「ハムハム……あれ? これ……パンツ!?」 498 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/01(水) 06 22 15 ID iPTKJFo9 [2/2] 明かりをつけた少女達の目に飛び込んできたのは、鍋に浮かんだ男モノのパンツだ。 一体何故? 誰のパンツなのか……。そしてだれがパンツを食べたのか? 全てが謎のままだ。 瀬菜が箸でパンツを摘むと、その匂いを嗅いだ。 「スンスン……お兄ちゃんの匂いじゃないです」 「じゃあまさか……お兄さんの!?」 「ええ!? きょうちゃんのパンツなの~」 「別に桐乃の兄さんのパンツとは限らねーっしょ」 「じゃあ加奈子はお兄さんのパンツと知らない男の人のパンツ、どっちがマシ?!」 「……確かに、これが先輩のパンツと考えた方が精神衛生上いいわね」 「桐乃さん、これが京介お兄様のパンツかどうかわかりませんか?」 「は? なんであたしが兄貴のパンツを判別できるわけ? そんなのできるわけないじゃん!」 「あら、貴方は先輩のパンツの匂いを一番良く知っていると思ったのだけれど?」 「じゃあ私が嗅いでみるよ~きょうちゃんの匂いなら分かるかも?」 「はあ! 他人のアンタに兄貴の匂いが分かるわけないじゃん! ここは妹のあたしが、 アイツのパンツ嗅ぐなんてイヤだけど、仕方ないから、あたしが嗅ぐ!!」 鍋の汁が滴るパンツに、桐乃は鼻を近づけた。 「……多分、兄貴のパンツだと思う」 「120%、先輩のパンツということね」 「ですわね」 黒猫と沙織の発言に、癇癪を起こす桐乃をあやせとブリジットが押さえる。 「んじゃさー、それぞれ持ち寄った食材を言えば?」 「ふっ…体型と一緒で貧相な発想をしているのね。 先輩のパンツを入れた本人が名乗り出ると思って? まして一人一つというルールも無かったわ。 つまり、犯人は普通の食材と、先輩のパンツ、両方を持ってこの会場にやってきた……ということも考えられるのよ」 「テメーむかつくんですけど? 頭いい子ぶってんじゃねーよ、結局犯人分かってないじゃんかよ」 「でもお兄ちゃんのパンツなんてどうやって用意するんですか?」 ブリジットの疑問に、みんな一斉に桐乃を見つめた。 「桐乃……まさか……」 「あやせ、落ち着いて! 目に光を取り戻して!! みんなも、考えてみてよ! なんであたしが兄貴のパンツを鍋にいれなきゃいけないの? 闇鍋なら誰が食べるかわかんないじゃん! そんな勿体ないこと、あたしがすると思う!?」 「高坂先輩のパンツをみんなにも味わってもらおう、そう考えてこの行動を起こしたとしたら その人は自己犠牲と、奉仕精神に溢れた人ということになりますね。ハァ…どうせならお兄ちゃんが食べてくれれば良かったのに」 「でも、桐乃だって責任感強くて、思いやりがあるよ! その条件で外れるのは加奈子ぐらいでしょ!」 「あやせテメー、ふざけてるんじゃねーぞ」 「そうです! かなかなちゃんは子分にはお兄ちゃんのパンツの匂いぐらいは嗅がせると思います!」 「どのみち、候補から外れるのはこのメルルもどきと、ベルフェゴールだけのようね」 「はぁ? 加奈子と地味子に紛れて、自分も候補から外してるんじゃないわよ!」 「あらあら、桐乃さんは黒猫さんを優しい人だと思っていらしたのですわね」 「ちっ…違う! あたしはただ、この黒いのが探偵気取りで自分を容疑者から外すのが気に入らなかったからで…… っていうか、沙織、アンタが一番条件にあってるんだからね! いつも私達を優先して、友達を大切にしてさ!」 「桐乃……私だって、いつも桐乃のことを優先して、大切にしてきたのに……」 「この鍋パーティの主催者にして、鍋の持ち主である沙織……確かに一番怪しい人物と言えるわね」 「五更さん、その場合、沙織さんはどこから高坂先輩のパンツを……?」 「ぐ……そこがこの推理の辛いところね。パンツの入手なら、そこのビッチかベルフェゴールが一番難易度が低いのだけれど……」 「ふぇえ!? わ、私はきょうちゃんのパンツは盗んだことなんてないよぉ~」 「お姉さん! 今、パンツ“は”っていいましたよね!?」 「やはり人間の姿をしていてもその本性は隠しきれないようね、ベルフェゴール……私が貴方に福音を授け、その肉体を消滅させてあげるわ」 「か、かなかなちゃん!?」 「あんだよ、今面白いところなんだからよー」 「鍋の底に靴下が…ッ!」 流石にもう続かねぇよ? 593 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 00 37 40 ID 3/H2+FTI 別にそれも悪くはないと思うけどなー 試しにやってみたw 沙織(管理人) :そうなのですか……(´-ω-`)ムゥー †千葉の堕天聖黒猫† :やはりそこまでいくと、手縫いでは敷居が高すぎるかもね 【きりりん@兄貴自爆中w さんが 入室しました】 沙織(管理人) :きりりんさん、こんばんは~ †千葉の堕天聖黒猫† :あら、来たのね きりりん@兄貴自爆中www:こんばんは~( ∀ *) きりりん@兄貴自爆中www:チバちゃんちぃ~っすw †千葉の堕天聖黒猫† :チバじゃないと言ってるでしょう!大概しつこいわよ貴女…… きりりん@兄貴自爆中www:だwかwらwwwチバにしか見えないっつってんでしょw 沙織(管理人) :まあまあ(^^; 沙織(管理人) :ところできりりんさん、京介お兄様がどうかなさったんですの? きりりん@兄貴自爆中www:そーそー、聞いてよ!マジウケルんだけどw †千葉の堕天聖黒猫† :貴女いちいち草を生やさないと話せないの? きりりん@兄貴自爆中www:うっさい、チバ子w きりりん@兄貴自爆中www:それがさ~あ、さっきまであの馬鹿兄貴、親に正座させられて説教くらってやんのw 沙織(管理人) :あらあら、お兄様にしては珍しいですわね? †千葉の堕天聖黒猫† :そうね、そこのプッツン娘ならともかく きりりん@兄貴自爆中www:あたし今日クラブで遅かったから現場押さえてないんだけど きりりん@兄貴自爆中www:いちいちうっさい!電波に言われたくないっつーの! †千葉の堕天聖黒猫† :だ、誰が電波ですって!? きりりん@兄貴自爆中www:あんたよあんた!あwんwたwwwwっうぇw 沙織(管理人) :ちっとも話が進まないじゃありませんの!(#^ω^) うん、すまんw確かに上手くやらんと行数増えるばっかりだわw 594 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 00 52 23 ID aJfwWFQy あやせ「だ、ダメですっ! えっちは、だめ、なんですっ、…………んんぁっ!」 京介「でも、あやせのここは欲しがってるみたいだけど?」 あやせ「それでも、だめ、なのぉっ!」 京介「んー、じゃあ、素股にしよう」 あやせ「すま、た?」 京介「ああ、こうして、下を裸にして…………ここに、こすりつけるんだ」 クチュ…… あやせ「あ…………♪ これなら、入れずに、気持いい…………♪ もっと、してくださぃ…………」 京介「ああ…………!」 パンパン、パンッ! あやせ「あ、んっ……ひゃぁっ、わたしの、間に、お兄さんのが、ビクビクって…………! まだ、大きく、なるんですか……っ……お兄さん、気持ちいいですか?」 京介「ああっ……すごく、いい…………!」 あやせ「すごい、硬く、なって…………! すご、しゅごい、よぅ…………お兄さんの、くり、とりす、当たって…………! ん、あっ…………はうぅ、あ、あぁぁ、ぁぁあああああぁんっ!」 京介「……………………」 にゅるるっ………… あやせ「あ、あっあっ! ……あれ? ばしょ…………ずれて、ません?」 ――――グッ……! ヂュッ、プツッ、ブツンッ! あやせ「や――――――――あぁああぁぁっ! だめ、はいって、入っちゃいますぅっぅうううううっ! あれ? なんで、あんまり、痛くない…………?」 京介「…………俺達、相性もいいのかもな? 動くぞ」 あやせ「待――――ふわあぁぁああぁっ! だめ、なんで、とろけちゃいますっ! はじめて、なのにっ! 無理矢理、されてるのに、なんでえっ!」 京介「それは、本当はこうして欲しかったからだ」 あやせ「こう、して、ほしい? こんな、なか、じゅぽじゅぽされたい、わたし!? ああっ、えっち、はれんち、やぁっぁあああああああっ! もっと、はれんちにしてくださいぃっ!」 小ネタ書いてみたけど、台詞だけってこんな感じかな。 618名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 13 25 31 ID l5kypx4/ お仕置き 「死ねっ! 変態!」 げしっ! 「痛ッテェなオイ!」 休日の昼下がり、洗面所から自室に戻ろうとしたところ、これからシャワーでも浴びるのか着替えを持った桐乃とばったり出くわした。 その時に着替えを落としたもんだから、親切心で教えてやったというのに、返ってきたのは罵声と蹴りである。 「お前が着替え落としたのを教えただけだろうが!?」 「うっさい! アンタがあたしの下着をエロい目で見た事が問題なの!」 見てねーっつーの、どんだけ自意識過剰なんだよ。 「だからって蹴る事はないだろう」 「ふんっ、蹴られて当然でしょ」 こんな理不尽が許されて良いのだろうか、いや良くない。 今日こそはビシッと言って兄の威厳を取り戻さねば。 しかしどう言ったものか……そうだ。 「いいか桐乃……お前がそういうつもりなら、こっちにも考えがあるぞ」 「はあ? どうするっての?」 俺はククク、と悪役っぽい笑みを浮かべながら、 「今度お前が俺を蹴ったら、キスしてやるからな!」 な、と固まる桐乃。 「ほ、本気で言ってるワケ!?」 「ああ本気だとも! 男に二言はない!」 じりじりとにじり寄る俺、後ずさる桐乃。 こうやって脅しをかけておけば、そうそう手出しは出来まい。 「それが嫌なら今後はもう少し大人しく――」 「バカッ! 寄るな変態!」 げしっ! 「あっ……」 蹴りやがったコイツ。少しは後先考えろよ。 しかしこの展開は予想外だ、どうしたものか……。 俺が逡巡していると、 「ふ、ふん、どーせ口だけなんでしょ? アンタにそんな度胸あるワケないし」 コ、コイツ……! 「ぷくく。なーにがキスしてやるからな、よ。あたしがそんな脅しに屈するとでも思ったワケ? 超甘々なんですケド」 だあああ! 言わせておけば! もう我慢ならん! 「男に二言はない、とか笑っちゃ、んむっ!?」 俺は桐乃の背中に手を回して、唇を塞いでやった。 暴れるかと思ったが、驚きのあまり硬直しているのか抵抗らしい抵抗はない。 しばらくして唇を離す。 「…………」 あれ? 妙に大人しいなコイツ。てっきりビンタでもされるのかと思ったが。 予想に反して俯いたまま動かない桐乃、よく見ると顔が赤いような……。 ヤベ、なんだこの状況。勢いでキスまでしてしまったが、今更ながら恥ずかしくなってきた。 「こ、これに懲りたら態度を改めるんだな」 いたたまれずにそそくさと立ち去ろうとする俺。すると、 げしっ ……また蹴りやがったコイツ。 おそるおそる振り向くと、桐乃は真っ赤になってそっぽを向いている。 「……別に、懲りてないし」 俺はもう一度桐乃の唇を塞いだ。 その後も桐乃はちょくちょく俺を蹴ってくる。 ただし、部屋で二人きりの時だけだが。 625 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 15 34 38 ID BuuSAN2Q [2/6] なんか 618みたら続きっぽいネタが浮かんでしまった。 書いて良いものかどうかw 628 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 16 15 13 ID BuuSAN2Q [3/6] 前置き。 終わらせてません。 続きは需要がありそうだったらどっちか、書くつもり。いやもしかしたらどっちも書く羽目になるかもしれないがw 先に 618さんにあやまっておく( 629 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 16 15 53 ID BuuSAN2Q [4/6] 「お兄さん。桐乃の事で相談があります。」 そう言われた瞬間、俺はどきっとしてしまった。もしかして俺が桐乃に不可抗力とはいえ手を出してしまった事がばr 「あの、もしかして今忙しかったですか?」 「そんな事はない。お前の呼び出しなら直ぐにいくさ」(キリッ 即答だった。今でも愛しいこのラブリーマイエンジェルあやせたんにこんな事を言われて、着いて行かない訳がないじゃないか。 「…お兄さん、何時もそんな感じなんですか?」 「ふ、安心しろあやせ。俺がおかしくなるのはお前の前だけさ。」 「通報しました」 ビー 辺り一帯に防犯ブザーの音が鳴り響く。 ※「これは防犯ブザー!?不審sy・・・なんだまたあの子達か。通常業務に戻ろう」 ※二人には聞こえてません悪しからず。 「おーけーおーけー。落ち着こうあやせ。謝るからその物騒なものをとめてくれ。」 「はぁ…まったく。だからお兄さんと会う時はこれが欠かせないんです。」 と言いつつ止めてくれるあやせたん ありがてー ・・・いやそもそもそう軽々しく鳴らさないでくれってのが正しいのか? 「で、なんだ?相談ってのは。」 「はい、桐乃の事ですけど、最近なんだかぼーっとしてる事が多くてどこか上の空って感じで。それで何かお兄さんに心当たりないかなーっと。」 「…」 やばい心当たりしかない。あいつにキスしてしまったせいで、あいつその事を思い出して… 「い、いやあ~こ、こころあたりないでおじゃるよ~あ、あやせ氏~」 「嘘ですよね。目線も泳いでるし言葉遣いも変ですよ?まさか!? ついに桐乃に手を出し!?」 「えーあーいやあのですねあやせさん?そのとりあえずそのえっと・・・」 「言いましたよね?桐乃に手を出したら・・・って」 あ、終わった、きっと俺は加奈子と同じ場所に埋められる。我が生涯に悔いしかねぇ。 「…あの、そんなに怖がられると傷つくんですけど。」 「いや、だって・・・なぁ?」 「だってじゃありません!とりあえず事情を説明してください!通報するのはそれまで待ってあげますから!」 あ、やっぱされるんだ通報。でも逃げても状況悪化するだけだよなー仕方ない と俺は決心して桐乃にキスをした状況を説明した。 630 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 16 16 19 ID BuuSAN2Q [5/6] その説明を聞いたあやせはしばらくぶつぶつと独り言のようにつぶやき出し 「…思ってた以上に酷いシチュエーションじゃないですかこの変態!」 俺にあやせのハイキックが炸裂する。あ、やっぱあやせは白か そんな事を考えながら倒れた俺。 「くぅ・・・今回ばかりは否定できねぇ・・・そのなんだ・・・ん?あやせ?」 そこで俺は気づくあやせの様子がおかしなことに。 「・・・お、お兄さん。わ、私も思いっきり蹴ったんですよ?なら・・・」 「・・・は?それってどういう・・・」 瞬間俺は頭の中が真っ白になった。何を言ってるんだこいつは。ラブタッチのやりすぎで頭がおかしくなったのか? 「だ、だから私も思いっきり蹴ったって言ってるんです!!」 「・・・」 えっとその、つまりはそういうこと・・・なのか?あやせはその、桐乃に俺が言った事を踏まえた上で俺を蹴ってきた。 で、その罰を与えてくれ・・・そういうこと・・・なのか? いやだがまて。あやせに手を出すってことはその、色々裏切る事に・・・それにその、これは罠の可能性も・・・! もしくは、こいつは自分が俺の相手をするから桐乃にはもう手を出すなと遠まわしに・・・いやでも・・・ってあやせがなんだか泣きそうな感じに!? 「・・・やっぱり私じゃ駄目なんですか?私・・・ずっと前からお兄さんの事・・・」 ここまで言わせるなんて俺はなんて情けないんだ。そうだよな。 でも…あやせと桐乃二人共を選ぶなんていけない事だろう。 俺はどっちを選ぶべきなんだ・・・? 1、「すまん、あやせ。桐乃に悪いから、やっぱり俺はお前にはそんな事は出来ない」 2、「そこまで追い詰めて、すまなかったあやせ。ごめんな。」 3、桐乃!あやせ!お前達は俺の翼で天使だ! 俺の選んだ選択肢は… 続く 668 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 23 04 51 ID /fkSOnQr [1/2] 流れ無視して地味子さん誕生日おめでとうSS投下……面白くないけどこれだけ垂れ流してトンズラ。 「日付……変わったね~」 「そうだな」 「えへへ……私の方がお姉さんだ……」 「たいしてかわらねーよ」 「ごめんね……『お兄ちゃん』って読んであげられなくて」 ……ぴとっ。 おい……その、近すぎるっつーか、だな。 「桐乃ちゃんやあやせちゃんみたいな綺麗な妹さんが欲しかったんだよね~? しすこんさん……くすくす」 「アホ抜かせ」 そーいや、今日はお袋や親父は法事で福島まで出かけてるし……桐乃は……あやせんちでパジャマパーティーだっけな(俺も行きたかったなんて思ってねーぜ? いやホント)。 「ねえ、きょうちゃん……」 「んだよ」 「誕生日プレゼント……欲しいな~って……」 「……さっきやったじゃねーかよ」 「うん……でも、ね。もういっこ、欲しいなあ~って……」 「ちっ……」 わかったよ……大人しくしてろ、寄るな触るな近づくな! ああもう……アレあったっけ……いや、まだそれは……ええい! 「ほら、目ぇつぶれ……い……いくぞっ」 「ん」 えーと……眼鏡って……こういう時外すんだっけ……いやいや、そのだな、まずはそれより……歯、磨いたっけ? 磨いたけど、それからケーキ食ったし……。えーと、えーと、だな……と、とりあえず。 か……肩つかんだけど……どうしたらいんだ……っ! め、眼鏡! いや、鼻は! 顔の角度は! まっすぐ行っていいのか!? いいんだよな! 「……えい」 「……!」 「……ん」 「む……」 「……」 「えへへ~……も~らった~! あ~きょうちゃん顔真っ赤~! わーい」 「ちっ……」 生意気なんだよ……地味子のくせにっ! 「返せこんなろっ」 「えうぇっ!? ……んむっ……ん……」 ばーか、おまえが俺を出し抜こうなんざ、十年早ぇっての……てか……、さ、これからも……よろしくな……。 と言うわけで地味子誕生日万歳、……今はこれが精一杯……。 795 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23 46 05 ID 5D9gR9/T 「問題でござる。拙者の今日のパンツは何色でござろうか?」 「ぶっ…! パ、パンツって!? ジーンズの方だよな?」 「いやいや、その中身でござるよ」 「お兄さん、沙織をそんなはしたない子に育てた覚えはありません」 「そうですわ。私、お兄様に育てられたのではなくて、染められてしまいましたの」 は、はやい……いつメガネを外したか、分からなかった! ええい、槙島のお嬢様は化け物か!! 「もし正解したら、京介氏の好きなコスプレで……エッチして差し上げますわ」 「OK、問題は三択か? 回答数は? 時間制限は? ヒントは?」 「選択もヒントも無しでござる。時間制限は……まあ空気を読んでくだされ。回答数は1回ぽっきりでござるよ」 失敗は許されないってか……萌える、いや燃えるな。 沙織のパンツの色か……やはりシャア専用ならば赤かピンク…… しかし赤とピンクではかなり印象が変わってくるぞ。 沙織の某紀香なナイスボディに赤い下着はもはやGP02のアトミックバズーカレベルの兵器だ。 しかし女の子らしいピンクの可愛い下着も捨てがたい。 おっと、今は俺の好みを考えている場合じゃない。沙織の身体に一番密着している布きれの事を考えるんだ、リアルで。 バジーナを名乗ってるってことはゴールドという可能性もあるな。 しかしゴールドは成金すぎやしねぇか? マジモンのお嬢様の沙織には似合わない気がするぜ。 他に考えられる色はグレーにワンポイントで赤のジオングカラーだが、これは逆に地味過ぎる。 いや待て、確かアフランシ・シャアのガイアギアは白だったぞ。 そもそも沙織バジーナの傾向から考えていいのか? これまでの沙織の傾向から考えてみよう。 ……意外と覚えてないもんだな、沙織の下着の色。 確かこの前は……ガーター付きがエロかったな……あれは良かった。 色は確か……淡いピンクだったな。何度もショーツの上から沙織の秘所をなぞると 触り心地の良いショーツの生地がじんわりと濡れて、沙織のヘアがうっすら見えてきたんだ。 っと、今は色だ、色。 ガーター(Gジェネじゃないよ)の前は……ローライズの黒だったな。アレは面積が小さかった。 引っ張ったら裂けるんじゃねってぐらいで、もうショーツを脱がすのも面倒くさくて 生地の隙間から俺のリヴァイアサンを突っ込んだわけだ。美術館のトイレで。 あん時の沙織はお嬢様モードで清楚な白のワンピースだったのに、黒の下着が透けて見えてて ありゃ、絶対誘ってたね。絵画もヌードモデル多かったし。ま、どんな名画のモデルより、沙織の身体の方が魅力的なんだけどよ。 その前は……アキバでデートしたときか。俺が悪戯心で大人の玩具のお店に連れて行った時だな。 バジーナモードで、一生懸命笑い飛ばそうとしてたけど、メガネの隙間から見える素顔が挙動不審の真っ赤っかでスゲー可愛かったぜ。 俺もとんだSだよな。まあ、そんな沙織と、場所も場所だったからムラムラしちまって、漫喫に連れ込んで一発やっちまった訳だ。 声を出さないように必死に口を押さえる沙織は、もうバジーナモードを保ってられなかった様だったぜ。 あんときの下着の色は……たしかブラックとライトグリーンだったな。 座位の姿勢でヤったから、ちょうど俺の頭んところに沙織の胸があったし、覚えてる。 黒の生地にライトグリーンの細かい刺繍がされていたけど、薄めでブラ越しでも沙織の豊満な乳房を堪能できた。 基本的にバジーナモードの時の方が生地は薄いよな。いつだったか、大事なとこ隠せてねーじゃんかってレベルのエロ下着もあったし。 バジーナの時のオタクファッションは外が厚めのYシャツとジーンズだからじゃねぇかな? お嬢様モードの時は際どいのはありはしろ、エロ下品な下着は無かったと思う。 んで、今はバジーナモードだから……いや、色当てるのにあんまり役に立たないか、この傾向? でもエロ下着ならある程度は色も絞られるんじゃね? 紫とか……今まであったけ? 「――色、君に決めたっ!」 「うっ……せ、正解でござる」 「ふふふ、では確認させてもらおう」 「ま、待ってくだされ京介氏……確認はお兄様の注文をきいてから、ですわ」 「甘いな沙織、俺は沙織のコスプレをした沙織を楽しむつもりだったのだー」 「あんっ…」 「どんなコスプレした沙織より、素のお前が一番魅力的だぜ」 「京介お兄様ったらぁ…んっ…」 金持ちだからゴージャスな下着な気がするけど、中学生相応のチェック柄とか可愛いのでも萌える>沙織のパンツ 836 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 02 51 54 ID asiekGLE ある日、学校から帰ってきて机の引き出しを空けたら 俺の膝ぐらいまであるTV画面とボタンが付いた化粧台みたいな装置が飛び出した。 サイズがおかしいって? 気にすんな 何せコイツに付いてた説明書にはこう書いてあったんだからな 気ままに夢見る機 未来のネコ型ロボットの道具に、質量保存は通用しねぇってこった。 まさに世界はグーチョキパーでみんな違うからaikoでしょってな。 「ふーまさか夢の中で夢を見る機会に出くわすとはな」 頬を抓ってみるが痛い。うん、良くできた夢だね。 まあいいや、コイツは自分の好きな夢を見られるひみつ道具だった筈。 取り敢えず、このRPGのカセットを刺して夢を見てみるか。 ↓ 夢の世界へー ↓ 「ぐへへへへ、京介王子、お前はこの俺、大魔王アカーギの虜になったのだ」 オイコラちょっと待て、俺が攫われた姫のポジションかよ!? おかしくねぇ!? 普通主人公だろ!? お姫様救いにいくんだろ、俺!? 「うへへへへ…お兄ちゃ…じゃなかった、大魔王様、1週間後に京介王子と結婚することを世界に発表しちゃいました!」 「そうか、悪い魔法使いのセーナちゃん。セーナちゃんの頼みなら、大魔王は王子と結婚もしちゃうぞー」 まさかの貞操の危機っ!? つーか、あの魔女、ぜってー魔王を裏で操ってるよ!?! 「はっ、お兄ちゃん、この魔法の水晶を見て!」 「うん? これはコーサカ王国か?」 お、親父っ!! 「むぅ…大魔王に捕まってしまうとは情け無い。やはり国は桐乃に継がせるか」 見捨てられたーーーーーーー!!? 「お父さん、お母さん、あたし、兄貴を助けに行く!」 「危ないわ、桐乃。京介は男だからいいとして、あんたは女の子なのよ」 よくねーよ! むしろこの大魔王兄妹は男の方があぶねーよ!! 「大魔王にとっつかまった超鈍くさい兄貴だけど、あれでも一応兄貴だしさ。 それに兄貴はどうでもよくても、世界もピンチだし、大魔王倒すついでに兄貴も助けてくるから、任せてよ!」 「しかし桐乃、お前一人では……」 「大丈夫です王様! 私も桐乃と一緒に行きます! 私は桐乃の親友ですから!!」 「ふ…黒魔導士の私は闇の世界でも生きていけるのだけれど、報酬次第ではこの女に協力してあげてもいいわ。 尤も、大魔王に攻められている人間世界に、さしたる財宝なんて残ってないでしょうから 報酬は京介王子の身柄、というのはどうかしら? ちょうど人体実験に使う動物が欲しかったのよ」 「ふむ。背に腹は替えられん。大魔王を倒した者には京介を娶せてやろう」 「お、お父さん、それ本当!!」 「だ、大魔王を倒せばお兄さんを頂けるんですね?」 ナレーション「こうして、旅にでた勇者桐乃は、仲間達と共に大魔王の城を目指したのでした」 「もう一週間だと言うのに、まだ城にたどり着かないわ。誰かさんのせいで」(クロネコ しろまどうし Lv30) 「うっさいなー、ちまちまスライム倒す努力が、後で大事になんの!」(キリノ ゆうしゃ Lv55) 「黒猫氏は途中でジョブチェンジしたでござるな」(サオリ きどうせんし Lv63) 「ついにお兄さんを大魔王から取り戻して監禁する時がやってきました」(アヤセ じゅじゅつつかい Lv55) 「加奈子疲れたから帰っていい?」(カナコ めるる Lv99) 「だいまお~さんへのお土産って、これでいいのかなぁ~」(マナミ おばあちゃん Lv80) 「さあお兄ちゃん、じゃなかった大魔王様! ズボっといっちゃって下さい!ズボッっと!」 「早くっ!早く来てくれ桐乃ーーー! 尻が、俺の尻がーーー! 悪夢だーーー!!」 どうしてこうなった? 俺はスライムに服を溶かされる踊り子あやせを見たかっただけなのに…… 852 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 23 29 24 ID DHOeutyn 普通じゃやれないような設定で小ネタでも書くかね ある日目がさめたら猫になっていた 猫である俺に桐乃はめちゃくちゃ優しい 1/100でいいから、この優しさを普段の俺にくれ…… って、桐乃さん、なんで俺のパンツ嗅いでるの? みたいな 856 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 00 29 27 ID 04as9C/1 [1/2] 852 どれ、じゃあAAじゃなくてそのネタ書いてみた 「な、なんじゃこりゃあああああああああああああ!?」 朝起きた俺は姿身に写る自分の姿に驚愕した。 目が開いた瞬間からどうも様子がおかしいと感じていたんだよ、部屋が大きく見えるというか巨大化しててさぁ! んで、自分がどうなってんのか、悪い病気でもかかってんのかと疑って鏡に向かってみたら……、 「どうみてもコレ、猫になってんじゃねえかよ!おいぃぃい!?」 全身毛むくじゃら、ピンと伸びた耳と、口元から伸びるヒゲ。 な、なんだこれは?夢?夢なのこれ?俺はまだ夢の中に居て惰眠をむさぼってんのか!? 現実を認めたくない俺はその場で頬をつねくる(猫なのでツメでひっかいた)。 「イテー。ゆ、夢じゃねえのかよ…………」 じょ、冗談キツイぜ。どうしてこんなことに? お、俺が何か悪いことでもしたか? そりゃ昨日あやせを見かけてついつい後ろから抱き付いて髪のニホイを嗅いだけどさぁ! でも、そのあと頚椎に重大な損傷を与えられるほどのハイキックをお見舞いされて、こっちの方がむしろ被害者みたいな状態になったつうの! って。 んなこと回想してる場合じゃねえ! ど、どうすれば元に戻るんだ? 俺が混乱の渦中でのたうち回っていると、部屋のドアが開き、桐乃が入ってきた。 「ちょっとバカ兄貴! さっきから何をどたばたと――ってあれ? いない?」 「き、桐乃! 俺はここだ! ここいいるぞ!」 必死に叫んだつもりなのだが、猫になっているためか桐乃は俺を見つけ、 「なあにぃヌコちゃんじゃ~ん! きゃわゆいよぉぉ! あのバカどこで拾ってきたのぉ?」 ひょいと俺をつまみあげると胸に抱いて、スリスリとほお擦りしてきた。 「ば、ばか! やめろ桐乃! お、俺だって、オマエのお兄ちゃんだよ! 気付いてぇぇ!」 「や~ん、ニャーニャー泣いちゃって可愛いぃぃ! こんな汚い部屋にいないでアタシの部屋においで。ミルクあげまちゅからねー」 なぜ赤ちゃん言葉? そんな疑問を解決させる暇も無く俺は桐乃の部屋へと連れ込まれた。 桐乃はキッチンから牛乳を持ってきて小皿に入れて差し出してきた。 「ねこちゅわ~ん。おいしいよっ?」 き、キモ! なんだ桐乃てめぇ、その異常に甘えたような声は!? はっきり言っていつも高圧的な態度をとられているので桐乃のこういう素というか可愛いものを愛でている状態を自身へと向けられると、なんともいえない気持ち悪さが先にたってしまう。 「ほらほらぁ。遠慮しないで飲んで良いんだよ?」 うぅ、桐乃の態度には慣れないが起きたばかりで喉が渇いてるのも事実。俺は皿にひたされたミルクを舌でちろちろと舐め始めた。 飲んでいると、桐乃は俺の頭を優しく撫でてくる。 妙にくすぐったくて、俺はついつい気恥ずかしい余り「ウニャン!」と頭をフリフリして桐乃の手を払おうとするが、いかんせん猫なので一向にうまくいかない。 くっそぉ。なんだよこれ。俺は兄貴なんだぞ? どうして妹に、桐乃に頭撫でられてんだよぉぉ!? 恥ずかしさに顔が熱くなるが、俺はふと、桐乃が俺の手を払いのけるのも、もしかして今の俺と同じ気持ちだったのかなと考える。 「ヌコちゃん。もういらないの?」 俺がミルクを飲むのをやめたので、桐乃は俺を抱え上げてベッドに寝っころがった。 857 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 00 30 13 ID 04as9C/1 [2/2] 「えへへ。うちってペット飼ったことないから結構新鮮かも。あのバカ、あんたをどから連れてきたんだろうね? どこいったか知らないけど、戻ってきたら吐かせてやろ」 だからそれは俺なんだってぇ! と言ったところで気付くはずもないかと俺は涙目になる。 どうしてこんなことになったんだろうな。いきなり猫になっちまうとかありえねえだろうが。 俺がため息をつくようにウニャ~ンとこぼすと、桐乃は俺の顔を見つめてこんなことを言い出した。 「ヌコちゃんがいてくれたら、アイツとももっと素直に話せる様になるのかな? ほら、動物って人の気持ちを穏やかにさせるって言うじゃん?」 「え? どういうことだ?」 俺は問い返すが、もちろん人間の言葉など離せるわけも無く、ただニャーニャーと鳴き声を発するだけ。 「アタシ、さ。どうしてもあのバカ……兄貴の前だと素直になれなくって。本当はもっと兄貴ぃ~!って抱きついたりして甘えたいんだけど。『いろんなこと』が邪魔しちゃって上手く出来ないんだよね」 桐乃は信じられない言葉を口にしていく。 「いっつも、蹴ったり殴っちゃったりしか出来なくて。ほんとバカみたいアタシ。そんなんじゃいつまでたっても兄貴がアタシのこと見てくれるわけないじゃん。……ほんとバカジャン……」 喋っているうちに何かを思い起こしてしまったのか桐乃は顔を少し歪めてしまっている。 なんとかしてやりたいが、今の俺はどうすることも出来ない。ただ桐乃の腕に抱かれて桐乃の暖かさを感じているだけだ。 「でもさ、ヌコちゃんが協力してくれたらアタシも兄貴に、京介に素直になれるきっかけが出来るかもしんないし……。へへ、協力してくれる? ヌコちゃん?」 思いもかけない朝、思いもかけない自身に起こった不思議。そして思いもかけなかった桐乃の気持ちに俺は驚いた。 協力もなにも……、俺がその本人だっつうの……。 桐乃。オマエ俺のことそんな風に思ってくれてただなんてな。ひょっとしてって気持ちはあったが俺はどこかでソレを頭ごなしに否定していた。 ソレを真正面から打ち砕かれた気分だ。 俺はただ一言だけ。ニャーンと言った。人の言葉であったならば、それは肯定か否定か。どっちだったんだろう? 桐乃は勝手に肯定と受け止めたようだ。 「ありがとっヌコちゃん! お礼にチューしてあげよっか!」 そう言うと桐乃は俺に顔を近づけてきた。 ちょおおおお!? ま、待て桐乃! 俺たち兄妹! い、いや今は猫と人間! そ、そんなのダメよ? ダメなのよ!? 「へへ、ヌコちゃんならカウントに入らないから良いよね。初めてはあのバカ兄貴にあげるって決めてるし」 かぁぁぁっと体中に熱がこもった。 お、おい! き、桐乃。今の言葉本気なのか? お、俺は、俺はぁぁぁぁ!!! 考えてる間にもどんどん桐乃の唇が近づいてくる。 くっ! 俺は目をキュッっと強く閉じてこれから起こることに覚悟を決めた! そこで俺はようやく自分の体に起こった不思議体験の原因を思い出した。 昨日あやせに蹴りを入れられて伸びているところへ、あやせとは違うもう一人の黒髪の少女が近づいてきていたのだ。 そいつは蔑んだ目でこういった。 「やれやれ、見ていたけど兄さんはほんとにクズね。そうだわ、いっそ一つ呪いを与えてあげる」 そういって俺の鼻先に柔らかい感触がしたのを憶えている。 「ククク。この呪いは幾万の数あるおとぎ話と同じ。アナタが最も大切にしている存在からでないと解呪することは叶わないわ。頑張ってちょうだい、兄さん」 黒髪の少女そういって去っていった。なぜかジャージを着ていたのが可愛く思えた。 で。 おとぎ話ならめでたしめでたしなんだろうけども…………。 「……なっ、な、なななななななぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 「お、おう。桐乃、おは、よう」 猫の姿になってたんで俺はパジャマやパンツは全て脱げ落ちている。 そんな姿で俺は妹をベッドの下に組み敷いている状態になっちまっているんだが。 さて、この物語の結末はめでたしめでたしですむのだろうかね、誰か教えてくれないか? 変態っぽく書きたかったZE梅 860 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 01 34 11 ID 2jQH1l5k 朝、目が醒めると俺のベットの中には桐乃が丸まっていた。 「う、うわぁああ!?!!」 「うにゅ?」 俺の絶叫に目を覚ました桐乃は、眠たそうな目を擦って、その長い耳をピクピクと動かした。 そう、桐乃には耳が生えていた。 いや、人間だから当たり前ジャンとか思うだろ? 違うんだ、確かに耳はある。けど、本来生えてる筈のない所にも、耳が生えているんだ。 頭の上、黒猫のコスプレのように、桐乃の頭から二つの長い耳が生えていた。 「き、桐乃、なんのコスプレだ……」 「うにゅ?」 「桐乃、何の嫌がらせか知らないけど、ちゃんと話してくれ」 「にゅー」 桐乃は俺の太股に顔を擦りつけてくる。ヤバイ、ちょっとエロい……じゃなくて! 「おい、あんまフザけるんじゃねーぞ!」 冷静に考えりゃ、桐乃がふざけるにしても、こういうふざけ方はしないだろうと気づきそうなもんだが この時の俺は、寝起きなのも相まって冷静さを欠いてたんだろうぜ。べ、べつに動揺した訳じゃないんだからね! 「みー!みー!」 「嘘だろ……」 桐乃の、多分ウサギであろう耳のカチューシャを奪ってやろうと引っ張ったんだが 「……ホントに生えてやがるのか?」 「みゅうぅ……」 涙目になっている桐乃に、俺は罪悪感を覚えて手を離した。 「わ、悪ぃ……」 「うー」 「わっ、おい桐乃!?」 もはや人の形をしたウサギとなった桐乃は、俺の指を囓り抗議してきた。いや、甘噛みだったけどね。 兎に角、この怪奇現象は俺一人じゃ抱えきれないと親父達に相談しに部屋をでようとしたんだが…… 「うにゅ☆」 「おい桐乃、離してくれ……」 「カジカジカジカジ……」 「うひゃっ…やめっ…耳噛むな……はふぅん……」 ヤバイ、変な喘ぎ声出しちまった…… 「ああ、もう! んじゃ一緒に行こうな? ほら、抱っこしてやるから」 口で説明するより、この姿を見て貰った方が親父達の理解も早いだろう。 そういや、ウサギって寂しいと死んじゃうんだっけ? そうか、だから俺に引っ付いてるんだな…… なんて納得しながら、慎重に桐乃を抱えて階段を下りた。 ……はははー。予想の斜め上って、こういう事態を言うんだろうな。 なんだ、親父、それサイか? そーか、その前髪ツノだったのか。 お袋、それコアラか? そのユーカリは今日の朝食か? 食えねぇよ! つーか、サイとコアラからウサギ生まれんのな! 宇宙の法則どうなってんだよ!! 「くそっ…埒があかねぇ……どうする? 他に相談できる相手は……」 親父もお袋もだが、まずは桐乃を戻さねぇと…… 桐乃のことならやっぱりあやせか? よし、電話で連絡だ! 「……頼むから着信拒否すんなよー……」 数回のコール音の後、電話が繋がった。 「おしっ! もしもしあやせか! 実は桐乃が大変なことに……」 「わん? わん!わん!!」 「……あ、あやせさん?」 「わん! わぅ~ん?」 くそ…なんて可愛らしい犬の鳴き声なんだ……ってあやせもかよっ!! 「黒猫っ!」「にゃー」「沙織!!」「こーん♪」「麻奈実ぃ~!」「もぉ~」 手当たり次第に電話を掛けてみたが、帰ってくるのは動物の鳴き声ばかり…… 「なんてこった…もしかして俺は世界に唯一のこされた人類になってしまったのか!?」 「カジカジ……」 き、桐乃!? 俺のリヴァイアサンをカジカジするんじゃない!! やめ…うっ…そこは……はうっ…… ふっ…俺は生物学的に人間でも、人としての道を踏み外しちまったようだ。ウサギって年中発情期らしいぜ……
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「春眠暁を覚えず」とはよく言ったもので、春の訪れと共にやってきた暖かな陽気は、俺の中から眠気だけを効率良く引き出してくれる。 暇潰しのために持ってきた文庫本も、今は睡眠促進剤としてしか機能を発揮していない。 これで隣に可愛い女の子でもいれば、少しは違ったのだが、生憎今そこにいるのは無駄に爽やかなムカつくイケメン野郎だった。 「俺の隣にいるのが、なんでお前なんだろうな」 「おい、高坂。口を開くたびに俺に当たるのはやめろ。俺の繊細な心はもうボロボロだ」 「なら、粉々に砕いてやるよ」 無駄に爽やかなムカつくイケメン野郎――赤城浩平は、そんな心にも無いような反論をして、俺のイライラを加速させた。 この余裕な態度も鼻につく。まったく、妹の頼みとなると途端に元気になりやがって。 「お疲れさま~。きょうちゃん。赤城くん」 「おう、麻奈実」 「こんにちは、田村さん」 高校時代と変わらない、他愛の無い言い合いをしている野郎二人の下に、眼鏡をかけた地味な幼馴染――田村麻奈実が少々大きな荷物を持ってやってきた。 麻奈実は、孫のケンカを見守るお婆ちゃんのような笑顔を浮かべ、自宅から持ってきた温かい緑茶を差し出す。 それを飲み、ほっと息を吐くと、さっきまでの不平不満も幾分か減少した。 「せっかくのお花見なのに、そんな態度じゃ桜がかわいそうだよ~」 「そうだぞ高坂。田村さんの言う通りだ。少しは空気を読め」 「その言葉、熨斗(のし)付きで返してやるよ。このドシスコン」 「妹が好きで何が悪い!!」 俺の軽い挑発に、赤城は必要以上に乗ってくれやがった。まったく、イチイチうるさいヤツだな。 怒り心頭の赤城は麻奈実に任せ、俺は無視を決め込んだ。そんな俺たちの頭上からは、白みのある淡紅色の花弁が、ひらひらと何枚も舞っている。 「それにしても……」 俺は視線を少し上げ、ここら一帯の風景に目を向けた。あちこちに生えたソメイヨシノには、花弁が五枚合わさってできる花が幾百幾千と咲き誇っていた。 「美事なもんだ」 事の発端は半月ほど前。ホワイトデーが明けて数日経ったときだった。 その時の俺は、ひどく疲れ切っていた。主に精神的に。 妹やその友達、幼馴染や後輩から貰ったチョコのお返しのため、普段では考えられないほど散財したからだ。 あまり金の掛からないヤツもいたが、妹を筆頭に、ひどく金を使わせる輩もそれなりにいたからな。 まったく、「バレンタインデーのお返しは三倍返しが基本」なんて言い出したヤツをぶん殴りたくなるぜ、はぁ。 「ただでさえ辛気臭い顔を、さらに辛気臭くしてどうすんのよ」 「ほっとけ」 その辛気臭くなる原因を作り出した張本人が、俺に罵詈雑言を浴びせてきやがった。少しは労ってもよくね? そんな中で溜息を吐いたものだから、流石の妹様も俺を心配したようだ。今度は少し優しげな言葉を掛けてきてくれた。 「ホントどうしたのよ? 具合でも悪いの?」 「体調は悪くねえよ。ただ、財布の中がさびしいだけだ」 「どーせまた、エロいもんを大量に買い込んだんでしょ」 どーせってなんだよ! 俺はエロ関連にしても大量に金は使わねえよ! はぁ……。お前の中の俺は、どんだけエロマジンガーZなんだよ。あんまりいじめると、パイルダーオンすっぞコラ。 「ちげーよ。律儀にホワイトデーの“三倍返しの法則”を守った結果だ」 「はぁ? あんた、そんなに何人からもチョコ貰ったの?」 「あぁ、今年は多かったな。お前だろ。麻奈実、黒猫、沙織に、あやせ、加奈子、ブリジット。あとは瀬菜か」 「へ、へぇ~。それはそれは……随分とおモテになるようで……」 「あ? 馬鹿言ってんじゃねえよ。あれ、全部義理チョコ……」 つまらない勘違いをしている妹に反論しようとしたが、俺はそれをやめた。やめざるを得なかった。 だってさ、桐乃の体から赫怒(かくど)の炎が立ち上ってんだよ。幻視かも知れんけどさ。そんな中、言葉を継げねえって!! 「ど、どうかしたか?」 「別にぃ~……。どうもしないわよ。あんたが誰からいくつチョコ貰おうが、あたしの知ったことじゃないしぃ~……」 ん、なんでかは知らねえが、桐乃様は大変お怒りのようだ……。どれだ? 俺のどの発言が逆鱗に触れた? 俺が怒りの原因を考えている中、桐乃はリビングを出て行き、怒りに満ちた足音を響かせて部屋に戻った。 「どうしたもんかね~?」 俺は自室で、そんな情けない声を出していた。 原因はわからんが、ウチの妹様はとかくお怒りだ。この状態を長引かせるのは、俺にとっても非常によろしくない。 つまりだ、何らかの方法でお姫様のご機嫌を取ってやりゃにゃあいかんわけだ。はぁ、迷惑な話だよ……。 そんな泣き言を言っても、何も始まらない。俺は無い知恵を絞って、桐乃が喜びそうなことを考えた……が、女心なんざ微塵もわからん俺に、妙案なんぞ思い浮かぶはずも無い。 となるとだ、誰かの知恵を借りるべきかも知れん。桐乃のことをよく知っている女の子に。 候補としては……黒猫か、沙織かあやせといったところか。 たとえば黒猫に相談した場合…… 『黒猫。桐乃のことで相談があるんだが……』 『どうして私が、あの女のことで力にならなければいけないのかしら? そんなのは放っておきなさいよ。それより先輩……』 むぅ。なんだかんだ言いつつも、あいつは力になってくれるだろうが、無駄に時間がかかる気がするな。 この問題、できるなら今日中に解決したいし、黒猫はダメだな。 なら、沙織に相談した場合は…… 『沙織。桐乃のことで相談があるんだが……』 『はっはっはー。相変わらず仲がよろしいですな、お二人は。して、相談とは……』 きっと口元をω(こんなふう)に歪ませて、俺の悩みを解決してくれるだろう。 だが、こう毎度毎度あいつに頼るのもなぁ……。沙織に悪いし、下手に沙織に頼る癖がついちまうのもよくない。沙織も却下した方がいいか。 となると、あとはあやせに相談した場合だが…… 『あやせ。桐乃のことで相談があるんだが……』 『お兄さん。私、言いましたよね? 桐乃に手を出したらどうなるか……』 ダメだダメだダメだ! 桐乃のご機嫌取りどころじゃねえ! あやせにこの話をしたら、俺は修正、もしくは粛清されちまう!! いくら生意気な妹のためとはいえ。俺の命を賭ける気にはならない。これは絶対にダメだ! ああ~、どうすりゃいいんだろうな。 頭をぽりぽり掻きながら、俺は椅子の背もたれに思いっきりもたれかかった。そのとき、お袋が町内会で貰ってきたカレンダーが俺の目に入ってきた。 「そうだ!」 桐乃に効くかはわからんが、俺は妙案を閃いた。 というわけで、俺は桐乃のご機嫌を取るために「花見」という案を思いつき、今はこうして、地元の花見スポットで場所確保の任についているというわけだ。 最初は渋った妹様だが、説得の甲斐あってなんとか了承してくれた。 赤城がいるのは、こいつも花見をするつもりだったらしいので、瀬菜を誘うついでにこいつも連れてきた。麻奈実は俺から誘った。 「妹の機嫌を取るのも、楽じゃねえ」 「そう言うな、高坂。これもお兄ちゃんの宿命だ」 俺があくびをかみ殺しながら愚痴を漏らすと、隣の最高純度のシスコン野郎がそんなことを言ってきやがった。 お前にはそうかもしれねえがな、俺はそんな役割は御免だよ。 「それより高坂。瀬菜ちゃんたちはいつ来るんだ?」 「ん~、もうすぐじゃねえか。約束は12:30だからな」 「お、もう12:00過ぎてんのか。早く来ないかなぁ~」 赤城、その気持ち悪い声を出す作業を今すぐやめろ。今、俺はお前を無性に殴りたくて仕方ないんだ。 俺のそんな心情は露知らず、赤城は麻奈実に話しかけている。 「ところで、なんで田村さんはこんな早めに来たんだ?」 「お弁当はできたし、いつまでもきょうちゃんと赤城くんだけじゃさみしいでしょ?」 麻奈実の言葉を聞いた赤城は「さすが田村さん!」なんて言って感激してるが、勘違いすんなよ? 麻奈実のことだ。いつまでも孫だけにしておくのはイヤだったんだろう。さすがだよ、お婆ちゃん。 おい、赤城。麻奈実との距離が近ぇよ。今すぐ離れろこのクソシスコン。 「げっ」 俺ら同級生組が、そんな馬鹿なことをやっていると、桐乃、黒猫、沙織、瀬菜がやってきた。黒猫の後ろには、その妹たちもいた。 「早かったな」 「いやはや、場所取りご苦労! お邪魔しますぞ」 そんな快活な声を出して、沙織がビニールシートの中に入ってくる。バジーナ口調だからわからんかも知れんが、沙織はいつものヲタ服じゃないぞ。 淡色のTシャツに薄手のジャケット、細身のジーンズにブーツという服装だ。沙織の立派なボディラインがわかるファッションだな。 だが、顔にはいつものぐるぐる眼鏡なため、口調はアレなまんまだが……。 黒猫も、今日はゴスロリ服じゃない。春らしいワンピースの上にカーディガンを羽織っている。いつぞやの白猫を思い出す服装だ。 妹達は子どもらしく、動きやすさを重視したような服装。可愛く見えるのは、元が良いからだろうな。 瀬菜は瀬菜で、沙織に近い格好だが、なんというか……少し地味だな。あとキャスケットも違う点か。 んで、ウチの妹様は相変わらずばっちり決めてやがる。人気の読者モデル様は一味違うな。 「高坂先輩、お兄ちゃんとの時間はどうでした……? フヒヒwww」 「相変わらずだな、瀬菜」 ホンット、こいつは相変わらずだ。人選を誤ったか? 俺が瀬菜の処遇について考えていると、沙織に話しかけられた。 「して、京介氏。そちらとこちらの眼鏡のご婦人方は?」 「ああ、お前は初めてだったか? こっちのおとなしそうなのが幼馴染の田村麻奈実。そっちの気持ち悪いのが後輩の赤城瀬菜だ。その隣にいるのは瀬菜の兄貴の赤城浩平」 「おい、高坂! 瀬菜ちゃんに向かって気持ち悪いとは……」 「うるさい黙ってろ殴るぞコラ」 俺が激昂した赤城を押さえている間、沙織は麻奈実と瀬菜に自己紹介を始めた。あのぐるぐる眼鏡を外して……。 「はじめまして。わたくし、京介さんと桐乃さんのお友達で、槇島沙織と申します」 「は、はじめまして。田村麻奈実……です」 「高坂先輩の高校の後輩の赤城瀬菜です!」 麻奈実は、いつかあやせに自己紹介されたときのように、沙織の素顔に見惚れていた。 一方瀬菜は、一切物怖じせずに元気一杯挨拶をしていた。瀬菜、お前すげえよ。 簡単な自己紹介が終わり、沙織が眼鏡を掛けなおすと、もう一団体お客様がやってきた。 「こんにちは、お兄さん」 「うーす、来たぞ」 「マネージャーさん、お久しぶりです」 あやせ、加奈子、ブリジットの三人だ。俺はあやせだけに声を掛けたんだが、あやせがあとの二人も誘ったらしい。 十二人で座るには、ビニールシートが少々狭かったが、まあいいだろう。 「ちょ、ちょっとあんた。何人に声掛けたのよ?」 「お前に黒猫、沙織に麻奈実、あと瀬菜とあやせだな。黒猫の妹と加奈子、ブリジットは想定外だが……」 「いくらなんでも声掛けすぎでしょーが!」 「別に良いだろ? 大勢の方が楽しいんだからさ」 「そ、そりゃそうだけど……」 よくわからんが、ウチの妹様はこのメンバーにご不満があるらしい。だからって、今さら「帰れ」とも言えんのはわかってるだろうからな。ここは我慢しとけ。 さて、これだけの人数が集まるのは、俺としても想定外だった。だから、気になることが出てくる。 「食い物、足りるかな。麻奈実の弁当もあるとはいえ……」 「ご心配なく。わたしもお弁当を作ってきましたから」 「私も作ってきたわ」 俺の心配そうな声を聞き、あやせと黒猫が、それぞれ重箱を出してきた。 麻奈実はそれをてきぱきと並べていく。中身はどれも美味そうだった。 「んじゃ、大丈夫かな。ほれ、赤城。皆にコップ配れ」 「はいよ~」 俺は赤城に指示を出し、皆にコップを配っていった。コップを受け取った者から、思い思いにジュースやお茶を注いでいく。 「全員に行き渡ったか~?」 俺の声に返事は無い。周りを見渡すと、皆ちゃんとコップを持っていた。 それを確認した俺は、高らかに声を上げる。 「うし。じゃあ皆、コップを掲げろ~。せぇ~の……」 「「「「「「「「「「「「かんぱ~い♪」」」」」」」」」」」」 俺の合図と共に、紙コップが掲げられ、春の宴が始まった。 桐乃は、はじめこそ不満そうな顔をしていたが、今はあやせと共に弁当について歓談中だ。 黒猫は、下の妹が加奈子とブリジットに反応したようで、上の妹と一緒にそちらで話に花を咲かせている。 沙織は、麻奈実と瀬菜が積極的に話しかけているようで、口元をω(こんなふう)にしながらガールズトーク中だ。 俺はというと……。 「ま、こうなるわな」 「おいおい、高坂。それは俺に失礼じゃねえか。そんなに俺が嫌いか?」 「気持ち悪いこと言うな。お前とは朝から一緒だったんだぞ。なんで皆が来てからもお前と一緒なんだよ」 「友達甲斐の無えヤツだなぁ」 ま、こんだけ女の子がいるんだ。男だけあぶれちまうのも致し方ない。不満はあるがな。 俺と赤城は隅の方で、お茶を片手に静かにしていた。 それにしても……。俺は周囲の光景を眺める。 ここには色んな人間が集まり、桐乃の『表』と『裏』の友人とか、俺の知り合いとか関係なく参加している。 少しだけ懸念もあったが、こうやって楽しげな状況を見てると、それは杞憂だったと思い知らされた。 「女三人寄れば姦しい」とは言うが、この場所はまったくその通りになっていた。けど、みんな笑顔だ。 桜が舞い、美味いメシを食べ、話に花を咲かせているこの光景を見ていると、いつぞやも感じた思いが心に浮かび、思わず口から出てくる。 「悪くねえ」 「ん? なんか言ったか、高坂」 「なんでもねえよ」 ああ、悪くねえ。こんな日も、たまには悪くねえ。 それが、俺の今日の感想だった。 おわり
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1273071103/696-702 ――あれからどれだけの時間、そうしていただろう。 ただ黙々とPC画面を見つめ、淡々とマウスを動かして。 長ったらしく流れるエンドロールをただ呆然と眺めていると、視界の端でピカピカと点滅するものを捉えた。 「あれ? 携帯、鳴ってたのか」 えー……と、着信履歴ね。 誰から――って麻奈実か。 ……割りと時間経ってっけど、とりあえず掛け直しておくか。 着信履歴から直接、麻奈実の番号へカーソルを動かしボタンを押した。 プルルルル。 2コールほどして、間延びした口調の俺の幼馴染みは電話に出た。 『あ、やっと掛けてきてくれた~』 うん、相変わらずゆるい。 どんな時でもブレないそのマイペースっぷりに、自然と俺の頬が緩む。 「何か用か? ってか、そっちの用事は済んだのかよ」 『うん、済んだよぉ。 思ってたより早く済んだんだぁ~』 俺はふぅん、と適当な相槌を打った。 麻奈実は、用事がどんなものであったかとか、その時のロックのヘマとか、いわゆる世間話を始めた。 それに対しても“へぇ”とか“良かったな”とか、愛想のない返答を続けていたが、それでも麻奈実は楽しそうに笑っている。 やっぱり和むな、麻奈実と話してると。 ……思っても絶対口にはしないけど。 そんなことを思いつつ他愛のない話を続けていたら、ふと思い出したように麻奈実が声を上げた。 『それより、きょうちゃ~ん?』 ……文字列だけじゃわかりにくいと思うが、麻奈実は怒っているようだ。 相変わらず間延びした口調だが、語気に僅かな怒気が含まれている。 理由は、わからないが。 『きょうちゃん、年下の女の子をいじめちゃ、めっ、だよぉ~?』 ……? 何を言っているのかさっぱりわからん。 わからんが、とりあえずその叱り方やめてくれ。 何か恥ずかしい。 『あっ、自覚してないんでしょ。 きょうちゃんは天然さんだもんね~』 「お前ほどじゃねぇよ」 すかさずツッコミを入れた。 というか、入れずにはいられなかったってのが本音だ。 麻奈実に言われちゃおしまいだからな。 それから麻奈実は、子どもを諭す母親みたいな口振りで『ともかく忠告はしたからね~。 わかった~?』と告げて電話を切った。 ……何に対して一方的に怒られてたのか。 最後まで理解に及ばなかったが、まあ、麻奈実の言うことだ。 ちゃんと意味はあるんだろう。 とりあえず、というのも変だが、一応は心に留めておこう。 ―― ―――翌日、放課後 またしてもあやせに出くわした。 あやせたん可愛いハァハァッ、みたいなノリは控えようと思う。 先日あやせに謝ったばかりだし。 場所は帰り道にある横断歩道。 赤信号で立ち止まっていると、向かい側でぼーっとしてるあやせの姿が見えた。 視点が定まってない、ような印象だった。 心なしか、肩も沈んでいるように見える。 ……どうかしたのか、あやせの奴。 まあ、あんなショボンとしてる姿見たら、話しかける以外に選択肢はねぇよな。 どれ、ちょっと年上のお兄さんぶってみっか! チラ、と点滅し始めた信号を一瞥し、正面の信号が青になった途端に小走りであやせに近付いた。 「よっ、あやせ」 ちょっとワザとらしいかなと思うくらいの爽やかなお兄さんスマイルで声をかけてみた。 あやせはゆっくりとした動作で視線を動かし、俺の姿を認めた。 するとあやせは、一瞬だけぱあっと明るい表情を見せ、ハッとしてからぷいっと顔を逸らした。 それから、不機嫌そうに口を尖らせる。 「何の用ですか? ……慣れ慣れしくしないって、言われた記憶があるんですけど。 っていうか、その気色悪い声色はなんですか」 うん、あやせはこれくらいの棘があった方が“らしい”と思う。 け、決して俺がそういうマゾヒスト的な気があるわけじゃないぞ? 「いや、別に慣れ慣れしくするつもりはないって。 ただ、何か様子が変だったからさ。 つーか、気色悪いとか思っても言うなっ!」 ……ヤバい、変にテンション上がってきた。 どんだけツッコミ好きなんだよ俺はっ。 と、脳内で後悔する俺に、あやせは何やら重苦しい雰囲気で問いかけてきた。 「……そう、見えました?」 「……ああ、見えた」 俺は素直に答えた。 ……本当にどうしたというのか。 どうにも、普段のあやせらしくない。 そこでふと、あることに思い至る。 最近じゃ、いつでも俺の周囲で起こる事件の中心に居座りやがる、憎々しい妹様のことを。 「……また、桐乃のことか?」 俺としては、これが正解だろうと踏んだのだが、 「え……あ、いえ、その、違い、ますよ。 桐乃とは、仲良くやってます」 ……外したか。 まあ、ここ最近の桐乃を見ると、それといった変化もなさそうではあったけど。 「じゃあ、何で?」 俺がそう言うと、なぜかあやせはぽっと頬を赤くして、もじもじしながら口篭った。 「えっと……それは、その……」 一瞬だけちらっと俺を見てから、また視線を逸らされた。 髪に隠れてわかりづらいが、耳まで赤くなってる。 ……俺、やっぱり嫌われてんのかなぁ……。 まあ、言えないということはつまり、言う必要がないか、俺には言えない話、ということなんだろう。 出来れば前者であってほしいところだ。 ……嫌われてるなんて考えるだけで辛いからっ。 「……」 視線を外して黙り込むあやせ。 その様子を見て、あー俺はお呼びじゃないんだなー、なんてことを漠然と感じた。 「……ん、そっか。 引き止めたりして、悪かったよ」 くるっと身を翻し、じゃあな、と手を振ってその場を後にした。 「……お―――の、――」 背後であやせが何やらボソッと呟いたようだが、それは自動車の走行音で掻き消されて俺の耳には届かなかった。 ―― ―――さらにその翌日、の放課後。 またまたあやせに出くわした。 なんだこれは? 実は俺とあやせって運命の赤い糸で結ばれてるんじゃね? とか思っちゃったりするくらいの偶然っぷりである。 ちなみに言うと、場所は先日訪れた某アルファベット書店だ。 ノートを切らしたから面倒臭がりつつも立ち寄った、というわけなんだが……。 どういうわけか、先日と全く同じシチュエーションであやせと遭遇してしまった。 あの時と異なるのは、その反応と、俺の心境。 「よう、あやせ」 約束は、守っている(はずだ)。 距離感を誤らないように努めてるし。 それが、今の高坂京介だ。 どうだ参ったかコンチクショー!! 「ど、どうも……お兄さん」 一方、あやせはあやせで、昨日同様にどこか様子がおかしい。 今日も何か顔が赤いし、心ここにあらずというか、ぽーっとしてる。 普段の辛辣な言動をどこに忘れてきてしまったんだ。 「……あやせ、熱でもあんのか?」 「へ……?」 「いや、なんか顔赤いし、心なしか目も潤んでるし」 「!?」 あやせは、何かを払うように(もちろん何も払えてないが)ババッと顔に手をやり、思い出したようにキッと俺を睨んだ。 「へ、平気です。 風邪なんか引いてませんよ。 この通りぴんぴんしてますし。 そっ、それより、そんなにじっと見つめないでくださいお兄さん。 つ」 「通報だろ? わかってるって。 そんじゃ、俺はノート買いにきただけだし、とっとと済ませて退散するよ」 「さ、先に言わないでくださいよっ! っていうかお兄さんっ、話はまだ終わってな――あ、ちょっ」 俺はひらひらと手を振り、文具コーナーへと足を向けた。 ……憎まれ口が叩けるなら、それでいいさ。 刺々しくないあやせじゃ、何か調子狂っちまうからな。 適当にルーズリーフを手にとってレジに向かい、会計を済ませた。 なぜか出くわしたその場で呆然と立ち尽くしているあやせに声をかける。 ……ちなみに、今も襲いかかりたいっ……もとい抱きつきたい衝動に駆られているのは内緒だ。 「用も済んだし、帰るわ、俺」 っていうかもうそろそろ我慢の限界ですしねっ。 主に抱きつきたい衝動を堪える的な意味でねっ! 「そう、ですか……」 そしてなぜかシュンとするあやせ。 ……何でだ? 「……じゃ、またな」 くるりと踵を返し、出口へ向かう俺に、あやせが声を上げた。 「あのっ、お兄さん……」 「ん?」 首だけ振り向く俺。 あやせは一瞬だけ目線を逸らし、ふるふると首を振った。 「……いえ、何でもないです。 また、今度」 「お、おう……?」 あやせと別れの挨拶を交わして、俺は本屋を後にした。 引っ掛かるものを感じて、でもそれが何かわからないまま、俺は帰路につく。 ……挨拶を交わした別れ際、あやせが何かを言おうとしてたけど……一体なんだったんだろうね? まあ、いいか。 用があるなら、直接連絡してくるだろう。 と、安易に考え、夕方なのにまだまだ明るい空を仰いだ。 ああ、今日も平和だ。 こんな日は、帰ってだらだらとテレビを眺めるに限るなぁ。 ……そういや、麻奈実に何か叱られたっけなぁ。 ……。 どうして今あやせが頭に浮かんだんだろう? 麻奈実の件とは関係ないはずなのに。 …………。 ダメだ、理由がわからん。 まあ、わからんものは仕方ないな。 それなら、どうやったらあやせとの仲を親密にできるか考えた方が何倍も建設的だろう。 うーん……ラヴリーマイエンジェルあやせたん……。 うーん……。 うーん…………。 このときの俺は、まさか俺とあやせがあんなことになるとは、微塵も思っちゃいなかった。 (続く)
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316537661/783-801 *** *** *** 緊張してしまったお兄さんの手を取ってわたしは自分の服を脱がさせる。 同時にわたしも手が震えたけど、お兄さんの服を脱がした…………けれど 「あのお兄さん……ソックスがまだ…………」 「あ~・あ~・あ~」お兄さんは両手で両耳を塞いでて、ひたすら大声を出していた。 そうか、ニーソックスが好きなんですね、そんなに好きなら今度踏んであげよう……。 「ねぇ、わたし、あなたの事を考えて自分でしてるって……言いましたよ…ね?」 「あ、あ、ああ、そう言えば言ってたな……」 わたしは自分の震えた手で、再び、お兄さんの震える手を取ると 「今は、京介さんが、わ、わたしの代わりに触って……ください」 自分で言ってて恥ずかしかったけど、もう全部して欲しいから言っちゃった。 「んじゃ、あやせは俺の代わりにしてくれ、、まぁおまえはもうプロ級……い、痛てぇ。 あ、あやせさん…つねるのは禁止でお願いします」 「はぁ、はぁ…何で…上手なのか…は、お兄さんに喜んで欲しいからぁ…あっ…」 本当はもう、お兄さんに触られる前から…わたし…………… 「れ、練習してたからっ…あっ…ぁん…こんなエッチな女の子で…で、引きましたかぁ?」 お兄さんから没収したDVDを参考にしようとしたのだけど、お兄さん以外のはやっぱり 見たくなかったから……自分の指を、あなたのだと思って、試行錯誤してた……… 「うぅ…ぐ……いいや…嬉しいに決まってるだろ!最高に魅力的だぜ…あやせ……」 "練習した"と言ってもお兄さんが変な誤解しなかったのが嬉しかった。 嫉妬して欲しいと思うよりも、普通にわたしの事を思ってて欲しいんだ、今はもう 「わ、わたしぃ…ずっとぉ、ずっとあなたに、こうして欲しいと思ってたの…ン… だから…だからぁ……はぅ……今…気持ちいいっ……れす…あぅ…きもちぃいっ」 京介さんに褒めらながら、されると本当に……心も身体も感化されちゃって…… もう多分、どんなお願いされても聞いてしまうんだ、わたしは……きっと 「あ・や・せ・」と言われて、また強引なキス、優しく口を塞がれるのも好きだけど 今日は、、今はこっちのキスの方が好き……だからわたしも思いっきり強引にする、 京介さんの愛情に負けない様に……ちょっぴり痛いくらいに お兄さんが右手に巻いていたチョーカーを外して、わたしの首につけてくれた。 これも考えてみたら儀式の様なもの……儀式と言うよりも……もっとエッチなもの。 そして、頭をまた優しく撫でられて、『お願いしても良いか?』と唇が振動した。 だから言葉でお願いされなくても、本当はもう自分がしたくなっていた事をする…… 「うぐぐ……やっぱぁ……凄いなぁ、おまえ……頭が変になりそうだわ…俺」 「はぁむ……レロ…ちゅぱ……お兄さん…わたしね…………わたしっ……」 「ど、どうした?」 「お兄さんは、わたしに…その…見たこと無いのかって聞いたでしょ? わたしが無いって言ったら、父親は?って、言いましたよね?」 「……うん、、言ったな」………何でこんな話をしたのかと言うと 「………わたしの家って多分、教育方針で、物心ついた時にはもうお父さんと お風呂には入らなくなってたんです。それにわたしは一人っ子で兄弟も居ないから…」 「へ?だ、だから?」…………ちょっぴり意地悪したくなったから 「もちろん、わたしはそういう、いかがわしいDVDも漫画もゲームも見ないから だからわたしが見た事があるのは……もちろん触った事があるのは………… あなただけなのに……なのに、京介さんは!京介さんの裏切り者!!!!!」 「ひょ?ぐげぇ……ちょっと……おま…おお…ぎゃぁあ………ヤ、バ、イ…」 「パク…ちゅぱっ……わたしは、わたしはきょう、だけなのに、はむぅ……きょうは、 きょうは!ん~~~~~他の女の、、、んはぁ……人のも見て、レロ…だから、、、 はぁ…許せない、、、はぅ…許せない!、、はむ…許さない!、だ、だから見るな!! もう見ちゃ~ちゅぅぅ~だ、だ、ダメなんだからっっ!!!!!!!!」 前の罪悪感と言う名前の嫉妬じゃなかった…独占欲・純度100%の完璧な嫉妬。 やっぱりこんなに独り占めして、束縛したがったら、嫌われちゃうのかな? わたしが不安になって憮然としていると、結局また頭をよしよしされてしまった。 「俺はそういうの見ても絶対に出さねぇから……したい時はあやせにお願いすっから。 もう俺が渡したカギ捨てちゃったのか?」 「も、持ってます……もちろん」 「なぁ思いっきり変態チックな事を言って良いか?」 「ふ、ふんっ……な、何を今更」とニーソを履いたままの足で、お兄さんのを軽く蹴った。 嬉しそうな顔をしたから、追加で、踏んであげた。 「お互い、ソロ活動禁止で良いんじゃねぇ?そしたら会った時、燃えそうだしよ」 何で世紀の大発見をしたかの様な自信満々の顔で、こんな事言えるのだろう? 何でこんな事を言われて、わたしはちょっぴり嬉しくなってしまうんだろう………。 「お兄さんだけ我慢してください……。そ、そしたら、会った時、お兄さんがしたい事 いっぱい、してあげるから。それがダメなら結婚までエッチもセクハラも禁止ですっ!」 「よ、よし!、むしろ……それ(が)で良い!でもテレエッチなら良いよな?」 その後、わたしが了承するまで17回ほど『でもテレエッチなら良いよな?』と聞かれた。 電話でも求められたらするし、本当は…わたしだって一緒に我慢するつもりなんだから。 お兄さん、わたしがあなたの事を思って一人でしたのはいつからだと思ってるんですか? そして、それまでずっと、どれだけわたしがイクの我慢してたのか知ってますか? 京介さんがお願いするなら、わたしは何だってするんだから、しちゃうんです…からっ! 「あやせが気持ちよくしてくれたから、次は俺のターンだな。もし怖くなったら いつでも言えよ。別に無理やりする事じゃないんだし、このまま続きするか?」 「わたし…今日初めて、親に嘘ついたんです。凄い大嘘。でもこんな風になるって 期待してたわけじゃ全然無くて……だから嬉しくて……悪い子だけど罪悪感も無くて。 でも親に嘘をつくのは今日が最初で最後です。言ってる意味、分かりますか?」 「ああ、今日ちゃんとあやせを俺のものにして、正式に、おまえの親に挨拶に行くよ」 「分かってるなら、ちゃんとして………し、してくれないとぉ、ぶち殺しますからっ!」 *** *** *** 今まで聞いた中でもっと萌え殺される危険性が高い"ぶち殺します"を聞いて俺は……… おまえの透き通る様な白い肌が透きだ! サラサラのストレートの黒髪が好きだ! 大きくて全部を見透かされそうなその目が、長い睫が、柔らかい頬が好きだ! 何度も、何度もキスしたおまえのぷっくりとした唇が好きだ! 「お兄さん…褒めてくれて嬉しいんですけど、心の声が漏れてきてます……から。 それにやっぱり見た目ばっかり……じゃないですか、もうぉ!」 おまえが今話している、その声が好きだ! あやせが作ってくれた料理が好きだ! 俺に対していつも健気で、時々かなり我が侭で、凄くエッチなあやせの性格が好きだ! あやせと一緒にいると、とても静かで、優しくて、暖かい気持ちになれるんだ。 だから俺はあやせ、おまえの全部が好きなんだ! 「ふぅ……………はぁ~~え、遠慮しなくて良いんですよ…………京介さん。 も、もうっ………容赦なく、全部、全部、全部、好きにして良いからあぁっ!」 これは、あやせの照れ隠しなのだろうか? 『ぶち殺しますよ』と同じイントネーションで誘惑された。 「本当にさぁ……もう褒め言葉だけしか思い浮かばないんだ。おまえのこの髪も……」 と言ってあやせの髪を撫でつつ、抱擁する。 「あっ…ん…はぁ……ねぇ、ねぇ…お、お兄さんに…お、お願いがあります………。 京介さんがわたしを求めてくれたから……聞きたくなっちゃった質問です…………。 あなたは動物の中で、"狐"と"狸"と"猫"と"犬"なら誰(が)………何が一番好きですか?」 艶めかしい表情なのだが、目だけは真剣な眼差しを俺へと向けてあやせは問うた。 流石は、あやせ…俺の彼女だ。この期におよんで、超意味深な謎を投げかけてくる。 そもそも"誰"って何だ? 何となく予感がする、、この質問の解答を誤ったら、重大な事態を引き起こすだろうと。 期待する解答を与えなかったら、俺とあやせは致命的に何かが損なわれるんだろうと。 「(難問過ぎて)全然分からねぇ…………」 あやせが悲しそうな顔をして。プイっと横を向いた、全く………本当に退屈しねぇな、 こいつと一緒にいると。 「な~んてな…………"犬"が好きだよ。 俺は、あやせ……おまえが一番好きだ」 ある意味、これがあやせの"最後の試練" で "聖(堕)天使 最後の封印"だった。 あやせが本当は別の言葉で質問をしたい事は知っていた。……でもこいつは気を遣って、 婉曲的に聞いたんだろう、俺が最低野郎になる事を避ける為にさ。 あやせが舐めてくれた頬を(照れくさくて)……かきながら、この瞬間も、さっきよりも 俺の彼女の事が、どんどん好きになる自分を誇らしく思った。 もう何も迷う事も、悩む事もない……これが俺の出した答えなんだ。 二度と同じ質問を俺の彼女にはさせるつもりはない、そんな質問なんてしなくて済む様に 俺は……あやせを全力で掴まえ続ける。 だから、俺は今の気持ちを、その愛情そのものを込める様にあやせを愛撫し始めた。 「はぅ……ずっと…きょうに頭を撫でられたから…だから…多分…エッチにぃ… エッチなコト考える様に……なっちゃった…んです………………だ、だから…ぁ…… べ、別に答え……聞いたからじゃ、それ、関係無い……んだからっ…!」 「あやせ、好きだ……この照れてる顔もさ……本当に綺麗だ、もう絶対に離さないから」 さっき、あやせが抱いてた独占欲らしきものが、俺の中で拡がるのが…… あやせを愛撫しながら、痛いほど……文字通り……さっきあやせがしてくれたのに…… もう痛いほど自覚される。 「おまえは、俺が胸に興味ないとか言ってただろ?あやせ…これでもそう思うか?」 あやせの桃色の乳首を躊躇無く、断固として吸った。 「んぁ……きぃ…もちぃぃ…れ…す……気持ち…あぅ…あぁ……あん……」 「パク……俺はそんな事、聞いてないぞ?あやせ」 最初は俺なりに考えながら、あやせの反応を見ながらやってるつもりだったのだが やってる間に夢中になって、もうひたすら吸ったり舐めたり、そして空いてる手で 吸ってない方の胸を揉みまくる。 「…ぅん……おっぱい…好き…れす…か?わたしぃ……のおっぱい……きょう……」 「ああ、滅茶苦茶好きだ……もう俺のものだからな!あやせ……わかったか?」 「ぁあ、、あ゛あん…わかったからぁ…ねぇ……きょうぉ…もっとっ…もっとっ……」 あやせが、胸に埋めている俺の顔を思いっきり両手で抱きしめた。 俺は一瞬その力に怯んだが、それでもやっぱり断固として愛撫を続けた。 今日は…今日だけじゃない、これからはあやせが望んだ事を全部叶えてやるんだ。 「いっぱい、してるやるから!おまえがもうイヤって、言うまでしてやる!!」 キスマークをつける要領で思いっきり吸って、指でちょっと痛いくらいつまむ…でも 「んっ…あん…ああっ…足りないっ……もっと…きょう、きょう…好きっ……」 あやせの魅力で、こいつの身体に幻惑されていたが……"身体"だけじゃダメなんだ。 「あやあや…愛してる…愛してる…愛してる!」 強引に感じさせるのは辞めて…軽くキスしながら、目を見つめて胸を優しく愛撫する…と 「っあ……イ…ギュ……あっ……イッく……イッちゃうっ…わたしぃ…あんッ……はぁ… ぅん、あ゛……イグ………あ゛、あ、゛あ゛っ!」 身体を痙攣させて、本当に軽く涎を垂らしながら、あやせは可愛く昇天した……。 俺はあやせの手を握って、俺の胸に当てさせた。今度は、あやせが俺の頭をよしよしと 撫でてくれる……俺は自然に笑みが溢れて、あやせも自然ににっこり笑った。 二人共黙っていたけれど、あやせが目を閉じて肯いたので、軽くキスしてから ニーソの足先、踝、ふくらはぎと、続けて明らかにセクハラする気分で撫でた。 右手で左足、左手で右足を触っていると…左右それぞれ意思をもった生き物の様に 足が揺れ始めて、反応を楽しみながらゆっくり膝、太ももと続けて今度は口で愛撫した。 俺は急がない様に、ワザと自分で自分を焦らしてる気分でゆっくり愛撫を続けて、 やっと太ももの付け根まで辿り着いたのだが……もう触って確認する必要も無く (それどころか見て確認しなくても分かるほど)濡れていた。 何か言おうとしたが、とても間抜けな気がして、黙って舐め始める。 前に、あやせの家で強引にやった時は何も考えてなかった。むしろ尻をぶった叩く事で 必死になっていたのだが………今回はそこだけに意識を集中する。 しかし三十秒もしないうちにあやせは……… 「……イ…キッ…そう…きょう……わたしぃ……もう…あっあっ…あ゛っんん…あ……」 舐めながら、見えるあやせの顔は恍惚然としていて、俺にまたあの独占欲や 今度は強烈な支配欲まで、かきたてさせる。 SMよろしく尻をぶった叩いたあの時よりも、今の方が自分の中の嗜虐心が何倍も、何倍も 刺激されるのを感じる…………だから俺は 「あ……あ゛っあああ……あ゛…あん…きょう……きょうっ……イ゛ク゛…」 あやせが昇天しそうになった途端にわざとペースを緩めた。 そして、落ち着きそうになったら、また責める……時々強く吸ったりもした。 この美しい少女が、自分の意思通りに反応するのが快感だった、俺は我を忘れていた。 「い゛じわ゛る゛っ……きょうの意地悪………でもっ………はぅ…でも……」 「んぅっ……きょうがっ…きょうっ…がぁ……あ゛……いじわるぅ……しゅたい…ならっ…… しぃたいならっ………いっぱいぃ…していいィよぉ…だ…からっ……… わたしっ…我慢しゅるぅ……イ゛ク……かないで…ずっと……我慢しゅ…る…からっ」 全然違う、支配されてるのは俺だったんだ。こいつの魅惑的な身体の虜になって…… 「きょう……きょうっすけ…さぁん…しゅき……あっ…いしてるぅ…からっ……」 やっと気付いた。 こいつの健気な愛情に籠絡されて、俺にはもうどんな自由も残されてない事にさ。 俺の心も身体も、完全に、あやせにものになっていた。 まぁ、別にそれで何か変わるってわけじゃない。 一生この愛しい彼女を、俺の大切な恋人を守ろうと改めて、思っただけなんだ。 結局、俺は気がつくと、何度も、何度も、何度も昇天するあやせを強く抱きしめて、 何度も、何度も、何度もこう絶叫してた……… 『あやせ…俺も好きだ、愛してる………愛してる…あ・い・し・て・る!!!!!』 ってさ *** *** *** 多幸感、安らぎ、喜び、嬉しさ……素敵な感情が全部一気にわたしの身体を貫いて 京介さんに、何度も、何度も、何度も感じさせられた。 本当に夢の様な時間……初恋の人に……あ、そうか、わたしが京介さんを好きになった のは(自分の気持ちに気付いたのは)夢の中で、京介さんに出会ってからだった。 幸せ過ぎて、怖いって意味が今なら本当に身にしみて分かる。 夢の中のあなたは目が覚めると消えてしまった……ねぇ………京介さん……わたし 「あやせ……?」 ベットから降りて、何かを取りに行こうとする京介さんの手を握って、首を横に振った。 「今日……大丈夫な日ですから。でも、何か有ったら責任取ってくださいね」 馬鹿な事を言ってるのは分かってる。でも、どんなものにも邪魔されたくなかった、、 あなたと一つになりたい……もう、何にも邪魔されたくない…… 「ダメだ、おまえが大切だから、今、俺が短絡的な欲望に流されちゃいけないんだ」 わたしは、素直に肯いた。もう……責任取りたくないんですね、なんて言わない。 本当にわたしの事を思ってくれてるのが伝わってくるから…何も言う必要なんて無い。 「あやせが黒いウエディングドレスで、俺に告白してくれただろ? だから今度は俺がちゃんと言うから、ちょっと先になっちまうかも知れないけど…… 必ず俺が言うからさ。だから、それは、その時までのお楽しみだな」 「でも今、ちゃんと予約はしてくださいね……こ、これでも、人気物件なんだからっ!」 「ああ………もちろん、だから俺は、もうメロメロなんだって。 そもそも、俺が取りに行こうとしたのって、おまえが考えてたものだけじゃないんだぜ。 まぁこれは、何の効力も無いから、、今は単なる……紙切れだけどさ、ほら」 "高坂京介" "新垣あやせ"と書かれた、今は本当に、ただの紙切れ……だけど 「はぁ~な、何で、、こんな確実にわたしが"ぶち殺されちゃう"もの用意してるなら、 わたし達が、喧嘩してる時に見せてくれなかったの? わ、わたし、自分で"儀式"なんて言ってて、馬鹿みたいじゃないですかっ?!」 「ほら………あやせ足開いて」 「あっ…ぁん…はぅ……は、はい」 「隠してるつもりは無かったんだ」 「きょうの嘘つき!、変態の処女厨!、シスコン!」 「ほら、あやあや…キス……」 「はむっ……ちゅっ…ぁあっ…れろ……むちゅぅ」 「あやせと恋人同士だと絶対に、ほんの一瞬も、おまえから目が離せないな。 彼氏になれてマジで、良かったわ……こんな俺と付き合ってくれて感謝してるぜ。 こんなにも、俺を夢中にしちまう、世界で一番可愛い彼女になってくれてよ。 まぁ、でも、こんな時まで罵り合ってる場合じゃないんだが………なぁ?(苦笑)」 「ふふ、やっぱり、わたし達って相性ピッタリですね、京介さん。 実は………わたしも、今、全く同じ事を思っていたところなんですっ(♪)」 「これからも多分、何度も喧嘩するだろうし、おまえを泣かせてしまうかも知れない。 でも最後は必ずあやせを笑顔にするから、これからもずっと俺の隣に居てくれ……あやせ」 「はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない」 『はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない』 はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない 今も幸せ過ぎて、やっぱり怖い……これからも何度も、我が侭を言って困らせるし 京介さんが言う様に泣いちゃうと思う。 それでも 京介さんと一緒なら、沢山泣いても、必ず笑顔になれるから……… そしてわたしも、あなたを笑顔にしてあげたいから………… 「あ~あ………俺、あやせに言わなきゃいけない大切な事、こってり忘れてたわ。 何の為に、あやせにカギ渡したり、これ見せたりしたのか………忘れてた(汗)」 「京介……さん?」 「ちょっとだけ………………言い遅れたけど、あやせ、、あ!、俺、今、凄く 滅茶苦茶、凄く良い事を思いついた! これは男の野望と言うか、ロマンだから、悪いが、ちょっと小芝居に付き合ってくれ!」 独り言の様に言って、わたしが好きな、いつもの少年みたいな目をキラキラ輝かせて…… はぁ~こうなっちゃうと、この子は……もう止めても無駄なんだ。 「行ってくる!」 さっさと服を着るとわたしを放置して、ドアを開けて出て行ってしまった。 ロマンって、これの何処が男の野望なんでしょうねぇ? よくも、こんな美少女を、エッチな気分のまま裸で寝かせて、部屋を出れましたね? 全く……もうぉ! 本当にあなたこそ、ほんの一瞬も、わたしの心から、消えてくれないじゃないですかっ! やれやれ……。 そして気がつく、"あの時"と同じだ。 わたしが京介さんを諦めようと思った時……のこと。 『-----いってらっしゃい、お兄さん』 "過ち"だと思って、笑顔で見送って、京介さんを送り出した時……のこと。 あの時はもう戻ってきてくれるなんて、思ってなかった……… 泣いちゃダメだ、今は京介さんが居てくれるのに、、でも……もうわたし…………。 その後、せっかくメイクし直したのに、最高の笑顔で言いたかったのに、意味は無かった。 でもそんな事はもうどうでも良い………二度と嘘はつかないと決めたからのだから あの時の笑顔よりも、今の顔の方がわたし自身、ずっと好きなんだ チャイムが鳴った。 わたしはドアを開けて、あなたを出迎える。 最初は単なる、親友の兄だった人 あこがれた、わたしの初恋だった人 好きで、好きで、しょうがなくて恋いこがれた人 今は……………これからも、ずっと、ずっとわたしの大切な人 「少し、いや結構長く……言い遅れちまったけど」と言われて、優しく抱きしめられた。 「----------ただいま、あやせ」 あの時忘れていた言葉を、もう失ったと思っていた言葉を、あの時は言えなかったけど 本当はずっと、ずっと言いたかった言葉を、今、やっとわたしは言う事ができた……… 「京介さん----------おかえりなさい」 京介×あやせ【"37℃" "Antipyretic" "Stummer Dialog" "A Nexus"】 inspired by『過ちのダークエンジェル』 『妹のウエディングドレス』 本当に、幸せで、おわり
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恋をするなら、特別な相手と。 ずっと、そう思っていた。 例えば、真の姿を隠して人間界に生きる魔族の青年だとか、特殊な能力を発現させてしまい自分の力を怖れている同級生だとか。 そんな特別な相手こそ、宵闇の眷属たるこの私に相応しい、そんな他愛もない空想をずっと続けていた。 ……理性では、現実にそんなものが居るはずないと理解していたのに。 でも、友人の一人の居ない私にとっては、想像上の恋人なんてクラスメイトだろうと魔界の使徒だろうと、そう大差は無かったのだ。 そう、あのお節介焼きの女と、どうしようもなく癪に障るあの兄妹と出会うまでは。 「――――――」 ベッドにうつ伏せに寝転がり、両足をぱたぱたと揺らしながら彼の後ろ頭を眺める。 平凡な男。 平凡で普通で目立たない、本当にどこにでもいるような男なのに。 寝転がっている毛布に、そっと頬を寄せる。 柔らかい。そして、自分とは微かに違う男性の―――彼の匂いがした。 この私が、他人の、それも男の部屋でこんなにリラックスしているだなんで、今でも信じられない。 きっと、心の底から信じられるからだ―――彼が、私を傷つけるようなことは決してしないことを。 私をちくちく傷つける外の人間達とはまるで違う、無条件の、安心。 それについ、縋ってしまう。甘えてしまう。 このベッドは、彼の作ってくれた繭のようだと思った。 彼は、私を脅かすような事は何もしない。 それが嬉しい。―――でも、それが少し悔しい。 「――――――」 ぱたぱたと、少し大きめに足を動かす。スカートが翻って太腿にかかる。 普段は慌てて直すところだけど、今日はそのままに。 彼は頭を掻きながら、一心不乱にデバッグの作業に取り組んでいる。 本当はデバッグなんて出来ないはずの彼が、本当はデバッグなんてする時間無いはずの受験生の彼が、本当はデバッグなんてする縁すらない筈の彼が。 ただ、私を手伝いたいという理由で、何の見返りもなく不慣れなデバッグの作業に取り組んでいる。 言葉を交わして、わかることがある。 彼は、私のことを女性として見ていない。 自分の妹と同じように―――ううん、そこまで言うのは自惚れが過ぎるか。 女性ではなく、単なる友達として、後輩として私を見ているのだ。 冗談交じりにセクシャルな会話もすることもあるが、彼の私を見つめる視線は揺るがない。 勿論、彼が私に深い親愛の情を抱いて、お節介を焼いてくれているのは分る。 嬉しい。それはとても嬉しい。 でも、この彼の気持ちが、ほんの少しだけでも恋の方向にベクトルをずらしてくれないか、と願うのは流石に高望みだろうか。 未だに素直にお礼の一つも言えないけど、彼には何もかも与えてもらってばかり。 なのに、もっと彼を欲しがろうとする自分の強欲さが嫌になる。 ―――それでも、やっぱり私は彼に振り向いて欲しいのだ。 「ねえ、少し暑苦しいわよ、この部屋」 「……あん?」 振り向いた彼は、顔を真っ赤にして叫んだ。 「な、な、な、何て格好をしてんだよお前は!」 当然だろう。そこには、制服を脱ぎ捨てブラとショーツだけになった私の姿があるのだから。 ブラとショーツは黒のレースのお気に入り。 勝負下着―――なんて良くわからないけど、彼の部屋に行く日はいつもより入念に下着を選らんでしまう。 部屋が少し暑かったのは本当だ。 それにしても、私は何をしているんだろう。普段なら恥ずかしくて絶対に、絶対にできないようなこんなこと―――。 「ふふ、私は宵闇の眷属よ。男の精と魔力を奪い、魅惑の魔術で下僕に仕立て上げるなんて日常茶飯事だわ」 彼の次の行動は、簡単に予想できた。 『おまえなあ、悪質な冗談も程々にしろよ。ほら、服着ろ服、さっさと続きやって終わらせるぞ』 こんな感じで、私の決心も、胸に秘めた気持ちも、全てうやむやにされてしまう。 男女の関係から離れてしまう。 どうせ―――。 「いいぜ」 乱暴に、肩を掴まれてベッドに押し倒された。 右手首をがっちり掴まれて、押し上げられる。 「エロゲーなんかでよくある展開だよな、これが最初のイベントシーンか」 声が、出ない。彼の大きな体が覆いかぶさってきて、怒ったような瞳がぎらぎら輝き間近で私を覗き込んできた。 怖い。 宵闇の眷属を気取って、何か、調子の良い返しを……返しを……何も、出てこない。 ただ萎縮してしまって、唇を震わせることしかできない。 「ほら、脱げよ、あと二枚でCGにモザイクがかかるとこだぜ」 彼の手が、ブラの肩紐に触れた。 嫌。私も彼とのことを想像したことはあるけど、こんなのは嫌。 瞳に涙が浮かぶ。 まだ何も伝えて無いのに、エロゲーの真似事で私のは初めてが終わるなんて絶対に嫌―――。 「……ぃゃ、……やめて、……ぅぇ、ぅぇえええええ……」 彼は、電気に触れたかのように、私から飛び退き、後ずさった。 「あれ、おい、ああ、違、これは違うんだ、てっきりまたお前が―――」 半泣きの私からみても滑稽なほど狼狽した彼は、大げさな身振り手振りを混ぜて釈明を始めた。 ―――つまり、これは私の悪質なドッキリに対する、彼のドッキリ返しだったのだ。 「まさか、こんなに怖がらせるなんて、マジで済まな………………、 ……いや、今回は俺は謝らないからな」 動揺の解けた彼は、大きく一回深呼吸をして、真摯な瞳で私に告げた。 「今回のこれは、俺は謝らない。俺だから冗談で済んだんだからな。他の男だったら、普通は―――冗談じゃすまない。 おまえは俺の事を男として見てないかも知れないが、他の男はどうか分らないからな。 だから……こんな悪質な冗談は、もう二度とするな」 それを伝えるために、彼は、似合わない芝居をしてまで、私を叱ってくれた。 でも、彼が私を叱る口調は、まるで兄が妹を窘めるようで。 不意に、自分の行動に対する羞恥心が、フラッシュバックのように私を襲った。 ―――なんて恥ずかしいことをしたんだろう、私は。 彼の目の前に居るのが耐えられなくて、制服を掴んで部屋から駆け出した。 謝らなきゃ。 「ふん。残念だったわ。あなたが下種な本能を剥きだして、ホイホイ引っかかってくれるのを楽しみにしてたのに」 でも、口を突いてでたのは真逆の悪口。本当に、私は―――。 「―――っ、えっ、うぇぇ」 彼の家のトイレに駆け込んで、声を押し殺して少しだけ泣いた。 最悪だ。 ごしごしと、トイレットペーパーで下着ごしに股間を擦る。 ほんの少しだけ、おしっこ漏らしちゃったし。 彼のベッドに染みをつけてないか、怖くて部屋に戻れない。 どんな顔をして、彼に会えばいいのか分らない。 『おまえは俺の事を男として見てないかも知れないが』 そう思われるのも当然だ。こんな、馬鹿みたいなことばかりしているのだから。 平凡で、どこにでもいる普通の人。 でも、世界中でただ一人、私に親身になって接してくれる掛け替えのない男性。 アニメや漫画のような、格好のいい美麗美句じゃなくていい。 平凡で、どこにでもあるような言葉でいいから伝えたい。 私にとっての大切な一言。 『あなたのこと、だいすきです』
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仮題 02 『ストーカー』とは、一体何なのだろうか。 難しいことはさて置き、ここでは、事実を体系的に並べていこうと思う。 まず、『ストーカー』という言葉は、英語の『stalk』という単語からきているのはご存知だろうか。 『stalk』とは、獲物などに忍び寄る者を表す語のことであり、つまりは、狩猟に携わって生計を立てている人々のことを指すものなのだ。 そこに『――er』という、人物を表す接尾辞を加えることによって、『stalker』、ひいては、『ストーカー』、という語が生まれ、そこから俺たちが現在認識している意味での『ストーカー』へと近づいて行ったのだ。 また、『ストーカー』の歴史については大して造詣に深くないので割愛とさせてもらうが、個人的な意見を言わせてもらえば、人類が長い歳月の中で築き上げてきた英知と同様、長い歴史の中には然るべき『何か』がたくさんあったはずだと、俺は信じている。 ……敢えて、その『何か』を答えることは控えさせていただくがな。 近年の『ストーカー』被害についても、軽く触れておくべきだろう。 知っての通り、『ストーカー』被害という問題は深刻だ。 犯罪件数は年間に1万2千から1万5千の間を推移しており、主に若い女性が被害の対象となっている。 男性についても、件数は全体の総和から見れば事件数自体は少ないものの、約1割以上の方が被害に遭われているのが現状だ。 だからこそ、両性の被害者に共通する点はと言えば、加害者に並々ならぬ好意を抱かれているということくらいだろう、と俺は勝手に結論付けている。 ご存知の通りこの顔なので、被害にあったことがないことは恐縮だが、恐らくは、とても精神的にきついものがあるのだろう、と、俺は思っている。 いくら自分のことを好いているからこその行動なのだと言っても、執拗に無言電話をかけられたり、捨てたごみを漁られたりしたら堪ったものではないからだ。 そんなことをされてもその人物に好意を抱けるわけもなく、むしろ二度と関わってほしくないと思ってしまうのが関の山なのではないだろうか。 つまり、被害者と加害者、両方ともに何のメリットもない訳で。こう言っては何だが、プラスを生み出すことのない、お互いへの傷つけ合いの連続なのだ。 だからこそ、そのような生産性のない行為は、即刻にもやめるべきものなのだ。 そう。やめるべき、ものであるのだが……――。 「――俺が言えた義理じゃ、ねぇんだよなぁ……」 はぁ、と、本日何度目かしれない溜息を、俺は、勿体なげに吐いた。 ……今日の自分の行為を思い返しながら。 「……なーにが悲しくて、あいつらの後をこそこそつけまわんなきゃなんねぇんだよ、俺は……」 小さく毒づく。 全くもって遺憾だ。はなはだしく遺憾だ。 ――そりゃ、あやせはストーキングしたくなる位可愛いけどさ。 何ッッで、あんのクソ生意気な妹様の後を、こんな平日の夕方にまで……。 ……まぁ、だからと言って別にあやせの後をつけようとは思わないのだが、それにしたって、何というか、気分っつーものがある。 うまくはいえねぇけどさ。 「……」 俺は、近隣の方に不審に思われないよう、なるべく普通の格好、そして様子で、二人の後を追っている。 あらかじめあやせに帰宅するときの通り道を聞いているので、見失うか失わないかという距離を保ったままに、だ。 なぜなら、この距離ならば万が一桐乃に見つかったとしても、『”偶然”通りかかっただけだ』という言い訳が出来るかもしれないし、なにより、桐乃をつけているとかいう不審人物と遭遇する可能性がある、というあやせの持論に基づいているからだ。 そううまくいくかねぇ、と内心訝りながらも、俺はあやせの指示に従っている。 その理由は、ま、後に語ることにするけどな。 やるからには不真面目にするつもりはない(というか、不真面目にしたらあやせにガチで殺される)ので、一応周囲には目を配らせているのだが、まだ、これと言った怪しい人物は見つかっていないのが現状だ。 「……アツイ」 夏本番、というにはまだまだなこの時期。しかしながら、額から流れる汗が止まることはない。このジメッとした空気に汗腺がやられているからだろう。 延々と歩いているというのも、その一端を担っているかもしれない。 ――だってあいつら、ぐるぐるぐるぐる色んな所を回っているからサァ、いい加減キツイ訳よ、俺も。 「……ふぅ」 自前のハンカチで、汗を拭う。 ポケットに戻す時にふと見えた布の表面は、歪な斑模様で一杯だった。 じっとりとシャツに滲む汗も、なんだか異様に鬱陶しかった。 「……」 俺はハンカチをポケットにしまい、あの二人の姿を見ることのできるすぐ手前の角を、右に曲がった。 「――っ」 曲がった先は西の向きだったらしく、眩しく、そして濃い赤光が、立ち昇る陽炎の揺らめきと共に俺の目に差し込んだ。 「……ったくよぉ~」 俺は眉毛の辺りに手で陰りをつくって、そして目を細めた。 思ったよりも小さくなっていたあやせと桐乃の後ろ姿に少し驚きつつ……、 『ストーカーのことなんか忘れてんじゃね?』、と思わずにはいられないほど、仲睦ましげな様子で帰宅している二人の影を遠目に見つめて、俺は、思った。 ――あんな約束、かっこつけてするんじゃなかった、と。 ――昨日(さくじつ)の昼過ぎから、午後6時半ばまで。 先日のあやせとの熱いあつい逢瀬から帰宅した俺は、心機一転、入試に向けての勉強をするというとても有意義な時間を過ごしていた。 ……別に気が変になったわけじゃねぇよ? ただ、『今年一年くらいは悔いが残らないようにしよう』と思ったからこその行動なんだ。 ……だってさ、入試に落ちたら親父とお袋にも悪ぃし、麻奈実との約束もあるしよぉ。 それになにより、茶髪の誰かさんの、努力に裏打ちされた華やかな輝きに触発されたのも大きいからってのは、否定できないわけで……。 ……オホン。 とまあ、そんなこんなで、夕飯までの5時間弱を、俺はなんということもなく勉強に注ぎ込んでいたんだ。 だけどまぁ、このようにやり始めるまでは気乗りのしない勉強も、案外集中しだすうちに苦にならなくなってくるもので。 小休止を挟みながらの勉強はいい感じにはかどった。 ただ分からない箇所も多々あったので、『後で麻奈実に電話して教えてもらおう』と、ぼんやりと考えながら勉強していたのも事実だった。 カリ、カリッ、と、一心不乱にシャーペンを握りしめていた俺。 そんな俺の集中が途切れたのは、階下から聞こえたお袋の、「京介~、桐乃~、晩ごはんよぉ~!」という間延びした声が聞こえた時だった。 ちょうど切りの良いところまで進んでいたので、適当に返事をしながら、食事の席へと着くためにドアに向かって足を運んだ。 「……あ」 「っと」 そこでドアをひらくと、当然というべきか、バッタリと桐乃に出くわした。 幸いにもぶつかることはなかった。 けれども、出くわしたのが妙なタイミングだったことと、昼のあやせとの一件があったため、主に俺が原因の気まずさを含んだ一瞬の間がこの場に発生してしまった。 「……」 なんとなくいたたまれなくなった俺は少し視線を下ろした。 目に映ったのは、白を基調に黒の水玉がのったドルマントップス、そしてその下にのぞくピンク色のタンクトップ。 下は、豊かな脚線美を強調する黒色のフリルショートパンツ。さらには、どっかのピアスやらネックレスやらなんやらが一堂に会す、という、かなり気合いの入った装い。 どっかに出かけてたのだろうか、とも一瞬思ったが、こいつにとっては普通の私服なのだろうと思い直した。 ま、天下の読者モデル様だしな。こんくらい普通なんだろ。 「……何、アンタ。家の中にいたの?」 「……はい?」 桐乃は俺のいたたまれなさなど無視して、唐突に話しかけてきた。 ……ていうか、俺、家にいちゃいけねぇのかよ。 「……朝、急いでどっか行ってたジャン」 「……あー」 ――なるほど。 つまり、いつの間に帰ってきたのか、ということを聞きたい訳なのだろう、コイツは。 どうしてそうつっけんどんな言い方しかできないのかね、うちのお姫様はよ。 俺はいちいち話すようなことでもないと思ったので、無難に、 「……その用事は昼過ぎぐらいに終わったからな。 そのあとは部屋でずっと勉強してたよ」 とだけ返しておいた。 桐乃には言わない、という内容の約束をあやせとしたというのもあるが、コイツに余計な心配をかけたくなかったのも本音だ。 ストーカーなどといったデリケートな話題は、出来る限り避けておいた方が賢明だからだ。 相手にされなかったりパニックに陥ったりと、どちらにしろ良くないリアクションが返ってくるのは目に見えてるしな。 「……ふーん」 「そういうお前は?」 「……は?」 「お前もどっか行ってたんじゃねーの?」 一応聞いてみる。 すると桐乃は、口を尖らせながら、ちらりとこちらを見て、 「……ナニソレ? アンタにカンケ―なくな~い?」 と、言葉を紡いだ。 そしてすぐにそっぽを向かれた。 「……そりゃあ、まぁ、そうだけどよ……」 お前、知ってんのか。結構なストーカーに付きまとわれてんのかもしれねぇんだぞ? それにあやせはそんなお前のこと心配してくれて、嫌いな筈の俺にまで相談してきたんだぜ? なぁ、ホントに大丈夫なのかよ? 「……」 口に出すのには、憚られた。 そんな俺の歯切れの悪い返事と沈黙を見て、なぜか、先ほどまでの桐乃の不機嫌さが一転した。 桐乃は唐突に、ニヤ~、と口元を緩ませてこちらに詰め寄りながら、 「そうだけど……って、な~にィ~? やっぱりィ~、あんたってェ~、そんなに妹のこと気になるワケェ~?」 ププッ、と、俺や黒猫をからかう時特有の表情と、妙に間延びした声で尋ねてきた。 「……そんなんじゃねーよ。つか、まだ根に持ってんのかよ、あん時のこと」 『あん時』というのは、アメリカで俺が桐乃に泣きついた時のこと。 「は? 忘れるわけないジャン。 ……それにィ~、あれのことだけじゃないしィ~」 「じゃあ他にどんなのがあんだよ?」 「……自分の胸に手を当ててみれば?」 俺は黙って、胸に手を当てて、 「……心当たりがねぇな」 と、すっとぼけた。 なぜならこれ以上は都合が悪いから。 「……フン、忘れたとは言わせないから」 「……わ、分かってると思うが、言わなくていいからな?」 言いながら、しまった、これじゃあフリになっちまうじゃねぇか、と思ったのはご愛嬌だ。 俺の葛藤などつゆ知らず。桐乃はその丸い顔を僅かに膨らませ、バッチリ決めたメイクの下から綺麗な赤い頬を表にだして、 「……あ、アンタ、が……あ、アタシの胸、を……さ、触ってきたこと……とか」 「だから言わなくて良いって言っただろうがよぉ!」 やっぱりこうなるお約束! ていうかやめて! あれは全部過去の過ちなんだよぉ! それに、言ってる自分が恥ずかしがってんならそもそも言うなよなっ! 桐乃の暴走はさらに続いて、 「アタシを抱きしめて、い……『妹が、大ッッ好きだぁぁぁ』とか、叫んでたこと……とか」 「それはお前も理由知ってるよなぁ!?」 曲がりなりにもお前を助けたんだぞ? それにそのおかげでおかげであやせたんに嫌われちまったじゃねぇか! どうしてくれんだよ、この人生で最大の過ちをよぉ! 「それにこないだだって、いきなり電話してきて『おまえさ、俺のことどのくらい好き?』とか聞いてきたし」 「それっ! ……は……」 黒猫のことが、あったからで……。 でも、コイツには…………いえねぇ。 「それは…………なに?」 「え、と……」 「ねぇ…………何でなの?」 「……な、なんでもいいだろっ?」 すると桐乃は「ッチ」と舌打ちをしたあと、何故かまたも唐突に不機嫌な様相を表情の全面に表した。山の天気みたいな顔面だ。 桐乃はクルリ、とこちらに背を向け、小間使いにかけるような声で、 「…………つーかサァ、出かけるなら出かける、昼過ぎに帰ってくるなら帰ってくる、ってちゃんと言っときなさいよ」 「……え?」 「……今日の予定、狂っちゃったジャン」 と、言ってきた。 ……うっっっっっっっぜえぇぇぇぇぇ!! なに、さっきからよぉ!? 俺何も聞かされてないんですけど!! つか、俺は出かける度にいちいちお前に許可を取って、何時に帰ってくるかってことまで言わなきゃなんねーわけ? それに自分のことは差し置いて、なんで俺がお前の予定に合わせて行動しなきゃなんねーの? 今日も変わらずにお美しくて、そしてそれ以上に理不尽ですこと! いつものこととはいえちっとばかしカチンと来たのだが、予定がどうのこうの言ってたので気持ちを鎮めながら、俺は、 「……それはスマンな。 ……で? どんな予定だよ」 とだけ、尋ねた。 それを聞いた桐乃は、先ほどの表情に、器用にも不満げな様子までつけ加えて、 「メルルの3期に備えてのDVD鑑賞会に決まってんでしょ。 家でやる予定だったのに、アンタがいなくなったせーで中止になったんだから。 沙織と黒いのとアタシにメーワクかけた分、今度なんかしてもらうから」 「何が決まってんだよ!初耳だよ、んなことはよぉ!! つか、そういうイベント事があるときは前もって言っとけよ!!」 いつにましても無茶振り飛ばしてんなぁ、おい! ついつい大声で反応しちまったじゃねぇかよ! 「昨日の夜にチャットで決まっちゃったんだから仕方ないジャン。 ……どーせアンタ”地味子”ぐらいしかつるむ相手いないしぃ~、だったら一日中暇なハズっしょ? ……てゆ~か~、何? なんで出かけてる訳? マジ信じられないんですケドッ!」 こちらを見ずにそう吐き捨てた。 「仕方なくねぇし、地味子って言うんじゃねぇっ! あと、俺にだって麻奈実以外に友達はいんだよ!! だからお前にバッカ構ってられっほど暇じゃねぇの!」 主にシスコン兄貴(俺のことじゃないぜ?)とかな。 それに、最近はあやせに着拒解いてもらったし、相談だってされてんだぜ? ……ま、あやせのことは秘密だけれども。 「っ!……あっそ!」 ぷいっ、と、すげなく返される。 なんかもぉ、ツッコミ所が多すぎで、どこから手を付けていいのやら。 ……ただ、なんで俺がいなかっただけで鑑賞会を中止にしたのか、という理由だけが良く分からない。 でも、それ聞いたら怒るんだろうなぁ、コイツ。 ま、触らぬ神に祟りなしって言うし、ここは全部まとめてスルーしておこう。 「……あーはいはい。 後であいつらには謝っとくから」 俺が話を切り上げて結論をまとめようとすると、そのことにまた腹を立てたのか、桐乃は、顔だけをこちらに向けて、 「……謝るだけじゃなくて、行動で示しなさいっていってんのっ! あと、ハイは一回って小学校で習わなかったの、アンタ?」 と、訳わかんねぇことを口走った。 ……もうツッコマねぇぞ? 俺は。 このメンドクサイ妹様をどうやって言いくるめようかなぁ、と思案していると、「ふたりともぉ、何してるの? はやくしなさーい!」、というお袋の声が階下から響いた。 ――久々にナーイス、お袋! 「……ほら、飯だってよ。早く行こうぜ」 にやけてしまいそうになる口元を必死に引き結びながら、俺は桐乃にそう言った。 桐乃は言い足りなさそうな様子だったが、俺の言うことにも一理あったためか、 「……この続きは後でするから」 ブスッとした様子でそれだけ言って、ポスポス、とスリッパで大きな音を鳴らしながら階段を降りて行った。 「……ふぅ」 なんとなく勝利の余韻に浸りながら……、 俺は、部屋の電気を消した後、自室のドアを閉めてから桐乃の後に続いた。 今の俺なら、カレーに味噌汁とかいう訳の分からん組み合わせでも、嬉し泣きしながら食べられそうだった。 ――夕食後。桐乃の自室。時刻はおよそ、7時ジャスト。 先ほどのものは負け惜しみを隠すためのポーズだと思っていたのだが、どうやら考えが甘かったようだった。 食べ終わった食器を流しへと運び、その足で階段を昇ってきた俺だったが、ピタリ、と、歩調を止めて、階段の途中でしばらくの間立ち止まってしまった。 なぜかって? そりゃ、 「……何してんだよ、んなとこで」 桐乃が俺の部屋の扉に寄りかかり、訳の分からない証明問題でも解いてそうな難しい顔して佇んでいたからだ。 俺からしたら不機嫌な顔して怒っているようにしか見えなかったが。 「……フン」 桐乃は、ちらり、と、大きな瞳を細めてこちらを一瞥すると、無言で自分の部屋の前まで歩を進めた。 醸し出される雰囲気から察するに、どうやら”ついてこい”という意味らしかった。 あってんのかどうか知んねぇけどさ。 「……やれやれ」 どうやら高坂家きっての可愛いお姫様は、まことにご立腹のようだ。 背筋をピン、と伸ばした、その細っこい背中をしげしげと見つめつつ、俺は、いそいそとあいつの後に続いた。 ばたん。扉を閉める。 「……」 相っ変わらずの甘ったるい匂い。ここ最近、まぁ、数えられる程度のことだけれども、こいつの部屋を訪れたものだ。だが、なぜだか一向に、この匂いにだけは慣れることが出来ないでいる。 これから先も慣れることなどないと思うが。 「あんたはそこね」 ベッドに腰掛けながら桐乃は、ポイっ、と、見覚えのある猫のクッションをこちらに投げて寄越し、剥き出しのフローリングに座るよう俺に要求した。 少し既視感を覚える。最近のものだ。だけどそれは勘違いだともすぐに分かった。 ……もう、一年も前のことになったんだな。 一年前……初めてコイツに人生相談をされた時とは、同じ様で、ほんの少しだけど違う状況だった。 あのときはこちらから座布団を要求した。けれど、今回は、桐乃が何も言わずに座布団を渡してくれた。 「……」 もしかしたら気まぐれなのかもしれない。 もしかしたら偶然近くに座布団があっただけなのかもしれない。 だけど俺は、この一年間で僅かに変わった俺と桐乃との間にある距離を見て、こみ上げてくる嬉しさを隠せずにはいられなかった。 だってよぉ、”ほとんど”変わってねぇんだもん、一年前とさぁ。 「……何? なんでいきなりニヤケてんの?」 桐乃は、疑惑半分困惑半分、と言った様子を表情全面に出した。 いや、しかめっつら成分の方が若干多いのかもしれないな。 そしてまぁ、そのしかめっつらには、『超キモいんですケド……この変態』とでも書かれてありそうだった。 「……くく」 その気持ちは分かるよ。お前からすれば、お前が座布団を投げた瞬間俺がにやけだしたんだから。俺だってお前と立場が逆ならお前と同じことを思うだろうよ。 ……けど、仕方ねぇだろ、表に出てきちまうもんはよぉ。 「……あぁ、いや……なんでもねぇんだ。ホント」 ホント、なんでもねぇ。 ただ、悪くはなかったな、って思っちまっただけだからさ。 こんな風に変わらない関係がいつまでも続けばいいなってさ。 「……ま、アンタがキモいのなんていつものことだケド」 そうだな。 今回ばかりは反論の余地もないよ。 だから俺は話題を変えることにした。 「……で、何したらいいんだ?」 「……ホント、アンタ一体どしたの? マジでキモいんですけど……」 人生相談ではないことはもちろん知っている。ただ、今の俺は気分がよかったのだ。 ついつい尋ねてしまう。 「……ふん。ま、イイけどさ。……さっきの続きに決まってんでしょ」 「さっき?」 「そ。さっき廊下で言ったっしょ? この埋め合わせはとってもらうからって」 「……あー」 「で? なにしてくれるわけ? 言っとくけどぉ、アタシ、結構期待してるんだよね~」 ふふん、と口元を綻ばせながらにやけだす桐乃。その姿だけ見ると、年相応に幼くて非常に可愛らしかった。 発言自体は全然可愛らしくなかったがな。 ……てか、やっぱりその話はしないといけないのか。 つくづく面倒な話だ。気分が良いからって、何でもかんでもモノを言うもんじゃねぇな。 また面倒事に巻き込まれそうだ。 あーあ、失敗した。発言には、今度からはもっと気を付けないとな。 漠然と、そんな風に思った俺だった。 だが、言葉にする以上にそんなに嫌な気分でもなかったことも、なんだかちょっとくやしかったのは事実だ。 「……じゃあ例えば、どんなことしたらお前は喜ぶんだよ――?」 俺と桐乃の大声交じりの交渉は、30分もの長い時間に及んだ。 ―――7時半、自室。 先ほどまで桐乃の部屋に連れて行かれていた俺は、ようやく自室に帰ることが出来たことで、少し安心していた。 フゥ、と、ベッドの端に腰かけながら、一息を吐く。 緩慢な動作で、俺はポケットから携帯を取り出し、アドレス帳から”田村麻奈実”の項目を見つけ出す。先ほどの勉強で分からなかった所を質問するためだ。 ……ちなみに、俺は桐乃との一方的な交渉の末、秋葉原でメルルのグッズを買うことを約束させられた。 メルル関連の商品をほとんど網羅している桐乃には意味ねぇんじゃ、と思ったのだが、そこは桐乃。抜かりはなかった。 一緒についていき、その場で持っているかいないかを判断するのだそうだ。 だが、そこで当然のように疑問も生じたわけで。 『だったら俺いらねぇじゃね?』と思って、 『金やるから自分で行けっ!』と、言うと、 『それじゃあ意味ないジャン。……何言ってんの?』と、蔑んだ視線で逆にバカにされてしまった。 ……なんなんだかなぁ。 最近、ドンドン理不尽になっていってるような気がするぞ、俺は。 「……」 ……ま、それはそれ。別のはなしだ。 俺は無機質なコール音をカウントしながら、パラパラ、と分からなかった箇所を捲った。 先ほど解いた時、後で復習をしやすいように、と付箋していた問題のほとんどが、数学。 ……しょうがねぇだろ? 数列とか三角関数とかわからねぇんだもん。 ノートを開いたままにしておく。 4回目。5回目。6回目。コールのカウントが淡白に過ぎていった。 7回目で、ピッ、と、音の趣が変わり『は~い』という、妙に聞き慣れた声がスピーカーから聞こえた。 ……ほっとする。 俺は、どうしようもない落ち着きを押さえきれずに、 「よう、麻奈実」 と、平坦な声色で切り出した。 『こんばんわ~。……どうしたの、きょうちゃん?』 そしてそのまま、会話を続けた。 「ちょっと、な。……今、時間だいじょうぶか?」 『うん。だいじょーぶだよ~』 例え機械越しだったとしても、やっぱり、こいつの声は落ち着く……。 声だけじゃなく、こいつの持つ雰囲気も一役買っているのかもしれないが。 「あー。まぁ、数学の話なんだけどよ。……分かんねぇ問題がいくつかあってさ」 『うんうん』 「ヒントっていうか、解法の方針みたいなものを教えてくんねぇか?」 『ふふ。うん! もちろんだよ~!』 「サンキュー」 『その、それで……どんな問題なの?』 「あー……ちょっと待っててくれ。……あぁ、あった、これだ。えー、携帯越しで悪いけど、えっと……ⅡBのチャート式の412ページに載ってる――」 分からなかった問題と同じものが載っているページを口頭で説明していった。 麻奈実がそれに、逐一答えてゆく。 「……なるほど――」 『……そうそう。それでね~、そのnが――』 そんな調子の会話が続き、一通り聞き終わると、気付けばくだらない日常会話に。 ふとした拍子に覗いた壁時計を見ると、短針がひとつ進んでいた。 要するに、8時30分くらい。 これ以上はあいつの邪魔になってしまうと思い、俺は、 「――じゃあ、そろそろ自分でやってみるわ。邪魔したな」 と、申し出た。 『そんなことないよ~。 ……それじゃあ、勉強頑張ってね、きょうちゃん』 「おう。お前もな」 『うん。……ありがと』 ピッ。 終わりも始まりと同様、無機質な効果音で終わった。 だけど心は無機質なんかじゃなく、穏やかな気持ちで一杯だった。 ――こういうの、郷愁って言うのかな。 やっぱおばあちゃんっていいなぁ、なんてことを思わず思ってしまうほどに、全てが満たされた。 そんな柔らかな気持ちの中、俺は携帯の通話終了ボタンを押そうとした。 押そうとして、しかし、ふと、何かが脳裏をかすめた。 ――何だろ。 ……何か、もの凄く大事なことを忘れているような……。 「……ま、いいや」 その内思い出すだろ。 そう思い直して、俺は件のボタンを押した。 通話中の画面が待ち受け画面へと戻り、俺は安心しながら携帯を閉じた。 そのまま携帯をベッドに放り出し、携帯と同じように、ベッドの上でごろんと横になった。 目を軽く閉じて、つかの間のまどろみに溺れる。 麻奈実との会話で得た穏やかな感情が、余計、俺を深海へと誘う。 そんな夢と現との間をゆらゆらと彷徨いながら、俺は今日一日の出来事を、ぼんやりとながらも、軽く思い返してみた。 ――あやせと会って、桐乃の話を聞いて。 桐乃のストーカー被害に悩んでいたあやせ。 神経質になりすぎるほどに、頑張って解決しようとしてたっけ。 だからこそ、心の底から互いのことが好きなんだってことが分かるくらい、一途な友達関係を築けている二人。 性別や容姿。その他諸々の要素を全て差し引いたとしても、俺は、あいつらが羨ましかった。 無条件にあそこまで俺のことを思ってくれる人。 そんな人は、いままで、俺の周りにいただろうか……。 「……なに言ってんだか」 他人と比較するなんてことは間違っている、か。 それに、こんな受動的な態度じゃあ出来るものも出来ないだろう。 例としては悪いが、俺と桐乃の今の関係も、受動的なものだった場合はありえなかったものだろう。 「……それに」 それに、少なくとも……。 親父と、お袋。 それと、もしかしたら、麻奈実や、沙織。黒猫。あやせ。赤城。……桐乃。 両手で数えられる程度の人数。 だけど、俺にだっている、大事な人たち。 こいつらを守るためだったら、何だって出来るって思えるほどの、かけがえのない人たち。 ちゃんと、いるじゃんか……。 「……」 ――やば。 より深くに溺れる。これ以上溺れると、沈み込んでしまうほどのところまで。まだ勉強をするつもりだったのに、これじゃあできなくなっちまいそうだ。 ……でも、たまには、こんな日があっても……。 プルルルルッ。 「っ!」 耳元に轟く着信音。 深海から強制サルベージされて、意識が覚醒する。 思わずベッドから跳ね起きて、微かに焦点の合わない目で、誰からなのかを確かめた。 「……あや、せ?」 表示されたデジタルは、”新垣あやせ”。奇しくも俺の、マイエンジェル。 ……いかん。自分でも何言ってんのかわかんねぇ。 ここは寝ぼけているせいだということにしておこう。 とりあえず無視するわけにもいかなかったので、おそるおそる携帯を開き、俺は通話ボタンに指をかけた。 ピッ。 再度聞くこととなった効果音。それにあわせて、俺は、寝起きを隠すため、努めて明るく声を出そうと――。 「――おにいさんっっ!!」 ――して、無理だった。 耳を劈くほどの大きな声。それは、あやせが紛れもなく怒っている証拠で。 だから俺は、情けないながらも、小さな声で、 「……はい?」 と、返すので精一杯だったからだ。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/432.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1299681223/216-219 最初に好きになったのは、声。 それから大きな掌と、どこか含羞のある笑顔。 気付いたら視線が引き寄せられていた。 私の…友達の、お兄さん。 真っ直ぐな目で私を見てくれるひと。 私のためにどれだけ必死になってくれたか。 私のことを心底思いやってくれているか。 それを知ったとき、それを実感したとき、私の心の奥底に、不思議な火が灯った。 その火はあの人の顔を見るたびに熱くなり、あの人の声を聴くたびに大きくなった。 その火は炎となり、私の胸の底に疼きを産む。 ただの肉体に過ぎないと思っていたこの身体が、熱く火照ってしまう。 この薄汚れた現世の、仮初めの肉体があの人を見るたびに脈動する。 心臓が尋常じゃないくらいに胸の中で踊ってしまう。 うまく呼吸ができない。 あの人の匂いを嗅ぐだけで。 あの人の近くに居るだけで。 私のこの現世(うつしよ)の身体は熱く滾ってしまう。 夜、布団の中で目を閉じると浮かんでくるのはあの人の顔。 朝目が覚めて、最初に聴きたくなるのはあの人の声。 それだけで。 それだけで、この仮初の肉体は熱く甘く蕩けていってしまいそうになる。 それが恋だと認識したのは、しばらく後のこと。 そう。恋。 小説の中では何度も読んだことのある、感情。 それは虚構の中のできごと。そう思っていた。 創作のなかでは書いた事はあるが、私の上には訪れないと思っていた生の感情。 そう考えていたその感情を私は生まれて初めて実感していた。 恋。 そう。恋。 ばら色の感情。 あの人のことを考えるだけで幸せになれる。 あの人の姿を見るだけで、心の底が浮き立つような感情に浸れる。 あの人がメールをくれるだけで、世界の色彩がうきうきと回りだす。 恋とはこんなに苦しいものだと、私は今生(こんじょう)で始めて知った。 あの人のことを思うだけで底知れぬ多幸感に浸れるということを。 あの人の声を思い出すだけで、胸の奥が切なく甘く疼くということを。 あの人の匂いを嗅ぐだけで、体の芯が熱く震えてしまうということを。 そう。恋。 ……でも。 でも。 それが実るはずがないということも、私は判っていた。 こんな肉体の私を、あの人は好いてはくれない。 薄すぎて女の子らしくない胸。 華奢すぎる肉体。 そんなものをあの人が好いてくれる筈が無い。 あの女、あの人の妹より格段に女の子らしくない身体。 沙織なんかとは比べることすら恥ずかしいくらい、小さな胸。低い背。 そんな冷徹な思考は私の胸の中心に鋼の冷たく暗い杭として打ち込まれる。 どんな滾りも、あの人が私の想いに答えてくれるはずがないという現実が打ちのめす。 あの人を想って、初めてしてしまった行為。 私の薄い胸の先端の突起を指でなぞる。 これはあの人の指。 そう思い込んで薄い胸に指を這わせる。 妹たちと並べた布団の中で。 妹たちが寝入った後で。 こっそりと、パジャマの中の下穿きの内に手を差し入れる。 同時にあの人の声を脳裏に思い浮かべる。 あの人の体温が私に伝わってくる。 あの人の声。あの人の匂い。あの人の優しさ。 妄想の中だけでも、それに耽溺することは無常の喜びだった。 ゆっくりと指を這わせる。 濡れたあそこに、かすかに指を触れさせて 枕カバーを噛み締め、声が漏れそうになるのを防ぐ。 絶頂が近くなるにつれて、涙が零れてしまう。 あの人は、別の人を好きになってしまう。 あの人は、私じゃない人を好きになる。 あの人の優しい視線は、私以外の誰かに注がれる。 あの人が微笑む相手は、私ではない他の誰か。 妄想の中でもいい。 そう思って私は息を殺しながら手指を動かし自涜に浸る。 そうでもしないと溢れてしまう。 そうでもしないと破裂してしまう。 あの人を思って。 あの人の声を思い浮かべて。 私は背徳の悦楽を極めていた。 重荷を心に抱いたまま、あの人からは離れられない。 妹の友達でもいい。 近くにいられるだけでいい。 そう思っていた。 この人の近くにいられるだけで幸せ。 それ以上は望むまい。 そう思っていたとき。 「黒猫。俺と、付き合ってくれ」 言葉が出てこない。 唇は動くけれど、言葉は空気の中に溶けていってしまう。 「俺の彼女になってくれ」 夢。 きっとコレは夢。 夢だから、この人は私の夢見ていた言葉を言ってくれている。 きっとそう。そうに違いない。 ――夢なら、覚めないで。 心の底からそう願った。 気がつくと、目の前はすべてが制服の胸だった。 温かい。 この人の胸は、まるでその人となりを現すみたいに暖かかった。 その腕に抱かれて、その胸に顔を埋めているだけで、足が地に着かないくらいの多幸感に洗われてしまう。 足の裏からゾクゾクするような喜びの感覚が沸きあがってきて、それが私の背筋を通って登ってくる。 そして脳天から爆ぜるように突き抜けていく。 いつの間にか、私はこの人の腕の中に包まれている。 頬を押し当てているのは、意外に筋肉質なこの人の胸板。 親友のお兄さんの、固くて熱い、大胸筋。 大きくて優しい掌が私の頭を撫でてくれている。 指が太くて、力強くて。でも、そっと触れてくれてるその優しさはまるで私の心に直接触れているみたいだった。 「な、なにを、いきなり、言っているのよ」 恥ずかしすぎてそんな言葉しか紡げない自分の舌を噛み切りたくなった。 「俺は黒猫のことが好きだ。黒猫のことが可愛くてたまんない。黒猫が大切で、大好きだ」 呼吸が止まった。 息ができない。 胸の奥が苦しい。 温かい波が胸の奥から湧き出てくる。 全身の骨の芯が甘くなって溶けてしまいそう。 この人の制服の背に掴まった掌さえ、力が抜けてしまう。 体重をこの人に預けながら、息のできない胸で必死に声を出す。 「…わ……わた…し…わたしも、よ」 必死に搾り出すようにそれだけを答えた。 そう口にした途端、私の足は重力を感じられなくなった。 宙に浮かんでいるかのような高揚感。 この人が私を思ってくれているという喜び。 私の好きだという気持ちをこの人に伝えられたという 熱い。熱い、灼熱が私の唇を覆っていた。 それがキスだと気付いたのは彼が私の頬に手を当てたときだった。 舌が蕩けてしまいそう。 唇から伝わってくる熱い感覚。 涙で溢れた瞼を開いた。 すると、その瞬間から世界が変わった。変わってしまった。 彩りという言葉の意味を知った。 世界が突如として色を持った。 私が今まで見ていた世界の色は色じゃなかった。 この人のことを好きになる前には考えられなかった。 私の腕を掴んでいる太くて、力強い掌。 それが私の手首を軽々と掴んで私の体を抱きしめている。 言葉なんかにはできない。 甘い甘い痺れがこの人に触れられた肌から伝わってくる。 私の骨の芯を甘くしていく。 グズグズに蕩かしていってしまう。