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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1330012485/552-557 「もちろんだ」 京介はとても優しい声でそう言った。 ……この兄貴は、こういうところがズルいと思う。 いつもはダラけたような感じで、誠実さの欠片も感じられなくて、あたしをイラッとさせる癖に。 こういう時だけ、誠意の篭ったような声で、そんな台詞を吐くのだ。 そんな声出されたら、抵抗なんて出来ない。 恥ずかしさの余り、力が入ってしまっていた足から力が抜ける。 ああ、つ、ついに……あたしはエッチを体験しちゃうんだ。 エロゲで幾度となく体験はしてきたけど、でも実際とはぜんぜん違う。 何より襲う側じゃなく、襲われる側としてなのだ。 「い、行くぞ?」 あたしの大切な部分に、熱いモノが突き当たる。 「う、うん」 そしてあたしはそのモノの侵入を許可する。 入り口部分を熱いものが入ろうとした時、ピリとした痛みが走った。 けど、そんなに痛くない。この程度なのだろうか。 それよりも熱いものが入ってきているという高揚感の方が強かった。 うあ、うあああ……。は、はいってきてる、今、あたしはエロゲのヒロインと一体になってる。 分かる、分かるよぉ、今なら、エロゲのヒロインたちの心境が。 お、おにいちゃん、はいってきてるの、分かるよ? という気分をまさに今体感しているのだ。 「き、桐乃。大丈夫か、痛くないか?」 京介はそんなあたしを気遣って声を掛けてくる。エロゲの主人公みたいだ。 「う、ううん。ちょ、ちょっと痛いけど、そんなでもない、カナ? ……全部、入ったの?」 少し痛いけど、健気に主人公の為に我慢するあたし。 「……い、いや、まださきっぽも入ってないけど」 ……はい? え、さ、さきっぽも入ってないって……? え、え、ちょ、あ、あんた待ちなさいって……! 「……~~ッ!!」 い、いったああああああああっ!! い、痛すぎるんですけどっ!? しかもまだ入ってくる……って!? 「た、たんま……!」 「え、お、おう! つ、つか大丈夫か、おまえ、半泣きだぞ?」 大丈夫なワケないでしょっ! メチャクチャ痛いっての! あ、あんた殺す気!? 「……ちょ、ちょっと待ってて。い、今、覚悟決めるから」 そ、それでも止めるワケにはいかない。 このヘタレ兄貴の事だ。今止めるっていったら、次の機会まで数年ぐらい期間を置きかねない。 その間に違う女に唆される可能性がある。 べ、別にさっきの兄貴の言葉を信じてないワケじゃあ……無いんだけど。 でもすっごい不安なんだよね。 それに兄貴の意思を関係なしに襲われる事もあるかもじゃん? 想像してみる。 それはそれはサイアクだった。 襲われたのに関わらずそれに対して責任を感じちゃってあたしから離れていく京介。 幾らあたしが声を張り上げて止めても、京介は…………。 「……桐乃、無理しなくても」 「うっさい! 今覚悟決まった! うっし、さあ、来なさいよ! あたしは、負けないからっ!」 「うお、お、おお。わ、わかった」 あたしの気合の入り方に、京介は少しビビってるようだ。 ……ま、まあ、ちょっとあたしも気合の入れる方向が少し間違えてた気もするけどっ。 で、でも仕方ないじゃん。あ、あんたが盗られると思ったら……。 ぐぐぐ、兄貴のが少し入ってくるだけで、激痛が止まらない。 涙が出そうになるのを堪える。泣いたらこのバカは絶対に止める。 な、泣いてみせるものか……っ! あ、あんたはあたしの、なんだから……! 声も涙も我慢して、それこそ永遠とも思える時間を我慢して、ようやく動きが止まった。 「……ぜ、ぜんぶ、はいった?」 「ああ……。桐乃、ありがとうな。……すっげえ気持ちいい」 優しい表情でこちらを見ている。ただそれだけで、先ほどの苦痛が報われた気がした。 今だって痛い。ホント痛い。マジ死ぬって感じ。 エロゲのヒロインたちみたいに、少し痛いけど、気持ちいい方が強いの!みたいな台詞は全く出てこない。 痛いって感覚だけで、全然気持ちよくなんてなかった でも……。 「………う、動かないの?」 「え? いいよ、無理すんなって。それにこうしてるだけでも凄い気持ちいいからさ」 京介の顔を見ていると、心が凄く嬉しくなる。 気持ちいいと言われるだけで、痛みが感情で上書きされていく。 ……あの兄貴が、あたしで気持ちよくなってる。 あたしはまだまだ痛いし、少し動かれただけで涙が出そうになるけど。 「動いて……いいよ」 「大丈夫だって」 …………。 ムカッ。 「動けって、言ってんの! 早く動きなさいよ!」 「うえ!?」 あたしの言葉にたじろぐ京介。 「だ、だって痛いんだろ? おまえ、すげえ痛そうな顔してんぞ?」 「痛いに決まってんでしょッ! は、はじめてなんだからっ! それまで指だって入れた事なかったし……!」 けど。 「でもムカツクの! あんたに気遣われているのか、なんかムカツクの……! いいから、動いてっ! あ、あんたが気持ちよくならなきゃ……」 いくら、気持ちいいって言ってくれても。 そこに遠慮があるのなら、あたしはそれを壊したい。 「あんたが全力であたしを愛してくれなきゃ嫌ッ……!」 「き、桐乃……」 「いいから、動いて……っ! あんたはね、あたしで気持ちよくなる事を考えればいいの! んでもってあたしを気持ちよくしてくれればいいから……! 全力で、あたしで気持よくなってよ……!」 手加減なんてしないで。 遠慮なんてしないで。 あんたが、男で、あたしが、女だって信じさせて。 兄があんたで、妹があたしで。 それでもその垣根を超えたんだって。 男のあんたで、妹のあたしを愛して。 「……ッ! く、わーった、わかったよ! どうなっても、知んねえからな、このバカッ!」 兄貴が、あたしの腰を抑える。 「言っておくが、俺の全力はヤバいぜ……?」 「ふん……、やってみなさいよ。あんたの全力ぐらい、あたしが受けきってみせるっての」 息を吸う。そして、覚悟を決める。 ハッタリじゃないってところを見せてみせる。 言っておくけどね……、あたしの愛の深さを舐めんなっての! 「……桐乃、愛してる」 「…………、ッ!!」 あたしがつい力を抜いてしまったタイミングで、京介の攻撃は始まった。 手加減が無い、激しい攻撃。 一挙一動があたしの身体にもたらす痛みはどれも激痛。 痛い痛い痛い痛い痛い……でも、負けない! 兄貴が、あたしの身体で果てるまで、この勝負は終わらない…! 「…………」 「へっ……どうした。止めて欲しいなら、素直に言えよ?」 「……ちゅーして」 「…………ッ!!」 こちらに情けを見せようとした京介に、あたしからも攻撃を仕掛ける。 京介のが、あたしの中でビクンと跳ねた事が分かる。 ふっ、これがエロゲ仕込みの技よ! 大抵の主人公はこれで逝っちゃうんだからっ! しかし、一度跳ねただけで京介は耐え切った。 流石は幾つものエロゲーを乗り越えてきただけある。 あたしの攻撃を耐え切った京介はあたしを見て不敵に笑って反撃に転じる。 「よ、よし。わかった、ちゅー、してやる」 「……え、~~ッ!!」 あたしの返事も待たずに京介があたしの唇を塞いだ。 そして。 ……あたしの中の何かが弾けた。 「ど、どうだ」 「……たりない」 「え?」 「もっとちゅーして。たくさんちゅーして。ちゅー。早くちゅーして」 「き、桐乃?」 あたしの正気を確かめるような表情をしてる暇があったら早くあたしにちゅーして。 戸惑ってる暇があるなら、早くあたしにちゅーして。 「お、おまえ、なんか目が据わってるぞ」 「うっさい。あんたがしてくれないなら、あたしからするから」 「へ? おわっ、いきなり起き上がるなって……」 身を起こして、京介の首へと手を回す。ホールド、成功。 「き、桐乃さん? そ、その笑顔が怖いんですが」 「ん~? んー……」 笑ってるカナ? んー、まあいいや。ちゅーしよ。 「ちょ……、ッ! た、た、ッ!! すと、ッ!!!」 京介が何かを喋ろうとするがそんなのはどうでもいい。 どんな事より、ちゅーが先。ちゅーしてから物事は考える。 それだけが真理で、それだけが摂理。 ちゅ、ちゅ、ちゅ、……ちゅ、ちゅ、ちゅちゅちゅちゅちゅちゅ。 キスして、キスして、キスして、何度も何度も唇を合わせる。 キスする度にあたしの中で京介のがぴくぴくと跳ねる。 それも面白くて、更に沢山のキスを重ねる。 「好き、好き、好き、好き、好き好き好き好き好き……好き」 一つ好きと言って、一つキスを重ねて、何度もキスを重ねている内に、徐々に後退っていた京介はついに布団に仰向けに倒れてしまう 。 体勢が変わってあたしが、上。 「お、おい、き、桐乃……?」 あたしが、上。ふ、ふひひ。あたしが上。ふひひひ。 なんか下でバカ兄貴がなんか言ってるけどどうでもいいし。 あんたは、これからあたしにキスされ続けるんだから覚悟してなさい。 ぺろ、りと舌舐り。兄貴の唾液の味がする。 胸がきゅんきゅんする。あそこもじゅんじゅんする。 「兄貴……兄貴兄貴兄貴兄貴兄貴」 頬に、鼻に、瞼に、額に、顎に、首に、耳に。 沢山のキスの嵐を降らせる。 その度に京介が照れた様な表情を浮かべるのが堪らなくあたしを興奮させる。 「ふひひ、でもやっぱここだよねー」 兄貴の唇をなぞる。ここが一番、キスしていて気持ちいい。 「き、桐乃、わ、わかった、お、おれの負けでいいから……」 「うん? なにいってんの? なんか勝負してたっけ?」 「し、してた……よな?」 ふーん。ま、いいか。 キスしよ。 兄貴とキスしよ。 京介とキスしよ。 キスしてキスしてキスしてキスして、そこから考えたっていいよね? 「ちょ、俺の話を聞けって、これ以上ちゅーされると俺の限界が……」 「うっさい」 チュッ。 京介のがおっきくなってびくびくっとしている。 チュッチュッ。 でもそんなの知らない。 チュッチュッチュッ。 唾液と唾液を混ぜて。 糸が引きあって。 口元がベタベタで。 でも目がギラギラで。 唇を何度も何度もあわせていく。 あたしが、正気に返ったのはそれから数時間後の話で。 その時、京介は何か凄く疲れきっていて。 何か下が偉い事になっていて。 よく分からない内に、何か京介は大変だったらしい。 「ふーん。なんか知らないけど、疲れてるならあたしがちゅーしてあげよっか?」 「断固として断るッ!」 「えー」 これから先、あたしと京介には様々な障害があるだろう。 それだけは間違いない。殆どの人があたしたちの敵となり、仲を裂こうとするだろう。 でもそれはたった、それだけの事だ。 京介の隣にあたしが居られるのであれば、世界を敵に回したって構わない。 ただ、それだけの事。 それに隣に京介が居るって分かれば、あたしはなんだって変えられそうな気がするから。 目を閉じれば見えてくる。 苦難の果て、笑顔に囲まれて祝福されるあたしたちが。 「……どうした?」 「……別に」 ――繋いだ手は、もう離さない。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1281447547/492-495 世の中いろんな不幸があるが、中には珍しいのがあって「幸せな不幸」なるものが存在すると俺は思う。 例えば女の子との待ち合わせまであと10分ほど余裕があるのだが、その途中立ち寄った公園で野良猫にえらく懐かれ、膝の上に座った上にその場に落ち着いてしまいヘタレた空気椅子状態で 身動きが取れなくなってしまう、などがソレだ。(無論、この場合主人公は猫大好きである) 猫になつかれた幸せと、待ち合わせに間に合わなくなるストレスに板挟みにされた格好であるが、まぁ、今の俺のおかれた状況からすればそれはまだ微笑ましいといえる。 少なくとも待ち合わせをした女の子は多少遅れたくらいで臍を曲げるようなやつではないし、仮に臍を曲げて怒り心頭だとしても 缶ジュース一本で機嫌が直るお人よしなのだ。 その点、目の前にいる二人の美少女はやや性質が悪い。否、やや、というの寧ろ失礼に値するとすら思える。 片や警報ブザー常備で二言目には通報だの死ねだの(秘密だが俺は密かに彼女は鞄の中にスタンガンを忍ばせているのではないかと踏んでいる)ととても冗談が通じそうにないお堅い人間で、 約束を破りでもすればそれこそ仮に級友といえど命の保障すら危ぶまれるほどの危険度の高さを誇る。 もう片や危険度自体はさほど高くないものの、はその毒舌たるやこの上なしの古今無双(多分、桐乃をほんのちょっぴり凌駕してる)であり 口を開けば無尽蔵に放出される罵詈雑言に耐えうる精神の持ち主はこの俺を置いてほかにないに違いなかった。 それでも、とはいっても、所詮は年下である。 この俺様の手腕にかかればどうとでも料理できる…一人ひとりであれば。 つまりだ、今俺の置かれた状況を分かりやすく説明すると、寄りにもよって俺の知る限り最も危なっかしいこの二人の美少女とファミリーレストランでお食事ているのだ。 ちなみに俺はおごりでタダである。 …いやちょっとまて。 今もげろって言った奴いただろ?いたよな? 聞こえたぞおい!お前だよ、お前! 分かってないよ。お前は何も分かってない。 確かにさ、最初の文で例えた「野良猫に懐かれた」ってところにあたる「二人の美少女とお食事」ってのは嬉しいよ!? そりゃうれしいさ。健全な男子高校生なら誰だって悦ぶに決まってる。 だけどさ、不幸分が桁違いにデカイんだよ。もう、どうしようもないくらいに。 割合で言うと幸福1%対不幸99%。 板挟みってレベルじゃないんだよ。一方通行に押し流されてんだよ。 つか、注文して食事が来て今半分ぐらい食い終わってるんだけど未だに一言も喋ってないよこの二人! 「…うん、この新メニューの鬼おろしハンバーグけっこう旨いなぁ…」 「…」 「…」 ほらな!ほらな! さっきからずーーとこんなんだよ 時たま食器とナイフがカチャ、カチャと触れる音が居たたまれねぇよ! 俺は涙目で猛烈に湧き上がる嘔吐感に堪えながら鬼おろしハンバーグ定食を黙々と口に運んだ。 何かを入れていなければ、胃酸で胃に穴が開きそうだ。 何故こんなことになったのか。 実は、未だに俺も理解できていないのだが、起きたことを有りのままに話すと以下の通りである。 数時間前、俺とあやせは例のブザー事件により「不審者注意」なる看板設置された公園を避け、新たな会合場所を開拓しに町をさ迷っていた時だった。 俺のかぶっているキャップを見てあやせが自分のものであると気づき、俺がうなずいた。 「ああ、あの時のだ。悪いけどこういう状況だし、もうしばらく貸してくれないか?」 「お兄さんに貸した覚えはありませんが…まぁ、仕方ありませんね…」 渋々とうなずくあやせ。 そんなに俺にかぶられるのが嫌かとがっくりすると、何か閃いたかのようにあやせが此方を向いた。 「そうだお兄さん!」 「ん?」 「今から買いに行きませんか?帽子。」 「え?今から?」 「はい。」 立ち止まって改まるあやせ。 俺も足が止まる。 「実は私、前々からお兄さんにお礼がしたかったんです!」 「お礼って、…ああ、この前も言ってたな」 そういえばこの前電話で言ってたお礼って何だったんだろう? 「…以前のお礼はお気に召していただけなかったようですので」 「なぁ、その事なんだがこの前のお礼って一体なんだったんだ?」 むぅ、とあやせのほほが膨らむ。(←かわいい) 「もう其れは良いです!」 「え、そうなの?…ま、まぁ、それはともかく、お礼ってことは、お前が選んでくれるのか?言っとくけど俺はモデルが選ぶような帽子を買えるほど 金持ちじゃないぞ」 妹と違ってな。 「大丈夫です。値の張るものだけが良い物ではありません」 「つってもなぁ…」 煮え切らない俺の態度にあやせが少し苛立ちを含んだ目で俺をにらんだ。 「何かご不満でも?」 「いや、不満とかは無いんだが…、いまから東京に出るとなると時間が、な。」 まだ明るかったが、すでに午後の二時を回っていた。 「ああ、そんなことでしたか。大丈夫です。駅前に良いお店がありますから。」 「駅前?千葉駅の?」 「はい。以前仕事帰りに見つけたメンズショップなんですが、中々センスの良いものが多かったので」 ということは、態々俺の為に中に入って見てくれたという事のになるのか。 あやせは返事が遅い俺を不安そうに覗いてくる。 断る理由が無かった。といか、理由があっても断れないだろ、これは。 「じゃぁ、頼むかな。現役モデル様に。」 「はい、お任せください!」 …うっわ、笑顔超かわいいんだけど。 というわけで俺とあやせは駅前にあるというメンズショップ(狭い割には地上三階建てだった)に向かい、あーでもないこうでもないと悩みつつ(主にあやせが) お洒落でなおかつ学校にかぶっていけそうな灰色の網目の細かいニット帽を購入した。 ちなみに税込み3980円というお値打ち価格(だそうだ)なこのニット帽であるが、残念ながら俺はすでにその時全財産を殺虫剤に貢いでしまっていた。 そのことに気づいて金を銀行から下ろそうと店を出ようとする俺をあやせが呼び止め 「では私が払いましょう」 といって返事を待たずにあっさりと会計を済ませてしまった。 男前というかなんというか、いや、それ以前に年下の、それも中学生に帽子を買ってもらうとか凄い情けない。 というかそれ以前に中学生に薦められた店で中学生に選んでもらって中学生に払わせる高校生ってどうよ? …まぁ、いいか。 いいよな? だってあやせからのプレゼントなんだぜ?ふひひ…。 いいだろ? へへへ。 店の奥で店員がヒソヒソ言ってたって気にしない。気にしなーい。 …聞こえてんだよ…二言目には地味とか…別に貢がせてもねぇよ! 店を出て、猫耳が見えぬよう物陰に隠れ、早速買ってもらった帽子をかぶる。 「似合うか?」 「ええ、もちろん。出来れば服も新調したいところですが…さすがにそれは自分で払ってくださいね」 ジョークのつもりなのかあやせはふふふ、と笑った。 なんていうか、笑い方に感心して一瞬ほうけてしまった。 いや、正直言おう。見惚れた。 なんて上品な笑い方なんだろう。正に女性の笑い方、って奴だ。 俺の周りでそんな風に笑えるのははっきり言ってあやせだけだと思う。 例えば麻奈実はクスクスと小動物のようにわらう。これはこれで可愛いが、いまひとつ女性という感じがしない。 桐乃は論外でゲラゲラといかにも餓鬼っぽく笑うし、黒猫に至っては「ックックック」って何処の悪役だよお前は。 「――――あら、先輩?」 そんなことを考えてたからさ、思わず振り向いてしまったわけですよ。 罪悪感たっぷりな顔でな。 「く、黒猫ぉ!?」 「猫?」 俺の背後であやせが首をかしげるのが気配だけで分かった。 黒猫は制服姿でたった今裁縫店から出てきたと思しき布などが入った袋を持って立っていた。 そういえば夏コミが近い。 黒猫は俺とあやせを交互に見比べえて、なにやら考え込んだ後、邪悪な微笑をもらした。 「これはこれは高坂先輩ではありませんか。いかがしましたかこんな所で?」 あからさまに含みを持たせた敬語が怖いです。 超・怖いです。 「あ、えーっとこれはだな」 「あら?おかしいわね、そういえば今日田村先輩から『京ちゃん今日は風邪でお休みなの。昨日は元気だったのに、心配だなぁ…』 というお話を伺ったのですが、私の聞き違いでしょうか?」 「ぅぁ」 言葉に詰まる俺。 あやせが小声でつぶやいてきた。 「お兄さん、この方って以前ビックサイトで…」 「ああ、桐乃の向こう側の友達」 「なにかあらぬ誤解をさせたようですね…」 「………」 そうだよね。誤解だよね。 うん。わかってるよ。 「でもとても心配そうにしておりましたので聞き間違いではないと思いますが…では見間違いでしょうか? そうですよね、まさか風邪を引いて休んでらっしゃるはずの先輩が実はピンピンしていて何処の馬の骨と分からない女と仲良く駅前でデートなんて ありえませんよね?」 俺とあやせは二人して突っ込んだ。 「っちょ、馬の骨って」 「で、デートじゃありません!」 反応するのそっちかよ。 そこまでして否定しなくていいじゃん。 ぐすん。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288544881/876-879 もしも、京介が桐乃とぶつからなかったら 前編 三日ぶりの風呂を浴びるため、築30年の今に壁を伝う緑に破壊されそうなボロアパートへ帰る途中、 公園のベンチで横たわってうずくまる人影に目を取られた。 ダンボールを布団代わりにしていないので、すぐにホームレスではないことが知れた。 時刻は午後11時をまわり、季節柄、上着一枚で寝れば命にかかわるほど寒かったからだ。 帰宅途中同僚と飲んだ酒が一気に冷めていくのを感じた。 少しためらったが、ため息を吐いて諦めた。…仕方が無い。 疲れた体に鞭を打って、俺は公園に踏み込んだ。 「おーい、大丈夫か?……高校生?」 近づいて確認すると、なんと寝ていたのは女で、中学生か高校生らしき制服を着てた。 体つきは大分大人っぽいので、多分高校生だと思う。 背もたれのほうに体を向け、寒そうに縮こまっている。 短いスカートから伸びた脚が震えていないところを見ると、相当冷えているに違いない。 腰まで伸ばした茶髪がベンチからはみ出しだらしなく地面に垂れ下がって汚れていた。 「……なに?」 俺の問いかけにかなりの間を置いて、小生意気な声で女子高生(仮)が振り向きもせずに言う。 「こんな時間にどうした、家は?」 「…カンケーないし…ナンパ?」 なんだろう、たった一言二言交わしただけなのに、無性に腹が立つ。 仕事で生意気な高校生の相手することがたまにあるで、慣れたつもりではいたが…。 多分、この妙に幼い声色のせいだろう。それにロングの茶髪も気に入らない あと常に上から目線なのが言葉から透けて見えるあたりもだ。 「ちげーよ。つか家に帰るつもり無いなら警察呼ぶぞ」 女子高生(仮)は、カバッと勢いよく振り向いた。 ガラス細工のように整った顔立ちに、につかわしくない皺を眉間に刻みつけて俺に啖呵を切る。 「はぁ?あたしがなんかしたっての!?」 想像以上の容姿に一瞬だけ気負される俺。 なさけねぇなぁ…。こんな小娘に一瞬でドキッとするあたり実に情けない。 それにしてもこんな時間に男に話しかけられてここまで威勢よく切り返せるあたり、たいしたタマである。 滅茶苦茶イラッとくるけど。 だがこういういかにも場かなDQNは経験上、理詰めに弱い。 ふふふ、覚悟しやがれ。 俺は咳払いをして普段詰め込んでいる知識の一部を得意げに開放した。 「お前未成年だろうが、東京都の条例じゃ午後10時以降は…」 「うっさい!悲鳴上げて人を呼ぶわよ!?」 「!?」 な、何だと!? こ、こんな切り返しは初めてだった。 そういえば普段は必ず二人一組で行動しているし制服を着ているのでなんと言うことは無いのだが… 今は私服で悲鳴に人が集まってきては妙な誤解をされかねない。 「…て、てめぇ!」 餓鬼の相手なんてしてられない。 ポケットを探り携帯を取り出す。 「っちょ、ちょっと、なにしてんのよ?」 「警察に連絡してんだ。てめーとは話にならねぇ」 つか滅茶苦茶ムカつくからな。 こんな腹立たしい奴妹以来だぜ。 あー、イライラする。 こっちは久しぶりに仕事から解放されたばかりだってのになんだってこんな餓鬼のお守なんざ… そう思った瞬間、女子高生(仮)は俺の想像を超える行動に出た。 バチ! 「ってぇ、おい!」 「っふん!」 ――――バキィ!! え、ええええええ!? 嘘、マジで? 突然飛び掛って携帯を掠め取ったかと思ったら、その携帯…膝で圧し折りやがった!? いや、いやいや、ちょっとまて…え?なにこれ? 仕事を始めて一年、大分いろんな奴を見てきたつもりだったけど、 いくらなんでもここまでアクロバティックなやつには会ったことが無いよ? 女子高生(仮)は呆然と口を半開きにしているであろう情けない俺を睨みつけて言い放った。 「つかマジでウザい!あたしが何時何をしようが誰にも迷惑かけて無いじゃん!」 いや、俺の携帯… 「ほら、早くどっかいってよ、マジで大声出すよオッサン!」 最後の一言に、俺の堪忍袋の尾が切れた。 「誰がオッサンだゴルァ!」 「キャ!」 女子高生(仮)の両肩をつかみ、力任せにベンチに押し倒して座らせる。 「ちょ、なにすん…!」 ジャケットの内ポケットから取り出したカードケースを開いて突きつけた。 ふふん、これで少しはビビるだろう…。 「…高坂京介?い、いまさら自己紹介?やっぱりナンパ…」 「そこじゃねぇ!!警察手帳ってところに驚け!」 女子高生(仮)はぷい、と顔をそらした。 「はん!それであたしがビビるとか思ってんの?」 「これはな、逮捕する手順だ…器物破損の現行犯でしょっ引かれたくなかったら、 今すぐ名前と自宅の電話番号とここに居た理由を吐いて携帯電話を寄越せ」 「中身見る気!?」 「署に連絡すからに決まってんだろうが!」 この期に及んで何考えてんだこの餓鬼! むーと唇を結んで俺を睨む女子高生(仮) 俺は容赦無くボールペンを取り出し、質問を始めた。 「名前は?」 「こ……りの…」 「んあ?」 「あ、新垣リノ」 いやな響きの名前だ。 俺は続けた。 「家の伝は番号は?」 「……」 「ほら、どうした」 「…携帯に記録してあって、憶えてない。」 あからさまに嘘だった。 どうやらこういうやり取りは、案外苦手なようだ。 「じゃ携帯をよこせ」 「ない」 にべも無く言い放った。 どうにもこいつは人の苛立ち中枢を刺激するのが上手い。 「おまえさっき『中身見る気?』とか言ってたよな?」 「今は持ってない。家にある」 ほら、と立ち上がって上着をヒラヒラさせてみせる。 ついでにポケットも裏返す。糸くずと小銭がいくらか。 「家は何処だ?」 「千葉」 ジーザス…。 俺は署に帰った後の事務処理手続きの面倒さを想像して天を仰いだ。 あそこの少年課のオバちゃん苦手なんだよなぁ… 「何?」 「何でもねーよ。…で、なんでこんなところに居るんだ?」 聞くまでも無いが一応形式上、聞いた。 リノは今度はまっすぐ俺を見据えて妙にはっきりと言った。 「人探し」 「人?」 意外な答だった。 てっきりただの家出だと思っていたのだが 「…男を探してる」 あー…そういうことか。 「彼氏とかか?」 「…言いたくない」 それきり、むすっとして質問に答えようとしないリノに業を煮やした俺は、ひとまず自分の部屋に上げることにした。 そこで署に電話して引取りに来てもらおう。 「なにそれ、やっぱり変なこと…」 「調子に乗るな。…このまま外に居たら凍えるだろうが」 そういうと、リノは渋々俺の部屋に入った。
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全3~4回予定の2回目。 逃げ場にならない一人暮らし の続きです。 今回は、京介x黒猫 18禁 ---------------------------------------- 翌朝、そろそろ起きないとなと思っていると例の不審な物音と共に玄関のドアが開いて、 「おはようございます、京介さん」 「…ああ、おはよう、あやせ。朝からご苦労様だな」 昨日に続いて、マイラブリーエンゼルと朝から会えるなんて俺は幸せ者だなと思いながら、 布団から起き上がり、窓を開けて、布団をたたんで押し入れに仕舞った。 キッチンの方を見るとてきぱきとあやせがパックに詰めてきた朝食を皿に盛りつけている ところだった。 輝いてるなあ、いい光景だと思いながら、席に着いた。 TVを点けて朝のニュースを見ながら、あやせと朝食だ。昨日のことが微塵も無く、 はつらつとしていて、時折、顔を赤らめたりしているのが初々しいな。 朝食が終わり洗い物は俺がやった。それくらいは出来るしさ。歯磨きも済ませた。 昼用の弁当をもらい、あやせはもう、出かけるようだった。 「では、これでおいとまします」 「ああ、朝食や弁当、ありがとな!」 「あの…。」 あやせはもじもじしている。む?これは、あれか。 チュッとキスをすると正解だったようで、あやせは輝くような微笑みだ。 「行ってきます!」 「気をつけてな!」 さて、俺も遅刻しないようにしないとな。弁当を鞄に入れて戸締まりして登校した。 学校から帰る途中、合い鍵を人数分作った。あやせは要らないと言うかもしれないが、 そのうち、絶対通報されるって。 帰宅して、今日の課題と受験勉強をしているとチャイムが鳴ったのでドアスコープを覗くとあやせだ。 用意しておいた合い鍵を渡すと特別な物をもらったように喜んでいた。 他愛も無いことを話しながら俺は勉強を続けて、あやせが作った夕飯が出来たので、 一緒に食べた。後片付けして、弁当箱も洗ってあやせに返した。 「では、お勉強の邪魔にならないうちに帰ります」 「ホント、ありがとな。おやすみ、あやせ」 当然のように可憐な唇にキスをし、 「おやすみなさい、京介さん」 と部屋にいい匂いと暖かな雰囲気を残してあやせは去って行った。 いい子だなあと思いつつ勉強を再開した。かなり眠くなってきたので風呂を点けて、PCを立ち上げて メールや沙織たちの掲示板を覗いているうちに風呂が沸いたので入った。 明日は、誰が来るんだろうと思いながら、風呂から出て、寝た。 目覚まし時計を止めて、ぼんやりと起きたら、ピンポーンとチャイムが鳴った。 ほいほいと玄関に向かって、ドアを開けると瑠璃が居た。 「おはよう、京介」 「ふぁー、おはよう、瑠璃。今日はお前なんだな」 「そうよ。上がらせてもらうわ」 部屋に上がった瑠璃に何となく違和感があると思ったら、制服が違うんだな。 「セーラー服なんだな、新しい学校の制服は」 「ど、どうかしら? 前のブレザーの方が…好き?」 後ろ手に鞄を持って、瑠璃がふりふりとしてる。 「いや、これはこれで素晴らしい」 「…っふ…そうかしら、ふふふ」 さて、瑠璃の朝食は、和風だな。用意が出来たところで"いただきます"、だ。 静かな朝にもぐもぐと朝食を食べつつ、 「…こうして、あなたと静かに暮らしてみたいわ」 「そうだな…、俺は和食が好きだし。この味噌汁もいい出汁出てるよ」 母親の味とは違う、淡いが心を満たすような味わいは、瑠璃が俺を思う気持ちが入ってるからだろうか。 「どうしたの? 急に見つめたりして」 「特別においしく思えてさ」 「あなたのために作ったんだもの…。 当然だわ」 瑠璃はまじめな顔でそう言った。こういう感じもいいな。 朝なのであまり和んでも居られない。朝食を食べ終えたので片付けて、弁当を受け取った。 そうそう、合い鍵も渡さねば。 「ほい、これ。必要だろ?」 瑠璃は、渡された手のひらの上の鍵をじっと見つめている。 「…いいの? あなたの部屋に自由に出入りできてしまうのよ?」 「信頼の証さ」 得意げな俺に、瑠璃は俺の胸に顔を埋めて…ふるふるしている。喜んでるのか? 「…っふ…ありがたくいただいておくわ。さて、もう行かなくちゃ」 「ああ、うちから遠いんだものな」とチュッとキスを。 昨日のあやせと同じ感覚でしてしまったら、瑠璃はぽぅっと赤くなった。 「…もぅ、いきなりなんだから。行ってきます。」 「気をつけてな~。」 さてさて、今日も遅刻しないようにしないとな、と登校した。 昼休み、麻奈実と弁当を食う事になった。 「いい天気だね~、きょうちゃん。 あ、そのお弁当、瑠璃ちゃんのでしょ?」 「ああ、そうだよ。 俺に合わせて肉とか増やしてくれたんだぜ」 「ちょっと味見させてね。 むむ、これは?…なかなかの物」 「そうか? 麻奈実の料理とはちょっと違うよな。お前のもよこせ」 「どれでもどうぞ。 アパートの生活は、どう?」 「何の不自由もないぜ。 桐乃も居ないから落ち着いて勉強できてるよ」 「桐乃ちゃん、来てないんだ。 そうか~、ふうん」 何に納得してるんだか。 いつものようにほんわかとした雰囲気で昼休みを終えた。 授業を終えて、まじめに勉強するべくまっすぐアパートへ帰った。 ドアの鍵を開けると、すでに靴がある。 「おかえりなさい、京介」 「ただいま~、瑠璃。 来るの早いね」 「あなたと二人で過ごせる時間は、出来るだけ長くしたいから」 そうか、そうだよな。鞄から弁当箱を出して瑠璃に渡す。 「弁当、ありがとな。おいしかったよ」 「当然よ。 きれいに食べたようね…。」 空になった弁当箱を見て、満足げだ。俺は着替えて、机に向かう。 瑠璃は、夕飯の準備しながら、洗濯機を回している。そういえば、朝は忙しいし、昼間は誰も居ないから、 洗濯も干したりも出来ないんだよな。 脱水が終わり、洗濯物を干し終えた頃、 「夕飯が出来たわ」 「ああ、そろそろ飯にするか。」 いい匂いのするおかずが載っているテーブルに着く。 高坂家だと食事中は会話がないが、瑠璃のところもそうなのかな。 しずしずと食事が進み、お茶を飲んで一息だ。食べ終えた食器を片付け始めたので、 「洗い物は、俺がするから」 「…判ったわ」 おとなしくテーブルに座ってる瑠璃も、あやせ同様、話があるんだろうな。 二人分だから洗い物もすぐ終わってしまったので、テーブルに戻り座った。 「それで、あやせから話を聞いたんだけど、瑠璃はどうなんだ?」 「…っふ…私はあなただけを愛しているし、あなたにも私だけを愛して欲しいの。 でも、あなたは好意によって揺れ動くだけで誰のものでもない状態よ。」 「確かに、ぐうの音も出ないくらいそういう感じだよ」 「あなたが誰かを選ぶと他の4人は、その資格を失い闇に飲まれるようなもの。 でも、選ばれた人は光り輝き、何の引け目もないわ」 「俺は、ハーレムやれるほど度量も甲斐性がないから、そう言う感じかな」 「あなたの歓心を得るにはどうしたらいいのかしら。血の契約でも必要なの?」 「厨二やオカルトは、止めていただきたい」 「今日のお弁当や夕飯は、どうだったかしら…。あなたの心に何か残った?」 「そうだな…味付けとかじゃなく、よく判らないが…大事なものがあった気がする」 瑠璃は俺をじっと見つめ、そして、意を決したようにこっちに来て、 「それは……。」 瑠璃は俺の首に手を回し、キスをしてきた。 唇が吸い合って舌が絡み合い、流し込まれた瑠璃の唾液と俺の唾液が混じり合う。 その味というか変化には、何か、神秘的なものを感じてしまう。 乳児が母乳を求めるような、大事なもののように。 「…っふ…いい表情だわ。ねぇ、もっと濃い何かを感じた?」 誇るような、すがるような顔の瑠璃。甘い香りが濃くなってきた。 「ああ…。何だろう、もっと欲しくなる気がする」 確かめるようにもう一度、ディープキスをした。 「それは、甘美な毒よ。あなたの魂を侵し、生涯にわたって効果が消えないの。 定期的に摂取しないと死に至るのよ。それでもあなたは求めるの?」 「毒でも微量なら薬と言うしさ、今は、もう、その何かをもっと知りたいんだ!」 「いいわ、出し惜しみなんてしない。あなたの手で私の大事なものを受け取り なさい」 艶然と瑠璃は微笑み、するすると服を脱いで全裸になった。 瑠璃の妖気にかどわかされたような気がするが、いや、俺は大丈夫さ。 布団を敷いて瑠璃の身体が痛くならないようにして、コンドームを用意する位の心遣いが出来るほどには、な。 俺も裸になった。 瑠璃は、膝立ちになり、俺の半立ちのペニスを握り、そして、フェラチオを始めた。 「あなたのここにも私の毒を染みこませてあげるわ」 さっきのキスをした唇が俺のを咥えている。先から生暖かいものが蠢き、俺のペニスにじわじわと 甘美な快楽を送り込んでくる。 ゆるやかに舌でねぶられ、口に出し入れされていくうちに熱い物がこみ上げて来て思わず、 膝がガクガクするほど出してしまった。 「けふっ…熱いものが私の喉を降りていくわ。さあ、どうするの?京介」 淫らなことを言う瑠璃に我を忘れ、布団に押し倒した。 あの感じがどこからくるのかどこで味わえるのかあちこちをなめ回し、キスをして確かめてみた。 はぁはぁとかすれるように喘ぐ瑠璃の小ぶりな乳房を手の平でぐにぐにとこね回し、左右の乳首に吸い付いた。 指先で乳首を弄りつつ、あの唇に舌を入れ、ぬめぬめと吸い合った。 胸の間からずーっとへそ、そして、淡い茂みの奥まで舐め下ろし、そして愛液のこぼれる膣口を吸うと、 んっんっと呻く瑠璃にもっと濃い何かを感じた。 クリトリスをやさしく弄りながら、舌を使い、指を中に入れながら、しっとりとした太ももに舌を這わせて いたら、瑠璃の顔は赤らみ、唸り始める。 「ねえ、そろそろ…あなたの物を私に…。」 「出来れば、生で入れてみたいんだ」 「それは、私だけを選ぶ覚悟が出来てからよ」 「仕方ないな」 俺はコンドームを装着して瑠璃の膝を立て、熱い膣口に当てて、挿入した。 小柄な裸身が俺の下で喘ぎ、逃れるように身をよじる。抱きしめるようにしながら、瑠璃と一体になって この特別な感覚を逃さないように味わった。 やさしく首筋を撫で、キスをして甘い唾液を味わい、乳房をこねて、ぴんと立ち上がった乳首を柔く噛んだり すると背筋がはねるように反応する瑠璃が愛おしい。 浅く深く瑠璃の中を動いている俺の胸の中に、温かい水のような潤いが生まれてくる。 これが瑠璃と俺との愛情なのだろうか。 瑠璃は、どう感じているのだろう。 ふぅふぅと喘いでいる瑠璃は薄目を開けて陶然としているようだから、同じような気持ちなのかなあ、 とか思っている間にまた、どうにもならない衝動が抑えきれなくなってきたので、腰のスピードを速めて、 瑠璃の喘ぎのリズムに合わせ、一番奥にどくどくと射精した。 「…温かで、瑠璃に包まれているような気持ちだ。これは毒じゃ無いだろう」 「…っふ…毒が効き始めてる証拠よ。私を選べば、もっと甘美な世界に行けるのよ?」 「この毒がいい物かどうか判らないが、強烈な誘惑に負けてしまいそうだぜ」 「ふふふ。さあ、シャワーを浴びたら、ちゃんと勉強するのよ」 「そうだな。色香に負けて成績が落ちたなんて恥さらしもいいとこだぜ!」 「…っふ…その意気よ」 瑠璃を抱き上げて、風呂場に入って、ボディーソープで洗いっこしてシャワーですっきりと気持ちを切り替えた。 「今日はこれで帰るわ。しっかり勉強してちょうだい、京介」 「ああ、いろいろ感謝だぜ。おやすみ、瑠璃」とキス。 「おやすみなさい」と、闇に飲まれるように瑠璃は帰って行った。 こんな魅力的な子ばかりを俺は本当に選べるのか不安になってきたが、 まあ、一通りみんなの気持ちを受けてみないと判らないからな。 とか思いつつ、俺は遅くまでちゃんと勉強したさ。 ---------------------------------- つづく。
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316537661/768-777 「沙織ってござるござる言ってた割に忍者のコスプレしたことないよな」 「ほえ?」 何の気なしにつぶやいた俺の発言がきっかけだった。 「いや、今でこそあの眼鏡ほとんど使ってないけどさ。ああいう口調だったからそういえばくの一にでもなったことあるのかなっと」 とはいえ、『~氏』とか考えるに別に特定の何かってわけでもなかったのだろうが。 「あれは彼方さんの『コスプレ』とでも言うべきものでしたからね。なるほど、考えてみればその発想は無かったですわ」 「しょっちゅうニンニンとか言ってた気もするが」 「そういえばそんなこともあったでござるなぁ~ふふっ」 「おい」 口をωにして顔をほころばせる沙織に軽くチョップで小突きを入れ、沙織はてへっと舌をちろりと出す。 死ぬほどあざといが、加奈子の次ぐらいには似合うから困る。いや、麻奈実とタイぐらいか? そんなことを居間のソファに体を預けながら考えていたところ、 「……また他の女の子のこと考えてました?」 「別に?」 こういうことには意外なほど鼻が鋭い奴だったりするのがこの沙織である。 なぁにぃ聞こえんなぁとばかりに目を上に泳がしてわざとらしくうそぶく。 「……新垣、あやせさんでしたっけ?」 「――ッ!?」 未知の角度からの追求に思わず背筋が凍った。 なんでそんなことを……と訊こうとしたが、それでは自白したようなものだと思いとどまる。 「『最近友達の――あやせって言うんだけどさァ――の様子がおかしいのよね。 そんで聞いてみたら”今度の休みにお兄さんと久しぶりに会うんだよ”って返ってきてさ。 あのバカに釘刺しておいた方がいいんじゃないの?』って匿名希望の方から投書を戴きまして」 ご丁寧に口調までトレースしてくれたおかげでバレバレである。 あ……あんのバカ妹がぁーッ!!と逆ギレしそうになったが、よく考えてみればこれに関してはあやせが軽率なだけで桐乃に罪はない。 ああそうさ、ばれなければ黙っておくつもりだったのは認めるよ。これに関しては完膚なきまでに俺が悪い。 って誰に言ってるんだろうか俺。 「別に京介さんが誰と会おうとわたしは止めませんよ?けども、彼女たるわたしには一言でも言伝してほしかったですね。 わたしの許可無く手を出していいのは桐乃さんと瑠璃ちゃんだけです」 あいつらならいいのかよ!と心の中で突っ込みながら、ばつの悪そうに俺は沙織を見た。 その悲しげな表情に、自責で思わず唇を噛んだ。 「いや、悪かった。ちょっと欲を出しちまった俺が本当に悪い。こんなできた彼女がいるってのにな」 「まったくですよ。 さて、話がまとまったようですし、コスプレでもしましょうか」 「えっ?」 「忍者のですよ。さっき言ってたじゃないですか」 そういえばそんなことも言ってたっけな……あまりの冷や汗にすっかり忘れてたぜ。 「忍者っつっても結構広い気がするが。ハットリ君のでもするのか?くの一はいなかったような……」 「ああ、それに関してはきちんとツテがあるので大丈夫です」 「ふぅん?すると俺は?」 「漆黒で構いませんよ。ちょっとした都合もあるので」 「うぅん、なんか面倒くs――」 にっこり。 「やらせていただきます」 「よろしい。それでは向こうで着替えてきてくださいな」 首を二度縦に振ってマンションの外に出る。 すっごいニコニコしながらキレるのがうちの娘の特徴でもある。というかやっぱあれ超恐ええよ! 「この格好をするのも何度目なのかな」 というほど多くもない気もするが。最初に素顔の沙織を見た時から指折り数えられるぐらいか? なんにせよ沙織に付き合わされて結構コスプレをしてきたが、これが俺に一番合っていると自分でも思うことはある。 沙織も『姉さんの旦那さんが元ネタ』だとか言ってたし、そのへん思い入れがあるんだろうかね。 用意の済んだ俺は元いた部屋の玄関に手をかけてノックをした。 「おーい、戻っていいかー」 「はーい」 許しを得た俺は取っ手を回してドアを開けると、沙織の意外な姿に心を奪われた。 くの一っちゃらしいんだが、黒を基調とした軽装で、沙織の豊満なボディが余すところなく表現されている。 ってかこれは…… 「……SO(ステラ・オーシャン)3のクレア?」 「ご名答!どうです?似合いますか?」 ふわっと一回転して腰を低く落とし、右手を閉じたチョキの形にして口元に寄せる。 元のキャラが貞淑で温和なグレーの長髪ということもあってか、はまりすぎて怖い位である。 「――いや、すっげえかわいい」 「ふふっ、お褒めに預かり光栄です。京介さんも良くお似合いですよ。さあさあ中へ」 「お、おう」 語彙力のない自分が恨めしいが、あげつらった言葉も変だと自己弁護してみる。 そうして忍者というか隠密に導かれて俺は部屋の中に入ったのだが―― 「……なにこれ?」 部屋の中には縄に鞭といった――いわゆる、そういう系のシロモノ?が並べられていた。 というか、こんなのが部屋のどこに隠されていたのかという疑問もあるが、 「隠密といえば捕縛、尋問じゃないですか。だから京介さん、お願いしますね」 「いや、その理屈はおかしい」 「わたしは夜魔の女王の放った斥候という設定でお願いします」 「人の話を聞け!」 そもそも漆黒はダークヒーローではあるがそんな趣味はないと思うんだが。 黒猫に聞かせれば「漆黒はそんなこと言わない」とか一蹴されそうである。 「大丈夫です、人は誰しも暗黒面を持ってるものですから。さあ!京介さん」 やけにノリノリで怖いぐらいの沙織さんがちょいちょいと手招きをしてくる。 そのやたら扇情的な仕草に思わず俺も劣情を煽られてきた。 「……なに、そんなに俺にやって欲しいの?」 「……京介さんじゃなきゃ頼みませんよこんなの。言わせないでください恥ずかしい」 「わ、わかった」 好いた女にそこまで言われたら据え膳ってレベルじゃあるまい。覚悟を決して俺は沙織を縛りにかかる。 ご丁寧に部屋周りには引っ掛ける用のフックみたいなものがついていた。 世の中には色々便利なものがあるもんだな……と変にしみじみと思いながら縄を結っていると、 「あ、そうそう京介さん」 「ん?」 「この衣装、別に破っても構わないんで。脱がしたいならそれでもいいですけど」 「……」 けろっとした顔で言い放ちやがる。 こいつ、たまに痴女の素質があるんじゃないかと疑わざるを得ない時があるんだよな。 嫌いかと言われればうん、大好きSA!と答えるところだが。 薄暗い部屋の中、両手両足を部屋の壁と縄で拘束された女が一人いた。 「ここは……?」 「ようやくお目覚めかね」 そこから姿を現したのは、黒いマント姿に身をうつした漆黒――つまり俺だった。 「女王の為に御苦労様、と労っておこうかな?」 「下種が……一思いに殺せ!」 「殊勝な心がけだが――その容姿、殺すには惜しいのでな」 「なん……だと?」 「要は、俺の女になれ、ということだ」 「ふざけるな!誰がそんな……」 「そうだ。その強気な態度。それが実にいい。 まあいい、俺の手でじっくりと俺の味を教えてやる」 我ながら歯の浮くような台詞だが、いわば小芝居のようなものなのだから気にしたら負けだ。 沙織もそのへんがわかっているからこそ余計なことは言わない。 彼女に下種とか言われると地味に傷ついたりもするんだが、まあいい。今はとにかく雑念を捨てることだった。 俺――漆黒は徐に彼女の首筋を掴み、強引に唇を奪った。 「――んッ!?」 「俺謹製の媚薬だ。割と即効性だぞ。さて、次は――」 力いっぱいに首元から忍装束を引き千切る。 見た目よりも割とやわい作りだった。そういう意図だったと内心苦笑せざるを得ないが―― その何度見ても飽きない大きな双球が外気に晒され、俺は生唾を飲み込んだ。 「普段の力さえ出せれば……貴様なんぞに……!」 「その縄も貴様等の力を削ぐように出来ているのでな。無駄なあがきはよすことだ」 「くっ……」 いかにも悔しそうな素振りで俺を睨み付ける。 なんかどこかで聞いたようなセリフだが、今は考えるのはよそう。 漆黒はこね回す様な動きで両手を胸へと動かし、乳首をきゅっと摘み取る。 時に強く、時に優しく。 「うっ……ああっ……」 「どうだ、愉しくなってきただろう?」 「だっ……誰が!」 「そうか。では、こちらも味わうとするか」 「あっ……」 残っていた衣装を股の下まで裂き取り、残っているのは白いショーツ一枚となった。 そこをショーツの上から丹念に舐め回す。 女の体が電撃を受けたようにビクンと跳ねた。 「ああっ……ひ、卑劣な……」 「お仕置きに汚いも何もあるまい。現にお前のここは悦んでいるぞ?」 「き……貴様の薬のせいだろうっ」 「ん?言っている意味がわからないな。あれはただの栄養剤だぞ」 「なっ……」 「お前は自分が快楽に溺れていると認めたのさ。それが真実だ」 「姑息な真似を……!」 「何か違いがあるのか?違わないさ、ははは」 残ったショーツも破り捨て、露になった秘所に人差し指を滑らかに差し入れる。 今だきつさを失わないそれはまさしく名器と呼ぶにふさわしいだろう。 そしてそれがある一点に到ったとき、 「んっ……くっ…あっ…あ…あああああっ!!」 体をバイブのように著しく痙攣させ、目の前の女はイき果てた。 あ、そういやバイブ使うの忘れてたな。まあいいや、俺ももう我慢できん。 ヒャア、がまんできねぇ0だ! 「ま……まだ……!」 「心までは屈さぬか……ますます気に入った。まあいい、夜はこれからだ。じっくりと可愛がってやろう。まず一発目を受け取るがいい」 「な、何を!」 漆黒は名も知らぬ女の腰を持ち上げて後ろ向きにさせると、むき出しにした性器をそこにあてがった。 「やっ……やめろッ!?」 「悪いが、それはできない相談だな」 あくまで余裕そうに、漆黒はずぶりと思い切り差し入れた。 「ぐっ……うううううっ!!」 「なんだ、非処女か。とんだ淫乱女だったのではないか、ははははっ!」 「そん、な、ことっ……あぁんっ!」 初めても戴いたんだが……と恍惚に一瞬浸るも、すぐに打ち消して一心不乱に腰を振る。 「ほうらっ、中に出すぞ!」 「っ!?や、やめろっ!それだけは!」 「ペットの言葉に耳を貸す奴がいるか?」 「ぺ、ペッ……あっ、うぁあっ!」 内心すまんとおためごかしをしながら、俺は欲望を素直に沙織の膣内に解き放った。 「んっ……ああ……あああああああ!!」 キューッと収縮した膣に一滴残らず搾り取られ、ズルリと自分のモノを抜く。床に倒れた沙織の蕩けた表情は抜いた後だというのに未だ魅力的だった。 もう腰がガクガクで正直立ってるのも辛かったが、漆黒としての矜持で直立し続けた。 「パーフェクトです、京介さん。惚れ直してしまいましたわ」 「感謝の極み」 うっとりとした沙織の表情に頑張った甲斐があったかな、と自分を讃えようとしていた矢先―― 「さて、第二幕の開始ですわね?京介さん?」 「えっ」 「だってまだあの『わたし』は堕ちてませんからね。物語はちゃんとやりきらないと」 「ちょっ――」 明日はあやせと待ち合わせがあるんだけど、 「京介さんに拒否権はありません」 にっこり。 ああ、そういえばこいつ知ってたんだっけか、そのこと…… もはや言葉は不要だった。 俺は黙って深く頷き、夜が更けても絞られ続けたのだった、マル。 次の日、俺がげっそりとした表情で遅刻までしてしまい、あやせに深く心配されたのは言うまでもなかったとさ。
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308729425/459-461 「本当にごめんなさいお兄さん……」 俺がいるベッド脇の椅子にチョコンと腰掛けたブリジットが、何度目かの謝罪の言葉を口にする。 「ブリジットもう気にするなって」 「でも、私のせいで……」 こんな申し訳なさそうな、そして今にも泣きそうな顔をされたら俺も困ってしまう。 この状況を説明するには2時間程前に遡る。 俺はブリジットと一緒に、ある雑誌グラビアの打ち合わせに行っていた。といってもお菓子系タイトルとかのいかがわしい雑誌じゃないぞ。いわゆる女子小中学生向けのティーン雑誌って奴だ。 大体あんな裏地を外して乳首や縦筋丸見えなスクール水着や、局部だけ泡で隠したエロい恰好をブリジットにさせられるか!そんな仕事を入れたら、俺は社長をぶん殴った後ブリジットを連れて逃げるね! おっと話が逸れたな。ともかく俺達は、撮影スタジオを併設してる雑誌社でどの衣装を撮影に使うのか等を、スタイリストさんとかを交えて打ち合わせしたわけだ。 打ち合わせが終わり帰ろうとした時『今他の女の子の撮影しているのでよかったら見学していきませんか?』 雑誌の担当者から声を掛けられたので、俺とブリジットは見学させてもらう事にした。 ところが見学してる最中、突然壁に立て掛けてあった材木の束がブリジットのいる方へ倒れてきた。咄嗟に俺はブリジットを抱きしめ、自分の身体を楯にした……… あれだけの材木の下敷きになって、左足首捻挫と右手の骨に軽いヒビ、そして後頭部に軽いコブ、この低度ですんだのは運がよかったのだろう。しかし出版社が手配してくれたとはいえ、個室とはねぇ… 事故のお詫びなのか、TVや小型冷蔵庫、それに枕元の壁に鏡付きの洗面台までついてる。詳しくは知らないが、結構高いんじゃないかこの部屋? 「それよりブリジット、肘の怪我は大丈夫か?」 ブリジットの左の肘には、小さな絆創膏が貼られていた。俺が抱き抱え、床に倒れた時にできた擦り傷だ。 「こんなのたいした事ありません。それよりお兄さんの方が入院だなんて……」 「入院といっても、念のため精密検査するだけだから2~3日で退院だから心配するなって」 俺はそう言ってブリジットを安心させようとしたのだが 「それもそうなんですが…あの……その……」 何か様子がおかしい。何と言うか、言いづらい事をどうやって言おうか迷ってる感じだ。それでも意を決したようにブリジットは口を開いた。 「お、お兄さんはしばらく利き腕が使えませんよね!?」 「ああ、そうだな」 どうしたんだ?急に声が上擦りだして… 「だから…その………自分で『処理』できませんよね!?」 …………………はい? 「か、かなかなちゃんから前に聞いたんです。男の人って、定期的に『処理』しないと色々と大変な事になるって…」 あのガキ!何て事をブリジットに吹き込みやがる!まるで俺が、毎日猿の様にオナニーしてるみたいじゃねぇか! 「え~と…、今から『処理』しますね…」 大体あいつは普段から俺の事を舐め過ぎだ。一度キツく言っておく……え? 加奈子の事に腹を立てていた俺は、ブリジットの声に反応するのが一瞬遅れた。 ブリジットは真っ赤な顔しながら、俺の着ていた浴衣(病院が貸してくれた)をはだけ、やや強引にトランクスをずり落ろした。そしてボロンと露出したリヴァイアサンを、その小さな手で握るとゆっくり扱き始めた。 その手技に、俺のリヴァイアサンは素直に反応し、みるみる固くなっていく。するとブリジットは顔を寄せると、その小さな口を一杯まで開きながらリヴァイアサンを飲み込んでいった。 「うっ…」 暖かな口内で、竿に絡み付く柔らかな舌の感触に俺は思わず声を漏らす。そんな俺の様子をちらっと窺うと、ブリジットはゆっくりと唇をスライドさせていく。 ちゅぷ……ちゅぷ……… 軽く揺れるポニーテールの動きに合わせ、ブリジットの唾液で濡れたリヴァイアサンが見え隠れする。そして時折、俺の気持ちいいポイントを確認するかの様に俺を見上げるブリジットの視線。 そんな様子を見ている内に、俺は次第に、ここが病室であることを忘れていった…。 ジュボ…ジュボ… いつしかブリジットの奏でる口唇奉仕の水音は激しさを増し、俺のリヴァイアサンはこれ以上ない程硬直していた。 カリ首だけを咥え鈴口を舌先で刺激する、かと思えば一杯まで突き出した舌先で竿を下から上に、上から下へツー…と舐め上げていく。快感が単調にならないよう、俺の様子を窺いながら刺激を与えてくる舌技に俺は呆気なく限界を迎える。 「くっ…ブリジット、そろそろ限界だ……!」 「いいですよ…、私のお、お口に遠慮なく出しちゃって下さい」 俺のギブアップ宣言を聞くと、ブリジットはさらに頬を染めながらリヴァイアサンを咥えこんだ。そしてさっきよりも、さらに派手な水音を立てながら顔を激しく上下させていく。それにより俺の射精感はさらに高まっていく。 「出すぞブリジット!」 そしてついに堪え切れなくなった俺は、無意識に動かせる左手でブリジットの頭を掴むと腰を突き出し、激しく射精した……。 射精による腰の痙攣が収まるのを見計らうと、ブリジットはコクン…コクンと喉を鳴らし精液を飲み干していった。その様子に半萎えだったリヴァイアサンがみるみる硬度を取り戻していく。 「ん…んんんんん!?ぷはぁ…」 ブリジットはいきなり口内で再度固くなったリヴァイアサンに驚き、慌てて口を離す。その際に、僅かに残った精液が口元から零れた。 「お、お兄さん!?今出したばかりなのに……」 「いやすまん…お前が美味そうにザーメン飲んでいる様子につい興奮しちまってな……」 「お、美味しそうになんて飲んでないです!ベッドを汚しちゃいけないし、それにお兄さんの出したものだし………」 俺の言葉にブリジットは真っ赤になり抗議しながら、次第に俯き最後にはよく聞こえないくらいの声でゴニョゴニョと呟いた。 「それよりもう一度『処理』しないといけませんよねソレ……」 チラチラとリヴァイアサンを見ながら聞いてくる。 「でも…またお口でしたら、お兄さんはすぐおっきくしちゃいますよね……?」 いやいや!俺そんなに絶倫じゃねーし!今回はたまたまだよ?ブリジットが一生懸命俺の精液飲んでいる様子が健気で可愛くてつい、な…… 「だ、だからさっきと違う方法でしないといけませんよね…。と、ところでお兄さん。足の痛みは酷いですか」 ブリジットの問い掛けの意味を理解しつつも、俺は敢えてすっとぼけてみる。 「そうだな~、痛くないといったら嘘だけど、女の子一人跨がるくらいは平気だが…それがどうかしたか?」 すると、ブリジットは『意地悪…』といった表情で俺を見ると、ゆっくりとスカートを脱ぎはじめた…… やれやれ……入院したって事務所から聞いたから、見舞いに来てやったのに……元気過ぎるじゃねーか こりゃもう少し経たないと中に入れねぇな。どっかで時間潰して…… あ?…おいおい、あそこ走ってくるの桐乃とあやせじゃね?ったく面倒くせぇな…… さ~て…どうやって時間稼ぎするかねぇ…ブリジット、マネージャー、こいつは貸しにしとくかんな? 一つため息をつくと、病室の番号を確かめながらこちらに向かってくる桐乃とあやせの方に加奈子は歩き出した。 おしまい
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1293190574/850-854 「ちょっと早く着き過ぎたな…」 待ち合わせ場所である駅の改札口を出て俺は呟いた。 今日はブリジットとのデート当日である。昨日から桐乃が妙に絡んでくるので、デートだと気付かれる前に朝飯も食わず家を出て来た。ひょっとして俺って顔に出やすいのかね…。 待ち合わせの時間まで一時間以上も早く着いた事もあるので、俺は軽く朝食を食べれる場所を探そうと辺りを見回した。すると通路を挟んでコインロッカーコーナー脇の柱の前に、見覚えのある顔を発見した。 「ブリジット…?」 一瞬見間違えかとも思ったがやはりそこにいるのは、俺がマネージャーをしてるモデルであり、同時にポニーテールが似合っている最愛の恋人であった。 今日の彼女の装いは襟の開いたカーディガンにチェックのミニスカート、その上から暖かそうなハーフコート、そしてミニスカートから伸びるすらりとした足は黒いストッキングで包まれていた。 ブリジットはちらりと腕時計に目をやると軽くため息をつく。そして肩から下げたトートバックを覗くと、何が嬉しいのかニッコリと笑みを浮かべるとまた腕時計を見た。 その様子が可愛いらしく、もう少し眺めていたかったが俺は声をかける事にした。 「おはようブリジット」 「ひゃう!?き、京介お兄さん!?」 悪戯心を起こし、ブリジットの視界に入らないようそばに寄ってから声を掛けたのだが、こんなに驚くとは… 「ど、どうしたんですか?まだ待ち合わせまで一時間もありますよ」 まさか妹の追求をかわすため早く家を出たとも言えず、とっさに質問を返してごまかす。 「ブリジットこそどうしたんだ」 俺の問い掛けに、ブリジットは、顔を赤くしてパタパタと手を振りながら 「あの、その、今日のお出かけが楽しみでいつもより早く目が覚めて朝ごはん食べても時間余っちゃってそれでお出かけの時間まで待ち切れなくて…ケホッケホッ!」 息継ぎもせず喋り続けむせてしまった。俺は背中をさすってやりながら宥めにかかる。 「わかったから少し落ち着け。要は俺と出かけるのがそれだけ楽しみだったって事だろ?」 ようやく落ち着いてきたブリジットはコクリと頷いた。くぅ~可愛いな!こんな可愛い娘今時希少種だよ、ワシントン条約で保護すべきだよ、いやそうなると一緒にいられなくなる!やはり俺が保護して面倒みるしかないね!ハイこれ決定! 「あの~、京介お兄さん?」 ブリジットの呼びかけに俺は、飼い主の義務として首輪を付けようする妄想から帰って来た。 「…ハッ、よし、少し早いけど出かけるか」 「はいっ!」 電車に乗り込むと、まだ早い時間のせいか乗客の数はまばらだった。おかげで、俺達はボックス席にゆったり腰を落ち着ける事ができた。 しばらくして、崎陽軒の袋を下げた乗客が通り過ぎていった。途端に忘れてた空腹感が甦り、我慢する間もなく腹が鳴った。それほど大きな音ではなかったがブリジットにはバッチリ聞こえたようだ。うわカッコ悪ぃ! 「お兄さん、朝ごはん食べてないんですか?」 「ああ、ちょっとバタバタして食いそびれた」 するとブリジットは傍らに置かれたバッグからバスケット型の箱を取り出した。 「お昼にと思って作ってきたんですけど、よかったらどうぞ」 受け取って蓋を開けると、中には上品なサイズにカットされたサンドイッチが並んでいた。 「これ…お前が…?」 「はい。でも朝になって急に思い立ってから作ったんで…。冷蔵庫の余り物ばかりですからあまり期待しないで下さいね?」 そう言って照れ臭そうに俯いた。いやいや、ブリジットの手づくり弁当だぜ?期待するなってのが無理だろ!俺は有り難くいただく事にした。 う、美味い!スライスされた胡瓜は余分な水気を取ってあるし、チーズに塗られたマヨネーズは手作りか手作りに近いものだ。ハムと一緒に挟まれたレタスもパリッとしている。夢中で頬張っていると目の前に紙コップが差し出された。 「どうぞ…紅茶ですけどいいですか?」 見るとブリジットは小ぶりの魔法瓶を手にしていた。俺が湯気の立つ紙コップを受け取ると、自分の分の紙コップにも紅茶を注ぐ。そして嬉しそうに俺の食べっぷりを眺めている。う…なんか気恥ずかしい…。 「ごちそうさま。美味かったよ」 空になった弁当箱を返しながら俺は礼をいった。 「はい、お粗末様でした」ブリジットは、日本人でも若い世代は使わない言い回しで答えながら弁当箱を受け取った。 しかし…早起きしたって言っていたが、弁当作った上に一時間以上前に待ち合わせ場所に来ていたわけだが何時に起きたんだ? 俺は改めてブリジットの様子を伺う。時々目をしばたたかせている。それに会話が途切れるとボーっとしている。 「なぁブリジット、少し眠いんじゃないのか?」 俺の問い掛けに、ブリジットは徐々に俯き出した顔をハッと上げ慌てて否定する。 「だ、大丈夫です!眠くなんてありません!」 いや、端から見たら明らかに眠そうだって。 「目的地に着くまでまだに20分以上ある。目をつぶっているだけでも違うから休んでろ」 俺の奨めにブリジットは渋っていたが 「目的地についてから眠くなるよりはいいだろう?」 という俺の言葉に渋々納得したようだった。そこで俺はブリジットの隣に席を移った。 「お、お兄さん!?」 「俺に寄り掛かっていいから目つぶってろ。着いたら起こしてやるから」 ブリジットはしばらく逡巡していたが 「じゃあ…失礼します…」そう言って俺の肩に頭を預けてきた。そして5分も経たずに熟睡していた。 「やれやれ…」 この様子だと、昨日も興奮して中々寝付けなかったんだろう。それでいて早起きして弁当まで作って…。 弁当にしたって、朝になって思いついたなんて下手な嘘つきやがって。パンだってパン屋に朝一で焼きたてを買いに行ったんだろ?でなきゃ、あんなにふんわりとしてないって。マヨネーズだって手作りだと日もちしない事くらい俺だって知ってるさ。 ブリジットが目を覚まさないように、頭をそっと肩から膝の上に移す。そして、頬にかかった髪を直してやりながら俺は呟く 「ありがとうな、ブリジット」 今日一日、いっぱい楽しい思いをさせてやろう。 「ん……ふぁ…」 ああ、やっと目が覚めたようだ。ブリジットはゆっくりと上半身を起こし、ここが何処だか確認するように周りを見回した。そして意識が完全に覚醒したのか、ぴょこんと立ち上がった。 「はぅ!ごめんなさい、私どれくらい眠ってましたか?」 「ん~40分位?」 「あぅ…本当にごめんなさい、せっかくのお出かけなのに私ってば…、それにお兄さんのズボン…」 俺のズボンの太腿部分は、ブリジットのよだれで染みが出来ていた。 「すぐ乾くから気にするな」 「気にしますよ!」 そういってブリジットはバッグからウェットティッシュを取り出し、よだれを拭いだした。 女の子を足の間に膝まずかせティッシュで処理をさせてる…端から見たら色々と誤解を与える光景だ。うん非常にまずい! 「ブ、ブリジット、本当にいいから!それにもう次の駅に着く!一回そこで降りよう!」 強引に切り上げさせると、ブリジットを促し立ち上がった。 「ここ…どこですか?」 ホームに降り立つと、ブリジットが聞いてくる。 ホームの駅名表示にはこう書かれていた 『北鎌倉』 続く ※おまけ・あるいはデート前日の風景 「かなかなちゃん、本当にありがとう!」 加奈子の目の前でブリジットが満面の笑みを浮かべている。両腕で買ったばかりの服が入ったビニール袋を抱きしめている。 「お兄さん、気に入ってくれるかな~?」 「あにいってんだよ、加奈子のコーディネートだぜ?気にいるに決まってるだろ」 「そうか…うん…そうだよね!」 センター街の入口でブリジットと別れる事にする。 「じゃあ今日はさっさと寝ろよ。でないと寝不足のヒデェ顔で出かける事になるぞ」 「うん!今日は本当にありがとう!」 「あぁ~それはもうさっきも聞いたって」 そう言って加奈子は手で追い払う仕草をする。そんな態度にブリジットは腹を立てる事もなく、加奈子に手を振ると地下鉄に続く階段を下りていった。 ブリジットの姿が見えなくなったのを確認すると、加奈子は携帯をかける。 「もしもし、加奈子だ。オメー明日はしっかりエスコートしてやれよ?あいつ、めちゃめちゃ楽しみにしてんだからな。それと服、会ったら必ず褒めてやれよ?加奈子がわざわざコーディネートしてやったんだからな」 その後もいくつかの注意点を告げると通話を終えた。 「ったく世話がやける連中だぜ…。さて歌舞伎町でも軽く流してから帰るかな」 そう言って、口は悪いが妹分思いの少女はJRの駅に向かい歩き出した。 終
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840 :◆Neko./AmS6 [sage saga]:2011/05/02(月) 22 29 58.30 ID D+xw36Tuo 俺は玄関先で靴の底の泥をよく落とし、服に付いた埃を軽く払ってから ドアのレバーハンドルに手を掛けた。 泥なんか付けたまま家に入ると、妹のヤツに怒られちまうんだよ。 玄関の上がり口に腰を下ろし、俺が靴紐を解いていると、その音を聞きつけたのか 妹が早速リビングから出てきた。 「お帰りなさい、お兄さん。……で、今日はどうでしたか?」 「うーん、今日はそれほどの収穫はなかったよ。 何かの昆虫らしい化石がいくつか見つかっただけさ。 俺は専門家じゃねえから、そのへんはよく分からんけどな。 それにしても、今日は疲れた~」 何で俺が化石の発掘なんかしてるかって……別に趣味でやってるわけじゃねえよ。 俺の親友の赤城ってヤツが、サッカー部の他に、最近になって遺跡発掘研究会とかいう わけの分からん同好会に入ったもんだから、俺も仕方なく付き合ってるだけさ。 そもそも遺跡の発掘と昆虫の化石の発掘って、違う分野なんじゃねえのか? 俺の見たところ赤城のヤツ、どうやらその同好会に気になる女の子がいるらしい。 赤城は極度のシスコンで、妹の瀬菜にしか興味がねえのかと思ってたけど、 どういう風の吹き回しなのかね。まぁ、俺には関係ねえけどさ。 「お兄さん、お風呂なら沸かしてありますけど…… お腹が空いているようでしたら、先にご飯にしますか? それとも……わ・た・し?」 いつものことだよ。あやせのヤツ、兄貴をからかうのがそんなに面白いのかね。 まだ中三のくせに、わざとらしく腰をくねらせやがって。 だがなぁ、俺だって健全な男子高校生なんだよ。 妹にからかわれていると分かっていながら、ついむきになっちまう。 「おまえはなぁ、なんつーカッコしてんだ、そのミニスカートは何とかなんねーのかよ。 家の中だってのに……短過ぎるだろうが。 おまえ、ジャージ持ってんだろ? 家の中じゃあジャージ穿いてろよ」 それじゃあパンツが見えそうじゃねえか。 俺だって本音を言えば、あやせがミニスカートを穿いてくれんのは嬉しいけどさ、 やっぱ、実の兄貴としては、そんなこと口が裂けても言えねえだろ。 「わたし、家の中だからこんなに短いの穿いているんですけど…… 外ではここまで短いスカートは穿きません。それでもだめですか?」 あやせはミニスカートの裾をちょっとだけ摘まみながら、不満そうな顔つきで俺を睨みつけた。 俺がどういう反応を示すかと、試そうとしている目つきだ。 そんな手に俺が易々と乗るわけはねえだろ。 それにしても、外では穿かないって……どういうことだ? まさかあやせのヤツ、実の兄貴の俺を挑発してるんじゃねえだろうな。 どんだけ俺が普段から妹に、つーかあやせに欲情しそうになるのを抑えていることか。 もしもあやせが実の妹じゃなけりゃ、今頃はあんなことやこんなことや…… 「ま、まぁ……ジャージってのは極端かもしれねえけどさ、 あやせだってもう中三なんだからよう、サザエさんに出てくるワカメちゃんじゃねえんだから、 パンツ見せながら家ん中を歩くなって言いたかっただけさ」 「…………お兄さん、わたしのパンツ見たんですか? この変態っ!」 そんなわけで、つい口が滑っちまった俺はあやせからローキックを食らって床に転がり、 あらためてローアングルであやせのパンツを拝んだ後、ほうほうの体で風呂場へと逃げ込んだ。 俺は風呂場の脱衣所の戸を勢いよく閉めながら、思いっきりあやせに言ってやったよ。 「あやせっ! 俺が風呂に入ってる間、絶対に覗くんじゃねーぞっ。 もし覗いたら……俺、泣いちまうからなっ!」 あやせは何も言ってはこなかった。 耳を澄ましてみても、廊下は静まり返っていて人が近づいてくる気配はねえ。 幾らあやせだって、実の兄貴の裸を覗き見る趣味はねえだろうしな。 もしかすっと、パンツの一件で、怒って自分の部屋に行っちまったのかもしれん。 そういやさっき、ドカドカと階段を上る音が聞こえてたもんな。 俺は風呂場の脱衣所の戸をそっと開け、あらためて廊下に誰もいないことを確認してから、 安心してゆっくりと服を脱ぎ始めた。 まぁ考えてみれば、あやせのヤツは俺が外から汚れて帰ってくるだろうと気遣って、 あらかじめ風呂を沸かして置いてくれたんだろう。 さっきは少し言い過ぎちまったかもしれん。仕方ねえ、風呂を出たら謝んなきゃな。 すぐにでも湯船に飛び込みたいところだが、そうするとお湯が汚れちまうと いつもあやせが口を酸っぱくして言うもんだから、俺はそれに従って丁寧に身体を洗うと、 ようやく湯船に身体を沈めた。 「やっぱ、妹はいいよなぁ~。……弟じゃあ、ここまではしてくんねえだろうしな。 あやせを産んでくれたお袋には、感謝しなくちゃいけねえよな」 「お兄さん、感謝するのなら、わたしに感謝してくださいね。お風呂を沸かして置いたのも、 こうしてバスタオルと下着を持ってきてあげたのも、全部わたしなんですから」 心臓が止まるかと思っちまったよ。 俺が慌てて風呂場のガラス戸に眼を向けると、その型板ガラスの向こう側には バスタオルらしきものを手に持って仁王立ちをしている、あやせのシルエットが映っていた。 そういや俺、着替えも何も持たずに風呂に入っちまったんだっけ。 どんだけあやせってヤツは、気が回るヤツなんだかね。 「これで風呂場のガラス戸がガチャっと開いて、お兄さんお背中を流しましょう――」 「お兄さんっ! 心の声がダダ漏れじゃないですかっ。 ……本当に開けちゃいますよっ」 「あやせっ、それだけは勘弁してくれ。俺にも心の準備っつーモンがあんから」 「もう、冗談はそれくらいにしてください。着替えは、ここに置いておきますから」 あやせの気遣いに感謝しつつ、俺は風呂場にも鍵を付けるって考えたヤツにも感謝した。 だって、あやせが脱衣所を立ち去る際に、小さく舌打ちするのを聞いちまったんだもん。 俺は風呂場の外の気配に全神経を集中させ、音を立てないように風呂から上がると、 あやせが用意してくれたパンツを速攻で穿いた。 俺がパンツ、といってもトランクスとTシャツというラフ過ぎる格好でリビングへ行くと、 あやせが冷蔵庫から麦茶を出してグラスへ注いでくれた。 もうさっきのことは怒っていないようで、あやせはいつもの笑顔だった。 俺の妹にして置くのは勿体ねえなと思いつつも、やっぱ妹で良かったんだとも思ったよ。 だってそうだろ、妹じゃなかったら、こうしていつも一緒にいられねえじゃねえか。 俺が麦茶を飲み干すのを待っていたかのように、リビングのソファーに座っていたあやせが おもむろに声を掛けてきた。 「お兄さん、来週のお兄さんの誕生日のことなんですけど……」 「俺の誕生日っていうことは、あやせの誕生日でもあるわけだろ。 ……で、それがどうかしたのか? 今年は二人とも受験生だから、プレゼントはお互いに自粛しようってことだったけど」 何を隠そう、俺と妹のあやせは、歳は三つ違いだけど誕生日は偶然にも同じなんだ。 兄妹で誕生日が同じなんて、めずらしいことかも知れねえけどな。 俺たちがガキの頃、お袋なんか、ケーキを買うのが一回で済むって喜んでいたけど。 あやせが中学生になると、家族で誕生日を祝うこともなくなっちまった。 俺はあやせが可哀想になっちまって、それ以来は兄妹だけで誕生日祝いをするようになった。 あやせはガキの頃から、何かってーと俺にまとわり付いてきた。 俺もあやせの世話を焼くのはイヤじゃねえし、むしろ率先してやってきたつもりだ。 そんな俺たちを見て、『おまえら兄妹じゃなくて、本当は恋人同士なんじゃねえのか』なんて、 口の悪い友人の赤城によくからかわれたもんさ。 以前は赤城からそう言われて、俺も少し変なのかと真剣に悩んだ時期もあるけど、 あやせのような可愛い妹を持っちまった兄貴なら、誰だってこうなるさ。 そう言ってる赤城だって、てめえの妹の瀬菜にベッタリじゃねえか。 お互い様ってもんだよ。 「ええ、ですからわたし、お互いにお金を掛けなくてもいいプレゼントを考えたんです。 品物はわたしがあらかじめ用意しましたから、 お兄さんには、それにサインをして頂くだけでいいんです」 俺もさぁ、超短いミニスカートでソファーに座っているあやせを前にして、 この格好のままリビングの椅子に腰を下ろす勇気は持ち合わせちゃいねえんだ。 取りあえず、あやせにはこのまま待ってもらうことにして、俺は部屋に着替えを取りに戻った。 それにしても、あやせが用意したプレゼントって何だ? 俺がスウェットのズボンを穿いてリビングへ戻ると、気付いたあやせが後ろ手に何かを隠した。 俺の動きを眼で追いながら、何やら悪戯っぽい笑顔で俺を見ていやがる。 たぶん後ろ手に隠したモンが、さっきあやせが言っていたプレゼントなんだろう。 金は掛けねえし、俺はサインをするだけだっつーから、大したもんじゃねえんだろうけど。 俺の妹は、たまに兄貴の俺が想像もしねえようなことを思い付きやがるからな。 サインだけだって言われても、用心するに越したことはねえ。 「――で、俺は何にサインをすりゃあいいんだ?」 「これにお願いします。……下の方に、サインをするところがあるでしょ」 あやせが俺にサインをしろと差し出したものは、映画のチケットくらいの小さな紙片だった。 しかし、俺がサインをする部分以外はあやせが手で隠しているもんだから、 幾らなんでも俺だって気軽にサインをするわけにはいかねえ。 どう見ても映画のチケットなんかじゃねえし、よく見りゃ手作りのような気もする。 たぶん、あやせがパソコンで作ってプリントアウトしたモンなんだろう。 「どうしたんですか、お兄さん? サインをしないつもりですか?」 「いや、そうは言っても、これが何なのか分からんのにサインできねえだろ」 「お兄さんは、妹のわたしの言うことが聞けないんですか?」 俺はあやせの声のトーンが変わったことにビビリながら、そっと妹の顔を窺った。 あやせの顔からは笑顔が消え、その瞳からは光彩が消失していた。 このまま俺が押し黙っていれば、あやせの口から『ぶち殺しますよ』との台詞が飛び出すのも 時間の問題だろう。いや、俺の命の問題かもしれん。 「な、なぁ、あやせ……もしも俺がサインしなかったら、どうするつもりだ?」 「……お兄さんがサインをしないなんて、わたしは全く考えていませんけど。 もしそういうことになれば、“お兄さんが、わたしの下着を盗みました”って、 お母さんに言い付けるだけです」 「おまえなぁ、そんなウソをお袋が信じるとでも………………」 俺は、あやせの言う通りに黙ってサインをした。 一度サインをしちまった以上、あとは煮るなり焼くなり好きにしてくれっつーの。 何だかんだ言ったって、俺とあやせは昔からけっこう仲がいいんだよ。 時々、兄妹であることを忘れちまいそうになるのが怖いんだけど。 「それでは、お兄さんからサインももらいましたから、これはわたしが預かって置きます。 その代わりに、お兄さんには、誕生日プレゼントとしてこれを差し上げます」 あやせがそう言って差し出した物は、さっき俺がサインをした物と同じような紙片だった。 「……ふぁーすと・きすよやくけん? 何じゃこりゃ?」 つい棒読みしちまった。 手に取って良く見りゃ、その紙片には“ファースト・キス予約券”って書いてあった。 有効期限は無期限、そのうえ譲渡禁止って文言も明記されている。 つまり、あやせのファースト・キスを頂ける券ってことだよな。……そのまんまだけど。 あやせは少し顔を赤らめながら、ジッと俺を見つめている。 俺の妹は一体何を馬鹿なことを考えてんだよ、と思う前に、 すぐにこの券を引き換えようとしていた俺がいることに気が付いた。 しかし冷静になって考えてみれば、俺がこの券を持っている以上、 あやせがどこの馬の骨とも分からねえヤツに、ファースト・キスを奪われる危険性はなくなる。 そう考えれば、妹思いの兄貴としては安心この上ない。 ところで気になることがひとつだけあった。 さっき俺が無理やりサインをさせられたモンも、これと同じような予約券の類なんだろう。 兄妹でお互いに“ファースト・キス予約券”を持っていたって、意味ねえもんな。 「なぁ、さっき俺がサインしたヤツも、何かの予約券なんだろ? ……やっぱ、気になるんだよ。あやせが俺に“ファースト・キス予約券”をくれたんなら、 俺はおまえに、何の“予約”をやったことになるんだ?」 あやせが俺に見せたその“予約券”にも、有効期限は無期限、譲渡禁止って文言が明記されていた。 だが、俺のもらった“ファースト・キス予約券”とは明らかに違う点が、ひとつだけある。 それは、あやせが手に持っている“予約券”には、予約券という文字の左側に入るべき名称が、 今はまだ空白になっていることだった。 (完)
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1290468634/8-12 「今日のところはあなたの言い分を聞いてあげてもいいわ。 最後のところだけは遠慮させてもらうけれど」 「どうだか。エロゲーだったらCG回収決まったようなもんよ」 そう言って彼女はノブを回す。今日はあなたの勝ち逃げね。 ドアを開け颯爽と去る彼女。 「うわらばっ!!」 訂正。彼女がドアを開けると外にいた何かにドアがぶつかった。 「ってー… お前は俺にドアぶつけないといけない病気でもあんのかよ…」 鼻を押さえながら現れた人物は渦中の人、高坂京介だった。 「黒猫悪い!待たせた!」 先輩は部屋の中にいる私に気付くと、手を合わせて謝るポーズを取る。 彼が持っていた袋がゆらゆらと揺れた。 「な、なんでこんなに早く帰ってきてんの!?」 彼の妹は狼狽し、怒鳴りつける。 「その、なんだ…やっぱ黒猫を待たせるのも悪いと思ってな。 近場のコンビニ行ってきた。だから…」 先輩は私の方をチラッと見て、彼の妹に耳打ちする。 私に聞かれるのは都合が悪いのかしら。 でも、少しは事情が分かった。 あの女が何かしらを吹き込み先輩は買い物に行ったわけね。 どうりで遅いはずだわ。 このタイミングで彼が帰ってきたのは、誰かにとっては予想外だったみたいだけど。 ふと思案に耽っているうちに、兄妹の秘密の会話は終わったらしい。 片方はばつが悪い顔、もう片方は不機嫌そうな顔をしていた。 「…ってかもうそんなのいいし。アタシ外行くから」 「あ、おい!」 先輩の脇を潜り抜けようとする高坂桐乃。 しかし、彼女は先輩に腕を掴まれ、再び私の視界からいなくなることに失敗した。 「ちょ、まだなんか用あんの!?さわんなシスコン!」 「いや、俺も離したい…っていうか見なかったことにしたかったんだが…」 「は?何言ってんの?」 意味不明と怒る彼女に、先輩は脂汗を流しながら掠れた声で言った。 「お、お前…なんで俺のパンツ持ってんの?」 空気が凍る。 さ、最悪だわ… このパンツはどこまでこの場を掻き回せば気が済むの…! 今度のゲームのラスボスを、穢れた布切れにしてしまいたくなるほどの邪悪だ。 「か、こ、っここ、これは」 パンツを片手に持つ女はがくがくと震えている。 彼女の頭の中は、パンツ補充をしていたあの時よりも混沌が広がっているに違いない。 「せ、先輩!それは…」 見かねて思わず声をかける。この事態を招いた責任の一端が私にもあるからだろうか。 「そ、それは…?」 怯えた様子で先輩が話しかける。 ど、どうすればいいの… 大まかに言うならば…あなたのパンツで修羅場を繰り広げてました。 …酷すぎるわ。私なら卒倒する。 彼女を貶める言い訳も論外だ。借りを作っておいてそんな真似できない。 となると…道は一つしかないじゃない。 もともと私が背負うはずの業なんだもの。自分の不手際の始末は自分で… 「わ、私が」 「これはぁ!!!」 私の声を掻き消す大声が上がる。 驚き、声の方を見張るとそこにはギラついた眼。 『余計なことすんな!』 言葉を聞かずとも彼女の眼光はそう語っていた。 高坂桐乃は先輩の手を振りほどき、パンツを両手に持つ。 「アンタらがキモくてウザくてイラつくから…」 わなわなと震え、両手に力が込められる。 「おおお前、何をっ!?」 「や、やめなさい!」 それは、あなたの大事な…! 「ストレス解消にっっっ………使わせてもらうのよっ!!!」 咆哮と同時に真っ二つになるパンツ。 二人の女を振り回した欲望の布は、現所持者の手によって儚くも散った。 「俺が何したっていうんだ…」 部屋にはorzとうなだれた先輩と、呆然と立ち尽くした私が取り残される。 先輩を嘆かせている女は、パンツを破った後さっさとこの家を出ていってしまった。 「また喧嘩でもしたのか?」 「…そんなところよ」 そういう話ということになったものね。 「いくらイライラしてたからってよ…流石にいじけるぞ… ノーパン貴族になっちまうぞ…」 「先輩、落ち込みすぎて意味不明なこと口走っているわ」 うな垂れる先輩を見ながら、私はいけ好かない茶髪女のことを想った。 あれが、先輩から拝借したパンツならば。 自分のコレクションを自らの手で葬り、 大好きな兄を他の女と二人きりにさせたことになる。 …まさに踏んだり蹴ったり。間違いなく厄日だわ。 あの女が辛酸を嘗めるというのは、いつもなら胸がすくようなものだけど… 生憎、そういう気分じゃない。 今日は先輩と貴重な時間を過ごす予定だったけど、 このままでは素直にこの時間に浸れない。 「…今日のところは踏むだけにしてあげるかしら」 「踏むの!?」 四つんばいのまま顔を上げる先輩。 「独り言よ。あなたの趣味ならば、そうすることもやぶさかではないけれど」 「ねぇよそんな趣味!紛らわしいわ!てかそんな独り言初めて聞いたぞ!」 「いちいち煩い雄ね…」 どこまでも喧しい兄妹だわ。思わずため息が出る。 さて、さっさと借りを返しに行くかしら。 あの女と私の間にそういうものは必要ないもの。 「先輩、ゲーム制作はまた後日でもいいかしら」 「ん?ああ。別にいいが…じゃあ何するんだ?」 「そうね。せっかく犬みたいな格好をしているのだし、 今日は散歩でもしましょうか」 「しかしアイツがイラついてる時に行く場所っていってもなぁ。 前はゲーセンにいたけど、今日もいるかは分からないぞ」 「心当たりがあるだけ十分よ」 並んで歩く先輩が難しい顔をしている。 私達が今いる場所は駅前の商店街。 学校から帰る途中で寄り道をしている学生や 夕食の買い物をしに来た主婦でにわかに賑わっている中を、 真っ直ぐ目的の場所に向かって進む。 「よしんばいたとしても…その…」 「気まずい?」 「まぁな。というか、どういう顔して会えばいいか分からん」 それはそうね。 パンツ引き裂き女と遭遇した時の対処法なんてどんな文献にも書いていないでしょうし。 「いずれにしろ家で会うのよ?一人より二人で会う方がまだマシだと思うけど」 「まぁそれはそうなんだが…」 未だにうーんと呻る先輩。 「…大丈夫よ。あなたはあの女の優しい兄さんだし、 気に食わないけど私は友人だもの。なるようになるわ」 「黒猫…」 きっとなるようになる。 今日あんな事が繰り広げられても、私達の仲は狂わなかったのだから。 そんなことを考えているうちに、私の視界に目的地のゲーセンが見える。 「…アレ、そうだよな?」 「ええ、見てすぐに分かる醜悪さだわ」 遠目からでも分かる。間違いない。 ゲーセンの目の前まで行くと、 私達の視線のすぐ先には一心不乱にバチを振り回し、太鼓○達人をプレイしている茶髪女。 「なんかデジャヴが…あ、おい」 立ち止まった先輩を尻目に、私は歩を進める。 ぶち切れ女子学生を見物していた人間の横を通り抜け、彼女の後ろに立った。 …私達がこんなところにいるって分かったらどういう顔をするかしら。 その顔を想像したら思わず笑みが浮かぶ。 彼女がプレイ中の曲が終わると同時に、 私は肩を揺らす無様な後姿に、心を揺さぶるであろう呪詛を投げかけた。 「お粗末なバチ捌きね。魅せプレイというのを教えてあげるわ」
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comment_num2 test message. -- (名無しさん) 2011-08-28 16 16 21 カップリング別を見れるようにしてくださってありがとうございます。 -- (名無しさん) 2011-08-29 00 54 19 加奈子×黒猫と言うのも見たいです! -- (かなかなラブ) 2012-12-01 13 24 29