約 2,471,693 件
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/132.html
考察 ルート 攻略 解釈 特典小説
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/62.html
麻奈実の京介ラブ行動とフラグ パラノイア 変更された誕生日 志望校 以下の記述には、ウソ・大げさ・紛らわしい表現や、エロゲに脳を汚染された人間の妄想が含まれている可能性があります。 麻奈実の京介ラブ行動とフラグ (2巻までのもの) パラノイア 麻奈実は、2巻2章において、京介から「そのままの方が良い」と言われて喜んだその晩に、髪を切っている。 また、その際に髪を切りすぎて、そのことを気に病んでいる。 このことから、麻奈実が髪を切った理由は、「そのままの自分でいるため」であると推察される。 ところで、上述したように、麻奈実が髪を切ったのは、京介から「そのままの方が良い」と言われたその晩である。 したがって、麻奈実が髪を切った目的は、京介が肯定した自分の状態に戻すため、すなわち、髪を一日前の状態に戻すためであると考えられる。 もし初回で失敗しなかったのなら、毎日その日伸びた分の髪を切り続けていたことであろう。 いや、あるいはその後も毎日チャレンジし続けているのかもしれない。 変更された誕生日 麻奈実の誕生日は2巻p174で明かされているが、版によって日付が異なっている。初版では12月4日と設定されており、少なくとも再版(第2版)までは同じ日付であったことが確認されているが、それ以降の版(少なくとも2010年4月発行の11版以前)で5月4日に変更されている。 これについては、 予定されていた誕生日イベントを起こさないための陰謀に違いない! おのれ作者!! 作中では6月に当たる第1巻時点で麻奈実は17歳であると書いているので(第1巻Character file.03参照)、4月から6月までの間に誕生日を迎えていなければ高校2年生の年齢としてはおかしいことに作者が気が付いたせいではないか。 といった意見が出されているが、前者であれば誰にも気づかれないようこっそり誕生日を変更する意図が不明であるし、後者であれば麻奈実の誕生日を変更する以外にも、第1巻Character file.03の年齢の方を下げる手もあったはずである。 謎である。 志望校 麻奈美は進学志望であり「地元の大学」を志望していると作中に書かれている。 また、麻奈美の志望校=京介の志望校である事も明言されている。 この作品の舞台は千葉である事が、秋葉原からの距離、作者の言動、アニメ化時の背景描写、黒猫のハンドルネームに対する周囲の反応などからほぼ確定している。 作中の麻奈美と京介の間の会話から考えて「地元」というのはかなり範囲の狭い、今の生活圏内と変わらない場所だと考えられる。 それを踏まえた上で、立地条件的にあてはまるのは、国立千葉大学(西千葉キャンパス)と、私立千葉経済大学しか存在しない。 麻奈美の性格から考えて、例え経済的に余裕があっても少しでも学費が安い国立大学を選択するであろうこと。 さらに、もう一方の候補である千葉経済大学はボーダー偏差値35(2010河合塾予測)とランクがとても低く、優等生である麻奈美が最初から志望校として考える大学とは考え辛いこと。 これらの事から麻奈美=京介の志望校は国立千葉大学だと考えられる。 意見・批判等 ↑「みんな」が「京介、嫁、桐乃」の三名のみを指すと考えれば良い。さもなくばハーレムエンドか。 -- (名無しさん) 2011-05-14 21 18 39 麻奈実自身の気持ちを告げた後、同じセリフ中のなかで「みんなの気持ちを知って・・・」って言ってるんで三人ではないな。とするとハーレムしかないなw -- (名無しさん) 2011-05-14 22 30 54 遠回しに京介を独占しない自分とくっつくのが一番って言ってるようにも見えたんだけどどうだろう? -- (名無しさん) 2011-05-19 03 18 46 あやせをガン見する京介を見て、やっぱりきれいになりたいと思って切ったんでしょ。 -- (名無しさん) 2011-08-01 15 21 08 京介から見た麻奈実の態度は『気になる女の子ができた孫を見るよう』。でも麻奈実にとって京介は孫じゃない。つまり麻奈実には『好きな人に気になる女の子ができた』ように見えていた。直後の文でやっぱり麻奈実は京介の心情を見透かしてる。このくらい麻奈実は(京介自身より)京介のことを分かってる。だから、京介はわりと本気で気になっていたんだろう(その割りにあやせの水着姿より妹の水着姿ガン見するやつではあるが、最後の『可愛いじゃん』は誰にかかるんだろうなんてな)。麻奈実をよく見てるだろう浩平お兄ちゃんも似たようなことを言ってたし、避けてた理由はそっちだろう。『…わたしは……変わったもん』って台詞も通りがいい。──そうなると髪を切った理由もむしろそっちからじゃないのか。1回こういう経験してるから、5巻以降の立ち回りは1回突っ伏した以外そつなくいっているのだろう。 -- (名無しさん) 2011-08-13 13 10 53 麻奈実は京介のぼやいただけの嫁候補に唐突でもあやせを上げるくらいだから、「みんな」は3人だけじゃない。 -- (名無しさん) 2011-08-13 13 25 51 3巻のクリスマスの誘い断られたときのショックはギャグ調で描かれてたけど、2巻の2章踏まえると本人はマジだったんじゃないかな -- (名無しさん) 2011-09-28 07 16 46 どう考えてもハーレム計画狙ってるだろwwww -- (名無しさん) 2012-04-12 03 10 07 髪を一日分切ろうとした理由が、元々ガムテ女が麻奈実だからってのだと繋がるんだがな。ガムテで切るしかなかった黒髪長髪の短くなった髪を京介が罪滅ぼしに褒めたから短くしてたと。京介悪党w -- (名無しさん) 2012-06-05 21 26 23 ベッドの下のエロ本を、ベッドの上のエロ嫁に変えられたんだ-くらい突き抜けてほしい。それでこそファンタスティック、それでこそのフィクション。 -- (名無しさん) 2012-11-21 16 05 27 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/81.html
こういうのイランから -- (名無しさん) 2010-11-21 02 00 58 誰とくっつくとか荒れるだけなのが分からないのか。 -- (名無しさん) 2010-11-21 06 09 23 ・・・削除していいか -- (名無しさん) 2010-11-21 08 33 36 削除だろjk Wikiですることじゃない -- (名無しさん) 2010-11-21 21 01 32 つっても、本スレの8割はそういった話題で出来ているんだけどな。 -- (名無しさん) 2010-11-21 23 48 35 本スレってなんだよw2chとwikiは関係ないだろwそんなのこっち持ってくんな。 -- (名無しさん) 2010-11-22 07 17 45 関係あるよ。個人的には恣意的な解釈があるとの一文いれて載せるのには賛成。編集合戦や本スレで主張する目的になって荒れたら停止で良いと思う。 -- (名無しさん) 2010-11-22 15 53 54 入れたがる意味がわからない。荒れるにきまってる いらない -- (名無しさん) 2010-11-22 16 13 22 Wikiでやる必要がないよ。荒れるのは間違いないだろ。荒れて後々消すくらいなら始めからやらなくて良い。それこそ本スレでやれば良い。 -- (名無しさん) 2010-11-23 01 07 49 2ちゃんのまとめサイトなんだから、本スレの成果(?)をまとめといても良いとは思うが。 -- (名無しさん) 2010-11-23 03 44 35 そのまま2ちゃんでやっててね。 -- (名無しさん) 2010-11-23 08 10 05 展開予想は絶対荒れるからやめようと。そういうことだ。このWikiに来てる人にとってそれ程需要があるとも思えないしな。 -- (名無しさん) 2010-11-23 09 56 22 2chの原作スレみたけど酷い有様だからな。同じようなのがずっと張り付いてギャーギャー言ってるだけ。 -- (名無しさん) 2010-11-23 10 54 07 ↑だな 7巻以降あいつら毎日張り付いてる勢いだろ ホントよくやるわ -- (名無しさん) 2010-11-24 01 19 03 スレ非難の場所にしないでね -- (名無しさん) 2010-11-25 01 49 09 予想とかいらねー -- (名無しさん) 2010-11-25 19 51 41 あやせが黒猫に接点ができることを京介は恐れているはず -- (名無しさん) 2010-12-22 14 41 52 桐乃か京介が事故にあって、数巻前まで時間が戻る(ループする) -- (名無しさん) 2011-03-15 06 43 57 ↑↑あやせと黒猫の接点は出来るよ。麻奈実経由で。 -- (名無しさん) 2011-03-15 15 07 24
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/118.html
女の子も読んでますか -- (望愛1) 2010-12-30 15 20 59 ええ、読んでいますわ。とても共感できる作品ですのよ? -- (サヲリ) 2011-01-04 00 33 27 アニメの続きがネット配信で放送されると聞きましたがどこにも情報が載ってません。どうなってるんでしょう? -- (名無しさん) 2011-01-09 18 53 54 聞いた人に聞いてください -- (名無しさん) 2011-01-15 08 22 52 なかなかゲームがクリアできないんですかどーしたらいいでしょう -- (チョコモナカジャンボ) 2011-02-09 16 40 33
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/139.html
氷属性のツッコミ役という点において、桐山誠人=真壁楓とも言えなくないだろうか? -- (名無しさん) 2011-03-16 21 20 52 だいぶ更新されてないみたいだけど、一番上はけしてもいいのかな?(9巻) -- (名無しさん) 2012-02-17 18 29 08 令嬢の病→『この世のどこにも存在しない』ではなく、別の視点で言えば全てが槇島沙織の本心の一部であるが、それを表に出せない諸般の事情(恥ずかしがりなど)を個別に回避するために作った対応策が、バジーナを始めとする他の人格(キャラ)なのだと思う。 -- (名無しさん) 2012-04-28 07 27 07 好き嫌いが激しい→自然な考え方といえば。やはりカリスマ的な人格を兼ね備えてるとはいえ(BD特典の黒猫談)、ネット上や普通に会話する分には良い人ではあるものの、風貌や口調やキャラクターなどを踏まえると、普通の人間は実際につれ歩きたくないと考える人が多いと見る方が自然であると思います。 -- (名無しさん) 2012-04-28 07 38 22
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/137.html
妄想ありへ移動する
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/162.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266820218/116-121 部屋は心の鏡とはよく言ったものだ。 どこの部屋にも置いてるであろう生活用品以外に特筆して目立つ物のない俺の部屋は、俺の心をよく現している。 自室というものは、自分の有り体であり、心そのものであると俺は思うわけだ。 妹の部屋は俺の部屋なんかより、より心の有り様が見て取れる。 一見すると、なるほど近頃の女子中学生らしくぬいぐるみや、可愛らしい柄のカーテンが窓にひかれ 本棚には参考書や陸上の本が陳列しており、部屋はよく片付いている。やるべき事はキッチリとやり、 他人に負い目を見せない妹の性格がよくよく現れている妹の部屋。 そう、それは間違いなく俺の妹・高坂桐乃らしい空間であり、妹を普段からよく知る人間がこの部屋を見て 「高坂桐乃の部屋」だと言われたら、誰もが信じて疑わないだろう。 でも他人の心なんて実は誰もわからないものだ。妹は確かにそういう人間であるけれども、それは一面でしかない。 妹の部屋は和室を無理やり洋室にリフォームした為か、洋室には不似合いな押入れが存在する。 そしてそこには、桐乃の普段は見る事のできない、オタ趣味満載の面が詰め込まれている。 オタ趣味を理解してくれて、なおかつ信用の置ける人間にしかそれを公にしない桐乃の心を その部屋は如実に物語っているわけだ。まあ俺がその秘密を知っちゃったのは奴にとってイレギュラーの事態が起こり 仕方なく公開した訳で、俺をまるごと信用して見せてくれた訳じゃないと思うんだけどね。 つまりその、なんだ、部屋が心であるなら、そこに土足でズカズカ踏み込むような真似は慎むべきだってことを俺は言いたいんだね。 特に思春期の少年少女の部屋なんて注意しなきゃ駄目なんだから‥‥ ここまで言って俺の言いたい事の分からない人間なんていないだろ??え?いるの? だからさあ‥ 人の部屋に入る時はノックをしろってことだよ!!! 「~~~~~~~~!!」 「あれ?アンタこのくそ暑いのに毛布かぶって何やってんの?」 季節は夏―――外ではセミがにぎやかに鳴いており、間違っても頭から毛布なんてかぶる事のない心躍る季節‥ 「な、何でもねえよ。いや、何でもない事はなくて、凄まじい寒気と悪寒が俺を襲ってるんだよ!」 ああ‥我ながらなんて苦しい言い訳なんだろう‥ 俺、高坂京介は何も予定のない夏の休日、この日は朝からやる気を出してひとり勉強に励んでいたのだが、 途中でちょっと調べたい事があったので、妹から借りたノートPCを起動したのが全ての間違いだった。 いや、違うんだよ?もちろんWINDOWSが起動した後はプラウザを起動しようとしたさ! でも、プラウザの横に昨日寝る前にダウンロードしたアダルト動画のファイルが燦然と輝いていたんだよ。 あれ?何でこんなファイルが?と思ったけど、何の事はない。いつもは見終わったら消去するんだけど、 これがなかなかどうして上玉の眼鏡ッ子AV女優の動画でね‥うへへ!昨夜は二回も抜いちまった。 だから消すには惜しくて、もう一度見てから消そうと思ってたのさ。ああ、その時からもう地獄へのカウントダウンは始まってたんだ。 ベッドの上で横向きに寝ながら自家発電に励んでいたところ、妹がノック無しに部屋に入ってきやがった。 こういう事態に陥ったことが無いわけではない。でもそれは相手が母親の場合だ。 母親だったらこんな時は俺が何をしていたかすぐに察知して撤退してくれるのだが、いかんせん今回は相手が違う。 「え?なに、夏風邪にでもかかったの?どうなるの?死ぬの?」 「死なねえよ!」 絶対に見つかりたくねええ!何でかわからんが、桐乃には絶対に見つかりたくない! ベッドの上で饅頭のように毛布にくるまった俺を見て、桐乃はさぞ訝しげに思ったのか、不審そうに色々伺ってくる。 「何でそんな丸まった体勢で寝てんの?」 「それはね、こうすると気分転換になるからだよ」 「何で毛布の中にコードが繋がってんの?」 「それはね、電気湯たんぽで暖をとっているからだよ」 「何でそんな声が震えてんの?」 「それはね、あまりの寒気に発声もままならなくなってきたからだよ」 赤頭巾ちゃんのようなやり取りを、外の世界からシャットアウトされた半ケツ状態の俺と交わす妹。 俺は毛布にくるまっているので、外の様子が確認できないのだが、桐乃は俺の様子が尋常じゃないと見てさすがに心配になってきたようだ 。 「ちょっと大丈夫なのそれ?」 「だ、大丈夫だ。何の問題もねえ」 「キモ!全然大丈夫そうに聞こえないんですけどー!?声がガタガタしてるよアンタ!?」 「だ、だから大丈夫だっつってんだろ!寝てれば治るから出てけよ!ゴホゴホ!!」 ぐぅぅ‥‥!いつもは俺がどうなろうと心配のひとつもしねえくせに、どうしてこういう時だけ‥! ちょっと演技が迫真に迫りすぎちまったみたいだ。声がガタガタしてるのは本当に恐怖におののいているからだけどね! とりあえず何とかして桐乃を外に追い出さなくては。一瞬で良いんだ。十秒あればパンツを履いて、 PCの電源を落として、その後はどうにでもなる。この現在の毛布の中の状況だけは知られる訳にはいかない。 何か上手く桐乃を外に追い出す方法はないものか‥そうだ! 「うう‥‥どんどん調子が悪くなってきた‥桐乃、悪いが体温計を一階から持ってきてくれないか」 なんというナイスアイディア。幸いなことに、今日の桐乃は柄にもなく俺を心配しているようだし、これぐらいは聞いてくれるだろう。 まったく、普段からもう少しこの兄を気にかけてくれるようならいいんだが。 「そ、そうね。ちょっと待ってて。今持ってきてあげるから」 はあ‥‥何とかこの場を切り抜けられそうだ。さて、とりあえずパンツを履かないとな。 毛布の中でひとり勝利を確信していた俺だが、桐乃が部屋から出ていく気配が感じられないので、毛布越しに見えない妹に声をかける。 「‥‥桐乃?どうした?早く体温計を‥」 やっぱりろくな作戦じゃなかったか?ぐぅ、確かにこんな時にまず熱測ってる場合じゃないか‥ と、思っていたらいきなりベッドの上に自分以外の人間の体重がかかり、ギシッと音を鳴らした。 「お、おい!桐乃っ!?」 「ね、熱、測ってあげるからちょっと出てきて!」 なんと桐乃が俺の毛布を剥がしにかかってきた。もはや俺の最終防衛線といえる毛布を、だ。 もちろん俺は最大限の抵抗を試みる。亀の子のように丸まり、四肢で毛布を巻き込む。 「はぁ?何言ってんだよ!熱測るなら体温計があるだろ!どうする気だよ!」 「い、一階のどこに体温計あるのか忘れちゃったの!あ、あああたしが測ってやるって、言ってんの!」 何言ってんだ!陸上の大会の日の朝に欠かさず熱測ってんじゃねーかよ!それに測るって、どうやって!? 「ほ、本当は死ぬほどイヤなんだけどね??緊急みたいだからおでこで測ってあげる!」 何だと!?いや、ヤバイってっそれはヤバイって!それもヤバイって! 全力で俺の毛布を引き剥がしにかかる桐乃。 「し、仕方ないじゃん!?アンタ、けっこーヤバそうなカンジだし!?ふ、不可抗力っての!?」 ヤバいのはこの状況なんだよ!毛布にくるまりながらPCを抱え込む体勢では、両手で毛布を引っ張る桐乃に対し、 だんだん分が悪くなってくる。俺、風前の灯火。もはや最後の牙城は崩れ去ろうとしていた。 「やめろ!この毛布を剥がすと恐ろしいことになるぞ!」 俺の必死の抵抗もむなしく、桐乃は鼻息をフンフン鳴らしながら毛布をめくりさろうとする。 「う‥るさい!いいから出てこいっ!」 やめろ、いま毛布を剥がすと本当に恐ろしいことになる。何故なら、お前の位置から毛布をめくると――。 「え‥‥えっ?」 俺の半ケツが出てくるからだ。 「ぎゃ、ぎゃぁあああ!!何してんのアンタ!!へ、変態!露出狂!!」 「い、いやこれは‥!」 桐乃は俺の半ケツを見るや否や、悲鳴をあげながら俺と逆方向のベッドの端まで退いた。パンツ見えてるぞ。 涙目でパンツを上げる俺に、同じく涙目で顔をゆでダコのようにした桐乃が真っ赤にしながら抗議する。 俺が何をしていたのか、こいつもどうやらようやく、ようやく分かったらしい。 「あ~最悪!今日の夢に出たらどうしてくれんの!?最悪最悪最悪最悪‥‥」 あああ、俺だって最悪だよ。今日は何て最悪な日なんだ。よりによって、妹にオナニーの現場を抑えられるなんて‥ その後も、桐乃はブツブツと俺に批難をぶつけていたようだが、放心状態の俺の耳にはもう何も入ってこない。 ただ俺は目の前の虚空を眺め、この後の人生の身の振り方を考えていた‥もう死にたいよぅ。 いやいや‥ただオナニーを見つかったことぐらい、どうだと言うんだ‥そうだよ、世の中にはもっと辛い事だってあるさ。 「ね‥ねえ」 そうだ、こんな事は苦じゃないんだ。親父にぶん殴られた時に比べれば 「ねえってば」 あ~そうだ、今日は麻奈美と図書館に行って勉強しよう。うん。もうそうしよう。 「ねえ!!」 「何だよ!!」 うるせえな、こいつまだいたのかよ。俺をどこまで追い詰める気なんだ。もう頼むから部屋から出て行ってほしい。 俺はそうお願いするべく、横から声をかけてくる桐乃様のほうを見やった。 「‥‥‥」 はて?こいつはどうして、俺の服の裾を掴んで顔を赤らめているのだろう。 俺も細かいことを思考するのをやめ、妹と間近から見つめ合う事にした。何だこの状況。 しばしの静寂の後、妹の方が先に口を開いて聞いてきた。 「で‥どうだった?」 「は?何が?」 こいつは一体何を聞いてくるんだ?Tシャツとパンツ姿の俺は、訳も分からずただ妹と見つめ合う。するとさらに妹は聞いてきた。 「だから‥どうだった‥って聞いてんの‥!やってて、こ、興奮してたの?」 ああ?エロ動画のことか?そりゃあもう赤フレームの眼鏡のAV女優は俺のストライクゾーンを捉えたね。 こうなればヤケだ。もうどうにでもなぁ~~れ♪ 「ああ、興奮した!」 俺は心中涙目ながら胸を張ってそう答えた。すると桐乃は「ふ、ふうん‥」とつぶやいて顔を赤らめたまま目を伏せる。 おいおい、何だその態度は。そりゃ目も伏せたくなるだろうけどさ、そろそろ勘弁してくれよ。 顔を上気させたまま俯いていた桐乃だったが、数瞬の後、意を決したようにいきなり顔を上げ、再び詰問してくる。 「やっぱり、兄貴は‥ああいうの好きなの?」 「――す、好きだよ。好きなんだから仕方ないじゃんかよ」 「い、いつもああいうので‥その、ひとりで‥してるの?」 「ぐっ!ああ、そうさ!いつも同じようなジャンルでオナニーしてるよ!!」 「ほんとに?ほんと?」 「本当の本当だよ!」 ああもう何を聞いてくんのコイツ!?しかもそれにことごとく答えちゃう俺って何なの!? それに、こいつはこいつで「へ、へ~‥そうなんだ‥」とか言いながら頷いてるし‥ ふと気付くと、桐乃の視線が俺の視線と交わらず、俺の顔より下に向けられている。んん?俺の体に何か‥? 「なんかパンツに染み出来てるけど‥何それ?」 桐乃がそう言って指をさした先には、良い所でオナニー中断された為か、悲しそうに小さくカウパー汁が先っちょに染みている俺の股間のテント。 「こ、これはお前が途中で入ってくるから!」 もうこれ以上の恥はないと思っていたが、さらに恥の上塗りをされた。 きゃあとかキモいとか言いながら顔を両手で隠す桐乃。もう耳は真っ赤である。もちろん俺も真っ赤っ赤。 ぐう!もう泣いてもいいよね?頑張ったよね俺?もう完走(ゴール)してもいいよね? はあ‥もう今日は厄日だ。これ以上まともに桐乃と顔を合わせられる気力はない。 俺は今度こそ、桐乃に部屋から出て行って欲しいと頼むべく、桐乃の方を見て、たまげた。 股間から顔を上げると、鼻息のかかりそうな距離に桐乃の顔があったからだ。 その刹那、電流のような感覚が俺の下半身に走った。月並みだけど、本当に電気が走ったかと思ったよ。 桐乃が俺の股間に手を置いていたからだ。口をパクパクさせてる俺に、桐乃が顔を紅潮させたまま言った。 「途中で中断されるのって、辛いんでしょ?よ、よかったらあたしが抜いてあげよっか?」 「な、何言ってんの!?そんなのダメに決まってんだろ!!」 こいつは何て事を言い出すんだ。いま自分が何を言ったのか分かっているのだろうか。 我が耳を疑ったが、桐乃の方は大真面目なようで、俺の股間をさすり始めていた。 「だ、だって確かにノックしなかったのはあたしがほん~~~~の少しだけ悪かったかも知れないし‥」 ほんの少しどころじゃねーよ!お前さえ気を付ければこんな事にならずに済んだんだよ! 実の妹に股間を触られてドン引きしている俺とは裏腹に、桐乃は顔をうっとりさせながら体を密着させてくる。 いくら実妹とはいえ、ティーンズ誌のモデルをやっているような妹だ。そんな奴が 俺のチンチンをさすりながら俺を押し倒してるときたもんだ。たまったもんじゃない。てかヤバいでしょこの状況? 気付けば俺は完全に桐乃に組み伏せられていた。いつかと同じ状況だ。 「それに、あたしの貸したやつでオナニーしてくれてたのって、う、嬉しい‥かな?」 何が嬉しいの?え、自分のPCをオナニーに使われると嬉しいって、ごめんぜんぜん意味わかんねえよ‥ 俺の妹はとんだ変態ということなのだろうか?どこの世界に自分のPCを貸し出して、 オナニーに使われたら興奮する性癖の輩がいるというのだろうか。いや、目の前にいるんだけどさ。 これが俺の立場だったら、嬉しいどころかキレる場面だと思う。だが、妹は嬉しいと言う。 「あのね、本当にしてくれてるとは思わなかったんだ。もしかしたら‥もしかしたら、してくれてるかなって そんな風に期待してたの――。あ!でも今日のは本当に事故だよ??わざとオナニーの現場を見ようって思ったわけじゃなくて‥ その‥ちゃんとやってるかな~って思って。だって、アンタ言わないとやらないじゃん?で、ちょっと様子見にきてあげたら‥ や、やっぱり兄貴ってそういうの好きだったんだね‥?あたしだけ思い込んでたワケじゃないんだ‥」 なんて奴だ。俺にPCを貸し与えて、それでオナニーしてるかどうか期待していたというのかよ。 桐乃は俺にのしかかりがら、俺の胸の上に指を置いて、のの字を書きながらもじもじしている。 やべえ‥やはりこの状況は不味い。さっきから桐乃はいつになくしおらしいもんだから、俺もちょっと調子が狂う。 「そ、それで!どんなシーンで抜いてたの!?」 何聞いてくるんですかアンタ!?しかし、その勢いを留めぬままに俺のフィニッシュシーンを聞き出そうとしてくる桐乃。 「今回貸したやつって、いわゆる『おしかけもの』ってやつだからさ、そ、その‥例えば今のあたし達みたいな状況の シーンとか沢山あったでしょ??それで凄い興奮したんだよね!?や、やっぱり今みたいな状況って興奮しちゃうの‥?」 「‥は?そんなシーンなかったけど‥」 「え?」 俺の見ていた動画は、眼鏡ッ子AV女優のハメ撮りもので、物語仕立てであったり、シナリオのある作品ではなかったのだが。 桐乃は自分の期待していた返答と、俺の返事の内容がかなり違っていたようで、とたんに表情を曇らせる。 「そ、そ、それじゃ何ちゃんを攻略したの!?それだけでいいから言ってみて」 「こ、攻略って!えっと‥鈴木ありすって娘だけど‥」 「鈴木ありす?そんな子いたっけ?」 「いや、お前は知らないと思うよ。そもそもそのAVダウンロードしたの昨日だし‥」 『ビシッ』という音がどこからか聞こえた気がした。一瞬にして部屋の空気が張り詰めた。 そして、気のせいじゃなければその緊張の発信源は、おそらく目の前の妹である。 「え、‥AV‥?」 「借りてたPCをオナニーに使ってたのは謝るよ‥けど、お前も嬉しかったんだろ?俺もさっきのお前のことは忘れるからお前も― ん?どうした桐乃?ノートPCなんて持ち上げてどう‥」 「嬉しいわけ‥あるかーーっ!!死ね!」 ガシッ!ボカッ!俺は死んだ。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/70.html
うむ、眠いでおじゃるよ。 この揺れが眠気を誘って心地好いから麻呂になっちまったぜ。 俺・高坂京介は今、都心行きの電車に乗っている。 隣にはティーン雑誌のモデルをやっていたり、学校では陸上部のエース、成績は常にトップクラスと嘘のようで本当の事、それが俺の妹・高坂桐乃が座っている。 勿論、今日もメイクはばっちし決まって洋服も俺には分からんが流行な物を着ているんだろう。 耳にはピアスを着けておりそれは俺がクリスマスイブに無理やり買わされた物で家を出る時に気付いたから 「そのピアス、俺が買ったやつだろ、なかなか似合ってんじゃないか」って言ったら 桐乃が少し照れくさそうに「ありがとう」と言ってくれた。 まあ~この話は良いとしてなぜこんな事になっているかというと時間は逆戻り昨日の夜まで戻る。 日付が変わる1時間前つまり夜の11時になろうとしている。 俺は今、ノートパソコンでネットをしていてこれをしていると時間がたつのが早い。 その時、突然ドアが開き、 ―ガチャ 「兄貴、入るよ」 うお! 「お前! ノックしてから入ってこいよ!」 「別に良いじゃん。まさかまたノーパソでエロサイト見てたんじゃないでしょうね」 「見てねぇーよ!」 実は見ていたがさっきキャッシュを消した所だった。 危なかったぜ、危機一髪っだな。 桐乃は風呂あがりなんだろう、シャンプーかリンスの良い香りがして可愛らしい猫柄のパジャマを着ている。 「それより、何の用事だよ」 「あんた、分かってんじゃん。明日、一緒に東京へ行くから」 「はい~? 東京へ? 何しに行くんだよ」 「えへへぇ~、明日ね~同人誌即売会があるんだ」 同人誌即売会?っというと夏コミみたいなやつか? 勘弁してくれ、あんなキツイのはお断りだぜ。 それに明日は…… 「明日はムリだ。麻奈美と図書館で勉強だからな」 「地味子と図書館? 何それ、せっかくの休日なのに勉強してどうするのよ」 「あのな~俺はこれでも受験生なんだが」 「今更してもムリじゃない。いっそうの事、留年しちゃいば良いじゃん」 「お前! 恐ろしい事言ってんじゃねよ! そこは悪くて浪人って言えよ!」 浪人も嫌だけど留年はしちゃまずいだろ。 黒猫と1学年下しか違わなくなっちまうじゃんかよ 「はいはい、行かないと地味子にある事ない事言ったあげくに兄貴の事、お兄ちゃんって呼んでもらう事にしてもらうから」 桐乃、その弱点をついてくるのは卑怯ではありませんかね。 でも桐乃の言う事も一理あるんだよな~休日に勉強なんかしたくない。 こんなんで受験大丈夫かよな俺、まあ~明日は桐乃に付き合ってやるか。 後で麻奈美にメールしておかないとな。 「分かったよ、明日行けば良いんだろ。黒猫と沙織も一緒なんだろ?」 「そう、あの2人も一緒で即売会近くの駅で待ち合わせだから。明日は早いからさっさと寝なさいよね、起きてなかったら叩き起こすから」 「叩き起こすのは勘弁してくれ、そこは優しくキスでもして起こしてくれよ」 「な、な、何言ってんの馬鹿じゃない! このシスコン変態バカ兄貴! ……ふぅん、おやすみ兄貴!」 ―バタン! すまん、今のは俺が悪かった。 そんじゃ、さっさと風呂に入って寝るかね。 ちなみに翌朝はちゃんと起きてリビングに居ると桐乃が入って来て俺の顔を見た途端にムスッとした表情を見せた。 そんな訳で今に至るという事だ。 それから目的の駅に着いて先に来ていた、沙織と黒猫に合流して歩く事10分ぐらいで 即売会会場のビルに着き中へ入ったが会場までまだ歩くみたいだ。 やっぱり夏コミみたいに長蛇の列に並ぶのか? あんなのは二度とごめんだぜ。 隣の黒猫に聞いてみるか。 「今日の行く即売会? 夏コミみたいにまた長蛇の列に並ぶのか?」 「……いいえ、今回は規模が大きくないからそんなに並ばないわ……それに夏コミを経験すれば他は涼しいものだわ」 確かにあれを体験すれば他の順番待ちの列なんか余裕だよな。 今回はビルの中だから暑くはないし陽射しもないから楽だな。 改めて隣を歩く黒猫を見ると同じみの黒色のゴスロリ衣装だ。 「今日もその服なんだな」 「……いけないかしら?」 「いやいや、いけなくはないし、むしろ似合っていると思うぞ」 「……そう、一応お礼は言うわ」 「ただな……」 「……何かしら、言いたい事があるならはっきり言いなさい」 「ほら、いつも学校の制服で会っているじゃんか、そっちの方がお前には似合っていて可愛らしい感じなんだよなと思ったからよ」 「………」 あ、ヤバイ。 黒猫の奴、黙ったままうつむいちゃたぞ、なんか余計な事を言ったか? なぜだか分からんが― 「悪い、今のはそのーなんて言って良いのかーすまん、謝るよ」 黒猫は小さくコクンと頷いてくれた。 それから会場前まで着て列を見るとそれほど長くなくひとまずはホッとした。 俺たちも列に並び横には沙織が後ろには桐乃と黒猫が早速PSPで言い争いながらプレーしていてまるで夏コミの再現みたいだ。 暫くすると開門して俺たちは入口近くの人に邪魔ならない所に行きここからは個別行動で2時間後に ここに集合なにかあったら携帯へと話し合ってひとまずは解散となった。 俺も1人で見て回ったり休憩したりを繰り返して間もなく集合時間という所で、 「ちょっと! そこのお兄さ~ん!」 「ん? 俺?」 振り返って見るとそこには眼鏡をかけたメイドのコスプレをした可愛い女の子がニコニコ顔して俺を見ていた。 「新刊、見ていって下さぁ~い」 差し出され同人誌、無視するのも失礼だから受け取り何気に開いたページは……俺が夏コミで醜態をさらした格好そのままが画かれており、 顔を急いで上げメイドの顔を見たらそれは、 「あんた! 夏コミにいたメイドか!」 「うん? あ~あの時お兄さ~ん、久し振りだね」 「「久し振りだね」じねぇー! なんだよこのページは!」 俺はつめよりそのページを目の前のメイドに見せたら 「てへ★」と、メイドは可愛らしいく自分を頭を小さくコツと叩いた。 そのしぐさに呆気にとられているとバチーン! と後頭部に叩かれ、 振り返ると沙織と黒猫がいて桐乃は右手に丸めた同人誌を握っていてそれで俺の頭を叩いみたいだ。 「あんた! また売り子さんにセクハラしてんの!」 「してねーよ!」 「はいはい、言い訳は結構、あんたと来ると本当ろくな事がない」 「じゃー誘うなよ!」と言いたいが言うと何をされるか分かったもんじゃない。 だから俺は、 「ごめんなさい、もう二度としません」 「分かれば良いのよ」 それから俺たちは会場を後にして俺の右手には紙袋にしまわれたメイドの同人誌が握られている。 ビルの外に出て今度の行き先を聞こうとした時に桐乃が、 「私、これからモデル事務所に行かないといけない事になったからここまで」 「さようでござるか、実は拙者もこれから用事があるので今日はここで失礼するでござる、では」 「おう、また今度な」 沙織を見送ると、 「兄貴、はいこれ」 桐乃が差し出したのは同人誌が入ったカバンでそれを受け取る。 さすがに事務所には持って行けないよな、見つかったら面倒な事になるにちがいないし、仕方ないがここは協力するかね。 「……ありがとう……行ってきます」 「おう」 桐乃も駅に向かって歩き出しこの場に残ったのは俺と黒猫の2人だけになった。 「これからどうするよ? どっか行くか?」 「……兄さんに任せるわ」 任されても困るんだが……どうするか、都心周辺は全然詳しくないしよ知っている所といえば…… 「秋葉原にでも行くか?」 「……ええ、構わないわ」 「そんじゃ、まずは駅に行って秋葉原方面の電車に乗って移動だな」 「……そうね、行きましょうか」 移動時間、約40分で目的地の秋葉原に到着、改札を出ると休日という事で人が多い。 「今日は休日だから結構、人がいるよな」 「……そうね、でも今日はまだ少ない方よ」 「これで少ないって言われてもなー」 正直よく分からん。 ここに来た事があるのは何回ぐらいだ? たぶん片手の指だけでたりるぐらいしか来てないからな。 しかしこの後どうするか? 来たのは良いが目的がない、ひとまずは昼も過ぎた事だし腹ごしらいだな。 「ま、この話は置いておいてまずは腹も減ったし昼飯にでもするか、何か食べたい物はあるか?」 「……特に無いわ、兄さんに任せるわ」 う~ん、任されても何が良いんだ? ファーストフード? ラーメン屋? メイド喫茶?……牛丼店? いやいや最後のはダメだろう。 黒猫は女の子なんだから一緒に行って飯を食う雰囲気じゃないよなって俺は思うけどな。 じゃーここは無難に…… 「ファーストフードで良いか?」 「ええ、そこで構わないわ……行きましょうか、兄さん」 「おう、んじゃ行くか」 駅近くのファーストフード店に入り黒猫と同じ物を注文して先に会計を済まし程なくしてトレーにのかったハンバーガーを受け取った。 1階2階は満席状態だたったので3階へこちらはガラガラだったの窓際後ろ端に黒猫と対面する形で座った。 程なくしては食べ終わった俺は外の景色を眺める。 この後、どうすっかな、適当にショップ回りでもするか? 時間潰しには良いが目的も無く歩き回る疲れるよな。 やっぱここに詳しい黒猫に聞いてみた方が良いっかね。 ほんじゃまずは黒猫に― 「兄さん、良いかしら」 「ん、なんだ?」 「見てもらい物があるのだけど……これよ」 差し出した物を受け取り見てみる。 これは…… 「これお前が書いた漫画か?」 「……そう、オリジナル物でオープニング部分を書いた物……読んで感想を聞かせて頂戴」 「分かった、今読むからちょっと待ってくれ」 ………読み終えたから黒猫の方を見ると出版社へ行った時みたいに緊張した様子がみてとれる。 「正直な感想言って良いか?」 「……い、言って頂戴」 「ビックリだね、これが本当に2歳年下が書いたか作品かって思うぐらい面白いよ。早く続きが読みたいぜ」 「あ、ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいわ。でも、このぐらいのレベルの人はたくさんいるわ」 「そんなけんそんする事ないだろう、俺はこの作品良いと思うけどな。こんな事しか言えないけどな、それと汚さないうち返すよ」 「ん、……兄さんまた書いたら……読んで感想を……」 「おう、こんな俺で良いならな」 「……その時はお願い……」 大事そうにプラスチックケースに入れてカバンにしまうんだな。 そりゃそうか一生懸命作った作品だもんな。 そうだ忘れないうちに渡しておくか朝出る時にカバンに入れたから出してっと。 「これ受け取ってくれ」 「これは……」 包装された長方形型の物を受け取った黒猫だか怪訝そうな表情している。 「まあーなんだ、高校合格と入学祝いって所だ。開けてみてくれよ」 「………」 「どうした?」 「!! な、なんでもないわ。今、開けるから」 丁寧に包装紙をといていきフタを開けた黒猫は、驚いた表情を見せた。 「……兄さん、これ良い物なんじゃ……ないかしら」 俺が黒猫に送った物は文字盤の所にデフォルメされた黒色仔猫のイラストが描かれたアナログの腕時計である。 時計屋に修理を出した時にたまたま見かけて購入した訳だ。 「どうだろなーまあ、高い物じゃないしお前に似合うと思って買ったんだから良かったら使ってくれよ、な」 「分かったわ……あ、ありがとう兄さん……大事にするから」 「おう」 黒猫は照れ隠しのつもりか横を向き景色を見ながらストローのささった飲み物をチュチュ飲み始めた。 それから黒猫は包装紙を丁寧に包み渡した状態に戻しカバンの中へ入れた。 その後2人してショップを回ったりして最後にゲーセンに行きアーケード版シスカリをやったりとして切りが良い所で秋葉原を後にした。 電車に乗る事1時間弱で自宅近くの最寄り駅に到着。 初めて知ったのだが実は黒猫もここの駅を利用している。 俺とは逆方向の帰り道だがな。 それにしても近いとは知っていたがまさか同じ駅を利用しているとはな、世の中広いようで案外狭いんだな。 改札を出た時には空はすっかり茜色になっていた。 「じゃー、また明日学校でな」 「ええ、そうね」 「気を付けて帰れよ。あ、家まで送って行こうか?」 「いいえ……ここで結構よ」 「そっか、じゃーな」 「兄さん! ……」 「うん? ……どうした」 「……今日は……ありがとう……作品を見てくれて感想の事や……腕時計……大事に使うから……」 「おい!」 いきなり走っていっちまったよ黒猫の奴、照れくさかったのかねーお礼を言ったり言われたりするのが苦手な奴だからな。 それにして残念だったな、夕日が当たって黒猫の顔の表情がいまいち分からなかったのは悔しかったぜ。 でも、腕時計喜んでいたみたいだし良しとするか。 俺は黒猫が見えなくなるまでその場で立って居ると、 「兄貴?」 「ん?」 横を向くと今、改札を出て来たばかりの桐乃がいた。 「何してんの?」 「んー今から帰る所だが」 「そっか、じゃー一緒に帰ろうよ」 「!! おまえどうした! 一緒に帰るって言い出して!」 「帰り道が同じだからじゃん! 誰が好き好んで兄貴と一緒に帰るのよ!」 「はぁ~分かったよ、んじゃ行こうぜ」 「ふん!」 歩き出したの良いが何か無言でいるのも居心地が悪いよ、何か話す事あっかなー。 「……兄貴」 「お、おーなんだ」 「今日はありがとう、そのー即売会に付き合ってくれて、それとごめんね……受験勉強の邪魔してさ」 驚きだね、最近の桐乃はお礼や謝りの言葉を言ってくるからな、10ヶ月前とは大違いだぜ。 俺もその時は桐乃の事が大嫌いだったが、今は割かしそんなんではないんだよな。 どうしちまったんだよな俺は。 でもよ、騒ぎながら一緒にゲームをしたりするのは嫌いじゃないんだな。 「受験勉強の方は気にすんな。今日はリフレッシュ出来たしな、桐乃が言ったとおり休日はこうでなくちゃな」 「そうでしょ~私が言ったとおりじゃん。じゃーさ、家に帰ったらゲームして……今日、買った同人誌読もうよ……ほら行くよ、兄貴」 !! 桐乃の奴、いきなり左手を握って走り出しやがった。 「待った待った! 走るなー速いって!」 「だって! 時間がもったいないじゃん!」 そう言って振り返った桐乃の顔は今まで見た事がない笑顔で不覚にも妹なのに可愛いと思ってしまった。 結局深夜遅くまで桐乃の部屋でゲームをする事になった。 翌朝は寝坊をしたなので起きて早々、麻奈美に遅れるの先に行くよう携帯で知らせてから 顔を洗い急いで朝食を食べ歯を磨いてから制服に着替え家を出た同時に走り出した。 「ハァハァハァー」 ここまで走ってくれば遅刻はしないだろ後は歩きでも大丈夫だな、朝から疲れるぜまったく。 お、前方に黒猫発見。 ん? あいつ左手首をしきりに触っているけど何なんだ? あ、そっかもしかして腕時計を付けくれているからそれで気になっているか。 早速使ってくれているの嬉しいね、贈ったかいがあったぜ。 これから黒猫に追い付いて、今の行動をちゃかして言ってみたら、無表情で無愛想の奴がどんな顔をするのか楽しみだぜ。 何だかんだ言ってあいつのいろんな表情が見れるのが案外好きなんだよな。 「んじゃ、行くか」 数日後、まさか黒猫から人生相談を受けるとはこの時は夢にも思わなかった。 完
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1743.html
109 :Monolith兵:2013/06/23(日) 05 30 46 ※この作品にはTS表現があります。ご了承ください。 ※その14 47からの分岐ストーリーです。 ネタSS「俺の妹が○○○なわけがない!」 その15 「ウソッ!何で!あ、あなたが、こ、ここに・・・。」 「お前に会いに来た。」 黒猫の疑問に京介は簡潔に答えた。それに一瞬呆けた黒猫だったが、すぐさま毛布をかぶり顔を隠した。 「わ、私は、貴方を裏切ったのよ!今更貴方に合わす顔なんて・・・。」 「私は瑠璃の顔を見たい!顔を見せてくれ。お願いだ。」 京介は拒絶する黒猫に懇願した。京介はあえてこれまでのように”俺”と言う言葉を使わなかった。それは年相応に演じてきた自分を捨て去り、裸の自分を見てほしいからであった。 京介の言葉を聞いた黒猫はおずおずと顔を現した。 「桐乃まで・・・。」 今気づいたのか、桐乃のほうにも顔を向けた黒猫だった。桐乃はそんな黒猫を見ると「久しぶり!」といつもの外行きの性格で挨拶をした。 「私は瑠璃に会いに来た。お前に聞きたい事と言いたい事があるからだ!私に教えてほしい!そして私の話を聞いてほしい!・・・駄目か?」 京介は心からの言葉を黒猫に語りかけた。それに対して彼女は頷いて見せた。それに安心したのか、京介はひとつ大きなため息を吐いてベッドの端へと腰を下ろした。 「私が瑠璃に聞きたいのは、何故何も言わずに別れたかという事だ。確かに違う国にいるのだったら付き合っていくのは難しいだろう。でも、説明も無しに別れを言うのは無いだろう?」 京介の質問に黒猫は無言であった。 「それとも、私との関係が自然に消えてしまうのが怖かったのか?」 「・・・私は、・・・・・・、貴方と別れたくはなかった。でも!あなたは私を見てくれはしなかった・・・。」 そうして黒猫が語っていった事は京介の胸に深く突き刺さっていった。京介は黒猫のことを大切に思い、可愛がってきた。しかし、黒猫にとってはその行動は自分を女性として全く見てくれていないと映ったのだ。実際、京介は黒猫に別れを切り出された時も、そして現在も、彼女を一人の女性としては見れなかった。どうしても彼女は京介の仲では、幼い少女であり守るべき対象だったのだ。 「・・・そうか、・・・そうだな。私は瑠璃を女性として、劣情の対象としては見れなかった。だが、決してお前を蔑ろにしていたわけではない!それは信じてほしい。」 「ええ。あなたは私を守るべき小さな女の子してしか見てなかった。・・・もう私には貴方と付き合っていく自信がなかった。そして、太平洋はとても広いわ。その距離が私の心を癒してくれると思っていたのに!貴方は私に会いに来たといった!」 黒猫は叫びながら京介に殴りかかった。しかし、ベッドに伏せがちになっていた体にはそれほどの力はなく、京介には蚊ほどのダメージを与えることも出来なかった。それでも黒猫は泣きながら京介を殴り続けた。 そんな黒猫を悲しく思いながらも、京介はどうすることも出来なかった。実質的に黒猫を振ってこうなるまで追い詰めてしまったのは自分なのだ。せめて彼女の思うとおりにさせよう。そう心の中で思っていた。 110 :Monolith兵:2013/06/23(日) 05 31 18 「いい加減にしなさい!」 そんな2人を止めたのは桐乃の言葉だった。 「あんたたちは別れるべくして別れたの!解らないの?兄貴はあんたに告白された時にあたしに相談した。けど、その時にこいつはあんたの事を好きだとか一言も言っていなかった!それに、あんたが告白する前に私に電話してきた時にあたし言ったよね?兄貴と付き合ったらあんたはきっと苦しむって。それを承知で告白したんでしょ?付き合ってたんでしょ?結局、兄貴を振り向かせることが出来なかったあんたの負けなのよ。」 桐乃の言葉は黒猫と京介の胸の奥底まで突き刺さった。結局のところ、この2人が付き合うこと自体が無理だったのだ。 原作では2人とも高校生で年相応の精神年齢だったが、現実では違う。 京介の精神年齢は前世前々生も含めればもはや100の大台に乗っていて黒猫は余りにも幼く見えてしまい一人の女性としてみ見ることは出来なかった。黒猫は京介を振り向かせようと思ってはいたが、生来の性格のために勇気を振り絞った行動をしても京介には背伸びをしたい子供としてしか映らなかった。 もはや2人はやり直すことは出来ないのだ。その現実を桐乃は2人に突きつけた。 「・・・私たちはもう終わりなんだな・・・・・・。」 京介が漏らした言葉を聞いた黒猫はもはや京介を殴る力も無く、ベッドの上で泣いていた。とめどなく流れる涙が枕を濡らし、嗚咽した。それを京介は居た堪れなくなった。 「兄貴はもう出て行って。ここにいても黒いのを傷つけるだけだから。」 京介は桐乃の助言に従い部屋から出て行った。もはや黒猫にかける言葉は何もなかった。 部屋から出た京介を出迎えたのは日向だった。 「ごめんな。お前の姉ちゃんを泣かせてしまった。いつかはこうなるとは思っていたけど、女の子を泣かせるのは本当に辛いな。」 「本当に酷い男ですね。彼女だったというのに一度として女性としてみることなく終わったなんて・・・。そして、お疲れさまでした、繁太郎さん。」 日向は京介を軽く叩きはしたが労いの言葉を送った。日向もいつかはこうなると解っていたのだ。自分たちの精神年齢では同世代の異性と付き合うのは殆ど不可能に近い。同姓と付き合うのにも苦労するのだ。常に別の自分を演じなくてはならず、そのストレスは計り知れない。だからこそ、日向と京介は再び惹かれあったのかもしれない。 「多分これが最も正しいことなんでしょうね。」 「瑠璃には私よりもいい相手がきっと現れる。それまではトヨ、いや日向、お前があいつを支えてやってくれ。私ではもうあいつの傍にいることは出来ない。」 「解っています。きっと貴方よりもいい男が見つかりますよ。お姉さんを女性として見れる立派な男の人が。」 日向の言葉には多少の刺があったが、自分の姉を泣かせた男に嫌味を言う程度は許されることだと、京介はそれを受け入れた。 「トヨ、いや日向。お前が結婚できる年になったら・・・。」 「嫌ですよ繁太郎さん。いえ、京介さん。私の答えは初めから決まってます。早くその時が来ないか待ちわびてるくらいですよ。だから、その時までその言葉はしまっていてくださいね。」 「すまない。その時には必ず。」 「ええ。期待してますよ。」 そうしてかつての夫婦の会話は終わり、日向はリビングへ向かい、京介は屋外へ移動し限りなく広がる青空を見上げた。3度目の青春はなんとも後味の悪い恋ともいえない付き合いによって終わりを迎えた。それはきっと未来では甘酸っぱい記憶として残り、いつかは笑い話として話せることがくるだろう。その時に黒猫が自分の近くで笑っていることを願わずにはいられない京介であった。 黒猫√BADEND②&日向√TRUEEND
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/426.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1298520872/449-455 「あ、高坂くん、いらっしゃい!」 とある日の夕方、五更家を訪れた俺は、黒猫の上の妹──五更日向の出迎えを受けた。 「よ、日向。姉ちゃんは? まだ帰ってないか」 今日は黒猫のバイトの日。一応、それが終わって帰宅する時間を見計らって訪問したんだが、ちょっと早かったようだ。 先に携帯にかけるべきだったか。失念してたぜ。 「うんー。でも、もうすぐ帰って来ると思うし、上がって待ってれば?」 「そうだな。んじゃそうさせて貰うか」 出直すのも面倒だし、もう遠慮するような家でもないしな。 日向のお言葉に甘えて、俺は居間へと上がっていく。 ☆ 「お茶でも飲む? 高坂くん」 「んな気を使うなって。──今日は一人か? 珠希ちゃんは?」 「お母さんとお出掛け。だからあたし一人で留守番で退屈だったんだよ~」 「そっか。偉いな」 同じ妹でも、ほんわかした珠希ちゃんに比べ、日向は歳の割には結構しっかりしているように思える。黒猫の教育の賜物かね。 まあ、言動は多少生意気なところもあるが、俺の妹様に比べたら猫とライオンくらいの差があるぜ。勿論桐乃は百獣の王のほうね。 頼むから、あんな風に成長しないでくれよ? 俺が泣くぞ? 「そうだな。んじゃ、暇潰しに何かして遊ぶか」 「やった! それならゲームしよ、ゲーム!」 待ってましたと言わんばかりに、てててっ、と早足で自分の部屋のほうへ駆けていく。 程なくして、その手にPSPを持って戻ってきた。 「これでさ~、どうしても倒せないボスがいるんだよぉ」 そう言って、ゲームを起動させたPSPを俺に手渡してくる。 「え、俺がやんの? 言っとくけど俺、そんなに得意じゃないぞ?」 「まァまァ、試しにやってみてよ。誰かがやってるのを見るのも結構参考になったりするしさっ」 「ってか、参考にするならそれこそお前の姉ちゃんが適任じゃないのか? あいつ半端じゃなく上手いだろ」 「……ルリ姉がやるとさ~、こんなボス、瞬殺過ぎて何やってるか全っ然分からないんだよ……」 ……なるほど。次元が違いすぎるってのもそれはそれで難儀なもんなんだな……。 そういうことならまぁ、不肖ながら微力を尽くしてみますかね。 ☆ ──ちゅどーん。 「ありゃ~」 「…………面目ない」 挑戦1回目。敢え無く轟沈。 ゲーム的には、様々な武器を駆使して巨大な敵を倒すという、最近よくある3Dアクションゲーム。 桐乃も持っていて、通信機能を使ってよく黒猫や沙織と同時プレイしていたりするやつだ。 俺自身も少しはやった経験はある。 ──正確には、妹様に『やらされた』経験はあるので、まあ操作自体に困ることは無かったのだが……。 「なんか凄ぇ痛い攻撃喰らったな」 「でしょー? あんなの絶対避けられないよねぇ?」 日向が耳元で口を尖らせて嘯く。声が近すぎて、何とも言えず櫟ったい──って。 「……何でお前、俺の背中にべったりくっついてんの?」 耳元で声がするのも当然。 こいつは、胡坐をかいて座っている俺の背中から首に手を回し、所謂「おんぶ」のような格好で、その小さな身体を密着させているのだ。 「え? だってこうしないと、あたしから画面見えないし」 ……そう言われると、至極尤もな理由だった。 それにしても、女の子独特の柔らかさが、その体温と共にしっかりと伝わってくるわけで。 とりあえずまだ双丘の膨らみを感じることが無いのが、俺の理性にとっての救世主だったりする。 ここは強調しておくが、断じて俺はロリコンじゃないからねっ! 「で、どう? 高坂くんにも無理そう?」 「……ふっ、伊達にやられたわけじゃないぜ。パターンは大体分かった。次は男を見せてやる!」 大見得を切って、コンティニューで再開。 道中の雑魚を蹴散らして進み、程なく件のボスと再対峙する。 「要するに、こいつはこっちの攻撃に反応して、さっきの痛い反撃をカウンターで撃ってきやがるわけだ」 そう言って、俺は自キャラの手持ちの武器を選択。 「あの攻撃を至近距離で避けるのは至難の業。ここは射程の長い武器で攻撃して、避けられるだけの距離を取る作戦でいくぜ!」 「お~、なるほどっ!」 選んだのはリーチの長い武器としては定番の『槍』タイプの武器、「ホーリーランス」。 「こいつで一気に貫いてやるぜ!」 距離を計り、攻撃がぎりぎり届く間合いで攻撃を繰り出す。 当然、その攻撃に反応してカウンターが発動するが、それを緊急回避動作でかわそうと── 「あ~っ! 惜しいっ!」 ぎりぎりのところで敵の攻撃に当たり、HPが削られてしまった。 幸い、直撃ではなかったため、大ダメージは免れたが……毎回喰らうと分が悪いな。 そうなると、だ。 「仕方ねぇ。こうなりゃ飛び道具に頼るしかないか」 このゲームの遠距離攻撃武器といえば銃火器なんだが……何故か近距離武器より攻撃力が低い。 そこはまぁゲームバランスってやつなんだろうが、攻撃力が低い分、接近戦より敵を倒すのに時間がかかるのが難点だ。 俺は武器の選択画面から、飛び道具の中で一番攻撃力の高そうな「アサルトランチャー」をチョイス。 まぁいわゆるロケットランチャーのような武器で、連射は出来ないが一発の威力はそこそこあるという代物だ。 「これなら……どうだっ!」 最大射程から砲弾を発射し、返ってくる反撃を緊急回避で──と、今回は完璧に避けることが出来たぜ! 「よしっ、これならいけそうだ」 「おぉ~! やっちゃえ、高坂くんっ!」 一発撃って回避、の繰り返しで非常に地味な戦いとなったが、このパターンなら負ける要素はまず無い。 段々と攻撃のテンポが掴めてきて、順調にボスのHPも減っていく。 嵌ると結構楽しくなってくるもんだ。 あと一撃、というところまで来て俺のテンションもMAX。 ギャラリーもいることだし、ここは格好良く決めさせてもらうぜっ! 「フッ、俺のロケットランチャーが火を噴くぜ! こいつでトドメだッ!」 俺の放った最後の一発は華麗にボスの頭部を直撃。その巨大な体躯は、断末魔の咆哮をあげて崩れ落ちた。 「よっしゃぁ!」 「お~っ! やった~~っ! 高坂くん、凄い凄いっ!!」 ガッツポーズをする俺の背中で、歓喜のあまり飛び跳ねる小さな体。 というか、首に手をかけられたまま体を揺さぶられて、く、首が絞まる……っ。 「お、おいっ、暴れるなっ、苦し……っ!」 「えっ? あ……わぁっ!?」 「ぐおっ!?」 ばったーーん! 畳に足を滑らせたのか、首に手を回したままバランスを崩した日向に思いっきり背後に引っ張られ、翻筋斗(もんどり)を打ってひっくり返る。 幸い、咄嗟に体を90度捻ったお陰で、華奢な体を下敷きにすることはなんとか避けられた。が── 「あイッタぁ~~、お尻打ったぁ~……」 「いてて……大丈夫か?」 体を起こして覗き込むと、日向は仰向けに倒れたまま顔を歪めていた。 流石にちょっと焦る。俺が付いていながら妹に怪我でもさせたりしたら、黒猫に申し訳が立たない。 「お、おい、頭とかぶつけてないよな? 動けるか?」 「うん、それは大丈夫だけど、ちょっとビックリしちゃって……高坂くん、起こして~」 両手を俺のほうに差し出して、甘えた声で懇願してくる。この様子なら、体のほうは平気だろう。 ったく、調子に乗るからだぜ。……でもまぁ、調子に乗ってたのは俺も同じか。 侘び代わり、ってわけでもないが、我侭のひとつくらいは聞いてやらないとな。 「しょうがねえなぁ。ほら、掴まれ」 俺は、倒れたままの小さな頭と背中にそれぞれ手を入れ、日向は日向で両手の輪を俺の首にかける。 いっせーの、で体を起こそうとした、まさにその瞬間だった。 「ただいま。先輩、来ている……の……っ……?」 不意に俺の頭上の方向から、第三者の声が響く。 倒れた体を抱えたままの姿勢で、顔だけを居間の入り口のほうへ向けると── 「く、黒猫……っ?」 どさっ。 手に提げていた学生鞄を床に落として、襖を開けた姿勢のまま黒猫が硬直していた。 額に冷や汗を浮かべ、その眉は引き攣り、双眸を見開いて目の前の状況を凝視している。 うん、まぁ客観的に今の状態だけ見れば、俺が小学生の女子を押し倒して、抱き合ってるようにしか見えないよね。 ははっ、どんな変態だよ俺。 ────最悪じゃねえかっ! 「ま、待て。今お前は絶対に妙な誤解をしているぞ──!?」 「あ、あああ、あなた……、い、妹に一体何をしているの……っ?」 黒猫の顔色が紅潮していく。ヤバい、急速に怒りゲージが上がっているのが手に取るように分かるぜ。 ふふん、こいつとの付き合いもそろそろ長いからな。このくらいの感情の変化はお見通しだ。 ──なんて冷静に観察してる場合じゃねえっての! 「い、以前から重度のシスコンだとは思っていたけれど……あなたまさか、妹と名の付くものなら何でもいいというの……っ」 「んなわけあるかっ! 落ち着いて話を聞けっ!」 「まっ、まさか……、シスコンなだけではなくて……、っろ、ろ、ろり……」 「違ーーーうっ!!」 駄目だこいつ、早く誰か何とかしてッ!? そ、そうだ。誰かといえば、正に生き証人が居るじゃねえか! 俺は、腕の中で呆けているもう一人の当事者に助け舟を求めることにした。 「おいっ、ぼーっとしてないでお前からもちゃんと言ってくれよっ」 「えっ? ……あー、えっと」 上目で姉の様子を見ていた妹は、その視線を俺のほうに向け、しばらく考えるような素振りを見せた後。 ──にゅふっ、と、その口元を三日月の形にして言った。 「えっと、まず高坂くんに『男を見せてやる!』って言われて」 「──っ!?」「んなっ!?」 俺と黒猫は、同時に息を呑む。 ここっ、こいつ、一体何を言い出しやがる!? 「それから、『こいつで一気に貫いてやるぜ!』とか、『俺のロケットランチャーが火を噴くぜ!』とか……」 「待て待てっ! 何故そういう非常にデリケートな部分だけを抜粋する!?」 「だって、そう言ったよね?」 「い、言ったといえば言ったが、あれは遊びの中の話でっ」 「そんな……あたしとはアソビだったってことっ?」 「遊 び だ っ た だ ろ !!」 ぴきーん! 一瞬、張り詰めていた何かが切れたような感覚。 はっとして顔を上げると、いつの間にか、真っ赤になった黒猫の顔が俺の目の前にあった。 そして次の瞬間。 ごんっ!! 「いッてぇぇぇぇぇ~~ッ!?」 黒猫のやつ、思いっきり頭突きをかましてきやがった!! 思いがけない直接攻撃に、日向の体を抱えていた手を離して転げまわる俺。 不意を突かれたとはいえ、結構痛いぞこれッ!? てかこいつ、ゲージが溜まるとこんな超必殺技使えたのかよ……ッ! 「っつぅ~……、お、落ち着け、って……っ?」 涙目になりつつも黒猫を見やると……あいつ自身も額を押さえて蹲っていたりする。 ……小刻みに震えているところを見ると、ダメージはあいつのほうが大きいのかも知れん。なんという諸刃の剣。 こんなところまで捨て身とは、黒猫らしいといえばらしいが── 「お、おい、大丈夫か黒猫?」 心配になって手を伸ばすと、それを振り払うかのように、きっ、と顔を上げて睨んできた。 その目はもう涙目を通り越して半泣き状態だ。 「な、泣くなよ。だから違うんだって」 「っ、な、泣いていないわっ。何がロケットランチャーよっ、先輩が、そんな人だったなんて……っ」 「いや、だから妙な誤解をするな!? 俺は悪いことは何もしてないからっ!」 「……そう、そうよね。先輩だけが悪いんじゃないわ。先輩の性癖を見誤っていた、私も悪いのよ……」 ぐすっ、と涙を拭い、体を起こして正座する黒猫。 少しは冷静さを取り戻した……のか? ってか性癖って……俺、今あなたの頭の中でどういう変態に思われてるんですかね? 「……先輩がどんなに異常な嗜好の持ち主であっても、共に在ると誓った私の気持ちは変わらないわ。先輩のことを、信じているから」 信じているなら、少しは俺の話を聞いてくれ──と口を挟む前に、黒猫が決意を込めた口調で続ける。 「でも……私は姉として、大切な妹を守らなければならない使命もある。だからいっそ…………先輩を殺して、私も……っ」 「ちょっと待てェェェェい!?」 流石に生命の危機を感じた俺の行動は迅速だった。 光彩が消えた瞳で俺の首に手をかけようとする黒猫の目前に、床に放り出されていたPSPを印籠のように付きつける。 「……何よ、この期に及んで往生際が悪いわよ」 「だからっ! 今までの話は全部コレ! ゲームの話なんだってっ!」 ぱちくりと目を瞬かせる黒猫に、俺は事のあらましを一から懇切丁寧に説明していった── ☆ 「……っそ、それならそうと早く言いなさいな。全く……先輩がいつもセクハラ紛いの言動ばかりしているから無用の誤解を生むのよ」 「いや、今回の件ばかりは俺に疚しいところは一点たりとも無いんだが……」 ようやく状況を理解してくれたようで、黒猫はちょっと拗ねるような、それでいて少し気恥ずかしいような様子。 っていうか、俺ってそんなにセクハラ行為を働いているように見えてるのか? ちょっと悲しくなってくるぜ。 大体、いくらセクハラ先輩の異名をとる俺でも、小学生相手に劣情を催したりするかっての。 ……まぁ、背後から抱きつかれてちょっとだけ意識したりしたけど、あれは正常な男子の反応だからノーカンだよな? 「てか、元はと言えば、お前の妹が事を荒立てるような妙な発言をするから……って、……あいつどこいった?」 さっきまで近くに座って傍観していた姿はそこには無く。 部屋を見回すと、自分に話が及びそうなのを察知したのか、忍び足で居間を出て行こうとする小さな影があった。 「……ちょっと待ちなさい」 「ひっ!?」 黒猫の静かな一声に、その影はびくん、と肩を竦めて動きを止める。 「日向、あなた……さっきの事、ワザと言ったわね?」 「……な、ななな、何のことかなぁ~」 そういえばこいつ、あの時悪戯っぽい笑いを浮かべてたもんな。黒猫が桐乃をからかう時と同じ顔だったぜ。流石姉妹と言うべきか。 ていうかなんつーマセガキだよ、末恐ろしいぜ全く。 「……先輩、少し待っていて貰えるかしら。ちょっと妹に教育を施さないといけなくなってしまったの」 そう言って、すっと立ち上がる黒猫。 つかつかと妹へ歩み寄り、怯える首根っこを掴んで奥の部屋へ引き摺っていく。 「ひぃ!? った、たた、助けて~~っ、高坂く~~~んっ──!」 遠ざかっていく声に、俺は心の中で合掌。 スマン、怒ったお前の姉ちゃんは俺も怖いんだわ。 自分の蒔いた種だ。大人しく成仏してくれ。 「────ぎにゃぁ~~~~~~~~~~っ!!」 先程ゲームの中で倒したボスを彷彿とさせる断末魔の声が、家中に響き渡る。 一体どんな教育を受けているのやら……考えただけでも恐ろしいぜ。 ……まぁ、そうは言っても。 俺は後ろ頭をポリポリと掻きながら立ち上がる。 ──ふぅ、やれやれ、仕方ねぇ。今回だけはこのくらいで助けてやるか。 俺も日向や珠希ちゃんには甘いな、こういうのもやっぱりシスコンっていうのかねぇ……。 入り口に落ちている学生鞄を拾い上げ、俺は五更家の奥へと歩いていくのだった。 -END-(五更日向の悪戯目録・ゲーム編)