約 2,471,592 件
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/525.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308729425/520-540 ・ギャグ、ややエロ ・桐乃視点 ・京介×黒猫(の姿をした桐乃) ・キャラ崩壊、ヤンデレ注意 ひなちゃんもたまちゃんも姉の急変に戸惑いを見せたけど、それははじめのうちだけで、 二、三日も経つとなじんでしまった。あいつの両親も、そんなに訝りはしなかった。 ひなちゃんが手にした妹空とあいつの姿をしたあたしとを見比べて、 「またなんだ……」とため息を吐いていた。この家では長女の乱心は珍しくないのだろう。 夏休みのおかげで学校でへまをやらかす心配もなかった。 ときどき携帯のほうに、せなちーから「部活に来てください!」とメールや 電話が来たくらいで、それも体調不良を装って対処できた。 高坂桐乃――あたしの元の体には、やはりというべきか、あいつの心が入っていた。 なぜそれを知ったかというと、体が入れ替わった当日、あいつに呼び出されたからだ。 ひとけのない公園の真ん中で、自分は黒猫だ、朝目ざめたら高坂桐乃になっていた、 そう告白する高坂桐乃に向かってあたしは、 「何を寝ぼけているのかしら? とうとうビッチ菌に脳をやられてしまったのではなくて? まあたしかに、スイーツな脳髄には虫がたかりやすいものね」 そう言って、あいつ自身のものまねで誤魔化した。 あいつはあたしの顔で青ざめ、消え入るようにうなだれると、 「そう。すまなかったわね……ううん。ごめん、黒猫」とわざわざあたしの口調で言い直し、 「あたし、なんだか頭痛が痛いから、今日は帰るね」 「そう……お大事に」 公園の門に隠れて、あいつの背が見えなくなった。 とたんに足が震えだした。がくがくと止まらず、立っていられなくなった。 あたしは、こんなことができてしまう。できて、しまったのだ。 ベンチに腰掛けて震えの静まるのを待っていると携帯が鳴った。 メールのタイトルは“桐乃のことなんだが……”で、そして差出人は“高坂京介”―― “黒猫”の恋人で、“あたし”の兄貴―― ――ううん、それは違う。兄貴はもう、あいつの恋人なんかじゃない。 “京介”は今、“あたしの恋人”なのだから…… そうして、あたしとあいつが入れ替わって、一週間が過ぎていた。 「好きっ! 好きなのっ! 好きなの京介っ!」 濡れそぼった京介の首筋に顔を埋めながら、あたしは切れ切れに叫ぶ。 「あなたのことがっ、誰よりも何よりもっ! 京介――!」 なんどもなんどもキスをする。首筋、顎、鎖骨、肩、唇と、キスの雨を降らす。 ――痕になるように、あたしの証をつけるように。 「好き。好きよ。あなたのことが、好き……あたし、あんたのことが好き」 なんどもなんどもかきむしる。背の皮が擦りむけ、爪が欠け、指先に鮮血を絡ませて、 かき抱き、突き立て、引っ掻く。――猫が毛玉をいたぶるように、あたしの想いを刻むように。 「もう誰にも渡さない――誰のものにもならないでよ! もういなくなっちゃやなの! ずっとそばにいてよ! 私だけのものでいてよ! あたしもあんただけのものになるから!」 もう汗なのか唾液なのかも、どちらが組み敷き組み敷かれているかさえもわからない。 あたしと京介は、からだじゅうどろどろにしてむさぼり合う。 からだの芯はとっくのむかしに開いてしまい、 さんざんにかき回されかき出され、蕩けきっている。ばかになってる。 なかで絶えずぐねぐねと形を変えるものが、あたしなのか京介なのか区別つかない。 肌の打ち付くたびにほのかな温もりが広がり、時折一瞬、 背筋を駆け上がる途方もない寒気に打ち消され、再びはじめからやり直される。 胸の奥がひどく切なかった。灼けつくようだった。 京介の肌は火照りでばら色に変わり、汗ばんだ額には乱れた前が張り付いていた。 唾にまみれた唇は、汗の筋と一緒にてらてらと光っていた。 「好きって言って。ねえ京介好きって言ってよねえ! 私のことが好きだって、ん……キス、するの……」 唇がきらきらと橋を渡しながらはなれると、あたしは兄貴の鎖骨に頬をすり寄せて、 湿った肌の香を肺いっぱいに吸い込んだ。思わず頭がくらりとする。 ぱんつなんかとは比べものにならない、なまのにおいだ。 「好き……だ」 荒い息をしながら、京介が言った。 「俺も好きだ。好きなんだ。愛してる。黒ね――」 好きだと言ってもらえただけでよかった。あたしは京介の口に指を差し入れていた。 「ふろへほ?」と、あっけにとられた京介をよそに、 あたしは開いている方の手で京介の手をつかみ、自分の口にもっていく。 そしていつも京介自身にしているように、京介の指先をちろりと舌先で撫でてから、 口をすぼめ、丸めた舌で包み込むようにして吸い込んだ。 ちゅっぱちゅっぱという水音がしだいに、じゅぼじゅぼという下卑た音に変わる。 唇の端から唾液が伝い降りているのが自分でもわかる。 あたしは今、ひどくみだらな真似をしている。人間の分際で、猫よりも卑しかった。 京介はあたしの意図を察したのか、 くすぐったそうにしつつも、いたずらっ子みたくにやりと笑った。 それからあたしの差し出したままの手首をがっちりつかんで口を離し、 赤黒く染まった私の爪の隙間を、舌先でこじ開けようとするように舐めはじめた。 京介は舌だけで血と皮の塊をこそげ落とし、落ちない塊は地道に唾液で溶かしながら、 私の指を一本一本、丹念に洗っていく。 思ったよりくすぐったいけど、手首の震えを負けん気でこらえているうちに、 だんだんとむず痒いのが病み付いてくる。のみならず、 京介の指のほうも私の口内を辱めているように感じられてくる。 これは、もうひとつの交合だった。あたしと京介は、下と上の両方で、交わっていた。 いつしかあたしたちはお互いの手首から手をはなし、 させるがまま、なすがままになっていった。 あらかた舐めて口から離すと、もう一方の手を差し出し合い、 また同じように指の交合を再開させる。 あたしはきれいにしてもらった手を京介の背中に回し、 京介もあたしの唾でふやけた手で、私の腰を抱き寄せた。 胸がこすれて、新たな刺激が加わった。京介の腰がかすかに震える。 あたしがみだらなせいだった。 私のほうがハミガキするように口腔全体で指をしゃぶるのにたいして、 京介はというとぴちゃぴちゃと音を立てて舐め回す。 ちょっとおもしろい対照といえた。これでは、どっちが猫だというのだろう。 ――いや、それは違う。 と、どこかで冷たい声が響き渡った。 ――“あたし”は“私”じゃない。“あたし”は、“あたし”なのだ。 聞きたくはなかった。聞こえないふりをした。 「ひょうふへ」 恋人の名を呼びながら、私は顔を近寄せた。 唇と唇で指を押し挟み、舌と指をぐちゃぐちゃに絡ませた。 絡んだまま、互いのどこに舌を這わせているのかわからないまま、 顔を寄せ合い、ぴんと伸びた舌先を踊らせる。 私はそのうち、指を押し退けて京介の舌に吸い付いていた。 それはもはやキスとも呼べないしろもので、格好も気配りも忘れ去り、 まるで渇きを癒やそうとするかのようにじゅるじゅると音を鳴らして唾をすすり、 鼻を幾度もぶつけ合い、相手の舌を飲み込んでしまおうとしている。 濡れた指先がすうすうした。それ以外の感覚はなくなっていた。 口づけし、ひとつになっていることこそが自然な状態だった。 感覚のないのがなくなるのがいやだった。 けれど京介は残酷だった。腰の律動を再開したのもつかの間、 京介は血走った目で私から彼自身を引き抜き、私の体をうつむけにした。 そして、後ろから一息に貫いた。 「か、はっ……!」 鈍痛とともに襲い来る戦慄で、私はひどくだらしない顔になっていたと思う。 無声の悲鳴で口をぱくつかせたと思えば、顰めた眉は一瞬で弛みきり、 犬のように舌を垂らして、からだじゅうぐったりとなってしまった。 京介はそんな私の腰を押さえこんで容赦なく前後に動き出す。 私は目を見開いて、ベッドに手足を投げ出したまま、人形のようにがくがくと揺れる。 まばたきできずに涙があふれる。息もできない。意識がどんどん霞んでいく。 そしてぼんやりと―― 「……猫……黒猫……黒猫っ!」 そんな声が聞こえた気がして、 「嫌ぁ!」 あたしは叫んでいた。 気がつけば、垂れた黒髪が視界を覆っている。 京介が背後から手首を引っ張り、あたしは無理に上半身を反らされていた。 つつましやかな乳房が宙づりで揺れているのがわかった。 深く深くからだを串刺しにされる都度、意識が飛んでしまいそうになる。 意識は途切れ途切れでも、あたしのからだは叫ばずにはいられなかった。 「嫌! 嫌なの! 嫌、嫌ぁっ!」 「なにが嫌なんだっ! 黒猫っ! なにが嫌なのか言って見ろよ!」 「嫌っ……イヤイヤイヤ。違うの……違うのぉ!」 「どこが違うんだ! こんなにアヘっといてなにが違うってんだ黒猫っ!」 「そうじゃ……イヤぁあっ――!」 「黒猫っ黒猫っ黒猫っ黒猫っ……」 ――あたしはあいつじゃない。 その言葉が、どうしても言えなかった。もう声すら出ない。意識が途絶える。 「ひっ……!」 あたしの腰を抱えたまま、兄貴が立ちあがっていた。 私の体はさらなる重力を引き受けることになり、より強く、より深く貫かれる。 「好きだ黒猫! 最高だ黒猫! もうぜったいに離しゃしねぇ!」 ――京介はもう離さないと言ってくれた。 前のめりで髪を揺らすあたしの耳元で、そうだれかがささやいた。 不意に髪がかき上げられる。 「このきれいな黒髪ロングもっ! ここのしまりもっ! おっぱいだってっ……最高だ!」 京介は膝をつき、最奥ばかりを執拗につつきながら、両手であたしの胸を揉みくちゃにした。 ささやきは続く。 ――“私”は最高だと、京介は言ってくれる。 「あやせもっ! 麻奈実もっ! 沙織もいらないっ! おまえだけが……俺にはおまえだけいてくれれば……! それでっ、いいっ!」 ――そう。“私”だけいれば、京介は仕合わせなんだ。だから―― 「黒猫……黒猫ぉおおおお!」 ――“あたし”が“私”になればいい。 ぞくぞくと快感が走り抜ける。ひときわ大きな快楽の波がすべてを押し流す。 迷いも、慎みも、遺恨も、後ろめたさも、あたしの残滓も、その一切を洗い清めた。 そうして絶頂の間際、引き抜かれる感覚を手繰り寄せ、 「く、黒猫?」 私はすかさず回した足で彼の腰を挟んだ。 “私”の体は柔らかいのだから、このくらいは容易いものだ。 「出して」 「お、おい」 「そのまま出してちょうだい」 「で、でも俺たちまだ……」 「大丈夫よ。大丈夫だから。それに――」 私は振り向いて、彼のかたちを確かめるように、下腹を撫でた。 「あなたの子なら、産んでもいいわ」 「は、は……」 京介の表情が変わる。やけっぱちめいた半笑いを浮かべたのは一瞬で、 瞬く間に彼自身が押し入った。 「くろねこ、くろねこ、くろね……」 もはや声にならない。京介は理性の残り滓すらかなぐり捨てて、一心不乱に私を苛む。 「そう! そうよ! そのまま孕ませて! 子宮にザーメン味覚えさせてぇ!」 「はぁっははぁ! 孕め、孕めよこの! 孕め黒猫! 特濃チンポミルク種付けすっから! もう学校行けなくしてやっからな! この、このこのこのこの! 黒猫っ、黒猫! 黒猫ぉおっ……あつっ――」 「あ、は……!? 出てる……? 出てるの……? ああ、これが、膣内、射……精……」 幾重もの絶頂で薄れ行く意識のなか―― 「きり、の……」 京介の声で幻聴が聞こえた。 おそらくそれは、“私”による“あたし”への惜別の言葉だったのだろう。 京介の寝言で目がさめた。 「うぅ……違う、違うんだ……桐乃……」 夢のなかでも妹に悩まされているらしい。私は少々忌々しくなって彼の頬をつねった。 「……ご、誤解だ。黒猫……おまえは俺の……」 起きてはくれなかったけど、夢の内容は変えられた。 ベッドから降りると、足の間から冷たいものが伝い降りた。 まだなにか挟まっているような心地で歩きにくい。 私は用意してあった絆創膏で蓋をしてから、ティッシュで股を拭った。 脱ぎ散らかされた服のなかから下着と白のワンピースをとり、 それからついでにトランクスにも手を伸ばす。 「っふ……これであと十年は戦えるわね」 なんて独り言をつぶやきながら、きちんと畳んでジップロックにしまう。 ワンピースが汚れなくてよかった。 これが着られなくなってしまったら、残るは黒いドレスだけなのだから。 白いドレスもあるにはあるのだけれど、あれはこの前、 京介ががんばりすぎて翼が外れてしまい、未だに直せていないのだ。 髪をかき分けながら京介の耳に口元を寄せ、 「また明日ね、京介」 うなされる彼の頬に接吻してから部屋を出た。 壁の薄いことは、誰よりもよく知っている。 京介の部屋のドアを閉めてすぐ、私はとなりのドアノブに手をかけた。 鍵はかかっていなかった。高坂桐乃の部屋には誰もいなかった。 階段のところで立ちくらみがした。私は桐乃と違って体力がないのだった。 壁に寄りかかって下腹に触れる。 あれからなんど出されたのだろう。三度目からあとは覚えていない。 新たな生命が胎動しているようにさえ錯覚された。 私が私の意志で育んだこれは、まぎれもなく私と京介のものなのだ。 私はもう、一人じゃない。 だから私は、あいつと対面することだってできる。 案の定、高坂桐乃は一階のリビングに居た。 カーテンを閉め切って部屋じゅう暗いなかで、テレビのまえにちょこなんと正座し、 大画面に映したメルルに見入っていた。いや、ただもう見るともなく見ているだけだった。 私が扉を開けた瞬間、びくっと肩が跳ねたのだから。 「帰ってきていたのね。けれど、なぜあなたはいつも顔を出さないのかしら。らしくないわ」 私がそう言い放ったとたん、桐乃がすさまじい形相で振り向いた。 薄暗くなければ正視に耐えないほどすごかった。 化粧をしていなくとも十二分に美しい顔だちが、これほどまでに変貌する。 それだけの仕打ちを、五更瑠璃は高坂桐乃にしたのだった。していたのだった。 そう、だからこそ、私は言葉を継ぐことができる。 「いっしょに遊べばいいのに……私たち、友達でしょう?」 「とも……だち……?」 「ええ、そうよ。ぼっちの私には、あなたと沙織くらいしか、ちゃんとした友達がいないのよ」 桐乃は私の言葉に何か思うところがあったのか、 表情をいくぶんか和らげて、そっぽを向いた。 そして、本来の高坂桐乃の調子でぼやき始めた。 「と、友達が妙な男に引っかかってるんだから、さすがのあたしもどん引きするっつーの。 ぶっちゃけるとさ、キモいからもう学校で話しかけんなって感じ?」 「京介は妙な男じゃないわ」 「はぁ? あいつってちょー変態じゃん。ちょっと聞いてよ。こないだなんかあのシスコン、 あ、あたしにね、『おっぱいもませろ』とか言ってきたんだよ? まじやばくない? 妹にセクハラするなんて、キモすぎ。あいつの変態顔なんか、もう二度と見たくないし」 「京介はそんなこと言わない」 「うっそだー。そんなこと言ってあんたもあいつにセクハラされてんでしょ? 会うたんびに眼鏡かけろとか脅されてるんでしょ?」 「眼鏡なんて、絶対にかけないわ。彼は、ありのままの私でいいと言ってくれるもの」 「のろけ乙。あーキモキモ。まじキモ。 てゆーかあいつの地味顔自体がもう変態ってか犯罪者予備軍って感じだよねー。 普通さ、あの顔であんなこと言われたらどん引きするっつーの」 「だから、あなたの言うあんなこともこんなことも、京介は言わないわ。 あなたこそ、妹ゲーのやり過ぎで脳が腐ってしまったのではないかしら。 大丈夫? 二次元と三次元の区別はつく?」 「うわうっざ。あんた最近だんだん信者じみてない? 京介教に染まっちゃってない?」 「私は彼の恋人だもの。彼の良いところも悪いところも、 彼の本質はあなたより何倍も何十倍も深く、多く知っているわ。 あなたこそ、外野の分際でうだうだとわめかないでくれるかしら」 「はいはい。触らぬヤンデレ祟りなしってわけね」 桐乃はあきれたように言いながら、 手をひらひらと振ってテレビに向き直り、リモコンをいじりだした。 「さよなら。桐乃」 私は別れを告げて家を出た。 帰る途中、あやせに出くわした。 「あ、あなたはっ……!」 歯ぎしりというものは、実際に聞こえてくるものらしい。 ぎぎぎ……と、弓を引き絞るようですごかった。 今日見た桐乃もすさまじいが、あやせの顔はよりいっそうものすごい。 超怖いってものじゃない。視線で射殺すというレベルすら超越している。 思わず彼女の手に目が行った。運のいいことに、ナイフは手にしていないようだ。 「あなたのせいで……! 桐乃と、お兄さんは……!」 私とはちゃんとした面識がないはずなのに、あやせはありったけの憎悪を私にあびせてくる。 どこで私の顔を見知ったのかは、まああのあやせならいくらでもやりようがあるだろう。 けれど、そもそもその敵意自体がどうも理不尽なように思われた。 あやせの望みは桐乃から京介を引き離すことなのだから、 京介の恋人である私に殺意を向けるのは筋違いだ。むしろ応援してもらいたい。 よって、私が真正面から相手をしてやる必要もない。 「あなた……誰?」 「くぅっ」 さすがのあやせにも辻斬りめいた行為をためらうだけの分別はあるらしい。 悔しげに「ぐぬぬ……」と歯噛みし、 「お、覚えておきなさい! いつかきっと桐乃を元に戻して、お兄さんを取り返しますからね!」 捨て台詞を吐いて駆け去った。わけがわからない。 第三者が見れば、ほとんど変質者みたいなものだろう。 あやせは夏の暑さにやられてしまったのかもしれない。 私もただでさえ肌が白いのだから、日光には気をつけようと思う。 花火大会の日がやってきた。 私の浴衣姿を、京介は「かぐや姫みたいだ」と言ってほめてくれた。 照れくさかったけど、すこし縁起が悪いような気もした。 私はかぐや姫みたいにいなくなったりしない。 夏休みが終わっても、このままずっと、ずっと京介といっしょなのだから。 花火大会の行なわれる港は、いつになく賑わっていた。 地方の大きな花火大会にもなるとコミケクラスの民族大移動になるそうだけど、 私たちの行った花火大会ではある程度の風流が残されてあった。 展望台のほうは無理そうでも、海辺に面した芝生なら、場所取りをする必要はない。 私はついついひとけのなさそうなところを目で探ってしまった。 あさましいにちがいないけれど、そうしたのは京介なのだから、 花火大会が終わったら、ぜひ責任をとってほしいと思う。 私と京介は花火が始まるまでの間、出店のあたりをぶらつくことにした。 いつものデートのときと同じように、京介がおごってくれた。 最初に訪れた出店では、メルルのわたあめをふたつ買った。 ひとつはたまちゃんへのおみやげで、もうひとつは、ふたりで食べるためだ。 注文のとき的屋のおじさんが、 「よし来た。嬢ちゃんにはおまけ、兄ちゃんには爆発する権利をやろう」 と、私たちを茶化して見せた。 京介は「ひでーなおっちゃん!」と突っ込んでいたけど、私はうれしくてしかたない。 今の私と京介は、誰が見ても、ちゃんと恋人同士に見えるのだ。 わたあめを買ったついでに、となりの出店でマスケラとメルルのお面を買った。 これで私たちはヒーローとヒロインに……まあ、夢の共演ということで、 そう見えなくもないだろう。 ぱんぱんのわたあめはおみやげにして、私たちは通常サイズのわたあめを食べさせ合った。 京介の食べた箇所に私が口をつけると、彼はおもしろいくらいに狼狽した。 いつもいつもあんなことをしてるくせに、妙なところで照れ屋なのだ。 ヨーヨー釣りもした。私は五千円札入りの風船を狙って駄目だった。 でも、京介は私のぶんのヨーヨーも釣り上げてくれた。 京介ってあんがい小器用なところがあるのかもしれない。 射的屋に寄った。メルルのキーホルダーには掠っただけだった。 京介から弾を分けてもらっても、撃ち落とせなかった。ひどい店だ。 照準器が狂っているんじゃ、絶対に落とせるはずがない。 射的屋を離れて歩き出すと京介が言った。 「なんつーか、意外だな」 「なにが?」 「いや、おまえはこういうの得意そうだなーなんてさ。 まあ俺が勝手に思いこんでいただけなんだけどさ」 京介はなんの気無しに言葉を続ける。 「ヨーヨーんときもそうだけど、なんていえばいいのかな。桐乃みたいっつーか」 私は立ち止まった。 「おまえと桐乃は親友だからな、やっぱ似たもの……って、どうした?」 「……京介。キスを、しましょう」 「は、はぁ!? なに言ってんだおま、こんなとこ――」 私は彼の唇を塞いだ。両手で顔をがっちりと押さえて、口内に舌を滑り込ませた。 舌の先で歯の裏側をなぞり、音を立ててすすり上げる。 それも数秒のことだった。 京介は我に返るや否や、私の肩を掴んで力尽くで引きはがした。 「ばっ、止めろって! 人に見られたらどうすんだよ!」 口元を拭いながら、京介があたりを見渡す。どうせだれも見ていない。ほんの数秒のことだし、 花火の時間も近づいているから、バカップルにかまう人などいやしない。 それに、あんまり私以外の人に目を向けてほしくなかった。 京介は私の背後に目をこらそうと乗り出したけど、 私はすぐに真正面に立って、彼の視線を遮った。 「桐乃は、こんなことしてくれないでしょう?」 流し目に彼を見つめながら、唇の端を指で拭うと、その濡れた指をゆっくりとくわえ込む。 私と京介が混ざり合ったそれは、わたあめの名残で蕩けるように甘かった。 「だ、だからなぁっ……!」 先日の行為が思い出されたのか、京介は耳を赤くして口ごもる。 「そろそろ行きましょう。花火が始まってしまうわ」 そう言って、京介の腕をぎゅっと抱きしめる。浴衣なので下着は着けていなかった。 生地越しにこわばった突起を押しつけながら、私は耳打つ。 「いいのよ。私を、あなたの妹の代わりにしても……」 「黒……猫……?」 京介が目を見開いて硬直した。 「おまえ……」 彼の様子を見て、私はあのときのように リビドーを刺激してしまったのかもしれないと思った。 発散はあとでたっぷりしてもらうとして、今は花火の花火のほうが先決だ。 私は彼の腕を引き、 「行きましょうか、兄さん」 歩きだそうとした――そのときだった。 「っ……!」 京介が息を飲んだ。 「兄さん?」 見ると、彼の上着が不自然な形に突っ張っている。 背後からパーカーを引っ張られて、足を踏み出そうとした格好で、固まっていた。 私と京介は、ほとんど同時に振り返った。 夜空が明るんだ。一拍おいて、ドン、と、花火の弾ける音がした。 胎内まで響き渡るような、大きく、重い音だった。 砂の流れるのに似た音が後に続き、そして―― 空に照らされ、栗色の髪が色とりどりに輝いた。 ――“あたし”がそこに立っていた。 「きり、の……」 いつか聞いた幻聴が、彼自身の口で繰り返された。 「いかないで」 ただ、それだけだった。 桐乃が口にしたのは――たった一言、それだけだった。 でも、それだけで、“私”はもう、なにも言えなくなってしまった。 桐乃は中学のジャージを着ていた。 髪留めはなく、垂れた前髪が表情を隠していた。 項垂れて、力なく伸ばした手で、京介のパーカーの裾を握っていた。 その手が心細げに小さく震えた。 再び花火が打ち上がった。 前髪越しに、きらりと光るものが覗いた。はっきりと、見えてしまった。 あたり一面が明滅し、ドン、ドンドンドンドン、と、重い大気が激しく鼓膜を打ち叩く。 連発花火の容赦ない喧噪のなかで、桐乃の唇だけが、かすかに動いていた。 まもなくしんとなって、夕闇がたちこめる。 京介の腕がするりと抜けていった。あっけなかった。 “私”の手は、もう言うことを聞いてくれなかった。 シャツをつかむ桐乃の手に、京介の手が重なった。桐乃の肩がびくんと跳ねた。 京介は桐乃の強ばった指を、壊れ物を扱うように繊細な手つきで一本一本裾から外してゆき、 それから、あらためて桐乃に向き直った。 「桐乃」 と、京介は言った。そして、肩をすぼめた桐乃の頭に、ぽんと軽く手を乗せる。 「ばかだな、おまえ。こんなカッコして、こんなとこにくるなんて……ほんと、ばかだよ」 京介が桐乃を撫でている。桐乃は涙ぐんだ目を猫のように細めている。 ――やめて。そいつはあんたの妹なんかじゃない。 あたしの叫びは声にはならず、私は呼吸を荒げるだけだった。 「でもな……俺は、もっとばかだ。大ばかだ」 そのさきは、聞きたくない。けれど私の全身は微動だにしない。 京介の選択を最後まで見とどけるよう、あたしに強いる。 「あのときの俺を、ぶん殴ってやりたい……」 いいかげんに吹かれた笛のような音が、天空高く伸びていく。京介が振り向いた。 「……ごめん。黒猫」 ドン、と、心臓を横殴りに響きわたった。 「……俺、わかっちまったんだ」 光の雨に打たれる兄貴の顔は格好良かった。 「おまえと過ごした今年の夏は、楽しかった。きっと一生忘れないと思う。……だけどさ」 例のふやけた音が、幾筋も幾筋も金魚のふんみたいに纏わり付いて立ちのぼる。 うらぶれた火球のぱらぱらという嘆息に、厚かましく被さった。 「…………じゃ、駄目だと思っ…………こいつに自分勝手な気持を……いて、 自分はちゃっかり…………後ろめたくて、ずっと躊躇してい……」 ドンドンドンドン……ああもう、やかましい。京介の声が聞けないじゃないの。 近所迷惑くらい考えろっての。だいたいこんなんのどこがいいワケ? くっさい火の玉で空をギランギランに飾り立ててせっかくの星空が台なしなんですケド。 ぐっちゃぐっちゃの光り物見てわーきれーっておめーらカラスかっつーの。 「……本当の気……を、ようやく……」 美しく咲き乱れるだとか儚くて感動するだとかなんとか、 じゃあ夜空に残った染みみたいな煙の塊はなに? そいつのうんち? あーもーほんっとウザっ下痢ピー打ち上げてどや顔でスターマインでございっとか ニコ動の~してみたと同じくらいウザいしベスビオス級とか厨二センス極まりない。 「……俺はこいつの兄貴なんだ。どうしようもないシスコンなんだ」 やっとウザいのが止んだ。せいせいした。これでようやく京介の声を―― 「――だから、別れよう」 聞いてあたしは発狂した。 わたあめの袋は投げ出され、メルルの顔が土にまみれている。 ヨーヨーは下駄の歯で破裂し、地面がぬらぬらと光沢を帯びている。 浴衣の帯が緩んで肩はむき出しになっている。 三尺玉の空いっぱいに咲き散る金光を背にし、胸のはだけるのもかまわず、 あたしは京介にむしゃぶりついていた。 「――どうしてねえどうしてウソよウソだって言ってよ京介 お願い別れるなんてウソだよねあたしたちずっといっしょにいようっていったじゃない 約束したじゃない愛しあったじゃない桐乃は妹なんだよ結ばれちゃだめなんだよ 親不孝なんだよ私じゃないと結婚できないんだよどうしてそんなことを言うの 私たち愛しあってるのにどうして別れなきゃいけないの妹なんて大嫌いなんでしょ あなたそう言ってたでしょう嫌いだ嫌いだってあんた言ってたでしょあのとき あんな顔してたでしょうだから私は、あたしはっ……!」 「くろ……ねこ? おまえ、いったい……」 京介はどうしてこんな顔をするんだろう。けど、その理由はすぐにわかった。 「ああ、そっか。そうかそうかそうかそうかぁ――あたしの愛し方が足りなかったんだ」 すぐさま足払いをかけて押し倒す。 京介は尻餅をついて苦しそうに呻いたけど、そんなのもう関係ない。 あたしがどれほどあんたを愛しているのか、思い知らせてあげないといけないのだ。 「お、おい! ちょ、待てよ!」 ベルトのバックルに片手を伸ばしつつ、もう片手でその下をさする。 「や、やめろ黒猫……俺にはもう……それに、こんなところで……」 一昨日なんか「エターナルフォースブリザーメン! 相手は孕むッ!」ってシテたくせに、 今さらなぜ抵抗するのだろう。理解に苦しむ。 「私は――黒猫は、京介のためならなんだってする。してみせるわ。 京介がもはや私と付き合えないというのなら、超すごい私の愛を見せつけてやるだけのことよ」 そうまくし立てながらファスナーの引き手を摘んだとき、 「――黒猫はそんなこと言わない」 横合いから、そんな声が割り込んだ。 「黒猫はそんなこと言わない。大事なことだから、二度言ったわ」 見上げると、桐乃の目とかち合った。人形めいた瞳が私を見下ろしていた。 あたしを射貫くように、そして哀れむように、たった一言、吐き捨てた。 「無様ね」 あたしは京介を見た。怯えていた。 それであたしは、自分が振舞いが常軌を逸していたのに、やっと気がついた。 あたしは発作的に飛び退いた。 「やめてよ……そんな目で見ないで。哀れまないでよ!」 髪を振り乱して絶叫する。 「好きになって欲しかったの! 女として愛して欲しかった! あたしを、あたしだけを見て欲しかった! なのにどうしてみんな邪魔をするの! 地味子も沙織もあやせもあんたも、 京介も! どうしていつもいつも……」 「そうやって、いつも誰かのせいにして誤魔化すのね」 その言葉にあたしは戦慄し、心臓をわしづかみされたように、固まってしまった。 息ができず、目をそらすことすらできない。桐乃の瞳のなかに、 黒猫の無様な泣き顔が映っていた。 「まあ、別にそのままでもかまわないわ。決着は、もうついたのだから」 “桐乃”が薄笑いを浮かべ、あたしに顔を近寄せて言った。 「“あたし”は京介に彼女ができるなんて絶対イヤ。だから京介も、彼女をつくらない」 桐乃は怪訝顔の京介をちらりと見やって向き直ると、私だけに聞こえるような声量で続けた。 「あんたは京介にふられちゃったけど、もう恋人でもなんでもないけど……安心しなよ。 これからもさ、アキバ行ったり同人誌つくったりして、いっしょに遊ぼう? ……だってあたしたち、友達でしょ? 遠慮しなくていいよ。 こんなことになっちゃったけど、“あたしたち兄妹”は、“あんた”の友達やめたりしないから」 ――そうだ。私はもう京介の恋人じゃない。妹でもない。ただの、友達に過ぎない。 あたしたちは、桐乃と黒猫はある日突然――本当に突然、体が入れ替わった。 まさしく出来の悪い小説みたいにいいかげんな展開だった。 そしてその原因は今なおまったく見当がつかない。 原因がわからない以上、元に戻る術も、保証もない。 京介の恋人になれたことで舞い上がっていたあたしは、そんな単純な事実を失念していた。 「これからも、あたしたちずっと友達でいようね」 瞳のなかの黒猫がにやりと笑った気がした。あたしは気絶した。 見慣れた天井だった。 エアコンの効いた部屋で目ざめると、からだじゅう冷え切っているように感じられた。 「ジャスト二週間ね。いい夢は見れたかしら?」 と、“黒猫”の声が聞こえた。 ベッドの脇を見れば、ジャージ姿の黒猫があたしの椅子にちょこなんと腰掛けて、 漫画に目を落としている。 「これが……いい夢でたまるか、よ」 「沙織のような返しをするのね」 それにしても、長い夢をみていたような気がする。 いやーほんと、それはそれは長い夢だったなぁ。きりりん思わず寝ぼけちゃったよ。 夢の内容? あははは、覚えているわけがない! 「起き抜け早々現実逃避とは……いいご身分だこと」 「ぐぬっ……」 「それよりもまず、あなたは、私に言うべきことがあるのではないかしら」 うん。わかってる。 あたしは黒猫に、ひどいことをした。黒猫の体で、すごいこともした。 「黒猫、あたし――」 「なんて、ね」 素直に謝ろうとしたとたんにさえぎられた。 「今さらだもの。謝罪も賠償も無粋だわ。 それに、私だってなにもしていないといえば嘘になるから」 聞き捨てならないことを言いおる。 「ま、まさかあんた、あのときの嫌み、本気だったんじゃ……」 人を見下すのが超好きなクソ猫のことだ。 あたしに成り代わって第二のリア充人生を送ろうと企みかねない。 「さて、どうかしらね。けれど、大変だったのよ、あの後。 あなたが突然倒れたものだから――あの場にたまたま医者が居合わせたから 大騒ぎにはならなかったものの、タクシーを呼んだりして、 気を失ったあなたを京介と二人でここまで運ぶのに、ずいぶん手こずったわ」 「ふーん……あれ? なにかおかしくない? 気絶したのは“あたし”でしょ?」 “あたし”と言ったところで黒猫を指さした。 「直前で戻ったのよ。ファビョったあなたに、“私”が勝利宣言をした、あのときだわ―― 本当に突然だったの。負け犬がどんなリアクションをするか観察していたら、 いきなり目のまえが真っ暗になったわ。それもほんの一瞬のあいだよ? 気づくと私は大股おっぴろげたはしたない格好で地面に尻餅をついていて、 目のまえには白目を向いたあなたがいる。立ったままびっくんびっくんと痙攣し、 蟹のように泡を吹いている……まるでゾンビ映画みたいだった。 あまりのキモさに私は慟哭してしまったわ」 あたしは、もうお嫁に行けないかもしれない。 それなのにこの黒いのは、やけに嬉嬉ととしてあのときのことを物語る。 「京介もどん引きよ」 ほんといらんことを言う。 「けれどまあ、これにて一件落着ということね。過程はどうあれ、私たちはもとの体に戻れた」 「一件、落着……」 たしかにそうだけど、やっぱりどうも納得できない。 結局、なにもかもうやむやのままなんだから。 「不服そうな顔ね? でも、現実なんて、結局そんなものよ。 劇的な解決もカタルシスもありはしない。 なるべくしてなるというのはむしろまれなことで、 物事の解決というのはたいてい、時か、事件によってなされるもの。 あなたの好きなエロゲーなんかと違ってね。 お兄ちゃんが性的な意味で大好きな妹は、思春期を過ぎれば他の誰かになびくものだし、 夢破れた芸術家も、リストラされたとなれば日々の糧を得るのに精一杯で、 傷心も夢の名残も、慌ただしい日常のなかで埋没して行く。 そう。これっぽっちも美しくはないわ。だから現実はクソなのよ」 黒猫は中二病患者らしく、一人で盛り上がっている。 永遠の十四歳、といってあげればある意味聞こえはいいかもしれないけど、 こんなんだからこいつってぼっちなのよね。 「今回の件は、唐突に始まって、唐突に終わった――ただ、それだけのことだわ」 こいつは一人で勝手に締めくくろうとしてるみたいだ。でも、そうはさせない。 あたしにはまだまだ聞いておかなくちゃいけないことが山ほどあるのだ。 「で、黒猫。――京介は?」 本題を持ち出すと、黒猫は一瞬だけ露骨に嫌な顔をしてから、 「っふ……」といつものような邪気眼電波顔を浮かべた。 「彼は今、一階でご両親に絞られているわ。 “かわいいかわいい兄さんの妹”をほったらかしにしたのみならず、 結果的に、こんな目にあわせてしまったのだから、当然の成り行きね」 その妹とやらがいったい誰を指しているのか考えると無性にこいつの首を絞めたくなるが、 しかしきりりんさんの自制心には定評がある。 高坂桐乃はあやせより加奈子より我慢強い女の子なのだ。あたしは話の続きを待った。 「……ともあれ、安心なさい。兄さんは、あなたが私であったことを知らないわ」 「そっか……」 なんともいえない心地だった。 醜態をさらしたのがあたしだと思われていないことにほっとする反面、 結局あいつには、あたしの気持ちは伝わっていないのだ。 「ク……ふふふふ……! ……私は淫乱ヤンデレキャラとして定着してしまったのだけれどね」 「それはほんとごめん」 本当にすまないと思っている。 「……ま、まあかまわないわ。これから私は、宿望を果たすことができるもの」 「しゅくぼう?」 なにをするつもりだろう。黒猫が立ちあがり、あたしは思わず身構えた。 ベッドのあたしを見下ろして、黒猫はあのときのようににやりと笑った。 「ねぇ、いまどんな気持ち?」 「はぁ?」 「ねぇねぇ、大好きなお兄さんを二度も寝取られて、いまどんな気持ち?」 「へ?」 ほんの数秒、意味が飲み込めなかった。 「京介は私と付き合うと言ってくれたわ。 そして、“私”のために黒猫と別れると、そうも言ってくれたわ」 ああ、こいつは―― ――言ってはいけないことを、言ってしまったのか。 「……ぎぐががががががが……」 「今、どんな気持ち? ねぇ、どんな気持ち? 参考までに聞かせてもらえないかしら? 二度も振られて、二度も寝取られてしまった淫乱ビッチさん」 「……っ殺す! このクソ猫絶対殺すっ……!」 殺意が頂点に達したところで、やにわにこんな言葉が頭に浮かんだ。 ――だがちょっと待って欲しい。 結果だけみれば、きりりん大勝利ということではないだろうか? 手頃な得物を求めて枕元をさまよっていた手が止まる。 「そういえばさ、今のあたしは桐乃で、今のあんたは黒猫なんだよね?」 「……それがどうかしたのかしら」 「あんた振られっぱなしじゃない? 結局あたしの優位かわってなくない?」 黒猫の表情が消えた。図星のようだ。 あたしがお返しとばかりににやにやしてやると、黒猫が抑揚なくつぶやいた。 「あなたって、本当に最低の屑だわ」 「……ごめん。マジで」 あたしって最低だ……でもさ、これって正直ヤバくない? だって京介って、妹のために恋人と別れてくれたんだよね? どんだけシスコンだっつーの。 それじゃあ妹離れなんて永遠にできなくない? あーキモキモ。ちょーキモーい… …ていうかヤバ。まじヤバ。ヨスガ一直線間違いなし。 しかも今やあたし、体は乙女頭脳はオトナな超ハイスペックシスターでしょ? 京介なんか百パー溺れちゃう。受験生なのに、あたしにハマって勉強しなくなっちゃう。 ――なんて馬鹿なことを考えていると、 「そろそろ私はお暇させてもらうわ。 あなたも目ざめたことだし、あまり長居すると、京介が戻って来てしまうから」 「あっ――」 ――そっか。そうよね。 “黒猫”は、京介にあんな醜態を見せてしまったんだから、顔を合わせづらいにちがいない。 気絶したあたしを連れてくるときはいっぱいいっぱいでそんな余裕はなかったけど、 あたしの容態が落ち着いた今、別れた恋人同士は、どんな顔をして話せばいいのだろう。 「心配は無用よ。ここへ来る道すがら京介に説明したわ。 あのことは――闇の力(ダーク・フォース)の反作用体として生じた新たな人格、 “闇猫”がしたことなのだと。京介もちゃんと納得してくれた。 そして、ひどく青ざめた顔で私を気遣ってくれたわ」 邪気眼キャラって超便利。便利すぎてガチでびびられてる。 「ま、まあさ。あいつにはあたしからもフォロー入れておくね。うん」 「ええ、頼むわ……」 と黒猫はわりと切実そうに告げてドアに向かい、そしてドアノブをつかんだところで、 「そうそう、ひとつ、報告し忘れていたことがあったわ」 と、目だけをあたしに振り向けて言った。 「あなたもう処女じゃないから」 「はあっ!?」 こ、このエロ猫、今なんて言った? 「先ほど言ったはずよ。『私だってなにもしていないといえば嘘になるから』と」 クソ猫のとんでもない報告に、あたしは口をあんぐり開けて固まってしまう。 「安心なさい。兄さんは、すごく悦んでくれたわ。 それに私も貴重な体験ができたから――まさか一生で二度も破瓜の痛みを味わうなんて、 なかなか興味深い感覚だったわね」 ぱたん、とドアが閉まった。 「あははっ……」 思わず足の間に手を入れて、あたしは乾いた笑いを上げる。 「冗談だよね……今の、冗談なんだよね……」 そこに京介がやってきた。 「やったぜ……桐乃」 と、青あざのついた顔で京介は言った。見れば全身ぼろぼろで、 お父さんに脱臼させられたのか、肩を押さえて、よろよろと倒れ込むように歩み寄る。 「俺とおまえの仲を、親父たちに認めさせてやった。 お袋はまだ下で泣いてっけど、俺たち兄妹はこれで……って、桐乃?」 京介は呆然としてあたしの顔をのぞき込む。 あたしたちは二人とも呆然とした間抜け顔で向かい合った。 「お、おまえ、本当に桐乃か?」 あたしはこくんとうなずいた。 「本当かー? 本当に桐乃かー?」 もいちどこくんとうなずいた。 けど京介はやおら天井を仰いで、 「嘘だ! 俺の妹がこんなに可愛くないわけがない! 兄さん好き好きけなげオーラが欠片もねーじゃねえか! ハっ……さては悪魔(あやせ)が化けてんだな!? またかよオイ! あやせテメェっ、俺はおまえの彼氏にゃならねぇってなんど言えばわかるんだ!? 体は許しても心は許さないからな! この逆レイパー!」 「し……ししっし、しっししししし……」 「黄金水か!? 黄金水なんだな!? だが断る! もはや俺がそれを飲み干すのはただ一人! すなわち! ラブリーマイシスターきり――」 「――死ねえええええええええ!」 おしまい br() br() br()
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/520.html
第2話「俺の妹がこんなに地味なわけがない」 トルルルルゥ ピッ 黒猫「もしもし?」 桐乃「あ、もしもし?あんたにちょっと聞きたい事があるんだけど」 黒猫「なによ?私は忙しいんだから早く済ましてくれるわよね?」 桐乃「分かってるわよ!じゃあ単刀直入に言うと色々あって、お金がたくさん必要なのよ」 黒猫「お金は貸さないわよ!」 桐乃「別にあんたに借りようと思ってる訳ないでしょ!」 黒猫「じゃあなんなのよ。早く言いなさい」 桐乃「それで色々あって、アクセとかも付けられなくなったから売ってお金にしたいんだけど・・・」 黒猫「それで私に売りつけようって訳ね」 桐乃「だから違うってーの!」 桐乃「誰でもいいからとりあえず売りたいんだけど、どうすればいいのか聞こうと思ったのよ!」 黒猫「それならオクにも出せばいいんじゃないかしら」 桐乃「オクってなによ?」 黒猫「そんな事も知らないのね。まったく」 桐乃「悪かったわね!それよりオクってなんなのよ!」 黒猫「オクって言ったら、インターネットオークションの事に決まっているでしょ」 桐乃「それでどうすればいいのよ」 黒猫「知らないわよ。あとはそのご自慢のパソコンで調べなさいな。それじゃ」 ピッ 桐乃「ちっ、黒い分際で。まあいいわ、とりあえず調べてみよっと」 検索ボックス「インターネットオークション」(ヤフオクも知らないのかよ。ゆとりが)ボソッ 桐乃「なんか今日はいつもより検索するの遅いわね」イライラ 桐乃「お、きたきた」 桐乃「ヤフーオークション?なんか聞いた事あるわね」 桐乃「とりあえずヤフーって言ったら、あの有名なヤフーだからとりあえずここでいいわよね」カチカチ 桐乃「ふむふむ、登録、登録っと」カチカチ 桐乃「まずはヤフーアカウントに登録っと。んで出品するにはプレミアム会員にならないとかー」 桐乃「月300円程度なら、1か月で全部売り払えば問題ないよね」 桐乃「登録っと!」カチカチ 桐乃「ん?クレジットカード番号?」 桐乃「」 佳乃「桐乃ー?ちょっと買い物行ってくるから留守番お願いねー」ガチャ 桐乃「はーい」キュピーン ーーー佳乃の部屋ーーー 桐乃「確か、この辺りに」ガサゴソ 桐乃「あ、あった!」 桐乃「クレジットカードってこれだよね」 桐乃「持っていくとバレるから、写真で撮ってっと」カシャ ーーー桐乃の部屋ーーー 桐乃「これで私は無敵だ!登録っと」カチカチ 桐乃「さて、どれから出品しようかしら」 佳乃「桐乃ー!京介ー!ご飯よー」 桐乃「よし、今日はこれだけにしておこうかしら」 桐乃「明日には・・」ウヘヘ 桐乃「さっ、ご飯食べて髪の毛染めよっと」 ーーーキッチンーーー 大介「いただこう」 桐乃「いただきまーす」 京介「いただきまーす」 桐乃「そうそう、お母さん」 佳乃「なーに?」 桐乃「ご飯食べ終わって、お風呂入ったら髪の毛染めるからちょっと手伝ってくれない?」 佳乃「いいわよ。準備出来たら呼んでね」 京介「なに?お前髪の毛染めんの?」 桐乃「そうだけど?なに?!なんか文句あんの?」モグモグ 京介「べ、別に!なんもねーよ!」 桐乃「ふんっ!」 桐乃「ご馳走様」カチャカチャ ーーーお風呂ーーー 桐乃「ふんふーん♪」ワシャワシャ ーーーリビングーーー 桐乃「お母さーん?準備できたよー」 佳乃「ちょっと待って―!今行く」 佳乃「久しぶりに見たけど、黒もなかなか似合ってるわね」 桐乃「そ、そう?」 桐乃「久しぶりだから、ちょっと違和感あるかも」 佳乃「そんな事ないわよ」 佳乃「さ。シャワーで洗い流して、早く寝なさい」 桐乃「はーい」 ーーー桐乃の部屋ーーー 桐乃「ふぅー」 桐乃「オクの確認・・・」(明日の楽しみにしとこうっと)ニヤニヤ 桐乃「さ、寝よ寝よ」 ーーー次の日ーーー 桐乃「おはよー」 大介「おはよう」 佳乃「おはよー、桐乃」 桐乃「あいつは?」 佳乃「京介?もう先に出て行ったわよ?あんたも早く食べちゃいなさい」 桐乃「はーい」 あやせ「あ、桐乃ー?おはよぅ・・・」 加奈子「桐乃ー!おはよ・・・!?」 桐乃「あ、おはよう。どうしたの2人とも?」 あやせ・加奈子「どうしたのー?!その髪!」 桐乃「あー、これ?これはちょっと色々あってね」アセアセ あやせ「そ、そう。けど黒も似合ってるよ!ねえ加奈子?」 加奈子「そうだな。ちょっと地味だけど桐乃らしいと思う」 桐乃「う、うん。2人ともありがとう・・・」 あやせ「けどカチューシャとかしたらもっと可愛くなると思うよ?」 桐乃「あー、実はねー・・・」 あやせ「そう、それだとちょっと難しいかもねー」 加奈子「そうだなー。桐乃のとこの親は厳しそうだもんなー」 桐乃「けどお小遣い無いよりはマシかなって思ってね。ハハハ」 加奈子「それにしても髪の毛が黒いとあやせと見分けつかねー」ケラケラ 桐乃「もうー」ショボーン あやせ「わ、私は桐乃の髪の毛が何色でも桐乃って分かるからね!!!」 桐乃「あ、う、うん」アセアセ キーンコーンカーンコーン 先生「おらー、席に着けよー」 ガヤガヤガヤ 先生「じゃあ出席取るぞー。○○・・・」 ○○「はーい」 先生「高坂」 桐乃「はい」 先生「んっ?高坂桐乃ー?休みかー?」 桐乃「え?ここにいます・・・よ?」 先生「どこに居るんだー?声しか聞こえんぞー」 ガタッ! 桐乃「ここに・・・居ます」ショボーン 先生「」 クラスメイト「ガヤガヤガヤガヤ」 先生「し、静かに!」 先生「じゃあ次、○○!」 ○○「はい!」 ーーーお昼休みーーー [ピザ]の人「あのー、高坂さんですかー?」グヘヘ 桐乃「そ、そうだけど・・・なにか用?!」キッ [ピザ]の人「あ、いや、その、と、特に用という訳ではござらんのですが、か、髪の毛はどうされたのですか?」 桐乃「別にあんたに関係ないでしょ?!」 [ピザ]の人「いやー拙者ではなく、他のクラスの友人が知りたがってるでござるよ」ビクビク 桐乃「ちっ!じゅ、受験に向けて内申点下げないようにする為よ!なんか文句あるっ?」キッ [ピザ]の人「わ、分かったでござる!そう友人に伝えておくでござるよ」 桐乃「なんのよ!ちょっと髪の毛染めたぐらいで!」 あやせ「桐乃ー?大丈夫?変な事されなかった!?」 桐乃「うん。大丈夫だけど」 加奈子「まあ、あの派手な髪が次の日に黒くなれば誰でも気になるってー」ケラケラ 加奈子「あのオタクみたいな奴がうざいのは分けるけどなー」 桐乃「はははー・・・」 ーーー放課後ーーー あやせ「桐乃ー、加奈子ー。帰りにお茶しない?」 加奈子「いいぜー。今日は誰が奢ってくれるんだー?桐乃か?」ニコニコ 桐乃「ごめん、今日はちょっと早く帰らないと駄目なんだー。本当にごめん!」 加奈子「用事ならしょうがねーなー。じゃあ今日はあやせの奢りって事で」ニコニコ あやせ「そっかー。桐乃が来れないなら2人で行ってもねー」 加奈子「あたしは全然かまわねーぜー」ニコニコ あやせ「じゃあ残念だけどまた今度一緒に行こうね。桐乃」 桐乃「ありがとう!またねー」タッタッタッ 加奈子「じゃあ行こうぜ!あやせー」 あやせ「さあ、私も帰ろうっと」コツコツコツ 加奈子「・・・えっ?」 ーーー高坂家ーーー 桐乃「ただいまー」 佳乃「おかえりー。今日は早いわね」 桐乃「うん、今日は部活休みだから」 桐乃「兄貴はまだ帰ってきてないの?」 佳乃「今日は田村さんの所でご飯食べてくるから遅くなるって」 桐乃「ふ、ふーん」ガチャ ーーー桐乃の部屋ーーー 桐乃「さーて、オクはどうなったのかなー」ニヤニヤ 桐乃「まあ20個ぐらい出品したから、1つ10万円は超えてるよねー」カチカチ 桐乃「あれ?」カチカチ 桐乃「ん?」カチカチ 桐乃「」カチカチ 桐乃「更新更新更新更新更新」カチカチカチカチ 桐乃「」 桐乃「入札が一件も無い」ウルウル つづく
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/362.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1293190574/483-497 「っ!?」 声にならない悲鳴と共に体が跳ねた。……夢……。 携帯電話の時計を見ると、まだ夜が明けるには早い。とても中途半端な時間。 「気持ち悪い…」 不快感の正体は、下着が吸っていた水分。…厭らしい。 こんな中途半端な時間に起きてしまっても仕方無いけれど、今眠ってしまうと 時間通り起きられない気がする。不快感も早く取り除きたい。 まだ寒く暗い室内で手早く着替えを済ませ、明かりを付ける。誰も起きていないわね。 ストーブも付けておいた方がいい。まだ眠っている妹達が寒がって布団から 出てきてくれない、なんて事になったら準備が遅れてしまう。 「喜んでくれるかしら…?」 未だ夢の中であろう、彼の事を想う。一昨日の夜、クローゼットを探っていた母が 渡してくれた振袖。クリーニングから帰ってきたばかりなのかタグがついていて 「彼氏君が喜ぶといいわね?」などとからかってきた為、結局その場では着なかった。 「…大丈夫、大丈夫よ」 そう自分に言い聞かせて身支度を始める。 もう少しで、初詣だ。 [初夢の悪戯] 「起きろ!」 「ごふっ!?」 今の見た?見たよな?よし、お前ら俺に同情しろ。そして羨んだ事を謝れ。 見た目可愛い妹なんていても良い事なんかちっともないからね。 特に、朝っぱらからこんな暴行を加えてくる妹なんてな。 「てめっ、今何時だと思って――」 「6時半!初詣行くんでしょ?さっさと用意して下りて来なさいよね!」 「…あー……」 「返事は”はい”!!!」 「ぐおっ!!」 新年早々なんでこんな暴行祭りなんだろうな。俺なにかしたっけ? 痛む脇腹を押えつつ起き上がる。今日は初詣に行く日、元旦だ。 「うー…さむ……」 部屋を出るとリビングから香ばしい匂いがしている。朝飯はもう出来てるらしい。 早いとこ準備を済ませて、家を出よう。 「初詣?」 「そうよ。行きましょう?」 昨晩の事だ。除夜の鐘をつきに行った後、スカイプで瑠璃と話していると 初詣に行かないかと誘われた。 「そうだなぁ…元旦だもんな。いいぜ」 「…あの子まで連れて来ないでよ?」 「桐乃か?」 「せっかくの元旦デートに、邪魔が入っては困るわ」 「お前…まぁ、そうするか」 友達にそんな事を言うのもどうかと思うが、それもそうだ。どうせなら2人で行きたい。 だがそうも上手くいかないのが、世の中ってヤツなんだ。 「初詣、私も行くから」 「桐乃!?いつからそこに?」 「ちょっと、聞かれていたの?」 「”あの時のコスプレ、なかなか可愛かったぞ”からよ!今会議通話にするからちょっと待ってなさいよね!」 思いっきり前からじゃねぇか……。盗み聞きなんてしやがって。 というよりも、俺の言葉だけで自分が除け者にされると察するのがすげぇ。 「はぁ…全く、鍵でも付けたらどうかしら?」 「早急に取り付けてぇ…」 そうこうしている内に呼び出し音が鳴る。 「で?私も行って良いのよね?」 「…駄目と言っても来るのでしょう?」 「何よ、いやなの?」 こうなってはどうにもならない。頑固さは親父譲り、勝てるわきゃねーだろ? 2人きりで行けないのは残念だが――まぁいいか。桐乃とは色々あったし、年末年始ぐらい仲良くしておきたい。 …ほら、分かるだろ?俺と瑠――黒猫が付き合い始めれば、そりゃあもう色々と…。 「もういいわ。聞かれていたのは此方も同じの様だし…」 「え?誰に聞かれてたの?」 「…下の妹よ」 「妹!?」 こいつ本当に妹って単語が出ると…。 「京介、もう2人きりは無理そうだから妹達も連れて行くことにするわ」 「そうだな、そうしてくれ」 「…ちゃんと守ってよ?」 妹を、だろ?桐乃を止められる自信は無いが、可愛い彼女の頼みなら最大限努力しよう。 ちなみに麻奈実から連絡は無かった。…そうだよ、色々あったんだよ。 大晦日の夜にそんなやり取りがあって、今に至るというわけだ。 「あ、そうだ。明けましておめでと…」 「…おう。今年もよろしくな」 さっきの暴行沙汰が嘘のように、新年の挨拶を交わす。 焼きあがった食パンが皿に乗っていて、まぁ…はやく食べろという事らしい。 親父とお袋はまだ寝ている。が、お袋は早く起こされることになるだろうな。 桐乃が着付けを手伝えと騒いでいるのが聞こえる。 俺も着替えておかねーと。まぁ袴とかは用意して無いんだけどね? 高坂家の長男の扱いは、かなりぞんざいなんだ。 「そんな所に突っ立って何をしている?」 「あ、親父。起きたのか」 かわいそうに。大晦日の昨日も遅くまで仕事に出ていた親父は、桐乃の声に叩き起こされたみたいだ。 それともお袋か?なんだか疲れてそうだな。 「ああ、それより挨拶は無いのか」 「おっと、明けましておめでとうございます」 「うむ。今年も…京介、お前は普段着で行くのか?」 「そりゃ用意が無かったんでな」 「全くお前というヤツは。五更さんとだろう?しっかりしろ」 俺にどうしろと…。いや正直言うと、少しくらいヨソイキな格好で行きたいよ? けど用意が無いもんは仕方が―― 「…仕方が無いな。俺のを貸そう」 「え!?いいって、親父も昼から出かけるだろ?」 「構わん。新年早々、お前がそれではみっともない。俺に恥を掻かせる気か」 なるほど納得だ。一家の長男が普段着で彼女と初詣ってのは、少々いただけない。 まぁ2人じゃないが。だが… 「サイズ合うかな…」 「心配はいらん。多少は合わせる事も出来る」 それなら安心だ。うちの親父は警察官で、例えるならゴリラに似ているくらいだ。 体格もめちゃめちゃ良い。羨ましくないけど。一方の俺は、自分で言うのもなんだが かなり細身な方だ。袴のサイズが合わなそう、なんて心配になるのは当然である。 その後、騒がしく注文を付けまくっている桐乃の声をよそに 俺も親父に手伝ってもらい準備を始める。天気は晴天、良い空だ。 「桐乃のやつ、遅いな」 まだ準備が終わらないのか、桐乃は家から出てこない。 こちとら玄関先で10分くらい待ってるってのに…やっぱ中で待つか。 そう思ってドアノブに手をかけた瞬間、勢い良く扉が開いた。 「っぶね、気をつけろよ」 「あ、あんた待ってたの?」 「お前なぁ…」 ひでぇ…先に行っててよかったのか?日ごろの成果か、反射的にドアを受け止めた 左手の痛みを気にしつつも桐乃の姿を確かめる。 「…何よ?」 「…似合ってるぜ」 全体的に淡い桃色の振袖。細かい模様が美しく栄えている。桐乃らしい。 これで性格が良ければ文句無いんだけどなぁ…。 「げうっ!」 「今失礼な事考えてたでしょ!?」 凄まじく勘の良いヤツである。すかさず突きを繰り出してきやがった。 「チッ…さっさと行くわよ!」 「へいへい…」 時間を見ると8時40分過ぎ。少し急がないと遅れてしまう。 気持ち歩を早めつつ、待ち合わせている神社へと向かう。 「………ありがと…」 「ん?今なんか――」 「ふん!」 「うおっ!?」 早くしないと、着く前にノックアウトされそうだ。 9時ジャスト。俺たちは今近所にある神社にいる。 見当たらない瑠璃と、その妹達を探しているところである。 「やっぱ携帯には出ない?」 「あぁ、おかしいな…」 「あんたの格好見て帰っちゃったんじゃない?「あんな男と…恥ずかしい」って!」 毎度の事恐ろしく似ていた。お前何?瑠璃をインストール出来るの? 似ている分ダメージもでかい。まさかとは思うが…。 「そうね。こんなに近くに居る自分の彼女にも気付かないなんて、恥ずかしいわ」 「おま!居たならなんで――」 「あああんたその格好…!」 「あら、分かりやすく動揺しているわね?」 そりゃ桐乃も動揺するわ。俺全然気付かなかったもん。 すぐ後ろに立っていた瑠璃と…後ろに居るのは2人の妹だな。 そんな事よりも驚いたのは、瑠璃の振袖姿だ。 「夏コミの時といい今日といい、いつもと違う服だと気付いてもらえないのね~?」 「年明けから元気がよろしい事ね。早くナンパ待ちでもしたらどうかしら?このビッチ」 桐乃と話す時はあの調子だが、あの夏の白猫モードとその姿が重なる。 いやー、良いもん見たわ。今年は良い事が続いてくれそうだ。 「おーい、こんなとこで喧嘩すんなって…」 「おねえさま!けんかしちゃだめー!」 ほら見ろ、小さい妹にまで怒られたぞ。………あ。 「あれ?その子達って…」 「…私の妹よ」 「うっそ!?マジ!?」 あちゃー…。予想通り過ぎる反応をしやがった。周りの人がこっち見てるじゃねぇか。 つかお前も危ない誘拐犯みたいな顔すんな!そんなんしてると―― 「近寄らないで!」 言わんこっちゃ無い。見た?瑠璃の動き。まるで子猫を庇う母猫だったよ!気持ちは凄く分かるけど。 確かに、今の桐乃に妹を近づけるのは賢明じゃない。猛獣に生肉を与えるようなもんだ。 生肉(妹)を隠された桐乃は不満をあらわにしている。 「そんなに邪険にしなくても…」 「今のあなたにこの子達を渡すのは賢明ではないわ」 「大丈夫だって!なんもしないから………うへへ」 「お前ほど説得力の無い言い訳をするやつは見たことねぇぞ!」 俺が話に割って入ると、露骨に嫌そうな反応を見せる。このまま瑠璃にくっついててもらうか…。 「あ、おにいさま!あけましておめでとうございます!」 「ん…あぁ、明けましておめでとう」 「なんであんたが普通に接してるの?」 「そりゃあ――」 「この子から見たらお兄さんだもの。ね?」 「はいー!」 少し前こいつの家に行った時、初めて会った瑠璃の家族がこの子だ。 すごい素直そうだろ?世の中にはこんな可愛い妹も居るんだな。 そんな事を考えていると、瑠璃まで不満そうな視線を――ああ、そうだった。 「明けましておめでとう、瑠璃」 「…おめでとう。今年もよろしくお願いするわ」 そこで改めて瑠璃の姿を見た。白い絹をベースに、青と紫の糸で唐草模様の刺繍が入っている。 袖が少し長いのか、妹の手を握っている反対の手は隠れていた。 少々古い印象を受けるが、元々が大和撫子という表現の似合う美人だ。 …今のこいつに迫られたら、抵抗のあったラブホとかあっさり入れちまいそうだな。 「似合ってるな。綺麗だぜ」 「あ、う、ありがとう…」 頬を染めて俯く。もう可愛くて仕方が無い。桐乃や瑠璃の妹達が見ている手前、抱きしめたり 出来ないのは残念だが、ホントに良いもん見れたぜ。 「あ、わかった!」 「ん?何がだ?」 「さっきから何かに似てると思ってたんだけど、雪女よ!妖怪雪女!」 なんちゅう例えをしてくれてんだお前は。そりゃ、長い黒髪に白い着物…手が出ないほど長い袖…。 「ブフッ…」 「なっ、笑わないで頂戴!」 「いやだって……」 確かにコスプレならものすごい完成度である。どこぞの妖怪喫茶とかで働けるんじゃないだろうか? 瑠璃の妹達も「おねえさまがゆきおんなになっちゃった!」「こら、騒ぐと氷付けにされちゃうわよ?」 などと言っている。瑠璃も怒るのをやめて 「そうね…我が氷雪の妖力、たっぷりと味あわせてあげようかしら?」 なんて袖で口元を隠しながら言うもんだから、いよいよ笑いが止まらなくなってくる。 さすがに人が多い場所でやるのは恥ずかしいのか、耳も赤くなってきているが。 ついでに言うと、瑠璃の妹2人も振袖姿なもんで小さい方が「座敷わらし」に見えてきた。 しかしなんだ。せっかく初詣に来たんだし、早くお参りを済ませておみくじといきたい。 そこそこ並んではいるが、俺たちも早く並んでしまった方がいい。 「さて、冗談はその辺にして並んじまおうぜ」 「そうね。…袴も似合うわ」 「お、おう…ありがとな」 「並ぶならさっさと並んでよ!」 「その前に手水舎よ?」 並んでいる間、ちゃっかり下の妹と仲良くなった桐乃をよそに、お賽銭箱の前に立つ。 一応この袴にはポケットと呼ぶべき物がついてはいるが、いまいち利便性に欠けるんだ。 財布を取り出すのに苦労していると、隣に居た瑠璃が口を開いた。 「ねぇ、五円玉持ってる?」 「ちょっと待ってろ。今財布を…」 ようやく取り出した財布の小銭入れを探ると、幸い2枚入っていた。 「ほら、これでいいか?」 「そうね、これは京介が投げて?」 「ん?いいけどなん――」 「いいから早くして頂戴」 良く分からんが、とりあえず五円玉を投げ「あ、ちょっと!」 なんだ?瑠璃に止められた。 「まずは会釈よ?さっきもそうだけど、正しい作法でなさい」 「お、おう…」 手水舎の事もだが、瑠璃は初詣の作法を結構詳しく知っていた。…鳥居くぐる時、礼しなかったな。 今も”2礼2拍手1礼”とやらについて説明されている。去年なんか思いっきり適当だったような…。 「しかしなんで五円玉なんだ?」 「…いいじゃない、別に。早く済ませましょう?」 そんな反応されたら余計気になるじゃんか…。 なんとかお参りを済ませ、妹の世話を焼いているであろう瑠璃を待つ。 どうも引っかかる。さっき五円玉に拘ってたけど、あれってどういう…。 お、戻ってきた。 「済んだか?」 「ええ」 「はいー!」 良い返事だ。桐乃は向こうで上の妹と仲良くなろうとしている。丁度年代的には話しやすいのかもしれない。 あの様子なら心配していた要素も(主に犯罪的な)無さそうだし、大丈夫か。 「おにいさまは、かみさまになにをおねがいしたんですか?」 「ああ。大学に受かりますようにってね」 そう、俺は受験生なんだ。学力と散々相談した結果決めた志望校に合格したい。切実に。 だがそれを聞くと、この子は何やら不満げな顔をし始めた。どうしたんだろう? しきりに瑠璃と俺を見比べている。 「でもおねえさまは、おにいさまとけっこんしたいんじゃ―――」 「ばっ!何を言い出して……!!」 「え!?」 何を思ったかとんでもない事を口走ったぞ。お前一体何を教えたの? そんな疑問を視線にのせ、慌てて妹の口をふさぐ瑠璃に投げかける。 「ち、ちちがうのよっ?」 何が違うってんだ。声が上ずってるじゃねぇか。 「あー、分かったから手を離してやれよ。苦しそうだぞ?」 「そそうねっ、変な事言うんじゃないわよ?」 瑠璃が手を離すと「ぷはあ」と息を吹き返す。隙を見てゆっくり聞き出してやるか。 「もう、くるしいです!」と脹れている子猫が、母猫から何を聞いたのかを。 おっと、忘れるところだった。おみくじおみくじ。 …向こうも結構並んでる。 桐乃も上の妹とコスメがどうのこうの話していて、なんだかおみくじという空気じゃない。 もうちょっとこのまま放って置くか。瑠璃にも聞きたいことがあるしな。 めずらしく下の妹を叱っている瑠璃を宥めつつ、どう切り出すか考えていた時だ。 「あ、桐乃!」 この声は、まさか…。 「あやせ!あけおめー!」 「今年もよろしくね、桐乃…その子は?」 「桐乃ちゃん、明けましておめでとう」 げっ、あやせだ。麻奈実までいる。数ヶ月前までの俺なら嬉しい展開だが、俺にも学習能力くらい あるんだぜ?嫌な予感以外の何も感じられねぇ。早くこの場を離れよう。 「ん?ああ、あそこの雪女の妹よ」 「雪女?…げっ、お兄さん…」 ………。麻奈実をさらっと流して質問に答える桐乃もアレだが、人を見るなり 「げっ」とか言う人もどうかと思うよ?…俺は良いんだよ、防衛本能だ。 「あ、きょうちゃん!」 麻奈実がこちらに気付いて駆け寄ってくる。 「きょうちゃん!明けましておめでとう!」 「おう…。明けましておめ―――」 「あら田村先輩。明けましておめでとうございます」 しまった、こっちにも不安要素が…! 俺たちが付き合い始めた時の一悶着で、瑠璃は麻奈実を以前にも増して 敵視するようになっていた。主にお泊りの件とか、ベッドの下の件が原因で。 麻奈実は麻奈実で「明けましておめでとう。可愛い振袖ねー、袖が少し長くない?」などと 妙な笑顔で言っている。あんなに怖い麻奈実見たこと無ぇぞ…。隣で様子を伺っていた 下の妹はおろおろし始めている。小さいうちからこんなもん見せられてかわいそうに…。 「お姉さん!いいですか?」 「あ、今行くね!」 見ればあやせが手招きしている。ホント仲良くなったよなぁ。 …麻奈実が黒っぽくなったのってあやせの影響じゃないよね? 「おい瑠璃、あんまツンケンすんなよ。妹が怯えてるぞ?」 「…あなたが悪いのよ」 「俺?……あー、悪かったよ」 「分かればいいわ」 敵視してる相手に自分の彼氏が愛想良くしてりゃ、ツンケンしたくなるわけだ。 ”言われなくても察して欲しい”という要望に、少しずつではあるが答えられるように なってきた、と思いたい。まだ分からない事の方が多いんだよ…。 向こうは向こうで楽しくやってるみたいだし、こっちはおみくじを…。 「なぁ、上の妹はあっちに任せておみくじでも引きに行こうぜ?」 「そうね。さっきより空いて来ていそうだし…」 「ことしはだいきちがでるといいですね!」 去年は何が出たんだろうな。黒猫の表情からすると、あまり良い結果じゃなかったらしい。 ちなみにさっきから俺がおみくじを引きたがっていたのは…受験生は何かと不安なんだよ…。 さっそく列に並ぶが、そこはおみくじだ。あまり待たずに順番が回ってきた。 横にある箱の中へ百円玉を3枚入れて引き出しを選び始める。 瑠璃は「ありがとう」と言いながら、妹が引き出しを選べるように抱き上げている。 そういえば、瑠璃は今年で17歳だな…。よし、17番の引き出しにしよう。 「あら、もう決めたの?」 「あんま悩んでも仕方ないからな」 「それで?」 「末吉だ…」 おっかしいなぁ……良いのが出てくれると思ってたんだが…。 「わぁ!だいきちー!」 ちょっと落ち込んでいると、隣で瑠璃の妹が大吉を引き当てたようだ。 …別に羨ましくなんかないぞ?どうせ運試しだもんな。 続いて瑠璃も引き出しを開ける。 「おねえさまは?」 「………」 「ことしもだいきょうですか…」 無言で紙を妹に差し出す瑠璃の後姿に思わず同情する。今年もって事は去年も大凶だったのか…。 大凶を2年連続で引くなんてある意味すげぇ。 「ま、まぁほら、今年は俺が幸せにしてやるって」 とりあえず声をかけてみたものの反応が無い。結構恥ずかしかったんだが…。 と思っていたら、小声で「…っふ……やはり千葉の堕天聖たる私に神も…」とかなんとか言っている。 そこまで派手に落ち込んでいるわけじゃ無いのはいいが、その子の前でそれはやめろよ…。 そんな俺たちの様子を見ていた瑠璃の妹が、突然両手を広げて 「おねえさまとおにいさまにもしあわせ!」 なんて言うもんだから、さすがの瑠璃もそれには反応して「ありがとう…」と頭を撫でている。 そうだ、この子は「座敷わらし」だもんな。いるだけで幸せにしてくれそうだ。 さて、木の枝に結びつけるとするか。その2度目の大凶を。
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/215.html
1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/14(金) 01 16 55.59 ID fk2dn6mW0 [1/6] 桐乃「え!?・・・早かったねー!上がって上がって~♪」 あやせ「うん!・・・げっ・・お兄さん、お久しぶりです。」 京介「げっ・・・って・・・久しぶり、あやせ」 加奈子「ちーす」 京介「・・・あ?」 加奈子「!?」 桐乃「何挨拶してんの?早く部屋行けって」 京介「はいはい・・・」 加奈子「(気のせい・・・だよな?)」 3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/14(金) 01 30 48.97 ID fk2dn6mW0 [2/6] 桐乃のお部屋 加奈子「桐乃~ちょっと便所借りるわ~」タタッ ・・・・・・・ 京介「・・・ふぅ」 加奈子「あ・・・トイレ借してk」 京介「は??」 加奈子「いや・・・トイ」 京介「しゃべんな。くせーんだよ」 加奈子「・・・え?」 京介「早くどっかいけや」 加奈子「う・・・うぜーy」 京介「あぁ!?」 加奈子「い・・・いや・・・」 京介「チッ・・」スタスタ 加奈子「(な・・・なんで?)」 4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/14(金) 01 36 00.83 ID fk2dn6mW0 [3/6] 桐乃「あ、加奈子おかえり~」 加奈子「・・・・・あのさ」 桐乃「何ー?」 加奈子「なんか今日、桐乃の兄貴変じゃない?」 桐乃「え?兄貴?別に普通だけど?」 加奈子「機嫌悪かったりしねー?」 桐乃「・・・?別になんともなかったけど?」 あやせ「どうしたの?私も普通に見えたよ?」 加奈子「いや・・・ならいーや(加奈子だけにかよ)」 5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/14(金) 01 42 11.03 ID fk2dn6mW0 [4/6] ・・・・・・・ 加奈子「はぁ・・・あー桐乃、喉かわいたわ~」 桐乃「えー?下にジュースあるから取ってきてー」 加奈子「ここお前んちじゃんかー。取ってきてよー」 桐乃「別に喉渇いてないもーん。」 加奈子「・・・(今下にいったらまたいるかも・・・)」 あやせ「加奈子。私も飲みたいなぁ。取ってきて」 加奈子「・・・しゃぁないな・・・」 6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 01 48 32.71 ID fk2dn6mW0 [5/6] 加奈子「(確か桐乃んちの冷蔵庫は・・・)」ガチャ 京介「・・・・・」ギロッ 加奈子「(うわー・・・いた・・・)」 京介「・・・・んだよ」 加奈子「お・・・お前に用ねーから。桐乃にジュース取ってこいって言われたんだよ」 京介「何その口の利き方。」 加奈子「うぜーし。いつもこうなんだよ。冷蔵庫開けんぞ」 京介「チッ・・・勝手に開けてんじゃねーよ!」バシッ 加奈子「いてっ・・・何・・・すんだよ・・・」 7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 01 53 14.08 ID fk2dn6mW0 [6/6] 加奈子「・・・・桐乃に言うわ」 京介「あ?勝手に言えよ」 加奈子「今言ってやる!!」 京介「あーあ。これだから口先だけのガキは困る」 加奈子「は・・・?」 京介「威勢張ってるだけで一人じゃなんもできねー屑」 加奈子「加奈子は屑じゃねーょ・・・」 京介「屑じゃん。」 加奈子「ちげーよ!」 京介「屑。ゴミ。」 加奈子「違う違う違う!!!」 11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/14(金) 02 43 58.45 ID UBZGtWBq0 [1/23] 京介「桐乃とあやせいなきゃどーせなんもできないんだろ?」 京介「なのにそんな偉そうにしてるとか」 京介「お前風に言うと・・・キメーんだよ。うぜーしwwwwww」 加奈子「・・・・う・・うぜー・・・」ウルッ 京介「泣いてんじゃねーよ。あやせならともかくお前が泣いてもキモいだけだからwwwwww」 加奈子「泣いて・・ねぇよ・・ヒック・・」 京介「口の利き方に気をつけろっつってんだよ!!」バンッ 加奈子「ひっ・・・ごめんなさい・・!」ビクビク 12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 02 49 46.66 ID UBZGtWBq0 [2/23] 京介「(とは言ったものの・・・意外と可愛いと思ったり)」 京介「俺ってS?やばい・・・萌えてきた・・・)」 加奈子「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」ビクビク 京介「あ・・・あぁ・・・」 加奈子「・・・・?」 京介「まぁいいや・・・ジュースだっけ?ほら・・・」 加奈子「・・・?サンキ・・ありがとうございます・・」 京介「それと・・・なんかごめんな・・・」ギュッ 加奈子「え・・・?あ・・・あの・・・」ドキッ 加奈子「(あんなこと言われたのに何ドキドキしてんだよ・・・加奈子ってM?ありえねー・・・)」 13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 02 56 38.31 ID UBZGtWBq0 [3/23] 京介「あー!俺何してんだろ!意味わかんないよなー・・・」 加奈子「マジ意味わかんないし・・・」ギュッ 京介「・・・どうした?」 加奈子「怖かったんだよ!マジで!」 京介「あー・・・ごめんな・・・ちょっと虐めたくなってな・・・」 加奈子「マジウゼー・・・はっ!ほ・・・本当に・・うるさいです・・・?」 京介「ソレ言い直してもわけわかんないよwwそれにもういいよ」 14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 05 03.02 ID UBZGtWBq0 [4/23] ガチャッ 桐乃「加奈子ー?マジ遅いかr・・・」 加奈子・京介「あ・・・」 桐乃「あ!?」 京介「あー・・・・いやー!もうびっくりしたよ!いきなり転ぶんだからさー!」 桐乃「・・・・・・」 加奈子「こっちだってビビッたっつーの!いやーお前いなきゃ頭打ってたわwwサンキューな!」 桐乃「・・・・・」 京介「いやいや!これからは気をつけろよー!」 桐乃「・・・・・」 加奈子「 17 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 11 50.98 ID UBZGtWBq0 [5/23] 加奈子「桐乃。ジュース・・・」 桐乃「加奈子、先に部屋戻ってて」 加奈子「・・・はい」タタッ 京介「あー・・・桐乃さん・・?」 桐乃「この変態野郎!!みんな帰るまで家入ってくんな!!![ピーーー]!!!」ボコッ 京介「あうっ!!!・・・そこ・・・蹴ったら・・・」バタッ 18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 17 20.50 ID UBZGtWBq0 [6/23] きりりんの部屋 ・・・・・・・・ 桐乃「ふぅん・・・じゃぁあいつはただ転びそうになった加奈子を支えただけなんだ」 加奈子「あぁ・・・それだけ」 桐乃「他には?何もない?」 加奈子「ねぇよ~・・・」 桐乃「じゃぁなんでそんなに目が赤いの?」 加奈子「それは~・・・」 桐乃・あやせ「・・・・」 加奈子「支えてくれたはいいけど・・・ちょっとぶつけた」 桐乃「・・・・・・・」 19 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 23 45.79 ID UBZGtWBq0 [7/23] お庭 京介「はぁ・・・」 京介「(やっぱ言うよな・・・虐めたこと・・・)」 京介「(ちょっとやりすぎたよな・・・てか絶対桐乃に言うよな!)」 京介「(俺終わりじゃん・・・そうなると・・・親にもバレるか・・・田村家の子になろう・・・)」 ・・・・・・・ 京介の脳内 京介「真奈実・・・桐乃のツレを虐めて泣かしたから家にいられなくなった・・・田村家の子にしてくれ」 真奈実「京ちゃんがそんな人だとは思わなかったよ・・・さよなら!」 ロック「あんちゃん最低~!」 じいちゃん「氏ね!」 ばあちゃん「そんな人は田村家の婿にはいらないよ!」 ・・・・・・・・・ 京介「(ダメじゃん・・・・)」 20 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 31 00.59 ID UBZGtWBq0 [8/23] ・・・・・・・ ガチャ 京介「・・・・!」 あやせ・加奈子「おじゃましましたー」 加奈子「あ・・・あやせ~ちょっと待ってて~」 あやせ「あ・・・うん」 加奈子「よっ!」タタッ 京介「うわー!ごめんなさい!田村家にも行けねーよー!」 加奈子「あん?何の事だよ。それよりさ~さっきの事」 京介「桐乃!なんて言ってた!?やっぱり[ピーーー]って?」 加奈子「いや?つーかマジの事言ってないから~」 京介「え?」 加奈子「言えるわけね~よ。この加奈子が虐められて泣かされたなんて。ありえねーから」 京介「そうか!よかった・・・」 加奈子「でも償ってもらわなきゃな」 京介「え?・・・」 21 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 37 22.44 ID UBZGtWBq0 [9/23] 京介「あぁ!償うよ!金か!?」 加奈子「金・・・金もいーけどよー・・・もっと他にあるだろ・・・」 京介「いくらだ!?」 加奈子「・・・・なーんか腹立ってきた。マジのこと言おっかな」 京介「それだけはやめてくれ~・・・」 加奈子「うるせー・・・ばーか」 京介「・・・・・」 加奈子「あぁ!悪い!バカじゃないです!」 22 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 42 23.72 ID UBZGtWBq0 [10/23] 加奈子「と・・・とりあえず・・・携番とメルアド教えろ!いや!教える!」 京介「そんなに恐れなくてもいいぞ」 加奈子「誰か恐れさせたんだよ!」 京介「わりぃ」 加奈子「とりあえず。メールしてきて。いや、するわ、じゃ!」 京介「あぁ・・・またな・・・」 京介「・・・・って・・・俺教えてないから結局俺しなきゃならんじゃんか・・・」 24 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 53 19.95 ID UBZGtWBq0 [11/23] ・・・・・・・ その夜 京介「(はぁ・・・にしてもなんでメルアドなんか教えたんだ?あいつは)」 京介「意図がわからん。誰かに相談してみるか・・・)」 ・・・プルルル・・・ ガチャ 黒猫「はい。こんな遅くに何か用?」 京介「よう。悪いな。ちょっと相談があるんだ。何かしてたか?」 黒猫「別に?あなたが相談とは珍しいわね。妹さんのことかしら?」 京介「いや・・・違うんだ。実はな、友達が虐めに遭ってるんだ。」 黒猫「いじめ?まぁ、いじめなんてみっともないわね。この世で嫌いなものベスト10に入るわ」 京介「ぐっ・・・・あぁ、そうだな・・・だけど、その友達はあろうことかそのいじめっ子にメルアドを教えたんだとさ!」 黒猫「・・・?よくわからないのだけど・・・」 25 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 03 59 50.09 ID UBZGtWBq0 [12/23] ・・・・・・・・ 京介「・・・・というわけなんだ」 黒猫「なるほど、それはその友達は相当なMね。」 京介「え・・?M・・・?」 黒猫「いじめっ子に自ら連絡先を教えたのでしょう?それはドMよ。」 京介「あ・・あのー黒猫さん?」 黒猫「あぁ!もっと!もっと虐めて!心も身体もズタズタにして!はぁん!・・・というわけじゃないかしら」 京介「・・・・・そ・・・そうですか・・・(今のは・・・演技・・だよな?)」 26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 04 05 38.29 ID UBZGtWBq0 [13/23] ・・・・・・・ 京介「ドM・・・ねぇ・・・」 京介「そうは見えないけどなぁ・・・」 京介「もう・・・12時か・・・起きてるかな?」 ・・・・・プルルル・・・ ガチャ 加奈子「はいはーい。どちらさんー?」 京介「(起きてたのか・・・)よう。俺だ。」 加奈子「俺じゃわかんねーよー」 京介「京介だ。桐乃の兄貴だ。加奈子・・・だよな」 加奈子「あっ・・・はい。加奈子だょ」 27 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 04 15 21.38 ID UBZGtWBq0 [14/23] 京介「あー・・・昼間は本当に悪かった」 加奈子「もういいっての~。気にしてないから」 京介「にしては泣いてたじゃんか」 加奈子「ばっ・・・!泣いてないから!」 京介「とりあえず、ごめん。明日、土曜だろ?ちょっと出かけないか?なんか買ってやるよ。」 加奈子「明日・・・」 京介「やっぱ嫌だよな!悪い!」 加奈子「別に、いーけど・・・」 京介「・・・そ・・・そうか・・・わかった!」 加奈子「加奈子さーこう見えてデートとか初めてだからよくわかんねーから、よろしくなー」 京介「デートなのか?」 加奈子「違うわ!デートじゃないわ!ちゃんと償いだったな!」 31 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 04 39 47.42 ID UBZGtWBq0 [17/23] ・・・・・土曜日・・・・・ 京介「ふぁぁ・・・なんか色々考えて眠れなかったな・・・」 コンコン 京介「?・・・どうぞー」 桐乃「あのさ、ちょっと話あるんだけど」 京介「話?今日の晩じゃダメか?」 桐乃「は?どっか行くの?」 京介「ちょっとな」 桐乃「あー・・・また地味子のとこか、あんたも飽きないねー」 京介「地味子って言うな!それにちげーし!」 桐乃「違うの?じゃぁ誰さ?」 京介「かっ・・・・」 桐乃「か?」 京介「(言えねー!加奈子と出かけるなんていえねー!)」 京介「かっ・・・家族サービス発動!お兄ちゃんは妹の相談に乗る!」 桐乃「はぁ?うっざ!まぁいいや・・・とりあえず早く部屋に来て」 京介「はい・・・(うっわー・・・どうしよ)」 32 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 04 46 20.61 ID UBZGtWBq0 [18/23] ・・・・・・ 桐乃「でさ、この選択肢!どっち先にやったらいいと思う!?」 京介「(話ってエロゲーかよ・・・)・・・どっちでもいいんじゃない?」 桐乃「何ソレ!?意味わかんないし!」 京介「あー・・・じゃぁこっち!」 桐乃「じゃぁって何!?真面目に考えて!」 京介「俺出かけるんだよ!早くしてくれよ!」 桐乃「はぁ?家族サービスするんでしょーが!」 京介「あーもう。こっちだ!」クリック♪ 桐乃「何勝手にしてんのよ!信じられない!」 京介「悪い!帰ってきてからにしてくれ!」ダッ 桐乃「・・・・・・何よ・・・」 33 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 04 52 43.99 ID UBZGtWBq0 [19/23] ・・・公園・・・ 京介「はぁ・・・ついた・・・」 加奈子「あ・・・おせーよ・・・」 京介「あぁ・・・悪い・・・」 加奈子「別に、いーけどよ。」 京介「はぁ・・・よかった」ニコッ 加奈子「お・・・おう・・・」ドキッ 京介「で?・・・何処行く?」 加奈子「あぁ・・・そうだな」 ・・・・・・・・・・ 京介「ここか・・・・」 加奈子「あ?来たことあんの?」 京介「前に桐乃とな(取材とかで来たっけ)」 34 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 04 58 46.55 ID UBZGtWBq0 [20/23] 京介「で?何が欲しいんだ?」 加奈子「うーん・・・そうだなぁ・・・あ!あった!コレ!」スッ 京介「(あれ?これどっかで見たことあるな・・・)ね・・・値段は?」 加奈子「3万」 京介「げっ!(桐乃が欲しがってたヤツじゃねーか!)」 加奈子「あれ、ダメ?3万は高すぎるか・・・」ショボン 京介「(しょうがないか・・・高い物だろうと予測してお金持ってきてよかった・・・)まぁ償いだしな・・・わかった。買ってやる。ほれ、よこせ」 加奈子「マジで!?実はさーこれ桐乃も欲しがってたんだよー。」 京介「・・・へ、へーそうなんだ」 35 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 05 08 44.59 ID UBZGtWBq0 [21/23] 店員「ありがとーございましたー」 京介「(トホホ・・・しばらくは貧乏生活か・・・)」 加奈子「~♪」 京介「(まぁ・・・いいか!喜んでくれてるみたいだし)つけてやろうか?指輪」 加奈子「は?いいよ。ハズいっつの」 京介「ホレ、手貸せ」 加奈子「わ・・・わりーな」 京介「お、ピッタリじゃん。」 加奈子「さ・・・サンキュ♪」 京介「償いになったか?」 加奈子「おう!マジでわりーな♪」 京介「これで許して貰えたなら良かったわ。送るよ。」 加奈子「もう帰るのか?早くね?」 京介「え?まだ何かあるの?」 加奈子「いや、そうじゃなくて・・・・・・じゅ・・・純粋に・・・デートしねぇ?」 京介「・・・え?」 38 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 05 22 04.49 ID UBZGtWBq0 [22/23] バカテスト 以下の問いに答えなさい。 『太閤検地を行った人物は誰ですか』 ・高坂桐乃の答え 「豊臣秀吉」 ・教師のコメント 正解です。 ・高坂京介の答え 「織田秀康」 ・教師のコメント ド忘れしたからってごっちゃにしてもダメです。 ・来栖加奈子の答え 「餅こねた奴」 ・教師のコメント その認識はあんまりだと思います。 47 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 04 09.26 ID PcQb8Ye20 [2/17] 加奈子「何回も言わせんなよ~。デートしようぜ~」 京介「んーっつっても行く所がないなぁ」 加奈子「いっつも何処行ってんだよ~」 京介「んー図書館とか?」 加奈子「うへぇ!地味くせぇ!」 京介「そうだ!図書館行こう!勉強教えてやるよ」 加奈子「勉強とかしねーし!」 京介「ダメだ。どうせ成績悪いんだろ?」 加奈子「成績とかマジ不要だっつのー!」 京介「まぁいいじゃん。暇つぶしがてら行こうぜ。」 加奈子「わぁったよー」 48 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 13 51.71 ID PcQb8Ye20 [3/17] ・・・図書館・・・ 京介「とりあえず、これ解いてみろ」 加奈子「うへぇ・・・意味わからんし~頭爆発しそうだっつーの」 京介「これはな、んーと・・・・」 加奈子「つーかさー。なんか加奈子浮いてねぇ?」 京介「まぁな。図書館とは不釣合いだわな。お前は」 加奈子「だろ~?だから早く出ようぜ~?」 京介「まぁそう言うな。意外とまったりしてていいだろ」 加奈子「静かすぎてキモいんだよ!この空気~!」 京介「バカッ!静かにしろ!」 地味子「京ちゃん・・・?」 50 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 29 57.69 ID PcQb8Ye20 [4/17] 京介「真奈美!?」 加奈子「・・・・」 地味子「やっぱり京ちゃんだー。隣の子は?京ちゃんのお知り合い?」 加奈子「京介~?誰~こいつ~?」 京介「え!?あぁ、俺の幼馴染だ。(京介!?)」 地味子「京ちゃんの幼馴染の田村麻奈実です!よろしくね!」 加奈子「ふぅ~ん。」 京介「ほら、お前も名を名乗れ」ポコッ 加奈子「うへぇ。加奈子っす~」 京介「桐乃の友達の来栖加奈子だ。今ちょっと勉強を教えててな」 52 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 37 18.05 ID PcQb8Ye20 [5/17] 地味子「京ちゃんが勉強をねー。へぇー」 京介「んだよ。悪いか?」 地味子「いいや!京ちゃんも頭良くなったんだなぁ~と思って」 京介「お前は俺の親か。いや、婆ちゃんか」 地味子「ひどいよ~。京ちゃんのばか~」 京介「わりぃわりぃww」 加奈子「・・・・・」 京介「それよりさ、ちょっとこの問題わかるか?」 地味子「えーとねぇ。この問題わねぇ~こう解くんだよ~」 加奈子「・・・・・・・」 京介「あぁそうか!さすが麻奈美だな」 地味子「私だって勉強してるもん~」 加奈子「・・・・・・・」 54 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 43 23.56 ID PcQb8Ye20 [6/17] 京介「ほら、お前もやってみ?今の見てただろ?」 加奈子「なんかイチャついての見せつけられてメッチャうぜーからやる気しねぇ~」 京介「何言ってんだよ!ほら!」 加奈子「うぜーつーの!そんな勉強好きならそこのヤツとやってれば~?加奈子はしらね~」 京介「麻奈実、ちょっと待っててくれ。加奈子、ちょっと来い」 加奈子「んだよ!」 京介「いいから」 55 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 48 32.05 ID PcQb8Ye20 [7/17] 地味子「ケンカはだめなんだよ~?」 京介「あぁ違う。ちょっと飲み物買ってくるだけだから。ほら、立て」 加奈子「わぁったよ」 ・・・・図書館の裏あたり・・・・・ 京介「お前いい加減にしろよ」 加奈子「んだよ!いきな・・・・り・・・」 京介「誰かイチャついてるって?」 加奈子「そ・・・そうだ!イチャつくのがわりぃんだよ!」 京介「誰が!イチャついてるって?」バンッ! 加奈子「ひっ・・・き・・・京介が・・・」 56 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 53 29.89 ID PcQb8Ye20 [8/17] 京介「あぁ!?」 加奈子「けど・・・加奈子放置して・・・その・・・あんま・・・」 京介「放置してねぇじゃん」 加奈子「したっ・・・ての・・・」 京介「してねぇよなぁ!?」バンッ 加奈子「ひぃっ・・・ごめん・・・なさい!」ブワッ 京介「・・・・・・・な・・・泣くなよ・・・」 加奈子「怖ぇよ!やめてくれよ!・・・」ギュッ 57 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 22 57 33.02 ID PcQb8Ye20 [9/17] 京介「あぁ・・・悪かった・・・」ギュッ 加奈子「京介ぇ!うわぁーん!」 京介「ごめんな?また虐めたくなった」 加奈子「うぅ・・・いいよぉ・・・けど放置しないでくれよぉ!寂しいっつーの・・・」 京介「あ・・・!それは・・・ヤキモチか!?」 加奈子「ばか・・・ちげぇっつーの・・・てか・・・別に彼氏でもねーのに・・・」 京介「まぁ・・・そうだな」 59 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 04 31.34 ID PcQb8Ye20 [10/17] 加奈子「京介は・・・あの女のこと・・・好きなのかよ?」 京介「あの女?あぁ、麻奈美か、いや、好きとかじゃねーよ」 加奈子「ふぅ~ん・・・向こうはぜってぇ京介の事好きそーだけどな」 京介「んなことないだろ」 加奈子「いや、あるね。・・・あ・・・」 京介「どうした?」 加奈子「あの女には・・・その・・・虐めないのか?」 京介「あぁ。虐めるのはお前だけだ。」 加奈子「うれしくねぇっつーの!・・・いや・・・嬉しいか・・・?」 京介「ん?なんか言った?」 加奈子「なんでもねぇ~。」 京介「まだ目赤いからもう少しこうしてよっか」ギュッ 加奈子「お・・おぅ♪」ギュッ ・・・・・・・・・・・・・・ 地味子「おそぃなぁ・・・・」 61 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 12 44.77 ID PcQb8Ye20 [11/17] 京介「あ」 加奈子「どうした?」 京介「お前、いじめいじめって言うけど、これはしつけだぞ」 加奈子「なんで京介にしつけられなきゃなんねーんだよ~」 京介「だってお前可愛いのにかなり損してるぞ」 加奈子「前は、くせぇとかゴミとか言われたんですけど~」 京介「あれは言葉のアヤだ。本心は可愛いと思ってる。だから虐めたい・・・いやしつけたい」 加奈子「なんで可愛いと虐めたくなるんだよ~あぁしつけか」 京介「それは・・・俺にもわからん。S心ってやつじゃないか?」 加奈子「じゃぁ加奈子はMってか?勘弁してくれよ~」 京介「いいじゃねぇか。」 加奈子「うへぇ~」 ・・・・・・・・・・ 地味子「(帰ってこねぇ・・・)」 63 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 16 49.50 ID PcQb8Ye20 [12/17] 京介「さて・・・そろそろ戻るか、麻奈美が待ってる」 加奈子「痺れ切らして帰ったんじゃねーの?wwwwww」 京介「お前じゃないんだから」 加奈子「加奈子だって待つ時は待つっつーのー」 京介「どーかな。・・・まなみーお待たせ」 地味子「あ、京ちゃん~遅いよ~」 京介「おぉ、わりぃ。」 地味子「あれ?飲み物は?」 京介・加奈子「あ・・・・」 64 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 24 14.62 ID PcQb8Ye20 [13/17] 地味子「二人だけでずるぃ~。あたしも喉渇いてたんだよ~」 京介「悪い!今度なんか奢るからさ!」 加奈子「気が向けば!ね?」 京介「こら」 加奈子「わりぃわりぃww・・・あ・・・」 京介「?」 加奈子「・・・・ま・・・」モジモジ 京介「ま?なんだモジモジして。ションベンか?」 加奈子「ま・・・麻奈美・・・さん・・・」 地味子「ふぇ!?は・・・はい!」 加奈子「さ・・・さっきは・・・大声出して・・・すいま・・・せん・・・」 京介「!?」 地味子「あはは~!気にしなくていいよ~。大丈夫!」 加奈子「お・・・おぅ。」チラッ 京介「ん?・・・あぁ・・・偉いな♪」ナデナデ 加奈子「♪」 66 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 31 32.47 ID PcQb8Ye20 [14/17] ・・・帰り道・・・ 京介「でもビックリしたぞ。敬語で謝るからよ」 加奈子「加奈子だって常識ないわけじゃないし~。謝ることぐらいできるっての~」 京介「偉い偉い♪」 加奈子「だろー?あ、じゃぁ加奈子んちこっちだから」 京介「そっか、送ろうか?」 加奈子「いや、いいよ。あ・・・また会える?」 京介「あぁ、連絡する」 加奈子「そっか、じゃぁ待ってるわぁ」 京介「おぅ。じゃぁな」 67 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 36 52.54 ID PcQb8Ye20 [15/17] 京介「ただいまー」 桐乃「おっそ!何処行ってたのよ!?」 京介「何処でもいいだろー。」 桐乃「まぁどうせ地味子の家か地味子と図書館デートでしょ?あーキモい」 京介「まぁ、そうだな。図書館だわ(まさか加奈子がいたとは思うまいwwwwww)」ニヤニヤ 桐乃「やっぱりね。つーか何ニヤニヤしてんの?キモい!」蹴りっ! 京介「うへぇ」 69 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 45 16.77 ID PcQb8Ye20 [16/17] ・・・夜・・・ ブーブー(バイブ音) 京介「あ、メール」 from 加奈子 「本文今日はレヽЗレヽЗぁッT=け`⊂〃 走召楽UヵゝッT=∋♪ まT=`⊂〃ッヵゝ出ヵゝけ∋ぅせ〃ぇ」 京介「・・・・・読めねぇよ・・・・」 70 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 23 51 29.12 ID PcQb8Ye20 [17/17] ・・・夜・・・ ブーブー(バイブ音) 加奈子「ちゃんとお礼するなんて加奈子偉い!・・・お♪返信はえーな♪」 from ♪京介♪ 本文「なんかの暗号か? 読めない。」 加奈子「うへぇ」 71 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 00 01 13.11 ID ixhvakZz0 [1/34] 加奈子「しょーがない♪電話してやるか!」 プルルル・・・ 京介「おう。加奈子、あれはなんの暗号だよ。」 加奈子「暗号じゃねーし!ギャル文字っつーんだよー」 京介「あれがギャル文字か、どっかの外国の文字かと思ったぞ」 加奈子「ギャル文字知っておけ~。モテないぞ~」 京介「メールぐらい普通に打てよ。」 加奈子「え~。つまんね~じゃん。」 京介「ダメ。」 加奈子「・・・わぁったよ~」 京介「で?なんて読むんだ?あれは」 加奈子「え?あぁ、今日はいろいろあったけど・・・ってやっぱ言わねー!恥ずかしいわ!///」 京介「え?なんでだよ?」 加奈子「しらねぇ!」 京介「まぁいいや。とりあえず今日はサンキューな。また出かけよう」 加奈子「お・・・おぅ・・・///」 京介「じゃぁ明日は日曜だからゆっくり休め。じゃぁな」 加奈子「おう・・・お・・・おやすみなさい///」 京介「おやすみ~」 74 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 00 13 40.57 ID ixhvakZz0 [2/34] ・・・月曜日・・・ きりりんの学校 加奈子「(指輪・・・してきちゃったZE☆)」 加奈子「(桐乃たち驚くかなぁ?♪)」 あやせ「加奈子ー。おはよー」 加奈子「わ!?あやせ!おはよー!」 桐乃「あ、おはよー!」 加奈子「フンフン♪」 桐乃「どうしたの?加奈子。なんかご機嫌だねぇ」 加奈子「じゃーん!!みて!この指輪~♪」 桐乃「え?・・・あ!それ!!欲しかったやつ!」 あやせ「加奈子・・・万引きしたの・・・?」 加奈子「ちっ・・・ちげーよあやせ!人聞きわりぃーなー。買ってもらったんだよ。」 75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 00 18 04.64 ID ixhvakZz0 [3/34] あやせ「誰からカツアゲしたの・・・?」 加奈子「ちょっ・・・ちげー!純粋に買ってもらったんだよ~」 桐乃「ソレ3万だよ!?彼氏でもできたの!?」 加奈子「彼氏ではねーよ。でもまぁ・・・好きな人・・・かな?」 あやせ「えぇ!?援助交際!?」 加奈子「さすがに怒るぞ~あやせ~」 77 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 00 23 41.48 ID ixhvakZz0 [4/34] 桐乃「誰!?誰!?」 あやせ「私たちも知ってる人?」 加奈子「さぁなー。知ってるんじゃねー?」 桐乃「何やってる人ー?」 加奈子「高校生」 桐乃「(高校生で3万の指輪プレゼントできるとか・・・兄貴とは大違い・・・)」 加奈子「まぁまぁ♪二人も頑張っていい男見つけなよー?♪」 桐乃「・・・・・」 78 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 00 35 22.58 ID ixhvakZz0 [5/34] 自宅 桐乃「・・・・・・」ガチャ 京介「お、今帰ったのか。お茶でも飲むか?」 桐乃「いらねぇし。」 京介「どうした?機嫌悪いな。」 桐乃「うっさいバカ!!氏ね!!!」 京介「おぃ!どうしたんだよ」 桐乃「うっさいうっさいうっさい!どっか行け!!!」 京介「どうしたんだよ・・・?学校でなんかあったのか?」 桐乃「友達がこの前あたしが欲しがってた指輪持ってた。」 京介「ブ~~~~!」 桐乃「汚っ・・・お茶吹くなよ」 京介「コホッコホッ・・・悪い・・・」 桐乃「彼氏に買って貰ったんだってさ」 京介「誰が彼氏だ!!!!違うから!」 桐乃「は?何言ってんの?」 京介「あぁ・・・すまん・・・違う」 桐乃「3万のプレゼントしてくれて、ドSだけど凄い優しいらしくて、カッコいいんだって」 京介「だろうな」 桐乃「あんたとは全然違うわ。比べ物にならない」 京介「ほっとけ(同一人物だけどな)」 79 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 00 43 14.98 ID ixhvakZz0 [6/34] ・・・京ちゃんの部屋・・・ 京介「なんとかバレてはいないみたいだけど・・・すげー怒ってたな」 京介「あいつもそんなに嬉しかったのか?悪いことではないけど、桐乃にバレるのは避けたいよなぁ・・・」 ブーブー 京介「あ・・・メール・・・あれ?・・・あやせ?」 from あやせ 「お兄さんに少しご相談があるんですが、いいですか?公園で待ってます」 京介「相談・・・?」 82 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 00 54 08.33 ID ixhvakZz0 [7/34] ・・・公園・・・ 京介「なんだよ?相談って」 あやせ「実は・・・桐乃のことでちょっと・・・」 京介「桐乃?どうかしたか?」 あやせ「実は今日・・・あ、加奈子って知ってます?」 京介「あ・・・あぁ、知ってるよ」 あやせ「その子が、桐乃が欲しがってた指輪を付けてきたんです。」 京介「(またその話か)」 あやせ「それからずっと桐乃元気無くて・・・」 京介「そんなの放っておけよ・・・」 あやせ「そうはいきませんよ!親友ですもん・・・」 京介「んー・・・で、俺にどうしろと?」 あやせ「桐乃に何かプレゼントしたいんですけど、桐乃の趣味の物がいいと思うんです・・・」 83 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 01 00 27.80 ID ixhvakZz0 [8/34] 京介「桐乃はアクセサリーが欲しかったんだろ?なんかアクセサリーでも買ってやりゃいいじゃねーか」 あやせ「でもきっと桐乃は、趣味の物を貰ったほうが嬉しいと思うんです・・・」 京介「けど、何をあげたらいいかわからないってことか」 あやせ「はい・・・」 京介「んー・・・まぁわかった。俺もいろいろと調べてみるわ」 あやせ「あ・・・ありがとうございます♪」 京介「(かわいい・・・おっといかん・・・S心が・・・)」 84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 01 10 47.45 ID ixhvakZz0 [9/34] ・・・その夜・・・ プルルル・・・ 加奈子「はぃはぃ♪加奈子だょー♪」 京介「お前のせいで桐乃様のご機嫌取りをしなきゃならなくなった」 加奈子「え?どういう意味ー?」 京介「お前は桐乃に指輪自慢したりするから桐乃が機嫌悪くなってそのご機嫌取りをしなきゃならなくなった」 加奈子「マジでー?わりぃわりぃwwww」 京介「わりぃわりぃじゃねーよ!」 加奈子「だって嬉しかったんだもん~。自慢くらいさせてくれょ~」 京介「お前、今度お仕置きな」 加奈子「え!?ちょっ・・・ごめんなさい!だから叩かないで!」 京介「ダメです」 加奈子「うわぁーん!ごめんなさい!」 京介「やだ」 加奈子「・・・・ぐすっ・・・」ウルッ 京介「泣くな。心が揺らぐ」 加奈子「ごめん・・・なしゃい・・・だから・・・お仕置きは・・・嫌です・・・ぐすっ・・」 京介「あー!わぁったよ!今回は許す。だけどなんかあったら協力しろよ?」 加奈子「はぁぃ・・・」 ピッ 京介「ったく・・・」 86 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 01 16 12.84 ID ixhvakZz0 [10/34] ・・・次の日・・・ 京介「・・・・で、お前たちはどう思う?」 黒猫「あなたも大変ね。あの女のご機嫌取りまでやらされるなんて。同人誌でも買ってあげれば?」 京介「それは依頼主が毛嫌いしててな・・・」 沙織「ならばこのコスプレ大会などはいかがですかな?なんと賞品はメルルのフィギュア!」 沙織「これならば限定品ですしきっときりりん氏も欲しがるに違いありませぬ!」 京介「コスプレ大会か・・・」 87 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 01 27 38.54 ID ixhvakZz0 [11/34] ・・・・・・・・ 京介「で、俺なりに調べてみた。同人誌はあやせ的にNG。売ってあるものは・・・まぁ桐乃の性格からして手に入れてないはずがない。となると、やっぱ簡単に手に入らないものがいいと思うんだ」 あやせ「簡単に手に入らないもの・・・?一体なんですか?」 京介「これだ!星屑ウィッチメルルのコスプレ大会!これの優勝賞品なら桐乃も持っているはずがない!」 あやせ「・・・コスプレ・・・?こんなピンクな衣装私に着せるですか!ブチ殺しますよ!?」 京介「待て!これじゃない!あやせが着るのはコレじゃないんだ!」 あやせ「私に似たキャラがいるような口ぶりですね。いいでしょう。聞くだけ聞きます」 京介「このダークウィッチ・・・」 あやせ「・・・・」蹴ったん♪ 京介「ぐふっ・・・お・・・お前・・・」 あやせ「ほぼ全裸じゃないですか!死ね!!!!」 京介「・・・・・・・・・・」 90 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 01 32 23.40 ID ixhvakZz0 [13/34] あやせ「とにかく!こんな恥ずかしい衣装、絶対着ませんから!変態!」 京介「・・・・・・チッ・・・いってぇなぁ・・・」 あやせ「・・・?お兄さん・・・?」 京介「いてぇんだけど」 あやせ「え・・?」 京介「こっちはてめぇの為に一生懸命考えてるのにその態度はなんだよ」 あやせ「え・・・?で・・・でもお兄さんが・・・」 京介「普通蹴るか?つーか軽々しく殺すとか死ねとか言ってんじゃねぇよ。じゃぁお前が死ねや」 94 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 01 38 47.28 ID ixhvakZz0 [15/34] あやせ「お兄・・・さん・・・?」 京介「お前随分高飛車だな。もういいわ。協力した俺がバカだった。アホくさ」 あやせ「ちょっ・・・け・・・蹴ったのは謝ります!」 京介「蹴ったのは・・・?死ねとかブチ殺すって言ったのは謝らないんだ」 あやせ「そ・・・それは・・・・あの・・・癖っていうか・・・」 京介「ガキのくせに嫌な癖だな。」 あやせ「あ・・・あんまり歳変わらないz」 京介「うるせぇよ!!!」バンッ あやせ「!!!」ビクッ 96 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 01 43 16.42 ID ixhvakZz0 [16/34] 京介「人の親切を仇で返す奴とかマジいらねぇわ。お前こそ市んでくれない?」 あやせ「い・・・嫌でs」 京介「氏ねよ」 あやせ「・・・嫌d」 京介「そんな軽々しく言えるなら氏ぬのも簡単なんだろ!?わかんねぇから教えてくれや!!」バンッ あやせ「い・・・いや・・・」ウルッ 京介「泣かなくていいから早く氏ねよ」 97 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 01 46 24.83 ID ixhvakZz0 [17/34] 京介「ぐずぐず言ってっとブチ殺すぞ?」 あやせ「ごめんなさい・・・」ウルッ 京介「聞こえねー!」バシッ あやせ「痛っ・・・!ご・・・ごめんなさい!!」 京介「聞こえねーなぁ!!!!!」バンッ!!! あやせ「ひぃっ・・・!ご・・・ごめんなさい!!!!!!」 99 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 01 52 38.25 ID ixhvakZz0 [18/34] 京介「本当に悪いと思ってる?」 あやせ「うぅ・・ぐすっ・・・思ってます・・・」 京介「声ちっさ!・・・もういいわ。二度と話かけてくんな。メールもよこすなよ。じゃぁな」 あやせ「うぅっ・・・・うわぁーん!!!嫌です!お願いします!許してください!」ガシッ 京介「離せ」 あやせ「許してください!お願いします・・・!」 京介「離せ!」 あやせ「お願い・・・!許してくだs」 京介「HA☆NA☆SE!」バシッ! あやせ「ひぃっ!・・・痛い・・・」 京介「キメー。鼻水ついた。帰って洗濯しなきゃ・・・」スタスタ あやせ「うわぁーーーん!!!!」 100 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 01 56 33.74 ID ixhvakZz0 [19/34] ・・・・・・・・ 京介「あーまだイライラおさまんねぇ・・・なんなんだよあいつ・・・クソッ」 京介「いじめたりねぇ・・・チッ」 ・・・・プルルル・・・・ 加奈子「はーぃ♪かなかなだょー♪」 京介「今から俺んち来い。今日は桐乃、仕事で遅いから」 加奈子「いきなりどーしたんだよー。まぁいくけどな~」 京介「おう。じゃぁ後でな。」 ピッ・・・ 101 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 03 28.11 ID ixhvakZz0 [20/34] ・・・・・・・・ ピーンポーン 京介「お、来たか」 加奈子「うぃーす♪」 京介「おう。俺の部屋行くぞ。」 ・・・・・・・ ガチャ・・・バタン 加奈子「いきなりどーしたんだよ~。加奈子に会いたくなったのか~?」 京介「うぜぇ」 加奈子「はぁ?どーしんだよ~」 京介「うぜぇ!お前の友達うぜぇ!!!!あやせうぜぇ!」 加奈子「あやせ!?どーしたんだよ~?」 京介「うるせぇ!お前の友達だろ!?連帯責任でお前をお仕置きだ!」 加奈子「ひぃっ!な・・・なんで!?加奈子関係n」 京介「黙れ!」バンッ 加奈子「ご・・・ごめんなさい!」 102 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 09 23.32 ID ixhvakZz0 [21/34] 京介「今日という今日は許さねー」 加奈子「ごめんなs」ビクビク 京介「許さん」バシッ 加奈子「うぅ・・!い・・・いてぇよぉ・・・」ウルッ 京介「・・・・」バシッバシッ 加奈子「ぃたぃょ・・・ごめんなさぃ・・・ヒック・・・」 京介「・・・・・・・・・・」 加奈子「・・・・・?・・・うぅ・・・どうかした・・?」 京介「・・・・・・ごめん・・・・・」 105 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 14 00.79 ID ixhvakZz0 [22/34] 加奈子「・・・・・大丈夫・・・」 京介「本当にごめん・・・お前関係ないよな・・・」ギュッ 加奈子「んっ・・・いや・・・あやせは一応友達だから・・・責任ないこともねぇし・・・」 京介「・・・・・ごめんな・・・・・」 加奈子「京介ぇ・・・ヒック・・・」 京介「どうした・・?」 加奈子「なんでだろうな・・・こんなことされてんのに加奈子、京介のこと好きだわ・・・」 京介「・・・え・・・?」 109 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 20 20.73 ID ixhvakZz0 [23/34] 加奈子「加奈子は別に辛くねぇぞ・・・?むしろ、かまってくれて嬉しいっていうか・・・」 京介「・・・・・」 加奈子「京介がこんな風になったのもなんか原因があるんじゃねぇかな~?・・・だとしたらそれを一緒に直して行こうぜ~?・・・・・」 京介「すぐには・・・直らないかもしれないぞ・・・?」 加奈子「まぁな・・・すんげーだるい事だろうけど加奈子の事は気にすんな。好きにしてくれ。それが加奈子の幸せだからさ~♪」 京介「・・・・ありがとう・・・」ギュッ 加奈子「まぁとりあえず冷静になってくれてよかったわ~。来た甲斐あったな♪」 111 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 23 35.14 ID ixhvakZz0 [24/34] 京介「俺・・・努力するわ。加奈子にもう暴力ふるわねぇ!」 加奈子「だからって他の女殴んのはナシだからな?」 京介「」 加奈子「殴ったのか・・・?w」 京介「あやせを・・・少々・・・」 加奈子「浮気認定」 京介「うへぇ」 113 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 28 57.99 ID ixhvakZz0 [25/34] 加奈子「まぁ今回は特別だ♪許してやるょ~」 京介「そっか・・・ありがとう」ギュッ 加奈子「そろそろ桐乃帰ってくるんじゃねぇか~?」 京介「あ・・・あぁ・・・そうだな・・・」 加奈子「じゃぁ加奈子、そろそろ帰るぞ?」 京介「あぁ・・・」 加奈子「なんだよ?」 京介「あのさ・・・」 加奈子「う・・・うん・・・なんだよ?///」 京介「加奈子、メルルに似てね?」 加奈子「はぁ?」 114 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 35 45.15 ID ixhvakZz0 [26/34] 加奈子「んだよメルルって?」 京介「キッズアニメの。知らない?」 加奈子「DVの次はアニメオタクかよ!?何モンだ京介はよぉ!大好きだがな!」 京介「俺じゃねぇ!桐n・・・」 加奈子「は?・・・」 京介「(桐乃だ・・・とは・・・言えないよな・・・)」 京介「実はアニメオタクなんだ。俺」 加奈子「オタクうぜぇ・・・」 京介「嫌いになったか??」 加奈子「別にぃ~。意外とは思ったし引いたけどよぉ~・・・」 京介「実はこのフィギュア欲しいんだ。」 加奈子「コスプレ大会ぃ?これに出るのか?京介が」 京介「いや、俺じゃない」 115 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 40 13.26 ID ixhvakZz0 [27/34] 京介「加奈子!これに出てくれないか!お前なら優勝できると思う!」 加奈子「はぁ!?なんで加奈子がこんなガキのアニメのコスプレしなきゃなんねぇんだよぉ!」 京介「ダメ・・・か?」 加奈子「嫌だっての!・・・・・・・・でも・・・・」 京介「でも?」 加奈子「そのフィギュア、欲しいのか?」 京介「うん」 加奈子「そのキャラが加奈子に似てるのか?」 京介「うん」 加奈子「加奈子に似てるからそのめ・・・メルル?が好きなのか?メルルが好きだから加奈子が好きなのか?」 京介「前者」 加奈子「やってやんよ」 京介「マジか!!!!」 116 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 43 21.77 ID ixhvakZz0 [28/34] 加奈子「指輪のお礼もしたいしな・・・そのフィギュア、プレゼントしてやるわ」 京介「(言えない・・・フィギュアが桐乃の手に渡るなんて言えない・・・)」 加奈子「アニオタロリコンDV男の為に加奈子が歌ってやるわ~」 京介「その肩書きはいらないと思います」 117 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 50 04.30 ID ixhvakZz0 [29/34] ・・・・・・・・・ 加奈子「じゃぁな、加奈子の歌声、楽しみにしてろよ~?」 京介「おう。今日はありがとうな」 加奈子「お・・・おう///」モジモジ 京介「どうした?」 加奈子「ちょっと・・・座ってくんね~?」 京介「ん?おう」スッ 加奈子「んっ・・・」チュッ 京介「・・・!」 加奈子「これ一応加奈子のファーストキスだからよ!//ありがたく受け取れよぉ~//」 京介「・・・・・」ボー 加奈子「何ボーとしてんだょ~。///」 京介「あぁ・・・悪い。う・・・嬉しいよ・・・」 加奈子「普通男からするもんじゃねぇかぁ?まぁいいか。じゃぁな///」 京介「お・・・おう・・・(チューされた・・・)」 118 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 02 57 25.92 ID ixhvakZz0 [30/34] ・・・京介の部屋・・・ 京介「キスしちまった・・・」 ブーブー 京介「あれ、メールだ・・・え?46件!?」 from あやせ 本文「ごめんなさい。許してください」 from あやせ 本文「ごめんなさい。」 from あやせ 本文「返事待ってます。」 from あやせ 本文「今何処にいるんですか?」 from あやせ 本文「許してください・・・」 from あやせ 本文「もう氏ねとか言いません・・・」 from あやせ 本文「本当に氏んだ方がいいですよね。」 from あやせ 本文「氏ねば許してくれますか?」 from あやせ 本文「ずっと返事待ってます。」 from あやせ 本文「早く」 from あやせ 本文「早く早く早く」 from あやせ 本文「氏んでやる氏んでやる 氏んでやる氏んでやる氏んでやる 氏んでやる氏んでやる氏んでやる」 from あやせ 「今誰といるんですか?私、寂しいです」 京介「こ・・・・こえぇ!!!!」 119 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 03 06 06.63 ID ixhvakZz0 [31/34] 京介「あやせのことすっかり忘れてたぜ・・・もう許すか・・・」 ・・・・・・・・・ 本文「さっきはごめんな。俺もやりすぎたと思ってる。もう気にしないでくれ」 京介「こんなもんか」 ブーブー 京介「返信早っ!」 from あやせ 「よかった・・・もう少しで頚動脈切るところでした。 助けてくれてありがとうございます。やっぱりお兄さんは 優しいです。」 京介「危ないな・・・この子・・・」 ブーブー 京介「え?追撃?」 from あやせ 「今から会えませんか? お話の続き、したいです。」 本文「ごめん、今はちょっと」 from:あやせ 本文「誰と何処にいるかだけ教えてください。 誰とですか?何処にいますか?」 京介「・・・・」 120 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 03 10 18.27 ID ixhvakZz0 [32/34] 京介「話を変えよう・・・」 本文「実はさ、コスプレ大会のことで考えてたんだ。 それでさ、あやせの友達の来栖加奈子?がメルルに似てると思うんだ。どうかな?」 from あやせ 本文「加奈子と会ってたんですか?」 本文「いや、会ってない」 from あやせ 「ならいいですけど。加奈子には私からも説得してみます。 では後日 ・お兄さん。嘘は嫌いですからね?」 京介「バレてる・・・?」 148 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 23 37 03.85 ID raZbOc/SO [2/4] ………………… あやせ「加奈子ー。加奈子にちょっと頼みがあるんだけどいいかな?」 加奈子「頼み?んだよー?」 あやせ「ちょっとある大会に出てもらいたいの」 加奈子「大会…?それってまさかコスプレ大会か~?」 あやせ「え!?どうして知ってるの!?」 加奈子「あやせこそ、なんでコスプレ大会のこと知ってるんだよ?」 150 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 23 50 17.65 ID raZbOc/SO [3/4] あやせ「(桐乃のために出て欲しいとは…言えないよね…)とっ…とにかく!加奈子可愛いからきっと優勝出来ると思うんだけどなぁ?」 加奈子「あぁ出るよ~。」 あやせ「本当!?でも加奈子、オタクとか凄い嫌いじゃなかった!?」 加奈子「でもよ、大切な人がオタクだったらしゃあねぇな~って気になった(京介のためとは言えないけどよ~」 あやせ「(大切な人?それって桐乃のことだよね…?もしかして桐乃の趣味のこと、知ってたのかな?)そっかあ…」 加奈子「で、そういやそのコスプレ大会っていつなんだよ?」 あやせ「明日だよ」 加奈子「明日!?急すぎんだろ!?」 152 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 23 57 17.26 ID raZbOc/SO [4/4] あやせ「大丈夫!加奈子なら!」 加奈子「まぁ…歌と踊りぐらいなら簡単に覚えられるけどよ~…(京介の野郎…明日なんて一言も聞いてねぇぞ…)」 あやせ「じゃあ明日、お願いね!」 加奈子「うへぇ…だり…」 ………夜……… プルルル… 京介「加奈子か?どうした?」 加奈子「おいこら。コスプレ大会、明日なんて聞いてねぇぞこんにゃろー!」 京介「あー悪い、あやせから聞いたのか?」 加奈子「うん…あ!そうだ!なんであやせがコスプレ大会の事知ってるんだよ?」 京介「そっ…それはー…」 153 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 02 21.62 ID Hn6nTAOSO [1/52] 京介「もっ…もしかしたら加奈子が心変わりするかもしれないだろ?だからあやせにも頼んでおいたんだよ!うん!」 加奈子「あやせと仲直りしたんだ?」 京介「あ…う…うん」 加奈子「へーそうなんだ」 京介「……」 加奈子「……」 京介「あ…あの、加奈子さん…?」 154 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 05 05.52 ID Hn6nTAOSO [2/52] 加奈子「あ…明日…」 京介「ん?」 加奈子「京介もいてくれるんだろうな?」 京介「あぁ、行く。」 加奈子「じゃあ上手くできたら…その…褒めてくれ。それでチャラにしてやる」 京介「お…おぅ!」 157 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 17 07.61 ID Hn6nTAOSO [3/52] ………次の日……… あやせ「お兄さん~!」タタッ 京介「おう」 あやせ「加奈子、連れて来ました!」 加奈子「ちーっす」 京介「よっ。」 あやせ「それが衣装ですね?」 京介「あぁそうだ。これを着てもらう」 あやせ「じゃあ早速、加奈子、こっち来て」 159 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 22 37.83 ID Hn6nTAOSO [4/52] ……………… 京介「(加奈子もあやせの前じゃ他人のフリをしてくれてるな…よかった)」 あやせ「お兄さん、着替え終わりました!」 京介「終わったk…………………………!!!!!!!!!!!」 加奈子「……」 京介「似……似てる」 加奈子「ん…そうか?似合うかな?」 京介「似合う!!!さすがだよ!」 加奈子「そっか♪//」 160 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 26 14.75 ID Hn6nTAOSO [5/52] あやせ「じゃあ私は観客席にいますから後はお兄さん、よろしくお願いしますね」 京介「おう。俺も後で行く」 あやせ「では」スタスタ 京介「加奈子、行くぞ」 加奈子「うぃーす♪(やっと二人っきりになれた)」 161 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 32 03.15 ID Hn6nTAOSO [6/52] ………控え室………… ガチャッ……バタン… 加奈子「………」ギュッ 京介「んお、どうしたんだよ」 加奈子「さっきまではあやせあたからこんなこと出来なかっただろー?」 京介「まぁな…」 加奈子「………」ブルブル 京介「ん…?まさかお前、緊張してるのか…?」 加奈子「しっ…してねーよ…!」 京介「大丈夫。俺がついててやっから。」ギュッ 加奈子「……う……うん…サンキュー…な…」 162 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 38 19.99 ID Hn6nTAOSO [7/52] 京介「よし、じゃあ行くか!」 加奈子「おぅ!」 京介「俺は客席で見てるからな。」 加奈子「わかった…終わったら、すぐ来てくれよ…?」 京介「わかった。約束する。頑張れよ!」 163 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 41 24.56 ID Hn6nTAOSO [8/52] ………客席……… あやせ「あ、お兄さん。加奈子は?」 京介「あぁ、なんとかなりそうだ」 あやせ「そうですか、それはよかったです」 京介「だな。」 あやせ「ところでお兄さん。加奈子とはどういった関係ですか?」 京介「え??」 165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 47 10.64 ID Hn6nTAOSO [9/52] あやせ「お兄さんと加奈子、随分と仲がいいようですね」 京介「え?そ…そんなことないぞ?」 あやせ「ダメですよ?お兄さん、私、見ちゃったんです」 京介「み…見たって何を?」 あやせ「お兄さんが私を殴ったあの日、実はお兄さんの家まで行ったんですよ」 166 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 53 00.42 ID Hn6nTAOSO [10/52] あやせ「寒かったなぁ…お兄さんに許してもらいたくて、ずっと玄関で待ってたんですよ…?」 あやせ「そろそろ諦めようとしたその時、なんと加奈子が家に入って行ったのを見たんですよ」 あやせ「向こうは気付かなかったみたいですけど私は見てました。ずっと」 あやせ「まさか付き合ってるんじゃないですよね?」 あやせ「お兄さんが私をほったらかしにして加奈子なんかと遊んだりしないですよね?」 あやせ「ねぇ、ハヤク答えてください」 167 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00 58 43.29 ID Hn6nTAOSO [11/52] 京介「…………」 あやせ「何で黙ってるんですか?」 京介「…………」 あやせ「答えて下さい」 京介「…………」 あやせ「ねぇ答えて」 京介「…その通りだ」 あやせ「……え?」 京介「俺は加奈子と遊んでた。もう結構前から、加奈子とは仲良くさせてもらってる」 あやせ「………嘘」 京介「嘘じゃない」 あやせ「嘘…嘘嘘嘘…嘘つかないでください…」 京介「………」 168 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 07 10.89 ID Hn6nTAOSO [12/52] あやせ「はっ…!じゃあ加奈子に指輪を買ってあげたのって…」 京介「あぁ…俺だ」 あやせ「………そっかあ」 あやせ「私だけじゃなく桐乃まで欺いたんですね…」 あやせ「加奈子なんかに…許せない」 あやせ「お兄さんとあいつのせいで私と桐乃がどんなに傷ついたらわかりますか?わかりませんよね?」 京介「…………」 あやせ「もう…どうなっても知りませんから。あとは二人で好きにやって下さい。では」スタスタ 169 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 17 04.60 ID Hn6nTAOSO [13/52] 京介「…勢いで言っちまった…加奈子…すまん…」 京介「(あやせ…あいつはどうにかしなきゃならんな…)」 司会「…それでは、かなかなちゃん、お願いしま~す!」 加奈子「はーい♪」 京介「お…加奈子の出番か…気づかなかった…」 170 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 22 36.19 ID Hn6nTAOSO [14/52] 加奈子「星屑ウィッチメルル、はーじまーるよぉー☆」ビシッ 京介「似すぎだろ……!」 加奈子「めーるめるめるめるめるめるめ☆めーるめるめるめるめるめるめっ☆」 ………………………… 171 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 27 32.70 ID Hn6nTAOSO [15/52] ………控え室……… 加奈子「あーだっる…なんだあのキモオタ共!きっめ!」 ブリジット「そ…そんなこと言ったらダメだょ…みんな…応援してくれてるんだよ…?」 加奈子「うっぜ!なんだオメー!」 京介「おい、こら」ガチャッ 加奈子「あ、京介ぇ~♪」 172 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 32 46.82 ID Hn6nTAOSO [16/52] 京介「こんなちっさい子に酷いこと言うな!謝れ!」 加奈子「だってキメーんだもん!クソガキうぜー!」 ブリジット「うわぁん!メルルが…ダークウィッチになっちゃったよぉ…!」ダッ 京介「……………」 加奈子「ぁ………」 173 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 35 49.42 ID Hn6nTAOSO [17/52] 加奈子「お…怒ってる…?」 京介「…………」バンッ 加奈子「ひぃっ!謝るよぉ…!だから叩かないでっ…!」 京介「違う、そうじゃない。」 加奈子「…へ?」 京介「あやせに、俺たちのことがバレた」 加奈子「え…?」 174 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 46 32.18 ID Hn6nTAOSO [18/52] …………… 京介〈俺は全て話した。 あやせにどうしてバレたのか。その他、桐乃の趣味のこと、このイベントに出た意味、全部…話した 京介「…………というわけなんだよ」 加奈子「ふぅん…そうだったんだ」 京介「驚かないのか?」 加奈子「じゃあ加奈子は京介のためじゃなくて桐乃のためにこんなに頑張ったってことか…」 京介「黙ってて悪い…」 加奈子「そうならそうと早く言ってくれればよかったのに」ニコッ 京介「加奈子…」 加奈子「別にどーでもいいっての!桐乃の趣味?んなの知らねー。京介が黙ってろって言うなら加奈子は誰にも言わねーよ?」 京介「そっか…そうだよな…」 175 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 53 50.53 ID Hn6nTAOSO [19/52] ………その夜……… ………加奈子の家……… 加奈子「ったりーな…今日は疲れた…(にしても京介、大丈夫かな?」 ヴィーンヴィーン…… 加奈子「あ、メール…」 from:あやせ 本文「加奈子に話があるから、今から公園に来て」 加奈子「行くか……」 176 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01 58 30.89 ID Hn6nTAOSO [20/52] ………公園……… あやせ「なんで呼んだのか、わかるよね?」 加奈子「まぁ大体は…京介から聞いてっから」 あやせ「加奈子は私と桐乃を裏切ったんだよ。それ、わかってる?」 加奈子「はぁ?なんでそうなるんだよ?」 177 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 06 40.30 ID Hn6nTAOSO [21/52] あやせ「桐乃の大事な人を奪って…私たちにそれをずっと黙ってた」 加奈子「だからあんだよ?加奈子は、言うタイミングを伺ってたんだよ!」 あやせ「許せない。桐乃を傷つけるなんて…桐乃のためにもお兄さんを桐乃に返してあげて」 加奈子「つーかさー、桐乃桐乃っつーけど、結局は自分のためなんじゃねーの?」 あやせ「え?」 加奈子「あやせさー、京介のこと好きなんだろ?だからそんなにムキになってんじゃねーの?」 あやせ「違う」 加奈子「桐乃のためっつーのはそれを隠すためだろ?」 あやせ「違う!違う!」 加奈子「渡さねーよ?誰になんと言われても。」 あやせ「うるさいっ!」バチンッ 178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 11 28.08 ID Hn6nTAOSO [22/52] 加奈子「…ふん…こんなの、京介のげんこつに比べれば痛くもかゆくもねーや」 あやせ「返して!返して返して!」バチンッバチンッ あやせ「桐乃の笑顔と…あの優しいお兄さんを返せ!!」バチンッ 加奈子「うるせー!こんにゃろー!」バチンッ 180 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 17 24.11 ID Hn6nTAOSO [23/52] ………一方、高坂家では……… コンコン 京介「ん?」 ガチャッ 桐乃「話あるから、私の部屋に来て」 京介「お…おう(やっぱり…バレたか…)」 ………桐乃の部屋……… 桐乃「あやせから聞いた」 京介「あ…あぁ」 桐乃「キモい。私の友達に手出すなっつったじゃん」 京介「わ…わりぃ」 桐乃「今すぐ別れろ。それならまだ大目に見てあげるから」 京介「………」 桐乃「どうしたの?まさか嫌とは言わないよねぇ?」 181 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 21 15.19 ID Hn6nTAOSO [24/52] 桐乃「どうして加奈子もあんたなんかにに惚れたんだろうね」 桐乃「気の迷いってやつ?あ、兄妹のよしみで教えてあげるけど、あの子は大変だと思うよ」 桐乃「だから早く別れろ。今電話して別れろ。」 京介「無理だ」 桐乃「え…?」 182 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 23 38.32 ID Hn6nTAOSO [25/52] 桐乃「なんで…」 京介「好き、だからだ」 桐乃「なんで…なんでよりにもよって加奈子なのよ!!!!!」 桐乃「なんで…なんでょ…………」ウルッ 京介「桐乃…?泣いてるのか…?」 桐乃「泣いてないっ!!!」ゴシゴシ 183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 29 31.53 ID Hn6nTAOSO [26/52] 桐乃「もういい…出てって…顔も見たくない」 京介「桐乃…」 桐乃「うっさい!早く出てけ!」 京介「……わかった………」 ガチャッ…バタンッ 桐乃「兄貴は!兄貴は…私の言うことだけを聞いてればいいの!」 桐乃「なんで…なんで他の女のこと考えるの…」 桐乃「 184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 34 52.60 ID Hn6nTAOSO [27/52] ………公園……… 加奈子・あやせ「はぁ…はぁ…」 あやせ「どう…しても…返してくれないんだ…?」 加奈子「ったりめーだ!!加奈子はなぁ、京介が大好きなんだよ!」 あやせ「そっかぁ…残念…」 あやせ「じゃあもっと痛い目に遭ってもらわなきゃ…わかんないみたいだね」ドコッ 加奈子「うっ…あや…せ…?」 185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 40 32.96 ID Hn6nTAOSO [28/52] ………京介の部屋…… 京介「桐乃のやつ…なんであんなにムキになってんだよ」 京介「加奈子に癒されたい気分だ…電話してみっか…」 …………プルルル………… あやせ「もしもし。あやせです。こんばんは、お兄さん」 京介「あや…せ…?」 京介〈背筋が凍るようだった 186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 46 35.25 ID Hn6nTAOSO [29/52] 京介「なんであやせが出るんだ?加奈子はどうした?」 あやせ「加奈子なら隣で寝てますよ?」 京介「加奈子に代わってくれ」 あやせ「無理ですね…ちょっと熟睡してるようなので」 京介「加奈子に何をした?」 あやせ「何もしてませんよ~?」 京介「嘘をつくな。」 あやせ「はぁ…私、嘘嫌いなんで、本当のことを言いますね。」 京介「早く言え」 あやせ「なら、公園に来て下さい。来ればわかりますから」 京介「…………」ダッ 京介〈迂濶だった。そうとしか言えない…。今日は、一緒にいるべきだったのかもしれない… 188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 51 32.37 ID Hn6nTAOSO [30/52] ………公園……… 京介「はぁ…はぁ…」 あやせ「随分早かったですね」 京介「加奈子っ…加奈子は!?」 あやせ「加奈子はここですよ」 加奈子「………」 京介「加奈子っ!?……なんで…こんなにボロボロなんだよ!?」 あやせ「私だってボロボロですよ?…お兄さん、加奈子に叩かれた頬が痛いです。この子が私より幸せなんて許せない」 京介「………あやせっ…!てめぇ!!!!!」 190 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02 57 14.06 ID Hn6nTAOSO [31/52] あやせ「………」ビリビリッ 京介「ぐぁっ………スタンガン……?」 あやせ「ちょっと黙っててもらえませんか?今、私が話しているので」 京介「ぐっ…」 あやせ「この前のお兄さんの暴力に比べたらこんなの小さいですよね?」 あやせ「だって、私は体だけじゃなく心も痛かったんですから」 京介「くっ…そぉ…」 あやせ「お兄さん、取り引きをしませんか?」 191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 01 29.03 ID Hn6nTAOSO [32/52] 京介「取り引き…だと?」 あやせ「はい。その取り引きに応じれば加奈子はこれ以上傷つけません」 京介「言ってみろ。」 あやせ「加奈子と別れて私と付き合って下さい」 京介「そんなこと…できるわけっ…」 加奈子「…うっ…うぅ…」 あやせ「あれ、もう目覚ましちゃったんだ」 加奈子「きょ…京介…?」 196 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 06 41.63 ID Hn6nTAOSO [33/52] 京介「加奈子っ…!」 あやせ「おっと、そこまでです。それ以上近づくと後悔することになりますよ?」 加奈子「京介っ!加奈子のことはいいからっ!早く逃げろっ!」 京介「んなこと無理に決まってんだろ!!!」 あやせ「ラブラブです…ねっ!!」ドコッ 加奈子「うっ……てめぇ……」 あやせ「黙ってて欲しいな…今私とお兄さんがお話してるから」 京介「わ…わかった」 あやせ「何がわかったんですか。あ?」 197 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 12 06.23 ID Hn6nTAOSO [34/52] 京介「取り引きに応じるっつってんだよ!」 あやせ「取り引きの内容、なんでしたっけ?加奈子も知りたいよねぇ?」 加奈子「京介…?」 京介「加奈子…すまん…」 あやせ「ほらっ!声高らかに言って下さいよ!」 京介「加奈子と別れて…あやせと付き合う…」 加奈子「きょ…京介……!」 あやせ「あははははははははははっ!!!!!」 198 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 15 53.09 ID Hn6nTAOSO [35/52] あやせ「いい判断です!京介さん☆」ギュッ 京介「くっそぉ………」 あやせ「あら加奈子、まだいたんだ。もう消えていいよ。バイバイ」 加奈子「きょ…京介ぇ…」ウルッ 京介「…!!」 199 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 18 29.19 ID Hn6nTAOSO [36/52] あやせ「京介さんっ☆あはは!」 加奈子「うわぁん!」 京介「……………」 加奈子「京介ぇ………帰ってきてよぉ…!うわぁん!」 京介「誰だよ、加奈子泣かした奴」 201 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 21 56.94 ID Hn6nTAOSO [37/52] 加奈子「うぅ…ひっく…」 京介「加奈子泣いてんじゃねーか。」 あやせ「もう関係無いですよ?お兄さん」 京介「あやせ、加奈子を泣かしていいのは俺だけなんだよ。」 あやせ「…え?」 京介「俺の加奈子を…泣かすなぁ…!」バキッ あやせ「ぐっ…」 202 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 27 15.81 ID Hn6nTAOSO [38/52] あやせ「くっ…気絶したいようですね…!」ダッ ガシッ 京介「スタンガンとか危ねぇよ。ガキの持つもんじゃねぇ。」ドコッ あやせ「うっ………い…痛い…」 あやせ「どうして…どうして…?こんなに好きなのに…」 京介「うるせぇ」ガシッ あやせ「うっ…!苦しい…」 ギリギリ… 京介「取り引きをしようぜ。あやせ」 204 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 32 38.53 ID Hn6nTAOSO [39/52] 京介「これ以上加奈子に近づかねぇなら手を離してぶん殴るだけで我慢してやる。これからも加奈子を泣かすなら…容赦しねぇぞ」 あやせ「ひっ……ち…近づき…」 京介「あぁ!?」 あやせ「近づき…ません…」 京介「……よし」バキッ あやせ「ぐっ………」 加奈子「京介ぇ…もういいよぉ…」 京介「許せねぇ!許せねぇ!」 加奈子「もういいって!」ギュッ 京介「………………」 205 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 35 56.72 ID Hn6nTAOSO [40/52] 京介「…本当にいいのか」 加奈子「…うん。」 加奈子「…えぃっ!」蹴りっ あやせ「痛っ…」 加奈子「今回は負けたけど、京介に近づくなら加奈子だって容赦しないぞ!?」 あやせ「…覚えといて」 京介「あぁ!?」 あやせ「ひぃっ!!!」ダッ 206 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 39 57.12 ID Hn6nTAOSO [41/52] 京介「逃げたか…」 加奈子「でもここまでしたらもう大丈夫だと思うぞ~?」 京介「傷…大丈夫か…?」 加奈子「こんぐらい平気だってのー!…痛っ…」 京介「平気じゃないじゃん…よし、今日は俺んち来い」 加奈子「えっ…でも桐乃いるんじゃねーの?」 京介「いるから行くんだよ。面倒事は片付けておこう。」 207 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 45 40.41 ID Hn6nTAOSO [42/52] …………… 京介「ただいまー」 加奈子「ちーす……あ…おじゃましまーす」 母「京介…!?なんでそんなに服汚れてるの!?」 京介「あー…ちょっといろいろあってな…」 母「あれ…?その子は?」 京介「見たこと無いか?桐乃の友達の………いや、俺の彼女の来栖加奈子だ」 208 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 03 56 29.36 ID Hn6nTAOSO [43/52] 母「彼女!?京介あんた………まぁいいわ!加奈子ちゃん、上がってちょうだい♪」 加奈子「あ…ありがとうございます!」 母「もうすぐご飯だから!加奈子ちゃんも一緒に食べましょ!」 加奈子「サンキ…あ…ごちそうになります」 京介「加奈子、先に俺の部屋に行っててくれ」 加奈子「うぃーす♪」タタッ 京介「母さん、悪いな」 母「小さくて可愛い子じゃない!…………あ、いかがわしい事はしちゃダメよ?もうすぐ父さん帰ってくるから」 京介「しねーよ!(つーか父さんいなきゃいーのかよ………)」 209 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 04 05 03.25 ID Hn6nTAOSO [44/52] ………京介の部屋……… 加奈子「いいお母さんだったなぁ?」 京介「加奈子の事小さくて可愛いって言ってたぞ」 加奈子「マジか?それは嬉しいなあ♪」 京介「加奈子っ…!」ギュッ 加奈子「ちょっ…いきなりどうしたんだょ~?///」 京介「ごめんな…俺のせいで…」 加奈子「んなこと気にすんなよ~?な?」 京介「加奈子…大好きだ……」チュッ 加奈子「ちょっ…んっ……///」 京介「小さい…」サワッ 加奈子「ちょっ…どこ触ってんだよ…んっ…桐乃に…聞こえるっ……つーの…」 京介「桐乃……あっ!そうだ!桐乃のとこ行くんだった」 210 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 04 15 11.94 ID Hn6nTAOSO [45/52] 京介「……よし、今日はお預けだ。桐乃のとこに行こう」 加奈子「行ってどうすんだよ~?」 京介「俺たちのこと、認めてもらう」 加奈子「認めてもらえるか?」 京介「認めさせてみせる」 加奈子「そっか…よし♪任せたぞ~♪」 京介「おう!」 …………………… コンコン… 桐乃「誰~?」 京介「俺だ」 桐乃「…………」 京介「桐乃、話を聞いてくれ」 桐乃「…………」 京介「入るぞ」 ガチャッ…… 桐乃「………!!!」 加奈子「桐乃、ちぃーす…」 桐乃「帰って」 京介「おい!」ガシッ 桐乃「離して!」 京介「話を聞け!」 桐乃「なんでお前に命令されなきゃなんないのよ!」 京介「兄貴だからだ!!!」 桐乃「………」ピタッ 京介「俺はお前の兄貴だ。お前に彼氏ができようが、俺に彼女ができようが、結婚しようが、俺たちは兄妹だ。」 211 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 04 27 37.14 ID Hn6nTAOSO [46/52] 桐乃「兄…妹………」ウルッ 京介「あぁ。俺たちの関係は簡単には切れないんだ。」 桐乃「でも…私より加奈子のほうが大事なんでしょ…?」 京介「そんなこと誰が言った!どっちも大事に決まってるだろ?」 桐乃「でも…私に買ってくれなかった指輪…加奈子には買ってあげた」 京介「桐乃」 桐乃「…?」 京介「コスプレ大会の優勝賞品の限定フィギュア、買えるならいくらで買う?」 桐乃「はぁ…?意味わかんない…」 京介「お前ならいくらで買う!?」 桐乃「ちょっ…メルルって何…?」 桐乃《加奈子いるのに変な事言わないでよ!》ボソッ 京介「大丈夫。後で説明するから!とにかく大丈夫だ!して!いくらで買う!」 桐乃「売ってるなら…100万でも…ほしい…」 京介「(そこまで言うとは思わなかった…)」 京介「加奈子。」 加奈子「あ…うん!」 桐乃「…?」 加奈子「桐乃、はい!」 214 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 04 37 09.32 ID Hn6nTAOSO [47/52] 桐乃「どうして…?どうしてコレがここにあるの?」 京介「俺と加奈子からのプレゼントだ。」 桐乃「……」 京介「指輪なんて比じゃないだろ?もし足りないなら…3万…5万のアクセ買ってやるよ!」 加奈子「えっ…!何それずっりぃ~!」 京介「あっ…!お前にもな!うん!」 桐乃「…クスッ…」 桐乃「しょーがないな!今回は大目に見てやるとするか!」 京介「桐乃…」 桐乃「私は優しいから!寛大な私に感謝しなさい!ってことで!加奈子、遊ぼ!」 加奈子「桐乃………う…うん♪」 桐乃「ほら兄貴、早く出て行きなさいよ!邪魔」 京介「お…おぅ!」 ……………………… 215 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 04 46 04.13 ID Hn6nTAOSO [48/52] ………京介の部屋……… 京介「一件落着………かな?」 京介「………あぁ………なんか眠くなってきた…」 ……………… 加奈子「…介ぇ……?」 京介「ん……」 加奈子「京介ぇ?」 京介「ん…加奈子?」 加奈子「ご飯だってさ~」ギュッ 京介「お…おぅ」ギュッ 加奈子「京介ぇ?」 京介「ん?」 加奈子「加奈子、京介のこと…大好きだぞ!」 京介「俺もだ。」チュッ 桐乃「こらそこ!!!イチャイチャすんな!早く茶の間行く!!」 京介・加奈子「うへぇ」 END
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/14.html
作者別SS一覧 IDとスレの流れから判断して作者を分けております。 複数書かれている方のみのリストとなります。 誤りがありましたら訂正お願いいたします。 1スレ目2氏=◆5yGS6snSLSFg氏=◆qPOxbu9P76氏 無題:1スレ目2 京介×黒猫 【桐乃嫉妬】(桐乃「え?嘘でしょ?」) 無題:1スレ目34 京介×黒猫 【デート&看病】 無題:1スレ目62 京介×黒猫 【お兄さんの彼女、あやせ嫉妬】 無題:1スレ目89 ( 01 / 02 ) 【田村家へクリスマスのお泊り、尾行】 無題:1スレ目160 京介×あやせ 【俺の彼女は妹の友人】(七夕デート→エロ展開) 無題:1スレ目241 京介×加奈子 【マネージャー】 無題:1スレ目257 京介×あやせ 【仲直り、泣きデレ】 無題:1スレ目376 京介×黒猫 【コスプレ先輩】 無題:2スレ目5 京介×瀬菜 【プレゼント選び、友達の妹】 無題:2スレ目75 京介×桐乃×あやせ 【カミングアウト」 無題:2スレ目157 京介×あやせ×麻奈実 【恋のライバル、3人デート】 無題:2スレ目309 京介×あやせ 【桐乃のお兄さんがこんなに優しいわけがない、取引】 無題:2スレ目410 京介×沙織 【自慢の彼女?、偽装彼女】 無題:2スレ目628 京介×あやせ 【メリット、コスプレあやせ】 無題:2スレ目790 ( 前編 / 後編 ) 京介+桐乃+黒猫+沙織+麻奈実+あやせ 【バレンタイン】 無題:2スレ目899 ( 前編 / 後編 ) 京介+桐乃+黒猫+沙織+麻奈実+あやせ 【闇鍋大会】 無題:3スレ目221 京介×麻奈実 【きょうちゃん、誕生日】 無題:4スレ目86 京介×黒猫 【子猫の黒猫、7巻後】 無題:4スレ目219 ( 前編 / 後編 ) 京介×桐乃×黒猫×あやせ 【あやせの恋愛相談】 無題:4スレ目418 京介×桐乃 【冷戦再び?】 無題:4スレ目492 京介×桐乃 【彼氏と文化祭】 黒猫「え?嘘でしょう?」スレ94 京介+黒猫 【五更家訪問】 無題:4スレ目575 京介×ブリジット 【嘘から出た真実】 無題:4スレ目838 京介×桐乃×黒猫×あやせ×麻奈実 【お前たちは俺の翼だ、またまた彼氏役】 無題:4スレ目943 京介+桐乃+麻奈実 【料理ならまかせてっ!、料理特訓】 無題:5スレ目95 京介×黒猫×あやせ 【あやせへの人生相談、修羅場】 無題:5スレ目252 京介×桐乃×黒猫×あやせ 【俺の彼女がこんなに天使なわけがない、もしあやせに桐乃のオタク趣味がばれていなかったら】 無題:5スレ目392 京介×桐乃×黒猫×沙織 【三択のサンタクロース、サンタコス】 無題:5スレ目788 ( 前編 / 後編 ) 京介+桐乃+麻奈実+黒猫+沙織+あやせ 【桐乃の告白】 無題:5スレ目917 京介×沙織 【沙織のお見合い】 ※オリキャラ注意 無題:6スレ目179 ( 01 / 02 ) 京介×桐乃×黒猫 【まどろみの時間、コスプレ】 無題:6スレ目448 京介×桐乃×あやせ 【お見舞い】 無題:7スレ目167 京介×麻奈実 【イメチェン成功編】 無題:7スレ目493 京介+桐乃麻奈実 【大学受験合格発表】 無題:7スレ目606 京介×ブリジット 【妹が増えました】 無題:7スレ目974 京介+桐乃+あやせ+麻奈実 【高坂家の節分】 無題:8スレ目325 京介×ブリジット 【小さな暫定婚約者】 無題:8スレ目467/小ネタ 京介+黒猫+麻奈実 【ゼーガペイン】 ※クロス物注意 無題:8スレ目513 京介×リア 【京介エンジン】 無題:8スレ目702 京介×あやせ 【宵闇のダークマイエンジェル】 俺の妹が身長180cmなわけがない:第一話 京介×沙織 無題:9スレ目167 京介+桐乃+黒猫+沙織 【槇島沙織のガンプラ講座】 無題:9スレ目403 京介×あやせ 【再現デート】 無題:10スレ目43 京介+ブリジット 【コスプレ大会出場】 無題:10スレ目177 【エロゲが届かない】 優柔不断√:10スレ目368 京介×沙織 【手錠で繋がれて】 安価で妹に悪戯する:10スレ目554 京介×桐乃 【安価は絶対】 無題:10スレ目632 京介+黒猫+瀬菜+浩平 【肌の感触の上書き】 1スレ目130氏 無題:1スレ目130 京介×黒猫 【俺の彼女はこんなに可愛い、瀬菜の反応】 無題:1スレ目196 京介×あやせ 【告白、両想い】 無題:1スレ目422 京介×沙織 【アニメ上映会】(未完成) 無題:2スレ目46 京介×桐乃×黒猫×沙織 【これがハーレムルート、ウィスキーボンボン】 無題:2スレ目278 京介×桐乃 【事故、眠ったままの兄貴】 無題:2スレ目748 京介×麻奈実 【クリスマスはずっと一緒に、少し早めのクリスマス】 1スレ目306氏=◆kuVWl/Rxus氏 無題:1スレ目306 京介×桐乃 【「いい兄さん」の日】 無題:2スレ目224 京介×あやせ 【クリスマスイブの追跡】 無題:3スレ目197 京介×麻奈実←桐乃 【誕生日プレゼント選びは大変だ】 無題:4スレ目435 ランちん 【いなくなったあの子】 ※鬱展開注意 無題:4スレ目709 京介×桐乃 【闇の世界の住人】 ※鬱展開注意 無題:5スレ目158 京介×加奈子 【さよならマネージャー、カラオケボックス】 無題:5スレ目639 京介×桐乃 【おんぶに抱っこ、桐乃捻挫】 無題:6スレ目396 黒猫 【年賀状】 無題:6スレ目851 京介+ブリジット+桐乃 【ニコ生】 無題:7スレ目749 桐乃+麻奈実 【お菓子作りの先生】 無題:8スレ目530/小ネタ 京介×桐乃 【節電のためなら仕方ない】 桐乃「デレノート……?」:1 京介×桐乃 ※クロス作品 無題:10スレ目957 京介×日向 【耳そうじ】 2スレ目707氏 無題:2スレ目707 京介×桐乃 【ヤンデレ桐乃】 無題:2スレ目954 桐乃+黒猫+沙織+麻奈実+あやせ 【京介の私物オークション】 無題:3スレ目162 京介×桐乃 【小ネタ集】 4スレ目36氏 無題:4スレ目37 京介×桐乃 【7巻後】 無題:4スレ目244 京介×桐乃×黒猫×沙織 ※フェチ描写あり 無題:4スレ目456 京介×加奈子 【加奈子依存症】 無題:5スレ目22 京介×加奈子 ※微エロ注意 無題:5スレ目358 京介×黒猫 【クリスマス】 無題:5スレ目518 京介×桐乃 あやせ 【あやせが家宅侵入】 無題:5スレ目607 京介×桐乃×黒猫×沙織 【冬コミ1日目】 4スレ目617氏 無題:4スレ目617 京介×あやせ 【もしもあやせが幼馴染だったら】 無題:4スレ目649 京介×あやせ 【もしもあやせが幼馴染だったら】 ※エロ注意 5スレ目572氏 【高坂京介は落ち着かない】 京介×加奈子(原作七巻からのif) ( 01 / 02 / 03 / 04 / 05 / 06 / 07 / 08 / ex / 09 / 10-1 / 10-2 / 10-3 ) 無題:6スレ目624 京介+桐乃 【兄貴しっかりしなさい】同上シリーズ 無題:7スレ目571 京介+ブリジット【初デート記念】同上シリーズ 無題:11スレ目133 【加奈子と添い寝】 ※微エロ注意、未完 5スレ目692氏=◆Neko./AmS6氏 無題:5スレ目692 京介+佳乃+大介 【京介婿養子化計画】 ※佳乃・大介キャラ崩壊注意 無題:5スレ目863 京介+桐乃 【両親が遭難?】 無題:6スレ目69 京介×あやせ 【あやせの引越し】 無題:6スレ目208 京介×あやせ 【あやせ視点】 (上の後日談) ピクニック:6スレ目521 【京介+あやせ+桐乃+佳乃でピクニックへ】 決意:7スレ目28 京介+桐乃 【駆け落ち?】 青色イルミネーション:7スレ目180 京介×黒猫×あやせ×麻奈実 私は黒猫……:7スレ目263 京介×黒猫 (上の後日談) 人類惑星移住計画:7スレ目391 京介×桐乃×黒猫×あやせ×沙織 【地上最後の楽園】 麻奈実と松虫草:7スレ目516 京介×麻奈実 【アザレアの花言葉】 解呪:7スレ目627 京介×黒猫 【コミュニティ崩壊】 ※鬱展開注意 あやせの海岸物語:8スレ目158 京介×あやせ 【鎌倉ラブストーリー】 一日遅れのWhite Day:8スレ目744 京介×あやせ×麻奈実 【ショートタイムカプセル】 桜が咲く頃に:9スレ目16 京介×あやせ 【初恋の継続期間】 無題:9スレ目267 京介+リア 【アメリカンワンダーズ】 リトルプリンセス:9スレ目511 京介×ブリジット+あやせ 【ブリジットからの相談】 無題:9スレ目840 京介+あやせ 【もしもあやせが妹だったら あやせの予約券】 春うらら:9スレ目887 京介×あやせ 【あやせと結婚?】 福引:11スレ目286 京介×あやせ 【振り出し】 無題:11スレ目575 京介×フェイト 【京介君は年上の女性って、どう思う?】 神無月:11スレ目727 京介×あやせ 【この二人に縁結びの神様はご無用】 ラブリーマイエンジェル:11スレ目818 京介+あやせ+真壁+赤城 【借り物競争】 無題:11スレ目924 京介+ブリジット+あやせ【不純な健康ランド】 無題:11スレ目959 京介+桐乃【夕焼けの河原にて】 6スレ目498氏=◆3RC.SHzrpk氏 『失態』:6スレ目498 京介×黒猫 桐乃 【夢精】 ゲーセン:6スレ目946 京介+桐乃+黒猫+沙織+あやせ 【クレーンゲーム】 無題:7スレ目794 京介×桐乃 【打ち切り漫画】 無題:7スレ目809 京介×あやせ 【崩れた手作りケーキ】 7スレ目124氏 無題:7スレ目124 京介×桐乃×あやせ 【あたしの兄がこんなにモテるわけがない】 無題:7スレ目157 7スレ目688氏 勝利の女神:7スレ目688 京介×桐乃×黒猫×あやせ×麻奈実×沙織 【受験成功の秘訣】 受験日の朝:7スレ目704 京介×桐乃 【高坂兄妹流緊張解消法】 仕事見学:7スレ目841 京介×桐乃 【お兄ちゃんマネージャー】 5巻アナザー:7スレ目843 京介×桐乃 【近親恋愛√】 俺の妹のフィギュアがこんなに完成度が高いわけがない:8スレ目95 京介×桐乃 【精巧フィギュア】 7スレ目663氏 無題:7スレ目663 京介×桐乃×あやせ 【バレンタイン】 無題:7スレ目719 京介×加奈子×ブリジット 【3倍返し】 7スレ目920氏=◆y8MRojr2/6氏 無題:7スレ目920 京介×黒猫 【未来の義妹候補】 俺たちのすれ違いがこんなにベタなわけがない:8スレ目269 京介×黒猫 【"約束の証"】 俺が幼女に恋した日:8スレ目587 京介×ブリジット 【実録・ロリコン男子ができるまで】 仁義なきウマウマ:8スレ目721 京介+黒猫+中猫+下猫 【五更シスターズユニット】 無題:8スレ目944 京介×ブリジット 【Don t POI!】 お昼休みは恋人と:9スレ目89(前編 / 後編) 京介×黒猫 【ランチタイムラバーズ】 無題:9スレ目552 京介×日向(中猫) 【ある雨の日】 会いたくなっちゃった:9スレ目608 京介×(麻奈実・黒猫・沙織・加奈子・あやせ・桐乃) 【深夜の電話】 無題:9スレ目673 京介×ブリジット 【謝るブリジット】 無題:9スレ目744 京介+珠希 【おうじさまのおこしかた】 無題:10スレ目20 京介+珠希 【暇だなぁ~】 ※キャラ崩壊注意? 無題:10スレ目583 京介&あやせ 【プロポーズ】 7スレ目949氏=◆rLcwcMEJTs氏 無題:7スレ目949 黒猫+あやせ 【親友たちの晩酌】 無題:8スレ目9 京介×桐乃 【さよなら初恋】 無題:8スレ目842 部長×黒猫 【二人のクソゲー製作】 8スレ目41氏=◆lI.F30NTlM氏 無題:8スレ目41 京介+桐乃+黒猫+沙織 【ゼノギアス】 無題:8スレ目54 京介+黒猫 【私が選んだ道】 無題:8スレ目83 京介+桐乃 【ライダーベルト】 無題:8スレ目124/小ネタ 京介×あやせ 【アパガード】 無題:8スレ目256 京介×? 【バーテンダー】 ※クロス物注意 無題:8スレ目318 京介×ブリジット 【よい子のための性教育】 俺の妹の友達がこんなに狡猾なわけがない:8スレ目349 京介×沙織 【難攻不落な想い人】 無題:8スレ目429 京介×麻奈実 【田村家にお泊り】 無題:8スレ目447 京介×桐乃 【罰、上の桐乃サイド&後日談】 無題:8スレ目546 京介+桐乃+黒猫+沙織+加奈子+ブリジット+瀬菜 【リアル志々雄】 無題:8スレ目560 京介×あやせ 【かまってちゃん】 無題:8スレ目577 京介+桐乃+黒猫+あやせ+麻奈実+沙織+加奈子+ブリジット+瀬菜+浩平 【桜花爛漫の集い】 無題:8スレ目611 京介+大介 【"俺たち"の晩酌】 無題:8スレ目784 京介×フェイト 【ワナビのくせになまいきだ】 無題:8スレ目816 京介×加奈子 【専属起爆剤】 無題:8スレ目853 京介×桐乃×黒猫×あやせ×麻奈実×沙織×浩平 【みんなの特等席】 無題:8スレ目898 京介×あやせ 【ベストフェイスメーカー】 無題:8スレ目966 京介×ブリジット 【二人だけの秘密】 無題:9スレ目51 京介×加奈子 【波乱万丈マネジャー生活】 無題:9スレ目138 京介+桐乃 【高坂家専属副料理長】 無題:9スレ目241 京介+桐乃+黒猫+あやせ+麻奈実+沙織 【超究俺芋魔法大戦】 無題:9スレ目290 京介+桐乃+黒猫+あやせ+麻奈実+沙織+加奈子+ブリジット+フェイト 【京介さんは、某海賊マンガに多大な影響を受けているようです。】 無題:9スレ目417 京介×ブリジット 【偽装デート? いいえ、擬似デートです】 無題:9スレ目474/小ネタ 京介+桐乃 【仮面ライダーシスドー】 無題:9スレ目683 京介+桐乃+沙織+黒猫 【夢の記録】 無題:9スレ目853 京介+瀬菜 【横浜デート 瀬菜目線】※キャラ崩壊注意 バーテンダー桐乃編:10スレ目81 桐乃 ※クロス物、キャラ崩壊注意 無題:10スレ目738 京介+あやせ 【あやせのハイキック】 無題:10スレ目860 京介×リア 【元気速達ライナー】 無題:11スレ目545 京介×黒猫 【もしも黒猫さんが性的に積極的だったら】 ※キャラ崩壊注意 ※エロ描写注意 8スレ目65氏=◆k4qYXRI5uY氏 無題:8スレ目65 京介×あやせ 【行為と感情】 私が兄貴にこんな表情をするわけがない:8スレ目101 京介×桐乃 【私の表情】 私の兄貴がストーカーをされるわけがない:8スレ目226 京介×桐乃×黒猫×千早 【ストーキング注意報】 ※オリキャラ注意 無題:8スレ目866 京介×加奈子×ブリジット 【マネージャー独占禁止令】 真剣な兄貴がこんなにかっこいいわけがない!:9スレ目75 京介×桐乃 【空回りパンティズム】 俺が妹と間接キッスなわけがない:11スレ目512 京介×桐乃 俺の妹が酒乱でエロゲなわけがない:12スレ目35 京介+桐乃 【お酒は大人になってから】 私の気持ちが兄貴を好きなわけがない 改:12スレ目79 京介×桐乃 【現在(いま)のあたしへ そして、未来のあたしへ】 俺がモデルになれるわけがない!! 京介+桐乃+あやせ+加奈子+ブリジット+黒猫+沙織+麻奈実+リア 【もしも京介がモデルになったら】 ※キャラ崩壊(やや暴力描写過多)、オリキャラ注意01 / 02 / 03 / 04 / 05 / 06 / 07 / 08 / 09 / 10 / 11 / 12 / 13 / ex 夢の中でみつけたもの。:13スレ目179 京介+桐乃+あやせ+加奈子 京介日記:13スレ目201 京介+桐乃 ビバ・夏!!:14スレ目50 京介+桐乃+黒猫+沙織+加奈子 【夏のビーチであれやこれや】 8スレ目625氏=◆NAZC84MvI氏 無題:8スレ目625/小ネタ 京介×桐乃 【ドサクサエンゲージ】 無題:9スレ目149 京介+桐乃 【パラレルワールド、これの別ルート】 無題:9スレ目784 京介+あやせ 【もしもあやせが妹だったら その1】 無題:9スレ目938 京介+あやせ 【もしもあやせが妹だったら その2/前編】 無題:9スレ目944 京介+あやせ 【もしもあやせが妹だったら その2/後編】 無題:11スレ目281 京介×桐乃 【誰かの願いがかなう頃】 「俺が妹と夫婦なわけが無い」 京介×桐乃 ( 01 / 02 / 03 / 04 / 05 / 06 / 07 / 08 / ex01 ) 【家族で義妹で俺の嫁】 無題:13スレ目42京介+フェイト 9スレ目120氏 無題:9スレ目120 京介+桐乃 【桐乃からの電話】 高坂桐乃の消失:9スレ目208 京介+桐乃+黒猫+あやせ+麻奈実 【普通じゃない世界】 9スレ目449氏=◆DZdqTtYy1o氏 無題:9スレ目449 10スレ目257氏=◆XUsplk79ik 無題:10スレ目257 京介+桐乃+黒猫+沙織 【沙織の人生相談】 無題:11スレ目37 京介×沙織 【無駄にエロい耳かき】 10スレ目898氏 無題:10スレ目898 京介×あやせ 【コスプレカップル】 無題:10スレ目926 京介×珠希 【恋の証明】 無題:10スレ目943 京介×珠希 【でこぼこ恋愛事情】 無題:11スレ目60 京介+桐乃+大介+佳乃 【自慢の息子】 無題:11スレ目163 京介×きらら 【メイドが嫁】 無題:11スレ目185 京介×桐乃 【遠い記憶】 11スレ目133氏=QEK氏 無題:11スレ目133 京介×加奈子 【加奈子と添い寝】 ※微エロ注意、未完 11スレ目150氏 無題:11スレ目150 京介×桐乃 【二人で夕食】 無題:11スレ目278 京介+桐乃+黒猫+あやせ+沙織+加奈子+瀬菜+日向+珠希+浩平+御鏡 【星に願いを】 無題:11スレ目321 京介×あやせ 11スレ目302氏=kyosuke氏 願い~序~:11スレ目302 京介+桐乃 【ブラッディプレリュード】 11スレ目679氏=◆36m41V4qpU 真実のホーリーエンジェル:11スレ目679 京介+桐乃+あやせ 【「妹のウェディングドレス」あやせ視点】※連作1 とあるアキバの休日:11スレ目690 三浦(部長)×謎(?)の熊女+真壁+瀬名+黒猫 【秋葉原での邂逅】※連作2 3月31日のライオン:11スレ目706 京介+桐乃+黒猫+麻奈実+沙織 【記憶喪失の京介?】※連作3 献身のエンジェル・パラディン:11スレ目753 あやせ×ロック+京介+黒猫+麻奈実+桐乃 【まさかのロック編】※連作4 キャッチャー・イン・ザ・ポテト:11スレ目794 京介×桐乃+黒猫+沙織 【デート編】※連作5 Love Letter 桐乃+黒猫+沙織+京介 【ぼくの家族】※連作6 Trisection 京介×桐乃×麻奈実 【兄と妹と幼馴染み】※単発 麻奈実エンド 赤ずきんちゃん(過去編) 京介+桐乃+麻奈実 【おとぎばなし】※過去編その1 Rescue Cat(禁止カード) VS Gem-Knight L.L 京介×黒猫+日向+珠希 【女は男を変えたがるもの】※単発 黒猫エンド I ve fallen in Love with Lovely my holy-fallen Angel 京介×あやせ 【A Nexus extra】※単発 あやせエンド ↑9巻の世界観↓10巻の世界観 Cry for the Moon/Luna 京介×あやせ+沙也佳 【あやせの告白】※連作1 ↑10巻の世界観↓11巻の世界観 天使の誘惑 京介×あやせ 【二人の秘密】 Air 京介×あやせ 【冬の雨】 変奏曲京介×あやせ 【夢のカケラ】 過ぎ去りし遠くの日々への前奏曲京介×麻奈実+桐乃+黒猫+あやせ【Boy Meets Girl Again 1】 僕のビアンカ京介×麻奈実×???+桐乃【Boy Meets Girl Again 2】 ※オリキャラ 雪月抄京介×麻奈実×???+桐乃【Boy Meets Girl Again 3】 ※オリキャラ ラナルータの恋人京介×麻奈実×???+桐乃【Boy Meets Girl Again 4】 ※オリキャラ 12スレ目134氏=◆Koneko/8Oc氏 ゆく年くる年:12スレ目134 京介+桐乃 【初詣は済みましたか?】 バレンタインデー:12スレ目244 京介+桐乃+あやせ 【あやせ、まさか?】 名探偵あやせ:12スレ目698 京介×あやせ 【コスモス畑でつかまえて】 12スレ目752氏=◆ebJORrWVuo氏 或る災難:12スレ目752 京介×桐乃+あやせ 【親友の兄貴が、こんなに格好いワケがない。】 或る妹の選択:12スレ目787 桐乃+御鏡 【7巻サイドストーリー】 或る二人の夜:12スレ目806 京介×桐乃 無題:12スレ目830 京介+桐乃+黒猫 或る彼氏の闘い:12スレ目899 京介+父猫+母猫+日向 【9巻サイドストーリー】 12スレ目834氏=◆YHxtVKAHbw氏 あたしの友達がこんなに名シェフなわけがない:12スレ目834 桐乃+あやせ+加奈子 加奈子の友達がキモオタのわけがない:12スレ目870 京介+桐乃+加奈子+彼方 無題:12スレ目895 京介×あやせ 無題:12スレ目920 京介×桐乃 無題:13スレ目9 京介+桐乃 無題:13スレ目73 京介+桐乃 無題:13スレ目165 カプ不明 12スレ目929氏 †あたしの姉がチキンってわけじゃない†:12スレ目929 京介+桐乃+黒猫+日向+珠希 俺の後輩の入浴シーンがそんなにエロくない・・ぞ?:12スレ目958 京介×黒猫+日向 13スレ目62氏=◆6U1bthnhy6氏 無題:13スレ目62京介+桐乃 無題:13スレ目84京介+加奈子 無題:13スレ目97京介+日向 日向に眼鏡が届いたら:13スレ目125京介+日向 ぺドと言われて泣いたから:13スレ目141京介+珠希 小ネタ:13スレ目156京介+桐乃 星に願いを:13スレ目212京介+桐乃 単発投下人一覧 実際に複数作品を投下している人は、上部に移してください。 1スレ目235氏 無題:1スレ目235/小ネタ 京介×あやせ 【告白】 2スレ目188氏 無題:2スレ目188 京介×あやせ 【マジで修羅場る5秒前】 2スレ目449氏 無題:2スレ目449 京介×桐乃×黒猫 ※鬱展開注意 2スレ目839氏 無題:2スレ目839 京介×加奈子 【ヨーグルト】 3スレ目35氏 無題:3スレ目35 京介×桐乃 【7巻if】 3スレ目98氏 無題:3スレ目98 京介×桐乃×あやせ×沙織、京介×黒猫 【ドM】 3スレ目119氏 無題:3スレ目119/小ネタ 京介×桐乃×黒猫×沙織 【死亡遊戯】 3スレ目120氏 無題:3スレ目120 京介×黒猫 【縛りプレイ】 4スレ目101氏 無題:4スレ目101 京介×桐乃 【大学進学】 4スレ目106氏 無題:4スレ目106 京介×桐乃 【泣きデレ】 4スレ目129氏 無題:4スレ目129 京介×黒猫 【呪い】 4スレ目138氏 無題:4スレ目138 京介×黒猫 ※残酷描写アリ注意 4スレ目299氏 無題:4スレ目299/小ネタ 京介×桐乃 【エレベータに閉じ込めてみた】 4スレ目305氏 無題:4スレ目305 京介×桐乃×黒猫×沙織 【コレクション公開】 4スレ目381氏 無題:4スレ目381 京介×桐乃 【嗅ぎ人】 4スレ目681氏 無題:4スレ目681 京介×麻奈実 【もしも麻奈実が妹の友達だったら】 4スレ目959氏 無題:4スレ目959 京介×あやせ 【友情崩壊】 5スレ目299氏 無題:5スレ目299 京介×桐乃 【もし桐乃がサカ豚だったら】 5スレ目365氏 無題:5スレ目365 京介×沙織 【虫の知らせ】 5スレ目389氏 無題:5スレ目389 京介×黒猫 【事前】 5スレ目503氏 無題:5スレ目503 あやせ 【京介と桐乃のプリクラ入手方法】 5スレ目803氏 無題:5スレ目803 京介×桐乃×黒猫 【実質的二股】 5スレ目825氏 無題:5スレ目825 京介+桐乃+あやせ+沙織 【マジック魔法刀、誤解】 5スレ目907氏 無題:5スレ目907 京介×あやせ 【桐乃への誕生日プレゼント】 6スレ目106氏 無題:6スレ目106 京介×黒猫×あやせ 【お前達が俺の天使だ】 6スレ目225氏 無題:6スレ目225 京介×フェイト 【酔っ払い】 6スレ目266氏 無題:6スレ目266/小ネタ 桐乃 【SS投下】 6スレ目423氏 無題:6スレ目423 京介+桐乃+あやせ 【How to 妹ーーークの収録の練習】 6スレ目664氏 無題:6スレ目664 京介×黒猫 【黒猫のバイト、本屋】 6スレ目695氏 無題:6スレ目695 京介×黒猫 【黒猫の高校選択理由、ニアミス】 6スレ目710氏 俺の教え子がこんなにチョロイわけがない:6スレ目710/小ネタ 京介×あやせ 【変態講師】 6スレ目772氏 無題:6スレ目772 京介+桐乃+あやせ+黒猫+麻奈実 【転校生】 ※オリキャラ注意 6スレ目877氏 無題:6スレ目877 京介×桐乃 【7巻if】 7スレ目14氏 無題:7スレ目14 京介+桐乃+黒猫+あやせ+ブリジット 【超能力バトル】 7スレ目855氏 弟めいかぁ:7スレ目855 京介×あやせ 【アポトキシスコン4274】 7スレ目886氏 きょうちゃんとお出かけ:7スレ目886 京介×メガネ 【メガネが本体】 7スレ目904氏 無題:7スレ目904/小ネタ 京介×桐乃×あやせ×メガネ 【俺の幼馴染のメガネがこんなに可愛いわけがない】 8スレ目148氏 無題:8スレ目148/小ネタ 黒猫三姉妹 【投影雛人形】 8スレ目365氏 無題:8スレ目365 京介×沙織 【キモオタ街道爆進中の兄貴の私生活を覗き見してみた】 8スレ目376氏 無題:8スレ目376 京介×桐乃×黒猫×麻奈実 【バレンタインプレゼント】 8スレ目465氏 無題:8スレ目465/小ネタ 桐乃+あやせ+加奈子 【デンジャラス被写体少女】 8スレ目503氏 俺の彼女がこんなに小悪魔なわけがない:8スレ目503 京介×加奈子 【恋人の距離】 8スレ目525氏 無題:8スレ目525/小ネタ 京介×麻奈実 【玉砕上等移奪宣言】 8スレ目674氏 無題:8スレ目674/小ネタ 京介×桐乃 【今宵のオカズはチューペット】 8スレ目699氏 無題:8スレ目699/小ネタ 京介+桐乃+大介 【高坂親子派出所】 8スレ目805氏 無題:8スレ目805 京介+沙織 【Mr.ブシドー見参】 8スレ目991氏 無題:8スレ目991 京介×桐乃 【中古車旅行計画】 9スレ目334氏 無題:9スレ目334/小ネタ 加奈子 【ダイワハウチュ】 9スレ目446氏 if・闇猫更生?編:9スレ目446 桐乃×黒猫 【PSPあやせ√その後】 9スレ目588氏 やがて この体も 風に:9スレ目588 京介 9スレ目625氏 チキンと地味子の急展開:9スレ目625 京介×麻奈実 【積極的な麻奈実】 10スレ目347氏 無題:10スレ目347 京介×あやせ 【告白】 10スレ目469氏 無題:10スレ目469 京介×黒猫×珠希 【ロリっ娘性欲処理班】 ※エロ注意 10スレ目493氏 無題:10スレ目493 京介×加奈子 【さよなら現世、こんにちは二次元】 10スレ目609氏 無題:10スレ目609/小ネタ 京介+あやせ 【Rider Kick】 10スレ目614氏 無題:10スレ目614 京介+あやせ 【井戸端アニソン歌唱会】 10スレ目647氏 無題:10スレ目647 京介+部長+真壁 10スレ目684氏 無題:10スレ目684/小ネタ 京介+桐乃+瀬菜+浩平 【疑似妹スタンプ】 10スレ目753氏 無題:10スレ目753/小ネタ 桐乃 【病院が来い】 10スレ目757氏 無題:10スレ目757 京介×あやせ 【あやせと手錠と人生相談】 無題:10スレ目783 京介×あやせ 【デートの練習】 10スレ目811氏 俺の女神がこんなにも美しいわけが無い:10スレ目811 京介×あやせ 【呼び出された京介】 10スレ目837氏 無題:10スレ目837 京介×桐乃 【喪失と再起】 10スレ目990氏 無題:10スレ目990 京介×桐乃 【エキセントリックシスター】 ※エロ注意 11スレ目97氏 無題:11スレ目97 京介×加奈子 【最高適任者】 11スレ目119氏 無題:11スレ目119 沙織 【チカラの観測者】 11スレ目174氏 無題:11スレ目174 桐乃+黒猫 【厨二布教】 11スレ目232氏 無題:11スレ目232/小ネタ 京介×あやせ 【PSPあやせ√後日談】 11スレ目242氏 無題:11スレ目242 京介×桐乃 【助力の罰ゲーム】 11スレ目352氏 無題:11スレ目352 京介×桐乃 【前日譚、その後っぽいもの】 12スレ目771氏 無題:12スレ目771 珠希+日向+黒猫 【黒猫姉妹】 12スレ目850氏 オペレーション・タナトス:12スレ目850 桐乃+あやせ+加奈子 12スレ目880氏 この年まで知らなかったわ:12スレ目880 京介×黒猫+日向+珠希 【五巻サイドストーリー】(これはひどい)
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/579.html
27 名前: ◆36m41V4qpU [sage] 投稿日: 2012/03/09(金) 23 50 45.26 ID jsEnuXxV "9 +1/2" 時に・・・何か自分の環境を劇的に変えた出来事が起きた場合、 とてつもなく劇的に変わったと思える場面に遭遇した時、 その事を・・・・その出来事自体を"運命"なんて大げさな言葉で呼ぶ必要は、 実は・・・全然、本当にぜんぜん、、そんな必要なんて無いのかもしんない。 それは 一度目は、思い出したくもない過去、疎遠になったキッカケ 二度目は、初めて、人生相談したあの日 三度目は、…………… その日の夕方、あたしはリビングでソファーに寝転がりながら、親友のあやせと 電話で話していた。 『本当に、桐乃ってさぁ……お兄さんの話するのが好きだよねぇ?』 「はぁ?何言ってんのっ、、、、そ、そんなわけないじゃん。 た、たまたまに決まってるんでしょ。あやせ、マジでそれっ勘違いだから!」 いつからかな? あたしは、あたしが事あるごとに(京)介・・あいつの話をいつもしてしまっている 自分自身に気付いたのは……。 『ふぅ~ん。まぁわたしも桐乃とお兄さんの話するの嫌いじゃないんだけどね』 「………………………」 いつからかな? 女友達が京介の事を褒めたり、京介と親しくしていると…… いつも嫉妬してしまう自分に気付いてしまったのは。 『桐乃……どうかした?』 それでも黒いのがあたしの為に京介と別れた後、最近少しだけ、ほんとうにちょっぴり だけど、京介が楽しいなら……兄貴が楽しいなら、黒猫やあやせと親しく話していた としても、あたしも一緒に喜べる様な気が、そうしなきゃいけない気がしてるのだ。 「何でもないから。ううん、、、本当に何でもないってば」 その時、『ただいま』という声がした。 今日はお母さんはお父さんと一緒に出かけて家には居ない。 リビングの扉が開くと京介が電話中のあたしの顔を見て、何か言いたげな顔をしたが、 いつもの様に、少し微笑むと冷蔵庫からパックのお茶を出して飲み始めた。 あたしは少し、緊張する………前だったら、あいつに"人生相談"する前だったら 同じ緊張でも、それは100%不快感だったハズ。 でも今は違う、同じ緊張でも本当にぜんぜん違う。 その事が分かったのは最近、それとも………? あたしは間抜けにも、京介の顔を見て、携帯で話しているその口元に自然な笑みが 溢れてる自分に ……ああ、、そうか…… あたしはあいつの顔を見ると、いつのまにか自然に笑顔になってるんだ、、、 今日………その事にあたし自身、やっと気付いた。 またいつものパターンで、二階に上がろうとするあいつを、思わず呼び止める。 「ちょ、ちょっと待って。喉……渇いたからさ、あんた、飲み物取ってよ」 「へいへい……あれ、冷蔵庫に飲みモン何も入ってねぇぞ。 さては………おふくろの奴、忘れてやがんな。 しゃーねぇ、まぁ後で自分で紅茶でも煎れて飲んでくれ」 振り返って、また二階に上がろうとするあいつ。 「ま、待っててば。あたしは喉渇いたって言ってんのっ!」 「へ?だから何だよ、まさかおまえ自分の兄貴をパシリにでもするつもりなの?」 別段、怒った風の感じはなく京介は肩をすくめながら言った。 あたしは無言で、京介が持っているパックのお茶を引ったくると口を付けて飲んだ。 「おま、ちょ、な、何やってんの?」 あからさまに驚く京介。 「あれぇ~なぁに、何?あんた?へぇ~妹のあたしと間接キスとか意識しちゃって、 動揺しちゃってんの?(笑)キ(モ)……」 最近もうすっかり言わなくなった言葉を、結局最後まで言わずに、 冷たいお茶と一緒に飲み込む。 何でだろう、兄貴には文句言うよりもこうやって驚かせた方が楽しくなる。 "誓ったことが一つだけ" 同じ緊張なら、不快になるよりも楽しくしたい………超当然なコトなんだけど あたしはやっとそんな当然のコトが分かってきた様な気がするのだ。 "あの時、こころの中で決めた…………こと" あの頃、もう絶対戻れないと思っていた昔に戻っている様な錯覚、 懐かしくて、 暖かくて、 切なくなる感覚 そんな事をぼんやり考えていると、暫くして受話器のあやせの呼びかけに ようやく気付いた。 『本当にどうしたの?今日の桐乃ちょっと変だよ?』 ううん、違うよあやせ。多分、、、、、"昨日"までのあたし方が変だったんだから あたしは飲み干したお茶のパックを、やっぱりぼんやりした顔をした兄貴に返すと 「おかえりなさい」と言った。 あやせとの電話の後、 「え?親父達、居ねぇの?おいおい、受験生の子供スルーでよく留守にするよな」 「もう、うちらも子供じゃないんだしさ、それと食事代はあたしが預かってるから」 「何か相変わらず、俺よりもおまえの方が兄妹の姉みたいな扱いだよな~」 「ぷ(笑)、何それ?……あたしの弟になりたいアピールとか?」 「辞めろ!そんな願望ねぇよ!ったく……んで飯はどうするよ、おまえ何食いてぇの?」 「………ま、まだ決めてない」 「んじゃ、適当に俺が買って………」 「却下。あんたの選んでくる物センス無いんだもん。大体ヨーグルトはプレーンに 決まってるのに、苺味とか選んでくるしさ」 「ヨーグルトで俺のセンスをディスるのは辞めてくれ。まぁ…………ならおまえがさ」 「あ、あのさ………」 「あん?な、何だよ?」 「い、一緒に買い物行かない?まだ何食べたいかわかんないけど、スーパーで 買い物しながらだったら決められそうだしさ」 京介は一瞬呆気に取られた表情をした後、あたしの額に手を当てて神妙な顔をした 「べ、別に熱なんてないっての。あたしの提案にな、何か文句でもあんの?あんた」 「べ、別に……無いけどよ。……………まぁ良いか」 買い物し終えて、 「結局散々迷った挙げ句、カレーかよ。大体、カレーならレトルトで良いのに…… はぁ~俺が今から作るのかよ、ったく」 「チッ……文句多すぎ、出来合いの物は食べたい気分じゃないんだからしょうがない でしょ。それに誰があんたに作ってって頼んだっての。カレーくらいあたしにだって 作れるに決まってんじゃん、バカにするなっつーの」 今、あたしが意地になってるのには、それなりに理由が……ある。 さっき、あやせと話してて話題になった人。 あの………人のこと。 お菓子作りが趣味のあやせの師匠。 彼女の料理の腕はあたしも知っている。 負けたくない……それが今までの行動原理だったけど それがあるキッカケで、最近余計にその思いが強くなった気がする。 だから、少しづつだけどお母さんの手伝いもしてきた。 走ることも、勉強も……そんな風にしてきた。 だから料理だって…………… 「……………」 とまた神妙な顔で、京介があたしの顔を見た。 「だから熱はないから。あんたはそこで地味面しながら待ってれば良いんだから。 あんた、あたしを誰だと思ってんの?眉目秀麗、才色兼備………痛っ」 包丁で野菜を剥いている時に、指を切ってしまった。 「馬鹿野郎!……包丁使いながらベラベラ喋ってよそ見しってから。ほら見せてみろ」 あたしの指もとを強く持って、傷口をティッシュで押さえて 手際よく、消毒するとそのまま器用に、包帯まで巻いてくれた。 「あ、あんがと……あんた……そういう事は、意外に器用だよね」 「まぁ~な。俺は色々不器用な妹持ってるからな」と優しい笑顔で京介は言った。 「はぁ?ちょっと何調子乗ってんのっ!今はちょっとミスっただけなんだから。 本当はお母さんも上手って褒めてくれたんだから!何も知らない癖に決めつけんな!」 少しイラッとしてあたしが思わず大声を出すと……京介はあたしの頭に手を乗せながら 「まぁちょっとくらい、俺が勝ってる所あっても良いだろ? とにかく、おまえは大人しく座ってろ。取り合えず続きは俺がやるからさ。 わかったか?」 「……………わ、わかった」 兄貴が作ったカレーを食卓に並べて、 「いただきます……」「……いただきます」 「うん………うめぇな。伊達にカレーばっか食ってる家族じゃねぇな、俺ら」 「そ、その野菜はあたしが切ったんだからね。感謝しながら食べないよ」 「へいへい……おまえが傷だらけになりながら切ってくれた野菜と思うと、 通常の三倍は旨く感じるわ」 「う、うざっ……つ、次はさ、ちゃんと作るつもりだから! そん時は今日よりあんたが作った地味なカレーなんかよりも何千倍も美味しく 作るつもりなんだから、ちゃんと覚悟しとけっての。 つーか、冗談ぬきでマジで超絶品なんだからね!わかってんの?」 「ああ………もちろん、期待してるぜ。しかし…………俺ら………」 「?」 「……………いや………何でもない…わ」 あたしはいつまでこうやって、兄貴と一緒に食事が出来るんだろう? ふと、ガラにもなく不思議な感慨があたしを襲う。 物心がやっとついた小さかった時も、ロクに話をしなくなった時も、 こうやって、ぎこちなくだけどまた話すようになってからも………… あたしと京介は毎日毎日、向かいってご飯を食べてきた。 夕焼けに照らされた兄貴の顔を、あの時のしかめっ面じゃなく ……気付くと笑顔で見れる様になったその顔を ………笑顔で見て貰える様になれた、あたしがその顔を見ていると …………あたしは 「だ、大丈夫か…………桐乃?おまえ……指がそんなに痛むのか?」 「え?」 「い、いや……………」 気が付くと……頬が濡れていた。 何で…? 事あるごとに不機嫌になってきたあの時の方が…本当は泣きたかった筈なのに 今は嬉しい筈なのに、一度意識し出すと……あたしは慌てて目を拭った。 「………う、うん、、、ちょっと、、だけ」 今、あたしが考えている事を……目の前のこいつに正直に言える筈が無かった。 「き、救急車でも呼ぶか?」 「大げさ過ぎ……なわけないでしょ!ちょっと痛いだけだから、ほ、ほんと大丈夫だから」 「そ、そうか………我慢出来なくなったらいつでも言えよ?」 泣き顔を見られたから? 同じ緊張なら、不快になるよりも……… 「ねぇ、指痛いからさぁ……あ、あんたが食べさせてくれない? あ、先に言っとく、、、べ、別に、熱は全然ないから!」 「あ、良いぜ………痛いんだからしゃーないわな。ほれ口開けろ」 「な゛……あ、あんた……な、に……はむ」 「……………ま、全く、本当に不器用な妹を持つ兄貴は大変だぜ」 冗談と言い出すタイミングを失ったあたしは、結局最後まで 兄貴に食べさせて貰った。 超恥ずい事なのに、何でだろう……。 やっぱり熱があるのかもしんない………あたし。 *** しっかし今日の桐乃は変だ。 断固として変だ。 本当にどうしちまったんだ、あいつ? そりゃ最近の俺ら兄妹は……昔は繋がってる血すら凍るほどの凍てつく世界に 住んでた様なもんだから………それに比べたら多少は、ほんとうに多少だが 普通の兄妹って感じがしなくもなかったんだが。 今日の桐乃はそれにしたっておかし過ぎる。 それにいきなり、泣きだしやがって………あのやろう……まったく訳が分からない。 やぶ蛇になることを覚悟しつつ、俺は妹の部屋の前に立つと決心が鈍る前に ドアをノックしていた。 「桐乃ちょっと良いか?あのさ………」 「え?あ、、ちょ、ちょっと忙しいから、、それと今入ってきたら、 あやせに言いつけて絶対にっブチ殺して貰うからっ!」 「げぇ゛、わぁったよ……」 何だよ、どうせお気に入りのエロゲーでもして、あっちの世界にでも行ってる所を 俺に見られるのが嫌とか………そういう事だろう。 チィ……まったく、ちょっとでも心配して損した気分だぜ。 まぁそもそも、妹の心なんて色々思案した所で、分からない事は結局、分からないのだ バカバカしくなった俺は結論を出す事を早々に諦めて、さっさと風呂に入って 早めに休む事にした。 脱衣場に行こうとした時に、部屋でエロゲーをしていた筈の妹が仁王立ちしている。 「おまえ何やってんの?」 「あの、、さ……あ、あんたにちょっとお願いあんだけど?」 桐乃の指は、俺が何重にも巻いた包帯で痛々しかった。 そっか、食事するのも大変で泣くくらいだもんな。 俺は得心した顔で 「あ~~歯を磨けってことか、そっかおまえ利き腕の指に包帯巻いてるんだもんな」 「…………」 「そういや、おまえが小さい時は俺がちゃんと磨いた確認してやったんだよなぁ」 努めて明るい風を装って俺は桐乃がいつも使っている歯ブラシを取ったのだが……… 「それで、ちゃんと出来てないから、結局俺がいつも磨いてやってたよな、うんうん」 ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛……あれ?なんだこれ?? 「違げぇし……何が悲しくて、あんたにあたしが歯磨いて貰わなきゃなんないの? そもそも、あたしの歯ブラシは電動だし、、妹に、、変な想像しないんで欲しいです ケド?(嘲)」 「へいへい、悪かったな………んで頼みってなんだよ?」 何か、いつのまにか普段の桐乃に戻ってる様な気がして安心したが、 まぁこれでこそ俺の妹なんだよな。 ってことで同時に、俺も普段の様にぶっきらぼうに言葉を返す。 「超、嫌なんだけど、この指だとしょうがないしぃ、、さ。 だからさぁ、、髪洗ってくんない? マジで滅茶苦茶、不本意で凹みそうなんだけど、、、しょーがない、、から」 「え゛?」 「はぁ?だから髪、、、洗えっつってんの、何回も言わすととか超ありえない」 「歯磨くのはダメで、髪洗うのは良いのかよ……大体」 「ぜ、全然違うでしょ、何に?あんた、、何か文句あんの?」 「だ、だってよ………おまえと一緒にふ、ふ、風呂に………」 「ば、馬鹿っじゃないのっ?!何であんたなんかと、、やっぱ超キモ、キモ、キモ。 ちょっと、、あやせ、、、」 携帯を取りだそうとする桐乃を必死に止めた、今日が俺の命日になるのだけは勘弁だ。 死亡の原因がこれじゃどう考えても、俺の魂も成仏出来ないだろう。 「んじゃ…………どういう意味だよ?この季節に庭で水浴びでもすんのか?」 「なっ……なわけないでしょ!、シャンプードレッサーでって意味!」 そういや、桐乃が朝シャンするのに便利だからって自分で工事費出したんだっけな。 しかし中学生で我が家の改築工事すらやってしまう妹。 それに比べて、俺の部屋には未だにエアコンすら無い。 我が家にも、歴然たる較差社会が存在するのであった。 「な、何だよ。洗面台でって意味か。それを早く言えよ。危うく冤罪で 殺される所だったじゃねぇか」 「勘違いしてるあんたが悪いんでしょ。マジで、そういう発想するだけでも万死に 値するんだからっ!あ~あ、最悪過ぎ……ほらいつまで突っ立てんの、早くしてよ?」 やれやれ……。 他人の髪など洗った事がない俺は、いや大昔に目の前にいるこいつの髪を 歯を磨いてやった事と同様に洗った記憶が微かにあるが、まぁ遠い記憶の彼方の話だ。 それにしたって………我が妹はシャンプー、リンス、コンディショナーはもちろん その他得体の知れない、俺には絶対に分からない数々の容器を洗面台に並べていた。 「あつ……ちょっと熱いじゃん、あんた、あたしを火傷させるつもり?」 「あ~悪りぃ悪りぃ」 「今度は冷たい、ちょっとこんなんじゃ風邪引くでしょ、真面目にやれっての」 「………………(・ω・;)」 「あんたと違って、あたしの髪は超繊細なんだから、優しく洗ってよねぇ、 ちゃんと、わかってんの?」 「………………(゚Д゚)ケェ」 「だから痛いってば、優しくしろっつーの……女の髪は……」 「…………………(怒)………お客さん、痒いところとかないですか?」 「ふ、ふ~ん、もう少し下の方もちゃんと洗ってよ…あっ…ちょっと……」 「щ(゚Д゚щ) 」 「く、くすぐったい…から……だから……首とか……さ、触らないで……」 「!」 「あっ……ぁ……はぁっ……耳も…さ、触るなって……さ、触らないでぇ…ン あ、あたし、、耳たぶとか……よ、弱いっ……ン……ンだからぁ……」 「!!!」 「ぎぁっ…ハハハッハハハァ、や、辞めて……辞めれぇって言ってるでしょ!!!!」 桐乃が文字通り………のたうち回った為、洗面台の鏡はもちろん、壁、床一面にも 水しぶきが土砂降りの雨の様に飛び散った。 ついでに、妹の鉄拳もスコールの様に俺の顔面に降り注いだ。 「痛ぇ……殴ることねぇだろ。おまえがお願いするからやってやってんのによ!!」 「はっ?こんな時にチャンスと思ってセクハラする変態、シスコン、犯罪者予備軍の あんたが何言ってくれちゃってんの? ………妹のあたしに、、え、、え、エッチな事するとかマジで、マ・ジ・で・ 信じんらんない!!!!」 売り言葉に買い言葉、桐乃に釣られて俺は軽率な(今思えば本当に)軽率な一言を 桐乃に対して俺は言い放った。 「おいおい…大体、自分で妹って言ってるじゃねぇか。何が悲しくて妹にセクハラ しなきゃならねぇんだよ?!あやせの奴もよく、俺に対して"セクハラ"って言うが、 あいつも大概自意識過剰だとは思うが、あいつが言うならまだ分かるがよ。 何で妹のおまえに、頼まれて……したくもねぇ事した上で、そんな事言われなきゃ いけないんだよ。てめぇ……がそもそも」 ☆ブ チ っ !☆ 多分、勘違いや幻聴の類なんだろう、しかしその時の俺は確かに、桐乃がキレた音が それこそ目に見える様に、劈く爆音の様に聞こえたのだった。 その後、爆音の後は静寂が……訪れる。 桐乃はずっと無言だった。 でも俺は………さっきの勢いは何処へやら………みっともなく……それこそ 小さい犬がキャンキャン吠える様に大声で、空しく言葉を吐いた。 「おい、な、な、な、何やってるんだよ? お、お、お、お、おま………ちょ、ちょ……… き、桐乃?き゛…りの…おまえ……」 やっぱり相当格好悪かった。しかしそれでもその時の俺はそうする以外に やる事なんて思いつきもしないし、そもそもやる事なんてなかっただろう。 桐乃は無言で、目には食事をしていた時の様に涙を浮かべ……… 何故か口元は不敵な笑みを浮かべ (最近見せてくれる可愛らしい笑顔とは明らかに違う、不気味な…… こんな表情の妹は今まで見た事はない、『黒猫ならもっと上手に 描写出来るのだろうが』、とにかく…嫌で駄目な予感しかしない笑みだった。) 自分が身につけていた………さっき暴れたことで、びしょぬれだった服を脱ぎだした。 途中までは濡れたから脱ごうとしていると思った、でも違った。 あいつは、妹は、桐乃は…… 一番上に羽織っていたパーカーを脱ぎ、シャツを脱ぎ、Tシャツを脱ぎ……… 俺が呆気に取られていたが、それで終わると予想してた限界をいともたやすく超え ショートパンツも全くの躊躇いもなく脱ぎ捨てた。 俺は何を言ってるのかも分からず、本当に言葉を忘れてしまった様に ただ、無様に……口を開けてうなり声を上げていた。 目の前にはブラとショーツだけの姿の桐乃がいた。 間抜けにもブラもショーツもお揃いのピンク色………なのかと言う感想 アレ?この気持ちは何なんだろう? それは………禁忌 何かは知らんが、絶対ぇにヤバイ何かだった。 それは今の状況に対する認識なのか?それとも俺自身の心のことなのか? それとも両方で、同時にその心象が混ざり合って新たな危機感が出来上がって ますますその予感を高める……俺の心臓の鼓動と完全にシンクロして。 ……とにかく、俺は一瞬固まったが、このままで……は……と思い 今まで桐乃の為に、桐乃のピンチの度に決心した時の自分の気持ちを思いだして 大きく息を吸って、何とか心を奮い立たせて、上ずる声で桐乃に問うた。 「な、何のつもりなんだよ?いくら兄妹だってやって、やって良い事と……悪」 もしこのまま桐乃が無言のままだったら、どうなっていたか分からない。 しかし桐乃は…… 「あ、あれ~?な、なんでビビってんの?あたしは妹なんでしょ? そ、それなのに………言ってる事が、、、違うじゃん。 あたしは妹だから、妹、、、、だからさ!!!!」 「悪かった…………い、妹は関係ない……関係なかった」 「はっ?あんた何、、、言ってる事コロコロ変えてんの? あたしは妹だから、、、妹って言ったじゃん!!!!」 「お、おまえは妹だけど、そうなんだけど……でも桐乃は桐乃だから………」 「だから何?」 「だから………」 「………」 桐乃は俺の言葉を催促する言葉の代わりに、腕を、手を、指を……まるで言葉を紡ぐ様に、 本当に何かを俺に語りかける様に動かす……その先には触れてはいけない聖域があった。 「お・ま・えは特別なんだ!妹だけど、桐乃で……桐乃だけど妹で! おまえは……おまえ……は………俺にとって………俺の……」 「ぷ、ぷぷ……何それ?意味が全然分かんないんですけど? あんた動揺し過ぎて、日本語忘れちゃったんじゃないの?」 桐乃は目元に貯めていた涙をあふれ出さんばかりに、声を上げて笑い出した。 「………ああ」 その時の俺は日本語どころか、完全な放心状態で本当に何も考えられない状態だった。 だから桐乃がやっと普通に笑ってくれている事に気付くまでに相当の時間がかかった。 「ねぇ……もう1回言って……あんたにとってさ……あ、た、しは……?」 「へ?え……」 「はぁ~ぁ………………………もう良い」 俺は無意識に、本当に何も考え(られ)てない状態のままでポツリと声を出した。 「桐乃は、おまえは………俺にとって特別…………だ……よ」 「あはっ……結局、またシスコン宣言聞かされちゃった。ったくそんなのとっくの昔に 知ってるっつーの。あんたは何必死になってんの……馬鹿じゃん?」 「お、おまえな……まぁ…………」 しかし、完全にビビっていた俺はそれ以上反論する事を辞めた。 これ以上、何か遭ったら……絶対に洒落になる筈がなかった。 でも…… 「まぁ……人間素直が一番だと思うからさ。あんたも最近はまぁまぁ素直じゃん? 今も……え、えっと……超…うれ……」 「へ?」 「あ、あたしが(は)優しいからさ……素直だったご褒美あげる……ほれ」 桐乃はさっき一度ならず二度までも思いとどまった筈の境界線を 今度こそ完全に一気に超え俺の視界を無慈悲に、冷徹に侵略してきた………… 「\(^o^)/」 喜んでるわけではない、本当に俺は卒倒しかけたのだ。 「どぉ?か、感想言いなさいよ、、綺麗?ま、まぁ……この質問とか愚問っだけどさぁ」 「お、お、……………………………………………………………………………………… ………………………………………………………………………………………え ………………………………た……しかに……き、綺麗……だ、…けど」 桐乃がブラとショーツを脱いだ後に、登場したのは生まれたままの姿なんかではなく いささか……もしそのものを……単体を初めて見せつけられていたら、 充分反応に困ったであろう際どいチューントップの水着だった。 「ねぇ、、ほら、ほらぁ~か、かわいい?」 普段なら色々返答に困っただろうが、もはやそんな些末な事は(価値観の麻痺で) 気にもならずまたもや純粋に素直な気持ちで…… 「ああ………おまえ、やっぱ普通に可愛いわ」 とか言ってた始末の俺であった。 「途中だったんだから、、、最後まで続き、、してよね」 この条件の不条理さと不自然さに……桐乃が何を考えてるのはさっぱり分からなかったが とにかく俺はその後、水着のままの桐乃を慎重に、まさに爆発物を解体するかの 如くの神経を使って髪を洗ってやった。 時々、桐乃の息遣いを感じた気がするが、 水音と心音でそれが現実のものなのかどうか、確かめる術は俺には当然無く …………結局、俺も桐乃も一言も口を聞かなかった。 やれやれ、こんな姿、親父達(あやせにも)に見つかったら確実に殺されるだろうな。 やっと一段落すると、何故か俺も桐乃もなおも無言のまま、同時に歯を磨き始める。 「………………………」ゴシゴシ 「………………………」ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛ 「…………………(何か言おうとしたが断念)」ゴシゴシ 「…………………(何か言った気がするが判別不能)」ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛ 俺は先に磨き終わると、辺りに散乱している桐乃の服を片付け ついでに雑巾で、カオス化した洗面所一帯のエントロピーを下げる為の作業を始めた。 それを水着姿で見ていた桐乃が風呂に入る直前 「お゛に゛ぃ゛・・・・あ゛り゛・と゛ぅ・・・・・う゛れ゛・・・」 ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛ と電動歯ブラシを口に入れたまま、何事か呟いた。 しかしこいつ、歯を磨いてる時ですら、 俺の悪口やら悪態を吐かなきゃ気が済まないのか? ………とその時の俺はいつもの様…に……は……今更もう 濡れた床を雑巾がけしていると、風呂上がりの妹が俺の前を通り過ぎる時 「後で、、、あたしの部屋に来て」 と今度はちゃんと聞き取れる声で言った。 俺は「…………わかった」とだけ答えた。 その時の桐乃がどんな表情で、どんな気持ちでその言葉を言ったのか? 床を見つめたまま、、自分の手を見つめることしか出来なかった俺には分からなかった。 俺がやっと顔を上げたのと同時に、桐乃の部屋のドアが閉まる音が……とても、とても 遠くの方で聞こえた(様な)気がした。 おわり
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/316.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1290468634/533-539 Title:「ねこシス×シス」 原案:http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1290468634/451 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ ある日の午後── 『悪いのだけれど、急に下の妹の面倒をみないといけなくなったの。だから今日は沙織と二人で遊んでちょうだい』 『え~~? さっき、沙織からも都合が悪くて行けなくなったって電話あったばかりなんだよ! ちょっと酷くない?』 『あら……そうなの。それは間が悪かったわね……』 『他人事みたいに言わないでくれる!? あたしひとりでどーしろっての?』 『おにいさんとでも遊べば?』 『あいつはなんか鼻の下伸ばして出かけた。どーせ地味子んとこでしょ……。っていうか、いても二人で遊んだりしないし!』 『よく言うわね……じゃあ、ひとりで遊びなさい。自分の家でしょ、好きなようにすればいいじゃない』 『はあ? あたし、これでも色々忙しいんだよ!? そんな中、あんたらと遊ぶために、 がんばってスケジュール調整してあげたあたしに、そんな言い方なくない!?』 『ったく……あ、あたしだって行きたいのはやまやまだけど、仕方ないでしょう……』 『えー? 声小さくて聞こえない。やまがどうしたって?』 『なんでもないわ。まあ、悪いけれどそういう事だから』 『ま、まって……まってって! つーかさ、妹ちゃんも一緒に連れてくればいいじゃん!』 『は、はあ?』 『沙織は用事でどうしようもないけど、あんたは違うんでしょ? 家だってそう遠くないんでしょ? じゃあ妹ちゃんと一緒に来なよ!』 『でもさすがにそれは……え? ちょっと待って……は? 行きたい? ……やめておいた方が……そ、そう』 『何をぶつぶつ言ってんの?』 『こっちの話よ。……それでは不本意ながら連れて行く事にするわ』 『え? マジ?』 『正直、あまり気が進まないのだけれど……。小さな子連れになるけれどいいのね?』 『もち、オッケーオッケー! やったー! ひゃほーーーい! じゃ、じゃあ待ってるから! 急いで来てよね!』 『もう既に行く気が失せて来たのだけれど……』 そんな感じで高坂家にやってきた黒猫姉妹を待っていたのは、桐乃の大歓迎だった。 ……主に妹に対して。 「はじめまして。ねえさまがいつもおせわになっています」 ペコリと頭をさげる、黒猫の妹。 「こ、こ、こちらこそ! あたしは高坂桐乃! よ、よろしくね、妹ちゃん」 「はい。きりのさん、こちらこそよろしくおねがいします」 再びペコリ。その姿に大興奮の桐乃。 「やーん! な、何なの? この可愛い生物!? ほ、本当にあんたの妹! 全然、信じられないんですケド!?」 「正真正銘、私の妹よ。……っていうか、あなた気持ち悪いわよ。教育上すごく子供に見せたくない顔をしているわ」 「ささ、妹ちゃん、入って、入って! あ、すぐにジュースとお菓子用意するからね!」 「聞いちゃいないわね……」 「へー。メルル好きなんだ!」 「はい、だいすきです! きりのさんもメルルすきですか?」 「そうだよ! あたしも大好き! 同じだね!」 「おんなじです」 「じゃあさ、じゃあさ、メルルのどのシーンが好き? あたしはね──」 リビングのテレビでメルルを流しつつ、桐乃と黒猫の妹は、メルルトークに花を咲かせる。 「……精神年齢が近いもの同士、やっぱり話が合うのね」 さっきから二人で盛り上がっている妹と桐乃を横目で見ながら、 黒猫はムスっとした様子でそんな事を言った。 「精神年齢低くて悪かったわね。いいもん。妹ちゃんと仲良くできるんなら。ねー」 「わたし、きりのさんだいすきです」 「あたしも、妹ちゃん、大好きだよ!」 「…………」 楽しそうに微笑み合う二人の姿を横目で見ながら、黒猫はさらに不機嫌そうな顔になっていた。 「そうだ! 妹ちゃん、お姉ちゃんの部屋にくる? お姉ちゃんの自慢のコレクションみせてあげる!」 「ほんとうですか? みたいです!」 「おやめなさい! このバカ!」 そう言って黒猫は妹と桐乃の間に割って入り、強引に二人を引き離す。 「ちょ……! きゅ、急に、何すんのさ……。もう、痛いじゃん!」 「何するのとはこちらの台詞よ! あ、あなた、ひとの妹に、一体何を見せようとしたの……?」 ワナワナと拳を震わせる黒猫。 そんな黒猫に、訳がわからないと言った風情で抗議する桐乃 「何って……その……あ、あんたたちが選んであやせに薦めてくれた、メルルのフィギュアとか……だけど?」 少し照れくさそうに桐乃はそう言った。 「……え?」 桐乃の返答に目を丸くする黒猫。 「れ、例の暗黒物質などを見せようとしたのではなくて……?」 「み、見せるわけないでしょ!」 「なんですか? あんこくうぶっしつ……って」 「「知らなくていいの!」」 「? ? ?」 黒猫の妹は、二人の剣幕に目を白黒させるのみだった。 「それにしてもさ──。ほんとに、あんたってばあたしを全く信用してないよね」 「普段あれだけ、あなたの壊れっぷりを見せられていて信用できるわけないでしょう……」 「あたしは、ちゃんと色んなケジメはつけてるってば。あんたと違ってね」 「……っふ。私にはそうは見えないのだけれど?」 意味深な笑みを浮かべて黒猫が言う。 「な、なにそれ。わかった風な事、言ってくれるじゃん……ふん」 桐乃は頬をあからめつつ、そっぽを向いて答える。 そんな二人のやりとりは、なぜか少し楽しそうで……でもどこかせつなげな空気を孕んでいた。 「……ところで、全然、話は変わるんだけど、騒いだらなんだか汗かいちゃった。 妹ちゃんと一緒にお風呂に入っていいかな?」 「あなた、全く話を変える気ないでしょう。妄言はそれくらいにしておきなさい、この変態。 自分の妹が変態女の毒牙にかかるのを黙って見過ごす姉がいるとでも思っているの?」 「妹ちゃん、どうかな。メルルのお風呂セット、あたし持ってるんだよ?」 「すごい! ほんとうですか?」 「ほんと、ほんと!」 「だから! 堂にいった感じで子供を物で釣るのはおやめなさい! 警察呼ぶわよ! 警察!」 「やだなあ冗談じゃん」 「……どう見ても前科持ちの手際だったわ……」 ──ちなみにその頃の京介。 「わかってねえな。言ったろ? 俺がセクハラするのはおまえだけだって」 「へ、変態! 通報しますよ! 通報!」 ……………… ………… …… … こうして騒がしい時間はあっと言う間に過ぎていった。 「きょうはどうもありがとうございました」 ぺこりとお辞儀をする黒猫の妹。 その姿が可愛くてたまらないと言うように桐乃はハイテンションで返事をする。 「いつでもまた遊びに来てね!」 「……もう連れてこないわよ」 ご機嫌な妹と桐乃とは対称的に、黒猫はただ一人渋面を作っていた。 「わたし、またきりのさんとあそびたいです」 「いやよ。もうこりごりだわ」 妹の言葉に対してもにべもない。 「何よ。あたしの相手の仕方に何が文句あるって言うわけ?」 「…………」 黒猫はぷいっとそっぽを向いて口を閉じてしまう。 「なにさ。わけわかんない奴ゥ。……妹ちゃん、こんなお姉ちゃんほっといて、一人で遊びに来てもいいからね!」 しかし、黒猫の妹は、そんな桐乃の言葉をよそに、じっと姉の顔を見上げていた。そして── 「ごめんなさい、ねえさま」 「「え?」」 突然、姉に対して謝罪した黒猫の妹を、黒猫も桐乃も不思議そうに見つめる。 「わたしがきりのさんをひとりじめしてしまって……」 「は? あ、あなたは何を言っているの? ば、バカな事を言わないでちょうだい!」 黒猫は顔を真っ赤にして激昂した様子で妹をしかりつける。 そんな姉妹の様子をキョトンとした様子で桐乃が見つめる。 「えーと……つまり、あんた、あたしが妹ちゃんとばかり遊んでたのが気に食わなかったわけ?」 「そ、そんなワケないでしょう! 子供の妄言を真に受けないでちょうだい」 「ごっめ~ん。やだなあ。言ってくれりゃいいじゃん~」 「だから、人の話を聞きなさいと言っているでしょ……!」 お互い顔を赤くして、嘲弄する桐乃と激昂する黒猫。 「わかった、わかったって。じゃあ妹ちゃん? 今度は一緒にお姉ちゃんの好きなマスケラ見てあげよ?」 「あ、あなた……全然わかってないでしょう……」 「ますけら……ですか? なんだかおはなしがむずかしくてわたしよくわからないんです」 黒猫の妹は、姉に少し気を遣う様子を見せながらも、正直にそう言った。 「だいじょうぶ! あたしがちゃんと妹ちゃんが楽しめるように解説してあげるから!」 「一体、どういう解説をするつもりなの……」 「いいから任せなって。あんただって、可愛い妹と話が合う方がいいでしょ? アニメの楽しみ方なんてひとそれぞれ。妹ちゃんが楽しめるマスケラの見方だってあるはずだって!」 自信満々にそう宣言する桐乃。 「……ちなみにあなたはマスケラを楽しく見る方法を見つけたわけ?」 「もちろん、これから考えるよ?」 「…………」 黒猫はそっとため息をついた。 「じゃあ……これで失礼するわ」 黒猫がそう言って踵を返そうとするとそれを桐乃が呼び止めた。 「あ、ちょ、ちょっと」 「……何?」 「えと……その、まだ予定きっちりわかんないんだけどさ。時間とれたら来週にでも、どっか遊びにいかない?」 「沙織は次は来月まで無理だって言ってたわよ」 「知ってる。だからその……きょ、今日の……埋め合わせ……かな」 桐乃は紅潮した頬を指で掻きながら呟くようにそんなことを言う。 「……わかったわ。もし予定が立ったら、早めに教えて頂戴。こう見えて私も色々あるのよ」 黒猫は呆れたような、でも嬉しそうな……そしてどこか優しげな笑みを浮かべてそう返す。 そんな黒猫の表情を、少し不思議そうな顔で彼女の妹が見上げていた。 「そんじゃ、妹ちゃんばいば~い~またね~」 「はい! さようならです」 ぶんぶんと手を振る桐乃の姿が見えなくなったころ、黒猫の妹は姉の顔を見上げてこう言った。 「ねえさま」 「……なあに?」 「さっきのねえさま、わたしたちをみるときみたいな『め』をしてました」 「え?」 黒猫はそんな妹の言葉に不意を突かれたように目を一瞬見開き──── 「…………そう」 ただ一言、そう呟いた。 (終)
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/216.html
271 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 20 22 38.00 ID RIIdBZQSO [3/24] ……あやせの家…… あやせ「…お兄…さん…」 〈なんで?どうして?あんなのお兄さんなんかじゃない。 もう二度と優しくなんてしてくれないのかな… そんなの嫌 絶対に嫌 なんで…あんなに変わっちゃったのかな そうよ…加奈子よ…あいつが全部いけないんだ。 あいつさえいなくなればお兄さんは私を見てくれる ふふ…加奈子の分際でお兄さんに近づくからいけないの 待っててね。お兄さん。私がお兄さんに取りつく寄生虫を取り除いてあげるからね。 待っててね。加奈子。 272 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 20 35 23.64 ID RIIdBZQSO [4/24] ……京介の家…… 〈あれから半月、俺と加奈子は順調に交際していた お袋も加奈子を気に入ったらしくこの前なんか「毎日でも来ていいからね!」なんて言ってやがった そんな加奈子は子供みたいに喜んでた。かわいいもんだ 桐乃も最初は「近づくな!ロリコン!」などと罵声を散々浴びせられたが今はだいぶ落ち着いた あいつなりに兄貴と親友の恋愛を受け入れようとしてるんだろう この前なんか3人で買い物も行った。…おかげで今月は赤字だぜ… 問題はあやせだ 今は桐乃がなんとか仲を取り持ち元通りとまではいかないが学校では普段通り過ごしているらしい けど俺はあいつを信用できん スタンガン食らったんだぞ?信用しろっつーほうが無理だろ 京介「………なんか…嫌な予感がするよなぁ…」 273 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 20 47 52.40 ID RIIdBZQSO [5/24] 加奈子「京介ぇ?なんか言ったか?」 京介「あぁ…悪い。なんでもねーよ」 加奈子「変なやつー」 〈そう。俺のことはどうでもいい 加奈子だ。加奈子にはもう二度とあんな思いはさせたくない 加奈子守れんなら俺は何度でもスタンガン食らう覚悟だぞ? メールも電話もなし…か… あれからあやせからはメールも電話もない まぁ当然といえば当然だろうよ だけど妙なんだよな…なんか…こう…落ち着かないって言うか… 京介「なぁ、加奈子、あやせは最近どうだ?」 加奈子「あやせぇ?最近は全然普通だぞ?京介のお仕置きが相当効いたんじゃねーの?」 京介「(そうならいい…そうならいいんだ)」 〈覚えておいて…… あいつはそう言い残した その言葉が…ずっと引っ掛かってんだ 加奈子「けどよぉ…なんか違うんだよなぁ」 274 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 20 53 39.38 ID RIIdBZQSO [6/24] 京介「ん?違うって?」 加奈子「元々騒がしい奴ではなかったんだけどよ?なんかもっと大人しくなったっつーか…うーん…」 京介「もっと大人しくなった?」 加奈子「笑わねーんだよ。どんな面白いことがあっても」 加奈子「まぁ反省してるって言えばそれまでだけどよ。なんか気味わりー」 京介「反省…か…」 加奈子「ま!いずれ普段通りになんじゃねーの?気にすることでもねーや」 京介「まぁ…そうだな」 275 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 21 03 42.39 ID RIIdBZQSO [7/24] ………その夜……… 〈加奈子は晩飯を食う前に帰った なんでも毎日毎日ご馳走になるのはちょっと気が引けるらしい そんなこと考えなくてもいいのに…あいつも成長したのか? ………そんなことよりも…… 京介「いっそ俺から連絡してみるか?」 〈今俺の携帯画面には「新垣あやせ」と表示されている」 京介「でもなぁ…妙な引き金になったら困るしなぁ…」 〈けどこの胸騒ぎを早く取り除きたい 俺は、発信ボタンを押した 276 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 21 13 44.77 ID RIIdBZQSO [8/24] ……プルッ……… あやせ「はい。」 京介「(出るの早っ!)」 京介「お…おう。あやせか?」 あやせ「はい。」 京介「げ…元気だったか?」 あやせ「はい。」 京介「そうか…。あー…。」 あやせ「………」 京介「この前は…悪かったな?」 あやせ「はい。」 京介「ちょっとやりすぎたかと思ってる。」 あやせ「はい。」 京介「……えー…と…。」 あやせ「やっぱ優しいんですね。」 京介「え??」 あやせ「彼女をあんなにされたのに、自分が悪かったなんて…やっぱお兄さんは優しいです」 京介「あやせだって、反省してるんだろ…?ならもう水に流さないか…?」 あやせ「……………」 京介「な?…」 あやせ「大好きです。」 京介「え…あやせ?」 あやせ「大好きです。」 京介「んーと………」 あやせ「大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きで……」 プツッ… 京介「やべっ…とっさに切っちまった…(恐かった…)」 ……プルルルルル……… 277 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 21 21 30.96 ID RIIdBZQSO [9/24] 京介「(そら掛けてくるわな………出るか…)」 …プルルルルル… 京介「もしもし?」 あやせ「どうして切るんですか?」 京介「あー悪い……」 あやせ「何が悪いんですか?」 京介「あのな…あやせ」 あやせ「はい。」 京介「俺は…お前の気持ちに応えらない」 あやせ「…………」 京介「だけどな?今まで通り、相談にも乗る。」 あやせ「………………」 京介「どうだ?元通りだ」 あやせ「なら仕方ないですね」 京介「………ごめんな?」 あやせ「本当、仕方ないです。」 京介「……………」 あやせ「では失礼します。」 京介「あ…あぁ…おやすみ」 あやせ「おやすみなさい」 プツッ… 278 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 21 24 56.21 ID RIIdBZQSO [10/24] ……あやせの家……… 〈どうしても私の気持ちはわかってくれないんだ? お兄さん?私は仕方ないって言いましたよね? お兄さんがそう言うなら仕方ないです 計画…進めさせてもらいますね 279 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 21 36 49.48 ID RIIdBZQSO [11/24] ……プルルルルル……… 京介「ん?またあやせか…」 あやせ「お兄さん…さっきはごめんなさい!私…どうかしてました…」 京介「お…おう…わかってくれりゃあいいんだ…」 あやせ「お兄さんはお兄さんですもんね!彼氏にはならなくても…お兄さんでいてくれるんですもんね!」 京介「おう!当たり前だ!」 あやせ「私…謝っても謝りきれない…加奈子とお兄さんに…なんてことを…」グスッ 京介「もういいんだって…!俺も殴ったんだしおあいこだろ?」 あやせ「ありがとうございます…」 あやせ「あは♪しめっぽいのはこれまでにしましょう!」 京介「ああ!そうだ!(良かった…俺の知ってるあやせだ…)」 あやせ「そこで…お兄さん…早速なんですが…ご相談が…」 京介「おう!なんだ?」 280 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 21 49 00.07 ID RIIdBZQSO [12/24] あやせ「加奈子がタバコ吸ってるの…ご存知ですか?」 京介「え…?何…?」 あやせ「あれ…知らなかったんですか?」 京介「あぁ…初耳だ」 あやせ「私も最近までは全然知らなかったんですが…見ちゃったんです…加奈子のカバンに…タバコが…」 京介「ちょっと待てあやせ。俺と加奈子の仲を裂くような真似ではないよな?」 あやせ「お兄さん…やっぱ信用してくれてないんだ…」 京介「いや違う!そんなことじゃないんだ…だってあいつまだ中学生だろ!?タバコなんて…」 あやせ「今は中学生もタバコに手を出すご時世です…。不思議なことではありません…」 京介「………」 あやせ「私は!加奈子にタバコなんて止めて貰いたいだけなんです!ほら…警察沙汰になったら取り返しつきませんよ…」 京介「ああ…そうだな…」 あやせ「なのでお兄さんから加奈子に言って貰えませんか?」 京介「ああ…わかった」 あやせ「お願いします。では。」 京介「おう…ありがとな…」 あやせ「おやすみなさい」 …プツッ… 京介「嘘……だろ…?」 281 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 21 54 03.81 ID RIIdBZQSO [13/24] 京介「(加奈子はアホだ。けどタバコに手出すほどアホではないと思う…)」 京介「(別にタバコを吸う女に偏見を持っているわけではない。だが、それを隠してたことが気に食わない)」 京介「確認…してみるしかないか…」 京介「そうだ、たった一言…《実は吸ってたんだ…ごめんなさい…もう止める》と言ってくれればそれでいい。」 京介「よし。」 ………プルルルルル……… 282 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 22 06 36.93 ID RIIdBZQSO [14/24] 加奈子「京介ぇ♪どうしたんだょー?」 京介「あー…加奈子か…?」 加奈子「かなかなだぜ?♪」 京介「加奈子…」 加奈子「なんだょー?」 京介「実はさー…俺のダチがタバコで停学食らってさー」 加奈子「…おぅ…」 京介「バカな奴だよなー…タバコなんかで」 加奈子「………」 京介「中学生ではまだそんな事ないだろ…?さすがにないか」 加奈子「あぁ…ねぇょ…」 京介「だよなー!加奈子、お前はタバコなんか手出してないよな?あれはやめとけー!息くさくなるからな!」 加奈子「………ったりめーだろ!……んなことするわけねーじゃん…」 京介「だよな!(やっぱあやせの嘘なんじゃないか…?)」 京介「夜遅くに悪かったな!ちょっと加奈子の声聞きたくてなってよ」 加奈子「…そうか…」 京介「わりぃ!そろそろ寝るわ!明日、学校の帰りにでも俺んち寄れよ」 加奈子「おう♪行くわ♪」 京介「おやすみ!」 ……プツッ 283 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 22 19 06.71 ID RIIdBZQSO [15/24] ……次の日…… 京介「(あとは…持ち物を直接調べるしかない…か…)」 …ピーンポン 京介「(来たか…)」 加奈子「京介ぇ♪」ギュッ 京介「おう!加奈子。よく来たな」ナデナデ 加奈子「京介、飲みもんあるー?喉かわいてやべーわ」 京介「あぁ、あるぞ。先に俺の部屋行っててくれ」 加奈子「うぃーす」 284 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 22 30 08.73 ID RIIdBZQSO [16/24] …………… ゴクッゴクッ… 加奈子「ぷはぁー!やっぱ京介んちのお茶はうめぇなぁ!」 京介「お茶なんてどこも変わらんだろ…それにそれ市販だぞ」 加奈子「気持ちの問題だっての~京介の愛が感じるわ~」 京介「意味わかんね」 加奈子「京介ぇ~」ギュッ 京介「どうしたー」 加奈子「好きだぜ~」チュッ 京介「んっ…俺もだ」 加奈子「ぅぁっ…おっぱい触るなぁ…」 京介「おっぱいってほどのおっぱい無いだろ」 加奈子「うるせぇ………や…やっぱ京介は巨乳のほうが好きなのかよ…?」 京介「加奈子ぐらいがいい。その証拠に、ほら見ろ、俺の股間のテントを」 加奈子「うは!勃ってやがる!!!」ケラケラ 京介「そんな笑うな!」 加奈子「京介…」 京介「ん……」 加奈子「ションベン行きたい」 京介「ばっ……はぁ……行ってこい」 加奈子「わりーな!また後で」タタッ 京介「(今しか…ないか…)」 285 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 22 40 33.84 ID RIIdBZQSO [17/24] 京介「(あぁ…せっかくのチャンスが…)」 京介「(が…そうも言ってられん…加奈子の持ち物を調べるには今がチャンスだ…)」 京介「(気が引けるがな…何が嬉しくて彼女の持ち物漁らなきゃならねーんだ…)」ガサゴソ 京介「(絶対あるなよ…?絶対あるなよ…?……………絶対……………)」ガサゴソ 京介「(……なんだこの箱は………なになに…?喫煙はあなたにとって肺がんの一つの原因となります…か…うん。これはタバコだ)」 京介「まっ!この箱が好きで物入れに使ってるだけかもな!」カパッ 京介「うん。これはタバコだ。」 京介「(チクショー!何が肺がんの一つの原因となりますだ!んなことわかってんなら買わずな!……………………)」 京介「(なんでだよ……加奈子……俺に嘘ついたのかよ……)」 286 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 22 54 20.60 ID RIIdBZQSO [18/24] …ガチャッ… 加奈子「ふぃー!よし!京介!加奈子は準備バッチリ……………」 京介「………なんだ?これ」スッ 加奈子「……………」 京介「タバコ、だよな?」 加奈子「と…友達から預かったんだょ…」 京介「…………」 加奈子「……預かった…んだ………ょ………」 京介「ならその友達ぶん殴り行くぞ、こんなもん加奈子が持ち歩いてもし捕まったら加奈子が濡れ衣着せられることになる。」 加奈子「……うぅ……」 京介「頼む、正直に言ってくれ。これは…加奈子のだよな?」 加奈子「……わ……わりぃかょ………」グスッ 京介「なんだって?」 加奈子「う……ぃゃ……ごめん……なさい……」 京介「………お前、俺に嘘ついたよな?」 加奈子「………」コクッ 京介「俺にずっと隠してたんだ?」 加奈子「………嫌われる…………って……思ったから………」 京介「加奈子、俺はな、タバコなんかどうでもいい。俺に隠して、嘘をついたと言うことが許せないんだ…」 287 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 23 03 40.66 ID RIIdBZQSO [19/24] 加奈子「昨日…京介がタバコの話した後…加奈子………決めたんだょ……禁………煙…するっ……て……」 加奈子「だけど………やめられなくって…………」 京介「言い訳すんな!!!!!!!」バンッ! 加奈子「うっ………ご……ごめん……なさい!…」 京介「うるさい!!!」パンッ 加奈子「ぃたぃ………」ウルッ 京介「嘘を!!」パンッ! 加奈子「ひっ…!!」 京介「ついた!!!」パンッ 加奈子「あぁぅ…!」 京介「罰だ!!!」ビシィ! 加奈子「うぅ……京……介…ぇ…許し……てぇ…怖いよぉ……」ガタガタ 京介「許さん!」ゴツンッ 加奈子「痛っ…!げんこつはやめて………」 288 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 23 11 17.11 ID RIIdBZQSO [20/24] 加奈子「加奈子…もう嘘……つかなぃ……し……タバコも…やめる…から」ウルウル 京介「信用できるか!」ベチッ 加奈子「うわぁん…!いたぃょぉ…!京介…許してぇ………」 京介「……………………………………」 加奈子「………?……うぅ………もう…叩かないの…?」 京介「………痛かったか…?」 加奈子「大丈夫………もっと叩いて……じゃないと……加奈子……わかんねぇから………」 京介「いや………もういい………」 加奈子「京介!加奈子は京介にホラこいたんだぞ…!?………もっと叩いて……いいょ………」 京介「………うわああああああああ!」バシッ 加奈子「あぁぅっ……!」 京介「…………加奈子っ…!」ギュッ 289 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 23 25 24.22 ID RIIdBZQSO [21/24] 加奈子「京介ぇ……ぃたぃ……」 京介「ごめん………!ごめん………!」 加奈子「京介ぇ……もう嘘つかなぃ…タバコも吸わない………」 京介「うん……絶対だぞ……」チュッ 加奈子「約束…する…」 京介「ごめんな…嘘ぐらい…誰でもつくよな…」 京介「俺だって…コスプレ大会に出させた理由とか…桐乃のこと…隠してたわけだし…」 加奈子「それは桐乃のためだろ?タバコは誰のためでもねぇもん……」 京介「加奈子……俺も協力する………禁煙…頑張ろうな?」 加奈子「サンキュ…京介、大好きだぞ…」チュッ 京介「加奈子っ…!」ガバッ 加奈子「ぁぅ……!………あっ…そこ……ぁん…!」 …玄関ガチャッ… 桐乃「ただいまー!」 ……………… 京介「………………っ!」 加奈子「………ははっ!…露骨に悔しがるなょー!」 京介「あー!!!!!!!!!!!憎い!!!タバコが憎い!!!桐乃が憎い!!!!!!!」グシャッ 加奈子「あ、タバコ握りつぶした」 ………ガチャッ…… 桐乃「ちょっと!!!!!!誰が憎いって!!!!????」 京介「うるせー!!!!」 291 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 23 35 36.47 ID RIIdBZQSO [22/24] ………その夜……… 京介「まぁ………一件落着ってか……?」 京介「(今回の件はひとまず解決だな…)」 加奈子はただタバコが吸いたいから隠したわけじゃない そう…俺に嫌われたくなかったんだ… そう思うとなんだか可愛く思えてきた とはいう俺はタバコなんてものは一生吸わねー なんせ俺の童貞脱出のチャンスを遅らせたんだからな! そんなもんに掛ける金なんてあるか!チクショウ! 京介「それより…」 京介「(やっぱあやせにお礼を言うべきか?)」 京介「(あやせが報告してくれなきゃ加奈子は間違った道を歩いたまんまだったんだしな…)」 京介「よし!一言言っておくか!」 ……プルッ…… あやせ「はい。あやせです。」 京介「(相変わらず出るの早いな…」 京介「もしもし、俺だ」 293 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 23 48 17.83 ID RIIdBZQSO [23/24] あやせ「加奈子に言ってくれましたか?」 京介「あぁ。あやせの言う通りだったよ。けどもう大丈夫だ」 あやせ「そうですか」 京介「ありがとな?心配してくれて」 あやせ「いいえ。加奈子は親友ですから」 京介「これからもよろしく頼むな?加奈子のこと」 あやせ「はい。任せてください!」 京介「はは。頼もしーな」 あやせ「お兄さん」 京介「ん?何?」 あやせ「………いいえ!何でもないです!あっ!そろそろ寝ますね!では!」 京介「ちょっ…!まっ…」プツッ……プープー…… 京介「何だ??あやせのやつ…変なの」 297 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/17(月) 23 56 41.56 ID RIIdBZQSO [24/24] ………あやせの家……… 〈親友?誰が?加奈子が? そんなわけないじゃないですか…お兄さん 加奈子は私からお兄さんを奪った泥棒ですよ? 憎んでます。加奈子も。そして…そんな加奈子に愛を注ぐお兄さんも 今やその二人を認める桐乃さえ憎いです… 笑っちゃいますよね…桐乃が憎いなんて 加奈子は親友さえ奪ったんですよ 加奈子ごときに 加奈子…消えてよ いや…消すのは私の役目だよね… あやせ「加奈子…その幸せは明日までだからね。今はお兄さんを貸しておいてあげる」 あやせ「あはははははははははははっ!!!!!!!!!!!」 299 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 00 12 36.48 ID 30YeFLqSO [1/7] …………… 京介「……zz……」 ………プルルルルルル… 京介「………ん………」 京介「誰だぁ……?」 京介「…もしもし…」 加奈子「まだ寝てたのかょー?」 京介「ん…加奈子…?どうした…?」 加奈子「今日からモーニングコールしてゃるょ」 京介「モーニングコール?なんのために?」 加奈子「京介を起こすためだょ…それに京介の声聞いたら1日頑張れるし…め…迷惑だったか?」 京介「いや!んなことはねーよ。嬉しいよ」 加奈子「だろー♪やっぱ加奈子ってば気効くよなぁ!こんな彼女持って幸せだろ~」 京介「あぁ、幸せだ」 加奈子「///」 京介「ん?」 加奈子「だ……大好きって………言ってくれよ?///」 京介「大好きだぞ。加奈子」 加奈子「ちょっ…!朝から何言ってんだょ////」 京介「お前が言えって言ったんだろ」 加奈子「加奈子と……チューしたいか…?」 京介「あぁ、したい」 加奈子「しょうがねぇなぁ!今日も行ってやるよ!」 京介「あぁ、頼む」 加奈子「え………エッチ……したいk」 京介「したい」 加奈子「即答すんなぁ///」 京介「よし。今日急いで来い。早く来いよ」 加奈子「わぁったよ///じゃあ後でな/」 京介「あぁ。後で」 …プツッ 京介「(あぁ…加奈子たん…愛してるぜ…)」 ……………… 301 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 00 20 19.54 ID 30YeFLqSO [2/7] ……学校……放課後…… キーンコンカーンコーン 桐乃「加奈子、今日もウチ来るの?」 加奈子「あぁ、邪魔するわー」 あやせ「………………」 桐乃「今日事務所に呼ばれててさ、ちょっと遅くなるからって兄貴に言っといてね」 加奈子「ん、了解~」 あやせ「…………」 桐乃「じゃあね。あやせ」 あやせ「あ、うん!バイバイ!」 加奈子「加奈子もションベンして帰るわー。じゃあな、あやせ」 あやせ「うん!バイバイ」 あやせ「また後で…フフッ」 302 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 00 24 30.65 ID 30YeFLqSO [3/7] …………帰り道……… 加奈子「~♪」 加奈子「(あぁ~だり~なぁ~早く京介に会いたいぜぇ)」 加奈子「(京介もそんなに加奈子とヤりてーんだな♪加奈子ってそんな魅力あんだな♪)」 あやせ「(あ、いた♪)」 303 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 00 37 18.40 ID 30YeFLqSO [4/7] あやせ「そろそろ…いいかな」 …………… ……… …… 加奈子「~♪」 あやせ「……」 加奈子「~♪」 あやせ「加奈子」 加奈子「…!?あやせ!?」 あやせ「…………」ガンッ 加奈子「痛っ……!(殴られた…?………)」 あやせ「…………」 加奈子「てっ…てめっ……!」 あやせ「これ、飲んで」ガバッ 加奈子「うはっ…なんだ…!?」 あやせ「早く飲みなさい」ググッ 加奈子「うぅっ…………!」ゴクッ 加奈子「けほっ…!けほっ…!いってぇなぁ!!!!何…飲ましたんだよ!」 あやせ「…………」 加奈子「おいこら答えろ!!!(………痛っ…後頭部……殴られたところがズキズキする………)」 加奈子「何…飲ましたって……んだよ……(力が…入らねぇ…………というか………なんか………眠く…)」 あやせ「あんなに睡眠薬飲んだんだもん。早く黙って寝てよ」 加奈子「んだ…………と…………(京………介…………助け………て……)」バタッ あやせ「…………」 304 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 00 43 27.00 ID 30YeFLqSO [5/7] ………………………………… ………………………………………… …………………………………… 加奈子「………ん……………」 あやせ「あ、目覚めた?」 加奈子「あやせ…!てめぇ…!痛っ…」ズキッ あやせ「あんま無理しないほうがいいんじゃない?ちょっと強く殴り過ぎたかな…クスッ」 あやせ「てか…まず動けないし…」 加奈子「(………手錠…?足も……縛られてやがる………)離せぇ!加奈子が何したってんだよぉー!」 あやせ「自覚ないんだ?残念」 加奈子「京介を奪ったってか!?ざけんじゃねーょ!京介はなぁ!物じゃねーんだょ!!!!」 317 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 20 04 09.68 ID TkSkBS3SO [3/24] あやせ「加奈子のくせに偉そうなこと言わないで。お兄さんは私のもの」 加奈子「いい加減にしろよ!!うぜぇんだよテメーはよぉ!!!」 あやせ「…………。まぁいいや、威勢張ってられるのも今のうちだからね」 加奈子「あ?どういうことだよ?」 あやせ「…これ見て。」 スッ 加奈子「………!!………てめぇ……いつ撮りやがった………」 あやせ「加奈子が寝てる間にね。…フフッ。まだ身体は綺麗なんだ?…」 あやせ「京介さんもまだ手出してないなんて…あ…やっぱ加奈子なんかには欲情しないのか♪」 加奈子「………その写真………どうするつもりだ…?」 あやせ「決まってるじゃない♪」 318 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 20 12 33.91 ID TkSkBS3SO [4/24] 加奈子「てめぇ……やめろ!!!」 あやせ「なんで?なんでやめなきゃいけないの?」 加奈子「……ひでぇ………………」 あやせ「そんなこと言わないで♪………まぁ…加奈子次第ではばら撒かないでおいてあげてもいいかな?」 加奈子「………どぅすりゃいいんだよ……」 あやせ「決まってるじゃない♪お兄さんと別れて」 加奈子「……ふざけんな!!!!」 あやせ「そう。じゃあばら撒く。」 加奈子「……………」 あやせ「お兄さん悲しむだろうなぁ。」 加奈子「…!」ピクッ あやせ「大切な彼女の身体、他の男に見られるなんて」 加奈子「………」 あやせ「それと、ばら撒いた後は私の知ってる事全部暴露しちゃおっかな」 320 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 20 24 06.29 ID TkSkBS3SO [5/24] 加奈子「てめぇの知ってる事ってなんだよ?」 あやせ「桐乃の趣味のこと」 加奈子「…ふざけんな!桐乃は関係ねぇだろ!!」 あやせ「関係あるよ?私が傷ついてるのに…加奈子とお兄さんの仲認めた」 加奈子「桐乃まで利用するのかよ…………」 あやせ「気にいらない……私を第一に考えてくれない桐乃なんていらない……私のお兄さんを奪った加奈子なんていらない……!みんなみんな!!!いらない!!!みんな私の言うこと聞いていればいいの!!!!!!」 あやせ「それでも別れないならお兄さん傷つけちゃおっかな…お兄さんを説得すればいいんだもんね」 加奈子「やめろ!!京介には手ぇ出すな!!!」 あやせ「別れる?」 加奈子「…………」 あやせ「別れる?」 加奈子「くっそおおおお!!!!!!!!!」 321 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 20 33 03.29 ID TkSkBS3SO [6/24] あやせ「考えてる時間なんてないんじゃない?……………ほら」 ズラッ… 加奈子「……!誰だよ?こいつら……?」 あやせ「…フフッ…男ってチョロいんだね♪タダで女の子とヤらせてあげるって言ったらこんなに集まっちゃった♪」 加奈子「ふざ……けんな………」ゾクッ あやせ「あと1分だけ時間あげる。それでも答えが出ないならあんたの服を破ってこいつらに犯させるから」 あやせ「私って優しいよね。今すぐにでも加奈子の身体を汚してもいいぐらいなのに、時間をあげるんだよ?」 加奈子「………(どぅすりゃいいんだよ………京介…………助けて…………)」 あやせ「ほら、こうしてるうちに30秒経過」 加奈子「…………(別れたくねぇ……けど京介以外の男に抱かれるなんで冗談じゃねぇ………どぅすりゃいいんだよ………)」 322 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 20 38 32.23 ID TkSkBS3SO [7/24] あやせ「あと10秒」 加奈子「…………(京介……)」 あやせ「5」 加奈子「…………」 あやせ「4」 加奈子「………」 あやせ「3」 加奈子「……」 あやせ「2」 加奈子「…」 あやせ「いt」 加奈子「別れ……るよ………」 あやせ「…!…本当…?」 加奈子「………あぁ………」 あやせ「やった………!…あは…………あははははははははははははははははははははははっ!!!!!!!!!!!!!!!」 加奈子「京介…………………ごめん………」ウルッ あやせ「泣かないで?…大丈夫♪お兄さんは私が幸せにしてあげるから♪」 323 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 20 43 26.56 ID TkSkBS3SO [8/24] 加奈子「ぜっ………てぇ………許さねぇ………」 あやせ「そうと決まれば早く別れを言いに行こう?ほら、ほどいてあげるから………………あ、下手なことしたら…どうなるかわかるよね…?」 加奈子「…………」 カチャッ あやせ「…これで加奈子は自由の身、加奈子はそこらへんの男に抱かれるほうが合ってるよ?」 加奈子「…」 あやせ「じゃあ早速お兄さんを呼び出そうか♪」 325 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 20 50 25.66 ID TkSkBS3SO [9/24] ……………………… ………プルルルルルル… 京介「ん…?」 …プルルッ 京介「加奈子?どうした?」 加奈子「………………」 京介「加奈子?おーい」 加奈子「京介………」 京介「どうした~?早く来いよ?」 加奈子「話が……あるんだ……」 京介「うん?じゃあ早くおいでよ。聞くからさ」 加奈子「違うんだ………大事な話………公園に来てくんねぇかな………」 京介「家ではできない話なのか?」 加奈子「あぁ………できない…」 京介「んー…わかった。今から行く」 加奈子「…あぁ…待ってる……」 …プツッ…… あやせ「……よくできました♪じゃあちゃんと言うんだよ?私、向こうで見てるから………下手な事したら………ねっ?」 加奈子「………(来ないでくれぇ………京介…)」 326 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 03 14.58 ID TkSkBS3SO [10/24] ………公園……… 京介「……加奈子っ!」 加奈子「…!」 京介「一体どうしたんだよ?話って?」 加奈子「京介…………」 京介「どうした?」 加奈子「京介………別れて………くんねぇかな?」 京介「………え………?」 加奈子「別れて…くれ…」 京介「どうしたんだよ!?別れるなんて嘘だろ!?」 加奈子「………たんだょ………」 京介「え?」 加奈子「飽きたんだよ!!!!」 大好きだよ… 加奈子「すぐ暴力振るうしよ!!!」 愛してるよ… 加奈子「すぐヤりたがるしきめぇんだよ!!!」 嬉しかった… 京介「………加奈子……」 加奈子「もううんざりなんだよ!………………じゃあな………」 京介「待て!」 加奈子「……なんだよ…(止めないでくれよ……)」 京介「何か…あったのか…?」 加奈子「なんにも……………ねぇよ?……」ウルッ 328 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 07 23.97 ID TkSkBS3SO [11/24] 京介「なんでだよ………?遊びだったのかよ…?」 加奈子「………(京介…)」 加奈子「遊びだったんだよ!!!!てめぇなんかに本気になんかなんねえよ!!!!うぬぼれんな!!!!!!」ダッ 京介「加奈子っ…!」 加奈子「来んな!!!!!きめぇんだよ!!!」ダッ 京介「…………なんで…だよ……」ガクッ あやせ「(…フフッ…)」 329 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 11 30.41 ID TkSkBS3SO [12/24] …………………… タッタッタッタ…… 加奈子「(京介ぇ………ごめん………!)」 タッタッタ… ……… 加奈子「京介……」ウルッ 加奈子「うわぁーん…!!!京介ぇー!!!!!!離れたくないよ……!やだよ………」 330 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 17 28.42 ID TkSkBS3SO [13/24] ………………… あやせ「(そろそろ…行こっか…)」 ………………… 京介「加奈子………」 京介「まぁ…当然だよな………」 京介「俺みたいな男…本気になるわけないよな………」 京介「(やべっ…涙出てきた…情けねぇ……)」 京介「俺…かなり好きだったんだな……」 京介「チクショウ…………!情けねーな…俺………本当……情けねぇよ………」 あやせ「あれ?………お兄さん…?」 京介「………あやせ………」 あやせ「えっ?どうしたんですか!?泣いてるんですか!?」 331 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 23 59.80 ID TkSkBS3SO [14/24] 京介「ん……泣いてなんかないよ…」 あやせ「嘘!泣いてるじゃないですか…何か…あったんですか…?」 京介「いや…ちょっとな…!気にするな!」 あやせ「気にします!話して下さい!」 京介「………悪い…帰るわ……」 あやせ「送りましょうか?」 京介「すまん…一人にしてくれ…」 あやせ「………そうですか………」 京介「悪いな…じゃあ…」 あやせ「はい…」 あやせ「………チッ」 332 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 28 43.11 ID TkSkBS3SO [15/24] …………………… 京介「……………ごちそうさま」 母「あら?もういいの?」 京介「あぁ…悪い」 母「そう?お腹空いても知らないわよ?」 京介「あぁ…」 …ガチャ 母「元気ないわねぇ…?加奈子ちゃんとなんかあったのかしら?」 桐乃「?」 333 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 37 05.85 ID TkSkBS3SO [16/24] ……………… コンコン…… 桐乃「入るよ?」 …ガチャ 京介「………」 桐乃「暗っ…!…電気もつけないで何やってんの?」 京介「……………」 桐乃「シカト?おい!!」 京介「………悪い…出てってくれ」 桐乃「…っ…!……人がせっかく心配してあげてんのに何その態度!うざっ!」 京介「……………」 桐乃「…………なんか…あったの?……話だけなら聞いてあげてもいいケド?」 京介「………いい…出てってくれ」 桐乃「………言え!!!気味悪いから言え!しんきくさいんだよ…!」 京介「……………」 桐乃「……聞かせてよ……」 334 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 44 54.24 ID TkSkBS3SO [17/24] 京介「……………」 桐乃「………兄貴…」 京介「……れた……」 桐乃「……え?」 京介「……別れた……」 桐乃「え!?別れたって…加奈子と!?」 京介「………あぁ」 桐乃「なんで!?今日遊んだんでしょ!?ウチ来るって加奈子言ってたよ!?」 京介「フラれたんだよ…飽きたんだとさ」 桐乃「そんな………なんかの間違いでしょ…?」 京介「……うぅ……加奈子…」 桐乃「…兄貴…」 335 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 52 43.52 ID TkSkBS3SO [18/24] ………朝……… チュンチュン…… 京介「…………ん…」 京介「やべ、朝…(そうだ、加奈子がモーニングコールするって言ってたんだ!………………) 京介「そっか…別れたんだ………」 …ガチャ 桐乃「おはよう、兄貴」 京介「…………」 桐乃「……よく眠れた…?」 京介「いや…」 桐乃「…そっか…今日学校休んだら?お母さんには風邪引いたみたいって言っておくからさ」 京介「悪いな…」 桐乃「うん…」 336 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21 56 04.56 ID TkSkBS3SO [19/24] ………………………… 学校 桐乃「…………」 ガラッ… あやせ「おはよう桐乃!」 桐乃「おはよう。」 ガラッ… 加奈子「………………」 桐乃「…………」スッ 加奈子「………ぁ…」 桐乃「ちょっといい?ついてきて」 加奈子「………うん………」 あやせ「………………フフッ」 337 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 22 08 49.24 ID TkSkBS3SO [20/24] ………………… 桐乃「………………」 加奈子「………………」 桐乃「別れたってマジ?」 加奈子「………!」 桐乃「兄貴から聞いた。飽きたんだって?」 加奈子「………そう……だよ……」 桐乃「ざけんな!!!」グッ 加奈子「…………わりぃかよ………」 桐乃「あんた人の兄貴なんだと思ってんの!?いくら加奈子でも兄貴傷つけたら許さないから!!」 加奈子「…………」 桐乃「何とか言いなさいよ!!」 タタッ あやせ「桐乃!やめて!」 桐乃「…あやせ?」 あやせ「ごめん…盗み聞きするつもりなかったんだけど…二人が心配で……」 加奈子「………テメッ…!」 あやせ「いくらなんでも飽きたとかは酷いと思うな……」 桐乃「兄貴…泣いてた…簡単に泣くやつじゃないのに…」 あやせ「桐乃は…よりを戻してほしいの?」 桐乃「冗談じゃない!加奈子、もう二度と兄貴に近づかないで!!!」 加奈子「………わかってるよ……」 桐乃「……認めようとした私がバカだった!!!」ダッ ………………… あやせ「………よく本当の事言わなかったね?フフッ」 加奈子「………これで満足かよ…?」 あやせ「満足♪………いや、まだ、お兄さんの彼女になるまでは………」 338 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 22 27 34.02 ID TkSkBS3SO [21/24] …………………… 京介「………………」 …ガチャ… 桐乃「ただいまー」 …コンコン 桐乃「兄貴ー」 …ガチャ 京介「……おかえり」 桐乃「うん。今日さ…加奈子と話したよ」 京介「………!」 桐乃「言ってやった。もう兄貴に二度と近づくなって」 京介「………なっ…」 桐乃「だって当然でしょ!?………まだ好きなの…?」 京介「………………」 桐乃「未練がましい!!あいつは兄貴を弄んだの!いい加減目覚ましなさいよ!!!!!」 京介「………うぅっ…」 桐乃「…!…ごめん…」 339 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 22 46 19.52 ID TkSkBS3SO [22/24] ………………………… …プルルルルルル… 京介「あやせ…?」 …プルルルルルル 京介「もしもし…」 あやせ「お兄さん?今いいですか?」 京介「あぁ………」 あやせ「聞きました…別れたって……」 京介「………」 あやせ「あの……」 あやせ「あ…あんまり落ち込まないでください!!!」 京介「…ありがとう…」 あやせ「私に出来る事があれば…何でもしますから…」 京介「……うん…」 あやせ「よかったら…明日…会いませんか?」 京介「…ごめん…今は誰とも会いたk」 あやせ「会いに行きます!………ずるいです…私にも優しくさせてください…」 京介「うん…わかった…それじゃあ……」 あやせ「はい♪では♪」 …プツッ ……………………………… あやせ「お兄さん…悲しみは今日までですよ…フフッ…」 344 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00 06 21.07 ID j3X4gXvSO [1/9] ………次の日………… …ピンポーン 京介「おう」 …ガチャ あやせ「お兄さん!こんにちは!」 京介「うん。まぁ入れよ。」 あやせ「はい!おじゃまします!」 ……京介の部屋… 京介「…………」 あやせ「お兄さん、今日も学校休んだんですか?」 京介「あぁ…明日からは行こうと思ってる」 あやせ「無理しないで下さいね?」 京介「あぁ…」 あやせ「あの…私…お兄さんの力になりたいです…」 あやせ「加奈子に何か伝えたいことがあれば…私伝えましょうか…?」 京介「……………」 あやせ「あ……………迷惑ですよね……ごめんなさい…」 京介「もう一度…」 あやせ「はい?」 京介「もう一度話がしたいと伝えてくれ」 あやせ「…………わかりました!」 京介「ありがとう…」 345 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00 15 03.68 ID j3X4gXvSO [2/9] あやせ「お兄さんは…まだ加奈子が好きですか?」 京介「あぁ…好きだ」 あやせ「実は…………」 京介「?」 あやせ「今…加奈子、凄い遊んでるんですよ…」 京介「…!」 あやせ「あっ…すいません…!加奈子の話はやめましょう!」 京介「本当の話か…?」 あやせ「友達から聞いた話なんですけど……昨日大人の方とラブホテルに入っていくのを見たって…」 京介「(マジ…かよ…)」 あやせ「もしかしたら…もう…」 京介「言うな!!!!」 あやせ「…!」 京介「ごめん…今日は、帰ってくれないか?」 あやせ「不快にさせたならすいません……失礼します…」 あやせ「(こんな簡単な嘘を見抜けないなんて…バカなお兄さんです)」 346 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00 27 44.32 ID j3X4gXvSO [3/9] ………夜………… …プルルルルルル… 加奈子「……あやせか…」 あやせ「何?その嫌そうな声」 加奈子「…………」 あやせ「お兄さんから伝言」 加奈子「…!」 あやせ「さようなら。とのこと」 加奈子「………嘘つくなよ…」 あやせ「嘘じゃないよ?今日お兄さんの家に行ったんだ」 加奈子「てめぇ…京介に何した?」 あやせ「何も。案外元気だったよ。前みたいにセクハラしてくるし」 加奈子「京介はそんなことしねぇよ」 あやせ「現実受け入れないとダメだよ。」 加奈子「…マジかよ…だって泣いてたって桐乃言ってたぞ?」 あやせ「それは昨日の話でしょ?寝たら吹っ切れたんじゃない?」 加奈子「加奈子は騙されないぞ。てめぇの言葉なんか信じねぇ」 あやせ「別に信じてとは言ってないけど?まぁそういうことだから。じゃ」 …………プツッ 加奈子「嘘…だよな…」 347 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00 34 48.29 ID j3X4gXvSO [4/9] ………………… 桐乃「~~~~~でさぁ…今かなり落ちてるのよ。しんきくさいったらありゃしない。」 黒猫「でも心配なんでしょ?」 桐乃「…………ばっ!バカじゃないの!?あたしはねえ!あんな暗い顔して一緒にご飯食べたらご飯がマズくなるから………」 黒猫「はいはいわかったわよ。まったく、わかりやすい女ね。」 桐乃「あんた!絶対わかってないでしょ!」 黒猫「……それにしても…ひっかかるわね」 桐乃「は?何が?」 黒猫「そんな急に飽きるものかしら?」 桐乃「どーゆーこと?」 348 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00 46 58.94 ID j3X4gXvSO [5/9] 黒猫「前日まで普通だったのでしょう?なのに突然飽きたなんておかしいと思わない?」 桐乃「言われてみれば…」 黒猫「全く…少しは考えなさい?」 桐乃「うっさい!…でも…」 黒猫「でも?」 桐乃「………………」 黒猫「例えどんな理由であれお兄ちゃんが別れてくれてハッピー。これでお兄ちゃんを独占できるハァハァ…なんて思ってないでしょうね?」 桐乃「んなっ…!!!!!…んなこと思ってるわけないっしょ!!きっしょ!キッモ!!!」 黒猫「ならいいけど。」 桐乃「あんた頭おかしいんじゃないの!?」 黒猫「とにかく今はあなたが大好きなお兄ちゃんのそばにいてあげなさい。私は少し探りを入れてみるから」 桐乃「………ま、そこまで言うならしょうがない…協力させてあげる」 黒猫「素直じゃないわね」 桐乃「あんたに言われたくない!!!」 359 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 23 46 40.29 ID j3X4gXvSO [8/9] 黒猫「とにかく今はお兄ちゃんの傍にいてあげたら?」 桐乃「お兄ちゃん言うな!」 黒猫「はいはい。」 桐乃「ムカつく!とにかくバイバイ!」 …プツッ 桐乃「傍にいろ…か…」 361 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 23 51 44.19 ID j3X4gXvSO [9/9] ………………… …コンコン 桐乃「入るよー」 …ガチャ 桐乃「まだ落ち込んでんの?」 京介「…だいぶ落ち着いた…」 桐乃「まだ暗いじゃない。…ったく…女にフラれたくらいで何?」 京介「……………」 桐乃「…………なんか言い返したら?」 桐乃「よく考えたらさー、悪い女に引っ掛かってフラれたとか自業自得じゃない?」 京介「………………」 362 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 01 45.62 ID nKgH1e4SO [1/28] 桐乃「男がウジウジすんな!みっともない!」 京介「…お前さ」 桐乃「…何よ…」 京介「俺の不幸が楽しいのか?」 桐乃「え…?」 京介「なんでそんなこと言うんだよ。」 京介「今、俺に掛ける言葉がそれなの?」 桐乃「いや…そういうつもりじゃ」 京介「うるせえ!」バンッ 桐乃「!」ビクッ 364 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 08 47.98 ID nKgH1e4SO [2/28] 京介「うるせえうるせえうるせえ!」 京介「お前…いつも生意気なんだよ」 京介「俺を何だと思ってんの?」 京介「奴隷?道具?おもちゃ?」 桐乃「兄貴…?どうしたの…?」 京介「腹立つ」 桐乃「え?」 京介「よく考えてみればお前が全部悪い」 桐乃「何が…?」 京介「加奈子はお前の友達だよな?ならお前がいなきゃ俺らは知り合わなかったわけだ」 桐乃「あんたらが勝手に知り合ったんでしょ…?」 京介「いいや、お前が家に連れて来なければ知り合わなかった」 366 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 19 17.77 ID nKgH1e4SO [3/28] 桐乃「だから友達居るときは部屋に入ってろって言ったじゃん!?」 京介「なんで自分ちで行動を制限されなきゃなんないんだよ」 桐乃「…っ…!」 京介「反対だったらどうだ?お前は素直に部屋に居るか?」 桐乃「なんであたしがあんたに行動を制限されなきゃなんないの!?」 京介「ほらな。」 桐乃「…っ!」 桐乃「アホらし…!心配なして損した!このバカ兄貴!」蹴りっ! 京介「いてっ!…何すんだよ!」パンッ 桐乃「…~~~~~!うるさいうるさい!」パンッ 京介「いって!うるせえのはお前だ!!」ドゴッ 367 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 24 06.37 ID nKgH1e4SO [4/28] 桐乃「…ぐっ………妹殴るとか………考えられない…」バタッ 京介「兄貴蹴るとか考えられねぇ」ドゴッ 桐乃「痛っ………あんた…何考えてんの…………?」 京介「…黙れ」パンッ 桐乃「…ちょっ…やめて…」 京介「止めない」バシッ 桐乃「痛い…!」 369 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 31 06.78 ID nKgH1e4SO [5/28] 京介「お前が悪い!お前が悪い!」バシッバシッ 桐乃「あ………あに……き……やめて…」ウルッ 京介「うるせえ!!!!」 桐乃「うぅ……なんであたしが……………」 京介「もっと殴られたいか?黙れってんだよ!」バシッ 桐乃「ひぃっ…!ど………どうすれば……いい?…」 京介「謝れ」 桐乃「なんであたしが………!!」 京介「ぶん殴る」 桐乃「…!やめて……!もう殴らないで…!」 京介「謝るか?」 桐乃「謝るから…!」 京介「なら早く謝れ!」バンッ 370 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 38 01.80 ID nKgH1e4SO [6/28] 桐乃「………ん……なさい………」 京介「聞こえねーよ!」ドゴッ 桐乃「うぅ…!お腹は……やめて……!」クスンッ 京介「お腹を殴れって?」 桐乃「違う…!謝るから………!」 京介「早くしろよトロくせーな」 桐乃「加奈子と……友達で………加奈子を家に………連れて来て……ごめん………なさい………」 京介「許さない。」 桐乃「え……?」 京介「腹立つ………!」ドゴッ 桐乃「…………なん……で………」 371 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 45 09.29 ID nKgH1e4SO [7/28] 桐乃「あに………き……だいじょうぶ……だから……」 京介「…………」ピタッ 桐乃「あに……き……ごめん……生意気な……妹で…」 京介「…………なんでだよ…」 桐乃「なんでって……」 京介「なんで殴られてんのに嫌わないんだよ…!」 桐乃「兄貴…」 京介「加奈子も桐乃もみんなそうだ…なんで殴られても俺の心配するんだよ…………」 桐乃「兄貴…大丈夫…?」 京介「桐乃………ごめん………」 桐乃「落ち着いた…?」 京介「お腹…痛かったか…?」 桐乃「うん…」 372 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 00 53 02.42 ID nKgH1e4SO [8/28] 京介「ダメだ…俺…なんも変わってない…」 京介「カッとなったら手出る癖…止めるって誓ったのに…!」 桐乃「兄貴…」 京介「桐乃、こんなダメな兄貴でごめん…」 桐乃「…大丈夫。あたしもダメな妹だから」 京介「ダメ同士だな。」 桐乃「兄妹だからね」クスッ 京介「なんか…スッキリした…」 桐乃「そっか」 京介「もう絶対殴らないからな?」ナデナデ 桐乃「うっ…///…わかった…覚えとく。次殴ったら許さないから…」 京介「あぁ…」 373 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 01 05 05.79 ID nKgH1e4SO [9/28] …………… 京介「(妹まで殴るなんて…俺やっぱ最低だな…)」 京介「(なんで…殴りたくなんだろ…)」 ………プルルルルル 京介「ん?…黒猫?」 京介「もしもし?」 黒猫「元気だったかしら?」 京介「まぁな…色々あったけどな…」 黒猫「あなたの妹から聞いたわ。別に心配になったわけじゃないけどね。」 京介「あぁ…悪いな。ありがとう」 黒猫「聞こえなかった?別に心配になったわけじゃないって言ったのよ。」 京介「はは。わかったわかった」 黒猫「………思ったより元気そうね?」 京介「あぁ、まぁな」 黒猫「そう。あなたの元彼女の電話番号を教えなさい?」 京介「え?」 黒猫「どうしても気になることがあるのよ。」 374 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 01 08 55.98 ID nKgH1e4SO [10/28] 京介「気になることって?」 黒猫「とにかく教えなさい。あなたには後で説明するから。」 京介「わかった…じゃあメールで送る」 黒猫「よろしく」 …プツッ 375 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 01 19 10.47 ID nKgH1e4SO [11/28] ……………… 加奈子「(京介…何してっかなぁ…)」 ……プルルルルル… 加奈子「…?」 加奈子「誰だよ?」 黒猫「黒猫よ。」 加奈子「はぁ?猫?イタ電かよぉ?今そんなのに付き合う気分じゃねーんだよ」 黒猫「高坂京介の知り合いの者だけど」 加奈子「…え…京介の?」 黒猫「知り合いと言うか……………まぁ……」 加奈子「お前、京介の何だよ?」 黒猫「そんなことは今のあなたには関係ないじゃない?」 加奈子「……………」 黒猫「あなた…どうしてあの人と別れたのかしら?」 376 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 01 29 59.67 ID nKgH1e4SO [12/28] 加奈子「…関係…ないだろ…」 黒猫「もうあの人は好きじゃない?」 加奈子「…好きじゃねーよ…」 黒猫「そう。それを聞いて安心したわ。」 加奈子「どーいう意味だよ?」 黒猫「私、あの人に告白しようと思っているの」 加奈子「え……?」 黒猫「私だけじゃないわ…あの人を好きな人はたくさんいるわ。みんな別れたって聞いて歓喜しているでしょうね。」 加奈子「…………」 黒猫「このままじゃ誰かに取られてしまうわよ?それでもいいの?」 加奈子「……………」 黒猫「何があったか話してくれないかしら?」 加奈子「……されてるんだよ…」 黒猫「…なんて?」 加奈子「脅されてるんだよ…」 377 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 01 37 55.08 ID nKgH1e4SO [13/28] 黒猫「あなたとは一度会って話したほうがいいみたいね」 加奈子「……………」 黒猫「明日でよかったら空けとくけど?」 加奈子「…わかった………あ…京介は元気にしてっか?」 黒猫「えぇ。元気よ」 加奈子「そぅか//安心した…」 黒猫「あなた…やっぱり…」 加奈子「大好きだょ…わりぃかよ……」 黒猫「そう。」 加奈子「ぉめぇも好きなんだろ?」 黒猫「…………あいにく私の趣味ではないわ。あなたから本音を聞き出すための嘘よ」 加奈子「…そぅだったのか。よかった…///」 黒猫「とにかく明日、場所は………………公園でいいわね」 加奈子「おぅ。わぁったよ」 黒猫「それじゃあ…」 …プツッ 391 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 21 39 35.26 ID nKgH1e4SO [16/28] ………次の日……… 公園 加奈子「(待ち合わせはいいけど…顔わかんねぇんだった……)」 黒猫「…………」トコトコ 加奈子「…ん?………………プッ!(誰だあいつ!?コスプレかよっ!あんな格好して街歩くとか頭大丈夫かよ!!!)」 黒猫「………」チラッ 加奈子「(やべっ…目合った…関わんねぇほうがいいな)」 黒猫「…………」トコトコ 加奈子「(え!?こっち来た!?やべぇ、見てんのバレたか?…)」 黒猫「…………」 加奈子「んだょ?加奈子に文句あんのかよぉ?」 黒猫「あなたがあの人の元彼女さんね。昨日話した黒猫よ。」 加奈子「お前かー!!!!!!!!」 392 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 21 46 34.14 ID nKgH1e4SO [17/28] 黒猫「ハンドルネーム、黒猫よ。よろしく」 加奈子「お…おぅ(ハンドルネーム…?)」 黒猫「なってないわね。名前を名乗ったらどうなの?」 加奈子「加奈子だょ。」ジロジロ 黒猫「…この格好が気になる?」 加奈子「気になるに決まってんだろぉ!んだよその格好!」 黒猫「…あなた、アニメとか見るかしら?」 加奈子「アニメ?んなの見ねーょ!ガキじゃあるめぇし」 黒猫「ガキとは失礼ね。あなただって十分………まぁいいわ。本題に入るわよ。」 加奈子「本題?…あぁ……」 393 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 21 59 54.51 ID nKgH1e4SO [18/28] 黒猫「昨日あなたは電話で脅されているって言ったわね?」 加奈子「あぁ…そぅだょ」 黒猫「誰に?」 加奈子「お前、あやせってわかるか?」 黒猫「あやせ…?知らないわね。」 加奈子「京介の妹の友達なんだけどょ」 黒猫「あの女の友達?」 加奈子「なんだ、桐乃とも知り合いなのかよ」 黒猫「あのやかましい女のことならよく知ってるわ。もしかして…あやせって黒髪の女のことかしら」 加奈子「あぁそれだ!」 黒猫「それなら一度ビックサイトで見たことあるわ」 加奈子「お前ヘンテコリンな格好しといて案外顔広いんだぁ」 黒猫「余計なお世話よ。……あの女ね…やはり私の目に間違いはなかったのね。あの女からは暗黒のオーラが溢れ出ていたわ」 加奈子「そ…そぅかよ…(暗黒のオーラ…?)」 394 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 22 13 58.01 ID nKgH1e4SO [19/28] 黒猫「脅されていること、思い切ってあの人に言ってみたらどうかしら」 加奈子「あの人って…京介にか…」 黒猫「えぇ」 加奈子「そんなことしたら………あやせが京介に何するかわかんねぇよ…加奈子はどぅなってもいいけど…京介に何かあったら…………うぅ…」 黒猫「………涙を拭きなさい…」スッ 加奈子「……なんで……なんでだょ…?なんで京介と付き合うことが許されねぇんだ…?そんなに悪いことなのかょ…?」 黒猫「私も久しぶりに怒りを感じているわ。……大丈夫よ。悪は必ず滅びるわ。私もできることがあれば協力してあげてもいいわ。」 加奈子「……サンキュ……でもなんでだょ…?なんで見ず知らずの加奈子のためにそこまでしてくれんだ…?」 黒猫「そうね…なぜかしらね」 黒猫「(あの人の悲しんでいる顔は…見たくないのよ…)」 395 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 22 24 03.84 ID nKgH1e4SO [20/28] 加奈子「とにかく…サンキューな…」 黒猫「礼などいらないわ。それより…あの人に会いたい?」 加奈子「京介に?……会いてぇよ…」 黒猫「今呼べば来ると思うけど?呼んでみる?」 加奈子「えっ!?マジか!?///………あ………」 飽きたんだよ!!!! もううんざりなんだよ! 加奈子「やっぱいぃ…会わす顔………ねぇや…」 黒猫「そう…」 あやせ「……」トコトコ あやせ「(ん?………加奈子)」サッ… あやせ「(誰…?あの黒いの…?どっかで見たよーな…)」 あやせ「(加奈子にあんな友達いたっけ?)」 397 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 22 32 34.86 ID nKgH1e4SO [21/28] あやせ「(なんか嫌な予感しちゃうな…)」 あやせ「(一応調べてみようか…)」 ……………………… 黒猫「とにかく話はわかったわ。これからも連絡を取り合いましょう」 加奈子「わかったょ…」 黒猫「じゃあまた会いましょう」スタスタ ………………………… 黒猫「…………」トコトコ あやせ「…………」トコトコ 398 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 22 44 03.64 ID nKgH1e4SO [22/28] 黒猫「…………」トコトコ あやせ「………」トコトコ 黒猫「………?(誰か…つけて来てる…?)」クルッ あやせ「…!」 黒猫「…!!!」 あやせ「…チッ」ダッ 黒猫「………(あの女…まさか…)」 あやせ「(思い出した……!そう…やっぱお兄さんの知り合いだったんだ…)」 399 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 22 56 07.14 ID nKgH1e4SO [23/28] あやせ「でもなんで…お兄さんの知り合いが加奈子と…?」 あやせ「…!!……そっかぁ………加奈子…あんまり調子に乗ったらダメだよ…」 あやせ「見せしめも…必要だよね…フフッ」 400 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 23 04 14.10 ID nKgH1e4SO [24/28] 黒猫「……(まぁ考えてもらちが明かないわね…)」 黒猫「(今度また見かけたら少し声掛けてみようかしら……?)」 あやせ「……………」 黒猫「(お腹空いたわね…早く帰りましょう…」 あやせ「(悪巧み…お疲れ様)」 グサッ… 黒猫「…!?……(…………え…?何…)」 あやせ「………(大丈夫…深くは刺してないから)」スタスタ 黒猫「くっ…!(……痛い……だ……誰か………」バタッ 401 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 23 16 20.77 ID nKgH1e4SO [25/28] ………京介の家…… 父「そういえば今日近くで通り魔があったそうだ」 桐乃「通り魔?」 父「あぁ。被害者は中学生らしい。桐乃、お前も気を付けなさい。これからは少し早く帰って来なさい」 桐乃「う…うん」 母「怖いわねぇ…送り迎えしようかしら?」 桐乃「あぁいいよいいよ。いっつもあやせとかと一緒だからさ。」 母「そう?なら京介!あんた桐乃迎えに行ってあげて!学校の帰りだけでも!」 京介「はぁ!?なんで俺!?」 母「だって通り魔よ?ついでに加奈子ちゃんも連れて来たらいいじゃない!ねっ!」 京介「加奈子…………」 桐乃「あー!!!!!いいよいいよ!!!兄貴も忙しいんだしさ!」 母「何が忙しいの?部活もやってないのに」 父「京介、桐乃を迎えに行きなさい」 京介「………わかったよ……(どーしよ…)」 402 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 23 27 28.77 ID nKgH1e4SO [26/28] ……………… コンコン… 桐乃「兄貴?」 …ガチャ 京介「何だよ」 桐乃「迎え、別にしたくなきゃいいよ?」 京介「あー、するよ。心配だしな」 桐乃「そ…そっか…//そこまで言うならいいけど…」 桐乃「でも…もしかしたら加奈子と顔合わせるかも…よ…?」 京介「それがなー…まぁ気にしてらんないさ」 桐乃「そっか……」 京介「それにしても被害者は中学生なんだろ?お前の同級生だったりしないのか?」 桐乃「わかんない。近くって言っても同じ学校かはわかんないし…」 京介「お前結構目立つから気を付けろよ?」 桐乃「そ…それって…あたしが可愛いからってこと?…///」 京介「ケバいってことだ!」 桐乃「うっさい!!!!」 バタン!! 京介「(可愛いに決まってんだろ)」 403 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 23 35 45.84 ID nKgH1e4SO [27/28] ……………… あやせ「(人って案外簡単に刺せるんだね…)」 あやせ「少し返り血ついちゃった…汚い」 あやせ「(お兄さんとの仲を邪魔する人は…誰だろうと許さない)」 あやせ「あはは!私ってホント一途だよね♪」 404 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/21(金) 23 54 35.70 ID nKgH1e4SO [28/28] ………プルルルルル…… 加奈子「公衆電話?」 … 加奈子「もしもし~?」 黒猫「…私…」 加奈子「誰だよおめぇ??」 黒猫「黒猫…」 加奈子「黒猫か。公衆電話からかけてくるなんてどうしたんだよ?」 黒猫「今病院にいるの…」 加奈子「病院!?どうしたんだよ!?」 黒猫「刺されたわ…幸い傷は浅かったけど…周りは通り魔って言っているけど…」 加奈子「通り魔って…大丈夫なのかょ?」 黒猫「実は……刺されるちょっと前に…私後をつけられていたのよ…」 黒猫「もしかしたら…あなたの言っていたあやせって女かもしれない」 加奈子「なんだって…?」 黒猫「確証はないわ。けど…」 加奈子「あやせのやつ…許せねぇ………!」 黒猫「落ち着いて。私は大丈夫だから。」 加奈子「刺されたんだぞ!?んなこと言ってられっかよ!!!」 黒猫「下手なことはしないほうがいいわ。今度はあなたが危険になるわよ」 加奈子「ざけんなぁ!あやせは許せねぇ!もう加奈子はどぅでもいぃ!刺し違えてやる!」 黒猫「あの人……京介さんに何かあってもいいの?」 加奈子「う………」 黒猫「バカなことを考えるのはやめなさい。とにかく、この事は京介さんや桐乃には通り魔に遭ったって伝えておく。いいわね?」 加奈子「すまねぇ………マジすまねぇ…」 黒猫「気にしないで。私にはこんなの痛くも痒くもないわ」 406 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 00 10 47.34 ID j3xEa3USO [1/33] ………………………… 京介「マジ…かよ…」 〈明日の迎えのことを考えていた頃公衆電話から着信があった 出るか出まいか迷ったが知り合いであろうと思い出てみたら黒猫だった どうやら今日の通り魔の中学生の被害者っての黒猫だったらしい 幸い傷も浅く数日で退院できるらしい そのことを桐乃に伝えたら最初は青ざめた顔をしていたが無事を伝えると俺から電話を奪い取り「心配させんな!!」と叫んでいた。 〈これは不思議なもんで身近な奴が被害にあったらかなりの危機感を感じる。 加奈子は…大丈夫だろうか… 京介「気にしてもしょうがない…よな… 407 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 00 27 18.51 ID j3xEa3USO [2/33] ………駅前……… 加奈子「(家で落ち着いてたらおかしくなっちまぃそうだょ…)」 加奈子「(あやせならマジでそれぐらいしてもおかしくねぇ…)」 加奈子「京介…会いてぇよ…」 ?「あれ?かなかなちゃん?」 加奈子「んぁ…?」 ?「かなかなちゃんだよね!?」 加奈子「誰だよクソガキ」 ブリジット「あの…覚えてないかな…?あのコスプレ大会で一緒に出場した…」 加奈子「あー…あのウゼーガキか」 ブリジット「そんな…酷いよ…」 加奈子「メソメソすんじゃねーよ!」 ブリジット「うぅ…ごめんなさい…」 加奈子「チッ…今てめえの相手する気分じゃねーから、じゃあな」 ブリジット「待って!」 加奈子「ぁんだょ!?」 ブリジット「うぅ…あの…もし良かったらまた一緒にコスプレやらない?」 加奈子「やんねーょぅぜぇな」 ブリジット「かなかなちゃんのメルル凄い良かったよ?事務所の人もかなかなちゃんに興味持ってるんだよね…良かったら一度お話だけでも聞いてくれないかな…?」 加奈子「(そんな気分じゃねーんだけどなー…だからってずっとふさぎ込んでるわけにもな…)」 加奈子「別に話ぐらいならいいぜ?」 ブリジット「ホント!?わぁい♪かなかなちゃん!」ダキッ 加奈子「きめぇ!抱きつくんじゃねーょ!」パン! ブリジット「うぅ…酷い…」 408 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 00 36 38.38 ID j3xEa3USO [3/33] …………………… 次の日 加奈子「成り行きで話進んじまった…」 〈明日あたりに親と事務所で話して正式契約ってことになりそ まぁアイドルになるの夢だったし?別に悪くねーよな コスプレっつーのが少し引っ掛かりはするけどまぁこんなもんだろ 加奈子「アイドルになったら…京介とまた付き合えるかな…」 ブリジット「京介?だぁれ?お友達かな?」 加奈子「聞いてんじゃねーよ。クソガキうぜぇ」 409 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 00 42 34.99 ID j3xEa3USO [4/33] ブリジット「かなかなちゃん♪これから暇かな?」 加奈子「暇じゃねぇ。帰るんだょ」 ブリジット「えっ…一緒にご飯食べたいと思ったのに…」 加奈子「奢るなら行ってやってもいいぜ」 ブリジット「いいょ♪かなかなちゃん!行こ♪」ギュッ 加奈子「手にぎんなきめぇ」 ブリジット「うぅ…」 411 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 00 50 31.33 ID j3xEa3USO [5/33] …………………… 京介「…………」 〈今俺は駅前に来ている 桐乃を学校まで迎えに行ったまではいいが、桐乃のやつ… 「今仕事のチェックしたら今日あるみたいなんだよね~あんた駅前あたりで待っててくんない?」 〈なんていいやがるから俺はこの見慣れた駅前で時間を潰そうとフラフラしている。 が、なんせ見慣れてるもんだから特に珍しいモンもない 京介「帰りてぇ…」 〈つーかそもそも桐乃が通り魔に遭うか?あいつなら逆に返り討ちにしそうだが 京介「なんてな」 412 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 00 04.88 ID j3xEa3USO [6/33] ブリジット「ここら辺でいいよね?かなかなちゃん♪何食べたい?」 加奈子「どうせてめえが金出すなら高くてうめぇやつがいいなぁ~」 〈このガキが何か食わせるっつーからガキと腕を組んだ(捕らえられた)まま駅前に連れて来られた… まぁめんどくせぇから近場で済ますべって言ったのは加奈子だけどよ つーかこのガキ、奢れっつったら簡単に承諾したけどそんなに金持ってんのか?だとしたら財布ぐらいなはなるかなぁ 加奈子「なんてな」 413 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 08 54.53 ID j3xEa3USO [7/33] DQN1「こんにちはー!今何してるの?」 加奈子「ぁん?」 DQN2「二人共可愛いねぇ!俺めっちゃタイプだわ」 DQN1「お前ロリコンだもな!」 DQN2「お前に言われたくねーての!!」ケラケラ 加奈子「(ロリ…だと…?)」 DQN1「ねぇ俺達と遊ばない?カラオケでも行こうよ!ねっ?」ギュッ ブリジット「やっ…離して下さい…」 DQN1「手握っただけなのに可愛いー!!!惚れたわ」 ブリジット「うぅ…か…かなかなちゃん………」 加奈子「手ぇ、離せや…」 414 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 15 28.25 ID j3xEa3USO [8/33] …………… 京介「ここはいつ来ても変わんないな…」 京介「(サラリーマンのおっさん。ティッシュ配り、そして、ナンパ。)」 京介「(ナンパっていい出会いあるのか?といつも思う。体目当てが大半なんだろうな)」 京介「(あそこの見るからにDQNの二人もナンパ組か…)」 京介「(てか相手の女の子ちっちゃ!!!って………………………あれ……?)」 415 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 24 14.66 ID j3xEa3USO [9/33] DQN2「って言いながら足震えてるよ?そんな恐がらなくてもいいから、ねっ?」 加奈子「う…うるせぇ!離せって言ってんだょ!そいつは大事な妹分なんだょ!」 ブリジット「かなかなちゃん………」 DQN2「そんな怖い顔しないで?可愛い顔が台無しだよ?笑ってよ!」ギュッ 加奈子「や…やめろってんだょ…!離せ…!京介………!助けて…!」 バキッ!!!!!! DQN2「がっ…!!!!」 京介「誰の手ぇ握ってんだよ」 416 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 40 43.36 ID j3xEa3USO [10/33] 加奈子「京介…………!?」 DQN1「誰だよお前!???」 京介「おめぇらこそ何もんだよ」ドゴッ DQN1「ぐっ…て…てめえ…!」 京介「お前には用はねぇ。痛い目見ないうちに消えろ」ドガッ DQN1「かはっ…ん…だと…コラァ!」 京介「あぁ?なんか言ったか?氏にたいって?」ギロッ DQN1「うっ…くそがっ!」ダッ 京介「こら、起きやがれ」ガッ DQN2「う…うあ!」 京介「誰の!」ドゴッ DQN2「ぐっ…!」 京介「手ぇ!!」バキッ DQN2「や…やめ…!」 京介「握ってんだって言ってんだよ!!!!」ドスッ DQN2「がはっ………」 京介「加奈子の手ぇ勝手に握ってんじゃねぇ…!」ドゴッバキッ! 加奈子「きょっ…京介!もういいからっ!」 京介「……………」ドゴッドガッ 加奈子「京介!!!!!!やめろって!!」ギュッ 京介「……………!」ピタッ 加奈子「ほ…ほら!てめえ!早く消えろ!」 DQN2「す………すいませんっした…!」ヨロヨロ 419 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 46 04.02 ID j3xEa3USO [11/33] 京介「待てやごらぁ!!!!」 加奈子「京介!!!!」ギュッ 京介「……だって!」 加奈子「いぃから!なっ?もういぃから!」 京介「いぃのか…?大丈夫か…?」 加奈子「あぁ!大丈夫だ!ありがとな?」 京介「加奈子っ…!会いたかった…!」ギュッ 加奈子「加奈子も…会いたかったょ……!」ウルッ ブリジット「怖かったよぉ…!助けてくれてありがとうございます…!」ギュッ 京介「お…おぅ!」 加奈子「……おぃこら、京介から手ぇ離せ」 420 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 50 21.09 ID j3xEa3USO [12/33] ブリジット「ご…ごめんねかなかなちゃん…!でもかなかなちゃんもカッコ良かったよ!」ギュッ 加奈子「ち…ちげーよ!全部京介のおかげだっての!」 京介「その子、やっぱそうだ!ブリジットちゃんだ!」 ブリジット「はい!ブリジットです!よろしくお願いします!」ペコッ 加奈子「………」ギロッ ブリジット「うぅ…ごめんねかなかなちゃん…」 京介「でもなんで加奈子がブリジッドちゃんと?」 421 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 01 56 47.82 ID j3xEa3USO [13/33] ……ファミレス…… 京介「へぇ~加奈子がブリジットちゃんと同じ事務所に」 加奈子「あぁ、すげぇだろ?」 京介「凄いな」ナデナデ 加奈子「いひひ…//やめろよぉ…///」 ブリジット「かなかなちゃんって凄いんですよ?事務所の人もかなかなちゃんの歌聞いたらすぐ気に入って」 京介「へー!さすがだな」 加奈子「おぃこらブリジット。気安く京介と喋るんじゃねぇ」 ブリジット「うぅ…かなかなちゃんごめんなさい…」 422 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 02 05 46.30 ID j3xEa3USO [14/33] 京介「まぁまぁ…俺の膝の上に座りながら威嚇しても怖くもなんともないぞ」 加奈子「うへぇ…///」 ブリジット「かなかなちゃんって甘えん坊なんだね♪」 加奈子「ぉらそこ、うるせぇぞ」 ブリジット「ごめんね…」 京介「こら加奈子」 加奈子「うっ…すまねぇ…」 京介「飽きたんだよ!」 加奈子「え?」 京介「もううんざりなんだよ!」 加奈子「あぁ…」 京介「あの言葉はなんだったんだ?」 加奈子「京介……」 京介「ん…?」 加奈子「これから加奈子がその理由を言うにはかなり覚悟がいるんだょ…」 京介「やっぱ…裏があるのか…?」 加奈子「ある…」 440 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 21 30 28.19 ID j3xEa3USO [19/33] 京介「教えて?」 加奈子「……………」 京介「加奈子…?」 加奈子「やっぱダメだ…!やっぱこえぇ……恐ろしくて言えねぇ…………」 京介「恐ろしい…?」 加奈子「……」コクッ 京介「何があったんだよ………」 加奈子「実はな……」 …プルルルルル… 京介「ん…あ、悪い。桐乃だ」 加奈子「おぅ…」 京介「もしもし?桐乃?仕事終わったのか?」 桐乃「仕事終わったのか?じゃないわよ!さっきから電話してんのに何で出ないのよ!!何してたの!?」 京介「マジか!?悪い」 桐乃「マジうざい!駅前まで来たんだけどあんた今どこにいんの!?」 京介「ファミレス」 桐乃「ファミレス?じゃぁなんか奢って。あやせもいるんだけどいい?」 京介「あやせ?」 加奈子「…!」 441 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 21 43 59.57 ID j3xEa3USO [20/33] 京介「桐乃よ、二人分奢るのはちょっと…」 桐乃「そう?じゃあさっさと迎えに来なさいよ」 京介「わかったよ」 …プツッ 加奈子「京介…?今あやせって言わなかったか?」 京介「あやせ?あぁ言ったけど…?」 京介「実はさ、今桐乃の送り迎えしてんだよ…んで、今桐乃とあやせが駅前に来てるらしい」 加奈子「あやせが!?……悪い…京介…帰るわ」 京介「どうした?」 加奈子「ぉぃ、ブリジット、行くぞ」 ブリジット「もう帰っちゃうの…?もっと京介さんとかなかなちゃんとお話したぃ…」 加奈子「いいから行くぞ!」 京介「一体どうしたんだよ!?」 加奈子「京介……今日の夜中の1時だ…」 京介「?」 加奈子「1時に公園に来てくれ、そこで全部話すからよ…」 京介「なんで夜中なんだ…?てか夜中は危ないぞ?今通り魔が…」 加奈子「………頼む…」 京介「…………わかった」 加奈子「ブリジット…行くぞ」スタスタ ブリジット「あっ…待ってよかなかなちゃん!………京介さん、また会いましょうね!」ペコッ…スタスタ… 京介「お…おう」 京介「一体…なんだってんだ……」 442 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 21 54 50.42 ID j3xEa3USO [21/33] ………………… 桐乃「あ…やっと来た!」 京介「悪い!ちょっとな」 あやせ「お兄さん!こんにちは!」 京介「おーあやせ」 あやせ「お兄さん…私まで送って頂くなんてホントすいません……でも私…怖くて…」 京介「あぁいいよ。実はな…通り魔に遭ったのは俺の知り合いなんだ…」 あやせ「そうなんですか!?……許せないですね。(良かった、刺して正解)」 京介「あやせも気を付けろよ?もしなんかあったらすぐに駆け付けるからな?」 あやせ「えっ…?本当ですか…?」 桐乃「ちょっと!あたしにそんな事言ってくれたっけ!?」 京介「あぁ、桐乃にも駆け付けるぞ」 桐乃「何その言い方!別にいいし!…早く帰るよ!」プンスカ 京介「…何怒ってんだ?」 あやせ「お兄さん…さっきの言葉、覚えておきますね…絶対、駆け付けて下さい」 京介「…?あぁ、わかってるよ」 あやせ「…フフ」 443 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 22 06 01.84 ID j3xEa3USO [22/33] ………夜中……… 京介「さて…そろそろ行くか…」 …ガチャ 桐乃「あれ?兄貴?どっか行くの?」 京介「いい!?お前起きてたのか…?」 桐乃「おしっこに起きただけ……。で…?どっか行くの?」 京介「ちょ…ちょっと小腹空いたからコンビニにな…」 桐乃「ふぅん…………一緒に行ってあげようか?」 京介「え!?…なんでだよ?」 桐乃「通り魔…」 京介「俺は男だぞ。心配すんな」 桐乃「心配なんかしてないしっ!!」 京介「大丈夫。お前は早く寝ろ…わかった?」ナデナデ 桐乃「う…うん…わかった…き…気を付けてね?」 京介「ありがとよ」 444 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 22 14 41.16 ID j3xEa3USO [23/33] ………公園……… ブリジット「あ!京介さん来たぁ♪」 京介「えぇ!?ブリジットちゃん?」 ブリジット「こんばんはー♪」ギュッ 加奈子「京介わりぃ…こいつにまた夜中京介と会うって言ったら一緒に行くって聞かなくてょ…加奈子んちに泊まりに行くって名分で連れ出したんだ…」 京介「そっか、でもダメだぞー?加奈子に迷惑かけたら」ナデナデ ブリジット「えへへ…ごめんなさい」 加奈子「ぉいこらブリジット!京介と離れやがれ!」 ブリジット「かなかなちゃん…ごめんなさい…」 加奈子「今から京介と加奈子は大事な話があるんだ、おめぇは向こうで遊んでやがれ」 ブリジット「うぅ…わかった…」タッタッ 加奈子「京介…こっちに来てくれ」 京介「おう」 445 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 22 22 55.90 ID j3xEa3USO [24/33] …… 加奈子「率直に言うぞ?加奈子と京介を別れさせたのはあやせなんだょ…」 京介「なんだって…?」 加奈子「京介と最後に会ったあの日…あやせに拉致られたんだ…」 加奈子「気付いたら手足縛られて暗い倉庫みたいなとこにいたよ…」 加奈子「目の前にいたのはあやせだった…」 京介「ちょっと待て!あやせは反省したんじゃないのか…?」 加奈子「んなのフリだよ…」 京介「マジ…かよ…」 447 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 22 44 00.77 ID j3xEa3USO [25/33] 加奈子「そしてあやせは…加奈子が気絶してる間に加奈子の裸の写真を撮ってやがった…」 加奈子「別れないとバラ撒くと脅して来やがった…写真は今もあやせが持ってる…京介に近づいたらいつでもバラ撒けるよぅにな…」 加奈子「それでも別れないって言ったら今度は桐乃の趣味を言いふらすって言ってきた…」 京介「桐乃は関係ねぇだろ…?」 加奈子「あやせは今狂ってやがる…桐乃をも利用できるぐらいにな…」 京介「なんてやつだ……」 加奈子「それでも渋ってたら今度は男数人を連れて来て今から加奈子を犯させると言って来たがった…」 加奈子「別れるって言うしかなかった……当たり前だろ…?…京介以外の男に抱かれるなんてょぉ……絶対に嫌だったんだょぉ………」 京介「加奈子……」 加奈子「加奈子は京介のモンだぞ…?他のやつになんか汚されたくねぇ…」 京介「…加奈子…俺、どうにかなっちまいそうだ、あやせの奴…ぶん殴りてぇ…!」 加奈子「それと…京介…これは黒猫に言うなって言われたんだが…やっぱ…言わない訳にはいかねぇ…」 加奈子「黒猫を襲った通り魔は…多分あやせだ」 京介「なん…だと…?」 加奈子「実は黒猫と一回会ってんだよ、多分それをあやせは気付いてたんだろうな…」 加奈子「黒猫が言ってた…襲われる前…あやせの姿を見たって…」 京介「あやせ…………あいつ…腐ってやがる…」 448 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 22 52 08.36 ID j3xEa3USO [26/33] 加奈子「加奈子のせいだ…加奈子がもっと気を付けていりゃあ…黒猫は…」 京介「加奈子は何にも悪くない!俺だ!俺が悪い…!あやせは反省したと信じきって疑わなかった…!」 加奈子「京介…」 京介「加奈子…大丈夫だ。写真もバラ撒かせない。桐乃の趣味もだ。そして俺は、命を懸けてお前を守る!!!そしてあやせをぶん殴る」 加奈子「京介!」ギュッ 京介「辛かっただろ…?今までごめんな…」 449 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 23 01 43.90 ID j3xEa3USO [27/33] 加奈子「京介…もう我慢できねぇ…チューしてくれょ…」 京介「加奈子…」チュッ 加奈子「んっ…京介…大好きだょ…」 京介「あぁ…」サワッ 加奈子「やっ…!きょ…京介…こんなとこで…!ぅぁ…」 京介「ちょっとだけだから…」 加奈子「ぁっ……ぅん…ちょっと……んっ…だけ……だからなっ…」ギュッ ブリジット「かなかなちゃん…どうしたの???」 京介加奈子「!!!!!!!!!!!」 加奈子「て………てめぇ!!!!!!!」 452 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 23 10 20.70 ID j3xEa3USO [28/33] 京介「ブリジット…?向こうで遊んでなさいって言ったよね…?」 加奈子「なんで言い付けを守らねぇのかなぁ…?」 ブリジット「うぅ…なんか二人共怖いよ…?」 加奈子「京介…手加減するならお仕置きやっちまえ。こいつには少ししつけが必要だかんなぁ」 京介「わかった。」 ブリジット「お仕置き…?な…何ですか…?京介さん…」 456 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 23 20 42.20 ID j3xEa3USO [30/33] 京介「……………」パァン! ブリジット「痛い…!!!…………!!!???」 加奈子「(あれ…?なんで羨ましいんだろ…?)」 京介「言い付けを守らない子は大嫌いだ!!!」パン! ブリジット「や…!やぁ…!ごめんなさい…!叩かないで………ください……!」 京介「殴れって?」グッ ブリジット「ひっ…!違います……!」 京介「じゃあ叩くので我慢だ!」パァン! ブリジット「いたっ…京介さん…やめて…!」 京介「お尻ペンペンだ!」ペン!ペン!モミッペン!ペン! ブリジット「うっ…!あっ!…ごめんなさい!ごめんなさい!」 加奈子「(京介のやつ、今一瞬揉まなかったか?)」 458 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 23 30 48.42 ID j3xEa3USO [31/33] 京介「ダメ!あんまりうるさいと殴るよ?」グッ ブリジット「うぅ……怖いよぉ……」ヒック 京介「泣いてもダメ!」 ブリジット「怖いけど……ヒック…ちゃんと…反省…しますから…」 京介「反省しますから?」 ブリジット「殴らないで…ヒック…叩いて下さい………」 加奈子「(あれ…?調教された…?)」 京介「望み通り叩いてやるよ!このガキが!」パン!パァン! ブリジット「ぁう…//ひぅ…!痛いよぉ…!」 京介「…………………」 ブリジット「うぅ………」プルプル 京介「もう十分反省しただろ……?」ギュッ ブリジット「は…はい…」 京介「これからは言い付けを守るんだぞ?」ナデナデ ブリジット「…京介さんとかなかなちゃんの言うこと聞く!」ダキッ 加奈子「………………」ムカムカ 461 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 23 41 33.52 ID j3xEa3USO [32/33] 京介「加奈子ー!ブリジットちゃん、ちょっと言い付け守るってよ」 加奈子「あぁそうかょ…」 京介「…?」 加奈子「京介、お前ブリジットのケツ一瞬揉まなかったか?」 京介「……!……んな…んなことするわけねーだろ!」 加奈子「ホントかぁ?京介は加奈子の彼氏なんだからな?」 京介「あぁ…(か…可愛い…)」 ブリジット「京介さんはお兄ちゃん♪かなかなちゃんはお姉ちゃん♪」 京介「そっか。…加奈子、ブリジットにはあやせの手が伸びないようにしような…」 加奈子「わかってるょ…」 463 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/22(土) 23 51 34.77 ID j3xEa3USO [33/33] 加奈子「これからどうする?あやせをどう倒す…?」 京介「まずは黒猫の退院を待とう、あと、桐乃を味方につける」 加奈子「桐乃…?」 京介「あぁ。あいつならきっと心強い味方になってくれる」 加奈子「そうだな…京介に任せる」 京介「だけど全部あやせに気付かれないようにしなきゃならん…かなり慎重に行かなきゃな…」 加奈子「京介…気を付けろょ…?京介にもしなんかあったら…」 京介「心配すんな。」ナデナデ 加奈子「ぅん……」 464 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 00 08 00.86 ID c0VwECtSO [1/25] ……京介の家…… …ガチャ… 京介「さて…どうしたもんか……(桐乃、もう寝たよな…けど…一刻も早く伝えなきゃ桐乃に危害が及ぶかもしれない…覚悟を決めるか)」 京介「起こすか…」 …ガチャ… 桐乃「………すぅー…」 京介「こら、起きろ(桐乃にはぶっ叩いて起こされたっけ…)」 桐乃「ん…………すぅー……」 京介「桐乃!!!」 桐乃「…ん…!…!!!!わっ兄貴…!?」 京介「静かに!」 桐乃「…兄貴……何のつもり……?勝手に入ってきて…//」 京介「話がある」 桐乃「話…?今じゃなきゃダメなの…?」 京介「今だ。今じゃなきゃ……」 桐乃「で…でもまだ心の準備が……//」 京介「俺はもう心の準備はできている。覚悟を決めたからここに来たんだ!」 桐乃「で…でも…私達兄妹だし…」 京介「兄妹だから、お前が必要なんだ!!!」 桐乃「兄貴…///」 京介「だから俺の話を聞いてほしい」 桐乃「…わかった…//」 466 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 00 16 36.34 ID c0VwECtSO [2/25] …… 桐乃「で……話って?…」 京介「実はな、今加奈子に会ってきたんだ」 桐乃「…?加奈子…?え?」 京介「あぁ」 京介「加奈子が俺をふったのには理由があったんだ。まずはこれを伝えておく。俺たちは寄りを戻した」 桐乃「…………………」 京介「それで次の話だg」 桐乃「出てけ!!!」ドガッ 京介「いてっ…んだよ!」 桐乃「知るかっ!!!!意味分かんない!!!出てけ!!!」 …バタン! 京介「んだよ…あいつ…」 桐乃「うっ…ひっく…何なの……?」 467 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 00 33 17.82 ID c0VwECtSO [3/25] 京介「ダメだ…明日話すか……」 ………朝……… 桐乃「…ごちそうさま」 母「もう食べないの?」 桐乃「お母さん…今日休みたい…」 母「珍しいわね…?気分でも悪いの?」 桐乃「…うん…」 京介「…………」 父「………休んだ分予習復習をするのなら1日ぐらい構わないだろう」 桐乃「…ありがと…じゃあ部屋で横になるわ」スタスタ 京介「…………俺もごちそうさま」スタスタ …コンコン …ガチャ 京介「桐乃…」 桐乃「来ないで、今あんたの顔見たくない…」 京介「わかった…落ち着いたら言ってくれ…」 桐乃「今日の夕方…」 桐乃「あんたが帰ってくるまでには落ち着いておくから…」 京介「わかった…帰ってきたら話そう」 …バタン 桐乃「うぅ…兄貴……」ヒック 468 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 00 42 09.07 ID c0VwECtSO [4/25] ……学校…… 京介「はぁー……………」 地味粉「おっきなため息だねぇ」 京介「そらため息もつきたくなるわ…」 地味子「京ちゃん、何かあったの?」 京介「女って怖えのなって話」 地味子「ええ!?京ちゃん、私怖い??」 京介「…………」ジー 地味子「がるるるる…」 京介「何威嚇してんだよ」 469 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 00 45 38.72 ID c0VwECtSO [5/25] 地味子「京ちゃんを元気付けようと思って♪」 京介「わかったわかった。」 地味子「そういえば加奈子ちゃんは元気?」 京介「加奈子?元気元気…///うはは//」 地味子「京ちゃん鼻の下伸びてる」 赤城「加奈子??え??誰誰??」 京介「マイラブリーメルルさ」 赤城「は?」 ……………… 472 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 00 51 39.46 ID c0VwECtSO [6/25] ……………………… 京介「(俺のマイラブリーメルル加奈子たん…会いたいよ…)」 京介「(おっと…いかんいかん…今は早く帰って桐乃と話しなきゃ…)」 あやせ「…(あ、お兄さんだ…)」 あやせ「お兄さん!」タッタッ 京介「ゲッ!(マイ・デス・デビル!!)」 473 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 00 59 33.66 ID c0VwECtSO [7/25] あやせ「ゲッって…お兄さんは私が嫌いなんですか?」 京介「いや!んなことはないよ?どうしたんだ?(目に光無い……)」 あやせ「これから帰りですか?どこか寄って行きませんか?」 京介「ごめん…今日は早く帰らなきゃ…」 あやせ「どうしてですか?」 京介「ちょっと用事が…」 あやせ「何のですか?」 京介「…………………」 あやせ「決まりですね♪どこがいいですか?お腹空いてますか?」 京介「いや…あんまり…」 あやせ「じゃあ私の家に来ませんか?」 京介「いや…」 あやせ「こっちです♪」ギュッ 475 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 01 08 12.39 ID c0VwECtSO [8/25] 京介「ちょっ…あやせ…」 あやせ「何でしょう」 京介「俺…用事が…」 あやせ「逃げるんですか?」 京介「あの…(殴りてぇ…でも殴ったら…ここは我慢だ…」 …プルルルルル 京介「(ん…あ、加奈子だ…)」 あやせ「誰ですか?」 京介「えっと…同級生の赤城だ…」 あやせ「女性ですか?」 京介「いや、男だよ…」 あやせ「出ないんですか?」 京介「ど…どうせ下らないことだしな…(すまねぇ加奈子!今出たら刺される…)」 あやせ「じゃあ私の家に行きましょうか」 477 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 01 24 02.16 ID c0VwECtSO [9/25] あやせ「お兄さんはそんなに私が嫌いですか…」 京介「嫌いなんかじゃ…」 あやせ「じゃあ送るだけでいいです。通り魔が怖いので一人で帰ったら危ないので」 京介「わかった…(その通り魔が今俺の目の前にいるんだが)」 …………トコトコ……… あやせ「この近くですよね。通り魔事件があったの」 京介「あぁ…そうなのか」 あやせ「えぇ」 京介「随分詳しいんだな」 あやせ「………………」 あやせ「襲われた女の子は…どんな気持ちだったんでしょうか」 京介「さぁな(少なくとも俺よりはお前のほうがわかるだろうよ)」 あやせ「さぞ怖かったでしょうね」 京介「だろうな。」 478 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 01 32 55.90 ID c0VwECtSO [10/25] 京介「怖くて怖くてたまらなかっただろうよ。…傷つくのは体だけじゃないんだらな」 あやせ「…(心、ですか。そんなの知ってますよ。だって、心を挫くのが目的だったんですから。)」 京介「あやせ」 あやせ「なんでしょう」 京介「お前の家から随分近いのな」 あやせ「そうですね」 京介「気を付けろよ」 あやせ「お兄さんも」 京介「あぁ、かなり気を付ける」 480 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 01 37 48.26 ID c0VwECtSO [11/25] あやせ「では、お兄さん、私の家に着いたので…」 京介「あぁ、またな」 あやせ「上がって行きませんか?」 京介「今日はやめとく」 あやせ「そうですか」 京介「じゃあ…またな」 あやせ「はい。ありがとうございました。」 京介「おぅ」 あやせはずっと俺の背中を見送っていた。見えなくなるまで、ずっと… 488 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 02 06 59.29 ID c0VwECtSO [17/25] 悪びれた様子もなくよくあんなこと言えたもんだ あやせは本当に腐っちまったんだな… 黒猫…怖かったよな… 京介「考えたら考えるだけ腹立つだけだな……」 震える拳を抑えながら俺は桐乃の待つ家へ急いだ 489 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 02 16 30.29 ID c0VwECtSO [18/25] …………………… …コンコン 京介「桐乃、起きてるか?」 桐乃「入って」 …ガチャ 京介「桐乃」 桐乃「…………」 京介「話…聞いてくれる気になったか?」 桐乃「…うん…聞くだけ聞いてあげる」 桐乃「その代わり…惚気話だったら蹴るから」 京介「そんなもんじゃない……」 〈昨日、加奈子と話したこと全てを桐乃に打ち明けた 深刻な表情でそれを聞いていた桐乃の姿はまるで桐乃じゃないみたいだった 桐乃「それ…全部本当の話なの?」 桐乃「加奈子があんたと寄りを戻したいが為の嘘とは考えないの?」 490 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 02 23 40.24 ID c0VwECtSO [19/25] 京介「実際黒猫もあやせの姿を見てるんだ。黒猫が嘘をつく理由があるか?」 桐乃「加奈子が黒猫を脅しているんじゃないの?そう言えって」 京介「加奈子はそんな女じゃねーよ!!!」 桐乃「……………」 京介「加奈子は…辛いんだ…毎日怯えてたんだよ…!」 桐乃「加奈子加奈子うっさい…」 京介「お前が加奈子を疑うようなことを言うからだろ!」 桐乃「そんなに加奈子が好きなら加奈子の家に行けば…あたしはもう知らない…」 京介「お前の力が必要なんだ!」 桐乃「………都合、いいよね…」 491 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 02 33 26.96 ID c0VwECtSO [20/25] 桐乃「加奈子と付き合ってる時は加奈子ばっかりかまって…別れた後、ずっと兄貴の傍にいたのは誰!?あたしでしょ!?」 桐乃「それをあっさり寄りを戻しました。加奈子が可哀想。あやせを倒したいから力を貸せ。…都合良すぎるんだよ!!!!」 京介「そんなつもりじゃ…」 桐乃「あやせに利用されて…兄貴に利用されて………もう……おかしくなりそう……」 京介「桐乃…」 桐乃「ねぇ…兄貴さ…あたしをどうしたいワケ…?」 492 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 02 41 32.29 ID c0VwECtSO [21/25] 桐乃「一番大事なのは加奈子?あたし?」 京介「どっちも大事だ」 桐乃「加奈子か…どうせ気遣ってんでしょ…?」 桐乃「うざいよね…あたし。ホントどうかしてる…」 京介「………」ギュッ 京介「お前は俺が傷ついた時傍にいてくれた。だから…お前が傷ついた時は傍にいてやる…それじゃダメか…?」 桐乃「……こーゆー事するからおかしくなるんだよ…離せ…!」 京介「離さん!」 桐乃「なんで…」 京介「妹だからだ」 桐乃「妹…か…」 493 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 02 49 10.18 ID c0VwECtSO [22/25] ……プルルルルル… 京介「あ…加奈子だ…」 桐乃「………」 京介「もしもし?」 加奈子「かなかなだけどー。桐乃と話したかぁ?」 京介「今話してるとこかな。」 桐乃「あーあにきー。そんなとこ触っちゃだめだよー。(棒」 京介「ちょっ!おまっ!」 加奈子「きょ…京介?今の…」 桐乃「あにきのって結構大きいんだねー。(棒」 京介「桐乃!何言って…」 …プツッ 京介「加奈子?もしもし!もしもーし!」 494 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 02 55 31.10 ID c0VwECtSO [23/25] 京介「桐乃ー!!!!!」 桐乃「あーすっきりした。このぐらいのイタズラ可愛いもんじゃん。」 京介「誤解されたって絶対」 桐乃「知らない!」 京介「はぁ…」 桐乃「協力してあげる」 京介「え?」 桐乃「だから!あやせを倒すんだっけ?協力してあげるって言ってんの!!!」 京介「い…いいのか…?」 桐乃「べっ別にあんたのこととかどーでもいいから!あたしの趣味を言い振らされるのが嫌なだけ。あんたは関係なし!」 京介「そっか!よし!ありがとうな!桐乃!」 496 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 03 06 53.65 ID c0VwECtSO [24/25] ……………………… …プルルルルル… 加奈子「この電話はシスコンからはお繋ぎできません~」 京介「あの…かなかなちゃん?」 加奈子「シスコン」 京介「違うんだよ!あれは…」 加奈子「わかってるょ。桐乃のイタズラだろ?」 京介「なんだ…わかってくれてたか…」 加奈子「棒読みだったからなぁ。んで?桐乃は協力してくれるって?」 京介「あぁ。協力してくれる」 加奈子「良かったじゃねぇか。」 加奈子「でもどうすんだ?この後は」 京介「んー…明日あたり黒猫のお見舞いに行ってくる。話も聞きたいしな。」 加奈子「ん…そうだな…加奈子もいきたぃ」 京介「一緒に行くか?」 加奈子「ぃくー」 京介「わかった。じゃあ明日行ってみよう。病院については知り合いに当たってみるわ」 加奈子「ぅん。」 504 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 22 16 09.17 ID A835Dgwy0 [3/15] ・・・・・次の日・・・ ・・・・病院・・・・・・ ・・・ガラッ・・・ 黒猫「・・・?あら・・・?あなた達、よく此処にたどり着けたものね」 京介「よう、黒猫、久しぶりだな。」 黒猫「ええ、そうね。まさかが私が闇討ちに遭うとは思わなかったわ」 京介「黒猫、加奈子から話は全部聞いた」 黒猫「・・・・・そう・・・・」 京介「・・・すまなかった・・・」 黒猫「あなたが謝るべきことではないわ。」 スッ 加奈子「黒猫・・・」 黒猫「あら、あなたも来たの、お久しぶり」 加奈子「黒猫、すまん・・・」 黒猫「・・・はぁ、あなたちはお似合いね・・・」クスッ 505 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 22 25 37.38 ID A835Dgwy0 [4/15] 黒猫「でもその様子だと、二人は上手くいったようね。」 京介「あぁ、黒猫のおかげだ」 黒猫「私は関係ないわ。それより、私、明日退院だから」 京介「もう、大丈夫なのか?」 黒猫「私を誰だと思っているの?このぐらいの傷、たいしたことないわよ。」 京介「そうか・・・よかった。」 黒猫「こんなとこでくすぶっていられないわ。私を襲ったあの女に一言言ってやらないと気が済まないの。」 加奈子「あぁ!あやせをやっつける!」 黒猫「えぇ、そうね。やりましょう」 ・・・ガラッ 桐乃「勝手に話進めんな!」 京介「桐乃!?」 沙織「京介氏、拙者も出陣したでござるよ!きりりん氏から全て聞き申した!」 506 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 22 35 56.33 ID A835Dgwy0 [5/15] ブリ「かなかなちゃん!おいてかないでよぉ・・・」 加奈子「ブリジット!ついてきたのか!」 桐乃「加奈子・・・この前は酷いこと言ってごめん!あたし、あやせに騙されてた・・・」 加奈子「桐乃・・・」 黒猫「あら珍しい、素直に謝ることを始めてみたわ」 沙織「拙者も始めて拝見致しまする」 京介「俺もだ。」 桐乃「あんたらうっさい!!」 加奈子「桐乃、加奈子こそ悪かった・・・正直に桐乃に言えばよかったょ・・・」 黒猫「あなたたち、やめてくれない?しんき臭いわ。諸悪の根源はあやせって女よ。」 黒猫「それで?これからどうするの?何か策はあるのかしら?」 京介「そうだなぁ。」 507 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 22 54 50.49 ID A835Dgwy0 [6/15] 京介「あやせは犯罪になる事をした。警察に突き出したいところだが、それは最終手段にしよう」 桐乃「うん。親父は刑事だし、事情を説明すれば、いつでも動いてくれるだろうしね。」 京介「まずは、あやせの脅迫材料を無効化すること。それだな」 京介「まずは、加奈子の写真を奪う。」 加奈子「加奈子にやらせてくれ!あやせぶん殴って取り返してやる!!!」 黒猫「落ち着きなさい。それができたらこの人がもうやっているわ」 京介「写真を奪っても、カメラを奪わなきゃ、意味が無い。」 加奈子「そ・・・そうか。」 京介「カメラは多分・・・あやせの家にあるだろう。」 510 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 09 30.72 ID A835Dgwy0 [7/15] 桐乃「それなら任せて!あやせに家には行ったことがあるし、どこに何があるかぐらいならわかるから。」 桐乃「まだあやせはこっちの動きに気づいてないみたいだし、遊びに行きたいって言えば家に入れてくれるでしょ」 京介「そうだな。桐乃、頼んだぞ。その時ついでに写真も奪ってきてくれ。」 桐乃「わかった。」 京介「次に桐乃の趣味の暴露。こっちの対策はどうする?」 桐乃「はぁ?そんな事勝手に言わしておけばいいじゃない?」 加奈子「ぇ?大丈夫なのか?」 桐乃「この際仕方ない・・・それに、それでクラス中に嫌われても・・・・あんたたちが・・・いてくれれば・・・さ」 黒猫「クスッ・・・あなたも変わったものね」 桐乃「うっさい!」 512 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 19 07.63 ID A835Dgwy0 [9/15] 京介「とにかく!この二つの脅迫材料さえ無効化しちまえばこっちのもんだ!桐乃、明日にでも作戦を実行してくれ」 桐乃「わかった」 黒猫「私はどうすればいい?」 京介「あやせが黒猫を襲ったという確証がほしい。それについては、考えてある・・・・」 ・・・・次の日・・・・ ・・・・学校・・・・・ 桐乃「あやせー」 あやせ「何??」 桐乃「今日さ、遊ばない?どうせ暇だし」 あやせ「そうだね♪どこか寄ってく?」 桐乃「んー久々にあやせんち行きたいなぁー」 513 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 27 09.97 ID A835Dgwy0 [10/15] あやせ「珍しいね?」 桐乃「・・ん、まぁさ、たまにはいいかなーって」 あやせ「そう?別にいいよ。じゃぁ行こっか」スタスタ 桐乃「うん!」チラッ 加奈子「(頼んだぜ・・桐乃・・)」グッ 桐乃「(任せておいて)」グッ ・・・・・・・・・・・・ あやせの家 あやせ「何か飲み物取ってくるからさ、ちょっと待ってて」 桐乃「わかった(じゃぁ・・・探そうかな・・・)」ガサゴソ 桐乃「(あっ!カメラ!これかな?・・・)」カチャ・・・ 桐乃「(あった・・・加奈子だ・・・!けど・・・これを持って帰るには・・・)」 桐乃「(そっか、データーを消しちゃえば・・・)」 あやせ「桐乃?何してるの?」 514 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 31 18.53 ID A835Dgwy0 [11/15] 桐乃「・・・わっ!あやせ!!!」 あやせ「そのカメラ、返して?」 桐乃「うっ・・・ご、ごめん・・」スッ 桐乃「そのカメラ・・・いいカメラだなぁ、と思って!」 あやせ「・・・・・・・・・・」 桐乃「た・・・高かったんじゃない・・・?」 あやせ「うん。結構」 あやせ「桐乃」 桐乃「な・・・何??」 あやせ「桐乃が見たいのって・・・これでしょ?」スッ 桐乃「!!!!!!!」 515 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 37 12.08 ID A835Dgwy0 [12/15] ・・・・・・・・・・・・・・・ 京介の学校 京介「(桐乃のやつ・・・上手くやってっかな)」 地味子「京ちゃん~?考え事?」 京介「ん?あぁ、ちょっとな」 地味子「加奈子ちゃんのことかな?」 京介「それもある。まぁいろいろとさ」 地味子「えぇ~、教えてよ~」 京介「お前は、関わるなよ。危ないからな」 地味子「ん~?なんのこと~?」 京介「こっちの話~」 516 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 41 24.83 ID A835Dgwy0 [13/15] ・・・・・・・・・・・・ あやせ「気づいてないと思った?」 桐乃「・・・・・・っ」 あやせ「この写真を奪いに来たんでしょ?」 あやせ「残念。桐乃は味方だと思ったのに」 あやせ「加奈子に味方するんだ?」 桐乃「味方とか敵とか・・・あやせ、もう止めよう?」 あやせ「なんで?なんでやめなきゃいけないの?」 あやせ「桐乃、私の味方になってよ」 あやせ「一緒に加奈子を消そう?そうすれば、お兄さんは・・・」 桐乃「あやせ・・・・」 517 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 47 33.89 ID A835Dgwy0 [14/15] あやせ「桐乃だって、加奈子を許せないはず。」 桐乃「なっなんで・・?」 あやせ「大事なお兄さんが取られたから」 桐乃「そんな・・・・」 あやせ「本当は加奈子が憎いはず」 桐乃「・・・・・・・」 あやせ「桐乃、加奈子とお兄さんが別れればお兄さんは桐乃を見てくれる」 桐乃「・・・・・・・」 あやせ「私に任せて?桐乃、親友でしょ?」 あやせ「私、桐乃は傷付けたくない。」 桐乃「・・・・」 519 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 23 57 19.72 ID A835Dgwy0 [15/15] 桐乃「あやせ・・・」 あやせ「何?」 桐乃「あたしね、兄貴大好きなんだ。あやせの言うとおり。今までずっと兄貴なんで大嫌いって素振り見せてたけど・・・」 あやせ「でしょ?なら・・・」 桐乃「兄貴と加奈子が付き合ったとき、なんで加奈子と・・・とか加奈子、兄貴を取らないでって思った・・・」 桐乃「別れたって聞いた時も・・・あたし、うれしかったんだ・・・」 桐乃「だけど・・・違った・・・兄貴、泣いてたんだよ」 桐乃「それを見た時、あたしってなんてやつなんだろう・・・兄貴大好きなくせに兄貴の不幸を喜んだんだ・・・って」 桐乃「そりゃ、兄貴が自分のことだけを見てくれるってんなら、嬉しいよ?」 桐乃「けど、そのために兄貴を傷つけるのは間違ってる!」 桐乃「今まで兄貴はあたしを助けてくれた。そして、これからも、助けてくれる。きっと」 桐乃「だから、あたしは兄貴を守る!あやせ、あんたが兄貴を傷つけるってんならあたしが許さない!」 521 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 00 05 21.60 ID AWVP6/5G0 [1/5] あやせ「・・・・・・・・」 桐乃「あやせ、もうやめよ?元に戻ろうよ・・・前までの優しいあやせに戻って!」 あやせ「・・・・・前までの私って、何」 桐乃「美人で、優しくて、友達想いのあやせに」 あやせ「友達想い?私が?」 桐乃「うん・・・自分よりも、あたしのこと考えてくれて・・・」 あやせ「プッ・・・桐乃、私が自分よりも桐乃のことを考えてたって???あはははははは!!!」 桐乃「あやせ・・・?」 あやせ「笑わせないで」 あやせ「憎かったよ。自分より可愛くて自分より人気が良くて、自分より成績良くて、 自分より仕事ができて、自分の好きな人とずっと一緒に居れる立場のあんたが」 522 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 00 14 16.60 ID AWVP6/5G0 [2/5] 桐乃「え・・・?」 あやせ「何をしても桐乃には勝てない。だから私はあんたの傍にいることにした。」 あやせ「それはあんたに憧れたからじゃない。あんたの弱点を探るため。あんたの弱みを握るため。」 桐乃「あやせ・・・そんな・・・」 あやせ「一つでいい・・・何か一つ、あんたより上に行きたい・・・ずっとそう思ってた。」 あやせ「そしたら、やっと見つけた。あんたの趣味。」 あやせ「嬉しかったなぁ。すぐにでも暴露してやろうかとも思った。」 あやせ「けど、そうしなかった。」 あやせ「なぜだかわかる?何もあんたが可哀想だからとかあんたの親友だからってわけじゃない。」 あやせ「もっと、もっとあんたは上に行く。その時に、どん底に引き落としたい。そう思っただけ」 523 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 00 21 22.01 ID AWVP6/5G0 [3/5] 桐乃「あやせ・・・そんな・・・」 あやせ「これでわかった?これが本当の私。私を見下してるあんたは気づかなかっただろうけど」 桐乃「み・・・見下してなんか・・・」 あやせ「見下してだ!どうせこいつは私になんか勝てない。って目で見てた!」 あやせ「せめてお兄さんだけは私のものにしたかったな・・・あんたの大事なお兄さんは!」 あやせ「お兄さんは好き。けど、好きになったのはあんたの兄貴だから。あんたの宝物だから。」 あやせ「ふぅ、喋りすぎたかな。もう、桐乃、もうあんたいらない。消えてもらおうかな。」 桐乃「・・・許せない・・・」 あやせ「何?」 桐乃「許せない!」 541 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 22 07 20.82 ID E81zMC5U0 [2/16] 桐乃「許せない!嘘でしょ?あたしを憎かったとか・・・嘘だよね?」 あやせ「・・・・・・・・」 桐乃「あやせ!!あんた嘘嫌いでしょ?ならホントの事言ってよ!」 あやせ「うるさい!!!うるさいうるさいうるさい!これが本当の私!!・・・消えて!!!」シャキン 桐乃「ひっ・・・!」 あやせ「・・・・・っ!」 なんで・・・?なんで、腕、動かないんだろう・・・ こんなやつ・・・!消えて当然なのに・・・ 桐乃「・・・あ・・・あやせ・・?」 桐乃・・・?なんで、そんな悲しい目をするの・・・?怖がってよ・・・ やめてよ・・・そんな目で見ないでよ・・・ 542 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 22 16 04.81 ID E81zMC5U0 [3/16] 違う・・・私が・・・桐乃を刺せないんだ・・・ なんで?こんなに憎いのに・・・! 桐乃「あや・・・せ?どうしたの・・・?」 どうして逃げないの・・・?どうして私の心配をするの・・・?やめてよ・・・・ 動いて・・・動いてよ・・・私! あやせ「・・・・・・・!」 あやせ「あんたなんて・・・消す価値もない・・・早く出てって」 桐乃「・・・・?あやせ・・?」 あやせ「消えて!!!!今すぐ!私の前から居なくなって!!!!」 桐乃「あやせ・・・・待ってるからね?私・・・本当のあやせに戻ってくれるの・・・」スタスタ 543 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 22 23 51.38 ID E81zMC5U0 [4/16] ・・・・・・・・・・・ 地味子「今日もお疲れさまだねぇ~」 京介「あぁ、そうだな。」 地味子「今日は真っ直ぐ帰るの?」 京介「ん~・・・」 ・・・・プルルル・・・ 京介「ん?加奈子か」ピッ 加奈子「京介ぇ?」 京介「どうした?桐乃から連絡あったか?」 加奈子「ぃや、まだこねぇよ。これから会わね?」 京介「ん?いいけど、どうかしたのか?」 加奈子「なんかさ~・・・一人で連絡待ってるの落ち着かねぇっつーか。一緒に居てくんねぇかな?」 京介「ん。そうだな。じゃぁ、公園で待っててくれないか?今向かう」 加奈子「うぃ~す」 ・・・プツッ 京介「わり、ちょっと加奈子んとこ行ってくるわ。」 地味子「はは♪ラブラブなんだねぇ~」 京介「まぁな。じゃぁまた明日!」 地味子「うん!また明日~」 京介「おう。」タッタッタ 544 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 22 30 55.38 ID E81zMC5U0 [5/16] ・・・・・・・ あやせ宅 あやせ「桐乃・・・待ってて・・・くれるんだ・・・」 こんな私をまだ・・・必要としてくれるのかな・・・ でも・・・なんで・・・?いっぱい・・・酷いことしたのに・・・ ・・・!!!!・・・そうだ・・・酷いこと・・・いっぱいしたんだ・・・ もう・・・後戻りなんて・・・できない・・・ もう・・・できない!!! ・・・プルルルル・・・ あやせ「・・・!」 ・・・ピッ・・・ あやせ「何・・・」 545 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 22 37 25.13 ID E81zMC5U0 [6/16] 地味子「京ちゃん・・・加奈子ちゃんと会うって・・・」 あやせ「そう・・・ですか・・・」 地味子「うん・・・」 あやせ「場所は・・・」 地味子「公園・・・って、言ってた」 あやせ「・・・わかりました」 地味子「あやせ・・・ちゃん・・・私、もう止めたい・・・」 地味子「確かに京ちゃんのこと、好きだけど・・・こんなの・・・よくないよ!!」 あやせ「そう・・・ですか・・・」 地味子「あやせ・・・ちゃん?」 あやせ「わかりました・・・好きにしてください・・・」 地味子「いいの・・・?あやせちゃんも・・・一緒にやめよう?全部全部、京ちゃんに言って、謝ろう??」 あやせ「・・・・・・・」 地味子「私も悔しくてあやせちゃんに味方した。だから私も悪い!一緒に謝ろう!?」 あやせ「許してくれませんよ・・・私なんか」 546 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 22 45 19.87 ID E81zMC5U0 [7/16] 地味子「許してくれるよ!!!京ちゃんなら!」 あやせ「・・・・そうですね、優しいですからね、お兄さん」 地味子「だから、一緒に・・・」 あやせ「だから嫌なんです」 あやせ「ここまでしたのに・・・どうして許してくれるんですか・・・?桐乃も・・・いっそ嫌われたほうが・・・いいです・・・」 あやせ「当然じゃないですか!こんなに・・・こんなに酷いことしたんですよ!?どうしてみんな・・・」 地味子「みんな、あやせちゃんが大好きだからだよ・・・」 あやせ「大・・・好き?」 地味子「京ちゃんも、桐乃ちゃんも、加奈子ちゃんも、みんなあやせちゃんが大好きなんだよ・・?だかr」 あやせ「やめてください!」 あやせ「大好き?・・・ならなんで誰も傍にいてくれないんですか!みんな・・・私の事なんか・・・」 547 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 22 53 56.54 ID E81zMC5U0 [8/16] 地味子「それは・・・違うよ・・・?みんなあやせちゃんが心配・・・」 あやせ「どうしてですか?」 地味子「あやせちゃんが大切だから」 あやせ「大切ならどうして傍にいてくれないんですか?どうしてみんな離れて行くんですか?」 地味子「あやせちゃん・・・もしかして・・・寂しい?」 あやせ「・・・・・」 地味子「寂しいから・・・こんな事・・・」 あやせ「私は・・・!私を見てもらいたいだけなのに・・・」 あやせ「どうして・・・どうして・・・こんなこと」グスッ 地味子「言おう?みんなに・・・寂しいって」 あやせ「・・・・・」 地味子「自分の口で、言うの。寂しい。って・・・」 あやせ「・・・・みんな・・・許してk」 地味子「許してくれる!!!!私を信じて!!!ずっと・・・あやせちゃんの味方だった私を信じて!!!!」 あやせ「・・・・・・・わかりました・・・・・・謝りに・・・行きます」 地味子「うん・・・!」 ・・・・プツッ 549 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 06 07.67 ID E81zMC5U0 [9/16] あやせ「もう・・・やめよう・・・」 こんなこと・・・もうやめよう・・・ 全部全部・・・話して・・・許してもらおう・・・ でも・・・怖い・・・許してくれなかったら・・・私 あやせ「はっ・・・!」 あの女は、お兄さんの幼馴染だから、許してもらえるかもしれない。けど私は何・・・? お兄さんにとってはただの妹の友達、それに知り合いの命を狙った憎い女 あやせ「大丈夫・・・大丈夫!・・・もし、許してくれなかったら・・・その場で自分の命を・・」 あやせ「大丈夫・・・!お兄さんは優しいから・・・!」 あやせ「行こっか・・・」 551 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 14 51.82 ID E81zMC5U0 [10/16] ・・・・公園・・・・ 加奈子「京介ぇ?桐乃の連絡おせぇなぁ?」 京介「んー、そうだな。何もなければいいのだが・・・」 加奈子「さすがに桐乃にはなんもしねぇだろ?」 京介「だといいがな・・・」 あやせ「・・・・・・・・・」トコトコ・・・ 京介「ん?・・・・!!!!あやせ!?」 加奈子「!?」 あやせ「お兄さん・・・加奈子・・・」 二人共・・・・どうして・・・そんな目で見るの・・・? やめてよ・・・そんなに警戒しないで・・・? あやせ「わ・・・わた・・・」 謝るの!!!ごめんなさいって・・・! 552 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 19 44.47 ID E81zMC5U0 [11/16] あやせ「・・・・・・・・・」 加奈子「・・・・・・・・・」 ・・・・・・・謝る・・・?なんで・・・? ねぇ、加奈子、なんでそんな目で私を見てるの?謝らなければいけないのは加奈子じゃない? そう・・・全て・・・こいつがいけないんだ・・・ 元はといえばこいつのせいで、お兄さんも、桐乃も、みんな傍からいなくなった こいつされ居なくなれば、私は・・・・ もう、後戻りはできない あやせ「消えて、加奈子」ダッ!!!!! 加奈子「うわっ!!!」 京介「あぶねぇ!!!!!!!!!!!」ガバッ グサッ!!!!!!! あやせ「・・・・・・!」 553 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 28 35.31 ID E81zMC5U0 [12/16] 加奈子「・・・!!!!」 あやせ「・・・あ・・・あぁ・・・!」 加奈子「きょ・・・きょう・・・・すけ・・・・?」 京介「・・・・・・はは・・・無事・・・か・・・?」バタッ あやせ「違う・・・・!違う・・・!私は・・・・!」 加奈子「京介!!!!!」 京介「はは・・・血、やべぇ出てる・・」 加奈子「しっかりしろ!!!!・・・!嫌だよ!!!京介!!!!!!」 トコトコ・・・ 地味子「・・・・!」 地味子「京ちゃん!?」ダッ 京介「まな・・み・・・か・・・」 地味子「あやせちゃん!!!なんで・・・・!?」 あやせ「違う・・・違う・・・私は・・・違う・・・・こんなことをするために・・・来たんじゃない・・・!」 加奈子「早く救急車呼んでくれ!」 地味子「わ・・わかった・・・!」ピッ あやせ「違うの・・・・!信じて・・・!」 加奈子「あやせ・・・・・・てんめぇ!!!!!!!!!」ドゴッ あやせ「ぐっ・・・・!加奈子・・・・違うの・・・!」 加奈子「これで満足かょ!!!!!!お前はこれで満足なのかょ!!!!」 554 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 36 38.99 ID E81zMC5U0 [13/16] あやせ「違う・・・!私は・・・・・・!!!」 加奈子「何が・・・何が違うんだょ!!!!」グィッ 地味子「加奈子ちゃんやめて!今はそんなことしてる場合じゃない!救急車今くるから!」 加奈子「・・・くっそぉ・・・京介・・・・」 あやせ「加奈子・・・ごめん・・・ごめん・・・」 加奈子「・・はっ!!桐乃・・・桐乃はどうしたんだよ!てめぇんちに行ったんだろ!?」 あやせ「桐乃・・・もう帰った・・・帰った・・・何もしてない・・・ごめんなさい・・・!」 ・・・プルルルル・・・ 加奈子「桐乃!!!京介が刺された・・!早く来てくれ!公園!」 桐乃「え?何!?何!!?」 ・・・プツッ ピーポーピーポー 555 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 42 19.62 ID E81zMC5U0 [14/16] ・・・救急車・・・ 加奈子「京介・・・!もう着くからな・・・?逝っちまぅなよぉ・・?」 地味子「京ちゃん・・・」 あやせ「・・・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」 京介「・・・・・・・・・・」 加奈子「ぉい!頼むょ!!!てめぇ医者だろ!?京介絶対助けてくれょ!?」 医者「全力を尽くします。今は、握っててあげてください」 加奈子「きょうすけぇ・・・・・!」ギュッ 京介「・・・・・・・・・・・・・」 556 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 47 31.22 ID E81zMC5U0 [15/16] ・・・病院、処置室前・・・ 桐乃「加奈子っ!!」ダッ 加奈子「桐乃・・・」 桐乃「兄貴は!!!???」 加奈子「今、この中だ・・・」 母「京介・・・!」 父「誰が京介を!」 あやせ「・・・・私です・・・」 桐乃「・・・・っ!あやせっ!!!!あんた!!!」グィッ あやせ「桐乃・・・・私・・・戻れなかった・・・元に・・・戻れなかった・・・・・・」 父「・・・・・今、部下を呼んでくる・・・ここは頼んだぞ。」 母「はぃ・・」 557 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/24(月) 23 55 36.66 ID E81zMC5U0 [16/16] あやせ「私・・・嬉しかった・・・桐乃が、待っててくれるって言ってくれて・・・」 桐乃「じゃぁなんで!?なんで兄貴を!!」 あやせ「・・・・・・・・ごめん・・・・・」 母「うっ・・・うぅ・・」グスッ 桐乃「自分のしたことわかってんの!?あんた!!」 あやせ「・・・・ごめんなさい・・・私・・・謝るつもりだった・・・なのに・・・!」 桐乃「嘘!最初からこうするつもりだったんでしょ!?」 地味子「桐乃ちゃん・・・違うよ・・?あやせちゃんの言ってることは本当なんだ・・・・」 桐乃「なっ・・・なんであんたがっ?」 地味子「桐乃ちゃん・・・ごめんなさい・・・私、京ちゃんの行動を見張ってたの・・・」 加奈子「は?なんだって・・・?」 地味子「ずっと・・・そしてくまなくあやせちゃんに報告してた・・・ごめんなさい・・・」 桐乃「っ・・・・あんたたち・・・最低・・・・兄貴をどれだけ傷つけたら満足するの・・・」 558 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 00 01 29.62 ID 1bNRODH+0 [1/4] 地味子「だから・・・今日二人で謝ろうとした・・・だけど・・・」 桐乃「呆れた・・・あんた・・・一応幼馴染だからって・・・少しは信用してたのに・・・」 加奈子「・・・・・」 父「こっちだ。」 部下「はい。君・・・だね?」 あやせ「・・・・・はい・・・・・・」 部下「ちょっと話聞かせてもらうから、署まで来てくれる?」 あやせ「・・・・・はい・・・」 父「加奈子ちゃん。君にも話は聞く事になるだろうが、今は京介の傍にいてやってくれ。」 加奈子「はぃ・・・」 地味子「あのっ・・・私も行きます・・・」 部下「さぁ、行こうか」 あやせ「・・・・・・」スタスタ 572 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 21 48 30.42 ID D7djP7RQ0 ウィーン・・・ 母「先生!京介は・・・」 医者「最善は尽くしました。」 加奈子「大丈夫なのかょ!?本当に大丈夫なんだろうな!?」 医者「後は本人の生命力に任せましょう。」 桐乃「兄貴・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・病室・・・・・・・ 桐乃「・・・・・・・・」 加奈子「・・・・・・・」 ガラッ・・・ 母「・・・二人とも・・・お腹空いたでしょ?向こうに食堂があるから・・・何か食べましょう・・?」 桐乃「・・・・加奈子、どうする?」 加奈子「・・・・・」フルフル 桐乃「そう・・・」 母「桐乃・・・今は二人にしてあげましょう・・」 桐乃「・・・わかった・・・」スタスタ 573 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 21 54 35.95 ID D7djP7RQ0 加奈子「京介・・・・・」 京介「・・・・・・・」 加奈子「言ってくれたよな・・・命を懸けて守ってくれるって・・・」 加奈子「ありがとうな・・・守ってくれて・・・」 加奈子「・・・加奈子・・・こんなんだけどょ・・・借り返さねぇと気済まねぇタチなんだ・・・」 京介「・・・・・・・・・」 加奈子「だから・・・これからは京介を守る!」 京介「・・・・・・・・・」 加奈子「なぁ・・・目覚ましてくれよ・・・」 加奈子「なんか・・・なんか言ってくれょ!」 加奈子「シカト・・・しないでくれよ・・・」 ガラッ・・・ 黒猫「・・・!・・・」 574 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 01 44.51 ID D7djP7RQ0 加奈子「黒猫・・・京介・・・目・・・覚まさねぇ・・・」 黒猫「大丈夫・・・この人は強いわ」 加奈子「もし・・・このまま・・・」 黒猫「縁起でもないこと言わないで頂戴・・・」 加奈子「けど・・・」 黒猫「・・・・!」 パァン! 加奈子「・・・!何・・・すんだょ・・・」 黒猫「しっかりして!!あなたがそんなんでどうするの!?」 黒猫「この人は他の誰よりあなたに信じていてほしいはずよ!?」 加奈子「・・・悪かった・・・ごめん・・・」 黒猫「・・・叩いて・・・悪かったわね・・」 加奈子「ぃや・・・いいょ・・」 575 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 08 28.47 ID D7djP7RQ0 ・・・・・夜・・・・・ 黒猫「私・・・妹がいるからそろそろ帰るわね」 加奈子「あぁ・・・」 黒猫「何かあったら電話頂戴・・じゃ」 桐乃「ちょっと!!」 黒猫「?何かしら」 桐乃「・・・来てくれて・・・ん・・ありがと」 黒猫「・・・えぇ。」スタスタ 母「私たちもそろそろ寝ましょう・・・?加奈子ちゃんは?帰らないの?」 加奈子「ここにぃます・・・」 母「じゃぁせめて・・食事は摂りましょう?」 桐乃「あんた・・・なんも食べてなんでしょ?」 加奈子「いいょ・・・食べる気なぃ・・・」 桐乃「・・・・・・・・」 576 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 16 04.16 ID D7djP7RQ0 ・・・・朝・・・・ 加奈子「・・・・」コクッ 加奈子「はっ・・・!京介・・!」 京介「・・・・・・・・・」 加奈子「・・・まだ・・・かょ・・・・」 ガラッ・・・ 桐乃「おはよ・・兄貴は・・?」 加奈子「・・・・・・」フルフル 桐乃「そう・・・」 加奈子「・・・うぅ・・・・」 桐乃「ちょ・・・ちょっと・・・」 加奈子「やだよぉ・・・つれぇよ・・・」ウルッ 桐乃「・・泣くな!・・・あたしだって・・・辛いんだから・・・」 加奈子「・・・ぅぁーん!京介ぇ・・・・!」 京介「・・・・・・」ピクッ 加奈子「・・・・!京介・・・!」 京介「・・・・れ・・・だ・・・よ・・・」 加奈子「え?何!?」 桐乃「兄貴!!!!」 京介「泣か・・した・・・の・・・・だ・・・れ・・・だよ・・・」 577 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 21 12.03 ID D7djP7RQ0 加奈子「京介・・・」ギュッ 桐乃「先生呼んでくる!」ダッ 加奈子「よかった・・・!よかった・・・」 京介「だれ・・・に・・・泣かされ・・・た・・?」 加奈子「京介だょ・・・・!心配かけて・・・」 京介「あぁ・・・・俺・・か・・」 加奈子「そうだょ!お前だよぉ・・・でも・・・許してやる・・!」 京介「ん・・・よかっ・・・た」 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 医者「・・・・・・・」 医者「うん・・・もう大丈夫でしょう。」 医者「よく頑張りましたね。」 京介「・・・・」コクッ 578 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 25 41.01 ID D7djP7RQ0 ・・・・・・・・・・・・・ 加奈子「黒猫!京介、目覚ましたょ!」 黒猫「まぁ、当然よ。私の言った通りだったでしょ?」 加奈子「あぁ!ほんとよかった・・・!黒猫も顔見せてやってくれょ!」 黒猫「そこまで暇じゃないわ。ちょっと行かなければいけないところがあるのよ」 加奈子「そう・・・か。じゃぁ暇が出来たら来てくれ!」 黒猫「わかったわ。」 ・・・ピッ・・・ 黒猫「ほんと・・・よかった・・・・」ギュッ 579 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 35 17.93 ID D7djP7RQ0 ・・・・・病室・・・・・ 京介「桐乃、お前にも心配掛けたな・・」 桐乃「はぁ!?別に心配なんかしてないし!頭おかしくなったの?あぁ、元からか」 母「あら・・?夜寝る前《あにきぃ・・・あにきぃ・・・》って泣いてたのは誰だったかしら?」 桐乃「ちょっ!お母さん!!」 母「あら、ごめんなさい。」 京介「桐乃、ちょっと来い」 桐乃「な・・・何よ・・・文句でもあんの?」トコトコ 京介「ありがとう。」ナデナデ 桐乃「・・・ばか・・・別に・・・お礼なんか・・・」 ガラッ・・・ 加奈子「あっ!桐乃!ずりぃ!!!」 桐乃「ばっ・・・!違う!これは兄貴が頭撫でさせてほしいって言うから!!」 京介「賑やかだなぁ・・・はは」 ガラッ 父「お、目覚めたか」 京介「親父・・・」 父「安心しろ、お前を刺した犯人は今留置所にいる。」 京介「親父・・・・そのこと・・・なんだけど・・・よ・・・」 580 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 44 25.86 ID D7djP7RQ0 ・・・・留置所・・・・ 看守「入りなさい」 あやせ「・・・・・・」 黒猫「あら、お久しぶり。」 あやせ「・・・・・・」 黒猫「あの人、目覚ましたわ。一応伝えようと思って」 あやせ「そう・・・ですか・・・よかった・・・」 黒猫「ほんと。まぁ、もう少し寝てたほうがよかったかもね。今ごろ彼女と妹に挟まれて苦労しているでしょうから」クスッ あやせ「・・・・・・」 あやせ「あなたにも・・・謝らなければいけませんね・・・ごめんなさい・・・」 黒猫「・・・?なんのことからしら」 あやせ「この前・・あなたを刺s」 黒猫「この前?さぁ・・・覚えがないわね。あなたと会ったのは、・・・そう、ビックサイト以来よ」 あやせ「えっ・・・」 黒猫「勘違いしないで頂戴。別にあなたを許したとかそういうのではないわ」 あやせ「・・・・」 黒猫「ただ、あの人ならこうすると思った。それだけのこと・・・」 あやせ「でも・・・お兄さんは・・・もう・・・私のこと・・・」 黒猫「そうかしら?・・・きっと・・・今ごろ・・・」 581 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 22 58 26.45 ID D7djP7RQ0 ・・・・病室・・・・ 親父「何?あの子じゃない?なら誰がお前を刺したって言うんだ。証拠だってあるんだ」 京介「だから・・・それは全部違うんだ!俺自身がやったことなんだ!」 親父「なっ・・・バカを言うな!!お前の言いたいことはわかる。あの子を庇いたいんだろうが」 京介「庇うも何もちげぇって!!!・・・っ・・いって・・・」 親父「怒鳴るのもままならないほどになっているのに!訳のわからんことを・・・」 京介「・・・頼むよ・・・親父・・・」 親父「ダメだ。これは俺の仕事なんだ。お前本人だけの問題ではあるまい」 京介「頼む・・・親父にしか頼めないんだ・・・」 親父「・・・・・」 桐乃「お父さん・・・あたしからお願い・・・!」 京介「・・・・・桐乃・・・・」 親父「・・・・・・・お咎め無しとはならないが・・・やることはやってやる。」 親父「・・フッ・・・バカ息子が!」スタスタ 582 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 23 07 40.24 ID D7djP7RQ0 京介「桐乃、お前まで・・・なんでだ?」 桐乃「兄貴がそれでいいってんなら、それもいいかなーって思っただけ・・・」 京介「・・・そっか・・・ありがとう。」 加奈子「でもなんでだ・・?なんで許そうって気になったんだょ?」 京介「・・・なんでだろうな?自分でもわかんない。けど・・・」 加奈子「けど・・・?」 京介「大切だから・・・かな。あやせも、桐乃も、そして加奈子も。」 加奈子「・・・そっか//」ギュッ 桐乃「あーあー。イチャイチャしちゃってさー」 京介「うっ、悪い・・・」 桐乃「見てらんないからあたし出てるね。二人っきりにしてあげる。じゃ」スタスタ 加奈子「桐乃・・・!・・・ありがとな」 桐乃「別に!」クスッ バタン 584 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 23 37 12.98 ID D7djP7RQ0 京介「・・・・ずっと傍にいてくれたんだろ?」 加奈子「と・・・当然だろ!?京介の・・・彼女・・・なんだし・・・」 京介「ありがとう・・・」チュッ 加奈子「ん・・・目覚ましたばっかなのに・・欲張りなやつだなぁ///」 京介「だって男だもの」 加奈子「うぜぇよぉ///・・・ぅわ、もう勃ってやがる」 京介「ばっ・・・触るな・・」 加奈子「ょし。目覚ました褒美に加奈子がコレ静めてやんょ」スルッ 京介「なっ・・・バカ!やめ・・」 加奈子「ゃめねーょ//・・・意外とでかぃんだなぁ、凶悪な形してやがる・・・はむっ」 京介「くぁっ・・・ちょっ・・・」 加奈子「ふむっ・・ちゅっ・・・更にでかく・・なった・・・ぞ・・ちゅむっ」 ガラッ! 沙織「京介氏!!!!!!!!!目を覚まし申したと聞き及びま・・し・・・た・・・・・が・・・・」 桐乃「ちょっと!声でかい・・・・わ・・・・よ・・・・」 京介・加奈子「あ・・・・・これは・・・・・その・・・」 沙織「あ・・・あー!お邪魔でしたかな!?では拙者は・・・」スタスタ 桐乃「・・・・・・」プルプル 京介「あ・・・あの・・・桐乃・・・・さん・・・?」 加奈子「桐・・・・・乃・・・・・?」 桐乃「こんなことさせるために二人にしたんじゃないわよ!!!変態どもー!!!」バシッ 京介・加奈子「うへぇ!!!」 ぺキッ 京介「はぅっ!!!」 加奈子「あ、折れた」 ・・・・・・・・・・・・・・ こうして俺は無事に?目を覚まし、その後順調に回復していった 桐乃もしばらくは口聞いてくれないし、これはご機嫌取りが必要だな・・・ けど、桐乃ばかりかまいすぎると、今度は加奈子が機嫌を悪くする・・・その無限ループ けど、俺はこの日常が好きだ。この二人に挟まれて・・そんな日常がな あやせも真奈実も、親父が立ち回ってくれたおかげで、すぐに帰って来れるらしい そうだ。この傷を治したら迎えに行こう。このうるさい妹と、彼女であるその妹のツレを連れて そして、暖かく迎えてやろうと思う。おかえりってな END
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/260.html
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 02 51 21.52 ID Q5SLxTCE0 第1話 『私が妹と恋をするわけがないっ!』 彼の乗る蒼いMSは既に金属異性体に侵食されつつあった。 もはや長い時間戦うことは出来ないだろう。それでも彼は阿修羅ように戦場を舞う。 この戦いの先に未来があることを信じて…… 「少年!!」 巨大な球体状の金属異性体の本体を前にして、切り札の超大型ビームサーベルを拡散され 次の一手を思案している青と白の機体に届くように彼は言った。 「未来への水先案内人は、この私グラハム・エーカーが引き受けた!」 赤い流星となった彼――グラハム・エーカーと愛機ブレイヴは巨大な球体状の金属異性体の 裂傷に向かって、血反吐を吐きながら、しかし、その顔には笑みを浮かべながら一直線に駆け抜ける。 「これは死ではない!!人類が生き残るための…!!」 そうこれは犬死などでは無い。 きっと少年は彼の押し開けた最後の扉を進み その手に未来を掴むだろう。 この世界においてのグラハム・エーカーはその人生を一分の後悔無く全うした。 しかし、生と死の交わる狭間、彼の意識はまだ消えてはなかった。 幸か不幸かグラハム・エーカーの物語はまだ終わってはいなかったのである。 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 02 55 29.54 ID Q5SLxTCE0 学校からの帰り道。青空が眩しい。 かつての私はあの空を飛び回るフラッグファイターだった。 敢えて言わせて貰おう、私の名は高坂京介……かつてグラハム・エーカーと呼ばれた男であり、ごらんの通り学生だ。 自分で言うのも何だが、こことは違う世界での戦いの記憶を持つ事以外はごく平凡な男子高校生であると断言しよう。 興が乗らなかったため所属している部活は無いし、趣味も特筆する程では無いだろう。 今の私は空を奪われてしまったのだから。我が愛機に匹敵する機体が生まれるのは果たしてこの世界では何時になるか。 だが、そんな日が来るのを待ちながらも、普通の学生とやらの平凡で無難な日々という物も私は謳歌している。 かつては孤児であった私だが、今、この世界においては父と母……そして妹に囲まれて暮らしている。 それなりに裕福で不自由の無い暮らし、物足りなくないと言えばウソになるが、人は順応していくものだ。 「えー!うっそー!?何それキャハハハ!」 学校から帰宅し喉を潤すためリビングに向かった私を出迎えたのは ソファーに寝転がり電話に夢中になっている我が妹の姿であった。 妹の名は高坂桐乃。年は14になり近所の中学に通っている。 ライトブラウンの顔にピアス、今時の少女とでも言うのか。 「帰宅の挨拶!ただいまという言葉を送らせて貰おう!」 私は礼儀にならい帰宅の挨拶を述べたが、妹からの返事がないどころか一向にこちらを見る気もないようだ。 「ただいまと言った!!」 言っておくが私は挨拶をしている!! 「あーもう……うっさいなぁ……うん、うん、ごめんね。ウチのバカがさ。 落ち着いて話せないし…うん、これから行くね――」 「何度でも言おう!!ただいまであると」 「……チッ……おかえり……」 妹は3度目の挨拶にしてようやく口を開いた。 フッ、気難しいお姫様だ。 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 03 11 15.85 ID Q5SLxTCE0 妹と爽やかな挨拶を交わした事に満足した私は自室のある2階へと歩を進めるべくリビングを出た。 しかし、そこで私はそもそもリビングに行った目的は、妹との対話のためでは無く この喉を潤すための麦茶を手に入れるためだと言う事を思い出し、再度リビングに戻ろうとした刹那…… 「なんとっ!」 「きゃっ!!」 出かけようとリビングから出て来た妹と接触した。 不意をつかれた私と桐乃はその場に倒れ込んだ。 その拍子に桐乃の持っていたバッグから荷物が散らかる。 「あっ……」 「すまなかった。」 私は素直に謝罪の意を述べ、散らかった荷物を拾おうとした。 「さわんないでっ!」 「断るっ!!!」 私は全力で妹の申し出を無視すると 荷物を拾いバッグに詰めていった。 「な、何のよ……」 恨めしそうな目で私を桐乃が見ている。 だが、そんな事は私の知った事ではない! 「………いってきます」 私の手からバッグを奪い取ると桐乃は忌々しげに義務を果たすかのように呟くと バタンと強く扉を閉めた。 「怖い顔だ」 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 03 19 41.26 ID Q5SLxTCE0 ご覧のとおりこれが私と妹との関係だ。 私が『高坂京介』である以上はガンダム以上の難敵と言えるだろう。 直接戦闘が出来ない以上は、私に分が悪いかもしれないな。 自嘲じみた嗤いしか出てこない。 「ん?」 そんな事を考えている私の目に1つの物体が飛び込んだ。 それが落ちていたのは玄関の隅っこ。先ほどは気付かなかったが… 「これはっ!?」 それは恐らくDVD……アニメのパッケージと私は認識した。 しかし、この家には似つかないものだな。 私はこの家には不似合いなパッケージを拾い上げる。 「ほしくずウィッチメルル。破廉恥だな。」 やたらと扇情的な衣装に身を包んだ桃色の少女に対して私が持った感想はその程度であった。 しかし…我が家で発見されたこの異物……果たして所有者は誰なのか? 私とて人の子だ。謎の異物を目の前にすれば興味も沸こうというものだ。 ガンダムを始めて見た時の高揚感に近いと言えば判って貰えるだろうか 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 03 30 47.45 ID Q5SLxTCE0 しばし、私は思案にふける。 父上……いや、彼がこういった物を所有する事は有り得ないだろう。 まさに堅物である父がこういった物を購入するとは思えない。 声だけで言えば持っていてもおかしくないマダオなのだがね。 では母か!……これもまた有り得ない妄想だと言わせて貰おう。 妹……まさにナンセンスだな。 順番に家族の顔を思い浮かべたが我が家でこのアニメを所有しているに足る人物が居ない事に気付く。 思案にくれながら私はケースを開いた。 「なっ!!まさか他にもDVDが有ったとは……聞いていないぞメルルっ!!」」 更なる衝撃が私を襲う。 【妹と恋しよ♪】 結論から言えばこのメルルのDVDケースに収められていたのは 『ほしくず☆ういっちメルル』では無くR18と表記されたゲームであった。 つまりこの所有者は『メルル』と『妹と恋しよ♪』の2本を確実に持っている事になる。 我が家に落ちていた以上は、所有者は私・父・母・妹の4人に間違い無いのだろうが…… 果たしてこの2本を持っていて一番違和感が無いのが…… 「『魔法の少尉ブラスターマリ』と『ガンダム(少年)と恋しよ♪』ならば確実に私なのだがな」 もちろん冗談だ。 21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 03 43 07.13 ID Q5SLxTCE0 考えれば考えるほど判らなくなる。 しかし、既に私の好奇心はこのブツに対して興味以上の物を抱いてしまっている。 ならば、見つけ出さねばなるまい。どのような手段を取ったとしても。 「ここにグラハム・エーカーが宣誓しよう。このゲームの所有者を必ず見つけ出すと!」 その日の夕方。 私が夕食を得るためにリビングに向かうと 玄関の近くに帰って来た桐乃の姿を発見した。 呆然と佇んでいる姿は可憐では有ったが、生気を感じない。 「おかえりなさいだな!桐乃!」 取り敢えず挨拶をしてみるが 「………は?」 まさに阿修羅のような顔で睨まれてしまった。 どうやら我が妹はご機嫌斜めなようだ。 フッ、だがその反応……答えは見えたかもしれないな。 もっとも確証を得るには足りない。 私の信条では無いが、少し策を弄する事も必要だろう。 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 04 00 11.82 ID Q5SLxTCE0 今夜の夕食はカレーであった。 ララァ・スン少尉の好物(?)とは、流石だな母上。 それは置いておいて作戦を始めよう。多少強引な作戦ではあるが そうでなくては、この件の犯人は口説けまい。 「私は食事が終わった後に、コンビニへと向かうつもりだが、何かあるかね?」 「じゃあ、アイスお願い」 何でもない母上との会話を挟みながら私切り出す。 「そう言えば、頼りになる友であるカタギリが、最近女児向けアニメに嵌っているらしいのだが……」 正確に言えばカタギリが嵌っていたのは、ソレスタルビーイングの戦術予報士と声がそっくりな少女が 出てくる「ふたりはプリなんちゃら」であったが大差はあるまい。その名借りさせて貰うぞカタギリ!! 「その名は……ほしくず☆ういっちメルル!」 「なーに突然」 「非常に面白いと勧められたので気になってね」 「やあだー、そういうのってオタクって言うんでしょ。ほら、テレビとかでやってる。 そういう事ばっかやってると38歳童貞とかになっちゃうわよー、ねぇ、お父さん」 「ああ、わざわざ自分から悪影響を受けに行く必要もあるまい」 やはり、そういう認識か。だが友の名誉のために言わせて貰うと カタギリは伴侶を得たようだ。直接祝福出来なかったのは心残りではあるが。 しかし、この様子から推察するに、母も父もシロなのは間違いあるまい。 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 04 26 09.90 ID Q5SLxTCE0 私はそっと横にすわっている桐乃に眼を向ける。 「……………………」 桐乃はきつく唇を噛み締めている。手にした箸が震えているのも確認出来た。 「桐乃…?」 妹の異常に母上が呼びかけるも 「ごちそうさま!」 忌々しげに呟くとバタンと強く扉を締め桐乃はリビングから出て行った。 「どうしたのかしら、あの子」 「フッ、あの年頃の子には良く有ることだと認識している」 「そうかしら…」 どうやら私の戦士の第6感は錆びついてはいなかったようだ。 尻尾は掴ませて貰った。しかし、隠し事の出来ない妹には好意すら抱くよ。 もはや9割9分私の中では答えは出ている。 しかし、100%の確信には至っていない。 ならば、ここで畳み掛けさせて貰おう。 【オペレーション・メルル】 5機のガンダムの降下作戦に準え命名した作戦を私は決行した。 作戦内容は、これを読んでいる諸君には説明するまでもあるまい。 私は敢えて妹に聞こえるように部屋の前で叫んだ 「さてと、コンビニへ……グラハム・エーカー!出る!!」 これでは道化だな。少年ほどの演技の才覚は私には無いようだ。 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 04 37 54.83 ID Q5SLxTCE0 家から出ると私は自分の部屋を見上げた。 私は我慢弱い。早く動いてくれる事を所望する。 そんな我慢弱い私であっても、ここまで早く事態が動くとは予想していなかった。 部屋を見上げること数秒、誰もいないはずの私の部屋に明りが点灯したのである。 【オペレーション・メルル】の成功を確信した私は雷すら凌駕する程のスピードで階段を駆け上がる。 そして、勢い良く自分自身の部屋のドアを開ける。 「よもや、こういう形で君に出会おうとはな……」 「……っ………!!」 まさかと思ったが、ここまで素直に動いてくれるとは。 部屋の中心で四つん這いになっていた桐乃は、青ざめた顔で私の方を振り返った。 怯えたように見えるが、その目には私を侮蔑するかのような色が見える。 「感心しないな。君のその行動は」 「……ど、どうだって良いでしょ!」 「感心しないと言った!君が同じことをされたらどう思うか、考えたほうが良い」 「……………」 桐乃は無言で立ち上がると私が背にしている扉の方へ近づいてくる。 怒りのせいかその顔は紅潮し始めている。 「どいて」 「断固拒否する。私の質問に答えて頂くまではな」 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 05 11 29.37 ID Q5SLxTCE0 「どいて」 「拒否すると言った。君の捜し物はコレだろう?」 私は懐より『ほしくず☆うぃっメルル』を取り出す。 「そ、それは!」 「当たらんよ!」 何とかソレを取り返そうと物凄い剣幕でつかみ掛ってくる我が妹。 しかし、その程度の機動ではソル・ブレイヴスの精鋭には遠く及ばない! 私は手際よくその攻撃を回避すると、DVDケースを掲げ、逆上している妹に語りかける。 「やはりコレは君の物だったのだな!」 「そんなわけないでしょ!!」 「その言葉ナンセンスだな。君の行動そのものが矛盾している!」 私の言葉を聞いて妹の顔には更に怒りがにじむ 「絶対違う!あたしのじゃない。そ、そんな子供っぽいアニメなんか……あたしが見るわけ……無いでしょ」 なおも必死さを増す妹には憐憫の情を覚えざるを得ない。 「返そう。私はただ所有者に興味が有っただけだ。奪うつもりは無いさ」 「だ、だからあたしのじゃ……」 この後に及んでも否定するか。 ならば彼女には言い訳を与えなければなるまい。 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 08 04 07.56 ID Q5SLxTCE0 「理解した。それでは、この所有者不明のアニメDVDは私が持つに相応しいものでは無い。 出来る事ならば処分したいのだが……私は我慢弱く面倒が嫌いな男だ! 君にこのアニメの処分を頼もう。」 「あ、あんた……ん……別に良いけどさ…… 私と言えど空気くらい読む時もある。 私が道を開けると、桐乃は入れ替わりに部屋から出て行く。 世話のかかるお姫様だ。しかし、これだけ彼女と会話したのも久方ぶりだ。 『高坂京介』にとっての来るべき対話の日と言うわけか。 「ね、ねぇ」 まだ居たのか。 「やっぱ……おかしいと思う?」 「その言葉の意図が、私には理解出来ない」 「だから……例えばの話……あたしがこういうの持ってたら……おかしいかって聞いてるの」 「人の趣味趣向に貴賎は無いと私は考えている」 「そう……思う?本当に……?」 「ならばここに宣誓しよう。この私、グラハム・エーカーは 君がどんな趣味・趣向を持っていたとしても、絶対に嘲笑したりしない事を!!」 「何でそんな芝居がかってるのよ……でも……そうなんだ…ふーん…」 私の見事な宣言に安心したのか妹は何度か頷くと 後生大事に「ほしくず☆うぃっちメルル」を打き抱えて自分の部屋に戻っていった。 【オペレーション・メルル】はこうして終わった。 ならば戦士にもしばしの休息が必要である。眠らせて頂く! 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 08 24 52.62 ID Q5SLxTCE0 「少年……ハァハァ……少年が一人……青年のような少年が一人………メタルな少年が一人……フフフ」 パァン!! 最高の夢を見ていた私の頬に衝撃が走った! 「何者っ!!」 深夜の襲撃者に私は飛び起き迎撃体制を取ろうとする。 しかし、そこにいたのは、襲撃者では無く、久方ぶりに長時間の会話をかわした妹であった。 「静かにして……」 「堪忍袋の緒が切れた!!絶対に許さんぞっ!!」 妹の言葉を無視して私は叫んだ。 何故ならば私は、今世紀最高とも言える夢を邪魔されて 不機嫌にならざるを得ないのだから。 「静かにしろって言ってるでしょ……今何時だと思ってんの?」 「その台詞、慎んでお返ししよう」 何度も言うが私には不機嫌になる理由があるのだ。 何時かと言われれば深夜2時を回っている そのような時間に実の妹とベッドの上で向い合うなどと! このシーンだけ取り上げればインモラルな関係すら連想出来るだろうが 生憎にも私にはそういう趣味は無い。 「取り敢えず、降りて頂きたいものだな」 私の怒りを殺した言葉に、桐乃はムッとしながらも従った。 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 08 50 46.71 ID Q5SLxTCE0 「それで、これは何のつもりか聞かせて頂こうか」 「は、話が有るからちょっと来て」 「明日にして頂こう!」 私には夢の続きを見るという崇高な使命があるのだ。 子供の遊びには付き合っていられない。 「駄目!」 真剣な顔で妹は私の言葉を拒絶した。 その真剣な眼差し……良いだろう。 ならば、瞳に免じて私は矛を収める事にした。 少年との夢の続きはまた何時でも見ることは出来る。 分かってくれるな少年!今の私に与えられた役目…… いや、宿命はどうやら、この我侭なお姫様をエスコートする事のようだ。 正直言って、叫んだりしたせいで私の目も冴えてしまっている。 しばし、彼女に付き合ってみる事にしよう。 「それで、私はどこに行けばいいのかな?」 「あたしの部屋……」 妹の部屋は私の部屋のすぐ隣にある。 私の記憶が確かならば一昨年、元々あった和室を 中学に上がった彼女のために父がリフォームしたものであったはずだ。 よもや、私が彼女に導き入れられる事になるとは思っていなかったが 67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 09 26 47.43 ID Q5SLxTCE0 「入っても良いよ……」 「立ち入りごめんっ!!」 「だから大きな声出さないでってば…!」 多少ではあるが私の部屋よりも広いな。 内装自体は私の部屋とそうは変わらないようだ。 全体的に赤っぽいカラーリングである。違うところと言えばパソコンデスクがある所くらいか。 「あんまジロジロ見ないでよ」 「失礼」 どうやら私の熱視線を見透かされたようだ。 「それで話を聞かせて頂こうか」 私は話題を本題に持ち込む。 「ふう……」 桐乃は一大決心をするかのように息を飲み込んだ。 「さっき言ったよね……あたしがああいうの持ってててもバカにしないって……」 68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 09 27 17.32 ID Q5SLxTCE0 「その旨を肯定しよう」 「本当に本当!?絶対にバカにしない!?」 「男の誓いに訂正は無い」 「ウソだったら殺すから」 フ――妹に殺されるような結末は避けたいものだな。 しかし、私の言葉に桐乃は多少安心したようだ。 やがて、すうはぁと深呼吸を何度かすると呟いた。 「…………あるの」 「もう一度いって頂こう」 妹の言葉は残念ながら私の耳には届いていない。 「だ、だから人生相談があるのっ!」 「人生相談……?」 妹からの突然の聞きなれない単語に私は思わず聞き返してしまう。 「そ、そう……人生相談」 『人生相談』 この言葉におとめ座の私はセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない。 そう、まさに私の感じたとおりこの言葉は今後の私を運命づける事となる。 83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 15 47 13.35 ID Q5SLxTCE0 桐乃は、意を決したように本棚の前まで歩いて行った。 ガラッ そこから現れたのは本棚の裏の隠し収納スペースであった。 なるほど。元々は和室だった故のカラクリというわけかっ! 「元々和室じゃん……ココ。リフォームした時の名残だと思う。そんでこういう事になってるの」 桐乃は現れた押入れをさらに開く。そこで私が最初に目にしたものは………『妹と恋しよっ♪ 妹めいかぁ EX vol.4』 「更に援軍だとっ!?聞いてないぞ妹めいかぁっ!!」 「あ、それは最初はPS2から出たんだけど、パソコンに移植されてから別シリーズ化されたの。 名作だけど、ちょっと古いし内容もハードだから初心者にはお勧めしない」 「くっ!まさか私をルーキー扱いとはな……!」 「えっ?だって……あんたまさかプレイした事あるの……?」 「無い!」 「あんたと話となんか疲れるわ……」 またも妹にげんなりとした顔をされてしまった。 だが言わせて貰えば、私も予想以上の事態に疲れている! もちろん、現れた敵はこれだけでは無かった。押入れからは次から次へと新たなる刺客が登場していく。 さながらELSの大群を連想させる。果てる事の無い敵にどう立ち向かうか…… 86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 16 08 06.66 ID Q5SLxTCE0 「ちなみにこっちがシリーズ3の「超義妹」、シリーズ2「妹たちとあそぼ」シリーズ9「天元突破十二姉妹」シリーズ16「最終兵器妹」」 テンションの高揚した妹が並べていくR18のゲームはさながらバベルのように積み上がっていく。 「敢えて言おう……何故こんなに箱が大きい!?」 「小さいのもあるよ」 更にDVDケースほどのサイズのR18が登場する。 今度は小型ELSと言うわけか! 「でも、やっぱメインストリームはコッチなのよね、平積みでのインパクトが違うもん」 大は小を兼ねると言うことだろう。 「なるほど理解した。こちらの物は」 私の視線の先にはPCのゲームより更に大きい箱が見られた。 描かれているイラストは……また会ったなメルル!! 「それはDVDBOX!そんでこれがバラでしょ。これが廉価版、こっちが北米版。北米廉価、BD」 妹は嬉しそうに私の説明を求めた箱以外の物も私の目の前に持ち出してくる。 「これは同じものでは無いのかっ!?」 「お布施よ」 「つまり、00ガンダム、00ライザー、00ライザーデザイナーズカラー、00ライザートランザムエディション 00ライザーGNソードⅢ付属、00ガンダム7ソード/G、00ライザー粒子貯蔵タンク型などと同様と言うわけか」 「な、なんで急にそんな例えを」 ガンダムで解説してくれという天の声に応えたまでだ。 ちなみに私の愛機ブレイヴはHGで好評発売中と言わせて頂く。 91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 16 31 21.76 ID Q5SLxTCE0 「しかし、私が訝しく思うのは、こういう物は高いのでは無いかと言う事だ」 特に詳しい知識が有る訳では無いが、そういう物であると言う認識はある。 ちなみに劇場版機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- COMPLETE EDITION【初回限定生産】は 12月25日に10,500円で発売であると言う事を諸君にも熟知して頂きたい。 「まぁ、割とね。こっちが41,790円でしょ。これは55,000円。そんでこっちは――」 「その値段は高いのではないかっ!?割とでは無いっ!」 「そう?服一着か二着でしょ、これくらい」 「しかしながら、君はまだ学生だ。それだけの資金源……まさか……私は兄として君を全力で止めなければならないようだ!!」 「な、何を勘違いしてるのよ!勝手に暴走するなっ!ギャラよギャラ!」 私の想像とは違った回答が帰ってきた。 ギャラ……それならば問題は無いと判断するべきか?しかし…… 「それはどういった理由で出ているのか聞かせて貰いたいものだな」 「あれ?言ってなかったっけ?あたし雑誌のモデルやってるから」 そう言うと桐乃は私に一冊の雑誌を差し出してきた。 私とは縁遠いティーン紙と呼ばれるものだ。なるほど。 これならば私の目に入ることがこれまで無かったのも納得がいくというもの。 「理解した。君は、私の想像すら超越していたようだ」 「大したことないよ……別に……」 どうやら私の褒め言葉でもそれなりに効果はあるようだ。彼女の表情は満更でも無いと断言する。 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 17 25 28.20 ID Q5SLxTCE0 「で、どう?」 「どう…とは?」 「感想!私の趣味を見た」 「感想か……率直に言おう。驚いた」 「そんだけ?」 「誇っても良い。私のこの驚きはガンダムと刃を交えた時に匹敵する」 「何言ってるのか全然判らないし……やっぱりあたしがこういうの持ってるのっておかしいかな……」 なるほど、彼女の人生相談とはつもりこういう事なのだな。 確かに私も想定を超える数の品々を見せられて驚いたのは事実だ。 しかし、だからと言って数時間前に宣誓した言葉を簡単に曲げる私ではない。 「言ったはずだ。私は君がどんな趣味・趣向を持っていても嘲笑したりはしないと…… 自分の力で得た賃金で、自分のための物を買う。その行為を否定出来るものなどはいないさ。」 「そっか……そうだよね。ハハッ、いっつも変な事ばっか言ってるけどたまには良い事言うじゃん!」 失敬だな。私は『変な』と言われるような事を言っているつもりは無い。 何はともあれ、私の言葉に妹は満足してくれたようだ。 しかし、一つの疑問が私の胸の中に残留していた。 この疑問だけは解決しておかなければ、今後の健やかな兄妹生活にも支障をきたすであろう。 「一つだけ問いたい」 「な、何よ……改まって……」 「何故に君は、妹者のR18なゲームばかり持っているのかと言う事だ」 「なんでだと思う……?」 何故か桐乃はそこで頬を赤く染めている。なるほど、理解した。 「その気持ち愛かっ!?」 しかしながら、私は君のその気持ちには応えられない! 私の趣味とは違うものでな!ここははっきりと告げておかなければなるまい。 100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 18 20 06.59 ID Q5SLxTCE0 「は、はぁっ!?何言ってるのよキモッ!!!マジでキモいんですけどっ!!」 頬を染めながら桐乃は気持ち悪いと言う旨の言葉を連呼している。 どうやら私の早合点だったようだ。 「まるでピエロだな」 「勝手な妄想したのあんたでしょ!ホントキモい!!」 私自身への自嘲の言葉のつもりだったが、どうやら間違って伝わってしまったようだ。 「何なのよ……ホントに……私がこういうのばっかやるのは……」 そういうと桐乃は私の鼻先に「妹と恋しよっ♪」のパッケージをつきつけてきた。 「このパッケージ見てるとさ……ちょっといいとか思っちゃうでしょ?」 「君の言動が今一つ、私には理解できないのだが」 「だぁかぁらー、すっごく可愛いじゃない?} 理解できないなりに彼女の言動からその真意を推察する。 「つまり……君が言いたいのは、『妹』と言う概念が好きと言うことかっ!?」 「うんっ!」 満面の笑みで頷く我が妹。その顔には誇らしさすら滲ませてる。 「ほんと可愛いんだよ!大抵ギャルゲーだとプレイヤーは男って設定だから お兄ちゃんとかおにいとか兄貴とか兄くんとか――その娘の性格やタイプに添って 『特別な呼び方』でこっちを慕ってくれるのね。それがもう本当……グっとくるんだぁ」 「なるほど」 そういえば最後まで少年は私の事を名前で呼ばず『あの男』と呼んでいたな。 あれが彼からの特別な呼び方というわけか!理解したぞ少年っ!! ちなみに目の前に居る私の妹は、私の事を「ねぇ」だの「おい」だの呼んでいた気がするが あれも『特別な呼び方』と理解した。しかし、その棘多少は抜いても良いものだと思うのだがな。 105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19 31 17.49 ID Q5SLxTCE0 「この中だと私はこの娘が一番のお気に入り!」 『妹と恋しよっ♪』のパッケージを見せつけながら妹はそう言った。 「やっぱね黒髪ツインテールじゃないと駄目だと思うの。清楚で大人しい娘ってこう守ってあげたくなると言うか ぎゅっと抱きしめてあげたくなると言うか……へへ……良いよねぇ」 君は茶色の髪をしているし、自分で自分を貶めるのは止めた方が良い。 「そうだな。私もMSならば抱きしめたくなるようなMSを所望する」 「は?何で急にMSの話になんのよ」 チィッ、自分のフィールドで話を展開はさせて頂けないと言う事か! 仕方あるまい、もう少々この話には付き合わねばならないようだ 「しかし、解せないのは。何故君がこういったゲームに興味を持ったのかと言う事だ。 どちらかと言えば、これは男性向けであると判断せざるを得ない。そして言うまでも無く18歳未満には禁止されているものだ どういった理由があるのか、私は興味を抱いている」 「そ、それはその……」 ほう、動揺が見て取れるようだぞ! 「わ、わかんないっ!」 「あのね…あのね…自分でもわかんないの……」 恥らいつつそんな事を言う。普段からは想像出来ない姿だと言わざるを得ないだろう。 「しかし、それは君自身の事だ!」 「だ、だって…しょうがないじゃん!ホントにわからないんだから……。何時の間にか好きになってたんだもん……」 フッ、今の気弱な態度ならば君の好きな妹キャラと言っても過言ではないかもしれないな。 「あたしだって……こういうのが普通の女の子趣味じゃないって判ってる……だから今まで隠してたんだもん! でも、判ってても好きだからネットでググちゃって体験版とか落としてるうちにあーもう買うしか無いって気持ちになっちゃって! この可愛さがあたしを狂わせるの!買わせようと毎日情報を更新する情報サイトが悪いのっ!」 その姿に私はガンダムを日々追いかけていた自分を重ねていた。ガンダムの姿に心惹かれて狂わされていた頃の私。 妹の姿に心惹かれて狂わされている桐乃。似たようなものではないか?何?全然違う?そんな道理!私の無理でこじ開けるっ!! 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21 32 50.13 ID Q5SLxTCE0 「ねぇ、あたしさ……どうしたら良いと思う。やっぱお父さんとかお母さんにも話した方が良いのかな……」 「その行動を否定するっ!何がなんでも否定するっっ!!それは勇気では無く無謀と言うものだ。違いは弁えた方が良い」 「そっか……そうだよね……じゃ、やめとく」 「それが懸命だ。特に父上にはバレ無い方が良いだろう」 堅物な親父殿のことだ。この光景を見た際には、阿修羅が降臨するだろう。 「やっぱ……拙いよね……バレたら……」 「それは肯定しよう。……そして私としてもその展開は見たくは無い 故にここに君に協力することを宣言しよう」 「きょ、協力……?いいの……?」 「言ったはずだ。男の言葉に訂正は無いと 何か有ったら、私を頼るが良い。どんな問題も私の無理でこじ開けて見せるさ」 「逆に不安なんですけど……マジで……」 私の心強い言葉で何故か不安そうな顔をする妹。 どうやら照れているようだ。フッ、隠そうとしても無駄な事だ。 しかし、もう少し素直に感情を表現しても良いものだと思うのだがな。 久しぶりに話した「兄」に対してはこれが限界という事だろうか 「遠慮する事は無い!」 「うん……まぁ……気持ちだけは受け取っておくわ」 何故かやや引き気味な妹を部屋に残して私は部屋に戻る事にした。 妹の不安も取り除いた。これにて取り敢えずの人生相談は完了だろう。 フッ……ガンダムを相手にするのと同様にままらない相手だが たまにはこうして付き合うのも悪くは無いだろう。それでは今度こそ私は寝るッ! 119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22 12 21.44 ID Q5SLxTCE0 「……フラッグ……ガンダム……スサノオ……ブレイヴ……お前達が私の翼だ……」 パァン! 「なんとっ!!」 本日2度目の頬への衝撃で私は再び甘美な夢から現実に引き戻される。 そこに居たのは数時間前と全く同じ構図で私を見下ろす妹であった。 「人生相談……つづき」 どこまでも私の安眠を妨げてくれる。 しかし、つい先ほど私は宣言してしまっている。 私を頼れと。仕方あるまい。男の言葉は簡単には曲げられはしないものなのだから。 【GN妹と恋しよっ♪】 今、私の目の前のパソコン画面にはそう表示されている。 この手のゲームは初めてだが……上手くやってみせるさ。 グラハム「うわっ……し、しおり……」 私のベッドですやすや眠るしおりを、私は… 1.抱きしめたいなしおりッ!!! 2.起こさぬように、君の服の一部でも貰っていくっ! ニア3.問答無用!!切捨て御免ッ!!! ピッ グラハム「ここで何をやっている!切捨て御免ッ!!」 ドガッッ!! 「何やってるのよあんた!!」 125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22 35 08.33 ID Q5SLxTCE0 横からの突如の攻撃に私の反応が間に合わないとはっ! ゲームをしている間に不意打ちとは卑怯だぞ桐乃ッ!! 「そういう君こそ何をしてくれるっ!」 「信じられない!無邪気に寝てる可愛い妹をぶった切ろうとするなんて!」 「その言葉!甘美な夢から私を覚醒させた君にそっくりお返しするッ!!」 しおり「ごめんね ごめんね お兄ちゃん」 ゲーム画面からは先ほど私が切り捨てようとした妹の謝罪が聞こえてくる。 「ほら!しおりちゃん謝っちゃってるじゃない!可哀想だとは思わないの!」 「先手必勝!まずは私の存在を心に刻む必要があった!」 「ま、また分けわかんない事を~~~!もう!さっさとマウス持ってつづき!」 倒れた椅子を起こしながら私は疑問を妹にぶつける 「ところで、何故私がこのゲームをプレイする必要があるのか問いたい」 「はぁ!?遠慮するなって言ったじゃん!」 迂闊な言葉だったか……あれは私としては秘密がバレないようにという意味だったのだが このような受け取り方をされるなどとは……やはり一筋縄ではいかないようだな。 126: ◆TYIbS5r7nc :2010/12/23(木) 22 39 05.37 ID Q5SLxTCE0 「必要なことなの!私はこのゲームの客観的な感想が欲しいの!」 個人的には中々選択肢は好みだったと言わざるを得ないだろう。 「しかし、そういうのは私ではなく、友に聞くべきと思うのだがな」 「良いから!さっさとつづき」 「良いだろう!ならば!今日の私はエロゲすら凌駕する存在だッッ!!」 この後、そういったシーンが出てきたので素直に私が感想を述べると 我が妹は真っ赤になってノートPCと一緒に私を部屋の外に放逐した。 「これ宿題だからね!!ちゃんとコンプしておいてよ!」 運命の女神は私に随分と面倒な宿題を出してくれたものだな。 私の『高坂京介』としてのミッションはまだ始まったばかりのようだ。 第1話完
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/573.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316537661/737-750 辺りは黄昏を通り越して、夜の帳が下がっていた。 携帯と財布だけは持ってきたが、何もする事はなく…ただぼんやり喫茶店に入り コーヒーを飲む。 こうやって敢えて独りになったのは自分の気持ちを整理したかった。 考えたら、俺は風邪引いてて、あやせに看病して貰ってたんだっけな。 前の喧嘩の時は色々悩んだし、別れの予感まで感じたが、今回はそんな 気の迷いは全然無かった。 予想した通り、あやせの着信とメールの大爆撃は無かったが、 気が付くと一件だけ着信履歴が残っていた、友人の赤城からだ。 「もしもし赤城か。何の用だよ?まぁ大体察しは付くけどさ」 『高坂………明日、田村さんに告白しようと思っている。 まぁ何だ…一応おまえには報告しておこうと思ってな』 「そうか…上手く行くと良いな、俺は………応援してるぜ」 『サンキューな。しかしあの時のおまえの右ストレート、本当に効いたぜ。 まさか彼女持ちのおまえに、本当にぶっ飛ばされるとは、はは』 そう、俺はあやせという彼女が居ながら、赤城に麻奈実が好きだと言われて ぶっ飛ばした。―――我ながら本当に最低野郎だった。 しかし赤城は本気だったし、どうやら麻奈実の為にシスコンを卒業したらしい。 「おまえと俺はシスコンの2トップだと思ってたのに、 まさかおまえが先に卒業するとはな。 いや、瀬菜が真壁君と付き合うから、無理やり卒業したんだっけ?」 『おいおい、失礼な事を言うなよ。 まぁ確かにあの真壁と言う奴を俺もぶっ飛ばしたが、 でも腐海のお姫様だった瀬菜がそんな気持ちになるんだから ………俺だって、うぅうう』 麻奈実に告白する前日に、瀬菜の事を思い出して号泣する赤城。 ―――まぁでも良い奴なんだ。 こいつなら麻奈実を任せても、今の俺よりも幸せにしてくれると 信じる事が出来る。 「おいおい、妹好きも良いけどよ。 麻奈実泣かせたら―――本当にぶっ飛ばすだけじゃ済まないぞ。 と言うかあの例の写真を………」 こんな台詞―――よくこの俺が……… でも麻奈実の為には、どうしても言っておきたかった。 『高坂君、僕達親友じゃないか……だから安心しろよ。 絶対に田村さんは俺が守るから。 まぁこんな事言ってて、明日、断られたら笑うけどな』 「まぁな。また何か有ったらいつでもかけろよ! 相談ならいつでも乗るからな」 『ああ、有り難う。 おまえこそ、あの超美人さんと何か揉めたらいつでも俺に言えよ。 ―――じゃないと、こっちは田村さんに告白どころじゃなくなるからな……』 「俺は応援するって言っただろ、卑屈になんなよ。 それに、そもそも童貞のおまえに相談する事なんて何もねぇよ」 これは明日告白する赤城の為についた嘘だったが………。 『お、おまえ……手錠したまま大学に来た時から変だと思ったが、まさか。 キスすらさせて貰えないなんて言ってたのにな。 ―――あ!、あのDVDは色々な意味でもう見ないでくれよ。 頼むから、ちゃんと処分してくれ!!!』 ショートカットで、眼鏡で、巨乳の女の子が出演しているDVD まさか………赤城にあれを貰った時には、今みたいな事になるなんて 想像もしてなかった。 「下らねぇ心配すんな!色々な意味でもう卒業したよ。 俺にはあやせしか居ない」 まるで自分に言い聞かせる様に、現実を改めて認識する為に俺は呟いた。 そして電話を切った後、何かの衝動に俺は必死で耐える。 『耐えろ……… 麻奈実が教えてくれたを絶対に忘れるな。 あいつは………いつも笑顔だった。 どんな時も………俺の為に笑ってくれた事を忘れるな………。 あいつの笑顔を忘れるな………』 変わらない事をいくら願っても―――それはいつまでも続かない……のだ、 絶対に でも情けない俺は携帯を握りしめて、麻奈実のアドレス宛に、 送信される事の無い文字の羅列を何度も配置していた。 そしてしばらくするとその文字の羅列は、視界がぼやけたせいで その意味すら失った。 『あなたが好きなのはお姉さんでしょう?』と言うあやせの言葉が蘇る 俺は、一体何やっているのだろう? 可愛い彼女を一人自分の部屋に待たせて……………… 気付くと着信 画面はまだぼやけたままで、誰からなのか分からなかったが、俺は取り合えず出る。 「もしもし、おまえか。何?どうしたんだよ?」 『何ってあ、あんた、その酷い鼻声。 黒いのに聞いたけど、本当に風邪引いてるんだ、大丈夫?』 「ああ、大丈夫だ。で何の用?」 桐乃には悪いが正直、今誰かと話したい気分じゃなかった。 『えっと、、あ、そうだ! あたしのコレクションの感想をい、言いなさいよ。 その為にさ、せっかくパソコン渡したんだからさ!』 「色々忙しくてまだちゃんと見てないんだ。 今度ちゃんと見てから感想言うからさ、じゃぁまた―――」 『ちょっと、ま、待って、待ちなさいよ。ご、ご飯はちゃんと食べてんの? ねぇ京介が良かったらさ、また――』 「チィ」 無意識にした舌打ち 『な、何、その態度!あんた、あたしがせっかく』 「うるせぇな、おまえには関係ないだろ。 一々そんな事で電話してくんじゃねぇよ!」 『そ、そっか……………もう切る……から』 妹の元気の無い声でやっと気付く、俺は何て馬鹿なんだ 「…………………待てくれ!桐乃!!!!!!!」 店に居た店員も客も何事かと俺を見ていた。店に居づらくなり外に出る。 『………………………なに?』 「すまん………他に考え事をしてたんだ。 おまえが気を遣ってくれて嬉しいから。だから切らないでくれ、頼む!」 『……わかった。 優しいあたしに超感謝しないさいよね、で何の悩み?』 「へ?」 『だから何?早く言えっての――それとも、やっぱ切る?』 「ぐ…」 俺の悩み………………、それはあやせだ。 麻奈実の事は本来喜ぶべき事なのだから、それに桐乃にその事を 話して何の意味がある? 「実は黙ってたけど、俺はあやせと付き合ってる。 いや、これは今更、おまえに言っても、もう知ってるだろうけどさ―――」 それはそうだ。 桐乃とあやせと俺の三人で、黒猫を追っかけた時の様な修羅場を 演じたのだから。 あの時と違うのは本当に人間の生き死がリアルに 垣間見えた事だろう――"必死"――文字通り、あやせは必死だった。 『ふ~ん、そうなんだ………へぇ~』 「桐乃、おまえとの約束………」 『手錠したまま、あたしとマッタリご飯食べてるのを、あやせに見せるプレイしてる 変態のあんたが今頃、、何言っちゃってんの?』 「ちょ、おまえ、な、な、何で知ってるんだよ?!」 『手錠、紅茶のカップ、それに香水だって ――あれをあやせが使ってるのはあたし知ってんだから。 アレはマジで今までの中で一番キモイかった、、から。 んで……妹の親友をたぶらかして、あたしらの友情を ぶち壊してくれた、お兄ちゃんが妹に何の相談あんの?』 それは、かつて俺が変態呼ばわりされても守ろうとしたものだった。 あの時はちゃんと、守れたと思っていたものだった。 ふと、さっき俺の部屋であやせに言った、自分の言葉を思い出す……… 『俺らってあのコミケで偶然会わなかったら、どうなってたんだろうな? もっと早くこうなってたのか?それとも…』 ………俺は後悔してないって言えるよな? 「ただおまえに言っておきたかっただけだ。本当にすまない………桐乃」 『あ、あんたさ、本当にあやせの事が好きなんだよね? 付き合ってるからさ分かるけど、何て言うか、、、』 「あやせが可哀想だから、同情して付き合ってるんじゃないかって意味か?」 『、、うん、言いづらいけど、そう、、いう意味で聞いた……』 「俺はあやせが好きだから付き合ったし、今も好きだから付き合ってる」 さっきようやく気付いたら当然の答え ―――これ以外にどんな答えがあるって言うんだ? あやせだけじゃない、他の誰に訊かれたとしても 『…………ねぇ、まだ質問…ある、、何も聞かずに答えて、わかった?』 「わ、わかった」 『あんたは、もしあたしが妹じゃなかったら、 あやせよりあたしを選んでくれた……の?』 「……………………俺がもっと察しが良くて、優柔不断じゃなければ もし桐乃、おまえがもう少しだけ勇気を出していたら どんな障害が有っても、誰に反対されても、俺らは結ばれてたかも知れない。 でも結局、そうならなかった。 それはどんな場合にだって起こりうる事だし、起こり得ない事だから ………だから」 『…………』 「おまえが妹だからじゃない、その事は………それは全然関係ないんだ」 この言葉以外に答えなんて一生見つけられる筈がない、見つかるわけ無いのだ。 ずっと一緒だった幼馴染みの麻奈実も 俺と桐乃が仲直りするキッカケを作ってくれた親友の黒猫さえも ―――見つけられなかった答え。 唯一、あやせだけが…………俺に結論を出させた。 結論は出たけど、答えはまだ見つかっていない。 もし桐乃が、妹が何度でも俺に問い続けるなら、 俺は一生その声に応え続けなければならない。 『そう、、』 「…………ああ」 その後、俺も桐乃もずっと黙っていた。 確かに、この沈黙は実の妹と話している雰囲気じゃ全然――ない、全く。 まるで恋人同士で別れ話をしているかの様な錯覚を覚える。 そして沈黙を破った妹の言葉は…… 『これから言う事はあたしの独り言だから、京介は黙って聞いて、わかった?』 「………わかった」 『あたしがさ、京介に初めて人生相談した時のこと もうずっと、ずっと前のことな気がするけどさ……… あん時は本当に嬉しかったんだよね……本当に』 『そんだけじゃなくて、黒猫や沙織に会えたのも、京介のお陰だし、、 その後もずっと――ずっと京介が沢山してくれたこと すごく感謝してる、だから………』 「桐乃、俺はさ……………………」 『イイからちゃんと聞け、、黙って、聞いて、、よ。 あたし分かったんだ、、京介の事が大好き、、でも京介がお兄ちゃんとして、 妹のあたしの事で心配してくれたり、、助けてくれたりするのもやっぱり凄く、、 安心して嬉しくて、、幸せな気持ちになれんの………』 『だけど、助けられるだけだと、、ずっとあの人に、、麻奈実さんに勝てないと 思ったから、あたし大人になろうとした。 でもさ、結局、京介があたしを頼ってくれてもお礼を言ってくれて、 笑顔を見せてくれても、、あたしが見たい笑顔の半分はやっぱりお兄ちゃんの 笑顔なんだって…やっと、わかったの』 『だからさっきの話、、京介が鈍いだけじゃない。 あたしに勇気がなかっただけじゃない――きっと』 この前、俺の家に来て、料理を作ってくれた時、桐乃はイイ女になったと言った。 俺が答えを出す事を半ば放棄していた事を戸惑いながらも、 素直に俺に語りかけるその姿は―――もうあの時の拗ねた妹では無かった。 「こんな情けない兄貴でごめんな、桐乃。 俺、もう素直に言うわ、おまえの事が大好きだ」 『あ、ありがと、、その言葉―――あやせにメールしとくから』 「ちょ、おまえ…………い、いや、全然構わねぇから!」 『ふ、ふ~ん、あっそ、あたしまだ許したわけじゃないし! ムカついてるんだから!』 「今度、おまえが暇な時にデートしようぜ? それにおまえの手料理もっと食べてみたい」 『何、調子に乗っちゃてんの?あんた、 ちょっとあたしが良いこと言ってあげたからってどんどん増長してさ、 キモ――』 「俺、間違ってたわ! おまえにキモいなんて言われて萎縮してたから、ダメだったんだ。 俺は立派な世界一のシスコンになる! もっと、桐乃が大好きなお兄ちゃんになるから。 おまえがイヤって言っても、俺は泣いて、駄々こねて、お願いするからな!!」 『それ、別に、、今までとあんま変わんなくない?』 「ぐぅ………た、確かに………」 『ぷ、にゃはは……もう本当に……困ったお兄ちゃん。 シスコン過ぎ。あ~あ、しょうがないよね? しょうがないから、一生あんたに付き合ってあげる。 その代わり、あたし我が侭だから。滅茶苦茶、我が侭なこと言うつもりだから! 京介にあ、あやせが居てもあたしを最優先しないと 絶対に承知しないんだかんね、わかってんの?』 桐乃が途中から鼻声になっていたのは気付いていた。 今まで、俺が馬鹿な兄貴だから本当に何度も、何度も桐乃を泣かせてしまった。 でもこれから、俺は今まで以上に、桐乃の理想の兄貴にならなきゃいけない。 もうこいつがこんな声で話さなくて良い様に………さ。 「ああ、わかった。 桐乃みたいな最高に可愛い妹が居て、俺は世界で一番幸せ者のお兄ちゃんだ」 俺の妹は世界で一番可愛い。 ずっと前から変わらなかったもの、これからも絶対に変わらないもの。 なぁ―――麻奈実、これは 『目先の答え』 じゃないよな? 『あたしより、京介は、、黒いのとか、ま、麻奈実さんとか、、どうすんの? あんたのせいで、、まぁそれはあたしも同じか………』 「聞いてくれ、桐乃、俺さ………………」 俺は自分なりの"みんなが幸せになれる未来"を桐乃に素直に話し始める。 桐乃との電話を切った後、あやせからメールが届く。 『さようなら』 でもそのメールを見た時、帰り道を歩きながら俺が考えた事は………… 悪戯っぽい桐乃の笑顔 蠱惑的な黒猫の微笑 暖かさに満ちた麻奈実の笑み 自分の中にあった彼女達の笑顔を、彼女達への気持ちを絶対に忘れない為に 心に刻む為に何度も、何度も必死に思い浮かべた。 俺がその時、考えた事は ――――――俺の心にあったものは、本当にそれだけだった。 おわり