約 2,471,491 件
https://w.atwiki.jp/puzzlederby/pages/422.html
転生素材一覧 対象馬がイベント限定 ダラカニ アイルハヴアナザー 対象馬がドロップ ハリケーンラン ブライアンズタイム ストリートクライ ゼニヤッタ スラマニ バゴ ケープクロス 対象馬がガチャ サンデーサイレンス トリプティク ドバイミレニアム ファンタスティックライト ダンシングブレーヴ ガリレオ カーリン アメリカンファラオ デインヒル フランケル パーソナルエンスン アゼリ ミエスク トニービン コジーン ネアルコ トレヴ ジョンヘンリー ファルブラヴ キングマンボ シンダー スキップアウェイ ポイントギヴン コタシャーン インヴァソール ティズナウ カリフォルニアクローム アラジ エリシオ ジェネラス スピニングワールド サルサビル アレッジド プレザントリーパーフェクト ロックオブジブラルタル グッバイヘイロー デインドリーム イングリッシュチャンネル キャメロット スキップアウェイ(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 天 - バランス - L☆6 30 レベル スピード スタミナ 根性 1 465 698 233 99 2093 2790 814 スキル/強化型 天の転生(1ターンの間天属性のスピードが2倍)/- Lスキル/強化型 スピードスキップ(1ターンで4属性以上で同時にアタックするとスピード4倍)/- 進化素材1段階 BCクラシック BCクラシック BCクラシック 優勝盾(天) 優勝盾(天) 進化素材2段階 BCクラシック BCクラシック BCクラシック レジェンド像 レジェンド像 入手方法 転生馬 素材 スキップアウェイ スキップトライアル?☆4または☆5 ガチャ シガー☆4 シガー降臨 ルイカトルズ?☆4 転生 ルイカトルズで☆3ドロップ エディターズノート?☆4 転生 エディターズノートで☆3ドロップ ジェントルメン?☆4 転生 ジェントルメンで☆3ドロップ コロナドズクエスト?☆4 転生 コロナドズクエストで☆3ドロップ スキップアウェイ(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 天 火 バランス ダート L+☆7 35 レベル スピード スタミナ 根性 適性(重/芝/ダート) 距離/ベスト 1 626 940 313 普通/苦手/得意 1,800m~2,000m/2,000m 99 2819 3758 1096 スキル 天の転生(1ターンの間天属性のスピードが2倍)/- Lスキル グレイトスキッピー(3属性以上で同時アタックでスピード4倍、天・火・地の同時アタックの場合はさらに1.5倍)/- 進化素材1段階 超レジェンド像 超レジェンド像 超レジェンド像 進化の蹄鉄(天) 進化の蹄鉄(火) 進化素材2段階 入手方法 プラス進化
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/191.html
アリバイ工作は麻奈実の許可をとったのか? 何故黒猫は待機できたのか 厳しい結末のエロゲーを京介にやらせない理由 朝チュン疑惑 布団に潜り込んだ3つめの理由 両親の反応 麻奈実が卒業式の日を選んだ本当の理由 ルート分岐はいつだったのか エピローグのキスの位置 「帰ったら人生相談」の意味 普通の兄妹に「戻る」 京介のお願いの内容 サークルの新人 結婚式のフェイク となりには誰も残らない アニメ1期9話のフラグ説 同じように 京介演技説 アリバイ工作は麻奈実の許可をとったのか? 以下は許可をとったという見方 「功績」(p50)という表現から許可をとっていると見るのが自然とするもの。 京介は麻奈実の気持ちを理解していないので、許可を取らない理由がない。 この場合は、クリスマスイベント後に桐乃との関係を語らないことによって麻奈実が感づくことの説明にもなる。 また、許可をとっている場合はわざわざ書く必要がなく、無許可ならはっきり書かれるはずである。 以下は無許可という見方 「今回も、わたしに何も相談してくれなかったね」(p339)がアリバイ工作も含んでいるとするもの。 直後に”『俺と桐乃が付き合っている』件についてだろう”という補足が入るため、この補足が間違いであることの証明が必要になる。 「功績」という言葉は、今まで積み上げてきた麻奈実ブランドの信頼性という解釈。 何故黒猫は待機できたのか 録音の準備までしていたことから、京介から相談を受けていた沙織が伝えていた可能性がある。 厳しい結末のエロゲーを京介にやらせない理由 「妹と恋しよ」「押しかけ妹妻」の例を見る限り、押し付けるエロゲーの内容=望む状況と思われる。 駆け落ちは嫌ということだろう。 朝チュン疑惑 鳥の声が聞こえないことがわざわざ書いてある 後におっぱい触ったら初々しい反応 キスは結婚式が初めて これらからセッ○スはしていないと見るのが妥当であろう。 布団に潜り込んだ3つめの理由 クリスマスにできなかったエロゲーよりすごいことがしたかったのではないだろうか。 自分がしたかったからだろう。 また、ここで京介が想像していた3つめの理由があっているかは不明。 ドヤ顔で外している可能性もなくはない。 両親の反応 バレてない説 現場を押さえられていないので、バレる直接的な要因が無いとするもの。 佳乃さんが部屋に入る時間帯が主に登校中であるため、桐乃の部屋の京介の制服は見られる機会はほぼ無いと考えられる。 あえてお揃いのカップや歯ブラシを否定したことによって補強される。 バレている説 佳乃さんは変なところで鋭いのでバレているとするもの。 バレているなら何故何も言われないのかが問題となる。 10巻以降出番が無いので10巻までで形成された両親像に依存することになる。 要するに主観なので何を言っても他者を説得するには弱い。 と思っていたらアニメ2期8巻特典に出番あり。 親父が久しぶりに何故か上機嫌でお年玉をくれるというもの。以下引用 「いや、受け取れねえよ。どうしたんだ?今年に限って?」 「遠慮するな。そのー…おまえは色々と頑張っているからな」 確かに、受験勉強を頑張って、A判定を取ったりしているけども。どうにも不可解な言動だった。 うちの親父は嘘を見抜くのは得意だが、嘘を吐くのは下手くそなのだ。 (略) 突然だけど、桐乃って親父似だよな。 「……いったいアレはなんだったんだ。親父にデレられても、まったく嬉しくないぞ」 まあそれは冗談としても、親父のあの態度は、本当になんだったのだろう。 現在俺が企んでいる計画には、少なくないお金がかかるから、有難いっちゃ有難いのだが……気になる。 まさか……もしかして……。 俺と桐乃が付き合っていることが、バレている……のか? い、いや……それはない。もしそうだとしたら、親父が俺にデレるのはおかしい。 あと考えられるとすれば、俺と桐乃の約束が『最後まで』親父にバレているという場合だが……。 いくらなんでも、さすがにそれはないだろう。と、そんなことを考えていたときだ。 ここで、バレてる説内がおよそ3つに分かれることになる 黙認されてる説(A説) 二人の約束までバレてる説(B説) 二人の約束までバレてる上で、その後の京介の行動まで読んでる説(C説) まず、A説であるが、京介なら上手くやるといった類の信頼による。 両親がキチガイじみているものの、矛盾自体は生じない。 親父については解釈/10巻を参照。 B説は期間限定で分かれるのだからひと時の夢ぐらい許そうというもの。桐乃が裏で両親と密約を結んだとするものが多い。 C説はB説に加えて、期間限定で二人が満足できるわけないことも見破っているとするもの。 B説とC説は「京介が否定したことは正しい」という根拠による。(それだとバレて親父がデレるのはおかしくないという理屈にも使えてしまうが) それ以上の情報が存在しないので、「どうやって約束の内容を知ったのか?」「期間限定だろうと許されるのか」といった疑問が発生する。 「こう考えれば~」というのは、両親像という主観に依存し、いくらでも考えようがあるので考察する価値が無いので省略。 「とりあえずお父さん達にはナイショだよね」(p239)は桐乃が勝手にばらしたとするにはマイナス要素。 麻奈実が卒業式の日を選んだ本当の理由 名目上の理由は「節目だから」 本当の理由が何か考えるヒントは麻奈実の気持ちを悟ったことで急に変わった京介の態度だろう。 暴言を吐きあって振りあった直後の会話で泣きながら笑っているため、あれが麻奈実の求めていた対応と見て良いだろう。 「麻奈実が自身を後回しにした行動」であることもポイント。 まず、「卒業式が物理的に別れの日」であることが挙げられる。 要するに、翌日以降会わなくて済む。 麻奈実でなくとも敵対すれば気まずくなると予想するのは容易だろう。 また、麻奈実の発言は「止める」よりも「覚悟を問う」色が強い。 「止める」ならば早いほうが良いが「覚悟を問う」なら3ヶ月の差の影響はあまり無い。 次に、「受験の邪魔をしない」ことが挙げられる。 ただし、受験日と卒業式の日が離れすぎているとおまけ程度の理由にしかならない。 抽象的な意味では「お互いからの卒業」がある。 この点では未練を残さないほうが良いので、わざわざお互いに暴言を吐いて別れることと合致する。 ルート分岐はいつだったのか ルート分岐の選択肢は、もうとっくに通り過ぎてしまっている(p356) ここでいう選択肢は何のことだろうか。 分岐らしい選択といえば、8巻で相談相手を桐乃と麻奈実から選んだ部分だろう。 7巻で彼氏を追い返すというのも分岐点としては大きいが、ここでの選択肢としては不適切か。 ゲーム版の内容を考えると、6巻以前の選択肢ではないだろう。 エピローグのキスの位置 口説 わざわざ場所を書かないなら口 桐乃が「兄妹なんだから別にいいだろ」を否定してるから口 頬説 兄妹のキスなら頬 願望器説 観測されなければどちらとも言える 読者自身が二人が普通の兄妹になったと思っているか否かで別のものが見える アニメ版では頬にしているが、原作者は 「公式発言じゃないですが、個人的には最後のキスは口がよかった」 と発言している。 また、9巻時点では京介は兄妹がキスをすること自体に否定的な態度は一切示していない。 「帰ったら人生相談」の意味 8巻p279より「運命の記述」と「人生相談」は同質のものであるとされる。すなわち、ともに恋愛相談と考えられる。 また、4巻での「最後の人生相談」を律儀に守って5~11巻では封印していた。ただの捨て台詞で使うとは考えづらい。 さらに、12巻では「二人の人生相談」として久々の利用をしており、無関係とは考えにくい。 要するに、「帰ったら二人の人生相談」という意味だろう。 普通の兄妹に「戻る」 そもそも、あの二人が普通の兄妹だった時期なんてあっただろうか。 付き合う前から一通りのプレイを済ませている。 麻奈実は普通の兄妹に「戻す」ではなく「なりなさい」「してみせる」と言っており、11巻以前の関係も認めておらず、「好きでいること」すら認めていない。 「普通」のあり方が各人で異なっていることは十分にありえる。 京介のお願いの内容 妄想/高坂京介を参照。 サークルの新人 読者のことと思われる。 あの集まりに誘われるのは相当な変人・コミュ障であるため、失礼な話である。 逆に言えば、そのような変人を読者として想定しているとも見れる。 結婚式のフェイク 結婚式での諦めたような態度は何だったのか。 結論を先に書くと、諦める方向には決定的なことは何も言っておらず、むしろ「麻奈実に言ったのは本心」という諦めとは逆方向に決定的なことを言っている。 以下コピペ どうしようもない(諦めるとは言ってない) それが現実的な落としどころだった(それをどうするかは言ってない) あの時の俺に、何一つ嘘は無かった(断言) (後ろめたさを感じずに過ごせるのが)今日でおしまい 恋人から兄妹に戻り(なお、恋人になる前からいちゃついていた模様) 俺のとなりには誰も残らない(桐乃の後ろを追いかけている) 取り返しもつかない(恋人関係を維持したいとは言ってない) となりには誰も残らない 決定的な様で抽象的な表現である。 京介の語りではとんち紛いのことを度々しているのでそのパターンで考えてみると、 隣でなくとも傍にいたいなら前と後ろがある(物理) このシーンでは桐乃を正面から抱いている。 次のシーンでは桐乃の後ろ(よく見える位置)を歩いている。 つまり、京介にとって桐乃の笑顔を「見る」ことが重要なので合理的な立ち位置である。 そもそも付き合っている時も隣にいない(無いものは残らない) 2期BD8巻特典で「桐乃に追い越されてまだ追いついていない」といった表現がされている。 妹は別腹 あくまで隣とは恋人のみであり、最愛の妹はノーカン。 それが俺の選択 あくまで京介の選択であり、桐乃によって既に否定されている。 8巻p246「兄貴がどんなにどうしようもないやつでも、みんなが見捨てても、あたしはここにいてあげるから。」 アニメ1期9話のフラグ説 作中のゲームのワンシーンにて、バッドエンドを通ることで別ルートが解放されている。 12巻の最後も似たようなことになっており、1度バッドエンド(結婚式)を見ると別ルート(エピローグ)が開放される。 同じように 「最初の人生相談と同じように、兄妹は、二人だけの秘密を抱えて終わる」 (12巻インタビューより) 最初の人生相談というと、京介にとっての最初(1巻)と桐乃にとっての最初(12巻iPod)であるが、後者は終わっていない。 となると1巻の内容しか無いわけなのだが、1巻では当初は二人だけの秘密であったが、黒猫ら友人、最後には両親やら表の友人やらにまでバレている。 12巻でも黒猫らは知っているので途中までは同じ構造である。 これは「黒猫が嫌ってるぐらいアンタのことが嫌い」=「全然嫌いじゃない」というような表現と同じと考えられる。 つまり、「最初と同じように二人だけの秘密」=「公然の秘密」ということになる。 これが両親にまで適用された場合、「何かがきっかけで両親にバレるが、一悶着して黙認状態」になる。 京介演技説 京介が桐乃のブラコンを治すために両思いの振りをしたというもの。 この説にとって不都合な記述は全て京介の演技ということに出来る非常に便利な理論である。 根拠自体が作中に存在していないので考察に値しない。夢オチと同レベル。 そもそも、京介の語りは曖昧な部分が非常に多く、確実といえる部分が少ない。 演技説はその確実な部分の多くを無視する必要がある。 要するに、曖昧な部分を間違った意味で読み取ってしまったため、信頼性の低い情報を正とするために信頼性の高い情報を誤とするための理論。 意見・批判等 桐乃と結ばれることなく愛し続けるのが京介の選択。桐乃以外の全ルートを捨て去る事がその証 -- (名無しさん) 2014-04-19 19 08 11 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/503.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1306742825/234-235 「お、おい黒猫……やめとこうぜ、勝手に見るなんてさ。バレたら殺されっぞ?」 「あなたは妹の秘密が気にならないのかしら? 心配は無用よ。少なくともあと三十分は帰ってこないもの」 「近所のコンビニ行くだけだろ。そんならすぐ――」 「ええ、だから家の外に、私の妹たちを待機させておいたわ。……っふ。今頃あの女、滑稽に萌え転がっている最中でしょうよ。私と京介がハードディスクをチェックしているとも知らずにね」 「……」 「あら? フォトショップなんて、何に使うのかしら? 妹ゲーではないソフトをインストールしているなんて珍しいわね」 「さあな。加奈子の写真とかいじってんじゃね?」 「あっ……」 「どうした? おまえの妹たちの盗撮写真でもあったの?」 「いえ、違うわ……」 「これは……『漆黒画像フォルダ』?」 「ククク……ついにあの女もマスケラにハマったようね。私から送信するメール全てに、マスケラ画像を添付し続けた甲斐があったというものだわ」 「もはや嫌がらせじゃねーかそれ!」 「とうとうあの女も近親相姦以外で悶えるようになったというわけね。ねえ兄さん、悔しい?」 「は?」 「あの女が、兄と妹の禁断の関係ではなく、ルシシンという不健全なものに没頭するようになったのよ? これは、寝取られたようなものではなくて?」 「……別に、二次元に嫉妬するとかありえねえし」 「あなたの返答のシリアスぶりに私は一抹の不安を覚えるわ……」 「つーかさっさと開こうぜ。パスかかってないんだろ」 「え、ええ……」 「たくよぉ、女どもってのは男の友情っぽいのを見ればなんでもホモカップルにしたがりやがる。どうせこの中にあるのも顎の尖ったハンコぅえっ!? ……なん……だと……!?」 「……ねえ兄さん。どうしてあなたのコスプレ画像が、こんなところにあるのかしら。……しかも大量に」 「……」 「夏コミのときに撮ったのとも少し違うようね……って、こ、これは……!」 「ええ! ちょ、おまっ!」 「ねえ兄さん……」 「な、なにかな?」 「どうしてあなたと、あなたの妹が、マスケラ二期のクライマックスを再現しているのかしら……?」 「……」 「どうして私の顔が、ことごとくあの女のビッチ面に差し替えられているのかしら……?」 「そして、どうしてあなたたち兄妹が、『契約の儀式』を行っているのかしら……?」 「ちょっ待てよ! 俺全裸写真なんか撮った覚えねーぞ! そもそも風呂以外で全裸になったことなんか……あ!?」 「あるのね……」 「一昨日のことだが、朝起きたら何も着てなかったんだ。そんときはさ、夜中に蒸し暑くて脱いじまったのかなー、なんて思ったんだけど……」 「そう……そういうこと……」 「く、黒猫さん……」 「寝取られたのは、私だったというわけね……ふっ、フフフフフ……」 「黒……猫……?」 「――違うわ。今の私は復讐の天使、『闇猫』よ」 「……なぁ闇猫さん。どうして俺のシャツのボタンを外すのかな?」 「この前の『儀式』の続きをするのよ」 「ふ、ふーん。……それからさ、どうして俺のベルトを緩めているのかな?」 「『儀式』に必要なことだからよ。純潔を奪われ、穢れてしまったあなたの魂を浄化するための『儀式』にね」 「そ、そっかー。じゃあさ、ちょっと後ろ、向いてもらえないか」 「はぁ? この期に及んであなたはまだ世迷いご……」 「――ふぅーん。ねぇ黒いの。京介とする『儀式』って、なんなの」 「/(^o^)\」 「あたしにも教えなさいよ。あんたたちが今まで、あたしのパソコンでなにをしていたのかも含めてさ」 「\(^o^)/」 了
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/154.html
俺の天使はあくまでこんなに可愛い (「あやせの相談事・恥辱編」増補・改題) 「お兄さん、桐乃のことでご相談があります。」 下校ルート途中の公園で俺を待ち構えていたのは、制服姿の新垣あやせ。 目の前に立つ長い黒髪の美少女は、俺の妹、桐乃のクラスメイトであり モデル仲間でもあり、そう、とにかく桐乃の一番の親友だ。 桐乃と、このあやせの間には、以前にちょっとしたトラブルがあって、 それを俺が泥を被る形でちょっとだけ解決の手助けをした事があった。 それ以来、俺の事を『近親相姦上等の変態兄貴』だと信じ込んでいる、 事になっていたはずなのだが・・・。 なぜか度々、今日のように、妹の事で俺に相談を持ちかけてくる。 「しかしなぁ、お前も俺を信用してるんだか、してないんだか・・・。 よくわからんが、何度目だ、もう?」 あやせが今までしてきた相談事では、毎回、俺的には、真面目に考えて 最適なアドバイスをしてやってるんだが、それは、常にあやせの考えの はるか斜め下を行っているようで、期待していた答えには程遠いらしい。 決まって最後には、「もういいです、この変態。死んじゃえ」といった、 この可愛い顔と声に全く似合わない捨て台詞を残して去ってしまうのが 毎回お決まりのパターンだった。 にもかかわらず、少し経つと、またこうやって普通に相談に現れるのだ。 「―で、今度は何?」 俺がそう問いかけると、あやせは俺の前では珍しく照れた表情になって、 少し俯き加減に、 「・・・プレゼントを選んで欲しいんですけど。」 「いや、俺、あやせがくれるモンなら何でm と言い終わらない内、 「だ、誰がお兄さんへのプレゼントと言いました? 桐乃です、桐乃」 と、会って早々から声を荒げるあやせ。 って言うか、俺も解ってボケてる訳で、まぁ期待通りのツッコミだわな。 でもな、一度くらいは、そういうパターンがあっても、良さそうなもん じゃねぇか。 なんて拗ねているのも情けないし、俺は気を取り直して少し考えてみる。 「で、今回は何の? 桐乃の誕生日はまだだし、クリスマスでもねえし、 バレンタインの友チョコって訳でもなさそ・・って、ちょっと嫌なモン 思い出しちまったけどよ、」 これには、あやせも苦笑した。 そう、俺達は「特製桐乃チョコレート被害者同盟」という超絶強い絆で 結ばれていたのだ。 「仲直り記念の、今年の分ですよ、お兄さん。」 そうあやせが答えた、その「仲直り」っていうのは、例の、何年か前の 夏コミから始まったアレの事だろうか? さっき言った、俺が近親相姦兄貴に成り切るというしょんぼりな方法で、 逆説的に、あやせと桐乃の親友の絆を結び直させた・・・。 仲直り記念日。 そか、もうあれから一年・・・二年・・・。 まぁ、こいつらみたい年頃で、こいつらみたいな間柄なら、仲直り記念 プレゼントの交換も、解らんでもないんだが、 「今年分、って、毎年やってんのか? 5年後、10年後もやるんか?」 そう聞くと、あやせは、いかにも当然なように、 「当たり前じゃないですか」 と来たもんだ。 まぁそういう事なら、ちょうどいいタイミングで、桐乃が狂喜しそうな スペシャルなブツに心当たりがある。 俺はあやせを自宅に誘ってみる事にした。 案の定、桐乃の事になると、冷静な判断がつかなくなるのか、予想通り いろんな事が俺にお任せになる、ちょっとばかり危なっかしいあやせ。 いや、俺もさすがに、あやせを騙すとか、そんな事は考えてないんだが、 俺以外の野郎にマイエンジェルあやせが騙されるのは絶対俺が許さない。 そんな矛盾した事を考えながら、長い黒髪の美少女をすぐ後ろに従えて、 俺は何だかいい気分で、わが家の玄関をくぐった。 桐乃は、外出しているようだった。 「失礼しま・・・す」 俺に続いて階段を上り、しずしずと行儀良く部屋に入ってくるあやせ。 だが、入って来るなり、あやせはいきなり部屋の一点に視線を奪われ、 アワアワと取り乱した。 「な、な、な、何ですか! そ、それは!?」 あやせの視線の先には俺のベッドがあり、そのベッドの上にはつい最近 購入したばかりの俺の秘密兵器が置かれていた。 あやせにそっくりな笑顔で微笑むそれは、俺が密かにあやせたん2号と 名付け、毎朝毎晩可愛がる予定の商品番号484「ヤンデレな妹の親友 抱き枕」であった。 「・・・これ、明らかに、私に似てますよね? 着ている制服もウチの 学校のにすごく似てますし。」 ジト目で俺を睨んでくるあやせ。 もちろんよ、だから買ったんだけどな。 「お兄さんが、これを一体何に使うつもりだった・・・のかは、あえて 聞きません、恐いから。 ・・・それで、今の流れからすると、これと同じものを桐乃に贈れ、と、 そういう事ですよね?」 頷く俺。 おうよ! おまえの事が大好きな桐乃なら、絶ってー喜ぶんじゃね? いつかのおまえ似ゲームキャラの「あやか」みたく、毎日一緒に寝たり、 会話したり。 だからな、 「いつも桐乃の部屋にあって、毎朝、毎晩、おまえの事に想いを馳せる きっかけにして貰えるなら、おまえも嬉しいんじゃねぇか?」 ・・・今のセリフは、我ながらいい線を突いたと思うぞ。 「・・・それは、そうですけど。 でも、それって、現在、お兄さんが、このクッション? 枕?に、毎日 私を投影してるって事になりますよね? 気持ち悪い!」 あやせは「またこの男は」と言わんばかりに、フン、と一瞥して続けた。 「って言うか、こんなの一体、どこから見つけてくるんですか!」 ・・・まぁ、その、何だ。 世の中にはいろんなサイトがあって、だな。 同人サークル・・・って言って、一般人のあやせに通じるだろうか? 俺が答えに詰まっていると、あやせは、急に真面目な顔で振り向いて、 全く予想外の事を喋り始めた。 「お兄さん、『これ』は、ちゃんとした正規の商品なんですか? ウチの事務所がそういうものを認めたとは、聞いてないんですが。」 何か胸に秘めているように思えたあやせの問いかけに、俺はいい加減に 「・・・いや、どうだろう。俺には解らな」 と答えかけて、あやせの話にさえぎられる。 「昔・・・」 どう繋がっているのか、すぐには解りかねる話をあやせは話し始めた。 「昔、桐乃が、私がお母さんに貰ったバッグをすごく気に入って、」 「うん。」 真面目なあやせが話す事だ、俺は相槌を打ち神妙に聞き入る。 「だから私も、同じものが手に入らないか、それとなく探してて・・・ ある日、とても安く売っていたお店を発見したんです。」 優しいあやせは、常に我が妹様の事を気にかけ、自分が買えるものなら プレゼントしてくれる気だったんだろう・・・。 だが、この話の行く末には一抹の不安を感じるな。 「桐乃の喜ぶ顔が見たくて急いで買って帰ったソレは、並べてみると、 私のバッグとはいろんなところが少しずつ違ってたんです。」 ・・・あぁ、やっぱり地雷でしたか。 「・・・コヒ○ー商品でした! せっかく桐乃と・・・お揃いだ、って、 すごく喜んだのに!」 訴えかけてくるような、あやせの真剣で悲しげな表情に、俺の心が強く 揺さぶられる。 そうだよな。期待が大きければ大きいほど、裏切られた時のショックも また大きいだろうからな。 「で、結局、どうしたの?」 どんな顔で、何と声をかけれてやればいいか解らず、それでもなるべく 優しい声を選ぶように、恐る恐る聞くと、 「お母さんと相談して・・・、そのお店は次の日に無くなりました。」 恐ぇえよ! てか、「通報」は冗談じゃなかったんかい! 「私たちには、肖像権というものがあります。ですから、『これ』は、 認められません。」 少し寂しげにも見える表情でそう結論付けるように言ったあやせの事を、 俺は、「頭が堅い奴だ」「話が解らない奴だ」とは思わない。 だってそれは、『モデル』という立場で大人に交じって仕事をしている あやせのプロ意識の現れであり、俺なんかがどうこう言える物じゃない からだ。 それにあやせの、曲がった事を嫌い、信じた道をバカ正直に進んで行く 真っ直ぐな様子は、いつも適当な所で妥協を繰り返してばかりの俺には どこか眩しく映る。 同い年の妹を持つ俺からすれば、こいつも俺が守ってやらなければ、と そんなふうに思わせられる時がある。 いや・・・いつの間にか、熱血兄ちゃんが板に付いちまったようだな。 ホント、俺らしくもない。 俺は、今ここにはいない、俺が「兄貴」である事を思い出させてくれる 手のかかるヤツの「んべっ」と舌を出した顔を思い出した。 そして、その妹の「代わりにしないで頂戴」と言って、俺に色んな事を 考え直すきっかけを与えてくれた桐乃のオタク友達で、あやせが表側の 一番なら裏側の一番に当たる「黒猫」の、寡黙な口以上に意思を語る瞳。 さらに、同じオタク仲間で、俺と桐乃に、黒猫を引き合わせてくれて、 そして、その他にも感謝しきれないほど世話になっている「沙織」の、 日ごろ見せる事のない、キャラを作っていない時の可憐なまなざし。 それに、付き合いの古さ、長さから言えば、むしろ最初に思い出すべき 大事な幼馴染「麻奈実」の、眼鏡を通し安らぎを与えてくるような笑顔。 どれ一つ欠ける事を良しと思えず、どれが一番など順位を付けられない、 今の俺の大切なものたち、だった。 目の前で、少しだけ寂しげな表情を見せていたあやせの事も、もちろん 俺が大事に思う存在に変わりない。 あくまでも「妹の友達」であり、まだ「直接の友達」と言えるまでには まだ幾つかイベントが必要な、―そんな感じの間柄だけどさ。 『あんた、あやせに執着しすぎ! キモッ』 妹様には、何度かそう言われたように思う。 ・・・そう見えるんなら、それは全くの見当違いではないんだろう。 俺の想いは断じてキモいモノじゃないがな! ・・・俺の・・・想い? そう言えば何だったっけ。俺があやせに轢かれる、いや違う、引かれる、 これも全然違うぞ、惹かれる、か。そう、そのきっかけになったのは。 桐乃の友達の一人として、初めてウチに遊びに来て。 その時に、初めて会ったあやせの、美人っ振り、好みのタイプっ振りに 惹かれたんだったか? ・・・いいや、それだけじゃない。あやせの、礼儀正しく人を思いやる 優しい人柄も、その時に見せて貰って・・・、それでだった気がする。 そのあと、思いがけなくケータイ番号とメルアドの交換を申し込まれて。 あやせがどんなつもりでそんな事を言い出したのかはワカンネーけど、 俺も、考えてみれば、何の共通の話題も無いのが解ってただろうにOK しちゃってた訳で。 ・・・実際、半年ばかり電話する機会が無くて、しかも気付いた時には 着信拒否にされてて泣きそうになったけどな。 その時は、何かこう、ビビッと来た、と言えばいいのか。 こういうの、何て言うんだ? ささにしき? あきたこまち? 「・・・お兄さん!」 あやせの声で急に現実に帰った俺。 「お兄さん。ちょっと止めて下さい!」 現実に引き戻された俺は、遠い目をしながら、盛んにあやせたん2号の あちこちを撫で回していたらしく、あやせ1号はぶち切れ寸前だった。 「なんでお兄さんは、世の中の考えられるありとあらゆるセクハラを、 私に仕掛けてくるんですか。」 いや、そんな事を言われても、理由は俺にも解らん。 「だいたい、それ、絵ですよ!? 何で髪を梳くように触ってんですか。 ダメです、耳もくすぐらないで! ・・・だから、セーラー服の上衣や スカートが捲くれた所を指でなぞるな! この変態!!」 切れかけるあやせ。 いかん。このパターンは、毎度のバッドエンド一直線だ。 ここで。俺は、送料無料条件のために一つ余分に買っておいた、新品の マイスィートエンジェル未開封を、あやせの前に差し出す事にした。 抱き枕が入った大きな段ボール箱の表面に貼られた紙には、商品番号と 中身を示すサンプル画像が大きく印刷されている。 「で、これが、こんな事もあろうかと思って俺が密かに用意しておいた、 あやせたん3号だ。美人だろ。」 「何でお兄さんが自慢するんですか。それにわたし、何て答えたらいい んですか。」 面倒くさそうにしながらも、律義に俺にツッコミを返すあやせ。 「いや、でも可愛いだろ? 俺な、インターネットのカタログ画面の中でおまえそっくりに笑ってる こいつの拡大写真を見た瞬間、息が止まるかと思ったんだよ。 ・・・本能が危険を感じたんだろうな。」 もう付き合いきれない、といった感じのあやせは、 「あーもう。本当に、ろくでもない時間の過ごし方してるんですね。 ・・・いいですよ? いつでも、わたしの魅力で、お兄さんの息の根を きっちりと止めてあげますから!」 「・・・おまえ、それ、魅力とは言わんだろ?」 むしろ『わたしの威力で』と言い直した方がしっくりくるぞ。 そんなやり取りをしながら、馬鹿でかい段ボール箱を部屋の隅っこから 真ん中に移動させ、できるだけ丁寧に梱包を解いていく。 扉を左右に開くように開いた段ボールから、もう一人のあやせが目覚め、 透明なセロファン越しに、少し照れ気味に微笑んだ。 「なぁ、あやせ。あやせ的には、やっぱり『これ』は、ナシなのか? ・・・こんなに可愛いんだぞ。桐乃もイチコロだぞ。」 あやせに、せめてもの再考を促すよう尋ねる俺。 まぁ、むしろイチコロになったのは俺なんだけどな。 反論とか、はっきりした反応をまだ見せないあやせに、俺は続けた。 「あやせはさ、『これ』が、その、・・・以前にあやせを悲しませた、 コピー商品みたいな、悪意で描かれたものに見えるか?」 「・・・そんなことは。可愛く、描いて頂いてること、は、解ります。 ・・・解ってますよ。私も最近ちょっと考えるようになりましたから」 少し拗ねたように、そんな事を言ってくるあやせ。 それはちょっと、何か初耳だ。 「へぇ、それは一体どういう風の吹き回しなんだよ?」 あやせは、言い訳をするみたいに、小声で淡々と喋り出す。 「どういう、って。例えば、 あの。わたし、極端に『嘘』を嫌ってて。 ・・・それは、『嘘は必ず人を不幸にする』っていう、小さな頃から 厳格な両親に受けた教育のせいもあると思いますけど。」 あやせの両親って、確か代議士とPTAの会長だったっけ? 「解るよ。ウチも親父が警察官で、結構厳しい人だからな。」 そこであやせは、少し調子を変えて、 「でもね、お兄さん。少し前にですけど、わたしに、『人を幸せにする 優しい嘘』がある、っていう事を教えてくれた人がいたんですよ。」 そう言った、あやせの表情は、雲の晴れ間から光がさした瞬間みたいで、 あやせ大好きな俺としては、ちょっと目を奪われる。 抽象的過ぎて、何の事か、誰の事だったのかは、解らなかったんだが、 それは何となく、あやせにとっていい変化のように思えた。 「・・・解りました。こ・ん・か・い・は、お兄さんを信用します。 桐乃にプレゼントしたいので、この子を譲って下さい、お兄さん。」 ・・・何気にひでぇ言い回しだったように思うが、まぁ、桐乃や黒猫 クラスと比べれば、まだあやせの真意は掴みやすいような気がする。 そこからは、話はスムーズに進み、プレゼントとしての体裁を整える話 になっていく。 中身の確認のために開封はしたが、やはり贈り物の箱はちゃんと閉じて おくべきだし、リボンの一本も欲しくなる。 メッセージなんかも添えておくほうがいいだろう。 「あ、そういや、梱包もするんだったら、ガムテープか何かが要るな。 おまえ、今、ガムテープ持ってねぇか?」 そんな形やサイズのものが入っているようには見えない、床に置かれた あやせのカバンに視線を動かしながら、俺が冗談で言う。 「は? どうして私がそんなモノ持って通学してると思うんですか?」 何か不審に感じたのか、手を伸ばして自分の通学カバンを俺の視線から 遮るように少し動かすあやせ。 「冗談だ、怒るなよ、あ・や・せ。」 と言った俺だったが、カバンを動かす拍子に聞こえた「ジャラ」という 金属同士が擦れ合うような不穏な音を俺は聞き逃しはしなかった。 「ちょっと下行ってテープ取ってくるわ」 立ち上がって部屋から出た俺。 だが、階段を半分まで降りたところで、一つ思い当たる事があった俺は、 一旦、部屋に引き返そうとする。 いやな、一階には、おふくろが、もらい物から取っていた、包装紙だの、 リボンだのの、いわゆるラッピング用品があったはずだから、それらも 一緒に持って行ってやった方がいいか、確認しよう、と思ったのだ。 そしたらな。なんと、あやせが! 恋人ではない女の子を部屋に招いている男のマナーとして、というか、 露骨にあやせへの点数稼ぎとして、今日の俺は、あやせが来てからは、 ずっと部屋のドアを完全には閉めず、ちょっとだけ隙間を空けるように していた。 今も開いている、その隙間から、一旦部屋に戻ろうとした俺が見たもの。 それは、何とも言えない耽美な雰囲気を持った光景だった。 俺の部屋の中で、あやせが。 桐乃に贈ろうとしている箱入りの抱き枕にある、自分と瓜二つの顔を、 まるで白雪姫に出てくる王子様のように、ずっと見つめて続けていて。 やがて思い切ったように、自分の唇を、自分と同じ顔をした眠り姫の 同じ形をした唇に、ゆっくりとした動作で、そっと押し当てた・・・。 あやせと、あやせのキス。 俺の気持ちの中で、何かが立った。何かが振り切れた。 こういうのって、確か。 「ナルシシズム」 その光景は、俺の頭から出て来たそんなタイトルの付いた、美しい芸術 作品のような奇麗な光景だった。 自分と同じ姿形をしたものに魂を分け与える。そういう、神話の世界に ありそうな神秘的な儀式のワンシーンのようにも見えた。 うまくは言えねぇが、・・・黒猫辺りだと、もっと適切な表現で文字に 出来るんだろうな。 俺は、何だか、見てはいけないものを見てしまった気がして、抜き足、 差し足、忍び足で、急いで一階に降りて、適当にブツを見繕った上で、 不必要に大きな足音をさせながら階段を上り始める。 自分の部屋の前まで帰って来て、少し考え、ノックをしてから入る俺。 ちょうどあやせは、プレゼントに添えるメッセージをしたため終わった ところで、なぜか手に口紅?を握っていた。 なぜ?、という疑問は、あやせが書いていたメッセージカードを見れば 得心がいった。 『桐乃へ いつもありがとう。 いつも桐乃と一緒にいたい、もう二度と離れたくない私の気持ちを込めて ちょっと恥ずかしいけど、これを贈ります。 大好きだよ。 あやせ はぁと』 サインペンで丁寧に書かれた文字の署名の横には、あやせの手にあった リップと同色の、チェリーピンクの大きなハートマークが描かれていた。 ・・・お前は幸せモンだぜ、桐乃。 それと、あやせも本心から提案に乗ってくれたようで、俺も嬉しいぞ。 「じゃ、これは、明日の朝イチで、俺が責任をもって桐乃の部屋の前に 置いておくからよ、」 メッセージが添えられ、奇麗にラッピングもされた大きくて細長い箱を、 俺は自分の部屋のドアの横に一旦立てかける。 「お願いします。お兄さん。」 そう言って、あやせは、少し恥ずかしげで、ちょっと頬が赤く見える、 あの抱き枕と良く似た、とてもいい表情を残して帰っていく。 何かちょっと、いつものパターンとは違った、いいエンディングだった。 翌日は休日。二度寝もできるが、早くも気温が上昇を始める午前中。 階段の下から母親が呼ぶ声がする。 「京介~、洗濯機回すから、あんたの「あやせちゃん」、汚したんなら 出しときなさいよ~」 ・・・ぐはっ。 とんでもねぇっ! 母上! 色々と言いたい事があるぞ! 話し合いの結果によっちゃ、今晩この家を出て行くからな! こういうモノまで親バレしてて、それでも平然と声を掛けてくるなんて、 デリカシー無さ過ぎだろ! 全く。 って言うか、理解が深過ぎて驚愕するわ! ふと、窓から快晴の外の景色を見て思う。 そう言えば、あやせは、もう起きて、どこかへ出かけただろうか? そんな事を思いながら、俺は、自分のベッドの上で微笑む『あやせたん 2号』の今日の御機嫌を伺う。 ん? いや、昨日とちょっと印象が違って、何か少しだけ色っぽい感じがする。 まぁ、あやせ本人も、昨日は少し頬が赤かったように見えたけど・・・ でもそういったもんが伝染するはずもないし、うん。気のせいだよな。 伸縮する素材なんだから、表情が多少変わって見える事だってあるさ。 しかし、それにしても。 やっぱりあやせ。おまえって、可愛いんだな。 流暢なカーブで流れるように描かれた、あやせ本人と同じ美しい黒髪、 その前髪辺りに手を添えて、手で何度かなぞってみる。 さすがに髪の感触はしないが、さらさらの高級素材の感触が心地よい。 そして、心地よいものが、もう一つ。 あやせと同じ色の澄んだ二つの瞳が、至近距離から柔らかい微笑で俺を 見上げている。 よく見るとその口元には、ひょっとして今、あやせたん2号が色っぽく 見える原因のように思えた、何かを押し付けたようなピンク色系の跡。 同時に、確かに感じる、昨日あやせ本人からも感じた、フルーティーな 香水みたいな、微かな香り。 って、・・・もしかして。 そうだとしたら絶対汚せねぇよ、これは。 勝手に洗濯なんぞしやがったら、ぶっ飛ばすからな。 今、俺はあやせたん2号を通して、あやせが昨日、確かにここにいた、 その微かな痕跡を感じ取っているような気がする。 その可愛らしい制服姿の少女の、色づいた口元に視線を奪われながらも、 俺はその少し上、前髪を分けたおでこの部分に、自分の口元をゆっくり 近付けた。 ・・・本物にこんな事をしたら、あいつ、どんな顔をするんだろうな。 それが凄く楽しみに思える俺は、やっぱりセクハラ野郎なのだろう。 隣の部屋からは、「うっひょー!」「これはw!」「くうぅ~っ!」 といった訳の解らない嬌声と、何度も寝返りを打つような大きな物音が 途切れず繰り返し聞こえていた。 数日後。 だらだらと休日を楽しんでいた俺の家のドアホンが、突然鳴った。 「ピンポーン!」 今日は親父と桐乃は留守だと聞いていたが、お袋は家にいるはずなので、 俺は2階の自分の部屋の床の上で、引き続き、ごろんと寝転がったまま、 起き上がろうともせず、だらけた体勢でいた。 宅配便か何かの配達・・・ってとこか? 桐乃のヤツは、ちょくちょく通信販売を利用しているみたいだったが、 俺は少し前に例のあやせ抱き枕を買ってみた時ぐらいのもので、あまり 利用はしていない。 だから、宅配便だとしたら俺はほぼ無関係だし、もちろん学校の友達や その他の友達と今日の約束をした覚えもない。 なので、これは多分、俺には関係のない来客だ。 ・・・と俺は安心していた。 ややあって、一階からお袋が俺を呼ぶ声がする。 「京介~。あんたのアイドルが来たから、上がって貰うわよ~!」 え? ・・・アイドル? 何の事だ、ちょっとマテ! 俺が来客に関係あるはずがない、とタカをくくって寝転んでいのだが、 突然のご指名を頂いて、やにわ起き上がる俺。 というか、『アイドル』って何だ? 全く心当たり無いぜ。 多少焦って考えを巡らせているうち、もう既に誰かが階段を上ってくる 軽やかな足音が聞こえる。 トントントントントン・・・。 コンコン、ガチャ。 「こんにちは、お兄さん。」 そう言いながら鍵のかからない俺の部屋のドアを開け顔を覗かせたのは、 ラブリーマイエンジェルあやせたん(本人)だった。 いや、本人、と特に断る必要もないだろう。 いくら俺が、毎日色々なところを丹念に可愛がってやっているとは言え、 さすがに抱き枕のあやせたん2号がドアをノックして挨拶をする、とは 思ってない。 俺のあやせたん2号はちゃんと撫でたり抱きしめたりできる存在だから、 キメェオタクじゃあるまいし、俺はきちんと2次元と分けて考えている、 安心して欲しい。 俺の部屋の前に立ってるあやせは、今日は制服じゃなくて、白あやせ。 純白のワンピースが涼しげで、例の、麦わら帽子を持たせればいつでも ヒロインデビューできそうな、いかにも、いいところのお嬢様といった 着こなしだ。 「・・・アイドル、っつーから誰のことかと思ったよ。」 何だ、脅かすな、と、俺は多少リラックスしてあやせを迎えた。 「わたしも、アイドルだなんて、急に何がなんだか、で。」 そりゃぁ、そうだよな。 ・・・ったくも~、お袋は、よ! 俺はお袋の間違いを訂正するために、階下に大きめの声をかける。 「おーい。お袋。聞いてるか~っ? あやせは、アイドル、じゃなくて、 俺のエンジェルなんだぞ~!」 「な、何を大声で言ってるんですか、恥ずかしい!」 俺の母親がすぐ下にいる手前、いつものような暴力的行為には及ばずに、 くいくいっと俺の服の袖の辺りを引っ張るあやせ。 こういう女の子っぽい仕草って、なんかいいよな。 袖と一緒に摘ままれたままの所が痛くて、いい加減、泣きそうになって きたけど。 下からは「難儀な子ね~」という、諦めにも似た声が聞こえてきた。 それと「お母さん買い物に行ってくるから、エンジェルちゃんにおいた しちゃだめよ~」 などと言う。 母上。オイタって何ですか。 息子を信用してないにせよ、そういう表現はいかがなものか。 今だってそうだが、イタい目にあってるのは常に俺の方なんだぞ。 憤慨していると、外出の用意を簡単に済ませた母親が、玄関の扉を開け、 出ていったらしい物音がした。 「ところで、桐乃なら留守だぞ」 あやせの方に向き直った俺は、まずその事をマイエンジェルに確認した のだが、 「はい、解ってます。わたし桐乃のスケジュールもほぼ頭の中に入って いますから。今日は街中での撮影で、ほら、よくお兄さんに来てもらう 公園とかその近所だと思いますよ。」 と、妙な返事を返す。 それじゃあやせは、桐乃が留守なのを知っててウチに来たのか? なら多分、これはまた「桐乃の事でご相談が」というヤツなんだろうな。 「じゃ、まぁ座れよ。」 そう言って、俺は部屋の中で一番いいクッションを見繕って薦め、俺も 自分のベッドの端、寝ていれば足元が来る辺りに腰をおろす。 あやせは、ベッドそばの床に置かれたクッションの上にペタンと座ると、 そのまますぐ、ポン、と手に持った小さな何かを自分の座ったすぐ横に 置いた。 あやせの妙な動きに面食らいつつ、その「何か」に視線を向ける俺。 それは、小さな防犯カメラのような形をしていた。 しかし、ちょっと見ただけでその造りがとても安っぽい事が丸解りで、 要は五百円くらいで売ってるダミーカメラのようだった。 「何、それ?」 「はい、下でお母さまに渡されました。こんなモノでも一応、犯罪抑止 効果はあるそうです。」 「・・・・・・・」 「・・・・・・・」 しかし、・・・息子の女友達にこんな物を持たせるって。お袋さんよ。 あんたどんだけ息子を信用してないんだ? 正確に俺を射貫く方向にレンズが向けられている「それ」を見て、俺は、 「なぁ、あやせ。せめて電池を抜いて、あの赤ランプを消してくれ。 気になって話し辛れーんだよ。」 と頼む。 すると、あやせは、 「じゃぁお兄さん。手錠にしますか?ライターにしますか? それとも 手錠とライターにしますか?」 爽やかな夏の服装のどこに隠してやがったんだか、そう答えたあやせの 右手にはライター、左手には手錠。 にっこりと微笑むあやせの表情だけは、とても可愛いかったのだが、 「逮捕も処罰もヤだよ! 監視だけでいいよ!」 でもな。あやせに限って間違いはないと思うが、ライターとか未成年が 持ってるのが見つかったら、何かと面倒な事になるんじゃないの? その右手の妙に派手なライター、どこで買ったんだろう、と思いながら、 あやせの掌の中でキラキラ光を反射するライターをよく見ると。 そいつは、ラメ入りのデコレーションで『かなかな』と書かれていて、 ご丁寧に本人のプリクラが貼り付けられていた。 アイツはやっぱりアホだ。 「それで・・・あやせさん? 何か話があったんじゃないですか?」 監視カメラに灯る赤ランプを横目でちらちら見ながら、妙に固い口調で 切り出していた俺。 これ、確かに。なんか音声も記録されてて後に残るような錯覚があって、 迂闊な事が言えなくなる効果があるな。 困ったぞ。これじゃあやせに十分セクハラしてやれんじゃないか。 ―母親の思うつぼだった。 「今日は桐乃の事で、少しお兄さんにお聞きしたい事があって来ました。」 そんなこんなで始まった、今日のあやせの相談ごと。 「桐乃の事、つってもなー。俺よりもおまえの方がよっぽど詳しそうに 思えるんだが、とりあえず言ってみ?」 「はい。あ、その前に、先日はありがとうございました。桐乃、とても 喜んでくれて。」 律義にお礼を言ってから本題に入ろうとするあやせ。 今言ったのは、あのプレゼントした、あやせたん抱き枕の件だよな。 受け取った桐乃のリアクションは俺が一番良く知ってる。 その日、部屋から出てきた桐乃と廊下ではち合わせをした時があった。 そん時の桐乃の表情は、俺が知るどのエロゲの妹をクリアした時よりも 明らかに壊れていた。 とても幸せそうではあったが、例えばモデルの仕事中にうっかりあんな 目尻やよだれを見せていたら、契約解除は間違いないだろう。 別の仕事は来るかもしれんが、それは兄として断固許す訳にいかない。 エロ本買ったらモデルが妹似で微妙な買い物になる―程度ならまだしも、 本人だったりした日には、俺の明日がどっちへ行くか俺にも責任持てん! 少々脱線してしまったが、そんな前置きがあった後に、 「多分・・・、私の気のせいだけじゃ、ないように思うんですけど、」 と遠慮がちに切り出すあやせ。 「どうも、最近、桐乃からの、ある種のスキンシップが急に強くなった ように思えて・・・。 あと、着替えの時に、気付けば桐乃の視線を感じる、みたいな事も結構 多かったり。」 そこまで話したあやせは、あ、そうそう、誤解のないように、と、 「当たり前の事ですけど、それが嫌って訳じゃ、全然ないんですよ?」 と付け加える事を忘れない。 さらにそのあと、 「ただ、何か原因のようなものがあるのかな、って思って・・・。 だって、桐乃がもし何か足りないものを感じて寂しがってるんだったら、 親友のわたしとしては、まず、それに気付いてあげて。 それから、それが何だか突き止めて、できれば満たしてあげたいなって、 そう思うからなんです。」 と、真剣かつ、とてもいい表情で続けた。 おまえは桐乃の婚約者か。 もうね、妬けちゃうよ、お兄さんは。どんだけ愛してるんだよ。 「で、具体的に、あやせは、桐乃のどういう行動に引っ掛ってるんだ?」 と聞くと、 「あの。何と言いますか。」 言いにくそうにしているあやせではあったが、それを言わなければ多分 今日ここに来た意味がなくなってしまう。 それはあやせも解っているのか、 「学校の体育の前後とか、あとモデルのお仕事で衣装を着替える時とか、 気が付いたら、桐乃のガン見するような視線を背中の方から感じる事が 最近よくあって。 それも、なんだか、視線が、その、下の方、って言いますか・・・その お、お、お、おしりに」 あやせの、おしり。 自分で反芻してみて、ちょっと取り乱しながら、それでも俺は、何とか 自分の視線をあやせの下半身に向けるのを抑制し続けていた。 こちらを向いてクッションの上にぺたんと座っているあやせのおしりを、 今の体勢で見るのは、どうやっても無理なのだが、それでも視線が少し 下向きに動けば、こちらを向いているあやせにまる解りになる。 そうなるとあやせは決して見逃してくれまい。 折しも、俺の心は安っぽい監視カメラの光る赤ランプで威嚇されていて、 わざとらしく流し目のようにあらぬ方向へ視線をそらしてる俺の人相は、 ただでさえ悪いと言われるいつもの5割増しの目つきの悪さだろう。 俺が必死に本人から意識を逸らしていると、あやせが多少興奮しながら その続きを喋る。 「そ、そんな桐乃の視線を背中に感じてドキドキしていると」 ドキドキすんなよ! 「桐乃ったら、すーっと後ろに寄って来て、『ここがええのんか』とか 『いいではないか、いいではないか』とか言いながら、おしりにタッチ してくるんですよ。」 ・・・完全にオヤジと化しとるな、桐乃。 俺はよく知らんが、桐乃や同類の好きなエロゲの中にはオヤジが主人公 という作品もあるらしく、もともと親和性はいいのだろう。知らんけど。 「そのあと必ず、『いやーん、まいっちんぐ』って言わされるんです。」 って、どんなプレイなんだ、それは。つうか、何を見てたんだ桐乃。 あー。何となく解ってきたぞ。 って言うか、 「ああ・・・すまん。それ、多分俺だわ」 「え? それはどういう事なんですか、お兄さん? ・・・まさか桐乃をそういう性癖に調教したのは、お兄さんだとか? そんなの許さない!」 くわっと目を見開くあやせ。マジ恐くて、ちびりそうなんだけど! 俺は、あやせの気迫に、慌てて訂正を入れる。 「違う! 妹を調教とか、俺には色んな意味でハードル高過ぎだろ!」 理由はそれなりに情けないが、事実そうだから仕方ない。 「それもそうですね。」 おまえもすぐ納得すんなよ! 「いやな、あやせ。実はすっかり言いそびれていたんだが、世の中には 光あるところに影があるように、表あるところに裏があるんだ。」 「面倒な言い方をせず、さっさと言って下さい!」 「それはな・・・。こういう事だっ。」 じゃじゃーん。 俺は、自分が腰かけてる俺のベッドの上のあやせたん2号を、ぐるんと ひっくり返した。 どちらが表でどちらが裏とはどこにも書かれていないが、この種の物は、 確かに片面の奴も多少あるものの、大抵は両方の面に絵が描かれていて、 それも表と裏で、同じ人物のちょっと違った姿が描かれている。 少なくとも、俺がチェックしたサイトでは、全部そうだったし、実際に この、あやせたん2号もそうだ。 両方の面を見比べてみると、明らかに「表と裏」という位置付けになる。 つまり、人様にお見せしてもギリギリ大丈夫な面と、アウトの面があり、 普段は当然セーフの方を見えるように置いてある訳だ。 だが、先日の一件からして、あやせはその辺の事情は知らないだろう。 うん。ヤバいかもしいれんな、これは。 あやせたん抱き枕の「表」の方は、簡単に言えば、中学の制服を着てる あやせが仰向けに寝転んで、こちらを向いて微笑んでいる絵柄だ。 少しセーラー服やスカートの端が捲くれて、白い肌や小さな布が覗いて いるところがあり、そこは当然俺が重点的に可愛がるポイントなんだが、 当の本人は、そんな事には少しも気付いていない様子に描かれている。 全体を通して見ても、少し恥ずかしげに頬を染め、にこやかにおすまし している柔らかい表情とポーズや仕草が、俺にはたまらない一品だ。 中でも、真っ直ぐにこちらを見て、にこやかに笑いかけてくれるあやせ、 というのは、知り合って俺のセクハラ対象になって以降は、俺の前じゃ 滅多には見られない絶滅種みたいなもんだし、何度見てもこの笑顔には 俺の思考に干渉する何かが含まれているとしか思えない。 この絵柄は、あやせ本人も一応、目にして桐乃に贈ったはずで、だから、 本人も嫌だとか悪いものだとは思っていないと思う。 それで、な。 次に「裏」の方なんだが、これははっきり言ってアウトだろう。 少なくとも俺にはこっちを上にして人に見せる勇気はない。 「表」では仰向けだったあやせを、ごろんと俯せにして背中を向かせ、 下を大きく、上も少しはだけさせた。字にするとそんな絵柄だ。 でもまぁ、一言で言うならば、「おしり」だろうw 絵の中であやせが抵抗するように後ろ手で辛うじて手をかけ守っている 純白のショーツは、下げられる限界まで下ろされて、もはや布ではなく 帯か紐、同然の状態だ。 大事なところはショーツを持つ手で隠せているものの、その左右には、 優しいカーブと弾力性、滑らかさなどを秘めた白い奇麗な二つの球面が、 ほぼ全部剥き出しの丸出しになっているという格好だ。 膝のあたりまで落ちたように描かれた制服のスカートは、何の防御にも なっていないばかりか、むしろ拘束具チックになってしまっている。 上半身も背中の辺りが大きくはだけて、そこから片方の肩と腕、それに 胸もちょっと、ズレたり捲くれたりした白いブラからのぞいている。 そういう、かなりエッチなポーズに描かれているんだが、実のところ、 俺には「いやらしい」とは全然思えなくて、むしろそれより、やっぱり あやせは奇麗だ、可愛いと、そっちを思ってしまう。 しどけない姿に描かれたあやせの表情は、背中越しに、大きくこちらを 振り向いた困り顔で、かなり不安の色も混じっているように見える。 だけど、表情を荒げたり、取り乱している感じではなく、やはり奇麗で ちょっぴり色っぽい、可愛い俺のエンジェルそのものだ。 俺はもしかしたら、本当はこんな顔をするあやせが見たくてセクハラを しているのかもな。 もっとも、俺が実際に、こういう状態に持ち込む機会があったとしても、 あやせの反撃というか先制攻撃をお見舞いされて藻屑と消えるが関の山 だろうがな。 まぁ、これは多分、あやせに似せて、想像を交えて、絵に描かれたもの だから、本物のあやせがこんな恥ずかしがり方をするとは限らない。 でも、本人を知ってる俺が気になってしまうんだから、本人がこういう 表情を見せる事もあり得るんだとは思う。 と、長々と考えてしまったが、我に返ると、目の前では、先日のように、 あやせが俺のすぐ横に横たわる抱き枕を見て取り乱していた。 「い・・・いゃああぁぁ!」 枕の裏側の絵柄を確認するなり、あやせは、座っていたクッションから 飛び上がると、そのまま、ベッドに腰かけている俺のすぐ横をすり抜け、 あられもない姿を見せるベッドの上の分身に抱きつくように飛び付いて、 自分の全身を使ってそれを覆い隠そうとした。 ところが、問題はその結果だ。 あやせの反射的な動きにより、お尻丸出しだったあやせたん2号の姿は 確かに隠されていた。隠されて、いたのだが。 俺のすぐ横のベッド上にダイブする格好になっちまったあやせ本人の、 真っ白なワンピースのスカートの部分は大きく捲くれ上がり、さながら 白い花が咲いたような様相を呈していた。 その花びらの中心にあたる部分には、これも真っ白の小さなショーツと、 それだけの面積では隠し切れないお尻の半分以上が、咲き乱れていた。 おしり隠して尻隠さず― 皮肉な事に、あやせは、自分が被い隠そうとした絵柄とほぼ同じ場面を 自ら演じてしまっていたわけだ。 っていうか、これ、大丈夫か、俺? あろう事か、今、俺のベッドの上にいるのは、マイラブリーエンジェル あやせたん、本人だ! いるだけじゃねぇ。 手を伸ばせば触れられる距離に、寝転んでいる、だ。 しかも、相手は夏らしい薄着で、エロゲ顔負けのとんでもないサービス シーン、パンチラ満開を演じている。 さっきまで話していた間じゅう、ベッドの端にずっと腰かけていた俺と、 結果的にだが、その真横に飛び込んで来たあやせ。 その間の距離は、本当に触れるか触れないか、だ。 今の体勢のまま、俺がほんの少し手を動かせば、足の裏をこちょこちょ くすぐってやる事もできるし、もう少し腕を伸ばして太股をマッサージ してやることも出来るだろう。 少しだけ身体を伸ばせば上半身に手が届くから、頭の上に軽く手を載せ、 撫で撫でしてやろうと思えば出来るし、長い黒髪の先の方をくるくる、 分け目や頬にかかる所をわしゃわしゃしてやる事も出来るはずだ。 俺の横でうつ伏せになり抱き枕を守っているあやせは、不思議とずっと 動かないままの状態でいるから、本当に今、俺が少し手を動かすだけで、 さっき考えたような事を簡単に現実にする事が出来る。 などと言っても、実際俺がそんなコミュニケーションを女の子に対して 取った経験があるかと言えば、一度もない。 思い返してみればエロゲの中ではちょっとあったが、あれは俺であって 俺ではない。 エロゲと言えば、あやせの今の状況・・・、俺の前でパンチラ花ざかり、 も、かなりのエロゲ的シチュエーションだ。 でも、「だから今、実際にどうこうしよう」とは、リセットの効かない 今の現実の状況では考えられない。 だからこそ、ぜひともセーブしておきたい状況ではあるが。 ・・・・・・・・・・・ さっきから続いてる静寂をいいことに、落ち着いて考えてみる。 今のこの現状は、例のごとく、俺が直接はたらいた悪事ではないのだが、 状況から見るに、いつもなら蹴りか殴打、少なくとも罵倒の嵐にはなる シチュエーションだろう。 しかし、今日のあやせは、どうも違う。 ただ、あやせたん2号の上に折り重なって倒れ込んだ、その状態のまま、 一言も発さない。 そんな有り得ない状況に、俺は何だか拍子抜けを通り越して不安なって、 「おい、どうした?」 と、顔を伏せたまま動かない、あやせの背中に声をかける。 ・・・背中だぞ、尻にじゃないぞ。 「貧血か何かか? 大丈夫か? お兄さんが血行を良くするマッサージ 「結構です」 「せめて最後まで喋らせろよ」 いつものような即答ではあったが、やはりあやせは身体自体は動かさず、 顔もうつ伏せのままだ。 「なぁ、どうしたんだよ。気になるじゃねぇか。」 一応、紳士の端くれでもある俺は、なるべく、あやせの腰から下の方を 視界に入れないようにしながら、傍らに伏せる美少女に声をかけた。 「動いたら良からぬ物が見えちゃうからに決まってるじゃないですか。 ・・・それに」 いや、動かなくても、もっといいものが見えちゃってるんだけどな。 と言うか、・・・「それに」? 「わたし今、思わずこんなふうに野獣の檻に飛び込んでしまいましたが」 オイ、えらい言われようだな! 「今日のわたしは、何をされても、何も抵抗できません。」 どういう意味だよ、それ。 「わたしが今、着ているのは、桐乃が見立てて、贈ってくれた、世界に たった一着のドレスなんです。これを少しでも、汚したり、破いたり、 いえ、僅かでもほつれさせたりするような事は、わたしにはできません。」 女の服の事はよく解らんが、確かに、あやせのワンピースは、部分的に すげー細かそうなレース?みたいな凝った飾りが何ヶ所も施されていた。 あやせキックや幻の右が繰り出せない理由はそこだったのか。 しかし、黒猫といい、あやせといい、何で俺のまわりの女は、わざわざ 桐乃セレクションの一張羅で俺の前に現れやがるんだ? 制服か普段着で来りゃ、楽でいいのによ? 「つまり、この服は、今日のお前にかけられた手錠、ってとこか。」 「・・・そうですね。そうかもしれません。」 「そして、今の俺は手錠に縛られず自由だ。」 「お兄さんに破かれるくらいなら、わたし自分で脱ぎます。」 「待てよ! 破かねえよ! どんな野蛮人だよ!」 そりゃ、健全な男子としては、そういう行為にはそそられるものがある かも知れんし、実際したら、興奮だってするだろうよ。 けど、あやせをマジ泣きさせるような罪悪感のでかい事が俺に出来る訳 ねーじゃんか。 「なんですか。今はちょっとそんな冷静なつもりでいても、いざ実際に 揉み合いになったらどうせ力任せにビリッと・・・」 「しねぇよ! そんなこと! だいたい、揉み合いになんてならねぇ! 俺は揉むかもしれんが、おまえは揉まんだろ?」 「女の子に向かってそんな事を言う人の、何を信じろって言うんですか。 変態。穢らわしい!」 俺は、自分の背中側にいるあやせに。 あやせは、顔を伏せたまま。 視線が合うこともなく、ピンポンのように言葉だけが反射的に行き交う 応酬。さらにそれは続く。 「女の子に、じゃぁねょ。 おまえにしか言わん。」 「だから、いちいち、何でそんな最っ低ーな言い方になるんですか。」 「おまえが俺にとって特別な存在だからだろ。」 「な!!」 俺も今、ちょっと流れに任せて、変な事を口走ったような気がしたが、 不意にあやせに動きがあったように思って顔を向けると、あやせも少し 顔を上げて、こちらを振り返るようにしていた。 何分か振りに接触する、お互いの視線。 「た、他意はねぇよ。実際、そうじゃなけりゃ説明が付かんだろ。」 俺はまた視線を外し、あさっての方角を向く。 ちょっと前から、自分でも不思議に思っていたことがあった。 俺は、何で「あやせに」セクハラをするのか。 いや、黒猫や瀬菜たちにも「セクハラ先輩」呼ばわりされた事はあった。 けど、それは、俺が直接意図したものではなく、あやせに対するのとは 違う種類のものだと思う。 俺は、何を見るでもなく、部屋の天井を見上げ、 「・・・さっきお袋が、おまえの事を『アイドル』って言ったけどな、 それ、割と近いと思う。おまえは・・・すげぇ奇麗だし、大人っぽくて、 ・・・多分、これからもっと奇麗になっていって、本物のアイドルとか、 そういう、手の届かない所に行ってしまう気がする。」 妹と共に、書店に並ぶ本を何ヶ月も飾り続ける、モデルのあやせ。 こいつらのルックスのレベルの高さは、確かに、身内びいきもあるかも しれんが、俺が保証する。 なんちゃら48とか、そういうのに混じっていても、違和感ないだろう。 まぁ俺にはよくわかんねぇ世界だし、世界に通じる、とまでは言わんが、 あやせに目を留める業界の人は、今の事務所の人を含めて、これからも、 何人も出て来るはずだ。 「・・・そんな先の事なんて解らないじゃないですか。」 当のあやせがそう言うのはもっともだが、 「俺にはそう思えるんだよ。」 「じゃぁ、お兄さんは、わたしが『手の届かない存在』とか、今もそう 思ってるんですか?」 「・・・その傾向はあるんじゃねぇか? 何つっても、『エンジェル』 だかんな、俺の中じゃ。少なくとも、そう思うような俺のエンジェルは 他にいない。」 俺の周りには、麻奈実とか、沙織とか、いい奴、いい娘が何人もいるが、 考えてみると、あやせのような惹かれ方をした相手はいないと思う。 その意味で、やっぱりこいつはなぜか特殊な存在だ。 「手が届かないのに、セクハラはするんですね?」 「手が届かねぇから、するんじゃねぇの?」 ・・・あやせの一言に対して「売り言葉に買い言葉」のように反射的に 出て来てしまった、俺の一言。 それは、俺自身にも意外で、できれば認めたくない、真実、だった。 ・・・ああ、そうだったのか。 俺がこの奇麗な妹の友達と恋人同士になりたがったとしても、それには 障害が多すぎる。 第一に、あやせ本人にその気がなく、むしろ喧嘩友達みたいなノリだし、 こいつは俺に無いものを幾つも持っていて、妹と共に光り輝いている、 俺には釣り合いそうにも無い存在だ。 高嶺に静かに咲く一輪の白い百合、俺の中にはそんなイメージもある。 (ちなみに、隣に咲いてる向日葵が桐乃な。丸いから。) 家柄だって、気難しいように感じられるお偉い両親の一人娘らしいし、 仮に付き合っても、事務所の目を盗んで密会、とか、それ何てエロゲ? ホワイトエンジェル、ってか。 そんな、こんなで、あやせが俺の彼女になってくれる可能性は、著しく 低いわけだが、今のところ、このアイドルは、俺の所にこうして相談に 来たりする。 『会いに来るアイドル』って貴重だよな。 で、俺は、あやせに「付き合って下さい」と言えずに、「結婚してくれ」 か・・・。ガキか、俺。 「どうしたんですか、お兄さん。いつも考えない事を、ちょっとは考え ましたか?」 ちょっと咎めるような、嫌み混じりのような、妹と同じ3つ下の娘の声。 そんな言葉も、ごく自然に受け入れられるのは、やはり、俺があやせに 人として好意を持っているからだろう。 「わたしに対する数々のセクハラについて、何か結論は出ましたか?」 「結論とかは出ねぇけどさ、どうやら俺は、おまえと何でもいいから、 ずっと接点を持っていたい、と、そう思ってるんだと思う。」 そう、努めて抽象的に、しかし嘘にはならないように遠慮がちに言うと、 あやせは多少語気を強めて、 「何でもいいって。結婚したいんじゃなかったんですか? お兄さん、 そう言いましたよね?」 「・・・言った」 その時に、そういう形の言葉にしたのは、はっきり言えば冗談だ。 だって、その時の俺は、(今もそうだが)、年齢的にも、人間的にも、 まだまだ具体的に結婚なんてできる状態ではなかったんだから。 「そう思った事は嘘じゃないんですよね?」 ・・・口にした言葉の表面は、確かに冗談でしかなかったが、 「うそじゃ、ない。はずだ。と思う。」 「嘘なんですか? お兄さんは結婚詐欺をしたんですか?」 矢継ぎ早に問い詰められ、防戦一方になる俺。 「・・・いや、その、俺もおまえもまだ学生だし・・・今すぐどうこう ってことじゃないんだが・・・大体おまえ、OKしたか?」 「するはずないじゃないですか。」 「だろ?」 「違います! わたしは、まだ、返事をしてないだけで、断ってなんか いません!」 なんじゃ、そりゃ。意味わかんねぇよ。 「いや、『生理的に無理』とか、言われた気がするぞ?」 結構傷付いたのだよ、俺は、その時。 「それは、後になってから、妙に至近距離から心底気持ち悪い顔と声で 『あれはセクハラなんかじゃなく愛のこもったプロポーズだった』とか 言ってきたからでしょう?」 「いや、でも『あり得ない』とも言われたぞ、確か。」 「『彼女には』でしたよね? しかも『現状のお兄さんとは』ですよ!」 間髪を入れずに返したあやせ。 確かにそうだったような気はするが、おまえはそういう遣り取りを一々 記憶してるのか? 「という事は、もしかして、俺があやせをゲット出来る可能性も決して ゼロじゃない、という事なのか?」 「もう・・・。本人に向かって、なに情けない事を聞いてるんですか。 先の事は解らない、と、そう言ってるんです! ・・・いまのところ、 わたしに、その、プロポーズとかしたのは、お兄さんが唯一の例ですし、 それに、初恋が実るのって、何だか素敵ですし。」 どこへ行こうとしてるんだ、この話? 「は? 初恋? おまえの? 誰に?」 「ち、ち、ち、違いますよ! お、お兄さん、そう! お兄さんの事に、 ききき決まってるじゃないですか!」 「・・・いや、そんなに慌てられても、何の事やら全く解らんのだが、 おまえは俺の何を知ってるんだ?」 「そ、そう!麻奈実お姉さんが言ってたんですよ。『”きょうちゃん” が、特定の女の子に興味を示したのは、多分、初めてのこと』だって。 『幼稚園や小学校でも見たことない』って。」 あいつ・・・。 っつうか、俺ってそうだったのか。 「お姉さん、お兄さんとずっと仲いいじゃないですか。なのに昨日今日 会ったようなわたしに、『わたしは、ずっと何年も”きょうちゃん”に 優しくしてもらったから、あやせちゃんも優しくしてもらうといいよ』 とか、『わたしは”きょうちゃん”の恋が叶うといいなって思ってるよ』 なんて言うんですよ。」 あンのバカ。・・・ここまで来ると涙が出るわ! 「そんなのじゃないです、って言っても、『それじゃぁ、そういう事に しておくね』って、ずっと笑ってるんですよ。」 そう言えば、唐突に思い出した。 あいつ―麻奈実が、何かの時に、「結婚して幸せになるんなら、あやせ ちゃんみたいな相手でないと」とか何とか、俺に言っていた事を。 あいつは、俺自身も知らない俺を、どこまで知ってるんだろう。 ・・・・・・ 「わたしも、女の子で、モデルですから、奇麗だとか、可愛いと言って 貰えるのは、素直に嬉しいし、お仕事を頑張ろうって思います。」 また話の方向がちょっと飛んだように思ったが、あやせは続ける。 「カメラマンの先生で、撮影中わたしたちの表情を上手く引き出す為に、 『じゃぁ、彼氏のことを考えてみようか! 残念ながら彼のいない人は、 優しいお兄さんの事を考えてみて』とかおっしゃる人がいるんですけど、」 もしかして俺の出番か? それ。 「桐乃は呼吸困難になるまで盛大に咽せて仕事になりませんでしたし、 わたしは目つきが悪くなったって注意されました。」 おめぇらは! 「でも、お兄さんとは、全部が全部、悪い思い出という訳でもないので」 なんちゅう言い草だ! 「一枚か二枚、誉めて貰えるようないい写真が出来たことについては、 とても感謝しています。」 微妙だが、ここは喜んでいい所なのか? 「だからその。・・・わたしはしばらくモデルを続けるつもりですから、 例えば、もしも、もしもですよ? お兄さんが言ったように、わたしが 大きな仕事をするようになった時は、付き人にしてあげてもいいです。」 「付き人、って? おまえのかばん持ちみたいな?」 「お兄さん、『どんな形でもわたしと接点を持ち続けたい』って言った じゃないですか。それだったら、別に仕事のパートナーでもいいんじゃ ないかと。」 うーん。 就職先があやせの下僕か。俺的には幸せかもしれんが、ちょっと人には 言えんな。 「付き人っていのうが嫌だったら・・・。そうだ、お兄さんも、桐乃も うちの事務所に入って、それでわたし達のマネージャになって下さいよ! それならいいでしょう? ・・・あぁ、何なら、ご家族で『高坂モデル プロダクション』とか経営して引き抜いてくれたら、わたし喜んで移籍 しますよ?」 確かに、他ならぬあやせの頼みで、マネージャの真似事は何度かしたさ、 加奈子たちのな。 でも高坂プロて。・・・そりゃま、おまえを筆頭に何故か俺の周りにゃ 強烈な個性のあるフォトジェニックなやつらが、ごろごろしてるけどよ。 「もし、カメラを勉強する気があったら、カメラマンなんていうのも、 いいかもしれませんね。」 そんな事もさらっと言う、あやせ。 桐乃やあやせのスケジュールや体調を管理したり、ファインダーの中の 妹たちの一瞬の表情を撮る俺。 今まで考えもしなかった世界が、そこにあった。 俺や桐乃がいい歳になって、それぞれ一人立ちしても、接点を失わずに 繋がりを持っていられる。 妹たちから目を離さず、見守り続けて世話を焼くのが当たり前の仕事。 ・・・ちょっと頑張ってみてもいいかもしれんな。 いや、今、急にそんな事を言われて、すっかりその気に乗せられてるん じゃねぇよ。 ただ、俺一人の凝り固まった考えだけじゃなく、世の中は考え方次第で いろんな可能性を秘めている、そういう事に気付かせてくれたあやせに、 俺は素直に感謝したいと思ったぜ。 「あやせ、ありがとな。俺、もっと頑張らないとな。」 「わたし、お礼を言われるような事は、何も言ってませんけど。それに モデル云々だけじゃなく、わたしは一生、桐乃の親友をやめる気はない ですから、嫌でも自然とお兄さんとの縁は続くと思います。」 「嫌でも、か。・・・でも、おまえの結婚式に呼ばれるのとかだけは、 勘弁な。俺、ぜってー泣くから。」 今、あやせが着ている服より、もっと豪華な純白のドレス。その瞬間の あやせは、本当に奇麗だろうし、ぜひ見てみたいというのは正直あるが、 それでも俺は、ここまで知り合ったあやせが、誰か他の男のものになる その瞬間だけは見たくねぇ。 誓いの口づけの瞬間、俺は頑に目を閉じるだろう。 「・・・なんで私の結婚式に出てくれないんですか。」 あからさまに不満げなあやせの口調。 「俺はな、これでも寝取られ属性だけはねーんだよ。」 「? 属性?」 「いいじゃねぇか。どうせ親父さん達の知り合いが何百人とやって来て、 おまえの結婚式は相当豪華になるんだろ。それだけで十分じゃねぇか。」 「はぁ? 何言ってんですか。絶対来てもらいますよ。例え牧師さんと わたしとお兄さんだけになっても!」 意味わかんねーよ。それだと新郎はいったいどこにいるんだっつうの! 「なぁ、あやせ。今日はおまえと、いっぱい話が出来て俺的には嬉しい んだが、おまえ、いつまでそうしてるつもりだ?」 実は、たくさん話をした、とは言っても、俺とあやせは、ほとんど目を 合わせていない。いつか、黒猫が俺の部屋に入り浸っていた時のように、 あやせはずっとベッドの上に寝転んでいるからだ。 「だから動けないって言いました。変に動いたり、力をかけたりして、 大事な服がほつれたり、糸引きすると大変ですから。」 「いや、そういう訳にはいかんだろ。おまえも俺の抱き枕になるんじゃ なけりゃな。」 こういう一言が余計なんだろうな、と思っていたら、あやせは、案の定 喰い付いてきた。 「なんでわたしまでお兄さんの性奴隷にならなけりゃならないんですか。」 「おい。俺がいつ、あやせたん2号と性的な関係になったよ?」 そりゃ、俺も、健康な男子であるから、あやせたん2号をどうにかして しまいたい、と思ってしまう瞬間は正直ある。しかし俺はこいつを一切 汚す事ができない。 こいつは、あやせ本人が俺の為に自らのフレグランスとラブを注入した (違うかもしれんが)世界に一つの貴重なお兄さん専用抱き枕だから、 他の成分を注入するのはご法度だ。 「それは、モデルであるわたしに、魅力が無い、ってことですか?」 俺の態度にどこか引っ掛かったのか、少しぶっきらぼうに、そんな事を 言うあやせ。 この辺の反応は、桐乃と似ていると思う。 直接、性的な対象にされるのは認められなくても、魅力がないと言われ るのは、それはそれで我慢ならないんだ。 ましてや、あやせも桐乃もモデルをしている位だから、「見られる自分」 というものを、ある程度意識してるんだろうな。 とは言え、男の側にも男子の事情はある。 例え本当でも、「毎日お世話になってます」とは、さすがに言えんだろ。 いや、毎日、あやせを抱きしめて眠りに落ちられる、その幸せの事を、 「世話になってないか」と言えば、そりゃ、なってる内に入るんだろう けどな。 仕事上で認められているほど、これだけ奇麗なのに、俺の一言くらいで 心を揺らしてしまうあやせ。 まぁ、そういうところも、年下らしくて可愛いところだ。 「おまえやあやせたん2号に魅力が無い―なんて、そんな事はねぇよ。 俺にあやせたん2号の魅力を語らせるとちょっとうるさいぞ、覚悟しろ? まず俺は、おめぇが見るなり隠しちまった、そっちの絵柄が大好きだ。」 「・・・何をはっきり『エロが好き』とか言ってるんですか。」 「いや、むしろエロじゃなくてな、おまえの、髪が長くてすらっとした 大人っぽく見える体付きの中のあちこちに、可愛らしいところが幾つも ちりばめられてる―、みたいな。そういう、奇跡のバランス?みたいな お前の魅力が凄く良く出てると思うから、見てて飽きんし、大好きだ。」 「な・・・何を奇麗にまとめてるんですか?」 全然表情は見えんが、これは絶ってー、照れて恥ずかしがってるよな。 ちょっとうまい事言えた俺は、持論の展開を続ける。 「おまえはな、お尻が出てるとすぐに『いやらしい』と思うんだろうが、 ほら、この滑らかな曲面とかカーブとか、・・・もう神の奇跡っつうか、 すっごく奇麗なもんだと思うぞ。」 「『この』・・・曲面?」 ・・・やべ。 「さっきから、桐乃に見られてる時とは明らかに違う、気色悪い視線を 背中に感じるとは、思っていたんですけど、えいっ!」 「ぐ、ぐはっ・・・。何をしやがる、このアマ! いきなり足を振って かかとで人の顔を蹴っ飛ばしやがるなんてよ!」 「情けない・・・。語るに落ちた事ぐらい気づいて下さいよ、お兄さん。 ちょっと振り上げた足のかかとが顔に当たるなんて、あなたはいったい、 どんな至近距離で、何を見てたんですか。」 蹴られた頬を抑えながら、俺は 「すいません、あやせさんの奇麗なお尻です。」 しかし、こんな事になっても、今日は暴力沙汰にならねぇなんてな。 桐乃GJ。あやせの心の手錠、恐るべし。 「・・・そう言えばお兄さん、今『滑らかな』とか言いやがりましたね? ・・・わたし、腰の辺りが少しスースーすると思ってたんですが・・・ まさか」 ゴゴゴゴゴ・・・とおっかない擬音を伴って怒りに打ち震えるあやせの イメージが、次第に現実のものになりつつあった。 「お兄さん。あなたは今日抵抗出来ないわたしのスカートを捲くった、 というんですか!? これはもう立派な性犯罪ですよ!? この強姦魔!」 「ち、違う! 初めから捲くれてたんだ!」 俺の叫びは、しかし、自分でも正当性を見い出せないものだった。 気づいた時に言ってやらない、直してやらない時点で、同罪だろう。 俺の言い訳を聞いたあやせを取り巻く擬音の音量が、一気に倍になった。 遅まきながら、俺は、慌てて、あやせのお尻のスカートを直してやる。 しかし、それがいけなかった。 あやせの背中にかけて跳ね上がっていたスカート部分の端を摘まんで、 さっと下に引き降ろそうとした俺の右手は、まるで吸い込まれるように するりと、あやせのぱんつとお尻の間に入り込んでいった。 今度こそダメだ。 ひんやりしてる。 俺の人生は終わった。 柔らかい。 殺される・・・ しっとりスベスベだ。 「ひっ!」 小さく呻いてから、俺から辛うじて見える頬を真っ赤な色に染め上げ、 両方の拳を固く握り締めて、部屋中に聞こえるような大きさでスーハー、 スーハー、と、深呼吸を繰り返しながら、あやせは懸命に羞恥と怒りに 耐えていた。 その耐える姿がいじらしくて、また萌えるのなんのって。 「きいいぃぃっ! お、に、い、さ、ん!」 全ての字に濁点が付けたような発音で、身動きの取れないあやせが憤慨 する。 「い! つ! ま! で! 触ってんですかぁっ!」 「す、すまん」 俺は、あやせの声に吹き飛ばされるように、そそくさと手を引っ込めた。 「信じられない。いきなりBだなんて。」 ちげーよ! と言いたかったが、考えてみれば、不幸な間違いがあった おかげで、俺がいい思いをした、その分だけ、うら若き乙女のあやせは かなり嫌な思いをしたはずだ。 ここは気を使ってやるのが、年上の余裕というか威厳っつうもんだろう。 「あのぉ、あやせさん? 何か食べたいものとかない? 新しい服とか アクセサリとかは?」 「わたしの欲しいものですか? お兄さんの、命・・・ですかね?」 たいそうお怒りのようだが、何でおまえのセリフは時々、地獄の使者が 透けて見えるんだ。 首狩り鎌と、体全体をぐるぐる巻きにできそうな超長げぇロープみたい なの持ってたぞ、今見えた悪魔。 「いのち以外でお願いします。」 「じゃぁ、お兄さんの人生」 「お・・・おまえは」 俺の人生を取り上げる、とか、俺を社会的に抹殺するのが望みなのか、 おまえは。 「おまえに人生を預けろっつうんなら、最期くらいはちゃんと看取って くれるんだろうな?」 俺は、また変な方にジャンプし始めた話を、構わず勢いで続ける。 何だかんだ言って、しょーもないヨタ話でも、あやせと話すというのは、 結構楽しい事だしな。 しかも、今の一言って、ちょっとプロポーズっぽいし、へへ。 「看取るって、今すぐですか?」 恐えーよ! また悪魔が見えたよ! おまえは何を言ってるんだ! 「ちげーよ、老後の話だ! っつか、やっぱり、そんなに怒ってたのか。 ・・・いや。そりゃ、ま、当然なんだろうけど、さ。」 なんつっても、この超絶ラブリー美少女の「なま」の、すべすべお尻に タッチしちまったんだからな。 俺GJ。あれはキシリア様に献上できるぐらい良いものだった。 いかん、思い出したら興奮してきた。 「お、兄、さ、ん! 『ぐふぐふ』とか、何を気色悪い笑いを漏らして るんですか! 想像しているものによっちゃ、ぶち殺しますよ!」 「ぐふとは違うのだよ! グフとは!」 「いーえ! お兄さんは結婚したら絶対に愚夫になるタイプです。」 「なんでおまえ、今日はそんな結婚にこだわるの?」 「こ、こだわってませんよ、別に。そ、そんな事より、いま、いったい 何を想像してたのか、言えるもんなら言ってみて下さいよ!」 「おまえのお尻、あやせたん2号と同じくらい魅力的だった。」 「く・・・。気が狂いそうです、今!」 「いや、おまえが言えってゆーから」 「くわぁーっ! もうもうもうっ! おしり・・・! おしりだけは! 結婚しても絶対に許さないんですからね!!!」 いや、おまえのポリシーは良く解ったし、俺も一応、覚えてはおくが、 そういうことは旦那になる人に言えよ。 「でか、いつのまにか、また結婚の話になってるし、おまえ、やっぱり、 早く結婚したい願望とかあるのか? 俺、セクハラっつー特定分野なら、 今すぐにでもおまえを満足させてやる自信あるぞ。」 「・・・この!・・・くぉのぉ!、・・・くぉんのぉっー!!」 あやせの腕が、首が、全身が痙攣に似た震えを見せ始めている。 いつもなら早い段階で安全弁のように切れていたのが、今日に限っては 「心の手錠」のおかげで切れる事ができず、限界まで内圧が上昇した、 そういう事かもしれない。 いかん、これはやりすぎた! 「あやせ、すまんかった。落ち着け。」 俺は切れる寸前のあやせを、抱き枕ごと背中から抱きかかえる。 でも、力任せに抱きすくめるのじゃなく、そうだな、地震なんかで物が 倒れたり落ちて来るのから守ってやるような、そういう微妙な力加減と 僅かな間隔を保持して。 何故かと言えば、そういう行為が、あやせの大事にしている服に被害を 与えかねないからだ。 そして。どこだ、どこにある、おまえの緊急冷却装置。 「あああ、あやせ。旅行に行こうか。温泉とかどうだ? 地獄巡りとか 熱海とか、新大陸とか?」 「全部キャラが違います!!」 ・・・不発だったらしい。 しかし、時間がない。もうこうなったら、 「あやせ! 愛してる!」 はぁはぁはぁ、と、エキサイトしたあとの息を調整するあやせ。 「きょ、今日のセクハラはまた格別に凄かったです。・・・無抵抗だと 言ってるわたしに、何もあそこまで。」 「抵抗できなくて、舌を噛み切って死ぬところでした―とか言うなよ?」 「は?舌を噛み切るくらいなら、お兄さんの舌を噛み切ってやりますよ!」 おいおい。 「勢いで喋るなって。大体おまえ、俺の舌を噛み切ろうとしたら、まず、 その前段階として、俺とちゅーしなきゃならないんだぞ。それも濃厚な べろちゅーだ。おまえに出来る訳ないだろ」 「できますよ、それぐらい。馬鹿にしないで下さい! あれも、これも、 それも、全部お兄さんのリード次第じゃないですか! 自分の下手さを わたしのせいにしないで下さい!」 だから勢いだけで喋るなって。おまえ自分が何を言ってるのか把握でき てるか? 「はいはい、っと。・・・じゃぁさ、補助してやっから、もういい加減 起き上がれよ? お気に入りの服も皺だらけになっちまうんじゃね?」 「そうですね、・・・って。・・・もしかして、さっきわたしがキレて 喚き出しそうになったのを止めたの、この服の事を心配してくれたから なんですか?」 そりゃさ、さっきは必死だったけど、もちろん頭の中にあったよ。 「すげぇ大切なもんなんだろ? それ。」 「ふ、ふーん。ちょっとは、わたしの事を大事には思うんですね?」 「ちょっと、じゃねーよ。『愛してる』って言ったろ?」 「・・・ふん。もうお兄さんの嘘は聞き飽きました! わたし、もう、 解ってるんですからね? お兄さんが冗談やセクハラの形でわたしに ちょっかいかけてくるのは、わたしに断られてへこみたくないから、 ですよね? 嫌がらせなら嫌がられるのが当然ですもんね。」 また新たな事実が発覚したよ。俺、最低じゃね? 「い、いたいとこ突いてくるな? とにかく、起こすからな。」 「へんなところ触らないで下さいよ?」 俺は、壊れ物を扱うように、細心の注意を払って、ゆっくりとあやせを、 へばり付いてる抱き枕ごと抱えて、持ち上げる。 仰向けだったら「お姫様だっこ」になって、いい雰囲気も出ただろうに、 あやせはずっと俯せだったから、どう見ても、フォークリフトが荷物を パレットから引き出す作業にしか見えないだろうがな。 まぁ、ともかく俺は、ベッド上からあやせを慎重に引き剥がして浮かせ、 そのままくるっと向きを変えると、今度は床に立たせるよう下ろそうと あやせの身体を少しずつ傾けていく。 「あっ、」 あやせの足が床に届くかどうかの、その瞬間、足に力を入れようとして 靴下が滑ったのか、バランスを崩したあやせがとっさに俺を頼るように しがみ付き、ほぼ同時に、俺の腕もあやせを支えようと反射的に動いた。 「おっと。」 あやせと一緒に持ち上げ、一緒に立たせようとしていた抱き枕だけが、 するりと抜け落ちて、またベッドの上に戻る格好になった。 「・・・お兄さん?」 「何?」 さっきまでの状況とはまた違う形での、言葉と言葉だけの応対。 それは、現在俺達が置かれている距離が極端に近過ぎ、顔を見合うのに 必要な距離も取れない位置関係のせいだ。 お互いの口から、すぐそばにある相手の耳へと、短い言葉が行き来する。 「・・・どこを触ってます?」 「いや、背中・・・かな。」 「柔らかいですか、わたしの背中?」 「うん。ぷりん、と柔らかいな、背中。」 「もう一度聞きますが、どこを触ってます?」 「あ、あやせさんの奇麗なおし・・・」 イタタタタ! あやせは、自分の片足を俺の右足の上に載せると、そのまま思いっきり 体重をかけてきやがった。 いや、でも、おまえがまず、腕を廻して、すがって来たんじゃないか。 俺の腕はそれに制限されるから、必然的に、それより下で、小さくしか 動かないんだぜ。それで、反射的におまえを抱き留め支えようとしたら、 どうやってもこういう体勢になるじゃねぇかよ。 けど・・・けど・・・これはよ? お尻からはすぐ手を放したが、なんだか惜しい気もして、そのまま腰の あたりまで添えた手を移動させ、ダンスでも始まるかのようなポーズで あやせとくっついたままの俺。 踏まれてる足は痛ぇが、補って余りある甘美な感覚が俺を包んでいる。 着てる服の縛りからか、俺を振りほどいたり、派手なアクションで反撃 とかはまだできないっぽく、今の、足だけの攻撃も、いつもと比べれば 全然可愛らしい部類のものだ。 しばらくは、その「飴と鞭」のハーモニーに身を委ねていた俺だったが、 すぐにあやせはとんでもない事を言い出しやがった。 「お兄さん。舌を出して下さい。」 「は?」 「舌を出しなさい! 何度言っても解らない人には、お仕置きです!」 顔を上げ、俺を下から見上げてくるあやせ。 今日はずっと側にいたけど、久し振りに見た、やっぱり奇麗な顔だ。 でも言ってる言葉にゃ全然似合ってねぇ。 まぁ、今日の俺は、主にあやせのお尻に繰り返し直接攻撃をしちまった。 誓って、狙ってやったもんじゃねぇけどよ、あやせ本人からすりゃぁ、 そりゃ、割り切れるもんじゃねぇよなぁ。 いつもの反撃が出来ない今日、ちょっと指で舌をつねられるぐらいは、 我慢してやるか。 やれやれ、優しいお兄さんも楽じゃねぇぜ、と、俺はあやせの罰を渋々 受け入れる事にした。 「じゃ、お手柔らかに頼む。」 うっ! くっ・・・。 おい! お、おまえ! 何してんだ!! 嫌々出した俺の舌は、あやせの指ではなく、もっと違う、湿り気のある ものに挟まれていた。 いや、挟まれるその前に、少しだけ何か暖かくて柔らかいものと当たり、 そのあと時間をかけて、何度も何度も、少しずつ強弱を付けられながら 固い何かにあま噛みみたいな事をされている俺の舌。 これは!? これは!? 数分前のあやせの言葉が急に蘇ってくる。 『お兄さんの舌を噛み切ってやります!』 ・・・マジかよ! 可哀想に、俺の身体は、この天使だか悪魔だか解らん年下の女の子に、 悲鳴と歓喜の声を同時に上げさせられていた。 『もう貴方無しでは生きられない』、一瞬だが、そんなセリフの意味が 理解できたような気までした。 ふ・・・、ふ・・・、ふぅっ~。 息をする事も出来ない、無限に続くかと思った懺悔の時間が終わり、 「す・・・すげぇっす」 俺のセリフには、もはや年上の、男の威厳など微塵もなかった。 俺があやせを支えているのか、俺の方がもたれ掛かっているのか、もう 俺には判断できなかった。 「・・・何事も、いきなりうまくは行きませんから、今日のは練習です。 でも、わたしがどれくらい本気なのかは、解ってもらえましたよね? わたし、やる時はやる女ですよ?」 事もなげに言い放ったあやせに、ただ、カクカクと頷くしかない俺。 殺る時は殺る女・・・、あやせ。 ・・・今度は、人間を標本にでもできそうな、でかい瓶を持った悪魔が 後ろに見えたぞ。いつか俺はあの瓶に閉じ込められ地獄へ直送されるの だろう、第一級セクハラ罪で。 「でも、わたし、安心しました。お兄さん、絶対舌が二枚あると思って いたんですが、一枚だけ、でしたね。」 そんな事を急に真っ赤になって言うあやせ。 「俺は妖怪じゃねぇ! っつうか、おまえそれ、俺へのセクハラなのか? は、恥ずかしい事いうなよ!」 「ふぅん。『セクハラ』って楽しそうなんですね。勉強になりました。」 ちくしょう。 いくらかは仕返し出来た、とか思っているかもしれないあやせに対して、 「いいや、おまえはセクハラの何たるかを全然わかってねぇ! セクハラはな、こうやってやるんだよ!」 悔し紛れ、だったのかも知れんが、俺は、 「あやせ、今すぐ結婚しよう。今から式場の予約に行くぞ!」 そう宣言して、あやせをひょいと「お姫さまだっこ」に抱き抱えると、 階段をドタバタと降り、見えない足元にある靴を適当に足に引っかけて、 そのまま玄関から外へと飛び出した。 いやな。本当に結婚式場に行く気は無くて、単に恥ずかしいスタイルで あやせを家まで送ってやろう、と、そういう事を考えてたんだがよ。 「ちょ、ちょっと! お兄さん!」 俺の大暴走ぶりにあっけにとられている俺のお姫様は、それでも落ちて 怪我をする訳にはいかなくて、俺に手を回して身の安全は確保する。 「悪いなあやせ。もし大事なワンピに傷でも付けちまったら、俺が責任 持って桐乃に頭下げて、代わりになるようなの調達するからよ!」 「それはいいですから! もう降ろして! 恥ずかし過ぎます!」 街中を走り抜ける俺達に集まる周囲の目。 その中には俺の知り合いの目もあったが、テンションがMAXの俺には なぜか全部が俺を後押ししているように感じられた。 「先輩・・・。とても悔しいのだけれど、今日は男前だわ。」 「きょうちゃん・・・。きょうちゃん、頑張れ!」 「おうよ!」 公園の角を、遠心力に打ち勝つように身体を傾けつつ曲がると、 「あ! 桐乃ぉー、桐乃ぉー、助けて! この際、加奈子でも~!」 お姫さまが手を振る方角には、何度か見た事のあるワンボックス車と、 その関係者と思われる人だかり、撮影現場が見えて、どんどん近付いて 来る。 「な、なにやってんの、あんたら?」 「説明はあとだ、ちょっくら行って来るぜ、桐乃!」 「次は加奈子も載っけろよ?」 「おう加奈子、また今度な。」 俺はスピードを緩めず桐乃たちの撮影現場のまん中を突っ切ろうとして、 よく見えなかった足元の何かに躓きかけ、それでも何とか持ち直す。 躓きかけた俺が蹴り飛ばした箱か篭?の中身の小物?が降って来たが、 構わずその中を、あやせの家へ向かって一気にラストスパートをかけた。 「ふぅん・・・。結構、サマになってんじゃん。」 そんな事があった翌月。 今度は制服で俺の部屋へ来たあやせは、 「こんな写真が本に載って、わたし、もうお嫁に行けません!」 と、俺の目の前に一冊の雑誌を、バン!と置いた。 それには、俺にお姫さまだっこされるあやせが、雑誌のカラーページの 見開きのまん中に配置され、その周りに桐乃や加奈子がお洒落した姿で それぞれデートに出かける、そういう写真と関連記事で埋まっていた。 これだけ見ると、あやせと俺が毎週こんなデートをしている事になるが、 もちろんそれは編集マジックであり、そんな事実はどこにもない。 というか、その写真は、写メなんかのようにどこかボケた写真ではなく、 ちゃんとしたプロ用器材で撮影されたように見える本格的な仕上がりで、 本職が撮影したものに相違なかった。 俺があやせをお姫さまだっこする、それは百も承知のシチュエーション だったが、もともとウェディングドレスと似たシルエットの白ドレスで、 それを着たあやせの頭にふわりと舞い降りたように写っているヴェール、 そのバックにちらほらと舞っているコサージュや花束など、何かを表現 するのにタイムリー過ぎる小道具までが偶然映り込む写真になっていた。 恐らく、その小道具は、あの日、俺が蹴り飛ばした箱の中身に違いなく、 その証拠に、俺が箱に躓きかけ、ちょっと体勢を崩しかけていたために、 写真のあやせは、俺を気遣う視線を送りながら、俺にしがみ付きかける、 かなり親密な様子を見せている。 どう見てもこの二人は、再来月には引き出物を選び、子供の名前も考え 始めているような、そういう二人にしか見えなかった。 「お兄さんは、責任をとって一緒に来て下さいね!」 と急転直下で連れていかれたのは、あやせたちの所属する事務所の入る 建物だ。 けどな、大体、あの日、あそこで撮影していた一行に、うちへ来ていた あやせは関係ねぇはずだし、俺だって寝耳の水の話だ。 俺の肖像権はどこへ行った。 と憤慨する用意をしていたら、事務所の人は、とんでもねぇ話を持って 来た。 あの写真の掲載に関しては、桐乃主導で、俺以外の高坂家の人間全員が 一致団結して掲載許可を出したからだという。 一方、あやせの方は、家までお姫様だっこで送りにきた不審な男の事を、 両親に「撮影の為の準備」とか何とか言い訳したもんだから、その証明 のために、本人が渋々掲載をOKする事になったと弁明した。 写真そのものについては、 「ふだん見ることのない新垣さんの自然な表情と、周囲の偶然の一瞬を 奇跡的に捉えた、カメラマンの、たっての希望によるもの」、 そして、 「その見本誌を目にしたクライアントが、写真と同じようなイメージで ポスターやCMを制作したい、と打診が来ている」 ・・・のだそうで、何にしても、生まれて初めてづくしの経験だった。 後日、俺は、今度は本物のウェディングドレスをまとった、超キレーな マイエンジェルを、またお姫さまだっこして、そのクライアントさん― 結婚式場部門を内部に持つ地元の老舗ホテル―での撮影に臨んだ。 のちの高坂京介デビュー、である。 あやせはともかく、俺など実際はほとんど顔が出ない(トリミングされ、 画角の外に追い出される)訳だから、ちゃんとプロが代役をすればいい ようなもんだが、なぜか俺か呼ばれていた。 ちゃんと「あやせの彼氏」なんかではなく、むしろ「桐乃の兄貴」だと 説明したのに、だ。 まぁ、あやせも、相手が俺なら、変にかしこまったりしないだろうし、 どこか触ったりしても、あとで罵倒や仕返しが来るだけだし、ある意味 やりやすいと言えるのかもな。 その日の撮影が無事に済んで、俺は、あやせに握手を求められた。 つまり、今日は友達関係じゃなく、仕事のパートナーとして、だ。 もちろん俺は、ありがたく、それに応えた。 その後、エキビジョンとして桐乃や加奈子、それになぜか見学に付いて 来ていた黒猫や、沙織、麻奈実まで、一人ずつだっこして一枚撮られて やる羽目になったのは、おまけの話である。 そして、さらにその次の日。 「これ、どうしましょうか?」 あやせが、今、「これ」と言ったのは、昨日、撮影に行ったホテルから ホテル内のティールームのスイーツセットなどと一緒に、とりあえずの 謝礼として俺達に進呈された、封筒の中身だ。 『ペアご宿泊券』 スィートルーム一泊ご招待。但しご利用はご本人様に限らせて頂きます。 まだ現金や物なら、半分こするなり、話は単純なのだが、これは・・・。 いや、この際、それも良しとしよう。真の問題はもっと大きいのだから。 『披露宴優待パスポート』 本ホテルで挙式される際、ご希望の人数様の披露宴を無料で催し・・・ つまり、これは、使わなければ一銭の価値も無い紙キレだが、あやせと 俺が結婚する場合に限り、この券は5万円にもなれば、500万円にも なる。 いや、そりゃ、イメージキャラクターが実際に利用すれば、宣伝効果は 大きいんだろうけどな。 だが俺達が500万円をドブに捨てるのに何の抵抗も無いか、と言えば、 もちろんそんな事はない。 顔を見合わせる俺達。 「・・・あやせ・・・結婚、する?」 「・・・そ、そうで・・・・・・いえいえいえ! い、いま、ちょっと 考えた事はありましたけど、わ、わたし何も口に出していませんからね! あまり心にもない事ばかり言ってると、本当にその舌を噛み切りますよ!」 嘘が大嫌いで、嘘をつけば舌を抜くという。それが俺のエンジェル。 俺の天使はあくまでこんなに可愛い fin
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1752.html
516 :Monolith兵:2013/07/28(日) 23 28 12 ※この作品にはTS表現があります。ご注意ください。 ※この作品は妹系ラブコメディです。 ※その16とその17との間での没ネタです。 ネタSS[俺の妹が○○○なわけがない!] 没ネタ4 「俺の家族が・・・」 カルフォルニアから帰ってきてから何日かしたある日曜日の朝、京介は何ともいい匂いに鼻を擽られて目を覚ました。いや、匂いだけではなく何ともやわらかい感触を彼の左半身にかんじていた。寝ぼけ眼で頭を横に向けると、そこには桐乃の寝顔が会った。 「ちょ、なななな!」 余りの出来事に寝起きだった京介の頭は一瞬にしてクリアになった。 「眠っていると昔と・・・・。じゃない!辻さん!何で私のベッドで寝てるんですか!起きてくださいよ!!」 昔の、辻政信に汚されていない時代の可愛い妹の事を一瞬思い出したが、何故自分のベッドにいるのか問いただそうと中身爺の妹を起こし始めた。暫くゆすっていると桐乃は目を指ですりながら起きた。 「辻さん、何で私のベッドで寝ている・・って!何ですかその格好は!!」 起き上がった桐乃を見た京介は叫び声と共に目をそらした。何と!桐乃はYシャツ1枚だけだったのだ!とはいえ下着(下だけ)はつけているようだったが。 「お気に召しませんでしたか?」 「そういう問題じゃないですよ!何処に高校生の兄のベッドにシャツ1枚でもぐりこむ中学生の妹がいるのですか!常識をわきまえてください!常識を!」 「ここにいますが?というか、私が憑依する前も何度かそういうことはあったと記憶していますが?」 ニヤニヤと京介を見る桐乃に京介は食って掛かったが、桐乃に軽くいなされた。確かに、中学に上がった桐乃とベッドで横になったことはあるが、それは雑談などをする時だけだった。決して一緒に寝たことはない。 「そういう問題じゃ!そもそも、中身が爺の貴方が・・・。」 「京介!朝っぱらから何大声で・・・。」 京介が桐乃に反論している途中で、突然部屋の扉が開かれ、母佳乃が入ってきた。しかし、入ってきて目に入った光景を見て絶句してしまう。 それはそうだろう。Yシャツ1枚の娘がベッドの上で息子と仲良くいるのだ。佳乃の脳裏に最悪の予想がよぎった。 「あ、あんた達何してるの!京介、やっぱり桐乃に手を出していたのね!」 「何でそうなるんだよ!おい、桐乃。お前からも誤解だって言ってくれよ。」 「・・・ごめん、お母さん。私達愛し合ってるの!!」 母親の糾弾に京介は身の潔白を主張したが、桐乃は場を悪化させる言葉を放った。余りのことに京介は絶句し、佳乃は腰が抜けてしまい床にへたり込んでしまった。 517 :Monolith兵:2013/07/28(日) 23 29 04 それから1時間後、リビングに家族4人が揃っていた。珍しく日曜が非番だった父大介と佳乃がテーブルに並んで座り、京介と桐乃が対面に並んで座っていた。いつもの食事時の席順だった。 「・・・それでお前達は自分達が何を言っているのか理解しているのか?」 いつも以上に険しい顔で、しかも米神がひくついている大介は子供二人に問いかけた。桐乃はそれに肯定したが、京介は反論しようとして桐乃に足を勢いよく踏まれ口を封じられてしまった。京介の様子に気がつかなかったのか、大介は目を瞑り一言「そうか。」とだけ呟いた。 それきりリビングに静寂が流れた。 (なにをするんですか!それにありもしない、おぞましい事を平然と言ってくれますよね!) (これは必要なことなのです。・・・私の中に残っている記憶ですと、桐乃ちゃんは貴方のことが大好きなのですよ。気をつけていなければ、つい貴方に甘えようとしてしまうほどに。ああ、兄妹として好きではなく、男女の仲としての好きですからね。それほど妹に思われるなんて罪作りな人ですね。) (う・・・。じゃなくて!だからって貴方が・・・。) 「何をこそこそと話している。」 「い、いや。なぁ。」 「う、うん。」 どすの利いた声で大介は2人の子供に問いかけた。京介と桐乃は思わずどもってしまった。いかに人生経験が豊富で、一国の頂点にいたとしても、目の前の年若い父親は余りにも恐ろしかったのだ。 「・・・こうなってしまっては仕方がない。あのことを話そう。」 「あなた・・・。」 「でなければ、俺が潰れそうだ。この2人のことだ。無理焼き引き裂いても、俺達の目の届かぬところで付き合うだろう。いや、家出などされたら・・・。」 大介の言葉に京介と桐乃は互いに目を合わせた。一体、このような事態になって話すこととは何なのか見当がつかなかったのだ。 いや、京介に少し心当たりが合った。自分の小さな頃の写真がアルバムが無かったり、両親の桐乃への偏愛などから何度か考えたことがある事だ。そのたびに、たとえそうだとしても2人が自分の両親で、桐乃は妹だと自分に言い聞かせてきたのだ。 「京介、俺は・・・。俺はお前の・・・。」 京介は知らず知らずの内に唾を飲み込んでいた。いくら3度目の人生だといえ、いくら中身が爺だといっても、自分の父親からそういった事実を突きつけられると思うと緊張するなという方が無理な話だった。 「俺は、そう・・・」 だが、大介は踏ん切りがつかないのか何度も同じ事を呟いている。京介はそんな父親を不憫に思い、「親父、言ってくれ。もう覚悟はできている。」と背中を押した。大介はそれに驚いた顔をしたがすぐに真顔に戻り、再び口を開いた。 「京介、俺はな。いや、俺達はな、・・・。」 そして数秒の時間が流れた。 「「「辻政信だったんですよ、嶋田さぁん。」」」 京介は、「え?」と間抜けな声を出すことしか出来なかった。目の前にいる父親の顔は先程までの真顔ではなく、前世で何度も見た、見慣れたくなかった顔つきになっていた。その隣を見ると、母親も同じ目つきと顔つきに。左側を見ると、やはり妹も見慣れたくないあの顔をしていた。 京介は何があったのか理解したくなかった。しかし、彼の聡明な頭脳は何が起こったのかを理解してしまっていた。そう、自分以外の家族全員が辻政信だったということを。 「qあwせdrftgyふじこlp!」 その夜、京介は3回目の人生始まって以来の大絶叫を上げた。それはこれから始まる胃痛の日々の幕開けでも合った。 桐乃√BADEND
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/17.html
高坂家高坂京介(こうさか きょうすけ) 高坂桐乃(こうさか きりの) 高坂大介(こうさか だいすけ) 高坂佳乃(こうさか よしの) 田村家田村 麻奈実(たむら まなみ) 田村いわお(ロック) 田村 父(名前不明) 田村 母(名前不明) 田村 祖父(名前不明) 田村 祖母(名前不明) 高坂兄妹の「裏」の友人黒猫(くろねこ) 沙織・バジーナ(さおり・バジーナ) 桐乃の「表」の友人新垣あやせ(あらがき あやせ) 来栖加奈子(くるす かなこ) 宮本 蘭(みやもと らん) 高校の友人赤城浩平(あかぎ こうへい) 赤城瀬菜(あかぎ せな) 三浦絃之介(みうら げんのすけ) 真壁楓(まかべ かえで) アニメ・出版業界伊織・フェイト・刹那(いおり・ふぇいと・せつな) 熊谷龍之介(くまがい りゅうのすけ) 一之瀬 真一(いちのせ しんいち) 三津野 泰三 星野姉妹星野 きらら(ほしの きらら) 星野 くらら(ほしの くらら) ファッション業界藤真 美咲(ふじま みさき) 御鏡光輝(みかがみ こうき) 五更家五更日向(ごこうひなた) 五更珠希(ごこうたまき) 小さな庭園(プリティガーデン)槇島 香織(まきしま かおり) 来栖 彼方(くるす かなた) 真田 信也(さなだ しんや) ほっしー(星野きらら) その他ブリジット・エヴァンス(Bridget Evans) リア・ハグリィ(Ria Hagry) クラリス(ClariS) 御鏡 兄(みかがみ あに) 筧 沙也佳(かけい さやか) 櫻井 秋美(さくらい あきみ) 高坂家 本作品の主人公の京介の家族で、家は千葉にある。 4人家族でちょっぴり裕福な普通の家庭。 高坂京介(こうさか きょうすけ) 声 - 中村悠一 年齢:17歳(1巻当時) 身長:175cm 体重:60kg 本作品の主人公。本作は一部を除き京介の一人称で語られる。 自称、ごく普通の高校生。四人家族の長男。千葉県千葉市に在住。本人曰く母親似の性格。一人称は「俺」 総体的に無気力で、特段の趣味も無い様子である。 学業は比較的良好な成績を維持しており、順調にいけばそこそこの大学に入学できるらしい。 「普通」「無難」であることを好み、麻奈実との時間に安息を得ている。 麻奈美に対する感情は、魔法で同い年に若返った大好きなおばあちゃんに対するものとうそぶく。 もっとも、麻奈実に近づく男がいればぶっ飛ばすと言い切ったりもする。 桐乃の人生を相談を受けるうちに、以前は忌み嫌っていた妹との関係が徐々に改善されていくこととなる。 また同時に、徐々にオタク色に染まっていき、変態への坂道を転がり落ちることになる。 妹に対しては、麻奈実の悪口を言うこと以外に関しては寛大な態度をとっている。 高坂桐乃(こうさか きりの) 声 - 竹達彩奈 年齢:14歳(1巻当時) 身長:165cm 体重:45kg 3サイズ 82/54/81 本作品のメインヒロイン。京介の妹。 こんなに可愛いわけがなかった人。一人称は「あたし」、ネット上でのHNは「きりりん」 県内5位の学力を持ち、所属する陸上部でもエースであり優秀な成績を残している。 また、容姿も優れており、ティーン誌の専属読者モデルとして、年齢からすれば相当な額の収入を得ている。 大変な努力家でもあり、また非常に責任感も強い。京介曰く性格は父親似とのこと。 隠れた趣味として、特に妹もののゲームやアニメに傾倒しており、上述したモデル業で得た収入のかなりの 部分をそれに注ぎ込んでいる。 京介が桐乃のこの趣味を知ることにより、物語は始まった。 高坂大介(こうさか だいすけ) 声 - 立木文彦 年齢:中年 京介・桐乃の父親。警察官。極道のような面構えを持つ。 京介が父の目つきを評して「罪人の口を割らせるために長年研ぎ澄まされた眼光」としていることから、刑事畑の人間ではないかと推察される。 厳格な性格で一度決めた事は曲げない。京介の弁では、桐乃の性格は父親譲りとの事。 高坂佳乃(こうさか よしの) 声 - 渡辺明乃 年齢:おばさん 京介・桐乃の母親。専業主婦。木曜は習い事で家を空ける。京介はこの母親に似ていると評されるとのこと。 旦那とはクリスマスデートをするほど仲が良い。 料理はそれほど得意では無い様子であり、また、夫が不在の日はあからさまに手抜きをする。 再三の抗議を受けても、京介の部屋に入る際にノックをしない。 また、息子のエロ本チェックも怠らないようであり、息子の所持するエロ本を近所の人に吹聴したこともある。 口が軽く、内緒にしておく約束であったと思われる桐乃のモデル仕事の事も、あっさりと旦那に話してしまう。 そのため、桐乃は母親に秘密にしなければいけないことを話すのを止めた。 京介が麻奈実と付き合っていると思っているようであり、京介が麻奈実以外の女と親密にしていると、「浮気者は死ね」という目で息子を見る。 田村家 京介のおさなじみで家族ぐるみでのつきあいがある。 家族で田村屋という和菓子屋を営んでいる。 田村 麻奈実(たむら まなみ) 声 - 佐藤聡美 年齢:17歳(1巻当時) 身長:160cm 体重:50kg 3サイズ 84/59/86 京介の幼馴染み。家は和菓子屋を営んでいる。一人称は「わたし」。 地味子(by桐乃)という呼称がぴったり来るほどに、外見・性格共に地味である。 眼鏡をかけているが、外すと実は美少女だったというような事もない。 家族構成は祖父母、父母及び弟の6人家族。 京介とは年中一緒に過ごしており、麻奈実は京介に好意をよせている様子である。 学力は校内では上の下で、テスト前には京介の家庭教師を買って出ている。 京介の成績が比較的良好なのは、麻奈実の力に依るところが大きい。 田村いわお(ロック) 声 - 大津田裕美 年齢:14歳(1巻当時) 身長:163cm 体重:52kg 麻奈実の弟。 よんどころ無き理由により、本名ではなくロックと呼ばれるようになった男。青春とは失敗の連続である。 京介のことをあんちゃんと呼び、実の弟のようになついている。 三味線を操る将来のロッカーでもある。 田村 父(名前不明) 年齢:おじさん 麻奈実の父親。和菓子屋「田村屋」を経営する。 麻奈実の幼馴染みである京介のこともよく知っており、時に京介を遠慮なくこき使う。 田村 母(名前不明) 年齢:おばさん 麻奈美の母親。作中では未登場 田村 祖父(名前不明) 声: 樫井笙人 年齢:死体の様な加齢臭漂うじじい 麻奈美の祖父。 年甲斐もなく「てへっ」と舌を出してかわいこぶったり、死ぬ死ぬ詐欺したりするおちゃめな老爺。 また、本物の死体と判別困難なほどに高度な死んだふりをする技量の持ち主でもある。 田村 祖母(名前不明) 声: 片貝薫 年齢:お婆さん 麻奈美の祖母。 しばしば京介に「まあ、きょうちゃん、婿に来てくれたの?」等と言い、夫と結託して麻奈実と京介を くっつけようとする。 また、流石と言うべきか、夫の死ぬ死ぬ詐欺や熟練の死んだふりをも簡単に見破る眼力をもつ。 高坂兄妹の「裏」の友人 黒猫(くろねこ) 声 - 花澤香菜 年齢:15歳(1巻当時) 身長:160cm(アニメ版では155cm) 体重:43kg 3サイズ:77/53/80 桐乃の所属する、SNSの『おたくっ娘あつまれー』というコミュニティーのメンバー。 一人称は「私」。黒猫とはHNであり本名は五更瑠璃(ごこうるり)。 妹が2人居る。自宅は高坂家から30分程度の距離にあったが, 8巻で,父親の転職のため千葉県松戸市に引っ越した。 京介から「どえらい美人」と評されるほどの容姿を持っているが、服装は作中では常に黒が主体となるゴスロリ ファッションか、また同じくゴスロリのアニメキャラのコスプレ衣装である。 また、普段より自分の好むアニメキャラを真似たと思しき口調で話す。 これらのことから、桐乃からは「邪気眼くさい」「厨二病」等と評されている。 アニメの趣味は桐乃とは全く合わないようで、初めてあったその日から桐乃とは口喧嘩が絶えない。 もっとも、両者共にこの口喧嘩を好ましく思っている様子であり、桐乃との関係は喧嘩友達と評せよう。 なお、アニメ版では原作より身長が低く設定されていて、11話の本放送のオープニングのプロフィールでは原作と同じ160cmとなっていたが、Blu-ray版, DVD版では155cmに修正されている。 沙織・バジーナ(さおり・バジーナ) 声 - 生天目仁美 年齢:15歳(1巻当時) 身長:180cm 体重:61kg 3サイズ 88/60/89(藤原紀香と同じ) 桐乃の所属する、SNSの『おたくっ娘あつまれー』というコミュニティーの主催者。 一人称はオフでは「拙者」、ネット上では「わたくし」、沙織とはHNであり、本名は槇島沙織(まきしまさおり)。 長身に往年の宅八郎を思わせる服をまとい、他人を~氏と呼び語末にござるを付けて話す。 ただし、このような言動はコミュニティのリーダーとしてのロールプレイであると自称している。 ネット上では深窓の令嬢を思わせるような立ち居振る舞いをする。 気配りの人でもあり、京介から感謝を受けることしきりである。 桐乃の「表」の友人 新垣あやせ(あらがき あやせ) 声 - 早見沙織 年齢:14歳(2巻当時) 身長:166cm 体重:44kg 3サイズ 80/56/83 桐乃の表の顔の親友であり、モデル仲間。一人称は「わたし」。 麻奈美は「桐乃はすっごく可愛い、あやせはすっごく大人」と評し、京介もそれに同意している。 父親は議員、母親はPTAの会長を務めている。 京介と桐乃が喧嘩をした際には、両者の意図や内心を善意に解釈し、二人の仲を取り持とうと京介に話しかけた。 そのことから、京介から快活でお人好しとの評価を得る。 桐乃は仕事の上では先輩らしく、以前色々指南して貰ったとのこと。 来栖加奈子(くるす かなこ) 声 - 田村ゆかり 年齢:14歳(2巻当時) 身長:148cm 体重:39kg 3サイズ 70/51/77 桐乃の友人。 口が悪く、友人である桐乃やあやせに対しても平気で暴言を吐く。 また、高坂家に遊びに来た折には、見かけた京介のことをさんざんこき下ろした。 自己顕示欲が強く、自分も桐乃やあやせのようにモデルをしたいと考えている。 どうやらオタクの姉がいる様子である。 宮本 蘭(みやもと らん) 声 - 洲崎綾 年齢:14歳(2巻当時) 桐乃のモデル仲間で、友人。ニックネームはランちん。 高校の友人 赤城浩平(あかぎ こうへい) 声 - 間島淳司 年齢:18歳(5巻当時) 身長:177cm 体重:73kg 京介のクラスメイト。サッカー部所属の爽やかなイケメン。 学校ではよく京介とつるんでおり、部活がない日は一緒にゲーセン等に行くこともある。 麻奈実に気があるようにも思われるが、別にそれほどでも無いかも知れない。 赤城瀬菜(あかぎ せな) 声 - 伊瀬茉莉也 年齢:15歳(5巻当時) 身長:163cm 体重:48kg 3サイズ 89/58/83 赤城浩平の妹で、黒猫の高校でのクラスメイト。ゲーム研究会所属。 やせてる癖に巨乳で、眼鏡をかけている。 いわゆる委員長タイプで、きちんとしていないことが大嫌い。 言葉遣いは非常に丁寧で、同学年や年下に対しても敬語で話す。 三浦絃之介(みうら げんのすけ) 声 - 井上剛 年齢:普通高校生ではない歳 身長:179cm 体重:58kg 容姿:およそ高校生には見えない 黒猫の高校の、ゲーム研究会の部長。 二次元の女に永遠の愛を捧げる筋金入りのオタクであり、授業時間中に学校内でエロゲーをすることも朝飯前。 何回も留年しており、正確な年齢は不明。 自らゲーム制作を行っているが、部員から「部長にとっての神ゲーは究極のクソゲー」などと評される独特なセンスの持ち主。 ただ、ゲーム制作にかける情熱は人並み外れてあり、ゲーム研究会の創設も自ら行い、またアルバイトで貯めた資金を投じて部の設備を充実させたりしている。 真壁楓(まかべ かえで) 声 - 松岡禎丞 年齢:高校二年生 身長:156cm 体重:53kg 黒猫の高校の、ゲーム研究会の部員。黒髪で童顔の男子生徒。 物腰柔らかでよく気の付く性格であり、部長のつっこみ役。 部活の勧誘の際に黒猫が魅せたゲームの腕前を見込み、黒猫を何度もゲーム研究会に勧誘する。 瀬菜のカップリング妄想の餌食となり,心に深い傷を負った。 アニメ・出版業界 伊織・フェイト・刹那(いおり・ふぇいと・せつな) 声 - 伊藤静 年齢:20代中盤 容姿:左目の下に泣きぼくろのある理知的な美女 身長:女性にしてはかなり高い 3サイズ 胸はまったくといっていいほど無い なかなか芽のでない小説家志望者。いわゆるワナビ。 ケータイ小説の企画で念願のプロデビューを果たそうとしている。 アニメ版第8話に登場。アニメ版ではメディアスキー・ワークスに勤務する本物の編集者となっていた。 熊谷龍之介(くまがい りゅうのすけ) 容姿:豪鬼 電撃文庫編集者。人間を超越した禍々しい雰囲気を全身から醸し出している。 通称「ぷーりん」さん。由来は、ぷりんがおっぱいの様で大好きであるため。 フェイトの担当編集者。 一之瀬 真一(いちのせ しんいち) 声 - 飯島肇 アニメ版第8話に登場。アニメ版『妹都市』の監督を任せられている人物。自身が意見を出す場面は少なく、三津野などの他のスタッフの意見を聞き入れて調整し、方針を決定しようとしていた。作中には名前で呼ばれる場面がないが、作中で机の上に置かれた名刺に名前や読みが書かれている。エンドクレジットでは「監督」と表記された。 三津野 泰三 声 - 千葉一伸 アニメ版第8話に登場。アニメ版『妹都市』のシリーズ構成を担当するシナリオライターの男性。しかし桐乃が書いた原作ライトノベルの内容には批判的で、一度はこの仕事を断っている。特に女性である主人公が男勝りの活躍を繰り広げて同性から慕われるという設定に合理性を見いだせず、原作に修正を加えた方が視聴者の需要にも沿っており利益にもなるいう考えから、桐乃の意向に反して主人公の性別を変更するという修正案を出し、そのため京介や黒猫と対立する。かつては自身も小説を何冊か出版したことがあったものの、小説家としては成功できなかったという過去がある。 2回目の会議の際にそれらの提案を次々と投げかけ、「僕は全く面白く感じなかった」という発言までして作品を批判するが、黒猫に「(小説の内容が理解できないから)自分の理解できる領域に持っていこうとしているだけの臆病者」と酷評された。 作中では名前で呼ばれる場面はなく、名刺や書類に名前が書かれている。エンドクレジットでは「構成」と表記された。 星野姉妹 作中でたびたび端役として登場している姉妹たち。メイド喫茶で給仕をしているきらら、声優をしているくららの他にも、同人作家、渋谷109のアクセサリーショップの店員をしている姉妹たちが登場している。ドラマCD付属の短編小説「とあるメイド喫茶にて」においてその家族関係が明かされた。 星野 きらら(ほしの きらら) 声 - 田村ゆかり 年齢:少なくとも20歳以上 容姿:結構かわいい 秋葉原のメイド喫茶で、京介を「お兄ちゃん」と呼んだメイド。 また、それと良く似た人物がコミケで18禁のメイド本を売っていたりもした。 くららの実姉。バストサイズは90のFカップを自称している。ドラマCDで初めて名前が明かされた。 星野 くらら(ほしの くらら) 声 - 田村ゆかり 第4巻に登場。作中で放送されているアニメ『星くず☆うぃっちメルル』で主人公のメルルの声を当てている声優。『メルル』によって人気を獲得し、桐乃もそのファンの一人であり、作中では幾度も名前が登場する。「星くず☆うぃっちメルル公式コスプレ大会」では2回連続で司会を務めている。きららの妹。 ファッション業界 藤真 美咲(ふじま みさき) 声 - 浅川悠 第7巻に登場。化粧品メーカー「エターナル・ブルー」の女社長。元トップモデルという経歴を持ち、デザイナーとしての実績や強引な性格もあってファッション業界における有力者の地位にある。海外留学に失敗して間もない桐乃を専属モデルとして欧州本社にスカウトしたがっており、断られた後も諦めずに画策を行っている。桐乃を御鏡と引き合わせた人物でもある。 御鏡光輝(みかがみ こうき) 声 - 井口祐一 年齢:18歳(7巻現在) 身長:164cm 体重:54kg 現役高校生アクセサリーデザイナー兼ファッションモデル。 小柄な体格で、一見すると女性と見間違えるような美貌を持つ。 デザイナーとしては幼少期から賞をいくつも取っており、高校生でありながら高級化粧品ブランド「エターナルブルー」のサイドブランドを任されている。 桐乃とは、桐乃のモデルの仕事を切っ掛けに知り合った。 実は隠れオタクで同好の士を求めていた 五更家 黒猫の家族。千葉の借家に住んでいたが、親の転職で松戸に引っ越した。 京介がはじめて黒猫のうちに遊びに行った際に出会った。 あの重度の厨二病の黒猫と打ち解けたこともあって、 五更家の家族全員が京介に対する信頼感は高い。 五更日向(ごこうひなた) 声 - 花澤香菜 年齢:小学5年生(8巻当時) 身長:? 体重:? 3サイズ:?/?/? 黒猫の上の妹。黒猫に対する呼び名は「ルリ姉」。 厨二病の姉のことは生暖かい目で見ている。 五更珠希(ごこうたまき) 声 - 小倉唯 年齢:小学1年生(8巻当時) 身長:? 体重:? 3サイズ:?/?/? 黒猫の下の妹。黒猫に対する呼び名は「姉さま」 で、姉のことを尊敬しており、姉に対してはですます調で話す。 まだ幼く、黒猫が世話を焼いている。 姉の黒猫とは違い『星くず☆うぃっちメルル』が好きである。 小さな庭園(プリティガーデン) 沙織の姉が作ったオタクサークル。香織の結婚で解散したが、香織の呼びかけですぐに集まるほど結束力は強い。 槇島 香織(まきしま かおり) 声 - 桑島法子 沙織の姉でオタクサークル「小さな庭園」の主催者。 自由奔放過ぎる人生を送っている人。 ほぼ何でもできる「器用貧乏」ならぬ「器用富豪」 彼女がそこにいるだけで自然と人が集まってくる不思議なカリスマ性の持ち主。 現職はプロゲーマー。 来栖 彼方(くるす かなた) 声 - 釘宮理恵 7つのPNを使い分ける漫画家で、もっとも使用頻度が高いPNは「月見里(やまなし)がんま」 黒猫が好きなアニメ「マスケラ」の原作者でもある。 マンションで妹と二人暮らし。 真田 信也(さなだ しんや) 声 - 加藤将之 彼方の先輩の男性。 中学時代は「闇の皇子」を名乗る重度の中二病患者だったが、高校生になり(中途半端に)卒業。 そのため、香織からは中途半端な卒業のせいで痛々しさが増している「高二病」と揶揄されている。 ほっしー(星野きらら) 声 - 田村ゆかり 小さな庭園のお茶汲み担当 とても美味しいプロ顔負けの紅茶をいれることが出来る。 サークル解散後は彼方のアシスタントやメイド喫茶でメイド長をやっている。 星野姉妹の星野きらら参照 その他 ブリジット・エヴァンス(Bridget Evans) 声 - 久野美咲 年齢:10歳(6巻当時) 身長:151cm 体重:43kg 3サイズ 76/59/79 「星くずういっちメルル」のDVDメーカー主催コスプレ大会の第一回大会優勝者。 「星くずういっちメルル」に登場するキャラクター「アルファ・オメガ」に良く似た、イギリス人美少女。 日本語が堪能で、かつ礼儀正しく純真なお子様である。 リア・ハグリィ(Ria Hagry) 声 - 木戸衣吹 年齢:12歳(6巻当時) 身長:153cm 体重:44kg 3サイズ 75/55/80 桐乃曰く「世界一足の速い小学生」。 褐色の肌とサラブレットのようなしなやかな身体を持つ美少女。 走りの才能とその容姿とが相まって、この歳にして世界中から注目を集めるアスリートである。 ロサンゼルスにおいて、世界中から才能のある若者を集めた陸上の強化合宿に参加している。 クラリス(ClariS) 年齢:中学生(9巻当時) 実在の女子中学生歌手ユニット。9巻の短編「過ちのダークエンジェル」にゲスト登場した。 アリスとクララの二人組ユニットで、『星くず☆うぃっちメルル』の新主題歌を担当している。二人とも加奈子のファンである。 御鏡 兄(みかがみ あに) 御鏡光輝の兄。10巻現在、名前は明らかにされていない。 金髪の低いハスキーボイスで話す男性。無職。 光輝を自分のマンションに居候させているが、家賃などは全て光輝の収入から出されている。 女から金をもらって生活しているため、京介からは「ヒモ」と呼ばれた。 筧 沙也佳(かけい さやか) 年齢:小学6年生(10巻当時) 身長155cm あやせの小学校時代の後輩。 あやせの熱狂的なファンであり、盗撮を繰り返して『ラブリーマイエンジェルあやせたん♡ファンブログ』というブログを開設している。ブログ内では「さやか」を称している。将来の夢はプロカメラマンになって、あやせを撮影する事。 櫻井 秋美(さくらい あきみ) 声 - 佐倉綾音 京介の中学校時代の同級生。 当時は不登校児童だった。勉強が嫌いなわけではなく成績自体は優秀なのだが、怠けたいという欲求がとことん強く、毎日ゲームで遊んでいた。 アイドル並のルックスを持つ美少女だが、ファッションセンスは奇抜で京介にバカにされていた。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/553.html
無題:1スレ目549 +桐乃+あやせ 【マスケラ鑑賞会後の……】 ※18禁 無題:4スレ目41 【映画に誘う相手】 無題:1スレ目947 +桐乃 【京介と黒猫の行為を覗き見する桐乃】 ※18禁。京介がややキャラ崩壊注意。 黒猫のしっぽ +瀬菜 【桐乃に贈った尻尾はやや構造が異なっていて……】 ※微エロ描写あり。京介がやや鬼畜気味。 黒猫のターン +桐乃 【沙織に対抗して黒猫は胸を大きくしようとして……】 ※微エロ描写あり。 俺の後輩がこんなに可愛いわけがない +麻奈実+桐乃 【黒猫高校入学後、食堂で見かけた黒猫と一緒に昼食を】 ※原作と異なりなぜか桐乃が日本にいる。 俺の後輩がこんなに可愛いわけがない 番外編:黒猫の腕時計 +桐乃+沙織+メイド姿の売り子さん 【東京での同人誌即売会にて】 俺の後輩がこんなにかわいいわけがない 【黒猫に校舎裏に呼び出された時、桐乃からメールが着ていなかったら】 カップリング +瀬菜 【部室での瀬菜との会話】 ベルフェゴール +麻奈実 【昼食時、校舎裏で一人弁当を食べる黒猫】 眼鏡 +瀬菜 【京介離席時にベッドの下の本を見た黒猫は……】 カップリング2 【部室での瀬菜との会話2】 勘違い +桐乃 【桐乃との会話。京介のエロゲ攻略順序について】 ノーマルorノーブル 【デバッグ作業中に誘ってみる】 ※微エロ描写あり。 無題:4スレ目274 【風邪引き黒猫と座薬】 ※微エロ描写あり。京介がやや黒い。 黒猫の逆襲 【風邪引き京介と座薬】 ※上の続き。微エロ描写あり。 無題:6スレ目331 ( 01 / 02 ) 【寝ている黒猫に悪戯】 ※京介がやや変態。 俺の後輩は猫 +浩平+瀬菜 【体育の授業後に倒れた黒猫】 無題:6スレ目756 【京介の部屋でデバッグ作業】 ※18禁 無題:7スレ目30 【帰路での会話】 無題:7スレ目69 【京介の部屋でデバッグ作業中に母親がノックもせずに部屋の扉を開けて……】 俺の恋人が… 【『神の盾』と『神の剣』?】 黒猫がやたら可愛い 【部室でエロ動画鑑賞】 ※18禁 無題:7スレ目444 【体育倉庫に閉じ込められた京介と黒猫】 ※削除 黒猫が告白をするまで 【共有提案】 通学路での一コマ 【名前の呼び方】 無題:9スレ目664 ( 01 / 02 / 03 ) ※03のみ18禁 クリスマスの無聊ネタ +黒猫の妹たち 【クリスマス・デート in 五更家】 ハロウィーン +桐乃 【夢の中の誘惑?】 兄と猫の一日 ( 01 / 02 ) 桐乃+沙織+黒猫の妹たち 【五更家でクリスマス】 ※未完? 無題:12スレ目317 ※18禁 無題:12スレ目372 +桐乃+沙織 【高坂家でお泊まり会】 無題:12スレ目686 +桐乃+沙織 【冬コミの帰り道】 ※18禁 初詣ネタ +桐乃+佳乃+大介 【振り袖姿で現れた黒猫に対抗して振り袖を着る桐乃】 初夢の悪戯 +佳乃+大介+黒猫の妹たち+あやせ+麻奈実 【桐乃や黒猫の妹たちと初詣に行く話し】 君に捧ぐ処女 +桐乃 【エロゲの妹が中古だったと暴れる桐乃は、京介に黒猫との交際に制限をかけようとするが……】 プロジェクト・セックス 【理論上○○○○の達人 by 京介】 とある黒猫の異常行動 ( 01 / 黒猫視点 / 02 ) +あやせ 【京介のベッドの上で○○する黒猫】 ※微エロ描写あり。未完。 女王様・黒猫 ( 01 / 02 / 03 ) 【京介の不用意な一言で黒猫が女王様化】 ※18禁 声色 +桐乃+あやせ+沙織 【部屋に潜伏しているあやせ(?)を釣るために、黒猫は桐乃の声色で……】 全ては、その一日のために +瀬菜+沙織+桐乃+麻奈実+三浦+真壁 【彼女である黒猫に隠し事をしていたことがバレてケンカしてしまった京介は……】 黒猫の幸福 ( 01 / 02 / 03 / 04 ) 【京介から告白された黒猫は……】 ※18禁 黒の予言書 / 黒の予言書のその後 / 黒の予言書のその後2 +瀬菜+黒猫の妹たち 【お見舞いに五更家を訪れた京介に“運命の記述”の中身を見られてしまい……】 ※その後とその後2は18禁 大空の彼方へ +○○○ 【○○○に改造された京介】 ※18禁、壊れ注意 無題:16スレ目967 ( 01 / 02 ) +桐乃+黒猫の妹たち 【桐乃の偽彼氏騒動後の電話にて、桐乃から言質を取った黒猫は京介に告白する】 ※18禁 るりのもの ( 01 / 02 / 03 ) +珠希+麻奈実+いわお+日向 【先生から自分の持ち物に名前を書くのは良いことだと教わった珠希は……】 ※18禁。黒麻奈実注意。 少女の願い 【京介ともっと恋人らしくなりたい黒猫は、桐乃と沙織に相談し、創作物でアピールをすることに】 初めての証 +瀬菜+浩平 【体育の授業で転んでしまった黒猫は思わぬ怪我をして……?】 ※18禁 もしも京介と黒猫が円満な恋人生活を営んでいたら +日向+珠希 【コスプレHと日向の気持ち】 ※18禁 黒猫の様子がおかしい 【京介と黒猫は恋人になったが…】 ※18禁 逃げ場にならない一人暮らし(2) 【逃げ場にならない一人暮らしの連作です】 ※18禁 運命の記述・外典 01 / 02 ※18禁 メガネコ 01 ※18禁
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/229.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286349444/109-119 「たっだいまー、っと」 麻奈美と別れ、誰もいないはずの家に帰ってきた。 これから自分の部屋でダラダラと時間を潰して、晩飯を――。 というのがいつもの流れ。毎日の光景。変わらない時間ってやつだ。 なのに。なのに……。 「あ、お帰り」 なぜウチの妹様はそんな優しい言葉を掛けてくるのだろう? えぇー? 「……どったの?」 「え? あ、いや」 落ち着け。落ち着くんだ京介。 深呼吸して素数を数えるんだっ。 すーは―……。 「何アンタ、挨拶もまともに出来ないの?」 「…………ただいま、桐乃」 そう、そうだよ。 その情け容赦の無い、ツッコミじゃなくてバッサリがお前の味だよ。 「……チッ」 そしてこの舌打ちである。 ふぅ、焦った。 焦ったね、マジで。 この妹が「お帰り♪」だなんて、鳥肌どころか気絶モンである。 いまだにダメージが抜けず玄関に突っ立ったままの俺に「早く上がれば?」と、 これまた今までに無いセリフを残して妹様はリビングへ。 何だ? 何が起こっている? 何時の間に桐乃はエイリアンに拉致されて洗脳されたんだ……? 「――いや、落ちつけよ、俺」 とにかく、靴を脱いで俺もリビングへ。 はぁ、ったく。またなんか言われんのかな? 憂鬱だ。 「ただいま、桐乃」 「それさっきも聞いたし」 へーへー。 さっきとは打って変わって、相変わらずの不機嫌。 まぁ、これがいつもの桐乃なんだけどな。 さっきのはきっと、よほど良い事があったんだろ。 メルルとかメルルとか、黒猫とか。 その辺りで。 「なに? あんま見ないでほしいんだけど?」 「あー、スマン」 いかんいかん。 とりあえず、何か飲むか。 「麦茶、飲む?」 「ん、持ってきて」 ここ最近、俺と桐乃の兄妹仲は結構良い――と思う。舌打ちされる回数は多いけど。 こー……返事をしてくれるようになった。 前みたいに無視とか、暴言が返ってくるのはかなり減った。……いまだにあるけど。 これが普通の家庭の兄弟かと思うと、そう悪くないもんだな、って思ってる。 前の関係はやっぱり、お互いイライラしてたしなぁ。 「ん」 「…………あー……」 桐乃の分をテーブルに置き、自分用に注いできたのは一気飲みする。 あー、冷たくて美味ぇ。 もう一杯、っと。 「あ、ね、ねぇ」 「んあ?」 っと、変な声が出た。 いやだって、あっちから話しかけてくるもんだし。 「……そ、そんなに喉乾いてんの?」 「へ? あ、ああ」 どもってしまうのは勘弁してほしい。もうなんだ? 癖みたいなもんだな、うん。 嫌な癖だな。改めて考えると、泣きたくなってくる。 「じゃぁ、あたしの分、飲んでいいわよ」 「………………」 どうしたんだ、コイツ? なんか悪いモンでも食ったんか? 熱でもあるとか? 「……なによ?」 顔が赤いのは怒りからだな。うん。 目が滅茶苦茶怖ぇ……。 「いや、何でも――良いの?」 「良いって言ってんでしょ?」 何で飲まないのに俺に注がせるんだろう、この女。 あれか? 一回会ったら一回使わないと気が済まない性質か? 否定する要素がねぇってのがなぁ。 「んじゃ、貰うわ」 飲まないなら勿体無いし。 相変わらずのワガママっぷりに安心してしまうのは、兄として正常なんだろうか? 「ねぇ」 ほらね、来たよ。 麦茶を飲みながら、やっぱりね、と。 この妹が優しい言葉イコール、なぁ? 「さっきお父さんがあんたの部屋のドアノブ交換してたんだけど」 「ぶふぉっ!?」 吹いた。 マジで吹いた。ネタとかそんなの無くて。 気管とか、いろんなとこに麦茶がはいって痛ぇ!? 「汚っ!?」 「す、すまっ」 「こっのっ」 すわ蹴りかっ! と警戒したが、その脚はキッチンへ向き……台拭き用のタオルを取ってくる妹様。 えぇ!? 「気ぃ付けろっての」 あたしに掛ったらどうすんの? と言いながら何故か零れた麦茶を拭いてくれる妹様。 な、何だ!? 何が起きている!? 新手のス○ンド攻撃か!? と内心絶賛混乱中の俺。 「なんで鍵なんて付けてんの?」 「し、知らん」 この前のか? この前の事か? アレか? おふくろー? おふくろー?? 俺要らないって言ったよね? 言ったよね? っていうか、何で親父が付けてんだよっ。 もう黒猫は家族公認かよっ、違うってんだろ!? 「……なんか隠してる」 「違うっ!?」 こっちはなんか勘違いしてる!? 目、目が怖ぇッす、桐乃さん。 「いい」 そ、そうか。 まぁそれでも、蹴りが来ないあたり相当機嫌が良いらしいな。 「後でお母さんに聞くから」 「ヤメテっ!?」 何でそこでお袋!? 親父に聞けよ、そこはっ!! 「何で?」 「……え、いや」 マジ怖ぇ。 コイツ本当に俺の妹か? 「……ふぅん」 「別に良いだろ? 俺だって良く判んねぇんだし」 「ま、別にアンタの部屋がどーなろうが、どーでも良いけどねぇ」 ですよねぇ。 アナタ、ワガママですもんねぇ。 ふぅ。 「チッ」 凄ぇ露骨な舌打ちだな、おい。 ったく。 「おい、京介」 「……な、なに?」 うぉ、親父居たのか。 ってことは。 「ほら」 と投げ渡されたのは、多分。 「部屋のカギだ」 「あ、ああ」 「スペアは俺が預かっておく」 「判った」 っていうか、な。 聞きたい。凄ぇ聞きたい。 「何で鍵なんか付けたんだよ、親父」 「む、ぅ」 そして何故そこで黙るんだよ……。 何故そこでチラチラ桐乃を見るんだよ!? 「こっちに来い」 結果、手招きされて玄関の所に呼ばれた。 嫌な予感しかしねぇよ。 「京介」 「誤解だ」 聞いてくれ、親父。 違うんだ、五更はただの学校の後輩で、前からの友達なんだ。 部屋で勉強してたらおふくろが勝手に入ってきて勘違いしただけなんだ。 と、10分ほど説いた。ああ、説いたね。これでもかってほどに。 かつて俺がこれほど親父に意見した事があっただろうか? …………あの春先の事件以来か。 親父は重々しく頷き、 「判っている」 判ってねぇ!? 絶対判ってないよね!? 「まぁ、お前も……」 「違うって!!」 なに、俺って両親からどんな風に見られてんの? ……聞きたくねぇ。 「はぁ、鍵、ありがと、親父」 言葉が途切れ途切れになるのも判るだろ? 「あまり過信しないようにな?」 「何の話だよ!?」 「俺は、そう言うのはまだ、と思うんだが……かーさんが、な」 「…………」 いいよ、もういいよ親父。 泣いていいか、俺? 泣いていいよな、俺。 「じゃ、じゃぁ、もう部屋に戻るから」 「そうか、判った」 もう、放っておいてくれ。色々と。 はぁ。 まぁ、鍵が付いたから部屋がいきなり変わるわけじゃないんだけど。 むぅ。 「何だかなぁ」 色々と。 別に何が悪いってわけじゃないんだけどさ。 ドアを閉めて、鍵を――って、別に良いか。 このまま晩飯まで時間を潰そうとして……早速、ドアが開かれた。 ……今度から、やっぱり鍵を掛けよう。 「ノックくらいしろよ」 「うっさい」 さいですか。 別に良いですけどね。 「あんた、何したの?」 もうすでに俺が犯人になってる!? 「な、何の事だ?」 「別に? いきなり部屋に鍵って、不自然じゃん」 「だよなぁ」 むしろ、俺が勘弁してくれと言いたい。 …………が。 「んで? なんかやったの?」 「おふくろにいきなり入ってくるなって言っただけだよ」 こいつに黒猫の事を説明したらどうなると思う? 十中八九、いや、十割蹴られる。絶対蹴られる。 なんだかんだで、こいつら仲良いからなぁ。 そんなこいつに黒猫とのことを説明しよう。したとしよう。 「二人でベッドに横になってるところを見られた」 死ぬな。 確実に死ぬな、俺。 「うそ」 「……嘘じゃねーって」 嘘だけどな。 「ま、便利で良いだろ」 「どこが? 不便なだけじゃん」 んなわけあるか。 「お前の趣味、バレる可能性が減るしな」 「ん、む……」 だろ? と言ってやると流石に黙ったか。 「でも」 「あん?」 まだなんかあんのか? 「別に、もう良いっ」 ……いや、別に良いんだけどさ。 そのまま部屋を出ていく背中を見……なんでアイツはドアを閉めないのか。 しっかし、 「何怒ってんだ、あいつ?」 部屋に鍵って、あいつの部屋にも付いてるだろうに。 やっぱりあいつは、良く判らん。 「――ってなことがあってな」 「良かったわね、先輩」 と言っても、素直に喜べねぇんだけどな。 「ま、鍵一つじゃ何も変わんねぇって」 「それもそうね」 俺の安全は劇的に上がるけどな。 主におふくろ関係で。 「今日もウチに寄っていくか?」 「迷惑では無いかしら?」 小さく肩を震わせて笑い、こちらを見上げてくる視線。 コイツ風に難しく言うなら、試されている、と言ったところか? その言葉に肩をすくめ、 「友達を部屋に呼ぶだけだって」 そう、と小さな声とともにその視線は前に。 照れ、てるのか? 「だろ?」 「……そうね」 鍵一つで珍しい顔も見れるもんだ。 ソレをどう思ったのか、もしくは、どう勘違いされたのか。 その視線が再度上を向き、 「あまり変な顔をしないで頂戴、恥ずかしいわ」 「そこまで酷くないだろ!?」 たぶん。 そこまで自信ないけどさぁ。 はぁ。 「……そう思ってるのは、きっと先輩だけじゃないかしら?」 「ひでぇ」 この後輩容赦ねーよ。 いや、判ってたけどさぁ。 「ゲームの方の調子はどうだ?」 「そこそこよ。もう少しで、何とか形になりそう……といったレベル」 「そか、なんか手伝える事があったら、また言ってくれ」 「言われなくてもそうさせてもらうわ、先輩」 そーかいそーかい。なら良いや。 ま、もう手伝える事も無いだろうけどな。 良くてこの前したデバッグとか、あとはシナリオの感想くらいか。 「お手柔らかに頼む」 「ええ、もちろん」 クスクスと、小さな笑いが耳に届く。 ……こいつもよく、笑うようになったもんだ。 そう思うのは、最初の頃のこいつを知ってるからか。 「どうかしたのかしら?」 「いんや、別に」 くぁ、と欠伸を一つ。 世は事も無し。 そう思ってる時期が、俺にもありました。
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/31.html
高坂家高坂 京介(こうさか きょうすけ) 高坂 桐乃(こうさか きりの) 高坂 大介(こうさか だいすけ) 高坂 佳乃(こうさか よしの) 田村家田村 麻奈実(たむら まなみ) ロック(田村 いわお) 高坂兄妹の「裏」の友人黒猫(くろねこ) 沙織・バジーナ(さおり・ばじーな) 桐乃の「表」の友人新垣 あやせ(あらがき あやせ) 来栖 加奈子(くるす かなこ) 宮本 蘭(みやもと らん) 高校の友人赤城 浩平(あかぎ こうへい)(アカギ~秋葉に降り立ったシスコン~) 赤城 瀬菜(あかぎ せな) 三浦絃之介(みうら げんのすけ)(部長) 真壁 楓(まかべ かえで) アニメ・出版業界伊織・フェイト・刹那(いおり・ふぇいと・せつな) 熊谷 龍之介(くまがい りゅうのすけ)(ぷーりん) 五更家の家族五更 父(名前不明) 五更 母(名前不明) 五更 日向(ごこう ひなた) 五更 珠希(ごこう たまき) 夜(よる) 星野姉妹メイドさん 星野 くらら(ほしの くらら) エロメイド アクセサリーショップの店員 小さな庭園(プリティガーデン)槇島(まきしま) 香織(かおり) 来栖 彼方(くるす かなた) 真田 信也(さなだ しんや) 星野(ほしの) きらら その他ブリジット・エヴァンス(Bridget Evans) リア・ハグリィ(Ria Hagry) 櫻井 秋美(さくらい あきみ) 以下の記述には作品の根幹に関わる内容が含まれている可能性があります 高坂家 高坂 京介(こうさか きょうすけ) 声 - 中村悠一 身長175cm、体重60kg、4月生まれ 偶然に桐乃のオタク趣味を知り、それを切っ掛けに桐乃から「人生相談」を受けることになる。 その「人生相談」を通じて、長く疎遠であった桐乃との交流が生まれた。 また黒猫、沙織、あやせ達といった個性的な少女達と知り合っていくことになる。 物語の冒頭から繰り返し妹のことは嫌いだと述べており、また、当初は京介自身も認識していなかったが、優秀な妹に対して大きな劣等感や嫉妬心を持っている。 それらが桐乃との壁を作っていた大きな原因の一つであることは確かなようだ。 この京介と桐乃の壁である強い嫉妬心の意識は最後の人生相談時の通知表を見せてもらう場面と、アメリカで桐乃を説得する場面から大きな変化をみせた。 渡米のきっかけは、桐乃からのメールであるが、これが届いたときは「どうせ上手くいっている、自慢話だろう」というような語りが印象的で、ようやく届いた連絡のまえに安心しきっている程であったが、後に桐乃が体調を崩し上手くいっていないことを知る。 アメリカでは桐乃がどれだけ強い思いをもって陸上にうちこんできたか、またそれでも通用せず、必死にもがいている姿を目の当たりにして、日本での桐乃の栄光にたいする嫉妬心に影響を与え、何より桐乃を心配し取り返しがつかなくなる前に間に合ってよかったと安堵する。 その後、あれこれ理由を話し桐乃を必死に説得するが断固として折れず、最後は京介の本音から「おまえの都合なんか知ったこっちゃねえ! いろいろもっともらしいこと言ったけどさ! 俺はお前がいないと寂しいから連れ戻しに来た! それだけだ! 文句あっか! ……一緒に帰ろうぜ。じゃないと俺、死ぬかもしれない」という懇願に折れて桐乃のアメリカ留学話は終わる。 6巻からは京介の桐乃への振る舞いにも明らかな変化がみられ、また表紙も5巻までのものとは違い距離感が一気に狭まり、立場が対等のような背と背をあわせた格好が描かれている。 桐乃とリアの陸上対決ではリアに追い詰められる桐乃を自分と重ね、追い詰められながらも自分のように逃げたりせず立ち向かう桐乃を心から応援するようになった。 このように、京介が桐乃に対して抱く感情は単純ではない上、意識もかわっていっている。 物語が進むにつれ、京介の中での桐乃の重みは徐々に増していっているようだ。 彼女が辛い目にあえば心からの共感と同情を示し、彼女が困難に直面した場合は彼女を助けようと自発的に努力するなど、相当の愛情をも持っていることは確かである。 しかし問題は桐乃の顔の可愛さを語るにとどまらず、桐乃からの数あるアプローチもあり、性的な反応を意識する描写や匂いに反応する描写なども増えている。 数多くいる周りの女の子友達よりも妹の身体的描写が多いのはどういうことだろうか。 今後ともに色んな意味で目が離せない兄妹である。 上述の桐乃が渡米した寂しさを埋め合わせるために、無意識に今まで桐乃に向けていた保護欲の矛先を黒猫に向けてしまい、そのことを黒猫自身に看破されたり、人がいないとはいえ屋外で「俺はシスコンだ!」と叫んだりするなど、かなり手遅れな感じの自他共に認めるシスコンに成り果てている。 成り果てるといえば、桐乃達の影響でどんどんオタク趣味に染まっていっており、モノローグで現実世界をエロゲー用語で解説したり、友人とエロゲーのセリフを呼びかけ合ったりするなど、すっかりディープなオタク街道にはまりこんでいる。 高坂 桐乃(こうさか きりの) 声 - 竹達彩奈 身長165cm、体重45kg、スリーサイズB82/W54/H81 中学二年生ですでに学業、スポーツ共に優れた成績をのこし読者モデルをしながらオタク趣味にも全力を注ぐ、京介の妹。 性格は原作序盤では明るく、ときに乱暴で非常にわがままな面を兄である京介やオタク友達に対して見せている。 話が進むにつれて非常に友達想いな面と責任感の強さ、両親に対してはとても素直な娘として描かれている。 本気で好きになったものは何があってもずっと好きでいるという一途さと、一度やると決めたら絶対に自分の意志を曲げずやり遂げるという芯の強さが特に印象的である。 基本的に苦しいときや悲しいときは歯を食いしばり、怒りにかえて乗り切るが、その限度を超えた場合や不測の事態に対しては何らの対応も取れずに立ち尽くすか、普段であればしないような失策を犯してしまう。 似たように京介からうれしいことや優しくしてもらった時などは、きもーと嬉しそうにからかうだけだが、おもいっきり抱きしめられて「大好きだー」と叫ばれたり、「俺は桐乃を愛しているから(京介は本気じゃない)」などと言われた時は耳まで真っ赤になって口をぱくぱくさせる、眼を潤ませて恥じらうなどと常とは反応が大きく変わるようだ。 友達が大好きと京介に称される桐乃であるが同じ親友でもあやせと黒猫では接し方が大分異なっているように、あやせ達同年代のグループでは友人仲を取り持ち、気を配るような大人びたリーダー的な面が多々見られ、逆に京介を含めた自分より年上のオタクグループでは我儘をいったり騒ぎたてる面が目立つ。 両方とも親友であり大切な友達だそうなので、どっちが本当かではなくどちらも本当の桐乃なのだろう。 ちなみにあやせ曰く桐乃は学校で非常にモテるらしいが、京介に恋愛対象は高校二年生からと言っている。(偶然か当時京介は高校二年生である) 全方面に渡り優れた能力を持つ桐乃であるが、幼少の頃から高い能力を持っていた訳ではなく、小学校低学年時点においては学校の成績は優秀とはいえず、とりわけ体育の成績は低かった。 現在の能力は、小学校中学年の時に起こった事件を切っ掛けとして、桐乃が非常な努力をした結果獲得したものである。 京介と一時的に疎遠であった理由は明かされていないが、桐乃は京介に対し「さんざんほったらかしにしておいたくせに、いまさら兄貴面すんな!」と叫んだことがあり、兄妹の仲が親密とはいえない状態にあった責任は京介にあると考えている様子である。 一方で原作1巻の前日譚、冷戦中に京介と二人だけで留守番する話の中で、夜に京介しか合わせる顔はないのにわざわざ薄く化粧をして一緒に食事するなど、桐乃は疎遠になってもずっと京介のことを気にしていた可能性が高いとみられる。 京介に対し度々自身の好意をアピールするような言動や行動をとるものの、その曖昧さから逆に反感を買ってしまったり、兄としての態度を取る京介に拒まれる事が多い。 高坂 大介(こうさか だいすけ) 声 - 立木文彦 サブカルチャーに関してはある種の偏見をもっており、桐乃の裏の趣味を知って止めさせようとしたが、京介の説得により断念する。 その後、自身の偏見を顧みてか自らサブカルチャーについて学んでおり、相当の柔軟性をも持ち合わせている様子である。 また、それを見越した京介からサブカルチャーを取り巻く現状に関し助言を求められており、息子からの信頼も厚いようである。 当初は厳格な巌のような男かと思われたが、4巻で娘のことをグチグチとぐちりだし、5巻では娘がアメリカで弱っていると知るや「よし! 行ってこい!」(ちなみにこの時のセリフは作品内で二番目に大きい文字が使われている)の一言で京介をアメリカに送り込むなど、母性的な情の深さも多分に持ち合わせているようだ。 また、桐乃が御鏡を彼氏として連れてきた折には、昼間から一人部屋にこもって酒をあおり、しまいには目を><にして駄々をこねるなど、無様な父親っぷりを披露して着実に萌えポイントを積み重ねている。 一巻での対立の成果か、京介のことは相当に信頼している様子である。 高坂 佳乃(こうさか よしの) 声 - 渡辺明乃 息子のプライバシーなど無いものと思っているようであり、京介のエロ本などは全て彼女にチェックされている。 反面、桐乃の膨大なコレクションに気づいていなかったことからして、桐乃に対してはそこまでの干渉はしていないようである。 また、桐乃の趣味が父親に発覚した時の、「まさか…あんたの影響じゃないでしょうね?」といった言葉を始めとして、京介に対しては平気で桐乃と区別するような言葉を発する。 佳乃自身の真意がどこにあるかはともかくとして、彼女の態度は京介が桐乃にコンプレックスを抱くことになった大きな要因の一つであることは確かであろう。 京介の女性関係に関しては、京介が黒猫と親しくなって以降、相当に警戒心を強めている様子である。 どうやら京介が複数の女性に手を出しまくっていると思っているらしく、桐乃が御鏡を連れてきて京介と揉めた際には、ついに妹にまで手を出したと考え京介を殴りつけた。 頻繁にカレーを作る。京介からは単にずぼらなだけと思われているが、夫・大介から初めて褒められた料理がカレーだったというノロケた理由が秘められていたりする。 田村家 田村 麻奈実(たむら まなみ) 声 - 佐藤聡美 身長160cm、体重50kg、スリーサイズB84/W59/H86、5月4日生まれ 京介によく貶されて、その度にしゅんとするが、フォローで褒められれば何事もなかったかのようにご満悦になる。 また、褒めてくれた髪を切りすぎたといっては京介に会えなくなり、親がいないけど家に来ないかといわれれば二つ返事でOKする。 さらに、「きょうちゃんの優しいところ、わたしが一番よく知ってるもん」とのことである。 このように、京介に対してはあからさまな好意を寄せているといえる。 もっとも、基本的には京介に対してあまり積極的なアプローチはしていない。 ただし、クリスマスに京介が自分との約束を断った際には、当日何度も京介の携帯に電話をかけ続けるなどしており、それなりの積極性も持っている。 当初は京介とは幼馴染みとしての関係性を維持することで満足していたようであるが、黒猫の入学後に京介が黒猫を気にかけているのを見て、危機感をもったようである。 そして、いつの間にか仲良くなっていたあやせと一緒に、秘密の作戦を遂行中である。 京介の幼馴染みであるにも関わらず、桐乃とはほとんど面識が無いようである。 ただ、京介から桐乃の心情について相談を受けた折には、自分なりに桐乃の心情を解釈してみせたりした。 また、京介が桐乃のことで問題にぶつかった時には、京介の相談に答えたり、彼のありようを肯定したりして京介に力を与えている。 作者いわく対人能力は最強。攻撃的態度を取られても少しずれた麻奈実とは噛み合わずに素通りするため誰とでも仲良くなれる。 ロック(田村 いわお) 声 - 大津田裕美 身長163cm、体重52kg 小学生の時に学校で大便をもらし、その際京介に助けられたことがあり、そのことを非常に感謝している。 京介はこのエピソードを小学校時代最悪の思い出としていることから、京介自身も恥ずかしい目あるいは辛い目にあいながらも、必死にロックを助けたものと思われる。 私立に通っている桐乃たちとは違い、公立の中学校に通っている。 高坂兄妹の「裏」の友人 黒猫(くろねこ) 声 - 花澤香菜 身長160cm(アニメ版では155cm)、体重43kg、スリーサイズB77/W53/H80、4月20日生まれ 本名は五更(ごこう) 瑠璃(るり)。 普段から中二病的な態度ばかりをしめしているが、自分のそういった性行を客観的に認識出来ており、中二病である自分を自虐的に眺めていたりもする。 そうした点において、実のところ根っからの中二病ではない。 また、根は真面目な努力家でもあり、わりと常識人であったりもする。 小説を執筆しており、出版社主催の新人賞に毎年作品を送っているが、一度も最終選考に残った事はない。 桐乃のケータイ小説が評価され、それが盗用された上出版されることになった際には、桐乃に対する嫉妬心や劣等感の存在を吐露した。 ただ、桐乃に対する劣等感や嫉妬心に押しつぶされることは無く、逆にそれを創作へのモチベーションに昇華させるしなやかさ又は高潔さを持っている。 上述のした部分を始めとして、桐乃に対しては様々な部分で劣等感をもっているようであるが、黒猫自身も完成度の高いコスプレ衣装を自分で作ることができたり、(内容はともかく)超人的な速度で文章を書くことができたりと、いくつもの特技をもっている。 さらに「松戸ブラックキャット」という異名を持つ、凄まじい腕前のゲーマーでもある。 普段から中二病的な態度ばかりをとっており、そうでなくとも人付き合いが苦手であるため、桐乃達を含めても友達はほとんどいない。 中学卒業後は京介と同じ高校に進学したのだが、入学後しばらくは全く友達が出来ず、昼食も一人ぼっちで食べ、押しつけられて一人で掃除をしたりするような状態であった。 だがその後、京介の助力やゲーム研究会でのゲーム制作を通じて、瀬菜という友人を持つことができた。それを機にクラスでの問題点もいろいろと改善されている。 盗作騒動や高校入学後のゲーム制作などを通じて、京介に好意を抱くようになっていく。 そして、京介がアメリカに桐乃を迎えに行く前には、京介が途中でへたれないための「呪い」と称して、彼の頬にキスをした。 その後しばらくは京介に対してあまり積極的な態度は見せなかったのだが、私服をお披露目したりしながらゆっくりと距離を縮め、7巻の最後で京介に告白をした。 8巻では京介とのデートに“聖天使 神猫”と称した白を基調とした服装で現れた。デート時には気合いを入れた神猫が服に胸パッド仕込んでいるためバストサイズが違うらしい。 ([[figmaの紹介ページ http //news.dengeki.com/elem/000/000/372/372648/]に書いてある。]) 沙織・バジーナ(さおり・ばじーな) 声 - 生天目仁美 身長180cm、体重61kg、スリーサイズB88/W60/H89 本名は槇島(まきしま) 沙織(さおり)。 瀟洒な高級住宅街にある三階建てのマンションをまるまる使って一人暮らしをしており、また15歳にしてお見合いをさせられたりするなど、その正体は正真正銘のお嬢様である。 ぐるぐる眼鏡をかけた時はござる口調のオタク、クワトロ・バジーナ仕様のサングラスをかけた時は凛々しい男言葉のオタク、眼鏡をかけていない時は深窓の令嬢と、眼鏡の有無や種類によって口調や人格までも変化させる。 当初は京介達の前には常にぐるぐる眼鏡をかけて現れていたが、沙織の元気のない様子を心配した京介達が自宅に訪れた際に、「コスプレ」と称して素顔の自分をさらした。 素顔の沙織は、京介が宇宙と同じくらいのヤバさを感じる程の美人である。 沙織のオタク趣味は姉やその友人からの影響であり、幼少期の沙織は彼等と一緒に遊ぶことが多かった模様である。 しかし、姉の結婚を機に沙織と姉の友人等とは疎遠になってしまい、その事が沙織の心の傷となってしまっている。 オタク関係の知識は非常に深く、姉やその友人達の影響ということなのか30歳以下であれば通常知り得ないようなオタク知識までも網羅している。 沙織の姉「香織」に偽装して京介達と話した際には、まるで中年オタクの代弁者のようなトークを繰り広げた。 桐乃の「表」の友人 新垣 あやせ(あらがき あやせ) 声 - 早見沙織 身長166cm、体重44kg、スリーサイズB80/W56/H83 モデルとして正式に事務所に所属しており、この方面に関しては桐乃よりも本格的に活動しているようである。 もっとも、モデルを始めた当初は、読者モデルながら経験の長い桐乃に色々助けられたらしい。 そしてこれらのことを切っ掛けとして、桐乃に対して非常に強い好意をもつようになった。 両親の教育の為か潔癖な性格であり、サブカルチャーに対して強い反感を持っている。 そのため、桐乃の裏の趣味を知ったあやせは、これを許容出来ず桐乃と大ゲンカをすることとなる。 さらに、嘘に対して異常な嫌悪感を持っており、桐乃に嘘をつかれたと考えたためもあってか、ケンカは一時深刻化した。 仲直りを試みる京介や桐乃にいかに説得されようと、桐乃の趣味を認めることは出来なかったのだが、京介がついた自分は「変態兄貴」であるという嘘によって、桐乃との関係は修復した。 あやせは、京介がついた嘘に騙されたふりをすることによって、つまり京介という悪者を自分の中に作ることによって、感情のバランスを保ったのである。 もっとも、その後も正面から桐乃の趣味を理解しようとする努力は続けている。 可憐な黒髪の美少女といった外見とは裏腹に、好悪の情が激しく、時に大胆に感情をさらけ出す。 桐乃とケンカをした時には、一種病的な態度で桐乃に詰め寄り、京介をして「二度と顔を合わせたくない」との感情を抱かせた。 また、押しの強い性格と強引な実行力を持っている。例えば、桐乃へのプレゼントを用意するために、加奈子をそそのかし、自分では絶対に着たくないと言った服と似たような服を着させた上、加奈子が着ていた服を取り上げてコスプレ大会のステージに上げさせるなどした。 上述のように、あやせとしては京介のことを変態兄貴だと思っている必要があるため、彼に対して表面上は冷淡な態度をとっていた。また、京介も桐乃とのケンカ騒動以後あやせを敬遠していた。 だが、いつの間にやらセクハラ漫才とでもいうべき掛け合いをするような仲になり、京介からは「ラブリーマイエンジェル」と(内心で)呼ばれるような存在となる。 実際のところ、相当早い段階から京介に好意を持っていた模様であり、セクハラ漫才中の「結婚しよう」という京介のあからさまな冗談にすら、心を動かされてしまっていたようである。 その後、一人暮らしを始めた京介の生活の世話やストーカー騒動の解決を経て、あやせは嘘を取り払い、京介に想いを伝えた。 来栖 加奈子(くるす かなこ) 声 - 田村ゆかり 身長148cm、体重39kg、スリーサイズB70/W51/H77 容姿が「星くずういっちメルル」の主人公メルルに酷似したアホ娘(by 京介)。 賞品狙いのあやせ(と京介)に利用されてメルルのコスプレ大会に出場させられ、そこで見事に優勝を飾る。 この優勝を切っ掛けに、それ以前から芸能関係の仕事を目指していた加奈子は、あやせと同じ芸能事務所に所属して、芸能活動を開始することとなった。 ただし、当面はメルルのイベントにコスプレで登場するといった仕事が主なようだ。 性格はあやせや沙織に対してすら「ブス」と言ってのけるなど、かなり口が悪く自信家である。 さらに、当初は京介のことを路傍の石ころのように扱ったりと、一見自己中心的で傍若無人に見える。 もっとも、口は悪いながらも他人に対しては寛容であり、また普段はきつくあたっているブリジットが変態に襲われているとみるや、足を震えさせながらも彼女を守ろうと変態に立ち向かうなど、実は友情に厚い劇場版ジャイアンでもある。 また、さすがは桐乃の友人だけあり努力家としての一面も持っており、歌やダンスの練習は普段からきちんとしているようである。 実際上述のコスプレ大会の際には、少し聞いただけでアニメの主題歌を覚えるや、即興のダンスと合わせてパフォーマンスを行うなど優れた技量を見せ、観客に大歓声を上げさせた。 両親とは折り合いが悪く、現在は両親と離れ姉と共に暮らしている。 ただし、父親の病気を機に関係の修復を考えているようで、そのための手段の一つとして、麻奈実から料理を教わっている。 当初は何度も会った京介の顔も覚えていない状態であったが、上述したコスプレ大会等での京介のマネージャーぶりは気に入っていたようで、桐乃の兄だと判明した以後も京介に対しては好感を持っている様子である。 宮本 蘭(みやもと らん) 桐乃の表の友人その3。したがって、あやせ等と同じく「高めの女子」に属すると思われる。 もっとも、その登場回数はあやせと加奈子に比べると極端に少ない。 桐乃からは「ランちん」と呼ばれ、作中では長らくその愛称しか分かっていなかった。 2巻ではあやせ達と高坂家に遊びに来ていたのだが、壁ごしの会話でのみの登場なので、一体どの台詞が彼女の台詞なのかは判別しづらい。 また、6巻では帰国後の桐乃がらんちんに電話をかけているシーンもあるが、彼女自身の台詞は無い。 9巻になりようやく桐乃のモデル仲間として再登場し、まともな会話シーンがついた。 11巻でついに本名が判明。田村屋に客として来店し、働く桐乃と会話した。 漫画版ではあやせ、加奈子と共に高坂家を訪問する場面に登場し、原作では挿絵に描かれず謎だった姿が描かれている。また、桐乃たち学校の友人4人組を描いた4コマのレギュラーとしても大活躍。 もっとも、アニメでは存在が抹消され影も形もない。 ……はずだったが、1期のモブを再利用する形で2期10話で再登場(?)した。 このため、漫画版とはデザインが異なる 高校の友人 赤城 浩平(あかぎ こうへい)(アカギ~秋葉に降り立ったシスコン~) 声 - 間島淳司 身長177cm、体重73kg 「おまえにとって、妹ってのは、なんだ?」と問われれば、「天使」と即答する最高純度のシスコン。 妹が望むならホモゲーの深夜販売に腐女子と共に並ぶことを苦ともせず、また京介が妹(瀬菜)を嫌らしい目で見たと思えば「ブッ殺すぞオラァァァ!」と人目を気にせず制裁に乗り出すアクティブなブラザーである。 妹に頼まれれば喜んでホモゲーを買いに行ったり、妹のためにプレゼントを用意したりと、色々と妹のに尽くす彼であるが、これらの行為は瀬菜が赤ん坊のころガラガラを振ってあやしていた行為の延長であると述べている。 しかし、妹そっくりのラブドール(価格70万円)の購入を(一瞬だが)真剣に検討したり、妹に彼氏がいないか確かめるために妹の部屋に忍び込んだりするなど、どう考えても瀬菜に妹として以上の感情を抱いているとしか思えない行動もとっている。 赤城 瀬菜(あかぎ せな) 声 - 伊瀬茉莉也 身長163cm、体重48kg、スリーサイズB89/W58/H83 登場当初はクールで理知的な完全なる委員長系キャラだったが、それもほんの十数ページ。京介が少しいじると、たちまち腐った内面を露わにした。 その正体は、二次元から半生、生、果てはフォークとスプーンのみでも余裕で腐った妄想が可能で、日常的に身近な男性が輪姦される夢を見るほどの、高レベルな腐女子であったのだ。 本人は自分のそういった趣味に関しては劣等感を持っており隠して生活したいと述べているが、部員全員が見るゲームの試作品に、部員達をモデルにした男達が回復の泉で乱交するガチホモRPGを持ってきたりするなど、その趣味嗜好はだだ漏れもいいところである。 また、絵に描いたようなブラコンでもあり、自分の立場が悪くなったときに「お兄ちゃんに言いつけてやるんだから!」 と作品史上最大のフォントを使って叫んだりした。 その他にも、プログラムのバグや弱点を感覚で把握できる異能を持っていたりする。 この稀少能力(レア・アビリティ)の保持者であることから黒猫から「魔眼遣(まがんつか)い」という二つ名を付けられた。 当初は黒猫の周囲に溶け込まない態度を問題視し矯正しようとしていたが、ゲーム制作を通じて黒猫のことを理解し、黒猫の高校で初めての友達になった。 また、桐乃とは同じブラコン同士波長が合ったのか、会ってすぐに「せなちー」「桐乃ちゃん」と呼び合い、恥ずかしい兄がらみのプライベートトークをするくらい仲良くなった。 アニメ版では、本格登場前に兄と一緒コミケに来ている姿が描かれた。 三浦絃之介(みうら げんのすけ)(部長) 声 - 井上剛 京介や黒猫と同じ高校の3年生。ゲーム研究会の部長。 何回か留年していて外見も年相応に高校生には見えない老け顔。 妹がいて、ニートで、外見は「戸愚呂(妹)」だと述べている。 同じ女性(『おにぱん』のファナたん)を愛した者として、京介を親しみを込めて「兄弟」と呼ぶ。 原作8巻で御鏡と遭遇した際にも「兄弟」と呼称していることから、何か通じる物を感じ取ったのかも知れない。 アニメ版では、本格登場前に、コミケでファンネル指示しているスカルリーダーとして登場している。 真壁 楓(まかべ かえで) 声 - 松岡禎丞 京介の一つ下の後輩で、ゲーム研究会の部員。 日々の部長へのするどいツッコミは、京介にもツッコミをレベルアップさせる影響を与えたらしい。 姉がいて、部長のせいで色々誤解を受けたりしている。 気の利くまともな人物だが、好きなアニメの布教となれば女装コスプレ&そのキャラの女口調で登場キャラの魅力をどの部位をペロペロしたいかで語ったりもする変態な一面もある。 アニメ・出版業界 伊織・フェイト・刹那(いおり・ふぇいと・せつな) 声 - 伊藤静 編集者を騙り桐乃にケータイ執筆させ、完成した小説を盗用し作家としてデビューしようとするも、これは京介達に阻止される。 中学生の頃から小説家の卵として10年間修業をしていたが芽が出ず、桐乃のケータイ小説を見て盗作を思い立った。 過去の自分の在り方が黒猫そっくりだったらしく、黒猫にアドバイスしたりもした。 盗作発覚後も、桐乃の希望により、『妹空』の編集作業に参加している。 フェイト自身はこの桐乃の選択を甘いと評しているが、京介の考えでは面白いものを作り出す能力があると思ったからこそ桐乃はフェイトを必要だと考えたのだという。 『妹空』の編集作業終了後、派遣切りにあい極貧に喘いでいる。 熊谷の勧めにより雷撃文庫編集部の中途採用試験を受けたりもしたが、あえなく撃沈。 女子中学生から借りた金をFXで溶かすなど、順調にダメ人間度を高めていっている。 盗作事件後は色々と吹っ切れたため黒歴史への拒絶反応が薄くなり、フェイトと呼ばれることを拒否せず、邪鬼眼キャラを作ってた頃の少年口調や一人称「僕」も自然と混じるようになった。 そういった紆余曲折の後、編集向きな才能を活かして「同人ゴロ」としての第二の人生を歩み始めた。 果たして彼女は幸せを掴むことができるのだろうか…… メタなキャラ付けとしては、黒猫と泣きボクロの位置が同じで昔は中二邪鬼眼で物書き志望など、黒猫の失敗した将来像となっている。 アニメ版では社会人として真っ当に働いているメディアスキワークス社員であり、桐乃の『妹都市』の担当編集者。 しかし公式ついったーの黒猫いわく、いずれ世界線が収束して原作と同じように落ちぶれた運命をたどるという…… 余談だが、「伊織」姓(実在する)の人が実際に娘の名前をこの名前にしようとした場合、日本の戸籍上でミドルネームはないので「フェイト刹那」のように名前の一部扱いで付けることになる。どうしてもミドルネームという形式を持たせたければ日本名「伊織 フェイト刹那」とは別に外国籍で「Fate Setsuna Iori」か「Setsuna Fate Iori」という名前を持たせることになる。 熊谷 龍之介(くまがい りゅうのすけ)(ぷーりん) 沙織のコネで黒猫が同人誌を持ち込んだ際には、歯に衣を着せぬ論調で酷評し、黒猫を泣かせたりもした。 ただし、その指摘自体は的確であり、むしろクリエイターを志望する中学生に対する態度としては誠実かつ思いやりあるものといえる。 フェイトの担当編集者であり、盗作問題が発覚した折には自らも責任を取り辞職するとの覚悟を見せた。 五更家の家族 五更 父(名前不明) どうやら失職していたようだが、8巻で転職先が決まり、五更家は今までの千葉市の借家から松戸市の社宅に引っ越すことに。 父母ともに京介と8巻時期に会っている。ただし感想はまたの機会とのこと。 五更 母(名前不明) 五更家の娘の前髪ぱっつんストレートカットや、地味で無難なデザイン服選びは五更母のセンス。 五更 日向(ごこう ひなた) 声 - 花澤香菜 黒猫の上の妹。8巻時点で小学5年生。 ウッウッーウマウマを踊る姉を目撃したり、オフ会に参加した姉に電話した頃は小学4年生。 髪をお下げにしているが、解けば黒猫と同じく前髪ぱっつんストレート。 五更 珠希(ごこう たまき) 声 - 小倉唯 黒猫の下の妹。8巻時点で小学1年生。 夜(よる) 黒猫が飼っている黒猫。 星野姉妹 メイドさん 声 - 田村ゆかり 本名は星野(ほしの) きらら。秋葉原のメイド喫茶「プリティガーデン」で働くメイド。 バストは90cmのFカップ。 声は星野くららに似ていて、容姿も星野くららを大人っぽくしたかんじ。 メルルの声優の星野くらら、京介が初めての夏コミであったメイド服の女性、及び京介と桐乃がクリスマスに立ち寄った渋谷109のアクセサリーショップの店員の三名は、彼女の妹とのこと。現在は皆自立して、1人暮らしをしている。 サムライトルーパーや銀河英雄伝説などのアニメを好むオタク趣味が妹たちに影響を与えた。 星野 くらら(ほしの くらら) 声 - 田村ゆかり メルルの声優。本名そのままで活動している。星野きららの妹の一人。 子供の頃から歌が上手で、姉がアニメを見ている後ろで歌ってたりしたらしい。 『妹空』アニメ化で、サンプルボイスにてリノ(桐乃が自分をモデルにした主人公)の声を充てていた。 エロメイド 星野きららの妹の一人。2巻の夏コミで京介が初めて買うことになったエロ同人誌の作者。 子供の頃から姉がサムライトルーパーを見ている後ろでロイエンタールの絵を描くなど、絵を描くの好きだった様子。 2巻の夏コミでは島中で、自分、もしくは姉妹をモデルにしたと思われるメイドのエロ同人誌を売っていたが、京介と遭遇した際に、京介と桐乃をモデルにした近親相姦SM本の着想を得た。後に冬コミでブレイクし、7巻の夏コミでは壁サークルに成長して、二人をモデルにした近親相姦SM本の新刊を出していた。 コミック版では、サークルもしくはペンネームが「めいどちょう」、メイドものの同人誌のタイトルは「めいどいん」。 アニメ版だとメイド本ではなくメルル本のエロ同人。 アクセサリーショップの店員 渋谷109地下2階のアクセサリーショップ「SAMANTHA McBEE」の店員。星野きららの妹の一人。 登場した場面では京介が声や容姿に注目していないが、他の姉妹と同じく語尾を「~」と伸ばす口調で話している。 小さな庭園(プリティガーデン) 槇島(まきしま) 香織(かおり) 声 - 桑島法子 沙織の姉でサークル「小さな庭園」の主催者。 「器用貧乏」ならぬ「器用富豪」で、大抵のことはできてしまう。 性格は奔放にして大雑把、生きている間に多くのことを楽しみたいと思っているため、はたから見ると非常に飽きっぽい性格に見える。 しかし、人を集めるカリスマを持っており、しばらく放置していたサークルの主要メンバーを一声で集められるほど。 来栖 彼方(くるす かなた) 声 - 釘宮理恵 加奈子の姉で漫画家。 黒猫の好きなアニメ「マスケラ」の原作者である月見里(やまなし)がんま その人。 他にも春日 春香(かすが はるか)など、七つのペンネームを使いこなす。 ペンネームとメガネを切り替えることで作風と絵柄を変える事が出来る。 彼女の言動が沙織・バジーナの言動や所作の最もベースの部分となっており、沙織がかけているぐるぐるメガネは元々彼方の持ち物。 妹の加奈子によると、いい加減で一人では何も出来ない人だそうだが、何気に妹を養っている偉い人。 真田 信也(さなだ しんや) 声 - 加藤将之 彼方の先輩の男性。 中学時代は「闇の皇子」を名乗る重度の中二病患者だったが、高校生になり(中途半端に)卒業。 そのため、香織からは中途半端な卒業のせいで痛々しさが増している「高二病」と揶揄されている。 色白痩せ型の女性的な端正な顔をしたイケメンで、マスケラの主人公「来栖真夜」のモデル。 星野(ほしの) きらら 仲間内での通称は「ほっしー」 とても美味しいプロ顔負けの紅茶をいれることが出来る。 現在の詳細については上記「星野姉妹」参照。 その他 ブリジット・エヴァンス(Bridget Evans) 声 - 久野美咲 身長151cm、体重43kg、スリーサイズ B76/W59/H79 「星くず☆うぃっちメルル」の第1回公式コスプレ大会で優勝したイギリスの女の子。 10歳でアルファ・オメガと同じ年齢。 第2回公式コスプレ大会の後、日本で本格的にタレント業をやることになり、加奈子とともにあやせと同じ事務所に所属。 メルル第3期発表イベント後に加奈子の勇姿を見てすっかり懐いている。 リア・ハグリィ(Ria Hagry) 声 - 木戸衣吹 身長153cm、体重44kg、スリーサイズB75/W55/H80 桐乃の留学中のルームメイト。12歳。 走ることに関しては圧倒的な才能をもち、また桐乃から走ること以外はどうでもいいと評されるほど、走ることを愛する少女である。 桐乃曰く、「ミニ四駆かなんかの生まれ変わり」。 バトル漫画のように、普段は重り(パワーアンクル)を付けている。 快活で人なつっこく、桐乃とは実の姉妹のように仲が良いが、桐乃からすれば自分の言うことを聞かない妹のような接し方をされている。 京介が桐乃を迎えにいくまで桐乃には一度として負けたことは無かったが、桐乃から帰国前に挑まれた勝負で、初めて敗北を喫することになる。 その後、敗北の汚名をそそぎ、桐乃が速くなった原因を自らの目で確かめるべく、高坂家を訪れることになる。京介が居たから桐乃が速くなったと目星は既に付けていたため、自分も速くなれるだろうと思い、加速装置扱いで京介に対して「超好きっ!」と好感度MAXで接していた。 櫻井 秋美(さくらい あきみ) 声 - 佐倉綾音 京介の中学校時代の同級生。 11巻における回想シーンで登場。当時、京介と秋美は中学3年生。 不登校児童で、一学期に一度も登校しなかった。 その理由は勉強が苦手だからでも嫌いだからでもなく、「怠けたいから」。家やゲーセンでひたすらゲームする毎日。怠けるためには努力を惜しまず、堂々と学校を休むために学年トップの成績を取ったという徹底ぶりである。 超美少女ではあるが、ファッションセンスが壊滅的で、京介と瀬菜にバカにされる。 胸はパッドを着用したニセ乳。実際は貧乳。 当時は「お人よしの熱血バカ」だった京介に、学校に来いと言われ、あの手この手で拒絶する。 しかし京介との交流を経て気持ちが変化し、学校へ行くようになる。 その背景には京介へと傾いていく気持ちがあったが、当時の秋美にそれを伝える機会は訪れなかった。 林間学校で京介が連れて行った崖から転落して骨折・入院し、京介が自らを平凡だと認めさせるトラウマのきっかけを作った。 その後転校し、長らく京介との連絡は途絶える。 京介が回想を終えた後日に再会して、京介へ三年越しの告白をした。 三年越しの告白を終えた後からは、アキバのゲーセンで顔を合わせる事が多くなった桐乃と意気投合している。 一方で、京介への想いを諦めずにフラれた後も幾度と無くアピールを仕掛けている模様。※俺妹。BD8巻特典映像より アニメでは過去編そのものが省略されており、次回予告で出番無しを宣告される。 一応、特典映像と2期8話の背景に登場している。 意見・批判等 6巻・7巻では京介は高3、桐乃は中3だけど変えなくていいのか? -- (名無しさん) 2011-04-03 21 15 08 8巻、高坂兄妹が温泉街を訪ねたのは日曜(P249)なのか平日(P250)なのか。二日かけたとは思えないから凡ミスだろうけど。 -- (名無しさん) 2011-05-13 23 33 14 ↑日曜日に連絡を取ろうとして、翌朝一番(月曜朝)にメールの返信があったというのは……苦しいか。 -- (名無しさん) 2011-05-14 14 30 38 明らかなミスだし、二版で修正かかるんじゃないかな -- (名無しさん) 2011-05-14 22 22 55 京介のコスプレの評価リアルでみたかった -- (名無しさん) 2011-05-15 01 40 45 小さな庭園関連の登場人物を追加。しかし、マスケラの主人公の苗字が来栖だったのは、確かに気にはなってたけど、存在を忘れかけていた加奈子の姉さん絡みだったとは。 -- (名無しさん) 2011-09-10 18 16 39 「五更京介」「高坂瑠璃」ネタのあった巻で、「来栖」「シンヤ」ね…小さな庭園もフラグ王国だったのだろうか -- (名無しさん) 2011-10-17 10 23 29 最終巻楽しみすぎる 最後の最後で義妹設定だけにはしてほしくないな -- (あずき) 2013-04-20 14 18 33 ゲームの義妹の設定は原作者がゲームだけに書いたオリジナルの設定だからないな瑠璃と恋人になったのになんで振ったのかわからない -- (流星) 2013-04-21 22 46 58 櫻井秋美のこともーちょい作者、こってくれても良かったかもな~Σ(´∀`;) -- (名無しさん) 2013-07-16 20 36 27 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/502.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1306742825/234-235 「お、おい黒猫……やめとこうぜ、勝手に見るなんてさ。バレたら殺されっぞ?」 「あなたは妹の秘密が気にならないのかしら? 心配は無用よ。少なくともあと三十分は帰ってこないもの」 「近所のコンビニ行くだけだろ。そんならすぐ――」 「ええ、だから家の外に、私の妹たちを待機させておいたわ。……っふ。今頃あの女、滑稽に萌え転がっている最中でしょうよ。私と京介がハードディスクをチェックしているとも知らずにね」 「……」 「あら? フォトショップなんて、何に使うのかしら? 妹ゲーではないソフトをインストールしているなんて珍しいわね」 「さあな。加奈子の写真とかいじってんじゃね?」 「あっ……」 「どうした? おまえの妹たちの盗撮写真でもあったの?」 「いえ、違うわ……」 「これは……『漆黒画像フォルダ』?」 「ククク……ついにあの女もマスケラにハマったようね。私から送信するメール全てに、マスケラ画像を添付し続けた甲斐があったというものだわ」 「もはや嫌がらせじゃねーかそれ!」 「とうとうあの女も近親相姦以外で悶えるようになったというわけね。ねえ兄さん、悔しい?」 「は?」 「あの女が、兄と妹の禁断の関係ではなく、ルシシンという不健全なものに没頭するようになったのよ? これは、寝取られたようなものではなくて?」 「……別に、二次元に嫉妬するとかありえねえし」 「あなたの返答のシリアスぶりに私は一抹の不安を覚えるわ……」 「つーかさっさと開こうぜ。パスかかってないんだろ」 「え、ええ……」 「たくよぉ、女どもってのは男の友情っぽいのを見ればなんでもホモカップルにしたがりやがる。どうせこの中にあるのも顎の尖ったハンコぅえっ!? ……なん……だと……!?」 「……ねえ兄さん。どうしてあなたのコスプレ画像が、こんなところにあるのかしら。……しかも大量に」 「……」 「夏コミのときに撮ったのとも少し違うようね……って、こ、これは……!」 「ええ! ちょ、おまっ!」 「ねえ兄さん……」 「な、なにかな?」 「どうしてあなたと、あなたの妹が、マスケラ二期のクライマックスを再現しているのかしら……?」 「……」 「どうして私の顔が、ことごとくあの女のビッチ面に差し替えられているのかしら……?」 「そして、どうしてあなたたち兄妹が、『契約の儀式』を行っているのかしら……?」 「ちょっ待てよ! 俺全裸写真なんか撮った覚えねーぞ! そもそも風呂以外で全裸になったことなんか……あ!?」 「あるのね……」 「一昨日のことだが、朝起きたら何も着てなかったんだ。そんときはさ、夜中に蒸し暑くて脱いじまったのかなー、なんて思ったんだけど……」 「そう……そういうこと……」 「く、黒猫さん……」 「寝取られたのは、私だったというわけね……ふっ、フフフフフ……」 「黒……猫……?」 「――違うわ。今の私は復讐の天使、『闇猫』よ」 「……なぁ闇猫さん。どうして俺のシャツのボタンを外すのかな?」 「この前の『儀式』の続きをするのよ」 「ふ、ふーん。……それからさ、どうして俺のベルトを緩めているのかな?」 「『儀式』に必要なことだからよ。純潔を奪われ、穢れてしまったあなたの魂を浄化するための『儀式』にね」 「そ、そっかー。じゃあさ、ちょっと後ろ、向いてもらえないか」 「はぁ? この期に及んであなたはまだ世迷いご……」 「――ふぅーん。ねぇ黒いの。京介とする『儀式』って、なんなの」 「/(^o^)\」 「あたしにも教えなさいよ。あんたたちが今まで、あたしのパソコンでなにをしていたのかも含めてさ」 「\(^o^)/」 了