約 2,471,435 件
https://w.atwiki.jp/twhc/pages/22.html
a
https://w.atwiki.jp/trivialachievements/pages/24.html
Memories Off 6 Next Relation 攻略 目次 概要 初期設定 りりすルート 智紗ルート クロエルート 鈴ルート 結乃ルート 既読率100% コメントフォーム 概要 前作にあたる T-wave と比較するとアドベンチャーとしてかなり単純になっています。特に攻略情報を見なくても、実績コンプは容易でしょう。ということで、ここでは手早く終わらせるための攻略をやってみます。 全エンディングクリアから、既読率を100%にするまでの手順です。ハードディスクインストール済なら、一時間ちょっとで終わると思います。 初期設定 メッセージ速度: 一括 オートモードの待ち時間: 短い 音声同期: しない 音声スキップ: お好みで スキップモード: 全て 自動クイックセーブ: 選択肢毎 エンサイクロペディア インフォ表示: しない りりすルート 最初の5択でりりすを選んだ後、 りりすAエンド全ての場面で一番上の選択肢を選びます。OPムービーはBボタンでスキップ可能です。EDムービーはスキップできません。 りりすBエンド全ての場面で上から二番目の選択肢を選びます。EDムービーはスキップできません。 智紗ルート 智紗は、二周目以降メガネの有無が選択可能になります。対応するグラフィックも回収する必要がありますので、ちゃんと攻略チャートを組んでみました。 智紗Aエンド二回目のEDムービーと、智紗BエンドのEDムービーはBボタンでスキップできます。 1/1 これから来るはずの智紗に連絡しておく 1/22 頭を撫でる 立てている 1/22 ごまかす 1/23 智紗を起こす 1/24 旅行のことを考える 1/25 もう買い物は終わり 1/26 言う 1/27 旅館の中を回ってみる 1/31 新妻みたいだ ここでひと休み 川に飛び込んで子犬を助ける ⇒【智紗Aエンド】 次にメガネありのCGを回収します。最初からプレイしないと1/23のメガネ選択肢が出ないようです。 1/1 これから来るはずの智紗に連絡しておく 1/22 頭を撫でる 立てている 1/22 ごまかす 1/23 眼鏡を勧める そのまま寝かせておく 1/24 仕事に集中する 1/25 まだ何か忘れているような気がする 1/26 言わない 1/27 街に出てみる 1/31 メイドさんみたいだ 智紗をおんぶする 1/31 川に飛び込んで子犬を助ける ⇒【智紗Aエンド】 クイックロードで最後の選択肢で自動セーブされたデータをロードします。 1/31 子犬の飼い主を探す ⇒【智紗Bエンド】 クロエルート 最初の5択でクロエを選んだ後、 クロエエンド全ての場面で一番上の選択肢を選びます。EDムービーはスキップできません。残りは、全エンディングクリア後に使用可能になる個別シーン毎のプレイ機能で回収することが可能です。ただしクロエルートの選択肢は、シーンの後半にあることが多く、3択も多いという特徴があります。選択肢毎に自動保存されたクイックセーブデータを使って、未選択の選択肢をつぶしていく方が、作業としては早く終わると思います。その場合、作業中は自動クイックセーブを「しない」に設定しておくと、余分なクイックセーブが増えないので便利です。選択肢を選んだら、次の日になるまでスキップすればOKです。 鈴ルート 最初の5択で鈴を選んだ後、 鈴Aエンド全ての場面で一番上の選択肢を選びます。EDムービーはスキップできません。 鈴Bエンド全ての場面で上から二番目の選択肢を選びます。EDムービーはBボタンでスキップできます。 結乃ルート 最初の5択で結乃を選んだ後、 神奈エンド全ての場面で一番上の選択肢を選びます。EDムービーはBボタンでスキップできます。 結乃エンド全ての場面で上から二番目の選択肢を選びます。EDムービーはスキップできません。 既読率100% 全エンディングをクリアすると最終エンディングが流れて、その後で Memories ⇒ Clear List ⇒ SCENE TITLE から個別にシーンを選んでプレイすることができるようになります。 基本的には、既読率が100%になっていないシーンを選んで、今まで選んでいない選択肢を選ぶのみです。やや分かりにくい物について、以下解説します。 りりすルート18 りりす/失くせない物: 4択がありますが、最後に選んだ選択肢によってテキストに変化があるようです。「廊下」と「庭」はすでに最後に選んでますので、「脱衣所」と「食堂」を4つ目に選ぶようにしてください。 智紗ルート29 智紗/転機近し?: 既読率は100%になっているはずですが、メガネ無しのCGが未回収ですので、メガネ無しでこのシーンをプレイする必要があります。 クロエルート特に分かりにくい物は無いはず。 鈴ルート全て100%になっているはずです。 結乃ルート81 結乃/繋がらない電話: 「一直線にルサックへ」⇒「とりあえず澄空学園へ」と「とりあえず澄空学園へ」⇒「今度は芦鹿島の海岸へ」の二つの組み合わせを選べばOKです。 最後の91は、タイトルメニューより Extra Story ⇒ けいこくげきじょう。 コメントフォーム すごく役に立ちました -- PMC (2011-07-21 21 25 57) タイトル画面ってどう帰るんですか? -- ゲルマちゃん (2011-08-24 23 21 23) この攻略であってるんですか?良く分からないのですが・・・ -- アポロ (2012-08-29 16 03 26) 攻略が合っていれば良いんですが・・・実際のところどうなんでしょうか -- アポロ (2012-08-29 16 04 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/39.html
あやせ:お兄さん、実は相談が…。 京介:桐及のことか? あやせ:その…。アメリカに行っている間に、ああいうものを全部処分してしまえば…。 京介:いやぁそれはまずいだろ。ああいうものとはいえ、桐乃が大事にしているものだから。それに一応誰にも手をふれさせないようにすると約束したわけで…。 あやせ:そうですか。ならば、せめて、どんなものなのか見させてください。中身を見ずに批判してもしょうがないですから。お兄さんもそうおっしゃいましたよね。 京介:見せるぐらいならばいいのかもしれないけども…。単純に興味のない人間にしてみると、本気でつまんねーし、お前みたいなのがやったら不快感で卒倒しかねんぞ。 あやせ:耐えます。 京介:じゃあ、ひとつだけ約束な。なにがあっても桐及のコレクションには手をつけない。 あやせ:うっ…。 京介:どうなんだ? あやせ:わかりました。 京介:だったらこのノートパソコンに入ってるやつでいいだろう。 あやせ:自分のノートパソコンにそんな汚らわしいものを…。 京介:へ~ぇ俺変態シスコンですから(俺も損な役目だな)。 あやせ:おやさしいんですね。妹想いって点でははシスコンっていうのもまちがいじゃないのかも。 京介:(こいつ、やっぱりわかってるんだろうな。) あやせ:この「お兄ちゃんのパンツなんて盗んでないんだから」っていうのは、何なんですか? 京介:俺が知りたい。でももっとなぞなタイトルのゲームもある。こんなの買うためにわざわざ深夜にアキハバラにまでいって並んできたんだぜ。どうよ? あやせ:やっぱり、桐及に頼まれて。 京介:あぁ。深夜にならんで買ってきて、朝までつきあわされて、別れ別れになるエンディングになって、そしたら次の日桐及はアメリカに行ってしまった。どうにも複雑な気持ちだよ。 あやせ:…。 京介:でだ。まぁなんというのか。こういうゲームなわけで、シーンに入るとまぁああいうシーンがくるわけだから、その不愉快になったらやめてくれ。やり方は適当に選択肢をえらんでいけばいいから。 あやせ:ひとりでやるんですか? 京介:俺のほうも気まずいし、桐及にばれたら怒られる。 あやせ:これさせた時点で…。 京介:じゃあやめるか? あやせ:やります。 京介:そうか、じゃあ適当に。俺は今からちょっとコンビニいって、それから隣で勉強でもしてるから。なにかいるものあるか? あやせ:じゃあ、コーラとハーゲンダッツの抹茶。 京介:(すごいとりあわせだ)わかった。 下にいる母親に「あやせは、桐及の部屋の片づけをしにきただけ」と厳重に言い聞かせ、「もてるのね」などとからかわれるのをあしらいながらで俺はコンビニにでかけた。 コンビニにいって、すぐに帰るつもりだったのだが、赤城に妹の相談とかいってつきまとわれて、2時間ぐらいかかってしまった。あやせには、メールを入れておいたからまぁいいのだろうが…。そう思って家に帰ってみると家が大騒ぎになっていた。 あやせ:お兄さん…。大変なんです。何度電話かけてもつながらないし…。 京介:あわてて携帯電話をみなおした。たしかにあやせからの着信が入っている。 ちょうど俺の母親が救急車で運ばれて行くところだった。鍵をしめておれとあやせは救急車に飛び乗る。 あやせは、一安心したみたいで、でもなんだか様子がおかしい。目から光彩が完全にきえている。まあ事情が事情だけに むりはないが。 京介:いったいどうしたんだあやせ。 そりゃ、妹の友達が妹の部屋で妹物のエロげーをしていたら、そりゃ卒倒するだろうが)と、なるだけ落ち着かせるように、包み込むような声ではなしかける。今晩は親父に大目玉だなと遠くを眺める。 あやせ:私、言ってはいけないことを言ってしまったんです。つい、うっかりなんです。 京介:わかったから、落ち着いて。何を言ったんだ。 あやせ:いくら大事なものでも、持ってておかしいものは捨てるべきって。 京介:お前の気持ちはわからんでもないが、今一つ話がつながらない。 あやせ:そしたら桐及が…。そしたら、おばさんが倒れて。 どうやらゲームの中の話と、桐及の話がごちゃごちゃになっているようだ。でも 母親が倒れた理由につながらない。 救急隊員:どうやらお友達が意識不明の重体になったという電話がかかってきたみたいで、それで奥さんが気絶、この娘が通報したのだけれども、かなり混乱しているみたいで…。とにかくおちつかせてあげてください。 なんとなく、話がつながってきた。あやせは、自分がゲームの中のキャラクターに「ひどいこと」を言ってしまい、それで登場人物の一人が行方不明になってしまった。そこに意識不明の電話が入ったというわけか。 まず麻奈美に電話した。それから親父にも。まず、麻奈美には、母親の看病を。それから父親には桐及が意識不明になったかもしれないという話を伝えた。病院で、簡単に挨拶と手続きをすませたあと、すぐに麻奈美が来た。これでバトンタッチ。俺とあやせは、タクシーにのりこむ。 京介:そんなの偶然だよ。ゲームと現実は別だといつもいってるだろ?(とは言ったものの、これで2回目だ。頭では分かっていてもあまりいい気分はしない) あやせ:でも。 京介:お前がショックなのはわかる。でもお前は何も悪くない。そうやって、自分のせいにしても何も解決しない。ここから先は俺と親父でなんとかする。親父は警察官だから現地の警察とのやりとりだって、俺達以上にうまくできる。あとは現地の警察に任せるしかない。 あやせ:…。 京介:とにかく、お前は家に帰れ。 そう言って、俺はあやせと何度か押し問答をして、なんとかあやせを家に返す。あたりは突然の大雨だ。 家に帰ると親父がいた。親父は冷静沈着に情報を収集したみたいで、桐及が行方不明になった経緯を説明してくれた。まず、桐及が実は京都に練習試合にきていたということ、棒高跳びで失敗して、意識不明となったことなどを聞かされた。 京介:桐及のやつ…。まさか…。 親父:とにかく、俺は今日の最終便の関西空港行きになんとか乗り込む。今から行けばもう少し早いのに乗れるかもしれない。お前はここで電話番をしていてくれ。 京介:飛行機か…。 空を見てみると、雨がやむどころかどす黒い雲がどんどんあつまってくる。 京介:飛ぶかな…。 親父を送り出し、ひといき。自分でありあわせのものを集めて食事を作る。それから、麻奈美に電話して、母親が意識を取り戻したことを聞く。ただの気絶ときき一安心。あとでタクシー代を含めてお礼をするといって、一旦家に帰ってもらう。 麻奈美:家にいかなくっていい? 京介:そこまでしてもらうと悪い。 麻奈美:もうここまでしてるんですけど。 京介:いや、今日はひとりでいたい。 麻奈美:そっか…。わかった。 なにかひっかかるものがあったので、あやせがやりかけたゲームを見てみる。それで驚愕する。 競技はバスケと違えども、登場人物が意識不明になっているというわけだ。 京介:偶然というには出来すぎだ。 そのまま、スイッチを切ろうかとも思ったが、なんとなく切る気になれなかった。どうしても、このストーリーの結末が気になったので、黒猫に電話してみた。 京介:なぁ黒猫。オニパンというゲームがあるだろう。 黒猫:もう10時過ぎてるのよ。どうしてそんな辛気臭いゲームのことを。 京介:辛気臭いゲームって…。 黒猫:あのゲーム、泣き落としが安っぽいっていう悪評しか聞かないわ。最初のエンディングはどう転んでも別居というのもつくりが悪いし、それ以降はバタバタと死ぬらしいじゃない。 京介:死なない方法はないのか? 黒猫:さぁ。できの悪いゲームの妹なんて桐及といっしょで、さっさと死んででくれたほうが…はやく終われていいんじゃないの?あなただって好きでやってるわけじゃないんでしょ? 京介:なんだとてめー。黙って聞いていれば。 黒猫:なにまじになってんの…。 京介:桐及の友達がこれで遊んでいて、登場人物が意識不明になったと思ったら、桐及が意識不明というニュースが入ってきて…。 黒猫:…。 京介:(相当ショックだったのだろう。長い間が全てを物語っている)わかった。突然どなってすまなかった。桐及のこと、言ってなかったらそういうふうに反応するよな。俺もそのうち、桐及の見舞にいくから、そのときに、なにかあったら…。 黒猫:確か、どの時点からでも10回連続でその妹の好感度が最も高くなるよう選択肢を選び続けると、死亡フラグが折れるらしい。 京介:わかった、ありがとな。 さて、このゲームがそうとう縁起の悪いものだとわかった。頭では、たかがゲームとは知りながら。そういうことを考えているうちに寝てしまった。 ドンドンドンという音で目を覚ます。なんだもう1時じゃないか。 黒猫:お目覚めのようね。 京介:お前、どこから入った。 黒猫:さぁ。それより、お客さんみたいなんですけど…。 京介:こんな夜中に。 黒猫:雨の中さっきから30分ぐらいねばっているわよ。 京介:わかった。見てくる。お前はここにいろ。 黒猫:わかったわ。 そういって、黒猫はゲームを再開する。どうたら10回連戦というやつに挑戦してくれているようなのだ。 あいつもあいつなりに心配で、じっとしていられなかったんだろう。 ドアをあけるとあやせがいた。ずぶぬれで、悲惨な格好である。 京介:どうした。こんな時間に。 あやせ:どうしてもおちつかなくって。 黒猫:どうしたの、こんな時間に。 あやせ:お兄さん、あなたって人はこんなときに…。 黒猫:お兄さんが下手糞だから。 京介:こら、余計にこじらせるようなことをいう。 あやせは、絶望したような眼でこっちを見る。そして、走って逃げだそうとしたところに あやせは何かにぶちあたった。 京介:麻奈美じゃないか…。いったいどうしたの? 麻奈美:たいへんなの。さっきおばさまから電話があって、桐及が心肺停止なんだそうで…。 京介:なんだって? 黒猫:いや、さっき選択肢を間違えてしまって。すまない。 麻奈美:この娘たちは…。 京介:黒いほうが黒猫、白いほうがあやせ。二人とも桐及の友達だ。お前にはいってなかったが、桐及はちょっと変わったゲームが好きでな。そのゲームをあやせがしにきたところから、話がはじまるんだ。 麻奈美:いくらなんでも、それはないんじゃない? 京介:いや、それでたまたまなんだろうが、そのゲームで登場人物の一人が意識不明になったところで桐及が意識不明になったという連絡がきて。 黒猫:それで、さっき私が間違えて心肺停止にしてしまったら、心肺停止になってしまったというわけね。 京介:それで、どうして俺に連絡が…。 黒猫:さっきから電話なってたわよ。あなたは気づかなかったけど。 京介:…。 そこに、あやせがくしゃみをする。 麻奈美:まず、お風呂にはいろっか。洋服は桐及ちゃんのを探すから。 そうやって麻奈美はお風呂の準備をはじめる。 あやせは、毛布に身をくるみながら、恨めしそうに話す。 あやせ:なんで、この人がいるんですか? 京介:気がついたら家に入っていて、勝手にゲームをやっていた。信じてもらえんだろうが。 黒猫:この家のセキュリティーが甘すぎるのが悪いのよ。 あやせ:桐及かと思ったのに…。 どうやら、俺も気が動転していて鍵をあけっぱなしだったようだったのだ。 そこに黒猫が来て、やっぱり落ち着かなくって家をぬけだしてきたあやせが 黒猫の影が家に入るところを見た。それであやせは 「桐及の魂が最後のお別れを言いにきた」と勘違いしたみたいで、あせっていた ところに、「女」をつれこんでいたと勘違いさせるイベントが生じてといったところだろう。 黒猫:あと、3回失敗したらゲームオーバーってところかしら。いちおう心肺停止は脱出したんだけど、まだ自発呼吸が回復していない。ちょっと回復させて泣き落すシナリオに入ったというところかしら。 京介:じゃあ10回連続は無理? 黒猫:いや、一度最高の好感度を選択すると、最高の好感度を選択し続ける限り少なくとも10回は続くから大丈夫。 あやせ:何をはなしているの? 京介:こいつ、ゲームの続きをやっていてな、でも選択肢を間違えたらしく、あと3回最悪の選択肢を選んだら、バットエンドみたいなんだ。 黒猫:ちがうわ。3回のうち1回でも最良の選択肢を選ばなかったらThe endよ。 大きな雷鳴とともに停電が起こる。3秒後に回復。 京介:ゲームは…。 黒猫:大丈夫よ。ノートパソコンにはバッテリーがあるから。 あやせ:ふぁーーー。 京介:ゲームはゲームだ。落ち着け。 あやせ:なんで落ち着いていられるんですか? 京介:ゲーム何かで桐及がしんでたまるかっていうんだ。 黒猫:そうでもないわよ。一応私なりに調べてみたんだけども、かなり重要な分岐点となるシーンがあって、妹の枕元に何を置くかを選ぶんだけど、どこで調べても「オルゴール」が正解のはずなのに、オルゴールを選択した瞬間、心肺停止に。ほかの選択肢は 熊のぬいぐるみ、おにいちゃんのパンツ、そして、ピアスなんだけど。 あやせ:ピアス…。 京介:なにか思い当たる節があるのか? あやせ:そういえば、なにか、ピアスをものすごく大事そうにしていたような。 黒猫:今、似たような選択肢がきたわよ。 そこに麻奈美があらわれ、あやせを強引に風呂につれていく。あやせは必死に抵抗するもお風呂の中に。 コマンド> そういえば、ふと妹の声がしたような気がした。「私の何かを探して」といっていたような気がするのだが…。なんだったんだろう。 京介:答えはピアスってことなのか? 黒猫:いや、調べたところでは、このイベントはオルゴールのシーンで間違えた選択をしたときにあらわれて、正しくはオルゴールのはずなんだけれども。 京介:ピアスか…。そういえば、俺桐及のやつにピアスをあげたような…。 黒猫:この期に及んで妄想?それで、ピアスはどこ? 京介:もう選んだのか。心臓にわるいな。 黒猫:ゲームはげーむじゃなかったの…。 麻奈美:お夜食もってきたわよ。お医者さんごっこは進んでる? 京介はあわててゲームの画面をふさぐ体制に。どうやら麻奈美にやつ、医学系のゲームと勘違いしているみたいだ。 麻奈美:あやせちゃんがあがってきたら、これを一緒に食べて。 京介:わかった。 麻奈美:私にはみせられないゲームなんだよね。でも、なんかこれをクリアしないと桐及ちゃんは助からない。そんな気がして。 あやせ:まだ進めてないよね。 京介:今、ピアスの場所を探しているところだ。ピアスといってもいろいろあって、どれが大事なのかわからない。 あやせ:これ。 あやせは桐及の引き出しからピアスを取り出す。 黒猫:じゃあ、「机の引き出し」でいいわね。 あやせ:ピアスが一つしかない。 黒猫:こっちもよ。 京介:京介:なんだって? 黒猫:ものすごく一致してるわね。次の選択肢は、確か、そのピアスを抱きしめるでよかったはず。残りは3つよ。 京介:大丈夫なのか? 黒猫:私を信じて。 京介:次の選択肢はまだか? 黒猫:まだお話が続いてるわ。兄はそのピアスを箱ごと抱いて寝る。夢に妹が出てくる。妹が再び話しかける。 「私のピアスを探して」と。また来たわ。 あやせ:もう一つは桐及がもっているんじゃないかな? 京介:じゃあ、さがしようがないじゃないか? ふと気がついた。 京介:このピアス、俺があげたやつじゃないか。 黒猫:選択肢が出てきたわよ。 (1)確か、本棚の裏に大事なものといっしょに隠してある。 (2)馬鹿を言うなお前が持っているだろう。 (3)これは、もう片方は俺がもっている。 (4)とにかく、探すから待ってろ。 あやせ:2番目じゃないかな。 黒猫:わたしもそう思ったんだけど、どうして? あやせ:大事なものだったら、絶対に肌身はなさずもっているはず。 京介:じゃあ、なんで片方だけ? 黒猫:乙女心よ。 京介:なんだかわからないけどもわかった。ひとつだけつっけんどんなところも怪しいしな。 黒猫:なにこれ? 京介:どうした? 黒猫:好感度的には正しい選択をしているはずだけど、病態が悪化したみたい。 麻奈美:大変、また、桐及ちゃんがあぶないって電話がかかってきたわ。 京介:わかった。でもこのまま続けよう。 黒猫:ありえないわ、このゲーム、文字入力は最初の名前決定しかないはずなのに? あやせ:どうしたの? 黒猫:妹が持っているほうのピアスに彫りこまれた文字を書けって。 京介:俺たちがもっているほうにはなんて書いてある。 あやせ:K.Kだけど。わかったわ。私が入力するからみんな見ないで。 京介:わかった。お前を信じよう。 黒猫:はやくしなさいよ。 あやせ:終わった。 黒猫:今回もセーフみたいね。今度は何が来るかしら? 京介:できるかぎり穏便なのを頼む。あと、ひとつなんだよな。 黒猫:話がはじまったわよ。 妹:昔ね、おにいちゃんが「本当に好きな人に、自分のイニシャルと、相手のイニシャルを書いたピアスを渡すと愛が成就する」って話をしてくれたんだ。 兄:そう、だったっけ。 妹:でも、そのピアスをあげる相手は私じゃないって言ってた。なんかちょっと悔しかったんだ。 麻奈美:そういえば、京ちゃんそんなことを昔いってたような気がする。 京介:そうだったっけ。でも、このピアス、を買った成り行きとか、ぜんぜん計画性なんかないんだぜ。 麻奈美:ひょっとしたら運命なのかもしれないわね。 妹:私と、その人どっちが好き? 黒猫:選択肢が来たわよ。 麻奈美:画面、みないから、京ちゃんが選びなよ。 京介:俺が選ぶのか? 麻奈美:京ちゃんしかいない。 あやせ:がんばって。 黒猫:たかがゲームよ。 京介:わかった。 それから、俺はマウスを握り…。 すざまじい雷鳴がとどろく。と同時に俺の意識が遠のく。 それから…。 体中に猛烈な鋭い痛みを感じる。 京介:いたたたた。 桐及が俺をけっている? 俺は寝ぼけたまなこをさすりながら、桐乃に抱きつく。 京介:桐及、生きていたのか…。 と思ったら、幻だった。そこには桐及ではなく父が立っていた。 うげっ父親に抱きついてしまったよ。 父:桐及はもう大丈夫だ。今、母さんが看病している。こっちに帰ってくるのはもう2~3週間後になる。それはそうと、 新垣さんの家から、苦情がきているぞ。あと、田村さんのところからも。2日間も家に帰さんとは、なにを誤解されてもしかたがない。 京介、麻奈美、あやせ:2日? 黒猫:あら、そんなにたってたの?気付かなかった。 俺たちが意識を失ってからそんなに時間がたっていたのか。 京介:おい黒猫。ゲームは。 黒猫:微妙なエンディングね。何故か父親に主人公が殺されかけている。 京介:…。なんというリアリティー 父:お前は妹が大変な時に、年頃の娘3人もつれこんで、いかがわしいゲームをしていたのか? 京介:なんといっていいのか…。 麻奈美:ちがうんです。このゲームは…。 桐及:聞きたくない。 あやせ:信じて 。 黒猫:みんな桐及心配して、ここに集まっていた。このゲームの登場人物と別れ別れになったら桐及がアメリカに行って、死にかけたところで桐及が死にかけたから、せめてゲームだけでもグッドエンドにしたいと。 父:君は。 黒猫:高坂先輩の後輩です。よろしくおねがいします。 それから、俺たちは父親に事情を説明し、桐及の状態とこのゲームがものすごくよくリンクしていたこと、 それでほっておけなくなって、なんとかグッドエンドに導こうと努力したことを説明した。 父:事情は呑み込めた。気持はよくわかるし、情状酌量の余地はある。ただ、どうやって説明するんだ?田村さんのところはともかく、新垣さんのところは。 あやせ:私が桐及の部屋でなきじゃくってどうしようもなくなって、みんなでなだめていたというのでは。 父:まぁ勝手にしろ。あと、京介。事情はあったにしても、無罪にするわけにはいかない。3か月間、お小遣いなしだ。まぁ、大学に受かった後まで執行猶予をつけてやるが。 京介:へーい。 黒猫と麻奈美は勝手に自分で変えるということになった。帰り際に黒猫に質問した。 京介:お前、親とか大丈夫なのか? 黒猫:人間風情の心配することではない。 京介:お前、高校ではそんなキャラじゃないだろ?先輩として聞いているのだ。 黒猫:今はお盆だから、夜から祖父母宅に家族で行こうということになったんだけど、なんとなく気が乗らなかったので行かなかったとでも言っておけば信じてもらえるかしら。 どうやら、でかける寸前でわざわざ家族旅行をキャンセルして桐及のためにかけつけてきてくれたらしい。ありがとな、黒猫。 黒猫:まあいいわ、私の書いた漫画、人間に理解ができるかどうかわわからないけども、一応売ってみるから、コミケ手伝って? 京介:わかったわかった。 そうのこして、黒猫は消えるように立ち去って行った。 残りはあやせだけか。どうしてもあやせにききたいことがあったんで、単刀直入に聞いてみた。 京介:結局ピアスの名前ってなんだったんだ? あやせ:それは、ご自分でたしかめられては?あと、私もコミケ、行っていいかしら。 そういうと、あやせはわらって、 それから両親につきそわれて帰って行った。 ここにいなくても俺たちをほんろうし続ける俺の妹。 お前はつくづく大物だよ。 そうおもいながら、桐及からの電話を取る。 桐及:おにいちゃんっ 京介:なんだよ。 桐及:おにいちゃん、わたし、うれしかったんだから 桐及は上目づかいが瞼によぎる。 京介:… 桐及:またひっかかったわね。こうやってあやせや黒猫や地味子相手に鼻の下伸ばしてたんでしょ? 京介:全部知ってるんだな。俺たちがお前の回復を祈っておにパンしていたことも俺がどれだけ心配してたと。 桐及:わかってるって。お前シスコンだもんな。 京介:違うって。 桐及:まぁそういわずに、帰ったら、おにぱんの続き。 京介:もう妹ゲーはこりごりだ。 桐及:あと、今年もコミケよろしくね。 こうして、俺は、 桐及、黒猫、あやせをつれてコミケ+秋葉原に行くことになるのだが…。 これが大波乱につながるとは思いもしなかった
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1855.html
【前編】 六月の上旬。俺は、馴染みの本屋に向かって歩いていた。 俺、和泉正宗は先日。 妹に、三百ページにも及ぶラブレターを贈り。 『私、好きな人がいるの』 振られた。 胸を抉られたかと思うくらいの痛みだった。 その代わりと言ってはなんだが、俺には夢ができた。 でっかい、でっかい夢だ。 俺は、この夢のために、これから〝究極のラノベ〟ってやつを完成させなきゃならない。 …………んー。 なんだか締まらないな。 よしっ。少しだけ先人の真似をして、自己紹介をしてみるとしよう。 俺の名前は和泉正宗だ。高校一年生、十五歳。妹と、二人暮らしをしている。 妹の名前は和泉紗霧。十二歳。地球上に存在する生物の中で、最も可愛い生き物だと思ってくれればいい。 俺と紗霧は血がつながっておらず、つい最近までは、話すこともままならない関係だった。 紆余曲折を経て、最近は少しだけ会えるようになったけど。 ちなみに俺は高校に通いながら働いている。さっきもちらっと言ったけど、いわゆるライトノベル作家てヤツだ。この前、無事完結までこぎつけた『転生の銀狼』は、俺の代表作であり、唯一のシリーズ完結作でもある。 うん。もう、わかったと思うけど、俺の作品はそんなに売れている方じゃない。 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる精神で小説を書き、その中のひとつである異能バトル系作品『転生の銀狼』がそこそこ売れてくれた、というのが現状である。 こんな二流作家の俺だが、小説を速く書く能力(面白いとは限らないが)だけはあるようで、俺の執筆速度に『超速筆(スピードスター)』なんて名前をつけたバカがいるくらい書くのが速い(らしい)。 しかし、俺は、手に入れたでっかい夢のために速筆を封印し、ペースダウンの恐怖と戦う決意をした。 究極のラノベを完成させるために。アニメ化するくらい、売れてもらうために。 というわけで。 本日もネタ出しのため、クラスメイトの実家である『たかさご書店』へと足を運ぶ俺であった。 「さーて、今日のオススメコーナーはどうなってんのかな?」 もしかしたら、俺の出した小説が目立つ場所に置かれてないかなー、なんて期待を持ちつつ、本屋の看板娘・智恵のオススメコーナーを見て回る。 「くそっ! 今日もダメか! たまには俺の本を目立たせろっての!」 俺が、自分の出した小説たち(自分の子供のようにかわいい)を嫌がらせのように平積みコーナーへ並べていたとき。 「あ……これは」 俺が手に取ったのは、懐かしの『妹空』だった。 俺が小学生くらいのときに爆発的なヒットを記録した作品で、もともとケータイ小説からの移植作だったはずだ。アニメにもなっている。 シリーズ化してたら絶対に伝説になった作品だと思うのだが、理乃先生(たしか当時、女子中学生だったはず)の突然の引退により、『妹空』は二作しか世に出ていない。何気に俺の大好きだった作品だ。 さすが智恵、これをチョイスするとは。 ぱらりとページをめくる。 と。 「あっ! 妹空じゃん! なつかしーっ!」 という、声が隣から聞こえてきた。 隣を見る。 「――――」 めちゃくちゃ綺麗な、茶髪ロングの女の子が『妹空』に手を伸ばしていた。 いや、もうびっくりしたね。見たことないくらい、超美人。 たぶん、俺と同じくらいなんだろうけど、メイクのせいか年上にも見える。十五、六歳くらいかな? 顔が整ってて、スタイル抜群。まるで、モデルみたいな感じだった。 しかも! さっきからスッゲーいいにおいが漂ってくんの! あまーい香りが…………すんすんすんすん。 やばいこれ……においだけでドキドキしてきた…………なんとかして、エロマンガ先生にこの娘を元にした、えっちなイラストを描いてもらえないだろうか。ぜひとも見たい! ……まさか、この世にこんな可愛い生き物が存在していた――――――はっ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! ち、違うんだ! これは、たとえ話であって! 決して、紗霧が可愛さで負けたことを認めたわけじゃないっ! 隣の女の子が! とてつもなくエロ可愛いことは認めざるを得ないが! この地球上に存在する生き物の中で、最も可愛いのは紗霧ただひとり! 「うわあああああああああああああああん! ごめんよおおおおおおおおおおおおおお! 紗霧いいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 バン! バンバンバンバンッ! 俺は、一瞬でも可愛さの優劣を書き換えそうになってしまった自分が許せず、涙を撒き散らしながら本棚を叩き、これ以上ないほど激しく後悔した。 「えっ……どうしたんだろ……」 「こっち来とけ」 ぽかっ! 「痛って!」 「こらこら! 他のお客さんの迷惑になるようなことは慎んでください!」 俺の後頭部を小突きやがったのは、クラスメイト兼看板娘の高砂智恵だった。 「他のお客さんドン引きしてるよ?」 周りを見渡せば、俺の奇行に冷ややかな視線が集まっていた。 「なんということだ…………自責の念にとらわれ、我を忘れてしまっていた……」 ここが風の谷なら、俺の眼は、いままさに、赤から青に変わっていったことだろう。 「正気に戻ったなら、キミの涙と鼻水が付着したその本、ちゃんと買い取っていってね」 俺の手に握られていたのは、懺悔の涙を吸収した『妹空』である。 「はい……」 「あと、その売れない本も元の場所に戻しておくこと」 「くっ……!」 購入の約束をさせて、智恵ははたきをぱたぱたさせながら去っていく。 うう……この本もう持ってんだけどなぁ。 サイン本ならともかく、すでに持っている本の二冊目を買うのはちとツライものがある。 涙をそでで拭って顔を上げると、さっきの綺麗な女の子を、背中で庇うように立っている男性の姿が視界に入った。二十代前半くらいだろうか。 危険人物を見る目で、俺を見据えている。 ひょっとすると、俺が変質者だと誤解されているのかも。通報されないうちに謝っておいた方がいいかもしれない。 「えー……この度は――」 「その本、買ってくれるの?」 「えっ?」 俺の眼前に立ちはだかる男性の背中から、ひょこっと顔を出しながら、後ろの女の子が聞いてきた。 「え、ええ、まあ……汚しちゃったし」 「ふーん、そかそか」 女の子はこくこく頷き、 「ふひひっ、それマジで神作品だから、買って損はしないと思うよ!」 「おい、知ってるか? おまえの行為を、世間ではステマというらしいぞ」 絶妙のタイミングで、男性がツッコミを入れる。しかし意味はわからない。 なぜ、ステマという単語が出てきたのか、俺が知ることになるのは、もう少し先のことだ。 「神作品なのは、ホントのことじゃん。あんたも読んだでしょ?」 「俺には、ヒロインがクソビッチだなァ、という感想しか出てこないのだが」 「はぁ!? なにそれ!」「そんなことありません!」 二人の言い合いに、俺も、思わず参加してしまっていた。 驚いた様子で、男性が聞いてくる。 「……もしかして、この作品読んだことあんの?」 「はいもちろん! 俺、理乃先生の大ファンなんです!」 「へぇ…………そっか。よかったな、桐乃」 目の前の彼は、嬉しそうにそう言って、ごく自然な動作で、隣にいる彼女の頭を撫でた。 「ん。……へへ」 心地よさそうに、頬を染める彼女。 なんだ……この圧倒的なリア充オーラ……クソッ、クソクソクソクソ! ちくしょうめ! むかつくぜぇ! 特にこの男! 綺麗な彼女を見せびらかしてんのか、ああん!? つーか歳離れすぎだろ! どう見ても、二十代前半と中高生カップルじゃねーか! 犯罪だぞこのやろう! テメーなんか通報されて滅びてしまえ! なんて、思ってないよ? ほんとに。これっぽっちも。悔しくなんかないんだからね。 ゴホン――と、ところで……何がよかったというのだろうか? ひょっとして、この娘も理乃先生のファンなのかな? だとしたら聞かねばならんだろう。同士かもしれないんだから。 俺はおっかなびっくり、尋ねてみる。 「……も、ももも、もしかして、理乃先生のファンなの?」 声が震えてしまった! でもしょうがないじゃん! こんなモデル系の美少女と話す機会なんていままでなかったんだから! 俺の質問に、彼女はわずかに逡巡し、こう言った。 「えっ? ん~……ファンってゆーか、あたしが作者、みたいな」 「へ?」 素っ頓狂な声が出てしまったのは、彼女がとんでもない答えを口にしたからだ。 俺はしばらく口をぽかーんと開けて、呆然とするしかなかった。 「おい! ……おまえが作者だって言っていいのかよ」 小声で、男性が問いただす。 「まぁ、いーじゃん。昔の作品なのに、ファンだって言ってくれてるんだし。スゴくない? いまだに、妹空のファンがいるってことなんだよ?」 「そりゃ、まぁ、そうかもしれんが……謎の元美少女中学生作家、って方がよかったんじゃねーの?」 「元を付ける場所が違うッ」 ギュッ、と、彼の頬をつねる彼女。 「いや、語感の問題でだな――」 そこで、ようやく俺は言葉を発することができた。 「り、りりり、理乃先生なんですかっ!? あ、あなたが!?」 同い年くらいの女の子に、おもいっきり敬語を使ってしまった。しかし、それほど尊敬している相手だった。 ていうか、彼女が本当に理乃先生だったとしたら、当時中学生というコトは、えーと……あれが発売されたのが五、六年前だから……。 俺が女性に対して、失礼な年齢計算をしていると、 「うん。そうだよ」 屈託のない笑顔で、彼女はそう答えた。 ほ、本物なんだ……。本物の理乃先生が目の前にいる。 てかっ、見た目、若っ! 完全に同年代だと勘違いしてしまってたぞ。 あぶないあぶない。失礼なことを言う前に、気付けてよかった。 感激と興奮が最高潮MAXに達した俺は、思わずこんな台詞を吐いてしまっていた。 「サインください!」 「うおおっ…………あ、ありがとうございます!」 サイン本には丸っこい字で、『きりのきょーすけふたりはラブラブ』と書かれている。 変わったサインだなあ。 「いえいえ、どういたしまして」 「よ、よければ、握手なんかも……」 完全にファンの心理である。 綺麗なお姉さんの肌に触れてみたい、とか! すべすべしてるんだろうなー、とか! 握手してもらったら一生、手ぇ洗わないぞ、とか! やっぱりいいにおいするなー、とか! そんな下心は一切、ない! と! 俺は、声を大にして主張する! 勘違いしないでよね! しかし、そんな俺の主張は、京介さん(さっき教えてもらった)の発した言葉で杞憂に終わる。 「ごめんな。こいつ、人に触れられるのがすっげぇ苦手でさ、握手とかは遠慮してもらえるかな」 「あっ、すんません……調子に乗りました」 「いやいや、そこまで気にしなくていいぜ?」 優しい物腰だったが、有無を言わせぬ迫力があったので、結構ビビッてしまった。 でも、さっき、京介さん、理乃先生の頭撫でてなかった? すごい気持ちよさそうだったような……。 …………あ、なるほど。得心がいった。京介さんは、理乃先生の彼氏だからだ。だから、彼女のことは他の男に触らせたくない、ということだな。 ふんふん、気持ちはわかる。若干、独占欲が強すぎるような気がするけど。 俺だって、大好きな紗霧が他の男に触られたりしたら、発狂してのたうちまわりながらショック死する自信があるからな。うん、そういうことなんだろう。 というか、憧れの先生のサイン本が手に入っただけでも十分すぎる幸運だ。 俺はサイン本を大事に抱え、 「本当に、ありがとうございました。実は、俺も作家やってて……つっても、そんなに売れてはないんですけど。今日のこと、スゲー感激です」 「へぇ、どおりで。はしゃいでたわけだ」 と、京介さんが言った。 「いやー、お恥ずかしいです」 テンション上がりすぎちまったみたいだ。 そこで、理乃先生が聞いてきた。 「なんていうタイトル? もしかしたら、知ってるカモ」 「えっと……」 俺は、思わず言いよどんでしまう。だってさ、元とはいえ、こんな大作家先生の前で自分の作品のタイトルを出すなんて、どう考えても自殺行為じゃねーか。エゴサーチどころの騒ぎじゃないぞ。……まあ、たぶん知らないとは思うけど。 けれども、もし、知られてて『あー、あのクソつまんない作品の』とか『ぶっ殺そうかと思った』なんて言われちまった日には、立ち直れそうにない。 いやっ、よく考えてみろよ、俺。仮に、酷評されたとしても、これはチャンスなんじゃないか? だってさ、大作家先生からの生評価(知っていればという前提だが)をいただく機会なんてそうあるもんじゃない。 それに、理乃先生は、たったの二巻という超短期シリーズでアニメ化してるんだ。何か、ヒントになるような感想をいただけるかもしれないぞ。 そういう打算も込みで、打ち明けてみよう。がんばれ、俺! 「……『転生の銀狼』ってタイトルなんですけど」 「えっ、マジで!? あれチョーおもしろいよね!」 「え……俺の作品知ってるんですか?」 「うん! 全巻、三冊ずつ持ってるよ! ていうか、その作品書いてるってことは、和泉マサムネ先生ってことだよね?」 「そ、そうです!」 「スゴー! あたし、超ファンなんだあ!」 なんってこった…………俺の尊敬する先生が、和泉マサムネ(俺のP・Nだ)の作品のファンだったなんて……。 しかも、三冊ずつ買ってくれてるとか……。 もしかすると、この人は女神なのかもしれない。 「内容もおもしろいんだけどさ。特に! エロマンガ先生のイラストが、チョーヤバイよねっ」 「やっぱわかります!?」 俺は喰い付くように、問い返した。 「うんうん! ぺったんこの女の子が超エロかわいいってゆーかっ! ひもぱん穿いてる女の子がマジ萌えるってゆーか! へへ……いいよねえ」 俺の相棒のイラストが……エロマンガ先生のイラストが、褒められている。これほど嬉しいことはない。 何を隠そう、エロマンガ先生の正体は、俺の妹・紗霧なのだ。 妹のことを褒められて、嬉しくない兄貴なんているわけがない。 ――あとから考えてみても、なぜこのとき、この人たちに話してしまったのか、俺にも答えが出ないのだが。 気が付けば、俺はこう言っていた。 「実は、俺の作品のイラストって、俺の妹が描いてるんです」 「へえ……妹と二人暮らしか」 京介さんが神妙な顔で言った。 俺たちは、いまなぜか、我が家に向かって一緒に歩いている。 どうしてこういう経緯になったのか、ぶっちゃけ俺にもよく分からない。 強いてあげるとすれば、 『ちょ、エロマンガ先生が、マサムネ先生の妹ってマジ!? あんなエロいイラスト描いてるのに!? てかっ、妹さん可愛いの!?』 『めちゃくちゃ可愛いです!』 このやり取りからおかしな流れになったような気はするんだが……。 「着きました」 「お、二人暮らしのわりには、結構デカイ家だな」 「俺も、常々そう思ってます。どうぞ」 二人を招き入れ、リビングへ通す。 適当に座ってもらい、飲み物を用意していると、理乃先生が鼻息荒く聞いてきた。 「ねぇねぇ! 妹さんは? いないの?」 「いや……いるにはいるというか、常にいるというか、いない時間はないというか……」 と、そのとき。 どん! どんどんどんどん! いつものように天井が揺れた。 「ゆ、床ドン……だと」 京介さんが驚愕の表情を浮かべながら呟く。 俺は、苦笑しながら答える。 「まあ、ご覧の有様です」 「もしかして……おまえの妹、引きこもり、なのか?」 「はい……いまのはたぶん、お菓子が切れたから持って来い、って呼び出しかな」 紗霧好みのお菓子を用意しながら返事を返す。 「大変なんだな」 「そうですね。部屋から出てきてくれないのは大変ですけど、でも、苦じゃありませんよ」 「……そっか」 そう言って京介さんも苦笑した。 と。 「ええっ――! それじゃエロマンガ先生に会えないってことじゃん!」 理乃先生が立ち上がって叫ぶ。 そして、 「なんとかして」 驚きの無茶振りを、京介さんにお願いした。 「……無茶言うなよ。引きこもりを克服させることがどれほど大変か、俺は身をもって体験してるんだぞ?」 なにっ! マジか! この人も、引きこもりの人間を改善させた実績を持っているというのか! ていうか、俺の意見は? 兄である俺の意見はカンケーないんですかね? まず、俺に、承諾を得るべきなのではないでしょうか? 俺の意思などおかまいなしに、二人の言い合いは続く。 「だから、アンタに言ってるんじゃん? 櫻井さんのときみたいに、京介ならなんとかできるでしょ?」 「いや、あいつは引きこもりっつっても、ただのサボり魔に近かったしなあ。今回のガチヒッキーのケースとは、さすがにわけが違うと思うぜ?」 「それでも! なんとかしてあげて! 部屋から出てこられないなんて……かわいそうじゃん」 このとき、俺はこう思った。ああ……やっぱりこの人は『女神』なんだって。一文字違いの『めぐみ』という、腐れビッチとはわけが違うって。やつは真のビッチだ。 理乃先生の慈愛に満ちた表情を見た京介さんは、少し照れくさそうな笑顔を浮かべ、困ったように頬をかいた。 「ったく……やれやれ、しょうがねーな」 そして、まるで『やれやれ系主人公』のようにぼやくと、すっと立ち上がり、俺の肩に手を置いてこう言った。 「和泉くん――俺に任せろ」 【中編】 会って間もない人物を、なぜ、こうもたやすく信用してしまったのか。 それは―― 『俺に任せろ』 この一言から、信ずるに足る『何か』が、伝わってきたからなんだろうな。 普通のやつに、こんなことを言われたところで、絶対に信用していない。 むろん、妹の部屋に案内することもなかったはずだ。 だけど、俺は、この人を信用することにした。 ということで。俺は、俺以外の人物が足を踏み入れたことのない、妹の部屋へ二人を案内する。 二人を、二階へと誘う――『開かずの間』へ。 「ここか」 「はい……でも、京介さん、たぶん開かないと思いますよ?」 俺でも一年かけて、ようやく開けることができたのだ。 この固く閉ざされた扉を開けることは、誇張抜きで容易ではない。 「へっ……任せとけって言ったろ」 京介さんはニヤリとキバを剥いて笑う。 そして、扉の前に立ち、こんこんと軽くノックをする。 「おーい、おまえの兄貴が会いたいって言ってんぞ。ここ開けてくんねぇか?」 なんとも普通の手段だった。この程度で開くわけがない。 ……あのとき感じた、なんともいえない力強さのようなものは、やはり、俺の勘違いだったのか? と、俺が内心ガッカリしていたときだ。 ガンガンガンガンガンガンッ! 「おーい! いるんだろ! さっさと開けろって!」 「ちょ! なにしてるんですかっ!?」 なにしてんのこの人!? いきなりドアをこれでもかって勢いで叩きはじめたよ! 俺は咄嗟に、腕を掴んで止める。 「うっせぇな、俺に任せろって言ってんだろ」 「まかせらんねーよっ! 真面目にやってください!」 「和泉くん、俺は……いつだって、大真面目だぜ!」 無駄にカッコよく決め台詞を叫び、さらに強くドアを叩き始める京介さん。 ドンドンドンドンドンドンドンドン! 駄目だこの人! 完全に人選ミスだった! もうやめて! これ以上、妹を追い詰めないで! 紗霧の心が壊れちゃう! 引きこもりにとって悪魔の所業だよこれ! この人、アタマおかしーんじゃねーの!? そのとき、カチャっと、わずかに扉が開いた音が聞こえた。 ウソ……開いた? あ、でもやばい……このままだと、京介さんの顔面にドアが直撃する――と、思った瞬間の出来事だった。 勢いよく、バンッ! と顔面を狙ったドアが開く。 ガシッ。 「お、ようやく開けてくれたな」 「!」 まさか…………直前で受け止めた…………片手だけで…………こ、これが幻のドアキャッチ。 パジャマ姿の妹と、京介さんが対面する形になる。 「よう」 「だ…………だれ」 警戒心を剥き出しにしながら、紗霧が固まってしまっている。まさか、ファーストインパクトを回避されると思っていなかったのだろう、ジョイパッドを持つ手が、ぷるぷる震えてしまっている。 紗霧をじっと見つめる京介さん…………の隣から「むっはー! なにこれチョーかわいいんですケド! やば! この娘やっばーい!」という、危険な香りのする台詞が聞こえてきた気がするのだが、たぶん気のせいだろう。 「俺は高坂京介だ。キミのお兄さんの知り合いだよ」 「…………ぅ」 「ん?」 「…………ぅぅぁ」 赤面してパジャマの胸の辺りを、ぎゅっと掴む紗霧。 ヤバイ! 緊張がMAXになっている! このままだとあの凶器が! そう思ったときには遅かった。 まるで、スローモーションのように俺の目に映っていた。 ジョイパッドで京介さんに襲い掛かる、紗霧の姿が。 だが―― 「おおっと!」 「!」 避けた……! そっ、そんなはずはない! そう思ったのは、どうやら、俺だけではなかったようで。 「……っ……!」 ブンッ! ブンッ! と、大振りの全力攻撃を繰り返す紗霧。 「う……ぅぅッ! あたらないっ」 「お、おい! おまえの妹! 超危険人物じゃねーかっ! なんで初対面の相手に全力攻撃かましてくんだ!?」 すべての攻撃をかわしながら京介さんが叫ぶ。あててみろよ、とは言ってくれないんだな。 しかしそんなやり取りも長くは続かず、 「はぁ……はぁ……ぅぅ……ッ」 引きこもりの例に漏れず、すぐに体力の尽きた紗霧が息を切らして、ふらっと倒れそうになる。 「あぶねぇ!」 「さ、紗霧!」 倒れそうになった、妹を支えたのは俺ではなく、京介さんでもなかった。 「よっ、と」 「…………ぁ」 ギリギリのところで理乃先生が、紗霧の身体をふわっとキャッチしたのである。 この人たち……いったいどんな修羅場をくぐり抜けてきたんだ……? ひょっとして、バトル系の主人公なのか? 理乃先生が、天使の微笑で問いかける。 「大丈夫?」 「ん…………うん」 ふぅ~~~~………よかった。怪我はなさそうだ。 と。 「……いいにおい」 「えっ、そう?」 紗霧が理乃先生の胸に顔を埋めながら、においを嗅ぎ始めた。 こらこら、初対面のお姉さんをくんくんするんじゃないっ。育ちが疑われるじゃないか。 と、思ったのもつかの間。次の瞬間、紗霧がとんでもないことを言い出した。 「ねぇ……胸、見せて?」 「えっ! こ、ここで?」 「うん」 「「スト――――――――――ップ!!」」 俺と、京介さん、二人の魂が共鳴した瞬間だった。 初対面のお姉さんに、いきなりストリップショーをおねだりする妹がいてたまるか! 「じゃあ…………いい?」 「えっ、えっと……なにがいいのかな?」 当惑して問い返す、理乃先生。 俺の紗霧語翻訳によると、『脱がなくてもいいから、おっぱいさわってもいい?』というところだろうか。 ということで、 「駄目だ!」 理乃先生に代わり、俺が答える。駄目に決まってます! 「…………てない」 「なんだって?」 まったく聞こえなかったので(俺の妹の声は、とてもか細いのだ)、紗霧の口元に近づいていくと。 ガンッ! 「いってええええええええええ!」 ジョイパッドで鼻っ柱をぶん殴られた! こんなの避けられるか! 痛みに耐えれず床を転げまわっていると、 「に、兄さんには聞いてない!」 いつの間にか、ヘッドセットを付けた紗霧から、聞き取れる音量の返事が返ってきた。そのすぐ近くから「うっひょーっ! 兄さん呼びキタコレ! じゅるっ!」という聞いてはいけないものが、聞こえてきた気がするのだが、たぶん、殴られた影響で幻聴が聞こえたんだろう。 さらに、追い討ちをかけるように、俺を見下す体勢でこんな罵倒がくる。 「へ、へんたい! えっち! ばか!」 「な、なんで、俺は妹にいきなり殴られた挙句、そんなこと言われなくちゃいけないの!?」 もうお兄ちゃん意味がわからないよ! 「い、いま、この人の胸に顔近づけようとした! だから兄さんはへんたい!」 「ち、ちちち、違ぇよ!」 俺は両手をブンブン振って釈明する。 妹は、ジトーっと俺を睨みながら、一言。 「うそつき」 「ほ、ホントに違うんだって!」 おまえの顔が、理乃先生の胸元に埋まってるから、そういう風に見えたかもしれないけど、違うんだ紗霧! だから、その蔑んだ目で見るのをやめてくれ! 死にたくなってくるから! はっ――! …………マズイ。これは、すこぶるマズイぞ。こいつが変なことを言い出したから、ひょっとすると、先生と京介さんにも疑いの目で見られている可能性がある……。 俺は、脂汗を手の甲で拭いつつ、そっと後ろを振り返る。 と―― 「キータキタキタキタキタァーッ! この兄妹、デレ度マジパねぇ! どう見ても最初からクライマックスです! ありがとうございました!」 「ふーむ、俺たちの物語とは、えらい違いだなあ」 なんか、すごい喜ばれてた。どういうこと? そんなこんなで、俺と京介さんは、現在待機中である。 紗霧のやつが、どーしても、理乃先生の胸を見たいというお願いから、男二人を締め出して、廊下に立たされているという状況である。 もう、何がどうなっているのか説明ができないカオスっぷり。誰かこの状況理解できるやついるの? 『ふにふに……やわらかい……それに大きい』 『きゃっ! ちょ、ちょっと紗霧ちゃん、ダメだってばあ』 『ぐぬぬ…………こいつめ、こいつめ』 『ひゃっ』 …………………………。 「中の様子が気になってしょうがない、って感じだな」 「はっ!」 気付けば、ドアに耳を押し当てて、盗み聞きをしてしまっていた! ち、違うんだ! これは俺の意思じゃない! くっ…………どこかに、俺の身体を操っているヤツがいる! 俺はそいつに抗えないだけなんだ……っ! まあ、そんな妄想はありえないのだが。 「それにしても、おまえら、仲のいい兄妹だな」 仲のいい兄妹。 初めて言われたこの言葉に、俺は、なぜか昂揚感を覚えた。 「そう、見えましたか?」 「ああ。俺たち兄妹が中高生だった頃より、よっぽど仲良く見えたぜ?」 「えっ、お二人って、兄妹なんですか?」 てっきり、恋人かと思ってた。全然、似てないし。 「あれ? 言ってなかったっけ?」 「はい、いま聞きました」 「うん、俺たちは兄妹だよ。あの頃は仲悪くてなあ」 仲が悪かったようには見えないけど。 思い出を、回想しているのだろうか。青春時代に想いを馳せる京介さんは、なんだかすごく大人に見えた。 きっと、兄妹には、兄妹の数だけ、特別な物語があるということなのだろう。 なぜか、そう感じさせる横顔だった。 そんなことを考えていたら、 ガチャ。 と、『開かずの間』の扉が開いた。 「ふわぁ……すごかった」 「大丈夫か、桐乃? おまえいま、なんとも言えない、恍惚の表情を浮かべているぞ?」 京介さんの言うとおり、なんとも形容しがたいのだが、エロ動画に出てくる女の人みたいな顔。 というのが一番近いと、俺は思った。 「さぎりん、マジテクニシャン。ちょーやばっ……うぅ~、もうお嫁にいけない」 「心配するな。おまえはすでに俺の嫁だ」 いや、俺の嫁って……兄妹では結婚できないですよね? えっ、できるの? まあ、その話は置いておくとして、さぎりんって……紗霧のことか? ほんのわずかな間にずいぶん仲良くなったものだ。 「…………ふ、ふふ」 手をわきわきさせながら、口の端を歪める紗霧。 なぜか少しだけ心を開いてるみたいだし、改めて理乃先生のことを尊敬してしまうな。 と、思っていたら。 「兄さん」 「お、どうした?」 「Dカップの描き方がわかった……これで勝てる」 「誰に?」 「ぺったんこしか描けないと、私を貶した兄さんに」 「あ、そう……」 まだ根に持ってたんだ。心が狭いなあ、俺の妹は。 「……ていうかさ、おまえ、ずいぶん、先生に心開いてんのな」 ちょっと、羨ましいぞ。 「だって……メルル好きって言ってたし……私の絵、かわいいってほめてくれた」 照れくさそうに、紗霧は言った。 こいつの嬉しそうな顔を見ていると、俺まで嬉しくなってくる。 「そっか……よかったな」 俺は妹の頭に手を伸ばし、 「さわらないで」 ぴしゃりと拒絶されてしまった。 「……はい」 もうダメ、俺、泣きそう。 「へへへっ、さぎりんにメルル描いてもらったんだよ」 と、自慢げに、紗霧が描いたというメルルのイラストを見せびらかしている理乃先生。 「おお……こりゃ、すごい」 紗霧のイラストを見て、感心したように唸る京介さん。 「この人が……桐乃お兄ちゃんの大好きな人?」 「ちょ、しーっ! さぎりん、しーっ!」 「むぐっ」 めちゃくちゃ焦って、紗霧の口をふさぐ理乃先生。すっごいナチュラルに触れ合ってるなあこの二人。 いや、それよりも気になったんだけど。いま、『お兄ちゃん』って呼ばなかった? 俺ですら呼ばれたことないんですけど……って、突っ込むところはそこじゃない気がするが、いまはさておく。 紗霧を解放した理乃先生は、ごまかすように咳払いをひとつ。 「コホン……それにしても、さぎりんの描いたイラスト、ほんとエロかわいいよね。さっすが、エロマンガ先生っ」 「そ、そんな名前の人はしらないっ」 「うっはー! 照れてる顔も超かわええー! 持って帰りたーい!」 二人のやり取りを見守っていた京介さんは、優しく微笑み、 「絵、上手いんだな」 ぽんと、紗霧の頭に手を置いた。 「ぅ…………うん」 って! おいっ――――! 「はは、かわいいなこの子」 「な、なななななな……っ!? わーわーわーっ!!」 うがああああああああああああああああああああ! なにやってんだキサマ! ぶち殺すぞ! 「…………ぅぁ」 紗霧ィィィィィィッ! おまえも赤くなってんじゃね――――よッ!! ざっけんなあ! 俺と京介さんの何が違うってんだ! クソクソッ! もしかしてあれか!? これが噂に聞く一級フラグ建築士とやらか!? 業深きS級スキルの持ち主なのか!? だとしても! ゲスト出演のクセに俺の妹にフラグ立ててんじゃねーよっ! こんの~~~~~~~~~~っっっ! ぬわあ――――――――ッ! 俺が一人でのた打ち回っているそのとき。 好き放題やってくれちゃった、京介さんに制裁の時間が訪れた! 「なにやってんのこのロリコン!」 「あ痛っ! な、なにすんだ!」 理乃先生に足を踏み潰された京介さんが、無様に飛び跳ねている。これほど心が晴れやかになったのは、人生で数えるくらいしかないくらい、スッとした。 「年下の女の子の頭撫でて、デレーっと鼻の下伸ばしてさ! 最っ~~~~低ッ!」 「いや、桐乃……ご、誤解だ。これには深いわけがあってだな……」 「は? なによ? 三十文字以内で説明して」 「いや、ここだけの話、俺の身体を操っている誰かがいるんだよ……」 「はあ!? チッ……うっざ! きっも! マジキモい! この期に及んで人のせいにするとかありえないんですケド! もう死ねば?」 散々罵倒を浴びせ、そっぽを向いてしまう理乃先生。 ……………………。 こ、これが、原初のツンデレというやつなのか……こんな罵倒から、デレを探し出さないといけないなんて…………恐ろしい時代もあったものだ。 も、もし、紗霧からこんなことを言われたとしたら―― 『ちっ……うざい』『きもちわるい』 『ほんときもちわるい』『さいてー』 『――兄さん、もう死んでくれる?』 うわああああああああああああああああああああっ! 死んだ! 死んでって言われる前から死んでた! 想像するだに恐ろしいっ! い、いまので軽く五回は死んだぞ、俺……。 で、でも、なぜだか自分でもよくわからないけど、ちょっぴり嬉しいような……気もする。 ツンデレ……なんという業深き属性なんだ。……これは、次回作の設定に使えるかもしれないな。 「兄さん」 妄想の世界に旅立っている俺を、現実に引き戻してくれたのは、いつの間にかそばに寄ってきていた妹だった。 「見て」 俺のそでを掴みながら、ペンタブで描いたイラストを見せてくる。 「ん? これは…………なんだ、これ?」 山が二つ、描いてあるような? なんだこりゃ。 「むっ…………」 紗霧は、俺の答えが気に入らなかったようで、むすっとしながら答える。 「Dカップ」 「あ、ああ……もしかして、胸、これ?」 「むぅっ」 「いや、なんでわからないの? みたいな顔されても……パーツだけ描かれたって、わかんねーよ」 しかも、なんだか抽象的だし。 俺が、そう言うと、紗霧はボッと真っ赤になりながら、わかりにくい絵を描いた理由を教えてくれた。 「だ、だって……ちゃんと描いたら……兄さんが私のからだで、え、えっちな想像……するから……」 「しねええええええええええよ!」 オマエはどうしていつも俺を変態兄貴に仕立て上げようとするんだ! 「うそ」 「いや! しないって!」 「うそだあ! ぜったいする!」 「しーまーせーんーっ」 「私が、ひもぱんを穿いてオシリを突き出しながら、Dカップに膨らんだおっぱいで兄さんを誘惑してるポーズを、ぜったい想像する!」 「さすがにそこまでは想像してなかったよ!」 こいつは、どこまでえっちな妹なんだ! 尋常じゃないぞ! 「……ほんとに?」 俺は、脳内に想像してしまった、Dカップ紗霧のえろい姿を一時封印し、マジメな顔でこう言った。 「いいか、紗霧。兄貴ってのはな、妹でえろい妄想なんてしないんだ」 「…………」 「ですよね、京介さん!」 俺は、同意を求めて話を振った。 当然、『当たり前だろ? 妹でエロい妄想をする兄貴なんて、この世にいるわけねーって』と。 返ってくるものだと、そう思っていたのだが。 しかし、京介さんは、 「お、おおう! そ、そそそ、そうだな! 妹で、エロい妄想なんて、す、するわけ……ないよな……」 「…………」 マジか……やっちまってんのか、アンタ。 なんだろう、いま、とても握手をしたい気分だ。 「うそつき。妹でえっちなこと考えてる人……いるじゃない」 しまった! 逆効果だった! 「ち、ちがうんだ紗霧! この京介って人は、若干、アタマおかしいんだけどさ!」 「おい!」 相変わらず、いいタイミングでツッコミを入れてくる人だなあ。しかし、それに構っている余裕はない。 俺は、妹の誤解を解かなければいけないのだから! 「それでも妄想止まりだよ、きっと! 実際に、妹にえっちなことなんて絶対しない! 兄貴ってのはそういうものなんだ」 「…………ほんとに?」 「当たり前だ。ですよね、京介さん!」 俺は、間違っていた。認識が甘かった。 この高坂京介という、男……いや、兄が。どれほどの変態性を持った兄貴であるのか。 現時点で俺は知らなさすぎた。知っているべきだったんだ、もっと早くに。 俺は、今度こそ間違いなく、肯定が返ってくると、『おいおい、なに言ってんだ。いくら妹でエロい妄想をしたところで、それを実行に移すような兄貴が、この世に存在するわきゃねーだろ』って、俺の求める答えが返ってくると、そう確信していたのに。 振り向いたときには、すべてが遅かった。 「………………」 「………………」 京介さんと、理乃先生は、目を合わせ、ぽっと頬を染める。 そして、 「………………」 「………………」 すっ、と、視線をそらした。 「紗霧、見てのとおりだ」 「兄さん」 「はい」 「うそついたの?」 「すいませんでした」 俺は、妹に頭を垂れた。 「「待て待てーい!」」 変態兄妹の声が重なる。 「勝手に話進めないでよ! あたしたち、別に、変なことなんて……し、してないかんね! ねっ、ねっ!?」 「お、おう! して……ないぞ」 なんてこった。こいつらガチだ。ヤバイぞこの兄妹。 「うそつき。妹とえっちなことしてる人……いるじゃない」 ぐはっ! くっ……想定外だったぜ……! この世にこんなぶっとんだ兄妹が存在しているなんて! ここから態勢を立て直せるのか……? クソッ……やるしかねえ! 「ま、待て紗霧! この人たちが、アタマおかしいのは間違いないけどさ!」 「おい!」 このツッコミのタイミング、あとで教えてもらいたいなあ。 いや! いま、そんなことを考えている余裕なんてないだろ、正宗! 「ひょっとしたら、この人たちも、血がつながってない兄妹かもしれないだろ?」 「……私たちみたいに?」 「そうだ!」 勢いに任せた、苦し紛れの推理だったが、そう考えればすべてが腑に落ちる。 二人が似てないこと、兄妹だけど恋人っぽいこと、大人の関係っぽいこと。 そうだよ。この二人も血がつながってない兄妹なんだ。 俺たちと似たような境遇で、好き合ってるってことなんだよ、きっと。 「紗霧! この二人も血がつながってないんだよ! だから、この人たちの大人の関係は何の問題もないはずだ!」 「あたしたち、血ぃつながった兄妹だよ?」 「まじすか!」 なんだよこれ! 四行分の考察が、完全に無駄なスペースになっちゃったじゃないか! 駄目だ……俺のツッコミスキルでは、もう、この事態に対応できないぞ。 そこで、理乃先生が突っ込んだ話を振ってきた。 「てか、あんたたち、血がつながってないんだ? てことは、さぎりんは、義妹ってことになるよね?」 「あ、まあ、そうなりますけど」 義妹か……現実で言われることになるとは――まるでエロゲーみたいだな。 「そっかそっか。にししっ、あんたたち、超イージーモードじゃん!」 「い、イージー? 義妹が?」 「まぁ、そうだな。桐乃が言ってるのは、俺たちに比べれば、って意味で言ってるんだろうけどさ」 そんな……イージーモードで、俺は振られたというのか……た、立ち直れないぞこれは。 俺は、実妹を攻略したらしい、鬼畜兄貴に問う。 「お二人は、血がつながっている兄妹なんですよね? ということは、難易度ベリーハードって、ところですか……?」 「いや、ベリーハードじゃないぞ」 京介さんは、あっさりと答える。 「え……? そうなんですか?」 「ああ、ベリーハードなんてもんじゃない。難易度…………ジェノサイドだ」 …………ああ、俺は恵まれてる方なんだな、と、このときはっきり理解した。 「へへ、よかったね。義妹モノは、妹が高校生になったら問題なくエッチできるし」 「ちょ! 先生!?」 火にガソリンを注ぐ発言はやめて! 「やっぱり……兄さんは、私のこと、えっちな目で見てたんだ」 「な、なに、言ってるんだ……そんなわけないだろ。俺は、おまえをそんなえろい目で見たことなんて、ない、ぞ」 「……………………」 「そ、それに、俺はおまえがどんなにえっちな妹でも、絶対バカにしたり……しないぞ?」 直後、紗霧は真っ赤な顔でプルプルし始め、大音量でこう叫んだ。 「ばか! ……兄さんなんて、大っ嫌い!」 そんな……いまのやり取りの中に、紗霧を怒らせるような会話が、いったい、どこに含まれていたというのだ……。 【後編】 現在、高坂兄妹を見送るため、玄関前で別れの挨拶をしている場面である。 「悪いな、和泉くん。力になれなくて」 「いえいえ、本来、あいつと会えたってだけでも、驚くべきことなんですよ」 これは、嘘偽りなく本当のことだ。 この、変わった兄妹から感じる不思議な魅力を、紗霧のやつも感じたのかもしれないな。 「そっか」 「がんばってね、マサムネ先生」 「……はい、頑張ります」 何を頑張れと言われているのか、なんとなくわかっていた。 「桐乃……俺たちが特別な関係とはいえ、他の連中に兄妹恋愛を推奨するのは違うだろ?」 「はいはい、わかってるって」 京介さんの最もな意見に、理乃先生はひらひらと手を振って、適当に答える。 「ったく……こいつは」 「はは……」 と、玄関先に出たとき。 「ふふふ、待っていたわよ。和泉マサムネ」 ロリータ服に身を包んだ、俺の同業者。隣の山田エルフ先生が現れた。 というか、玄関の前で立っていた。 「えっと……何してんの、おまえ」 「待っていた、と言ったでしょ。何度も言わせないで頂戴」 「あ、ああ」 いや、何のために待っていたのか聞いたつもりなんだが、どうやら相手に伝わらなかったらしい。てか、いつから待ってたんだこいつ。 「なんだか、エキセントリックな厨二の匂いを感じるね」 「同感だな。俺もそう思っていた」 ぶっとんだエルフを見ても、怖気づくどころか、冷静に分析している二人は本当に何者なんだろう。 そこでエルフも二人に気付いたようで、 「あら? そちらのリア充カップルは誰?」 と、聞いてきた。 「えっと、こちらの人たちは――」 「ふんっ、まぁいいわ!」 「いいのかよ!」 「いいわよ。どうせ、たいした登場人物ではなさそうだしね。わたしの人生に必要のない知識はいらないわ」 バッサリだなぁオイ。どう考えても、おまえより主役級の扱いを受けてそうな登場人物だぞこの二人。 エルフは高坂兄妹の紹介はいらないと言った代わりに、ふんぞり返って偉そうなポーズで頼んでもない自己紹介を始めた。 「わたしは山田エルフ。偉大なるアニメ化作家、いえ、大作家よ!」 わざわざ大作家と言い直しやがった。 「へぇ、こいつも作家なのか」 「えっ! この子がエルフ先生ってマジ!?」 「ええ、わたしがB級スキルの持ち主、山田エルフよ」 当たり前のように言ってるけど、おまえのB級スキルは世間一般常識じゃねーぞ。 「わあ、エルフ先生のサイン欲しいなぁ!」 「ふふん! 山田エルフのサインを欲しがるなんて、見た目はビッチのくせに、アンタなかなかわたしの偉大さがわかってるじゃないっ」 「おい、エルフ! あんまり失礼なこと言うなよ!」 理乃先生は、変態だけど女神なんだぞ! 「あら、まだいたの? 二流作家の分際で。わたしに話しかけたければ、最低でもアニメ化作家にランクアップしてからにして頂戴」 「ここは俺ん家の玄関だ! それに話したくて話しかけてるわけじゃねぇよ!」 「アンタ何様よ!」 おまえが何様だよ! って言ったら、『ふっ……偉大なるアニメ化作家様よ』と、返ってくるのがわかっていたので、俺は攻め手を変えた。こめかみを押さえながら、静かに言う。 「言っとくけどな……この人もアニメ化までこぎつけた、大作家先生なんだぞ」 「……なんですって……」 エルフの顔色が変わる。どうやら、同じ土俵に立つ人間が、目の前にいるとは思ってなかったようだ。 当然、エルフは、こんなを質問してくる。 「タイトルと……P・Nは?」 その表情には、わずかに焦りの色が滲み出ていた。 こいつ、もしかしたら、ワンピースみたいなモンスター作品の作者が目の前にいる――とか、考えてるのかもしれない。 さすがに、そこまでじゃないぞ。だから、親の仇を見るような目で、理乃先生を睨むのをやめろって。 「この人は、『妹空』の作者、理乃先生だ」 「なっ!?」 「えへへ……理乃です」 ぽりぽり頭を掻きながら理乃先生が自己紹介すると、 「…………………………ぷっ」 このクソ女、鼻で嗤いやがった。 「『妹空』ってあれでしょ! あの子供が書いたような作文、いえ、駄文の!」 「むっ」 「小説の体を成してすらいないケータイ小説(笑)の、あの駄作が、どうしてアニメ化にまでこぎつけたのか不思議でしょうがなかったのよね。ひょっとしてあんた、制作会社のやつらにカラダでも売ったの? ふんっ、見た目どおりのビッチね!」 「おいてめえ!」 やっぱこいつはゴミだ! 作家うんぬん以前の問題だぞ! 俺も山田先生のファンではあるが、エルフは間違いなくクズだ! と。 俺が、エルフの肩を掴んで黙らせようとしたそのとき。 「ちょっと、いいかな」 黙って成り行きを見守っていた京介さんが、一歩前に出た。 「なによアンタ。見るからに、同じ台詞しか登録されていない村人Aのモブキャラの分際で、アニメ化作家であるわたしに、気安く話しかけないでくれる?」 「酷い言われようだな……。でも、まぁ、俺のことはなんとでも言ってくれていいよ。だけどな、いま、こいつに言ったことは取り消してくんないか?」 「は? あんたも妹空信者ってクチ?」 「違うよ。俺だって、こいつの作品の良さは理解できないし、なんで売れたのかすらわからない」 「ふんっ! ほら、みなさい」 「でもな……こいつが一生懸命書いてたことは、俺が一番よく知ってる。それを、知りもしねーで、偉そうなこと言ってんじゃねぇよ」 いま、目の前にいる京介さんは、さっきまでのやれやれ系主人公の面影はなくなっていた。 そう。まるで――『妹』を護る『兄貴』のような……俺が目指している兄貴の姿が、そこにはあった。 「な、なによ、リア充風情が偉そうにっ!」 さすがのエルフも、本気を出した兄貴の剣幕にたじろいでしまったようだ。若干、涙目になっている。 「エルフとか言ったか……逆に聞かせてもらうが、おまえが桐乃に勝っている部分がどこにあるというんだ?」 「は、はあ!? い、色々あるじゃない!」 「たとえば?」 「……顔、とか……」 「プッ、ねーよ」 鼻で嗤い返した! 自分の妹が、世界で一番可愛いという確信を持っていなければ、普通はできない芸当だぞコレ! これにはエルフも相当なダメージを受けたようで、 「な、なんですってぇ!?」 ゆでだこみたいに真っ赤な顔で、怒りをあらわにしていた。 「百人に聞いたら、二百人が桐乃の方が可愛いと答えるね!」 「なっ……! この世には、そ、そんな数式が……!?」 どこの世界にもそんな数式はねぇよ。真顔で信じるな。これだから小卒はバカだというんだ。 「くっ……じゃ、じゃあ、三百歩譲って、容姿は引き分けとしましょう!」 「三百歩譲ったところで、桐乃の圧勝だけどな」 「お黙りなさい!」 「へいへい」 なんだか雲行きが怪しいな……不毛な争いになってきたぞ。まるで、小学校低学年レベルの争いだ。 ……止めるべきなんだろうか? でも、続きが気になるという気持ちもある。 ので。 俺はあえて見守ることにした。 「いい? 何を隠そう……ふふっ、わたしには、料理上手という女の子らしい才能があるわ! わたしと付き合ったら、毎日、美味しいお弁当を作ってあげるわよ!」 エルフよ、それは自慢ではなく、告白だ。大丈夫か、この女? しかし、エルフの告白を受けた当の本人は、 「ふっ……おまえは、桐乃の料理の恐ろしさを知らない。あいつの料理は、超々々々々~~~~美味いッ! 口にした者がヘブンを感じるほどにな!」 妹自慢に拍車が掛かっていた。 「なっ……まさか、あの女……料理のA級スキル持ちだと、いうの……?」 おい、おまえの妄想中二台詞じゃ、相手に伝わらねーぞ。 「そのとおり! あいつの料理を喰った者は、一生分のしあわせを味わうことができる!」 なんか伝わっちゃってる! 「ちなみに、昔はDEATHスキルも使えたぞ」 「くっ……! ……Dスキルまで扱えるとは! ぐぐぅ……あのビッチのポテンシャルはわたしの〝神眼〟でも見抜けないというの? ……というより、このわたしが、料理で負けるなんて……これ以上ない屈辱よ!」 いや! 実際に料理対決してないですよね!? そんなあっさり負けを認めちゃっていいの!? ただの口喧嘩だよこれ!? 「わかったら、家に帰るんだな。おまえにもお兄ちゃんがいるのだろう」 高らかに勝利宣言を叫ぶ京介さん。 「いえ、いまのところ出てきてないけれど」 「そうか、では、普通に帰れ」 「くっ…………分が悪いわね。仕方がないから、今日のところは帰ってあげるわ!」 「やっと、帰る気になったか」 「ふんっ、隣にね。実は、わたしの住むクリスタルパレスは、すぐそこなのよ」 クリスタルパレス(隣の山田さん宅)をどどーんと指差し、偉そうにポーズを決めるエルフ。 「ふふんっ、アディオス」 踵を返そうとしたエルフに、京介さんは、 「いや、俺はエロゲの世界に帰れと言ったんだが」 「えろっ!?」 とんでもない一言を、ぶん投げた。剛速球にもほどがある。 「エロゲの世界に帰って、オークとエッチでもしてろって言ったんだ。ほら、さっさと帰れよ」 「~~~~~~!!」 見る見るうちに、エルフの顔が真っ赤になっていく。なんだか、エロゲーに出てくるエルフ娘が陵辱されたあとみたいな顔だった。どう見てもオーバーキルです。京介さんマジパねぇっす。 「お、おおお、覚えてなさいっ!」 涙を撒き散らしながら去っていく山田先生は、ちょっぴり可哀想に思えたよ。 「ふっ、勝った」 年端もいかない女の子を泣かせて、真顔で勝ち誇っている京介さんは、ちょっぴりカッコ悪かったよ。 そこで、理乃先生が、小声で話しかけてきた。 「こいつのシスコンっぷり、やばいっしょ」 「た、たしかに……」 「京介が高校生のときなんてさ、『桐乃ぉ~、俺を見捨てないでくれぇ~』って泣きついてきたりぃ、『彼氏なんて作らないでくれぇ~』って泣きついてきたりぃ、『桐乃ぉ~、どこにも行かないでくれぇ~』って泣きついたあげくにぃ、『俺と、結婚してくれぇぇぇえぇぇぇええぇ、見捨てないでくれぇぇぇえぇぇぇえぇ』って告白してきてさぁ~、ほんっと、マジキモいんだからぁ!」 「……………………」 なんか、めっちゃ胃もたれしそうな、惚気話が始まった。……俺もオーバーキルされそうな気がしてきたぞ。 「でね! あたしぃ、京介のこととかぁ、ちっともタイプじゃないんだけどぉ~。あっ、でも、嫌いなタイプってわけでもないんだけどねっ! でさ、こいつあたしのこと好き過ぎてやばいってゆーか? 離れたら死んじゃうとか言うし? 京介のことなんて、ホント、ちっとも! 好きじゃないんだけど? まぁ、そばにいてやるかーって……あ、もちろん死ぬまでね。ったく、このシスコン、やれやれだぜ……でもぉ、まぁ、兄貴だし? あたしはあいつの妹だからしょーがない、みたいなっ! ふひひひひっ」 こ、これが…………ツンデレの真髄、なのか。デレのさわりだけで、軽く一ページ分の分量が埋まってしまった。………………とてつもなく、愛が重い。 こんな、デレッデレの状態で一緒に住んでるというのに、なぜ、十二巻もかかってしまったんだろう………………やはり、引き延ばしには、鈍感設定は必須ということだな。次回作のネタに使えそうだ。 「おい、桐乃! さっきから聞こえてんぞ! 作為的な表現はやめろ!」 「えー、事実じゃん」 「いやいや! 相当、脚色入ってますから!」 「むー……あ、でも、これはホントだよ。あのね、京介ったらぁ、あたしと付き合った次の日に、『ぐうううう! 俺も……俺も――』」 「お願いしますやめてください! 暴露禁止!」 土下座グランプリがあったならば、間違いなく上位に入賞するであろう、見事な土下座っぷりだった。 我が家の玄関先で、兄が妹に土下座をする異様な光景を、俺は生涯忘れない――――かもしれない。 二人が帰ったあと、俺は部屋にこもって、執筆活動に勤しんでいた。 ネタはもちろん、今日の出来事だ。 あの変わった兄妹との邂逅は、俺のインスピレーションを多分に刺激してくれた。どんどん妹モノのネタが溢れてくる。 カタカタカタカタカタカタカタカタ――どん! 「ふぅ……」 どんどんどんどん! 流れを断ち切ってくれたのは、腹を空かせた俺の妹である。 「はいよ! すぐ作るから、ちょっとだけ待っとけ!」 いつものように、軽い塩味を加えたトマトとレタスのサラダと、ターンオーバーの目玉焼きを手際よく作り、妹の部屋へ運ぶ。 さっき、怒ってたからなあ……たぶん、しばらくはこの扉も開かないんだろうな、と思いつつノックをしようとしたら、 きぃ。 と、扉が開いた。 「……………………」 扉の隙間から、少しだけ顔を出した紗霧は、予想どおりめちゃくちゃ怒っているらしかった。俺の妹は感情を隠さないやつなのだ。 ぶっちゃけ一目見た瞬間、謝りたくなってしまったが、理由がわからなければ謝ることはできない。 妹の迫力に飲まれながらも、かろうじて声を発する。 「えと……メシ、持ってきたぞ」 「…………入って」 「えっ、いいの?」 一日に、二回も妹の部屋に入れるなんて、夢みたいだ。 「はやくして」 そう言い残し、引っ込んでしまったので、俺は慌てて中に侵入する。 紗霧は夕飯には一瞥もくれず、ペンタブを手に持ち、無言で俺を睨みつけている。 …………なんだ。何を怒っているんだこいつは。さっぱりわからんぞ。 無言の視線に耐え切れず、俺は無難な話題を振ってみる。 「……メシ、喰わないのか? おなか減ってるだろ?」 「いらない。いまは」 「そ、そうか……」 「…………………………」 「…………………………」 困ったぞ。こいつがいま、俺に何を伝えたいのか、できれば汲み取ってやりたいのだが……うーむ……。 「えーとな、紗霧…………前にも言ったけど、怒ってるならその理由を言ってくれなきゃわからないぞ?」 「うそつき」 「……俺が?」 「兄さんはうそつき」 いきなり嘘つき呼ばわりされてもなあ。 「うーん…………すまんが、心当たりがない」 「くぅぅぅぅぅぅぅ! このにぶちん! ラノベ主人公っ!」 「俺は難聴ではない!」 「うぅ~~~~~~~~ぅッ」 俺の返答がお気に召さなかったのか、鋭い視線を寄越したまま、紗霧はもどかしそうに唸り始めた。 伝えたいことがあるけれど、口べたな俺の妹には、それが上手くできない。……どうしてやればいいものか。 と、そこで、俺は閃いた。前回の経験を元に、紗霧に提案してみる。 「な、なぁ紗霧。そのタブレットにさ、おまえの言いたいこと、描いてくんないか?」 「むぅ!」 提案を受けた紗霧は、ギンっと一際強く俺を睨み、持っていたタブレットを突きつけてきた。 「ふんっ……」 どうやら、すでに描き終えてあったようで、無言でイラストを指し示す。 俺は、タブレットを凝視する。 「…………これは」 そこには、ヘアピンを付けた、茶髪美少女のイラストが描かれていた。残念ながら、えっちなイラストではなかったが。 「どう?」 「えっと……これ、服脱いでるバージョンな痛って!」 特別製のタブレットでおもいっきり殴られた! 「ばっ……ばか! ばか! ばか! えっち! さ、さいてーっ!」 「わ、悪かった! だからタブレットの角で後頭部を殴るのやめろよ!」 死んじゃう! 「ふぅ……ふぅ……うぅぅぅぅッ!」 息切れした紗霧が、野生動物のように唸る。俺はこう思った。 綺麗な薔薇には牙がある。 「ほ、他にっ……あるでしょっ」 「あ、ああ……えーっと、そのイラストって、もしかして、理乃先生か?」 「…………」 返事はないが、間違いなくそうだろう。 で、俺にはようやく、こいつの言いたいことがなんとなく見えてきた。 「なるほど、な……もしかしなくても、俺のイラストも描いてあるってこったろ?」 「…………」 紗霧は無言で、タブレットのイラストをスライドさせ、突きつけてくる。 そこには、デフォルメされた俺のイラストが描かれている。 「ふむ、『胸に顔なんて近づけてないよ?』……か」 「次は、これ」 「……おおう」 紗霧が、次のイラストにスライドさせる。 予想どおり、スケベな顔で抽象的な二つの山を眺めながら『ひゃっほー!』と吹きだしで喋る、俺のイラストが描かれていた。 そのまま何度かイラストをスライドさせて、 「うそつき」 「ちっげえええええええええええええええよ!!」 そのことでブチキレてたのかよこいつ! 俺はてっきり、妹をえっちな目で見ている件についての糾弾かと思ってたわ! 「えっちで、うそつきの兄さんなんて、ぜったい信じない」 「だから違うんだって!」 「ふんっ! オマケに友達も出来たみたいだし、よかったじゃない。友達のいない兄さんは、せいぜい大切にすることねっ」 「友達くらいいるよ! てかっ! おまえだって、余所様の兄貴に頭撫でられてデレデレしてたじゃねーか!」 「わ、私はいいの……妹だからっ! 兄さんはだめなの、兄だからっ!」 「どういう理屈だ!?」 なんという理不尽な理屈なんだ! こんなものが罷り通ってたまるか! 「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……!」 「ぎにににににににににに……!」 「「ふんっ!」」 結局、紗霧の誤解を解くことはできず……というより、兄妹喧嘩に発展したせいもあり。 俺はこの日から一週間、妹に口を利いてもらえないという、地獄のウィークを過ごすハメになるのだった。 【エピローグ】 翌週の日曜日。いつもどおり、小説を書いていた俺の流れを止めたのは、妹の床ドンではなく。 ピンポーン。 というチャイムの音だった。 「はいはーい」 来訪者が誰か知らないが、さっさと済ませて執筆に戻りたかったので、足早に玄関に向かう。 がちゃ。扉を開ける。 と―― 「やっほー」 「よう」 「………………」 高坂兄妹が立っていた。 「…………な、なにしに来たんですか?」 「もち! さぎりんに会いに来た!」 「悪ぃな……こいつが、どうしてもって聞かなくてさ」 ブイサインを決めながら答える理乃先生の隣で、京介さんが申し訳なさそうにしている。 「…………はぁ」 溜息が出る。どうやら俺は、関わってはいけない人たちと出会ってしまったらしい。 「あ、そうだ。さぎりんにお土産もあるんだぁ」 「えっ」 ふひひ、と、特徴的な笑い声と共に、理乃先生が手提げの中から取り出したのは、小さな包みだった。 「なんですか、それ?」 俺が問うと、京介さんが自信満々に答えた。 「桐乃特製、しあわせ一杯手作りチョコだ」 「さぎりん、『兄さんが買ってくるお菓子はおいしくない』って言ってたから、作ってきちゃった。……もしかして、迷惑だった?」 思わず苦笑が漏れる。 「いえ、全然。きっと、紗霧も喜ぶと思います」 「そっか、へへ」 「じゃあ、どうぞ、上がってください」 「おっじゃましまーす! さっぎりーん! 桐乃お兄ちゃんが会いに来たよーっ」 言うやいなや、ドタドタと二階へ駆け上がっていく理乃先生。 遅れて京介さんが、階段に足をかけたところで、振り返った。 「あ……そうそう、和泉くんにもお土産があるんだ」 「えっ、俺にですか?」 「おう……ほら、これ」 京介さんが紙袋から取り出し、手渡してきた『ソレ』は、少し大きめの長方形の箱だった。 丁寧に包装されているので、中身はわからないが…………なんだろう、『ゲームの限定版』くらいの大きさかな。 俺が、手渡されたブツをためつすがめつしていると、京介さんがこんな不吉なことを言ってきた。 「和泉くん…………『人生相談』なら、いつでも聞いてやるぞ」 「じ、人生相談……?」 なんだ、この、哀れむような視線は。 「じゃ……俺も、上で待ってるからな」 激しく不安になってきたぞ。 「……………………」 ひとり取り残された俺は、もらったお土産の包装を剥がし、中身を確認してみる。 包みの中から現れたのは―― 『超義妹』 「エロゲーじゃねーか! ちくしょおおおおおお!」 この日のことを、俺は、生涯忘れないだろう。 おしまい。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/669.html
「ちょっと違った未来36」 ※原作IF 京介×桐乃 <第三部・現実世界> ――京介と桐乃の結婚式から10年後 「そうですか、そうですか…。はい、はい…。ありがとうございます」 「…」ウズウズ 「わかりました…。はい、はい、では失礼します」 ピッ 「京介、どうだった!?」 「ああ。受かってたよ、試験」 「はああああ~~~!!良かったぁ~~~~!!」 「はは!ありがとな!桐乃!」 目の前にいるのは俺の義理の妹であり妻である高坂桐乃。今は自らが所属していた美咲さんの事務所の一部の運営と後輩の育成を任せられている自慢のお嫁さんだ。 ここは俺達で暮らすマンション。今は二人とも実家から出ている。 10年前、俺達は結婚をした。俺は卒業と同時に警察学校に入る前に。桐乃は当時学生結婚だった。 その後俺は無事半人前とはいえ警察官に任官され、国民の生命と安全を守るお仕事をしているってわけだ。 未だに市民に嫌われまくってる上にちょっと職質したらこの顔を見てか、舐められっ放しだけどな!トホホ…。 「でも良かったね!これでようやく肩の荷が降りたっていうかさぁ~」 「ああ…」 今の電話は俺の上司に当たる警部補からの連絡だ。 俺は此度の警察の内部の昇進試験で見事、巡査部長の試験に合格を果たした。 試験は法律の試験に加え、警察実務の試験が多数ある。 巡査部長の上にも警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監…と順に並んでいるが、競争率等諸々の事情を考えたら巡査部長の試験が一番難しい。 その厳しい難関に見事合格を果たした、ってわけだ。 …ちなみに俺のようなノンキャリアの警察官だと、上がれる階級は良く頑張って警部・警視レベルだと思う。大体は巡査部長・警部補止まりだ。実際親父も警部補でその昇進を終えている。そこから上は国Ⅰを突破した東大閥の警察官僚達が席巻しているからだ。 とは言っても彼らは霞ヶ関の警察庁に籍を置く人達で、警察官というよりは法律制定や予算を扱う行政官といった色が非常に強い。だから俺達千葉県警のような地方の現場にまで出向いてくることはほとんどありえないし、実際警察官になってからのこの10年間、一緒に仕事をした事もない。 完全に違う人種、ってわけだ。 「今日はお祝いしなくちゃね!もう夜だしどっかで食事でもする?」 「そうだな…。よし、今日は皆でパーッと食べに行くか!」 そうして俺は俺の『家族』に声を掛ける。 「涼介、優乃!パパとママは今から一緒に外でご飯食べようと思うんだけど、どうだ?何か食べたいものとかあるか?」 俺は最愛の息子の涼介と優乃…まだまだ小さい幼子の二人の目線にあわせて声を掛けた。 「ハンバーグ~」 息子の涼介が元気よく答える。 「お~ハンバーグかぁ~!野菜も沢山食べようなぁ~!」 「ピーマンにがい~」 「はは!慣れたら上手いって!優乃は~!」 「けーき~」 「よーしわかった!栄養のあるご飯をしっかり食べたらデザートに食べような!」 「あい~」 二人は宝石のような瞳を輝かせて俺達を見詰める。 結婚式の後、俺達は二人の子宝に恵まれた。 一人目は桐乃が大学を卒業してからすぐに。その時の子供が涼介。そして続けて優乃が。 「ママ~」 「はいはい。涼介はいつまで経っても甘えんぼなんだから」 桐乃が抱っこをねだる涼介を抱える。本当に涼介はいつまで経っても甘えん坊だ。こんなんでこの先やっていけんのかと不安を感じる。…だがこの涼介の雰囲気といい言葉の受け答えといいどっちかと言えば桐乃似のような気がするんだよな…。 俺がそのことをいうと瑠璃達は、 『何がどちらかというと、よ。涼介は顔は貴方似だけど、頭の中身は明らかに桐乃似じゃない』 と、子煩悩ここに極まれりといった顔でやれやれと言って受け答えしてくる。ぐぬぬ…。てめーは未だに独身だろうが! 逆に優乃は見た目と性格こそ桐乃そっくりだが、その他の中身は完全に俺似だという。 桐乃と涼介のやりとりをを見た優乃は、 「まま~」 「はいはい。優乃も。京介、優乃が抱っこしてほしいみたい。お願い」 「おう」 そうやって俺が優乃を抱っこして、ってあら? 「ママ~。優乃のこと、抱っこしてあげて~?」 「あらあら。涼介はいつもいつも妹想いのお兄ちゃんですね~?」 「そんなんじゃないもん」 プイッと顔を背ける我が息子。この年から既にツンデレの兆候が見事に見えていた。恐ろしき我が血脈…。 「おにいたん~」 「うん~?」 「えへへ~。ありがとう~」 「…おう」 地面に降りた涼介は、照れくさそうに鼻を人差し指ですりすりしている。 …全くこいつらは。 「ほんとにこの子大丈夫かな?どっかの誰かさんみたいなシスコンに育たなきゃいいんだけど?」 「おい?!そりゃねーよ?!」 大体お前もお前で相当なブラコンだろうが?! 「ふふ…冗談だって。あーあ、こうしているとあたし達の小さい頃を思い出すね~」 「ああ。そうだな。小さい頃からおまえも可愛かったな~。涼介が優乃にしてやってるみたいにしてやって…」 「ふ~ん…。い、一応聞いてあげるけど何してくれたの?あんた」 「おしめの取替え」 バキッ! 「いてえっ?!」 「乙女に向かって何てこと言うのよ?!」 「乙女って齢か?!年齢を考えろ、年齢を?!この経産婦!」 ブチッ 「あ、ああああんた…!い、今言ってはならないことを言ったわね…?!」 「ひいっ?!」 プルプルと背後に地獄の業火を煮えたぎらせるは我が妹妻(2×)。年齢のことを心の中でも言及するとますます暴れかねないので伏せておく。 それを見た涼介と優乃は。 「きゃはははは!!」 「ぱぱおもしろ~い!」 …我が息子娘にも笑われる高坂家におけるこの父の扱い…。こんなのが世間に知れたら…。普段指導してる職場の後輩に何ていえばいいんだよ…。 …その時心の中から知人の声の記憶がこだまする。 『あら?凶介さんが情けないシスコンであることなんて周知の事実ではなくて?』 うるせーよ?!てめーだって姉さんにシスコンだろうが?!あと名前を間違えるな、名前を!不吉なんだよ! …なんで30越えてもこんなノリなの?俺…。 誤解のないように言っておくけど、こいつらの前だけだから!職場だとしっかりしてるから! でもこんな昔のノリをしてるからか、よく世間の皆さまから「若いですね~」って言われるんだぜ?ふっふっふ!警察の夜勤での痛めつけにも負けない肌年齢!溢れる若さ! …三人目頑張っちゃおっかな~。 「…」じ~っと。 そうして俺がじっとりとした目線を桐乃に向けると、桐乃は、 「ちょ、ちょっと!?何て目でこっち見てんの?!」 「いや~。優乃を抱えるお前を見てると幸せだなぁって」 「ウソ!絶対ウソ!今のはあたしの身体を狙ったいやらしい視線だった!背筋が凍ったもん!!もう!ホントやめてよね?!」 「んなことねーよ!」 「夫婦間でも強姦罪は成立するんだからね?!今度そんなねちっこい嫌らしい視線送ってきたらあやせ呼ぶから!!」 「それだけはやめてっ?!」 『桐乃に何かあったその時の為に…お兄さんを…ふっふっふ…!』 この前夜にスポーツバッグを持った(大魔王)あやせに道端で会った。 どこに行くんだ?って尋ねたら、キックボクシングのジムだという。 その場で華麗なシャドーを始めるあやせ。驚く通行人。 何の為にって尋ねたら…。そりゃあ…。 (ごくり…) 俺は恐怖からかその夜は『あやせがジム通いしてるのは体型維持の為…あやせがジム通いしてるのは体系維持の為…』って念仏のように繰り返してたよ…。気づけば朝になってたけど…。 「…。もう、ばかなことばっかり言ってないで、行く準備するよ?」 「へいへい…」 「店にも予約していないし、今からだと…。皆で仲良く近くのファミレスにでも行かない?」 「そうだな。よっし!行くか!」 涼介と優乃を余所行きの服に着替えさせて、4人で仲良く歩き出す。 桐乃は優乃を抱っこして。俺は涼介の手を握って。 車や自転車に注意しながら4人で仲良く歩き出す。 「パパ~」 「ん~?」 「パパのお手手大っきくてあったかい~」 「そっかそっか」 俺は涼介の、愛するわが子の手をぎゅっと握り返す。 「僕も大きくなったらパパみたいになる~」 「はは!涼介はパパなんかよりずっと凄い男になれるさ!」 「ほんと~?」 「ああ!何しろ俺と桐乃の息子だからな!」 「あたしはともかくなんであんたが自信満々なのよ…」 後ろから優乃を抱えながら着いてくる桐乃が嘆息する音が聞こえた。 「父親の意義を否定するな!」 まったくこの女は!いくつになっても話しの腰を折って! そしたら桐乃は楽しそうに。 「あはは♪ウソウソ!あんたの凄さはあたしが一番よくわかってるって!」 そう、我が事のように自慢気に笑った。 「ぱぱすごい~?」 桐乃に抱っこされている優乃がそう尋ねる。 「うん。涼介や優乃ちゃんはまだまだ小さいからわからないかもしれないけどね…。パパは、お父さんは本当に凄い人なんだよ~」 「パパすごい~!僕大きくなったらパパみたいになる!」 「おう!もっと言ってやれ桐乃!」 「調子に乗るなっての…」 ぼそっと呟く桐乃。 「僕もパパみたいに大きくなって~」 「うんうん」 「将来優乃のお婿さんになる~」 「ぶぼっ!?」 「ちょっ?!」 俺と桐乃は慌てて目をむく。空気が口から二人同時に勢いよく漏れた。 「えへへ~。おにいたん~」 優乃は優乃で満足げに照れている。 ふんす、と何故か誇らしげなシスコン涼介。 それを見て俺と桐乃は慌てて目を合わせる。 「ちょ…慌てすぎだっつの…」 「お、お前もだろうが…」 「ち、小さい子供の言葉でしょ…。ここは大人の余裕を持って…」 「お、俺達のことを考えてみろ…。んな悠長なこと言ってられるか…」 「で、でもぉ…」 にこにこ見つめ合う仲睦まじき兄妹である我が息子達。それを尻目に早々の気苦労を背負い込む俺と桐乃。 ああ…『まともじゃない子供達』ってこんなに気苦労するもんなんだな…。何の過ちもないように祈ろう…。 俺だって桐乃とは血が繋がっていないから結婚したんだ。女として愛したんだ。 これが血の繋がった実の妹だったらって? …。 ごほん。まあ、そういう世界(原作12巻)もあるかもな。 この件はもうやめよう。 そうして俺達は夜の街を4人仲良く歩いていった。 ~~~ ファミレスから戻ると涼介と優乃はお腹が一杯になったからか、すぐにベットに寝てしまった。 涼介は兄の意地からか、ファミレスの席でもなかなか眠ろうとしなかったが、優乃はケーキを食べるとすぐにこてん、と眠ってしまった。 二人を子供部屋に寝かせた後、今は夫婦に寝室にいる。 「お疲れ様。あなた」 「ああ。ありがとう、桐乃」 桐乃は俺の上着を脱がしてくれる。 もうこの10年結婚してからずっとこいつは妻としての役目をしっかり全うしてくれている。こうして二人きりの時はたまに『あなた』と俺のことを呼ぶ。 愛する桐乃が俺の妻…。 その事実が、何年経っても、俺は愛おしくって愛おしくってたまらない。 「あれから…」 俺は俺の上着をハンガーにかけてくれている桐乃に向かって、 「10年前のあの日から…随分色んなことがあったな…」 「…」 「あいつが…もう一人のお前がいなくなったあの日から、さ…」 「ええ…。そうね…」 10年前のあの日…もう一人の黒髪の妹がこの世界を去ったあの日から、俺達の生活は一変した。 桐乃との結婚。就職。厳しい警察学校での日々。仕事の為の法律実務の勉強。 桐乃のモデルの引退と経営陣への参加。たまの執筆活動。 刑事の試験。昇進試験。格闘技の訓練。 ところで俺に警察官が務まるのかね?という疑問を持っている諸君。実は俺には格闘術の適性が思ったよりもあったらしく、今じゃいっぱしの刑事で現場からも上司・後輩問わず頼りにされていた。 特に1対1の捕縛には誰よりも負けない自負がある。実際、県警から逮捕術の大会から優勝の賞ももらっている。今じゃ親父にも負けないほど強くなった。マル暴にいた時は突入の段取りから全て任されていたこともある。 おほん。まあ、自慢は置いといて。 そして。 そして愛するわが子たちとの出会い。 涼介を初めて見たときは…本当に可愛かった。これが俺の息子なのか?って。俺と桐乃の息子なのか?って。 仕事が終わった親父や桐乃にずっとついてくれていたお袋、瑠璃に沙織に麻奈実にあやせに加奈子。 赤城や瀬菜、それにゲー研の皆。日向ちゃんや珠希ちゃん。御鏡にブリジットにリア…。 皆、皆来てくれた。 そんな皆も、もう学生じゃない。皆社会に出て働く社会人だ。 瑠璃はあれからシステムエンジニアとして相変わらずあの会社で働いている。現場はあいつが回しているらしい。あいかわらず休みになると俺達の家に遊びに来る。涼介や優乃のための手作りのお菓子やおもちゃを持って。 優乃もだが、特に涼介が瑠璃に凄くよく懐いていて…。瑠璃お姉ちゃん瑠璃お姉ちゃん、って。それを見るたびに優乃がふくれっ面でむくれている。ははは…。 あ、そうそう。瑠璃は独り身かって?ははは! 彼氏?そんなもの い る わ け が な い で し ょ う ! ! (爆) ! ! …。ごほん。 沙織は自分の会社の仕事を手伝っている。社長であるお父さんの秘書兼片腕ってわけだ。 …意外だった。あいつはてっきり誰かと結婚するもんだと。だってあれだけ見合いしてたんだもんよ。 その事を聞くと沙織には『女の心は海より深いのですわ。卿介さん』だとよ。(漢字、いいかげん直してくんねーすか?) しっかしあの女、齢を重ねる毎にますます美しさに磨きがかかってるんだよな~。あんなんじゃ周りの男が放っとかねえだろ。 …それはそれで複雑だけどよ。 …。 あやせは会社のOLをしている。相変わらずその綺麗なおみ足を婚活の為にではなく男(誰かは言わねー。うう…)を抹殺するために磨いているようだ…。 なんだよあの女まじこえーよ…。でも天使…(2×でも)。 あやせもよく俺達の家に遊びに来てくれる。 俺と桐乃が仕事で手が一杯の時なんかはお袋とあやせでよく涼介と優乃の面倒を見てもらったもんだ。 二人ともあやせのことを『おばちゃんおばちゃん』と言って嬉しそうに懐いている。 その度にあやせは『私はまだ二十歳代です!!』と顔を真っ赤にして叫んでいるが…。 瑠璃や沙織がお姉さんなのに私はあやせおばちゃん、と言われるのは納得いきません!まるで私だけ老けているようじゃないですか!?とご機嫌斜めだ。 これには理由がある。 実は涼介が小さい頃、俺達は自分達の仕事も忙しかったからあやせやお袋によく預けていた。 いつもいつも面倒見てくれるものだから、涼介はあやせのことを『親戚の叔母ちゃん』と勘違いしたのが事の発端。 それが優乃にも口から口へと伝わって…。南無…。 まあ色々言うことはあるんだけど、これくらいにしとこうと思う。加奈子や瀬菜にゲー研の皆と挙げたらキリがない。 あ、でもこれだけは言っとかなきゃな。 「へへ…」 麻奈実は俺達の結婚式の1年後に結婚した。 相手?相手はそう、俺と同じどうしようもないシスコンのイケメン商社マン、赤城だ。 実は赤城は大学卒業のその年の就職活動に失敗した。一方麻奈実は地元の市役所の試験に合格しており、内定が決まっていた。 それでも麻奈実は待った。 就職浪人と新社会人という互いの温度差をモロともせずに、だ。 そして次の年、赤城はようやく大手の商社にて内定を取り付けた。 麻奈実に男として認められたい、一緒にこの先も手を繋いで歩いていきたい、という思いからだ。 そしてやっと就職することが出来、その時にあいつはプロポーズをした。 キメ台詞は『一緒に仲良く齢を重ねていきませんか』だとよ。おお、くさいくさい。何てくさい。 でもあのイケメンボイスで言ったらたちまち神なんだろうな~。なんという差別社会。 それに麻奈実はもちろん『はい』と返事をし、大学からの交際の、赤城にとっちゃ、高校1年からの一目ぼれの片想いがようやく成就したというわけだ。 本当に、本当によかったと思う。 麻奈実は俺にとっちゃ大切な大切な幼馴染で、赤城も俺の高校からの大事な、今や腹を割って話せる親友で…。 「…」 もう1つの世界の桐乃が元の世界に戻ったあの日から…。あれから相変わらず慌しい日々を俺も桐乃も過ごしていた。 あれから俺達はあいつのことを忘れたことがない。 あいつが『大好き』といってくれた世界は今日もまた旬欄と輝いてる。 「ねえ?」 「うん?どうした、桐乃」 今は俺の配偶者となった、俺の妹が俺の傍にすっと寄り添う。 「あたし達…幸せだね…」 「…。ああ」 「すっごくすっごく…幸せだね」 「ああ…幸せすぎてどうにかなりそうだぜ…」 そうして俺は桐乃を抱きしめ、キスをする。 「ん…」 「…」 想いを遂げて結ばれた、中学生の頃からいつまでも変わらない、しっとりとした彼女の唇。 そ、っと唇を重ねるだけの、キス。それは今まで育んできた愛情を確かめ、そしてまだ見ぬ未来への喜びを現す夫婦のキスだった。 「あんたはさ…」 「ん?」 「あんたは長生きしてよね…」 「…」 俺の腕の中で抱きしめられながら、彼女は言う。 「あたしより…あたしより…ずっと…。ずっとずっと長生きしてよね…」 「…」 「あの子の世界のあんたみたいに…ならないで…」 「…」 「あたしを…あたし達を…置いていかないでね…」 「…ああ」 ぎゅ、っと俺は俺の妻を抱きしめる。 彼女は俺に全幅の信頼を寄せているのか、全ての体重を俺に預けてくる。 事件の現場や暴力団の鉄火場で鍛え上げられた俺の肉体はそんな彼女の体重を難なく受け止めている。ハードな刑事の仕事にも耐えうる強い体と精神力。毎日のウエイトトレーニングと勤務後の道場での鍛錬で鍛え上げたタフな体。 もう、10年前の小僧で無力だった大学生の俺じゃない。ましてや、高校生の時の心折られた俺じゃない。 「決して、死んだりしない」 「うん…」 「お前よりも長生きもしない…」 「…」 「一緒に…仲良く齢を取ろう…。そして、そして…願わくば一緒に…」 「…はい」 再び最愛の妻をぎゅっと抱きしめ、その唇にキスをする。 …一生をかけて守ると誓った、妹の…桐乃の体の体温と唇は、暖かかった。
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/150.html
黒猫とつきあい始めて黒猫の家に入り浸ることが多くなった。 うるさい妹もいなくてすごく落ち着ける場所って感じだったからだ。 黒猫が「家事をしている間下の妹を見てて頂戴。」っていうので 図書館で借りてきた本とか漫画を読んであげたりした。 うちにはあんな素直な妹がいなかったので嬉しかった。 珠希ちゃんも俺の読む本を嬉しそうに聞いてくれた。 そんなこんなで放課後になって黒猫と帰路につこうと校門のところへ行くと 珠希ちゃんが座って待っていた。 「おー!珠希ちゃんじゃん。どうしたのこんな所まで」 「お兄ちゃんが待ちきれなくてここまで来ちゃいました。早く帰ってご本読んで!」 「ははw良いぜwじゃあ行こうか」 「うん!」 俺が手を出す前に珠希ちゃんの方から俺の手を握ってくる 眼が合うとニコッとハニカム珠希ちゃん (可愛いな)と素直に思った。 黒猫もほほえましい表情で俺達を見ていた。 夕暮れの帰り道2人で水路の魚を見たりと適当に寄り道しつつ帰る その日あったことを楽しそうに話してくれる珠希ちゃん 「ガッコたのしいか?友達できたか?」 「えーと,ミサトちゃんとりっちゃんとマヤちゃんとー」 とりとめもなく覚えている事をアレコレと話す珠希ちゃん 正直話も良く解らないところも多かったけど ウンウンと相槌をうってあげてるだけでも なんだか凄く嬉しそうだった。 珠希ちゃんの家につくと 黒猫がホットケーキを焼いてくれていた。 珠希ちゃんはランドセルを部屋に置いてくると、居間に戻ってきた。 珠希ちゃんを膝の上に乗せてマンガの本を読んであげたりする 声真似をして読んであげると似ても居ないのに実に嬉しそうに聞いてくれた。 あんまり受けがいいので俺も気分良く読む 俺と黒猫がゲームしている時は珠希ちゃんは楽しそうにソレを横で見てて やらせてあげると直ぐにゲームオーバーになるけど楽しそうに遊んでた。 そんなある日珠希ちゃんが「お兄ちゃんと一緒にお風呂入る。」 黒猫も「下の妹をお風呂に入れてあげて。」 「お兄ちゃん!」と、嬉しそうに俺の手を握って、つぶらな瞳で見上げられながら頼まれると 嫌とは言えない 異性なんて意識してない珠希ちゃんは俺と一緒にお風呂に入れるから 凄く嬉しそうで、一緒に脱衣所に入ると すぽぽーんと豪快に脱いですっぽんぽんに おふくろ以外の異性の体を始めて見た。 おふくろと違って毛なんて一本もないし胸も無い 陥没乳首、くびれも無いでも全体的に丸みを帯びた女の子のフォルム 日ごろ眼にしている手や顔よりさらに一段白い肌や下着の後くっきりの白いオシリ 性的な興奮は無かったけどちょっとドキドキして照れくさかった。 お風呂に入ると2人で背中を流しっこ 俺が背中をスポンジで洗うとくすぐったいのか体をよじって、動き回る 「ほら珠希ちゃん大人しくしてw」 「キャッキャッ」 珠希ちゃんの髪を目にシャンプーが入らないように慎重に洗ってあげると 「お父さんは乱暴にするからお兄ちゃんの方が上手」と喜んでくれた。 どうやら珠希ちゃんのパパはざざーっと洗うから眼にシャンプーが入るらしい 2人湯船につかってゆっくりする お湯をブクブクっとしたりタオルで泡を作ったり 石鹸でシャボン玉を作って遊ぶ 程よい所で30数えて二人でお風呂から上がる 2人湯気がたって赤くなる 大きなバスタオルで珠希ちゃんを包んでふいてあげる またこそばゆいのか「キャッキャッ」と笑う珠希ちゃん 自分の体をふいている間に珠希ちゃんは キャラ物のパンツなどを取り出して自分で履く、ピンクの可愛い子供パジャマが良く似合う 「ほら!お兄ちゃん!」 買ったばかりのパジャマを見てほしいのだろうくるっと回る 俺も自分の服を気ながら 「似合ってるよ、可愛いね」というと 「うん!」と喜んで今度はリビングの黒猫の所へ走っていく 見せに行ったらしい そんなこんなで遊んでいたら、かなり遅くなってしまった。 「お兄ちゃんとおとまりする!」と言ってきかないので うちに電話し黒猫のうちに泊まることにした。 黒猫の部屋で寝るわけにも行かないので 珠希ちゃんの部屋で一緒に寝ることになった。 2人で布団で話をしていると 珠希ちゃんがお休みのチューだよって頬っぺたにチューしてきた。 一寸驚いたけど可愛かったし嬉しかった。 俺も「お返しだよ」って頬っぺたにチューすると キャーっと笑ってまたチューしてくる そんなこんなで黒猫の家に泊まることが多くなり そんなやり取りを何回かやってたら、ソレが毎回になった。 そのうち日ごろ遊んでてもバイバイの時とかに黒猫に見えないところで コッソリチューしてくれるようになった。 黒猫の家に遊びに行くと俺達は相変わらずお風呂に入ってた。 ある時風呂場で珠希ちゃんがなんだか神妙に相談してきた。 「あのね、お兄ちゃん」 「ん?」 「私、オマタ毛がはえてないんだけど・・変ですよね・・」 そういえば、珠希ちゃんの股には毛が全く生えてなくて、綺麗な縦筋だった。 俺は女の子の事は良く解らないので、そんなものなのかなと思っていた。 俺はなんとなく珠希ちゃんの毛のない股が綺麗だと思ったので 「珠希はそのままでも良いよ、凄く綺麗だぜ」としごくナチュラルに言ったら 「そうなの?」 と意外な顔 「うん、赤城の馬鹿が前もってたエロ本でボーボーの女の人みたけど、珠希のオマタの方が綺麗だよボーボーより良いよ」 「もーお兄ちゃんのエッチw」 そうは言いつつも少し気持ちが楽になったのか珠希ちゃんは明るくなった。 「でも、お毛が生えないと赤ちゃんできるのでしょうか?」 「えっそうなの?」 「うーんわかんないけど・・大人の人はみんな生えてるよね?」 「姉さまもはえますよ」 「うーん」 2人で無駄に考え込んでしまった。 その日はそれで終わったけど 週に1度くらいこういう性の悩みみたいな話をする期間が続いた。 この頃珠希ちゃんは自分の体の成長に少しだけナーバスになってた。 一応珠希ちゃんは黒猫には相談してたようだが 黒猫は「そのうちはえてくるし、大丈夫よ」というので珠希ちゃん的に今一らしい あんまり不安そうにしてるのであるとき思いつきで 「見てみようか?」 と言ってみた、今思うて高校生の童貞の俺が、珠希ちゃんの股を見たところで 何も意味は無いのだけど、何かしてあげたくてつい言ってみた。 「うん・・見てください・・」 ちょっと恥ずかしそうだったけど、よっぽど不安だったのか 藁にもすがる気持ちだったのか 素直に風呂の淵にすわって足を広げて見せてくれた。 「やっぱりへんですか・・」 真赤になりつつ珠希ちゃんが言う 珠希ちゃんの不安は他所に、想像以上に凄く綺麗なアソコだった。 今まで遠眼でコソコソ見ていてはいたけど 本当に産毛のようなものすら一本もなくて、綺麗な縦筋で色素沈着など全くなかった。 思わず生唾を飲んだ 真剣に珠希ちゃんを心配して申し出たのに 初めてまじまじとアソコを見た瞬間に一気にエロ思考になった。 「どうかな・・」 不安げな珠希ちゃんの声でハッとなり珠希ちゃんを見ると 恥ずかしさと不安で泣きそうになってる 「あ、いや、うん、やっぱり凄く綺麗だと思う・・」 「本当?子供っぽくない?病気じゃないかな・・」 「うん、大丈夫だ。凄く綺麗だし、病気なんかじゃねーよ」 良く解らんけどこのアソコが病気なら赤城のエロ本の女はもう死んでると思った。 珠希ちゃんのアソコを見ているとチンが徐々に固くなっていく 今までも珠希ちゃんと一緒に風呂にはいっていて固くなる事はあったけど 自然と収まったり、意識しない生理現象てきなものだった。 しかし今回は本当にマジ勃起だった。 「お兄ちゃん・・珠希・・ちゃんと大人になれますか・・」 「うん大丈夫だよ!」 不安げな珠希ちゃんが可愛そうで力いっぱい頷く 「よかったw」 そういうとやっと安心したのか笑ってくれた。 「大人になれなかったら、お兄ちゃんのお嫁さんになれなくなっちゃうもんねw」 ドキッとした 今までも好きとか大好き!とか言われてたけど はっきりそんな事を言われたの初めてだった。 「お、俺は珠希が今のままでも全然平気だぞ!」 思わず言って恥ずかしくなる 珠希ちゃんは嬉しかったのか抱きついてくる 「嬉しい!」 狭い湯船で珠希ちゃんの体が触れてくる 「あっ・・珠希ちょっとまって」 勃起がばれそうになって慌てる 「なんですか?」 キョトンとしてる珠希ちゃん 「いや・・・今俺のアソコがさ・・」 言いよどんでいると珠希ちゃんが真顔でさらっと 「勃起してるの?」 「ブッ!!」コーラや牛乳を含んでいたら間違いなく珠希ちゃんの顔にぶちまけていた。 「ね、見せて!お兄ちゃん!」 先ほどと打って変って悪戯っ子のキラキラした瞳で珠希ちゃんが言う 「ばっ!見せられるか!!」 「えー珠希の見たくせに!ずるむぐっ」 「こら大声で言うな!!黒猫にばれるだろ!」風呂場に響く声で珠希ちゃんが言うので 慌てて口を手で塞ぐ 「・・・・・・・・・むたい!(見たい!)」口を塞がれながら言う珠希ちゃん 「・・・・・」 「ちょっとだけだぞ・・」 コクコク!と無言で頭を上下に動かす珠希ちゃん ざばっと風呂場に立ち上がって珠希ちゃんの前にチンコを晒す。 「わぁ・・」 見た瞬間珠希ちゃんが感嘆の声を上げる 「お兄ちゃんのいつもと全然違うね」 「そ、そうか?」 「うんいつもはふにゃふにゃなのに今はかちかちです。」 「まあ、成長したんだよ」 「いいなぁお兄ちゃんばっかり・・」 「珠希も直ぐ大人になるって」 「うーん・・」 「も、もういいだろ?」 「触っていい?」 「ええっ!!」 「ちょっとだけw」 内心ちょっと期待していた展開にはまりつつあった。 「・・・ちょっとだけだぞ・・」 「うん!」 この返事の時の笑顔だけは昔のままだった。 珠希ちゃんが細い指でチョンチョンとチンを突いてくる 「うっ!」 思わず声が漏れる 「あっ痛かったですか?」 「うん・・先の方はちょっと痛いかな・・」 「ここはどうですか?」 恐る恐る袋の部分を触ってくる 「そこはゆっくりなら痛くない・・でも強くすると凄い痛いから・・」 「じゃあ優しくさわりますね、あ!フニフニしてて面白いですw」 珠希ちゃんは純粋に興味なのだろうが、コッチはもう気持ちよくて堪らない 「あっそんな・・あっ」 「お兄ちゃん気持ち良いのですか?」 「いや・・まあちょっとね・・」 凄い気持ちいとは恥ずかしくていえなかった。 「あ、オチンチン凄い上になりました」 珠希ちゃんに触られたせいでチンは腹まで反り返っていた。 「珠希・・ごめんあのさ手でさ・・」 もう我慢できなかった・・こうなると一発ださないと苦しい 「手で?」 「ここを握って・・や、やさしくね」 そういいながら珠希ちゃんの手をとってチンを握らせる 「あんまり強く握らないでゆっくりこんな風に動かして・・」 「こうですか?」 手をとって教えたように珠希ちゃんが真似してやってくれる 「あっ!!」 自分でするよりはるかに強い刺激がチンコの先端に走った。 「痛かったですか?!」 「いや・・珠希いいからそのままして!」 「う、うん・・」 俺の雰囲気に只ならぬ気配を感じたのか珠希ちゃんは少しビビッていた。 ビビリながらも言われたとおりシコシコと単調な前後運動を繰り返す。 単調だが童貞の俺にはとんでもなく快感だった。 「あっ!でる!!」 「えっなんですか?!」 20~30回シコシコされてう内にあっという間に射精した。 勢い良く噴出して珠希ちゃんの手や胸にとんだ 「これ精子ですか?」 「ハア・・ハァ」射精の脱力感でへたり込む俺に 指で精子をにちゃーっと伸ばしながら珠希ちゃんが聞いてくる 「うん・・精子・・・」 「はじめてみました・・凄いです!」 「コレが赤ちゃんの素なんですねぇ」 「うん・・」 「凄い気持ちよかった?」 「うん・・・」 生まれて始めての体験にボーっとなってしまった。 「そっかぁ・・コレが珠希の中に入ると赤ちゃんができるんだね」 珠希ちゃんはなんだか嬉しそうだった。 「・・・・・」 そんな台詞を聞きながら、なんだかクセになりそうだと思った。
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/76.html
テスト -- (名無しさん) 2010-11-14 16 15 01 あやせたん可愛いよ -- (名無しさん) 2010-11-15 01 11 29 あやせたんペロペロ -- (名無しさん) 2010-11-15 07 19 57 よかった -- (名無しさん) 2010-11-15 11 15 40 最後があっけないけど、終始(・∀・)ニヤニヤが止まらなかったw -- (名無しさん) 2010-11-15 12 24 44 あやせルートいいな -- (名無しさん) 2010-11-21 13 43 27 スキーSS編集GJ! この書き手からしたらこれでもマイルドな方なんだよなw意外なとこ純情で可愛い -- (名無しさん) 2010-12-04 19 13 42 スキーSS 挿絵がスゴイ! -- (名無しさん) 2010-12-05 14 05 35 あやせは可愛い、が、怖い。 でも可愛い。 -- (名無しさん) 2010-12-10 23 24 49 スキーSSがよかった -- (名無しさん) 2010-12-13 14 08 55 兄貴のパンツ嗅ぐ桐乃かわいいよ -- (名無しさん) 2010-12-20 01 05 30 8巻予想の黒猫かっくいい -- (名無しさん) 2010-12-22 04 12 11 8巻予想がドツボだ。ありがとう -- (名無しさん) 2010-12-22 09 44 52 021のいいかげんにして頂戴なんだが<読者が不快感を持つと思われる内容や表現>の中のいじめに入らないか? 桐乃が好きなんだがかなり不快に感じた。 -- (名無しさん) 2010-12-31 00 51 11 wikiだから、作品やwikiをより良くしようと、投稿するのも編集するのも自由。消されてもそういう需要、復活してもそういう需要。みんなで良くしようという共通意識さえあれば -- (名無しさん) 2010-12-31 10 38 15 面白かったけど -- (名無しさん) 2011-01-02 00 29 16 黒猫スレのSSもこちらで収蔵してもらえないでしょうか? -- (名無しさん) 2011-01-27 00 15 15 もちろんよ 楽しみにしてまし -- (名無しさん) 2011-01-27 00 38 18 収蔵okよ -- (名無しさん) 2011-01-27 12 00 24 002最高w 8巻もぜひこの方向でキボンヌ -- (名無しさん) 2011-02-12 23 09 45 030 京介「俺ゲー研やめるわ」 最高っす -- (名無しさん) 2011-05-15 18 13 26 あやせの相談事・恥辱編 ちょっと読めないあやせの行動は面白かった。 -- (名無しさん) 2011-08-27 16 36 35 038 俺の天使はあくまでこんなに可愛い 面白かったけど、京介に無断での写真掲載は、肖像権中の人格権――被写体自身の許可なく撮影、描写、公開されない権利――に抵触すると思われ。 あと、桐乃や黒猫、加奈子の言動から、京介に対する関係性が不明瞭なんだけど、どういう経緯で桐乃や黒猫は妙に冷静かつ部外者的な言動なんだろう? 加奈子も妙に親しげな言動だし。 -- (名無しさん) 2011-10-06 00 18 46 030 京介「俺ゲー研やめるわ」 2個下のコメントに釣られて読んでみましたが、淡々とした会話が主だったもので、話しに躍動感がないというか、キャラが生き生きとしていなくて死んでいるというか、文中に8巻参照みたいな注釈がある割に何故か黒猫は転校していないとか、色々と支離滅裂な内容で、何が楽しいのか理解できませんでした。 -- (名無しさん) 2011-10-06 00 27 23 036 こないだおぼれた黒猫を助けたのよ 削除希望。 読んでて気持ち悪いというか、書いた人間の人間性が心配されるレベル。 -- (名無しさん) 2011-10-06 01 01 44 作品および作者への誹謗中傷を行わないようにお願いします -- (名無しさん) 2012-06-12 10 04 49 しすしす吹替版、相棒の世界だとあの後桐乃が何者かに殺されて 捜査の過程で京介は驚愕の事実を突きつけられる事になって ゲームの声を妹が吹き替え、内容を細工していたと知ったら、ショックで自殺しそう。 -- (名無しさん) 2013-04-29 11 44 04
https://w.atwiki.jp/fifa-pc/pages/97.html
FIFA17 Demoの起動時の言語選択画面をスキップします。 ①FIFA17デモのインストール先「FIFA 17 DEMO」フォルダの中の「Data」フォルダ内にある「locale.ini」ファイルをメモ帳等のテキストエディタで編集します。 ②先頭行から8行目を以下のとおり変更します。 変更前:USE_LANGUAGE_SELECT = 1 変更後:USE_LANGUAGE_SELECT = 0 ③上書き保存して編集は終わりです。 923 名無しさんの野望 (ワッチョイ 32c8-Y6cP)2016/09/14(水) 18 16 29.05 ID 0t3L3lPp0 Origin Games\FIFA 17 DEMO\Dataの中のlocale.iniを開いて8行目にある USE_LANGUAGE_SELECT = 1 の1を0にすると言語選択飛ばせてちょっとだけ起動が早くなる
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1631.html
211 :Monolith兵:2013/04/01(月) 19 45 23 ※このSSにはTS要素が含まれています。ご注意ください。 ネタSS「俺の妹が○○○なわけがない!」 没ネタ その3の初期案。 『俺の曾孫はこんなに可愛…』 あの夜、京介は桐乃の提案を受け入れた。それは日本の未来のためであったし、前世の自分が行ってきたことの延長でもあったからだ。 しかし、本音を言えばそんな建前を立てたとしても女の子を一人犠牲にするのは気が引けた。しかも、その女の子は前世での自分の曾孫に当たるのだ。 そのような葛藤を持ちつつも、桐乃の協力で京介と新垣あやせとの接点は増えていった。そんな中妹は表の顔であやせと京介に付き合っていたが、中の人を知る彼は気が気ではなかった。何背あの”魔王”なのだから。 そうして京介とあやせは友人といってもおかしくない程度には仲がよくなっていた。そんなある日のこと、京介はあやせにメールで近くの公園へと呼び出された。 「おまたせ。」 「いえ、私が呼び出したのですから。」 彼女は既に公園で待っていたので謝罪をした。外見は平凡な高校生であるが、中身はいい年をした爺なのだ。酸いも甘いも多く経験している。 それはともかく、なぜ彼女が呼び出してきたのかを彼は尋ねた。その答えはいつの日かの妹と同じものだった。 「実は、お兄さんに人生相談があるんです。」 それを聞いて京介は顔を引きつらせた。何せ以前妹と思っていたら中身が辻正信だったという悪夢があったのだから。しかもその悪夢は現在も絶賛継続中である。 「桐乃にお兄さんが頼りになるという話を何度も聞いています。だから、お兄さんに相談したいことがあるんです。」 そして一度言葉をきって再び話し始めた。 「実は、少し前から桐乃の様子がおかしいんです。以前はしなかったお兄さんの話を浴するようになるし、その話をしている時も何かにやけていますし。あんな桐乃見たことありません。でも、私には何が原因なのかお兄さんに聞くしかないんです。お兄さん。桐乃に何を、いえ、何をしたんですか!?」 あまりの言葉に京介は頭を抱えた。何であの桐乃(=辻正信)が学校ではブラコン娘になっているのか。そして何故それが原因で自分が妹に手を出して変態鬼畜シスコン男になってしまっているのか。あまりな展開に京介の頭は現実についていけなくなっていた。 「本当のことを教えてください!」 あやせは一歩踏み出して回答を促した。京介が顔を上げると、手には何かを持っていた。 「俺はあいつに何もしていない!ただあいつの相談に乗って今まで悪かった兄妹仲が改善されただけだ!」 京介は妹の趣味のことを伏せて真実を話した。しかし、あやせも親友のことなので一歩も引き下がらない。 「その相談というのが何なんですか!如何わしい事をしたんじゃないんですか!」 「妹にそんなことをする兄がどこにいる!というか俺もあいつもそんな感情は一切持ってない!!というか鳥肌立ってきた。」 あの妹とそんな関係になるということを考えただけで、京介は寒気に襲われた。中身が爺同士でそんなことをするなど、現状以上の悪夢、いや地獄だ。 「だったら何で桐乃はあんなににやついてるんですか!それにお兄さんが桐乃に手を出さないって言う確証も、手を出していないって言う証拠もないじゃないですか!」 あまりな内容の応酬に彼の頭は沸騰寸前だった。だから、ついあんなことを言ってしまったのだった。 「俺が、俺が大好きなのはお前だ!」 この言葉は実は嘘ではない。あやせは京介の前世の曾孫である。彼は前世で最後を看取ってくれた孫娘を愛していたし、その娘であるあやせも愛していた。大切だった。しかし、それを口に出して言うことはできない。彼にできるのは桐乃に協力してもらいあやせの様子を教えてもらうことくらいであったのだ。そして、曾孫に対する愛情は確かに大きくなっていた。 それに対するあやせの反応は口を手で覆って絶句していた。心なしか頬も赤い。それを見て、京介は(やっちまった…)と思い少し落ち込んだ。だが、これで彼女の誤解も解ける、かはともかくこの場は誤魔化すことができそうだと思い直した。 しかし、その考えはすぐさまひっくり返されるのだった。 「…あのな、女の子に告白するんならもっとムードを考えろよ。それに、お前は実の妹だけでなく曾孫にまで手を出す変態野郎だったのか。見損なったぞ嶋田!ん?俺が誰だって?この姿じゃわからないだろうな。俺だ、山本だよ、嶋田。」 その言葉を数秒かけて理解した京介は、あの日の悪夢のことを思い出し、胃の辺りを押さえつつゆっくりと倒れこんだ。そして、鉄の味と臭いがするのを憶えながら彼は意識を放棄した。 あやせ√BADEND
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/120.html
桐乃は京介の関与を知っているのか 兄貴だからしょうがない アニメとの相違点 『妹空』彼氏全京介説 アクセサリーショップ店員 「‥‥‥ブス専‥‥‥」という黒猫の呟き 冷めた得心 桐乃は京介の関与を知っているのか 桐乃が京介の電話番号をフェイトに教えた(5巻165)との記述もあるが、 関与を知っているとするには情報が足りない。 なお、12巻表紙の桐乃プロローグでは3巻の事件が省かれている。 兄貴だからしょうがない 1巻時点では行動理由の一つであったが、今回は言い訳だと認めてしまった。(p303) 本当の行動理由を考察すると、やりたいからやっているわけだが、その根源は 桐乃への恋愛感情 お節介精神 あたりだろうか p123で桐乃に対する意識が変わってきていること(性的な意味で)が書かれているが、果たして無関係だろうか。 アニメとの相違点 糞回と評判のアニメ1期8話が何故糞なのか ストーリー面 小説化 → アニメ化(これだけなら問題無い) 恋愛もの → 妹もの(俺妹本編とのシンクロが無くなる、製作側の認識を表しているともいえる) 盗作騒動 → 原作レイプ騒動(これ自体が原作レイプというブーメランとしてネタに) キャラ面 桐乃 パンツスーツ+薄化粧の社会人っぽい格好(p135) → ブーツ+ミニスカ あやせ曰く外面は良い(京介視点の為詳細不明) → 仕事相手に非常識な態度 京介 褒め殺し → 土下座 「兄貴だからしょうがい」は言い訳(p303) → 「兄貴だからしょうがない」 妹が大嫌いってのは、間違いで。本当は――(p213) → 葛藤はカット、「嫌い」 フェイト 無職 → 雷撃文庫編集者 その他カット多数 『妹空』彼氏全京介説 妄想/高坂桐乃参照 アクセサリーショップ店員 ドラマCDでメイド喫茶のメイドさんの妹と明かされるが、2巻のコミケのメイドと違って容姿への言及がなく 「寄ってきた店員さん」としか描写されていない。 唯一の台詞 「大変お待たせいたしました~。お客様、そちら彼女さんへのプレゼントにおすすめですよ~」 から、語尾を伸ばすというコミケのメイドとの口調の共通点が見られる程度。 なお1巻のメイドさんは「~」ではなく「ぇ」や「ぁ」で伸ばすように書かれていたが ドラマCDでは「~」口調で記述され、姉妹の口調の統一化がなされている。 「‥‥‥ブス専‥‥‥」という黒猫の呟き 桐乃の発言(p63)のブス専発部分を黒猫が解釈して読み取りそうな要素は、 京介がブス専であると黒猫に思わせようとする意図。 桐乃が間接的にブス呼ばわりした相手の存在。 その相手を間接的にブス呼ばわりする桐乃の気持ち。 その相手を間接的にブス呼ばわりされて怒る京介。 冷めた得心 ブス専発言や、「悪いこと言わないから、やめた方がいいよ」などの発言から 京介が好意を寄せる相手が居る、京介の好みから黒猫が外れている、京介には彼氏にする価値がない などを黒猫に伝えて京介を取られまいとする裏の気持ちがあるため、「幾らでもあげる」は本心とは逆であり、 桐乃に合わせた結果が、京介を扱き下ろして願い下げとした返答と考えられる。 意見・批判等 名前 コメント すべてのコメントを見る