約 2,471,411 件
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/186.html
あやせ(お兄さんが受験勉強に集中する為に一人暮らしをして…) あやせ(A判定を取ったお兄さんは無事に家に帰る事になった) あやせ(アパートの部屋のカギを返しに行く時に、わたしは告白をした) あやせ(そして--------------) あやせ(先日、わたしとお兄さんは恋人関係となった) あやせ(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ) あやせ(無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理) あやせ(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいよーーーーーーー) あやせ(どうしてこうなったの!?) あやせ(でも、お兄さんと恋人か…) あやせ(えへへ//) ガララララッ あやせ「こんにちはー」 京介「おっ、来たか」 あやせ「は、はい。あの…桐乃は?」 京介「今は出かけてるよ。気を使ってくれてるみたいだな」 あやせ「そうですよ。桐乃はとっても気が効くんですから」 京介「ははは。そうだな。ほらあがれよ」 あやせ「あっ…えーとその…」 京介「ん?どうした?」 あやせ「こ、この服…冬の新作なんですが、どうでしょう?そそります?」 京介「ぶはっ!なっ!?」 あやせ「ひ、人が頑張って言ったのに!何て顔してるんですか!」 京介「ああごめんごめん。いやさ、顔真っ赤になって聞いてくるあやせが可愛すぎてな」 あやせ「はあ!?可愛い!?な、なにを言ってるんですか!ブチ殺しますよ!」 京介「おいおい。そんな嬉しそうにすんなって。ほらあがれあがれ…」 あやせ「むーっ。お兄さん彼女慣れしてますね…」 京介「なに?焼きもち?」 あやせ「何でそう嬉しそうなんですか!もうっ知りません!」 京介「え?あっ、待ってくれ。俺に案内させてくれよ」 あやせ「ふんっ」 京介「せっかく付き合って二日目なんだし、出かけようぜ」 あやせ「いえ、今日はお出かけというより、これからの事をお兄さんと話し合いたくて」 京介「話し合い?デートの日程とかか?」 あやせ「で、でーと!?あ、あの…わたしまだそういう単語が恥ずかしいというか…って、お兄さん気軽に言いすぎです!」 京介「ハァハァ。ピュアなあやせたんマジ可愛い…ハァハァ」 あやせ「…」 京介「え?何で目から光沢が無くなって…あれ?携帯でなにをするんですか?」 あやせ「えーと、警察ですか?ええここに性犯罪者が…はい」 京介「お願いします!冗談でもやめてください!」 あやせ「土下座が上手になりましたね」 京介「おう!今ならジャンピング土下座だって余裕でできるぜ!」 あやせ「では、本題に入ります」 京介「ああ」 京介(桐乃の事か…あやせと桐乃は親友。今回俺と付き合った事で、二人の関係にヒビが…とかは絶対に阻止しないといけねーな) あやせ「大方、予想は付いていると思いますが」 京介「ああ」 あやせ「これからのお互いの呼び方についてです」 京介「ああ……………………はあ?」 あやせ「やはり恋人同士になった以上、呼び方は重要だと思います」 あやせ「わたしもいつまでもお兄さんを『お兄さん』と呼ぶわけにはいきません」 あやせ「それにそのうち桐乃はわたしの、い、い、妹になる可能性だってあるんですから」 あやせ「姉のわたしがいつまでも『お兄さん』と呼んでいたら、桐乃が『兄貴』って呼びにくいでしょうし」 京介(彼女=婚約者って事か?) 京介(マジ重え。この女マジ重い) 京介(でも、真面目に顔真っ赤にしながら語るあやせたんマジ天使可愛い) 京介「えーと、そうだな…何がいいかなー。あやちとか?」 あやせ「ハァ?何ですか、そのおバカ声優みたいなあだ名は?そうじゃありません。わたしのことはは今まで通り『あやせ』って…呼んで欲しい…です。」 京介「わかった。『あやせ』…これでいいな」 あやせ「ちょっちょっと!真剣な顔して見ないでください!」 京介「照れてるあやせも最高に可愛いぜ」 あやせ「なっなあああーーーーーっ、通報しますよ!」 京介「あやせは俺の最高の彼女だから何の問題もない」 あやせ「あっああああああああああああ」 バキッ 京介「な、なぜだ…」 あやせ「顔が近すぎます!そういうのは…あと1年くらい付き合ってから…」 京介(こ、これは…先が思いやられる) あやせ「で、お兄さんはこういう風に呼んで欲しいとかないんですか?」 京介「………………………」 あやせ「…」 京介「………………………」 あやせ(ど、どうしよう…) 京介「………………………」 あやせ(真剣に考えてるお兄さんカッコいい) 京介(俺を見てあやせが微妙にニヤついてる…可愛いな畜生!) あやせ「ま、まだですか?」 京介「キョンくんがいいな」 あやせ「キョンくん♪」 京介「な・あ・に?」 あやせ「年下にくん付で呼ばれたいとか、ドン引きです」 京介「うわあああああああああ。一瞬最高に幸せだった俺の時間があああああああああああああ」 あやせ「そ、そんなに良かったんですか?」 京介「当たり前だろ!下の名前をくん付って黒猫ですらやってくれなかったんだぜ!」 あやせ「むっ。そうなんですね。じゃあ考慮しておきます」 京介「え?してくれないの?」 あやせ「だから考えておきます!どうせ先は長いんですし」 京介「ああそうだな」 あやせ「えーと、その…」 あやせ(どうしよう。この後なにをするか全然考えてなかった) 京介(ど、どうしよう…すっげームラムラしてきた) 京介(て、手を繋ぐくらい別にいいよな?) 京介「そうだ!桐乃から押しつけ…借りたエロゲやらないか?」 あやせ「はあ?」 京介「って、冗談だ。ほら空気が静かになっちまったから」 あやせ「そんな事より、まだそんなゲームを持ってるんですか?」 京介「…へ?」 あやせ「前は特に気にしませんでしたが、今はわたしと恋人なんですよ!許しません!」 京介「なっ」 あやせ「そういえば、桐乃からベッドの下がどうのこうの聞いたことがあります。すぐにベッドから離れてください!」 京介「はあ!?」 あやせ「それにメガネ物の本が好きなんでしたっけ?まったく男って生き物は視力が悪い人に失礼です」 京介「あ、あやせ!」 ギュウウウ あやせ「お、お兄さん!?だだだだだだだ抱きついてきた!?」 京介「落ちつけあやせ…俺はお前のメガネ姿が見たい」 あやせ「へ?は?」 京介「伊達メガネでもいい。今度かけてきてくれないか?」 あやせ「お、お兄さんがそこまで言うなら…まったく仕方がない変態、か、彼氏さんですねっ」 京介「ああ、お前の彼氏は変態さんなんだよ」 京介(よし!エロ本は誤魔化せたな) あやせ「では、お兄さんの好みを把握するためにも、全部没収…」 京介「マジで勘弁して下さい!」 あやせ「わたしと言う…か、彼女がいるのにまだそんなのが読みたいんですか?」 京介「いや、お前がいるし、もう読むつもりはないんだが」 あやせ「は、はあ!?」 京介「おい、いちいち照れるな」 あやせ「照れてなんかいません!」 京介(誤魔化せたか?) あやせ「じゃあ、なおさらそういう如何わしい物は入りませんよね?」 京介「違うんだ!ただお前に見られるのが恥ずかしいだけなんだ!だから俺に処分させてくれ!」 あやせ「そうなんですか?」 京介「ああ、お願いだ!頼む!」 あやせ「…はぁ~。わかりました。だから土下座はやめてください」 京介「も、もうちょっとだけ」 あやせ「いえ、やめてもらわないとわたしが困ります」 京介「しかし、ここからだと、あやせのスカートの中が…もう少しで…」 あやせ「死ねーーーーーーーーーーっ。変態!!!!!!!!!」 あやせ「死ね変態!死ね!」 ガスガス 京介「ありがとうござます!ありがとうござます!ありがとうござます!」 ガチャッ 黒猫「な、なにをやってるの?あなたたち…」 あやせ「黒猫さん!?」 京介「ど、どうしたんだ?桐乃はいないぞ?」 黒猫「いえ、先輩が無事A判定を取ったと聞いたからお祝いに」 あやせ「違うんです!これはお兄さんが踏んでくれって頼んでくるから仕方なく」 京介「俺はそんな事頼んでねーぞ!」 あやせ「って言いながら、わたしのスカートの中覗いていたくせに」 黒猫「なっ!?」 京介「勘違いすんなよ黒猫!俺は立派に紳士的に覗いてだな!」 黒猫「そ、そんなのが見たいならいつでも見せてあげるのに…」 京介「なっ!?」 黒猫「先輩が望むなら私はいつだって…」 京介「黒猫…」 あやせ「どういうことですか?」 京介「あ、あやせさん?目から光沢が…」 あやせ「今ときめきましたね?トキメキましたよね!?トキメイたよね!?」 京介「ちっ、違うんだ。高校生男子にとって衝撃的な瞬間だったから反応しちまっただけで!」 あやせ「わたしがお兄さんの彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに」 あやせ「許せない。お兄さんは余所の女ばかり見て。許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない」 京介「許してくれあやせ!」 あやせ「やだなーお兄さんは。わたしは怒っていません。ただ許せないだけ」 京介「お、俺はただ…その…あやせが焼きもち焼いてくれると嬉しいな~って思っただけなんだ!」 京介「本当にちょっぴりだけ見れたらいいなーとか思っただけで、本心はあやせの事しか考えてないんだ!」 あやせ「え?焼きもちを焼いてほしかった?わたしの事しか考えてない?」 京介「あやせ!!!好きだあああああああ!俺はお前の事しか考えてない!!」 あやせ「あ…あぅぅ…」 あやせ「ま、まったく、そういう冗談は今後やめてください」 あやせ「焼きもちが見たいっていうのは仕方ありませんが、わたし怒っちゃいますよ」 京介「ああ、気を付ける…本当にな」 黒猫「ちょろいわね」 京介「ああまったくだ」 あやせ「え?」 京介「ごめんなさい。冗談です。だから包丁はしまってください」 ……… あやせ「ところでお兄さんの元カノ…元彼女さんは何をしに来たんですか?元カノさん?」 黒猫「ぐっ…さっきも言ったけどA判定の…」 あやせ「ではお引き取りください。昨日話した通り、わたしが、かっ彼女なんです。わたしの許可なく…そのお兄さんに近寄らないでください」 京介(まだ『彼女』って単語に羞恥があるのか?いちいち頬を染めて言うあやせたんマジ可愛い) 黒猫「ふんっ。そういえば何だったかしら?パンツ?ふふっその程度で騒ぐなんてね」 あやせ「何ですか?」 黒猫「先輩は私の胸…おっぱいを揉みたいって言ってきた事があるのよ」 京介「ぶっ!!!」 あやせ「なっ!?」 黒猫「ふんっ。あなたにはその覚悟があって?」 あやせ「なっななななななな」 黒猫「ああそもそも覚悟以前に言われた事がないのよね?ふふ無様ね」 あやせ「お、お兄さん!?」ギロッ 京介(え?今すぐに言えって事!?やだよ!言ったら殺すだろお前) 京介「…」 あやせ「ぐ、ぐぬぬぬぬぬぬぬ」 黒猫「ふふっ」 あやせ「で、でもっ!」 黒猫「なにを言われても負け犬の遠吠えにしか聞こえないわよ?」 あやせ「触らせてない癖に!」 黒猫「え?なっなななななんでそうなるのかしら?」 あやせ「さっき、おっ…あれを『揉みたいって言ってきた事があるのよ』って言いましたよね!?」 黒猫「い、言ったかしら?」 京介(黒猫!自分で言ったことで照れるな!) あやせ「言いました!実はそれってつまり…言われただけで触らせてないんでしょう!?」 黒猫「なっ!?」 あやせ「ふふふふふっふふふふふふ。どうやら図星のようですね。ねえ泥棒猫さん?」 黒猫「そ、それでも言われた事がないあなたよりマシよ!」 あやせ「わたしだったら触らせてあげます。ええこれが、あなたとわたしの差です!」 京介「え?いいの?」 あやせ「……は?」 京介「い、いいのか?」 あやせ「………………せ、成人したら…」 京介「うおおおおおおおおおおおおお!やったあああああああ!あと5年くらいか!?楽しみだぜ!」 あやせ「も、もうっ。セクハラですよお兄さん」 京介「あやせだってまんざらじゃないくせに」 あやせ「もうっ知りません」 黒猫「ぐっ」 あやせ「わかりましたか?お兄さんの初のお相手はわたしと決まってるんです」 京介「いや、それだと本当にいかがわしい事に聞こえるぞ?」 あやせ「え?…あっ…」 黒猫「ふ、ふっ。そんなに恥ずかしい事なら無理しなくてもいいのよ?ねえ先輩もそう思うでしょ?」 あやせ「だ、ダメです!お兄さんの初めては全部わたしって決まってるんです!そうですよね!お兄さん?」 京介「は?え?…あっ、悪いけど俺の初めてって桐乃で…」 黒猫「なっ」 あやせ「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」 京介「ほら、あやせは見た事あるだろ?俺とあやせが初めて会った時に、桐乃と俺が倒れて…その時に俺の手が桐乃の胸に」 ガチャッ 桐乃「この変態!シスコン!強姦魔!!!!!!」 バキッドカッ 京介「」 あやせ「桐乃!?出かけてたんじゃ」 桐乃「え?ああ、こいつが勝手に勘違いしてただけで、あたしは隣で勉強してたの」 黒猫「へぇ~、勘違いねぇ~。本当は隠れてた…とかかしら?」 桐乃「なんであたしがそんな事する必要あるのよ!」 黒猫「だって、玄関に靴がなかったもの」 あやせ「大丈夫。わたしは桐乃を信じるよ」 桐乃「ありがと。あやせ…でも気をつけないといけないよ?」 あやせ「え?」 桐乃「ここの壁って意外と薄いの。だから聞き耳を立てればだいたい聞こえてくるんだよ?」 あやせ「え?え?まさかさっきの会話、桐乃に聞こえてたの!?」 桐乃「えーと、だいたいかな」 黒猫「あら?おかしいわね。聞き耳を立てればだいたい聞こえる?」 黒猫「あなたは勉強をしていた。ということは聞こえないはずよね?」 あやせ「え?桐乃?」 桐乃「い、いやー、実を言うとあまり聞こえてなかったの。ただあやせに忠告をしておきたっただけで」 あやせ「そっか。ありがとう桐乃」 桐乃「う、うん」 黒猫「あら?良心が痛んだのかしら?」 桐乃「うっさいつーのっ!バカ猫!」 桐乃「ほら行くわよ」 黒猫「え?」 桐乃「あやせは京介に会いに来てるんだから!あなたはあたしの部屋に来なさい!」 黒猫「私は先輩に用事が…」 桐乃「いいから来いっ!」 黒猫「仕方ないわね」 桐乃「邪魔して悪かった。ごめんねあやせ」 あやせ「え?ううんいいの。わたしは桐乃の事も好きだから」 桐乃「ありがと…じゃあね。あやせ」 黒猫「また来るわ」 ……… 京介「」 あやせ「ふーっ。お兄さんがまだ気絶してるから、何とかベッドに移動させたけど…」 あやせ「…」 あやせ「あ、あー。わたしも眠くなってきちゃったかも」 あやせ「お兄さんが寝てるけど、気絶してるからなにも問題ないよね」 あやせ「それにベッドは一つだから、仕方ないよね」 ドサッ あやせ「っ~//」 あやせ「お兄さんの顔が…すぐ横に…」 あやせ「うわぁ…お兄さんの心臓の音が聞こえる…」 あやせ「どうしよう…わたしすっごくドキドキしてるかも…」 「やっぱり無理!あたしもう無理!」 「もう少し待ちなさい!あの雌狐が本性を現した瞬間を激写すれば…くくく」 あやせ(隣の部屋の桐乃の声が聞こえてくる…ケンカしてるのかな?大丈夫かな?) 京介「んっ」 あやせ「」ビクッ 京介「…」 あやせ(お、起きてないよね?) あやせ「それにしてもお兄さんの胸板…」 スリスリ あやせ「えへへ…ずっとお兄さんとこうしていたかったの…」 あやせ「お兄さんお兄さん」 ガチャッ 麻奈実「」 あやせ「くんかくんか……………………え?」 麻奈実「ご、ごめんなさい!」 ガチャッ 京介「ご、誤解だーーー麻奈実ーーーー!帰るな!」 あやせ「え?」 京介「あ」 ……… あやせ「ど、どこから起きてたんですか!?」 京介「ボコボコにしないでください。また意識が飛びそうだ」 あやせ「お兄さん?わたしはどこから?って聞いてるんですよ?」 京介「あやせが俺を無理矢理ベッドに乗せてくれた時」 あやせ「…」 京介「いや、普通に考えてか弱い女の子が、俺みたいな男をベッドに乗せるのは無理だろう。俺が少しずつ動いてたんだ」 あやせ「か、か弱いってそんなぁー」 京介「あやせは可愛いなー」 あやせ「ご、ゴホンっ。お兄さんはなにも見てないし、聞いていない!それでいいですね?」 京介「『えへへ~』って言いながらスリスリしてくるあやせ…マジ可愛かったなー」 あやせ「…………………………………………………………………」 京介「ああ、俺はなにも見てないし、聞いていない!命をかけるぜ!」 あやせ「じゃあ死んでください!」 京介「なっなんだと!俺は選択肢を間違ってないはずだ!」 あやせ「ええ、わたしが間違っちゃいました。だから死んでください」 京介「理不尽だああああああ」 麻奈実「え、えーとわたしお邪魔だよね?帰ろうかな?」 京介「いや、いてくれ。この流れだと殺戮ENDだ」 あやせ「むっ。それだとまるでわたしが殺戮者みたいじゃないですか?」 京介「そんな可愛い顔しても騙されないからな!さっき明らかに変な目してただろ!」 あやせ「心外です!」 麻奈実「え、えーとー」 京介「ああそういえば、麻奈実は何をしに来たんだ?連絡も無しって珍しいな」 麻奈実「きょうちゃんにお祝いをしようと思って来たの」 京介「おおっ。情報が早いな。無事A判定とったんだぜ!」 麻奈実「ううん。そっちじゃなくてあやせちゃんと付き合ったことに関して」 あやせ「は?」 麻奈実「おめでとうきょうちゃん」 京介「え?あ、ああ」 麻奈実「きょうちゃんとあやせちゃんはとってもお似合いだと思うんだ」 京介「そ、そうかな?」 あやせ「…」ギロッ 京介「そ、そうっすよねー」 麻奈実「でもね、どんなにお似合いでも、すれ違いとか困る事とか大変な事とかあると思うの」 麻奈実「だからそういう時は、遠慮なくいつだってわたしを頼ってください」 京介「おう…いつも心配かけて悪いな麻奈実」 麻奈実「それはいいっこ無しですよ。おじいさん」 京介「はは。何言ってんだ。おばあさんは」 麻奈実「えへへ」 あやせ「お姉さん…なにを言ってるんですか?」 麻奈実「え?どうかしたの?」 あやせ「お姉さんはどうしてそんなに余裕なんですか!?」 あやせ「今お兄さんはわたしの大切な人なんですよ!」 麻奈実「わたしにとっても大切だよ?」 あやせ「でも、お兄さんの中では今はわたしが一番大切なんです!そうですよね!お兄さん!」 京介「え?ああ、そうだぞ。一番大切だ」 あやせ「ほら見てください。だというのに何ですか?その余裕は」 麻奈実「うーん。そうだねー。だって『今』はでしょ?」 あやせ「え?」 麻奈実「将来の事は誰にもわからないよね?もちろんあやせちゃんにも」 あやせ「それはお姉さんだって同じじゃないですか!」 麻奈実「わたしにはわかるよ?」 あやせ「へ?」 麻奈実「だって、わたしはきょうちゃんの事なら何でも知ってるし、わかるんだよ?」 京介「ふ、二人とも落ちついて」 麻奈実「きょうちゃんは黙ってて」 京介「は、はい」 あやせ「お姉さん…それは傲慢ですよ」 麻奈実「きょうちゃんはわたしの事の言う事を何でも聞いてくれるんだよ?」 あやせ「それはわたしだって同じです!」 麻奈実「あやせちゃんの場合はきょうちゃんに無理させてるよね?」 麻奈実「でも、わたしはきょうちゃんの事何でも知ってるから、無理させない程度のお願いができるんだ」 あやせ「え?は?」 麻奈実「あやせちゃんと一緒だったら、近い将来にきょうちゃんは無理をして壊れちゃう」 麻奈実「でも、きょうちゃんは経験をしないとわかってくれない」 あやせ「だ、だから、わたしと黒猫さんと…」 麻奈実「それは違うよ。勝手に二人がわたしのきょうちゃんを好きになっただけだから」 京介「麻奈実!」 麻奈実「怒るよ?」 京介「は、はい」 麻奈実「それにきょうちゃんに、あやせちゃんは勿体ないよ」 あやせ「そんな事ありません!」 麻奈実「若気の至りだと思うんだ。あやせちゃんにはきっとすっごくいい男の子が見つかるって思う」 あやせ「わたしはお兄さんがいいんです!お兄さんじゃないとダメなんです!」 麻奈実「きょうちゃんみたいに普通の男の子と、あやせちゃんみたいにすっごく良い女の子は合わないんだよ?」 あやせ「だ、だからお兄さんにはお姉さんが合うって言いたいんですか!?」 麻奈実「そこまで言わないよ?だって最後に選ぶのはきょうちゃんだから」 あやせ「…」 麻奈実「どう?考え直してくれたかな?」 あやせ「そのすっごく上から目線気に入りません!」 麻奈実「ふふっ♪」 麻奈実「わたしも今のあやせちゃんの立ち位置は、すっごく気に入らないかも」 京介「おい止めろ!二人とも!」 あやせ「…」 麻奈実「…」 京介(や、やべぇ、今にも取っ組み合いが始まりそうだ。なんとかして止めねーと!) ガチャッ 桐乃「うっさあああああああああああああい!」 あやせ「き、桐乃?」 麻奈実「桐乃ちゃん?」 黒猫「ふふふふふ、安心しなさい。私もいるわ」 桐乃「いい?こいつは…京介はあやせを選んだの!悔しいけどあやせを選んだの!」 桐乃「だからあたし達は祝福をしてやるべきだと思うの!」 麻奈実「…でも、あやせちゃんは未だに『お兄さん』って呼んでるね?」 麻奈実「これって恋人同士って呼べるのかな?」 あやせ「うっ」 黒猫「ふふふ。やはりここは元カノの私が復帰するべき所かしらね?」 桐乃「バカ猫!空気読め!」 黒猫「それとも…実は既にやってたりするのかしら?」 あやせ「へ?」 黒猫「察しなさい。実は二人っきりの時は呼び方が違うとか…そういうのかしらね?」 あやせ「え?いえ…あの…」 麻奈実「…」 京介「いや、わかった。それでこの場が収まるなら…ほらあやせ…あれで呼んでくれ」 あやせ「え?ええーーー!?」 京介「俺とお前が二人っきりでいる時のあれで」 あやせ「で、でも、みんないるし…」 京介「お願いだ!あやせ!」 あやせ「わ、わかりました…えーとその…」 京介「頼む!」 あやせ「キョンくん。ずっとずっと好きだよっ」 京介「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおやったああああああああああああああああああ」 あやせ「っ~~~~~//」 京介「あやせ!俺も好きだああああああああああ」 あやせ「ば、ばか!ばかばかっ!もうっそんなに喜ばないでくださいっ」 桐乃「ふへへぇ~ポカポカと京介を叩いてるあやせ…マジ可愛い」 黒猫「…桐乃?無理しなくていいのよ」 麻奈実「きょうちゃん?」 京介「おう。どうした?」 麻奈実「正座っ!」 京介「お、おう」 麻奈実「年下にくん付で呼ばせるってどういうことですか!?」 京介「い、いや、地味に憧れていて…」 麻奈実「そ、そうことは同級生のわたしに言ってくれれば…」 京介「へ?」 桐乃「って、麻奈実………さん!?どさくさにまぎれてなにを言おうとしているの!?」 麻奈実「ち、違うの。これはキョンくんのしつけで」 黒猫「躾ですって?幼馴染ごときが偉そうね。あなたもそう思わない?キョンくん?」 桐乃「って何であんたらがナチュラルに呼んでるのよ!こ、こいつ…ききききキョン…って呼べるか!こんな名前!」 あやせ「皆さん!キョンくんの、か、彼女はわたしなんです!呼んでいいのはわたしだけですよ!」 京介「…どうしてこうなった…」 京介「俺はあやせとイチャイチャしてただけのはずなのに!」 京介「俺の彼女と妹と元カノと幼馴染が修羅場すぎる!」 終わり
https://w.atwiki.jp/tadadouga/pages/519.html
【Nosub】
https://w.atwiki.jp/ginshira/pages/11.html
よくある質問 Q:セーブが3つしかないように見えます A:3つしかありません Q:既読スキップがないように見えます A:○ボタン押しっぱなしにしてみてください Q:既読スキップが遅すぎです A:メッセージ速度を最速にしてください Q:各キャラのあだ名は? A:2chの攻略スレやこのWikiでは以下のような愛の籠められたあだ名で呼ばれています 兵頭十馬 → 坊主 和泉悠斗 → 牛乳 御代天也 → 眼鏡 葛葉漣 → ガチホモ 安倍忠義 → 先生 隠しキャラ?→ ドレッド
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/419.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1296227693/40 名前:火星人[sage] 投稿日:2011/01/30(日) 15 36 14 ID ApB/WWts 「な、なんだよ!お袋!!」 脱衣場のドアを開けた先には目を泳がせながら怒鳴る全裸の息子がいた あ~またやっちゃった~ と思いながらワタシはいつものようにすっとぼけようと、 「あ、ゴメ~~ン、タイミング悪かっ・・・・」 っと後退りながらドアを閉めようとした瞬間、息子のアレが目に入ってしまった 「・・・った・・?って・・え?あ、あんた・・・そ、それどうしたのよ!?」 「な、何がだよ!!」 咄嗟に股間を隠しながらさらに京介が怒鳴る。 「だ、だって、あ、あんたのソレ、こ、子供のみたいな・・・・・・」 「こ、子供のみたいって!息子になんてこと言うんだよ!こ、こ、これは大丈夫だって!ごく普通!平均的なモノなの!」 「・・・でも皮が・・・」 そう息子のまるでミル貝のようなソレは、ワタシが唯一知る夫のアレとは全く違ったモノだった。 「だ か ら!大丈夫なんだって!」 「ナニがどう大丈夫なのよ、あんたソレ病院行かなくちゃ。高校生にもなってまだ・・・」 「・・・お袋・・・本気で言ってんのか?し、知らないのかよカセーホーケー」 「えっ?」 「えっ?」 71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/01/30(日) 23 58 56 ID T2NGkZUQ ちょっと小ネタ投下前スレ最後のSSにせめてもの救いを… 勝手に書いてゴメンナサイ 「……こんな……はずじゃ……」 誰かにとってのハッピーエンドは他の誰かのバッドエンド。 この世界の私はきっと―――バッドエンドなのだ。 【了】 「……それで?この暗黒物質は何なのかしら?」 「いや~、あやせルートのあんたがあんまり不憫だからさ~、ついついアフターストーリー書いちゃった!」 「ククク、本気で死にたいようね、あなた……いいわ、今すぐ表に出なさい」 「も~、そんなに怒んなくてもいいじゃ~ん。これはあくまでもあやせルートの二次創作なんだからさ~」 「それにしたってこれは酷いわ……そういえば、あの修羅場には私もいたのに普通にスルーされていたわね……」 「ま、まぁ流石にそこまで頭回んなかったってことにしとこうよ……」 「……ふん、別に気にしてなんかいないわ……『あの世界』のヒロインは私でなければ、あなたでもないのだから……」 「…………ねぇ」 「…………何かしら?」 「あたし達……7巻でいろいろあったじゃん?」 「……そう、ね」 「まだ8巻で何が起きるか分かんないけどさ……」 「……」 「『これ』みたいに、あた……皆の前からいなくなったり……しないよね?」 「……さぁ、どうかしら。あなたに未来が分からないように、私にもそれは分からない」 「……」 「でも一つだけは言える。私は7巻で、私にとって最善の結果が得られるよう全力を尽くすことを決めた。何もしなかった『あの世界』の私とは違う」 「……!」 「全力を尽くした上での結果なら、絶対に後悔なんてしない。たとえそれがどんな結末だとしてもね」 「それじゃあ……!」 「……ええ、心配しなくてもいいわよ?8巻のラストでは私のことを『義姉さん』と呼ぶ権利をあげるわ」 「は、はぁ!?ふざけんじゃないわよ!絶対そんなの認めないんだからね!」 「精々足掻くがいいわ。まぁ、少なくとも何らかの形で恋人になることは決まっているのだけれど」 「うっがあああああああ!ムカツクムカツクムカツク!………………何よ、せっかく心配してあげたのにさ……」 「……ありがとう、と言っておくわ。……『あの世界』で親友、と呼んでくれたことにも、ね」 「……ふん、馬鹿じゃん?」 「そうね、お互いに」 END 226 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 05 25 18 ID ElxGmKjo 「ほらお兄さん、カワイイでしょう?」 目の前でブリジットがはしゃいでいる。 ブリジットが可愛いのは当然の事なのだが…、うん確かに可愛い。 彼女は中央に折襞のついた白いブラウスと水色と白のチェック柄の肩紐のついたエプロン、そしてエプロンの色に合わせた水色の蝶ネクタイといったウェイトレス姿をしていた。 トレードマークでもあるポニーテールを結わえたリボンも、衣装に合わせたのか水色であった。 「こんな可愛いウェイトレスがいる店なら、俺毎日通っちまうな」 俺がそう呟くとブリジットは顔を赤らめながら 「もう…お兄さんたら~」 そう言って体をくねらせる。と思うと急に澄まして、手に何かを持つような仕草をして(多分注文を打ち込む端末だろうが何て言うだアレ)、こう言った。 「お客様、ご注文はお決まりでしょうか」 ブリジットの可愛いらしいウェイトレス振りに見惚れていた俺は、つい口を滑らせてしまった。 「ブリジットのフルコースで」 「…え!?」 ブリジットは目を真ん丸に見開き、一瞬置いて意味を理解したのか一気に首筋まで真っ赤になった。その様子に俺も恥ずかしくなり、慌てて己の発言を撤回しようとした。 「あ、あのな…今のは…」 「か、かしこまりました、ブ……ブリジットのフルコース…ですね……」 俺の発言を遮り、限界まで顔を赤くしたブリジットは俺の膝の上に跨がった。そしてか細い声でこう言った。 「ご…ご注文の品です……。の、残さずご賞味下さいね……」 この後どうしたかって?残さずご賞味した上にお代わりまでしたさ!言わせんな恥ずかしい 220 久々に来たら俺得のブリジットネタ! 嬉しくて即興で小ネタ作っちゃったよ。もっとブリジットネタ増えるといいな… 246 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 19 43 37 ID zvzggh11 リ、リアルで近親相姦とかありえないっしょ……… でも… 私が本気であんたのことを好きになって、妹だから当然振られちゃっても ずっとこの先私はあんたの妹でいられるし、妹でなきゃいけない それってすごく幸せですごく残酷なことだよね 普段、糞生意気な妹のどこか大人びた悲しげではかなげな顔から目を逸らせずに 自分は兄だから、億が一桐乃に惚れられるようなことがあれば 妹だから当然、などと振ることが出来るんだろうかと考え そんな馬鹿げたことを考えてる自分に思わず苦笑した すると、仮に、の話でニヤケてんなと俺の足に蹴りをいれる桐乃は いつも通りの傍若無人な妹様だった END 249 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22 21 02 ID vWoHjXt/ 「で、なんでお前はココに座ってるんだ?」 「私はゲーム開発に忙しいし、あなたは受験生なんだらか、デートは必然的にこの部屋になるでしょう?」 俺の膝の上の黒猫が振り向きながら首をかしげた。 可愛いじゃねーか。 262 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/04(金) 20 27 33 ID afes3E9x 「ち、違うの。これは精錬された精神が上位レイヤーとのコンタクトの際に発生したノイズ、そう衝撃的なホワイトノイズによる一時的な自律神経の誤制御の結果であり、決して不浄なものではないの。一部の堕天使共からは聖なる液体として崇め奉られる現象なのよ。」 「はいはい、わかったから、ベッドから降りろ。シーツ洗うから。」 「いやよ。」 「早くしないと桐乃やお袋達が帰ってきてヤバイんだよ。」 「無理よ。だって腰が立たないもの、、」 341 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/06(日) 20 52 17 ID kDdERcco 流れをを断ち切り小ネタ投下 ※この物語はフィクションであり 登場する人物・団体・その他名称とは一切関係ありません……ホントですよ? 「あれはラブリーマイエンジェルあやせたん!?」 とある日の放課後、家へと帰る途中偶然にもあやせたんを見つけた。 これって運命だよね!? 「おーい、あやせー!!」 「あ、おにいたん!」 あやせたんが振り向いた!?こっち見た!視線があった! ウヒョーーー(゜∀゜)ーーー!! 声も可愛いよ!おにいたんって呼んでくれたよ!あやせたんマジ天s……おにい、たん? 「おにいたんじゃないですか!?偶然、いや運命ですね!」 「あやせ……さん……?」 ーーーどうやら今日の俺はおかしいようだ。 「あの」あやせが俺の事を「おにいたん」と呼ぶだと?ありえん…… 「今日もかっこいいですねおにいたん!」 「な、何かあったのかあやせーーってなにイキナリダキツイテンノ!?」 「あぁ、おにいたんは今日もいい匂いですね……エヘヘ」 「何でクンカクンカしてんだ!?」 オーケイ、落ち着こうか俺。 今、俺に抱きついているのは紛れもなくあやせである。 しかしどう考えてもおかしい。 あやせだぞ?俺を変態シスコン野郎呼ばわりしているあやせだぞ? 「ほ……本当にあやせか?」 「もう、何言ってるんですかおにいたん?私は私ですよ?」 そう言って上目遣いで俺を見つめるあやせ。体には柔らかい感触が…… 正直……たまりません。 「あやせ……その……ど、どうしたんだ……?」 「……?どうもしませんよ?」 「いや、おかしいよ!?確実に何かあったよな!?」 ……今日のあやせは本気と書いてマジでおかしい。 「おにいたん!」 「な……なんだ?」 「結婚しましょう!」 「何でいきなりそうなんの!?通報しますよ!?」 「そんな……おにいたん、私のこと嫌いなんですか……?」 「いやそんなことはないが……」 「ならいいじゃないですか~」 満面の笑みでそう言うあやせ。 マジで何が起こってるのか理解できませんよ…… 「おにいたん大好き!!」 頭の中が真っ白になっていく中、こう思った。 「俺のあやせがこんなに可愛いわけがな……くはないけど……やっぱない!」 636 名前:あなた好みの[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 21 58 56 ID AeHO6dEk 妹の部屋で妹に妹モノのエロ同人誌を読まされ感想を要求されという倒錯しすぎた羞恥プレイを強要させられていた時、 ふと開け放たれた隠し収納スペースの中のある物体が俺の目にとまった。 オタグッズの山の中で目を引いたそれは、普通に部屋に置いてあったなら 全く目を引く事はないような地味な柄の取っ手付きケースだ。 視線でそれを指し、何の気なしに、 「なあ、あれって「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」 妹が吠えた。 仰天する俺の前を、陸上で鍛えた全身のバネを使って獲物に飛び掛る野獣のようにケースに取り付くと、 すっかりお馴染みとなった能力《スキル》を発動させる。 想定外の緊急事態に、ひたすら墓穴を掘るという能力《スキル》だ。 ケースは慌てた桐乃の手で跳ね飛ばされ、見事に俺の目の前へと落下し、内容物をぶちまけた。 「………………」 散らばった中身を見る俺。 「!…!?…!!!!?!!!」 自分の引き起こした事態に混乱し硬直する妹。 なんとか5秒ほどで再起動した桐乃は、目にも止まらぬ速さでばら撒かれた物体を隠し収納へ放り込みパシンと障子を閉める。 「み!見た?!」 返答次第では命を終わらせるという明確な意思を感じる。 俺の答えは、もちろん決まっていた。 「何も見てません。」 顔を耳まで真っ赤にした興奮状態の妹に部屋から蹴り出された俺の脳裏には、 蹴飛ばされた尻の痛みより若干大きく疑問符が浮かんでいた。 …なんであんなもんをそこまで隠そうとするんだろうか? モデルでオシャレ女子であるあいつの表の顔を考えれば、持っていておかしいって事はないんじゃねぇか? ケースの中身は、桐乃に似合いそうな洒落たものから何故か野暮ったい黒ブチまで種々取り揃えられた、伊達眼鏡だった。 689 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2011/02/14(月) 22 42 01 ID w5MDDegG 最近、桐乃の京介に対する態度を見てると胸が苦しい。 妹のピンチに必死で立ち向かう京介、頑張り過ぎでしょ、 娘ドキドキさせてどうするつもり? ここ1年、桐乃が落ち込んでる日は京介と喧嘩してる時だってすぐ解る。 誰に似たのか顔なんてTVに出て来るアイドルに負けない位可愛いし、 いくらでもボーイフレンド作れると思うんだよね…、 とんだブラコンになってしまった(爆)。 こないだも鈍感な京介を連れ出して超ご機嫌だったし。 向い隣の佐藤さんに腕組んで歩いてたの見れてるし、近所で噂になってるよ、 お父さんの耳に入らないかハラ×2してる。 アメリカンに迎えに行ったのだって普通はお父さんの役目でしょ…、 でも知ってるんだよね。あの頑固な桐乃が家に帰って来たのは京介が迎えに行ったから だって。 鏡さんが来た時だって桐乃泣かして何か叫んじゃったし、 シスコン全開しすぎだよね、誰に似たのだか。 桐乃の秘密を守ったあの時、大介に殴られたあの顔、マジヤバイ…てっ… 私までドキドキしてしまった。 少しづつ大人になっていく京介と兄の姿と重なって見えて… 今度は、大介は桐乃の気持ちにどんな決断をするのだろ? 私の兄が事故で死んだ時、支えてくれたのは大介だった、 大介は全て受入れて私と結婚してくれた… 17年前の私のお腹の子は…私の一番愛してる兄の子だと知ってて。 944 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/21(月) 02 14 18.60 ID 2Jpa6Lwq 俺妹Pのあやせルートで 桐乃のオタっぷりを壁越しにかじりつくあやせ見てぱっと浮かんだ。 「桐乃」 「……えっ? あ、あやせ!?」 「またそんなゲームしてるんだ」 「なんで私の部屋に!?」 「そんな、いかがわしいゲーム」 「あの、聞いてる? 何であやせがここにいるのって……」 「桐乃はそういうエッチなゲーム、好きなんだ?」 「えっ? ま、まあ一応、ね。 あはは……」 「ふーん」 「なら、もっと早く言ってくれればよかったのに」 「へ?」 「桐乃がそういうコトを望んでるなら、私いつでも協力するよ?」 「あ、あやせ?」 「だってゲームなんかより、現実の方がいいでしょ?」 ガチャリ 「なんで、鍵、閉めるの?」 「私桐乃となら、してもいいかなぁって思ってたし」 「あやせ……? やだよ、何か変だよ」 「あは」 「やだ! こ、こないでよっ!」 「どうして逃げるの? 私たち親友でしょ?」 ガチャン 「え、何コレ、手錠……?」 「ふふ、これで動けないよね」 「何で……!? これ、外してよ! あやせっ!」 「桐乃は私のモノ……誰にも渡さない……」 「や、やだぁ! 誰か、誰か助けて! 助けてよぅ! あにきぃ!!」 こんな感じで誰かよろしく!!!945 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/21(月) 03 22 55.21 ID qRA2lop4 京介「どうした!桐乃!」ドンドン! クローゼットから出てくる京介 桐乃「あ、兄貴!?」 あやせ「お、お兄さん!?どうしてここに!?ってかどうしてそこに!?」 京介「な、何だっていいだろ!?(←赤城にならって彼氏の痕跡見つけようとした結果妹が帰ってきてクローゼットに入った。そしたら妹がエロゲ始めた、んであやせが来た←今ココ) お前こそ!俺の桐...じゃなくて!俺の妹になにしやがる!」 桐乃「兄貴!俺の何!?何て言おうとしたの?!」 京介「な、な何だっていいだろ!そんなこと!そうじゃなくてあやせ!」 あやせ「わ、私は桐乃がそういうことを望んでるなら願いを叶えてあげようと思っただけです!」 京介「桐乃がそう言ったのか!?」 あやせ「言ってないですけど!でもこんなゲームしてるならそういうことでしょう?!」 京介「いや違うな!桐乃がやっているのは妹ゲーだ!親友じゃない!」 あやせ「でも!桐乃に妹はいません!なら私が代わりをするのがおかしいんですか!?」 京介「妹の代わりなら手錠なんてしない」 あやせ「ぐっ...ならどうすればいいんですか!?他に案があるんですか!?」 京介「ああ!ある!お、おおおお俺が、エロゲの兄になってき、桐乃と....い、一緒になる!」 桐乃 あやせ「ええええええええええええ」 京介「桐乃がやってるのは妹ゲーで、妹が桐乃にいない以上、一番近いのはこれのハズだ!だからあやせ!お前に桐乃はやらん!」 こうですか?わかりません>< 976 名前:埋め 嘘予告[sage] 投稿日:2011/02/24(木) 17 43 41 ID qjJiNp6m 目を覚ますとそこは見知らぬ場所だった。 全体的に明るい色を基調とした内装の部屋。 そんな場所で京介は目を覚ます、加奈子に馬乗りされて。 「ここ……どこだ?」 「んー……、わかんね」 問い掛けを口にする京介と、それに答える加奈子。 辺りを見渡すとそこは京介たちが元いたイベント会場ではなく。 そして、困惑する京介たちの前に突如現れた不思議生物・こめっと。 「めるちゃん早くご飯食べないと遅刻しちゃうよ?」 どうやら彼(?)は加奈子のことをメルルと勘違いしているらしいが……!? ◆◇◆ なんだかんだで元の世界に戻る方法が見つかるまで赤星めるとして小学生生活を送ることになった加奈子と、 異世界でもそんな加奈子のマネージャーとして奔走する京介。 京介にとって異世界での生活は存外に快適で。 加奈子にとっても小学校で友達を作って、異世界は居心地は悪くなくって。 元の世界に戻る手段が見つからない今、この状況を受け入れよう、そんな風に考え始めていた二人。 しかし。 なにもかもが平和に思えたが、日常はブリジット似の少女が傷だらけの状態で京介たちの前に姿を現したその瞬間に打ち砕かれる。 ――立ちはだかる敵。 ――魔法少女の使命。 ――異世界での友情。 ――沸き上がる想い。 ――揺るぎない恋心。 すべてが交差して、織りなすは一つの物語。 奇跡としか言いようのない、一つの夢物語。 「加奈子は……、おめーのこと……、きょ、京介のこと……、きれーじゃねーよ?」 加奈子 VS 元・宇宙最強の星くずうぃっち 「だから……、だから、だからっ! ……お別れだ…………、……京介」 絶対に適うことはないと知りながらも戦いへと足を踏み出す加奈子。 ――護りたいモノがあるから。 加奈子が命を懸けて戦う、その時の京介の決断とは――!? 「俺には、大した力もないしさ。なにも出来ないかもしらねえさ」 でもな、と京介は立ち上がって歩き出す。 足の竦みをなけなしの勇気で打ち消して。 歩き出す―― 「俺はあいつのマネージャーなんだよ」 ――前へ。 ◆◇◆ 異世界の危機を前に体を張る加奈子と、奔走を続ける京介。 果たして二人はこの世界を守り抜くことは出来るのだろうか!? 劇場版 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 『俺と加奈子がこんなにファンタジーなわけがない』――2011年春ロードショーなわけがない!?
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/523.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308729425/411-419 ここは上海の結構いいホテル。俺は部屋の前で、妹様が着替えを済ませるのを待っている。 何でも俺妹の中国でのイベントということで、俺達は黒猫、沙織と上海に来ているのだ。 昼間の熱烈歓迎が終わり、美味しい夕食をいただいたあとで俺と桐乃、黒猫と沙織とでそれぞれツインの部屋に入った。 さて、のんびりくつろごうかと思ったところで、桐乃が着替えるので少しの間部屋を出ろと言う。 そんなのバスルームでやればいいだろと思ったが、とにかく押し切られる形で俺は部屋を離れた。 桐乃と約束した時間になったので俺は部屋に入る。なぜか電気が消えていたので点けようとすると 「電気は点けないで」との桐乃の声。俺はそれに従い部屋の奥へと進む。 「桐乃……………」 厚手のカーテンが開かれ、ライトアップされた建物の灯りがうっすらと室内を照らす。そこに浮かび上がった桐乃の立ち姿。 一見すると、以前の人生相談の時来ていた寝間着にも見えたが、よくよく見るとそれはいわゆるスケスケなネグリジェってやつだった。 「どう、似合うかな?」 桐乃が尋ねるが、俺はしばしの間、桐乃の妖艶な姿に見入っていた。乙女の柔肌、胸の膨らみ、そして…… 「ああ、何と言うか、エロ可愛いな、桐乃」 その答えに桐乃がどう思ったかは分からないが、桐乃はさらに話し掛けてくる。 「やっとふたりっきりになれたね、京介。」 それを聞いて俺はまた興奮しちまった。不覚にもリヴァイアサンがむくむくっとかま首をもたげる。それに気付いたらしい桐乃。 「もぅ、京介のえっち…大きくさせちゃって」 「だってなあ」 「でもね、京介。今日はあたしもえっちだから責められないね。それで京介、あの、京介の………」 顔を急に真っ赤にする桐乃。 「どうした?」 「見てもいいかな?京介の、その、ごめん何て言えばいいか自分でもわかんなくて」 ここに来て恥じらいを見せる桐乃な俺はきゅんときてしまった。 「ああ、だったらこう言えよ。『リヴァイアサン』って」 「リヴァイアサンって魔物の名前だっけ?でも、ピッタリな名前かも。 じゃあ改めて、京介のリヴァイアサン、見せてもらってもいいかな?」 ※※※ 桐乃の目の前で、俺はズボンを下ろす。トランクスを脱ぐ迄もなく、不覚にも元気なリヴァイアサンが隙間から飛び出していった。 「うわあ……」 「もしかして、キモいとか思ってたりするか?」 「ううん、大丈夫。触ってもいい?」 俺が頷くと、桐乃の掌がリヴァイアサンを包み込む。 「リヴァイアサンが、ピクピクしてるよ」 そういいながら桐乃は掌でしごき始めた。 「痛かったら言ってね」 「大丈夫。自分でやる時はもっと激しいんだぞ」 その言葉に安心したのか、桐乃の手の動きは段々はやくなっていく。 「いい、すげえ気持ちいいよ、桐乃」 「いきそうになったら言ってね。京介がいくところを、この目で見たいから……」 「わかった。もっと激しくしごいてくれ……いい、もういきそう……」 桐乃がその言葉に顔を寄せた瞬間、リヴァイアサンから勢いよく精液がほとばしる。 「きゃあん」 思わず声をあげる桐乃の顔を、容赦なく白濁が襲う。妹に顔射……俺はその背徳感に興奮しちまった。 「すまん、大丈夫か?」 「うん。これが京介の赤ちゃんの素なんだね、なんか、変な味がする……」 口元に垂れたものをぺろりと舐めながら、桐乃はそう呟いた。 桐乃の顔を拭ってやったあと、俺は桐乃にリクエストをした。 ※※※ 「この前はさ、桐乃が俺を抱きしめてくれたけど、 あの後、俺もこうして桐乃を抱きしめたいって思うようになったんだ」 俺は桐乃の背後に立ち、身体に手を廻す。 「桐乃、楽にしていいんだぞ」 「うん、わかってるけど、変に緊張しちゃって。やっぱエロゲーとは違うよね」 そんなことを言う桐乃が、今は可愛くて仕方がない。 「桐乃のことを感じたいんだ」 そう言って俺は桐乃の後頭部に顔を近付ける。シャンプーのいい匂いにたまらずクンクンしてしまう。 「きょ…京介、あぁん」 俺がぺろりと舌を出してうなじを舐めたら、桐乃が可愛らしい声を上げた。 それがまたたまらないので俺は耳たぶとかも舐めたり息を吹き掛けたりしてみた。 「あぁん、駄目、駄目ったら、もぅ……」 そんなため息を尻目に、俺はいよいよ桐乃のおっぱいに手を伸ばす。 ネグリジェに手を潜り込ませ、何も着けてない乳房を掌に収める。 「おっぱい、前より大きくなってるな」 「いつとの比較なわけ?まあ、確かに大きくなってるのは否定しないケド」 「もっと大きくなると嬉しいんだけどな」 「馬鹿、変態!」 そう言いながらも桐乃は俺のなすがままに身をまかせている。 「あぁ…京介のいやらしい豊胸マッサージで、あたしのおっぱいどんどん成長しちゃうかも… 陸上とか、モデルとかに影響出たら京介の責任だからね……」 「じゃあおっぱいはこの辺にしとく」 俺は黒いパンティ越しに桐乃の臀部をいじくり廻す。むっちりしたお尻の肉付きは、これで陸上やってんだよなと疑問になりつつも、俺を虜にした。 そしていやらしい指は、桐乃の大事なところをまさぐり始める。 布越しに伝わる、濡れた感触。桐乃が感じてると思うと、指先が段々荒々しくなっていく。 「京介が、弄ってる…あたしのを……あはっ… エッチな兄貴に痴漢されちゃって、あたしいかされちゃう、いかされちゃうよぉ……ああっ、ああん……」 ぶるぶるっと身体を震わせると、桐乃はがくっと膝をおとした。 ※※※ 桐乃をベッドに横たえさせて、ネグリジェを捲りあげる。 ここまでも十分エロすぎるんだが、ここで終わりになんて、もうできなかった。 「やべぇ、やばすぎるぜ。桐乃。もう止まんない。このまま、最後まで行っちゃってもいいか?」 一応尋ねてはみたが、もし桐乃が拒んだとしても、今の俺は無理やりにでも桐乃を犯してたかもしれない。 だから、桐乃が応じてくれたのには、正直ホッとしたのだった。 「あぁん、さっきあんだけ顔を汚しまくったのに、京介のリヴァイアサンはもう復活してるよぉ……」 「それもこれも俺の妹がエロ可愛すぎるからいけないんだぜ。じゃあ、いくからな」 早く桐乃が欲しくて仕方ない俺のリヴァイアサンが、桐乃の濡れ濡れなおまんこに侵入していく。 ずぬんっ! 「あっっ!!」 「大丈夫か桐乃、無理すんなよ」 「ん、んッ、大丈夫…かな?あんまり京介のリヴァイアサンが大きいから… でもいいから続けて、リヴァイアサンで、あたしを犯して!!」 その言葉に流されるままに俺は腰を動かし始めた。 ぬちゅぬちゅといやらしい音が響く。 「あっ、あっ、感じる。リヴァイアサン感じちゃうぅ……」 「ううっ、桐乃の締め付けが気持ちよすぎるぜ」 「やん、あん、あん、リヴァイアサンエロいよぉ……エロエロリヴァイアサンで、もぅ、たまらないの」 「くっ、桐乃、もう出そうだ」 「えっ、あっ、ああっ」 俺は間際に腰を引いて身体を起こすと、びゅびゅっと飛び出た精子が桐乃の身体に飛び散る。 「ああん、京介の精子が、熱いよぉ……」 ※※※ 「さっきはあたしが京介に犯されちゃったから、今度は、あたしが京介を犯すんだから」 そう言うと桐乃は横たわる俺の腰のうえにまたがった。 「ホント、いやらしいリヴァイアサン、でも大好き。京介と、京介のリヴァイアサン……」 桐乃は腰を落として、リヴァイアサンを受け入れる。俺もたまらず腰を突き上げる。 「ああ!!奥までずんってきちゃってるよぉ…いやん、いやん…激しいの、でもイイ、激しいのイイっ!」「おい、そんなに激しいと、こらえきれずに出しちゃうぞ」 「お願い、今度は中に出して!!京介のリヴァイアサンを全部受け入れるから」「いやまずいだろ」 「イイ、いいから」 「あっ、ダメだ」 しかし桐乃は俺を押さえつける。 「そのまま、そのまま京介の精子を注いぢゃって!!あっ、イク、イッちゃうう!!!」 「ああっ、桐乃!!!」 そのまま精子は桐乃の中にとぶどぶと注ぎこまれていった。 ※※※ 桐乃に中出ししてしまったことで俺の理性は飛んでしまっていた。もうどうなってもいい。 俺はひたすら目の前の桐乃を貪ることしか頭になかった。 「桐乃がここまで淫乱妹とは思わなかったぜ、こうなったら精根尽き果てるまで桐乃を犯しまくってやるからな」 「あたしのことばかり責めても駄目だからね。京介のリヴァイアサンだっていくらあたしを犯しても固いままなんだから」 俺は何がなんだかわからないままに腰をふりまくっていた。 桐乃の喘ぎ声が快感になっていた。桐乃にしても俺になされるままだしな。 「ああん激しいよぉ……感じちゃう、感じちゃう…でもこれで京介の子供ができるね」 「えっ??」 「こんだけ京介に気持ちよくされて、そして京介の子供できるなら、あたし、どうなってもいい……」 「桐乃……」 「京介、お願い、あたしをイカせて、そしてあたしを孕ませて……」 俺はふと我にかえった。そして自分の快楽だけに溺れてたのを反省した。 桐乃の思いに気付くと、より桐乃が愛おしくなってたまらなかった。 「桐乃、好きだよ。愛してる。だから、だから俺の子を孕んでくれ!!」 「うん、うれしい。あたし受け止めるから、兄貴の精子、いっぱいちょうだい……」 「おりゃああっ」 俺はこれまでになく激しく腰を桐乃に打ち付けた。 「ああん、イクイク、京介のリヴァイアサンにイカされちゃう……孕んじゃうぅ……ああっ ああっ 兄貴大好きぃぃ!!!!」 ほとばしる精子が桐乃から溢れださんばかりに注がれていく。 俺と桐乃は快感に震えながら果てたのだった。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/100.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257382677/406-410 「……プレゼント?お前が?桐乃に?」 今日も今日とて平穏な日常を送っている俺を余計な事に巻き込むのはいつも『妹』絡みの話だ。 ご他聞に漏れず、今回のやっかいごともそうらしい。っていうか、 「このネタ4巻でやっただろ」 「ネタ?4巻?……エロイ事の考えすぎで頭でもやられたんですか?」 丁寧な口調ながら、怪訝そうな顔でさらりと毒を吐いてくるのは、アノ妹の親友のあやせだ。 基本的にコイツは俺を敵視してるはずなんだが、にも関わらず、相談とやらを持ちかけられたのはほんの30分くらい前の事だ。 「んなこと言ってもな、俺にアイツが喜びそうなもんなんて分かるはずないだろ。親友なんだし、お前が自分で選んで渡したモノなら、なんでも喜ぶんじゃないか」 「で、でも……その、私、エ、エロゲーとか、桐乃の趣味に詳しくないですし……、ここはお兄さんを頼るしか……」 「俺だって詳しくねぇよ!?」 思わず突っ込んじまうが、コイツにとって俺は近親相姦上等マイシスは桐乃と公言して憚らない変態鬼畜兄貴と思われてる以上、仕方のないことかもしれない。悲しい話だけどな! 「で、結局お前はエロゲーやりたいの?」 「――ったく、なんで俺がこんな面倒くさいことしなきゃならねぇんだよ……」 そう、ぶつぶつ言いながらも俺はソフマップのエロゲーコーナーでメモってきたブツを探す。 つーか、エロゲーってこんなに発売してたんだな。改めてエロの力ってスゲェと思ったぜ。 メモってきたのは、前に桐乃ポツリと漏らしていた、エロゲー批評空間とかいうサイトで人気の高かったタイトルなんだが、確かタイトルは『絶対妹至上主――』 「お、あったコレか」 そのパッケージを手に取って値段を確認するとそれほど高くない。ゲームとしてはお手頃価格ってヤツだ。普段、対して金を使う事もないない俺だが、素直にありがたい。 「折角だし、他にも何か買ってくか」 実のところ、こうじっくりとエロゲーコーナーを見て周ったがなかった俺は、この圧倒的なエロゲーを前にして、この時点で結構テンションがあがっていた。 そして、俺はおもむろに先程から気になっていたタイトルを手に取ると、そのやたらデカィ箱の2タイトルを持ってそのままレジに向かった。 「ほら、これが例のブツだ」 「こ、これが桐乃が面白そうと言ってたゲーム……なんですね」 「あぁ。ゲームって言っても、パソコンでプレイするもんだから、大丈夫か?」 「はい。それは大丈夫なんですが……」 翌日の放課後。俺達はまるで麻薬の売人の如く、コソコソと周囲を警戒しながら密会していた。 当然、例のブツとはエロゲーの事だが、何重にも重ねて袋にいれてあるので、セキュリティは完璧だ。 「あ、その、ありがとうございます」 「いや、まぁ別に気にすんな。よっぽどじゃなきゃ中学生の女子がエロゲーなんか買いにいけないしな」 「私としては、そのよっぽどに桐乃が入ってるのはなんとかしたいんですが」 「そればっかりはなぁ……。俺にもどうしようも出来んし」 「コホン。何にせよありがとうございました。少しづつですが、私も桐乃のこと理解していきたいですから――」 「そうかい。アイツのお前みたいなのが親友で本当に良かったよ」 「ありがとうございます。では、私はこれで」 「はいよ」 そう言い残して足早に去っていくあやせの背中を見ながら、あんな親友がいる妹の事を少しだけ俺には羨ましく思えたのさ。 「さて、俺も折角買ったんだし、プレイしてみるか」 ガサゴソと袋から取り出す。あぁ、これだけ箱がデカいと何処に隠せばいいのか困るぜ。って、アレ――? 袋から出てきたのは、あやせに渡したはずの『絶対妹至上主義』だった。じゃあ、今日、持っていったアレは……。 「はっはワロス。――――マジやべェェェええええええええ!!!!!!!!!」 人生とは無常なもので、俺達の人生にはSAVE LODEなんて便利なものはない。 そう、例えば俺が今日、あやせに渡してしまったゲームが、往年のelfの名作で3兄妹の鬼畜モンが大活躍する陵辱ゲーだったとしても、今更俺に何が出来るだろうか? 「死ねぇぇぇエェェエエエエエエェェェェえええええええ!!!!!!!!!」 案の定、翌日あやせは俺のところに飛んできた。今は亡き三沢さんのローリングエルボーのオマケつきで、だ。 「アンタ、何考えてるんですか!?あああ、あんな黄色いタオルを首に巻いた変態オヤジが主人公のゲームがあるんなんて……」 「いや、それにはさほど深くもない理由があってだな――」 「で、でも桐乃があんなゲームを好きなんて信じられない!?」 いや、確かに俺もそうは思うが、桐乃の部屋には前にスカトロゲーがあったのを見ると、あながち否定も出来ないのが微妙なところだ。 アイツに言わせると、キャラが可愛いければ、ジャンルは関係ないらしいしな。それはそうと、俺は最も気になることを、恐る恐る聞いてみた。 「んで、……攻略したの?」 「えぇ、しましたよ!? しましたとも! 全員完全攻略しましたよ!なんですか『ゲッチュ~』って、あ、あああ、あんなゲームの何処がいいんですかっ!?」 「やっぱ、社長秘書の綾乃だよなぁ」 「ですよねぇ。強気で私と名前も似てるし、最高――って、何言わせるんですかっ!?」 ひとつ分かったことだが、どうやらコイツは割とノリがいい。だからなんだって話だが。 「信じられない、やっぱりこんなゲームなんて、この世から無くなった方が良いんです!有害です。こんなものがあるから性犯罪が――」 ヤバイ。どうやらまたコイツも暴走しかかってるらしい。しかし、こんな誤解を与えたままだと、将来こいつがアグ○スみたいになりかねない。 仕方ない。ここは俺もどうやら本気を出さないといけないらしい。しかし、最近の俺はこんなことばっかりしてる気がするぜ。 まぁ、ともかく。俺は大きく息を吸い込むと、ガッとあやせの肩を掴んだ。 「勘違いするな!あれはエロゲーだ。現実には関係ない!いいかアレはエロゲーなんだよ!この物語はフィクションです!因みにこれは二次パロです!いや、今はそんなことはどうでもいい! とにかく、あれはエロゲーなんだよ!しかもちゃんとラストまでいったんなら、知ってるだろ!最後はみんな幸せそうにしてただろうが!陵辱ゲーっていうのは、実は純愛ゲーなんだよ! ラストはみんなハッピーエンドで終了するんだよ!い・い・か?最後はみんな幸せでハッピーエンドなんだよ!ボテ腹妊娠エンドは、性の営みとして当然なんだよ!」 「……え?いや、でも……」 俺の勢いに押されたのか、あやせは猛烈に困惑していた。一気呵成に言われて判断が付かなくなっているようだ。 「でももクソもあるか!いいかお前の好きな桐乃もエロゲーが好きなんだ!お前が好きな桐乃もだぞ?みんな大好きエロゲーだ!ビバエロゲー!」 「び、ビバ……エロゲー……」 「そうだ、よし分かった。桐乃へのプレゼントまだ決めてないんだよな? 俺がアイツがアイツが喜びそうなプレゼントをプロデュースしてやる!」 「あ、え?、はい」 なんだか分かっていない当惑した表情であやせは頷いた。 「って、そんなの出来るわけないでしょ!死ねぇぇぇエエエエエぇぇえええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」 「大丈夫だ!お前なら出来る! お前が信じる妹が信じる俺を信じろ!」 ところ変わって、俺は自宅に戻っていた。もちろん、あやせも付いてきている。桐乃がまだ帰ってくる前に、プレゼントを準備しようという魂胆だ。 え?その肝心のプレゼント何かって? プレゼントなら目の前にいるだろ? 「いいか?そこで、『お、お姉ちゃん、お帰りなさいぃ』だ」 「こんな格好で出来るわけないでしょうが!? 変態ですか、変態ですね!あんた変態フェスティバルですね!」 「出来る!必ず出来る!もう桐乃の大喜びだ。はぅ~お持ち帰りぃ~!とか、絶対言うから!」 「無理に決まってるでしょ!だ、だだ、だいたい、み、見えてるじゃないですか!?」 さっきからあやせが嫌がっているのは、俺の用意した衣装についてだった。全くこのセンスが理解出来ないのはどうかしてるぜ。 ま、でも確かに言うとおり、この衣装は見えている。主に、その胸が。……なんていうか全開だ。 「き、着れるわけないでしょ!こんな、こんなの!」 「でも、どうするんだ?もう桐乃帰ってくるまで時間がないぜ?」 「だからって、こんな恥ずかしい格好できません!」 「じゃあ、胸の部分が隠れてるのなら、いいんだな?」 「う……。仕方ありません、これよりマシなら……」 なるほど、胸が隠れてればいいのか。一計を案じた俺は、引き出しの中を漁って、目当ての物を見つける。こんなこともあろうかと用意しといて良かった。 「これだ!」 「……へ? 絆創膏ですか?」 「これを乳首に貼れば問題解決だろ!」 「光になれぇぇぇエエエぇぇええええええええええ!!!!!!!!!!!!」 鬼の形相で首を絞めてくるあやせに、俺に必死に反論した。 「ま、まて……ちゃんと胸が隠れてるし……お前も……隠れるなら仕方ないって言っただろうが!」 「で、でも……」 「それにマジでもう桐乃帰ってくるぞ」 「……くっ……し、仕方ありません、絶対こっち見ないでください。見たら殺しますよ」 「見ねぇよ!」 俺はもう高校生だぞ? 中学生のものを見た所でどうにも……うん、まぁ嘘は良くないな。うん。 乳首に貼り終わったらしい、あやせがこっちを振り向いた。うおっ!胸でけぇ!こいつマジ中学生か? 振り向いた、あやせの胸の乳首には可愛らしい絆創膏が申し訳程度に貼られている。 引き締まった腹筋と、健康的な身体付き。膨らみ始めた双丘はとても中学生には思えない。 熱っぽく潤んだ瞳と、グロスで輝く唇が、若さを全面に出した瑞々しいエロスを醸し出している。 っていうか、乳首絆創膏だよ。俺初めて見たぜ。嬉しすぎて泣きそうだ。 「そ、それからどうするんです?」 「これだ」 「なんです、コレ?」 そういって俺は小さなガラスの小瓶に入ってる液体をあやせに掲げて見せた。 「白くてドロドロした液体だ」 「白くてドロドロした液体ですね」 「これをお前にお前に掛ける」 「ちょ、ちょっと大丈夫なんですかソレ!?」 「大丈夫だ。なんせただの白くてドロドロした液体だからな!」 「な、なんか生臭い……」 液体を掛けると、なんと!そこには卑猥な格好になったあやせの姿が! 「さぁ、台詞の練習するぞ!『らめぇ、ミルク零れちゃったぁ』はい」 「ら、らめぇ……」 「恥ずかしがるな!台無しだぞ!」 「ら、らめぇ……ミルク――」 15分後。俺の演技指導を終えて、あやせ桐乃の部屋に向かった。今頃、ベッドに座り桐乃を待ち構えていることだろう。 ガチャ―― 玄関の開いた音が聞こえる。どうやら桐乃が帰ってきたらしい。トントントンと、軽快に自分の部屋に向かう足音が聞こえてくる。 ま、今回もまた少し暴走しちまった気もするけど、結構俺は満足してるぜ? なんだかんだいって、アニキらしいことなんて全くしてこなかった俺が今更こうやってアニキ面出来る、それが少しだけ嬉しいのかもな。 ガチャ―― 桐乃が自分の部屋に入ったみたいだ。全くアイツはどんな顔で喜ぶんだろうな? ま、こっから先は俺には関係ないけどな。それにアイツも俺に感謝したりはしないだろ。 でも、それでいいと想うぜ。だって、 ガチャ―― 唐突に俺の部屋が凄まじい怒気と共に開けられる。 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない――――って、ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/41.html
見た目はかわいいけどやたら俺にムカつく態度をとる妹・桐乃。 あいつは俺をゴミみたいに嫌ってるし、俺だって大っ嫌いだ。 あいつの間抜けな失敗から始まった「人生相談」を通して、 俺は知ろうともしていなかった妹のいろんな面を知った。 どこにでもいるいまどきの女子中学生に見えた妹が、実は 重度のアニオタで妹もののエロゲが大好きな、女子中学生 どころか人間としてとしてアウト過ぎる趣味を持っていたこと。 こと。それでいて成績優秀スポーツ万能、おまけにモデルまで やってるスゲー奴だったこと。 「人生相談」はまた、平凡そのものだった俺の日常を変えた。 誰にも自分の秘密の趣味を話せず苦しんでいた妹のために、 俺はアイツがそっち方面の友達を作る手助けをしてやった。 学校の友達にオタバレして、絶交されそうになった妹を助けて やったり、あいつが苦労して書き上げたケータイ小説が奪われた のを取り戻したりした。 これがエロゲなら、とうにフラグが立ってるころさ。 それに俺自身、あいつとの関わりの中で黒猫や沙織や…いろんな 人と出会い、色々な体験をすることができた。桐乃の奴とも、 以前からは想像もできないほど沢山の思い出を作ることができた。 だからといって、俺と妹の関係は何も変わりゃしない。 相変わらず桐乃は俺のことを毛嫌いしてるし、俺だってアイツの ことをちょっとは見直したけど、ムカつく妹のことなんて どうでもいいと思っている。 その、つもりだった…… 桐乃が俺に告げた「最後の人生相談」とは、その日アキバで深夜 販売されるエロゲを買ってきて欲しいというものだった。 エロゲは確保するものの、終電を逃してしまう俺。だが電話に出た 桐乃の声に何かを感じた俺は、なりふり構わず頼み込んで他人の 自転車を借り、妹の待つ家へ帰ってきた。 くそ、何で俺、大っ嫌いな妹の為に、こんな必死になってんだろな? 「お、おい……あんまくっついてくんなよ」 「しょうがないでしょ!こうしないとあたし画面見えないし!」 ー無事エロゲを渡した俺に、桐乃は一緒にこのエロゲをやらないかと 誘ってきやがった。だから、妹と一緒に妹もののエロゲなんかやれる かっての!…だが、なぜか断りきれない俺。俺は… あー……くそ……妹から妙にいい匂いがする。 まさか寝る前だってのに、香水でもつけてんのかな。 「アンタ顔赤くない?」 「ふ、風呂上がりだからじゃねえの?」 フゥ~…。ようし……その調子だ……静まれ…っ……俺の海綿体……。 …きゅ、9か月前には、上にのしかかられても何とも思わなかったの にな…今は、どうして、こんなに…… 桐乃の嬉しそうな解説を聞きながら、ゲームを進めていく俺。 桐乃とこうしているときは、普段嫌い合ってる関係じゃなく、いつだっ たか覚えていないほど昔の俺たちに戻れてるような気がして…嫌じゃ ない。 やがて、プレイしているエロゲの中で、主人公の兄とヒロインの妹は 無事結ばれ、喜びの中口づけ合い、そしてエロゲのお約束通りナニを おっぱじめだした。 だーっ!だ、だから、妹もののエロゲは嫌なんだっつの! こいつは本当に恥ずかしくないのかよ!と思って桐乃の方を見ると、 微動だにせず画面を集中して見てやがる。へえ…、いつか言ってた ように、本当にそういうの気にしないんだな… 「ねえ」 「…は?」 不意にこっちを見られて、瞬間息が詰まる。 …あれ?今は顔が赤いように見えるな。さっきは平気そうに見えたん だが…。 「この2人、すっごい幸せそう」「そ、そうだな…」 「キ、キスって、そんなにいいものなのかな…?」 「え」な、何言ってんだこいつ…一瞬焦っちまっただろ! 「い、いや、俺に言われてもな…経験ないし」 「うそ、アンタ地味子とキスもしてないの?」 「だからあいつとはそんなんじゃないって言ってんだろが!ぶっとばす ぞ!」「そ、そうなんだ、へええ…」 まったく、どいつもこいつも俺と麻奈実をくっつけたがる… あいつは本当にただの幼馴染だって言ってるのに… 「……」「?」 気がつくと、桐乃がやや上目遣いになって俺をじっと見ていた。 「……んだよ?」 「……あの、さ…」 「?はっきり言えよ」 「うん…あの、あのね…」 こくんと一回つばを飲み込む音が聞こえ、 「っキッ…キス……っ」 「お?」 「キス、……して、みたいな」 「へー…っておまえ、彼氏もいねーのに、一体誰と…」 「ア…ア…っ、アンタ…と…」 「なあああっ?!ナニ、何言っちゃってんの?!桐乃さんっ?!」 「ばっ、ばかっ!声大きいって!お父さんたち起きちゃう!」 なっ…何を言い出すかと思えばコイツっ…!う、嘘だろ?! 「(小声で)どっ…ど…どういうつもりだよっ!」 「んべっ…別にそのっ…じ、人生相談っ!人生相談よっ!」 「じっ…人生相談ったって限度あんだろっ…!だ、大体おまえ、 お、俺なんかとで…いいのかよっ…」くそっ、焦って口がうまく 回らない。頭が真っ白だ。な、何で俺こんなに動揺してんだよ… 「いっ…いいのっ…!ア、アタシがいいって言ってんだから…っ! そ、それとも、アタシとじゃ…不満なわけ? ……じ、地味子とじゃなきゃ嫌だっての…?」 「ちっ、違うっての!と、とにかくこの問題はじっくり考えよう、な? お、お互いクールダウンしてだなっ…こういうことは時間をかけて…」 「…っ、ばか。いくじなし…」「ぐっ…」不満を吐きつつも、とりあえ ずは諦めてくれたようだ。嫌いな妹なんかと誰がするか…なんてことは 何故か全く頭に浮かばなかった。きっと9か月前の俺ならそう即答して いただろうな。今の俺はただ………怖かった。 若干盛り下がりつつも、ゲームを再開し、なんとかエンディングを迎え たところで、俺は仮眠するべく自室に帰ろうとしたが、またしても桐乃に 引き留められた。オイまた人生相談かよ!いったいいくつ最後の人生相談 あるんだよ!ま…まぁいいさ。乗りかかった船だ。最後までやってやるよ。 だ、だが、桐乃の秘密の押入れ、その中でも今まで未公開だったスペース、 そこから転がり出てきたのは、なんとスカトロゲー。 ちょっ!桐乃先生そりゃーないっスよ! しかも本題はこれからだと?い、一体何があるってんだ! 桐乃が出してきた段ボールの中に収められたアルバム。 俺はそれをー ピッ σ ・見る ・見ない ええい、見てやろうじゃないか!もうこうなったら、毒を食らわば皿までだ! 「で、でね!次はこのアルバムなんだけど…………」 「あ、ああ。い、一体どんな最終兵器なんだ、それは……?」 「うん……こ、これ…」何だか固まったような顔のまま、桐乃はアルバムを 俺に広げて見せた。そこに飾られていたものは… 「な、なんだ。フツーの写真じゃないか。中坊くらいか、コイツ。 はっ、何だか地味そうなツラした奴だな。まるでエロゲの脇役みたいな顔じゃ ねーか…」「それ、アンタなんだけど」 「ぶフォッ!俺っ?!…ど、どおりで見覚えのあるツラだと思ったぜ。…… って、これも、これも…前のページも、その前も…」 「うん…あ、兄貴の…写真…」 「え…これって…え…」 ど…どういう…ことだ…?わからない…何で、ずっと俺のことを嫌ってたはずの 桐乃が…俺の写真を…こんなに…大事そうに… 「こ…この間、家のアルバムを見たとき、俺の写真が1枚も無かったのは、 お前が全部取っちまってたから…なのか…?」 「う…うん。もう結構前の話だけどね。」「な…なんでだよ」「そ…それは…」 俺は改めてアルバムを順にめくっていった。 生まれた頃の俺。 両親と3人で写ってる俺。 まだ赤ん坊の桐乃と俺。 七五三の晴れ着を着て桐乃と俺。 ランドセルをしょって手をつないでる桐乃と俺。 親父の田舎を背景に、虫取り網と籠をそれぞれ持って手をつないでる桐乃と俺。 写真の中の桐乃が隣の俺に向けている笑顔は、どれも今からは信じられない程 無邪気な好意と信頼に満ちて輝いている。写真の中の俺もまた、かけがえのない 相棒に同じ笑顔を返していて…切なくなってしまう。 もう何年も、お互いに無視し合ってきた関係…あいつは俺のことを毛嫌いして るし、俺だってそんなあいつのことなんて考えたくもない… そう考えて、近寄ろうとすると威嚇する妹に、それ以上近寄ろうとせず、 干渉しないようにして暮らしてきた。 なのに、なぜ、そんなあいつが、俺の写真なんかを…? 「ずっと前…ホントにちっちゃい頃は、こんな風に、あたしたち、ずっと一緒 だったんだよ。兄貴はいつだって…あたしのこと、一番に見ててくれたし、 二人っきりで遊んでくれたし、とっても優しくしてくれた…。」 桐乃はアルバムを見つめたままで話し始めた。 「すごく…すごく嬉しかった…アンタがいてくれれば、それだけであたしは 幸せだった…このまま、ずっとずっと、二人だけでいられればいいと、本気で 思ってた…」 幸せな思い出を懐かしむように、アルバムを優しくさすっていた桐乃の指が、 「でも…」急に凍りついたように強張った。 「あの女が現れて、アンタは…あの女と…地味子と遊ぶようになって…あたしは アンタの2番目になっちゃった…あたしは、地味子のおまけみたいになって… アンタと二人きりでいられなくなってっ…」 「桐乃…」お前…そんな…そんな風に…俺… 桐乃はアルバムの上でコブシを握りしめた。下を向いたままの桐乃の表情は伺えない。 「あたしは…後から来てあたしの居場所を取った地味子にも…あたしのことだけ を見てくれなくなったアンタにもムカついたのっ…だから…あたしにもっと 構ってくれるように…駄駄こねて…そっぽ向いて…」 「桐乃…」 「そしたら…アンタは…もっとあたしに構ってくれなくなっちゃった…地味子と ばっかり遊ぶようになって…あたしのことは…置き去りにして…」 「……」 桐乃は、ここでようやく顔を上げて俺の方を見た。 烈しく燃える瞳が、動揺して何も言葉を発せないでいる俺の瞳を 射抜かんばかりの勢いで見つめ返してくる。 「あたしは…ほ、ホントにムカついて、もうアンタなんか知らない、アンタなん かこっちが追い抜かして、ずうっと遠くに置き去りにしてやるんだって… いっぱい、いっぱい頑張ったの…!何もかもアンタに頼ってたあたしが、アンタ 無しでもやれるってことをアンタに見せつけてやるために……っ!」 「………」 「それまで、勉強も運動もろくにできないダメな子だったあたしは、アンタを 見返すために毎日努力して…少しづついろんなことを覚えて、上手くやれるように なっていったの…」 桐乃がダンボール箱の中から出してきた小学校の通信簿。3年生まで、平均より 遥か下だった妹の成績は、ある学期を境にどれも少しづつ上がりだし、6年生の 通信簿は、ほとんど最高評価のものばかりになっていた。 「もうあたしはなんでも上手くやれる。あたしのことをないがしろにしたアンタ なんかよりずっと偉くなったんだから…っ、もう、アンタなんてあたしには必要 ないっ…もういらない…っ………!」 激しい憎悪の言葉…けど、そこで俺の生意気な妹の目は、急に火力を弱め、 ふにゃっと悲しげに霞んでしまう。 「ホントに…そう、思ってんのにっ…でも…でも…やっぱり… 寂しいの…」 「あたしのことを、ろくに見てもくれない…気にかけてもくれない…それでも… やっぱり…アンタがいてくれないとイヤなの…アンタじゃないと…イヤなの… アンタと…一緒に…いたいの…」 「………っ……!」桐乃…! 桐乃の瞳には…いつしか揺れ光るものが満ち、端からこぼれだし始めていた。 もはや俺には、まっすぐ妹を見ることすらできなくなっていた。くそ…視界が… 揺れやがる… 「……アルバムの写真の中なら…アンタはいつだって…あたしのことだけを見て くれてるし…あたしだって…何も考えずに幸せなまま、笑ったままでいれる… そんな写真を見てるだけで…す、少しは…今のあたしも…幸せな気持ちに… なれるからっ…」 「妹もののエロゲもそう…ゲームの中の妹はみんな…だ、大好きなお兄ちゃんに いつだって素直に好きって言えて…お、おにいちゃんだって…優しくしてくれて… ひぐっ…うっ…そっ…それでっ…ずっとっ…いっ…一緒にっ…いられ…て…」 桐乃の頬には、もはやとどめようもなく涙が流れ落ち、寝巻きにこぼれおちて いくつもの染みを作っていて…こみあげる感情に…話すこともできなくなっていて… 俺は……っ! 「桐乃っ!!!!」 俺は、震える妹を全力で抱きしめた。俺の体もまた、震えが止まらない。 自分の犯した過ちの大きさに、押しつぶされそうな後悔の念に… 「……っ……ひっ……」俺の腕の中で嗚咽をつづける桐乃。 ちくしょう!ちくしょう!ちくしょおおっ!俺なんか、今すぐ死んでしまえばいい! 世界でたった一人の、小さなときからずっと一緒だった大事な妹を、俺が自分のこと しか考えられなかったせいで、いったいどれほど深く、永く苦しめてしまったのか…! そうだ、皮肉にも今なら鮮明に思い出すことができる。 はじめて俺が麻奈美に出会ったとき、新しい身近な友達の出現に、俺は一時的に妹の 存在を麻奈美の二の次に捉えてしまっていた。時には邪険にしてしまうことすら あった。それまで、同じ年頃の子供たちと比べても、俺たち兄妹はおかしいくらい 仲が良かったのに。妹のことが嫌いになったわけじゃない。ただ、少し新しい刺激に 夢中になってしまっただけ。本当は、いつだって妹の桐乃のことが、誰よりも一番 大事な存在だった。それなのに、妹にちょっと冷たくされただけで、こちらから 歩み寄ろうともせずあっさりと大事な存在を切り離してしまった。それによって、 桐乃がどんなに傷つくか想像もせずに…!臆病者の俺は…っ! そして、それから何年も、俺のことが嫌いな妹なんてどうでもいい、俺だって 大っ嫌いだと、傷つくのを恐れ、現状維持に終始して安穏と生きてきちまったんだ。 その間ずっと、大事な妹が心の痛みをこらえながら努力していたことに気付きもせず…! それで、自分のことを「凡人」で、「平穏な生活が一番」なんてのうのうと謳って… 馬鹿か俺は!全然「凡人」なんかじゃねえよ!立派な「クズ野郎」だよ! あの頃、桐乃にもっと歩み寄っていれば…! 俺だって、本当はずっと、大好きな妹と、もう一度前のように仲良くなりたいと思って たさ!でも、俺を拒絶するあいつに、もう一歩踏み込む勇気が無かったばっかりに… 自分をごまかして…でもそのせいで、桐乃はっ…! 桐乃…!桐乃…! 「ね、ねえ…兄貴…?…兄貴…」 気が付くと、桐乃が涙を残したまま、自分を抱きしめている兄の俺の顔を覗き込んでいた。 俺もまた、いつの間にか涙を流してたんだとそのとき気づいた。 「き…桐乃ぉ…ごめ、ごめんな…俺…おれ…くそ…おまえのこと…何もわからねぇで…、 自分のことばっかで…おまえのこと…助けてやれなくて…ごめんな…っ」 桐乃が俺の弱さのせいで受けた悲しみ…それを、今更俺がどう謝ったところで、 もはや無かったことにできるわけなどないし、わずかでも報いられるとも思っちゃいない。 それでも、土下座してでも、俺の不甲斐なさを詫び、あいつの気が少しでも済むよう、 いくらでも言葉を尽くして、謝ろう。 そう思っているのに、実際には、涙と鼻水をすすりあげながら、途切れ途切れにしか聞こえ ない声で、ほとんど意味不明なつぶやきを発するばかり…。なんて情けねぇんだ俺は!糞! なのに、あいつは、桐乃は… 「ばか…そんなこと、ない…!アンタ、去年、困ってたあたしのこと…助けてくれたじゃ ない…あたしの悩み…バカにしないで…ちゃんと聞いてくれたじゃない…とっても… 嬉しかったんだよ…?」 俺はその言葉に、目の前が真っ暗になる。 「あれはっ…!!あれは…バカ野郎…ただ、ただ面倒臭くて、早く寝たかっただけでっ…! お前の気持ちなんかっ…何一つっ…!」 「それでも…それでもね…嬉しかった…なんだか…昔に戻ったみたいで…アンタは… あたしのわがまま…何でも聞いてくれて…アンタと…しょうもない話…いっぱいして… あたしが困ったとき、いつも助けてくれて…まるで…夢みたいに幸せだったよ… ほんとにありがと…兄貴…」 「あ…!ああ…!うあああっ…!」俺に傷つけられてきたはずの桐乃の、その感謝を聞いて 俺は…ひたすらに慟哭した。妹に、こんな想いをさせて、俺は…俺は… 「も、もう…兄貴ってば…泣かないでよ…ほんとに…ばか兄貴…」 どれだけ時間が経ったか…ようやくお互いが落ち着いてから、桐乃はさらりととんでもない ことを口にした。 「ほんとはね、あたし…明日、アメリカに留学するつもりだったの。その為の手続きも、 もう全部済ませてあったし。」 「んなっ…!ま、マジかよっ!」「うん、マジ」「おまっ…」怒鳴りかけ、不意に俺は、 最近感じていた違和感を思い出した。そうか…それでだったのか…でも。 「今夜はね…その前に、色々区切りをつけようって思って、アンタに…最後の人生相談、 したの。ずっと我慢してた色んなこと、吐き出して、すっきりしようって…」 「そうか…。ごめんな、桐乃…本当に」「ばか、もういいよ、…ったく、アンタが あんまり大泣きするから、なんだかすっかり予定が狂っちゃったじゃない」 「ぐっ…そ、そんな、泣いたりしたっけ俺?」「はいはい痴呆症乙w」 「でも…やっぱり、あたし行くのやめる。いろんな人に迷惑かけちゃうけど、あたしは まだ、今はここに居たい。陸上の練習くらい、あたしにかかれば日本でだって余裕で 完全なものにしてみせるわよ。こっちにはあやせや加奈子、黒猫や沙織もいるし… もちろんお父さんやお母さんとも、離れたくないしね!」 「……」俺は入ってないのかよ!まったくこいつは… 「あーそう、おまけで泣き虫な誰かさんも追加してあげてもいいかなあ~♪」 「おまっ!…い、いい加減そのネタしつこいぞ!まさかとは思うが、オマエ、あやせとか 黒猫たちにその話ばらすんじゃねえぞ?」「え?なんか言った?」 「さっそく携帯でメール打とうとしてんじゃねえよっ!」 桐乃の携帯を奪い取る俺。まったく…完全にいつも通りじゃねえかよ。まあ、いいけどな。 「ばかじゃん?言うに決まってんじゃないこんな面白いこと♪」 「頼むやめてくれ一生のお願いだ」 「あたしの言うこと聞いてくれたら考えてあげなくもないケド」 「な…なんだよ」 桐乃はそこで俺の方に向き直った。いつの間にか、顔が赤らんでるのはー 「キス。してくれたら」 これだよ。全く、困ったもんだ我が家のお姫様には。 でも…俺だって以前とは変わった部分だってあるんだぜ。 そう…この俺のわがままでこんなに可愛い妹を驚かせてやれるくらいにはな! 「んっ?…あ、兄…貴…。ん……」 「桐乃…」 「………大好きだよ、お兄ちゃん♪」 完
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/615.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1330012485/431-437 「なあ、前から気になっていたんだが」 リビングで、足を組みながらファッション雑誌を見ている桐乃に対し、俺はそう切り出した。 今日は、両親共に家を留守しており、俺と桐乃の二人で留守番をしている。 無論、桐乃と二人で留守番なんて望んでいるわけでも無く、どこかに出かけても良かったんだが、残念ながら赤城も麻奈実も捕まらず、 別段何か買いたいものがある訳でもなし、家で留守番するという選択肢を選ばざるを得なかっただけだ。 目の前で、ファッション雑誌を真剣に吟味している桐乃もまた、同様だろう。黒猫や沙織、あやせとかが今日偶々皆忙しくて、仕方なしに家で留守番しているのだろう。 だから渋々、まるで仲の良い兄妹のように、二人で留守番をしているという訳だろう。 特に二人、会話をする訳でもなく、リビングで各々雑誌を読みふけっていたのだが、少し会話をしてやってもいいかという気分にもなったので、気になってた事を切り出したのが今だ。 「…………」 そして相も変わらず無視を決め込んでくれている妹様。ったく、会話もする気がないんだったらリビングじゃなくて自分の部屋に篭ってりゃいいのにな。俺の部屋と違って、 自分の部屋にエアコンあるんだからさ。俺は当然、扇風機を回しても生暖かい空気が循環しかしないサウナのような自分の部屋から逃げるという理由があってリビングに居るだけだがな。 「おまえって、本当に妹が好きなわけ?」 相手が無視していても、敢えて会話を続けてやる。確実に聞こえている筈なので、このセリフで間違いなく、食いつく事が分かっていたからだ。 「今更、何いってんの、あんた」 ほらな? 「なに、なになに、あたしの妹に対する講釈を聞きたいってワケ? 仕方ないな、特別に教えてあげる。いい? 妹はね――」 「すとーーーっぷ! 聞きたくねえから! つかまだ俺の話終わってねえからっ!」 俺が慌てて桐乃の話を止めると、明らかに不満気に眉を潜める。余程講釈をしたかったと見受けられる。だが、勘弁してくれ。前に無理やり講釈を聞かされて気付いたら 2時間以上経っていた俺からすれば、もううんざりだという感想しか持てない。 しかも桐乃に言わせれば、まだ導入編、序章しか話してなかったというんだから俺のうんざり感が分かるだろう? 「ちっ……なによ、言いなさいよ」 それだけで舌打ち。いらっと来るが、これでいちいち文句を言っていたら話が終わらないので、驚異的な自制心を発揮しながら、俺は本題を切り出した。 「前に、おまえが黒猫の妹に対し、色々と暴走してたのを見て思ったんだけどよ」 暴走なんてしてないし、と言いたげな桐乃の視線を感じたが、無視する。あれが暴走じゃなかったらおまえの真の暴走はどんだけなのかと想像するだけでも恐ろしい。あれで暴走だと思わせてくれ。 「別に、兄と妹、という組み合わせじゃなくても、姉と妹でも、そのなんだ、おまえにとって妹扱いになるわけだよな?」 「当然っしょ。妹は妹だし」 心の底から当たり前の事を言っているという表情で、桐乃が断言する。 「じゃあさ、沙織はどうなん?」 沙織も確かちゃんと姉が居た筈だ。つまり、彼女は妹という事になるよな。 「……あ、あー、沙織はその、別っしょ。その、知り合った時は妹だと思ってなかったし、それに未だにお姉さんに会った事無いし、なんて言うか妹だという実感が無いっていうか」 ふむ、なるほど。 「じゃあ、瀬奈は? あれは初めから赤城の妹だって認識はあったんじゃないのか?」 いつの間に仲良くなってたから具体的な経緯は知らないが、赤城の妹だって事は知っているよな。お兄ちゃん連呼してたりする事もあるし、実感は嫌という程沸くはずだ。 「せなちーは……その、友達だから?」 「じゃあ日向や珠希ちゃんは友達じゃないと?」 「そりゃその……友達、だけどさ」 良かったぜ。妹だから友達もクソもないとかそういう宣言をされたりしたらどうしようかと思ったぜ。逆にそれ、妹に対して失礼だからな。 「それとさ、俺が知らないだけかも知らないけど、ブリジットにもおまえ、その、萌えてたよな? あいつ、別に妹じゃないだろ」 「…………」 「この事から推測するに、おまえは妹キャラが好きなんじゃなくて、同性に対するロリコ」 「すとーーーーっぷ! それ以上続けんなっ! 何言っちゃってんの! あたしは、妹が好きなの、ただそれだけなんだから変な事考えんな!」 俺の言葉を遮り、凄い勢いで捲し立ててくる妹。いや、なんでこいつがこんなに怒ってるのかが分からないんだが、これは俺が鈍いからなのか、普通の人は分かんのか? つか自分の妹が「妹が好き」なんて事を考える方が余程変な事じゃねえか? 「…………なあ?」 「…………何よ?」 なんで顔を赤らめて顔を背けてるんだ、こいつは。何か恥ずかしがる要素が今の会話にあったのか? 「なんで、そこまで、妹が好き、という事に拘るんだ?」 「…………」 そこで黙りこんでしまう。まるで何か言い難い事があるような、それでそれが言えないようなそういう態度。前に何故妹が好きなのかと聞いた時は分からないと言っていたが、 今回はそもそも妹が好き以外の可能性が提示されている。それなのに、何故、妹が好きという選択肢に縋るのか。つか、自分より年上の妹とかが居ても本当にこいつは悶えるのだろうか。 まあ、エロゲーのヒロインは全員18歳以上だがな。 「……き、聞きたい?」 「いや、そこまで凄い聞きたい訳じゃないんだが」 なんでそんな恥ずかしがってる顔で、ちらっとこちらを見てるんだ、こいつは。 なに、なんのイベント始まってるの? 妹に「妹が好きな事に何故拘るのか」と聞いたらなんかイベントが始まるのが高坂京介の人生なのか? イベント発生条件複雑過ぎだろ。 「そ、そう」 あれ? いつもの桐乃ならここで俺の意見など聞かずに一気に捲し立てる筈なんだが。あっさりと引き下がったな。 ……こうあっさりと引き下がれるとなんだか、気になってくるよな。俺だけじゃないよな? 「……やっぱ聞かせてくれ」 別に妹が「妹が好きな事に何故拘るのか」が気になっている訳じゃないからな、マジで。 桐乃は背けていた顔をこちらに戻し、俺を真っ直ぐと見つめた。瞳が心なしか潤んでるように思える。それに顔も赤く見える。え、なに、なにがはじまんの? 俺の中の警鐘が、危険という悲鳴を上げている。嫌な汗が背中に滲んでいる。え、え、何、ちょっと完全に先行きが予想不能なだけに、どうすればいいのかすら分からない。 き、聞かねえ方がいいんかな。でも、聞くって決めたしな、今更こう引くのは……。 そんな俺の心境を知ってか知らずか、桐乃は俺をしっかりと見据えて、少しコクリと喉を鳴らして、徐ろに切り出した。 「……あたしが、――妹だから、よ」 「…………」 いや、そうだよな? 妹だよな? え、なに、実は妹じゃない設定だったのか? で、なんでこいつは言っちゃったみたいな顔してんの? ここで安易な台詞なんか不味い気がする。しかし、他に選択肢なんて無くないか? ゴクリ、し、仕方ない。頭に浮かんだ台詞をそのまま返すしかない。 「そ、そうか。確かにおまえは俺の妹だもんな。で、だから、妹が好きな事に拘りたい、んだな。そうか、わ、分かった」 全く分かってないが、このまま話を終わらせる事にする。なんか空気が危険だ。 「…………」 桐乃はこちらをじっと見つめている。潤んだ瞳に、俺の顔が写っている。頬が赤く、息づいかいも何だか艶かしい。ソファの端と端で座っていた俺と桐乃。だが、 桐乃が距離を詰めてきている事に気付く。二人の距離は、今、近付いていた。 不味い。何が不味いのかまるっきり分からないが、不味いという状況だけは分かる。この空気はぶち壊したいが、壊し方を誤ると、とんでもない事に成りうる。そういう危うさ。 か、考えろ高坂京介。ヒントは、妹が好きな事に拘るのは、桐乃が妹だから。 ん、待てよ? 何かに気付いた。そう、些細な違和感を感じる。待てよ。そうだ。 俺は、桐乃が妹ゲーをしていて、妹の可愛さを語っていて、その妹キャラと桐乃がまるで違っていて、自分で自分のダメ出しをしてんのか、 或いは妹という自覚が妹ゲーをしている時はないのだろうと考えていた。何故なら、自分が妹だという自覚をしていて、妹ゲーが出来るとも思えなかったからだ。俺が、 兄という自覚あって妹ゲーを攻略するのに精神的に疲れるのだから、ああやってゲームを楽しめるという事は、ゲームと現実を、2次元と3次元を別に考えていて――。 「な、何黙ってんのよ、な、なんか言いなさいよ」 思考に耽っていた俺を、黙りこんでると判断したのだろう。桐乃が、不安げに俺に話しかけてくる。待ってろ。今、頭がフル回転しておまえの事を分かろうとしてんだから。 2次元と3次元は違う。ゲームと現実は違う。だが、桐乃は現実でも妹が好きで、日向とか珠希に悶えていて。現実でも妹が好きで。ゲームで妹が好きだから、 現実の妹が好きになったのか? それとも現実の妹が好きで、いや、自身が妹だから、妹が好きで……待て、待て。 「自分が妹だという自覚があって、妹が好きで、妹ゲーに嵌って、そして、それを俺に――」 ――エロゲーは、俺と妹の愛の絆。 ――禁断の愛を集めていて。 ――全てが兄妹の恋愛を描いた作品。 可愛さを求めているのであれば、年下の女性が好きである、でも問題はない筈だ。 だが彼女は妹である事を求めた。年下の幼馴染が居る作品とかじゃ駄目だった。妹である事。つまり可愛さじゃなく、その設定にこそ重きをおいた。兄と妹が結ばれる関係。妹ゲーとは妹を攻略するゲーム。いや、 自身が妹の立場だと想定すると、妹が兄に攻略されるゲーム。それも、兄の選択肢を、自分が望む選択肢を答えさせる事が出来る。つまり、それは――。 「ば、馬鹿じゃん」 俺の思考が結論に向けて収束しつつあったのを止めたのは、桐乃の短い言葉だった。 「な、何か変な勘違いしてんじゃないの? べ、別に深い意味なんてないっての」 ――――。 その言葉を聞いた瞬間、全身からどっと汗が吹き出した。変な事を考えてしまっていた自身に対する羞恥だろうか。それか、緊張が溶けて安心した為か。決して、 何か残念の様なそういう気持ちは無い。だって、そんなの、気持ち悪いじゃねえか。そうだろう? 「だ、だよな? 悪い、悪い。ははっ、ふう、冷や汗かいたぜ」 「…………」 明らかに安心した態度の俺に、桐乃が何か複雑な表情を向けている。 「桐乃?」 その時の俺は完全に油断をしていた。桐乃が直ぐ近くに座っている事。潤んだ瞳。赤くなった顔。そういう全てが頭から完全に消えていた。 「やっぱ、嘘」 桐乃が俺の肩に手を掛ける。油断していた俺は、その動作に反応が出来なかった。そのままその手に体重を掛けられる。たかが女子中学生の、 しかもモデルをやるような細身の体重などとたかが知れていた。それでも、油断をしていたからだろうか、あっさりと押し切られる。 「え?」 ソファの肘掛けの部分に背を付けるような形になる。そのまま、体重を掛けられ続けたら、俺はソファから落ちてしまう。だから、自然ふんばろうとして顔を持ち上げる事になる。 そこには妹の顔。……避ける暇なんて無かった。 「……ん」「……!」 唇に感触。柔らかく、しっとりとした感触。蕩けるような甘美な感覚。だが精神を支配したのはそんな甘いモノでは無かった。 慌てて、桐乃の肩を押し戻す。そして言葉を続ける。 「わ、悪い! 避けられなくて、た、他意は無かった、すまん、本当に悪かった!」 俺の頭の中は真っ白だった。そこにあったのは罪悪感。妹のキスを奪ってしまったという行為。まるで自分に非はないのだが、 男と女ではキスの価値が違うだろう。俺にとってこれはファースト・キスになる訳だが、もし桐乃にとってもこれがファーストキスになるのであれば、 俺はとんでもない事をしてしまった。事故であったとして、まるで非がなかったとしても、妹のファーストキスを自分が奪ってしまったというその事実が、余りに重い罪悪感を生んだ。 殴られても、蹴られても、甘んじて受けてやろう。妹の気が済むまで、とそこまで覚悟をしていた。 「馬鹿じゃん」 俺の言葉を全て聞いた桐乃は、ただそうと呟いた。顔を伏せているので表情は見えない。今の桐乃の中では俺に対する怒りで渦巻いているのだろう。 「くっ……すまない」 俺は悪くない、被害者だ、と言っても良かった。だがそれは出来なかった。例え、それが理不尽であっても、兄としての自分の心が、 それを許さなかった。妹の始めてを兄が奪うだって? このクソ野郎が、死に晒せ、と俺の兄の部分が全力で俺を罵倒する。 そんな俺を、 「馬鹿! 本当にあんたは馬鹿! 馬鹿、馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿! いっぺん死んだらどうなの! 分かってない、どうせあたしが怒っている理由だって分かってない、それがムカツクの! あたしの気持ちを、勝手に決めんな! 分かる? あたしが怒ってんのは、悲しいから! 悲しいから怒ってんの……!」 桐乃は、涙を流しながら罵倒する。 悲しい、から? 俺にファースト・キスを奪われて? 「やっぱり、分かってない! 兄妹だから分かる、あんたが何を考えてるのか、今ははっきり分かる! でもね、それがあたしを傷つけるの! 分かんないの? なんで分かってくれないの? あんたが分かってくれるなら、それで、全てを許せるのにっ!」 言葉の本気さが、ひしひしと伝わってくる。どれも掛け値なしの本音で、想いだった。 でも俺には分からない。桐乃が何を言っているのか分からない。いや、分かろうと、してないのか。 「あんたが……、あんたさえ……っ!」 俺は桐乃を抱き寄せた。 「……!」 そして、出来る限り優しい声で、俺は伝えた。 「悪い、……悪い。分からねえ。確かに、おまえがなんで泣いているのか。きっと俺は全然分かっちゃいない。 でも、駄目なんだ。嫌なんだ、おまえが泣いているのか。だから、ほら、泣き止んでくれ」 頭を撫でてやる。小さな頃、よくこうやって妹を泣き止ませた。その事をふと思い出す。 「……死ね。ホント、あんたはなんで、……こうなの?」 言葉は刺々しい。しかし、態度として嫌がる素振りを見せなくて。俺の胸に顔を押し付けながら、桐乃は大人しく頭を撫でられていた。 「本当にな……。どうして、俺達は、こうなんだろうな」 すれ違っているような、そういう感覚。もしかすると俺のこういう行動さえ、妹にとっては酷い行いなのかも知れない。けど、俺はこうするしか出来ない。 でもさ、信じてくれよ。俺は決して、おまえを傷つけたい訳じゃない。 おまえが、大事なんだよ。 そういう想いを込めて、優しく、妹の綺麗な髪を撫でてやる。 「……フン、今は……別にいい」 想いが通じたのか、桐乃の言葉から刺々しさがなくなったように思える。 「今は、あんたの妹で居てあげる。でもね、いつまでも続くと思わないでよね」 それは、いつかの別れを示唆しているのか、それとも。 まあ、いい。今、この時間が俺は嫌いじゃない。 だから、暫くてもいい。俺を、おまえの兄で居させてくれ。 いつか、その関係が終わってしまうその時までは。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/287.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1289713269/464-480 暑い。ひたすらに暑い。空を仰ぎ見る。雲一つない快晴が、今日ばかりは恨めしい。 夏休みも残り1週間あまりとなった、午後の駅前である。腕時計に目をやると、針は2時半を示していた。 「おせぇな、あの野郎」 待ち合わせの時間に10分遅れた俺だが、そこからさらに20分待っている。何が哀しくてこのクソ暑い中、野郎を待って20分も突っ立ってなきゃならんのか。俺は我慢弱く落ち着きのない男なのだ。だんだんバカらしくなってきて、ああもう帰ってやろうかなどと思い始めた頃、 「よっ、お待たせ」 爽やかなのか軽薄なのか判断しかねる声がした。俺の待ち合わせ相手……赤城である。 「なにがお待たせ、だ。殴ってやろうか」 「そう怒るなよ、高坂。いやぁ、ちょっと瀬菜ちゃんと話し込んじゃってよ、家出るのが遅れちまったんだわ。待たせて悪かったな」 額から汗がつー、と流れるのを感じた。 「話し込んだって……何をだよ」 「ん? これからおまえんちに遊び行くこととか」 最悪のパターンだった。こ、これだから嫌だったんだ……! 瀬菜が締まりのない顔でよだれ垂らしながらうへへへへと妄想に浸っている姿が容易に想像できる。休み明けに学校で顔を合わせるのが今から憂鬱になった。 まあ、ここで瀬菜のことを気にしていても仕方ない。面倒事はさっさと済ませて、全て忘れてしまおう……それが一番だ。 「じゃ、行くか」 「おう」 模試の判定がどうとか志望校がこうとか、曲りなりにも受験生らしくはある会話をかわしながら、俺達は駅から離れ歩いていく。 「なあ……あのさ、高坂」 「あん?」 「おまえのこと……今日から、“京介”って、呼ぶから」 「……突然どうした」 「だって、その方が……マブダチっぽいじゃん?」 赤城は照れくさそうにしていたが正直言って気色悪いことこの上ない。だいたいマブダチってなんだよマブダチって。家に呼んだくらいで勘違いしてんじゃねぇよ。 「断固辞退する」 「なんだよ、照れてんのか高坂ぁ」 「ちげーよ! 殴っぞ!?」 こんな俺達の様子は瀬菜から見たら初々しい恋人同士……って違うよ! ふざけんなちくしょう! ま、まさかとは思うが瀬菜のやつ、赤城の後を尾けてきたりしてないだろうな……。 くそ……いったいなんでこんな思いしてまでコイツをウチまで連れてかなきゃなんねーんだよ……。 「よっしゃ、早いとこおまえんちまで案内してくれよー、京介」 「うおらァッ!」 「げふっ!?」 とりあえず赤城を黙らせて……数日前の、桐乃とのやりとりを思い出す。 わかるだろ? 俺が面倒事に巻き込まれる時、そこには決まって妹の影がチラついているのさ。 麻奈実との図書館での勉強を終えて、帰宅した時のことだった。 「ねぇ、あんた友達いないの?」 「帰ってきて早々いきなりひでぇ言い草だなァてめえは!?」 扉開けてリビング入った瞬間にこれだよ! ただいまって挨拶する暇もなくツッコミをせねばならない俺の心労をてめぇら理解してください。お願いだから。 まあ……こういうのに、ある種の心地良さみたいなのを感じるのも事実ではあるけどな。い、言っとくけどマゾじゃないんだからね! 桐乃の彼氏疑惑騒動も落ち着いて、ようやくいつもの日々が戻ってきたって感じなわけで、日常というものをこよなく愛す俺が、それを喜ばないわけがあるまい。そう、それだけだっての。 桐乃は定位置のソファの上で両脚を抱えて体育座りしていた。どうでもいいが、脚線美を惜し気もなく晒すそのショートパンツ……太ももの付け根あたりに薄い桃色の何某かがチラチラと見えてるんですけど桐乃さん。 いやどうでもいいんだけどね。 「俺にもなぁ、友達ぐらいいるっての。おまえだって知ってんだろうが。黒猫とか沙織とか……麻奈実とか」 「だからぁ……いっつもあたしらとつるんだり地味子とベタベタしてるじゃん、あんた。男友達っていないわけ?」 麻奈実の名前を出したらいつもみたく不機嫌になるかと思ったが、特にそんなこともなく。なるほど、そういうことね。 「そりゃいるよ。おまえが知らないだけで、けっこう遊びに行ってたりするって」 「でも、うちに連れてきたりはしないじゃん」 なんかやけに喰いついてきやがるなぁ。そもそもこいつ、なんで急に俺の友達のことなんて気にしてるんだ? まあここで質問に質問を返す形になってしまうと話がこじれそうな予感もあったので、素直に答えてやることにする。 「あのな、俺の部屋にダチ連れてきていったい何をやるんだよ」 そりゃ女は集まってぺちゃくちゃ話してるだけでも楽しいのかもしれんが、男はそうではないのだ。まあゲームとかがあるなら別だろうが、生憎と俺の部屋にあるのは妹から押しつけられたエロゲーだけなのだった。 と、俺は至極普通に答えただけだったのだが、何やら桐乃の様子がおかしい。目を見開いたかと思ったら、次の瞬間にはカァッと頬を紅潮させ、ぷいっと視線をそらした。 まるで愛を告白された女の子が恥ずかしくてするような仕草である。可愛くはあるのだが、明らかに変だった。 「な……ナニって……」 「……? どうかしたのか、おまえ。熱でもあんのか?」 「な、なんでもないっ」 まあうちの妹が変なのは今に始まったことではない。そして桐乃が変なことを言い出すと、決まって面倒事に巻き込まれるのだ。俺は諦観の境地で桐乃の言葉を待つことにした。 「……ね、ねぇ」 「なんだよ」 「……今度、あんたの友達……うちに連れてきなさいよ」 とまあ、そんなわけである。ご理解いただけただろうか。 気乗りしないというのが本音だった。 これまで何度も言っているが、我が家の妹様は見てくれだけならそりゃもう可愛いのだ。あやせとさえ出逢っていなければ、この俺も桐乃マジ天使!みたいにアホなことを言い出していたかもしれない。ふん、そういうのは赤城のキャラだっつーの。 「へっへっへぇ。まさか高坂の家にお呼ばれされるなんてなぁ」 そしてその赤城は、機嫌よさげに俺の横を歩いているのだった。赤城が俺の家に来るのは初めてなので、駅で待ち合わせて案内しているというわけだ。断じてデートの待ち合わせなどではなかったんだよ、アレは。 友達を家に連れてこい、と命じられて俺が選んだのは、結局こいつ1人だったわけだ。複数連れてくるなんてのは最初から選択肢にない。繰り返すが、俺の妹は見てくれだけはマジ天使なのだ。後は言わなくてもわかるな? その点、病的シスコンである赤城ならそんなに心配する必要もないだろう。まあ仮に何かあったとしても、こいつだったら何の気兼ねもなく殴れるからね。 「なぁ高坂よ、今日っておまえの妹は家にいるわけ?」 早速話を振ってきやがったよこいつ! 人様の妹に興味持ってんじゃねぇよこのシスコン野郎!? チッ、人選ミスったか……? とりあえず後で瀬菜に言いつけてやる。 「まあ、いると思うが……」 そもそも桐乃が連れてこいって言ったんだから、その本人が家にいないわけがない。もちろんそのことは赤城には話してないがな。 だってそんなの話したら絶対調子乗るじゃんこいつ。へっモテる男は辛いぜ、とか勘違いしちゃうに決まってるじゃんこいつ。俺だって無益な殺生はしたくないのだ。 「けっこう楽しみにしてんだよね、俺。おまえんちの妹ってかなりの美人らしいじゃん?」 「俺の妹に色目使いやがったらブッ殺すぞてめえ。それとも今死ぬか? ん?」 「……め、目がマジだぞ。落ち着け高坂」 は? 落ち着いてるよ? 落ち着いてますよ? 俺はさァ、落ち着いてマジでブッ殺す気満々なンだよ、赤城くゥゥゥゥゥン!? 「安心しろ、家族への手紙は俺が書いてやる」 「書くなよ! っていうか何の手紙だよ!?」 「心配しなくてもおまえの死体はちゃんと山に埋めるから俺は捕まったりしねぇよ。なに、妹の親友がその道のプロでな」 「怖ぇーよ!? なんなの!? おまえの妹、ヤーさんの友達でもいんの!?」 なんかいつもと役回りが逆な気がしないでもないが、気にしちゃいけない。 ……ああ、そうだよ。わりぃかよ。御鏡の一件以来、俺のシスコンぶりは病的なまでに進行してるんだよちくしょうめ……! なんつーか……妹に俺以外の男が近付くってことに、過剰に反応しちまうっていうか。この間もあやせに電話で学校の男共の様子とか聞いてキモがられたし。あのニセ彼氏騒動が、俺が自分で思っている以上に堪えたってことなんだろうな……。 そして、赤城は赤城で、顔は確かに爽やか系のイケメンなんだよね。中身はバカな上にシスコンの変態で、残念なイケメンを地でいくある意味稀有なキャラではあるのだが。いや待て、残念なイケメンって点では御鏡も同じだったな……。 それにほら、例の、桐乃の恋愛対象になるっていう……3歳以上年上って条件にも当てはまるし。そりゃまあ俺が桐乃の3つ上なんだから、俺のダチも同じなのが普通――ま、まさか桐乃の奴……俺のダチから彼氏候補を見繕おうと……!? 「赤城、やっぱり殺していいか」 「なんでだよ!? 嫌に決まってんだろが!?」 い、いやぁ……まさか、な……? そんなこんなで赤城と不快なやりとりをしているうちに、我が家に到着した。 「ほーう、ここがお前の家か」 「言っとくが俺の親父は警察官だ。妹のぱんつを盗みに入ろうとした日にはてめぇ、親父と一緒になってブッ殺してやっかんな」 「盗みの下見に来たんじゃねぇよ!? てか親父さん警察官なら殺しちゃマズいだろ!」 「いや、親父なら間違いなく殺すよ」 「なぁ、なんで俺は友達の家に呼ばれてこんな殺す殺すって脅されなきゃなんねーんだ……?」 知るか。 「チッ……ちょっとここで待ってろ」 「だから、どうしてそんな不機嫌なんだよ……」 赤城は無視して少し離れてから、桐乃に電話をかける。丁度ケータイを操作していたのか、ワンコールで出た。 『な、なに? どうしたの?』 「今、ダチ連れてきて家の前にいるんだけどよ」 『そ、それなら早く入んなさいよ』 「いや、それがな。今回連れてきたのが、夏コミの時におまえが仲良くなった子……瀬菜の兄貴なんだよ」 『えっ……』 桐乃はやけに驚いた様子だった。やっぱりあらかじめ言っておいたほうがよかったか? 同じオタクである瀬菜はともかく、その兄である赤城について、桐乃の「世間体」をどう扱うべきなのか、確認しようと思ったんだが。 『……せなちーのお兄さんってことは……浩平、さん?』 …………。 ……浩平さん……だと……!? ま、待て……! な、な、なんだその親密そうな呼び方は……!? それ以前になぜ桐乃が奴の名前を知っている。俺ですら「赤城」で定着しすぎて下の名前忘れてたぐらいなのに! ま、まあ、名前ぐらいは瀬菜から聞いたのかもしれん。いやでも、浩平、さん……? 下の名前じゃないと瀬菜と紛らわしいからだよな! な! 『……や、やっぱり……せなちーの言ってた通り……』 桐乃が何やらもごもご言っていたが、俺はそれどころではなく妹の可愛らしい声もまったく耳に入ってこなかった。ダメだ……ありえんとは思っても、考えが悪い方向にしか行かん……! 無理やりにでも話を戻すしかねぇ! 「お、おまえの趣味のことは、話してもいいのか?」 やっべ声どもった。どんだけ動揺してんだよ俺。 『ふぇっ!? え、え? あ、あー、その……い、一応、黙っておいて』 おまえも動揺しすぎだろ桐乃! いったい何が起こった!? 「お、おう……わかった……」 電話を切る。 振り返ってみると、赤城の野郎はご近所さんの塀に寄りかかるように突っ立ちながら、暇そうにケータイを弄っていたが、俺が電話を終えたことに気付いたのか、馴れ馴れしくこちらに走り寄ってくる。 「よう、電話終わったか? いい加減家に上げてくれよ、暑くってさー」 「殴っていいか?」 「なんで!?」 いよいよ本気で赤城を家に上げるのが嫌になってきた。 とにかくこいつと桐乃を会わせたくない。かと言って桐乃に頼まれて連れてきた手前、ここで追い返すわけにもいかない。さっさと俺の部屋に通して、その後は一歩たりとも部屋から出さないようにするしかないだろう。 だというのに。 「ただい……まッ!?」 「ん……おかえり」 扉を開けて俺は驚愕した。玄関で桐乃が待ち構えていやがったからだ。 しかも、いつものような部屋着ではない。薄いピンクの、フリフリした……ワンピースか、これは? 活発なイメージのファッションでキメていることが多い桐乃だが、これはどちらかというと大人しい感じで、なんだろう、おしとやかな雰囲気である。かと思えばスカート丈がやたら短く、眩しい生足がなんとも挑発的だったりする。つまり抜群に可愛い。 あれ? 俺の妹って天使だったの? いやマジで背中に翼を幻視するレベル。妹じゃなかったら押し倒しちゃう自信があるね! それでおまえ、なんでそんな……まるでデートにでも行くみたいな格好してるの? 「おい高坂ぁ、そこに突っ立ってられちゃ入れねェじゃんかよぉ」 後ろのバカの声に、意識を現実に引き戻された。 だ……ダメだ! ダメだダメだダメだ! こんな可愛い桐乃を俺以外の男に見せられるか! 惚れられでもしたらどうする!? ていうか惚れないほうがおかしいよ! だって桐乃可愛いんだもん! 超可愛いんだもん! 「ほら、あんた、邪魔になってるってば」 しかし俺というバリケードは皮肉にも桐乃自身によって撤去されてしまった。いや軽く手を引かれただけなんですけどね。そんで引っ張った勢いのまま、桐乃は両腕で俺の腕をぎゅっと抱きしめた。 なんか柔らかいものが当たってるんですけど桐乃さん。あ、すげーいい匂いする。香水でもつけてんのか? それになんか……軽く化粧もしてるような……マジでこれからどこに出かける気なんだ妹よ。 「おっと。じゃ、お邪魔しま~……うおっ!?」 あ、ああ! 桐乃と赤城の接触を許してしまった……! 赤城の野郎、目ぇ見開いて桐乃をガン見してやがる……! おいてめえどこ見てやがる!? 足か!? 生足か!? ペロペロしたいとでも思ってやがるのか!? こ、この……変態! 変態! 変態! 「えっと……いらっしゃい。妹の桐乃です。兄がいつもお世話になってます」 桐乃は俺にぴったりとくっついたまま、よそ行きの態度でぺこりと頭を下げた。 「あ、あー……いやー、こちらこそ。赤城浩平っす。よろしくっす。お邪魔しまっす」 赤城は赤城で、やけに卑屈にぺこぺこしていやがる。見ようによっては好きな女の子の家に初めてお邪魔してド緊張しているクソ野郎の図に見えないこともなく、俺のイライラがマッハ。殴っていい? 殴っていいよね? てかもうさっさとあやせに連絡とったほうがよくね? 「ちょっと、兄貴?」 「ハッ」 桐乃の声で再び現実に戻ってくる。気付けば桐乃はすでに俺から離れていた。 「お茶とお菓子はあたしが持ってくから、部屋に上げてあげたら?」 「な……なん……だと……?」 思わず口に出しちまったよ! だ、だって……なんだよ、この態度は……!? こいつが猫被ってるのに今さら驚く気はないが、これはもう“よそ行き”を通り越してんぞ……? 「ほら、早く」 「お、おう」 桐乃に促されて、俺は赤城を伴ってしょうがなく階段を上っていく。赤城はなにやらチラチラと振り返って桐乃を気にしているようだが……蹴り落としてやろうかこの野郎。今やると赤城が転げ落ちていった先で桐乃とぶつかってフラグが立ちかねないから自重するけどね。 さり気なく振り返って、桐乃の様子を窺ってみると……桐乃は、熱のこもった視線を……赤城の背中に、向けているように見えた。 「やっべ! やっべぇな、おまえの妹! 予想よりずっと美人じゃねぇか!?」 俺の部屋に入った途端、赤城が興奮気味に捲し立てた。うっせぇぞこの野郎。 「あ? なに、山に埋まりたいの赤城くん?」 「……なぁ。おまえ、妹と喧嘩してるんじゃなかったの?」 おい待て、なんだその同志を見るような眼は。俺は確かにシスコンかもしれんが、お前ほどの変態にまで落ちぶれた気はないんだが。 「後で瀬菜に、『おまえの兄貴が俺の妹をげへげへとイヤらしく舐め回すようにして視姦していた』と伝えておいてやろう」 「おい待て捏造してんじゃねぇよ!?」 「うっせぇよこの変態! 人の妹の太ももガン見しやがって! ブッ殺すぞ!?」 「ガン見なんてしてねぇよ! チラッと見ただけだっつの!」 「見たんじゃねぇか!」 この野郎そろそろマジで殴ってやろうかなどと思い始めた頃合い、とんとん、と控えめにノックの音が響いた。 「あの……お茶とお菓子、持ってきたけど……」 桐乃だ。もうちょっとかかるかと思ったが、随分と早い。あらかじめ準備でもしていたのだろうか……そんだけ俺がダチを連れてくるのを待ちわびていたと? む、ムカムカする。ムカムカする! とりあえず、桐乃を外で立たせたままにするわけにもいかなかったので扉を開ける。桐乃はお盆の上に3人分の湯呑みと茶菓子を乗せて、小脇に座布団を抱えていた。 めちゃくちゃ居座る気じゃないっすか桐乃さん! そんなに赤城が気になるの!? 普段俺のことは全然気にしてくれないのに! ジェラシィィィィィイイイイイィィィイイイイィイイイイイイイイイイイイイ!! 「そこに突っ立ってられると入れないんだけど」 「お、おう、すまん」 ヘタレ! 俺のヘタレ! 今のはお盆だけもらって桐乃は追い返すべきだったよねチクショウ! まんまと俺の部屋に侵入した桐乃は、「どうぞ」と、うやうやしく言いながら赤城の前に湯呑みを置いて、自らはその対面に座布団を敷いて女の子座りで陣取った。 俺としてはもちろん赤城と桐乃の間に入ってやりたかったね! 赤城が桐乃を見るのも、桐乃が赤城を見るのも我慢ならん! しかしもちろんそんなことが出来るわけもなく、ちょうど俺達3人で三角形になるような位置に胡座をかいて腰を下ろす。 桐乃と赤城は互いに相手をチラチラと見ながら意識している様子だった。ふざけんなオラァ! な、なんなの? なんなのこのイジメ? お兄ちゃん泣くよ? 泣いちゃうよ? 「あの……」 桐乃が口を開いた。相手は俺……ではなく赤城である。妹の超かわゆい声が赤城の耳に入っているのだと思うと我慢できない……! あ、あ、頭がフットーしそうだよぉっ!(←怒りで) 「おう、なんだい桐乃ちゃん」 き、桐乃ちゃん!? 桐乃ちゃんって言ったおまえ!? て、てめぇ赤城、き、気安く桐乃の名前を呼びやがって……! 桐乃の前だから抑えてるけどなぁ……後でブッ殺してやっかんなこの野郎……ッ! 「えっと……その、浩平さんは」 桐乃もさぁ、浩平さんとか言うのやめろよ! いやマジでやめて! キモい、キモいから! だ、ダメだ……こんな風にいちいちツッコミを入れていたら俺の身が持たんし話も進まん……無に、心を無にするんだ。そしてもっとピンポイントにツッコめ、高坂京介……! 「浩平さんは、兄とは仲が良いんですか?」 「おっ? 良いよー、超仲良いよー。マブダチってやつ? なー高坂!」 「触んじゃねぇよてめぇ!」 赤城が馴れ馴れしく俺の肩に腕をまわしてきやがったので、当然振り払ったね。もう今日の俺と赤城は敵だから。とことん敵だから。気安く触ってくんじゃねぇよ。 「な……なっ……!?」 そして桐乃はなんか知らんが驚いてた。なにか驚くようなことがあったか、今? 「……っ……!」 桐乃はさっきと同じ、やたら熱のこもっているような視線を赤城に向けた後……どういうわけか、俺の真横に寄ってきた。寄ってきたというよりこれはもう寄り添うって感じだ。ぴっとりくっついて、一分の隙間もない。桐乃の手が、俺の服をぎゅっと握っている。 「桐乃……?」 「…………」 桐乃は答えない。な、なんなんだ……? ま、まさか赤城に直接見られるのが恥ずかしくて俺の陰に隠れるとか、そういうのか? ぐっ……俺は壁とか電柱とか、そういう扱いってことかよ……! 「なんだ、やっぱり仲良いんじゃねぇかよ高坂。妬けるねぇ、ひゅーひゅー」 何を勘違いしたのか赤城が下手な口笛吹いて囃し立ててくる。心底うぜぇ。 「や、や、妬く……って……!? や、やっぱり……!」 桐乃は桐乃でぶつぶつとよくわからんことを言っている。 なんなんだ、いったい……。 赤城は1時間もしたところで帰ることになった。そもそも今さらこいつと改まって話すようなことなんてねーもん。外に遊びに出てるならまだしも……それになんでか妹が同席してたからさ、ほら、男同士の話ってのはできないじゃん? しかし長い1時間であった。この1時間で俺がどれほど消耗したのか察していただきたい。 いや、実を言うとな? 赤城のほうはそんなに桐乃を気にしてる風でもなかったんだよ。まあ、たまに太ももとか胸とかにエロい視線飛ばしてたのは見逃さなかったけどな! 今度会った時にブッ殺すから覚悟しとけこの野郎。 とにかく、気にしてないっていうか気にしてなさすぎっていうか……あの野郎、うっかりこの間アキバのアダルトデパートに一緒に行ったって話をぽろりと口にしちゃうところだっからな。 寸でのところで殴って阻止したけど。女の子の前でなんつー話をしようとしてやがるんだアホめ。 問題は桐乃のほうだ。桐乃が隠し事にとことん向かないタイプだというのはこの1年で俺も知ってはいたが、それにしてもあからさまに赤城を意識していた、ように思う。 俺と赤城が何かしら言葉をかわすたびにびくって反応するし、時たまなんでもないようなところで顔を赤くしたり……正直言って意味がわからん。 ちょっとは妹のことがわかるようになったんじゃないかという自負もあったのだが、実際は全然そんなことなかったんだな、と軽く凹んだ。 何より気になるのは、桐乃が時折赤城に向けていた、あの視線だ。強い熱のこもった……まるで、恋する乙女が好きな男に向けているかのような。 桐乃は今まさに、その視線を赤城に向けていた。赤城の帰りを見送りに外まで出てきて……相変わらず俺にぴったりくっつきながら、桐乃は小さくなっていく赤城の背中を、ほとんど睨みつけるぐらいの勢いで見続けていた。 桐乃……おまえ、まさか本気で赤城のことを……? 「ねぇ」 「な、なんだ」 「……あたしの部屋に、来て」 桐乃の部屋に入るのも、すっかり慣れてしまった。いつものように、桐乃はベッドに腰掛け、俺は座布団の上に正座で座っている。 いったい何を言われ……いや、訊かれるのだろう。赤城の趣味とか、誕生日とか、そういうことか? 桐乃は……ひでぇ妹だ。だって、おまえ……ついこの間、あんなことがあったばかりじゃねぇか。俺、言ったよな? 俺は、妹が心配なんだって。心配で心配でしょうがないんだって。妹を、他の男に取られるのが嫌で嫌でたまらないんだって。 俺の気持ちを知ってて、そういうことを、さ……ひでぇじゃなぇか。ひでぇよ。この妹様は、本当に―― 「あんた……その、えっと……ホモ、なの?」 俺が思ってたよりよっぽど酷かったよ!? 「な、なっ……ちょ、おま、いきなり何言い出してんの!? 意味わかんねーんだけど!?」 「し、しらばっくれんな! あんた、浩平さんと付き合……突き合ってんでしょ!?」 おいなぜ今言い直した!? 字が違うよね! それ多分字が違ってるよねぇ!? って、ちょっと待て。じゃあ何か? 桐乃が赤城の野郎をやたら気にしていたのは……お、俺の交際相手だと、思い込んでいたからだってのか……!? な、なんだよそりゃ。なんだよそりゃあ! 俺がヤキモキしてたのはなんだったんだよ! 純粋な兄心を弄びやがって……! ふ、ふざけんなよ……!? 俺の妹がこんなに腐女子なわけがない! 元凶は……元凶はどこのどいつだ!? 訊くまでもなく思いっきり心当たりあるけどな! 「おい、桐乃……俺と赤城が付き……だなんて妄言、どっから出てきやがった」 「そ、それはっ……せなちーが……」 やっぱりか! やっぱりか瀬菜ぁぁぁぁぁぁぁ! なに人様の可愛い妹に腐った思考を植え付けてくれやがってんだあのアマは……!? た、ただじゃ済まさねぇぞ……! 決めた! もう決めた! 瀬菜とのHシーンは凌辱ルートで決まり! 決定! はい決定! 覚えてやがれよチクショウ……ッ! 「……で、ど、どうなの? ホモなの?」 「ちげぇよ! んなわけねぇだろうが!?」 「で、でも……なんか、すごく仲良さそうだったし……肩とか組んで……」 「俺は嫌がってたじゃん!」 「ツンデレなのかな、って……さ、誘い受けってやつ?」 な、なんなの? この妹はいったいなんなの? 俺をホモに仕立て上げたいの? 冗談じゃねぇよ!? 「桐乃ぉ!」 「ひゃっ!?」 俺は立ちあがって桐乃の両肩を掴んだ。赤城はどうだか知らんが、俺は妹にホモだなんて誤解されたくねぇんだよ! こうなったらなりふり構ってる場合じゃねぇ! 毎度恒例になりつつあるが、俺は勢い任せに胸の内を吐き出していく。 「桐乃、俺はな! 麻奈実のやつ最近胸でかくなったよなぁとかそんなことには目ざとく気付くし、黒猫に先輩って呼ばれるのはなんかくすぐったい感じで嬉しいし、 沙織の素顔には宇宙の神秘を感じるぐらい見惚れちまったし、瀬菜はおっぱいでけぇし、あやせには会うたびセクハラしてるし、俺はそういう変態なんだよ! だから! 断じて俺はホモなんかじゃねぇ! わかったかあああぁぁぁぁぁっ!!」 「…………」 桐乃は目を真ん丸くして、口をあんぐり開けたまま呆然としている。 ……なんかだいぶアレなことを口走ってしまった気がするが……ホモだと思われるよりかは変態と罵られたほうが幾分かマシなはずである。うん。 しばらくそうしていると、桐乃がわなわなと肩を震わせ始めた。俺を見上げて(いつの間にか涙目になってる)、上目遣いでキッと睨みつけてくる。 「あ……あたしは!?」 「……は?」 「あたしが入ってない!」 いきなり何を言い出してんだこいつは……? 「…………証明、して」 「な、なに?」 「口だったら、何とでも言えるもん。あんたがホモじゃないっていうなら……証明してみなさいよ」 「ど、どうやって?」 「~~ッ! だ、だから! あ、あ、あ、あたしに、その……えっちいことして、ホモじゃないって証明しろって言ってんの!」 こいつ無茶苦茶言い出しやがった!? そ、そんなの……! 「で、出来るわけねぇだろうが!? おまっ、自分が何言ってるかわかってんのか!?」 「出来ないんだ? あたしみたいな超かわゆい女の子に手を出せないとか、や、やっぱりホモなんじゃん! そんなに男の身体のほうがいいんだ!?」 「ちげぇよ! こ、このバカ……ッ!」 あまりにもあんまりな物言いに、俺はつい頭に血が上っちまって……両肩を掴んだままだった桐乃を―― 「きゃっ……」 ベッドの上に、押し倒してしまっていた。 ふと思い出すのは、一年前の夏のことだ。確かあれは、俺があやせと初めて会った日で……その時も、こんな風になっちまって……いや、事故だったけど。あの時俺は、事故、事故ではあるんだが、桐乃の胸を―― 「んっ……」 「あ……わ、わりぃ!」 俺は桐乃の胸の上に置いていた右手を、慌てて引っ込めた。お、俺は、今、何を……? 右手はどかしても、それ以上は身体が動かなかった。桐乃に覆いかぶさるような格好のまま、互いに見つめ合う。 いつも居丈高で、尊大で、超偉そうな俺の妹が、驚くほどに儚く、弱々しく見える。そうさせているのは、他ならない俺だった。 やがて、桐乃が口を開いた。 「……いい、よ。触っても……」 兄にとって妹の胸など、胸のうちには数えられないのだ。逆に言えば、妹の胸をいくら触ったところで、兄にとってそれは、胸を触ったことにはならないのだ。ノーカンなのだ。つまりいくら触ってもいいのだ。 そんな言い訳が通用するかは甚だ疑問だが、それでも縋りたくはあった。 服越しにそっと触れた桐乃の胸は、一言で言うなら……ふにゃん、という感じだった。わかるか? わっかんねぇかなぁ? つまりだな、すごく柔らかい。服越しでこんだけ柔らかいって、直に触ったらどんだけなんだよ。ゴクリと喉が鳴った。 「んっ……も、もうちょっと強くしても……」 「こう、か?」 「ひぅ……ん、は、その、ぐらい……」 普段聴くことのないような声が、桐乃の口から洩れてくる。妹相手に俺は何をやってるんだ、と頭の中の冷静な部分が叫んでいたが、桐乃の胸を揉む右手の動きは止まらず、それどころか左手までもが行軍を始めてしまう。行軍というよりもはや侵略であった。ゲソゲソ。 妹の部屋で、妹をベッドに押し倒して、妹の胸を両手で揉んでいる兄。これなんてエロゲ? 押し倒すところまでは事故だったかもしれないが、胸揉んでるのは曲りなりにも自分の意志だというあたりタチが悪い。1年前とは違う。違うといえば―― 「ど、どう?」 「……何がだよ」 「あ、あたしの……んっ……おっぱい」 お、おっぱ……おっぱいっておまえ。 「……1年前とは違うな。大きくなった?」 いや、あんまり覚えてねーけどさ。でもなんか、ボリューム増してるような気がする。服越しだからかもしれんけど。まあ成長期なんだろうし育っててもおかしくはないよな。 「……変態」 桐乃はほとんど聞こえないくらいの小さな声で、恥ずかしそうに呟いてから、ぷいっと横を向いた。やけに可愛い反応で胸が高鳴る。マジで何やってんだろうね、俺。 「……そうだよ。変態だよ。シスコンだよ。わりぃかよ。でもさぁ、わかっただろ? 妹のおっぱい揉んでるような奴がホモなわけ……」 「じゃあ、バイ?」 「なんでそうなる!?」 「いたっ」 「あっ、す、すまん」 つい力を入れてしまった。くっ……こいつはそんなにまでして俺と赤城をくっつけたいのかよ……瀬菜からどんだけ汚染を受けてるんだ。腐り始めている桐乃の脳を浄化してやらなければならない。手遅れになる前に。 腐ってんのはおまえの頭で(BL的な意味ではなく)、手遅れなのもおまえだろってツッコミは一切無用だ。そんなの俺が一番わかってる。 「桐乃」 「んっ、は……な、に」 「明日も揉んでいいか」 「ん、ん……っ、いいよ」 えっ、いいの? ていうかすごくあっさりっすね! いや、なんかすげー肩透かし喰らった感じなんだけど、このままだと本気でただの変態なので一応説明する。 「あのな桐乃。俺はホモじゃねぇしバイでもない。女の子が好きだ」 「ぅん……うん」 「だからその証明として明日も……いや、毎日だ。毎日おまえのおっぱいを揉む」 あれ、説明しても本気でただの変態だった。 「はぁ、ん……いいよ」 えっ、いいの? マジで? 殴ったり蹴ったりしてくれてもいいのよ。そしたら俺も正気に戻れると思うんだけど。ていうか殴ってくれ。蹴ってくれ。頼むから。マゾじゃねーよ! 「はぁっ、ぅ……あたしが、毎日、んっ、チェックして、あげる。兄貴が、は、ぁ、妹の……んっ、女の子の、からだで、興奮するっ、ひ、あっ! へ、変態だって、こと」 途切れ途切れの桐乃の言葉は、なんというかもう無茶苦茶だった。お互い、この異常な状況の空気にアテられて頭がイカレてしまっているのだろう。そうに違いなかった。 「ふ、ぅ、毎日、女の子だけ……あっ、あたしだけ、に、ひぃんっ! あ、はぁ、んっ、えっちな、こと、っう、ん、して、くれたら、バイでも、んぁ、あ、ホモでも、ないって……ん、はぅん……信じて、あげる」 これが妹もののエロゲーだったら、「あたしに夢中になって、あたしだけを見て」って感じの台詞になるのだろうか。 もちろん桐乃の言葉にそんな意図はないだろうが、しかし俺はすでに桐乃のおっぱいに夢中だったし、真っ赤になって喘ぐ、桐乃の色っぽい表情しか見えていなかった。 「なぁ、桐乃」 「ん……なぁに」 「キスしてもいいか」 兄にとって妹とのキスなど、キスのうちには数えられないのだ。逆に言えば、妹といくらキスしたところで、兄にとってそれは、キスしたことにはならないのだ。ノーカンなのだ。つまりいくらキスしてもいいのだ。 だから、俺は、桐乃に……たくさんキスしたい。 これから先、桐乃に出来るかもしれない……彼氏や旦那が、一生かかってもできないくらい……たくさん、キスしたい。 馬鹿な独占欲だった。 「……いいよ」 桐乃は、やはりあっさりと言ってのけた。 「たくさん、して。いっぱい、いっぱい、して」 すっかり忘れていたが、俺のファーストキスは小学校低学年の頃であった。相手は当時まだ幼稚園児だった桐乃である。 その頃の俺達は……まあ、普通に仲の良い兄妹だった、と思う。正直言って、あんまり覚えていない。 多分さ、お兄ちゃん大好きーとかお兄ちゃんのお嫁さんになるーとか、どこの家庭にでもありそうなイベントが俺達の間にもあったんだろうよ。信じられないね、まったく。 そういう、ガキ同士の意味もわかってないお遊びなんて、それこそノーカンだし……その後、俺達の兄妹関係は一度白紙になっちまった。 何がきっかけだったかは今となっちゃ覚えてないが……つい1年ほど前までずっと続いていた、互いを兄妹とも思わず無関心を決め込む冷戦状態。 そこでリセットされてるんだよ、俺達は。 そして今、こうなっている。 「ん、ふ……」 十数年ぶりのファーストキスは、甘かった。脳を蕩けさせる甘さだ。これが桐乃の味なのだとしたら、恐ろしいことではないか。桐乃に口付けた男は皆、桐乃狂いになってしまう。 待っているのは破滅だ――ならば俺が己の身を犠牲にしてでも、世界を守らなければならない。 要するに桐乃にキスしていい男は世界で俺一人だけだということだった。 叶うことならずっと唇を触れ合わさせていたかったが、名残り惜しくも一度離れる。呼吸ばかりはどうにもならなくて、お互いに「っはぁ」と一息ついた。 頬を上気させた桐乃が、人差し指をそっと自らの唇に触れさせた。 「あにきの唇……なんか、すっぱかった」 「す、すっぱい……?」 「うん。梅干し、みたいな」 「梅干し……」 すっぱいって。梅干しって。いや、なんか甘いっていうのと比べて色気がなさすぎじゃないっすか桐乃さん。えー……俺の唇梅干し味なの。ちょっとショックなんだが。などと俺がショボーン(´・ω・`)としていると、 「うん……なんかね、梅干し食べるとさ、ん~~!ってなるでしょ。あれをすごく強くしたみたいな……頭のてっぺんから、爪先までびりびりって痺れるみたいな感じで……」 桐乃は潤んだ瞳で俺を見上げながら、 「……狂っちゃいそう」 もっと狂わせて、と。そう囁いた。 ベッドと桐乃の背の間に手を差し込んで、華奢な身体を抱き起こした。抱き寄せる勢いのまま、今度は俺がベッドの上に横になる。さっきまでとは逆に、桐乃が俺を押し倒して馬乗りになっているかのような格好だ。 桐乃が最初に俺のところに「人生相談」を持ちかけてきた時のことを思い出す。あの時と決定的に違うのは、俺の両手は桐乃の背中に回されていて、俺達の身体は隙間なくぴっとりとくっついていることだ。 「あ、あたしが上になった方が、いいんだ……? 変態」 「バカ、こうしねぇとくっつけねぇだろ。俺がのしかかったらおまえ、けっこう辛いと思うよ?」 「う……か、考えてるじゃん」 軽口を叩き合った後、再び桐乃の唇に口付ける。片手を後頭部に回して、逃げられないようにする。まあ元々逃げる気もねぇんだろうけどよ。こういうのは気分だ、気分。 「んっ、ぁ……」 桐乃の唇は、やっぱり甘かった。本当は味なんて無いのかもしれない。そもそも味を感じるのは舌であって、俺達はただ唇を触れ合わせているだけだ。 単なる錯覚……いや、桐乃とキスをするという行為そのものに「甘さ」を感じているのだろうか。 また息苦しくなってきて、唇を離す。呼吸という行為をこれほど億劫に感じる日が来るとは思わなかった。 「やっぱり梅干しだ……」 「まだ言うか!」 「だって……ツバ、たくさん出てくるんだもん……」 桐乃が恥ずかしそうに言った。いや、そりゃ梅干し見るとツバ出てくるとは言うけどね? それはなんか違くね? 「なぁ桐乃。おまえのツバ飲んでいい?」 「へ、変態っ!」 さっきまではおっぱい揉みたいとかキスしたいとか言っても「いいよ」って即答だったのに! なんでおっぱいとキスはよくてツバ飲むのは駄目なんだよ……わからん。全然わからん。 もう無理やり飲んでやるよちくしょう、というわけで不意打ち気味に3度目のキス。 「んむっ!?」 さすがに今度は逃げようとする桐乃だったが、生憎と俺の右手が桐乃の形のいい頭をがっちりと捕まえている。こういうのを無駄な抵抗って言うんだよ……! 舌を伸ばして、固く閉じられた桐乃の唇をつんつんと突っつく。抵抗していたわりにあっさり突破できてしまった。機を逃すまいと、一気に突入する。 「ん、んっ……ふぁ……んぅ……!」 桐乃の口内は、まさに文字通り別世界だった。温度が全然違う。すげー熱い。その熱が舌伝いに伝染してきて、俺の頭はますますイカレていく。 まず歯を舐める。 「んふぅっ!」 歯茎を舐める。 「やっ、んあ……」 舌を絡める。 「ふ、んはっ……ひゃぃ、や、ん……ぅあ……」 舌で桐乃の口の中に溜まった唾液を掻き集めるようにして、出し入れする。 「んっ、んっ、んっ、んんっ!」 何度も、何度も。桐乃の唾液が俺の口に移り、それを喉奥に流し込み、また桐乃の口内から唾液を掻き集め……ひたすらそれを繰り返す。 妹のツバを飲むという行為に没頭し、興奮している俺を変態だと思うか? 違うね。仮に変態だとしても、変態という名のシスコンだ! ようやく唇が離れた頃には、俺も桐乃も唾液で口の周りがベタベタだった。息が荒くなっているのはお互い様だったが、俺にはいつもキツい目線ばかりくれやがる桐乃の瞳が、今はとろんとして……端的に言うなら、すごく……色っぽい。 「……ばか……へんたい……あ、あんなこと、されて……」 桐乃は俺の上で脱力したまま、ぷるぷると身体を震わせて言った。 「あたし、もう……およめ、いけない……」 「ブッ」 随分とまあ可愛らしいことを言い出したので、思わず噴き出してしまった。当然桐乃には睨まれたが、顔の赤みは全然抜けてないし目尻も下がったままなので、全然恐くないというか、むしろ可愛い。 「へっ、どうせ嫁になんてやらねぇんだから関係ないね」 「……ばか」 さすがに俺でも今の「ばか」が照れ隠しなのはわかる。ここらでちょっと俺の意思を表明してやろうと、横を向いてしまった桐乃の耳元に口を寄せた。 「いいか、桐乃。俺はもう引き下がらねぇぞ。ていうか、ここまでやって引き下がれるか」 「……こ、ここまでって。まだ、おっぱい揉んで……キスした、だけじゃん……」 「う、うるせぇ。とにかくだ、桐乃、おまえは……」 言ってしまって、いいのだろうか。 俺は、桐乃のことが大事だ。桐乃に、幸せになってほしい。だけど、俺の言葉は……桐乃の人生を、幸せを、壊してしまうんじゃないのか。 それでも、もう俺は……桐乃に幸せになってほしいんじゃなく、“俺が”、桐乃を幸せにしてやりたいと、そう思うようになっていたから。 だから、言ってしまった。 「おまえは、俺のモンだ」 「…………」 「もう一度言うぞ。おまえは、俺のモンだ。だから俺はこれから毎日おまえのおっぱい揉むし、キスするし、ツバを飲むし……きっと、それ以上のこともする。わかったか?」 「…………」 「それが嫌なら……彼氏を見つけろよ。俺なんかよりずっと、おまえのことを大切にしてやれる彼氏をよ。俺がぐうの音も言えないぐらいの奴を連れてこい。それで、俺を認めさせてみせろ」 そんな奴いるわけないけどな。いるとしたらウチの親父ぐらいじゃねぇの? まあ親父が親バカ極まって娘に手を出すような変態になったら俺は桐乃を連れて家出して田村さんちの子供になるけどね。 ん、なに? おまえが言うな? アーアーキコエナーイ。 「……ずるい」 桐乃が、弱々しく言った。 「……ずるいよ、そんなの」 ずるいって、なにが。そう訊くより先に、桐乃が答えた。 「……兄貴以上に、あたしのこと大切にしてくれる人なんて……いるわけ、ないじゃん」 今度は桐乃からの、4度目のキス。 「あたし、別に兄貴がホモだったとしても、それはそれでよかったんだよね」 「よくねぇよ!?」 もうどのくらいちゅっちゅしてたのかわからんが、その合間の小休止で桐乃がいきなりそんなことを言い出したものだから、俺達の間に漂っていたはずの甘々ラブラブオーラは一瞬のうちに消し飛んでしまった。 おい桐乃、ムードってもんを考えろよ。 「もう、いちいち口挟まないでちゃんと最後まで聞けっての」 挟むなってほうが無理だっつうの! ま、まったく、こいつは……。 「せなちーから……兄貴と、浩平さんが付き合……突き合ってるんだって話を聞いて……」 だから言い直すなって。 「あたし、安心しちゃったんだ。兄貴があたしを見てくれないのは……あたしがどうこう、じゃなくて。兄貴が女の子に興味ないだけなんだ、って。そういう逃げ場所を作ってた」 どんな論理だよそれは。ていうかそもそも妹なんだから、ホモとか関係なく普通は……いやまあ、もう普通ではなくなっちまったけど。 「それに、ざまぁみろって気持ちもあって。あの地味子とか、黒いのとかに……妹だからって女の子として見てもらえないあたしの気持ちを味わえー、って。兄貴はホモだからあんたたちもそういう対象にはならないんだよバーカバーカ、って」 桐乃の言葉はどこまでも恨みがましさに満ち満ちていた。俺と桐乃は今こうなってるのに、まるでそれをすっかり忘れてしまっているかのような物言いが、俺の心臓にぐさぐさと突き刺さるようだった。 ずっと桐乃を悲しませてた報いだと思って、甘んじて受ける。 「でも、兄貴が好きな人がどんな人なのか、気になって……ウチに連れてきてもらうことになってさ。そしたらやっぱ、ふざけんなって気持ちになってきちゃって……」 「それで、そんな可愛い服着て迎撃態勢取ってたってわけかよ」 こくん、と桐乃は頷いた。 「兄貴にはあたしがいるんだから、近寄んな、って……せなちーには悪いと思ったけど」 なるほど。つまり桐乃が時折赤城に向けていた熱烈視線は、恋慕などではなく敵意剥き出しのものだったと……。 「いっそブッ殺してやろうかってぐらいの気持ちで睨んだりしてたけど、全然気付かれてなかったなー」 敵意どころか殺意だった! おまえどんだけ俺のこと好きなんだよ! いや嬉しいけども! はぁ、と溜息ついて、俺の上でだらーんとしている桐乃の頭の上にぽん、と手を置いて、撫でてやる。 「バカだな、おまえは」 「……うん、バカだよ。兄貴のことになるとね」 イタズラっぽい笑顔。ぐっ……可愛いじゃねぇか。 「鏡の前で笑顔の練習しても、兄貴の前じゃ全然笑えなかったり……エロゲやってて、こんな風に可愛くなれたら兄貴も見てくれるのかなって悩んだり……なんかもう、すっごいバカだよね。そんだけ兄貴のこと、好きってこと、なんだけど」 な、なんか急に恥ずかしくなってきたぞ……。でも、なんか、安心した。今、初めて……直接、好きって言ってもらえた。うへへ。そっかそっか。好きなのか、俺のこと。うへへへへぇ。 「なぁ桐乃。おまえ、俺のどこがそんなに好きなんだよ」 「はぁ?」 あれっ。なんか予想外に冷たい声が返ってきたんだけど。おやぁ? 俺ってばまた、調子乗ってキモい質問をしてしまったのか……? 「……まったく。前に言ったじゃん。覚えてないの?」 呆れたように桐乃が言った。質問自体に怒ったわけではなかったようだ……って、前? なんかあったっけ? 本気で思い出せないんだが……これはまずいのでは。 「す、すまん」 「ったく、しょうがないな。じゃ、もっかいだけ言ってあげる」 桐乃は一度深呼吸して息を整え、俺の眼を、まっすぐに見つめて―― 「……優しいところと、頼りになるところ。それと……」 「あっ」 「あたしのこと、めちゃくちゃ好きなとこ」 桐乃ははにかんで、俺の頬にそっと唇を寄せた。 (了) br() br() br()
https://w.atwiki.jp/twhc/pages/22.html
a