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作者:[―{}@{}@{}-]◆LV2BMtMVK6(?) 「修羅となれ、貼ると修羅だ。」 集ったハルトシュラー総員が湧いた。歴史の歯車が噛み合い、それは音を立てて動き始めた。 だが、これに先立つ一つの事件があったことを知らずして、この演説の影響を測ることはできない。 11月のある寒い日に、あるいは定めて、あるいは期せずして同じ場所に居合わせた者たち。 その日焼きとり屋から香ばしい煙が昇る街角に現われた、物々しい警備。 ハルトシュラー親衛隊が列を組んで粛々と行進する後ろには――希代の神総統ハルトシュラーが。 前席で運転手の眼光は、鋭くあたりの隅々に配られている。 一行はある古骨董屋の前で進むのをやめ、一人の親衛隊長がドアを開くと、 追随しようとする者を手で制止し、ハルトシュラーは狸の置物の向こうの開かれた戸口の向こうへ入っていった。 「粗茶では御座いますが、どうぞ召されませ」 「ありがとう。ところで、今回の要件であるが」 茶に形ばかり口を付け、音楽家は口を開いた。 「じっと見守って来ていたが、賑わいが足りぬようだな」 「左様、住人の気質が……あの様で御座ります故」 正座した燕尾服の影は、ある種の虫の名を憚ったとも見えた。 「ああ…あの者らは兎に角……あの様であるから。表に参っている者たちも、一皮むけばカサカサなどと口走る」 「えゝ、左様に御座いましよう、そろそろ御身を顕わされては如何」 「余直々にであるか。それも考えぬではなかった。だが、彼らの気質は感想よりも、今少し創作活動に向けられて然るべきと考える故、沈黙を守っておった」 「御身様は万能であらせられますゆえ」 庭の紅葉を透かして障子に陽が射す。映った葉影はさやかに揺らいだ。 しばらくの間、二人は沈黙を守っていた。 「では」 「畏れ」 二人は同時に口を開き、閉ざした。 「同時だぁーっ!?」 頓狂な声がしたのは、隣の家からでもあっただろうか。 いずれにせよ、次に口を開いたのは音楽家であった。 「では、余を顕すこととせん。斯くなる上は容赦はせぬぞ」 「御意、承りまして御座います」 燕尾服姿に柔らかい笑みが差した。 以降、水面下にハルトシュラーの手が伸び始めた。前兆が訪れたのは一週間ほど後のことであった。 第二次の移転、新規ブームと、それに伴う住人の流入である。だが、これらは前兆にすぎなかったのだ。 25日夜、ハルトシュラーは蜂起を断行した。それに伴う前述の演説は、ハルトシュラー全員の心を揺り動かした。 こうして、彼らはここに、歴史の新たな1ページを記したのである。 ハルトシュラーは表舞台に姿を現した。最早止めうる者は――。
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保育園のイベント情報です
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サニーサイド保育園 名前:Sunnyside Daycare ロケーション:『トイ・ストーリー3』(2010年) 概要 トライ・カウンティにある保育園。 子供たちが成長してもまた次の子供たちが来るため、おもちゃはいつまでも遊んでもらうことができる。おもちゃが動くための電池や修理の設備が整っており、おもちゃたちにとって過ごしやすい場所である。年長者が集まるちょうちょ組と年少者が集まるいもむし組に分かれており、いもむし組に配置されたおもちゃは遊び方のわからない子供たちにめちゃくちゃにされてしまうことも。 ジュリア・アンダーソンが職員として勤務している。 登場作品 エピソード トイ・ストーリー3 インサイド・ヘッド*(カメオ) ゲーム トイ・ストーリー3* Kinect ラッシュ:ディズニー/ピクサー アドベンチャー* エピソード トイ・ストーリー3 持ち主のアンディ・デイビスに捨てられると勘違いしたバズ・ライトイヤーたちはサニーサイド保育園に寄付される道を選び、永遠に子供に遊んでもらう人生を望む。アンディのおもちゃとして彼のもとにいるべきだと主張するウッディは彼らに別れを告げ、外へ出たところで保育園に通うボニー・アンダーソンに拾われる。 実はサニーサイド保育園はくまのぬいぐるみロッツォ・ハグベアの一味に支配されており、新参のおもちゃは乱暴な子供の多いいもむし組に押しつけ、自分と仲間たちは居心地の良いちょうちょ組に居座っていた。彼らはおもちゃたちを監視し、保育園は脱出不可能の状態となっていた。 牢獄のような厳しい環境に置かれた仲間たちを助けるため、ウッディは保育園へ戻ってくる。保育園を知り尽くすチャターフォンの情報をもとに脱出計画を立てたウッディは、ボニーの家で知り得たロッツォの過去を暴露して仲間割れを起こさせる。ゴミ捨て場から逃げ出すウッディたちだが、ロッツォに道連れにされてトライ・カウンティゴミ処理場送りにされてしまう。 ロッツォの支配が終わり、バービーとケンがおもちゃたちのリーダーとなった。おもちゃたちは代わりばんこにいもむし組に配置されるようになり、仲間と協力するようになった。 その他 部屋の壁に書かれているAttaという文字は、『バグズ・ライフ』のアッタ姫の名前である。 『インサイド・ヘッド*』では、ライリー・アンダーセン*の記憶のオーブの中にサニーサイド保育園の滑り台が映っている。彼女は引っ越す前にトライ・カウンティにいたため、幼い頃に通っていた可能性がある。
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時代は江戸時代、舞台は涼宮藩五万石の江戸屋敷、そこにはハルヒ姫という絶世の美少女が暮らしておいででした。 お殿様は一粒種の姫をとても可愛がりすぎたのでハルヒ姫は性格がかなりアレな暴君にとご成長遊ばされてしまいました。 今日も用人の古泉以下家臣一同は姫のわがままに振り回されています。そんな一日をちょっとみてみましょう。 古「姫様には本日もご機嫌麗しく恐悦至極に存じあげ奉ります」 ハ「うむ苦しゅうない面をあげよ、して用向きはなんじゃ」 古「只今台所方より知らせがあり大きな唐茄子(とうなす:かぼちゃ)が届いたのとことでございますが姫様がご注文あそばされたのでございしょうや」 ハ「おぉ唐茄子が届いたか、早速これへ持て、わらわが取り寄せたのじゃ」 古「唐茄子をいかがなされるおつもりで」 ハ「ゆきが読んでおる蘭書に書いてあるそうなのじゃが南蛮には波呂維納(ハロウィン)とかいう子供の祭りがあり唐茄子を飾るそうなのじゃ 大きいものがよいというので図抜け大一番小判型というものを特別に取り寄せたのじゃ」 古「南蛮の祭りでございますかこれは又…・・・ その波呂維納とやらでは唐茄子を飾るだけなのでございますか」 ハ「いやまだあるぞ、近所の屋敷を連れ立って訪れて菓子を振舞ってもらうのじゃ、これもゆきが教えてくれた」 古「こりゃおゆき、その方詰まらぬことを姫様に申し上げるでないとあれほどいったではないか」 ゆ「……姫様のご命令……」 ハ「古泉、ゆきを責めるでない、わらわがゆきに頼んだのじゃ」 古「姫様、南蛮の祭りはお屋敷の中だけでお願いいたします、近所を練り歩くなどは何卒おやめくださいませ」 ハ「つまらんのう、まぁよい唐茄子を早くかざるのじゃ」 古「ところで姫様、本日の朝比奈殿の御召し物はその……」 朝「こっこれは姫様が無理矢理……」 ハ「これ朝比奈、人聞きの悪いことを申すでない、これは冥途服と申して南蛮の腰元が着用する装束じゃそうな これもゆきが訳してくれた蘭書に載っていたのじゃ」 古「先日長崎よりおもとめ遊ばされたのはこれでございましたか、しかし南蛮人の装束は正に奇天烈(キテレツ)でございますな」 ハ「うむ奇天烈であろう、南蛮にはかような不思議が沢山あると申す、わらわも南蛮国に赴き、かような不思議を探索したいものじゃ」 古「姫様その儀は何卒おとどまりを」 ハ「またかつまらんのう、それよりキョン乃進の姿が見えぬが今日は非番か?」 古「キョン乃進めは風邪をひいたとのことで只今は御長屋にて伏せっております」 ハ「それはいかんのう、武士たるものが風邪なぞひくようではいざというときに役にたたんではないか」 古「昨日姫様が寒中水泳としてキョン乃進を池に飛び込ませたのが原因と推察いたしますれば 姫様におかれましては格別の御仁慈をもってキョン乃進めをお許し遊ばしますようお願い申し上げます」 ハ「うむあいわかった、それでキョン乃進の長屋はどこじゃ」 古「東十五番でございますがいかがなされるおつもりで」 ハ「家臣を労わるのも主の務めじゃ見舞って遣わそうかと思う」 古「それはなりませんぞ姫様、思し召しは誠にありがたくはございますが キョン乃進のごとき下々の御長屋へお出ましになられるなどかつてないことでございます」 ハ「前例が無ければこれから作ればよいではないか、わらわはキョン乃進を見舞うぞ」 古「もしお見舞い遊ばされてあやつの風邪がうつり姫様がお風邪などを召されたならば キョン乃進めは只では済みますまい軽くてお役御免、悪くすれば切腹ということも」 ハ「そっそれは拙いのう、しかし何もしないというのも……」 古「御見舞いの儀は朝比奈殿がご名代ということでいかがでございましょうや」 ハ「むぅ仕方がない朝比奈、キョン乃進を見舞ってくるのじゃ、朝比奈すぐにもどってくるのじゃぞ」 次へ
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ゴゴゴゴゴ ライダー大戦――それは、多くの仮面ライダー同士の戦いを繰り広げた。そう、これは悪夢の始まりだった・・・ 夏海 「ダメ!これ以上 二人が戦っては・・・・」 ウォォン ブゥゥン 夏海 「世界が 破壊してしまう」 オオオオオオ カッ 夏海 「士君 ユウスケ!!」 世界の破壊者、ディケイド。幾つもの世界を巡り、その瞳は何を見る。 士 「うわっ ユウスケか!?」 ユウスケ 「まったく素直じゃないな士は!」 士 「黙れ このお人好しめ!」 俺は門矢 士 通りすがりの仮面ライダー・・・・・・『ディケイド』だ! 士 「しつこい!!」 この男は小野寺ユウスケ クウガの世界での仮面ライダー『クウガ』だ! ユウスケ 「何なんだよ」 士 「うるさい!!」 夏海 「笑いのツボしますよ」 こいつは俺の天敵(?)ナツミカンこと光 夏海 栄次郎 「まあ その辺でお茶にしましょうか」 こっちは光写真館の主・光栄次郎 俺達を世界に導く謎の多いじいさんだ 俺はいくつもの世界を旅して失われた力を手に入れた―― ??? 「そうだ、この世界を破壊するディケイド、あいつのせいだぁぁぁぁ!!」 士 「うるさい」 ??? 「うわああああっ!!」 俺を見ていたのは、預言者と自称する人物・鳴滝というオッサンは俺を憎んでいた。 俺達が出かけた後に、栄次郎じいさんはおでん屋へとやってきた。 栄次郎 「さーてと親父、何か出してくれるかい?」 親父 「お待たせしました。」 親父が出したのはビールとスルメイカであった。 栄次郎 「おお、イカでビールか・・・」 すると栄次郎はどこかであったかと思った。 栄次郎 「これ・・二度も会ったような・・・・イカでビール・・・・イカデビール・・・イカデビル!!!?まさか!!! うわああああああああああああ!!!!」 栄次郎は逃げ出すが、そこからやって来たマントに包まれた。そこには・・・・ ??? 「ふふふ・・・」 親父 「栄次郎さんが悪者になってしまったぁ!!」 ??? 「ん?」 親父 「に、逃げろぉぉぉ!!」 親父は逃げた出した。 ??? 「我こそはグレート死神博士!!! 今、スーパーショッカーはグレートショッカーとして生まれ変わったのだ!!今、ここにディケイドを抹殺し・・全世界を支配するのだ!!!」 ショッカー戦闘員 「イー!!!」 栄次郎は再び死神博士の姿となり、全ショッカー戦闘員と全怪人や幹部達が集り戦闘を開始した。 そしてここは横浜のみなとみらい・・・ 夏海 「きゃああ」 突如出現した謎の敵が夏海を追い詰めようとした。 夏海 「こんな時に奴が」 ??? 「チカラヲ・・・ヨコセエエエエエエ!!!」 夏海 「きゃっ!!」 士 「危ない ナツミカン!」 夏海 「士君、ユウスケ!!」 士 「全く・・・何やってんだ 勝手に俺から離れるんなよ」 夏海 「なっ 士君がそれを言いますか?」 ??? 「キサマ・・・ナニモノダ!」 士 「俺か?俺は 通りすがりの仮面ライダーだ 変身!!」 《カメンライド》 士はディケイドライバーとライダーカードの力でディケイドに変身した。 ディケイド 「何者だ!?」 ??? 「ワガナハフュージョン・・・」 ディケイド 「フュージョン?」 フュージョン 「キサマラノチカラヲ・・・モライニキタ」 バシュウ ディケイド 「はっ!!」 シュタ フュージョン 「オノレ!」 ディケイド 「ゾディアーツ・・・・ フォーゼの世界での敵」 『アタックライドブラスト』 ディケイドは ディケイド 「どうだっ!?」 フュージョン 「チカラヲスベテモラッタ」 ディケイド 「力?」 士 「ふっ 面白くなってきたぜ」 ドスッ! 夏海 「光家秘伝笑いのツボ! 何言ってるんですか 私達の新たな目的は滅びたはずのスーパーショッカーがグレートショッカーとして復活した敵を倒すのを忘れたのですか?」 士 「バ・・バカ 何すんだ・・・は?そうだ、そのグレートショッカーを倒しに行くのを考えよう・・・」 ユウスケ 「そうだな・・・」 士 「全ての世界はこの俺達が救う!!」 こうして士達は復活した組織「グレートショッカー」を倒しに行った。 そして・・・ 鳴滝 「おのれ・・・おのれぇぇぇぇディケイドォォォォォォ!!!」 彼等を見ていた鳴滝はディケイドを再び憎んでいた。
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大島保育園への訪問演奏 2013年、11月9日(土)に、 東大島小学校に付属し設置されている、大島保育園へ訪問演奏を行いました。 当日は体育館をお借りして、ゴザ席も用意して演奏しました。 子どもたちも一緒に歌ったり踊ったりしてくれて、アットホームな雰囲気の中で演奏できました。 演奏した主な曲は、以下の通りです。 幸せなら手をたたこう 楽器紹介(フルート、トランペット、ホルン、ユーフォニア、トロンボーン、チューバ) おばけなんかないさ 線路は続くよどこまでも 秋メドレー(もみじ・里の秋・まっかな秋) 大きな栗の木の下で ピクニック 森のクマさん となりのトトロ ポニョ 勇気100パーセント 腹ぺこあおむし アンコール:さんぽ
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性少女保育園 名前 IN率 キャラ 罪状 パ;;;イ;ズ;;リ;;(;マ;;ス;タ;ー;); 高 ミラ 美乳なおっぱい こるねorむねる 高 ルシ うひwwwwwwwwwww帰ってきたおwwwwwwww 黒麺 中 ナヤ はいひとこわい もじぴったん 中 ナヤ たまにぺったんです ようじょ 高 テチ 童貞の為にくぱぁ でぃだらぼっち ? ミラ ? おつぱい 高 ミラ 薄ピンクおっぱいペロペロ ルテア 中 ナヤ 実はJKです うそです 赤帽うめぇwww ? ピン ? 腹黒魔法師 中 テチ 蔵落ちしないよ 鬼イカセ番町 中 マキシ りあみつ 豆狸 ? マキシ ? とおりすがり 中 助手 ちょっと通りますよ ショタ子 ? ピン ? 陰獣 ? テチ ? えすていと ? テチ ? unzip ? ミラ しかし、麻呂は「ZIPで欲しいなあ」と思っていたのでした。 こぱん ? ミラ ? 魔法うめぇwwww ? テチ ? Sakky 高 クロエ ? エロリスト ? ミラ ? すまたー ? ランジエ ? 国道参六号線 ? シベ MVP xXo神GOD神oXx ? ナヤ ? うっほ ? シベ ? ぺりり ? マキシ ? 俊足メタボ ? シベ ? ばっしー 中 ナヤ お前らちゃんと歯磨けよwwwwwwwww むきむき ? テチ ? 卍悪demon魔卍 ? ピン ? ぬるっぽっぽ ? ボリ ? zipper ? ナヤ ? 超臨界流体 ? ボリ ? おっおっ ? 助手 ? びーちく ? ナヤ RMT厨
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第2部序章-第三幕- 日常から非日常へ 第2部序章-第二幕- 第十一章-第一幕- 更に一方のストレンジャー・タウン。 こちらは惑星アース国際平和機構や、 アーム城、妖精の森の混乱など まったく無縁であるかのように平穏な日々が過ぎていくのであった。 その住人であるジルベルト=ストレンジャーと シエル=ラネージュの兄妹。 しかしシエル=ラネージュの方はというと、 現状は修行のために、相棒であるジーク=ルーンヴィッツァーと 旅をしている途中なのであった。 なので、ジルベルトの傍にはペットの仔猫達と、 実質上の恋人(ただしジルベルトは無意識気味)である ソニアだけがいるのだ。 時は多少遡るものの、半年ほど前から二人は同居生活を始めていた。 妹シエルが旅に出たのは、 二人に気を遣わせないためでもあっただろう。 この半年近く、二人は実に仲睦まじく、上手くやっていた。 ジルベルトの甘えん坊な性質が強すぎるのが難点ではあるが、 逆に母性本能の強いソニアとは好相性であるとも言えた。 カップルというよりは親子のようにも、姉弟のようにも見えうる どこか不思議な関係のまま、二人は愛を深めていく。 「ジルベルト君、今日何食べたい?」 街道を歩きつつ、手を繋いだままソニアは言った。 どうやら今晩のおかずを協議するようであった。 『今日はね、パスタがいいの』 「パスタ? ボンゴレとかどうかしら」 ジルベルトは頷いた。 テレパスという能力を生まれ持った彼は、 無口が過ぎてずぼらなまま育ったためにこうなっている。 だが、ソニアも、もはや阿吽の呼吸で何が言いたいかは 大雑把ながら分かるようになってきた。 もう無駄に幸せオーラを振りまきつつ、 にっこにこしながら二人は食品店へと急ぐのであった。 が、刹那―― ぎゅききききききっ!! どがっ!! 「きゃあッ!?」 ソニアの手を離れ、猛烈な勢いでジルベルトが吹き飛んでいった。 一瞬事態を計りかねたがすぐに分かった。 何故だかは不明だが、大型トラックが猛烈なスピードで暴走し、 小柄なジルベルトを撥ねて、そのまま轢き逃げを強行したのだ。 「ちょっと、ジルベルト君、大丈夫なの!?」 常人なら良くて再起不能、まあ普通に考えて全身強打で死亡、 という具合の事故だったはずなのだが、流石は勇者軍筆頭。 ジルベルトはすぐに起き上がり、こくこくと頷いた。 『すりむいたー』 と律儀にメールで返事してから、頬を膨らませてムクれる。 周囲の民間人も最初は騒いでいたが、撥ねられたのが 有名人のジルベルトだと分かるとすぐに安心した。 彼の強靭さは惑星アース全土に響き渡っているのだ。 「何なの、あの暴走トラック!?」 憤慨するソニアだったが、直後、パトカーが走り抜ける。 どうやら何らかの事情で追跡されている模様だ。 「要は犯罪者ってわけね、とっちめてやるんだから!」 だが、ソニアがそれを言い終わる前にジルベルトは動いていた。 「ちょっと、ジルベルト君、待ってよ!」 しかし返事は聞かずにジルベルトは徒歩にも関わらず、 たちまちパトカーを追い抜き、 そしてすぐに暴走トラックへと追いついた。 なんだかんだできっちり仔猫四匹までついて来ている。 肝心の暴走トラックはというと、ふらつき始めていた。 どうやら飲酒運転らしかった。 車が何台も回避のために事故を起こしている。 もはやこれ以上の看過は出来なかった。 ジルベルトは暴走トラックの正面に回り込み、 素手で疾走するトラックを押し返しにかかった。 「むぅぅぅ!」 何か癪に触ったのか、トラックの運転手は興奮してアクセルを踏む。 だが、その抵抗も、ものの3秒で無駄に終わる。 ジルベルトは大型トラックをその車体ごと持ち上げ―― ずがっしゃあぁああぁああん!! 地面に叩きつけて強引に横転させたのだ。 タイヤが衝撃でころころ転がったり、 ガラスはヒビだらけになったりと、 もはや走行は不可能な状態となった。 運転手も無傷では済まないだろう。 なんだか溜飲でも下がったのか、ジルベルトは一息ついた。 そこにパトカーとソニアが遅ればせながら到着、 急いで運転手を確保しにかかった。 「ちょっと、ジルベルト君、無茶し過ぎよ!」 『ちょっと張り切りすぎたのー』 小首をかしげてリアクションするジルベルト。 いちいち小動物チックに愛らしく、もはやソニアも嗜める気が失せた。 かくて運転手は現行犯逮捕、事情の説明も特に無く、 顔の利く勇者軍筆頭という事もあって、 ジルベルトは事情聴取無しで解放されたのであった。 「ちょっと、ちゃんといるでしょうね、 巻き込まれて怪我とかしてたりしない? 大福、きなこ、みたらし、黒ごま!!」 ソニアはジルベルトの飼い猫四匹の無事を確かめるべく、 一応確認のため、点呼を取っていた。 「にゃん」 「にゃー」 「みー」 「にゃおーん」 「みゅー」 ……返事が五つ。仔猫も五匹。 よーく見てみると、明らかに知らない首輪の付いた猫。 しかしどことなく大福達の面影を残したような、 しかも年頃もほとんど同じような仔猫が一匹混じっていた。 白と黒のぶち模様だが、違和感が無さ過ぎたために、 ジルベルトとソニアは、一瞬気付かなかったのである。 「……増えた?」 『増えたかも』 微妙なリアクションをする二人の前に、 路地裏から赤い服を着た―― がちゃん、がちゃん、がちゃん。 もとい、赤い……否、真紅の鎧を着た重騎士が姿を現した。 「それはウチの仔猫です……ジルベルト兄様」 「メイベル?」 二人は異口同音に驚いた。ジルベルトの従兄妹である メイベルが何故かこんなところにいるのである。 それも、前回の戦役では見せなかった仔猫まで連れて。 「まだこの子は生まれたてですが、母胎のトラブルから、 この子だけが生き残りました……哀しいですけど……」 そう言うと、愛しさを込めてぶち柄の仔猫を撫でてやる。 「でも、メイベル、なんであなたがここに?」 「緊急事態だからっつってわざわざ直接知らせに来たのよ」 と、メイベルの傍にはソニアの姉、ルシアが出てきた。 「お姉ちゃん……どうやらただ事じゃないみたいね。 メイベル、聞かせてくれる?」 「はい……惑星アース国際平和機構が人間の勢力によって 襲撃を受けたそうです。長官は辛くも脱出したそうですが、 脱出先の受け皿が無く、迷走中との情報が入っています……」 「惑星アース国際平和機構ってアレでしょ!? スプレッダー戦役の時も各国に働きかけてくれた組織!」 「平和機構だけじゃありません、アーム城にも同様の襲撃です。 その2拠点への襲撃さえ陽動として、謎の人間勢力は 妖精の森のルスト家のみに狙いを絞ってきたそうです」 『ルスト家に? なんで?』 ジルベルトは引き続きメールで応対する。 「分かりませんが、直接のターゲットとなっていた レイリアさん、エイリアさん両名は無事に脱出、 ジルベルト兄様との合流を図っていると聞いています」 「ソニア、ジルベルト君。それにメイベル。 敵と思しき集団の狙いは不明だけど、 ターゲットは勇者軍の人間よ。 新入りの私が軍規を調べても分かるように、 明らかに自衛範囲内事態だわ」 仮に戦闘を行ったとしても、 自衛の内として内外から認められる事態である、と ルシアに言われ、三者三様に頷く。 「どうも味方は自由に動けていないようだし、ここは私達が 何とかするしかないんじゃないかしら……」 『でも、何を目標にして動くのー?』 ジルベルトが疑問を呈する。 「……順当に考えれば同じターゲットに狙われている以上、 惑星アース国際平和機構の人間は味方と見なしていいと思うわ。 いくら陽動とはいえ、故無くして狙われたわけでもないと思うの。 ジルベルト君。まずはその平和機構の長官さんを探してみない?」 「アーム城には……ユイナ王女も、イスティーム王もいますし そう簡単に陥落はしないと思います……現に陽動に来た部隊も 圧勝で追い払っているとの報告が入っています。 それに兄様、妖精の森の方はレイリアさん達二人の脱出後、 速やかに引き上げたとの報告も入ってきています…… ここは、ソニアさんの進言が正しいと、私も思います……」 『分かったー』 これで方針は決定した。旅支度を整えたジルベルトだったが、 ストレンジャーソード及び進化形態である砲剣ストレンジバスターは 自宅へと封印したままにした。 あの武器を人間相手には使えないからだ。 そして道中、ソニアはふと疑問を口にした。 「メイベル、その白黒ぶちの子、名前は?」 「まだ無いんです……出来れば名前を付けてもらえませんか?」 「じゃあ、あんみつ!」 ソニアは提案する。が、以前飼い猫達に ヒドい名前を付けられたジルベルトは慌てて止めにかかる。 「おや、どうやらジルベルト君は不満みたいね」 と、自信有りげにルシアが前に出る。 「じゃあ私が付けてみるわね。どうせならうんと格好良く、 歴史上の偉人から拝借して付けてあげよっか!」 熟考することおよそ一分。 「パブロ・ディエーゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・ レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・ デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ!!」 言うまでもなく西暦時代の画家にして巨匠、 パブロ=ピカソのフルネームだった。 「……………………」 ルシアを除く一同の思考が止まった。 どうやらルシアは、ソニアとまったく違ったベクトルで ヒドいネーミングセンスの持ち主らしかった。 似ている姉妹と言えばそれまでだが。 「もうあんみつでいいです……」 珍しく投げやりな態度でメイベルは妥協した。 実は内心、どや顔のソニアに心底後悔したのは彼女の秘密である。 (テレパス持ちのジルベルトにはバレているが) ともあれ、新しい仲間の仔猫、あんみつを加え、 とりあえず惑星アース国際平和機構の 長官の捜索を当面の目的として、 ジルベルト率いる勇者軍主力部隊は再始動するのだった―― <第十一章-第一幕-へと続く>
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保育園に職場体験学習行ってきた * 保育園の子がホモで告白された * 保育園の子がホモで告白された part2 3? 保育園の子がホモで告白された Part4 保育園の子がホモで告白された Part5 保育園の子がホモで告白された Part6 【酒・煙草】保育園の子に告白された俺【穴は大人になってから】 【未成年淫行】保育園の子に襲われる俺Part8【ダメ絶対】 【ホモテ期】保育園の子に襲われる俺Part.9【到来】 【類は】保育園の子に襲われる俺Part.10【ホモを呼ぶ】 【~花ざかりの後援会~】保育園の子に襲われる俺Part.11【ホモメン♂ パラダイス】
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まずカタリナはモニカの替え玉を用意することにした。 とはいえ残念ながら、この城の中にはミカエルの影はいてもモニカの影はいない。なので、仕方なく城仕えの侍女の中から金髪ロングヘアのものをピックアップしてモニカの寝巻きを着せ、モニカのベッドに突っ込むことにした。 「カ、カタリナ様っ!こんな恐れ多いこと、私には・・・っ!」 「いいから黙って入りなさい。いい?食事とかは可能な限り運んできてあげるから、しばらく本でも読んでなさいな。誰か近づいてきたら頭まで布団をかぶって、決して声を出さないようにね?わかった?」 「・・・はぃ・・・」 大人しく頷く侍女にうんうんと満足げに頷いたカタリナは、一秒でも惜しいと言いたげな素振りですぐに部屋を後にした。 部屋を出た所で大臣に出くわしたが、どうやら今は様子見に着ただけらしい。しつこくモニカの様子を聞いてくる大臣に事の確信を感じながらも適当にはぐらかしたカタリナは、去り際に大臣のすっかり干上がった頭にむかって中指を立てた。まごう事なきロアーヌ貴族仕込みの挑発サインである。 あとは事が起こった際に何処まで自分を自由な状態に出来るか、を考えなければならない。 (まず間違いなく捕まる。・・・だとしたら、自室内軟禁・・・は無いわね。王侯貴族の部屋には隠し通路があることくらい、どれだけ馬鹿でも男爵なら先刻承知でしょうし。だとしたら・・・順当なのはやっぱり地下牢かしら) 地下牢に下りると、入り口に控えている牢番の兵士はすっかり寝入っていた。普段ならばたたき起こして説教確定だが、今夜ばかりは好都合だ。簡素な机の引き出しから牢屋のマスターキーを取り出すと、牢屋を一つ一つ物色し始めた。 とはいえ、ロアーヌ城の地下牢は非常に狭い。せいぜいが三部屋、四部屋だ。国という規模の牢屋にしては機能出来ないほどの狭さではあるが、ことさらこれで問題はない。 ロアーヌ領地内の犯罪者の大抵は即座に友好条約を結ぶ北方のツヴァイク公国へと送られ、そこで領主の趣味の闘技場で使役されると聞いたことがある。犯罪者の処理ほど面倒な業務もなかなか無いだろうから、これはこれでいい関係だといえるだろう。 (・・・お、ここが空いているのね。だとしたら私が入れられるとすれば、ここね) 一番奥の牢が唯一の空き牢であることを確認したカタリナは、牢内の石畳の僅かな隙間にそっと鍵を忍ばせた。 (あとは・・・これね。捕まれば手持ちの武器も没収されるだろうから、これだけは絶対に手元に帰ってくるようにしなければ・・・) 懐に常に忍ばせているその小剣を握り締め、カタリナはいそいそと周囲を見渡した。すぐ近くにどこか隠しておける場所があればそれにこしたことはないのだが。 きょろきょろしながら再び地下牢の入り口付近まで戻ってきたカタリナは、相変わらず寝入っている牢番の脇に壺が置かれているのを見つけた。どうやら今現在捕らえている囚人達の私物をまとめて突っ込んであるもののようだ。 (これなら下の方に入れておけば、見つかることはなさそうね。よし、ここに入れてしまおう・・・) 早速壺の中身をかき分けて見えないように小剣をしまうと、カタリナはそっと地下牢を後にした。 階段を上って一階へと戻ると、外はいつの間にやら豪雨に見舞われており、打ちつけるような雨音がここまで響いていた。 (・・・モニカ様、どうかご無事でミカエル様の元へ・・・) 窓の外を眺めて祈るようなしぐさをしたカタリナは、再びモニカの部屋へと戻っていった。 あくる日の夕方、後にゴドウィンの変と呼ばれるその事変は、ロアーヌ城内で本幕を開けた。 バンッ、と勢い良くモニカの部屋の扉が開かれ、大臣と数人の兵士が意気揚々と室内に踏み込んでくる。昨日と同じ椅子に静かに座って本を読んでいたカタリナは、さも驚いたように立ち上がり、彼らに向き合った。 「何事ですかっ!ここをミカエル侯の妹君、モニカ様のお部屋と知っての無礼ならば許しませんよ!?」 「大人しくしてもらおうか、カタリナ。この城は我々が完全に掌握している。下手に動けば命が無いだけだぞ?・・・お前に用は無いのだ。まずはモニカの身柄を押さえさせてもらう」 開口一番に相手を制しようとカタリナが怒鳴ると、兵士こそ若干ひるんだものの、その後ろに控えていた大臣は余裕の笑みを崩さぬままに返してきた。 「どういうこと・・・?このようなことをミカエル様が知れば、あなた達タダではすまないわよ。大臣風情が反乱でもするつもり?」 さすがにこの狸だけは威圧ではどうにかすることは出来ないらしい。年の功というやつだろうか。 「ミカエル・・・?ふん、あのような若造に何が出来る。若い割に多少頭が回るからといって今は名君気取りだろうが、すぐにボロがでるさ。だから今のうちにそれを防いでやろうというのだ。かといって私が取って代わるわけではないぞ?これからはゴドウィン様が先代の遺志を継いでロアーヌ侯となられ、我々を導いてくださる」 ミカエルの事を若造、と呼称されたことに一瞬脳が煮えくり返りそうになったが、そこは勤めて押さえる。とにかくこれで、やはり黒幕がゴドウィンであることが分かった。 「・・・ゴドウィン?いくら先代の従兄弟にあたるとはいえ、あのような矮小な男にロアーヌを治めることが出来るわけがないでしょう。大臣、人選を誤ったわね。・・・そもそもこの程度の人数でここに来るとは、このカタリナもなめられたものだわ。覚悟なさい!」 そういいながら腰に差してある小剣を抜き放つ。 途端に、大臣の周囲に控えていた数人の兵士は自らの剣の柄を握りながらも、皆同じく引け腰になってしまった。 カタリナは何も、単に身の回りの世話をするための侍女としてモニカに仕えているわけではない。自身もロアーヌ貴族の身分でありながら同時にロアーヌ騎士の一人でもあり、その中でも群を抜いた実力と性格の実直さを先代のロアーヌ侯フランツに見いだされて今の役職についているのだ。 そのカタリナが剣を抜いたことでいささか大臣もあせりを見せたが、兵士をたてにするように立ち位置を変えて懲りずに口を開いた。 「動くなよカタリナっ!それ以上動けばモニカの命は無いと思え!」 声と同時に、モニカの寝室のほうに兵士が一歩歩み出る。流石にここでは位置が悪い。あの兵士を打ち倒す前に兵士はモニカのベッドへと到達してしまうだろう。 「・・・・わかったわ。大人しくしましょう。ただし・・・モニカ様には指一本でも触れることは許さない。それ以上ご寝室へと近づくことも許さない。もしそれが破られようものならば・・・地の果てまでも追いかけて、私はお前を必ず殺す」 そういってカタリナは大人しく小剣をしまった。しかし眼光は鋭く大臣へと向けたままだ。その瞳には紛れもない殺意と、自らの言葉を事実足らしめるだけの自信をもって。 「い・・・いいだろう。この部屋を見張っておきさえすればいいのだ・・・。・・・お、おい、カタリナから武器を取り上げろ!」 流石にカタリナの眼力に怖気づいたのか、大臣はじりじりと後ずさりながら兵士の一人にカタリナの身体検査を命じた。 「は、はい・・・」 同じく怖気づいていた兵士の一人が恐る恐るカタリナへと近づいてくる。しかしカタリナは微動だにせず、ただ大臣のみを睨みつけている。大臣が冷や汗を掻いている一方で視線が自分に向けられていないことに多少安堵した兵士は、カタリナの腰に掛かっている小剣へと手を回した。 「・・・・・・っ!?ちょっと、どこさわっているの!?」 「す、すみませんっっ!」 尻を撫でられたカタリナが兵士を一喝する。まるっきり立場が逆になってしまっているが、それを指摘できるほどの度胸のあるものはこの場にはいなかった。 「・・・と、とにかくお前にはしばらく地下牢に入ってもらおう。処遇は追ってゴドウィン様がお決めになるだろうよ。・・・ひひ、お前は以前から男爵様のお気に入りだったからな。ひょっとしたら側室も夢ではないかも知れんぞ・・・?」 大臣の言葉に、射殺さんばかりの勢いでカタリナが睨みつける。しかし大臣は下品に笑みを浮かべたまま、その場を後にした。そうして彼女は予定通り、地下牢の奥の部屋へと運ばれていった。 ぱらぱらと、薄い草鞋の座敷の上に数枚のカードが舞う。地下牢というのは思いのほか暖かいものなんだなとのん気に考えながら、カタリナは暇つぶし用に持ってきた占星術タロットを操っていた。 地下牢に入ってから、どれほどの時間が経過しただろうか。外の様子を窺えないので正確な時間や経過日数などは分からず、体内時計に頼るほかなかった。 そしてカタリナは、今は待つことが肝要と己に言い聞かせつつも、しかしこの状況に早々うんざりしていた。 (そりゃ楽しいわけがないだろうとは思っていたけれど・・・こうも退屈だと困っちゃうわね・・・) 壁に寄りかかりながら、ひたすらタロットを弄る。本来ならばこれすら認められないところであろうが、ここまでカタリナを連れてきた兵士達の誰も、彼女が胸部と服の間に隠していたこのタロットを見つけ出そうとするものはいなかった。そして地下牢に入ってからは、相変わらず居眠りばかりの牢番なので見咎められることも皆無なのだ。 今回の事件に片がついたらこの牢番にはきつく説教をしてやろうと心に誓いつつ、城勤めの侍女が怯えたような心配そうな顔をしながら運んできた何度目かの食事を平らげた後、あくびをかみ殺しながら再びタロットに耽っていた。 (鍵はもう回収したからいつでも出られるわけなのだけれど・・・やはり私が行動を起こすのはミカエル様の軍が城下町にたどり着いてからね・・・。それまでは息を潜めていなければ・・・) おそらく、それは時間の問題であろうと思われた。 いくら軍勢で差をつけようが、ゴドウィン程度の男がミカエルに敵うなどとはカタリナは微塵も考えていなかったのだ。言ってみれば、ミカエルはまさに天才なのだ。君主たるべくして生まれてきたといっても過言ではない。 比べて血縁上はミカエルの叔父に当たるとはいえ、今回の事変の黒幕であるゴドウィンという男は、カタリナから見ても才気の欠片も見えぬ退屈な人物であった。 何度か国の祭典の際に顔を合わせたことはあるが、ニヤニヤとした締りの無い顔、脂ののった額や体型といった印象しかない。 付け加えるならば、定期的に催されていた舞踏会などでカタリナは何度かこの男に声をかけられたことがある。先の大臣の言葉を省みても、どうやら自分はあれに気に入られていたらしいと思うと、背筋が凍る。貴族たるものが品格を磨かず色欲に耽ろうとは、愚かにも程がある。それでいて先代の遺志を継いで~などとのたまうのであれば、それこそ先代への冒涜といっても過言ではないだろう。 ミカエルの父親であった先代ロアーヌ侯フランツは、これまた名君であった。 十六年前に全世界に災厄をもたらした史上三度目の大災害『死蝕』の後、驚くべき速さでロアーヌを建て直し、世界に先駆けてその情勢を確固たるものへと作り上げた。当時荒廃しきった世界では犯罪も頻発したが、いち早く復興を遂げたロアーヌはその中でも異例の厳格さを誇った国であろう。 そしてさかのぼること三ヶ月前、突然の名君の崩御にロアーヌ国民が涙した時、その後の即位直後から父親を上回る機転で情勢を持ち直したのが、現ロアーヌ侯であるミカエルだった。 どうしても先代フランツの一本柱に思われていたロアーヌの地は、先代崩御直後は殺伐とした雰囲気に包まれていた。外交情勢も雲行きが怪しくなり始め、宮廷内外共に浮き足立った状態が続いた。 その中で半ば強引に即位をしたのがフランツの息子、ミカエルであった。即位の際にその若すぎる異例さ、摂政を置かぬ無謀さにひと悶着こそあったものの、それを圧し沈めたミカエルはその後の執政の結果を以て周囲に有無を言わさず納得させたのだ。 今既に国民からは先代に劣らぬ名君の誉れ高く、貴族連盟もミカエルを名実共にロアーヌ侯であると認めた。 だが、やはり納得しない輩はいたのだろう。今回の反乱がいい例だ。ゴドウィン男爵だけならばまだしも、先代から仕えていた大臣までがその謀反に加わろうとは。 (・・・仕方のないことなのかな・・・。いつの時代も権力にすがろうとする輩は絶えない・・・。誇りの伴わぬ権力に意味などないというのに・・・) ため息を一つつくと、カタリナはタロットを集めて一箇所にまとめた。なんだか意気消沈してしまったのでこれ以上続ける気分にはなれなかったのだ。 「・・・なんだ、もう終りにしちまうのかい?見てて面白かったんだけどな」 「・・・!!?」 突然、背後から声が聞こえてきた。驚く間もなくカタリナは寄りかかっていた壁をすばやく蹴って反転する。丸腰ではあるものの臨戦態勢をとりながら先ほどまで寄りかかっていた壁をみるが、特に人影は見当たらない。 「・・・おいおい、そんなに驚くなよ。こっちだ、こっち」 しかし声は聞こえてくる。疑問符を浮かべながらカタリナがよくよく壁を注視していると、なんと上方に穴が開いており、そこから見知らぬ男が身を乗り出しているではないか。 「よっ、別嬪さん。はじめまして。俺はポールっていうんだ」 にこやかに挨拶をする男に面食らいながらも、カタリナはとりあえず臨戦態勢を解いた。どうやら相手も武具は持っていないようだし、どうも穴自体は男が通り抜けられるほどの大きさは無いようだ。 「・・・囚人ね。私に何の用かしら?」 言ってから自分も今は囚人であることに気がつくが、この際それには目を瞑ることにして男を正面から睨んだ。すると男は器用にも身を乗り出した状態で肩をすくめながら笑って見せた。 「何の用もないさ。ただ、珍しく女の、しかも別嬪さんが地下牢に連れてこられてきたとあっちゃ、興味津々なんでね。一昨日から気がついてはいたんだけれど、顔見知りになりたくて今こうして挨拶に参上したわけ」 軽そうな口調で笑うポール。あまり好きなタイプの人間ではないが、どうやら相手は敵意も持っていないようなので、カタリナはある程度リラックスしながら言葉を返した。ついでに言えば自分がここに入れられてから二日が経っていることが確認できたのも収穫としておこう。 「それはどうも。私の名はカタリナ=ラウランよ。さ、ご挨拶は済んだわ。不快だから覗き込むのはやめて頂戴」 腕を組んで相手が引っ込むのを待つが、しかしポールは身を引かなかった。 「はは、つれない返事だねぇ。・・・カタリナ嬢といえば、ロアーヌの花たるモニカ姫に仕える美貌の懐刀じゃないか。まさかこんなところでお会いできるとは光栄だね」 ポールの軽口に、しかしカタリナは無言で返す。流石にポールもこれ以上軽口を言う気にはなれないのか、冷や汗を一筋たらすと再び肩をすくめた。先ほどもそうだがつくづく器用な男だ。 「・・・OK,わかったよ。俺ってばとことんいい女には縁がないんだな。・・・それはともかく、お宅、あれだろう?ゴドウィン卿の謀反の煽りを喰ったんだろ?」 「!?・・・囚人風情が、いやに情勢に詳しいわね」 まさか一介の囚人にまでこの話が広がっているとは。まだゴドウィン達がこの宮廷で行動を起こしてからは男の言うとおりならば二日しかたっていない。そもそもにしてその時点で既に地下牢にいるはずのこの男が、謀反の黒幕の名前まで知っていること自体がおかしい。 「これでもシャバにいたころは、耳は良くってね。噂話はちらほら入って来てたんだよ。謀反の計画なら、結構前からあったみたいだぜ?」 「・・・・・・」 呆れたものだ。 何に呆れたのかといえば、囚人すら知っているような事実をこの自分がつい数日前まで知らなかったということに、である。それだけ自分が平和にかまけていたことに幾分憤慨したくなるが、今ここでそうしても仕方がない。 「ま、心配はいらないって。お宅のところのミカエル侯は間違いなく名君だ。ゴドウィン卿では勝てないよ」 「・・・いやに確信しているじゃない・・・?根拠でもあるのかしら?」 確信たっぷりに話すポールに、カタリナは疑問符を投げかける。先ほどより若干その声音を和らげてあげたのは、勿論ミカエルを褒め称えたからに他ならない。なかなかわきまえている男である。 「ここにきたのは俺もつい最近なんだが、それまではちょい訳ありで盗賊団員やっててな。この周辺の情勢だの裏話だのはしっかり買っていたのさ。それと照らし合わせるだけでも、勝敗は明らかだし・・・それに」 言葉の途中でポールは視線をカタリナの顔から、足元に置いてあるタロットカードに移した。 「さっきまでそいつで戦の先見、やってたろ?その結果は何度繰り返しても、ミカエル侯の勝利に他ならなかった」 にやりと笑ってみせるポール。この男、いつから見ていたのだろうか。 「・・・ふふ、言うじゃないの。まぁ、私も同じ考えよ」 気を良くしたカタリナが笑顔で答えると、ポールはそれにあわせて再び笑った。 「お、やっぱり別嬪さんには笑顔が似合うね・・・ま、ミカエル侯には借りがあるからな。俺もミカエル侯の勝利を願っているだけさ」 「・・・借り?」 手前の軽口は無視して、ポールのその後の言葉に再び疑問符を浮かべるカタリナ。どう考えても一介の盗賊風情とロアーヌ侯爵であるミカエルには接点が見当たらない。 「・・・俺は盗賊団家業に身を落としていたが、一応訳ありってことでな・・・元々は俺もその一団に捕まった被害者ってくちだったのさ。しかし普通ならそんなことは関係なく処罰されるだろう?・・・それをあろう事かミカエル侯は兵に命じて俺に事情を問いただし、今の事情を汲んだ上で短期間の拘留刑に止めてくださったんだよ。しがない盗賊団員の言い訳を聞いて、ばっちりそれの裏までとったそうだ。正直信じられない事態だよ。俺は名君ってもんをはじめて実感したね」 あくまでも冗談風味にしゃべるポール。しかしその言葉には嘘偽りの響きが無いことが、なんとなくカタリナにも分かった。 「・・・そう。それは貴方も不憫だったわね。事が終われば早々に酌量もあることでしょう」 そういってカタリナは再び地面に座り込んだ。立ちながら上を向いて話すのに疲れたのだ。 「ま、ここまで厚遇にしてもらっているんだ。まったり待つさ。・・・とはいえ暇なものはどうしようもなくてな。話し相手に飢えている所に思わぬ別嬪さんの登場とくれば・・・俺の気持ちも分かるだろ?」 今日三度目の肩すくめをみたカタリナは、不覚にもくすくすと笑い出してしまった。 前へ 次へ 序章・目次