約 31,200 件
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/41.html
ア 保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために、次の目標を目指して行わなければならない。 (ア)十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。 (イ)健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心身の健康の基礎を培うこと。 (ウ)人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、自立及び協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと。 (エ)生命、自然及び社会の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと。 (オ)生活の中で、言葉への興味や関心を育て、話したり、聞いたり、相手の話を理解しようとするなど、言葉の豊かさを養うこと。 (カ)様々な体験を通して、豊かな感性や表現力を育み、創造性の芽生えを 培うこと。 イ 保育所は、入所する子どもの保護者に対し、その意向を受け止め、子どもと保護者の安定した関係に配慮し、保育所の特性や保育士等の専門性を生かして、その援助に当たらなければならない。 保育所は、それぞれに保育所の特色や保育方針があり、また、施設の規模や地域性などにより、保育の在り様は様々です。しかし、すべての保育所に共通する保育の目標は、この保育指針に示されているように、子どもの保育を通し、「子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」ことと、「入所する子どもの保護者に対し、その援助に当たる」ということです。 保育所は、「生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期」にある乳幼児の「現在」が、心地よく生き生きと幸せであることを保育の目標とするとともに、その「未来」を見据えて、長期的視野を持って、生涯にわたる生きる力の基礎を培うことを目標として保育することが重要です。それは、生涯、発達し続けていく一人一人の子どもの可能性や、あと伸びする力を信じることでもあり、保育とは、子どもの現在と未来をつなげる営みといえるでしょう。 保育には、子どもの現在のありのままを受け止め、その心の安定を図りながらきめ細かく対応していく養護的側面と、保育士等としての願いや保育の意図を伝えながら子どもの成長・発達を促し、導いていく教育的側面とがあり、この両義性を一体的に展開しながら子どもと共に生きるのが保育の場であるといえます。 ①養護と教育の目標 1つ目の子どもの保育の目標は、さらに(ア)から(カ)までの6つの側面から説明されています。 すなわち、(ア)が養護に関わる目標であり、(イ)以下は、教育の内容の5領域に照らし合わせ、(イ)が「健康」、(ウ)が「人間関係」、(エ)が「環境」、(オ)が「言葉」、(カ)が「表現」に関わる目標となっています。 この5領域に関わる保育の目標は、改定前の保育指針と同様、学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定されている幼稚園の目標と共通のものとなっています。ここに示された保育の目標を、一人一人の保育士等が自分自身の保育観、子ども観と照らし合わせながら、より深く心に刻んで保育していくとともに、保育所全体で確認しながら取り組んでいくことが求められます。 ②保護者支援の目標 2つ目の大きな目標である保護者への援助は、子どもの保育と深く関連して行われるものです。第6 章「保護者に対する支援」に示されていることを踏まえ、保護者の声に耳を傾け、その意向をしっかりと受け止めた上で、適切に対応します。保護者一人一人の状況を考慮し、職員間で連携を図りながら対応していきますが、常に、子どもの最善の利益を考慮して取り組むことが必要です。 また、日頃より保育の意図や保育所の取組について説明したり、丁寧に伝えながら保護者と共に考えたり、対話を重ねていくことが大切です。 こうした保育の目標を目指して行う日々の保育が、常に、人(子どもや大人)との相互の関わりの中で繰り広げられていることや、そのことを通して、子どもはもとより、保護者も、そして保育士等も育ち合っているのが保育の場であるといえます。 子どもと保護者の関係を軸に、子ども、保育士等、また保護者等の様々な関係が豊かに繰り広げられていくことが望まれます。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/105.html
保育所の施設・設備は、子育て支援活動にふさわしい条件を多く備えており、保護者への支援を効果的に進めることができます。専門性を有する職員が配置されているという保育所の特性を生かし、保育士が行う保育指導、看護師や保健師が行う保健指導、栄養士が行う栄養指導といった支援が一体となって行われることが望まれます。 また、保育所は、地域において最も身近な児童福祉施設であり、乳児から就学前までの様々な育ちを理解し支える保育を実践している場でもあります。子どもを深く理解する視点を伝えられたり、その実践を見たりすることも、保護者にとっては大きな支援になります。 入所児の家庭へは保護者懇談会や保育参加など、地域の子育て家庭へは行事への親子参加や保育体験などの機会を活用するとともに、これらの機会に父親の参加を促すことも重要です。さらに、これらの支援が保護者同士の交流や相互支援あるいは保護者の自主的活動を促すことにも配慮する必要があります。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/123.html
職員の資質向上に関しては、次の事項に留意して取り組むよう努めなければならない。 (1)子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となること。 保育の質の向上を図るには、職員一人一人の資質向上がまず基本となります。 保育所保育においては、職員が子どもを大切に思い、日頃から子どもと心が通い合うようにすることが大切です。保育士等が子どもの気持ちを受け止めて柔軟に保育を行い、子どもの保護者や地域への子育て支援を行っていくためには、様々な知識と技術及び適切な判断が求められます。 保育士の専門性については第1章(総則)で規定されましたが、子どもの保育と保護者の援助を行っていくためには、すべての保育所職員に対してそれぞれにふさわしい専門性が必要です。 同時に子どもの最善の利益を考慮して保育するためには、職員の人間観、子ども観などの総体的なものとして現れる人間性や、保育所職員として自らの職務を適切に遂行していく責任に対する自覚が必要です。その上で、子どもの人権を尊重することへの格段の配慮が求められます。 また、保育所の職員は、その言動が子どもあるいは保護者に大きな影響を与える存在であることから、特に高い倫理性を求められます。一人一人の職員が備えるべき知識・技術や判断及び人間性は、時間や場所、対象を限定して発揮されるものではなく、日頃の保育における言動のすべてを通して表出するものです。これらが高い倫理観に裏付けられたものであってはじめて、子どもや保護者に対する援助は十分な意味や効果を持ちます。プライバシーの保護や子どもの立場に立ってそのニーズを代弁することなど、職員が持つべき倫理性の具体的な内容については、職種により関係団体において倫理綱領などが定められています。 こうしたことを一人一人が十分に理解し常に認識しながら、日頃から職場内研修や職場外研修、自己研鑽により保育の専門性を高めることが重要です。 このような保育所職員として求められる専門性や人間性は、自らの考え方や生き方と深く関係しており、主体的に向上させようとする意思がなければ高まりません。 なお、保育士については、全国保育士会において、保育の更なる質の向上を目指し、保育士資格の法定化を機に「全国保育士会倫理綱領」が定められています。 ◎コラム: 全国保育士会倫理綱領 すべての子どもは、豊かな愛情の中で心身ともに健やかに育てられ、自ら伸びていく無限の可能性を持っています。 私たちは、子どもが現在(いま)を幸せに生活し、未来(あす)を生きる力を育てる保育の仕事に誇りと責任をもって、自らの人間性と専門性の向上に努め、一人一人の子どもを心から尊重し、次のことを行います。 私たちは、子どもの育ちを支えます。 私たちは、保護者の子育てを支えます。 私たちは、子どもと子育てにやさしい社会をつくります。 (子どもの最善の利益の尊重) 1.私たちは、一人一人の子どもの最善の利益を第一に考え、保育を通してその福祉を積極的に増進するよう努めます。 (子どもの発達保障) 2.私たちは、養護と教育が一体となった保育を通して、一人一人の子どもが心身ともに健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し、生きる喜びと力を育むことを基本として、その健やかな育ちを支えます。 (保護者との協力) 3.私たちは、子どもと保護者のおかれた状況や意向を受けとめ、保護者とより良い協力関係を築きながら、子どもの育ちや子育てを支えます。 (プライバシーの保護) 4.私たちは、一人一人のプライバシーを保護するため、保育を通して知り得た個人の情報や秘密を守ります。 (チームワークと自己評価) 5.私たちは、職場におけるチームワークや、関係する他の専門機関との連携を大切にします。また、自らの行う保育について、常に子どもの視点に立って自己評価を行い、保育の質の向上を図ります。 (利用者の代弁) 6.私たちは、日々の保育や子育て支援の活動を通して子どものニーズを受けとめ、子どもの立場に立ってそれを代弁します。 また、子育てをしているすべての保護者のニーズを受けとめ、それを代弁していくことも重要な役割と考え、行動します。 (地域の子育て支援) 7.私たちは、地域の人々や関係機関とともに子育てを支援し、そのネットワークにより、地域で子どもを育てる環境づくりに努めます。 (専門職としての責務) 8.私たちは、研修や自己研鑽を通して、常に自らの人間性と専門性の向上に努め、専門職としての責務を果たします。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/23.html
地域において最も身近な児童福祉施設であり、保育の知識、経験、技術が蓄積されている保育所への期待は、今日ますます高まっています。子育て家庭や地域社会に対し、保育所の役割を確実に果たしていくことは、保育所の社会的使命であり責任です。その際、特に遵守しなければならない3つの事項が「保育所の社会的責任」として規定されました。保育所が社会的な信頼を得て日々の保育に取り組んでいくとともに、地域の共有財産として、広く利用され、活用されることが望まれます。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/33.html
①発達過程の把握による子どもの理解、保育の実施 誕生から就学までの長期的視野を持って子どもを理解するため、第2章「子どもの発達」において、発達過程区分に沿った子どもの発達の道筋を明記し、第3章「保育の内容」において、乳幼児期に育ち経験することが望まれる基本的事項を示すとともに、乳児、3歳未満児、3歳以上児など 発達過程に応じた特有の配慮事項を示しています。 ②「養護と教育の一体的な実施」という保育所保育の特性の明確化 養護と教育が一体的に展開される保育所の生活において、保育の内容をより具体的に把握し、計画-実践-自己評価するための視点として「ねらい及び内容」を「養護」と「教育」の両面から示しています。 ③健康・安全のための体制充実 子どもの健康・安全の確保が子どもの保育所での生活の基本であるとの考えの下に、子どもの発育・発達状態の把握、健康増進、感染症など疾病への対応、衛生管理、安全管理などの諸点に関し、保育所が施設長の責任の下に取り組むべき事項を明記しています。加えて、不適切な養育に関する早期把握、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)など地域の専門機関との連携にも言及しています。 また、食育基本法の制定などを踏まえ、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、食育の推進を明記しています。さらに、健康・安全、食育に関する計画的な実施のため、全職員の連携・協力、専門的職員の確保など保育の実施体制を規定しています。 ④小学校との連携 子どもの生活や発達の連続性を踏まえた保育の内容の工夫、小学校の子どもや職員間の交流など積極的な連携に取り組むことを奨励するとともに、就学に際し、子どもの育ちを支えるための資料を「保育所児童保育要録」として小学校へ送付することを義務づけています。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/82.html
ア 保育所は、保育の質の向上を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価結果を踏まえ、当該保育所の保育の内容等について自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。 イ 保育所の自己評価を行うに当たっては、次の事項に留意しなければならない。 (ア)地域の実情や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目等を設定し、全職員による共通理解を持って取り組むとともに、評価の結果を踏まえ、当該保育所の保育の内容等の改善を図ること。 (イ)児童福祉施設最低基準第36条の趣旨を踏まえ、保育の内容等の評価に関し、保護者及び地域住民等の意見を聴くことが望ましいこと。 ①保育士等の自己評価に基づく保育所の自己評価 保育所としての自己評価は、施設長のリーダーシップの下に、自らの保育の内容とその運営について、組織的・継続的に評価し検証します。この自己評価は、保育士等の自己評価結果に基づいて、施設長と職員との話し合いを通して行われるものです。 保育所が編成する保育課程とそれに基づく指導計画やその他の保育の計画は、各保育所の保育理念・保育方針・保育目標の達成を目指したものです。それらの実現に向けた実践について、職員相互に話し合いを重ねながら、具体的な評価の観点や項目を定めていきます。適切な評価の観点や項目を考えることは、保育の質の向上のために、また保育所としての機能を十分に果たしていくために必要なものです。 ②保育所の自己評価の観点 保育所に期待されている具体的な役割や機能は、その地域の社会資源や保育ニーズに応じて異なるものです。したがって保育所が目指す保育の目標や成果も、それぞれの保育所の設置・運営体制や職員規模、子どもや保護者の状況などによって違ったものとなります。自己評価を行うに当たっては、そうした地域の実情や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目を設定する必要があります。大切なことは、保育士等の自己評価などで課題となっていることを、短期間にすべて改善しようとすることではなく、課題の重点化を図った上で、期あるいは単年度から数年度の間で、実現可能な計画の中で進めるようにすることです。つねに適切かつ実現可能な評価となるように、評価の観点や項目は、評価に関する様々な情報を収集するなどして見直すことが大切です。評価の観点や項目を設定する際、既存の評価項目を参考にするのも有効です。例えば、一つの方法として、第三者評価基準の評価項目の中から必要なものを選定したり、独自の評価項目をつくるなどして、各保育所にふさわしい項目となるようにします。 このように職員全員が自ら評価することの意味を意識して自己評価を行うとともに、第三者評価など外部評価を受けることは、より客観的な評価につながるでしょう。こうした積み重ねが保育の質を高めるとともに、職員一人一人の意欲の向上につながることに、組織としての自己評価の意義があります。 ③自己評価の方法 自己評価は、一年のうちで保育活動の区切りとなる適切な時期を選んで行います。そのために、日頃から保育実践や運営に関する情報や資料を継続的に収集し、職員間で共有するようにします。その資料の中には保育記録をはじめ、保育所が実施した様々な調査結果、あるいは保育所に寄せられた要望や苦情等も含まれます。職員間の情報の共有や効率的な評価の仕組みをつくるために、情報技術(IT)などの積極的な活用も有効でしょう。 自己評価の結果については、具体的な目標や計画、目標の達成状況、課題の明確化、課題解決に向けた改善方策などを整理します。自己評価の結果を整理することで実績や効果、あるいは課題を明確にして、更に質を高めていくための次の評価項目の設定などに生かすようにします。 ④自己評価の公表 自己評価の結果を公表する意義は、保護者や地域社会に対して保育所で何をやっているのかを明らかにすることで社会的責任を果たすことにあります。したがって何をどのように公表するのかは、各保育所が判断して定めます。例えば園だよりやホームページなどを利用するといった方法があります。自己評価結果の公表や情報提供によって、自らの保育とその運営について、保護者や地域との継続的な対話や協力関係づくりをすすめ、信頼される開かれた保育所づくりに役立てます。 このように、保育所の自己評価は、保育所の役割や社会的責任を果たせるよう、職員間の連携や組織性を生かした創意工夫が期待されているのです。 ◎コラム:第三者評価とは 第三者評価は、2002(平成14)年にスタートしました。根拠となる法律は、2000(平成12)年の社会福祉法であり、その第78 条に「福祉サービスの質の向上を図るための措置等」として、「社会福祉事業の経営者は、自ら提供するサービスの質の評価を行うことなどにより、常に福祉サービスを受ける側の立場に立って、良質かつ適切な福祉サービスを提供するように努めなければならない。国は、社会福祉事業の経営者が行う福祉サービスの質の向上のための措置を援助するために、福祉サービスの質の公正かつ適切な評価の実施に資するための措置を講ずるように努めなければならない。」と規定されています。 第三者評価の意義の第一は、第三者評価を受ける事前の自己評価に職員一人一人が主体的に参画することで、職員の意識改革と協働性を高めることにつながること、第二は、第三者評価結果を利用者(保護者)へ報告し、利用者との協働体制を構築することにあるといえます。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/80.html
【自己評価の意義】 保育所は、保護者とのパートナーシップのもとで、子どもの健やかな育ちを保障し、よりよい保育を展開していくために、計画に基づいて実践した自らの保育を多様な観点で振り返りながら、継続的に保育の質を向上させていくことが求められています。 保育所の自己評価は、個々の保育士等の職員が行うものと、保育所全体で行うものの二つに大別できます。 前者は自らの保育実践と子どもの育ちを振り返り、次の保育に向けて改善を図り、保育の質を向上させることが目的です。また、それを通じて職員間の絆や協働性を強め、学び合いの基盤を作り、研修内容の確認や自己研鑽を行っていく機会にもなります。 後者は各保育所が、保育所として創意工夫していることや独自性などとともに課題を把握し、保育課程や指導計画その他の保育の計画を見直して改善を図ることが目的です。いずれも、組織として積極的に取り組むことに意義があります。 言うまでもなく、保育所保育の質を守り高める主体は保育所であり、施設長をはじめ専門性を有する一人一人の保育士等です。この自己評価を通じて、すべての職員が組織的・継続的によりよい保育を作り上げていくことが期待されているのです。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/115.html
育児不安等が見られる保護者に対して支援を行うためには、相談・助言等の専門性が不可欠となりますが、さらに保育指導、中でも個別支援の知識、技術等が求められます。特に以下の点が重要です。 ①保育指導について 保護者への支援の基本となる保育士の専門的業務が、保育指導です。これは、児童福祉法に定められた保育士の重要な業務です。 保育指導業務はこれまでも保育所において実施されてきましたが、保育士の業務として法定化されたことにより、その知識・技術やそれを提供するための倫理的事項について、今後、より明確化、体系化することが必要と考えられます。 ②個別支援の知識・技術 保育所における個別的な支援は、個々の保護者の思いや意向、要望、悩みや不安などに対して、保育士が培ってきた知識や技術、保育所保育の専門性を中心としながら行う援助活動です。ただし、その内容によっては、保育の知識や技術に加えて、ソーシャルワークやカウンセリング等の知識や技術を援用する必要があります。 さらに子どもの健全育成の観点から、多胎児や低体重出生児、外国籍の子ども、慢性疾患のある子どもの保護者への支援が求められます。また、精神疾患等を抱える保護者、育児不安を持つ保護者等への個別的な対応も必要に応じて行います。 ③保育所における個別支援 保育所における個別的な援助に当たっては、保育の専門性という視点から情報収集と分析、援助方法や手段の選択等を行います。収集する情報の例としては、保護者の意向や思い、家族の状況、関わりのある社会資源等に加えて、子どもの発達や行動の特徴、生活リズムや生活習慣、そして保育所における子どもの行動特徴、送迎時や連絡帳の記述等に見られる親子関係等を挙げることができます。保護者への支援業務に責任を持って適切に対応するためには、必要に応じて子どもと保護者を含む援助計画や記録を作成し、援助に生かすことが求められます。 ④個別支援の実際 保育所において個別的な支援を行う場合は、必要に応じて他の機関と連携するとともに、作成された援助計画や記録を活用するなど、組織として子どもや家族を援助する体制づくりが重要となります。また、主たる援助者となる保育士を、施設長、主任、他の保育士等が役割分担を行いながら支えます。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/31.html
旧保育指針の施行から8年が経過し、この間、子どもや子育て家庭を取り巻く状況は、保育関係者の努力により改善されてきた面もありますが、依然として課題や問題点も多くあります。家庭や地域において人や自然と関わる経験が少なくなったり、子どもにふさわしい生活時間や生活リズムがつくれないことなど子どもの生活が変化する一方で、不安や悩みを抱える保護者が増加し、養育力の低下や児童虐待の増加などが指摘されています。 また、①地域における子育て支援の活動が活発になる中で、保育所はもとより多様な支援の担い手など地域の保育・子育て支援の資源が蓄積されつつあること、②延長保育や一時保育などの保護者の多様なニーズに応じた保育サービスの普及が進むとともに、保育所職員と保護者との適切な関わりが求められていること、③平成18 年に保育所と幼稚園の機能を一体化した「認定こども園」制度が創設されたこと、④同じく平成18 年に改正された教育基本法において幼児期の教育の振興が盛り込まれ、就学前の教育の充実が課題になっていること、⑤仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現が求められる中で、働きながら子育てをしている家庭を支える地域の担い手として、保育所に対する期待が高まっていること、など、保育所をめぐる環境も様々に変化しています。 乳幼児期は、子どもが生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であり、少子化が進み、家庭や地域の子育て力の低下が指摘される中で、保育所における質の高い養護と教育の機能が強く求められています。また、子どもの育ちや保護者をめぐる環境が変化し、保育所への期待が高まり、質の高い保育が求められる中で、保育所の役割・機能を再確認し、保育の内容の改善充実を図ることが重要になってきています。 今回、こうした観点から、保育指針の内容や構成を見直し、更なる保育の質の向上をめざすこととなりました。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/128.html
保育の自己評価と同じように、研修にも自己評価サイクルがあります。 研修計画を立てて実行し、その成果を自己評価し、また次の研修計画の改善に生かすというサイクルです。 研修が保育に役立つものとなるように、研修の成果を保育所の自己評価サイクルと連動させます。つまり第4章の保育士等の自己評価や保育所の自己評価の結果から、今後の課題として明らかになったものについて、改善策が適切と考えられるものを研修として盛り込むようにします。 この研修計画の作成に当たっては、一人一人の職員の持つ資質や専門性を分析するとともに、経験年数や本人の意向等も考慮し生涯教育として計画的に実施することが大切です。保育士等の自己評価やライフステージに合わせた研修計画が期待されます。職員の専門性は、一気に高まるものではありません。長期的な展望の下に、自らの学ぶ意欲が高まるような研修計画を、職員と共に作り上げるようにします。 なお、保育所の勤務体制は十分な研修を行うだけの時間を確保することが難しく、保育に支障が出ない範囲での研修が期待されており、実効性のある計画が大切です。また、学んだ知識、技術や判断力が、実践にうまく生かされるように、研修体制を保育所運営の全体の中にバランスよく位置付けることが重要だといえます。