約 409,720 件
https://w.atwiki.jp/rffbl22/pages/66.html
画像の任意の範囲の保存 バウンディングボックスの範囲にかかわらず任意の範囲を別のファイルに保存したい場合 トリムエリアツール⇒Web及びデバイス用に保存 ここで、Web及びデバイス用に保存の画像サイズタブでアートボードサイズでクリップをオフにしておく。
https://w.atwiki.jp/rokumei/pages/15.html
名称 関連能力 説明 猛毒 敏捷・器用 毎行動ごとにHPにダメージを受けます。 炎上 敏捷・魔力 毎行動ごとにHPにダメージを受け、装備の強さが徐々に減少します(戦闘が終われば戻ります)。深度がある値に達すると攻撃対象にも燃え移るようになります。燃え移ると深度が減少します。 凍結 敏捷・魅力 EVA・MEVA・SPDが低下します。 麻痺 敏捷・器用 HIT・EVAが低下します。 混乱 器用・魅力 毎行動ごとにSPにダメージを受けます。深度がある値に達すると敵味方を誤った行動をすることがあります。 睡眠 敏捷・魅力 SPDが低下します。深度がある値に達すると行動不能になり、セリフも発せられなくなりますが、毎行動ごとにSPが回復します。また、この状態異常は攻撃を受けることで回復することがあります。 魅了 魅力・天恵 与えるダメージが減少します。深度がある値に達すると行動不能になります。 衰弱 体格・天恵 受けるダメージが増加します。深度がある値に達すると行動不能になります。 祝福 与えるダメージが増加し、受けるダメージが減少します。また、毎行動ごとにSPが回復します。 反射 受けるはずだったダメージを攻撃者に跳ね返します。
https://w.atwiki.jp/965jinro/pages/73.html
色々な人達の異名、迷言集 パティシエセドリック…ronrideruさん セドセド ロンロン 「そこに愛はあるのか…w」(=殴り愛を始めた人達に向かって一言) 入植者エドマンド…カナロアさん 江戸産 江戸三 江戸山 江渡参 エド子 エド太郎 信号の人 昼ドラの人 「( ・´ー・`)エドヤァ…」 「>>>問題技<<<」 鉱物商ドミニク…リーシャさん どみっち(orドミっち) ドミノピザさん(ドミのピザさん) シャーリ ドミドミ リーシャん 「( ・´ー・`)ドミヤァ…」 漁師スージー…ネコサンドさん ネコママ スーママ お母さん ネコさん スーママリサイタル(=スーママがごく稀に替え歌を歌ってくれるリサイタル) 美術商シャロン…karin-0407さん かりんさん NTRキラー様 シャロンたん シャロ司 かり尾 ロンロン シャロロン 軍人見習いジェレマイア…ゆうき@初心者さん ジェレジェレ ジェレ ジェレたん もち もっちー 寝ろ 誤字の神2 誤字の四天王1 傭兵シビル…ファッグズさん キラー様 シビシビ 武器商人リサ…むつひまさん もつなべさん むっつー リサリサ カサカサ むつさん 行商エレイン…ふじわかめさん フッジー おふじさん 増えるわかめ 増えないわかめ フッジ/^o^\サーン エレエレ エレヤン エリエリ もずくさん 海苔 わけめ 増えるわけめ エレG(カサカサエレさん) 増えわけめ エリイン エリンギ わっかめーん 「諏佐愛ならあるんですけどね!」 「( ・´ー・`)エレヤァ…」 冒険家見習エーヴリル…ひないちごさん エーヴたん ひなさん いちごさん 桃瀬 調理師マーガレット…[。◉㉨◉] さん くまさん マーガさん くまー マッギャー 羊飼いオリヴァー…納豆loveさん オリオリ オレオレ \オリ/\ヴァー/ 納豆さん 増える納豆 納豆パン なっとさん 誤爆王 誤字の神 誤字の四天王2 「私は生きる女よ()」 軍医ニコール…みやぽん ニコ先生 ニコ動産 ぽんずさん ぽん先生 ドMぽん みやぽんぬ 「( ・´ー・`)ニコヤカァ…」 ニコニコリサイタル(唐突に始まるニコールさんの替え歌熱唱、構ってあげよう!()) 翻訳家デリック…コロコロコさん デリデリ コロコロさん コロさん 誤字の四天王3 「やじょやほ!」(=やほやほ) 染み抜き屋アダム…㍉泣き虫㍉さん アダムたん あだむん アダムゥゥーン ダムダム ミリミリ 泣き虫さん まゆゆ 守衛バーナード…レイダックさん バーナたん ヤンバーナ レイちゃん 交易商人ハーマン…myutan86400さん ドMハー ハーさん ハーM ドMさん M吉 ハー吉 イングリッシュM吉ーン(=イングリッシュな告白をするドMの今吉さんはハーマンさん) みゅーたん 両替商ソフィア…ヒヨリ... *☆さん ひよりん ひよひよ ひよさん ひよりんりん ソフィ ソフィアたん ソフィさん 誤字の四天王4 「みんなのアイドルソフィアちゃんだよ★」 ソムリエアマンダ…veryさん アマさん ベリーさん アマちゃん ベロリンガ ベリベリ 代書士パット…みそ(妹)さん おみそちゃん 准士官アルフォンス…山紫水明さん アル アルルン さんちゃん さんし サンジ 三下 お父さん 初代川瀬() コメント欄 暇人がこんなもの作ってごめんなさい -- みやぽん (2014-02-08 09 19 57) Mしかねえwwwwwwwwwwwwwww -- みゅうたん@ハーM (2014-02-08 10 48 26) 乙でっすwwwwフッジ/^o^\サーンがなかったのが解せなかったので追加いたしましたわん() -- カナロア@エド (2014-02-08 11 44 31) きゃあ江戸産素敵()wwww ハーさんはドMでしょ…?(真顔) -- みやぽん (2014-02-08 11 49 02) 意外と私のあだなあったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- karin-0407 (2014-02-08 14 03 53) いろいろあるw -- ヒヨリ... *☆ (2014-02-08 14 54 39) ヤンバーナかよwvwvwvwvwvくっそwvwvwvwvwvwvwv -- レイダック (2014-02-13 22 20 27) 四天王追加ですwvw自虐ネタ作ってしまいました...。 -- ヒヨリ... *☆ (2014-02-17 02 18 19) 俺のあだ名改めてみるとろくなものが少ないwww有難う御座いました?wwwww -- 山紫水明 (2014-03-24 02 01 04) くっそwwwなんだよこれwwwそこに愛はあるのかいるの?いらないよね!w -- ロン (2014-03-27 10 15 17) 黒子っち・・・必ず勝つっスよ! -- 毛 (2016-11-08 00 53 36) (黒ㅎ△ㅎ) 丁重にお断りさせて頂きます -- アダ子 (2016-11-08 01 01 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/pokeomutuss/pages/27.html
僕の名前はジラーチ。 今は金曜日の夕方、下校中。 明日からいよいよ冬休み! 今から楽しみで仕方ない……はずだったんだけど。 僕は今、人生最大のピンチを迎えていた。 それは……。 「うんち……したいっ……!」 下校中に、うんちをおもらししそうになっていた。 放課後、学校でトイレに行ったんだけど みんな全然帰ってくれなくて……。 一人でこっそりうんちしたいのに、無理だった。 高学年用のトイレはちょっと怖いし 低学年用のトイレは恥ずかしいし……。 そんなわけで、家まで我慢することになったんだけど まだまだ家は遠いのに、もう漏れちゃいそうで……。 グギュルル…… 「んっ……!」 急に便意が強くなって、僕は歩くのをやめた。 足を止めて、両手でギュッとお尻を押さえる。 恥ずかしいけど、こうしなきゃ うんちは今にも溢れ出てきそうで……。 「我慢……我慢……!」 とにかく家に帰るんだ。 そうすれば、ゆっくりと思う存分、うんちができる。 でも、家までの道のりはまだまだ長かった。 帰り道の半分を過ぎたところで 僕はもう、便意に負けそうになっていた。 ググゥッ…… ぷっ、ぷっ、ぷすっ 「んっ……んぅっ……!」 今まで経験したことのない激しい便意 それが冬の寒さでさらに強くなって、僕を襲う。 「うんち……したいよぉ……!」 思わず声が出てしまう。 周りに誰もいないから、聞かれていないはず。 ずっしりと重い大量のうんちが、お腹の中で暴れている。 少しでも気を抜いたら、一気にパンツの中に溢れてしまう。 「トイレ……トイレぇ……!」 僕はもう涙目になっていた。 どこか、どこかトイレはなかったっけ。 考えようとしても、便意のせいで全然集中できない。 (もう……出ちゃう……。) 諦めかけた、そのとき。 「……あっ!」 目の前に公園が見えた。 その隅のほうには、公衆トイレ。 いつもは気にせず通り過ぎちゃうけど 今はあの公衆トイレに救われた気分だった。 (うんち、うんち、うんち!) 公園では、僕より年下くらいの子たちが遊んでいた。 お腹とお尻を押さえて、ゆっくりとトイレに向かう僕の姿。 あの子たちに見られているかもしれない。 けど、もう恥ずかしがっている余裕なんてなかった。 (もう少し……!) 「そんなぁ……!」 やっとたどり着いたと思ったトイレ。 そこに一つだけある個室の扉には「使用禁止」の貼り紙があった。 試しに中に入ってみる。 和式便器の中には、立派なうんちが1本。 「あ、あれ!?」 流そうと思ってレバーを押すけど、反応しない。 壊れてて水が流れないから、使用禁止なんだ。 となると、このうんちは……。 誰かが我慢できなくて、ここにしていったんだ。 なら僕もしちゃえば……と思ったけど そしたら僕のうんちは流れないままで 外にいた子たちが、それを見つけるかもしれない。 もし、トイレに向かう姿を見られていたら 僕がしたうんちだってバレちゃう! そんなのだめだ! 恥ずかしすぎて、この公園に行けなくなっちゃう。 (やっと出せると思ったのに……!) どうしようもなくて、ジタバタと足踏みをする。 けど、そんなことしたって便意は収まらない。 こうなったらもう、外でするしかない。 そう思って外に出て、公衆トイレの後ろ側に行く。 ここなら陰になって、誰からも見えないはずだ。 そう思ったんだけど……。 「お兄ちゃんもかくれんぼする?」 「へっ!?///」 そこには、女の子が一人。 かくれんぼをして遊んでいるらしい。 隠れるなら他の場所にしてくれればいいのに。 目の前で野糞をするわけにもいかない。 (ここじゃだめだ……。) 僕は仕方なく、公園を後にした。 こうなったらもう、絶対に家まで我慢するんだ! そう決意して歩きだして、5分も経たないうちに 僕のお腹とお尻は、もう限界だと訴えた。 グルルゥ…… 汗びっしょりになって、ふらふら歩いて。 (うんち、うんち、うんち。) 頭の中がうんちのことで一杯になって。 (もう……ちょっと……。) 目の前に家が見えたところで。 我慢の限界が訪れた。 グウゥッ! 「うぅっ!」 ムリュリュリュリュリュッ!ムリッ!ミチチチチッ! 「んっ……ふぅっ……!///」 ムリリ……ミチミチミチッ…… あっという間だった。 一気にうんちが溢れ出てきて パンツが膨らんで、ずっしりと重くなって。 真っ白なはずのブリーフは、茶色に染まってしまった。 うんちがこぼれ落ちないように、ゆっくりと家まで歩いた。 家に入ると、玄関からトイレが見えた。 (もうちょっとだったのに……。) ブリリリリ……ブッ……ブリュッ…… ボトッ……ベチャッ! もう何もかもどうでもよくなって まだ出そうなのを我慢していた力が抜ける。 玄関にうんちが落ちて、臭いに包まれる。 「お帰りジラーチ……あら?」 「ママ……。」 ママの姿が見えて安心したら、涙がどんどん溢れてきた。 小学生になって初めての、うんちのおもらし。 悔しくて、恥ずかしくて。 「あらあら……冬休み前の大きなお土産ね♪」 「うぅ……うわぁーーーん!!」 「よしよし。頑張ったわね、ジラーチ。」 ママに頭を撫でられながら、僕は声を上げて泣いた。 泣きながら、全部話した。 学校でうんちをするのが恥ずかしかったこと。 公園のトイレが故障中だったこと。 外には女の子がいたこと。 あと少しのところで、間に合わなかったこと。 ママは怒らずに僕の話を聞いてくれて お風呂でお尻を洗ってくれた。 柔らかいバスタオルの感触は、とても温かくて 新しいパンツは、ちょっとだけ冷たかった。 「ママ……おもらししちゃって、ごめんなさい。」 「誰だって失敗するんだから、気にしないで。」 そう、誰だって失敗する。 失敗を重ねて、成長していく。 けど、おもらしだけは二度としないように頑張ろう。 「いらっしゃい、ジラーチ。」 優しく抱きしめられながら、僕は心に誓うのだった。
https://w.atwiki.jp/sin-changerowa/pages/131.html
先の説明を思い返す。事態は飲み込めた。 月を見た。ちゃんと月には顔が存在している。 自分の身体を見た。元の肉体とは別物の身体。 鏡を見た。本来の顔とはかけ離れた醜悪な顔が映った。 念のため近くで流れている水路で反射する自分の顔を見る。 結果は同じだ。手鏡に細工はなく、紛れもなく今の顔が自分なのだと。 「いや、つっこみどころしかねえぞこの状況。」 全てにおいてわけがわからない状況に軽く頭を抱えてから男は呟く。 名をユーリ・ローウェル。とある世界で下町の用心棒をしていた人間だ。 魔導器(ブラスティア)と言ったものがあるため特殊な存在は慣れたものだが、 流石に身体まで入れ替わっているとなると話は変わってくると言うものだ。 魔導器だろうとこんなことができるとは思えない。 「しかも何なんだよこの身体! 魔物のそれじゃねえか!?」 一番納得いかないのは身体だ。 せめて人間であったのならまだいい。 今の身体を思うと、しつこく迫るザギの方がましだ。 最悪、人間でなくてもいいので人型であれば構わなかった。 それぐらいに、今の身体とは余りにも異様な姿をしているのだ。 白い肌を通り越した真っ白と言ってもいいぐらいの肌。 陽に当たることを避け続けたとしてもこうはならないだろう。 本来瞳があるはずの部分には口が二つ存在しており、 逆に瞳となるものは額や口にあたる部分に存在していて、 手は全身に十は超えている上に、そもそも下半身が壺に入った状態だ。 別の身体に変わるにしても、これは人からかけ離れすぎている形。 外見的にも、はっきり言って気持ち悪いの一言に尽きてしまう。 (一体何を考えてこの身体なんだよ……俺と似ても似つかねえだろ。) タブレットでこの身体のプロフィールを見るが、 はっきり言って理解に苦しむ内容で余計頭を抱えた。 上弦の伍と呼ばれる鬼、玉壺と言う人物ではあるらしいが、 これを他人に見せれば間違いなく警戒されるレベルの外道になる。 人を食らう鬼であり、人の死体を使って芸術品を仕上げると言う、 いかに汚い上流階級の連中を見たユーリでもこの形の悪人は珍しい方だ。 自分を何度もストーキングしてきたザギでさえましに見えてくるだろう。 あれはまだわかりやすい。別に彼の行為に共感するつもりはないが。 (けどまあ、魔導器がないことを考えると便利なのか?) ユーリのいた世界、テルカ・リュミレースでは魔導器がないと魔術が使えない。 使用者の能力を高めるものにも必要であり、それがないと不便にもなる代物だ。 別の身体である以上は当然ないし、戦闘もできない人とかの身体とかならまだしも、 戦闘においては相応に強いことについては一つの利点となりうるだろう。朝陽を除けば。 (けど、身体がついてこれねえんだよな。) もっとも、そんな身体も扱えればの話ではあるが。 うさぎ跳びの要領で壺をジャンプさせながら歩いて(?)いく。 玉壺は基本、壺をあらかじめ転移させて移動すると言う独自の移動方法を持つが、 まだこの身体に慣れてないせいでうまくできない為、こういう形でしか動けない。 そも、玉壺と言う鬼の血鬼術は他の上弦の鬼と比べると余りに搦め手が多すぎる。 ユーリもまたトリッキーな動きをすると言えども、基本的には近接戦が主体の剣士。 こういうのは頭を使うリタの方が向いている(彼女でもこの身体は絶対に嫌だろうが)。 (そういえば魘夢も十二鬼月って言ってたよな。) 最初に説明をしていた少女の身体の精神も鬼らしい。 上弦や下弦の概念から察するに上下関係はあるようではある。 生憎とその手の考察の知識はリタ程ではない為掘り下げられないが、 もしいるのであれば何かしら攻略の鍵になるかもしれないとは思う。 「やめろおおおおおおおおおおッ!!」 「ん?」 地道に跳ねているユーリの下へ、全力で駆け寄る一人の青年。 橙色の髪と紫色が多めの服を着た、どこにでもいそうな人物だ。 顔だけで見れば中々の良さで、女性受けはよさそうでもあった。 駆け寄ると同時にユーリ、と言うより壺を持ち上げる。 「貴様! 私の身体を使っておきながら壺を粗雑に扱うでない! 私の芸術品を理解できぬ野蛮人であることは仮に許容するとしても、 壺を傷つけるものではないことぐらい野蛮な人間であっても分かるだろうッ!!」 怪物でありながら物怖じせず、 振り向いた自分に物凄い剣幕で迫る青年の表情はかなり怖いが、 別に特に動じることはなく、発言の内容から相手が誰か察した。 「あー……ひょっとして、おたくこの身体の持ち主?」 「そうだ! おのれあの下弦の鬼め! いつぞやか柱も殺せずくたばったと言うのに、 下弦の分際で上弦の鬼である私の身体を弄りよって! よもや、あのお方までも巻き添えにはしてないだろうな!?」 人を食う鬼ではあるが、 思ってるより話し合いが通じる相手だとは感じた。 鬼なのに人間臭いと言う奇妙な光景と持ち主の遭遇と言う、 思わぬエンカウントに少しばかり気後れしていることは否めない。 「で、そっちはどうしたいんだ?」 「決まっているだろう! 私の身体を取り戻して、私は芸術品を仕上げるだけだ! こんな殺し合いなどどうでもよいわ! 早く里に戻ってあの審美眼のないガキを───」 その言葉を聞いた瞬間、 「───ああ、そう。」 冷めたような言葉と共に壺から身体を蛇のように伸ばし、突き飛ばす。 不慣れな身体と言えども上弦の伍。たとえデコピンでも威力は相当で、 突然の衝撃にそのまま倒れ、その際に壺が軽く周囲を転がるがすぐに起き上がった。 いや、起き上がったと言うよりは別の地点に壺が立った状態で置かれていた。 玉壺の基本的な移動手段となる、壺からの転移が簡易ながら機能している。 「な、貴様! 何をしている!?」 「何って、そりゃ殺さなきゃいけない相手がいるんだからな。」 玉壺は一つ、致命的な勘違いをしていた。 彼は肉体と精神は性格等類似した人物をあてがわれるものなのだと推察した。 理由は、今の玉壺が持つ肉体の雨生龍之介は彼と同様に死体で芸術品を作る狂人だ。 厳密には目的の一環でしかない行為だが、ある日を境に更にその芸術品は悪辣さに磨きをかけ、 人間でピアノを作ったり椅子を作ったりと、常人からは狂気としか思えないものを制作している。 こんな狂った奴の精神に入るなどどうかしてると普通の人は思うだろうが、彼もまた芸術家。 彼の芸術品を見てないので理解するわけではないにせよ、そういう類似点を見出してみたわけだ。 『確定してない情報に嬉々として出すな』とは首魁である鬼舞辻無惨にも言われたが、今回も同じ。 自分の身体に入ってる奴ならば、龍之介のような独自の感性を持った人物であると言う思い込み。 相容れない存在が自分の身体を使っていると言うことに、欠片も疑問を抱いていなかったのだ。 攻撃を受け、身体を使われていることで激昂して自分が鬼ではなくなってることに改めて気づく。 玉壺は長い間鬼として蹂躙し続ける側にいたが、逆に立たされる側になるとは欠片も思うことなく。 「テメエは少なくとも、この世にいていい奴じゃねえのは分かってる。」 生憎とユーリは狂ってはないが、 一方で殺し合いと無縁な博愛主義者でもない。 法で裁けない悪党を自分の手で殺めると言う、 一つの覚悟を決めた、悪を以って悪を裁く側の存在。 当然、玉壺の精神について野放しにできるわけがなかった。 もし彼が今までを悔いて殺し合いに乗らないとかを言えていたのなら、 情状酌量の余地があったかもしれない。もっとも、そんなものは見受けられなかったが。 だったらやることは何も変わらない。法と言う概念がそもそもない場所だが、 変わらず誰かの平穏の為に、汚れ仕事を請け負うことにすると。 身体を伸ばし、小さな手で玉壺の首を持ち上げる。 「ま、待て! 私を殺せばこの男の持ち主はどうなるか分かってるのか!?」 連続殺人鬼と言う肩書がある龍之介の身体は、 常人としては高いスペックはあるし魔術回路はあるが結局は人間の範疇を超えない。 肉体と精神が別物だとしても、上弦の鬼を振り払えるような力など全くない。 「分からねえ。だが、持ち主だったら人様の身体で好き勝手させられる方が不本意だろ。」 さっきのお前がキレたようにな、 とも思いながら小さい手に力を込めていく。 赤子のような手なおに逃げられない。自分の強さは自分が一番分かってるが、 分かってるからこそ理解したくない。二度も下等な存在に殺されてしまうなど。 「てめえの悪趣味な芸術の趣味に付き合う気はねえんだよ。」 ある意味、その一言が全ての過ちだったかもしれない。 ユーリではなく、玉壺にとっての。 「───それは貴様の見る目がないからだろうがッ!!! 貴様のようなッ! 生まれたらただ老いるだけの脆弱で矮小な存在が! 芸術的価値をも理解できぬ人間が、誰の許しを得てその身体を使っている! つまらぬくだらぬ命が神の手を持つこの玉壺をウジ虫如きが勝手に使うなど断じて───」 「地獄で言ってろ。」 何処までも救えない奴だったな。 諦念のようなものを感じながら指に力をこめれば、 容易く首の肉を抉って頸動脈ごとちぎって、その命を終わらせる。 敗因は柱と戦って敗れた時と同じだ。 無惨のように高いプライドを捨てて生き足掻けば、 このような結末を迎えることはなかっただろう。 人間性を持ち続けたままでいた。それだけである。 無惨も言っていたことを、全く理解してないまま。 【玉壺@鬼滅の刃(身体:雨生龍之介@Fate/Zero) 死亡】 (まさか、こんな形で手を汚すことになるとはな。) 手についた返り血をしかめっ面で見やる。 救えない人間は見てきたし、法で裁けない悪党を自分の手で裁いたことはある。 だが、鬼となってもそういう連中を裁くことになるとは思いもしなかった。 この身体の能力となる血鬼術を使うまでもないあたり、どれだけ強いかは伺える。 (にしても、こいつも負けず劣らずじゃねえか。) 玉壺の方の身体の持ち主も大概な人間だと言う事が把握できた。 寧ろ、人間の身で似たようなことをやっていたのだから恐ろしい。 最初こそ殺す際は身体の持ち主には悪いと言う罪悪感はあったが、 これで良かったような気もしてしまう。 (支給品……はちょっと待つべきか。) このまま支給品を得るのも手、そう思ったが流石にまだ早いと思った。 開始早々支給品を複数持っている怪物……どう見たって悪印象しか持たれないだろう。 最初からマイナスである中、更にマイナス要素を抱えてスタートするわけにはいかない。 かといって血鬼術で壺の中に収納するのも、事故が起きてもし出したら言い訳できない。 近くに川があることなので、一度死体を沈めて必要になったら回収をすることにする。 支給品も身体の都合、急いでほしいと言うわけでもないのが幸いと言うべきか。 最悪死体を食わねばならない状況に追い込まれた場合にも重要な存在だ。 そうならないことを願いたいものではあるが、何が起きるかは分からない。 既にすべての状況が異常事態だ。最悪のケースは考えるに越したことはなった。 そこらへんから石を採取して玉壺、基龍之介の服の中へと入れた後、 そっと水の中へ落として、ゆっくりと死体が水底へと沈んでいく。 死体はその内腐敗ガスの都合浮上するだろうが、どの道期限は三日以内だ。 浮上する頃にはおおよその決着はついていることは予想できる。 「よし、完了っと。」 手をはたいて汚れを飛ばし、 改めて先程できた転移を試してみる。 移動はできるが今の上限は二メートル程度。 疲れないが移動速度が貧弱極まりないのだけは察した。 「さて、仲間がいなきゃいいんだがな。」 仲間がいたらこの姿でも接してくれるかもしれないが、 それはそれとしてこんなのに巻き添えになってほしくもない。 そんな風に思いながら、短距離ではあるが壺で転移して移動を始めた。 (後、血は見ない方がよさそうだ。) 身体が鬼だからなのだろう。 先ほど手についた血を、舐めたくなっていた。 鬼の身体のせいだということはなんとなくわかる。 だから気を付けたい。万が一最悪の事がおきないように。 【ユーリ・ローウェル@テイルズオブヴェスペリア】 [身体]:玉壺@鬼滅の刃 [状態]:健康、身体の状態や人物に嫌悪感 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3 [思考・状況]基本方針:いつも通りにやるとしますか。 1:フレンとかエステルはいねーよな? 2:必要なら悪党を斬ることも辞さない。ザギとかいたら仕留める。 3:必要になったらあいつ(玉壺)の支給品を回収する。 4:日光の対策も考えねえといけねえよな。 [備考] ※参戦時期は少なくともザギ(タルカロン戦)より前。 またPS3以降のヴェスペリア(XBOXではない)です。 ※肉体の参戦時期は不明。 ※血鬼術は現時点では殆ど使えないor使っても貧弱です。 (一万滑空粘魚で僅か十体しか飛ばせないとか、そんな感じ) 壺から壺への転移は一応できますが慣れない限り短距離です。 ※川の何処かに玉壺(龍之介)の遺体が沈んでます。 服に石が詰められてるため暫くは浮いてきません。 90 この世に悪があるとするなら、それは人の心だ 投下順に読む 92 天使のような悪魔の顔で GANE START ユーリ・ローウェル 本編22 迷いは禁物だぜ 覚悟完了
https://w.atwiki.jp/codeofjoker/pages/2573.html
Ver. 2.0EX1 カードNo. 2-0-145 種類 インターセプト レアリティ C 名称 悪意のプレリュード 属性 紫 CP 1 アビリティ [▲3]あなたのユニットがフィールドに出た時、あなたの紫ゲージが3以上4以下の場合、対戦相手のユニットを1体選ぶ。それに4000ダメージを与える。あなたはカードを1枚引く。 [▲5]あなたのユニットがフィールドに出た時、あなたの紫ゲージが5以上の場合、対戦相手のユニットを1体選ぶ。それに5000ダメージを与える。あなたはカードを1枚引く。 ▲3でバーンが発動できる紫インターセプト。 紫ゲージの条件があるとはいえ、高いダメージ数値、キャントリップ付き、要CPが1で済むなど、 他属性のカードと比較にならないほどの性能を誇る。 ゲージの消費もないため同カードやニードルレインなどと連続発動することも容易である。 優秀さゆえのDOPの低さや効果耐性などを考慮しなければ確実に採用したい。 フレーバーテキスト 日常生活の色んな所に人の悪意は落ちている。たとえばほらあなたの隣にいる人も… +エラッタ 2016年08月30日付修整リスト (Ver.2.0EX1_02) 5000ダメージ 4000ダメージ 2019年5月23日付修整リスト (Ver.2.3EX2_00) ▲5の効果が追加
https://w.atwiki.jp/winerror/pages/13.html
★基本的な解決糸口 PCの起動順を理解する 起動の際、順序においていつもと違う動作が入ると故障の前兆だったり、 途中で止まったりすることで原因が判明したりする場合があります。 <例> PC本体の電源ON ↓(停止の場合PC本体の内部電源異常かコンセント外れの可能性) ランプ点灯 ↓(停止の場合PCマザボかメモリの異常の可能性) BIOS画面表示 ↓(停止の場合HDD故障あるいはマザボ故障もしくはウィルス) Windows読み込みでOS立ち上がり ↓(停止の場合OSデータ故障・ウイルスの可能性) デスクトップ画面表示 ↓(停止の場合スタートアッププログラムの破損か OSのデータ破損。あるいは通信ソフト異常動作など) ブラウザ起動(InternetExplorer等) (停止の場合通信ソフトの異常か通信環境の異常)
https://w.atwiki.jp/kskani/pages/398.html
10個の異世界 ◆O4LqeZ6.Qs 話は少しだけ遡る。 場所は博物館(H-8)の中のパソコンの前。 そこにいるのはガイバーⅠこと深町晶とスエゾー、小トトロの3人……いや、1人と2匹と言うべきだろうか? 島のパソコンからアクセスできるコンテンツのひとつである「チャット」。 チャットと一口に言ってもその仕様はさまざまだ。 だが、入室する際に自分の名前を入力しなければならないという点はだいたい同じである。 ゆえに、ここももちろんそういう仕様になっている。 「名前か…… どうしよう? 本名を使うって手もあるけど、さすがにそれは不用心かな?」 入力する名前に迷った晶が、隣で画面を覗いているスエゾーに尋ねる。 ちなみに、晶はガイバーを装着したままだ。 ガイバーがパソコンに向かって座り、それを横で目玉おばけが見ている。 しかも足下を小トトロが動き回っていたりもする。 見る者がいればその光景はたいそうシュールに見えたことだろう。 「ようわからんけど、偽名でええんやったらそうしといた方がええかもしれんな。 さっきの掲示板っちゅうやつに書き込んでた人らも、誰も本名使っとらんかったし」 「掲示板か。そう言えば毎回名前を変えて書き込んでる人もいたな」 「知り合いにだけ自分が誰かわかるようにっちゅう考えやな。いろいろ考えるやつがおるもんや」 「でも、俺は連絡を取りたい仲間がいるわけじゃないし……」 そうなのだ。このバトルロワイヤルの参加者で晶が以前から知っている人物と言えば敵ばかり。 確実に味方だと思える人間は1人も参加していなかった。 「スエゾーは合流したい人がいるんだよな? だったらスエゾーの仲間にだけわかるような言葉を名前にしたらどうだろう?」 「仲間か……」 スエゾーの表情が急に暗くなる。 無理もない。スエゾーはさっきの放送で仲間であるホリィという少女の死を知らされたばかりだ。 ホリィはスエゾーを円盤石という石から再生した生みの親で、同じ村で育った幼馴染みでもあると言っていた。 そのせいか、スエゾーが仲間たちの中でもホリィの事を特に大切に思っている事は口調から伺うことができた。 そんな大切な仲間を失って、元気なままでいるのは誰にだって無理なことだ。 しかも、スエゾーはその前の放送でもモッチーという仲間が死亡した事を知らされていた。 そんなスエゾーに対して仲間の話は禁句だったかもしれない。 「スエゾー。ごめん……」 「晶。なに言うてんねん。お前は悪いことなんかなんにもあらへん。こっちこそ急に黙ってもうて悪かったな。 そうや! まだゲンキとハムがおる! オレはあいつらと合流して、一緒に悪い連中をぶっ飛ばしたるんや! 絶対みんなでこのけったくそ悪い戦いを生き抜くんや! もちろん晶、小トトロ。お前らも一緒や。そうやろ?」 「ああ、もちろんだ」 自分を励ますように明るく言ったスエゾーに晶が答え、小トトロも嬉しそうにぴょんぴょん跳びはねる。 会ってからの時間は短いが、この狂ったような戦いの中にあっても、彼らの間にはちゃんと絆が生まれていた。 「そうや。ホリィとモッチーやったら、クヨクヨするより、そうして欲しいて思ってるはずや……」 スエゾーは自分に言い聞かせるようにつぶやく。 そんなスエゾーを少し心配そうに(ガイバーのままだからわかりにくいが)見つめながら、晶はさっきの話を続ける。 「……それで、チャットに入る時の名前はどうしよう? そのゲンキ君やハムが見ればスエゾーだとわかって、他の人が見ても誰だかわからないような名前があるかな?」 「う~~ん、そうやなあ。『ゴーレムに投げられるヤツ』っちゅうのはどうや? さっき晶にもやってもろたけど、ゴーレムっちゅう仲間にもよう投げてもらっとったんや。 ゲンキたちやったら気付くやろ」 「よ~し。それで行こう」 そう言いながら、晶は『ゴーレムに投げられるヤツ』という名前を入力してチャットに入室する。 名前の入力画面には、現在チャットに何人いるかが表示されているのだが、現在は0人になっていた。 だから誰もいない事はわかっているが、待っていれば誰か来るかもしれないと考えて晶は入室したのだった。 晶がチャットに入室すると、チャット画面の1行目に(ゴーレムに投げられるヤツさんが入室しました)と書き込まれる。 また、画面の右側には現在参加している人の名前が自動的に表示されるようになっていた。 だが、やはり今チャットに参加しているのは『ゴーレムに投げられるヤツ』1人だけだ。 これまでのログもまったく残っていない。 ただし、入室前のログが見られないだけなのか、本当に今まで誰も来ていなかったのかは晶にはわからない。 「これでよし。あとは誰かが入室してくるのを待つしかないけど、いつまでも待っているわけにも行かないな。 どのぐらい待ってみようか?」 「そうやなあ。とりあえず晶の怪我が完全に治るまでは待ってみたらどうやろ? ハラも減って来よったし、ホンマやったらメシにしたい所やけど、全部取られてもうたからなあ……」 0号ガイバーの片肺メガスマッシャーからスエゾーたちをかばって、晶は大きなダメージを受けた。 その怪我は、ガイバーの再生力でかなり治ってきてはいるが、まだ完治には時間がかかりそうだ。 それにスエゾーや小トトロも少なからずダメージを受けている。 博物館にも水道ぐらいはあるので、一応火傷を水で冷やすぐらいはしたのだが、薬を塗ったわけではない。 そして、当然のことながら、ガイバーと違って彼らはそんなに回復が早いわけではない。 ここはしばらく腰を据えてみてもいいかもしれない。 0号ガイバー。あいつは今どこでどうしているのだろう? 俺が甘かったばっかりにスエゾーと小トトロを危険にさらし、荷物も奪われてしまった。 それに、あの様子ではこれからも人を襲い続けるに違いない。 もし誰かが殺されていたら…… でも、あいつは叶えてもらいたい願いがあるって言っていた。 もしかしたらやむにやまれぬ事情が……いや、どんな理由があっても人殺しを許しちゃいけないんだ。 人殺しに乗っているような相手には非情にならなければ。あの巻島さんのように。 もちろん一番悪いのはこの殺し合いを仕組んだ主催者だが―― 「どないしたんや? 晶」 スエゾーに声をかけられて、晶は自分が苦悩に囚われていた事に気付き、ハッと我に返って答えた。 「い、いや。ごめん。ちょっと考え事をしてたんだ。なんでもないよ」 「そうか? そんで、晶の怪我が治るまで人を待ってみるっちゅう話はどうや?」 「そうだな。そうしよう。じゃあ俺はパソコンを見てるから、スエゾーは少し休んでいてくれ。 たくさん出血して体がだるいんだろ? 俺の怪我は放っておいても勝手に治っていくから」 「ほんまにガイバーっちゅうのんはたいしたもんやなあ。ほな、悪いけどちょっと横にならしてもらおうか」 スエゾーはそう言って横になろうとした。 だがその時、晶が見つめていたパソコンの画面に突然変化が起きた。 チャットの参加者の表示に『泥団子先輩』という名前が追加されたのだ。 そして同時にチャット画面にも(泥団子先輩さんが入室しました)と書き込まれる。 晶は慌ててスエゾーを呼んだ。 「おい、スエゾー! 誰か来たぞ!」 「ほんまか? お、この名前の奴やな!」 「ああ。こんなに早く人が来るとは思わなかった。しかしこの人も変わった名前だな。 スエゾーはこの名前に何か思い当たる事はあるか?」 「いや、わからんな。一体どんなやつやろ?」 「それは話してみないとわからないよ。とにかくやってみよう」 そう言って晶はキーボードを叩き始める。 こう見えて、ガイバーの指はほとんど素手と変わりなく動かせる。 それでも、素手よりも太い指である事は間違いないので、少々タイピングがしにくかった。 だが、殖装を解除すると怪我が回復しないので、晶は仕方なくそのままチャットを始める。 ゴーレムに投げられるヤツ>こんにちは。 泥団子先輩>こんにちはでござる。 ゴーレムに投げられるヤツ>最初に言っておきますが、私は殺し合いには乗っていません。 泥団子先輩>こちらも乗っていないでござる。 「乗ってないて言うてるけど、ホンマか?」 「俺は信じたいけど、確かめる方法もないよな……」 「それと、この『ござる』ってなんなんや? 普段からそういうしゃべり方なんやろか?」 「自分が誰なのかを知り合いに伝えるため、かな? でも、今はとりあえずそこは気にしないでおこう」 スエゾーにそう告げてから晶は考える。 何から話そうか。いきなりあまり突っ込んだ事を聞いても答えてくれないだろうし、こちらだって答えられない。 情報交換なのだから、ギブアンドテイクでなければうまく進まないはずだ。 それならまずは、当たり障りのない事からにするか。 ゴーレムに投げられるヤツ>私は島の南側に居ます。そちらはどのあたりですか? 泥団子先輩>こちらは北側に居るでござる。 「北側か。人が集まっていそうな所だな」 「ゲンキやハムの事知ってるか聞いてみてくれへんか?」 「いや、直接それを聞くとこちらの正体を悟られるかもしれない。 せっかくこんな名前を使っているんだから、それは相手が信用できるとわかってからの方がいいと思う。 そうだな。こう聞いてみよう」 ゴーレムに投げられるヤツ>今までどんな参加者を見かけましたか? 泥団子先輩>その前に、一度別の名前で入室し直していいでござるか? 確かめたい事があるでござる。 ゴーレムに投げられるヤツ>何を確かめるのですか? 泥団子先輩>ここのログが残るのかどうかを確認したいでござる。 ゴーレムに投げられるヤツ>確かにログが残るなら迂闊なことは書けませんね。わかりました。 泥団子先輩>それでは失礼いたす。 『泥団子先輩』がそう発言した後で、(泥団子先輩さんが退室しました)という表示がログに残される。 同時に、画面右側に表示されていた参加者リストからも『泥団子先輩』が消えた。 その後、しばらくして『泥団子先輩R』という名前の参加者が入室してきた。 「ひねりのない名前やなぁ。もうちょっとなんか無いんか?」 「いいじゃないか、わかりやすくて」 泥団子先輩R>お待たせ申した。 ゴーレムに投げられるヤツ>どうですか? ログは残っていますか? 泥団子先輩R>いや、残っていないでござる。これなら何を話してもこの場に居ない者には知られぬでござるな。 ゴーレムに投げられるヤツ>広く伝えたい事は掲示板を使い、秘密の話はここでやれという事なのかも。 泥団子先輩R>確かに使い方としてはそれが正しそうでござるな。 ゴーレムに投げられるヤツ>試しに、こちらも入り直していいですか? 泥団子先輩R>もちろんどうぞでござる。 ゴーレムに投げられるヤツ>ありがとう。少しだけ待ってて下さい。 晶はそう書き込んでからすぐに『退室』のボタンをクリックする。 すると画面がチャットに入る前の、名前の入力画面に戻る。 さっきも見た画面だが、部屋にいる人数はさっき見た時とは違って「1人」と表示されている。 「名前はちょっと短くしようか。さっきの人がスエゾーの知り合いならもう気付いてるだろうし」 「よっしゃ、ここはひとつひねった名前を……」 「いや、相手を待たせてるんだから適当でいいよ」 「あっ! こら、晶。そんなひねりのない名前を」 晶は名前の入力欄に『ゴーレムの友』と入力して再びチャットに入室する。 「これなら泥団子先輩Rと長さが同じだから、チャットが見やすくなるだろ?」 スエゾーにそう言いながら晶が画面を確認すると、確かにさっきまでのログが表示されていなかった。 晶は『泥団子先輩R』に帰ってきたことを告げるためにキーボードを叩く。 ゴーレムの友>戻りました。確かにログは残っていないようですね。 泥団子先輩R>お帰りなさいでござる。ただ、見る方法がまったく無いとは限らないでござるが。 ゴーレムの友>そうですね。管理者からはログが確認できるということもありそうです。 泥団子先輩R>うむ。あまり主催者に否定的な事は書かない方がよいかもしれぬ。 ゴーレムの友>私も同じ意見です。気をつけましょう。 「管理者ってこの戦いを主催してるあのおっさんらのことか?」 「このパソコンやネット環境を用意したのはあいつらだろうから、当然そうなるな。 ……もしかしたらこのパソコン自体も俺たちの動きをチェックする道具かもしれない」 「あいつらオレらが死んだらわかるみたいやけど、もしかしたらそれほど詳しいことは監視できてないんかもな」 「どうだろう。首輪に発信器やマイクぐらいはついていても不思議じゃないけど」 その後、晶と『泥団子先輩』はそれぞれ一度退室して同じ名前で入室しなおすというテストもやってみた。 だが、この場合でもやはりログは残っていなかった。 どうやら一度退室すると本人でもログは見られなくなるようだ。 「内緒話をするには都合がいいけど、会話の内容はちゃんとメモしておかないといけないって事か」 「ふ~ん。いろいろややこしいもんやなあ。おっと、あっちからなんか言うてきよったぞ?」 泥団子先輩R>さっきの話でござるが、拙者が出会った危険な相手の事は掲示板に書いてあるでござる。 「掲示板っていうと……一番書き込んでいたのはなんとかの居候っていう人だったな」 「こいつがあの人なんやったら、ナーガに会うたヤツっちゅうことやな」 「確かナーガの名前までは書き込まれていなかったな。教えてあげようか?」 「待て待て。こいつがそうと決まったわけやない。 それにもし本人がそうやて言うたかて、嘘ついてる可能性もあるんやろ?」 「う~ん。そうだな。まずは聞いてみよう」 ゴーレムの友>という事は、あなたは「東谷小雪の居候」さんですか? 泥団子先輩R>答えてもよいのでござるが、よければそちらも何か教えて欲しいでござる。 「そりゃそうか。じゃあナーガの名前を教えよう」 ゴーレムの友>わかりました。居候さんの書き込んでいた下半身が蛇になっている怪物はナーガという名前です。 泥団子先輩R>それは確かな情報でござるか? 泥団子先輩R>拙者はナーガという名前の人間の女性に心当たりがあるのでござるが。 ゴーレムの友>私の仲間がナーガを直接知っています。間違いありません。 泥団子先輩R>お仲間がおられるでござるか。 ゴーレムの友>はい。そちらはお一人ですか? 泥団子先輩R>こちらにも仲間がいるでござる。 「おいおい、オレがおる事まで言うてもうてええんかいな」 「……それぐらいはいいだろ。誰が居るとは言ってないし、相手も仲間がいるって教えてくれたんだし」 「それかてホンマかどうかわからへんで? 気ぃつけてくれや?」 「ああ。わかってる」 泥団子先輩R>先ほどのナーガという女性も、拙者の仲間の知人なのでござる。 泥団子先輩R>だが、あの怪物がナーガであるのなら、こちらの知る女性はここには来ていないようでござるな。 泥団子先輩R>おっと、忘れてござった。 泥団子先輩R>拙者は「東谷小雪の居候」で間違いないでござるよ。情報感謝するでござる。 ゴーレムの友>疑って申し訳ないのですが、何か証明できますか? 泥団子先輩R>難しいでござるな。 泥団子先輩R>貴殿が拙者の知り合いであれば、たぶんこの名前と口調でわかっていただけるのでござるが。 ゴーレムの友>やっぱりその名前は何か意味があるんですね。こちらもそうなのですが、おわかりになりませんか? 泥団子先輩R>残念ながら。お互いに見知らぬ相手という事らしいでござるな。 ゴーレムの友>わかりました。無理を言ってすいません。 泥団子先輩R>いや、仕方のない事でござる。拙者とて貴殿を疑っていないわけではござらん。お互い様でござる。 ゴーレムの友>ありがとうございます。 「危険な相手の事は掲示板に書いたんやろうけど、危険やない参加者の事は書いてへんのとちゃうか? 晶。ちょっと聞いてみてくれ」 「そうか、よし、待ってろよ」 ゴーレムの友>危険でない参加者には会いませんでしたか? 泥団子先輩R>残念ながら、会っておらぬでござる。 泥団子先輩R>いや、今仲間になっている参加者は危険ではないでござるが、今はまだそれが誰かは明かせぬでござる。 泥団子先輩R>ただ、拙者から見て安全と思われる参加者は何人かいるでござる。 泥団子先輩R>しかし、それを教えるならばまずそちらからも何か情報をいただきたいところでござるな。 「ギブアンドテイクっちゅうやつやな」 「そうだな。あっちが本当に『居候さん』ならこっちはもう情報をもらってる事になるか」 「こいつが本物やったら、の話やけどな」 「疑っていても始まらないし、問題ない範囲なら教えてもいいと思うけどな」 「せやけど、こいつの言うてるんはこいつが個人的に知っとるヤツの事なんちゃうか? 少なくともゲンキやハムの事は知らんような気がするんやけど」 「そうだな。でも、情報はなるべくたくさん欲しいだろ?」 「う~ん……よっしゃ、わかった。晶にまかせるわ」 「ありがとう。じゃあ、このまま情報交換を進める方針で行こう」 そう言って晶はチャットを通じてオメガマン(名前はわからない)と0号ガイバーの情報を相手に伝えた。 「東谷小雪の居候」が掲示板に書いていたのと同程度に詳しく、外見や能力、性格などについて教えておく。 そして、0号ガイバーの説明の時には、自分もガイバーを装着している事を正直に明かす。 「おい晶。そこまで言うてええんか? せっかく隠しとったのに、正体ばらすようなもんとちゃうか?」 「もしどこかで会うことがあったら、俺と0号ガイバーの違いを教えておかないと区別できないだろ?」 「そ、そうか。そうやな。じゃあしゃあないか。 でも、相手がクロノスの連中とか0号ガイバーやったらどうするんや?」 「そうだな……心配ではあるけど、情報交換のためだ。 その可能性に気をつけながら進めるしかないよ。 それに、こちらが島の南側に居るとしか伝えてないから、すぐに襲われるってわけでもないさ」 「せやな。まあ、ビクビクしとっても始まらんか」 そして、晶は0号ガイバーは緑色で自分のガイバーはわずかに緑がかった水色であると相手に伝える。 ついでに区別のために、自分のガイバーはガイバーⅠ(ワン)と呼ぶ事を伝えておいた。 相手が晶を知っていればガイバーだとわかった時点でバレると判断したからだ。 また、「泥団子先輩」からはこんな質問も来た。 泥団子先輩R>そのガイバーに弱点はないのでござるか? 「そういやガイバーに弱点ってあるんか?」 「あるんだけど、答えるべきかどうか…… その弱点は俺にとっても弱点だからな」 「そうやなあ。まあ、言いたくないことは言わんでええんとちゃうか? そこまでしたるほどの義理もないわけやし」 「……そうだな」 結局、晶はガイバーの弱点であるコントロールメタルについては教えないことにした。 でも、頭部を完全に消滅させれば倒せるとだけは教えておいたので、相手は納得してくれたようだ。 そして、危険な相手の情報をすべて伝え終わり、今度はこちらから質問することにする。 ゴーレムの友>さっき言っていた「安全と思われる参加者」について教えていただけませんか? 泥団子先輩R>その情報はこちらの素性に関わってくる事でござる。 泥団子先輩R>後で貴殿の素性もある程度教えていただけるならお教えするが、いかがでござろう? 「スエゾー。どうする?」 「晶はどうしたいんや? おれはどっちでも晶の判断に従うつもりやで?」 「俺はこの相手をある程度信用していいと思う。 もちろん相手が教えてくれた情報の内容によっては教えるのを考え直すけどね。 そういう事でどうかな?」 「よっしゃ。それで行こう」 ゴーレムの友>わかりました。こちらも同程度の情報は明かすことにします。 晶がそう書き込むと、「泥団子先輩」はケロロ軍曹とタママ二等兵という2匹のカエルの事を話し始めた。 その内容は、やはり外見・能力・性格についてかなり詳細に渡っていた。 それを読むと、ケロロ軍曹は性格は安全そうだが戦闘能力はほとんど期待できそうにない。 一方のタママ二等兵は戦闘能力は高いようだが、性格にかなり難がありそうだった。 「泥団子先輩」自身もタママが殺し合いに乗っていないとは断言できかねる様子だ。 だが、それでもタママは説得に応じてくれる可能性はあると向こうは主張していた。 そしてできればタママが殺し合いに乗っていても説得を試みて欲しいとも。 説得のポイントはタママはケロロをとても慕っているという所と、甘いおかしなどに釣られやすいという所のようだ。 「なんや。結局たいして役に立ちそうな相手やないやんけ。 タママっちゅうヤツに至ってはむしろ危険人物やで」 「そんな事はないよ。この状況で殺し合いしなくて済む相手というだけでも心強いじゃないか。 タママ二等兵というカエルも、敵に回られたら困るけど、説得して味方にできれば心強いよ」 ちなみに、本来ならば二本脚で歩いて喋るカエルなどという話を晶が信じるには抵抗があったはずだった。 だが、すでに晶は紫のカエルやアシュラマンの死体を見ている。 そして、それが首輪をはめていた事から、参加者である事も知っている。 その事が晶にこの話をすんなり受け入れさせていた。 もちろんスエゾーや小トトロのような不思議な生物をずっと近くで見ているから、というのも大きな要因であろう。 「……それに、確かにこれは相手の素性に関わる情報だよ。 たぶんこの泥団子先輩という人はこの2匹のカエルの仲間なんじゃないかな。 ここまで詳しくて、しかも説得して欲しいということは、そういうことなんだろうと思う。 確か名簿にケロロ・タママ以外にも似たような名前の参加者が載っていたけど、その中の誰かなんじゃないかな?」 「そういえば、森の中で見つけた紫のカエルの死体があったやろ? あれもそのケロロとかいうやつの仲間なんやろうか?」 「そうかもしれないな。そういえば、ケロロとかタママとかに似た響きの名前が放送で出ていた気がする」 晶はその名前を思い出そうとするが、簡単には思い出せそうになかった。 名簿があれば確かめようもあるのだが、名簿は手元にない。 やはり0号ガイバーに荷物を全て奪われたのは痛かった。 「できれば名簿や地図を持っている人と合流したい所だな」 「それか、0号ガイバーから取り戻すか、やな。 今どこにおるかわからへんし、あいつもガイバーやから、これは難しそうやけど」 晶たちがそんな事を相談していると、向こうからこんな事を言ってきた。 泥団子先輩R>よろしければそちらの知る危険な相手というのを教えていただきたいのでござるが。 「どないするんや? 晶」 「相手の話が本当か嘘かはわからない。 でも、ここで話を打ち切ってしまうのは惜しいし、とりあえず信じてこちらの情報も伝えようと思う」 晶はキーを叩いて相手にアプトムとネオ・ゼクトールが危険な相手である可能性が高いと伝える。 もちろん外見・能力・性格などについても出来る範囲で詳しく伝えた。 ただ、晶はアプトムを「バルカスに再調整を受けた後に自分と戦った時のアプトム」だと思っている。 微妙な話になるが、晶はあの後まったくアプトムと遭遇する機会がなかった。 だから4人衆の力を取り込んでパワーアップしたアプトムの事も晶はまったく知らない。 それでもこの島にいるアプトムと晶が教えたアプトムにはかなりの差があったが、この場の誰にもそれはわからぬ事だ。 そして、晶はゼクトールと2回ほど遭遇してはいたものの、直接戦った事はなかった。 だから、外見はともかく、その名前や能力は後で仲間たちから聞いた事しか教えられない。 また、名前が「ネオ・ゼクトール」という点も問題だった。 晶はエンザイムとエンザイムⅡというバージョンアップされたゾアノイドと遭遇した経験がある。 だから、ネオ・ゼクトールというのも、おそらく以前のゼクトールよりパワーアップしているのだろうと相手に伝えておいた。 また、晶はギュオーの思念波がゾアノイドを操れるという事も相手に伝えておいた。 そして、アプトムはその影響を受けにくく、ゼクトールは受けやすいとも伝えた。 だが、これも間違いである。 実際にはアプトムは多少影響が弱い程度で、まだギュオーの思念波に支配される可能性が高い。 逆にネオ・ゼクトールはバルカスの再調整によってあまり影響を受けなくなっているのだ。 でも、これもこの場にいる誰にも気付きようのない間違いである。 次に晶は気になる点を1つあげておいた。 それはアプトムやギュオーが生きている事への疑問であった。 晶はアプトムが異常な再生力を持っている事にまでは気付いていない。 だから、アプトムは自分のメガ・スマッシャーで腕を残して消滅し、死亡したと思っていた。 また、晶は光る獣神将(アルカンフェル)がギュオーのゾア・クリスタルを奪うのを目撃している。 さらに晶はその直後、巻島(ガイバーⅢ)のプレッシャーカノンがギュオーの胸を貫いたのも見ていた。 だから、その後力尽きて落下していったギュオーが生きているとは思っていなかったのである。 この問題に関して晶の出した推論はこうだ。 アプトムは「アプトム」という種類の別の個体であるという可能性が一番高い。 ゾアロードであるギュオーについては、別の個体は考えにくいので、強い生命力で生き延びたとしか考えようがない。 もちろんこの事も自分の推理であると断ってから相手に伝えておいた。 ここまで話した所で、『泥団子先輩』から質問が来た。 泥団子先輩R>話を聞くと貴殿と彼らは以前からの敵同士らしいが、彼らはどういう連中なのでござるか? その疑問はもっともなので、晶は続けてクロノスについても言及する。 世界征服を企む秘密結社。人間をさらってゾアノイドに改造し、人体実験を平気で行う。 殺人をなんとも思っておらず、肉親同士を戦わせ、ゾアノイド化した兵士たちを思念波で操る。 降臨者と呼ばれる太古の異星人たちの技術を持ち、世界各地に多数の構成員を持つ巨大な組織。 また、晶はこの殺し合いを仕組んだのもクロノスであると思っていたが、矛盾する点も多い事も伝えておいた。 泥団子先輩R>そのクロノスという組織ならこのような首輪を作ることも可能という事でござるな? ゴーレムの友>可能性はあります。でも、あんな風に人間が液体になってしまう現象は初めて見ました。 泥団子先輩R>そうでござるか…… ◇ 同時間。場面は変わってここは晶たちがいる博物館から遙か遠くの図書館(B-3)の中。 ここのパソコンの前に座るのは『泥団子先輩』ことドロロ兵長である。 ちなみに、泥団子先輩というのはタママ二等兵がドロロに付けたあだ名のようなものである。 他にもドロ沼先輩とか呼ばれた事もあった。 タママはよく他人に勝手にあだ名を付けて呼ぶのである。 ドロロの横には椅子に腰掛けて本を眺めているリナも居る。 そして2人の手には思い思いの食べ物が握られている。 昼を過ぎて小腹が空いてきたので、2人はチャットしながら軽く食事をすることにしたのだ。 ちなみにリナが食べているのは携帯食料。ドロロは遊園地で手に入れたせんべい等の食料である。 チャット相手の話が一段落した所で、リナがドロロに話しかける。 「ドロロはこの話どう思う?」 「このクロノスという組織が殺し合いを仕組んだという可能性は確かにあるでござろう。 もちろんこのガイバーⅠという御仁が本当の事を言っていればでござるが」 「本当の事だと仮定しても『可能性はある』程度なんだ?」 「ガイバーⅠ殿ご自身もそう言っておられるゆえ、そう判断したまででござるよ。 正直これだけでは何とも言えぬでござるな」 「ただ、この人の話でこの本の内容と矛盾する所はないみたいだし、ウソはついてないと思うんだけどね」 そう言ってリナは読んでいた本を閉じて表紙をドロロに向ける。 その本のタイトルは『がんばれ閣下!! 第一巻 あるかんふぇるをぶっとばせ!の巻』。 本というか、正確にはマンガである。 「そうでござるな。だが、南にいると言ったことは確認できなかったでござる」 「まさか他に2人もアクセスしてるとは思わなかったもんね~」 そう、2人は『ゴーレムの友』が南でパソコンを使用している事を確認しようとしたのだ。 いや、「南で」と言うより、「どこで」と言った方がいいかもしれない。 この図書館のパソコンにキーワードを打ち込むと、kskのネットにアクセスした時間と場所がわかる。 2人はそれを利用して相手の居場所を特定しようと試みたのだった。 具体的には、ドロロがチャットしながらもう一つkskのウィンドウを開いて、アクセス記録を確認したのである。 だが、12時の放送直後から今までにネットにアクセスしたパソコンが2つあった。 1つは博物館。もう1つはここからそう遠くない中学校のコンピュータ室である。 「いい考えだと思ったんだけどね~」 「なかなか上手く行かないものでござるな。 だが、過ぎたことを考えても仕方ないでござる。今はこの相手から何を聞くかを考えるが先決であろう」 「……そうだ。そのクロノスって組織に異世界に行くような技術があるかどうか聞いてみたら?」 「なるほど。それは名案でござるな」 ドロロたちはこの図書館の『華麗な 書物の 感謝祭』というコーナーで発見した本を10冊所持していた。 さっきのマンガもその中の1冊である。 この本と自分達のこの島での体験や持っている知識を合わせた結果、2人はある推論を導き出していた。 その推論とは「この殺し合いの参加者は10個の異世界から集められた」という事である。 この前提に立って考えるなら、主催者が異世界を行き来する手段を持っている事はほぼ確実だ。 だから、ドロロはリナの意見に同意し、チャット相手にその質問をぶつけてみた。 泥団子先輩R>そのクロノスという組織は異世界を行き来するような技術を持っているでござろうか? ゴーレムの友>すいません。異世界というのはどういう意味でしょうか? 「そもそも異世界ってのが何なのかわかってないみたいね」 「まあ、拙者たちにしても推論の域を出ないわけでござるから、仕方ないとは思うでござるよ」 「と言っても、ドロロとあたしの世界が違う世界だって事は間違いなさそうなんだけどね」 泥団子先輩R>これは拙者たちの推論なのでござるが、参加者は10個の異世界から集められているようなのでござる。 泥団子先輩R>だから、主催者は異世界を行き来する手段を持っていると思うのでござるよ。 泥団子先輩R>クロノスがそれを持っているのなら、主催者である可能性はぐんと上昇するでござる。 ゴーレムの友>ガイバーは普段は異次元に隠されていて呼ぶと出現するので、もしかしたらあるかもしれません。 ゴーレムの友>でも、ガイバーはクロノスでも再現できない降臨者の遺産ですから、可能性は低いです。 泥団子先輩R>そうでござるか。 泥団子先輩R>もちろんあの草壁タツオや長門有希の事はガイバーⅠ殿はご存じないでござるな? ゴーレムの友>はい。もちろんクロノスは巨大な組織なので知らないことは不思議ではありません。 ゴーレムの友>でも、彼らがクロノスの一員であると断言もできないのです。 「で、結局どういう事なの?」 「クロノスが主催者である確率は低い。でも否定もできない、と言った所でござるな」 「……あんまりさっきと変わってない気がするわね」 「さっきよりは確率が下がったでござるよ。でも、確かにこれは何とも言いようのない情報でござるな」 「ま、そういう事ならこれは一旦忘れて、次の質問に行きましょ」 「うむ。そうするのがよさそうでござるな。 おっと、向こうからも質問でござる」 ゴーレムの友>1つ質問したいのですが。 ゴーレムの友>10個の異世界から参加者が集められたという推論の根拠はどこから来たのですか? 「そりゃまあ、それを聞きたくなるわよね」 「いかがいたすでござるか? リナ殿」 「本のことはまだ伏せておきたいわね。聞かないでくれって言ってみて、相手が納得すればそれでよし。 どうしても相手がごねるようならまた考えましょ」 「心得たでござる」 泥団子先輩R>申し訳ないが、それは今はまだ伏せておきたいのでござる。遠慮していただけぬでござろうか? ゴーレムの友>わかりました。 泥団子先輩R>ただ、参加者が別の世界から来ていることは間違いなさそうでござる。 泥団子先輩R>それは貴殿も感じておられるのではないか? ゴーレムの友>確かに私の仲間も違う世界の住人としか思えない所はありますね。 泥団子先輩R>拙者の仲間もそうでござる。拙者とは違う世界の住人と見て間違いなさそうでござるよ。 ゴーレムの友>異世界の事は少し納得しました。ありがとうございます。 泥団子先輩R>こちらこそ事情を全て明かせず、すまなかったでござる。 「……このガイバーⅠって、結構ちょろい交渉相手ね」 「り、リナ殿。ちょろいとは、あまりの言いようでござるよ」 「まあ、こっちに相手の言葉の裏をとれるこの本があったからそう言えるんだけどね。 そうじゃなければこうも断言はできなかったわ。 でも、私たちはこの人がほとんど嘘をついてないってわかるじゃない? 聞かないでくれって言えば素直に引いてくれるし、この素直さはちょっと心配になってくるわ」 「そうは言っても、相手が与しやすいと油断していると痛い目を見るかもしれないでござるよ?」 「もちろん油断する気はないんだけどね。 で、今度こそこっちから質問してみてよ?」 「あいわかったでござる」 泥団子先輩R>それではこちらから質問よろしいでござるか? ゴーレムの友>はい。質問どうぞ。 泥団子先輩R>では次は安全と思われる参加者について教えていただきたいでござる。 ゴーレムの友>わかりました。1人は佐倉ゲンキという小学生ぐらいの男の子です。 ゴーレムの友>もう1人は、ハムというちょっと大きくて二本脚で立って口が達者なウサギです。 ゴーレムの友>彼らはこちらの仲間の知り合いです。 ゴーレムの友>ゲンキという男の子は名前通り元気で正義感が強い少年です。 ゴーレムの友>そして、心優しい少年なので、殺し合いに乗ることはないと思います。 ゴーレムの友>運動神経はかなり良くて、ローラーブレードが得意ですが、基本的に普通の子供です。 ゴーレムの友>ハムというウサギの方は、元々は詐欺師だったらしいです。 ゴーレムの友>でも、根は悪いモンスターではありません。 ゴーレムの友>詐欺師だっただけに口は達者で金にうるさい性格です。 ゴーレムの友>素早いフットワークと強烈なパンチが武器ですが、最大の武器はオナラです。 ゴーレムの友>かなり広い範囲に広がって、しかもすごい悪臭らしいです。 「オナラって……下品な攻撃ね」 「う~む。ウサギというよりスカンクのような攻撃でござるな」 泥団子先輩R>情報感謝するでござる。 ゴーレムの友>もし彼らのどちらかに会うことがあれば、どうか力になってあげて下さい。 泥団子先輩R>心得たでござる。微力ながら力を尽くす事を約束するでござるよ。 ゴーレムの友>ありがとうございます。 「ねえドロロ。そんな安請け合いしちゃっていいの?」 「どのみち子供が襲われていれば黙って見過ごすことなど拙者にはできぬでござるよ」 「あ~~。まあ、そうよね。あんたの性格なら」 そのおかげで色々こっちも助かってる所あるしね。と、口には出さずに考えるリナであった。 「そんで、次の質問は首輪を解除できる人間の心当たりかしらね?」 「いや、できれば交互に質問する流れを保ちたいでござる。 その方がおそらくお互いスムーズに気持ちよく話を進められるでござるよ」 「そんなこと言ったって、何を教えたら……」 そう言ってあたりを見回したリナはあっさりとその答を発見する。 リナの視線の先に置いてあったのはさっきもリナが読んでいた、『華麗な 書物の 感謝祭』の本10冊だった。 時系列順で読む Back 誰がために Next 炎の記録(前編) 投下順で読む Back Scars of the War(終結) Next 炎の記録(前編) 舞い降りたWho are you? 深町晶 炎の記録(前編) スエゾー ドロロ兵長 リナ=インバース
https://w.atwiki.jp/yudetamago_soko/pages/230.html
56巻 > 第167話 第167話 「決意の証!!」 掲載期間:2016年4月25日~2016年5月8日 AAを貼る場合上段のメニュー→「編集」→「このページを編集」。 AAの前に #aa{{ を、AAの後ろに }} をつけてください。 コラを載せる場合上段のメニュー→「編集」→「このページにファイルをアップロード」。 アップロード後に「編集」→「このページを編集」し、 #ref(添付ファイル名) または #ref(ファイルのURL) を記入してください。 シルバーマン「何喰ってんの」 邪魔だ下等超人
https://w.atwiki.jp/code-vein/pages/51.html
状態異常について CODE VEIN (コードヴェイン)の状態異常とその対策、付与が可能なブラッドコードについて紹介しています。 目次 ヴェノム(毒)ヴェノム対策が可能なブラッドコード ヴェノムの付与が可能なブラッドコード スタン(麻痺)スタン対策が可能なブラッドコード スタン付与が可能なブラッドコード バニッシュ(封血)バニッシュ対策が可能なブラッドコード スロウ(停滞)スロウ対策が可能なブラッドコード スロウの付与が可能なブラッドコード リーク(枯渇)リーク対策が可能なブラッドコード ヴェノム(毒) HPが徐々に失われていく状態異常。 特性の錬血、またはアンチヴェノムの使用で回復できる。 ヴェノム対策が可能なブラッドコード メルクリウス ・パッシヴ錬血「ヴェノム耐性」によってヴェノム耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「ヴェノムクリア」によって自身と同行者のヴェノム状態を回復する。発症前に使用するとヴェノムを未然に防ぐことが可能。 エーオース ・アクティブ錬血「抗体生成」で一定時間あらゆる状態異常への耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「パナシアエッセンス」で自身と同行者のあらゆる状態異常を回復する。発症前に使用するとあらゆる状態異常を未然に防ぐことが可能。 ヴェノムの付与が可能なブラッドコード レンジャー ・アクティブ錬血「猛毒の印」によって武器にヴェノムの力を付与する。 ヘルメス ・パッシブ錬血「ヴェノム属性付与」によって武器にヴェノムの力を付与。さらに、パッシブ錬血「血喰らいの毒」によって、敵がヴェノムによるダメージを負う度に冥血を入手することが可能。 闇の探求者 ・パッシブ錬血「ヴェノム属性付与」によって武器にヴェノムの力を付与。さらに、パッシブ錬血「血喰らいの毒」によって、敵がヴェノムによるダメージを負う度に冥血を入手することが可能。 ・アクティブ錬血「ヴェノムジェイル」によって周囲一帯に冥血をばら撒き、侵入者を蝕むヴェノムの罠を作り出す。 ・アクティブ錬血「ヴェノムショット」によって狙いを定めた敵に向かってヴェノムを誘発する弾を放つ。 スタン(麻痺) 一時的にあらゆる行動が取れなくなる状態異常。 発症前に特定の練血、またはアンチスタンを使用すると未然に防ぐことができる。(発症してからはアイテムが使えないため直せない) 攻撃を受けることでも解除される。 スタン対策が可能なブラッドコード ヘルメス ・パッシブ錬血「スタン耐性」によってスタン耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「スタンクリア」によってスタン状態を回復。前述の通りスタン状態中は使えないので事前に使用する必要がある。 エーオース ・アクティブ錬血「抗体生成」で一定時間あらゆる状態異常への耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「パナシアエッセンス」で自身と同行者のあらゆる状態異常を回復する。発症前に使用するとあらゆる状態異常を未然に防ぐことが可能。 スタン付与が可能なブラッドコード スカウト ・パッシブ錬血「スタン属性付与」によって武器にスタンの力を付与。 バニッシュ(封血) 冥血を消費するあらゆる錬血が使用できなくなる状態異常。 発症前に特定の錬血、またはアンチバニッシュを使用することで未然に防ぐことができる。 バニッシュ対策が可能なブラッドコード エーオース ・アクティブ錬血「抗体生成」で一定時間あらゆる状態異常への耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「パナシアエッセンス」で自身と同行者のあらゆる状態異常を回復する。発症前に使用するとあらゆる状態異常を未然に防ぐことが可能。 スロウ(停滞) 攻撃や回避行動を含むあらゆる行動が停滞する状態異常。 特定の練血、またはアンチスロウを使用することで回復できる。 スロウ対策が可能なブラッドコード メルクリウス ・パッシヴ錬血「スロウ耐性」によってヴェノム耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「スロウクリア」によって自身と同行者のスロウ状態を回復する。発症前に使用するとスロウを未然に防ぐことが可能。 エーオース ・アクティブ錬血「抗体生成」で一定時間あらゆる状態異常への耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「パナシアエッセンス」で自身と同行者のあらゆる状態異常を回復する。発症前に使用するとあらゆる状態異常を未然に防ぐことが可能。 スロウの付与が可能なブラッドコード 狩人 ・アクティヴ錬血「鈍化の印」によって武器にスロウの力を付与する。 スカウト ・アクティブ錬血「スロウショット」によって狙いを定めた敵に向かってスロウを誘発する弾を放つ。 ・アクティブ錬血「スロウジェイル」によって周囲一帯に冥血をばら撒き、侵入者の動きを鈍化させるスロウの罠を作り出す。 リーク(枯渇) 冥血が徐々に失われていく状態異常。 特定の練血、またはアンチリークを使用することで回復できる。 リーク対策が可能なブラッドコード サバイバー ・パッシブ錬血「リーク耐性」によってリーク耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「リーククリア」によってリーク状態を回復。発症前に使用するとリークを未然に防ぐことが可能。 エーオース ・アクティブ錬血「抗体生成」で一定時間あらゆる状態異常への耐性が増加する。 ・アクティブ錬血「パナシアエッセンス」で自身と同行者のあらゆる状態異常を回復する。発症前に使用するとあらゆる状態異常を未然に防ぐことが可能。 ▲Topへ このページを編集する