約 1,796 件
https://w.atwiki.jp/nocry/pages/267.html
* さいきんはとてもたくさんいらしてくださりますのね。 幼子の顔をした美しい女が、たどたどしい言葉で呟き、紅茶を一口含んで花のように笑った。うれしいと言う。 遠く南方のシュイリェから交渉客としてやってきたという建前で、実際は後宮の一室としてエスタッド国へ捧げられたにすぎない。 本人は事情を知らなかった。画策し手の内に入れたと思っていたらしい。エスタッド皇の手の平で踊らされていただけなのだと知り、絶望したのか数年前に自死をはかった。報告を最初に耳に入れたとき面倒くさいことを起こしてくれたというのが皇帝の素直な感想で、実に己は人非人だと自覚している。 処置が早く一命を取り留めたものの、もともと細かった神経にもさわったのか、大量に服毒した薬の影響で精神のたがが何本か外れた。日常の所作はひとりできるものの、むずかしい話になると判らない。まるで幼児だ。 皮肉なもので、気がふれて以降は皇帝が後宮の彼女の部屋へ足を運ぶ回数が増えた。 素直にそれをうれしいと女は言う。 そうですかと皇帝は慇懃に返した。 「いぜんはこんなにきていただけませんでしたでしょう。わたくし、ごごのおちゃのじかんにひとりはさびしくて」 薄物をしどけなく羽織り、上目使いに男を見つめる目の色の中に、けれど以前に見られた焦れたものはない。 「今は?」 同じように茶碗に口を付け皇帝は薄く微笑んだ。 「いまは、こうしてへいかがきてくださいます。はねのもようがうつくしいとりも、とりかごもいただきました。とてもしあわせですわ」 「幸せですか」 「しあわせです。どうしていぜんはわからなかったのでしょう」 「――どうしてかな」 判るだとか判らないだとかの問題なのだろうか。そう言えば以前はいつでも不満げな瞳をしていたような気もするけれど。 首を傾げるとええ、と女が大きく頷く。 「おおきなゆめをみていたのだとおもいます」 そう言う。 「夢ですか」 「ゆめ……というでのは、すこしごへいがありますでしょうか。やぼうとよぶにはぎらぎらしていなかったきがするのですけれど。ひきが、くうきをすいこんで、はらをふくらませるでしょう。あのようすににていたのだとおもいます」 「蛙」 「おおきく。もっとおおきく。もっとつよくなれるものとおもい、じっさいになれたのだとさっかくしてはれつしただけのことなのだと」 「痛みは」 あったのだろうか。 最後まで尋ねるには気が引けて中途で切ると、察した女が痛くはありませんでしたと真面目な顔をして答え、すぐに笑った。 「みのたけにあったしあわせはいつでもめのまえにあったものを、なにをかんちがいしていたのか、いまではうまくわかりません」 判らなくとも良いのですよと男は言った。 今が幸福であると感じているのならばそのままにしておくべきだ。 そのままどちらが話すでもなく、ぼうと緩んだ空気に身を任せ、女と同じように床に転がされた枕に背もたれて皇帝はしばらくうつうつと少し眠った。 けぶった空気を震わせたのはおずとした調子の女の声だ。 へいかは、と聞こえたような気がして瞼をあげる。 女がいつの間にかまっすぐにこちらを見ていた。 「へいかは、いかがですか」 「如何、」 「くうきをすいこみすぎて、まるくなり、かわがうすくなることはありますか」 「どう――であろうね」 言われて面食らう。そんなことを考えたこともなかったからだ。 さすがに顔にはださずにおいたけれど。 「むりはなされておられませんか」 「していませんよ」 女の言う無理、の意味が正直なところ皇帝にはあまり判らない。無理と言われるならば自身が生きているということ含めて何もかもが無理なような気もする。生きることが難しいと言われた体を押して生きている。どうみても理はあるまい。 片手の平であるというのも無理なことかなと皇帝は思った。 掬うと言っても満足に何も掬えず、砂にしても水にしても指のあいだどころかすぼめた平の両端から零れおちていってしまう。ろくに押しとどめておくことすらできないのかと落胆し、自暴自棄になりなのにどうしても片手の上に残しておきたいよどみがある。 よどみは、緑青色をしていた。 そういえば今朝はたいして言葉を交わさずに終わってしまったな。 昨日見合いの一件でそうとう怒らせていたから、何かこちらから折れるような話をしても良いと思っていたのだけれど、男の身支度を手伝うチャトラは何か言いたげなそぶりをしながらもどこかよそよそしかった。うまいぐあいに話のとっかかりもなく、昨日は済まなかったと言い出すのもおかしな気がしたので、どうしたものかと思っているうちに支度は済んだ。 今日、と部屋を出かけた男に小さな声でチャトラは言った。 「今日あとでちょっと町ブラついてくるよ」 「ふむ」 「夕飯までには戻ってくる」 どこへとは重ねて聞かなかった。おおごとであるなら最初から彼女は趣旨を言うだろうから。気晴らしも兼ねているのかなと思ったけれど口にはださなかった。 小さく頷いて終いにした。どうせ今晩町で見かけたことについて身振り手振り一生懸命に話が聞けると思ったからだ。 それが最後だとは思わなかった。どうして思えたろう。 ふと目を上げると、後宮へつづく回廊のあたりにせわしなく小走る侍従の姿が女の部屋の窓から見えた。なんとはなしに胸騒ぎがした。追い立てられるような動き。目的をもって一直線に向かう、 「御無礼つかまつります」 頭の中で皇帝が数十かぞえたあとに、紗を垂らした部屋の外で声がする。息切れ。 何かな、と応えた皇帝は、続く侍従の言葉を聞くやいなや裾を払って立ち上った。不意の男の動きにまぁ、とシュイリェの女が驚いて口に手を当てる。 立ちくらみがした。 親とはぐれた子供が、大通りを右往左往していた。泣きたかったけれど泣いてしまっては泣きやむすべが判らない。迷子になったのだと知ったそのときから不安と言うよりは恐怖だ。泣けなかった。おののきながら子供はひとり、人波をかいくぐって親を探した。 見はぐれた親をさがそうと見回しても子供の視線の高さではせいぜいがところ大人の腰で、そこに見知った顔はない。 顔どころか、町というものを子供は知らない。 近日行われる月市に出店する遠方の村からやってきたのだった。 うまれたときから二、三十の部落民に慣れている子供の目には、万を超す往来は理解できない津波のようなものであった。人の形には見えない 子供が知っている家のかたちというものは藁か木でできていて、ところがつれてこられた皇都では家の造りがみな石なのだ。 かたくて冷たそうだ、というのが子供が町並みを見たときに初めて見た感想だった。 というよりも、子供の目には「それ」が家なのだという認識はなかった。家は藁か木でつくられるものだ。だから石のかたまりが勢ぞろいしている通りを眺めて、どうしてここに並んでいる石は、みな同じ四角いかたちをしているのだろうと思った。 四角い石は皇都に住む人間の家であり、中では村と同じように家族が暮らしているんだと目を見張り口を開けはなしのままの子供に親が笑いながら言ったが、そうかと頷きながらも理解はできなかった。 石の中に住んでいる人間はどれだけ皮膚が頑丈なのだろうと思っただけだ。 その石造りの家が建ちならぶ大通りは昼時でちょうどごった返しており、しかも子供が迷子になったのは中央市場の近くだ。 朝市の終いをして家に戻ろうとする近隣の農民の男と引いた驢馬、荷車。皇都にきたついでに並ぶ露店を眺める妻たち。あちらこちらに定時の見回りの衛兵。逆流して昼飯にありつこうとする工夫や流れものの目の鋭い傭兵たち。またその懐を狙う不届きなものや日々の糧をせびろうとはびこる物乞い。どうぞお立ち寄りくださいと呼び込む商店の横では、流しの花売りが獲物を見定めする。 その足元を猫。追いかける犬。赤ん坊が喧騒に驚いて癇泣きし、赤子の声に馬がいななく。 いったいここは何なのか、この歩くたびにがつがつと痛い地面にまでどうして石がはめ込まれているのか、狂騒の中に子供はいた。 これが田舎出の大人であるなら、それでも大口を開けすごいもんださすが皇都だと感嘆の言葉一つも吐いたかもしれないが、その余裕もない。 血走った目でただ子供が知っているたったひとつの親の顔を探す。 もうずいぶんと長い時間、探して歩いているような気がした。 奇跡という言葉がこの場合当てはまるのか判らないが、同じように子供を探して半狂乱のようになった親の姿を子供がまず見つけた。 たちまち喜びと言うには強すぎる激情にもみくちゃにされながらまっしぐら、垣間見えた親の許へ駆けだそうと二、三歩踏み出した。 あ、と誰か大人の鋭い悲鳴がした。あぶない。 声のした方向へいったいなんだろうと子供は頭を巡らせる。邪魔をしないでほしい。見つけた親の姿を見失ってしまったらどうするというのだ。 見上げた真上に真っ黒な、自分の頭よりは相当にでかい槌のようなものが見えて、それが馬の蹄鉄のかたちをしていると認識する前より早く、子供は鋭く息を吸った。 「――頭を打った。……、」 一部始終をたまたま目撃していた見回りの兵士の報告を繰り返して、自分に言い聞かせるように打った、と皇帝はもう一度口の中で繰り返した。 皇宮の一室である。 隣室へつづく扉を見据え、報告を受けている。 町へ出かけたチャトラが事故にあったという。 親とはぐれふらふらと市場をうろつき、荷馬に踏み殺されかけた子供に気がついた。考えるより先に手が出たのだろう。皇帝には理解できる。 庇ったというよりは突き飛ばしたと言った方が正しいようだけれど、おかげで子供は無事だった。しかし自分がよけそこね、馬車の車輪止めに頭を強打したのだと言った。 数時間意識は失ったけれど車輪止めが木製であったことが幸いしたか、それとも彼女の頭蓋骨がもともと頑丈だったのかもしれない。裂傷も出血もなかった。大きなこぶができた程度だ。他に目に見える怪我もないと言った。 重畳と皇帝は呟いた。重畳。皮肉にもほどがあると思った。 ただひとつだけ、 つと扉に近付き皇帝は扉を開けた。部屋の中には落ち着かなさげに椅子にかしこまり、縮こまっているチャトラがいて、開けた戸口に立つ皇帝を眺めてあいまいな笑みを浮かべた。 元気そうだなと皇帝は思う。 どの程度だ、と男の背後でアウグスタ補佐官が医師に向かって聞いた。息をするのもはばかられるような小さな声だった。 数年でございます、と同じように囁き声で医師も答えた。おそらくは五、六年でございましょう。 六年。 暗澹たる声色。暗い気持ちになれるだけましだ。思いながら口の端を意識して上げて皇帝はおずおずと立ち上ったチャトラへ数歩近づく。陛下、と背後で気遣うようなシュイリェの女の声がした。 陛下。 誰のことを呼んでいるのだろうと思った。すくなくとも自分のことではないはずだ。 「……へいか?」 目の前の猫が同じように繰り返す言葉が男の耳に入らずに滑る。見下ろした緑青色があまりにまっすぐこちらを見ていたので、男は目をわずかに逸らした。 あなたが、と目の前のしらない娘が口を開いた。 「あなたが皇帝陛下ってひとですか。オレ、チャトラって言います」 ああ。 彼女と同じ顔、同じ声で。 そんな風に真っ直ぐ見つめてくれるなと男は内心呟く。 「ここの屋敷でやとってくれてるって聞いて。えっとあの……すいません、オレちょっとよくわかんなくて。なんか馬にぶつかったとかで」 ……記憶を。 記憶を、いくばくか失っているようなのでございます。 後宮でさきほど報告を受けた自分は、数度同じことを尋ねた。理解できなかったからだ。 本当は信じたくなかっただけなのかもしれないけれど。 大きな事故にあった人間が、その事故の前後を覚えていないというのはよくある話だ。高熱や痛みや衝撃でわりと簡単に人間は記憶を飛ばすらしい。 記憶とは異なる経験かもしれないけれど、発作を起こした自分も似たような経験をする。落ち着く様子を見せない心臓にあえぎ、痛みにもがいているうちに、世間では週単位で月日が流れていることが多い。数日寝込んだかと尋ねると、ひと月経ったと告げられて呆れることもしばしばだ。 我に返ったときはいつでも、置き去りにされていた。 しかしそれは前後数時間、ながくとも数日といった具合で、時間のすすみ具合が変わるだけで覚えたことが消えうせる訳ではない。 苦痛は常にそばにあった。 いっそ消えてしまえば良いのにと何度も無駄なことを願い、願うたびに失せないそれに落胆した。 だから、やはり皇帝が告げられた内容は全くの異質なものなのだろう。 五年。もしくは六年。 自分が誰であるとか、どういう生い立ちかだとか。元の部分は判っているようだと医師は言った。 それから、娼婦の姉の許を離れ、一人で掏摸稼業をして生きてきたことも覚えているようだと言った。 つまり大まかに言えば、チャトラは皇都エスタッドにやってきたあたりのくだり、エスタッド皇とでくわしてから今日までの記憶を失っているということで、 なおるのか。 頭を強く打ち付けたと言うことが原因であるなら、ときが経ち、例えば傷が癒えるように徐々に回復に向かうものなのか。 判りませぬ。 医師は答えた。 原因が精神的なものであるならば、治療のほどもございましょうし、経過も辿れましょう。病と同じでございます。しかしこれは、 「案ずることはない」 困ったように首を捻るチャトラへ皇帝は言った。 憎いと思う。 まったく変わることがない己の平静心と言うやつがこれほど憎いものだとは。 「落ち着くまでまずはゆるりと休むとよい。今後のことはそれから考えなさい」 「……しかし困ったことになりました」 皇帝の言葉を受け、アウグスタが思い深げに顎に手を当て唸る。 「陛下の御許に置いてゆくわけにもございますまい」 「――なぜ」 「『このこと』を知る人物は少ない方がよろしいゆえ」 「――」 大概は傍を離れない侍従長ですら知らないのだと言った。こまやかに皇帝の世話を焼く、勝手知ったる侍従長ならばまだ問題はないだろう。けれど、長の口から下の人間に伝えられては。そのまた下働きの人間は。 「セヴィニアが知りましたら喜んで放逐しましょうな」 後ろ盾どころか出身国への建前がどうの、という問題がおこらないだけましだと思った方がいいのかもしれない。チャトラに身寄りはない。流されて困る噂も、困る遠戚もいなかった。 建前上、成り行き任せとは言え、セヴィニア補佐官がチャトラの後見人になっており、だというのに言いだした本人が言いだした当日に後悔したというから、余程セヴィニアはチャトラが気に入らなかったらしい。表立っての糾弾はそれでも避けてはいたものの、ことあるごとに彼は皇帝の後宮入りを勧める。 チャトラが気に入らない、というよりはおそらく一国の主が、名も実もない相手と交接をするということがよろしくないのだとセヴィニアは思っている節があるけれど。 だが、と皇帝は言った。 「報せぬわけにもゆくまい」 「二、三日はずらします」 「――」 「……わたくし」 皇帝の後ろで息を呑んでいたシュイリェの女が、へいか、と控えめに呟き、 「あずからせてくださいませ」 言った。 「わたくしのへやへ、つれていかせてくださいませ」 ここまで付いてきたのかと改めて皇帝は気付き、振り返って女を眺める。がんぜない顔をした女は、懸命な顔でお願いしますと胸の前で手を揉み、言った。 「いけませんか」 「いけない、と言う訳ではないが――」 よろしいとは即答できず皇帝は眉をひそめる。どうしたものかと思案した。 「失礼ながら、なぜ姫君が」 横から口を挟んだアウグスタが、隠しきれない不審を表していた。 正気のあった以前、この女はチャトラを殺そうとした。もしかするとあれは虚勢と言うもので本気ではなかったのかもしれない。けれどチャトラがひどい目にあったのも事実だ。気がふれて無害になったとはいえ、女の本性が変わっていないとしたら、 「おはなしあいてがほしかったのです」 いけませんかと女は言った。 「話し相手――」 「わたくしのへやはひろくて、かのじょがひとりふえるくらい、どうということはないのです」 「しかし」 訝しむ顔をしてアウグスタが女を見る。 「わたくしたち、なかよくなれるとおもいますの」 「――気が荒い。爪も歯もたてます」 気が乗らない返事をして、そう言えば今と同じ答えをいつかどこかで女に向かって放ったことがあるような気がした。笑いだしたい気分になる。あのとき女は不承不承引いたように見せかけたけれど、 「へいきですわ」 おねがいしますと女は言った。 「わたくし、ねこはとてもすきですのよ」 子供特有の頑迷さ。仕方なく皇帝は小さく頷き、しかし、と重ねるアウグスタをよいと目で制した。 今はきつく咎める気分でもなかった。咎める気力がなかった。 皇帝と女とアウグスタの顔を不安そうに見比べているチャトラへシュイリェの女は近付き、いらっしゃいと微笑む。 「おいでなさい。いっしょに、おにんぎょうあそびをしましょう?」 「……えと、」 困惑顔で皇帝とアウグスタへ視線を走らせたチャトラへ、ゆきなさいと皇帝は言った。 「――あとで、迎えを出す」 まだ何か物言いたげな数名をその場へ残し、男はさっさと踵を返して部屋を後にする。今日中に片づけなければならない案件が、まだいくつかあったことを思い出したのだ。 ディクスを伴い、廊下を突き切り回廊を渡って執政区域にはいる。真っ直ぐ執務室へ向かった。用事がなければ入らないようにと他の人間に言い置き、扉を閉めてそこで初めて瞑目する。 忘れたか、と。 「五年か、六年か……。しかし幸いながら自分の名前は覚えているようで」 幸い。額に手を当て医師の報告を思い出し、男は声もなく笑った。 数週間経ってもチャトラの記憶は一向に元に戻らなかった。 戻る、というのもおかしな話なのかもしれない。外傷はほとんどなかったようだったけれど、結局は頭を強く打ちつけているわけで、脳髄のどこかが損傷しているのだ。男の失った半身と同じようなもので、それが単に目に見えないかたちで現れたと言うだけである。 それでももしかしたら、だとかどこか期待していたところがあったのかもしれない。 ある朝目が覚めると今まで通りなにひとつ変わることないかたちに戻っている。一日の仕事を終え、扉を開けた自分の居室に彼女がいて、振り向く。おかえりと言って笑う。 そんな夢想をし、けれど皇帝が執務室から戻り、うやうやしくこうべを下げられたまま扉の向こう側を覗いても、部屋の中には誰もいないのだ。 じゅうぶんにあたたまっているはずの部屋はなぜか寒々しかった。 暖炉の前の安楽椅子に腰かけ、手慰みに本を開く。脇へ無意識に手を伸ばす。 触れるはずの頭がそこにはなくて、だのに腕が何度も空振りそのたびに男は我に返る。 ああそうか、あれはまだ戻ってこないのかと。 まだ戻ってこない、がもう戻らないに日ごとゆっくりと変化してゆき、皇帝は後宮へ足を運んだ。 秘めやかに息をひそめ、男の訪れを待つがらんとひろい建物の一角でくすくすと笑いのこぼれる部屋がある。 「まあ、へいか」 床の上に大きく遊戯盤を広げ、賽をふりかけていたシュイリェの女が紗を透かして様子を眺めていた男に気付いて声を上げた。 「そこはひえましょう」 「邪魔になるかと思ったのですよ」 「へいかを、じゃまにおもうにんげんなどおりませんわ」 言って女は紗を上げた。向こう側でひと一人が座れる場所をあけようと、見なれた小柄な体が散らばった札を片付けている。 「へいかもいっしょに、あそんでくださいまし」 「私は――」 私はよい、気にせず続けなさいとゆるく首を振る男へ、脇からどうぞと控えめに茶碗が差し出された。ああ、と何気に受け取ってそれから差し出した体へ無意識に手をかけていた。引き寄せようとしてはねつけられ、あらためて自分が腕を伸ばした体を見直す。チャトラの仕草だと気が付いた。 一瞬言葉を失った男へ、困惑顔の彼女の瞳がぶつかる。 悪い、と彼女は言った。 「なんか急にびっくりして」 でもアンタ寄せる人間まちがえてるよ。言ってちらとチャトラがシュイリェの女へ目をやった。 「お姫さん、アンタがくるのずっとまってた」 「ああ」 そう、と男は言った。勝手に口が動いていた。 「少しはここの暮らしにも慣れたかね」 思いだしたかとは聞けなかった。聞くだけ愚問だと思った。 「ああ……うん。はい。みんなよくしてくれるし、布団はやわらけェし、メシはうめェし、言うことないです」 野宿にくらべれば天国みたいなところだと嬉しそうにチャトラは言った。 「ただ、タダメシ食らってるのもなんか悪いというか……オレの気が済まないんで、仕事貰えるともっといいんですけど」 「わたくしのおはなしあいてでいればよいといっても、はたらかせてくれのいってんばりですのよ」 側で聞いていた女がくすくすと笑いながら言った。 「はたらかなくともいいといっても、しょうちしないのです」 「――成程」 「そういう風に言われて育ったし、性分なんです。働くと言っても、あんましむずかしいこととか、できないですけど。でも雑用とかそういうのだったら、オレだいたいできると思うんで」 働かざるもの食うべからずっていうんだぜ。 皇宮に来てすぐに、チャトラが皇帝に面と向かって言った言葉だ。 何かさせろと言った彼女へ、では身の回りのことを手伝えと命じたのは自分だった。 「見ての通り、片端なものでね。日常の一通りに支障が生じる」 敷かれた絨毯の幾何学模様をなぞりながら、自分はいったい何をしようとしているのだろうと皇帝は思った。同じように過去をなぞろうとしているのだろうか。 聞いた彼女が一瞬気の毒そうな顔をした。事情は知らないが、何とはなしに察して憐れんだのだろうと思う。 憐れむ。 ……お前は決してしなかったな。 「一日のほとんどは執務区域へ詰めているので、その間は問題がないのだが私室で過ごすいくらかの時間、不便が生じるのだよ。私室にいるときの身の回りの世話を手伝ってもらえると良いのだけれど」 「着替えとか、掃除とかそういうことですか」 「そうなるね」 「なら、オレできます」 どんな難しい仕事を言いつけられると思っていたのか、神妙に聞いていたチャトラがおずおずと尋ねた。男が頷くとほっと安心した表情になる。 「今日から手伝ったらいいですか」 「――いや今日は――、」 「だったら明日からいきますね。いろいろ失敗するかもですけど、よろしくお願いします」 ひょこんと頭を下げる横で、じっと皇帝を眺めていたシュイリェの女が、おつかれなのですかと小さく尋ねた。 「くたびれた顔をしているかね」 「しんぱいごとでも、おありなのではないですか。へいかは、たいへんおいそがしいかたでいらっしゃいますから」 「忙しいことは――ないのだけれどね」 「なにかあったのでしょうか」 子供にありがちな無邪気な問い。無邪気と言う言葉がこれほど芯に突き刺さるものだと皇帝は初めて知った。 なにか。 「猫を、飼っていたのですがね」 「ねこ」 話して何になるというのだろう。自嘲に頬が歪む。これではただの愚痴だ。方向性のはっきりしない八つ当たり。いらえのない苛立ち。 「猫を一匹飼っていたのですが、機嫌を損ねてでていったきり戻ってこないのです」 「まあ。……それはとてもしんぱいですわね」 女の中で、皇帝の口にする「猫」と部屋にいる小柄な娘は繋がらない。つなげる力を失ったのだ。 だから預けた。女の中にも過去がない。以前のチャトラを知らないのだから、余計なことを吹き込む心配がない。 でもかわいがっていらしたのでしょう。女は言う。 「かわいがっていらしたのなら、ねこにもつうじているとおもいます。たとえきげんをそこねてなんにちか、もどってこなくてもそのうち」 「――可愛がっていたのだろうか」 知らず、低い声が漏れた。可愛がっていたと言えるのだろうか。 ただ自分が満足なように撫ぜこねくりまわし、餌を与えて閉じ込めた。それは可愛がっていたと言えるのだろうか。実際ダインが口にするまで、男は寝込んでいる間の彼女の行動を知りもしなかったのだ。知ろうともしてこなかった。心配していないはずがないのに、どこかであれは強いからと自分に言い聞かせ納得し、放っておいただけではなかったか。 「幸せにしてやれていると思いあがっていただけなのかもしれぬ」 ……知らないうちに、何度ひとりで泣かせていたのだろうか。 苦い思いを茶碗の中身と一緒に飲み下して、 「もう戻るまい」 自分に言い聞かせるように男は言った。 すっぽりとうまいぐあいに抜けてくれたものじゃあないか。皇都に来てから今日までの男とのやり取りも、ここで過ごした時間も、見たこと。聞いたこと。 彼女が発したすべて。 男の中には残っていて彼女の中から消えてしまったもの。 見合いをしてはどうかと呟いた男に、顔色を変えながらどうしてだと彼女は言った。どうしてアンタはそんなセリフが言えるんだ。 オレ、アンタが好きなんだよ。 つっかえつっかえ、つむいだ言葉。けれど仮令つむがなくたって、いつでも彼女は全身で自分に表現してきたじゃあないか。そばにいる、オレだけはそばにいるよと繰り返し繰り返し判ってやれない自分に向かって、声のない声を発し続けていたじゃあないか。 自分はいったいどんな顔をしてそのとき言葉を聞いたろう。うまく返事してやれただろうか。あれが望むような答えを、きちんと、 ――夕飯には帰るよ。 あの朝。ぶっきらぼうに告げた彼女に一言、では今日は自分が待っているとどうして返してやれなかったのだろうか。彼女はいつも待っていた。男がどんなに遅くなると言ってもかたくなに一緒に食べるんだと部屋で待ち続けた。オレが一緒に食べないとアンタはへいきで一食抜くから。だから待つんだと言い張って、結局眠い目を擦りながら斜め向かいで飯を頬張るはめになるのだ。 どうせ町をぶらついて機嫌を直して戻ってくるだろうと。いつものことだと思った。 口争いになっても、結局すり寄ってくるのは彼女の方で、だから今日も同じようなことなのだと思った。 見合いを勧めたというのは考えた末での行動であったから、失言というには少し語弊があったけれどそれでも彼女を傷付けた。ひどく傷ついた顔をした。泣き出しそうな顔でアンタは莫迦か勝手にひとりでくたばれと最後には言い捨てて、部屋を飛び出して行った。 また泣かせてしまったのだろうか。 笑っている顔がよいと思うのに、いつも反対のことばかり言って怒らせたり泣かせたりした。そうして怒った顔も悪いものではないなと思ったりする。 「まいごですか……、」 「とても遠くへいってしまった」 どうせなら笑わせてやれば良かった。お前をたいせつに思うとひとこと伝えてやれば良かった。 「それはとてもしんぱいですわね」 ぎゅうと膝がしらを握りしめ、女が囁く。ああそうだねと皇帝は応えた。 二人の会話の邪魔にならないようにと黙って聞いていたチャトラが、口の中で小さく欠伸を噛み殺す。視線をちらと走らせて、皇帝はもう一口茶を飲んだ。 傷ついたまま消えてしまった彼女を思う。 「アルカナ王国との一件が済みましたら」 定例の貴族院の議会も終わり、議場に残ったのは帰りそびれて遠くの方で話し込む数人の貴族議員と、中央の椅子に腰かけるエスタッド皇、両脇にそびえ立つようにセヴィニアとアウグスタの両補佐官。それに侍従が数人と護衛のディクス。 数年にわたる旧アルカナ王国残党兵の鎮圧も、どうやら終息を見せるようだ。無理矢理力で押し切った、というよりも「大人の都合」で派遣することになったノイエ補佐以下官僚数十人の外交手腕が、発揮されたと言う方が正しい。 中心に担ぎあげられていた王族血縁の何某かが、復古を諦めエスタッドの提示する荘園に身を引くことが決まった。なるべくめだたない、なるべく要所ではない、けれど提示する際には多分の脚色ができるような土地を探すところから厄介だった。 本人がなかなか首を縦に振らなかったけれど、うまく周りの人間を補佐官以下数十で懐柔していったようだ。最終的にはエスタッド側へ立つ人間が半数以上を占め、その何某かも承知せざるを得なくなったようである。 五年かかった。長い交渉だったなと思う。 書類を手にまとめ首を回しながら、同じような感慨だったらしいアウグスタが言った。 「そろそろ隠居いたしますかな」 「――君が」 意外な言葉に目をやる。たしかアウグスタは還暦を過ぎてまだ数年だったはずで、いつまでもしがみのさばる貴族議員の中には八十近い亡者もいたから、 「尚早」 聞いていたセヴィニアが短い言葉で切って捨てた。 「やすやすとお役目を離れられると思うな」 半分冗談交じりのアウグスタの言葉だと判っていての発言である。 「なんだ、冷たいな」 「周りが見てこれはもう保たないと判断されるまで死に物狂いで働くものだ」 「死ねと」 「死ねとはいっておらん。……だいたい貴公の図体で倒れたら運ぶだけで厄介だ。自力で寝台の上まで這いずってもらわねば」 やれやれ。 肩をすくめて苦笑いをするアウグスタに、君がいなくなってしまっては後釜を探すのが大変だなと皇帝は呟いた。 おもに治安を統括する彼は、軍や傭兵連にも顔が聞く。大柄な体とそれに見合わない細やかな心遣いが人気のようで、若い衛兵たちから、かたちばかりではない尊敬を受けてもいた。 「……ああ、後釜と聞いて思いだしましたが」 話の流れが呼び水になったのか、セヴィニアが眼を上げた。 「陛下が命じられた『血のつながりのある』成人男子の一件……、再来週には一度会っていただきとうございます」 「さて――。我が子と涙の対面か。感涙を拭う絹布を用意せねばなるまいね」 「つむがせましょう」 慇懃に頷くセヴィニアの向かいでアウグスタが呆れた顔をした。 話に盛り上がる座席の議員どもに目をやり、それはそうと、と続ける。 「陛下の御膝元に置かれておられる『猫』ですが」 「――手放せと言う注進であるなら私は聞く耳を持たないよ」 「徒労は致しません」 頻繁に後宮へ通っておられるようですし、鹿爪らしい顔でセヴィニアが髭を捻った。皇帝がシュイリェの女の部屋へ足を運んでいることも、そこでいくらか言葉を交わして部屋に戻ってしまうことも識っているうえでの発言だ。 「皇宮に必要なことは、陛下が後宮へゆかれているという事実のみでよろしいのです」 「既成でよいということか」 「さて」 澄ました顔をしてあれから何か進展はと尋ねられた。進展。この補佐官がチャトラのことを気遣う言動があまりに意外過ぎて、思わず皇帝はまじろぐ。視線を受けてセヴィニアは咳ばらいをした。 「念を押しておきますが、なおれば良いと願っているわけではございませぬゆえ」 事故の起きた日から数日遅れて報告を受けたことをいまだに根にもっているのだと、言外に匂わせた。 「ただ。国の柱は陛下にございます。ゆめゆめお忘れなきよう」 苦笑しながら皇帝は立ち上る。寒々とした部屋へ戻ろうと思った。 扉を開けると、部屋の中央でしゃがみこみ、むずかしい顔をしたチャトラが床上を眺めていた。男の愛読書を広げ読んでいたものと見え、皇帝の姿を見止めて慌てて立ち上る。男が黙ってじっと見つめると、すいません、と本を閉じ差し出しながら早口であやまった。 「なんか結構言いつけられたこと全部やってもまだ時間あって。……本棚に本がいっぱいあるなとか、いったいどんな本読んでるのかとかちょっと気になったもんで」 怒られるものだと思ったらしい。あるいは勝手に私物を触ってはいけないと侍従あたりに釘でもさされたか。 戻さずともよいと男は応えた。 「気に入ったものがあるなら、部屋へ持って帰って読みなさい」 「ありがとうございます。ああ、……でも。なんか読もうと思ってもへいかの本、どれも難しくてオレにはさっぱり」 「読み下せないかね」 「読めんです。……なんか、皇宮きてからオレ文字ならってたんですかね?姉ちゃん……えっとオレを育ててくれたひとなんですけど。そのひとにも、他にも、ならった覚えはないのに多少は読めて。でも本当にちょっとなんです。姫がオレに本読んでくれっていうんですけど、オレすらすら読めなくて……スネられちゃうんですよ。へいかが次に後宮に来たときは、本読んであげてください」 陛下は本当に博識なんですね。ぱらぱらと手元の本をめくって、遠慮がちにチャトラは笑った。世辞と言うやつなのかもしれない。 「そう思うか」 「なんかあちこちにいろいろ書き込みがあって、すげェ字がきれいだなって……でもなんか皇帝へいかの字にまぎれて、たまに変な落書きとか入ってて。これ、アンタのじゃないですよね?」 「――私のものではないね」 不器用なもち方でペンを持ち、面白くて横から眺める皇帝にこっちを見るなと毛を逆立てて見せた。ずいぶんおかしな文字を書くものだ。それで読めるのかとたずねると、いいんだよオレが書いたんだからオレが読めれば。そう言う。 「あとなんか紙がはさまってて」 言ってチャトラが差し出した羊皮紙を、目にした瞬間奪うように男は手にしていた。これは自分のものだと思った。こればかりは。 驚いて目を見張るチャトラにああ、と嘆息する。 「大事なものなのでね」 皇宮へ来たての頃、物珍しそうに本棚を眺め、背表紙を目で追う彼女に、文字を習いたいかと尋ねた。それまでは比較的距離を置いて警戒していたのに、羊皮紙を広げお前の名前だ練習しなさいと指し示すと、好奇心に目をきらめかせ無防備に近付いて、たどたどしい文字で皇帝の綴りと同じ文字を書いた。 何度も、何度も。 そこに書かれていたのは彼女の名前の綴りなどではなくて、誰もが忘れた皇帝の名前だったのだけれど。 紙一杯に書きつめ、オレの名前が書けたと言って喜ぶ顔へ実はそれはお前の名前ではないのだがと告げると真っ赤になって怒った。からかうのもたいがいにしろと言った。 ぐしゃぐしゃに丸め放り投げたそれの皴を、やっぱり怒ったなと思いながら丁寧に指の腹で男はなめした。 何度も、何度も。 はみ出してしまうほどにたくさんつむがれた男の名前。ひとつひとつが大層へたくそな字で、それが不器用な彼女から呼ばれているような心持ちがした。 今はもう呼ぶ人間もいない。 「……あの」 控え目に声をかけられて皇帝は目をあげる。 「大丈夫ですか」 「大丈夫――、」 「……なんか、痛そうな顔をしていたから」 「――大事ない」 大事はないよ。 かぶりを振って男は椅子まで足を進めて腰掛ける。今日は一日忙しかったのでねと言い訳て、お前はどうだと水を向けた。 「オレ?」 「仕事はつらくないか。不自由はしていないか」 「平気です。楽すぎて困るくらいで……こんなんでいいのかなって思うくらいで。ここでのルールとか教えられないと判んねェんですけど、体で覚えた方は割と忘れないもんみたいで。頭より先に手が動くって言うか」 「ほう」 「あと、洗濯のオバさんたちとか、オレが『こう』なっちゃったこと知らないらしくて。いつものように頼むよ、だとか言われてちょっと焦ったです。けどやることは敷布干しとかだったんで、そつなくこなせた。お茶とかも呼ばれて、こんな大きなお屋敷に努めてるひとたちだからどんな高貴な会話しながらお茶飲むのかとか興味あったんですけど……、話してることは下町のおかみさんたちとまったく変わりなくておかしかったです」 「なるほど」 「今のところ、あんまボロだしてないと思う。……へいかは前のオレのこととか知っていますか」 尋ねられて口を噤んだ。知っていると言えた義理か。 しばらく考えて、どうかなと答えた。それ以外に返すすべがなかった。 そうして手招き、傍へ寄せる。腕を伸ばして体に触れようとすると、驚いたチャトラが体を震わせるのが判った。 怯えているのかと思った。 体で覚えたことは割と忘れていないと、つい今し方言ったすぐあとで男のことはすっかり忘れてしまっている。 忘れられてしまうような些細な関係であったのかなとも思った。 この手が覚えている、ぬくもりだとかやわらかさだとか。 抱き寄せることは諦めて皇帝はチャトラの手を握った。自分の手の平にすっぽりと隠れてしまう小さなてのひら。 緊張にそれは握りしめられていたけれど。 自分の仕草に彼女はどう思うのだろう。せめてこの程度は許してほしいが。 黙って数呼吸目を閉じ、それから男はやさしい感触を手放す。 もう部屋へ戻りなさいと追い払う皇帝にうんと小さく頷き、扉の手前でチャトラはためらいがちに振り返った。何度か唇を開閉し言葉を選びかね、あの、と言う。 「オレ、前とずいぶん変わっちまってますか」 「――」 「アンタにもよくしてもらってる。迷惑かけたくないし、なるべく怪しまれないように過ごすつもりなんですけど。……その。前のオレと違うところあったら言ってください」 「――お前が気にすることではないよ」 薄く微笑んで男は手元の羊皮紙へ目を落とした。ぺこりと頭を下げてチャトラは部屋を出てゆく。その背に向かって違う、と喚いてやりたかった。口に出して言えば少しは何かが変わっただろうか。 ……何もかも違うよ。 (20111128) ------------------------------------------------------------------------
https://w.atwiki.jp/cbaxis/pages/57.html
☆3.5兵団 コスト 155 特徴 攻撃力、防御力、突撃ボーナスなど全体的にバランスが取れている★3の小盾兵団。 シーズン序盤の☆3戦場の主力格。パレルモや戚家の陰に隠れがちだがなかなかに強い。 初期選択兵団かつ兵種ツリーから獲得可能という利点もある。 兵団特色 「近接戦の名手」→ 近接戦闘に優れる。 「突撃無双」→ 果敢な突撃に優れる 「盾あり人あり」→盾を構えている間は受ける遠距離ダメージが減少する。 兵団訓練ルート 襲撃のCT短縮などを考慮しても下ルートがベター。 おすすめ軍魂 定江山やブロックUP、斬撃ダメージUPなど
https://w.atwiki.jp/amizako/pages/259.html
1 ペニス笠持ち ホーデンつれて 入るぞヷギナの ふるさとへ 謹厳をもって知られた前の鉄道病院長H博士が晩年、酔余にまかせてつくった即興詩の一節である。おそらく高踏乱舞、談論風発の後、ようやく歓楽極って、成ったものであろう。そのとき、座に今は亡き北原白秋翁あり、詩人白秋は剛直、苟《いやし》くもせざる人柄であるにもかかわらず、おのずからにして湧くがごとき感興を禁じ得ざりしもののごとく、たちどころに筆をとって次韻《じいん》を付した。すなわち次のごときである。 来たかヷギナの このふるさとヘ ペニス笠とれ 夜は長い これを私(作者)に伝えた人は共に席を同じうしていた歌人の岡山巌博士であるが、これを聴いて微吟すること数回。──妖しくも、ほのかなる幻覚の世界はたちまち縹渺《ひょうびょう》として私の眼の前にうかぴあがってきた。読者もまた志あらば端坐して威儀を正し、心しずかに繰返えしてみらる丶がよろしかろう。疑うらくは、月落ち風さわやかなる秋の一夜、ペニスと称し、ホーデンと名乗る世にも奇怪なる相貌《そうぽう》を備えた人物が、蹌々踉々《そうそうろうろう》として、歩むがごとく泳ぐがごとく昂然と肩をそびやかして夜霧の中に没し去る姿が影のごとくうかびあがるであろう。世にこれほど侘しく、切なく、悲しきものはあるまい。古往今来、性器を擬人化して、これに高邁なる形式をあたえ人の世の喜怒哀楽はもとより、盛衰浮沈のあとを象徴した歌詞は少からずあったであろうが、しかし、考えようによっては醜怪見るに堪えず、天下の貴顕淑女をして、軽蔑、憎悪、覚えず眼を反けざるを得ざらしむる異形の怪人物の姿を、かくまでに浩々蕩々たる感情の中に美しく悲しく描きだしたものはあるまい。洋の東西に求めてもこれに比肩し得べきものを見出すことは困難であろう。 ところで、ペニスが主人であり、ホーデンが従者であることは、生れながらにして彼等のあたえられた位置と境遇の示す運命であって、恰かも大石内蔵介のあとに寺西弥太夫がつづき、ドン・キホーテのあとから、サンチョ・パンサが荷物をかついで随従するがごときものである。とはいえ、開闢《かいびやく》以来、ペニス大公の罪業は数知れず、天下の子女の恨はことごとくこの梟雄《きようゆう》の一身に集っているがごとく見ゆるにもかかわらず、しかし、いまだかつてホーデン侍従を憎むものあるを聞かないのは彼が常に利害打算の念に暗く、どことなく間が抜けていて、いつも損ばかりしていながらしかもなお泰然自若として運命に安んじているところにあるらしい。大ブリテンの文豪ジョージ・メレデスは、「トラジック・コメディアン」の一篇によってその文名を不朽ならしめた。あ丶、「トラジック・コメディアン()ー悲劇的な喜劇俳優こそは、「ふぐり」と呼ばれ、俗名、睾丸若しくは「キン玉」と呼ばれるところの、わがホーデン侍従なのである。 巷間に唄われる「サノサ節」の中にも、夜ふかく、ペニス大公が霜を踏んでヴギナの門を潜ろうとする野望をおさえきれず、言葉巧みにホーデンを誘惑する一節がある。「ゆうべのところへゆこうじゃないか」と唆《そそのか》しかける大公に対してホーデンは寒そうに両肩を顫《ふる》わせながら答えて日く「私も御意に従いたいとは思いますが、何しろこの図体では折角お伴をしたところで到底御同席のでぎるという身分ではないし、ましてこの寒空に裏門の戸をたたいて待っているわが身を考えるとあまりにも情のうございます」 ホーデン侍従の嘆きが深ければ深いだけに彼に対する同情と親愛の念はひとしお止みがたきものとなることはもちろんである。杜甫《とほ》は、「夜深うして間道より帰れば故里唯空村」・とうたい、望郷の思い惻々《そくそく》として迫るがごとくであるが、わがホーデンにいたってはどのような天変地異が生じたとしても永遠に「中へはいれる」身ではないのである。石川啄木は、「ふるさとの山に向ひていふことなしふるさとの山はありがたきかな」と詠じているが、啄木もまた、おそらくホーデシの嘆きを不遇な運命に託してうたったものと思われる。 とはいえ、ホーデンが男性の象徴であり活力の源泉であることは私が声を大にして特に説明するまでもあるまい。悪たれ小僧どもが喧嘩をするときに、貴様それでもキン玉があるのかーと怒号する言葉が説明するごとく一朝事あるときに人は必ずホーデンを想い起すのである。今はむかし、戦国の世に、本多平八郎忠勝の親爺が、小桜を黄に返えしたる鎧《よろい》に身をかため、鍬形《くわがた》に金の兎の兜の緒をしめ、いよいよ初陣に立とうとする伜の股倉に手を差しのべた。だらりと下ったホーデンを握りしめ、これなら大丈夫だ、といって呵々大笑したというはなしは絵物語の中にも残されているが、男の度胸はホーデンが縮みあがっているか、それとも、だらりと下っているかということによってのみ決せられる。これはひとり人間だけではなく、もし読者が瀬戸物屋の店頭を飾る狸の置物を御覧になれば立ちどころに納得されるであろう。ひとたび化けるや、その広さは畳八畳敷にひろがると言われるほどであるから伸縮作用の変妙なることは、まことに言語に絶するものがある。されば、過ぐる西南戦争の折、主将西郷南洲の睾丸が炎症のため冬瓜(トしガン)のごとくふくれていたことが敗北の原因であったという珍説が今日伝えられていることにも一応の理窟はあろう。もし、そうでなかったとしたら戦局はどのような変化を示したかわかるまい。かかる俗説に、歴史認識をくつがえすほどの根拠はないとしても、しかしワーテルローの決戦に、前夜雨が降ったか降らなかったかの一事によってのみ、勝敗の運命が定まったという解釈と同工異曲たるべきは言を俟《ま》つまでもないのである。「九月二十三日城山やぶれ、西郷どんな駕籠から、逸見どんな馬から」という自然に出来た俗謡はこの間の消息を如実的確に伝えている。西郷はこのとき睾丸がふくれて行動の自由を失っていた。それ故、止むなく駕籠に乗って戦場を駈けめぐらなければならないような悲境に身を置いていたのである。故に曰く、もし彼が馬上ゆたかに陣頭に立ち全軍を指揮していたとしたら薩摩隼人《さつまはやと》の士気はたちまち奮い立ち、あるいは一挙に熊本城の堅塁を屠《ほふ》って九州一円を席捲《せつけん》し得たかも知れないのである。云々。いずれにせよ、ホーデンの存在が、その悲劇的運命によって、いよいよ重要さを加え、世にも複雑怪奇なる作用を示しつつあるかということは、もはや天下周知の事実である。それにもかかわらず、終戦早くも年古りて、国は破れ山河は存すれども、人はようやくホーデンを忘れ、この愛すべきトラジック・コメディアンの姿を顧みようとするものもない始末である。あ丶ホーデンよ、ふぐりよ、睾丸よ、 故郷の山を遠くはるかに望み見ながら、ヴギナの門前に悄然《しようぜん》として立ちつくす君の姿の哀れさよ。その哀れさこそ、すなわち、われ等の今日の運命でなくて何であろうか。しかし憂うるなかれである。われ等は何れかの日に必ず君を思い、君の存在をたしかめて、ほっと胸を撫でおろすときがあるであろう。私は確信する。救国の英雄たるべき君の姿が必ず脚光を浴びてわれ等の眼の前にどっしりと胡坐《あぐら》をかくべき日の遠からざらんことを。 2 ある朝、私が久しぶりで折山博士を訪れると、博士は、いつものように研究室の、窓に向いた机によりかかって、何か一見して魚の臓腑《ぞうふ》のようなものをガラス板の上に置き、おそろしく厳粛な態度で上体を前屈みにしたまま、旧式の顕微鏡でじっと覗《のぞ》きこんでいた。 私は、博士の研究室を訪れるときには、いつも足音を立てないようにはいってゆく習慣がついているので、その日も入口の扉をそっと押しあけ、泥棒が忍び込むような恰好をしてはいっていった。 だから、もちろん博士は私が博士のうしろの事務椅子に腰をおろしていることなぞを知るよしもなかった。黙っていたのは、もちろん博士の研究を妨げてはならぬという心づかいもあるにはあったが、それよりも、相手をびっくりさせてやろうという悪戯《いたずら》こころの方がはるかにつよかった。 私が博士と知合いになってから、もうそろそろ五年あまりになるであろう。私が伊豆半島の東海岸にあるこのA町に疎開して来てからであるが、博士がこの土地に落ちついたのはやがて二十「年も前で、今こそ一流の温泉地として全国に知られているけれども、その頃のA町は、昔、源頼朝が蛭《ひる》ケ小島へ流された之き、徒然《つれづれ》のあまり、この土地の管領であった伊東祐親の娘と恋愛遊戯に耽《ふけ》っていたというだけで、多少、史実的に知られている古風な一漁村にすぎなかったのである。やがて、丹那トンネルが開通するようになってから貞この町はめきめきと繁栄を示し、宏壮な温泉旅館が、海から山につながる盆地に、軒をならべる時分には、漁村は片隅に追いつめられて、たちまち、絃歌さんざめく歓楽地帯に一変したが、折山博士がこの土地に居を定めたのは、この土地がまだ名もなき一寒村の頃である。 もっとも、博士といったところで、折山医師は、ほんとうの博士ではない。唯、われわれが心からの敬意を表するために博士と呼んでいるだけのことである。 そんなことはどうでもいい。とにかく折山博士は、終生を医学士で推しとおした有名なM先生(東大のM内科といえば今でも人の記憶に残っているであろう)の高弟として、M先生の理想を実現すべく、大学を卒業すると間もなく、丹那トンネルに働く労働者のための健康医としてこの土地に派遣されたのである。そのま丶先生がここにいついてしまったのは、風光明媚《ふうこうめいび》なこの土地が先生の気に入ったからでもあろうが、若き日の先生はおそろしく情熱的でもあり、それに当時は金で買うことのできる博士が濫出《らんしゆつ》している時代だったので、われこそM先生の抱負を実現して、体験を誇る町医者としての最高権威たらんと欲するところに動機があったらしい。人の噂によると、先生はここで煙草屋の娘に惚れ、それが家付の長女なので土地をはなれることができず、ついに意を決して恋愛に殉ずることになったという話でもあるが、およそ人間の決心というものは一つや二つの動機によって定まるものではない。してみれば、それもほんとう、これもほんとうというのが先ず偽らぬ真実であるかも知れぬ。それはそれとして、ある時期、先生の声望はこの小さな漁村を圧倒していた。今は繁栄街からとり残された丘の中腹にぽつんととり残された、見るからに古色蒼然たる廃屋のごとき病院であるけれども、さかんなりし日にこの病院がいかに町民の誇であり、名誉の象徴であったかということ嘆入・に神代杉の大木を組み交わして、遠-から見るとまるで鳥居のような堂々たる門を一暼《いちぺつ》しただけでもそれと納得されるであろう。「上天病院」と書いた門標は、すでに鬱蒼たる夏みかんの葉に掩われて見えなくなっているが、考えてみると呼吸器病患者の多いこの土地で、先生によって命を救われた人間が何人あるか知れないのである。 とはいえ、浮沈転変は人の世の常である。先生が、ふとした機《はず》みで、癌《がん》の研究に没頭し、一切の診察治療を拒絶して、研究室にとじこもるようになってから、この町の人たちは、うす紙をはがすように一日一日と先生の存在をわすれ、いつの間にか折山先生といえば、半ばの軽蔑をひそめて「あの仙人か」というようになってしまった。いや、町の人たちだけではない。末かけて偕老同穴《かいろうどうけつ》と契った糟糠《そうこう》の妻でさえ、ついに愛想をつかして実家へ帰ってしまってから早くも十余年になるのだから、今日にいたってはこの病院が狐狸の棲家と思われるほど荒廃しつくしてしまったことはむしろ当然というべきであろう。 かくのごとく落魄不遇《らくはくふぐう》の境涯に身をさらしている先生ではあったが、しかし、数人の風変りな心酔者は、今日といえども、なお先生の周囲にあつまっていた。実をいえば私もそのひとりなのである。 前置きが、だいぶ長くなったが、私が息をころすようにして先生のうしろに腰をおろしてから、およそ十二三分も経ったであうつか.先生はやっと人のいるちしい気配をかんじたもののごとく、慌て丶くるりとうしろを振り向いた。 「やア、あなたでしたかーこれはどうも」 ふさふさと伸びた白髯《はくぜん》がぶるぶるっとふるえた。「いいところへ来てくれましたな、今日はひとつ底を割って私の秘宝をお伝えしたいと思っていたと.」ろですよ」 先生がこんなに上機嫌で、屈託のない顔をしていることはめずらしい。私がきょとんとして眼げを臘っていると、先生は知麟に、ガラス板の上にある魚の臓腑のようなものをゆびさした。 「これですよ、何だと思います、これを?」 「さア」 といったま丶、私は口を噤《つぐ》んでしまった。見ようによってはボラのへそのようでもあるし、ブりの肝のようでもある。私は魚については相当に該博《がいはく》な知識を持っていたが、しかし、この蒟蒻《こんにやく》玉のように、ぐにゃぐにゃとくずれたものが何であるかということはついに見当もつかなかった。すると、私の呆然として当惑している姿がすっかり先生の気に入ったらしく、いかにもわが意を得たという面構えで、 「狸ですよ」 低いが、自信にみちた声である。 「えっ、狸ですって?」 「そうです、狸の睾丸です」 `私はどきっとして、ガラス板の上に視線を凝らした。「狸の睾丸を一体何になさるんです?」 「いや、それなんですよ」 と、先生は急に厳粛な表情をして、ポケットの中から皺《しわ》くちゃになったピースを一本とりだして口にくわえ、マッチをすった。 「やっと私の研究も思う壺にはまってきたんです」 先生は、それから非常に静かな、ゆとりのある調子でしゃべりだした。 先生が癌の研究に没頭するようになってから早くも十年あまりの年月が経っている。先生の言葉はおそろしく早口な上に、耳馴《な》れない術語が矢継早に出てくるので生理的知識に乏しい私はまったく要領をつかむのに当惑してしまったが、大ざっぱにいうとあらまし次のような話になる。およそ細胞の増殖には一定の方式があるが、癌細胞の分裂する速度とくると、こいつは驚くばかりで、これを方式によって捕捉することのできないほど乱脈迅速を極めている。そして、このような逞《たくま》しい増殖力をもつ細胞の本質を極めるところに先生の研究の目的があった。ところが、先生は細胞分裂の速度を研究しているうちに、やがて分裂の動因をつくるものが染色体の作用にあるということを発見したのである。このへんから私の認識はしどろもどろになってくるが、先生.の意見によると細胞の中には小さな核があり、無数の染色体がその核の内部に浮遊している。細胞は増殖するにつれて分裂し、その分裂の直前になると、染色体が螺旋《らせん》状を描いて核の中心部にあσまってくる。その螺旋体が分れるときは交互に一つ一つ分裂して次第に核の両極にあつまってゆく。すると、いつの間にかまん中に膜が出来て等分に二つの部屋に分離することになる。この染色体の中に性染色体と称するものがあって、その作用如何によって男女の性別が生ずる。 先生は最初その作用を植物の花粉によって実験したところが、性染色体の究明に没頭しているうちに、これこそ人間の活力の原素であるという暗示に到達した。それが機縁となって動物の睾丸の研究にうつり、鼠の睾丸から猫の睾丸、猫から更にイタチに進み、イタチから犬に転じて、幾度となく実験を試みたが、どこかにまだ不明瞭なものがあり、ついに、もっとも人間に近いと推定される意味において狸の睾丸を実験することに希望を持つようになったものの、何しろ当時終戦直後ではあったし、狸を手に入れるなぞということは容易ならざるはなしで、たちまち二三年間が空しく過ぎてしまった。然るに天なるかな、命なるかな、最近この町に住む先生の崇拝者の一人である写真屋の古巻《ふるまき》という男の世話でやっと狸の睾丸を買いとることが出来たので数日前から実験にとりかかったばかりのところであるという・ 「この実験が成功すれば」 先生は、思わず息を呑んだ。「君、期せずして不老不死の薬が完成されることになるんですよ、秦の始皇帝以来、世界の懸案となっていた不老不死の名薬が私の手によって、いよいよこの世の中に形をあらわす日がもう眼の前に近づいているんです」 折山博士の眼は異様な光りを帯び、痩せおとろえた頬がいきいきと輝きだした。もはや癌の研究どころではない。私はきょときょと先生の顔を見据えたま丶茫然自失してしまった。合槌《あいつち》をうつ余裕さえもないのである。しかし、先生はそんなことに無頓着で、一気にまくしたてた。 「その上、君、調子のいいときにはいいもので、これも古巻君の尽力で今度、人間の睾丸が手に入ることになったんだよ、これではじめて画竜点睛《がりようてんせい》ということになるんだ」 「人間ですか?」「そうだよ、それも死んだ人間の睾丸じゃない、健康でぴちぴちしているやつが来る筈だから」 私はもはや狐につままれたような気もちで、絶え間なしに動く折山博士の顔面神経にじっと視線を凝らしたまま声を立てることも出来なかった。そこへ、急にうしろの扉があいて、垢《あか》じみたよれよれの国民服を着た古巻七五郎が、狡猾《こうかつ》そうな愛想笑いをうかべながら入ってきた。 古巻はこの町に住む写真屋であるが、私は彼の店に客の入っているのを、まだ一ぺんも見たことがない。彼についてはいろいろな噂があり、その噂の大半は、それをことごとく信ずると、彼こそ極悪非道の典型的人物のようになってしまうが、私は、はじめて会ったときから、この男は何に対しても一種のマニヤともいうべき凝り性で、狂気じみた情熱的なところがあり、金儲けでも恋愛でも、打ちこんだら最後、底の底まで窮《きわ》めつくさなければ気がすまぬという種類の人物であることを理解した。こういう性格の男は、極端に冷酷であるかと思うと、また途方もなく人情もろく、まったく常識では判断の出来ないような調子はずれなところがあって、そこにまた何とも言えないような味があるものである。 だから、私は、彼が雪舟の偽物を売ってしこたま儲けたとか、陸軍大将の未亡人をだまして金を捲きあげたとか、妾を五人も持っているとかいう話をきいても、それがために彼を批難するという気もちにはならなかった。というのは、彼がどういう風の吹き廻しか私に対しては実に親切で、思いやりがふかく、まだ疎開してきたばかりの頃、この町に知合いもなければ伝手《つて》もなく、どこに何があるのかわからぬようなときでさえ、頼みもしないのに米を運んだり魚を持ってきたりしてくれる。それがいつの間にか私の好きな喰べものまでちゃんと心得てしまって、今日は久しぶりでエビの天ぷらをつくりましたとか、ナマコのいいやつが見つかりましたとか、これは手製のドブロクですとかいって台所口からのっそり入ってくると、もう善悪の判断もなく、たちま.ち人情にほだされてしまう。昔から喰い物の恨みはいちばんふかいと言われているのだから、恨みがふかければ恩もふかいにきまっている。 だから、私はむしろ逆に古巻七五郎の悪態をつく人間の方を警戒する習慣がついてしまっているようなわけで、その古巻が折山諸撃同情し、四面楚歌《しめんそか》の中にある.あ老学究のためにひと肌脱こうという話をきけば、いかにも尤もだと考えざるを得なかった。 古巻は先客である私の顔を見ると、 「これは偶然ですな、お伺いしようと思っていたところです」 と、いかにも機みのついた濁《だ》み声でいった。 「うどん華《げ》の花も咲くと言いますからな、折山先生もついに終りを全うされましたよ」 せっかちの癖で、彼は烈しく貧乏ゆすりをしたと思うと、すぐ老先生の方を向いて、 「お約束のはなしなんですが、実は今朝になってから相手の女房の方から文句が出ましてね」 「じゃあ、駄目なのかい?」 「いや、駄目じゃないんですよ、先方はすっかり乗気になっているんですが、私があれほど女房には内密にしろといっておいたのに、うっかりしゃべってしまったんですね、何でも女房の言い分では、睾丸というものは一つあれば充分用が足りるなぞといったところで、そんなことが当てになるものか、お前さんはそれでなくっても、いざというときにバネの利かなくなってしまう人なんだから、それが、いよいよ一つしかないことになったらわたしがどんなにやきもきしたところで間に合いませんよ、そういって泣きながら口説かれたわけですね、何しろ女房には、から意気地のないやつだもんだから、それでへたへたとまいって、今朝の明けがた、私の家へやってきたんですが、まア、あいつにしてみれば無理もないんですよ、それでいろいろ押問答をした末に、先生から一筆、睾丸は一つあれば男女の交合にいささかも差支えるところなく、また誤って万一のことがあったらいかなる賠償《ばいしよう》にも応ずるという証文を書いていただくということにしてやっ とケリがついたわけですが」 「そんなことはわけのないことだ、早速書こう」 先生がテーブルの抽出《ひきだし》をあけて、十余年前に印刷して、もう灰色にくすんでいる処方箋の用紙 をとりだすと、古巻は、 「それから」 と、たたみかけた調子でいった。「いよいよ現物の取引を行う前に二千円だけ手金としていただきたいといっているんですが」 「そいつは困ったな」 先生の顔には、かすかな哀愁がうかんできた。「もう売るものといっちゃあ、ほら、あの神代杉の門しか残っていないんだが、それにしたって早急においそれと買い手がつくわけもないし」 家屋敷はもとより、庭石から植木の類にいたるまで一本残らず、抵当に入れたり、売りつくしたりしている今日、もはや金の目当になりそうなものは何一つ残ってはいないのである。 「そうですな」 といって、古巻はしばらく考えこんでいたが、すぐ決心したように膝をぽんとたたいた。「事ここにいたっては止むを得ませんからな、じゃあ私がひと先ずあの門を五千円で引きとりましょう、あの男との最初の約束は五千円ですが、あいつには七年前に二百円の貸しがありますから、今の相場に直して、千円だけ差引かせ、残りの金をすぐ先生の方へお届けしましょう」 「いや、そうしてもらえば、実にありがたい。古巻さん、万事あなたにお願いしますそ」 「いいですとも、1そのくらいのことが出来なくっちゃあ、不老不死の名薬の権利をとることは出来ませんよ」 古巻はやっと安心したような落ちつきを示して、にやにやとうすら笑いをうかべた。「それに、あいつにしたって一生に一ぺんくらいは私に対する義理を果さなきゃあ生きてゆかれませんからね」 あいつというのは、この町から一里ほど先きにある炭焼の邑《むら》に住む又狩久太という若い男で通称久さんと呼ばれている。先祖歴代|木樵《きこり》を商売としていたのが、法外な税金を取立てられる上に、この数年のあいだにどの山も材木という材木が片っぱしから伐り倒されてしまったので、だんだん生活に追いつめられ、全村を挙げて今や飢餓に瀕しているような始末なのである。 古巻が久さんの面倒を見るようになってから、もうずいぶん長い年月が経っているが、彼が七年前に二百円貸したのは、町の大地主で、助鉄というあだ名で通っている八十ちかい老人が、たぶん、これも一種の若返り法のためであろう、こっそり古巻を呼んで、何とかして若い男女が合歓を重ねている写真をうつしてもらえまいか、これならいくらでも出すからといって、親指と人差指でつくった丸い輪を何べんとなく彼の眼の先きへ突きつけたそうである。古巻はもとより二つ返事で、老人から手の切れるような百円紙幣を五枚うけとり、帰ってくると、すぐ自転車で山の中の炭焼の邑へ出かけていった。 「まったく、苦労しましたね、早速久さんをよびだして、相談してみたところが、まだ貰ってから三月も経たないような女房だし、 いや実はそこにこっちのつけ眼があるんですがね、ところが、自分はともかく女房が承知しますまいというので、すぐさま二百円握らせたところが、久さんもやっと決心がついたらしく、二日がかりでとにかく女房を納得させることが出来たというわけですよ、そうときまれば善は急げですからね、私はすぐ写真機をかついで駈けつけました」 「それで、首尾よく写したわけですな?」 聴いているうちに私の方がハラハラしてきた。すると古巻は何事かを思いだすように、じっと眼をとじ、 「いや、もう、ひどい目に遭いました、やっぱり、こいつはずぶの素人をいきなり舞台に立たせたようなもので、からっきし役に立ちませんや、久さんは久さんで苛々《いらいら》している、女房だってすっかり観念しきっているんですから、どうにでもなれという気もちになっている託ですが、こっちだって早取写真のようにいきなりパチンとやるわけにはいきませんよ、色々工風《くふう》してみましたが、とうとう仕事は大失敗の上に、今更手金を戻せというわけにも、ゆかないもんだから、そのままになってしまいました」 古巻のことだから、むろん、どこからかわけのわからぬ写真をさがしだしてきて、うまく助鉄老人をゴマ化し、あ紅あまるほどの謝礼をとったにちがいないと思われるが、しかし、結局そのときの手金によって生じた義理がキッカケとなって、久さんはついに睾丸を、一個、四千円で売、らなければならないような結果になったものらしい。古巻はせきこむような調子で一席まくしたてると、 「じゃあ、ひと息に仕事を片づけちまいましょう」 といって立ちあがった。私も彼につづいて先生に別れを告げた。ゆるゆると坂を下り切ったところで「上天病院」の方をふりかえってみると、老先生が、壊れかかった玄関の前に立っている。さすがに名残が惜しいのであろう、じっと空を仰ぐような恰好をして神代杉の門を見あげていた。 4 A町の駅からあふれだした人の波が曲りくねった小路を通りぬけて、街道へ出ようとするすぐ手前のところで道が二つにわかれている。その右側の、うしろが材木置場になっている空地の角に小さな串かつ屋の屋台店が出来たのは、それから十日ほど経った頃だった。 その店は、串かつが安いのと、自家製のドブロクがうまいというのでたちまち町じゅうの評判に訟った。それに、繁華街からちょっとそれたところにあって、両側がよしず張りになっているので人眼を避けて入るのに都合のいいような地の利を占めている。 私が、同じ町に住む洋画家の青貫白水に誘われて、この屋台店の暖簾《のれん》をはじめて潜ったのは、やっと三月になったばかりの、おそろしく風の寒い晩だった。 主人は三十五六の、色の浅黒い、見るからに屈強そうな威勢のいい男で、青貫とはもうすっかり顔馴染になっているらしく、 「やア、いらっしゃい、11今日は昼すぎから邑の連中を招待したもんだから、うっかり飲みすごしちまいましてね、そろそろ店じまいにしようかと思っていたところなんで」 彼は、煮しめたような手拭をとり、器用な手つきでねじり鉢巻をすると、すぐ「串かつ」をあげるために七輪の火を煽ぎだした。 「そいつは大した景気だね?」 青貫が、なみなみとつがれたコップの白馬をぐっとひっかけた。 「いや、おかげさまで」 といってから、串かつ屋の親爺はうれしそうな微笑をうかべた。世の中はまったく何が幸いに馬なるかわかったものじゃありませんよ、この店をはじめる当座なんかときたら、二進《につち》も三進《さつち》もゆかないような貧乏で、仕方がねえから女房を夜の女に出そうなんて、いや笑い事じゃねえ、本気で考えたほどですよ、ところが先生、時世ががらりと変りましたね、男なんてものは行き詰ったが最後、首をくくるか、さもなけりゃ泥棒でもするよりほかに能がないと思っていたところが、売る気になりゃ立派に売れるものがあるんですからね、何も生きるのにくよくよすることはありませんや」 「売れるって、 何が売れるのかい?」 青貫が眼をパチパチとうこかすと心持ちぐっと肩を前へ乗りだすようにして、 「キン玉ですよ」 と噛みつくような声でいった。 「何だって」、 「だから、夢みたいな話じゃありませんか、私もまさかと思ったが、苦しまぎれにたたき売ってみると、何の雑作もありませんや、大体あんなものを二つもぶらさげているのが贅沢なんで、一つだけ残っていりゃあ、それで結構役に立つんですから」 酔った勢いで彼は一気にまくしたてた。「串かつ屋」の親爺が、古巻の話の中にあった炭焼邑の久さんであることはもはや疑うべくもない。私は、ほろ酔い機嫌で、いきいきと冴え返っている久さんの顔を、あたらしい好奇心をもってしみじみと眺めた。彼は睾丸を売った四千円の金を資本にして、この屋台店を開いたのである。 「それも、はじめはやけっぱちで売ったものの、われながら、なさけなくて生きるにも生きられぬような気もちでしたが、今となるとそれどころか、日本じゅうの人間に片っぱしから知らせてやりたいくらいですよ」 「おどろいたな、iそれで、君の方はいいとしても、おかみさんが苦情を言わないのかい?」 「苦情どころか、あんた、大喜びですよ、今までは、あんなものが、どかんと腰をおろしていやがるもんだから何彼《なにか》につけて不自由だったのが、今度はどこへだって気楽にすうっとばいってゆずけるんですから」 彼が声をおとして、何かひそひそと話しかけようとしたとき、裏の方から、 「唯今」 という、弾力のある若々しい声が聞え、束ね髪にした、ほそ面《おもて》の、色っぽいというよりも、ちらっと見ただけでも健康そうな、すべすべした小麦色の皮膚がぴいんと張りきっている、二十二三の女がはいってきた。まこう方なき彼の女房である。一瞬間の印象ではあるが私は久さんの夫婦生活がいかに順調で、愉しく充実しているかということを犇々《ひしひし》とかんじた。 「それで、先生、ひとつ御相談があるんですが」 と、彼は女房の顔をちらっと見てか与、急に声の調子を変えた。「こんど、この屋台を少しひろげることになったんで、あたらしく暖簾を出そうと思っているんですが、それで何とか今の私の気もちにぴったりした名前をつけたいと思っているんですよ、まさか、串かつキン玉ともつけられないし、何かいい名前はありませんかね?」 私は飲み心地のいいにまかせて、すでに三杯の白馬を一気に呷《あお》っていた。下地が入っているところへ立てつづけにひっかけたので、酔いが一ぺんに廻ってきたらしい。青貫がもじもじしているあいだに、私は横合いから大声で叫んだ。「そりゃあ、君、ホーデンにかぎるよ、語呂もいいし、景気もいいし、その上君が旧恩に酬ゆる意味においたって」 何を言っているのか自分にもよくわからなかったが、しかし私はすぐ立ちあがって、感興のうヂ、」くにまかせ、低い調子でうたいだした。 ペニス笠持ち ホーデンつれて 入るぞヷギナの ふるさとへ、 痺《しび》れるような酔いは全身に沁みひろがっていた。何時、串かつ屋を出て、何処で青貫と別れたのかハッキリおぼえていない。町中をひとすじの川が流れている。早春のうす月が空にかかり、行手は白い靄《もや》であった。靄に掩われた川ぞいの道を私は、ひとりで微吟低唱をつづけながら歩きだしたのである。すると、夢ともつかず現《うつ》つともつかず、例によってぬっと肩をそびやかしたペニス大公のあとから、せかせかと足どりも軽くすべるように動いてゆくホーデン侍従の姿が影絵のようにうかんできた。 しかし、彼はもはや昨日のホーデンで憾ない。余計な重荷をさらりと捨てた今夜の彼は心も軽く身も軽く、ペニス大公の御意にまかせて、ヴギナの門をすべるがごとく入ってゆくであろう。、ふるさとの山を遠く望んで涙|潸然《さんぜん》たりし日は早くもすぎし日の夢なのである。故山の人情は暖かく、されば、山も川も歓呼の叫びをあげて彼の帰郷を迎えるであろう。 5 あ丶、ホーデンよ、ふぐりよ、睾丸よ、 予が君を救国の英雄に擬《なぞ》らえたことは決して嘘でもなければお世辞でもなかった。何となれば、折山博士による性染色体の研究はいよいよ最後の段階に到達して、不老不死の名薬は日ならずして完成しようとしているからである。 古巻七五郎は、眼が廻るようにいそがしくなってきた。彼はこの秘薬製造の会社を設立するために東奔西走しなければならぬ。何よりも必要なものは資材であり原料であるところの睾丸であるが、運のいいときはいいもので、幸いにも久さんの屋台店の成功したことによって、炭焼邑の住民は老若を問わず、ことごとく符節を合すように睾丸を売ることを志願してきた。今まで火が消えたように萎れかえっていた村民はこれがために活力をもりかえし、隣保班の班長はすでに一同の意見をまとめて、睾丸を売った金の一部をもって、道路の改修と邑の厚生費用に充てようとしているのだ。 だから、いよいよ、正式に会社が設立されることになれば、睾丸の相場はたちまち暴騰《ぽうとう》するであろう。そこに抜目のある古巻ではない。彼は片っぱしから手金を打ち、ひとりひとりに契約書を取交わした。 ところが、睾丸売却の希望者は一日ごとにふえてくる始末で、もう炭焼の邑だけではなく、噂が町全体にひろがるにつれて、大金が入った上に女房を喜ばせることが出来るというなら正しく一挙両得ではないか、こんなうまい話が滅多にあるものではない、おれも売りたい、いや、おれもおれもという人間があとからあとからとふえて、古巻の家はたちまち門前市を成すような形勢を生じてきた。 こうなると、いかに古巻といえども彼の全財産をはたきだしたくらいでは到底足りるものではない。そうかといって、今こそ絶好の買いどきである。それがために彼は土地を売り、家を売り、あらんかぎりの方法で借金をして、資材の蒐集につとめてきたが、しかし勢いの及ぶところは停止する筈もなく、彼のために資本を出そうという男が続出してくるにつれて、いっそのこと、この計画を全国的に拡大したらどうかという意見も生じてきた。 これがキッカケとなって、東京から濡れ手で粟のひと儲けをたくらむ新囲ハ財閥や、大会社の社長たちが続々と乗り込んできて、古巻七五郎と会談を重ね、この名薬を海外に輸出するための大貿易会社を設立する相談がまとまりかけたとき、折山博士が俄かに横槍を入れた。これこそ正しく救国済民の仕事である。もちろん一個人の私すべきものではない、経営は日本国家があたるべきであると言いだしたのである。言い出したら絶対に自説を押しとおす博士の気象を知っている古巻は、博士を納得させるためには私のほかにはないと考えたらしく、ある晩、白馬を二升手土産に持って私の家へやってきた。もちろん私は一言の下に彼の申出を拒絶した。 「こうなったら、もう利権の問題じゃない、折山博士の意見に従って当然国営の事業にすべきものだ、君だっておぼえているだろう、太平洋戦争の真最中、一億一心という標語によってともかくも政府は全国民をおさえつけていたんだからね、しかし、そんな生半ばなものじゃない、今こそ一億一心じゃなくて、一億一丸だよ、日本建国の基礎は必ず此処に築かれる、そうなれば、国家の再建どころか、日本はおそらく世界の財貨を立ちどころに吸収することが出来るだろう、今や祖国の興廃は一丸の左右するところによって決するのだからな、つまらぬ慾を起すもんじゃないよ」 「なるほど、一億一丸ですか、いい言葉ですな」 古巻はしきりに感心している様子だったが、もちろん私の言葉に動かされるような筈もなく、ふふんと小馬鹿にしたようなせせら笑いをうかべ、ちんぷんかんぷんな挨拶をして帰っていった。まったく余計な睾丸があるばっかしに、つまらぬ野心を起したり、戦争をはじめたりするのではないか。これが全国一丸ときまれば、やれ民族だとか伝統だとかと、他愛もないことにくよくよする必要はなくなってしまうのである。いずれにしても問題は折山博士の発明が何時完成されるかという一事にのみかかっている。私はそのことをたしかめるために、翌日、博士を訪問したが、神代杉の門をとり払った病院は荒涼としてうすら寒く、私が玄関を入ろうとすると、古巻がげっそりと痩せおとろえた顔をして、せかせかと出てくるのにバッタリ出会った。 どうしたのかと訊くと、彼はもう生きている心地もないらしく、しどろもどろの調子で答えた。 「大へんなことが出来てしまったんです、博士が昨日から急病になって、ちょっと手のつけられぬ状態になっているので、ーこれでもしものことになったら、私はもう自殺するよりほかに仕方がないんです」 博士は連日の宴会が祟《たた》って、急性の胃潰瘍になり、吐血が烈しすぎた上に、何しろ老体であるし、輸血や注射くらいでは衰弱を支え得るかどうか見当がつかないような状態に陥っているという。 今は絶対安静を保つために一切の訪問客を絶っているというので、私も止むなく引返えしてきたが、なるほど古巻にしてみれば、彼の打った手金と引換にうけとっている契約書が押入の中に山のように積まれている今日、業半ばにして博士が死んでしまうようなことになったとしたら、もはや不老不死の名薬も、一場の夢に終るであろう。 今になって手金の払戻しをするといったところで、現物は向うにちゃんと残っているのだから、これも容易なことでは話がまとまるまい。それにもかかわらず、博士の命はすでに旦タに迫っているのだ。そして町の温泉宿には遠くからやってきた資本家たちが、もう一ト月あまり、酒と女に涵《ひた》りながら名薬の完成するのを今か今かと待ちあぐんでいるのだ。その資本家たちにどうして実状を知らせることが出来よう。いかにすべきか、どうしたらいいか、否々、伸るか反るか、生きるか死ぬかの瀬戸際なのである。 それにしても男は度胸だ。先ず睾丸にさわってみてから悠々と計を立てるよりほかに道はあるまい。とはいえ、此処に思いがけない名薬が見つかって博士が無事に一命をとりとめることにでもなれば、一切の苦労もたちまちにして消え去るわけである。事は古巻の運命に関りがあるだけではない。われ等の運命を決すべき一丸立国の問題を控えている。いや、一丸立国はおろか、この小説も、今後いかなる方向へ発展すべきか、あるいはこのまま中絶するの止むなきにいたるか、それともホーデン侍従の活躍によって一生涯書きつづけてもなお足りないような民族興亡の大き辱な渦の中へ巻き込まれるか まったくもって見当もつかぬ、まるで雲をつかむような始末なのである。
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/270.html
真説 白熊の国 「エカ様~、ちょっとまってくださ~い!」 僕が声をかけるとエカ様が足を止め、振り向いて待ってくれる。城を出てからもう十何回も同じ事を繰り返してるけど、エカ様はそのたびに待っていてくれる。 「ん」 僕が追いついてきたのを待って、またエカ様が歩き出す。 エカ様の歩みはとてもゆったりに見えるけど、僕とは歩幅が違いすぎるので結果的に遅れてしまう。 僕はブラウン。ヒト奴隷だ。そして僕の前を歩いている方が僕の御主人様。シロクマの国の第三公女にあらせらるエカテリーナ様だ。 12歳のただのヒトの僕と、成人したシロクマの中でもひときわ背の高いエカ様が並んで歩くのは相当無理があるとみんなが言う。けれどエカ様は馬に乗るのを嫌がるし、エカ様が歩いているのに僕が馬に乗るわけにも行かないので結局こうなる。 背中に背負ったお弁当がなければもっと早く歩けるんだろうけども流石にエカ様に持たせるわけにはいかない。ただでさえ画材道具はエカ様が持ってるわけだし。 厳寒の大陸北方にあるシロクマの国にも、短いけれども春は来る。今日は城の近くにも雪割草が咲き始めたという話をきいたエカ様がそれをスケッチに行くことに決めたのだった。 街と城をつなぐ道を脇にそれて小川沿いを山の方にてくてく歩く。ここら辺は王家の狩り場で道も整備されてるので歩くのにそれほど不便はない。そこかしこにちらりほらりと雪割草が生えているけど、エカ様のお目にかなう物はなかなかないらしく一瞥し首を傾げては先に進む。 「だめですか」 「ん」 肯定の返事。雪割草が生えているのを見るたびに足を止めて考えるので置いていかれることはないけども、どんどんと山の奥にいくのは正直不安だ。 そんなふうにずるずると川沿いの道を山の中に入っていくこと数十分。岩肌に生えた苔と寄り添うように咲く雪割草にエカ様は目をつけた。画板を組み立て、黒炭でスケッチを始める。 しばらくそのまま川のせせらぎの音と黒炭がキャンパスをひっかく音が続く。そろそろだと思ったので、僕はリュックから魔法瓶を取り出した。 「ラウ、お茶」 「はい、エカ様」 火の呪文が刻み込んである猫の国製の魔法瓶から熱いお茶をホーローのマグカップに注ぐ。濃いめの紅茶にたっぷりと混ぜたスノウベリージャムの香りが広がった。 カップを受け取ったエカ様は、はふはふとお茶を冷ましつつスケッチをする手は止めない。かなりの集中具合なので、お昼前にはスケッチは終わるだろう。 そのあと、二回お茶のおかわりをしてスケッチは完成した。キャンパスの角度を二、三回変えてみてエカ様が頷く。満足の出来みたいだ。 頃合いを見計らってお弁当を広げ始めるとエカ様は何も言わずに僕の隣に座った。エカ様のお腹が、きゅうと音を立てる。 「はい、エカ様の分です」 「ん」 どことなく嬉しそうな声音で特大の・・・・・・実にリュックの中身の4分の3を占めていたお弁当箱を受け取る。僕もお弁当箱を取り出した。ついでにコートの胸元から聖印も取り出す。 「いと高き所にあらせられます我らの主よ。今日の恵みを感謝します。この祈りがあなたの所に届きますように。かくあれかし」 「まむむむまみ」 サンドイッチをほおばったままお祈りの言葉を口にするエカ様。 「エカ様ー!!お祈りの前に食べちゃダメでしょー!!」 「ん」 僕が叱ってもエカ様は無表情にもぐもぐするだけ。ちっとも気にしてないみたい。 「むー。侍従長の前ではやらないのにー」 僕がお説教しても聞いてくれないのは、やっぱり僕がちっちゃいからだろうか。ああ、神様。お金も彼女もいりませんから僕にも少し背を下さい。 そんな悩みを抱えた僕の頭に大きな手が乗せられた。 「ん」 「そうですね、まだ成長期ですから・・・・・・って、エカ様が慰めないで下さいよー!!」 「ん」 僕の抗議も涼しい顔で受け流しエカ様はサンドイッチをほおばった。 しばし黙々とご飯を食べる。時折エカ様が差し出すカップにお茶を注いだりするけど基本的に無言。これはエカ様が無口なのもあるけど、それ以上に食べるのに集中してるから。 だから僕がそれに先に気がついた。 先にお弁当を食べ終えた僕がふと対岸に目を向けると・・・・・・灰色熊と目があった。あってしまった。 どうしよう。 その時期に穴から出てくる熊は冬ごもりの空腹に耐えかねてるから出てくるわけで、即ち例外なく腹ペコなわけで。で、灰色熊さんは人間も食べちゃうわけで。 あ、熊さんが笑った。 と同時にこっちに向かってまっしぐら!! 「エ、エカ様ーっ!!」 腰が抜ける以前に逃げると言うことにすら考えが及ばない。熊さんは狼狽える僕を嘲笑うかのように一気に川を走り抜けて僕たちに跳びかかる。おっきな鉤爪のついた太い腕が振り下ろされそうになって・・・・・・。 いきなり熊さんは仰向けに倒れた。 いつのまにかエカ様が右手でサンドイッチを食べながら、左手を前に突き出していた。 もむもむと最後の一切れを口の中に詰め込みエカ様が立ち上がる。熊さんも何が起こったのか理解できないようで仰向けのままきょとんとしていた。 その間にエカ様は手近に生えていた木を何気なく引き抜いた。 木。 この辺の森に良く生えている、ごく一般的なもみの木。それの具合を確かめるようにエカ様が軽く振ると、枝につもっていた雪が散らばった。 普段見る機会がないから忘れがちになるけど、エカ様はすごい力持ちだ。いや、すごいというか非常識。猫の国にはすごく強い武人の姫様がいるそうだけど、単純な腕力ではエカ様は大陸一じゃないかなと思う。シロクマの騎士団には石を握って砕く人はたくさんいたけど、砂を握って石にできる人はエカ様以外に知らない。 仰向けにひっくり返った熊さんも、ようやく目の前の光景の意味を理解したらしく、仰向けのまま後ずさる。そのまま熊さんが川の中まで入った時、エカ様が木を大上段に振りかぶった。 「えい」 軽いかけ声と共にエカ様が木を振り下ろす。一瞬早く熊さんが横に転がって避ける。川面に丸太が叩きつけられ爆発したみたいに水しぶきが上がった。 その水しぶきが全て落ちる前に熊さんは泡を食って逃げ出した。雨のようなしぶきが収まった後、そこに残っているのは川底をえぐられた川とそこに突き刺さりへし折れたもみの木。そしてずぶぬれになったエカ様だった。 「・・・・・・寒い」 「もー!!後先考えて行動して下さいって、いつも言ってるでしょー!!」 「ラウ、危なかった」 「だからってエカ様が風邪引く理由にはならないでしょー!!」 あの後、大急ぎで管理人の山小屋に避難して、火をおこしてやっと一息。エカ様の服は暖炉で乾かしてる所なので、エカ様は裸で毛布にくるまってぬくぬくしていた。 春先で今日は晴れているとはいえ、濡れた服なんか着てたら命に関わる。近くの山小屋を思い出せてホントに良かった。 「エカ様のお優しさは嬉しい限りですけど、ちゃんとご自身のこともお気にかけて下さい」 「・・・・・・」 「エカ様!」 「ん」 「まったく、もう・・・・・・」 『反省してないけど、とりあえず納得した振りしておけ』感ばりばりの返事に思わずため息がでる。やっぱり身長が足りないから説得力が足りないのかなあ。 エカ様が何喰わぬ顔でお茶を啜っているのを背中越しに見ながら濡れたセーターの様子をみる。まだ大分かかりそうだ。 「ラウ、おかわり」 「はい」 差し出されたマグカップにお茶を注ぐ。注ぎ終わった所で腕を掴まれた。 「え?」 僕が何かする前に、エカ様がひょいっと僕を持ち上げる。なすすべもなく、僕はエカ様の膝の上に乗っけられた。 「ぬく」 女の子がぬいぐるみを抱きかかえるみたいにされてしまう。向かい合う形だから、僕の顔にエカ様のおっきな胸が当たっちゃう。 僕は、ヒト奴隷としてこの世界で生まれて、その、必要なことは一通り教育を受けているわけで。そのなかには当然Hの事も含まれてるわけで・・・・・・。 う~~~。普通なら誘ってるってシチュエーションなんだけど、エカ様の場合は。 ずず~~ 「エカ様、音たててすすっちゃだめです」 「ん」 ずず~~ はぅ、素でやってるんだもんなあ。迂闊にHなことするとエカ様怒るし。 実は僕のはもうおっきくなってるんだけど、奴隷の僕からHねだるわけにもいかないし・・・・・・。おっぱい当たってるのに生殺しだよう。 しばらく僕がふにふにおっぱい生殺し地獄で苦しんでると、突然背中の方でからんと音がした。 そのマグカップの落ちた音でようやく気付いたんだけど、頭の上で聞こえるエカ様の呼吸がゆっくりで深い呼吸になってる。生殺し地獄から顔を上げると、エカ様は目をつむっていつもの無表情で寝息を立てていた。 ・・・・・・寝てるよね。 ・・・・・・熟睡してるよね。 ・・・・・・ちょっとだけならばれないよね。 膝の上に座ったままちょっとだけ背伸びして無防備な唇に軽くキスしちゃう。ぷるぷるのエカ様の唇はとっても気持ちいいけど、あんまりキスしてると息苦しくてばれちゃうかも知れないからここは我慢。 代わりにおっぱいの間に慎重に顔を入れていく。ゆっくりゆっくり、ばれないように。顔を押し込んでいくと、毛布の皮が自然に剥けてエカ様の真っ白い肌が現れる。赤ちゃんの肌みたいにきめ細やかでほっぺに当たった所が吸い付いて来るみたい。そんな肌なのに、おっぱいは釣り鐘型のGカップ。おまけに、乳輪は盛り上がり気味のちっちゃめで陥没乳首。しかも色はピンク。 反則です、おっぱいの神様。これはルール無用の残虐超人も思わずレフリーに抗議してしまうぐらい反則のおっぱいです。けしからんにもほどがあります。大好きですが。 乳肌にキスマークを付けるとばれちゃうかも知れないので、こっそり舌を這わせてみる。ちるちる舐めてくと、エカ様の汗とおっぱいの甘い味がする。それをもっと味わいたくて、それに我慢ができなくなって舌がおっぱいの谷間から裾野を行進しちゃう。 もう、おっぱいから毛布をはぎ取っちゃってる。どんな芸術品もかなわないエカ様のおっぱいが、今僕の物になっている。指で押すとふにふにと柔らかく、唇で触れるとぷりんぷりん、あまつさえぷるぷると揺れたりするから、もう。 閨房術の先生だったネコのおねーさんに『あんたは超☆一流のおっぱい星人だ』と言われた僕には、感動の余り涙さえ浮かんでくるような光景ですよー!? はみ。 あくまでやさしく、こっそりと唇でおっぱいのやーらかさを味わう。ゆっくりと裾野から乳首の近くまではみはみと辿っていく。 あ、もう少しでピンクの所に。 ・・・・・・ちょっとだけならばれないよね。 左の乳首を、いきなり触るのはこわいのでまずはその周囲を、じっくりと舐めてく。そのあいだに手は残ったおっぱいの表面を撫でさするように動く。なるたけ先っぽには触れないように円を描くようにゆっくりと。 うあ、ちょっと乳輪が盛り上がってきたかも。そのせいか、エカ様の陥没乳首がまるで唇みたいにみえてくる。怯えてるけど誘ってる見たいに震えるおっぱい唇に、僕の唇も震えながら近づいていく。 軽くキス。一瞬で離れて、もう一回。 こんどは軽く触れたまま長くキス。 そのうち我慢ができなくなって顔ごと押し込んでいっちゃう。 吸ったりはしないで、舌を出してちろちろって愛撫。時々すごいゆっくりに、時々すごく速く。舌先でエカ様のおっぱい唇を味わう。 おっぱいで真っ白な視界の中で全神経を舌先に集中させてると、エカ様の乳首がじわーっと大きくなってくるのが判る。唇を離してみると、充血した乳首がまるで地面から起きあがる麦の芽みたいに。 あんまりにも健気なんで、ご褒美に指先の雨を優しく降らせてあげる。すると、その雨をぐんぐん吸収して僕の小指の先ぐらいに大きくなっちゃった。 おっきな真っ白い山の頂上で、ピンクの若葉がちょこんとHに震えてる。感動の余り、ぼくはそれを迷わずくわえちゃう。 「んっ」 ・・・・・・。 くわえたまま視線を上げるとエカ様と目があった。 起きたんですね。 ・・・・・・。 「わああ!ごめんなさい!」 急いで離れようとするけど、エカ様の手が肩を掴むともうそれだけで動けない。間髪入れず、エカ様のゲンコツがこちんと僕の額に当たった。 「あうっ」 いたたたた。十分以上に手加減されてるけど、とっても痛い。ちょっと膨れてきてるので、後でこぶになると思う。 「あうう、エカ様、申し訳ありません・・・・・・」 「・・・・・・ん」 膝のままに乗っけられたまま僕が謝ると、エカ様は顔を真っ赤にしたまま目をそらして右のおっぱいを突き出してきた。まだ触ってないそっちの乳首も僅かに膨らんできてる。 どうやらエカ様も我慢できないみたい。 「エカ様・・・・・・えっち」 「ん」 僕の余計な一言に、エカ様はさっき叩いたとこを指先で押して復讐する。鈍い痛みが走るけど、そんなことよりエカ様の左右のおっぱいがアンバランスであることが問題です。 「ちゅ、ちゅちゅ~」 「んっ」 すでに盛り上がりかけていたそこに、躊躇なく吸い付く。ほんの少しの塩味と僕の味蕾だけが感じるおっぱい味が口の中で渾然一体になってとろけちゃう。 あっさりと左のとおそろいになった乳首からいったん唇を離して、両手でおっぱいを寄せると左右の乳首同士がごっつんこする。 「んにっ!」 そのまま手でおっぱいを揺すると、くっついた左右のピンク色がいちゃいちゃする。そのバカップル振りが羨ましくなっちゃった僕は、怪獣みたいにぱくっと一呑みに食べちゃった。 唇で歯で舌でやわやわと良く噛んだら、ちゅーって吸っちゃう。 「んんーっ!」 僕怪獣の残虐シーンにエカ様が悲鳴を上げてのけぞる。 軽くいっちゃった拍子に、エカ様の座り方が浅くなる。僕も我慢できなくなっちゃってるのでおっぱいから顔を離さないまま、エカ様の脚の間に腰を入れた。 ズボンから僕のを取り出すと、びんびんのかちかちで先っぽはもうだらだら。エカ様のそこを指先で探ると、エカ様も僕と同じになってた。 おっぱいの谷間からエカ様の顔を伺うと、涙目でこくんと頷いた。 「・・・・・・いきますっ」 「んっ」 ずにゅーっとエカ様の奥に入っていく。エカ様のそこは怪力に見合わず締め付けは弱い。けど、ひだひだが良く動く。僕の根本から尖端に向けて絞り上げるように、ぐにぐにでうねうねする。 「エカさまあっ!!」 「んっ!んっ!んっ!」 Hな欲しがりエカ様に、僕は一定のリズムで突き込む。このとき方向を微妙に変えるのがコツ。 僕のほっぺに擦れながらたゆんたゆんと揺れるおっぱいにも手を伸ばす。腰とリズムを合わせて、こちらは握る力の強弱を変える。 一定のリズムを保ったまま、動きでエカ様を愛してあげる。チェロとかコントラバスの大きな楽器を演奏するみたいな気分になる。 返ってくるのは音色じゃなくて、気持ちよさ。ふかふかでやわやわでおっきくて、Hなエカ様が音色そのもの。 「エカ様、素敵です。大好きです」 「んん~~~~っ」 うわごとみたいにエカ様の心臓に語りかけると、エカ様が僕の後頭部に手を回してもっと胸に埋めてくる。息苦しいけど、これ、大好き。 「エカ様っエカ様っ、エカさまあっ!!」 「ぅん~~~~~~~~っ!!」 エカ様の中がきゅ~っと吸い込んできたのに耐えきれず、僕はたくさん出しちゃいました・・・・・・。 城への帰り道を今度は急いで歩く。まだお日様は出てるけど、白夜が近いから出ているだけで時計の針はもう7時に近いし。陛下もお后様も心配していらしていると思うので夜が来る前に早く帰らなきゃ。 エカ様の今日の収穫はスケッチ一枚だけだけど、エカ様はそれで満足みたいでどことなく足取りは上機嫌だ。 「それは絵にするんですか?」 「ん」 肯定の返事。明日の予定はアトリエでお絵かきみたいだ。帰ったらお掃除しておこう。
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/4434.html
ローエン・J・イルベルト / Rowen J. Ilbert + サンプルボイス TOX 「ハハハわかりましたこのローエンにお任せください。旦那様とお嬢様には私からお伝えしておきます。」 「おやめなさい。戦巧者と名高い貴方でもその誉、剣で得た物ではないでしょう」 「しどい…ジジイが悩んだら悪いっていうんですか。ミラさんや若者が苛めるよ」 TOX2 「これで二国の関係は、やっとスタートラインに立ったという所ですね」 「これくらいの事を受け負う覚悟は出来ています」 「はい、ジジイの本領発揮です」 「ふふふ、確かにジジイの時間はとても貴重。立ち止まってはもったいないですね」 「フェローチェ荒々しく!グラツィオーソ優雅に!グランドフィナーレ!」 「フィニッシュです!渦塔は氷結し、光も闇に凍る!無情なる諸行に…挽歌を!グランドフィナーレ!」 年齢:62(+1)歳 性別:男性 身長:175㎝ 好きなもの:マーボーカレー TOX2:豆腐せんべい 声優:ゼクス 武器:サーベル+ナイフ 戦闘タイプ:精霊術師 特性:術後調律(自ら発動させた精霊術に対して、様々な追加操作を行える) 大国ラ・シュガルの高級貴族、シャール家に仕える老執事。常に落ち着いた物腰で、緊迫した空気を冗談で和らげたりする。 ふだんは柔和な表情をしているが、眼光が時折鋭くなり、積年の迫力を感じさせる。 幅広い知識と卓越した状況判断、そして分析力を持ち、 一手先を読むことに長けたブレイン的存在だ。 キャラクターデザインはいのまたむつみ。 テイルズのPCとしては初の60代のキャラクター。今までの年長キャラが40代止まり(4000歳とかおおよそ一万歳とかは除く)だった事を考えると異例である。 今の執事という地位に就く前には意外な過去があるらしい。ラ・シュガルの王と因縁がありそうなシーンがある 領主の妹のドロッセルと一緒にいるところをジュードたちと出会うらしい主人であるクレインに仕えるのをやめてジュードたちに同行する理由はなんなのだろうか 特性の術後調律は全部の術で行える。攻撃回数が増えたり、攻撃範囲が変わったりと様々に変化。攻撃術がローエンの主軸なので、変化を把握するのも大変そうだ。 スキル「スペルエンド」で、「術後調律不可の代わりに隙大幅減少」というキャラ特性どうした状態になる。 しかもスキルつけた方が小回り効くようになりコンボも出来るようになるので余計に切ない。ただし術後調律したファイアボールやソリッドコントラクションの使い勝手が良いので術後調律のメリットが全くないわけではない。 術後調律というぐらいだから、サーベルの方もタクトのように扱うのだろうかマーシーワルツを習得するということが判明したのでエステル風剣術? +投げナイフで遠距離も万全である。ナイフリベンジというピコハンリベンジ的なものと思わしきものもある プロモでは術後調律を使用し、計4発のファイアボールを放ったキャラによっては特性は強化されるのでローエンも強化し、弾数が増えるかもしれないミラと同名術が多々あるがミラは威力上昇、ローエンは弾数増加などで違いを出すのだろう 秘奥義の台詞「フェローチェ」「グラツィオーソ」とはそれぞれ「荒々しく」「優雅に」を示す音楽用語。 氷結させて粉砕する演出がなんとなくジ・エンドを連想させる。ジ・エンドが敵1体を氷結させるのに対し、周辺全てを氷結させるのは年季の差か。 好物はマーボーカレーだが、「ヒゲにくっついてしまう」とこぼしている。 DLCの歴代キャラコス称号は何とバルバトス。爺さん、自重してください。このコスを着るとムキムキになります。…もはやコスチュームの域を超えているw 学園コスは麦わら帽子をかぶった用務員…しかしてその正体は学園長先生。ローエンがやれるとしたら校長しかないだろうが…。用務員に化けるか普通。 執事コスは白の執事服。執事長、あるいは侍従長といったところか。 発売前に判明した術技武身技:マーシーワルツ、セヴァードフェイト(開発初期ではセヴ「ェ」ードフェイトだった)、アンビュスマーチ 精霊術:ロックトライ、スプラッシュ、ファイアボール、ウィンドランス、アブソリュート・コア、ソリッドコントラクション、ブルースフィア、クラッグワルツ、フリーズランサー、ディフュージョナルドライヴ、ディバインストリーク 共鳴術技:スプラッシュライン、海龍拳、レイジングミスト開発初期の段階ではフレイムドラゴンを使用していたが製品版では習得せず。 5代目ちょろ甘その1。その2はレイア。 「成算はあったんだろ」→「失敗すれば凄惨な事に…」「喜びのターンを」→「大ターンに回します」「足だけにフッと気を抜くと…」等、親父ギャグを炸裂させまくる。きっとクレスとは気が合いそうだ。しかし、新作ということで他作品にはない固有術が多いため使い回しの多い外伝系に出られるかどうかが問題である。装備武器は公式イラストのスチュワーズソードになると思われる 習得するスキルでは特に「スプレンダータイム」(攻撃をバックステップ回避で3秒時間を止める)が強力であり、リンクしたジュードを使って敵の攻撃をバックステップで避けると集中回避+時間停止という恐ろしい効果を発揮する。 他にも、単純に強力な「スピードスペル(詠唱30%減)」「グレイス(詠唱中仰け反らない)」などを習得する。ジジイ無双。ついでにこの二つはリンクスキルなので、エリーゼと組めば後衛二人が好き勝手暴れ放題出来る。 天才魔導少女仕様のタイダルが使えるが、OVLの仕様が異なり、「スペルエンド(発動後の隙が少なくなる)」の効果もつかないので洗濯機は出来ない。残念…その代わり、ミスティシンボル+「スペルエンド」を付けたスプラッシュ祭りでハメコンボが可能。 あまり話題に挙がらないが、中断しても(されても)続きから詠唱出来る「スペルキープ」や、限定されるが下級術を無詠唱で連発できる「テトラスペル」まで覚える。このジジイ、最早「術」が「技」同然である。TOX2ではシンフォニアタクト、ヴァルハラハットを装備してミスティシンボルを装備するとACやTPが切れるまで半永久的に上級精霊術ですら乱射可能。V仕様のOVLでなくてもこのレベルなのでヘタしたら無詠唱乱射にはOVLが必要なリタを超えるかもしれない。 あまりにも原作仕様が強すぎるのでこれらのスキルや装備のない外伝系に出演した際はガッカリ仕様になりそうである。 レイズでは1部終章前編でファントムに具現化された特異鏡映点。2部第4章にて牢屋に捕らえられ衰弱が激しかったところを救世軍に救出された。年長者キャラの宿命か、TOXのパーティメンバーでは加入は一番最後に回された。イベント「ティル・ナ・ノーグ バレンタイン ありのままの気持ち」では女性陣の相談に乗り、誰よりもたくさんのチョコをもらっていた食わせ者。ホワイトデーイベントに続く…と匂わせているので参戦は早くてホワイトデーイベントか。そして予告通りホワイトデーイベントで参戦。これでアビス、ベルセリア、ファンタジアに続き4作目の全PTキャラ参戦となる。 + X版ネタバレ クレインが捕らえられたことでナハティガルと向き合うことを決意する。 元ラ・シュガル軍の参謀総長「指揮者(コンダクター)イルベルト」。教科書に載るレベルの偉人で、生ける伝説。指揮者のごとく芸術的な采配で、同時に攻め込んできた三ヵ国の軍をたった一日で連続撃破した「風霊盛節(オラージュ)の奇跡」が今のラ・シュガルが成立する転機になったという。また、ファイザバード会戦を除いて彼の率いた戦は常勝だったという。 技や台詞に音楽関係の言葉が多いのも指揮者と呼ばれる所以だろう。ただし、本人いわく音符は読めないらしい。そして楽器も全く弾けない。調律のリズムの正体は夏祭りの踊りの音楽だとかじーさん…。音楽用語を適切に使ってるあたり、お得意のジョークの可能性もあるが…ジョークっつーか、いかにもな音楽に合わせてるとかだといい年こいて厨二病だからね。 ちなみにイルベルト家も六家の一つ、ラ・シュガルでもかなりの地位を持つ高級貴族だった。ちなみに分家の出身。TOX2の設定資料集によるとミドルネームの「J」は「ジェイド」らしい…。というわけで死霊使いジェイド、ヒスイと来て三人目の「翡翠」を意味する名前を持つキャラになった。なお、X2ではジェイドは「聖なる剣」を意味するらしい。 20年前にファイザバード会戦で恋人のキャリーを筆頭に多くの部下を死なせたことに責任を感じて引退した。厳密にはナハティガルが「六家の粛正」を行った5年前に退役してリーゼ・マクシアを彷徨い、2年前にシャール家に執事として迎え入れられた。ファイザバード会戦から退役までの15年間は何をしていたのか…?ちなみに本編の2年前というとちょうどシュレイズ島で四象刃とガイアスがラ・シュガル軍特殊部隊120名を全滅させた時期と同じである。 そのため津波にトラウマがあるはずなのに奥義はタイダルウェイブ…術のメイン属性も水だったりする。正確には後、地属性とこれらの複合属性(氷)もだが 恋人のキャリーはナハティガルの妹。実は津波によりエレンピオスに漂着して生存しており、記憶をなくし、一児の母親になっている。ちなみに、娘の名前はレム。他作品の光の大晶霊(精霊)じゃないっすか 最終的に記憶を取り戻したような節も見られる。最後に見送るローエンの背中が哀愁を漂わせる。 クレインを殺したボウガンや矢を考案したのも彼。 本人曰く指揮者(コンダクター)とは華麗にツッコミを引き出す者。つまりボケ担当 ナハティガルとはかつて軍で友情を誓い合った仲。その関係でナハティガルだけはローエンとキャリーの恋を応援していた。ナハティガルがキャリーの死から独裁者への道を歩むのを止められなかったことを内心悔やんでいる。敵国の軍師である関係だけでなく、「ナハティガルを止める道を選ばず逃げ出した」としてウィンガルから一方的に敵視されている。 現役時代は武闘派で、常に軍のナンバー2キープだったという。1はおそらくナハティガル。精霊術は「2、30年ほど」訓練して身につけたものらしい。 昔「くるおしき愛の叫び」という恥ずかしい詩集を作ったことがある。その詩集は現在ドロッセルの元に。TOZのラウドテブル王宮客間にも何故か同じ題名の本が。出版されたんだろうか…? 本人いわく料理が趣味。ただし食材や調味料はこだわって栽培から始まり、調理もひたすらこだわってしまうため一度も完成したことが無い。この逸話はお得意のジョークの可能性もある。設定資料集では料理の腕前はローエン ジュード レイア アルヴィン エリーゼ ミラ(アルヴィン以下三人は似たり寄ったり)とあるのでジョークだろう。TOX2ではローエン ルドガー 分史ミラ ジュード レイア アルヴィン エリーゼ 正史ミラ(アルヴィン以下三人は似たり寄ったり)となっている。 ED後は軍に復帰、ガイアスと共にリーゼ・マクシアとエレンピオスの共存を目指す。こうなったのはウィンガルからガイアスの補佐を託されたから。続編ではリーゼ・マクシアの宰相になっているが普通に仲間になるようだ。これは両世界の問題になるような異常事態が起こって同行するフラグか? X2では ネタバレ を務めてエレンピオスとの交渉役となっているが、反対派からは憎悪されている。服装が執事服からスーツと微妙な変化をして、エレンピオスの服飾にあっている。メガネも追加されている。とうとう老眼に?…と見せかけて近眼用らしい。「気力が充実し、視力も若返っている」と書かれている。 GHSも所持している模様。しかもメール返信の際の打ち込み速度が、エル曰く「めっちゃ速ー!?」の使いこなしぶり。ジジイ速い。 スキル「セカンドダッシュ」を付けると、ダッシュモーションが優雅な高速スキップへと変化する。ブレーキモーションは未装備時と同じ足ブレーキ。(ブレーキモーションが回転のミュゼを除いて「セカンドダッシュ」装備時でも同じ足ブレーキは彼だけ) 公式のミスでアルヴィンの説明と混ざったことがある。 「2」追加の体育会系部活コス…もとい、スポーツコスは流鏑馬の射手衣装。何気に渋い。 X2版発売前に判明した術技武身技 プレリュード、ソーンラプソディ、セヴァードフェイト、モータルクレッシェンド、フリットカプリッツォフリットカプリッツォは前作のイベントで使用していた紙飛行機を形成して突撃する技。疾風怒濤みたいな性能? 精霊術:ファイアボール、ロックトライ、ブルースフィア 共鳴術技:フューリーストーム、ベルベティスラッシュ、ウィナーズワルツ今のところ判明しているX2からの新術技は武身技のみ。結局精霊術の追加はなし。その代わりに武身技が大量に増えた。 GHSの待ち受け画像は盆栽。 + X2版ネタバレ 分史世界にて断界殻を解いたせいでアルクノアによるカラハ・シャール強襲でエリーゼ、ガイアス、ドロッセルが殺された場合のローエンが登場する。両国の友好を推し進めるローエンと親しいものが皆殺しにされエレンピオス人を皆殺ししようとする復讐の鬼になっている。時歪の因子の禍々しい演出もありなかなか怖い。エレンピオス人を1000人以上殺した「白髪鬼」と恐れられておりルドガーとエルがエレンピオス人であることを見抜き殺そうと襲い掛かってくる。 前作の設定ではリリアルオーブなしでもチートな強さであるガイアスはともかく、他はありえない未来でもないという辺りも怖いところ。イベント直後に本物が登場するが本物が穏やかな人である分ギャップがすごい。また、この分史世界のローエンの恰好は前作のコスチュームとなっている。 作中でヴィクトルと大立ち回りを見せる。ミラとジュードは二人で掛かっても反撃されてしまったが、ローエンは一人ながらヴィクトルを押している。若き日は武闘派だったというだけあって本気のジジイはかなり強い。「娘の愛情を弄ぶとは!」という怒りの咆哮が印象的。愛する女性と生き別れになり、子を持つことを許されなかった心優しきロマンスグレーの心からの叫び。 さらにバッドエンドルートでは骸殻ルドガーとやりあう。63歳にして片手でバク転までする。ジジイ強い。最終的には殺害されるが…… キャラクターエピソードでは二カ国間の交渉問題がメインとなり、反対派に命を狙われたりする。ちなみにエレンピオスのマルシア首相とは同じ文学が好きという事から交流を深めている。キャラクターエピソード1ではローエンのナンパの巧さを垣間見ることができる。若い頃(キャリーと婚約前)はさぞブイブイ言わせてたんだろうなあ・・・。 分史世界では賢王となっていたナハティガルと再会し話し合ったことで、自分のするべきことに覚悟を決める。その後すぐにドロッセルの家から事前に書いていたローエンの遺書が発見される。その後誘拐されるもルドガーに居場所を知らせる鉱石を渡していたりと用意周到な面でピンチを切り抜ける。遺書も事前に書いていたものの、まだやるべきことがあるから死ぬ気はないと公言していた。 前作で若き日の彼が書いた幻の戦術書「縦横兵略」の限定品付録にして黒歴史「くるおしき愛の叫び」は妙に人気があり、クランスピア社で愛読しているエージェントやローエンがナハティガルに仕えていた場合の分史世界でローエンの部下が愛読している。ローエンの部下が「再び世に出しましょう!」と熱弁してローエンに断られているとか。…どんな「暑苦しくて青臭い」詩集なのだろうか? エルエンディングの後日談(おそらく10年後)もしっかり生きており、エルが見ているGHSの「第一回リーゼ・マクシア国民議会開設」の写真でガイアスと一緒に写っている。ガイアスが議長でローエンが筆頭議員…この二人の後釜はさぞ二人と比較されプレッシャーがキツイであろう…。 タイムカプセルで「10年後には私は…」というフリがあったので死亡すると予想していた人も多かったが、ハズレ。ルドガー(もしくはエル)の死亡フラグだとはその時誰が予想できただろうか。ローエンがX2で63歳という事で寿命を気にしていた問題は杞憂に終わったが、ローエンのイラストを担当したいのまたむつみ氏は2024/3/10に63歳でご逝去された。どんなに時代が進んで医学が発達しても60代に入ると一応の覚悟を決めておくべきなんでしょうね。
https://w.atwiki.jp/jfsdf/pages/1569.html
1485年(1945年)12月9日 午前4時 シギアル沖北東312マイル地点 北洋の海は、本格化した冬によって氷点下近くにまで達していた。 海上をなびく風は弱く無く、波は風に煽られてやや高くなっている。 時折ふぶく突風は、極低温にまで達した冷たい海水を宙高く吹き散らしていく。 そこを、唐突に現れた巨大な物体が腹に応える音を立てながら、鋭い切っ先で冷たい海水を難無くかき分けていく。 物体はその巨体を上下させながら、早いスピードで海上を驀進していく。 真っ平らな甲板に、中央部に纏まった艦上構造物を持つ物体…… もとい、第3艦隊旗艦である正規空母エンタープライズは、周囲の正規空母、護衛艦艇群を率いながら、北洋の海を一路、 西に向かって進み続けていた。 夜闇に包まれた、殺風景な外界から離れたエンタープライズ艦内の一室。 同艦の奥深くにある調理室では、艦橋や艦の張り出し通路で防寒服を着ながら当直任務を行う水兵とは打って変わった光景が 繰り広げられていた。 「チーフ!間もなく最初の奴がアガリます!」 「OK!すぐに第2陣を突っ込めよ!!」 ブリック・サムナー1等兵曹は、部下に指示を飛ばしながら、眼前にある鍋をレードル(お玉)で掻き回していた。 調理室内には熱気が籠っており、サムナーを始めとする炊事兵達は汗みずくとなりながら、朝食作りに没頭している。 エンタープライズの乗員数は、空母航空団のパイロット等も含めて計2800名以上に上るため、朝食を作るだけでもかなりの重労働である。 しかし、そこは場数を踏んでいる事もあり、サムナー兵曹ら炊事兵達は、慣れた手つきで調理を続けている。 調理室内には、一種の刺激臭のような匂いが立ち込め始めていたが、彼らは別に気にする事もない。 サムナー兵曹は無言で掻き回していたレードルを上げ、小皿に少量を付け、それを口に入れた。 「ふむ……いい出来だ」 サムナーは味に満足しながら、再び鍋を掻き回していく。 調理室内はしばしの間静かだったが、別の炊事兵が油の入った大鍋に、何かを続々と入れていく。 直後に、油がはぜる音が鳴って、室内が再び喧騒に包まれた。 「チーフ!ライスが炊けました!」 サムナーは別の部下からそう伝えられると、彼はその部下に顔を向けてから新たな指示を飛ばし始める。 「ようし、後はいつも通りの要領で頼む。本命も丁度出来上がった。後は……」 そこへ、スピーカーから総員起床の号令が流れ始めた。 艦内アナウンスを聞いたサムナーはニヤリと笑ってから、続きを口にする。 「ヴィクトリーを、腹を空かした皆さん方に召し上がって貰おう。本物のヴィクトリー(勝利)を得て貰うためにもな」 午前4時30分 エンタープライズ艦内士官食堂 エンタープライズでは、午前4時20分に総員起こしの号令がかかり、当直員以外の、眠りに付いていた将兵全員がベッドから飛び起きた。 午前4時30分には幾分早い朝食の支度が艦内の食堂で整えられつつあり、ある士官食堂内でもその準備は着々と進んでいた。 第3艦隊司令長官ウィリアム・ハルゼー大将は、エンタープライズの艦橋で、第3艦隊司令部幕僚達と朝の挨拶を交わした後、 軽い冗談を吐きつつ、朝食を摂るために士官食堂に足を運んだ。 先頭を進んでいた第3艦隊作戦参謀、ラルフ・ウィルソン大佐がドアをノックしてから開く。 室内で準備していた主計兵達は、彼らが入室すると一斉に直立不動の態勢を取った。 「おはよう諸君」 「おはようございます!」 ウィルソン大佐の挨拶に、主計兵達を代表して1等兵曹の階級章を付けた下士官が返答する。 「諸君、続けていいぞ」 ウィルソン大佐がそう言うと、1等兵曹はやや頷き、部下の主計兵達に目配せしてから作業を続けさせた。 司令部の幕僚達がテーブルの側に用意された席に付くと、主計兵達は置かれた皿に朝食を盛りつけ始めた。 「ほう。今日はヴィクトリーカレーか」 ハルゼーは、目の前に置かれた朝食を見るなり、上機嫌な声で主計兵に話しかけた。 「はっ。自分達が気合を入れて作ったカレーであります」 その若い白人主計兵は自信満々といった表情を浮かべながら、ハルゼーにそう答えた。 「ふむ……サムナー兵曹もすっかり成長した物だな」 名前を呼ばれた1等兵曹……サムナー1等兵曹は、ハルゼーに体を向けた。 「長官。お褒めの言葉、ありがとうございます」 「君の発案したカレーライスは、今や合衆国海軍にとって必要不可欠な物となりつつある。今や、このヴィクトリーカレーは、 このエンタープライズのみならず、第3艦隊の艦艇全ての食堂で、将兵達の腹を満たしつつあるだろう」 この時、ちょうど司令部幕僚全員への配膳が終わった。 ハルゼーは、スプーンにライスとカレーを乗せ、それを口元まで近付けてから止めた。 「諸君。このヴィクトリーカレーのように、我々は勝ち取ろうではないか。来たる、今日の勝利(ヴィクトリー)をな!」 彼は快活な声でそう言い放った後、スプーンを口に入れた。 カレー独特のツンとした味わいが広がる。それは咀嚼するごとにより深みを増し、白いライスがその辛さと見事に調和する。 空調が効いているとはいえ、冬の冷気に幾分冷やされていた室内が、ほんのりと暖かくなったようにも感じられた。 「うむ、やはり美味い!」 「ええ。これぞまさにカレーライス。頭の中の眠気も打ち消してくれますな」 参謀長のロバート・カーニー中将も口元に笑みを浮かべながらハルゼーに言う。 「このフライされた豚肉も美味いぞ」 ハルゼーはスプーンで切ったカツを頬張りながらカーニーに返す。 揚げた豚肉……日系人からはカツと呼ばれる揚げ物もカレールーとライスに絶妙にマッチしており、口の中で感じる程良い柔らかさと サクサクとした食感は、誰が食べても満足できる美味さであった。 「朝から食べるヴィクトリーカレーか……いやぁ、この艦に乗れて本当に良かったと思いますね」 やや場違いな声音で言う若い青年の声に、ハルゼーも深く頷く。 「うむ。俺もそう思うぞ。ラウスも幸せ物だな!」 第3艦隊魔道参謀としてバルランド軍より派遣されたラウス・クレーゲル少佐は、ハルゼーに言われるなり、まんざらでもなさそうに頭を掻いた。 「しかし。よく実行できましたな……出撃前のカツカレー」 航空参謀のホレスト・モルン大佐は、冷静な声音でハルゼーに言う。 「それほど。各艦の料理長も勝利を掴んでほしいと思っているのだよ。じゃなけりゃ、大は戦艦、空母から、小は駆逐艦まで…… 103人の料理長が集まって計画する事は無かった筈さ」 「個人的には、カレーの知識も多く有している元英海軍艦の料理長達までもが、サムナー兵曹と接触している事に驚いております。 彼らはなかなかプライドが高い筈ですが……」 「サムナー兵曹の料理のセンスはかなりの物らしい。彼らも、サムナー兵曹の腕前に興味があったのだろう」 モルン大佐に対して、ハルゼーはそう答えながら、再び食を進める。 「……予定通り行けば、あと1時間後には第1次攻撃隊の発艦が始まりますな」 「ああ……遂に始まるぞ」 ハルゼーは言葉を区切り、残ったカツカレーを完食すると、幕僚達を見回しながらゆっくりと喋り始めた。 「第3艦隊にとって。そして、シホット共にとって、最も長い1日が」 午前4時50分 空母エンタープライズ艦内 搭乗員待機室 エンタープライズ戦闘機隊の中隊長を務めるリンゲ・レイノルズ大尉は、部下の戦闘機パイロットと共にブリーフィングルームに入室し、 席に座ってから5分ほど経った時、室内に飛行長が入室して来るのを確認した。 「おい、飛行長だ」 彼は、それまで雑談を交わしていた部下にそう言うと同時に、最前列で待っていたエンタープライズ攻撃機隊(VA-6)指揮官 ユージン・リンゼイ中佐が口を開く。 「起立!」 室内に居た搭乗員全員が立ち上がる。 飛行長のダニエル・スミス中佐が地図の掲げられた壁の前で足を止め、流れる動きで体の向きをパイロット達に向ける。 「諸君、楽にしていい」 「着席」 スミス中佐は両手で座る様に促し、リンゼイ中佐の指示でパイロット達は席に座った。 「諸君。朝一のヴィクトリーカレーは余程美味かったようだな。皆の顔色がこれまでにない程、良いように見えるぞ。 ならば、いいメシを食った後は、いい仕事をしてもらうとしよう」 軽いジョークが室内に響き渡ると、パイロット達は一様に小さく笑い声を上げた。 スミスもそれにつられて微笑むが、すぐに真顔になる。 「……レーフェイル大陸沿岸で行われた猛訓練の成果を、遂に発揮する時が来た」 スミスは指示棒を持つと、背後に掲げられている地図の一点を、先端で突いた。 「本日早朝を持って、我がエンタープライズ航空群は、他の母艦航空隊と共同で、シホールアンル帝国首都ウェルバンル、並びに、 同地の東20マイルにあるシギアル軍港に攻撃を行う。第1次攻撃隊は、今より20分後の午前5時10分に発艦を開始する」 スミスは指示棒の先端を敵地から、味方機動部隊の位置までなぞらせた。 「味方艦隊から敵地までは300マイルだ。道中、シギアルから50マイル圏内に居る敵の洋上監視艇に攻撃隊は発見されるが、 首都に侵入しているミスリアルの魔道士が通信妨害魔法を使って首都近辺、並びにシギアル港周辺の魔法通信を一定時間遮断するため、 奇襲はまず成功するだろう」 スミスは顔を地図からパイロット達に向ける。 「つまり、第1次攻撃隊は、首都やシギアル周辺に点在する敵ワイバーン群の迎撃を気にせずに攻撃できるという訳だ」 彼は一呼吸置き、再び地図に顔を向け直す。 「現在、シギアル港には、旧式戦艦を初めとする多数の敵艦船が停泊していると思われる。また、敵航空部隊は、シギアル港周辺だけでも 300以上、首都近辺には100以上が確認されており、通常の強襲なら、まずこの400近い敵ワイバーン集団の迎撃を受けた事に なったであろう。だが、先も言った通り、敵の魔法通信は、首都に潜んでいる味方が遮断してくれるから、敵の迎撃を受ける心配はほぼ無い。 むしろ、敵騎が地上に居る所を、戦闘機隊、爆撃隊の銃爆撃で一挙に殲滅する事が出来るだろう」 スミスは指示棒を下げ、パイロット達に姿勢を向ける。 「以上の説明からして、第1次攻撃隊の主目標は敵ワイバーン基地並びに、地上で待機している敵航空戦力の覆滅。並びに、軍港に停泊している 在泊艦船の撃破となる。攻撃方法は、訓練と全く同じである。いつも通り、しっかりとやってくれ。私からの説明は以上だが……何か質問は?」 スミスの問いに、リンゲは真っ先に手を上げた。 「レイノルズ大尉。何かね?」 「はっ、1つだけ確認いたします」 席を立ったレイノルズは、懸念していた事を問い質す。 「もし、首都の味方が敵の魔法通信妨害に失敗した場合、第1次攻撃隊は最初から、緊急発進した敵ワイバーン隊とぶつかる事になります。 そうなりますと、戦闘機隊はまだしも、護衛する攻撃機隊が危険に晒される恐れがあります。そのような事態に至った場合、艦隊司令部は どのような対応をお考えでありますか?」 「それを今から説明する所だ」 スミスは淀みない口調で説明を始めた。 「今回、我が艦隊は3つのカテゴリーに沿って行動する事になる。まず、カテゴリーAは第1次攻撃隊の奇襲に成功した時だ。この場合、 第3艦隊は航空隊の反復攻撃をもって、シギアル、ウェルバンルの重要拠点並びに、在泊艦船を撃滅する。次に、カテゴリーBだが、 これは首都の魔法通信遮断作戦が失敗した場合、第1次攻撃隊は進撃途上中なら攻撃隊を分離し、第2次攻撃隊の戦闘機隊と合同して ファイターズ・スイープを挑み、以降は強襲を行う。そして、敵戦力の覆滅が可能ならば攻撃を続行し、損害が大きければ攻撃を中止し、 戦艦を主力とする水上砲戦部隊を編成し、突入させてシギアル港の破壊を試みる予定だ」 「戦艦部隊を突入させるのか……」 誰かが唖然とした口調で呟くのが聞こえた。 「最後のカテゴリーCだが……これは敵側に、こちらの意図を完全に察知され、港の敵艦隊が既に脱出し、迎撃態勢を整えられている事を 想定している。この場合、攻撃は一時中止し、攻撃隊の編成を見直して爆撃を行うか、または中止して反転するかを司令部が判断する。 言うなれば、このカテゴリーCが最悪の事態を想定したものになる」 「最後はハルゼー長官の判断次第……という事ですな?」 「そうなるな」 リンゲの問いに、スミスは深く頷いた。 「まぁ、ウェルバンルに潜入している味方は相当に優秀だと聞いている。上手くやってくれるだろう」 スミスは安心させるかのような口ぶりでパイロット達にそう言い放った。 「他に質問はあるかね?」 スミスはパイロット達を見回しながらそう尋ねるが、リンゲの他に質問をする者は居なかった。 「よろしい。では」 スミスは幸運を祈ると言おうとしたが、唐突にブザー音が鳴り響いた。 「お……何だ?」 リンゲは首をかしげながら、室内に設置されているスピーカーに目を向けた。 「……おはよう諸君」 スピーカーから声が流れてきた。その声の主は……第3艦隊司令長官、ウィリアム・ハルゼー大将のものだ。 「今日……遂に敵の本拠地を攻撃する時がやってきた。諸君らは、今日のために厳しい訓練によく耐えてきた。諸君らの頑張りは とても素晴らしい物があり、その練度は、間違い無く……世界最強に相応しい物であると私は信じている。そこで、私は…… 諸君らに簡潔ながらも、命令を伝えようと思う。命令は3つ」 スピーカーから流れてきた声が、ぱたりと止まった。 すぐに言葉が流れると思われたが……5秒ほど間を置いてもハルゼーは言葉を放たない。 10秒程経過しても同じだ。 (……長官は何が言いたいんだ?) 誰もがそう思い始めたとき、ハルゼーは唐突に命令を発した。 「1、攻撃せよ!2、更に攻撃せよ!そして3……目標に休む暇を与えず、激しく攻撃せよ!」 ハルゼーの怒声めいた命令が発せられるや、誰もが目を瞬きさせる。 「もう1度言う……攻撃せよ!攻撃せよ!ただひたすらに攻撃せよ!!」 ハルゼーの強い声音が、全艦隊に響き渡った。 しばしの間、室内はシーンと静まり返っていた。 「以上だ。それでは……この作戦に従事する全将兵の幸運を祈る!」 直後、ハルゼーの放送が終わった。 その瞬間、室内では爆発的な歓声が沸き起こった。 「OK!首都に居座るシホット共にきつい目覚まし時計をプレゼントしてやろうぜ!」 「ああ!それもとびっきり強力な奴をな!!」 誰もが顔を上気させ、現地での活躍を誓い合った。 「士気も上がったところで、ブリーフィングを終了する。諸君、必ず……帰還せよ。これは命令だ!分かったな!」 スミスの言葉に、歓声を上げていたパイロット達は体をスミスに向け、姿勢を直立させてから一様に敬礼を送った。 スミスは軽く敬礼を返してから室内から退出する。 その直後、搭乗員出撃準備のブザーが鳴り始め、パイロット達は次々と室内に飛び出し、飛行甲板へと駆け出して行った。 エンタープライズの艦橋では、マイクを置いたハルゼーが自慢気な表情でラウスに問いかけていた。 「どうだ。なかなかの名演説だったろう?」 「はは……これぞハルゼー提督だと思いましたね」 ラウスは苦笑を浮かべながら答える。周りにいた参謀達も一様に微笑していた。 「ところで……首都にいるお仲間から何か連絡が入ったようだな」 ハルゼーは全艦隊へメッセージを送っている最中に、隣にいたラウスが一瞬、片手で頭を抑えながら離れていったのを見ていた。 「ええ。首都の工作班からは準備完了との報告が入りました」 「ふむ……では、出撃準備を終えるだけだな」 ハルゼーは頷くと、ゆっくりとした足取りで艦橋の張り出し通路に向かった。 通路に出ると、そこからは飛行甲板が一望できた。 まだ夜も明けきらぬ中、整備員が所々で照らされるライトの明かりを頼りに、出撃前の最終チェックを行っている。 そこに、発艦準備に取り掛かる攻撃隊パイロットが自らの愛機に駆け寄っていく様が見て取れる。 様々な色の服を着た整備員達は、甲板のあちこちで入念な準備を進めていく。 操縦席で最後の調整に当たっていた整備員は、パイロットが近付くなり機体の状況を一通り説明しつつ、最後の点検を順次終えていく。 コクピットに座っていた機付き整備員も、パイロットに愛機を引き渡すため、手慣れた動きでコクピットから出て、パイロットが入れ 替わりにコクピットに入っていく。 エンタープライズの飛行甲板には、弾薬を搭載し、暖機運転を終えたF8Fベアキャット24機、AD-1スカイレイダー24機が翼を 折り畳んだ状態で駐機している。 エンタープライズの第1次攻撃隊はこの48機で構成される事になっている。 エンタープライズの左隣800メートルを航行する空母ヨークタウンも、F8F、AD-1計48機、それに加えて、誘導役のS1Aハイライダー1機が 攻撃隊の出撃に先駆けて発艦する予定だ。 この他にも、空母ワスプからはF8F16機、AD-1A16機、軽空母フェイトからはF8F8機、AD-1A10機が発艦する。 TG38.1だけで、実に147機もの艦載機が、一路、敵首都攻撃に向けて発艦するのである。 これはTG38.1だけの数字であり、TG38.2、TG38.3の攻撃隊も加えれば、その数はかなりの物になる。 そして、第1次攻撃隊の発艦が終えてから1時間以内には、TG38.2の艦載機も含んだ第2次攻撃隊が発艦する予定であり、 これらも含めると、総勢700機以上もの大攻撃隊が敵の牙城ともいうべきウェルバンル……そして、シギアル軍港に襲い掛かることになるのだ。 「さすがに、真っ暗闇だな。ここからの見栄えも宜しくないもんだ」 「日没まで時間がありますからねぇ。あと、風が強くて寒いっすわ」 ハルゼーは手すりに手を置きながら、隣のラウスに語りかける。 対するラウスも、いつもののんびり口調で彼に答えた。 「防寒服越しでも冷たい風が伝わるな。それに加えて……波もやたらに高い。発艦作業を行うには少し厳しい環境だな」 ハルゼーは快活そうな声音で言いつつも、心中では海上の荒れ具合が気になっていた。 第3艦隊の各艦は、現在、北太平洋の荒れた波の中を時速24ノットで航行を続けている。 発艦時になると、各艦は時速28ノットから30ノットまで速度を上げるため、自然と艦の動揺も大きくなってくる。 今の波の状態なら、なんとか発艦は可能であるが、これ以上に大きくなると艦載機は発艦できないかもしれない。 「気象班の予報では、午前5時頃には天候は回復し、海上の波も穏やかになるようだが……果たして、そうなるかな」 ハルゼーが眉を顰めながらそう呟いた時、ひと際大きな波がエンタープライズの艦首に踏み潰され、ドーンというやや大きな動揺と共に 飛行甲板最前部が海水で洗われた。 これと同様の光景は、第3艦隊のあちこちで見られており、エンタープライズの右舷側斜めを航行する戦艦アイオワなどは、艦首付近が海水に 覆われて派手に水しぶきを上げる程であった。 ハルゼーは無言のまま、その場で発艦の機会が巡るのを待ち続けた。 午前5時10分になると、幾らか艦の動揺が収まってきたように思えた。 「お……これは、予報通りになるか?」 「ほんの少しですが、揺れが小さくなってますね」 「ラウスもそう感じるか」 ハルゼーはニヤリと笑いながら、心中では予報官の正確な天候予測に賛辞を送っていた。 午前5時20分には艦の揺れも更に収まり、今では全速航行しても発艦可能なレベルになっていた。 この時、飛行甲板で駐機していた第1次攻撃隊参加機が一斉にエンジンを始動し始めた。 第1次攻撃隊の参加機には、消火器を持った甲板要員が1人ずつ待機していたが、特に異常がないことを確認すると、即座に離れ始める。 総計48機もの艦載機が発するエンジン音は凄まじい。 その轟音はまるで、獲物を前にした巨獣があげる雄叫びのようにも聞こえた。 「長官、TG38.1司令部より通信。発艦準備完了!続いて、TG38.2、TG38.3司令部よりも発艦準備完了の報告が 届いております」 航空参謀のモルン大佐が報告を伝えてきた。 「……よろしい」 ハルゼーは深く頷くと、張りのある声音で待望の命令を発した。 「命令を伝える。攻撃隊、発艦開始せよ!」 命令が発せられたあと、TG38.1、TG38.2、TG38.3の各艦が群旗艦からの命令を受け取り、その後、一斉に風上に 艦首を向けていく。 大小さまざまな艦が一斉回頭していく様はとても見応えがあり、各艦のレーダー員は平静さを装いながらも、心中では見事な艦隊運動を 誇らしげな気持ちで見つめていた。 エンタープライズは、僚艦であるヨークタウン、ワスプ、軽空母フェイト、戦艦アイオワを始めとする護衛艦群を従えながら、輪形陣を 組んだまま、風上に向けて鮮やかな転舵を終えた。 飛行甲板最前部から強い風が流れる。艦の速力は30ノットを超えており、発艦に必要な合成風力を得ていた。 エンタープライズ所属の第1次攻撃隊参加機は、最前列のF8Fから次々と車輪止めが取り払われ、まずは1番機がやや前方に出て 発艦指示を待つ。 リンゲ・レイノルズ大尉は、コクピットの風防ガラスを開け、艦橋の発着艦シグナルを見つめ続ける。 赤色のライトが緑に変われば、発艦始めの合図だ。 視線を前方下方に向けると、旗を持った甲板要員が旗を掲げたままその時を待っていた。 「いよいよか……」 リンゲはそう呟いた後、固く口を閉じて発着艦シグナルが変わるのを待つ。 程なくして、ライトが赤から緑に変わった。 次いで、甲板要員に視線を移すと、甲板要員も旗を振った。 「行くぞ!」 リンゲは意を決したように呟き、エンジンの出力を上げ、ブレーキを解除する。 機首の大馬力エンジンは愛機をぐんぐんと前方に引っ張り、滑走開始からそう間を置かぬうちに機体の尾部が浮き上がった。 弾薬と燃料を満載にした上に、胴体には増槽タンクを付けて重くなっている機体だが、機体全体の重量はF6Fよりも軽いため、 さほど重々しさを感じる事はなかった。 ベアキャットは轟音を上げながらエンタープライズの甲板を駆け抜け、甲板最前部を走り終える前に機体は完全に浮き上がった。 愛機は母艦を飛び立った後、最初の旋回上昇に入り始めた。 「1番機が鮮やかに発艦していきましたね」 ラウスは、第1次攻撃隊1番機の発艦風景を見据えた後、感心した口ぶりでハルゼーに話しかけた。 「うむ。誰が見ても心地良いほどの発艦だったな」 ハルゼーは笑みを浮かべながら、何度も頷いた。 続いて2番機、3番機と、次々と発艦を終えていく。 この時、空にはいつの間にか朝焼けの光が見え始めていた。 「長官。夜明けですな」 参謀長のカーニー中将が東の方向を指さしながらハルゼーに言う。 「ワオ……予想以上に速い夜明けだな。気象班の知らせでは、夜明けは6時から7時半あたりだと聞いていたがな」 「これが例の、早明けというやつでしょう。この世界特有の……」 その言葉を聞いたハルゼーは、一瞬首をかしげつつ、発艦の状況と明るみ始めた東の空を交互に見やった。 そして、彼は再び笑みを浮かべた。 「何度も見てきた風景だが……どうしてどうして……今日は特にいい風景に見えるな」 ハルゼーがカーニーと会話を重ねている間にも、艦載機の発艦は順調に推移していく。 最後のF8Fが飛行甲板から飛び立った後、今度はAD-1の発艦する番となった。 ベアキャットよりも馬力の大きい(B-29が搭載しているエンジンとほぼ同じである)エンジンは凄まじいまでに唸りを上げている。 甲板要員がフラッグを振るや、そのエンジン音が更に木霊する。 魚雷2本を抱えたスカイレイダーは、その重装備も何のそのといった動きで順調に滑走し、飛行甲板最前部を蹴ると、最初はやや機体を沈み 込ませつつも、順調に高度を稼いでいった。 エンタープライズ所属の第1次攻撃隊は、24機のスカイレイダーのうち、半数ずつを雷撃チームと爆撃チームに分けている。 12機の雷撃チームが発艦を終えると、今度は爆撃チームの出番となった。 爆撃チームは、胴体、並びに主翼に計3発の1000ポンド爆弾を抱いており、これもまた重武装である。 爆撃チームも雷撃チーム同様、大馬力エンジンをがなり立てながら発艦していく。 その頃には、東の空も更に赤みが増し、幻想的な空間を現出していた。 爆撃隊の3番機が発艦する様子を、艦に搭乗している撮影班が艦橋前側の機銃座付近から撮影していたが、この時の風景は見事なまでに 絵になっており、後の記録映画や戦争映画では、このシーンが頻繁に使われることになるが、それはまだ先の話である。 攻撃機隊の発艦は、朝焼けのグラデージョンが徐々に鮮やかさを増していく中、順調に続けられていく。 6番機の発艦時には、既に編隊を組んでいた艦載機隊が爆音を響かせながらエンタープライズの上空を飛び去り、その下を6番機が 重い3発の爆弾を抱えながら、勇躍出撃していった。 それから程なくして、爆撃チームの最後のスカイレイダーも発艦を終えた。 艦隊上空でTG38.1から飛び立ったF8F、AD-1Aは徐々に編隊を組んでいく。これらの数は計146機にも上り、これにヨークタウンから 発艦したS1Aが誘導に当たる予定だ。 そして、TG38.2、TG38.3からも攻撃隊発艦終了の報告が入った。 「長官、第1次攻撃隊が進撃を開始しました」 カーニー少将が上空を指差しながらハルゼーに伝えた。 上空を見上げたハルゼーは、その壮大な光景に胸が熱くなった。 「ハハ、こいつは壮観だぜ。やはり、訓練で見る大編隊と、実戦で見る大編隊は一味も二味も違うな」 ハルゼーは幾らか張りのある声音で言い放つ。 直後、エンタープライズの上空を幾つもの梯団に分かれた第1次攻撃隊が、朝焼けを背景に堂々たる陣容を見せつけながら通過して行った。 時に1485年……1945年12月9日、午前5時40分の出来事である。 1485年(1945年)12月9日 午前6時20分 シホールアンル帝国首都ウェルバンル その日、シホールアンル帝国皇帝オールフェス・リリスレイは予定よりも早い時間に目が覚めた。 「……ふぅ。目覚めは悪くないな」 彼は、瞼を開けた後にすぅっと眠気が覚めていくのを感じるなり、軽い口調で呟いた。 就寝した時刻は12月9日を迎えてから1時間も経った午前1時頃であり、眠る直前までは、危機的状況に陥っている地上戦の報告を 受けて少なからぬショックを受けていた。 現在、シホールアンル帝国を取り巻く状況は加速度的に悪化している。 海軍はレビリンイクル沖の決戦で大敗し、シェルフィクル工場地帯は砲爆撃によって壊滅状態であり、陸軍は反攻作戦が頓挫し、逆に 反撃部隊が連合軍側の逆襲を受けて、重囲に陥っている有様だ。 偉大なる帝国軍が、悪夢と思い込みたくなる程の大敗を立て続けに起こしている状況は、オールフェス自身に相当なストレスを感じさせていた。 ただ、陸戦に関してはまだ望みが無い訳でもなく、包囲下にある部隊は一応、戦闘力を維持しているため、明日試みる現地での反撃が成功すれば、 まだ救いはある筈である。 それに加え、オールフェスは今日予定されている、ある式典で竣工する兵器に望みをかけていた。 「……手札が残っている事は本当に良い事だ。こんな絶望的な状況でも、心に受けるショックを幾分、和らげてくれるからな」 オールフェスは、陰りのある笑みを浮かべる。 彼は姿勢を起こし、ベッドから起き上がった。 そそくさと着替えを済ませたオールフェスは、普段と変わらぬ足取りで寝室から出て行く。 「おお、これは陛下。おはようございまする」 入り口で侍従長のブラル・マルバとばったり出くわした。 マルバは頓狂な声を上げていた。予定の時間よりも早く起きたオールフェスに驚いているようだ。 「今日は意外と早起きなのですな」 「ああ。気分が悪くなくてな」 オールフェスはそう言ってから、マルバ侍従長の肩を叩いた。 「それでは、予定よりお早めに朝食を摂られますか?」 「いや……予定通りでいい。俺はそれまで、あたりを軽く散歩するよ」 「畏まりました。では、また後ほど……」 マルバ侍従長は恭しく頭を下げると、侍従長室に戻っていった。 侍従長室は、オールフェスの寝室からさほど離れていない場所にある。 中に入ったマルバは、室内で今日の予定を打ち合わせていたメイド長と、2人の主任メイドに顔を合わせる。 「陛下は、今しがた起床された」 「あら…予定より少し早いですね」 メイド長のエンフィ・クレフティムが意外そうな口ぶりで言う。 今年で37歳を迎える彼女は、1年前に退任したメイド長に代わってこの帝国宮殿のメイド長になっている。 彼女自身、17歳からここでメイドとして働くベテランであり、オールフェスの素性も知り尽くしている。 オールフェスはどこか奔放な所があるが、こういった起床時間等は、常に時間通りに動くため、メイドや執事達からは規則正しい一面を 持つ皇帝としても知られている。 「今日は確か、郊外の工場を朝一に視察される予定だ。その工場の視察の内容までは知らされていないが…恐らくは、その視察自体が 陛下自身の心を大きく動かされている物かもしれぬな」 「なるほど…では、今日は陛下も機嫌を良くされるかもしれませんね」 「最近は、あまりよろしくない報ばかりを受けられていたようだからな」 マルバはクレフティムに答えつつ、最近のオールフェスは本当に疲弊していると心中で思っていた。 (アメリカという国が、わが帝国と矛を交えるようになってからという物の、陛下はすっかりお疲れになられてしまった。今年の秋には、 ランフックが連合軍の空襲によって前例の無い惨事に見舞われたが、それ以来、陛下の心身はすっかり衰えられてしまった。今じゃ、陛下の 浮かべる笑顔は昔と違って、無理して作られているものばかりだ……) マルバは、オールフェスを幼少期から見て来たが、ここ数年のオールフェスの変貌ぶりは、明らかに痛々しいと感じる程であった。 しかし……今日は久方ぶりに、愉快そうな表情を浮かべるオールフェスが見られそうである。 「もしかしたら、今日は何かの祝い事が起きるかもしれぬな。メイド長、念のため、昼と晩に用意する食材をいつもよりも多めにしよう。 酒類も余分に出すかもしれないな」 「承知いたしました。朝食に関しては、今準備している分でよろしいですね?」 「うむ。それで良い。お前達も……お昼以降は忙しくなるかもしれぬが、そこは心しておくれよ」 マルバの指示を受け取った2人の主任メイドも、心地よく返事した。 同日 午前6時30分 ウェルバンル東地区 まどろみの中に、見慣れた光景が現れた。 何度も、何度も見た同じ光景…… ひんやりとした古ぼけた部屋。室内には無数ともいえる本が棚に入れられた状態で並ぶ。 狭苦しい部屋にこれでもかと詰められた本の数々は、部屋の主が、魔法に注ぐ並々ならぬ情熱を来訪者に見せつけているかのようだ。 その部屋の真ん中に、ぽつりと置かれたテーブル。その一方にどこか気弱そうな銀髪のダークエルフが座り、こちらを見つめてくる。 「……いいのだな。君は」 傍目から見れば若い青年と言える男は……年齢の割には妙に重々しく、かつ、対峙している者の気持ちを試すかのように問うてきた。 「ええ。現状としては……これが一番ではないでしょうか?」 「はっ!相も変わらず……呑気な口ぶりだな!」 銀髪のダークエルフは、どこか小馬鹿にした口調で彼……レイリー・グリンゲルに向けて言う。 「失敗すれば、確実に死ぬ。そう、君は術式に命を食われてしまうんだ」 「そうですねぇ」 レイリーは腕組したまま、変わらぬ呑気な口調で相手に言葉を返していく。 「ですが、僕はやるつもりですよ」 彼は右手をテーブルに置き、そこに置いていた数枚の紙を相手に寄せていく。 「敵首都に迫る同盟国……アメリカ海軍機動部隊の艦載機を、わが種族最強の魔法を使って援護する……これほど素晴らしい物は無い。 と、私は断言しますね」 「禁呪指定を受けた危険な魔法を使ってでもか?」 「そうです。それに……我々は過去に、シホールアンルに屈辱的とも言える方法で国に攻め込まれ、危うく亡国というところまで 追い詰められた。貴方も最前線に立って戦闘を指揮していたから覚えているはずです」 「無論さ。あの時の恨みは絶対に忘れん……」 相手は、平静さを装いながらも、その口調は明らかに怒気を孕んでいた。 「そしてこうも言いましたね。“もし、アメリカ軍に助太刀できるなら、どんな物を用いてでも必ずやり遂げて見せる……”と」 レイリーは、陽気さを感じさせる笑みを浮かべながら、相手が以前発言した言葉をそのまま言い放つ。 「それでハヴィエナの術を使いたいという訳か。」 「わがミスリアルの中で、上級妨害魔法であるハヴィエナを有しているのは、エスパレイヴァーン族だけです。私は、ハヴィエナが例え、 術者の命を吸い取る禁呪の魔法と言われても、この魔法を使えると自負していますよ」 相手は、ハヴィエナの術式を渡す事に不安を覚えると同時に、躊躇していたが、レイリーはそれと対照的であった。 「……ミスリアル最高の魔法使い、レイリー・グリンゲル。私は王国の至宝とも言える逸材を、禁呪指定された魔法に食わしたくはない。 はっきり言って無茶だ!」 「その無茶は、既に1度経験しましたよ」 レイリーは不敵な笑みを浮かべながら、相手に渡した紙を指差した。 相手は無言のままレイリーを見据えた。 「…………」 「ハルゼー提督率いる第3艦隊の艦載機集団が、無事に帝都に辿り着くには、相手の目と耳を潰すしか方法はありません。そのためにも、 大規模魔法通信妨害魔法……ハヴィエナは必要不可欠です」 「……艦隊の総力だけでウェルバンルやシギアルは叩き潰せるはずだ。敵の主力が、西のシェルフィクルに出向いているのならば、なおの事 可能だと思うが?」 「可能ではあると思います……ですが、首都近郊にはやはり、それなりの戦力を配置するはずです。情報にもある通り、シホールアンルは “出せる限りの航空戦力、艦隊をすべて抽出した”のです。それは即ち、出したくない戦力……首都近郊に有している親衛航空軍団や最低限…… 旧式とはいえ、戦艦を有する有力な艦隊は残しているでしょう。強襲ともなれば……ハルゼー提督の機動部隊は、この敵戦力とまともに かち合う事になります」 「……まともな戦力とぶつかれば、自然に強襲となり、被害もそれなりになる……と言う事だな?」 「その通りです」 レイリーは深く頷いた。 蝋燭の淡い光がレイリーの目を鋭く光らせる。 「故に、この作戦は奇襲として成功させたいのです。そのための」 「こいつ、と言う事だな」 相手はレイリーの言葉を遮る。 そして、机の下から袋を取り出し、それをテーブルに置いた。 「それが……」 「仰せの通りだ。こいつが、ハヴィエナだ」 相手は袋の中から複数の小石と、水晶球を取り出した。 その水晶球は、薄く、淡い水色に覆われていた。 「国王陛下の命令通り、これを君に授けよう」 相手は、先とは違って吹っ切れたような表情を浮かべていた。 「100年前に作られた忌まわしき吸血魔法と言われたこいつだが……君なら、こいつを使いこなしてくれるだろうな」 「族長……いいのですね?」 「いいもなにも、それはもう君の物だ。こいつを使って……」 エスパレイヴァーン族族長、ラムベリ・プラトは語気を強めた。 「連中のやったことをそっくりやり返してくれ。同時に私の怒りも、代わりにぶつけてやってくれよ」 唐突に脳内に通信が入ってきた。 そこで、レイリーは意識を取り戻した。 「……ふぅ」 彼は、額の汗をぬぐいつつ、頭の中に入る通信文を黙読しつつ、その内容を用意した紙に一字一句漏らさずに書き写していく。 やがて、魔法通信の内容全てを書き終えた。 「……第1次攻撃隊、指定地点に到達しつつあり。膜の展開をされたし、か……」 レイリーは、目の前のテーブルに置いた水晶球に視線を送る。 水晶は、元々は薄い水色をした美しい球体であった。 それが、今では赤紫色に染まっている。 「俺の血を吸ったせいか、こいつの魔力もいい具合だ」 彼は呟きながら、水晶に両手をかざした。 深呼吸をした後、レイリーは術式起動の呪文を詠唱し始めた。 「……聖なる物よ、時は来たれり。我は其の物の力を解き放たん……」 水晶から徐々に、淡い赤紫色の光が発せられ、それは刻々と、室内を包み込んでいく。 「邪悪なる術を阻め。そして、忌むべき者たちの自由を奪え。この術式は、唯一無二の聖なる波動となりけり」 体の熱が高まり、先ほど傷つけた右手の傷口から痛みが走る。 伝わる激痛と、体の中を走る熱に苛まれ、レイリーは体から汗を拭き出していく。 「さあ現れよ。そして震えよ。その力を大気に放出し、マナを貪り、忌むべき者達の視覚を奪えよ。忌むべき者達の聴覚を奪えよ」 光が、ドアの隙間から止めどもなく漏れ出した。 「光が……!」 部屋の外からレイリーの術式起動の成功を祈っていた、サミリャ・クサンドゥス中尉は、それを見て思わず驚きの声を漏らす。 「遂に始まったか。果たして……」 隣で見守っていたハヴィス・クシンクもまた、心中でレイリーの魔法式起動を祈っている。 第3艦隊が奇襲を成功させるには、都市部周辺とシギアル港周辺の魔法通信をすべて遮断させる必要がある。 そのため、レイリーは大規模な魔法通信妨害魔法を展開して、敵の目と耳を奪おうとしていた。 だが、準備段階で手違いがあったのか、術式は魔力不足で作動しそうになかった。 レイリーは水晶の魔力を高めるために、自らの血を水晶に塗りたくってようやく、魔法の起動が可能にしたと彼らに伝えていた。 この時、クシンクは妨害魔法の起動が失敗するのでは?という不安を抱いていた。 だが、こうして、地下室で奮闘しているレイリーを目にしている今は、ただひらすら、成功を祈るだけだ。 「頼みましたぜ。レイリーさん……!」 「大気を染めよ……地を染めよ……其の力ですべてを染めよ。そして、マナを塗り替えよ」 歌うような呪文の詠唱はなおも続く。 水晶から発せられる光はさらに明るさを増していく。 レイリーの体は、今や全身から噴き出す汗によってぐっしょりと濡れていた。 体の中に伝わる熱はより多くなり、体の芯がじりじりと焼け切るかのような感触に見舞われる。 視界はふらつき、体はふんわりと宙に浮いているようにも思えたが、彼は何故か、楽し気な表情を浮かべていた。 「スレリナの聖なるマナよ、この地を染め上げたまえ。我の血を捧げる。そして、忌むべき者達のマナを捧げる」 レイリーの声音に変化が生じる。 小声でつぶやくような呪文詠唱が、ここから徐々に大きくなり始めた。 「邪を食らえ。呪を糧にせよ……聖なる力を現わせよ……!」 レイリーは目を閉じる。 この時、首都の周辺や、シギアル港に微かな変化が見られ始めた。 それは、誰にも気づかれない様な物であったが……この時、微かながらも、上空に薄い膜のようなものができていた。 それはほんのりとした淡い青い色で、透明でいて透明ではない。 そんな曖昧な色であった。 「現出せよ……現出せよ……其は阻む物であり、導く物……この地に現れよ!」 レイリーは、閉じていた目を開いた。 「聖なるレイヴァーンよ、力を開放せよ!戦士達の征途を導き、栄光をもたらせ!」 そして、詠唱の最後の部分を読み終え、彼は最後の締めを行った。 「術式……展開」 小声で放たれたその言葉が、全ての始まりとなった。 同日 午前6時35分 シギアル沖北東52マイル地点 空母ヨークタウンを発艦したS1Aハイライダーを操縦する、ジェイド・パステルナーク大尉は、第1次攻撃隊の先導役として攻撃隊の前方 10マイルを時速260マイル(416キロ)で巡航していた時に、それを見つけた。 「……トム!前方で何かが光ってる!」 パステルナーク大尉は後部座席に座るトム・スタッカート兵曹長に向けて頓狂な声を上げた。 「機長!その何かとは何ですか!?」 「光だよ!あそこだ、見えるか?」 スタッカート兵曹長は前方に顔を向け、パステルナーク大尉の指さす方向を凝視した。 最初は雲で見え辛かったものの、やがて、うっすらとだが青く光るものが見えていた。 「もしかしたら、あれが例の妨害工作かもしれんぞ。」 「あそこにシギアル軍港……そして、ウェルバンルがあるという訳ですね。」 「ミーティングで聞いた通りなら、恐らくはそうなるだろうな。」 パステルナーク大尉はそう言いつつ、自分の体が徐々に熱くなるように感じた。 パステルナーク大尉とスタッカート兵曹長は、海戦当初は本国で練習航空隊の教官を務めていたが、44年の初頭から空母フランクリンの 偵察機乗りとして初陣を飾り、45年9月にヨークタウンへ異動となった。 2人はこれまでに数々の作戦に従事し、合衆国最悪の海軍記念日と言われた第1次レビリンイクル沖海戦や、レーミア湾沖海戦といった 戦争の行方を左右する大海戦にも参加した歴戦の偵察機乗りである。 そんなベテランともいえる2人も、このような光景を見るのは生まれて初めてだった。 「攻撃隊の指揮官機に報告しよう」 パステルナークは前方の遠くに見える青白い光を見つめながら、無線機のマイクを手に取った。 「こちらブルームーンより、サンディリーダーへ、聞こえますか!?」 「こちらサンディリーダー。聞こえるぞ、何か見つけたか?」 サンディリーダーこと、エンタープライズ隊指揮官兼第1次攻撃隊指揮官であるユージン・リンゼイ中佐が応答した。 「前方50マイル付近に青白い光のような物が見えます!」 「青白い光か……間違いない、目標だな。」 無線機の向こう側にいるリンゼイ中佐は、そう確信していた。 「ブルームーン、そのまま先導を続けてくれ。攻撃隊も君達に続く」 「アイ・サー。しっかり先導します!」 パステルナークはマイクを置き、巡航速度を保ったまま先導を続けた。 距離が近付くにつれて、その青白い光の形が明らかになってきた。 目標より30マイルまで迫ると、雲はちりぢりとなっており、最初見た時はうっすらと見えるだけだった青白い物は、今や薄く、 淡い青色をした巨大なドーム状の形をしていた。 「なんてこったい……トム、見てるか!」 「えぇ。バッチリ見えてますぜ。こりゃあ……綺麗な物だ」 「まったくだよ」 スタッカートの言う通り、その薄い青白いドームは綺麗な形をしていた。 見る者にとってはどこか、癒されるかのような鮮やかな色をしている。 「マリアの奴に見せたら、あまりの綺麗さに興奮するかもしれんな」 「妹さんはこういった幻想的な光景が好きでしたな」 妹の名前を出したパステルナークに、スタッカートが微笑しながら言ってくる。 「内気なユィーリと違って男勝りな奴だが、こういった光景には目がない奴だ。話に出したら何故写真に撮らなかったのかと、 ぐちぐちと責められるかもしれんね」 パステルナークはおどけながらそう返すが、目線はしきりに周囲に向けられている。 前方はもちろんの事、左右、そして右、斜め後方に直上。 偵察機乗りにとって、周囲の確認は基本動作の1つとなっているが、天敵のワイバーンや敵飛空艇に襲われればひとたまりもないため、 戦闘機乗りと同等か、それ以上に真剣になって安全確認を行う。 過去の戦闘では、敵ワイバーンに不意を食らって、危うく撃墜されかけたこともある。 幸いにも、パステルナークは難を逃れる事ができたが、一歩間違えれば、自分の墓がアーリントン墓地に建てられる所までいったのだ。 例え戦況が有利な時であっても、周囲の警戒は必ず行うのが常であった。 「高度3000、敵の拠点から30マイルという目と鼻の先で飛行しているにもかかわらず、未だに敵ワイバーンの迎撃は無し……か。」 パステルナークは、この時確信していた。 「これは、決まったな。」 同日 午前6時40分 ウェルバンル中心部 海軍総司令部 海軍総司令部内にある仮眠室で睡眠を取っていた、リリスティ・モルクンレル大将は、浅いまどろみの中を唐突に叩き起こされてしまった。 「リリィ!起きて!リリィ!!」 目を開けると、そこには珍しく、慌てた様子のヴィル……海軍総司令部情報参謀を務めるヴィルリエ・フレギル大佐が彼女の胸ぐらを掴んでいた。 「ど…どうしたの、ヴィル…?」 「緊急事態よ!」 リリスティはヴィルリエの切迫した声音を聞くや、瞬時に眠気が覚めた。 「……何が起きたの?」 「魔法通信がいきなり使えなくなった」 「え……それは、どういうこと?」 リリスティは怪訝な表情を浮かべて、ヴィルリエに聞く。 「どうも何も、魔法通信が全く使えなくなったんだ。それも、この建物にいる魔導士全員が!」 「魔導士全員だって!?なんでそんなことが……」 「原因は目下調査中だけど……ついてきて」 ヴィルリエは出口のドアに親指を向けると、ズカズカと足音を立てながら仮眠室から出て行く。 リリスティもベッドから慌てて起き上がり、傍のコートハンガーにかけてあった軍服の上着を羽織りながらヴィルリエの後を追った。 程なくして、窓のそばに立ったヴィルリエは、空を指差した。 「恐らく、原因はアレね」 「……これは!?」 リリスティは、空に広がる薄く、青白い膜のような物を見て驚愕の表情を浮かべた。 「まさか……妨害工作!」 「十中八九そうなるね」 ヴィルリエは断言した。 「あたしの考える限り……これは明らかな魔法通信妨害用の魔法だと思う。それも、大規模の…ね」 「なぜこんな事が!」 「それは、私にもわからない。でも……現実にあの膜みたいな物が現れてから、一切の魔法通信が使えなくなった事は確かだ」 「首都周辺のワイバーン基地にも、シギアル港の艦隊司令部にも連絡は取れないの?」 「ええ。できないね」 ヴィルリエは即答する。 それを聞いたリリスティは、思わずへたり込みそうになったが、意識を強く保つことで何とか踏ん張れた。 「レンス元帥には報告はした?」 「もうとっくにやった。閣下はすぐに、伝令を走らせて連絡を付けろと言われたわ」 「そう……」 リリスティはそう返しつつ、この大規模通信妨害が何を目的に行われたのか思案し始めた。 (しかし、なぜこのような通信妨害が……いつの間にか、首都に敵の工作員が潜入したからこうなってしまったの確か。では、その工作員の 目的は?もしかして、市民を扇動して暴動を始めようとしているのか?) 彼女は最初、首都に潜入した工作員が、ウェルバンルにおいて暴動を発生させて首都を混乱に陥れようとしているのかと考えた。 だが、それはあり得なかった。 現在の体制には、戦争遂行に関する不満はあちこちから出始めているものの、国民の殆どは未だに皇帝、オールフェス・リリスレイに忠誠を 誓っているからだ。 その国民が暴動を起こすなど考えられなかった。 それでは、首都に敵の特殊部隊が潜入し、帝国宮殿を始めとする官庁街の攻撃を企てているのか? このような大規模通信妨害が実行されている以上、確かにあり得そうではあった。 だが、帝国宮殿は、首都付近に駐留する親衛師団が防備しており、官庁街の警備も厚いことで知られている。 敵の特殊部隊が官庁街を攻撃しても、衆寡敵せず、たちどころに反撃されて粉砕されてしまうだろう。 リリスティは頭の中で思案しながら、総司令部内にある作戦室に向かっていく。 作戦室につくと、一足先に入室していたレンス元帥が幕僚達と確認を取り合っていた。 「閣下、おはようございます」 「おはよう次官。見たかね、外の様子を」 レンス元帥は窓を指差しながらリリスティに聞いた。 「は。先ほど確認いたしましたが、どうやらあれが原因で通信魔法が妨害されているようですね」 「恐らくはそうだろうな。あれが唐突に上空に現れてからは、魔法通信が全く使えなくなった。これでは、シギアル港の海軍部隊に 素早く指示を送る事が出来ん」 レンス元帥は、両目の瞼を手で揉みながらリリスティに言う。 「伝令は既に出したようですが……ここからシギアル港までは10ゼルド(30キロ)ありますから、大分時間がかかってしまいますね」 「ああ……全く、酷い物だ」 レンスは深く溜息を吐きつつ、別の幕僚に伝令を呼ばせた。 「伝令、参りました!」 「命令を伝える。今から首都近郊の海軍ワイバーン基地に行き、連絡用のワイバーン1騎を司令部周辺に派遣するように伝えよ。 これは最優先命令だ」 彼は、書き殴った急ごしらえの命令書を伝令に渡し、海軍ワイバーン基地に向かわせた。 伝令が作戦室から飛び出していくのを見つめたレンスは、リリスティに顔を向けた。 「とにもかくも、今は連絡手段の強化に務めるしかない。ワイバーンなら、高速で命令を伝えることが可能だ。魔法通信よりは効率が悪いがな」 「いえ、良い方法だと思われます」 リリスティはレンスの行動を素直に評価した。 元々、レンス元帥は一兵卒から順当に上り詰めた優秀かつ、勇猛果敢な軍人である。 若い頃は前線で活躍を成し、当時の敵対国から「血潮のレンス」、「海の猛獣」と呼ばれるほど恐れられた前線指揮官でもあった。 また、彼はただ勇猛なだけではなく、前線で臨機応変に対応して指揮下の軍を自由自在に操る事もでき、知と武、双方も極めた稀有な存在として 帝国軍でも勇名を轟かせたほどだ。 ここ最近は、打ち続く敗報や本土防衛の重圧によって、心身共に憔悴していたが、昔ながらの的確な指揮ぶりはなおも健在のようだ。 「情報参謀!洋上の監視艇からは、何か報告はなかったか?通信妨害が発生する前に何か不審な物を発見した、とか」 「残念ながら、そのような情報は入っておりませんでした」 ヴィルリエがそう答えると、レンスは唸りながら、机に広げた地図を見据える。 地図には、ウェルバンルと、その東12ゼルド(36キロ)にあるシギアル港、そして、東に広がる海が描かれている。 「確か、アメリカ太平洋艦隊の主力は西海岸で確認された。という事は、海からの攻撃はなさそうだが……敵の目的は何だろうか。全く掴めんな」 「今のところ、首都は平穏そのものです。懸念されていた暴動の発生なども確認されていません」 ヴィルリエの説明を聞いたレンスは、頭を2度ほど横に振った。 「……全くわからん」 そうこうしているうちに、時間は刻々と過ぎていった。 不可解な通信妨害に、誰もが頭を悩ませていた時……彼らはやってきた。 午前7時8分、唐突に作戦室へ武装した兵が飛び込んできた。海軍総司令部の警備兵だ。 「失礼します!!」 その兵はすぐにレンス元帥の前に走りよると、早口で言葉をまくしたてた。 「屋上の監視台から、シギアル港上空に敵の飛空艇と思しき物が見えました!単発機です!」 「な……!?」 その瞬間、ざわついていた作戦室内が、一瞬にして静まり返ってしまった。 そして、リリスティはこの中で真っ先に状況を理解してしまった。 「…敵の空母艦載機……か」 彼女の言葉を聞いた彼らは、それがまるで、処刑人の振るう刃物のように思えた。 午前7時5分 シホールアンル帝国シギアル港上空 「なんてこったい。敵は迎撃騎を上げれてないぞ!」 パステルナーク大尉は、薄い青白い膜の中を飛行し、広大なシギアル港上空を飛んでいるが、迎撃騎はおろか、対空砲火すら打ち上げて来ない。 シギアル港は、アメリカ本土にあるノーフォーク港のように民間の港湾施設のみならず、海軍造船所と海軍基地が一緒に置かれた巨大な港であり、 港の形は広大な入り江に、陸側から伸びた巨大な防波堤のような物が入り江の入り口付近に設置されている。 防波堤は、それぞれに大砲らしき砲身がトーチカのような物から突き出ており、これがシギアル港の防衛を担う要塞砲の役目を担っている事がわかる。 そして、入り江の防波堤が伸び始めている陸地にも、要塞砲と思しき物があり、シホールアンルがここを沿岸要塞として守りを固めている事が判明した。 「事前の情報通り、シホットの連中は湾口の入り口付近を要塞砲で狙えるようにしているな。こりゃ、生半可な艦隊で挑んだら速攻で 返り討ちに遭うぞ」 パステルナークは防御の充実ぶりに内心舌を巻いたが、周囲を警戒しつつ、偵察を続行する。 今度は、軍港に停泊する多数の艦船を視認した。 「いたぞ、敵の守備艦隊だ……ほほう、旧式とはいえ、戦艦らしきものもいるな」 「数は1、2、3……大体7隻ぐらいですね。そして巡洋艦、駆逐艦など多数か」 「トム!すぐに報告を送れ!」 「アイアイサー!」 「内容はこうだ。我、シギアル港に到達す。敵騎の姿見ず、対空砲火の反撃は見られず。軍港には守備艦隊を確認。戦艦6ないし7、 巡洋艦4ないし5、駆逐艦、小型艦多数停泊中!」 報告は、すぐさま第3艦隊司令部に送られた。 「こちらサンディリーダーより、ブルームーンへ、聞こえるか?」 パステルナークの耳に、ユージン・リンゼイ中佐の声が入る。 「こちらブルームーン。聞こえます!」 「状況は確認した。これより攻撃にかかる。ブルームーンはそのまま母艦に帰投してくれ。先導感謝する!」 「こちらブルームーン、了解!武運を祈ります!」 パステルナークはリンゼイ中佐にそう返すと、愛機の機首を陸側から海へと向けた。 「俺たちの仕事はこれで終わりだ。あとは……攻撃隊に任せるだけだ」 彼は小声でつぶやくと、スロットルを上げて機体を加速させ、戦場から離脱を開始した。 ユージン・リンゼイ中佐の率いる第1次攻撃隊430機は、午前7時9分、シギアル港に到達した。 高度3000メートルで巡航していた第1次攻撃隊は、通信妨害の展開されている膜内に突入した。 「ほほう、これはまた凄い港だ。ノーフォークと比較してもいい勝負になりそうだぞ」 リンゼイ中佐は、異世界特有の変わった雰囲気ながらも、規模も大きく、整理の行き届いた良港を見るなり、思わず感嘆の言葉を漏らしてしまった。 「本当に迎撃が無いな……よし!」 リンゼイはマイクを握ると、第3艦隊司令部に報告を送り始めた。 「こちらサンディリーダー。第1次攻撃隊はただいま、シギアル港に到達。敵の反撃は見られず」 リンゼイは僅かに間を開けてから、次の言葉を吐き出した。 「我、奇襲に成功せり!これより、目標に突入する!」 リンゼイは次に、攻撃隊各隊に向けて目標の割り当てを行っていく。 「こちらサンディリーダーより、各隊へ、これより突入する!TG38.1、目標、軍港内の艦船。TG38.2、目標、艦船並びに航空基地。 TG38.3、目標、敵航空基地!戦闘機隊は飛行場の制圧、並びに対空砲火の制圧を行い、制空権を確保しろ。全機、攻撃開始!!」 この時、シホールアンル軍は何も、米艦載機隊の攻撃を黙って見過ごそうとはしていなかった。 だが、通信妨害魔法は、それまで魔法通信で行っていた部隊間の相互連絡を一切使えなくしていたため、それによる戦闘準備や兵員配置等の混乱の影響で、 ろくに戦闘配置を行えない状況に陥っていた。 あちこちで急ごしらえの伝令班が編成され、各関連部署に向けて伝令が走り回っていく。 艦船の間を、伝令を乗せた小型艇が行き来し、陸上に降りた兵は港の司令部や艦隊旗艦に向けて命令の受領を受けに行く。 航空基地のワイバーン隊は、命令伝達の遅れから迎撃準備に手間取り、竜騎士たちは何の説明も受けれぬまま、大慌てで愛騎に近寄り、格納棟から 騎付きの世話係と共にワイバーンを引っ張り出していく。 混乱は混乱を呼び、それに手間取るだけ準備が遅れていく。 訓練通りにやった動作を行おうにも、まさかの空襲によって動転した兵員たちはあちこちでいらぬ失敗を繰り返し、それもまた迎撃準備の遅れに繋がった。 同じことは、シギアル港所属の第6艦隊でも起こっていた。 その間、米艦載機の大編隊は悠然と編隊飛行を続けている。 やがて、各飛行隊は母艦ごとに分かれると、それぞれの攻撃位置に向かい始めた。 第6艦隊の各艦は、どうにか戦闘準備を終えつつあった。 同艦隊は、戦艦ビグマベルンザを始めとし、ゼイルファルンザ、クレングラ ポアック ヒーレリラ リングスツ ヒレンリ、 巡洋艦ミルビ・ヌレイ アルギジェント マセギナ バクザルキ ラル・カザント レイギ・ズレヌ カレンラ、駆逐艦48隻で編成されている。 所属艦の大半は旧式であり、戦艦7隻も全て旧式である。 対空火器は近代化改装で新型の物が搭載されているが、総合的な対空火力は新鋭艦に比べると、見劣りがする。 その旧式艦群に、米艦載機隊は殺到しつつあった。 「艦長!戦闘準備整いました!いつでも」 「報告はよろしい!すぐに敵機を撃たんかぁ!!」 戦艦ビグマベルンザの艦橋で、艦長は準備完了の報告に来た水兵に八つ当たりのような命令を飛ばした。 しかし…… 攻撃開始から僅か5分ほどで、攻撃位置に付いたエンタープライズ雷撃隊は、前方に停泊する敵戦艦群目がけて、超低空で突進していた。 エンタープライズ攻撃隊は、24機のスカイレイダーのうち、12機が魚雷を装備しており、敵戦艦に対しては、1小隊4機ずつに別れて それぞれの目標に向かっていく。 雷撃小隊を直率するリンゼイ中佐は、艦列の先頭に停泊している戦艦に機首を向けていた。 ちょうど、敵艦の左舷方向から突進する形だ。 「攻撃目標……前方の敵戦艦!」 距離は2000メートルほど。 スカイレイダーは対空砲火を避けるため、高度10メートルどころか、5メートル前後の超低空飛行を行い、機首の大馬力エンジンを 唸らせながら驀進している。 敵戦艦は前部に連装式の主砲を背負い式に2基搭載し、後部甲板には1基搭載している。 艦橋の形は合衆国海軍の旧式戦艦とは異なり、シホールアンル艦に共通するがっしりとした箱型となっている。 煙突の無い中央部は思いのほかすっきりしているように見えるが、目を凝らすと、対空火器らしき物が見受けられる。 だが、それらの対空火器は、リンゼイ隊に向けてまだ光弾を放ってきていない。 (敵さん、かなり慌てているのか……まだ反撃が来んな) まぁ、無理もない。と、彼は同乗の言葉を漏らした。 距離は急速に近づき、雷撃距離である600メートルまですぐそこに迫る。 この時、ようやく敵艦が高射砲、魔道銃を撃ち放った。 (来たか!) 遂に敵も攻撃隊に反撃を開始したのだ。 だが…… 「魚雷……投下ぁ!」 敵が光弾を放った時、リンゼイ機の魚雷も同時に海面に投下されていた。 スカイレイダーの搭載していた2本の魚雷は、海中に突き刺さるや、敵から見れば思いのほか浅い沈み込みで浮上に転じ、投下地点から 2本の白い航跡が伸び始めた。 それに端を発したかのように、残った3機のスカイレイダーも、それぞれ2本ずつの魚雷を投下する。 魚雷が海面に突き刺さるや、細かい木片混じりの水しぶきが立ち上がる。 光弾の反撃は見当外れの場所に向かい、リンゼイ隊を1機も撃ち落とすことができず、逆にリンゼイ隊は両翼の20ミリ機銃を掃射して、 ビグマベルンザの水兵を殺傷した。 4機のスカイレイダーが爆音をがなり立てながらビグマベルンザの艦上を通過する。 その時、ビグマベルンザ乗員たちの関心は、既にスカイレイダーには向けられていなかった。 「魚雷接近します!その数……8!!」 「……」 艦長は絶句してしまった。 その直後、ビグマベルンザの左舷に8本の魚雷がまんべんなく突き刺さった。 魚雷が命中するや、高々と水柱が立ち上がる。 命中箇所に近い甲板上にいた銃座の兵員が、吹きあがった爆炎と衝撃波に巻き込まれてグロテスクな惨死体に代わり、その無数の肉片が、 破壊された銃座の破片や水柱と共に宙高く吹き上がる。 ビグマベルンザ級戦艦は、シホールアンル帝国海軍の中では最古参の戦艦であり、魚雷に対応する水雷防御は全く持ち合わせていなかった。 そのため、ビグマベルンザの巨体には8つの大穴が穿たれ、そこから大量の海水が艦内に流れ始めた。 水柱が晴れると、ビグマベルンザは左舷側から濛々たる黒煙を噴き上げつつ、徐々に傾き始めた。 軍港内の旧式戦艦群にスカイレイダーが次々と襲い掛かる中、港に隣接するワイバーン基地から、今しも迎撃騎が飛び立とうとしていた。 しかし、そこにF8Fベアキャットが猛スピードで急接近し、その迎撃騎めがけて機銃を発射した。 竜騎士は防御魔法を展開してベアキャットの20ミリ機銃弾を防ぐ。 最初の連射は防いだが、すぐに2連射、3連射と放たれる。 20ミリ弾の連続射撃は防御結果を確実に痛めつけ、2機目が射撃に加わったことで結果が打ち破られた。 20ミリ弾の集束弾が竜騎士の体を二つに引き裂き、ワイバーンの背中を乱打して地面にへたり込ませた。 エンタープライズ戦闘機隊の先頭を行くリンゲは、出撃間近のワイバーン群を見るなり、愛機を増速させて突っ込んでいった。 この時になって、基地周辺の魔道銃が反撃を開始した。 「ようやく撃ち返してきたか……だが、遅い!」 リンゲは愛機を横滑りさせて、魔道銃の反撃を回避すると、目標に定めたワイバーンに向けて、距離300メートルで機銃を撃ち放った。 4条の火箭がワイバーンに殺到する。 ワイバーンを引いていた竜騎士と思しき人影が慌てて逃げ去り、ワイバーンは右側面から左側にかけて、20ミリ弾の掃射を受ける。 ワイバーンの外皮は厚く、20ミリ弾の一連射を受けてもなかなか息絶えない。 だが、リンゲに続行していた3機のF8Fが続けざまに20ミリ弾を叩きこんだ。 最初の射撃で致命傷を逃れたワイバーンも、猛烈な追い打ちを受けてはたまったものではない。 20ミリ弾を全身に食らい、体の急所を撃ち抜かれたワイバーンは、聞くに堪えない悲鳴を発しながら絶命した。 基地にいる多数のワイバーンが、これとほぼ同じ状況に陥っている。 強引に飛び立とうしたワイバーンも出てくるが、そこにすかさず、別のF8F小隊が殺到して20ミリ弾を叩き込む。 大口径弾を受けた竜騎士の体は無残にも吹き飛び、ワイバーンもまた全身をずたずたに引き裂かれて、上がりかけていた体を地面に叩き落される。 ワイバーンの並ぶ列線にも、F8Fは情け容赦なく20ミリ弾を撃ち込み、生き残っていたワイバーンの個体数が激減していく。 そこに、ダメ押しとばかりに、スカイレイダーの爆撃が始まった。 基地の対空砲火は、猛然と急降下するスカイレイダーを激しく対空射撃で迎え撃つ。 高射砲弾がスカイレイダーの周囲で炸裂し、黒煙を咲かせる。 1機のスカイレイダーが右主翼を吹き飛ばされ、炎と煙を吐きながら錐もみ状態で墜落するが、残りは轟音を発しながら急降下を続ける。 スカイレイダーの急降下爆撃は、誰が見ても鮮やかな物であった。 高度300メートルまで降下したスカイレイダーは、胴体に搭載されていた3発の1000ポンド爆弾を投下した。 ワイバーン格納棟に3発の爆弾が突き刺さるや、大音響と共に爆裂し、格納棟が木っ端微塵に吹き飛ばされる。 基地要員の使用する兵舎や、司令部施設と言った他の基地施設にも次々と急降下爆撃を仕掛けられ、瞬きする間に爆砕されていく。 ワイバーンの列線にも容赦なく爆弾が叩き込まれ、大音響と共に複数のワイバーンが吹き飛ばされた。 スカイレイダーは爆弾を使い果たすと、今度は残っていた20ミリ機銃で地上施設や兵員を攻撃し始めた。 ワイバーン基地の対空陣にもスカイレイダーは容赦なく噛み付き、1基、また1基と、対空部隊は射手ごと魔道銃や高射砲を破壊され、 沈黙を余儀なくされた。 午前7時20分 シホールアンル海軍総司令部 「空襲です!シギアル港が敵の航空攻撃を受けています!!」 作戦室内に先ほどの兵士が入室するや、絶叫めいた口調で報告してきた。 誰もが隣の者と目を合わせた。 「……ヴィル……」 「リリィ……」 リリスティはヴィルリエと顔を合わせた。 リリスティの顔には言いようのない焦燥感が滲んでいる。 一方、ヴィルリエはリリスティと比べて、焦った色を滲ませていなかったが、それでも悲壮めいた表情を張り付かせていた。 室内にも、微かながら爆発音と思しき轟音が届いている。 12ゼルド離れた場所から幾度となく届くその音は、シギアル港が相当数の敵に叩かれている事を如実に表していた。 「報告はまだ入っておりませんが、監視塔から見た限りでは、停泊中の艦船とワイバーン基地に攻撃が集中しているように思えます」 「おのれ……魔法通信さえ使えれば、状況はすぐに把握できるのだが……!」 レンス元帥は歯噛みしながら唸り声を上げる。 「かといって、シギアル港に偵察のワイバーンを派遣しても、敵にやられてしまうかもしれん」 「……司令官。首都周辺の対空陣地は、全て戦闘準備を完了したとの報告が入りました」 ヴィルリエは、そそくさと入室してきた伝令から紙を受け取り、その内容をレンス元帥に報告する。 「首都防衛軍団が迎撃準備を整えたか」 彼は、そう言葉を吐きながら、忌々しげに窓の外を見つめる。 上空には依然として、青白い膜が巨大な半円状となって張られている。 外ではけたたましく空襲警報のサイレンが鳴っており、その音が、レンスの苛立ちを余計に募らせつつあった。 その時、一際巨大な爆発音が作戦室内に響いてきた。 腹に応えるような轟音を耳にしたリリスティは、シギアル港周辺にある、基地の弾薬庫か何かが誘爆したのかと思った。 「この爆音は……!?」 「地上施設の弾薬庫か、艦船が誘爆轟沈したのかもしれません。」 ヴィルリエが、努めて平静な声音でレンス元帥に言う。 「むむ……思った以上に、敵の攻撃は激しいようだな」 誰もが焦燥の念を浮かべ始めたとき、作戦室内に竜騎士のツナギを着けた士官が現れた。 「失礼いたします!海軍161空中騎士隊所属、ハイス・ローシェルト少佐と申します!」 「ローシェルト少佐……」 レンスは、右の頬に傷の入った、いかつい顔つきの青年士官の顔を見つめた。 ローシェルト少佐は歴戦の海軍竜騎士であり、今年1月に起きたレーミア湾海戦で負傷してからは前線を離れ、回復した後も専ら後方で 後進の育成に当たっていた。 レンス元帥とは、過去に練習隊の視察に訪れた際に顔を合わせている。 「突然の乱入を行ってしまい、甚だ無礼ではありますが、今はそれどころではありません」 「……敵の正体を知っているようだな。よろしい、報告したまえ」 レンス元帥は、ローシェルト少佐の行動に理解を示した後、彼に報告を促す。 「では申し上げます。シギアル港は、敵の空母艦載機によって攻撃を受けております!」 室内の誰もが、息を呑んだ瞬間だった。 「私はちょうど、シギアル港から5ゼルド離れた小さな補助基地で、部下の小隊と共に低空飛行訓練を行おうとしました。ですが、突然 魔法通信が使えなくなり、それから程なくして、シギアル港の東の海上からアメリカ軍の偵察機が現れ、そのすぐ後に敵の大編隊が襲って きたのです」 ローシェルト少佐は説明を行いつつ、背後にあった黒板に敵編隊の規模や、侵入経路を書き記していく。 「私は、機を見てワイバーンを飛ばしましたが、離陸するまでの間に、洋上に停泊していた第6艦隊の戦艦2隻が、敵のスカイレイダーの 肉薄雷撃を受けて大破し、港に隣接していたワイバーン基地は、1箇所が空襲開始からさほど間を置かぬ内に壊滅状態に陥っていました」 彼は静まり返る室内の面々を見つめながら、説明を続けていく。 「空襲は今も続いています。恐らく、第6艦隊の主要艦艇は、スカイレイダーの猛攻の前に次々と被弾し、戦闘力を失いつつあります。 そして、残った3箇所のワイバーン基地、飛空艇基地も空襲を受けつつあります」 「第6艦隊が……320もの航空戦力が……手も足も出ぬまま壊滅していくのか……」 レンスは、しわがれた声で、途切れ途切れに呟いていく。 「閣下……洋上の偵察を命じてください!」 「偵察だと?」 「私の所属するワイバーン基地は、ちょうど、この忌々しい膜の外にあります。ここには、まだ多数のワイバーンが配備されています。 また、北方の基地にも少なからぬ数のワイバーンや飛空艇が残っています。シェルフィクル防衛に多数が引き抜かれていますが、 敵機動部隊に打撃を与える分の戦力はまだ残っています。反撃を行うためにも、まずは、索敵を行いたいのですが……いかがです?」 「……戦力が残っている……と言う事は、まだこちらにも勝機があると言う事だな」 レンスは、やや張りのある声音でローシェルトに言う。 「その通りです。私がすぐに基地に戻り、そこから魔法通信でこの緊急事態を全軍に伝えます。そして、そこから来襲しつつある、 新たな敵攻撃隊の迎撃と、敵機動部隊に対する反撃を行うのです」 「……よろしい!」 レンスは大きく頷いた。 「君の言う通りにしよう。少佐、君はすぐに基地へ戻り、全軍にこの状況を知らせよ。そして、索敵隊を飛ばし、敵機動部隊を発見、 捕捉し、撃滅するのだ。」 「ハッ!それでは、私は戻ります!」 「武運を祈る。」 レンスはローシェルト少佐に敬礼を返す。ローシェルトはすぐに作戦室から飛び出し、愛騎目指して駆け抜けていった。 「……反撃か……少なくなった戦力でどこまでできるでしょうか」 「戦果を挙げられるかどうかはまだわからんが、その為にも、まずは敵を見つける事が先決だ」 レンスは、不安気に呟くリリスティに対して、明確な口調で言い放つ。 「陸軍総司令部にも使いを出そう。陸軍のワイバーン隊も幾らか残っていたはずだ。それも使わなければなるまい。」 シホールアンル軍首脳部が、どうにか反撃の糸口を見出しつつある中、第1次攻撃隊の攻撃は更に激しさを増していた。 空母ヨークタウン所属のAD-1スカイレイダー12機は、軽空母フェイトの攻撃隊と共同で、桟橋に停泊している巡洋艦、駆逐艦に 攻撃を加えていた。 1機3発ずつ搭載された1000ポンド爆弾が、高度400~300あたりで投下され、高速で巡洋艦の甲板や主砲に命中する。 1000ポンド爆弾の炸裂は甲板に大穴を穿ち、主砲塔をひしゃげさせる。 対空銃座の兵員達は、一瞬にして銃座ごと爆砕されて胡散霧消し、現場には濛々たる黒煙が噴き出し始めた。 別の巡洋艦には、フェイト隊の艦載機が放った魚雷が命中する。 水雷防御という概念が無い時代に開発、建造された巡洋艦にとって、魚雷が1発でも命中すれば即、沈没に繋がるが、この巡洋艦には 一度に4本もの魚雷が命中した。 巡洋艦は被雷直後、大量の浸水によって急激にバランスを崩し、被雷から僅か10分で転覆してしまった。 戦艦群の艦列は、エンタープライズ隊、ワスプ隊の雷撃、爆撃によって悲惨な状態に陥っていた。7隻中、3隻が転覆し、1隻は艦体を 2つに分断されて、2つの巨大な炎と化している。 残る3隻もまた、度重なる被雷と爆弾の命中によって艦の各所から黒煙を上げ、艦の喫水を下げつつある。 第6艦隊主力が戦闘能力を喪失したことは明白であり、この地方における海上戦力の要は、空襲開始から30分足らずで壊滅したのだ。 航空基地にも、F8F、AD-1Aは雲霞のごとく襲い掛かり、入れ代わり立ち代わり銃爆撃を加えている。 そんな中、ある駆逐艦は桟橋から離脱し、一直線に港の出口に向かい始めた。 そこをレキシントンに所属しているスカイレイダーの小隊が目ざとく発見し、急速に接近し始める。 「右舷方向より敵攻撃機!接近してきます!」 「対空戦闘始め!1機残らず叩き落せ!!」 駆逐艦の艦長は大音声で命じ、敵機に向けた両用砲、魔道銃を一斉に撃ち始める。 スカイレイダーの周囲で高射砲弾炸裂し、色とりどりの光弾が無数に吹きすさぶ。 だが、スカイレイダーは駆逐艦が反撃してくるや否や、更に高度を下げる。 「くっそ……あんな超低空を飛びやがるとは!」 魔道銃座の指揮官は、文字通り、海面を這うように接近してくるスカイレイダーを見て罵声を放った。 「叩き落とせ!あの気色悪い敵機なぞ海面に叩きつけてしまえ!」 指揮官が檄を飛ばし、魔道銃座の兵員はスカイレイダーを撃ち続ける。 だが、あまりにも低い高度を飛んでいるため、光弾の殆どが敵機の真上を通り過ぎてしまう。 時折、命中弾と思しき物もあるが、敵機はよほど作りが頑丈なのか、落ちる気配がない。 敵機は唐突に、機銃を撃ち放ってきた。 4機のスカイレイダーは20ミリ機銃を乱射し、多数の機銃弾が駆逐艦の甲板や艦橋部分などに突き刺さる。 入隊して半年足らずの水兵が20ミリ弾をもろに受けて体を破壊され、背後に多量の血痕と、体の内容物等が飛び散る。 頭部に機銃弾を食らった者は首から上が吹き飛び、胴体に受けた兵はそのまま吹き飛ばされ、壁に叩きつけられて絶命する。 絶命まで行かぬ者もいるが、それらの者は大半が手足を吹き飛ばされて悲鳴を上げる。 魔道銃座にも機銃弾が命中し、夥しい火花と共に銃座の破片が飛び散り、まだ無傷だった兵がそれを浴びて絶叫し、 甲板上でのたうち回った。 スカイレイダーは機銃をひとしきり発射した後、駆逐艦から400メートルという至近距離で魚雷を次々と投下した。 スカイレイダーは増速し、再び機銃を乱射しながら駆逐艦上空を飛び抜けていった。 「取り舵いっぱい!」 艦長はスカイレイダーが魚雷を投下した瞬間、即座に転舵を命じた。 俊敏な駆逐艦は舵が効くのも早い。 転舵を命じてごく僅かの時間で艦首が回り始めた。だが、それでは遅すぎた。 「魚雷2本接近!避けられません!!」 見張り員の悲鳴じみた報告が届いたその直後、駆逐艦が文字通り海面から飛び上がった。 2本の航空魚雷は、1発が右舷全部付近に命中し、爆発エネルギーは前部機関室付近を一息に破壊してしまった。 続いて、中央部に命中した魚雷は中央部兵員室を吹き飛ばし、後部機関室付近にも大損害を与えた後、艦内に多量の海水を引き込んだ。 高速で疾駆していた駆逐艦は、右舷側に高々と水柱を噴き上げた後、瞬時にして航行不能となり、シギアル港の広い湾内にその艦体を 沈み込ませていく。 甲板上では、脱出を図る兵員が左舷側から海に飛び込んで行くが、甲板上で機銃掃射を受けて手足を失うほどの重傷を負った兵員は、 海面に飛び込んでもろくに泳げず、その大半は悲鳴を上げながら溺れ、やがては海面から姿を消していった。 また、艦内でも、脱出し損ねた水兵や負傷兵が多数巻き添えとなっている。 この駆逐艦の乗員は240名程であったが、生還できたのは、その半数以下の82名に過ぎなかった。 攻撃を受けている艦船は、戦艦、巡洋艦、駆逐艦といった主要な戦闘艦艇ばかりではなかった。 1943年頃に登場し、連合国軍航空部隊を手こずらせた偽装対空艦(FLAK艦)や掃海艇と言った補助艦艇群も、容赦ない攻撃を受けていた。 対空火力に定評のあるFLAK艦は、激しい対空射撃をスカイレイダーに浴びせる。 不意を突かれた1機のスカイレイダーが集束弾を浴び、1つの炎の塊となって海上に激突する。 報復は直ちに叩き返された。 FLAK艦に向かったのは、空母ベニントンに所属する爆撃隊であった。 7機のスカイレイダーは、急降下でFLAK艦に突っ込んでいく。 FLAK艦は手持ちの両用砲、魔道銃を全て撃ちまくり、小癪な敵機を叩き落そうとする。 しかし、スカイレイダーは対空砲火を浴びながらも、致命弾を受ける事もなく、猛然と接近していった。 高度400付近に達したスカイレイダーは1機、また1機と、3発ずつ搭載された1000ポンド爆弾を投下した。 3発の爆弾は、そのうち1発がFLAK艦に命中したり、あるいは全てが外れ弾となって周囲の海面や桟橋に叩きつけられただけになる事もあるが、 何分、投下された爆弾が多いため、有効弾が次々と出た。 最終的に、8発の爆弾が命中したFLAK艦は、大火災を起こして沈黙し、甲板上には重傷を負って動けなくなった兵員が、猛火に包まれて 絶命までの間、生き地獄を味合わされる。 生き残った乗員達は、助けを求める仲間の声を無視し、無我夢中で艦から脱出していった。 掃海艇にはレキシントン、ハーミズ所属の爆撃隊が爆弾やロケット弾を浴びせ、小柄な艇体は次々と爆砕され、シギアル港の海面に叩き込まれていった。 この時、シギアル港を襲っていた第1次攻撃隊は、TG38.1、TG38.2、TG38.3から発艦した戦闘機、攻撃機で編成されている。 先導役のS1Aを除いた構成は、以下のようになる。 まず、TG38.1からは、エンタープライズがF8F24機、AD-1A24機。 ヨークタウンがF8F24機、AD-1A24機 S1A1機。 ワスプがF8F16機、AD-1A16機。 軽空母フェイトがF8F8機、AD-1A10機を発艦させている。 次に、TG38.2はイラストリアスからF8F12機 AD-1A16機。 レキシントンからF8F16機 AD-1A16機。 ベニントンからF8F24機 AD-1A24機。 軽空母ハーミズ、インディペンデンスからF8F16機、AD-1A16機を発艦させた。 TG38.3も、エセックスからF8F24機、AD-1A24機。 イントレピッドからF8F24機、AD-1A24機。 ボクサーよりF8F24機 AD-1A24機を発艦させた。 総計430機の大攻撃隊は、レイリーのもたらした奇襲効果を存分に活用し、各所で暴れに暴れまくっていた。 TG38.3に襲われた飛空艇基地も、他のワイバーン基地同様、悲惨な様相を呈していた。 列線に並んでいた58機のケルフェラクは、搭乗員が慌てて近づく前に全機が機銃掃射を受けてずたずたに引き裂かれた。 搭乗員たちが悲嘆にくれる暇もなく、上空からはエセックス所属の爆撃隊が急降下爆撃行い、穴だらけになったケルフェラクを1機残らず吹き飛ばし、 基地施設には1000ポンド爆弾や5インチロケット弾が次々と打ち込まれる。 空母ボクサー所属のスカイレイダー24機を率いるドン・ハリファックス少佐は、今しも滑走路目がけて急降下爆撃を開始しようとしていた。 「突っ込むぞ、付いて来い!!」 荒々しい掛け声とともに、ハリファックス少佐は操縦桿を前に倒して急降下を始めた。 機体が前方に傾き、視界に白い滑走路が映る。 航空基地からは高射砲や魔道銃がひっきりなしに放たれ、爆撃隊の前方に弾幕が張られるが、既に痛打を浴びている敵基地は、あちこちから 猛然と黒煙を吹き上げている。 「せめて、滑走路だけは守り切る、と言った所か。見上げた闘志だ」 ハリファックスは、奇襲により思わぬ損害を受けながらも、尚も諦めないシホールアンル軍の戦意に感嘆の念を抱く。 「ならば、こちらも全力を尽くすのみだ!」 ハリファックスは意を決したかのように叫んだ。 スカイレイダーはぐんぐんと高度を下げ続け、降下前は3000付近を指していた高度計も、今では1200を切っていた。 基地からの反撃は思いのほか激しい。 先に攻撃したエセックス隊やイントレピッド隊が手荒く叩いた筈だが、敵の対空砲座が多いのか、盛んに高射砲弾や光弾が飛んでくる。 太平洋戦線で、数々の大海戦に参加したハリファックスは、ドーントレスやヘルダイバーに乗って何度も敵艦に攻撃を仕掛けたが、 この基地の反撃は、その時に勝るとも劣らない物だ。 ともすれば、不意打ちを仕掛けてきた米艦載機隊に対するシホールアンル帝国そのものの怒りを、正確に表しているようにも思えた。 スカイレイダーは小隊ごとに別れて、異方向から同時に降下を続けている。 弾幕は激しく、1機残らず弾幕に絡めとられ、叩き落されるように感じるが、スカイレイダーの厚い外板は、高射砲弾の破片や光弾の 直撃によく耐えた。 高度計はあっという間に500を切り、視界に滑走路が広がっていた。 「投下ぁ!」 ハリファックスは、Gに体を押し付けられながらも、慣れた手つきで爆弾を投下し、直後に機首上げを行う。 速度がついて重い操縦桿を、渾身の力を入れて引いていく。 「ぐううぅ……いつもながら、この瞬間はキッツイな!」 ハリファックスは何度経験しても慣れぬ重圧に、唸り声を上げながらも機首上げを続ける。 やがて、高度50メートルを切りそうなところで機首が上がり、水平飛行に戻った。 ハリファックスは首を後ろに傾け、自らの成果を確かめた。 「よし!ドンピシャだ!!」 ハリファックスの投下した爆弾は、滑走路のど真ん中に3発そろって命中していた。 爆弾は命中と同時に爆炎を噴き上げ、大量の砂煙が着弾点を覆い隠した。 そこに、僚機から投下された爆弾が次々に落下してくる。 最初は、滑走路の真ん中に落下していた爆弾は、次第に滑走路の脇や上半分、そして下半分といった具合に落下位置が修正され、 ついには滑走路全体に爆弾が降り注いだ。 1800メートルはあろうかという滑走路は、今や全体を濃い煙に包まれてしまった。 活火山さながらの様相を呈した滑走路が、当分は使用に耐えぬことは明らかであり、シホールアンル軍はまた1つ、航空基地を失ったのであった。 午前8時15分 シギアル港 第1次攻撃隊の空襲は、約1時間に渡って続けられた。 午前8時15分には、最後のスカイレイダーが軍港施設に1000ポンド爆弾を叩き込んだ。 2階建ての白い施設は、瞬時に粉砕され、中に詰めていた兵員や職員もろとも瓦礫の山と化した。 その爆発音が収まった後、シギアル港の喧騒は鳴りを潜めていた。 第6艦隊情報参謀を務めるホイロ・ハヴァックロ中佐は、空襲前は港の司令部施設で港湾地区の指揮官と打ち合わせを行っていたが、旗艦である 戦艦クレングラに戻ろうとした矢先に、突然の空襲を受けた。 彼は防空壕に避難し、何とか難を逃れたが、防空壕から出た彼は、思わず言葉を失っていた。 「………」 周囲の光景は一変していた。 空襲前に、少し離れた沖合に堂々たる姿を見せつけていた7隻の戦艦は、今は3隻しかなく、残りの4隻中、3隻は転覆し、1隻は艦首と艦尾を 逆立てて炎上している。 旗艦クレングラはまだ浮いていたが、空襲前と比べて艦を大きく右に傾けており、喫水も深く下げていた。 港湾施設は、目に見える範囲の物の殆どが被害を受けており、一部は盛んに燃え盛っている。 港湾の各所からは濛々たる黒煙が吹き上がっており、空は厚い黒煙に覆われて薄暗くなっていた。 「……なんてことだ……!」 隣で、悲鳴じみた声が上がった。 振り向くと、港湾地区指揮官を務めるヒゲ面の大佐……カイン・イシンキル大佐が、そのやせ顔を凍り付かせていた。 「戦艦部隊が……桟橋に係留している駆逐艦が……!」 「これが……アメリカ機動部隊の攻撃力か」 ハヴァックロ中佐は、喉から声を絞り出すが、その声音は思っていた以上に小さかった。 ふと、彼は周囲から悲鳴のような声や、命令伝達を伝える声が盛んに響いている事に気が付いた。 あたりを見回すと、周囲では負傷した兵や、消火活動に向かう兵や職員等、様々な光景が見える。 炎上する建物に向けて、懸命に消火活動を行う軍服姿の兵士たち。 体に重傷を受け、血塗れで横たわる若い女性兵に手当を行う衛生隊員。 その横を、フラフラと幽鬼のように歩くショック状態の兵士数人。 最前線の光景が、後方地であったこのシギアル港で展開されている事に、ハヴァックロはようやく気付いたのであった。 ttps //gyazo.com/30cdef0a2a567829c2bed6c2cd2cfaf1 ttps //gyazo.com/e2c8b64e907125575f72691816f78918 ttps //gyazo.com/6253f4a32eeb7b1020977f49b05c01d4
https://w.atwiki.jp/lonerlife/pages/57.html
書籍1巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #1 異世界転移男子高校生は飛脚の夢を見るのだろうか 1日目 #2 幻のラジオ体操 第3ってどんなんだろう? 2日目 #3 ドジっ子属性は付いてない 3日目 #4 明日もコソコソするぜっ! 4日目 #5 大量の棍棒を必要とするような街には行きたく無いものだ。 5日目 #6 崖の先端まで追い遣られて有る事無い事吐かされそうだ 6日目 #7 話の半分は恨みと辛みで出来ていた。やさしさは入って無い様だ 7日目 #8 タッチはYesなのかNoなのか?お前が問題だ 8日目 #9 再発するのも仕方あるまい 9日目 #10 そしてそれでも杖術と言い張るのか 10日目 #11 頭おかしいんだから。同じだった時点でそいつも頭がおかしい。 11日目 #12 大体皆そうなのに、普通の人はそれを解決策と言わないらしい。 12日目 #13 BLは無いみたいです。 13日目 視点 委員長 #14 いえ、何でもありません、何も呟いてません。 14日目 #15 所詮は女子高生に侘び寂の理解はできぬか。 15日目 #16 話し合えば分ると言うのはお花畑の綺麗事なのだろう。 16日目 #17 弾道軌道の実体験は異世界召喚より珍しい体験だろう。 17日目 視点 委員長 #18 全く分かり合えない、異世界語は難解な様だ。 18日目 視点 ハキエス,鑑定士 #19 おしゃべり能力が破壊力とか誰かに蔑まれた気がする。 〃 #20 委員長に委員長と言うのが最高の褒め言葉だ。 19日目 #21 等級に意味無いのは歴史の謎なのだそうだ。 〃 #22 俺の異性の好感度が外された。 〃 #23 土産が無いと禁治産者扱いでオムイの憂鬱だ。 〃 #24 これが資金ショートと言う物か?異世界の金融融資制度はどうなっているんだ? 20日目 #25 多感な時期の女子高生に変なあだ名つけると可哀想だ。 〃 #26 街出たいのに、街乗っ取っちゃうだろうとか誹謗されてる気がする。 〃 視点 委員長 #27 ただ朝御飯をひとりで食べてるだけなのに、すごく聞こえが悪い。 21日目 #28 その名も無き無名な街は超有名で大人気で有名だ。 〃 初出 メリエール #29 ウエポンスキルはダイエット効果抜群ってビリー隊長が言ってたからワン モア セット? 〃 視点 委員長 #30 茸の禁断症状だろうか?茸物依存症だろうか?ヤバイ茸が混じっていたんだろうか? 22日目 #31 官僚と言う者は無駄遣いが好きなようだ、俺も公立図書館勤務を狙っていたのに、自分達だけ利権に塗れやがって。 〃 #32 宅配便の情報は何も無かったなら俺、全然関係ないんじゃないだろうか。 〃 #33 異世界の親戚とかと異世界間親族問題とか大変そうだ。 〃 #34 本当に果てしなく何処までも果てしない無限に莫迦より莫迦だった。 〃 #35 普段は莫迦で喋るともっと莫迦で紙一重の紙が破れてたらずっと莫迦だ。 〃 #36 ゴブ達の王様ゲームになんか絶対参加しないよ絶対だよ。 23日目 #37 良い人ランキングの一位は何で選んだのか? 〃 視点 委員長 #38 きっとフェロモンと好感度を諦めた価値は有った筈……だと良いな? 〃 #39 夜が長いのは自転の問題じゃないかと後日言ったら怒られた。 〃 視点 委員長 #40 ゴブとコボだけでなく、おっさん達の殲滅も必要らしい。 〃 #41 最悪の嫌な奴と最上の嫌がらせの名人はどっちが悪役だろう? 24日目 #42 宿の部屋から夜になんか聞こえるのは、出るんじゃないって言ったらおこられた。 〃 #43 ボロボロ身なりで何を言ってるか解らない莫迦は門番さんに捕まって当然だ。 〃 視点 委員長 #44 可能性が1%以下でも、100万回それを遣っても、ずっとその1%以下で良い、0にはならない。 〃 #45 門が閉まってるからこっそり入ってるのに門番が居て怒るとか職務怠慢だ。 〃 視点 委員長 #46 総がかりの連環の計は焼いたら逃げれるのだろうか?オタを? 25日目 書籍2巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #47 バターがないのでパサパサで微妙な味だがパタパタと謎の踊りを踊り出した。 25日目 #48 何故俺の好感度は行商の旅に出てしまってるんだろう? 26日目 #49 話が長いからお魚を炙ってお醤油を掛けただけなのに有罪判決だった? 〃 視点 委員長 #50 あれだけドンドコドンドコ出て来たら達人?かと思うよね?普通。 27日目 #51 流行ってるから買っちゃうのに流行の発信源を説教するの? 〃 視点 委員長 #52 愛と勇気と友情が雑貨屋さんで売られていたら吃驚だ。 〃 #53 どんな大きな問題でも避けて避けて賺かして騙せば解決は出来る。 〃 視点 委員長 #54 未だ嘗て理不尽な不条理を退けた物は甘味だけだ! #55 皆殺ししてたコボルトといったい何を語り明かそうと言うのだろう? 28日目 視点 委員長 #56 それは異世界の治水管理の問題だよね? 〃 視点 委員長 #57 稀に見る優良物件だと言うのにみんな不満そうだ? 〃 #58 迷宮の罠かと思ったら心理トラップだった、メテオを開発しないと。 〃 #59 罠に掛かった俺が悲劇なのに喜劇にされてる気がする。 〃 視点 委員長 #60 ほんのちょっとちょびっとだけのちょっぴり。 〃 #61 お迎えに行くって落とし穴からオタや莫迦達、宅配してくれればいいのに? 29日目 視点 委員長 #62 よもや異世界で17才問題に直面するとは、だがしかし深く考えたら負けなんだろう。 29日目? #63 墜落無効とか墜落防止とかだったら俺も物凄く欲しい。 〃 #64 平面思考を垂直的思考で立体思考したらジトられた。 〃 #65 転がして歩くのはすごく大変なのに、苦労していることを誰も理解してくれない。 〃 #66 次回から白銀の騎士が始まったら出番が無い様な気がする。 〃 #67 元の世界の人間なんてみんなそんな感じなんだろう、多分? 〃 #68 異世界での宗教問題は爺に説教で解決できる筈。 〃 #69 いつも何処かで誰かに貶されている気がするのは何故なんだろう。 30日目 視点 委員長 #70 辿り着くのに命懸けで帰りは必ず湯冷めする秘湯は需要あるのだろうか? 30日目? #71 一生懸命ゴロゴロしてたのに、ゴロゴロしてただけと思われるのは不愉快だ。 〃 #72 何族なのかは解らないが片耳だけ伸ばすのは嫌だが両耳でも嫌だ。 〃 #73 犬なんだからお酢とか、大蒜、唐辛子を混ぜた粉でも投げ付ければ良かったんじゃない?と後日言ったら正座させられた。 31日目 視点 委員長 #74 順番や手順や進行を大事に思うんだったら落とすなよ。 31日目? #75 悪魔とは誑かし騙し人の弱い処に漬け込む狡猾な奴だ。何故なら俺の好感度を狙いやがった。 〃 #76 鎖を棘にして個性アピールって、どっちも着けた方が強そうだよ。 〃 #77 精神的なのが良いんであって、物理的なのはちょっと違うと思う。 〃 #78 もっとお魚を食べるべきだよ。カルシュウムが足りないから怒りっぽいんだよ。 32日目 視点 委員長 #79 仲間だから仲間外れにしたら可哀想だよ、お揃いだよ。 32日目? #80 もしかして使い魔の差で好感度が大きく違うんじゃ無いんだろうか? 〃 #81 異世界はスキルに頼り過ぎて基本性能の大事さを分かって無いんだよ。 〃 #82 鑑みればいじめより酷いと言う噂も有るが違うらしい。 〃 #83 なんか単体なら許されても決してセットにしてはならない物って有ると思う。 〃 #84 笑ってお迎えと怒って説教は似ても似つかないと思う。 34日目 視点 委員長 #85 人族脆いんだから無防備で出て来たら危ない 34日目? #86 莫迦は合流させてはいけなかったみたいだ、感染ってる。 〃 #87 真面目に戦わないと怒られるけど、真面目に戦うと貶される。 35日目 視点 委員長 #88 昔の偉い人が言ってた事にはちゃんと意味があるんだよ。 36日目 視点 委員長 #89 100階層は特別階段が長くて大変だったのに誰も解ってくれない。 37日目 視点 委員長 #90 どう考えても質問に問題が有るのに答えると俺のせいになる。 〃 視点 委員長 #91 跳ねたり踏んだりと貴族のしきたりとは難しい物だ。 〃 視点 委員長 #92 街では換金したら有り金を巻き上げると誹謗されてるんだけど? 〃 視点 メロトーサム #93 回復茸で壊れた茸中毒はもうだめだと思う。 〃 #94 前に蒸しパンとフルーツケーキをどっちもぱくぱく食べてたよね? マリーさん超えちゃってるよ? 〃 視点 委員長 #95 あれは記憶と歴史から消去されたのだ、Re:Rememberだ! 〃 #96 3人集まれば文殊様だと文殊様3人分だと上位職になるんだろうか? 〃 視点 委員長 #97 まさか異世界で3倍速いとディスられるとは思ってなかったよ。俺通常型なの? 38日目 視点 委員長 #98 声をかけても返事もしないし屍さんは目がバッテンらしい。 〃 #99 骸骨さんだからって湯煙さんも光線さんも仕事し無くて良いと思ってる様だ。 〃 #100 男子高校生に男子高校生的なのを止めろとか退学になっちゃうよ? 39日目 #101 とても気持ち良さそうだが何が気持ち良いのか分からないが絶対気持ち良いだろう。 〃 #102 そんな偶然が有る訳が無いなら其れは必然なのだから俺のせいじゃない。 〃 書籍3巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #103 世間の評価と仲間の評価の落差が酷いらしい? 39日目 視点 ハキエス #104 フェロモンで充分なのに行き過ぎて犯罪に走っちゃってる。 40日目 #105 いくらなんでも戦闘もせずにスキルレベル3アップは異常だよ? 〃 視点 委員長 #106 経済循環の流動性に対する刺激効果は考慮されないの? 〃 受付視点 委員長 #107 異世界観光しながら近場を巡ってみるのにもお金は必要だと思う。 41日目 #108 事細かな描写はあまり具体的だと問題だと思う。浮かんでたんだ…… 〃 #109 絶対にそれは自分のせいだって怖くて言えなかった。 〃 視点 委員長 #110 念を押されて釘を刺されて強いられているんだ! 42日目 #111 どうして農村の人達は持ちきれなくなるまで持たせるんだろ。 〃 #112 まず捏ね形にし、乾燥させ焼き締めてから更に焼いて出来上がり。だって釉薬とか無いんだよ? 〃 視点 委員長 #113 何も悪い事してない事をどうしてそこまで信じないのだろう? 〃 視点 委員長 #114 復讐が復讐を呼んでる様な気もするが痛い代わりに気持ち良い。 43日目 #115 どうして人が一生懸命持って帰って来た木材を、又持って行っちゃうんだろう? 〃 視点 ハキエス #116 知らない人が見たら頭がおかしい娘みたいだけど楽しそうだから良いだろう。 44日目 #117 いつも俺だけが無駄使いって言われて怒られるんだけどさー?ねー? 〃 視点 委員長 #118 限られた空間では売り場面積と展示空間は鬩ぎ合うんだよ。 45日目 #119 掃除、洗濯、磨くのにも汚れ落としにも便利で肩こりにも良い。とても良い。 〃 #120 言われたとおりに肩甲骨のもっと下をもっと強く振動させたら何で怒られるんだろう。 〃 視点 委員長 #121 まだ誰も教えてくれないんだから覚えてなくて当たり前なのに。聞いて無いけど。 〃 視点 メロトーサム #122 大動物になっちゃうらしいが魔物と大動物ってどう違うのだろう? 46日目 #123 大人気だけどお口に沢山咥えると人気が無くなりそうだ? 〃 #124 もしかして再生されてるから終わり無き男子高校生的な永久機関なの? 〃 #125 ルールは守る為に有るんだからルール内なら問題なくない? 〃 視点 委員長 #126 お姉さんが格安でお薬を分けて茸中毒者が増加中で禁断症状だった。 47日目 #127 欲しい物と色とサイズさえ分かっていれば確実に売り抜けられるんだよ。 〃 視点 委員長 #128 女子をストーカーして大泣きさせてお菓子を上げて宿に連れて行って説教されてる男子高校生な扱いなの? 〃 #129 料理が得意でお裁縫も上手で家具作りも上手でお菓子もくれるのに碌でもないって何? 〃 尾行っ娘視点。 #130 禁断の書とか禁書って言われると格好良いのにタイトルに難がある。 〃 #131 圧倒的演技力で圧倒したら罵倒された。 48日目 #132 悪口の報告書が書かれ裏サイトとかに投稿されるみたいだ。 〃 #133 迷宮の帰りに小っちゃいゴーレムを作って遊んでたら小っちゃい小動物が対抗心を燃やしていた。 〃 #134 尾行っ娘の一人語りって今迄殆ど台詞なかったよね? 〃 尾行っ娘視点。 #135 もう少し物は言い様って有ると思うんだよ。 〃 視点 委員長 #136 大体上手くいくはずなのによく考えてみたら上手くいった事が無い。 〃 尾行っ娘視点。 #137 因みに甲冑隊長の方がダイエット効果も凄いと20名ほど証言していた。 〃 #138 帰り道を改築してはいけないって法律は無いらしから大丈夫だよ。 49日目 視点 メロトーサム #139 全く準備不足だった為に大切な相談をしたら怒られた。 〃 #140 限られた時間を有効活用する大切さを異世界では理解されないようだ。 〃 視点 委員長 #141 ハニートラップ募集のビラとかも作っておいた方が良いかも知れない。 〃 書籍4巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #142 俺が酷使して俺が搾取する一人過重労働永久機関でブラックだ。 49日目 #143 どうやら一緒に召喚されてきた同級生かと思っていたら人違いだった。 50日目 #144 毎晩が服飾業界なんだから服飾業界に対する損失に驚嘆しても無実だ。 〃 視点 委員長 #145 生産流通計画に合わせて区画整理と治水工事を先にやれたら結構簡単なんだよ。 〃 視点 メロトーサム #146 まだあわてるような時間じゃないが睡眠時間は無いらしい。 51日目 #147 異世界では彼女に胃袋を掴まれると爆熱で爆発するらしい。 〃 #148 人類に生息限界から一体これ以上どうすれば田舎に行けるの? 〃 #149 全く全然さっぱりまるきりまるで少しも一向に嫌いじゃ無いです。 〃 #150 今迄の人生経験からも、異世界経験からも考えられることは一つだ。 〃 #151 異議も無く審議無しで全部が全会一致で可決される会議って必要なの? 〃 #152 マジで容赦ない鬼でデモンより悪辣で激甚で痛烈だから見せたらお説教だよ? 〃 #153 自分で脱ぐのは良い裸族で服が勿体ないのは良く無い裸族らしい。 〃 #154 問題は作業時間の短縮に負けない程に追加注文のリストが延長されちゃってる事だと思う。 〃 #155 健全な男子高校生が女子を手でぺたぺた触るなんて不健全なんだよ? 〃 視点 委員長 #156 NAISEIは有りだと思うがNAISYOKUは無しだと思うよ? 〃 #157 目覚めてしまったのか、気付いたら無意識のうちに大量生産されていた。 52日目 #158 トラウマの原因は寝不足の原因さんで乙女の危機らしい。 〃 #159 2つが3つになったからと言って強くなったとは限らない。 〃 #160 いつの間にか条件が何気に増えている侮れ無い交渉能力は恐ろしい強欲の女子力さんだった。 〃 #161 振動魔法で波紋の力だーとか叫びながらオーバードライブして遊んでみても使えないんだよ? #162 罠は毎回引っ掛かるけど罠なんだから手遅れだ。 〃 #163 影響の心配をするなら俺を怒る前に自重が必要とは怖くて言えない。 〃 視点 委員長 #164 ばれたらこっそり出て来るけどバレるまで隠れてたり騙したりするので推理が必要みたいだ。 〃 #165 だって誰かが仕事をくれないと何時まで経っても内職から解放されないんだよ。 〃 視点 メロトーサム #166 名前すら覚えない様な人と専属契約結んで意味は有るんだろうか? 53日目 #167 異世界の採掘用の坑道がウォータースライダーだと採掘しにくいみたいだ。 〃 #168 景気刺激策としての可愛い服は正義だが地盤は刺激しちゃ駄目なんだよ。 〃 #169 もしも鉄の棒を加熱して叩いたら蒸気機関になってたって言うなら明日からオタさんって呼ぶよ。 〃 #170 街ではピクニックがブームらしい森の中の洞窟暮らしのブームは来ないんだろうか? 〃 視点 委員長 #171 やはり異世界にはハロウィンは合わないみたいだ。 #172 試験目的で学術的な技術試験は動物実験は可哀想だから魔物実験なのに魔物がいない。 54日目 #173 魔物さんはプリクラを持って来る前に全滅しちゃったようだ。 〃 #174 スライムさんプルプルは可愛いが、甲冑委員長さんのプリンプリンは凄そうだ。 〃 #175 謝りながらも向かう事を一部地方では逃げていると言うらしい。 〃 #176 雑貨屋のお姉さんの少女時代はすごく前に終わ……いえ、なんでもありません! 〃 視点 委員長 #177 誰かは分からないが常識的な魔法職関係者の方のようだ。 〃 #178 女子達のお風呂女子会の情景を毎日切々と事細かな描写されるのも男子高校生的に大変なんだよ? 〃 視点 委員長 #179 異世界でもおっさんがリストラされると扱いが悲惨みたいだ。 55日目 #180 異世界はもっと振りを理解して行動する努力をするべきだ。 〃 視点 シャリセレス #181 お菓子を食べさせながら何回も大丈夫だよ、大丈夫だよって言い続けると事案にしか聞こえない。 〃 #182 美人女暗殺者さんなら全部溶かして触手さんでも許されるかもしれない。 〃 #183 遠い将来に近代化し異世界にも男子高校生が現れたなら授業に集中できないだろう。 〃 #184 何とか王国の何ちゃら王の首は180度までで360度は国際問題だ。 〃 書籍5巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #185 寝る前に食べると太るらしいけれど丸いから問題ない。 55日目 #186 嫌がらせが喜ばれて大人気で追加注文がTバックは危険だった。 〃 視点 委員長 #187 チューブとボクサーのコンビネーションの素晴らしさを説いてお願いしてみた。 〃 #188 巻き込まれても気付かない突っ込ませといて後ろから全体範囲攻撃がお勧めで寧ろ狙っていく。 56日目 #189 委員長様は女王様にジョブチェンジして調教師になるみたいだ。 〃 #190 マッサージチェアーの体験は奇跡的な王女様の不信なようだ。 〃 #191 分かっていたはずなのになんでこいつ等に期待してしまったのだろう? 〃 #192 悪意どころか蔑みも優越感も無関心も欲望も邪悪な感情が何もないのに凶悪って何? 〃 視点 委員長 #193 しっかりと目に焼き付けたから怒られる前に作って誤魔化そう。 〃 #194 答えようが無いし書けないんだけど出来なくなってしまったからしっかりと刻んだ。 〃 #195 定められた運命の理で分かり易く言うとお金が無いから寄こせ。 57日目 #196 そのPoWはステータスでは測れない恐るべき力量で異世界でも無双だった。 〃 #197 何度も何度も見ても慣れる事が出来ないのは老化の始まりかもしれないよ? 〃 視点 メロトーサム #198 一気に出さずに少しずつ上げたり目線を変えると長くぼったくれる。 〃 視点 委員長 #199 空気なのに最近濃度すらもが薄まっているのだからそろそろ真空になりそうだ。 〃 #200 宿屋におっさんが来たんだけど、なんとどれだけのフラグを立てても驚くべきことに全員おっさんだった。 〃 #201 防衛戦の布陣の陣形の鶴翼はぽよぽよだが縦深陣はぷるぷるらしい? 58日目 #202 一体その路線は何処を目指しているのか行先が心配だ。 〃 #203 スキルも無しに壁を駆け回る生物にこそ矢の雨は有効だと思う。 〃 #204 欲求不満の解消なら幾らでも果てしなく何処までも手伝うんだけど、手伝うと危険な物騒な方の欲求不満だった。 〃 #205 うにょうにょでヌルヌルでもにょもにょしているのに巻き付く気満々だ。 〃 #206 そこには夢と希望が詰まらずにエロと欲望と触手しか詰まって無いらしい。 〃 #207 名前分からないのに誰か分からないまま語りだすとか無謀だと思う。 〃 視点 楯っ娘 #208 全身沫塗れでキャッキャキャッキャ騒いでる泡沫娘達は実は茸汁とは知らないだろう。 〃 視点 委員長 #209 どうして人が倒れてるのに蘇生ではなく更生させる相談をしているのだろう。 〃 #210 無駄なく迷惑も掛けなくて大変エコロジーで簡単迅速だ。 59日目 #211 辞書の不可能と言う文字が欠落してたクレームが有名なクレーマーな人も良い事を言うものだ。 〃 #212 囁かれて妄想すると攻守が逆転で最近結構技巧派だ。 〃 #213 空気中に拡散して気配どころか存在感自体が消えているから只の空気だ。 〃 #214 人の限界を超えるって言うか人間自体を辞めてしまっているからうっとうしい。 〃 #215 ステータスの上昇値は残念ながらまったく知能には反映しなかった様だ。 〃 #216 仲間の為に経験値と敵を譲る友情な感情に違いないから問題ない。 〃 #217 なんかもう宿に武器忘れて来ても気付かずに1日が終わりそうな今日この頃。 〃 #218 きっと心は通じ合っているはずだけど言葉が通じ合っていない気がする。 〃 #219 それは男子高校生には重過ぎるし何よりそっち方向にだけは目覚めたくありません。 〃 #220 いつも隠れて嘘つくからブラフってみたらやっぱり隠れていてもう嫌だ。 〃 #221 21人のジトに囲まれ怒られ9名のオタ莫迦付きで毎日食事は自炊で浪費するお金も無いんだよ? 〃 視点 ムスジクス #222 あれはスライムさんでは無かったがスライムさんが言っていた2人のお風呂友達が誰かは分かった。 〃 #223 観光と言う名の欲望のバスにはきっとバスガイドさんが必要で重要でご指名だ。 60日目 #224 移動からのタッチダウンで再度移動を開始はおかしい。 〃 #225 敵を倒すのは2流、敵を作らないのが1流だって言ったら怒られた。 〃 視点 委員長 #226 柔らかさも張りも弾力までも違うみんながオンリーワンだったが、まあ2個ある? 〃 #227 試作を基に再度一から完全に作り直し設計し直した改良版の修正版の出来立てホヤホヤの新作だ。 61日目 #228 そのタイトルはアニメ化も映画化も実写化自体も厳しいだろうがHな本なら作られそうだ。 〃 #229 奇妙奇天烈複雑怪奇な狂喜乱舞の意味不明でぐだぐだだ。 〃 #230 もうその設定が聞いただけで心に痛みが走る痛烈な駄目な奴だ。 〃 #231 きっと観光名所になれば大量に置かしてもらったマッサージチェアーで大儲けだ。 〃 #232 甘かったら山脈散歩だいって言われても辛かったら水中遊泳なの? 〃 視点 委員長 #233 前後左右に加え上下の攻撃防御を多用するから前後左右上下に揺れるようだ。 〃 #234 何でお土産屋さんにお饅頭買いに行くのに完全装備なんだろう? 62日目 視点 委員長 #235 饅頭怖いのフリすら理解出来無い所で饅頭は売れるのだろうか? 〃 #236 相手の考えを読み取っても相手が理解できているとは限らない。 〃 #237 ちょっと用事があるんでその証言をした人たちの名簿を見せて欲しいんだけど? 〃 視点 セレス #238 公正取引法違反の独占禁止法違反者共には不法投棄が望ましい。 〃 書籍6巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #239 アレな方でまあアレでその他すべてがアレな方ですってドレ? 62日目 視点 ムスジクス #240 アレな方でまあアレでその他すべてがアレな方ですってドレ? 〃 #241 辺境中で名前が普通に定着してるなら其れは正式名称では無いのだろうか? 〃 視点 メロトーサム #242 きっと多分恐らくお間違いなくここが花いっぱいの観光名所として親しまれる事は無い。 〃 視点 委員長 #243 見た事も無い美味な異国の菓子でお説教を誤魔化していると言うのが正しいらしい。 〃 視点 ムスジクス #244 マッサージ機シリーズは売れ線だと思うのだが禁止らしいのは差別なのだろうか? 〃 #245 お土産屋さんのお客さんにプレッシャーを掛けないでほしいな? 〃 視点 委員長 #246 貴重な試験の結果によって試作され完成されたが失敗作にだって価値は在る。 〃 #247 桶狭間の戦いを戦い抜き勝利したのに桶は没収されて狭間ってしまった。 63日目 #248 実は辺境の山はゴーレムさんだからお辞儀も出来るけど土砂崩れが危険だよ? 〃 視点 メロトーサム #249 乙女の秘密と王家の内緒の戦いが始まるらしい? 〃 #250 仲間たち誰もが追い求め手を伸ばし続けて捕まって押し競饅頭で潰されてるんだよ? 〃 視点 セレス #251 参加した覚えも無く開催すら聞かされていないのに勝手にPart2に巻き込まれて敗者扱いだ! 〃 視点 委員長 #252 ラメで駄目なのはラメが駄目なのか駄目がラメなのか? 〃 #253 寂しそうないい理由を考えて美化しても多分違うんだよ? 〃 視点 委員長 #254 お話合いでお口を塞ぐってお話する気もさせる気も無いお話合いだった。 64日目 視点 委員長 #255 おっさんって長生きした分無駄に色々背負い込むから高速移動が出来ないみたいだ。 〃 #256 無駄で無意味な最期なのに無駄な抵抗も邪魔だった。 〃 視点 ムスジクス #257 飽和現象で許容限界を超え飽和して溢れ出る危機的な状況だから消去しよう。 〃 #258 限界を超え続け手に入れた真の力が試される時が来てないらしい? 〃 #259 深夜に爆走する16歳の乙女の集団は御土産屋さんの硝子を割りに来たんだろうか? 〃 視点 委員長 #260 本日のみのスペシャルが本日のみだった事は滅多に無いらしい。 65日目 視点 委員長 #261 でも、お花とお話する男子高校生ならメルヘン路線で好感度? 〃 視点 テリーセル初出 第三王子,テリーセル #262 肉体労働で運送業で永久機関無限運送重労働なんだけどジトられた。 〃 #263 少女と銘打ちながら全然幼気のないドロドロのあれと同レベルのドロドロ展開らしい。 〃 視点 委員長 #264 衝突安全性能を備えつつ摩擦を起こしてはならない、だって擦れると痛いらしい。 〃 #265 絶対完璧で完全に結果は一緒で労力は無駄にならず安心の環境と俺に優しい見事な行動だった。 〃 #266 ご褒美が無いならぼったくれば良いじゃないの」と彼女(仮名マリさん)は言ったとか言わなかったとか。 〃 視点 孤児っ娘A #267 永い永い時を戦い抜いて歴戦しちゃった時点でもう違うと思うんだけど怖くて誰も言えない。 〃 視点 委員長 #268 建築許可書を貰い忘れたから違法建築なのは内緒だ。 〃 視点 テリーセル #269 判別方法が判明したからと言って判別したら犯罪だった。 〃 #270 抱きつかれてお菓子やお小遣いを貰ってるけどおばちゃんだから羨ましくも無い。 66日目 #271 寧ろひきこもりなのに居場所のお家がほったらかしで帰れない。 〃 視点 奴隷商A,B,C,指揮官A,小田 #272 便りが無いのが良い知らせで便りが有ったら不幸の手紙ならぼっちはずっと良い知らせ? 〃 #273 真面目な働く仕入れ担当運送業で再加工担当の生産者で滅茶働いて実は全然お大尽様じゃ無かったのに泥棒扱いだ! 〃 初出 ヴィズムレグゼロ #274 仕入れ商品におっさん混入な異物混入事件で妹さんが可哀想だ。 〃 視点 委員長 #275 絶妙な合いの手と見せ掛けて実は好感度さん暗殺な邪悪なお手々だった! 〃 #276 新たなマリーさんが異世界召喚で商品の危機で子供の教育に悪い! 67日目 #277 食用だから口に入れないで目に入れると治療なのに傷害事件が発生だ。 〃 初出 イレイリーア #278 小動物が子狸変化で少女を辞めて猩々に変態で物の怪だ。 〃 #279 目隠しとは対極の概念なお手々目隠しを極めた逆目隠しって何か隠しているんだろうか? 〃 #280 貧民街の貧民さんよりお金持って無い自称お大尽様って可哀想だ! 68日目 視点 委員長 #281 でも、お花とお話する男子高校生ならメルヘン路線で好感度? 〃 視点 テリーセル 書籍7巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #282 俺も抱き合って歌って踊りたかったのに俺が居た時はおっさんしかいなかったよ! 68日目 視点 委員長 #283 異世界人は俺の振りは無視するのに俺には振って来るらしい? 〃 #284 セルフ遅滞戦術と情報漏洩機能付きでぼったくり放題なお得意様だ。 69日目 #285 女子の恥はもっと牛丼問題を気にした方が良いと思うが怖くて言えない。 〃 視点 委員長 #286 女子校生ムニュムニュならともかくおっさんボムボムとか需要は無い! 70日目 #287 全編100%おっさんのおっさんによるおっさんの駄目なおっさんだ? 〃 #288 異世界に放流して繁殖したら生態系破壊でお魚君誕生? 〃 #289 何かあれば責任者のせいだし責任取らなかったら責任者じゃ無いんだから無責任? 71日目 #290 やっとおっさん地獄を抜け出したのだからおっさんはスルーなのは言うまでも無いだろう。 〃 視点 メロトーサム #291 まさかのニキビ問題が再発生で「豚剣が駄目なら、犬牙で潰せば良いじゃ無いの」な新展開だった? 〃 視点 尾行っ娘 #292 どうやらこの世界は決して何が在ろうとも「ああ」とは言わせ無い気らしい。 〃 #293 その戦乱の教訓はわざわざ歴史の書に記さなくってもみんなが知っていると言う。 〃 #294 やはりこの城はおっさんが憑き物の呪われたお城みたいだ。 〃 視点 委員長 #295 涙無くして語れないと言うが真の悲しみは言葉が出ないものだ。 〃 #296 遂にMaXと言うべきか未だMaXと言うべきかその先こそが心配だ。 〃 #297 2つの御山に両側から挟まれた魔の三角地帯に桃源郷が活火山らしい。 〃 #298 ぼったくるのは大好きでぼったくられるのは嫌なんだけど妖しいお店は嫌いじゃないがJK在籍は犯罪だ。 72日目 視点 委員長 #299 ベスト囚人ニスト賞受賞には捕らえたい男No1が先だと思う。 〃 #300 大事な事で2回言っちゃたら消える様な要件は大したようでは無いのだろう。 73日目 視点 委員長 #301 男子高校生監禁強要で総レース編みだがゴブとコボには呼ばれない。 〃 #302 すごく綺麗でお姫様みたいなのは偽物で本物はこの前ハンバーガーを売っていた。 〃 #303 レオタードを見るのは好きだが着て参加はちょっと無理って言うか需要が無い。 〃 #304 不審者目撃情報からの捕獲で未然に防いで防災教育だった。 74日目 #305 こっそりと黒髪の美姫でビキニなお姉さんのお芝居を見に行こうとしたら怒られた? 〃 視点 委員長 #306 損なわれたオタらしさがオタの本体なら、残り物だから焼却だ? 〃 #307 お腹を縊れたいならお菓子を食べなきゃ良いじゃないのと言ったMさんは……ムチャシヤガッテ(泣) 〃 視点 委員長 #308 いつの間に羅神眼さんは裸身眼に改名されちゃったのだろう? 〃 #309 遂に好感度さんには宇宙規模の探査が必要となったようだ。 75日目 #310 チャラ男の王のチャラ王はチャラいのに地味だった。 〃 視点 ディアルセズ #311 素敵な妹選手権上位入賞確実な妹さんは兄を売ったお金でドレス作成だ。 〃 #312 男子高校生的に女子と手を繋いでダンスって気恥ずかしいんだよ? 触手じゃ駄目らしいし? 〃 視点 委員長 #313 成長期も終わりつつある過剰栄養の暴食者達もすくすく育つとヤバそうだ。 〃 #314 昔から早起きは3回できると言うが1撃必殺こそが重要だ。 76日目 #315 そんなに一遍に名前を出されても覚えきれないんだけどすぐ消えそうだ。 ? 視点 カスギール大侯爵 #316 孤児っ子社会科見学はドキッ❤JKだらけの王都観光ツアーだったがポロリは無いらしい。 〃 #317 大体お年寄りって言うものは話が長いんだから語らせるのが間違ってると思う。 〃 視点 侍従長 #318 この世で最も虚しい行為はおっさんのお口に茸を突っ込む事のようだ。 〃 視点 ディアルセズ #319 会場の真ん中で出会いを叫んだら思わず返事しちゃわないだろうか? 〃 視点 遥, カスギール大侯爵, テリーセル, 委員長, 侍従長 #320 誰も休ませてくれずに次々と飛び込まれて逃げられないままの超過重労働だ。 〃 視点 侍従長 #321 助け出して保護が必要なか弱き女性は毎日モーニングスターを振り回していないと思う。 〃 視点 委員長, カスギール大侯爵, 遥, メロトーサム, ディアルセズ #322 孤児っ子達の分までぼったくったからお小遣いをあげようと思うが手を出すのは同級生な気がする? 〃 #323 一応確認してみたんだけど王宮の宝物庫の目録にも俺の好感度さんはいらしてはいないそうだ。 〃 視点 ディアルセズ #324 楚々とした清楚な淑女の様な出で立ちだが、作ってた時もそうだとは限らない。 77日目 #325 JK着用済み生鎧に生甲冑って書くとお得感満載で高く売れそうだ。 〃 #326 馬車が揺れないなら馬車ごと揺らせば良いじゃ無いの? 激震中! 〃 #327 謎のダンスバトルは謎のマイムマイムで終結した様だ。 78日目 視点 委員長 #328 茸中毒患者用茸弁当は茸だから茸中毒には効果無かったようだ。 〃 書籍8巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #329 チューリップハットとスモックの女子高生は犯罪的な感じがするから隠しておこう。 78日目 #330 やはり朝からホットドックを咥えてモグモグが拙かったのか朝から空気で存在が感じられない。 79日目 #331 ダンジョンは最大でも100層までしか無いのだから101回目のポーズは出来ないらしい。 〃 #332 恐らく弱体化は免れないが粘体化は拙いし、女体化は絶対お断りだ! 〃 #333 MkⅡの後をMkⅢにするかZにするかは至上の命題だ。 〃 視点 委員長 #334 どうやら面倒で危険なスキルを持った相手は俺だと見做されたようだ。 80日目 #335 永遠の17才問題に続き当分の16才問題まで勃発して異世界も大変だ。 〃 #336 まったくNTR1900版解説のおかげで格好良い戦闘が台無しだ。 〃 #337 蛇も宝箱も着替え美少女も居ないのならば隠すなよ。 〃 #338 労使抗争の末の再雇用契約による改善条件はみんなと一緒だった。 〃 #339 一体異世界で俺は何を求められているか気になるけど聞きたくない。 〃 #340 最近孤児っ子ランチャーの乱れ撃ちの速度から鑑みるに「加速」覚えちゃったの? 〃 視点 委員長 #341 桃を2つ召し上がったらメロンが4つ出てきたようだ、もれなくさくらんぼも付いて来るらしい。 〃 #342 ピンクのリボンでプレゼントとは女子力は侮れないけれど物は選ぼうよ? 81日目 #343 ぬめぬめな溶解液は是非とも新偽迷宮にスカウトしたい逸材だったが惨殺された? 〃 #344 道は奥深く窮むるには奥深く潜っちゃって畝(うね)っちゃって蠢いちゃおう! 〃 #345 終わりのないご休憩は宿泊コースな連泊で永住の危険もある。 〃 #346 バニー嬢のバニースーツ無しVerはとってもバニーな長いお耳だけだった。 〃 #347 それはもう多感に敏感に感受性豊かに感動の余り感触を感悦して実感されたそうだ。 82日目 #348 陸海空で大活躍だが実は水中戦こそがその真価を発揮する様だ。 〃 #349 太く固いノブをそっと手で握りしめてゆっくりと回してドアを開くと良いと思う。 〃 #350 開いてこそ意味が在るのだから下ろせないジッパーなんてただのジッパーだ。 〃 #351 遂に謎の医療班なメディックさんは正体不明で謎のままなようだ。 〃 視点 委員長 #352 あれは無効化とか魔法反射とかそんなちゃちな物じゃ無かったし大きかった。 83日目 #353 迷宮の入り組んだ洞窟の中を延々と木霊しながら響き渡る叫びはおひさだった。 〃 #354 どうやら使役のスキル効果とは甘い誘惑な買収に敵わない様だ。 〃 #355 寧ろパン粉も付いて無いのにフィッシュフライだと思った女子力こそが問題だが怖いから指摘はしない。 〃 視点 委員長 #356 永かった日々を耐え忍び抜き苦節2日にしてようやく下ろせる日がやって来た。 〃 #357 罠と知り自ら罠に飛び込むその行いは絶対俺のせいじゃ無いから俺は悪くないんだよ。 84日目 #358 「他人の気持ちになって考えよう」と「他人の嫌がる事を進んでやろう」は道徳教育の基本なのに不満らしい。 〃 #359 頑強堅牢にして強固に建造しなければ反抗期の地団駄でお家が破壊される恐れがある様だ。 〃 #360 それは全てのビキニアーマーをこよなく愛する人たちが許してくれない大罪装備になってしまう。 〃 #361 異世界では年齢問題はセーフなようだが歴史問題がタブーなようだ。 85日目 #362 重厚感と威圧感を兼ね備えた重低音の圧力は力一杯投げたら走って行った。 〃 #363 向いていない就職先に間違えて勤務するから職場が致命的だった。 〃 #364 一生応懸命に真面目に真剣にやればやる程に異性の好感度さんが遠のいていく気がするんだけど何故なんだろう? 〃 #365 家庭的でアットホームなお名前で素敵な奥様に好かれそうだが拘束して首を絞めて来るサスペンス的な家庭観だった! 86日目 #366 女子校生の手編みのケブラーは愛情では無く絞殺用なのだろうか? 〃 #367 この世界では18過ぎると行き遅れらしいが永遠の17才については触れられないらしい。 〃 #368 卒業の見込みが怪しい男子高校生には異世界通信制教育制度とか無いのだろうか? 〃 #369 ぽよぽよと風情を楽しむ様な顔をしているがただのかき氷の食べ過ぎだった。 87日目 #370 あの「何っ!」って言う顔こそがめっちゃめちゃムカつくんだが理解は得られない様だ。 〃 #371 超地方限定のマイナーなワンちゃんだが設定がアレそっくりで紛らわしい。 〃 #372 極目した限りでは目の錯覚現象による疲れ目だという判断だったが贔屓目だったようだ。 〃 #373 戦いで命を守る戦支度はむちむちと大変そうでぷるんぷるんだった。 88日目 #374 異世界では土塊でも空気が読めるというのに、野生とかいじめられっ子の勘では空気は読めないらしい。 〃 #375 用があったから端っこでぼっちで悲し気なおっさんに話しかけたら懐かれた。 〃 視点 メロトーサム #376 当社比2・5倍はどこの当社さんが計測したのかが疑問点だろう。 〃 視点 委員長 #377 最後の最期まで完璧だったのに嘴で突くのが鴉だった、惜しい。 〃 #378 過保護なビキニの保護者さんがクレーマーなJK大集合で孤児っ子達は大回転だった。 89日目 #379 比率変化分を比重に求めて抵抗値を上げたらネトネトでヌルヌルなのはしょうがない。 〃 #380 異世界転移じゃなくて2次元転移を目指すべきだった様だ。 〃 #381 死にゲーだが運ゲーに持ち込んで当たり判定回避な超加速とかチートじゃなくてバグだった? 90日目 #382 迷宮では馬上サーフィンな跳ね回る暴れ馬なロデオなサーカス感が結構楽しくて大人気だった。 〃 #383 せっかく名付けて看板まで作ったのに名前は変更されるらしい。 〃 #384 御引っ越しの引っ越し蕎麦が引っ越さない定住のひきこもりさんによって手打ちされてる件? 〃 視点 委員長 #385 覚り世代になって覚る前に異世界転移だったのになんか覚れそうだが透視が拙い。 〃 #386 スクエア・ワンと言うと映画のタイトルっぽいがただの菱形陣形でただ突っ込んだだけだった。 91日目 #387 そこはテヘペロじゃない新しいジャンルのテヘエロとかが派生しそうな危険な迷宮だった。 〃 #388 本人に何の断りもなく1周回っている事に決定されているらしいが何がどうして1周回ったかは何周目に判明するのだろうか? 〃 視点 アリアンナ 書籍9巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #389 莫迦たち以外の莫迦は発見されていないから新種の莫迦じゃ無かったら何時もの莫迦で毎度莫迦なずっと莫迦らしい。 91日目 #390 綺麗なお手手でお口塞がれたから舐めてみたら怒られたからジトって見たらディスられた。 〃 #391 男子高校生の本分と言えば至極当然の事過ぎて言うまでも無い事だから、後は分かるな? 〃 #392 大量買い付けと自社一貫の流通と保存と大量生産によるコストカット効果は俺の人件費が安かった! 92日目 視点 アリアンナ #393 音楽性の違いからネコさんが脱退ってそれは絶対イヌとニワトリとの複雑な関係のせいだと思う。 〃 #394 有り得んティーとかアリエナイさんに苦悩されてもそんなもんなんだけど責めちゃうのは嫌いじゃない。 〃 #395 話の流れから言って最大の問題は一体いつの間に王女っ娘は唐突に来ていたの? 〃 視点 委員長 #396 何となく気軽に人に向かって投げ付けると怒られそうな気がするときは名前を変えると良いらしい。 〃 #397 ずっと続いちゃうとターン制の崩壊でリアルタイムストラテジーなんだけど俺のターンらしい。 93日目 #398 異世界迷宮は迷宮なのに鉄板にしてお約束な基本がわかって無いからやってみた。 〃 #399 最低限の身を護る術とは取り敢えず斬り殺しちゃうのが早いのだが安全なのに御不満の様だ。 〃 視点;委員長 #400 善人には良い事が起き悪人には悪い事が起きると言うが糾われて縄だったって言うか罠だった? 〃 #401 指で茸を跳ね上げて茸発射な超電磁茸砲は不味そうだし超電磁無しで投げた方が早そうだ? 94日目 #402 一撃必殺で一刀両断の深い踏み込みこそがスリットさんには必要なんだとは女性には理解できないようだ。 〃 視点 委員長 #403 オーバーキル過ぎで全く集団戦にならない無双なボコの魔物苛めの教官さんはお手本には向かないようだ。 〃 #404 こんな事も在ろうかと思ったがあんな事も在ったなーってそんな事も在ろうと思って作っておいた。 〃 #405 俺のご意見が反映されず高スルー率の無抵抗さに言って歌って踊りも付けてオペラってみた。 95日目 #406 類にとって月に行くのと蛇が生えるのはどちらが大きな一歩なのかが問題だ。 〃 #407 あれは悪いのはハートマン先任軍曹さんで俺は悪くないんだよと言っているのに物分かりの悪い異世界だ。 〃 視点 メロトーサム #408 兎追いしあの山は許されてバニーさんを追い回す宿は通報で事案な不条理な異世界社会だ。 〃 #409 怪しげだから値切ったらタダになったがそれはそれで御利益感も急降下なありがたみだった。 96日目 #410 素直で純粋な全世界の男子高校生さんへの欺瞞行為な胸鎧は全男子高校生一致で却下されたようだ。 〃 #411 未成年の飲酒は退学の危機だが見回りに来る気も無い薄情な学校のようだ。 〃 視点;委員長 #412 乱れた風紀が風紀委員長さんからお説教の危機だが誰が風紀委員長なのかは謎に包まれているようだ。 〃 #413 近頃では空気を読まないと空気吸えない命がけの空気感らしい。 〃 #414 列車なら列車砲なのは名は体を表すのだからしょうがない事なのだ。 〃 視点 委員長 #415 不倶戴天の敵は共に天を戴けないのだから地中に埋めるしかないのだが共感は得られないようだ。 〃 #416 淫雨なんて言われたら外に飛び出して風邪をひくのも男子高校生だからしょうがない。 97日目 #417 教祖率いる17才教に果敢にも反旗を翻す16才教との狭間なお年頃なのだから問題なのだろうか? 〃 #418 お菓子屋さんに隔絶され駄菓子屋さんにすら遠く及ばないまったく駄目な商売屋さんのようだ。 〃 #419 痛い迷宮王さんは痛々しいまでに痛ましく痛烈な激痛にのたうち回ってめーめーだった。 〃 視点 委員長 #420 刮目しないで刮眼したまま黒目が飛んで瞳孔開きっぱなしの眼球痙攣だった。 〃 #421 無敵を誇った辺境の恐怖の奥様達に天敵が現れたようだがチェンジは決定だ。 98日目 #422 武器を取り出す瞬間こそが隙になりうるが、隙が素敵なら大丈夫なのだ。 〃 #423 広義な意味では出席中だから出席日数は大丈夫なはずなのだが下校が出来ない。 〃 #424 まったく最近の魔物さんは目上の者に対する礼儀も無く序列も弁えずに無礼な事で嘆かわしい。 〃 #425 悲運な感じに迷宮の最下層で力尽き倒れたが原因は痴女さん達だった。 〃 視点 委員長 #426 3度目の正直と言うが俺はずっと正直者だから駄目だったようだ。 〃 #427 男子高校生ならば哀悼と共にその重要性は魂に刻まれているがやっぱり消失する。 99日目 #428 頭のてっぺんの髪の毛の先の枝毛は結構あったからお手入れが必要なようだ。 〃 #429 女子さん達の女子力は行く手を阻むものは悉く叩き潰し踏み躙るらしい。 〃 視点 委員長 #430 舐めるのは大好きなのだがあれはベロをもぎ取られそうな恐怖だから舐めないようにしよう。 〃 書籍10巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #431 ジトは大変に結構なお点前で鋭い切り返しの語彙と畳み掛ける教養の物量に鍛えられた肺活量で声の張りすら見事の一言だ。 100日目 #432 男子高校生ならば哀悼と共にその重要性は魂に刻まれているがやっぱり消失する。 〃 #433 雑貨も百貨も八百屋もいっぱい揃えるのが売りなんだから名前が悪いんであって俺は悪くない。 〃 #434 高2のJKさんの中2病だと3才さば読みされて永遠の13才問題が異世界で迷宮入りだ。 〃 視点 委員長 #435 「話は聞かせてもらった」ってやりたかったみたいだから、やってあげたら怒られた? 〃 #436 整備よりもパイルバンカーだが体操服ブルマセットには逆らえないらしい。 〃 視点 委員長 #437 回転を偏心させて変化球とは侮れない技量の高さの魔球って言うか玉だ。 〃 #438 捩りと捻りの螺旋こそが纏絲勁だけど舌技は無かったと思うが強力だった!? 〃 #439 決して答えは出ない因果性のジレンマは混ぜたら解決するらしい。 101日目 #440 蛇詐称の牝鶏は微かに蝙蝠だがマングースな事実を本鳥は知らない。 〃 #441 牝鶏さんの蛇の女王詐欺は驚愕の真実で愛と友情の感動の物語だったと本人だけが言い張っていた。 〃 視点 委員長 #442 どうやらダガーには洗浄と除菌の効果付与が必要らしい。 〃 視点 委員長 #443 称号大賢者持ちなんだけど賢者タイムのスキルは無いようだ。 〃 #444 レオン・フーコーさんは地球が自転している事を証明したかったと言うのに、何故だか重量制限オーバーが証明されてしまったようだ。 102日目 #445 楽しそうにコロコロと転がっていたから生暖かい目で見守っていたら怒られた? 〃 #446 気を利かせて玉転がしで受付委員長にジトられてバリケードは駄目らしい。 〃 視点 蜘蛛餌っ娘 #447 近代文明的な高度な論理的説明では毎回どう鑑みても俺は悪くないという結論を導き出してみたがオコだった。 〃 #448 ラブコメ展開を邪魔して破壊して妨害する為ならば本気を出す。 〃 #449 第449部分 脳を支配しようとしても筋肉で脳が関係ない脊椎反射生物なら安心だ。 〃 視点 委員長 #450 もにゅもにゅだらけで誰が誰だかわからないが頭を齧ってる歯形だけは齧られ覚えがある。 〃 #451 かわいい服は見ていて俺も楽しく一挙両得で二兎追うものはニューバニーさんだ。 〃 #452 禁句なのに本物出て来るとかやっぱり異世界でも空気を読むのは大切なようだ。 103日目 #453 見た目に騙されて愚かにも手を出し齧られる、いと哀れだな? 〃 #454 ストレスで死んじゃうくらいに脆弱で弱い繊細な男子高校生さんの心はバリケードらしい 〃 視点 委員長 #455 高等学校による高等教育的意味合いから言っても男子高校生だから俺は悪くない。 〃 #456 子沢山の猫親子たち大家族Verが手を振っているが子狸はこっちのようだ? 〃 #457 里芋さんは正義らしい、ならば太郎芋さんは悪なのだろうか? 〃 #458 やはりおっさんにはハリセンかと思って持たせたら、やっぱり役に立ったが怒られた? 〃 視点 メロトーサム #459 危険彼女の野放し禁止法案で保護を申し入れたが僻んでたから焼いてみた? 〃 #460 就職絶対零度はすべての物質が活動を停止して就職活動も停止な恒久無職状態らしい。 〃 #461 口を塞がれて外交交渉が暗礁に乗り上げ座礁で少々不詳なまま委員長が折衝だ。 105日目 #462 絶対王国の評価は大げさで過剰な気がするのは何故だろう? 〃 視点 ガメレーン #463 随分と軽くなったなーとは思っていたが、最初の頃の威厳ある語りはもう無理なようだ? 〃 視点 シャリセレス #464 副委員長Bさんは良い人ランキング1位の良い人で揺れもとても良いのだがオコが怖い。 〃 視点 シャリセレス #465 お芋さんを仕入れたらエロをアピってるお芋さんだった? 〃 #466 近代社会ではペンは剣よりも強しと言うが異世界でも結構いけるようだ。 〃 視点 メロトーサム #467 この御方をどなたと心得るかは誰にもわからないのが問題だ。 106日目 #468 完璧なカモフラージュよりも自信を持ち堂々と振舞えることこそが重要だ。 〃 視点 委員長 #469 不審者って書いた不審者さんがいたら正直な良い人だ。 〃 視点 委員長 #470 錆びるのを心配する前にベロを切らないかは心配されないようだ。 〃 書籍11巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #471 嘗て農作業をしただけでここまでディスられた者がいただろうか。 106日目 視点 委員長 #472 男子高校生的に再起不能な誤射寸前の危機だった! 107日目 #473 囚われのお姫様役の過重労働についての労働基準が曖昧だ? 〃 #474 教国の内情とサンドイッチの山との戦いはマヨネーズとの相性も良さそうだ。 〃 #475 何処か遠くで目つきについてディスられている気がするのは何故なんだろう? 〃 視点 受付委員長 #476 誰も教えていないはずの鷹爪拳の使い手は一体何処から発生したのだろう? 〃 #477 女子の永久たる無間の輪廻には終わりは無いようだ。 〃 #478 男子高校生には無限の可能性が秘められているが赤ちゃんプレイは無い! 108日目 視点 遥, 委員長 #479 異世界でも関東と関西の文化の隔たりは是正されないようだ。 〃 視点 遥, ガシャクルス, 委員長 #480 何とか会館の次は何とか高校だと言う俺の回想シーンはスルーの様だ? 109日目 #481 出生の秘密がマングースなコカトリスさんは蛇の女王を諦め烏骨鶏を目指すのだろうか? 〃 #482 流石に道の傍で鉄鎖拘束プレイは男子高校生には高度過ぎて高等教育の範囲を逸脱しちゃっているだろう。 〃 #483 〃 #484 〃 #485 〃 #486 〃 #487 〃 #488 〃 #489 〃 #505 トルコ珈琲は上澄みを飲むものでこれはちょっと違うんだけど濃いくて目が覚めばっちりだ。 〃 視点 アリアンナ 書籍12巻収録 話数 副題 経過日数 備考 #506 異世界最大の危機は男子高校生のラ◯ドール所有疑惑だった!? 致命的だな! 〃 #50 〃 #541 男子高校生の弱点は女教師で天敵とも言える男子高校生大蹂躙力で三交代制でズルかった! 〃
https://w.atwiki.jp/lord_of_vermilion/pages/1020.html
海種 VerRE 2.1 データ 人獣ver.2.0 ver.2.1 ver.2.5 ver.2.6 ver.Re 2 ver.Re 2.1 ver.Re 2.2 神族ver.2.0 ver.2.1 ver.2.5 ver.2.6 ver.Re 2 ver.Re 2.1 ver.Re 2.2 魔種ver.2.0 ver.2.1 ver.2.5 ver.2.6 ver.Re 2 ver.Re 2.1 ver.Re 2.2 海種ver.2.0 ver.2.1 ver.2.5 ver.2.6 ver.Re 2 ver.Re 2.1 ver.Re 2.2 不死ver.2.0 ver.2.1 ver.2.5 ver.2.6 ver.Re 2 ver.Re 2.1 ver.Re 2.2 降魔ver.Re 2 ver.Re 2.1 ver.Re 2.2 考察 人獣ver2.0 ver2.1 ver2.5 ver2.6 verRe 2 verRe 2.1 verRe 2.2 神族ver2.0 ver2.1 ver2.5 ver2.6 verRe 2 verRe 2.1 verRe 2.2 魔種ver2.0 ver2.1 ver2.5 ver2.6 verRe 2 verRe 2.1 verRe 2.2 海種ver2.0 ver2.1 ver2.5 ver2.6 verRe 2 verRe 2.1 verRe 2.2 不死ver2.0 ver2.1 ver2.5 ver2.6 verRe 2 verRe 2.1 verRe 2.2 降魔verRe 2 verRe 2.1 verRe 2.2 エラッタが行われたカードはVer2.Xの各データページを修正してください。 No.074 UR 竜吉公主 No.075 SR セドナ No.076 SR B★RS No.077 SR 雪の女王 No.078 R 応龍 No.079 R アリオーシュ No.080 R 【幽】ミストドラゴン No.081 R 【躍動】アナンタ No.082 R 【御伽】乙姫 No.083 UC ウーズ No.084 UC ヴリトラ No.085 UC シー・ワイバーン No.086 C エンキ No.087 C ヴォジャノーイ No.088 C マーメイド コメント・考察はこちらにお願いします。使い魔考察/海種/verRE 2.1 竜吉公主(UR) 海種No 074 名前 竜吉公主 コスト 20 種族 海種 HP 430 移動速度 3 ATK 65 DEF 45 攻撃対象 拡散 攻撃属性 闇 弱点属性 雷 Fスキル シールド Tサーチ Sスキル - 特殊技 仙女の戯れ 分類 特殊 特殊技効果 範囲内敵1体に爆弾をセットする。(効果時間内に対象となった敵が効果時間中に特殊技・必殺技を使用した場合、無属性のダメージを与える。)[時・早] 効果範囲 前方・中円 イラストレータ 中野 友和 DATA 身長 1.55m 「ずっと待ち焦がれていたぞ。さあ早く、妾をここから連れだしてくりゃれ。」天界一の美貌をたたえる、仙女のしなやかな指先の宝貝から滾々と水が漏れ出した。龍涎香に惑わされ、気づけば呼吸が出来ぬ程の水の量。女は残念そうに笑みを浮かべる。「恨むな。これも天数じゃ。はあ、妾の力を扱うにふさわしい高貴な者はまだかのう…」 体重 無礼モノ 移動速度 五遁の術 生息域 鳳凰山 宝貝 霧露乾坤網 ライバル 妲己 考察 セドナ(SR) 海種No 075 名前 セドナ コスト 25 種族 海種 HP 500 移動速度 4 ATK 80 DEF 35 攻撃対象 拡散 攻撃属性 炎 弱点属性 雷 Fスキル パワー Wゲート Sスキル 散スマ 特殊技 深潭海壁 分類 強化 特殊技効果 範囲内の味方全ての防御力を一定時間上げる。範囲内の味方のHPの合計値が多いほど、効果が上がる。さらに、HPの合計値が一定量を超えると弱点が消える。[時・早] 効果範囲 自身含む前方円 イラストレータ 増田 幹生 DATA 身長 12.3m 冬の海、酷い嵐の中、船内。ある者は遺書を書き、ある者は樽に体をくくりつけ、ある者は神に祈りを捧げた。歌声と共にいっそう船が大きく揺れた。『とうさんは、肥えた冬のアザラシの味みたい… かあさんは、痩せた冬のアホウドリの味がする…』どこにも掴まれず投げ出された船員は声の主と共に死の国へ沈んでいった。嵐の後、助かった老人は、灯台の光を見て涙をこぼした。 重量 底に沈むほど 移動速度 嵐のごとく 生息地 海底ふかく 夫 犬 別名 海の女王 考察 B★RS(SR) 海種No 076 名前 B★RS コスト 15 種族 海種 HP 440 移動速度 3 ATK 35 DEF 40 攻撃対象 複数 攻撃属性 撃 弱点属性 雷 Fスキル Wサーチ Sスキル 特殊技 ロックカノン 分類 攻撃 特殊技効果 範囲内の敵全てに撃属性のダメージをあたえる。範囲内の敵の数が少ないほど威力が上がる。さらに、攻撃力を一定時間下げる。 効果範囲 前方・中円 イラストレータ サンジゲン DATA 身長 不明 全てが謎に包まれた少女。左腕にRock Cannonを携えて、撃ち出されるのは秒間20発の岩。深遠の瞳は何を想い、誰を見つめているのか。闇を駆け抜ける、瞳に宿った決意の蒼炎。その姿は、さながら闇夜を切り裂く流星のよう。彼女は呟く。「……を助けたい?」 体重 不明 出身地 不明 目的 不明 武器1 ★Rock Cannon 武器2 Black blade 考察 雪の女王(SR) 海種No 077 名前 雪の女王 コスト 25 種族 海種 HP 460 移動速度 3 ATK 45 DEF 65 攻撃対象 複数 攻撃属性 光 弱点属性 雷 Fスキル シールド サーチ Sスキル 特殊技 癒しの氷華 分類 回復 特殊技効果 範囲内の味方全てのHPを回復する。さらに、一定時間最大HPを上昇させる。(範囲内の種族が海種の場合、効果が上がる)[時・遅] 効果範囲 自分を中心に横長 イラストレータ 塚本 陽子 DATA 身長 1.75m しっ、声を出すんじゃないよ。雪の女王の橇が行ってしまうまで、息を潜めておいで。幸せな恋人達の仲を引き裂くのが、何よりの楽しみなんだ。恋人を失った娘の流す涙が、一番の好物なんだよ。あの氷のくさびが心に打ち込まれたら、どんなに好いた恋人だって、心の中から綺麗さっぱり消えちまうのさ。――雪の女王の宮殿の城下町にすむ老婆の忠告 体重 知りたいか? 生息地 雪の女王の宮殿 趣味 恋人を引き裂く 好きなもの 嘆きの涙 特技 心に氷のくさびを 考察 応龍(R) 海種No 078 名前 応龍 コスト 30 種族 海種 HP 450 移動速度 4 ATK 50 DEF 75 攻撃対象 複数 攻撃属性 闇 弱点属性 雷 Fスキル ゲート Sスキル なし 特殊技 寂滅の塊嵐 分類 攻撃 特殊技効果 範囲内の敵全てに闇属性のダメージを与える。さらに、対象の使い魔のコストが大きいほど威力が上がる。[時・早] 効果範囲 前方・中円 イラストレータ 緑川 美帆 DATA 体長 天を割る 「遥かなる太古、天を駆ける大いなる龍がありという。時の帝の求めに応じて 蚩尤 と戦い、殺生の戒を破り、天に帰る道を自ら閉ざしたという…我が弟子よ。なぜこんな伝承を話すかというとだな…目覚めた応龍が今また 蚩尤 に挑もうとしているのに、背中に乗っているわしらに少しも気づいてくれない事など取るに足らん些細な問題だと…」 重量 天を落とす 最高速度 天を崩す 生息域 東方海域 平均寿命 三千歳以上 宿敵 蚩尤 考察 アリオーシュ(R) 海種No 079 名前 アリオーシュ コスト 15 種族 海種 HP 460 移動速度 3 ATK 35 DEF 35 攻撃対象 複数 攻撃属性 撃 弱点属性 雷 Fスキル シールド Sスキル なし 特殊技 破獄の針鼠 分類 弱体 特殊技効果 範囲内の敵全ての攻撃力と防御力を一定時間下げる。さらに、通常攻撃を当てると効果が上がる。 効果範囲 前方・中円 イラストレータ 藤坂 公彦 DATA 身長 1.7[meter] そうですね、医者の私が口にするのは心苦しいですが、あの女性は治療不可能だと思います。人間の心というのは理性と感情によって形作られていますが、彼女には理性の部分が一切ありません。いえ、時折知性的な言葉を放つ事もあるのですがそれは全て彼女の食欲を満たす為に作られた擬似的な言動に過ぎないのです。残念です…… そこにもっと早く気付いていれば私の右腕が無くなる事もなかったと思います…… 体重 50[kg] 武器 哀しみの棘 特徴 壊れている 好きなもの 子ども 契約の代償 子宮 考察 【幽】ミストドラゴン(R) 海種No 080 名前 【幽】ミストドラゴン コスト 15 種族 海種 HP 440 移動速度 4 ATK 50 DEF 25 攻撃対象 複数 攻撃属性 光 弱点属性 雷 Fスキル ゲート Sスキル なし 特殊技 ファントムブレス 分類 強化 特殊技効果 自身の攻撃力と防御力を一定時間上げる。さらに、自身が死滅するたびに効果が上がる。 効果範囲 自身 イラストレータ 川洋 DATA 全長 目撃者は帰還せず 海の底深く、沈船を積み重ねた王城に王は帰還した。ゆらゆらと岩に縛られた騎士たちが忠を誓ってひざまずく。くるくると足に錘を結わえられた美姫たちが踊りだす。ぷかぷかと漂う侍従長が王国の繁栄を報告する。玉座の王はそれを聞いて満足そうに微笑んだ。この辺は冷たい海流が流れ込み、死体は容易に朽ちぬのだ。 重量 計測者は帰還せず 最高速度 気づいた時には遅い 生息域 深層水塊 望み 天国の繁栄 好きなこと お人形遊び 考察 【躍動】アナンタ(R) 海種No 081 名前 【躍動】アナンタ コスト 10 種族 海種 HP 610 移動速度 4 ATK 10 DEF 10 攻撃対象 複数 攻撃属性 闇 弱点属性 雷 Fスキル Wゲート Sスキル 特殊技 トランスフォーム 分類 特殊 特殊技効果 範囲内の敵使い魔1体の攻撃力・防御力・移動速度・通常攻撃方法を一定時間、自身にコピーする。 効果範囲 イラストレータ オサム DATA 身長 最小1.4[meter] 終焉が始まっている。あの方の船となり日を遮る天蓋となり、共に世界を創造する時が近づいている!胸の高鳴りをおさえながら、竜神はお転婆な少女のように水面へ飛び出した。 体重 最小38[kg] 生息域 世界の果て 名の意味 無限 主 ヴィシュヌ 役目 乳海を渡る 考察 【御伽】乙姫(R) 海種No 082 名前 【御伽】乙姫 コスト 25 種族 海種 HP 460 移動速度 4 ATK 55 DEF 70 攻撃対象 単数 攻撃属性 炎 弱点属性 雷 Fスキル Wゲート Sスキル W単スマ 特殊技 竜宮の妖霧 分類 弱体 特殊技効果 範囲内の敵全ての攻撃力と防御力を一定時間、徐々に下げる。さらに、自身が死滅するまでの間、使用するたびに効果が上がる。[時・早] 効果範囲 前方・中円 イラストレータ うっけ DATA 身長 1.60m ひらひらした服でタイやヒラメと舞い踊れと?ずらり並べた求婚者たちから婿を選べと?父上、大軍で包囲したところで決意は変わりませんわ!乙姫は自分の手で婿を探すために陸に参ります!さあ、轟天丸! 最大戦速にて突進なさい!陸には亡き姉上が遺した姪たちもいるはずよ!――「妖刀武芸帖」其之拾 体重 父上にも秘密 最高速度 とくと御覧じよ 得意 武芸百般 信条 守るより攻めよ 目的 婿探し 考察 ウーズ(UC) 海種No 083 名前 ウーズ コスト 10 種族 海種 HP 410 移動速度 4 ATK 35 DEF 35 攻撃対象 拡散 攻撃属性 炎 弱点属性 雷 Fスキル - Sスキル 散スマ 特殊技 魔封の呪術 分類 特殊 特殊技効果 範囲内の敵1体に呪いをかける。効果中に退却した場合、退却したゲートの封印ゲージを一定量増加させる。[時・遅] 効果範囲 前方円 イラストレータ 甲壱 DATA 全長 天候による 若い戦士が叫んだ。「みんな走れ。一刻も早くあいつから逃げるんだ」老いた賢者が叫んだ。「落ち着け、雨季が明けてあいつが乾燥するのを待つのだ」戦士に従ったものたちは泥に足を取られて残らず沈んだ。賢者に従った者たちは何日もかけて残らず餓死した。そして湿原の生ける泥だけが腹を満たした。 重量 気温による 最高速度 湿度による 生息域 アルバル湿原 寿命 雨季の間 捕食対象 流れ込むもの 考察 ヴリトラ(UC) 海種No 084 名前 ヴリトラ コスト 20 種族 海種 HP 350 移動速度 4 ATK 45 DEF 70 攻撃対象 複数 攻撃属性 撃 弱点属性 雷 Fスキル - Sスキル - 特殊技 蛇龍赫怒 分類 強化 特殊技効果 自身の最大HPを一定時間上昇させる。さらに、ゲート内での回復速度が上がる。[時・遅] 効果範囲 自身 イラストレータ 緑川 美帆 DATA 全長 宇宙の穴ほど 「乾いたもの、湿った物によって傷つかない、昼も夜も僕を攻めないと決めたはずじゃないか!」「これは乾いても湿ってもいないヴァジュラだし、今は夕暮れだから良いだろう? さあ早く死ね。」例年行事とはいえ、ヴリトラの他者に対する不信感は年を追うごとに増していく。 重量 自在 特技 変身 宿敵 インドラ 別名 宇宙を塞ぐ者 嫌い 全ての生物 考察 シー・ワイバーン(UC) 海種No 085 名前 シー・ワイバーン コスト 10 種族 海種 HP 390 移動速度 4 ATK 45 DEF 30 攻撃対象 単数 攻撃属性 光 弱点属性 雷 Fスキル Wサーチ Sスキル - 特殊技 スプラッシュウォール 分類 強化 特殊技効果 範囲内の味方の防御力を一定時間上げる。さらに、対象の使い魔のコストが小さいほど効果が上がる。(範囲内の種族が海種の場合、効果が上がる) 効果範囲 十字 イラストレータ 甲壱 DATA 全長 22[meter] 海に棲む飛龍の肉は珍味でな。ソテー、スープ、刺身。それはもう、さっぱりとした後味ととろけるような触感がこの世の物とは思えねえのよ。ふう、舌がまだ欲しがってる。だがしかし、気をつけろ。 生食は厳禁だ。 体中に錆が生え、里から追放されたくなければ絶対に生では食べてはいけないねえ…。ああだがなぁ、舌が忘れてくれねえのよ…-全身に包帯を捲いた男、場末の酒場にて- 重量 6[t] 最高速度 4[m/s] 生息域 クルミナ北海 捕食対象 魚、鳥、人 悩み 寄生虫 考察 エンキ(C) 海種No 086 名前 エンキ コスト 20 種族 海種 HP 450 移動速度 2 ATK 70 DEF 35 攻撃対象 拡散 攻撃属性 闇 弱点属性 雷 Fスキル リペア Wシールド Sスキル - 特殊技 アプスーの霊力 分類 強化 特殊技効果 自身の防御力と移動速度を一定時間上げる。[時・早] 効果範囲 自身 イラストレータ 石川ヒデキ DATA 身長 7.3[meter] 洪水があれば大きな船を作れば、よい!諍いがあれば片方を滅すれば、よい!混沌へ導く奴がいればそいつを眠らせてしまえば、よい!好きな女があるならば因縁など構わず口説けば、よい!悩むことは、全くない!すべてどうにかなるものだ! 体重 4.6[t] 移動方法 波に乗って 生息域 淡水海 好物 ビール ペット アビス 考察 ヴォジャノーイ(C) 海種No 087 名前 ヴォジャノーイ コスト 10 種族 海種 HP 390 移動速度 2 ATK 50 DEF 25 攻撃対象 拡散 攻撃属性 光 弱点属性 雷 Fスキル リペア Wシールド Sスキル - 特殊技 水精の憤激 分類 攻撃 特殊技効果 範囲内の敵全てに光属性のダメージを与える。さらに、敵アルカナストーンシールドを封印中は威力が上がる。 効果範囲 前方円 イラストレータ 川洋 DATA 全長 5.5[meter] 村に出たはぐれオークをどうにか撃退し、妻子の待っている川べりの家に急いだ。いきなり橋げたの陰からなんとも形容できない顔のでかい臭い生物が、ばしゃりと飛び出した。「もう恐怖ばかりで震える毎日はうんざりだ。次生まれ変わるならいっそ怪物の王に…」大きな口に飲みこまれていく切り離された自分の胴体を眼球にとらえながら私は次の人生に思いを馳せた。 重量 550[kg] 最高速度 60[km/h] 在処 橋の下 飼い主 オークドクター 好物 人間の肉 考察 マーメイド(C) 海種No 088 名前 マーメイド コスト 10 種族 海種 HP 430 移動速度 4 ATK 35 DEF 30 攻撃対象 単数 攻撃属性 撃 弱点属性 雷 Fスキル - Sスキル ゲージ リジェネ 特殊技 深淵の波濤 分類 特殊 特殊技効果 範囲内の敵1体から攻撃力と防御力を一定量吸収する。 効果範囲 前方円 イラストレータ 碧風羽 DATA 全長 1.8[meter] 金の髪の王子様は綺麗な王冠をくれたわ。黒髪の王子様は真珠の飾りの付いた銀のティーセット。でも重たい王冠をつけて海の中は泳げないわ。海の中でのお茶会なんて、何を飲んでるのかわからないし。私の心を奪えるほどのステキな贈り物を持った王子様。いつになったら現れるのかしら。白い骸にはもう小魚が突く破片も残ってやしないのに… 体重 120[kg] 成人魚年齢 15歳 夢想 永遠の愛 家族構成 姉妹ばかり大勢 趣味 蒐集 考察 海種 VerRE 2.1 コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 名前 今日のプレイで[]乙姫のLv4になっているはずの特殊技を使ったら何故かLv3のままというバグが起きました。 - 名無しさん 2012-02-13 19 50 09 【】アナンタとアリオーシュ無茶苦茶にしたの誰だよ… - 名無しさん 2012-02-07 23 26 49 何故シーワイバーンのカードデータが無いんだ - 名無しさん 2012-02-05 04 05 14 ウーズの考察へのリンクがRE2使い魔考察へのリンクになってます - 名無しさん 2012-02-04 18 35 34 雪の女王は【時・遅】です - 名無しさん 2012-01-31 21 44 25 海種 NO.077
https://w.atwiki.jp/eirei/pages/241.html
アン・ネヴィルイングランド1456~1485統率:E 武力:E 政治:E 知力:C 文化:D 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------リチャード3世の王妃。ウォーリック伯リチャード・ネヴィルの娘。 ウィリアム・ドゥ・ラ・ポールイングランド(サフォーク)1396~1450統率:C 武力:C 政治:B 知力:B 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第4代サフォーク伯、後にサフォーク公。第2代サフォーク伯マイケルの次男。英仏百年戦争に従軍し、オルレアンの戦いで捕虜となる。後に王室侍従長、海軍司令長官などを務め、ヘンリー6世に仕えた。しかし、フランス軍によるルーアン陥落によって権威を失い失脚した。 エドムンド・オブ・ラングリーイングランド(ハートフォードシャー)1341~1402統率:B 武力:C 政治:B 知力:B 文化:C 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------エドワード3世の五男で、エドワード黒太子らの弟。初代ケンブリッジ伯。初代ヨーク公。甥のリチャード2世が王位に就くと摂政を務め、五港長官も歴任した。孫に当たる、ヨーク公リチャード・プランタジネットが後に薔薇戦争を引き起こした。 エドムンド・ボーフォートイングランド1406~1455統率:B 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第2代サマセット公。サマセット伯ジョンの子。英仏戦争期にフランス駐留軍の副司令官を務めた。護国卿となったヨーク公リチャードにロンドン塔に幽閉される。後にヘンリー6世に解放され、叛旗を翻したヨーク派と対立する。薔薇戦争のセント・オールバーンズの戦いで殺害される。 エドワード4世イングランド1442~1483統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:D 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ヨーク朝初代イングランド国王で、ヨーク公リチャードの息子。父の遺志を継ぎ、ヘンリー6世を退位させ、王位に就きヨーク朝を開いた。一度は追放されるが、再び王位に就きランカスター派を粛清する。 エドワード5世イングランド1470~1483統率:E 武力:E 政治:E 知力:E 文化:E 魅力:E--------------------------------------------------------------------------------ヨーク朝第2代イングランド国王で、エドワード4世と王妃エリザベス・ウッドヴィルの長男。父王がフランス遠征中に死んだため、12歳で王位に就くこととなる。しかし、グロスター公リチャード(リチャード3世)によって弟ヨーク公リチャードとともにロンドン塔に幽閉されてしまう。 エドワード・オブ・ウェストミンスターイングランド1453~1471統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ヘンリー6世とマーガレット・オブ・アンジューの王太子。薔薇戦争でランカスター派としてテュークスベリーの戦いで兵を率いて戦うが敗死した。 エドワード・オブ・ノリッジイングランド(ノリッジ)1373~1415統率:B 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第2代ヨーク公。第2代ケンブリッジ伯。エドムンド・オブ・ラングリーの子。百年戦争において、アジャンクールの戦いで戦死する。後に薔薇戦争を引き起こしたヨーク公リチャード・プランタジネットの父親。 エリザベス・ウッドヴィルイングランド1437~1492統率:E 武力:E 政治:E 知力:D 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------イングランド国王エドワード4世の王妃。ウォーリック伯リチャード・ネヴィルと対立する。 オウエン・テューダーイングランド1400頃~1461統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------テューダー家の祖。イングランド国王ヘンリー6世の母后キャサリン・オブ・ヴァロワに納戸係秘書官として仕えたが、後にエドマンド、ジャスパーをもうける。薔薇戦争ではランカスター派に属し、モーティマーズ・クロスの戦いで捕らえられて処刑された。 ジェフリー・チョーサーイングランド1343頃~1400統率:C 武力:D 政治:C 知力:B 文化:B 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------詩人。官吏としてエドワード3世、リチャード2世に仕えた。外交使節としてフランス、ミラノ、ジェノヴァ、フィレンツェなどを訪れる。当時の世俗の言語である中英語を使用して『カンタベリー物語』を著した。 ジャン・フロワサールイングランド1337頃~1405頃統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:B 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------年代記作者。イギリス王妃フィリッパ・オブ・エノーに宮廷詩人兼歴史記録係として仕えていた。全4巻から成る年代記は英仏百年戦争前半の重要な歴史資料となっている。 ジョージ・プランタジネットイングランド1449~1478統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:D 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ヨーク公リチャードの六男。エドワード4世の国王即位に尽力し、クラレンス公に叙される。ヘンリー6世を復位させたリチャード・ネヴィルを裏切り、バーネットの戦いで敗死させる。ソールズベリー伯。ウォリック伯。 ジョン・オブ・ランカスターイングランド1389~1435統率:B 武力:C 政治:A 知力:B 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ヘンリー4世と妻メアリー・ド・ブーンの三男。ヘンリー5世の弟。ベッドフォード公、リッチモンド伯。甥のヘンリー6世がフランス国王を名乗った際に、フランスでの実務を取り仕切った。オルレアン包囲作戦を決行するが、ジャンヌ・ダルクによってオルレアンは解放される。後にブルゴーニュ派に捕らえられたジャンヌを宗教裁判に引き渡した。 ジョン・タルボットイングランド(シュロップシャー)????~1453統率:A 武力:A 政治:D 知力:C 文化:C 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------百年戦争のオルレアン包囲の司令官の一人。オルレアンが解放されると敗走し、パテーの戦いではフランスの捕虜となる。帰国後シュルーズベリー伯爵に叙されて、フランスにおける軍総司令官に任じられた。百年戦争後期のカスティヨンの戦いで戦死した。勇猛な姿は『イングランドのアキレス』と呼ばれた。 ジョン・ダンスタブルイングランド(ベッドフォードシャー州ダンスタブル)1390頃~1453統率:C 武力:D 政治:C 知力:C 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------作曲家、外交官、天文学者。百年戦争期のノルマンディー知事であるベッドフォード公ジョンに仕えた。イングランド独自の3度・6度を用いた和声法(フォーブルドン)をヨーロッパ大陸に伝え、それがポリフォニーに発展してルネサンス音楽のきっかけとなった。 ジョン・ドゥ・ラ・ポール(サフォーク公)イングランド1442~1491統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:D 魅力:D--------------------------------------------------------------------------------第2代サフォーク公。サフォーク公ウィリアムの子。ヨーク公リチャードの娘エリザベスと結婚し、ヨーク派に近づいた。ガーター騎士団に所属し、オックスフォード大学総長補佐、アイルランド総督を歴任した。 ジョン・ドゥ・ラ・ポール(リンカーン伯)イングランド1462~1487統率:C 武力:D 政治:C 知力:C 文化:D 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------リンカーン伯。サフォーク公ジョンの長男。ヨーク派のリチャード3世の後継者に目されたが、ボズワースの戦いでリチャード3世が戦死すると、勝者のヘンリー7世の国王即位を受け入れた。後にランバート・シムネルを擁立して王位を狙うが、ストーク・フィールドの戦いで敗死してしまう。 セシリー・ネヴィルイングランド(ダラム)1415~1495統率:D 武力:D 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ヨーク公リチャードの公妃。ラルフ・ネヴィルの娘でエドワード4世、リチャード3世、ラットランド伯エドムンド、クラレンス公ジョージ、マーガレット・オブ・ヨークらの母。薔薇戦争においてヨーク派のためにヨーク公妃として交渉なども行なった。『レヴィの薔薇』、『誇り高きシス』などと呼ばれた。 トマス・オブ・ランカスターイングランド1388~1421統率:B 武力:B 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------王族。ランカスター公、クラレンス公。ヘンリー4世とメアリー・ド・ブーンの次男でヘンリー5世の弟。百年戦争ではアルフルール包囲戦などに参加し、フランス駐留軍の指揮官を務めたが病気で没した。 トマス・モンタキュートイングランド1388~1428統率:A 武力:B 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第4代ソールズベリー伯。ジョン・モンタキュートの長男。ヘンリー5世の側近としてガーター騎士団に所属した。英仏百年戦争のアルフレール包囲戦やアジャンクールの戦いで、部隊の指揮を執ったが、オルレアン包囲戦で大砲の弾に被弾して戦死した。 ハンフリー・オブ・ランカスターイングランド1390~1447統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------王族。グロスター公、ペンブルック伯。ヘンリー4世とメアリー・ド・ブーンの四男。ヘンリー5世、クラレンス公トマス、ベッドフォード公ジョンの弟。摂政代理、護国卿となるが、議会に権力を制限される。妻エノー女伯ジャクリーヌ権利を主張してネーデルランドで転戦するも叶わなかった。商人への免税を推進した事から『善良公』と呼ばれた。 ハンフリー・スタフォードイングランド1402~1460統率:B 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------スタフォード伯エドムンドの子。第6代スタフォード伯。英仏百年戦争において軍功を挙げてバッキンガム公に叙される。薔薇戦争ではノーサンプトンの戦いで戦死する。大司馬、五港長官を務めた。 ヘンリー4世(ヘリフォード公ヘンリー・ボリングブルック)イングランド1367~1413統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:D 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ランカスター朝初代イングランド国王。ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの息子。グロスター公、アランデル伯がリチャード2世に反乱を起こした際に、荷担しており、一時、フランスに亡命する。その後、帰国すると、リチャード2世を破り、国王に即位し、ランカスター朝を開いた。 ヘンリー5世イングランド1387~1422統率:B 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------ランカスター朝第2代イングランド国王。休戦中であった百年戦争を再開し、アジャンクールの戦いなどでフランスの騎士隊主力を壊滅させ、フランス王女キャサリンと結婚をし、トロア条約を締結して、ランカスター朝の絶頂期を見た。 ヘンリー6世イングランド1421~1471統率:C 武力:E 政治:E 知力:E 文化:E 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ランカスター朝第3代イングランド国王で、一時はフランス王も兼ねた。百年戦争の敗北によって王権は地に落ち、精神の異常をきたして、薔薇戦争を引き起こしてしまう。 ヘンリー・パーシーイングランド1341~1408統率:A 武力:A 政治:A 知力:B 文化:C 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------初代ノーサンバランド伯。第3代アニック男爵ヘンリー・パーシーの長男。北部の貴族としてスコットランドの国境警備を担当した。ヘンリー4世がリチャード2世に反乱を起こすと、これに加勢し、褒美としてマン島の支配権を獲得する。後に反乱に参加してスコットランドに亡命する。 ヘンリー・パーシーイングランド1364頃~1403統率:A 武力:A 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------初代ノーサンバランド伯ヘンリー・パーシーの子。スコットランドやフランスとの戦いで活躍し『ホットスパー(燃える拍車)』と呼ばれた。父と共にヘンリー4世の王位簒奪に協力するが、そのヘンリー4世にも反旗を翻す。しかし、シュルーズベリーの戦いで敗死する。 ヘンリー・ボーフォートイングランド1375頃~1447統率:B 武力:D 政治:A 知力:B 文化:B 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------枢機卿、ウィンチェスター司教、大法官。ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの子で国王となるヘンリー4世の異母弟。百年戦争では和平派で主戦派のグロスター公と議会で争った。ジャンヌ・ダルクの活躍でフランスが優勢となると、イングランドとフランスを行き来した。ジャンヌの宗教裁判の際には、ジャンヌの体調を気遣っていた。 マーガレット・オブ・アンジューイギリス(生まれはフランス・ロラニエ地方)1429~1482統率:C 武力:D 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:D--------------------------------------------------------------------------------ヘンリー6世の王妃。アンジュー公でありナポリ・シチリア王のルネ1世の娘。薔薇戦争期にランカスター家を支えたが、エドワード4世に敗れ、夫と子を殺され、ロンドン塔に幽閉されていたが、身代金を支払って釈放されて故郷のアンジューで没した。 リチャード3世イングランド1452~1485統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:D 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ヨーク朝第3代イングランド国王。エドワード5世の摂政を務めたが、後にエドワード5世とヨーク公リチャードをロンドン塔に幽閉し、国王に即位した。その後、ボズワースの戦いでリッチモンド伯ヘンリー・テューダーとの戦闘で戦死した。 リチャード・オブ・コニスバライングランド(ヨークシャー)1375頃~1415統率:C 武力:C 政治:C {知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------イングランドの王族。ケンブリッジ伯。エドワード3世の五男のヨーク公エドマンド・オブ・ラングリーの次男。後のヨーク公リチャード・プランタジネットの父。ヘンリー5世に代わって義弟のマーチ伯エドマンド・モーティマーを王位に就けようと画策した(サウザンプトンの陰謀事件)が、発覚して処刑された。 リチャード・ネヴィルイングランド(ダラム)1400~1460統率:B 武力:B 政治:B 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ソールズベリー伯。ラルフ・ネヴィルの三男。スコットランドの国境警備の責任者で、イングランド北部に勢力を伸ばし、ノーサンバランド伯のパーシー家と対立を深め、薔薇戦争では大法官に任命した恩もあり、ヨーク公に付いた。ウェイクフィールドの戦いで敗れ、ヨーク公と共に処刑された。 リチャード・ネヴィルイングランド1428~1471統率:B 武力:C 政治:B 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------ソールズベリー伯。ウォーリック伯。リチャード・ネヴィルの長男。広大な領地を背景に王権をも凌ぐ影響力を持つイングランドの有力諸侯で、キングメーカーと目された。エドワード4世の王位継承に貢献するが、仲違いしてヘンリー6世を復位させる。しかし、バーネットの戦いでエドワード4世に敗れ戦死する。 リチャード・プランタジネット(ヨーク公)イングランド1411~1460統率:B 武力:C 政治:B 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第3代ヨーク公。ケンブリッジ伯リチャード・オブ・コニスバラの子で、エドワード3世の曾孫に当たる。英仏百年戦争では英軍の司令官として活躍し、ヘンリー6世の摂政となる。しかし、叛旗を翻して護国卿を名乗り、ランカスター派と戦った(薔薇戦争)。後に自身は、ウェイクフィールドの戦いで敗北して処刑された。
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/755.html
内閣総理大臣の一覧(ないかくそうりだいじん の いちらん)は、日本の行政府の長である内閣総理大臣の一覧である。 歴代の内閣総理大臣 大日本帝国憲法は1890年11月29日、第3代の第一次山縣内閣の時に施行。 日本国憲法は1947年5月3日、第32代の第一次吉田内閣の時に施行。 以下表中、代 は歴代内閣、人 は何人目の総理。 日数 は在職日数、ただし在職期間が連続していない場合は、各次の在職日数をあげたのち、最終次の在職日数の後に通算の在職日数を加えた。 代 人 氏名 在職期間 日数 出身地 学職歴 備考 明治 1 1 伊藤博文いとう ひろぶみ 第一次伊藤内閣1885年12月22日- 1888年4月30日 861 長州藩山口県 松下村塾出身後に元老 長州閥 2 2 黒田清隆くろだ きよたか 黒田内閣1888年4月30日- 1889年10月25日 544 薩摩藩鹿児島県 後に元老 薩摩閥在任中単独辞任 ― (三條實美)(さんじょう さねとみ) (黒田内閣)1889年10月25日- 1889年12月24日 (内大臣三條實美が内閣総理大臣兼任) 大日本帝国憲法下 3 3 山縣有朋やまがた ありとも 第一次山縣内閣1889年12月24日- 1891年5月6日 499 長州藩山口県 松下村塾出身陸軍軍人後に元老 長州閥 4 4 松方正義まつかた まさよし 第一次松方内閣1891年5月6日- 1892年8月8日 461 薩摩藩鹿児島県 後に元老 薩摩閥 5 伊藤博文 第二次伊藤内閣1892年8月8日- 1896年8月31日 1,485 (略) (略) 在任中単独辞任 ― (黒田清隆) (第二次伊藤内閣)1896年8月31日- 1896年9月18日 (枢密院議長黒田清隆が内閣総理大臣臨時兼任) 6 松方正義 第二次松方内閣1896年9月18日- 1898年1月12日 482通算943 (略) (略) 7 伊藤博文 第三次伊藤内閣1898年1月12日- 1898年6月30日 170 (略) (略) 8 5 大隈重信おおくま しげのぶ 第一次大隈内閣1898年6月30日- 1898年11月8日 132 佐賀藩佐賀県 佐賀藩蘭学寮出身 肥前閥憲政党総裁最初の政党内閣 9 山縣有朋 第二次山縣内閣1898年11月8日- 1900年10月19日 711通算1,210 (略) (略) 10 伊藤博文 第四次伊藤内閣1900年10月19日- 1901年5月10日 204通算2,720 (略) (略) 立憲政友会総裁在任中単独辞任 ― (西園寺公望)(さいおんじ きんもち) (第四次伊藤内閣)1901年5月10日- 1901年6月2日 (枢密院議長西園寺公望が内閣総理大臣臨時兼任) 11 6 桂太郎かつら たろう 第一次桂内閣1901年6月2日- 1906年1月7日 1,681 長州藩山口県 陸軍軍人台湾総督後に内大臣、元老 長州閥(予備役陸軍大将) 12 7 西園寺公望 第一次西園寺内閣1906年1月7日- 1908年7月14日 920 京京都府 ソルボンヌ大学パリ講和会議全権特使後に元老 立憲政友会総裁 13 桂太郎 第二次桂内閣1908年7月14日- 1911年8月30日 1,143 (略) (略) 14 西園寺公望 第二次西園寺内閣1911年8月30日- 1912年12月21日 480通算1,400 (略) (略) 大正 15 桂太郎 第三次桂内閣1912年12月21日- 1913年2月20日 62通算2,886 (略) (略) 16 8 山本權兵衞やまもと ごんべえ 第一次山本内閣1913年2月20日- 1914年4月16日 421 薩摩藩鹿児島県 海軍兵学寮卒海軍軍人 薩摩閥(予備役海軍大将) 17 大隈重信 第二次大隈内閣1914年4月16日- 1916年10月9日 908通算1,040 (略) (略) 18 9 寺内正毅てらうち まさたけ 寺内内閣1916年10月9日- 1918年9月29日 721 長州藩山口県 陸軍軍人 長州閥朝鮮総督現役陸軍大将 19 10 原敬はら たかし 原内閣1918年9月29日- 1921年11月4日 1,133 盛岡藩岩手県 司法省法学校中退郵便報知新聞社記者外務官僚 立憲政友会総裁衆議院議員在任中暗殺 ― (内田康哉)(うちだ こうさい) (原内閣)1921年11月4日- 1921年11月13日 (外務大臣内田康哉が内閣総理大臣臨時兼任) 20 11 高橋是清たかはし これきよ 高橋内閣1921年11月13日- 1922年6月12日 212 仙台藩東京府 ヘボン塾現・明治学院大学日銀総裁 立憲政友会総裁衆議院議員 21 12 加藤友三郎かとう ともさぶろう 加藤友三郎内閣1922年6月12日- 1923年8月24日 440 広島藩広島県 海軍兵学寮卒海軍軍人ワシントン海軍軍縮会議主席全権 (予備役海軍大将)在任中に病死 ― (内田康哉) (加藤友三郎内閣)1923年8月24日- 1923年9月2日 (外務大臣内田康哉が内閣総理大臣臨時兼任) 22 山本權兵衞 第二次山本内閣1923年9月2日- 1924年1月7日 128通算549 (略) (略) 23 13 清浦奎吾きようら けいご 清浦内閣1924年1月7日- 1924年6月11日 157 熊本藩熊本県 咸宜園出身司法官僚 貴族院議員 24 14 加藤高明かとう たかあき 加藤高明内閣1924年6月11日- 1926年1月28日 597 尾張藩愛知県 東京大学法学部卒業三菱役員外務官僚 憲政会総裁衆議院議員憲政会・政友会・革新倶楽部連立(1925年8月2日以降憲政会単独)在任中に病死 ― (若槻禮次郎)(わかつき れいじろう) (加藤高明内閣)1926年1月28日- 1926年1月30日 (内務大臣若槻禮次郎が内閣総理大臣臨時兼任) 25 15 若槻禮次郎 第一次若槻内閣1926年1月30日- 1927年4月20日 446 松江藩島根県 帝国大学法科卒業大蔵官僚衆議院議員ロンドン海軍軍縮会議主席全権 憲政会総裁 昭和 26 16 田中義一たなか ぎいち 田中義一内閣1927年4月20日- 1929年7月2日 805 長州藩山口県 陸軍大学校卒業陸軍軍人 立憲政友会総裁(予備役陸軍大将) 27 17 濱口雄幸はまぐち おさち 濱口内閣1929年7月2日- 1931年4月14日 652 土佐藩高知県 東京帝国大学法科卒業大蔵官僚衆議院議員 立憲民政党総裁在任中狙撃され、外務大臣 幣原喜重郎が1930年11月14日から翌年3月10日まで116日間にわたって臨時代理 28 若槻禮次郎 第二次若槻内閣1931年4月14日- 1931年12月13日 244通算690 (略) (略) 立憲民政党総裁 29 18 犬養毅いぬかい つよし 犬養内閣1931年12月13日- 1932年5月16日† 156 庭瀬藩岡山県 慶應義塾中退新聞記者衆議院議員 立憲政友会総裁在任中襲撃(五・一五事件)† 総理死亡は5月15日午後11時26分 ― (高橋是清) (犬養内閣)1932年5月16日- 1932年5月26日 (大蔵大臣高橋是清が内閣総理大臣臨時兼任) 30 19 齋藤實さいとう まこと 齋藤内閣1932年5月26日- 1934年7月8日 774 仙台藩(水沢藩)/岩手県 海軍兵学校卒海軍軍人朝鮮総督(2期)ジューヴ海軍軍縮会議主席全権 (予備役海軍大将) 31 20 岡田啓介おかだ けいすけ 岡田内閣1934年7月8日- 1936年3月9日 611 越前藩福井県 海軍大学校卒業海軍軍人 (予備役海軍大将)在任中襲撃(二・二六事件)内務大臣後藤文夫が臨時代理 32 21 廣田弘毅ひろた こうき 廣田内閣1936年3月9日- 1937年2月2日 331 福岡県 東京帝国大学法学部政治学科卒業外務官僚 33 22 林銑十郎はやし せんじゅうろう 林内閣1937年2月2日- 1937年6月4日 123 石川県 陸軍大学校卒業陸軍軍人 (予備役陸軍大将) 34 23 近衞文麿このえ ふみまろ 第一次近衞内閣1937年6月4日- 1939年1月5日 581 東京府東京都 京都帝国大学法学部卒業公家華族貴族院議長 35 24 平沼騏一郎ひらぬま きいちろう 平沼内閣1939年1月5日- 1939年8月30日 238 津山藩岡山県 帝国大学法科卒業司法官僚大審院長枢密院議長 36 25 阿部信行あべ のぶゆき 阿部内閣1939年8月30日- 1940年1月16日 140 石川県 陸軍大学校卒業陸軍軍人後に朝鮮総督 (予備役陸軍大将) 37 26 米内光政よない みつまさ 米内内閣1940年1月16日- 1940年7月22日 189 岩手県 海軍大学校海軍軍人連合艦隊司令長官 (予備役海軍大将) 38 近衞文麿 第二次近衞内閣1940年7月22日- 1941年7月18日 362 (略) (略) 39 第三次近衞内閣1941年7月18日- 1941年10月18日 93通算1,035 40 27 東條英機とうじょう ひでき 東條内閣1941年10月18日- 1944年7月22日 1,009 岩手県 ref name= TOKYO 出生地は東京府/東京都 陸軍大学校卒業陸軍軍人 現役陸軍大将 41 28 小磯國昭こいそ くにあき 小磯内閣1944年7月22日- 1945年4月7日 260 栃木県 陸軍大学校卒業陸軍軍人朝鮮総督 (予備役陸軍大将)→ 現役復帰 42 29 鈴木貫太郎すずき かんたろう 鈴木貫太郎内閣1945年4月7日- 1945年8月17日 133 関宿藩千葉県出生地は泉州/大阪府 海軍大学校卒業海軍軍人連合艦隊司令長官侍従長枢密院議長 (予備役海軍大将) 43 30 東久邇宮稔彦王ひがしくにのみやなるひこおう 東久邇宮内閣1945年8月17日- 1945年10月9日 54 京都府 皇族陸軍大学校卒業陸軍軍人 1945年8月15日より連合軍の占領下(9月6日主権放棄) 44 31 幣原喜重郎しではら きじゅうろう 幣原内閣1945年10月9日- 1946年5月22日 226 大阪府 帝国大学法科大学卒業外務官僚貴族院議員内閣総理大臣臨時代理 元外務大臣進歩・自由連立連合軍の占領下 45 32 吉田茂よしだ しげる 第一次吉田内閣1946年5月22日- 1947年5月24日 368 東京府東京都選挙区は高知県 東京帝国大学法科大学政治科卒業外務官僚貴族院議員 日本自由党総裁自由・進歩連立連合軍の占領下 日本国憲法下 46 33 片山哲かたやま てつ 片山内閣1947年5月24日- 1948年3月10日 292 和歌山県選挙区は神奈川県 東京帝国大学法学部独法科卒業弁護士 日本社会党委員長社会・民主・国協連立連合軍の占領下 47 34 芦田均あしだ ひとし 芦田内閣1948年3月10日- 1948年10月15日 220 京都府 東京帝国大学法学部仏法科卒業外務官僚 民主党総裁民主・社会・国協連立連合軍の占領下 48 吉田茂 第二次吉田内閣1948年10月15日- 1949年2月16日 125 (略) (略) 民主自由党総裁連合軍の占領下 49 第三次吉田内閣改造内閣 一改造内閣 二改造内閣 三1949年2月16日- 1952年10月30日 1,353 連合軍の占領下(1952年4月28日主権回復) 50 第四次吉田内閣1952年10月30日- 1953年5月21日 204 自由党総裁 51 第五次吉田内閣1953年5月21日- 1954年12月10日 569通算2,616 52 35 鳩山一郎はとやま いちろう 第一次鳩山内閣1954年12月10日- 1955年3月19日 100 東京府東京都 東京帝国大学法学部英法科卒業東京市議会議員弁護士 日本民主党総裁 53 第二次鳩山内閣1955年3月19日- 1955年11月22日 249 54 第三次鳩山内閣1955年11月22日- 1956年12月23日 398通算745 自民党総裁 55 36 石橋湛山いしばし たんざん 石橋内閣1956年12月23日- 1957年2月25日 65 山梨県出生地は東京府/東京都、選挙区は静岡県 早稲田大学大学部文学科卒業現在の早稲田大学文学部東洋経済新報社社長 自民党総裁発足直後に脳梗塞で執務不能、外務大臣岸信介が臨時代理 56 37 岸信介きし のぶすけ 第一次岸内閣改造内閣1957年2月25日- 1958年6月12日 473 山口県 東京帝国大学法学部法律学科(独法)卒業商工官僚 自民党総裁 57 第二次岸内閣改造内閣1958年6月12日- 1960年7月19日 769通算1,241 58 38 池田勇人いけだ はやと 第一次池田内閣1960年7月19日- 1960年12月8日 143 広島県 京都帝国大学法学部卒業大蔵官僚 自民党総裁 59 第二次池田内閣改造内閣 一改造内閣 二改造内閣 三1960年12月8日- 1963年12月9日 1,097 60 第三次池田内閣改造内閣1963年12月9日- 1964年11月9日 337通算1,575 61 39 佐藤榮作さとう えいさく 第一次佐藤内閣改造内閣 一改造内閣 二改造内閣 三1964年11月9日- 1967年2月17日 831 山口県 東京帝国大学法学部法律学科(独法)卒業運輸官僚 自民党総裁 62 第二次佐藤内閣改造内閣 一改造内閣 二1967年2月17日- 1970年1月14日 1,063 63 第三次佐藤内閣改造内閣1970年1月14日- 1972年7月7日 906通算2,798 64 40 田中角榮たなか かくえい 第一次田中角栄内閣1972年7月7日- 1972年12月22日 169 新潟県 中央工学校卒業会社社長 自民党総裁 65 第二次田中角栄内閣改造内閣 一改造内閣 二1972年12月22日- 1974年12月9日 718通算886 66 41 三木武夫みき たけお 三木内閣改造内閣1974年12月9日- 1976年12月24日 747 徳島県 明治大学法学部卒業職歴無 自民党総裁 67 42 福田赳夫ふくだ たけお 福田赳夫内閣改造内閣1976年12月24日- 1978年12月7日 714 群馬県 東京帝国大学法学部卒業大蔵官僚 自民党総裁 68 43 大平正芳おおひら まさよし 第一次大平内閣1978年12月7日- 1979年11月9日 338 香川県 東京商科大学現在の一橋大学卒業大蔵官僚 自民党総裁 69 第二次大平内閣1979年11月9日- 1980年6月12日 217通算554 在任中心筋梗塞で急死 ― (伊東正義)(いとう まさよし) (第二次大平内閣)1980年6月12日- 1980年7月17日 (内閣官房長官伊東正義が内閣総理大臣臨時代理) 70 44 鈴木善幸すずき ぜんこう 鈴木善幸内閣改造内閣1980年7月17日- 1982年11月27日 864 岩手県 水産講習所卒業現在の東京海洋大学漁協役員 自民党総裁 71 45 中曾根康弘なかそね やすひろ 第一次中曽根内閣1982年11月27日- 1983年12月27日 396 群馬県 東京帝国大学法学部政治学科卒業内務官僚 自民党総裁 72 第二次中曽根内閣改造内閣 一改造内閣 二1983年12月27日- 1986年7月22日 939 自民・新自由クラブ連立 73 第三次中曽根内閣1986年7月22日- 1987年11月6日 473通算1,806 自民単独 74 46 竹下登たけした のぼる 竹下内閣改造内閣1987年11月6日- 1989年6月3日 576 島根県 早稲田大学商学部卒業中学校教師島根県議会議員 自民党総裁 平成 (以下省略) 記録 在職日数の多い総理大臣 通算在職日数 桂太郎: 2886日(第11、13、15代) 佐藤栄作: 2798日(第61、62、63代) 伊藤博文: 2720日(第1、5、7、10代) 吉田茂: 2616日(第45、48、49、50、51代) 小泉純一郎: 1980日(第87、88、89代) 連続在職日数 佐藤栄作: 2798日(第61、62、63代) 吉田茂: 2248日(第48、49、50、51代) 小泉純一郎: 1980日(第87、88、89代) 中曽根康弘: 1806日(第71、72、73代) 桂太郎: 1681日(第11代) 一代当たりの在職日数 第1次桂内閣: 1681日 第2次伊藤内閣: 1485日 第3次吉田内閣: 1355日 第2次桂内閣: 1143日 原内閣: 1133日 在職日数の少ない総理大臣 東久邇宮稔彦王: 54日 羽田孜: 64日 石橋湛山: 65日 宇野宗佑: 69日 林銑十郎: 123日 就任年齢の低い総理大臣 伊藤博文: 44歳 近衞文麿: 45歳 黒田清隆: 47歳 山縣有朋: 51歳 安倍晋三: 52歳(戦後最年少) 就任年齢の高い総理大臣 鈴木貫太郎: 77歳 犬養毅: 76歳 清浦奎吾: 73歳9ヵ月 齋藤實: 73歳5ヵ月 幣原喜重郎: 73歳1ヵ月(戦後最年長) 都道府県別の総理大臣輩出数 山口県:8人(伊藤博文、山縣有朋、桂太郎、寺内正毅、田中義一、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三) 岩手県:5人(原敬、斎藤実、米内光政、東條英機、鈴木善幸) 群馬県:4人(福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫)(戦後では最多の輩出県) 東京都、石川県、京都府、岡山県、広島県、鹿児島県:各3人 その他の記録 内閣総理大臣の各種記録を参照。 脚注 Template 脚注ヘルプ? Template reflist? 関連項目 内閣総理大臣 日本国歴代内閣 外部リンク 内閣総理大臣一覧(首相官邸) 山口県出身の宰相(山口県観光情報) 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2009年1月16日 (金) 13 54。