約 1,796 件
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/266.html
Template 日本の内閣総理大臣? 桂 太郎/桂 清澄(かつら たろう/かつら きよずみ、弘化4年11月28日(1848年1月4日) - 大正2年(1913年)10月10日)は、日本の武士・長州藩士、軍人、政治家。第11・13・15代内閣総理大臣。元老、陸軍大将・正二位・大勲位・功三級・公爵。台湾協会学校(現拓殖大学)創立者初代校長。毛利家の庶流で重臣であった桂家の出身で、大江広元や桂元澄などの子孫に当たる。通称は「太郎」、諱は清澄(きよずみ)。元老第二世代。長州閥で山縣有朋の直系。 経歴 長門国阿武郡萩町、萩城下の武家屋敷地である平安古(現・山口県萩市平安古)に生まれる。父は長州藩士の桂與一右衛門(禄120石余り)で長男、母は藩士中谷家の娘喜代子。桂家の遠祖は戦国時代の桜尾城主・桂元澄と言われ、桂姓は安芸国高田郡桂村に由来するといわれる。 幼少時に阿武郡川島村(現・山口県萩市川島)に移る。万延元年(1860年)には藩政府の西洋式操練に参加し、鼓隊に編入される。元治元年(1864年)には、禁門の変など中央政界で藩政府が窮地に立たされるなか、7月には世子元徳の小姓役となる。戊辰戦争では敵情視察や偵察任務、連絡役など後方支援に従事し、奥羽鎮撫軍の第二大隊司令として活躍。 明治維新後、横浜語学学校で学びドイツへ留学。帰国後山縣有朋の下で軍制を学び陸軍次官、第三師団長、台湾総督を歴任した後伊藤博文内閣、大隈重信内閣、山縣有朋内閣で陸軍大臣をつとめた。1901年首相に就任。以後西園寺公望と交代で総理大臣を務め、「桂園時代」と呼ばれた。総理大臣在職日数2886日は歴代1位。尚、彼は連続して在職してはおらず、連続在職の記録は佐藤栄作に譲る形となっている。 1900年9月15日には拓殖大学の前身である台湾協会学校を創立している。また、現在の獨協大学の前身である獨逸学協会学校の校長を1887年4月から1890年7月までつとめた。 ニコポン宰相 Template Infobox 軍人? 桂太郎は「ニコポン宰相」と呼ばれた。命名者は「東京日日新聞」記者の小野賢一郎で、桂がニコニコ笑って肩をポンと叩き、政治家や財界人を手懐けるのに巧みだったため新聞にそう書いたと言われている。このやり方からすると、桂は下積み時代から苦労して成功したかのように思われがちだが、実は恵まれた上士の出身である。長州藩で伊藤博文や山縣有朋は最下級の中間、小者(武士身分ではない)の出身だったが、桂は125石の上士の長男で、母の実家の中谷家は180石。叔父の中谷正亮は松下村塾のスポンサーだった。桂は入門しなかったが、それは吉田松陰が刑死したとき、数え年で13歳だったからである。しかし、中谷の甥であったことによって、桂がどれほど恵まれたかは計り知れないものがある。 家柄の良い桂は、はじめ藩の正規軍である「選鋒隊」に編入されたが、蛤御門の変の前に、世子毛利元徳の御小姓になった。これが彼の幸運の手始めで、もし選鋒隊士のままだったなら、山縣の奇兵隊との戦いに敗れ、そこで人生を終えていたかもしれないのである。その後の江戸幕府軍との戦争では志願して石州方面で戦い、戊辰戦争では奥羽を転戦し、250石の賞典を受けた。彼の部下は約200名だったが、戦死者41名、負傷者53名。非常に高い死傷率といえるが、隊長の桂はかすり傷1つ負わなかった。 政治家としてのしたたかさ 1870(明治3)年8月、桂はドイツに留学した。ただしこれは私費留学で、生活はかなり苦しかった模様である。岩倉具視に同行してきた木戸孝允(桂小五郎)に自身を官費留学生にしてもらえるよう依頼し、木戸はそれを承知した。中谷正亮は1862(文久3)年に急死しているが、木戸は中谷とは親しくしていたため、中谷の甥の桂にも目をかけていた。だが、木戸の帰国は1873(明治6)年の7月、忙しい政争の合い間に桂のため手続きを行ったが、桂は10月半ばに留学を打ち切って帰国した。 木戸は陸軍卿の山縣有朋に依頼し、桂を陸軍に入れ、山縣は桂を大尉に任命した。250石を受けた軍歴からすれば佐官クラスであるが、山縣は桂に、「君が留学中に陸軍の秩序も整って、初任の場合はいきなり佐官にしないことになった。しばらく辛抱してくれ」「御言葉ですが、秩序と規律は軍の根幹であります。大尉ではなく少尉の方が陸軍のためには良かったと思います」「では聞くが、陸軍を良くするについて何か方策はあるか」「帰国して日が浅いので何ともいえませんが、徴兵制が実現したことは欣快に存じます。後は兵士をどう訓練するかでしょう」。これを聞いた山縣は大喜びだった。 山縣の発案した徴兵制度は、士族出身者から白眼視されていた。桂は山縣の派閥に組み入れられたが桂の木戸に対する気配りは大変なもので、駐在武官となって赴任したドイツからも月に1度は手紙を出し、珍しいものを木戸夫人宛てに贈った。また、木戸宛ての宛名には「木戸尊大人様閣下」になっている。この仰々しい敬称にはかえって木戸の方で驚いたに違いないが、桂にはそれを平然とやってのける図太さがあった。 日露戦争を勝利に導いた「第二流内閣」 以後は山縣の引き立てもあり、順調に昇進を重ねた。日清戦争には名古屋の第3師団長として出征し、その後台湾総督を経て、第3次伊藤内閣で陸軍大臣になり、大隈重信、第2次山県、第4次伊藤内閣の途中までその任を務めた。そして、義和団事件が一段落した1900(明治33)年12月に兒玉源太郎と交代した。もちろん、すべて山縣の意向である。この時期の最大の案件は「ロシアと戦うことになるのか否か、戦うとすれば誰に首相の大任を委ねるか」である。 伊藤博文は4回、山県有朋と松方正義は各2回の首相経験があり、薩長閥の大物で残っているのは西郷従道と井上馨の2人である。西郷は例によって兄・隆盛を持ち出して断ったが、井上は引き受ける決心をし、大命を受けて組閣にとりかかった。財政難を切り抜ける手腕のある大蔵大臣を誰にするか。すぐれた作戦家だが、軍政には適していない兒玉を変えるかどうか。井上は蔵相に渋沢栄一、陸相に桂の再任を求めたが、両者に拒否されてあっさり組閣を断念した。 元老会議は桂を推し、明治天皇は桂に組閣を命じた。1901年(明治34年)6月、山本権兵衛海軍大臣、兒玉陸相の留任を除いて、小粒な内閣が発足した。蔵相兼外務大臣の曾禰荒助をはじめ、初めて大臣になるという官僚が大半で、その多くが内務省出身の山県閥官僚であった。世人は「第二流内閣」と揶揄した。桂は首相就任と同時に予備役となるはずであったが、明治天皇の意向により現役軍人であり続けた。 桂は9月に小村寿太郎を外相に起用した。日英同盟締結を推進するためで、桂は自伝で、自分と小村とは日露問題の解決は武力によるしかないと最初から覚悟していたと語っている(もっとも、この自伝について山縣は、桂本人に都合のいい作文みたいなものだと酷評している)。現実に日英同盟は日露戦争において日本に有利に作用し、戦争そのものは海軍の東郷平八郎、陸軍の兒玉の働きで勝利した。ポーツマスでのロシアとの和平交渉は陰でセオドア・ルーズベルトアメリカ合衆国大統領を動かした金子堅太郎の努力で、何もかも成功した。桂は、明治天皇から参謀総長であった山縣の頭越しに戦争指導について諮詢を受けるなど、戦争運営を通じて強い信頼を得、自信を深めていった。 桂は首相として称賛されるべきだったが、国民的人気は湧かなかった。戦争の実状を国民に秘匿していたため、賠償金は取れず、割譲されて得た領土が樺太南部だけという結果に、民衆が不満を持っていたからである。講和条約の内容に関する鬱積に端を発する日比谷焼き打ち事件も、この第1次桂内閣の頃に起こっている。 その後桂は西園寺公望と交互に組閣(俗に言う桂園時代)、1908年7月~1911年8月に第2次内閣、1912年12月~1913年2月に第3次内閣を組閣する。この桂園時代は立憲政友会の原敬との攻防と「情意投合」、盟友である西園寺との信頼関係のもと、凋落する元老世代からの自立を図った時代でもある。第2次内閣の時代には、韓国併合や大逆事件による社会主義者への弾圧、関税自主権の回復による条約改正の達成などの業績を残した。だが、それは山縣との間に微妙な亀裂を生み始める。2度の内閣での実績を盾に山縣からの自立を図り、更に反立憲政友会を結集させた「桂新党」までも視野に入れた桂とそれを許さない山縣。山縣は、明治天皇の崩御(死去)により急きょ海外視察から帰国した桂に「新帝輔翼」の重要性を説き、内大臣兼侍従長として宮中に押し込めることで桂の政治的引退を図った。だが、二個師団増設問題を桂は巧みに利用し、第2次西園寺内閣の倒閣後、山縣自らが桂を擁立せざるを得ない状況へと誘導する。 だが、第3次桂内閣の時に第一次護憲運動が起こり、これに対して桂は「桂新党」構想実現のための新政党(後の立憲同志会)を立ち上げて対抗しようとしたが、達成できないままわずか62日で退陣を余儀なくされた(大正政変)。その8ヶ月後に胃ガンで死去した。日露戦争を勝利に導いた総理大臣であるにも関わらず、国葬をもって送られることはなかった。しかし増上寺で行われた葬儀の会葬者は数千人にのぼり、8ヶ月前に桂を倒したはずの民衆までも大挙して押し寄せた。 栄典 1895年8月20日 子爵、勲一等瑞宝章 1902年2月27日 伯爵 日英同盟の功による 1906年4月1日 大勲位菊花大綬章 1907年9月21日 侯爵 日露戦争時に首相だったことによる 1911年4月21日 公爵 日韓併合の功による この時点で、先輩格の井上馨や松方正義を抜いてしまった 1913年10月10日 大勲位菊花章頸飾 第2次内閣の総辞職後に元帥贈号の内示があったが、現役の政治家でありたいという本人の意向により撤回された。 家族親族 最初の妻歌子(旧姓・野田、明治7年結婚、明治19年没)との間に1男2女。2番目の妻貞子(旧姓・宍道、歌子の兄の未亡人、明治19年結婚、明治23年没)との間に1男2女。3番目の妻可那子(旧姓・木村、名古屋時代に出会い明治24年より事実婚、明治31年結婚、昭和15年没)との間に2男1女。 五女寿満子は首相伊藤博文の庶子文吉に嫁いでいる。 三男三郎は井上馨の嫡男(娘婿)の養子となり井上家を継ぐ。更にその間に生まれた井上光貞は歴史学者として活躍した。 愛妾として知られる芸者・お鯉(安藤照)とは日露戦争中に山縣の紹介で知り合った。病弱だった本妻可那子に代わり桂の世話をし、総理官邸に「お鯉の間」が設けられたり、日比谷焼き討ち事件では妾宅が襲撃の対象になったりした。 系譜 桂氏 本姓は大江氏。江戸時代、代々長州藩士。 與一右衛門━┳太郎━┳與一━┳広太郎━┳繁太郎━┳伸太郎 ┗二郎 ┣テウ ┣壽雄 ┣茂都子 ┗美香子 ┣茂子 ┗友子 ┗栄二郎 ┣三郎━━光貞 ┣潔子 ┣輝子 ┣五郎 ┣壽満子 ┗新七 桂太郎━━井上三郎 ┃ ┣━━━井上光貞 ┃ ┃ 井上馨━━千代子 ┃ ┃ 伊達宗徳━━二荒芳徳 ┃ ┃ ┏明子 ┣━━┫ ┃ ┗治子 北白川宮能久親王━━━拡子 ┃ ┃ ┏石坂一義 ┃ ┣石坂泰介 ┃ 石坂泰三 ┣石坂泰夫 ┃ ┃ ┣━━╋石坂泰彦 ┃ ┃ 織田一━━雪子 ┣石坂信雄 ┃ ┣智子 ┃ ┗操子 ┃ 霜山精一━━霜山徳爾 参考文献 宇野俊一 校注『桂太郎自伝』(平凡社東洋文庫、1993年) ISBN 4582805639 小林道彦『日本の大陸政策1895-1914/桂太郎と後藤新平』(南窓社、1996年) ISBN 4816501940 古川薫『山河ありき 明治の武人宰相 桂太郎の人生』 (文藝春秋、1999年) ISBN 4163187103 (文春文庫、2002年) ISBN 4167357151 伊藤之雄『立憲国家と日露戦争――外交と内政 1898-1905』(木鐸社、2000年) 杉山茂丸『桂大将伝』(ゆまに書房歴代総理大臣伝記叢書第6巻、2005年) ISBN 4843317845 宇野俊一『桂太郎』(吉川弘文館人物叢書、2006年) ISBN 4642052348 小林道彦『桂太郎』(ミネルヴァ書房、2006年) ISBN 4623047660 関連項目 大江氏(桂氏の本姓) 華族 第1次桂内閣 第2次桂内閣 第3次桂内閣 大正政変 桂園時代 小村壽太郎、後藤新平 - 政権時代のブレーン。 加藤高明、若槻禮次郎、濱口雄幸 - 桂の政治的継承者。「桂新党」(立憲同志会)の結党に参加し、憲政会-立憲民政党内閣で(桂が新党構想で掲げた)健全財政・軍縮・協調外交路線をとる。 松陰神社 - 周囲に桂の墓所がある。 大三 - 桂の「ニコポン主義」に由来する「ニコホン綿」で知られる。 外部リンク Template commonscat? 歴代総理の写真と経歴(首相官邸ホームページ) 桂氏系譜 桂太郎肖像 明治宰相列伝 : 桂太郎 | 国立公文書館 拓殖大学 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年5月4日 (日) 08 08。
https://w.atwiki.jp/lonerlife/pages/14.html
作中に登場する組織・派閥のまとめです。 転移者男子(23人) 女子(20人) JK騎士団 オムイ領 その他の領地 ディオレール王国王都 近衛師団 第一師団 第二師団 地方 教国 商国 ガメレーン共和国 エルフの国 超越者、英雄 転移者 日本の一般的な進学校に通う高校2年生。日本人なので黒髪黒目の者が多い。→高校 校内で「美少女クラス」,「芸能クラス」と呼ばれるように、良くも悪くも目立つ生徒ばかりを意図的に委員長のもとに集めた学級。 異世界においてはあくまで遠い国からやってきたということだけ伝えているので、戦闘に長けているのは戦闘民族だからだとか遥みたいなのゴロゴロいると思われている。 31日目頃には遥の影響で名前呼びしなくなってきている。 58日目にLv100超過。(遥を除く) 個々の能力だけでなく一団として冒険者としてはトップクラスの実力であり、英雄や勇者と呼んで差し支えない。 男子(23人) うち13人は死亡。魔法職が多かった。 所属 人物 備考 ぼっち 遥 本作の主人公。 オタク オタA(小田) クラスのいじめられっ子グループ。 〃 オタB~D 莫迦 莫迦A(柿崎) クラスの運動部系男子グループ。 〃 莫迦B~E 不良 不良A(勝山) クラスのいじめグループ。 〃 不良B~F 男子生徒 モブ男子A クラスのモブ男子。 〃 モブ男子B~G 女子(20人) 全員が戦闘職ではあるが遊撃型や一撃離脱型、防御型や後衛型が多い。柔軟な戦闘が得意な小田達,柿崎達と組むことで盤石となる。 男子がいなくても安全に戦えるように日々精進している。 好きなスイーツとして委員長やセレスらお饅頭派、シャリセレスやネフェルティリらクレープ派、副委員長Cらパンプキンパイ派に分かれている。 所属 人物 備考 委員会 委員長 クラスの学級委員長。両手剣と剣の二刀流を主としながら魔法も使えるオールラウンダー。速さと技を重視した戦闘スタイル。 〃 副委員長A 委員長に負けず劣らずの美少女。対人戦向きの二刀流で、スキルによる影の手2本も操れるので実質四刀流。「残影刀」持ち。 〃 副委員長B 良い人ランキング1位。Job 大賢者であり「神秘の杖」の他にも魔法特化の装備かつ同級生で一番のMP量を誇る。理由あって前衛で無双している。おそらく「杖術」持ち。 〃 副委員長C 小動物、子供服を着れる体型。胸部装甲も小動物並み(AA)。一方で、大人っぽい衣装が好み。カボチャが大好物。撹乱と囮からの背後からの急所攻撃という暗殺者や忍者系の戦闘スタイル。DeXの高さを活かし、フランシスカ2本を器用に扱う。「鬼迫の帽子」持ち。 〃 楯っ娘(ミワ) 楯職であり、遥から「カウンター・シールド」,「アーマード・プレート」,「魔重のモーニングスター」を落札。背はそこそこあるが線が細く、弾き飛ばされてばかりだった。高いHP,ViT,SpE,DeXを生かした受け流しと間合いの詰め方をアンジェリカから学び成長。 ビッチ ビッチリーダー(島崎) クラスのわがまま女子グループ。人気読モ。 〃 ビッチA~D 体育っ娘(*1) ギョギョっ娘(千佳) 元水泳部で、福貫のコーチ。囮役として敵を引き付ける役回り。ホラー耐性がないのでアンデッド系の魔物が苦手。 〃 裸族っ娘(福貫) 競泳の五輪強化選手で、国際大会に出ている。"マーメイドプリンセス" 〃 新体操っ娘 新体操の五輪強化選手で、国際大会に出ている。"フロア上のフェアリーダンス"リボンやフープやボールに変形する棍棒型の武器を扱う。「錬金」持ち。 〃 バレー部A,B 垪和(はが)と酒々井(しすい)。高1のときインターハイで準優勝した"ツインタワー"。楯をメイン武器に、剣,斧,ハンマー,槍をサブ武器に扱う。半円型の防御陣における中央の要。 文化部っ娘 図書委員 委員長に次いで戦力としてもリーダーとしても遥に信頼されている女子。「正しすぎて碌でもない」幻覚,目くらましなど状態異常,足場への細工など搦め手,陽動を行える。 〃 手芸部っ娘 髪を三つ編みにして纏めている。編み物やレースの縫い方を遥に教えた。 〃 服飾部っ娘(天羽) 手芸部とともに服作りの基本を遥に教えた。 〃 料理部っ娘 職業によるマイナス補正で、料理が上手くいかない。調味料のレシピなどを遥に教えた。 〃 美術部っ娘 島崎達の服飾のアイデアを作画して遥に伝えている。 女子の誰か ジョブ「剣聖」+特殊能力「剣の極み」でもオークを斬れない(14日目時点) 女子の誰か 四大魔法LvMaxでもオークの頭を吹き飛ばせない(14日目時点) 女子の誰か 遥が女子に興味なさそうに振る舞うことからBLを期待した腐女子。 女子の誰か 両手剣使い。 女子の誰か 双刀使い。(副委員長A?) 女子の何人か 「瞬歩」や「縮地」持ち。 女子の何人か 弓職。それぞれ「必中」,「軌道予測」などを持つ。 女子の何人か 王級の称号持ち。 胸部装甲についてブラが要らない者(副委員長Cなど),スポーツブラで事足りる者(副委員長Aなど)がそれぞれ数名ほど。委員長,副委員長Bはトップ5に入る。バレー部A,Bも大きい部類。新体操っ娘,盾委員長は中の上。島崎達は副委員長Aよりは大きい。図書委員,美術部,三つ編みっ娘は上位勢。 JK騎士団 クラスメイトの女子20人および彼女らとともに行動するようになった異世界人の女性達による軍団。ただしそれぞれに立場があり、いつも一緒にいるわけではない。 オムイ領 所属 人物 備考 領主一族 メリ父さん オムイ領主。辺境伯とも呼ばれる。本名はメロトーサム・シム・オムイ。代々イケイケな性格で、オムイ領を守るため自ら陣頭に立って戦い続けている。また生活費を削って方々に資金援助を行うなど辺境のために尽くす様子が見られる。 ムリムリさん オムイ領主夫人。本名はムリムール・シム・オムイ。先代の姫騎士にして「暴虐のムリムール」と呼ばれていた。長大な剣を扱う。 メリメリさん 領主の娘。本名は、メリエール・シム・オムイ 領主配下 側近A メロトーサム付きの側近。代々側近を務めている家系で、イケイケな領主一族を諫める立場にある。領内の政治についてメロトーサムに代わって遥とやり取りすることも多い。 メイドA 領主夫妻付きのメイド。若くはない。 メイドB メリエール付きのメイド。若い。 シノ一族 尾行っ娘 シノ一族の若頭。看板娘と同年代で15歳くらい。 〃 シノ一族々長 尾行っ娘の父。 〃 尾行っ娘一族 主に情報伝達のために登場する。基本的に顔に布を巻いているので素顔はわからないが、おっさんもいればお姉さんもいる。 冒険者ギルド ギルド長のおっさん 真面目な性格のギルド長。本名はハキエス。 受付委員長 ジト目が得意な受付のお姉さん。 受付のお姉さんA 口を滑らせては怒られる方の受付のお姉さん。辺境のギルド唯一の鑑定士。 冒険者(*2) 剣のおっちゃん Bランク冒険者パーティーのリーダー。本名はオフタ。 槍のおっちゃん オフタパーティーの一員。本名はガテク。 キリキル エルフの弓使い。 アーケミー 全身鎧。モデルのような西洋系の美女。 イェブギィーク フードを被った魔法使いの女性。可愛い系。 ゲヴェンティエ 聖術師の女性。可愛い系。 〃 蜘蛛餌っ娘 辺境外からやってきた冒険者4人組。→コロコロ同好会 白い変人 看板娘 幼少期から白い変人(人物)の英雄譚を聞かされて育ったので感謝・尊敬・憧れがある。喜んだり怒ったりすると、変な踊りをする。遥がスライムさんのお守りを任せてもいいと言うくらいの実力がある。仲良しの尾行っ娘とは同年代(二人とも15歳未満)。 行商 行商人 怪しいフードの男性。概ねダンジョン産のアイテムを販売している。ガテクに命を救われた過去があるという。 武器屋 鍛冶師のおっちゃん 禿げたおっちゃん。鍛冶師。武器防具を販売している。 雑貨屋(ズァカーリャ商会) 雑貨屋のお姉さん 美人店主。オムイの街で一番の品揃え。 孤児院 王都孤児っ子 王都から引っ越してきた孤児。伝令っ娘など。50~60人。遥達に保護されてからもしばらく、良い子にしているからご飯を食べられているという強迫観念に駆られていた。→孤児っ子 〃 辺境の孤児っ子 辺境の勇者が遺した子供たち。40~50人程度。 〃 イレイリーア エルフの巫女で、ヴィズムレグゼロの妹。孤児っ子達とともに引っ越してきた。 その他の領地 所属 人物 備考 ナローギ領 領主 オーク顔で、ぶよぶよの体。貴族であり、剣を扱う。辺境が鎖国した事態の責任をその命をもって取らされたと思われる。 〃 配下 オムイ領主一族の馬車を襲って返り討ちにあった。知力はゴブリン並み、顔はオーク並み。技こそあるが、SpEはコボルトLv5未満。 〃 シノ一族 元はオムイ領のために働く一族。一時期はナローギ領に仕えていたが改めてオムイ領に巣戻りした。 カスギール領 領主 大侯爵。 〃 後継ぎA,B 双子、色男、背も高い。金をかけて教育されたので学問も剣術も優秀、金と家柄で女性を誑かしてきた。 ギエスダット領 ダジマカム 大侯爵の飼い犬であり、王国最強の暗殺者だった。 ディオレール王国 王都 所属 人物 備考 王族 ディアルセズ・ディー・ディオレール なんちゃら王国のなんちゃら王。賢王。 〃 ムスジクス 王弟。白地に赤菱の印。 〃 グヴァデーイ 第一王子。シャリセレスの兄であり、それなりにおっさん。豚。王位継承権を巡って争いを起こす。母親が大侯爵家の出身であり、大侯爵と癒着している。 〃 クザリュスヴェリ 第二王子。グヴァデーイの弟。シャリセレスの兄。猿。王位継承権を巡って王国を乗っ取る。ムスジクスやグヴァデーイよりは有能。 〃 シャリセレス・ディー・ディオレール 王女であり近衛騎士団々長。 〃 第三王子 才覚があるかもわからないほどに幼く、外国との繋がりもなく、母親も大貴族の出身ではないため特に後ろ盾もない。 〃 第四王子 同上。 〃 第五王子 同上。ただしシャリセレスとは同腹の姉弟。(*3) 王族配下 侍従長 ディアルセズ達が幼少の頃より従事してきた爺。元教育係として、ムスジクスが愚王と呼ばれていることに責任を感じている。 〃 セレス メイドっ娘。シャリセレスの側近であり影武者。スキル 「覇威」 〃 ヴィズムレグゼロ 王国最強の護衛。 貴族 「王の剣」 腐敗した貴族社会と相容れず没落してなお有事の際には王国のために装備を調えていた。元は男爵や子爵だがおそらく褒章として爵位が上げられている。 近衛師団 近衛騎士団 シャリセレス・ディー・ディオレール 近衛騎士団々長であり王女。 〃 女騎士A 真っ赤な髪の西洋美人。ムスジクスとともに辺境へやってきた。 〃 女騎士B ブルネットな髪に彫刻のような整った顔立ち。ムスジクスとともに辺境へやってきた。 第一師団 第一師団 バルバレラ 第一師団々長であり、シュコバサス家当主の娘。身長180㎝超えのマッチョなお姉さん。 〃 士官A~D バルバレラとは幼馴染の4人。 第二師団 第二師団 テリーセル 第二師団々長。男爵。 地方 貴族 ○○・シュコバサス 北部大侯爵シュコバサス家の当主。かつて熊の様な壮観な大男だった。病に臥せていたが祝勝会で全快した。 教国 王族 アリーエール・アン・アリューカ 王女。シスターっ娘。「教会組」も参照。 国軍 聖堂騎士団 教国の最高戦力。辺境平定時の同級生達に匹敵する強さを誇った。 〃 教会騎士団 聖堂騎士団には及ばないものの十分に強い。狂信者に自爆特攻を課すなど非人道的。 傭兵 森林戦部隊 主に獣人を捕らえている。辺境に向かうムスジクスを追い詰めた。深緑に白線の印。 教会 教会組 アリアンナとともに辺境にやってきた修道士と修道女5人。 〃 サバサ 街の修道士。 教皇 ビンビザール 教導騎士団 ガシャクルス 騎士団長。 〃 レイテシア 保母騎士っ娘さん。 教会騎士団 将軍A Lv62かつLvに見合う技術もあり、教国軍では最強クラス。 商国 七剣 ヴィズムレグゼロ 商国の懐刀だったが、離反し王国へ寝返る。 軍人 指揮官A 元S級冒険者。明記はされていないがおそらく七剣の1人。 デイリバウル商会 エリゥース 会頭。若くて美人。 〃 ハルス 副会頭。ヘルスさん。20代半ばくらいの外見。 ガメレーン共和国 王 ヴァクワック・ガメレーン わくわく王。獅子人族の誇り高き獣王。 側近 側近A 山羊人族。王にくどくどと意見する役目。 狼人族 族長 虎人族 族長 その体躯から生み出される膂力としなやかな敏捷性から凶獣とすら呼ばれる。 熊人族 族長 何者にも倒せぬと言われる巨体を持ち最強の一撃を誇るらしい。 猿人族 族長 獣の膂力と人以上の奸智に富むらしい。 豹人族 族長 敵がその姿を捉えるより早く斬り殺すため、最速の暗殺者と呼ばれる。 王国大使 レイター レターさん。山羊人族の色黒な男性。 兎人族 ウサミミっ娘 剣士。 エルフの国 超越者、英雄 所属 人物 備考 超越者 神 元は人間。魂の波長および総量が合致したとして遥達を辺境に召還した。教会が宣う「天罰」のような直接的な干渉はできない爺。 村人A サバイバー。 英雄 白い変人(人物) とある村の英雄。
https://w.atwiki.jp/eiketsu-taisen/pages/237.html
武将名 こじじゅう 至純の輝剣 小侍従 統一名称:小侍従 生没年:不明~1565「あなたの剣の腕前 味見させてもらいましょうか」足利義輝の側室。進士晴舎の娘。寵愛は深く、二人の娘をもうける。永禄の変が起こり義輝が暗殺されると、三好氏に捕らえられた。死を目前としても毅然とした姿勢を崩さず、処刑人が初太刀を外した時、その不甲斐なさを叱咤したという。 勢力 玄 時代 戦国 レアリティ SR コスト 2.0 兵種 槍兵 武力 7 知力 6 特技 昂揚 計略 進士流抜刀術(しんじりゅうばっとうじゅつ) 武力と移動速度が上がる。さらに効果中に一度だけ斬撃を行えるようになる 必要士気 4 効果時間 知力時間 Illust. toi8 声優 早見沙織 計略内容 カテゴリ 士気 武力 知力 速度 兵力 効果時間 備考 強化 4 +6 - 50% - 9.6c(知力依存0.4c) 一度だけ斬撃可 (最新Ver.1.5.0H) 調整履歴 修正Ver. 変更点 内容 備考 Ver.1.0.0D 武力上昇値 +5 → +6 ↑ - Ver.1.5.0H 効果時間 9.2c → 9.6c ↑ - 所感 コスト比で平均的な武力と中程度の知力を併せ持つバランス型槍兵。 特技に昂揚を備え、総じて手堅くまとまったスペック。 計略は武力・速度上昇に加え、1度だけ斬撃を可能にする単体強化。 効果時間もそこそこ長めであり、士気4計略としては破格の性能。 一方でこの計略一つで戦況を変えるほどの力はなく、漫然と使っても戦果は得られない。 速度上昇と長めの効果時間を活かして相手の足並みを乱すなど、使いどころを見極めて発動したいところ。 解説 足利義輝の側室。 正室は近衛稙家の娘で近衛前久のきょうだい(姉か妹かは不明)にあたり、こちらにも子供が2人いる。 進士賢光は小侍従の父の甥、つまりいとこの関係。 娘2人は義輝と小侍従の死後も生き延びている。 なお開幕台詞の味見が示唆しているが、進士流とは本来剣術流派ではなく料理流派である。 夫の影響で包丁術を剣術に昇華させたのだろうか? 正月セリフで言及している搗ち栗は当時、実際に「勝ち」につながる縁起物として食べられていた。 武家が戦に出陣するときは打ち鮑、昆布と共に食して「戦いに打ち、勝ち、喜ぶ」願掛けとして使われていた。 台詞 \ 台詞 開幕 あなたの剣の腕前、味見させてもらいましょうか 計略 進士流抜刀術、一撃で決めます! └絆武将 技は日々進化します。進士流奥義! 兵種アクション でいやあ! 撤退 義輝様! 復活 仕留め損ないましたね 伏兵 もらった…! 攻城 ここで私を始末したかったんでしょうけど、そうはいきません 落城 そんな腕前では、刀が泣いていますよ 贈り物① 金の延べ棒!? 流石、太っ腹ですね…… 贈り物② 小侍従は通称で、同名の方が多くいますので足利義輝様の妻・小侍従と覚えて下さい! 贈り物(お正月) 私は搗ち栗が好きです。「勝ち」に通じて縁起もいいし、何より甘いからです 贈り物(バレンタインデー) 進士の技を持って、あなた好みのチョコレートを作りました。どうぞ……! 贈り物(ホワイトデー) ふぁ、もふいただいへまふよ……し、失礼!このマシュマロとても美味しいです! 贈り物(ハロウィン) 今日は宣教師の方に教えていただいた吸血鬼という妖怪の姿をして遊ぼうと思います。 友好度上昇 仕留め損ないましたね 寵臣 幕府再興、そして義輝様の天下のために 贈り物の特殊演出 ① 会話武将 台詞 玄011小侍従 義輝様、見てくださいこの金の延べ棒!当世の金は振ると音が鳴るのです! 玄001足利義輝 軽いな……ああ、中に小袋が入っているのか。面白いことを考えるものだ。 玄011小侍従 えっ!?あっ……そう、そうなのです!!……そうなのですね…… 玄001足利義輝 顔を上げよ、中身はおぬしの大好物の甘味だ。……ふ。その顔、贈り主にも見せるのだぞ。 ② 会話武将 台詞 玄014進士賢光 何を作ってるんだ? 玄011小侍従 ”梅焼”……にする、鯛のすり身です。九朗兄さんが前に作ってくれた! 玄014進士賢光 前正月に出したんだったか、よく覚えてたな。にしても、料理にしちゃ気合が入ってやがる。 玄011小侍従 私も進士の娘です。何事も、もちろん包丁術だって怠るつもりはありません! 玄014進士賢光 いい心がけだが、あまり根詰めすぎるなよ。時間はたっぷりあるんだからな! 情報提供・誤った点に気付いた等、何かありましたら気楽にコメントしてください。 名前 ホワイトデーにマシュマロって… - 名無しさん (2023-03-23 23 24 31) 絆武将で計略台詞は「技は日々進化します。進士流奥義」でしたね。 - 名無しさん (2022-09-26 18 23 20)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2748.html
前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ 『水の精霊』の頼みを受け、一行はガリア側の岸辺へ向かう事になった。 とりあえず村に戻って事情を説明し、準備を整える。一周すれば200リーグはあろう湖の対岸に向かうのだ。 舟で行けば、数時間はかかるのではないか。空を飛ぶ『魔女のホウキ』はあるのだが。 「それにしても、水底まで襲ってくるメイジなんて、かなりの使い手よ」 「系統は、なんだろうな。二年半前にも同じような事があったのかも知れない」 「おそらく、『風』ね。火は当然水中では使えないし、土は沈んでしまうだけ。 水メイジなら水中でも呼吸できるけど、『水の精霊』は水に触れただけで相手を操れる。 でも『風』なら、周囲に空気の球を作って水に触れずに行動できるもの」 風か。ワルドの件もあり、手強いイメージがある。トライアングル級だろうか。 「だけど、いくら相当の使い手でも、『水の精霊』のテリトリーまで降りていって喧嘩を売るなんて! スクウェア級のメイジか、よほどの命知らずか。空気の球を潰されたら確実に死ぬのよ!」 ならば、『水の精霊』やヴォジャノーイの助力も仰げるという事かも知れない。 とは言え、独力で解決する方が望ましいだろう。 ぱしゃぱしゃと足音をさせて、松下は湖面を歩き出す。濡れているのは靴底だけだ。 「ちょ、ちょっと! あんた、そんな事もできたの!?」 「ぼくを誰だと思っている、『東方の神童』だぞ。これぐらいの術はできて当然だ。 湖の様子を見がてら、歩いて渡ってみる。差し渡し30リーグほどだろう、半日で着く。 きみはモンモランシーやギーシュたちと一緒に、ホウキで渡ってきたまえ」 《…逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいるのを見て、夜が明けるころ、 (イエスは)湖の上を歩いて弟子たちのところに行き、そばを通り過ぎようとされた。 弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、大声で叫んだ。 …しかし、イエスはすぐ彼らと話し始めて、「安心しなさい、私だ。恐れることはない」と言われた。 イエスが舟に乗り込まれると、風は静まり、弟子たちは心の中で非常に驚いた》 (新約聖書『マルコによる福音書』第六章より) その前の夜、トリスタニアの王宮にて。 新女王アンリエッタは無数の公務に忙殺され、しばらく寝る暇もない日々だった。 ようやく仮眠が取れる。亡き父王の寝室にある巨大なベッドで、アンリエッタはうつ伏していた。 明日の朝も早い。ゲルマニアの大使との折衝が控えている。疲労を顔に出しては見くびられる。 この頃は栄養ドリンク代わりに酒量が増えた。二日酔いは水の魔法で消せるが、積もる疲労は癒し難い。 「はぁ…………疲れた」 さしもの腹黒女王も、人間だ。弱音の一つも吐きたいが、吐き出す相手がいない。 枢機卿は厳しいし、護衛や女官に吐けば外国の間諜に伝わるだろう。幼馴染の友達は、外出中だという。 年頃の娘だというのに……私は、ほとんど色恋もした事がない。王族に、まして女王に滅多な恋愛はできない。 すぐスキャンダルの種にされ、戦争の道具だ。結婚は政治の一環でしかない。 王座の重圧に精神が擦り切れそうになり、またワインの杯に手が伸びる。 扉が、ノックされる。また仕事か。億劫そうにガウンを羽織り、誰何する。 「ラ・ポルト侍従長? それとも枢機卿? 名乗りなさい、また厄介ごとですか?」 だが、返事はない。すっと杖を引き寄せ、語調を強める。 「誰ですか? 名乗りなさい! こんな夜更けに女王の寝室を訪問するのです、名乗らないという法はありませんよ。 無礼者、と叫んで人を呼びましょうか?」 「僕だよ、アンリエッタ。この扉を開けておくれ」 ………幻聴だ。酒の飲み過ぎだ。彼は確かに、死んだと報告されたのだから。 しかし、アンリエッタの胸には期待もあった。この声は確かに、あの恋人、愛しの皇太子。 「ウェールズだ。きみの従兄、アルビオンのウェールズだ」 「本当に、ウェールズさま? いいえ、あの方は裏切り者の手にかかって、亡くなられたはず」 形見の『風のルビー』もここにある。嘘だ、嘘だ、敵の謀略だ。 「死んだのは影武者さ。きみの大使、ミス・ヴァリエールの使い魔くんは、たいした策士だったよ。 敵を欺くにはまず味方から。では、僕がウェールズだという証拠を『聞かせよう』」 アンリエッタは震える。おお、この声、この瑞々しい命の波動は、間違えようはずがない。 「風吹く夜に」 「水の誓いを」 ラグドリアンの湖畔で、何度も交わした、二人しか知らない合言葉。 アンリエッタが扉を開くと、懐かしい笑顔が待っていた。 「おお、ウェールズさま……よくぞ、ご無事で」 あとは、声が震えて話が続かない。胸に顔を埋め、若き女王は泣き暮れる。 「心配をかけたね、アンリエッタ。相変わらず泣き虫だ」 「てっきり貴方は死んだものと……。もっと早くにいらして下されば、よかったのに」 「敗戦の後、巡洋艦に乗って大陸へ落ち延びた。敵に居場所を悟られないよう、ごく僅かな部下とともに、 何度も隠れ家を変えながらトリステインの森に潜んでいた。城下にやって来たのは、二日前さ」 皇太子の手紙を届けてくれたのは、あのルイズの使い魔であるマツシタ少年だった。 彼は偽の手紙を敵に取らせ、本物を持ち帰った。ならば、この殿下も……。 「きみが一人でいられる時間を調べるため、待たせてしまったね。まさか白昼堂々と、謁見待合室に並ぶわけにもいかないだろう?」 「意地悪ですわ、ウェールズさま。どんなに私が悲しみ、寂しく辛い日々を送ったか、男の方には分からないのね」 「分かっているから、こうやってお忍びで来たんじゃあないか。愛しているよ、アンリエッタ」 二人はしばし抱き合う。やがてアンリエッタが口を開いた。 「ご遠慮なさらず、この城にご滞在下さいな。艦隊に大ダメージを受けた『レコン・キスタ』には、 今のところ我が国に攻め込む力はございませんもの。やがては情勢を整えて、貴方を旗頭に押し立て、 各国と連合して王政復古の義軍を起こし、誇り高きテューダー王家の旗を再び翻らせましょう!」 勇ましい女王に、ウェールズも苦笑する。 「おお、アンリエッタ。すっかり女王陛下が板についたじゃあないか。 けれど、トリステイン一国では、遠くアルビオンへ攻め込むことは不可能だ。 だから僕は、ゲルマニアやガリアとも連合しなければならないと思っている」 「そのために、現在私が寝る間も惜しんで折衝中ですわ。貴方さえいれば、各国もノンとは言えませぬ」 ウェールズは肯いて、続ける。 「僕も、ガリアのさる高位の貴族と連絡を取ることに成功した。信頼できる相手さ。 国境の『ラグドリアン湖』で密かに会見する手筈になっている。ついてはきみも臨席して欲しい」 「ああ、貴方と誓約したあの湖で、王政復古を誓えるのですね。万一に備え、近衛兵もお付けしましょう。 今夜はゆっくりお休み下さい。愛を語らいたいのは山々なのですけれど……」 「明日出発では間に合わないんだ。今すぐ行こう」 ウェールズはアンリエッタをぐいっと抱き寄せ、唇を奪うとともに魔法の秘薬を含ませる。 幸せな気分のまま、女王は眠りに落ちた。 深夜。ラグドリアン湖の広大な水面に、双月が映える。 「ルイズ。何か気配がする、注意しろ。『占い杖』も動き出した」 湖畔の森の中、小声で松下が呟く。ルイズも無言で肯き、モンモランシーたちを制する。 敵だ。相手はおそらく、風のトライアングル級。何人いるのかは、『全にして個』なる精霊には分からなかった。 だが、そう大人数でもないだろう。 人影が岸辺に現れた。漆黒のローブを纏い、深くフードを被って顔を隠している。 人数は二人。やや長身のメイジと、かなり小柄なメイジ。二人は水辺に立って、小柄な方が風の系統魔法を唱え始める。 「あれだな。よし、奇襲をかけよう。ギーシュとヴェルダンデは、地中から奴らの足元に陥穽を掘るのだ。 モンモランシーはお得意の水中戦に持ち込むため、そこから湖の中に入っていろ。やばそうならヴォジャノーイを呼べ。 ルイズは……ロビンと連絡係をしていろ。重要な役だ」 「私、蛙は嫌いなんだけど……まあいいわ、行ってらっしゃい。事情を聞きたいから、殺しちゃダメよ」 「言われるまでもない」 松下は、茂みに巣を張っていた『蜘蛛』を何匹か捕まえていた。 それらに何事か呟き、ぱあっと空中に放り投げる。蜘蛛たちは一斉に糸を噴き出し、丈夫な網がふわりと二人を襲う。 「『エア・ハンマー』!!」 「『ファイアー・ボール』!!」 小柄な方から風の槌が、長身の方から火の玉が飛んで、網を破壊する。 声からすると、二人とも女性。しかもまだ若い。 その足元に、ガボッっと大穴が開く。二人は咄嗟に飛びのき、距離を取る。 「待ち伏せとはね! ヴォジャノーイたちも、知恵をつけてきたってわけ!?」 「排除する」 二人は杖を構えるが、その声音は確かに聞き覚えがあった。 「待て! きみたちは、タバサとキュルケか!?」 「え? まさか……マツシタくんと、ルイズ!?」 呆気に取られ、一同は顔を見合わせた。 「………なるほど、そう言うわけだったのね。二人とも、すっかり人間をやめてしまって……。 まるで実家で見た『東方』の絵巻物ね。トバ大司教の筆だなんて書いてあったけど、大司教があんなの描くのかしら」 「まあ、きみたちで良かった。事情は知らないが、精霊を攻撃するのは中止してくれ」 「……任務。この一帯には、私の実家の領地もある」 「ええっ、そうだったのタバサ! でも、精霊から事情を聞き出せれば、きっと水も引くわよ。ね、マツシタ」 本当はガリア王家からの任務で、『水の精霊の涙』を持って来いという難題だったのだが、タバサは隠した。 それに、かの秘薬があれば、母の毒も除去できるかも知れない。タバサにも『水』系統の心得はある。 「……と言うわけで、きみを襲撃するメイジは攻撃をやめた。さあ、『誓約』を果たしてくれ」 《よかろう。その、青い毛の個体が密かに所望する『欠片』も、ついでにくれてやる》 精霊の体から、《涙》が三滴切り取られ、ふわふわと落ちてくる。松下とタバサは、それを用意しておいた小瓶に入れる。 「さて、もう一つ。きみが水嵩を増やしていたのは、いったいなぜだ? 事と次第によっては、我々が協力できるかも知れないぞ」 精霊はぐねぐねと蠢き、躊躇うような動きをする。 《……話して良いものか、我は悩む。しかし、我との誓約を護ったならば、信用して話すとしよう。 ……我が悠久の昔より護りし秘宝、『アンドバリの指輪』を、お前たちの種族が盗んだのだ》 秘宝盗賊か。フーケといい、どうも縁がある。まさか土メイジではなかろうが。 《我が暮らす最も濃き水底より、秘宝が盗まれたのは、月が30ほど交差する前の夜であった。 個体の一人の呼称は、確か『クロムウェル』と発音されていた》 「クロムウェル、か。例の『レコン・キスタ』の親玉だな」 「おおよそ2年半前ね。それ以来、水嵩が増えだしたってわけ……」 《我は復讐したいわけではない。無礼者には怒るが、そのような無益な感情を我は持たぬ。 ただ、秘宝を取り戻したいだけ。水が大地を再び覆い尽くすその夜には、我が体が秘宝の在処を知るであろう》 なんとも気の長い話だ。年に10メイルずつ侵食したところで、ハルケギニア全土を水没させるのに何千年かかるのだ。 《我とお前たちでは、存在と時間に対する概念が異なる。 我にとって全は個、個は全。過去も未来も、我は変わらず存在する。死も消滅も我にはない。 いつから我が存在していたか、我も他も知らない。お前たちの始祖、ブリミルさえも》 哲学的な精霊だ。黄金の種子でも撒いて、梵天を懐胎させてやろうか。 世界の初めに水(海)があり、創造者が水底から土を引き上げて大地とする神話は、世界中にある。 この『水の精霊』がいるからこそ、トリステイン王家には『水のルビー』が伝えられたのだろう。 「『アンドバリの指輪』ね。確か、偽りの生命を死者に与える、先住の力のマジックアイテム……」 キュルケが呟く。先住魔法と呼ばれる精霊の力は、ハルケギニアの人類にとって、始祖以来の脅威なのだ。 《然り。死を恐れるお前たち定命の存在にとって、魅力的なものではあるのだろう。 しかしながら、旧き水の力が与え得るのは、所詮仮初の命であって益にはならぬ。 指輪を使った者に個々が従い、同一の意思を持つように動くという。お前たちは、不便なものだな》 クロムウェルが一介の司教から神聖皇帝に成り上がったのも、それが絡んでいるのかも知れない。 松下は両手を掲げ、精霊に呼びかける。 「よかろう、クロムウェルは我々の敵でもある。いずれ指輪を取り戻してくるとしよう」 《溜め込んだ水の力を使い果たせば、指輪の宝石は溶けて蒸発する。まあ、それでもかまわぬ。 お前たちの定命が尽きるまでに持って来れば、よしとしよう。明日も千年後も我には変わらぬ……》 言い終わると、精霊は波音を立てて水底へ去って行った。 (つづく) 前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ
https://w.atwiki.jp/veiros/pages/163.html
FrontPage * 目次 目次 設定 国名 国歌 国旗 歴史 政治御前会議 左院 下院 右院 上院 紋章局 監察局 地方行政 属領 治安・警察機構 外交国交を有する国 かつて国交を有したが、滅亡したか連絡が断たれた国 所属組織・締結条約 失効した条約 経済 惑星特徴 代表的な都市 住民 文化同性愛 酒 軍事編制及び指揮系統 主な兵器 主な人物 外部リンク 設定 国旗 1298626156514.jpg 国の標語 特になし 国歌 神よ、我らが皇帝に恩寵を与えたまえ 公用語 ズェムリア語 国家元首 皇帝 レイラ・アレクサンドラ・ズェムラスカヤ 首星 惑星ズェムリア(ディルタニア星系) 帝都 ズヴェスターグラード 最大都市 ルナグラード 公式略称 ズェムリア 英語国名 Empire of Zemlia 通貨 ブルール 国名 ズェムリア帝国 何の捻りも無く、惑星名がそのまま国名となっている。 また、皇帝家の姓も惑星名から取られた。 国歌 現皇帝の即位式典に際して時の左院尚書イーリヤ・プロトニコヴァ公爵が作詞、制定した国歌。 元は「神よ、祖国に恩寵を与えたまえ」という、帝国の発展を願う歌だったが、面影を残しながらも主に皇帝を愛でる内容に歌詞が書き換えられている。建前上は、一応「皇帝を称える歌詞」となっている。 国旗 四星十字旗。四つの星はズェムリア本星と三つの衛星を、十字は皇帝家の繁栄を象徴する。 歴史 関連する歴史項目 政治 「四院二局」と呼ばれる制度を採用している。 四院は、中央官庁を統括し、皇帝の行政権を輔弼する左院。貴族会と庶民会の二会からなり、皇帝の立法権に協賛する下院。皇帝の名の下に司法権を行使し、帝国全土の裁判所をまとめる右院。皇帝の指揮下で軍を統括する上院の四つの機関である。二局は、貴族を監理し、系譜や紋章を保管する紋章局。官吏の不正を摘発し、行政機構の腐敗を防止する監察局の二つの機関である。また、皇帝の諮問機関である御前会議があり、戦時の戦略決定や国策上重要な課題の審議を行う。 尚、四院は下院庶民会議事堂と右院小法廷を除き、皇帝の宮殿である星宮内に中枢機関を置く。 御前会議 皇帝を議長とし、四院二局の長官と全閣僚、四軍の最高司令官、上院情報本部長からなる合議体。戦時の戦略決定や国策上重要な課題についての審議を行う皇帝の諮問機関である。定数は上記の23人だが、最低限、皇帝と四院二局の長官が揃えば開会し、議決が行える。 左院 皇帝の行政権を輔弼する左院尚書を長官とする機関。 中央官庁は全て左院の監督下にあるため、左院の長官である左院尚書は他国の首相に相当する役職である。 左院では、定期的に皇帝を議長とする行政評議会が開催され、左院尚書と左院官房長、閣僚が出席する。 尚、情報局は連邦帝国情報本部の傘下にあるが、法制上は左院の内部部局として存在している。 左院尚書及び副尚書の執務室、行政評議会室、左院内部局は星宮に置かれる。 左院 │├官房部 │├賞勲局 │├衛星局 │├属領局 │├連邦局 │└情報局 └経済企画庁 行政評議会 皇帝を議長とし、左院尚書と左院官房長、閣僚が出席する国政の最高執行機関。基本的に、優秀ながらボケた皇帝を左院尚書が餌付けしたり突っ込んだりしながら、卿達が話を戻すという進行で行われる。 治務省 治務卿を長官とし、行政管理、地方行政の監督、統計、宗教政策、危機管理・民間防衛、その他内政一般を扱う官庁。レイラ皇帝の改革の一環として、内務省から分割された。 │├行政局 │├人事局 │├地方局 │├統計局 │└宗教局 ├危機管理庁 └公職選挙庁 法務省 法務卿を長官とし、法秩序及び法制の維持、出入国管理、治安、監獄を扱う官庁。 │├民事局 │├刑事局 │├監獄局 │├公安局 │└警保局 ├出入国管理庁 └国家警察庁 ├管区警察本部 └管区刑務警察本部 外務省 外務卿を長官とし、外交を扱う官庁。 ├政策局 ├ディルタニア局 ├フェイルディラシア局 ├ネルヴィル局 ├セイルナシア局 ├カイバー局 ├条約局 └経済局 財務省 財務卿を長官とし、財政、租税、金融を扱う官庁。帝国の財布のひもを握っている。 │├予算局 │├租税局 │├金融局 │├関税局 │├国際局 │└理財局 └財務警察庁 軍務省 軍務卿を長官とし、軍事行政を扱う官庁。職掌の性質上、上院とつながりを持つ。 │├陸軍局 │├海軍局 │├空軍局 │├宇宙局 │├教育局 │└財務局 └宇宙警察庁 逓務省 逓務卿を長官とし、通信、運輸交通を扱う官庁。レイラ皇帝の改革の一環として、工務省より分割された(通信行政は内務省から移管)。 ├地上局 ├航空局 ├宇宙局 ├戦略局 ├通信局 └流通局 内務省 内務卿を長官とし、医療行政、労働行政、社会保障、環境行政を扱う官庁。レイラ皇帝の改革の一環として、治務省が分割された。 ├医務局 ├薬事局 ├労働局 ├雇用局 ├保険局 ├衛生局 ├年金局 └環境局 学務省 学務卿を長官とし、教育、文化、非軍事科学技術、国内向け宣伝を扱う官庁。 │├教育局 │├文化局 │├大学局 │├研究局 │├政策局 │├運動局 │└啓発局 └ゼペティア・ローリネス研究所 業務省 業務卿を長官とし、第二、第三次産業、通商を扱う官庁。レイラ皇帝の改革の一環として、農務省が分割された。 ├資源局 ├工業局 ├商務局 ├通商局 └技術局 農務省 農務卿を長官とし、第一次産業、食料行政を扱う官庁。レイラ皇帝の改革の一環として、業務省から分割された。 ├農業局 ├森林局 ├畜産局 ├水産局 └食料局 工務省 工務卿を長官とし、公共事業、土木開発、海上警察任務を扱う官庁。レイラ皇帝の改革の一環として、逓務省が分割された。 │├計画局 │├都市局 │├水源局 │├河川局 │├港湾局 │├海洋局 │└土地局 └海洋警察庁 └管区海洋警察本部 下院 皇帝の立法権に協賛する機関。長官は、貴族会議長の下院尚書と庶民会議長の護民官。元は貴族のみの機関であったが、庶民会設立に伴い、貴族会を新たに設置。元の議員は全員貴族会議員とされ、下院尚書の地位は貴族会議長が兼任することになった。当初は下院尚書が庶民会議長の上位に位置したが、後に対等とされ、それに合わせて護民官という職名が設けられた。 現在、両院の権限は対等であるが、庶民会が予算先議権を有する。 貴族会議事堂及び立法評議会、下院官房部等の機関は星宮に置かれる。 貴族会 定数不定。公侯爵全員と、宮中伯の相互互選による選出議員で構成される。前者は終身、後者は任期七年とされているが、再選制限はない。 庶民会 定数1000。管区単位の大選挙区制で選出される。任期は5年だが、皇帝が解散権を保有する。開票の結果、全体での得票率が5%に満たない政党は議席を獲得できず、その分の議席を全管区の総得票数によるドント式で議席獲得政党に振り直す。選挙に際しては治務省地方局による選挙干渉が常態化しており、左院の御用政党が過半数を占めることが常となっている。 政党名 議席数 占有率 備考 帝政党 702 70.2% 庶民会第一党。総裁以下幹部を左院尚書や治務卿の側近から登用する、左院の御用政党。 自由倶楽部 134 13.4% 庶民会第二党。帝政党とは犬猿の仲。選挙ごとに左院側の干渉を厳しく非難するも、毎回発言を潰される 保守党 108 10.8% 複数の貴族系財閥をバックに持つ。有力財閥を左院が取り込んでいる現状では、帝政党に協力する御用政党その2となっている 社会大衆党 56 5.6% 庶民会最左派。干渉を毎回あの手この手で潜り抜け、ギリギリ5%越えの議席を獲得する。貴族会の権限縮小や軍縮、属領への干渉排除と領有権の順次放棄を掲げる。 右院 皇帝の名の下に司法権を行使する機関。最高裁判所に相当し、下級裁判所として高等裁判所、地方裁判所、民事裁判所、司法審判所を統括する。先帝アレクサンドラの改革の一環として、法務省から司法行政権が移管された。また、判例により違憲法令審査権が示され、勅令によって確立している。 高等裁判所は管区ごとに設置され、地方裁判所は1~複数の郡市ごとに置かれる。また、民事裁判所と司法審判所は各郡市に一つずつ設置されている。 帝国憲法により三審制、裁判の原則公開が保障されている。 右院大法廷(事実上の憲法裁判所)、司法評議会、右院官房部は星宮に置かれる。 右院大法廷 星宮に置かれる事実上の憲法裁判所。元々は大法廷が右院そのものだったが、後に重大事案を扱う大法廷と、一般訴訟の上告審を扱う三つの小法廷に分割された。違憲法令審査権確立以降は、大法廷がこれを唯一行使できる機関とされ、事実上の憲法裁判所となった。 裁判長は右院尚書が務める。 右院小法廷 右院のうち、一般訴訟の上告審を扱う法廷。第一から第三まで三つの法廷が存在する。 高等裁判所 各管区の政庁所在地に設置され、上告審、控訴審を担当する。 地方裁判所 1~複数の郡市ごとに設置され、控訴審、第一審を担当する。 民事裁判所 各郡市の政庁所在地に設置され、訴額200万ブルール未満の民事訴訟の第一審、戸籍関連訴訟を担当する。 司法審判所 各郡市の政庁所在地に設置され、罰金刑以下の刑事裁判、訴額500万ブルール未満の行政訴訟の第一審を担当する。 上院 皇帝の統帥権の下で軍を統括する機関。上院尚書は武官の最上位で陸海空及び宇宙軍何れかの大将が就任し、同時に上級大将の階級が与えられる。詳細は軍事の項にて。 上院中央評議会、上院官房部その他軍中枢機関は星宮に置かれる。 紋章局 皇帝に直属し、貴族の監理、紋章や系譜の管理を行う機関。長官は紋章総監。 貴族の勢力を抑え、皇帝権力の拡充を目的として設立されたが、全ての家系が皇帝の家臣として再編された現在では、紋章や系譜の管理が主要な職務となっている。とはいえ、貴族を押さえる機能は依然残っており、財力と特権を持つ財閥化した貴族を監理しするなど役割は大きい。 監察局 皇帝に直属し、官吏の不正を調査、摘発する機関。長官は監察総監。 地方行政 惑星全土と衛星が300の管区に分けられ、各管区がそれぞれ複数の郡、市に分かれているが、ズヴェスターグラードは一市単独で管区を構成する。 管区には治務省から知事が派遣される。地方立法権は民選の管区参事会が保有する。 知事には就任と同時に伯の爵位が授与される。知事の職を退いた段階で、不祥事等がなければ伯から宮中伯に爵位が変更され、下院貴族会議員の互選権を得る。職名は「○○管区知事」であるが「○○伯、宮中伯」と呼称される。 郡市では、首長である郡長、市長は知事が派遣する。郡市長には子、男の爵位が授与される。郡市長の職を退いた段階で、不祥事等がなければ子、男から宮中伯に爵位が変更され、下院貴族会議員の互選権を得る。職名は「○○郡長、市長」であるが、「○○副伯、男爵」と呼称される。(副伯は子の通称) 宮中伯は所謂一代貴族で、爵位と特権は受爵した当人の存命中のみ。また、皇帝の裁量により、世襲貴族である公候爵となることも出来るが稀である。 属領 ズェムリア惑星圏外の領域の総称。現在、皇帝直轄領クラースヌィ・フルークト自治国、皇帝直轄領ゴラート自治国、皇帝直轄領トリエーツィ・ソーンツァ自治管区、皇帝恩賜領ラノーザ自治王国、皇帝直轄領鬼ヶ島自治管区、皇帝直轄領ランド・プラント自治国が存在する。自治国には大使館に相当する総督府が置かれ、皇帝の代理人として総督が着任する。内政に関するほぼ全権が自治政府には認められている。しかし、政治司法の各面や選挙に際して総督府が干渉していることは、公然の秘密である。自治管区には総督府が置かれず、左院属領局の支局が業務を行っている。 皇帝直轄領クラースヌィ・フルークト自治国 領域は、惑星A-AppleStar全域。全域が資源開発特区に指定され、イモータル・ドールズ社とセイルナシア資源開発公団にのみ、資源採掘権が与えられている。首都はスカラーグラード。惑星周辺には多数のコロニー都市が存在する。主権を皇帝に移譲した上で外交権、統帥権、内政に関する儀礼的権限を除く全権が自治国に認められている。 皇帝直轄領ゴラート自治国 領域は、ファルローン宙域。25のコロニー都市のからなる。主権を皇帝に移譲した上で外交権、統帥権、内政に関する儀礼的権限を除く全権が自治国に認められている。 皇帝直轄領トリエーツィ・ソーンツァ自治管区 領域は、惑星ネクスト・ヴァレフォールのほぼ全域。惑星ヴァレフォールとよく似た環境の惑星である。行政府はミッドランド。住民の大半は本国からの移住者であるが、経済特区を複数設置し、各国からも移住や投資を積極的に受け入れている。なお、惑星の一部はラノーザ自治王国となっている。 皇帝恩賜領ラノーザ自治王国 領域は、惑星ネクスト・ヴァレフォールの一部。温帯地方の中でも南部、亜熱帯に近い地域。現状では都市国家だが、今後の人口増加やラノーザからの移住者増加によっては、恩賜領の拡張もあり得る。 皇帝直轄領鬼ヶ島自治管区 領域は、惑星改めネルヴィル第二恒星鬼ヶ島とその周辺宙域。突然の恒星化により呑みこまれたコロニーも多数あるが、幸いにも残存していたコロニーを中心に再建が進められている。現在、コロニー増設と共に、第二恒星をダイソン球で覆う計画が進行中である。 皇帝直轄領ランド・プラント自治国 領域は、惑星ランド・プラント全域。マザー・プラントを頂点とする垂直式カースト制によって統治されている。 治安・警察機構 我が国には、皇帝直属の国家憲兵、法務省の国家警察、財務省の財務警察、工務省の海洋警察、軍務省の宇宙警察が存在する。 国家憲兵 皇帝直属の警察組織。反逆や内乱、外患誘致などの重大事件や大規模暴動の鎮圧の際に出動する特務隊、要人警護を担当する警護隊、式典に参加する儀仗隊の三隊からなる。 国家警察 法務省所管の警察機構。一般に、警察というとこれを指すことが多い。国家憲兵が担当しない通常の事件を所管する。 中央警察として国家警察庁があり、その下に管区単位で警察本部が置かれる。(ズヴェスターグラード管区のみ、国家警察庁直轄) また、国家警察庁の下に管区単位で刑務警察本部が置かれ、管区内の刑務所、拘置所を管理する。 財務警察 財務省所管の警察機構。税関の管理や金融犯罪、脱税事件の捜査、逮捕を行う。また、税関を管理する関係上、密入国の取り締まりも行うが、出入国管理を行う法務省(特に出入国管理庁や国家警察庁)とは、時折権限の取り合いでもめている。 海洋警察 工務省所管の警察機構。惑星海上全域の交通管制や警備、海難救助を行う。国家警察庁への統合が検討されている。 宇宙警察 軍務省所管の警察機構。海洋警察宇宙版ともいえ、ズェムリアの惑星圏内の交通管制や警備を行う。 外交 国交を有する国 ヴェルンフィシア共和政府 オーシア連邦共和国 かつて国交を有したが、滅亡したか連絡が断たれた国 アポピス 幸福至上主義社会帝国 酒呑国家鬼ヶ島 スヘル=バルニッツァ首長国連邦 星間文明統一機構 積層型完全環境都市フィオーレ ゼクスランド セント・ヴィアンズ コロニー連合 ニューソク帝国 ニーレンベルギア枢軸国 ポザラザカ共和国 ファルローン星間都市連合 ラン=ヘバステシアン王国 所属組織・締結条約 ズェムリア連邦帝国憲章(ニューソク帝国、スヘル=バルニッツァ首長国連邦、ゼクスランド) 失効した条約 D01条約(失効理由:相手国との関係悪化) ツォルマリア文明統一機構とズェムリア帝国との間の平和友好条約(失効理由:相手国の崩壊) ズェムリア帝国と酒呑国家鬼ヶ島間の平和友好条約(失効理由:相手国の崩壊) ズェムリア帝国とポザラザカ共和国の平和友好条約(失効理由:相手国の崩壊) 経済 原則として市場経済だが、財閥や公社の力が強く、多くの国内市場が独占・寡占状態である。 財閥は、政治的特権の大半を喪失しながらも、その影響力と財力、経済的特権で市場を支配する貴族系財閥と、平民階級から生まれた新興財閥とに大別できる。近年では、一部市場で新興財閥が貴族系財閥を押しのけつつあるが、財閥による寡占市場という状況は変わらない。また、インフラでは公社が独占体制を法的に確立しており、惑星全域のエネルギー供給網を管理する供給公社のほか、発電や各種燃料、エネルギーの生産を行うエネルギー公社が、一から複数管区単位で設置されている。また、交通や住宅供給の分野では、公社がシェアの過半を占める。 惑星特徴 惑星ズェムリア 帝国の主星。典型的な岩石惑星で、地表の約65%を海洋が占める。大気は窒素と酸素が主体。 極地、高山の氷河地帯から赤道付近の熱帯地方まで、変化に富んだ気候を持つ。 衛星ニフリート 惑星ズェムリアの第一衛星。 衛星アルマース 惑星ズェムリアの第二衛星。 衛星サプフィール 惑星ズェムリアの第三衛星。 惑星A-AppleStar 旧フリートドールズ領で、全域が皇帝直轄領、資源開発特区となっている。 小規模な惑星ながら火山活動が活発で、地上での有機生命体の長期居住は困難である。現在、惑星周辺にコロニーの建設計画が進行中である。 惑星ネクスト・ヴァレフォール 旧宇宙多様性保全委員会が「保護」していた惑星。ほぼ全域が皇帝直轄領となっているほか、一部に皇帝恩賜領が存在する。また、複数の経済特区がある。 テラフォーミングにより、惑星ヴァレフォールによく似た環境となっている。 第二恒星鬼ヶ島 旧鬼ヶ島領で、惑星だったが突如恒星化した。全域が皇帝直轄領。 恒星全域をダイソン球で覆う計画が進められている。 惑星ランド・プラント 旧ランド・プラント領で、全域が皇帝直轄領となっている。 代表的な都市 ズヴェスターグラード 帝都。皇帝の宮殿である星宮を中心とした計画要塞都市で、高い対空迎撃能力を備える。 ルナグラード 帝国最大の都市。惑星統一前は、ここに首都が置かれていた。 第四副艦"Contact Fleet" 旧クラースヌィ・フルークト自治管区の行政府所在地だった。正確には、都市ではなく宇宙戦艦。 スカラーグラード クラースヌィ・フルークト自治国の首都。惑星A-AppleStarの地上のドーム都市の一つで、自治国内最大の規模持つ。 ミタールグラード 惑星A-AppleStarで、スカラーグラードに次ぐ規模を誇る。 ユーシア ゴラート宙域の最大都市で、小惑星を刳り貫いて造られたコロニー。 ルーラス ゴラート自治国の首都。シリンダー型コロニー。 ミッドランド トリエーツィ・ソーンツァ自治管区の行政府所在地。大規模な区画整理と周辺部の再編で、ズェムリア式大都市へと生まれ変わる。 ラノーザ ラノーザ自治王国の首都。ラノーザは都市国家であり、この市域と周辺3kmが自治王国の領土である。 住民 国民は大半がイズメネイエと呼ばれる改変種である。イズメネイエは女性のみが存在する。 改変の結果、平均寿命は200歳前後まで延び、成長は10代半ばから後半で止まる。また、老化現象をある程度克服することに成功し、成長を終えてからは基本的に見た目は変わらない。 文化 惑星全域に多種多様な文化が存在するが、ズェムリア系の文化が各地に浸透しつつある。元々のズェムリア本国のほか、その周辺、征服事業初期に帝国に組み込まれた地域は、ほぼズェムリア色に染まっている。他地域に於いても、征服時期が早いほどズェムリア色は濃くなる傾向にあるが、一概には言えない。 同性愛 帝国臣民はほぼ100%女性であるため、同性愛が正常な思考と見做されている。異性愛はタブー視されており、異性間性交は法的に禁止されていた時期もあった。現在ではそのような規制はないが、一般的に禁忌扱いされている。また、異性間の性的表現を扱った表現物は、違法とされている。 酒 元々のズェムリア本国周辺では、ヴォッカと呼ばれる高度数の蒸留酒がよく呑まれていた。このほか、各地に伝統的な酒は数多く存在するが、星宮で催される行事で饗されるのは、もっぱらヴォッカである。尚、度数は高いが、これを割って飲むのは邪道とされることが多い。 軍事 皇帝が統帥権を保有し、上院がその下で軍を統括する。また、上院中央評議会が統帥権を輔弼する。 但し、近衛軍のみは上院中央評議会を通さず、皇帝が直接指揮する、 編制及び指揮系統 皇帝 │ ├上院中央評議会 ││ │├陸軍参謀本部 ││├各軍管区司令部 ││├陸軍技術研究所 ││└陸軍大学 ││ │├海軍軍令部 ││├各軍管区司令部 ││├海軍技術研究所 ││└海軍大学 ││ │├空軍幕僚幹部 ││├各航空団司令部 ││├空軍技術研究所 ││└空軍大学 ││ │├宇宙軍事務局 ││├各衛星守備隊司令部 ││├各艦隊司令部 ││├宇宙開発研究所 ││└宇宙科学大学 ││ │└情報本部 │ └近衛軍総司令部 ├近衛師団 ├近衛海上艦隊 ├近衛航空団 └近衛宇宙艦隊 上院中央評議会 軍の最高機関。皇帝を議長とし、上院尚書及び軍務卿、四軍の最高司令官と作戦参謀で構成される。 皇帝の統帥権を輔弼する機関と定められているが、詳細は明かされていない。 陸軍 惑星の陸上部防衛及び侵攻作戦での地上戦闘を管轄する部隊。トップは参謀総長。帝国陸軍には、「歩兵」という兵科は存在しない。完全女性種であるが故、民族全体の運動能力は、男性のそれよりも劣ってしまう(遺伝子操作でも限界はある)。そこで、「機械化歩兵」「機械化装甲歩兵」という独自の兵科が生まれた。彼女らはナギア・マシニと呼ばれるパワードスーツを装備ししており、男性の運動能力に追い付くどころか、個々の能力は圧倒的優位に立つことが可能となった。「機械歩兵」の場合、装備部位は脚のみで、先端のボール車輪で走行する。「機械化装甲歩兵」になるとこれが大型化して全高2.5mほどとなり、火砲一門を装備する。 海軍 惑星の海上防衛及び侵攻作戦での海上戦闘を管轄する部隊。トップは軍令部長。 空軍 惑星上空の大気圏内防衛及び侵攻作戦での大気圏内航空戦闘を管轄する部隊。トップは幕僚総長 宇宙軍 惑星大気圏外並びに衛星防衛及び侵攻作戦での宇宙戦闘、大気圏内部隊の輸送を管轄する部隊。トップは事務局長(名称は文官的だが、純粋な武官のポストである)。 情報本部 四軍から独立した右院の情報機関。詳細は不明。トップは情報本部長。 近衛軍 皇帝直属の部隊。陸海空宇宙全ての領域の作戦能力を持つ。トップは近衛総監(階級は上級大将で、上院尚書と同列) 主な兵器 主な人物 名前 爵位 役職 詳細 レイラ・アレクサンドラ・ズェムラスカヤ 皇帝 皇帝 ズェムリア帝国の皇帝。一人称は妾(わらわ)。若干38歳(人類種換算で約15歳)ながら左院尚書の補佐を受けて政務に励む。基本的に優秀で頭は良いのだが、典型的なボケキャラで、噛んだり転んだりは日常茶飯事。また、かなりの甘党である。 ニーカ・ニコラエヴナ・フォノトヴァ なし 侍従長 皇帝に使える侍従長。宮中の庶務、雑務を一手に担う、宮中の最高権力者。何事も完璧にこなすため、皇帝の信頼は厚い。必要なものは大体数分で用意してしまうため、七不思議認定されている。 ラリサ・ヨシフォヴナ・トカレヴァ 侯爵・連邦帝国公爵 左院尚書 真面目な常識人。(少なくとも彼女に関しては)ギャグは真顔で言って滑るもの。ヴェンデルニコヴァ政権下で左院官房長を務めた。 アンナ・オシポヴナ・ベルデンニコヴァ 侯爵 左院官房長 ひたすら影が薄い。行政評議会では比較的まともな思考をしている。外務卿から官房長に抜擢された。 ガリーナ・ニコラエヴナ・マレーエヴァ 侯爵 内務卿 ウラディミーナ逓務卿の相方(というかペットというか嫁というか何というか)。内務卿に抜擢される前は屋敷に籠って占いやら黒魔術やらの研究に没頭していた所謂不思議ちゃん。変という訳ではないが、不思議な口調。 イリーナ・アダーモヴナ・フェドトヴァ 公爵 治務卿 言葉遣いがどこか変。時折皇帝顔負けの天然っぷりを披露するが、本性は「狐」と陰ながら揶揄される策略家。殆ど知られていないが、イーリヤ紋章総監の政治的盟友だったりする。元内務卿。治務省が内務省から分離新設された際、横滑りで治務卿に着任した。ちなみに、天然は素でやっている。 ヤロスラーヴァ・スチェパーノヴナ・アヴェリナ 公爵 外務卿 行政評議会では数少ないまともな思考ができる人。マイペースだが調整能力には定評あり。重度のシスコンの妹あり。 ヴァレンチナ・オシポヴナ・ラジェヴァ 公爵 財務卿 驚異的な記憶力を持ち、一度見聞きしたことは忘れないとさえいわれる。官房長、外務卿同様常識人だが、行政評議会の面子に染まりつつある。 ヴェロニーカ・ブラトヴナ・グツァロヴァ 侯爵 学務卿 二代続けて本の虫&体が強くない学務卿として就任。博学で学者肌。唯の文官より学者が上にいた方が理解があって研究が進むのではという判断で推挙され渋々着任したという噂も・・・。 エカチェリーナ・ボリーソヴナ・リーシナ 公爵 業務卿 本来10代半ばで成長が止まるはずが、個人差があるとはいえ少々(特に一部が)成長しすぎている。昔から機械弄りと一人旅が大好きで、公爵家を継いだはいいがそちらに夢中になっていた。ガリーナ内務卿が道連れとばかりに下院に引きずり出し、今に至る。 クラヴディヤ・ロジオノヴナ・カイドィシェヴァ 侯爵 農務卿 常に何か食べている。評議会中は皇帝とキャラが被るが、こちらは全て自前。スナック菓子やらジャンクフードやらを食べまくっているのに一向に太る気配がなく、その体質は目出度く七不思議入りする。結構口が悪い。 アクサナ・アファナシエヴナ・シュビナ 侯爵 軍務卿 虹彩異色(右目:橙、左目:金)で、左目に眼帯をしている。陸軍特殊部隊で指揮官の経験を持つ軍事のエキスパートだが、それ以外の常識には疎い。 ヴァレーリヤ・ユーリエヴナ・コルスナ 侯爵 法務卿 アクサナ同様虹彩異色(右目:紫、左目:青)。工務卿に負けず劣らず真面目だがド天然。格闘技を嗜む。 アレクサンドラ・コンドラトヴナ・クルバトヴァ 侯爵 工務卿 元内務卿。ひたすらついてない人。通称「ついてないサーシャ卿」。行く先々で事故に見舞われるも、毎回奇跡的に生還を果たす。結構疫病神扱いされている。ニューソク自治国への視察から帰国後、精神に不調を来し内務卿を辞職したが回復、新政権で閣僚に復帰する。ガリーナ内務卿とは旧知の仲。 ウラディミーナ・アレクサンドラ・ウィトゲナスカヤ 侯爵 逓務卿 いつも眠そうにしており、会議中でも平然と居眠りをしている。ガリーナ内務卿の相方。 イーリヤ・ニキートヴナ・プロトニコヴァ 公爵・連邦帝国公爵 紋章総監 前左院尚書。特徴的な間延びした口調とマイペースな性格ながら、若き皇帝を支え、尚書在任中は策謀を巡らせながら帝国を導く事実上の最高権力者だった。第一戦は退いたが、今尚影響力は強い。元は宮中伯だったが、先代皇帝の目に留まり公爵に抜擢された。基本的に皇帝陛下LOVE。わざわざ国歌を書き換えたり会議中に餌付けしたりとやりたい放題である。皇帝を餌付けする際の菓子は袖口から出てくるが、際限無く出てくるため、「紋章総監の四次元袖口」として宮中、政府内では七不思議のひとつに数えられている。ズェムリア連邦帝国公爵 エレオノーラ・セルゲエヴナ・ソコロヴァ 侯爵 なし 前学務卿。本の虫。外出時は決して日傘を手放さない。見た目通りというか印象通りというか、あまり体は強くない。 アリーナ・アラモヴナ・メレフ 侯爵 なし 前業務卿。行政評議会では左院尚書に次ぐ年長者。掴みどころがない。辛い物好きで有名。 ユーリヤ・ロジオノヴナ・アルギニナ 公爵 なし 前工務卿真面目で堅物。たまに悪乗りする。 外部リンク
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/55755.html
登録日:2024/02/16 Fri 10 34 10 更新日:2024/02/17 Sat 16 09 15 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 21年夏アニメ 22年冬アニメ J.C.STAFF どぜう丸 アニメ オーバーラップ文庫 マキャベリ マキャベリスト ライトノベル 上田麗奈 君主論 小林裕介 小説 小説家になろう 水瀬いのり 渡部高志 漫画 現実主義勇者の王国再建記 異世界 異世界召喚 革新的な異世界内政ファンタジー、ここに開幕! 『現実主義勇者の王国再建記』は、どぜう丸による日本のライトノベル作品である。 「小説家になろう」で連載されていた作品を、2014年よりオーバーラップ文庫より連載化がなされ現在に至っている。 既刊18巻(2023年6月時点) 略称は「現国」 (高校の科目のような略称である) ●目次 【概要】(メディアミックス) 【あらすじ】 【キャラクター】(エルフリーデン王国関係者)主人公とメインヒロイン 主要家臣 エルフリーデン王国臣下 三公 前王夫妻 (アミドニア公国関係者) (グラン・ケイオス帝国関係者) 【世界観】 【用語】 【テレビアニメ版】主題歌 【概要】 異世界召喚による冒険ファンタジー物語である。しかし本作はファンタジーものにありがちな、例えば魔王軍と壮絶なバトルを繰り広げたり、ダンジョン探索を通じて己を強化していったりとか、なろう系にありがちな無双したりするという展開はほぼない。(バトル描写などは存在する) 主人公は召喚後、すぐに王位を譲位され、不安定かつ厳しい財政状況であった王国を現代知識と自身が好きな歴史書の知識を駆使して立て直すところから始まる。主人公は王国運営に関する様々な課題(食糧問題、衛生管理、反逆者や腐敗貴族に対する粛清、敵国との領土交渉、医学、難民問題)の解決に奔走することになる。 ファンタジックな世界観と現代知識や科学・歴史的事象をフュージョンさせてどのように問題を解決していくのかについて描かれるかがコンセプトである。 イメージとしては異世界を舞台にした大河ドラマである。 そうした事情もあり、本作の世界観は詳細にまで詰められている。 公式HPには世界観や用語について辞典形式で細やかに記載されていることから、そうした世界観を深く理解すればするほど楽しめる内容になれるのではないかと思われる。 このため、主人公にも特別な才能はあるが、他のなろう発端の作品のように戦闘で無双するといった展開は用意されておらず、あくまで一般人として描かれている。(それでも常人より博識なイメージを持つが) 当初は小説家になろうで連載されていたが、現在はpixiv小説に作品が掲載されている。 (メディアミックス) ①コミカライズ版 上田悟司によるコミカライズ版がコミックガルドより連載されている。(既刊11巻) ②テレビアニメ版 分割2クールで、2021年7月~9月、2022年1月~3月までの期間でアニメ化された。 1クール目が原作2巻まで、2クール目が原作4巻までの範囲でアニメ化された。 監督は『スレイヤーズ』『灼眼のシャナ』の渡部高志。 制作会社はJ.C.STAFF。 【あらすじ】 たったひとりの身内である祖父を亡くした相馬一也は、 ある日、突然、異世界に勇者として召喚されてしまう。 召喚された先は、まるで中世ヨーロッパのようなエルフリーデン王国であった。 勇者どころか、ごくふつうの青年のソーマだが、 持ち前の合理的精神と現代知識から、次々と新しい政策を打ち出し、 傾きかけていた王国の財政政治体制を立て直していく。 ソーマと共に歩むのは、エルフリーデン王国の王女リーシア、 王国一の武を誇るダークエルフのアイーシャ、 怜悧な頭脳を持つハクヤ、大食いのポンチョ、歌姫のジュナ、 動物と意思疎通できる少女トモエなど、多才で個性的な仲間たち。 現代知識で窮地の王国を再生する 異世界内政 ファンタジー、 『現実主義勇者の王国再建記』。 いよいよ開幕! (アニメ公式HPより引用) 【キャラクター】 (エルフリーデン王国関係者) 主人公とメインヒロイン ソーマ・カズヤ(相馬一也) CV 小林裕介 本作の主人公。 現代日本からエルフリーデン王国に召喚された青年。 両親は物心つく前に亡くなり、自分を育ててくれた祖父母も大学合格時に亡くなってしまい、天涯孤独の身となった。 ちなみに大学卒業後は公務員になり、堅実に生きようと考えていた模様。 勇者として召喚された後は当初は、事態を呑み込めず困惑してしまったが、国王より王国の深刻な財政事情や他国との緊張関係など事態を知らされ、自身を含め帝国に売り飛ばされぬように、国の再建を協力することになる。その際、王位継承と共に国王の娘であるリーシアと婚約させられることになる。 後に自身の持つ豊富な知識や人材発掘する際の有能さが評判を呼び、人材狂い、勇者王と呼ばれ、評判を高めることになる。 最初は国家の運営に関してはある程度は協力した後に自身は身を引く予定であったが、仲間たちや自身の婚約者たちを「家族」と思うようになり、天涯孤独になったことを含め、王国を自身の「居場所」として大事にするに至る。 歴史書を読むことが好きで、特にマキャベリの「君主論」を愛読していることもあってか、王国の改革には彼の思想の影響を受けているところがある。 また、勇者召喚の際に「生きた騒霊たち」(リビング・ポルターガイスト)という魔法を使うことが出来る。これは、物体に意識をコピーして操ることが可能で、様々な雑務や事務仕事を分身の如く任せることや、人形に自分の意思をコピーさせて戦闘に参加させることが出来るなど、痒い所に手が届くような優れものの魔法である。 自身の持つ現代知識や歴史的知識や思想・文化的価値観を駆使して様々な事態を潜り抜けてきたが、やはり20歳にも満たない学生であるため、様々な事項に対して決済する際には、多くの心労がのしかかることが多い(特に自身に歯向かう者に対する処罰に関する事項など)。その際はリーシアを始めとする婚約者たちに支えてもらうこともある。 最初に異世界に来た時に手続きを間違えてしまい、本名を苗字であるソーマとして登録してしまった。(欧米圏と同じであることを気づいていなかった) また、食の価値観があまりに違っていたエルフリーデン王国の食文化事情に対して不満などは抱いていなかったが、後に醤油に似た調味料を駆使して作られたイナゴの佃煮を食した際、歓喜の涙を流していたことから、日本食への憧れは捨てきれなかった模様である。 リーシア・エルフリーデン CV 水瀬いのり 本作のメインヒロイン。 エルフリーデン王国王女。金髪で赤を基調とした軍服を身にまとっている。ビジュアルは似ているが、どこかのテーマパークの支配人代行ではない。 氷属性魔法を得意としており、麗しさを感じさせるレイピアによる剣技と氷魔法で他を圧倒する。もちろん戦闘力は一般人出身のソーマ以上なので、彼女に守られることも多い。 アイーシャと訓練している様はソーマを驚愕させた。 なお、街へお忍びに行く際は眼鏡と三つ編みの学生風の姿になる。 ソーマの婚約者になると言い渡されたときは、あまりに事情が急すぎたため困惑したが、ソーマと出会い、現実主義的な思考と改革を着実にこなす業務遂行能力に信頼を感じるようになる。後に彼の人柄に惹かれることになり、エルフリーデン王国第一王妃として彼を支えることになる。一方で女性人気が高く、多くの美女に惹かれるソーマに嫉妬の感情を向けることも多い。(特にジュナ)一応エルフリーデン王国は一夫多妻制であることに理解を示しており、ソーマに対しては8人までなら正妃と側妃を設けても良いと伝えている。(エルフリーデン王国は1週間を8日で設定していることから、必ず1日はイチャイチャできると考えているため) また、ソーマよりも年下であることを考えて、国の内政外交で様々悩みながらも、強気な姿勢を見せる彼を励ます役割を自身やソーマよりも年上であるジュナに託すなど、懐の深さがうかがえる。 結果、数名ほどかかえることなるソーマの正妃や側妃のとりまとめ役として、リーシア自身も奔走することになる。反面、王国No.2の立ち位置になってしまうことから、有事の際はどちらかが現場・どちらかが王国にいるなど離れ離れになってしまうことも多く、二人の時間をなかなか持てないことが悩みどころである。 訳あって前王夫妻の養子としてやって来た義妹のトモエのことを気に入っている。 後にソーマと結婚して双子の子どもを設けることになる。 主要家臣 アイーシャ・ウドガルド CV 長谷川育美 神護の森出身のダークエルフ。エルフリーデン王国において最高クラスの戦闘力を持った大剣使い。 ソーマが才能のある人材を集めた際(唯才令)に残った者の1人。故郷の荒れた森の自然を救ってほしいと直訴した際、ソーマの現代における林業の知識や技術を聞き、彼を信頼し、騎士として忠誠を誓うことになる。 当初は忠義を尽くす律儀な騎士、国王相手にも物を言う豪傑という評判であったが、実際は愛犬のような愛らしさと天然さとポンコツぶりが目立ち、食いしん坊な一面も相まって「がっかりダークエルフ」と称されている。 「なんていうか、俺の中のダークエルフのイメージにそぐわないというか・・・」 ジュナからも「食べてばかりのがっかりさん」と手厳しい・・・。 「なんとおおおおお!!」 本人は夜伽役を申し出るなどソーマへの忠誠心はピカイチなんだが、最近は弄られ役が板についているようだ・・・。 そんなネタの宝庫な彼女だが、ソーマへの忠誠心と恋心は本物で頼りになる。後に第二王妃になれた。(よかったな) ジュナ・ドーマ CV 上田麗奈 第一歌姫(プリマ・ローレライ) ソーマが唯才令で集った者の一人。 青髪の人間族で当代随一の美貌と美しい歌声を持っている。歌声喫茶で働いているが、こうした人気は国中の国民から絶大な支持を得るに至っている。要は異世界のアイドルということだ。 その正体は海軍大将エクセルの孫娘の一人。 海軍内では奇襲攻撃を得意とする海軍特殊部隊“海兵隊”のリーダー・カナリアの異名も持っている。隠密のように情報収集にも秀でており、戦闘力も高い。 ソーマの下へ来たのも、エクセルが彼の実力を図るための密偵としてやってきたという事情もある。後にソーマに身分を明かし、エクセルとのパイプ役を務める。 物腰柔らかなお姉さんヒロイン。一方で他の王妃や即妃と比較して甘え下手であるという。ソーマに惹かれていたが、すぐに婚約を結ぶとジュナのファンが(おまいらドルヲタたちにより,暴動が発生する可能性があることから、ジュナの後継の歌姫の人材が充実したらの条件で側妃になった。後に彼とは子どもを授かることになる。 アニメでは監督繋がりでスレイヤーズNEXTのOPである「Give a reason」を披露した。 ハクヤ・クオンミン CV 興津和幸 エルフリーデン王国宰相。 黒衣の宰相と呼ばれたソーマの右腕的存在。唯才令で集まった際は他薦で参加した人材である。あらゆる学問に精通しており、その才能は内政だけでなく軍事にも発揮され、ソーマの覇業を支える存在にまで成長する。 唯才令で招集された際はソーマの王としての力量を推しはかっていたとされるが、一見見分けがつかなそうなポンチョの才能を見抜き、王国に必要な人材であると迎え入れたことを契機に、彼を認めるに至った。 宰相としてソーマを支えるが、度々ソーマには小姑のごとく小言をいうことが多い。またリーシアとの関係を進展させようと目論む場面も見られる。 後に帝国のジャンヌと仕事を通じて親しくなり、彼女と婚約することになる。 トモエ・イヌイ CV 佳原萌枝 妖狼族の少女。動物と会話する能力を持つ、その延長線上で魔物とも会話をすることが可能である。こうした稀有な際は、その存在を知られれば国内だけでなく国外からも格好の標的にされることから秘匿とされた。 こうした経緯も相まって彼女は前王夫妻の養子になり、家族も王宮で済むことになった。 義姉のリーシアは妹が欲しかったことから、彼女をとてもよく可愛がっている。 ソーマのことも「兄様」と呼んで慕っている模様。 最初はマルクスから側妃を提案された。 リーシア「ソーマ・・・・、10歳はさすがに・・・」 本作のマスコットキャラ。 ポンチョ・パナコッタ CV 水中雅章 後にエルフリーデン王国食料問題担当大臣に任命された国内きっての食通。 食に対するこだわりや才能は国内随一で。食材の生息地や自生地・郷土料理の調理法を網羅できる知識を持っている。 当初は周囲から食べることしか脳がないとこき下ろされる扱いだったが、唯才令で招集された際、ソーマから三顧の礼で出迎えられ重用されたことで、自信を持つことが出来た。 「待っていたぞ!貴公のような人材を待っていたのだ!!」 こうした期待からソーマから「イシヅカ」の氏を与えられた。「元祖!でぶや」に出るつもりか。 エルフリーデン王国臣下 ルドウィン・アークス CV 古川慎 エルフリーデン王国近衛騎士団団長 ソーマにとっては古株の配下。沈着冷静な性格で彼を支えている。 1週間戦争時には禁軍総大将として采配を振るうが、時には自ら先陣を切って戦うこともある。 幼馴染であるジーニャに惹かれている。時には多額の費用がかかる彼女の研究のために身銭を切ることもある。何かと問題行動を起こす彼女には甘いことがうかがえる。 ハルバード・マグナ CV 八代拓 エルフリーデン王国陸軍士官。 陸軍の中でも名門と呼ばれるマグナ家の嫡男。ソーマが実権を握った当初は彼を信用しておらず、三公側に付くことも考えた。そんな中でたびたび街へお忍びで来た彼に「ハルバート、世の顔を見忘れたか」と言われ、血相を変えることになった。以降は彼の考えに触れ、今までの考えを改め、彼に忠誠を誓うことになる。年齢的にも近いことから「タメ口で話をして良い」ということになり、ソーマの友人となる。 カエデ・フォキシア CV 高野麻里佳 エルフリーデン王国禁軍参謀。 赤い眼鏡をかけた妖狐族の少女でハルバートの幼馴染。直情的な彼のブレーキ役になっていることが多い。「~なのです」が口癖。 ハルバートが三公側に寝返ることを必死に止めていた際、たまたま出会ったソーマにその慧眼を評価され、参謀職に抜擢された。 ハルバートへの想いを寄せており、お似合いとされる。 ジーニャ・マクスウェル CV 小原好美 エルフリーデン王国禁軍の科学者。 超科学者(オーバーサイエンティスト)と呼ばれ、突飛な発想で奇想天外なものを発明してしまうマッドサイエンティスト。 天才肌故に周囲に馴染めず、普段はダンジョンに籠もって研究の日々を過ごしていた。 魔力を蓄える鉱石に関する研究の重要性をソーマに伝え、彼から王都近くの研究所へ移って研究してもらえるように取り計らってもらった。その際、ルドウィンと婚約した。 三公 それぞれ陸海空を指揮するエルフリーデンの軍権を握る3人の侯爵である。 イメージとしてはこういう人達に近い。 ゲオルグ・カーマイン CV 楠大典 エルフリーデン王国陸軍大将。 ライオンの顔を持つ獣人族。リーシアの師匠的な立場にもいて、彼女は彼を尊敬していた。 1週間戦争ではソーマが追放した不正貴族を集めて反乱を起こす。しかし、この反乱は国王からソーマが王位を譲渡した際の未来を聞いたうえで、敢えて自身は反乱軍を率いて不正貴族を弾圧させようと仕組んだ計略だったことが判明する。 後に騎士団に捕縛され、ソーマからは自害を勧められる。しかし、これはポーズで実際は生きており、後に変装して諜報部の隊長として陰からソーマ達を支えることになる。 エクセル・ウォルター CV 堀江由衣 エルフリーデン王国海軍大将。蒼の海姫と呼ばれる。 容姿は20代半ばの美女のように見えるが実際は500年程生きており、その間、様々な男性と壮絶な恋愛をしたとかなんとか。ちなみにそれまでの夫は全員死別している。 ソーマの力量を探るべく孫娘のジュナを密偵として送り、ひそかに情報収集していた。後に彼の力量を認めると1週間戦争では反乱側には組せず、ソーマ側に付くことになる。 後にソーマの正妃や即妃を集め、花嫁育成講座を開く。エルフリーデンの王位継承の歴史といった一般知識によるものから、夫婦円満の秘訣、夜のお勤め、ソーマの彼女たちへの印象など、プライバシーもへったくれもない踏み込んだ内容まで講義される。 カストール・バルカス CV 福山潤 エルフリーデン空軍大将。 赤い半竜人(ドラゴニュート)。妻はエクセルの娘とのこと。 ワイバーン騎兵を指揮している。 三公の中ではソーマに対して疑心暗鬼が最も強く、王位を簒奪しリーシアに無理に婚姻を迫ったと考えていたようだ。 ゲオルグが反乱を起こした際には、連座制を恐れ、手勢を100騎のみに絞り挑むことにしたが、ソーマの策を見破れず敗北する。 後に裁判にかけられたが、それまでの功績を考慮し、命ばかりは助けられた。その後はエクセルに身柄を引き取られ、海軍で働くことになる。 カルラ・バルカス CV 愛美 エルフリーデン王国の空軍平でカストールの娘。 ドラゴニュートであり戦闘は父に次ぐ実力。リーシアとは親友である。 父同様にソーマに対しては疑念を抱いていたが、リーシアからの手紙でその誤解は解消された。しかし、武人としての矜持や簡単に寝返ることに抵抗を覚え、ゲオルグ側についたが敗北した。 裁判では、ソーマをはじめとする王族の奴隷となり、ソーマからは「自身が圧政を敷き、道を誤った時の心中役」にされた、リーシアを始めとする王妃ではできないことを託したと言えよう。 その後は奴隷として仕えるのだが、何故か服装はメイド服。どうやら侍従長の趣味であるらしい。それまでの武士としての威厳はどこ吹く風に。侍従長からソーマとリーシアのベットメイキングについて卑猥なシチュエーションを用いて怒られたときには悩んでしまうくらいに純情である。 マルクス CV 青山譲 エルフリーデン王国宰相 前王アルベルトの頃より支えた最古参の配下。 ハクヤがソーマの右腕としてから頭角を表してからは宰相の座をハクヤに譲り、自身は庶務を取り仕切ることになる。 ハクヤと共にリーシアとソーマの仲を取り持とうと画策することもある。 クリス・タキオン CV 七瀬彩夏 エルフリーデン王国の吟遊詩人だったが、後に王国の玉音放送を使い、報道や文化の情報発信をするようになった際にはニュースキャスターのような立ち回りを演じている。 前王夫妻 アルベルト・エルフリーデン CV 麦人 エルフリーデン前国王 リーシアの父親で、実は婿入りして国王になった。 野心なく温厚な性格で、国民から広く愛される性格であるのだが、イレギュラーな事態には対応できず、食糧難・貧困・難民流入、加えて人類宣言非加盟に由来する帝国からの圧力により、国家の衰退は避けられない情勢になっていた。 その打開策として勇者召喚の儀を行い、ソーマを召喚することになる。 エリシャ・エルフリーデン CV 井上喜久子 エルフリーデン王国王女。 いつも穏やかでニコニコしている。しかしそう見えて闇魔法の使い手でもある。 この彼女の能力がソーマを含めたエルフリーデン王国の今後を左右していることになる。 (アミドニア公国関係者) ガイウス・アミドニア CV 稲田徹 アミドニア公王でユリウスとロロアの父親。 先々代のエルフリーデン王国の領土拡充政策によって、奪われた領土とエルフリーデンへの恨みを抱き、一週間戦争でソーマが三公と内乱を起こしているのを好機とみて様々暗躍、エルフリーデンに攻め入るように準備を進めた。 だが、これはソーマとハクヤの罠であり、エクセルらによって時間稼ぎを食らい、逆に全軍を上げたエルフリーデン王国に宣戦布告され、追い込まれることになる。 最後は王国禁軍を出し抜き、ソーマのいる本陣に突撃するが戦死する憂き目にあった。 ユリウス・アミドニア CV 野島健児 アミドニア公国の公子 父譲りの武人の性格で、一週間戦争で公国が形勢逆転され不利になったのを機にガイウスの発案で戦線離脱。帝国の支援を後ろ盾に、エルフリーデンに奪われた首都ヴァンの奪還の交渉を進める。結果ヴァンは変換されたが、後にロロアの策略も相まって、アミドニアは内乱状態になり国を追放されることになった。 ロロア・アミドニア CV M・A・O アミドニアの公女。 二つのお下げと関西弁が特徴的な可愛らしい少女。アミドニア公国の方言は関西弁なのかどうかはともかく・・・。 武官な父と兄と違い、彼女は経済的なセンスを持ち合わせており、アミドニア公国が一週間戦争に敗れた後、生き残る道としてエルフリーデンとの合併を考案。そのために商人の情報網を駆使してアミドニアに反乱を勃発させ、ユリウスを国外追放に追い込んだ。 父親を戦死に追い込んだソーマに対して、遺恨は持っておらず、彼の才能とセンスには興味を持った模様。 アミドニアがエルフリーデンに編入された際には、自身もソーマの婚約者になる。リーシアをシア姉と呼んで慕っており、最初は怪訝な目で見ていた彼女とも関係は良好になった。 子狸のような愛くるしいお得意様 (グラン・ケイオス帝国関係者) マリア・ユーフォリア CV 金元寿子 帝国の聖女と呼ばれる純白のドレスをまとった美少女である。 帝国の国民を笑顔にしたいという理想主義的な思想の下、女皇として活動している。ある種、ソーマとは対極的な立ち位置にいる。 人類宣言非加盟国であるエルフリーデン王国が魔王領防波堤の恩恵を受けながらも、戦争支援金の義務を果たさない現状に他国が反発している現状を踏まえ、戦争支援金の支払いもしくは勇者召喚により、その者の身柄の譲渡を突き付けた。ソーマが異世界に呼び出された元凶原因でもある。 ジャンヌ・ユーフォリア CV 石川由依 マリアの妹で帝国陸軍総帥。 理想主義を掲げるマリアと違い、現実主義者。ある意味この二人の立ち位置の違いが帝国を安定軌道に乗せているとも言える。 自由奔放な姉に手を焼きつつも精神的に追い込まれることがないか心配している。 一週間戦争後、ヴァンの変換をユリウスに打診され、人類宣言として面子を守るためにエルフリーデンと交渉することになる。 後に秘密同盟に関する交渉でハクヤと様々やり取りを交わすうちに親交を深め、彼と結婚する仲にまでなる。 領土交渉の際、ソーマの器量に感銘を受け、帝国側にスカウトしようと提案したが、リーシアらヒロイン達に全力で拒否された。 【世界観】 ・エルフリーデン王国 ソーマが召喚された王国。イタリアをモデルにしているという。大陸の南東部にある王制の中規模国家。国王には代々人間族が即位するが、さまざまな種族が協力して建国したという歴史的経緯からどんな種族であろうと市民権を持つ。近年は経済・食料事情などに難を抱えている。王都はパルナム。 また、人類宣言非加盟国で、財政難のためにグラン・ケイオス帝国からの戦争支援金の種出が出来ず、圧力をかけられており、これがソーマ召喚につながった。 ・ラグーンシティ 海軍大将エクセル・ウォルターが治める沿岸都市。エルフリーデン王国の主要港であり、海軍の本拠地として軍港の役割も担う。 ・アミドニア公国 エルフリーデン王国の西に隣接する国。先々代エルフリーデン国王との戦争により国土の約半分を奪われており、失地回復の機会を虎視眈々と狙っている。首都はヴァン。質実剛健な軍人気質な軍人による支配が強い。 ・グラン・ケイオス帝国 大陸で最大の領土を誇る国。かつて魔王領への侵攻を主導したが敗北。魔王領の脅威と直接対峙しない遠方の国に『戦争支援要請』を出し、魔物と戦う国々への支援を求めている。首都はヴァロア。 ・九頭竜諸島連合 九頭龍閃ではない。 大陸の南東に位置する島々が緩く連合することによって誕生した海洋国家。大陸の国々とは異なる独特の文化が根付いている。 ・ルナリア正教皇国 月の女神ルナリアを祀るリナリア正教の総本山であり、教皇が国を治めている政教一体の宗教国家。 ・魔王領 ソーマが召喚される十年前に突如出現した魔物が湧き出す領域。当初は小国程度の規模だったが、魔物は北の国々を滅ぼしながら勢力を拡大し、大陸の三分の一を占めるようになった。現在は侵攻が止まり、人類側の国々との膠着状態が続いている。人類側からすれば共通の敵という認識。 【用語】 ・魔法 本作における魔法の定義になる。自然現象の操作や物体の強化を可能とする神秘の力。火・水・土・風・光・闇の六属性に分類され、火・水・土・風は主に攻撃魔法、光は治癒魔法となる。闇はこれら五属性に当てはまらない特殊な魔法の総称。 ・人類宣言 帝国女皇マリアが提唱した国家間同盟。魔族に対する人類の共同だけでなく、戦争停止・民族差別禁止も提唱している。 ヘルシンキ最終文書に似ており、クーデターや内乱による独立運動が発生した際に、条約内容同士の矛盾により動けなくなるという短所が存在する。 ・一週間戦争 エルフリーデン王国における内乱からアミドニア公国との全面戦争にまで発展した戦争。三正面戦争とも呼ばれる。 ・着ぐるみ姿の冒険者 冒険者界隈で話題の人物。着ぐるみの格好をしており、身振り手振りで受け答えする。その正体はソーマが『リビング・ポルターガイスツ』で操るムサシ坊や君. 一週間戦争でもガイウス戦で活躍するなど優れものである。 ・ゼルリン とにかく弱いゲル状の生物。切ったり潰されたりすると薄い膜に包まれた体液が流れ出て簡単に死んでしまう。雄雌の概念はなく、分裂して増えていく。 なおポンチョは核だけを破壊する技術(ゼルリンの活き〆め)という技術を考案して、ゼルリンを食用にすることに成功(葛切りみたいなイメージ?)。「ゼルリンうどん」というものを作った。 ・幻惑リリー 百合の一種。地下茎(ユリ根)はふかして食べればホクホクしておいしいが、花粉に強い幻覚作用があるため収穫が困難。花粉が出ている時期に収穫をしないと地下茎にも毒性が移ってしまうので、食用目的の場合は対策が必要。 ・王様のブリンチ エルフリーデン王国のパルナム城から情報を届ける『王様のブリリアントなランチ』という番組の略称。宝珠放送にて中継され、司会はジュナ・ドーマとポンチョ・パナコッタ。初回放送では食料不足にあえぐ国民の助けとなるように、食べる習慣のない食材とその調理法を紹介した。 元ネタは「王様のブランチ」 【テレビアニメ版】 2021年7月~9月まで第1期、2022年1月~4月までの期間で第2期が放映された。 制作会社はJ.C.STAFF。監督は渡部高志 ナレーションは速水奨。 主に内政に対する描写がメインなため、チート能力を駆使して戦闘で無双したり、ハーレムを形成したりする(後者は合っているか)、最近のなろう作品のような展開を期待する層からは地味だという声もあるが、堅実的に政策を実行している様などを丁寧に描いており、上述のように大河ドラマみたいだと称する声もある。 主題歌 (1期) OP 「HELLOW HORIZON」 水瀬いのりによるオープニングテーマ。 ED 「カザニア」 愛美によるエンディングテーマ。 (2期) OP 「REAL-EYES」 水瀬いのりによるオープニングテーマ。 ED 「LIGHTS」 愛美によるエンディングテーマ。 追記・修正はエルフリーデン王国の財政状況を改善したときにお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 作者はゴジラ×メカゴジラも見てるのか? -- 名無しさん (2024-02-16 11 38 56) 去年、アニメ版が3回くらいつべで公式配信されていたな。 -- 名無しさん (2024-02-16 12 00 28) 読んだことないけど現代日本人にとってハーレムって現実主義なのかなぁ -- 名無しさん (2024-02-16 15 28 44) ↑そもそもこの作品「現実主義」って言葉が足引っ張ってる感はある。やってる事がほぼ内政で主人公自身もそれで良しとしてる(ヒロイックな活躍には向いてないと自覚している)部分は確かに現実主義と言えなくもないけど、大まかな展開(嫁間の仲が異常に良いハーレムなんかも含め)はやっぱり良くも悪くも「なろう」な印象。 -- 名無しさん (2024-02-17 16 09 15) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nocry/pages/219.html
九重に咲けども花の八重桜 割と見ごたえがあると聞いて、半信半疑でやってきた。実際目にして思わずおお、だとか溜息が出る。人間感心すると、自然に声が漏れてしまうものらしい。 皇宮だった。 その裏手奥、あまり人の手も目も入らない場所に、半ば忘れ去られて数本、その古いのか新しいのかよく判らないは木は、今を盛りと咲き誇っていた。チャトラにこの場所を教えてくれた、顔なじみの若い騎士が、この花の名前も何度か口にしていたが、忘れた。正直情緒だとか風情だとか言うものにはっきり疎い自覚だけがある。 だからチャトラは、この花の名前を知らない。 ひどくはかないうす紅いろの、枝垂れた花があちらこちら、まるで滝のようになだれ、のたくって景色は霞み向こうが見えない。見事という言葉は、こういう時に使うのだろうなと、見上げて彼女はなんとなく思った。 それから、部屋から適当に引っ張りだしてきた敷物をがちゃがちゃと地面に広げる。敷物の中には、名前の知らない酒瓶が数本と、厨房に顔をだして適当に見繕ったつまみ。酒瓶の方は部屋の棚から目についたものを抜き出してきた。皇帝のコレクションではあろうけれど、あまり蒐集に固執していないように思えたから、飲み干してもゴネられることは無いように思った。つまみも断りを入れてきたので、問題なし。唯一敷物だけは、侍従長あたりに見咎められると、はっきりと嫌な顔をされそうだ。部屋にあったものだから、皇室御用達だとかで、目の玉が飛び出るほど高級なものだとチャトラは思う。思うのだけれど、その価値、というものが今一つ判らないので、小言は食らった後に反省することにする。 反省と言うより後悔かもしれないが。 枝垂れた枝の中に敷物を広げて、その中に座り込む。すると辺りは一面ほのかなうす紅に囲まれて、自然の緞帳の向こうに皇宮の回廊の明かりが少しだけ透かして見える。秘密基地のようにも思えて、妙にわくわくした。幹によりかかり、行儀が悪いかと思いつつ口で蓋を開けると一口呷る。 「うまいなー」 するすると飲み口の良い液体が、喉をすべり腑を焼く。ひとり呟いた。誰も聞いていないのだから気楽なものだった。こうして外で飲み食いするのがチャトラは好きだ。どこか特別な気分になるのが楽しいと思う。 鼻歌交じりにもう一口。 したところに、不意に近付く足音が聞こえて一気に不機嫌になった。 こんな場所に、こうしてチャトラが一人酒盛りしているところに、近付く人間は大方知れている。そうして渋々目をやれば、 「花見かな」 思った通りに男が一人、薫風になぶられて立っていた。 「……なんで来るんだよ」 「お前の姿がさっき窓から見えてね」 「くんなよ、オレの聖域だぞ」 彼女が不愉快になっていることが十分判っているはずなのに、まるで介せず男は隣へ座りこむ。おや、と酒瓶を見止めて眉を上げたところに、持ってきたよと今更告げた。 「駄目だった、」 「――いや。構わない」 思った通りに答えが返って来たので、機嫌を直す。予定していた一人きりの楽しみの時間は、仕方がないかと諦めた。こうして花はさやさやと音を立てているし、酒もうまい。昼寝するには絶好の心地良さで、不機嫌を持続しているのはあまりにもったいない。 同じように酒瓶を手にし、こちらは一気に呷った男が、ごろりと敷物の上に横臥した。毎度毎度気だるそうに振る舞う男が、今日はいつにもまして怠そうだ。そういえば昨日は部屋にも戻らず、一晩中仕事をしている風だったなと思い起こして、少しだけ尻をずらしてチャトラは男に場所を譲った。そのくらいの気遣いはしてやってもいいように思ったからだ。 そうして、チャトラは上を見る。 枝の先の先まで、みっしりと花をつけた枝は重たげに項垂れていて、どうしてここまで必死になって花をつけるのか、少し不思議な感じがした。効率だとか言う言葉で考えれば、もう少し少なめに花をつける方が幹本体へのダメージも少ないのではないか。色も、よくよく観察すると、全体としてはうす紅色の固まりに見えるものなのに、一つ一つの花弁はとても白くてはかない。はら、と重さに耐えきれず落ちたはなびらを取るとびっくりするほどに薄くて軽いのだ。これが密集するだけで、どうしてこんなにも強い印象を与えるものなのか、チャトラはやっぱり不思議だと思う。 思った通りを口にすると、目を閉じていた男がうっすらと笑った。お前の発想はいつも面白い、そんなことを言う。自分では面白い発想をしているつもりもないので、彼女は首を捻った。 時折風に揺らされるはなびらは、男の上にも遠慮なく落ちて、目をつぶる男はそれだけでなんというか妙に様になる。腹立たしい。 喋り好きの下働きの女たちにチャトラが聞いたところによれば、名前のない皇帝は己の容姿にもまるで無頓着で、歴代皇帝の肖像画とやらだけは、周りが拝み倒してなんとか書き上げることができたものの、それ以外の男自身の絵画、というものが存在しないらしい。残すなだとか男が厳命している訳でもないのだろうが、そもそも書かせる気がないようだ。あちらこちらに残る貴族の姿絵と言うものは、普通は依頼する側が金を払って絵描きを雇い、作品と報酬が引き換えられる。そうして需要と供給が成り立っているものだそうだが、現エスタッド皇に関しては、名だたる皇都の芸術家だのと呼ばれる人間が、頭を下げて書かせてほしいと頼み込んでくるのだと言う。チャトラにはまるで判らないが、作家魂とやらをくすぐる男の造形なのだろう。本当に理解できないが。 しかし皇帝、先に述べたようにまるで己に無頓着であったので、その「高名な画家」とやらの頼み事はすべて却下したらしい。後世に自身の何かを残す、という功名欲がどうも欠けているのではないかと言うのが女たちの推測だ。 だから結婚もなさらないのさ。 付け加えたついでの一言まで思い返しながら、チャトラは横目で男の顔を見た。 じっと見つめると、光の加減で男の頬が削げているのが判った。 疲れているんだろうな。 そう思った。 男の仕事内容にチャトラは一切首を突っ込むことがないので、一体どういう激務をこなしているのか想像で補うしかないのだが、最近あちらこちらの国境の紛争が絶え間ないと聞く。どうやらいくつかは大事に発展しそうな気配だと、皇宮内でももっぱらの噂だ。きっと噂は間違っていないのだろうし、男がそれを最小限に食い止めるために手配していることもその通りなのだろうと思う。 そう考えれば、こうして自分一人の楽しみの空間に、男が土足で踏み込むことぐらい、笑って許せる度量がなくてどうする。そうも思った。 どっちにしろ、腹が立つことに違いはないのだけれど。 「――何を見ている」 傍若無人なチャトラの視線を咎めることなく受け入れていた男が、不意に目を閉じたままぼつりと呟いた。寝ていた訳ではないらしい。 「こないだ本で読んだ、姫さんみたいだなとか思って」 「姫」 「あるだろ。百年眠り続けちまう話」 「――ほう」 「知らない?花のとげが刺さって、なんでか呪いがかけられて寝ちゃって、そこに王子がやって来て起こすって言う」 「お前が私を起こしてくれるのかな」 「言ってろ」 そう言えばあの話はどうやって姫君を起こすのだったか。話のくくりは忘れてしまった。 「――そういえば、前から聞いてみたいと思っていたことがあるのだが」 暫く黙ったまま風になぶられていた男が、口を開いた。 「うん」 「お前の誕生日はいつなのかな」 「……いつって」 困ってチャトラは顔をしかめる。 「言わなかったっけ。オレ、親に捨てられてたし、生まれた日なんてわかんねェんだよ」 「――お前の姉は、お前に毎年四葉を贈っていたと、前に聞いたように思うのだが」 「ああ……姉ちゃん」 ごくりと酒瓶を傾けて、チャトラは笑った。 「きちんとした日なんて決めてなかったんだ。適当に毎年目印つけてさ。『一番最初に渡り鳥を見た次の日』だとか……、『鉢植えに植えた種が芽を出した次の次の日』……だとか」 これと決まった日はなかったけれど、そうしてつけた目印を一生懸命探し当てるその毎日が、チャトラは好きだった。 「成程」 ゆっくりと男は頷いて、では、と続ける。 「次の私の休みはどうかな」 「は?」 続けた男の言葉が一瞬判らなくて、チャトラはまじまじと男を見た。薄く瞼を上げた男が、視線を受けてチャトラを見返している。 「アンタの休み?」 「ほしいものはあるかね?」 「あー……え?」 それがチャトラ自身の誕生日のことを指しているのだと気が付いて、そこでチャトラの目が泳いだ。急にほしいもの、だとか聞かれても困る。 「食べたいものだとか」 「うーん」 「宝石だとか」 「……うーん」 「それとも四葉が良いかね?」 「…………うーん」 そうだなぁ、とぼやいて考える。路地裏暮らしの日々ならともかく、三食昼寝が付いている今の状況で、足りないものが思いつけない。少し前までなら腹いっぱい食べたい、だとかあたたかい布団、だとかでてきたのだろうけれど、今はそれもない。かといって飾り物だの服だの靴だのと言った、身を着飾るものでほしいものが思いつけなかったし、四葉のクローバーは確かに良い手かもしれないが、それでは少しひねりが足りないような気もする。 「なんでもいいの」 「出来うることならば」 「大盤振る舞いだね、アンタ」 「そう言う気分なのだ」 「そうだなぁ」 ほしいもの。やってみたいこと。 考えている内に急にむらむらと悪戯心が湧いて出た。男は立場上、金も権威も持っていて、たいていの願いは難なく叶えてしまえる立場にある。 それでは面白くない、と思ってしまった。 どうせだったら、男が困るもの、実現難しそうなもの、言われて悩むものの方が面白いかもしれない。 口から先のなんとやら、大盤振る舞いのでまかせ半分なのだと、このときは何故か思ったのだ。 「アンタと、誰にも邪魔をされずに、街を歩いてみたいと思ったことがあるな」 できない事なら、いっそ実現不可そうなものの方がいい。言いながら確実に無理だと言うことをチャトラは承知していた。自分はともかく、男はれっきとしたエスタッド皇国の代表者で、おいそれと出歩ける身分でも立場ではない。仮に本人が良しとしたとしても、周りが許さない。 だから、この時チャトラは軽い気持ちで口にしたのだった。 男が、そのあたりの街の人間と同じような恰好をするだとか、並んでそぞろ歩きながら適当に屋台で見繕って食べるとか、考えるだけで面白いと思った。まるで似合わない。似合わないと言うより、想像がつかない。 できない、と男が困った顔をすればいいなと、その程度の気持ちだった。 「アンタの時間をオレにください」 「――それが」 いつの間にか男は敷物の上に起き上がっていて、チャトラを可笑しそうに覗き込んでいた。 「それがお前のほしいものなら、お前に私の時間をあげよう」 「……え?」 即答されて目を剝いた。ウソだろと口の中で呟く。無理だ。どう考えたって無理だ。 そう思ったのに平然とした男の顔を見て、どうしてか絶望に駆られる。まずい。この目は本気だ。今更冗談でしたとも言えず、言葉を探して口を莫迦みたいに開閉させるチャトラを見て、男がふっと笑った。それを見てああ、嵌められたのだなと思う。 困った顔を見て、からかいたいのはお互い様だった。見抜けなかった己の浅はかさに舌打ちをした。 勝者の顔をして頬を緩めた男が、おもむろに腕を伸ばして、チャトラの頭に付いたはなびらを摘み取る。重ねて雪のようだと呟いた。 「この花の名前を知っているか」 「悪いけど知らないよ」 摘まんだ男の指をすり抜けて、はなびらが風に乗って飛んでゆく。二本目の酒瓶を手にしながら、厄介な願い事をしたものだとチャトラは溜息を吐く。その溜息すらも花の緞帳に遮られて、外へは漏れずに閉じ込められてしまうのだ。何かに似ているなと既視感を抱いて、それから男の雨に少しだけ似ているのだと思い当たった。 雨、と表するには少し語弊があるのかもしれないが、それ以外の表現をチャトラは知らないからそう表すしかない。どういうはずみだか男が自分へ覆いかぶさるような瞬間、長い髪が辺りに散らばって、まるで金茶色の檻にでも閉じ込められているような気分になるときがある。やわらかな慈雨。 それとこのしな垂れた枝の何重もの覆いは、少しだけ似ている。 「花の名前を知っているか」 男がもう一度繰り返す。聞いた覚えがあるはずなのに、チャトラはこの花の名前を知らない。黙って首を振り、また空を見上げた。見上げる途中、はら、とひとひら回転しながらゆっくりと舞い落ちるはなびらの向こうに、つと目を細めた男の顔が見えた。 (20110420) ---------------------------
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2644.html
思いついたネタです。 ストパンネタです。でも制作者はストパンをチョコットしか知りません。 TSネタがあります。キャラも出てきますが、よく知らないので違ったらごめんなさい。 独自設定もありますが、それでもよろしければどうぞ。 あくまでもネタです。あしからず。 リベリオンやブリタニアとの交渉を終え、その成果を天皇陛下にご報告するべく、参内していた夢幻会御一行。 「……となります。」 嶋田繁太郎が、九曜葛葉として天皇家に仕える侍従長として存在するこの世界では、首相の負担は近衛文麿に重く圧し掛かっている。 しかし、前世とは違って明確な“世界の敵”が存在し、尚且つアメリカに相当するリベリオンが友好国家として存在しているので、比較的楽だと言えば楽ではあった。 そのうえ、資源を容易に調達できる要地を確保していることも大きい。 なによりも前世で問題ばかり起こしていた“中国”と“韓国”が無い事も大きいだろう。 夢幻会がこの世界を古来より知る九曜に聞いたところ、昔は確かの両国とも存在していたらしい。 だが、度重なる戦乱とネウロイという脅威が、中国と韓国を度々分散させた。 その所為か“中華思想”が育たず、韓国が宗主国としてあがめる事もなく、ネウロイに対する戦闘で保有していた“ウィッチ”の血統と技術が、次第に数が少なくなり今では完全に失われたのだという。 その為、ネウロイの襲撃が防げなくなり・・・国家樹立が出来なくなったのだとか。 今は扶桑国が、一部だけ保護している状態で、後は他国が分割して統治しているのが現状だ。 ただ、“中華思想”“誇大主義”が無いというだけでも有り難いモノであるというのは間違いなく、非常に助かっている。 ココだけはネウロイに感謝してもいい。 既に報告が終わり。あとは陛下が一声かけて退室されるのを待つばかりとなったのだが・・・ 『九曜よ。済まぬが外してくれぬか?』 「…主上?」 思わぬ発言に一同は驚き、簾の向こうの陛下を見る。 『なに、たいした事でない』 「なれば、ココにいても…」 『男の話がしたいのだよ。』 陛下は前世の昭和天皇とは違うが、おちゃめな所まで違ってほしくなかった。 自分は護衛も兼ねてここにいるのに、傍から離れては本末転倒である。 『この者達は信用できるのであろう?そなたが推薦したのだから、安心できよう。』 「…では、他の巫女は『その方たちも外してくれ。分体を置く事も禁ずる』…心得ました。」 九曜の視線が近衛等に一瞬向く。 確かに信頼しているし馬鹿な真似はしないという確信もある。 こころの中で溜息をつくと、軽く手を叩いて巫女たちと共に退室していった。 ―――ガチャン――― 扉が閉まり、異常な事態にただひたすら緊張する男どもと、簾奥の陛下だけが残った。 『緊張するな…と言っても無理であろうが、力を抜いてほしい』 「主上…いったい如何なるごようでしょうか?」 代表として近衛が口を開くが、硬いままだ。無理もないが。 『なに。一度そなた等と個人的に話してみたいと思っていたのだ。』 「それでしたら。後日にでもよかったのでは?」 『ううむ。それも一理あるのだが…何せ、あの九曜が積極的に動いたのは初めてなのだ』 「初めて…で、ありますか?」 『うむ。朕が知る限りでは…扶桑国の立役者である信長公救出、術士学校設立、それに付随する関連ぐらいなものだ』 「そうなのでございますか?」 『うむ』 恐らく九曜は動きすぎると皇室に迷惑がかかると思い。その事柄のみに集中して力を入れていたようだ。 それでもアドバイスなどで、ある程度政治的に介入はしているみたいではあったが・・・ 『そんな事よりもだ。』 陛下の声から柔らかさが消えた。 自然と姿勢を正す。 『そなた等の誰に九曜が惚れたのだ?』 「……はぃ?」 一気に気が抜けた。 『先ほども言ったが、九曜が積極的に動くのは珍しい。 今の朕には妻がいるが、小さい頃は九曜に惚れていた。 九曜は小さい頃から朕の面倒を見てくれていた。』 尻尾もモフモフさせてもらったと陽気に笑うが、正直ついていけない。 『わが父も、祖父も、おそらく曾祖父も、九曜が初恋の人だろう。 だが、九曜は壁を作って朕たちは深くかかわらない様にしているように見える。 不老故にだろうが…それでも、あの者には幸せになって欲しいと思うのだよ。 400年…長い年月を一人できるのは辛いはず。 誰も彼も、あの者を置いて先に逝く。 朕とて同じよ…それでもだ。あの者が選んだものがいるならば…朕は喜んで祝おうと思うのだ』 朗らかに仰る陛下だが、聞いているこっちは穏やかではない。 九曜が、嶋田が自分達に惚れている? それない。 断言できるのが悲しいが、彼女が自分達に対してそんな感情を抱いていないのはわかっている。 あくまでも“転生仲間”としてだろう。 なので、否定すると困ってしまったのか唸っている。 『ううむ…そうなのか。 最近は様子がおかしいので、てっきりそうなのかと思っておったのだが…』 「…どのようにでしょうか?」 『どこか遠くを見たり。昔の思い出を話したり。今まで話さなかったものと話したりであるな。』 ――― ―――――― ――――――――― 少し前に知り合ったエイラ・イルマタル・ユーティライネンさん。エイラさんは沢山敵を撃墜したエースと呼ばれる飛行士さんだったみたいです。 寮に帰り、理事長室に案内してしばらくしたら、エイラさんがやってきました。 「しばらく、コッチデ厄介にナルゾ!」 「え…それってどういう…」 「体験入学ノ許可が下りタンダ。それで、芳佳達のトコロにトマル事にナッタ。よろしく!」 「ええ!!」 大声で叫んだら隣の部屋から、みっちゃん…山川美千子(やまかわみちこ)…が慌てて駆け込んできた。 騒動になりそうだったけど、何とか落ち着いてもらって事情を話した。 「そうなの?もう、驚かせないでよ。最近変質者がうろついているみたいだし」 「うう、ごめん」 「内職の防御術用符の制作、やっている時だったんだから」 みっちゃんは、家系上の従姉妹に当たります。 魔法力を僅かですが持っていて、幼馴染の同級生で、一番の親友です。番号はつけたくないけど、二番はサーニャちゃんです。 筆使いが上手で、魔力の載せ方もかなりうまく、内職で防御術用符を制作して入ったお金を実家に届けています。 そんなこんなで始まった共同生活。 食事の時・・・ 「うわぁ…エイラさん。御箸の使い方上手いなぁ」 「教えてクレタ人がイテ、今じゃぁコッチデ大体食べているナ」 (ムム、私より上手……) 織物の時・・・ 「う、クソ!うまくデキナイ!!」 「その織り方だとだめですよ」 「あぅ…」 「サーニャちゃんまで…」 (芳佳、ごめん……) 魔力を高めて、抑え込む瞑想の時・・・ 「………」(微動だにしない芳佳) 「………」(御日様のせいで寝そうなサーニャ) 「………」(何かを我慢しているエイラ) 「…む、せい!」(見回っている先生) 「いた!」 「うぉ!」〔ブッ!〕 「あ、あら(汗」(思わぬことにあせる先生) 「アゥアゥ(///////)」(顔が真っ赤になるエイラ) (*1)(笑いをこらえる生徒一同) えっと……楽しい時間でした!! エイラさんの故郷の料理を教えて貰ったりして、お互いに得るものがありました。 あ・・・(フラァ・・・) 「芳佳、大丈夫カ!?」 「芳佳…!」 いけない、また倒れそうになちゃった。 最近私は変です。熱もないのに頭が痛くなったり。 何かを思い出そうになったりします。 でも、何を思い出すのか全く分かりません。 更に最近では胸騒ぎが酷く、食事も受け付けない・・・ 「今日ノ授業は、休んだホウガ良いゾ」 「うん…なんだか、顔色も悪いし…」 「でも…」 「迷惑を掛けたくナイナラ休むンダ」 私は、結局休むことにしました。 皆勤賞、逃がしちゃった。 ――― ―――――― ――――――――― 「芳佳…寝ちゃった」 「ヨッポド疲れてイタンだろウナ」 芳佳…この国で出来た私のお友達。 右も左もわからなかった私を、美代子共にいろいろ教えててくれた。 だから芳佳が困ったときは、絶対助けようと思っている。 本当は付きっきりでいてあげたいけど。 自分は授業に出なきゃいけない。 「コンナ事、今までアッタノカ?」 「(フルフル)…ない」 エイラも心配している。 最初は芳佳とすぐに仲良くなって、なんだかモヤモヤしていたけど今は感じない。 でも、芳佳が病気になるなんて考えられない。 実家が病院という事もあって、人一倍健康に気を使っているのに・・・ そういえばエイラも様子がおかしい。 朝起きたら・・・ 「なんで、会えないンダ?今までヨリモ近いノニ…!」 とか、 「会えないハズはナイ。オバサマが…イトテキに避けているノカ?なんで…」 とかいっている。 ブツブツ言っているけど、頭大丈夫かな? 卒業生が戦場に出る子が多くなったから、初めて導入されたストライカー訓練の日なのに・・・ ――― ―――――― ――――――――― 扶桑国で初めてのストライカー訓練は、物足りなさが残った状態で終わった。 実戦仕様を扱っているエイラにはどちらにせよ、物足りないのは仕方がない。 夕食事時に起きていた芳佳は、まだ体調が悪そうだったので早くに寝かし、自分も寝る。 明日の授業をこなし、明後日は休日で。皆とお店巡りをする予定だ。 その機体を胸に秘めて、眠りについたのだが・・・ 目の前には、一面黒い世界が現れていた。 そこらへんに、枯れ木が疎らに生えているという、あいも変わらず寂しい世界。 一度だけ聞いたこと事がある、夢とは…その人物が思い抱いている事…だという事を。 だとしたら九曜葛葉の心は、どこまで枯れ果て、冷たいのだろうか? 「オバサマ!」 エイラは駆けだした。 最近、積極的に会おうとしていたのにまるで連絡がつかなかった。 だからその理由が知りたかった。 しばらく走り続けると、一つの屋敷が見えてくる。 エイラと九曜が、最初に出会った屋敷の情景だ。 屋敷は輪郭がわかる程度で完全に真っ黒であり、唯一庭先で花咲く椿だけが色を付けている。 そこに九曜葛葉は立っていた。 「オバサマ!!」 「エイラ…どうしたの?」 「どうしたのじゃナイゾ!夢で会おうとシタノニ、全然会えないカラ心配したンダゾ!!」 「ごめんなさい。ちょっお最近考え事をね…」 そう言って笑い掛ける九曜だが、エイラにはどこかおかしく見えた。 何時もとは違う、何かが・・・おかしい。 「オバサマ…ナンカ変だぞ…?」 「そうかしら。」 やっぱりおかしい。笑っているのに、笑っていないような感じがする。 どこか遠くを見ていて、無機質に見える。 「ねぇ…エイラ」 「ナニ?」 「お姉さんは大切にしている?」 「ウン。イツモ元気だ。」 「お友達は元気?」 「二パの事か?アイツも元気だと思う…そうだ!今扶桑にいるんだ!!」 「え…そう、なの?」 やっと別の表情が見えた。だが驚いた表情はすぐに戻ってしまう。 「ウン…今泊めてモラッテいるんだけど……」 エイラは話した。 扶桑に来てから体験したことを、友達となった芳佳やサーニャの事を、とにかく話した。 なぜかは知らないが、九曜がどこか遠くに行ってしまう、そんな気がしたから。 話を聞き終えた九曜はそっと頭をなでる。 「それだけ沢山の大切な人たちがいる。だから悲しませてはだめよ。」 「ワカッテル。ダカラ忠告通り、能力にはアンマリ頼らないヨウにスルヨ。」 「さぁ…おいきなさい。もうすぐ夜明けのはずだから。」 撫でる手を収めた九曜は僅かに離れる。 起きる前の行動だ。何時も通り、何時も通りなのにエイラの焦りは、いつの間にか大きくなっていた。 いかせるな! 目を離すな! 手を離すな! 何かがそう自分に言ってくる。 だからもう一度声をかけようとしたとき… 「……え」 あり得ないものを幻視して、その世界から去った。 ――― ―――――― ――――――――― その日、九曜葛葉はかなり早く起き、机から言一つの封筒を取出して上に置いた。 そして引き出しの奥に、厳重に保管されていた長方形の物体を取り出す。 これはたった一つ、自分に残した思い出の品。 今は亡き夫が身に着けていた短刀。 自分が贈った護身刀。 子供達が夫にねだった短刀。 手元に唯一残したそれを持ち、九曜は皇居から姿を消した。 彼女は思い出の地に立つ。 京都が良く見える、昔住んでいた屋敷跡。 子供たちが遊んだ庭で、死に装束を纏い、今なお咲き続ける思い出の椿の前で、短刀を首筋に当てた。 以上です。 かなり駆け足ですけど、次回最終回。 原作からの変更点・捏造点ですが 1:扶桑国を作ったのは信長。 これは調べてみたら鎖国をしていないという事、森蘭丸が女性で“ウィッチ”であるという事を受け、生存して日本統一を目指して成功したものとしました。 原作でもそうならば、意味ないですけどwww 2:山川美千子(やまかわみちこ)が“ウィッチ”である。 登場させてあげたよ!ついでに九曜さんの遺伝子があるお蔭で“ウィッチ”になれたよ!でも戦えるほどじゃないよ! 3:天皇家の教育係も務めていた。 嶋田九曜さんの仕事です。よく悪戯で尻尾を引っ張られたりしていたでしょうwww 4:中国・韓国の扱い。 出すのが面倒(本音 これは考察と捏造的なものですね。昔は中国から文化がやってきたのは事実ですし、これが無いと日本文化が発生しないと思われたので、衰退してしまって吸収されちゃったことにしました。 いやぁ・・・書いていたら長くなってしまった。 改訂版は分割しよう。
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/128.html
天皇機関説(てんのうきかんせつ、天皇機關說)とは、大日本帝国憲法下で確立された、天皇に関する憲法学説である。統治権は法人たる国家にあり、天皇はその最高機関として、内閣をはじめとする他の機関からの輔弼を得ながら統治権を行使すると説いた。ドイツの公法学者イェリネックに代表される国家法人説に基づく。 概要 天皇機関説は、明治時代の終わりからTemplate 和暦?頃までの30年余りにわたって、憲法学の通説とされ、政治運営の基礎的理論とされた学説である衆議院憲法調査会事務局「明治憲法と日本国憲法に関する基礎的資料(明治憲法の制定過程について)」、Template 和暦?。。憲法学者の宮沢俊義によれば、天皇機関説は、次のようにまとめられる宮沢俊義『天皇機関説事件(上)』有斐閣、Template 和暦?。。 国家学説のうちに、国家法人説というものがある。これは、国家を法律上ひとつの法人だと見る。国家が法人だとすると、君主や、議会や、裁判所は、国家という法人の機関だということになる。この説明を日本にあてはめると、日本国家は法律上はひとつの法人であり、その結果として、天皇は、法人たる日本国家の機関だということになる。 これがいわゆる天皇機関説または単に機関説である。(※太字は、原文傍点。) 大日本帝國憲法 Template 和暦?に公布された大日本帝国憲法では、天皇の位置付けに関して、次のように定められた。 第1条:大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス(天皇主権) 第4条:天皇ハ國ノ元首ニシテ統治權ヲ總攬シ此ノ憲法ノ條規ニ依リテ之ヲ行フ(統治大権) これらの条文や憲法全体の解釈運用にあたっては、大きく分けて2つ学派があった。 天皇機関説(国家主権説、国家法人説とも)派 - 立憲学派 美濃部達吉や佐々木惣一らの立憲学派は、議会制を中心とした立憲主義に重きを置いて学説を構成した。具体的には、天皇主権より統治大権を重視し君主であっても『憲法ノ條規(議会)』に行動が制限される解釈と云える。 天皇主権説派 - 君権学派 「君権」に重きを置いて学説を構成した穂積八束や上杉慎吉ら君権学派(神権学派とも)。具体的には、天皇主権に重きをおき原則的に天皇には『憲法ノ條規』があってもあらゆる制限は無いという解釈と云える(天皇機関説ではしばしば専制を含む意味で主張された) これら両派は、Template 和暦?には、上杉と美濃部の間で天皇機関説論争として対立し、その後大正デモクラシーの時期を通じて立憲学派の立場が優勢となり、通説的立場を占めた。しかし、Template 和暦?に生じた天皇機関説事件で、美濃部の一部著書が出版法の発売禁止処分を受け、政府が国体明徴声明で学説の事実上の公定を行った。 補足 次節でみるように、天皇機関説においても、国家意思終局的決定権の意味での主権は天皇にあると考えられており、天皇の権限は否定されていない。天皇機関説はあくまで「立憲君主」のあるべき姿を論じた点に注意されたい。現代では通常憲法に条規を定めておき議会(立法府)により君主の行動を制限するのが立憲君主であり、また反対に憲法を定めず法令によらずして被支配者層を介せず統治するのが前近代的な専制君主である。憲法発布当初その1年後に帝国議会が開会し、大正デモクラシー以後の政党政治の確立によって、日本は名実共に立憲君主国となった。 しかしながら、こういった立憲君主との考えをば大衆をして浸透しなかったようで(それは美濃部の弁明を新聞で読んだ大衆の反応と、貴族院での反応の温度差に明らかであり)、一連の騷動以後は天皇主権説が台頭したため、それらの論者は往々にしてこの立憲君主の考えを「西洋由来の学説の無批判の受け入れである(『國體の本義』より要約)」と断じた。 日本国民の政治感覚のなさが、世論(大衆の意見)が輿論(公的な意見)となり増大され、やがて政府が動かざるをえなくなり(国体明徴声明)、従来主流であった立憲学派および天皇機関説の命脈は絶たれた。 学説の内容と変遷 さまざまな主権説 right|350px|thumb| 国家制度比較できるよう色分けされた b 世界地図 /b br / 凡例 Template legend? Template legend? Template legend? Template legend? Template legend? Template legend? Template legend? Template legend? Template legend? Template legend?]] Template 出典の明記? 「主権」という語は多義的にさまざまな意味に解釈することができるため注意が必要である。 不可侵な国家統治の権力としての主権 「統治権としての主権を有するのは何か」という問いに対して、国家と答えるのが「国家主権説」である。この意味での主権に関しては、現代でも国家主権説が通説である。 たとえば、日本国憲法を国民は想起したがその条規は守らねばならず、その行動は制限される。それを犯せば君主であれ国民であれ主権を侵すことになり、ここに立憲制は瓦解する(この場合の主権は、例えば領海侵犯や国民が他国へ拉致された場合などにおいて「我が国の主権侵害」などと言われるが、まさにこの内外に(法律面で)侵されざるべき国家の權利を主権という)。 国家政治の決定権としての主権 一方で、「国家の最高決定権としての主権を有するのは何か」という問いに対して、「君主である」と答えるのが「君主主権説」、「国民である」と答えるのが「国民主権説」である。この意味での主権は、国家主権説でいうところの主権とは意味が全く異なっている点に注意されたい。 たとえば、現在の日本は日本国憲法に「主権者」は前文に「主権は国民に在する」と、「天皇」は第1条に「国民統合の象徴」とあるが、実情は「立憲君主」とみなされている(日本国参照)。これらは解釈が難しい所であるが、大日本帝國憲法においては明確に「統治權ヲ總攬(第4条)」とあるので主権は君主が有する(第4条での統治権は「總攬」が政治の掌握の意であり、すなはち国家の最高決定権を指す)。 国家主権説は君主主権説とも国民主権説ともにおいて両立する。国家主権説では、いかなる国家であっても、統治権の意味での主権は国家にある。 美濃部達吉の天皇機関説は、統治権の意味では国家主権、国家最高決定権の意味では君主主権(天皇主権)を唱えるものである。すなはち立憲君主制国家を論じたものである。当時日本ではすでに議院内閣制が施行されていたが、現代ではほとんどの国家で憲法が施行されている(右図の紫などを除く)。 天皇機関説の発展 大日本帝国憲法の解釈は、当初、東京帝国大学教授・穂積八束らによる天皇主権説が支配的で、藩閥官僚による専制的な支配構造(いわゆる超然内閣)を理論の面から支えた。天皇主権説とは統治権の意味での主権を天皇が有すると説く学説である。また、この天皇主権は究極のところ天皇の祖先である「皇祖皇宗」に主権があることを意味する「神勅主権」説とも捉えられた大日本帝国憲法の公布にあたって、明治天皇が神前で奏した告文(こうもん)には、「皇祖皇宗ノ遺訓ヲ明徴ニシ典憲ヲ成立シ條章ヲ昭示」し、「皇祖皇宗ノ後裔ニ貽シタマヘル統治ノ洪範ヲ紹述スル」とある。。 これに対し、東京帝大教授の一木喜徳郎は、統治権は法人たる国家に帰属するとした国家法人説に基づき、天皇は国家の諸機関のうち最高の地位を占めるものと規定する天皇機関説を唱え、天皇の神格的超越性を否定した。もっとも、国家の最高機関である天皇の権限を尊重するものであり、日清戦争後、政党勢力との妥協を図りつつあった官僚勢力から重用された。 日露戦争後、天皇機関説は一木の弟子である東京帝大教授の美濃部達吉によって、議会の役割を高める方向で発展された。すなわち、ビスマルク時代以後のドイツ君権強化に対する抵抗の理論として国家法人説を再生させたイェリネックの学説を導入し、国民の代表機関である議会は、内閣を通して天皇の意思を拘束しうると唱えた。美濃部の説は政党政治に理論的基礎を与えた。 美濃部の天皇機関説はおおよそ次のような理論構成をとる。 国家は、一つの団体で法律上の人格を持つ。 統治権は、法人たる国家に属する権利である。 国家は機関によって行動し、日本の場合、その最高機関は天皇である。 統治権を行う最高決定権たる主権は、天皇に属する。 最高機関の組織の異同によって政体の区別が生れる。 (衆議院憲法調査会・事務局作成資料「明治憲法と日本国憲法に関する基礎的資料」) 大正時代の初めには、穂積の弟子である東京帝大の上杉慎吉と美濃部との間で論争が起こる。共に天皇の王道的統治を説くものの、上杉は天皇と国家を混同し、「天皇は、天皇自身のために統治する」「国務大臣の輔弼なしで、統治権を勝手に行使できる」とし、美濃部は「天皇は国家人民のために統治するのであって、天皇自身のためするのではない」と説いた。 この論争の後、京都帝国大学教授の佐々木惣一もほぼ同様の説を唱え、美濃部の天皇機関説は学界の通説となった。民本主義と共に、議院内閣制の慣行・政党政治と大正デモクラシーを支え、また、美濃部の著書が高等文官試験受験者の必読書ともなり、大正時代半ばから昭和時代の初期にかけては、天皇機関説が国家公認の憲法学説となった。この時期に摂政であり天皇であった昭和天皇は、天皇機関説を当然のものとして受け入れていた。 天皇機関説事件 Template main? 憲法学の通説となった天皇機関説は、議会の役割を重視し、政党政治と憲政の常道を支えた。しかし、政党政治の不全が顕著になり、議会の統制を受けない軍部が台頭すると、軍国主義が主張され、天皇を絶対視する思想が広まった。1932年(昭和7年)に起きた五・一五事件で犬養毅首相が暗殺され、憲政の常道が崩壊すると、この傾向も強まっていった。1935年(昭和10年)には、政党間の政争を絡めて、貴族院において天皇機関説が公然と排撃され、主唱者であり貴族院の勅選議員となっていた美濃部が弁明に立った。結局、美濃部は不敬罪の疑いにより取り調べを受け(起訴猶予)、貴族院議員を辞職した。美濃部の著書である『憲法撮要』『逐条憲法精義』『日本国憲法ノ基本主義』の3冊は、出版法違反として発禁処分となった。当時の岡田内閣は、同年8月3日には「統治権が天皇に存せずして天皇は之を行使する為の機関なりと為すがごときは、これ全く万邦無比なる我が国体の本義を愆るものなり。」とし、同年10月15日にはより進んで「所謂天皇機関説は、神聖なる我が国体に悖り、その本義を愆るの甚しきものにして厳に之を芟除(さんじょ)せざるべからず。」とする国体明徴声明を発表して、天皇機関説を公式に排除、その教授も禁じられた。 昭和天皇の見解 昭和天皇自身は機関説には賛成で、美濃部の排撃で学問の自由が侵害されることを憂いていた。国体明徴声明に対しては軍部に不信感を持ち「安心が出來ぬと云ふ事になる」と言っていた(『本庄繁日記』)。また鈴木貫太郎侍従長には「主權が君主にあるか國家にあるかといふことを論ずるならばまだ事が判ってゐるけれども、ただ機關說がよいとか惡いとかいふ論議をすることは頗る無茶な話である。君主主權說は、自分からいへば寧ろそれよりも國家主權の方がよいと思ふが、一體日本のやうな君國同一の國ならばどうでもよいぢやないか。……美濃部のことをかれこれ言ふけれども、美濃部は決して不忠な者でないと自分は思ふ。今日、美濃部ほどの人が一體何人日本にをるか。ああいふ學者を葬ることは頗る惜しいもんだ」と話している(『西園寺公と政局』)。 戦後の天皇機関説 第二次世界大戦後、憲法改正の気運が高まる中、美濃部は憲法改正に断固反対した。政府、自由党、社会党の憲法草案は、すべて天皇機関説に基づいて構成されたものであった。しかし、天皇を最高機関とせず国民主権原理に基づく日本国憲法が成立するに至り、天皇機関説は解釈学説としての使命を終えた。 参考文献 宮沢俊義『天皇機関説事件 史料は語る』上、下(有斐閣、1970年、2003年OD版) 上 ISBN 4-641-90285-2、下 ISBN 4-641-90286-0 利根川裕『私論・天皇機関説』(学芸書林、1977年) 宮本盛太郎『天皇機関説の周辺 増補版 三つの天皇機関説と昭和史の証言』(有斐閣選書、1980年) ISBN 4-641-08248-0 小山常実『天皇機関説と国民教育』(アカデミア出版会、1989年) 竹内洋・佐藤卓己 編『日本主義的教養の時代 大学批判の古層』(柏書房パルマケイア叢書、2006年) ISBN 4-7601-2863-8 植村和秀『天皇機関説批判の「論理」 「官僚」批判者蓑田胸喜』 p51~p89 菅谷幸浩「天皇機関説事件展開過程の再検討 ―岡田内閣・宮中の対応を中心に― 」 吉川弘文館『日本歴史』2007年2月号 No.705 ISSN 0386-9164 p52~p69 関連項目 天皇機関説事件 国家有機体説 国防の本義と其強化の提唱 脚注 Template 脚注ヘルプ? Template reflist? 外部リンク 美濃部達吉の「一身上の弁明」全文 明治憲法の制定過程について - 衆議院憲法調査会・事務局作成資料「明治憲法と日本国憲法に関する基礎的資料」- PDFファイル、524KB 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2009年2月17日 (火) 16 08。
https://w.atwiki.jp/shintoism/pages/52.html
名称 日枝神社(ひえじんじゃ) →慶応4年(明治元年)6月11日以来、日枝神社の称号を用いることとなったが、古くから「日吉山王社」「日吉山王大権現社」「江戸山王大権現」「麹町山王」ひろく「山王社」などと称され、氏子にとっては「お山」であり、一般には常に「山王さん」の名で親炙されてきた。 所在 〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-5 交通 丸ノ内線・銀座線で赤坂見附駅 銀座線・南北線で溜池山王駅 千代田線で国会議事堂前駅 奉仕者 +旧社家・別当・社僧について 山王権現の社号を称した往時の記録で別当は天台宗観理院、神主は日吉大膳、社僧に圓成院・成就院・宝蔵院・長命院・福聚院・智光院・宝泉院・無量院・智乗院・常明院の十坊があり、神職社家は小川織部・千勝主水・千勝采女・金丸靱負・宮西頼母・正木主膳・諸井喜内の七家、巫女として左近・土佐・伊賀の三家、更に山王権現御旅所(萱場町)の神主として諸井喜内が専任した。徳川時代は神仏の両部習合の法で神道に於いては天下泰平国家安穏の祈祷を修し、圓頓止観の天台にあっては唯我三密の直心を凝らしめた。(「江戸鹿の子 巻三」「江府神社略記」「江戸砂子」) 元禄10年5月15日江戸山王の神主に日吉(江州坂本)の社人樹下民部を命じ、民部後任に日吉大膳の子息を遣わせる由が見え、此の時より神職は樹下氏と定まったようである。 社格 当神社は江戸城の鎮守として徳川家の崇敬は特に篤く、将軍世嗣、子女及び諸大名などの社参は途絶えることなく、毎年正月・六月には必ず使い遣して幣を奉り、国家事ある時には必ず祈祷を修し、崇敬他に異なるものがあった。 東京奠都の後明治元年11月8日准勅祭社に、同2年7月2日祈年奉幣の列に入り、同5年5月8日府社に定められたが、皇城の鎮護たる故を以て、同15年1月11日官幣中社に列せられ、大正天皇御即位にあたり、氏子区域内に御降誕せられたる故を以て、大正天皇御即位の当日、更に昇格して官幣大社に列せられ、終戦とともに社格を廃せられた。現在は別表神社。 御祭神 主祭神 大山咋神(おおやまくひのかみ) +大山咋神 須佐之男神-大年神-大山咋神-別雷神 「古事記」に『大山咋神。またの名は山末之大主神。この神は近津淡海国の日枝山に坐す。また葛野の松尾に坐す。鳴鏑になりませる神なり』とあるように、近江国(今の滋賀県)の日枝山(比叡山)に鎮まり坐したのが最初。大年神の御子神で、別にその御名を山末之大主神と称え申し上げている。 相殿 国常立神(くにのとこたちのかみ) 伊弉冉神(いざなみのかみ) 足仲彦尊(たらしなかつひこのみこと) 摂末社 摂社 日枝神社(御旅所):寛永年間(1624~1643)山王御旅所に定められ、山王祭(神幸祭)では三基の神輿が出て摂社に至り、一時駐輦の上、神事を営み帰輿する。(東京都中央区日本橋茅場町1-6-16 祭事 +大 祭 祈年祭 2/17 例 祭(隔年神幸祭) 6/15 +山王まつり 江戸時代、時の将軍が自ら奉迎せられた優雅で格調高い神幸祭の行列は、狩衣・直垂・黄衣・白丁等の装束に威儀をただした氏子総代・氏子青年五百余名の奉仕により、午前八時本社を御発輦、氏子各町を巡幸、途中国立劇場、皇居坂下門で駐輦祭を、日本橋摂社で御旅所祭を執り行い都民の平安と繁栄を祈りつつ午後五時半本社に還御する。 新嘗祭 11/23 +中 祭 若水祭(ひとり翁奉奏) 1/1 歳旦祭(初神楽) 1/1 元始祭 1/3 紀元祭 2/11 神嘗祭 10/17 日本文化祭 11/3 天長祭 12/23 +小 祭 印章護持祭(おしでまつり)1/13 成人祭 1/15 神札焼納祭 1/15 節分追儺式 2月節分の日 学業成就祈願祭・絵馬まつり3、4月中 山王稲荷社(末社) 4月下午の日 天満天神祭(摂社) 5/25 八坂神社祭(末社) 6/7 嘉祥祭(和菓子の日) 6/16 浅間神社祭(摂社) 7/1 箸感謝祭 8/4 敬老長寿祭 9/15 山王祖霊祭 9月秋分の日 仲秋管絃祭 15夜 除夜祭 12/31日 猿田彦神社祭 庚申の日 朔旦祭(山王御縁日) 毎月1日 月次祭(山王御縁日) 毎月15日 +山王御祓・鎮火祭 夏越祓 6月中旬 年越祓 12/31 由緒と歴史 当社は武蔵野開拓の祖神・江戸の郷の守護神として江戸氏が山王宮を祀り、さらに文明10年(1478)太田道灌公が江戸の地を相して築城するにあたり、鎮護の神として川越山王社を勧請し、神威赫赫として江戸の町の繁栄を築いた。 やがて天正18年(1590)、徳川家康公が江戸に移封され、江戸城を居城とするに至って「城内鎮守の社」「徳川歴朝の産神」として、また江戸市民からは「江戸郷の総氏神」「江戸の産神」として崇敬された。二代秀忠の時の江戸城大改造の際、城内紅葉山より新たに社地を江戸城外に定め、社殿を新築して遷祀された。世に伝える元山王と称する地は今の隼町国立劇場附近である。この時から別当神主を定め神社の規模は大いに備わり、広く一般衆庶も参拝し得る道を開いたが、明暦3年(1657)の俗に言う振袖火事に社殿炎上の災に遇ったが、時の将軍家綱は直ちに赤坂の溜池に臨む松平忠房の邸地を官収して社地に充て、結構善美を尽くした権現造の社殿を造営・遷祀され、天下泰平、万民和楽の都を守護する祈願所として崇敬された。 明治元年東京奠都と共に勅使奉幣が行われ、御西下御東幸に際しては御途中安全の御祈禱を修せしめられ、明治2年7月天下水患にあたり勅使祈晴の御事があり、宮妃御懐妊の際は御安産の御祈を修せられ、皇室典範帝国憲法の制定を始めとして開戦及び平和克復などの重大事に際しては、常に勅使参向御奉告が行われ、畏くも大正天皇儲宮にまします時、新しく御参拝があり、明治天皇は御愛蔵の御太刀一振(長光)を進献あそばれた。 万治2年御造営の社殿は、江戸初期の権現造の代表的建物として国宝に指定されていたが、昭和20年5日の戦禍に遭い、末社山王稲荷神社を残し悉く烏有に帰したが、氏子崇敬者の赤誠奉仕により「昭和御造営」の画期的な大業が企画され、昭和33年6月本殿遷座祭斎行、引続き神門・廻廊・参集殿などが逐次完成、更に末社改築、摂社の大修築、神庫校倉の改造などを相次いで竣工し、全都を挙げて之を慶賀し、昭和42年6月奉祝祭が先ず斎行され、この間、昭和33年6月現社地御鎮座三百年祭を斎行し、ここに昭和24年復興後援会発祥以来10年に亘る歳月を以て、山王台上に再び大社の偉容を拝するに至った。 昭和52年7月に江戸城内御鎮座五百年奉賛会が結成され、昭和53年6月五百年を祝する式年大祭を厳修し、昔をしのぶ天下祭にふさわしい山王神幸祭の復元、尚記念事業として「日枝神社史」の刊行、宝物殿の建築、本殿以下社殿の修繕、境内整備などが実施された。 文化財 刀剣を主要なものとし、現在保存されている刀剣は27口で、内国宝1口、重要文化財14口を数えている。これらは歴代の将軍及びその世子等が初宮詣、或いは自身が将軍宣下奉告参拝、或いは特殊の崇敬の下に社参されたときに、神前に奉納されたものであることを特色とする。 また、社蔵文書として重要な徳川歴代将軍の朱印状が、6代将軍家宣、7代家継及び15代慶喜のそれを除いて、12通現存し社蔵されている。他に3代家光の手習い草子を貼って作ったといわれる「獅子頭」や山王まつりの山車人形、記録文書類などが所蔵されている。 +太刀 銘「則宗」(国宝) ≪附糸巻太刀拵・長二尺五寸九分一厘≫ この太刀は、正保三年六月六日徳川徳松君の初宮参りの折に寄進されたもの。徳松君は三代将軍家光公の第四子で、のちの五代将軍綱吉公である。則宗は鎌倉初期の刀工で福岡一文字派の祖であり、後鳥羽院御番鍛冶の 一人である。福岡一文字というのは、備前国福岡に在住したからの称呼で、細身の腰反りの高い上品な姿は平安時代の趣を伝え、小丁子に小乱という古雅な出来である。 「則宗」現存はすこぶる稀でありこの太刀はその白眉である。附属太刀拵は江戸初期の製作である。 +太刀 銘「国綱」(重文) ≪附糸巻太刀拵・長二尺二寸九分≫ この太刀は延宝九年六月十五日将軍綱吉公が将軍宣下の初めての祭礼にあたって奉納されたもので、附属太刀拵は江戸中期の製作である。 国綱は山城国粟田口派の刀工で、その兄国友・久国等は後鳥羽院御番鍛冶に列せられている。国綱は鎌倉幕府の要請によって鎌倉に移住し、相州鍛冶の開拓者となった。 +太刀 銘「師景」 ≪附糸巻太刀拵・長二尺三寸三分≫ この太刀は宝暦十年十月六日徳川家治公が将軍宣下の奉告参拝の折奉納されたもので、付属太刀拵は江戸中期の製作である。 師景は備前長船派の刀工であり、俗に小反備前と称せられる南北朝期の作である。この刃文を魚の目と云い、この時代に流行を見る。従来師光作と伝えられていたが、「光」ではなく「景」である。 +千代田御表 山王祭礼上覧 ≪楊洲周延 筆≫ 楊洲周延は幕末から明治期に活躍した浮世絵師。歌川国芳、豊原国周の門下で、美人画や風俗画に優れた作品を多数残している。 赤や紫といった色調を好み、鮮やかな色彩の浮世絵で人気を博した。(昭和33年 中沢村人 奉納) 社殿天井絵について 日枝神社復興50年を記念して、平成20年6月に国立東京藝術大学宮田亮平学長監修の下、江戸山王権現社草創期の鎌倉時代古江戸・武蔵野の原野を彩った百花草木に鳥虫を加えた123枚の板絵が拝殿天井に掲げられた。彩色には、緑青・藤黄・朱・群青・臙脂・黄土を始め天然岩絵具を使用している。 境内施設 ○ 山王鳥居 御社殿正面・男坂口、外堀通りに面した赤坂口・山王橋口に「山王鳥居」がある。「山王鳥居」は鳥居の笠木の部分の上端に合掌のように破風を付したもので、合掌鳥居ともいわれていう。「山王鳥居」は、大山咋神を祀ったお社に用いられる特徴的な鳥居であり、日枝神社や日吉大社などに見ることができる。 ○ 社号標 揮毫は宮内庁侍従長故入江相政による。 ○ 表参道(山王男坂) 日枝神社の表参道。左側のゆるやかな“女坂”に対して“男坂”と名付けられている。石段数52、山王台地、またの名を星が岡ともいう景勝地であった。 ○ 参道(山王女坂) 正面の石段に対し“山王女坂”という。別名「御成坂(おなりざか)」。『東京名称図鑑』には“左緩かに通ずる石段を女坂と呼ぶは非なり。昔時将軍御成の節、峻坂を避け、此坂のみ御通行遊ばされしにより御成坂と申侍るを女坂と聞誤りしにあらぬか”と書かれている。 ○ 宝物殿 日枝神社の宝物を納める宝物殿は、昭和53年に行われた江戸城内御鎮座500年大祭の記念事業として、その翌年に造営された。 国宝・重要文化財を含む刀剣31口の他、徳川将軍家ゆかりの宝物が多数所蔵されている。 ・開館時間 午前10時~午後4時 ・定 休 日 火曜日・金曜日(神社行事により休館日が変更になる場合あり。) ・入 館 料 無料 ○ 神 門 神号額「日枝神社」又「皇城之鎮」の額は神宮祭主 故北白川房子の揮毫による。また随神像と神猿像が奉安されている。 +山王のお猿さん 当社の神使は古来、猿(申)といわれ、神門及び向拝下に夫婦猿の像が安置されている。 神使とは神の使いの意で、主神の顕現に先だって現れ、主神の意を知る兆しとしてその行動を見るが、その多くはその神に縁故のある動物である。大山咋神は、山を主宰(うしは)き給う御神徳を持った神であり、この猿と比叡の山の神としての信仰とが結びついて山王の神使「御神猿」として信仰されるようになった。 猿は古くから魔が去る「まさる」と呼ばれ、厄除・魔除の信仰を受け又農業の守護神とする信仰が強く、俗に「さるまさる」といわれ、繁殖の獣として人々に愛され、犬と共に分娩の軽き安産の神として信仰されている。猿は集団生活をして特に子供への愛情が強く、母猿はどの子猿にも乳を与えるという性質があるといわれ、その姿が当社の神猿像に表されており、夫婦円満・安産・家門繁栄の徳を称え安産・子育・厄除のお守りとして参拝者に神猿(まさる)の守土鈴、他に縁(猿)結びのお守りが授与されている。 御参拝の中には子授・安産や身体健康を祈り、向拝下の夫婦猿の像をなでる方もいる。 また、末社の庚申(こうしん)社の祭神、猿田彦神社も山王の本社に由縁深き神社である。 ○ 御文庫 日枝神社関係書物及び神幸祭用具を収めている。 ○ 日枝あかさか 神前式による結納式、結婚式及び披露宴を行っている。 ○ 山王茶寮 休憩所及び軽食場所。 ・営業時間 午前11時~午後6時 ・定 休 日 年中無休 ・総 席 数 200席(個室あり) 以上、日枝神社「参拝のしおり」とホームページより。