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186 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 19 09 14.47 ID g3wuGGW30 [1/2] この困に比べて小物でかすむが一件報告 俺が最初に入ったTRPGサークルにいた困どもなんだが とにかくおしつけがましく 「君が余所でトラブるといけないから」 と言いつつマイルールを押し付けまくりだった 戦利品の分け方とかどういうキャラをやるべきかとか まあ、都合よく面倒くさい事を押し付ける奴隷を作ろうとしてたんだろうな 「君のクラスは元データが強いから」 とか言いながら、セッションで得た報酬はこちらにほとんど無く自分たちだけで分配するとか 逆に俺に 「君には支援系が向いてるよ。大丈夫。分からない事はこちらで教える」 と言って支援マシーンを押し付けて来たり マシーンと称したのは、俺の判断は全く聞き入れずに 「いやこれはこっちの方が良い。君にはまだ分からないだろうからね」 とか言って俺の自由意思関係なく行動を操られたりしていた ほとんど座ってセッションを見てるだけ状態になって、これはおかしいだろと思ってそこは行かなくなった その後変な洗脳もあって 「これってこうだったんですか!?」 という驚きやずれた行動しまくったりはしたものの今ではまともにやれている、と思う 187 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 19 12 41.48 ID g3wuGGW30 [2/2] あ、書き忘れ GMはやらせてもらえなかった 「君にはまだ早すぎる、それより自分たちのプレイを見て学ぶ方が良い」 とか言われて 実際プレイ中は見てるだけというか見させられているだけだった 「宣言した人がサイコロを振ろう」 とか言い出した人がいた事で、宣言すら取り上げられていた俺はサイコロも振れず 「君のキャラすごいんだよ!こんなに成功をおさめた!」 とか、出目が良くて喜ばれてもなんだかなあと思ったもんだ 188 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 19 14 31.69 ID gYviYvm90 うわあ…… 霞まねえよそれ。 なんにせよ脱出出来てるようでなによりだ。 乙。 189 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 19 16 04.11 ID 9GaRfICc0 サイコロを振らせない、報酬も分け与えないじゃ 何のためにその場に居させるのかわからんな。 TRPGじゃなくて、無駄口をきかない奴隷を作ってみたかったのだろうが。 190 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 19 18 02.27 ID YPJqlksmO [2/2] 186-187 小物じゃない、涙で眼が霞みそうな話だ。 191 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 19 20 12.29 ID IKacqya80 乙 それならNPCをパーティに入れればいいのに 192 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 19 23 51.57 ID 8YI9zGlQ0 [1/2] 新入りを洗脳するカルト教団みたいな卓だな、怖い とにかく抜け出せて何よりでした 193 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 20 26 51.57 ID e2ZK+NRl0 そのサークルは悪行のせいで地蔵づくりを命じられた妖怪に違いない。そして地蔵を作るほど業が増す 194 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 20 48 46.65 ID qRbngBfU0 会場の借り賃とか、資金面だけ分担する奴隷が欲しかったんでは 195 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 20 52 39.45 ID wBW4JN9z0 乙 自分もここまで酷くないが似たようなタイプに会ったことある うまく言えないが、こういう困って何のためにTRPGやってるか不思議だわ とりあえず抜けてまともに戻れたのはよかった 196 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 22 29 34.76 ID zKZBKNz/0 [1/2] 報告読んで胸がドキリとした ここまでひどくはないが俺はこのサークル員と同じような事をした事があるんだ 俺や、友人の考える最適解じゃないと初心者の提案を断って強制させたり こうやって動いた方が良いんだと言って代わりに行動宣言したりしていた 当時はそれが本人のためになると思っていたんだよな 結果?聞くまでもなく逃げられた 当時の俺は馬鹿だったよ 197 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 22 34 39.33 ID tW/JlaNT0 「ここまでひどくないが同じような」ことを思い出すのは、困スレ見てるとよくあることだよな 198 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 22 46 20.28 ID zKZBKNz/0 [2/2] 全く本当、その通りだと思う 今思い返してももったいない事をした 馬鹿な事やったのが悔やまれる 199 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 23 12 33.89 ID 0qC//wEs0 「どうせ反省してないだろ」マンの登場はまもなく 200 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 23 12 42.64 ID +NmBoznh0 申し訳ない事をしたじゃなくてもったいない事をしただからな 微塵も反省してねえぞこいつ 201 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/12/08(月) 23 16 40.51 ID 8YI9zGlQ0 [2/2] 見事な召喚呪文w スレ403
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「ふたば系ゆっくりいじめ 583 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け/コメントログ」 幽香とレミリアの可愛さにQNQNしてゆ虐どころじゃなかったぜ! -- 2010-07-24 20 40 08 れみぃかわゆすなぁ -- 2010-09-28 19 47 11 幻想郷・・・・ いきたいなぁ〜 ゆっくりも虐殺したいし -- 2011-01-14 19 42 56 レミリアも幽香も優しいというかこれがカリスマか・・・ -- 2011-02-06 12 42 11 めちゃくちゃ面白かったですw -- 2011-05-04 20 15 07 幽香が優しい・・・だと・・・? -- 2011-05-28 18 10 08 あっこれおれのせいやわ いまいそがしいし 幻想郷のみんな駆除たのみます -- 2015-08-14 05 11 27
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表向きのsage強要派の比率が高いからこそ、我々が出張して 普段はスレが荒れるのを恐れて黙ってる潜在的自由派を呼び覚ますことに意味があるのですよ 出張所スレを訪れた人の10%でも5%でもいい 「専ブラのデフォでなにげなくsageてたけど、そう言われてみりゃなんでsageなきゃいけないんだろな?」とか 疑問に思ってくれれば大成功 残り90%95%がsage強要派の口汚い煽り罵倒で埋め尽くされようと、論理的に説明するという点では兵力の多寡を問わず必ず自由派が有利だ 決して悪い結果にはならない
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・鬼意山系統は一切出てきません。 代わりに原作キャラがガンガン出てきます。嫌いな方はお気を付け下さい。 ・虐待と考察のようなものが入り混じっています。 なので、独自設定が入っています。いつも通りですね。 では、ゆっくりしていってね!!! 「ゆ…ゆ?ゆっくりしていって…ね……?」 気がつくと、そこは石段の前だった。 ここは、どこなのだろうか? れいむは確か…どこにいたんだっけ? それどころか、今まで何をしていたのか。 他の子達はどこにいるのか、それすらもわからない。 親というものが、どういった存在なのかはわかる。 友達がどういった存在であるのかもわかる。 自分が、ゆっくりだという種族である事も知っている。 その他諸々の生きる為に必要な知識も、そうでない知識もそれなりに持っている。 むしろ自分は結構な物知りではないかと思うほどだ。 が、自分の友達、両親が誰なのかは全く思い出せない。 お母さんがれいむだったか?それともお父さんだったのか? 友達にはどんな性格の、どんな種類のゆっくりがどれだけいたのか? そして、自分は今までどこにいて、今いるところはどこなのか?どうしてこんな所に居るのか? れいむは、何ひとつわからなかった。 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け 「…何、こいつ……生首?」 れいむが途方にくれていると、後ろから声がした。……人間だ!! 「ゆっ!?に、にんげんだぁぁ!!たすけてね!れいむなにもわるいことしてないよ!!」 「はぁ?れいむ!?…どういうことかしら。妖怪……に見えないこともないわね」 れいむは知っていた。人間はゆっくりをゆっくりさせない生き物だ。 人間はれいむに見覚えがない、ヒラヒラした白と赤の変わった服を着ている。 ただ、頭についてるあのおりぼんさんはどこかで見たようなことがあるような… 「ねえアンタ。一応言葉わかるんでしょ?」 「う、うん!ちゃんとれいむおしゃべりできるよ!あたりまえでしょ!」 「…チッ。まあいいわ。なら、さっさと質問に答えなさい。アンタ妖怪?」 「ようかい?なにそれ。れいむはれいむだよ!!」 「理解力か、語彙に乏しいのかしら…じゃあ、あんたはれいむっていう生き物なの?」 「ゆっ?ちがうよ!れいむはゆっくりだよ!れいむっていうおなまえなんだよ!!」 「はぁ?ゆっくり…ああ、ゆっくりって言う種族なのね。で、名前がれいむ、と。 害はなさそうだけど、ゆっくりなんて種族聞いたことないし。…って言うか何なのよ、それ……」 「おねえさんはだれ?なにしてるの?」 「んー?私は、この上の神社で巫女やってんのよ。 名前は―――やめとくわ。なんか混乱しそうだから」 それなら、きっとここがどこなのかも知っているだろう。聞いてみようか。 「ここはどこなの?れいむどこにいたのかもわかんないの」 しかし人間はまるで聞いていない。自分の思考の世界に入り込んでいる。 「……やっぱりこんな凝った悪趣味な事できる奴は限られてるわよね。 あのスキマ…結界でも緩めて、仕事増やしてやろうかしら。 とりあえず問い詰めてみるべきね。ま、暇だから良いんだけど」 「おねえさん!れいむのいってることきいてるの!」 「あーはいはい。聞いてない聞いてない。 いくら暇でも私はアンタみたいなヤツに付き合ってる程の暇はないのよ。 ったく。ここは博麗神社前。以上!わかったら目障りだから、とっとと散った! アンタみたいなのが近隣にいると知れたら、また参拝する人間が減っちゃうじゃない。まったく…」 そう言うと人間は、空を文字通り、飛んで行った。 「まっ、まってねおねえさん!いじわるしないで……いっちゃった… どうしてこんないじわるするのぉ……?」 状況を把握する為の唯一の手がかりを失ってしまった。 そもそも人間は空を飛べたっけ?など幾つか疑問はあったが、 今はそれよりも、孤独感による寂しさが辛かった。 「とりあえず、ここにいるとまたおねえさんにおこられちゃうよ。 かえってくるまえにゆっくりにげるよ。 おうちかえりたいよ……」 寂しげにれいむは、当てもなく雑木林の中を跳ねていった。それしかないのだ。 自分のおうちのことさえ、れいむは何も分からないのだから。 ―――――――――― しばらく跳ねていると、急に拓けたところに出た。 「ゆわぁ~、すごいよ!おはなさんがいっぱいだよ!!」 そこに広がるのは、一面の花畑。名前は知らないが、とにかく色んな種類がある。 「ゆぅぅ…そういえばおなかがすいたよ…」 極度の不安と、ひたすら跳ねるのに忙しかった事ですっかり忘れていたが、 むせかえるような花の香りによって、れいむは空腹だったのを思い出した。 「…そうだ!おはなさんこんなにたくさんあるんだから、いっぱいむーしゃむーしゃするよ!! おなかすいてるからきっとおいしいね!こんなにいっぱいおはなさんがたべれるなんてゆめみたい!!」 言葉の通りだ。れいむは花を食べ物としか見ていない。 別に綺麗だと思わない訳ではない。ただ、『花は食べ物』という知識しか持っていないだけなのだ。 「れいむのすーぱーむーしゃむーしゃたいむ、はじまるよ!!」 空腹が限界に来ていたれいむは、花畑に一目散に突撃する。 「いただきまー「騒がしいわね…誰か居るのしら?」…ゆ?」 気が付かなかったが、区切られるようにあった背が高い花が咲き乱れる場所に、一人の女性が立っていた。 緑色の髪をなびかせながら日傘を差して花の中に佇む姿は、れいむから見てもとても優雅に見えた。 「こういう所では静かにするのがマナーというものよ。どこの礼儀知…らず……何、これ?」 絶句する人間。 雰囲気からしてとりあえずれいむをゆっくりさせない人間ではなさそうだ。 「に、にんげんさんこんにちは!ゆっくりしていってね!!!」 「……言われなくてもゆっくりしてるわよ。あと、私は妖怪よ。人間だなんて間違えないで欲しいわね。 まああなたの物の怪具合には負けるかもしれないけど」 「おねえさんがようかいさん?にんげんさんとそんなにかわらないね! れいむにはわかんないよ!! それでおねえさんはなにしてるの?」 「れいむ?・・・偽者というにはあまりにも懸け離れすぎてるし……まあいいわ。 それはこっちの台詞よ。私は見ての通り、ここが満開になる時期だから見に来ただけ。 で、あなたが何者なのかは知らないけど、 見たところ花を見て楽しむ趣味があるようだとも思えないし、何しに来たの?」 「ゆっ、そうだよ!れいむはおはなさんをむーしゃむーしゃしにきたんだよ!!」 「…なんですって?」 「このたくさんのおはなさんは、おねえさんのものなの?でもひとりじめはいけないよ!!」 「ふざけているの?生憎とここは私の花畑じゃないわ。 でも、だからと言ってここを食い荒らして良いということにはならないわよ」 「なんでみんなれいむにそんないじわるいうの!? れいむはおなかがすいてるんだよ!かわいそうなんだよ!! ひとりじめはげすのすることだよ!!げすなおねえさんのいうことなんかしらないよ!! れいむもうおなかいっぱいむーしゃむーしゃするからね!!げすはじゃましないでね!!!」 「・・・そう。わかったわ、もう止めない。 その代わりといってはなんだけど、良い物あげましょうか」 「なに?はやくしてね!れいむはおなかがすいてるっていってるでしょ? いってることわかんないの?ばかなの?しぬの?」 「……チッ。まあ見てなさい」 そう言うと女はどこからともなく2、3粒の種を取り出し、周りに花の無い地面に蒔いた。 すると、どうした事か。見る見るうちに根が張り、芽が出て、淡紅色の花が咲いた。 「すごーい!おはなさんがあっというまにさいちゃったよ!! これ、たべてもいいの?」 「バカね。これは野薔薇よ?食べちゃ茎の棘で口の中がズタズタになっちゃうわ。 それはそれで面白そうだけど・・・もう少しだけ待ってなさい」 「れいむいたいのはやだよ!ゆっくりまつよ!!」 それから間もなくして花が散り、今度はそこから真っ赤な実が生って地面に次々と落ちる。 「これあげるから、食べるならこっちになさい。花よりは(私のストレスが)マシなはずよ」 「おいしそうだね!おねえさんありがとう!!む~しゃむ~しゃ、しあわせー!!」 「あら、美味しい?沢山食べなさい。余らせても困るし」 女が言うまでも無く、れいむは一心不乱に貪っている。 それなりの量があったはずだが、あっという間に全て平らげてしまった。 「げっぷ。ごちそうさま!もうおなかいっぱいだよ!!おいしかった~」 「そう、よかったわね。・・・気分はどう?体の調子は大丈夫?」 「……?だいじょうぶにきまってるよ!なにいって……うっ!?」 れいむは急に体を強張らせた。 おなかが痛い。気分も悪い。どういうことだろう?なにがおきたんだ? 「う゛…ぎぼぢわるい゛よ・・・ゆ゛っ!?ゆげぇぇぇぇ!!!」 我慢できずに餡子を吐いてしまった。そして――― 「ゆげぇぇ゛ぇ゛!!あ゛ぁ゛!!?どぼじで!?う゛んう゛ん゛でじゃだめぇぇ゛ぇ゛!!」 うんうんまで出始めた。それも自分の意思とは関係なく。 「クスクスクス・・・・・・アハハハハ!! 冗談のつもりだったのにホントに効果があるなんて、どういう構造してるのかしら!!」 「ひゅー、ひゅー…ど、どぼいうごどぉ……?ゆぐっ!?うべぇぇぇ!!」 「これ、餡子?まるで饅頭ね。 鈴蘭畑の子と同じ様なものかしら……」 本人が聞いたら怒り狂いそうなものだが、そんなことはれいむには関係ない。 気分が落ち着くまでひたすら口から、あにゃるから、餡子を出し続けた。 やっと餡子を吐かなくなったれいむは、随分とやつれていた。体積も3分の2ぐらいになっている。 「ゆひゅー、ゆひゅー。ぎぼぢわるい…どぼじでぇ……?」 れいむ、おいしいはなのみさんをたべてただけなのにぃ…」 ぐったりとしているれいむを嘲笑うかの様に、女が覗き込んだ。 「汚らしいわねぇ…せっかくの壮観な景色が台無しだわ」 「おねぇさん・・・でいぶどうしちゃったのぉ…?」 「あぁ。野薔薇はね、実に嘔吐や下痢作用なんかがある毒花なのよ。 薬としても使われるみたいだけど、あんなに沢山食べちゃ毒になるに決まってるわ。 まあその効果は主に人間に対するものだから、まさかここまで効くとは思ってなかったけど」 「ぞんなぁ……どおしてこんなひどいことするのぉ?でいぶおなかがすいてただけなのにぃ……」 「だからよ。 一応教えておいてあげるわ。私が嫌いなのはね、 花を愛でる心が無い者。そして、あなたみたいに弱いくせに身の程を知らずに吠えたてるバカよ」 ゴミを見る様な目でれいむを見下す女。口元は三日月形に歪んでいる。 「よかったわね。食べる物出来たじゃない。ちゃんとその汚い餡子、片付けてから消えて頂戴ね。 あなたみたいな饅頭じゃ肥料にもならないし、そのために生かしておいてあげる。 ま、あなたみたいな弱いのをネチネチ虐める趣味も無いし」 「いだいよぉ…きぼぢわるいよぉ…ゆっぐりできなぃぃ……」 「醜いわねえ・・・とりあえず視界から消えなさい、よっ!」 「ゆべぇ!!」 蹴り飛ばされた。女にとっては本当に軽くだったのだが、弱ったれいむにとっては強烈だ。 端に居た事もあったが、あっという間に花畑の外に飛ばされて木に激突する。 「ぶぎゅ!!で…でいぶ、じんじゃ…う…」 そのまま意識を失った。言葉とは裏腹に死んではいないようだ。 「さて…わけの解からない邪魔者もいなくなったし、 後は生やしちゃったこの子を相応しい場所に移してあげないとね」 枯れた野薔薇を手ごろな大きさに戻し、苗のようにしてから、女はそれを持って何処かへ飛んでいった。 「それにしてもれいむ、ねぇ……あの巫女があれを見たらどういう反応するかしら。 ちょっと面白そうじゃない・・・やっぱり蹴っ飛ばさずに持って行ってあげればよかったかしらね」 じつはもう既に会っている事も知らずに、彼女の嫌がる顔を想像して心底楽しそうに笑った。 それからしばらくして、ようやくれいむは目が覚めた。体調は悪くない。 「ゆ、ゆん…ここどこ?たしかれいむ……うわぁぁぁ!!!」 目の前に広がるのは壮大な花畑。それを見てれいむは、何があったのかを思い出した。 「おはなざんごわいよぉぉ!ようかいざんごわいよぉぉ!! もうおはなざんたべたりじまぜんがら、ゆるじでぐだざい!! ゆ゛んやぁぁ!!もうおうちがえるぅぅぅ!!!」 病み上がりの上に餡子を失って体力に余裕が無いにもかかわらず、れいむは全力で跳ねて行った。 どこへ?などとは考えない。とにかく遠くへ。花やあの妖怪のいないところへ。それを考えるだけで精一杯だった。 ―――――――――― 何も考えずにひたすら跳ねていると、前方に川が見えた。 「ゆぅ……あっ、かわさんだ!そういえばのどもかわいたよ。 ・・・かわさんならおこられないよね?れいむおみずさんごーくごーくするよ!!」 邪魔する者が誰もいないことを確認すると、れいむは川へと跳ね寄った。 「ちゃぽん!ごーくごーく、さっぱりー!! おなかはすいたけど、これでもうすこしがんばれるよ!」 今度は軽い足取りで川を下り始めたれいむ。 しばらく行くと、木陰に何かの姿を確認した。影は二つある。 「ゆ!?あれは・・・にんげんさん?それともようかいさんかな?」 片方はフリフリの服を着た銀色の髪をした女性。 もう片方はピンクの服と帽子に真っ赤なリボンをつけた、赤い目をした少女。 背中には真っ黒な翼が生えている。 少女は木の下に座り込んでおり、大きい方の女性は日傘を差している。 「いたたた…まったく、油断したわ…」 「お嬢様。手当ての方は・・・」 「いらないわよ。この程度のかすり傷なら少しすれば治るんだし。 それにしてもあの紅白巫女、急にケンカなんて吹っ掛けてきて何のつもりかしら。 不意討ちみたいに来て、やるだけやってさっさと何処かへ行っちゃうし」 「まるでストレス発散みたいな感じでしたね。何か嫌な事でもあったんでしょうか?」 「そんな事はどうだっていいわよ。問題は何故のんびり散歩してただけの、しかも私だけを襲うのかってこと! 不覚を取ったわ。もし昼じゃなかったら、こんな無様にやられはしないのに…」 仲が良さそうに話している。どうやら悪い者ではなさそうだ。 しかし、あの小さい方のお帽子、何処かで見たような… 「にんげんかようかいさん、ゆっくりしてい…って…うわぁぁ!れみりゃだぁぁぁ!!!」 思い出した、れみりゃだ!何てものに話しかけてしまったんだ、ゆっくりできなくなる! 「え、ゆっく…り…なに、こいつ…?」 「見た所・・・饅頭にしか見えませんね。喋る饅頭は見た事ありませんが。 お嬢様の御名前を知っているようですが、お知り合いで?」 「こんな珍奇な知り合い居ないわよ。それに今、なにか発音おかしくなかった?」 「えっと。あなた?お嬢様の事を知っているの?」 「ゆっ!?にんげんさん?…じゃあこのれみりゃはおねえさんがかってるの?」 「私が、飼われる……咲夜に?・・・なかなか面白い事を言うのねぇ」 「ちょ、ちょっと!あなた、変なこと言わないで頂戴!! とりあえず…どうやら何かと間違っているようですね」 「まちがい…?そういえば、れみりゃのおぼうしとにてるけどすこしちがうよ。 もう!まぎらわしいよ!れいむおこるよ!!ぷんぷん!!」 「あんたが勝手に間違えたんでしょうに。 って、れいむ?」 「そうだよ!れいむはれいむだよ!れいむはいまとってもこまってるよ! かわいいれいむにやさしくしてね!!」 「なんか一々癇に障るわね……そういえばあのふてぶてしい仏頂面に似てるような気がするわ」 「そ、そうでしょうか?・・・ところで困ってるって言うけど、何が困ってるの?」 「ちょっと、咲夜。あんまり関わらない方がいいわよ」 「いえ。そうなんですが、ここで見捨てるとなにやら祟られそうな気がしまして…」 視線の先には、例の巫女に似たリボンを着けたふてぶてしい顔の饅頭。 確かに何か曰くがついてそうではある。 「なにかよう?…あっ、そうか!れいむがかわいいからみとれてるんだね!! それならそうといってくれれば、もっとみてていいのに。かわいくてごめんね!!!」 「…チッ。まあいいわ。どうせもう少し完治には時間が掛かるし、好きになさい」 「はい、ありがとうございます。で、れいむと言ったかしら。何が困っているの?」 「れいむ、ここがどこかわかんないんだよ。 にんげんさんとようかいさんにもあったけど、いじわるされただけでだれもおしえてくれなかったよ」 「誰に会ったのかは知らないけど、よく今まで無事で居られたわね… それはともかく、ここは博麗神社と人里の大体中間地点にあたる部分よ」 「はくれいじんじゃはしってるよ!!そうじゃなくてここがどこなのかしりたいんだよ!!」 「あら、そこは知ってるのね?」 「うん。あかくてしろい、みこさんってひとにおしえてもらったの!!」 「赤くて白い巫女って、会ったの!?」「うん、あったよ!!」 「機嫌悪かった理由、多分間違い無いですね……」 そりゃこんなふてぶてしい奴が自分とそっくりな格好で出てくれば、誰だってプッツンくるだろう。 「じゃあ私がこうなったの、あんたのせいじゃない!」 「な、なんのこと!?ゆっくりしていってよー!!」 「あんたのせいでゆっくりできてないのよ!!」 「お、落ち着き下さい、お嬢様!!別にこれが何かしたというわけではないんですから!!」 「はあ…はあ……。大体何なのよ、さっきからゆっくりゆっくりって。意味わかんないんだけど」 「ゆっくりはゆっくりだよ!れいむはだれよりもゆっくりしてるんだよ! ゆっくりしてるゆっくりはすごいんだよ!おねえさんはぜんぜんゆっくりしてないね。ゆぷぷっ!」 「はぁ!?ケンカ売ってんの、アンタ!!」 「落ち着き下さいお嬢様!!お気持ちは分かりますが、先程からカリスマが大暴落です!」 「離しなさい、咲夜!がおー!!!」 ―――――――――― 「……ふぅ。まあゆっくりしてるしてないはこの際どうでもいいわ。 って言うか、結局何なのよこいつ。もういいでしょ、咲夜?」 「はぁ…。まあ、確かにどうでもいいような気がしてきました。害も無さそうですし」 「どうでもよくないよ!!おねえさんたちはまったくゆっくりしてないね! ゆふふ、なんなられいむがゆっくりさせてあげてもいいよ?」 「あんたが…?今まさにあんたのせいでゆっくりできてないんだけど」 「だからだよ!れいむをゆっくりさせてくれれば、ゆっくりさせてあげるよ!」 「ゆっくりさせるって……こちらは具体的に何をすれば良いのかしら」 「れいむはおなかがすいたよ!あまあまさんちょうだいね! あとゆっくりできるおうちもほしいよ!よういしてね!!」 丁度良い。これなら今足りないもの全部満たされるだろう。なんて良い考えなのか。 たったこれだけでゆっくりできるのだ。この人間達も喜んで首を縦に振るだろう。 「・・・それはまるで紅魔館に、我等の住処に招けと言っているように聞こえるのだけど」 「ゆっ、それはいいかんがえだね!しかたないからおせわになってあげるよ!!」 「何を言うかと思えば…あなたそんな「駄目よ」・・・お嬢様?」 少女の眼つきが、突然鋭いものへと変わる。 「それは断じて許されないわ。話にもならないわね」 帰ってきたのは、れいむの予想と違った答えだった。 「ど…どおじでそんなこというのぉぉぉ!!? またいじわるするのぉぉ!!ゆっくりできないぃぃぃ!!」 「意地悪?違うわね。これは、紅魔館の主としての真っ当な評価よ。 何もできない役立たずが生きていけるほど、紅魔館は生易しいところじゃないの」 「だからゆっくりさせてあげるっていってるでしょ!? きいてなかったの?ばかなの?しぬの?」 「生憎とあなたみたいな馬鹿のまま、何百年も生きていられる様な温い環境にはいないわ。 それに、あなたが言うゆっくりがなんなのか大体の想像はついたけど、 その上で聞くわ。“あなたは、どうやって私をゆっくりさせてくれるの?”」 「だからゆっくりはゆっくりだよ!ゆっくりに、どうやってもなにもないよ!!」 「やれやれね。なら質問を変えるわ。あなた、どういう時がゆっくりできるの?」 「おいしいごはんさんをむーしゃむーしゃしたり、きれいなおうちですーやすーやするとゆっくりできるよ!」 「そう。なら、やっぱりいらないわ。あなたは、我が紅魔館には必要ない」 「なんでぇぇぇ!?ゆっくりしてないにんげんをゆっくりさせてあげるっていってるのにぃぃぃ!!」 「・・・なら、あなたはどうやって私をゆっくりさせるつもりなの? 美味しい食事が作れるの?快適な睡眠を約束してくれるの?生憎全部間に合ってるけど」 「ゆっ!?それは……かわいいれいむをみればゆっくりできるでしょ!」 「なら一生鏡でも見てなさい。それでゆっくりできるんだから私の庇護は必要ないわね」 「そんなわけないでしょぉぉ!?おなかすいてちゃゆっくりできないぃぃぃ!!」 「第一、さっきから聞いてれば、ゆっくりしていないのがそんなにいけない事なのかしら」 「あたりまえでしょぉぉぉ!!いそがしそうにしてるにんげんさんに、 ゆっくりがどうとかなんて、いわれたくないよ!!」 「そう。なら、一生懸命毎日働くことはゆっくりしていないことなのかしら?」 「そうだよ!!そんなことしてるからにんげんさんはゆっくりしてないんだよ!!」 「じゃああなたがうちに来たとして、その食事や寝床は誰が用意するの?」 「ゆっ!?それは・・・」 「我が紅魔館で働くメイドよ。そうなればあなたが来た分、誰かがゆっくりできなくなるわね」 「で、でもれいむは!」 「生きる者は、妖怪、人間、妖精、全て等しく何らかの責務を負うものよ。 この咲夜は、メイド長として他のメイドを束ね、尚且つ私の従者として身の回りの世話をする。 門番は・・・まあ少しザルな所もあるけど、本当に一部を除いた不埒な侵入者はきっちり排除するわ。 私の友人は、広大な図書館の管理をしてくれている。どれも、他の誰にもできないことだわ」 「れ、れいむは、れいむは・・・」 「他の者達も必死になって屋敷を維持するために働いている。 そして私はそういった者たちを正当に評価し、居るべき場所を作ってやれる。 つまり紅魔館には、あなたが言う“ゆっくりしてない者”しかいないのよ。 誰かをゆっくりさせたいなら、誰かがゆっくりできなくならなければならない。 それがこの世界に生きるものにとって当然の事なの。…私も気付くのが随分と遅れたけどね。 そしてだからこそ、みんなそれと同時に誰かのおかげでゆっくりできるのよ。 だから何もできない、口先だけのやつは要らないの。私の紅魔館にはね」 「そんなこと・・・」 「無いと言えるのかしら?その根拠は何処にあるの? ・・・まあいいわ。今の話をした上でもう一度だけ聞くわね。 “あなたは、どうやって私をゆっくりさせてくれるの?あなたは何ができるの?”」 「そんな…れいむは…ゆっくり……」 「わかったわ、もう結構よ。存分にゆっくりしていなさいな。 独りでね。 まったく、こんな奴に本気になるなんて……無為な時間を過ごしたわ。 傷も完治したし、行くわよ咲夜。・・・咲夜?」 「お、お嬢様……」 「ちょ、咲夜!?なんであなたが泣きそうになってるのよ!」 「まさかそんな風に想っていただけているとは、私思いもしませんでした。 その上、こんなに御立派な考えをお持ちだったとは…… 最近うーうー仰っている御姿しか見ておりませんでしたので」 「う、うるさいわね!それは忘れなさい!!・・・行くわよ!!」 「はい! でも、いいのですか?あんな物でも、妹様の遊び道具くらいにはなるかもしれませんよ?」 「それこそまさか、よ。あんな変なの与えてあの子が悪影響受けて、これ以上おかしくなったらどうするの。 第一生きている物にあの子が、キュッとしてドカーン!したときの惨状を忘れたの? 色々飛び散った部屋を片付けるの、誰だか忘れたわけじゃないでしょうね」 「・・・行きましょうか、お嬢様」 「それが懸命だわ」 (ま、結局一番の理由は私が単に、あいつがすっごく気に入らなかったってだけなんだけど。) そして、人間と妖怪は興味をなくしたように、れいむに一瞥もくれず歩いていった。 「れいむは…ゆっくりしてるゆっくりなんだよ。 れいむだって、おともだちがいれば…おかあさんたちがいれば…おうちさえあれば……」 れいむは言い返すこともできず、追いかける気にもなれずに、ただ立ちつくすだけだった。 ―――――――――― 「むーしゃむーしゃ、ふしあわせー…」 あれから一時間。れいむは何もする気が起きずボーっとしていたものの、 とうとう空腹が我慢できずに、そこら辺に生えていた葉っぱを仕方なく口にした。 「う゛う゛…まずいよ……おはなさんでもいいからおいしいものたべたいよぉ……」 「―――こんな所にいたのね。随分と探したわ」 「だ、だれ!?こんどはなんなの!!?」 どこからともなく聞こえた声に、身を強張らせるれいむ。 すると、急に何も無いところに裂け目が走り、そこから人間の女性が出てきた。 いや、妖怪かもしれない。こんな不思議な事ができるのは、きっと人間ではないだろうから。 「おねえさんだれ?もしかしてようかいさん?」 「あら、よく解ったわね。私はしがない、ただの一妖怪。 それでも、あなたの疑問には答えられるかもしれませんわよ?」 「じゃあ、ききたいことがいっぱいあるよ!こたえてね!! ここはどこ?なんでれいむこんなところにいるの? れいむなにもおぼえてないんだよ?かわいそうなんだよ? なのになんでみんなれいむにいじわるするの?」 ここぞとばかりに、これまでの疑問を全て浴びせるれいむ。 対する女性は涼しげな顔で聞いている。 「少し待って頂戴な。ちゃんと一つずつ答えるから」 「ゆっくりこたえていってね!!!」 「まず、ここはどこか?という事だけど。 ここは幻想郷。世から忘れ去られたものたちや妖怪の住まう、最後の楽園ですわ」 「げんそうきょう?」 「ええ。そして私はこの幻想郷を見守り、心から愛する妖怪よ。『妖怪の賢者』だなんて呼ばれた事もあるわね。 まあそれはともかく、改めまして。―――ようこそ、幻想郷へ。忘れ去られた来訪者さん」 「れいむこんなところにきたゆもりはないよ?」 「勿論、それはそうですわ。正確に言えば、あなたはさっき生まれたばかりなんですもの」 「ど、どういうこと!?れいむもうりっぱなゆっくりだよ!おちびちゃんじゃないよ!」 「それもちゃんと説明するわ。 …これは私の推論になりますけど、よろしいかしら? まあ、あながち当てずっぽうと言う訳でもないのだけど」 「ゆっくりしないでおしえてね!!」 「あら忙しないわね。もう少しのんびり構えてはいかが? まあいいでしょう。あなたがさっき生まれたばかりだという根拠。 あなた、自分がここに来たときより以前の記憶はあるかしら?」 「ゆっ! な、ないよ…れいむ、おかーさんのおかおも、おともだちのおかおもしらないよ…」 「でしょう?その割には、一般的な知識や常識にだけは長けている。 それが表すことの内の一つは、今あなたが“そういう存在”だとして生まれたのだということ」 「ゆー。むずかしいよ!れいむわかんないよ!!もうすこしわかりやすくせつめいしてね!!」 「あら、ごめんなさい。あなたは今までとは違う、特別なケースだから少し説明しづらいのよ」 「とくべつ?れいむとくべつなの?」 「ええ。今までも色んな、物や人や妖怪、果ては神まで幻想郷に入ってきたわ。 でも、あなたはそのどれにも当てはまらない。 あなたは“概念”が形を成したものとして、ここに来たのよ。 いえ、願いといったほうが正しいかしらね」 「がいねん…?どういうこと?れいむなんにもおねがいしてないよ?」 「願ったのはあなたではないわ。あなたを“れいむ”という概念として形作った誰か。 いえ、概念を形にするくらいの強いものだから、きっと誰か達、複数ね」 「ちゃんとれいむにおしえてね!!」 「つまり、あなたは元から外の世界にいた生命体ではないの。 沢山の外の世界の人間たちの、 “こういうものが存在して欲しい。こんな形であって欲しい。こうあるべきだ。” と言った、強い願いから生まれた存在なのよ。どういった願いかはともかくね。」 「そんなぁ…じゃあれいむのおかーさんは?おとーさんは?」 「実際には居ないわ。あなたはそういう独自の知識を持った、作った者にとって都合の良い存在として生まれただけ。 あなたの知る繁殖方法が何なのかは知らないけど、きっとそれと比べても真っ当な生まれ方ではないでしょう」 「じゃあれいむはどうしてうまれちゃったの!?なんのためにうまれたの!?」 「あら哲学的。 確かに不思議な話ではあるわね。 いくら強いといっても、元々形のない物がこの世に現れるなんてことは無い。 と、思うでしょう?普通はね。 でもここは幻想郷よ。あなたがそれなりの知識を有していても、 それも結局は外の世界を基準としたのものでしょう? 向こうの常識はこちらの非常識。そしてその逆も然りよ。ここでは常識に囚われてはいけないわ。 それにあなたの姿……こちらに居る人物によく似てるの。本人が聞いたら怒り狂うでしょうけど。 それが何故かは知らないけど、そのせいであなたとこちらの結びつきが強くなったのかもしれないわね。 いずれにせよ確かなことは何も言えないわ。 あなたに会うまでに結界に異常を感じて、随分色々と調べ回ったのに結局解ったのはこれだけ。 本当に頭が痛いわ。大したものよ、あなた。私をここまで悩ませる存在なんて、そうは居ないもの」 れいむは途中からほとんど話を聞いていなかった。 自分の存在が、自分の記憶が、全部作り物? それも母親でなく、人間に作られた都合の良い… 「じゃあ、れいむこれからどうすればいいの?なんでここにきたの?」 「残念ながら、そこまでは私にはわからないけど…そうね。 ここに来てから今までにあなたは誰か、 人間でも妖怪でもいいから出会った筈よ。 その者たちにあなたはどんな風に扱われたかしら? それであなたがどういった願いを持って形作られたのか、 どう生きていかなければならないのかが大体分かる筈よ。どうだった?」 れいむが今まで会ってきた者達。されたことといえば・・・ 「いじわるしかされなかったよ…」 「そう。ならそういう風に作られたのよ、あなた。 誰にも優しくされる事なく生きていくしかないわね」 「そ、そんなぁ!れいむいやだよ!!」 「嫌と言われてもどうしようもないわ。あなたは“そういうもの”なんだもの。 安心なさい。例えそうであっても幻想郷は全てを受け入れますわ」 だが、そんな言葉はれいむにとって何の気休めにもならない。 「おねえさんたすけてよ!れいむかわいそうでしょ!? かわいいれいむをたすけてね!!」 「あら、駄目よ。確かに哀れだとも思うし、何とかする方法もあるけど、駄目。」 「どぼじでぞんないじわるずるのぉぉぉ!!?」 「あなたの存在意義の境界をいじれば、何とかなるかもしれない。 でもね、それはこの幻想郷を維持する境界のバランスを崩す事にもなりかねないの。 ただでさえあなたの存在は、今までに前例がない不確かなものなのよ。 だというのにその危険を冒してまであなたの境界を更にいじるなんて、私がすると思う? まあ早い話が、私はあなた個人よりも幻想郷の方が大事なのよ」 「や、やだ…でいぶがわいぞうなんだよ…やざじぐじでよぉ……」 「これからもあなたのような存在が、どんどんこちらに入ってくるかもしれません。 その者と徒党を組んで暮らすもよし。孤独に過ごすもよし。好きなようになさい。 やりすぎなければ、私は目を瞑りましょう。他の者はどうかは知りませんけど。では―――」 「ま、まって!れいむをたすけてよ!やさしくされないのはやだよ!!」 「ごめんなさい。正直言うとね、私も可哀相だとは思うけど、 あなたを助けたいという気持ちが一切湧かないのよ。 一応この後も勝手に、あなた達の事は色々と調べてはおくけど。 ここまで来ると大したものね…私にまで影響を与えられるなんて、 あなた相当願いを込めた者達に嫌われてたのね。もう願いというより呪いだわ。 では、今度こそ御機嫌よう。哀れな来訪者さん」 そう言うと、女性は現れたときと同じように空間に切れ目を入れて、 そこに入って去っていった。切れ目が閉じれば、そこにはもう何もない。 「まって!ま゛っでね゛!!おねぇざん!! でいぶゆっぐりじだいんでず!!もういじわるざれるのはいやなんでず!!」 ただただ何もない所に向かって懇願を続けるれいむ。 今の話を聞いたれいむには明るい未来など少しも見えなかった。 あの妖怪さんは言った。仲間が来るかもしれない、と。 もしかしたら、他のゆっくりも来てくれるかもしれない。 だが、もしそのゆっくりが、ゲスだったら。レイパーだったら。 自分はきっとゆっくりできない。食い物にされるだけだろう。 善いゆっくりが来たとしても、仲良くできるかは解らない。 なにせ、自分は嫌われる為に生まれてきたようなものだと知ってしまったのだ。 ゆっくりにまで嫌われるのかは分からないが、れいむは不安でしかたがなかった。 「ゆっくりしたいよ…おいしいごはんさんもいらないから、おうちなくてもいいから… だれかとゆっくりしたいよぉ…だれかいっしょにゆっくりしてよぉ…ひとりぼっちはやだよぉ……」 こうして、幻想郷にゆっくりという種族が新たに増え、 やがて留まる事を知らずにその数を増やし、そのほとんどが悲惨な運命を辿ることとなる。 このれいむも、これからどうなるのかは誰も知らない。 同じようにこちらに来た仲間を見つけて、共に暮らすことができたのかもしれない。 もしくは呆気なく誰かに潰されたり、食われたりしてしまったのかもしれない。 が、きっと真実を知ったれいむは、一生不安なまま、ゆっくりできる事はないのだろう――― ―――――――――― ゆっくりとは。 とあるゲームのキャラクターたちを模した、創作キャラクターである。 様々な場所に顔を出すようになり、様々な想いを人々はゆっくりに抱いた。 ある虐待好きの者は “こいつらをゆっくりさせたくない。もっと酷い目に遭う姿が見たい” という心で、ゆっくりが酷い目に遭う絵を書き上げた。 あるゆっくり愛護派の者は “もっと可愛いゆっくりが見たい。幸せな姿が見たい” と言って、可愛いゆっくりが出る物語を考えた。 他にも、数多くのジャンルで“自分達にとって都合が良い存在” として考えられたゆっくりが、生まれては次々と消えていった。 ある者は、ふてぶてしくも、何故か憎めないゆっくりを。 またある者は、疎まれ、蔑まれるだけに生まれてきたようなゆっくりを。 そしてある者は、新しく思いついた、新種のゆっくりを。 性格、出自、持っている知識、記憶。そのゆっくり自体がどういう目的で登場するのか。 練りこまれ、考え込まれたそれらの設定の違いの数だけ、ゆっくりは生まれる。 Aのれいむと、Bのれいむでは外見以外が。 いや、設定によってはそれさえもがまったく違うのだ。 今日もゆっくりを想い、創る人の数だけ、 またはそれらが世に出て人目に触れた数だけ、 何らかの強い想いによって様々なゆっくりが生まれ、そして忘れ去られて消えていく。 その果てが、どこに行き着くのかも知らずに――― ―――――――――― 一方幻想郷ではそんな理由で送られてきたり、一部のゆっくり自身の繁殖力もあって 潰しても潰しても姿を消さず、何処からともなく増えるゆっくりに対して、 腹を立てる者や、うまくやっている者、道具として利用する者と、とりあえず棲み分けができていた。 紅魔館にて。 「ぶぎっ!やべでぇ!!でびぃのかもしかのようなあんよちぎら、いぎぃぃ!!」 「あはははは!!こいつすっごーい!どれだけ千切ってもすぐ生えてくる!! よーし、キュッとしてドカーン!!「か、かわいいでびぃ…ぶぎゃん!!」『ボンッ!!』…壊れちゃった。 なーんだ、もう終わっちゃったの?つまんない。さくやー、新しいやつ持ってきてー」 「もう壊したのですか!? ああ、またこんなに散らばって…肉汁って取れにくいのに……」 見えぬように密かに肩を落とすメイド長。 どこか別の部屋では『それ見たことか』と幼き紅い月が呆れながらも微笑んでいた。 妖怪の山の神社にて。 「あーうー。…あう? あ、あーうー!あーうー!!」 「あっはっは、本当に面白いねこいつ!この帽子なんかそっくりじゃないか! ほーれほーれ、取ってみな。でないと遠くに投げちゃうぞー」 「あーう!あうー!あ~う~……ぐすっ」 「もう。神奈子様!すわちゃんを虐めるのはやめてあげてください!ほら早くお帽子も返して!!」 「え~、泣き顔見るのが楽しい「お夕飯無しでいいんですね?」・・・わかったよ、悪かった。ほれ」 「う~?…あうー!あ~う~♪」 「よかったですね、すわちゃん」 そんな様子を少し離れたところで見ている、特徴的な帽子をかぶった小柄な少女が一人。 「私ってこんな風に見られてるのかな……」 天界の片隅にて。 「だ、だずげで…ばでぃざをだべないで…ゆぎぃ!?」 「「おちょーしゃーん!!」」 「で、こんな所でそんなもの食べないで欲しいんだけど」 「何で?良いじゃん。ここはあたしがあんたから勝ち取った場所だよ!何しようがあたしの勝手さ。 硬いこと言いっこなしだよ。不良天人の癖にー」 「まあそうなんだけど…何もわざわざこんな物食べなくたって、ここには桃が沢山あるじゃない」 「な゛にが…わるいごどじだなら…あやばりばずから……」 「ゆんやぁぁぁぁ!!まりしゃたちをたしゅけてちぇにぇ!!」 「ちゅいでにおいちいあみゃあみゃなももしゃんもちょーらいにぇ!」 「流石にそればっかじゃ飽きるでしょ。第一、何時までも桃で酒飲むってのもねぇ。 それにこいつら結構美味いんだよ?特に小さい奴。何なら一匹食ってみる?」 「そ、そう?…こんなに悪趣味なのが本当に美味しいのかしら。まあいいわ、いただきまーす」 「どうちたにょ!?いうこちょきかにゃいばばあは『プチッ!』ゆぴぇ!!」 「あら、結構美味しい」 「だろ?」 「ゆ、ゆ゛んやぁぁ゛ぁ゛!!おねえぢゃぁぁん!!」 「ば、ばでぃざの…おぢび……ぢゃ…ん……」 「ありゃ、死んだ。ショックでかな? あーあ、味落ちちゃうよ。まあいっか。まだチビがいるし」 「大した神経してるわ。まるで鬼の所業ね…」 「その通り!そんでもってあたしは鬼そのものなんだから、何の問題も無いさね。 さ、せっかくだからあんたも飲んでいきなよ! たまには甘い饅頭で飲むのもオツなもんだよ?こいつら、探せばいくらでも居るしね」 「なんか煙に撒かれた気分だわ…いいわよ、頂こうじゃない。結構美味しかったのも事実だし」 「そうこなくっちゃ!! では、新しく幻想郷にやってきた酒の肴に」 「「乾杯!!」」 「やぢゃぁぁぁ!!まりちゃちにちゃくにゃいよぉ!! だれきゃたしゅけちぇにぇ!!きゃわいいまりちゃ『プチッ!!』ゆぴゅん!!」 ―――そして、博霊神社にて。 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 「また湧いてきたの?いいかげんにしなさいよね・・・!!」 そこには腕を組んでゆっくりれいむたちの前に仁王立ちをする巫女と、 縁側で我関せずといった様子で茶をすする、紫色の服を着た金髪の女性が居た。 「で、アンタもいい加減なんとかしなさいよ、これ!」 「あら、どうして?特に何もしていない者を懲らしめるのは流儀ではないわ」 「山の資源とか減ったりしてるじゃない!駆除しても駆除してもいつの間にか増えてるし!」 「修正できる範囲内よ。今までの異変に比べれば単純明快。可愛いものでしょ。 定期的に狩れば調整できるんだし、仕事も増えるじゃない。 よかったわね。人々のために働いて信仰を集める良い機会ではなくて? あなたも楽園の巫女なら、もう少しどっしりと構えてなさいな。品が無くてよ。」 「「「「「どっしりかまえるよ!!!」」」」」 「やかましい!!同じ格好して同じ事ばっかり言って、ケンカ売ってんの!? あ~、もういいわ。全員封印(潰)してやる!!」 「い゛やぁぁ゛ぁ゛!!やべでぇぇぇ!!!」 「どぼじでごんなびどいぎゅべぇ!!!」 「がわいいでいぶだげはだずげでねぇぇ!!」 「だ、だずげでおねえざん!!」 「ごんなのゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 「あらあら」 逃げ惑い、こちらに助けを求めながらも、陰陽玉に潰されるゆっくりれいむたちを見ながら、 一番最初に会った、あのゆっくりれいむのことを思い出してクスリと笑う女性。 持った知識や常識、果ては生態まで違うというのは、きっと予想以上の混乱を招く事だろう。 あらゆる認識の違いが生み出すのはきっと、恐れによる区別、差別、そして争い。 案外この饅頭たちは自分達の手によって滅びるのかもしれない。 が、こちらに飛び火さえしなければ、そんなことは自分には関係ない。 滅ぶも栄えるも好きにするがいい。私はただそれを見守ろう。 それこそが、この世界の在り方なのだから。 ―――幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ――― ・あとがき 逆輸入でもいいじゃない。そんな感じです。 どこからゆっくりが湧いてくるのかを考えていたらこんな事になりました。 ゆっくりが微妙な立ち位置にいるのは気にしないで下さい。仕様です。 では、ありがとうございました!! 小五ロリあき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳 ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気 ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前 ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後 ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編
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「ここに居ても怖くなんてないですよ。大いなるお力に守られていますから。」 "I m not afraid out here, for I know that a higher power protects me." イニストラードを覆う影 【M TG Wiki】 夜の面 悪魔憑きの魔女/Demon-Possessed Witch 名前
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ゆっくりしたけりゃ余所へ行け 34KB 虐待 理不尽 幻想郷 独自設定 原作キャラ登場 ・鬼意山系統は一切出てきません。 代わりに原作キャラがガンガン出てきます。嫌いな方はお気を付け下さい。 ・虐待と考察のようなものが入り混じっています。 なので、独自設定が入っています。いつも通りですね。 では、ゆっくりしていってね!!! 「ゆ…ゆ?ゆっくりしていって…ね……?」 気がつくと、そこは石段の前だった。 ここは、どこなのだろうか? れいむは確か…どこにいたんだっけ? それどころか、今まで何をしていたのか。 他の子達はどこにいるのか、それすらもわからない。 親というものが、どういった存在なのかはわかる。 友達がどういった存在であるのかもわかる。 自分が、ゆっくりだという種族である事も知っている。 その他諸々の生きる為に必要な知識も、そうでない知識もそれなりに持っている。 むしろ自分は結構な物知りではないかと思うほどだ。 が、自分の友達、両親が誰なのかは全く思い出せない。 お母さんがれいむだったか?それともお父さんだったのか? 友達にはどんな性格の、どんな種類のゆっくりがどれだけいたのか? そして、自分は今までどこにいて、今いるところはどこなのか?どうしてこんな所に居るのか? れいむは、何ひとつわからなかった。 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け 「…何、こいつ……生首?」 れいむが途方にくれていると、後ろから声がした。……人間だ!! 「ゆっ!?に、にんげんだぁぁ!!たすけてね!れいむなにもわるいことしてないよ!!」 「はぁ?れいむ!?…どういうことかしら。妖怪……に見えないこともないわね」 れいむは知っていた。人間はゆっくりをゆっくりさせない生き物だ。 人間はれいむに見覚えがない、ヒラヒラした白と赤の変わった服を着ている。 ただ、頭についてるあのおりぼんさんはどこかで見たようなことがあるような… 「ねえアンタ。一応言葉わかるんでしょ?」 「う、うん!ちゃんとれいむおしゃべりできるよ!あたりまえでしょ!」 「…チッ。まあいいわ。なら、さっさと質問に答えなさい。アンタ妖怪?」 「ようかい?なにそれ。れいむはれいむだよ!!」 「理解力か、語彙に乏しいのかしら…じゃあ、あんたはれいむっていう生き物なの?」 「ゆっ?ちがうよ!れいむはゆっくりだよ!れいむっていうおなまえなんだよ!!」 「はぁ?ゆっくり…ああ、ゆっくりって言う種族なのね。で、名前がれいむ、と。 害はなさそうだけど、ゆっくりなんて種族聞いたことないし。…って言うか何なのよ、それ……」 「おねえさんはだれ?なにしてるの?」 「んー?私は、この上の神社で巫女やってんのよ。 名前は―――やめとくわ。なんか混乱しそうだから」 それなら、きっとここがどこなのかも知っているだろう。聞いてみようか。 「ここはどこなの?れいむどこにいたのかもわかんないの」 しかし人間はまるで聞いていない。自分の思考の世界に入り込んでいる。 「……やっぱりこんな凝った悪趣味な事できる奴は限られてるわよね。 あのスキマ…結界でも緩めて、仕事増やしてやろうかしら。 とりあえず問い詰めてみるべきね。ま、暇だから良いんだけど」 「おねえさん!れいむのいってることきいてるの!」 「あーはいはい。聞いてない聞いてない。 いくら暇でも私はアンタみたいなヤツに付き合ってる程の暇はないのよ。 ったく。ここは博麗神社前。以上!わかったら目障りだから、とっとと散った! アンタみたいなのが近隣にいると知れたら、また参拝する人間が減っちゃうじゃない。まったく…」 そう言うと人間は、空を文字通り、飛んで行った。 「まっ、まってねおねえさん!いじわるしないで……いっちゃった… どうしてこんないじわるするのぉ……?」 状況を把握する為の唯一の手がかりを失ってしまった。 そもそも人間は空を飛べたっけ?など幾つか疑問はあったが、 今はそれよりも、孤独感による寂しさが辛かった。 「とりあえず、ここにいるとまたおねえさんにおこられちゃうよ。 かえってくるまえにゆっくりにげるよ。 おうちかえりたいよ……」 寂しげにれいむは、当てもなく雑木林の中を跳ねていった。それしかないのだ。 自分のおうちのことさえ、れいむは何も分からないのだから。 ―――――――――― しばらく跳ねていると、急に拓けたところに出た。 「ゆわぁ~、すごいよ!おはなさんがいっぱいだよ!!」 そこに広がるのは、一面の花畑。名前は知らないが、とにかく色んな種類がある。 「ゆぅぅ…そういえばおなかがすいたよ…」 極度の不安と、ひたすら跳ねるのに忙しかった事ですっかり忘れていたが、 むせかえるような花の香りによって、れいむは空腹だったのを思い出した。 「…そうだ!おはなさんこんなにたくさんあるんだから、いっぱいむーしゃむーしゃするよ!! おなかすいてるからきっとおいしいね!こんなにいっぱいおはなさんがたべれるなんてゆめみたい!!」 言葉の通りだ。れいむは花を食べ物としか見ていない。 別に綺麗だと思わない訳ではない。ただ、『花は食べ物』という知識しか持っていないだけなのだ。 「れいむのすーぱーむーしゃむーしゃたいむ、はじまるよ!!」 空腹が限界に来ていたれいむは、花畑に一目散に突撃する。 「いただきまー「騒がしいわね…誰か居るのしら?」…ゆ?」 気が付かなかったが、区切られるようにあった背が高い花が咲き乱れる場所に、一人の女性が立っていた。 緑色の髪をなびかせながら日傘を差して花の中に佇む姿は、れいむから見てもとても優雅に見えた。 「こういう所では静かにするのがマナーというものよ。どこの礼儀知…らず……何、これ?」 絶句する人間。 雰囲気からしてとりあえずれいむをゆっくりさせない人間ではなさそうだ。 「に、にんげんさんこんにちは!ゆっくりしていってね!!!」 「……言われなくてもゆっくりしてるわよ。あと、私は妖怪よ。人間だなんて間違えないで欲しいわね。 まああなたの物の怪具合には負けるかもしれないけど」 「おねえさんがようかいさん?にんげんさんとそんなにかわらないね! れいむにはわかんないよ!! それでおねえさんはなにしてるの?」 「れいむ?・・・偽者というにはあまりにも懸け離れすぎてるし……まあいいわ。 それはこっちの台詞よ。私は見ての通り、ここが満開になる時期だから見に来ただけ。 で、あなたが何者なのかは知らないけど、 見たところ花を見て楽しむ趣味があるようだとも思えないし、何しに来たの?」 「ゆっ、そうだよ!れいむはおはなさんをむーしゃむーしゃしにきたんだよ!!」 「…なんですって?」 「このたくさんのおはなさんは、おねえさんのものなの?でもひとりじめはいけないよ!!」 「ふざけているの?生憎とここは私の花畑じゃないわ。 でも、だからと言ってここを食い荒らして良いということにはならないわよ」 「なんでみんなれいむにそんないじわるいうの!? れいむはおなかがすいてるんだよ!かわいそうなんだよ!! ひとりじめはげすのすることだよ!!げすなおねえさんのいうことなんかしらないよ!! れいむもうおなかいっぱいむーしゃむーしゃするからね!!げすはじゃましないでね!!!」 「・・・そう。わかったわ、もう止めない。 その代わりといってはなんだけど、良い物あげましょうか」 「なに?はやくしてね!れいむはおなかがすいてるっていってるでしょ? いってることわかんないの?ばかなの?しぬの?」 「……チッ。まあ見てなさい」 そう言うと女はどこからともなく2、3粒の種を取り出し、周りに花の無い地面に蒔いた。 すると、どうした事か。見る見るうちに根が張り、芽が出て、淡紅色の花が咲いた。 「すごーい!おはなさんがあっというまにさいちゃったよ!! これ、たべてもいいの?」 「バカね。これは野薔薇よ?食べちゃ茎の棘で口の中がズタズタになっちゃうわ。 それはそれで面白そうだけど・・・もう少しだけ待ってなさい」 「れいむいたいのはやだよ!ゆっくりまつよ!!」 それから間もなくして花が散り、今度はそこから真っ赤な実が生って地面に次々と落ちる。 「これあげるから、食べるならこっちになさい。花よりは(私のストレスが)マシなはずよ」 「おいしそうだね!おねえさんありがとう!!む~しゃむ~しゃ、しあわせー!!」 「あら、美味しい?沢山食べなさい。余らせても困るし」 女が言うまでも無く、れいむは一心不乱に貪っている。 それなりの量があったはずだが、あっという間に全て平らげてしまった。 「げっぷ。ごちそうさま!もうおなかいっぱいだよ!!おいしかった~」 「そう、よかったわね。・・・気分はどう?体の調子は大丈夫?」 「……?だいじょうぶにきまってるよ!なにいって……うっ!?」 れいむは急に体を強張らせた。 おなかが痛い。気分も悪い。どういうことだろう?なにがおきたんだ? 「う゛…ぎぼぢわるい゛よ・・・ゆ゛っ!?ゆげぇぇぇぇ!!!」 我慢できずに餡子を吐いてしまった。そして――― 「ゆげぇぇ゛ぇ゛!!あ゛ぁ゛!!?どぼじで!?う゛んう゛ん゛でじゃだめぇぇ゛ぇ゛!!」 うんうんまで出始めた。それも自分の意思とは関係なく。 「クスクスクス・・・・・・アハハハハ!! 冗談のつもりだったのにホントに効果があるなんて、どういう構造してるのかしら!!」 「ひゅー、ひゅー…ど、どぼいうごどぉ……?ゆぐっ!?うべぇぇぇ!!」 「これ、餡子?まるで饅頭ね。 鈴蘭畑の子と同じ様なものかしら……」 本人が聞いたら怒り狂いそうなものだが、そんなことはれいむには関係ない。 気分が落ち着くまでひたすら口から、あにゃるから、餡子を出し続けた。 やっと餡子を吐かなくなったれいむは、随分とやつれていた。体積も3分の2ぐらいになっている。 「ゆひゅー、ゆひゅー。ぎぼぢわるい…どぼじでぇ……?」 れいむ、おいしいはなのみさんをたべてただけなのにぃ…」 ぐったりとしているれいむを嘲笑うかの様に、女が覗き込んだ。 「汚らしいわねぇ…せっかくの壮観な景色が台無しだわ」 「おねぇさん・・・でいぶどうしちゃったのぉ…?」 「あぁ。野薔薇はね、実に嘔吐や下痢作用なんかがある毒花なのよ。 薬としても使われるみたいだけど、あんなに沢山食べちゃ毒になるに決まってるわ。 まあその効果は主に人間に対するものだから、まさかここまで効くとは思ってなかったけど」 「ぞんなぁ……どおしてこんなひどいことするのぉ?でいぶおなかがすいてただけなのにぃ……」 「だからよ。 一応教えておいてあげるわ。私が嫌いなのはね、 花を愛でる心が無い者。そして、あなたみたいに弱いくせに身の程を知らずに吠えたてるバカよ」 ゴミを見る様な目でれいむを見下す女。口元は三日月形に歪んでいる。 「よかったわね。食べる物出来たじゃない。ちゃんとその汚い餡子、片付けてから消えて頂戴ね。 あなたみたいな饅頭じゃ肥料にもならないし、そのために生かしておいてあげる。 ま、あなたみたいな弱いのをネチネチ虐める趣味も無いし」 「いだいよぉ…きぼぢわるいよぉ…ゆっぐりできなぃぃ……」 「醜いわねえ・・・とりあえず視界から消えなさい、よっ!」 「ゆべぇ!!」 蹴り飛ばされた。女にとっては本当に軽くだったのだが、弱ったれいむにとっては強烈だ。 端に居た事もあったが、あっという間に花畑の外に飛ばされて木に激突する。 「ぶぎゅ!!で…でいぶ、じんじゃ…う…」 そのまま意識を失った。言葉とは裏腹に死んではいないようだ。 「さて…わけの解からない邪魔者もいなくなったし、 後は生やしちゃったこの子を相応しい場所に移してあげないとね」 枯れた野薔薇を手ごろな大きさに戻し、苗のようにしてから、女はそれを持って何処かへ飛んでいった。 「それにしてもれいむ、ねぇ……あの巫女があれを見たらどういう反応するかしら。 ちょっと面白そうじゃない・・・やっぱり蹴っ飛ばさずに持って行ってあげればよかったかしらね」 じつはもう既に会っている事も知らずに、彼女の嫌がる顔を想像して心底楽しそうに笑った。 それからしばらくして、ようやくれいむは目が覚めた。体調は悪くない。 「ゆ、ゆん…ここどこ?たしかれいむ……うわぁぁぁ!!!」 目の前に広がるのは壮大な花畑。それを見てれいむは、何があったのかを思い出した。 「おはなざんごわいよぉぉ!ようかいざんごわいよぉぉ!! もうおはなざんたべたりじまぜんがら、ゆるじでぐだざい!! ゆ゛んやぁぁ!!もうおうちがえるぅぅぅ!!!」 病み上がりの上に餡子を失って体力に余裕が無いにもかかわらず、れいむは全力で跳ねて行った。 どこへ?などとは考えない。とにかく遠くへ。花やあの妖怪のいないところへ。それを考えるだけで精一杯だった。 ―――――――――― 何も考えずにひたすら跳ねていると、前方に川が見えた。 「ゆぅ……あっ、かわさんだ!そういえばのどもかわいたよ。 ・・・かわさんならおこられないよね?れいむおみずさんごーくごーくするよ!!」 邪魔する者が誰もいないことを確認すると、れいむは川へと跳ね寄った。 「ちゃぽん!ごーくごーく、さっぱりー!! おなかはすいたけど、これでもうすこしがんばれるよ!」 今度は軽い足取りで川を下り始めたれいむ。 しばらく行くと、木陰に何かの姿を確認した。影は二つある。 「ゆ!?あれは・・・にんげんさん?それともようかいさんかな?」 片方はフリフリの服を着た銀色の髪をした女性。 もう片方はピンクの服と帽子に真っ赤なリボンをつけた、赤い目をした少女。 背中には真っ黒な翼が生えている。 少女は木の下に座り込んでおり、大きい方の女性は日傘を差している。 「いたたた…まったく、油断したわ…」 「お嬢様。手当ての方は・・・」 「いらないわよ。この程度のかすり傷なら少しすれば治るんだし。 それにしてもあの紅白巫女、急にケンカなんて吹っ掛けてきて何のつもりかしら。 不意討ちみたいに来て、やるだけやってさっさと何処かへ行っちゃうし」 「まるでストレス発散みたいな感じでしたね。何か嫌な事でもあったんでしょうか?」 「そんな事はどうだっていいわよ。問題は何故のんびり散歩してただけの、しかも私だけを襲うのかってこと! 不覚を取ったわ。もし昼じゃなかったら、こんな無様にやられはしないのに…」 仲が良さそうに話している。どうやら悪い者ではなさそうだ。 しかし、あの小さい方のお帽子、何処かで見たような… 「にんげんかようかいさん、ゆっくりしてい…って…うわぁぁ!れみりゃだぁぁぁ!!!」 思い出した、れみりゃだ!何てものに話しかけてしまったんだ、ゆっくりできなくなる! 「え、ゆっく…り…なに、こいつ…?」 「見た所・・・饅頭にしか見えませんね。喋る饅頭は見た事ありませんが。 お嬢様の御名前を知っているようですが、お知り合いで?」 「こんな珍奇な知り合い居ないわよ。それに今、なにか発音おかしくなかった?」 「えっと。あなた?お嬢様の事を知っているの?」 「ゆっ!?にんげんさん?…じゃあこのれみりゃはおねえさんがかってるの?」 「私が、飼われる……咲夜に?・・・なかなか面白い事を言うのねぇ」 「ちょ、ちょっと!あなた、変なこと言わないで頂戴!! とりあえず…どうやら何かと間違っているようですね」 「まちがい…?そういえば、れみりゃのおぼうしとにてるけどすこしちがうよ。 もう!まぎらわしいよ!れいむおこるよ!!ぷんぷん!!」 「あんたが勝手に間違えたんでしょうに。 って、れいむ?」 「そうだよ!れいむはれいむだよ!れいむはいまとってもこまってるよ! かわいいれいむにやさしくしてね!!」 「なんか一々癇に障るわね……そういえばあのふてぶてしい仏頂面に似てるような気がするわ」 「そ、そうでしょうか?・・・ところで困ってるって言うけど、何が困ってるの?」 「ちょっと、咲夜。あんまり関わらない方がいいわよ」 「いえ。そうなんですが、ここで見捨てるとなにやら祟られそうな気がしまして…」 視線の先には、例の巫女に似たリボンを着けたふてぶてしい顔の饅頭。 確かに何か曰くがついてそうではある。 「なにかよう?…あっ、そうか!れいむがかわいいからみとれてるんだね!! それならそうといってくれれば、もっとみてていいのに。かわいくてごめんね!!!」 「…チッ。まあいいわ。どうせもう少し完治には時間が掛かるし、好きになさい」 「はい、ありがとうございます。で、れいむと言ったかしら。何が困っているの?」 「れいむ、ここがどこかわかんないんだよ。 にんげんさんとようかいさんにもあったけど、いじわるされただけでだれもおしえてくれなかったよ」 「誰に会ったのかは知らないけど、よく今まで無事で居られたわね… それはともかく、ここは博麗神社と人里の大体中間地点にあたる部分よ」 「はくれいじんじゃはしってるよ!!そうじゃなくてここがどこなのかしりたいんだよ!!」 「あら、そこは知ってるのね?」 「うん。あかくてしろい、みこさんってひとにおしえてもらったの!!」 「赤くて白い巫女って、会ったの!?」「うん、あったよ!!」 「機嫌悪かった理由、多分間違い無いですね……」 そりゃこんなふてぶてしい奴が自分とそっくりな格好で出てくれば、誰だってプッツンくるだろう。 「じゃあ私がこうなったの、あんたのせいじゃない!」 「な、なんのこと!?ゆっくりしていってよー!!」 「あんたのせいでゆっくりできてないのよ!!」 「お、落ち着き下さい、お嬢様!!別にこれが何かしたというわけではないんですから!!」 「はあ…はあ……。大体何なのよ、さっきからゆっくりゆっくりって。意味わかんないんだけど」 「ゆっくりはゆっくりだよ!れいむはだれよりもゆっくりしてるんだよ! ゆっくりしてるゆっくりはすごいんだよ!おねえさんはぜんぜんゆっくりしてないね。ゆぷぷっ!」 「はぁ!?ケンカ売ってんの、アンタ!!」 「落ち着き下さいお嬢様!!お気持ちは分かりますが、先程からカリスマが大暴落です!」 「離しなさい、咲夜!がおー!!!」 ―――――――――― 「……ふぅ。まあゆっくりしてるしてないはこの際どうでもいいわ。 って言うか、結局何なのよこいつ。もういいでしょ、咲夜?」 「はぁ…。まあ、確かにどうでもいいような気がしてきました。害も無さそうですし」 「どうでもよくないよ!!おねえさんたちはまったくゆっくりしてないね! ゆふふ、なんなられいむがゆっくりさせてあげてもいいよ?」 「あんたが…?今まさにあんたのせいでゆっくりできてないんだけど」 「だからだよ!れいむをゆっくりさせてくれれば、ゆっくりさせてあげるよ!」 「ゆっくりさせるって……こちらは具体的に何をすれば良いのかしら」 「れいむはおなかがすいたよ!あまあまさんちょうだいね! あとゆっくりできるおうちもほしいよ!よういしてね!!」 丁度良い。これなら今足りないもの全部満たされるだろう。なんて良い考えなのか。 たったこれだけでゆっくりできるのだ。この人間達も喜んで首を縦に振るだろう。 「・・・それはまるで紅魔館に、我等の住処に招けと言っているように聞こえるのだけど」 「ゆっ、それはいいかんがえだね!しかたないからおせわになってあげるよ!!」 「何を言うかと思えば…あなたそんな「駄目よ」・・・お嬢様?」 少女の眼つきが、突然鋭いものへと変わる。 「それは断じて許されないわ。話にもならないわね」 帰ってきたのは、れいむの予想と違った答えだった。 「ど…どおじでそんなこというのぉぉぉ!!? またいじわるするのぉぉ!!ゆっくりできないぃぃぃ!!」 「意地悪?違うわね。これは、紅魔館の主としての真っ当な評価よ。 何もできない役立たずが生きていけるほど、紅魔館は生易しいところじゃないの」 「だからゆっくりさせてあげるっていってるでしょ!? きいてなかったの?ばかなの?しぬの?」 「生憎とあなたみたいな馬鹿のまま、何百年も生きていられる様な温い環境にはいないわ。 それに、あなたが言うゆっくりがなんなのか大体の想像はついたけど、 その上で聞くわ。“あなたは、どうやって私をゆっくりさせてくれるの?”」 「だからゆっくりはゆっくりだよ!ゆっくりに、どうやってもなにもないよ!!」 「やれやれね。なら質問を変えるわ。あなた、どういう時がゆっくりできるの?」 「おいしいごはんさんをむーしゃむーしゃしたり、きれいなおうちですーやすーやするとゆっくりできるよ!」 「そう。なら、やっぱりいらないわ。あなたは、我が紅魔館には必要ない」 「なんでぇぇぇ!?ゆっくりしてないにんげんをゆっくりさせてあげるっていってるのにぃぃぃ!!」 「・・・なら、あなたはどうやって私をゆっくりさせるつもりなの? 美味しい食事が作れるの?快適な睡眠を約束してくれるの?生憎全部間に合ってるけど」 「ゆっ!?それは……かわいいれいむをみればゆっくりできるでしょ!」 「なら一生鏡でも見てなさい。それでゆっくりできるんだから私の庇護は必要ないわね」 「そんなわけないでしょぉぉ!?おなかすいてちゃゆっくりできないぃぃぃ!!」 「第一、さっきから聞いてれば、ゆっくりしていないのがそんなにいけない事なのかしら」 「あたりまえでしょぉぉぉ!!いそがしそうにしてるにんげんさんに、 ゆっくりがどうとかなんて、いわれたくないよ!!」 「そう。なら、一生懸命毎日働くことはゆっくりしていないことなのかしら?」 「そうだよ!!そんなことしてるからにんげんさんはゆっくりしてないんだよ!!」 「じゃああなたがうちに来たとして、その食事や寝床は誰が用意するの?」 「ゆっ!?それは・・・」 「我が紅魔館で働くメイドよ。そうなればあなたが来た分、誰かがゆっくりできなくなるわね」 「で、でもれいむは!」 「生きる者は、妖怪、人間、妖精、全て等しく何らかの責務を負うものよ。 この咲夜は、メイド長として他のメイドを束ね、尚且つ私の従者として身の回りの世話をする。 門番は・・・まあ少しザルな所もあるけど、本当に一部を除いた不埒な侵入者はきっちり排除するわ。 私の友人は、広大な図書館の管理をしてくれている。どれも、他の誰にもできないことだわ」 「れ、れいむは、れいむは・・・」 「他の者達も必死になって屋敷を維持するために働いている。 そして私はそういった者たちを正当に評価し、居るべき場所を作ってやれる。 つまり紅魔館には、あなたが言う“ゆっくりしてない者”しかいないのよ。 誰かをゆっくりさせたいなら、誰かがゆっくりできなくならなければならない。 それがこの世界に生きるものにとって当然の事なの。…私も気付くのが随分と遅れたけどね。 そしてだからこそ、みんなそれと同時に誰かのおかげでゆっくりできるのよ。 だから何もできない、口先だけのやつは要らないの。私の紅魔館にはね」 「そんなこと・・・」 「無いと言えるのかしら?その根拠は何処にあるの? ・・・まあいいわ。今の話をした上でもう一度だけ聞くわね。 “あなたは、どうやって私をゆっくりさせてくれるの?あなたは何ができるの?”」 「そんな…れいむは…ゆっくり……」 「わかったわ、もう結構よ。存分にゆっくりしていなさいな。 独りでね。 まったく、こんな奴に本気になるなんて……無為な時間を過ごしたわ。 傷も完治したし、行くわよ咲夜。・・・咲夜?」 「お、お嬢様……」 「ちょ、咲夜!?なんであなたが泣きそうになってるのよ!」 「まさかそんな風に想っていただけているとは、私思いもしませんでした。 その上、こんなに御立派な考えをお持ちだったとは…… 最近うーうー仰っている御姿しか見ておりませんでしたので」 「う、うるさいわね!それは忘れなさい!!・・・行くわよ!!」 「はい! でも、いいのですか?あんな物でも、妹様の遊び道具くらいにはなるかもしれませんよ?」 「それこそまさか、よ。あんな変なの与えてあの子が悪影響受けて、これ以上おかしくなったらどうするの。 第一生きている物にあの子が、キュッとしてドカーン!したときの惨状を忘れたの? 色々飛び散った部屋を片付けるの、誰だか忘れたわけじゃないでしょうね」 「・・・行きましょうか、お嬢様」 「それが懸命だわ」 (ま、結局一番の理由は私が単に、あいつがすっごく気に入らなかったってだけなんだけど。) そして、人間と妖怪は興味をなくしたように、れいむに一瞥もくれず歩いていった。 「れいむは…ゆっくりしてるゆっくりなんだよ。 れいむだって、おともだちがいれば…おかあさんたちがいれば…おうちさえあれば……」 れいむは言い返すこともできず、追いかける気にもなれずに、ただ立ちつくすだけだった。 ―――――――――― 「むーしゃむーしゃ、ふしあわせー…」 あれから一時間。れいむは何もする気が起きずボーっとしていたものの、 とうとう空腹が我慢できずに、そこら辺に生えていた葉っぱを仕方なく口にした。 「う゛う゛…まずいよ……おはなさんでもいいからおいしいものたべたいよぉ……」 「―――こんな所にいたのね。随分と探したわ」 「だ、だれ!?こんどはなんなの!!?」 どこからともなく聞こえた声に、身を強張らせるれいむ。 すると、急に何も無いところに裂け目が走り、そこから人間の女性が出てきた。 いや、妖怪かもしれない。こんな不思議な事ができるのは、きっと人間ではないだろうから。 「おねえさんだれ?もしかしてようかいさん?」 「あら、よく解ったわね。私はしがない、ただの一妖怪。 それでも、あなたの疑問には答えられるかもしれませんわよ?」 「じゃあ、ききたいことがいっぱいあるよ!こたえてね!! ここはどこ?なんでれいむこんなところにいるの? れいむなにもおぼえてないんだよ?かわいそうなんだよ? なのになんでみんなれいむにいじわるするの?」 ここぞとばかりに、これまでの疑問を全て浴びせるれいむ。 対する女性は涼しげな顔で聞いている。 「少し待って頂戴な。ちゃんと一つずつ答えるから」 「ゆっくりこたえていってね!!!」 「まず、ここはどこか?という事だけど。 ここは幻想郷。世から忘れ去られたものたちや妖怪の住まう、最後の楽園ですわ」 「げんそうきょう?」 「ええ。そして私はこの幻想郷を見守り、心から愛する妖怪よ。『妖怪の賢者』だなんて呼ばれた事もあるわね。 まあそれはともかく、改めまして。―――ようこそ、幻想郷へ。忘れ去られた来訪者さん」 「れいむこんなところにきたゆもりはないよ?」 「勿論、それはそうですわ。正確に言えば、あなたはさっき生まれたばかりなんですもの」 「ど、どういうこと!?れいむもうりっぱなゆっくりだよ!おちびちゃんじゃないよ!」 「それもちゃんと説明するわ。 …これは私の推論になりますけど、よろしいかしら? まあ、あながち当てずっぽうと言う訳でもないのだけど」 「ゆっくりしないでおしえてね!!」 「あら忙しないわね。もう少しのんびり構えてはいかが? まあいいでしょう。あなたがさっき生まれたばかりだという根拠。 あなた、自分がここに来たときより以前の記憶はあるかしら?」 「ゆっ! な、ないよ…れいむ、おかーさんのおかおも、おともだちのおかおもしらないよ…」 「でしょう?その割には、一般的な知識や常識にだけは長けている。 それが表すことの内の一つは、今あなたが“そういう存在”だとして生まれたのだということ」 「ゆー。むずかしいよ!れいむわかんないよ!!もうすこしわかりやすくせつめいしてね!!」 「あら、ごめんなさい。あなたは今までとは違う、特別なケースだから少し説明しづらいのよ」 「とくべつ?れいむとくべつなの?」 「ええ。今までも色んな、物や人や妖怪、果ては神まで幻想郷に入ってきたわ。 でも、あなたはそのどれにも当てはまらない。 あなたは“概念”が形を成したものとして、ここに来たのよ。 いえ、願いといったほうが正しいかしらね」 「がいねん…?どういうこと?れいむなんにもおねがいしてないよ?」 「願ったのはあなたではないわ。あなたを“れいむ”という概念として形作った誰か。 いえ、概念を形にするくらいの強いものだから、きっと誰か達、複数ね」 「ちゃんとれいむにおしえてね!!」 「つまり、あなたは元から外の世界にいた生命体ではないの。 沢山の外の世界の人間たちの、 “こういうものが存在して欲しい。こんな形であって欲しい。こうあるべきだ。” と言った、強い願いから生まれた存在なのよ。どういった願いかはともかくね。」 「そんなぁ…じゃあれいむのおかーさんは?おとーさんは?」 「実際には居ないわ。あなたはそういう独自の知識を持った、作った者にとって都合の良い存在として生まれただけ。 あなたの知る繁殖方法が何なのかは知らないけど、きっとそれと比べても真っ当な生まれ方ではないでしょう」 「じゃあれいむはどうしてうまれちゃったの!?なんのためにうまれたの!?」 「あら哲学的。 確かに不思議な話ではあるわね。 いくら強いといっても、元々形のない物がこの世に現れるなんてことは無い。 と、思うでしょう?普通はね。 でもここは幻想郷よ。あなたがそれなりの知識を有していても、 それも結局は外の世界を基準としたのものでしょう? 向こうの常識はこちらの非常識。そしてその逆も然りよ。ここでは常識に囚われてはいけないわ。 それにあなたの姿……こちらに居る人物によく似てるの。本人が聞いたら怒り狂うでしょうけど。 それが何故かは知らないけど、そのせいであなたとこちらの結びつきが強くなったのかもしれないわね。 いずれにせよ確かなことは何も言えないわ。 あなたに会うまでに結界に異常を感じて、随分色々と調べ回ったのに結局解ったのはこれだけ。 本当に頭が痛いわ。大したものよ、あなた。私をここまで悩ませる存在なんて、そうは居ないもの」 れいむは途中からほとんど話を聞いていなかった。 自分の存在が、自分の記憶が、全部作り物? それも母親でなく、人間に作られた都合の良い… 「じゃあ、れいむこれからどうすればいいの?なんでここにきたの?」 「残念ながら、そこまでは私にはわからないけど…そうね。 ここに来てから今までにあなたは誰か、 人間でも妖怪でもいいから出会った筈よ。 その者たちにあなたはどんな風に扱われたかしら? それであなたがどういった願いを持って形作られたのか、 どう生きていかなければならないのかが大体分かる筈よ。どうだった?」 れいむが今まで会ってきた者達。されたことといえば・・・ 「いじわるしかされなかったよ…」 「そう。ならそういう風に作られたのよ、あなた。 誰にも優しくされる事なく生きていくしかないわね」 「そ、そんなぁ!れいむいやだよ!!」 「嫌と言われてもどうしようもないわ。あなたは“そういうもの”なんだもの。 安心なさい。例えそうであっても幻想郷は全てを受け入れますわ」 だが、そんな言葉はれいむにとって何の気休めにもならない。 「おねえさんたすけてよ!れいむかわいそうでしょ!? かわいいれいむをたすけてね!!」 「あら、駄目よ。確かに哀れだとも思うし、何とかする方法もあるけど、駄目。」 「どぼじでぞんないじわるずるのぉぉぉ!!?」 「あなたの存在意義の境界をいじれば、何とかなるかもしれない。 でもね、それはこの幻想郷を維持する境界のバランスを崩す事にもなりかねないの。 ただでさえあなたの存在は、今までに前例がない不確かなものなのよ。 だというのにその危険を冒してまであなたの境界を更にいじるなんて、私がすると思う? まあ早い話が、私はあなた個人よりも幻想郷の方が大事なのよ」 「や、やだ…でいぶがわいぞうなんだよ…やざじぐじでよぉ……」 「これからもあなたのような存在が、どんどんこちらに入ってくるかもしれません。 その者と徒党を組んで暮らすもよし。孤独に過ごすもよし。好きなようになさい。 やりすぎなければ、私は目を瞑りましょう。他の者はどうかは知りませんけど。では―――」 「ま、まって!れいむをたすけてよ!やさしくされないのはやだよ!!」 「ごめんなさい。正直言うとね、私も可哀相だとは思うけど、 あなたを助けたいという気持ちが一切湧かないのよ。 一応この後も勝手に、あなた達の事は色々と調べてはおくけど。 ここまで来ると大したものね…私にまで影響を与えられるなんて、 あなた相当願いを込めた者達に嫌われてたのね。もう願いというより呪いだわ。 では、今度こそ御機嫌よう。哀れな来訪者さん」 そう言うと、女性は現れたときと同じように空間に切れ目を入れて、 そこに入って去っていった。切れ目が閉じれば、そこにはもう何もない。 「まって!ま゛っでね゛!!おねぇざん!! でいぶゆっぐりじだいんでず!!もういじわるざれるのはいやなんでず!!」 ただただ何もない所に向かって懇願を続けるれいむ。 今の話を聞いたれいむには明るい未来など少しも見えなかった。 あの妖怪さんは言った。仲間が来るかもしれない、と。 もしかしたら、他のゆっくりも来てくれるかもしれない。 だが、もしそのゆっくりが、ゲスだったら。レイパーだったら。 自分はきっとゆっくりできない。食い物にされるだけだろう。 善いゆっくりが来たとしても、仲良くできるかは解らない。 なにせ、自分は嫌われる為に生まれてきたようなものだと知ってしまったのだ。 ゆっくりにまで嫌われるのかは分からないが、れいむは不安でしかたがなかった。 「ゆっくりしたいよ…おいしいごはんさんもいらないから、おうちなくてもいいから… だれかとゆっくりしたいよぉ…だれかいっしょにゆっくりしてよぉ…ひとりぼっちはやだよぉ……」 こうして、幻想郷にゆっくりという種族が新たに増え、 やがて留まる事を知らずにその数を増やし、そのほとんどが悲惨な運命を辿ることとなる。 このれいむも、これからどうなるのかは誰も知らない。 同じようにこちらに来た仲間を見つけて、共に暮らすことができたのかもしれない。 もしくは呆気なく誰かに潰されたり、食われたりしてしまったのかもしれない。 が、きっと真実を知ったれいむは、一生不安なまま、ゆっくりできる事はないのだろう――― ―――――――――― ゆっくりとは。 とあるゲームのキャラクターたちを模した、創作キャラクターである。 様々な場所に顔を出すようになり、様々な想いを人々はゆっくりに抱いた。 ある虐待好きの者は “こいつらをゆっくりさせたくない。もっと酷い目に遭う姿が見たい” という心で、ゆっくりが酷い目に遭う絵を書き上げた。 あるゆっくり愛護派の者は “もっと可愛いゆっくりが見たい。幸せな姿が見たい” と言って、可愛いゆっくりが出る物語を考えた。 他にも、数多くのジャンルで“自分達にとって都合が良い存在” として考えられたゆっくりが、生まれては次々と消えていった。 ある者は、ふてぶてしくも、何故か憎めないゆっくりを。 またある者は、疎まれ、蔑まれるだけに生まれてきたようなゆっくりを。 そしてある者は、新しく思いついた、新種のゆっくりを。 性格、出自、持っている知識、記憶。そのゆっくり自体がどういう目的で登場するのか。 練りこまれ、考え込まれたそれらの設定の違いの数だけ、ゆっくりは生まれる。 Aのれいむと、Bのれいむでは外見以外が。 いや、設定によってはそれさえもがまったく違うのだ。 今日もゆっくりを想い、創る人の数だけ、 またはそれらが世に出て人目に触れた数だけ、 何らかの強い想いによって様々なゆっくりが生まれ、そして忘れ去られて消えていく。 その果てが、どこに行き着くのかも知らずに――― ―――――――――― 一方幻想郷ではそんな理由で送られてきたり、一部のゆっくり自身の繁殖力もあって 潰しても潰しても姿を消さず、何処からともなく増えるゆっくりに対して、 腹を立てる者や、うまくやっている者、道具として利用する者と、とりあえず棲み分けができていた。 紅魔館にて。 「ぶぎっ!やべでぇ!!でびぃのかもしかのようなあんよちぎら、いぎぃぃ!!」 「あはははは!!こいつすっごーい!どれだけ千切ってもすぐ生えてくる!! よーし、キュッとしてドカーン!!「か、かわいいでびぃ…ぶぎゃん!!」『ボンッ!!』…壊れちゃった。 なーんだ、もう終わっちゃったの?つまんない。さくやー、新しいやつ持ってきてー」 「もう壊したのですか!? ああ、またこんなに散らばって…肉汁って取れにくいのに……」 見えぬように密かに肩を落とすメイド長。 どこか別の部屋では『それ見たことか』と幼き紅い月が呆れながらも微笑んでいた。 妖怪の山の神社にて。 「あーうー。…あう? あ、あーうー!あーうー!!」 「あっはっは、本当に面白いねこいつ!この帽子なんかそっくりじゃないか! ほーれほーれ、取ってみな。でないと遠くに投げちゃうぞー」 「あーう!あうー!あ~う~……ぐすっ」 「もう。神奈子様!すわちゃんを虐めるのはやめてあげてください!ほら早くお帽子も返して!!」 「え~、泣き顔見るのが楽しい「お夕飯無しでいいんですね?」・・・わかったよ、悪かった。ほれ」 「う~?…あうー!あ~う~♪」 「よかったですね、すわちゃん」 そんな様子を少し離れたところで見ている、特徴的な帽子をかぶった小柄な少女が一人。 「私ってこんな風に見られてるのかな……」 天界の片隅にて。 「だ、だずげで…ばでぃざをだべないで…ゆぎぃ!?」 「「おちょーしゃーん!!」」 「で、こんな所でそんなもの食べないで欲しいんだけど」 「何で?良いじゃん。ここはあたしがあんたから勝ち取った場所だよ!何しようがあたしの勝手さ。 硬いこと言いっこなしだよ。不良天人の癖にー」 「まあそうなんだけど…何もわざわざこんな物食べなくたって、ここには桃が沢山あるじゃない」 「な゛にが…わるいごどじだなら…あやばりばずから……」 「ゆんやぁぁぁぁ!!まりしゃたちをたしゅけてちぇにぇ!!」 「ちゅいでにおいちいあみゃあみゃなももしゃんもちょーらいにぇ!」 「流石にそればっかじゃ飽きるでしょ。第一、何時までも桃で酒飲むってのもねぇ。 それにこいつら結構美味いんだよ?特に小さい奴。何なら一匹食ってみる?」 「そ、そう?…こんなに悪趣味なのが本当に美味しいのかしら。まあいいわ、いただきまーす」 「どうちたにょ!?いうこちょきかにゃいばばあは『プチッ!』ゆぴぇ!!」 「あら、結構美味しい」 「だろ?」 「ゆ、ゆ゛んやぁぁ゛ぁ゛!!おねえぢゃぁぁん!!」 「ば、ばでぃざの…おぢび……ぢゃ…ん……」 「ありゃ、死んだ。ショックでかな? あーあ、味落ちちゃうよ。まあいっか。まだチビがいるし」 「大した神経してるわ。まるで鬼の所業ね…」 「その通り!そんでもってあたしは鬼そのものなんだから、何の問題も無いさね。 さ、せっかくだからあんたも飲んでいきなよ! たまには甘い饅頭で飲むのもオツなもんだよ?こいつら、探せばいくらでも居るしね」 「なんか煙に撒かれた気分だわ…いいわよ、頂こうじゃない。結構美味しかったのも事実だし」 「そうこなくっちゃ!! では、新しく幻想郷にやってきた酒の肴に」 「「乾杯!!」」 「やぢゃぁぁぁ!!まりちゃちにちゃくにゃいよぉ!! だれきゃたしゅけちぇにぇ!!きゃわいいまりちゃ『プチッ!!』ゆぴゅん!!」 ―――そして、博霊神社にて。 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 「また湧いてきたの?いいかげんにしなさいよね・・・!!」 そこには腕を組んでゆっくりれいむたちの前に仁王立ちをする巫女と、 縁側で我関せずといった様子で茶をすする、紫色の服を着た金髪の女性が居た。 「で、アンタもいい加減なんとかしなさいよ、これ!」 「あら、どうして?特に何もしていない者を懲らしめるのは流儀ではないわ」 「山の資源とか減ったりしてるじゃない!駆除しても駆除してもいつの間にか増えてるし!」 「修正できる範囲内よ。今までの異変に比べれば単純明快。可愛いものでしょ。 定期的に狩れば調整できるんだし、仕事も増えるじゃない。 よかったわね。人々のために働いて信仰を集める良い機会ではなくて? あなたも楽園の巫女なら、もう少しどっしりと構えてなさいな。品が無くてよ。」 「「「「「どっしりかまえるよ!!!」」」」」 「やかましい!!同じ格好して同じ事ばっかり言って、ケンカ売ってんの!? あ~、もういいわ。全員封印(潰)してやる!!」 「い゛やぁぁ゛ぁ゛!!やべでぇぇぇ!!!」 「どぼじでごんなびどいぎゅべぇ!!!」 「がわいいでいぶだげはだずげでねぇぇ!!」 「だ、だずげでおねえざん!!」 「ごんなのゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 「あらあら」 逃げ惑い、こちらに助けを求めながらも、陰陽玉に潰されるゆっくりれいむたちを見ながら、 一番最初に会った、あのゆっくりれいむのことを思い出してクスリと笑う女性。 持った知識や常識、果ては生態まで違うというのは、きっと予想以上の混乱を招く事だろう。 あらゆる認識の違いが生み出すのはきっと、恐れによる区別、差別、そして争い。 案外この饅頭たちは自分達の手によって滅びるのかもしれない。 が、こちらに飛び火さえしなければ、そんなことは自分には関係ない。 滅ぶも栄えるも好きにするがいい。私はただそれを見守ろう。 それこそが、この世界の在り方なのだから。 ―――幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ――― ・あとがき 逆輸入でもいいじゃない。そんな感じです。 どこからゆっくりが湧いてくるのかを考えていたらこんな事になりました。 ゆっくりが微妙な立ち位置にいるのは気にしないで下さい。仕様です。 では、ありがとうございました!! 小五ロリあき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳 ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気 ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前 ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後 ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る あっこれおれのせいやわ いまいそがしいし 幻想郷のみんな駆除たのみます -- 2015-08-14 05 11 27 幽香が優しい・・・だと・・・? -- 2011-05-28 18 10 08 めちゃくちゃ面白かったですw -- 2011-05-04 20 15 07 レミリアも幽香も優しいというかこれがカリスマか・・・ -- 2011-02-06 12 42 11 幻想郷・・・・ いきたいなぁ〜 ゆっくりも虐殺したいし -- 2011-01-14 19 42 56 れみぃかわゆすなぁ -- 2010-09-28 19 47 11 幽香とレミリアの可愛さにQNQNしてゆ虐どころじゃなかったぜ! -- 2010-07-24 20 40 08
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417 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/26(木) 05 22 33.16 ID Ec43H2Bz0 とりあえずお猿さんみたいにマウンティングしなきゃ気が済まない奴もいるからなあ、と連想して思い出した奴のことを。 自称同人小説家らしいんだが「締め切り近いのに書けないわー、書けないわー」ってわざわざ例会に来て締め切りしんどいアピール。 例会に来るからまあ気分転換にPLでもすんのかいなと思ったら「いや、俺忙しいんでw」とか言いながら他の卓の見学だけして帰っていく。 一応GM担当してたキャンペもあったが「ごめんごめん、締め切り終わったらなんとかするしw」→無論放置。しびれ切らした各参加PLがそれぞれ別のキャンペも並行プレイ始めたら「裏切りだ!」でファビョる。 まあまあそれも他人の創作からインスピレーション貰う作業なんだろうと思ったら別のサークルの例会で「あんなしょぼいRPなんてプロの目から見たら…」と講釈を垂れてたらしい。 上記の件を「お前らんとこのだろ、どうにかしてくれ」と言われたのでちょっときつめに絞ったら「お前ら共謀しやがって!」とかなんとか言って出て行った。無論抱えてた案件は全部ぶん投げ。 なんとか更正できないかとコンタクト取りに行った奴らもツイッターに連綿と垂れ流す恨みポエムを見て「こりゃアカン」と帰ってきた。 多分これからもずっと誰かを恨んで生きてくんだろうなあと思いつつ、まだTRPG続けるのかねえ、あの自称小説家様。 スレ428
https://w.atwiki.jp/trashpanda-araisan/pages/975.html
892 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 00 22 16.54 ID oboWGpurO … ~秋トウモロコシ畑~ ここは、アライさんがいる森の近くの畑。 秋トウモロコシを育てている畑である。 もうすぐ収穫の時期のようであり、畑には黄色いトウモロコシが実っている。 そんな畑に、なにか不思議な音が響く…。 余所アライさん「ふははははー!食べ物なのだぁー!」ガサッ 余所アライちゃん1「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ 余所アライちゃん2「なのだー」ガサッ ヨチヨチ 余所アライちゃん3「のだー」ガサッ ヨチヨチ 余所アライちゃん4「のりゃ!のりゃっ!」ガサッ ヨチヨチ …先程とは別の、野良アライさん一家である。 先程のアライさんは、畑に近付くことを禁忌と認識していたが… この野良アライさん一家は、何をしにトウモロコシ畑に近付いてきたのであろうか? 893 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 00 34 29.84 ID oboWGpurO 余所アライさん「ここにはたくさん美味しそうな実が生えてるのだ!みんなで食べるのだー!」ドタドタ 余所アライちゃん1「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん2「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん3「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん4「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん5「のだ!のだー!なのだー!」ガサガサッ ヨチヨチヨチヨチ 余所アライさん「突撃なのだー!」ドタドタ 親の余所アライさんを先頭にして、アライさん一家は秋トウモロコシの苗へ近付いた。 余所アライちゃん達「「「なのりゃー!」」」シッポブンブン 余所アライちゃん達は、トウモロコシの苗の根元をぐるりと囲んでいる。 余所アライさん「さあチビ達!お腹いっぱい食べるのだ!」 余所アライちゃん1~5「「なのりゃー!わっちぇ、わっちぇ!わっちぇ、わっちぇ!」」ヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジヨジ 余所アライちゃん達は、一斉にトウモロコシの苗に爪を立て、よじよじと登り始めた。 894 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 00 49 27.24 ID oboWGpurO そして… https //i.imgur.com/eOTaZL5.png 余所アライちゃん1「はぐはぐ」ムシャムシャ 余所アライちゃん2「がぶっ、くちゃくちゃ」クチャクチャ 余所アライちゃん3「あむあむあむあむあむあむ!!あむあむあむあむっ!!」クチャックチャッ 余所アライちゃん4「んんー、おいちぃのりゃぁ!!あぐっはぐっもぐもぐ」バリバリムシャムシャ 余所アライちゃん5「なのりゃー」ヨジヨジヨジヨジ 余所アライさん「ふははー!アライさんも食べるのだあ!がぶっ!」バリバリムシャムシャ 余所アライさん「くっちゃくっちゃ、美味しいのだぁ!自然の恵みなのだあ!もぐもぐ!」クチャクチャ なんと余所アライさんは、何の躊躇もなしに畑の作物を荒らし始めた。 余所アライさん「もぐもぐ…ここを見る限り、人間はいないのだ!だからここはハタケっていう場所じゃないのだ!もぐもぐ!」クチャクチャ …インターンシップに行くアライちゃんに、教育係はいない。 人間は歴史に学ぶが、アライさんは自身の経験に学ぶ。 そのため、全てのアライさんが同等の知識水準を保てるわけではない。 中には、このように変な知識の習得の仕方をするアライさんもいる。 …ときたま、アライさん同士で話して情報交換をする個体もいるようだが… この余所アライさんはそうではないようだ。 895 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 00 52 34.33 ID oboWGpurO そして、時間が経つにつれて… アライちゃん達はどんどん大きくなってきて… 気温はどんどん下がっていく…。 904 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 20 12 50.91 ID 53Ha/3n3O 余所アライさん「ふははー!美味しかったのだー!お土産も持っていくのだぁ!のだっ!のだっ!」ドタドタ 余所アライちゃん1「のだ!」ヨチヨチ 余所アライちゃん2「だあだあ」ヨチヨチ 余所アライちゃん3「くっそうんまかったのりゃあ!≧∀≦」ヨチヨチ 余所アライちゃん4「あゆくのちゅかれたのりゃ~、おなかぽよんぽよんであんよくたくたなのりゃ~」ゲェップ ヨチヨチ 余所アライちゃん5「おかーしゃ!おんぶぅ!ありゃいしゃんのことおんぶしゅゆのりゃ~!のりゃっ!のりゃっ!」シッポフリフリシッポフリフリ 余所アライさん一家は、秋トウモロコシ畑を荒らし回った後、いくつかトウモロコシを引き抜いて持っていった。 越冬のための保存食にするのであろう。 余所アライさん「のあっ」ポロッ トウモロコシ「」ゴロン!ゴロン! 余所アライさんが落としたトウモロコシの1つが、坂道をごろごろと転がっていく。 余所アライさん「待てー!待つのだー!アライさんのご飯なのだー!」ドタドタ 余所アライさんは、坂道を駆け降りていく。 余所アライちゃん1~5「「なのりゃー」」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん達も、母親のあとをついていく。 905 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 20 23 15.32 ID 53Ha/3n3O トウモロコシ「」ガサガサッ トウモロコシは、草影に落ちた。 余所アライさん「うぅーあそこなのだ!」ドタドタ 余所アライさんは、トウモロコシが落ちた草影へ近付いていく。 余所アライさん「たあ~!」ズボォ ガサガサッ 余所アライさんは、草影に手を突っ込み、トウモロコシを探すが… 余所アライさん「のだ?見つからないのだあー」ガサガサッ どうやら余所アライさんが草影に来るまでの間に、トウモロコシは草影から移動していたようだ。 余所アライさん「どこなのだー?」ドタドタ 余所アライちゃん1「どこなのりゃ~?」ヨチヨチ 余所アライちゃん2「ここなのりゃ~?」ヨチヨチ 余所アライちゃん3「そこなのりゃ~?」ヨチヨチ 余所アライちゃん4「のりゃ~?」ヨチヨチ 余所アライちゃん5「のりゃあ!なのりゃあ!なのりゃあ!」ヨチヨチピィピィ 余所アライちゃん5が、やけに騒いでいる。 余所アライさん「どうしたのだチビ?お腹すいたのか?さっき食べたばかりなのだ!」プンスカ 余所アライちゃん5「なのりゃあ~~!!なのりゃあ~~!!ふぅぅーーっ!きゅるるぅ!」シッポブンブンブンブン 余所アライさんは、余所アライちゃん5の視線の先を見た。 906 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 20 25 03.94 ID 53Ha/3n3O 視線の先には… https //i.imgur.com/QdCQucq.jpg 落第アライちゃん「はぐっはぐっ!くちゃくちゃ!もむっもむっ!ごくんっ!おいちーのりゃああ!≧∀≦」ムシャムシャバリバリ …転がっていったトウモロコシを美味しそうに食べるアライちゃんの姿があった。 907 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/27(金) 20 32 47.99 ID 53Ha/3n3O 落第アライちゃん「おいちーのりゃー!あむあむっ!はみゅはみゅっ!」クチャクチャ 余所アライさん「お…お前ぇ!その野菜を返すのだ!野菜泥棒め!」バッ 余所アライさんは、落第アライちゃんに詰め寄る。 落第アライちゃん「うゆ!?うしょなのりゃあ!このおやしゃいは、あむっ、くちゃくちゃ、ありゃいしゃんが!ごくんっ!」モグモグシッポフリフリ 落第アライちゃん「さいっしょに、あむ、しゃりしゃり…ごくん!みつけたのりゃ!」ムシャムシャシッポフリフリ 余所アライさん「嘘なのだ!アライさんが最初に見つけたのだ!アライさんが盗られたのだ!野菜泥棒めぇ!」フゥーーッ 余所アライちゃん1~5「「「のりゃー!なのりゃあ!な~のりゃあ~!」」」シッポブンブン 余所アライさん一家は、落第アライちゃんを威嚇している。 一家6匹での総威嚇。 とにかくやかましい。 落第アライちゃん「う、うゆう…!」ビクゥ このド迫力には、落第アライちゃんもタジタジのようだ。 920 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/28(土) 21 32 00.13 ID h/a7U7+ZO 落第アライちゃん「う、うゆぅ…!ありゃいしゃんはおなかぺこぺこなのりゃっ!だからこれたべゆのりゃあ!ふぅーーっ!」フゥフゥ 落第アライちゃんも、しばらく食事をしていないらしい。 しばらくぶりにありつけた食糧を手放したくないのであろう。 余所アライさん「だったら力づくで奪い返すのだぁ!」ダッ 余所アライさんは、落第アライちゃんへ襲いかかった。 落第アライちゃんは… 落第アライちゃん「ぴ、ぴいぃぃ~~~っ!にげゆのりゃあ!あむぅっ!」ガプリ 食いかけのトウモロコシを口に咥え… 落第アライちゃん「ぬぬりゅぅ~~!!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ 余所アライさんから逃走を試みた。 921 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/28(土) 22 04 26.49 ID h/a7U7+ZO しかし。 余所アライさん「ガイジなのだ!逃がすわけないのだ!ふはははー!」ドタドタドタドタ 落第アライちゃん1「ふみゅぅう!?」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ 余所アライさんは、落第アライちゃんへあっという間に追い付いた。 ヨチラーのアライちゃんが、二足歩行する成体のアライさんにかけっこで勝てるはずがないのである。 余所アライさん「蹴飛ばしてやるのだ!たあ~!」ドガァッ 落第アライちゃん「ぶへぇぁっ!」ボゴォ ゴロゴロ 余所アライさんは、落第アライちゃんの幼く未発達な小さい体を容赦なく全力で蹴飛ばした。 尻を蹴られた落第アライちゃんは、口に咥えていたトウモロコシを離してしまう。 922 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/28(土) 22 13 33.30 ID h/a7U7+ZO 落第アライちゃん「ぴぎいいぃぃいーーーっ!!いぢゃいい!いっぢゃいのりゃああああああーーーっ!おがーしゃあああーーんっ!!」ピギイィイビエエエエエン 落第アライちゃんは蹴られたお尻を擦りながら、大声で泣き叫び必死に助けを呼ぶ。 余所アライさん「無様なのだ!どうしたのだガイジ!アライさんから自力で逃げてみるのだ!」ニヤニヤ ゲシゲシ 落第アライちゃん「ぴっ!ぴっ!」 余所アライさんは、落第アライちゃんの尻を蹴っていたぶっている。 落第アライちゃん「おちりいぢゃいいいいいいーーーーっ!いっぢゃいのりゃあああああーーーっ!にげれないのりゃああああああーーーっ!」ビエエエン どうやら落第アライちゃんは、尻を蹴られた時に筋骨に大きなダメージを受け、歩けなくなってしまったようだ。 余所アライさん「逃げれないならどうするのだ?」ニヤニヤ 落第アライちゃん「ひぐっ…ぐしゅっ…!ひどいのりゃああっ…!たべものどよぼーが、ありゃいしゃんをいぢめゆのりゃ…!ありゃいしゃんがかわいそーなのりゃあ…!」ウルウル 余所アライさん「ガイジか!元々お前のものじゃないのだ!これは最初っからアライさんのものなのだ!たぁ!たぁ!」ゲシゲシ 余所アライさんは、明らかに酷い重症を負っているであろう落第アライちゃんの尻に、さらに蹴りを加える。 落第アライちゃん「びっっぎいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーっ!!いいーーーぢゃああああああああいいいいいいいいいいーーーーーーっ!おがああああーしゃああああーーーんっ!おがーしゃんだぢゅげでえええーーーっ!」ビエエエン 余所アライさんが蹴りを加える度に、落第アライちゃんの体内では傷が深刻になってゆく。 余所アライさん「ガイジなのだ!お前はインターンシップが辛くて逃げ帰って来たんじゃないのか?もう親元を離れたはずなのだ!」ゲシゲシ 923 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/28(土) 22 21 00.56 ID h/a7U7+ZO 余所アライさん「アライさん達は!自分の力だけで生きていく生き物なのだ!自分自身以外、誰もお前を助けないのだ!」ドガァッドガァッ 落第アライちゃん「もうやべでええええええええええーーーーーっ!!あげゆかりゃあああーーっ!ありゃいしゃんのおいちくてきーろいちゅぶちゅぶおやしゃい、おまえにやりゅかりゃああああーーーっ!!」ピギイイィィイ 余所アライさん「野菜とかもうどうでもいいのだ!アライさんは、お前みたいな甘ったれたクソガキがいっちばん大嫌いなのだ!人間より嫌いなのだ!」ドガァッドガァッ 落第アライちゃん「のりゃっ!のりゃっ!」ドガグシャ 草影「」ガサガサッ その時、草影が揺れた。 『チビ!?チビの声なのだ!チビ!』ガサッガサッ 余所アライさん「のだ!?」 落第アライちゃん「こ、このこえ、は…」ゼェハァ アライさん「ち…チビ…!」ガサッ 落第アライちゃん「お…おがー……しゃんっ……!」 …やってきたのは、先程小太りの男性と交尾していたアライさんであった。 小太りの男性から聞いたアライさん一家の様子を視察しに来たのである。 924 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/28(土) 22 28 20.56 ID h/a7U7+ZO 落第アライちゃん「おがーーしゃああああんっ!おがーしゃんなのりゃああああーーーっ!おがーしゃん!ずっとずっとあいたかったのりゃあああーーーーっ!」ビエエエン 落第アライちゃんは更に泣き出した。 尻の痛みとは別の涙である。 アライさん「チビ…お前…そんなに大きくなって…」 アライさんは動揺している。 余所アライさん「なんだ?お前、こいつの母親だったのか?」 余所アライちゃん「「「のりゃ~?」」」クビカシゲ 落第アライちゃん「おがーしゃん!だぢゅげでええーーっ!このやさいどよぼーがありゃいしゃんをいぢめゆのりゃああーーっ!ありゃいしゃんのききなのりゃあっ!」ピギイイィイジタバタ 落第アライちゃん「ぶっこよちてぇえーーーっ!このわゆものぶっこよちてええーーっ!おがあああしゃあああーーんっ!」ピギイイィイ アライさん「あ…あ…」 アライさんの脳裏に、かつて落第アライちゃんを産み落とし、母乳を与えて育てたときの記憶が甦ってくる。 925 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/28(土) 22 33 34.19 ID h/a7U7+ZO 余所アライさん「今の時期にこの大きさってことは…夏の終わり頃に産んだチビなのか」ガシィ グイイ 落第アライちゃん「ぴ、いぃ…!」ブラーン 落第アライちゃんは余所アライさんに尻尾を掴まれる。 アライさん「ち、チビに何を!」 余所アライさん「たあ~!」ポイッ 落第アライちゃん「のりゃっ!」ヒューン ドサッ ゴロゴロ… 落第アライちゃんは、アライさんの足下へ投げられた。 落第アライちゃん「い…ぢゃい…おが、しゃ…」ブルブル ガシィ 落第アライちゃんは、アライさんの足首をつかむ。 余所アライさん「お前…。子供をインターンシップに出した母親なら。アライさん達のルールは分かってるのだ?」コスリコスリ アライさん「っ…」汗ダラダラ アライさんは、汗をかいている。 926 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/28(土) 22 34 56.14 ID h/a7U7+ZO 落第アライちゃん「おがーしゃん…!ありゃいしゃん、おかーしゃんといっしょにくらちにきたのりゃああっ!」 アライさん「…」 落第アライちゃん「ありゃいしゃん、おかーしゃんといっしょがいーのりゃあっ…!はなればなれしゅゆの、さびちくって…!」ブルブル 落第アライちゃん「おがーしゃん…だいしゅきなのりゃあ…!おがーしゃんっ…!」ウルウル スリスリ 落第アライちゃんは、アライさんの足首に頬を擦り寄せている。 アライさん「…」 930 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/01(火) 17 59 33.44 ID TPonmpgRo アライさん「っ…チビ…帰ってきちゃダメって…言ったのだ…」 落第アライちゃん「うゆぅ!ありゃいしゃん、ほんとはずっとずっとずぅーーっとおかーしゃんといっしょにくらちたかったのりゃあ!」シッポフリフリ アライさん「…独り立ちすれば、お前は自由になれるのだ」 落第アライちゃん「じゆーなんていらないのりゃあ!ありゃいしゃん、ほんとーはいんたーんちっぷいくのもやだったのりゃ!」スリスリ アライさん「…」 読者の皆さんは、もはやお気付きであろう。 これまで本作に登場した野良アライちゃん達は、ことごとく人間に駆除されて死んでいった。 その一方で、登場するアライしゃんは、比較的生存率が高い。 これは何も、神の見えざる手がアライちゃん達に都合よく悪運を与え不自然に死へ誘うバイアスをかけているわけではない。 ただ単に、ヨチラーのアライちゃんは独力での生存能力が低いだけだ。 本来ならば、ヨチラーのうちは親に保護してもらい、二足歩行ができるようになってから独り立ちさせた方が、個体生存率がずっと高くなることは自明の理といえよう。 そう… 自身の種の繁栄のために生きる動物としての視点で見れば… ヨチラーのアライちゃん達は、明らかに、独り立ちするには早すぎるのである。 それ故に、野良アライちゃん達は、人に甘えたがる。 人にごはんをねだる。 愛情を求める。 本来であれば、まだ独り立ちするには早すぎるが故に… 人間に自らを母親がわりに保護してもらい、可愛がって貰うことを求めるのである。 931 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/01(火) 18 12 53.92 ID TPonmpgRo 落第アライちゃん「おかーしゃん!ありゃいしゃん、おかーしゃんとまたあえてうれちーのりゃあ!しゅきしゅきなのりゃー!」スリスリ アライさん「…他の姉妹はどうしたのだ」ナデナデ 落第アライちゃん「うゆぅ…はんぶんはしんじゃったのりゃ…」 落第アライちゃん「でも、ほかのおねーしゃんやいもーとたちは、ありゃいしゃんをおいてどっかいっちゃったのりゃ…」 落第アライちゃん「おいてけぼりされたのりゃ…。ありゃいしゃんかわいそーなのりゃあ…!」ウルウルシクシク アライさんは、愛しい我が子の頭を撫でる。 このアライちゃんは、姉妹の中でも特に甘えん坊で、独立心が弱いようだ。 落第アライちゃん「もうひとのすみかなんてこりごりなのりゃ!おかーしゃん!いっしょにもりでくらしゅのりゃー!」スリスリペロペロ 932 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/01(火) 18 43 05.73 ID TPonmpgRo アライさん「…ところで、森で暮らすはいいとして、チビ…」 アライさん「…ご飯はどうするつもりなのだ?」 落第アライちゃん「うゆぅ!おかーしゃんといっしょに、もりのなかでさがすのりゃ!ごはんいっしょにたべゆのりゃー!」 アライさん「…」 933 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/01(火) 18 43 32.41 ID TPonmpgRo つづく 知らないルール パート3へ戻る
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61 名前:アライさん親子と弱肉強食 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 04 21.08 ID 5Fhvi+MC0 [1/10] アライさん「うぅ、チビ達が生まれるっ…のだ!のだぁ!のだぁー!」ジタバジタバタ 今ここに出産を迎えようとしているアライさんがいる。 アライさん「の…っだぁああああああああああ!!!!」プリュップリュッ アライちゃん1「のぁー…」スポッ アライちゃん2「のりゃっ!のりゃっ!」スポッ アライさん「はぁ、はぁ、チビ達が生まれたのだ!アライさんに似てかわいいのだ!」ギュー 生まれたばかりのアライちゃんを手繰り寄せてギュッと抱きしめるアライさん。 アライさん「早速おっぱいをあげるのだ、立派に育って繁殖して群れを大きくするのだ。ん?」 余所アライさん「なのだー!」ガサッ ドタドタドタドタ 余所アライしゃん「なのだー!」ガサッ ヨタヨタヨタヨタ 余所アライちゃん1「なのぁー!」ガサッ ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん2「なのりゃー!」ガサッ ヨチヨチヨチヨチ 生まれたばかりのアライちゃんに授乳しようとした時に、アライさんの前に別グループのアライさん親子が現れる。 アライさん「なんなのだお前ら!?アライさんは今からチビ達に神聖な授乳をするところなのだ!余所者は邪魔だからどっか行くのだ!」フシャー 余所アライさん「たぁ~!」ドガァッ アライさん「のぎゃっ!」ゴロン 余所アライさん「ふんっ」ズシンッ アライさん「うぅ…いきなりなにを…げほぉ!」 アライちゃん1「のぁー!のーーーああぁぁん!!」ジタバジタバタ アライちゃん2「のりゃー!のりゃーーーーーん!」ジタバジタバタ 62 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 06 01.95 ID 5Fhvi+MC0 [2/10] なんと余所アライさんは突然アライさんに体当たりをかまして、更に倒れたアライさんの背中に馬乗りになってマウントを取った。 体当りされた際に放り出されたアライちゃん達は授乳させてもらえなかった事に抗議の声を上げている。 余所アライさん「このっ!このっ!アライさんの為にさっさとくたばるのだ!」バリッバリッバリッバリッ アライさん「うぎっ?!いぎゃい!いぎゃいのだぁ!引っ掻いちゃ駄目なのだ!アライさんが可哀想なのだぁああああ!!!」 余所アライさん「チビ達も早くそいつらを殺すのだ!巨悪を許しては駄目なのだぁ!」ガリガリガリガリッ 余所アライしゃん「あらいしゃんにおまかせなのだー!」ヨタヨタヨタヨタ 余所アライちゃん1「きょあくをやっちゅけるのぁー!」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん2「あらいしゃんのちゅよさをみせちゅけるのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ アライさん「やめるのだ!アライさんがせっかく産んだチビ達を殺しちゃ駄目なのだぁ!」ジタバジタバタ 余所アライさん「うるさいのだ!このこのこのぉっ、たぁ~!」バリバリバリバリバリバリッ アライさん「のぎゃああああ!!!いだいのだぁあーーーー!!!もうやべでぇえええ!!」 マウントを取られたうえに、出産直後でまともな抵抗が出来ないアライさんの後頭部を鋭い爪でひたすら引掻き続ける。 爪には赤黒くなった皮膚の血肉がこびりついて、引掻かれ続けている後頭部は一部頭蓋骨が露出している。 余所アライしゃん「かりごっこなのだー!」カプッ アライちゃん1「ぴぎっ!?のぁっ!のぁーっ!!ぴぃーーっ!!」ジタバジタバタ 余所アライちゃん1「ぶしゃいくなかおしてるのあ、こんなやついきてるかちないのぁ!あらいしゃんがやっちゅけるのあ!」カプッ 余所アライちゃん2「じゃくにくきょうしょくなのりゃ、あらいしゃんはちゅよいのりゃ」カプッ アライちゃん2「ぴーっ!?ぴぎぃいーー!!」ジタバジタバタ 63 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 09 05.37 ID 5Fhvi+MC0 [3/10] アライさん「やめるのだああああ!アライさんなにも悪いことしてないのだ!なんでこんな事するのだぁ!」 余所アライさん「うるさいのだ!お前達に生きてる価値ないのだ!フシューッ!!」ガジガジ アライさん「いぎぃいいいいいいい!!!いだいのだぁあーーーー!!!!」 両手で両耳を引きちぎる勢いで引っ張って、更に頭蓋骨が露出した頭に噛み付いて その頭を噛み砕んばかりの力を顎に込める余所アライさん。 一方でアライちゃん達はというと… アライちゃん1「ぴぃー…」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライしゃん「のだっ!」カプッ アライちゃん1「ぴぎぃ!のぁっ!のぁっ!」ビクゥッ ジタバジタバタ 余所アライしゃん「」パッ ドサッ アライちゃん1「のぁ?…なのぁ………びー………」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライしゃん「なのだっ!」ガブリッ アライちゃん1「のぁあああ!?」ビクゥッ 余所アライしゃん「のだっ!のだっ!」ブンブンブン フリマワシ アライちゃん1「ぴぎぃっ!?ぴぎぃいいいい!!」グルングルン 余所アライしゃん「ふんっ!」ポイッ アライちゃん1「のぎゃっ!」ビターン アライちゃん1「ぴ…ぴぃ………」プルプルプル アライちゃん1「……なのぁ…………」ヨチ……ヨチ……… 余所アライしゃん「のだっ!」カプッ アライちゃん1「ぴぃいいいいいいい!!ぴぎいいいいい!のぁああーーーー!!!」ジタバジタバタ 余所アライしゃん「かりごっこたーのしー、なのだー♪」シッポブンブンブンブン アライちゃん1は完全に余所アライしゃんの玩具にされていた。 64 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 12 01.44 ID 5Fhvi+MC0 [4/10] 余所アライちゃん1「いもーとよ!そっちのあんよをひっぱるのあ!」 余所アライちゃん2「きょあくをやっちゅけるのりゃー♪」キャッキャッ アライちゃん2「ふぎーっ!ふぎゃあああああっ!!!ふーっ!ふーっ!」フシャー 別の余所アライちゃん達は、片方がアライちゃん2の耳を もう片方は足に噛み付いて引っ張り合っていた。 アライちゃん2は精一杯の威嚇をするがまるで効果がない。 余所アライちゃん1「わっせ!わっせ!わっせ!」 余所アライちゃん2「わっちぇ!わっちぇ!わっちぇ!」 アライちゃん2「ふぎゃああああ!!!ふしーっ!ふーっ!ふーーーっ!!」フシャー 余所アライちゃん達は両方から体を引っ張って引き裂こうとしてるようだが まだまだ脆弱なアライちゃんの力では無理なようだ。 余所アライちゃん1「うぬぬ~……むりなのぁ」パッ 余所アライちゃん2「ちゅかれたのりゃぁ」パッ アライちゃん2「ふーっ!ふーっ!…ふしゃあああっ!」 余所アライちゃん1「さっきからしゃあしゃあうざいのぁ!」ガリッ アライちゃん2「ぴぎぃっ!?」 余所アライちゃん2「ちびのくせになまいきなのりゃ!」ガリガリガリッ アライちゃん2「のぎゃっ!うぎっ!…ふぎぃいいいい!!」ベチンッ 余所アライちゃん2「いぎゃっ!?………ひっく…ぐすっ……びえええええーーーーーーん!!!ひっかかれたのりゃあああああ!!!」ノダアアアアアアン 生まれたてのアライちゃん2にはまだ爪が生えきってないので正確にはビンタされただけなのだが 思わぬ反撃を食らった余所アライちゃん2はべそをかいて泣き始める。 余所アライちゃん1「うぬぬ~、よくもいもーとを!たぁ~!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ ドンッ アライちゃん2「ぴぎゃっ!」ゴロン 余所アライちゃん1「おまえなんてこうなのあ!」ノシカカリ アライちゃん2「ぴぎぃ!…の…っ……のりゃっ!のりゃっ!のりゃあああん!!」ジタバジタバタ シッポブンブンブンブン 65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 15 02.10 ID 5Fhvi+MC0 [5/10] 余所アライちゃん1「ふはははー、おかーしゃんみたいにやればはんげきされないのあ!あらいしゃんはかしこいのあ!」ピカピカガイジカオ 余所アライさん「おおー!チビは賢いのだ!さすがアライさんの子供なのだ!」ニコニコガイジカオ アライさん「……の………ぁ…………」ピクッ…ピクッ… 余所アライちゃん1は親と同じようにしてアライちゃん2の背中に馬乗りになって抵抗できなくする。 アライちゃん2は抜け出そうと必死にじたばたと藻掻いている。 余所アライちゃん2「のりゃああーーーーん!のりゃぁああああ!!おがーしゃーん!!!」ビエエエエエエン 余所アライさん「チビはいつまで泣いてるのだ!まったく、他のお姉ちゃん達と違って出来が悪い奴なのだ」 余所アライちゃん1「いもーとよ、わるいやつはおねーしゃんがやっつけたのぁ!ふくしゅーするといいのぁ!ふはははー」ボカボカ アライちゃん2「びええーーーん!のりゃーんっ!のりゃぁああーーーーん!!」ビエエエエエエン 余所アライちゃん2「うゆ…ひっく……ぐす………」ヨチヨチヨチヨチ 先程ビンタかましてくれた復讐相手の前に進む余所アライちゃん2。 余所アライちゃん2「さっきはよくもやってくれたのりゃ、あらいしゃんはおまえみたいなきょあくはゆるしゃないのりゃぁ!」バリッ アライちゃん2「いぎぃっ!のぎゃあ!!のぎゃああーーーん!!!」ジタバジタバタ 余所アライちゃん2「ふはははー、いいきみなのだ!あらいしゃんのかわいいおかおにきづつけたばつなのだぁ!」バリバリバリッ 余所アライちゃん1「あらいしゃんはつよいのだ!このこのっ!なのだー!」ボコスカボコスカ アライちゃん2「のびゃああーーー!!のびゃぁああああん!びぃーーーーー!!!」ビエエエエエエン アライちゃん2は後ろから頭をメタメタに殴られ 前からは顔をメチャクチャに引っかかれ続けてただ泣き叫ぶことしか出来ないでいた。 まだ未成熟な余所アライちゃん2の爪でも生まれたばかりのアライちゃん2の柔肌には十分脅威で ミミズ腫れに混じって皮膚が切り裂かれた部分から血が滲み出し、顔面が血だらけになっていく。 アライちゃん2「いぎゃっ!いぎゃあ!のびゃああー!……ふぐぅ!はぐぅううっ!!」カプッ 余所アライちゃん2「ぴぃっ!?いちゃいぃー!……のりゃ?いちゃくないのりゃ??」 アライちゃん2「ふーっ!ふぐぅううううっ!はぐっ!がぶぅうううううっ!!!」プルプルプル 余所アライちゃん2「ふはははー!あらいしゃんはちゅよくなったのりゃ!おまえなんかもうこわくないのりゃぁ!」バリバリバリ アライちゃん2「ふぎぃいいいいっ!はぐっ!がぶぅっ!」ハムハムハム 66 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 18 01.65 ID 5Fhvi+MC0 [6/10] 余所アライちゃん2は自分が強くなったと思い込んでいるが、手を噛まれても痛くないのも当然である アライちゃん2は生まれたばかりで、まだ乳歯も生えていないのだから。 そんなアライちゃん2は目をギューっと瞑って大粒の涙をボロボロ流しながら 恐怖と痛みで震える体に精一杯の力を込めて必死の抵抗をしている。 余所アライちゃん1「さっきからせなかにこいつのしっぽがあたってうざいのぁ!こんなものちぎってやるのぁ!」グイィッ 余所アライしゃん「のだぁ…あそびあいてがうごかなくなっちゃったのだ……」ヨタヨタヨタヨタ アライちゃん2「のりゃっ!のりゃーっ!のりゃああーーーん!!!」シッポブンブンブンブン 余所アライしゃん「のだ?おもしろそうなのだ!あらいしゃんもひっぱりたいのだぁ!」ガシッ 余所アライちゃん1「ちょうどよかったのぁ、ふたりでこいつのしっぽちぎってやるのぁ!」グイッグィイイイイッ 余所アライしゃん「わかったのだ!かぞくのうつくしいきょーどーさぎょーなのだ!」グィイイイイイッ アライちゃん2「のぎゃああああん!!のぎゃぁ!のぎゃぁ!」ビエエエエエエン 余所アライしゃんはアライちゃん2の太腿に両足を乗せて 芋掘りをする姿勢で尻尾を力いっぱい引っ張る。 やがて尻尾の付け根から何かが裂けるような嫌な音がして… ミチミチミチィッ ブチンッ アライちゃん2「のっ!?………のびゃあああああーーーーーーーんっ!!!びえええええっ!!!びぃいいいいいいいーーーーーー!!!!!」 余所アライしゃん「やったのだぁ!」 余所アライちゃん1「かぞくのうちゅくしぃぱわーのしょうりなのぁ!」キャッキャッ 余所アライさん「家族の仲良しパワーなのだ、アライさんのチビ達はみんな仲が良くて見てて心が温まるのだぁ。ん?」 アライちゃん1「……ま……マ…ァ………」ズル……ズル……… もう動かないと余所アライしゃんに飽きられてそこら辺に捨てられていたアライちゃん1だ。 体中に噛み傷と引っかき傷の痕があり、更には本来眼球があるべき場所は空洞になっていた。 目も見えずボロ雑巾のようになって動くたびに激痛が走る体に鞭打って母親の匂いを辿ってここまで這いずって来たのだ。 69 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 27 23.53 ID 5Fhvi+MC0 [7/10] アライさん「」ブーンブーン(ハエが集る音) 余所アライさん「なんなのだコイツ、まだ生きてるなんて気持ち悪いのだぁ。よっこらせっと」 アライちゃん1「……の……ぁ………ま……マァ…」ズル……ズル……… 余所アライさん「さっさとくたばるのだ」フミッ アライちゃん1「ぎびっ!……いぎっ……ぃ…っ……げぇ…!」 アライちゃん1の首を踏んづけて体重を掛ける。 余所アライさん「のだっ!のだっ!のだっ!」グッグッグッ アライちゃん1「げっ!げぇっ!げぼぇっ!」 ゴキリッ アライちゃん1「のっ!………げ……っ………ぇ………」ピク…ピク…… ビグンッビグッビググッバタバタバタタッ 余所アライさん「ひぃっ!?なんなのだコレ!??逃げるのだ!」ドタドタドタドタ 首の骨を折られ初めて見るゴキガイジムーブをするアライちゃん1を怖がり逃げる余所アライさん。 70 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 29 08.20 ID 5Fhvi+MC0 [8/10] 余所アライさん「おーい、チビ達!もうお家に帰るのだー!」パンパン 余所アライしゃん「おうちかえゆのだー」ヨタヨタヨタヨタ 余所アライちゃん1「たくしゃんあそんだのぁー」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライちゃん2「ぽんぽんがぺこぺこなのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ 余所アライさん「アライさん達のご飯も忘れずにお家に持って帰るのだ、チビ達も運ぶのだ!」 アライさん「」ズルズル… 余所アライしゃん「わかったのだー、わっせっ!わっせっ!」 アライちゃん1「」ズルズル… 余所アライちゃん1「あらいしゃんいいこだからはこぶのあー、わっせっ!わっせっ!」 余所アライちゃん2「まいほーむでおにくぱーちーなのりゃー!わっちぇっ!わっちぇっ!」 アライちゃん2「」ズルズル… 殺害したアライさん親子を引きずって自分達の巣に持ち帰ろうとする余所アライさん親子。 その口ぶりからどうやら巣の中で食べるようだ。 余所アライさん「チビ達も森の巨悪退治に慣れてきたのだ、アライさんは親として鼻高々なのだ!」ピカピカガイジカオ 余所アライちゃん1「これでまたもりがへいわになったのぁ!」 余所アライちゃん2「あらいしゃんたちはもりのおうじゃなのりゃ!」 余所アライしゃん「このちょーしではんしょくして、あらいしゃんたちのぱーくをちゅくるのだー!」 そんな意味不明な事を言いながら余所アライさん親子は死骸を引きずりながら森の奥に消えていった。 71 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 29 42.52 ID 5Fhvi+MC0 [9/10] …………… ここ最近森に住むアライさん同士による殺し合い・共食いが頻発している。 理由は元々あった森の恵みを無秩序に繁殖し続けるアライさん達によって食い荒らされ食糧難に陥っていた事に加え 農家がアライさん対策に力を入れ始め、アライさんの主な食料源であった畑荒らしが上手く行かなくなったことで ただでさえ少ない森の食料を奪い合う形になり群れ同士の衝突が絶えなくなったのだ。 元々どこまでも自己中なアライさん達が殺し合うようになるのは想像に難しくなく 自分の食い扶持を少しでも確保するために他の群れを間引きしようとする者たちが現れたのだ。 しかし、アライさん同士による間引き合戦より遥かに上回る繁殖スピードで食糧難は一向に改善されることはなく ついには共食いを始める群れが現れ始め、今ではアライさんの共食いなど日常的に行われる行為にまでなっている。 ちなみにアライさんの群れ同士による間引き合戦を続けていけば、いずれ生き残った一つの巨大な群れが出来るのではないかと 学者の間では危惧されたが、アライさんの襲撃対象は同じ母親のお腹から生まれた姉妹同士でも起こるので杞憂だった。 たとえ家族でもアライちゃんなどの姉妹同士では幼獣の間は母親の乳を奪い合い 成獣したら食料や縄張りを奪い合う生存競争の相手にしかならず、表面上では仲良くしても それは母親に良い子アピールをして少しでも自分が乳と食料を貰うためで、心の底では家族愛など無いのだ。 この一連によるアライさんの生態の変化はあったが 相変わらずアライさんによる無秩序な繁殖スピードによる農作物や 糞害による重要文化財の天井を腐らせる等の害獣被害は深刻であり 我々は油断せずこれまでと変わらずアライさんの駆除に力を入れ続けるべきである。 おわり 72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW e920-t7mH)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 11 36 58.38 ID 2P56DwNn0 [2/6] 乙です このアライさん達はどうやって繁殖してるんだろう? 単位生殖なら分かるが、アライグマ雄と交尾してるんならアライグマ餓死してそう 73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ eb2e-67iC)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 12 03 44.93 ID 5Fhvi+MC0 [10/10] 72 自分の中では通常の♂のアライグマとの交尾と人との獣姦で増える設定ですねー。 あとイケメン♂には交尾するために餌を献上してるので♂のアライグマはそんなに深刻じゃないです。 ♀の方は気に食わないけど殺したら自分達が繁殖できなくなるので手を出さないようにしてます。 自己中なアライさんですが、自分が繁殖するための頭は洗脳レベルで本能に刷り込まれてるのも アライさんが大増殖する要因ってことになってます。 74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 1b12-haA8)[sage] 投稿日:2017/10/28(土) 12 39 37.08 ID zNfRrNnl0 [1/3] 73 ということは、籠の中に雄のアライグマをブチ込んで森の少し開けた場所に放置しておけば、 遮蔽物もないのに発情期で馬鹿丸出しのアライさんがフラフラと不用意に寄ってくるわけですな? 入れ食い状態だけど、それを銃で狙うと音や匂いで警戒して近づかないかもしれないから吹き矢で迎撃すると。 アライさんのssへ戻る
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943 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 10 15 05.14 ID OiMRs/vTo アライさん「ち…ちび…」 落第アライちゃん「おかーしゃ…」 余所アライさん「お前!いつまでやってるのだ!」 アライさん「っ…」 余所アライさん「そのチビはアライさん達の食べ物を盗んだのだ。なんなら、アライさん達がお世話してやってもいいのだ」 余所アライちゃん1「なのりゃー」コスリコスリ 余所アライちゃん2「なのりゃー」コスリコスリ 余所アライちゃん3「なのりゃー」コスリコスリ 余所アライちゃん4「なのりゃー」コスリコスリ 余所アライちゃん5「なのりゃー」コスリコスリ アライさん「…」ダキッ アライさんは、落第アライちゃんを抱き抱える。 落第アライちゃん「おかーしゃ、おかあしゃ、しゅきしゅきなのりゃあ、おうちかえゆのりゃあっ」スリスリ アライさん「…」ノソリノソリ そして、余所アライさんの方へ歩み寄っていく。 944 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 10 21 29.94 ID OiMRs/vTo アライさん「…ちびを、頼むのだ」スッ 落第アライちゃん「うゆぅ!?」 そしてなんと、我が子を余所アライさんへ差し出した。 余所アライさん「ふははー!おい泥棒、お前はいいお母さんを持ったのだ!」ダキッ 余所アライさんは、落第アライちゃんを抱き抱えた。 余所アライさん「お前とはいいご近所付き合いできそうなのだあ!」ギューッ 落第アライちゃん「ぴいいいいぃぃぃいっ!ぴいぃぃーーーーっ!!」ジタバタ 先程自分の尻を死ぬほど蹴りまくった相手に抱き抱えられ、落第アライちゃんは大声で泣きじゃくっている。 落第アライちゃん「おがーーーしゃあああーーんっ!やなのりゃあああーーーーっ!こいつやなのりゃああああああーーーーっ!!」ビエエエン 落第アライちゃん「こいつありゃいしゃんをいじめたのりゃあ!ありゃいしゃんなんにもわゆいごどじでないのにぃ!ありゃいしゃんのおちりぶったのりゃあああっ!」ジタバタ 落第アライちゃん「おがあしゃ!こいつぶっこよちてええええっ!おかああしゃあああああんっ!」ピギイィィジタバタ アライさん「…チビを頼むのだ」 余所アライさん「任せるのだ!アライさんにお任せなのだ!さあチビ、アライさんの代わりに黄色いツブツブのお野菜を持つのだ」 余所アライちゃん1「なのりゃー」ガブゥ 余所アライちゃん2「なのりゃー」ガブゥ 余所アライちゃん達は、畑から盗んできた秋トウモロコシを口に咥えた。 アライさん「…!?」 945 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 10 35 18.90 ID OiMRs/vTo アライさん「お前達…その食べ物はどうしたのだ!?」 余所アライさん「のあ?アライさんが平地になってる自然の恵みを採ってきたのだ!」ピカピカガイジガオ 余所アライちゃん1「おかーしゃんはすごいんだぞぉ!」ピカピカガイジガオ 余所アライちゃん2「いだいなんだぞぉ!」ピカピカガイジガオ 余所アライちゃん3「いだいなんだぞぉ!」ピカピカガイジガオ 余所アライちゃん4「のりゃ!のりゃ!」シッポフリフリ 余所アライちゃん5「のりゃ、のりゃ」 アライさん「…まさか、あっちの方にある人間の畑から採ったのか?」ユビサシ アライさんは、トウモロコシ畑の方を指差す。 余所アライさん「畑じゃないのだ!あそこは人がいなかったから!自然の恵みなのだぁ!」ギューッ 落第アライちゃん「いぢゃいのりゃあ!」ピイィィ アライさん「いやいや…その黄色いツブツブは…!お前が見たときたまたま畑に人がいなかっただけなのだぁ!」 余所アライさん「うぬぬぅ…!何度言っても分からない奴なのだ…」 アライさん「そっちこそ分からない奴なのだぁ!」 アライさんと余所アライさんは睨み合っている。 946 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 10 40 05.78 ID OiMRs/vTo アライさん「なんならそこへ案内するのだ!」 余所アライさん「うぬぬ…アライさんはお前から泥棒チビを貰ったのだ…。一旦こいつを巣に置いてから案内してやるのだ」ドタドタ 落第アライちゃん「どこいくのりゃあ!おかーしゃんのおうちそっちじゃないのりゃあ!」ジタバタ 余所アライちゃん達「「なのりゃ!なのりゃ!」」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ アライさん「…」ザッザッ 一行は、余所アライさんの巣穴がある木のところへ向かった。 そして落第アライちゃんと余所アライちゃん達を木の巣穴へ入れ… 余所アライさんとアライさんの二匹で、秋トウモロコシを採った場所へ向かった。 947 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 10 49 58.64 ID OiMRs/vTo ~秋トウモロコシ畑~ 余所アライさん「ここなのだ!お前にも黄色いツブツブの食べ物をお裾分けしてやるのだ!」ガサッ アライさん「どれどれ…」ガサッ トウモロコシ畑には… 農夫「……」ブチブチ …先程余所アライさんが見たときにはいなかった農夫がいた。 農夫は、秋トウモロコシの実を食い尽くされた苗を地面から引っこ抜いている。 その顔には悔しさと悲しみと怒りが滲んでいた。 余所アライさん「のあ?あいつ、アライさんの餌場で何やってるのだ?」キョトン アライさん「」 余所アライさん「分かったのだ!あいつ、自然の恵みを独り占めする気なのだ!文句言ってきて…」 アライさん「おい、お前…あいつに謝ってくるのだ」 余所アライさん「のあ?何でなのだ!あいつはきっと独り占めしようと…」 アライさん「お前、あれが畑じゃないって言ってたけど…。お前は畑をどんなだと思ってるのだ?」 余所アライさん「知らないのだ!」 アライさん「あれが人間の畑なのだ!」 余所アライさん「ええーーっ!!?」 余所アライさんは驚き、大声をあげた。 アライさん「あっバカ!は、早く謝ってくるのだ!」ガサッ アライさんは草の茂みに隠れた。 農夫「てめえかぁ!うちのトウモロコシを盗んだのは!」ザッザッ 農夫は余所アライさんに気付き、近付いてくる。 948 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 10 59 50.63 ID OiMRs/vTo 余所アライさん「う、うぅー!納得いかないのだぁ!アライさんが最初に見つけたのだ、アライさんのものなのだ!」 農夫「ああ!?クソ害獣が!!うちの畑に手を出してなかったから見逃してやってたが、もう我慢ならんわ!」 アライさん「」タタッ ガサガサ… アライさんは即座にその場から逃げ出した。 余所アライさん「う、うぬぬ~…!仕方ないのだ…。お前にもそこの食べ物を分けてやってもいいけど、独り占めはしちゃダメなのだ!分かったか!?」 農夫「う…」 農夫「うっ…!」ワナワナ 農夫「ヴッ!」ブチン! 余所アライさん「?」 農夫「ヴンギャマエヴィティリゴッポコポオォォ―――ッ!!」ブチギレ 農夫はブチキレた。 余所アライさん「わああ、逆ギレしたのだ!人間を怒らせたらやばいって母さんが言ってたのだ、逃げるのだぁ!」ザザザザ 余所アライさんは、謝りもせず逃げ出した。 950 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 11 16 03.51 ID OiMRs/vTo … アライさんは、自分の子供たちがいる木へ戻っていた。 アライさん「はぁ、はぁ…」ゼェハァ アライさん「ち、チビ…」ヨジヨジ アライさんは、木の穴を覗き込み、子供達の様子を見た。 アライちゃん1「むにゃむにゃ…」zzz アライちゃん2「すぴー…すぴー…」zzz アライちゃん3「くー…かー…」zzz アライさん「…」 アライさんの子供達は、もうすぐ離乳期が来るだろう。 食べ物がほぼ入手できなくなる季節…冬の訪れと、どちらが先であろうか。 アライさんの食糧の備蓄は、小太りの男のおかげで少しは増えたが… それでも、子供達をきちんと一人前のヨチラー(?)に育てるには足りない。 アライさん「…あの男がまた来てくれるのを祈るしかないのだ…」スッ アライちゃん1「うゆ…」 アライちゃん2「のりゃ…?」 アライさん「さ、チビ達。いっぱい飲むのだ」スッ アライさんはハムスター程度の大きさの子供達を持ち上げ、乳首をしゃぶらせた。 アライちゃん1「ちゅぱちゅぱ…」チューチュー アライちゃん2「ごくっごくっ…」チューチュー アライちゃん3「のだー!のだぁー!」シッポフリフリ アライさん「やっぱりチビ達は可愛いのだ」 951 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/06(日) 11 17 40.37 ID OiMRs/vTo つづく 954 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 14 01 38.73 ID WsE9wHPX0 乙 農夫さんかわいそう 一帯からハエガイジはよ死滅しろ 955 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 20 39 53.22 ID EBTPJxhS0 乙でしゅ 知識に差があるのは面白いね。秋に農作物を育てるのは大変だろうし農夫さんには報われて欲しいな・・・ 957 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 22 42 12.10 ID TgDuzFULO 乙です アライさんが如何に気持ち悪い存在か再認識したわ 農夫さんには頑張って皆殺しにしてほしい 959 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/07(月) 18 56 46.12 ID IxwxeGzS0 逃げるんじゃねえぞ… 960 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/07(月) 20 55 01.13 ID kovPzc2Wo アライさんからすれば、自分に対して怒りを覚える人間は全員が逆ギレするやべー奴なんかな 961 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/07(月) 21 35 12.44 ID Gm3aaVRl0 960 今回の例は、農作物を農作物だと、つまりは人間が作った農夫の所有物であると思ってないので逆切れと認識してて 例えばアライさんが、飢えに飢えて、人間が手に所持している食料を奪ってキレられたら、正当に怒ってると認識はすると思う (ただし申し訳なく思うかは保証できない、もう何日も食べてなくてアライさんの危機なのだ、これくらい寄越すのだケチくらい思う可能性は大いにある) インターンシップに送り出す親と、行きたくない子と パート3へ戻る