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三崎城 小田原城 石垣山城
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佐助は書院に入り、信玄に対して乱暴に頭を下げた。 「そう怒るな。――幸村は、こうと決めたら誰の言うことなど聞かぬところが あることくらい、そちも知っていよう」 「そうですけどねぇ! なんで止めないんですか!? 旦那がどこに行くかなんて分かりきってるし、 しかもあんなの用意して! いっそ出家でもさせたらどうなんです!?」 顔を上げると同時に、矢継ぎ早に佐助はわめいた。信玄はおかしそうに笑うと、 扇で背をかく。鷹揚とした動作が、本気で腹立たしい。 今頃幸村は、愛馬を駆って奥州に急いでいるだろう。行く場所も、会う相手も分かっている。 先回りして止めようと思ったところに信玄の呼び出しが入り、佐助の計画は頓挫した。 「佐助。儂の妻は、京より参った。顔も知らぬ女子であった」 「……普通、そうでしょ。俺だって、里から言われたら、どんな相手とも結婚しますよ」 「戦に出て先陣を斬るような女が、普通か?」 「っ――」 佐助は奥歯をかみ締める。 真田家の女当主ともなれば、いくつもの縁談が舞い込むべきだろう。 だが、幸村は並み居る武田諸将の誰よりも武勇誉れ高い。若い男は幸村に対して引け目を感じるようになり、いつしか縁談など遠いものとなっていた。 「男を見つけ、己で選ぶ。幸村は、それくらいで丁度よかろう」 佐助は不機嫌だった。 なんであんな男なんだ。もっと、他にいるだろう。 傍にいて、幸村を大切にしてくれる人。 ――いる。そう、いるはずだ。 「……もっと、いるでしょ。旦那を大切にして、真田の家を盛り立ててくれる人が」 「そのような男に、幸村が御せるとは到底思えぬわ」 信玄はおかしそうに笑い、懐かしむように目を細めた。 「全身全霊をかけてぶつかれる相手が見つかった。よいことではないか。 ……それがたまたま、敵将であっただけよ」 これでよかったのだろう。戦に出て、干戈を交えるような相手を、幸村は選んだ。 それが、幸村の定めなのだろう。信玄といえども、どうすることもできない。 別れの時に、信玄は幸村の体を久方ぶりに抱きしめ、髪を撫でた。 しなやかな体。甘く香る髪。いつの間にか「女」になっていた。 娘を嫁に出すよりも辛いな、と幸村を撫でた手を見た。 信玄の知らない甘い匂いが残っていた。 炎の微笑17
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すまん、何となく思いついただけなんだ。 ほんの出来心。 こんな三人娘に囲まれた食事というのもどうですか? 「は~い、今日の夕飯出来たよ」 前掛けを外した佐助が器用に両手でいくつものお膳を持ちながら入ってきた。 「今日はちょっと奮発しちゃった」 てへ、と軽く舌を出しながら笑う顔は中々可愛らしい。 これでいて夜はあの色艶だ、堪らない。 「貴様、これは何ぞ」 自分の目の前に置かれた膳に載せられた碗を指して、元就は佐助を睨み付けた。 「お隣の片倉さんから新鮮な野菜もらっちゃったんだ、うちは色々と食う人多いから助かるな」 それにしても片倉さん良い男だよね~、と暢気に言いつつ、佐助は脇から手を伸ばしかけた幸村の手を叩いた。 「おっと、アンタは共食いになっちゃうかな、オクラの味噌汁」 「そいつはどういう意味ぞ」 剣呑な雰囲気でがたりと立ち上がる元就は、どこに隠し持っていたのか采配を取り出して構えた。 佐助もその雰囲気を察して、すすっと間合いを取ってくないを構えた。 「ちょっと待て、佐助!」 真剣な顔をした幸村が二人の間に割って入る。 「なーに、真田の旦那、こっちは取り込み中なんだから!」 いつもの穏やかな彼女ではなく、物凄く剣呑な仕事の顔をしている佐助にくじけそうになるが、 ぷるぷると頭を振って勇気を振り絞る。 「せっかくの料理が冷めてしまうではないか、勿体無い!」 そう言った瞬間、幸村の腹が盛大な音を立てた。 すっかり毒気を抜かれた二人は、素直に得物をおさめて席に着いた。 「では、いっただっきまーっす!」 幸村の明るい声と共に、皆が箸を取る。 嫁と差し向かいに黙々と食べ続ける愛人の神経もどうかと思いつつ、 まったくマイペースな幸村の豪快な食べっぷりに、ただ感心するしかなかった。
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《BASARA1にて》 謙信「うつくしきつるぎ。そなたは たけだのしのびと よくにたぶきやわざを しようするのですね」 かすが「えぇっ!? ……そ、それは同郷で学んだためかと思われます。 決して意識しているわけではございません。 謙信さまが不快だと申されますのならば、今すぐにでも 違う武器や技を使用いたします」 謙信「ふふ……かまいませんよ。 それに おなじようなぶきやわざをつかうほど たけだのしのびとそなたのなかがよくても わたくしはふかいともおもいません」 かすが「わっ、私とあいつは仲が良くなど……!」 謙信「かくさなくてもよいのです。 だんじょのなかがよいというのは とてもよいこと…… いつかこのらんせのじだいがおわって へいわなよのなかになったら そなたたちもめをととなり ちからをあわせるときがくるかもしれませんね そう まえだのめをとのように……」 かすが「夫婦!? (自分と佐助が利家とまつのように振る舞うところを想像する)」 《BASARA2にて》 佐助「あれ? 武器変えた?」 かすが「うるさい」 佐助「つれないねぇ……。忍び同士、仲良くししない?」 かすが「誰がお前なんかと! め、夫婦になどならないからな!」 佐助「夫婦?」 こんな感じで一人考え込んで佐助を気にし始めるかすが
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風魔が伝説と呼ばれる理由… それは風魔という存在を目撃した敵を 例外なく抹殺したゆえであっった。 風魔は静かに、そして冷徹に、 佐助とかすがの抹殺を 敢行したのであった。 佐助、これはどういう事だ! 知るかよ!来るぜ、構えろ! 【最終章 風魔、全てを抹殺】天王山抹消戦 【抹殺開始ムービー】 そ、そんな…!?なんで…! ちっ…しゃあねえ…! この世に存在しない忍、考えてみりゃあ簡単な事だった 姿を見た敵は全部消すって事だ 来るぜ! あんたがその気ならそれでもいいさ… 返り討ちにあっても、文句は言うなよ こんな所で…やられるものかっ 【多重分身ムービー】 はっ!やっ!はっ! 分身の術、多重! 双忍術 多重分身 あんたにゃいい事を教えてやる 一つ…俺様は見かけほど甘くはない 早く帰りたいんだ…消えてくれない? 貴様が誰であろうと構うものか 伝説という呼び名で、私を殺せると思うな! 二つ…甘くないのは、この女も同じ これは北条の思惑か それともあんたの本質か なぜだ!なぜ私達と行動を共にしたんだ! 理由を聞くなんざ野暮なだけだ 殺す時は殺す、そういうもんさ 期待なんかするなよ…ここからはどん底だ こういう時だけは忍で良かったと思うよ あんたは…あんただけは、ここで消す 【雷塵ムービー】 ふっ!やっ!やっ! 禁術、雷塵しょうらん! 禁術 雷塵 三つ…! ……さいなら、あんたはここで死ぬ これで終わりだ、風の悪魔! 消し炭となって消え失せろ! かすが、今回ばかりは助けられねえ 自分の命は自分で守れ 大した口のききようだな…私を見くびるな 忍ってのは死ぬときゃ一人だ あんたもそうやって生きてきたんだろ ……………… なら分かってるな…かかる火の粉は振り払う あの世で好きなだけ恨むがいいさ 苛まれて消えなよ、あんたにはぴったりだ 【猿飛佐助抹殺完了】(佐助を先に倒した場合) ぐはっ…畜生……! あ…ああ…!……よくもっ! 【かすが抹殺完了】(かすがを先に倒した場合) そん、な…謙信、さま…… か、かすがーーッ! 【抹殺完了ムービー】 あく、ま………(倒れるかすが) くっ…かすが… (交錯する佐助と小太郎。一瞬後、佐助が崩れ落ちる) ぐ…はあ… (忍刀をしまう小太郎。手裏剣に火をつけ、大木に投げる) 【エンディング】 (森を駆け抜ける小太郎。燃える天王山を木の枝の上から見つめる) (佐助とかすがの鳥が天王山へ飛んでいく)
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信玄と謙信の仲を深めるという目的が第一だったので、それを遂げるまでは 協力的でいられた。だが主人達から身を離した瞬間から、忍び達の間には、どことなく 気まずい空気が漂いはじめ、とてもふたりを見守るどころではなかった。 互いに、自分の主を相手にのめり込み過ぎたのではないか、という軽い嫉妬心は 持っていた。だがそれは今のふたりにとっては些細なことであって、苛立ちの矛先は もっと別の問題に向けられていた。 かすがは、当初の目的を見失い、感情に身を任せてしまった佐助を責めるより、むしろ、 謙信が佐助を惑わせ、彼の熱い眼差しを独り占めしたように感じたことで、強い 嫉妬の念を抱いてしまった。そのことが自分でも信じられなくて、心の整理がつかない。 (ま、まさか私は…畏れ多くも、あの御方に嫉妬を…?そんなこと、あるはずが…っ) 自分が考えていた以上に佐助への想いが大きかったことに戸惑い、彼の顔を まともに見ることができない。 佐助の方は、そうやってかすがが沈黙を決め込むのは、自分の行いにうんざりし、 ほとほと愛想が尽きてしまったせいだと思い込む。 (あぁ、かすが…怒っててもいいから…何か言ってくれっ…そんな態度とられ続けてちゃ 耐えられないんだって、俺…) たやすく熱に浮かされ、彼女の愛する主人を辱めて自分の心を満たしてしまった。 その軽率さをひどく後悔する。 「お前が謙信様に欲情するなど百年早い」「だらしのない男め」などと悪態を つかれるか、苦無でも投げつけてくれたほうが、まだ気が楽だ。変に目を逸らして 黙りこくられると、弁解も詫びも入れる余地がないように思えて、かすがに対しての 後ろめたさと不安だけが募っていってしまう。 胸や尻をいたずらするように触ったり、肩を抱いてやったりしてごまかすことも できるだろうが、今の佐助にはそんな軽々しい振る舞いなどできないくらいに 胸の内が混乱している。 隣同士に座り、時々顔を見合わせるも、 「…なんだ、佐助?」 「なんだ、って何が?」 「理由もなく、じろじろ見ている奴があるかっ」 「あー、いやその…かすがの方こそ、こっち見てない…かなーっ、なんて思ってさ」 「べっ、別に…お前の方なんか、見てないからな…全然…」 「そう、そっか……な、何言ってんだろねー俺、ははっ…」 「…ふん、ひとりで笑ってろ」 (ああ、だめだっ…佐助の顔を見るだけで…緊張する……) (だああぁ…俺の馬鹿っ…他に言うことがあんだろーが!) 忍びの性なのか、表情だけは感情を読まれぬように平静を繕っているので ますます互いの本心が見えない。 どちらも意識しすぎてしまって、自分から触れることも話しかけることもできない。 その重たい空気に耐えきれなくなったときに、なんとなく目を逸らし、とりあえず 向かい側にいるふたりの主達の様子を見て気を紛らわすといった具合である。 忍びたちの心中は全く穏やかではない。そのせいで、謙信らが怪しい表情を 浮かべていることにも殆ど注意がいかない。 信玄と謙信は、密談を終えたところで絡めた体をとき、まずは佐助の元に近寄る。 忍び達は、主達が接近してきた時に初めてふたりの態度の変化に気づき、 「…あ、あれっ、もう終わっちゃったの、ふたりとも?」 何事が起ころうとしているのか察しようとする。だが既に遅い。 「まだ終いには早かろう」 「ふふ、おまえたち………かくごなさい…」 武田軍×上杉軍29
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実体のない影とは違い、陽の気に溢れた太くて硬くて熱い、しかも幸村の初穂だ。 「旦那っ…だんな…」 根元まで咥えたらば僅かに捻りを入れながら腰をあげる。 自分の小さな胸を揉みながら、肉を掻き回される感触に酔う。 幸村も、食いつくような佐助の柔肉に夢中になり、気がつけば佐助の細腰をがっしりと掴み発条のきいた動きで腰を突き上げていた。 狭い肉を広げれば、ざらついた感触が幸村の亀頭を刺激し、それに夢中になれば不意に吸い上げるように締め付けられる。 「くうっ…佐助ぇ…」 「あんっ…旦那、もっと、もっとだよ…足りないよう…」 乳首を摘みながら、空いた片手は幸村を受け入れている場所へ向かい、律動に震える肉の芽を撫でる。 途端にきつく閉まった女陰に幸村はたまらず精を吹き上げてしまう。 奥深くへ注がれる熱さに佐助はのけ反り、自分から腰を押しつけ最後の一滴まで絞り取ろうと腰を回す。 はっ、はっ、と立て続けの放出に息を荒げる幸村を愛しげに見下ろすと、まだ中にいる男根を意図してきつく締め上げる。 「うっ…!?」 「旦那、まだ足りないっていったでしょ?」 もっと、もっと幸村の精液を飲ませてとねだる佐助の巧みな動きに抗えず、淫らな笑みに見とれながら幸村は促されるままに腰を使うしかなかった。 めくらの恋15
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関東地方 茨城県 結城城 栃木県 足利氏館 宇都宮城 群馬県 埼玉県 千葉県 久留里城 東京都 神奈川県 小田原城
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「すまねぇ、遅くなった。大丈夫か?」 佐助は漸く妻と再会した。 遠征から帰ると家が蛻の殻になっていて、手掛りを元に荒っぽい方法で捜し出した。 力ずくだったが今はそんな事に構って居られない。 「平気」 少し痩せた妻は健気に答えた。 その目立って来た腹に佐助は手を当てて話し掛ける。 「おーい、父ちゃんだぞー。ただいま」 ポコン、と何かが妻の腹の中で跳ねた。 「ははっ、返事してら」 男か女か生まれるまで分からないがどちらでも良い。今から楽しみだ。 「じゃ、我が家へ帰りますか」 妻を抱え大鴉に掴まって空を飛びながら気がついた。 (そうだ、名前考えなきゃな) 親から一文字ずつ取ろうかと考えたがどうも上手くいかない。 妻の顔を見る。月下為君、軍神の懐刀――。 「あ」 「何?」 佐助はヘラっと笑う。 「いや、別に」 一緒になって欲しいと妻に差し出した、深い翠色を湛えた翡翠の玉簪。 (女なら翠も良いか) もう一つ忘れていた事を思い出した。 「なぁ、帰ったらそばがき作って」 「良いけど……」 妻が怪訝な顔をする。 正月の蕎麦切りならまだしも、そばがきを食べたがるのは珍しい。 「よーし、しっかり掴まってろよ!」 佐助は速度を上げた。 ――早く帰ろう。そばがき食べて、子どもの名前考えて、仕事もしなくちゃ。 ああ、それにしても疲れたな。帰ったらまず一眠りしよう―― 一番大事な光を大切に抱えて佐助は飛ぶ。 暁の中、その姿は朝日へ吸い込まれて行った。 うたかた追記
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「何が悪い!」 詰め寄って行くと珍しく佐助も怒った眼差しで見返してきた。 「何もかも悪いよ!もー人質の処理は俺に任せておいてよ忍びの仕事でしょー?」 「惚れたお方が囚われているならば助け出すがもののふというもの!そこを退け佐助ェッ」 怒号に佐助が立ち向かう。 「仕事を全うするのが一流の忍びの心意気ってモンですよ旦那!そこで見てて下さいよ!」 暫し火花を散らし、間合いを計る。佐助とは幾度も手合わせをした、と言うか修練に付き合わせた。 その技はよく知っている。佐助もこちらの技も間合いもよく知っている。 湯気がたちこめる室内。腰を落とし手を……なんと!槍を忘れた! 「……何やってんだあんたら」 腰の辺りまで湯に浸った独眼竜が呆れかえったように呟いた。 髪先からぽたぽた落ちる滴が桶に波紋をつくる。 いくつかが胸乳に落ちる。 「っ、失礼致した、その、ままままさむね殿を放っておくつもりではござらぬ、その何か希望は」 「手枷外せ、後は自分で体くらい洗える」 か、体を洗う!そう言えばそう、確かにそうだが何たることだ。 「了解致した、たたたしかに佐助に洗わせるわけにっ」 視線を逸らしたり落としたりしながら政宗を吊しあげている手枷に腕を伸ばすと、 「駄目だっつってんでしょうが!何どもりまくってんの旦那!逃げられたらどうすんの旦那!」 後ろ頭をぺしんと叩かれた。 「し、しかし男がみみ未婚の婦女子に触れるなどはははれんち極まりな……」 政宗の綺麗な背筋に汗が浮いて、つうっと滑りおちていく。 短く切られた髪から覗くうなじ、それがくっと捻られて幸村を見上げる。 「ha、おめでてーなとっくに触られてるぜ」 蒸されて上気した頬、その赤みが左右で違う。 いや、そもそも揺れる胸の片方にある爪の痕。至近距離での再確認に頭が殴られたような気持ちになった。 「さぁぁぁーすけぇぇぇぇーっ!」 お前力一杯握っただろう! 「だーっ!だからね旦那!何度繰り返す気なのどんだけテンパってんの!ああもう俺知りませんよ知りませんからね? 今すぐここ出て行くか独眼竜丸洗いをそこで見ているか、どっちか選んで!ホラ早くそら早く!」 幸村は迷わず佐助の額をぺしんと叩いた。 「俺がやる」 鉢巻きを握りしめて引きずり下ろす。うむ視界は塞がれた。 「あのね湯浴みの手伝いって言っちゃなんだけど下っ端の仕事でしょうが!なんで旦那が奉仕すんの!」 「佐助に任せると虐待をはじめる!」 手探りで気配に腕を伸ばす。指に張り付くような濡れた髪の感触。 「Ha!虐待でも拷問でもかまいやしねえよ、やるだけやってみな」 挑戦的な声に、髪をなで下ろす。引き寄せて自分の胸に抱え込んだ。 胸元に細い吐息がかかる。 思いの丈をこめ、弱った体に伝わるようにゆっくりと語った。 「政宗殿、某を佐助と一緒にしてくれるな。好いたお方を傷つけるような性癖は持ち合わせておりませぬ故」 「俺は独眼竜好きじゃないですよ旦那、いいからホラ止める、俺がするからさ、 今日はもう叩かないし殴んないから、だーんーなー!」 肩を押さえられたが腕は放さない。 「っ、」 苦しそうな政宗の吐息。申し訳ない政宗殿。 「今日は、では駄目だ!」 「んじゃどーすんの独眼竜を!」 「娶りたい!」 迷わず答える。 「……No……」 細い吐息が声を絞り出す。 「ホラ断られてんでしょうが一日に三度も!ああ解った、じゃあこうしよう独眼竜の気持ちはいったんおいといて、 とにかく丸洗いの上予定通り仕込みます、だから後は俺に任せてだん……」 見当だけで肘を繰り出した。気配がひょいと飛び退く。 片腕だけで捕まえた独眼竜が忙しい息を繰り返す。 「お苦しゅうござったか、申し訳ありませぬ……が佐助!お前それでは何一つ譲歩しておらぬぞ!」 「この程度で俺が弱音はくと思うか?」 「嘘だろー旦那が見抜いたよ、恋って凄いね」 目隠し越しに睨むつもりで声がする方向を振り向いた。 とたんに目隠しの布端が引っ張られて結び目がとける。 長くたなびく鉢巻きの片端は、政宗と己の体の合間に挟まっていた。 上田城の虜17