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その頃、武田領では 「御館様あああああああぁぁぁぁぁ!!!」 夜の屋敷に暑苦しい叫び声が響いている ドタドタドタドタドタッ… 「御館様はどこにおられるのですかああぁぁぁぁっっっ!!!」 幸村が信玄を探しに走り回っていた。 「おい、お前知らないのか?」 「いや」 「信玄様も居場所ぐらい伝えて出かけられたらいいのに…」 家臣達は呆れつつもほとぼりが冷めるのを待った 「御館様ああああああああああああああああああああぁぁぁぁっっっっっっ!!!」 ちなみに叫び声は信玄が帰ってくるで続いたという その信玄はいうと佐助と共に川中島にある山の山中を歩いていた 佐助から傷を癒す秘湯があると話を聞き、興味を持ったからだ 何でもそれは忍者の間で昔から伝えられた温泉でそれを知るのは彼らの同門ぐらいである 馬の蹄の音が静かに鳴り響く 「もうすぐですぜ、旦那」 「おお、すまぬな。佐助」 「なんのなんの、これくらい御安い御用ですぜ…ところで真田の旦那にはここに 行く事伝えたんですか?」 佐助の問いに信玄は一瞬、動きが止まった 「おお、うっかり忘れおったわい。まあ、すぐ帰るから大丈夫じゃろ」 (えっ?! 言わないといろいろと面倒なんじゃないかな…旦那の事だし) 呆気に取られた佐助の予感は図らずも当たっていた 二人がしばらく進むと真っ白な湯気が立ち上るものが見えた 紛れも無い温泉である 「源泉に近いので少し熱いですけど…」 「なに、熱いくらいがちょうどいいわい」 信玄はハハッと笑うと温泉の方へ進み出た 「やれやれ、年寄りは熱い風呂がいいと言ったもんだ………?!」 佐助はふと何かの気配を感じ取った 星合の空5
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「佐助ぇ!佐助はおらぬか!!」 ほぼ毎日のように繰り返される、幸村の佐助呼びは、今や一種の名物となっていた。 兵士に今日も精が出ますねなどと言われ、おう。と実に男らしい返事をするのも、定番の一つである。 「はいはーい、姫様呼びましたー?」 そして呼べば必ず、佐助がどこからともなく現れるのも然りであった。 「む、姫様はよせと申したはずだ」 「でもあんた姫様でしょうが」 「お館様まより戴いた、幸村という名がある!」 「なんだって大将も、大事な姫様に男名をわざわざあげるかなあ」 「佐助!お館様の命名を愚弄するか!」 「してないしてない。してないからちょっと槍振り回さないでよ危ないから!」 二槍を軽々と振り回す、恐るべき姫様の攻撃をかいくぐり、どうにか弁解をしてみる。 ならばよいのだが、と意外とあっさり矛先を引っ込めてくれたのに、ほっと安堵の息を吐く。 正直、幸村の攻撃を食らって、五体満足でいられる自信はない。 「まあ、呼び方はまた追々考えるとして、用件はなんです?」 呼ばれたからには、何かしら用があるのだろう。 でなければ給金を貰っている意味がない。たとえそれが雀の涙ほどであったとしてもだ。 「ああ。いや、文を戴いたのだがな、書いてある意味が難解で分からんのだ」 そのくらいのことで、屋敷中に響き渡る声で呼ばんでくださいとは思ったが、 懸命にも思うだけにとどめて、その文を受け取った。 簡単に読み飛ばしていた佐助の表情がどんどんと険しくなるのを見て、幸村は思わず首を傾げる。 「どうした佐助。それほどまでに悪いことが書いてあるのか?」 「……あんた、本当に意味が分からないの……?」 地を這うような低音に不安を覚えつつ、ああ。と一つ返事をした。 何かがぷちりと切れたような音がした。 「これ、求婚の文でしょうが!あんたなんで分からないのーっ!!」 先刻、幸村が佐助を呼んだよりも、遥かに大きな怒号が屋敷にこだました。 求婚、という単語を聞いた幸村は、たっぷり数十秒固まってから、 破廉恥ぃいい!と叫びながらどこかへ行ってしまった。 「……求婚の文で破廉恥って言ってるようじゃまだまだかなあ」 適齢期に差し掛かって久しい主を思わず見送ってしまい、ため息を吐きながら文を焚き火にくべた。 芋が焼きあがったら、逃げた幸村と共に食べよう。 そんなことを思いながら、火の番を任せて、逃亡した主を探しに向かった。 文は、幸村と同じくらいの「姫君」がいるという旧家からであった。 いずれ生まれ来る日の為に3
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「見ーちゃった」 縁側を歩いていると、頭上から声がかかった。 顔を上げると、屋根から人が降りてくる。真田の忍びで名前は佐助だったな、と思い出す。 赤い毛は暗闇の中でもよく目立つ。 「ダメダメじゃん。尼さんに手ぇ出すなんて」 「手……」 はっきり言われ、小十郎は絶句する。 そういえばそういうものなのかもしれない。 佐助は笑いながら小十郎を見上げてくる。意外と小さい。戦場で見たときや上田で見たときは、 とても大きく思えたのだが。 「どうしよっかなー。奥方に言いつけてもいーい?」 「できるのか?」 手を腰にやる。佐助は音もなく後方に飛び退く。速い。 人を斬るのは一体何年ぶりになるだろう。自衛のために刀を握ることすらなくなった。 衰えないよう鍛錬を積んでいるが、戦場を駆けていないため勘は鈍っている。 「ここでやるの? やめた方がよくなーい?」 「お前次第だ」 「それで、脅してるつもり?」 佐助は笑う。道化のように貼りついた笑み。明るい色の目は少しも笑っていない。 刀を抜き、突き刺すように構える。佐助が動く。首が、刃の近くに来た。 ――何を、する。 「殺せるの? 寺で、大切な人がいるところで」 脅されている。小十郎は佐助を見る。紙に描いて顔に貼りつけたような、空々しい笑み。 冷酷なのか茶化しているのか判断のつかない光を宿した目。忍びの目だ。 「できないでしょ? 別にさ、あんたとやり合いたくて姿見せた訳じゃないんだし、 刀しまってよ。話もできやしない」 「何が目的だ。金か」 「ああ、それいいね。俺薄給でさぁ」 刀をしまうと、佐助は手を出してくる。懐から財布を取り出し、中を見る。 一介の農民よりは裕福な生活だが、だからといってこれを渡せば、今月は立ち行かなくなる。 佐助はへらっと笑って手をしまう。 「じょーだーん。俺、カツアゲするほど困ってないし」 「……タダで、黙ってくれるのか。忍びが」 「あ、信用してないなぁ。ちょっとからかってみただけなのにぃ」 佐助は両手を頭に添えた。どこまでが本心でどこまでが冗談なのかまったく分からない。 「じゃ、俺もいいこと教えてあげる」 佐助の手が小十郎の手を取った。無造作に自分の胸に押し付けてくる。 温く丸いものが手に当たった。なんでこんなところに餅を入れてるんだこいつ。 「なんだ、餅か?」 「ひっどー」 ぐいぐいと押し付けられる。丸いものはすぐに潰れるが、ぐにぐにと指に絡み付いてくる。 知っている感触だ。柔らかくて温かくて、男には絶対にありえない豊かな。 正体を悟り、小十郎は顔を青くした。佐助がしてやったり、と笑った。 目の前の顔や名前と、手の中の感触が一致しない。 「これ、旦那も知らないんだからね。俺ってば、主人も騙してるんだからね。それを あんたにだけ教えてあげようって思ったのに。女の子の胸触って、餅呼ばわりってひどくない?」 「おま……え、あ?」 深夜、寺の廊下で女の胸に手を当てている、という訳の分からない状況に、小十郎の言語中枢は破壊された。 手をどけようにもぴくりとも動かない。言語中枢のみならず、運動神経も麻痺している。 「俺のこと、みんなには黙っててよ? その代わり、あんたとうちの奥方のこと、黙っておくから」 「……そういうことか」 胸の感触が手から離れた。佐助は首を伸ばし、笑う。 忍びの笑みとは違う。どこかで見たことのある笑みだ。 「気に入ってるんだよ? あんたのこと。俺のこと言ってもいいかな、って思うくらい。 ……もっと、見る?」 赤い舌が唇を舐める。この笑みを知っている。 背に伸ばされる白い腕。強い脂粉の匂い。赤や桃や橙の灯り。あちこちで漏れ聞こえる嬌声。 熟れすぎて腐るのを待つばかりの、饐えたような甘い匂い。 遊郭、という言葉を思い出す。何故思い出したのだろう。 手が首にかかった。太い血管を的確になぞる。自然と息を詰め、体を強張らせる。 「ま、今いきなり、っていうのはバチ当たりそうだけど。気が向いたら、呼んでよ。 ……飢えてる、んでしょ?」 目が細められる。赤い舌がちらちらと見え隠れする。手は相変わらず血の管を探る。 顔が近づく。濃く匂いを嗅ぐ。草いきれ。人の匂いではない辺りが忍びらしい。 どくん、と早鐘を打つ。血が巡る。脳が痺れる。このまま殺されてもいいかもしれない。 この女なら、小十郎を苦しめずに殺す。 こいひとよ9
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佐助は、ぐっと掴んだ尻を強く揉みしだく。 「んっぁ、やあぁっ!」 隙間なく詰まったものが、なおもかすがを圧迫して息苦しいほどだった。 慄いて佐助の体にしがみつくと、上下の穴がきゅうっと締まった。 「ね、動いてもいい?」 囁きかけてくる佐助の呼気が熱い。 背筋がゾクゾクするのを感じながら数回頷いて見せると、蕩けた膣壁の合間で佐助が動いた。 続いて小太郎が腰を揺する。 「あぁぁっ、はぁ、あぁっ! やぁっ!」 小刻みな振動が途方もない快楽をもたらし、かすがは鋭い悲鳴を上げた。 ぎゅっと閉じた目のふちから涙が滲んでくる。 尻に火がついた、と言うと別の意味になってしまうが、まさに尻と腰が燃えるような感覚だ。 かすがは、まるでその炎に怯えて飛び込んだ川に溺れてしまったかのように、半狂乱になって 腕を動かしていた。 「あっ……はぁっ、はあぁっ、あぁーっ!」 「へへっ。可愛いーなぁ、もう」 佐助がかすがの右腕を捕まえた。 左手は小太郎に掴まれ、後ろに引かれる。 ぐいと引っ張られた分だけ挿入の深度が増して、穿たれた陰茎に肉が絡みついた。括約筋が 絶えずヒクヒクと男を甘噛みしながら、摩擦の快感に歓喜する。 こめかみを流れた汗を、佐助が舌を伸ばして舐めた。 頬や鼻筋、まぶたの上から額へと這い、 「……ね、かすが? 穴ん中、ぎゅうぎゅう詰めにされてる気分はどう?」 微かにふるえる問いかけの声さえ舌と同じ熱気と湿り気を帯びていて、かすがの肌を舐めて くるような熱っぽい響きだ。 「あっ、はあぁぁっ! い、いっ、すごいっ、もう、だめっ……」 「もうだめなの? でも、もひとつ空いてるところ、あるでしょ」 え? と表情だけで答えると、佐助はかすがに口づけをした。 「んっ……んんっ!」 いったん唇を離し、今度はついばむように何度も軽く唇を合わせる。 「ここ。空いてるじゃない」 言いながら小さく笑う。 互いの呼気を混ぜ合わせるように息を吹きかけ、薄く開いたかすがの唇に舌を潜り込ませた。 歯列や歯茎を撫で回しながら舌を激しく動かす。 そうしながら同時に腰を突き上げた。 「んんっ、ふ、はふっ……や、んううっ!」 やがて呼吸もままならなくなる。かすがは苦しげに呻きながら佐助から逃れようとするのだが、 唇を離してもすぐに捕まって、再び口内に舌を差し込まれた。 何度逃げても同じように舌が挿入される。 「ふっ……は、あぁっ、ふうぅっ!」 進退を繰り返す舌を唇で締め上げ、追い出すように舌で応戦し始めると、荒々しい口づけは 情交と同じものになっていた。 肉路の圧迫を唇で再現し、頬を蠢かせて舌を吸えばその動きは襞の蠕動と変わらない。 氏政公がみてる17
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「…どーしちゃったの?ん?」 佐助の食い入るような視線に捕らえられ、退くに退けなくなってしまう。 「………しょうめい…するのですね?…わかりました」 そう言って目を閉じようとすると佐助がだーめ、と首を横に振る。 「目ぇつぶってちゃ、わかんないでしょ?」 謙信の固く閉じた唇に親指をあてて左右になぞる 「ね…舌だして」 「ん…こう?」 謙信が口を開けて舌を少し覗かせると佐助はれぇっと舌を出して、 「こう、すんの」 「うーん…きはずかしい、ものですね……ん…」 思い切って口を開けて舌を突き出すと、佐助が上唇と彼自身の舌でそれを捕らえる。 「えうっ…」 そのまま舌の根本まで引き出そうかというくらいに、強引ではあるが滑らかににゅるうと 吸い付き 「ん、っふ…んんっ…」 鼻に掛かった声を聞かせながら謙信の舌を味わう。 「…っふ…う…」 その声に誘われ、謙信も声を出してしまう。 こらえきれなくなった様子を見て佐助は、んふふ、と鼻を鳴らして笑む。 佐助はくわえこんだ謙信の舌を離さずに、根本から先端までの深い往復をゆっくりと 繰り返す。 「んっ……んっ、んんっ、んあっ…」 「んんっ、…んっふふっ、いーねぇ……」 その動きを続けながら謙信の荒くなる息づかいの調子に合わせて、んぅっ、ふぅっ、と 吐息混じりの甘い声を吐く。 淫らに熱く潤んだ声が互いの鼻息に混じって漏れ出していく。 「ふふっ、とろけちゃってる…謙信様ったら…」 膝に乗せられていた手がすうっと股を割って股間に近づくのを感じた謙信は、 慌てて佐助の手首を掴み、もう片方の手で秘所を覆う。 「うあっ…だっ、だめっ…いけないっ!」 引きずり出された舌を引っ込めてパッと顔を離す。 「どーして?」 止めようが隠そうがお構いなしといった具合で、その上から力任せにぐうっと押さえつける。 そして手を重ねたままぐりんぐりんと強く小刻みに動かす。 「あっ、くっ…」 強く押さえつけられた謙信の手のひらには、柔らかく温かな肉感とぬるりとした感触が 伝わる。 「ああ、そーゆうこと…、自分で触りたいってことね?」 「い、いや……これは…」 「あっは…謙信様だって、やらしいこと好きなんじゃない…ねぇ?」 武田軍×上杉軍9
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メニュー トップページ 真田幸村<汎用> 特定ステージ限定台詞 幸村vs敵武将 幸村創世モード 創世 ドラマルート アニメルート 【皇】 幸村ボイスギャラリー 幸村キャラ説明 猿飛佐助<汎用> 特定ステージ限定台詞 佐助vs敵武将 佐助創世モード 創世 ドラマルート 【皇】 佐助ボイスギャラリー 佐助キャラ説明 武田信玄<汎用> 特定ステージ限定台詞 信玄vs敵武将 信玄創世モード 創世 【皇】 ドラマルート 【皇】 信玄ボイスギャラリー 信玄キャラ説明 キャラ同士の掛け合い 武田軍関係モブ台詞 甲斐・躑躅ヶ崎館(汎用) →家康ルートver【皇】 甲斐武田恨み節 川中島・武田布陣(汎用) →謙信ルートver【皇】 →かすがルートver【皇】 大坂・竜虎の陣(汎用) →左近ルートver →直虎ルートver 関ヶ原の戦い 西陰(汎用) →政宗ルートver →家康ルートver →長曾我部ルートver 武田漢道場(汎用) →幸村ルートver →直虎ルートver 永禄の宮 英断 →佐助ルートver【皇】 応仁の跡 走伝 →信玄ルートver【皇】 安土四天集結 →幸村ルートver【皇】 遠江・井伊谷城 →佐助ルートver【皇】 川中島・上杉布陣 →幸村ルートver →信玄ルートver【皇】 宿命 独眼竜(一騎打ち) →幸村ルートver【皇】 示現 鬼島津(一騎打ち) →幸村ルートver【皇】 【皇】 川中島の戦い 乱入(汎用) →足利ルートver 蒼紅ト魔王(汎用) →足利ルートver 月下忍法帖 小ネタ・攻略等 ネットバサラ屋 リンク @wiki @wikiご利用ガイド wikiの編集方法についてはこちら 左メニューの編集方法についてはこちら ここを編集
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こたうじ14 「すっかり冬じゃのう」 春には薄紅に色づく小田原城は枯れ木ばかりとなって、何ともうら寂しい。雪が降ればそれもそれで美観となるだろうが、固い樹皮と枝が眼下に広がる光景は物足りなかった。 「いつまでも花があって欲しいと思うが、それも酷じゃな。もう次の春を見越して力を蓄えておるのじゃから」 人よりもずっと先を見据えているのかと呟く氏政の背が丸い。戦装束を纏わず、羽織の老人の姿は小田原城下の木々に似ている。だが春を待ちわびる氏政の顔には、桜のような内に秘めたる勢いがなかった。 「……っ」 不吉な思いを振り払うべく、小太郎は奥からもう一枚、上掛を持ってこようと立ちあがる。寒風は体によくない。 「よいよい、小太郎」 氏政がそれを制す。 「春の華やぎも冬の訪れも、我らが北条家の主が受けてきたものじゃて。ご先祖様が身にうけた風が寒かろうか」 「……」 渋々、足を戻す。氏政は決めたことはけして覆さない。だが後であたたかいものを出すよう誰かに頼もうとは思った。 「小太郎、次の桜も見たいか」 「!」 言うまでもなく。 「そうか。儂も見たいぞ」 次の春も、そのまた次の春も。 幾度先の桜でも見たい。 氏政が治めるこの城で。
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佐助は頭をかき、牢の床に座り込む盗賊を見た。 忍びとはもう呼べないだろう。人を襲い、殺し、村を焼いて食べ物を奪うものは、盗賊だ。 風魔小太郎、というのが目の前の盗賊の通称だ。 (その名前で呼んでいいもんかねぇ) 風魔衆といえば、忍びの中でももっとも謎に包まれ、もっとも恐ろしい集団だ。 真田忍びは何度も煮え湯を飲まされ、佐助自身も傷を負わされたことがあった。 それが、北条が滅んだ途端これだ。 近隣の、例えば三河や伊達辺りに仕官すれば、それなりの待遇と仕事が得られただろうに。 分からないなぁ、と佐助はため息をついた。 風魔の忍びが優秀なのは知っているから、できれば自分の配下か、武田忍びに加わって 欲しいのが佐助の率直な願いだ。 もっとも、あそこまで派手に暴れ回った忍びだから、助命嘆願をしたところで処刑は免れないだろう。 何より、助命を願う義理がない。 「何か言えよ」 言葉を知らないとは聞いている。 だが、いくらなんでも何も知らない訳がないだろう。 佐助は顎に手を伸ばした。今度は払われない。 細い顎をしている。 小太郎を捕らえたのは佐助だった。普通の兵士や忍びでは太刀打ちできず、 真田忍びの長である佐助が出ることになった。 何日もかけて追いつめ、何人もの忍びの命を使って捕らえた。 風魔が一人で、武田の土地で多くの味方を使うという、自分たちにかなり有利な条件でも、 そんな状態だった。 胸のうちに怒りが湧くのも無理はない。 ぱん、と無造作に頬を張った。小太郎はどさりと石の床に倒れ込む。 ――ふ、と。 気づいた。 「あんた……女?」 小太郎は体を起こし、頷いた。 佐助は軽く目を見張った。 音に聞こえた風魔衆の頭領は、「小太郎」を名乗る。故に、男だと思っていた。 捕らえるために対峙した時、恐ろしい大男に思えた。用意した縄が意外と余って、 ようやく小柄なことに気づいたくらいだ。 体の線を隠し、顔を隠し、荒々しい忍びの術と体術を使うため、女だと考えることすらなかった。 「……へぇ」 むくむくと、嗜虐心が沸き起こる。 舌で唇を湿らせ、ゆっくりと小太郎に近づいた。 四肢を捕らえ、石の床に押し付けた。 「……分かるよね。俺が、何をしようとしているか」 女が敵に捕らえられれば、されることは一つしかない。 身分ある武将ならともかく、佐助や小太郎のような最下層の「草」と呼ばれるような 身分の者が、それから逃れる事など、万に一つもないだろう。 衣服を裂くと、引き締まった体が現れた。意外と胸は大きい。着やせする体型のようだ。 小太郎は抵抗しない。胸に手をやればぴくりと跳ねるが、悲鳴すら零さない。 「――何? 何にも言わないの?」 言葉を知らないとは聞いているが、智恵に遅れがあるとは聞いていないし、初潮も 迎えていない幼子でもあるまい。 「分かってんでしょ? 俺、あんたを犯そうとしてるんだよ」 小太郎は頷いた。好きにしろ、といわんばかりに体から力を抜いている。 ぽかん、と口を開けた。まじまじと小太郎を見る。 体を屈め、唇を奪って舌を差し込んだ。応える気配はない。 胸を揉んでも、首を振るがそれ以上の反応はない。 嗜虐心が、音を立ててしぼんだ。 抵抗するなら、無理やりにでも犯して楽しんだのだが。 「――なんかもう、いいや」 体をずらし、小太郎の体を起こした。豊かな胸が呼吸に合わせて動く様子は、 目の保養に十分すぎるが、それ以上の感情は湧かない。 破いた服を脱がせ、自分の着物を脱ぐ。仕込んでいた武器や薬を全部外し、小太郎に着せた。 「……逃げるつもり、ある?」 首を振る。 「うちに雇われてみる?」 首を傾げる。 雇うとは何だ、と言いたげだった。 「……まぁいいや。大将があんたを許すとは思えないけどね」 いくつも村を潰し、人を殺し、食べ物を奪った。小太郎を許せば、大抵の盗賊が許されてしまう。 とはいえ、逃げるつもりもないものを、ここまで厳重に捕らえていても意味がなさそうだ。 破いた着物をくるくる丸めると、佐助は立ち上がった。 「どうせあんたは処刑されるんだ。――最期くらい、いい生活させてあげるよ」 それが、佐助にできる精一杯の思いやりだった。 木偶人形の夜3
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「もうさぁ…カッコ悪いとこ…ばっかじゃん……俺…」 先程の出来事が相当応えている。かすがに合わせる顔が無いといった感じだ。 自分からいかせてくれとお願いまでして、泣きながらよがりまくった挙げ句に失神。 「これ以上…みっともない事…させないでったら…」 ここまで無様な姿を晒した男が、彼女の股にしゃぶりついたところで不愉快 だろうし迷惑がられるだけだ、とでも思っているのだろう。 「まぁまぁ、そういわずに」 「…やだ…もう無理」 かすがが懸命に自分の腹に付いた物を舐めとったのを、佐助は見ていない。 自分の姿が彼女の目にどのように映っていたのか、本人だけが気付いていないのだ。 (ふふっ、かわいいことをいって……きにやむことなどないのに……) とはいえ、萎縮する佐助に無理強いしてしまっては、傷心に追い打ちを かけるようなもの。 「しんげん…さすけがえんりょするのですよ…」 自分で酷くしておきながら、謙信はさも気の毒といった風に、すねる佐助の頭を もしゃもしゃと撫でてやる。 「そうか、だったら…」 信玄がかすがの口元から手を離し、提案する。 「かすが、おヌシからねだってみてはどうじゃ?」 俯いていたかすがの顔がぼっ、と赤くなる。 謙信は佐助の方からかすがに目線を移して、 「それは…じつによきていあんですね」 期待感に満ちた笑みを浮かべる。 「よ、よくなどありませんっ!全然!」 かすがは、羞恥心からこれを拒否してしまう。当たり前のことだ。 しかし佐助の方は、かすがの言葉を真剣にとらえてしまう。 かすがが自分の事を拒むのはわかりきっていたくせに 「はっ…意地悪な…お方達だ……まったく…」 とへそを曲げてしまった。 謙信は両者の顔色を見てから 「そうですか、では…」 髪を大きくかきあげて、湯船の縁から降りて湯の中に入る。佐助と目の高さを合わせて にこりと笑いかける。 「さすけ、そうめげることはありませんよ」 彼の両頬を手のひらで優しく挟んで彼の目をじっと見つめる。 「何…その言い方…いちいちムカつくんだけど…」 「わたくしがすこしだけ、あいてをしてあげますからね…」 そのまま自分の顔をゆっくりと近付けていく。 「へっ…?」 佐助は謙信の青い瞳になんとなく心を奪われ、引き寄せられてしまう。 「ふふっ…そうこわがらずに…」 「…あ…あぁ……」 青い薔薇が咲き乱れ、視界が埋め尽くされる感覚に襲われる。 「ああぁぁぁ…っ……」 (はっ!あの眼差しはまずい!) 見るものを虜にする、謙信の魅惑の眼差し。魅入られた者の視界が薔薇で 覆い尽くされたとき、とてつもない陶酔感に満たされながら昇天させられてしまう。 その威力と効果の程はかすがが誰よりもよく知っている。 「(ああっ、謙信様…お許しを!)見るな佐助!目を閉じろ!」 かすがの叫び声を聞いてハッと我に返る佐助。 「なっ!…何…今の…?」 首をぶんぶんと振る。しかし、ぼんやりした感じからどうにも抜けきれない。 武田軍×上杉軍41