約 42,369 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5378.html
~佐々木宅にて~ 電話が鳴る。誰からだろう。 「はい、もしもし」 携帯から聞こえてきた声を聞いて安心する。 「おう、佐々木か?」 彼だ。 僕が別人だとしたら、君は一体誰の携帯に電話しているんだい?」 言う必要のない文句を一つ。 それを彼は、笑って返してくれる。 「はは。そういうなよ。社交辞令みたいなもんだろ」 「くつくつ。それでどうしたんだい?待ち合わせの時間まで、まだ二時間以上はあるけど?」 私の声が聞きたくなったの? ……もちろんそんなことは聞けない。 まだ恥ずかしい。 「あぁ、それなんだが……すまんが今日は行けなくなったんだ」 なるべく不機嫌になったのを悟られないように言葉を返した。 彼の勘はなかなかに鋭い。こと恋愛ごと以外には。 「……訳を聞こうか?」 理由はこうだ。 妹が風邪をひき、家には親がいない。 そして彼はそんな妹を一人にしとくのは気が引ける、と。 「シスコンってわけじゃないが、休みの日に寝込んでる妹を放って遊びに行くわけにもいかんだろ」 そんな妹想いな彼にまたいらない文句を。 「そうだね。君にしては正論だ」 「一言いらんぞ」 だって彼は仕方ないとはいえ、私との約束を守れなかった。 これくらいはいいよね? 「くつくつ。気をつけるよ」 「そういうことだ。悪いが、その、デ、デートはまた今度でいいか?」 「そ、そんなに恥ずかしそうに言われると、僕まで照れてしまうよ」 「すまんな、こればっかりは言い慣れていないからどうしようもない」 彼とは付き合い始めてまだひと月と少し。 長い間友達だった分、彼氏彼女の関係にはどうして慣れない。 「構わないよ。僕としては君とのデートも大事だけど、キョンの妹ちゃんの方が心配だし」 これは本心。だって彼は優しいから。 「悪いな」 「謝ってばっかりだな」 横にある枕を抱き寄せる。なぜだろ? 「そりゃな、穴を開けたのは俺だ」 「あんまり謝ってばかりだと、本当に謝ってもウソに感じてしまうよ?」 「それもそうだな」 「くつくつ。それじゃあ、妹ちゃんをお大事に」 「ありがとうな。またな」 彼からの電話が切れる。少しは甘い内容の会話をしてほしいものだよ。 でもそんなことを彼に期待するのは、本物のUMAを発見するより難しい。 そんな彼を好きになってしまった自分を責めるほかない。 それにしても、今日の予定が無くなってしまった。 二時間後に控えた三度目のデート。 さて、どうしたものだろう。 橘さんに連絡を取る? きっと彼女なら喜んで駆けつけてくれる。 ……彼は今頃妹の面倒を見ているのかな? 熱を測ってあげたり、水枕やタオルを換えてあげたり、お粥を作ってあげたり。 「くつくつ」 そんな彼の姿を想像すると笑ってしまう。 それと同時に、彼の妹に多少の嫉妬を。 病人に嫉妬なんて不謹慎にも程がある。でも彼に構ってもらえるなら、甘んじてその役を代りたい。 たった一週間会えないだけでこんな風に思ってしまう。 付き合う前は一年も我慢したのに。 でも仕方がないと思う。 気持ちが通じたのだから。だからこそ、より愛しく感じる。 恋愛は精神病の一種。 付き合ってしまえば治ると思った症状は、まさかの大悪化。 この病気の特効薬はどこで手に入るのだろう。 風邪と水虫の特効薬を完成させればノーベル賞が貰えると聞いたことがある。 きっと恋愛の特効薬を見つけることが出来ても、ノーベル賞が貰えるかも。 !!! 退屈な休日をどう過ごそうか考えていると、 ここで名案が一つ浮かんだ。 我ながらいいアイデアだと思う。 双方にとって得のあるアイデア。 まさに一石二鳥。 よし、準備をしなきゃ! ~キョン宅にて~ 「ケホケホ。キョンくんごめんね?」 布団に寝ている妹が俺に謝ってくる。 お前は熱があるんだ、仕方ないだろ? 「でも、きょうはデートだったんでしょ?」 子供がそういうこと気にするな。いつの間にそんなにマセたんだ? 「えへへ」 俺に出来ることなんてたかが知れているし、症状はただの風邪。 まぁ、体格的にも幼い妹だ。ただの知恵熱かもな。 「なにか食べたいものあるか?」 「えっとね、アイス」 予想していた答えとはいえ、まだまだ子供だな。 「わかったよ。ちょっとそこのコンビニ行ってくるから、おとなしく寝てるんだぞ」 「はーい」 「で、どんなのがいいんだ?」 「あまいのがいい」 甘くないアイスがあるなら、俺は是非食べてみたいな。 「ちがうよー、あっまーいのがいいの」 どう違うのかはイマイチ分からなかったが、妹にはすぐに戻るからとだけ伝え、コンビニに向かった。 「いってらっしゃーい、ケホケホ」 ~コンビニにて~ 風邪にはなにが効くんだっけかな。 ビタミンCだっけ? 個人的にはとりあえずみかんのゼリーと、やっぱりポカリだよな。 それと甘ーいアイスか……どれも大して変わらんだろ。 バニラアイスを四つくらい買っとくか。 こんなもんでいいだろ。 ~キョン宅にて~ 「キョンくんおかえりなさい」 さっきより少し顔が赤い。熱がまた出てきたのかもな。 冷えピタでも差し入れてやるか。 「ただいま。今食べるか?」 「う~ん、あとにする」 まだ食欲は戻ってこないか。無理に食べさせるのも酷だな。 「そうか、じゃあ俺はリビングにいるから、腹減ったり、構ってほしくなったら呼べよ」 「わかったー」 仕方ないとはいえ、やはり元気がない。 いつもの元気な声が聞けないのは、兄にとっても寂しい限りだぞ。 「子機、枕元に置いとくから」 「ありがとー」 そう妹に告げ、頭をひとなで、ふたなで。 嬉しそうにする妹の笑顔を見れるだけで、少し俺も優しい気持ちになれる。……ような気がする。 はは、がらにもなかったな。 さて、暇になったわけだが……何をするか。 部屋に戻って勉強、それは嫌だな。 なら片付けでも、いやいやそれだとうるさくなるな。 どうしたもんかね。 そういえば俺の昼飯ってあるのか?まずは冷蔵庫チェックだな。 ピンポーン。 間の抜ける音だな。来客か?そんな話聞いてないんだがな。 ピンポーン。 分かった分かった、今出るから待ってろ。 「はーい、今出ますよっと」 ガチャ 「……あれ?」 おかしいな、なぜここに? 「や、やあ」 扉の先にいたのは佐々木だった。 「どうしてお前がここに?」 さっき頭の中に浮かんだ疑問を、本人に直接伝える。 「ど、どうしてって、それはその……」 少し顔を赤くした佐々木が、俯き気味にぼそぼそと言う。 う~ん、聞き取れん。 「まあ、玄関で立ち話もなんだから上がってくれ」 中途半端に開かれた扉を大きく開く。 外の暖かい空気が家の中に流れ込んでくる。 「お邪魔します」 どうぞ。 パタン 来た。彼の家に来た。 いつぶりだろうこの家に来るのは。 通されたリビングを見ると、昔からあるものがチラホラ。 人の家なのに勝手に懐かしさを感じてしまう。 「妹の見舞いにでも来てくれたのか?」 コップにオレンジジュースを持ってきてくれた彼が、それを私の前に置き聞いてきた。 「あ……うん」 なんとも歯切れの悪い答え。自分に減点! 「ありがたいんだが、ただの風邪だからたいしたことないぞ」 「そう」 「悪いな、わざわざ」 「……」 緊張して上手く喋れない。 彼氏の家に遊びに行くのって、こんなに緊張するんだ。 「佐々木?」 あまりに喋らない私を気にして話かけてくる。 何か喋らなきゃ。 「今日はご両親がいないんだろ?」 「あぁ夜まで帰ってこないんだ。おかげで飯の用意もしなくちゃだ。お粥なんか作ったことがないんだけどな」 つまり、これで私のアイデアが活かせる状況になったというわけだ。 私が願ったから?そんなことはないはず、まだ私は不完全。 完全になりたいというわけではない。 いや、今はそれどころじゃない。次の言葉を言わなきゃ。 「も、もし、もし君さえ良かったらなんだが」 「なんだ?」 もう一声。 「ぼ、僕がご飯くらい作ってあげようか?」 「佐々木が?」 その言い方だと、私が料理出来ないみたいじゃない? ほんとにそういった心遣いは皆無なんだから。 「これでも多少は心得があるんだ」 誇張はしない。ほんとに多少だから…… 「いや、悪いだろ」 そう返すことは想定の範囲内。だってキョンだもん。 「気にしなくていいよ、そもそも君のおかげで今日の予定は無くなったんだ」 ここで小言を一つ。会話の主導権を握らなきゃ。 「耳が痛いな」 「くつくつ。一概に誰かのせいって訳ではないんだがね」 「しかしだな」 彼が喋り終わる前に言葉を被せる。 「それに不慣れな君の料理を食べて、妹ちゃんが体調を悪化させても可哀想だろ?」 我ながら、素直じゃないなぁ、とは思う。でも今の私にはこれが精一杯。 「ぐっ、まったくだ」 「そういうわけだよ。僕は暇を持て余している、君は人手がほしい。利害の一致さ」 君に逢いたかった、こう言えればいいのに…… 「いいのか?」 「もちろんだよ」 「それならお言葉に甘えさせてもらおうかな」 「賢明だね」 「すまんな」 「それで、キョンはお昼はどうしたんだい?」 「これからだ。ちなみに妹は今は食べたくないそうだ」 「じゃあ早速作ってあげる!」 早速のチャンスに気持ちが早って、口調がおかしくなってしまった。 「ごちそうになろうか」 よかった。あまり気に留めてはいないみたい。 「冷蔵庫開けさせてもらうよ」 「どうぞ」 彼の実家で、彼のために私がお昼を作る。 どうしよう。顔がにやけてしまう。 これも一つの幸せの形なんだと思う。 ふふ、まだ高校生なのにそんなものを感じるなんて、いささか生意気かな? ふと、何かの気配を感じる。誰かが近くにいる訳ではない、感じるのは視線。 「ん?僕の顔に何か付いてるかい?」 彼の視線に気付いた私は彼を見て微笑む。 どうかな、私の飛び道具は。少しは自信があるんだ。 それにこんな笑顔を見せるのは君だけなんだよ? 「いや、なんていうんだろうな。なんかいいなぁって」 強烈なカウンター。なんとかテンカウント以内に反応しなきゃ。 「……ま、真顔で言わないでくれないかな?」 私のダメージはご覧の通り。もうフラフラ。 反撃の言葉も出ない。押されれば倒れてしまいそう。 「正直な感想だよ」 そして、放たれたフィニッシュブロー。 もう決定。彼は天然の女ったらし。 鏡を覗けば、まるでトマトのように顔を赤くした生き物が見れると思う。 あまりに恥ずかしい。ちょっと話題を変えなきゃ。 「そ、そういえばこの間CDを買ったよね?」 自分の記憶を探って一つの話題を。これなら無難かな。 「……あぁ、The Tel○ersか。よく覚えてたな」 「あの日の出来事は、そうやすやすと忘れられるようなものじゃないよ」 ひと月と少し前、彼と一年ぶりに再会を果たし、彼に自分の気持ちを伝えた日。 忘れられない日。 「そうだな」 彼にとっても忘れられない日。……だと思う。 「せっかくだし聞かせてくれないかい?」 聞かせてくれる約束をしていたしね。 「わかった」 そう返事をした彼は、自分の部屋へと戻っていく。 ふぅ、彼と二人っきりの空間は、まだちょっとキツイかな。 普段より余計に意識してしまう。 あれこれ考えていると彼が戻ってきた。 そしてCDをDVDプレーヤーに入れる。 「君のオススメをとりあえず聞かせてほしいな」 彼のセンスをお手並み拝見。 「いいぞ。そうだな……If I S○yなんてどうだ?」 彼の口から出てくる英語に妙な違和感を感じる。 単純に似合ってないだけだけど。なんだか背伸びしてるみたい。 TVのスピーカーから優しい音が流れてくる。 聞く人によっては女性の声に聞こえそうな柔らかい男性の声。 軽やかなギター。自己主張が激しすぎないドラム。 ふむ、彼のセンスはなかなかによろしい。 そして、この歌詞。……分かっているけど、自覚は無いんだろうね。 「……柔らかい声だね」 率直な感想を言う。 「悪くないだろ?」 「いいね。普段は洋楽なんて聞かないからとても新鮮だよ」 洋楽なんて、有名どころしか知らない。 「俺もだよ。友達に紹介されるまで見向きもしなかった」 笑いながら彼が言う。彼が言うには、その友達はすでに四百枚以上のコレクションがあるらしい。 高校生のくせに随分とお金廻りがよろしいことで。 「ところで君はこの歌詞の意味を理解してるのかな?」 答えは分かっている。だけど、一応聞いてみた。 もしかしたら、ね? 「それが今まで洋楽を聞かなかった理由だな。さっぱりわからん」 やっぱりね、日本人は勤勉なわりに英語の苦手な人が多い。 「君らしい理由だ。まぁ、みんなそうか」 やれやれ、と彼は肩をすくめて苦笑い。その癖は変わらないね。 「友達にな、Sig○r Rsというバンドを紹介されたんだ」 「うん」 「音楽的には好みじゃなかったんだが、歌詞がアイスランド語と造語だと聞かされてな」 「それは画期的だね。そもそもアイスランド語さえ初耳だよ」 果たしてアイスランド語なんて身近にあるのかな? 多分聞いたことが無い。 「だろ?そのバンドが世界中から大絶賛されたんだと。つまり、いい音楽は歌さえ楽器なんだ、と教わったよ」 「言語は関係ないと?」 「歌詞に意味はあるが、それを歌う言語は関係ない、だそうだ」 実に興味深い。 考え方は人それぞれということだね。 「はは、実際同じ日本人でも歌詞カード見なきゃ、何言ってるかわからんやつらは山ほどいるからな」 「くつくつ。たしかにね」 彼のいうことも分かる。もしかしたら今の日本人は母国語のリスニングすら危ういのかも。 「そういえば、佐々木は英語のリスニングは出来るのか?」 「人並みにはね」 「すごいな」 猛勉強したからね、とは答えずに謙虚に答える。 「そんなに誇れるものじゃないさ」 だってこう言ったほうが、より出来るように聞こえるでしょ? 「さっきの歌はなんて言ってたんだ?」 ……それを私の口から言わせるんだね。君は。 「……えっと、その」 ほら!口篭ってしまったじゃないか! 「……もしかして、卑猥な内容だったのか?すまん」 そこで申し訳ない顔をされるとね。答えるしかないじゃない。 「ち、違うよ!その、ね、熱烈なラブソング……だった」 歌詞の内容は、 愛してると言ったら君にも言ってほしい、泣いていたらキスをしてほしい、死ぬ時は一緒に、お願いだらかどこにも行かないで だいたいはこんな感じ。ただの未練がましい男の言葉にも感じるけど、私にはプロポーズに感じる。 だから私は後者を彼に言った。変な他意はないよ? 「……」 そこで黙らないでほしいな、こっちだって恥ずかしいんだから。 「その、もし君が歌詞を理解していて、そのうえで聞かせてくれてたら、か、カッコよかった、かな?」 って、何を言わせるの君は! 「悪い、ちょっと恥ずかしかった」 それは私の台詞。耳まで熱い。 いったい今日は何回赤面すればいいんだろ。 これは釘を刺しとかなきゃ。 「まったく、もう少し勉強を頑張った方がいいんじゃないかい?」 「精進するよ」 「そうしてほしいね。それとお昼ごはん出来たよ」 「それはありがたい」 ~食事後~ 「ごちそうさま」 そう言って彼は、お皿にスプーンを置く。 作ったのはオムライス。これならあまり多くの食材を使わなくても出来る。あくまで人の家だから多くは使えない。 ケチャップでハートを書こうと思ったのは内緒。 黙って彼を見つめる。まだ感想を聞いていないからだ。 「ん?あぁ言ってなかったな。おいしかったよ。ついつい食べるのに夢中になってな」 私の視線に気付いた彼が笑ってそう言った。 「くつくつ。君の口にあってよかったよ」 それに私も笑顔で答える。 でも、そこはキョン。次の瞬間には私の笑顔も凍りつく。 「しかしあれだな、将来お前と結婚するやつは幸せだな」 ……今なんて? 「こんなうまい飯を毎日食べれるんだからな」 さて、今のキョンの発言は二種類に取れる。 一つ、その将来の相手を自分と置いての発言。 二つ、お得意の鈍感、無神経。 どちらにしても私の止まった時間は動かない。 「どうした?」 どうしたと思う?わからないんだろうな。 君って人は本当に、 「馬鹿」 「へ?」 ほら、その反応だもの。……いいんだけどね、もう慣れたよ。 「そろそろ妹のとこにも顔を出さないとな」 そう言って彼が椅子から立ち上がり、冷蔵庫の前に歩いていく。そして中から手にしたのは、冷えピタ。 「結構熱があるのかい?」 「さっき見たときは顔が真っ赤だったな」 それはなかなか辛そう。 「こんな時期に珍らしいよ」 「夏風邪は馬鹿が引くっていうじゃないか、あいつもまだまだお子様だからな」 それは聞き捨てならないね。ここは妹ちゃんに加勢しておこう。 「くつくつ。キョン、それはおかしいよ」 「なにがだ?」 不思議そうな顔でこちらを見てくる。この小言にカウンターが出来るならしてもらおうか? 「その通説通りなら、この家に病人がもう一人いることになるよ」 「言ってくれるじゃないか」 「くつくつ。反論出来るかい?」 今日は彼のペースにハマりまくり。ここらで挽回しないと。 「悔しいが出来んな。しかしだ、そんな俺を好きになったお前はほんとに物好きだな」 彼の口元が意地悪く歪む。なんてやつ! 認めるほかない。私は彼以上に恋愛に奥手なようだ。 今も私は顔を赤くしながら、口を金魚みたいにパクパクさせてる。 「あっはははは、悪い悪い、冗談だ。そんなに困った顔をしないでくれないか」 なんでそんなに余裕な態度なの?なんだか別人みたい。 とりあえず私は俯いてから、彼のすねをトゥーキックしてやった。 痛みにのたうちまわる彼を捨て置いて、妹ちゃんの部屋に向かう。 コンコン ノックに返事はない。まだ寝てるようだ。 「お邪魔しまーす」 小さな声で部屋に入る。なんだか忍び込んでるみたい。 大佐、標的を発見した。これより標的を介護する。 小さく寝息をたている妹ちゃんの枕元に近づく。 もう温まりきっている冷えピタを剥がし額に触れてみた。 まだ少し熱っぽいかな? 顔に浮かんだ寝汗を濡れタオルで拭いてあげ、彼から取り上げた新しい冷えピタをつける。 「……ん」 寝言かな? そう思っていると、うっすらと目を開けて私を見てきた。 「……おかあさん?」 へ?どうやら寝ぼけてるみたい。 ここは一つ、彼女の言葉に付き合ってあげよう。 「大丈夫?」 声真似は出来ないからなるべく優しく声をかけた。 「まだ、ぼーっとするー」 たしかに。表情がそう語っている。 「何か食べたいものある?」 私の母は熱を出した時にこうやって聞いてくる。 「えっとねー、キョンくんがねー、アイスかってきてくれたのー、それがいいー」 むむ、ちゃんとお兄ちゃんやっていたんだね。 「じゃあ今持って来るね」 そう言って妹ちゃんの頭を撫でて、部屋を出ようとした。そしたら、 「ありがとー、おかあさん」 ふふ、お母さんじゃなくてごめんね。でもそのうち本当のお姉ちゃんになるかも。……なんてね。 リビングに戻ると、彼はさっき食べた食器を洗っていた。 「具合はどうだった?」 「前の様子は見てないから比べられないけど、食欲は出たみたいだよ」 「そうか」 そう言って安心した顔をする。実に妹思いだね。 「なにが食べたいって?」 「アイス」 彼は少し笑って冷蔵庫へ。そしてアイスを手にしてリビングを出た。 「さっきよりは具合が良さそうだ」 その言葉を聞いて、少し安心した。 「くつくつ。良かったじゃないか」 「あぁ、まったくだ」 彼はソファーに座るとTVを付ける。 旅番組。お昼の情報バラエティー。昼ドラ。 どれもこれも退屈なものばかり。 それでもこの時間は悪くない。何の会話をせずともゆったりした気持ちでいられる。 悪くない、悪くないよ。 楽しいときの時間の流れというのは、あっという間だ。 特に何かをしたわけじゃないけど、最近の出来事を話したり、昔話に花を咲かせたり。 とても充実した時間が流れたと思う。 すでに時間は夕方の五時。親には六時くらいには帰ると言ってある。 そろそろおいとましないと。 「キョン、僕はそろそろ帰るよ」 「ん、……あぁ」 歯切れの悪い返答。思わず聞いてしまう。 「どうしたんだい?」 佐々木が俺に声をかけてくる。 古泉の言葉が頭によぎる。 本当に言うべきか分からない。 でも、古泉は言っていた。 佐々木もまたハルヒと同じ力があると。 この一年で、俺は古泉が信用できる人物だと思っている。 本当は今日のデートの帰りにでも言おうと思っていた。 なんて? お前はおかしな力があるのか? 俺の記憶をいじってないか? 世の中を都合のいいようにしているのか? お前は、いわゆる神なのか? お前は……普通じゃないのか? こんなこと言えるわけがない! じゃあ、何も知らないフリをしてこのままいられるのか? それは無理だろ。でも、言うことでお前を傷つけたら……俺は…… 「キョン!」 佐々木の大きな声で、嫌な思考の流れから我に返った。 「いったいどうしたんだい?」 「いや……大丈夫だ」 「大丈夫なわけないだろ!顔が真っ青じゃないか!」 「本当だ、具合は問題ない。ただ考えごとをしてた」 本当に心配そうな顔をした佐々木が、俺を覗き込んでくる。 よりによって、なんでお前なんだよ。 「僕でよかったら相談に乗る。何でも言ってくれないか?」 言うべきか。 でもな、佐々木?これは俺だけの問題じゃないんだよ。 「僕にも……言えないことかい?」 佐々木は問いに一向に答えない俺に向かって、とても寂しそうな表情をして言ってきた。 頼む、そんな顔をしないでくれ。俺が泣きそうだ。 「キョン、泣いているの?」 どうやら、佐々木の言葉通り、俺は泣いているらしい。 なんて情けないんだ。 「分からないよ、さっきまで僕はあんなに楽しかったんだ。それを突然涙するなんて」 「悪い、笑っていいぞ。ちょっと感情のコントロールが出来なかっただけだ」 「笑えるわけないだろ!」 ついに怒らせちまった。 「どうしたんだよ!全くもって意味不明だ!」 そうだな。客観的に考えれば俺もそう思う。 「……先週のことだ」 「先週?」 話そう。そして佐々木との関係をゼロに戻す。俺の余計な考えを全て話し、真っ白な状態でお前に向き合うよ。 そして、また好きだって言ってやる。必ずだ。 「いや、その前に一つ確認させてくれ。お前は神をどう思う?」 「か……み?」 その反応が俺に確信を持たせてくれる。 古泉、俺は本当にこのまま続けていいのか? 「あぁ、神だ」 「ど、どうって、そ、そんなの空想の産物、だろ?」 「そうだな。しかし俺は、影で神と信じられている人間を一人知っているんだ。もしかするとそれは二人かも知れん」 「……」 佐々木が無言になる。辛いよな、すまん。 「そいつは自分自身の力に気付いてはいないが、どうやら思ったことを何でも現実にすることが出来るみたいなんだ」 俺の話は続く。佐々木は口を開こうとはせず、下を向いている。 「そして、そいつが望んだとおりの登場人物が周りに集まりだした。どうやら俺もその一人だったみたいだ。まぁ、イレギュラーみたいなもんだと信じたいがな」 話を続けた。長門の情報統合思念体、古泉の機関、朝比奈さんの未来人としての情報。 そういった情報はなるべく包み隠しながら。 どれくらい話たんだろうな。 しばらく話してから、俺は佐々木に聞いた。 お前の顔を見れば答えは分かる。 でも聞かなくちゃな。 「佐々木」 肩がビクリと動く。 「なんで俺がこんな話をしたのか……分かるだろ?」 「……」 「冒頭の話に戻るぞ。俺は先週、お前がもう一人の神であると言われた」 佐々木の体全体が震えている。本当にすまない。 「以前の俺なら、鼻で笑っておしまいだ。でもこの一年間で状況は変わったんだ」 「……誰だかは知らない。でも、その人の言葉を信じるのかい?」 弱々しい声。こんな佐々木は初めてだ。 「実際は半信半疑だ。でもそいつは信用できるやつなんだよ。しかしだ。お前が違うと言うなら、俺はそれを信じる。天秤にかけるまでもない」 「……僕は」 ここは黙って答えを待とう。 佐々木を追い詰めるなんて、俺にはもう無理だ。 「僕は、僕は神なんかじゃない。……でもキョン。僕には力がある。君が言った不思議な力があるんだ」 佐々木の目からは涙が零れている。 「不完全な力さ。でも言われたよ。僕の力が整えば全てが思いのままだとね」 情けないことに言葉も出ない。俺には相槌をしてやるのが精一杯だ。 「初めはスゴイと思ったよ?でもよく考えてみてくれ。何でも出来るんだ、そんなの……人間じゃない。バケモノだよ」 「違う!」 かろうじて声が出た。バケモノ?少なくともそれだけは間違っている。 「違わないさ。昔から異能の人間は決まってバケモノなんだよ」 なかば諦めにも似た表情で微笑んでくる。 「誰かに言われたのか?」 「いや、ただ第三者の視点で見るとそうだろ?僕が誰々が嫌いだと強く思えば、その人は消えてしまうかもしれないんだ。そんなの普通って言えるのかい?」 確かに異常なことだ。でもな、佐々木。お前はそんなやつじゃないだろ。 「そうかもね。でも……」 こんなこと言わなきゃよかった。佐々木が辛い顔をするのだって分かってた。 だが、それも後の祭りだ。でも俺は…… 「別に佐々木を責めてるわけじゃない、俺がしているのは確認だ。現に俺はお前より強力な力を持つやつと一年間一緒にいたんだ」 そう、古泉が言っていた。まだ佐々木の力は弱い。 「確認?確認したらどうなるっていうんだい?」 「現状が分からなきゃ、お前の力になれないだろうが」 佐々木が不思議そうな顔をしてきた。なんだ、何か間違ったか? 「僕の力に?」 「当たり前だろ?」 「無理だよ。君は普通の人間なんだろ?僕の友達も言ってたよ」 そうだな、普通だ。それでもな、俺はお前の彼氏なんだ。 普通とか普通じゃないとか関係ない。自分の女の力になる。 理由はそれで十分だろ? 「……不思議だよ。君はそんなことが言えるタイプの人間じゃないはずだろ?」 さぁな、お前と付き合いはじめてからは世の中が変わって見えたんだ。 つまり色々と価値観が変わったんだろうよ。 「くつくつ。……君は、僕が普通じゃなくても一緒にいてくれるのかい?」 嫌いになる理由が分からんな。 「……」 俺は気持ちを固めた。だから再度佐々木に言おうと思う。 「以前言ったとおりだ、俺はお前が好きだよ。この気持ちに気付かせてくれたのは、佐々木、お前だ」 頼むよ佐々木。俺の言葉なんかで泣かないでくれ。 俺は泣かせるつもりでこんなことを言ったんじゃないんだ。 「だって、ひっく、だって」 古泉、お前は俺が鍵だって言ったよな。扉にしろ、箱にしろ、鍵がないと物は開かない。 俺が鍵なら、佐々木は絶対に安全な存在だ。誓ってもいい。 佐々木は泣きながら言葉を続けた。 「君に、き、嫌われると思ってた。ひっく、だから、だから絶対にばれないようにと思ってたんだ。でも、それでも君は受け入れてくれた」 「おいおい、俺を見くびるなよ?」 「そ、そうだね。ひっく。君は変に達観したところがあったから」 やっと佐々木の顔にも少し笑顔が戻ってきた。やっぱりこっちの方が似合う。 彼が昼間に聞かせてくれた曲。私の心境はまさに今そんな感じ。 こんな私を彼は好きだと言ってくれた。ありのままの私を。 だから少し行動を起こそう。 今日は彼に主導権を握られ続けてる。 この行動はあの歌詞の引用。でも、今はそんな気持ちだから。 彼の目を見つめ、そっと目を閉じる。 それだけ。いくら察しの悪い彼でも、これぐらいなら気が付くはず。 私は泣いているんだ。だから、その涙を止めて? 「それじゃあ帰るよ」 「送っていく」 彼はそう言って靴に足を通す。 「大丈夫さ、まだ外は明るい。それに妹ちゃんについていてあげてほしい」 「しかしだな」 「ほんとに大丈夫さ。きっと僕の知らないところに、護衛みたいな人もいるんだろうし」 彼が苦そうな表情をする。けして自虐的な意味で言ったわけじゃないんだ。 「だから、ね?」 「……分かったよ、気をつけて帰れよ」 「もちろんさ、じゃあまた」 玄関を開けて外に出る。空は夕暮れで赤く染まっている。 今日は思いがけない展開だった。 でも、おかげで彼との心の距離はなくなった。 けして綺麗ではない空気を大きく吸う。 なんだか清々しい。 キョン。 私が好きになったのが君で、本当によかった。 ~To Be Continued~
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1432.html
-----12月25日 (木) 天気:晴れ----- なんということか。 クリスマスに私の番が廻ってくるとは。 今日は書きたいことが沢山ある。 いやしかし、書くべきかどうか。 自分の気持ちに整理がつかない今──この日記を通じて、両親に相談すべきか。 私は悩んでいる。 中学生の時は随分と人間を侮っていたようだ。 “恋”というものに溺れ、振り回され、悲しみ、嘆き、苦しむ。 そんなマイナスのイメージしか持っていなかったからなのか。 馬鹿にしていた──ああ、そうさ。 自分はそんなになるまいと、唯一つ認めることができた愛は父親と母親の間にあるもの。 自分が生まれたそれだけが本当の愛なのだと、自分に言い聞かせていた。 ──思い込みも甚だしいな、と自分でも思う。 だから「片思い」は“恋”だと思っていた。 想いは自分からの一方通行。 そして、空回り。 そして私は選んだ。 自分と相手の絆が壊れないほうを。 昔話はここまで。 続きはまたいつか書こうと思う。 少し固めの文章で語ってみたはいいけど、思い出してみると僕は愚か者だね。 今も家でくすぶっている。 彼は彼で楽しくやっているんだろうなあ…。 なんて、何も出来なかった僕が後悔するのはしかたのないこと。 思い切って明日にでも乗り込んでみようか。 うん、そうしよう。 今日は面白いテレビを見て、読みかけの本を読んで、暖かいベッドでぐっすり眠ろう。 ……それでも頭から離れないんだろうな。 だけど憂えてはいられない。 そんなのに負けてしまったら、心が押し潰されてしまいそうだから。 僕が「恋」も「愛」も同じもの、かけがえのないものだと気づいたあの時から僕は───。 お父さん、お母さん。 今日の日記はとりとめがなくてごめんなさい。 メリークリスマス。 ──ある日の佐々木家・家族日記より抜粋(都合により父・母からのコメントは省略)── ---日記の「コメント・メッセージ欄」より抜粋--- 子どもの成長を見るのは楽しく、嬉しくもあり、また少し寂しいものでもあります。 今回は何かが上手くいかなかったみたいね。 詮索はしません。 あなたの人生だもの。 私が言うのもなんだけど、あなたは「心」っていうものへの対応が少し苦手ね。 私の娘だけあるわね…(ここだけの話、私もそうだったのよ)。 恋に答えはありません。 経験から学びなさい。 あなたは一途だから想い人はずっと変わらないかもしれない。 それは病気なんかじゃなく、あなたがピュアな女の子だという証なのよ。 だから、楽しみなさい。 精一杯ね。 母より。 ◆追記事項:長々とごめんなさい。 娘の成長を見るのは楽しいものである。 もう高校生だから恋というものを心に覚えても不思議はない。 ただ……ただ父親としては寂しいもの……る。 その想い……を…えてほし…… ※以下多量の水滴(おそらく涙であると思われる)により字が完全に滲んでいるため解読不可。
https://w.atwiki.jp/akb44/pages/1626.html
佐々木綾美をお気に入りに追加 佐々木綾美とは 佐々木綾美の38%は不思議で出来ています。佐々木綾美の33%は微妙さで出来ています。佐々木綾美の22%は勇気で出来ています。佐々木綾美の7%はビタミンで出来ています。 佐々木綾美@ウィキペディア 佐々木綾美 佐々木綾美の報道 世界の架け橋を描く「ILU GRACE(アイルグレイス)」が作り上げる音楽イベント『Imagination』開催! - Newsweekjapan 石巻くじら絵画コンクール 小中学生253人が応募 きょう展示開始 - 河北新報オンライン 佐々木綾美をキャッシュ サイト名 URL 佐々木綾美の掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 佐々木綾美のリンク #blogsearch2 ページ先頭へ 佐々木綾美 このページについて このページは佐々木綾美のインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木綾美に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5763.html
~佐々木宅にて~ 電話が鳴る。誰からだろう。 「はい、もしもし」 携帯から聞こえてきた声を聞いて安心する。 「おう、佐々木か?」 彼だ。 僕が別人だとしたら、君は一体誰の携帯に電話しているんだい?」 言う必要のない文句を一つ。 それを彼は、笑って返してくれる。 「はは。そういうなよ。社交辞令みたいなもんだろ」 「くつくつ。それでどうしたんだい?待ち合わせの時間まで、まだ二時間以上はあるけど?」 私の声が聞きたくなったの? ……もちろんそんなことは聞けない。 まだ恥ずかしい。 「あぁ、それなんだが……すまんが今日は行けなくなったんだ」 なるべく不機嫌になったのを悟られないように言葉を返した。 彼の勘はなかなかに鋭い。こと恋愛ごと以外には。 「……訳を聞こうか?」 理由はこうだ。 妹が風邪をひき、家には親がいない。 そして彼はそんな妹を一人にしとくのは気が引ける、と。 「シスコンってわけじゃないが、休みの日に寝込んでる妹を放って遊びに行くわけにもいかんだろ」 そんな妹想いな彼にまたいらない文句を。 「そうだね。君にしては正論だ」 「一言いらんぞ」 だって彼は仕方ないとはいえ、私との約束を守れなかった。 これくらいはいいよね? 「くつくつ。気をつけるよ」 「そういうことだ。悪いが、その、デ、デートはまた今度でいいか?」 「そ、そんなに恥ずかしそうに言われると、僕まで照れてしまうよ」 「すまんな、こればっかりは言い慣れていないからどうしようもない」 彼とは付き合い始めてまだひと月と少し。 長い間友達だった分、彼氏彼女の関係にはどうして慣れない。 「構わないよ。僕としては君とのデートも大事だけど、キョンの妹ちゃんの方が心配だし」 これは本心。だって彼は優しいから。 「悪いな」 「謝ってばっかりだな」 横にある枕を抱き寄せる。なぜだろ? 「そりゃな、穴を開けたのは俺だ」 「あんまり謝ってばかりだと、本当に謝ってもウソに感じてしまうよ?」 「それもそうだな」 「くつくつ。それじゃあ、妹ちゃんをお大事に」 「ありがとうな。またな」 彼からの電話が切れる。少しは甘い内容の会話をしてほしいものだよ。 でもそんなことを彼に期待するのは、本物のUMAを発見するより難しい。 そんな彼を好きになってしまった自分を責めるほかない。 それにしても、今日の予定が無くなってしまった。 二時間後に控えた三度目のデート。 さて、どうしたものだろう。 橘さんに連絡を取る? きっと彼女なら喜んで駆けつけてくれる。 ……彼は今頃妹の面倒を見ているのかな? 熱を測ってあげたり、水枕やタオルを換えてあげたり、お粥を作ってあげたり。 「くつくつ」 そんな彼の姿を想像すると笑ってしまう。 それと同時に、彼の妹に多少の嫉妬を。 病人に嫉妬なんて不謹慎にも程がある。でも彼に構ってもらえるなら、甘んじてその役を代りたい。 たった一週間会えないだけでこんな風に思ってしまう。 付き合う前は一年も我慢したのに。 でも仕方がないと思う。 気持ちが通じたのだから。だからこそ、より愛しく感じる。 恋愛は精神病の一種。 付き合ってしまえば治ると思った症状は、まさかの大悪化。 この病気の特効薬はどこで手に入るのだろう。 風邪と水虫の特効薬を完成させればノーベル賞が貰えると聞いたことがある。 きっと恋愛の特効薬を見つけることが出来ても、ノーベル賞が貰えるかも。 !!! 退屈な休日をどう過ごそうか考えていると、 ここで名案が一つ浮かんだ。 我ながらいいアイデアだと思う。 双方にとって得のあるアイデア。 まさに一石二鳥。 よし、準備をしなきゃ! ~キョン宅にて~ 「ケホケホ。キョンくんごめんね?」 布団に寝ている妹が俺に謝ってくる。 お前は熱があるんだ、仕方ないだろ? 「でも、きょうはデートだったんでしょ?」 子供がそういうこと気にするな。いつの間にそんなにマセたんだ? 「えへへ」 俺に出来ることなんてたかが知れているし、症状はただの風邪。 まぁ、体格的にも幼い妹だ。ただの知恵熱かもな。 「なにか食べたいものあるか?」 「えっとね、アイス」 予想していた答えとはいえ、まだまだ子供だな。 「わかったよ。ちょっとそこのコンビニ行ってくるから、おとなしく寝てるんだぞ」 「はーい」 「で、どんなのがいいんだ?」 「あまいのがいい」 甘くないアイスがあるなら、俺は是非食べてみたいな。 「ちがうよー、あっまーいのがいいの」 どう違うのかはイマイチ分からなかったが、妹にはすぐに戻るからとだけ伝え、コンビニに向かった。 「いってらっしゃーい、ケホケホ」 ~コンビニにて~ 風邪にはなにが効くんだっけかな。 ビタミンCだっけ? 個人的にはとりあえずみかんのゼリーと、やっぱりポカリだよな。 それと甘ーいアイスか……どれも大して変わらんだろ。 バニラアイスを四つくらい買っとくか。 こんなもんでいいだろ。 ~キョン宅にて~ 「キョンくんおかえりなさい」 さっきより少し顔が赤い。熱がまた出てきたのかもな。 冷えピタでも差し入れてやるか。 「ただいま。今食べるか?」 「う~ん、あとにする」 まだ食欲は戻ってこないか。無理に食べさせるのも酷だな。 「そうか、じゃあ俺はリビングにいるから、腹減ったり、構ってほしくなったら呼べよ」 「わかったー」 仕方ないとはいえ、やはり元気がない。 いつもの元気な声が聞けないのは、兄にとっても寂しい限りだぞ。 「子機、枕元に置いとくから」 「ありがとー」 そう妹に告げ、頭をひとなで、ふたなで。 嬉しそうにする妹の笑顔を見れるだけで、少し俺も優しい気持ちになれる。……ような気がする。 はは、がらにもなかったな。 さて、暇になったわけだが……何をするか。 部屋に戻って勉強、それは嫌だな。 なら片付けでも、いやいやそれだとうるさくなるな。 どうしたもんかね。 そういえば俺の昼飯ってあるのか?まずは冷蔵庫チェックだな。 ピンポーン。 間の抜ける音だな。来客か?そんな話聞いてないんだがな。 ピンポーン。 分かった分かった、今出るから待ってろ。 「はーい、今出ますよっと」 ガチャ 「……あれ?」 おかしいな、なぜここに? 「や、やあ」 扉の先にいたのは佐々木だった。 「どうしてお前がここに?」 さっき頭の中に浮かんだ疑問を、本人に直接伝える。 「ど、どうしてって、それはその……」 少し顔を赤くした佐々木が、俯き気味にぼそぼそと言う。 う~ん、聞き取れん。 「まあ、玄関で立ち話もなんだから上がってくれ」 中途半端に開かれた扉を大きく開く。 外の暖かい空気が家の中に流れ込んでくる。 「お邪魔します」 どうぞ。 パタン 来た。彼の家に来た。 いつぶりだろうこの家に来るのは。 通されたリビングを見ると、昔からあるものがチラホラ。 人の家なのに勝手に懐かしさを感じてしまう。 「妹の見舞いにでも来てくれたのか?」 コップにオレンジジュースを持ってきてくれた彼が、それを私の前に置き聞いてきた。 「あ……うん」 なんとも歯切れの悪い答え。自分に減点! 「ありがたいんだが、ただの風邪だからたいしたことないぞ」 「そう」 「悪いな、わざわざ」 「……」 緊張して上手く喋れない。 彼氏の家に遊びに行くのって、こんなに緊張するんだ。 「佐々木?」 あまりに喋らない私を気にして話かけてくる。 何か喋らなきゃ。 「今日はご両親がいないんだろ?」 「あぁ夜まで帰ってこないんだ。おかげで飯の用意もしなくちゃだ。お粥なんか作ったことがないんだけどな」 つまり、これで私のアイデアが活かせる状況になったというわけだ。 私が願ったから?そんなことはないはず、まだ私は不完全。 完全になりたいというわけではない。 いや、今はそれどころじゃない。次の言葉を言わなきゃ。 「も、もし、もし君さえ良かったらなんだが」 「なんだ?」 もう一声。 「ぼ、僕がご飯くらい作ってあげようか?」 「佐々木が?」 その言い方だと、私が料理出来ないみたいじゃない? ほんとにそういった心遣いは皆無なんだから。 「これでも多少は心得があるんだ」 誇張はしない。ほんとに多少だから…… 「いや、悪いだろ」 そう返すことは想定の範囲内。だってキョンだもん。 「気にしなくていいよ、そもそも君のおかげで今日の予定は無くなったんだ」 ここで小言を一つ。会話の主導権を握らなきゃ。 「耳が痛いな」 「くつくつ。一概に誰かのせいって訳ではないんだがね」 「しかしだな」 彼が喋り終わる前に言葉を被せる。 「それに不慣れな君の料理を食べて、妹ちゃんが体調を悪化させても可哀想だろ?」 我ながら、素直じゃないなぁ、とは思う。でも今の私にはこれが精一杯。 「ぐっ、まったくだ」 「そういうわけだよ。僕は暇を持て余している、君は人手がほしい。利害の一致さ」 君に逢いたかった、こう言えればいいのに…… 「いいのか?」 「もちろんだよ」 「それならお言葉に甘えさせてもらおうかな」 「賢明だね」 「すまんな」 「それで、キョンはお昼はどうしたんだい?」 「これからだ。ちなみに妹は今は食べたくないそうだ」 「じゃあ早速作ってあげる!」 早速のチャンスに気持ちが早って、口調がおかしくなってしまった。 「ごちそうになろうか」 よかった。あまり気に留めてはいないみたい。 「冷蔵庫開けさせてもらうよ」 「どうぞ」 彼の実家で、彼のために私がお昼を作る。 どうしよう。顔がにやけてしまう。 これも一つの幸せの形なんだと思う。 ふふ、まだ高校生なのにそんなものを感じるなんて、いささか生意気かな? ふと、何かの気配を感じる。誰かが近くにいる訳ではない、感じるのは視線。 「ん?僕の顔に何か付いてるかい?」 彼の視線に気付いた私は彼を見て微笑む。 どうかな、私の飛び道具は。少しは自信があるんだ。 それにこんな笑顔を見せるのは君だけなんだよ? 「いや、なんていうんだろうな。なんかいいなぁって」 強烈なカウンター。なんとかテンカウント以内に反応しなきゃ。 「……ま、真顔で言わないでくれないかな?」 私のダメージはご覧の通り。もうフラフラ。 反撃の言葉も出ない。押されれば倒れてしまいそう。 「正直な感想だよ」 そして、放たれたフィニッシュブロー。 もう決定。彼は天然の女ったらし。 鏡を覗けば、まるでトマトのように顔を赤くした生き物が見れると思う。 あまりに恥ずかしい。ちょっと話題を変えなきゃ。 「そ、そういえばこの間CDを買ったよね?」 自分の記憶を探って一つの話題を。これなら無難かな。 「……あぁ、The Tel○ersか。よく覚えてたな」 「あの日の出来事は、そうやすやすと忘れられるようなものじゃないよ」 ひと月と少し前、彼と一年ぶりに再会を果たし、彼に自分の気持ちを伝えた日。 忘れられない日。 「そうだな」 彼にとっても忘れられない日。……だと思う。 「せっかくだし聞かせてくれないかい?」 聞かせてくれる約束をしていたしね。 「わかった」 そう返事をした彼は、自分の部屋へと戻っていく。 ふぅ、彼と二人っきりの空間は、まだちょっとキツイかな。 普段より余計に意識してしまう。 あれこれ考えていると彼が戻ってきた。 そしてCDをDVDプレーヤーに入れる。 「君のオススメをとりあえず聞かせてほしいな」 彼のセンスをお手並み拝見。 「いいぞ。そうだな……If I S○yなんてどうだ?」 彼の口から出てくる英語に妙な違和感を感じる。 単純に似合ってないだけだけど。なんだか背伸びしてるみたい。 TVのスピーカーから優しい音が流れてくる。 聞く人によっては女性の声に聞こえそうな柔らかい男性の声。 軽やかなギター。自己主張が激しすぎないドラム。 ふむ、彼のセンスはなかなかによろしい。 そして、この歌詞。……分かっているけど、自覚は無いんだろうね。 「……柔らかい声だね」 率直な感想を言う。 「悪くないだろ?」 「いいね。普段は洋楽なんて聞かないからとても新鮮だよ」 洋楽なんて、有名どころしか知らない。 「俺もだよ。友達に紹介されるまで見向きもしなかった」 笑いながら彼が言う。彼が言うには、その友達はすでに四百枚以上のコレクションがあるらしい。 高校生のくせに随分とお金廻りがよろしいことで。 「ところで君はこの歌詞の意味を理解してるのかな?」 答えは分かっている。だけど、一応聞いてみた。 もしかしたら、ね? 「それが今まで洋楽を聞かなかった理由だな。さっぱりわからん」 やっぱりね、日本人は勤勉なわりに英語の苦手な人が多い。 「君らしい理由だ。まぁ、みんなそうか」 やれやれ、と彼は肩をすくめて苦笑い。その癖は変わらないね。 「友達にな、Sig○r Rsというバンドを紹介されたんだ」 「うん」 「音楽的には好みじゃなかったんだが、歌詞がアイスランド語と造語だと聞かされてな」 「それは画期的だね。そもそもアイスランド語さえ初耳だよ」 果たしてアイスランド語なんて身近にあるのかな? 多分聞いたことが無い。 「だろ?そのバンドが世界中から大絶賛されたんだと。つまり、いい音楽は歌さえ楽器なんだ、と教わったよ」 「言語は関係ないと?」 「歌詞に意味はあるが、それを歌う言語は関係ない、だそうだ」 実に興味深い。 考え方は人それぞれということだね。 「はは、実際同じ日本人でも歌詞カード見なきゃ、何言ってるかわからんやつらは山ほどいるからな」 「くつくつ。たしかにね」 彼のいうことも分かる。もしかしたら今の日本人は母国語のリスニングすら危ういのかも。 「そういえば、佐々木は英語のリスニングは出来るのか?」 「人並みにはね」 「すごいな」 猛勉強したからね、とは答えずに謙虚に答える。 「そんなに誇れるものじゃないさ」 だってこう言ったほうが、より出来るように聞こえるでしょ? 「さっきの歌はなんて言ってたんだ?」 ……それを私の口から言わせるんだね。君は。 「……えっと、その」 ほら!口篭ってしまったじゃないか! 「……もしかして、卑猥な内容だったのか?すまん」 そこで申し訳ない顔をされるとね。答えるしかないじゃない。 「ち、違うよ!その、ね、熱烈なラブソング……だった」 歌詞の内容は、 愛してると言ったら君にも言ってほしい、泣いていたらキスをしてほしい、死ぬ時は一緒に、お願いだらかどこにも行かないで だいたいはこんな感じ。ただの未練がましい男の言葉にも感じるけど、私にはプロポーズに感じる。 だから私は後者を彼に言った。変な他意はないよ? 「……」 そこで黙らないでほしいな、こっちだって恥ずかしいんだから。 「その、もし君が歌詞を理解していて、そのうえで聞かせてくれてたら、か、カッコよかった、かな?」 って、何を言わせるの君は! 「悪い、ちょっと恥ずかしかった」 それは私の台詞。耳まで熱い。 いったい今日は何回赤面すればいいんだろ。 これは釘を刺しとかなきゃ。 「まったく、もう少し勉強を頑張った方がいいんじゃないかい?」 「精進するよ」 「そうしてほしいね。それとお昼ごはん出来たよ」 「それはありがたい」 ~食事後~ 「ごちそうさま」 そう言って彼は、お皿にスプーンを置く。 作ったのはオムライス。これならあまり多くの食材を使わなくても出来る。あくまで人の家だから多くは使えない。 ケチャップでハートを書こうと思ったのは内緒。 黙って彼を見つめる。まだ感想を聞いていないからだ。 「ん?あぁ言ってなかったな。おいしかったよ。ついつい食べるのに夢中になってな」 私の視線に気付いた彼が笑ってそう言った。 「くつくつ。君の口にあってよかったよ」 それに私も笑顔で答える。 でも、そこはキョン。次の瞬間には私の笑顔も凍りつく。 「しかしあれだな、将来お前と結婚するやつは幸せだな」 ……今なんて? 「こんなうまい飯を毎日食べれるんだからな」 さて、今のキョンの発言は二種類に取れる。 一つ、その将来の相手を自分と置いての発言。 二つ、お得意の鈍感、無神経。 どちらにしても私の止まった時間は動かない。 「どうした?」 どうしたと思う?わからないんだろうな。 君って人は本当に、 「馬鹿」 「へ?」 ほら、その反応だもの。……いいんだけどね、もう慣れたよ。 「そろそろ妹のとこにも顔を出さないとな」 そう言って彼が椅子から立ち上がり、冷蔵庫の前に歩いていく。そして中から手にしたのは、冷えピタ。 「結構熱があるのかい?」 「さっき見たときは顔が真っ赤だったな」 それはなかなか辛そう。 「こんな時期に珍らしいよ」 「夏風邪は馬鹿が引くっていうじゃないか、あいつもまだまだお子様だからな」 それは聞き捨てならないね。ここは妹ちゃんに加勢しておこう。 「くつくつ。キョン、それはおかしいよ」 「なにがだ?」 不思議そうな顔でこちらを見てくる。この小言にカウンターが出来るならしてもらおうか? 「その通説通りなら、この家に病人がもう一人いることになるよ」 「言ってくれるじゃないか」 「くつくつ。反論出来るかい?」 今日は彼のペースにハマりまくり。ここらで挽回しないと。 「悔しいが出来んな。しかしだ、そんな俺を好きになったお前はほんとに物好きだな」 彼の口元が意地悪く歪む。なんてやつ! 認めるほかない。私は彼以上に恋愛に奥手なようだ。 今も私は顔を赤くしながら、口を金魚みたいにパクパクさせてる。 「あっはははは、悪い悪い、冗談だ。そんなに困った顔をしないでくれないか」 なんでそんなに余裕な態度なの?なんだか別人みたい。 とりあえず私は俯いてから、彼のすねをトゥーキックしてやった。 痛みにのたうちまわる彼を捨て置いて、妹ちゃんの部屋に向かう。 コンコン ノックに返事はない。まだ寝てるようだ。 「お邪魔しまーす」 小さな声で部屋に入る。なんだか忍び込んでるみたい。 大佐、標的を発見した。これより標的を介護する。 小さく寝息をたている妹ちゃんの枕元に近づく。 もう温まりきっている冷えピタを剥がし額に触れてみた。 まだ少し熱っぽいかな? 顔に浮かんだ寝汗を濡れタオルで拭いてあげ、彼から取り上げた新しい冷えピタをつける。 「……ん」 寝言かな? そう思っていると、うっすらと目を開けて私を見てきた。 「……おかあさん?」 へ?どうやら寝ぼけてるみたい。 ここは一つ、彼女の言葉に付き合ってあげよう。 「大丈夫?」 声真似は出来ないからなるべく優しく声をかけた。 「まだ、ぼーっとするー」 たしかに。表情がそう語っている。 「何か食べたいものある?」 私の母は熱を出した時にこうやって聞いてくる。 「えっとねー、キョンくんがねー、アイスかってきてくれたのー、それがいいー」 むむ、ちゃんとお兄ちゃんやっていたんだね。 「じゃあ今持って来るね」 そう言って妹ちゃんの頭を撫でて、部屋を出ようとした。そしたら、 「ありがとー、おかあさん」 ふふ、お母さんじゃなくてごめんね。でもそのうち本当のお姉ちゃんになるかも。……なんてね。 リビングに戻ると、彼はさっき食べた食器を洗っていた。 「具合はどうだった?」 「前の様子は見てないから比べられないけど、食欲は出たみたいだよ」 「そうか」 そう言って安心した顔をする。実に妹思いだね。 「なにが食べたいって?」 「アイス」 彼は少し笑って冷蔵庫へ。そしてアイスを手にしてリビングを出た。 「さっきよりは具合が良さそうだ」 その言葉を聞いて、少し安心した。 「くつくつ。良かったじゃないか」 「あぁ、まったくだ」 彼はソファーに座るとTVを付ける。 旅番組。お昼の情報バラエティー。昼ドラ。 どれもこれも退屈なものばかり。 それでもこの時間は悪くない。何の会話をせずともゆったりした気持ちでいられる。 悪くない、悪くないよ。 楽しいときの時間の流れというのは、あっという間だ。 特に何かをしたわけじゃないけど、最近の出来事を話したり、昔話に花を咲かせたり。 とても充実した時間が流れたと思う。 すでに時間は夕方の五時。親には六時くらいには帰ると言ってある。 そろそろおいとましないと。 「キョン、僕はそろそろ帰るよ」 「ん、……あぁ」 歯切れの悪い返答。思わず聞いてしまう。 「どうしたんだい?」 佐々木が俺に声をかけてくる。 古泉の言葉が頭によぎる。 本当に言うべきか分からない。 でも、古泉は言っていた。 佐々木もまたハルヒと同じ力があると。 この一年で、俺は古泉が信用できる人物だと思っている。 本当は今日のデートの帰りにでも言おうと思っていた。 なんて? お前はおかしな力があるのか? 俺の記憶をいじってないか? 世の中を都合のいいようにしているのか? お前は、いわゆる神なのか? お前は……普通じゃないのか? こんなこと言えるわけがない! じゃあ、何も知らないフリをしてこのままいられるのか? それは無理だろ。でも、言うことでお前を傷つけたら……俺は…… 「キョン!」 佐々木の大きな声で、嫌な思考の流れから我に返った。 「いったいどうしたんだい?」 「いや……大丈夫だ」 「大丈夫なわけないだろ!顔が真っ青じゃないか!」 「本当だ、具合は問題ない。ただ考えごとをしてた」 本当に心配そうな顔をした佐々木が、俺を覗き込んでくる。 よりによって、なんでお前なんだよ。 「僕でよかったら相談に乗る。何でも言ってくれないか?」 言うべきか。 でもな、佐々木?これは俺だけの問題じゃないんだよ。 「僕にも……言えないことかい?」 佐々木は問いに一向に答えない俺に向かって、とても寂しそうな表情をして言ってきた。 頼む、そんな顔をしないでくれ。俺が泣きそうだ。 「キョン、泣いているの?」 どうやら、佐々木の言葉通り、俺は泣いているらしい。 なんて情けないんだ。 「分からないよ、さっきまで僕はあんなに楽しかったんだ。それを突然涙するなんて」 「悪い、笑っていいぞ。ちょっと感情のコントロールが出来なかっただけだ」 「笑えるわけないだろ!」 ついに怒らせちまった。 「どうしたんだよ!全くもって意味不明だ!」 そうだな。客観的に考えれば俺もそう思う。 「……先週のことだ」 「先週?」 話そう。そして佐々木との関係をゼロに戻す。俺の余計な考えを全て話し、真っ白な状態でお前に向き合うよ。 そして、また好きだって言ってやる。必ずだ。 「いや、その前に一つ確認させてくれ。お前は神をどう思う?」 「か……み?」 その反応が俺に確信を持たせてくれる。 古泉、俺は本当にこのまま続けていいのか? 「あぁ、神だ」 「ど、どうって、そ、そんなの空想の産物、だろ?」 「そうだな。しかし俺は、影で神と信じられている人間を一人知っているんだ。もしかするとそれは二人かも知れん」 「……」 佐々木が無言になる。辛いよな、すまん。 「そいつは自分自身の力に気付いてはいないが、どうやら思ったことを何でも現実にすることが出来るみたいなんだ」 俺の話は続く。佐々木は口を開こうとはせず、下を向いている。 「そして、そいつが望んだとおりの登場人物が周りに集まりだした。どうやら俺もその一人だったみたいだ。まぁ、イレギュラーみたいなもんだと信じたいがな」 話を続けた。長門の情報統合思念体、古泉の機関、朝比奈さんの未来人としての情報。 そういった情報はなるべく包み隠しながら。 どれくらい話たんだろうな。 しばらく話してから、俺は佐々木に聞いた。 お前の顔を見れば答えは分かる。 でも聞かなくちゃな。 「佐々木」 肩がビクリと動く。 「なんで俺がこんな話をしたのか……分かるだろ?」 「……」 「冒頭の話に戻るぞ。俺は先週、お前がもう一人の神であると言われた」 佐々木の体全体が震えている。本当にすまない。 「以前の俺なら、鼻で笑っておしまいだ。でもこの一年間で状況は変わったんだ」 「……誰だかは知らない。でも、その人の言葉を信じるのかい?」 弱々しい声。こんな佐々木は初めてだ。 「実際は半信半疑だ。でもそいつは信用できるやつなんだよ。しかしだ。お前が違うと言うなら、俺はそれを信じる。天秤にかけるまでもない」 「……僕は」 ここは黙って答えを待とう。 佐々木を追い詰めるなんて、俺にはもう無理だ。 「僕は、僕は神なんかじゃない。……でもキョン。僕には力がある。君が言った不思議な力があるんだ」 佐々木の目からは涙が零れている。 「不完全な力さ。でも言われたよ。僕の力が整えば全てが思いのままだとね」 情けないことに言葉も出ない。俺には相槌をしてやるのが精一杯だ。 「初めはスゴイと思ったよ?でもよく考えてみてくれ。何でも出来るんだ、そんなの……人間じゃない。バケモノだよ」 「違う!」 かろうじて声が出た。バケモノ?少なくともそれだけは間違っている。 「違わないさ。昔から異能の人間は決まってバケモノなんだよ」 なかば諦めにも似た表情で微笑んでくる。 「誰かに言われたのか?」 「いや、ただ第三者の視点で見るとそうだろ?僕が誰々が嫌いだと強く思えば、その人は消えてしまうかもしれないんだ。そんなの普通って言えるのかい?」 確かに異常なことだ。でもな、佐々木。お前はそんなやつじゃないだろ。 「そうかもね。でも……」 こんなこと言わなきゃよかった。佐々木が辛い顔をするのだって分かってた。 だが、それも後の祭りだ。でも俺は…… 「別に佐々木を責めてるわけじゃない、俺がしているのは確認だ。現に俺はお前より強力な力を持つやつと一年間一緒にいたんだ」 そう、古泉が言っていた。まだ佐々木の力は弱い。 「確認?確認したらどうなるっていうんだい?」 「現状が分からなきゃ、お前の力になれないだろうが」 佐々木が不思議そうな顔をしてきた。なんだ、何か間違ったか? 「僕の力に?」 「当たり前だろ?」 「無理だよ。君は普通の人間なんだろ?僕の友達も言ってたよ」 そうだな、普通だ。それでもな、俺はお前の彼氏なんだ。 普通とか普通じゃないとか関係ない。自分の女の力になる。 理由はそれで十分だろ? 「……不思議だよ。君はそんなことが言えるタイプの人間じゃないはずだろ?」 さぁな、お前と付き合いはじめてからは世の中が変わって見えたんだ。 つまり色々と価値観が変わったんだろうよ。 「くつくつ。……君は、僕が普通じゃなくても一緒にいてくれるのかい?」 嫌いになる理由が分からんな。 「……」 俺は気持ちを固めた。だから再度佐々木に言おうと思う。 「以前言ったとおりだ、俺はお前が好きだよ。この気持ちに気付かせてくれたのは、佐々木、お前だ」 頼むよ佐々木。俺の言葉なんかで泣かないでくれ。 俺は泣かせるつもりでこんなことを言ったんじゃないんだ。 「だって、ひっく、だって」 古泉、お前は俺が鍵だって言ったよな。扉にしろ、箱にしろ、鍵がないと物は開かない。 俺が鍵なら、佐々木は絶対に安全な存在だ。誓ってもいい。 佐々木は泣きながら言葉を続けた。 「君に、き、嫌われると思ってた。ひっく、だから、だから絶対にばれないようにと思ってたんだ。でも、それでも君は受け入れてくれた」 「おいおい、俺を見くびるなよ?」 「そ、そうだね。ひっく。君は変に達観したところがあったから」 やっと佐々木の顔にも少し笑顔が戻ってきた。やっぱりこっちの方が似合う。 彼が昼間に聞かせてくれた曲。私の心境はまさに今そんな感じ。 こんな私を彼は好きだと言ってくれた。ありのままの私を。 だから少し行動を起こそう。 今日は彼に主導権を握られ続けてる。 この行動はあの歌詞の引用。でも、今はそんな気持ちだから。 彼の目を見つめ、そっと目を閉じる。 それだけ。いくら察しの悪い彼でも、これぐらいなら気が付くはず。 私は泣いているんだ。だから、その涙を止めて? 「それじゃあ帰るよ」 「送っていく」 彼はそう言って靴に足を通す。 「大丈夫さ、まだ外は明るい。それに妹ちゃんについていてあげてほしい」 「しかしだな」 「ほんとに大丈夫さ。きっと僕の知らないところに、護衛みたいな人もいるんだろうし」 彼が苦そうな表情をする。けして自虐的な意味で言ったわけじゃないんだ。 「だから、ね?」 「……分かったよ、気をつけて帰れよ」 「もちろんさ、じゃあまた」 玄関を開けて外に出る。空は夕暮れで赤く染まっている。 今日は思いがけない展開だった。 でも、おかげで彼との心の距離はなくなった。 けして綺麗ではない空気を大きく吸う。 なんだか清々しい。 キョン。 私が好きになったのが君で、本当によかった。 ~To Be Continued~
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1583.html
あれはシルバーウィークとやらいう連休のド真ん中のことだった。 大型連休に浮かれたハルヒの奴が連日SOS団の皆を連れまわし、 ヘトヘトになって帰宅する途中で久しぶりに佐々木と出会ったのだ。 帰り道を疲れた足取りでたどりながら、それぞれの近況や、SOS団の愚痴など、 他愛もない会話を俺は佐々木と交わしていた。 「黄金週間がゴールデンウィークなら、白銀週間はシルバリィウィークになるかと思うのだけれど、 シルバーウィークで本決まりのようだね。 日本人は形容詞と名詞の区別をあまりしないというのも、思えばおかしな話だね、キョン」 そう言ってくっくっと笑う佐々木に、ふと何の気なく、 「そういや今日って何の祝日だっけ?」とたずねてみた。 佐々木は俺の顔のあたりに目をやって、小首を傾げてみせる。 それが普通の人で言えば、「ん?」と相槌をうつようなしぐさだということは、 中学時代から知っている。 「やれやれ、キョン。君は今日が何の日かもわからずに、でも祝日だけは満喫したというわけだね。 典型的な大衆の行動様式、と言われて反論できるかい?」 そんな風に切り返してみて、けれどすぐに視線をやわらかくして微笑む。 「なんてね。今日は敬老の日だよ。 以前は9月15日が敬老の日だったけれど、「ハッピーマンデー」なる珍妙な仕組みのおかげで、 9月の第3月曜日に移ったのだよ。 つまりキョン、君はこの連休中にでも、御祖父母に電話のひとつもかけるべきだということさ」 ああ、それで今日が何の日か、やけに印象が薄いんだな。 そう納得して頷く俺に、佐々木は弾んだ声で続けた。 「ついでに言えば、9月21日というのは、SF小説の祖H・G・ウェルズや、 ホラー小説の大家S・キングの誕生日でもあるね。 後は有名どころといえば、「惑星」で有名な作曲家のホルストや、 少々古いけれど、宗教改革で名を後世に残した、ジロラモ・サヴォナローラの誕生日も今日だったかな。 忌日で言えば、宮沢賢治の亡くなった日ということが一番有名じゃないかな?」 佐々木は頭の中を整理するように、人差し指をしなやかに振りながら、諳んじるように語る。 いや、佐々木、そこまで聞きたかったわけでもないんだが。 しかし何故そんなことまで知っているんだお前さんは。 「こんなもの、グーグルトップページなり、wikipediaなりをざっと眺めれば3分でわかることだよ?」 いやいや。普通そこまで調べないから。 俺が顔の前で手を振ると、内心の呟きまでも聞き取ったかのように、佐々木はくっくっと笑う。 その笑みの途中で、佐々木は何かを思い出したように笑みを止め、瞳をきらめかせた。 まーた何か思い出したらしい。 「そう言えばキョン、君は確か、 『サンタクロースなんて、ものごころついた頃から信じていなかった』と言っていたね?」 あれ、そんなこと佐々木に言ったっけ? 「うん。中学時代に何度かご高説を拝聴した記憶があるよ」 よく覚えてるもんだな、そんなつまらん話。 「君との会話で、つまらないものはなかったよ、キョン」 すごいな。俺なんかお前に教わった雑談、半分くらいは忘れてる気がするよ。 やっぱり頭の出来が違うんだろうな。 そう言うと、なぜか佐々木はやけに不機嫌そうに眉をしかめた。不肖の聞き手ですまんな。 「それで、話の続きだけどね。 1897年のニューヨーク・サンという新聞に『サンタクロースは実在するのか』という社説が 掲載された日としても、9月21日は有名なんだよ」 うわ、うさんくせえ。電波系の新聞かソレ。 「まあ、タブロイド誌らしいけど、そこまで言わなくてもいいだろうに」 佐々木はちょっと眉をしかめて俺を軽くにらみながら、それでも大して気にした様子もなく続ける。 「当時8歳のヴァージニアという女の子が、友人に『サンタクロースなんていない』と言われて、 サン新聞にサンタクロースはいないのか? という投書をしたんだ」 小学校2年か。えらい素直というか、まあウチの妹もそれぐらいの頃だったらやりそうな気はするが。 「それに応える形で、論説委員のフランシス・チャーチが掲載したのが、 『サンタクロースは実在するのか』という記事なんだよ。 僕はね、キョン。アメリカという国の善なるものが全て、この記事に詰まっているようで、たいそう好んでいるんだよ」 今日一番の大きな笑みを浮かべると、佐々木はその記事をかいつまんで話してくれた。 『--ヴァージニア、 この広い宇宙では、人間は小さな小さなものなんだ。 私たちには、この世界のほんの少しのことしか分からないし、本当のことを全て分かろうとするには、 まだまだ時間がかかるんだ。 実はね、ヴァージニア、サンタクロースはいるんだよ。 愛や、思いやりや、いたわりがちゃんとあるように、サンタクロースもちゃんといるし、 愛もサンタクロースも、私達に輝きを与えてくれる。 もしサンタクロースがいなかったら、ものすごく寂しい世の中になってしまう。 ヴァージニアみたいな子がこの世にいなくなるくらい、とても寂しいことなんだ。 サンタクロースがいなかったら、無邪気な子どもの心も、詩を楽しむ心も、人を好きになる心も、 全てなくなってしまう。 世界でだれも見たことがない、見ることができない不思議なことは、本当の所なんて、誰にも分からないんだよ。 不思議な世界には、どんな強い人でも、どんな強い人がたばになってかかっても、 こじあけることのできないカーテンみたいなものがあるんだ。 無邪気な心や、詩を楽しむ心、そして愛だとか、人を好きになる心だけが、そのカーテンを開けることができるんだよ。 そして、とても美しく、素晴らしい世界を見たり、描いたりすることができるんだ。 嘘じゃないかって? ヴァージニア、いつでも、どこでだって、これだけは本当のことだと言えるよ。 サンタクロースはいない? いいや、いる。ずっと、いつまでもいる。 ヴァージニア、何千年、いやあと十万年たっても、 サンタクロースはずっと、子どもたちの心を、わくわくさせてくれると思うよ』 「微笑ましい、とか偽善的、と切って捨てればそれだけのものかもしれないけれど、 そうしたものをマスコミに携わる人間として守る、というのが、とても大切なことだと思うんだよ」 そうか。……うーん、俺は何かこう、あんまり納得いかんなあ。 こういうこと教えられた子供が大きくなって、却って傷つくような気もするんだ。 「そういう年頃になれば、大人たちが自分と真摯に向き合って、大切にしてくれたことも 分かるんじゃないかと僕は思うけどね」 そんなもんかなあ。 「君の場合、他の子供よりも、サンタクロースに対する憧れがあって、 それを裏切られたショックへの対処として、『最初からサンタクロースなんて信じてなかった』 と自分に信じさせたような気がするよ?」 やや悪戯げな光を瞳にやどして、佐々木はそんなことを言う。 勘弁してくれ。俺はもともとそーゆー熱血タイプじゃないんだって。 「本当かね? 長年そうしたポーズをとり続けてきたところに、ある日突然、 『サンタクロースも神様も宇宙人も未来人も実在しました。それも自分のクラスメイトの中に』 などということになったので、表面は呆れた様子で、でも内心うれしくてたまらずに、 そこが底なし沼であろうとなかろうと、君は両足を揃えて飛び込んでいったんじゃなかったかな?」 やーめーてーくれー。 「今風に言うとツンデレという概念かな? 今までずっと表面上拒絶し、内心求めてきたものが手を差し伸べてきたものだから、 口ではなんやかや言いつつも、それに夢中になってしまうわけさ。 中学時代の友人に連絡をとることも、1年もの間忘れてしまうくらいにね」 いやそれは確かにすまんかったから、もうそのへんにしといてください佐々木先生。お願い。 「だからね、キョン。普段からチャーチ氏の記事のような余裕ある心持ちでいれば、 本当に未知の物が目の前に現れた時でも、少しは落ち着いて対処できるのではないかと、 僕はそんな風に思うのだよ」 講義はこれでおしまい、とでもいうように、佐々木は掌を広げて締めくくった。 掌を追うように視線を動かすと、いつの間にか自宅のすぐ近くまで来ていた。 「では、キョン。また近いうちに」 そう言って、佐々木は律動的な足取りで去っていった。 何か、最後の方は婉曲に説教されまくったような気がする。具体的に何がどうとはいえんが。 うーむ。 連休明け、部室に入ると、古泉が妙にやつれた顔をしており、 朝比奈さんがいつも以上にわたわたした態度でこちらを見る。 また何かあったのか。そういや授業中、ハルヒがやけに静かだったが。 団長席の方を見ると、我らが団長殿が、ホームページのプリントアウトらしきものを、 やけに平板な表情で黙読中である。 たまたまこちら側にヘッドラインが見える角度だ。えーと何、 『サンタクロースは実在するのか』 ………… ……見てたんかハルヒ。OH、SHIT! 古泉がなにか目線でサインらしきものを必死に送ってきている。 ああ、ああ。言いたいことは分かったよ。嫌という程。 助けを求めて長門の方を見やれば、こちらもやけに平板な表情で、 「サンタVSスノーマン」という映画のパンフレットに視線を落としていた。 長門、違う。それ違う。 佐々木よ、こういうときに落ち着いて対処できる心構えとか薀蓄とか、 何でもいいから出前で頼めないものかね。できれば1秒以内に。 ああ、まったく。やれやれ。 おしまい .
https://w.atwiki.jp/voix/pages/1215.html
佐々木静香をお気に入りに追加 佐々木静香とは 佐々木静香の55%はやましさで出来ています。佐々木静香の39%は大阪のおいしい水で出来ています。佐々木静香の5%は赤い何かで出来ています。佐々木静香の1%は真空で出来ています。 佐々木静香の報道 伊達朱里紗「未来の自分を誇れるよう、腹は括っています」 - mj-news.net 【流行語大賞】昨年は「3密」 過去にイナバウアー、そだねーも/大賞一覧(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 佐々木希、パーカのラフコーデ私服を披露 ファンは手元に注目「息子ちゃんの?」(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 佐々木蔵之介が結婚発表「私も53歳の、もういい年です」お相手は一般女性 - ニッカンスポーツ 新婚相葉雅紀に大石静氏「次回作はエロスあふれる激しいラブストーリーを」 - ニッカンスポーツ 佐々木希、手編みバッグ披露するも大不評「可愛いと思えない」 - デイリーニュースオンライン - デイリーニュースオンライン 佐々木希、3歳長男からのサプライズに感激「今思い出しただけで泣ける」 - ニッカンスポーツ 第72回毎日書道展北海道展 会員賞・毎日賞・U23 優秀作紹介(その2止) - 毎日新聞 佐々木希、くるくるパーマの新髪型に賛否の声「昭和美人風」「似合ってない」 - デイリーニュースオンライン - デイリーニュースオンライン コロナ感染の佐々木蔵之介が活動再開「療養解除の基準を満たし」公式サイト - ニッカンスポーツ “長時間の面会”で体の関係…西武・佐々木健、相手女性が明かした“ルール破り”の手口 - 文春オンライン 佐々木希インスタに異変? 突如止まった「自炊報告」、その理由を深読みすると... - J-CASTニュース 佐々木蔵之介がコロナ感染 主演舞台29日の公演中止、ドラマは影響なし - ニッカンスポーツ 【東京パラ 福島県勢勝負の時(下)】柔道女子48キロ級と陸上女子400メートル(福島民報) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ももクロ佐々木彩夏「わがままなんだけど...」 退院&インスタ開設報告で見せた「復帰」への思い - J-CASTニュース 顔面麻痺で入院ももクロ佐々木彩夏退院「できるお仕事から復帰できたら」 - ニッカンスポーツ 東尾理子→佐々木希のリレーに「色々考えさせられる」 NHKの人選に思わぬ反応 - J-CASTニュース 【インタビュー】クリスチャン姉弟音楽ユニット “Rainbow Music Japan” 佐々木静さん・潤さん - クリスチャントゥデイ 佐々木静香のウィキペディア 佐々木静香 佐々木静香の掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 佐々木静香のリンク #blogsearch2 ページ先頭へ 佐々木静香 このページについて このページは佐々木静香のインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木静香に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/akb43/pages/1670.html
佐々木綾美をお気に入りに追加 佐々木綾美とは 佐々木綾美の38%は不思議で出来ています。佐々木綾美の33%は微妙さで出来ています。佐々木綾美の22%は勇気で出来ています。佐々木綾美の7%はビタミンで出来ています。 佐々木綾美@ウィキペディア 佐々木綾美 佐々木綾美の報道 世界の架け橋を描く「ILUGRACE(アイルグレイス)」が作り上げる音楽イベント『Imagination』開催! - アットプレス(プレスリリース) 石巻くじら絵画コンクール 小中学生253人が応募 きょう展示開始 - 河北新報オンライン 佐々木綾美をキャッシュ サイト名 URL 佐々木綾美の掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 佐々木綾美のリンク #blogsearch2 ページ先頭へ 佐々木綾美 このページについて このページは佐々木綾美のインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木綾美に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/voix/pages/1221.html
佐々木瑶子をお気に入りに追加 佐々木瑶子とは 佐々木瑶子の51%は覚悟で出来ています。佐々木瑶子の35%はお菓子で出来ています。佐々木瑶子の5%は根性で出来ています。佐々木瑶子の5%は電波で出来ています。佐々木瑶子の3%は鉄の意志で出来ています。佐々木瑶子の1%は回路で出来ています。 佐々木瑶子の報道 ティアラと皇室、その役割と歴史 愛子さまは黒田清子さんから借用 - 毎日新聞 - 毎日新聞 アイドルが考える、健康な心と体 (後編) 私たちの生理の乗り越え方と、新時代の根性論(音楽ナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アイドルが考える、健康な心と体[前編](音楽ナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 佐々木瑶子のウィキペディア 佐々木瑶子 佐々木瑶子の掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 佐々木瑶子のリンク #blogsearch2 ページ先頭へ 佐々木瑶子 このページについて このページは佐々木瑶子のインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木瑶子に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/jpops/pages/6598.html
佐々木秀実をお気に入りに追加 佐々木秀実のリンク #bf Amazon.co.jp ウィジェット 佐々木秀実の報道 日本コロムビア 創立111周年記念11時間連続生配信、タブレット純・林家たい平・佐々木秀美ら - 全日本歌謡情報センター タブレット純が作詞家・髙畠じゅん子プロデュースのライブ開催、ムード歌謡からグループサウンズ・マヒナ曲も披露 - 全日本歌謡情報センター 【9月25日〜10月8日のイベント】 まだまだあるぞ 各地で秋の催し|上越タウンジャーナル - 上越タウンジャーナル 【8月21日〜9月3日のイベント】 季節は秋へ 催し盛りだくさん|上越タウンジャーナル - 上越タウンジャーナル 【8月14日〜27日のイベント】 夏の終わりは近くの催しで|上越タウンジャーナル - 上越タウンジャーナル 【7月24日〜8月6日のイベント】近くでレジャー 催し盛りだくさん|上越タウンジャーナル - 上越タウンジャーナル 【7月3日〜16日のイベント】夏本番へ 身近な催しから|上越タウンジャーナル - 上越タウンジャーナル 「NHKのど自慢〜おうちでパフォーマンス〜」に山内惠介ゲスト出演決定 - 全日本歌謡情報センター 【4月17日〜30日のイベント】ゴールデンウイークに突入|上越タウンジャーナル - 上越タウンジャーナル 上越文化会館の人気シリーズ「Small Compact Performance 2021」開催! | イベント - joetsu.ne.jp 八代亜紀が松尾芸能賞大賞“従来の演歌・歌謡曲のジャンルを拡張”(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース シャンソン歌手・佐々木秀実 被爆復興を願う幻の古関メロディ『歌謡ひろしま』への想いとシャンソンの 本当 の魅力 - うたびと 古関裕而・作曲の幻の名曲「歌謡ひろしま」を佐々木秀実が歌う - 全日本歌謡情報センター 佐々木秀実、インペリアルジャズフェスティバルに出演、八代亜紀とコラボステージ! - PR TIMES 演歌八代亜紀とシャンソン佐々木秀実がジャズコラボ - 音楽 - 日刊スポーツ 演歌・歌謡ラボ:早瀬ひとみ/佐々木秀実=専門編集委員・川崎浩 - 毎日新聞 タブレット純が昭和の名曲歌唱、永六輔や上柳昌彦アナの声帯模写も - お笑いナタリー 佐々木秀実とは 佐々木秀実の49%は罠で出来ています。佐々木秀実の44%は黒インクで出来ています。佐々木秀実の5%はやさしさで出来ています。佐々木秀実の1%は睡眠薬で出来ています。佐々木秀実の1%は赤い何かで出来ています。 佐々木秀実@ウィキペディア 佐々木秀実 Amazon.co.jp ウィジェット 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 佐々木秀実 このページについて このページは佐々木秀実のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木秀実に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/rinnchi/pages/32.html
92 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 19 56 11 ID wmlExKCP0 日韓併合100年についてのレポートのため、ソウルを訪れていた某キー局看板アナの佐々木メイ(24) 真っ白の半袖のブラウスに鮮やかなピンクのタイトなミニスカート、白のハイヒールという服装で、 セミロングの栗色の髪をアップにして街角で取材を開始。洗練されたファッションに身を包み、抜群の 美貌はそれだけで周囲の注目を浴びた。 カメラマンとディレクターを伴った取材は夕暮れまで続いた。路地裏をぐるぐると回っているうち、 いつの間にかゴミだらけのスラム街だったことに気がついた。生ゴミのような異臭が鼻をつく。 「汚い街・・・ここは何もなさそうですねディレクター」鼻をつまむしぐさも可愛らしい。 元の場所に戻る道を探していたところ、「待ちなよ」と背後から韓国語で声を掛けられた。 振り向くと、そこには角材やチェーンなどで武装した女の集団が立っていた。人数は3人。 年は20代ではあろうが、汗にまみれた汚い服を着ており、顔は全員歯が抜けていたり、脂ぎったりしている。 おまけに極度の肥満で、腕など丸太のようだ。 ゲヘゲへと笑うその表情から、親切で声をかけてくれたというような期待は微塵も感じなかった。 93 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 20 22 11 ID wmlExKCP0 「ここで何やってんのさ」1人の女が問う。 韓国語に堪能で、大学時代からショッピングやエステなどで何度も韓国を訪れていた佐々木メイは、 自分たちは取材中で、道に迷ってここに来たことを説明する。そして、このエリアから出る道を訪ねた。 「日韓併合についての取材だあ~?」もう1人の女が眉間に皺を寄せ、メイのつま先から頭の先までを 舐め回すように睨む。 「いい服着てるんじゃん。あんた。靴も高そうだね。いくらしたんだよ?」 服は覚えていないが、靴は3万円位だったと話すメイ。3万円が分からない様子だったので、ウォンに 言い換えたら、露骨に嫌悪感を表す顔になる女達。汚い音をたてて、タンを地面に吐き付ける。 「韓国も最近はぜいたくしてるやつらはいるけど、日本人ほどじゃないね。」しばらく間を置いて 言う。「日本人は嫌いだね。」 「メイちゃん、このまま会話続けてよ!」ディレクターはそう言うと、カメラを回し続けるよう指示した。 メイが取材中にスラム街で反日女性達に因縁をつけられるという映像を撮りたくなったためだ。 「え・・本気ですか?」メイは耳を疑った。彼女から見て、この3人の女はどう見ても善良な市民には見えないからだ。 何せ武器を手にしているのだ。 94 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 20 42 21 ID wmlExKCP0 ディレクターのしつこい振りに、しぶしぶ彼女達にマイクを向ける 「しっかしこきたねえブスばっかだなあ」カメラマンがニヤ付きながらカメラを彼女達に向ける。 同じカットにメイと3人の女が一緒に写っている。世の中不公平だなとカメラマンは思った。 「あ、あの~、あなたたちは日韓併合をどのように教わってきたのでしょうか。」 だが、メイの質問には全く答えず、1人の女が言った。 「あんたさ、脚震えてるよw」 「えっ」 カメラマンがメイのミニスカートから伸びたすらりとした美脚を映した。 膝が小刻みに震えているのがメイ自身にも分かったが、それを指摘された事でさらに震えが増してしまった。 (や、やだ・・あたし。アナウンサーなのに) 今まで遭遇したことのない状況では当たり前の現象なのかもしれない。メイは、目の前の女達を一目見た瞬間から 恐れていた。 「カッカッカ」女達が嫌らしい目付きで笑う。 「何だよおめえ?お?あたいらが何かしたのか?おいこら。」急に女の口調が激しくなる。 95 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 21 03 58 ID wmlExKCP0 「おめえ、あたいら見た目でヤバそうだって判断したんだろ?え?」 「ごめんなさい、そんなつもりじゃ・・」声を冷静に保ち、自分を勇気づけようとする佐々木メイ。 「ただ、あなたたちとお話したいのに、その手に持った角材や、それにチェーンが気になっちゃって。」 「ああ!これかいこれかい!」オーバーなリアクションを取る女。リーダー格のようだ。 「これは仕事で使ってんだよ。あたいらの仕事場はすぐそこなんだ。ちょっと寄ってきなよ。」 他の女2人がにやついているのが分かっていたメイは、自分たちに迫る身の危険に感じていたが、 「面白そうだから、是非お邪魔しますよ!」調子のいいディレクターの一言で決まってしまった。 (もう、ディレクターったら!)佐々木メイはディレクターへの反発心を抑えながら、女達が先導する 仕事場へと向かう。5分も歩かないうちに辿り着いたのは、まるで廃墟のようなビルだった。 一階が広い倉庫のようになっており、ドラム管やら資材やらが積み上げられているが、どれも使われている ような形跡はなかった。辺りは薄暗く、人影は全くない。佐々木メイは急に心細くなり、脇から冷たい汗が 流れるのを感じた。 (ブラウスに染みが出来たらヤだな)そう思いながら、地下に降りる階段をゆっくり降りる。 96 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 21 19 12 ID wmlExKCP0 所々ランプのついた薄暗い地下の廊下を真っすぐ進むと、大きな鉄の扉があった。 「ついたよ、ここがあたいらの仕事場だよ。足元に道具やら何やら散らばっているから気をつけなよ」 扉が重たい音を立てながら開く。3人は、ゆっくりと部屋の中に入ってゆく。入った瞬間、埃まみれ の部屋だというのがすぐに分かった。一体こんなところで何の仕事なのか、とメイは聞いてみた。 「まあ、廃品回収みたいなもんかな」 この部屋の鼻をつく、ホームレスのような臭いはそのためなのね。そう思ったが臭いに耐えられず、 ハンカチを出して口を塞ごうとした佐々木メイ。うっかり、蓋の空いたポーチを地面に落としてしまった。 暗闇の中、ポーチから化粧品が転がる音がする。 「やだっこんな暗闇で・・。」手探りで地面のものを探していると、口紅のようなものが手に触れた。 カメラマンの名前を呼び、ライトで手元を照らしてもらうよう頼んだ。ライトが付けられた。 佐々木メイは、手にした口紅が自分のものではないことに気がつく。 「あれ、あたしのじゃない。」付近をもう一度照らしてもらった時、彼女はもう一つのべつのポーチを 見つけた。(何でこんなところに??) 97 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 21 27 51 ID wmlExKCP0 彼女は何かにつまづいて、尻餅をついてしまった。きゃっという短い悲鳴を上げる。 大丈夫か?とカメラマンが彼女の足元を照らした瞬間、2人は大きな同時に大きな悲鳴を上げた。 佐々木メイがつまづいたのは、人の脚だったのだ。どうやらショートパンツを履いており、女性の ようだ。靴下は身につけているが、靴は履いていない。 おそるおそるカメラマンが上半身をライトで照らした瞬間、後からやってきたディレクターとともに 絶叫を上げた。 そこには、人の服は着ているが、人でない。それほど原形を止めていない女性の顔があった。 前歯が全て折れている口は半開きのまま血を流している。目は腫れ上がり、鼻がどこにあるのか 分からないほどだ。 佐々木メイは、マイクを落とし、両手で口元を抑え青ざめている。 「一体・・・・」 98 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 21 39 30 ID wmlExKCP0 突然、地下室の電気がぱっとつき、辺りが一気に明るくなった。 3人がその場で見たものは・・・・ 先ほどの女性と同様に、顔の原形を止めていない大勢の女性達の姿だった。 10人はいるだろうか、手足がぴくりとも動かない。あるものは髪の毛を剃られ、 あるものは手足を逆方向にへし折られ、服を着たままのもの、半裸のもの、全裸で 局部に何かが突き刺さっているもの。 辺り一面には彼女達の持ち物や衣服が散らばっており、韓国企業の社員証や、パスポート (中には欧米女性のものもあった)から多くは20代の若い女性達であることも分かった。 よく見ると、かろうじて息はしているようだった。口からごぼっと血を流したり、かすかな声で 助けを求める呻き声を上げたりしている。 「ひ、ひどい。」佐々木メイはあまりの凄惨は光景に泣きそうになっている。 ディレクターとカメラマンも何が何だかといった状態で呆然としている。 女達がにやにやしながらそれを見ていた。 「何だよ、すっかり青い顔して。あたいらの仕事場だって言ったろ?まあ仕事っていっても、 あたいらの環境や容姿じゃまともな職につけやしない。だからさ、たまに街に出て狩りをしてるんだよ。」 99 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 21 50 28 ID wmlExKCP0 リーダー格の女が角材を手に持ちながら話し続ける。 「だいたいブランドもんぶら下げてチャラチャラしてる若いOLや女子大生が獲物なんだよ。 あと日本や欧米から来る観光客なんかも金持ってるねwあたいらと年が近いのに贅沢に暮らしてる 女達を見ると無性に苛つくからさ、つい仲間で余計な事までしちゃうんだwひひひwでも安心しなよ、 殺しゃしないから。みんな息してんだろ?まああんな姿にされちゃ死んだ方がましっていうかもしれ ないけど。分かったかい?リポーターのお姉ちゃん!」 がらっと別の扉が開いたかと思うと、仲間と思われる女達がぞろぞろと出て来た。 皆この3人の女同様に醜く、いかつい格好をしている。 佐々木メイは、ライオンの檻の中に投げ込まれた子鹿のように、身体を震わせ怯えている。 「うわあ~」ディレクターとカメラマンは彼女おかまいなしに一目散に逃げ出した。 100 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 22 00 00 ID wmlExKCP0 「薄情なやつらだねえ、男のくせに。まああと5分もすればあたいの仲間が捕まえて、どこかで ぶっ殺してるだろうから、レポーターのお姉ちゃんはあたいがゆっくり相手してやるよ。あ、あたいは ジュウンっていうんだ。よろしくw」リーダー格の女が佐々木メイに近づく。 「い、嫌・・・来ないで!」彼女は恐怖でその場から全く動けずにいる。 蒸し暑い倉庫の中で、血や汗で異臭を放ちながら倒れている若い女性達の姿が目に入った。 (やばい・・・殺されちゃう) ジュウンの動きはとても早かった。 バキっという音とともに、佐々木メイは吹っ飛んで地面に倒れた。 「いやあっ!い、痛いっ」頬を殴られた衝撃で、頭がフラフラした。立ち上がる気力もなくへたりこむ。 101 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 22 12 32 ID wmlExKCP0 「ほらほら、そんなとこに座り込んでるとその綺麗な服が埃でよごれちまうよ。」 ポニーテールに結んだ彼女の髪を掴み、無理矢理立たせる。表情を歪める彼女を まじまじと眺めるリーダー格の女。 「ふうん、あんた可愛いね。」 その言葉に言いようのない恐怖を感じた佐々木メイ。アナウンサーとしての落ち着きを保つのは もはや不可能だ。 「お、お願いですっ。お金なら払います!欲しいものがあれば差し上げます。だからここから出して下さい!」 流暢な韓国語で必死で懇願する。 「金目のもんは当然もらってくよ。欲しいものはもらう。でも嫌いなものは壊す。これがルールさ。 あたいが嫌いなものは・・・」女の目付きが鬼のような形相に変わる。 「美しいもんと、日本人さ」髪の毛を掴んだまま、ジュウンの拳が真っ白のブラウスを着た 佐々木メイの腹に埋まる。ドスウッとい鈍い音が響く。女のものとは思えないパンチをもろに 受けた彼女は「うっ」と低く短い呻き声を上げたあと、腹を抑えて崩れ落ちた。 「ううっ」呼吸ができないようだ。「げほっげほっ」とむせ返る。 102 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 22 24 15 ID wmlExKCP0 「い、痛い・・・」 「イタイ??ひゃはは」日本語の意味を理解したのか、満足そうに笑う女。 「ほらほら、だからしゃがむと服が汚れるっていってんだろお嬢ちゃん。」 今度は佐々木メイのブラウスを掴んでまた立たせる。彼女は腹を抑えながらヨロヨロと立ち上がる。 「このスカートいくらだったっけ?」ピンク色のミニのタイトスカートをつまみ、訪ねる。 防御本能が働いたのか、彼女は実際に買った値段の4分の1以下の値段を言った。 「うそつくんじゃねーよ!!」女は怒り、佐々木メイのか弱い腹を先ほど以上の強い力でなぐりつけた。 「うぐうう!」声にならない声を上げる佐々木メイ。 「うっげほっげほっ、げほ」 苦悶する彼女だが、ブラウスがしっかり掴まれたままで、倒れる事が許されない。 「いちいちむかつく女だねてめーは!あ!」 ドスッ!ドムッ!ボスッ!と連続で佐々木メイの腹に拳を見舞う。 「うぐっ!」「やめ、おなか・・おうっ!」「えうっ!」 103 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 22 38 06 ID wmlExKCP0 両手を差し出して女のパンチを必死で防ごうとするが、ジュウンのパンチはそんな彼女の小さな 抵抗をあざ笑うかのように、彼女の手まで巻き込んで腹を殴り続ける。佐々木メイの指は、すでに 何本か骨折していたのだ。口からすでに泡のようなものを出しながら、大きな瞳を潤わせ許しを請うて いる姿に、女は半ば興奮状態となって全く容赦せず殴り続ける。全て腹のみだ。 佐々木メイも腹筋に力を入れて少しでも痛みを防ごうとしているようだが、温室育ちの女性キャスター の腹筋が拳を入れるたびにゼリーのように柔らかく壊れて行く感触を、ジュウンは楽しんでいた。 ドボオッ!ドフッ!ズボオッ! 「ひいい、ぐうっ!」「ううっ!」「おうえっ!!」 104 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 22 51 46 ID wmlExKCP0 「へへへ、可愛い声が変わってきてるぜお嬢ちゃん。もっとでかい声で鳴きな!」 ドボオオッ!!ズムウッ!!ズブウウッ!! 「うぐうおっ!」「げふううっ!」「たすけ・げうぇえっ!」 口から黄色い胃液がドロドロと流れ、膝がガクガクになっている佐々木メイのブラウスは スカートからはみ出て、赤く腫れ上がった細いボディーがちらっと見えている。 ドブウウッ!!彼女の鳩尾に、トドメの一撃のようなボディーブロが入った。 「ぐうううっ!」一瞬そのままの状態でお互い動きがとまった。その直後。 佐々木メイの口がみるみる膨らみ、顔が紅潮したかと思うと、豚のような声を上げながら 胃の内容物を勢いよく吹き出した。 「ぐっおええええええっ!ぶへええっ・・げえっ!」 ソウル市内で食べた遅めの昼食、ビビンバやら、チヂミやらがビチャビチャと溢れ出し、 酸っぱい臭いが辺り一面に立ちこめた。 105 :名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 23 02 07 ID wmlExKCP0 「おえええ~っ!」掴まれたブラウスが話されると、ガクっと膝から崩れ落ち、 前のめりでそのまま顔から地面に突っ込んだ。そこには佐々木メイの胃の中のものが 散らばっていたのだが。尻を突き出した状態でピクピク痙攣している佐々木メイ。 捲れ上がったミニスカートの裏生地に、高級ブランドのロゴを見つけるジュウン。 「やっぱうそきやがって。いいスカート履いてんじゃんお姉ちゃん。これリサイクルさせて もらうからな。」スカートを慣れた手つきで剥ぎ取る。 花柄のパンティが顔を除かせた。女はげっぷをした後、半失神状態の佐々木メイの耳元で訪ねた。 「このパンツはいくらした?ひひひ」 続く 109 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 02 15 45 ID Gx8lFWXu0 街を歩くだけで目を引くルックスを持ち、色気のあるファッションが人気の 超美人女子アナの佐々木メイが、180㌢はあろうボロボロのつなぎに鉄板入りのブーツを履いた 女にいたぶられる様子は、カメラマンが残していったカメラで撮影されていた。 ジュウン同様に醜い格好をした女達が取り囲み、酒の瓶を片手にリンチの様子を楽しんでいた。 ミニスカートを剥ぎ取られ、上は真っ白なブラウス(ボタンがいくつかはじけ、パンティーと お揃いの色のブラジャーが顔を除かせている)、パンティーという格好にされている佐々木メイ は、胸ぐらを掴まれたまま顔面に非情なパンチを浴びせられていた。 バキッ!ドカッ!ベキイッ! 薄化粧でも美しい小さな整った顔に、ジュウンの壁をも壊すような 固い拳が浴びせられる。 「ああっ!」「い、いたい~」「ぎゃあっ」殴られるたびに悲鳴を上げる佐々木メイ。口や鼻から 真っ赤な鮮血が飛び散る。顔への攻撃を防ごうと、時折小さな手で顔を守ろうとするが、今度はがら 空きになったボディーを抉られ、さらに顔へという残酷ショーだった。 ドスッ! バキッ! ドブッ! ガキッ! ズボオッ! 「うええっ!」「ぎゃっ」「ぐおおっ」「ふがっ」「ぐおえええっ!」 110 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 02 32 11 ID Gx8lFWXu0 ポニーテールにしていた栗色のセミロングの髪をいつのまにかほどけてぐしゃぐしゃに なっている。殴られるたびに揺れる髪の毛から、朝シャンプーの残り香が漂う。 「この匂いたまんえよ」佐々木メイの髪の毛を鷲掴みにして彼女の綺麗なうなじに鼻を 近づけ、クンクンと音をたてて匂いを嗅ぐジュウン。 「でもね、あたいはシャンプーや香水のいい香よりも、血やゲロや汗の臭いの方が好きなんだ。」 一重の目がさらに小さくなる。 「特にいい女を潰して体中から出てくる汚物には興奮しちまんだ。信じられるかい?世の中にゃ 若い美女の汚物を金出してでも欲しがる輩がいるんだぜ。またいい金を出す客が多い。あんたみたいな 極上の美人は久しぶりだから、たっぷり絞りだしてやるよ」 口からゴポっと血を吹き出す佐々木メイ。胸ぐらをしっかり掴まれて持ち上げられているため、 腫れ上がった腹が丸出しだ。TVに毎日写る彼女の顔は、目がくぼみ、鼻が少し右側に間借り、 前歯が3本欠けていた。 ストッキングを履いた美脚はぐったりと伸びきったまま動かない。 111 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 02 42 42 ID Gx8lFWXu0 「おい、起きろってば」口と目を半開きにして放心状態の佐々メイの耳元でジュウンがしゃべるが、 反応がない。 「起きろってんだろ!」そういうと、彼女の形のいい耳にぶら下がったピアスをつまむと、そのまま 引きちぎってしまった。ブチイッ!という嫌な音とともに、彼女は目を覚ます。 「いやああっ!痛いよおおっ!あ、あたしの耳が・・ぎゃああああっ!」すかさずもう片方の耳たぶが 裂ける。血の付いたビアスを満足そうに片手で転がすジュウン。 「高そうなピアスじゃねえか、レポーターのお姉ちゃん」 「いやあっ・・・た、たすけ・・助けて。お、おお、お願いだから!」 ジョロオオオ~ 勢い良く音を立てながら、佐々木メイは失禁した。 男を虜にする笑顔が評判の佐々木メイが、涙と小便を垂れ流しながら歯をガチガチ震わせている。 112 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 02 54 36 ID Gx8lFWXu0 「おいおい、こいつ小便漏らしやがった!ぎゃはっは」仲間と大笑いするジュウン。 「日本人女が小便漏らすなんてこんな楽しい瞬間はないね!高いパンツびしょびしょに しやがって。まあ小便付きの方が高く売れるか。ひゃはは」 ビデオカメラを持った汚い格好のデブスが、佐々木メイの股間をアップで映す。 「ひいいっ・・嫌~、撮らないで・・撮らないでよ・・もう許して・・・」 ジュウンは佐々木メイの股間に出来た水たまりを指で触って、味見でもするように自分の下に 当てたあと、彼女の口に指を突っ込んだ。 「おい、どうだテメーの小便の味はよ。」指を喉の奥までねじ込む。折れかけていたもう一本の 歯がポロッと地面に落ちる。太い女の手首がすっぽり埋まる位までねじ込まれていく。 「うっ・・うええっ!げえっ、げおっ、ごおおっ、」嘔吐きながら胃液がジュウンの腕をつたって 垂れる。 「美人がそんな声出しちゃだめなんじゃねーの」 113 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 03 04 26 ID Gx8lFWXu0 手首を一気に引き抜くと。「んおごろうぇええっ!」という声を上げながら、胃の中の残りのものを 吐き出し、むせ返った。ジュウンは汚れた手を彼女のブラウスで拭いた。 「この部屋は蒸し暑いな。お姉ちゃんも暑いだろ?あ?」佐々木メイの顔は血だるまだが、額に うっすら汗をかいているのが分かる。ジュウンや、仲間の女達は顔から油のような汗でギタギタ になっていた。 「美人は顔に汗かかないってのは本当だね。でも、下はびっしょびしょらしいな。ほら、ブラウスに 脇汗の染みが出来てるじゃんかよ。」 仰向けになって倒れている佐々木メイのブラウスのボタンを両手で開くように引きちぎる。 Dカップのバストを包み込むブラジャーが顔を出す。彼女のスレンダーボディーは確かに大量の汗で 光っていた、胸元の光る汗が、独特の甘い香りと混じって立ち上るようだった。 ジュウンは佐々木メイのブラジャーを引きちぎると、胸をべろべろと汚い音を立てながら舐め回した。 114 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 03 14 56 ID Gx8lFWXu0 「美人ってのは何でいい匂いがするんだろうねえ。ほんとう何でも与えられてて、むかつくよ。」 甘い香りと、汗の味を楽しんだジュウンは、口元を拭うと思いついたように佐々木メイの弱い鳩尾 に拳を叩き込んだ。 「うううっ・・・うげおおっ!!」ぶしゃあっと胃液が何十㌢も拭き上がり、ジュウンの顔にかかった。 残りは、佐々木メイの顔に降り注いだ。「う・・・おう」低音で呻く佐々木メイ。 もはや抵抗したり、悲鳴を上げることも出来なくなっている状態だ。 「さてさて、汚れたパンティー脱ごうか、お姉ちゃん。」 パンティーストッキングとパンティーを一緒にずり下げるジュウン。佐々木メイが足首にはめていた 金属のアンクレットに気がつくと、死んだ兵隊から戦利品を奪うようなしぐさで、それを引きちぎる。 足首からパンストとパンティーが外された時、履いていたハイヒールも一緒に脱げる。 「いい服着て、いい靴はいて、高いアクセサリーして、むかつくね!」 115 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 03 25 17 ID Gx8lFWXu0 局部を丸出しにされた佐々木メイ、陰毛が小便で濡れたのか、黒々と光っている。 「あらあら、可愛いお○んこ晒しちゃって。もうあんたTVじゃなくてAVにしか出られないね。」 ニタニタと笑うジュウン。 「そういえば女のうんこに興味がある気持ち悪い客がいたんだったわ。美人だったら札束出しても 買うようなやつ。そいつのために人肌脱げよねえちゃん。」 (こんなにズタズタにいたぶられたのに、これ以上何を・・・・) 更なる危機を察知した佐々木メイ。だが、顔はボコボコ、内蔵は破裂寸前まで破壊され動けなくなり 言葉すら発することができない状態で、もはや何も抵抗できることなく、なすがままにされることを悟った。 髪の毛を掴まれ、上体を起こされると今度は地面にうつぶせに倒され、膝をついて四つん這いになるよう な格好をさせられた。 日本の週刊誌で女子アナの美尻をスナップで特集された経験のある佐々木メイだったが、まさか読者も 今頃彼女が異国の薄汚い倉庫で生の尻を突き出している事など想像もしていないだろう。 116 :名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 05 37 51 ID Gx8lFWXu0 「ひい・・・も、もう・・やめて」蚊の鳴くような声で許しを請う佐々木メイ。 自分の尻の穴に、つめたい感触を感じたと思ったら、それは一気に直腸まで押し込まれた。 「があああっ!」経験したことのない痛みと衝撃が彼女を襲った。暴れようにも、いつの間にか 表れたジュウンの仲間達が両手両足をしっかり固定している。 異物はズブズブと彼女の直腸の奥まで埋まった。 「ぎゃああっ!やめてええ!・・いたいっ!!・・な、なにを・・なにを」 「てめーのケツの穴にはさ、日本の木刀が突き刺さってんだよ。あはははっ!」 「ひいいいっ!」 「日本の女は便秘だって聞いたことがあるぜ。ここで治してやるよ。」 そういうと、木刀を握る手に力を入れ、右や左にねじ曲げたり、かき混ぜるように 出し入れを始めた。 「ぐぎゃああっ!やめ、ぎゃああっ!あが、あがああっ」直腸の中をぐちゃぐちゃにかき 混ぜられるようなリンチなど、どこか別の世界で起こるような事だと思っていた佐々木メイ。 (こ、これは夢なの?)