約 115,752 件
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/88.html
16 :1:2005/06/29(水) 20 51 27 ID ??? 「子供を産んだ覚えはない…と、言ったそうだ」 社長の言葉に耳を疑った。 産んだ覚えがない…なんて。もし彼女が聞いたら…。 「っ…なん…で…ですか…っ」 やっとのことでそう社長に返すと、社長はこう続けた。 「最上君に…デビューに際して保護者の許可をもらうように言った時、 彼女は…、自分の母親は、私がどこで何をしていようと興味なんてないんだと… そう言っていたよ…」 その時、わずかに開かれた扉の向こうから何かを落としたような 音が聞こえてきた。 社長と俺とが同時に音の方向へ顔を向けると、 そこにいたのは…たった今…こんな話を聞かせたくない、そう思った… 彼女本人だった。 「最上さんっ」 視線が絡んだ瞬間、少しだけ歪んだ微笑を残して走り去る彼女を 俺は無我夢中で追いかけていた。 あの表情、聞いてしまったんだ―…! 「待って!…今の話っ」 数メートル先でなおも逃げようとする彼女の腕をつかむと、 とたんに俺から逃れようとして彼女が暴れだす。 「離して!離してくださいっ…わかってたことなんですからっ あの人は私のことなんてどうでもいいんですっ、そんなの…昔から 私が一番良くわかってるんだからあぁぁっ」 聞いているほうが痛くなるような想いを吐き出すように叫ぶ。 昔は…よく母親のことで泣いていた。 芸能界で再会してからは…一言も聞いたことがない。 だけどそれは、彼女の事情を知る人間がいなかったからだろう。 俺も、彼女にはそう思われている。 それを…彼女自身がもう気にしていないだなんて そんなことは…あるはずがないじゃないか。 「最上さんっ!」 とにかく落ち着かせないと。 感情が全身にまわって、爆発しそうに思えた。 肩をつかんで顔を覗き込むように名前を呼んだ。 落ち着いてくれ、頼むから。 だけど、彼女は俺の腕を必死に引き剥がそうとさらに力を込める。 「いいんですっ、誰も私のことなんかどうだっていいんだし、 私だって今さらあの人に何かして欲しいなんて思いませんっ ううん、母親だけじゃなくて、誰にも何の期待もしてませんから!」 普段は彼女の心の奥底に隠されているだろう叫びが ぱっと飛び散って、俺の中にもダイレクトで飛び込んでくる。 その悲痛な想いに、引き裂かれそうになる。 誰にも何も期待することはない、なんて…。 君はそうかもしれないけど、違う…俺が…俺だけは…っ! 「落ち着いて!」 「いいから離してくださいっ、たまには1人になって泣いたっていいでしょう? 敦賀さんの前でみっともなくメソメソしたりしませんからっ、離して…っ」 「もう1人でなんて泣かないでくれ…!、俺が、ずっと…君のそばにいるから…っ」 「…何を…言ってるんですかっ」 「君は違っても、…俺には君が必要なんだ…! 昔あげた…あの石、まだ持ってるんだろう? …呼んでくれ、昔みたいに…コーン、…って!」 初めて触れた彼女自身の激しい感情に引っ張られるように、 言うまいと決めていた…昔の出来事を…口にしていた。 落ち着かせたくて…俺を…見て欲しくて。 彼女は、動きを止め、目を見開いてわけがわからないという顔で 俺を…見上げた。 そこからは、時間の流れがやけにスローに思えた。 君がもし、俺と同じように…あの頃一緒に過ごした思い出を 大切に思ってくれているのなら… もう…1人で何もかも抱え込んだり…しないでくれ。 キョーコちゃん…。
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/18.html
62 :マロン名無しさん:2005/05/15(日) 00 53 26 ID ??? 奏江視点ですー。 「真昼間なのになんでこんなに人が少ないのかしら」 普段なら忙しく人が行きかうはずのテレビ局なのにやけに人が少ない。 ―いいえ、そんなことは関係ないわ、早く仕事に向かわなくちゃ それにしても…やっぱりラブミー部経由で来た仕事には このツナギで行かなくちゃダメなのよねぇ…はぁ。 あの二時間ドラマのあと、特に目立った仕事はなかったけれど 今日はドラマの仕事が入ってる。 エキストラのようなものだけど、お芝居できるだけで楽しい。 こうやって少しずつお仕事が増えていけば良いな… そんなことを考えながら歩いていると、 ふと見覚えのある姿で座っているあの子を見つけた。 「あの制服…やっぱりあの子よね、何やってるんだろ…」 姿がはっきり確認できるくらい近づいたら声を掛けようとしてふと前を見ると。 っ…あれは…敦賀さんとマネージャーの…何だっけ?名前。 そんなことはどうでもいいわ。 嫌われてる、と言ってあの子を悩ませていた張本人のあの敦賀蓮が、 なんとあの子に近づいていってるじゃないの。 私は、なんだか見てはいけないものを見てしまったような気がして、 とっさに近くにあった柱に隠れてしまった。 柱から少しだけ顔を覗かせて、様子を伺っていると、 あの子はなんだかわからないけれど大きい包みを手に持っている。 …マネージャーさんとはとりあえず普通に会話してるじゃないの。 嫌われてるなんて言ってたけど敦賀さんのほうもそんな風には見えない。 それに、あの後何も言ってこないってことは、現場でも上手く行ってるってことよね。 よかった…。 ものすごい形相をしていたから、 どんなに嫌われてるのかと思ったじゃないの、ほんとに。 …ん?待って、今は…平日の昼間よね。 制服着てるってことは、学校から仕事に向かう途中なのかしら? それに、大体あの子敦賀さんと一体どんな話をしてるのかしら。 盗み聞きなんて悪いとは思うけれど、気になってしまうんだから仕方が無いわ。 こんな服着てコソコソしてるのも怪しすぎるけれど、私は思い切って声が聞こえるところまで こっそりと移動してみた。 「蓮―!たいへんだああっ、キョーコちゃんがああっ」 一つ前の柱に移動したとたん、マネージャーさんがものすごい勢いで敦賀さんの所へ 駆け寄ってきたので思わず心臓が止まりそうになった。 ただでさえピンクのツナギで盗み聞きなんてことをしてるのに、本当にビックリした。 …あの人…メガネなんかかけて理知的に見えるのに…動きがちょっとヘンだわ。 でも、そんなマネージャーさんの動きなんかよりも、彼が次に発した言葉に 私はもっとビックリした。 「今日午前中、学校さぼったんだってさ、蓮にお弁当渡したいためにっ」 っな、なんですってー!? あの子、高校に行けるってあんなに喜んでたのを、仕事でもないのに さぼっただなんて! …いいえっ、突っ込むところはそこではないわ。 お弁当って…手作り弁当をあの敦賀蓮に渡すために待ち伏せしてたってことよ! こんなことを他の誰かに聞かれでもしたらとんでもないことになるわ。 私は動揺しつつも思わず辺りを見回して、誰も聞いてなかっただろうことを確認した。 よかったわ…今日は人が少なくて。 そして、ほっとすると同時に、今耳にした思いもよらない展開になんだかくらくらした。 だって…嫌われてるって言って、あんなに悩んでたのに、お弁当なんて…。 「…私、少しでも何か敦賀さんの力になりたくて―…こんなことしかできないのが心苦しいんですけど…」 …もう何を見ても聞いてもビックリしないわ、と思いながら また柱の影からそっと見てみると、敦賀さんがあの子に向かって この世のものとは思えないほど甘やかに神々しく微笑んでいた。 「うれしいよ…」 っっっ!何あれ! …あんな笑顔、テレビでも見たことないわ。 どう見てもあの子を嫌ってる風には見えない。 …嫌ってるどころか。完全に愛しいものを見る目だわ…。 「信じられない…」 ふと、あの子が、敦賀さんを怒らせたことでドラマ出演をどうするか悩んでいたときに 話を聞いてピンときたことを思い出した。 私、あの子に「敦賀さん、あんたのこと好きなんじゃない?」って言ったっけ。 考えてみれば、温和と言われる敦賀さんが、今まで女性スキャンダルに無縁だったのは 言い寄る人全てに平等に接していたから、じゃないのかしら? それもやんわりと牽制するように。 だけど話を聞いていると、どうもあの子に対してそう接しているようには…思えないわ。 今の笑顔を見てもそうよ。 ドラマでのラブシーンだってきっとあんな表情、見せたことが無いと思う。 …それはつまり、あの子が敦賀さんにとって特別だっていうことじゃないの? 私が考えたことは、あながち間違いでもなかったってことね。 不破尚のPVにでたことで、あの子が嫌われてる、と思ったのは、 あれはやっぱり嫉妬だったのよ。 そう考えると辻褄が合う。嘘をついてまで隠そうとしたことももちろんだけど 復讐なんかじゃない、楽しそうな仕事だったから、ってことが気に入らなかっただけなのよ。 大体、穏やかと言われて有名な人が、例え本当に嫌っていたとしても それを相手に悟られるようなことをするかしら。 他の人には優しいのに、なんて言ってたけど、そうやって区別されてることが すでに特別扱いよ。 あの子、「飛鷹くんはモー子さんのことが好きなのよ!」 なんて、てんで的外れなことを言ってたくせに、 自分のことになると全然気がついてないみたい…。 …敦賀さん…お気の毒に…。苦労しそうだわ…。 たった今起こった衝撃的な出来事を反芻するように考え込んでいると、 ツナギのポケットに入れておいたケータイがぶるぶる震えだした。 いけない、さっさと移動しなきゃ遅れてしまう。 もう少し話を聞いていたかったけど、仕事に遅れては元も子もないわ。 私は、3人に気づかれないようにそっとその場を離れた。 あの子、自分が、あの敦賀蓮に気に入られてるなんて知ったら、 一体どうするつもりなんだろう? 他人事ながら、想像もつかなくて、つい吹き出してしまった。 …これからどうなるのか楽しみだけど、とりあえず、今日のことは見なかったことにしておこう。 ―そうして立ち去った後に、さらに蓮の口から衝撃的なセリフが飛び出したことを、 奏江は知る由もなかった―…
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/43.html
368 :危険な紐水着 1:2005/06/02(木) 21 11 12 ID ??? 出勤途中だった俺は、本屋の軒先に並ぶ雑誌に目が留まり足を止めた。 雑誌の名は「花と○め15 号」。なんと、蓮の想い人であるキョーコちゃんが 表紙であった。俺はそれを購入する為に1冊だけを手にする。蓮へのプレゼント用だ。 俺はレジへ行く前に、積まれている一番上の雑誌を裏に返しておいた。 後で店員に直されることは判っていたが、何となくそうしたい気分になったのだ。 なぜならその表紙のキョーコちゃんはピンクのビキニ姿だったのである。 キョーコちゃんも大胆な仕事を引き受けたものだなぁ・・。 これを見た蓮はどんな反応をするのだろう?とりあえず驚く顔を予想してみた。 事務所に着いた俺は、蓮の姿を発見し挨拶をした。 「おはよう、蓮。お前にいい物、持ってきてやったぞ。」 さて蓮の奴、どんな顔するかな?俺は早速、例の雑誌を渡した。 「お早うございます、社さん。・・・これは?」 蓮は雑誌の入っている袋を不思議そうに眺めている。 「まぁ、とにかく中を見れば判るよ。驚くぞぉ~♪」 俺は蓮がどんな顔をするのか興味津々でドキドキ・ワクワク状態である。 「はぁ・・。じゃぁ中を見せてもらいますよ。」 そう返事をした蓮は、ようやく袋の中から雑誌を取り出した。 いよいよ蓮の吃驚した顔が拝めるぞ!!! 俺は蓮の顔をじっくりと観察していた。しかし、これは驚くというよりも固まっているのだろうか? 例の雑誌の表紙を見ながら全く微動だにしない。蓮には刺激が強すぎたようだ。 『キョーコちゃんの罪作りぃぃ~~』などと考えていると、ようやく蓮は正気を取り戻したようだった。 「社さん。何故、彼女がこんな姿で雑誌の表紙に?」 蓮、お前大丈夫かぁ~?と思いつつも俺は煽るような事を言ってみる。 「ん?そりゃ夏だからだろ。それよりも、キョーコちゃんって思ってたより胸あるんだなぁ。 大胆にもビキニ姿だぞ?しかも『ヒ・モ』シュルリとほどけちゃうんじゃないかぁ~?」 「社さん。あなた、この場で俺に首を絞められたいようですね?」 しまった。煽り過ぎたか。・・・お前、目が笑ってないぞ。本当に首を絞める気だな? 俺は危機感を感じ後ずさりした。 「社さん。今日の最上さんのスケジュール、判りますか?」 「判る訳ないだろう?俺はキョーコちゃんのマネージャーじゃないんだから。 でも椹さんに聞いてきてやるから、ここで待ってろよ?」 俺は椹主任の元へと急いだ。 蓮の奴、キョーコちゃんに会ってどうするつもりなんだろう?まさか『俺の目の前でもう一度 あの水着姿になってくれないか?』なぁ~んて事言う気じゃないだろうなぁ。 まぁ、今はとりあえず逆らわないほうが得策 だな、うん。という訳で自己完結をした。 椹さんによると彼女は今、事務所の何処かに居るらしい。 キョーコちゃんにとってはバット・タイミングだな、などと考えていると信じられない光景を 目撃してしまう。 蓮とキョーコちゃんが・・だ・抱き合ってるぅ~?おいおい。いくらなんでも事務所ではまずいだろ。 ここは人目につく場所だぞ。人目・・・って・・・え?・・ここに居るのって、もしかして俺だけ・・? キョロキョロと辺りを見廻してみるが・・・やはり他に人は居ない・・。 俺は驚愕のあまり「・・嘘だろ・・・?」と声に出してしまっていた。 それに気付いたキョーコちゃんが「あ!社さん」と声をかけてきた。 そういう抱き合っている場面で声なんかかけてこなくていいんだよ、キョーコちゃん。(涙) 俺は二人の前に出ざるをえなくなってしまった。 「敦賀さん、体の具合が悪いそうなんですよ。だからこうして私の体に寄りかかって・・・」 え?ちょっと待ってよ、キョーコちゃん。俺の目には蓮がキョーコちゃんに抱き付いているように しか見えないんだけど・・・。 「敦賀さん、『俺の目の届かない所で危険な姿にならないでくれ』とか訳の分からない事を口走る んですよ?疲れているみたいですからスケジュール調整、ちゃんとしてあげて下さいね」 「は・・ははは・・」 俺は笑うしかなかった。蓮は疲れてるんじゃないよ。キョーコちゃん、君のセクシーショットにショックを 受けただけなんだ。とりあえず俺は、蓮をキョーコちゃんから引き離すために、そろそろ仕事の時間が 来る事を告げた。 「敦賀さん。今夜の夕食はスタミナのつく料理にしますね。それまで倒れないでいて下さいよ?」 キョーコちゃんは笑顔で蓮を見送ってくれた。君は本当に良い娘だなぁ。お兄さん、感激しちゃうよ。 と、そんな事を考えている俺のそばで蓮はポツリと呟いた。 「抱き心地良かったな・・・」 俺は耳を疑った。蓮、お前・・・キョーコちゃんの水着姿で受けたショックからもう立ち直っただろう? 呆れながらも仕事先である現場へと向かった。
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/31.html
蓮→キョ 236279351495
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/27.html
183 :1:2005/05/24(火) 12 43 59 ID ??? アルコールで理性がとんで・・・・・・というリクを見て、自分なりに妄想を ふくらませた結果、こんなのが出てきました。 鬼畜は、キョーコ萌え、蓮(&社さん)イジメスキーな私では表現しきれません・・・。 情けない系蓮でよろしければ、どうぞ。10レスくらいあります、スミマセン。 「さゆりさーん、この山菜漬け、すっげぇうまい!」 「こんな料理上手な女将さんがいる旅館があって、ツイてたよなぁ」 「ロケハンに来たときも、絶対ここでロケしようって言いあってたんだよな」 「なんだよそれ、映画の内容と全然関係ないし」 気まぐれな山の気候にも悩まされ、機材、スタッフ、キャストの移動等等、 少ないシーンながらも多大な労力を費やしたクライマックスシーンの撮影を無事終え、 私達はただいま、打ち上げをかねた夕食(宴会ともいう)の真っ最中。 大変だったロケに比例して、スタッフの羽目はずし度数もぐんぐん上昇。 まぁ、気持ちは分かりますけど……。あんまり飲みすぎないでくださいね。 こっそりため息をつきつつ、この旅館の女将、さゆりさんと一緒に苦笑いしながら、 広間に料理を運ぶのを手伝ったりして、私なりに楽しく過ごしていた。 ……、はずだった。 「京子ちゃん、こっちきて座ってなよ。華がないとさびしいよー」 めずらしくそんな軽口をたたきつつ、陽気にからんでくるのは、新開誠士監督。 どこぞの忘年会の酔っ払いオヤジですか、あなたは……。 「こちらはこちらで楽しんでますから、どうぞお気になさらずに」 にっこりと、煮物の小鉢を差し出しながら、防御線を張る。 バイトの経験で、酔っ払いの対応にもいくらか慣れているとはいえ、正直 あまり楽しいものでもない。とはいえ、ロケが終わった開放感、や 明るい体育会系のノリで構成されている、この映画のスタッフチームとの飲み会が、 イヤというわけでも、もちろんない。 某地方の山すそにある廃業したホテルの跡地で、今回のロケは行われた。 こだわりの新開監督らしく、出来る限りイメージに近い場所をと選ばれた、 本物の廃墟というだけあって、雰囲気バッチリ。バッチリ過ぎて、 ほんとうに怖かった……。ただでさえ、撮影現場には出やすいって聞くのに、 まさに確率100%な風情で、敵に捕らわれ、パートナーの助けを待つ、 という設定の役だった私は、半分本気で助けを呼んでしまったくらい。 キャスト待機用に、少し離れた場所のホテルも確保されていたのだけど、 現場に近く、天候回復待ちや、食事に貸切利用させてもらっていた この旅館の居心地の良さから、宿泊に割り当てられていたスタッフ以外のキャストや、 果ては監督まで。いつのまにか、ここで大半の時間を過ごすようになっていた。 そういう私も、ロケ後、ホテルの部屋で一人で過ごすことがもの寂しく、 包み込むようなもてなしをくれる、料理上手な女将のさゆりさんや、 職人気質で無口だけど、笑顔の優しいご主人のあたたかさも好きで、 ロケ後半の数日はこちらに泊めさせてもらうようになっていた。 「キョーコちゃん、こっちはもういいから。楽しんでちょうだい。ありがとうね」 ああっ、さゆりさん。そんな殺生な。優しい言葉も、今の私には人身御供になれと 言われているようなもの。置いていかないでー! 心の中で嘆きつつ、そろそろ逃げるのも潮時かと、開いている場所を探す。 「こっちこっち」 そんな私を目ざとく見つけて、手招きしてくれる監督。 にこやかなその笑顔、信じてもいいんですよね……。 そしてその隣には……――もう何杯目ですか、敦賀さん。 ビール、ウォッカ、ウイスキーなど、あらゆるビンに囲まれて(女将さん、用意よすぎです) 静かに飲んでいる、今回の映画の主役、敦賀蓮の姿もそこにあった。 「お疲れさん、京子ちゃん。まぁまぁ、一杯」 そんなお約束なセリフを言いながら、監督自ら、ビールをついでくれる。 昨年までは、未成年ですので、という断り文句も使えたのに、 二十歳になった今となっては、特に断る理由も無く……。 とりあえずお礼を言って一口飲んでみたものの、やはり自分はあまり強くないらしい。 せっかくの好意だし、もうちょっとチャレンジしてみようか。 でも、もしつぶれてしまって、迷惑をかけても……と考えていた姿は 思いのほか難しい表情にうつってしまったようで。 「どうかした?京子ちゃん」 新開監督が心配げに私の顔を覗き込んでいた。 うっ。その笑顔が、無言の圧力に見えるのは、私の心がゆがんでいるせいだわ、きっと。 意を決して、ビールのグラスを口に持っていった、その時。 ひょい、とそのグラスを取り上げられてしまった。 驚いてそちらを向くと、敦賀さんが、そのビールを飲み干しているところだった。 「女の子に無理強いはあんまり感心しないですね」 神々しい笑みとともに発せられた紳士な発言に、まわりのスタッフ達も会話を止め注目している。 「誰が無理強いしたって?心外だなー。フェミニストといえば俺のことなのに」 その笑顔、あきらかに先ほどとは違ってます……監督。 「じゃあ、お前が代わりに相手してくれる?」 ほれ、と差し出したのは小さめとはいえグラスのふちまで並々と注がれたウォッカ。 監督、なにやってるんですか……。子供のようなその振る舞いに脱力したのは私だけで、 すでに酔っ払いだらけのメンバー達は、突如始まった飲み比べ合戦を口々にはやし立てる。 「俺にも注いでくれる?」 そう差し出されたグラスにおずおずと酒を注ぐと、監督はくいっと一気にあけてしまった。 にっ、と挑発的な笑みを浮かべた監督と目が合った敦賀さんが、今度は まるで水でも飲むかのように、すっとウォッカを流しこんでしまった。 ああ、そんな体に悪い……。というか、強いんですね、お二人とも。って感心している場合じゃないし。 ただおろおろするだけの私をよそに、どんどん杯を開けていく二人と、 まわりで盛り上がり最高潮のスタッフ達…――。 社さん、しょうがないなーって感じに苦笑してないで止めてくださいよ! ほんのり赤いってことは……、あなたもですか…。 そんなこんなで、暴走する大人たちの宴をたかが小娘一人で止められるはずも無く、 気が付いたときには、べろんべろんな大人たちと、空の瓶が錯乱する部屋に 一人呆然とたたずむ状態になっていた。 「敦賀さん、敦賀さん、起きてください」 こっそり部屋に戻ってしまおうかとも思ったが、グラスを手にぼんやり座っている 敦賀さんの様子も尋常ではなく、このまま放置するのもどうかと思ったので 部屋まで誘導することにする。隣では新開監督がテーブルにうつ伏せで眠っている。 体痛くなっちゃいますよー、と心配しつつ、自分ではどうにも出来そうにないと 内心わびつつ、そのまま放置させていただくことにした。 社さん、どこー?かの人のマネージャー、社さんを探してみれば、 「社さーん、メガネとったらどんな顔してるの?見ーたーいー」 「ちょ、ちょっと困ります。駄目ですってば」 ――衣装さん、迫り上戸だったんですね……。 とりあえず巻き込まれるのは上策ではないと、敦賀さんに視線を戻すと彼は 壁に寄りかかりなんとか起き上がろうとしていた。でも、足元ふらついてます……。 「大丈夫ですか?つかまってください」 なんだか、昔代マネをした時みたいだな、なんてことを思いつつ、 部屋までの階段をゆっくり上る。肩に置かれた腕が熱いのは、 前回は風邪の熱だったけど、今回は……。 まったく、敦賀さんともあろうお人が。何やってるんですか。 それでもなんとか重さに耐え、用意されていた部屋のふすまを開き、 ひいてある布団に彼を寝かせようとした、その時だった。 急に自分にかかる重さが変わり、バランスをくずす。 気が付けば、布団の上に敦賀さんに押しつぶされる状態で倒されていた……。 こんなことまで、再現してくださらなくてもいいですってば! 以前、熱でもうろうとした彼が楽屋で倒れた時のことを思い出し、 あの時のように彼の下でもがいてみる。が、やはりびくともしない。 「つ、敦賀さん、のいてくださいー!!」 必死で訴えかけてみるものの、すでに半分夢の中の彼に通じるはずもなく。 だ、誰か助けてー!と心の中で叫んでみるものの、すでに休んでいるだろう旅館のご主人達や 社さん(大丈夫だろうか…)を当てにするわけにもいかず。 ましてや、こんなシーンを人に見られようものなら、どう解釈されるのか。 そんなことを冷や汗をかきながら考えていたら……そうよ、思いついた! あの時は確か、この作戦でいけたはず! ようやくたどりついた一縷の望みにかけ、私は敦賀さんに言葉をかけた。 「レイっ、いいかげんに起きなさいよ!!いっつもいっつも飲み歩いて! んもう、いいかげんにしないと水ぶっかけるわよっ!」 レイとは今回撮っている映画での敦賀さんの役名。裏の世界では有名なスイーパーで なおかつ女好き、酒好き、だらしない、と彼本人の性格からは遠いキャラクターだ。 そして、そんな彼が生活をともにするパートナー、ミレイが私の役どころ。 恋人未満、でもお互いに大事に思っていて、レイの唯一のアキレス腱でもある彼女。 そんな彼女が、毎朝彼に向かって話すこのセリフなら、きっと! 敦賀さんを覚醒させてくれるに違いない! 「うっせーな。だまれよ……」 きたっ。乱暴な言葉遣いに、彼の中のレイが反応したことを感じる。 よし、この調子で、前回のごとく動いてもらえばいいんだわ! 「だからっ、起きなさいってば。レイっ!」 勝気なミレイの性格を使わせてもらって、彼の肩をゆさぶりながら、 普段なら言えない様な強気な言葉もかける。 「ん……」 起きた?!期待を胸に敦賀さんの様子をうかがうと、やや体を持ち上げ、 こちらを見下ろす彼の瞳にぶつかった。 目……覚めました? が、次の瞬間、再び私の体を押さえ込んだ彼は、耳元でこうささやいた。 「だから、うるせぇんだよ。……だまらねぇと、食っちまうぞ」 敦賀さん、人の耳元で低く甘くなにぬかしてんですか!って、これはレイか? ってそうじゃなくて、息!首筋に息吹きかけないでください……! より悪化していく事態に、血の気が引きながら、涙が浮かんだ目で恨みがましく見てみると…… ―――ふざけないでください。 だから、私の上で熟睡しないでー!! 混乱する頭を必死で考える私をよそに、すうすうと寝息を立て始めた敦賀さん。 もう、もう知りません……。 動く気力のうせた私は、体に響いてくる彼の寝息になぜか安心してしまい(納得いかないけど) いつしか意識が遠のいていった。 そして…… 「ん……」 窓から差し込んでくる光のまぶしさに、目が覚めた私は、とたんに感じる体の重みで 昨晩のことを思い出すはめになった……。いっそ、忘れていたかった……。 そんな願いもむなしく、寝入った時と同じ状態の彼は、今も眠っている。 さすがに、大男に何時間も乗っかられていては体が痛い。 「レイ…起きて。起きてよ」 やっぱり反応なしか……。 「レイ……蓮、起きて」 すると…――彼の目がうっすらと開き、まぶしそうに額に手を動かす。 そして、ゆっくりと視線をこちらに動かした彼は……。 「??!!!」 なんて顔してるんですか。世の敦賀蓮ファンが見たら泣きますよ……。 かなり動揺した様子で、固まっている彼を、みょうに冷静に観察している自分。 「え、俺……なんで?」 がばっと体を起こし、とたん頭に手をやり、痛みをこらえている敦賀さん。 あんな飲み方するから、二日酔いなんかするんですよ! がちがちに固まってしまった体をゆっくりと起こしながら、敦賀さんの前に まっすぐ向き合って座る。 「覚えてらっしゃいますか?」 わざと抑揚をつけず意地悪気に、目をまっすぐ見て問いかける。これくらいは当然の権利です。 「……ごめん。新開監督と飲んでたのは覚えてるんだけど……」 「そうです!大の大人が、自分の限度も考えずに飲みあいっこしたあげく、 後輩にこんな……。反省してくださいっ!」 ふくれ面を作ってそっぽを向くと、かなりあせった様子で彼も、 私に向き合って座る。そして、謝罪の言葉を繰り返した。 いやそんな、サムライみたいに、居住まいを正してあやまられても……。 かなり反省している様子の彼に、怒っているのがだんだん後ろめたくなる。 心から非を認めた人にそれ以上怒る必要はない、と教えてくれたのはこの人だし。 「反省、しましたか?」 「はい……」 やわらいだ声で伝えると、大きな体を前に縮めた彼がそう答える姿が、なんだか可愛く思えてしまって。 つい、噴出してしまった。笑いが止まらない。 「そんなに、笑わなくても……」 反論できる立場じゃないけど、とボソッと付け加えられた言葉が、さらに笑いのツボを刺激する。 「だ、だって。敦賀さん、かっこ悪いです」 うっ、と言葉に詰まった彼。 ふふふ、いつまでもいじめられてばかりだと思わないでくださいね。 日本一男前といわれる俳優さんの、一番かっこ悪いところを見られるなんて、 まぁ、ある意味貴重な体験だし。そう思って、なかったことにしてあげます。 すっきりした気持ちで、敦賀さんを見ると、深くため息をつきながら、 状態はかなり悪い様子。めずらしい。自己管理の鬼のような人が。 「お水持ってきます。まだ時間も早いですから、横になっててください」 そう声をかけ、立ち上がった。 「ごめん、大丈夫だよ。キミこそ、休んだほうがいいよ」 心配げな、いつもの敦賀さんの言葉に、ほっとするような、それでいてちょっと残念なような 気持ちをいだきつつ、部屋を後にする。 体をひと伸びさせ、朝の空気を吸い込むと、だるさも減り気分も爽快。 よしっ、撮影もあと一息頑張るぞ! そうさわやかに決意した私を早速、二日酔いでうなる姿でがっかりさせないでくださいよ、監督……。 朝風呂につからせてもらい、綺麗に身支度をととのえて、 さゆりさんやご主人にお世話になったお礼を告げてロケバスに乗り込む。 まわりの人たちは皆ぐったりしているけど、自業自得です。まったく。 開いている敦賀さんの隣に腰掛けると、ちょっと驚いた様子で、 でもすぐ目を閉じ、窓辺によりかかっている敦賀さん。 東京までの数時間。隣でぐったりしているあなたをいかにからかえるか、 実はちょっと楽しみだったりするんです。その後ろで遠く景色をながめている社さん。 多少顔色が悪いけど、大人のたしなみとして、深くは追求しません……。 ややお酒くさい空気に包まれながら、バスは出発。 充実の地方ロケ、これにて終了。
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/95.html
158 :電○女 ACT.16 1:2005/07/03(日) 04 17 45 ID ??? 【ACT.16 天使の言霊-前編-】 言葉には、意味がある。 言葉には、不思議な力がある。 明日は、いよいよ敦賀さんとの約束の日だ。 私は、まだ前日というのに朝から落ち着かず 昼のバイトでも上の空だった。 「もー!あんたしっかりしなさいよ!」 「ん~~~なんか緊張しちゃって・・」 「いまから~?」 幼馴染以外の男の人と二人きりで、食事に行くことなんて 初めての経験だ。 しかも相手は、まだ一度しか会ったことのない人。 しかも、凄い人・・・。 「大丈夫よ・・・向こうがちゃんとエスコートしてくれるだろうし」 「うん・・・・」 敦賀さんは、紳士だと思う。 それは、ここ数日のメールや電話の対応でわかったこと。 「相手は20歳の男なんだから、16のあんたが気張らなくても大丈夫!」 「うん・・・・」 この間、敦賀さんの正体を知って、初めて敦賀さんの年齢もわかった。 「それに・・・向こうは、あんたが男慣れしてないのぐらい きっと見抜いて知ってるわよ!だから大丈夫!」 「うん・・・・」 きっと、敦賀さんは華やかな世界の人だし あんな容姿だし・・・ 女性の扱いは、慣れてらっしゃるだろう・・。 他の女性と比べるとか、そんなことはしないだろうけど・・ というか、そういう対象として見られることはないだろうけど やっぱり・・・少しは・・・良く、見られたいし・・・。 「あんたの良さは、外見とか育ちとか立ち振る舞いでは 量れないと思うし。 今でこそ、外見は地味じゃなくなったからあれだけど・・ 敦賀さんが、外見重視の人だったら、 出会ったときのあんたなんて最初から相手にされてないと思うわよ?」 「モー子さん・・・・褒められてるのか貶されてるのかわかんないよ、それ」 「とにかく! 普段どおりのあんたで十分ってことよ!」 モー子さんの言葉で、少し気が楽になった・・。 【ACT.16 天使(モー子さん)の言霊-前編-】おわり 【ACT.17 天使の言霊-中編-】 私は【だるまや】の仕事を終え明日の用意をし、 掲示板を開いた。 掲示板の住人は、私が仕事をしている間に 明日の私の持ち物や、行動を掲示板上でアドバイスしていてくれた。 え~っと、持ち物は・・・? こんなものまで持ってくの?うそ!持ってないわよ・・・・ 6時起床・・・あ、これは大丈夫・・。 というより、もっと早めに起きて 一仕事(新聞配達)していかなきゃいけないし。 『とにかくモチツケ』 『漏れのほうが緊張してきたよ(((((((;´д`)))))))ガタガタ』 『何かあったら携帯から連絡汁!』 『というより、10分おきに報告汁!』 『なんか心配だな~。 といっても、気の利いたアドバイスとかできないが』 住人がいろいろ声をかけてくれる。 顔も見たことのない、赤の他人の自分にこうして親身に答えてくれる。 『今更だが、電車はコーンの事、好きなん?』 その文字に、一瞬 私の動きが止まった。 そして、私は 正直に思うままに答えた。 『もれ、実はコーンさんと付き合いたいとか そういうところまではまだ考えてなかったりします 「この機を逃したら一生チャンス無いかも」 とも思うのも正直なところですが でも、気持ちは確実に惹かれています 電話やメールでやり取りしたけど、コーンさんの人柄とか 伝わってきて・・・。 会ったら絶対好きになってしまうよ…_| ̄|○ もちろん彼女いるかもしれないし それだと好きになったら辛い思いするかもしれないし なんか苦しいよ。』 これが、自分の今の正直な気持ちだった。 『電車を見てると や っ ぱ 人 間 中 身 な ん じ ゃ な い だ ろ う か ? と思えるようになってくる いや、電車が不細工とか言ってるんじゃなくて・・』 『電車、かっこいいぞ。 もう喪前は、もてない女じゃない。 中身のない地味なやつなんかじゃない! 素のままで充分だよ。 無理せず背伸びせずコーンと楽しい時間を過ごしてきてくれ。 コーンと会えたことで自分が変われるきっかけをもらえたんだ、 そう思えば 結果云々より電車にとっては意味のある出会いだったんだと思う。 で、うまくいったらもう二度とここには帰ってくるんじゃないぞ。 グッドラック ノシ だ。』 掲示板を見ながら、涙が出てきた。 『みんなありがとう。みんなのレス読んでると不思議と なんでも上手くいくような気になってくるよ。自信が付くよ。 まずはお礼と自分の気持ちを確認する! 』 送信。 【ACT.17 天使(住人)の言霊-中編-】おわり 【ACT.18 天使の言霊-後編-】 掲示板で、住人達と話をしていると携帯が震えた。 「あ、メール・・・・・・敦賀さん・・・・」 メールは、敦賀さんからだった。 『こんばんは。起きてるかな?今、電話しても平気?』 私は、速攻返事を打つ。 『こんばんは!大丈夫です。起きてましたから・・・』 返事を返すと、すぐに携帯が震えだした。 「もしもし?」 『こんばんは。明日のことで電話したんだけど・・・平気?』 「もちろん、平気です!」 『明日・・10時に迎えにいくから。』 「あ・・場所ってわかります・・?」 『カーナビでチェックするから大丈夫だとは思うけど・・・ 近くまできたら電話するよ。』 「はい!」 『それじゃ、お嬢さんが寝坊するといけないから、そろそろ切ろうかな。』 笑いながらそういった彼の声は、少し疲れているような気がして・・・ 「寝坊なんて・・・敦賀さんこそ大丈夫ですか? お仕事、忙しくて疲れてません・・・?」 それに、こころなしか掠れていた。 『ああ・・大丈夫だよ。ちょっと喋りすぎちゃって声枯れてるけどね』 「・・・私!のどにいいもの作ってきます!」 『・・あ、大丈夫だよ。気にしないで。それよりも、寝坊しないように・・ね?』 「・・・・はい。」 敦賀さんは気にするなと言ったけど、私は明日 早めに起きて喉にいい アメ湯やしょうが湯を用意しようと考えた。 『じゃあ、明日・・・・・楽しみにしてるから・・・』 「・・・・・!・・・はい!」 電話を切っても、ドキドキは止まらなかった。 掲示板に報告して、住人にお休みと言って、パソコンを閉じても 電気を消して、目を瞑っても・・・ 敦賀さんの言葉が 耳の奥でこだましていた・・・。 『じゃあ、明日・・・・・楽しみにしてるから・・・』 【ACT.18 天使(コーン)の言霊-後編-】おわり 蓮SIDE 【ACT.68 ワンナイト・コネクション】 こんなはずではなかった━━━━━。 ‘あの子’に出会ってから、俺は━━━━━。 こんな男だっただろうか・・? もっと、自分は冷めた人間だと思っていた。 人と、あまり深く関わろうともしなかった。 黙っていれば、ただ・・・笑顔でいれば・・・ それで良かった。 黙っていれば、人は深く話しかけようとはしてこない。 笑っていれば、こっちの感情など見えることはない。 気持ちを押し殺して、ただ毎日笑顔を貼り付けて・・ ただ、自分とは違う人間を演じていれば良かった。 演じることは楽しかった。 自分が自分でなくなる瞬間。 自分を殺して、違う人間に生まれ変わる・・・その瞬間。 約束をした日以来、俺達はもっぱらメールでやり取りをしていた。 文面からでも、彼女らしさが伝わってきて 届いて、それを目にするたびに自然と顔が綻んだ。 何気ない日常を、楽しそうにメールで報告してくる彼女。 俺の事を気にしてか、電話をかけてくることはなかったが 珍しくその日は、夜遅くに電話がかかってきた。 「もしもし?」 『・・・・・あ!ご、ごめんなさい!!』 一瞬の間があいたあと、突然彼女は謝ってきた。 少し、声が・・・様子がおかしい・・・。 「どうした?」 何かあったのかと心配になる。 『あ・・あの・・・・』 言いにくそうにしている・・。 「何かあった・・?」 『いえ・・何もないんですけど・・って、何もないじゃなくて・・』 気まずそうな声で、慌てている。 ー別に何もなくても・・・かけてきてくれていいんだよ?ー と言おうとした自分に、気付き口を閉じる。 何・・・言おうとしてるんだ・・俺は・・・・ 電話の向こう、顔は見えない。 だけど彼女の様子がわかる。 きっと何かあったのだろう・・。 何か気のきいたことを言ってやりたいが、 何があったのかわからないので、何も言えず・・・。 ただ・・・彼女が元気がないというのに俺は・・・・・ ‘俺に’電話をかけてきてくれたのが嬉しかった。 彼女とは一度会っただけなのに・・・ あまり深い知り合いではないのに・・・ 『キョーコちゃん』と似てるからなのか それとも、彼女・・『最上キョーコ』自身がそうさせるのか 俺の気持ちは確実に・・・・・・。 会えば、きっと━━━━━。 手の届く所に来たらきっと━━━━━。 俺は自分の気持ちに歯止めが利かなくなるかもしれない━━━━━。 「いよいよ明日だな~楽しみだな~~~~」 「・・・・・・何がです?」 聞かなくてもわかっていた。 「何がって!デェトだろ~?」 「・・・・・違いますよ」 「うそ言え~!食に興味のないお前がだよ? ハンバーグがおいしいところありませんか~?なんて! 絶対!デェトだね!しかも、1日休みにしろ!な~んてさ~」 俺は、『最上キョーコ』と会うことを、社さんには内緒にしていた。 もちろん、あれからずっと連絡を取り合っている事も。 「最近のお前ってさ~、携帯チェックばっかしてたもんな~ いや~なんか人事だけど嬉しいよ俺は!」 本当にこの人は、芸能人のマネージャーという自覚はあるのだろうか? 社長といい、この人といい・・・。 「しかし、大丈夫か?ちょっと声ヤバげだぞ?風邪とかじゃないよな?」 「喋りすぎましたからね・・・」 今日の仕事は、生トーク番組で・・・ おしゃべりな女性司会者に乗せられて、収録中ずっと喋らされていた。 少し、声が枯れてるな・・と自分でもわかるほどだ。 ほんと喋りすぎたな。いろいろと・・・。 『敦賀くんは、絶対もてるでしょう?』 『いいえ?もてませんよ』 『うっそ!絶対に、もてるわよ。』 『そんなことないんですよ?』 『またまた~~~!恋人とかいるから、 気をつかってそう言ってるだけじゃないの?』 『恋人なんていませんって』 『またまた~~~~』 『いえ、本当に。忙しいので・・・』 『じゃあ、好きな人は? さすがに居るでしょ?』 『・・・・・・。』 『あ~~~!その反応! 絶対居るわ!』 『いませんって・・・出会いがないので』 『うそうそ!敦賀くんなら、選り取りみどり女のほうが 寄ってくるでしょ』 『いや、寄ってこられませんって。本当に・・・』 『う~んじゃあ、そういう事にしておいて・・・ 好みのタイプの女性は・・?』 『・・そうですね・・・しっかりした芯の強い女性で・・ ・・癒される・・人・・・かな?』 『あ~~~~~れ~~~~~~? この間より随分 具体的になってる~!』 『そう・・ですか?』 『わかった。じゃあ、好きな人がそのタイプなんだ?』 生放送とは、本当に厄介で・・ やばい所もおかまいなしに放送されてしまう。 いつもなら、この手の質問は さほど気にもされなかったはずなのだが・・。 「何か今日はお前、余裕なかったな~ いつもあの手の質問はサラっと返すのに・・。 ちょっと慌ててたぞ。やっぱあの司会者が言うように・・・・」 「違いますよ。」 恋人がいないのは事実だ。 浮いた話のひとつもないと、事務所の社長に残念がられるぐらい何もない。 ただ、『好きな人は?』と問われると・・・ いつもなら・・・いや、数日前ならきっと、ハッキリと答えられただろう。 「いない」と。 今は・・・・・・? 自分でもわからない。 確かに、‘彼女’に惹かれていっている。 だが、恋人にしたいとか・・・まだそこまでは考えてない。 というより、考えないようにしている自分がいた。 約束の当日。 『おはよう、蓮!』 電話で目が覚める。 「・・・・・・・・・・なんですか・・・?」 電話の相手は、社さんだった。 「ハハハ。お前が寝坊するといけないからモーニングコールだよ。 きっと前日、ワクワクドキドキで眠れなかっただろうから心配してさぁ~ あ!ごめんな~‘彼女’じゃなくて・・・ なんかさ~俺までドキドキしちゃって・・・緊張しちゃってさ~」 ガチャリ 俺は何も言わず、電話を切った。 あの人には付き合ってられない。 確かに、昨夜は眠れなかった。 彼女に確認の電話をしてから、なんだか少し・・・ 体調が悪い・・・。 まいったな・・・こんな日に・・・。 しかし、彼女との約束を破るわけにもいかない。 重い体を起し、支度をして家をでる。 とりあえず、頭痛薬は飲んだ。 数時間すれば、きっと良くなるだろう・・・。 彼女の笑顔を見れば━━━━━。 蓮SIDE 【ACT.68 ワンナイト・コネクション】おわり 【ACT.19 手のひらのブルー】 朝から雨だった。 新聞配達を終え、シャワーを浴び【だるまや】で大将たちと共に 朝食をとっていると、玄関から声が聞こえた。 「おはようございます」 来た! 「おはよう!!!」 「おはよ。ちょっと早かった?」 「ううん。さ、あがってあがって・・・モー子さん!」 朝早くからやってきたのは、モー子さん。 今日の敦賀さんとの約束の為、朝から出張メイクさんとして 来てくれたのだ。 「ちょっと考えたのよ、で早めに来たんだけど・・」 「何を・・?」 「ほら、相手は‘あの敦賀さん’じゃない?」 「うん・・。」 「電車の時の話からして、彼そのままで来ると思うのよね」 「・・・そのまま・・・?」 「敦賀さん、俳優でしょ?街中で見つかったら大変じゃない? でも、電車の時は変装もしてなかったんでしょ?」 確かに、私はわからなかったが、周りの女性にはバレバレだった。 「だったら、一緒に居るあんたもヤバイじゃない? 彼が変装しないんだったら、せめてあんたが変装しないと・・と思ってね」 と言って、モー子さんはウイッグらしきものを鞄から取り出した。 「まぁあんたはメイクで別人になるけど・・、 たとえば見つかって噂になってもロングの子だったって事で あんたが疑われることないだろうし。 って、まぁ一般人相手だからまず、詳しくバレる事はないだろうけどね。 それでも注意するにこした事はないから」 「・・・な、なるほど・・!」 さすが、モー子さん。女優を目指しているだけの事はある。 芸能界に疎い私には考えもつかないことだった。 「それ、ウイッグ?私つけたことないよ。」 「ウイッグじゃないわ。エクステよ。 で・・・コレをつけるので早めに来たってわけ。 せっかく髪切ったから・・とは思ったんだけど。 普通に髪は洗えるから。ただ、ちょっとコツがあるけどね。 とるのは簡単よ。また明日バイトの前にでも取ってあげるわよ」 そういって、エクステの説明をしてくれる。 「凄いね、モー子さん・・・こんなこともできるんだ?」 「まぁね~、女優に必要なヘアメイクとかは一通りはできるよう勉強したから」 モー子さんの凄さを、痛感しつつ 私は、モー子さんに再び魔法をかけてもらうことにした。 化粧もつい最近、してもらったばかりでエクステなんて初めてで・・。 モー子さんがつけてくれたエクステは少し、ウェーブがかかっていて 今の髪の毛にあわせ明るめの色だった。 ついこの間までロングだったけど 短くなった、この髪に慣れていたから なんだか不思議な感じ・・。 「うん、こんな感じもあんた似合うじゃない?」 出来上がって鏡に映った自分は、いつもと違う雰囲気で・・。 「あとはメイクをすれば・・・そこらのモデルよりいけるかもよ?」 そういって、モー子さんの手によって魔法をかけられた自分は まるで、シンデレラのよう。 「それじゃ、私はこれで・・・がんばるのよ。」 「モー子さん!ありがとう!」 「どういたしましてー。まぁ、あんたが敦賀さんとうまくいったとき 借りは返してもらうから。そのつもりで。」 「借り?」 「そう。ドラマの主役でいいわ。敦賀さんに言っといてよね!」 「・・・・・。」 「じゃあね」 帰ろうとするモー子さんを私は引きとめた。 「あ!待ってモー子さん!」 「何よ、まだ何か・・・・」 「あるの!お願い、敦賀さんがくるまで・・・ここに居て?」 「いやよ。何で私が敦賀さんを待たなきゃいけないのよ・・」 「う・・・だって・・・敦賀さん来て二人で出かけたら・・・ 大将たち何て思うか・・・・・」 「・・・・・・。あ、そっか。」 あっさりとモー子さんは了承した。 「そーね、じゃあとりあえず敦賀さんには近くまで来てもらって 出て行くときは、二人ででましょう。」 「・・・え?」 私は最初、意味がわからなかった。 「あんたがそこまで考えてるとは思わなかったわ。 でも、確かにそうよね・・アリバイ工作までは私も考えてなかったわよ」 と一人、納得しているモー子さん・・。 「ちょ、アリバイって・・・・そんなんじゃ・・・・」 そうこうしてるうちに、敦賀さんから電話が来た。 私は、モー子さんの指示通りそこで待っててくださいと言い、 モー子さんと二人で【だるまや】を出た。 「それじゃ、キョーコお借りしますね~ ‘もしかしたら家に泊めるかも’しれませんけど、そのときは ‘遅くても’21時までにはご連絡しますんで・・・」 モー子さんはわざと、私にわかるように大将たちに説明した。 もう、そんな心配いらないのに! ・・そう私は思っていたけど、このモー子さんのアリバイ工作が 後で役に立つとは、この時 思ってもみなかった・・・。 「じゃあね、さっき言ったように21時までには連絡、してよね。 あ、連絡がなかったら・・・私がどうにかしておくわ。」 【だるまや】が見えなくなったところでモー子さんは そういって、去っていった。 敦賀さんの車が見える。 『黒のポルシェ。わかるかな?』 きっとあれだ・・・。 私は、バッグからコーンを取り出し手のひらでそっと握り締める。 『電車、かっこいいぞ。 もう喪前は、もてない女じゃない。 中身のない地味なやつなんかじゃない! 素のままで充分だよ。 無理せず背伸びせずコーンと楽しい時間を過ごしてきてくれ。 コーンと会えたことで自分が変われるきっかけをもらえたんだ、 そう思えば 結果云々より電車にとっては 意味のある出会いだったんだと思う。 で、うまくいったらもう二度とここには帰ってくるんじゃないぞ。 グッドラック ノシ だ。』 掲示板の住人の言葉が、私の背中を後押しした。 【ACT.19 手のひらのブルー】おわり
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/11.html
テスト - 作成者 (2019-07-29 18 31 31) テストテスト - 名無しさん (2019-07-29 18 31 45)
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/70.html
663 :社クン、危機一髪! 1:2005/06/18(土) 20 34 33 ID ??? 『只今、人気急上昇中の京子!熱愛発覚か!?』 ・・・ふぅ。とうとう来たか、この時が。今まで蓮とキョーコちゃんがスクープされなかった のが不思議な位だよ。さて、二人についてどんな内容が書かれているんだ? 人気俳優、敦賀蓮のマネージャーである俺は、記事に目をやった・・・と同時に 見ていたその週刊誌を床に落としてしまった。 「な・・・なんで相手が俺なんだよ・・・?」 実は週刊誌にはこう書かれていたのだ。 『京子の熱愛の相手はなんと敦賀蓮のマネージャー!!』 そして俺とキョーコちゃんが親しげに話している写真が掲載されている。 「おい、お前ら!スクープする相手を間違えてるぞ!蓮に知れたらどうしてくれるんだよ。 俺の命が危ないじゃないか!」 これはヤバい、本当にヤバい!俺の頭の中で命の警報が鳴り響いている。 あ~なんて言い訳すればいいんだ?それよりもこの写真・・・まさか蓮が居ない時を 狙って写したんじゃないだろうな。俺は頭の中で必死に蓮への言い訳を考えていた。 ぞくりっ ・・・・何だ?今、悪寒が走ったぞ。 はっ!?奴が居る!俺の背後に居る!!間違い無く居る!!! 俺は確信を持って言えるぞ。蓮の奴、絶対に魔王の面持ちをして俺の背後に居る筈だ! まだ俺の命の保護対策案が浮かんでいないというのに・・。ついでに心の準備も出来ていない。(涙) あぁ・・・後ろを振り返りたくない。しかし、俺は覚悟を決めて振り返ってみる事にした。・・そろ~り。 ・・・やっぱり居た・・・。(滝涙) 「社さん、これはどういう事ですか?」例の週刊誌を手に持ち、蓮は魔王の微笑を浮かべている。 ・・・お前、その目つきだけでも人(俺)を殺せそうだぞ。 「いやぁ、どうもこうも・・・ね?俺もその記事の内容については今知ったばかり・・・」 蓮は相変わらず刺す様な視線を向けてくる。俺はその迫力に押されてジリッと一歩後ずさりした。 すると合わせたように蓮も一歩前に出てくる。そんなやりとりが幾度となく続き、俺はいつの間にか 壁際へ追い詰められるという状態に陥っていた。 「本来熱愛報道されるべきなのは俺だと思うんですけど・・・どうしてここで社さんなんかの名前が 出てくるんでしょうねぇ?」 そう言いながら丸めた週刊誌を俺の頬にピタピタと当ててくる。・・・お前はヤクザか? 「そんな事、俺が知るか!こっちが聞きたい位だよ」 そう言った俺はこの場から逃げ出したい気持ちで一杯だった。 しかし頭の片隅では『頼むから俺と安全保障条約を結んでくれぇ~~。』などとアホな事を 考える余裕があった。 「・・・まぁ、今回の事はいいでしょう。デマである事は明白ですし。彼女が社さん ”なんか” と ウワサになったのは大いに不服ですけどね・・・」 こいつ、俺を『なんか』呼ばわりしやがった。しかも二回! でも助かった~。とりあえずピンチは免れたわけだな?ビバ・俺! 「社さん!」 ん?女の子の声・・・?声のした方に目を向けるといつの間にかキョーコちゃんが隣りに来ていた。 ピンチを脱した喜びに浸りすぎて、彼女の存在に気付かなかったよ・・・。(←やや反省中) 「すみません、社さん。捏造とはいえ私なんかと熱愛報道されてしまって―――・・・」 俺は慌てた。「キョーコちゃんは全然悪くないよ!!むしろ俺の方が・・・」 言いかけている途中に蓮が割って入った。 「最上さん、君が気にする事はないよ。悪いのは全部、うちのマネージャーだからね」 蓮、何だよ。その態度と表情は?俺には冷たく当たったくせに~~~。 ・・・って俺がキョーコちゃんにやきもち焼いてどうするんだよ。(汗) 「でも・・・熱愛報道の相手が敦賀さんじゃなくて良かったぁ~w」 「「え―――・・・?」」俺と蓮は同時に声を発した。 キョーコちゃん!その発言は禁句だぁ~~!!蓮は君と少しでも噂になりたいんだよ! 熱愛報道されたいんだよ!!少しは気持ちを汲んでやってくれぇ~~!!! 俺は再びピンチが訪れた事で生命の危機を感じた。 「最上さん・・・俺と熱愛報道されるの嫌な訳?」声のトーンがさっきよりも明らかに低い。 チラリと蓮の方を見やると、射抜くような視線を彼女に向けている。 ・・・おい、蓮。怯えちゃってるぞ・・・。 キョーコちゃんは蓮の視線から逃げることが出来ずにカタカタ震えている。 「・・・い・イヤという訳では・・・。む・むしろ光栄な事です・・・。」 「―――・・・そう―――・・・?」 お前、今のは強制的に言わせたようなものだぞ? あーあ、キョーコちゃん可哀相に・・・。彼女、走って逃げていっちゃったよ・・・。 ・・・・って・・・え?また蓮と二人きり!?ど・ど・どうしよう? 「最上さんの了承も得られた事だし、今度こそゴシップ記者には頑張って俺と彼女の 熱愛スクープ記事を書いてもらわないとね―――・・・」 そう言いながらクスクス笑っている。 何となくゴシップ記者の気持ちが判ったよ。蓮の迫力というか威圧感に負けたんだな、きっと。 だから、隣に居るチョロそうな俺に目を付けて捏造記事を書いたんだ。 俺はこれから先も蓮に苛められ続けるのか―――・・・? ゴシップ記者様!頼むから蓮とキョーコちゃんの熱愛記事を書いてやってくれ!! 俺は祈らずにはいられなかった。 (終)
https://w.atwiki.jp/nakamura-matome/pages/18.html
本スレ過去ログ一覧 ※datファイルはJane ViewのLogフォルダから掘り出したものです。 右クリック→リンク先を保存、などで保存してからご利用ください。 各専ブラのLogフォルダに放り込めば、専ブラで読めると思います。(たぶん) No. THREAD TITLE URL dat log 1 東京クレージーパラダイス♪ http //comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/994998591/ dat log http //comic.2ch.net/gcomic/kako/994/994998591.html (2ちゃん過去ログ倉庫) 2 仲村佳樹 スキップ・ビート! http //comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1024486427/ dat log http //comic.2ch.net/gcomic/kako/1024/10244/1024486427.html (2ちゃん過去ログ倉庫) 3 仲村佳樹 スキップ・ビート!ACT.3 http //comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1045421142/ dat log 4 仲村佳樹 スキップ・ビート!ACT.4 http //comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1059468491/ dat log 5 仲村佳樹 スキップビート! ACT.5 http //comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1069461700/ dat log 6 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.6 http //comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1074786636/ dat log 7 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.7 http //comic4.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1079685380/ dat log 8 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.8 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1087912587/ dat log 9 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.9 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1091784602/ dat log 10 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.10 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1095834888/ dat log 11 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.11 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1099407292/ dat log 12 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.12 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1106395332/ dat log 13 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.13 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1110338763/ dat log 14 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.14 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1113378288/ dat log 15 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.15 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1116575063/ dat log 16 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.16 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1120240593/ dat log 17 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.17 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1122122191/ dat log 18 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.18 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1128859511/ dat log 19 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.19 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1133849042/ dat log 20 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.19(実質20) http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1137511967/ dat log 21 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.21 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1140832572/ dat log 22 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.22 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1143802298/ dat log 23 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.23 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1147271047/ dat log 24 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.24 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1151224633/ dat log 25 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.25 http //anime2.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1158925303/ dat log 26 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.25(実質26) http //anime2.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1171543177/ dat log 27 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.27 http //anime2.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1181693310/ dat log 28 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.28 http //anime3.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1191581650/ dat log 29 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.29 http //anime3.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1204068937/ dat log 30 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.30 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1216964340/ dat log 31 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.31 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1223129408/ dat log 32 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.32 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1227262282/ dat log 33 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.33 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1233839301/ dat log 34 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.34 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1235713483/ dat log 35 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.35 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1239667835/ dat log 36 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.36 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1244260234/ dat log 37 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.37 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1247840133/ dat log 38 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.38 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1250216134/ dat log 39 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.39 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1251739035/ dat log 40 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.40 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1255975175/ dat log 41 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.41 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1266889258/ dat log 42 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.42 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1276385264/ dat log 43 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.43 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1289276940/ dat log 44 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.44 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1298684961/ ▲このページの上へ戻る wikiのトップページへ戻る
https://w.atwiki.jp/nakamura-matome/pages/16.html
SS&妄想スレテンプレ 次スレタイトル 1 2 次スレタイトル 仲村佳樹作品SS&妄想スレ10 1 仲村佳樹作品妄想スレッドです。 SS職人随時募集中 全年齢向けでヨロ。エロはエロパロ(18禁)へ 妄想や未来予想などの話題でもOK 【暫定ルール】 ・荒らし、煽りは放置 ・転んでも泣かない ・sage推奨? ・970レスor480KB越え辺りでスレ立て 2 【過去スレ】 仲村佳樹作品ss http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1115483115/ 仲村佳樹作品ss 2 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1119961265/ 仲村佳樹作品妄想3スレッド http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1129988960/ 仲村佳樹作品SS&妄想スレ4 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1145471206/ 仲村佳樹作品SS&妄想スレ5 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1153227890/ 仲村佳樹作品SS&妄想スレ6 http //anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1161157136/ 仲村佳樹作品SS&妄想スレ7 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1179752438/ 仲村佳樹作品SS&妄想スレ8 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1219373075/ 仲村佳樹作品SS&妄想スレ9 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220218201/ 【関連スレ】 仲村佳樹 スキップ・ビート! ACT.43 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1289276940/ 【スキビ】仲村佳樹作品のエロパロ 12【クレパラ】 http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1227889169/ 【過去ログ一覧】 ttp //www21.atwiki.jp/nakamura-matome/pages/19.html ▲このページの上へ戻る wikiのトップページへ戻る