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動物もしくは獣人キャラクターのみが習得できる、生身の人間では再現できない技能。 習得する経験は 人外 になる。 ■人外資質系 ●幽体:常駐: 自身への行為判定の成功値を1低下。 重複習得可能。●触角:常駐: 知覚系の妨害無効化。 ●群体:常駐: 物理ダメージをうける際、レベル+1分の一にダメージを下げる。1以下にはならない。 炎上ダメージ、範囲ダメージには効果がない。 重複習得可能。●軟体:常駐: 物理的なダメージを防御時、習得レベル分防御時ダメージを軽減する。 拳が通る程度の狭い隙間などにも入り込める。 ●大型:常駐: 「大型」を持っていない対象との筋力、耐性にまつわる判定の達成値倍化。 ●小型:常駐: 「小型」を持ってない対象との敏捷にまつわる判定の達成値を倍に。 「小型」を持ってない対象との筋力耐性にまつわる判定の達成値半分に。 ■生体武器系 アイテムと同じ効果を持つ生体組織をスキルとして身につけている。 アイテムではないので、アイテムを効果対象とするアイテムやスキル等の効果は受けない。 ただしスキル扱いなので、スキルを対象とする効果は受ける。 ●牙爪角:常駐: 素手でも生体格闘武器を装備している扱いになる。 用途は〈貫通〉〈斬撃〉〈打撃〉の中から任意で選択。 重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の格闘武器を装備すると使用できない。 ●皮鱗甲毛:常駐: 素手でもの生体防具を装備している扱いになる。 用途は〈緩衝〉〈断熱〉〈耐熱〉〈絶縁〉の中から任意で選択。 重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の防具を装備すると使用できない。 ●針毛:常駐: 素手でも用途〈貫通〉の生体射撃武器を装備している扱いになる。 重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の射撃武器を装備すると使用できない。 ●ブレス,シャウト:補助:ボディ 素手でも用途〈○○放射〉の生体射撃武器を装備している扱いになる。 ○○は 火炎放射 冷気放射 電撃放射 振動放射 の中から選択する。 同じものを重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の射撃武器を装備すると使用できない。 ■人外器官系 ●吸収:補助:対象に与えたダメージ 格闘攻撃時、与えたダメージを上限に、技能達成値分体力回復できる。●ホラー:特殊:ソウル+差分 おぞましい外観をしている。 遭遇時、対象に精神状態異常を仕掛けられる●多腕:補助:ボディ カットアクション時にメインアクションを追加でもう一度行える。 ●伸縮腕:補助:ボディ 格闘攻撃の射程を1増加。 重複習得可能。 ●触手:特殊:ボディ 対象に射撃攻撃を行い、1点でもダメージを与えたならば、対象を自身のエリアに引き寄せる。 ●飛翔:特殊:ボディ (飛行)状態になる。 ●不滅:特殊:ボディ 体力がゼロ以下で、ダメージを受けても死亡せず、仮死状態になる。 シーン終了時に達成値分回復する。体力がゼロ以上になれば回復します。 ●毒袋:補助: 習得時に指定した任意の分類薬品の消費アイテムを技能達成値分使用したことに出来る。 ●擬態:特殊:ヘッド シーン開始時、指定の姿になれる。 ●マーキング:特殊:ヘッド アイテム、オブジェクト、キャラクターに使用し、再度使用することで対象が存在するステージ、セット、エリアを特定する。 マーキング時の達成値が、追跡判定の成功値となる。 追跡判定に失敗するとマーキングは解除される。 ●金属声帯:特殊:ヘッド 聞いたことのある音を模写し、再現する。
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OLとシオカラトンボ 2 859 ◆93FwBoL6s.様 あれは現実の出来事だったのだろうか。 何度思い返してみても、夢だとしか思えない。だが、現実でなければこんなにも考え込まないだろう。綺麗なお姉さんに声を掛けられて連れ込まれて無理矢理、というのは童貞なら一度は考える妄想だ。実際、シオカラ自身もそれらしいことを考えたことは少なくなかったが、もちろん口に出したことはなかった。誰しもが一度は考える妄想だが、だからこそ、そんな出来事の当事者になってしまったことが信じられない。 週が明け、高校に登校しても、シオカラの単純な思考はあの夢のような出来事に支配されたままだった。あの日の夜、空の暗さと街灯の眩しさでくらくらしながら帰宅すると、両親から門限を過ぎたことを怒られた。シオカラは適当なことを言ってその場を凌ぎ、夕食を詰め込んで自室に籠もり、あの出来事を思い返した。長い腹部の外骨格には、拭き取りきれなかったほづみの体液が付着していて、それが何よりの証拠だった。だが、それでもやはり馬鹿げた妄想が具現化したとしか思えず、悶々としたまま週が明けて月曜日になった。そして、登校して授業を受けたが、いつも以上に気が逸れて身が入らず、ノートはいずれも真っ白だった。 「しーちゃーん、お昼食べよー」 机とクラスメイトの間を擦り抜けながら、弁当箱の入った巾着をぶら下げた茜が駆け寄ってきた。 「しーちゃん?」 「あ、ああ、はいっす」 シオカラは考え込んでいたせいで反応が遅れ、間を置いて茜に振り向いた。 「どうしたのよ、朝からずっとぼんやりしちゃって」 茜と共にシオカラに近付いてきた真夜も、やはり弁当箱を携えていた。 「どこか具合でも悪いの、しーちゃん?」 少し心配げな茜に、シオカラは触覚を立てた。 「いいいやいやいや、そうじゃないっすマジ平気っすから!」 「そお? 無理っぽかったら早退した方がいいよ?」 茜はシオカラを覗き込んできたので、シオカラは通学カバンを開けて弁当箱を引っ張り出した。 「いやいやマジ平気っすから、マジでマジで」 「だったら、悩み事でもあるの?」 今度は真夜が迫ってきたので、シオカラは身を引いた。 「まっ、まぁさかぁっ!」 あんなこと、言えるわけがない。シオカラがぎちぎちと顎を鳴らしていると、真夜はにんまりした。 「じゃ、占ってあげようか?」 「へあ」 シオカラがきょとんとすると、真夜はシオカラの机の上に弁当箱を置き、ポケットからカードの束を取り出した。 「オーソドックスに大アルカナでいいわね。大丈夫よ、金は取らないし、時間も手間も掛からないから」 真夜はタロットカードを手早く切って混ぜると、それを両手の間に浮かばせた。 「ほら、どれか一枚抜いて」 二十二枚のタロットカードは等間隔に浮いているが、仕掛けは一切なく、真夜の魔力だけで浮かばせていた。真夜は未熟ながら魔女としての素質を持っているので、素人目に見れば超常現象としか思えないことが出来る。魔法のことは全く解らないシオカラや茜にとっては、彼女が何をしても凄く思えるし、今でも凄いと思ってしまう。 「あ、じゃあ、これっすかね」 シオカラは真正面に浮かぶタロットカードを爪で挟んで抜くと、真夜は両手の間にタロットカードの束を戻した。シオカラはタロットカードを裏返し、絵柄を見た。だが、上下逆さまになっていたので、シオカラは首を捻って絵柄を見た。中央に輪が描かれていて、その周囲を四人の天使が囲んでおり、Wheel of Fortune、とのキャプションがあった。 「逆位置の運命の輪ね」 真夜はその絵柄を見てから、シオカラに言った。 「情勢の急激な悪化、アクシデントの到来、って意味があるわ。心当たり、ある?」 真夜に問われ、シオカラは乾いた笑いを零した。 「ふへへへへ…」 大いにある、ありすぎる。だが、言えるわけがない。シオカラは真夜の手に、タロットカードを戻した。 「当たってるっちゃ当たってるっすけど…」 「そう、だったら良かった。でも、占いは所詮占いだから、過信しすぎないでね」 真夜はカードの束をポケットに戻し、弁当箱を手にした。 「じゃ、裏庭に行きましょ。早くしないと、良い場所取られちゃう」 「うん、そうだね。真夜ちゃん、今日もアーサーさんがお弁当を作ってくれたの?」 茜がにやけると、真夜は気恥ずかしげに目線を彷徨わせた。 「そうよ。アビーさんに色々と教えてもらってから、妙に張り切っちゃって、お弁当だけじゃなくて朝も夜も作ってくれるのよ。助かるし、結構おいしいし、正直嬉しいけど…」 「あー、いいなぁー。ヤンマなんて、洗濯と掃除はするけど、料理は全然ダメなんだもん。不器用だから」 行こうしーちゃん、と茜に急かされ、シオカラはぎちりと顎を噛み合わせてから弁当箱を爪に引っ掛けた。茜と真夜の惚気を聞き流しながら、二人と連れ立って歩き、昼休みの常駐場所である裏庭へと向かった。 茜と同居している恋人は、シオカラの幼馴染みであり兄貴分として一方的に慕っているトンボ人間、ヤンマだ。ヤンマは種族の本能で縄張り意識が強く、ケンカも強いが、茜にはだらしないほど甘く、でれでれである。その反面、シオカラに対してはひどく辛辣で、意味もなくアイアンクローを喰らわされることも少なくなかった。それでも、シオカラはヤンマが好きだ。強いし、トンボの目から見ても格好良いし、なんだかんだで優しいからだ。 そして、真夜が実質的に同棲している相手は、かつては聖騎士として活躍したリビングメイル、アーサーだ。同じリビングメイルだが、アビゲイルとは少々異なる経緯でリビングメイルと化し、真夜のキスで目覚めたのだ。アビゲイルと一悶着あったが、その後はお互いに仲良くなり、今ではアビゲイルやその恋人の祐介とも友人だ。 アーサーは中世生まれの聖騎士故に気取った言動を取り、気障な言い回しを好む男だが、うっかりしている。道に迷ってしまったり、電車の乗り継ぎを間違えてしまったり、買い出しに出かけて肝心なものを忘れたり、と。聖剣エクスカリバーを携えた金色の全身鎧が、日常レベルの些細な失敗を繰り返している様は微笑ましい。ここまで失敗を繰り返してしまうと、本人も失敗しないことを諦めていて、今ではすっかり開き直ってしまった。 裏庭に向かいながら、シオカラは先程引いたタロットカードの意味と、ほづみのことを重ねて考えていた。情勢の急激な悪化。アクシデントの到来。それは、シオカラではなく、ほづみに対して起きたことではないのか。今日の夜にでも、あの緑地公園で帰宅するほづみを待ち伏せて、誠心誠意謝らなくては気が済まない。 軽率な行動を取ったシオカラにも、責任の一端があるのだから。 一日は、こんなに長いものか。 忙しなく働いていても、無意識に先週末までは彼氏だった同僚に気を向けてしまう自分に腹が立った。同僚の男はこれ見よがしに新しい女とべたべたしていて、気を向けるまいとしてもつい目に入ってしまった。一度だけ二人と目が合ったが、どちらもほづみを嘲笑っていたようにしか見えなくて、尚更腹が立ってしまった。だが、突っかかるのは子供っぽいし、今更同僚の男と寄りを戻す気もないし、奪い取るほどの価値などない。 それなのに、苛々して気が狂いそうだ。涙が出れば少しは楽かもしれないが、意地がそれを阻んでいた。予定があると言って残業を切り上げ、退社して電車に乗り、家路を辿りながら、ほづみは足元を見つめていた。本当に予定があれば苛立ちも紛れたかもしれないが、何もない。だからこそ、どうでもいいことで悩んでしまう。いい加減に振り切りたいのに、どうしても振り切れなくて考えてしまって、そんな自分にますます苛立ってくる。友人に愚痴を零せたら楽になれるかもしれないが、こういう時に限って友人達の予定は空いていなかった。 緑地公園に差し掛かると、ほづみは足を止めた。先週末のように、シオカラがいることを期待してしまった。だが、いるはずもない。第一、トンボは夜行性ではないし、あれはほづみが強引に誘ってしまっただけなのだ。彼からしてみれば、とんでもなく非常識な女に過ぎず、普通の神経なら二度と顔を合わせたくないと思うだろう。 「…ばっかじゃないの」 自嘲したほづみは、緑地公園から顔を背けた。 「おねえさほごあぁっ!?」 唐突に公園の敷地内から奇声が聞こえ、ほづみはぎょっとして振り向いた。 「…え」 「マジ痛ぇー、てかやっぱり夜はマジヤバいし…」 声の主を辿ると、緑地公園の敷地内で、見覚えのあるトンボ人間が倒れ伏していた。 「あんた、大丈夫?」 敷地内に入ったほづみがシオカラに歩み寄ると、シオカラは複眼をさすりながら身を起こした。 「まー、なんとか…。暗くてマジ足元見えねー…」 「ていうか、なんであんたがここにいるのよ? 家の方向、違うでしょ?」 「なんてーか、ケジメっつーか、そういうやつっす」 シオカラはぎちぎちと顎を鳴らしながら立ち上がると、ほづみに頭を下げた。 「この間はマジすんませんっしたぁ!」 「…何が?」 「つか、あのことは、俺っちもマジ悪かったっすから」 「悪いのは私、あんたは完全な被害者よ」 ほづみがシオカラを見上げると、シオカラは捲し立ててきた。 「いやいやいや、俺っちの意志がマジ弱かったからっす! てか、断れば良かったんす! あれからずっと考えてみたんすけど、やっぱ、ああいうのマジダメっすね! いや、嬉しかったっすけど! でも、ほら、なんつーか、こう!」 「何が言いたいのよ」 「えーと…なんだっけ」 シオカラは口調を弱め、首を捻ったので、ほづみはなんだか可笑しくなった。 「言いたいことをまとめてから話しかけなさいよ」 「すんません」 シオカラは不甲斐なくなり、四枚の羽を下げた。 「つか、マジ俺っちってダメっすね」 「いいわよ、本当にあんたは悪くないんだし」 ほづみは必死になりすぎて空回りするシオカラを見ていると、張り詰めていた気が少し緩んだ。 「悪いのは私なんだから。あんたには何の関係もないのに、苛々して、八つ当たりしたかっただけなのよ。だから、この前のことは全部忘れて。今、私と会ったことも綺麗さっぱり忘れて、最初から何もなかったことにしなさい」 「へ?」 シオカラがきょとんとして顎を開いたので、ほづみは身を翻した。 「だから、あんたもさっさと家に帰りなさい。また門限に遅れちゃうわよ」 「でも、あの…」 「何よ」 「つか、お姉さん、なんでそんなに苛々してんすか? そんなに嫌なことでもあったんすか?」 「大人になると、色々あるのよ」 「俺っち、マジ役に立たないっすけど、でも、なんか出来ることないっすか?」 「別に」 これ以上、無関係なシオカラに甘えてどうする。ほづみが目を伏せると、シオカラは言葉を続けた。 「でも、なんか、お姉さん、マジ辛そうなんす! てか、なんかこう、マジヤバげっつーかで!」 「…あんたに何が解るってのよ!」 その言葉が嬉しいと思ってしまった自分にこの上なく苛立ち、ほづみはシオカラに喚いた。 「初めてちゃんと結婚したいって思えた相手だったから、だから仕事も恋も精一杯頑張ろうって思ったのに、それなのに、なんであんなクズ女に全部壊されなきゃいけないの!? どうして浮気されなきゃならないの!?私が何か悪いことしたの!? それとも、あっちが本命で私が遊びだったっての!? 冗談じゃないわよ!」 ほづみは大股に歩いてシオカラに詰め寄ると、怒りに任せてその外骨格に拳を叩き付けた。 「あんたなんて、何の代わりにもなりゃしないのよ! そりゃ、あの時は気が紛れたけど、あんたなんかじゃダメ! 虫だし、ガキだし、馬鹿だし! とっとと家に帰りなさいよ! これ以上私に殴られないうちにね!」 声が嗄れるほど張り上げたほづみは、肩で息をしながら、目元から次々に溢れ出してくる熱い体液に気付いた。喚き散らして、感情が高ぶりすぎたからだろう。目元を拭いかけたが、マスカラが取れてしまうと踏み止まった。 シオカラの外骨格は予想以上に強固で、ほづみの拳では傷も付かず、ほづみの右腕の方がひどく痺れていた。ほづみは泣いていることを知られたくなくて、顔を伏せたまま拳を下げると、シオカラはきちきちきちと顎を擦らせた。 「俺っちで良かったら、殴っても構わないっすよ。俺っちは痛くないし、てか、兄貴のアイアンクローの方が痛いっすから」 「変な気を遣わないでよ」 「昼間だったら、ぱーっと空でも飛び回るんすけどねー」 「…それはちょっと楽しそうかも」 ほづみが小声で呟くと、シオカラは笑った。 「あ、じゃあ、昼間にでも」 「馬鹿じゃないの」 「へ?」 シオカラが首を傾げたので、ほづみは涙に潤んだ目でシオカラを見上げた。 「だから、私はあんたにそこまでされる理由がないのよ、理由が。ちったぁ被害者らしくしなさいよ」 「らしく、って、言われてもなぁ…」 シオカラはきりきりと顎を浅く擦っていたが、ほづみを見下ろした。 「やっぱマジ無理っす、すんません。てか、ぶっちゃけ、お姉さんのこと、マジ放っておけないっす」 「あんたの友達と同じアパートに住んでるかもしれないけど、私とあんたは他人でしょうが」 「でも、こんなに長話したんすから、他人じゃないんじゃないっすか?」 「屁理屈こねないでよ」 出来る限り強く言い返したが、ほづみはまた涙が滲み出してきた。今すぐに、縋り付いて泣いてしまいたい。堪えてきたことを全てぶちまけて、慰めてもらいたい。支えてもらいたい。けれど、シオカラは年下で他人なのだ。友人や恋人ならまだしも、強引に交わっただけの相手だ。そこまでしてしまうのは、ほづみのプライドが許さない。だが、一度涙が出てしまうと、抑えが効かなくなっていたのか、ほづみは化粧が落ちるのも構わずに泣き出した。 ほづみの異変に気付いたシオカラは、慌ててほづみに駆け寄って、どうしたんすか、としきりに声を掛けてきた。その優しさが嬉しいのに、声が詰まって言葉にならないほづみは、シオカラに肩を支えられながら泣きじゃくった。 情けなかったが、止められなかった。 腕時計を見ると、小一時間過ぎていた。 ほづみはシオカラが買ってきてくれたレモンティーで嗄れた喉を潤しながら、年下に甘えた事実に恥じ入った。どれだけ化粧が崩れたのか知るのが怖いので、手鏡を取り出すこともなく、ほづみはレモンティーを流し込んだ。ほづみの隣に座るシオカラも、一緒に買ってきた缶ジュースを飲んでいるが、こちらは昆虫人間用のものだった。シオカラが街灯がダメだと言うことはほづみも理解していたので、二人は敢えて街灯のないベンチに座っていた。彼の水色の外骨格には、ほづみが流したマスカラ混じりの涙が何滴も散らばっていて、黒い染みを作っていた。 「ごめん」 ほづみが謝ると、シオカラは空き缶を顎から外し、振り向いた。 「なんでお姉さんが謝るんすか?」 「だって…」 ほづみが言葉を濁すと、シオカラは空き缶をくしゃりと爪で握り潰した。 「けど、これでスッキリしたんじゃないっすか?」 「まあね」 ほづみは三分の一程度中身が残った缶を回し、たぽんと揺らした。 「この前も今日も、迷惑掛けちゃってごめん。だから、本当に私のことは」 「忘れられるわけないじゃないっすか!」 ほづみの言葉を遮り、シオカラは強く言った。 「てか、あんな初体験させられて、忘れろって方がマジ無理っすから!」 「そうかもしれないけど、でも」 「えっと、んで、良かったら、なんすけど」 シオカラは急に語気を弱めると、ほづみを見つめてきた。 「俺っち、また、お姉さんちに行ってもいいっすよ?」 「またヤりたいの?」 ほづみが少し笑うと、シオカラは慌てふためいた。 「いやいやいやいや! てか、そういうんじゃなくて、えっと、兄貴と茜んちでもあるっすから、てか、話し相手とかマジそういうレベルでいいっすから! ていうか、マジサーセン!」 「じゃ、ヤらなくてもいいんだ」 ほづみが唇の端を持ち上げると、シオカラはしどろもどろになった。 「てか、それは、うぅ…」 「したいならしたいって言いなさいよ、高校生」 「そうホイホイ言えたら苦労しないっすよ、誰も…」 シオカラが触覚を下げたので、ほづみはその表情の窺いづらい横顔を見、込み上がってくる笑いを堪えた。先週末に体を交えた時は、虫なのに、と思っていたが、今は彼が昆虫人間であることが気にならなくなっていた。感情豊かで人間と遜色がないどころか、可愛げがある。口調と態度は軽いが、真面目で優しい少年なのだろう。それを知ってしまうと、尚更迷惑を掛けたことが心苦しくなった。ほづみは少し迷ったが、声色を落として言った。 「…いいわよ」 「へ」 「どうせ、ここなら誰にも見られないし、見えないだろうし。けど、手っ取り早く終わらせなさいよね」 「え、て、てか、それは」 「前のは八つ当たりだけど、今度のは御礼だから」 ほづみは飲みかけのレモンティーをベンチに置くと、シオカラの肩に手を触れた。 「えと、マジ、いいんすか?」 シオカラが触覚を揺らしたので、ほづみは照れ隠しに目を逸らした。 「いいから言ってんじゃないのよ」 シワになったり、トンボの鋭い爪で切り裂かれてしまっては困るので、ジャケットを脱いでバッグに被せた。シオカラは若干躊躇っていたようだが、ぎぢっと顎を擦り合わせてから、ブラウス姿のほづみに近付いてきた。 「んじゃ、また、よろしくお願いするっす」 「こちらこそ」 ほづみはシオカラの大きな複眼が付いた頭部に触れ、少しだけ腰を浮かせると、頑強な顎に顔を寄せた。シオカラは顎を開いて舌を出し、ぬるりとほづみの唇を舐めると、少し冷たい舌先を隙間に滑り込ませてきた。ほづみは顎を緩めてシオカラの舌を受け入れると、その舌を甘噛みし、痛みを与えない程度に吸ってやった。やはりまだ慣れていないのか、シオカラはびくりとしたが、舌を引き抜かずにほづみにされるがままになった。 ほづみの口中で、自身の生温い唾液とシオカラの冷ややかな唾液が混じり合い、唇の端から一筋溢れた。顎を伝った粘ついた雫は、ブラウスの襟元に染みた。ほづみが彼の舌を解放すると、シオカラは顎を閉じた。 「なんか、いきなり凄いっすね」 「手っ取り早く、って言ったでしょうが」 ほづみがシオカラの長い腹部に手を伸ばそうとすると、シオカラはほづみを押し止めた。 「あの、お姉さん」 「あんたのは濡れないんだから、濡らしておかないと」 「今日は、俺っちがお姉さんを触ってもいいっすか?」 緊張で声を裏返しながらも、シオカラが言い切った。微笑ましいと思ったほづみは、手を下げた。 「いいわよ。でも、傷は付けないでよね。ブラウスにも、私の肌にも」 「りょ、了解っす」 シオカラは大きく頷き、ほづみのブラウスに爪を掛けたが、爪先ではなかなか上手くボタンが外れない。手伝おうとしたが、シオカラがあまりにも一生懸命なので、結局は何もせずに危なっかしい手付きを見守った。ボタンの上半分を外すだけでも時間が掛かってしまったので、全部脱がすことはせずに、上を大きく広げた。ブラジャーに包まれた大きい乳房と肩が露出すると、シオカラは上右足の爪を伸ばし、柔らかく握った。 むにゅり、と頼りない感触が爪に伝わり、薄い肌と脂肪が食い込んできて、簡単に切り裂けそうだった。出来るだけ傷を与えないように爪を横たえ、力を抜いて握ると、爪の間から飛び出た乳首が尖り始めた。それを爪の背で潰すと、ほづみが零していた吐息が変化し、鼻に掛かった喘ぎが混じるようになった。 「ここ、弱いんすか?」 シオカラが問うと、ほづみは羞恥を滲ませた。 「当たり前、でしょ」 白く滑らかな肌に傷跡を残さないように気を遣いつつも、シオカラは彼女の大きな乳房を弄んだ。服を着ているとあまり大きくは見えないが、脱がしてしまうと、茜よりも真夜よりも大きいのだと解った。乳房を持ち上げると爪全体に重みが訪れ、落とすとたぷんと揺れ、触っていない方の乳首も尖ってきた。空いている中左足で同じように触れると、ほづみの零す喘ぎが高まり、シオカラの上両足を掴んできた。 「ん、ふぁ…ぁ、うぁ…」 場所が場所だけに懸命に声を殺すほづみに、シオカラは顎を開いて首筋に顔を埋めた。 「お姉さん、なんか匂いが変わったっすよ」 「や、何言ってんの…。そんなの、解るわけ、ないじゃない」 「虫っすから、解るんすよ。なんつーか、マジエロい匂いっす」 「馬鹿ぁっ」 ほづみはシオカラを押し返そうとするが、力では到底勝てず、シオカラは伸ばした舌を首筋に絡めた。 「マジ良い匂いっす、てか、マジヤバいし」 「んぁあっ」 肌の薄い首筋をぬるりと這った舌の感触に、ほづみは堪えきれなかった声を漏らした。 「下も、触っていいっすよね? てか、こっちの方が匂いが凄いっす」 シオカラの爪がタイトスカートの下に入り、ストッキングに覆われた下着の上から触ってきた。 「く…ぅ、ぁ…はぁ…あ…」 拙いながらも刺激の強い愛撫と野外という状況に煽られていたためか、自分でも解るほどに潤っていた。シオカラの硬い爪が充血した肉芽を押し込み、ほづみは思わず声を上げかけたが、唇を噛んで押し殺した。 「んふ、あぁ…」 びぢびぢっ、とタイトスカートの中から異音が聞こえ、シオカラの爪先がストッキングを破いたのだと知った。下着のクロッチも横にずらされ、熱く湿った陰部を外気が舐め、背筋が逆立ちそうなほどの感覚に襲われた。触らなくても解るほど、出来上がっている。ほづみはシオカラの肩に縋り、呼吸を整えてから、小さく呟いた。 「入れて」 「言われなくても、入れるっすよ。てか、マジ限界っす」 すんません、と付け加えながら、腰を浮かせて長い腹部を前に出したシオカラは、生殖器官を押し出した。それを一息にほづみの陰部に突き立ててやると、ほづみは噛み締めていた唇を緩めて、悩ましく喘いだ。 「あ、あぁっ」 ぐじゅり、と粘ついた水音が上がり、破れたストッキングを湿らせた。 「じゃ、じゃあ、動くっすからね」 ほづみを抱き寄せて膝の上に載せたシオカラは、前回のほづみの痴態を思い出しながら腹部を動かした。昆虫人間に比べれば熱い胎内から彼女の体温が染み入り、高揚を誘い、肌に喰らい付いてしまいたくなる。生殖器官を伝って滴る愛液から立ち上る女の匂いが触覚を刺激し、押し当てられた大きな乳房が潰れている。そのどれもが扇情を促し、シオカラは辺りの暗さのせいでよく見えない複眼をほづみの乱れた髪に当てた。 訳もなく、彼女を愛おしいと思ってしまった。一回りは年上で、先日まで面識もなかった相手だというのに。確かに美人で、肉感的で、スタイルも良くて、セックスの相手としては申し分ないが、飛躍しすぎではないか。大体、シオカラはほづみの感情の捌け口として選ばれただけであり、それ以上でもそれ以下でもないのだから。ほづみの恋人でもないのに、何を考えているんだ。けれど、一度感じた感情はそう簡単には振り切れなかった。 一際強く奥に押し込み、ぐんと生殖器官で最深部を突き上げると、ほづみはシオカラに縋る手に力を込めた。いつのまにかシオカラの腰に絡み付いていたしなやかな足が痙攣し、ほづみはシオカラの肩に顔を埋めた。 「やっぱり、あんた、良いわ…」 はあ、と達した余韻を抜くようにため息を吐いたほづみは、足を解いて腰を上げ、ずちゅりと陰部から引き抜いた。 「でも、これでもう終わり。これ以上、あんたのこと、利用したくないもの」 「あ、じゃあ、こうしたらどうっすか?」 シオカラは乱れた髪を直すほづみを見つつ、提案した。ダメ元だが、言わないよりはマシだ。 「今度、デートしないっすか?」 「何よそれ」 「や、だから、付き合えばいいと思うんすよ。そしたら、何度ヤッても問題ないっつーかで」 「そうねぇ…」 ほづみは飲みかけのレモンティーを呷ってから、返した。 「いいわ、考えておいてあげる。だから、あんたのアドレス、教えて」 「あ…はいっす」 シオカラはほづみの好意的な答えに驚いたが、携帯電話を取り出した。 「んでは、赤外線通信で」 ほづみもバッグから携帯電話を取り出し、シオカラの携帯電話に向けて、送信されてきたアドレスを受信した。アドレス帳に登録されたことを確認してから、携帯電話を閉じたほづみは、少し休んだ後にシオカラと別れた。再会した時は劇的だったが、別れは特別な言葉など交わさず、火照りの残る体でアパートを目指して歩いた。 こんなことをして、良かったのか。体を許したのも、単純に寂しさをシオカラで埋めたかっただけではないか。泣き付いて、誘って、挙げ句にアドレスまで手に入れた。深みに填るまいと思ったのに、ずるずると沈んでいく。自分が辛いからと言って、他人に甘えるにしても程がある。だが、一人ではない安心感には勝てそうにない。 この分だと、デートもしてしまうだろう。 ←・→ タグ … !859◆93FwBoL6s. *人外アパート
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登録日:2011/04/14 Thu 02 36 50 更新日:2024/06/21 Fri 09 59 29NEW! 所要時間:約 15 分で読めます ▽タグ一覧 PSYクオリア ○主人公 ◎ヒロイン ○兄 ◎姉 ○先導兄妹 ◎先導姉妹 アイなんとかさん アイチきゅん カードファイト!!ヴァンガード シャドウパラディン ストーカー ファイナルターン!! ヤンデレ ロイヤルパラディン ヴァンガード3大ヒロイン ヴァンガード登場人物項目 ヴァンガード脳 主人公(笑) 乙女デッキケース 代永翼 元いじめられっ子 先導アイチ 処女受胎 初代主人公 勃ち上がれ、僕の分身♂ 妹との不和←外伝 年頃の乙女 櫂の嫁 櫂の彼女 毒家族←外伝 水着NG 男の娘 真のヒロイン 結構暗い過去持ち 闇堕ち Q4 立ち上がれ!僕の分身! CV 代永翼 カードファイト!!ヴァンガードの主人k… 代永「ヴァンガードの主人公…いえ!ヒ・ロ・イ・ン♪先導アイチ役の代永翼です!」 代永自重しろ しかし、アニメの作画も割と女。(ただし英語版の声はもろ男) 中学三年生→高校一年生(リンクジョーカー編) 妹は先導エミ。 気が弱くおどおどしてるが優しい心の持ち主。 物語開始時はカードを集めていただけでファイトをしていなかった。 小学生時代はその性格もあっていじめられていたが、まだコミュ障になる前の櫂トシキからブラスター・ブレードを貰い、強い自分をイメージすることを教わり、 数年後の櫂とのファイトをきっかけに、徐々に成長していく。 実はその櫂くんとは憧れという形で背を追っているものの、めちゃくちゃ似た者同士であったりする。 一見わかりづらいが。 【一期】 授業中に「ブラスター・ブレード」のカードを眺めていた所を森川カツミに見つかり、放課後に校舎裏へ連れていかれ、大切なカードを奪われる。 森川を追って「カードキャピタル」に辿り着くが、既に森川がブラスター・ブレードを賭けた櫂トシキとのファイトに負けた後で、カードは櫂の物に。 そこでカードを奪還すべく櫂との初めてに挑む。 櫂にルールを教えてもらいながらファイトし、勝ちを収めブラスター・ブレードを取り返す。 その後は森川達とファイトしていたが、櫂が全く店に来ない事を気にしていた。 まぁ一応店には来るのだがそんなに現れる訳ではないし、まだアイチとも距離を置いてる感じではある。 ちなみに漫画版ではこの後の櫂は永続的にデレ期。 櫂とのファイトがきっかけで更にカードファイトにのめり込むようになるものの、戦績は芳しくなく、 戸倉ミサキ、葛木カムイ、コーリンと、カードアニメの主人公にあるまじき三連敗を記録。 その後、櫂の様子が昔と違う事が気になり、カムイ、三和と共に櫂をストーキングするが即座にバレる。 引っ越した後の櫂に何があったのか(あと櫂の住所を聞き出す為にry)櫂にカードファイトを申し込むが拒否される。 以後、櫂に認めてもらえるだけのファイターになるべく、あらゆる相手と戦い成長していく。 めきめきと実力をつけ、チームQ4として櫂、ミサキ、カムイと共に全国大会へ進むものの、櫂の元カノ……もとい雀ヶ森レン率いる強豪AL4に敗北。 小姑のようなレンの言葉に焦りを覚えたのか、その後は強さへの渇望がより強くなる。 そして迎えた、二回目の全国大会予選。それまで断片的に発動していた「惑星クレイとシンクロする力」、PSYクオリアを発現。 性格もレンのような強さのみを求め、敗者を虐げるものに変わってしまい、復讐に燃えるキョなんとかさんをボコボコにした。 (別名覇王アイチ、闇アイチ、きゅん様) こうなった理由はというと、実は櫂との関係が拗れたのが主因。 この当時のアイチがファイターとして戦っていた理由は「櫂に認められたい」という思いが軸になっていたのだが、当の櫂がなかなかアイチの成長に目を向けてくれず、結果「もっと強くならなくちゃ」と自分を鼓舞していたところにPSYクオリアが発現。 それによって一気に勝率を上げた一方、櫂の方はアイチに発現したのがレンと同じ「何らかの力」であることを悟り、同じ轍を踏ませまいとしていた。 のだが、口数が少ない+そもそも話が下手+PSYクオリアについて把握していなかった+危機感が先行した櫂は「それは本当の強さじゃない」「お前は弱くなった」と突き放すのが精一杯であり(つまりこの時の櫂の認識ではこう表現するしかなかった)、これを受けたアイチは「もっと強くなれば櫂君が認めてくれる」と思い込んでしまい、PSYクオリアのイメージにのめり込んで闇落ちモードに入ってしまった……というわけである。 その後はレンからシャドウパラディンを受け取り、勝利街道を爆進。 しかしロイヤルパラディンのデッキを使った彼氏、もとい櫂とのファイトを経て、再びファイトを楽しむ心を取り戻す。 全国大会決勝では友達としてレンを取り戻すべく戦った櫂の代わりに、レンとPSYクオリア保持者同士のファイトを展開。 自らの求める力の象徴とも言うべきユニット、即ち光と闇を両方とも受け入れた姿である「マジェスティ・ロードブラスター」でレンの心を救い、全国大会優勝を果たした。 【二期】アジアサーキット編 ある日、突然カードキャピタルに現れたクソガムさんこと立凪タクトとファイトしたことで、 ロイヤルパラディンが未知のクラン、ゴールドパラディンに変わってしまう。 彼曰く、惑星クレイに謎の勢力が侵攻し、クランを率いていた三英雄が封印されたことで、 ロイヤルパラディン、かげろう、シャドウパラディンは戦う力を失ってしまったのだという。 仲間の記憶からもロイヤルパラディン、かげろう、シャドウパラディンの記憶が消される中、タクトの主催するVFサーキットに出場。 決勝戦に進み、クランが消えた理由をタクトに聞くべく、世界各地の強豪ファイターと戦っていく。 しかし慣れないゴールドパラディンデッキに違和感を捨てられないのに加え、タクトが各ファイターにPSYクオリアを発現させていくことでも先天的に感じていた「PSYクオリアへの恐怖」があった為か実力が一期終盤より落ちてしまったらしく、各地のサーキットでは優勝チームに敗北ということを繰り返す羽目に。 しかしそんな中慣れないゴールドパラディンを徐々に使いこなしていき、遂にQ4は日本ステージで優勝を果たしたことによりラストステージに出場。 そこでアイチはタクトの目的が、VFサーキットという舞台でファイターのPSYクオリアを発現させ、謎の勢力『ヴォイド』と戦える先導者を探すことだったのを知る。 タクトが道を開いた惑星クレイにて、ヴォイドの力に取り付かれた中二びょ……アクアフォースを使いこなすファイター、蒼龍レオンを打ち負かし、 封印されていたクランを開放。 しかしアイチは「今まで共に戦ってきた仲間」としてゴールドパラディンを選び、ブラスター・ブレード達と決別した。 ……うん。ゴールドパラディンになって帰ってきたけどね。 ちなみにこれは一見ギャグに見えるが、「アイチ自身もまたブラスター・ブレードの先導者である」という背景設定を考えれば実は仕方のない話だったりする。 【三期】リンクジョーカー編 ミサキさんと同じ宮地学園に進学。 キャラデザも変わり、人間的にもかなり逞しくなった。 カードファイト部設立を妨害する生徒会と対立しつつも、 ミサキさん、転入してきたコーリン、新たな仲間である石田ナオキ、小茂井シンゴらと共に、どうにか部を設立。 ……コーリンやミサキさんとの関係で軽く修羅場ったりしたが、概ね楽しく学園生活を送っている。 しかし、肝心の本筋であるLJとの戦いには現状ほぼ関わっておらず、Яしたナオキを倒して以降出番がほぼ皆無。 というのもこれ以降、櫂とタクトの戦いで2話→福原高校での事件で5話→皇帝乱心で4話、とほぼ1クールも彼と関係ないところで話が進んだのである。主人公なのに。 そのせいで時折登場しては「新キャラ登場」だとか「あ、元主人公」だとか「アイなんとかさんいたんだ」とか視聴者からいじられるはめになる。どうしてこうなった。 更にようやく久しぶりにメインで描かれるかと思いきやなんと林間学校に出発。彼は一体いつになればリンクジョーカーと接触するのだろうか? 林間学校ではЯしたコーリンとファイト、彼女がЯしたことには気づいてはいなかったが。 結局はコーリンがファイトを中断したため、彼はまたもリンクジョーカーとの接触機会を逃す。何度目だ。 そして、今度はカムイ主人公のエピソードが半クールほど始まりまたもフェードアウト。 林間学校から帰ってきた彼はコーリンにЯさせられたカムイと出会い、ようやく本格的に物語に関わるようになる。 三和Яから櫂がこの騒動の元凶であることを教えられた彼は動揺し、まともに戦えなくなるが、 ナオキとシンゴが宮地学園をЯから解放した姿を見て戦いを決意、カムイのЯを解く。 そして、櫂にたどり着いた彼は櫂とファイトするのだが…。 敗けました ようやくメイン張り出したと思ったらこれかよアイチェ…。 そしてЯ……するはずだったのだがPSYクオリアでクレイとつながることでタクトと会い、彼にЯを抑えてもらう。 しかし、代わりにファイトそのものが彼の命を蝕むようになってしまった。 そんな中でもリンクジョーカーが許せない彼は偽タクトの元へ進み、コーリンとのファイトを行い、そのЯを解除する。 そして再び櫂と出会うのだが、すでに彼にとっては興味のない存在であった。 Яではなく Яe-birthを果たした彼とレンのファイトを見守った後、全ての元凶である偽タクトとのファイトを行うことに。 次のターンでグレンディオスによるワールドエンド完成直前にドローした解放者 モナークサンクチュアリ・アルフレッドの力を以て呪縛を打ち破った上で下し、世界の危機を救うことに成功。 しかし、偽タクトを破ったことからЯこそ解けかけているものの強い相手とのファイトを望む櫂との最後のファイトを行うことに。 強さを求めるあまり自分の意思でЯを広めていた罪から、自身が消えてしまう事でケリを付けようとする…ヴァンガードを捨てようとする櫂の心をこのファイトを以て救った。 しかし… 【四期】レギオンメイト編 リンクジョーカーとの戦いから数日後、突然櫂たちの前から姿を消してしまう。 しかも単なる行方不明ではなく、櫂を除くカードキャピタルの仲間やアイチの妹のエミも何故かアイチの記憶を失ってしまっている。 (ちなみにエミは一人っ子ということになっている) どうやら「聖域」と呼ばれる場所で眠っているらしく(後に封印されていることが判明した)カトルナイツから守られている。 カトルナイツのメンバー曰く、彼はすでに櫂たちを見離しているらしく、その証拠と言わんばかりにレンが何らかの約束をして彼の秘密を守ったり、 コーリンがカトルナイツと行動を共にしていたり。 後に本編開始前に、レンやレオンなどの世界トップクラスのファイターに呼びかけてカトルナイツを結成していた事が判明した。 ガイヤール曰く、何らかの使命を帯びているようだが… そしてついに本性を現したセラによって封印は解かれ、彼は目覚めた。 かつて世界を陥れたリンクジョーカーの赤黒いオーラをまとい、優しく綺麗な色をしていた瞳をおぞましく光らせて…。 本作のラスボス(?)兼ヒロイン。 OPは1、2とラスボスのような雰囲気をまとっているがED2のアイチは誰がみてもヒロイン。 そして、ガイヤールの口から全てが明かされる。 実は彼がリンクジョーカーを倒した際、その体内にリンクジョーカーのシード(種)が植えつけられていたのである。 まさかの公式で孕ませプレイ。流石ヴァンガード。 そこでアイチは、そのシードの存在からリンクジョーカーを倒すことは不可能であると知り、 この連鎖を断ち切るために自らリンクジョーカーごと封印される道を選んだのであった…。 その実態はおぞましい物体にリョナられた末に処女受胎し、それが解き放たれないよう犠牲になる道を選ぶという自己犠牲系ヒロインだった。 櫂とのラストファイトにより、宿っていた「シード」が砕けて全てのヴァンガードファイターへと散らばり、リンクジョーカーが惑星クレイの一員として受け入れられたことにより現実世界への帰還を果たす。 ちなみに自身が封印される際に断られてしまったものの、カトルナイツとしてレオンやレンを勧誘こそしているがその同格のファイターである櫂には声を掛けなかった理由は実は単純。 「櫂はその事を絶対に受け入れないし、自分が犠牲になると言い出すから巻き込みたくなかった」からである。 ファイト途中で自身が封印されなければならないと語るものの、櫂が問いかけた「なら俺が封印されるのならお前は俺のカトルナイツになってくれたのか?」という疑問に大きく動揺していることなど、世界のファイターたちを封印の為に巻き込んでも、「櫂だけは巻き込みたくなかった、犠牲にしたくは無かった」というのが実情だったりする。 【劇場版】ネオンメサイア 遂に使用デッキがロイヤルパラディンに戻った。冒頭のOPでは櫂くんとファイトするが、久しぶりに懐かしいカードたちを使用している。 本編では突如としてタクトが開催を宣言した大会「メサイア・スクランブル」に参加することとなる。 当初は楽しい大会になるかと思われたのだが「根絶者」のカードを従えて乱入してきた伊吹によって一変。招待状を奪われてしまったレンなど彼に負けたファイターのカードが「デリート」されて消滅されてしまうのを目撃する。 一度は破れてしまうが、復活したアイチはヴァンガードのデリートを望む伊吹を、そして「根絶者」を止めるために櫂とタッグを組み戦うこととなる。 絶体絶命の危機に再び追い込まれるが、諦めない心が奇跡を起こし「ハーモニクス・メサイア」を覚醒させて史上初の『超越』を発動。 根絶者を打ち倒し伊吹に楽しい思い出を取り戻させ、ヴァンガード消滅の危機を救った。 【六期】ギアースクライシス編 高校を卒業後、海外留学に出ている。 伊吹から連絡を受けて、「Plan-G」の協力者として海外の根回しを担当していた。 「Plan-G」の最後の最後でラティ・カーティと共にイメージの中でチームメンバーと再会してトライスリーの露払いをした。 それ以上のことは描写されていないが、裏設定としてはカトルナイツの裏切り者であるラウル・セラが黒幕である明神リューズの協力者であることを掴み、セラと戦っていたらしい。 【八期】ヴァンガードG NEXT 中盤までは出番が無かったが、留学先がアメリカの大学であることが判明。宇宙論や天体物理学の研究を学んでいるとのこと。 何故このような道に進んでいるかというと、PSYクオリアの力で惑星クレイの存在を現実のものと感じ取れるようになったことから興味を持ったのが理由らしい。奇しくも後にクロノが宇宙飛行士を目指しているのと似た理由だったりする。 U20チャンピオンシップのファーストステージ終了後、夏休みということで一時帰国したことで久しぶりにカードキャピタル1号店に顔を見せることに。 クロノと初めて邂逅し、彼に「GB8」を持つGユニットである「時空竜 ビヨンドオーダー・ドラゴン」を渡した。 この回は旧主人公である彼の本当に久しぶりの登場回だったこともあってか、OPが特別映像になるなどの破格の待遇も行われている。 クロノとは視聴者的にも夢の新旧主人公対決も行い、かつての負けやすい主人公の面影が一切見えないぐらいのファイトを見せ、一歩上を行ったことで勝利する。 その後は再び海外に行ってディフライドされてしまって行方不明になっていた星崎ノアの捜索をしていることが語られていたが、U20終了後はディフライダーとの戦いに備えたこともあってか再び帰国している。 【八期】ヴァンガードG Z ギーゼの使徒との戦いに備えて伊吹が立ち上げた対策本部に加入する。彼自身はギーゼの器候補などではないが、使徒たちからは大きな警戒対象として見られている。 レリクスへの突入作戦の際はQ4やカードファイト部で培ったリーダーシップを最大限に発揮しており、率先して指揮を執る姿も見られた。 最終的にギーゼはカズマを器として復活を遂げるが、その際になって遂に因縁あるカオスブレイカーと対峙する。 自身と櫂をレリクス再起動の生贄に捧げようとする目論みからタッグファイトを行うこととなり、凄まじいまでの言葉攻めとゼロスドラゴンの攻撃で追い込まれるが、何とかギリギリで耐え抜きブラスター・ブレードの一撃で勝利。 結果的にレリクス再起動そのものはカオスブレイカー自身が生贄になったことで阻止できなかったものの、最後の使徒であったカオスブレイカーを倒し、ノアを救うという大きな活躍を見せた。 一連の騒動終了後は再び海外留学に戻っている。 【切り札】 ■ブラスター・ブレード アイチが櫂から貰ったカード。1枚しかデッキに無いにもかかわらず、ショップ大会のカムイ戦までのライド率100%。主人公補正…いや、ヒロイン補正か。 ちなみにブラスター・ブレードとは剣の名前。 後にスピリットになったり解放者になったり。レギオンメイト編では探索者となり、櫂の手に渡り、コーリンに奪われアイチの手に渡る。 最終的には劇場版の時には元の姿に戻ったらしく、GNEXTでも再び使用されている。 実は背景ストーリー的な意味でもアイチと大きく運命を共有している存在でもある。 ■孤高の騎士 ガンスロッド アイチがパックから引き当てた初めてのG-3ユニット。騎士王 アルフレッドを入手してからはドロップ要員に… ■騎士王 アルフレッド カードショップPSYでスイコから貰ったアイチの新切り札。 これもデッキに1枚しか無いのに手に入れてからのライド率ほぼ100%。 ■ソウルセイバー・ドラゴン アイチがブースターで当てたカード。通称おっぱいドラゴン。 こちらはデッキに二枚入っており、コールすると一体は青色、もう一体は緑色。 ■マジェスティ・ロードブラスター スイコから貰ったユニット。 アイチの求める力の答えとも言うべきユニットで、対となるブラスター・ブレードとブラスター・ダークの二つが揃って初めて力を発揮する。 ■灼熱の獅子 ブロンドエイゼル コーリンから「あげるっていってるの!//」とデレ気味に貰ったカード。 ゴールドパラディンになって以降の切り札で、リアガード展開とそれによるパワーアップを得意とする。 クロスライドによって光輝の獅子 プラチナエイゼルにパワーアップする。 ■ブラスター・ブレード・解放者 第三期から使用する、アイチの新たなブラスター・ブレード。当然のように一枚しか入っていないが、かなりの確率でライドする。さすが主人公…じゃなくてヒロイン。 ■孤高の解放者 ガンスロッド 解放者に覚醒した孤高の騎士 ガンスロッド。ブレイクライドという新たなスキルを持つ。ソウルセイバー・ドラゴンの真似とか言っちゃ駄目。ゼッタイ。 ■円卓の解放者 アルフレッド 解放者に覚醒した騎士王 アルフレッド。 ロイヤルパラディンを使っていた頃は騎士王 アルフレッドは一枚しかなかったはずだがこのカードはアイチのデッキに四枚採用されている。 ■狼牙の解放者 ガルモール 反転したナオキとのファイトで使用したユニット。OPでかなり目立っている。 ただし出番はとても少ない。タイミングがタイミングなので仕方ないが。 ■絆の解放者 ガンスロッド・ゼニス 反転したカムイとのファイトで使用したユニット。こちらもOPで目立つ存在。 ■解放者 モナークサンクチュアリ・アルフレッド タクトから受け取った解呪の力で覚醒した円卓の解放者 アルフレッドの新たな姿。 ちなみにカード性能はほぼ狼牙の解放者ガルモールの完全上位互換。 ■伴星の星輝兵 フォトン / 星輝兵 ガーネットスター・ドラゴン TD「決意の呪縛竜」の看板となるレギオンユニット。 アイチがこのデッキのパッケージを飾っていることから、ほぼ確実に彼が使用すると思われたが、コーリンが使っていたので実際にアイチに使われる可能性は低い。 しかしOP2には彼とともに登場している。一応LM編最終戦ではリアガードとして使用された。 ■閃銃の星輝兵 オスミウム / 星輝兵 イマジナリープレーン・ドラゴン レギオンメイト編で不完全ながら封印が解け一時的にリンクジョーカーに覚醒したアイチが使用。 ■星輝兵 ブラスター・ジョーカー レギオンメイト編で完全復活を遂げたアイチが使用した、Яしたブラスター・ブレード。名前にはЯが入ってないが、設定上はЯである。 ■光源の探索者 アルフレッド・エクシヴ ネオンメサイアで使用したアイチのロイヤルパラディンのレギオンユニット。 ただし映画の題材の関係で「このカードによる」勝ちシーンがなく少々不遇。 ■探索者 シングセイバー・ドラゴン 櫂くんも使用していた(そして妙に負けが多かった)当時のぶっ壊れユニット。 実際の使用シーンこそないが、実はネオンメサイアでの伊吹戦でのアイチのデッキに投入されていることが確認できる。 ■ハーモニクス・メサイア ネオンメサイアでアイチが覚醒させた「メサイア」のGユニット。このカード自体は効果を持たない全クランで使用できるバニラGユニットである。 作中では櫂とのタッグマッチ中、ヴァンガードをデリートされてしまいパワーが足りず、決めきらなければ敗色濃厚の場面で覚醒さえ超越。 根絶者を打ち倒すフィニッシャーとなった。 ■ブラスター・ブレード・エクシード GNEXTで再登場した以降のアイチが使用する、新たな「ブラスター・ブレード」。元祖のブラスター・ブレードとは異なりG3である他、複数枚積まれている。レジェンドデッキに収録された。 ちなみに元祖ブラブレも相変わらずピン採用されていたり。 ■神聖騎士 ガンスロッド・ピースセイバー GNEXT以降で使用するGユニットの一枚。ガンスさんのリメイク。 だが性能は「ドライブ増加」「条件付きでクリティカル増加」「使用後も全てのブラスター・ブレードに選ばれない能力を与える」と非常に強力。 ちなみにこのカードはパック収録のGRである。 ■聖騎士王 アルフレッド・ホーリーセイバー GNEXT以降で使用するGユニットの一枚にしてアイチのGユニットのフィニッシャー。 効果は「リアガードの『ブラスター・ブレード』にツインドライブ能力を与える」というもの。 一見地味だがシンプルに強力な能力で、アニメでも新旧主人公対決となったクロノ戦及びGZの彼のラストバトルとなった櫂くんとのタッグマッチであるカオスブレイカーとの対決でもこの効果を受けたエクシードがフィニッシャーとして活躍している。 【主な台詞】 「立ち上がれ、僕の分身!」 「やっちゃったぁ…///」 「いつか櫂くんと……///」 「僕に力を!気高き誇りの白き翼!ライド!孤高の騎士 ガンスロッド!」 「降臨せよ!戦士達の主!ライド!騎士王 アルフレッド!」 「騎士達の神よ、出でて神秘の力を奮え!ライド!ソウルセイバー・ドラゴン!」 「日焼けすると皮が剥けて痛いから、水着は持ってきてないんだよ」 「櫂くんとの誓いを守るためにも…」 「もしかして櫂くん、僕の事認め始めてくれてるのかなァ…///」 「すごい能力ですね(笑)」 「あなたは負けますよ」 「さあ、イメージしてください。圧倒的な力の前に敗北する、あなたの姿を!」 「どうしてわかってくれないんだ…僕は強い! 強くなったんだッ!」 「そんな…僕の、ファイナルターンが…なんで…なんで、カードが教えてくれた通りにならないんだ、こんなの、僕のイメージじゃない!」 「僕の本当にやりたかったファイト…」 「櫂君、僕はこうやって君とファイトする事をずっと夢みていたんだ…!」 「行こう、ブラスター・ブレード…」 立ち上がれ!僕の追記・修正!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 勃ちあがれ?(難聴 -- 名無しさん (2013-10-12 13 58 29) 「ゴールドパラディンも今まで戦ってきた仲間だから離したくない」とか言ってる割に使ってるのは解放者ばっかりで今まで使ってきた仲間を全然使わないのは何でや -- 名無しさん (2013-12-07 00 39 05) ↑デッキを組む→寝るorケースに入れて移動する→ファイト開始→解放デッキにすり替わってる という販促の魔力 -- 名無しさん (2013-12-07 00 55 37) カムイとファイトした時は以前のカードを使ってたね。 -- 名無しさん (2013-12-13 19 46 47) アイチは蟹や勝舞君みたいに光らないから負ける気が -- 名無しさん (2013-12-25 09 21 11) 今度は主人公乗っ取られる(笑) -- ランタン (2014-03-12 19 03 32) ↑何言ってんだ、初めからヒロインだっただろう? -- 名無しさん (2014-03-12 19 10 45) そうでした。 -- ランタン (2014-03-16 23 45 08) アイチくん行方不明か~。ん?行方不明、みんなの記憶から消える、デジャヴ(笑) -- 名無しさん (2014-03-17 23 59 02) 誰? ヴァンガにこんなキャラいないだろ -- 名無しさん (2014-03-18 02 06 17) ↑ヴァンガがここまで発展したのはアイチさんのおかげだろ! -- 名無しさん (2014-03-18 02 29 17) アイチが新しいリンクジョーカー使いになるのか…。前作のラスボス(仮)が使っていたカードを使うってのは新鮮でいいんだけどさ…。 -- 名無しさん (2014-06-06 18 12 20) ↑戦いの後に改心することは多いから。 -- 名無しさん (2014-06-09 16 18 45) ヒロインどころか徐々に高まりつつあるラスボス臭...LJ手に握ってたり、OP、EDそしてフラグ見る限りほぼ確定っぽいよな... -- 名無しさん (2014-06-30 19 46 43) フィギュア化決定したんだがサンプルのメス感半端ない件について -- 名無しさん (2014-06-30 20 09 28) 今日の次回予告のアイチ君こわっ! -- 名無しさん (2014-08-03 16 57 45) ↑あれ見た瞬間セラが殺されるイメージしかできなくなった。もうほんとラスボス感半端ないわ -- 名無しさん (2014-08-03 17 07 37) 種をやられたとかいろいろアウトだろwww -- 名無しさん (2014-08-10 10 31 39) ↑完全に孕みプレイだったよな、ガイヤールの説明に悪意しか感じないw -- 名無しさん (2014-08-11 18 21 56) ↑くっ姑息なコメントを(賛同しながら) -- 名無しさん (2014-08-12 11 54 17) タグに非処女追加しようぜwwwwww -- 名無しさん (2014-08-12 16 39 37) 期待通りの展開で安心する。 -- 名無しさん (2014-08-12 16 46 34) レギオンメイトが始まったころ、一部ではアイチは産休ってネタがあったけど本当に産休だったとは…(困惑) -- 名無しさん (2014-08-12 17 50 49) ↑父親は誰になるんでしょうねぇ(ゲスい笑み) 櫂くんかはたまたリバースタクトかどっちだろう -- 名無しさん (2014-08-12 18 00 27) 水着はNGなのに種付けがOKな理由がわからんぞ公式www -- 名無し (2014-08-18 11 17 57) 低音が結構怖かった…。 -- 名無しさん (2014-08-25 01 24 33) ブラスター・ブレードもリンクジョーカーになってしまうらしいけど本当にアイチの分身だな。 -- 名無しさん (2014-08-25 02 15 21) イマジナリープレーンドラゴンが切り札だったな4期 ブラスタージョーカーも使うかもだけど -- 名無しさん (2014-08-25 03 01 50) セラがゾディアック使うから、ブラジョはアイチが使うのはほぼ確定だな。 映画は普通にロイパラを使うし。 -- 名無しさん (2014-08-25 15 03 11) ねんどろいど再販無いんかね?できればミサキも欲しいわ -- 名無しさん (2014-08-27 12 17 39) まさかネオンメサイアのcmで全裸になるとは…。 -- 名無しさん (2014-09-13 10 53 30) アイチさんに女の子を姫抱っこできるのが、地味に驚いた。 -- 名無しさん (2014-09-15 17 25 17) お姫様抱っこはリンクジョーカーのお蔭だと思ってる -- 名無しさん (2014-09-15 19 52 38) ↑↑↑cm見た瞬間に絶対にネタにされるだろうと思ってたよw -- 名無しさん (2014-09-15 22 16 29) ↑↑アイチはどっちかといえばされるほ…おや?誰かきたようだ。 -- 名無しさん (2014-09-16 07 35 16) 少なくとも、体力がない描写があった -- 名無しさん (2014-09-16 07 37 07) ↑の続き一期や二期ではできなかったと思う。 -- 名無しさん (2014-09-16 07 37 55) 確かアイチって腕立て伏せすらできなかったんじゃ… -- 名無しさん (2014-09-16 22 59 14) 高校生になって背も伸びたから腕力少しはついたんじゃね?(適当)まあLJがステータス底上げした可能性もあるけど、相手一女子のコーリンさんだから何とかなったんだろ卯。櫂や石田ならさすがに姫抱っこ無理だろうし -- 名無しさん (2014-09-16 23 04 18) 今日の悪役顔といい、先週の怪力といい、実はリンクジョーカーに染まっているんじゃねえの? -- 名無しさん (2014-09-28 11 38 04) 「ホントは馴染みのある櫂君やレンさん達を選びたかったんだけどやっぱり身近な人を巻き込むのは嫌だったんで、別に仲良くは無いけど腕は立つ君たちをカトルナイツに選びました。ごめんね。今度は覚悟決まったんでやっぱり信頼できて腕も立つ櫂君達を選ぶよ。」・・・もうちょっとどうにかなんなかったんですかね。 -- 名無しさん (2014-10-06 11 13 43) ↑地味に嫌味と失言が入ったよね。ぶっちゃけかなり酷いと思ったわ。 -- 名無しさん (2014-10-10 17 18 12) レギオンメイトも軽い感じで終了か。 -- 名無しさん (2014-10-10 17 25 19) もう色々元主人公がやって良い事じゃないよね…最後には解決するかは知らんが取り合えず解決したら都合の悪い言動行動舐めプは全部リンクジョーカーのせいかな… -- 名無しさん (2014-10-10 19 10 34) まあレギオンメイトは主要キャラほぼ全員のキャラがおかしかったから。...おとなしくLJ編の後に日常回挟んで新主人公にバトンタッチしてたらまだきれいに終われたものを... -- 名無しさん (2014-10-10 19 17 13) ねんどろいど再販とQ4ねんどろコンプとかも出して欲しい -- 名無しさん (2014-10-24 11 57 09) レギオンメイトはまさにアルティメットまどか状態 -- 名無しさん (2015-02-15 14 51 24) 愛知県の名前 -- 名無しさん (2015-02-18 13 07 10) パラレルワールドのいるはずは、先導愛知だ? -- 名無しさん (2015-02-18 13 09 08) G最新話の絵描きのところにアイチの似顔絵飾ってあったな。 -- 名無しさん (2015-02-18 13 26 31) 女々しいし、イマイチ好きになれないな。割と慢心とかもあるし。 -- 名無しさん (2016-03-28 23 01 41) 中の人の発声障害判明っていつだったんだろ。そういう予兆があったから新右衛門編が出来たのかも知れないし。 -- 名無しさん (2020-02-28 14 34 27) 今年の初夏から始まった『ヴァンガードIF』で、またも闇落ち状態か…これで何度目だ。4回目? -- 名無しさん (2020-10-14 11 49 43) 名前 コメント
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リビングメイルと苦学生 5 859 ◆93FwBoL6s.様 好奇心は猫をも殺す。 興味を抱かない方が身のためだ、と常々思っていた。それが彼女のためであり、自分自身のためなのだと。だが、結局調べてしまった。そして、後悔した。挙げ句に忘れようにも忘れられなくなって、眠気が失せてしまった。 薄暗い天井を見つめながら、祐介は嘆息した。下半身には、求められるままに精を放った余韻が残っていた。今夜もまた、アビゲイルは祐介に迫ってきた。体を動かすための力を得るために、祐介の持つ生命力を吸収した。以前に比べれば慣れてきたが、それでもまだ拙さの残る愛撫を受けながら、途中で余計なことを考えそうになった。勃起が完全に衰える前に放つことが出来たが、あまり時間が掛かっていたら、出すどころではなくなっただろう。 祐介の精液と生命力を受けて満足したアビゲイルは寝室を後にし、祐介は達成感を味わいながら眠りに落ちた。だが、眠りが恐ろしく浅く、すぐに目が冴えてしまった。性感に身を委ねても、どうしても払拭出来なかったからだ。それから一時間以上布団に寝転がっているが、眠くなるどころか更に頭が冴え渡り、目を閉じているのが苦痛だ。横になっていることすらも嫌になるが、眠ってしまうべきだと思う。しかし、意志とは反対に意識は冴えたままだ。 「…くそ」 ナツメ球の淡い光が広がる天井に、苛立った呟きが溶けた。 「どうして俺は、あんなこと調べちまったんだよ」 とうとう横になっていられなくなり、祐介は起き上がった。掛け布団を剥いで胡座を掻き、無意味に髪を乱した。勉強机の上には図書館でコピーしてきたレポート用の資料に混じり、中世時代の武具についての資料もあった。だが、今回のレポートは歴史ではなく、経済だ。だが、魔法関連の書籍が並ぶ棚に無意識に足が向いてしまった。そして、アビゲイルのようなリビングメイルが量産されていた時代の資料を漁り、それを見つけ出してしまった。 「魔剣って、何なんだよ」 勉強机の前に座った祐介は、デスクライトを付けた。ナツメ球よりも鮮烈な白い光が、手元を明るく照らし出した。 「なんであいつが、あんなのを持っているんだよ」 祐介は分厚い参考書の下に隠していたコピー用紙を出し、見下ろした。粒子の粗い写真には、剣が写っていた。飾り気はないが頑丈な銀色の鞘に収まり、植物のツタの模様が柄に刻まれている、有り触れた西洋剣だった。だが、その隣の抜き身の写真では、黒曜石のようにどす黒く艶を帯びた刀身にびっしりと文字が刻まれている。一目見て、異様な剣だと解る。そして、写真に付けられたキャプションは、この剣の恐ろしさを素っ気なく語っていた。 中世時代に作成された魔法剣だが、他の魔法剣には見られない特性を持ち、殺害した相手の魂を吸収出来る。人の血を吸えば吸うほどに魔力が増大し、使い方に寄れば一振りで一万の軍勢を滅ぼすことが可能である、と。実際の歴史上でも、魔剣ストームブリンガーを携えた騎士が現れたことにより、戦況が一変した戦争が起きていた。他にも細々と説明が書かれていたが、目に入れたくなく、祐介はコピー用紙をぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に捨てた。 伝説の魔剣ストームブリンガー。それは、アビゲイルが所有している正体不明の西洋剣と、全く同じ外見だった。ただの偶然だ、と割り切ることが出来れば良かった。だが、ストームブリンガーの機能と彼女の体質は酷似している。リビングメイルについても調べたが、一度魂を固定する魔法を施せば、個人差はあるが数百年は魂を維持出来るそうだ。だが、アビゲイルは違う。一週間程度で力が底を突き、祐介を求めてくる。今までは、それが当たり前だと思っていた。調べれば調べるほど一般的なリビングメイルとアビゲイルとの差異が目に付いてしまい、最後には調べることを止めた。あの剣が魔剣でなかったとしたら、それはそれで後味の良い結末だ。だが、魔法の才がなくとも嫌な予感ぐらいは感じる。 「アビー…」 彼女と自分を隔てるふすまを見やり、祐介は力なく漏らした。彼女が現れてからというもの、祐介の生活は一変した。最初こそ、記憶をさっぱり失っていたので何をするのも上手く行かなかったが、一ヶ月もするとその才能を発揮し始めた。元々器用だったのか家事全般をそつなくこなすようになり、味見が出来ないのに丁度良い加減の食事を作ってくれた。だが、それだけではない。学業やバイトに疲れて部屋に帰ると、アビゲイルは部屋に明かりを付けて待っていてくれる。温かい料理を食卓に並べ、祐介を労い、話を聞いてくれる。それだけのことで、どれだけ祐介が救われてきただろうか。 「どうすればいいんだ、俺は」 アビゲイルを手放したくない。彼女のいない日々など考えたくない。だが、彼女の傍には魔剣と思しきものがある。もしも、あの剣が本物のストームブリンガーだったとしたら、祐介には何も出来ない。何かしたくても出来るわけがない。せいぜい、ストームブリンガーに斬られて血の飢えを潤すだけだ。力もなければ頭もない祐介は、所詮その程度だ。 ふすまの向こうで、畳に金属に擦れた音がした。祐介が顔を上げると、ふすまに手が掛かり、躊躇いがちに開かれた。寝室を覗き込んできたアビゲイルは、少し迷うようにヘルムを伏せたがすぐに上げ、ふすまを開けて寝室に入ってきた。 「祐介さん。起こしちゃったかしら?」 「寝付けなかっただけだ。アビーは寝たんじゃなかったのか?」 「そのつもりだったんだけど、なんだか落ち着かなくて」 アビゲイルは祐介の枕元に膝を付き、正座した。 「誰だって、そういう夜はある」 祐介は努めて平静を装った。アビゲイルは肩を縮め、俯く。 「ねえ、祐介さん。私、本当にここにいてもいいのかしら」 「何、言い出すんだ」 「私が何者なのか、解らないのが怖くない? 私が剣を持っていたことが、怖いとは思わない?」 アビゲイルは太股の上できつく手を握り締め、肩を震わせた。 「私は、とても怖いわ。自分のことを何も覚えていないなんて、凄く変よ。それなのに、あんな立派な剣を持って いるなんて物凄く変よ。ねえ、祐介さん。怖いのなら言って、本当のことを言って、お願い!」 表情が出ないはずのヘルムが、涙で歪んだように思えた。 「私、祐介さんと一緒にいられて幸せだと思っているわ。茜ちゃんやヤンマさんも私に良くしてくれて、とても嬉しいわ。だから、ずっと祐介さんの傍にいたいって思っているのに、あの剣が目に付くの。私の知らない私が、剣を取れって言うの」 両腕を掻き抱き、アビゲイルはか細い声を絞り出した。 「祐介さん…。私、どうしたらいいのかしら」 女性型と言えど無骨な銀色の甲冑が、いつになく弱々しく見えた。そして、その内に眠る女性の姿が見えた気がした。過去を知らないことは、地に足が着いていないようなものだ。振り返ろうとしても道程はなく、それなのに自分が在る。現実を感じていても手応えはなく、自分を成すものが見えない。それがどれほど不安か、祐介は考えたこともなかった。 アビゲイルが弱音を吐くのは、これが初めてかもしれない。彼女は、いつも優しい態度で祐介を受け止めてくれたからだ。だが、それはきっと、祐介に嫌われまいとするためにアビゲイルが無意識に纏ってしまった心の鎧だったに違いない。 「アビー」 祐介は、アビゲイルの震える肩に触れた。 「怖いなら、何も考えなきゃいいんだ。その方が、ずっと楽だ」 「でも…」 「嫌なことを無理に見る必要はないんだ。皆、そうやって生きているもんだ」 「祐介さんも、そうなの?」 「俺だって人間だ。向き合えることもあれば、見るのも嫌なこともある」 それが、今だ。アビゲイルの正体、魔剣ストームブリンガーと思しき剣、そのどちらも向き合えるとは思えなかった。だから、適当なことを言ってアビゲイルを受け流そうとしている。真情を吐露した彼女への態度としては、最低だった。他にどうしようもないからだ、と言い訳がましい言葉が祐介の脳裏を過ぎるが、同時にとてつもなく情けなくなってきた。アビゲイルを利用するだけしておいて、肝心な時には話も聞いてやれないような男が、これから何の役に立つのだろう。そう思ったら、情けなさが十乗にも百乗にもなった。祐介は切なげな視線を注いでくるアビゲイルと、目を合わせた。 「ごめん、言い直す」 祐介は自嘲の笑みを浮かべ、アビゲイルの兜を押さえた。 「アビーはずっと俺の部屋にいればいい。むしろ、いてくれ。そうじゃないと色々と困る」 「本当に、いいの? だって、私は」 「半年以上も一緒に暮らしてきたんだぞ、今更出ていけなんて言えるか。それに、アビーが誰だろうが何だろうが」 妙に照れ臭くなった祐介は彼女と目を合わせづらくなり、ぐいっと兜を押し下げた。 「俺にはどうでもいいことだ」 「何よそれぇ」 アビゲイルは祐介の手の下から顔を上げ、言い返した。 「もうちょっと気の利いたこと言えないの、祐介さん?」 「他に思い付かなかったんだよ!」 祐介はなんだか照れ臭くなって、アビゲイルから手を離した。身を起こしたアビゲイルは、すかさず迫ってくる。 「そんなんじゃ、女の子に嫌われちゃうわよ?」 「お前が部屋にいたんじゃ、彼女が出来ても連れ込めないだろうが」 「あら、その時はちゃんと外に出ていくわよ?」 「変に気を遣われると、尚更やりにくいんだが」 「じゃあ、どうしたらいいのよ、祐介さん」 からかい混じりに笑うアビゲイルに、祐介はほっとした。これでこそ、いつものアビゲイルだ。 「好きになってもらえないのは解っているし、好きになってほしいなんて我が侭は言わないわ」 だが、アビゲイルは途端に声色を落とした。銀色の手を伸ばし、祐介の頬に触れてくる。 「だから、これからも、祐介さんを好きでいさせて。祐介さんが普通の女の子を好きになったって、私は邪魔しないわ。いつか祐介さんが私を必要としなくなっても、それだけは許してほしいの」 「馬鹿、言うな」 アビゲイルの手を外させた祐介は、その硬い手首を握り締めた。こんなに思われているのに、自分は何が不満なのだ。アビゲイルがリビングメイルでなければ、躊躇わなかったのか。だが、リビングメイルではないアビゲイルなど想像も付かない。リビングメイルでいることも含めて、アビゲイルはアビゲイルなのだ。それなのに、中途半端なところに留まり続けている。 祐介はアビゲイルの手首を離すと、彼女を居間に促した。アビゲイルは少し渋ったが、祐介に従って寝室を後にした。ふすまが閉められると、二人の空間が区切られた。仰向けに寝転がった祐介は、再び天井を見つめ、強烈に自責した。それでも、これでいいのだと自分に言い聞かせる。魔剣ストームブリンガーが本物であったら、祐介は何も出来ない。だから、部屋の主と居候という関係のままの方がいい。その方が、何かが起きてもアビゲイルを苦しめずに済むはずだ。 いや。苦しみたくないのは、自分だ。 ←・→ タグ … !859◆93FwBoL6s. *人外アパート
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ようこそ人外研究室へ ここはガレオンに出現する【人外】を研究分析するページです。 無害なものから有害なものまで。気が付かれましたら追加・修正 してください。 悪魔 *~* いろは ウミウシ くろいけだま *~* 毛羽毛現 げしょ ゴーレム すねこすり ドラゴンエンジン *~* 変なアイオーン ようせい *~* 来訪獣 Lie *~* Lily *~*
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OLとシオカラトンボ 3 859 ◆93FwBoL6s.様 思わず、耳を疑った。 まさか、こいつの胸郭からそんな言葉が発声されるとは。ヤンマは心底驚きながら、背後に振り向いた。シオカラはいつものようにへらへらと笑っていて、ヤンマが殴り倒した五匹の羽アリ人間を片付けていた。街の上空を飛び回っていたヤンマに絡んできた連中で、路地裏に連れ込んで十秒と立たずに倒したのだ。そして、事を終えたヤンマが飛び去ろうとすると、どこからともなくシオカラが現れた、というわけである。 シオカラが家族ごと上京して以降、シオカラは何はなくともヤンマを追いかけてきてはまとわりついている。地元時代は中学高校と後輩でもあったので、会う機会は多かったが、ぞんざいにあしらってばかりいた。だが、ヤンマが高校を卒業し、シオカラが茜と同じ高校に転校してからは、馴れ馴れしさが増長してきた。正直鬱陶しいが、茜以外でそこまで慕ってくれるのはシオカラぐらいなものなので、はねつけられずにいた。 駅前の大通りから外れた裏路地の、更に奥まった袋小路の中で、ヤンマは黒い爪を振って汚れを払った。そして、再度シオカラに振り返ると、シオカラは人間で言うところの笑みを見せるかのように顎を広げていた。 「…でえと?」 ヤンマがシオカラの言葉を反芻すると、シオカラは透き通った羽を細かく揺らした。 「そうっすそうなんす、俺っち、デートするんすよ! つか、マジヤバくないっすかパネェっすよね!?」 「ああ、そうだな。ヤバすぎてどうしようもねぇや」 ヤンマは羽アリ人間を小突き、昏倒していることを確かめてから、薄汚れた壁に背を預けた。 「相手は虫か、獣か、それとも人か?」 「人間っすけど!」 「じゃ、尚更ヤバいじゃねぇかよ。お前なんかがデートなんて、百年早ぇ」 ヤンマは爪に張り付いた羽アリ人間の体液を刮げ取り、足元に投げ捨てた。 「んで、俺にその話を聞かせてどうしろってんだよ」 「解り切った話じゃないっすか、兄貴! つか、兄貴は茜をどこに連れていくっすか!?」 シオカラに詰め寄られたので、ヤンマは下右足を上げてシオカラを阻んだ。 「そんなもん、自分の脳みそで考えろ!」 「考えても解らなかったから聞いてんじゃないっすかあ、兄貴ぃ!」 「だっ、大体、俺のなんて参考にするんじゃねぇよ!」 シオカラを蹴り倒したヤンマは、長い腹部を反らした。 「茜は良い奴だから、俺があいつをどこに連れて行こうが基本的には喜んでくれるが、俺に気を遣ってんだよ! 後から聞いたら、楽しんでたのは俺だけだって場所も多かったし、ていうか俺はああいうのは苦手なんだよ! で、でも、たまにはそれらしいことしねぇと彼氏の立場がねぇし、茜が喜ぶ顔も見たい、っていうか何言ってんだ!」 うぁ゛ー、と頭を抱えたヤンマは、自分で言った言葉に恥じ入った。ヘタレぶりを暴露してどうする。 「ていうか、俺よりも当てになりそうなのがいるだろうが。まずはそっちに聞けよ」 「心当たりは聞いてみたんすよ、マジでマジで」 砂埃を外骨格に付けながら起き上がったシオカラは、ヤンマを見上げた。 「最初に祐介兄さんに聞いてみたんすけど、あっちも兄貴と似たようなリアクションっつーか、むしろ兄貴より根が深い感じがしたっす。ほら、アビーさんってあれじゃないっすか、ヨロイ。だから、普通の女性が喜ぶような場所に連れて行こうと思っても、色々と引っ掛かっちゃうじゃないっすか。服が着られないだとか化粧が出来ないだとか、モノが食べられないだとか、まあ色々と。祐介兄さんはマジ悩みしてたっぽくて、最後の方は俺っちが愚痴を聞かされちゃったっす。マジ長かったっす」 確かに、祐介はその手の苦労が多そうだ。隣人の青年の苦悩を思い、ヤンマは嘆息した。 「あいつも大変だなぁ…。てぇことは、アーサーの野郎にも聞いてみたのか?」 シオカラはヤンマに近付き、頷いた。 「もちろんっすよ、真夜の旦那っすから。でも、アーサーの旦那の方が役に立たなかったっすねー、マジで。てか、あの人は真夜に連れて行ってもらう立場っすから。マジ過去の人間っすから、現代のことなんてまるで解らないっすからね。だから、結局は真夜の惚気を聞かされただけっす。マジでマジで」 「つくづく役に立たねぇなー、俺ら…」 ヤンマが肩を落とすと、シオカラは触覚を揺らした。 「でも、俺っち、他に聞く当てなんてないっすから。んで、どこに連れて行けば喜んでくれるっすかね?」 「相手の年代とか、趣味にも寄るだろ。俺の経験上、俺が楽しいところは茜は楽しくなかったからなぁ…」 過去のデートの失敗を思い出したヤンマが項垂れると、シオカラはけらけらと笑った。 「あー、それ、茜から聞いたことあるっすー。兄貴が一人で楽しみすぎちゃって、茜を置いてけぼりにしたんすよねー」 「人の古傷を抉るな! ま、まあ、俺が全面的に悪かったんだが!」 ヤンマはぱかりとシオカラを一発殴ってから、顎を軋ませた。 「そういやぁ、ここんとこデートなんてしてねぇな。茜もバイトやら何やらで忙しいし、俺も仕事があるが、だからって何もしねぇのはまずいよなぁ…。休みを合わせて、適当な場所に連れていかねぇと、拗ねられちまう」 「だから、兄貴、どこに行けばいいっすかね?」 「最初に言っておく! 自分が楽しもうとするな!」 ヤンマは自戒を込めて吐き捨ててから、四枚の羽を広げた。 「後は自分で考えろ! 俺も考えることが出来たからな!」 日没までには帰れよ、とヤンマは釘を刺してから、澄んだ羽を震わせて上昇し、茜色の空へと飛び去っていった。シオカラは滑らかに飛ぶヤンマを見送ってから、足元を蹴り付けて飛び上がり、四枚の羽を震わせて急上昇した。裏路地を成す古びたビルの間を擦り抜けると、鮮烈な西日が全身を焼き、藍色の複眼が朱色に染められてしまった。一瞬、視界を奪われたが、しばらくすると慣れた。夕暮れに染まる町並みは、昼間とは打って変わって幻想的だった。 淀んだ空気が詰まったビル街を取り囲んでいる民家の屋根が朱色に輝いていて、荒く波打つ海面のようだった。東側の空には夜の気配が広がり始めているので、この美しく刹那的な光景が見られるのは、十数分しかないだろう。ヤンマからは早く帰れと言われたが、見逃してしまうのがなんとなく惜しい気がしたので、シオカラは高度を上げた。 初夏の湿っぽい空気が巻き上げられたビル風を羽で切り裂きながら、風を掴んで上昇し、あらゆる建物を超える。街全体を見下ろせる位置に至ったシオカラは、ホバリングして高度を安定させ、無数の生命が蠢く世界を見下ろした。 この中に、ほづみがいるのだろうか。そう思っただけで、無数の複眼に映る景色が、新たな色を帯びた気がした。ほづみにアドレスを伝えたが、あれからほづみから電話もメールも来ることはなく、膨張した期待を持て余していた。連絡もないのに舞い上がり、空回りしている自分に呆れてしまうが、そうでもしなければ身も心も落ち着かなかった。じっとしていると体の芯から焦げてしまいそうで、ほづみに再会した夜に感じた訳の解らない衝動に煽られてしまう。 会えるものなら、今すぐにでも会いたい。けれど、何を話せばいいのか解らないし、会うべきではないとも思った。再会した夜は舞い上がり、ほづみに誘われるまま、再び彼女を抱いてしまったが、それで良かったのかどうか。良くないことだと何度となく思うが、なけなしの理性と自制は青臭い衝動に塗り潰され、結局は流されるままだった。 恋を、しているのだろうか。 そして、日曜日。 ほづみから電話を受け、デートの日程を伝えられたシオカラは、持てる知識を総動員してデートの計画を立てた。ヤンマを始めとした男達の意見は参考にならなかったので、考えるだけ考えて、どちらも楽しめそうな場所を選んだ。けれど、いざ現地に来てみると、何か間違っているような気がした。いや、気でなく、本当に間違えたようだった。 「十何年振りかしらねぇ、こんな場所に来るのは」 長い髪を巻いて後頭部でまとめ、ビスチェの上にジャケットを羽織り、ミニスカートを履いたほづみは呟いた。 「なんか、マジすんません…」 平謝りしたシオカラの背後を、きゃあきゃあと歓声を上げる幼児と若い両親が通り過ぎ、ゲートに入っていった。その上には、可愛らしくデフォルメされた動物に挟まれた看板があり、丸文字の平仮名で、どうぶつえん、とあった。ほづみは大きなサングラスを掛けているが、明らかに怪訝な顔をしていて、シオカラとその看板を見比べている。受付で入場チケットを買っている客層は、親子連れや小中学生のグループが多く、ほづみのような女性はいない。 考えすぎた挙げ句、ヤンマの忠告を生かせなかったらしい。動物園に来たかったのは、シオカラだったのだから。シオカラの地元には動物園はなく、水族館には何度も行ったことはあったが動物園は一度も行ったことがなかった。だから、一度は行ってみたいと心の片隅で思っていたが、だからといって何もこんな時に果たす願いではない。 「まあ、いいわ。最初から期待してなかったし」 ほづみはサングラスを外すと、シオカラを見上げた。 「行きましょ」 「え、あ、いいんすか?」 「せっかく来たんだから、せめて見ていきましょうよ」 「あざーっす!」 シオカラはほづみの心の広さに心底感謝し、彼女に続いて親子連れが連なる受付に並び、入場チケットを買った。それを持って入場ゲートから園内に入った二人は、とりあえず、真っ当に順路を辿って動物を見ていくことにした。ほづみを喜ばせるために来たのだから、とシオカラは自制しようとしたが、入場してすぐの動物を見た途端に切れた。 「ふおおお!」 早速当初の目的を忘れたシオカラは、キリンが悠然と歩いている檻に駆け寄った。 「お姉さんお姉さん、キリンっすよキリン! マジキリンっす!」 「見りゃ解るわよ」 「うおおおお…。すっげぇー、つかマジでけぇー…。マジキリンすぎだし」 顎を全開にして感嘆するシオカラに、ほづみは呆れながらも笑ってしまった。 「今時、キリンなんて珍しくないじゃん」 「や、だって、マジ長いっすよ、首とか足とか」 シオカラは隣に立ったほづみを見下ろし、爪先でキリンを示した。 「そりゃそうだけど」 ほづみは、もしゃもしゃと草を咀嚼するキリンを仰ぎ見た。 「そういえば、前々から思っていたことがあるんだけど」 「なんすか?」 「あんたって、人間じゃないのよね?」 「そうっすよ。俺っちや兄貴は、生まれも育ちも池のトンボっす、マジトンボ」 「だから、あんたは厳密に言えば動物なのよね。なのに、檻に入っている動物を見てもなんとも思わないの?動物園っていう概念、嫌だって思ったりはしないの?」 ほづみにまじまじと見つめられ、シオカラはその視線に戸惑いながらも答えた。 「嫌、っつーか、動物は動物で、俺っち達は俺っち達っすから。たぶん、他の獣人もそう思ってんじゃないっすか?」 「もうちょっと具体的に言ってくれないと、解るものも解らないんだけど」 「んーと、そうっすねー…」 シオカラは驚くほど睫の長いキリンを見つめながら、言いたいことを整理した。 「俺っちみたいなのは人間じゃないっすけど、動物ともその辺の虫とも違うっすから。人間じゃないけど、人間みたいに喋ることも出来るし、俺っちは頭悪いっすけど考えることも出来るし、本能はあるけど理性である程度押さえられるし。だから、人間じゃないけど動物でもないっすから、檻に入った動物を見ても変だとは思わないし、嫌だなんて思うこともないっすね。ほら、人間だっているじゃないっすか、サルをペットにする人。でも、普通の人はそれを見たところで嫌だなんてこと、そもそも考えないじゃないっすか。だから、まあ、つまりはそういうことっすよ」 ほづみはシオカラの言葉を聞き終えてから、少し考え、言った。 「あんたは虫だけど、価値観は動物よりも人間に近い、ってことね」 「そうっすそうっす、マジそうっす」 「でも、やっぱり虫は虫なのよね」 「けど、だからって何をどう思うってこともないっすよ。俺っちはトンボだから俺っちなんすから」 「ついでにもう一つ聞いてもいい?」 「あ、はいっす」 「あんたって常に全裸だけど、そういうことは気にならないの?」 ほづみの問い掛けに、シオカラは閉じかけた顎を開いた。 「ふへ」 考えてみたら、そんなことを気にしたことはなかった。人に近い獣人は服は着るが、昆虫人間は何も着ない。そもそも、着る必要がないからだ。外骨格は下手な武装よりも強固で、種族によっては弾丸をも跳ね返せる。体温維持が難しい冬場は冬眠を防ぐために防寒着を着ることもあるが、それでも着ている期間はごく僅かだ。服を着ると、トンボの命とも言える羽が引っ掛かってしまうし、傷付いてしまっては飛行能力が低下してしまう。だから、昆虫人間には日常的に服を着るという概念自体がないので、何も着ていないことを気にするわけがない。 けれど、改めて考えてみると、妙な気もする。様々な種族に混じって社会生活を営むのに、全裸というのは。だが、やはり、服を着た虫は変では。シオカラはいつになく真剣に考え込んでいると、ほづみが覗き込んできた。 「そこまで考え込むようなこと?」 「つか、今の今まで、そんなこと考えたことなかったっすから、いやマジで」 「でも、あんたは服を着ない方がいいかもね」 「え、あ、そうっすか?」 「だって、結構良い色してるから」 ほづみは、シオカラの水色の外骨格を小突いた。 「隠しちゃうのは勿体ないじゃない」 ほら、次行くわよ、とほづみに上左足を引っ張られ、シオカラはキリンの檻の前から通路へと移動させられた。子供や家族連れの間を擦り抜けて歩きながら、シオカラは上左足を掴むほづみの白い手を見下ろしていた。爪は綺麗に磨かれていて、指は白く細長い。外骨格を握る力は強く、虫に対する力加減が解らないようだった。彼女の表情を窺おうとしたが、歩調に合わせて揺れる髪に隠れてよく見えず、化粧の匂いが触覚をくすぐった。 女の匂いに、頭の芯からくらくらした。 思いの外、動物園を楽しんでしまった。 ちらほらと街灯が灯り始めた歩道をシオカラと共に歩きながら、ほづみは心地良い疲労感を味わっていた。あの動物園を訪れたのは小学生時代以来だったが、久々に見た動物達の姿は新鮮で、純粋に面白かった。 ほづみの少し後ろを歩くシオカラは、人間で言うところの満面の笑みであるらしく、きちきちと顎を鳴らしていた。最初の頃は音の聞き分けなど出来なかったが、しばらく付き合っていると、その時々で微妙に力加減が異なる。喜んでいる時は音が高く、苛立ったり怒っている時は音が低く、微妙な感情を表す時は間延びした音を出す。昆虫人間は顔が顔だけに表情が出せないかもしれないが、注意深く見ていれば、おのずと感情は伝わってくる。 だから、今のシオカラは物凄く喜んでいた。動物園のお土産が詰まった紙袋を下げ、顎を細かく擦らせている。ほづみもブランドのハンドバッグと一緒にお土産の入った紙袋を下げ、ヒールを鳴らしながら、帰路を辿っていた。 「パンダ、可愛かったっすねーマジで!」 「そうねー」 「つか、クマだって解ってんのに普通のクマとはマジ違うっすよね! 超白黒だし!」 「パンダだもの、当然でしょ」 「てか、マジで尻尾白かったんすね! つか、俺っち、なんかマジ感動したっす!」 「パンダの尻尾ぐらいで?」 「尻尾は大事っすよ、マジでマジで。ああ、俺っちのは尻尾じゃなくて腹っすけどね、腹」 「解っているわよ、それぐらい」 ほづみは横目にシオカラを見てから、頬も声色も自然と緩んでいることに気付き、そんな自分に安堵していた。同僚の男に浮気された挙げ句に一方的に別れを告げられてからというもの、笑顔は無理に作ってばかりだった。仕事の最中は無理にでも笑っていないと、挫けてしまいそうだったからだ。だが、やはり、辛いものは辛かった。けれど、シオカラの前ではいくら虚勢を張っても意味がない。年上の見栄や意地はあるが、彼は単なる知り合いだ。だから、自分でも気付かないところで心が緩んでいた。シオカラの年相応の振る舞いも、見ていて微笑ましい。 もっと甘えてしまいたくなる。けれど、それはいけない。ほづみはシオカラの横顔に視線を向けたが、伏せた。これきりにしてしまおう、と強く思うのに、これで終わってしまいたくない、と弱り切った自分が胸中で喚いている。捨てられて参っていたところに丁度良く現れ、丁度良く気を紛らわせた相手だから、丁度良い場所に収めたいのだ。 だが、そんなものは恋ではない。ほづみの見苦しいエゴであり、好意を示してくれるシオカラに対する侮辱だ。好かれているから傍に置きたい、などと少しでも考えてしまった自分が心底嫌になり、ほづみは目線を落とした。 「…どうしたんすか?」 シオカラは立ち止まると、ほづみを覗き込んできた。藍色の複眼には、見た目だけ綺麗に着飾った女が映った。だが、その中身は泥臭くて意地汚くてどうしようもない。そんな女だから捨てられたのだ、と今更ながら痛感した。それに比べて、シオカラは気が良すぎる。夕暮れの空から零れる茜色の日光が、四枚の透き通った羽を光らせた。 「ねえ、あんた」 ほづみは手を伸ばし、シオカラの顎に触れた。 「私のこと、好き?」 「そりゃ…」 シオカラは顎から染み渡るほづみの体温を意識しつつ、答えた。 「好きっす、大好きっす」 「ヤらせてくれたから?」 「えっと、それもあるっすけど、なんていうか、まあ…」 シオカラは言葉を濁していたが、語気を強めた。 「好きだから好きっす!」 「そう」 ほづみはシオカラの顎からするりと手を外すと、シオカラの長く伸びた影に目線を投げた。 「私は、あんたのこと好きじゃないわ」 「虫だから、っすか?」 「そんなんじゃないわ。私が悪いの、最初からね」 ほづみはシオカラに背を向け、ことん、とヒールでアスファルトを小突いた。 「自棄になっていたからって、あんなことしていいはずない。しかも二度も。今日のデートだって、結局のところ、あんたをダシにして遊んだだけだし。だから、もう、これっきりにした方がいいのよ。どっちにとってもね」 「俺っちは、ダシにされたとか、そんな」 「あんたがそう思っていなくても、私はそう思うのよ。だから、お願い」 ほづみは鮮烈な西日を背にして、シオカラに振り向いた。 「私のこと、嫌いになってよ」 複眼と単眼を焦がすような目映い逆光に包まれた彼女は、やはり表情が窺えなかったが、語気は弱かった。平坦に言い切ったつもりなのだろうが、僅かに上擦っている。寂しい人なのだ、とシオカラは悟ってしまった。 一人でいることが耐えきれないくせにプライドが高く、大人だから、縋り付ける相手をはねつけようとしている。どう見ても、無理に無理を重ねている。再会した夜に吐露した苦しみも、まだ振り切れていないのだろう。振り切れていたら、シオカラとデートなどしないはずだ。それなのに、彼女は痛々しく意地を張ろうとしている。 「マジ無理っす、それ」 シオカラはほづみに歩み寄ると、上左足から紙袋を落とし、力任せに抱き締めた。 「…馬鹿よ、あんた」 ほづみはシオカラを押し返そうとしたが、力では勝てず、青空に似た水色の外骨格に身を預けた。 「どうしようもないぐらい」 出来ることなら、体を締め付ける足を振り払ってしまいたい。二度と顔を合わせたくなくなるほど、罵倒したい。思い切り嫌われて、避けられて、疎まれた方が良い。けれど、冷たい外骨格はそんな感情を吸い込んでいった。シオカラの紙袋から転げ落ちたパンダのぬいぐるみは二個あり、恐らくその片方はほづみのためのものだろう。 これでは、尚のこと、彼を家に帰せない。 二人は、言葉少なに帰宅した。 あれから、お互いに様子を探り合ってしまって、上手く言葉が出てこなくなってしまった挙げ句に黙り込んだ。結局、安普請のアパートに到着するまではまともな会話も出来ず、帰宅してからもシオカラはぎこちなかった。初めて部屋に連れ込んだ時とは違った意味で緊張しているらしく、居間の片隅で正座して固まってしまった。 ほづみは寝室にしている六畳間に入り、髪を解いて派手な化粧を落とし、気合いの入った服を脱いでいった。案の定、パンダのぬいぐるみの片方はほづみにプレゼントされ、乱雑なドレッサーの脇にちょこんと座っていた。部屋着にしているTシャツとハーフパンツを着てから居間に戻ると、シオカラは正座したまま動いていなかった。 「そんなに畏まることないでしょうが」 ほづみがシオカラの傍に腰を下ろすと、シオカラは俯いた。 「いや、そうなんすけど、この流れだと、やっぱりアレっすか…?」 「嫌なの?」 「いや、嫌ってんじゃないっすけど、なんていうか、その」 「だったら、止めておく?」 ほづみが言うと、シオカラは顔を上げて顎を開いた。 「うへ?」 「あんたがどうしても嫌だって言うんなら、無理にしようなんて思わないわよ」 「あ、いや、俺っちはそういうことを言いたいんじゃなくて、あーもうっ!」 シオカラはぎりぎりと顎を噛み合わせていたが、ほづみに向き直った。 「本当にそれでいいんすかっ! つか、マジ俺っちでいいんすか!」 「私のこと、好きなんでしょ?」 「そりゃマジ好きっすけど!」 「じゃあ、問題ないじゃない」 「そりゃまあないっすけど、でも、なんか、ああ、なんてーかなぁこういうの!」 シオカラは上手く言葉に出来ないのがもどかしいのか、虚空を掻き毟ってから、ほづみに迫った。 「なんかもうマジすんません! 無理っぽいっす!」 「ちょっ」 ほづみが身を引くよりも早く、シオカラは顎を大きく開いて細長い舌を伸ばし、ほづみの唇をぬるりと舐めた。口紅の味がほんの少し付いていて、首筋から立ち上る香水の残り香が触覚を惑わし、感覚が狂いそうになる。 上両足で柔らかな体を押さえ付け、中両足で引き寄せ、下両足で囲む。トンボの足は、捕らえるためのものだ。カゴのように捕らえた獲物を抱え込み、そして、喰らう。顎を広げるだけ広げ、伸ばした舌を首筋へと滑らせた。 「ん…」 唇を解放されたほづみは小さく声を漏らし、冷たい感触に身を捩った。 「あ、ちょっと、や…」 首筋をぬるぬると舐められながら、ほづみはTシャツの裾を捲り上げようとしてきた中右足を阻もうとした。だが、その手は上右足に捕まれてしまい、ほづみのTシャツは一気に胸の上まで引き上げられてしまった。ブラジャーも押し上げられ、少し汗の浮いた乳房が零れ出た。シオカラは首筋から顔を上げ、舌を引いた。 「次、下、いいっすか」 「触るの? それとも、舐めるの?」 「舐めた方が楽っすよね、お姉さんは」 「ダメ、だって今日は外にいたし、暑かったし、自分でも解るくらい汚れてるし!」 ほづみは首を横に振るが、シオカラはほづみの両腕を上両足で押さえたまま、畳の上に押し倒した。 「あぅ…」 だが、シオカラの中両足は一息でハーフパンツと下着を引き上げ、脱がされ、足を思い切り広げられた。ほづみは今までで一番恥ずかしくなり、唇を噛んだ。一度目と二度目は、何も感じなかったというのに。見られても気にするような相手だと思っていなかったし、恥ずかしいとすら思わなかったが、急に変わった。 「あ、ふぁ、ぁ…」 シオカラの舌が陰部を割って入り、滑り込んできた。人のそれよりも冷たいが、心地良かった。 「くぁ、ぅ、うぁ」 ぐじゅぐじゅと粘っこい音が立てられ、細長い舌が前後し、ほづみの胎内から掻き出しているかのようだった。奥にまで至るが、触れるだけだ。粘膜と粘膜が擦れ合って互いの体液が分泌され、混じりながら滴り落ちる。いつのまにか、彼の黒い顎は光沢を帯びるほど濡れていた。それが無性に恥ずかしく、ほづみは目を閉じた。だが、目を閉じると、一心不乱にほづみの陰部を舌で抉る音だけが聞こえてきて、皮膚の感覚も鋭敏になる。 舐められている間に尖ってきたクリトリスが、時折シオカラの外骨格に触れるが、触れるだけでその先がない。押し付けてしまいたい、と思っても、シオカラとの距離が狭まらないどころか、舌が抜かれると遠のいてしまう。それが何度も続くと堪えきれなくなって、ほづみはシオカラの首に足を巻き付け、彼の硬い顎に押し付けた。 「あはあぁあっ」 喉を反らして声を上げたほづみに、シオカラは白濁した体液に濡れた舌を引き抜いた。 「あ、やっぱりそっちの方がいいんすか?」 「だ、だってぇ…」 ほづみが恥じらうと、シオカラはほづみの汗と体液に濡れた顎をがちがちと鳴らした。 「んじゃ、こうしてみるっすか?」 「え…」 ほづみが少々戸惑うと、シオカラはほづみを押さえていた足を全て外し、ほづみを抱えて膝の上に座らせた。胡座を掻いた足の上に置かれたほづみは、中両足で太股を持ち上げられ、上両足で乳房を無造作に掴まれた。 「ちょ、ちょっと、何これ」 「見ての通り、俺っちなら出来る態勢かなぁーと。虫っすから」 「そりゃそうかもしれないけ、どぉ…」 ほづみは言葉が継げなくなり、弛緩した。乳房から外された上右足が、硬く充血したクリトリスを擦ってきた。爪は使わず、人間で言うところの手首に当たる外骨格でぐりぐりと押さえ付けるが、陰部には触ってこない。 「どうっすか、これなら痛くないっすよね、爪じゃないっすから」 「いたく、ない、けどぉっ…」 最も弱い部分を責められ、ほづみは浅い呼吸を繰り返した。頬と同じく紅潮した首筋には、舌が這い回る。左の乳房は柔らかく絞られ、下と同じく硬く尖った乳首を爪の腹で潰され、至る所から快感が襲ってくる。今し方まで責め抜かれていたのに異物を失った陰部は、寂しげに疼き、体の奥底からじわりと滲んできた。 「あーもう、どこもかしこもマジ最高っすよ、お姉さん」 ほづみの首筋を甘噛みしながら、シオカラは感嘆した。 「おっぱい大きいし、全部柔らかいし、俺っちが何しても感じてくれるし、マジエロ過ぎだし」 「一気にやられたら、誰だって、感じるわよ」 ほづみが力なく返すと、シオカラは左の乳房が歪むほど握り締めた。 「そうっすか?」 「ひゃうあん!」 思いがけず強い刺激にほづみが嬌声を放つと、シオカラはきちきちと顎を擦らせて笑った。 「マジ可愛すぎだし、お姉さん」 「ね、もう、いい、でしょぉ…? おねがいぃ…」 ほづみが切なく漏らすと、シオカラは腰を上げて、生殖器官が露出した腹部を前に出した。 「俺っちも、もうなんかヤバげっす」 「ふぅ、あ、はぁ、あっ…」 圧倒的な質量を誇る異物を押し込まれ、ほづみは涙を滲ませた。 「俺っちなんかで良かったら、いくらでも好きになってやるっすよ、お姉さん」 か細い泣き声のような声を漏らすほづみを責め立てながら、シオカラが言うと、ほづみはシオカラの足を掴んだ。 「ほんとうに? わたし、なんかでいいの?」 「それを言うのは俺っちの方なんすけど」 「だ、だって、私、あんたのこと、ずっと、利用して…」 「そんなの、とっくに知ってるっす。でも、俺っちは、たまんないんすよもう!」 ぐん、と熱い胎内の中心を突き上げると、ほづみは仰け反った。 「あぁ、あぁあんっ!」 外骨格越しにでも解るほど、強く締め付けられた後、ほづみはだらりと脱力してシオカラに寄りかかってきた。 「好きっす、お姉さん」 ほづみを見下ろしながらシオカラが呟くと、ほづみはシオカラに体重を預け、涙を拭った。 「うん。私も、もう、無理…」 好きになってはいけないと思えば思うほど、意識してしまう。けれど、真っ向から認めることに躊躇いがある。だから、今はまだ言えない。体を繋げるだけの浅はかな関係のままではいたくないが、勇気が足りなかった。だが、いずれちゃんと言おう。そうでなければ、迷いなく好意を示してくるシオカラに対して申し訳ないからだ。 「だから、俺っちと付き合って下さいっす、マジ彼女になって下さいっす」 と、背を当てている胸郭から聞こえた声に、ほづみは途端に興醒めしてシオカラを張り飛ばした。 「突っ込んだまま言うんじゃないわよ!」 「あおっ!」 張り飛ばされた勢いで頭を逸らしたシオカラは、首を捻って元に戻し、不可解そうにしつつ生殖器官を抜いた。ほづみは足と腰に力が入らなかったので、シオカラの傍に座り、なぜ殴られたのか解っていない彼を睨んだ。せめて、抜いてから言って欲しかった。だが、今、それを強調するのは多少気恥ずかしかったので飲み下した。 乱れた服と髪を整えてから、ほづみは双方の体液に汚れたシオカラの顎を拭ってやってから、キスをした。シオカラはきょとんとしていたが、意味が解ると照れてしまい、だらしなく笑いながら四枚の羽を揺らしていた。浮かれ切っているシオカラの様を見ていると、ぐだぐだと悩んでいたことが馬鹿らしくなって、ほづみは笑った。 落ち込んでいるのは、もううんざりだ。 ←・→ タグ … !859◆93FwBoL6s. *人外アパート
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人外アパートの番外編でヤンマと茜が主役ですが、河童と村娘とも繋がっています。 昆虫人間×少女の和姦ですが、茜がちょっとだけ清美にいじられます。 関連 → ヤンマとアカネ・河童と村娘 鬼と山神 859 ◆93FwBoL6s.様 濃い青空、そそり立つ入道雲、けたたましいセミの声。 縁側に座ってスイカを囓り、甘い果汁ごと種も啜り込む。瑞々しい青臭さを触角と舌の双方で感じ取りながら、鬼塚ヤンマは隣に座る秋野茜の様子を複眼で捉えていた。子供の頃から変わらず、茜はスイカを食べるのが下手だ。種なんて飲み込んでしまえばいいのに、いちいち取り出すものだから手がべたべたになっている。顎から伝った汁気が首筋にまで垂れているし、ハーフパンツを履いた太股にも赤い雫がいくつも落ちている。 「おい」 ヤンマはスイカが載っていた盆から濡れ布巾を取り、茜の顎から首筋に掛けてぐいぐいと拭いた。 「何すんの、もう」 茜は乱暴に拭かれた肌を手の甲で擦り、むくれた。ヤンマは残った皮も食べてから、自分の爪を拭いた。 「見るに見かねたんだよ。いつになったらスイカを喰うのが上手くなるんだ、お前は」 「いいじゃん、別に。ヤンマには関係ないじゃん」 「ガキ臭ぇんだよ」 「そのガキ臭いところが好きなくせに」 「馬鹿言ってんじゃねぇ」 ヤンマは茜の頭を小突くと、茜はにやけながらスイカの残りを頬張った。そうは言うものの、反論出来ないのが悔しい。 「ここ、なーんにも変わらないねぇ」 裸足の足をぶらぶらさせながら、茜は実家の庭先から見える風景を一望した。 「何百年も同じだったんだ、これから先も同じなんだろうよ」 ヤンマは下両足を組んで胡座を掻き、透き通った四枚の羽を下げた。実が膨れてきた稲穂が揺れる田んぼと、ナスやキュウリがたわわに生る畑、爽やかな風が吹き下りてくる深緑の山。肺に入れる空気は澄み渡り、嗅覚をなぞる臭気も田舎のものだ。ちょっと車を走らせて街中に入ればそれなりに栄えているが、ヤンマと茜が生まれ育ったのは郊外の集落だ。見知った顔ばかりで構成された狭い世界だが、居心地は悪くない。都会に比べれば、明らかに時間の流れが遅かった。 二人揃ってお盆休みに帰省することにもすっかり慣れた。酒の席で鬼塚家と秋野家の親から結婚を急かされるのも、茜が高校を出るまでだと半笑いで言い返すのも、茜が親の気の早さに呆れるのも、双方の親戚から夫婦扱いされるのも。 「明日は神社のお祭りだっけ」 スイカを食べ終えた茜が皮を渡してきたので、ヤンマはそれを躊躇いもなく喰った。 「毎年のことだから、もうなんとも思わねぇけどな。大した祭りでもねぇし」 「神隠しに遭わないように気を付けなきゃね」 「つっても、あれは三十年近く前の話だろ? 茜の母さんの同級生の女子が祭りの途中で行方不明になったのは」 「でも、それっきり見つかってないんだもん。きっと、神様に気に入られちゃったんだね」 「この辺の川じゃなくて、山の沢に泳ぎに行ってたらしいしなぁ。だから、あっち側に引っ張られちまったんだな」 例年通りの会話を交わし、ヤンマは二切れ目のスイカを囓った。神隠しに遭った娘の話は、この集落ではリアリティのある怪談だ。数年前、市町村合併によって大きな市に吸収される前は、この集落を含めた一帯は小さな村だった。その頃、一人の女子中学生が祭りの夜に突然姿を消した。その名は河野清美といい、活発で明るい性格で誰からも好かれていた。泳ぎも上手く、神隠しに遭う直前には水泳大会で好成績を残すほどだった。だが、彼女は何の前触れもなく姿を消した。その後、十年に一度と言われる記録的豪雨が降ったために捜索を始めるのが遅れたせいか、何度捜索を行っても遺骨すら見つからなかった。だから、毎年のように大人は子供に言い聞かせる。夏の山に入るな、山神に隠されてしまう、と。 「隠されちゃったらどうする?」 茜は口元の汚れを拭ってから、ヤンマに寄り掛かってきた。 「俺は鬼だぞ。引き摺り出せるに決まってんだろ」 ヤンマは茜を押し返さず、姿勢を保った。茜は笑い、ヤンマの冷たい外骨格に頬を寄せた。 「ただのでっかいトンボのくせに。でも、その時はよろしくね」 「言われるまでもねぇ」 ヤンマはぎちりと顎を擦り合わせ、茜を抱き寄せた。鬼塚一族が鬼として扱われていたのは、人外の存在が人間社会に馴染みきっていなかった時代のことだ。ただの巨大なトンボだと知られてからは敬われも恐れもしなくなったが、そうなる前は本物の鬼だった。遠い昔、正体を突き止められなかったもの、人智の及ばないもの、天変地異は名を与えられて妖怪となっていたという。だから、ただの巨大なトンボだと知らしめられる前は、鬼塚一族も人間から見ればあちら側の住人だった。 もしも、そのままだったらどうなっていただろう。茜を始めとした集落の人間から恐れられたら、ヤンマは鬼と呼ばれるに相応しい男になっていたのだろうか。茜もヤンマを恐れたりするのだろうか。前者はともかく、後者は有り得ないだろう。茜は幼い頃からヤンマにべったりで、ヤゴだった頃も成虫になってからも一度も恐れたことはない。だから、ヤンマが本物の鬼と化していたとしても、茜は同じことをしていたに違いない。そして、行き着く先も変わらないはずだ。 ヤンマはヤンマで、茜は茜なのだから。 祭り囃子に巫女の舞、縁日、御輿。 何もかもが例年通りで、目新しいものはない。出店も見慣れた顔触れで、テキ屋が地元の子供達と親しげに会話する様もいつものことだ。山神に奉納するために舞う巫女は、醜女の面を被り、祭事用の豪奢な扇子を広げている。神楽を演奏する神官達は神楽鈴を鳴らし、おごそかな雰囲気を醸し出している。篝火と提灯の明かりが本殿を朱色に染め上げ、非日常を見事に生み出していた。本殿を見下ろす御神木がざわりと葉を揺らし、夜気混じりの風が熱っぽい祭りの空気を乱した。 奉納の舞が終わり、見物客達が去っていくと、境内の人混みは少し落ち着いた。ヤンマは短い触角を動かして空気の流れを感じ取りつつ、左上足を掴んで片足立ちしている茜を見下ろした。 「一旦帰るか? そんなんじゃ、歩くに歩けねぇだろ」 「うー……」 浴衣姿の茜は、千切れた鼻緒を持って片方の下駄をぶら下げていた。 「でも、まだ来たばっかりだし。出店だってほとんど見てないもん。そんなのつまんない」 「だからって、俺に捕まって片足ケンケンしてるつもりか? サンダルでもスニーカーでもいいから、履き替えてこいよ」 「浴衣にサンダルって格好悪いじゃん。そっちの方がやだよ」 「俺の方が嫌だ。お前の体重を片方に受けっぱなしだと、筋がイカレちまいそうだ」 「あー、ひっどーい。そんなに重くないって言って、いつも抱えて飛ぶのはどこの誰?」 「あれとこれとじゃ具合が違うんだよ。とにかく帰るぞ、すっ転んで泣かれると後が面倒だ」 ヤンマは茜を引っ張り、歩き出した。茜は不満げだったが、ヤンマの肩を借りて石段を下り始めた。最初、茜は片足だけで跳ねて下りようとしたが、バランスが悪すぎるので観念して裸足で石段を踏んだ。行き交う人々に足を踏まれないように、ヤンマは茜を庇いながら狭い石段を下っていった。茜の足元が気になっていたので下を向いていると、複眼の両脇を過ぎる人影が不意に失せた。本殿で打ち鳴らされている太鼓の音も縁日のざわめきも遠ざかったかのように聞こえなくなり、心なしか空気も冷え込んだ。石段の両脇の杉林から響き渡っていたセミの声も沈黙し、木々の隙間から見える空の色も暗くなっている。日没が過ぎたばかりだというのに、星も見えないほど濃い闇に支配されていた。 「……あれ?」 茜も異変に気付いて足を止め、ヤンマは触角を曲げた。 「とにかく下りるぞ」 早くこの場を去らなければ、拙いことになる。根拠はなかったが、外骨格の裏側にざらついた違和感が貼り付いている。茜の足取りが遅すぎるので横抱きにし、軽く羽ばたきながら石段を駆け下りていくが、いつまでたっても石段が終わらない。子供の頃に茜と一緒に段数を数えた時には五十五段だったのを思い出したので頭の中で数えるが、百や二百を超えても終わらない。石段の先に地上は見えず、振り返っても縁日どころか鳥居も見えない。 「ヤンマ」 不安げに縋ってきた茜に、ヤンマはぎちっと顎を噛み合わせた。 「心配するな、大したことはねぇ」 空まで出れば、どうにかなるはずだ。そう思い、ヤンマが羽を震わせて飛び上がろうとするが、空気がいやに粘ついて羽で叩いても手応えがなかった。びいいいいん、と羽音だけが空しく響き、下両足の黒い爪は石段を噛んだままだった。 「鬼だ」 不意に頭上から声が掛かり、ヤンマは茜を強く抱いて身構えた。複眼が動くものを捉えたので視点の中心を据えると、杉の木の枝に人影が腰掛けていた。白い半袖ブラウスに紺色のプリーツスカート、白いハイソックスにローファーを履いた中学生らしき少女だった。その顔は、行方不明者として張り出されている色褪せた写真と同じだった。 「鬼か」 また別の声が聞こえたので複眼を向けると、反対側の杉の木の根本から、音もなく異形が姿を現した。皿の載った頭に鋭いクチバシ、甲羅、水掻きの張った指、ぬるりと湿った緑色の肌。成人男性ほどの体格の河童だった。それを見た途端、ヤンマは羽の震えが止まった。近付いてはならない、見てはならない、と生き物の本能が喚き、関節という関節が固まって身動き出来なくなった。逃げなければならない。しかし、どこに逃げればいいのか。 「鬼の子とその伴侶よ」 ぺちょり、と水気を含んだ足音を立て、河童はヤンマに歩み寄った。 「おぬしらは、山神に見初められてしもうた。相も変わらず、困った御方よの」 「退屈だから、山まで連れてこいって言われちゃった。全く、人使いが荒いんだから。あれ、神様使いかな?」 「どちらでも良かろう」 河童が少女を見やると、少女は身軽に枝から飛び降り、ヤンマと茜の進行方向を塞ぐように立った。 「てなわけだから、ちょっとだけ付き合って? やることやったら、ちゃーんと現世に返してあげるから」 「あんた、まさか、河野清美……?」 ヤンマが後退ると、少女は明るく笑った。 「うん、そうだよ。私ね、タキの奥さんになったの。あ、それとね、山に入ってからは名前を呼び合っちゃダメだよ。山神様に名前を教えちゃうと、本当に帰れなくなっちゃうからね」 「や、やる、って何を?」 茜が怖々と清美に尋ねると、清美はちょっと言いづらそうに頬を掻いた。 「えーと、C……かな?」 ヤンマは辛うじて意味が解ったが、茜にはさっぱりだったらしくきょとんと目を丸めていた。大昔の隠語でセックスだが、なぜ、そんなものを神様が求めているだろう。確かにそういったものが御神体になっている神社も多いが、この集落の神社は山岳信仰の色合いが強く、御神体も山そのものだ。だから、不可解でならず、ヤンマはぎちぎちと顎を軋ませてしまった。タキと呼ばれた河童は心底呆れているらしく、頭の皿から水を零さずに頭を横に振っている。清美も気まずいのか、茜を覗き込んでは励ましていた。事態の不可解さと相手の要求が理解出来ないのか、茜は困りすぎて半泣きになってヤンマに縋り付いてきた。ヤンマも似たような心境だったが、うっかり逆らって山神に祟られたくはない。どうせ、家族のいない間に事を致すつもりでいたのだから、それが少し早まったと思えばいいだけだ。 ギャラリーがいなければ、もっと良かったのだが。 清美とタキに先導されて昇ると、間もなく石段が途切れた。 あれほど長く伸びていたはずの石段がほんの数段で終わったが、鳥居もくぐらず、境内に出なかった。その代わりに二人を待ち受けていたものは、小さな石碑が入り口に据えられた洞窟だった。いつのまにか小雨が降り出していて、ヤンマは窒息しかねないので慌てて洞窟に入った。茜は鼻緒が切れた下駄ともう一方の下駄も脱いで手に提げ、ヤンマに続いて洞窟に入り、恐る恐る中を見回した。外が狭いわりに中は意外に広く、清美の寝床なのか、柔らかな青草を重ねた上に木綿の布地が被せてあった。だが、空気がやたらに重たく、ヤンマは雨水で気門が詰まったのかと疑うほどだった。辛うじて吸い込めても、雨上がりの匂いを煮詰めたような青臭さと泥臭さばかりで苦しくなった。茜も息を詰め、ヤンマにぴったりと体を寄せていた。 「山神さまぁー、お連れしましたよーう」 清美が軽い足取りで洞窟の奥に向かうと、タキは二人に甲羅を向けて胡座を掻いた。 「儂は何も見ぬ、聞かぬ。今宵の祭りは、山神に捧ぐものであるからな」 「ほんに鬼の子じゃのう」 清美の背後、一際重たく凝った闇から、草色の浴衣に白い面を被った女、山神が歩み出してきた。 「おぬしは鬼塚の子よの。あれはほんに跳ねっ返りでのう、妾の手に負えぬ輩であった。おぬしは、その血を連ねておるわ」 「……俺の名字、知ってんじゃねぇか」 ヤンマが顔をしかめるようなつもりで顎を開くと、清美が苦笑いした。 「下の名前まで知られなきゃ大丈夫だから」 「じゃ、じゃあ、本当にヤ、鬼だったの?」 茜はヤンマの名を言いかけて飲み込むと、山神は茜の目前に面を被った顔を突き出した。 「鬼でなければ鬼と呼ばれぬ。娘、おぬしは百姓の子か。小綺麗にしておっても、血に染みた泥の匂いは隠せぬわ」 「そんなんはどうでもいいっすから、なんで俺らを連れてこさせたんすか」 ヤンマは茜を背に隠して山神から遠ざけると、山神はす、と身を引いた。 「清滝之水神の嫁に伝えさせたじゃろうに、忘れてしもうたんかえ。妾は暇で暇で仕方のうてのう」 「だから、今、神社でお祭りをやっているんじゃないんですか?」 茜が言うと、山神は袖で口元を押さえた。 「あんなもの、何百年と見せられては飽きもする。故に、妾はもっと心躍るものが見とうてのう」 「無茶振りにも程がないっすか」 「無茶だろうと粗茶だろうと、神の願いを叶えるのが現世の者共の役割じゃろうに」 「で、でも、やることやったらちゃーんと代償ってのがあるんすよね? ギブアンドテイクで」 「常世から現世に五体満足で戻してやろうと言うておろうに、何が不満なのかえ。それ以外に望むものがあるならば、御魂でも寄越してくれぬかのう。さすれば、叶えてやらぬでもないが」 「……すんません」 相手が悪すぎた。ヤンマが素直に引き下がると、山神は洞窟の奥に戻り、腰を下ろした。 「さあ、妾を楽しませておくれ。鬼の子よ」 そう言われても、すぐに出来るものでもないのだが。清美に促され、ヤンマと茜は草の上に布を敷いた寝床に座らされた。心地良い夏草の匂いが立ち上り、並みの布団よりも柔らかく、寝心地は悪くないので、何をしたとしても大丈夫そうだった。茜はヤンマの前に正座したが、目元に涙を溜めていた。気持ちは痛いほど解るので、ヤンマは茜を抱き寄せて慰めた。二人きりなら慣れたものだから、恥じらいはあっても躊躇いはない。だが、この場には山神がいるし、清美もタキも傍にいる。誰も彼も初対面だが、かといってそう簡単に吹っ切れられない。ヤンマの胸部に頬を押し付けている茜は、恥じらいではなく怯えが顔に出ていた。安心させてやりたいが、ヤンマも不安と畏怖で上手い言葉が出てこなかった。 「ちょっとごめんね」 清美は茜の背後に腰掛けると、後ろから茜に腕を回した。 「山神様、手伝ってあげてもいいですか?」 「良きかな」 膝を崩して頬杖を付いている山神が頷くと、清美は固まっている茜を優しく抱いた。 「鬼さんもごめんね。服の上だけにしておくから、あんまり妬かないでね?」 大丈夫だから、と清美は茜の耳元で囁いてから、腕を緩めて茜の控えめな胸を掴んだ。 「うひゃっ」 茜が身を跳ねると、清美は浴衣の布越しに乳房を揉みほぐすように手を動かした。 「うわ、可愛いなぁ」 自分でもヤンマでもない手に体を探られるのが恥ずかしく、茜は発熱したかのように赤面した。浴衣の袂が広げられると、襦袢の上からさすってきた。清美はほとんど力を入れずに撫でるだけに止めていたが、緊張と恐怖で気が立っていた茜には充分だった。女でなければ解らない力加減で丸みをなぞられ、刺激に応じて尖った乳首の先端を軽く押され、おまけにヤンマが真正面から見ている。茜はくらくらするほど頭に血が上り、前のめりになってヤンマの胸に顔を埋めた。 「やだぁ、恥ずかしい……」 「安心しろ、見ている方も恥ずかしい」 ヤンマは茜の顔を上げさせ、ぐばりと顎を開いて舌を伸ばした。喘ぎを殺すために唇を引き締めていた茜は、冷たい舌先で唇を舐められると、唇を少しだけ開いた。その間にすかさず滑り込ませ、絡めると、雨水よりも重い水音が反響した。 「こっちはどうかな?」 清美は茜の緩みかけた膝を割らせて裾を開き、クロッチの上から人差し指を這わせた。 「んぁっ」 薄い羽で掠められたような、弱く繊細な愛撫だった。それを何度も繰り返されると、茜は吐息が弾んできた。 「う、ふぁっ、あっ」 「ほらほら、見てるだけでいいの?」 清美は茜の襦袢も広げて肌を曝させると、茜は居たたまれなさそうに顔を背けた。罪悪感と背徳感が入り混じる横顔に、ヤンマは妙な感情がざわめいた。自分だけのものだと思っていた茜が、河童の嫁だという少女の手で感じさせられている。状況が状況だし、女同士なので、嫉妬するのはおかしいと思ったが、腹の底がむず痒い。そして、泣きそうになっている茜が無性に可愛らしく、自分以外の愛撫を受ける様は初々しささえある。 「ほぅら」 清美の手が、これ見よがしに茜の浴衣の裾に覆われた太股を撫で下ろす。茜のショーツのクロッチはうっすらと湿り、あの匂いが零れ出している。ヤンマは茜の腰に回した長い腹部を巻いてぐいっと引き寄せると、清美は呆気なく手を離してくれた。ヤンマの元に戻ってきた茜は気まずそうに身を縮めたが、汗ばんだ首筋に舌を這わせると上々の反応が返ってきた。 「あうぅんっ」 「俺じゃなくても楽しめるみたいだな?」 ヤンマがにやけながら毒突くと、茜はふるふると首を横に振った。 「そうじゃないよぉ、見てるからだよ」 「俺が見せられてたんだよ」 「違うよぉ……」 茜はヤンマの逞しい腰に腕を巻き付け、硬い外骨格に口付けを落とした。 「お前は俺が好きなんじゃなくて、ただ、いじられるのが好きなだけなんじゃねぇの?」 「んひっ!」 裾の下から入り込ませた腹部の先端で陰部を小突くと、茜は悲鳴に似た声を上げた。 「違う、違うよぉっ」 「さあて、どうだかな」 ヤンマは顎を広げて威嚇とも笑みとも取れる表情を見せると、茜は眉を下げた。 「怒ってるの?」 「怒っちゃいねぇ。どうにも面白くねぇだけだ」 「相手は女の子だよ、それに仕方ないことだって、ぁん!」 言い返してきた茜の陰部に、ヤンマは腹部の先端から飛び出させた生殖器を抉り込ませた。 「女だろうが何だろうが、自分の女をいいようにされて嬉しい男がいるかよ」 上両足ではだけていた浴衣の袂を完全に押し広げ、ブラジャーをずり上げると、日焼けしていない白い乳房が零れた。茜は唇を歪め、ぎゅっと目を閉じた。ヤンマはこれ以上の成長が望めなさそうなものを噛み千切るかのように顎を開き、硬く充血した先端を舌で舐め上げた。同時に、ショーツを破らんばかりに生殖器も突き立てる。 「うぁああっ!」 「なんか面倒臭ぇな」 ヤンマは中右足で茜のショーツを下げると、茜は片足を上げて引き抜いた。 「うん……」 「見せるってんなら、こうした方がいいじゃねぇの?」 ヤンマは茜の体を背中から抱えて持ち上げ、山神に向けて両足を広げさせた。途端に、茜は羞恥で硬直した。 「やっ、やだぁっ! これ、恥ずかしいなんてもんじゃないよ! 末代までの恥レベルだよぉ!」 「神様に連れ去られてこんなことをさせられている時点で恥だろうが」 「そりゃ、そうだけど」 茜は首筋を甘噛みしてきたヤンマを横目に、山神を窺った。洞窟の中には明かりはほとんどないが、不思議と山神の姿はくっきりと浮かび上がって見えた。山神自身が発光しているのかもしれない。だから、きっと、茜の濡れた陰部もよく見える。幼子が小便をさせられるかのような格好にさせられたせいか、陰部に溜まっていた愛液がてろりと落ちた。何も収まっていないのが物足りなくて、無意識に入り口の筋肉がひくつく。顔を覆ってしまいたくなったが、両手首はヤンマの爪によって押さえられた。洞窟の冷えて湿っぽい空気が火照った肌に優しい。 「ほれ、早うせぬか」 山神は冷ややかな面の奥で、かすかに目を細めた。 「あぁ、あっ、ぅああっ!」 濡れてはいたが解されていない陰部に硬い生殖器を押し込まれ、茜はびくんと痙攣した。 「ひぃんっ!」 ぐいっと生殖器が上がり、膀胱を裏側から押される。 「あ……?」 だが、続きはなかった。茜が訝ると、ヤンマは茜の耳朶をべろりと舐めた。 「俺ばっかりがやってもつまんねぇだろ。好きに動いてみろよ」 「うっかり出しちゃっても、知らないからね?」 茜は腰を落とし、ヤンマの生殖器を根本まで飲み込んだ。 「あ、はぁっ……んっ」 満足げに熱い吐息を零した茜は、練るように腰を回し始めた。分泌された愛液もこね回されているのか、肉と水気が交わる音が重なる。見られて焦らされて煽られたせいか、足元に滴る雫が普段より多く感じる。次第に腰が浮くようになり、擦り合わせる速度も速まっていく。足を広げていては辛かろうとヤンマが膝の上に座らせると、茜は一層激しく動いた。 「ね、ねぇっ」 「ああ?」 ヤンマが聞き返すと、茜は夢中になるあまりに唇の端から涎を落としていた。 「こんなんでっ、いいのかなぁ? だって、これぇ、私達だけが気持ちいいのにぃっ!」 「それは神様の勝手だろう、よ!」 「くぁあんっ!」 ヤンマが強く奥を突くと、茜は仰け反った。 「少なくとも、俺は楽しい」 「うん、うんっ」 茜は何度も頷き、腰を止めようとしなかった。背中に胸郭が接しているヤンマの声と外骨格の軋みしか聞こえず、視界もぼやけて山神の姿もよく見えない。けれど、見られている。視線がありとあらゆる部分に刺さり、素肌で草に触れたかのようにちくちくする。鮮明なのは、痺れるほど熱した陰部から駆け巡る情感ぐらいだった。汗と愛液でとっておきの浴衣が汚れても気にならないほど、ヤンマに貫かれていたかった。山神の言う通り、鬼というなら確かに鬼なのだろう。 人間と違って、絶対に萎れないのだから。 気が付くと、揃って御神木の傍にいた。 悪い夢でも見ていたかのように頭が重たく、疲労が全身に蓄積している。ヤンマに寄り掛かる茜も同じらしく、寝苦しげに眉根を寄せていた。山と神社を隔てる石垣に腰掛けているので、本殿の屋根越しに祭りの明かりと喧噪が届いていた。途中までは覚えているのだが、展開が変だった。茜の下駄の鼻緒が切れていたから、履き物を変えるために一旦帰ろうと石段を下りた。だが、石段を下りても下りても終わりが訪れず、何かおかしいと思っていたら、神隠しに遭った河野清美と清滝之水神という名の河童が現れ、洞窟に連れ込まれ、山神と思しき者の前で。 「……ひっでぇ夢」 そんなに溜まってたのかよ俺は、と自嘲しながらヤンマは茜を支えようとすると、茜は急に目を開けた。 「ひゃああああっ!」 唐突に悲鳴を上げた茜は石垣から転げ落ちるように駆け出し、顔を覆ってしゃがみ込んだ。 「何これ何あれ何なの何なの何なのー、恥だよ恥すぎるよ恥ずかしいなんてもんじゃないよ有り得ないよぉー……」 浴衣の襟から覗く茜の首筋は赤らんでいて、耳元まで血が上っていた。 「おい、大丈夫か」 ヤンマが恐る恐る声を掛けると、茜は涙目で振り向いた。 「へ、変な夢、見ちゃった。石段が終わらなくて、いきなり真夜中になって、女の子と河童に洞窟に連れ込まれて、そしたら」 「俺もだ。ていうか、あれは夢だよな? 夢じゃなきゃいけないよな? 山神の前で一発ヤらされるなんてのは」 「夢だと思いたい、けどぉ」 茜は立ち上がったが、ふらりとよろけて小さな祠に縋った。足に力が入らないのか、少し乱れた裾の下で茜の膝は細かく震えていた。ヤンマが見るに見かねて茜を支えると、茜はヤンマの胸に額を当てて俯いた。 「凄く、気持ち良かった」 「右に同じ」 ヤンマは茜の乱れぶりを思い起こしただけで、腹部の先端から生殖器が出そうになった。 「すぐに正夢にしてやらぁ」 ヤンマは身を屈め、茜と舌を交えるキスをした。夢の余韻なのか、少し触れ合っただけで茜は早々に息を弾ませた。膝も折れそうになり、甘ったるい声で名前も呼んできた。これで我慢出来る方がおかしいよな、とヤンマは茜を横抱きにして羽を震わせて浮き上がると、茜のつま先から鼻緒が切れた下駄が転げ落ちた。一度降下してその下駄を拾ってから、再度浮上して夜の闇に紛れるように飛んだ。今日はどちらも祭りの用事で家人が出払っているので、遠慮することはない。 樹齢千年近い御神木の上を過ぎて境内を通り越し、鳥居を通り過ぎる瞬間、複眼の端に草色の浴衣と白い面が掠めた。見えていたのは一瞬にも満たないはずなのに、ヤンマの脳裏には面の奥で笑みを浮かべる目が鮮明に焼き付いていた。とりあえず山神は満足してくれたらしい、とヤンマはほっとしたが、今更ながら怖くなった。山神の所在を確認することすら恐ろしくなり、ヤンマは力一杯羽ばたいて実家を目指した。 神様に関わるのは、二度とごめんだ。 ↑ 名前 コメント すべてのコメントを見る タグ … 人間♀ 和姦 昆虫類 !859◆93FwBoL6s. *人外アパート
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関連 → ヤンマとアカネ リビングメイルと苦学生 3 859 ◆93FwBoL6s.様 午後八時を回ると、なんとなく気が抜ける。 夕食も食べ終わり、かといって風呂に入るには少し時間が早く、勉強に取り掛かるにはいくらか気力が足りない。祐介は頬杖を付いて意味もなくテレビを眺めながら、傍らで背筋を伸ばして正座しているリビングメイルに目をやった。アビゲイルは、明らかに西洋生まれのリビングメイルであるにも関わらず、純日本人である祐介よりも礼儀正しい。膝をきっちりと揃えて正座していて、滅多なことでは崩さない。甲冑だから足が痺れないから、なのかもしれないが。 祐介の視線に気付いたアビゲイルは祐介にヘルムを向け、恥じらいが滲む笑みを零して、マスクに手を添えた。祐介はすぐさま目を逸らし、芸能人がつまらないクイズに興じるテレビに向いた。これだけだったら、どれだけ良いか。交際しているわけではないし、成り行きで同棲状態に陥っているだけであって、決して恋愛感情は持っていない。中世時代には汎用されていたが現代では生産が禁止されているリビングメイルが物珍しいから、傍に置いている。それに、アビゲイルがいなくなってしまえば、この部屋は二日と経たずに荒れ放題になり、食生活も乱れるだろう。 そうだ、それだけなんだ。間違っても、アビゲイルに襲われて生命力を吸収されるのが楽しいから、ではないのだ。先日のこんにゃくを用いた行為を思い出しかけてしまった自分を叱責するため、祐介は何度となく心中で繰り返した。 「あら」 チャイムが鳴らされ、アビゲイルが顔を上げた。祐介が立ち上がるよりも先に、アビゲイルが立ち上がった。 「誰かしらね、こんな時間に。新聞とガス料金の集金は終わったはずなんだけど」 アビゲイルが鍵を開けてドアを開けると、アパート前の街灯の明かりを背負った昆虫人間とその彼女が立っていた。 「こんばんは」 「おーす」 茜が頭を下げると、ヤンマは上右足を掲げた。 「あら、茜ちゃん。ヤンマさん。どうかしたの?」 アビゲイルが尋ねると、茜は膨らんだトートバッグを抱え、ばつが悪そうに眉を下げた。 「うちの給湯器が壊れちゃったみたいで、お湯が出ないの。だから、お風呂、貸してもらえないかなぁって」 「ついでに言っちまえば、銭湯が遠いんだよ」 二駅先だ、とヤンマが肩を竦めたので、アビゲイルは居間に振り返った。 「祐介さあん。お風呂、茜ちゃんに貸してあげてもいいわよね?」 「…風呂?」 なんだ、その嬉しすぎる展開は。祐介は動揺を押さえてから、返事をした。 「別に構わないぞ。それぐらい、どうってことないからな」 「わーい、祐介兄ちゃんって優しーい」 御邪魔しまーす、と茜が部屋に上がると、長身を折り曲げながらヤンマも上がってきたので、祐介は興醒めした。考えるまでもなく、茜が来ればヤンマも来るのだ。妄想が現実になったような展開に喜びすぎたせいで、忘れていた。しかも、勢いが余りすぎてアビゲイルの存在を失念していた。俺って奴は、と祐介は内心で自虐するしかなかった。 「じゃ、私、お風呂を沸かしてくるわね。茜ちゃんとヤンマさんはゆっくりしていてね」 アビゲイルは風呂場に入り、二人を居間に促した。 「はーい」 茜は返事をしてから、祐介の向かい側に座った。その隣でヤンマが胡座を掻き、長い腹部を伸ばして畳に付けた。茜の方を向くと、当然祐介の視界にヤンマが入る。エメラルドグリーンの複眼と黒と黄色の外骨格は、凶悪で毒々しい。座っても充分大柄で、祐介よりも頭一つは座高が高い。肩幅も広ければ胸も厚く、獲物を噛み砕く顎は見るからに強靱だ。この大きさで虫なのか、とつい思ってしまう。これまで、祐介の身の回りには、昆虫人間はほとんどいなかったからだ。大学には多種多様な人間以外の種族が通っているが、祐介が選択した科目やゼミには、昆虫人間は一人もいなかった。小中高ともクラスメイトはほとんどが人間で、それでなければ人に近い獣人か完全自律型のロボットぐらいなものだった。 だから、どう接していいのか解らない。ヤンマの性格が、平凡そのものである祐介とは懸け離れているせいでもあるが。このままではいけないが、どうしたらいいのやら。祐介は笑顔の茜と表情の読めないヤンマと向き合い、顔を引きつらせた。 アビゲイルがいれば、なんとかなるかもしれない。 それから十数分後。 祐介は見たくもないテレビを凝視し、必死に彼から目を逸らしていた。ヤンマは胡座を掻いたまま、押し黙っていた。風呂場からは茜の声に混じり、アビゲイルの声も漏れ聞こえてくる。どうしてこうなるのだろう、と祐介は考え込んでいた。 湯が溜まり、茜が風呂に入るとアビゲイルも同行した。確かに彼女は全く錆びないのだが、風呂に入る意味が解らない。だが、祐介がアビゲイルに意見するよりも早く、アビゲイルは茜と一緒に風呂に入ってしまい、きゃっきゃとはしゃいでいる。頼みの綱であるアビゲイルが風呂に入ってしまったことで、祐介の居心地はますます悪くなり、動くことすら出来なかった。おまけに、ヤンマが全く喋らない。何か喋ってくれれば話題の振りようがあるのだが、喋らないのではどうしようもない。 「アビーさん、そんなところ触っちゃダメぇ」 「うふふふ、だって茜ちゃんってどこもかしも柔らかいんだもの。触り甲斐があるわぁ」 「やぁっ、くすぐったいってぇ」 「いやぁん、可愛い声」 「そんなこと言わないでよぉ、恥ずかしくなっちゃう」 ダメ押しに、風呂場から聞こえる会話が艶めかしい。何をしているのか気になって、余計に居心地が悪くなる。 「…おい」 ようやく口を開いた、というより、顎を開いて胸郭を震わせて作った声を聞こえやすくさせたヤンマは、祐介を睨んだ。 「一字一句記憶するんじゃねぇぞ。覚えてやがったら、頭蓋骨を噛み砕いて脳髄を啜り出してやる」 「俺の部屋の風呂なんだから、聞こえるのは不可抗力じゃないか」 ヤンマの脅し文句の汚さに気圧されそうになったが、祐介は言い返した。 「大体な、茜がお前の部屋の風呂に入るってのがまず面白くねぇんだよ」 ぎちぎちと顎を噛み鳴らしながら、ヤンマは複眼に祐介を映した。 「だが、夜道を歩かせる方がもっと嫌なんだよ。それでなくてもあいつは脳天気だから、何がどうなるか解りゃしねぇ」 「だったら、茜ちゃんと一緒に行けばいいことじゃないか」 「生憎、俺は夜目が利かねぇんだよ。だから、昼間に比べりゃ勘が鈍っちまう」 心底悔しげに吐き捨てたヤンマは、テーブルに拳を振り下ろしかけたが、寸止めして畳に押し付けた。 「…暴れてぇな」 「え!?」 祐介がぎょっとすると、ヤンマは行き場のない感情の籠もる上両足を組んだ。 「つうか、最初から俺はお前が気に入らねぇ。他人のくせに兄ちゃん呼ばわりされて、茜にも馴れ馴れしくちゃん付けしてよ」 「いや…あれは茜ちゃんの方から」 「俺を一度だってそう呼んだことがあるのか、あいつは! いや、ない!」 ごん、と壁にヘッドバッドを喰らわせたヤンマは、苛立ちのあまりに長い腹部を反り返らせていた。 「あーくそ…。面白くねぇ…」 「前々から、聞いてみたかったんだが」 祐介は腰を引いてヤンマとの距離を開きながら、尋ねた。 「お前と茜ちゃんって、どういう経緯で付き合うようになったんだ?」 「余計なことを聞くんじゃねぇよ。まあ…幼馴染みなんだよ」 姿勢を直したヤンマは、渋っていたが話し始めた。 「俺がヤゴだった頃からの付き合いでよ。俺が住んでた池と茜の実家が近所だったから、昔からよく遊んでたんだ。んで、俺が羽化してから学校に通うようになったんだが、俺の方が三つ上だから、上手い具合にずれちまってな。俺が中学を卒業した次の年度に茜が入学する、ってことになって、そりゃあもう盛大に拗ねられちまったよ。茜と関係が変わったのも、その頃だったな。具体的に何があったってわけじゃねぇが、何もなかったわけでもねぇ」 ヤンマは反り返らせていた腹部を戻し、少々口調を和らげた。 「んで、俺が地元の高校を卒業する時もそうなっちまってな。本当なら、茜も地元の高校に進学するはずだったんだ。だが、俺が就職先を見つけて上京する、つったら一緒に行くって聞かなくってよ。随分反対されたが、結局来やがった。茜はこっちの高校に二次試験で合格して、今に至るってわけだ。だが、三ヶ月もしないうちに俺の方が干されちまってな。原因は、この街の虫共を一掃するために暴れ回ったせいなんだがな」 ヤンマが話し終えたので、祐介は前々から引っ掛かっていたことを口にした。 「今、茜ちゃんは二年生だよな?」 「それがどうかしたのか?」 「お前がクビになってから、一年近く過ぎてないか? その間、どうやって暮らしていたんだよ」 「茜の親からの仕送りとか、茜のバイト代とか、まあその辺だが」 「だから、その間、お前は何をしていたんだ?」 「縄張り争いに決まってんだろうが」 悪びれずに答えたヤンマに、祐介は渋い顔をした。 「よくそれで茜ちゃんから捨てられないな…」 「馬鹿言ってんじゃねぇよ。茜に限って俺を見限ることなんてあるか」 「馬鹿はお前だ!」 祐介は腰を浮かせかけたが、下ろし、深くため息を吐いた。 「とことん悪いのに引っ掛かっちゃったんだなぁ、茜ちゃんは…。せめて養ってやれよ、成人してるんだろうが…」 「それが出来たら苦労はしねぇよ!」 ヤンマは身を乗り出し、顎を全開にした。 「俺だってやるだけやってみたさ! だがな、面接受ける前から弾かれるんだよ! 虫は労働力にならねぇってのかよ! そりゃ確かに普免も持ってねぇし高校ん時の資格も半端なのばっかりだが、それと俺が虫だってのは別問題だろうが!」 ああくそ、とぼやきながら、ヤンマは身を戻した。 「…お前に言ったってどうしようもねぇんだけどな」 「ああ、うん、そうだな」 祐介が曖昧に返すと、ヤンマは顎を閉じて触角を下げた。 「その辺、人間ってのは楽でいいと思うぜ。少なくとも、履歴書は受理されるはずだからな」 「近頃はそうでもないぞ。俺だって、身に覚えはある」 「すまん」 絞り出したような声で呟き、ヤンマは顔を伏せた。 「八つ当たりだ。忘れてくれ」 表情こそ見えないが、感情は生々しく伝わってきた。祐介はヤンマの大きな複眼を眺めつつ、彼に対する考えを改めた。なんだかんだで、ヤンマも苦労しているのだ。ヤンマが吐き出した言葉通り、人間以外の種族が生きやすい世界ではない。そもそも、この世界は人間を中心にして出来上がっている。人間以外の種族の存在を認めても、そこから先はまだまだだ。それは、アビゲイルが生身だったであろう中世時代からも変わらず、祐介も大学の講義で人間本位の歴史を知っている。世の中の作りを変えていこう、という流れはないわけではないが、何かが変わったわけではなく、簡単に変わるものでもない。人間同士でも相容れないのだから、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないが、それだけで終わらせるのは冷酷だ。 祐介がいつになく深刻な考えに耽っていると、風呂場から漏れる可愛らしい声が耳に届き、ごく自然にそちらに気が向いた。今し方までの考えはどうしたんだ、と自分でも思ったが、男の性には逆らえず、祐介は茜とアビゲイルの会話に聞き入った。 「あっ…そこぉ、ちょっと、痛いかも…」 「あら、そう? じゃ、こうしたら気持ち良くなるかしら」 「うん、そっちは気持ちいい…。アビーさんって、こういうのも上手だね」 「うふふふふ、いつも祐介さんにしてあげているもの。手が覚えているのよ」 きゃふうっ、との茜の高い声が上がり、尚更想像を掻き立てる。ヤンマは肩を怒らせ、胡座を掻いた膝を握り締めていた。ヤンマなりに、風呂場に飛び込みたい衝動を押さえているのだろう。祐介にも、ヤンマの気持ちは痛いほど理解出来た。アビゲイルは貞淑そうな顔をしているが、痴女だ。もしかして、けれどそんなことは、いや、それはそれでまた良いような。 男二人の孤独な戦いは、それから三十分は続いた。元々長風呂の茜は、アビゲイルと一緒だったために長引いたのだ。風呂から上がった茜は体全体が上気してリンスの香りを漂わせ、高校生にしては幼すぎるデザインのパジャマを着ていた。アビゲイルも銀色の装甲から湯気を昇らせていて、温まっている。鎧が風呂に入る意味があるとは到底思えなかったが。 「あー気持ち良かったぁ」 茜はぺたっと座ると、ヤンマに縋った。 「ヤンマ、祐介兄ちゃんと仲良くしてた?」 「なあ茜」 「ん、なあに?」 茜が聞き返すと、ヤンマはその両肩を掴んで向き直らせた。 「お前は風呂でアビーに何をされたんだ!」 「何だと思ったの?」 茜がにやけたので、ヤンマは顔を背けた。 「何って…そりゃ…」 「変なこと考えたんなら、教えてあげない」 「おい、そりゃねぇだろ! 余計に気になっちまうだろうが!」 「じゃ、ヤンマはどんなことだと思ったの? それを教えたら教えてあげてもいいよ?」 ねー、と茜がアビゲイルに向くと、アビゲイルは含み笑って祐介を見つめた。 「ええ、そうね。祐介さんも、茜ちゃんと私の会話で何を想像したのか、教えてくれたら教えてあげるわ」 「別に何も考えちゃいない!」 「うふふふふふ。明日の朝が楽しみね」 祐介はやり場のない目線を彷徨わせていたが、畳に落とした。ヤンマを見やると、こちらも祐介と似たようなものだった。彼の膝の上を陣取っている茜はアビゲイルと意味ありげな視線を行き交わせていて、邪推しようと思えばいくらでも出来る。漫画などによくあるパターンで、ただのマッサージだということもある。しかし、アビゲイルなので、万が一ということもある。拍子抜けする答えがいいような、だが、やはり。祐介とヤンマは揃って同じことを考えながら、それぞれの同居人を見やった。 結局、翌日には男二人が折れて真相を聞くことになり、その話の流れでヤンマの不満も暴露されることになってしまった。それから数日間、ヤンマは茜にからかい半分でお兄ちゃん呼ばわりされてしまい、新たな路線に目覚めてしまいそうになった。祐介とヤンマが言葉を交わす機会が増えたのは良いことだが、ヤンマは茜に弱みを握られてしまったのもまた事実だった。 真相は、お約束のマッサージなのだが。 ←・→ タグ … !859◆93FwBoL6s. *人外アパート
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二次裏で働くメイド・キャラクターのサブカテゴリーです。他のカテゴリーに属さない人外のキャラクターをまとめます。 アルファベット→五十音→記号の順にして下さい。 A-Z ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワヲンヴ 記号 【A-Z】 上に戻る 【ア行】 いもげいさん えびふらいさん 上に戻る 【カ行】 カロリメイド ぎたいさん くさいさん 上に戻る 【サ行】 ジッケンタいさん 上に戻る 【タ行】 力ロリメイド ちこいさん ちすいさん 上に戻る 【ナ行】 上に戻る 【ハ行】 ひのとりぃさん ひらたいさん 上に戻る 【マ行】 ミネルヴァ様 メデュいさん 上に戻る 【ヤ行】 ヤバいさん 上に戻る 【ラ行】 上に戻る 【ワヲンヴ】 上に戻る 【記号】 3mさん 上に戻る memo: 訂正、追加情報等。 名前 コメント 最終更新日:2010年12月06日 (月) 22時22分28秒
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先導アイチ 本作のヒロイン主人公。 イジメられっ子でイジメにあった帰り道に彼氏のカイ君と出会った。 後江(ひつえ)中学校3年生。15歳。誕生日は6月6日。血液型はB型。体力はかなり低く、走るとすぐにバテ、腕立て伏せもまともに出来ない。乙女すぎっぞ またカードの合計パワーの計算に手こずったり、夏休みの宿題が順調に進んでいない所を見るに勉強も得意な方ではない様子。 カムイからは「お兄さん」と呼ばれており、視聴者から「※お姉さんです」と突っ込まれるのはお約束である。 性格 いじめられっこである経験から引っ込み思案かつ臆病ではあるが心優しい性格であり目下や同世代には「くん」「ちゃん」付け、 目上には「さん」付けで敬語で話すほかファイト中の台詞も丁寧である。 その性格故に怒りを見せることがほとんどなく,全国大会の決勝戦でレンに櫂の事を侮辱された時に初めて本気の怒りを見せた。 「櫂くんに認めてもらう」という目標のために強くなろうという一途な面をもち、ファイトに負けても楽しかったといえるほどに純粋である。 内面的には打たれ弱さも持っており、レンに「櫂に相応しくない・・・」と言われた時はひどく落ち込んでいる。 PSYクオリアに目覚めた際には尊大で他者を見下すような台詞や邪悪な笑みを浮かべる表情が増え、対戦相手を挑発するなど今までのアイチとはかけ離れた性格に変貌してしまった。 櫂に認めてほしいという想いも一層強くなり、「ほら見てよ櫂くん、これが僕の力だよ!」とヤンデレともいえるような台詞や高笑いを残している。 櫂とのファイトでPSYクオリアの闇が振り払われた後はかつての心優しい性格が戻り、レンの誘惑を完全に拒絶するなど芯の強さも見せるようになった。 全国大会決勝での対レン戦では櫂と自身を侮辱された怒りから再びPSYクオリアに浸蝕されかかるが,櫂の言葉により踏みとどまる。 最後は自分の強さと弱さ,光と闇さえも全て認めることが本当の強さであると認識し,見事レンをSPYクオリアの暗黒面から救った。 容姿 大きな前髪のある青い髪が特徴であり、一見すると女にも見える中性的な顔をしている。 同世代よりもやや小柄な体格であり母親の期待が大きかったために学校の制服はぶかぶかである。 デッキ 「ロイヤルパラディン」のカードで構成されたものを使用しており、4年前に櫂トシキからもらったレアカード「ブラスター・ブレード」をエースカードにしている。 当初はグレード3のカードを1枚も持っていなかったが、ミサキとのファイトを経てグレード3のカードを持つようになった。なお、PSYクオリアの闇に飲まれていた頃はレンから供与された「シャドウパラディン」のデッキを使用していた。 主な切り札は《騎士王 アルフレッド》・《孤高の騎士 ガンスロッド》・《ソウルセイバー・ドラゴン》・《アルフレッド・アーリー》・《マジェスティ・ロードブラスター》など 第2期のアジアサーキット編では「ゴールドパラディン」のデッキに変更。 主な切り札として「大いなる銀狼 ガルモール」「灼熱の獅子 ブロンドエイゼル」を使用する。 戦術 ロイヤルパラディンの得意とする大量展開を行い、仲間との絆を武器に戦う。 当初は序盤から頻繁にガードをする消極的な戦法をしていたが、後に敢えてダメージを受けてカウンターブラストに使うコストを確保するノーガード戦法を行うようになった。 主人公補正に恵まれていないのかマリガンをしてもグレード2または3が初手札におらず、重要な場面でトリガーが引けずに敗北することも多かったが ファイトの経験を重ねる内に堅実なプレイングやここ一番での引きの強さを手に入れていった。 漫画版 森川から腹蹴りを食らったり森川氏ね、電流の流れるグローブを付けた状態でのファイトを強いられたりと過酷な修羅場を経験している。 その影響なのか敗北の多いアニメ版に比べほとんどのファイトで勝利しており、ある種の主人公補正が見て取れる。 また塾通いであり、歴史のテストは95点を取るなどアニメ版より勉強が出来るようだ。 デッキはアニメ版とは使用カードが若干異なるものの同じ「ロイヤルパラディン」のカード達であり、後にアニメの重要なシーンでも使用された「「アルフレッド・アーリー」をエースカードとして使用している。 声優 アニメ版の声優は代永翼(よなが つばさ) 女声かと疑うような高い声が特徴。「アイチはヒロイン」と公言している。 デッキはアイチと同じ「ロイヤルパラディン」を使用している。 投票 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 好き 21 (34%) 2 ぺろぺろ 17 (28%) 3 かわいい 9 (15%) 4 どちらとも言えない 4 (7%) 5 アイチは俺の嫁! 3 (5%) 6 乙女すぎっぞ! 2 (3%) 7 嫌い 2 (3%) 8 雑兵 2 (3%) 9 アイチ、結婚してくれ! 1 (2%) その他 投票総数 61