約 3,421,624 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/33466.html
登録日:2016/01/10 Sun 00 05 21 更新日:2024/09/12 Thu 19 29 35NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 FGO Fate GO TYPE-MOON キャスター サクラ大戦 サーヴァント スチパンとは関係ない スチームエレクトリカルwithパパ ロボ ロボ宝具 光武 固有結界 稲田徹 蒸気大変形 蒸気文明好きすぎるマン 蒸気王 霊子甲冑 「我が名は蒸気王。ひとたび死して、空想世界と共にある者」 『Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント。 クラスはキャスター。 ILLUST:I-IV CV.稲田徹 身長:250cm(鎧込み) 体重:500kg超(鎧込み) 出典:蒼天のセレナリア史実 地域:欧州 属性:混沌・中立 ◆ステータス 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 B++ B++ D++ A E A+ [スキル] ○クラス別スキル 道具作成(偽):A 魔力を帯びた道具を作成する。 本来魔術師ではないバベッジはこのスキルを持ち得ないが、宝具と一体化したことによってこのスキルと同等の能力を得ている。 具体的には鋼鉄の鎧が武装や霊薬を生産するのである。 同じスキルを持つキャスターのギルガメッシュの道具作成(偽)が「宝物庫の財にモノを言わせたでっち上げスキル」なら、 こちらは「蒸気文明技術で道具を生産する歩く工場」といったところか。 ○保有スキル 一意専心:C ひとつの物事に没頭し超人的な集中力を見せる。 バベッジの場合、計算・設計・製造等の行動に対して発揮される。 また、道具作成スキルに対するプラス補正としても働く。 オーバーロード:D 自身にダメージを負うことを承知とする意図的なブーストアップ。 彼の場合は鎧の蒸気機関を意図的に暴走させて出力を増幅、宝具の攻撃力を増加させている。 機関の鎧:EX 蒸気機関製の全身機械鎧を常に身に纏う。 これにより彼の外見は甲鉄の巨大紳士と化す。取り外しは不可能。 中の人などいない 筋力と耐久力をランクアップ、敏捷のパラメーターはランクダウンするものの、 異形の蒸気機関がもたらすブースト機能によって3つの能力値に「++」の補正が与えられる。 ◆真名:チャールズ・バベッジ 19世紀の科学者にして数学者。これまでもパラケルススやダヴィンチなど中近世の科学者はいたものの、キャスター初の近代の科学者である。 イギリスを代表する科学者であるニュートンやダーウィンやチューリングを差し置いての登場に驚愕または狂喜したファンも多いだろう。 最早何のクラスなのか分からなくなってきているが、ロマンによると高名な科学者が実は魔術師だったというのはよくある話らしい。 史実においては蒸気機関を用いた世界初のコンピューター「階差機関(ディファレンス・エンジン)」と「解析機関(アナリティカル・エンジン)」を考案した天才碩学。 しかし、資金難などの問題が重なり、結局完成はせず、バベッジは志半ばで世を去った。 後年、バベッジの考案を元に製作された階差機関はもし完成していれば問題なく動くことが確認されており、バベッジは「コンピューターの父」とも呼ばれる事となった。 解析機関に関しては今現在も製作途上にあるという。 バベッジの死後、世界はある天才碩学の登場によって電気文明へと移行していく事となったが、 もしこれらが完成していれば或いは電気文明ならぬ蒸気文明の到来も有り得たかもしれない。 さて、史実におけるバベッジの活躍は上記の通りだが、今作のバベッジの最大の特徴は 出典:蒼天のセレナリア(株式会社ビジネスパートナー・Liar soft) ロボである おっと間違えた。 出典:Fate/Grand Order((C)TYPE-MOON / FGO PROJECT) ロボである こと。 何故こんな姿になっているかというと、それはバベッジの宝具によるものである。 宝具 『絢爛なりし灰燼世界(ディメンション・オブ・スチーム)』 ランク:A+ 種別 対軍宝具 レンジ:0~99 最大補足:300人 ――――見果てぬ夢を、ここに 我が空想、我が理想、我が夢想―― 『絢爛なりし灰燼世界(ディメンション・オブ・スチーム)』! この宝具こそ彼の心であり、身に纏う機関鎧そのもの。 生前に設計した「階差機関(ディファレンス・エンジン)」「解析機関(アナリティカル・エンジン)」が真に完成していれば到来していたはずの蒸気機関華やかなりし文明世界―― 即ち、バベッジの渇望と夢想とが昇華された固有結界である。 基本的には常時発動型の宝具。その特殊性及び希少性から高ランクとして指定されているが、 火力面のみで言えばB~Cランク相当。なお、真名解放時には内部蒸気機関が全力稼働し、高威力の範囲攻撃を行う。 ゲーム中の宝具演出で使用しているのはこちらの攻撃と思われる。 要するに、バベッジは蒸気文明への渇望が強すぎたため、 存在そのものが蒸気文明世界という名の心象世界と一体化してしまっているのである。 彼が纏う鎧は有り得たかもしれない未来のカタチそのものであり、蒸気文明の技術の産物である軍勢を際限なく生み出す事が出来る。 密閉した鎧の内側に固有結界を展開し続けることで動力たる特殊蒸気機関を顕現させているため、彼は決して鎧を解放しない。 一度でも解放すれば固有結界は世界から排除され、後には物言わぬ鋼鉄の塊だけが残されるであろう。 そんなわけで再臨してもますますロボっぽくなっていくだけで人間体になったりはしない。 そしてその願いは「蒸気文明世界の到来」。自らの夢想のカタチを実現させることである。 つまり蒸気があれば大抵のものが作れる某太正時代みたいな世界を作りたいという事。 そのためか、たまに霊子甲冑とか中身は美少女とかおき太が搭乗したとき真の力を発揮する(桜だけに)とか言われたりする。 しかし召喚され、現代文明の知識を得た後は「これも悪くない」と思っているらしい。 そもそも蒸気文明世界の到来を望むのは、碩学の責務としてよりよい発展と繁栄をもたらす事が出来ると信じているため。 既存の文明を一掃してまで願いを叶えようなどとは思わないし、ましてや人理焼却など以ての外である。 そんな経緯もあってマスターである主人公の事は「希望の勇者」と呼び、共に現文明を守ることを良しとしている。 しかしそれはそれとしてやはり悔しいらしく、電気系のサーヴァント達には複雑な感情を抱いている。 電気悔しい。だが、彼もまた革新者だ。 電気悔しい。だが、ライオンだ。 電気悔しい。だが、無垢の少女である。健やかに育つがよい。 電気悔しい(牛がゼウスの雷を帯びているので)。 電気悔しい(父親インドラが雷霆神なので)。 電気悔しい(牛頭天王の子なので)。 電気悔しい(雷神の子なので)。 電気…?(魔力放出が雷なので)。 悔しがりすぎぃ! なお「中の人などいない」訳ではなく、上記の通りやらない/できないだけで「中の人」に相当する存在は入っている模様。 そのため鎧自体もちゃんと人が着られるようになっており、脚の部分は人間の関節に合わせた構造になっている。 一方で腕は人体構造を無視した作りになっているが、こちらは単純に外付けのマニピュレーターであり、中の人が鎧の内部で操作する形式なので無問題。 『エイリアン2』のパワーローダーみたいな構造、と言えば分かりやすいだろうか。 また、鎧全体のデザインは「燕尾服に蝶ネクタイ、シルクハットを纏い、ステッキを手にした紳士」がイメージソースなんだそうな。 ◆シナリオでの活躍 第一部第4章「死界魔霧都市(ミストシティ)ロンドン」 初登場。 魔霧計画の主導を担わされており、聖杯を動力源とした巨大蒸気機関アングルボダを開発し、召喚の効果を付与した魔霧をロンドン全域に撒き散らした。 そして旧知であったヴィクター・フランケンシュタインの娘であるフランちゃんの呼びかけによって正気を取り戻したが、 主導者の一人である『M』によって干渉を受けて暴走してしまい、主人公達に倒される事となった。 戦いの後、アングルボダの所在を主人公達に伝え、フランへの謝罪を残して消滅していった。 その後、第六章にて完全に行動を制限される直前に事態を打開しようと動いていたことが判明。 同じロンドンのサーヴァント「シャーロック・ホームズ」に人理焼却を行った者の調査を依頼しており、 その行動が真実の一部を主人公達が得る切っ掛けとなった。 2017年水着イベント フランチーム「スチームエレクトリカルwithパパ」のマシンとしてイシュタルカップに参加。 アラフィフによってトランスフォーム機能を追加され、「バベッジ・ロコモーティブフォーム」として疾走する。 ちなみに催眠術で記憶を消されていたため、改造された事には気付いていなかった。 が、変形機構自体は気に入ったらしい。 ちなみに夏は蒸気を噴き出してめちゃ暑いため、ロンドンに隔離されている。 しかしイシュタルカップの優勝賞金で排出蒸気を吸収する機関を作成し、それを美容用スチームとして売り出す事で一儲けしたらしい。 幕間の物語「鋼鐵機動戦記C・バベッジ」 ちなみに第4章クリア後にキャラクエ「鋼鐵機動戦記C・バベッジ」が解禁されるのだが、どんな内容かというと、 「――――呼んでいる」 助けを呼ぶ声が、聞こえるんだね? 「然り」 「この聴覚機関を誤魔化すことは出来ぬ。何故ならば、私には大いなる使命があるからだ」 「――――世界を、守る」 「私の機関が作動し続ける限り、この世界には如何なる悪も存在してはならぬのだ」 「故に、行こう。私を目覚めさせた選ばれし者よ」 「蒸気の勇者(スチームブレイブ)よ!」 行こう、バベッジ! 「―――――応!!」 …っていう夢を見たんだけどね。 まあこんな感じの内容である。 ◆ゲームでの性能 肝心の性能は、Buster2枚・Arts2枚・Quick1枚のセイバータイプなカード構成を持つ耐久型キャスター。 ★3キャスターでは破格の1万越えというHPが光る……のだが、 前述の底上げされた筋力等に反し、ATK値の方が6000を割り込んで最低クラス。 Buster攻撃ですらあまりに低いダメージはごつい外見も相まって違和感バリバリである。 しかし、バベッジの強みはこの低火力を自前で補強可能なことにある。 「機関の鎧」で無敵と攻撃力アップを1ターン付与でき、「オーバーロード」で火傷付与と引き換えに宝具威力がアップするため、二つを重ね掛けすれば流石にダメージ源として期待が持てる。 更に、「機関の鎧」は強化クエストをクリアすることで、攻撃力アップが倍率上昇に加え3ターン持続に変更されるので、危険な攻撃からの防護目的で使ってもバフが腐らない。 ダメ押しにATKがよく伸びる 何かしらのダメージを引き上げる効果持ちの礼装をあてがえば、もはや低火力とは笑えない立派な殴りキャスターの出来上がりである。 難点としては、やはり素の火力の低さ。 「スキルで攻撃力を大幅アップできる」とは書いたが、逆に言えばそうしないと火力が出ない。 宝具を使ったターンの火力は半端ないが、バフのないターンは露払いもろくにできないという両極端な性能のため、うっかり敵を仕留め漏らしたりするとそこからの戦闘が長引きやすい。 一撃で仕留めることが大事になってくるので、きっちりと育て上げることが重要な晩成型サーヴァントと言えよう。 我が追記・我が修正・我が項目をここに! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 間違っても『蒼天のセレナリア 蒸気王』で検索してはいけない。そっくりだけど -- 名無しさん (2016-01-10 00 14 12) ロボだこれーーーーー!!! -- 名無しさん (2016-01-10 00 17 11) ↑↑やっぱりこれ連想するよね…しかもニコラ・テスラも出てくるし… -- 名無しさん (2016-01-10 00 25 59) キャスターだが白兵戦もいけそうなステータスの持ち主 -- 名無しさん (2016-01-10 00 29 02) 何がすごいってこういう変化球型ステの持ち主ってクラス本来の長所は控えめだったりするのに魔力もきっちりAあること -- 名無しさん (2016-01-10 01 28 12) キャラクエがスチパンのニコラ・テスラと立場入れ替えた感じなんだよな。笑いが止まらんかった -- 名無しさん (2016-01-10 01 32 52) アレの蒸気王デザインした人がデザインしてるからね -- 名無しさん (2016-01-10 02 09 38) あんたの蒸気文明が来たら、空と海の蒼が消え……いやなんでもない -- 名無しさん (2016-01-10 02 37 45) 雷電王はそのうち出てきそうだな、万能王は難しいと思うが -- 名無しさん (2016-01-10 03 11 30) ↑2たしか蒼天のは自分の生み出した蒸気文明の環境破壊がひどすぎて後悔してるから願いがかなってもこいつもそうなりそう -- 名無しさん (2016-01-10 07 21 43) つってもあの世界、古代機関とかチクタクマンの横槍とか色々あった結果ああなってるからなあ。あそこまではならないんじゃね -- 名無しさん (2016-01-10 08 53 21) 高ステに機械召喚能力にとか、普通に冬木の聖杯戦争で喚び出しても良い線行ける気がするんだが……存在が固有結界なら維持魔力が問題か。 -- 名無しさん (2016-01-10 10 11 13) 冬木の聖杯戦争でもメディアより生き残る可能性がありそうだな -- 名無しさん (2016-01-10 12 00 37) 型月世界でスチパン平行世界確定やな -- 名無しさん (2016-01-10 12 14 06) ↑根底の世界観からしてそれはないやろ。作者特有のファンサービスというやつ。どっちのシリーズも大好きだが -- 名無しさん (2016-01-10 15 24 49) もしコイツにオキタが乗ったら…大正浪漫に桜の嵐だな -- 名無しさん (2016-01-10 15 40 32) 大正桜に浪漫の嵐な -- 名無しさん (2016-01-10 16 20 41) 特例なのかもしれないが、テスラといい偉大な碩学者達はことごとくスペックが高いなぁ -- 名無しさん (2016-01-10 19 50 07) ↑歴史の節目にいた人たちだから多少はね -- 名無しさん (2016-01-10 20 02 47) この人の「隣人たちの世界を終わらせようとは思わない」って台詞がすごく好き -- 名無しさん (2016-01-10 20 46 50) 画像掲載のルールがせっかくできたんだから守ろうよ -- 名無しさん (2016-01-10 21 02 20) 思った以上にいい人だった -- 名無しさん (2016-01-10 22 08 48) ステータスや能力は無論、ろくでなしが多いクラスなのに性格は紳士といい意味で変則的なキャスターだな、宝具と道具作成Aでさまざまな兵器や兵装を生むんだろうな。ありすやジャックとフランなどの絡みをちびちゅきで拝めるか? -- 名無しさん (2016-01-11 03 14 59) まさかFateでスチパンのファンサービス的なこと始めるとは思わなかった 大丈夫かこれ -- 名無しさん (2016-01-11 08 43 57) もしこの人の碩学の道が極まっていたら、間違いなく星の開拓者の1人に加わってたろうなぁ -- 名無しさん (2016-01-11 12 35 47) 鉄人28号とジャイアントロボの関係みたいなもんだろうけど、もにょるなぁ。fateも悪い方のやりすぎ感でちゃったなぁ -- 名無しさん (2016-01-11 12 36 38) その元ネタっぽい作品全く知らない身としては普通に好きなキャラだけどなぁ… -- 名無しさん (2016-01-11 13 33 54) もにょるって言葉嫌い -- 名無しさん (2016-01-12 11 33 26) ライダーでもいいんだよ?(ロボ好き -- 名無しさん (2016-01-12 11 36 40) この人キャスターつってるけどどう考えても物理全振りなんですがこれは -- 名無しさん (2016-01-13 21 23 29) ストーリーでVSテスラやって欲しかったな -- 名無しさん (2016-01-15 21 56 41) ぶっちゃけ機関の鎧って壊れスキルだろ。 -- 名無しさん (2016-01-25 03 47 07) 道具作成(偽)ってどういうことだろう 作成できてもスチームパンクめいたデザインになって見破られてしまう・・・とか? -- 名無しさん (2016-01-26 21 19 47) 多分科学技術使ってるからじゃないか。元々魔術的な道具を作るスキルだし -- 名無しさん (2016-01-26 21 27 00) BASARAのホンダムと並べて出撃したい -- 名無しさん (2016-01-26 21 32 32) extraで出ないかな、敵でも味方でも構わないから -- 名無しさん (2016-01-26 21 38 43) 機関の鎧はなかなかのロマンスキルやね 特撮ヒーローっぽい設定で実に好み -- 名無しさん (2016-01-26 22 04 44) 最初は陣地作成ないなとおもったが彼自身がすでに生産工場なんだよな、道具作成が偽なのも固有結界の副産物だからかも -- 名無しさん (2016-02-16 02 41 49) 何がすごいかって機関の鎧 EX の補正を抜きにしても筋力耐久がBあることもすごい -- 名無しさん (2016-02-16 03 25 16) 幸運Eだから一見兄貴の槍の餌食かと思いきや機械系は相性悪いみたい -- 名無しさん (2016-02-16 04 08 26) こんなロボットじみた外見になってしまうほど自分の研究に情熱を持っていながら、自分の理想を他人にまで押し付けようとはしない自制心も兼ね備えてるのは大した人だ。 -- 名無しさん (2016-02-16 09 25 25) 蒸気文明が夢だけど、過程はどうであれ文明が発展するから電気も許容できるのだろうな -- 名無しさん (2016-02-18 21 04 18) ↑↑でも、この人混沌属性なんだよね。パラケルススが混沌・善でこの人が中庸って…… -- 名無しさん (2016-02-19 01 09 22) ↑善とか悪とかってアレ自分のルールを守るかどうかってやつじゃなかったっけ?違うかもしれないけど。 -- 名無しさん (2016-02-19 10 39 05) 秩序と混沌は現在の社会ルールに対しての姿勢だから、電気文明とは異なる蒸気文明を夢見たバベッジは混沌でもおかしくない -- 名無しさん (2016-02-19 11 14 23) ↑7 機関の鎧の効果は「筋力・耐久のランクアップと同時に++補正追加」だから、元々のステータスはCだと思うぞ。キャスターの中でトップなのは変わらんが。 -- 名無しさん (2016-03-04 15 44 17) バスターのモーションがガンバスターすぎる -- 名無しさん (2016-03-10 10 48 31) 破産しない限り負けじゃない -- 名無しさん (2016-04-02 12 41 58) そして電気を広めた発明王に蒸気より電気の方がいいだろ馬鹿野郎といわれる -- 名無しさん (2016-04-02 22 57 33) でも怒らず逆にエジソンが落ち込むとモールス信号で励ましてくれるバベッジさんのぐう聖ぶり -- 名無しさん (2016-04-05 21 02 02) どう見ても劔冑です本当に(ry -- 名無しさん (2016-04-29 14 13 01) 電気文明な現代だがその根幹を支える発電所のタービンは蒸気機関の類なのよね -- 名無しさん (2016-06-08 22 12 03) 電気文明を滅ぼす気は無い。でも固有結界だしちゃうくらい蒸気文明LOVE。「じゃあ蒸気文明の小説書けよ」と作家英霊なら言うだろう。ひょっとしてキャラクエとかでもう言ってる? -- 名無しさん (2016-07-29 10 30 01) 4章で登場してから5章ではエジソンに技術提供そして6章では世界一の探偵に元凶の調査を依頼など間接的に本筋に絡んでいるな、7章ではどう来るか。 -- 名無しさん (2016-08-01 13 26 47) 応用して計算機を作ったバベッジですらコレなんだから蒸気機関そのものを発明・改良したジェームズ・ワットはどんなサーヴァントになるんだか -- 名無しさん (2016-09-02 20 58 37) こいつを見てると、どうしてかアイアンマンを思い出してしまう... -- 名無しさん (2016-09-02 21 01 39) 地味にヘラクレスと殴り合って欲しい鯖だが、仮に十二の試練のランクへの耐性を++補正で何とかできても戦術の手札自体は少ないのかな -- 名無しさん (2016-09-24 15 35 33) こいつ使うとたまに、ゴエモンインパクトのテーマ流したくなる -- 名無しさん (2016-10-16 16 27 22) ↑テテテーン テテテーン テンテレテレレレン♪ テレレレッ テレレレッテッテッ♪ こうか -- 名無しさん (2016-10-22 11 26 53) 結局どこが固有結界なんだよ。常時維持できてるとか破綻しすぎ -- 名無しさん (2016-11-03 13 37 37) 破綻してないぞ。固有結界が維持に魔力が莫大に必要なのは世界の中に異世界がある矛盾の修正にもってかれるからで、人間の肉体は一個の世界と認められてるからその修正が働かないんだよ。ネロ・カオスも同じような状態だよ -- 名無しさん (2016-11-04 03 00 56) 人型のロボの形態は固有結界の最低限の低燃費な形態で、宝具を使って蒸気文明の世界を現実世界に広げると固有結界として大量に魔力が必要になってくるって認識で合ってる? -- 名無しさん (2016-11-04 03 08 52) ↑概ねそれで正しいはず -- 名無しさん (2016-11-04 03 25 05) アルキメデスよりむしろムーンセル管理は彼の方が向いてる気がする、コンピューターの父だし -- 名無しさん (2016-12-27 02 37 01) ↑ 蒸気で動いてないからとか言い出して改造しようとするからアウト(セイバーウォーズ参照) -- 名無しさん (2017-01-07 00 56 07) 鋼鉄のボディを鍛造(cast)する者、それが「キャスター」ッ! -- 名無しさん (2017-01-09 23 26 34) どう見てもイェーガー -- 名無しさん (2017-01-10 00 21 27) そろそろイベントクエストで高速仕様とか水陸仕様とか飛行仕様とか出してほしい -- 名無しさん (2017-01-14 16 11 05) HPと攻撃力の数値を入れ換えてほしい -- 名無しさん (2017-01-14 16 25 49) 某ロシア製イェーガーにも似てる -- 名無しさん (2017-02-24 07 09 42) 多分この人が一番人類の事考えて行動してる(1.5部 1章) -- 名無しさん (2017-03-03 19 16 11) 計算機の父としての側面もあり得そうだな -- 名無しさん (2017-03-03 19 33 44) 暇つぶしの手計算でスパコンの細かいバグを発見する蒸気王。万能すぎィ!! -- 名無しさん (2017-03-17 16 23 30) キャスターで近代の英霊なのにヘラクレス(狂)の十二の試練を突破できるとかどういうことなの…。 -- 名無しさん (2017-04-10 22 14 08) 計算だけで世界を救う一手を予め打っておくロボ -- 名無しさん (2017-05-07 16 56 49) 姿を見せない縁の下の力持ちというに相応しい活躍だな。 -- 名無しさん (2017-05-07 17 24 41) この人が魔術習得済みの純粋キャスターだったら色々えぐいことになりそうだ先読み能力的に -- 名無しさん (2017-05-09 21 16 02) アラフィフ「変形機能つけてみたヨ!」 -- 名無しさん (2017-08-10 10 29 10) 全サーヴァントが強制帰還させられた12月26日はバベッジさん -- 名無しさん (2018-01-07 00 47 31) ミスった バベッジさんの誕生日だったりした -- 名無しさん (2018-01-07 00 47 55) 今振り返ってみると、バベッジ卿もどちらかというと異聞帯側の存在なんだよな それでも「やりたいことはあるけど、それで世界を壊すワケにはいかない」と言ってくれた なら2部の異聞帯のサーヴァントたちの中にもこういう人はいてくれるはず -- 名無しさん (2018-01-16 12 34 14) バベッジ自身はこの人理に刻まれた正純の英霊のはず。つまりいくつも分岐する歴史の中でこの世界につながる歴史を生きた人物。であるからこそ、生前実現しなかった世界を夢想として固有結界に持つ。でも異聞帯はむしろその夢想の向こう側に続いちゃった世界なんだろう。蒸気文明を望んではいても、あくまでこの世界の繁栄を望むバベッジと、この世界を踏みつけに自分の世界を築こうとする異聞帯勢はやはり根っこが違うかと。 -- 名無しさん (2018-01-24 13 17 42) 人理焼却が終わった後の事を計算していたことといい、異聞帯鯖とは言わないけど、何かしら異聞帯とは関係があるのかね? -- 名無しさん (2018-01-24 18 36 48) でも、バベッジさんやエジソンさんがサーヴァントになるんだったら、フォン・ノイマン博士だってサーヴァントになってもいいと思うんだがどうだろう? あの人がいなかったら、今の形のPCはないわけだし。 -- 名無しさん (2018-03-17 15 57 29) この日との階差機関すげえ。18世紀なのに条件判断もできるのか、、 -- 名無しさん (2018-10-06 22 50 55) この人カウキャッチャー(機関車についてるアレ)の発案者なのか…だからロコモーティブに… -- 名無しさん (2020-10-22 21 57 08) 今年のCBCイベントで、ようやくマイルームで他のサーヴァント宛への会話が追加。フランと紫式部、そして子供サーヴァントが対象。子供サーヴァント達については、頭部に乗られると蒸気噴出孔が塞がるので -- 名無しさん (2024-03-16 02 39 48) 続き↑:そこについては困る模様。 -- 名無しさん (2024-03-16 02 41 01) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/3928.html
フェイト ブレイカー 収録作品:ワイルドアームズ アドヴァンスドサード[PS2] 作曲者:なるけみちこ 概要 「レイライン観測所」「外つ国の遺産」「フィラ=デル=フィア」といったダンジョンで流れるBGM。 なるけ節全開といっていいほどの口笛を前面に押し出した曲で、ダンジョンの曲とは思えないほど壮大で熱い音楽である。 ダンジョン探索に臨む勇気を表現したような曲であり、『WILD ARMS』のダンジョン曲「勇気」とも共通している。 良曲揃いの『WA3』のダンジョン曲の中でもとりわけインパクトのある曲で、その人気は高い。 またレイライン観測所をはじめストーリー上重要なダンジョンで使用されることが多いので、それも相まって印象に残りやすい。あとスケベ本も。 シリーズの音楽をロックアレンジしたCD『ワイルドアームズ Music the Best-rocking heart-』には本曲のアレンジが収録されている。 戦闘曲やテーマソングがほとんどを占める中、この曲などのダンジョンの曲もいくつか入っているところが「ワイルドアームズ」らしく感じる。 過去ランキング順位 第6回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 648位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 515位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 879位 みんなで決めるダンジョン曲ベスト100 6位 サウンドトラック ワイルドアームズ アドヴァンスドサード ― オリジナル・サウンドトラック ワイルドアームズ Music the Best-rocking heart-
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/1311.html
171 :Fate/testarossa ◆JtheEeHibM:2008/02/04(月) 12 16 04 影が迫る。 今から駆け出しても間に合わない。 ここまでかと思ったその時だった。 「――――――っ」 隣で氷室が息を呑む気配を感じる。 途端、考える間もなく体が動く。 「え、えみ!?」 竦みそうになっていたのが嘘のよう。 とにかく氷室をどうにかしようと、必死になって抱き寄せる。 数瞬後の一撃に身構え、 「――――?!」 予期せぬ方向から、急激な圧力が加えられた。 土蔵の時と同じ、瞬間的な加速による圧迫感。 次の一瞬ではすでに、先程よりも坂を上った位置に立っている。 「今のは――――っ」 フェイトか、と続けようとして、振り返った目の前に本人の顔があった。 「二人とも、早く離れて」 それだけを告げ、フェイトは前へと向き直る。 「バルディッシュ、サードフォーム」 『But ――― yes, sir』 手にした鎌が形を変える。 それが剣士(セイバー)と呼ばれる所以なのか。 組み変わった柄の先に、魔力によって光の刃が編み出されていた。 いや、そんなことよりも。 「フェイト、お前その背中……!」 袈裟斬りに走る傷。 振り返った白い外套は、血によって赤く染められていた。 「私は大丈夫。だから、早く」 「ちょっと待て、大丈夫なわけが―――」 こちらの制止も聞かずに飛び出していく。 一瞬の後には、すでに刃を交える音が響いていた。 一合ごとに炸裂する両者の魔力。 バーサーカーの剛剣に向かい、一歩も引かずに剣を振るい、同等の威力で弾き返す。 これまで見せた戦いから一転、彼女は真正面からの力比べに挑んでいた。 「く――――――」 「―――――――」 やはり無理があるのか。 バーサーカーが顔色一つ変えずに剣を振るうのに対し、それを受けるフェイトは苦悶の表情を浮かべている。 光の剣は一合するごとに刃を削られ、敵の剣戟は反撃の隙を与えない。 どうにか釣り合っている力の天秤は、確実にバーサーカーの方へと傾きつづけていた。 「―――なんで、そんな」 不利だと分かりきった勝負を挑んだのか。 ――――決まっている。あの黒い剣士を止めるためだ。 妨害を無視して突き進むバーサーカーに対し、生半可な攻撃では足止めにならない。 注意を引きつけ、その歩みを止めさせるためには、正面から立ち向かうより他にはない。 結果、フェイトは自分のスタイルを崩すことになる。 現在の均衡は、怪我のハンデと膂力の不足を魔力で強引に補っているだけだ。 サーヴァントが一日にどれ程戦えるものなのかは知らないが、彼女はこれで三戦目。 いずれ限界に達すれば、そのときは―――― 「何をしているのだ衛宮、早く」 声とともに、後ろから強く引っ張られる。 「え、氷室?」 「ひむろ? じゃない、惚けていないで離れるぞ」 教会の方へと氷室が急かす。 だがよくない。 「このままじゃ、フェイトが」 「そのフェイト嬢が無事なうちに離れねばならんのだろうが!」 「――――ああ、その通りだ。先に教会に行っててくれ」 「……っ。衛宮、ふざけている場合ではなかろう……!」 ふざけてなんかいない。 フェイトに何もないうちに、ここを離れるべきだったのだろう。それは正しい。 ―――だが。彼女が無事だった時間は、もうとっくに過ぎ去っている。 「俺は残るから、氷室は一人で―――――!?」 ひときわ高い剣戟音。 弾きあっていた刃は鍔迫り合いになり、押さえ込まれたフェイトが膝をついていた。 耳障りな音とともに黒剣が魔力刃を裂いていく。 助けなければと足を踏み出そうとした、瞬間。 「――――――ーチャー、離れろってどうい―――」 僅かに届いた遠坂の声と、遥か遠くから向けられた殺気に気が付いた。 いつの間に離れたのか。 遥か数百メートル向こうに、屋根の上から弓を構える弓兵の姿を見る。 何も無い中空から“矢”をつがえ、こちらに狙いを定めている。 理由も無く直感する。 あの“矢”は本来、もっと別のものであり。 アイツの殺気の対象は、バーサーカーだけではない。 「フェイト――――!!」 全力で駆け出す。 「ま、待て衛宮!?」 押し合いで固まっているバーサーカーに体当たりをかける。 相手もこちらに気付いたが、遅い。 剣が返されるより僅かに早く激突し、思ったより小柄だったのか、そのままの勢いで押し倒した。 「……っ?! 士郎、なんで」 「早く逃げろ! アーチャーの攻撃に巻き込まれる!」 起き上がるより先に叫ぶ。 フェイトはまだ膝をついており、すぐに動ける様子ではない。 早く連れて行かないと―――って、 「え?」 押し上げられる体。 すぐにバーサーカーに思い至ったが、その時にはもう投げつけられ、フェイトに激突していた。 「がっ……!」 「―――っく」 もつれ合うように倒れ、アスファルトを擦りながら吹き飛ばされる。 フェイトを押し倒した体勢になったのを、覆うようにしてさらに地面に押し付けた。 ――――“矢”が放たれる。 これまで自身への攻撃には見向きもしなかったバーサーカーが、それを視界に入れた途端。 「ぁaぁぁああAあAAAAA!!」 裂帛の気合とともに剣を振りかぶり、一瞬刀身が黒く膨れあがり―――― ――――瞬間。 あらゆる音が、失われた。 フェイトを地面に組み伏せたまま、ただ耐えた。 聴覚が麻痺したのか、何も聞こえない。 爆発で吹き飛ばされた残骸なのか、背中に幾度か衝撃があった。 「…………、ふぅ………っ」 閃光は一瞬だけだったらしく、破壊からどうにかやり過ごせたらしいと息をつく。 「士郎………大丈、夫……?」 「……ああ、なんとか」 フェイトに返事を返しつつ、辺りを見渡す。 ………周囲は一変していた。 辺りに炎があがり、アスファルトは熱と衝撃で変形し。 爆心地は抉られクレーターが残されている。 先程までは普通の道路だったそこは、アーチャーの一撃によって火の海と化していた。 その、熱気と破壊の中心に。 黒い剣士が、影のように立っていた。 「……ふうん、見直したわリン。やるじゃない、あなたのアーチャー」 何処にいるのか、楽しげな少女の声が響く。 「いいわ、戻りなさいバーサーカー。 つまらないことは初めに済まそうと思ったけど、少し予定が変わったわ」 少女の声に応えるように、剣士は後退しだす。 「――――なによ、ここまでやって逃げるつもり?」 「ええ、気が変わったの。 そこのセイバーもヘンだけど、それよりアーチャーに興味が湧いたわ。 だからもう少しだけ生かしておいてあげる」 遠坂の挑発じみた言い回しも少女は気にとめる様子はない。 遠坂の方も、ああは言っているが続行するつもりは無いのだろう、それ以上の言葉は継がなかった。 ………バーサーカーの姿が見えなくなる。 白い少女は笑いながら、 「じゃあね、お兄ちゃん。今度は余計なオマケなしで遊びましょ」 そう言い残して、炎の向こうに消えていった。 そうして、突然の災厄は去ってくれた。 当面の危機は脱して安堵したせいか、 「――――――あれ」 力が抜け、急激に意識が薄れてきた。 そのまま下にいるフェイトに覆い被さってしまう。 静かなのをおかしいと思って見てみれば、彼女もまた、息も絶え絶えといった有様だった。 「衛宮、無事か―――!?」 駆け寄ってくる氷室に返事も出来ない。 動かなければいけないと思っているのに、体はまったくいうことを聞いてくれない。 抵抗しきれずに意識を手放す直前に、 【Shrink】:どんな形でもいいから、フェイトが助かるようにと、強く願った。 【Opposition】:アーチャーに対する、理由の分からない嫌悪を感じた。 【False Memories】:バーサーカーに対する、形にならない違和感が脳裏を掠めた。 投票結果 【Shrink】:3 【Opposition】:1 【False Memories】:5
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/970.html
368 :とても気持のいいFate ◆edf0CCxP0Q :2007/11/08(木) 00 04 32 リ:脚を揉みほぐす。 イリヤはうつ伏せに寝転んでいる。白い肢体に白い髪を、紫のビキニが彩りを添える。そんな愛らしい妹の姿に目を細めて、俺はマッサージを開始した。 オイルが程よく暖まった事を確認して、それを脚に垂らしていく。太腿、膝の裏、ふくらはぎから土踏まずへ。その感触にイリヤは少しびっくりしたようだけど、直ぐに慣れてくれたようだ。 アロマオイルを手の平に重ねて、滑らかに撫でて広げていく。まずは満遍なく、馴染むように、安らぐように。何よりもリラックスできる事を優先して、イリヤの身体に没頭した。 「シロウ、気持ちいいよ」 「そうか、良かった。じっくり揉みほぐしてやるから、イリヤ、眠くなったら寝てもいいぞ」 「うん。ありがと」 頷いて、早速とろんと蕩けるイリヤの顔をちらりと楽しんでから、俺はマッサージを再開した。 アロマオイルが馴染んできたら、血行を整える事を第一とする。リンパ腺をなぞり、固くなった筋肉をほぐし、溜まっていた老廃物を流していく。爪先から太腿の付け根まで。心臓に遠い方から近い方へ。途中、所々にあるツボを戯れに刺激しつつ、疲れた肉体を蘇らせるのだ。 皮下脂肪の下にある筋肉の構造、その奥にある骨の存在を意識していれば、それなりに揉むのは難しくない。あとは太い血管とリンパ管の位置さえ分かっていれば、ツボの在り処も自然に分かる。あとはそれらを極めるだけ。だけどここからが難しい。より上手に、より心地よく、より深いところまで届くように。そういう欲が出てくると、もっと喜んでほしいなんて考えてしまうと、道程は途端に険しくなった。 主に桜や遠坂相手に磨いた技術を、イリヤの身体に注いでいく。この小さな身体に、この細い足に、どれだけ満足を刻めるだろうか。これはそういう勝負なんだ。 うとうとしてきたイリヤの表情。やっぱり、マッサージの醍醐味はこういう時だ。なにせこれ以上ないほど雄弁に、俺の行為に満足してくれていると分かるのだから。 大体一通りほぐし終わった後、今度はそれぞれの箇所ごとに攻略する。表面上の疲れだけでなく、身体の歪みまで直すように。イリヤという一人の人間の構造を、皮膚を通して組みなおす為に。 土踏まずのツボを指圧すると、イリヤがビクッと顔をあげた。振り向いた顔は驚きに彩られている。だけど痛気持ちいい以上の刺激はないと分かったのか、俺の事を信頼してくれたのか、にっこり微笑んで再び微睡みの中に帰っていった。さて、それではその期待に応えると致しますか。 小さな、本当に小さな足の裏。だけどこの小さな世界の中に、無数のツボが隠れているんだ。探せば探すほど溢れてくる。ツボとは本来そういうものだ。主立ったものは決まっていても、細かいものを挙げればきりがない。 指の先を沈ませるように、数秒押さえて数秒離す。それを何度も繰り返しつつ、少しずつ場所を変えていく。時に周囲を揉みこんで、細かい部分は先を丸くした竹ひごで軽く刺激する。足だけでなく全身を、体表だけでなく内臓まで、じっくり時間をかけて調整してみた。普段よりひときわ丁寧に手掛けたからだろうか。俺自身満足できる仕上がりになる頃には、イリヤの足は本当に柔らかくほぐれていた。 369 :とても気持のいいFate ◆edf0CCxP0Q :2007/11/08(木) 00 05 27 そうして、踝から脹ら脛を経由して、いよいよ太腿に達した頃には、イリヤは半分以上夢の中だった。 そんなに気持が良かったのだろうか。静かに上下する妹の身体。幸せそうな呼吸が聞こえてくる。安心しきったイリヤの姿を眺めていると、ふと、悪戯心が鎌首をもたげた。だってほら、紫の水着一枚隔てた向こうに、まるいお尻が自己主張していたんだから。 別にひどい事をする気はない。ただちょっと、いや、とても気持ちいい事をしてあげるだけだ。そう、俺のマッサージとその他諸々のテクニックを総動員して、キモチヨクしてあげようと。 おもむろに太腿に手を置いて、何食わぬ顔で丁寧に揉む。ツボを押してリンパ腺をなぞり、今までと同じようにすすめる合間、さりげなく足の付け根を、太腿の内側を攻略していった。不自然でないように愛撫をして、感度を少しずつ高めてやる。丁寧に丁寧すぎるほど時間をかけて、いぶかしまれないよう注意を払って。 そして、いよいよその時はきた。さりげなく、だけど胸の内では興奮の嵐を押さえながら、イリヤの一番大切な場所を、鋭く強く刺激した。 「ひゃんっ!」 可愛らしい悲鳴が聞こえてきた。成功だ。ここまで鮮やかにいくとは思わなかったけど。 「ん? どうしたイリヤ?」 痛かったか、なんてポーカーフェイスで白々しく首を傾げてみる。何でもないと答えるイリヤにそうかと頷いて、さも当然のように太腿の付け根をマッサージする。我ながらまるで悪人のようだ。いや、そんな事はない。可愛い妹をより気持ちよくさせてやろうと試みるのは、立派に正義の味方の範疇じゃないか。たぶん。 「本当にどうしたんだイリヤ。痛かったらちゃんと言ってくれよ?」 「……んっ、いたくはっ、あんっ! 痛くはないんだけどっ、ぁう」 今まで愛撫を繰り返した為だろう。イリヤの感度は面白いほど高い。太腿を揉んでも、お尻を軽く掠めても、白い背中が耐えきれずに跳ねる。眠気はとっくに飛んだようだ。目の前で震えるお尻に齧り付きたくなるのを我慢しながら、何も知らないお兄ちゃんの仮面をかぶり続けた。 「シロウっ、もうちょっと、ああぁ、やさしくぅ!」 「こうか?」 「———きゃぅっ!」 ひときわ大きく仰け反るイリヤ。歯を食いしばり、真っ赤に上気した顔で羞恥を飲み込む。そんな、快感に耐え続ける彼女の努力を嘲笑うかのように、俺はお尻に手を伸ばした。 「なっ!? シロウ!? なんでっ、あんっ。やだっ、なんでそんなとこっ」 「なんでって、脚をマッサージしたのに腰をしないでどうするんだ。身体の体重を支える大事な部分だぞ、この辺りは」 屁理屈をこねつつお尻をこねる。だけど決定打は与えないように。決してイリヤをいかせないように。理性と快楽の狭間でもがくイリヤが可愛すぎたから、ずっと見ていたくなったのだ。 それはきっと残酷な責め苦だ。さっきより大胆に指を腕を反復させ、快感の渦に溺れさせ、それなのに後一歩のところで休ませる。この無限地獄から抜けだす道は二つだけ。俺が折れるか、イリヤが卑猥な言葉でねだるかだ。さすがに愛しの妹に直接的な表現で迫られたら、兄として聞き届けないわけにはいかないから。 そう、板挟みに苦しむイリヤがあまりに魅力的だったからこそ、俺は。 ロ:優しく焦らす。 リ:意地悪していかせる。 姉:ここは俺のおっぱいでご奉仕しないと。
https://w.atwiki.jp/fateanko/
@wikiへようこそ このWikiは0~1人用聖杯戦争TRPG……のようなものである「Fate/anko」を遊ぶためのシステムを記載したサイトです。 本サイトのシステムは自由に使用して構いませんが、全ての責任は使用者各自にもとづきます。
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/1542.html
7 :Fate/ Y+7+M night ◆iXWQ7.soOY:2008/05/20(火) 22 54 33 それでは さあて、さて、お立会いお立会い これより始るのは剣と魔法の物語 魑魅魍魎の跋扈する呪われた街、冬木で起こる魔術師の戦争の物語 七人の魔術師と、七人の従者の物語 正義のミカタを目指す少年と、勝利を求める紅い少女の物語 蟲に侵された薄幸の少女と、意気地の無い腐り行く血統の末裔の物語 朽ち果てた殺人者と、男装の麗人たる女魔術師の物語 雪のような白い少女と、人の苦しみを糧とする歪んだ神父の物語 そして、おおよそ参百五拾年の時を経て現代に蘇りし大剣豪 七人の柳生十兵衛の物語 それでは開幕ッ!! さてまずお話しするのは・・・・ 選択肢 赤いあくま:紅の少女の話 ダメット:男装の麗人の話 サクラ:不幸な少女の話 投票結果 赤いあくま:5 ダメット:4 サクラ:1
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/987.html
170 :Fate/式神の城 ◆v98fbZZkx. :2007/10/27(土) 23 30 31 通学路で出会ったのは…… →黒服にサングラス、くわえ煙草の見るからに怪しい男 そいつは、見るからに怪しい格好をした男だった。 年齢はパッと見で20代後半から30代。黒いスーツとソフト帽を身につけ、さらに真っ黒なサングラスをかけている。 これだけでもいい加減に怪しいのだが、その帽子のふちから覗く灰色、あるいは銀色の髪の毛が極め付けだ。 住宅の壁に背を預けて、見るからに安物の煙草に火をつけているその男は、千歩譲っても、通勤途中のサラリーマンには見えなかった。 「……?」 俺の視線に気が付いたのか、銀髪はふと、こちらへと顔を向けた。 別に、睨まれたわけではなかった。そもそも、サングラス越しで、俺は銀髪がどんな目をしているのかがわからない。 だが、直視しなくても分かる。あのサングラスの向こう側にある目は、きっと、ナイフの切っ先のように鋭い。 数秒もしない内に、銀髪は興味を失ったように、ふいと路地裏に姿を消した。 「はぁ」 思わず、口からため息が漏れた。背中には冷たい汗が噴き出している。 ただ見られただけというのに、銃口でも突きつけられた気分にさせられる。あの銀髪は絶対に堅気ではない。 かと言っていわゆる極道にも見えなかった。銀髪には、その手の人々が持っている一種の陽気さがまったく見られなかったからだ。 俺は、気を取り直すと通学を再会し、ふと気にかかって銀髪の消えた路地裏を覗きこんだ。 「痛い……痛……ぃ」 そして、その声が俺の耳に届いたのは、路地を覗きこむのと、まったくの同時だった。 その苦悶の声は、すぐ近くから聞こえていた。 声の調子で、小さな子どものものだとわかる。 俺は迷うことなく、路地裏へと身を滑り込ませた。 「お兄さん?」 「———っ」 路地裏に入ってわずかに数歩歩いただけで、その子はすぐに見つかった。 歳は八歳くらいだろう。小さな女の子だった。 「お母さんを、お母さんを探してください。寒くて、痛くて、動けないんです」 理由は、聞くまでも無かった。その子の体は、無残に切り刻まれ、膝の先はどこを探しても無かったのだから。 駆け寄って、俺は、どう声をかけていいのか分からずに窮した。 その子の怪我は、とても生きていられるようなものではなかった。 「目を閉じてごらん」 その時、路地の奥から声が響いた。 目を転じれば、姿を消したはずの銀髪の男が、少女の前に膝をついていた。 「こう?」 女の子は、疑いもせずにゆっくりと目を閉じる。そして、小さな両手を目蓋の上にあてがった。 その小さな手からは、指が何本も欠けている。 「もういい?」 「ああ」 銀髪がうなずくと、少女は閉じた時と同じように、ゆっくりと目を開いた。 少女が目を開くと、その体を覆っていた傷は、そのことごとくが、まるではじめから存在していなかったように、綺麗に消え去っていた。 「わあ……おじさん、魔法使い?」 「そんなものさ」 銀髪がうなずくと、少女ははじめて笑顔を見せた。それは、透き通るような、本当に無邪気な笑顔だった。 「送ろうか?」 「ううん、だいじょうぶだよ。ありがとう、おじさん」 キラキラと、少女の体から燐光が漏れ始める。 光が漏れ出るたびに、少女の体は薄く霞み、消えていく。 「お礼にね」 「礼は要らないさ」 銀髪はぶっきらぼうに言って、立ち上がる。銀髪が立ち上がる頃には、少女の姿は、この世界から綺麗に消えていた。 ふわり、と銀髪の手の上に、一枚のハンカチが舞い降りた。 かつては白かったであろうハンカチには、ところどころ茶色く変色した血の跡がこびりついている。 「どう、なったんだ?」 俺はようやく、それだけを聞くことが出来た。 「逝ったよ」 銀髪は、ハンカチを綺麗に畳んでポケットに仕舞いこむと、ポケットから煙草を出して火を点けた。 紫煙がフワリと舞う。 「あの……」 「ああ、待て、とりあえず動くな」 背筋が凍る。言葉と同時に跳ね上がった銀髪の腕には、黒く、冷たく光る拳銃が握られていた。 俺は…… 1:足がすくんで動けなかった。 2:銃弾から逃れるために、思い切り後ろに跳んだ。 3:銀髪に向かって体当たりをした。
https://w.atwiki.jp/compe/pages/364.html
Fate/Grand Order 藤丸立香 No. タイトル 作者 登場話 unbreakable ◆Mti19lYchg 025 皇帝×時間 ◆EPyDv9DKJs 049 それは突然の出会いなの! ◆.EKyuDaHEo 060 苦いものはまだ嫌いなの ◆7PJBZrstcc マシュ・キリエライト No. タイトル 作者 登場話 忠義の老騎士、戦場に降り立つ ◆L9WpoKNfy2 028 下半身さえあればいい ◆SvmnTdZSsU 082 危険淫子 ◆7PJBZrstcc 089 世界は残酷なんだから 099 出ていけ!出ていけと言っている!(二度目) ラヴィニア・ウェイトリー No. タイトル 作者 登場話 忠義の老騎士、戦場に降り立つ ◆L9WpoKNfy2 028 下半身さえあればいい ◆SvmnTdZSsU 082 危険淫子 ◆7PJBZrstcc 089 世界は残酷なんだから 099 出ていけ!出ていけと言っている!(二度目) 沖田総司 No. タイトル 作者 登場話 誠の旗に集いし者たち ◆NIKUcB1AGw 001 夢なら醒めないで桃源郷 ◆EPyDv9DKJs 051 驚異 ◆bLcnJe0wGs 072 刃・信じたこの道を何処までも刃・解き放てただ一つその刃 ◆EPyDv9DKJs
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/25.html
学園都市とはずいぶん違うな、というのが率直な感想だった。 ツンツン頭の高校生、上条当麻はハンバーガーショップの二階席に座り、一番安いハンバーガーのセットをつまみながら、外の景色を見下ろす。窓ガラス越しに見えるのは駅前の雑踏だ。世界水準から十年二十年は進んだ科学技術を持つ学園都市なら、人混みにちょっと目を向けるだけで清掃ロボットのひとつやふたつは見つかるが、今現在の上条の視界にそんなものはひとつたりとも映らない。空に視線を上げてみても、そこにあるのはただの夕暮れだ。側面にニュース番組を映している飛行船なんて飛んじゃいない。 この街と学園都市。世間の一般的な価値観に合わせて考えてみると、まともな現実味があるのは前者だろう。 しかし上条当麻は、どこまでも現実的であるはずのこの街に、居心地の悪さを感じていた。 その理由は『今の』彼が生まれも育ちも学園都市であるが故に、外の世界に慣れていないからか。 それとも。 「聖杯で造られた仮初の世界に違和を感じずにはいられないかね」 むにゅっ、と。 上条の隣に並ぶようにして座っていた銀髪の少女が、トレイのポテトに伸びていた少年の右手を掴み、自分の胸へと強引に押し当てていた。 薄い青を基調としたダブルのブレザー型制服に包まれている小さな、されど自身の柔らかさをはっきりと主張している感触が、右手を通じて上条の神経に流れ込む。 その瞬間、先ほどまで窓の外の光景に注がれていたツンツン頭の意識が右手ひとつに総動員、更に一瞬後、爆発した。 「ぶへばがァッ⁉︎ 急に何しやがるんだアレイスター⁉︎」 「そうあからさまに挙動不審なのは良くないな、マスター。自分がこの街に紛れ込んだ異物だと喧伝しているようなものだぞ」 「いま俺が挙動不審なのは主にお前の所為なんだけど⁉︎ あとマスターって呼ぶのやめない? 中身がオッサンだと知ってても、そのツラとその声でそう呼ばれるのは、なんだかイケないことをしている気分に……」 「聖杯戦争の参加者になった瞬間に自分の右手に宿った令呪を、同じく自分の右手に宿っていた『幻想殺し』で破壊してしまった(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)君は、誰が見てもマスター失格かもしれないが、それでも現在の君と私が主従関係にあるのは確かな事実だろう。それともここはクールジャパンらしく、語尾に甘ったるいハートマークを付けて「ご主人様」と呼んだほうが良いのかね? 御所望とあらば、霊衣をちょっと開放(いじく)ってメイド服に着替えることも可能だが」 「中身スケベオヤジの子持ち銀髪魔法少女って時点で属性過多なのを自覚してくれませんかねえッ⁉︎ それ以上属性を盛られたら俺の手に負えなくなるんだよ!」 「そもそも呼称に拘泥して変更を求めるなら、優先権があるのはこちらだろう。人前で私を呼ぶ時は、真名ではなくキャスターと言いたまえ」 かの歴史的な魔術師にして変人にして変態であるアレイスター=クロウリーと同じ名前で呼ばれた美少女は、上条の右手を自身の薄い胸元に押し付ける力を、より一層強めた。もにもにふにふにとかいう、聞くだけで癒しと興奮の促進作用がありそうなオノマトペの音量が上がる。 銀髪少女の中身が変態趣味のオッサンであることを知らなければ、上条の思春期が色々と限界を迎えていそうなシチュエーションだったが、揉まれている側であるアレイスターは、いっそ生体実験の経過観察でもするような目付きで自分の胸元、およびそれに触れている少年の右手……『幻想殺し』を見つめていた。 「簡単な実験さ」 今更ながらに上条からの「急に何しやがるんだ」という疑問に答えるアレイスター。 「『ブライスロードの秘宝』……君にとって先代にあたる幻想殺しは、魔術的な儀式によって異世界から召喚された者を元の世界へと追い返す為に使われていたこともある究極の追儺礼装だ。クラス・キャスターのサーヴァントという超常的な存在として召喚された私がそんなものに触れたら、いったい何が起きると思うかね? 好奇心がすっげえ刺激される実験じゃないか?」 「馬鹿じゃねえのッ⁉︎ 勝手に人の右手を使って自殺みたいな実験をするんじゃないよ!」 「時には自分の身を危険に晒す必要さえあるのが魔術師の本分というものだよ。……とはいえ、こうしてしっかりと揉みくちゃにされているのに何の変化も見られないということは、どうやら私の考察は外れたらしい。召喚直後ならともかく、一体のサーヴァントとしてこの世界に存り方を固定されているからか? それともかつて『クロウリーズ・ハザード』で顕現した私に君の右手が通じなかったのと同じ理屈かな? まだ試していないが、霊基の最奥にある霊核に触れられた場合はいったいどうなるのやら──」 いつのまにか上条の右手を軽く手放すと、アレイスターは入店した時に注文していた、やけに鮮やかな色をしているフルーツシェイクに口をつけた。可愛いガワに寄ったチョイスをしているのが、なんだかあざとい。 聖杯戦争についての知識なら、上条だってこの異界東京都に呼ばれた瞬間に聖杯から与えられているけども、体育の授業の初回に一度だけ、それまでやったことがないスポーツのルール説明を受けた時のような理解度だ。この競技ではこの道具を使う、これをしたら勝ち、これをしたら反則、みたいな。 しかしアレイスターの場合、彼はそれを十全に理解した上で、『幻想殺し』を用いた更なる考証を試みていた。この辺りは流石、実験好きの大魔術師といったところか。 「『幻想殺し』がサーヴァントの存在そのものに有効だったら、今後の聖杯戦争における我々の立ち振る舞いが大きく変わっていたんだが、どうやらそういうご都合主義と縁がないのが、君と私らしい」 知った風な口を聞きながら、薄い青のブレザー少女は肩を竦めた。 今後の聖杯戦争、と彼は言った。 それはこれからどう過ごし、どう生き残り……、そして。 どう戦うか、ということだ。 その現実に上条は無縁ではない。 「…………、」 無縁でなんか、いられない。 「予め言っておく」 少年は言った。 「一刻も早く聖杯を掴むぞ。だけどそれは、いつも通りの日常が送れればそれだけで満足しちまうような、ちっぽけな俺なんかの願いを叶えるためじゃない。沢山の人間を巻き込んで殺し合いを強制するクソッタレの『聖杯(げんそう)』に、この『幻想殺し(みぎて)』をぶつけるためだ」 ギリ、と音がした。 少年が右手を握りしめた音だった。圧力を加えることで硬度が上がる人工ダイヤモンドのように、拳が持つ熱と固さは増していく。 聖杯戦争の参加者が殺し合うのは、その末に万能の願望器を名乗る聖杯が待ち構えているからだ。ならば、上条がその右手で聖杯を破壊してしまえば、それ以上争う理由は無くなり、戦争の激化にある程度の歯止めをかけられるだろう。 もちろん、これが最善策ではないということは理解している。 異界東京都には訳も分からないまま呼び出されて聖杯戦争に参加させられた者だけでなく、確固たる意志の元に戦っている参加者もいるはずだ。上条がやろうとしているのは、そういう者たちが血みどろになってまで求めている景品を破壊することに他ならない。ともすれば、普通に戦争に参加して他者を蹴落とす以上に周囲からの反感を買う可能性だってある。 更に、以上の計画を完遂するには、ゴール地点である聖杯を誰よりも先んじて見つけ出すことが大前提だ。 加えて言うなら、聖杯は上条が今いる異界東京都の創造主。その力は、新しい位相を差し込むことで世界を変えた魔神オティヌスと同等、あるいはそれ以上と見て間違いない。「そんな存在に『幻想殺し』をぶつけたところで、はたして通用するのだろうか?」という疑問を無視することなんて、不可能だ。 なんという無理難題。 ついでに言うと、そもそもこの計画は上条ひとりでは実現できない。 この異界東京都における上条のパートナー。サーヴァント・キャスター。アレイスター=クロウリー。 知己であり、かつての宿敵であり、共に戦場を駆け抜けた仲間であり、そして魔術と科学の分野において上条の遥か先を行く先達である彼の助力なくては、元からゼロに近い計画の実現性が完全にゼロになってしまう。こればかりは、日ごろから何かとひとりで抱えて突っ走りがちな上条であっても、認めざるを得ない。 もっとも、アレイスターが聖杯になんらかの願いを託すべく召喚に応じていた場合、上条たちの主従は、ここで致命的な決裂を迎えてしまうのだが……、 「聖杯にかける願い? あるはずがないだろう、そんなもの」 アレイスターはあっさりと答えた。 「この姿のイメージソースになったベイバロンが聖杯と縁のある神格なのは確かだが、十字教嫌いで名の知れた私が、かのカリスと同じ名を持つ願望器に頼るなんて、矛盾まみれのキャラ崩壊も甚だしいじゃないか。……まったく。そもそもなにが聖杯だ。くだらない。特に、たったひとつの限られた勝者の枠に収まるために殺し合いを強制されるというのが気に食わないな。時に儀式は犠牲や生贄を伴うものだが、このやり方はいくらなんでも雑すぎるだろう」 銀髪の少女の形をしたアレイスターは、学生が提出したレポートの不備を指摘する大学教授のような口調で言った。 「万能の願望器を名乗るなら、まずはその不完全を是正すべきではないかね?」 「……ああ、そうだな。そういえば、お前はそういう奴だったよ、アレイスター」 上条は安心したような、あるいは納得したような口調で言った。 ブライスロードの戦いを、そしてイギリスにおけるコロンゾンとの戦いを経験した少年は知っている。 アレイスター=クロウリーはたしかにクソ野郎で、ロクデナシで、下ネタ中毒の変態で、悪評を積み上げていくだけでK2の山頂を簡単に上回ってしまうほどの異常者だけども。 それでも。 彼は不完全や理不尽によって起こされる悲劇を許せない、甘い人間なのだ。 「というわけで他の霊基ならともかく、キャスタークラスの霊基で召喚された私にとって、聖杯は不要どころか破壊すべき対象になるのさ」 「他の霊基……?」 「手段を選ばない獣ではなく叡智の聖母を呼べた自分の幸運に感謝したまえ、ということだ」 「?」 アレイスターの曖昧な台詞にいまいちピンと来ていない様子の上条だったが、銀髪少女はそれ以上の言葉を語らなかった。説明好きの多弁家なくせに、他者の理解を得ようとしないのは、彼の悪癖である。 「ところでマスター。この度めでたく一致した我々の方針を成就させる為に、ひとつ頼みごとがあるんだが」 「頼みごと?」 「現在、君と私の間にあるべき魔力のパスは、令呪の破壊と共に失われているだろう? それに関する話だ」 「あー……、それってマズいんだよな? たしか、サーヴァントって魔力がないと存在できないって聖杯から聞いた気が」 「まあパスが残っていたところで、それを通じた君からの魔力供給なんて期待できるはずもないのだし、却って好都合だよ。現界と戦闘に用いる程度の魔力なら、自前で十分用意できるからな。しかし、それはそうとリソースを得られる手段があるのなら、実行しない理由はない。その協力を君に頼みたいんだが」 「そんな方法があるのか?」 「魔力の大元となるエネルギー、つまり生命力の物理的な摂取。今の君はガソリンの精製工場がない油田のようなものだ。そこから原油を頂戴し、私の体内に流し込んで、魔力へと変換すればいい。通常の魔力供給には及ばないだろうが、やらないよりはマシだ」 「なるほど! そんな便利な方法があるならやるしかないな! で、具体的になにをすればいいんだ?」 「生命力を含有する体液の供与。つまりセック 「シリアスな話からド下ネタに繋げるんじゃねえよ! 馬鹿野郎ッッ!」 上条は頭を抱えて小刻みでプルプルと震えた。 対する銀髪美少女アレイスターちゃん(最後まで変態オヤジたっぷり)は小首を傾げ、可愛らしい上目遣いで上条を見る。 「えー、駄目か? 割と真剣に名案なんだが」 「思いついたそばからとりあえず計画を実行してはポンコツに終わってる超近視眼が言う『名案』なんて乗れねえよッ! 少なくともその案は絶対に無理!」 「チッ、仕方ない。また別のタイミング……「このピンチを打破するにはこの手段しか残されていない」みたいなタイミングが来るまで待つとするか」 「なんてこった。こりゃ絶対に気の抜けない戦争が始まりそうだぜ……!」 令呪も無い身でこのド級の変態の射程距離内にいるという事実に、改めて恐怖を感じる上条当麻だった。 いざという時は殴ってでも止めよう。そんなことを考えながら、全部平らげたトレイを手に取り、席を立つ。 ちなみに異界東京都における上条の懐事情は、元の世界のものとおおむね同等だ。その再現度には驚かされたし、財布の残高を確認して更に驚かされた。というか、悲鳴をあげた。 そんなわけで本来、上条当麻はたとえ一番安いハンバーガーセットであろうと、外食なんて気軽にできるはずがなく、家で質素にもやし炒めを食べるという『腹が減っては戦はできぬ』とは真逆の食生活を送る必要があった。しかし外を歩いていた時にアレイスターから「ちょっと休憩だ」と半ば無理矢理店内に引き摺り込まれた結果、現在に至るというわけである。望まない外食でおっさんの下ネタトークに付き合わされる以上の不幸って中々ないんじゃないか? 店員からの「またのご来店をお待ちしております」という定型文を背中に浴びながら、自動ドアをくぐる。びゅう、と音を立てて冬の寒気を含んだ風が出迎えた。さっきまでツッコミやらアレイスターからのセクハラやらで火照っていた体が一気に冷やされる。暖を求めて自分を抱きしめるような格好で腕を擦りながら、上条は更に一歩、外に出ようとした。 その時だった。 とてつもない大きさのタコが、眼前を通過したのは。 「おおおおおおおおおおおおァアッ!?」 大質量の移動に伴って発生した突風。それに吹き飛ばされた上条は、絶叫しながら地面を転がる。被害はそれだけに留まらず、タコが通過したコンクリートの地面はディッシャーを通したアイスクリームのように抉れており、路上に停まっていた大型トラックは蹴飛ばされ、ティッシュの空箱のように軽々と宙を舞っていた。人間があんな速度で動く大質量の直撃を受ければひとたまりも無さそうだが、タコは通行人の隙間を縫うようにして器用に走っていたため、人的被害は奇跡的にゼロだった。 路上を爆速で走行するタコなんて、明らかに非現実的であり、聖杯戦争に関係する異物であることは間違い。 だというのに上条は、その異形に見覚えがあった。 「クロウリーズ……ハザード?」 季節は真冬だというのに頬に生ぬるい嫌な汗を滴らせながら、先程ハンバーガーショップの店内でアレイスターが呟いていた単語と同じものを口にする。 クロウリーズ・ハザード。 かつてアレイスター=クロウリーが起こした、地球規模の大災害。 彼が持つ10億8309万2867通りの『可能性』が分身の形で世界各地に顕現して暴れ回るという終末系パニックホラー映画みたいな現象だ。 そして今し方、上条が見たタコは間違いなく、かつてイギリスの海岸で目にしたアレイスターの可能性のひとつだった。 ギギギ、と油の切れたゼンマイのように首を動かす上条。視線の先には銀髪少女のアレイスターが立っていた。 「えーと……、我らの頼れる先生アレイスたん? この状況に説明を求めても?」 「……私としてもこの状況には不可解な部分が多いが、いくつか仮説を挙げることは可能だ」 講義をする教師のような振る舞いで、アレイスターは言った。 「まず私がサーヴァント化したことで、生前の逸話である『クロウリーズ・ハザード』が宝具として再現されたという仮説。……いや。この私にそんな宝具は登録されていないから、違うか。だいたい、地球全土を埋め尽くす勢いだったあの『クロウリーズ・ハザード』が完璧に再現されたとなれば、たかだか東京二十三区程度の面積なんて、今頃10億8309万2867通りの分身で埋め尽くされているはずだ。そうなっていないということは、あくまで『クロウリーズ・ハザード』に似ているだけの、分身数が大幅に減った劣化版のような現象か? そう、たとえば、私という極彩に輝く魂を持つ英霊がサーヴァントというひとつの器に収まろうとした際、収まりきらずに溢れた魂によって起こされた現象と考えると納得がいくな。もっとも、たとえ劣化版であろうと、数多の私が顕現すれば、それは充分立派な脅威になるというのは、今し方君が目にした通りだがね」 「……ええと、つまり?」 「このままだとこの街、めちゃくちゃになっちゃうかも☆」 「ふざッッ、けんなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアァッ!!」 少年の咆哮が冬の空に木霊した。 【クラス】 キャスター 【真名】 アレイスター=クロウリー@とある魔術の禁書目録シリーズ 【属性】 混沌・悪・星 【ステータス】 筋力E 敏捷E 耐久E 魔力A++ 幸運E 宝具C(召喚時) 【クラススキル】 道具作成 A+++ 下記の『人間の智慧』スキルと合わせて発動すれば、宝具級の兵器・霊装を作成することすら可能。 陣地作成 EX 工房となる陣地を作成する能力。 科学サイドの総本山である学園都市を作り上げたのは勿論のこと、そもそも本来ならば統一された理論で説明可能だった世界を人間の普遍的な共通認識を操作する技術である『原型制御(アーキタイプコントローラ)』によって科学と魔術のふたつに切り分けたアレイスターは、このスキルを規格外のランクで所有している。 このランクになると、作成されるのは『陣地』を超えた『時代』となる。 【保有スキル】 人間の智慧 A+ 世界最高の科学者と名高く、科学力が外部から数十年は進んでいると言われている学園都市の統括理事長を務めていたアレイスターは最先端の科学を知り尽くし、自在に行使する。 また彼は魔術の道でも天才と評されており、その実力は魔術を極めた先にある神の領域に足を踏み込んでいてもおかしくないほど。 一部の例外を除き、科学や魔術に関連する知識・技術を高ランクのスキルとして発動できる。 霊的蹴たぐり EX キャスターが得意とする魔術の一種。 卓越したパントマイムによって対象の脳とリンクし、アレイスターがジェスチャーした武器の威力を対象だけに叩き込む。 例えばキャスターが剣を握って振るパントマイムをすれば、標的は彼の手に剣が現れて斬られたように感じ、体が勝手に切り傷を開いてしまうし、キャスターが銃を発砲するパントマイムをすれば、標的は彼の手に銃が現れて撃たれたように感じ、体が勝手に銃創を作ってしまう。 リンクした標的の想像力を利用する攻撃なので、リンクから外れている第三者は、この魔術で出現した武器を認識することもないし、それによる影響を受けることもない。つまり、このスキルによってどれだけ大規模・高火力な攻撃を行ったとしても、その威力を叩き込む対象に含めてない第三者や周辺環境に被害が及ぶことはない。 あくまで極まったパントマイムによって相手が自分から傷ついていくプラシーボ効果のすごい版のようなものなので、消費される魔力量は型月世界における投影(魔力によって武器を物質化する魔術)と比べると格段に少ない。 ちなみに生前のキャスターはこの魔術を用いて、クレイモアやフリントロック銃、航空支援式ビッグバン爆弾などを再現していた。 黄金の呪詛 A 魔術結社『黄金』を破滅へと導き、最終的にキャスター自身にも牙を剥いた呪い。 このスキルによってキャスターの行動には常に失敗が付き纏い、何事も想定通りには進まない。しかし彼は「成功も失敗も問わず、前に進み続ける」という思想で自身の目的を達成しようとする。 【宝具】 『衝撃の杖(ブラスティングロッド)』 ランク C 種別 対人宝具 レンジ 1 最大捕捉 1 ねじくれた銀の杖。 ……のように『霊的蹴たぐり』でイメージを再現した補助術式。 その効果は『魔術の効果(威力、射程、大きさなど)を標的が想像する10倍に増幅する』というもの。 対象は術式のみならず、魔術的な儀式によって召喚・使役した存在にも適用される。 一度この術式で10倍に増幅した魔術的攻撃を受けた標的が、それに対応しようとした場合、次にこの宝具で増幅される術式は、当然ながらその想像を基準として更に10倍、つまり元の100倍の効果となる。 『我が掌上にて運る学園都市(サイエンスワーシップ・スマートサイズ)』 ランク:E 種別:対人~対都市宝具 レンジ 4000000 最大捕捉 1 カードサイズのスマートフォン。もしくはそれと接続されている人工衛星。 アレイスターが学園都市の統括理事長だったことの証。 この宝具には彼が生前に築き上げた科学の街、学園都市の全権限・全機能が内包されている。 これを用いることで、指先ひとつで学園都市製の様々な兵器を大気圏外を旋回する人工衛星から地表へと送り込み、取り扱うことが可能。 衛星から射出される最先端の科学兵器は落雷のような電子ビームや人間を細胞レベルで分解するミクロ兵器など、どれも強力だが、最先端の科学の産物であるが故に神秘的なランクは低い。 『10億8309万2867通りの可能性(クロウリーズ・ハザード)』 ランク - 種別 - レンジ 4000000 最大捕捉 1083092867 アレイスター=クロウリーが召喚されると同時に、彼の『ありえた可能性』である分身が聖杯戦争の会場内各地に顕現する。 アレイスターという極彩に輝く魂を持ち、数多の可能性を保有する人間が『キャスター』というひとつの霊基で召喚された結果、ひとつかぎりの器に収まりきらなかった魂がサーヴァント未満の霊基をもって外部に溢れ出した結果起きた現象。 発生経緯こそ違えど、彼が生前に起こした『クロウリーズ・ハザード』と同じようなもの。 キャスターが生前に起こした『クロウリーズ・ハザード』とは違い、10億8309万2867通りのクロウリーが一気に召喚されて聖杯戦争の会場が埋め尽くされることはないものの、それでも膨大に過ぎる数の分身が広範囲かつ継続的に顕現する。 クロウリー達は男性、女性、子供、老人、聖人、囚人、魔術を極めたクロウリー、魔術をすっぱり諦めたクロウリーなどといった人間に近い形を持つ可能性から、恐竜やタコのようななにか、もはやイキモノの形を保っていないものまで様々な姿をしている。 クロウリーズ・ハザードが殺されるたび、彼らと並列の存在であるキャスターのクロウリーは『血の供儀』によって『分岐先』を失って効率化・最適化され、その結果キャスタークラスでありながら三騎士クラスのトップサーヴァントと近距離戦をおこなえるほどにまでステータスが上昇していく。 なので、キャスター本人からすれば、クロウリーズ・ハザードはガンガン殺してもらった方が好都合だったりする。 正確に言えば、これはキャスターの召喚時に起きた不具合であって、正式な宝具ではない。 また、キャスターが本来有しているはずの『単独顕現』スキルはこの現象に吸収されており、効力を失っている。 【weapon】 宝具 人間として積み上げてきた科学と魔術 【人物背景】 学園都市統括理事長。 もしくはかつて魔術結社『黄金』に所属していた至高の魔術師。 『運命』だとか『どうしようもない現実』によってもたらされる『理不尽な悲劇』を一掃して『誰もが当たり前に泣いて当たり前に笑える世界』を作るために、世界中を巻き込んだ壮大な計画を企んでいたひとりの『人間』。 原作の歴史において、アレイスター=クロウリーはれっきとした男性であり、此度の召喚で現界した銀髪少女は、あくまでクロウリーズ・ハザードの際に出現した、アレイスターが持つ数多の可能性のひとつにすぎないのだが、マスターである上条当麻が、イギリスにおける大悪魔との戦いでこの姿のアレイスターと背中を任せ合いながら戦ったという縁から、この姿での召喚となった。 【方針】 聖杯の破壊 【マスター】 上条当麻@とある魔術の禁書目録シリーズ 【weapon】 幻想殺し(イマジンブレイカー) 上条の右手に宿る力。 異能に触れるとそれを破壊する能力を持つ。対峙する異能の威力や量があまりに膨大だった場合、完全に打ち消すのは不可能だが、それでも右手で干渉したり掴んだりすることが可能。 【人物背景】 どこにでもいる普通の高校生。 強いヒーロー気質を持っており、その為なにかとトラブルに乗り込みがち。 【方針】 聖杯戦争を止めるために、聖杯を破壊する。 【備考】 異界東京都内各地において『クロウリーズ・ハザード』が発生しています。 あらゆる可能性のアレイスター=クロウリーが現れるという性質、そして原作において世間がいつの間にか『クロウリーズ・ハザード』という現象名を認知していたというエピソードから、そう遠くない内にアレイスターの真名が広まるかと思われます。
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/1617.html
867 :Fate/式神の城 ◆v98fbZZkx.:2008/08/27(水) 00 48 12 →結城さんの部屋に行く。 食事の後、俺は日課にしている魔術の鍛錬を行うために土蔵へとやってきていた。 土蔵の中はランサーに襲撃された時に散らかったままだったので、まずはその掃除をしてから鍛錬に入った。 そのために普段よりも時間がかかってしまい、鍛錬が終わったときには時計の針が22時を目前にしていた。 「切嗣(オヤジ)」 俺は、戦いに身を投じる。守りたいと思う気持ちに嘘はないし、戦うことに迷うつもりもない。 切嗣が俺に魔術を教えることを避けていた理由は、おそらくはこうなることを恐れてなのだろう。 俺は切嗣の親心を無にしているのかもしれない。 だけど、それでも俺にはこの状況を傍観することは出来なかった。 「でもなあ」 ため息をついて土蔵の床を見下ろした俺の目の前には、無残に破壊された木の棒が二本。 何を隠そう、俺の強化魔術の失敗によって破壊された木刀である。 いくら意気込んでも、一朝一夕で魔術の腕が上がるのなら、この世は魔法使いで溢れている。 昨日の朝、人形に襲われた際に成功していたため、少しは期待をしていたが、やはり上手くはいかなかった。 それを自分の身体で成功させたのだから、昨日の俺はそこで運を使い果たしていたのかもしれない。 「ちゃんとした師匠を見つけろ、か」 銀髪の探偵、日向玄乃丈の言葉を思い出す。あのおっさんの言う通り、この有様では命がいくつあっても足りないだろう。 切嗣が亡くなってからは、ずっと独学でやってきたが、それももう限界だ。 いつまでも戦えないマスターではセイバーにも申し訳ないし、彼女の露払いくらいはできるようになりたいものだ。 幸いにも、今は我が家に魔術師が二人も滞在している。ここで相談しない手はないだろう。 俺は結城さんに相談をしてみることにした。 第一候補は遠坂なのだが、結城さんとは夕方に話したきりで打ち解けたとはとても言えない。今後を考えて、少しは話をしておこう。 俺は片付けを済ませると、結城さんの寝室に割り当てた和室へと向かった。 「結城さん、少しいいかな」 「はい」 和室の戸を叩きながら声をかけると、結城さんはすんなりと迎え入れてくれた。 部屋の中に入ると、結城さんは白い長襦袢に着替えを済ませており、就寝の準備は終えているようだった。 「悪い。邪魔したかな」 「いいえ、かまいません。私にご用でしょうか」 「うん。実は結城さんに頼みごとがあるんだ。会ったばかりでこんなことを頼むのも悪いと思うけど……」 俺は結城さんに事情を説明して、魔術の指導をしてもらいたいとお願いをした。 就寝の邪魔をするようで申し訳ないが、ここまで来ておいて止めるわけにもいかない。 「分かりました。寝所を提供していただいたこともあります。神狩りの支障にならない範囲でよろしければお受けいたします」 「ありがとう。助かるよ」 「それでは、衛宮さんがどの程度の術を扱えるかを見せていただきます」 結城さんは、そう言って一枚の紙を差し出した。質のいい和紙だが、何の変哲もないただの紙だ。 俺は差し出された紙を受け取る。 事前に強化以外の魔術は使えないことは知らせているので、この紙を強化すればいいのだろう。 「同調、開始《トレース・オン》」 全神経を集中させて、俺は魔術回路の生成を開始した。 外から新たな神経を導き入れ、脊髄に突き刺し接続する。突き刺す場所がズレれば、良くても廃人だ。 俺は極限の緊張の中、生成した魔術回路を一気に突き刺した。 「ッ! ……ふう」 一瞬の痛みの後に、魔術回路が接続され、魔力が駆け抜ける。成功だ。 俺は意識の矛先を自分自身から手にした和紙へと変更して、魔力を流して和紙の構造を解析する。 ほどなく、和紙の中に魔力を流し込むべき場所を発見。強化を開始した。 「―――構成材質、補強……あ」 そして、俺が魔力を流し込んだ瞬間、俺の手の中の和紙は跡形もなく粉砕されたのであった。 「ええと、こんな感じなんだけど」 「はい。衛宮さんの場合、魔術を使うたびに魔術回路を生成している点が誤っています」 「え?」 結城さんの採点は、俺にとって意外な結果であった。魔術回路の生成は上手くいったと思っていたからである。 なんでも、魔術回路とは本来は扉のように開閉するものなのだが、俺は扉を開けずに壁をぶち抜いて扉を作るところからはじめたらしい。 結城さんが言うには、扉を作るのは一回でよく、魔術回路を何度も作り、そのたびに命の危険を冒すことは無意味であるらしい。 俺にとっては十年の鍛錬を否定されたわけだから、これには脱力するしかなかった。 「衛宮さんは、技巧以前に魔術回路の開閉を覚える必要があります。そうですね……湯飲みに水を用意してください」 「? ああ、分かった」 何をするのか分からないまま、俺は台所へと向かい、指示された通りに湯飲み茶碗と水を用意した。 俺が水を持って戻る間に、結城さんは再び一枚の和紙を取り出していた。 無地であった先ほどの紙とは違い、今度の紙には墨で複雑な文字が書かれている。紙からはかすかに魔力を感じるので、なんらかの魔術のかかった呪符なのだろう。 「ヤタ」 結城さんは、俺が持ってきた水の入った茶碗を盆ごと受け取ると、呪符を茶碗の上にかざして小さな声で呼んだ。 その時、突然結城さんの肩の上に光の塊が出現し、俺の目をくらませる。手をかざしてみると、それは青白く光り輝く一羽の鳥だった。 結城さんが目配せをすると、ヤタと呼ばれた光る鳥は、結城さんの肩から飛び降りて呪符の端をクチバシでつついた。 ヤタがつつくと、青白い光が呪符へと燃え移り、和紙を灰に変えていく。 やがて呪符だった灰は、その下に置かれた茶碗の水に一片残さず溶け込んでしまった。 気がついた時には光る鳥の姿もいつの間にか消えていた。 「この水を飲んでください」 結城さんが、そう言って茶碗を差し出した。 俺はそれを受け取るものの、さすがに灰の溶け込んだ水を飲むことには抵抗がある。 とは言っても、結城さんは冗談を言う人には見えないし、呪符のこともある。この水が魔術回路の開閉に関わることは間違いないだろう。 ……。俺は覚悟を決めた。 「い、いただきます」 灰の溶けた水を一気に口の中に流し込む。思っていたよりも口当たりは悪くないが、やはり味はよろしくない。 完全に溶け込んでいたからか、口の中に灰が残るようなことはなかった。 「……寒い」 水の効果は、飲み込むとすぐに訪れた。 とにかく寒い。体はガタガタと震え、鳥肌が立ち、歯の根が震える。まるで、体温を根こそぎ奪われるような感覚だ。 しかし反面、体の外から何かが流れ込んでくる感覚もある。 例えるなら、真冬の寒い日に、ストーブで温めた部屋の窓を全開にしたような気分だ。 俺の体と言う部屋は、流れ込んでくる外の空気でどんどん冷やされていく。 「先ほどの水を飲んだことで、衛宮さんの体が外部の魔力を取り入れはじめました。魔力が魔術回路を通過していく感覚が分かりますか?」 「魔力……?」 結城さんに言われて意識を集中すると、俺の体に流れ込んでくる冷たい風は、たしかに魔力だった。 しかも、その感覚は徐々に広がっている。これが魔術回路が開くということなのだろう。 それにしても寒い。 「今は体外から魔力を取り込んだことで変調をきたしています。ですが、それもすぐに落ち着くでしょう」 なるほど結城さんの言葉通り、徐々に流れ込む魔力の量が減ってきている。 流れ込む魔力の量が減るにしたがって、体の震えもおさまり、調子が戻ってきた。 「衛宮さん、魔術回路の開閉を自由に行えるようにしてください。先ほどの感覚を忘れないように」 「宿題ってところか。出来るだけ早く達成できるように努力するよ」 結城さんがうなずく。今日はここまでと言うことだろう。 たしかに魔術回路も開けないのでは、指導も何もあったものじゃない。 さて、できればもう少し結城さんと話してみたいが、時間が時間だから話題は一つが限界だろう。 ……何を聞こうか。 選択肢:何を聞こうか。 【結城小夜】:結城さん自身のことを聞く 【式神ヤタ】:さっきの光る鳥について聞く。 【焼き魚と味噌汁】:夕飯の感想を聞く。 投票結果 【結城小夜】:2 【式神ヤタ】:1 【焼き魚と味噌汁】:5 Fate/式神の城 Fate/式神の城 第16話