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番外編 戒能良子を膝枕 良子「硬いですね」 京太郎「当たり前だろ。男の膝枕なんだから7」 良子「でも…悪くないです」ニコニコ 京太郎「急にどうしたんだ?慌てて帰ってきたと思ったら膝枕しろとか」 良子「…少しホラーな夢をみたんです」 京太郎「ホラー?」 良子「はい…京太郎が私の弟じゃなくて……」震えて 京太郎「…それは嫌な夢だな。でも俺はずっと義姉さんの弟だからな」 良子「そうですね…京太郎は私の大事な家族です」 良子「私は幸せ者です」 カン! 848 名前: ◆qV6dwdDny6[saga sage] 投稿日:2014/03/13(木) 12 02 31.47 ID e52DtbqcO [1/5] リクエスト 智葉「今日は良い手羽が手に入ったからな」鍋を見ていて ネリー「流石、さとはだよー」 明華「楽しみですね」 メガン「最後はラーメンです!」 京太郎「いやいや、おじやですよ」 メガン「…おぅ、京太郎は鬼デス」 慧宇「餃子焼けましたよ?」 スタスタ… 智葉「今更だが何故餃子だ?」 ネリー「テレビでやってたから」.ニコニコ 明華「ああ、あの刑事の」 メガン「それなら私も見まシタ、バリ5.羽5.ニンニク増しデスネ」 京太郎「なんですかそのおぞましい注文は」 メガン「たかまるらしいデスヨ」ボソ… 京太郎「俺、ちょっと餃子焼いてきます」 智葉「馬鹿者」 カン!
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ざざーん…… 京太郎「どうしてこうなった!」 はやり「あ、京太郎くん!こっちだよー!」 京太郎「なんで俺ははやりさんと一緒に海に来てるんですかねぇ!?」 はやり「えー、細かいことは気にしないでここはおねーさんに任せなさいっ☆」 京太郎「あからさまにはぐらかされた……」 はやり「せっかく海に来たんだし、ほら泳ぎに行こっ?」グイグイ 京太郎「そんな急に引っ張らないでっ……!?」 京太郎「ぬわーっ!?」ドターン はやり「きゃあっ!?」 京太郎(痛ぇーっ!) はやり「ご、ごめんね京太郎くん。はやりが引っ張っちゃったから……」 はやり「で、でもとりあえずは早く起き上がって欲しいな……」 京太郎「へっ?」ポヨン 京太郎(勢い余ってはやりさんのおもちにダイブしてしまっていたー!?) 京太郎「すみませんっ!」バッ はやり「は、はは。引っ張ったはやりも悪いから、気にしないで///」 京太郎「はい……」 ――― ―― ― バシャバシャ 京太郎「ふー、海なんて来たの久しぶりとか言うレベルじゃないな……」 はやり「その割にはゆったりと楽しんでるよね☆」 京太郎「せっかく連れてきてもらったわけですし。まぁはしゃぐような年でも無いですしね」 はやり「ふぅ~ん」 京太郎「いやいや、なんですかその反応は」 はやり「いや、特に意味は無いんだっ……!?」 京太郎「はやりさんっ?」 はやり「あ、足つっちゃったっ!お、溺れちゃう!」バシャバシャ 京太郎「捕まってください!」テノバシ はやり「っ!届かないっ!」ゴポゴポ 京太郎「くっ!届けー!」 ガシッ 京太郎「よ、よかった……」 はやり「う、うーん」グッタリ 京太郎「早く浜まで運ばないと!」スルッ 京太郎「『スルッ』?」 ビキニ「ナガサレテルデー」 京太郎「Nooooooooooooo!?」バッ はやり「きょ、京太郎くん、助けてくれたの?」タユン はやり「って、えっ」メセンシタ はやり「っ///」 京太郎「いや、これは誤解ですから!手に持ってるのは流されたのを取っただけです!」 はやり「いやあああああああああああああああっ!」 バシーン 京太郎「誤解だ……」ゴポゴポ ――― ―― ― 京太郎「ふぅ。なんだかんだで夕方か。遊び疲れた……」 京太郎「シャワー室はどこだ……?」キョロキョロ 京太郎「お、ここかな。鍵もかかってないみたいだし空いてるとはラッキー!」 ガチャ はやり「~♪」 パタン 京太郎「いやいやいやいや」 京太郎「幻覚でも見てんのか俺は」 ガチャ はやり「って京太郎くんっ!?」 京太郎「いや、違うんですこれは!」 はやり「やっぱり年頃の男の子だし……」ブツブツ 京太郎「ほんとすみません!」 はやり「い、一緒に、浴びる……?///」 京太郎「へっ?」 はやり「ほ、ほらおいでよ!」 京太郎「うわあああああああああああああああ!?」 続かない。
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バレンタインデー二週間前……龍門渕邸 一「透華ー、食事の時間だよー。もうみんな食堂に集まってるんだけどー……透華ー?」(knock…knock… 透華「むー、こんなありきたりなものではなくて、もっとこう、私が贈るに相応しい高級感溢れるチョコはありませんの……?」(ブツブツ…パラパラ… 一「透華ー、いないのー……っているじゃないか。穴が開きそうなぐらい本睨んでなにして――――って、そっか、そういえばもーすぐバレンタインデーだったよねー」(ニヤニヤ 透華「はっ、一……!?あああなたっ、いつの間に私の部屋に入ってきたのですの!?」(ババッ…! 一「えー、僕ちゃんとノックしたよ?透華が気付かなかっただけじゃないかー」(ニヤニヤ 透華「うぐ……!」 一「あーぁ、バレンタインまでまだ二週間もあるっていうのに、そんなに必死にどんなチョコ贈るかで悩んじゃって……ヤレヤレ、須賀君は幸せ者だねー」 透華「うく、うぅぅ……」 一「まあ、そーいう悩みの相談は大歓迎だからさ。三人よれば文殊の知恵とか言うじゃない?僕たちにも、須賀君がびっくりするよーなチョコを作る手伝いさせてよ」 透華「一……あなた……」 一「恩人の恋路ぐらい応援してもいいでしょ、透華お嬢様?」 透華「…………一、あなたは……いいえ、あなたたちは私の友達!友達に恩人などと呼ばれる覚えはなくってよ?」 一「そりゃどーも。さ、ご飯だよご飯。急がないと衣が拗ねちゃう!」 透華「フフ、それは大変ですわね。急ぎますわよ、ついてらっしゃい、一!」 一「いや、透華を呼びに来た側なんだけどね、僕…………ま、いいけど」 『ハートを掴め勝利の鍵は完全手作りチョコレート・知られざる執事の苦悩』 そして、龍門渕での過酷なチョコ作りの日々が始まった…… ハギヨシ「ではお嬢様、まずはチョコを湯煎にかけて――――」 透華「湯洗……お湯の中に放り込めばよろしいのかしら?」(ドポポ 衣「鍋で煮とかした方が早いぞ、トーカ!」 透華「その手もありましたわね」 ハギヨシ「」 チョコ作りを知らない少女に一から教える…… その道のりは過酷を極めた…… ハギヨシ「で、では、次は溶かしたチョコの温度を下げてテンパリングに――――」 一「アチチ、もう少しパパっと温度冷まさないとダメなのかな?」 智紀「そんなこともあろうかと、扇風機と氷を用意しておいた……」 透華「さすがですわっ、智紀!」(バッシャー ハギヨシ「」 度重なる失敗を経て…… しかし、作業は進む…… ハギヨシ「そ、それでは次に飾り付けようのクーベルチョコの作製に入ります。まず人肌まで温めたシロップと水飴を混ぜたものに、先程テンパリングしたチョコを投入して練り合わせて――――」 衣「弾けて……混ざれぇ!」(バッシャー ハギヨシ「」 倒れても倒れても、その度に製作陣は立ち上がり…… ハギヨシ「仕上げに入ります。一日冷蔵庫で寝かせておいたものを」 透華「み、見当たりませんわよ?」 ハギヨシ「え?」 純「……ワリ、そこに入れてあったチョコ、食ったら不味かった?ちょびっと摘まむつもりが、めちゃくちゃ旨くてついさー」 透華「」 ハギヨシ「……お嬢様、さ、もう一度最初から頑張りましょう」 透華「あ、ありえませんわーーーー!?」 そんなこんなでバレンタインデーは刻一刻と近付いてきていた…… バレンタイン二日前……須賀家 京太郎「はあ、人数あわせに卓に入って打つ……それってアルバイトですか?」 ヒロ『ま、そんなとこだね。原田さんのとこの連中とこっち側、四四で打つって話になったんだけど、天さんの奥さん……二人目の方だけど、その人が急に産気づいちゃったらしくて……』 京太郎「いま、すごく変なこと聞いた気がするけどスルーして話進めると、俺が天さんの穴埋めで参加すればいいんですね」 ヒロ『うん。赤木さん、僕、京太郎君、それに岸辺さんっていう人を合わせて丁度四人。どうかな?バイト代は弾むけど……』 京太郎「……そんなの参加するに決まってるじゃないですか!」 ヒロ『はは、よかった。これで断られたら、本当に人数が足りなくなるところだったんだ。でも大丈夫?明日はバレンタインデーだけど、誰かと約束してたりしない?』 京太郎(あ、そういえば明日17時に龍門渕近くの公園に来てください、って透華さんからメール来てたな……) 京太郎「えーっと、その勝負ってどのくらいの時間やるんですか?」 ヒロ『うーん、まあさすがに明後日の夜までやることはないと思うけど……』 京太郎「そうですか…………じゃあ大丈夫です!」 ヒロ『わかった、それじゃあ明日の朝、京太郎君の家に迎えにいくから』 京太郎「はい!どこまで役に立てるかわっかんねーけど、俺なりに精一杯頑張ります!」 ヒロ『フフ、僕も赤木さんもその辺の心配はしてないよ……それじゃあ、おやすみ』 京太郎「あ、ヒロさんもおやすみなさい!」 京太郎「――――さー、明日は忙しくなりそうだぜ。俺、頑張ってくるからな、カーたん!」 カーたん「ぐー……(本当に行っても大丈夫?)」 京太郎「大丈夫、大丈夫!約束の時間までには終わる、ってヒロさんも言ってたし。さー、今日はさっさと風呂に入って寝ないとなー」 カーたん「クワー(知ーらないっと)」 ――――バレンタインデー当日 公園……15時22分 透華「フ、フッフ……私としたことが、少し早く着いてしまいましたわ。ま、まあ遅刻するよりは断然マシですし?むしろこれはレディーとして当たり前の行動という奴です!」(ドヤァ 透華「………………京太郎、早く来ないかしら」(ソワソワ 15時51分……とある料亭。 梅田「……悪いなぁ、兄ちゃん。それ当たりや。ロン!裏三枚で倍満や!」 京太郎「ぐ……!?」 大正「これでお互いの勝ち数が並んだの。サドンデス突入で決着は次の半荘に持ち越しや」 岸辺「あ、あんま気に病むなよ。片側の死んだバッタ待ちを見逃すなんて考えねえんだから……」 京太郎「………いえ、これは俺の不注意です。裏ドラを乗せる……そんな当たり前のことを失念していたから……」 岸辺「裏ドラを乗せる…………あぁっ!?ってことは、奴ら……!」(ざわ… 大正「……フフ、さてなんのことやら」 梅田「たまたまや、たまたま」 赤木「……ククッ、ケチな真似しやがる」 ヒロ「状況的に考えられたことですが……これは、痛い」 原田「……チッ、アホどもが」 赤木「どうした原田よ……これでお前の側にも勝ちの目が見えたんだぜ?」 原田「アホか。上客を楽しませるために中継しとる対局でサマなんぞやられて喜べるかっ」 ヒロ「学生だと侮った京太郎君に勝たれたら、あの人たちも今後、しのぎがやりにくくなる……だから」 赤木「――――ま、心配あんめえ。奴らだって次の半荘でサマを続けたらどうなるかぐれえ理解してるだろうし」 ヒロ「……次の半荘が正念場ですね」 原田「少し待ってろ……さっきの和了を不満に思ってる客たちを落ち着かせてくる。再開は十分後や」 京太郎(十分したら再開か。いま何時…………ヤベ、約束の時間まであと二時間ねえぞ) 京太郎「…………クソッ」(ギリッ… 大正「悪く思うなよ……こっちにも面子っちゅうもんがあるんや」 岸辺「ヘッ、学生相手にサマ使ったとこで丸潰れになってるよ」 梅田「安心せえ……次は最初から本気や。サマなんぞ使わずに、お前らまとめて叩き潰したる」 岸辺「んだと、てめえら虫のいいことばっか言いやがって……!」 京太郎(あまり時間をかけるわけにはいかないし……。ここは……あんまりやりたくないけど……) 京太郎「――――岸辺さん、言わせたいことを言わせておいてあげましょうよ。どうせ……次の半荘、勝つのは俺たちなんだから」(ニヤリ… 岸辺「お、おう……」 梅田「…………このガキ」 大正「あんまり調子に乗ってんなよ……」 京太郎「フフッ……どうしたんですか、切羽詰まった顔してますよ?」 京太郎(絶対に間に合わせてやる……!) ……公園 透華「遅いですわ……私との待ち合わせなのだから、一時間早く来るぐらいの甲斐性は見せて欲しいところですわね!」(プンスカ 透華「チョコは……うん、この気温なら溶ける心配なしですわね。――――クシュン!……フ、フフフ、京太郎の驚く顔が目に浮かびますわ!」(ニコニコ 現在の時刻……16時15分。 約束の時間まで…………あと四十五分。 京太郎「…………リーチ!」 梅田「リー棒は出さんでええぞ……その牌、ロンや!12000!!」 京太郎「ぐ、し、しまった……!」 南4局…… 親:梅田 ドラ:中 岸辺(なんでか知らねえけど、かなり焦ってんな。このままだと負ける可能性が高ぇ……。坊主の手は筒子の混一……待ちはたぶん1―4―7!勝負の内容はペアの収支……差し込みで一旦点数を平らにしてオーラスに賭ける――――!) 打:1筒 京太郎「…………!」 京太郎手牌:111234(5)6789p中中 大正「おどれ……!?」 岸辺(どうした、和了んねえのか坊主!) 京太郎「っ――――リーチ!!」 岸辺(なっ……バカヤローッ、意地張ってる場合か……!) 京太郎「確かに……もう時間も点棒の余裕もなくて、一秒でも早く、この対局を終わらせたいですけど……!」 京太郎「誰かに恵んでもらうような和了…………俺は、いらない!」 岸辺「……!」 赤木「ククッ……バカだな、京ちゃんは」 ヒロ「いやいや……」 原田「手本が悪すぎたからやろーが……」 京太郎「熱くっ、どこまでも真っ直ぐ……!それが、俺の……麻雀だっ――――!!」 梅田「……!?」 京太郎「……ツモ!!」 大正「こ、これって……」 111234(5)6789p中中中 京太郎「――――リーチ一発ツモ・中・混一・一通・ドラ3赤1……8000・16000」(ボッ…! 梅田「お、親っ被り……」 大正「ま……捲られた……」 京太郎「さあ……オーラスだ!」 ……そしてオーラス。 岸辺「ツモ……400・700。終わりだな」(ドヤァ 梅田「ぐおっ……ぐおっ……ぐお……!」 大正「じょうじじょじょじょーじじょぎぎぎぎ……!!」 京太郎「お、終わった……。そそそれじゃ俺、大事な用があるからもう行きますねっ……!?」 岸辺「あ、ああ、お疲れ……」 京太郎「岸辺さんも!赤木さん、ヒロさん、原田さん、さよなら!また今度!」 原田「あ、おい、急いでるならうちの者に送らせ……行っちまった」 ヒロ「約束の時間、聞いておいてあげればよかったですね……」 赤木「ククッ、まったくしょうがねえな……」 ヒロ「バイト代、今度持っていってあげないとなー」 ――16時55分 透華「まったく、京太郎ときたら。約束の時間の三十分前には到着するのが社会の常識という奴ですわよ!」 透華「ま、まあ、私、鬼ではありませんので時間ギリギリになっても怒るようなことはいたしませんが……。そ、それにしても遅いですわね……」 ―――17時07分 透華「私を待たせるなんて京太郎のくせに生意気ですわ!携帯にかけても留守番サービスにしか繋がりませんし……まったくもってあり得ませんわ!」 透華「うー……さ、さすがに少し寒くなってきましたわ。で、でも、まあ?もう十分ぐらいでしたら待ってあげないこともないですし、早く来いですわ京太郎!」 ――――17時39分 透華「………………まったく、遅すぎですわ。も、もしかして、事故かなにかに巻き込まれたのでは……ま、まあ、そんなはずないですわよね。もしそうだとすれば、今頃ハギヨシか一辺りが教えにきてくれてるでしょうし……。フ、フン、変な心配させるなんて許せませんわ!到着したら心の底からの謝罪を要求してあげます……!」 透華「本当に……どうして来てくださらないのですか、京太郎……。せっかく今日の日のために頑張ってチョコ、用意したのに……」 一「ねえ、ハギヨシさん、もうさ……」 ハギヨシ「帰宅を促したところで、お嬢様は聞き届けてくれないでしょう」 一「そりゃ、透華の頑固さはよく知ってるさ。でも、だからってさ……」 ハギヨシ「お嬢様が待つと決めてあそこにいる以上、私にできるのは、お嬢様と同じように必ず須賀さんは来ると信じることだけです……」 一「…………意外と融通が利かないなぁ、執事も」 ハギヨシ「はい。私、あくまで執事ですので」 一「あーもうっ、どこほっつき歩いてるのさ、須賀君は!」 ―――――17時52分 透華「きょ、今日はきっと都合が悪……かったのです、わ……。そ、そう、きっと外せない急用ができて……」(ジワ… 透華「わ、私ったら、すっかり舞い上がってて、そ……の、可能……性をまったく考えてなくて――――」(グシグシ 透華「――――――――ぅ……ふ、グス……」(ポロポロ 京太郎「い…………いた……っ、と、透華さ……ん!」 透華「――――京太郎……?」(グスン 京太郎「ゼヒッ……ゼヒッ……!ず……ず日ませんっ、こんなに遅く……なるとか――――ゼヒッ、げへっ、ガホッ……ォ、オエ……」(ドシャリ 透華「きょ、京太郎、大丈夫ですの?し、しっかりしてくださいまし……!」(オロサスオロサス 京太郎「エッホ……ウプ……と、透華さんの方こそ……ハァー……ハーッ……だ、ぃじょぶなんですか……?手……こんなに、冷たくなって……」(ギュ 透華「っ……だ……誰のせいだと思ってますの……?」 京太郎「一から……百まで、俺、のせいです……ゼー……ゼヒーッ」(ギュー 透華「そ、その通りですわっ……。あ、あんまりにも……遅い、から……私……私、もうここには来てくださらないかと―――」(ポロポロ 京太郎「わ、わっ、な、泣かないで、泣かないでください……」(オロオロ 透華「せっかくチョコを用意して待ってたのに、いつまで経っても京太郎は来ないし、だんだん寒くなってくるし、辺りも真っ暗で……気味悪かった……ですし……!」 京太郎「すみません……本当に……すみませんでした」(ダキッ 透華「ぅぅ……どうせどこかで麻雀でもしてたんでしょう……。そんなんじゃ、全然……グス……足りませんわ」(ギュー 京太郎「は、はい……」(ギューー 透華「……まだ、不十分です」(ギュギューー 京太郎「……はい」(ギュギュギュー 透華「京太郎……」(ジッ… 京太郎「ぅ…………ハ、ハイ――――」 一「んー……い、いちおー丸く収まった、のかな?」(テレ… ハギヨシ「お嬢様としてはそうなるかと」 一「でも、さすがに今回の須賀君のポカは看過できないものがあるよねー」 ハギヨシ「それについては、私も同意せざるを得ませんね」 一「あれ、ハギヨシさんにしては珍しく本音の窺える意見――――」 ハギヨシ「……ので、透華お嬢様が今度出席される立食パーティーに、須賀さんもエスコート役として参加していただくべきだと、大旦那様に具申してみようかと」 一「」 一(須賀君……君、どうやら一番本気にさせちゃいけない人を本気にさせちゃったみたいだよ……) 透華「…………京太郎」 京太郎「な……なんですか透華さん」 透華「――――私を泣かせた責任……ちゃんと取ってもらいますから。その……覚悟しておいてくださいまし!」 京太郎「ハ、ハハ……肝に命じておきます」 透華「………………そ、それはそれとしてきょ、京太郎、さ、さっきのをも、もう一度……ダ、ダメですか?」(テレテレ 京太郎「――――――――」 透華「そ、その、あ、味気なかったのでしたら、こ、ここにチョコもありますわよ……!?」 京太郎「お、落ち着いてください、なんか凄いこと口走ってますよ!?」 バレンタイン小ネタfinal 龍門渕透華編……カン!
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恒子「今日も来ました!ふくよかすこやかインハイレディオの時間です!」 恒子「司会は私!ふくよかじゃないスーパーアナウンサーこと福与恒子と!」 健夜「すこやかじゃない小鍛治健夜でお送りします。でも私健康なんだけど……」 恒子「細かいことは気にしなくてもいいんだよ!それより今日はアシスタントを呼んでるのでご紹介!」 健夜「ええと、戒能良子ちゃんの付き人をやってる須賀京太郎くんです。今日は急遽来てもらいました」 京太郎「今日はよろしくお願いします」 恒子「ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞者をちゃん付けで呼ぶとは、流石プロ歴20年なだけあるね」 健夜「10年だよ!」 恒子「恒例のをやったところでお便りのコーナー!」 京太郎「本当に恒例だったんだこれ……」 京太郎「お便り読みますねー。RN嶺上界砲さんからですね」 『最近、幼馴染と疎遠です。 以前は別の方からもらったアドバイスでなんとかお話していい感じになれたのですが 最近、なんだか様子が変で・・・ もう先を越されちゃってたらと思うと悲しくて辛くて涙が出そうです。 どうすればいいんでしょうか?』 京太郎「だそうです。この人、この間は良子さんの番組で質問に答えてもらってましたね。お便りを呼んだ記憶があります」 恒子「つまり年齢的にも経験豊富そうなすこやんにより具体的なアドバイスを求めてるんだね!さぁすこやん!迷える若者に道を示さないと!」 健夜「えぇ!?」 健夜(どうしよう!?中学からずっと麻雀ばっかりやってて何もわからない!?)ワタワタ 健夜「えーとですね、あのー……」ダラダラ 恒子「あー、すこやん青春は麻雀に捧げちゃったんだもんね。そうすると具体的なアドバイスは無理か……」 健夜「ううう……」 京太郎「どうするんすかこれ……」 恒子「ここはスーパーアナウンサー福与恒子に任せなさい!」 恒子「と言っても私からは一言だけ、『好きにすればいい!!』」ドヤァ 恒子「どうしてもそれは君の勝手だ!」 健夜「そ、それはあんまりにも適当なんじゃ……」 恒子「シャラップ!」 健夜「うう……、京太郎くん、次行っちゃって……」 京太郎「あ、はい。次のお便りはRNメッシュはおかしくないさんからの――」 ――― ―― ― 恒子「おっつかれー!」 健夜「うん、お疲れ」 京太郎「お疲れ様です。俺、変なところとか無かったですか?」 健夜「全然大丈夫だったよ。本当に慣れてる感じだね」 恒子「ねー、いつもより進めやすかったよ」 京太郎「はは、ありがとうございます」 健夜「良子ちゃんはどんなかんじ?」 京太郎「どうって、いつも通りというか……」 健夜「それじゃあ伝言お願いしてもいい?」 京太郎「はぁ」 健夜「次の対局も楽しみにしてる、って伝えておいて」 京太郎「了解です」
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カチッ 京太郎「ここはこっちかな」 和「うん……牌効率がしっかりしてますね。 ちゃんと裏ドラも見てますし」 京太郎「あれ以来裏ドラが何か当てるのが楽しくなっちゃってさ。 ……っと」 リーチッ 京太郎「うげっ……安牌無い……」 和「捨て牌見るにそこまで心配するほどじゃないと思いますけど……」 京太郎「そ、そうなの?」 和「ええ。 多分……123か234での三色。 待ちは1-4mか2-5じゃないかと」 京太郎「ぜ……全然わかんねぇ……。 ……あっ」 ツモッ. サンショクドージュンッ 京太郎「ほ、ホントに下の三色だ……!」 和「えっへん」 京太郎「やっぱ和はすごいなぁ……」 和「ふふっ。 それほどでもっ♪」 京太郎「今日もありがとう、和」 和「どういたしまして。 お疲れ様です」 京太郎「後半、和に頼りっぱなしだった気がする……」 和「須賀くんは基礎と牌効率はわかってきても、捨て牌読みはまだまだなんですね」 京太郎「うぐっ……。 で、でも嶺上開花を4回も決めたぜ!」 和「そ、それはたまたまです! 今日はたまたま運が良かっただけです!」 京太郎「そうなのかなぁ……。 咲の打ち方を真似してだけなのに……」 和「そんなオカルト……ありえませんよ……」 京太郎「じゃあ、俺こっちだから」 和「はい。 気をつけて帰ってくださいねっ」 京太郎「そりゃこっちのセリフだよ」 京太郎「おやすみ、和」 和「ええ。 おやすみなさい、須賀くん」 咲「……これは?」 京太郎「うーん………。 ま、マンズの3-6?」 咲「ぶー。 正解はソウズの1-4でしたー」 京太郎「ま、まるで違う……。 ……次」 咲「……これは?」 京太郎「何だこの捨牌……。 ……ヤオチュウ牌……だと思うけど……」 咲「よく見てよ京ちゃん……ピンズが1つもないんだよ?」 京太郎「あっ……」 咲「ダメダメだね!」 京太郎「ぐぬぬ……」 咲「ふふ……」 咲(悔しがってる京ちゃん……可愛いなぁ……) 咲「つ、次行こ! 次!」ハァハァ 京太郎「息荒いなお前」 京太郎「あー………」 咲「結局一回も当たらなかったね。京ちゃん」 京太郎「んなこと言ったって……捨て牌だけで待ちを正確に当てることなんて出来るわけねえよ……」 咲「京ちゃんの場合、おおよそすら当たらないじゃん?」 京太郎「……うっせ」 咲「えへへっ」 咲「さーて罰ゲーム、罰ゲーム」スッ 京太郎「あれ……。 箱おっきくなってねえか?」 咲「え? そ、そうかな~?」 京太郎「前の箱……それの半分位だった気がするんだけど……」 咲「き、気のせいだよ。 うん、気のせい気のせい!」 京太郎「そうだったっけ……」 咲「ぶ、ぶつくさ言わずにさっさと引く!」グッ 京太郎「痛い痛い! わ、わかったから押し付けんなって!」 咲「ううー!」 京太郎「……実際どうすりゃいいかねぇ……」 咲「んー? 待ち牌読みのことー?」ゴロゴロ 京太郎「ああ……。 数こなすのが一番ってのはわかるんだけどさ……」 咲「今日だって和ちゃんと一緒にお勉強したんでしょ?」 京太郎「和には牌効率について重点的に教わってるからな。 捨て牌読みはそんなに……」 咲「んー……。 じゃあさ、牌譜読んでみればいいんじゃない?」ゴロゴロ 京太郎「牌譜? 牌譜か……。……でもウチにそんなのねえし……」 咲「そこの本棚にいくつかあるよ。 好きにとってっていいよ~」ゴロゴロ 京太郎「おお、助かる」 咲「それじゃ、牌譜貸す代わりに後10分追加ね~」ゴロン 京太郎「えぇ……。 いい加減膝疲れてきたんだけど……」 咲「~♪」ゴロゴロ 京太郎「聞いちゃいねえわ」 ――罰ゲーム:幼馴染に膝枕 京太郎「ここでリーチ入って……」ペラッ 京太郎「……? 何でここで5s打つんだ……?」ペラッ 京太郎「あ、通るのか……。 うーん……」ペラッ 京太郎「あー………」ゴロン 京太郎「……駄目だ……さっぱりわかんねぇ……」 「なんじゃ京太郎。ダレとるのぅ?」 京太郎「あっ」 京太郎「まこ先輩」 まこ「ようっ」 まこ「牌譜読んで勉強か? 感心感心」ナデナデ 京太郎「んっ……。 そうなんすけど……」 まこ「ん?」 まこ「ふむ……なるほど」 まこ「待ち牌読みの為に牌譜を読み始めたはいいもののさっぱり身につかない、と」 京太郎「はい……」 まこ「この牌譜……プロの牌譜じゃな。 京太郎にはまだ難しいじゃろうに」 京太郎「全ッ然考えがわかりません……。プロは何見て打ってるんんだ……」 まこ「あー……」 まこ「京太郎。 ちょっくら待っとれ」 京太郎「?」 まこ「いらっしゃーせー!」 京太郎「……」 まこ「とは言っても今日は客じゃがのうっ」 京太郎「あの……確かにリアルの方が良いとはいいましたけど……」 京太郎「なんでまたメイド雀荘なんすか」 ――― ―― ― まこ『多分お前は文字面で見たところでイメージが湧かんじゃろ』 京太郎『んまぁ……できればリアルの牌のほうがわかりやすいっすね』 まこ『じゃろ? んなら話は早い。 行くぞ京太郎』 京太郎『へ? 行くって……どこへ?』 まこ『決まっちょろう?』 まこ『リアルで打てる所じゃ』 ―雀荘:roof-top 咲「お、おかえりなさいませ……」 和「おかえりなさいませっ、須賀くん」 京太郎「さ、咲に和! どうしてここに……」 まこ「わしが呼んだ。 ……つーか呼ぼうとしたらあっちから来たんじゃ」 京太郎「へぇぇ……。 流石、和。 メイド服もよく似合う」 和「そ、そうですか? ふふっ、ありがとうございますっ」 咲「……。 ……きょ、京ちゃん!」 京太郎「おう?」 咲「お、おかえりなさいませ……ご、ご主人様っ」 京太郎「……」 咲「……」 京太郎「……」 ナデナデ 咲「! ……えへ、えへへ……」 まこ「ほらほら、イチャイチャすんのは後にせいっ。 バイトじゃバイトっ」 和「はい。 じゃあ私はあそこの雀にでも……」 咲「い、イチャイチャなんて……してないもん……」 スタスタ... 京太郎「……それで? 俺も一緒に打ってこいって事すか?」 まこ「んーにゃっ、ちと待っとれ。 あと一人、待ち人がおる」 京太郎「……?」 まこ「この雀荘はノーレートなんじゃがな。 それでも好んでここに来るプロ雀士がおる」 京太郎「……そ、それって」 まこ「そう。 ……人は彼女を」 まこ「『まくりの女王』と呼ぶ」 ガチャッ 藤田「ふいー。 まこー、カツ丼おねがいねー」 まこ「藤田さん、いらっしゃい。 今日はよろしくおねがいしますわ」 藤田「ん……。 例の子がその子?」 まこ「そうです。 一年の須賀京太郎です」 京太郎「あ、どうもっ」 藤田「ふぅん……。 走りだしの新米って感じね……」 京太郎「むっ……」 まこ「京太郎。 今日はお前、打たなくていい」 京太郎「えっ?」 まこ「藤田さんの打ち筋を見せてもらえ。 そんで考えろ」 京太郎「は、はぁ……」 まこ「……いいか? 京太郎。 これはちゃんと覚えとけ」 まこ「藤田さんは、プロじゃ」 京太郎「………」 藤田「ふむん……」チャッ 京太郎「おっ……」 京太郎(東一局、6巡目でチートイ一向聴……) 京太郎(このままリーチ……か?) 藤田「……」 藤田「気に入らないわねっ」チャッ 京太郎「えっ!」 京太郎(りゃ、二向聴に戻すか? 6巡目だからって余裕持ってんのか……?) 藤田「……」チラッ 京太郎「……?」 藤田「……ふふっ」 藤田(わっかんないだろうねぇ……。 トーシロちゃんにはっ……) 藤田「ごめんなさいね。 それ、ロンよ」 京太郎「……な、なんだと……」 京太郎(結局6巡目チートイから……わずか4巡でメンタンピンイーペーコードラドラの跳満手……) 京太郎(あのままチートイで引っ張ってったら……テンパイが出来なかった……) 京太郎(それどころか……!)チラッ モブ「あっちゃぁ……。 和了りは純カラだったかぁ……」 京太郎(当たり牌を阻止しての和了り……!) 京太郎(チートイだったら振ってたかもしれない……) 藤田「ふふっ……」ニヤニヤ 藤田「どうよ? 少しは勉強になりそうかね?」クルッ 京太郎「……っ、」 京太郎(場の流れを読む力と相手の当たり牌を事前に読む能力……) 京太郎「これが……プロかっ……!」 藤田「またねー」 まこ「ありやとーしたー」 バタンッ まこ「……どうじゃった? 少しは勉強になれそうじゃったか?」 京太郎「……」ブツブツ まこ「……ん?」 京太郎「降りる様に攻め、攻めるように降りる。 テンパイ気配は悟られないようにする。 流れは掴んだら離さない……」ブツブツ まこ「……お、おう……」 京太郎「んっ……、ああ、まこ先輩」 まこ「わりゃぁ大丈夫か? 顔が赤うなっとるが……」 京太郎「ああ……。 ちょっと興奮気味でして…・…。 やっぱプロはすごいっすね……」 まこ「……得たものは合ったか?」 京太郎「はい! 間違いなく!」 まこ「……ふっ。 そうかそうか」 ナデナデ まこ「いいか、京太郎。 お前は確かに素人じゃ」 京太郎「……うっ」 まこ「じゃが、素人らしい吸収力がある。 お前の持ち味はそこじゃ」 京太郎「……」 まこ「見たモノをしっかりと刻み、そして活かす力が……お前にはある」 京太郎「……」 まこ「焦るな京太郎。 大丈夫、お前は日々強くなっとる」ナデナデ 京太郎「……」 京太郎「……どうも」 まこ「ふふっ」 まこ「……若さにまかせて突っ走るのもええじゃろが、無茶だけはするなよ?」 まこ「お前を待っとる子がおるんじゃから」スッ 京太郎「?」 咲「京ちゃーん!!」 京太郎「あっ……」 まこ「ふふっ……咲に心配かけたらゲンコツ食らわしたるわ!」 京太郎「そ、それは嫌ですね……ハハッ」 まこ「……そら、行ってこい」 京太郎「……はいっ!」 京太郎「ありがとうございましたっ!!」 ダッ... まこ「ふぅ……」 まこ「………わしにも子供ができたらあんな感じなのかねぇ……」 まこ「………」 まこ「……京太郎が子供……か」 まこ「ふむ……」 まこ「悪くないな」ニヤリ 咲「こ、これはっ?」 京太郎「……1-4-7s。 役は多分……一気通貫……かな?」 咲「す、スゴイスゴイ! 大正解だよ京ちゃん!」 京太郎「おー当たったか」 咲「一日でこんなになるなんて……。 ……雀荘行った甲斐があったね!京ちゃん!」 京太郎「おうっ」 京太郎「つーわけで今日は罰ゲームしなくていいよな?」 咲「えっ……」 京太郎「そ、そんな泣きそうな顔しなくても……」 咲「そ、そうだよね……京ちゃんは上手くなったんだし……」 京太郎(めっちゃ涙ぐんでる!!!) 咲「……罰ゲームの必要は……もう……」 京太郎「……・あー」 京太郎「や、やっぱ罰ゲームが無いとやる気でねえなー」 咲「っ、」ピクッ 京太郎「今日はどんな罰ゲームやる予定だったのかなー。 気になるなー」 咲「き、気になる!!?」 京太郎「うおっ」 咲「そ、そんなに興味があるならやってあげようかなー」 京太郎「お、おうおう! 興味津津!」 咲「えへへ……しょ、しょうがないなぁ~京ちゃんはぁ……。そんなに言うんだもん、仕方がないなぁ~……」ゴソゴソ 京太郎「ははは……う、嬉しいなぁ~……」 京太郎(傍から見たら俺、ドMみたいだ) ナ,ナンデ メイドフク モッテキテンダヨッ !! ニアウカラッ! ゼッタイニアウカラッ!! イ,イヤダ-!! ソレダケハイヤダー!!! 優希「うが~流局かぁ……。 アタシの6-9pどこに居るんだじぇ?」 和「私は持ってないですよ」 咲「あ、9pなら一枚……」 京太郎「ああ、やっぱ6-9pだったか」 優希「じぇ?」 京太郎「ホラよ」パタッ 優希「じぇじぇー!? 6pカンツ持ちに9p頭ー!?」 京太郎「あと多分……槓ドラ裏ドラに9p一枚……かな」 和「お見事っ。 次の槓ドラが9pですね」 咲「京ちゃんすごーい……」 優希「ぐぬぬ……。た、たまたまだじぇ! 偶然だじょ!」 京太郎「ハハハッ。 はいはい、偶然偶然」 優希「その余裕腹立つじぇー!!」 久「……ふぅん?」 久「須賀くん、最近調子いいわねー」 まこ「朝は優希と。 放課後は和。 帰ったら咲とお勉強じゃからのぅ。 そりゃ強うなるわ」 久「ず、随分タイトなスケジュールね……。……なんでアンタ知ってんの」 まこ「京太郎から聞いた」 久「あ、そう……」 咲「カンッ! ……っと、ツモッ! ツモ嶺上開花トイトイ……かなっ?」 京太郎「それ四暗刻じゃねえか! トばされたー!!」 優希「お、親っかぶり……」 和「さ、咲さんも絶好調ですね……」 咲「そ、そうかな? ……えへへ」 久「……咲も順調ね」 まこ「ああ……前より強うなっとる気がするわ」 久「……」 久(須賀くんのおかげ……かしら……) 優希「次だじぇ次! 今度は負けん!」 和「私も、負けてられませんね……!」 咲「負けないよぉ……!」 京太郎「おお……めっちゃやる気だ……」 久「ほぉ……」 久(みんなのモチベーションが上がってる……須賀くんを中心に……) 久(須賀くんが上手くなるほど……部のまとまりがより強くなる……) 久「……ふむっ」 久「咲。 交代してくれない?」 咲「部長」 京太郎「あ、なら俺が代わりますよ」 久「いや、須賀くん。 あなたはかわらなくていいわ」 京太郎「そっすか?」 久「ええ……」ニヤ 咲(……? な、なんか……怖い……) 久「リーチよ」チャッ 京太郎「おっと……」 京太郎(今出したのは3s。その直前に8s切りだから……) 京太郎(典型的間四軒……。 4-7s待ちで2sは通るな……) 京太郎「俺もリーチです」チャッ 久「あら、強気ね。 ……でも忘れてない? 須賀くん」 京太郎「?」 久「私の打ち方がどんなものか……ってこと……!」 京太郎「……あっ!」 久「ふふっ。 ロン、よ」パタッ 和「三枚切れの2s待ち!? こっちを切るほうが待ちは多いのに……」 久「裏が2つのってリーチ一発ドラ4。 12000よ、須賀くん」 京太郎「ぐっ……」 久「さぁ……」 久「次、行きましょ?」 京太郎「と、トビ……」 久「ま、こんなもんね」 和「三連続ハコテンとは……」 優希「アハハハ!! ざまあないじぇー!」 京太郎「うるせえこのやろ!」グリグリ 優希「ギャー!!」 久「さってと。それじゃ、生徒会の仕事残しちゃってたから行ってくるわ」 まこ「おーう」 久「咲、咲」 咲「あ、はい」 久「須賀くん、基礎はもう大丈夫だけど応用が全く出来てないわ」 咲「あー……。 やっぱり……」 久「そろそろステップアップしてもいい頃だと思うわ」 咲「……うーん……」 咲「だってさー」 京太郎「んー……。 応用なぁ……よくわかんねえなぁ」 京太郎「牌効率がわかって、相手の待ちが読める様になって、流れがつかめればいいんじゃねえのか?」 咲「確かに基礎がしっかりできるのは良いことだよ」 咲「でも逆に、基礎しか出来てないんじゃそこを狙い撃ちされちゃう」 京太郎「今日の部長みたいに、かぁ……」 咲「京ちゃんはどんな打ち方がしてみたい?」 京太郎「んー……あんま考えたことないな……」 咲「じゃあ個人のフォームを持ってみる、とかどう?」 京太郎「?……どういうことだ?」 咲「例えば私は嶺上開花の流れを読んでそれを応用にしてる。 和ちゃんは基礎を超えたデジタル麻雀だし、優希ちゃんは速攻の達人」 咲「自分にしか無いフォームを作るのっ」 京太郎「はぁ……なるほど……」 京太郎「とは言われてもなぁ……」チャッ 咲「あ、それだよ京ちゃん。 ロン」 京太郎「げっ」 咲「ちょっと考えがブレちゃったかな。ごめんね、京ちゃん」 京太郎「いや、別にいいよ。 確かに俺なりのフォームってのが欲しいと思ってた頃だし」 咲「いい心がけだねっ。 ……あ、ドラが6つ乗った」 京太郎「……はっ?」 咲「面前混一色三槓子ドラ6赤2……。 役満だねっ」 京太郎「……これで今日5回目のトビ……」 咲「えへへ……ごめんねっ。 はいっ、罰ゲームっ!」スッ 京太郎「……またメイドフクを着る……とか無いよな……?」 咲「な、無いよナイナイ! 大丈夫だから、安心して罰を受けてねっ!」 京太郎「変な日本語だ……」ゴソゴソ 咲「トんだから三枚引くんだよー」 京太郎「わかってらい」ゴソゴソ 京太郎「無難なのがいいけど……」スッ 咲「一枚目ー」 『幼馴染についてどう思うか』 京太郎「……なんだこれ」 咲「どう思います?」 京太郎「いや、そんな他人事の様に聞かれても……十中八九お前のことだろ」 京太郎「言うの?」 咲「言うの!」 京太郎「あー……なんていうかそのー……」 咲「うんうんっ」ドキドキ 京太郎「恥ずかしいけれど……」 京太郎「無くちゃならない存在、かな」 咲「 」 咲「うぇえええ!?」 京太郎「麻雀がこんなに楽しいなんて知らなかったし……」 京太郎「言っていいのかわかんねえけど、まぁ……強くなってきてるみたいだし?」 京太郎「元をたどれば全部お前のおかげなんだよなっ」 咲「あ……あう……////」 京太郎「毎日俺の面倒見てくれて、ありがたいったらない」 京太郎「それに、お前と一緒だと麻雀がすごく楽しいんだ」 咲「そ、そんな……////」 京太郎「俺の人生……もう半分はお前のもんだよ……」 咲「京ちゃん……」 京太郎「咲……」 ――― ―― ― 咲「なんてことになったりして! キャー!」 京太郎「な、なにトリップおこしてんだ……?」 咲「むー……」 京太郎「いや……幼馴染は幼馴染だろ」 咲「そーいうのじゃなくてぇ……もっとこう……」 京太郎「なんだよ? 超えるべきライバル、とでも言えばよかったのか?」 咲「な、なんか嫌だ……」 京太郎「だろ?」 咲「うー……」 京太郎「………」 京太郎「咲」 咲「?」 京太郎「確かにお前は俺の幼馴染でそれ以下でも以上でもない。 ……だけどな?」 咲「う、うん」 京太郎「少なくとも、今の俺があるのはお前のおかげだよ」 咲「ふぁ」 咲「……////」 京太郎「これは答えにならないか?」 咲「そ、そんなこと無いよ……」 咲「……すごく嬉しい……」 京太郎「それじゃ、また明日な」 咲「う、うん……またね……」 咲「きょ、今日やったことを明日にも活かせるようにするんだよ?」 京太郎「おーう。 じゃーなー」 咲「……」 咲「今の京ちゃんは私のおかげ……」 咲「……えへへっ……」 咲「……あっ!!」 咲「あと二枚! 引いて無いよ京ちゃん!」 京太郎「っ、」ギクッ 京太郎「じゃ、じゃあな~!!」ダッ 咲「こ、こら~!!」 優希「フォーム? そんなの気にしたことないじぇ」 京太郎「そりゃそうか。優希だもんな」 優希「……今の馬鹿にされた?」 京太郎「いや、褒めたつもり」 優希「そうかそうか!」 優希「アタシはただ流れに乗せて打ってるだけだじぇ」 優希「東発でとにかく決める!速攻ってかっこええべ?」 京太郎「南場は逃げるってかっこ悪いな」 優希「うるじぇー! 南場は流れが来ないだけだじょ……」 京太郎「ふむ……。 でもなんだかんだで優希の打ち方はわかりやすいよな」 優希「だろ? ほら、アタシ凄い!」 京太郎「ああ、ホント単純だよなお前は」 優希「……今の馬鹿にされた?」 京太郎「いや、褒めたつもり」 優希「そうかそうか!!」 和「フォーム……ですか? あまり考えたことはありませんね……」 京太郎「和もか……」カチッ 和「打ち方なんてものは自然と出来てるものだと思います。 私の場合はデジタル麻雀だったんですよ」 京太郎「やっぱそんなもんなのかなぁ……」カチッ 和「……あ、そこは」 京太郎「こっちだろ? 牌効率考えたらこっちのほうが良いよな」カチッ 和「あ……はい……」 京太郎「フォームなぁ……。 んっ」 リーチッ 和(さ、三巡目リーチ……) 京太郎「わっかんねぇなぁ……・。っと」 カンッ 和(ど、ドラ4……) 京太郎「どうすりゃいいんだろ……。 あ、ツモった」 和(SOA……) 和「す、須賀くん……。 今のは狙って?」 京太郎「ん? いや、ツイてたよ」 和「で、ですよねぇ……」 京太郎「ただ、なんとなく……」 京太郎「咲と和と優希のマネして打ってみようと思っただけだよ」 和「………」 和(もしかして……須賀くんのフォームって……) 京太郎「部長ー」 久「あら、須賀くん。 今、生徒会の仕事中だから……」 京太郎「あの、部活ん時俺とまた打ってくれませんか?」 久「? 構わないわよ?」 京太郎「よっしゃ! 楽しみだ!」 久「……」 久(昨日あれだけやったのに、随分と元気ね……) ―部活 久「それじゃあ、始めましょ」 京太郎「よろしくお願いします」 優希「まーす」 まこ「よろしゅう」 久「さて……と……」 久(また沈んてもらいましょうか……!) 久「リーチよっ」チャッ 京太郎「むっ」 和(部長の先制リーチ! ……須賀くんは?) 京太郎「………」 京太郎(最初の赤5p打。 その後も中張牌をまんべんなく切ってる……) 京太郎(普通ならチャンタ型の端っこ待ち……。 ……だけど) 久「ふふっ……」クスッ 京太郎(部長……だもんなっ!) 京太郎(これは……通すだろ……!)チャッ 打1m 久「あら」 京太郎「……通し、ですか?」 久「ええ……通しよ」 優希「危なっかしいとこ切るじぇ……。 ベタオリベタオリっと……」打4p 久「ごめんなさい、それよ。 ロン」 優希「じぇー!? 第一打赤5pなのに間4p待ちー!?」 京太郎(……よっし。 やっぱり最初の一打はフェイク) 京太郎(『部長なら』……きっとそう打つはず……!) 久(これぐらいの待ちは読めてるってことかしら……) 久(ふふっ……面白い子……) ―東3局 親:京太郎 京太郎「んっ……!」チャッ 京太郎(いきますよ……部長!) 京太郎「ダブルリーチ!」ダッ 久「!」 京太郎「きましたっ、ツモッ! 4000オール!」 まこ「は、はえぇ……」 優希「そ、そういうのウチのお株なんですけど!」 京太郎「おう。 だからマネしてみたぜっ」 優希「んだとー!?」 久(本当に……優希のような打ち筋……) 久(……まさか……!) 京太郎「んっ……ツモりましたっ。 2000、4000!」 久「むむっ……」 和(凄い! ムダヅモ無しの満貫和了り……! 卒のない打ち方……!) 咲(まるで……和ちゃんのような……) まこ「い、勢い付いてきおったな……」 久「リーチッ!」チャッ 打:4p 久(1p7pのバッタち……これなら?) 和(上手い! ピンズの処理を早めにしてからの4pで引っ掛け……!) 和(いくら須賀くんでもこれは……) 京太郎「………」 京太郎(……咲なら……どう打つ?)チラッ 咲「あっ……」 咲「……」グッ 京太郎「………」グッ 京太郎(そりゃ……そうだよな……!) 京太郎(咲だったら……!) 京太郎「その4pカンッ!」 久「なっ!」 京太郎「まだいきますよ!」 京太郎「んもいっこカンッ!」 5pカン 優希「おおおっ!?」 京太郎「まだまだっ!」 京太郎「さらに、カンッ!」 6pカン まこ「なんじゃと!?」 和(こ、これで……) 和(これで……部長と同じ待ち……!) 和(1pと7pのシャボ待ち!!) 京太郎(和了れはしないけど振込もしない……) 京太郎「これで……どうです……!」 まこ「の、ノーテンじゃ」 優希「ノーテンだじぇ……」 京太郎「……部長……あなたの待ち、当ててみますよ」 久「、っ……」 京太郎「1pと7pのバッタ待ち……。 そうでしょう?」 京太郎「俺もそうですから」パタッ 久「……」 まこ「え、えーっと……親は優希のオーラス。 京太郎と部長に1500ずつだから……」 和「ど、同点……! 須賀くんと部長が、同点!」 優希「親に近い方優先だから……」 京太郎「あー……ははっ。 一歩及ばなかったなぁ……」 久「私の……勝ち……か……」 京太郎「ありがとうございました、部長。 やっぱ勝てないっすね」 久「………」 まこ「? ……部長?」 久「あ、あー! そういえば生徒会の仕事、まだ残ってたわ!」 咲「へ? それ、昨日終わったはずじゃ」 久「ちょっとだけ残しちゃったの! だから行かなきゃー!」 久「みんなお疲れ様! 気をつけて帰ってねぇー!!」ダッ バタンッ.... 優希「……あっという間に行っちゃったじぇ……」 まこ「……なんじゃありゃ……」 まこ(部長が……顔真っ赤じゃった……) ―女子トイレ 久「はぁ……はぁ……」 京太郎『部長……あなた待ち、当ててみますよ』 京太郎『1pと7pのバッタ待ちでしょう?』 京太郎『俺もそうですから』 久「~!!」ブンブンブン 久(なによなによなによ! 何があなたの待ち当ててみせるよ!) 久(私と同じ待ちってなによ! そんなんでドヤ顔してんじゃないわよ!) 久(すっごくすっごくすっごく……!!) 久「ドキドキしちゃう……」 久「うわぁ……うわぁああああわわわわわ……!」 ―― ― 久「ふうぅ……。 なんとか収まったぁ……」 久「………」 久「あの打ち方……まるで咲のようだった……」 久「狙って? ……それにしては出来過ぎてる……」 久「……私が言えることじゃないかっ……」 久(あ、やっぱりまだドキドキしてる……) 久「……麻雀打ってこんなに胸打つの、久々だわ……」 久「………」 久「ふふっ……」 久「……あーあっ」 久「これだから麻雀って面白い!!」 咲「今日はすごかったね京ちゃん!」ナデナデ 京太郎「あ、ああ。 ありがとう」 咲「惜しくも部長に一歩届かなかったけど、それでもよくやったよ!」ナデナデ 京太郎「そ、そうか」 咲「えへへへ……。 京ちゃんの先生としては、お鼻が高いですよぅぉぅぉぅ」ナデナデ 京太郎「久々に怖いよお前」 咲「今日の試合で京ちゃんが一回りも二回りも大きく見えるよ」 京太郎「そりゃどうも。 まぁ確かに、得たものは大きかったな」 咲「でもこれで京ちゃんのフォームができたねー」 京太郎「えっ?」 咲「えっ?」 京太郎「俺……なんかフォーム出来てたか?」 咲「……」 咲「えっ?」 咲(ひょっとして……無意識? あれが?) 咲「きょ、京ちゃん。 打ってる時なにか意識してなかった?」 京太郎「ん? いや、特には」 咲「……」 京太郎「…・…ただ」 咲「?」 京太郎「『もし咲だったらどう打つかな』ってことだけ考えてた」 咲「………」 ナデリ 京太郎「んっ」 咲「もぉ~京ちゃんは~!」ナデリナデリ 京太郎「な、なんだよ」 咲「ほんとにもぉ~。 京ちゃんはぁ~!」ナデリナデリ 京太郎「な、なんか、いつもと撫で方が……」 咲「もぉ~。 しょうがないんだからぁ~」ナデリナデリ ―それから数日後 京太郎「合宿ですか?」 久「そうよ。 長野4校合同合宿」 優希「龍門渕と~風越と~鶴賀と~」 まこ「そんでウチら清澄の4校での合宿じゃ」 和「県の団体決勝4校での合宿……ですか」 京太郎「そりゃ凄いな」 咲「衣ちゃんとまた打てるのかぁ……」 久「まぁそんなわけで、夏休み中に一週間の合宿をします」 久「周りは因縁付けた高校ではあるけれど、合宿中は共に戦う友達」 久「変な争いごとは避けるように」 咲「はい!」 優希「じぇー」 和「はい」 まこ「あいあい」 京太郎「それじゃあ俺はお土産を期待して待ってますよ」 久「えっ? 何言ってるのよ」 久「あなたも来るのよ? 須賀くん」 まこ「えっ」 優希「えっ」 和「えっ」 咲「えっ」 京太郎「 」 京太郎「 えっ? 」 ―――続く?
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小ネタ お菓子食べる照と京太郎 照「京ちゃん、チョコとって」 京太郎「ほれ、あーん」 パク… 照「美味しい…もぐもぐ」 京太郎「なあ、照」 照「何?」 京太郎「なんで俺達、お菓子食べてイチャイチャしてるんだ?」 照「…迷ったから」 京太郎「だよな…義姉さん達を迎えに車の運転をお前に任せて、長野をでて…」 照「東京を目指してた」 京太郎「高速に乗ったところまでよかったよな」 照「そうだね」 京太郎「橋を渡った辺りに気が付くべきだったな…」 照「…フグ美味しかったよ?」 京太郎「そうだな、マンゴーも美味かった」 照「そろそろ東京だよ…たぶん」 京太郎「そうか…俺には標識に鹿児島って見えるぞ?」 照「…全部京ちゃんが悪い」 カン!
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咏「だからさー、京ちゃんがホントにマッサージ上手いんだって。一回やってもらいなよー。知らんけど」 えり「なんで知らないのに進めるんですか咏さん」イラ 咏「まー実はもう京ちゃん呼んであるから、今更帰すわけにも行かないんだけどねぃ?」 えり「なんでそんな勝手なんですか!?」 ――― ―― ― えり「ああどうも、お待ちしてました」ブッスー 京太郎「え、なんかスミマセン……」 えり「いえ、悪いのは全面的に咏さんなので。ぱっぱと終わらせちゃってください。えーと」 京太郎「須賀です。須賀京太郎」 えり「じゃあお願いしますよ須賀さん。変なところとか触らないでくださいよ」 京太郎「触りませんよ……。じゃあ行きますよー」グイ えり「ふあっ」 京太郎「あーこれ、結構疲れ溜まってますね。やっぱりアナウンサーってお忙しいんですか?」 えり「んっ、まあ忙しいですね。正直今も家でくつろいでたいくらいですよ」 京太郎「ま、まぁ疲れを取れるように頑張らせてもらいます」タハ えり「お願いしますよ。ふぅ」 京太郎「じゃあ腰のほう行きますよー。うりゃ」グイ えり「お願いしますっくぅ~、なかなか上手いじゃないですか」 京太郎「咏さんに何回もやらされてますから……」 えり「はは、お互いあの人に振り回されてますね」 えり「思い出したらムカムカして来ちゃいました」 京太郎「落ち着いてください、よっと」ググ えり「あははっ!くすぐったい!?」 京太郎「もーちょっと我慢してくださいもう終わるんで!」 えり「た、タンマ、ほんとソコは弱いっていうか」 京太郎「ホントすみません!」グイィ えり「あひぃ!?も、ほんと許してぇっ」ゼイゼイ 京太郎「はい、おしまいです。すぐ終わらせられなくてすみませんでした」 えり「はぁ、はぁ……」ナミダメ えり「あ、でも確かに体はほぐれたかも……」 えり「その、ありがとうございました」 京太郎「いえいえ。また呼んでもらっても大丈夫ですよ」 えり「二度と呼びませんよ!?」 カン!
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――――喫茶店 京太郎「……いきなり実は本当の息子じゃないって言われてもな」 京太郎(朝起きて妙に深刻な顔してると思ったらいきなりカミングアウトとは) 京太郎(どうやら実の親が会いたいといってきたらしい) 京太郎(どんな顔して会えっていうんだよ……) はやり「あれ、京太郎くん?」 京太郎「はやりさん、どうもです。今日はどうしてこんなところに?」 はやり「うん、ちょっと用事でね。京太郎くんは?」 京太郎「俺も似たような感じです」 はやり「あ、こっちだよー!」 はやり父「おお、もう来ていたのか」 はやり「え、さっき連絡したよね?」 はやり父「いや、お前じゃないんだ。君だよ、京太郎」 京太郎「えっ、それじゃまさか……」 はやり父「そうだ、私が君の実の父親だ」 は京「「ええーっ!?」」 ―――― ―― ― はやり父「それじゃあせっかくだから、姉弟で中を深めてくれ」 はやり父「私はここで失礼する。代金は払っておくから気にしないでいいぞ」 カランコローンアリガトウゴザイマシター 京太郎「……」 はやり「……」 は京「「あの!」」 京太郎「あ、どうぞ先に……」 はやり「いやいや、京太郎くんこそ……」 京太郎「じ、じゃあお言葉に甘えて。ええと、はやりさん?それとも姉さんとかの方がいいのかな……」 はやり「なんだかこそばゆいし、いつも通りでいいよ」 京太郎「じゃあはやりさん、正直未だに状況が飲み込めてないですけどこの後どうしましょうか」 はやり「京太郎くん、意外と冷静だよね」 京太郎「いや、もう開き直ってるっていうか……」 はやり「ふふ、それじゃあお姉ちゃんがいいとこに案内しちゃおう!なんて」 京太郎「お願いします。姉さん。なんて」 はやり「よーし、そうと決まれば行くぞー!」 京太郎「は、はい!」 カン!
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京太郎「ふぅ、そろそろ寝るか……」コンコン 京太郎「ん?」 咲「京ちゃーん……まだ起きてる?」ガチャ 京太郎「咲か? ど、どうした?」 咲「ごめんね、こんな時間に……今日のこと謝っておこうと思って」 京太郎「今日のこと?」 咲「うん……どうしてもはずせない用事があったから、京ちゃんにおいしいご飯つくってあげられなくて……ホントにごめんね?」 京太郎「はは、気にするなよ。 いつもは俺が作ってるんだから」 咲「ううん、気にするよ……今日はわたしが料理ご馳走するって言って京ちゃんすごく楽しみにしてくれてたのに」 京太郎「まぁまぁ、また今度作ってくれよ、な?」 咲「うん……」 京太郎「よし、じゃあもう夜も遅いから送って……」 京太郎「(これを言うためだけにわざわざこんな時間に来たのか? まぁ、こいつのポンコツ具合から考えれば……)」 咲「ところで京ちゃん」キリ 京太郎「おう? ど、どうした?」ビク 咲「お昼に教室に行ったんだけど居なかったよね。 どこに行ってたの?」 京太郎「あぁ、図書室で麻雀の勉強だよ」 咲「一人で?」 京太郎「いや、和とだけど」 咲「あぁ、原村さん? ふーん……。 原村さん、麻雀じょうずだから教えるのもじょうずなんだろうね」 京太郎「あぁ、すっげえわかりやすくてさ! また教えてくれるって言ってたのが今から楽しみだよ!」 咲「それは、よかった、ねっ!」ギリッ 京太郎「おう! ……咲、どうした?」 咲「京ちゃん、明日はわたしも一緒にお勉強していいかな?」キリ 京太郎「え? 俺の勉強だからホントに初心者が教わるようなことばっかりで……」 咲「ダメ?」ジッ 京太郎「い、いや別にいいけどさ」ビクッ 咲「うん、よかった!」ニコッ 京太郎「そ、そっか。」 咲「ところで京ちゃん」 京太郎「おう、どうした?(次はなんだ?)」 咲「さっき洗濯場で見つけたんだけど、この血の付いたハンカチ……京ちゃんのじゃないよね? 誰の?」スッ 京太郎「え、お前なんで洗濯場なんかに」 咲「いいから、答えて」ズイ 京太郎「うっ、ち、近いってば咲」ビク 咲「ねぇ……なんでこんなかわいらしい柄のハンカチもってるの?」ググ 京太郎「ゆ、優希! 優希に借りたの!」 咲「へぇ、優希ちゃんのなんだ。 でも、こんなに血が付いちゃってたらもう返せないね。捨てちゃお……」 京太郎「あ、あぁ。 今日ちょっとケガしちゃってさ」 咲「え、京ちゃんケガしたの!? キズは大丈夫なの!?」ガバッ 京太郎「ちょっと切っちゃってさ、でももう大丈夫だから」 咲「そっか、よかった……このハンカチに付いた血、京ちゃんのなんだ……」 京太郎「そうだけど……」 咲「……うん、わかった! このハンカチはわたしがキレイにしてから優希ちゃんに返しておくね」ゴソゴソ 京太郎「え、いや悪いよ」 咲「いいから、ね?」ジッ 京太郎「わ、わかったよ……ありがとな、咲」ナデ 咲「んっ、どういたしまして」ニコ 京太郎(素直に笑ってりゃかわいいんだけど、たまーに今みたいな得体の知れない目つきになるんだよな……)ナデナデ 咲「ちなみに京ちゃん、今日お夕飯はどうしたの?」キリ 京太郎「ん? 外に食べに行ったけど(うっ、またあの目だ……)」 咲「……ふぅーん。 一人で?」 京太郎「そ、そうだけど(この目になると他の女子の事を言うとすごく不機嫌になるんだよ)」 咲「……」ジー 京太郎「……咲?」 咲「京ちゃんっ」ガバッ 京太郎「おわっ!」ズデン 京太郎「おい、いったい何を」 咲「ちょっと動かないで」クンクン 京太郎「おい、なに嗅いでんだよ!」 咲「……やっぱりあの女のにおいがする」ギロ 京太郎「け、警察犬……?」 咲「京ちゃんのうそつき!」ゴッ 京太郎「いっ!」ビク 咲「ねぇ、どうしてそんな嘘つくの?」キリ 京太郎「えっそれは……」 咲「京ちゃん、いままで私にうそついたこと……いっぱいあったね、うん」シュン 京太郎「お、おう(あ、ポンコッツだ)」 咲「京ちゃん、むかしはわたしのこともっと気にかけてくれてて」 京太郎「いやいまもしてるだろ」 咲「学校にもふたりっきりでいっしょに行ってたのに」 京太郎「優希がいるだけでいまもいっしょに行ってるだろ」 咲「京ちゃんはやさしくて、カッコよくて……ちょっとえっちなところがあって空気に流されやすいのはわかってたけど」 京太郎「あ、あのー咲さーん?」 咲「でも、わたしという幼馴染がありながら……優希ちゃんと浮気ってどういうこと!? 信じられない!」 京太郎「ホワッツ!?」 咲「優希ちゃんなんて、どうせ京ちゃんのこと何にもわかってないんだから!」バンバン 京太郎「いて!痛いって!おい、馬乗りで暴れるなよ!」 咲「ずっと待ってたのに!京ちゃんの裏切り者!」ポカポカ 京太郎「いや、あの、ちょっと」 咲「でも、安心して?」 京太郎「え?」 咲「京ちゃんを狙う意地汚い女共は、皆もうこの世に居ないんだよ」 京太郎「なに言ってんだお前」ペシ 咲「あうっ、ほ、ほんとうだよ! 今日お料理つくれなかったのは、邪魔な女を片付けてたからなんだから!」 京太郎「あのな……」 咲「ほら、私のにおい嗅いでみて? ちゃんとファブったからあいつらの臭い全然しないでしょ?」 京太郎「いや俺犬じゃないからんなもんわかんな……」 咲「いいから!」グイッ 京太郎「わぷっ、ちょっ、当たってる当たってる!」 咲「あっ……きょ、京ちゃんのえっち!」バシッ 京太郎「んな理不尽な……」 咲「そんなえっちな京ちゃんは、わたしから逃げられないようにしちゃうから!」 京太郎「はぁ」 咲「ほら、行くよ!」グイグイ 京太郎「どこへだよ」 咲「わたしの家だよ!」 京太郎「はぁ……母さーん、俺ちょっと咲を送ってくるわー」 京母「ちゃんとうちまで送ってあげるのよー」 京太郎「はいはい」 咲「京ちゃん、はやく!」 京太郎「ああわかったわかった、わかったってばお姫様ー」 咲「おじゃましましたー」 京母「はーい、また来てねー」 ・・・・・・ 京太郎「で、だ」 咲「?」 京太郎「なんで俺リボンで縛られてるの?」 咲「言ったでしょ? わたしから離れられないようにするって」 京太郎「それがこれか?」 咲「そうだよ! ほら、運命の赤い糸って言うでしょ?」 咲「縛ってるとき何にも抵抗しなかったってことは、京ちゃんもオッケーなんだよね!」 京太郎「ちげーよ蝶結びリボンで拘束した気になってるやつに呆れてたんだよ」 咲「へ?」 京太郎「よいしょっと」スルリ 咲「え!? きょ、京ちゃんいつの間に縄抜けの術を? ひょっとして伊賀者だったの!?」 京太郎「なわけあるか」ポコッ 咲「あいた」 京太郎「はぁ……京ちゃんはお姫様が将来悪いひとに騙されないか心配ですよ」 咲「ムッ!またそうやって子どもあつか……」 京太郎「俺が見てないと心配で夜しか眠れないよ」 咲「え、そ、それって……」ドキッ 京太郎「あいつらより、お前のほうをよくみてるよ」 咲「ほ、ホントに?」 京太郎「ああ(いちばん目をはなすとなにやるかわかんないからな)」 咲「こここ、これからもずっとわたしをみてくれる?」 京太郎「あぁわかったよ、お姫様」 咲「うれしいっ!」ギュッ 京太郎「おっとと(甘やかしすぎてるから成長しないのかなぁ)」ハァ 咲「ずっとずっと、いっしょだからね、京ちゃん!」 京太郎「ところで」 咲「んー?」 京太郎「優希や和になにをやってたんだ?」 咲「部活が終わってから足腰立たなくなるまでゴッ倒したよ!」 京太郎「オォウバイオレンス……ご愁傷様です皆さん(明日見舞いの品でも部室に持ってくか……)」 咲「まったく、なんでわたしといるときに他の女の子の話だすの!」プンプン 京太郎「はいはいごめんなさいねー。 あとそろそろ離れなさい」 咲「やだ! 絶対に離れないっていったもんね♪」ギュウ 京太郎「はぁ……」 京太郎「俺いつになったら寝れるだろ」 優希「さ、咲ちゃん……憶えてろ……だ、じぇ……」バタッ カン 京太郎「~~♪」シャカシャカ 和「須賀君? ちょっといいですか?」コンコン 京太郎「~~♪」 和「須賀君? ……寝てます?」ガチャ 京太郎「けーちゃっぷでこいをうちあけた~♪」 和「……あぁ、そう」イラッ 京太郎「~~♪」 和「そうやって勉強もせずにヘッドホンして漫画読んでれば、そりゃあ気付きませんよね」ブチッ 京太郎「ありゃ、コード抜けた」 和「だって楽しいですものね」ギロ 京太郎「げぇ、和!」ジャーンジャーン 和「ま、夢中になりますよ……げぇってなんですかげぇって」 京太郎「い、いやーなんでも。 和先生、本日はどういったご用件で……?」 和「ちょっと、お話よろしいですか?」 京太郎「は、話?」 和「そう、話です」 京太郎「ええと、本日の麻雀講座についてでしょうか?」 和「いいえ、違います」 京太郎「では一体……こ、告白?」 和「は、はぁ!? こここここ、告白ぅ!? なな、何わけわかんないこと言ってるんですか! そんなオカルトありえませんよ!」 京太郎「ですよねー……」 和「こ、コホン。 今日のお話というのは進路志望についてです」 京太郎「なぜに和が!?」 和「あなたのせいなんですよ、もう!」 和「本当は今日の昼休みに聞こうかと思ったんですが宮永さんもいましたし、仕方がないのでお邪魔させてもらいました」 京太郎「いや、質問の答えになってねー……」 和「私と須賀君、部活が同じなうえにしょっちゅう昼休み一緒にいるのでついでにって頼まれたんですよ」 京太郎「は、はぁそれはご苦労をおかけします……」 和「ホントですよ! ま、まぁ麻雀が上手くなりたいっていう心意気は立派ですし…」 和「普段雑用をしてもらっている身ですからこれくらいは致し方ないと思いますけど……」 京太郎「重ね重ね手間をかけていただきまして……」 和「で、です。 須賀君」 京太郎「はい!」 和「執事って書いたんですって?」 京太郎「……」 和「……」 京太郎「え、えへへ」 和「はにかんでる場合ですか!」バンッ 京太郎「ひえっ」ビク 和「で、なんで執事なんですか?」 京太郎「え、えーとですね」 和「……」 京太郎「龍門渕の方に、『キミ才能あるね! 執事やらない?』って言われまして……」 和「……」 京太郎「で、『あ、そっすかね? じゃあ進路志望に執事ってかいときますね』って言ってその気になってた」 京太郎「……みたいな感じ……です……ハイ……」 和「で、卒業後は大学にもいかずそのまま龍門渕ですか?」 京太郎「は、ハハハ」 和「ハハハじゃないです!」バンッ 京太郎「ひょっ」ビクッ 和「少し考えてみてください」 京太郎「……?」 和「もし仮に龍門渕に就職できたとしましょう。ですがいつクビにならないとも言い切れません」 京太郎「そうかな……わりかし情にあつそうな感じだったけど」 和「保険は持っておくべきだということです」 和「クビになったあと特に何の資格も持たずに高卒の肩書きだけが残るっていうのははっきり言って笑えません」 京太郎「た、たしかに」 和「大学に行くなり、資格を取っておくなりで手変わりできるようにしておくべきです。きっと執事に就職する際も役に立つでしょう?」 京太郎「うーん……」 和「理解のある雇用主なら、きっと納得してくれるはずです」 和『龍門渕の従者に学歴は必要ありませんわー!(声マネ)』とか言いそうではありますけど」 京太郎「そうだな、今度聞いてみるよ。なんでも使える人手が少なくて即戦力が欲しいそうなんだ」 和「あそこならいくらでも従者は居そうですけど……」 京太郎「あぁほら、天江さん面接をパスしなきゃいけないから……」 和「……なるほど」 京太郎「それならほら、勉強とかより家事とかを鍛えたほうがいいかなーって」 和「それとこれとは別問題です」キッパリ 京太郎「えぇー……」 和「私の言ってること何か間違ってますか?」 京太郎「い、いいえ何も」 和「でしょう? で、大学なんですがせっかくなので麻雀が強いところを目指してみたらどうですか?」 京太郎「なんで?」 和「きっと天江さんの麻雀相手も業務内容に含まれてるんじゃないですか?」 京太郎「たしかに!」 和「で、ですね……ここの大学とかどうですか?」 京太郎「どれどれ……うわ、レベル高」 和「今からやれば十分間に合います」 京太郎「てか、なんでパンフ常備してるの……」 和「細かいことはいいですから! ほら、早速勉強しますよ!」 京太郎「い、今からですか!?」 和「文句があるんですか?」ギロ 京太郎「いえいえ滅相もない」 和「ほら、勉強したら麻雀も勉強しなきゃいけないんだから早くしてください」 京太郎「麻雀もやるの!?」 和「大学でも使う、就職後も使う、しかも今も使うんですよ? 一番必須じゃないですか!」 京太郎「それはそうだけど」 和「じゃあいつやるんですか? 今でしょ」 京太郎「ハイ……」 和「じゃあやりますよ、教科書の86ページの例題をを解いてください」 和「……あぁ違います、そこはこっちの式を……ちょっと、なんでその値になるんですか!?授業聞いてたんですか!?もぅ……」 京太郎(あぁ……)カリカリ 京太郎(眠れねえ……)カリカリ 和「ほらそこ! また間違えてますよ!」 カン 京太郎「はぁ、ようやく終わった……」 照「お疲れ様、京ちゃん」 京太郎「おう、ありがとうな咲……ってうおっ!?」ビクッ 照「咲……?」ピク 京太郎「え、て、照さん!? なんでここに……ってか、いつ長野に!?」 照「インターハイで咲と仲直りしてからはたまに来るようになったんだよ」 京太郎「そ、そうなんですか」 照「でも、そんな長くはいられないんだ」シュン 京太郎「そりゃあそうでしょうとも」 照「でも、私気づいちゃったんだよね」 京太郎「何にですか?」 照「ふんっ!」ギャルッ 京太郎「ぼべっ!」バタ 照「私が会いに来るんじゃなくて、京ちゃんを連れてけばいいって、ね」ニコ 照「これでずっと一緒にいられるね」ウフフ 照「さて、運ぶとするか……」ズリズリ 京太郎「……」 照「んしょ、んしょ」ズリズリ 京太郎「……」 照「……運べない」 照「……」ピッポッパッ 照「……」プルルルルル 菫『ピ わたしだ。お前携帯使えたんだな。 で、どうかしたのか?』 照「京ちゃんが重くて運べないんだけど」 菫『は?』 照「気絶させる前に駅まで見送りとかしてもらえばよかったかな」 菫『いや、夏休みとかに遊びに来るよういえばいいだろ』 照「!! その手があったか!」 菫『というか話が全く見えないんだがお前今どこにいるんだ?』 照「京ちゃんの家」 菫『……今日って平日だよな?』 照「そうだよ」 菫『学校サボって何やってんだお前は!』 照「ちょっと、うるさい。 ……だって我慢できなかったんだもん」キーン 菫『もんじゃないもんじゃ! いいからさっさと戻ってこい! お前ってやつはほんとに……』ブツブツ 照「でも、もう終電ないよ」 菫『あ、そうか……って、お前どうするつもりだ!?』 照「明日の始発で帰る。 部活には間に合うようにするから」 菫『あのな……』 照「じゃ、おやすみ」ピッ 照「ふぅ……」 照「ま、次の夏休みまではこれで我慢してあげるよ」ギュッ 照「布団に入れてっと……」 京太郎「……」 照「私も入って……うふふ」ゴソゴソ 照「それじゃおやすみ、京ちゃん」 照「はぁ、夏休みが楽しみ」ニタリ 京太郎「……(照さんひっついてきて寝れねえ……)」 カン まこ「のう京太郎」 京太郎「はい、呼びましたか?」 まこ「お前さん、将来執事になりたいらしいな?」 京太郎「えっな、なんで知ってるんですか?」 まこ「……ほら、ええとあれじゃ、その……」 京太郎「ひょっとして和に聞きました?」 まこ「……そう、和から聞いたんじゃ」 京太郎「あちゃあ……秘密にしておくように頼めばよかったかな」 まこ「なんでじゃ?」 京太郎「ちょっと冷静に考えてみると恥ずかしいかなーって……」 まこ「そうかの? 夢を持ってるだけ立派だと思うが」 京太郎「いや、その場のノリでして……」 まこ「あれま……」 京太郎「で、でもこの前また話を聞きに行ったら『学をつけるのは当然ですわ!』」 京太郎「って言ってくれたので、本気で考えてみようかなーなんて」ハハハ まこ「ほー、そりゃあ良かったな」 京太郎「はい!」 まこ「で、モノは相談なんじゃが」ズイ 京太郎「は、はい」 まこ「予行演習とか、どうじゃ?」 京太郎「え?」 京太郎「こういうことですか……」 まこ「よく似合っとるぞ♪」 京太郎「まぁ、バイト代出していただけるってことなんで願ったり叶ったりですけど……」 まこ「将来制服になるなら今のうちに着なれとかんとな?」 京太郎「ですね!」 まこ「やってもらう内容も、簡単な料理から麻雀の面子合わせくらいじゃからちょうどいいじゃろ」 京太郎「わかりました、頑張ります!」 まこ「それじゃ、よろしゅうな」ニコ 京太郎「それにしても雑用で培った料理スキルがこんなところで役に立つとは」トントントントン まこ「ほー、結構手馴れとるのう」カチャカチャ 京太郎「えへへ、そうですかね?」ニマニマ まこ「あっおい、よそ見すると……」 京太郎「え? いッ……」スパッ まこ「大丈夫か!?」ガバッ 京太郎「つぅッッッ~~ひっさびさにドジったァ~~ッ」 まこ「どれ、みせてみい」スッ 京太郎「あいてて」 まこ「そこまで深くはないな。 そのわりに血がちょいと多めに出とるが……(あ、あれ……?)」 京太郎「よ、よかったぁ~」ホッ まこ「とりあえず止血じゃな(なんか……須賀の血……)」 京太郎「ですね、あと絆創膏を……」 まこ「んっ」パクッ 京太郎「えっ!?」ビクッ まこ「んん……んっ(あ、やっぱり)」チュウ 京太郎「ちょっと! なな、何やってるんですか!」 まこ「んっ」ペロ 京太郎「わっ」 まこ「なにって、止血じゃよ」 京太郎「止血って……」 まこ「まぁまぁ、須賀が怪我したんはわしのせいでもあるしこんぐらいはさせてくれや」 京太郎「でも、血の味しちゃったんじゃないですか? ほら口ゆすいで……」 まこ「そんなことより救急箱とってくるけえ、待っとれ」タッ 京太郎「あっ……そんなことって……」 まこ「……」コロコロ まこ「……♪」コク 京太郎「今日はありがとうございました」ペコ まこ「や、こっちも大助かりじゃったわ。 こちらこそありがとう」 京太郎「またよろしくお願いします! それじゃあおやすみなさい」 まこ「おう、気ぃつけて帰れよー」ヒラヒラ まこ「ふぅ……」 まこ「……(あれ、すごく美味しかったのう)」ゴク まこ「また、か……」 まこ「……♪」ペロ カン 京太郎「ここが奈良か……」 京太郎「衣さんの話によればここに俺が麻雀で目指すべきものがあるらしいけど……」 京太郎「なんで学校じゃなくて山?」 京太郎「まぁ将来の雇用主の言葉だし、文句言わずに登ってみるか」 京太郎「えいしょ、えいしょ……」ザッザッ 京太郎「こんな山登りしたのいつ以来だろう……飛騨山脈に殴り込みした時以来かな……」ザッザッ 京太郎「……?」キョロ 京太郎「霧が出てきたか……」ザッザッ ??「……」ガサガサ ??「……あのにおい……」ヒョコ 京太郎「ふぅ、ふぅ……」ザッザッ 京太郎「……誰かに見られている?」 京太郎「一体何だ? ……気配からしてかなり巨大ッ!」 京太郎「熊か? いやしかし、奈良の山奥で熊ってのも……」ガサガサ 京太郎「!!」ビクッ 京太郎(来るッッ! 20メートル……15メートル……かなり迅い!) 京太郎「まずい!」ダダダダダ ??「あっ逃げた!」タッタッタッタ 京太郎「な、なんだこの山は!? 霧がどんどん濃く……」ダッダッダ ??「まってよぅ~」タッタッタ 京太郎「しまった、追いつかれ……」 ??「あっ、やっと追いつい……」ガッ 京太郎「子供!? いけない、気の根っこにつまずいたぞ! くそっ」ダッ ??「むぎゅ!」ボフ 京太郎「す、滑り込みセーフ……」ザーッ ??「あれ、痛くない……ん?」ポンポン 京太郎「よかった、怪我はないか? さ、早くここから離れないと……!」 ??「なんで?」 京太郎「後ろから何かが追いかけてくるんだ! ほら、早く退いて……ってあれ?」 ??「どうしたの?」 京太郎「気配が……それどころか霧も消えてる……」 ??「霧? 霧なんて最初から無いよ?」キョトン 京太郎「バカな……」 ??「すごい焦った様子だったから追いかけてきたけど、キミ大丈夫?」 京太郎「あ、あぁ……それと無事だったのならそろそろ降りてくれないか?」 ??「あぁごめんね、よいしょ……あいてて」ズキッ 京太郎「大丈夫か?」 ??「さっきちょっとひねっちゃったみたい。 まぁ、なんとか」 京太郎「山で無理はしないほうがいい。 おぶるから乗ってくれ、ほら」 ??「いやいやいいって! そんな気にするほどじゃ……っつぅ」ジンジン 京太郎「ほら、だから無理するなってば。 とりあえず山の麓まではおぶってあげるから」 ??「でも、初対面なのに悪いよ……」 京太郎「いいっていいって、ほら」 ??「うーん……じゃま、和の知り合いみたいだから……お世話になります」ヒョコ 京太郎「んっしょ……え、和?」ヒョイ ??「あれ、違った? キミすごく和のにおいがしたからてっきり……」 京太郎「いや、違わないよ。 和の知り合いなのか?(だいぶ年が離れてそうだけど、小学校の後輩とかかな……)」 ??「うん! 小さい頃よく一緒に遊んでたよ!」 京太郎「はは、そっか。(和って面倒見よさそうだもんなぁ。 この前だってパンフまで持参で進路指導に来てくれたし)」 ??「和は元気? 和の話が聞きたいな」ニコ 京太郎「あぁいいよ、降りながら話そうか。 どっち?」 ??「えーと、こっち!」 京太郎「わかった」ザクザク ??「あ、そういえばキミの名前は? わたしは穏乃!」 京太郎「京太郎って言うんだ。 よろしくな、穏乃ちゃん」 穏乃「よろしく!」 京太郎「へぇ、和はその麻雀教室出身だったのか」 穏乃「そうそう! それでね、そのメンバーで麻雀部つくったんだ」 京太郎「そりゃあ強そうだ」 穏乃「すっごい強いよ! ……あ、ここわたしの家!」 京太郎「おぉ、穏乃ちゃん家けっこうお金持ちなんだなぁ(龍門渕さんほどじゃないけどでけー家だ)」 穏乃「あはは、そうかな? とりあえずお礼もしたいし、あがってあがって~」 京太郎「いやいやいいよ。 ほら、じゃあ俺はこの辺で……」 穏乃「うぅっ! い、いたいよー足が痛くて自分の部屋まで歩けないよー」シクシク 京太郎「あのね……」 穏乃「どこかに部屋まで連れてってくれる人居ないかなー」 京太郎「……わかったよ」ハァ 穏乃「はーい♪ じゃ、こっちねー」 穏乃「はいそこ! わたしの部屋ねー」 京太郎「かしこまりました、お姫様」ガチャ 穏乃「苦しゅうない! じゃ、ここで待っててねー」スタタ 京太郎「あ、おい……歩けとるやんけ」 穏乃「お待たせー」 京太郎「はやっ!」 穏乃「アイスティーしかなかったけど、いいかな?」 京太郎「お、悪いねー」ゴク 穏乃「ところで、どのくらいこっちにいるの?」 京太郎「んー、和の知り合いがやってるっていう宿屋に友情割引で泊めてもらえることになってるから、しばらくはいるかな」 穏乃「ね、また一緒に山登りしない?」 京太郎「おぉ、いいぞ! その足治ったらな」 穏乃「やたっ!」 穏乃「てなわけでまたまたやってきました~」 京太郎「これで何度目だ? よく飽きないなぁ」 穏乃「もう! 京太郎はわたしと一緒に遊ぶの楽しくないの?」 京太郎「いやいや、もちろん楽しいさ!」 穏乃「あはっよかったぁ」 京太郎(あれからほぼ毎日、こうして山に登っているが未だにあの日の謎は解けない) 穏乃「さぁ、はりきっていこー!」 京太郎(あれは一体何だったんだろう? 今になっては正体も霧の中か……) 穏乃「ふーんふーん」ルンルン 京太郎「そういえば、穏乃ちゃん」 穏乃「んんー?」 京太郎「俺、明日帰ることになったんだ」 穏乃「……えっ?」ビク 京太郎「東京の方の知り合いに呼ばれてさ、急なんだけど明日帰ることになっちゃった」 穏乃「そんな……」 京太郎「ごめんな、急になっちゃって……」 穏乃「うぅん、そっか。 仕方ないよね……(やだな……)」 京太郎「まぁ、またいつか会えるだろ!」 穏乃「あ……」 和『またいつかお会いしましょう!』 穏乃「だめ……」 京太郎「え?」 穏乃「もう一緒に遊んだ人がいなくなるのはイヤ……」 京太郎「ど、どうした? ……これは、急に霧が……!」 穏乃「いやだよ……もう、この山から出してあげない……」 京太郎「これは、この前と同じ!?」 穏乃「いっしょにあそぼうよ……ねぇ……?」 京太郎「こりゃまずい、ともかく麓まで降りよう! 穏乃ちゃん!」 穏乃「京太郎はいなくならないよね……」 京太郎「何言ってんだ当たり前だろ。 ほら、行くよ」 穏乃「……え、ホント?」キョト 京太郎「帰るっていっても消えて無くなるわけでもあるまいし」 穏乃「で、でも……」 京太郎「たまには自分の手足を動かせ……!」 穏乃「!!」 京太郎「いやまぁ冗談としても、その気になれば会いに来れるだろ」 穏乃「い、行っていいの?」 京太郎「あぁもちろん、かわいい女の子なら大歓迎だよ。 おもちがあればなおよし」 穏乃「そっか……自分の山に気を取られて、いつの間にか動けなくなってたんだね……」 京太郎「何言ってんのこの子」 穏乃「そうだ……そうだよね」 京太郎「あ、霧が晴れた」 穏乃「じゃ、奈良での最後の遊びだし、思いっきり楽しもうよ!」 京太郎「ふぅ、奈良はいいとこだったなぁー」 京太郎「旅館の姉妹はどちらも素晴らしいおもちをおもちだったし」 京太郎「うへへ」 京太郎「あ、そういえば」 穏乃「どうしたの?」 京太郎「あぁいや、穏乃ちゃんに俺の家の場所もケータイのアドレスもなんも教えてなかったなー……って」 穏乃「ん?」ニコニコ 京太郎「……」 穏乃「……」ニコニコ 京太郎「……なんでおれんちにいるの?」 穏乃「京太郎がいったんだよ? 『一生俺についてこい!』って」 京太郎「いえ、言ってません」 穏乃「インターハイでなくちゃいけないし、みんなのこともあるからね」 穏乃「いきなり一生は無理だけどとりあえず、夏休みが終わるまではついてこうかなーって」 京太郎「いやあのですね」 穏乃「ほら、和にも会いたいし!」 京太郎「あ、なるほど」 穏乃「とりあえず!」 京太郎「はい」 穏乃「ふつつかものですがよろしくお願いします!」 京太郎「……」 京太郎(そういや天江さんの言ってたのってなんだったんだろー) カン 京太郎『……というわけなんですよ』 衣『ほう、深山の主を感じ取ったか』 京太郎『主……コイツがですか?』 穏乃『?』 衣『おもしろいぞ京太郎!』 京太郎『はぁ……』 穏乃『ねぇねぇ京太郎』チョンチョン 京太郎『……なに?』ハァ 穏乃『わたし京太郎とどこかにお出かけしたいなー』 衣『ほう! ならばちょうど良い。京太郎よ、次の行く先は新道寺だ!』 京太郎『……』 京太郎『え、こいつも連れてくんですか?』 京太郎「てなわけでやってきました新道寺~」 穏乃「いえー!」ドンドンパフパフ 京太郎「今回の目的は北九州最強の打ち手と称される白水哩さん」 穏乃「おぉー」 京太郎「てなわけで許可証も貰ったんで早速部室にお邪魔しまーす」ガチャ 穏乃「オジャマ……」ズチャ 京太郎「さて、白水さんは……」キョロキョロ 哩「私ばい」 京太郎「今日はよろしくお願いします」 哩「おまえが須賀じゃな。 まーよろしくたのむわ」 京太郎「はぁ、よろしくお願いします……あのー」 哩「なんね?」 京太郎「ひょっとして調子悪いですか?」 哩「……なしてそう思うと?」 京太郎「え、いやー……なんとなーく顔色が……」 哩「思っちょったよか期待できそうやんな」 京太郎「あはは、そうですかね?(期待?)」 哩「じゃーさっそく打つばい」 京太郎「ゑ?(ぴこーん、死亡フラグーなんちて)」 哩「あぁ、おまえは打たんとそっちのちっこいんが打つんね?」 穏乃「わたし?」 哩「おうおう、須賀は私の後ろで打つとこ観とってほしいんね」 京太郎「はい、わかりました!(後で使えそうだし牌譜とっとくか)」 京太郎「……(てな感じでスタートした半荘だけど……)」 穏乃「ツモッ! 4000・2000!」 哩「はい……」チャラ 京太郎(今のところ白水さんに全くいいところがない……穏乃あんなに強かったんだな) 哩「……」タン 京太郎(それにしても体調悪そうだな……何かを引きずるみたいに牌を……ん?) 哩「……」チカッチカッ 京太郎「これは……」 哩「なんね?」クル 京太郎「あ、すみません」 哩「……」クル 京太郎「んー……?」 哩「……」ジャラ 京太郎「!!!」ゴシゴシ 哩「……」タン 京太郎「こ、これは……!」 哩「……」チラ 京太郎「白水さん、ひょっとして体調悪いっていうのは体が重い感じですか?」 哩「ようわかっとな」タン 京太郎「やっぱり……(そりゃそうだよ……)」 京太郎(こんだけぐっちゃぐちゃ鎖が絡まってたらさあ……) 京太郎「つかぬことを伺いますが」 哩「ん?」 京太郎「ひょっとしてその鎖はファッションなんですか?」 哩「は?」 京太郎「え?」 哩「鎖ってなんのこつ言っちょると?」 京太郎「え、だってほら……」ジャラ 哩「ひう!?」ビク 京太郎「どっ、どうしましたか!?」 哩「いや、な、なんもなか……」 京太郎「何もないわけ……」 哩「いっから続きば打つたい」タン 京太郎「……(こりゃあひょっとすると日帰りできるかもな……)」ジャラジャラ 哩「ひっ、んんっ!?」ビビク 京太郎「……(えーと、これをこっち側から出して……まるで知恵の輪だな……)」カチャカチャ 穏乃「……?(京太郎が手話してる?)」タン 京太郎「んー……」ガチャガチャ 哩「あっあっあっ(ゆ、有効牌……こげん急所引きよるんは久しぶり……)」ピクピク 京太郎「……」ジャラ 哩「うんっ! ふ、ふっ」ビクン 穏乃「……???」 京太郎「んよしっ、これで最後!」ビッ 哩「~~~ッ!!!」ビクッ 哩「つ、ツモ! ラス親8000オールでまくりたい!」ダン! 穏乃「……あっちゃー、負けちゃったー……」バタリ 京太郎「すっげー……」 哩「す、須賀……」 京太郎「おめでとうございます白水さん! すごいですよ!」 哩「ちょっち面貸せや」グイ 京太郎「いっ」ズルズル 哩「私になんしよっとね?」壁ドン 京太郎「えっと」 哩「急に体が軽く……」 京太郎「うーん……おまじないみたいなもんですかね?」 哩「ウソや!」 京太郎「ホントですってば。 白水さんがなんだか重たそーにしてたんで外しただけです」 哩「? わ、わけわからんこつ言っちバカにしよると!?」 京太郎「わっ違いますってば! ともかく、これでもう調子悪いなんてことないんじゃないかなって思います」 哩「うーん……まー恩人やしよか。 それよか、なしてこげなことばなってん?」 京太郎「さぁそこまでは……」 哩「再発も有りうると?」 京太郎「なんとも言えませんね。 僕もサッパリなんで」 哩「そら困る……のう須賀君」 京太郎「なんですか?」 哩「もちっと私と一緒にいちょくれんか?」 京太郎「えーっと……」 哩「ほら、お菓子やるけん。 食べちみよ」 京太郎「あ、すみません……って餌付けかよ!」 哩「ダメか……」 京太郎「いやぁでも、もうちょっとだけならいいで……」 哩「時に須賀君よ」 京太郎「す……なんですか?」 哩「さっき言うちょった鎖は……」 哩「こんな形しとったか?」ジャラ 京太郎「!?」ガチャン 哩「ふふ、頼んでダメなら仕方なかと」ニタ 京太郎「な、なんですかこれ! 白水さん!」 哩「哩でよか」 京太郎「あ、そうですか……じゃなくて!」ガチャガチャ 哩「なんね?」 京太郎「これ、外してくださいよ!」 哩「ダメ」 京太郎「だからなんで……」 哩「帰っちゃうやろ?」 京太郎「帰りませんて!」 哩「嘘たい。 京太郎はすぐ嘘つきよるばい」 京太郎「いや、あのね」 哩「とかく!」グイ 京太郎「わっ近いですって(てか名前……)」グイ 哩「私もう京太郎を返すつもりなんちっともなか、一緒にいてもらうな」 京太郎「……」 京太郎「……(ま、そのうち迎えが来るか……)」 哩「うふ、うふふふふ」 カン
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京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」 京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」 京太郎「いつの間にかいなくなってました、なんてシャレにならねぇし……なんとか目立たないと」 京太郎「こうしてても始まらねぇし、とりあえず外に出るか」 京太郎「募金でもして暇潰しするか」 京太郎「えーと、確か募金センターは……」ピポパ 京太郎「救われない子供たちに愛の手を!!」 京太郎「わずかワンコインで50人もの尊い命が助かるんです!」 京太郎「もしあなた方に少しでも慈悲の心があるのなら、ご協力お願いします!!」 京太郎(……はぁ、やっぱ通行人から敬遠されてるなぁ) 京太郎(そりゃそうか。俺だって通行人の立場なら止まらないし) 京太郎(て言うかなんで俺こんなに必死になってんだ……) ?「………」 ゆみ「なぁ、君」 京太郎「?」 ゆみ「これ、少ないがちょっとは足しになるだろうか?」ジャラッ 京太郎「……!は、はい!勿論です!ありがとうございます!!」 ゆみ「ああ、それはいいんだが……募金にしては凄い気合いの入りようだな」 京太郎「そうですか?」 ゆみ「ひょっとして君の知り合いで募金が必要な方でもいるのか?」 京太郎「いえ、そういうわけではないんですけどね」 京太郎「ただ今もこの集めたお金を頼りにしてる子供たちが世界中に居るって知ったら……居てもたっても」ハハハ ゆみ「……そうか。優しいな君は」 ゆみ「その内君に良き事があらんことを祈るよ。それじゃ私はこれで」 京太郎「あ、ちょっと待ってください!」 ゆみ「ん?なんだ?」 京太郎「俺と、俺と一緒に募金活動しませんか!!」 ゆみ「………」 ゆみ「その、一応聞いておくがなぜだ?」 京太郎「なんだか分かんないけどピンときたんです」 京太郎「俺、貴方となら世界中の子供たちを救える……そんな気がして」 京太郎「自分でとんでもないこと言ってるって分かってますけど……これだけは言っておきたかったんです」 ゆみ「……はぁ」 ゆみ「気持ちは嬉しいがすまない」 京太郎「……そうですよね。すみません」 ゆみ「ああ、いや!嫌ってことじゃないんだ!ただ……」 ゆみ「部活に手間のかかる奴らがいてな…私が抜けるワケにはいかないんだ。本当にすまない」 京太郎「いえ。お気持ちだけで充分嬉しいです」 京太郎「募金、ありがとうございました」ニカッ ゆみ「こちらこそ、ありがとう。君には大事な事を教えられた気がしたよ」 ゆみ(こういう男子がまだ現代に存在していたとはな……) ――――― ―――― 京太郎「あんまり集まらなかったな……」 京太郎「まだ続けるか、それとももう諦めるかな」 京太郎「あーやめだやめだこんなん!世界の子供たちの前にまず俺が救われてねぇよ」 京太郎「俺も他人の心配より自分の心配しろってんだよ」 京太郎「そうと決まれば……この金でパチンコでも打ちに行くか」 ジャラララララララ ティウンティウン 京太郎「よーし、頼むぜ!」 京太郎「パチンコの神よ今だけ俺に力を!!」 京太郎「まっさかこんなボロ勝ちできるとはなー」 京太郎「えーと、ひぃふーみーの……しめて46万」 京太郎「ひょっとして俺って麻雀よりこっちの方が向いてたのかもなぁ」 京太郎「でも……へへ、でもこんだけあれば色々できるな」 京太郎「なにしよっかなー想像が膨らむぜ」ニヘラ 京太郎「ま、元手は募金の金なんだし寄付しかねーわな」 京太郎「こんだけありゃ100人くらい助かるだろ」 ―――――― ――――― 京太郎「寄付のお礼の手紙を大量に貰ったけど……」 京太郎「同じ紙切れでも金が手紙に変わるだけでこうも違うのか」ハァ 京太郎「……でも、感謝されるのっては気持ちいいな」 京太郎「さ、明日からまた頑張るか」 京太郎「んー、今日もいい天気だ」 京太郎「こういう日は絶好の釣り日和だな」 京太郎「よっしゃ待ってろよカピ、今日の晩飯は俺が釣ってきてやるよ」 キューイ!! 京太郎「おーし、一番乗り」 ?「……」 京太郎「……じゃなかったな」 京太郎(先客か……俺も結構早く来たつもりだったんだけどな。どんな人だろ)チラッ 誠子「せいっ」パシャァ 京太郎「お、おおーー!」 京太郎(あんなデケーブラックバス一振りで連れるもんかフツー!?) 誠子「ん?」 京太郎「すごいですね、まさにお見事!って感じで!」 誠子「そ、そうかな?そんなに大したことじゃないと思うけど……」 誠子「ところでその格好見るに君も釣りに来たんだろ?」 京太郎「はい。今夜の晩飯でも釣ろうかと」 誠子「なるほどね。釣りはどんぐらいやってるの?」 京太郎「気が向いたらやるぐらいで、そんなには」 誠子「へぇー……それじゃ、ちょっとやってみせてよ」 京太郎「いやいや!あんな凄いの見せられた後じゃ恥ずかしいですよ!」 誠子「いいからいいから、ほら」 京太郎(ど、どうしてこんなことに……) 京太郎(……でも女の子の前で、格好悪いとこは見せらんないな)ヒュッ 京太郎「よし、かかった!」 京太郎「こい!」グイッ カエル「ゲコッ」 京太郎「……」 誠子「ぷっ…!あははははは!!」 京太郎「~~~~!」ワナワナ 誠子「な、なんていうかあんまり上手くないんだね、君……ぶふっ」 京太郎(くっそ、最悪だぜ……) 京太郎「俺って釣りの才能無いんですね」ズーン 誠子「まぁまぁ、そんな落ち込まないで。私だって日によっては一匹も釣れない日もあるから」 誠子「もし良かったら釣りの初歩から教えてあげるよ?釣り仲間ができるのは嬉しいし」 京太郎(そう言ってもらえるのはありがたいけどまた恥かくのはなぁ……) 京太郎(どうしよっかな……) 京太郎「是非ともお願いします!というか弟子にしてください!!」 誠子「で、弟子はちょっと困るけど…私が教えられる範囲なら教えるよ」 京太郎「よろしくお願いします師匠!」 誠子「師匠……ま、まぁいいや」 誠子「まず、釣りって言うのは色々な釣り方から竿やオモリによって釣れる魚が変わってくるんだけど……」 京太郎「すいません難しいことは後で、とりあえず釣り方教えてくださいよ師匠」 誠子「いや待て。これ初歩中の初歩だぞ?」 京太郎「だって、釣りってもっと頭をからっぽにしてからするんじゃないですか?」 誠子「はぁ……ダメだ。君は何も分かっていない」 誠子「釣り方の前に知識と情報を知っておくことが釣りに何よりのアドバンテージなんだ」 誠子「それをこれから君に教えてあげよう」クドクド 京太郎(な、なんだか面倒くさいことになったな……) ――――――― ―――――― 誠子「――というワケだ」 京太郎(やっと終わった……まさか一時間も話されるとは) 誠子「じゃあ、今からもう一回やってみて。今の話聞いてたならちょっとは変わってると思うから」 京太郎「は、はい」 京太郎(今度こそ!)ヒュッ 京太郎「な、なんかスゲーでかいの来てます!」 誠子「ホント!?とりあえず力負けしないように、すばやく引っ張って!」 京太郎「重……っ!!ぬおおおおおおお!!」グイッ 京太郎「どうですか師匠!?俺超大物釣りあげましたよ!」 誠子「……90.5って…なんだこれ」 京太郎「師匠?」 誠子「こ……こんな大きさの虹鱒見たことが無い」 京太郎「マジですか?よっしゃー!!」 誠子「凄いな君……さっきの話聞いただけでここまで成長するなんて」 京太郎「そんな、たまたまですよ」ハハ 誠子「釣りにたまたまは無いよ」 誠子「だからひょっとして……」 誠子「私の技術と知識を全て君に叩き込んだら、君は歴代史上最高の釣り師になれるかもしれない」 京太郎「えっ」 京太郎(あ、あれ?もしかしてこれ俺って釣りの才能あったってオチなのか?) 京太郎(と言うか昨日のパチンコといい……変な才能ばっか開花していってる気がするんだけど) 誠子「釣りにたまたまは無いよ」 誠子「だからひょっとして……」 誠子「私の技術と知識を全て君に叩き込んだら、君は歴代史上最高の釣り師になれるかもしれない」 ――――――― ―――――― 京太郎「……歴代史上最高の釣り人、か」 京太郎「そう言えば今日も亦野さん居るって言ってたっけ」 京太郎「今日はどうしようかな」 京太郎「最近身体動かしてなかったしな、サッカーでもするか」 京太郎「けど、人数集まらないとできねーし簡単に集まらないよなぁ……」 京太郎「どっかのチームの入団テストでも受けてみるか」ピポパ 京太郎「すいませーん、入団希望の須賀京太郎です」 責任者「入団希望の方ですね」 責任者「あちらで入団テストが行われているので、そちらの方へ向かってください」 京太郎「は、はい」 京太郎(緊張するなー、上手くいけばいいけど)ドキドキ ゴウカク~ 京太郎「うっし!これで今日から俺もこのクラブの一員だ」 シアイノ アルヒハ クルンダゾ 京太郎「はい!よろしくお願いします!」 ―――――― 京太郎「よかったよかった、これで金出してくれた母さんに顔向けできる」 京太郎「咲たちにもこのこと……」 京太郎「………」 京太郎(ふと思ったけど、入団テストに合格したってことは俺サッカー部の方でもやっていけるんじゃないか?) 京太郎(いやいや、でも俺も咲たちと一緒に……麻雀部でインターハイに……) 京太郎(けど荷物持ちだけとして行くぐらいなら、他の手を選ぶのも……) 京太郎「部長」 久「ん?どうしたの須賀くん」 京太郎「俺フィッシング部に入るんで麻雀部やめます」 久「……えっ」 優希「じぇ!?」 和「あの、急にどうしたんですか須賀くん?」 京太郎「俺は麻雀よりも釣りに生きることを決めたんだよ」 咲「ちょ、ちょっと京ちゃん!私そんなの一言も……」 まこ「京太郎お前さん本気で言うとるんか?」 京太郎「本気です。もう決めましたんで曲げません」 久「……掛け持ちって形にはできないのかしら?」 京太郎「そんな中途半端な事できませんよ。極めるんなら一つの事に集中したいんです」 優希「コラー!そんな勝手なことはムグッ」 京太郎「いいですよね?部長」 ハーナーセー!!イヌー!! 久「………」ハァ 久「そこまで言うなら…分かったわ。退部届はこっちで書いておくから」 京太郎「今までお世話になりました」 京太郎「ここがフィッシング部か……」 京太郎「ウチのフィッシング部は毎年地区大会初戦敗退の弱小校らしいけど」 京太郎「できることなら、俺が全国まで連れて行ってやりたいな」 京太郎(部員の人たちみんないい人だと尚更いいけど………よし!) 京太郎「すいませーん!入部希望者なんですけどー」ガラッ 智美「ワハハ、入部希望者が来たぞー」 やえ「嘘をつくな。こんな弱小部に誰が………ってホントじゃないか!」 誠子「き、君は!?」 京太郎「亦野さん!」 智美「なんだー?二人とも知り合いか?」 誠子「はい、一度だけですけど釣りをしたことがあって……」 智美「そうかー、でも嬉しいな。もう新入部員は見込めないと思ってたからなー」 京太郎(待てよ。この人もよく見たら鶴賀の……) 智美「ウチは毎度の如く地区大会一回戦敗けの弱小校だけど、今回は二回戦までは行きたいな」 やえ「ああ、今度こそお見せしよう!王者の釣り筋を!」 亦野「先輩たち今年で最後のインハイですもんね」 京太郎(最後のインターハイ……それじゃあこの2人は3年生なのか) 京太郎(なら、尚更全国まで勝たせてあげたいな) 京太郎「先輩、新入りが生意気言いますけど二回戦と言わずもっと先まで行きましょうよ」 智美「え?」 京太郎「俺には全国制覇。これしか見えてませんから」 智美「ワハハ、今日から地区大会だー」 やえ「ああ、楽しみ過ぎて眠れなかったぞ」 京太郎「凄い自信ですね。怖くないんですか?」 やえ「ま、まぁな!王者は常に余裕を持ってるものだ」 やえ(怖いに決まってるじゃない……) 智美「大丈夫だー……今回は誠子と京太郎がいるからな」 智美「悲願の一回戦突破、成し遂げるぞー!」 オオーッ!! 京太郎「あ、あぶねー……」 京太郎(……地区大会一回戦でこのレベルかよ、自信無くしそうだぜ) 誠子「凄いじゃないか京太郎!」 京太郎「へ?」 やえ「まさか…ホントにあ、あの龍門渕を倒したのか!?」 京太郎「えーと、今の相手ってそんなに凄いトコだったんですか?」 智美「今お前が倒した龍門渕は去年の長野代表で全国ベスト8だぞー」 京太郎「マジ!?」 やえ「こ、これは……ひょっとしたら今年は本当にイケるかもしれない」 京太郎(そうして俺達は破竹の勢いで決勝まで勝ち進んだ) 智美「ワハハー……まさかホントに全国へ連れて行ってくれるとはな」 やえ「ふ、ふん!感謝とか別にしないからな」 京太郎「そんな、みんなの実力のおかげですよ。それに……闘いはまだまだこれからだ」 誠子「ああ、そうだな」 やえ「……全国では"竿に愛された子"も出てくる。簡単には行かないぞ」 京太郎「関係ありませんよ」 京太郎「邪魔する奴は全員、ぶっ倒してやりましょう」ゴッ 『それでは第171回、全国高校釣り選手権を開催致します』 智美「ワハハー、一回戦突破だー」 やえ「全く持って余裕だったな。肩慣らしにもならない」 京太郎(出番なかった……) 誠子(こ、これが3年ブーストか……すごいな、あの小走先輩が無双するなんて) やえ「お前ら!この調子で次もサクッと勝つぞ!」 京太郎(先輩達が覚醒し、そうして俺達は破竹の勢いで決勝まで勝ち進んだ) 京太郎(そしていよいよ決勝戦まで来た……) ――――― ―――― やえ「次の部長は誠子に任せるよ」 誠子「ええっ!?私ですか?」 智子「ワハハー、当然だろー。最年長なんだから」 誠子「でも、私より京太郎の方が……」 京太郎「いやいや。俺は部長とかそういう柄じゃないんで」ハハ 京太郎「ってか先輩たち卒業式の時間大丈夫なんですか?」 智美「そうだなー、そろそろ行かなきゃだな」 やえ「ああ」 やえ「春季大会で無様な真似したら承知しないかんな!」 智美「確かに渡したからな。しっかり頼むぞー」 京太郎 誠子「はい!」 京太郎「それじゃ、俺達も行きましょうか先輩」 誠子「………」 京太郎「先輩?」 誠子「京太郎、私さ……全国優勝したらずっと言おうと思ってたんだ」 京太郎「何をですか?」 誠子「京太郎……その」 誠子「一緒に世界を目指さないか?」 京太郎「……世界?」 誠子「ああ。お前となら、世界で通用するって私は確信してるんだ」 京太郎「買い被りですよ、俺はそんな器の人間じゃありません……けど」 京太郎「世界を相手に闘うっていうのはちょっとワクワクしますね」 誠子「なら……!」 京太郎「俺でよければ、お供しますよ」 誠子「……ありがとう。京太郎が隣に居るなら、私は何も怖くないよ」 京太郎「俺の方こそ、あの時誠子さんと会ってなかったら今の俺はいませんでした」 京太郎「ホントに感謝していますよ」 誠子「……お、おう」テレッ 誠子(何照れてんだ私……らしくないな) 京太郎「さて、と!じゃ早速世界相手に戦うためにひと釣り行きますか」 誠子「え?先輩たちの卒業式出席しないのか?」 京太郎「ほら、早くしないと。魚は待ってくれませんよー」 誠子「……」 誠子「ああ……そうだな!」 缶