約 3,931 件
https://w.atwiki.jp/kaiseimaru/pages/318.html
年表 寛永十三 1636 寛永十四 1637 長崎で世界地図が作られる。[寛永]輿地圖(鮎澤仮題) 正保 二 1645 長崎で日本初の印刷世界地図、「万国総図」が作られる。 正保 三 1646 四月六日、林吉左衛門長崎に刑死、門人、小林義信禁錮(長崎年表) 正保 四 1647 参府和蘭商館員バイレン、井上筑後守、家臣に天文学を伝う(出嶋蘭館日誌) 向井元升、聖廟を建てる。(寛文三年延焼) 慶安 元 1648 樋口権右衛門、規矩元法を唱う 慶安 三 1650 沢野忠庵歿、年五二? 万治 元 1651 向井元升、京都に移り医を業とす(長崎年表) 万治 二 1659 乾坤弁説石(同書、向井玄松(升)序) 寛文 四 1664 参府和蘭商館長、昇降図二枚献上(塩尻) 寛文 七 1667 小林義信(謙貞)、禁錮を解かれる(先民伝) 小野昌碩歿(先民伝)五七歳 延宝 元 1673 吉村長藏歿(先民伝) 延宝 三 1675 島谷市左衛門、小笠原島を調査 延宝 五 1677 向井元升歿、年六九(先民伝) 延宝 八 1680 五月、綱吉、将軍になる。 この頃、「常憲院殿ノ眨,長崎ノ樋口乾貞萬國ノ圖ヲ和文字ニ移シテ江府へ指上ル所ノ說ナリ,」 (大島喜待の数学起(日本学士院蔵)にある。【明治前日本数学史 三巻 P402】) 七月末ヨリ彗星見フ(長崎年表) 天和 三 1683 領曆、十一月月食を註す。小林義信その誤を予言す(先民伝) 小林義信歿、年八三(十一月二十四日)、二儀略説の著あり 貞享 元 1684 十月、朝廷、大和曆を嘉納、貞享曆と命名す(春海実記) 貞享 二 1685 西川如見、教童曆談刊行 二月廿二日、戌刻大流星東南ヨリ西方ニ飛フ落テ声アリ(長崎年表) 向井兼丸(元成)ヲ以テ書物改役トス(長崎年表) 貞享 四 1687 貝原好古、「日本歲時記」刊行 元禄 元 1688 盧草碩歿、年四二 (先民伝) 元禄 二 1689 一月十日夜白雲起(長崎年表) 元禄十二 1699 盧草碩(玄琢)没ス(長崎年表) ←要検証 宝永 六 西川如見「華夷通商考」を著す(長崎年表) 正徳 二 1712 西川如見「天文義論」刊行(同書序) 正徳 三 1713 盧草拙、聖堂の学頭になる(長崎年表) 正徳 四 1714 西川如見、教童曆談刊行(再刊) 享保 元 1716 家継没、吉宗、将軍になる。 德川吉宗、建部賢弘及び中根元圭を召して曆法を問う(徳川実記) 盧草拙、書物改添役兼テ唐通事ニ補ス 享保 二 1717 徳川吉宗、参府和蘭商館長にアストロラビウムを示して天文の事を問う(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 長崎奉行、アストロラビウムを出嶋に送り、その使用法を問う(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 享保 三 1718 参府和蘭商館長、天上の質問を受く(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 享保 四 1719 西川如見、天文御用として江戸に召さる(先民伝、徳川実記、長崎年表B)【明治前日本天文史】 参府和蘭商館長、天文学者二名の訪問を受け、質疑あり(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 西川如見、「十二宮歌抄」刊行【明治前日本天文史】 西川如見、「天文教導倭歌(序)」【明治前日本天文史】 西川如見、「長崎夜話」(長崎年表) 享保 五 1720 西川如見、「書暦象俗解」刊行【明治前日本天文史】 享保 七 1722 幕府、和蘭商館に望遠鏡を注文す(出嶋蘭館日誌) 享保 九 1724 西川如見歿、年七七(九月)(先民伝)【明治前日本天文史】 享保一一 1726 西川如見、運気指南後編刊行【明治前日本天文史】 享保一二 1727 建部賢弘、江戸近郊測量の事により賞を賜う(徳川実記) 徳川吉宗、参府和蘭商館長の時計を見ん事を求む(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 渋川敬也歿年四〇(三月晦日) (天文方代々記) 向井兼丸、没ス(長崎年表) 享保十四 1729 五月、廬草拙没ス(長崎年表) 享保一五 1730 西川正休「訓点天経或問」刊行、大略天学名目鈔を附録とす【明治前日本天文史】 享保一六 1731 盧千里「長崎先民伝」(長崎年表) 享保一九年 1734 和蘭時計工渡来(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 享保二〇年 1735 書物奉行深見久太夫、参府和蘭人を訪い、天文に関して質疑す(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 西川忠次郎、天文御用年々銀子被下 正月蘭人「ケイルズ」召ニ応シ江戸ニ行ク(長崎年表) 元文 元 1736 深見久太夫、天文暦法のことを参府蘭人に質す(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 暦を作る和蘭人一名の派遣を蘭本国に求む(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 和蘭時計工アントニー、クロイト渡来す(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 通詞今村元右衛門、和蘭商館に至り将軍に提出すべき四分儀を求む(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 在府長崎奉行、その所有する四分儀の用法を参府蘭人に質す(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 元文 二 1737 北島見信、紅毛天地二図賛説成る (同書巻末記)【明治前日本天文史】 深見久太夫、参府蘭人に天文の事を質問す(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 元文 三 1738 深見久太夫、参府蘭人に天文暦法につき質す(出島蘭館日誌)【明治前日本天文史】 元文の頃 徳川吉宗、長崎の工人に命じ、自鳴鐘を製せしむ(徳川実記) 寛保 元 1741 西川正休、吹上御苑に召され観測に従事す(徳川実記) 寛保 三 1743 深見久太夫外一名、参府蘭人に天文につき質す(出島蘭館日誌)【明治前日本天文史】 六月五日晩大流星東ヨリ西ニ飛フ 十二月上旬西方ニ当リ室宿壁宿間ニ異星アリ(長崎年表) 延享 元 1744 長崎奉行、人をして出嶋蘭館に天文暦法の事を問わしむ(出嶋蘭館日誌)【明治前日本天文史】 徳川吉宗、天文台を江戸神田に建て、自ら製する所の簡天儀を以って之に備う(徳川実記) 八月 九日 西川忠次郎「暦算全書・割円八線之表」を借りる(書物方年代記(1) 廷享三年~宝暦十年) 八月廿三日、西川忠次郎「西洋暦経」を借りる(書物方年代記(1)) 延享 二 1745 北島見信、長崎奉行所天文方となる(長崎年表)【明治前日本天文史】 西川正休、参府蘭人に天文の事を質す(出島藺館日誌)【明治前日本天文史】 七月、大白星現ル(長崎年表) 延享 三 1746 八月二九日 西川忠次郎「西洋暦経」を返却(書物方年代記(1)) 九月 二日 西川忠次郎「暦算全書・内二冊割円八線之表」を返却(書物方年代記(1)) 延享 四 1747 五月十二日、渋川六蔵・西川忠次郎が「暦算全書、西洋暦経、明史稿」を借りる。(書物方年代記(1)) 閏十月二四日、左之御書物土佐守殿より只今差出候様被仰下即刻差出之「割円八線之表、割円八線互求法、割円勾股八線之表」(書物方年代記(1)) 寛延 元 1748 山路主住、山路之徽、この頃、阿蘭陀人に会う(和蘭緒言) 寛延 ニ 1749 二月二〇日 西川忠次郎が借りた書物のうち「明史稿」を二一日に返却したいと申し出る(書物方年代記(1)) 和蘭通詞、和蘭暦本を出嶋蘭館に持参、日月食の事を質す(出島蘭館日誌)【明治前日本天文史】 宝暦 元 1751 唐暦【若杉家文書118】 阿蘭陀暦和解 元年より八ヶ年分【若杉家文書118】 宝暦 六 1756 二月廿五日夕、大流星巽ヨリ乾ニ飛フ(長崎年表) 宝暦十三 1763 九月朔日辰刻日食六七分、暦ニ載セス(長崎年表) 明和 三 1766 四月十九日亥刻大流星東北ヨリ西南ニ飛フ(長崎年表) 明和 六 1769 麻田剛立、大阪に居を移し天文学を研す 彗星出ツ(長崎年表) 安永 元 1772 本木良永訳、阿蘭陀地球図説成る 入江修敬、新暦提要簡法成る 唐船「天学初函」ヲ輸入ス(長崎年表) 安永 二 1773 本木良永訳、平天儀用法成6 西洋暦術朔望辰あり 安永 三 1774 本木良永訳、天地二球用法成る (長崎髓蟻釉聲書)【長崎市史稿碑文/ 本木良永訣、太陽距離暦解成る 安永 五 1776 天文方の者、ツンベルグを江戸の旅宿に訪い、食につき質疑す(ツンベルグ紀行) 本木良永沢、日月時圭和解成6(洋学年表) 安永 六 1777 通詞志筑忠雄職を辞し、本木良氷につき天学を専修す(洋学年表) 安永 八 1779 薩摩藩、明時館を興し、天文台を築き、暦数の学を講習す。長崎通事、松村元綱を顧問とす(明時館記) 天明 元 1781 本木良永訳、阿蘭陀海鏡書成る(同書) 天明 二 1782 志筑忠雄、万国管窺成る
https://w.atwiki.jp/soutoku/pages/109.html
<魏 237年> <蜀漢 237年> <呉 237年> 237年 青龍五年→景初元年 (魏) 皇帝 曹叡(魏) 皇后 毛氏(明悼毛皇后・河內人)→(死亡) 三公 燕王:公孫淵(自称して自立する。改元して紹漢元年。百官を置く) 太傅:(空位) 太尉:司馬懿(前大将軍) 司徒:(空位)→陳矯(前尚書令)→(死亡) 司空:(空位)→衛臻(前尚書僕射) 九卿 衛尉: その他の要職 大司馬:公孫淵(樂浪公・前車騎將軍) 大将軍: 驃騎大將軍:→ 車騎將軍:→ 地方官 荊州刺史:胡質 幽州刺史:母*丘儉 主な事件 景初元年春正月壬辰、山茌県で黃龍が現れたと伝わる。これを有司が奏上し、魏が地統を得ている為として建丑之月を正月とすべしと述べた《三国志魏書明帝紀》 三月、曆を定め、改年し孟夏四月とした。服色は黃を尊び、犧牲には白を用い、戦の事には黑く首が白い馬に乗り、大きな赤の旗を建て、朝会には大きな白の旗を建てた。改めて太和曆を景初曆と言う。其春夏秋冬、孟仲季の月は正歲(現在の暦)と同じではないといえども、郊祀、迎氣、礿祠、蒸嘗、巡狩、蒐田﹑分至、啓閉、班宣時令、二十四節季の早い晚い、敬授民事、皆現在の暦と同じ順序とした《三国志魏書明帝紀》初め文皇帝が即位し漢から受禪した時、漢の正朔に従って改めず。帝は東宮にあった時論を著し、正朔は改めるべきで、受命之運を明らかにすべきと述べた。即位するに及んで、久しく放置されていたのを史官が改めてはと述べたので、三公、特進、九卿、中郎將、大夫、博士、議郎、千石、六百石に詔して博く議させたがまとまらなかった。帝は古典に拠って、甲子に詔して「今三統の順を推察すると魏は地統を得ていて建丑之月をもって正月と為すべきだろう。青龍五年三月を改めて景初元年四月と為す」《三国志魏書明帝紀に引く魏書》 五月己巳(5月2日)、洛陽宮に還る《三国志魏書明帝紀》 五月己丑(5月22日)、大赦《三国志魏書明帝紀》 六月戊申(6月12日)、京都に地震《三国志魏書明帝紀》 六月己亥(6月3日)、尚書令の陳矯を司徒と為す。尚書僕射の衛臻を司空と為す《三国志魏書明帝紀》 六月丁未(6月11日)、魏興郡の魏陽、﹑錫郡の安富、上庸を分けて上庸郡と為す。錫郡を省き、錫縣を魏興郡に属させた《三国志魏書明帝紀》 有司が奏上するに、「武皇帝は乱を廃し正に変えしたので魏太祖となり音楽は武始之舞を用い、文皇帝は受命天に応じて魏高祖となり、音楽は咸熙之舞を用い、帝は治を興して魏烈祖となり、音楽は章(武)[斌]之舞を用います。三祖之廟は萬世において壊さず、その他の四廟は親しさに合せて迭毀するようにしましょう」と。《三国志魏書明帝紀》 秋七月丁卯、司徒の陳矯が薨ず。孫權は將の朱然等二萬人を遣わして江夏郡を囲む。荊州刺史胡質等は迎撃し退走させた。初め孫権は使者を遣わして海路より高句驪と通じ遼東郡を襲おうとした。幽州刺史の母*丘儉は諸軍及び鮮卑・烏丸を率いて遼東の南の境に屯す。璽書で公孫淵を徴し淵は兵を発し叛く。儉は軍を進めて討ち、雨が十日も降り続く中対陣し、遼水が氾濫する。詔をもって儉の軍を還えす。右北平の烏丸單于が婁敦を攻略し、遼西の烏丸都督王護留等は遼東に居座る。率いてきた部族の者は儉に従って內附する《三国志魏書明帝紀》 七月己卯(7月14日)、遼東の將吏士民に詔して淵に脅され略され降ることができなかった者を一切赦す《三国志魏書明帝紀》 七月辛卯(7月26日)、太白が昼に見える。淵は儉が帰還すると遂に自立して燕王と成る。百官を置き、紹漢元年と改元する《三国志魏書明帝紀》 青・兗・幽・冀の四州に大いに海船を作るよう詔す《三国志魏書明帝紀》 九月、冀・兗・徐・豫の四州の民が洪水に遭う。侍御史の循行を遣わして溺れ死んだもの及び財產者を失ったものに在所の官倉を開き救う《三国志魏書明帝紀》 九月庚辰(9月16日)、皇后の毛氏が卒す《三国志魏書明帝紀》 冬十月丁未(10月13日)、月が熒惑を犯す《三国志魏書明帝紀》 十月癸丑(10月19日)、毛后を悼み愍陵に葬る《三国志魏書明帝紀》 十月乙卯(10月21日)、洛陽南の委粟山を圜丘と為す《三国志魏書明帝紀》 十二月壬子(12月19日)冬至、祭祀を始める《三国志魏書明帝紀》 十二月丁巳(12月24日)、襄陽郡の臨沮・宜城・旍陽・邔の四縣を分けて襄陽南部都尉を置く《三国志魏書明帝紀》 十二月己未(12月26日)、有司は奏上し、文昭皇后の廟を京都に立てられますように。襄陽郡の鄀葉縣を分けて義陽郡に属させる《三国志魏書明帝紀》 誕生者 死没者
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/349.html
【種別】 人名 【初出】 四巻 【CV】 谷山紀章 【解説】 人気女優に手を出した事が週刊誌にすっぱ抜かれたアイドル。超美形だとか。 御使堕し発動時、周りからは土御門がこの男に見えたらしく、 熱狂的アイドルファンの夢見る乙女と目が合う度に金属バット片手に追い掛け回されたらしい。 海外の映画で主演に抜擢されたらしく、九月三十日には午後一番の番組で苦労話っぽく自慢していた。 この番組を録画していた黄泉川は彼のファンなのかもしれない。 その後も小ネタ的にちょくちょく登場している。 アニメ『とある科学の超電磁砲』では佐天涙子もDL販売された新曲に加え、 抽選で100名に当たるプレミアムグッズの応募券の入ったアルバムも購入して、 グッズをゲットする気満々であった。 また、『とある科学の超電磁砲』ではライブを開いているのが確認でき、『とある魔術と科学の群奏活劇』では 彼が出演するネット番組「一一一のカップル一番星」が登場している。 原作小説にも登場し続けており、新約十二巻ではテレビオービットの楽屋で寝ている姿をライヴ放映されている描写がある。 新約十四巻では夜のドラマの二時間拡大版に主演していた他、 新約十五巻で浜面が訪れた銀行のテレビで流れていた午後イチのトーク番組にも出演している。 前者のドラマを観た上里は『何かの漫画の原作があって、 芸能事務所側が知名度を上げたい役者を一枚噛ませようとしたのだろう』と推測しており、 後者のトーク番組を観た浜面は『奥様向けの時間帯』と評した。 ちなみに前者のドラマは「趣味も特技もない大学生の周りには何故かハイスペックな女の子が何人も侍っていて、 彼女達の力を七つ道具みたいに使って悪徳就活係のおっさんをとっちめる」という内容で、 上条勢力や上里勢力を連想させる内容となっている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6912.html
アーリエル クリスタル伝説 【あーりえる くりすたるでんせつ】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 ゲームギア 発売・開発元 セガ・エンタープライゼス 発売日 1991年12月13日 定価 4,500円 配信 バーチャルコンソール【3DS】2013年2月6日/286円(税別) 判定 良作 概要 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 ゲームギア初期に発売されたシミュレーションRPG。全16章構成。 『モンスターメーカーシリーズ』で有名な九月姫デザインのかわいらしいキャラクターが人気を呼んだ作品。 アーリエル王国の王女エリスがガーク帝国に奪われたクリスタルを取り戻すために立ち向かうストーリー。 システム 本作品の特長として、キャラクターには地・火・水・風の4属性が設定されており、それぞれについて有利な地形と不利な地形が分かれている。 火・水・風の3属性については三すくみの力関係になっており、弱点属性を突くことで大ダメージを与えることができ、苦手属性でダメージを大幅に軽減可能。本作ではこの三すくみの影響がかなり大きいため、敵の属性の見極めは非常に重要。 属性とは別に「戦士」や「魔法使い」といった職業もついている。当然、得意とする役割やステータスも変わってくる。 主人公及び戦士系のメンバーについてはモンスターを倒した際に捕獲することが可能で、戦闘の際に代わりに戦わせることも出来る。 敵に関しては最初は正体不明の「ハテナマン」として表示されており、敵の正体を見破る魔法を使うか実際に戦うまで正体は不明になっているため、そのあたりの見極めも重要。 戦闘については隣接して攻撃した場合攻撃側攻撃→防御側反撃を2回繰り返す形になる。魔法を使って遠距離攻撃する場合は防御側反撃を受けない。 ラウンドをクリアする毎に、街での買い物や情報収集ができる。 メンバーの装備を買って強化を図ったり、新たなメンバーを資金を払って加入させる事もできる。 対戦ケーブルを用いた対戦モードも実装。1P側がアーリエル王国軍、2P側がガーク帝国軍として対戦する形になる(*1)。 評価点 九月姫デザインのキャラクターは人気が高く、パッケージイラストの完成度の高さも相まってとっつきやすい。 キャラクターの造形の可愛さやBGMの明るさも相まって、全体的にほのぼのとした雰囲気で進むのも大きい。 ルールも単純で誰でも親しみやすい作りでありながら奥が深く、属性を有効活用して進む楽しさもある。ゲームバランスも良好。 ゲームのテンポもよく、サクサク進められるのも良点。 対戦モードでは初期段階でお互いのメンバーの属性がわからないようになっているため、対戦ツールとしても十分成り立っている。 仲間モンスターのメリット 戦闘中に仲間にしたモンスターは、仲間ユニット同様にそれぞれ属性を持っている。これを利用する事によって、仲間ユニットの弱点属性を補填しつつの戦闘が可能となる。 今作の魔法の一つ「ダーク」は、喰らった相手の次の攻撃を無効化するという、敵に使われた場合は非常に厄介な能力を持つ。しかし、実質複数回攻撃が可能になる点を利用する事により、喰らった次のターンに仲間モンスターと入れ替えて確実に攻撃を当てる戦術も存在する。 賛否両論点 魔法系ユニットは仲間モンスターを連れ歩けない 今作は仲間モンスターを連れ歩ける点をウリとしているのだが、魔法系ユニットの場合はモンスターに止めを刺しても撃破後に仲間にする事が出来ない。 マギ系のユニットは様々な属性魔法を取得する事から、モンスター無しでも十分に戦っていける。一方で、ヒーラーの場合は、攻撃手段が超低威力な通常攻撃しか持っていない上、敵に狙われた場合はモンスターを盾にできず直接攻撃を受けるしかない。ヒーラー自身の属性が地で統一されている関係上、属性相性を受けないのは幸い(*2)。 問題点 システム面ではまだまだ粗削りな部分が見受けられる。 仲間モンスターの扱いについては耐久力が低いため十分な活用ができるとはいいがたい。敵のレベルが低い前半戦の場合はそこまででもないが、流石に後半では敵のレベルが上昇している事も相まって、モンスターでの戦闘は気休め程度にしかならなくなる。 戦術画面での中断ができないうえ、行動後のキャンセルもできないためゲーム中は慎重な操作が求められがち。 経験値と報酬は敵を倒した時のみ得られるが、戦闘のやり直しができずこちらがもらえる収入は潤沢とは言えないうえに装備品や契約金も総じて高額なため基本的にカツカツの状態が続きやすい。 ストーリー性が希薄。 開始からして、ストーリーの概要がテキストで流れてすぐ戦場に放り出される。 町のマップがすべて同じ上に住人のセリフも大半が役に立たない情報。 クリスタルについてもいつの間にか入手していたという印象が強く、ストーリーについてもあまりクリスタルが関与しているところが見受けられないのもマイナス。 敵の会話についてもほぼ皆無でキャラクター性に欠ける。 総評 ルールも単純ながら属性を考慮した戦術が求められるため、お手軽ながらもそれなりに奥が深い作品。 ゲームギアのソフトの中では比較的潤沢であり、VC配信も行われているので楽しむハードルも低いため、気軽に楽しめるSRPGとして手に取ってみるのもいいだろう。 余談 海外では『Crystal Warriors』の名称で1992年4月に発売された。 発売から4年後に本作の流れを汲む『ロイアルストーン 開かれし時の扉』が発売された。
https://w.atwiki.jp/wasarainfo/pages/33.html
七月 2003年7月29日、わさらーとして活動を始める。魚拓 八月 前半 2003年8月1日、USJから帰ったことを自慢 魚拓 2003年8月3日 パラパラパラダイス 魚拓 2003年8月5日 東京の実家を自分語り 魚拓 2003年8月7日 怪文書を投稿 魚拓 2003年8月9日 ネザー2クリアを自分語り 魚拓 2003年8月10日 ※真偽不明 山葵栽培について自分語り 魚拓 2003年8月11日 山葵栽培2 魚拓 2003年8月13日 サイトについての自分語り 魚拓 2003年8月14日 語り 魚拓 2003年8月15日 心霊写真でイキる 魚拓 後半 2003年8月16日 東京で屯ろする 魚拓 2003年8月21日 町田で屯ろ 魚拓 2003年8月25日 PCに嘆く 魚拓 2003年8月31日 死亡 魚拓 九月 2003年9月22日 風が強いと自分語り 魚拓 十月 前半 2003年10月2日 兄弟らしい 魚拓 2003年10月11日 死亡 魚拓 2003年10月12日 自粛? 魚拓 2003年10月13日 あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!! ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! ) 魚拓 後半 2003年10月19日 祭り 自分語り 魚拓 2003年10月21日 けっ 魚拓 2003年10月22日 発狂 魚拓 2003年10月24日 ああ 魚拓 2003年10月27日 嗚呼 魚拓 十一月 2003年11月1日 ボーリング カラオケを語る 魚拓 2003年11月2日 ボーリング2 魚拓 2003年11月3日 自殺願望 魚拓 2003年11月5日 釣りについての考察 魚拓 2003年11月9日 ??? 魚拓 2003年11月20日 テスト勉強 魚拓 2003年11月29日 テスト終了 バレーへの興味 魚拓 十二月 2003年12月4日 ドラえもん 魚拓 2003年12月11日 豪遊で成績下がる 魚拓 2003年12月26日 叫びへの考察 魚拓 2003年12月27日 カカ(スペイン語で糞の意味)ロット(英語で多いの意味)が好きなようだ 魚拓 2003年12月28日 ※真偽不明 アメリカとブラジルで遊ぶ 魚拓
https://w.atwiki.jp/kobun/pages/28.html
2023 発心集 近きころ、蓮花城といひて、人に知られたる聖ありき。〜このこと、さもと聞こゆ。 2022 伊勢物語 昔、おほやけおぼして使うたまふ女の、色ゆるされたるありけり。〜染殿の后なり。五条の后とも。 2021 平家物語 天性この大臣は不思議の人にて〜げにもと思ひ知られ[ ]。 2020 讚岐典侍日記 明けぬれば、いつしかと起きて〜かくて九月もはかなく過ぎぬ。 2019 今昔物語集 2018 源氏物語・澪標 さる所にはかばかしき人しも〜馴れて聞こゆるをいたしと思す 2017 愚管抄 さて寛平は位につかせおはしましけるはじめより〜しかも摂籙の家を守らせ給ふなり 2016 今昔物語集 巻四第十七 今は昔、天竺の僧伽羅国にひとつの小伽藍あり。〜うなだれて立り給へりとなむ語り伝へたるとや。 2015 平治物語 2014 古今著聞集 大殿・小殿とて聞こえある強盜の棟梁ありけり。〜誠にかひがひしく、そのあたりには夜の恐れなかりけり。 2013 平家物語 三位中将の年ごろ召しつかはれける侍に、〜ただ泣くより外の事ぞなかりき。 2012 松蔭日記 ゆかりの花 2011 沙石集 2010 2009 源氏物語・玉鬘 三十ばかりなる男の、丈高くものものしくふとりて〜また詠まむと思へれども、堪へずやありけむ、去ぬめり 2008 古本説話集 2007 発心集 2006 栄花物語巻25 七月八日、院より殿の御前に 2005 文机談 さてこの黄菊、 2004 なぐさみ草 かくてある時、この主ののたまふやう〜我恥づかしきかな 2003 百人一首一夕話 俊成卿若かりし時、 2002 梁塵秘抄口伝集 乙前八十四といひし春、 2001 承久記 日本国に女房のめでたきためしに、 2000 枕草子 故殿の御ために、月ごとの十日 1999 源氏物語・澪標 五月五日にぞ五十日にはあたるらむと 1998 平家物語 ある人の申しけるは、清盛は忠盛が子にはあらず、 1990 栄花物語 かかる程に、三位中将殿、〜いかにせん」とおぼしたり・
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/1407.html
●九月十六日 今日も今日とてこの日記を綴る。 昨日は見事なまでの満月を臨む事ができたが、果たして今宵はどうだろうか。 生憎の雨だ。 せっかくの十六夜月は拝めそうにない。 はてさて、今宵は雨月と洒落込むとしようかな。 どうせ巫女の社では天候など関係無しに連日宴会が催されていることだろう。 全くもって平和だ。 私の見地では、この完全な世界の均衡は崩れることは無いと推測している。 闇の世界の住人、即ち妖怪を見る限りには、この幻想郷は半永久的に安全と保守を約束されたと言っても過言ではないほどである。 なんだかんだ言って平和が一番。 よきかなよきかな。 どうか明日は晴れますように。 ●九月十七日 本日も昨日に引き続き生憎の雨。 雨は嫌いだ。 何よりも本が湿気る。 雨が好きだとのたまう輩の半分は自己主張が激しい者で、もう半分はひねくれ者である。 つまり妖怪の大多数はどちらかなのではないだろうか。 いや、どうみてもそうだろう。 午後、道具屋の店主が顔を見せた。 どこからどうみても不法侵入。 勝手に稗田家の敷地に入らないで頂きたい。 しかし私は心が広い。やんわりと暴言を吐きながら店主を迎え入れた。 そして店主と取り留めもない会話をする。 近況を滔々と話し、満足したのか爽やかな笑顔で帰っていった。 迷惑極まりない。 永遠に来ないで欲しい。 彼が最後に漏らした一言が妙に耳についた。 「最近の幻想郷の様子はおかしい。嫌な予感がする。」 ちなみに彼の予想が今までに当たった事は無い。 胡散臭さでこの店主に勝てる者など、スキマに住むかの大妖怪くらいのものだろう。 今度の日曜、プリズムリバーのライブがあるそうだ。 あの姉妹の演奏は心に迫るものがあって私は大好きだ。 是非行きたい。 どうか明日こそ晴れますように。 ●九月十八日 快晴。やはり日光は良い。 この光を浴びることができない夜の民(主に吸血鬼)は少しばかり可哀想だ。 とはいえ、あの紅い館の吸血鬼を思えば、全く可哀想とは思えない。 むしろうっかり日の光を浴びて灰になってもらいたいぐらいだ。 本日午前。 霧雨魔理沙が訪れた。 昨日の店主と同じく、完全なる不法侵入である。 しかも今回は空からの侵入である。 勝手に稗田家の敷地に入るのはやめていただきたい。 ただでさえ女中が驚くのだ。 当の彼女と言えばどうやら本を借りにきたらしい。 私の書架からめぼしい本を数冊抜き取って風呂敷に詰めていた。 ちなみに私は貸し出しの許可など一切出してはいない。 やめていただきたい。 諦めの感情に支配された私は彼女にいつまで借りるのかと尋ねると、私が死ぬまで借りるだけだという答えが返ってきた。 お前が死ぬ頃には私はとっくに転生してるっつーの。 午後。 散歩に出かける。 特に用事も無かったが、これも見聞を広めるためである。 三軒隣の大工の棟梁に飴を貰った。 ぺろぺろきゃんでいというものだ。 子供扱いをしないで欲しい。 その飴を舐めながら歩いていると、今度は軒先で水撒きをしていた寺子屋の先生に飴を舐めながら歩くのは危ないと注意された。 子供扱いをしないで欲しい。 先生は私に寺子屋の授業に出て欲しいと懇願してきた。 勘弁してほしい。彼女の話はただでさえ退屈なのに、その内容は全て私の知る範囲のものなのだ。 そのくせ居眠りをしていると頭突きをされる。 もはや拷問に近い。 私はマゾヒストでは無いのだ。 私が先生の代わりに教鞭を振るう、という話なら別なのだが。 今日も目に見えるくらい平穏な一日だった。 どうやら妖怪の山で何やら不穏な動きがあるという噂があるようだが、あの妖怪の巣窟に不穏な動きが無かったことなど無い。 例え何かが起きたにしろ、博麗の巫女が動けばたちどころに解決する。 この幻想郷のパワーバランスを考えれば、むしろ不穏な動きがあった方が均衡が取れやすくなるのではないかとさえも思う。 ●九月十九日 本日は曇り。 どこかの吸血鬼が「良い天気ね」とでも言い出しそうな曇天である。 当の私は日が出ていないと、それだけでテンションが一段階下がってしまう。 欝だ。 私は基本的に暇である。 私の仕事は言わずもがな、幻想郷縁起の編纂である。 私はこの求聞持の能力(簡単に言えば見たものを忘れない能力)を先代達から受け継いだ、阿礼乙女の九代目だ。 本のために生まれ本のために死んでいく、それが私だ。 しかし幻想郷縁起は八割方完成してしまっているので、転生の準備期間に入るまで何もすることがない。 朝昼晩と飯を食い、働きもせずにふらふらしている。 現代風に言えばニートである。 というわけでニートな私は、暇を潰すという崇高な目的の為に博麗神社へと向かったのだった。 あの神社は地味に距離があって、気軽に訪ねるに少々だるい。 おまけに神社へ行く道にはよく妖怪が出没する。 これが絡まれると非常ににだるい。 私は出来得る限り早足で向かった。 どうやら到着した時刻が悪かったらしい。 博麗霊夢は水浴びをしていた。 要は真っ裸だ。 私が男だったらラッキーイベントなのだろうが、生憎私はか弱い女の子である。 彼女はどことなく男受けしそうな体つきだった。 何よりも細い。スレンダーだ。 余分な肉が全くついていない。どころかもう少しで肋骨が浮き出そうなくらい痩せている。 胸も小さい。 彼女の名誉のために付け加えるが、ない訳ではない。 私が彼女に話しかけると凄まじく剣呑な目で睨みつけられた。 私は背筋が凍った。 何か用かと尋ねられたので、特に用はない暇なのだと答えた。 霊夢が可哀想なものを見る目だったのは気のせいだろう。 巫女と二人、卓袱台の前でごろごろしていると、件の吸血鬼が従者と共に現れた。 正直、私は、この吸血鬼はいけ好かない。 この吸血鬼は姉妹揃って精神的にあまりに幼すぎる。 常に上から目線、命令口調なのが不愉快極まる。 誰かに指図されるのは嫌いだ。 あと腹が立つのが、身長がほぼ同じなのだ! 突然の訪問客も混じり、また取り留めもない雑談に花を咲かせる。 女子が三人集まれば姦しいとは良く言ったものだ。(女子と呼べる者が三人もいたのか甚だ疑問だが。私はその場にいた私以外の者は、皆化け物だと認識していた。) そう、あの吸血鬼の従者。 彼女の能力は人間にはあまりに規格外すぎると思うのだ。 下手をしたら神さえも殺せるであろう能力。 あんな吸血鬼如きに遅れをとるような生半可な能力ではないはずだ。 結局、お茶を五、六杯飲みお煎餅をつまみまくって帰路についた。 博麗神社からの帰り道。 私は毎度必ず、ある妖怪に絡まれる。 毎度人を鳥目にしてくる迷惑極まりない奴だ。 うざいことこの上ない。 しかしどういうわけか、今日は奴には出会わなかった。 屋台の経営が軌道に乗ったのだろうか。 今日は少しくらい歌を聞いてやってもいい気分だったのに。 ●九月二十日 本日は晴天。 とてもいい天気で私のテンションも上がる。 と、言っても特にやることも無いので散歩に出かけた。 女中二人が私の外出を見送ってくれた。 何か恨めしそうな顔をしていたような気がするが、きっと気のせい。 里を歩いていると、肉屋の店先に白玉楼の庭師を見つけた。 彼女とはそれなりに顔見知りだ。 幻想卿縁起の編纂の折に、何度か協力してもらったことがある。 脅かしてやろうと思い、後ろから急に話しかけたら斬りかかられた。 死ぬかと思った。 もう彼女に対して絶対にイタズラをしないことを心に誓う私。 当の彼女。何やら浮かない顔をしている。 どうやら彼女は主人のわがままに答えるためにお使いに来たらしい。 私が何か問題でもあったのかと尋ねると、最近こちらでは何か問題はありましたかと逆に尋ねられた。 「こちら」というのはこの世のこと、つまり私が住んでいる方だろう。 私が特に何も無いと答えると、彼女はまた浮かない顔をした。 その後、何故そんなことを聞くのかと追求するも、彼女から明確な答えは得られなかった。 去り際、気をつけてくださいと声をかけられた。 いったい何に対して気をつければいいのか。 わからないが何やら不穏な空気だ。 もしかしたら新たな異変が近いのかもしれない。 とりあえず私は小さく呟いた。 「南無阿弥陀仏」と。 午後、珍しい客が来た。 来客、風見幽香を客間に通す。 とりあえずお茶を出して話を聞くことにした。 彼女曰く、最近鈴蘭の丘に住んでいた人形の妖怪が姿をくらましたらしい。 気がかりになって探してみても、一向に見つかる気配が無いという。 そこで人里に下りてきていないか訊きに来たそうだ。 しかしそのような話は一切聞いたことが無い。 正直に覚えが無い旨を話すと、彼女は珍しく物憂げな顔をした。 基本的に妖怪というものは自由奔放な存在だ。 いつかひょっこり帰ってくるかもしれない。 彼女はこんなことは初めてだと話す。 そういえば。 先ほどの庭師といい、この間の店主といい何か知っているような様子だった。 永夜異変の時のように裏で何か動いているのかもしれない。 ●九月二十一日 快晴。 最高。 やはり天気がいいのはいい。 とはいえ、ニートの私にはやることなどない。 午前中の散歩に出かける。 女中の目が痛い。しかし気にしない。 博麗神社にでも行こうと思い、里を抜けようと早足で歩いていると、目の前に空から天狗が舞い降りてきた。 私は天狗に一瞥くれると無視して歩き出した。 何やら文句を言っている天狗。 五月蝿いことこの上ない。 正直な所、私は天狗の中でこいつ、射命丸文が一番気に入らない。(もっとも、他の天狗などほとんど会ったことが無いのだが) 私がガン無視して歩いていると、彼女が私の腕をつかんで、話しかけてきた。 曰く、人里で何かおかしなことはなかったか、と。 私は昨日も同じ質問をされたことを思い出し、逆に何かあったのかと質問した。 曰く、天狗の長達に口止めされていて人間に話すことが出来ないそうだ。(話しちゃってるじゃん) そして彼女はそのままどこぞの方角へ飛び立って行った。 これは、異変の香りがプンプンする。 あまり大規模なものにならなければいいが。 午後。 博麗神社到着したはいいものの、肝心の霊夢が居なかった。 とても珍しい。 しかしとんだ無駄足を踏んでしまった。 博麗神社からの帰り道、やはりあの歌は聞こえてこない。 私がこの道を通る度に、毎回現れては歌を唄ったのに。 一体あの妖怪はどこへ行ってしまったのか。 人里に戻ると、茶屋に博麗霊夢と霧雨魔理沙、そして八意永琳がいた。 巫女と魔法使いが里に降りてくるという時点で珍しいと言うのに、あの八意永琳まで一緒となると、驚天動地。 しかも茶屋でだべってる。 驚きを通り越し、最早怖い。 私は自然を装い、自然な流れで彼女らと同席し、自然な感じに話に混じった。 八意永琳は、薬が売れないだの竹林で迷う人間が多いだの、姫が云々だの(私は人の事が言えない)、霊夢や魔理沙に愚痴っていたようだ。 私は前々から疑問に思っていたことを訊くことにした。 それは彼女が不老不死であるということについてだ。 以前、霊夢た魔理沙から聞いていたもののにわかには信じられないというのが正直な話だ。 故に、この機会に問いただしておこうと考えた。 彼女曰く、肯。 正真正銘の不老不死だそうだ。 マジですか。 絶対に死ぬことが無いのかと尋ねると、その通りだと答えた。 ただし殺す事は出来るらしい。 全くもって意味がわからない。 殺すことが出来ても死ぬことはないなど、まるで三流の言葉遊びだ。 彼女は笑いながら言った。 不老不殺だったら最強なのにね、と。 ●九月二十二日 本日は雨。 そりゃたまには雨も降るだろう。 自然の力には逆らえない。 従って私の気分は陰鬱だった。 そしてもう一つ、私を陰鬱にする要因が存在した。 八雲紫が私の前に現れたのだ。 とりあえず第一に言いたいのは、何故便所から沸いて出てきやがるのか、ということに尽きる。 いい加減どいつもこいつも玄関から入りやがれ。 驚愕のあまり短い寿命がさらに短くなった気がする。 彼女と私は客間に移動した。 彼女はその間、ずっと悲壮な顔をしている。 あの、常時胡散臭いオーラを振りまいて、仮面のような不気味な微笑みを浮かべている彼女が、だ。 そのあまりにただならぬ彼女の表情に、私はただ困惑した。 何故だろうか。私の心はただならぬざわめきを感じていた。 嫌な予感がした。 嫌な予感しかしなかった。 まるで私が立っている平穏という名のガラス板が、数瞬後には割れてしまうかのような。 まるで地獄への入り口を開いてしまったかのような。 そんな不吉な予感。 客間に入り卓袱台を中心に私達は座った。 一応客人(?)なのでお茶を出した。 もちろん出涸らしだが。 彼女が対面に座り、数刻が経った。 そして彼女は突然に口を開き、質問した。 最近、何かおかしなことはなかったかしら、と。 その質問はここ最近よくされた記憶がある。 そして私はいつも特に無いと答えてきた。 沈黙が部屋を支配した。 聞こえるのは雨の音。 それはひたひたと迫る悪魔の足音。 不吉な空気に満ちていた。 凄まじく居心地が悪い。 嫌な予感しかしない。 しかし、それでも、私は尋ねないわけにはいかなかった。 私は何があったのか、と尋ねた。 彼女は一瞬逡巡する素振りを見せた後、答えた。 今、幻想郷は危機的状況にある、と。 冷や汗が出る。喉は渇きを訴え、舌は砂漠の如く乾燥していた。 しかしそんな抽象的なことを言われても困る。 もっと具体的に話して欲しい。 彼女は押し黙った。 またも壮絶な圧迫感に包まれる。 居心地の悪さに冷や汗が一滴、頬を伝って落ちた。 まるで拷問のような時間が経過した後。 そして、彼女は言った。 何者かによって妖怪が虐殺されている、と。 ●九月二十三日 闇の妖怪、ルーミアの死体が発見された。 第一発見者は里の牛乳屋のせがれ。 朝の牛乳配達の時、里から少し離れた沿道で発見したらしい。 その死体は傍から見たら何が何だかわからないくらい、まさに「ぐちゃぐちゃ」な状態だった。 頭がどれだかさえ判らない。 ただただ赤とピンクの肉片の塊である。 中には白く光る骨らしき物も垣間見える。 内臓はかき混ぜられ、腸以外の内臓の自己主張が全く感じられない。 かろうじて頭部を発見したが、脳漿やら髄液まみれで文字通りぐちゃぐちゃであり、生前のルーミアを示す目印は申し訳程度に残っている金髪だけだった。 その肉塊の周りには、どす黒く変色した血液が散乱していた。 それはただただ凄惨だった。 まるで地獄の一部が零れ落ちたかのような光景だった。 元来、妖怪は滅多なことでは死なない。 古来の文献にこのような一節がある。 人はしばしば哀しみのあまりに石と化し、石はしばしば夜通し泣き続けてやがて土となった。 人間は、土に生まれて土に死ぬ。 土に死ねばこの世に再びかえってはこない。 にもかかわらず、その土からさえこの世に立ちかえってくるもの。 それが妖怪である。 しかし、その死体の悲惨さから、到底復活できるとは思えない。 彼らは朽ちにくいだけで不朽ではないのだ。 その知らせは瞬く間に里や神社、妖怪や亡霊や神の耳にまで届いた。 現場には博麗霊夢、霧雨魔理沙、射命丸文、八雲紫、レミリア・スカーレット、十六夜咲夜、パチュリー・ノーレッジ、東風谷早苗、西行寺幽々子、小野塚小町、上白沢慧音、等々が訪れていた。 異変解決のプロや、幻想郷のパワーバランスの一端を担う者達が一同に会したわけだ。 東風谷早苗などはその肉塊を見て嘔吐していた。 霧雨魔理沙も手を口に当てて嘔吐を必死に抑えている。 正直私も吐きたい気分だった。 死体は八雲紫の手によって地中に埋められた。 どうやら皆の共通認識として、妖怪の仕業ではないかということになったようだ。 確かに人の力で妖怪に打ち勝つのは困難である。 それにあの殺し方。 果たして妖怪をミンチにすることなど、人間に可能なのだろうか。 その後唐突に博麗霊夢が飛び立った。 もしや犯人の目処でも立ったのか。 その後を追うように霧雨魔理沙も飛び立ち、それに続き皆その場を去っていった。 博麗の巫女が動き出したということは、この異変もすぐに解決するはずだ。 そう、今回の異変もすぐに解決される。 だが私は忘れられない。 あの場に最後まで残っていた彼女を。 微笑しながら中空を虚ろに見上げる八雲紫を・・・ ●九月二十四日 私はどうやら事態を甘く見ていたらしい。 今までにないタイプの異変だと思っていた。 しかし、これは「異変」などという生易しいものではない。 完全なる殺人だ。 例え殺された対象が人間では無くとも。 本日午後、アリス・マーガトロイドの死体が発見された。 第一発見者は霧雨魔理沙。 魔理沙は新魔法の材料について訊くためにアリス・マーガトロイドの家に訪れたと言う。 アリス・マーガトロイドの死体は彼女の書斎にあった。 死体は無惨なものだった。 下顎から上、つまり顔面の半分以上が吹き飛んでいた。 欠損していた。 また腹部には巨大な穴がぽっかり空いていた。 滑稽なくらいに綺麗な穴だ。 貫通した腹部の傷の向こう側には、赤黒い臓物が散らばっている。 彼女の死体の周りやきちんと整理された机の上には、どうやら作りかけらしい人形が大量に放置されており、主人の血や肉片を浴びて大変不気味な様を呈している。 その中の一つの人形に、彼女の欠損した顔面の半分が被せられていた。 霧雨魔理沙は泣いていた。 泣いて、叫んで、仇討ちを誓っていた。 私は何故だかその時妙に冷めていて、ああ、魔理沙もこのように感情を表に出すのか、など素っ頓狂なことを考えていた。 博麗霊夢は死体を凝視していた。 ふと霊夢の目を覗き込むと私は戦慄した。 彼女は、そう、なんと表現したらよいのか、まるで世界の終わりのような目をしていた。 普段のおっとりとした博麗霊夢とはまるで別人。 霊夢は私が見ているのに気付くと大きく嘆息して飛び立った。 八雲紫は式神の藍を使い、現場を検証していた。 八雲紫は終始全くの無表情だった。 それに対応するように藍は終始微笑を携えていて、十六夜咲夜と談笑する場面さえ見られた。 一体幻想郷に何が起こっている? 妖怪だけを殺して利益を得る者がいるのか? 何故八雲紫や博麗霊夢、その他大妖怪達が動き出しているというのに解決しない? 何か私が考えている以上の大きな事が、裏で起きているということなのか? 一体、犯人は誰だ? 終始、一心不乱に死体を撮影している射命丸文が不気味でしょうがなかった。 追記 アリス・マーガトロイドの家からの帰り道。 私は少し遠回りをして帰った。 そして異様な光景を見た。 否、見なかった、が正しいか。 妖精に全く出会わなかったのだ。 私はこう見えて交友関係は広い。 幻想郷縁起の編纂のために大概の妖精とも交流を持った。(正確には遊んであげた、が正しい) そのために人里から外れた道を歩けば必ず(正に必ず)誰かしらの妖精に絡まれる。 しかし、今日に限って、全く妖精に出会わなかった。 わざと遠回りしたにも関わらず、である。 何かがおかしい。 何かが狂い始めている。 一体何が起きているというのか。 ●九月二十五日 力関係。 それは多分どんな世界にも適用される見えない鎖。 どんな世界にも、と言うくらいなのだから、もちろん幻想郷にも存在する。 基本的に覆せない絶対で暗黙のルールが。 例えばスペルカードルール。 人間と妖怪の力関係のバランスを、「美しさ」などという主観に頼らざる終えない至極曖昧な概念によって絶妙に保っている。 また、人間と妖怪の問題のみに関わらず妖怪同士の力関係も(もちろん多少の差は出るものの)同等の物に整えられる。 簡単な話、古来天狗は鬼には頭が上がらない従属的関係(現代風に言えばパシリ)にあったが、このスペルカードルールによって対等な決闘が可能になったのだ。 また他にはこんな暗黙のルールも存在する。 それは「博麗大結界を破ってはいけない」ということだ。 それは即ち「博麗霊夢を殺害してはいけない」ということに置き換えられる。 博麗大結界の消滅は直結して幻想郷の滅亡なのだ。 その暗黙のルールは全ての幻想郷の住人に知れ渡っている。 しかし、かと言って、妖怪が博麗霊夢以外の里の人間を無闇に襲って食してよいというようなことは無い。 それこそ長い目で見れば、幻想郷のパワーバランスを崩すことになるからだ。 人間が減れば妖怪の存亡も難しくなる。 そのようなことは人間よりも長生きで賢い聡明な妖怪なら自ずと知ることである。 故に幻想郷は決して治安が良いとは言えないが、平穏だったのだ。 つまり私は完全に慢心していた。 そう。 そんなことは有り得ないと考えてしまっていた。 本日、里の人間が殺されるまでは。 被害者は里の豆腐屋のせがれだった。 第一発見者は十六夜咲夜。 発見時刻は日没直後。 彼女は異変解決の手がかりを探すため、各地に聞き込み調査をしている最中だったと言う。 発見場所は里より約一キロ離れたそれなりに整備された街道である。 奇しくも先日ルーミアが殺害された場所より六百メートル離れた場所であった。 遺体は四肢をバラバラに引き千切られており、頭だけが胴体にくっついている状態であった。 大量の出血跡があり、どう見ても出血多量が死因である。 引き千切られた四肢は遺体の周りに散乱していた。 その凄惨な光景を里の人々は一見して、飢えて死にそうな妖怪の生命存続に関わる捕食活動と捉えた。 遺体もすぐに撤去され、まもなく火葬されるだろう。 里の人々は妖怪の仕業と納得している。 しかし、この殺害事件は明らかに昨日までの事件と関係があるとしか思えない。 そして私はある一点に気付いてしまった。 それは本当に恐ろしい事実。 出来れば気付かなかった方が良かったとさえ思う真実。 その遺体には、欠けている部位が無かった。 その遺体には、足りないパーツが無かった。 その遺体は完全な形で残っているのだ。 つまり その遺体には捕食痕が全く存在しないのだ。 追記 その夜、緊急で開かれた里長会議には、里長、組頭、百姓代、上白沢慧音など里の重鎮が集められた。 勿論、私も参加した。 しかし会議の結果、あまり具体的な対策案は出なかった。 精々夜は外に出歩かないことや、毎晩見張りを立てることが決まったくらいだ。 結局の所、私達は博麗霊夢や霧雨魔理沙などの異変解決のプロ達が、異変を解決するまで待つより他になかった。 しかし当のプロ達は何の成果もあげていない。 これでは駄目だ。いつまでも彼女達に依存してはいられない。 私は忘れない。 尊厳も何もない肉塊にされた闇の妖怪ルーミアを。 私は忘れない。 泣き顔の霧雨魔理沙を。 私は忘れない。 泣き崩れていた豆腐屋の遺族を。 私は幻想郷が好きだ。 その幻想郷に未曾有の危機をもたらしている輩が間違いなくどこかに存在する。 幻想郷を守らなければならない。 記録者としてではない。 幻想郷の一住民として。 私はそもそも老い先短い人生だ。死など恐れるに足らずだ。 私は早速動くことにした。 ●九月二十六日 私は朝から妖怪の山に赴く事にした。。 本日は歩きながら手記を綴る事にする。 わざわざ危険溢れる妖怪の山に行くのには理由がある。 天狗と河童、そして外界からやって来た神社の神が主体となり、妖怪の山全体で同盟を結んだという荒唐無稽な噂話を耳に挟んだのだ。 その噂話の真偽はさておき、私の目的は射命丸文である。 私個人はあのウザパパラッチは好きではないが、今はそんな事を言っている場合ではない。 彼女の情報収集能力が必要だ。 それに前回会った時も、何かを知っている様子だった。 私が川沿いに山を進んでいくと、哨戒天狗が目の前に現れた。 この天狗。 やけに融通が利かない。 やれここを通すわけには行かないやら、やれここを通りたかったら私を倒してからにしろやら五月蝿いにもほどがある。 射命丸文を出せと言っても、射命丸文は不在ですとしか言わない。 ぐぬぬ。 私に戦う力があればこんな哨戒天狗など一捻りだと言うのに。 最後に私は尋ねた。 山の妖怪達が同盟を結んだというのは本当か?と。 私はその返答に全く期待していなかったのだが、予想を裏切る答えが返ってきた。 「我々がどこの誰と同盟を結ぼうが、それがお前達人間にどう関係があるのだ?」 結局私は追い返された。 帰り道。 私は化け猫に出会った。 二本の長いしっぽを持つ典型的な化け猫だ。 確か八雲藍の式神で、マヨイガに住んでいたはずだ。 それが・・・何故、こんな所にいる? そして私は、その化け猫の腕の中に収まっている物を見て戦慄した。 それは紛れも無くメディスン・メランコリーだった。 ダラリと投げ出されている手足は、猫が歩く毎にゆっさゆっさと揺れている。 全く持って生気を感じなかった。 明らかに死んでいた。 私は猫にその人形をどうしたのか尋ねたが、猫はそこら辺で拾ったとしか言わない。 八雲紫と八雲藍の所在を問うも、昨日から出かけてしまって留守らしい。 私は頭がおかしくなりそうだった。 山の妖怪は結託を匂わせ、射命丸文は行方知らず。 メディスン・メランコリーは死んでいて、八雲紫は式神とこの非常事態に出かけてしまったという。 何も分からない。 何が分からないか分からない。 幻想郷に・・・一体何が起こっているんだ。 そういえば霊夢や魔理沙、吸血鬼や亡霊はどこで何をしているのだろうか・・・ 昨日私は事態の重さに気付いたはずだった。 甘かった。 里に帰った私に待っていたのは暗澹たる絶望だった。 私の家、稗田家。 その隣に住む大工の棟梁。 棟梁の妻は病によって先立っていた。 まだ年端も行かぬ一人息子を残して。 男手一つで子供を育てるのはさぞや大変だろう。 しかし息子は父思いのとても素直な子に育っていった。 近所の人達は皆、彼ら仲良し親子を微笑ましく見守り、時には助けてあげていた。 私も彼ら親子には特別に気にかけており、度々食事をご馳走した。 棟梁はいつもたった一人の息子の自慢話を、息子はいつもたった一人の父親の自慢話をしていた。 そんな親子が。 死んでいた。 否、殺された。 そう、殺されていた。 ころされていた。 殺された。 造作もなく。 慈悲もなく。 悲哀もなく。 狂乱もなく。 幻想もなく。 二人は果てていた。 首は玄関の両脇に添えられ。 胴体は二人寄り添い居間に存在した。 居間は血の海で。 玄関からもその異臭を嗅ぎ取れた。 あまりにも。 あまりにも殺される理由がない。 それなのに。 そんな親子を。 もう私には何も分からない。 八雲・・・ 八雲紫はどこにいる? 八雲紫は何をしている? 幻想郷の賢者達は?巫女は?魔女は?メイドは?亡霊は?神は? そう、この幻想郷には、まだ彼女達がいる。 今はそれに縋るしかない。 ●九月二十七日 午前。 山の上から河童が流れてきた。 釣り好きなおじさんが川で釣りをしていた時である。 最初は間抜けな河童がいたもんだ、と笑ったらしい。 この非常事態に釣りをしているおっさんも大概だと思うが。 その後流れてきた河童は五人。 全員川面に浮かび、ピクリとも動かなかった。 正午。 森近霖之助が惨殺されていた。 魔法の森の近く、香霖堂での事である。 博麗霊夢が訪ねた時だったそうだ。 私が訪れた時、霧雨魔理沙、その他大妖怪も集まっていた。 そして八雲紫も。 博麗霊夢は泣いていた。 霧雨魔理沙も泣いていた。 彼女達は幼い時分よりここの店主にお世話になっていたと聞いた。 魔理沙が泣きながら死体の側にある紙切れを取ってきた。 皆が覗き込む。 東風谷早苗が呟いた。 これはダイイングメッセージではないか、と。 彼女曰く、死に際に犯人の手掛かりを残したり、何かを伝えようとしたりするのがダイイングメッセージと言うらしい。 しかし、この紙切れに書いてある事は犯人の名前や何か伝えたい事には思えない。 そこにはこう書かれていた。 「運命がそれを選択したなら僕はそれ受け入れよう」 十六夜咲夜は紙切れを見て笑った。 運命などお嬢様にかかれば些細な事。 それを受け入れるとはつまらない事ですわ。 そう言って笑った。 それを聞いた魔理沙が咲夜に飛び掛ったのだが周りの者に止められていた。 私は八雲紫に問い詰めた。 あなたは一体何を知っているんだ。 彼女は笑った。 とても悲しそうに。 彼女は言った。 「さぁ?何も知らないわ。」 最早、幻想郷は楽園ではない。 地獄だ。 人間も妖怪も誰も彼もが死の恐怖に怯えていた。 そんな中、気丈に振舞っていた肉屋のおばちゃんがいた。 元気いっぱいに客寄せをする気持ちの良いおばちゃんだったのだが。 発見された時の状態は、店の商品と大差が無かった。 まさか自分がミンチにされるとは思ってもいなかっただろう。 これで人間の犠牲者は四人目だ。 不謹慎極まりない話だが、ここまで来ると笑ってしまう。 本当にこのままでは幻想郷が滅亡してしまうのではないか。 自警団を組織する必要がある。 結局私が達した結論はそれだった。 八雲紫は遠まわしにこう言った。 あきらめろ、と。 お前に出来る事は何も無い、と。 私はあきらめた。だからあなたもあきらめなさい、と。 彼女の言から、私はそう受け取った。 あきらめると思うのか? 私達幻想郷の住人は数々の滅亡の危機から知識や知恵を振り絞り乗り越えてきた。 この程度で人間や妖怪があきらめるとでも思うのか。 この美しい世界を。 自由で愉快でそれでいて恐ろしく、悲しげで儚いこの世界を。 幻想郷を創った大賢者だか千二百年前から存在する大妖怪だか知らない。 幻想郷を好きな全ての人々が簡単にあきらめると思うのか。 幻想郷を舐めるな。 幻想郷を見くびるな。 例えそれが幻想郷の意思だとしても。 私達は抗ってみせる! 妖怪と協力する必要がある。 この状況下に置いてそれは最も安全だ。 妖怪は基本的に群れない。 だから単体の時に狙われる。 人間は力が弱い。 だから簡単に襲われる。 ならば群れればいい。 行こう。 まずは紅魔館。 吸血鬼を味方につける。 紅魔館へと辿り着いたのはもう夕暮れだった。 いつになく真面目に見張りをしている門番。 さすがにこの緊急事態、悪魔の屋敷といえど警戒は強くなるということだろう。 それとも妖怪の「野性的な勘」か何かで自らの危機を感じ取っているのか。 門番曰く、先ほどから魔理沙が来ているらしい。 ふむ、ちょうどいい。 魔理沙にも話しておこう。 彼女は何だかんだと言いながら戦力になる。 この館の主も魔理沙も説得は一筋縄に行かない事は間違いないが、味方になってくれるのならこれほど心強い者はいない。 そんな事を考えながら紅魔館の紅い廊下を歩いている時だった。 とある一室から誰かが唐突に飛び出してきた。 魔理沙だ。 顔面蒼白の魔理沙が飛び出してきた。 ここ最近、魔理沙の普段見れない顔が見れてちょっと楽しかったりする。(不謹慎だろうか。私の感覚もここ数日の出来事によりおかしくなっているのかもしれない。) しかしその魔理沙の並々ならぬ形相に、そんなアホみたいな思考はぶっ飛んだ。 魔理沙が私を見つけてヤバいヤバいと連呼する。 私の体全体に嫌な予感が充満した。 足取りは急に重くなり、心拍数が上がる。 心臓の音がやけにクリアに聞こえる。 私はゆっくりとドアをくぐり、部屋の中を見た。 そして予感は確信に変わる。 そこにはベッドが。 大きなベッドがあって。 悪魔が寝ていて。 悪魔が気持ち良さそうに寝ていて。 悪魔の胸には、大きな大きな杭が、突き刺さっていた。 悪魔が死んでいた。 冷や汗が頬を伝った。 まさか魔理沙が。 魔理沙を見ると私がそんなことをするわけ無いだろうと必死に弁解した。 確かに、魔理沙にはあまりにも動機が無い。 とにかくこの状況はマズい。 何故なら今この屋敷には部外者は二人しかいないのだ。 私と魔理沙。 たった二人の容疑者。 もし。 もしこの状況を十六夜咲夜に見つかったら。 間違いなく殺される。 だが、逃げるわけにはいかなかった。 門番は部外者二人が中に居る事を知っている。 ここで脱兎の如く逃走したとしても、従者が血眼になって私達を探すだろう。 それに、私達の無実を証明しなければ。 腹を括るしかない。 魔理沙が心底疲れた顔で言う。 「あんたも災難だな。」 全く。と私はそっけなく答えた。 すると魔理沙が口を開く。 「ハメラレテルンジャナイカ?」 まるで嘲笑するかのように魔理沙は言った。 何故だろう。私は背筋が凍った。 魔理沙に聞く。 あなたはどうして紅魔館へ来たのか、と。 彼女は答えた。 「藍に言われたんだ。ここの図書館には色々な殺人事件について取り扱っている本が多いってね。」 私は戦慄した。 ●九月二十八日 満身創痍とはこの事である。 昨日の紅魔館での出来事は思い出したくもない。 もし七曜の魔女が私達の弁護(というか物理的な防御)をしてくれなかったなら、私と魔理沙は今この世にいなかっただろう。 しかし、あの幻想郷に名の轟く吸血鬼。 レミリア・スカーレットがこうも容易く殺されるとは。 これで紅魔館の悪魔達との協力は無くなってしまった。 本音を言えば もう十六夜咲夜に会いたくない。 次の策を考える事にする。 ここは順当に行って、亡霊達を味方につけることだろう。 白玉楼の住人を説得するのだ。 彼女達は吸血鬼以上に何を考えているのか分かりにくいが、その分強力な力を持っている。 何よりも重要なのは 亡霊は死なないのだ。 もう死んでいるから。 既に死したる者を死なす事は出来ない。 故に私は彼女達に強力を仰ごうと考えた。 問題はどうやって白玉楼に行くか、だ。 私は残念ながら空を飛ぶことができない。 ここは魔理沙に頼む事にしよう。 魔理沙には昨日話をつけ、人里に滞在してもらっている。 最初に話をした時には魔理沙は少々苦い顔をした。 人里には彼女の両親が住んでいるからだろう。 プライベートな事なので割愛するが、彼女が自分の信念を曲げてまで人里に滞在してくれたのだ。 今の事態はそれだけ緊迫しているということだろう。 早速彼女が仮宿として泊まっている寺子屋へと向かった。 結論から言おう。 魔理沙は血まみれの博麗霊夢を担いでおり、 風見幽香が死んでいた。 太陽の畑に向かう道での事だ。 風見幽香の方から仕掛けてきたらしい。 理由は全くの不明である。 が、相手が本気で殺しにかかってきているとわかった霊夢が命からがら返り討ちにしたらしい。 その場を見つけた魔理沙が二人を人里まで連れてきた。 風見幽香は胸元にバックリと穴が空き、既に事切れていた。 しかし解せぬのは。 あの大妖怪、風見幽香がこの程度の傷で死ぬのか? 対して博麗霊夢は全身に打撲や切り傷があり、左手があらぬ方向へ曲がっていた。 また太ももの肉がごっそり削り取られており目も当てられぬほど痛々しい。 彼女自身は「大丈夫、痛くないわ」などと強がっているが、顔面蒼白で今にも失神しそうである。 このままでは出血多量で命が危ない。 早急に永遠亭に連れて行くことにした。 詳しい事は怪我の治療の後に聞けばいい。 今は命の方が大事である。 私と魔理沙は霊夢を台車に載せ、上白沢慧音に強力を仰ぎ、藤原妹紅を護衛に付け永遠亭に向かった。 迷いの竹林を進む間、誰も何も喋らない。 上白沢慧音だけが博麗霊夢を励まし続けていた。 ここ数日間、私は今までに経験したことが無い尋常ならざる事態の数々に直面してきた。 そして数々の絶望に打ちひしがれた。 もし、世界を創った神が私達に試練を与えているのだとしたら。 これほど理不尽な仕打ちがあるだろうか。 一体私達が何をしたというのか。 迷いの竹林を抜けた時、藤原妹紅が驚愕に目を見開いた。 そして彼女が発した言葉は、私達を更なる絶望の淵へと叩き落した。 「永遠亭が・・・ない・・・」 永遠亭は 消滅していた。 結局のところ、私達は霊夢を人里に連れて帰り稗田家で出来うる限りの治療を施す事にした。 藤原妹紅は当分の間放心していた。 それだけ衝撃的だったのだろう。 それはそうだ。 永遠亭には彼女の生きる道標が存在していたのだから。 永遠亭の消滅。 これは一体何を示すのか。 永遠亭の住人は不老不死ではなかったのか。 死の概念が無い彼らは一体どこへ消えた。 こんな事が出来るのは・・・ いや、やめよう。 不毛だ。 私も疲れているようだ。 正直に言えば、私も怖い。 元々短命で近い将来に転生するとはいえ、死は怖い。 怖くないはずがない。 だが、だからこそ必死に生きる。 生き残る。 生きて生きて、そして死ぬ。 必死に死ぬ。 そうして世界は螺旋を描く。 私達はそんな中で生きてきた。 藤原妹紅は里に残ってくれるそうだ。 これは大きな戦力だ。 不老不死の者が仲間になってくれる事は純粋にありがたい。 今日はもう疲れた。 客室に寝かせている霊夢に声をかけたが無反応だった。 しかしとりあえず山は越えたようなので一安心だ。 寝よう。 また朝日が昇る事を祈って。 ●九月二十九日 ●九月三十日 私はもう思考を止めた。 朝日なんか昇らなければよかったんだ。 明日なんか来なければよかったんだ。 いつぞやの夜が終わらなかった異変。 あの迷惑な異変が今再び起こったとしたら、どれほど有り難い事か。 たとえ世界が、善なる者が虐げられ、永遠に朝日を臨む事が出来なくなり、夜の眷属が王座に付き、魑魅魍魎が跋扈するような闇の世界に変貌したとしても。 九月二十九日という日が訪れない方が良かった。 絶対に。 今更何を言っても仕方がない。 最悪だった。 見えない敵は常に先手を打ち。 我々は常に後手。 後悔。 反省。 結局の所、そんなものには意味なんて無いし、意義も無い。 過ぎた事については考えたところで無駄なのだ。 全ては無駄で無為で無意味で。 全てが手遅れ。 それでもこの行く宛も無い黒く錆び付いた激情が、そして精神に纏わり付いた恐怖が、理性を納得させてくれない。 手遅れ。 絶対的に手遅れだった。 前日。 九月二十九日。 正午過ぎ。 まるで世界の理から外れてしまったかのような静寂に包まれた寺子屋。 上白沢慧音とその日来ていた生徒。 合計二十一名が肉塊と成り果てていた。 教室内は地獄だった。 閻魔だろうと逃げ出すような、そんな絶景。 正に絶えた景色。 常軌を逸している、という域を逸している。 血の赤。 骨の白。 私はこの光景以上の地獄を知らない。 里は大混乱に陥り、私は恐怖に寝込んだ。 凄惨な死を目の当たりしたからでも、自身が同じような肉塊と化す事を恐れたからでも無い。 犯人に恐怖した。 逸している。 脱している。 違っている。 間違っている。 どうにもならないくらい狂っている。 あいつ。 あいつが。 あいつしかいない。 こんな事が出来るのはあいつしかいない! あいつだけだ。 あいつだけだ・・・ 昨日私の家の女中のうち二人は実家へ帰った。 一人は残った。 残った理由が「殺される前にあなたに餓死されたら死んでも死に切れません。」と来た。 その物言いに思わず笑った。 まだ笑えた事に驚いた。 里の人間は妖怪を殺し始めた。 恐怖に耐え切れなくなって。 絶望に押し潰されて。 そして妖怪も人間を襲い始めた。 正当防衛でもあり、本能でもあり、そして彼らも恐怖に突き動かされて。 幻想郷は未曾有の大混乱に陥った。 武装する人間と里に攻め込む妖怪。 戦争と言っても差し支えないほどの狂乱。 そこに平和だった幻想郷の面影は無かった。 実家に帰った女中の一人は死んだ。 今日の午前中の事だ。 他に二人、里の人間が死んだらしい。 冥界から魂魄妖夢が顕界へと降り立ったのも午前中の出来事である。 顕界の様子の激変振りに困惑していたようだ。 どうやら主人から具体的な命令を貰っていないらしく、この惨状を打開する事にしたらしい。 彼女は争いの渦中に飛び込み両者に刀を突きつけ、こう言い放つ。 「落ち着け。落ち着かないと斬る!」 彼女は生真面目なのだ。 博麗霊夢は意識はあるもののぐったりとしていた。 付け焼刃の治療だったので仕方が無い。 命が助かっただけ良かっただろう。 藤原妹紅は泣きながら里を襲う妖怪を薙ぎ払っていた。 彼女の咆哮は数里離れた場所まで聞こえた。 霧雨魔理沙はいつも以上に軽快な調子だった。 彼女はこんな状況だというのに、博麗霊夢と世間話に花を咲かせた。 本当にどうでもいい話。三馬鹿妖精がまた何か企てているとか、傘の妖怪が住処を変えてたとか。 きっと魔理沙なりの気遣いだろう。 ある種の達観だったのかもしれない。 魔理沙が暗いと周りも暗くなる。 魔理沙が明るいと周りも明るくなる。 魔理沙が笑うと、霊夢も笑った。釣られて私も笑った。 彼女の魔法は偉大である。 「普通の魔法使い」などとんでもない。 最高の魔法使いだ。 そして彼女はまるで近所の八百屋にお使いに行くかのように、言った。 「ちょっくら妖怪退治に言ってくる。留守は頼んだぜ。」 彼女は去った。 霧雨魔理沙の死体は湖のほとりで見つかった。 体中に突き刺さっているのは銀のナイフ。 まるで針鼠。 彼女の金髪とナイフの銀の輝きと鮮やかな血の赤。 死のコントラスト。 ナイフ。 銀のナイフ。 吸血鬼に対して最も効果的な武器。 その武器を好んで使う人物に心当たりが無いわけが無かった。 私は霧雨魔理沙の体を抱きしめた。 冷たくなった彼女を。 努力家で負けず嫌いで、実は誰よりも優しい彼女を。 彼女は。 彼女は幸せだったのだろうか。 こんな世界に生まれ、家を捨て、親を捨ててまで自分の意思を貫いた彼女は。 周囲の強者に圧倒され、それでも弛まぬ自己研鑽により、どうにか対等に渡り合い、そんな苦労の毎日を常に楽しそうに振舞ってきた彼女は。 果たして幸せだったのだろうか。 私は魔理沙の顔を覗き込んだ。 私は涙が堪えられなかった。 霧雨魔理沙は笑顔で死んでいた。 ●十月一日 何故か爽やかに目が覚めた。 快晴である。 朝一番で魂魄妖夢の死体が発見された。 首から上が無く、心臓も一突きされていた。 どうやら自らの得物で斬られたらしい。 桜観剣で首を、白楼剣で心臓を。 なんとも皮肉な殺され方だった。 全く笑えない。 霧雨魔理沙の死を聞くと、博麗霊夢は奈落の底のような目をした。 「もう、ダメかもね。」と霊夢が呟く。 「まだ、ダメじゃないよ。」と私が返す。 正直に言えば、もうダメだと思っていた。 でも口に出してしまったら、本当にダメになってしまいそうだった。 私の小さな自尊心が口を回す。 「まだ終わったわけじゃない。希望が無いわけじゃない。何故なら、現に私達はこうして生きている。それは意義あることだよ。」 霊夢は目を伏せて、「そうね。」と呟いた。 里は昨日と打って変わり驚くほど静かになった。 見張りも拍子が抜けるほど、妖怪が攻めて来なくなったのだ。 これは好機と里の偉い人達が何やら会議を始めている。 普段なら私も会議に混じり意見を交わすことが出来るのだが、今回はやんわりと拒否された。 大方の所、妖怪と多少なりとも親交のある私に、少なからずの嫌疑がかけられているのだろう。 そのためか、里の外に出してくれなかった。 私は死者の埋葬に手を貸す事にした。 何もしないよりは何かしていた方が気が休まる。 否、もしかしたら。 現実を直視出来ないだけかもしれない。 結局今日は特に何も起きなかった。 故に、人々の恐怖は尋常ならざる物へと変貌していた。 この静寂は嵐の前触れだと、誰もが肌で感じ取っていた。 今日も人々の頭上に、夜は降りてくる。 幻想郷が鼓動する。 ●十月二日 本日は曇り。 どこかの吸血鬼が「良い天気ね」とでも言い出しそうな曇天である。 もっとも、その吸血鬼はもう居ないのだが。 博麗霊夢は疲弊していた。 状態は悪化の一方で、里の医術程度ではどうにもならない領域に達しているようだった。 彼女は呟く。 「もう長くなさそうね。」 私はこんな弱気な霊夢は見たこと無い。 午後、衝撃波が里を揺らした。 来た。 誰もが確信しただろう。 災禍が来た、と。 湖、そして紅魔館。 その方向へと続く里の入り口に。 悪魔の妹、フランドール・スカーレットが屹立していた。 目は焦点が定まっておらず、顔はあまりにも生気が無い。 まるで蝋人形のように、そこに居た。 彼女は手を自らの前に差し出し、キュっとこぶしを作った。 遠巻きに眺めていた里の人間が爆散した。 里は一瞬で阿鼻叫喚の地獄となった。 逃げる群衆。一体どこへ逃げるのか。 逃げ場所なんてどこにある? ここは幻想郷。最後の楽園。最初の地獄。 フランドール・スカーレットがこぶしを作る。 爆発する人間。 フランドール・スカーレットがこぶしを作る。 炸裂する人間。 フランドール・スカレーットがこぶしを作る。 拡散する人間。 無邪気な子供が蟻を潰すかのように、人を潰していく少女。 しかしその表情には一切の無邪気さは無かった。 感情が無かった。 そして彼女の眼前に立つ白髪の少女。 「ちょっと、ちょっと。待ちな。人間を殺すのは私を殺してからにしろ。」 白い髪に紅いもんぺ。 藤原妹紅が悪魔と対峙した。 「他の者達はどこへ行った?お前が外へ出る事は許されていないはずだ。」 悪魔が、瞳孔を開いた。 無機質な声が響く。 「朝起きたら、皆死んでた。」 「それはどういう事だ!?」 「皆死んでたって事だよ。咲夜も美鈴もパチュリーも、そしてお姉様も。私だけが残された。私だけが。」 私だけが、私だけが、と呟き続ける悪魔の妹。 彼女は完全に常軌を逸していて。 手を触れたら壊れてしまいそうなくらい脆かった。 「死、ね。」 何の前触れも無くキュ、とこぶしが閉じられ。 藤原妹紅は爆散した。 そして一瞬で元の形に戻る。 藤原妹紅は舌打ちして抗戦の構えをとった。 「どうした。吸血鬼。童に追われたか。仕方ないから相手してやる。お前は不老不死者まで壊せるか?」 そして戦いの火蓋が切られた。 スペルカードルールなど存在しない純然たる殺し合い。 凄まじい物だった。 人間など取るに足らない存在であるということを再確認できる、そんな闘争。 彼女達の殺し合いは、里を容赦無く蹂躙していった。 家屋が吹き飛び、人が燃え上がり、地が割れる。 フランドールは藤原妹紅を壊し、藤原妹紅は再生し続けた。 決着の付かない戦い。 まるで千日手。 しかし戦いは予想外の決着を迎えた。 射命丸文が突然中空に現れ、手にする団扇で暗雲を打ち払ったのだ。 日光が幻想郷に降り注ぐ。 フランドール・スカーレットの体が燃え上がり灰へと変わっていく。 妹紅の業火でも焼けなかった悪魔の体躯が。 ああ、お姉様。いつもでも一緒に。 そう言って彼女は果てた。 ●十月三日 快晴。 幻想郷は混沌としていた。 昨日の騒動で里は大部分が損壊、あるいは全焼し、死傷者も多数に上った。 実家に帰した女中のもう一人も死んだ。 霊夢は相変わらず顔色が悪かった。 しかし、本人曰く「山は越えた」らしいので少しばかり安心している。 今日も射命丸文が里に降り立った。 そして端的に事実を告げた。 幻想郷に残っている天狗は私しかいないという事。 外の世界からやって来た神が殺された事。 同時に東風谷早苗が守矢神社の境内で首を吊って死んでいた事。 どれも驚愕に値する情報だった。 何よりも聞きたい事は天狗が幻想郷にいないという情報。 私が彼女に問うと、あしらうかのように言った。 大天狗達は幻想郷に見切りを付けた、と。 私は私の意志で幻想郷に残っている、と。 もう一つ聞きたい事があった。 八雲紫はどこにいる? さぁ。知らないですね。 そう言って射命丸文は飛び立って行った。 まるでここに居たくないかのような落ち着きの無さだった。 ●十月四日 快晴。 やはり天気が良いのはいい。 藤原妹紅が消えた。 里のどこを探しても見つからなかった。 ●十月五日 そんな。 嘘だ。 こんなことがあってたまるか。 ありえない。 私は、 ●十月六日 ●十月七日 ●十月八日 ●十月九日 ●十月十日 ああ、誰かたすけて ●十月十一日 ●十月十二日 ●十月十三日 ●十月十四日 ●十月十五日 ああ、あの子こんな物書いてたのね。 全く厄介な子。 まぁいいわ。大体の事は終わったから。 ついに私は幻想郷を滅ぼした。 意外と簡単だった。 途中幽香に不意打ちされた時はどうしようかと思ったけど。 でもそのおかげで私に疑いの目がかけられなくなって良かったかもしれない。 あの程度の傷、私の力を込めた符を持ってすればどうということは無いのに。 さて、今回の異変、犯人は私。 そう、博麗霊夢でした。 あは。 別に何か大きな理由があったわけじゃない。 自分が分からなくなったから世界を壊してみただけ。 だって私は気付いてしまったから。 最後の楽園、幻想郷。 幻想の郷。 じゃあここは一体誰の幻想なの? 引き金はそんな些細な事。 それに気付いてしまったら、世界はまるでハリボテに見えた。 そう、よく見たら人の幻想のように薄っぺらい世界だった。 だから私は壊してみたくなった。 全てを。何もかもを。 そんな幻想をいつしか抱くようになった。 だから実行した。 理由はいつだって単純。 登山家が山に登るときと同じ。 そこに山があるから。 そうでしょ? まず私は妖精や弱い妖怪を狙った。 まるで紙くずのようだった。 手ごたえの無さで言えば彼ら以上の存在は居ない。 つまんなかった。 それに彼らは私を警戒しなかった。 巫女の仕事は妖怪退治。 今時の妖怪はそんな事も忘れてしまったのかしら。 スペルカードルールに囚われた可哀想な妖怪達。 彼らを滅殺するのに罪悪感などは微塵も無かった。 そういえばミスティア・ローレライを殺した日。 返り血をたくさん浴びた後に、あの子がうちの神社に来た事があった。 水浴びをするのがもう少し遅かったら、私はあの子を殺していただろう。 メディスン・メランコリーを早急に殺したのは失敗だったかもしれない。 そのせいで幽香に私がやった事がいち早くばれてしまった。 そして私には問題があった。それは不老不死の殺害方法。 しかし彼らは間抜けである。自ら己の攻略法を教えたのだから。 「死ぬことは無くても、殺すことは出来る。」 簡単な話だった。だって殺し続ければ良いんでしょ? 私は簡単な空間隔離の術式と最大威力の符を組み合わせ、無時間移動の応用術で空間の連続性を否定し、彼らの住む永遠亭をまるごと殺し続ける事に成功した。永遠を永遠で上書きしたということだ。 それに念には念を入れて、破られたとき用に二重の結界で殺し続けている。 今頃亜空間で殺され続けている事だろう。 アリスを殺した時はさすがに心が痛んだ。 結構長い付き合いだったし。警戒のかけらも無かった。 だから殺すのは容易かった。 あまりにも部屋が綺麗だったから、身内の行いだとバレるのではないかと懸念したけど、多分気付いたのは文くらいだっただろう。 そして私は人間にも手をかけた。 これもまた、罪悪感の欠片も存在しなかった。 あの泣き叫ぶ家族。五月蝿いことこの上なかった。 家族の居ない私には理解出来ない物だった。 そして次々と人間を殺した。 正直に言えば妖怪よりも人間の方が殺しやすかった。 人間の方が生命力が弱いから。 霖之助さんを殺した時は、不快だった。 あの人は私を見ると、全てを悟ったように微笑んだ。 気に食わないから瞬殺してあげた。 でも一応お世話になった人だから、泣いてあげた。魔理沙はどうして泣いていたんだろう。 レミリアを殺すのは簡単だった。 咲夜の力は強力だけど、私だって似たような事は出来るのだ。 ちょっと力は劣るけどね。 そして幽香の奇襲。私の最大の誤算。 幻想郷の暗黙のルール、「巫女を殺してはいけない」っての無視した特攻。 どんな妖怪も私と対峙した時はスペルカードで決闘をしようとする。 だから私はそのスキを突いて速攻で殺しつくす。例え本気で相対することになっても相手が私では殺すことができない。 故に私は負けることが無かった。 だから幽香は手強かった。 しかし博麗の巫女の敵では無い。 なんとか撃退したがそれなりの深手を負ってしまった。 そして永遠亭に連れて行くくだりである。 最早私はその時点で永遠亭は葬り去っていた。 それにこの程度の傷はさっきも言ったけど自分でなんとかなるレベルだった。 だから慧音が私を励ましている時、私は笑いを堪えるのに必死だった。 だから次の日、慧音と子供達を皆殺しにしてやった。 最高の気分だった。 あの子は寝込んでいたようだけど。 はは、「どうにもならないくらい狂ってる」か。 確かに私は狂ってるかもしれない。 でもあなた達自身が狂っていないという証拠はあるの? 一つ誤算があるとしたら、咲夜が魔理沙を殺したことだ。 魔理沙は友人だ。 だから殺すのは最後にしようと思っていた。 なのに咲夜は魔理沙を殺した。 私は怒った。 だから憂さ晴らしに近くに居た妖夢を殺し、次の日に紅魔館へ押し入った。 紅魔館の連中は難なく殺せた。統率者がいない組織など壊すのは容易い。 フランドールはわざと見逃した。 私からのちょっとした絶望のプレゼントだ。 あの子の家で寝ている時に小耳に挟む事は私にとって有益だった。 妖怪や人間が同士討ちを始めたと聞いた時は内心とても喜んだ。 そしてフランドールが里に来た日、私は里を抜け出して守矢神社に行った。途中に出会った哨戒天狗は殺した。 そして神を討った。東風谷早苗の目の前で。 東風谷早苗は絶望に打ちひしがれていたようなので私がちょっと入れ知恵するとすぐに首を吊った。 残る脅威は鬼と亡霊、そして八雲紫くらいだった。 とりあえず怒り心頭であろう幽々子を成仏させてやった。 どうも幽々子は里に攻め込もうとしていたらしいので、里の人間達は脅威を排除した私を褒めてもらいたいくらいだ。 残る鬼だがどうも見かけないので放置した。 どっかで同士討ちでもしたのだろう。 そして私は残党狩りを始めた。 妖怪、亡霊、妖精、人間。区別無く虐殺して行った。 そういえばあの子を殺す時は面白かったな。 「嘘だ。ありえない。だって霊夢は幻想郷をあんなに愛していたじゃないですか!」 ちゃんちゃらおかしい。 一発でぶっ殺した。 でもありがとう阿求ちゃん、あなたのおかげで事が進め易かったわ。 さて、今やこの幻想郷は滅亡寸前だ。 残る者はただ一人。 八雲紫。 多分あいつは最初から私が犯人だって分かってた。 でも何故だか泳がせてくれた。 不可解だったけど邪魔をしないんだったらそれはそれで良かった。 もしかしたら何か策を打っているのかもしれない。 でも、もう遅い。 もう意味なんて無い。だってもう誰も居ないのだから。 さて、最終決戦と洒落込もうかしら。 まぁ遺言的な物を残すとしたら、そうね。 私は人生が凄くつまらなかったわ。 しかも最後までつまらなかった。 だから、もし生まれ変わったら。 もう少し楽しい人生を送りたい。 もしこれを見ている人がいて、もし私の生まれ変わりに会う事があったら。 少しでも幸せにしてあげて欲しい。 それも皆。 幻想郷の皆。 皆を幸せにして欲しい。 それが私の願い。 矛盾してるって? それがいいのよ。 さて、このくらいにしておこうか。 うーん。良い満月だ。 そういえば先月も良い満月が見れたな。 思えばあれが最後の宴会か。 まぁどうでもいいことだね。 よし。行こうか。 幻想を終わらせに。 了
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/1154.html
越後国 蒲原郡 上條組 橡堀(とちほり)村 大日本地誌大系第34巻 50コマ目 府城の西に当り行程15里。 家数31軒、東西1町・南北4町。 山間に住し東は室谷川に傍ふ。 村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。 東4町八田蟹村の界に至る。その村は丑寅(北東)に当り6町。 西25町計下條組谷沢村の山に界ふ。 南4町広瀬村の界に至る。その村は未申(南西)に当り8町。 北10町高出村の界に至る。その村は丑(北北東)に当り10町。 山川 仁谷山(ひとがたにやま) 村西1里計にあり。 頂上まで15町計。数村入逢なり。 松・杉多く、黄連(おうれん)を産す。 ここより西南に連れる鍋倉(なへくら)という山に周8、9間・深2丈計の土穴あり。 村老の説に、昔高倉宮以仁王御生害(ごしょうがい)ありし所なり。因てこの辺を御生害峯(こしやうかいがみね)といい、この穴今に草木を生せず旱歳雨を祈れば験あり、故に「時雨御竈(しくれみかまと)」ともいう。 また一説に、この所は宮の御生害ありし所にはあらず、いつの頃にか時雨(しくれ)王という人、乱を避けてここに匿(かく)れしに、炊煙(すいえん)を認て蹝跡(しょうせき)せられんことを恐れ斯(この)穴を穿ち飯を炊きし所故「御竈」の名あり。この人の詠なりとて 鹿ならて かよはぬ道も ふみわけて 今よりのちは すむ人のたに といえる歌、土人の口碑に伝う。 (舊事雑考には永亨5年(1433年)新宮氏この地にて自殺せしよしを註せり) 室谷川 村東4町計にあり。 広瀬村の方より来り、北に流るること13町計高出村の界に入る。 御番沢(こはんさわ) 村北2町計にあり。 源を仁谷山に発し、所々の渓流これに注ぎ、1里30町山中を屈曲して流れ室谷川に入る。 広10間。 この水を引て田地に漑(そそ)ぐ。 旧この所より村松領川内谷の諸村に通る径路ありし故、加藤氏の時よりここに口留番所を置き往来を察せしむ。近頃通行の者なく草木繁茂せしにより、寛政5年(1793年)に廃す。御番沢の名も番所ありし故なりとぞ。 因に加藤氏の時あたえし文書を左に出す。 覚 一 足まへ之事 一 高に掛り候金銀の事 一 京夫江戸夫之事 右者小川庄栃堀村之内越後へ之道筋人ケ 谷に其村ゟ定番を置候に付而 右 之通許置候條 不致油断堅可守者也 寛永十六年 守 主馬 九月十六日 判 小川庄栃堀村 肝煎 百姓中 屏風滝 村より戌亥(北西)の方6町余、御番沢にあり。 高20丈計。 両岸岩峙て屏風の如し。 沼 村西8町にあり。 周80間。 神社 山神社 祭神 山神? 相殿 白山神 鎮座 不明 村南30間にあり。 鳥居あり。九島村齋藤丹後が司なり。 古蹟 館跡 村より戌(西北西)の方3町、山上にあり。 東西25間・南北40間、隍の趾遺れり。 村民伝ていう。治承年中(1177年~1181年)長谷部兵衛尉信連、高倉宮に従い来り守護の為ここに築く。 信連もと大和国広瀬郡広瀬郷を領せしかば、故郷忘れがたくその名をここに移し広瀬城と名けしとぞ。 旧家 長谷川源左衛門 この村の肝煎なり。 長谷部信連が子孫といい伝えれども系譜を失い、いかなる故にて長谷川を名乗りしにか知れず。 元和6年(1620年)蒲生家よりあたえし文書を蔵む。その文如左。 漆之木有之在〻所〻蝋漆之御年貢に付而迷惑仕由候然者書在郷肝煎百姓手柄次第に漆之木うへふやし可申候 何程多ふへ候とも 今迄村〻ゟ納來御年貢より御增候て被召上候義 末代迄有間敷候 然上ハ以來枯木風折木又は如何様之申分雖有之 今迄之御帳面之内一本も御引有敷候 得其意漆之木修理可仕候在〻くつろき候様にと被思召 右之通被仰出候間 以來違變有之間敷候間 全存其旨 精を入植ふやし可申者也 元和六年九月十五日 福西吉左衛門尉 宗長 判 稲田数馬助 貞忠 判 小川庄栃堀村肝煎百姓中 Google Map栃堀地区 人ヶ谷山(仁谷山) 鍋倉山時雨御竈の跡は見当たらず。 室谷川 - 現在の常浪川 御番沢 - 現在の御番沢川のこと(常浪川との合流地点)。川沿いに林道が通っています。 屏風滝 - 不明。 山神社(大山神社?) 広瀬城跡 - 不明。村西に城山という山があります。この山上にあったのではないのでしょうか? 余談:林道新箕輪線。 御番沢川が常浪川へと合流する地より御番沢川沿いに走り、北上し(下條組)谷沢村方面へと抜ける林道です。 始点から約5㎞の所に2つの遺跡があります。残念ながら詳しい場所が載っている資料がないためGoogle Map上にマークすることができませんが、通行した方がブログに案内板の写真を載せていたので参考にしたいと思います。 新潟県阿賀町、広谷「道標姫桂」です!! 遺跡 道標姫桂ブログ内に説明がありますが番所があった所です。現在も立派なカツラの木がそびえており、根本には案内板が立っています。 人ヶ谷岩陰遺跡縄文時代の遺跡だそうです。数度の発掘調査も行われており、現地には案内板が立っています。(参照:ラ・ラ・ネット)
https://w.atwiki.jp/toho/pages/7202.html
紺 -KAN- サークル:SOUND HOLIC Number Track Name Arranger Lyrics Vocal Original Works Original Tune Length 01 Lunatic Kingdom SOUND HOLIC - - 東方紺珠伝 宇宙巫女現る [03 02] 02 REQUIEM BLUE SHU×GUCCI Nana Takahashi Nana Takahashi 東方紺珠伝 故郷の星が映る海 [05 33] ピュアヒューリーズ 〜 心の在処 03 三十八万キロノセカイ 709sec. Blue E ユリカ 東方紺珠伝 遥か38万キロのボヤージュ [05 16] 04 NAVIGATOR 隣人 隣人 aki 東方紺珠伝 九月のパンプキン [04 34] 05 夢の方舟 Swing Holic Band Harumai A〜YA 東方紺珠伝 湖は浄めの月光を映して [03 49] 06 BLAZE OF GLORY MasKaleido Blue E Nana Takahashi&ユリカ 東方紺珠伝 忘れがたき、よすがの緑 [04 41] 兎は舞い降りた 07 Pierrot le fou 709sec. Blue E 709sec. 東方紺珠伝 星条旗のピエロ [03 55] 08 The Party We Have Never Seen Camellia Camellia Nana Takahashi 東方紺珠伝 見た事も無い悪夢の世界 [04 25] パンデモニックプラネット 09 dream in dream zikee Blue E CALEN 東方紺珠伝 見た事も無い悪夢の世界 [05 09] 10 MAD CIRCUS MasKaleido Nana Takahashi Nana Takahashi 東方紺珠伝 星条旗のピエロ [04 56] 11 daydream believer 隣人 隣人 Nana Takahashi 東方紺珠伝 宇宙を飛ぶ不思議な巫女 [04 41] 永遠の春夢 12 there is no word MasKaleido Blue E 3L 東方紺珠伝 凍り付いた永遠の都 [05 11] 逆転するホイールオブフォーチュン 詳細 コミックマーケット89?(2015/12/30)にて頒布 イベント価格:1,000円 ショップ価格:1,512円(税込) Guest 隣人(ZYTOKINE) ユリカ(cordelia) 3L(NJK Record) レビュー 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wiki2_ycc/pages/28.html
あづまじのはて 新古今和歌集ではありません。古い唄や今の唄を新しい和詩で読んでみたり、ちょっと言葉を変えてみたりしたものです。 一緒に楽しみましょう。 あづまじのはて あづまじのはて 更級日記 第一段 新文 私の更科記録に使ってます。 あづま京は新たな宿(Tokyo Shinjuku)のはてよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたる人、いかばかりかは怪しかりけむを、いかに思ひ始めけることにか、世の中に物語といふもののあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、徒然なる深夜、よひゐなどに贋姉・贋妹・贋母・贋娘などやうの人々の、その物語、かの物語、虎巣源氏(Transgeder)のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、そらにいかでかおぼえ語らむ。いみじく心もとなきままに、飢仏(web)に法無北寺(homepage)を造りて、手習ひなどして、人まに密かに入りつつ、「今日にとく上げたまひて、物語の多くさぶらふなる、あるかぎり見せたまへ」と、身を捨てて、紅をつけ遊びをり申すほどに、十七なる年、上らむ(upload)とて、五月二十五日再門出して、いまだちといふところありて更新す。 原文 古今和歌集 あづま路の道のはてよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひ始めけることにか、 世の中に物語といふもののあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、つれづれなるひるま、よひゐなどに、姉・継母などやうの人々の、 その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、 そらにいかでかおぼえ語らむ。いみじく心もとなきままに、等身に薬師仏を造りて、手洗ひなどして、人まにみそかに入りつつ、 「京にとく上げたまひて、物語の多くさぶらふなる、あるかぎり見せたまへ」と、身を捨てて、額をつき祈り申すほどに、 十三になる年、上らむとて、九月三日門出して、いまたちといふところに移る。 名前 コメント 閲覧者はまだ - 人です。 #weblog