約 555,966 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1908.html
609 :トゥ!ヘァ!:2013/09/08(日) 20 55 02 新生EU次世代主力機「ラーストチカ」 分類:第七世代相当KMF 外見モデル:パワードールズのⅩB10 所属:新生EU(再生EU) 全高:全高:4.76m 重量:8.57t 推進機関:ランドスピナー 固定武装:スラッシュハーケン 装備武装:アサルトライフル 大型リニアライフル「ジャッジメント」 大型キャノン 六連ミサイルランチャー 対KMF用トンファー 対KMF用ソード ヒートソード(ギアス版) etc 登場人数:一人 新生EUが予ねてより開発していた新型主力KMF。第七世代相当機である。 オルレアン系を参考に開発した機体であり純粋な後継機ともいえる。 全体的にオルレアンよりも小型になっているが出力は劣っておらずむしろ向上している。 ここらは流石第七世代相当機と言える。 そのため既存のMTFやボーイまででは扱いが難しかった「ジャッジメント」も難なく使いこなせるようになっている。 オルレアン系の特徴である高い防御能力もそのまま受け継がれており、 欧州解放戦役時に回収、もしくは鹵獲できた数少ないブリタニア製KMFからファクトスフィアを解析し、ファクトスフィアモドキともいえる代物を頭部に装備しており その結果索敵能力も向上を果たした。 パーツ(KMFの)や武装はある程度ながら既存のものを使いまわすことができ、コストパフォーマンスに優れている。 整備性、生産性もそのため悪くない。(しかし従来の機体よりは高い) これと言った特徴や性能のない機体だがオルレアン系の特徴である高い防御能力とロシア製ならではの高い整備性と壊れにくさ、 砂漠や寒冷地などの劣悪な環境でも問題なく動く安定性から頑丈で丈夫で信頼できる機体として現場からの評価は高い模様である。 これは本機の活動領域が極寒のロシアからアフリカの熱帯地域や砂漠などの広い活動域を考えての設計である。 順次既存の機体との機種転換を始めている。 名前の由来はロシア語で「燕」の意味。 610 :トゥ!ヘァ!:2013/09/08(日) 20 56 13 というわけで書きました再生EUの次世代主力機。ガチンコ戦闘機体であります! 性能的には勿論純正の第七世代や第七世代相当最強のラファール(とあと多分アゲイド)には及びませんが清のKMFあいてなら十分な能力を持っております。 少なくともグロースターよりは完全にとなっています。(中の人次第では分かりませんが(汗) …因みにちゃんと脱出装置も付いています。 611 :トゥ!ヘァ!:2013/09/08(日) 21 03 37 因みに付け加えておくと「第七世代相当機」“としては”あんまり壊れな難いってだけだから ちゃんとメンテしないとアボンよ(汗) AK47みたいにはイカンねん(泣)
https://w.atwiki.jp/hayamiken32/pages/177.html
機動戦士ガンダムSEED C.E.73~新生なる牙~ (C)創通エージェンシー・サンライズ・毎日放送 (C)創通・サンライズ 重要MS・MA戦艦紹介 Z.A.F.T.(MS・MA戦艦) 地球連合軍(MS・MA戦艦) オーブ(MS・MA戦艦) 深宇宙探査開発機構(DSSD MS・MA戦艦) マーシャン(MS・MA戦艦) その他(MS・MA戦艦) 重要人物 Z.A.F.T. 地球連合軍 オーブ 深宇宙探査開発機構(DSSD) その他 本編(PHASE)
https://w.atwiki.jp/heisei-rider/pages/212.html
魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(前編) ◆MiRaiTlHUI 圧縮された水の弾丸が戦場を駆け抜けて、次の瞬間にはその全てが弾けて消えた。 それをやってのけたのは、「全てを喰らい尽くす牙」を体現する剣、ガオウガッシャ―。 ガオウが振るった剣は寸分違わずに、キバの放った水の弾幕を全弾撃墜せしめたのだ。 一発撃ち落とす度に急激にキバとの間合いを詰めたガオウは、肉薄した瞬間に一太刀を叩き込む。 そうすればキバは左腕の剣でそれを受け止めるが、そんなものはただ反射的に剣を受けただけに過ぎない。 熟練の牙王相手に、そのような付け焼刃……ましてや銃と剣の二刀流など、子供の遊びのようにも思えた。 一合目でエンジンブレードを握る手を弾き落したガオウは、続けて二合目でキバの胸部を大きく切り裂く。 声にならない嗚咽を漏らして、キバは大きく仰け反り、それでも銃口を構える。 「つまらねえな。こんなに喰い甲斐のねえ相手は初めてだ」 放たれた銃弾をガオウガッシャーで叩き落しながら、嘆息と共に言った。 その動きを見るに、どうやら目の前の“獲物”は片足を怪我しているらしい。 その上変身したライダー自体の戦闘能力も矮小で、とてもガオウに叶う程ではない。 そんな奴は素直に剣一本か、銃撃戦だけで戦うべきだと思うが、恐らくこいつはそれでも三下以下だ。 もっと別な戦い方をすれば、それも補えるのかもしれないが、現状ではどうしようもない。 既に目の前の敵の限界が見えてしまっていて、これ以上の興味も沸かなくなって居た。 あっと言う間に再びキバの間合いまで急迫したガオウは、乱暴に刃を叩き付ける。 二度三度と切り裂かれたキバの装甲からは派手な火花が舞い散って、その場で片膝をついた。 ガオウの刃がキバの喉元に突き付けられて、キバはびくんと身体を強張らせた。 ゲームセットだ。ガオウの完全勝利に、この戦いは終わる。 ……が。 「くだらねえ」 突き付けられた刃はしかし、キバにトドメは刺さず。 ちゃき、と音を立ててゆっくりとキバの喉元に触れた。 完全に身動きを封じられたキバの仮面を覗き込み、ガオウは問う。 「おい、お前はそれが全力か」 「……何ですって?」 「他に力はねえのかって聞いてんだよ、もっと使い慣れた奴だ」 「あるって言ったら、どうするのかしら」 「そいつを使ったお前を喰らう。今のままじゃ腹の足しにもならねえからな」 ガオウの牙は、全てを喰い尽くす為だけに存在しているのだ。 力を発揮出来ない敵を一方的にいたぶって殺した所で、それを喰い尽くしたとは言わない。 言うなればそれは、まだ食える肉がびっしりとこびりついた骨をゴミ箱へ捨てる様なものだ。 一拍の後、目の前で身動きを封じられたキバが、仮面の下でくすりと笑った。 「そうね、あの力さえ使えれば、貴方なんかに遅れは取らないんじゃないかしら」 「なら、その力ってのはどこにある?」 「あそこよ」 キバの銃口が、彼方で戦う二人へと向けられた。 片方は白い蛇の鎧を身に纏った仮面ライダーで、赤い鞭を振り回していた。 片方は変身する事もせず、白い仮面ライダーの鞭捌きを回避し続けていた。 あれじゃ嬲り殺しも良い所だ、とガオウは思う。 白いライダーがその気になれば、あの程度の小僧一人なら軽く殺せるだろう。 だが、奴は逃げ惑う獲物を追い込む様に振舞う事で、一種の優越感に浸って居る様子だった。 「どっちだ」 「変身していない方が私の力を持ってるわ」 「そうか……いいぜ、あの白いのなら喰い甲斐がありそうだ」 つまり、襲われている方に加勢して、白いライダーを喰えば、後から残りの二人も食えるという訳だ。 こんなに美味しい話は他にないと思ったし、この自分があの程度の敵に負ける訳がないという自信もあった。 たったそれだけの単純な行動方針で、ガオウは剣を振り上げ、白いライダーへ向かって駆け出して言った。 さて一方で、サガの鎧を身に纏ったキングは現在、圧倒的有利な状況にあった。 鞭を振るえば紅渡はそれを回避するしかないし、回避する度にその動きは重たくなってゆく。 渡と一緒に居た女がキバに変身して戦っている事を考えれば、今の渡はキバにはなれないらしい。 となれば、これは積りに積もった鬱憤を晴らす為の絶好のチャンスだった。 かつての仲間の口癖を借りるならば、これこそまさに「絶滅タイム」。 恐怖と絶望でとことんまで追いつめて、最後にはこの手で縊り殺してくれる。 「どうした紅渡。キバが無ければろくに戦えないか」 処刑人の鞭が唸りを上げて地面を抉る。 渡はというと、地べたを転がる事で紙一重で回避。 回避した所へ再び迫る赤の鞭を、渡は這々の体で何とかかわす。 徐々にペースを上げていけば、いつかはこいつも回避が出来なくなる筈だ。 これはその瞬間まで、渡の精神を追い詰める為の一種のゲーム。 「どうだ。嬲り殺しにされる気分は」 「やめて、下さいっ……! 僕達は、仲間じゃないですか!」 「一度は俺の命を奪ったお前が、どの面を下げてそんな事を言う」 「何の話をっ……!?」 今にも泣き出しそうな表情で罪を逃れようとする渡に、更なる殺意が芽生えた。 こいつは俺から真夜を奪うどころか、一度はキングたるこの俺を殺したのだ。 その上でこいつは、あろう事かそれすらもとぼけようと言うのだ。 ただの腑抜けに成り下がっただけではない。 こいつにはもう、王の敵と成り得る資格すらない。 一度は自分に勝利した男が、こうも惨めに命乞いをする姿を、これ以上見ていたくはなかった。 もういい。もう終わりだ。これが本当の、絶滅タイムだ。 「王の判決を言い渡す」 「えっ……!?」 「死だ」 ジャコーダービュートが空中でしなって、まるでフェンシングの剣の様に硬質化した。 獲物を仕留めんとする長槍となったジャコーダーロッドが、神速で以て渡に急迫してゆく。 ……しかし、この手に感じた手ごたえは、人の身体を貫く際のそれではなく。 「いいぜ、お前は美味そうだ」 最早身動きの取れぬ紅渡の断末魔の叫びの代わりとなったのは、低い男の声だった。 何事かと見遣れば、渡の前に立ち塞がる様にして現れたのは、銅色の仮面ライダー。 全身に生えるは、牙、牙、牙。とにかくどこもかしこも、牙だらけ。 仮面も装甲も、牙だけで出来た仮面ライダーが、その大剣で以て王の裁きを受け止めていたのだ。 「……貴様、何者だ」 「俺の名は牙王。全てを喰らう“牙”だ」 「貴様も“キバ”を名乗り、あまつさえこの俺に盾突こうと云うか」 サガの仮面の下で、ぎり、と音を立てて歯噛みする。 どいつもこいつも、キバの鎧を身に纏う者は自分の邪魔ばかりをする。 この手を去った闇のキバも、未来から来た黄金のキバも――。 そして今また現れた眼前の敵、全てを喰らう“キバ”もだ。 最早この王に盾突くキバを、これ以上赦しておく事は出来ぬ。 サガの握るジャコーダーのグリップに、力が込められた。 神速で以て振るわれた連続でのジャコーダーの突き。 しかしそれらを全て受けて、互角以上の力で打ち落とすのは牙の剣。 一合、二合、三合、四合……激しい金属音を掻き鳴らして激突する二人の剣。 一撃をぶつけ合う度に二人の距離は縮まって、ついには二人の腕が届く間合いに到達。 「俺の牙で、骨まで残らず喰い尽くしてやるよ」 「あろう事かこの王を喰らおうなどと吠えるとは……身の程を知らぬ狗だ」 二人の言葉が交差して、一瞬の後には赤と銅の剣が激突した。 巨大なソードを手にするガオウと、細身のロッドを手にするサガ。 どちらの方が俊敏かと問われれば、答えは考えるまでもなくサガだった。 一度目の激突でお互いを弾き合って、サガは突き刺す様にロッドを突き出した。 赤の魔皇力迸る一撃を胸部で受けたガオウは、その身から火花を散らし、しかし引き下がりはしない。 サガの一撃によるダメージを物ともせずに、ガオウは力任せに牙の剣を叩き付けた。 「グッ……!」 運命の鎧が火花を上げて、堪らず数歩後退する。 追撃を仕掛けようと迫るガオウに、サガはロッドを突き出した。 ガオウの剣はそれを弾き返すが、構う事なくもう一撃。 二度目も弾かれるなら、三度目。それでも駄目なら四度目だ。 それはなるほどフェンシングのスタイルと表現するのが正しかった。 連続で繰り出される攻撃は、ガオウの大振りな動きでいつまでも対処するのは不可能。 たった一瞬の隙を見付ければ、サガはガオウの剣の弾幕を掻い潜って、そのオーラ―アーマーに一撃を叩き込む。 「チッ……!」 仰け反ったガオウに出来た隙は、サガから見れば絶好過ぎる程の好機だった。 怒涛の勢いで以て、連続で打ち出されるのはフェンシングの突き。 片腕の力一つで、サガの猛烈なラッシュがガオウの装甲を突く、突く、突く。 それでも対抗しようと剣を振り上げたガオウであるが。 「無駄だ!」 びゅん、としなったジャコーダービュートが、ガオウガッシャーを絡め取った。 そのままガオウの腕ごと思いきり弾き上げて、完全な隙となった懐へ飛び込む。 しかし、そこに待ち受けていたのは、強烈なガオウの前蹴りだった。 どすん! と音が響いて、サガの胴に重たいキックが抉りこまれた。 「剣がなきゃ戦えないとでも思ったか? 甘えんだよ」 前のめりになったサガの襟を掴み上げたガオウは、嘲笑う様にそうのたまった。 すぐにジャコーダービュートをしならせて、眼前のガオウを弾き飛ばそうとするが、既に手遅れ。 ガオウの拳がサガの仮面を思いきり殴り付けたかと思えば、解放されたガオウガッシャーが振るわれていた。 剣はまさしく、サガの鎧を噛み砕かんとする牙の様に、何度も何度も叩き付けられた。 思わず姿勢を崩して倒れ込みかけた所で、今度はガオウに蹴り上げられる。 「ケッ、王様ってのはこの程度なのかよ」 「……貴様、ナメた真似をしてくれる……!」 地べたを転がって距離を取ったサガが、立ち上がり様に叫んだ。 二人の戦力は、現状で語るなら、ほぼ互角だった。 そもそも純粋にスペックで語るなら、サガが圧倒的に上である筈なのだ。 しかし、それを補ってあまりあるガオウの強さの秘密は、まず第一に変身者にある。 牙王の純粋な戦闘スキルは、それこそキングと同等と言っても差支えはないレベルだ。 そんな相手と戦えば、当然サガの鎧で得たアドバンテージも帳消しにされてしまう。 おまけに、現状では先程戦った黒の金のクウガに与えられたダメージも蓄積されている状態だ。 奴に与えられた数々のダメージは、キングの動きを掣肘する足枷となっているのだった。 「どうした? この程度じゃねえんだろう、王様よ?」 そんな事実を知ってか知らずか、ガオウは迫る。 当然の事、誇り高きファンガイアの王が舐められたままで良い訳が無い。 自分は、ファンガイア族の未来を護る為、たった一人で他の十三魔族を滅ぼしてきた本物の王なのだ。 装着者を選ぶ闇のキバを使いこなし、ゴブリン族も、レジェンドルガ族をも滅ぼして来た勇者なのだ。 なればこど、こんな下らない戦いで負けていい筈がない。負ければファンガイア族の面汚しだ。 戦力差だって、埋められない差ではないのだ。上手く立ち回れば、この程度の敵は十分に倒せる。 軋む身体に鞭打って、サガはゆらりと立ち上がった。 ◆ 野上良太郎の身体を借りたウラタロスは、憂慮に満ちた溜息を零した。 いつの間にか掛けられていた眼鏡をくいと押し上げ、状況を整理する。 現状で仲間と呼べるのは、天美あきら、村上峡児、志村純一の三人だ。 当然この馬鹿げた殺し合いを打破せんと動くチームではあるが……何分、不安要素が多い。 まず天美あきらだ。彼女はろくな戦闘能力を持って居ないが、殺し合いには乗って居ないと断言出来る。 次に村上峡児。こいつは一応は味方であるが、危険人物である事を隠しもしない危険人物。 そして最後に、志村純一。表向きには善人だが、ウラタロスはこの男を信頼してはいない。 「さて、どうするかな」 「どうかしたんですか、良太郎さん」 「どうもしないよ。これからどうするかを考えていたのさ」 人の良さそうな笑顔で尋ねて来る志村に、同じく笑顔で返す。 志村とは違い、薄笑いとも取れる様な笑顔で、しかし爽やかに。 再び眼鏡を押し上げれば、青の瞳は志村を真正面から捉えた。 志村は屈託のない笑顔で居ながら、何処か信用ならない影を持っている。 そのアンバランスさが不釣り合いで、妙に気持ち悪いとすら感じる笑顔だった。 「葦原さんを待つんじゃないんですか?」 「そのつもりなんだけど、あれからもう結構時間が経ったからね」 「もしかしたら、もう帰って来ないかも知れませんね」 村上が、腕を組んだ姿勢のまま言った。 「忘れた訳ではないでしょうが、ここは殺し合いの場です。いつ敵に襲われるかは解りませんからね」 「葦原さんの身に何かあったって言いたい訳?」 「端的に言えば、もう死んでいるかもしれない。そう言いたいのです」 村上の言葉を聞いたあきらが、その表情に影を落とした。 葦原涼は、自分達を助けてくれた男なのだ。 もしかしたらもう死んでいるかもしれない、なんて言われて虚心で居られる訳がなかった。 そんなあきらの気持ちをすぐに察したU良太郎は、あきらに向き直る。 「大丈夫だよ、あきらちゃん。彼は強いんだから」 「そうだよ。俺はその人の事知らないけど、きっと帰って来てくれる。だから元気を出して」 良太郎の言葉に、志村が続いた。 この志村という男、善人ぶっているだけの事はある。 一応は人格者らしく、落ち込む誰かを慰めるくらいの事はするようだ。 もしかしたら勘繰り過ぎなのかも知れないが、それでもウラタロスは警戒を解きはしない。 (なあ亀の字、やっぱりお前の考え過ぎなんちゃうんか?) (僕の目には、志村さん、悪い人には見えないよ……) 頭の中に響いて来る二人の声に、ウラタロスはうーむと唸って見せる。 確かに現状では志村は絶対に尻尾を出さないだろうし、勘繰るだけ空気が悪くなる可能性だってある。 しかし、志村を信用し味方として作戦を立てた場合、思いもよらぬ裏切りにあって破滅、なんてのは御免だ。 出来る事なら、もう少しこのチームに動きが出るまでは志村を警戒しておきたいと思う。 開け放たれた窓から、甲高い金属の激突音が聞こえてきたのは、そんな時だった。 恐らくここから、距離にして数百メートルといった所か。少なくとも、それ程遠くではない。 何者かの武器と武器が、何度も何度も激突する、ある意味では聞きなれた音だった。 それを聞き付けたこの場の全員が、表情を変えてお互いの顔を見合せる。 「この音は……戦闘、ですか」 「そうみたいだね。さて……どうしたものかな」 若干の不安さを持ったあきらに、U良太郎が答える。 どうしようか、というのはつまり、自分達はどう動こうか、という意味である。 今まさに警戒している通り、このチームの内半分は危険人物だ。 そしてもう半分は、自分を抜いて考えると、戦力としては心許ない少女。 葦原涼を待つ都合を考えても、普通に考えればチームを二つに割るのが得策だ。 戦場に行くのが、戦える二人。残って待つのが、あきらと、もう一人。 だけど、そんな分け方をすれば、あきらの身に危険が及ぶ可能性がある。 かといって、女の子を戦場に向かわせたくはないとも思う。 「すぐに行きましょう! 俺達で、救える命があるかも知れない!」 志村が、グレイブバックル片手に叫んだ。 果たして何処までが演技で、何処からが本心なのか。 未だに踏ん切りが付かなくて、ウラタロスの判断を鈍らせる。 (どうしたんや亀の字! はよ行かな、手遅れになってまうで!) (そんな事は解ってるよ。今考えてるんだから、キンちゃんはちょっと黙ってて) 顎に手を当て、再び唸る様に考える。 志村は自分の意思で戦場に行くと言うが、それはそれで信用ならない。 邪推が過ぎるかも知れないが、もしも志村が殺し合いに乗っていたとするなら、どうだろう。 今戦っている奴らの変身が解除された瞬間を狙って、漁夫の利で仕留める……これは最悪のパターンだ。 ならば自分も一緒に行こうかと思うが、それならそれで、あきらと村上を二人きりにする事になる。 逆に村上と志村を一緒に行かせた場合も考えるが、危険人物二人の組み合わせは出来れば遠慮したい。 何が起こるか、それこそウラタロスにも想像がつかないからだ。 「先程からこの戦闘に対する身の振り方を考えている様ですが……果たして、答えは出ましたか、野上さん?」 「一つ聞かせて貰いたいんだけど、いいかな? 村上さん」 「ええ、何でしょう」 どんな嘘をも見破ると自負する青の瞳で、村上を見据え、問う。 「単刀直入に言うけど、生憎、僕はまだ貴方を完全に信用した訳じゃないんだよねえ。 仮に、もしあきらちゃんと二人きりになっても、絶対に手出しはしないって保証でもあるかな?」 「保証、ですか」 「何を言ってるんだ野上さん! 俺達は今、仲間割れなんかしてる場合じゃない筈だ!」 必死の形相で怒鳴る志村に、U良太郎はさもありなんといった様子で頷いた。 「だから聞いてるんだよ。彼が信用に足る人物かどうかをね」 「貴方も愚かな質問を繰り返す人だ。私は一度、言った筈です。 もう人は襲わない、と……それが真実がどうかは解りませんがね」 「大丈夫です。村上さんには、私がこれ以上は誰も襲わせませんから」 「あきらちゃん……」 あきらの言葉に、U良太郎は困った様に額を押さえる。 どうやらこの天美あきらという少女、それなりに村上を信用しているようだった。 こんな危険人物をそこまで信用する要素が一体何処にあったのかは些か疑問だが。 ともあれ、このまま尋問を繰り返していても、あきらの中での良太郎の評価が下がるだけだろう。 それはウラタロスにとって、非常に芳しくない事であった。 「わかった、僕が戦闘の様子を見に行ってくるから、皆は留守番をしていてくれるかな」 「そんな、野上さん一人じゃ危険だ! 俺も一緒に!」 「君はどうしてそんなに戦場に行きたがるのかな?」 問われた志村が、突然表情に陰りを落とした。 悲しそうな、今にも泣き出しそうな表情で俯いて、ゆっくりと語り出す。 「俺は……誰かが傷つくのを、これ以上見たくない。本当なら、こんな下らない殺し合いだって、する事ないんだ。 だから俺は、この殺し合いでこれ以上誰かが犠牲になるのなら、例えこの命を投げ出してでも、その命を救いたいと思ってる」 ウラタロスは内心で、ふぅんと頷いた。中々やるね、とも思う。 泣き出しそうな表情で告げる志村の所為か、この場の空気が急にしんみりとした気もする。 仮にこれが本当なのだとしたら、志村は正真正銘本物の聖人君主だ。 だが、仮に演技だとしたら……尚更こいつを戦場に出す訳には行かなくなる。 だってそうだろう。そこまでして嘘を吐いてでも、戦場に行きたい訳なのだから。 ならばとばかりに、相対するU良太郎もまた、悲しげな瞳で以て、志村を見詰め返した。 「やっぱり……君はそう言うだろうと思ってたよ」 「なら、俺の気持ちを解ってくれるなら、尚更――!」 「違うんだよ、志村……君がそんな考えだからこそ、僕は君に尚更戦って欲しくない」 う、と息を飲んだのは、志村だった。 構わずU良太郎は続ける。 「これ以上誰にも傷ついて欲しくない……その気持ちは僕だって同じさ。 でも、だからこそ、僕はそんな気持ちで戦いに行って、君が傷つく姿も見たくない」 「それなら、その気持ちは俺だって同じだ! 俺は決めたんだ……人を護る為に仮面ライダーになるって! 人を護るのなら、仮面ライダーを守ったっていい! 俺は、野上さんの事もこの手で護りたいんだ!」 「その為に自分を犠牲にしてもいいなんて思ってる人間を、僕は連れてはいけないな」 「俺は死なない! 必ず野上さんと一緒に帰って来ると約束する!」 「解らないかな……僕はね、それが軽いって言ってるんだよ」 今度は語調を少し強めて続ける。 「君は賭ける命の重みを解ってない……僕は今の君とは、一緒に戦えないって言ってるんだ」 そこまで言われた志村は、これ以上言い返す言葉も見当たらないのか、喋らなくなった。 ただただ悲しげな表情のまま、志村は俯いて一歩身を引く。 「だから君には、村上さんと一緒に、ここであきらちゃんを守っていて欲しいんだ。 ……それと、僕の帰る場所もね。帰って来た時に皆居なくちゃ、寂しいじゃない」 「解った……野上さんの帰る場所は、俺が必ず守ると約束する」 志村純一の瞳には、再び先程までと同じ熱意が燃え上がって居た。 これが本当であるなら、こんなに心強いものは無いと、ウラタロスも思う。 だが、志村が喰えない男である以上、不本意ながらも今は村上を信じてこうするしかないのだ。 あきらちゃんを頼むよ、と伝わるかも解らないアイコンタクトを村上へと送って、U良太郎は駆け出す。 「ちょっと待って下さい!」 「……まだ何かあるのかな、あきらちゃん?」 「行くなら、せめてコレを……無いよりは、心強いと思います」 差し出されたのは、一振りの刀だった。 紫と黒という毒々しい配色で、しかし無駄のない美しいデザインのそれは、如何にも機械らしかった。 ただの刀ではなくて、何らかの技術が応用されていても可笑しくないその武器を、U良太郎は掴み取る。 その場で軽く振ってみれば、刃がびゅんと音を立てて空気を切断する。 なるほど刀としての切れ味も確かなようだった。 「こういうのは先輩の方が向いてる気がするけど、有り難く受け取っておくよ」 あきらに対し、どんな女性をも虜にしてきた優しい笑みを浮かべると、U良太郎はそのまま駆けて行った。 さてそんな野上良太郎を見送る志村純一は、やはり心中穏やかでなかった。 志村純一にとって嘘を吐く事というのは、息を吸うのと同じくらいに慣れ親しんだ行為である。 今回もいつも通り、嘘で塗り固めた「志村純一」という疑似人格で良心に訴えるつもりだったのだ。 そうすれば、大抵の場合は志村の迫真の演技に押され、そのままペースを持っていかれると言うのに、奴は違った。 (あの野上良太郎とか言う男……中々に喰えないな) 心中で悪態を吐く。 それから一緒に居る二人を眇め見て、考える。 天美あきらに関しては、別段考える事は何もないだろう。 チャンスさえ来れば、グレイブでも、ジョーカーでも、殺す手段は何だってある。 それよりも目下の問題は、もう一人の男――村上峡児についてだ。 (園田真理から聞いた情報だと、確かこいつは……) オルフェノクを影で操る、黒幕――とするならば、油断は出来ない。 村上と自己紹介を交わしてからというもの、何も知らない体を通しているのは、相手の情報が殆どないが故。 実際園田真理も、村上の事はそこまで知らなかったようだし、要注意人物くらいとしか聞いていなかった。 少なくとも殺し合いには乗って居ないと村上本人はいうが、その言動はまるで読めやしない。 これはもう少し、探りを入れる必要があるか、と思う。 少なくとも、行動を起こすのはそれからだ。 【1日目 夕方】 【B-6 ホテル】 【天美 あきら@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】 41話終了後 【状態】全身に軽度の怪我 【装備】鬼笛@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、ニビイロヘビ@仮面ライダー響鬼、不明支給品(0~1 確認済) 【思考・状況】 基本行動方針:人を助けるため、自分に出来ることをやる。 1:ホテルで涼と良太郎の帰りを待つ。 2:知り合いと合流する。 3:村上が人を襲うことがあれば、止める。 【村上峡児@仮面ライダー555】 【時間軸】不明 少なくとも死亡前 【状態】腹部に痛み バードメモリに溺れ気味 【装備】オーガギア@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト 【道具】支給品一式、バードメモリ@仮面ライダーW 不明支給品×1(確認済み) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らないが、不要なものは殺す。 1:まずはホテルで良太郎の帰りを待つ。 2:あきら、良太郎らと行動するが、彼らに情は移していない。 3:亜樹子の逃走や、それを追った涼にはあまり感心が沸かない。 4:志村に若干の警戒。 【備考】 ※少なくとも良太郎が帰って来るまでは現状維持を考えています。 【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】 【時間軸】不明 【状態】全身の各所に火傷と凍傷 【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×3(ただし必要なもののみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、トライアクセラー@仮面ライダークウガ 【思考・状況】 基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。 1:村上の目的や戦力から探りを入れて、次の行動を決める。 2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。 3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。 4:この集団の中に潜み、利用する。 【備考】 ※555の世界の大まかな情報を得ました。 ※電王世界の大まかな情報を得ました。 ※ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。 064 いつも心に太陽を(後編) 投下順 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 064 いつも心に太陽を(後編) 時系列順 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 047 加速度円舞曲♯王と牙の運命 紅渡 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 047 加速度円舞曲♯王と牙の運命 園咲冴子 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 047 加速度円舞曲♯王と牙の運命 牙王 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 047 加速度円舞曲♯王と牙の運命 キング 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 050 Round ZERO ~KING AND JOKER 志村純一 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 050 Round ZERO ~KING AND JOKER 天美あきら 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 050 Round ZERO ~KING AND JOKER 野上良太郎 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 050 Round ZERO ~KING AND JOKER 村上峡児 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編)
https://w.atwiki.jp/umamusume-taikai/pages/126.html
概要 レース詳細 ルール 参加方法 概要 主催者 二次元の虫 開催日時 09月24日22時~ 募集期間 ~09月23日23時頃まで 募集人数 18 条件 対人戦ビギナー申請、制限戦ビギナー申請で制限緩和あり ウマ娘制限 基本ランクA+以下 優勝賞品 なし レース詳細 形式 1トレーナー1ウマ個人戦 レース数 4レース 場所 阪神 バ場 芝 距離 2200m(中距離) 向き 右回り 季節 夏 天候 曇り バ場状態 稍重 やる気 絶好調 ルール オープンリーグがBからA+になった事に伴い、Bギナー杯から普通の名前に変更 初心者でも対人戦の楽しさを知ってもらうための大会となります 基本はA+制限戦 対人戦、または制限戦に不慣れな方は、以下の申請を行うことで、制限が緩和、あるいは撤廃されます ▽対人戦ビギナー申請 対人戦自体に不慣れだったり、全く勝ててない方のみが可能な申請。制限が撤廃されます ▽制限戦ビギナー申請 制限育成が苦手な方向けの申請で、Sランクまで許容されるようになります。 ただし、あくまで細かい計算をしたくない方や、うっかりミスを許容するための申請であり、明らかに強いと判断した場合は大会から除外されます 当日、同じコース条件を調子絶好調固定で4回+リアルタイム参加者、または練習モードによるエキシビジョンを行います 総合順位などは競わず、ひたすらにレースを楽しむ方向になります。よろしくお願いします 参加方法 Discordの大会出走登録chで主催者にメンション
https://w.atwiki.jp/xxhinaxx/pages/51.html
下手なのは承知してるけど歌うよの放送履歴です。 枠名は訂正後のものを使用しています。 【1枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ【本日1枠目】→ lv11698090 【2枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ (VOCALOID限定!)【本日1枠目】→ lv12653302 【3枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ (J-POP限定!)【本日2枠目】→ lv12654801 【4枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ【本日1枠目】→ lv12782639 【5枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ【本日1枠目】→ lv14009911 【6枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ【本日1枠目】→ lv14211302 【7枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ【本日1枠目】→ lv14679962 【8枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ【本日1枠目】→ lv17213929 【9枠目】下手なのは承知してるけど歌うよ【本日1枠目】→ lv17532572 このページにいままできてくれたひと♪ - 人 最終更新日時→2010年06月04日 (金) 06時34分51秒 名前 コメント .
https://w.atwiki.jp/ffxivkounyuu/
ネ実民の為の新生FF14購入ガイド (2013/5/25時点) 完全新規購入者 旧FF14版購入者 複垢についての注意事項
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2202.html
さて、お年玉も手に入れた今日この頃。 しかし毎度ながら、ウチのお年玉はちと景気よく出しすぎだと思う。具体的な数字は言わないが。 んでもって、昨日僕は久しぶりに神姫と無縁な一日を過ごした。 ……しかしねぇ。 「うわ。お前、これだけしか持ってないのか!? 貧乏性だな」 「それほど必要ないからな」 そう、朝から兄がやかましい。 ていうかエアパスタするほどの重症人に言われたくない。 「つーかさ、お前の神姫鳥子だろ? 武装はどうした?」 「ちとした騒動で全壊した」 詳しくは無頼11を参照。 「いや、買い換えれよ」 「使わないから必要ない」 「それじゃ武装神姫の意味ないだろ」 「ユーザー全てが武闘派じゃない。それに、オフィシャル武装だけという決まりなんてない」 「わかってないなぁ! 絶対不変の「公式」の称号を持つ武器で勝ってこそ、強い神姫のオーナーと言えるんだ」 おお、熱い熱い。 だがその発想は変な所も多い。 「そんなの僕には関係ない。僕はヒカルの好きな時に連れて行ってやってるし、ジーナスは元から論外。オフィシャルバトルなんかにゃ興味ないし」 「……つまんねー奴だな、オイ」 「くどいよ。いくら何でも弟が自分と同じ考えするなんて幻想、考えない方がいい。漫画じゃあるまいし」 「たは……」 言ってやった。ざまあみろ。 「だいたい、人の物色しっぱなしで自分の見せようとしねぇじゃんかよ?」 「お? 遂にそこに触れたな? フッフッフッ……w」 うわ怪しい。 さては余程自信があるのだろう。 ピリピリピリピリピリピリピリピリ 内線電話が鳴った。出たらやはり母だった。 内容は…… 「兄ちゃん、お母さんが呼んでる」 「これからがいいところなのに、何なんだ?」 兄はすぐさま下に降りていった。 チャンスありがとう、お母さん。 僕は即座に支度し、家を出た。 ~・~・~・~・~・~・~ 「……寒いな」 薄く積もった雪が、その思考を煽っている。 風間や一深はそれぞれ祖父祖母の家に行くとか行ってたし、光一は北海道での冬季スポーツ大会に出るとか言ってたな。 「……つまらないなオイ」 いつもならヒカルが話し相手になってくれるからな。 さっさと迎えに行こう。 ~・~・~・~・~・~・~ ………。 これは……どう言えばいいのだろう。 「先回りして言っておくけど、これの文句は君のお母さんに言うべきだ」 長瀬さんへの個人的依頼と聞いた時点で、どうなってるかは予想してたけどさ。 「お前、本当にヒカルか?」 「……正直、自信持てない」 最早ヒカルとしての面影は、元からあるデフォルメされたアホ毛しかなかった。 これを鳥子と一目でわかる奴出てこい、何も当たらんが。 「これ請求書、渡しといてくれ」 ……なんですか、フルセット二つ買えるんですが。 ずいぶん価値が上がったな、ヒカル。 ていうかなんで死んだ魚のような目をしているんだお前。 「ふ……ふふ。腰がガクガクしてる……よぉ……」 「何あったオイ」 「少し「動作チェック」をしてあげただけなのに、疲れやすいのねぇ」 ジュラーヴリクがサラリと答えた。 「その先は言わなくていい」 なんという百合、なんという性的暴力。 違う意味で腰砕けになってやがる。 「ジュラはともかく、通常の動作チェックは済ませてある。すぐにでもバトルができるぞ?」 「今までの稼動データを反映させて調整してありますので、かなりの反応速度が出ますよ」 他二人が説明、反応速度なんて本人にしかわからんて。 「ヒカル、どうする?」 「今は少しでも早くジュラーヴリクから離れたい……orz」 「ふふ。嫌われたものね」 クールに振る舞っても、マイナス面は消せないぞ。 ~・~・~・~・~・~・~ とりあえず、二階・フリー対戦スペースにあるテーブルの一つを占有した。 「さて。どうするかな?」 「ごめん。わたし自身よく解らなくて……」 「元気がないぞ、らしくない」 「ごめん」 「……外観だけじゃなく内面まで少し変わっちまったみたいだな」 これだけは恨むぜお母さん。 元気のないヒカルはしっくりこない。 「あら。彩聞君、久しぶりですね」 声のした方向を振り返ると、零牙を肩に乗せた氷男先輩がいた。 「先輩、そのカッコは?」 今回の先輩はいつもと違う。 体に完全フィットしたライダースーツに革ジャンを羽織っている。 正直、エロカッコいいと言うべきか。 けしからん。実にけしからん。 肉体的な先輩もなかなかだが、マンガ的スレンダーな一深だったら理性が飛びかけかねない。 ……色々と自重しろ自分。 「ふふ。男の子として普通の反応ですよ♪」 心を読まないでください。 「オートバイが趣味なのですよ。まぁ、こういう休みの日しか乗らさせて貰えませんけど」 「へぇ……意外だ」 まあ、何かと色々不明確な先輩だから、まだ普通か。 「そちらは……ヒカルか。」 今度は零牙が声を出した。 「……久しぶり」 「ふぅん……。主」 零牙は一瞬考える素振りを見せると 「一つ、ヒカルと軽く手合わせしたいのだが。」 そう言った。 「本気で掛かるぞ、心構えはいいか?」 「本当にやるの? なんで」 何もない真っ白いフィールドの中央に、零牙とヒカルは立っていた。 「覚えているか? 昨年の事を。」 「えーっ……と」 「お主が我と知り合ってから間も無く、お主のマスターは主に手合わせを申し込んだ。マスター氏にとっては気軽に練習をさせたかったのだろうな。」 「……」 「まぁその時の約束は、我の破損で果たされなかったがな。 ……今がその時と言えよう? お主の全てが初期状態と大差無くなっている今が。」 「……」 手にした刃無しの片刃剣をヒカルに向けた。 「……行くぞ、ヒカル。」 瞬間、目にも留まらぬ速さで目前まで迫り、突きを繰り出した。 「……!?」 反射的に左にステップし直撃を避けるが、ジャケットの右肩が丸ごと吹き飛んだ。 「速い」 突きに繋げて横に振り回された剣が脇腹に直撃し、またジャケットの一部が吹き飛んだ。 「痛…ッ!」 「どうした? 反撃しなければその内大打撃を喰らう事になるぞ?」 「クッ……!」 ~・~・~・~・~・~・~ 「先輩、お茶でsのわっ!?」 「ありがとうございます。……どうしましたか?」 「いやどうしましたかって……胸元開きすぎ、しかもノーブラ」 「ヌーブラ着用ですから心配しなくて大丈夫ですよ?」 「……年頃なのに羞恥心と言うのがないのか……?」 こんなやり取りはともかくとして。 「それにしてはヒカルのやつ、零牙の攻撃にビクともしませんね」 「基礎的な素体強度が上がっているのと、ヒカルさん自身が本能的に直撃を避けているようですね」 「と、いうと?」 聖憐、茶を一口飲んでから続ける。 「今までの数少ない戦闘経験から、回避行動の最適化を行っていて、直感的に攻撃針路を読んで最低限の動きで深刻なダメージを避けている。と言った感じでしょうか」 「そんなバカな」 「零牙の目利きが正しければ、彼女はかなりの適応力と洞察力、そして観察眼を持っています。 ……まぁ主人公補正が大分掛かっていますね」 「メタ発言自重」 「失礼。 ……ヒカルさん自身、それを自覚しておらず、自然と馴染んでしまうみたいですね」 形人はそれを聞き、首を傾げる。 「ふーん……言われてみれば、そういう気がしないでもないですね」 「問題点は、意識上では相手の動きをある程度読めても、躯(からだ)がそれに追いついていなかったと言う事ですね。だからこそ、今戸惑っている」 「え?」 形人、聖憐の方に振り返る。 「スペック表を読ませて頂きましたが」 そう言うと、本来請求書と纏めて仕舞った筈のスペックデータ表をちらつかせ、形人に返却した。 「いつの間に」 「ふふ。スペック自体、ヒカルさんは平均的なカスタム神姫の上を行っています。中でも突出しているのは、身体の反応速度。これは零牙より速いですね」 「具体的には?」 「通常の神姫の0.5倍ぐらいですかね。 しかし最大の問題点は、馴れない新しい躯故に、自らのスペックを把握していないと言う事です。 それに対する不安から、今回の様に弱気へと追い込んでいるのでしょう」 「……んー?」 根本的な所が分からず、また首を傾げた。 「本題ですが、ヒカルさんは自分自身を過小評価しているのではないでしょうか?」 「何です?、それ」 「彩聞君は、確か応援される事が苦手でしたね?」 「ええ。……期待は重いので背負いたくないんです」 「ヒカルさんも同じなんですよ。 自分に自信が持てないから、「ネボスケ」と言う妙な自称をしているし、あまりやる気を見せなかったりしている訳です。 彼女は、隠し方が下手なんですね」 対戦筐体の方を見る。 「それじゃ、零牙はヒカル自身が自分の実力に気付くようにしてるワケですかね?」 「はい♪ 他人から言っても煽てられていると思ってしまうので。言わば「百聞は一見に如かず」ですね」 「それは微妙に違うと思います」 ~・~・~・~・~・~・~ 「……ッ……ゥ……!」 避けてばかりでは勝てる筈もなく、ヒカルのダメージは蓄積していった。 とはいえ、素体に損傷はほとんどない。ジャケットの破損と、新たに備えられた人工皮膚によって、衝撃が直接的な打撃にならないようになっているのだ。 「ヘタレめ……。その額を割って根性を叩き直してやる。」 今、ヒカルの目には目前まで近づき、剣を振り下ろそうとする零牙の姿が映った。 気のせいか、その瞬間がスローモーションで見えた。 どうせ間に合わない。 ダメ元で手を伸ばした時、彼女自身が驚く事となった。 手の平同士が合わさる。間には金属棒。 「……ふぅん。」 「えー……っ!?」 白刃取り。 「(間にあった!?)」 次の瞬間剣ごと振り回され、剣を掴んだまま空高く打ち上げられた。 しかし、掴んだままの剣を放り捨て、体勢を立て直し着地。 「(速い)」 相手に向かって走り出す。 「(思った通りに動いてくれる)」 このほんの僅かの出来事で、ヒカルは「ふっきれた」。 右ストレート。 零牙はひらりと避ける。 続けて右回し蹴り、これは手で受け止められた。 右足を掴まれた状態でジャンプ、左足でキック。顔を逸れヘッドギアに命中した。 右足に力を込め、手を振り解き前にジャンプ。頭上で連続キックをくり出すも、次々と受け止められ通ったのは一発のみ。 「ヒカル、こんなキックは誰に習った?」 「ミト王子から!」 古いよ、オイ。 互いに跳躍し距離を取る。 ヒカルの防御ジャケットはただのボロ切れとなっているのに対し、流石というか零牙のアーマーには一切傷がついていない。 これはヒカルの反撃が少々遅すぎたのもあるが。 「(一発が弱いなら……手数を多くするか急所狙いか)」 犬型装備はかなりの割合で、急所となる箇所が無防備である。 顔……腹……大腿。 しかし、零牙ならこれらの箇所を的確に防御するであろう。 「(武器同士ならなんとかなりそうだけど、お互いステゴロだからなぁ)」 もはや服としてすら機能していないジャケットを破り捨てる。 見据える先は……零牙の瞳。 「ふぅん……、いい目をしているな。」 零牙の一言が合図となった。 二人は同時に走り出す。互いに相手以外は見えていなかった。 二人が交差する瞬間 ビーッ 試合終了のブザーが鳴った。 【draw】 「……拍子抜け」 寸前で止まったヒカルは、思わず脱力した。 「せっかくやる気が出てきたのに」 そんな事を呟くヒカルの額を、零牙は軽く小突いた。 「あいたっ」 「ようやく、自信が持てたようだな?」 軽く問い。 「……うん」 軽く答える。 が。 「なんか今回の零牙、かませ犬みたい」 「ふおっ!?」 純粋な心境で発せられたのだが、明らかに失礼な発言にコケた零牙だった。 「どうでしたか? かませ犬の気分は」 「主まで……、止めてください。」 形人が店を後にした頃、二人は話し始めた。 「しかし、ヒカルが我とほぼ互角に格闘戦を行ったのは事実です。」 「ですね。今回の件で自信を付けた以上、公式リーグに参戦した場合……」 「充分強敵になりえる、ですね?」 「ええ。セカンド級(クラス)の壁は高く厚いですが、持ち前の適応力その他でどうにかしてしまうでしょうね」 スーツのファスナーを上げる。 「まぁ、そんな先の話は寝る前に考えるとして、この後はどこにいきましょうか?」 「武蔵野に良さそうなMMSショップがオープンしたとの事です。行って見ますか?」 「決まりですね」 この二人もまた、マイペースである。 ~・~・~・~・~・~・~ 「本当に大丈夫か、ヒカル」 「……さあ? いつもと調子違うけど、大丈夫じゃないかな?」 「そうか。……あの後予定通り兄貴が来たんだが」 「ん?」 首を傾げるヒカル。ちなみにハンカチをマントのように羽織っている。 「実はかなりの戦闘狂らしくてな、しきりに対戦したがってる」 「ジーナスは?」 「まだ帰ってきてない」 メールによると、定番の正月賭博で大儲けしているらしい。 「……いいんじゃない?」 「ん? 対戦オーケー?」 「うん。でも明日だね」 「まぁな」 ……本当にいいのかなぁ? 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ
https://w.atwiki.jp/som5info/pages/36.html
追加要素紹介 イテロム + ... /iteromで呪いを受ける、解除は受け入れてから5分後以降に再度/iterom イテロムの呪いを受けている間自身の一部を除くパラメータが「インフィルマ」の値に応じて弱体化する。インフィルマの値が高いほど弱体化が弱まる。 イテロムの呪いを受けていると敵も多少強くなり、倒した敵から特殊なアイテム、「遺物の〇〇」「イニサニス」が落ちるようになる。 イニサニスは遺物を使って強化する。強化時の耐久の減りが多く、伸びるタイミングが5,10刻みのものもある。 イニサニスの元素反応についてはヘルプ参照。簡単に言うと原神。 スキルテイカー + ... 編集時現在使える人一人しかいないしまだ書かなくてもいいよな?W 編成や戦術の幅がかなり広がる要素であることだけは確かである。 旧som5から廃止された要素 職 + ... 消された職は以下のとおりです パーデット(Per) ボマー(Bom) アッシュ(Ash) カリキュレーター(Ccr) レインフォーサー(Rrr) アイテムと装備 + ... 魔導士の杖(Mac専用武器) 式強化装備 消された職の転職に関連するアイテム 轟器全種 Shyen1000 ・ボイド防具(胸当て以外) 細かな削除など + ... Rrrの廃止と式強化装備の削除に伴って、強化廃人のリストラとグレートアップ用のエメラルドブロック削除。 ・デイリーシステムの廃止 凍える看板システム廃止(ボス職は変更アイテムを持ってクエストカウンターを右クリック)
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/3159.html
597 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/05/13(火) 19 36 35 ID ??? プチ報告 とあるオンセセッションでの話 非協力的なPLが居る。こいつをAと呼ぶ。 Aの撰んだハンドアウトは、「他PCがダンジョン探検するので、それにを協力する」という依頼を受ける内容 しかしAは「内容が気に入らない」と依頼を受ける段でゴネる。 (なぜそのハンドアウトを選んだかは不明) とりあえず依頼を受けるも、なかなか合流シーンに登場しない。 なんとかGMが合流するシーンを作るも、AのPCは他PCにいきなり攻撃魔法を打ち込んだ後「一緒に行く」と宣言。 理由、名前その他の情報を他PCに一切教えない。 実際こんな怪しい奴と一緒に行くのは不自然なんだが、そこはゲームなので他PLも了解し一緒にダンジョンアタックをする。 後はこれといった被害は無く(絡みも無く)1話終了。 2話目 今回は個別ではなく一括導入 GMから神殿で起こった事件現場に居合わせるというハンドアウトを受け取る。 シナリオは神殿の前から始まったのだが Aは開口一番「神殿に行かず飯を食いに行く。腹が減ったので」と発言 他のPLが「そんな事言わず、神殿に行きましょうよ」と促すも、 A「腹がへったんじゃ!!」と譲らない。 しばらくの問答の後、剛を煮やしたPLが「そういう行為は辞めてください。みんなの迷惑です。」とPL発言で注意すると それ以後、Aは全く喋らなくなった。 セッションは無し崩し的に終了。 Aは、困というより下手なだけかもしれん。 スレ176
https://w.atwiki.jp/rsf-ffxiv/pages/122.html
2013/06/21 17 23 ■FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア 正式サービス時のゲームデザインについて■ 新生FFXIVプロデューサー/ディレクターの吉田です。 皆さん、新生FFXIVの様々な要素について、多数の熱いコメントありがとうございます。 βテストフェーズ3にて、旧FFXIVをご存じない方、他のゲームからの移動や、プレイを検討されている方、 初めてMMORPGに触れる方など、情報量と知識量に大きな差が生まれている状況です。 ここで今一度、新生FFXIVのゲームデザインについて、ざっくばらんな投稿をしておきます。 ただ、MMORPGという巨大なゲームのデザインに関わる話であり、多分に複雑ですし、超長文でもあります。 「楽しけりゃそれでいいやー」という方は、読み飛ばして頂いて全く問題ありません。 もしゲームの根幹にかかわる部分で、疑問があり、フィードバックしてみようかな、 と思った方は、お暇な時で構いません、じわじわ読んで頂けると、いくつかの疑問は解決すると思います。 繰り返しになりますが、超長文です。2時間くらいの講演ができるレベルですので、 どうぞ、読み進める際には、ある程度、文字の洪水に飲み込まれることをご覚悟くださいませ。 MMORPG序盤→MMORPGビジネス→コンテンツデザインと話しは進みます……。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- MMORPG廃人の吉田とプロデューサ兼ディレクタの吉田 ここから先は、どちらかというと「MMORPG廃人プレイヤーの吉田」と、 「MMORPGプロデューサ兼ディレクターの吉田」双方の視点でコメントさせて頂きますので、 視点を切り替えつつ、ご確認いただければと思います。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 廃人プレイヤー吉田から見たMMORPGの序盤 既にオンラインゲーマー歴20年近い吉田ですが、それでも新作MMORPGは必ず触ります。 その時に必ず思うのが「一気に最高レベルにしてくれるコマンド欲しいなあ(/lv all 50とか)」という欲求。 チャットシステム、パーティシステム、コミュニティ機能など、MMOの基礎には完成形があり、 ある程度どのゲームでも同じものが用意されています。 他のオンラインゲーム経験者が迷わないよう、インターフェースもスタンダードになっており、 特に覚えることがほとんどないので「さっさとレベルカンストにして、エンドコンテンツ遊ばせてほしい」と思ってしまいます。 もちろん成長システムやスキルシステム、過程も大事なのですが、 それはレベルカンストしてからでも確認できるので、ゲームの序盤、スキルが少なく、 スキルがひとつ、ふたつしかない状況では「打てる手が限られる」ので、飛ばしてしまいたくなるのです。 例えば、つい昨日まで夢中になっていたゲームがあるとします。 レベルもMAX、すべてのロールで最高のギア(装備)を集めてあり、ランキングでもトップ。 ゲームにログインすれば沢山の仲間から声をかけられ、キャラ名も結構知れ渡っています。 モンスターとの戦いでは、常に生死ギリギリのコンテンツを仲間と一緒に目を血眼にしてプレイ。 大規模レイドがあれば、率先して人を集め、レイドのリードをこなします。サイトも巡回、常に情報は最新。 プレイヤースキルが低いなんて言われたく無くて必死。廃人ってそんなもんです。 (チョコボいきなり戦死、新よし逃げしといてアレですが……) ところが今日から始める新しいゲームでは、一切の経験や財産がゼロに戻ります。 ヒリつくような戦いも無ければ、バトルで使えるスキルの選択肢もA→Bか、B→Aの2-3通りから開始。 敵とのシビアなかけ引きも登場せず、広大なMAPを走り回って世界を見るくらいしかありません。 しかも多くのゲームをこなしてきたおかげで、ある程度もう効率化の手段も予測がついてしまい、 あとは膨大な時間を「予測がつく行為にあてていく」という、気の重い状態が待ち受けています。 「さっさとレベル50にしてくれりゃあなあ」と思ってしまう吉田がいます。 それができないなら、せめて「もう少し序盤から難易度高くていいんだけどな、じゃなきゃアクション性。 その方が燃えるし」と思ってしまうこともしばしばです。これじゃ飽きるぜ、とも。 ここで注意が必要なのは、飽きるのはあくまで自分と同じレイヤーの人、もしくは近似値の人だということ。 「バトルこそ最終的にMMORPGの大部分だよね」、と気付いている人だということです。 廃人は極端な例としても、ゲーム歴の長い方、腕に覚えのある方は、新しいゲームをプレイする際、 「どうも気乗りがしないなあ」とか「ダルいなあ」と思ったことがあるのではないでしょうか? 特にMMORPGの場合、最初に出会ったMMORPGにのめり込んだ経験が強ければ強いほど、 「燃え尽き症候群」にかかりやすいと思います。吉田のMMO廃人仲間にも結構多いです。 もう二度とあんなにのめりこめない、一生分の情熱を使ってしまった、という話。 なので序盤がダルい、何をしてもダルい、続かない。でももう一回火をつけてほしいんだよ!とも。 もう1点、燃え尽き症候群とは別に「ふるさと比較症候群」もあります。MMORPG特有ですが。 新作MMORPGが出て、βテスト~無料期間までは一部流行するものの、結局のところみな 元いたMMORPGへ戻っていく現象。最近ではWorld of Warcraftによく見られます。 WoWの場合「WoWのアップデートスケールはやっぱり凄かった」「WoWでできることが、このゲームではできない」などなど。 長期間同じゲームにハマれば、当然比較も出ますし、人間はこういう場合、特に保守的にもなります。 ご両親の都合で転校や、会社都合での転勤を経験された方ならわかると思います。 「早く前と同じ環境に戻りたい」。環境が変わることはストレスです、地位も経験もゼロスタート。 少しでも以前の環境と似ていた方が良いに決まっています。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ プロデューサー兼ディレクターから見たMMORPGの序盤 しかし、MMOを開発、運営する立場で、客観的に見た場合、見える景色は一変します。 よく思い出すのは「初めてMMORPGをプレイした時のストレスや敷居の高さ」です。 MMORPGを敬遠される方とも良くお話をしますが、MMORPGの一般的なイメージは…… ゲーム廃人がプレイするもの(自分とは関わりのないゲーム) ネットがないと遊べないので面倒(ストレス) チャットしなきゃいけないので面倒(ストレス) パーティ組めないと何もできない=人と関わらないと何もできない(ストレス) ストーリーとかなさそう(期待薄) ウィンドウ多すぎてわけわかんないゲーム(理解不能) 覚えること多くてプレイできない気がする(恐怖感) 用語とかわけらからん(難解) いきなり殺されたりするんでしょ?(誤解) めんどくさそう(漠然とした不安) などなど、しかし実はどれもMMORPGにはよく当てはまってしまいます。 先ほどのMMO廃人から見た序盤で書いた「MMORPGプレイヤーにとってにあって当たり前のもの」が、 突然「MMORPG未経験プレイヤーから見ると越えなければならない障壁」になってしまいます。 オンラインプレイ環境(現代では相当敷居下がりましたが) チャットシステム パーティシステム パーティコンテンツ リアルタイムバトルシステム 長期間ゲームを続けるための最低限のUI リンクシェルやフリーカンパニーなどのギルドシステム クラフト/ギャザリング トレード マーケット リセットの効かない成長システム どれもMMORPGには不可欠ですし、だからこそ面白い。でも、逆に大きなマイナス点でもあります。 新生FFXIVは、11年前のFFXIがそうであったように、今の世代のプレイヤーに、 FFを通じてMMORPGに触れてほしい、という思いが強くあります。 旧FFXIVで大きな失敗をしたからこそ、触って頂ける方には、特に序盤ストレスは与えたくありません。 どうしてもMMORPG経験者の方はバトルシステムにフォーカスされがちですが、 広大なフィールドを自由に歩きまわること 見知らぬプレイヤーがそこらじゅうを走り回っている世界 ウィンドウには大量の文字が流れ あらゆるものがリアルタイムに動いている NPCと会話をし モンスターと戦いを始める アイテムを手に入れたら着替えてみる レベルが上がると新しい行動を覚える テレポやデジョンなど移動のための知識 新たなエリアへの進出 MMORPGは「世界をまず楽しむゲーム」だと思います。 吉田のMMORPG初体験はUltima Onlineですが、個々のシステムには特に気が回りませんでした。 広大な世界があり、見る人はどこかの国のプレイヤーで、英語もよくわからず、 ウィンドウひとつひとつ確かめて、フィールドに出たらニワトリを素手で殴り…… その直後にPKされましたが(笑) しかし、とてつもなく魅力的な世界でした。こんなゲームあったのか、と。 ですので新生FFXIVでもその感覚をとても大切にした序盤にしてあります。 カッコいい、可愛い、勇ましく、逞しい高品質なキャラクターを作成して 美しく、広大で、昼と夜が絶え間なく移り変わる世界があり 行きかう人々はネットの向こうにいるリアルのプレイヤーで でもNPCと話せば物語は進み MAPを見ながらよちよち歩きをして 恐る恐るモンスター殴ってみると意外にも簡単に倒せて 思っていた以上に、他人と積極的に交わることを強制されず 独りでも物語をサクサク進められて 移動をするたび世界は広く、やっぱり美しい やがてFFらしいクリスタルの物語がはじまり 一介の冒険者から次第に要人に認められ 世界を股にかける冒険が、飛空艇と共にはじまる これでファイナルファンタジーとして、MMORPGの序盤は十分だと思うのです。 ようは「新生FFXIVの"エオルゼア"という世界に住めるかどうか、なじめるかどうか」がとても大切です。 「思っていた以上に簡単で、思っていた以上にすごそうだ!」で十分なのではないかと。 そう思って頂けなければ、シナリオクリアはおろか、UIの使い方や、チャットの方法、 チャットを打つ勇気、パーティを組む気力なんて出てこないと思うのです。 この伝達方法には本当に悩みましたし、今も悩んでいます。 テキストHow Toよりも動画が良くないだろうか、しかしアップデートコストが高い。 How To出し過ぎても、やらされてるゲーになってしまう、とにかくシンプルにするしかない。 とりあえずボタン押せば進むくらいじゃないとダメだろう、などなど……。 初めてMMORPGに触れる人にとって、個々のシステムは「魅力的な世界の一部分でしかありません」。 後にそれがMMORPGの7割を占める、超重要なものだったことに気づく時が来るとしても、 ゲーム開始当初は、そんなことに思いも至らないし、考えもせずに序盤は進みます。 それよりもなによりも「自分もこの世界で暮らしていけそうだ」と思って貰うことの方が、はるかに重要です。 Lv15までの序盤、オンラインゲームに慣れていないうちから、パーティを強要する要素も入れませんでした。 結果的に見ず知らずのプレイヤーから、ガンガン話しかけられたり、指示されたりすることも無いようにしてあります。 (エンドコンテンツはちょっと別ですが) ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ MMORPGビジネスとチャレンジ 大型MMORPGのローンチは年を追うごとに、その難しさを増しています。 UO/EQと続いたMMORPGラッシュは、BlizzardのWorld of Warcraftで一度頂点を極めます。 ですが、そのWoWとて最初からうまく事が運んだわけではなく、当時はあまりにも簡単な導線に 「こんな簡単なクエストお使いゲームは冒険じゃない」とまで言われました。 エンドにあると言われていた、2派閥間の[[PvP]]もバランスがめちゃくちゃで、 遊ぶ物がないじゃん、とも言われました。今じゃ考えられないですが。 しかしBlizzardはギブアップするどころか、運営2年目より方針をユーザーコミュニティ重視に切り替え、 その容易なゲーム導入と、厚いシナリオ、導線、エンドコンテンツの充実から、 一気に「MMORPG未体験ユーザー」を増やし独り勝ち状態となりました。 WoWは既存MMORPGプレイヤーの取り込みで勝ったのではなく、新規開拓で勝ち、 結果「既存MMORPGプレイヤーを全部取りこんで」いきました。 どちらか一方をとったのではなく、粘り強く双方にアピールし、もともとのBlizzardファンを中心に、 拡大路線を踏襲しました。11年前のFFXIも規模は違えど同様だったはずです。 「MMORPGはサービス業である」と言ったのもBlizzardで、ゲームデザインに絶大な自信を持っていた Blizzardがこの発言をすることは、当時のBlizzardファンにとって、とてつもない衝撃でした。 2013年に入り、ユーザー数が減った減ったと騒がれていますが、今なおWorld of Warcraftは、 MMORPG業界の絶対的王者に変わりはありません。 以降、2007年にMMORPGラッシュがあり、さらに昨年も大型ラッシュがあって今に至ります。 MMORPGのローンチの難しさは主に3つ存在します。 コンテンツのボリューム 質の高いユーザーインターフェース 独自の目新しい要素 実はこの3つをクリアしてローンチするのは、並大抵の難しさではありません。 多数のMMOPRGがローンチにチャレンジする中、やはりコンテンツボリュームを長期運営中の 他MMORPGと比較され、非常に苦しくなるケースが後を絶ちません。 さらに、前述したように「ゲーマー」と「初MMORPG体験者」では、真逆と言ってよいほど、 ゲーム序盤の印象が異なります。そこで「大きく難しさを増すのが独自性」です。 できるだけMMORPGゲーマーに訴求したい できるだけ多く新規プレイヤーも取り込みたい 最近のMMORPGはアクション寄りにシフトしつつあるのが実状ですが、吉田個人としては、 月額課金型の長期運用を目指すMMORPGにとって、逆効果かなと思っている要素のひとつです。 (MMORPGの1ユーザー当たりのライフサイクルを短くする場合は別です。むしろ正解) 前述したとおり、MMORPGはとにかく慣れるまでの障壁が高すぎ、かつアクション性を出すと、 確かにエキサイトではある反面、バランス面でとてもピーキーになりがちで、 一般的なプレイヤーの場合、何百時間とそのバトルを毎日繰り返すのが、非常に難しくなってしまいます。 また、バトルコンテンツもバランス面から量産し難くなり、結果的にコンテンツボリュームにも影響を与えます。 そのため、お客様の総プレイ時間を低く見積もり、新規のお客様の回転率を上げ、 顧客単価によって維持するフリートゥプレイモデルこそが、この方針とマッチするビジネスモデルだと思います。 (いわゆるアイテム課金、マイクロトランザクション) 新生FFXIVはファイナルファンタジーのナンバリングタイトルであり、長期の安定運用と、 皆さんへの安定したアップデートとコンテンツの提供を目標としているゲームです。 ですので、旧FFXIVのアップデートと並行して、ゼロから新生FFXIVの開発を行う決意をした際、 一番最初に決めたのが「アクション性を極力なくすこと」でした。 最近のMMORPGでは、インターネット回線の強化により、 オフラインのスタンドアローンゲームのような、防御や回避スキルを持つことも実現可能となりました。 それを知りつつも「FFをオンラインでプレイするお客様には合わないだろうな」と思ったこと、 「できるだけ長期間安定してプレイして頂きたいな」と思ったことから、極力アクション性は無くしました。 視覚化された範囲攻撃から移動でそれを回避すること 攻撃位置を適切化することでダメージ向上につながる仕組みがあること 特定のルートを辿るスキルを実行することで組み合わせの余地を入れること 終盤ではTP/MPのコストを考えつつ最大ダメージを出すことに執着できること コンテンツクリアのために極力ジャンプを必須としないこと ここまでを目標にコンテンツとバトルシステムを構築しています。 単純に思えるかもしれませんが、レベルキャップ到達後のエンドコンテンツでは、 これに装備の状況も加わってくると、相当プレイヤースキル差が発生します。 この中で楽しんでいただくことを、まず新生FFXIVの最初の目標にしよう、とゲームデザインを始めました。 FFXIVのコンテンツやバトルにアクション要素が存在しないのは、これが理由です。 繰り返しになりますが、当時FFXIがMMORPGの面白さをFFユーザーを通じて伝えようとしたように、 FFXIVを通じて、今の世代のプレイヤーにもう一度MMORPGの面白さをお伝えしたいと思っています。 「じっくり、焦らず、ゆっくりでもプレイできますよ」と。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ お使いゲーなのか、導線ゲーなのか さて、新生FFXIVはWorld of Warcraftによって確立された、 クエスト消化型のゲームデザインが採用されています。 ですが、これは何もWoWに限った話ではなく、古くからRPGでは町単位に小さな話をクリアし、 結果それが大きな奔流に繋がっていくという、一般的なゲームスタイルでもあります。 ところがMMORPGの世界は広大で、単なる通りすぎるだけの消費型ゲームでもありませんし、 多くのクラスやジョブが存在するため、全世界を冒険して貰おうと思うと、クエストの数が膨大になります。 当然人によっては「もう文字なんて読みたくねー、クリックしたら終わりでいいよ」と思う方もいますし、 事実WoW以降、かなり多く議論されてきた話題でもあります。 でも、世界を知ってもらうためには、積み重ねのクエストの方が無ければ、お伝えすることもできないし、 なにより「コツコツ遊ぶ」「気がついたら前に進んでいた」「止め時がわからん」というように、 プレイヤーに遊んでもらう上で、メリットも非常に多いのです。 そこで「単なるお使いゲー」にならないよう、新生FFXIVではメリハリをつけることにしました。 しっかりと骨太なシナリオを用意するのは当然です、ファイナルファンタジー最新作なので。 ただし、いわゆる導線に配置されているサブクエストは、セリフのラベル数も極力減らし、 最悪連打でテキストを飛ばされてもいい、くらいの覚悟で作ろう、と。 飽きが来そうなギリギリで、主要キャラ達が登場するクエストは、マークをつけて明確化し、 カットシーンのコストをかけ、さらに大きな節目ではボイスも入れて、盛り上げを作ろうというメリハリです。 クラスクエストもジョブクエストも、ボイスこそ入れていませんが、同じ考えで作られています。 残念ではありますが、MMORPG廃人は、[[レベリング]]もコンテンツもトップ集団となるべく、テキストなんてすっ飛ばしです。マウス連打。 でも、MMORPG初体験の方にはきっと新鮮なはずだと思うのです。 「なんかすごい勢いでクエスト出てくる」「終わったと思ったら次」「MMOってパーティでやるもんじゃないの?」 色々思っていたMMORPGのイメージと、良い意味でのかい離が発生してくれればな、と思っています。 こうした序盤のゲームデザインはレベル15のクエストインスタンスバトルを経て大きく変わります。 冒険者である皆さんが、世界に必要とされ始めた頃から、仲間たちとの出会いが発生するように、 あえてメインのシナリオ導線にパーティでのダンジョンアタックを入れてあります。 経験者がダルくてマウスやパッドを投げるギリギリ+αくらい。 「どうせなら独りで全部クリアできたらいいのに」という声があるだろうというのも理解していますが、 MMORPGビジネスは、一人でも多くの方に長くプレイしていただく必要があります。 そのためには人との出会い、強力なコミュニティが必要不可欠です。 だからこそ、パーティコンテンツをメイン導線に組み込むことにして、 その代りパーティ編成のストレスをなくすよう、自動マッチングの「コンテンツファインダー」を用意しました。 もちろんレベル15までの過程で、飽きられてしまっては元も子もないのですが、 これまで書いてきたように、MMORPGの序盤は「誰でも前に進める」ことこそが必須と考えており、 ここで脱落する方は、おそらくこの先の展開にもご満足いただけないと思いますし、 好みがある以上、それで良いのだと考えています。 序盤はある意味、ワーワーしているうちに、駆け抜けてしまったわー、が理想です。 他のMMORPGでは開始2時間もすれば結成できるギルドシステム。 新生FFXIVではフリーカンパニーと呼んでいますが、これがグランドカンパニー入団後じゃないと、 結成できない、というのも他のMMORPGと違うところです。 とにかく初めてMMORPGに触れる方には、ギルドの説明が難しい。 覚えることの多すぎる序盤、フリーカンパニーの誘いが飛んでくると、もうわけがわからない。 でも、早くフリーカンパニー結成したい方々は、序盤なんぞ軽々乗り越えて、 あっという間にそこに到達してくれると思っています。いずれのプレイヤーにも成立して頂くため、 上級者にはややご不便をおかけしますが、意図的にそんなデザインにしてあります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 新生FFXIVのパーティコンテンツデザイン 正式サービス時から遊べるシナリオは盛り込めるだけ、大いに盛り込みました。 どうぞ、MMORPGプレイヤーの皆さんも、初めてMMORPGに触れる皆さんも、 FF最新作としてのストーリーを楽しみつつ、飛んだり跳ねたり、気楽にプレイしてください。 パーティでのダンジョン攻略も、パーティ集めの必要がないよう、 コンテンツファインダーという、パーティを自動で作成する仕組みを用意しました。 (βテストフェーズ3の第3回目のテストから、このコンテンツファインダーの負荷試験を行います) その分だけ、レベル50までのレベル上げを兼ねたダンジョンの難易度には相当気を使っています。 Lv10にはギルドオーダーという「パーティプレイの基礎を学ぶコンテンツ」が用意されており、 ダンジョンよりも難易度の低いコンテンツで、気軽にパーティプレイのトレーニングが可能です(導線は調整予定です)。 レベル15からの2つのダンジョンは、初めて顔を合わせるプレイヤーで構成されたパーティでも、 全滅の憂き目にあうことなく、ワイワイやっていたらクリアできたー!という難易度に。 3つ目ではちょっとギミックが発生、その後のシナリオによる蛮神との戦いでは、 「巨大なボスバトルでは、倒すまでに明確な攻略方法がある」というのを知っていただきます。 ステップバイステップで、MMORPGの基礎を楽しめるよう、導線設計にはこだわっています。 恐らくこれまでエンドコンテンツでキリキリしていた旧FFXIVのレガシーの方や、 他MMORPGを経験された方だと、レベリング中のコンテンツは拍子抜けするくらい簡単だと思います。 ただ、知識差のある方同士がコンテンツファインダーでマッチングされ、パーティを組み、 かつ楽しんでクリアできることこそ、まずは最重要。 この難易度はシナリオが進むにつれ、じわじわと上がっていきます。 それと並行して覚えるクラスのウェポンスキル、魔法、アビリティ、クラスの役割の明確化、 敵の背後に、サイドに、アビリティを上手く組み込み、しっかり戦わないと徐々に全滅回数が増えます。 このバランスと難易度の上昇、コンテンツクリアのための明確な攻略設定、必要装備設定が、 目に見えて理解して頂けるよう、コンテンツのデザインにはかなり気を配りました。 同時にそれはバトルシステムの根幹を極力シンプルにした大きな理由でもあります。 MMORPGのバトルシステムは、イコール、バトルコンテンツデザインになるからです。 さらにクラフター、ギャザラーという製作や採集クラスに手を出すと、ゲームはさらにまったり進行となり、 コツコツ毎日やる要素は、各クラスのレベリング中にも沢山登場します。 それぞれのスタイル、それぞれのペースで、のんびりエオルゼアの世界を楽しんで頂きたいと思います。 そしてメインシナリオにまずは最初の大きな節目が訪れる頃には、キャラはレベル50となり、 ジョブチェンジし、オープニング冒頭の意味が明らかになっていると思います。 クエストやシナリオのテキストを読み、他のクラスに浮気をせず、まっすぐプレイを続けて約60~80時間、 世界一長いスタッフロールを見終わってからもエオルゼアでの冒険は続きます。 強大な敵、それに対抗するための装備集め、ある程度差が出始めるプレイヤースキル。 次々エオルゼアに召喚される蛮神、ハウジングシステム、バハムートのその後、クリスタルタワー、 大規模PvP、カンパニークラフト、色々予定がいっぱいです。 本格的に「エオルゼアに住む」ことが始まるのは、むしろエンディングの後です。 この頃にはいくつものクラスやジョブがレベル50となり、攻略方法、効率的なスキルの使い方、 研究熱心な方の猛烈な解析が始まると思います。 その分だけ、とにかくゲーム序盤もバトルの基礎もシンプルにしてあります。 議論の対象になるGCDの長さは考える余地、高レベルで装備が整うと2.5秒のGCDもさらに短くなり、 エンドではその暇も無くなるくらい手数が増えますので、廃止することは考えていません。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 最後に まだまだ書けることは山のようにあるのですが、それこそ本になってしまいそうなので……。 長くなってしまい恐縮ですが、新生FFXIVはこんな風にしてデザインされたゲームです。 すごい理屈の塊に見えますが、プレイする上では、こんな理屈どうでもいいと思いますので、 繰り返しになりますが、まずはなによりも、楽しんでいただくことを最重要視して貰えると幸せです。 吉田や運営チームはフォーラムだけでなく、TwitterやFacebook、ブログや日記サイトを巡回し、 多くの視点でβテストフェーズ3の感触を確認しています。 また、フォーラム上のポストにある単純な「いいね」の数だけで判断したりもしていません。 フォーラムの性質上、異を唱える意見が多く「プレイ人口に対して書きこむ人の割合」も データから客観的に見て、ピックアップに偏りがでないようにするのも、運営チームの大切な仕事だからです。 ゲームに好き嫌いがある以上、普遍的に相容れない意見も存在します。 Aを採用すれば、Bの採用が不可能になるものも多く、そのチョイスを見誤らないためにこそ、 皆さんのフィードバックをとても重要に考えています。 先日公開させていただいた、β2までのフィードバック対応リスト、対応させて頂いたものもあれば、 明確に意思を持って対応しなかったものもあります。 「MMORPGはサービス業である」 この対話の積み重ねこそが、MMORPGの運営でとても大切だと思っていますので、 採用された、採用されなかった、俺はこう思う、こうあるべきだ!だけでなく、 もう少し肩の力を抜いて、対話を楽しんで頂きたいなと切に願います。 書き込む前に、眉間に皺が寄っていないか、どうかもう一度ご確認を。 スクエニはこれまで、割と閉鎖的な会社だったので「ここで一発物申す!」という方も、中にはいらっしゃると思います。 もちろん真摯に受け止めさせて頂きますが、まずは楽しむことを前提にお願いいたします。 繰り返しになりますが、初めてMMORPGに触れる方は、深く考える必要はないです。 楽しんでそこに到達できるよう、バランス調整も、贅沢なカットシーンも用意してあります。 序盤のバトルについてぶっちゃけると、序盤TPの最大を低くして、コストを気にするバトルも 実はテストしてみました。でも、やっぱり雑魚でそれを繰り返すのは、本当にダルかったのです。 1対1では圧倒的勝利と実践テストを、レベル5付近から敵のスキルを避けた方が効率が良くなり、 クエストインスタンスバトルでは、正面から殴り合うだけでは死にます。 ピリリとスパイスを、というのは吉田も良くわかります。それこそさじ加減だろう!とも。 しかし、前述したとおり、バトルだけがMMORPGの序盤ではありません。 世界があって、人がいて、リアルタイムに時が流れ、バトルをして、ギャザリングして、クラフトして、 チャットで終わる日もあれば、新規キャラメイクだけで終わることもあるかもしれません。 世界そのものを楽しんで貰えるよう、特に序盤のバトルは要素のうちのひとつと割り切っています。 (レベル15のクエストインスタンスバトルは、もう少し難易度下げるつもりです) 割り切りが下手くそ、と言われれば、それはもう吉田の能力の問題です。 βフェーズ3はレベルキャップが35に設定されている分、ブレイフロクスのダンジョンは、 製品版のバランスより、ちょっとだけキツ目に調整してあります。 凝っているダンジョンでもありますし、腕に覚えのある方は、どうぞ挑戦してみてください。 いずれのプレイヤーにもご満足いただけるようにすることは、途方もなく高い目標ですが、 これからも精一杯の努力を続けますので、末永くお付き合いくださればと思います! ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ちょうど11000文字くらいになりましたのでこの辺で……。