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もなちゃと大部屋の喧嘩師を紹介するリストです。 |支配者| |タイプ力|S|発言力|S|総合|S| 現在大部屋に居る喧嘩師。喧嘩師の中の実力は中々のもの。自分では弱いと言っているが現実では強いのが嫌味に聞こえる。 |リラ| |タイプ力|S|発言力|A|総合|A| 現在大部屋に居る喧嘩師。喧嘩師の中ではリラを中心とする崇拝者もそぅ少なくは無い。喧嘩師としての実力は中々、難しい漢字を使うため相手は惑う事もよくあるという。 |影武者| |タイプ力|A|発言力|SS|総合|S| 現在大部屋に居る喧嘩師。最近では入り口にも姿をあらわすようになって来た。実力は喧嘩師の中では上位を争うほどで。いつもリラと一緒に行動している喧嘩師。 |破天荒| |タイプ力|A|発言力|S|総合|A| つぃ最近まで居た大部屋の喧嘩師。源氏(管理人)とはリアルの存在で一緒に行動していた仲。喧嘩師としての実力は中々のもので発言力にとても優れている。 |三銃士| |タイプ力|SS|発言力|A|総合|S| 昔大部屋に居た喧嘩師。タイプ速度だけならもなちゃとの中でも上位を争うほどの実力。一応回りの喧嘩師からチキンと言われている悲しい喧嘩師。 |松風| |タイプ力|A|発言力|A|総合|A| 昔大部屋に居た喧嘩師。タイプ速度は中々のもの発言力に欠けているので喧嘩師としてはあまり強くないと思う。 |BASS| |タイプ力|A|発言力|A|総合|A| 昔大部屋に居た喧嘩師。松風と親友の仲でもあり。喧嘩してとしてはあまり強くは無い。 |喧嘩師カンクロウ| |タイプ力|S|発言力S|総合|S| 昔大部屋に居た喧嘩師。最近でも姿を現して居るという説もあるが最近は見ていない。「赤殺団長」と同一人物。 |すけべぇ| |タイプ力|??|発言力|??|総合|??| 現在も昔も居る謎の喧嘩師。入り口などにも現れ神出鬼没な喧嘩師。正体が分かったら教えて欲しいものです。 |風に吹かれて爽やかニート| |タイプ力|??|発言力|??|総合|??| 現在も昔も居る謎の喧嘩師。すけべぇと同一人物とも言われているが本当のことは未だによく分かっては居ない。
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人工言語の語彙は始めは空集合です。空っぽの語彙に語をたくさん入れていかねばなりません。つまりゼロから語彙を作り、膨らませていくわけです。 しかしその方法は言語の型によって異なります。方法によってその作業にかかる労力は劇的に変化します。 後験語の場合、自然言語を参考に語彙を作ります。ゼロから作るといってもほぼ流用になるため、一番手っ取り早く作ることができます。 エスペラントが好例です。ザメンホフはラテン語などの西洋語を参考にして、エスペラントに合うように語形を変えました。 たとえば名詞はoで終わらねばならないので、それに合うように語形を変えたりといった調整作業です。 どちらかというとこの型の場合、ゼロから作るといっても実際は調整に近いです。 もっとも、手軽=稚拙ということにはなりません。エスペラントは普及型なので馴染みのある言語を参考にするのは理に適っています。 一方、人工文化を作る場合、文化を地球上に置いても置かなくてもいいです。 置けば近隣文化に影響を受けたり、比較言語学的に何らかの近隣言語と同系と設定するのが自然(必然ではない)になるだけのことです。 同系になるということは、語彙はその言語やその言語の祖語を参考に作られることになります。 したがってある程度エスペラントのように後験語的に自然言語から語彙を拝借することになります。 それに加えてその文化独特の道具や産物や植生などがあれば、独自の語を当てていきます。 ただ、独自といってもネーミングがいい加減では築き上げた体系が台無しですから慎重に。 仮にイギリスの一部を切り取って人工文化を作り、英語に良く似たゲルマン語の一種を作るとしましょう。 しかもその土地にしか咲かない紫苑に良く似た花があるとしましょう。 日本語はご存知の通り紫苑と名付けています。色がネーミングに関わっているのが見て取れます。 ところが英語ではasterといいます。色でなく星型の形を以ってネーミングしています。 人工文化に紫苑だけでなくその紫苑に似た新種もあるとすれば、紫苑はasterと同じく「形」でネーミングされるでしょうし、新種の方も恐らく星型という形が注目されるでしょう。 asterと同じような語形か、まとめてasterの一種とされるか、何らかの修飾を付けられるでしょう。 もし同じ人工文化を日本の近くに置いたら、その新種の花は形以外を参考にネーミングされたかもしれませんね。 たとえばそれが冬に咲く白い紫苑のような花だとしたら冬紫苑とか。日本語には既に春紫苑という紫苑とは別の花があるので、そこから連想される可能性が高いでしょう。 もし人工文化を日本語と同系に設定すれば、やはり同じようなネーミングになるでしょう。 一方、同じ花でもイギリス付近に置いた場合、こうはネーミングしないでしょう。winter-asterよりはsnow-asterとしたほうが彼らのセンスに合います。 このように、人工文化を地球上に置いた場合、近隣言語・文化に影響を受けます。 語彙を近隣から拝借するので簡単なように思えますが、その文化独自のものを設定する場合、たった1つの花を取っても中々奥深いです。 もちろん、その文化独自のものを作らなくても良いですが、何も作らないとわざわざ人工的に文化を作った意味がないと思います。 自然物だけでなく人工物や法律のような抽象物でもいいですが、何かしらオリジナルがないと人工文化の醍醐味が薄いかもしれません。 さて、次に異世界を作る場合ですが、これは語彙はおろかネーミングセンスさえゼロから作らねばなりません。 例えばアルカは音象徴を利用しました。 iのように音が高く鋭い音は小さいものや音の高いものなどを連想させます。これは音声の問題で、人類共通の感覚です。言語もこれに影響を受けます。 でも全部ではありません。「大きい」にもbigにもiの音が入っていますよね。 したがって、小さいもの全てにi音を付けることは不自然ですし、もしそうしたら聞き違いも増えるでしょう。 似たような意味の語が似たような音ばかり持ってしまうからです。 だから音象徴は全てに適応されるものでなく、いくつかの語を作るための根源として利用します。 音象徴の作り方は2種類あります。 1つはiのように人類共通の感覚と思われる音を利用すること。 pが「パン」とか「ポン」というように破裂を想起させたり、 m音が赤ん坊と母との関連から乳や母に関連付けられるのはままあることです。 こういった例をいくつか収集して利用します。 なお、例外なく事は運びませんから、あまり神経質にならないこと。 何百個の言語を調べればいいのかとか、そのうち何%で法則に適えばいいのかとか、あまり細かすぎないようにしましょう。 その言語の特質によって音の印象が変わることがあるので、ある程度寛容な見方をしましょう。 学部生時代、恩師が授業中に中国人留学生らにpanとbanではどちらが音が強い感じがするかと尋ねられたことがあります。 日本人生徒はbanが強いと答えた人が多かったです。日本語のオノマトペ観に沿っています。一般的に濁音のほうが清音より音が強いとされますから。 同じ殴りでもパンだと軽い平手のイメージですが、バンだと痛そうですね。ドアのノックもコンだと軽いですが、ゴンだと拳骨並みに強い気がします。 ところが中国語の場合、同じpan,banという音韻表記をしても音声が異なります。 pとbは清濁の対立ではなく、有気無気の対立です。有気のほうが強く発音されるため、中国人の回答はpanが強いでした。 インフォーマントは1人でしたが、それでも貴重な体験でした。 このように、言語の特質によって音の印象が変わることがあるので、あまり細かいことに拘らないようにしましょう。 つまり、概ねpやbの両唇閉鎖音が破裂のイメージを持つという風に、大まかに音のイメージを捉えた上で音象徴を設定してください。 人類共通の感覚以外で音象徴を作るもう1つの方法は、あえて言うなら恣意です。 小さいとか破裂とか乳とかはいいです。光なども音象徴を設定できるでしょう。 でも、どうこじつけても生死とかは音象徴にならないでしょう。そういうときは恣意的に生死を表わす音を設定するのも手です。 音象徴を当てる概念はできるだけ上位概念にしてください。音象徴が増えると覚えるのも扱うのも大変です。 鉛筆や鐘みたいな下位概念に音象徴を付けると、それ以上語彙を膨らませることが難しいです。 鉛筆の音象徴を設定したとしても、増やせる語は色鉛筆やシャーペン等々くらいなものですか。汎用性がほぼ皆無です。 なので、できるだけ音象徴は上位概念で設定してください。 かといってアリストテレスが設定した範疇ほど数が少なくても材料不足で語が作れません。重要なのはバランスです。 範疇となる上位概念を10や20作ったところで語は作れませんし、逆に1000も作ったら多すぎて扱えません。 ちなみに、アルカの旧バージョンである古アルカでは100ほど作りました。別にこれがベストバランスだとは思いません。1つの道です。 音象徴を作ったら今度はそれを元に基本語を作っていきます。 植物や動物を表わす音象徴は持っていたほうがいいでしょうが、そこから実際に植物や動物といった語を作っていきます。 音象徴と実際の語の語形が被ると区別が付かなくなるので避けるという手段もありますし、逆に被らせないと語形が長くなるので被らせるという手段もあります。それはお好みで。 音象徴は原則として短いため、自然とCVやCVCが多くなります。 アルカは音象徴と語が被る場合もあれば、被らない場合もあります。 単純にその語の頻度などから鑑みて語形を決めているので、被る場合もあればそうでない場合もあります。 基本語を作るといっても、機能語の類は作れないでしょう。なので機能語は恣意的に作ります。 恣意的といっても「私」とか「~の」とかがemerudosiaのように長くては使えないので、頻度と相談してください。 また、当然ですが短すぎてもダメですし、発音しづらい頻度の低い音素の並びも頻度が高い語には好ましくありません。 こうしていくと恣意と音象徴によって基本語が作られるでしょう。 基本語ができたら後は合成、つまり複合や派生を利用して語彙を増やしていきます。 なお、頻度が高いものの、合成したら長くなってしまうような語は、音象徴や基本語を利用して名付けるといいでしょう。 姉妹語のようなものですが、実はこれが重要です。 たとえば装身具をkiluと表わすとします。センスがいいことをiketeluとします。 そうすると身なりがいいことやセンスが良いことなどを表わすにはkiluiketeluといえばいいことになりますが、要するにこれって「かっこいい」とか「おしゃれ」ということでしょう? それにしてはちょっと長いですね。そこでこういう場合は合成を止め、たとえばkiluを利用してkilaとかkiluaなどとします。こうすると学習が難しくなりますが、実用時に便利になります。 合成の長所は造語力の高さと学習のしやすさです。冷蔵庫はrefrigeratorより米語のiceboxのほうが分かりやすいです。逆に短所は長くなることです。 冷蔵庫は短くなっていますが、ドイツ語などを学習していると長くなることがよく分かるでしょう。 よく使う語の場合、合成を避けて基本語に適当な音を付けたり、基本語の音を変えたりして作るほうが使用時に便利です。 特に人工言語は作成時、自然言語と違って何が日常的に使われるか予め知っています。 パソコンはパーソナルコンピュータの略ですが、人工言語を現代で作る場合はパソコンが日用化することを知っているので、予め短い語を当てておくと、一々略語と本体の2語を覚えなくて済み、便利です。 アルカの場合、頻度が高い語のうち、合成すると長くなってしまうもの、或いは手持ちの要素を組み合わせても納得のいく合成ができないものに関しては、姉妹語や混成を用いています。 恣意性は当然高くなり、学習労力も増えますが、実用時に便利になります。 尚、姉妹語にするときは似たような語形に似たような意味を当てないようにすることが注意点です。 元となる音象徴や基本語が下位概念すぎると意味が限定されてしまうので、姉妹語の意味も限定されがちです。 だから装身具のような上位概念を元にしたほうが姉妹語同士の意味が離れ、仮に最小対語ができたとしても誤解が少なくなります。 たとえばアルカでは装身具を表わす基本語からできる姉妹語がいくつかあります。その中に最小対語もあります。 しかしその意味は「お洒落」と「コーティング」なので、全く誤解はありません。今まで間違えた人もいません。 むしろ聞き違えても文脈で正しいほうを選択されるのでかえって便利なくらいです。 ちなみに、コーティングとはお菓子に塗る甘いやつや、木工に塗るニスなどを指すあのコーティングのことです。物が纏うという点で、物にとっての装身具となっているわけです。 一方、お洒落も装身具からの関連で来ています。大元が同じ語でも、装身具が上位なので、このように最小対語が生まれても誤解は生じません。 また、混成ですが、これもアルカではよく行われます。 たとえば、しゃもじ類はいずれも「平らな」と「スプーン」を混成した語で表わされます。 姉妹語と違って、最小対語や似た意味の聞き違いのリスクは少ないです。 混成も頻度の高い概念や合成しづらい概念に用いられます。 更に、合成すると意味が2つ出てくるものを互いに区別するために、片方を混成にすることもあります。 たとえば砂と場所を合成すると砂場が作られますが、砂漠でもいいような気がします。 そこで片方は合成にし、片方は混成にして区別します。砂がsunaで場所がtokoだとすると、片方がsunatokoで、片方がsutoなどになります。 まとめます。ゼロから異世界で語彙を作るには。 まずは音象徴を作ること。方法は人類共通の感覚と恣意の2つ。 次に音象徴で作れない機能語等を恣意的に作ること。 そうしたら音象徴と恣意的な語から基本語を作る。 基本語を作ったら合成や姉妹語や混成を利用して語彙を増やす。 手順はこれだけです。簡単に見えますが、大変です。 ちなみにアルカの場合、音象徴は100程度です。ちゃんと数えてないので詳しい数は分かりませんが、多分この前後でしょう。 最終的な基本語の数は――これも境界線の問題ですが、私は多く見ても2~3000ほどに絞っています。少なく見れば1000程度でしょうかね。 合成を使うと語彙は二次関数的に増えていくので、基本語なんて1万なくても余裕です。 姉妹語や混成はあくまで日常語の範囲で利用しているので、主にカバー率80~90%程度の語彙に集中させています。 実際、内訳をいうと、合成がほとんどです。 頻度は低いですが、数は圧倒的に多いです。 次に多いのが基本語です。次に多いのが姉妹語と混成です。 一番少ないのはその他に当たるもので、全くの恣意からなる非基本語です。 たとえばパソコンなどがそうです。これらは合成でも姉妹語でも混成でもなく、基本語さえありません。 姉妹語は基本語から作りますが、パソコンに関与するような基本語や音象徴はアルカにないので、姉妹語にはなれません。 更にパソコンは基本語でもありませんが、かといって日常的な頻度はそれなりに高いです。 そこでパソコンに関しては全く恣意的に作っています。勿論語形は短いです。こういった完全恣意、無語源もあります。 ところで、日用品の観点ですが、日用品は時代とともに変わります。よく使うと思って混成や姉妹語にしたものがあまり使われなくて合成でも良かったという後悔がありえます。 過去については何が流行ったか調べられるのでいいとして、未来は分かりません。むやみに姉妹語や混成を増やさないことですね。 ちなみにアルカでは合成語だったものが頻度の増加によって自然と合成でなくなることがあります。 その場合、まず確実に混成です。CVCCの音節数が多いので、同音異義語を避けるため、その音節構造を持ちやすいです。 なお、過去の日用品がそのうち使われなくなったらどうしましょう。 日本ではふんどしは昔は日用品ですが、いまはトランクスです。このように、もし日用品Aが新種のBに取って代わられた場合、どうしましょう。 まず、Aの語形をBに譲って自分は別の語形になるか、Bを新たに作るかの方法があります。後者は文字通りの意味です。 前者はたとえば新しくできた建物を新館と呼ばずに元の方を旧館と呼ぶようなものです。 前の例を取るとどうでしょう。たとえばふんどしをfundoとします。 後にトランクスが日用品になったらトランクスをfundoにし、ふんどしをfuluifundoなどとします。 また、シネクドキーを利用する手もあります。 芋といえばサツマイモだった時代があるとします。もしその後、その文化でジャガイモがメインになったらどうでしょう。芋といえばジャガイモになりますね。 そうするとサツマイモはサツマイモとわざわざ呼ばれるようになります。このように、日用品が変わった際、シネクドキーの指す対象をすりかえるという方法もあります。 さて、今回はアルカも例に取り、ゼロからの語彙の作り方を紹介しました。 細かいことをいえば他にも色々あるのですが、言語の型に分類してから、それぞれの型での作り方について一応の大筋を述べました。
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故千野栄一は言語に優劣は無いと強く主張していました。 彼は学問的というよりも主観的・感情的に主張していた節があります。 一般的な言語学者と同じく、私は言語に優劣はないと考えます。優劣の基準が決められないからです。 たとえば合理的か非合理的かということに話を限定したとしましょう。それなら確かに合理的なほうが優れているように見えます。 「見る」という動詞が異様に長い語形だったら大変だし、逆に短すぎても聞き取れないでしょう。バランスの取れた簡潔さが良いわけです。 そういう意味ではバランスの取れた合理的な言語というのは存在するのでしょう。 名詞に性別があることでフランス語はその煩雑さに見合うだけの特別な情報を伝えているとは思えません。 名詞の性別は労力に対して情報量が見合っていないのです。その点で非合理的といえ、劣っているといえるでしょう。 実際人工言語を作る人は名詞に性別を与えないのが通常です。エスペラントでも捨象されています。 ちなみに自然言語でも同様で、人工性の高いピジンになるほど性は失われます。 ではそれだけで日本語のほうがフランス語より優れているのかというとそんなことはありません。 そもそも漢字というネイティブでも使いこなせない文字を大量に使うことや、用言の複雑な活用、終助詞による複雑なニュアンスの違い。そういったものが日本語にはあります。 たった26字で全てを表現できる英語のほうが合理的です。用言が活用しない中国語のほうが合理的です。 つまり、仮に優劣を合理性に求めたところで、言語にはそれぞれこだわるポイントというのがあるので、どうしても総合的な優劣は出ないのです。 部分的には優劣を測れたとしても、果たして用言の活用と名詞の性別ではどちらのほうが比重が大きいのか。それは誰にも分かりません。 なので結局総合的な優劣は測れないのです。それゆえ、私は言語の優劣に否定的です。 ただし、それは自然言語の話です。千野栄一も人工言語は視野に入れなかったのでしょう。 さて、人工言語ではどうでしょう。 人工言語はこだわりがないように作ることができます。各言語で非合理的だなと思う要素を全てなくすことができます。合理的な言語を創れます。 そういう意味では人工言語は自然言語よりも合理的で優れているように見えます。 ただ、問題は合理性以外です。自然言語では問題にならなかったようなことが問題になります。 自然言語の場合、その社会が必要とするだけの語彙がきちんとあります。でも、人工言語の場合はそうではありません。大抵の人工言語は語彙が足りません。 また、自然言語のネイティブは基本語の語法をよく知っています。 私たちが日本語の語法を極めて良く身に着けているのと同じです。 自然言語にはとても細かい語法があります。 くたびれると疲れるはほぼ同じ意味です。ではなぜ「スーツがくたびれてる」といえるのに「スーツが疲れてる」とは言えないのか。 「言えない」ということだけ私たちは分かっています。なぜかは言語学者しか分かりません。不思議ですね。 学者が根詰めて考えないと分からないような語法が言語にはたくさんあり、しかもそれを知らない一般人が正しく利用できるのです。これが言語の不思議なところです。 さて、人工言語にも語法が必要で、なければ使用者ごとに混乱してしまいます。 でも語法は今述べたように込み入っています。言語学的な分析を要するものもたくさんあるでしょう。 ここで人工言語ごとに優劣の差が出てきます。言い換えれば作り込みの差です。 語法が決まっていない――すなわち単語という道具の説明書がない――言語は果たして使い物になるでしょうか。 ここでYESと答える人はいないと思います。 語法や語彙。こういったところで人工言語には優劣が存在します。簡単にいえばどれだけ作成者と使用者が研鑽を重ねたかにかかっています。 まとめると、私は自然言語の優劣には否定的です。総合的な優劣が決められないからです。 対して人工言語は語彙の大きさ、語法の綿密さ、文法の磐石さ、こういった点から優劣が定められます。 更に文化や風土を考慮しているか(作れという意味ではなく、考慮する)という点も細やかさの点においては評価事項になるでしょう。
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関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
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人工と自然 日本語のように、元々ある言語を自然言語といいます。 日本文化のように、元々ある文化を自然文化と呼びます。 日本風土のように、元々ある文化を自然風土と呼びます。 エスペラントのように、西洋語を参照して人工的に作った言語を、アポステリオリ人工言語といいます。 エスペラントのように、西洋文化を参照する文化を、アポステリオリ人工文化と呼びます。 エスペラントのように、西洋文化を参照する風土を、アポステリオリ人工風土と呼びます。 アルカのように、オリジナルで人工的に作った言語を、アプリオリ人工言語といいます。 アルカのように、オリジナルで人工的に作った文化を、アプリオリ人工文化と呼びます。 アルカのように、オリジナルで人工的に作った風土を、アプリオリ人工風土と呼びます。 ややこしいので、以下に表で示しました。 言語 文化 風土 日本語 自然 自然 自然 エスペラント 後験人工 後験人工 後験人工 アルカ 先験人工 先験人工 先験人工 一番少ないのはアルカタイプの言語です。理由は2つあります。 1 今までは「人工言語といえば普及型」という常識があったため。世界語にするには、文化と風土の違いが民族間の壁になってしまう。 2 文化と風土まで作ると、大変な作業量になる。制作が現実的ではない。 なお、言語はアプリオリだけど、文化と風土は考慮していないというような言語があります。 ライプニッツのような有名な人が、そういったものを作っていました。 「言語は作れるけど、文化と風土まではちょっとなぁ」という場合、そのようなパターンになります。 また、上の表で「自然」に「先験・後験」の区別がないのは、単にアプリオリの自然言語というのがありえないためです。 .
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科学技術が進歩するにつれて、測りがたい主観から、定量的で計測しやすい客観が重視されるようになる。 現代のような発達した時代は客観の時代といえる。 この時代の人工言語はしばしば名詞の時代でもあり、専門用語の拡充に多くの時間を取られることになる。 客観の時代に突入したのは20世紀であり、この時代に相等する文化を持った人工言語は、語彙おもに名詞登録との戦いを強いられる。
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選択肢 投票 鬼畜なゆぅ様 (395) ボブソン (56) 生ユウナ様 (21) 覚醒していないシリウス (354) タコヤキ (262) リラ (27) 支配者 (25) エルダー様 (24) でぶちんの死体 (70) 西海岸 (14) 陽気な破邪様 (3) 高須SS (3) 英国紳士 (4) ラー油 (14) 三銃士 (3) バラ (15) 喧嘩師カンクロウ (6) BASS (2) 零式 (2) ㍻ (5) タイプ速度標準者 (3) 平家陽炎 (10) アンチョビ (49) 不明者 (3) 中華団欒 (30) もなちゃとヵス (44) 阿修羅 (9) 瞑想 (2) すぃー (2) エクスカリバー (8) 国家コーラ (7) 源氏陽光 (413) すけべぇ (10) 破天荒 (2) 満月 (3) ちびしぃ (7) 東海道詩人 (24) わたなべ (16) 昭悟 (14) 風に吹かれて爽やかニート (13) カラシ (5) カルゴ (13) ダリアン (18)
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「小説やゲームやマンガに臨場感を与えるために人工言語や架空言語を作りたい。でも、言語学や語学の知識がないと作れないの?」 ――そんなことはありません!専門知識がなくても言語を作ることはできます。ここではその実例を紹介します。 『Final Fantasy X 』アルベド語 これは日本語を改造したものです。「オヤジ」は「トタギ」といいます。ア行→タ行、ヤ行→タ行、ザ行→ガ行にしているだけです。 仮名を規則的に入れ替えているだけで、最も簡単な人工言語です。 単語も文法も文字も音も全部日本語ですから短い時間で作れます。 発音も完全に日本語ですし、労力は最小限で済みます。 『Tales of Eternia 』メルニクス語 メルニクス語はメルディというキャラクターの言葉で、英語を改造したものです。 アルファベットのAからZまでの26文字に、それぞれ仮名1文字を充てています。 たとえばAは「エ」、Bは「ブ」、Yは「ヤ」、Eは「ン」、Sは「ス」。 したがって、Yes(はい)と言うときはヤンスと言います。 単語は全部英語なので、26文字の仮名対応表があれば何でも表現できます。 メルニクス語は独自の文字を持つので、アルベド語より人工言語としては精巧です。 なお、英語を基にしていますが、アルファベットを仮名に変換しているため、発音は日本語です。 『ICO』ヨルダ語 ヨルダ語という名称はゲーム中に出てきませんが、他に呼び方が思いつきませんでした。 ゲームではヨルダとクイーンの2人しか使いません。ヨルダ語も日本語が基になっています。 基本的に逆さ読みです。まず、「さよなら」をローマ字に変えて"sayonara"にします。それを逆さ読みにして"aranoyas"とします。 ただ、これで終わらないのがミソです。実際のヨルダ語は逆さにした言葉を更に短くしています。 "aranoyas"の間を削って"arn oys"と言っているようです。 どのように間を削るのかが不明である点と、そもそもヨルダ語の出番が恐ろしく少ないため、ヨルダ語は謎が多いです。 このように、日本語や英語などの慣れた言語を使って、簡単にレトルト人工言語を作れます。 ヨルダ語と似てますが、日本語の仮名を逆さ読みにするだけで人工言語を作ることもできます。 たとえば「君」は「ミキ」といった風に。「来い」は「イコ」になり、何となくヨルダ語を彷彿させます。 「デーモン」は「ンモーデ」。ンで始まる単語ができるので、ちょっとエキゾチックな感じが出せます。 『フォーチュンクエスト』の呪文 主人公の一人に魔法使いの少女ルーミィがいます。彼女が唱える呪文のいくつかは日本語の逆さ読みです。 「ヨメダヤチイゴウモテシタイタイデンロコガンサマルーダ」は敵を止めるストップの呪文です。 逆さ読みをすると意味を持った日本語になります。筆者は中1のとき、暗記してました(笑 ところで、ネタ元が日本語だとすぐにバレて面白くないというのであれば、ちょっとスパイスを効かせましょう。 メルニクス語と同じやり方でドイツ語のアルファベットに仮名を当てはめれば、ドイツ語を基にした人工言語が作れます。 辞書で単語や例文を引いてアルファベットに仮名を当てはめればいいので、ネタ元はフィンランド語でもノルウェー語でもOKです。 これらの言葉を知っている人はとても少ないので、すぐにネタ元が割れないという長所があります。 さぁどうでしょう。言語学を知らなくても人工言語は手軽に作ることができます。要はアイディア次第です。 しかし、ここでこんな批判が聞こえてきそうです。 「結局はどこかの言葉を使って暗号を作っているだけじゃないか。私の小説は異世界ファンタジーなんだ。 日本語が存在しない世界なのに日本語を元にした言語があるのはご都合主義で、それでは世界観が台無しだ」 なるほど、一理ありますね。いま紹介したレトルト人工言語は単語・音・文法・文字、これら全部が借り物です。 オリジナリティに欠けるというのは否めません。ではこの中で借り物を止めるとしたらどれでしょう。 一番簡単なのは文字です。メルニクス語がそうですが、独自の文字を作りましょう。 それだけで雰囲気はかなり出ますよ。この時点で人に見られても判読されなくなりますから、いかにも異世界の言葉です。 文字だけでは不十分ですか?そうしたら単語を適当にでっちあげてみましょう。 「ありがとう」とか「さよなら」とか、そういったよく使う言葉だけオリジナルで作ってしまうのです。 ヨルダ語も「ありがとう」はどうにも逆さ読みができず、「ノノモリ」と聞こえます。これ、もしかしたらオリジナルかもしれません。 よく使う単語は小説内で何度も出てきます。しかもそれが独自の文字で書かれたら、それだけで結構雰囲気が出ます。 一方、音と文法は言語学の知識がないと厳しいです。 特に音に関しては知識だけでなく発音の訓練も必要になってきます。 音も文法もオリジナルにしたいというのであれば、流石に言語学の知識が必要になってきます。 でも、始めはそこまでしなくても良いじゃないですか。言語を創るのは想像以上に難しい作業です。幅広い知識も必要になります。 まずはいくつかレトルト言語を作ってみましょう。 それで不満足を抱くようであれば、人工言語の更なる深遠を覗いてみればいいのです。 そのときは言語学や語学の知識も多少必要になってくるでしょう。また、エスペラントという伝統的な人工言語にも出会うでしょう。 オリジナリティを求め続けると、どこまで行くのでしょうか。 まず、単語・音・文法・文字のすべてがオリジナルというところに行き着きます。 そして最終的にはその世界の風土や文化までオリジナルで作ることになります。 ただ、それはすぐにできるものではないので、まずはレトルト人工言語を作ってみましょう。 そこで何か物足りないなと思えば徐々にステップアップしていけばいいのです。 自分の創りあげる世界にどの純度のオリジナリティを持たせるかは、作者である貴方次第です。 レトルトではダメとか、そういうことではありません。作者がどのレベルで納得できるかです。 .
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人工言語は言語の一種であるから音韻・文法・語彙・文字・非言語を持っている。ただ自然言語に文字を欠くものがあるように、これらの要素が全て揃っているとは限らない。これらの要素を全て持っていれば申し分ないが、実際には一部を欠くことがある。 現在使われている自然言語のうち「音韻はないが文法はある」などといったものは考えられないが、人工言語の場合どの要素が欠けてもよい。たとえば話すことを一切考慮せず、文字と語彙と文法しか決めない言語も考えられる。このような言語は決して絵空事ではない。文字と語彙と文法だけを決め、単語に音価を当てない。音価がなければ音韻を定める必要もない。では読むときはどう読めばいいのか。読み手のそれぞれの母語で読めばよい。この手の人工言語は4世紀も前から存在していた。そしてそれは必ず表意文字か語意を表す数字を持っていた。音韻がない以上、表音文字にはできないからである。 自然言語と異なり、人工言語は一見無作為に要素を欠いているように見える。だが実際そうとは限らない。人工言語がどの要素を欠くかを観察していけば、なぜ欠けるのかという理由が見えてくる。更にそれを逆用すると人工言語はどのように発展して現在の形に落ち着いたのかを見ることができる。上の5要素を全て持っている申し分ない人工言語に至るまでにどのような欠損を持った人工言語の雛が存在していたか。また原初的な人工言語とはどのようなものであったか。 まず最も原初的な人工言語とは何であろうか。それは意外にも現存するような欠損のない人工言語に極めて近い後験的なものである。最初の人工言語は暗号である。本論ではまとめて暗号型と呼んでいるが、他所では暗号言語や秘密言語などとも呼ばれている。 暗号としての人工言語は古代エジプトやローマにも見つけることができる。最古の暗号は古代エジプトの石碑に刻まれたヒエログリフとされており、これは紀元前1900年ほど前のことである。この暗号を人工言語に含めると、人工言語の起源は少なくとも約4000年ほど前まで遡ることができる。一方、人類最初の文字はメソポタミア地方チグリス=ユーフラテス下流のもので、これは5000年ほど前に遡る。意外にも暗号としての人工文字は早くから存在していたことになる。 人工言語はその産声を上げたときから長い間もっぱら暗号として機能していた。およそこの頃は「人工言語=暗号」であったといっても差し支えない。暗号としての人工言語は資料が残されているわけだから少なくとも文字を持っていた。同時にその文字自体が語彙を形成するので語彙も持っていた。古代人がそれを口で読んでいたかどうかは分からないが、もし読んでいたなら音韻も備えていたことになる。 ヒエログリフにおいて最も意識されることはそれが文字であるという事実である。原初の人工言語が暗号と同義であるならば、文字が人工言語の黎明に大きく関与していることになる。そして実際他の例を見ていくと、人工言語において文字がいかに重要な役割を持っていたのかを知ることができる。自然言語において文字を持たない言語が多く存在するため、文字は言語にとって必要条件ではないという低い地位に押しやられている。しかし人工言語では文字が大きな役割を持ち、時には国家まで揺れ動かしてきた。 たとえば15世紀に李氏朝鮮第四代国王世宗(セジョン)が作った朝鮮文字ハングルは人工文字であり、現在朝鮮半島で実用されている。だがこの人工文字が実用されるまでには相当な歴史的背景があった。 文字を話題にするのなら更に時代を遡ることができる。紀元前221年には秦の始皇帝が中国を統一し、度量衡とともに漢字を矢継ぎ早に統一した。統一から外れた文字は排斥された。ただしハングルと違ってこれは既存の文字をまとめたという性質が色濃いため、人工文字ひいては人工言語の範疇に入れるのは難しい。しかし国家の手によって人為的に文字が操作された歴史としては取り上げるべきことである。 ハングルにせよ始皇帝の漢字統一業にせよ、古代エジプトやローマの例とは異なり、暗号でないことが注目に値する。朝鮮では百姓が、中国では人民が使うために作られたものであるという点で暗号とは一線を引く。 古い人工言語における文字の役割は大きく、特には政治的背景と相まって形成されてきた。尚、このことは音韻や文法を制定するよりも文字を制定するほうが簡単だということにも繋がる。ハングルは確かに人工文字だが、それは朝鮮語を表すためのものでしかない。世宗は朝鮮語の音韻や文法まで作ろうとはしなかった。朝鮮語そのものを変えることは彼の目的には適わなかったし、何よりやろうとしても当時は技術が足りなかった。音韻、更には音声を百姓の間に制定しようとするのは政治的以前に印刷技術や録音技術の乏しい時代では極めて難しいからである。文法を制定するのは音に比べれば容易であるが、それよりも文字のほうが人の手を加えるのに適した素材だった。 できるできないの話を別としても、音韻や文法に比べて文字のほうが手を加える必要性があった。暗号として使われる文字は字形を変えたほうが見破られにくいので手を加える必要性が大きい。また暗号を欲しがらなかった朝鮮にも文字に手を加える必要性があった。ハングルが作られたのはたとえば漢字の読めない民衆が不当な扱いを受けた際に裁判を申し立てられないなどといった窮状を鑑みた結果である。その他にも作られた理由はいくつもあるが、いずれにせよ朝鮮が欲したのは暗号ではなく理解しやすい実用的な文字であった。そしてそれを得るためには漢字というシステムから脱却する必要があった。尚、このような大きな政治的な動きがスムーズに運ぶことは稀で、実際当時はこの改革に対する反論があった。 1442年、世宗配下の漢学者崔萬理がこのような反意を上奏した。 「民百姓が犯罪の容疑をうけたとき、かれらが自分の無罪を主張できないという理由で誣告をうけるという王のおことばは、納得できません。」金(1984) ハングルの歴史はこの後、更なる憂き目を見ていくこととなる。いずれにせよこのように古い人工言語にとって人工文字或いは人為的に選ばれた文字が持つ役割は大きく、しばしばそこには政治的・経済的・社会的な背景が関与していた。趣味で作る演出型などと違い、のっぴきならない理由がそこにはあった。 東洋は歴史的に見れば概ね中国が中心に位置していた。文明は中国(或いはインド)から主に伝播されるものであった。この結果、中国の国字である漢字と東洋(特に東アジア)の人工文字は大きな関わりを持った。 漢字とは似ても似つかない字形のハングルであるが、これでも水面下では漢字との大きな関与があった。そもそもハングルができたのは国字を持つという朝鮮民族のアイデンティティの問題や上述のような民衆の社会的問題に対処するためである。そしてそれに対する反論も主に当時の宗主国である中国の怒りを恐れたことに起因する。したがって中国及びその国字である漢字と独立してハングルを語ることはできない。つまり人工言語において文字は強い社会的背景を持ち、その背景と切り離せない関係にあるということである。但しエスペラント以降の文字はこのかぎりではない。 文字の持つ背景は社会的なものだけではない。宗教などの文化或いは民族意識を背景とすることもある。そのような論争はかつて日本にもあった。日本はハングルのような国字を新たに作るようなことはなく仮名文字で和語を表していたが、その日本にも文字論争があった。神代文字である。 神代文字は日本古来の漢字に依存しない固有の文字とされ、室町時代には少なくとも神道の間で広まっていた。この是非について国学者の本居宣長らが反論をした。神代文字を巡っての議論は平行線を辿った。結果、この議論は時代を下って持ち越された。明治になると神道が主唱する神代文字は偽造であると国語学者の山田孝雄(よしお)は述べた。 神代文字は現代では一般に言語学の対象よりもむしろ哲学思想の対象としてみなされがちである。この論争の重要な点は、日本は古来から漢字ではない固有の文字を持っていたという主張にある。神代文字自体が重要なのではない。固有の文字を持つことが中国の精神的支配からの脱却であり、日本民族のアイデンティティの確保でもあり、何より神道の思想に沿った。そのことが重要である。この神代文字のように宗教や思想を背景とした文字が確認できる。 また神代文字にはハングルも似たものがある。阿比留(あひる)文字という。ハングルを真似て作ったのではないかと言われているが、逆にハングルがこれを真似て作られたと主張する者もいる。神代文字は近代現代においてもはや神道よりも日韓の国家関係や民族意識を反映している。 神代文字が人工文字だとしたら、人工言語における文字は文化・宗教・哲学思想のみならず、民族意識や果ては国家関係までを背景とするといえる。以上から、人工言語において文字がいかに重要な役割を持っていたかが分かった。人工言語における文字は決して暗号を伝えるためだけの機能物質ではなく、その後ろにある様々な背景を暗示するものである。 金両基(1984)『ハングルの世界』中公新書111pp.